JP6968318B1 - データ処理装置、データ処理方法及びデータ処理プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
このため、シミュレーション機能では、工作機械の動作を可能な限り忠実に再現することが求められる。工作機械の動作を忠実に再現する方法として、CNC機器に実際に搭載されている制御ソフトウェアを使用する方法がある。具体的には、既存の仮想化技術を用いて、制御ソフトウェアを汎用PC(Personal Computer)上で動作させることで、忠実なシミュレーションを実現することができる。
このような実行環境の違いを吸収するために、特許文献1では、仮想化技術を用いてハードウェア処理及びOS処理の変換が必要である。この仮想化技術は、汎用PC上でCNC機器でのハードウェア処理及びOS処理を忠実に再現する。
外部のデータ処理機器である外部データ処理機器とデータ処理の実行環境が異なる、前記外部データ処理機器で実行されるデータ処理である実行データ処理を実行するデータ処理装置であって、
前記実行データ処理に含まれる内部データ処理のうち、前記外部データ処理機器と前記データ処理装置との間の前記実行環境の違いにより前記外部データ処理機器で前記実行データ処理を実行する際には実行が必要であるが前記データ処理装置で前記実行データ処理を実行する際には実行の省略が可能な内部データ処理を、省略可能内部データ処理として抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記省略可能内部データ処理の実行を省略して前記実行データ処理を実行する実行部とを有する。
***構成の説明***
[ハードウェア構成例]
図1は、本実施の形態に係るデータ処理装置10のハードウェア構成例を示す。
データ処理装置10の動作手順は、データ処理方法に相当する。また、データ処理装置10の動作を実現するプログラムは、データ処理プログラムに相当する。
データ処理装置10は、例えば汎用PCである。本実施の形態では、汎用PCであるデータ処理装置10が、CNC機器での工作機械の動作の制御をシミュレートするために、CNC機器で実行される制御ソフトウェアを実行する例を説明する。本実施の形態で説明する例では、CNC機器が外部データ処理機器に相当する。また、工作機械の制御のための制御ソフトウェアが実行データ処理に相当する。
これらハードウェアのうち少なくともプロセッサ11、メモリ12及びストレージ15は、CNC機器のプロセッサ、メモリ及びストレージとは性能、仕様等が異なる。また、データ処理装置10には、CNC機器に搭載されている、アンプとのインタフェース等のハードウェアも搭載されていない。
また、データ処理装置10はOS30を備えるが、OS30もCNC機器のOSとは性能、仕様等が異なる。例えば、CNC機器のOSはリアルタイムOSであるが、データ処理装置10のOS30はリアルタイムOSではない。
このようなハードウェア及びOSの違いにより、データ処理装置10とCNC機器との間で実行環境の違いが生じる。
また、データ処理装置10は、機能構成として、後述するようにシミュレーション実行部20を備える。
ストレージ15には、シミュレーション実行部20の機能を実現するプログラム、OS30及び制御ソフトウェア40が記憶されている。制御ソフトウェア40は、CNC機器で実行される制御ソフトウェアである。制御ソフトウェア40は、実行ファイル(バイナリデータ)の状態でストレージ15に記憶されている。また、制御ソフトウェア40には、複数のAPI(Application Programming Interface)が含まれ、各APIには1つ以上の内部データ処理が含まれる。つまり、制御ソフトウェア40には、複数の内部データ処理が含まれる。
シミュレーション実行部20の機能を実現するプログラム、OS30及び制御ソフトウェア40は、ストレージ15からメモリ12にロードされる。そして、プロセッサ11がこれらを実行する。
また、ストレージ15には、シミュレーション実行部20がAPIの分類に使用する分類リストが記憶されている。
メモリ12には、シミュレーション実行部20が制御ソフトウェア40を実行して生成された解析データを格納するための領域が確保されている。
表示装置13は、制御ソフトウェア40の実行結果として解析データが描画された描画データを表示する。
入力装置14は、データ処理装置10のユーザから指示を受け付ける。入力装置14は、例えば、データ処理装置10のユーザからシミュレーション開始の指示を受け付ける。
図2は、本実施の形態に係るデータ処理装置10の機能構成例を示す。
図3は、差分吸収部23の内部構成例を示す。
API分類部231は、CNC機器のOSが実行するAPIと同じAPIがOS30で管理されている場合に、当該APIを第1のAPIと判別する。第1のAPIに含まれる内部データ処理は実行を省略することができない。
第2のAPIと第3のAPIは、省略可能内部データ処理が含まれているAPIである。省略可能内部データ処理は、CNC機器とデータ処理装置10との間の実行環境の違いによりCNC機器で制御ソフトウェア40を実行する際には実行が必要であるがデータ処理装置10で制御ソフトウェア40を実行する際には実行の省略が可能な内部データ処理である。
第2のAPIに含まれる省略可能内部データ処理は、CNC機器に固有の内部データ処理であるが、データ処理装置10で実行した場合には常にエラー終了又は常に正常終了することが確定している内部データ処理である。
また、第3のAPIに含まれる省略可能内部データ処理は、CNC機器でもデータ処理装置10でも実行される内部処データ処理であるが、データ処理装置10が制御ソフトウェア40を実行する際には実行の省略が可能な内部データ処理である。
API分類部231は抽出部に相当する。また、API分類部231で行われる処理は抽出処理に相当する。
システム固有値処理部233は、第2のAPIを実行する際に、第2のAPIに含まれる省略可能内部データ処理の実行を省略する。
簡易API処理部234は、第3のAPIを実行する際に、第3のAPIに含まれる省略可能内部データ処理の実行を省略する。
省略可能内部データ処理は、例えば、工作機械を物理的に動かすためにアンプへ指示を出して、モータを制御する処理である。CNC機器は、制御ソフトウェア40を解釈してアンプに指令を出し、モータを作動させて工作機械を動かす。データ処理装置10におけるシミュレーションでは、アンプに指令が出たこと、モータにより工作機械が動いていることを表現する描画をシミュレーション描画部21が生成できればよい。このように、シミュレーションでは、CNC機器で工作機械を制御する際に発生する物理的な動作は必要無いため、アンプへ指示を出力する等の内部データ処理を省略することが可能である。
[動作の概要]
図4は、本実施の形態に係るシミュレーション実行部20の動作の概要を示すフローチャートである。
ユーザが入力装置14にシミュレーションの開始を指示すると、シミュレーション描画部21が動作を開始する。
シミュレーション描画部21は、メモリ12上の制御ソフトウェア40の解析データを全て処理し終えていれば、制御ソフトウェア40の実行が完了していると判定する。
制御ソフトウェア40の実行が完了していれば(ステップS10でYES)は、シミュレーション描画部21は処理を終了する。
一方、制御ソフトウェア40の実行が完了していなければ(ステップS10でNO)は、処理がステップS11に進む。
メモリ12上に解析データが存在すれば(ステップS11でYES)、処理がS17に進む。一方、メモリ12上に解析データが存在しなければ(ステップS11でNO)、処理がステップS12に進む。
そして、制御部22は、制御ソフトウェア40の解析の結果、ステップS14で、差分吸収部23を起動する。
そして、差分吸収部23は、ステップS16において、ステップS14の実行結果を示す解析データをメモリ12に格納する。
図5は、差分吸収部23のAPI分類部231の動作例を示すフローチャートである。
また、図6は、制御ソフトウェア40に含まれるAPIの例と、API分類部231の各APIに対する動作例を示す。
(1)名称が全て英数小文字で構成されるAPIは第1のAPIである。
(2)名称に英数小文字以外の要素が含まれるAPIは第2のAPI又は第3のAPIである。第2のAPI又は第3のAPIは、名称が複数の単語を含み、先頭の単語は全て英数小文字で構成され、後続の単語の先頭の文字は英大文字である。
(3)第3のAPIは分類リストに先頭の単語が記載されている。
なお、上記の「英数小文字」とは、英小文字のみ又は英小文字と数字のみを意味する。
分類リストには、第3のAPIの名称の先頭の単語が列記されている。
ここでは、API分類部231は、図6に示すdatacopy41、semaphoreControl42及びncUnitId43の3つのAPIの名称を解析するものとする。
なお、datacopy41は、メモリ12の特定の領域のデータを当該メモリ12の別の領域にコピーするAPIである。
semaphoreControl42は、セマフォによって複数タスクの同時実行を制御し、実行優先度が高いタスクのみに実行許可を与え、それ以外のタスクは実行を待機させるAPIである。
ncUnitId43は、CNC機器に固有に割り振られた識別番号を読み取り、読み取った識別番号を返すAPIである。
具体的には、API分類部231は、ストレージ15に保存された分類リストを参照して、解析対象のAPIが第2のAPIに該当するか否かを判定する。前述したように、分類リストには、第3のAPIの名称の先頭の単語が列記されている。このため、解析対象のAPIの名称の先頭の単語が分類リストに含まれていなければ、解析対象のAPIは第2のAPIに該当する。
一方、解析対象のAPIが第2のAPIでない場合(ステップS23でNO)、すなわち、解析対象のAPIが第3のAPIである場合は、処理がステップS25に進む。
このため、API分類部231がsemaphoreControl42を解析した場合は、処理がステップS24に進む。一方、API分類部231がncUnitId43を解析した場合は、処理がステップS25に進む。
OS30にはsemaphoreControl42に対応するAPIであるsemaphoreControl48が存在するが、API分類部231は、システム固有値処理部233にsemaphoreControl45の実行を指示する。
図8は、図5のステップS22でAPI分類部231から第1のAPIの実行を指示された場合のOS代替処理部232の動作例を示すフローチャートである。
図6の例では、OS代替処理部232は、datacopy47を呼び出す。
図6の例では、システム固有値処理部233は、semaphoreControl45を呼び出す。
図6の例では、簡易API処理部234は、ncUnitId46を呼び出す。
CNC機器では制御ソフトウェア40はリアルタイムOS上で動作している。制御ソフトウェア40の処理のリアルタイム性を保証するために、制御ソフトウェア40内のsemaphoreControl42には、タスク状態確認、タスク起動許可及びタスク起動という3つの内部データ処理が含まれる。semaphoreControl42に対応するsemaphoreControl45でも、図11に示すように、タスク状態確認451、タスク起動許可452及びタスク起動453という3つの内部データ処理が含まれる。
しかし、データ処理装置10でのシミュレーションではリアルタイム性の保証は必要ない。このため、システム固有値処理部233はリアルタイム性を保証するための内部データ処理であるタスク状態確認451及びタスク起動許可452を省略可能と判定する。
この結果、システム固有値処理部233は、タスク起動453のみを実行する。
CNC機器で制御ソフトウェア40が実行されるとncUnitId43の動作として、ハードウェアの状態の確認と、ハードウェアの状態を示すハードウェア値の取得と、取得されたハードウェア値の応答が行われる。このように、制御ソフトウェア40内のncUnitId43には、ハードウェア状態確認、ハードウェア値取得及びハードウェア値応答という3つの内部データ処理が含まれる。ncUnitId43に対応するncUnitId46でも、図11に示すように、ハードウェア状態確認461、ハードウェア値取得462及びハードウェア値応答463という3つの内部データ処理が含まれる。
しかし、データ処理装置10でのシミュレーションでは、ハードウェア状態確認461及びハードウェア値取得462の対象となるハードウェアは存在しない。また、仮に、そのようなハードウェアが存在しても、シミュレーションでは、実際に当該ハードウェアに状態を確認する必要はなく、また、当該ハードウェアからハードウェア値を取得する必要はない。このため、簡易API処理部234はハードウェア状態確認461、ハードウェア値取得462を省略可能と判定する。
この結果、簡易API処理部234は、ハードウェア値応答463のみを実行する。
以上のように、本実施の形態によれば、実行環境の違いから発生するオーバヘッドを削減することができる。そして、オーバヘッドの削減により、シミュレーションの実行速度を改善することができる。
また、差分吸収部23は、CNC機器に搭載されたハードウェアとOSの処理を適切に簡略化したライブラリを持ち、従来方式によるCNC機器のエミュレーション方式と同等の処理の忠実さを保ちつつ、従来方式よりも高速に動作することができる。
最後に、データ処理装置10のハードウェア構成の補足説明を行う。
図1に示すプロセッサ11は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
図1に示すメモリ12は、RAM(Random Access Memory)である。
図1に示すストレージ15は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等である。
図1に示す表示装置13は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイである。
図1に示す入力装置14は、キーボード、マウス等である。
また、シミュレーション描画部21、制御部22及び差分吸収部23の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。そして、シミュレーション描画部21、制御部22及び差分吸収部23の機能を実現するプログラムが格納された可搬記録媒体を流通させてもよい。
また、データ処理装置10は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)である。
この場合は、シミュレーション描画部21、制御部22及び差分吸収部23は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
Claims (6)
- 各々に1つ以上の内部データ処理が含まれる複数のAPI(Application Programming Interface)を実行する外部のデータ処理機器である外部データ処理機器とデータ処理の実行環境が異なる、前記複数のAPIを実行するデータ処理装置であって、
前記複数のAPIの各々の名称に用いられている文字を解析して、前記複数のAPIから、前記外部データ処理機器と前記データ処理装置との間の前記実行環境の違いにより前記外部データ処理機器では実行が必要であるが前記データ処理装置では実行の省略が可能な省略可能内部データ処理が含まれる省略可能APIを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記省略可能APIに含まれる前記省略可能内部データ処理の実行を省略して前記省略可能APIを実行する実行部とを有するデータ処理装置。 - 前記抽出部は、
名称に英数小文字のみが用いられているAPIである第1のAPI以外のAPIを、前記省略可能APIとして抽出する請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記抽出部は、
抽出した前記省略可能APIを、
前記省略可能内部データ処理として、前記データ処理装置で実行した場合には常にエラー終了又は常に正常終了することが確定している内部データ処理が含まれているAPIである第2のAPIと、
前記省略可能内部データ処理として、前記外部データ処理機器でも前記データ処理装置でも実行される内部処データ処理であるが、前記データ処理装置で実行する際には実行の省略が可能な内部データ処理が含まれているAPIである第3のAPIとのいずれかに分類し、
前記実行部は、
前記第2のAPIを実行する第2のAPI実行部と、前記第3のAPIを実行する第3のAPI実行部とを有し、
前記抽出部により抽出された前記省略可能APIが前記第2のAPIである場合に、前記第2のAPI実行部に前記第2のAPIを実行させ、
前記抽出部により抽出された前記省略可能APIが前記第3のAPIである場合に、前記第3のAPI実行部に前記第3のAPIを実行させる請求項2に記載のデータ処理装置。 - 前記抽出部は、
抽出した前記省略可能APIに既定の単語が含まれている場合に、前記省略可能APIを前記第3のAPIに分類し、抽出した前記省略可能APIに前記既定の単語が含まれていない場合に、前記省略可能APIを前記第2のAPIに分類する請求項3に記載のデータ処理装置。 - 各々に1つ以上の内部データ処理が含まれる複数のAPI(Application Programming Interface)を実行する外部のデータ処理機器である外部データ処理機器とデータ処理の実行環境が異なるコンピュータが、前記複数のAPIを実行するデータ処理方法であって、
前記コンピュータが、前記複数のAPIの各々の名称に用いられている文字を解析して、前記複数のAPIから、前記外部データ処理機器と前記コンピュータとの間の前記実行環境の違いにより前記外部データ処理機器では実行が必要であるが前記コンピュータでは実行の省略が可能な省略可能内部データ処理が含まれる省略可能APIを抽出し、
前記コンピュータが、抽出された前記省略可能APIに含まれる前記省略可能内部データ処理の実行を省略して前記省略可能APIを実行するデータ処理方法。 - 各々に1つ以上の内部データ処理が含まれる複数のAPI(Application Programming Interface)を実行する外部のデータ処理機器である外部データ処理機器とデータ処理の実行環境が異なるコンピュータに、前記複数のAPIを実行させるデータ処理プログラムであって、
前記複数のAPIの各々の名称に用いられている文字を解析して、前記複数のAPIから、前記外部データ処理機器と前記コンピュータとの間の前記実行環境の違いにより前記外部データ処理機器では実行が必要であるが前記コンピュータでは実行の省略が可能な省略可能内部データ処理が含まれる省略可能APIを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理により抽出された前記省略可能APIに含まれる前記省略可能内部データ処理の実行を省略して前記省略可能APIを実行する実行処理とを前記コンピュータに実行させるデータ処理プログラム。
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