以下に、本開示の実施の形態にかかる送信データ設定支援プログラム、ゲートウェイ装置および送信データ設定支援方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるゲートウェイ装置を備えるデータ送信システムの構成の一例を示すブロック図である。データ送信システム1は、機器10と、外部装置20と、ゲートウェイ装置30と、を備える。機器10とゲートウェイ装置30とは、有線または無線の各種のネットワークまたは通信線を介して接続され、ゲートウェイ装置30と外部装置20とは、インターネットなどのネットワーク60を介して接続される。ネットワーク60は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
機器10は、工場の製造ライン、個々の装置、プラント、オフィスビル等の現場に設置される。機器10の一例は、PLC、センサ、インバータまたはロボットである。
外部装置20は、機器10から収集したデータを用いて機器10の状態の分析またはモニタを行う。外部装置20の一例は、サーバ、機器10を管理する装置、または機器10を管理するアプリケーションもしくはサービスである。外部装置20がサーバである場合には、サーバは、クラウドサーバでもよいし、オンプレミス型のサーバでもよい。
ゲートウェイ装置30は、機器10からデータを収集し、収集したデータの中から予め定められた設定にしたがってデータを外部装置20に送信する装置である。また、ゲートウェイ装置30は、収集したデータを用いて演算を行うこともある。ゲートウェイ装置30は、入力部31と、表示部32と、管理データ情報記憶部33と、データ収集部34と、収集データ一時記憶部35と、保存データ記憶部36と、送信データ抽出ルール記憶部37と、データ処理設定生成部38と、データ送信設定情報記憶部39と、データ送信部40と、を備える。
入力部31は、ユーザによる情報の入力を受け付ける。後述するように、入力部31は、ユーザによる送信データ抽出ルールの入力、またはデータ送信設定情報の内容の入力を受け付ける。
表示部32は、ゲートウェイ装置30内で生成される情報を表示する。一例では、表示部32は、後述するデータ処理設定生成部38によって生成されるデータ送信設定情報を表示する。
管理データ情報記憶部33は、ゲートウェイ装置30で管理するデータである管理データについての情報である管理データ情報を記憶する。管理データ情報は、ゲートウェイ装置30がデータを収集し、管理するときのゲートウェイ装置30の設定を含む。管理データ情報は、機器10から収集するデータについての情報を含むが、これ以外にも、ゲートウェイ装置30内で定義されるデータまたは演算されるデータについての情報を含んでいてもよい。つまり、管理データ情報は、機器10から収集するデータである収集データを収集するときのゲートウェイ装置30の設定を含むデータ収集設定情報と、ゲートウェイ装置30内で定義されたデータである定義データについて設定された定義データ設定情報と、収集データおよび定義データを用いた演算について設定された演算設定情報と、についての情報を含む。
図2は、実施の形態1による管理データ情報の一例を示す図である。管理データ情報330は、少なくともデータ名を有するレコードを含む。1つのレコードは、複数のフィールドから構成される。フィールドの名称がフィールド名である。図2の例では、レコードは、番号と、データ名と、接続先機器と、アドレスと、データ型と、収集周期と、コメントと、がフィールド名である。また、レコードは、番号と、データ名と、接続先機器と、アドレスと、データ型と、収集周期と、コメントと、をフィールドとして持つデータの集合体である。
番号は、管理データ情報330に含まれるレコードに付される識別情報である。データ名は、ゲートウェイ装置30で管理するデータに付された名称である。接続先機器は、データ名で示されるデータの収集先の機器10を示す。収集先の機器10は、ゲートウェイ装置30にネットワークまたは通信線を介して接続されている。アドレスは、データ名で示されるデータが記憶されている収集先の機器10のメモリ内の位置を示す。データ型は、データ名で示されるデータの種類を示す。データ型の一例は、整数型を示す「int」、実数型を示す「float」およびブール代数型を示す「bool」である。収集周期は、データ名で示されるデータを収集する周期を示す。コメントは、データ名で示されるデータについて付されるコメントである。一例では、ユーザによって入力された内容が反映される。
なお、図2に示される管理データ情報330は一例であり、上記したフィールド以外の他のフィールドを含むものであってもよい。一例では、収集したデータを保存するか否かを示すフィールド、保存する場合の保存先を示すフィールド、データ名で示されるデータのPLCまたはゲートウェイ装置30におけるCPU(Central Processing Unit)およびメモリの使用率を示すフィールド等を管理データ情報330が含んでいてもよい。
図2の例では、番号が「1」から「4」、「6」から「9」であるレコードがデータ収集設定情報に対応する。また、番号が「5」、「10」であるレコードが定義データ設定情報または演算設定情報に対応する。なお、図2では、データ収集設定情報が、定義データ設定情報または演算設定情報とまとめられ、管理データ情報330に内包された形式である場合を示したが、データ収集設定情報が、定義データ設定情報または演算設定情報と別々に存在する形式であってもよい。管理データ情報330およびデータ収集設定情報は、データの特徴を示す属性情報を含む。属性情報は、管理または収集するデータを特定する情報、管理または収集するデータの扱いを示す情報を含む。データの名称、格納場所、データ型、データがどのように生成、収集、更新されるのかについての情報、データの使用場所および使用目的が、属性情報の一例である。図2では、番号を除いて、データの属性情報をフィールドとして示したものである。
図1に戻り、データ収集部34は、管理データ情報記憶部33のデータ収集設定情報に基づいて機器10からデータを収集し、収集データを収集データ一時記憶部35に記憶する。また、データ収集部34は、データ収集設定情報でデータの保存が設定されている収集データ一時記憶部35中の収集データを保存データ記憶部36に保存する。なお、データ収集部34はOPC(Object Linking and Embedding for Process Control)サーバなど別の収集装置を経由して機器10からデータを取得してもよい。この場合、データ収集設定情報は、上記別の収集装置の設定を参照する形式であってもよい。
収集データ一時記憶部35は、データ収集部34によって収集された収集データを一時的に記憶する。
保存データ記憶部36は、収集データ一時記憶部35中の収集データのうち、データ収集設定情報で設定された収集データをファイルとして記憶する。
送信データ抽出ルール記憶部37は、機器10から収集した収集データの中から外部装置20に送信するデータである送信データを抽出する条件をデータの特徴を示す属性情報を用いて規定したルールである送信データ抽出ルールを記憶する。送信データ抽出ルールは、一例では、ユーザによって入力部31を介して入力される。
図3は、実施の形態1による送信データ抽出ルールの一例を示す図である。なお、図3の例では、理解の容易のため、ルールを文章で表示している。送信データ抽出ルール370は、送信データを抽出する条件を示す内容を有するレコードを含む。1つのレコードは、複数のフィールドから構成される。フィールドの名称がフィールド名である。図3の例では、番号と、内容と、がフィールド名である。また、レコードは、番号と、内容と、をフィールドとして持つデータの集合体である。番号は、送信データ抽出ルール370に含まれるレコードに付される識別情報である。内容は、収集データのうち送信データとして抽出する条件を規定したものである。
内容に規定される条件は、データ収集設定情報または管理データ情報330において、データに紐付く属性情報を用いて表現される。具体的には、内容は、一例では、データ収集設定情報のフィールド名と、フィールドの値と、を用いて表現される。つまり、内容は、データ収集設定情報の属性情報と、属性情報の値と、を用いた条件を含む。一例では、条件に使用される属性情報は、データ収集設定情報または管理データ情報330の中のデータのデータ名、データ型、接続先機器、アドレスおよびコメントのうち少なくとも1つの情報である。
図1に戻り、データ処理設定生成部38は、データ収集設定情報の中から、送信データ抽出ルール370に該当するデータを送信データとして抽出する。データ処理設定生成部38は、送信データの外部装置20への送信条件を含むデータ送信設定情報に、抽出したデータを含むレコードを追加する。データ処理設定生成部38は、抽出したデータを含むレコード追加したデータ送信設定情報を表示部32に表示する。具体的には、データ処理設定生成部38は、送信データ抽出ルール370を読み込み、送信データ抽出ルール370を満たすデータに対応するレコードをデータ収集設定情報中の新規レコードの中から抽出する。データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報記憶部39のデータ送信設定情報に、抽出したレコードに対応するレコードを追加する。データ処理設定生成部38は、レコードが追加されたデータ送信設定情報を表示部32に表示し、ユーザによってデータ送信設定情報に入力された内容をデータ送信設定情報に反映させる。
図4は、実施の形態1によるデータ送信設定情報の一例を示す図である。図4に示されるデータ送信設定情報390は、送信データについての送信条件を含むレコードを含む。1つのレコードは、複数のフィールドから構成される。フィールドの名称がフィールド名である。図4の例では、番号と、データ名と、送信周期と、コメントと、送信先と、がフィールド名である。また、レコードは、番号と、データ名と、送信周期と、コメントと、送信先と、をフィールドとして持つデータの集合体である。
番号は、データ送信設定情報390に含まれるレコードに付される識別情報である。データ名は、送信データとして抽出された収集データのデータ名であり、図2の管理データ情報330に含まれるデータ収集設定情報中のデータ名が使用される。送信周期は、データ名で示されるデータの外部装置20へ送信する周期を示す。コメントは、データ名で示されるデータのコメントであり、図2の管理データ情報330に含まれるデータ収集設定情報中のコメントが使用される。送信先は、データ名で示されるデータの送信先である外部装置20を示す。
一例では、データ処理設定生成部38は、データ収集設定情報から抽出したレコードからデータ名およびコメントを取得し、取得したデータ名およびコメントを登録し、送信周期および送信先について空欄としたレコードをデータ送信設定情報390に追加する。複数のレコードを抽出した場合には、すべてのレコードについて同様の処理を行う。そして、データ処理設定生成部38は、図4に示されるようなデータ送信設定情報390を表示部32に表示する。つまり、データ処理設定生成部38は、送信データのデータ名をデータ送信設定情報390に追加し、データ名が追加されたデータ送信設定情報390を表示部32に表示する処理を行う。
ユーザは、図4に示されるデータ送信設定情報390が表示部32に表示されると、各レコードの送信周期および送信先を入力部31から入力し、データ送信設定情報390を完成させる。図5は、実施の形態1によるデータ送信設定情報の一例を示す図である。図5には、図4の場合に比較して、送信周期および送信先が入力された状態が示されている。送信周期および送信先のフィールドへの入力は、ユーザによる直接入力であってもよいし、予め設定されたリストから選択する形式であってもよい。また、データ送信設定情報390について1つの送信周期および1つの送信先のみが設定されるようにしてもよい。この場合には、ユーザは、送信周期および送信先について1回のみ入力すればよいことになる。ユーザによる入力が完成すると、データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報記憶部39に記憶されているデータ送信設定情報390を、ユーザによって入力された内容にしたがって更新する。
図4に示されるフィールド名を有するデータ送信設定情報390の場合には、データ処理設定生成部38は、少なくともデータ名およびコメントをデータ収集設定情報から抽出したデータの内容で埋めたデータ送信設定情報390のレコードを生成すればよい。また、データ処理設定生成部38は、送信周期および送信先に、予め定められたデフォルト値を設定したレコードを生成してもよい。一例では、データ処理設定生成部38は、送信データとしてデータ収集設定情報から抽出したレコードのうち最も遅い収集周期を、送信周期と設定してもよい。また、データ処理設定生成部38は、送信周期を設定する際に、データ送信設定情報390に登録するレコードに対応するデータ収集設定情報から抽出したレコードの収集周期を取得し、取得した収集周期以上の値を送信周期のデフォルト値として設定してもよい。あるいは、データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報390の過去のレコードにおける送信周期の設定値を参考に送信周期を決定してもよい。一例では、データ処理設定生成部38は、過去のレコードの送信周期を新たに追加するレコードの送信周期のデフォルト値とすることができる。また、送信先についても、予め定められたデフォルト値としてもよいし、データ送信設定情報390の過去のレコードにおける送信先の設定値を参考に決定してもよい。このようにすることで、データ処理設定生成部38は、図5に示されるようなデータ送信設定情報390を表示部32に表示することができる。この場合にも、表示されたデータ送信設定情報390の内容をユーザが入力部31を介して編集することは可能である。また、この場合には、ユーザによるデータ送信設定情報390への入力の手間を大幅に省くことができる。
図1に戻り、データ送信設定情報記憶部39は、データ処理設定生成部38によってレコードが追加されたデータ送信設定情報390を記憶する。データ送信設定情報390は、図5に示されるように、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを外部装置20に送信する際の、データ名、送信周期および送信先を含む送信条件を規定した情報である。
データ送信部40は、データ送信設定情報390に基づいて、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを送信データとして外部装置20に送信する。
つぎに、このような構成のゲートウェイ装置30における送信データ設定支援方法について説明する。図6は、実施の形態1による送信データ設定支援方法の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、ユーザによって、収集データの属性情報を用いて、送信データ抽出ルール370が作成され、送信データ抽出ルール記憶部37に記憶さているものとする。
まず、データ処理設定生成部38は、送信データ抽出ルール370を送信データ抽出ルール記憶部37から読み込む(ステップS11)。ついで、データ処理設定生成部38は、管理データ情報330中の新規レコードを対象に、送信データ抽出ルール370に定義された条件に従うレコードを抽出する(ステップS12)。その後、データ処理設定生成部38は、抽出したレコードのデータ名を、データ名のフィールドに登録した新たなレコードをデータ送信設定情報390に追加する(ステップS13)。ついで、データ処理設定生成部38は、新たなレコードを追加したデータ送信設定情報390を表示部32に表示する(ステップS14)。なお、図4のデータ送信設定情報390の場合には、データ処理設定生成部38は、抽出したレコードのコメントを、新たなレコードのコメントのフィールドに登録する。
その後、ユーザは、表示部32に表示されたデータ送信設定情報390の内容を編集する。一例では、送信周期、送信先を設定する。これによって、データ送信設定情報390に必要な内容が入力される。ユーザは、編集が終了するとデータ送信設定情報390の登録を指示する。データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報390の登録の指示を受けると、データ送信設定情報記憶部39に記憶されているデータ送信設定情報390を更新する(ステップS15)。つまり、データ処理設定生成部38は、ユーザによって編集された内容を、データ送信設定情報記憶部39に記憶されているデータ送信設定情報390に反映させる。以上によって、送信データ設定支援方法が終了する。
ここで、送信データ設定支援方法の具体例について説明する。図3の送信データ抽出ルール370の番号が「1」に規定される条件にしたがってデータ送信設定情報390を生成する場合を例に挙げる。図3の送信データ抽出ルール370の番号が「1」に規定される条件は、「データ収集設定情報のデータ名に“生産数”を含む」となっている。データ処理設定生成部38は、図2の管理データ情報330において、データ名に「生産数」を含むレコードとして、番号が「1」、「2」、「6」および「7」のレコードを抽出する。ついで、データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報390のデータ名およびコメントの欄に、抽出したレコードのデータ名およびコメントを登録する。この結果、図4に示されるように、番号が「1」から「4」のレコードが登録されることになる。図3に規定されるその他の条件についても同様である。ただし、データ処理設定生成部38は、既にデータ送信設定情報390に登録されたレコードと同じデータ名を有するレコードについては、登録を行わない。そして、データ処理設定生成部38は、データ名およびコメントを登録した図4に示されるようなデータ送信設定情報390を表示部32に表示する。
つぎに、ゲートウェイ装置30のデータ送信処理の概要について説明する。データ収集部34は、データ収集設定情報に基づいて、機器10からデータを収集し、収集した収集データを収集データ一時記憶部35に記憶する。データ収集部34は、収集データをファイルとして保存する設定がデータ収集設定情報になされている場合には、収集データをファイルとして保存データ記憶部36に記憶する。その後、データ送信部40は、図6の手順によって生成されたデータ送信設定情報記憶部39中のデータ送信設定情報390に基づいて、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを外部装置20へ送信する。すなわち、データ送信設定情報390に設定されている送信周期と送信先とを参照して、収集データを設定された送信先の外部装置20に設定された送信周期で送信する。
なお、上記した説明では、データ収集設定情報に含まれるデータの属性情報を用いて送信データ抽出ルール370を生成する場合を説明したが、収集対象のPLCのクロスリファレンス情報に含まれるデータの属性情報を用いてもよい。クロスリファレンス情報は、データと、このデータの使用箇所とを示す情報であり、具体的には、データと、データが使用され、機器10であるPLCで実行されるプログラムと、の関係を含む情報である。
クロスリファレンス情報は、エンジニアリングツールがインストールされているコンピュータシステムをPLCに接続することによって、エンジニアリングツールで生成される。なお、クロスリファレンス情報をメモリカードのような携帯可能な不揮発性記憶媒体に記憶させて、携帯可能な不揮発性記憶媒体をゲートウェイ装置30に装着することによって、データ処理設定生成部38は、クロスリファレンス情報を参照することが可能となる。あるいは、ゲートウェイ装置30がクロスリファレンス情報を格納したコンピュータシステムとネットワーク60経由で通信可能な構成とすることによって、データ処理設定生成部38は、コンピュータシステム内のクロスリファレンス情報を参照することが可能となる。
図7は、実施の形態1によるクロスリファレンス情報の一例を示す図である。クロスリファレンス情報335は、PLCで使用されるデータがPLCで実行されるどのプログラムで使用されているかを示すレコードを含む。1つのレコードは、複数のフィールドから構成される。フィールドの名称がフィールド名である。図7の例では、番号と、データ名と、アドレスと、データ型と、コメントと、参照先と、がフィールド名である。また、レコードは、番号と、データ名と、アドレスと、データ型と、コメントと、参照先と、をフィールドとして持つデータの集合体である。
番号は、クロスリファレンス情報335に含まれるデータに付される識別情報である。データ名は、収集対象のPLCで使用されるデータの名称である。アドレスは、データ名で示されるデータが記憶されているPLCのメモリ内の位置を示す。データ型は、データ名で示されるデータの種類を示す。コメントは、データ名で示されるデータについて付されるコメントである。参照先は、データ名で示されるデータが使用されるプログラム名を示す。
クロスリファレンス情報335に含まれる属性情報を用いてデータ送信設定情報390を生成する具体例を説明する。図8は、実施の形態1による送信データ抽出ルールの他の例を示す図である。図8では、内容に「PLCの「設備モニタプログラムA」で使用されるデータ」という条件が入力された、番号が「4」のレコードが、図3の送信データ抽出ルール370に追加されている。
この場合には、データ処理設定生成部38は、図7のクロスリファレンス情報335において、参照先に「設備Aモニタプログラム」を含むレコードとして、番号が「1」、「2」、「3」および「5」のレコードを抽出する。ついで、データ処理設定生成部38は、図7から抽出したレコードのうち、データ収集設定情報または図2の管理データ情報330に含まれるデータ名を有するレコードを抽出する。この場合、図7から抽出したレコードのデータ名は、「生産数A」、「目標生産数A」、「停止信号A」および「サイクルタイムA」となる。これらのデータ名は、すべて図2の管理データ情報330に含まれる。このため、データ処理設定生成部38は、これらのレコードのデータ名およびコメントをデータ送信設定情報390への登録候補とする。しかし、図4のデータ送信設定情報390の番号が「1」、「2」、「5」および「6」のレコードに既に同じデータが登録されているため、これらのデータは登録されない。
実施の形態1では、データ処理設定生成部38は、ユーザによって設定された送信データ抽出ルール370を満たすレコードを、データ収集設定情報またはこれに加えてクロスリファレンス情報335から取得し、取得したレコードのデータ名を登録したレコードをデータ送信設定情報390に追加する。そして、データ処理設定生成部38は、レコードを追加したデータ送信設定情報390を表示部32に表示する。これによって、従来では、どのデータを外部に送信するのかについてユーザが1つ1つのデータについて判断し、設定していた手間を軽減することができる。つまり、ゲートウェイ装置30において外部装置20に送信するデータを設定するデータ送信設定情報390のユーザによる生成を支援することができる。
また、データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報390中の送信周期を、抽出されたレコードのうち最も遅い収集周期としてもよい。さらに、データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報390中の収集周期および送信先を、過去に登録されたレコードに設定されている収集周期および送信先としてもよい。これによって、ユーザによるデータ送信設定情報390を設定する手間をさらに軽減することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、データの収集周期、保存期間等のデータのロギング設定に関する情報を用いて送信データ抽出ルール370を作成する場合を例に挙げる。
実施の形態2によるデータ送信システム1およびゲートウェイ装置30の構成は、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。ただし、実施の形態2のゲートウェイ装置30では、管理データ情報330またはデータ収集設定情報は、ゲートウェイ装置30が管理し、収集するデータの属性情報として、ロギング設定に関する情報を含む。ロギング設定に関する情報は、データの収集周期、保存期間等である。
図9は、実施の形態2による管理データ情報の一例を示す図である。管理データ情報330のレコードは、番号と、データ名と、接続先機器と、アドレスと、データ型と、収集周期と、保存期間と、コメントと、をフィールドとして持つデータの集合体である。図9の例では、番号と、データ名と、接続先機器と、アドレスと、データ型と、収集周期と、保存期間と、コメントと、がフィールド名となる。なお、実施の形態1の図2と同一の項目については、説明を省略する。収集周期は、データ名で示されるデータを収集する周期である。保存期間は、データ名で示されるデータを保存する期間である。収集周期および保存期間がロギング設定に関する情報となる。
また、送信データ抽出ルール370には、実施の形態1で説明した属性情報のほかに、ロギング設定に関する情報を使用することができる。一例では、条件に使用される属性情報は、データ収集設定情報または管理データ情報330の中のデータの収集周期および保存期間のうち少なくとも1つの情報である。
図10は、実施の形態2による送信データ抽出ルールの一例を示す図である。なお、図3と同一の部分については、説明を省略する。この例では、番号が「1」のレコードの内容に「保存期間が30日以上のデータ」という条件が格納されている。外部装置20がクラウドサーバである場合には、クラウドサーバではデータを2つのデータセンタで保存するなどして、トラブルまたは災害に備える対策が講じられていることが多い。このため、長期間保存するデータは、クラウドサーバに格納される場合がある。また、このことから、長期間保存するデータは、重要なデータであると判断することができる。収集周期が予め定められた期間よりも長いデータも、同様に重要なデータであると考えられる。そこで、ユーザは、保存期間または収集周期が予め定められた期間よりも長い場合に、データを外部装置20に送るという判断基準で、送信データ抽出ルール370を作成することができる。予め定められた期間は、機器10の構成などに応じてユーザによって任意に定められる。
なお、予め定められた期間よりも長い期間の保存期間のデータを保存する条件が送信データ抽出ルール370に設定されている場合には、データ処理設定生成部38は、データ名およびコメントをデータ送信設定情報390に登録するレコードの送信先のデフォルト値にクラウドサーバを設定してもよい。
つぎに、実施の形態2でのデータ送信設定情報390を生成する具体例を説明する。まず、データ処理設定生成部38は、図10の送信データ抽出ルール370の「保存期間が30日以上のデータ」という条件を読み込む。ついで、データ処理設定生成部38は、図9の管理データ情報330から、読み込んだ条件に合致するレコードを抽出する。この場合、データ処理設定生成部38は、保存期間が「30日」となっている番号が「2」のレコードを抽出する。そして、データ処理設定生成部38は、抽出したレコードからデータ名とコメントとを取得し、データ送信設定情報390の新たに追加するレコードのデータ名およびコメントに登録する。そして、追加したレコードを含むデータ送信設定情報390を表示部32に表示する。
実施の形態2では、ロギング設定に含まれる情報を用いて作成された送信データ抽出ルール370に従って、データ収集設定情報からレコードを抽出し、データ送信設定情報390に抽出したレコードの内容を含む新たなレコードを追加した。保存期間または収集周期が長いデータは、通常、重要なデータである場合が多いので、ユーザは、データ収集設定情報のデータの属性情報のうち、ロギング設定に関する保存期間または収集周期を用いて、外部装置20に送信する送信データを選択することができる。つまり、ロギング設定に関する情報を用いて送信データ抽出ルール370を規定することで、ユーザが収集データの中から送信データを抽出する手間を実施の形態1の場合に比してさらに低減することができる。この結果、効率的に送信データ抽出ルール370を作成する環境をユーザに提供することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、データ送信設定情報390に登録された過去のレコードを学習し、データ収集設定情報またはクロスリファレンス情報335からデータ送信設定情報390のレコード、より具体的にはデータ名を生成することができるゲートウェイ装置について説明する。
図11は、実施の形態3によるゲートウェイ装置を備えるデータ送信システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、以下では、実施の形態1の図1と異なる部分について説明を行い、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。ゲートウェイ装置30Aは、学習装置41と、推論装置42と、をさらに備える。
図12は、実施の形態3による学習装置の構成の一例を示すブロック図である。学習装置41は、データ取得部411と、モデル生成部412と、学習済モデル記憶部413と、を備える。
データ取得部411は、管理データ情報記憶部33に記憶されているデータ収集設定情報と、データ送信設定情報記憶部39に記憶されているデータ送信設定情報390と、を学習用データとして取得する。データ送信設定情報390は、過去に登録されたレコードである。データ収集設定情報ではなく、管理データ情報330を学習用データとして取得してもよい。
ここで、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390において、データ名に共通項があり、正規表現等で汎用化できる場合には、データの前処理として汎用化処理を適用してもよい。例えば、データ名に、「設備A稼働率」、「設備B稼働率」および「装置B稼働率」が存在する場合に、「*」を任意の文字列を表すものと定めると、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390におけるデータ名の「設備A稼働率」、「設備B稼働率」および「装置B稼働率」は「*稼働率」とまとめられる。
モデル生成部412は、データ取得部411から出力されるデータ収集設定情報およびデータ送信設定情報390の組合せに基づいて作成される学習用データに基づいて、データ送信設定情報390に登録される送信データの候補を学習する。すなわち、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390から最適な送信データの候補を推論する学習済モデルを生成する。ここで、学習用データは、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390を互いに関連付けたデータである。
モデル生成部412が用いる学習アルゴリズムは教師あり学習、教師なし学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。モデル生成部412は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、データ送信設定情報390を学習する。ここで、教師あり学習とは、入力と結果(ラベル)のデータの組を学習装置41に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、および複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層または2層以上でもよい。
図13は、実施の形態3で用いられるニューラルネットワークの一例を模式的に示す図である。例えば、図13に示されるような3層のニューラルネットワークであれば、ニューラルネットワークは、3個のニューロンX1,X2,X3を有する入力層と、2個のニューロンY1,Y2を有する中間層と、3個のニューロンZ1,Z2,Z3を有する出力層と、から構成される。入力層のニューロンX1,X2,X3は、中間層のニューロンY1,Y2と接続されており、中間層のニューロンY1,Y2は、出力層のニューロンZ1,Z2,Z3と接続されている。なお、図13では、中間層が1層である例を示したが、2層以上の中間層を設けてもよい。
複数の入力が入力層のニューロンX1,X2,X3に入力されると、その値に重みw11〜w16が掛けられて中間層のニューロンY1,Y2に入力され、この結果にさらに重みw21〜w26が掛けられて出力層のニューロンZ1〜Z3から出力される。この出力結果は、重みw11〜w16,w21〜w26の値によって変わる。
実施の形態3において、ニューラルネットワークは、データ取得部411によって取得されるデータ収集設定情報およびデータ送信設定情報390の組合せに基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師あり学習により、送信データの候補を学習する。
すなわち、ニューラルネットワークは、入力層にデータ収集設定情報を入力して出力層から出力された結果が、正解であるデータ送信設定情報390のレコードに近づくように重みw11〜w16,w21〜w22を調整することで学習する。
モデル生成部412は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、出力する。
学習済モデル記憶部413は、モデル生成部412から出力された学習済モデルを記憶する。
次に、学習装置41の学習処理について説明する。図14は、実施の形態3による学習装置での学習処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部411は、管理データ情報記憶部33からデータ収集設定情報を取得し、データ送信設定情報記憶部39からデータ送信設定情報390を取得する(ステップS31)。なお、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390を同時に取得するものとしたが、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390を関連づけて入力できればよく、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390のデータをそれぞれ別のタイミングで取得してもよい。
ついで、モデル生成部412は、データ取得部411によって取得されるデータ収集設定情報およびデータ送信設定情報390の組合せに基づいて作成される学習用データに従って、いわゆる教師あり学習により、送信データの候補を学習し、学習済モデルを生成する(ステップS32)。
その後、モデル生成部412は、生成した学習済モデルを学習済モデル記憶部413に記憶する(ステップS33)。以上で、学習処理が終了する。
図15は、実施の形態3による推論装置の構成の一例を示すブロック図である。推論装置42は、データ取得部421と、推論部422と、を備える。
データ取得部421は、管理データ情報記憶部33からデータ収集設定情報を取得する。
推論部422は、学習済モデルを利用して得られる送信データの候補を推論する。すなわち、この学習済モデルにデータ取得部421で取得したデータ収集設定情報を入力することで、データ収集設定情報から推論される送信データの候補を出力することができる。
なお、実施の形態3では、ゲートウェイ装置30Aのモデル生成部412で学習した学習済モデルを用いて送信データの候補を出力するものとして説明したが、他のゲートウェイ装置30A等の外部から学習済モデルを取得し、この学習済モデルに基づいて送信データの候補を出力するようにしてもよい。
次に、推論装置42の推論処理について説明する。図16は、実施の形態3によるゲートウェイ装置での推論処理およびデータ送信処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、データ取得部421は、管理データ情報記憶部33からデータ収集設定情報を取得する(ステップS51)。
ついで、推論部422は、学習済モデル記憶部413に記憶された学習済モデルにデータ収集設定情報を入力し、送信データの候補を得る(ステップS52)。
その後、推論部422は、学習済モデルにより得られた送信データの候補をゲートウェイ装置30Aに出力する(ステップS53)。一例では、送信データの候補は、ゲートウェイ装置30Aのデータ送信設定情報記憶部39に出力され、データ送信設定情報390のレコードとして追加される。
ついで、ゲートウェイ装置30Aは、出力された送信データの候補を含むデータ送信設定情報390を用いて、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを外部装置20に送信する(ステップS54)。これにより、ゲートウェイ装置30Aが収集し、管理しているデータ収集設定情報から、外部装置20に送信するデータのリストであるデータ送信設定情報390のレコードを自動生成することができる。以上で、推論処理およびデータ送信処理が終了する。
なお、実施の形態3では、モデル生成部412が用いる学習アルゴリズムに教師あり学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師あり学習以外にも、強化学習、教師なし学習、半教師あり学習等を適用することも可能である。
また、モデル生成部412は、複数のゲートウェイ装置30Aに対して作成される学習用データに従って、送信データの候補を学習するようにしてもよい。なお、モデル生成部412は、同一のエリアで使用される複数のゲートウェイ装置30Aから学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数のゲートウェイ装置30Aから収集される学習用データを利用して送信データの候補を学習してもよい。また、学習用データを収集するゲートウェイ装置30Aを途中で対象に追加したり、対象から除去したりすることも可能である。さらに、あるゲートウェイ装置30Aに関して送信データの候補を学習した学習装置41を、これとは別のゲートウェイ装置30Aに適用し、当該別のゲートウェイ装置30Aに関して送信データの候補を再学習して更新するようにしてもよい。
また、モデル生成部412に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシンなどに従って機械学習を実行してもよい。
さらに、学習装置41は、送信データの候補を学習するために使用され、推論装置42は、送信データの候補を推論するために使用される。図11の例では、学習装置41および推論装置42は、ゲートウェイ装置30Aに内蔵されている例を示しているが、例えば、ネットワーク60を介してゲートウェイ装置30Aに接続され、このゲートウェイ装置30Aとは別個の装置であってもよい。また、学習装置41および推論装置42は、クラウドサーバ上に存在していてもよい。
以上のように、ゲートウェイ装置30Aに学習装置41を設けることで、データ送信設定情報390の過去のレコードの頻出ランクを作成したり、共通項を抽出したりすることで、学習済モデルが生成される。また、データ収集設定情報およびデータ送信設定情報390のセットから抽出率を算出して、抽出率が高いものをデータとするような学習済モデルが生成されてもよい。なお、推論装置42によって推論された結果である送信データの候補が、表示部32に表示されるようにしてもよい。このようにすることで、推論された送信データの候補の内容がユーザの意向に沿うものでない場合に、ユーザが入力部31を介して削除することができる。
実施の形態3では、ゲートウェイ装置30Aは、データ収集設定情報と、既に生成されたデータ送信設定情報390と、をデータセットとして、送信データの候補を出力する学習済モデルを生成する学習装置41を備える。また、ゲートウェイ装置30Aは、生成された学習済モデルにデータ収集設定情報を入力して得られる結果から送信データの候補を推論する推論装置42を備える。これによって、送信データの候補に基づいたデータ送信設定情報390の新たなレコードが自動生成される。すなわち、ユーザによるデータ送信設定情報390を作成するのにかかる手間を、実施の形態1の場合に比してさらに低減することができる。特に、ユーザが送信データ抽出ルール370を作成しなくてもよいので、データ送信設定情報390を作成する工程数を削減することができる。
実施の形態4.
実施の形態1では、データ収集部34で収集された収集データの中から外部装置20に送信する送信データを抽出するデータ送信設定情報390が生成される場合を示した。ゲートウェイ装置30では、収集データを用いて演算を行うことも可能であり、演算の結果得られるデータである演算データも送信データの対象となることがある。実施の形態4では、送信データに収集データだけでなく演算データを含む場合のデータ送信設定情報390の生成を支援することができるゲートウェイ装置を含むデータ送信システムおよび送信データ設定支援方法を説明する。
図17は、実施の形態4によるゲートウェイ装置を備えるデータ送信システムの構成の一例を示すブロック図である。以下では、実施の形態1の図1と異なる部分について説明を行い、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。ゲートウェイ装置30Bは、演算データ生成ルール記憶部43と、データ演算設定情報記憶部44と、データ演算部45と、をさらに備える。
演算データ生成ルール記憶部43は、外部装置20に送信する送信データの演算を定義したルールである演算データ生成ルールを記憶する。演算データ生成ルールは、収集データおよびゲートウェイ装置30で管理するデータの少なくとも一方を用いて演算したデータである演算データを外部装置20に送信する場合に、演算データの演算内容を規定したものである。すなわち、演算データ生成ルールは、ゲートウェイ装置30B内で演算を行い、演算を行った結果である演算データを外部装置20に送信する送信データとする場合に定義される。演算データ生成ルールは、一例では、ユーザによって入力部31を介して入力される。
図18は、実施の形態4による演算データ生成ルールの一例を示す図である。なお、図18の例では、理解の容易のため、ルールを文章で表示している。演算データ生成ルール430は、管理データ情報330に含まれるデータを用いて行う演算を定義する内容を有するレコードを含む。1つのレコードは、複数のフィールドから構成される。フィールドの名称がフィールド名である。図18の例では、番号と、内容と、がフィールド名である。また、レコードは、番号と、内容と、をフィールドとして持つデータの集合体である。番号は、演算データ生成ルール430に含まれるレコードに付される識別情報である。内容は、管理データ情報330に含まれるデータ名を用いた演算を定義したものである。内容は、一例では、管理データ情報330のデータ名を用いて表現される。
図17に戻り、データ演算設定情報記憶部44は、演算式とデータ名との関係が規定されるデータ演算設定情報を記憶する。演算式は、管理データ情報330の中のデータを用いて、演算データ生成ルール430の内容にしたがって、データ処理設定生成部38によって生成されたデータである。データ名は、演算式に付されるデータ名である。図19は、実施の形態4によるデータ演算設定情報の一例を示す図である。データ演算設定情報440は、ゲートウェイ装置30Bで行われる演算の内容を有するレコードを含む。1つのレコードは、複数のフィールドから構成される。フィールドの名称がフィールド名である。図19の例では、番号と、演算内容と、演算結果と、がフィールド名である。また、レコードは、番号と、演算内容と、演算結果と、をフィールドとして持つデータの集合体である。
番号は、データ演算設定情報440に含まれるレコードに付される識別情報である。演算内容は、演算データ生成ルール430の内容を、管理データ情報330のデータ名を用いた演算式で表したものである。演算結果は、演算内容の演算式の結果得られる値に付されるデータ名である。このように、データ演算設定情報440は、ゲートウェイ装置30B内で使用される演算を定義した情報である。演算の一例は、平均、合計、最大および最小の他、進捗率などのKPI(Key Performance Indicator)指標である。
図17に戻り、データ演算部45は、データ演算設定情報記憶部44のデータ演算設定情報440に基づいて、演算を行い、演算の結果得られる値を演算データとして収集データ一時記憶部35に記憶する。データ演算部45は、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを用いて演算を行う。
データ処理設定生成部38は、実施の形態1の機能に加えて、管理データ情報330の中のデータを用いて、演算データ生成ルール430に従って生成した演算式と、演算式に付されるデータ名である演算結果と、を含むレコードを、データ演算設定情報440に追加する機能を有する。データ処理設定生成部38は、生成したデータ演算設定情報440をデータ演算設定情報記憶部44に記憶する機能を有する。また、データ処理設定生成部38は、データ演算設定情報440に含まれる演算結果をデータ名として含むレコードを、管理データ情報記憶部33の管理データ情報330およびデータ送信設定情報記憶部39のデータ送信設定情報390に追加し、追加したレコードを含むデータ送信設定情報390を表示部32に表示する機能を有する。
図20は、実施の形態4による管理データ情報の一例を示す図である。管理データ情報330の構成は、図2と同様であるので、説明を省略する。図20では、図2の管理データ情報330に、番号が「11」、「12」のレコードが追加されている。番号が「11」、「12」のレコードは、データ処理設定生成部38によって生成された図19のデータ演算設定情報440の演算結果をデータ名としたものである。これらのレコードのデータ型は、データ演算設定で定義される演算式で使用される収集データのデータ型と、演算子と、からデータ処理設定生成部38によって決定される。一例では、整数型のデータの割り算の場合、データ型は実数型となるなどの情報が予め定められており、この情報に基づいて、データ型を決定することができる。また、データ処理設定生成部38は、上記のレコードの収集周期について、データ演算設定で定義される演算式で使用される収集データの収集周期を用いることができる。
図21は、実施の形態4によるデータ送信設定情報の一例を示す図である。データ送信設定情報390の構成は、図5と同様であるので、説明を省略する。図21では、図5のデータ送信設定情報390に、番号が「9」、「10」のレコードが追加されている。番号が「9」、「10」のレコードは、データ処理設定生成部38によって生成された図19のデータ演算設定情報440の演算結果をデータ名としたものである。
つぎに、このような構成のゲートウェイ装置30Bにおける送信データ設定支援方法について説明する。図22は、実施の形態4による送信データ設定支援方法の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、ユーザによって、管理データ情報330のデータ名を用いて、演算データ生成ルール430が作成され、演算データ生成ルール記憶部43に記憶さているものとする。また、外部装置20に送信する送信データが収集データを用いて演算を行う演算データである場合を例に挙げる。
まず、データ処理設定生成部38は、演算データ生成ルール430を演算データ生成ルール記憶部43から読み込む(ステップS71)。ついで、データ処理設定生成部38は、演算データ生成ルール430に基づいて、管理データ情報330中のデータ名を用いて作成した演算式を演算内容とし、演算式の結果を演算結果としたレコードをデータ演算設定情報440に追加する(ステップS72)。データ処理設定生成部38は、データ演算設定情報440に追加したレコードの演算結果をデータ名としたレコードを、管理データ情報330およびデータ送信設定情報390に追加する(ステップS73)。
ついで、データ処理設定生成部38は、追加したレコードを含むデータ送信設定情報390を表示部32に表示する(ステップS74)。その後、ユーザは、表示部32に表示されたデータ送信設定情報390の内容を必要に応じて編集する。一例では、不要な演算結果を削除したり、送信周期および送信先を設定したりする。これによって、データ送信設定情報390に必要な内容が入力される。ユーザは、編集が終了するとデータ送信設定情報390の登録の指示を行う。データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報390の登録の指示を受けると、データ送信設定情報記憶部39に記憶されているデータ送信設定情報390を更新する(ステップS75)。以上によって、送信データ設定支援方法が終了する。
ここで、送信データ設定支援方法の具体例について説明する。図18の演算データ生成ルール430の番号が「1」に規定される条件にしたがってデータ演算設定情報440を生成する場合を例に挙げる。図18の演算データ生成ルール430の番号が「1」で規定される内容は、「データ名(“生産数”+記号)のデータを(“目標生産数”+記号)で除算し、結果をデータ名(“進捗率”+記号)とする」となっている。データ処理設定生成部38は、図2の管理データ情報330を参照して、この内容にしたがった演算内容を生成する。例えば、データ処理設定生成部38は、図2の管理データ情報330から、データ名が「生産数A」である番号が「1」のレコードと、データ名が「目標生産数A」である番号が「2」のレコードと、データ名が「生産数B」である番号が「6」のレコードと、データ名が「目標生産数B」である番号が「7」のレコードと、を抽出する。
ついで、データ処理設定生成部38は、演算データ生成ルール430の番号「1」の内容にしたがって、演算内容として「生産数A÷目標生産数A」という演算式を生成し、これに「進捗率A」という演算結果を付する。同様に、データ処理設定生成部38は、演算内容として「生産数B÷目標生産数B」という演算式を生成し、これに「進捗率B」という演算結果を付する。そして、データ処理設定生成部38は、生成した演算式と演算結果との組み合わせをレコードとしてデータ演算設定情報440に登録する。この結果、図19に示されるようなデータ演算設定情報440が得られる。
また、データ処理設定生成部38は、演算式に付した演算結果をデータ名としたレコードを管理データ情報330に追加する。この結果、図20に示されるように、管理データ情報330には、データ名が「進捗率A」である番号が「11」のレコードが追加され、データ名が「進捗率B」である番号が「12」のレコードが追加される。さらに、データ処理設定生成部38は、演算式に付した演算結果をデータ名としたレコードをデータ送信設定情報390にも追加する。この結果、図21に示されるように、データ送信設定情報390には、データ名が「進捗率A」である番号が「9」のレコードが追加され、データ名が「進捗率B」である番号が「10」のレコードが追加される。
その後、データ処理設定生成部38は、レコードが追加されたデータ送信設定情報390を表示部32に表示する。ユーザは、必要な場合にデータ送信設定情報390を編集する。そして、ユーザによってデータ送信設定情報390の登録の指示がなされると、データ処理設定生成部38は、データ送信設定情報記憶部39のデータ送信設定情報390の内容を更新する。
つぎに、ゲートウェイ装置30Bのデータ送信処理の概要について説明する。なお、収集データの外部装置20への送信については、実施の形態1で説明したので、ここでは、演算データの送信処理の概要について説明する。
データ収集部34は、データ収集設定情報に基づいて、機器10からデータを収集し、収集した収集データを収集データ一時記憶部35に記憶する。データ収集部34は、収集データをファイルとして保存する設定がデータ収集設定情報になされている場合には、収集データをファイルとして保存データ記憶部36に記憶する。
その後、データ演算部45は、データ演算設定情報440に基づいて、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを用いて演算を行い、演算結果である演算データを収集データ一時記憶部35に記憶する。なお、データ演算部45は、演算データをファイルとして保存する設定が管理データ情報330になされている場合には、演算データをファイルとして保存データ記憶部36に記憶する。データ送信部40は、データ送信設定情報390に基づいて、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている演算データを外部装置20へ送信する。
実施の形態4では、データ処理設定生成部38は、演算データ生成ルール430に基づいて管理データ情報330中のデータ名を用いた演算式を作成し、演算式に演算結果を対応付けたレコードをデータ演算設定情報440に追加する。また、データ処理設定生成部38は、演算式に付した演算結果をデータ名とするレコードを管理データ情報330と、データ送信設定情報390と、に追加する。データ演算部45は、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶されている収集データを用いて、データ演算設定情報440に基づいて演算を行い、演算の結果として得られる演算データを収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶する。そして、データ送信部40は、データ送信設定情報390に基づいて、収集データ一時記憶部35または保存データ記憶部36に記憶された演算データを送信データとして外部装置20に送信する。これによって、ユーザは演算データ生成ルール430を生成するだけで、ゲートウェイ装置30Bで演算した結果である演算データを外部装置20に送信することができる。
つまり、従来では、データ演算設定情報440への演算式および演算結果の登録と、データ送信設定情報390への演算式に付した演算結果に対応するデータ名の登録と、をユーザが行わなければならなかった。しかし、実施の形態4では、ユーザが演算データ生成ルール430を生成するだけで、これらの処理をゲートウェイ装置30Bが自動で実行するので、ユーザによる演算データを外部装置20に送信するための設定に要する工数を削減することができるという効果を有する。
ここで、ゲートウェイ装置30,30A,30Bのハードウェア構成について説明する。実施の形態1から4によるゲートウェイ装置30,30A,30Bは、具体的にはコンピュータシステムにより実現される。図23は、実施の形態1から4によるゲートウェイ装置を実現するコンピュータシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。図23に示されるように、このコンピュータシステム100は、制御部101と、入力部102と、記憶部103と、表示部104と、通信部105と、出力部106と、を備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図23において、制御部101は、例えば、CPU等である。制御部101は、実施の形態1から4の送信データ設定支援方法が記述された送信データ設定支援プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステム100のユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリと、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などのストレージデバイスと、を含み、制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータなどを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、液晶表示パネルなどで構成され、コンピュータシステム100のユーザに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する通信回路などである。通信部105は、複数の通信方式にそれぞれ対応する複数の通信回路で構成されていてもよい。出力部106は、プリンタ、外部記憶装置などの外部の装置へデータを出力する出力インタフェースである。なお、図23は、一例であり、コンピュータシステム100の構成は図23の例に限定されない。
ここで、実施の形態1から4による送信データ設定支援プログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステム100の動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステム100には、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)−ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブにセットされたCD−ROMまたはDVD−ROMから、送信データ設定支援プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、送信データ設定支援プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された送信データ設定支援プログラムが記憶部103の主記憶装置となる領域に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納された送信データ設定支援プログラムに従って、実施の形態1から4のゲートウェイ装置30,30A,30Bにおける送信データ設定支援処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD−ROMまたはDVD−ROMを記録媒体として、送信データ設定支援プログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステム100の構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図1、図11および図17に示したデータ収集部34、データ処理設定生成部38、データ送信部40およびデータ演算部45は、図23の制御部101により実現される。図1、図11および図17に示した管理データ情報記憶部33、収集データ一時記憶部35、保存データ記憶部36、送信データ抽出ルール記憶部37、データ送信設定情報記憶部39、演算データ生成ルール記憶部43およびデータ演算設定情報記憶部44は、図23に示した記憶部103の一部である。図1、図11および図17に示した入力部31は、図23に示した入力部102により実現され、図1、図11および図17に示した表示部32は、図23に示した表示部104により実現される。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。