以下、上記図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
なお、以下の説明における「役決定処理」とは予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為(役抽選ともいう)を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が選出された遊技において成立することが許容される1または複数の遊技役(以下「成立許容役」、「当選役」等と称する)を規定するものである。
また、「遊技役が成立する」及び「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、選出された役決定結果番号に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役等の入賞役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、所定の停止態様(例えば、後述の有効ライン上に並ぶ態様)で表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作(手入れする操作)と、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の清算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー(「スタートスイッチ」ともいう)25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、以下の説明において、遊技メダルの「払出数」とは、1回の遊技において払い出される予定の遊技メダル数を意味する。また、遊技メダルを払い出すという行為には、遊技メダルを実際にスロットマシンから外部に払い出すという行為(以下、適宜「実払出し」と称する)と、スロットマシン内に貯留される遊技メダルとして、電磁気的に記憶される数値を増加させるという行為(以下、適宜「貯留加算払出し」と称する)とがある。
また、以下の説明において、遊技メダルの「獲得総数」とは、所定期間(任意に設定可)における、払い出された遊技メダルの総数と、ベットされた遊技メダルの総数との差数を意味する。ただし、所定期間において払い出された遊技メダルの総数を、ここでいう獲得総数とすることも可能である。
また、以下の説明において「フリーズ」とは、遊技の進行に係る所定の制御処理の実行が一定の時間遅延される状態のことをいう。本実施形態では、後述するBB作動中においてRB作動(RB遊技)が終了するごとに、このフリーズとして後述のRB作動終了時待機時間が設定される。フリーズが設定されている間は、遊技者による遊技操作が有効に受け付けられない状態となる。
《第1実施形態》
以下、第1実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について、図1〜11を参照しながら説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上記上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
上記中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1−BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX−BETスイッチ23、ベットされた遊技メダル、および/または、クレジットされた遊技メダルを払い出すための清算スイッチ24、全リール3a,3b,3cを回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が設けられている。
上記メダル投入口21の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー50に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ48(図2参照)が設けられている。このブロッカ48は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48がON状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ48がOFF状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、上記ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、上記ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ28a及び投入メダルセンサ28bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ28aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ28bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。また、3つの投入メダルセンサ28a,28b,28cが所定の順序(28a,28c,28bの順序)とは異なる順序で遊技メダルの通過を検出した場合や一部の投入メダルセンサで遊技メダルの通過が検出されない場合は、遊技メダルが逆流するなどの異常通過が起きたことを意味する。
上記表示窓Wは、3個のリール3a〜3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール3aの下段、リール3bの中段及びリール3cの上段の図柄表示領域を右上りに結ぶ入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン29上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無が判定されるように構成されている。以下、有効化された入賞ライン29のことを、適宜「有効ライン29」と称する。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BETスイッチ表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び払出数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60(主制御手段100)により制御されるように構成されている。
MAX−BETスイッチ表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、上記中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46b(以下「BETランプ46b」とも称する)は、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚以上の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bAと、2枚以上の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ46bCとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、例えば、後述のATが設定された場合に点灯され、終了した場合に消灯されるものであり、回数表示ランプ46gは、ATが設定されたときに、後述のATゲーム数の初期値(「50」)を表示するとともに、その後毎遊技、ATゲーム数の表示値を1ずつ減数し(後述のBB作動中は除く)、ATゲーム数の上乗せ数が決定されたときにはその上乗せ数を加算して表示するものである。貯留枚数表示ランプ46h(以下「CREランプ46h」とも称する)は、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものであり、払出数表示ランプ46j(以下「WINランプ46j」とも称する)は、後述の小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものである。
また、このWINランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、ホッパー50の中の遊技メダルが空になるホッパーエンプティエラー、本来の払出タイミングではないタイミングで遊技メダルが払い出される遊技メダル払出エラー、メダル投入口21の内部に遊技メダルが詰まる遊技メダル滞留エラー、メダル投入口21とは異なる位置から遊技メダルが侵入するなど、本来の順路とは異なる方向へ遊技メダルが進む遊技メダル異常通過エラー、ホッパー50の中の遊技メダルが満杯となる補助収納庫満杯エラー、予め定められた位置にリール3a,3b,3cが停止しない回胴停止エラー、予め定められた数値範囲外の設定値となる設定値エラー等がある。
さらに、このWINランプ46jは、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を示す、後述の押し順番号を表示する機能も有している。以下、押し順番号を表示する際のWINランプ46jのことを、適宜「メイン側押し順表示器」と称する。
上記下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
上記受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられており、この遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44b(図2参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、遊技の結果、所定の賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すためのホッパー50(図2参照)が設けられており、このホッパー50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51(図2参照)が設けられている。また、このホッパー50は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する機能を有している。さらに、ホッパー50の近傍位置には、ホッパー50から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫85(図2参照)が設けられるとともに、この補助収納庫85が満杯状態(助収納庫85から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部86(図2参照)が設けられている。
<リール>
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35c(図2参照)の駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄(図3参照)が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38c(図2参照)が配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる入賞ライン上に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入することによりベットするか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、複数の入賞ラインのうち入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する非RT、RT1〜RT5の各遊技状態の何れにおいても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT状態に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインを変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、後述する役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間が経過したことを確認した後、各リール3a〜3cが回転を開始し、リール3a〜3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a〜3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a〜26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成されている。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
本実施形態では、スロットマシン1を制御する主な制御基板として図2に示すように、主制御基板60、サブメイン制御基板70A、及びサブサブ制御基板70Bの3つの制御基板を備えている(サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bを総称して副制御基板70と称する)。遊技の進行に係る主たる制御(リール3a〜3cの駆動制御や役決定処理等を含む)が主制御基板60上に配設された制御回路により行われ、バックランプ38a〜38c等のランプによる照明制御等は、サブメイン制御基板70A上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、画像表示装置11による演出画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御は、主に、サブサブ制御基板70B上に配設された制御回路により行われるように構成されている。さらに、主制御基板60と副制御基板70との間の情報伝達は、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aへの一方向のみ行うことが可能となっており、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bとの間の情報伝達は、双方向で行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM62と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM63とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。なお、上記ROM62及びRAM63は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
上記メインCPU61には、駆動パルスを発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生した駆動パルスを分周するための分周器65、役決定処理(役抽選)等に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、及び乱数発生器66で発生した乱数をサンプリングして抽選を行うためのサンプリング回路67が接続されている。クロックパルス発生器64及び分周器65は、メインCPU61に対し、所定の時間毎に割込みを発生させるためのインターバルタイマとしても機能するように構成されている。メインCPU61は、このインターバルタイマからのパルス(クロック信号)に応じて、所定の割込処理を実行したり、設定した各種タイマの計時データの更新やリセットを行ったりするようになっている。また、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36a、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52及び副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37c、払出検出信号回路53及び収納状態信号回路87からの信号を受信するように構成されている。
ここで、モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたリールセンサ(図示せず)からの各検出信号に基づき、リール3a,3b,3cの回転位置をそれぞれ検出する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bはリール3b、検出回路37cはリール3cに対応する)。また、ホッパー駆動回路52は、小役等の入賞役が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出検出信号回路53は、ホッパー50から遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出検出信号を送信する回路である。さらに、収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯状態であるか否かを示す収納状態信号を、上記満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60に送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82及び設定鍵型スイッチ83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入及び電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1において所定のエラーが発生した場合に、エラーの原因が取り除かれてエラーが解消された際に遊技店員等により操作されるスイッチである。このリセットスイッチ82が操作されることにより、主制御基板60及び副制御基板70において記憶されたエラー発生の情報がクリアされ、それに伴いエラー解消時の処理が主制御基板60及び副制御基板70において実行される。また、設定鍵型スイッチ83は、役決定確率(遊技役の当選確率)等の設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、役決定確率等の設定を、例えば6段階で変更するためのスイッチである。
前扉2が開いた状態(以下「ドア開状態」と称する)で、かつスロットマシン1に電源が供給されている状態(電源スイッチ81がON状態)において設定鍵型スイッチ83がON状態に操作されることにより、設定確認が可能となる。また、ドア開状態であり、かつスロットマシン1に電源が供給されていない状態(電源スイッチ81がOFF状態)において設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作される(スロットマシン1に電源が投入される)ことにより、設定変更が可能となる。なお、設定鍵型スイッチ83は、所定の鍵部材(設定キー)を、本体側に設けられた所定の錠部材に差し込んで回動させることにより、ON状態とOFF状態が切り替えられるようになっている。また、設定確認及び設定変更は、遊技実行中の状態(遊技メダルがベットされている状態(自動ベットされた場合を含む)や、リールが回転している状態)では実行することができず、遊技待機中の状態でのみ実行することが可能となっている。
電源装置80からの電力は、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに供給され、さらにサブメイン制御基板70Aを介してサブサブ制御基板70Bに供給されるようになっている(電源装置80から直接、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bに電力を供給するようにしてもよい)。電源装置80から主制御基板60に電力を供給する回路上と、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに電力を供給する回路上には、電圧の供給状態を監視する供給電圧監視回路(図示略)がそれぞれ設けられている。各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値まで低下したときに電源断と判定し電源断検出信号をメインCPU61、後述のサブメインCPU71に出力するようになっている。また、各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値(電源断判定のための電圧値とは異なる値(例えば、高い値)とするが、同じ値としてもよい)まで復帰したときに電源投入と判定し電源投入検出信号をメインCPU61、サブメインCPU71に出力するようになっている。なお、主制御基板60の電源断を検出するときの電圧値は、サブメイン制御基板70Aの電源断を検出するときの電圧値よりも高い値に設定され、サブメイン制御基板70Aよりも先に主制御基板60が、電源断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を行うように構成されている(電源投入に関しても同様としてもよい)。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているかまたはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b,28c、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23及び清算スイッチ24からの各信号が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。なお、以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を、適宜「ブロッカ信号」と称する。さらに、図示は省略しているが、スロットマシン1には、前扉2の開閉状態を検出するドアセンサが設けられており、このドアセンサからの信号が、インターフェイス回路68を介してメインCPU61に入力されるようになっている。メインCPU61は、ドアセンサからの信号により、前扉2が閉じた状態(以下「ドア閉状態」と称する)であるか開いた状態(ドア開状態)であるかを判断するようになっている。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、所定の遊技状態(例えば、後述のATやボーナス遊技状態)となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外部接続用端子基板等を介して所定の信号(以下、適宜「外端信号」と称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、サブメイン制御基板70Aには、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU71と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM72と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における画像演出や音声演出の管理に関する制御、ランプ演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、上記ROM72及びRAM73は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。また、サブメインCPU71には、不図示のクロックパルス発生器及び分周器が接続されており、このクロックパルス発生器及び分周器は、サブメインCPU71に対し、所定の時間毎に割込みを発生させるためのインターバルタイマとしても機能するように構成されている。サブメインCPU71は、このインターバルタイマからのパルス(クロック信号)に応じて、所定の割込処理を実行したり、設定した各種タイマの計時データの更新やリセットを行ったりするようになっている。
上記サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信し、ランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ここで、ランプ制御回路18は、バックランプ38a〜38c等のランプの点灯を制御する回路である。
また、サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、サブサブ制御基板70Bに各種信号を送信するとともに、サブサブ制御基板70Bから各種信号を受信するように構成されている。以下、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aに送信される信号を「制御コマンド」と称し、サブメイン制御基板70Aからサブサブ制御基板70Bに送信される信号を「演出コマンド」と称する。また、サブサブ制御基板70Bからサブメイン制御基板70Aに送信される信号を「状態コマンド」と称する。
サブサブ制御基板70Bには、主に画像演出及び音声演出の制御に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU75と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM76と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM77とが配設されており、ROM76に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、画像演出や音声演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、上記ROM76及びRAM77は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
上記サブサブCPU75は、インターフェイス回路78を介して、サブメイン制御基板70Aからの報知信号または演出信号を受信し、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17に対し信号を送信するとともに、サブメイン制御基板70Aに状態信号を送信するように構成されている。表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路である。なお、画像表示装置11は、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を表示する押し表示器(以下、適宜「サブ側押し順表示器」と称する)としても機能するように構成されている。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a〜3cが表示する図柄が、図3に示すように配置されている(図3中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a,3b及び3cをそれぞれ表す)。すなわち、各リール3a〜3cには、「キャラクタ」、「セブン」、「バー」、「チェリー」、「スイカA」、「スイカB」、「ベル」、「リプレイA」、「リプレイB」及び「ブランク」の10種類の図柄が所定数ずつ配置されている。なお「ブランク」とは、遊技役を構成しない任意の図柄であることを示すことがあるが、本実施形態ではこれらを、遊技役を構成する図柄として設定している。以下、リール3a,3b及び3cのことを、それぞれ、左リール、中リール及び右リールと称することがある。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図4〜7に示すように、1つの特別役(BB役)と、再遊技役1〜13の13個の再遊技役と、小役1〜24の24個の小役との計38個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するための図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出数等は、図4〜7に示すように設定されている。
BB役(BBはビッグボーナスの略)は、その対応図柄「キャラクタ・キャラクタ・キャラクタ」(遊技役を構成する図柄の名称は、リール3a,3b,3cの順番で記す。以下において同じ)が有効ライン29上に停止表示された際には、遊技メダルは払い出されず、次の遊技から、後述のRT状態がRT5(BB中)に設定されるとともに、そこでボーナス遊技(BB遊技)が開始されることを示す遊技役となっている。BB役の成立により開始されるBB遊技は、450超(数値は適宜変更可)の遊技メダルが払い出されたことにより終了する。また、このBB遊技中においては、内部的にRB遊技(RBはレギュラーボーナスの略)が連続的に実行されるようになっている(このBB遊技中のRB遊技については後述する)。
なお、本実施形態では、特別役としてBB役のみを設けているが、別の特別役として、RB役やMB役(MBはミドルボーナスの略)を設けるようにしてもよい。そして、RB役が成立すると次遊技からボーナス遊技としてのRB遊技(上述のBB遊技中のRB遊技とは異なりBB遊技とは別に行われるRB遊技)を開始するように設定し、MB役が成立すると次遊技からボーナス遊技としてのMB遊技を開始するように設定してもよい。この場合のRB遊技は、例えば、小役が所定回数(例えば、8回)成立したこと、または所定回数(例えば、12回)の遊技が終了したことにより終了するようにし、MB遊技は、例えば、所定数(例えば、200超)の遊技メダルが払い出されたことにより終了するようにしてもよい。また、複数の特別役を設けるようにしてもよい。
再遊技役1〜13は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく次の遊技を行うことが許可される遊技役(再遊技役)として設けられている。再遊技役1,2は、後述のRT状態の移行契機等として設定されておらず、また再遊技役の中で最も成立する機会の多い役(特に再遊技役1)となっている。このことから、再遊技役1,2のことを、適宜「通常RP」(RPはリプレイの略)と称する。
図3に示す図柄配置に示すように、再遊技役1を構成する、左リール上における図柄「ベル/スイカB」(「/」は「または」の意)、中リール上の図柄「リプレイA」及び右リール上の図柄「ベル」は、各リール上において5図柄以内毎に配置されている。これにより、再遊技役1が当選した場合、その対応図柄「ベル/スイカB・リプレイA・ベル」は、各リール回転停止操作(ストップスイッチ26a,26b,26cの各操作)の実行タイミング(有効に受付けられたタイミング。以下において同じ)に拘わらず、有効ライン29上に停止表示させる(以下、適宜「引き込む」と称する)ことが可能となっている。この再遊技役1のように、各ストップスイッチの操作タイミングに拘わらず、その対応図柄(複数組ある場合にはそのうちの何れか)を有効ライン29上に引き込むことが可能な役を、以下、便宜的に「100%引込み可能な遊技役」と称する。
再遊技役3,4は、成立すること(対応図柄が有効ライ29上に停止表示されること)が、後述のRT1状態への移行条件とされている。また、再遊技役5はその成立が後述のRT2状態への移行条件とされ、再遊技役6はその成立が後述のRT3状態への移行条件とされている。このことから、再遊技役3,4、5及び6のことを、それぞれ、適宜「RT1移行RP」、「RT2移行RP」及び「RT3移行RP」と称する。
再遊技役7,8は、後述の遊技モード0において当選役に選出されること(後述の役決定結果番号15〜19が選出されること)が、後述のAT抽選の実行契機に設定されている。また、再遊技役7の成立時には、表示窓W内の中中段(中段中央)の表示領域に、図柄「チェリー」が停止表示される(右下段または右中段の表示領域においてもストップスイッチ26aの操作タイミングによっては「チェリー」が停止表示される)ようになっており、再遊技役8の成立時には、表示窓W内の右下段の表示領域に、図柄「チェリー」が停止表示される(中上段の表示領域においてもストップスイッチ26bの操作タイミングによっては「チェリー」が停止表示される)ようになっている。このことから、再遊技役7,8のことを、適宜「チェリーRP」と称する。
再遊技役9は、後述の遊技モード0において当選役に選出されること(後述の役決定結果番号20〜22が選出されること)が、後述のAT抽選の実行契機に設定されており、この再遊技役9のことを、適宜「チャンスRP」と称する。再遊技役10〜13は、当選役に選出されることはあっても成立することはない、制御上の必要性により設定された遊技役であり、再遊技役10〜13のことを、適宜「制御RP」と称する。なお、再遊技役2〜7,9は、再遊技役1と同様、100%引込み可能な遊技役である。
小役1〜3は、成立時に9枚の遊技メダルが払い出されるように構成された入賞役であり、小役1〜3のことを総称して適宜「9枚小役」と称する。図3に示す図柄配置から明らかなように、小役1の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の各下段の表示領域に、図柄「ベル」が横並びに停止表示される。また、小役2が成立すると、表示窓W内の各中段の表示領域に、図柄「ベル」が横並びに停止表示される。さらに、小役3の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の各上段の表示領域に、図柄「ベル」が横並びに停止表示される。このような成立時の図柄の停止態様から、小役1,2,3のことをそれぞれ、適宜「下段ベル」、「中段ベル」、「上段ベル」と称する。
小役4〜8は、成立時に1枚の遊技メダルが払い出されるように構成された入賞役であり、小役9〜23は、成立時に3枚の遊技メダルが払い出されるように構成された入賞役である。このことから、、小役4〜8のことを総称して適宜「1枚小役」、小役9〜23のことを総称して適宜「3枚小役」と称する。また、小役24は、後述のBB中のみ、当選役に選出される入賞役となっており(図7(A)中の払出枚数の欄中の「−」は当選しない(当選役ではない)ことを意味する)、適宜「特殊小役」と称する。
図3に示す図柄配置から明らかなように、小役21の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の各中段の表示領域に、図柄「スイカA/B」が横並びに停止表示される。また、小役22が成立すると、図柄「スイカA/B」が表示窓W内において右上りに並んで停止表示される。さらに、小役23の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の各下段の表示領域に、図柄「スイカA/B」が横並びに停止表示される。このような成立時の図柄の停止態様から、小役21〜23のことを総称して適宜「スイカ小役」と称する。一方、小役1〜20のことを総称して適宜「ベル小役」と称する。なお、小役1〜6は、100%引込み可能な遊技役となっている。
また、本実施形態では、図7(B)に示すように、特定図柄01,02,03が設定されている。これらは、遊技役の対応図柄ではなく、後述の入賞E1〜E6が選出された際に、ストップスイッチの押し順と操作タイミングによって所定の小役を成立させることができなかった場合に、その取りこぼし目として有効ライン29上に停止表示されるようになっている。また、特定図柄01,02,03は、有効ライン29上に停止表示されることが、後述のRT1状態への移行条件とされている。
<役決定結果番号選出確率>
図8〜11には、役決定処理において選出される役決定結果番号と、それに対応する名称や当選役、当選確率等との対応関係を示している。なお、選出確率(「当選確率」とも称する)は、遊技店員等により設定される上述の設定値に応じて複数設定されるようになっている。図示した選出確率の値は、そのうちの或る設定値に対応したものを例示したものである。
図8〜11(A)には、役決定結果番号0〜51までの52個の再遊技役・入賞役用の役決定結果番号が設定されており、図11(B)には、1個の特別役用の役決定結果番号(役決定結果番号1)が設定されている。以下、前者の役決定結果番号を「入賞・RPの役決定結果番号」と称し、後者の役決定結果番号を「役物の役決定結果番号」と称することがある。
各役決定結果番号には、図示するように、各々の遊技役が当選役として対応付けられている。例えば、入賞・RPの役決定結果番号1には再遊技役1,2が重複当選役として対応付けられ、役決定結果番号15には再遊技役7が単独当選役として対応付けられ、役物の役決定結果番号1にはBB役が単独当選役として対応付けられているという具合である。なお、入賞・RPの役決定結果番号0は、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応付けられている。また、各役決定結果番号に対応する名称は、各役決定結果番号を区別し易くするために便宜的に付したものである。
各役決定結果番号が選出される確率は、図示するように、後述するRT状態(非RT、RT1〜RT5)別に設定されている。選出確率の数値は、乱数発生器66により生成される乱数列の全数値範囲(例えば、十進数で65536)に対する、各役決定結果番号に割り当てられた数値範囲の割合を示している。例えば、役決定結果番号12(名称:再遊技D1、当選役:再遊技役1〜4)が選出される確率は、RT3中では「1/7.2」、その他のRT状態(非RT,RT1,RT2,RT4,RT5)中においては「0」(選出されない)という具合である(確率値は概算値であり適宜変更可)。
入賞・RPの役決定結果番号1(再遊技A)が選出された場合には、各ストップスイッチの操作順(押し順)に拘わらず、必ず再遊技役1を成立させるリール停止制御が行われるようになっている。このため、入賞・RPの役決定結果番号1(再遊技A)のことを、適宜「押し順不問RP」と称する。
役決定結果番号2〜6(再遊技B1〜B5)は、RT1でのみ選出され、選出された場合には、ストップスイッチの操作タイミングには関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であればRT2移行RPである再遊技役5を必ず成立させ、他の押し順であれば通常RPである再遊技役1または2を必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。なお、役抽選テーブルの備考欄に記載している「左」、「中」、「右」は、ストップスイッチ26a,26b,26cを意味しており、その並び順はその操作順(押し順)を意味している。例えば、「左右中」はストップスイッチを26a,26c,26bの順序で操作する押し順を表し、「中第一」はストップスイッチ26bを1番目に操作する押し順(2番目以降の押し順は不問)を表すという具合である。以下、役決定結果番号2〜6(再遊技B1〜B5)においては、便宜的に、再遊技役5(RT2移行RP)が成立する押し順を「正解押し順」、再遊技役1,2(通常RP)が成立する押し順を「不正解押し順」と称する。
役決定結果番号7〜11(再遊技C1〜C5)は、RT2でのみ選出され、選出された場合には、ストップスイッチの操作タイミングには関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であればRT3移行RPである再遊技役6を必ず成立させ、他の押し順であればRT1移行RPである再遊技役3または4を必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。以下、役決定結果番号7〜11(再遊技C1〜C5)においては、便宜的に、再遊技役6(RT3移行RP)が成立する押し順を「正解押し順」、再遊技役3,4(RT1移行RP)が成立する押し順を「不正解押し順」と称する。
役決定結果番号12〜14(再遊技D1〜D3)は、RT3でのみ選出され、選出された場合には、ストップスイッチの操作タイミングには関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であれば通常RPである再遊技役1または2(通常RP)を必ず成立させ、他の押し順であればRT1移行RPである再遊技役3または4を必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。以下、役決定結果番号12〜13(再遊技D1〜D3)においては、便宜的に、再遊技役1,2(通常RP)が成立する押し順を「正解押し順」、再遊技役3,4(RT1移行RP)が成立する押し順を「不正解押し順」と称する。また、役決定結果番号2〜14のことを総称して、適宜「押し順RT移行RP」と称する。
役決定結果番号15,16(再遊技E,F)は、RT1、RT2またはRT3で選出される。役決定結果番号15(再遊技E)が選出された場合には、各ストップスイッチの押し順や操作タイミングに拘わらず、チェリーRPである再遊技役7を必ず成立させ、役決定結果番号16(再遊技F)が選出された場合には、各ストップスイッチの押し順や操作タイミングに拘わらず、チェリーRPである再遊技役7または8を必ず成立させる(最初にストップスイッチ26aが操作され、左リールにおいて図柄「チェリー」が下段の表示領域に停止表示された場合には再遊技役8を成立させる)リール停止制御が行われる。以下、役決定結果番号15,16のことをそれぞれ、適宜「弱チェリー」、「強チェリー」と称する。
役決定結果番号17〜19(再遊技G1〜G3)は、RT3でのみ選出され、選出された場合には、ストップスイッチの操作タイミングには関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であればチェリーRPである再遊技役7を必ず成立させ、他の押し順であれば通常RPである再遊技役1または2を必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。以下、役決定結果番号17〜19(再遊技G1〜G3)のことを総称して、適宜「押し順チェリーRP」と称する。
役決定結果番号20〜22(再遊技H1〜H3)は、RT3でのみ選出され、選出された場合には、ストップスイッチの操作タイミングには関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であればチャンスRPである再遊技役9を必ず成立させ、他の押し順であれば通常RPである再遊技役1または2を必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。以下、役決定結果番号20〜22(再遊技H1〜H3)のことを総称して、適宜「押し順チャンスRP」と称し、役決定結果番号2〜14(押し順RT移行RP)と、役決定結果番号17〜19(押し順チェリーRP)と、役決定結果番号20〜22(押し順チャンスRP)のことを総称して、適宜「押し順RP」と称する。なお、役決定結果番号15〜22は、後述の遊技モード0において選出されることが、後述のAT抽選の実行契機に設定されており、役決定結果番号17〜22は、後述の遊技モード3において選出されることが、AT抽選の実行契機に設定されている。
役決定結果番号23〜40(入賞A1〜A6,B1〜B6,C1〜C6)はRT5以外の各RT状態で選出され、選出された場合には、ストップスイッチの操作タイミングには関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であれば9枚小役である小役1〜3の何れか(当選役に含まれるもの)を必ず成立させ、他の押し順であれば1枚小役である小役4〜8の何れかを必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。以下、役決定結果番号31〜40においては、便宜的に、小役1〜3(9枚小役)の何れかが成立する押し順を「正解押し順」、小役4〜8(1枚小役)の何れかが成立する押し順を「不正解押し順」と称する。また、役決定結果番号23〜40のことを総称して、適宜「6択押し順ベル」と称する。なお、役決定結果番号23〜28(入賞A1〜A6)は、後述の遊技モード3において選出されることが、後述の押し順当てゲーム抽選の実行契機に設定されている。
本実施形態では、有効ラインが1ラインであり、上記6択押し順ベルが選出されたときに、ストップスイッチが正解押し順で操作された場合には、重複当選役のうち最も払出数の多い役の図柄を優先的に引き込む一方、不正解押し順の場合には、重複当選役の各対応図柄において対応図柄として設定されている個数がより多い図柄を優先的に引き込むことによって払出数が少ない役が成立するようになっている(個数枚数優先制御)。これに対し、有効ラインを複数ライン設ける場合には、例えば、「any・ベル・any」の図柄組合せ(anyは、何れの図柄であってもよいことを示す)を小役1とし、役決定結果番号23が選出された場合、正解押し順のときは当選役の対応図柄(例えば、中リールのベル図柄)を複数の有効ライン上(重複する位置)に引き込み、不正解押し順のときは当選役の対応図柄(例えば、中リールのベル図柄)を単一の有効ライン上に引き込む制御を行うことにより、払出数に差が生じるようにしてもよい。
役決定結果番号41(入賞D)はRT5以外の各RT状態で選出され、選出された場合には、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順や操作タイミングには関係なく、9枚小役である小役1〜3の何れか(通常は小役1)を必ず成立させるリール停止制御が行われるようになっている。以下、役決定結果番号41(入賞D)のことを、適宜「共通ベル」と称する。
役決定結果番号42〜47(入賞E1〜E6)はRT5以外の各RT状態で選出され、選出された場合には、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であれば3枚小役(入賞E1,E2では小役9〜12の何れか、入賞E3,E4では小役13〜16の何れか、入賞E5,E6では小役17〜20の何れか)を必ず成立させ、他の押し順であればストップスイッチの操作タイミングに応じて、所定の3枚小役(図11(A)の備考欄を参照)の対応図柄を有効ライン29上に引き込める場合(その確率は「1/4」)には、その所定の3枚小役を成立させ、引き込めない場合(その確率は「3/4」)には、特定図柄01〜03の何れか(図11(A)の備考欄を参照)を取りこぼし目として有効ライン29上に停止表示させるリール停止制御が行われる。以下、役決定結果番号42〜47(入賞E1〜E6)においては、便宜的に、操作タイミングに関係なく何れかの3枚小役が必ず成立する押し順を「正解押し順」、その他の押し順を「不正解押し順」と称する。また、役決定結果番号42〜47のことを総称して、適宜「3択押し順ベル」と称し、役決定結果番号23〜40(6択押し順ベル)と役決定結果番号42〜47(3択押し順ベル)のことを総称して、適宜「押し順ベル」称する。
役決定結果番号48〜50(入賞F〜H)のうちの何れかが選出された場合には、各ストップの押し順には関係なく、各ストップスイッチの操作タイミングが、当選役の対応図柄を引き込めるタイミングであるか否かによって、当選役のうちの何れかの役が成立させたり、何れの役も成立させなかったりするリール制御が行われる。以下、役決定結果番号48,49,50のことをそれぞれ、適宜「弱スイカ」、「強スイカ」、「チャンス目」と称する。なお、役決定結果番号48〜50は、後述の遊技モード0において選出されることが、後述のAT抽選の実行契機に設定されている。
役決定結果番号51(入賞I)は、RT5(BB中)でのみ選出されるように設定されている。この役決定結果番号51が選出された場合には、押し順等に関係なく、必ず9枚小役(通常は小役1)が成立するようになっている。
役物の役決定結果番号1(BB01)は、図11(B)に示すように、RT4(BB内部中),RT5(BB中)以外の各RT状態で選出されるように設定されている。この役物の役決定結果番号1が選出された場合には、各ストップスイッチの押し順には関係なく、各ストップスイッチの操作タイミングが、当選役であるBB役の対応図柄を有効ライン29上に引き込めるタイミングである場合に、BB役が成立するようになっている。なお、役物の役決定結果番号1(BB01)が一旦選出されると、BB役が成立するまで、BB役の当選が次遊技に持ち越されるようになっている。また、BB役の当選が持ち越されている状態において、再遊技役または小役が当選役に選出された場合には、再遊技役または小役の対応図柄を優先して有効ライン29上に引き込むリール制御が行われるようになっている(BB役の成立を優先するようにしてもよい)。
次に、主に図12〜31を参照しながら、本実施形態に係るスロットマシンの主な特徴構成について説明する。
<機能ブロック>
図12に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技メダルをベットするためのベット操作(例えば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作)や、停止中の各リール3a〜3cを回転させるためのリール回転開始操作(例えば、スタートレバー25の傾動操作)、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cの回転を停止させるための各リール回転停止操作(例えば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作)、ベットまたは貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための清算操作(例えば、清算スイッチ24の押圧操作)等の、遊技者によりなされる各遊技操作に対応した信号(以下、適宜「遊技操作信号」と称する)を出力する操作信号出力手段95と、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段100(主制御基板60に対応する)と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段200(副制御基板70に対応する)とを備えてなる。
上記主制御手段100は、大別すると、主に遊技状態を管理する遊技状態管理手段110と、主に遊技進行を管理する遊技進行管理手段130と、主制御手段100における通信を制御するメイン通信制御手段150を備えてなる。このうち、遊技状態管理手段110は、設定変更・確認制御手段111、RT制御手段112、再遊技作動制御手段113、ボーナス遊技制御手段114、フリーズ制御手段115、遊技モード制御手段116、AT制御手段117及び試験仕様制御手段118を備えている。
また、遊技進行管理手段130は、受容メダル管理手段131、役決定手段132、遊技進行情報決定手段133、リール制御手段134、停止表示図柄判定手段135、払出メダル管理手段136、ブロッカ制御手段137、表示用ランプ制御手段138、メイン側押し順管理手段139、マスク処理手段140及び押し順当てゲーム制御手段141を備えており、メイン通信制御手段150は制御コマンド送信手段151、外端信号送信手段152及び試験信号送信手段153を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエア及びROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(遊技状態管理手段110を構成する各手段)
上記設定変更・確認制御手段111は、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作されることにより、現時点での役決定確率等の設定値を所定の表示器に表示させるとともに、その表示中に設定変更スイッチ84がON状態に操作されるごとに、設定値を例えば6段階(設定値1〜設定値6)で変更し、変更された設定値を表示器に表示させるように構成されている。なお、本実施形態では、設定変更が行われると、ATに関する情報はクリアされるが、後述のRT状態に関する情報はそのまま保持され、設定変更後、設定変更前のRT状態に復帰するようになっている(RT状態に関する情報をクリアして、選定変更後は後述の非RTに復帰するようにしてもよい)。
上記RT制御手段112は、図13に示すように、非RT、RT1、RT2、RT3、RT4(BB内部中)、RT5(BB中)の6つのRT状態の設定を制御するように構成されている。
非RTは、本実施形態において標準(通常状態)となるRT状態であり、再遊技役(種類は、再遊技役1,2)が当選する確率が基準値(本実施形態では略「1/7.33」)に設定されている。この非RT状態中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。条件P1とは、上述した特定図柄01〜03の何れかが有効ライン29上に停止表示されることである。
RT1は、非RTと同じく標準となるRT状態であり、再遊技役(種類は、再遊技役1,2,5,7,8,10〜13)が当選する確率が非RTと同じ値(略「1/7.33」)に設定されている。RT1中において、条件P2が充足されたことを契機としてRT2に移行されるようになっている。条件P2とは、再遊技役5(RT2移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること(再遊技役5が成立すること)である。
RT2は、非RT及びRT1と同じく標準となるRT状態であり、再遊技役(種類は、再遊技役1〜3,6〜8,9〜13)が当選する確率が非RT及びRT1と同じ値(略「1/7.33」)に設定されている。RT2中において、条件P3が充足されたことを契機としてRT3に移行され、上記条件P1または条件P4が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。条件P3とは、再遊技役6(RT3移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること(再遊技役6が成立すること)であり、条件P4とは、再遊技役3または4(RT1移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること(再遊技役3,4が成立すること)である。
RT3は、非RT、RT1及びRT2と比較して再遊技役(種類は、再遊技役1〜4,7〜11)が当選する確率が高い値(略「1/1.53」)に設定されたRT状態である。RT3中において、上記条件P1またはP4が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。
RT4は、特別役(本実施形態ではBB役)が当選しかつ未成立(対応図柄が未表示)という条件P5が充足された場合に、非RT、RT1〜3の各RT状態から移行する、いわゆるボーナス内部中(ボーナス内部当選中)のRT状態である。このRT4では、再遊技役(種類は、再遊技役1,2)が当選する確率が非RT、RT1及びRT2よりは高く、RT3よりは低い値(略「1/1.94」)に設定されている。また、RT4中において条件P6が充足されたことを契機としてRT5に移行されるようになっている。条件P6とは、BB役が成立すること(対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること)である。
RT5は、後述するボーナス遊技制御手段によりBB遊技を行うことが許可される状態に設定されているときのRT状態(ボーナス遊技状態)である。このRT5では、全ての小役(小役1〜24)が重複当選するという役決定結果番号51(入賞I)が必ず選出されるように設定されている。また、RT5中において、条件P7が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P7とは、所定数(450枚)を超える遊技メダルが払い出されたことにより、ボーナス遊技状態(BB遊技)が終了したことである。
上記再遊技作動制御手段113は、再遊技役が成立したことを契機として、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(適宜「再遊技作動状態」と称する)に設定するように構成されている。なお、再遊技作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域(後ほど改めて説明する)に再遊技作動状態であることを示す情報(適宜「再遊技作動状態情報」と称する)が記憶されるようになっている。以下、再遊技作動状態情報を記憶することを、再遊技作動状態フラグをセットするとかONにする等とも称し、記憶した再遊技作動状態情報をクリア(消去)することを、再遊技作動状態フラグをクリアするとかOFFにする等とも称する。
上記ボーナス遊技制御手段114は、BB役が成立したことを契機として、次遊技からBB遊技を行うことが許可される状態(適宜「BB作動状態」と称する)に設定するとともに、BB遊技の終了条件(450超の遊技メダルの払出し)が充足されたことを契機として、BB作動状態を終了させるように構成されている。以下、BB作動状態に設定されていることを「BB作動中」とも称する。また、ボーナス遊技制御手段114は、BB作動中において、RB遊技を連続的に実行するように構成されている。このRB遊技は、内部的に制御される(遊技者には特に報知されない)ものであり、BB遊技の開始時に1ゲーム目が開始され、BB遊技中(BB作動中)においては、小役が2回成立するごと、または2回の遊技が終了するごと(すなわち2ゲームごと)に一旦終了し、直後に再開されるようになっている。また、BB遊技が終了するときはRB遊技も(小役の成立回数や何ゲーム目かということには関係なく)終了するように制御される。本実施形態において、BB遊技中のRB遊技は小役が2回成立するごと、または2回の遊技が終了するごとに終了するように設定しているが、小役が8回成立するごと、または12回の遊技が終了するごとに終了するように設定してもよい。
以下、RB遊技が実行される状態を「RB作動状態」と称し、RB遊技中のことを「RB作動中」とも称する。なお、BB作動状態やRB作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域(後ほど改めて説明する)に、BB作動状態であることを示す情報(適宜「BB作動状態情報」と称する)やRB作動状態であることを示す情報(適宜「RB作動状態情報」と称する)が記憶されるようになっている。以下、BB作動状態情報[RB作動状態情報]を記憶することを、BB作動状態フラグ[RB作動状態フラグ]をセットするとかONにする等とも称し、記憶したBB作動状態フラグ[RB作動状態フラグ]をクリアすることを、BB作動状態フラグ[RB作動状態フラグ]をクリアするとかOFFにする等とも称する。また、上述の再遊技作動状態フラグ、BB作動状態フラグ及びRB作動状態フラグのことを総称して「作動状態フラグ」と称する。
上記フリーズ制御手段115は、所定の条件成立(条件充足)を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、ベット操作やリール回転開始操作、リール回転停止操作等を受け付ける処理等)の実行を所定時間遅延させるフリーズを設定するように構成されている。本実施形態では、上述のBB遊技中に行われる各RB遊技が終了するごとに、上記フリーズとしてのRB作動終了時待機時間(詳細は後述する)が設定される。
上記遊技モード制御手段116は、図14に示すように、遊技モード0(通常時)、遊技モード1(前兆)、遊技モード2(AT準備)、遊技モード3(AT)、遊技モード4(BB準備)、遊技モード5(BB)、遊技モード6(上乗せ特化準備)、遊技モード7(上乗せ特化)の7つの遊技モード(括弧内の語は便宜的名称)の設定を制御するように構成されている。
遊技モード0は、後述のAT抽選に当選するまでの間に設定される非AT中のモード(通常モード)である。遊技モード0に設定されているときに、条件Q1が充足されると遊技モード1に移行され、条件Q4が充足されると遊技モード4に移行されるようになっている。条件Q1とは、後述のAT抽選に当選することであり、条件Q4とは、BB役に当選すること(対応図柄未表示)である。
遊技モード1は、後述のAT抽選に当選したこと(以下「AT当選」と称する)を契機として設定される非AT中のモードである。この遊技モード1では、AT当選していること(ATが設定されることが確定していること)を示唆するような演出(前兆演出)が、主に副制御手段200により行われるようになっている。遊技モード1に設定されているときに、条件Q2が充足されると遊技モード2に移行され、上記条件Q4が充足されると遊技モード6に移行されるようになっている。条件Q2とは、遊技モード1において、後述のAT前兆G数抽選(「G数」は「ゲーム数」の意)により決定される遊技数(以下、適宜「前兆G数」と称する)が消化されることである。
遊技モード2は、上述の遊技モード1において前兆G数が消化されたことを契機として設定されるAT準備中のモードである。遊技モード2に設定されると、上述の押し順RT移行RPが選出されたときの正解押し順の報知(以下、適宜「リプレイナビ」と称する)や、上述の押し順ベルが選出されたときの正解押し順の報知(以下、適宜「ベルナビ」と称する。またリプレイナビとベルナビを総称して適宜「押し順ナビ」と称する)が行われる。遊技モード2において条件Q3が充足されると遊技モード3に移行され、上記条件Q4が充足されると遊技モード6に移行されるようになっている。条件Q3とは、RT3に設定されること、または押し順ナビにより報知された正解押し順とは異なる押し順でストップスイッチが操作されたことである。
遊技モード3は、AT中のモードである。遊技モード3に設定されると、後述のATカウンタにより管理(計数)される遊技数(以下、適宜「ATゲーム数」と称する)が設定され、押し順ナビが実行される。遊技モード3に設定されているときに、ATゲーム数分の遊技が消化される(ATカウンタの値が「0」となる)という条件Q8が充足されると、遊技モード0または遊技モード1(ATゲーム数の消化時に後述のATストック数が「0」の場合には遊技モード0に、ATストック数が「1」以上の場合には遊技モード1)に移行され、上記条件Q4が充足されると遊技モード6に移行されるようになっている。
遊技モード4は、遊技モード0中(よってAT当選無しの状態)において上記条件Q4(BB役当選)が充足されることにより設定されるBB準備中のモードである。この遊技モード4に設定されているときに条件Q5が充足されると、遊技モード5に移行されるようになっている。条件Q5とは、BB役が成立すること(BB役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること)である。
遊技モード5は、BB役成立により遊技モード4(よってAT当選無しの状態)から移行されるBB中のモードである。この遊技モード5に設定されているときに、条件Q6が充足されると遊技モード0に移行され、条件Q7が充足されると遊技モード2に移行されるようになっている。条件Q6とは、AT当選(後述するように遊技モード5では毎遊技AT抽選が行われる)が無い(ATストック数=0)状態でBB遊技が終了することであり、条件Q7とは、AT当選有り(ATストック数>0)の状態でBB遊技が終了することである。
遊技モード6は、遊技モード1、遊技モード2、遊技モード3中(よってAT当選有りの状態)において上記条件Q4(BB役当選)が充足されることにより設定される上乗せ特化準備のモードである。この遊技モード6に設定されているときに上記条件Q5(BB役成立)が充足されると、遊技モード7に移行されるようになっている。なお、本実施形態では、遊技モード6に移行した場合(AT当選有りの状態でBB内部中(RT4)に移行した場合)には基本的に、正解押し順の報知(押し順ナビ)を行わない(ただし、別途に内部中カウンタを設け、特別役(BB役)に当選したが成立しなかった場合に、内部中カウンタをセットし、内部中カウンタが0となるまでの数ゲームは押し順を報知して遊技モード6に移行したことを意識させ難くしてもよい)。遊技モード6中で押し順を報知しないのは、BB内部中の出玉率を下げるためである。一方、BB内部中の出玉率を下げる必要がなければ、遊技モード6中でも押し順を報知してもよい。
遊技モード7は、BB役成立により遊技モード6(よってAT当選有りの状態)から移行される上乗せ特化(ATストック数の増加が見込める)モードである。この遊技モード7に設定されているときに上記条件Q7(AT当選有りの状態でBB遊技終了)が充足されると、遊技モード2に移行されるようになっている。なお、遊技モード6から遊技モード7に移行されるときにATストック数が「1」加算され、BB遊技が終了して遊技モード7が終了するときにATストック数が「1」減算されるようになっている。
上記AT制御手段117は、上述の遊技モード2に設定されているときに、上記条件Q3が充足されたこと(RT3に設定されること、または押し順ナビにより報知された正解押し順とは異なる押し順でストップスイッチが操作されたこと)をATの設定条件とし、このATの設定条件が成立したことにより上述のATゲーム数を管理するATカウンタをセット(本実施形態では初期値「50」とするが数値は任意に変更可)する(このとき遊技モード制御手段により遊技モード3への移行も行われている)。RT3に設定されることをATの設定条件としているのは、遊技者にとって有利となる、再遊技役の当選確率が高いRT3でATを開始させるという意味合いがある。
一方、押し順ナビにより報知された正解押し順とは異なる押し順でストップスイッチが操作されたことをもATの設定条件としているのは、次の理由による。すなわち、遊技モード2ではATカウンタはセットされないが押し順ナビは実行されるようになっている。このため、RT3へ移行したことのみをATの設定条件(遊技モード2中において報知された押し順とは異なる押し順が実行された場合でもATカウンタをセットしない)とした場合、リプレイナビが行われたときに、遊技者が報知された押し順とは異なる押し順を実行する限り、RT3には移行されないことになるので遊技モード2に設定されたままとなる。遊技モード2に設定されているときはベルナビも行われるため、リプレイナビには従わず、ベルナビには従うことで、永久的に遊技メダルが増える期間を維持することができてしまうこととなる。そこで、遊技モード2中において報知された押し順とは異なる押し順が実行された場合にはATカウンタをセットして(遊技モード3への移行も行われ)、ATを開始するようにしている。この場合は、再遊技役の当選確率がRT3よりも低い非RT,RT1,2でATが開始されることとなる。また、遊技モード2に設定されているときにBB役が当選すると、遊技モード6(BB役が成立した場合はさらに遊技モード7)に移行するので、遊技者が意図的に押し順ナビに従わないことで遊技モード2を維持することを許容した場合、ATが開始されないままATストック数が増加するような事態が生じ得るので、それを回避する意味合いもある。
また、本実施形態では、セットしたATカウンタの値を毎遊技(ただし、遊技モード6,7中は除く)「1」減算し、ATカウンタが「0」に到達するとATを終了させるようになっている。すなわち、本実施形態では、ATゲーム数(50ゲーム)分の遊技を消化したことをATの終了条件としている。なお、変更態様として、AT期間中に所定数の遊技メダルの払出しがあったことや、所定数の獲得数(払出数とベット数との差数の総数)が得られたことや、所定数のベルナビを実行したことをATの終了条件としてもよい。
なお、本実施形態では、ATカウンタがセットされた状態で、BB役が当選または成立して遊技モード6,7に設定されたときは、上述のようにATカウンタの減算はされない(減算するようにすることも可)。このようにすることで、ATに設定されているときに、BB役が当選または成立しても、遊技者にとって損とはならない(BB遊技の終了後にBB役に当選する前の状態からATを再開できる)。また、本実施形態では上記のように、遊技モード2中において報知された押し順とは異なる押し順が実行されたことによりATが設定された(ATカウンタがセットされた)場合でも、それ以降も、押し順報知が行われるようになっているが、押し順の報知を行わないようにしてもよい(押し順を報知しない期間を数ゲーム間だけに限定してもよい)。
上記試験仕様制御手段118は、スロットマシン1が試験仕様のものであるのか量産仕様のものであるのかを判別し(具体的な判別方法については後述する)、その判別結果に応じて、所定の制御処理を実行する(例えば、後述の当選情報出力期間タイマをセットすること等、後述する試験信号を、試験仕様であると判別した場合には出力するが量産仕様であると判別した場合は出力しない)ようになっている(詳細は後述する)。ここで、試験仕様とは、例えば、新規開発された遊技機(スロットマシン)が所定の規格に適合しているか否かを判定するための型式試験受験用の仕様をいい、量産仕様とは販売用(遊技店設置用)の仕様をいう。なお、試験仕様のものであっても量産仕様のものであっても上記ROM62に書き込まれる制御プログラム等は同一内容のものとなっている。
(遊技進行管理手段130を構成する各手段)
上記受容メダル管理手段131は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(以下、適宜「投入遊技メダル」と称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(本実施形態では、受入通路に導かれて投入メダルセンサ28bにより検出された遊技メダルをいう。以下、適宜「受容遊技メダル」と称する)を、直接ベットされる遊技メダルとするのか、クレジットされる遊技メダルとするのかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数(BET数)が最大ベット許容数(実施形態では、遊技を実行するのに必要となるベット数(規定数「3」)に達していない場合には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとし、ベット数が最大ベット許容数に達しており、クレジット数が最大クレジット許容数(本実施形態では「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとするように構成されている。
また、受容メダル管理手段131は、再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されている。なお、ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
上記役決定手段132は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率(選択確率、当選確率)に基づき複数の役決定結果番号の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理を行うように構成されている。この役決定処理は、図2に示す乱数発生器66及びサンプリング回路67を用いた乱数抽選により行われる。具体的には、乱数発生器66により生成された乱数列の中から、サンプリング回路67によって1つの乱数(数字)を取得(ラッチ及び読込み)した後、その取得乱数が、複数の役決定結果番号の中のどの役決定結果に対応するのかを判定し、その役決定結果番号を選出するように構成されている。
役決定処理において、1つの役決定結果番号が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。また、選出された役決定結果番号の情報が、上記RAM63の所定の記憶領域(後ほど改めて説明する)に記憶されるようになっている。なお、役物の役決定結果番号の情報が記憶される領域は、入賞・RPの役決定結果番号の情報が記憶される領域とは別に設定される。以下、入賞・RPの役決定結果番号[役物の役決定結果番号]の情報を記憶することを、入賞・RP役決定結果フラグ[役物役決定結果フラグ]をセットするとかONにする等と称し、記憶した入賞・RPの役決定結果番号[役物の役決定結果番号]の情報をクリアすることを、入賞・RP役決定結果フラグ[役物役決定結果フラグ]をクリアするとかOFFにする等と称する。
1つの遊技において記憶された、入賞・RPの役決定結果番号の情報は、小役や再遊技役の成立の有無に拘わらず、当該遊技の終了時点(本実施形態では、後述の遊技終了チェック処理)においてクリアされる(別態様として、次遊技の開始時点(例えば、スタートレバー操作の受付時)においてクリアしたり、クリアせずに次遊技で選出された役決定結果番号の情報を上書きしたりすることも可)。これに対し、役物の役決定結果番号の情報は、一旦記憶されると、特別役(BB役)が成立するまでは、記憶されたまま次遊技に持ち越される。本明細書では、役物の役決定結果番号の情報が記憶されたまま持ち越されている状態を、BB役の当選持越し中と称したりBB内部中と称したりする。
上記遊技進行情報決定手段133は、主に、遊技を進行させる上で必要となる情報を決定するための種々の抽選を実行するように構成されている。本実施形態では、このような抽選として、AT抽選、AT前兆G数抽選及び押し順当てゲーム抽選を行うようになっている。
AT抽選は、ATを設定するか否かを決定する抽選であり、上述の遊技モード0または3に設定されているときに所定の役決定結果番号(本実施形態では、遊技モード0中は役決定結果番号15〜22,48〜50、遊技モード3中は役決定結果番号17〜22)が選出された場合に行われるとともに、遊技モード5または7に設定されているときは毎遊技行われる。AT抽選における選出項目と選出確率は図15(A)に示すとおりである。AT当選すると、ATの設定可能回数を識別するためのATストック数が「1」加算される(ATストック数を計数するためにセットされるカウンタの値(初期値「0」)が「+1」される)ようになっている。なお、別態様として、遊技モードに応じてAT当選の選出確率を異なる値に設定してもよいし、AT当選の選出確率を決定する抽選を別に行うようにしてもよい。
AT前兆G数抽選は、上述の遊技モード0におけるAT抽選においてAT当選した場合に行われる、AT設定までのゲーム数(前兆G数)を決定する抽選である。AT前兆G数抽選における選出項目と選出確率は、図15(B)に示すとおりである。前兆G数が決定されると、それを計数するカウンタ(以下「前兆カウンタ」と称する)がセットされ(初期値はAT前兆G数抽選において選出された値)、次遊技から毎遊技、前兆G数が「1」減算される(前兆カウンタの値が「−1」される)ようになっている。なお、別態様として、AT前兆G数抽選を行わずに、一律に前兆G数を設定してもよいし、前兆G数を設定しないようにしてもよい。
押し順当てゲーム抽選は、上述の遊技モード3に設定されているときに、役決定結果番号23〜28(6択押し順ベル)が選出された場合に、後述の押し順当てゲームを実行するか否かを決定する抽選である。押し順当てゲーム抽選における選出項目と選出確率は、図15(C)に示すとおりである。
上記リール制御手段134は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、最小遊技時間が経過していることを確認した後、リール3a〜3cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次操作されたこと(ストップスイッチ26a〜26cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール3a〜3cを順次回転停止させるように構成されている。
各リール3a〜3cの回転停止制御は、上記役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ26a〜26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール3a〜3cは、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a〜3cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
すなわち、役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として選出されている場合、上記停止許容時間の範囲内において可能な限り、その選出された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、何れの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように、リール3a〜3cの停止制御がなされるようになっている。なお、本実施形態では、BB役の当選持越し中に再遊技役または小役が当選した場合、再遊技役、小役の方を優先して(優先順位は再遊技役の方が高いが変更可)成立させる再遊技役優先または小役優先のリール回転停止制御が行われるようになっている。
上記停止表示図柄判定手段135は、リール3a〜3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
再遊技役が立した場合には、再遊技役の対応図柄(以下「再遊技作動図柄」ともいう)が有効ライン上に停止表示されたことを示す情報(適宜「再遊技作動図柄表示情報」と称する)が、また、特別役(BB役)が成立した場合には、BB役の対応図柄(以下「BB作動図柄」ともいう)が有効ライン上に停止表示されたことを示す情報(適宜「BB作動図柄表示情報」と称する)が、上記RAM63の所定の記憶領域(後ほど改めて説明する)に記憶されるように構成されている。以下、再遊技作動図柄表示情報を記憶することを、再遊技作動図柄表示フラグをセットするとかONにする等と称し、記憶した再遊技作動図柄表示情報情報をクリアすることを、再遊技作動図柄表示フラグをクリアするとかOFFにする等と称する。同様に、BB作動図柄表示情報を記憶することを、BB作動図柄表示フラグをセットするとかONにする等と称し、記憶したBB作動図柄表示情報をクリアすることを、BB作動図柄表示フラグをクリアするとかOFFにする等と称する。また、再遊技作動図柄表示フラグとBB作動図柄表示フラグのことを総称して「作動図柄表示フラグ」と称する。作動図柄表示フラグのデータは、上述の作動状態フラグ(再遊技作動状態フラグ、BB作動状態フラグ及びRB作動状態フラグ)のデータ生成に用いられる(詳細は後述する)とともに、次遊技の遊技開始時(スタートレバー25の操作受付時)にクリアされるようになっている。
上記払出メダル管理手段136は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、クレジット数に加算する貯留加算払出しにより、クレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、ホッパー駆動回路52を介してホッパー50を駆動させる実払出しにより、払い出すようになっている。また、払出メダル管理手段136は、清算操作(清算スイッチ24の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、ベットされていた数の遊技メダルまたはクレジットされていた数の遊技メダルを、ホッパー50を駆動させて払い戻すようになっている。
上記ブロッカ制御手段137は、上述のブロッカ48を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ48をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ48がOFF状態とされた場合、メダル投入口21に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、上記投入メダルセンサ28aにより検出されるようになっている。
上記表示用ランプ制御手段138は、上述の各種表示用ランプ(MAX−BET表示ランプ46a、BETランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、CREランプ46h、WINランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、メイン側押し順管理手段139によりWINランプ46jの制御が行われる。
上記メイン側押し順管理手段139は、役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて、予め設定されている押し順指示番号(A0〜A9の何れか。この他に副制御手段200側で決定する押し順指示番号としてA10がある)を選出するようになっている。本実施形態では、図16の押し順指示番号‐対応押し順‐表示内容対応表に示すように、各押し順指示番号が設定されている。
押し順指示番号A0は、押し順を報知しないときに選出されるもので、対応押し順は「不明」とされる。押し順指示番号A1〜A6は、第一押し順から第三押し順までを報知したいときに選出されるもので、対応押し順は図16の表に示すように設定されている。例えば、押し順指示番号A2の対応押し順は「左右中」であり、押し順指示番号A5の対応押し順は「右左中」といった具合である。さらに、押し順指示番号A7〜A9は、後述の押し順当てゲームを行う場合に選出されるものであり、これらの対応押し順はそれぞれ、「左??」(第一押し順が「左」で残りは不明)、「中??」(第一押し順が「中」で残りは不明)、「右??」(第一押し順が「右」で残りは不明)となっている。なお、押し順指示番号A10は、メイン側押し順管理手段139が選出するものではなく、BB内部中において目押しにより狙うべき図柄「キャラクタ」を報知したい場合(対応押し順は無い)に、サブ(副制御手段200)側で決定されるようになっている。
役決定処理により選出された役決定結果番号と、メイン側押し順管理手段139により選出される押し順指示番号との対応関係は、図17の役決定結果番号‐押し順指示番号対応表に示すとおりである。図示するように、選出される押し順指示番号は、上述の遊技モード2,3中においては役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて異なっている。例えば、役決定結果番号7が選出された場合には押し順指示番号A1が選出され、役決定結果番号32が選出された場合には押し順指示番号A4が選出され、役決定結果番号1,15〜22,48〜51(表中の「その他」に該当)が選出された場合には押し順指示番号A0が選出されるといった具合である。
なお、役決定結果番号6,11〜14については2つの押し順指示番号(一方は括弧付きで表記)が記載されているが、これは本実施形態では括弧無しで表記した方の押し順指示番号を選出するが、別態様として、括弧付きで表記した方の押し順指示番号を選出しても良いことを意味している。また、役決定結果番号23〜28については、後述の押し順当てゲームが行われない場合に選出される押し順指示番号の他に、押し順当てゲームが行われる場合に選出される押し順指示番号を括弧付きで記載している。例えば、役決定結果番号25が選出された場合、押し順当てゲームが行われない場合には押し順指示番号A3のみが選出され、押し順当てゲームが行われる場合には押し順指示番号A3の他に押し順指示番号A8が選出されることを示している。一方、上述の遊技モード0,4〜7中においては役決定処理により選出された役決定結果番号に拘わらず、押し順指示番号A0が選出されるようになっている。
また、メイン側押し順管理手段139は、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させ、選出した押し順指示番号を報知するようになっている。具体的には、WINランプ46jに設けられた2つの7セグメントランプ(以下「7セグ」と略記することがある)を用いて、押し順指示番号を報知する。図18にその報知態様の一例を示す。図18(A)は、押し順指示番号A2を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「2」を表示している。図18(C)は、押し順指示番号A8を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「8」を表示している。なお、左の7セグに表示する「=」は、WINランプ46jにおいて払出数を表示しているときと区別するためのものである。また、押し順指示番号を表示する場合に、押し順ベルに対応して選出された押し順指示番号を表示する場合(ベルナビの場合)と、押し順RT移行RPに対応して選出された押し順指示番号を表示する場合(リプレイナビの場合)とで、同じ押し順指示番号であってもどちらの場合であるのかを区別できるように表示態様を変えるようにしてもよい。例えば、左の7セグに表示する「=」の位置を、ベルナビの場合の方が高くなるようにすることなどが考えられる。なお、押し順指示番号A0が選出された場合には、WINランプ46jによる表示は行われない(各押し順指示番号とWINランプ46jによる表示内容との対応関係は図16を参照)。
また、別態様として、WINランプ46jによる押し順指示番号の表示を2進数で行うようにしてもよい。例えば、図18(F)の右側に示すように、7セグの各位置のランプに対し、2進数で表示する場合のbit(ビット)0〜bit6を対応させて、押し順番号等を表示する。図18(F)は、左または右の7セグにおいて、2進数で「0001001」(押し順指示番号A9に対応)を表示する場合の態様であり、対応するbit位置のランプを点灯している。なお、変更例として、WINランプ46jにより役決定結果番号を表示するようにしてもよい。
本実施形態では、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として使用するときと、遊技メダルの払出数の表示器として使用するときとの切替えを次のタイミングで行う。すなわち、1つの遊技において払出数を表示した後、次遊技でベット操作が行われたときに、WINランプ46jを一旦消灯する。そして、スタートレバー25が操作された時から各リールが定速回転状態になるまでの間の任意のタイミングにおいて、押し順指示番号を表示する。また、全てのリールが停止したことを契機として、押し順指示番号を表示したWINランプ46jを消灯し、その後、遊技メダルの払出処理に応じて、払出数を表示する。なお、ベット操作が行われたときにWINランプ46jを消灯せず、「00」等の表示に切り替え、スタートレバー25の操作が行われたときに、その状態から、押し順指示番号を表示するようにしてもよい。同様に、押し順指示番号の表示から払出数の表示に切り替えるときも、WINランプ46jを消灯せず、押し順指示番号の表示から「00」等の表示に切り替え、その状態から、払出数を表示したり、押し順指示番号を表示した状態から直接、払出数を表示したりするようにしてもよい。
上記マスク処理手段140は、役決定処理により選出された入賞・RPの役決定結果番号の情報を演出グループ番号の情報に置き換えるマスク処理を行うようになっている(別態様として、役物の役決定結果番号についてもマスク処理を行うようにしてもよい)。この演出グループ番号は、役決定処理により選出される入賞・RPの役決定結果番号を複数のグループに分類(当選役の種類に応じて分類)し、そのグループ毎に対応付られたものである。演出グループ番号と入賞・RPの役決定結果番号との対応関係は、図19の演出グループ番号-役決定結果番号対応表に示すとおりである。図示のように本実施形態では、演出グループ番号として、演出グループ番号0〜21を設定している。それぞれの演出グループ番号は、役決定処理により選出された入賞・RPの役決定結果番号の種類別に対応付けられている。例えば、演出グループ番号2はRT移行RPのうちの役決定結果番号2〜6(再遊技B1〜B6)に対応付けられ、演出グループ番号11は押し順チャンス目のうちの役決定結果番号21(再遊技H2)に対応付けられ、演出グループ番号15は6択押し順ベルのうちの役決定結果番号35〜40(入賞C1〜C6)に対応付けられているといった具合である。
このように、役決定処理により選出された入賞・RPの役決定結果番号を演出グループ番号に置き換えるマスク処理を行い、その演出グループ番号の情報を副制御手段200に送信することにより、次のような利点がある。すなわち、副制御手段200では、役決定処理により当選役(成立許容役)となった遊技役の種類に応じて、画像演出の背景の色彩や内容を変更する場合がある。このため、役決定処理により選出された入賞・RPの役決定結果番号の種類に応じて、演出グループ番号を対応付けておくことにより、その演出グループ番号の情報を受信した副制御手段200は、その番号情報に応じて、画像演出の内容等を決定することが可能となる。例えば、演出グループ番号19の情報を受信した場合には、遊技者に期待感を持たせるような演出(強演出)を行い、演出グループ番号18の情報を受信した場合には、遊技者に期待感を持たせないような演出(弱演出)を行うことを決定することが可能となる。
また、このようなマスク処理を行うことにより、次のような利点もある。演出グループ番号は、押し順によって遊技者にとって有利となったり不利となったりする役決定結果番号(押し順RT移行RPまたは押し順ベル)については、複数の役決定結果番号に対して1つの演出グループ番号が対応付けされているため、例えば、押し順RT移行RPに当選したのか、それとも押し順ベルに当選したのか等は特定できても、何れの正解押し順に対応する役決定結果番号に当選したのかまでは特定できないようになっている。すなわち、実際には非AT中で押し順を報知しない状況であるにも拘わらず、主制御手段から副制御手段への情報伝達路に不正にアクセスして役決定結果番号の情報(それに基づく正解押し順の情報)を不正に取得しようとする不正行為を防止することができるという利点がある。このようにマスク処理には、選出された入賞・RPの役決定結果番号の情報からストップスイッチの操作態様(押し順)に関する情報を除くことで遊技者にとって有利となる正解押し順の特定を困難にさせる意義を有している。なお、本実施形態では、押し順を報知しない場合には、押し順指示番号A0(押し順不明)の情報が送信されるようになっており、これにより、上述のような不正行為の防止効果を高めることが可能となっている。
なお、本実施形態におけるマスク処理は、役決定処理により選出され、所定の記憶領域に保存された入賞・RPの役決定結果番号の情報そのものを、演出グループ番号に書き替える(上書きする)ものではなく、役決定結果番号の情報を副制御手段200に送信する際に、所定の記憶領域に保存された入賞・RPの役決定結果番号の情報を読み出し、その読み出した役決定結果番号の情報に基づき演出グループ番号の情報(後述の演出グループ番号コマンド)を生成し、その演出グループ番号コマンドを副制御手段200への送信用バッファ(以下「CB」称することがある。CBはコマンドバッファの略)にセットするものである。このように、マスク処理を、コマンドを送信する際に行うことにより、演出グループ番号を記憶する領域をRAM等に設ける必要が無くなるので、記憶領域の増大化を抑制することができる。勿論、送信する演出グループ番号の情報を予め生成して記憶するようにしてもよい。
マスク処理の変更例として、上記演出グループ番号に替えて、マスク処理用の役決定結果番号を用いるようにしてもよい。このマスク処理用の役決定結果番号は、役決定処理により選出されるものではなく、役決定処理により選出された役決定結果番号(0〜51の何れか)を、マスク処理用の役決定結果番号に置き換えて用いられるために設定されるものである。役決定処理により選出された役決定結果番号とマスク処理用の役決定結果番号との対応関係は、例えば、図20に示すように設定することができる。図示の例では、マスク処理用の役決定結果番号として、役決定結果番号52〜73を設定している(図中の当選名称は、マスク処理用の各役決定結果番号を区別し易くするために便宜的に付したものである)。それぞれのマスク処理用の役決定結果番号は、役決定処理により選出された役決定結果番号の種類別に対応付けられている。例えば、役決定結果番号55(押し順RT移行RP2(マスク))は役決定結果番号7〜11に対応付けられ、役決定結果番号65(6択押し順ベル1(マスク))は役決定結果番号23〜28に対応付けられているといった具合である。この変更例の場合、役決定処理により選出された役決定結果番号の情報ではなく、その役決定結果番号に対応付けられたマスク処理用の役決定結果番号の情報が、副制御手段200に送信される。このようなマスク処理用の役決定結果番号を用いた場合でも、上記演出グループ番号を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
なお、マスク処理を行う際に、次のような入賞・RPの役決定結果番号に対しては、複数の役決定結果番号に対して1つの演出グループ番号を対応付ける必要はない。
(1)押し順の違いによって遊技上の有利、不利に影響しない(出玉への影響がない)再遊技役の役決定結果番号(例えば、役決定結果番号1,15〜22)。
(2)押し順の違いによって遊技メダルの獲得数に差が生じない入賞役の役決定結果番号(例えば、役決定結果番号41,51)。
(3)獲得し得る遊技メダル数自体が少ない(例えば、ベットの規定数以下)の入賞役の役決定結果番号(例えば、役決定結果番号48〜50)。
(4)上記(2)かつ(3)の入賞役の役決定結果番号。
また、本実施形態では、遊技モードやRT状態の如何に拘わらずマスク処理を行うようにしている(これにより、制御プログラムを簡略化し得る)が、押し順を報知する必要がない状況(例えば、遊技モード0,1,4,5,6,7)ではマスク処理を行い、押し順を報知する必要がある状況(例えば、遊技モード2,3)ではマスク処理を行わないようにして、役決定結果番号の情報をそのまま副制御手段に送信するようにしてもよい。
上記押し順当てゲーム制御手段141は、押し順当てゲームを制御するように構成されている。押し順当てゲームとは、正解押し順となる押し順の一部または全部を隠して報知を行い、遊技者が正解押し順を実行し得た場合に、遊技者に所定の利益(遊技媒体の他、ATの設定やATゲーム数の上乗せ等。本実施形態ではATストック数の加算)を付与するものである。本実施形態では、上述の遊技モード3中において、役決定結果番号23〜28(6択押し順ベル)が選出された際に実行される押し順当てゲーム抽選において当選した場合に、押し順当てゲームを設定するようになっている。押し順当てゲームが設定されると、正解押し順に対応する押し順当てゲーム用の押し順指示番号(A7〜A9のうちの何れか)が決定され、その押し順指示番号に応じた押し順の報知(押し順の少なくとも一部を伏せた状態での報知)が行われる。なお、サブ(副制御手段200)側では、押し順当てゲーム用の押し順番号を受信したことにより、押し順当てゲームが設定されたことを認識する。
また、押し順当てゲームにおいて、遊技者がストップスイッチを操作する度に、正解押し順であるか否かが判定され、正解押し順である場合には、そのことを示す成功情報が副制手段に送信される。一方、正解押し順でない場合には、そのことを示す失敗情報が送信される。これらの情報を受信した副制御手段200では、その情報に基づき、押し順当てゲームに成功したか否かを判定し、それに応じた演出(押し順当てゲーム成功演出や失敗演出)を実行するようになっている。なお、正解押し順であるか否かを判定し、成功情報または失敗情報を送信するタイミングとしては、ストップスイッチが操作されたことを示す情報を送信した後で、かつ操作されたストップスイッチに対応するリールが停止したことを示す情報を送信する前までの間の任意のタイミングとすることができる。一方、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止したことを示す情報を送信した後で、かつ他のストップスイッチが操作されたことを示す情報を送信する前までの間のタイミングとしてもよい。
(メイン通信制御手段150を構成する各手段)
上記制御コマンド送信手段151は、遊技に関する各種の情報を含む制御コマンドを、所定のタイミングで送信するように構成されている。例えば、スタートレバーが操作されたことを契機として送信する制御コマンドとしては、遊技モード1〜7のうちのどの遊技モードに設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「遊技モードコマンド」と称する)、非RT、RT1〜RT5のうちのどのRT状態に設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「RTコマンド」と称する)、押し順指示番号の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「押し順指示番号コマンド」と称する)、演出グループ番号(マスク処理された入賞・RPの役決定結果番号)の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「演出グループ番号コマンド」と称する)、役物の役決定結果番号の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「役物の役決定結果番号コマンド」と称する。また、演出グループ番号コマンドと役物の役決定結果番号コマンドを総称して「役決定結果コマンド」と称する)がある。この他に、設定値の情報を含む制御コマンド、ATカウンタの値の情報を含む制御コマンド、ATストック数の情報を含む制御コマンド、副制御手段において実行する演出内容を指示する情報を含む制御コマンド等をスタートレバーが操作されたことを契機として送信するようにしてもよい。
また、制御コマンド送信手段151は、第一停止操作(1番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第一停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第一停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第一回胴停止(第一停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第一停止コマンド」と称する)を送信する。同様に、第二停止操作(2番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第二停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第二停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第二回胴停止(第二停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第二停止コマンド」と称する)を送信する。同じく、第三停止操作(3番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第三停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第三停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第三回胴停止(第三停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第三停止コマンド」と称する)を送信する。さらに、停止図柄判定した後、停止表示図柄の情報を含む制御コマンド(以下、全回胴が停止したことを示すコマンドとして利用されているため、適宜「全停止コマンド」と称する)、遊技メダルの払出数の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「払出数コマンド」と称する)を送信する。
なお、本実施形態では、スタートレバーが操作されたことを契機として役決定処理が行われて役決定結果番号が選出され、その選出された役決定結果番号に基づき押し順指示番号が決定されるようになっている。しかし、副制御手段へのコマンド送信は、押し順指示番号コマンドの方が、役決定結果コマンド(演出グループ番号コマンド及び役物の役決定結果番号コマンド)よりも先に行われるようになっている。すなわち、RAMの所定の記憶領域への情報の保存は、役決定結果番号の方が押し順指示番号よりも先に行われるが、送信用バッファ(CB)への情報のセットは、押し順指示番号コマンドの方が役決定結果コマンドよりも先に行われる。
また、本実施形態では、役物の役決定結果番号コマンドを、スタートレバーが操作されたことを示すコマンドとして利用し、副制御手段が、この役物の役決定結果番号コマンドを受信したことを契機として、スタートレバーが操作された際に実行する演出を開始するようになっている。これにより、スタートレバーが操作されたことを示すコマンドを別コマンドとして送信する必要がないので、主制御手段における処理負荷を低減することが可能となっている。また、上述のように、押し順指示番号コマンドを役決定結果コマンドより先に送信することにより、この順序で制御コマンドを受信する副制御手段では、役決定結果コマンドに基づく演出処理よりも先に、押し順指示番号コマンドに基づく演出処理として後述の押し順ナビ演出等を開始することや、役決定結果コマンドに基づく演出処理中において押し順ナビ演出等を開始することが可能となっている。なお、主制御手段100と副制御手段200(サブメイン制御手段200A)との間の通信は、主制御手段100から副制御手段200(サブメイン制御手段200A)への一方向のみ可能となっている。
上記外端信号送信手段152は、所定の遊技状態となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外端信号を送信するように構成されている。本実施形態では、外端信号として、BB信号とRB信号を送信するようになっている。BB信号は、遊技モード3(AT)に移行される条件が充足されたときにONにされ、遊技モード3の終了条件(遊技モード3から他の遊技モードへの移行条件)が充足されたときにOFFにされる。一方、RB信号は、BB役が成立したときにONにされ、BB遊技が終了したときにOFFにされる。ただし、遊技モード0,1(非AT状態)を経由して遊技モード3に移行されるときは、BB信号とともにRB信号もONされる。また、BB信号がONであるときには、BB役が当選してもBB信号をOFFにせず、BB役が成立した場合はBB信号をOFFにするとともに、RB信号をONにするようにしている。これは、BB役の当選によりBB信号をOFFにしてしまうと、遊技モード3の終了条件が充足されていないのにBB信号がOFFになることで、BB役が当選したことが遊技者に分かってしまうからである。なお、主制御手段が管理する、BB役が当選していることを報知するための表示ランプ(「ボーナスランプ」と称する)を設け、既に報知が行われている場合は、BB役が成立する前であってもBB信号をOFFにしてもよい。ただし、このようなボーナスランプではなく、副制御手段が管理する液晶表示装置によりBB役が当選していることが報知された場合には、BB信号をOFFにしない。
上記試験信号送信手段153は、スロットマシン1が試験仕様である場合に、スロットマシン1に接続される試験装置に対し、試験用の各種の情報を伝達するための信号(各信号を総称して、適宜「試験信号」と称する)を出力(送信)するように構成されている。本実施形態において出力される試験信号としては、図柄停止試験信号、作動状態試験信号、当選情報試験信号が挙げられる。図柄停止試験信号は、各ストップスイッチの最適な操作態様に関する情報(押し順や押し位置の情報)を伝達するための信号であり、シリアル通信用の所定の出力ポート(適宜「試験用出力ポートSO0」と称する)からシリアル信号として出力される。作動状態試験信号は、再遊技作動状態の有無、BB作動状態の有無及びRB作動状態の有無を伝達するための信号であり、パラレル通信用の所定の出力ポート(適宜「試験用出力ポートPO8」と称する)からパラレル信号として出力される。当選情報試験信号は、役物当選情報(役物の役決定結果番号の情報と、試験装置に役物の役決定結果番号の情報であることを識別させるための識別子の情報とからなる)、または入賞・RP当選情報(入賞・RPの役決定結果番号の情報と、試験装置に入賞・RPの役決定結果番号の情報であることを識別させるための識別子の情報とからなる)を伝達するための信号であり、パラレル通信用の所定の出力ポート(適宜「試験用出力ポートPO7」と称する)からパラレル信号として出力される。
上記図柄停止試験信号は、スタートレバー操作の受付けを契機として実行される後述の図柄停止試験信号出力処理において1回だけ出力される(同じ信号が連続して複数回(例えば2回)出力されるようにしてもよい)ようになっている。一方、上記作動状態試験信号は、後述するタイマ割込処理において、当該タイマ割込処理を実行する度に出力されるようになっている。また、上記当選情報試験信号も、タイマ割込処理を実行する度に出力されるようになっているが、実際の当選情報(役決定結果番号の情報)がセット(担持)された状態の当選情報試験信号は、スタートレバー操作を受け付けた後の所定期間(適宜「当選情報出力期間」と称する)のみ出力され、それ以外の期間は、実際の当選情報がセットされていない状態の当選情報試験信号が出力されるようになっている(詳しくは後述する)。
本実施形態では、上記試験信号以外の試験信号については詳細に説明しないが、他の試験信号としては、RTの設定状態を伝達するための信号(適宜「RT情報試験信号」と称し、後述の第2実施形態において説明する)、各種の表示用ランプの点灯状態を伝達するための信号、各リールの回転状態を伝達するための信号、遊技メダルの払出状態を伝達するための信号、設定値の情報を伝達するための信号などが挙げられる。なお、試験装置からは、遊技メダルをベットさせるための指令信号、全リールを回転開始させるための指令信号、各リールを回転停止させるための指令信号、設定値を変更させるための指令信号など、遊技を実行させるための各指令信号が出力され、この各指令信号に従って主制御手段100及び副制御手段200が、遊技を実行させるための各制御処理(量産仕様のもので行われる処理と同様の処理)を実行するようになっている。
一方、上記副制御手段200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(「第1副制御手段」とも称する)200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(「第2副制御手段」とも称する)200Bを備えてなる。
サブメイン制御手段200Aは、大別すると、演出管理手段210とサブメイン通信制御手段230とを備えている。演出管理手段210は、サブ側押し順管理手段211、ゲーム演出管理手段212、報知演出管理手段213及びランプ演出制御手段214を備えており、サブメイン通信制御手段230は、制御コマンド受信手段231、演出コマンド送信手段232及び状態コマンド受信手段233を備えている。なお、サブメイン制御手段200Aにおける上述の各手段は、図2に示すサブメイン制御基板70A上に配されたサブメインCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエア及びROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出管理手段210を構成する各手段)
上記サブ側押し順管理手段211は、上述の遊技モード2,3,4,6の何れかに設定されているときに、主制御手段100から所定の役決定結果コマンドと所定の押し順指示番号コマンドを受信した場合に、受信した押し順指示番号コマンドの内容とは異なる押し順指示番号を独自に決定することができるように構成されている。具体的には図21に示すように、演出グループ番号1,7〜12の何れかの情報を含む役決定結果コマンド(演出グループ番号コマンド)と、押し順指示番号A0の情報を含む押し順指示番号コマンドを受信した場合には、押し順指示番号A0に替えて押し順指示番号A1〜A6のうちの何れかを決定することが可能となっている。また、役物の役決定結果番号1の情報を含む役決定結果コマンド(役物の役決定結果番号コマンド)と、押し順指示番号A0の情報を含む押し順指示番号コマンドを受信した場合には、押し順指示番号A0に替えて押し順指示番号A10を決定することが可能となっている。
図19に示すように、演出グループ番号1は通常RPである入賞・RPの役決定結果番号1に対応するものであり、演出グループ番号7〜9は押し順チェリーRPである役決定結果番号17〜19に対応するものであり、演出グループ番号12は押し順チャンスRPである役決定結果番号20〜22に対応するものである。これらの入賞・RPの役決定結果番号は、遊技者による押し順によって得られる利益が変わらない(有利となったり不利となったりしない)役決定結果番号となっている。なお、押し順指示番号A0に替えて別の押し順指示番号を決定するかどうかは、サブ側押し順管理手段211の判断に任されている(主制御手段100が指示するようにしてもよい)。例えば、遊技モード6(上乗せ特化準備)において、BB役が成立しない状況が数ゲーム続いたことを条件として、ハズレの役決定結果が出た遊技において目押しにより狙うべき図柄「キャラクタ」を報知させるために、押し順指示番号A10を決定することが一例として挙げられる。
上記ゲーム演出管理手段212は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「ゲーム演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置11を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものや、AT中であることを象徴するような演出画像等を表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出や次述する単発演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リールの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置11により表示する演出などが挙げられる。また、主制御手段100において行われる上述のAT抽選においてAT当選したこと(ATストック数が加算されたこと)を契機として、加算されたATストック数の値(例えば「+1」等の文字)を、画像表示装置11の表示画面11a上に表示する演出も単発演出の例として挙げられる。
アシスト演出は、主にAT設定中において遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段100からの押し順指示番号コマンドにより伝達される押し順指示番号の情報に応じて、押し順ナビ演出(上述の押し順ナビとして副制御手段側で行われるものをいう)が行われる。この押し順ナビ演出は、液晶表示装置11をサブ側押し順表示器として利用して、遊技者に対し、押し順指示番号に応じた押し順を表示画面11a上に表示する単発の演出である(上述のリプレイナビとしてのリプレイナビ演出と、ベルナビとしてのベルナビ演出とを設定し、両者の演出態様を変えるようにしてもよい)。なお、副制御手段(サブ側押し順管理手段211)で押し順指示番号を独自決定する場合は、副制御手段で決定した押し順指示番号に応じて、押し順ナビ演出が行われる。
押し順ナビ演出の具体的態様としては、例えば、押し順指示番号A2(対応押し順「左右中」)が決定された場合には、図18(B)に示すように、対応する押し順を示す数字を「1、3、2」の順番で左側から並べて表示し、押し順ゲーム用の押し順指示番号A8(対応押し順「中??」)が決定された場合には、図18(D)に示すように、報知する第一押し順を示す数字と報知しない第二、第三押し順を示す「?」の記号を「?、1、?」の順番で左側から並べて表示する態様が例として挙げられる。さらに、押し順指示番号A10(狙う図柄「キャラクタ」)が決定された場合には、図18(E)に示すように、「キャラクタを狙え!!」という文字情報を表示する態様も例として挙げられる(その他の押し順指示番号が決定された場合の表示態様例については図16を参照)。
また、第一押し順から第三押し順までを表示する場合には、図18(G)に示すように、表示した第一押し順に従って遊技者が1番目のストップスイッチを操作した時点で第一押し順の表示を消し、表示した第二押し順に従って遊技者が2番目のストップスイッチを操作した時点で第二押し順の表示を消し、表示した第三押し順に従って遊技者が3番目のストップスイッチを操作した時点で第三押し順の表示を消すようにしてもよい。また、表示した押し順とは異なる順番で遊技者がストップスイッチを操作した場合には、押し順ナビ演出を直ちに終了するようにしてもよい。さらに、押し順を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、各ストップスイッチの操作タイミングに合わせるように、スピーカ15a,15b等から出力するようにしてもよい。
上記報知演出管理手段213は、主に遊技に関する情報を遊技者に報知する目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「報知演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。報知演出としては、例えば、エラーが発生したことを「エラー発生」というような文字情報で報知するエラー報知演出や、電源断復帰時に画像が準備中であることを「画像準備中」というような文字情報で報知する演出等が挙げられる。
上記ランプ演出制御手段214は、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a〜38dを用いた各種の照明演出を制御するように構成されている。
(サブメイン通信制御手段230を構成する各手段)
上記制御コマンド受信手段231は、主制御手段100からの制御コマンドを受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した制御コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
上記演出コマンド送信手段232は、主制御手段100からの制御コマンドに基づき、演出に関する各種の情報を含む演出コマンド(例えば、押し順指示番号(押し順)の情報を含む演出コマンド等)をサブサブ制御手段200Bに送信するように構成されている。
上記状態コマンド受信手段233は、サブサブ制御手段200Bからの状態コマンド(例えば、演出コマンドの受信エラーが発生したという情報を含む状態コマンド等)を受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した状態コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
以上のように構成されたサブメイン制御手段200Aに対し、サブサブ制御手段200Bは、大別すると、演出実行制御手段250とサブサブ通信制御手段270とを備えている。演出実行制御手段250は、ゲーム演出実行制御手段251と報知演出実行制御手段252を備えており、サブサブ通信制御手段270は、演出コマンド受信手段271と状態コマンド送信手段272を備えている。なお、サブサブ制御手段200Bにおける上述の各手段は、図2に示すサブサブ制御基板70B上に配されたサブサブCPU75、ROM76、RAM77、電子回路等のハードウエア及びROM76に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出実行制御手段250を構成する各手段)
上記ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。
上記報知演出実行制御手段252は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述の報知演出を実行するように構成されている。
(サブサブ通信制御手段270を構成する各手段)
上記演出コマンド受信手段271は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドを受信し、RAM77等の所定の記憶領域(例えば、受信した演出コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
上記状態コマンド送信手段272は、上述の状態コマンドをサブメイン制御手段200Aに送信するように構成されている。
上述した制御コマンド送信手段151からの制御コマンドの送信、演出コマンド送信手段232からの演出コマンドの送信、及び状態コマンド送信手段272からの状態コマンドの送信は、何れもシリアル通信方式により行われる(パラレル通信方式で行うようにしてもよい)。また、各送信手段151,232,272は、それぞれ同様の構成を有しており、送信するコマンドを一時記憶する記憶領域としてのコマンドバッファ(CB)、送信するコマンドの書込みや読出し等の処理を行うコマンド処理部、及び、シリアル通信によりコマンドを送信するコマンド送信部を備えてなる。
CBは、各々のアドレスによって区別される複数の記憶領域を有し、各々の記憶領域に1バイトのコマンドデータを記憶できるように構成されている。コマンド処理部は、送信するコマンドデータを生成し、それをCBの書込ポインタが示すアドレス領域に書き込むとともに、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、それをコマンド送信部のTDR(送信用データレジスタ)に書き込むように構成されている。コマンド送信部は、TDRに書き込まれたコマンドデータをTSR(送信シフトレジスタ)に移し、そこでシリアル変換して送信するように構成されている。
本実施形態における1つのコマンドは、通常、2バイト構成である(チェックサムは1バイト構成)。また、通信方式は調歩同期式(非同期式)であり、1ビットのストップビット、1ビットのパリティビット(偶数パリティ)を有している(通信方式やコマンド構成は適宜変更可)。
<押し順の報知タイミング>
次に、本実施形態における押し順報知(押し順ナビ)のタイミングについて、図22,23を参照して説明する。先述したように、スロットマシン1では、報知する押し順を主に主制御手段100において決定し(一部副制御手段200でも決定する)、押し順の報知は、主制御手段と副制御手段の両方で行うようになっている。図22は、基本的な押し順報知のタイミングを示している。なお、図中及び以下の説明における「メイン」及び「サブ」は、それぞれ、主制御手段及び副制御手段を意味する。
図22に示すように、スタートレバーが操作されたことを契機として、メインからサブに、遊技モードコマンド(遊技モード1〜7の何れかのコマンド)、RTコマンド(非RT、RT1〜5の何れかのRT状態のコマンド)、押し順指示番号コマンド(押し順を報知する場合には押し順指示番号A1〜A9の何れかのコマンド、報知しない場合は押し順指示番号A0のコマンド)、演出グループ番号コマンド(演出グループ番号0〜21の何れかのコマンド)及び役物の役決定結果番号コマンド(役物の役決定結果番号0または1のコマンド)等が送信される。
なお、上述の遊技モードコマンド、RTコマンド及び押し順指示番号コマンドは、図中の両矢線で示す範囲内(押し順指示番号コマンドは、メイン側押し順表示器による押し順報知が行われた後)であれば、送信順序は任意であるが、演出グループ番号コマンド及び役物の役決定結果番号コマンド(先述したように両者を総称して役決定結果コマンドという)は、これらのコマンドが送信された後であり、リールが定速回転に到達するまでの間に送信される(本実施形態では、リールが定速回転に達するまでの間に確実に送信されるように、役決定結果コマンドが回転開始前に送信されるようにしている。)。
また、第一停止操作、第二停止操作及び第三停止操作をそれぞれ受け付けたことを契機として、第一停止受付コマンド、第二停止受付コマンド及び第三停止受付コマンドが、メインからサブへと送信され、第一回胴停止、第二回胴停止及び第三回胴停止をそれぞれ契機として、第一停止コマンド、第二停止コマンド及び第三停止コマンドが、メインからサブへと送信される。さらに、停止図柄判定した後に、全停止コマンドがメインからサブへと送信される。
押し順を報知する場合、メインでは、例えば、上記押し順指示番号コマンドを送信する前に押し順報知を開始し(図23(A)を参照)、全回胴停止コマンドを送信した後、上述の払出数コマンドを送信するまでの間に押し順報知を終了する(図22を参照)。一方、サブでは、例えば、押し順指示番号コマンドを受信した後、リールが定速回転に達するまでの間に押し順報知を開始し(図23(A)を参照)、第三停止受付コマンドを受信した後、第三停止コマンドを受信するまでの間に押し順報知を終了する(図22を参照)。このように、本実施形態では、メインによる押し順報知の期間の方が、サブによる押し順報知の期間よりも長くなるように設定されている。メインによる押し順報知を先に開始することにより、サブへ送信した押し順番号が正しく伝達されずにサブによる押し順報知が正しくないような場合でも、遊技者は、メインによる押し順報知により正しい押し順を知ることができるので、遊技者に不利益が生じることを防止することができる。
なお、サブによる押し順報知は、遊技者による押し順が報知した押し順と異なる場合には、途中で終了するようになっている(終了しないようにしてもよい)。すなわち、第二停止操作の押し順が報知押し順と異なっている場合には、第二停止受付コマンドを受信した後、第二停止コマンドを受信するまでの間に押し順報知を終了し、第一停止操作の押し順が報知押し順と異なっている場合には、第一停止受付コマンドを受信した後、第一停止コマンドを受信するまでの間に押し順報知を終了する。途中で終了することにより、その後、押し順が異なっていたことを報知する演出を行うことも可能となる。本実施形態ではメインによる押し順報知は、遊技者による押し順が報知した押し順と異なる場合でも途中で終了することはない(こうすることにより遊技者は、報知された押し順をじっくりと確認することができる)が、終了するようにしてもよい。この場合、サブによる押し順報知が終了した後、または同時に、メインによる押し順報知を終了させるようにすることが好ましい。メインによる押し順報知が終了した後に、サブによる押し順報知を終了させるようにしてもよい。また、メインによる押し順報知の開始タイミングとしては、スタートレバーが操作された後、リールが定速回転するまでの間であれば、任意に設定することが可能である。
本実施形態では、基本的にスタートレバーが操作されたことで、メインによる押し順報知を開始しているが、例えば、リールが回転開始となったこと、リールが定速回転に達したことを契機として、押し順報知を開始することができる。また、第一押し順の報知は行わず、遊技者が第一押し順に正解した場合に、第二、第三押し順の報知を行うような場合には、第一停止操作受付があったことを契機として、押し順報知を開始してもよい。また、メインによる押し順報知は、遊技者による押し順が報知した押し順と異なることが途中で判別した場合には、新たに他の押し順を決定し、その押し順の報知に切り替えるようにしてよい、また、メインによる押し順報知を切り替える場合には、サブによる押し順報知も切り替えるようにしてもよい。
押し順報知の開始タイミングの変更例として、図23(B)に示すように、メインによる押し順報知とサブによる押し順報知が同時に開始されるようにしてもよい。また、押し順報知の開始タイミングの別変更例として、図23(C)に示すように、メインによる押し順報知よりもサブによる押し順報知の方が先に開始されるようにしてもよい。なお、本実施形態では、上述したように、メイン側において押し順指示番号A0(押し順の報知をしない)を決定したときに、サブ側において独自に押し順指示番号が決定されることがある。その場合は、メインによる押し順報知は行われず、サブによる押し順報知のみが実行されるが、サブによる押し順報知の開始タイミングや終了タイミングについては、上述した内容と同様のタイミングとすることができる。
<主制御基板の回路構成(試験仕様と量産仕様との違い)>
次に、スロットマシン1が、試験仕様(所定の試験を受けるための仕様)として製造されたものである場合と、量産仕様(遊技店設置用の仕様)として製造されたものである場合とにおける主制御基板の回路構成の相違点について説明する。図24に示すメインICは、上述の主制御基板60(図2を参照)に配された所定の回路構成要素(メインCPU61、ROM62、RAM63、インターフェイス回路等)を搭載したワンチップマイクロコンピュータであり、パラレル信号出力用の端子D0〜D7、シリアル信号用の端子TX0〜TX3(出力専用の端子と入出力切替可能な端子とがある)、パラレル信号入力用の端子PI0〜PI7等を備えている(その他にも種々の端子を備えているが、一部のみを図示している)。
上記メインICの内部には、複数のパラレル信号用の出力ポート(そのうちの2つが上述の試験用出力ポートPO7,PO8として設定されている)が備えられており、各出力ポートからの信号データは、上記端子D0〜D7から出力されるようになっている。さらに、メインICの内部には、複数のシリアル信号用の出力ポート(そのうちの1つが上述の試験用出力ポートSO0として設定されている)が備えられており、試験用出力ポートSO0からの試験信号は、上記端子XO0(本実施形態では出力専用の端子とするが、入出力切替可能な端子としてもよい)から出力されるようになっている。また、メインICの内部には、複数のパラレル信号用の入力ポートが備えられており、各入力ポートへは上記端子PI0〜PI7を介して信号データが入力されるようになっている。
また、図24に示す試験用IC1,IC2、コネクタCN1,CN2は、試験仕様の場合には実装されるが、量産仕様の場合には実装されないようになっている。試験仕様の場合において、試験用IC1,IC2の各入力用端子D0〜D7は、メインICの上記端子D0〜D7と接続され、試験用IC1の各出力用端子Q0〜Q7及び試験用IC2の各出力用端子Q0〜Q7は、コネクタCN1の信号入力部1〜8及び9〜10にそれぞれ接続される。また、コネクタCN2の信号入力部2は、メインICの上記端子TX0と接続される。そして、上記試験用出力ポートPO7,PO8から出力される試験信号(上述の作動状態試験信号及び当選情報試験信号)は、試験用IC1,IC2、コネクタCN1及び所定の中継装置(図示略)を介して、試験装置(図示略)へと送信されるようになっている。また、上記試験用出力ポートSO0から出力される試験信号(上述の図柄停止試験信号)は、コネクタCN2及び中継装置を介して、試験装置へと送信されるようになっている。
また、図24に示す抵抗R1(例えば、抵抗値4.7kΩ)は、試験仕様の場合に電源電圧VCC(例えば、電圧値12.5V)と端子PI0との間に実装される(量産仕様の場合には実装されない)プルアップ抵抗であり、抵抗R2(例えば、抵抗値0kΩ)は、量産仕様の場合に基準電位(0V)と端子PI0との間に実装される(試験仕様の場合には実装されない)プルダウン抵抗である。このように、試験仕様の場合と量産仕様の場合とで、実装する抵抗(及び実装する位置)を替えることにより、端子PI0の電位が、試験仕様の場合にはハイレベル(以下「Hレベル」と称する)、量産仕様の場合にはローレベル(以下「Lレベル」と称する)となるように構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、端子PI0の電位がHレベルであるかLレベルであるかを判定し、その判定結果に基づいて、Hレベルであれば試験仕様、Lレベルであれば量産仕様であると識別するようになっている。
なお、上記抵抗R2の抵抗値は、実装された際に端子PI0の電位がLレベルとなるものであれば、任意の値(例えば、抵抗値4.7kΩ)に設定することができる。ただし、実際には量産仕様であるのにも拘わらず試験仕様であると誤認識させるために、電源VCCと端子PI0とを短絡させるといった不正行為が行われる虞があることを考慮した場合には、抵抗R2の抵抗値はなるべく低い値に設定することが好ましい。抵抗R2の抵抗値が低ければ、電源VCCと端子PI0とを短絡させた場合に、メインIC内に流れる電流値が過大となってメインCPU61が停止するので、遊技が不正に行われることを防止することが可能となるからである。また、上述したのとは逆に、量産仕様の場合に電源電圧VCCと端子PI0との間に抵抗R1を実装し、試験仕様の場合に基準電位と端子PI0との間に抵抗R2を実装するようにしてもよい。この場合には、端子PI0の電位がLレベルであれば試験仕様、Hレベルであれば量産仕様であると識別すればよい。
また、試験仕様の場合と量産仕様の場合とで、実装する抵抗R1,R2を替えるのではなく、図25(A)に示す変更例M1のように、どちらの仕様の場合であっても抵抗R1,R2は共に実装したままとし、端子PI0と抵抗R2との間に設けたスイッチの開閉状態を、試験仕様の場合と量産仕様の場合とで切り替えることにより、どちらの仕様であるのかを識別するように構成してもよい。具体的には、上記スイッチを、試験仕様の場合には開状態(このとき端子PI0はプルアップされた状態となり電位はHレベル)、量産仕様の場合には閉状態(このとき端子PI0には抵抗R1,R2を備えた分圧回路が接続された状態となり電位はLレベル)とし、端子PI0の電位が、Hレベルである場合には試験仕様、Lレベルである場合には量産仕様であると識別してもよい。あるいはこれとは逆に、上記スイッチを、試験仕様の場合には閉状態(このとき端子PI0の電位はLレベル)、量産仕様の場合には開状態(このとき端子PI0の電位はHレベル)とし、端子PI0の電位が、Lレベルである場合には試験仕様、Hレベルである場合には量産仕様であると識別してもよい。なお、このような変更例M1を採用する場合、スイッチを不正に操作することができないように、スイッチの操作を規制する構成(例えば、基板ケースのスイッチと対応する位置に厚みを持たせて、基板ケースに収納した状態では、上記スイッチを開状態にできないようにする)を設けることが好ましい。
また、端子PI0に接続する回路構成として、図25(B)に示す変更例M2の態様を採用してもよい。この変更例M2では、図示のように配置される4つの抵抗R4(例えば、抵抗値13kΩ)、R5(例えば、抵抗値0kΩ)、R6(例えば、抵抗値62kΩ)、R7(例えば、抵抗値39kΩ)を備えた分圧回路を端子PI0に接続する。これら4つの抵抗のうち、抵抗R4,R6,R7は、試験仕様、量産仕様のどちらの場合であっても実装されたままとされ、抵抗R5は、試験仕様の場合には実装され、量産仕様の場合には実装されないようになっている(すなわち、試験仕様と量産仕様の場合で、端子PI0に接続される分圧回路が替わることになる)。この例では、端子PI0の電位が、抵抗R5が実装される試験仕様の場合にはLレベルとなり、抵抗R5が実装されない量産仕様の場合にはHレベルとなるので、端子PI0の電位が、Lレベルである場合には試験仕様、Hレベルである場合には量産仕様であると識別する。あるいはこれとは逆に、抵抗R5を、試験仕様の場合には実装せず、量産仕様の場合には実装するようにして、端子PI0の電位が、Hレベルである場合には試験仕様、Lレベルである場合には量産仕様であると識別してもよい。
なお、この変更例M2において、端子PI0の電位(=図中B地点の電位)は、以下のように算出できる。
・抵抗R5を実装する分圧回路の場合
A地点の電位=((R5(R6+R7)/(R5+R6+R7))/(R4+((R5(R6+R7))/(R5+R6+R7)))×12.5=0(V)
B地点の電位=A地点の電位=0(V)
・抵抗R5を実装しない分圧回路の場合
A地点の電位=((R6+R7)/(R4+R6+R7))×12.5≒11(V)
B地点の電位=(R7/(R4+R6+R7))×12.5≒4.3(V))
また、端子PI0に接続する回路構成として、図25(C)に示す変更例M3の態様を採用してもよい。この変更例M3では、図示のように配置される3つの抵抗R8(例えば、抵抗値1.5kΩ)、R9(例えば、抵抗値1kΩ)、R10(例えば、抵抗値0kΩ)を備えた分圧回路を端子PI0に接続する。これら3つの抵抗のうち、抵抗R8,R9は、試験仕様、量産仕様のどちらの場合であっても実装されたままとされ、抵抗R10は、試験仕様の場合には実装され、量産仕様の場合には実装されないようになっている(すなわち、試験仕様と量産仕様の場合で、端子PI0に接続される分圧回路が替わることになる)。この例では、端子PI0の電位が、抵抗R10が実装される試験仕様の場合にはLレベルとなり、抵抗R10が実装されない量産仕様の場合にはHレベルとなるので、端子PI0の電位が、Lレベルである場合には試験仕様、Hレベルである場合には量産仕様であると識別する。あるいはこれとは逆に、抵抗R10を、試験仕様の場合には実装せず、量産仕様の場合には実装するようにして、端子PI0の電位が、Hレベルである場合には試験仕様、Lレベルである場合には量産仕様であると識別してもよい。
なお、この変更例M3において、端子PI0の電位(=図中C地点の電位)は、以下のように算出できる。
・抵抗R10を実装する分圧回路の場合
C地点の電位=((R9・R10)/(R9+R10))/(R8+(R9・R10)/(R9+R10)))×12.5=0(V)
・抵抗R10を実装しない分圧回路の場合
C地点の電位=(R9/(R8+R9))×12.5=5(V)
端子PI0に、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗を接続する構成の場合は、試験仕様であるのか量産仕様であるのかによって、基板に実装する抵抗を取り替える必要がある。これに対して、変更例M2,M3の場合は、試験仕様のものにおいて実装する複数の抵抗の一部を、量産仕様のものにおいては実装しないようにするだけでよいので、製造工程を簡略化し得るといった利点がある。勿論、変更例M2,M3の場合において、試験仕様であるのか量産仕様であるのかによって、基板に実装する抵抗を取り替えるように構成し、これにより、端子PI0に接続する分圧回路を変更するようにしてもよい。また、分圧回路の具体的な構成については、任意の態様のものを採用することができる。
<情報の記憶領域>
次に、本実施形態の主制御手段における情報の記憶領域について説明する。図26に示すように、ROM(図2のROM62)内には、第1PRG領域と第2PRG領域が設定されている(PRGはプログラムの略)。第1PRG領域は、通常の遊技の進行に係る制御プログラム(役決定処理やリール制御のためのプログラム等)、その制御プログラムにおいて使用されるデータ(役抽選テーブルや図柄停止テーブル等)が記憶される領域である。第2PRG領域は、不正行為を防止するための制御プログラムや試験用の制御プログラム(試験信号を送信するためのプログラム等)や、その制御プログラムにおいて使用されるデータ(後述の停止受付指定テーブル等)が記憶される領域である。勿論、不正行為を防止するための制御プログラムや試験用の制御プログラムであっても、これらを第1PRG領域に記憶することについては問題ない。
一方、RAM(図2のRAM63)内には、第1PRG領域対応エリアと第2PRG領域対応エリアが設定されている。第1PRG領域対応エリアは、主に上記第1PRG領域に記憶された制御プログラムによって使用される記憶領域であり、第2PRG領域対応エリアは、主に上記第2PRG領域に記憶された制御プログラムによって使用される記憶領域である。上記第1PRG領域に記憶された制御プログラムは、第1PRG領域対応エリアに対してはデータの書込み(変更を含む)と読出しが共に許可されるが、第2PRG領域対応エリアに対してはデータの書込みは許可されず読出しのみが許可される。同様に、上記第2PRG領域に記憶された制御プログラムは、第2PRG領域対応エリアに対してはデータの書込みと読出しが共に許可されるが、第1PRG領域対応エリアに対してはデータの書込みは許可されず読出しのみが許可される。なお、第1PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理から第2PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理に移行する場合には、割込みが禁止されるとともに(タイマ割込処理内で第1PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理から第2PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理に移行する場合は除く)、移行前に各レジスタに記憶されていた情報の保護(退避)が行われる。また、第2PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理から第1PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理に戻る際に、割込みが許可されるとともに(タイマ割込処理内で第2PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理から第1PRG領域に記憶された制御プログラムによる処理に移行する場合は除く)、保護された各レジスタの情報が復帰される。
本実施形態では、上記第1PRG領域対応エリア内に、図27に示す各記憶領域(アドレス領域)が設定されている。同図(A)に示す作動状態フラグ記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F01CH」(末尾の「H」は16進数の意)とする)は、先述の作動状態フラグに該当するものであり、再遊技作動状態であるか否か、BB作動状態であるか否か、及びRB作動状態であるか否かの各情報を記憶する領域として設定されている。この作動状態フラグ記憶領域のビット0は先述の再遊技作動状態フラグに該当する。そして、このビット0に「1」の情報を記憶することが先述の再遊技作動状態フラグをセット(ON)することに相当し、「0」の情報を記憶することが再遊技作動状態フラグをクリア(OFF)することに相当する。また、作動状態フラグ記憶領域のビット3は先述のBB作動状態フラグに該当する。そして、このビット3に「1」の情報を記憶することが先述のBB作動状態フラグをセット(ON)することに相当し、「0」の情報を記憶することがBB作動状態フラグをクリア(OFF)することに相当する。さらに、作動状態フラグ記憶領域のビット4は先述のRB作動状態フラグに該当する。そして、このビット4に「1」の情報を記憶することが先述のRB作動状態フラグをセット(ON)することに相当し、「0」の情報を記憶することがRB作動状態フラグをクリア(OFF)することに相当する。なお、本実施形態において、作動状態フラグ記憶領域のビット7〜5,2,1は未使用の領域であり、常に「0」の情報が記憶された状態(クリアされた状態)とされる。
図27(B)に示す作動図柄表示フラグ記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F043H」とする)は、先述の作動図柄表示フラグに該当するものであり、再遊技作動図柄が表示されたか否か、BB作動図柄が表示されたか否かの各情報を記憶する領域として設定されている。この作動図柄表示フラグ記憶領域のビット0は先述の再遊技作動図柄表示フラグに該当する。そして、このビット0に「1」の情報を記憶することが再遊技作動図柄表示フラグをセット(ON)することに相当し、「0」の情報を記憶することが再遊技作動図柄表示フラグをクリア(OFF)することに相当する。また、作動図柄表示フラグ記憶領域のビット3は先述のBB作動図柄表示フラグに該当する。そして、このビット3に「1」の情報を記憶することがBB作動図柄表示フラグをセット(ON)することに相当し、「0」の情報を記憶することがBB作動図柄表示フラグをクリア(OFF)することに相当する。なお、本実施形態において、作動状態フラグ記憶領域のビット7〜4,2,1は未使用の領域であり、常に「0」の情報が記憶された状態(クリアされた状態)とされる。
図27(C)に示す入賞・RP役決定結果番号記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F048H」とする)は、先述した入賞・RPの役決定結果番号の情報が記憶される領域である。この入賞・RP役決定結果番号記憶領域のビット5〜0は先述の入賞・RP役決定結果フラグに該当する。そして、このビット5〜0に、役決定処理により選出された入賞・RPの役決定結果番号の数値データ(2進数の数値データ。例えば、役決定結果番号17であれば「17」=「010001B」(Bは2進数の意))を記憶することが入賞・RP役決定結果番号フラグをセット(ON)することに相当し、ビット5〜0の全てに「0」の情報を記憶することが入賞・RP役決定結果番号フラグをクリア(OFF)することに相当する。なお、本実施形態において、入賞・RP役決定結果番号記憶領域のビット7,6は未使用の領域であり、常に「0」の情報が記憶された状態(クリアされた状態)とされる。
図27(D)に示す役物役決定結果番号記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F049H」とする)は、先述した役物の役決定結果番号の情報が記憶される領域である。この役物役決定結果番号記憶領域のビット0は先述の役物役決定結果フラグに該当する。そして、このビット0に、「1」の情報を記憶することが役物役決定結果番号フラグをセット(ON)することに相当し、「0」の情報を記憶することが役物役決定結果番号フラグをクリア(OFF)することに相当する。なお、本実施形態において、役物役決定結果番号記憶領域のビット7〜1は未使用の領域であり、常に「0」の情報が記憶された状態(クリアされた状態)とされる。
図27(E)に示す押し順指示番号記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F0B8H」とする)は、選出された押し順指示番号A0〜A9の情報が記憶される領域である。この押し順指示番号記憶領域においては、ビット3〜0に、押し順指示番号A0〜A9の数値データ(2進数の数値データ。例えば、押し順指示番号A3であれば「3」=「0011B」、押し順指示番号A6であれば「6」=「0110B」)を記憶することが押し順指示番号の情報を記憶するとに相当する。なお、押し順指示番号A0の場合は、数値データ「0」=「0000B」をビット3〜0に記憶することになるが、これは、ビット3〜0をクリアした状態と同じである。押し順指示番号記憶領域に記憶された数値データは、遊技終了時にクリアされるようになっているため、本実施形態では、押し順指示番号A0が選出された場合(押し順指示番号A1〜A9が選出されなかった場合)には、数値データ「0」を記憶する処理を行っていない(行うようにしてもよい)。また、本実施形態において、押し順指示番号記憶領域のビット7〜4は未使用の領域であり、常に「0」の情報が記憶された状態(クリアされた状態)とされる。
なお、特に図示しないが、押し順指示番号A7〜A9が選出された場合に対応するため、上記押し順指示番号記憶領域の他に、押し順指示番号A1〜A6の情報が記憶される別の記憶領域(以下「押し順当て判定用記憶領域」と称する)が設定されている。押し順指示番号A7〜A9は、遊技モード3に設定されているときに、役決定処理により役決定結果番号23〜28の何れかが選出された場合に行われる上述の押し順当てゲームに当選した場合に選出されるが、押し順当てゲームに当選したか否かに拘わらず、役決定結果番号23〜28の何れかが選出された場合には、押し順指示番号A1〜A6の何れかが先に選出されるようになっている。このため、通常の押し順指示番号(押し順指示番号A1〜A6の何れか)と、押し順当てゲーム用の押し順指示番号(押し順指示番号A7〜A9の何れか)との2つの押し順指示番号が選出された状態が生じる。
そこで、本実施形態では、通常の押し順指示番号(A1〜A6の何れか)を、上述の押し順指示番号記憶領域だけではなく押し順当て判定用記憶領域にも記憶し得るように構成し、押し順当てゲーム用の押し順指示番号(A7〜A9の何れか)が選出された場合には、それよりも前に押し順指示番号記憶領域に記憶された通常の押し順指示番号の情報を押し順当てゲーム用の押し順指示番号の情報に書き替える一方で、押し順当て判定用記憶領域に記憶された通常の押し順指示番号の情報はそのまま保持するようにしている。そして、押し順指示番号記憶領域に記憶された押し順指示番号の情報は押し順を報知する際(特に、押し順当てゲーム用の押し順指示番号は押し順当てゲームで押し順を報知する際)に利用し、押し順当て判定用記憶領域に記憶された押し順指示番号の情報は押し順当てゲームに正解したか否かを判定する際に利用するようになっている。なお、情報の記憶タイミングとしては、通常の押し順指示番号の情報を押し順指示番号記憶領域に記憶するときに、押し順当て判定用記憶領域に対しても同じ情報を記憶するようにすることができる。一方、通常の押し順指示番号が選出されたときは、その情報を押し順指示番号記憶領域のみに記憶し、押し順当てゲーム用の押し順指示番号が選出されたときに、押し順指示番号記憶領域に記憶されていた通常の押し順指示番号の情報を押し順当て判定用記憶領域に移し、押し順当てゲーム用の押し順指示番号の情報を押し順指示番号記憶領域に記憶するようにしてもよい。
図27(F)に示す当選情報出力期間タイマ記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F030H」とする)は、スロットマシン1が試験仕様である場合に、先述の当選情報試験信号(実際の当選情報がセットされた状態のもの)を出力する期間(上述の当選情報出力期間)であるか否かを識別するためにセットされるタイマ(「当選情報出力期間タイマ」と称する)のタイマ値の情報が記憶される領域である。この当選情報出力期間タイマ記憶領域においては、ビット4〜0に、上記当選情報出力期間タイマのタイマ値(2進数の値)情報(タイマセット時に「25」の情報が記憶され、後述のタイマ割込処理が実行されるごとに「1」を順次減算した値「24」〜「0」の情報)が記憶される。なお、本実施形態において、当選情報出力期間タイマ記憶領域のビット7〜5は未使用の領域であり、常に「0」の情報が記憶された状態(クリアされた状態)とされる。また、上記当選情報出力期間は、後述のタイマ割込処理が24回実行される期間(=2,235ms×24=53.64ms)に相当する。
スロットマシン1が試験仕様である場合、上記入賞・RP役決定結果番号記憶領域に記憶された入賞・RPの役決定結果番号の情報は、試験装置に入賞・RPの役決定結果番号の情報であることを識別させるための識別子(適宜「入賞・RPの識別子」と称する)の情報が付加されて先述の入賞・RP当選情報として構成され、先述の試験用出力ポートPO7から、上記当選情報試験信号として試験装置に出力される。具体的には、入賞・RP当選情報は、8ビットのデータからなり、上位2ビットが上記入賞・RPの識別子のデータとされ、下位6ビットが入賞・RPの役決定結果番号のデータとされる。そして、入賞・RP当選情報が当選情報試験信号として出力される場合は、図28(A)に示すように、試験用出力ポートPO7の各ビットD7〜D0(図24に示すメインICの端子D7〜D0とそれぞれ対応する)のうち、ビットD5〜D0には、上記入賞・RP役決定結果番号記憶領域のビット5〜0に記憶された入賞・RPの役決定結果番号のデータ(「0」〜「51」までの何れかのデータ)がセットされ、ビットD7,D6には、入賞・RPの識別子のデータ(ビットD7に「0」、ビットD6に「1」のデータ)がセットされる。
同様に、上記役物役決定結果番号記憶領域に記憶された役物の役決定結果番号の情報は、試験装置に役物の役決定結果番号の情報であることを識別させるための識別子(適宜「役物の識別子」と称する)の情報が付加されて先述の役物当選情報として構成され、試験用出力ポートPO7から、上記当選情報試験信号として試験装置に出力される。具体的には、役物当選情報は、8ビットのデータからなり、上位2ビットが上記役物の識別子のデータとされ、下位6ビットが役物の役決定結果番号のデータとされる。そして、役物当選情報が当選情報試験信号として出力される場合は、図28(B)に示すように、試験用出力ポートPO7の各ビットD7〜D0のうち、ビットD5〜D0に対し、上記役物役決定結果番号記憶領域のビット5〜0のデータがセット(ビットD0は役物の役決定結果番号のデータ(「1」か「0」)、ビットD5〜D1には「0」のデータがセット)され、ビットD7,D6には、役物の識別子のデータ(ビットD7に「1」、ビットD6に「0」のデータ)がセットされる。
また、スロットマシン1が試験仕様である場合、上記作動状態フラグ記憶領域に記憶された、再遊技作動状態であるか否か(上述の再遊技作動状態フラグがONかOFFか)、BB作動状態であるか否か(上述のBB作動状態フラグがONかOFFか)、及びRB作動状態であるか否か(上述のRB作動状態フラグがONかOFFか)の各情報(適宜「作動状態フラグ情報」と称する)は、先述の試験用出力ポートPO8から、上記作動状態試験信号として試験装置に出力される。具体的には、上記作動状態フラグ情報は、8ビットのデータからなり、最も下位のビットが上記再遊技作動状態フラグのON/OFFのデータ(「1」か「0」)とされ、下位から4ビット目が上記BB作動状態フラグのON/OFFのデータ(「1」か「0」)とされ、5ビット目が上記RB作動状態フラグのON/OFFのデータ(「1」か「0」)とされる。そして、作動状態フラグ情報が作動状態試験信号として出力される場合は、図28(C)に示すように、試験用出力ポートPO8の各ビットD7〜D0に対し、上記作動状態フラグ記憶領域のビット7〜0のデータがセットされる(ビットD4にはRB作動状態フラグのON/OFFのデータ、ビットD3にはBB作動状態フラグのON/OFFのデータ、ビットD0には再遊技作動状態フラグのON/OFFのデータ、ビットD7〜D5,D2,D1には「0」のデータがセットされる)。
上述したように本実施形態では、入賞・RP役決定結果番号記憶領域に記憶された入賞・RPの役決定結果番号の情報に入賞・RPの識別子の情報が付加されて入賞・RP当選情報が構成され、それが試験用出力ポートPO7から当選情報試験信号として試験装置に出力される(役物当選情報についても同様)が、入賞・RP当選情報、役物当選情報を記憶するための領域については特に設けていない。これは、RAMの記憶容量が少ないような場合に、使用する記憶領域の増大を抑制し得る点において有効である。一方、変更例として、入賞・RP当選情報、役物当選情報を記憶するための領域をRAM内に設けるようにしてもよい。図29(A)は、入賞・RP当選情報を記憶するための入賞・RP当選情報記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F04CH」とする)をRAM内に設定する例、図29(B)は、役物当選情報を記憶するための役物当選情報記憶領域(RAM内でのアドレス番号「F04DH」とする)をRAM内に設定する例を示している。
また、本実施形態では、ROMの上記第2PRG領域内に、図30(A)に示す停止受付指定テーブルT1と、図30(B)に示す停止受付指定テーブルT2が記憶されると領域が設定されている。図30に示すように、停止受付指定テーブルT1は、ROMの第2PRG領域内において連続する24個のアドレス領域(ROM内でのアドレス番号「**00H」〜「**27H」(*は「0H」から「FH」までの任意の数値)とする)に記憶され、停止受付指定テーブルT2は、ROMの第2PRG領域内において連続する4個のアドレス領域(ROM内でのアドレス番号「**30H」〜「**33H」とする)に記憶されている。
停止受付指定テーブルT1は、BB作動状態ではない状態(BB非作動中)において、先述した図柄停止試験信号(最適押し順及び押し位置の情報を伝達するための信号)を、試験装置に出力するために参照されるテーブルである。この停止受付指定テーブルT1において、アドレス番号「**00H」〜「**03H」までの4つの記憶領域には、押し順指示番号A0(押し順不明)に対応した最適押し順及び押し位置の情報が記憶されている。具体的には、アドレス番号「**00H」の記憶領域には、押し順指示番号A0の数値(最適押し順)に対応した「0」のデータが記憶され、アドレス番号「**01H」の記憶領域には、左リール停止受付位置(左リールにおける最適な押し位置)のデータが記憶されている。同様にアドレス番号「**02H」の記憶領域には、中リール停止受付位置(中リールにおける最適押し位置)のデータが記憶され、アドレス番号「**03H」の記憶領域には、右リール停止受付位置(右リールにおける最適押し位置)のデータが記憶されている。なお、左リール停止受付位置のデータとは、左リールにおける図柄番号(本実施形態では「3」とする)のデータである。これは、BB非作動中において、押し順指示番号A0が選出された場合には、左リールにおける図柄番号3の図柄が所定位置(表示窓W内の上段の位置とする)にあるときに停止操作を行うことが最適である(遊技役が成立する確率が最も高くなる)ことを意味している(中リール停止受付位置のデータ、右リール停止受付位置のデータについても同様)。
また、押し順指示番号A0に対応した4つの記憶領域に続く4つの記憶領域(アドレス番号「**04H」〜「**07H」)には、押し順指示番号A1(「左中右」)に対応した最適押し順及び押し位置の情報が記憶され、それに続く4つの記憶領域(アドレス番号「**08H」〜「**0BH」)には、押し順指示番号A2(「左右中」)に対応した最適押し順及び押し位置の情報が記憶されているというように、停止受付指定テーブルT1においては、押し順指示番号A0〜A9の各々に対応した最適押し順及び押し位置の情報が、連続する4個ずつの各記憶領域に記憶されている。なお、停止受付指定テーブルT1における「127」という記憶データは、最適押し位置が任意の位置である(押し位置によって有利不利に差が生じない)ことを意味している。
一方、停止受付指定テーブルT2は、BB作動中において、上記図柄停止試験信号を試験装置に出力するために参照されるテーブルである。この停止受付指定テーブルT2において、アドレス番号「**30H」〜「**33H」までの4つの記憶領域には、押し順指示番号A0(押し順不明)に対応した最適押し順及び押し位置の情報が記憶されている。具体的には、アドレス番号「**30H」の記憶領域には、押し順指示番号A0の数値に対応した「0」のデータが記憶され、アドレス番号「**31H」〜「**33H」までの記憶領域には、左リール停止受付位置、中リール停止受付位置、右リール停止受付位置の各データ(いずれも「127」)がそれぞれ記憶されている。
<試験信号の出力タイミング>
次に、上述した試験信号の出力タイミングについて説明する。先に略述したように、上記当選情報試験信号は、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実行される後述のタイマ割込処理において、タイマ割込処理が実行される度に出力されるが、実際の当選情報がセットされた状態の当選情報試験信号は、上述の当選情報出力期間のみ出力されるようになっている。具体的には、図31(A)に示すように、役物当選情報は、上述の当選情報出力期間タイマがセットされ、そのタイマ値が「24」から「13」までの期間のみ、その期間において実行される各タイマ割込処理において、試験用出力ポートPO7にセットされ、計12回、当選情報試験信号として試験装置に出力されるようになっている。一方、入賞・RP当選情報は、当選情報出力期間タイマのタイマ値が「12」から「1」までの期間のみ、その期間において実行される各タイマ割込処理において試験用出力ポートPO7にセットされ、同じく計12回、当選情報試験信号として試験装置に出力されるようになっている。すなわち、当選情報出力期間タイマのタイマ値が「24」から「1」までの期間が当選情報出力期間となっており、それ以外の期間は、実際の当選情報がセットされていない状態の当選情報試験信号(例えば「00000000B」の信号)が出力される。
なお、上記当選情報出力期間タイマは、後述するリール回転開始準備処理において、最小遊技時間(1つの遊技においてリールが回転開始してから次の遊技においてリールが回転開始するまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1秒))が経過したことを確認した後にセットされるようになっている。このため、1つの当選情報出力期間において、役物当選情報がセットされた当選情報試験信号が最初に出力された時点から、次の当選情報出力期間において、役物当選情報がセットされた当選情報試験信号が最初に出力される時点までの時間は、自ずと最小遊技時間以上となる。そこで、試験装置においては、役物当選情報がセットされた当選情報試験信号がどのタイミングで出力開始されるのかをチェックすることにより、最小遊技時間が確保されていることを確認することが可能となる。したがって、最小遊技時間が確保されていることを示す別の信号を、試験装置に対して出力する必要はない(これにより、制御処理の負担軽減を図ることが可能)。
また、上記作動状態試験信号も当選情報試験信号と同様に、タイマ割込処理を実行する度に出力されるようになっているが、作動状態試験信号にセットされる再遊技作動状態フラグ、BB作動状態フラグ、RB作動状態フラグは、以下のタイミングでON・OFFされるようになっている。すなわち、図31(B)に示すように、再遊技作動状態フラグは、再遊技作動図柄が表示された後の遊技における後述の遊技開始処理においてOFFからONに設定され、遊技終了時(後述の遊技終了チェック処理)においてOFFとされる。一方、図31(C)に示すように、BB作動状態フラグは、BB作動図柄が表示された後の遊技における遊技開始処理においてOFFからONに設定され、同時にRB作動状態フラグもOFFからONに設定される。
一旦ONに設定されたBB作動状態フラグは、BB遊技の終了条件(450超の遊技メダルの払出し)が充足されるまで継続してONとされる。これに対し、RB作動状態フラグは、BB作動状態フラグと共にONに設定された後、2ゲーム毎(RB遊技の終了条件が充足される毎)に一旦OFFに切り替えられて再びONに設定される。この、RB作動状態フラグがOFFに切り替えられてから再びONに設定されるまでの間に、先に略述したRB作動終了時待機時間(フリーズ)が設定されるようになっており、本実施形態では、後述のタイマ割込処理が5回実行される期間(=2.235ms×5≒11ms)として設定される。すなわち、このRB作動終了時待機時間内においては、BB作動状態フラグはONに、RB作動状態フラグはOFFにセットされ、その間に実行される各タイマ割込処理において、上記のような作動状態フラグ情報を担持した作動状態試験信号が、計5回、試験用出力ポートPO8から出力されるようになっている。一方、その間、後述の遊技進行制御処理は実行されず、遊技操作の受付けも行われない。
なお、RB作動終了時待機時間は、BB作動中において、RB遊技が一時非作動となりながら連続的(間欠的)に作動していることを試験装置に識別させるためのものであり、任意の時間に設定し得る。ただし、RB作動終了時待機時間は、量産仕様の場合でも設定されるようになっており(量産仕様の場合は設定しないようにしてもよい)、かつRB作動終了時待機時間中のフリーズは、演出上の効果を得るために敢えて遊技者に認識させるように設定される一般的なフリーズとは異なるので、遊技者が違和感を覚えない(フリーズ中であると認識し得ない)程度の短い時間(例えば、2.235×2〜25≒4.5〜56ms程度)に設定することが好ましい。上述のRB作動終了時待機時間(≒11ms)は、量産仕様においては遊技者が違和感を覚えない短い時間であり、かつ、試験仕様においては試験装置がRB作動状態フラグのOFF期間を正しく認識し得る十分な時間として設定したものである。
また、上記図柄停止試験信号は、後述する図柄停止試験信号出力処理において出力されるなっている。本実施形態では、この図柄停止試験信号出力処理を、スタートレバー操作受付後(実際には、試験装置から送信される、スタートレバーを操作したことを示す信号(遊技開始指令信号)を受信した後)、最小遊技時間が経過したか否かを判定する処理(後述のリール回転開始準備処理内で行われる)を実行する前に行うようになっている。これにより次のような利点がある。すなわち、型式試験等の試験において図柄停止試験信号は、遊技開始指令信号の受信後、所定時間内に出力することが要求されることがあるが、その所定時間が最小遊技時間よりも短く設定される場合がある(例えば、2秒)。一方で、試験においては、最短で遊技されると遊技開始指令信号を受信してから次の遊技開始指令信号を受信するまでの時間が、例えば1秒程度と、最小遊技時間よりもかなり短くなる可能性がある。その場合、図柄停止試験信号出力処理を、最小遊技時間が経過したか否かを判定する処理の後に実行するようにすると、図柄停止試験信号の出力タイミングに対する要求に応えられない可能性があるのに対し、最小遊技時間が経過したか否かを判定する処理の前に行うことにより、そのような要求に十分に応じることが可能となる。また、最小遊技時間が経過したか否かを判定する処理の後には種々の制御処理を実行する必要があるのに対し、試験においては、遊技開始指令信号を受信してから次の遊技開始指令信号を受信するまでの時間が短くなるせいで、遊技開始指令信号を受信した後、最小遊技時間が経過するまでの間に時間的な余裕が生じる。このため、最小遊技時間が経過したか否かを判定する処理を行う前に、図柄停止試験信号出力処理を行うようにしても処理負荷が少なくて済む。
[主要な制御処理]
以下、上述のスロットマシン1において行われる主要な制御処理について、主に図32〜52を参照しながら説明する。以下では、まず、図32〜49を用いて、主制御手段100において行われる制御処理のうち、特に、試験仕様判定準備処理、遊技進行制御処理、タイマ割込処理について説明する。次に、図50〜52を用いて、サブメイン制御手段200Aにおいて行われる各種の制御処理のうち、特に、プログラム開始処理、サブメインループ処理、電源断処理について説明する。
<試験仕様判定準備処理>
試験仕様判定準備処理は、電源投入時に行われる処理であり、図32(A)に示すように、まず、入力ポート読込みを行う(ステップR11)。この入力ポート読込みでは、特に、上述の端子PI0〜PI7の各電位レベルの読込みが行われる。次に、端子PI0の電位が試験時レベルであるか否かを判定する(ステップR12)。試験時レベルとは、スロットマシン1が試験仕様である場合に、端子PI0の電位レベルとして設定されたレベル(HレベルかLレベル)をいう。すなわち、試験仕様では端子PI0がHレベルに設定されているというのであれば試験時レベルはHレベル、逆に、試験仕様では端子PI0がLレベルに設定されているというのであれば試験時レベルはLレベルということになる。上記ステップR12の判定において、端子PI0の電位が試験時レベルである場合には、試験中フラグ(電源投入時の端子PI0の電位が試験時レベルであったか否かを識別するためのフラグ)をONに設定(ステップR13)してリターンし、試験時レベルでない場合には、試験中フラグの設定は行わずリターンする。
なお、図32(B)に示す変更例J1のように、試験仕様判定準備処理においては、端子PI0の電位レベルを確認する処理を含め、特に処理を行わないようにしてもよい。また、図32(C)に示す変更例J2のように、試験中フラグの設定は行わず、端子PI0の電位レベル(HレベルかLレベル)をRAM(RAM63)等の所定の記憶領域に記憶する(ステップR14A)ようにしてもよい。
<遊技進行制御処理>
次に説明する遊技進行制御処理は、遊技中に繰り返し実行される基本的な処理であり、図33に示すように、まず、遊技開始処理を行う(ステップS1)。この遊技開始処理では、図34に示すように、まず、図柄組合せ表示フラグの情報を取得する(ステップS31)。具体的には、作動図柄表示フラグ記憶領域(図27(B)を参照)に記憶されているデータ値(作動図柄表示フラグのデータ値)をAレジスタ(メインCPU61が備えるレジスタ。以下の各レジスタについて同じ)に記憶する処理を行う。次に、前遊技においてBB作動図柄が表示されたか否かを判定する(ステップS32)。ここで、BB作動図柄が表示されていればBB作動時(作動開始時)における遊技メダルの獲得可能数(「450」)のデータを所定の記憶領域に保存(ステップS33)してステップS34に進み、BB作動図柄が表示されていなければ上記ステップS33の処理は行わずにステップS34に進む。
このステップS34では作動状態フラグのデータを生成する。具体的には、次の(1)〜(5)の処理を行う。
(1)HLレジスタに、作動状態フラグ記憶領域(図27(A)を参照)のアドレスのデータを記憶する。具体的には、作動図柄表示フラグ記憶領域のアドレスは「F01CH」なので、Hレジスタ値=「F0H」、Lレジスタ値=「1CH」となる。
(2)Aレジスタに記憶されているデータ値(=作動図柄表示フラグのデータ値)と、HLレジスタに記憶されたアドレスの記憶領域(=作動状態フラグ記憶領域)に記憶されているデータ値(=作動状態フラグのデータ値)とをOR演算し、その演算結果をAレジスタに記憶する。
(3)Aレジスタに記憶されているデータ値(=上記OR演算により得られたデータ値)をCレジスタに記憶する。
(4)Aレジスタに記憶されているデータ値(=上記OR演算により得られたデータ値)と、作動図柄表示フラグのデータ値(=8ビットのデータ値)におけるビット3のデータ値(=BB作動図柄表示フラグに対応するデータ値)を「1」に、他のビットのデータ値を「0」に設定した8ビットのデータ値(=「00001000B」)とをAND演算し、演算結果をAレジスタに記憶する。
(5)Aレジスタに記憶されているデータ値(=上記AND演算により得られたデータ値)を1ビット左シフトする演算を行い、演算結果をAレジスタに記憶する。
上記ステップS34の処理後、作動状態フラグを更新する(ステップS35)。具体的には、上記ステップS34の(5)の処理後においてAレジスタに記憶されているデータ値と、Cレジスタに記憶されているデータ値とをOR演算し、Aレジスタに記憶する処理を行う。次いで、更新した作動状態フラグを保存する(ステップS36)。具体的には、HLレジスタに記憶されているアドレスの記憶領域(=作動状態フラグ記憶領域)に、Aレジスタに記憶されているデータ値を記憶する処理を行う。これにより、それまでの作動状態フラグの情報から、更新した作動状態フラグの情報に置き替わる。
上述のステップS34における上記(2)〜(5)の処理、及びステップS35,S36の処理の具体例として、前遊技においてBB作動図柄が表示された場合(以下「具体例1」と称する)、BB作動図柄が既に表示され、かつBB及びRB作動中である場合(以下「具体例2」と称する)、BB作動図柄が既に表示され、かつBB作動中であるがRB非作動である場合(以下「具体例3」と称する)について、各レジスタの値がどのように変化するのかについて示す。
[具体例1]
(ステップS34)
(2)Aレジスタ値:「00001000B」
HLレジスタに記憶されたアドレスにおけるデータ値:「00000000B」
OR演算後のAレジスタ値:「00001000B」
(3)Aレジスタ値:「00001000B」
Cレジスタ値:「00001000B」
(4)Aレジスタ値:「00001000B」
ビット3を「1」、他のビットを「0」としたのデータ値:「00001000B」
AND演算後のAレジスタ値:「00001000B」
(5)Aレジスタ値(左シフト前):「00001000B」
Aレジスタ値(左シフト後):「00010000B」
(ステップS35)
Aレジスタ値:「00010000B」
Cレジスタ値:「00001000B」
Aレジスタ値(OR演算後):「00011000B」
(ステップS36)
HLレジスタに記憶されたアドレスにおけるデータ値:「00011000B」
[具体例2]
(ステップS34)
(2)Aレジスタ値:「00000000B」
HLレジスタに記憶されたアドレスにおけるデータ値:「00011000B」
OR演算後のAレジスタ値:「00011000B」
(3)Aレジスタ値:「00011000B」
Cレジスタ値:「00011000B」
(4)Aレジスタ値:「00011000B」
ビット3を「1」、他のビットを「0」としたのデータ値:「00001000B」
AND演算後のAレジスタ値:「00001000B」
(5)Aレジスタ値(左シフト前):「00001000B」
Aレジスタ値(左シフト後):「00010000B」
(ステップS35)
Aレジスタ値:「00010000B」
Cレジスタ値:「00011000B」
Aレジスタ値(OR演算後):「00011000B」
(ステップS36)
HLレジスタに記憶されたアドレスにおけるデータ値:「00011000B」
[具体例3]
(ステップS34)
(2)Aレジスタ値:「00000000B」
HLレジスタに記憶されたアドレスにおけるデータ値:「00001000B」
OR演算後のAレジスタ値:「00001000B」
(3)Aレジスタ値:「00001000B」
Cレジスタ値:「00001000B」
(4)Aレジスタ値:「00001000B」
ビット3を「1」、他のビットを「0」としたのデータ値:「00001000B」
AND演算後のAレジスタ値:「00001000B」
(5)Aレジスタ値(左シフト前):「00001000B」
Aレジスタ値(左シフト後):「00010000B」
(ステップS35)
Aレジスタ値:「00010000B」
Cレジスタ値:「00001000B」
Aレジスタ値(OR演算後):「00011000B」
(ステップS36)
HLレジスタに記憶されたアドレスにおけるデータ値:「00011000B」
次に、RB作動が開始されたか否かを判定する(ステップS37)。具体的には、Aレジスタに記憶されているデータ値と、Cレジスタに記憶されているデータ値とをXOR演算し、ゼロフラグ(Fレジスタの特定のビットに設定され、演算の結果が「0」であれば「1」のデータが記憶されるようになっている)が、「1」であるか否かを判定する。ここで、ゼロフラグ≠「1」であればRB作動が開始されたと判定してステップS38に進み、ゼロフラグ=「1」であればステップS38には進まずリターンする。このステップS38では、RB作動時の遊技可能回数(2回)及び入賞可能回数(2回)の情報を保存する。具体的には、RAM63の所定の記憶領域に設定されたRB遊技可能回数カウンタとRB入賞可能回数カウンタにそれぞれ「2」のデータを保存する。
上記遊技開始処理からのリターンで、図33のステップS2に進み、遊技メダル管理を行う。具体的には、遊技者により遊技メダルが投入(手入れ)されたり、ベットスイッチが操作されたりした場合に、ベット数やクレジット(貯留)数を管理するとともに、清算スイッチが操作された場合には、ベットされた遊技メダルや貯留された遊技メダルを払い戻す清算処理を行う。また、再遊技作動状態である場合には、前遊技でのベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態に設定する自動ベット処理を行う。
上記遊技メダル管理を行った後、ステップS3に進む。そこでベット数が規定数に一致しかつスタートレバーの操作が受け付けられたか否かを判定する。ここでの判定が是である場合にはステップS4に進み、否である場合にはステップS2に戻る。上記ステップS4では、ブロッカをOFFし、ステップS5に進む。
このステップS5では役決定処理を行う。具体的には、まず、乱数発生器66等により生成される乱数列の中から1つの乱数を選出する乱数ラッチを行う。次に、ラッチされた乱数(以下、適宜「ラッチ乱数」と称する)を読込み、読み込んだラッチ乱数と役抽選テーブルに基づき、1つの役決定結果番号を選出する。次いで、選出された役決定結果番号の情報を、上述の入賞・RP役決定結果番号記憶領域または役物役決定結果番号記憶領域に保存する。
上記役決定処理を行った後、遊技モード0〜7のうちのどの遊技モードに設定されているかを判別する(ステップS6)。そして、設定されている遊技モードに応じて、遊技モード0(レバー)処理(ステップS7)、遊技モード1(レバー)処理(ステップS8)、遊技モード2(レバー)処理(ステップS9)、遊技モード3(レバー)処理(ステップS10)、遊技モード4(レバー)処理(ステップS11)、遊技モード5(レバー)処理(ステップS12)、遊技モード6(レバー)処理(ステップS13)、遊技モード7(レバー)処理(ステップS14)の何れかの処理を行う。
上記遊技モード0(レバー)処理では、図35(A)に示すように、まず、上記役決定処理において役決定結果番号15〜22,48〜50のうちの何れかが選出されたか否かを判定する(ステップS41)。ここで、何れかの役決定結果番号が選出されていた場合は、上述のAT抽選を行い(ステップS42)、AT当選したか否かを判定する(ステップS43)。ここで、AT当選していた場合は、ATストック数を「1」加算する(ステップS44)。具体的には、RAM63の所定の記憶領域に設定されたATストック数カウンタの値(初期値「0」)を「+1」する処理を行う。そして、上述の前兆G数抽選を行い(ステップS45)、リターンする。一方、上記ステップS41の判定において、役決定結果番号15〜22,48〜50が選出されていない場合は、上記ステップS42〜S45の処理は行わすにリターンし、上記ステップS43の判定において、AT当選していない場合には、上記ステップS44,S45の処理は行わすにリターンする。
上記遊技モード1(レバー)処理では、図35(B)に示すように、特に処理を行うことなくリターンする。上記遊技モード2(レバー)処理では、図35(C)に示すように、押し順指示番号設定処理を行う(ステップS51)。この押し順指示番号設定処理では、図35(D)に示すように、どの役決定結果番号(入賞・RPの役決定結果番号)が選出されたのかを判別する(ステップS52)。そして、役決定結果番号2,7,12,23,29,35,42の何れかが選出されていた場合は押し順指示番号A1を選出し(ステップS53)、役決定結果番号3,8,24,30,36,43の何れかが選出されていた場合は押し順指示番号A2を選出し(ステップS54)、役決定結果番号4,9,13,25,31,37,44の何れかが選出されていた場合は押し順指示番号A3を選出する(ステップS55)。同様に、役決定結果番号5,10,26,32,38,45の何れかが選出されていた場合は押し順指示番号A4を選出し(ステップS56)、役決定結果番号6,11,27,33,39,46の何れかが選出されていた場合は押し順指示番号A5を選出し(ステップS57)、役決定結果番号28,34,40,47の何れかが選出されていた場合は押し順指示番号A6を選出する(ステップS58)。図示していないが、選出した押し順指示番号の情報は、上述の押し順指示番号記憶領域(図27(E)を参照)に記憶し、リターンする。なお、上記した以外の役決定結果番号が選出されていた場合は、何れの押し順指示番号も選出しないでリターンするが、これは押し順指示番号A0を選出してその情報を記憶した場合と同じことになる(押し順指示番号の情報が遊技終了時にクリアされるがそのクリアされた状態が、押し順指示番号A0の情報(「00000000B」)を記憶した状態と同じとなるため)。
上記遊技モード3(レバー)処理では、図36(A)に示すように、まず、上記押し順指示番号設定処理を行う(ステップS61)。次いで、役決定結果番号23〜28の何れかが選出されたか否かを判定し(ステップS62)、選出されていた場合には、上述の押し順当てゲーム抽選を行い(ステップS63)、押し順当てゲーム抽選に当選したか否かを判定する(ステップS64)。ここで、当選した場合は、役決定結果番号23〜28のうちの何れの役決定結果番号が選出されていたかを判別し(ステップS65)、役決定結果番号23または24が選出されていた場合は押し順指示番号A7を選出し(ステップS66)、役決定結果番号25または26が選出されていた場合は押し順指示番号A8を選出し(ステップS67)、役決定結果番号27または28が選出されていた場合は押し順指示番号A9を選出し、それぞれステップS69に進む。一方、上記ステップS62の判定において役決定結果番号23〜28が選出されていなかった場合は、そこから直接ステップS69に進み、上記ステップS64の判定において押し順当てゲーム抽選に当選しなかった場合は、そこから直接ステップS69に進む。
このように遊技モード3(レバー)処理では、役決定処理により役決定結果番号23〜28の何れかが選出されていた場合には、通常の押し順指示番号(A1〜A6の何れか)が選出されるとともに、押し順当てゲーム抽選に当選した場合には、押し順当てゲーム用の押し順指示番号(A7〜A9の何れか)も選出される。先述したように、押し順当てゲーム用の押し順指示番号は押し順当てゲームにおける押し順の報知に利用され、通常の押し順指示番号は押し順当てゲームに正解したか否かを判定する際に利用される。
上記ステップS69では、役決定処理において役決定結果番号17〜22のうちの何れかが選出されたか否かを判定する。ここで、何れかの役決定結果番号が選出されていた場合は、上述のAT抽選を行い(ステップS70)、AT当選したか否かを判定する(ステップS71)。ここで、AT当選していた場合は、ATストック数を「1」加算し(ステップS72)、リターンする。一方、上記ステップS69の判定において役決定結果番号17〜22が選出されていなかった場合は、ステップS70〜S72の処理は行わずにリターンし、上記ステップS71の判定においてAT当選しなかった場合は、ステップS72の処理は行わずにリターンする。なお、AT抽選の実行契機となる役決定結果番号17〜22は、RT3状態でのみ選出されるようになっている。このため、遊技モード3には設定されているがRT3に設定されていない(例えば、遊技モード2のときに押し順ナビに従わないとRT3以外の遊技状態に移行し、かつ遊技モード3に設定される)は、AT抽選が行われず、ATストック数が加算されることもない。
上記遊技モード4(レバー)処理では、図36(B)に示すように、特に処理を行うことなくリターンする。上記遊技モード5(レバー)処理では、図36(C)に示すように、AT抽選を行い(ステップS81)、AT当選したか否かを判定する(ステップS82)。ここで、AT当選していた場合は、ATストック数を「1」加算し(ステップS83)、リターンする。一方、AT当選しなかった場合は、ステップS83の処理は行わずにリターンする。上記遊技モード6(レバー)処理では、図36(D)に示すように、特に処理を行うことなくリターンする。上記遊技モード7(レバー)処理では、図36(E)に示すように、AT抽選を行い(ステップS91)、AT当選したか否かを判定する(ステップS92)。ここで、AT当選していた場合は、ATストック数を「1」加算し(ステップS93)、リターンする。一方、AT当選しなかった場合は、ステップS93の処理は行わずにリターンする。このように遊技モード5,7に設定されているときには、毎ゲームAT抽選が行われる。
上述の遊技モード0(レバー)処理乃至遊技モード7(レバー)処理からのリターンで、図33のステップS15に進み、押し順指示表示処理を行う。具体的には、遊技モード2(レバー)処理または遊技モード3(レバー)処理において選出された押し順指示番号(A1〜A9の何れか)に応じた押し順(図16を参照)をWINランプ46jに表示させる処理(押し順指示番号のデータをAレジスタにセットする処理と、Aレジスタにセットした押し順指示番号のデータを所定の出力ポートにセットする処理)を行う。なお、押し順指示番号A1〜A9の何れもが選出されなかった場合には、WINランプ46jによる押し順の報知は行われない。また、遊技モード2,3以外の遊技モードでは押し順指示番号は選出されず、WINランプ46jによる押し順の報知は行われない。
上記押し順指示表示処理を行った後、スロットマシン1が試験仕様であるか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、先述した試験中フラグがONに設定されているか否かを判定し、ONに設定されていれば試験仕様であると判定し、ONに設定されていなければ量産仕様であると判定する。なお、試験仕様であるか否かを判定する方法としてはこれ以外にも、後述する種々の方法(例えば、図38,39に示すリール回転開始準備処理やその各変更例において、当選情報出力タイマをセットするか否かを判断するために行う方法)を採用することができる。上記ステップS16において、試験仕様であると判定した場合は、割込み(例えば後述のタイマ割込処理の実行)を禁止し(ステップS17)、次述する図柄停止試験信号出力処理を行う(ステップS18)。
この図柄停止試験信号出力処理は、上述の第2PRG領域(図26を参照)に記憶された制御プログラムにより実行されるものであり、図37(A)に示すように、まず、準備処理を行う(ステップS1801)。具体的には、第1PRG領域におけるスタックポインタの退避、第2PRG領域におけるスタックポインタのセット、各レジスタに記憶されていたデータの退避等を行う。次に、上述した停止受付指定テーブルT2(図30(B)を参照)をセットする(ステップS1802)。具体的には、HLレジスタに、停止受付指定テーブルT2の先頭アドレス(「**30H」)をセットする。そして、BB作動中であるか否かを判定する(ステップS1803)。具体的には、上述した作動状態フラグ記憶領域(図27(A)を参照)に記憶された作動状態フラグのデータをAレジスタにセットし、Aレジスタにセットした値を、1ビットだけ右シフトする。例えば、BB及びRB作動中のときはAレジスタ値が最初は「00011000B」となり、右シフト後は「00001100B」となる(このときゼロフラグ=「0」)。さらに、セロフラグ=「1」であるか否かを判定し、「1」のときはBB作動時ではないと判定し、「0」のときはBB作動時であると判定する。なお、右シフトは行わず、Aレジスタ値のビット3の値が「1」であるか否かを判定し、「1」であればBB作動時であると判定し、「0」のときはBB作動時ではないと判定してもよい。
上記ステップS1803において、BB作動中でないと判定した場合は、ステップS1804に進み、上述した停止受付指定テーブルT1(図30(A)を参照)をセットする。具体的には、HLレジスタに、停止受付指定テーブルT1の先頭アドレス(「**00H」)をセットする(BB作動中でないと判定した場合は、停止受付指定テーブルT2がセットされたままとなる)。そして、先に選出されていた押し順指示番号に応じた指定テーブルアドレスをセットする(ステップS1805)。具体的には、押し順指示番号の数値(例えば、A3であれば「3」、A6であれば「6」、停止受付指定テーブルT2がセットされた場合(BB作動中)は必ず押し順指示番号A0なので「0」)のデータをAレジスタにセットし、さらに、Aレジスタにセットした値をAレジスタに加算し、さらにもう一度、加算後のAレジスタの値をAレジスタに加算する。これは、Aレジスタに最初にセットした値を4倍していることに相当する。さらに、HLレジスタの値にAレジスタの値を加算する。すなわち、停止受付指定テーブルT1またはT2の先頭アドレスに、押し順指示番号の値を4倍した値を加算することにより、押し順指示番号に対応した新たなアドレスをHLレジスタにセットしている。
次いで、ステップS1806に進み、押し順指定コマンド出力要求をセットする。具体的には、Dレジスタに、押し順指示番号のデータであることを識別するための所定の値(「7100H」とする)の上位の値(「71H」)をセットし、さらに、HLレジスタに記憶されている値に「0」を加算した値が示す(一致する)アドレスに記憶されている値をEレジスタにセットする(HLレジスタの値に「0」を加算する処理をするのではなく、HLレジスタの値は更新されていない)。次に、ステップS1807に進み、図柄停止試験信号出力を行う。
この図柄停止試験信号出力では、図37(B)に示すように、まず、アドレスデータの退避を行う(ステップS1821)。具体的には、HLレジスタに記憶していたアドレスのデータをスタック領域に退避する。次いで、シリアル通信の試験用出力ポート(上記試験用出力ポートSO0)のデータレジスタのアドレスをセットする(ステップS1822)。具体的には、HLレジスタに、試験用出力ポートSO0のデータレジスタのアドレス(「FE53H」とする)をセットする。次に、第1コマンドの書込みを行う(ステップS1823)。具体的には、Dレジスタの値を、HLレジスタの値が示すアドレスにセットする。続いて、第2コマンドの書込みを行う(ステップS1824)。具体的には、Eレジスタの値(上記「71H」)を、HLレジスタの値が示すアドレスにセットする。次いで、SUMコマンドを算出する(ステップS1825)。具体的には、AレジスタにDレジスタの値をセットし、Aレジスタの値にEレジスタの値を加算し、Aレジスタの値に「2」を加算する。そして、Aレジスタの値と「10000000B」とをOR演算する。
次に、SUMコマンドの書込みを行う(ステップS1826)。具体的には、Aレジスタ値を、HLレジスタの値が示すアドレス(試験用出力ポートSO0のデータレジスタ)にセットする。そして、アドレスデータの復帰を行い(ステップS1827)、リターンする。アドレスデータの復帰とは、具体的には、スタック領域に退避させていたアドレスのデータをHLレジスタにセットする処理である。上記SUMコマンドは次のように利用することより、以下の効果が得られる。すなわち、先に略述したように試験信号は中継装置を介して試験装置に出力されるので、この中継装置において、第1、第2コマンドの正誤をSUMコマンドに基づき判定するのように構成し、正しいと判定した場合には第1、第2コマンドを試験装置に出力し、誤りと判定した場合には出力しないようにすることが可能となる。これにより、誤った情報を担持した図柄停止試験信号が、試験装置に対して出力されることを防止することができる。なお、中継装置は、第1、第2コマンドであるのかSUMコマンドであるのかを、ビット7のデータ値(第1、第2コマンドの場合は「0」、SUMコマンドの場合は「1」となる)で判断することが可能である。
図柄停止試験信号出力の実行後、ステップS1809に進み、左リール停止受付位置指定コマンド出力要求をセットする。具体的には、Dレジスタの値を「1」インクリメントする。すなわち、Dレジスタの値が「71H」から「72H」となる。なお、この「72H」という値は、左リール停止受付位置のデータであることを識別するために設定された値(「7200H」)の上位の値となっている。さらに、HLレジスタの値に「1」を加算した値が示すアドレスに記憶されている値をEレジスタにセットする(HLレジスタの値に「1」を加算する処理をするのではなく、HLレジスタの値は更新されていない)。次に、ステップS1810に進み、上述の図柄停止試験信号出力を行う。
その図柄停止試験信号出力の実行後、ステップS1811に進み、中リール停止受付位置指定コマンド出力要求をセットする。具体的には、Dレジスタの値を「1」インクリメントする。すなわち、Dレジスタの値が「72H」から「73H」となる。なお、この「73H」という値は、中リール停止受付位置のデータであることを識別するために設定された値(「7300H」)の上位の値となっている。さらに、HLレジスタの値に「2」を加算した値が示すアドレスに記憶されている値をEレジスタにセットする(HLレジスタの値に「2」を加算する処理をするのではなく、HLレジスタの値は更新されていない)。次に、ステップS1812に進み、上述の図柄停止試験信号出力を行う。
その図柄停止試験信号出力の実行後、ステップS1813に進み、右リール停止受付位置指定コマンド出力要求をセットする。具体的には、Dレジスタの値を「1」インクリメントする。すなわち、Dレジスタの値が「73H」から「74H」となる。なお、この「74H」という値は、右リール停止受付位置のデータであることを識別するために設定された値(「7400H」)の上位の値となっている。さらに、HLレジスタの値に「3」を加算した値が示すアドレスに記憶されている値をEレジスタにセットする(HLレジスタの値に「3」を加算する処理をするのではなく、HLレジスタの値は更新されていない)。次に、ステップS1814に進み、上述の図柄停止試験信号出力を行う。
その図柄停止試験信号出力の実行後、終了処理(ステップS1815)を行ってリターンする。この終了処理では、上記ステップS1801の準備処理において退避させた、各レジスタに記憶されていたデータの復帰、第1PRG領域におけるスタックポインタの復帰等を行う。このように、本実施形態では、図柄停止試験信号出力処理を、押し順指示番号を選出し、さらにそれを表示する処理(押し順指示表示処理)が実行された後に行うようにしている。こうすることにより、選出した押し順指示番号の情報を押し順指示番号記憶領域に記憶する処理と、そこに記憶された押し順指示番号の情報を読み出して表示させる処理とを続けて行うことが可能となるので、処理の流れがスムーズとなる。これに対し、押し順指示番号を選出した後、図柄停止試験信号出力処理を実行し、その後で図柄停止試験信号出力処理を行うことも考えられるが、この場合、選出した押し順指示番号の情報を押し順指示番号記憶領域に記憶する処理と、そこに記憶された押し順指示番号の情報を読み出して表示させる処理とが、図柄停止試験信号出力処理を挟んで行われるので、処理の流れが複雑となったり、表示の開始が遅くなったりする。
上述の図柄停止試験信号出力処理からのリターンで、図33のステップS19に進み、割込みを許可し、ステップS20に進む。一方、上記ステップS16において試験仕様ではないと判定した場合には、そこから直接ステップS20に進む。このステップS20では、押し順指示番号のデータを副制御手段(サブ)への送信用バッファ(上記CB)に保存する。この送信用バッファへのデータ保存により、押し順指示番号のデータがサブへと送信される。
次に、入賞・RPの押し順指示番号に対するマスク処理を行い(ステップS21)、マスク処理により決定した演出グループ番号(図19を参照)のデータを上記送信用バッファに保存する(ステップS22)。この送信用バッファへのデータ保存により、演出グループ番号のデータがサブへと送信される。さらに、役物の押し順指示番号のデータを上記送信用バッファに保存する(ステップS23)。この送信用バッファへのデータ保存により、役物の押し順指示番号のデータがサブへと送信される。
次いで、リール回転開始準備処理を行う(ステップS24)。このリール回転開始準備処理では、図38(A)に示すように、最小遊技時間が経過したか否かを判定する(ステップS101)、具体的には、次述する最小遊技時間タイマの値を読み出し、それが「0」であるか否かを判別し、「0」であれば最小遊技時間が経過したと判定して次のステップに進み、「0」でなければ最小遊技時間が経過していないと判定し、この判定を繰り返す処理を行う。最小遊技時間とは、先述したように、1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1秒間)のことである。次に、新たに最小遊技時間をセットする(ステップS102)。具体的には、RAMの所定の記憶領域に設定される最小遊技時間タイマに「1836」(1836×2.235ms≒4100ms)の値をセットする。セットさたタイマ値は、後述のタイマ割込処理が実行される度に「1」ずつ減算され、「0」となった以降は「0」のままとされる。
次いで、試験中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、試験中フラグがONである場合は、ステップS103に進み、上述の当選情報出力期間タイマをセット(セット値「25」とする)してリターンする。セットされたタイマ値は、後述のタイマ割込処理が実行される度に「1」ずつ減算され、「0」となった以降は「0」のままとされる。一方、試験中フラグがONでない場合は、当選情報出力期間タイマのセットは行わずにリターンする。このように、本実施形態におけるリール回転開始準備処理では、電源投入時に試験仕様ではない(量産仕様である)と判断されて試験中フラグがOFFに設定されると、当選情報出力期間タイマがセットされることはない。後述するように、当選情報出力期間タイマがセットされないと、実際の当選情報を担持した試験信号が出力されることはないので、試験信号から当選情報を不正に取得することを防止することができる。
なお、変更例(例えば、上述の試験仕様判定準備処理の変更例J1(図32(B)を参照)に対応する例)として、図38(B)に示すリール回転開始準備処理(変更例K1)を行うようにしてもよい。このリール回転開始準備処理(変更例K1)では、最小遊技時間の経過確認(ステップS101A)により、新たな最小遊技時間をセット(ステップS102A)した後、入力ポートの読込み(具体的には端子PI0〜PI7の各電位レベルの読込み)を行い(ステップS1021A)、端子PI0の電位が試験時レベルであるか否かを判定する(ステップS1022A)。ここで、端子PI0の電位が試験時レベルである場合は、当選情報出力期間タイマをセット(ステップS104A)してリターンする一方、試験時レベルでない場合は、当選情報出力期間タイマのセットは行わずにリターンする。この変更例K1の場合、試験仕様であるか否かを、リール回転開始準備処理において毎遊技判定する。1つの遊技において、試験仕様ではないと判定されると、当選情報出力期間タイマがセットされず、実際の当選情報を担持した試験信号が出力されないが、その後の遊技において、試験仕様である(PI0が試験時レベル)と判定されると当選情報出力期間タイマがセットされ、実際の当選情報を担持した試験信号が出力される。このため、電源投入時に試験仕様であるか否かを判定するための処理を行う必要がなく電源投入時の制御処理を簡略化し得るという利点はあるが、人為的にPI0を試験時レベルに設定する不正行為が行われた場合、試験信号から当選情報を不正に取得される虞がある。
別の変更例(例えば、上述の試験仕様判定準備処理の変更例J2(図32(C)を参照)に対応する例)として、図38(C)に示すリール回転開始準備処理(変更例K2)を行うようにしてもよい。このリール回転開始準備処理(変更例K2)では、最小遊技時間の経過確認(ステップS101B)により、新たな最小遊技時間をセット(ステップS102B)した後、端子PI0〜PI7の各電位レベルの読込みを行い(ステップS1021B)、今回の(今回取得した)端子PI0の電位が試験時レベルであるか否かを判定する(ステップS1023B)。ここで、今回の端子PI0の電位が試験時レベルである場合は、電源投入時に記憶された端子PI0の電位も試験時レベルである(今回の端子PI0の電位と電源投入時のPI0の電位が共に試験時レベルで一致する)か否かを判定する(ステップS1024B)。そして、電源投入時に記憶された端子PI0の電位も試験時レベルである場合は、当選情報出力期間タイマをセット(ステップS104B)してリターンする。一方、今回の端子PI0の電位が試験時レベルでない場合、または電源投入時のPI0の電位が試験時レベルでない場合は、当選情報出力期間タイマのセットは行わずにリターンする。この変更例K2の場合、電源投入時のPI0の電位が試験時レベルでない場合は、その後、PI0の電位が試験時レベルであったとしても、当選情報出力期間タイマがセットされることはない。したがって、人為的にPI0を試験時レベルに設定する不正行為が行われたとしても、試験信号から当選情報を不正に取得されることを防止し得る。
さらに別の変更例(例えば、上記試験仕様判定準備処理の変更例J2に対応する別例)として、図38(D)に示すリール回転開始準備処理(変更例K3)を行うようにしてもよい。このリール回転開始準備処理(変更例K3)では、最小遊技時間の経過確認(ステップS101C)により、新たな最小遊技時間をセット(ステップS102C)した後、端子PI0〜PI7の各電位レベルの読込みを行い(ステップS1021C)、今回の(今回取得した)端子PI0の電位が試験時レベルであるか否かを判定する(ステップS1023C)。ここで、今回の端子PI0の電位が試験時レベルである場合は、電源投入時に記憶された端子PI0の電位も試験時レベルである(今回の端子PI0の電位と電源投入時のPI0の電位が共に試験時レベルで一致する)か否かを判定する(ステップS1024C)。そして、電源投入時に記憶された端子PI0の電位も試験時レベルである場合は、当選情報出力期間タイマをセット(ステップS104C)してリターンする。一方、今回の端子PI0の電位は試験時レベルであるが、電源投入時のPI0の電位が試験時レベルでない場合は、電源投入時に記憶された端子PI0の電位を試験時レベルに変更して(ステップS1025C)リターンする。
そして、次遊技におけるール回転開始準備処理(変更例K3)において、今回の端子PI0の電位が試験時レベルであり、かつ変更された電源投入時のPI0の電位も試験時レベルである場合は、当選情報出力期間タイマがセットされる。このように変更例K3の場合、電源投入時のPI0の電位が試験時レベルでなくても、その後、PI0の電位が試験時レベルであったときは、電源投入時のPI0の電位も試験時レベルに書き替えられ、その後の遊技において、当選情報出力期間タイマがセットされる可能性がある。このため、ノイズの影響等により電源投入時のPI0の電位が誤って記憶された場合でも、それを修正して、実際の当選情報を担持した試験信号を出力することが可能となる。なお、量産仕様のものにおいて、人為的にPI0を試験時レベルに設定する不正行為が行われる可能性もあるが、今回の端子PI0の電位と電源投入時のPI0の電位が一致しない段階で、エラー報知を行うように設定することにより、遊技店員等に注意を喚起し、その後不正行為が行われていないかを監視し得るようにすることで、試験信号から当選情報を不正に取得されることを防止し得る。
また、他の変更例(例えば、上記試験仕様判定準備処理の変更例J2に対応する他の例)として、図39(A)に示すリール回転開始準備処理(変更例K4)を行うようにしてもよい。このリール回転開始準備処理(変更例K4)では、最小遊技時間の経過確認(ステップS101D)により、新たな最小遊技時間をセット(ステップS102D)した後、端子PI0〜PI7の各電位レベルの読込みを行い(ステップS1021D)、今回の(今回取得した)端子PI0の電位レベルと、電源投入時に記憶された端子PI0の電位レベルが一致するか否かを判定する(ステップS1026D)。ここで、両者が一致する場合は、今回の端子PI0の電位が試験時レベルであるか否かを判定する(ステップS1027D)。そして、今回の端子PI0の電位が試験時レベルである場合は、当選情報出力期間タイマをセット(ステップS104D)してリターンし、試験時レベルでない場合は、当選情報出力期間タイマはセットせずにリターンする。一方、上記ステップS1026Dにおいて、今回の端子PI0の電位レベルと電源投入時の端子PI0の電位レベルが一致しない場合は、電源投入時に記憶された端子PI0の電位を量産時レベルに変更して(ステップS1028D)リターンする。
このように変更例K4の場合、今回の端子PI0の電位レベルと電源投入時の端子PI0の電位レベルが一致しない場合は、電源投入時に記憶された端子PI0の電位が量産時レベルに変更される。そして、その後の遊技におけるリール回転開始準備処理(変更例K4)において読み出された端子PI0の電位レベルが試験時レベルであったとしても、電源投入時の端子PI0の電位レベル(量産時レベル)とは一致しないことになるので、当選情報出力期間タイマがセットされることはない。また、次遊技以降に取得された端子PI0の電位レベルが量産時レベルである場合は、電源投入時の端子PI0の電位レベルと一致することになるが、端子PI0の電位レベルが試験時レベルではないため、やはり当選情報出力期間タイマがセットされることはない。すなわち、電源投入時の端子PI0の電位レベルと、新たに取得した端子PI0の電位レベルとが一致しない状況が一度でも発生した場合は、それ以降、当選情報出力期間タイマがセットされなくなり、試験信号から当選情報を不正に取得されることを防止し得る。
その他の変更例(例えば、後述の試験信号等出力処理の変更例L1,L2に対応する例)として、図39(B)に示すリール回転開始準備処理(変更例K5)を行うようにしてもよい。このリール回転開始準備処理(変更例K5)では、最小遊技時間の経過確認(ステップS101E)により、新たな最小遊技時間をセット(ステップS102E)した後、当選情報出力期間タイマをセット(ステップS104E)してリターンする。このように変更例K5の場合、リール回転開始準備処理においては、試験仕様であるか否かを判定するための処理を行わない(後述のタイマ割込処理内において行う)。
さらに、その他の変更例(例えば、後述の試験信号等出力処理の変更例L1,L2に対応する別例)として、図39(C)に示すリール回転開始準備処理(変更例K6)を行うようにしてもよい。このリール回転開始準備処理(変更例K6)では、最小遊技時間の経過確認(ステップS101F)により、新たな最小遊技時間をセット(ステップS102F)した後、ステップS1031Fに進み、役決定処理により選出された役決定結果番号の情報を取得する。具体的には、Hレジスタに、上述の役物役決定結果番号記憶領域(図27(D)を参照)に記憶されたデータ値をセットし、Lレジスタに、上述の入賞・RP役決定結果番号記憶領域(図27(C)を参照)に記憶されたデータ値をセットする処理を行う。次いで、識別子のデータをセットする(ステップS1032F)。具体的には、Hレジスタのビット7を「1」に設定し、Lレジスタのビット6を「1」に設定する処理を行う。次に、役決定結果情報を保存する(ステップS1033F)。具体的には、Hレジスタ値を、上述の役物当選情報記憶領域(図29(B)を参照)に保存し、Lレジスタ値を、上述の入賞・RP当選情報記憶領域(図29(A)を参照)に保存する処理を行う。そして、当選情報出力期間タイマをセット(ステップS104F)してリターンする。このように変更例K6の場合も、リール回転開始準備処理においては、試験仕様であるか否かを判定するための処理は行わない(後述のタイマ割込処理内において行う)。
上記リール回転開始準備処理からのリターンで、図33のステップS25に進み、そこでリール停止管理処理を行う。このリール停止管理処理では、各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理するともに、ストップスイッチの操作が受け付けられた場合には、その受け付けたタイミングと役決定処理の結果に応じて停止可能位置を定め、リールの減速から停止に至るまでの回転状態を管理する処理を行う。
次いで、各リールにおける停止表示図柄を確認する表示判定処理を行い(ステップS26)、さらに、払出処理を行う(ステップS27)。この払出処理では、停止表示された図柄組合せが遊技メダルの払出対象となる入賞役(小役)の対応図柄である場合に、遊技メダルの払出しを行う。この遊技メダルの払出しは、貯留可能である場合は貯留数に加算する処理により行い、貯留数が上限値に達した場合はホッパーから遊技メダルを実際に払い出すことにより行う。
次に、遊技終了チェック処理を行う(ステップS28)。この遊技終了チェック処理では、図40に示すように、まず、役決定結果番号のデータをクリアする(ステップS111)。具体的には、上述の入賞・RP役決定結果番号記憶領域(図27(C)を参照)に記憶されている入賞・RPの役決定結果番号のデータ(入賞・RP役決定結果番号フラグ)をクリアする処理を行う。また、BB作動図柄が停止表示された遊技においては、上述の役物役決定結果番号記憶領域(図27(D)を参照)に記憶されている役物の役決定結果番号のデータ(役物役決定結果番号フラグ)をクリアする処理も行う。続いて、再遊技作動状態フラグをクリアする(ステップS112)。具体的には、上述の作動状態フラグ記憶領域(図27(A)を参照)のビット0を「0」にする(再遊技作動状態フラグをクリアする)処理を行う。
次に、BB作動管理処理を行う(ステップS113)。このBB作動管理処理では、図41(A)に示すように、まず、作動状態フラグをチェックする(ステップS131)。具体的には、上記作動状態フラグ記憶領域に記憶されたデータ値をAレジスタにセットする処理を行う。さらに、そのAレジスタ値を1ビットだけ右シフトする処理を行う。例えば、BB及びRB作動中のときは、セットされたときのAレジスタ値=「00011000B」となり、右シフト後のAレジスタ値=「00001100B」となる。また、このときセロフラグ=「0」となる。次いで、BB作動中であるか否かを判定する(ステップS114)。具体的には、ゼロフラグが「0」であるか「1」であるかを判別し、「0」であればBB作動中、「1」であればBB非作動と判定する。なお、上記右シフトは行わず、セットされたときのAレジスタ値のビット3が「1」(BB作動中)であるか「0」(BB非作動)であるかを判定するようにしてもよい。
ここで、BB作動中と判定した場合は、BB中のメダル獲得可能数(残数)のデータを取得する(ステップS133)。具体的には、RAMの所定の記憶領域に記憶された遊技メダルの獲得可能数(残数)のデータをAレジスタにセットする処理を行う。次に、BB作動終了であるか否かを判定する(ステップS134)。具体的には、Aレジスタにセットした値が「0」(=BB中のメダル払出数が「450」超)であるか否か(またはゼロフラグが「1」であるか否か)を判別し、「0」であればBB作動終了、「0」でなければBB作動継続と判定する処理を行う。ここで、BB作動終了と判定した場合は、BB作動状態フラグ及びRB作動状態フラグをクリアする(ステップS134)。具体的には、Aレジスタ値(このとき「00000000B」となっている)を、上記作動状態フラグ記憶領域に保存する処理を行う。一方、上記ステップS132において、BB非作動と判定した場合は上記ステップS133〜S135の処理は行わずにリターンし、上記ステップS134において、BB作動継続と判定した場合は上記ステップS135の処理は行わずにリターンする。
上記BB作動管理処理からのリターンで、図40のステップS114に進み、RB作動中であるか否かを判定する。具体的には、上記作動状態フラグ記憶領域に記憶されたデータ値のビット4が「1」であるか「0」であるかを判別し、「1」であればRB作動中、「0」であればRB非作動と判定する処理を行う。ここで、RB作動中と判定した場合は、RB作動管理処理を行う(ステップS115)。
このRB作動管理処理では、図41(B)に示すように、まず、RB中の遊技可能回数を「1」だけデクリメントする(ステップS141)。具体的には、上述したRB遊技可能回数カウンタの値を「1」減算して更新する処理を行う。次いで、RB中の遊技可能回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS142)。具体的には、更新されたRB遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否か(またはカウンタ値を更新する演算の結果、ゼロフラグが「1」であるか否か)を判定する処理を行う。ここで、RB中の遊技可能回数が「0」でない場合は、今回の遊技における遊技メダルの払出数が「0」であったか否か(=小役が未成立か否か)を判定する(ステップS143)。ここで、メダル払出数が「0」でない場合(=小役が成立した場合)には、RB中の入賞可能回数を「1」だけデクリメントする(ステップS144)。具体的には、上述したRB入賞可能回数カウンタの値を「1」減算して更新する処理を行う。
次に、RB作動終了であるか否かを判定する(ステップS145)。具体的には、更新されたRB入賞可能回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別し、「0」であればRB作動終了、「0」でなければRB作動継続と判定する処理を行う。ここで、RB作動終了と判定した場合、または、上記ステップS142において、RB中の遊技可能回数が「0」であると判定した場合は、RB作動状態フラグをクリアする(ステップS146)。具体的には、上記作動状態フラグ記憶領域のビット4を「0」に更新する処理を行う。次いで、RB作動終了時待機時間をセットする(ステップS147)。具体的には、Bレジスタに「0」=「00000000B」、Cレジスタに「5」=「00000101B」をセットする処理を行う。次に、次述する待機時間待ち処理を行い(ステップS148)、リターンする。なお、上記ステップS143において、メダル払出数が「0」であると判定した場合は、上記ステップS144〜S148の処理は行わずにリターンし、上記ステップS145において、RB作動継続と判定した場合は、上記ステップS146〜S148の処理は行わずにリターンする。
上記待機時間待ち処理では、図41(C)に示すように、まず、待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS151)。具体的には、BCレジスタの値を判別し、Bレジスタ値=「0」、かつCレジスタ値=「0」の場合は待機時間が経過したと判定し、それ以外の場合は待機時間が経過していないと判定する。ここで、待機時間が経過していない場合は、割込み待ち処理を行う(ステップS152)。この割込み待ち処理では、図41(D)に示すように、割込みカウンタ値を取得する(ステップS161)。具体的には、RAM63の所定の記憶領域(ここでは、「F02BH」と「F02CH」の2つのアドレス領域とする)に設定された割込みカウンタにおける16ビットのカウンタ値のうち、下位の8ビットのカウンタ値のデータ(「F02CH」に記憶されている値)をAレジスタにセットする処理を行う。そして、割込みカウンタ値が変化する(割込みカウンタ値は、後述のタイマ割込処理のステップMT13において更新される)までその状態で待機する(ステップS162)。具体的には、Aレジスタ値から「F02C」に記憶されているカウンタ値を減算する演算処理を実行し、その演算結果が「0」(ゼロフラグ=「1」)であれば割込みカウンタ値は変化なしと判定し、演算結果が「0」でなければ(ゼロフラグ=「0」であれば)割込みカウンタ値が変化したと判定する。この割込み待ち処理の実行後、待機時間を更新(Cレジスタの値を「1」減算)し(ステップS153)、上記ステップS151に戻る。
上記RB作動管理処理からのリターンで、図40のステップS116に進み、RT遷移処理を実行する。このRT遷移処理では、図42に示すように、非RTに設定されているか否かを判定し(ステップS171)、非RTに設定されていない場合はRT1に設定されているか否かを判定する(ステップS172)。ここで、RT1に設定されている場合は、再遊技役5(RT2移行RP)が成立したか否かを判定し(ステップS173)、成立していた場合はRT2に設定し(ステップS174)、リターンする。一方、上記ステップS172の判定において、RT1に設定されていない場合は、RT2に設定されているか否かを判定する(ステップS175)。ここで、RT2に設定されている場合は、再遊技役6(RT3移行RP)が成立したか否かを判定し(ステップS176)、成立していた場合はRT3に設定し(ステップS177)、リターンする。また、上記ステップS176の判定において、再遊技役6が成立していない場合は、再遊技役3または4(RT1移行RP)が成立したか否かを判定し(ステップS178)、成立していた場合はRT1に設定し(ステップS179)、リターンする。
さらに、上記ステップS175の判定において、RT2に設定されていない場合は、RT3に設定されているか否かを判定する(ステップS180)。ここで、RT3に設定されている場合は、再遊技役3または4(RT1移行RP)が成立したか否かを判定し(ステップS178)、成立していた場合はRT1に設定し(ステップS179)、リターンする。一方、上記ステップS180の判定において、RT3に設定されていない場合は、RT4に設定されているか否かを判定する(ステップS181)。ここで、RT4に設定されている場合は、BB役が成立したか否かを判定し(ステップS182)、成立していた場合はRT5に設定して(ステップS183)リターンし、成立していなかった場合はRT4の設定を維持してリターンする。また、上記ステップS181の判定において、RT4に設定されていない場合(この場合はRT5に設定されている)は、BB中における遊技メダルの払出数が「450」を超えたか否かを判定し(ステップS184)、超えた場合は非RTに設定して(ステップS185)リターンし、超えていない場合はRT5の設定を維持してリターンする。
また、上記ステップS171の判定において非RTに設定されている場合、あるいは上記ステップS178の判定において再遊技役3または4が成立していなかった場合は、特定図柄が停止表示されたか否かを判定し(ステップS186)、停止表示されていた場合はRT1に設定してリターンする。一方、特定図柄が停止表示されていなかった場合、あるいは上記ステップS173の判定において再遊技役5が成立していなかった場合は、当該遊技においてBB役が当選したか否か(役物の役決定結果番号1が選出されていたか否か)を判定する(ステップS188)。ここで、BB役が当選していた場合は、BB役が成立したか否かを判定し(ステップS189)、成立していなかった場合はRT4に設定して(ステップS190)リターンし、成立していた場合はRT5に設定して(ステップS191)リターンする。また、BB役が当選していなかった場合は、RT状態の設定を維持してリターンする。
上記RT遷移処理からのリターンで、図40のステップS117に進み、遊技モード0〜7のうちのどの遊技モードに設定されているかを判別する。そして、設定されている遊技モードに応じて、遊技モード0(全停)処理(ステップS118)、遊技モード1(全停)処理(ステップS119)、遊技モード2(全停)処理(ステップS120)、遊技モード3(全停)処理(ステップS121)、遊技モード4(全停)処理(ステップS122)、遊技モード5(全停)処理(ステップS123)、遊技モード6(全停)処理(ステップS124)、遊技モード7(全停)処理(ステップS125)の何れかの処理を行う。
上記遊技モード0(全停)処理では、図43(A)に示すように、まず、当該遊技においてBB役が当選したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、BB役が当選していた場合は、BB役が成立したか否かを判定し(ステップS202)、成立していた場合は遊技モード5に設定して(ステップS203)リターンし、成立していなかった場合は遊技モード4に設定して(ステップS204)リターンする。一方、BB役が当選していなかった場合は、ATストック数が「0」より大きいか否かを判定する(ステップS205)。ここで、ATストック数が「0」より大きい場合は、ATストック数を「1」減算し(ステップS206)、前兆カウンタ(AT前兆G数抽選において選出された前兆G数を管理するためにRAM63の所定の記憶領域に設定されたカウンタ)に、AT前兆G数抽選において選出された前兆G数をセットし(ステップS207)、遊技モード1に設定して(ステップS208)リターンする。一方、上記ステップS205の判定において、ATストック数が「0」の場合は、上記ステップS206〜S208の処理は行わすにリターンする。
上記遊技モード1(全停)処理では、図43(B)に示すように、まず、当該遊技においてBB役が当選したか否かを判定する(ステップS211)。ここで、BB役が当選していた場合は、BB役が成立したか否かを判定し(ステップS212)、成立していた場合は遊技モード7に設定し(ステップS213)、さらにATストック数を「1」加算して(ステップS214)リターンし、成立していなかった場合は遊技モード6に設定して(ステップS215)リターンする。一方、BB役が当選していなかった場合は、前兆カウンタの値を「1」減算し(ステップS216)、前兆カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS217)。ここで、前兆カウンタの値が「0」である場合は遊技モード2に設定して(ステップS218)リターンし、前兆カウンタの値が「0」でなかった場合は遊技モード1の設定を維持してリターンする。
上記遊技モード2(全停)処理では、図43(C)に示すように、まず、当該遊技においてBB役が当選したか否かを判定する(ステップS221)。ここで、BB役が当選していた場合は、BB役が成立したか否かを判定し(ステップS222)、成立していた場合は遊技モード7に設定し(ステップS223)、さらにATストック数を「1」加算して(ステップS224)リターンし、成立していなかった場合は遊技モード6に設定して(ステップS225)リターンする。一方、BB役が当選していなかった場合は、RT3に設定されているか否かを判定する(ステップS226)。ここで、RT3に設定されている場合は遊技モード3に設定し(ステップS228)、さらにATカウンタの値を「50」に設定して(ステップS229)リターンし、RT3に設定されていない場合は遊技者による押し順が報知した押し順指示番号の押し順と一致していたか否かを判定する(ステップS227)。ここで、一致していなかった場合は遊技モード3に設定し(ステップS228)、さらにATカウンタの値を「50」に設定して(ステップS229)リターンし、一致していた場合は遊技モードの設定は変えずに、かつATカウンタの設定は行わずにリターンする。
上記遊技モード3(全停)処理では、図44(A)に示すように、まず、当該遊技においてBB役が当選したか否かを判定する(ステップS231)。ここで、BB役が当選していた場合は、BB役が成立したか否かを判定し(ステップS232)、成立していた場合は遊技モード7に設定し(ステップS223)、さらにATストック数を「1」加算して(ステップS234)リターンし、成立していなかった場合は遊技モード6に設定して(ステップS235)リターンする。一方、BB役が当選していなかった場合は、押し順当てゲーム抽選で当選したか否かを判定する(ステップS236)。ここで、当選していた場合は、遊技者による押し順が、選出された押し順指示番号(押し順当てゲーム用の押し順指示番号(A7〜A9)ではなく、判定用に記憶された通常の押し順指示番号(A1〜A6))の押し順と一致していたか否かを判定し(ステップS237)、一致していた場合はATストック数を「1」加算して(ステップS238)ステップS239に進み、一致していなかった場合はそのままステップS239に進む。このステップS239では、ATカウンタの値を「1」減算する。次に、ATカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS240)、ATカウンタの値が「0」の場合は、ATストック数が「0」より大きいか否かを判定する(ステップS241)。ここで、ATストック数が「0」より大きい場合は、ATストック数を「1」減算し(ステップS242)、前兆カウンタに「1」をセットし(ステップS243)、遊技モード1に設定して(ステップS244)リターンする。一方、上記ステップS241の判定において、ATストック数が「0」の場合は、上記ステップS242〜S244の処理は行わず、遊技モード0に設定して(ステップS245)リターンし、上記ステップS240の判定において、ATカウンタの値が「0」でない場合は、上記ステップS241〜S245の処理は行わず、遊技モード3の設定を維持してリターンする。
上記遊技モード4(全停)処理では、図44(B)に示すように、まず、当該遊技においてBB役が成立したか否かを判定し(ステップS251)、成立していた場合は遊技モード5に設定して(ステップS252)リターンし、成立していなかった場合は上記ステップS251,S252の処理は行わず、遊技モード4の設定を維持してリターンする。
上記遊技モード5(全停)処理では、図44(C)に示すように、まず、BB中における遊技メダルの払出数が「450」を超えたか否かを判定し(ステップS261)、超えた場合はATストック数が「0」より大きいか否かを判定する(ステップS262)。ここで、ATストック数が「0」より大きい場合は、ATストック数を「1」減算し(ステップS263)、遊技モード2に設定して(ステップS264)リターンし、ATストック数が「0」の場合は、上記ステップS263,S264の処理は行わず、遊技モード0に設定して(ステップS265)リターンする。また、上記ステップS261の判定において、遊技メダルの払出数が「450」を超えていない場合は、上記ステップS262〜S265の処理は行わず、遊技モード5の設定を維持してリターンする。
上記遊技モード6(全停)処理では、図45(A)に示すように、まず、当該遊技においてBB役が成立したか否かを判定し(ステップS271)、成立していた場合は遊技モード7に設定し(ステップS272)、さらにATストック数を「1」加算して(ステップS273)リターンし、成立していなかった場合は上記ステップS271〜S273の処理は行わず、遊技モード6の設定を維持してリターンする。
上記遊技モード7(全停)処理では、図45(B)に示すように、まず、BB中における遊技メダルの払出数が「450」を超えたか否かを判定し(ステップS281)、超えた場合はATストック数を「1」減算し(ステップS282)、遊技モード2に設定して(ステップS283)リターンし、超えていない場合は、上記ステップS282,S283の処理は行わず、遊技モード7の設定を維持してリターンする。
上述の遊技モード0(全停)処理乃至遊技モード7(全停)処理からのリターンで、図40に示す遊技終了チェック処理も終了してリターンする。この遊技終了チェック処理からのリターンで、図33のステップS1に戻り、遊技進行制御処理が繰り返される。
<タイマ割込処理>
本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信、リールの駆動制御等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるタイマ割込処理によって行われる。このタイマ割込処理では、図46(A)に示すように、まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を行い(ステップMT11)、次に、電源断が検知されたか否かを判定する(ステップMT12)。ここで、電源断が検知されていれば電源断処理を行う(ステップMT24)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報やRT状態に関する情報の保持や、チェックサムの算出及び記憶等の処理も行われる。
一方、電源断が検知されていなければ、割込みカウンタ値を更新(「1」減算)する処理を行い(ステップMT13)、さらにタイマ計測を行う(ステップMT14)。このタイマ計測は、上述の遊技進行制御処理においてセットされた任意のタイマ(上述の最小遊技時間タイマや当選情報出力期間タイマ等)のタイマ値の減算や加算処理等を行うものである。次に、入力ポートの読込みを行う(ステップMT15)。この入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号等の信号レベルの読込みと記憶、信号レベルの判定等が行われる。
次いで、リール3a〜3cの駆動(回転の加速、減速、定速維持や停止維持等)を制御するためのリール駆動制御処理を行う(ステップMT16)。このリール駆動制御処理では、リール駆動状態(停止、リール回転待機中、加速中、定速中、減速中等)に応じて、ステッピングモータの出力相(励磁相)を切り替えるタイミングを示すリール駆動パルス出力カウンタ値の更新や、ステッピングモータを駆動させるリール駆動パルスデータの取得、更新、出力等の処理が行われる。次のステップMT17では、リール駆動制御処理を全リールに対し実行したか否かを判定し、実行していない場合には上記ステップMT16に戻り、リール駆動制御処理を再度行う。一方、全リールに実行した場合には、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を行い(ステップMT18)、さらに、コマンドバッファ(CB)に記憶された制御コマンドを送信する制御コマンド送信処理を行う(ステップMT19)。
次に、ステップMT20に進み、所定の記憶領域に記憶されていた外端信号(外部信号)データを読み出し、外端信号を出力する。次いで、次述する試験信号等出力処理を実行し(ステップMT21)、その実行後、役抽選等に用いる乱数を更新する処理行い(ステップMT22)、さらに割込終了処理(レジスタの復帰、割込許可等)を行い(ステップMT23)、割込リターンする。なお、変更例(例えば、上述のリール回転開始準備処理の変更例K5,K6(図39(B),(C)を参照)に対応する例)として、図46(B)に示すように、ステップMT20の外端信号出力の処理後、スロットマシン1が試験仕様であるか否かを判定し(ステップMT201)、試験仕様でない(量産仕様である)と判定した場合には、試験信号等出力処理を実行しない(試験信号の出力を行わない)ようにしてもよい。試験仕様であるか否かの判定は、試験中フラグのON/OFF状態に基づき行うことができるが、その他にも、先述した種々の方法を採用し得る。
上記試験信号等出力処理では、図47に示すように、作動状態試験信号の出力データをセットする(ステップMT31)。具体的には、作動状態フラグ記憶領域(図27(A)を参照)に記憶された作動状態フラグのデータをAレジスタにセットする処理を行う。次いで、作動状態試験信号を出力する(ステップMT32)。具体的には、Aレジスタにセットした作動状態フラグのデータを試験用出力ポートPO8に出力(セット)する処理を行う。これにより、作動状態フラグ情報を担持した作動状態試験信号が試験用出力ポートPO8から試験装置に対して出力(送信)される。なお、変更例として、作動状態フラグ記憶領域のような、各作動状態フラグ(再遊技作動状態フラグ、BB作動状態フラグ及びRB作動状態フラグ)のデータを一括して記憶するアドレス領域を持たずに、各作動状態フラグのデータを別々のアドレス領域に記憶させ、それらのデータを、レジスタを用いた演算処理により1つの作動状態フラグのデータに合成して試験用出力ポートPO8から出力するようにしてもよい。
次に、当選情報出力期間タイマの値を取得する(ステップMT33)。具体的には、当選情報出力期間タイマ記憶領域(図27(F)を参照)に記憶された当選情報出力期間タイマのタイマ値のデータを、Aレジスタにセットする処理を行う。なお、当選情報出力期間タイマのタイマ値は、上述のステップMT14において「1」減算されるので、タイマ値が「25」にセットされた後の最初のタイマ割込処理における上記ステップMT33の処理では、タイマ値は「24」となっている。次いで、当選情報の出力タイミングであるか否かを判定する(ステップMT34)。具体的には、Aレジスタにセットしたタイマ値が「0」(ゼロフラグ=「1」)であるか否かを判別し、「0」であれば当選情報の出力タイミングではないと判定し、「0」でなければ当選情報の出力タイミングであると判定する。
ここで、当選情報の出力タイミングであると判定した場合は、役物当選情報の出力タイミングであるか否かを判定する(ステップMT35)。具体的には、上記ステップMT33においてAレジスタにセットしたタイマ値から「12.5」を減算する演算を行い、その演算結果が「0」より大きいとき(当選情報出力期間タイマのタイマ値が「24〜13」のとき(キャリーフラグ(Fレジスタの特定のビットに設定され、演算の結果が桁上がりまたは桁下がりしたときに「1」のデータが記憶されるようになっている)が「0」であるとき))は役物当選情報の出力タイミングであると判定し、演算結果が「0」より小さいとき(当選情報出力期間タイマのタイマ値が「12〜1」のとき(キャリーフラグが「1」であるとき))は役物当選情報の出力タイミングではないと判定する。
ここで、役物当選情報の出力タイミングであると判定した場合は、役物役決定結果番号記憶領域(図27(D)を参照)のアドレスをセットする(ステップMT36)。具体的には、Hレジスタに、役物役決定結果番号記憶領域のアドレス値「F049H」の上位値「F0H」をセットし、Lレジスタに、アドレス値「F049H」の下位値「49H」をセットする処理を行う。次いで、役物当選情報の出力データをセットする(ステップMT37)。具体的には、役物役決定結果番号記憶領域に記憶された役物の役決定結果番号のデータを、Aレジスタにセットする処理を行う。さらに、役物の識別子のデータをセットする(ステップMT38)。具体的には、Aレジスタのビット6を「0」、ビット7を「1」に設定する処理を行う。そして、当選情報試験信号を出力する(ステップMT42)。具体的には、Aレジスタにセットされたデータを、試験用出力ポートPO7に出力(セット)する処理を行う。これにより、実際の当選情報(ここでは、役物当選情報となる)を担持した当選情報試験信号が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。
一方、上記ステップMT35において、役物当選情報の出力タイミングではないと判定した場合は、ステップMT39に進み、入賞・RP役決定結果番号記憶領域(図27(C)を参照)のアドレスをセットする。具体的には、Hレジスタに、入賞・RP役決定結果番号記憶領域のアドレス値「F048H」の上位値「F0H」をセットし、Lレジスタに、アドレス値「F048H」の下位値「48H」をセットする処理を行う。次いで入賞・RP当選情報の出力データをセットする(ステップMT40)。具体的には、入賞・RP役決定結果番号記憶領域に記憶された入賞・RPの役決定結果番号のデータを、Aレジスタにセットする処理を行う。さらに、入賞・RPの識別子のデータをセットする(ステップMT41)。具体的には、Aレジスタのビット6を「1」、ビット7を「0」に設定する処理を行う。そして、当選情報試験信号を出力する(ステップMT42)。具体的には、Aレジスタにセットされたデータを、試験用出力ポートPO7に出力(セット)する処理を行う。これにより、実際の当選情報(ここでは、入賞・RP当選情報となる)を担持した当選情報試験信号が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。
なお、上記ステップMT34において、当選情報の出力タイミングではないと判定した場合は、上記ステップMT35〜MT41の処理は行わずに上記ステップMT42に進み、当選情報試験信号を出力する。この場合は、実際の当選情報が担持されていない当選情報試験信号(「00000000B」の信号)が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。変更例として、上記ステップMT34において、当選情報の出力タイミングではないと判定した場合は、当選情報試験信号の出力を行わない(ステップMT34から直接リターンする)ようにしてもよい。
このように本実施形態では、当選情報出力期間タイマの値が「24」から「13」までの期間においては、役物当選情報が担持された当選情報試験信号が出力され、当選情報出力期間タイマの値が「12」から「1」までの期間においては、入賞・RP当選情報が担持された当選情報試験信号が出力されるようになっている。また、当選情報出力期間タイマの値が「0」の期間は、実際の当選情報が担持されていない当選情報試験信号が出力されるようになっている。先述したように当選情報出力期間タイマは、スロットマシン1が試験仕様であると判定した場合にセットされ、量産仕様であると判定した場合にはセットされない(タイマ値は常に「0」となる)ので、量産仕様においては、実際の当選情報が担持された当選情報試験信号は出力されないようになっている。このため、当選情報試験信号から当選情報を不正に取得することを防止することができる。
試験信号等出力処理の変更例(例えば、上述のリール回転開始準備処理(変更例K5)に対応する例)として、図48に示す試験信号等出力処理(変更例L1)を実行するようにしてもよい。この試験信号等出力処理(変更例L1)におけるステップMT31A〜MT34A,MT35A〜MT42Aは、上記試験信号等出力処理におけるステップMT31〜MT34,MT35〜MT42と同じである。異なるのは、ステップMT34Aにおいて、当選情報の出力タイミングであると判定した場合に、スロットマシン1が試験仕様であるか否かを判定(具体的な判定方法は先述した種々の方法を採用し得る)し(ステップMT3401A)、試験仕様ではない(量産仕様である)と判定した場合はダミーの当選情報の出力データ(例えば「11111111B」)をセットする(ステップMT3402A)点にある。すなわち、この試験信号等出力処理(変更例L1)では、当選情報の出力タイミングであっても量産仕様であると判定した場合には、ダミーの当選情報が担持された当選情報試験信号が出力されるようになっている。
さらに、試験信号等出力処理の別の変更例(例えば、上述のリール回転開始準備処理(変更例K6)に対応する例)として、図49に示す試験信号等出力処理(変更例L2)を実行するようにしてもよい。この試験信号等出力処理(変更例L2)におけるステップMT31A〜MT34A,MT42Aは、上記試験信号等出力処理におけるステップMT31〜MT34,MT42と同じである。また、ステップMT34Bにおいて、当選情報の出力タイミングであると判定した場合に、スロットマシン1が試験仕様であるか否かを判定(具体的な判定方法は先述した種々の方法を採用し得る)し(ステップMT3401B)、試験仕様ではない(量産仕様である)と判定した場合はダミーの当選情報の出力データをセットする(ステップMT3402B)点は、上記試験信号等出力処理(変更例L1)と同じである。異なるのは、ステップMT3403B〜MT3406Bの処理を行う点にある。
すなわち、ステップMT3401Bにおいて、試験仕様であると判定した場合は、ステップMT3403Bに進み、役物当選情報記憶領域(図29(B)を参照)のアドレスをセットする(ステップMT3403B)。具体的には、Hレジスタに、役物当選情報記憶領域のアドレス値「F04DH」の上位値「F0H」をセットし、Lレジスタに、アドレス値「F04DH」の下位値「4DH」をセットする処理を行う。次いで、役物当選情報の出力タイミングであるか否かを判定し(ステップMT3404B)、役物当選情報の出力タイミングでない場合には、入賞・RP当選情報記憶領域(図29(A)を参照)のアドレスをセットする(ステップMT3405B)。具体的には、Hレジスタに、入賞・RP当選情報記憶領域のアドレス値「F04CH」の上位値「F0H」をセットし、Lレジスタに、アドレス値「F04CH」の下位値「4CH」をセットする処理を行う。そして、当選情報の出力データをセットする(ステップMT3406B)。具体的には、HLレジスタに役物当選情報記憶領域のアドレスがセットされている場合は役物当選情報のデータをAレジスタにセットし、HLレジスタに入賞・RP当選情報記憶領域のアドレスがセットされている場合は入賞・RP当選情報のデータをAレジスタにセットする処理を行う。このように試験信号等出力処理(変更例L2)では、識別子のデータが既に付加されている当選情報のデータを直接セットして出力するので、識別子のデータをセットする処理は行われない。
主制御手段100において行われる他の制御処理としては、主制御電源投入処理及び主制御設定変更処理がある。主制御電源投入処理は、主制御手段100への電力の供給が開始されたとき(電源投入時)に行われる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等が行われ、電源復帰の処理が行えるように処理される。また、設定鍵型スイッチ83がONされているか否の判定が行われ、ONされている場合には、次述する主制御設定変更処理に移行する。一方、設定鍵型スイッチ83がONされていない場合には、スタックポインタの復帰や割込みの起動が行われ、さらには、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報やRT状態に関する情報等に基づき遊技が行われる。
主制御設定変更処理は、上述の主制御電源投入処理において、設定鍵型スイッチ83がONされた場合に実行される処理であり、遊技店員等による設定変更スイッチ84の設定変更指令操作が確定した場合に、スタックポインタの初期化や割込みの初期化、電源断時に保存された遊技情報のクリア処理が行われる。また、設定変更時に設定された設定値が所定の記憶領域に格納され、前述した遊技進行制御処理に移行する。
<プログラム開始処理>
次に、サブメイン制御手段200Aにより実行されるプログラム開始処理について説明する。このプログラム開始処理は、図50(A)に示すように、電源が投入されたことにより開始され、まず、割込みが禁止され(ステップU11)、次いで、各種の初期化処理(CPUやRAMの初期化、チェックサムの算出等)が行われる(ステップU12)。次に、電源投入時に算出したチェックサム値と電源断時に算出し記憶したチェックサム値とが一致するか否かを判定する(ステップU13)。
ここで、両者が一致していれば、次述するサブメインループ処理の1コマンド処理中に電源断が発生した状態から復帰した状態(以下「完全復帰」と称する)か否かを判定し(ステップU14)、完全復帰であれば割込許可し(ステップU15)、電源断時に実行中であった1コマンド処理に戻る。一方、上記ステップU13の判定において、チェックサムが一致していなければRAMをクリアし(ステップU16)、サブメインループ処理に移行する。また、上記ステップU14の判定において、完全復帰でなければそこから直接サブメインループ処理に移行する。
<サブメインループ処理>
サブメインループ処理では、図50(B)に示すように、まず、WDT(ウオッチドッグタイマ)をクリアし(ステップV11)、次いで、WDTの作動を開始する(ステップV12)。次に、割込み許可し(ステップV13)、16ms毎処理(画像表示装置が正常に起動しているか否かの監視、電源投入時間の計時、画像表示装置に送信する信号データ(コマンド)を所定の記憶領域(コマンドバッファ)に記憶する等)を行う(ステップV14)。
次に、1コマンド処理(主制御手段100からの制御コマンドに基づく処理であり、一例を後述する)を行い(ステップV15)、16ms(時間は任意に設定可)経過したか否かを判定し(ステップV16)、経過していなければ上記ステップV15に戻る。一方、16ms経過していれば上記ステップV11に戻る。
<電源断処理>
図50(C)に示す電源断処理は、サブメイン制御手段200Aが電源断を検知したことにより開始される処理で、まず、WDTを停止し(ステップW11)、次いで、プログラム開始処理中であるか否かを判定する(ステップW12)。ここで、プログラム開始処理中でなければチェックサムを算出し(ステップW13)、さらに各種データ(チェックサムの算出結果、実行していたプログラムの番地等)を退避(保持)し(ステップW14)、ステップW15に進む。一方、上記ステップW12の判定において、プログラム開始処理中であれば上記ステップW13,W14の処理は行わずにステップW15に進む。
このステップW15では、500ms(時間は任意に設定可)が経過したか否かを判定する。ここで、500ms経過していれば電源断処理を終了する。一方、500ms経過していなければ電源が復帰したか否かを判定する(ステップW16)。ここで、電源が復帰していれば瞬断発生回数を更新し(ステップW17)、WDTの作動を開始し(ステップW18)、電源断時に実行中の処理に戻る。一方、上記ステップW16の判定において、電源が復帰していなければ上記ステップW15に戻る。
<1コマンド処理>
図51(A)に示す1コマンド処理では、役物の役決定結果番号の情報を含む制御コマンド(以下「特別役コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する(ステップV101)。ここで、特別役コマンドを受信した場合には、ステップV102に進み、スタートレバー時の処理を実行する。このスタートレバー時の処理では、図51(B)に示すように、まず、押し順指示番号がA1〜A9の何れかであるか否かを判定(上記特別役コマンドよりも先に、押し順指示番号の情報を含む制御コマンドを受信しているので、それに基づき判定)する(ステップV121)。ここで、押し順指示番号がA1〜A9の何れかである場合には、受信した押し順指示番号に対応する押し順ナビ演出を行い(ステップV122)、リターンする。一方、押し順指示番号がA1〜A9ではない場合(A0の場合)には、上記ステップV122の処理は行わずにリターンする。
このスタートレバー時の処理からのリターンで、図51(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV101の判定において、特別役コマンドを受信していない場合には、ステップV103に進み、リール回転開始の情報を含む制御コマンド(以下「リール回転開始コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、リール回転開始コマンドを受信した場合には、ステップV104に進み、演出の切替え等の処理を行い、リターンする。一方、リール回転開始コマンドを受信していない場合には、ステップV105に進み、第一回胴停止受付の情報を含む制御コマンド(以下「第一回胴停止受付コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第一回胴停止受付コマンドを受信した場合には、ステップV106に進み、第一回胴停止受付時の処理を行う。
この第一回胴停止受付時の処理では、図52(A)に示すように、まず、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップV141)。ここで、押し順ナビ演出を実行中ではない場合には、そのまま第一回胴停止受付時の処理を終了してリターンする。一方、押し順ナビ演出を実行中である場合には、ステップV142に進み、遊技者により実行された第一押し順が正解であるか否かを判定する。ここで、押し順正解である場合にはステップV143に進み、押し順ナビ演出を切り替える処理(第一押し順の表示の消去等を含む)を行いリターンする。一方、押し順不正解である場合には、ステップV144に進んで押し順ナビ演出を終了し、失敗演出(押し順が不正解であることを報知する演出)を実行し(ステップV145)、リターンする。
この第一回胴停止受付時の処理からのリターンで、図51(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV105の判定において、第一回胴停止受付コマンドを受信していない場合には、ステップV107に進み、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下「第一回胴停止コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第一回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV108に進み、入賞期待表示(停止音等を含む)の処理を行い、リターンする。一方、第一回胴停止コマンドを受信していない場合には、ステップV109に進み、第二回胴停止受付の情報を含む制御コマンド(以下「第二回胴停止受付コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第二回胴停止受付コマンドを受信した場合には、ステップV110に進み、第二回胴停止受付時の処理を行う。
この第二回胴停止受付時の処理では、図52(B)に示すように、まず、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップV151)。ここで、押し順ナビ演出を実行中ではない場合には、そのまま第二回胴停止受付時の処理を終了してリターンする。一方、押し順ナビ演出を実行中である場合には、ステップV152に進み、遊技者により実行された第二押し順が正解であるか否かを判定する。ここで、押し順正解である場合にはステップV153に進み、押し順ナビ演出を切り替える処理(第二押し順の表示の消去等を含む)を行いリターンする。一方、押し順不正解である場合には、ステップV154に進んで押し順ナビ演出を終了し、失敗演出を実行し(ステップV155)、リターンする。
この第二回胴停止受付時の処理からのリターンで、図51(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV109の判定において、第二回胴停止受付コマンドを受信していない場合には、ステップV111に進み、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下「第二回胴停止コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第二回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV112に進み、入賞期待表示(停止音、テンパイ音を出力する場合等を含む)の処理を行い、リターンする。一方、第二回胴停止コマンドを受信していない場合には、ステップV113に進み、第三回胴停止受付の情報を含む制御コマンド(以下「第三回胴停止受付コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第三回胴停止受付コマンドを受信した場合には、ステップV114に進み、第三回胴停止受付時の処理を行う。
この第三回胴停止受付時の処理では、図52(C)に示すように、まず、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップV161)。ここで、押し順ナビ演出を実行中ではない場合には、そのまま第三回胴停止受付時の処理を終了してリターンする。一方、押し順ナビ演出を実行中である場合には、ステップV162に進んで押し順ナビ演出を終了し、リターンする。
この第三回胴停止受付時の処理からのリターンで、図51(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV113の判定において、第三回胴停止受付コマンドを受信していない場合には、ステップV115に進み、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下「第三回胴停止コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第三回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV116に進み、入賞期待表示(停止音等を含む)の処理を行い、リターンする。一方、第三回胴停止コマンドを受信していない場合には、ステップV117に進み、停止表示図柄の情報を含む制御コマンド(全回胴停止コマンド)を受信したか否かを判定する。ここで、全回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV118に進み、演出の切替え等の処理を行い、リターンする。一方、全回胴停止コマンドを受信していない場合には、そのままリターンする。
《第2実施形態》
以下、第2実施形態に係るスロットマシン(以下「第2形態のスロットマシン」とも称する)について、主に図53〜図55を参照しながら説明する。第2形態のスロットマシンは、上述した第1実施形態のスロットマシン1と主要部の構成が共通しており、その共通部分については説明を省略する。また、主要な制御処理の流れについても、第1実施形態のものと共通しており、それについても説明を省略する。
<主制御基板の回路構成(試験仕様と量産仕様との違い)>
上述のスロットマシン1では、メインICの端子PI0に対して、プルアップ抵抗やプルダウン抵抗、あるいは分圧回路を接続することによって、端子PI0の電位が試験仕様の場合と量産仕様の場合とで異なるように構成していた(図24,25を参照)。これに対し、第2形態のスロットマシンでは、図53に示すように、試験仕様のものにおいてはメインICの端子PI0と試験用IC2の端子Q7(メインICの端子D7からの信号を出力する端子)とを接続する回路(以下「特別回路」と称する)を設け(同図(A)を参照)、量産仕様のものにおいては試験用IC2が実装されないためこのような特別回路を設けない(同図(B)を参照)ように構成している。
<試験信号の出力処理>
上述のスロットマシン1では、試験仕様である場合に試験装置に対し、図柄停止試験信号、作動状態試験信号及び当選情報試験信号の各試験信号を出力する際の制御処理について説明したが、第2形態のスロットマシンでは、これに加えて、RTの設定状態を伝達するためのRT情報試験信号を出力する際の制御処理についても説明する。図柄停止試験信号の出力に関しては、第1実施形態と同一内容の制御処理(図37に示す図柄停止試験信号出力処理)を行うが、作動状態試験信号及び当選情報試験信号の出力に関しては、第1実施形態とは異なる内容の制御処理を行うようになっている。以下、RT情報試験信号、作動状態試験信号及び当選情報試験信号の出力に関する制御処理について説明する。
まず、本実施形態では、電源投入時に実行する試験仕様判定準備処理として、図32(B)に示す変更例J1を採用する。すなわち、電源投入時においては、試験仕様であるか量産仕様であるかを判定するための処理を特に行わない。また、遊技開始時(スタートレバー操作受付前)において、図54(A)に示すように、RT情報出力時機識別フラグをセットする処理(ステップS2011)を実行する(例えば、図34に示す遊技開始処理内の1ステップとして実行する)。RT情報出力時機識別フラグは、RAM等の所定の記憶領域(8ビットの記憶領域)に設定される、RT情報試験信号を出力するタイミングであるか否かを識別するためのフラグであり、セット時は「10000000B」の値に設定される。また、RT情報出力時機識別フラグのセット後、図54(B)に示すように、タイマ割込みを実行する毎に、RT情報出力時機識別フラグを更新する処理(ステップS2021)を実行する(例えば、図46に示すタイマ割込処理内のタイマ計測(ステップMT14)における処理として実行する)。このときの更新処理は、RT情報出力時機識別フラグの値を1ビットだけ右シフトし、かつビット7の値は維持する処理として行われる。さらに、スタートレバー操作の受付時に、図54(C)に示すように、RT情報出力時機識別フラグをクリアする(「00000000B」の値に設定する)処理(ステップS2031)を実行する(例えば、図39(A)に示すリール回転開始準備処理(変更例K5)のステップS102EとS104Eとの処理間で実行する)。
このように設定されるRT情報出力時機識別フラグの値は、遊技開始時にセットされてからスタートレバー操作の受付時にクリアされるまでの間は、タイマ割込処理が実行される度に、「10000000B」(セット時)→「11000000B」→「11100000B」→「11110000B」→「11111000B」→「11111100B」→「11111110B」→「11111111B」→「11111111B」…と順次更新され、クリアされてから再びセットされるまでの間は、「00000000B」の値がそのまま維持されるように更新される。このRT情報出力時機識別フラグは、次述する試験信号等出力処理において、RT情報試験信号の出力タイミングであるか否かを識別するために利用される。
本実施形態における試験信号等出力処理は、図46に示すタイマ割込処理のステップMT21において実行される試験信号等出力処理(図47を参照)に替わるものであり、図55に示すように、まず、検査信号がON入力されたか否かを判定する(ステップMT131)。検査信号とは、メインICの端子D7から試験用IC2の端子D7、端子Q7、上記特別回路を介して端子PI0に対して出力される「0」か「1」の信号であり、本実施形態では、作動状態試験信号のビット7(通常は「0」に設定される)を、「1」に設定(以下「検査信号をONに設定」と称する)して出力することにより「1」の検査信号を出力し、「0」に設定(以下「検査信号をOFFに設定」と称する)して出力することにより「0」の検査信号を出力(以下するようになっている。ステップMT131では、端子PI0の電位を読み出し、「1」(Hレベル)であれば検査信号ON入力と判定し、「0」(Lレベル)であれば検査信号OFF入力と判定する。
ここで、検査信号ON入力と判定した場合には、ステップMT132に進み、当選情報出力禁止フラグをONに設定する。当選情報出力禁止フラグは、RAM等の所定の記憶領域の所定ビット(例えば、ビット0)に設定される、実際の当選情報の出力が禁止されているか否かを判別するためのフラグである。なお、検査信号がON入力されるのは、後述のステップMT135からステップMT148までの期間のみであり、それ以外の期間は通常、検査信号はOFF入力となる。したがって、当選情報出力禁止フラグがONに設定されるのは、不正行為等により端子PI0の電位が強制的に「1」に設定されるような場合である。本実施形態では、当選情報出力禁止フラグを一旦ONに設定すると、実際の当選情報を担持した当選情報試験信号は出力しないように構成されており、これにより、当選情報が不正取得されることを防止し得るようになっている。なお、当選情報出力禁止フラグをONに設定したときは、エラー報知を行うように構成してもよい。また、エラー報知に伴い、所定のエラー解除操作が行われた場合には、当選情報出力禁止フラグをOFFに設定するようにしてもよい。
上記ステップMT132において当選情報出力禁止フラグをONに設定した後、または上記ステップMT131において検査信号OFF入力と判定した場合はステップMT133に進み、当選情報出力禁止フラグがONであるか否かを判定する。ここで、当選情報出力禁止フラグがONではない(OFF)と判定した場合は、RT情報または当選情報の出力開始タイミングであるか否かを判定する(ステップMT134)。具体的には、RT情報出力時機識別フラグの値が「10000000B」のときはRT情報の出力開始タイミングであると判定し、当選情報出力期間タイマの値が「24」のときは当選情報の出力開始タイミングであると判定し、それ以外のときは、出力開始タイミングではないと判定する。ここで、RT情報または当選情報の出力開始タイミングであると判定した場合は、ステップMT135に進み、検査信号をONに設定した作動状態試験信号を出力してステップMT136に進む。一方、RT情報または当選情報の出力開始タイミングではないと判定した場合は、ステップMT135の処理は行わずにステップMT136に進む。
このステップMT136では、当選情報出力フラグがONであるか否かを判定する。当選情報出力フラグは、RAM等の所定の記憶領域の所定ビット(例えば、ビット0)に設定される、実際の当選情報を出力することが許可されているか否かを判別するためのフラグであり、後述のステップMT138でONに設定され、ステップMT145でOFFに設定されるようになっている。ここで、当選情報出力フラグがONではない(OFF)と判定した場合は、検査信号がON入力されたか否かを判定し(ステップMT137)、検査信号ON入力と判定した場合は、当選情報出力フラグをONに設定し(ステップMT138)、ステップMT139に進む。一方、上記ステップMT136において、当選情報出力フラグがONではないと判定した場合は、上記ステップMT137,MT138の処理は行わずにステップMT139進む。
このステップMT139では、RT情報の出力データをセットする。具体的には、RAM等の所定の記憶領域に記憶されたRT情報のデータ値を、Aレジスタにセットする処理を行う。次いで、RT情報の出力タイミングであるか否かを判定する(ステップMT140)。具体的には、RT情報出力時機識別フラグの値が「00000000B」以外のときはRT情報の出力タイミングであると判定し、当選情報出力期間タイマの値が「00000000B」のときはRT情報の出力タイミングではないと判定する。ここで、RT情報の出力タイミングであると判定した場合は、ステップMT147に進み、RT情報試験信号を出力する。具体的には、Aレジスタにセットされたデータを、試験用出力ポートPO7に出力(セット)する処理を行う。これにより、RT情報を担持したRT情報試験信号が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。
一方、RT情報の出力タイミングではないと判定した場合は、ステップMT141に進み、役物当選情報の出力データをセットする。具体的には、役物役決定結果番号記憶領域(図27(D)を参照)に記憶された役物の役決定結果番号のデータを、Aレジスタにセットする処理を行う。次いで、役物当選情報の出力タイミングであるか否かを判定する(ステップMT142)。具体的には、当選情報出力期間タイマ記憶領域(図27(F)を参照)に記憶された当選情報出力期間タイマの値が、「24〜13」のときは役物当選情報の出力タイミングであると判定し、それ以外の値のときは役物当選情報の出力タイミングではないと判定する。ここで、役物当選情報の出力タイミングであると判定した場合は、ステップMT147に進み、役物当選情報試験信号を出力する。具体的には、Aレジスタにセットされたデータに役物の識別子のデータを付加し、それを試験用出力ポートPO7に出力(セット)する処理を行う。これにより、役物当選情報を担持した役物当選情報試験信号が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。なお、先述した役物当選情報記憶領域(図29(B)を参照)を備えるようにした場合には、そこに記憶された役物当選情報のデータをAレジスタにセットして、試験装置に出力するようにしてもよい。
一方、役物当選情報の出力タイミングではないと判定した場合は、ステップMT143に進み、入賞・RP当選情報の出力データをセットする。具体的には、入賞・RP役決定結果番号記憶領域(図27(C)を参照)に記憶された入賞・RPの役決定結果番号のデータを、Aレジスタにセットする処理を行う。次いで、入賞・RP当選情報の出力タイミングであるか否かを判定する(ステップMT144)。具体的には、上記当選情報出力期間タイマの値が、「12〜1」のときは入賞・RP当選情報の出力タイミングであると判定し、それ以外の値のときは入賞・RP当選情報の出力タイミングではないと判定する。ここで、入賞・RP当選情報の出力タイミングであると判定した場合は、ステップMT147に進み、入賞・RP当選情報試験信号を出力する。具体的には、Aレジスタにセットされたデータに入賞・RPの識別子のデータを付加し、それを試験用出力ポートPO7に出力(セット)する処理を行う。これにより、入賞・RP当選情報を担持した入賞・RP当選情報試験信号が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。なお、先述した入賞・RP当選情報記憶領域(図29(A)を参照)を備えるようにした場合には、そこに記憶された入賞・RP当選情報のデータをAレジスタにセットして、試験装置に出力するようにしてもよい。
一方、入賞・RP当選情報の出力タイミングではないと判定した場合は、ステップMT145に進み、上記当選情報出力フラグをOFFに設定する。次いで、空の当選情報をセットする。具体的には、空の当選情報として、「00000000B」のデータをAレジスタにセットする処理を行う。次に、ステップMT147に進み、空の当選情報が担持された当選情報試験信号を出力する。具体的には、Aレジスタにセットされた「00000000B」のデータを試験用出力ポートPO7に出力(セット)する処理を行う。これにより、実際の当選情報を担持していない当選情報試験信号が、試験用出力ポートPO7から試験装置に対して出力(送信)される。さらに、検査信号をOFFに設定した作動状態試験信号を出力して(ステップMT148)、リターンする。なお、上記ステップMT133において、当選情報出力禁止フラグがONであると判定した場合は、上記ステップMT134からMT145の処理は行わずに上記ステップMT146に進み、上記ステップMT137において、検査信号ON入力ではないと判定した場合は、上記ステップMT138からMT144の処理は行わずに上記ステップMT145に進む。
このように本実施形態では、当選情報出力フラグがONに設定され、かつ当選情報出力期間内のときのみ、実際の当選情報が出力されるようになっている。当選情報出力フラグは、RT情報または当選情報の出力開始タイミングのときに実行されるタイマ割込処理において、検査信号をONに設定した作動状態試験信号が出力され、かつその後同じタイマ割込処理内において検査信号ON入力が確認された場合のみ、OFFからONに設定されるようになっている。また、上記タイミング以外で検査信号ON入力が確認された場合は、当選情報出力禁止フラグがONに設定され、実際の当選情報は出力されないようになっている。このため、端子PI0の電位を強制的に「1」に設定し、検査信号ON入力と誤認識させて当選情報を不正に取得しようと画策しても、実際の当選情報を出力させるためには、上記タイミングにおいて端子PI0の電位を「1」に設定する必要があるが、それは非常に困難である。このように本実施形態のスロットマシンは、当選情報試験信号から実際の当選情報を不正取得することが極めて困難となっている。
<変更態様>
以下、変更態様について説明する。
上記実施形態では、図柄停止試験信号出力処理の制御プログラムを第2PRG領域に記憶しているが、第1PRG領域に記憶するようにしてもよい。この場合、停止受付指定テーブルT1,T2のデータも第1PRG領域に記憶することが好ましい。また、タイマ割込処理内の試験信号等出力処理(各変更例を含む)の制御プログラムを第2PRG領域に記憶するようにしてもよいし、試験仕様であるか否かを判定するための処理(各変更例を含む)の制御プログラムを第2PRG領域に記憶するようにしてもよい。さらに、当選情報出力期間タイマを第2PRG領域に設定するとともに、そのタイマ値のセットや更新、クリアの処理のための制御プログラムを第2PRG領域に記憶するようにしてもよい。
上記実施形態では、押し順の報知は、スタートレバーの操作受付時から各リールが定速回転状態となるまでの間に実行されるとしているが、前回の遊技におけるスタートレバーの操作受付時から今回の遊技におけるスタートレバーの操作受付時までの時間が最小遊技時間未満である(特に最小遊技時間が経過するまで余裕がある)場合があるため、スタートレバーの操作を受け付けてもすぐには押し順の報知を行わず、次遊技のための最小遊技時間をセットしてから押し順の報知を行うようにしてもよい。このようにすることにより、押し順の報知がされているのに、ストップスイッチの操作を行うことができないという時間帯を少なくすることができる。
上記実施形態では設定していないが、押し順の報知が可能であるか否かを識別するための指標として、押し順フラグというものを設定するようにしてもよい(上記実施形態では、遊技モードによって、押し順の報知が可能であるか否かを識別していた)。押し順フラグがONであるときは押し順の報知が可能であることを示し、押し順フラグがOFFであるときは押し順の報知が可能でないことを示す。このような押し順フラグを設けることにより、同じ遊技モードであっても、押し順の報知が可能であるる場合と、押し順の報知が可能でない場合とを区別することが可能となる。例えば、遊技モード0(通常時)においても、押し順フラグをONにする状況を設定し、そこで押し順当てゲームを行うといったことも可能となる。また、上記実施形態では遊技モード2(AT準備)と3(AT)を別の遊技モードとして管理しているが、これらを1つの遊技モードとして管理し、AT準備中のモードであるかAT中のモードであるかを識別するための指標として、ATフラグというものを設定するようにしてもよい。ATフラグがONであるときはAT中のモードであることを示し、ATフラグがOFFであるときはAT準備中のモードであることを示す。
上記実施形態では、WINランプ46jによる押し順報知が開始された後に、押し順指示番号、演出グループ番号、役物の役決定結果番号の各情報が、この順序で、リールが定速回転状態となる前に副制御手段に送信されるようになっている(図22を参照)。リールが定速回転状態となる前に確実に、液晶表示装置による押し順報知(押し順ナビ演出)が実行されるようにするためには、リールが回転開始する前に、押し順指示番号、演出グループ番号、役物の役決定結果番号の各情報が、副制御手段への送信用バッファにセットされていることが好ましい。なお、押し順フラグを設ける場合には、押し順フラグの情報を、演出グループ番号、役物の役決定結果番号の各情報よりも先に、サブに送信することが好ましい。スタートレバー操作受付時の処理において、液晶表示装置による押し順報知を実行するためには、その時点において既に、押し順フラグがONであるか否かを確認している必要があるからである。
上記実施形態では、遊技モードの情報とRT状態の情報を、スタートレバーの操作を受け付けた後に副制御手段に送信するようにしているが、スタートレバーの操作を受け付ける前に送信するようにしてもよい。このようにすることにより、副制御手段では、スタートレバーの操作受付前に、遊技モードの情報とRT状態の情報を知ることができるので、スタートレバー操作受付時にスムーズに各処理を実行することができる。例えば、遊技モード1(前兆)から遊技モード2(AT準備)に移行するときは、AT設定が確定したことを示す確定画面を表示することがあるが、スタートレバーの操作受付前に遊技モード2(AT準備)に移行することを把握しておくことにより、スタートレバー操作受付時にスムーズに確定画面を表示することが可能となる。その他にも、遊技モード2(AT準備)から遊技モード3(AT)に移行するときにATゲーム数(残数)を表示することがあるが、その場合も、スタートレバーの操作受付前に遊技モード3(AT)に移行することを把握しておくことにより、スタートレバー操作受付時にスムーズにATゲーム数を表示することが可能となる(具体的には、スタートレバーの操作受付前に、RAM(RAM77)等の所定の記憶領域にATゲーム数(「50」)のデータをセットし、スタートレバー操作受付時にそのデータを液晶表示装置で表示することができるので、スタートレバー操作受付時にATゲーム数(「50」)のデータをセットし、その後にそのデータを液晶表示装置で表示する場合と比較して早く表示することができる)。なお、ATフラグを設ける場合には、ATフラグの情報についても、スタートレバーの操作を受け付ける前に送信することが好ましい。
上記実施形態では先述したように、意図的に遊技モード2(AT準備)に留まることを防止するため、遊技モード2において押し順ナビに従わない場合は、遊技モード3(AT)に移行させてATカウンタをセットするようにしている。この場合、遊技モード2において押し順ナビに沿った押し順操作がなされたか否かを判定すればよいので、処理負荷を軽減することができるが、意図的ではなく誤って押し順ナビとは異なる押し順操作を行った場合も遊技モード3に移行されてしまうことになる。そこで、リプレイナビに従わなかった場合には遊技モード3に移行させるが、ベルナビに従わなかった場合(遊技者が単に不利益となるだけの場合)には遊技モード3に移行させないようにしてもよい。この場合、誤ってベルナビに従わなかった遊技者を救済することができるが、リプレイナビに従わなかったのかベルナビに従わなかったのかを判別する必要があるので、処理負荷が増大する。また、押し順ナビに従わず、かつRT状態が転落した場合には、遊技モード3に移行させるが、押し順ナビに従わなかったがRT状態が転落しなかった場合には遊技モード3に移行させないようにしてもよい。この場合、押し順ナビに従わなかったのかの判別に加え、RT状態が転落したか否かについても判別する必要があるので、処理負荷が増大する。また、上記実施形態では、遊技モード2に設定されているときに、RT状態がRT3に設定されることで遊技モード3に移行させるようになっているが、RT3移行RPに当選したことをもって、遊技モード3に移行させるようにしてもよい。
上記実施形態では、押し順当てゲームに正解すると、ATストック数が加算されるようになっているが、ATゲーム数を加算すること(ATゲーム数の上乗せ)を特典としてもよい。また、副制御手段において特典(例えば、特別が画像演出を実行することなど)を付与するようにしてもよい。
上記実施形態では、設定変更されたときには、ATに関する情報(ATゲーム数やATストック数)はクリアするが、RT状態の情報は維持するようになっている。また、多くのRT状態を備えている。これに対し、多くのRT遊技状態を持たず、ボーナス役に当選していない非内部中(非RT)、ボーナス役に当選した状態であるボーナス内部中(RT1)、ボーナス中(RT2)のみを備え、遊技期間中の多くがボーナス内部中となるような仕様(内部中スペック)とした場合でも、設定変更されたときには、ATに関する情報はクリアするが、RT状態の情報は維持するようにしてもよい。また、電源断時には、ATに関する情報も維持し、RT状態の情報も維持するようにすることが好ましい(内部中スペックとする場合も同様としてよい)。
上記実施形態では、コマンドの送信をシリアル通信方式で行っているがパラレル通信方式により行ってもよいことは既述した。ただし、パラレル通信方式とした場合には、複数の通信線のうち何れかの通信線が断線等していても通信が可能となるので、誤った情報が伝達される虞がある。そこで、パラレル通信方式とする場合には、毎遊技の開始時(例えば、スタートレバーの操作時)に、所定のコマンド(例えば、「00000101B」)を送信し、毎遊技の終了時(例えば、全停止時)に、所定のコマンドと各ビットの「0」,「1」が逆になるコマンド(例えば、「1111010B」)を送信し、これらの論理演算の結果により断線しているか否かを判別するようにしてもよい。
上記実施形態において、副制御手段が押し順指示番号を受信しなかった場合や、優先して報知すべき押し順が無いような場合には、副制御手段において、主制御手段から送信された演出グループ番号や役決定結果番号に基づいて押し順を報知するようにしてもよい。
上記施形態では、試験仕様であるか量産仕様であるかを判別するために使用する端子を1つ(端子PI0)としているが、複数の端子を用いるようにしてもよい。また、上述した各実施形態や各変更例の態様は適宜組み合わせて用いることが可能である。
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係るスロットマシン(以下「第3形態のスロットマシン」とも称する)について、具体的には、再遊技役が成立した場合の複数の表示用ランプの点灯タイミングについて、図56〜図60を追加参照しながら説明する。この第3形態のスロットマシンでは、LEDランプ等により構成される表示用ランプとして、リプレイランプ、1BETランプ、2BETランプ、3BETランプ、スタートランプ、及びメダル投入可ランプを備えている。
リプレイランプは、今回の遊技がリプレイ遊技(前回の遊技で再遊技役(「リプレイ役」とも称する)に対応する図柄組合せ(「リプレイ図柄」とも称する)が有効ライン上に停止表示されたことにより、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく実行可能となる遊技)であることを示すランプであり、上述の再遊技表示ランプ46eに相当する。1BETランプは、遊技メダルのベット数が1以上であることを示すランプであり、上述の1−BET表示ランプ46bAに相当する。2BETランプは、遊技メダルのベット数が2以上であることを示すランプであり、上述の2−BET表示ランプ46bBに相当する。3BETランプは、遊技メダルのベット数が3であることを示すランプであり、上述のMAX−BET表示ランプ46bに相当する。スタートランプは、スタートレバー操作開始可能状態(スタートレバーを操作して遊技を開始させることができる状態)であることを示すランプであり、上述の遊技開始表示ランプ46dに相当する。メダル投入可ランプは、遊技メダルを投入することが可能であることを示すランプであり、上述の投入可能表示ランプ46cに相当する。
再遊技役が成立した場合(リプレイ図柄が有効ライン上に停止表示された場合)、その次の遊技がリプレイ遊技となり、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルが自動ベット処理によりベットされる。リプレイ遊技のとき、遊技者は自ら遊技メダルをベットする必要がない(自らベットすることはできない)ので、前回の遊技で再遊技以外の役が成立した場合やハズレであった場合とは、遊技者が行う操作手順が大きく異なる。そのため、今回の遊技がリプレイ遊技であり、遊技メダルが自動ベットされることが遊技者に分かり難いと、遊技者が混乱する虞がある。そこで、リプレイ遊技のときに、どのタイミングで、リプレイランプ、1BETランプ、2BETランプ、3BETランプ、スタートランプ、及びメダル投入可ランプを点灯させるのかが、円滑な遊技を行う上で重要となってくる。
図56〜図60は、これらの表示用ランプの点灯タイミングに関して10個のパターンを例示したものであり、以下、それらについて順次説明する。なお、いずれのパターンにおいても、前回の遊技はリプレイ遊技ではなく、前回の遊技におけるベット数は「3」とする。また、リプレイ図柄が表示された後に、第3停止スイッチ(3番目に停止操作が行われたストップスイッチ)がオン状態からオフ状態に切り替わった(第3停止スイッチから手が離れた)ものとする。図56〜図60では、各表示用ランプの点灯状態と非点灯状態が切り替わる契機となり得るタイミングとして、リプレイ図柄が有効ライン上に停止表示された時点(図中「リプレイ図柄表示時」と表記)、第3停止スイッチがオン状態からオフ状態に切り替わった時点(図中「第3停止スイッチオフ時」と表記)、及びスタートレバーを操作して遊技を開始させることができる状態(スタートレバーの操作が受付可能な状態)となった時点(図中「スタートレバー操作開始可能時」と表記)の3つのタイミングを示している。また、以下の説明では、便宜的に、リプレイ図柄表示時からスタートレバー操作開始可能時までの期間を「リプレイ遊技準備期間」と称し、そのうち、リプレイ図柄表示時から第3停止スイッチオフ時までの期間を「リプレイ遊技準備前半期間」と称し、第3停止スイッチオフ時からスタートレバー操作開始可能時までの期間を「リプレイ遊技準備後半期間」と称する。なお、各タイミングパターン1〜10における横軸の長さ(各時点間の距離)は、実際の時間を正確に表すものではない。
図56(A)に示す点灯タイミングパターン1では、リプレイ図柄表示時前の所定期間においては、リプレイランプ、スタートランプ及びメダル投入可ランプは非点灯状態とされ、1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは点灯状態とされる(この点は、他の点灯タイミングパターン2〜10において同じ)。リプレイ図柄が表示されると、その直後(略同時)に、リプレイランプが非点灯状態から点灯状態に切り替わり、2BETランプ及び3BETランプが点灯状態から非点灯状態に切り替わる。一方、1BETランプは点灯状態のままであり、スタートランプ及びメダル投入可ランプは非点灯状態のままである。リプレイ図柄の表示後に点灯状態から非点灯状態に切り替わった2BETランプ及び3BETランプは、その後、第3停止スイッチオフ時までの期間(リプレイ遊技準備前半期間)において、まず、2BETランプが非点灯状態から点灯状態に切り替わり、次に、3BETランプが非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
第3停止スイッチオフ時からスタートレバー操作開始可能時までの期間(リプレイ遊技準備後半期間)においては、各表示用ランプの点灯・非点灯状態に変化はない。すなわち、第3停止スイッチオフ時において点灯状態であるリプレイランプ、1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ遊技準備後半期間中ずっと点灯状態のままであり、第3停止スイッチオフ時において非点灯状態であるスタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ遊技準備後半期間中ずっと非点灯状態のままである。スタートレバー操作開始可能時となった時点においては、スタートランプが非点灯状態から点灯状態に切り替わるが、他の表示用ランプの点灯・非点灯状態に変化はない。この点灯タイミングパターン1では、スタートレバー操作開始可能時を経過した後もメダル投入可ランプが非点灯状態のまま維持される。これは、リプレイ遊技の期間中は、たとえ遊技メダルの貯留数が上限に達していない場合であっても、遊技メダルを投入することができない仕様となっているためであり、遊技メダルを投入しても返却される。なお、リプレイ遊技の期間中にもメダル投入を可能とする場合には、スタートランプと同時にメダル投入可ランプを非点灯状態から点灯状態に切り替えるようにしてもよい。
このように、点灯タイミングパターン1では、リプレイ遊技準備期間内(期間の両端点すなわちリプレイ図柄表示時とスタートレバー操作開始可能時は含まないとするが、両端点を含む、または、どちらか一方の端点を含むとしてもよい)及びその前後の期間に亘って、1BETランプは点灯状態のまま維持される。また、リプレイランプは、スタートランプよりも先に非点灯状態から点灯状態に切り替わるようになっている。さらに、リプレイランプは、リプレイ遊技準備前半期間内(期間の両端点すなわちリプレイ図柄表示時と第3停止スイッチオフ時は含まないが、両端点を含む、または、どちらか一方の端点を含むとしてもよい)において、2BETランプ、3BETランプ及びメダル投入可ランプよりも先に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)ようになっている。また、2BETランプと3BETランプは、リプレイ図柄表示の直後において同時に一旦消灯し(点灯状態から非点灯状態に切り替わり)、その後、リプレイ遊技準備前半期間内において、順次、非点灯状態から点灯状態に切り替わるようになっている。また、リプレイ図柄表示の直後において、リプレイランプが点灯するのと同時に、2BETランプ及び3BETランプが一旦消灯するようになっている。
図56(B)に示す点灯タイミングパターン2では、リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時の直前まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時の直前において、非点灯状態から点灯状態に切り替わる。1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、点灯状態のまま維持される。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に非点灯状態から点灯状態に切り替わる。メダル投入可ランプが点灯すると、遊技メダルを投入することが可能となる。これは、リプレイ遊技の期間中であっても、遊技メダルの貯留数が上限に達していない場合には、遊技メダルを投入することができる仕様となっているためであり、投入された遊技メダルは貯留数に加算される(貯留数の上限に達した後は返却される)ようになっている(以下の点灯タイミングパターン3〜10において同じ)。
図57(A)に示す点灯タイミングパターン3では、リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、非点灯状態から点灯状態に切り替わる。1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、点灯状態のまま維持される。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に(リプレイランプとも同時に)非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
図57(B)に示す点灯タイミングパターン4では、リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ遊技準備前半期間内に亘って非点灯状態のまま維持され、リプレイ遊技準備後半期間内(期間の両端点すなわち第3停止スイッチオフ時とスタートレバー操作開始可能時は含まないとするが、両端点を含む、または、どちらか一方の端点を含むとしてもよい)の所定のタイミング(例えば、第3停止スイッチオフ時の直後)において、非点灯状態から点灯状態に切り替わるようになっている。1BETランプは、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、点灯状態のまま維持される。2BETランプと3BETランプは、リプレイ遊技準備後半期間内(リプレイランプ点灯後)において同時に一旦消灯し(点灯状態から非点灯状態に切り替わり)、その後、スタートレバー操作開始可能時となるまでに2BETランプが先に点灯し、さらにスタートレバー操作開始可能時において3BETランプが点灯するようになっている。なお、リプレイランプは、リプレイ遊技準備後半期間内において、2BETランプ及び3BETランプが消灯する(点灯状態から非点灯状態に切り替わる)よりも先に、かつ、2BETランプ、3BETランプ、スタートランプ及びメダル投入可ランプが点灯するよりも先に、点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)ようになっている。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に(3BETランプとも同時に)非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
図58(A)に示す点灯タイミングパターン5では、1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ図柄表示時前からリプレイ遊技準備前半期間内に亘って点灯し続け、リプレイ遊技準備後半期間内(例えば、第3停止スイッチオフ時の直後)において、同時に一旦消灯し(点灯状態から非点灯状態に切り替わり)、その後、スタートレバー操作開始可能時となるまでに、1BETランプ及び2BETランプが同時に(または1BETランプの方が2BETランプよりも若干早く)点灯し、さらにスタートレバー操作開始可能時において3BETランプが点灯するようになっている。リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ遊技準備前半期間内に亘って非点灯状態のまま維持され、リプレイ遊技準備後半期間内において、1BETランプ及び2BETランプの点灯と同時に、かつ、3BETランプ、スタートランプ及びメダル投入可ランプよりも先に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)ようになっている。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に(3BETランプとも同時に)非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
図58(B)に示す点灯タイミングパターン6では、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、1BETランプは点灯状態のまま維持される。2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ図柄表示時前からリプレイ遊技準備前半期間内に亘って点灯し続け、リプレイ遊技準備後半期間内の所定のタイミング(例えば、第3停止スイッチオフ時の直後)において、同時に一旦消灯し(点灯状態から非点灯状態に切り替わり)、その後、スタートレバー操作開始可能時となるまでに、2BETランプ、3BETランプの順に再点灯するようになっている。リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ遊技準備前半期間内に亘って非点灯状態のまま維持され、リプレイ遊技準備後半期間内において、2BETランプ及び3BETランプの消灯と同時に、かつ、2BETランプ、3BETランプ、スタートランプ及びメダル投入可ランプの再点灯よりも先に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)ようになっている。
図59(A)に示す点灯タイミングパターン7では、リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、非点灯状態から点灯状態に切り替わる。1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、点灯状態のまま維持される。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に(リプレイランプとも同時に)非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
図59(B)に示す点灯タイミングパターン8では、1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ図柄表示時前からリプレイ遊技準備前半期間内に亘って点灯し続け、リプレイ遊技準備後半期間内の所定のタイミング(例えば、第3停止スイッチオフ時の直後)において、同時に一旦消灯し(点灯状態から非点灯状態に切り替わり)、その後、スタートレバー操作開始可能時において同時に点灯する。リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ遊技準備前半期間内及びリプレイ遊技準備後半期間内に亘って非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプの点灯と同時に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)ようになっている。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に(リプレイランプ、1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプとも同時に)非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
図60(A)に示す点灯タイミングパターン9では、リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ遊技準備前半期間内に亘って非点灯状態のまま維持され、リプレイ遊技準備後半期間内の所定のタイミング(例えば、第3停止スイッチオフ時の直後)において、非点灯状態から点灯状態に切り替わるようになっている。1BETランプは、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、点灯状態のまま維持される。2BETランプと3BETランプは、リプレイ遊技準備後半期間内の所定のタイミング(例えば、リプレイランプ点灯の直後)において同時に一旦消灯し(点灯状態から非点灯状態に切り替わり)、その後、スタートレバー操作開始可能時となるまでに、2BETランプ、3BETランプの順に点灯するようになっている。なお、リプレイランプは、リプレイ遊技準備後半期間内において、2BETランプ及び3BETランプが消灯する(点灯状態から非点灯状態に切り替わる)よりも先に、かつ、2BETランプ、3BETランプ、スタートランプ及びメダル投入可ランプが点灯するよりも先に、点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)ようになっている。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に非点灯状態から点灯状態に切り替わる。
図60(B)に示す点灯タイミングパターン10では、リプレイランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ遊技準備前半期間内に亘って非点灯状態のまま維持され、リプレイ遊技準備後半期間内の所定のタイミング(例えば、第3停止スイッチオフ時の直後)において、非点灯状態から点灯状態に切り替わるようになっている。1BETランプ、2BETランプ及び3BETランプは、リプレイ遊技準備期間内及びその前後の期間に亘って、点灯状態のまま維持される。スタートランプ及びメダル投入可ランプは、リプレイ図柄表示時前から、リプレイ図柄表示時及び第3停止スイッチオフ時を経て、スタートレバー操作開始可能時まで非点灯状態のまま維持され、スタートレバー操作開始可能時において、同時に非点灯状態から点灯状態に切り替わる。なお、リプレイランプは、リプレイ遊技準備後半期間内において、スタートランプ及びメダル投入可ランプが点灯するよりも先に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)。
点灯タイミングのパターンの違いによって効果上の差異が生じる。以下、この点について説明する。スタートランプとメダル投入可ランプを同時に点灯させるパターン(点灯タイミングパターン2〜10が該当する)の場合、メダル投入可ランプよりも先にスタートランプを点灯させると、遊技者が遊技メダルを投入したいと思っていても、スタートランプが先に点灯することによって投入することができないと誤認する虞があり、逆に、スタートランプよりも先にメダル投入可ランプを点灯させると、スタートレバーを操作できないと誤認する虞がある。そこで、スタートランプ及びメダル投入可ランプを同時に点灯することにより、遊技者に、遊技メダルの投入やスタートレバーの操作に関して円滑に判断させることが可能となり、遊技メダルの投入やスタートレバーの操作を円滑に行わせることが可能となる。
1BETランプが、リプレイ遊技準備期間内に亘って(またはリプレイ遊技準備期間内とその前後の期間に亘って)、点灯状態のまま維持されるパターン(点灯タイミングパターン1〜4,6,7,9,10が該当する)の場合、再遊技役が成立して自動ベットが行われたことが遊技者に分かり易くなり、かつ再遊技役が成立したことをいち早く遊技者に告知することができるので、遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。2BETランプ及び3BETランプが、リプレイ遊技準備期間内に亘って(またはリプレイ遊技準備期間内とその前後の期間に亘って)、点灯状態のまま維持されるパターン(点灯タイミングパターン2,7,10が該当する)の場合、再遊技役が成立して自動ベットが行われたことが遊技者により分かり易くなり、かつ再遊技役が成立したことをいち早く遊技者に告知することができるので、遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。
リプレイランプが、スタートランプよりも先に非点灯状態から点灯状態に切り替わるパターン(点灯タイミングパターン1,2,4〜7,9,10が該当する)の場合、リプレイランプを先に点灯させることにより、再遊技役が成立してリプレイ遊技が行われることを先に遊技者に告知し、その後にスタートランプを点灯させることにより、遊技の進行状況(スタートレバーの操作が可能になったこと)を遊技者に告知することができるので、遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。リプレイランプが、メダル投入可ランプよりも先に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)パターン(点灯タイミングパターン1,2,4〜7,9,10が該当する)の場合、リプレイランプを先に点灯させることにより、再遊技役が成立してリプレイ遊技が行われることを先に遊技者に告知し、その後にメダル投入可ランプを点灯させることにより、遊技メダルを投入することができることを遊技者に告知することができるので、遊技者に遊技状況を円滑に把握させることが可能となる。
リプレイランプが、3BETランプ(または2BETランプ及び3BETランプ)よりも先に点灯する(非点灯状態から点灯状態に切り替わる)パターン(点灯タイミングパターン1,4,6,7,9が該当する)の場合、リプレイランプを先に点灯させることにより、再遊技役が成立してリプレイ遊技が行われることを先に遊技者に告知し、その後に3BETランプ(または2BETランプ及び3BETランプ)を点灯させることにより、自動ベットが行われたことを遊技者に告知することができるので、遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。2BETランプと3BETランプが、順次、非点灯状態から点灯状態に切り替わるパターン(点灯タイミングパターン1,4,5,6,9が該当する)の場合、2BETランプと3BETランプを段階的に点灯させることにより、自動ベットが行われたことをより明確に遊技者に告知することができるので、遊技を円滑に進行することが可能となる。
2BETランプと3BETランプが同時に一旦消灯する(点灯状態から非点灯状態に切り替わる)パターン(点灯タイミングパターン1,4,5,6,8,9が該当する)の場合、多くの表示用ランプが点灯状態のままだと、遊技者が遊技状態を把握することが困難となる虞があることに鑑み、2BETランプと3BETランプを同時に一旦消灯することにより、遊技者に、遊技状態(再遊技役が成立して自動ベットが行われること)をいち早く把握させることを可能としている。リプレイランプが、2BETランプが一旦消灯する時よりも先に点灯するパターン(点灯タイミングパターン4,9が該当する)の場合、リプレイランプを先に点灯させることにより、再遊技役が成立してリプレイ遊技が行われることを先に遊技者に告知し、その後に2BETランプランプを消灯させることにより、遊技メダルが自動ベットされることを遊技者に分かり易く告知することができるので、遊技者に遊技状況を円滑に把握させることが可能となる。
リプレイランプが点灯するのと同時に、2BETランプ(または2BETランプ及び3BETランプ)が一旦消灯するパターン(点灯タイミングパターン1,6が該当する)の場合、自動ベットされることを遊技者に告知したいが、2BETランプ(または2BETランプ及び3BETランプ)が点灯し続けていると、遊技者が遊技状態を把握することが困難となる虞があることに鑑み、2BETランプ(または2BETランプ及び3BETランプ)を一旦消灯することにより、遊技者に、遊技状態をいち早く把握させることを可能としている。また、同時にリプレイランプを点灯させることにより、遊技メダルを投入する必要がないことを遊技者に早い段階で告知することが可能となる。3BETランプとスタートランプが同時に点灯するパターン(点灯タイミングパターン4,5,8が該当する)の場合、スタートレバーを操作できることを遊技者にいち早く告知することができるので、遊技を円滑に進行させることが可能となる。
なお、前回の遊技がリプレイ遊技であり、今回の遊技もリプレイ遊技である場合には、リプレイランプを、前回の遊技から今回の遊技に亘って、継続して点灯するパターンを採用してもよい。リプレイランプを継続して点灯させることにより、再遊技役が成立したことをいち早く遊技者に告知することができるので、遊技を円滑に進行させることが可能となる。
上述した点灯タイミングパターン1〜10の一部を適宜組み合わせて、別の点灯タイミングパターンを構成することも可能である。各表示用ランプ(リプレイランプ、1BETランプ、2BETランプ、3BETランプ、スタートランプ、メダル投入可ランプ)は、いずれもメイン側(主制御手段側)の処理(例えば、タイマ割込処理)によって点灯及び消灯が制御される(一部をサブ側で制御することも可)。複数の表示用ランプを同時に点灯または消灯するときの「同時」とは、ある程度の微小な時間差がある場合を含むものである。例えば、複数の表示用ランプ間で、点灯または消灯のタイミングが数割込分ずれたとしても、遊技者はそのタイミングのずれを判別することができないので、同時という扱いで問題ない。
《第4実施形態》
次に、第4実施形態に係るスロットマシン(以下「第4形態のスロットマシン」とも称する)について、具体的には、制御基板上の電子部品の配置態様について、図61及び図62を追加参照しながら説明する。この第4形態のスロットマシンでは、主に遊技の進行に係る制御処理を行うための主制御基板600(上述の主制御基板60に相当する)を備えている。
主制御基板600上には、種々の電子部品が実装されている。図61は、主制御基板600上に実装された主な電子部品の平面的な配置関係を示している。具体的には、図示のように主制御基板600上には、CPU機能を備えたIC素子としてのマイクロプロセッサMP01と、CPU機能を備えていないその他のIC素子IC01〜IC15と、抵抗器R01〜R26と、集合抵抗器R31,R32と、コンデンサC01〜C05、C11〜C14と、コネクタCN01〜CN04とが、実装されている。また、主制御基板600上には、型式試験時に使用される試験用のIC素子(図示略)を実装(半田付け)するためのパッド部P01,P02が形成されている。なお、主制御基板600上には、ダイオードやLED等の他の電子部品も実装されることがあるが、それらについては図示を省略している。
マイクロプロセッサMP01は、CPU、ROM、RAMなどを搭載したICチップが、直方体状のパッケージ本体内に封入されて構成されたワンチップ型のマイコンであり、ソケットS01を介して、主制御基板600上に実装されている。IC素子IC01〜IC15は、所定の論理回路を複数搭載したICチップが、直方体状のパッケージ本体内に封入されて構成された汎用的なIC素子である。抵抗器R01〜R26は、電気抵抗素子を円柱状のパッケージ内に封入して構成された横置き型(アキシャル型)の抵抗器であり、集合抵抗器R31,R32は、複数の抵抗器を1つのパッケージ内に収納して構成された縦置き型(ラジアル型)の抵抗器である。コンデンサC01〜C05は、アキシャル型のコンデンサであり、コンデンサC11〜C14は、コンデンサC01〜C05よりも大型のラジアル型のコンデンサである。コネクタCN01〜CN04は、主制御基板600と、他の制御基板や電気機器とを電気的に接続するためのハーネス側のコネクタ(図示略)と接合される電気部品であり、それぞれ、複数の端子と端子群を囲う箱状のハウジングとを備えて構成されている。
図62は、主制御基板600上に実装された各電子部品の高さ関係を示している。図示のように、マイクロプロセッサMP01の高さ(主制御基板600の表面から、ソケットS01を介して基板表面に設置された、マイクロプロセッサMP01のパッケージ本体の上面までの距離)をH1とする。主制御基板600上に実装された状態において、このマイクロプロセッサMP01の高さH1よりも背が高い電子部品は、集合抵抗器(図62では、集合抵抗器R31を例示しているが他も同様)と、ラジアル型のコンデンサ(図62では、コンデンサC12を例示しているが他も同様)である。その他の電子部品はいずれも、マイクロプロセッサMP01の高さH1よりも背が低い(図62では、アキシャル型の抵抗器R12、IC素子IC12、コネクタCN03のみを例示しているが、他のアキシャル型の抵抗器、IC素子、コネクタ、アキシャル型のコンデンサ等についても同様)。
<マイクロプロセッサと他のIC素子の向き>
図61に示すように、主制御基板600上には、多くのIC素子IC01〜IC15が実装される。主制御基板600には、各IC素子の各端子と接続される回路が形成されており、IC素子の取付け位置(向き)を間違えて実装してしまうと、当然ながら正常に機能しなくなる。そこで、IC素子の実装に際しては、IC素子の1番ピン1Pの位置を基準としてIC素子の取付け向きを把握し、その1番ピン1Pが主制御基板600上のどの位置に接続されるのかを確認しながら、実装作業が行われることがある。一方、多数のIC素子の取付け向き(取付け時の1番ピン1Pの位置)が、IC素子ごとにまちまちだと、各IC素子の取付け向きを確認するのに手間がかかり、作業効率が低下してしまう。
そこで、この第4形態のスロットマシンでは、主制御基板600上におけるマイクロプロセッサMP01の取付け向きに応じて、各IC素子の取付け向きが揃うようにしている。具体的には、マイクロプロセッサMP01は、その長辺方向(パッケージ本体上面の長辺方向)が図中横方向(主制御基板600の一辺(本例では長辺)の方向)と一致する向き(以下「横向き」と称する)で、かつそのハウジング端子の1番ピン1Pが図中左下に位置した状態で実装される。IC素子は、その長辺方向(パッケージ本体上面の長辺方向)が図中横方向と一致する向き(横向き)で実装されるIC01〜IC13と、その長辺方向が図中縦方向(主制御基板600の他辺(本例では短辺)の方向)と一致する向き(以下「縦向き」と称する)で実装されるIC14,IC15とがある。このうち、横向きで実装されるIC01〜IC13はいずれも、マイクロプロセッサMP01と同じく、それぞれの1番ピン1Pが図中左下に位置した状態で実装されるようになっている。これに対し、縦向きで実装されるIC14,IC15はいずれも、それぞれの1番ピン1Pが図中左上に位置した状態で実装されるようになっている。
このように、第4形態のスロットマシンでは、主制御基板600上において、同じ横向きで実装されるマイクロプロセッサMP01とIC素子IC01〜IC13については、それぞれの1番ピン1Pの位置が揃う(いずれも図中左下の位置にくる)ように構成されている。そのため、IC素子IC01〜IC13を実装する際に、その取付け向きを確認することが容易となるので、取付けミスを低減することが可能となるとともに、作業効率を向上させることが可能となる。また、本例では、試験用のIC素子についても、その1番ピンが図中左下の位置となる横向きで実装されるようになっており(各パッド部P01,P02における、1番ピン用のランド部L1,L2が図中左下の位置に形成されている)、これにより、取付けミスが起き難いようにしている。
なお、本例では、横向きのIC素子IC01〜IC13の全てについて、それぞれの1番ピン1Pの位置が揃うように構成されているが、横向きのIC素子のうちの幾つかを、逆向きに実装される(1番ピン1Pの位置が図中右上となる)IC素子としてもよい。その場合、逆向きに実装されるIC素子は、他のIC素子と区別し易い形状や大きさのものとすることが、取付けミスを減らすという観点からは好ましい。また、基板面を複数の領域に分け、領域ごとに、IC素子の取付け向きを変えるようにしてもよい。例えば、基板面を左側の領域と右側の領域とに分け、左側の領域に実装される横向きの各IC素子については、それぞれの1番ピンの位置が左下に揃うように配置し、右側の領域に実装される横向きの各IC素子については、それぞれの1番ピンの位置が右上に揃うよう配置してもよい。
<マイクロプロセッサと他のIC素子との距離>
主制御基板600上に設置されたIC素子(IC01〜IC15)に電流が供給されると、IC素子からノイズが発生することがある。そのようなIC素子が、マイクロプロセッサMP01の近傍に設置されていると、そのIC素子から発生したノイズが、マイクロプロセッサMP01の動作に悪影響を及ぼす虞がある。
そこで、この第4形態のスロットマシンでは、主制御基板600上におけるマイクロプロセッサMP01の近傍には、IC素子を配置しないようにしている。具体的には、マイクロプロセッサMP01の近傍領域内(ここでは、マイクロプロセッサMP01のパッケージ本体の外周から、当該パッケージ本体の上面短辺方向の長さW1分だけ離れた位置に形成される仮想の境界線BL1で囲まれた領域をいう)には、いずれのIC素子も配置しないようにしている。なお、W1は、アキシャル型の抵抗器(R01〜R26)の1個分の長さ(実装時の長さ)以上の長さである。
このように、第4形態のスロットマシンでは、主制御基板600上に実装されるIC素子IC01〜IC15はいずれも、マイクロプロセッサMP01から、少なくもマイクロプロセッサMP01のパッケージ本体の上面短辺方向の長さW1分は離れて配置されている。そのため、IC素子からノイズが発生しても、そのノイズがマイクロプロセッサMP01の動作に悪影響を及ぼす可能性を低減することが可能となる。なお、各IC素子は、マイクロプロセッサMP01から、長さW1の2倍分以上離れて配置されていることが好ましい。
<マイクロプロセッサの周辺部に配置する電子部品の高さ>
マイクロプロセッサMP01は、チップマウンタ等の取付け装置によって、自動的に主制御基板600上に実装される。取付け装置は、マイクロプロセッサMP01を把持して取付け予定位置の上方まで移動した後、マイクロプロセッサMP01を所定の高さまで下方に移動させて、ソケットS01に取り付ける。マイクロプロセッサMP01の近傍に、マイクロプロセッサMP01の高さ(実装時の高さH1)よりも背の高い部品が実装されていると、取付け予定位置のデータ入力ミス等により、取付け予定位置とは異なる位置で取付け装置がマイクロプロセッサMP01を下方に移動させた場合に、マイクロプロセッサMP01やそれを把持する治具が、背の高い部品に接触する虞がある。
そこで、この第4形態のスロットマシンでは、主制御基板600上におけるマイクロプロセッサMP01の近傍には、マイクロプロセッサMP01よりも背の高い部品を配置しないようにしている。具体的には、マイクロプロセッサMP01の近傍領域内(マイクロプロセッサMP01のパッケージ本体の外周から、当該パッケージ本体の上面短辺方向の長さW1分だけ離れた位置に形成される上述の境界線BL1で囲まれた領域)には、マイクロプロセッサMP01よりも背の高い部品(本例では、集合抵抗器R31,R32及びラジアル型のコンデンサC11〜C14)は、配置しないようにしている。なお、近傍領域内であっても、マイクロプロセッサMP01よりも背の低い部品(ただし、IC素子は除く)であれば配置してもよいが、これらについても配置しないようにしてもよい。
このように、第4形態のスロットマシンでは、マイクロプロセッサMP01よりも背の高い部品(集合抵抗器R31,R32及びラジアル型のコンデンサC11〜C14)はいずれも、マイクロプロセッサMP01から、少なくともマイクロプロセッサMP01のパッケージ本体の上面短辺方向の長さW1分は離れて配置されている。そのため、取付け予定位置とは異なる位置で取付け装置がマイクロプロセッサMP01を下方に移動させた場合に、マイクロプロセッサMP01やそれを把持する治具が、背の高い部品に接触して、マイクロプロセッサMP01や背の高い部品が破損することを防止することが可能となる。
《第5実施形態》
次に、第5実施形態に係るスロットマシン(以下「第5形態のスロットマシン」とも称する)について、具体的には、メイン制御手段(上述の主制御手段100に相当する)の内蔵RWM(以下「RAM」と称する)のメモリマップについて、図63及び図64を追加参照しながら説明する。
このようなRAMのメモリマップには、設定値データ領域、外部信号系データ領域、RAMチェックサムデータ領域、制御コマンドバッファ領域、電断発生時スタックポインタ一時保存バッファ領域、未使用領域、退避データ格納領域等が含まれている。
なお、上記未使用領域とは、チェックサムの値をとったり、クリアしたりする領域として用いられる可能性はあるが、遊技で使用することはない領域のことを意味する。
遊技機において、遊技を進めていく上で、役処理抽選等に用いるデータとしての設定値データは重要なものである。そのため、この設定値データが、RAM内に記憶されているときに、何らかの理由で書き換えられてしまう状態は、確実に防止する必要がある。
例えば、割り込み命令(退避命令)の発生に基づき、実行中のプログラムを退避させる必要が生じたときには、例えば、スタックアドレスを更新(減算)してからスタックとして確保された退避データ格納領域に、実行中のプログラム(元のプログラム)のプログラムカウンタの値を格納する。また、元に戻る際はスタックアドレスが示す退避データ格納領域からデータを取り出してからスタックアドレスを更新(加算)する。これにより、元のプログラムをどこまで実行していたか、という元のプログラムに戻る際の情報(戻り先アドレス)を記憶させておくことが可能となる。プログラム処理において、連続する割り込みが発生する場合には、深いサブルーチンの階層から大元のプログラムまで戻るために、原則として連続する割り込みの数だけ戻り先アドレスを、退避データ格納領域に格納しておく必要があるから、退避データ格納領域の容量は、少なくとも、連続する割り込みの数に応じた容量が必要となる。尤も、このような場合の退避データ格納領域の容量は、プログラムの設計時(コンパイラ時)に、ほぼ確定している(上記退避データ格納領域は、通常の割り込み数を勘案して、例えば数バイト分(図64においては、退避データ1〜退避データ8の8バイト分)を確保することが一般的である)ので、プログラム設計時に、適切に退避データ格納領域の容量を設定することにより、重要な設定値データが上述した戻り先アドレスによって書き換えられてしまうという事態は、通常回避することが可能である。
しかしながら、何らかのきっかけによって、プログラムが暴走し、必要な処理手順を行うことが不能となったときはウオッチドッグタイマ(WDT)等から連続する割り込み命令が発生する虞があり、これによって上記退避データ格納領域に、割り込み命令数に応じた数(容量)の情報が積載されていくことになる。すなわち、スタックポインタが順次減算(デクリメント)したスタックアドレスを指示することで、各退避データ格納領域に順次、戻り先アドレスが格納される。
このような場合には、スタックに、瞬時に上記戻り先アドレスが積み上がっていくことになりかねず、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、その上(RAMのアドレスが0番地側の領域)のRAMの記憶領域(他のデータが格納されている領域)まで、元のプログラムの戻り先アドレスの書き換え処理が行われてしまう。すなわち、確保されていた退避データ領域に隣接する、アドレスの0番地側の領域に記載されていたデータが、上記戻り先アドレスに侵食されてしまい、そのRAMに格納されていたデータが失われ、書き換えられた不用のアドレスデータによって、遊技機が動作していく上で、好ましくない種々の問題を引き起こされることになる。
特に、上述した設定値データ領域が、RAMのアドレス空間上で、上記退避データ領域の、アドレスが0番地側の近接した領域に配されていた場合には、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞があり、遊技機における遊技自体を継続していくことが不可能となる虞があることから、このような事態発生の虞を最小限にまで低減することが重要となる。
そこで、本発明の第5実施形態に係る遊技機(スロットマシン)は、以下のような要件を備えた構成として上述したような事態の発生を最小限にまで低減できるようにしている。
以下に、本実施形態の代表的な5つのパターンについて、要件を列挙することにより説明する。
<パターン1の遊技機(スロットマシン)>
(1)データの読み書きが可能な記憶手段(RAM)を備えている。
(2)上記記憶手段(RAM)は、少なくとも、設定値データが保存される第1の記憶領域と、未使用領域である第2の記憶領域と、遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域と、を備えている。
(3)上記第2の記憶領域を、上記第1の記憶領域と上記第3の記憶領域との間のアドレス位置に設定している。
(4)上記(3)のように設定することにより、上記第3の記憶領域に退避されるデータ数が設計上の上限を超えたとしても、設定値データが上書きされ難い構成としている。
このように構成されたパターン1の遊技機(スロットマシン)によれば、図63(A)に示すように、アドレス位置において、設定値データが保存される第1の記憶領域と遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、未使用領域である第2の記憶領域を配置することにより、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、上記戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域に侵食して上書きされるようになったとしても、その記載は、まず未使用領域である第2の記憶領域においてなされることになり、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を低減することができる。これにより遊技をする上で重大な支障をきたす(あるいは遊技が不可能になる)虞を低減することができる。
<パターン2の遊技機(スロットマシン)>
(1)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(1)と同じ要件を備えている。
(2A)記憶手段(RAM)は、少なくとも、設定値データが保存される第1の記憶領域と、未使用領域である第2の記憶領域と、遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域と、遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域と、を備えている。
(3A)上記第2の記憶領域と上記第4の記憶領域を、上記第1の記憶領域と上記第3の記憶領域との間のアドレス位置に設定している。
(4)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(4)と同じ要件を備えている。
このように構成されたパターン2の遊技機(スロットマシン)によれば、図63(B)に示すように、アドレス位置において、設定値データが保存される第1の記憶領域と遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、未使用領域である第2の記憶領域および遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域を配置することにより、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域を侵食して上書きされるようになったとしても、その記載は、まず未使用領域である第2の記憶領域、および遊技機の遊技とは直接関係の無い、遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域においてなされることになり、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を大幅に低減することができる。これにより遊技をする上で重大な支障をきたす(あるいは遊技が不可能になる)虞を低減することができる。
<パターン3の遊技機(スロットマシン)>
(1)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(1)と同じ要件を備えている。
(2B)記憶手段(RAM)は、少なくとも、設定値データが保存される第1の記憶領域と、未使用領域である第2の記憶領域と、遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域と、上記記憶手段(RAM)のチェックサムデータを保存する第5の記憶領域と、を備えている。
(3B)上記第2の記憶領域と上記第5の記憶領域を、上記第1の記憶領域と上記第3の記憶領域との間のアドレス位置に設定している。
(4)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(4)と同じ要件を備えている。
このように構成されたパターン3の遊技機(スロットマシン)によれば、図63(C)に示すように、アドレス位置において、設定値データが保存される第1の記憶領域と遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、未使用領域である第2の記憶領域および上記記憶手段(RAM)のチェックサムデータを記憶する第5の記憶領域を配置することにより、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域を上書きされるようになったとしても、その記載は、まず未使用領域である第2の記憶領域、および遊技において、電源投入時等の最初の処理以降は実質的に使用されない、上記記憶手段(RAM)のチェックサムデータを記憶する第5の記憶領域においてなされることになり、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を大幅に低減することができる。これにより遊技をする上で重大な支障をきたす(あるいは遊技が不可能になる)虞を低減することができる。
<パターン4の遊技機(スロットマシン)>
(1)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(1)と同じ要件を備えている。
(2C)上記記憶手段(RAM)は、少なくとも、設定値データが保存される第1の記憶領域と、未使用領域である第2の記憶領域と、遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域と、メイン制御手段からサブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する第6の記憶領域と、を備えている。
(3C)上記第2の記憶領域と上記第6の記憶領域を、上記第1の記憶領域と上記第3の記憶領域との間のアドレス位置に設定している。
(4)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(4)と同じ要件を備えている。
このように構成されたパターン4の遊技機(スロットマシン)によれば、図63(D)に示すように、アドレス位置において、設定値データが保存される第1の記憶領域と遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、未使用領域である第2の記憶領域および上記メイン制御手段から上記サブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する、上記第6の記憶領域を配置することにより、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域を侵食して上書きされるようになったとしても、その記載は、まず未使用領域である第2の記憶領域、および遊技を行うために必須のメイン制御には直接関係しない、上記メイン制御手段から上記サブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する、上記第6の記憶領域においてなされることになり、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を大幅に低減することができる。これにより遊技をする上で重大な支障をきたす(あるいは遊技が不可能になる)虞を低減することができる。
<パターン5の遊技機(スロットマシン)>
(1)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(1)と同じ要件を備えている。
(2D)記憶手段(RAM)は、少なくとも、設定値データが保存される第1の記憶領域と、未使用領域である第2の記憶領域と、遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域と、電断発生時にスタックポインタアドレスを保存する第7の記憶領域と、を備えている。
(3D)上記第2の記憶領域と上記第7の記憶領域を、上記第1の記憶領域と上記第3の記憶領域との間のアドレス位置に設定している。
(4)上記パターン1の遊技機(スロットマシン)における、要件(4)と同じ要件を備えている。
このように構成されたパターン5の遊技機(スロットマシン)によれば、図63(E)に示すように、アドレス位置において、設定値データが保存される第1の記憶領域と遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、未使用領域である第2の記憶領域および電断発生時にスタックポインタアドレスを保存する上記第7の記憶領域を配置することにより、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域を侵食して上書きされるようになったとしても、その記載は、まず未使用領域である第2の記憶領域、および電断発生時以外は実質的に使用されず、通常の遊技には大きな影響を与えない電断発生時のスタックポインタアドレスを保存する第7の記憶領域においてなされることになり、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を大幅に低減することができる。これにより遊技をする上で重大な支障をきたす(あるいは遊技が不可能になる)虞を低減することができる。
なお、上述したメモリマップにおいて、上記した各記憶領域以外の所定の領域については、各々、種々の重要なデータを格納する領域とされている。
<上述した各パターンの遊技機における好ましい態様>
上述したパターン1〜5の遊技機においては、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に、第2の記憶領域、あるいは第2の記憶領域の他に、1つの記憶領域(第4の記憶領域、第5の記憶領域、第6の記憶領域および第7の記憶領域のいずれか)を配置している。このような第4〜7の記憶領域は、いずれも、遊技機の遊技に直結する設定値データの場合とは異なり、記憶領域に保存されたデータが上書きされて、内容が変更された場合においても遊技メダルの投入が可能とされており、遊技を継続して行うことができる。
また、図63(A)〜(E)に示すように、第2の記憶領域の他に、設けた1つの記憶領域(第4の記憶領域、第5の記憶領域、第6の記憶領域および第7の記憶領域)のいずれについても、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間の中間アドレス位置よりも、第3の記憶領域に近いアドレス位置に配置することが好ましい。これにより、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間の中間アドレス位置よりも第3の記憶領域に近いアドレス領域に上述した第4〜7の記憶領域が配置され、その分、上述した第4〜7の記憶領域以外の領域は、中間アドレス位置を含んで、これよりも第3の記憶領域から遠いアドレス領域に配置されるので、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域を侵食して上書きされるようになったとしても、第4〜7の記憶領域に記憶されているデータよりも、より重要なデータを記憶している上述した第4〜7の記憶領域以外の領域でのデータ書き換えが行われる可能性を低減させることができる。
また、上述したパターン1〜5の遊技機において、第3の記憶領域のアドレスが小さい側に隣接して未使用領域からなる第2の記憶領域が配置されることが好ましい。未使用領域においては、通常、既に記載されていたデータが消去されるものではないので、他の記憶領域を第3の記憶領域に隣接させた場合に比べて、最も問題が生じない配置とすることができる。
また、図63(A)〜(E)に示されたパターン1〜5の遊技機においては、RAMのアドレス配置において、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に、第2の記憶領域、あるいは第2の記憶領域の他に、1つの記憶領域(第4の記憶領域、第5の記憶領域、第6の記憶領域および第7の記憶領域のいずれか)が設けられているが、第4〜7の記憶領域のうち、任意の記憶領域の組み合わせを、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に、配置することが可能である。
すなわち、第2の記憶領域の他に2つの記憶領域を加えてもよく、例えば、第4および第5の記憶領域を配置しても良いし、第4および第6の記憶領域を配置しても良いし、第4および第7の記憶領域を配置しても良いし、第5および第6の記憶領域を配置しても良いし、第5および第7の記憶領域を配置しても良いし、第6および第7の記憶領域を配置しても良い。また、第2の記憶領域と、加えられた2つの記憶領域とは、いかなる順番で、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に、配置されていても良い。
また、第2の記憶領域の他に3つの記憶領域を加えてもよく、例えば、第4、第5および第6の記憶領域を配置しても良いし、第4、第5および第7の記憶領域を配置しても良いし、第4、第6および第7の記憶領域を配置しても良いし、第5、第6および第7の記憶領域を配置しても良い。また、第2の記憶領域と、加えられた3つの記憶領域とは、いかなる順番で、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に、配置されていても良い。
さらに、第2の記憶領域の他に、第4、第5、第6および第7の記憶領域を配置しても良い。図64は、これら、第2、第4、第5、第6および第7の記憶領域を、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に配置したRAMのアドレスマップを示すものである。
なお、上述した説明においては、いずれの態様においても、第1の記憶領域と第3の記憶領域の間に、第2の記憶領域を配置しているが、勿論、第2の記憶領域を配置しない構成とすることも可能である。
以下、図64に示された態様を説明する。
図64に示すように、このRAMは、ユーザープログラムがワークエリア(データエリア、スタックエリア等)として使用する記憶領域であり、図64に示す態様においては、7F00H〜7FFFHのメモリ空間に、設定値を管理する番号である設定値データを保存する第1の記憶領域、遊技に使用されない領域である未使用領域としての第2の記憶領域、CALL命令、PUSH命令等により退避される退避データが保存される可能性がある記憶領域である第3の記憶領域、外部信号出力に関係するデータを保存する第4の記憶領域、RAMエリアの加算値を0にするためのチェックサムデータを保存する第5の記憶領域、メイン制御手段からサブメイン制御手段に送信するコマンドデータを保存するための制御コマンドバッファである第6の記憶領域、および電断発生時のスタックポインタを電源復帰時まで保存するためのバッファである第7の記憶領域が配置されている。
なお、8000Hのアドレスは、スタックポインタの開始アドレスであって、最初にデータを退避させる退避データ1領域のアドレスである7FFFHよりも、1だけ多い値となっている。実際に、実行中のプログラムを最初に退避する必要が生じたときには、スタックポインタが1だけ減算されることにより、7FFFHのアドレスに位置する退避データ1の領域に、退避させるプログラムカウンタの値等が格納される。
具体的には、設定値データを保存する第1の記憶領域が7F02Hのアドレス空間に配置され、外部信号出力関係データを保存する第4の記憶領域が7FC0Hのアドレス空間に配置され、チェックサムデータを保存する第5の記憶領域が7FCEHのアドレス空間に配置され、制御コマンドバッファである第6の記憶領域が7FD0H〜7FD5Hのアドレス空間に配置され、電断発生時のスタックポインタ(アドレス)を保存するためのバッファである第7の記憶領域が7FE0Hのアドレス空間に配置され、未使用領域としての第2の記憶領域が7FF7Hのアドレス空間に配置され、退避データが保存され得る第3記憶領域が7FF7H〜7FFFHのアドレス空間に配置されている。
なお、制御コマンドバッファである第6の記憶領域は6バイト分の容量が割り当てられており、また、退避データが保存され得る第3の記憶領域は、8バイト分の容量が割り当てられており、その他の記憶領域は1バイト分の容量が割り当てられている。
RAMのアドレス空間が図64に示すような構成とされた遊技機(スロットマシン)によれば、設定値データが保存される第1の記憶領域と、遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、未使用領域である第2の記憶領域と、遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域と、記憶手段(RAM)のチェックサムデータを保存する第5の記憶領域と、メイン制御手段からサブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する第6の記憶領域と、電断発生時にスタックポインタアドレスを保存する第7の記憶領域とを配置することにより、不測の事態が発生した場合にも、第1の記憶領域に記憶されている設定値データが、全く意味をなさないデータにより上書きされてしまうという事態を大幅に低減することができる。
すなわち、プログラムの暴走等に伴い、割り込み命令が連続して発生し、戻り先アドレスデータが、設計時に確保されていた退避データ領域を超えて、アドレスの小さい側の領域を侵食して上書きする事態が生じたとしても、その記載は、まず未使用領域である第2の記憶領域、次に、電断発生時以外は実質的に使用されず、通常の遊技には大きな影響を与えない電断発生時スタックポインタアドレスを保存する第7の記憶領域、次に、遊技を行うために必須のメイン制御手段には直接関係しない、メイン制御手段からサブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する第6の記憶領域、次に、遊技において電源投入時などの最初の処理以降は実質的に使用されない、記憶手段(RAM)のチェックサムデータを記憶する第5の記憶領域、さらに、遊技とは直接関係しない、遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域において順次なされることになり、設定値データが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を大幅に低減することができる。
これにより遊技機で遊技をすることが不可能になる虞を大幅に低減することができる。特に、第3の記憶領域に最も近い位置に未使用領域を配置しており、この未使用領域に、不用な戻り先アドレスデータが記載されたとしても、データが上書きされる虞がなく、極めて安全性が高い配置となっている。
なお、図64に示す態様においては、設定値データが保存される第1の記憶領域と遊技を進行する上で必要なデータが退避される第3の記憶領域との間に、第1の記憶領域側から順に、遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域と、記憶手段(RAM)のチェックサムデータを保存する第5の記憶領域と、メイン制御手段からサブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する第6の記憶領域と、電断発生時にスタックポインタアドレスを保存する第7の記憶領域と、未使用領域である第2の記憶領域とが配置されているが、これらの記憶領域の配置は、図64に示す態様に限られるものではなく、いかなる順番で配置することも可能である。
例えば、第1の記憶領域と第3の記憶領域との間において、上記5つの記憶領域のうち、最も第1の記憶領域に近い位置に、第4の記憶領域を配置し、その他の第5の記憶領域、第6の記憶領域、第7の記憶領域、および第2の記憶領域を、いかなる順番に変更配置することも可能である。これらの配置においては、最も第1の記憶領域側に、第4の記憶領域を配置しているので、第1の記憶領域に記憶されている設定値データとともに、遊技機の外部に送信される所定データを記憶する第4の記憶領域、に記憶されているデータが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を低減することができる。これにより、遊技機の外部に送信される所定データを、正しいものとすることができ、ホールの管理者等に正確な情報を送信することが可能となる。
また、例えば、第1の記憶領域と第3の記憶領域との間において、上記5つの記憶領域のうち、最も第1の記憶領域に近い位置に、第5の記憶領域を配置し、その他の第4の記憶領域、第6の記憶領域、第7の記憶領域、および第2の記憶領域を、いかなる順番に変更配置することも可能である。これらの配置においては、最も第1の記憶領域側に、記憶手段(RAM)のチェックサムデータを記憶する第5の記憶領域を配置しているので、第1の記憶領域に記憶されている設定値データとともに、記憶手段(RAM)のチェックサムデータを記憶する第5の記憶領域に記憶されているデータが全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を低減することができる。これにより記憶手段(RAM)のチェックサムデータを、正しいものとすることができ、記憶手段(RAM)におけるデータ値の確認を良好なものとすることができる。
また、例えば、第1の記憶領域と第3の記憶領域との間において、上記5つの記憶領域のうち、最も第1の記憶領域に近い位置に、第6の記憶領域を配置し、その他の第4の記憶領域、第5の記憶領域、第7の記憶領域、および第2の記憶領域を、いかなる順番に変更配置することも可能である。これらの配置においては、最も第1の記憶領域側に、メイン制御手段からサブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を記憶する第6の記憶領域を配置しているので、第1の記憶領域に記憶されている設定値データとともに、サブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を保存する第6の記憶領域に記憶されているデータが、全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を低減することができる。これによりサブメイン制御手段に送信するためのコマンド情報を、正しいものとすることができ、サブメイン制御手段を用いて行われる演出処理を良好なものとすることができる。
また、例えば、第1の記憶領域と第3の記憶領域との間において、上記5つの記憶領域のうち、最も第1の記憶領域に近い位置に、第7の記憶領域を配置し、その他の第4の記憶領域、第5の記憶領域、第6の記憶領域、および第2の記憶領域を、いかなる順番に変更配置することも可能である。これらの配置においては、最も第1の記憶領域側に、電断発生時にスタックポインタアドレスを保存する第7の記憶領域を配置しているので、第1の記憶領域に記憶されている設定値データとともに、第7の記憶領域に記憶されているスタックポインタアドレスが、全く意味を成さないデータに書き換えられてしまう虞を低減することができる。これにより電断復帰時に至るまで、スタックポインタアドレスを、正しい値に保持することができ、元のプログラムを支障なく継続処理することができる。
なお、勿論、第1の記憶領域と第3の記憶領域との間において、最も第1の記憶領域側に、第2の記憶領域(未使用領域)を配置し、その他の第4の記憶領域、第5の記憶領域、第6の記憶領域、および第7の記憶領域を、いかなる順番に変更配置することも可能である。
また、上記内蔵RAMに割り当てられたメモリ空間は、図63(F)に示すように、ユーザープログラムやデータを記憶するための内蔵ROMのメモリ空間と、連続するように構成されていてもよい。すなわち、遊技機の主制御部を、上述したアドレス0000H〜7DFFHのメモリ空間に割り当てられた内蔵ROMと、アドレス7F00H〜7FFFHのメモリ空間に割り当てられた内蔵RAMから構成することが可能である。
《第6実施形態》
次に、第6実施形態に係るスロットマシン(以下「第6形態のスロットマシン」とも称する)について、具体的には、リール(「回胴」とも称する)の回転中に、回転不良や電源断が発生した際の制御処理について、図65〜図67を追加参照しながら説明する。この第6形態のスロットマシンでは、3個のリール(上述のリール3a,3b,3cに相当する)と、各々のリールを回転させる3個のステッピングモータ(上述のステッピングモータ35a,35b,35cに相当する)を備え、ステッピングモータの励磁相を切り替えることにより、リールの回転を制御するようになっている。
まず、リール制御の概要について、図65を参照して説明する。ここでは、ステッピングモータが、4つの相(φ0,φ1,φ2,φ3)を有し、加速時及び定速時は1−2励磁方式(φ0,φ0・φ1,φ1,φ1・φ2,φ2,φ2・φ3,φ3,φ3・φ0の8個の励磁相ステップを順次切り替える方式)により制御され、減速時はφ0〜φ3の全相を励磁する減速方式により制御されるものとする(ステッピングモータの構成及び制御方式は適宜変更可)。また、励磁相の切替えは、所定時間(例えば、1.5ミリ秒)ごとに実行される割込処理(上述のタイマ割込処理に相当する)において行われる。
図65に示すように、回胴始動操作(スタートレバーの操作)が受け付けられると、それを契機として、加速状態処理(所定の回転速度となるまで回胴を加速しながら回転させていく処理)が実行される。加速状態処理では、図示するように、その開始時点から、割込処理の実行回数(「割込回数」とも称する)が100となる時点で、1ステップ目の励磁相切替えが行われる。その後、割込回数が50の時点で2ステップ目の励磁相切替えが行われ、さらに、割込回数が10、5、2の各時点で3、4、5ステップ目の励磁相切替えが行われる。そして、5ステップ目の励磁相切替えが行われる割込処理の次の割込処理の実行時(割込回数が1の時点)に6ステップ目の励磁相切替えが行われて、加速状態処理(1ステップ目から6ステップ目までの励磁切替え)が終了する(励磁相の切替えタイミングを定める割込回数の値は適宜変更可)。
加速状態処理が終了すると、定速状態処理(回胴を一定の速度で回転させる処理)が実行される。定速状態処理では、割込処理が実行されるごと(割込回数が1ごと)に、励磁相切替えが行われる。定速状態処理の実行中に、回胴停止操作(回胴を停止させるためのストップスイッチの操作)が受け付けられると、その受け付けられたタイミングに応じて回胴の停止予定位置(後述の減速状態処理を開始する位置)が決まり、回胴がその停止予定位置に移動するまで回胴を定速で回転させる(滑らせる)減速開始処理が実行される。そして、回胴が停止予定位置に移動すると、減速状態処理(回胴を減速させながら停止させる処理)が実行される。減速状態処理では、停止図柄割込処理が所定回数(例えば6回)実行される間、φ0〜φ3の全相が励磁される。
次に、回胴定速状態中または回胴加速状態中にリールの回転不良が発生した場合の制御処理について、図66(A)〜(C)のフローチャートを参照して説明する。なお、各フローチャートでは、処理内容だけではなく、スロットマシンの状態についても記載している。図66(A)は、回胴定速状態中にリールの回転不良が発生した場合の処理手順を示している。この場合は、回胴始動操作が受け付けられると(J11)、回胴加速状態(加速状態処理を実行することが可能な状態)に移行し(J12)、加速状態処理が実行される(J13)。この加速状態処理が終了すると(J14)、回胴定速状態(定速状態処理を実行することが可能な状態)に移行し(J15)、定速状態処理が実行される(J16)。この定速状態処理の実行中に回胴回転不良が発生し(J17)、その回転不良が検知されると(J18)、回胴を正常に定速回転させるための再加速が開始される(J19)。
図66(B)は、回胴加速状態中にリールの回転不良が発生した場合の処理手順を示している。この場合は、回胴始動操作が受け付けられると(J11)、回胴加速状態に移行し(J12)、加速状態処理が実行される(J13)。この加速状態処理の実行中に回胴回転不良が発生しても(J133)、未処理の加速状態処理(加速状態処理の全行程のうち未実行部分の処理)を予定通り実行し(J134)、加速状態処理を終了させる(J14)。その後、回胴定速状態に移行し(J15)、回胴定速状態が実行される(J16)。この定速状態処理の実行中に回胴の回転不良が検知されると(J18)、再加速が開始される(J19)。なお、再加速では、上述の加速状態処理と同じ内容の処理を行うとしてもよいし、別途、加速状態処理とは異なる内容の再加速状態処理を定義し、その再加速状態処理を行うようにしてもよい。
加速状態処理の実行中に回胴回転不良が発生した場合に、その回転不良を検知して再加速を行うことも可能である。しかし、未処理の加速状態処理を予定通り実行することにより、回転不良が解消される可能性もある。そこで本例では、加速状態処理の実行中に回胴回転不良が発生しても再加速は行わず(回転不良の検知は行っても行わなくてもよい)、定速状態処理の実行中に回転不良が検知された場合に、再加速を行うようにしている。こうすることにより、未処理の加速状態処理を予定通り実行することにより回転不良が解消されるような場合には、再加速を実行しなくても済むので、遊技を円滑に進行させることが可能となる。また、加速状態処理中の制御処理を簡略化する(例えば、回胴回転不良が発生しても再加速は行わず、回転不良の検知も行わないようにする)ことができるので、制御プログラムのデータ量を低減することが可能となる。
図66(C)は、回胴加速状態中に電源断が発生し、それによりリールの回転不良が発生した場合の処理手順を示している。この場合は、回胴始動操作が受け付けられると(J11)、回胴加速状態に移行し(J12)、加速状態処理が実行される(J13)。この加速状態処理の実行中に電源断が発生し(J131)、電源復帰(J132)の後で回胴回転不良が発生しても(J133)、未処理の加速状態処理を予定通り実行し(J134)、加速状態処理を終了させる(J14)。その後、回胴定速状態に移行し(J15)、回胴定速状態が実行される(J16)。この定速状態処理の実行中に回胴の回転不良が検知されると(J18)、再加速が開始される(J19)。
本例の場合、加速状態処理の実行中に電源断が発生し、それにより回胴回転不良が発生しても再加速は行わず(回転不良の検知は行ってもよいし行わなくてもよい)、定速状態処理の実行中に回転不良が検知された場合に、再加速を行うようにしている。こうすることにより、未処理の加速状態処理を予定通り実行することにより回転不良が解消されるような場合には、再加速を実行しなくても済むので、遊技を円滑に進行させることが可能となる。また、加速状態処理中の制御処理を簡略化する(例えば、電源断に伴い回胴回転不良が発生しても再加速は行わず、回転不良の検知も行わないようにする)ことができるので、制御プログラムのデータ量を低減することが可能となる。
回胴の回転不良の検知は、例えば、次のように行われる。ここでは、回胴が正常に回転しているときは、ステッピングモータが、励磁相を336ステップ分切り替えると回胴が1回転する構成とする。この場合、回胴が定速状態のときは1割込みごとに1ステップずつ進むので、回胴が正常に回転していれば、336割込みで回胴が1回転することになる。そこで、割込回数をカウントし、回胴が1回転したときにそのカウント値をクリアして、再度割込回数のカウントを開始する。回胴が1回転したかどうかは、回胴の近傍に配置したインデックスセンサにより検出する(すなわち、インデックスセンサにより検出されたときに、割込回数のカウント値をクリアする)。このようにすれば、回胴が定速状態のときは、割込回数(のカウント値)が336となったときに、回胴が1回転する(インデックスセンサにより検出される)はずである。したがって、割込回数が336を超えてもインデックスセンサによる検出が無い場合は、回転不良が発生していると判断してもよいこととなる。しかし、割込回数が336を超えた時点ですぐに回転不良と判断すると、回転不良と判断されるケースが徒に増えてリール制御が滞る虞があるので、本例では、余裕を持って、割込回数が400(回数は適宜変更可)に達した場合に、回転不良と判断するようにしている。
次に、押し順、押し位置に関係無く必ず成立する入賞役(以下「入賞確定役」とも称する)が当選したときの制御処理について、図67(A)〜(C)のフローチャートを参照して説明する。なお、各フローチャートでは、処理内容だけではなく、スロットマシンの状態についても記載している。図67(A)は、入賞確定役の当選後、全ての回胴が正常に停止した場合の処理手順を示している。
この場合は、入賞確定役が当選し(J31)、回胴が回転開始されると(J32)、回胴定速状態に移行し(J33)、定速状態処理が実行される(J34)。その後、停止操作受付可能状態(全回胴が定速回転状態となりストップスイッチの操作が受付可能となる状態)に移行し(J35)、第1停止操作が受け付けられると(J36)、第1回胴(第1停止操作により停止される回胴)において入賞役図柄(入賞確定役の対応図柄)を有効ライン上に停止表示させる(J37)。その後、第2停止操作が受け付けられると(J38)、第2回胴(第2停止操作により停止される回胴)において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させる(J39)。さらに、第3停止操作が受け付けられると(J40)、回胴減速可能状態(減速開始処理及びそれに続く減速状態処理が実行可能となる状態)に移行する(J41)。その後、減速開始処理を実行して第3回胴(第3停止操作により停止される回胴)を停止予定位置まで移動させ(J42)、さらに、減速状態処理を実行して第3回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させる(J43)。そして、全回胴停止(J44)の確認後に、遊技メダルの払出しを開始する(J45)。
図67(B)は、第3停止操作受付後に電源断が発生した場合の処理手順を示している。この場合は、入賞確定役が当選し(J31)、回胴が回転開始されると(J32)、回胴定速状態に移行し(J33)、定速状態処理が実行される(J34)。その後、停止操作受付可能状態に移行し(J35)、第1停止操作が受け付けられると(J36)、第1回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させる(J37)。その後、第2停止操作が受け付けられると(J38)、第2回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させる(J39)。さらに、第3停止操作が受け付けられると(J40)、回胴停止状態に移行する(J41)。その後、電源断が発生しても(J411)、減速開始処理を実行して第3回胴を停止予定位置まで移動させ(J42)、減速状態処理を実行する。その後、電源断処理を実行し(J421)、電源復帰する(J422)。電源断処理を実行する前に減速開始処理と減速状態処理を実行しているため、第3回胴において入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されており(J43)、全回胴停止(J44)の確認後に、遊技メダルの払出しを開始する(J45)。
本例の場合、第3停止操作が受け付けられた後に電源断が発生しても、第3回胴を停止予定位置まで移動させ、入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能な構成(電源断が発生しても所定期間は回胴を制御できるレベルの電源(電源断として検知されないレベルの電源)が供給され、その所定期間内に減速開始処理及び減速状態処理を正常に実行することが可能な構成)となっている。そのため、第3停止操作が受け付けられた後に電源断が発生しても、入賞図柄組合せを有効ライン上に停止表示させることができるので、遊技者に違和感を持たせることがない。また、電源復帰後、速やかに遊技メダルの払出しを行うことができるので、遊技を円滑に進行させることが可能となる。
図67(C)は、第3停止操作受付後に回胴回転不良が発生した場合の処理手順を示している。この場合は、入賞確定役が当選し(J31)、回胴が回転開始されると(J32)、回胴定速状態に移行し(J33)、定速状態処理が実行される(J34)。その後、停止操作受付可能状態に移行し(J35)、第1停止操作が受け付けられると(J36)、第1回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させる(J37)。その後、第2停止操作が受け付けられると(J38)、第2回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させる(J39)。さらに、第3停止操作が受け付けられると(J40)、回胴停止状態に移行する(J41)。その後、第3回胴において回転不良が発生し(J415)、そのために減速開始処理及び減速状態処理を正常に実行することができなくなって、第3回胴を停止予定位置まで移動させることができず(J416)、第3回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示することができない(J417)。しかし、全回胴停止(J44)の確認後に、遊技メダルの払出しを開始する(J45)。
本例の場合、第3停止操作が受け付けられた後に回胴回転不良が発生したために、第3回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができなくても、遊技メダルの払出しを行うようになっている。これは、第3停止操作が受け付けられた時点で、入賞確定役が成立することが内部的に確定しているのに、第3回胴において入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されないからといって、遊技メダルの払出しを行わないようにすると、遊技者が不当に不利益を被ることになることを考慮したものである。そのため、プログラム制御上で問題がなければ外的要因で実際の停止位置がずれていても、表示判定としては入賞図柄が揃ったものとして、遊技者に利益を与えるようになっている。本例のように、入賞役図柄が揃わなくても内部的に成立が確定しているときは遊技メダルの払出しを行うことにより、遊技者が不利益となることを防止することが可能となり、かつ遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。なお、本例では、入賞確定役が当選した場合を例にとって説明したが、入賞確定役以外の役が当選した場合でも同様の制御を行うことができる。例えば、押し順や押し位置によっては成立する入賞役が当選した場合で、第3停止操作を受付けた時点でその入賞役が成立することが内部的に確定しているときには、その後に回転不良が発生して入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができなくても遊技メダルの払出しを行うようにしてもよい。一方、第3停止操作を受付けた時点でその入賞役が成立しないことが内部的に確定したのに、その後に回転不良が発生したことによって入賞役図柄が有効ライン上に停止表示された場合には、遊技メダルの払出しは行わないようにしてもよい。これにより、本来であれば得ることのできない利益を遊技者が不当に得ることを防止することが可能となる。
また、図67(B)に示した例では、第3停止操作が受け付けられた後に電源断が発生しても、第3回胴を停止予定位置まで移動させ、入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能な構成となっている。これに対し、電源断が発生したタイミングによっては、第3回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができないことがある構成とすることも可能である。そのような構成とした場合であっても、第3停止操作を受付けた時点で入賞役が成立することが内部的に確定しているときには、その後に電源断が発生して入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができなくても遊技メダルの払出しを行う構成とすることが好ましい。
また、第3停止操作を受け付けた後に電源断や回転不良が発生した場合には、エラー報知を行うようにしてもよい。このエラー報知は、電源断や回転不良が発生した場合には必ず行うようにしてもよいし、遊技メダルの払出しを行う場合(入賞役の成立が内部的に確定している場合)にはエラー報知を行わず、遊技メダルの払出しを行わない場合(入賞役の非成立が内部的に確定している場合)にはエラー報知を行うようにしてもよい。エラー報知を必ず行う構成とすれば、エラー報知を行うか否かを判断する回数を減らすことができるので、制御プログラムを簡略化することが可能となる。遊技メダルの払出しを行う場合にはエラー報知を行わない構成とすれば、エラー報知により遊技が中断されることを回避することができるので、遊技を円滑に進行させることが可能となる。遊技メダルの払出しを行わない場合にはエラー報知を行うようにすれば、電源断や回転不良の発生により、本来であれば有効ライン上に停止表示されないはずの入賞役図柄が停止しても、それがエラーによるものであることが遊技者に分かり易くなるので、入賞役図柄が揃っているのに遊技メダルが払い出されないことに対して、遊技者が不信感を持つことを防止することが可能となる。
なお、上記では、第3停止操作を受け付けた後に電源断や回転不良が発生した場合について説明したが、第1停止操作または第2停止操作を受け付けた後に電源断や回転不良が発生した場合についても同様の構成とすることができる。例えば、第2停止操作が受け付けられた後に電源断や回転不良が発生し、第2回胴においては入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができない場合でも、電源断前の第1停止操作及び電源復帰後の第3停止操作によって、第1回胴及び第3回胴において入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されている場合には、遊技メダルの払出しを行うようにしてよい。同様に、第1停止操作が受け付けられた後に電源断や回転不良が発生し、第1回胴においては入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができない場合でも、電源復帰後の第2停止操作及び第3停止操作によって、第2回胴及び第3回胴において入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されている場合には、遊技メダルの払出しを行うようにしてよい。
《第7実施形態》
次に、第7実施形態に係るスロットマシン(以下「第7形態のスロットマシン」とも称する)について、具体的には、再遊技役の当選回数と出玉率の設定、及びボーナス遊技の設定について、図68〜図71を追加参照しながら説明する。
スロットマシンにおける出玉率は、所定回数の遊技を行った場合に、それらの遊技を行うためにスロットマシンに投入(ベット)した遊技媒体の合計数(「総ベット数」とも称する)に対する、それらの遊技の結果としてスロットマシンから払い出された遊技媒体の合計数(「総払出数」とも称する)の割合をいう。この出玉率が高くなればなるほど、遊技者にとって有利となり高い利益を得ることも可能となる一方で、遊技場にとっては不利となり営業上の利益が減少することになる。逆に、出玉率が低くなればなるほど、遊技者とっては不利となり著しく不利益な状態が生じる虞もある一方で、遊技場にとっては有利となり営業上の利益が増加することになる。このため、出玉率をどのように設定するのかは、スロットマシンを設計する(仕様を決める)上で重要となる。
この第7形態のスロットマシンでは、設計上、各所定回数(400回、1600回、6000回、17500回)の遊技を行った際に、再遊技役の当選回数が、図68の中欄に示す数値範囲内となるように設定するとともに、これにより、出玉率が、図68の右欄に示す数値範囲内となるように設定している。なお、図68では、400回、1600回、6000回、17500回の遊技を行った際の、設計上の再遊技役の当選回数を、それぞれ、P1、P2、P3、P4で示し、同じく、設計上の出玉率を、それぞれ、Q1、Q2、Q3、Q4で示している。なお、出玉率(Q1、Q2、Q3、Q4)は、所定回数の遊技を行った際の総払出数を総ベット数で除して計算する。また、再遊技役が成立したときの次の遊技のベット数は0として計算する。
さらに、設計上の出玉率を検証するためのシミュレーション方式としては、次の2つの方式が知られている。第1の方式は、所定回数の遊技の全てにおいて、任意の押し順、任意の押し位置により回胴を停止せた場合の遊技結果に基づき出玉率を計算する方式である。第2の方式は、所定回数の遊技の全てにおいて、当選した役が、当該遊技において全て成立した場合の遊技結果に基づき出玉率を計算する方式である。どちらの方式においても、役の当選確率に対して複数の設定値(例えば、設定値1〜設定値6)を設ける場合には、全ての設定値についてそれぞれ検証を行い、1回の遊技においてベットすることが可能な遊技媒体数を変えること(例えば、1ベット、2ベット、3ベット)ができる場合には、全てのベット数についてそれぞれ検証を行う。この第7形態のスロットマシンでは、設計上、どちらの方式で検証しても、出玉率が設計上、図68に示す数値範囲内に収まるように設定されている。
以下、図68に示す内容について個別に説明する。400回の遊技を行ったときの下限値については、設計上、再遊技役が、最低でも54回は当選する(54≦P1)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、1/3を上回る(1/3<Q1)ように設定されている。出玉率の下限値をこれよりも低く設定すると、400回の遊技を行った結果、遊技者が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、400回に満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が1/3を上回っていない場合には、遊技者としては、400回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、最低でも400回の遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
400回の遊技を行ったときの上限値については、設計上、再遊技役が、300回を上回らない範囲で当選する(P1≦300)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、2.2を下回る(Q1<2.2)ように設定されている。出玉率の上限値をこれよりも高く設定すると、400回の遊技を行った結果、遊技場が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、400回に満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が2.2を大きく下回っている場合には、遊技者としては、400回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、最低でも400回の遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
1600回の遊技を行ったときの下限値については、設計上、再遊技役が、最低でも219回は当選する(219≦P2)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、2/5を上回る(2/5<Q2)ように設定されている。出玉率の下限値をこれよりも低く設定すると、1600回の遊技を行った結果、遊技者が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、400回は超えたが1600回には満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が2/5を上回っていない場合には、遊技者としては、1600回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、1600回まで遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
1600回の遊技を行ったときの上限値については、設計上、再遊技役が、1200回を上回らない範囲で当選する(P2≦1200)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、1.5を下回る(Q2<1.5)ように設定されている。出玉率の上限値をこれよりも高く設定すると、1600回の遊技を行った結果、遊技場が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、400回は超えたが1600回には満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が1.5を大きく下回っている場合には、遊技者としては、1600回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、1600回まで遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
6000回の遊技を行ったときの下限値については、設計上、再遊技役が、最低でも821回は当選する(821≦P3)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、1/2を上回る(1/2<Q3)ように設定されている。出玉率の下限値をこれよりも低く設定すると、6000回の遊技を行った結果、遊技者が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、1600回は超えたが6000回には満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が1/2を上回っていない場合には、遊技者としては、6000回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、6000回まで遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
6000回の遊技を行ったときの上限値については、設計上、再遊技役が、4500回を上回らない範囲で当選する(P2≦4500)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、1.26を下回る(Q2<1.26)ように設定されている。出玉率の上限値をこれよりも高く設定すると、6000回の遊技を行った結果、遊技場が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、1600回は超えたが6000回には満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が1.26を大きく下回っている場合には、遊技者としては、6000回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、6000回まで遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
17500回の遊技を行ったときの下限値については、設計上、再遊技役が、最低でも2397回は当選する(2397≦P4)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、3/5を上回る(3/5<Q4)ように設定されている。出玉率の下限値をこれよりも低く設定すると、17500回の遊技を行った結果、遊技者が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、6000回は超えたが17500回には満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が3/5を上回っていない場合には、遊技者としては、17500回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、17500回まで遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
17500回の遊技を行ったときの上限値については、設計上、再遊技役が、13125回を上回らない範囲で当選する(P2≦13125)ように設定されており、これにより設計上、出玉率が、1.15を下回る(Q2<1.15)ように設定されている。出玉率の上限値をこれよりも高く設定すると、17500回の遊技を行った結果、遊技場が著しく不利益な状態に陥る虞があるが、本例によれば、そのような事態が生じることを防止することが可能となる。また、6000回は超えたが17500回には満たない回数の遊技を行った段階で、出玉率が1.15を大きく下回っている場合には、遊技者としては、17500回まで遊技を行って少しでも挽回しよう(利益を増やそう)という意識を持つことにもなるので、遊技場としては遊技者に、17500回まで遊技を行ってもらう機会が増えることとなり、スロットマシンの稼働率が高まり一定の利益を確保し易くなる。
ここで、図69を参照して、出玉率のシミュレーション結果について説明する。図69(A)には、上述の第2の方式によるシミュレーション(当選した役は当該遊技で必ず成立する)を10ゲームに亘って行った際の結果の一例を示しており、同図(B)には、そのシミュレーションにおいて当選した役(ここでは、ベル役と再遊技役)とハズレの各当選確率及び払出数(ベット数が3のとき)を示している。
このシミュレーション結果では、1ゲーム目から10ゲーム目までの成立役が、それぞれ、ハズレ、ベル役、再遊技役、ハズレ、ハズレ、ベル役、再遊技役、ベル役、ハズレ、ハズレ、となっている。ベット数は、再遊技役が成立したときの次の遊技では「0」、それ以外の遊技では「3」とする。また、払出数は、ベル役が成立したときは「6」、再遊技役が成立したときとハズレのときは「0」であるので、10ゲームにおける総ベット数は「24」、総払出数は「18」となる。このシミュレーション結果に基づき出玉率を計算すると、0.75(=18÷24)となる。これは、上述の出玉率Q1〜Q4の設計上の設定を満足する結果となっている。なお、このシミュレーション結果では、ボーナス役が当選していないが、ボーナス役が当選して成立した際に行われるボーナス遊技を設ける場合には、純増2枚(例えば、3枚ベット、5枚払出し)のボーナス遊技とすることが好ましい。
なお、上記では、所定回数(400回、1600回、6000回、17500回)の遊技を行った場合における、設計上の再遊技役の当選回数の上限値(300、1200、4500、13125)を設定することにより、設計上、出玉率の上限値(2.2、1.5、1.26、1.15)を超えないようにしている。これに対し、小役が成立したときの遊技メダルの払出数を少なく設定することにより、再遊技役の当選回数が上述の上限値を超えたとしても、出玉率に関しては、設計上、上述の上限値を超えないように構成することも可能である。
<ボーナス遊技の設定>
ボーナス遊技を搭載する場合、ボーナス遊技中は通常よりも出玉率が高く設定されるので、ボーナス遊技中に払い出される遊技媒体の上限をどのように設定するのかが、全体の出玉率に大きく影響する。また、全ての回胴における全ての図柄の組み合わせ数に対しての、ボーナス遊技を実行する契機となる図柄(「ボーナス図柄」とも称する)の組合せ数の割合が高くなると、ボーナス遊技が実行される割合も増えることになるので、ボーナス図柄の組合せ数の最大数(「最大図柄組合せ数」とも称する)をどのように設定するのかも、全体の出玉率に影響することとなる。
この第7形態のスロットマシンでは、2つのBB(ビッグボーナス)遊技(BB1,BB2)と、1つのMB(ミドルボーナス)遊技(MB1)との計3個のボーナス遊技を搭載している。BB遊技は、スロットマシンを設計する際の規格上、最大で8回の入賞が可能で、かつ1回の入賞により最大で15枚の払出しが可能なボーナス遊技(「RB(レギュラーボーナス)遊技」とも称する)が、連続的に実行可能となるボーナス遊技である。MB遊技は、少なくとも1個のリールが、その停止操作が受け付けられてから、通常よりも短い時間(例えば、75ミリ秒)以内で停止するボーナス遊技(「CB(チャレンジボーナス)遊技」とも称する)が、連続的に実行可能となるボーナス遊技である。
以下、各ボーナス遊技の設定内容について、図70及び図71を参照しながら、個別に説明する。図70(A)は、各リール上の図柄数が21個の場合のBB1の設定内容を示しており、同図(B)は、各リール上の図柄数が20個の場合のBB1の設定内容を示している。図示のように、BB1は、各リール上の図柄数が21個の場合でも20個の場合でも、BB1中の払出数の上限が、「最大225」(BB1中は、最大で225枚の遊技メダルの払出しが可能だが、225枚を超えて払い出されることはない)に設定されている。また、BB1は、BB図柄の最大図柄組合せ数が、各リール上の図柄数が21個の場合には「12」に設定され、各リール上の図柄数が20個の場合には「10」に設定されている。
BB図柄の実際の図柄組合せ数を、最大図柄組合せ数に設定した場合のBB1の各リールにおける図柄数の組合せのパターンは、図示の通りである。すなわち、BB図柄の図柄組合せ数を「12」とした場合は、図柄数組合せA1〜図柄数組合せA18までの18通りの組合せパターンがあり、BB図柄の図柄組合せ数を「10」とした場合は、図柄数組合せB1〜図柄数組合せB9までの9通りの組合せパターンがある。各図柄数組合せは、左リール、中リール、右リールにおける各図柄数を示している。例えば、図柄数組合せA1は、左リール上に配置するBB図柄が12個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示し、図柄数組合せA7は、左リール上に配置するBB図柄が1個、中リール上に配置するBB図柄が6個、右リール上に配置するBB図柄が2個のパターンを示し、図柄数組合せA15は、左リール上に配置するBB図柄が3個、中リール上に配置するBB図柄が4個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示している(いずれも、各リール上のBB図柄の個数を掛け合わせると「12」になる)。
同様に、図柄数組合せB1は、左リール上に配置するBB図柄が10個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示し、図柄数組合せB5は、左リール上に配置するBB図柄が5個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が2個のパターンを示し、図柄数組合せB9は、左リール上に配置するBB図柄が1個、中リール上に配置するBB図柄が2個、右リール上に配置するBB図柄が5個のパターンを示している(いずれも、各リール上のBB図柄の個数を掛け合わせると「10」になる)。
図71(A)は、各リール上の図柄数が21個の場合のBB2の設定内容を示しており、同図(B)は、各リール上の図柄数が20個の場合のBB1の設定内容を示している。図示のように、BB2は、各リール上の図柄数が21個の場合でも20個の場合でも、BB2中の払出数の上限が、「285超」(BB2中の遊技メダルの払出数が285枚を超えると、BB2が終了する)に設定されている。また、BB2は、BB図柄の最大図柄組合せ数が、各リール上の図柄数が21個の場合には「6」に設定され、各リール上の図柄数が20個の場合には「5」に設定されている。
BB図柄の実際の図柄組合せ数を、最大図柄組合せ数に設定した場合のBB2の各リールにおける図柄数の組合せのパターンは、図示の通りである。すなわち、BB図柄の図柄組合せ数を「6」とした場合は、図柄数組合せC1〜図柄数組合せC9までの9通りの組合せパターンがあり、BB図柄の図柄組合せ数を「5」とした場合は、図柄数組合せD1〜図柄数組合せD3までの3通りの組合せパターンがある。例えば、図柄数組合せC1は、左リール上に配置するBB図柄が6個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示し、図柄数組合せC4は、左リール上に配置するBB図柄が3個、中リール上に配置するBB図柄が2個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示し、図柄数組合せC8は、左リール上に配置するBB図柄が2個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が3個のパターンを示している(いずれも、各リール上のBB図柄の個数を掛け合わせると「6」になる)。
同様に、図柄数組合せD1は、左リール上に配置するBB図柄が5個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示し、図柄数組合せD2は、左リール上に配置するBB図柄が1個、中リール上に配置するBB図柄が5個、右リール上に配置するBB図柄が1個のパターンを示し、図柄数組合せD3は、左リール上に配置するBB図柄が1個、中リール上に配置するBB図柄が1個、右リール上に配置するBB図柄が5個のパターンを示している(いずれも、各リール上のBB図柄の個数を掛け合わせると「5」になる)。
図71(C)は、MB1の設定内容(払出数の上限)を示している。図示のように、MB1は、MB1中の払出数の上限が、「153超」(MB1中の遊技メダルの払出数が153枚を超えると、MB1が終了する)に設定されている。なお、MB1では、各リール上の図柄数及びボーナス図柄の最大図柄組合せ数に関しては特に設定されていない。
この第7形態のスロットマシンにおいては、BB2>BB1>MB1の順に、遊技者にとって有利度が高いボーナス遊技となっている。すなわち、BB1とMB1は、BB2と比較すると有利度の低いボーナス遊技となっているが、1回のRB遊技よりは有利なボーナス遊技として位置付けられている。1回のRB遊技では、スロットマシンを設計する際の規格上、最大で120枚の払出し(最大で8回の入賞、かつ1回の入賞により最大で15枚の払出し)を行うことが可能となる。そのため、BB1またはMB1の払出数の上限を「120」以下に設定すると、それだけの払出ししか受けられない遊技者に、RB遊技以下のボーナス遊技という印象を持たれる虞がある。そこで、RB遊技よりは有利な(払出数が1回のRB遊技の規格上許容される最大払出数「120」よりも多い)ボーナス遊技であることが確実に遊技者に分かるように、BB1とMB1におけるそれぞれの払出数の上限を、BB1では「最大225」に、MB1では「153超」に設定している。
BB2は、BB1またはMB1と比較すると有利度の高いボーナス遊技となっている。そのため、BB2における払出数の上限については、BB1とMB1のそれぞれの払出数の上限を上回るように設定している。ただし、BB2における払出数の上限を高く設定し過ぎると、BB2によって多くの遊技メダルを獲得した遊技者が、再びBB2を当てようとして遊技にのめり込む可能性が高まる虞がある。そこで、このような遊技へののめり込み防止(射幸性の抑制)を目的として、BB2における払出数の上限を「285超」に設定している。「285」という数値は、1回のRB遊技の規格上許容される最大払出数「120」の2倍よりは大きく3倍よりは小さい値となっている。
<他の実施形態>
次に、図72〜図88を参照して、上述した実施形態とは異なる他の実施形態について説明する。図72は、他の実施形態であるスロットマシンの外観を示す外観図である。なお、以下の説明における「画像」とは、特に限定した場合を除き、静止画像および動画像を含むものである。
従来、遊技機では、のめり込み対策(自身の資力を超えて遊技を行う遊技者を減らすための策)として、遊技待機中に注意喚起を行っている。しかし、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者であるため、のめり込み対策として期待されている効果を発揮することができず、自身の資力を超えて遊技を行う遊技者が減ることはなかった。
のめり込みは、遊技者が冷静な判断ができなくなった結果として生じると考えられる。冷静な判断ができなくなる可能性が高いタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられる。
(1)AT遊技が終了するタイミング
AT遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、AT遊技が潜伏しているのではないか(AT抽選に当選しているのではないか)という期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、AT遊技の終了時には、AT遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもAT遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(AT抽選に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
(2)ボーナス遊技が終了するタイミング
ボーナス遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、ボーナス役に当選した回数が多ければ、高設定(たとえば、設定値が5以上)ではないかという期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、ボーナス遊技の終了時には、ボーナス遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもボーナス遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(ボーナス役に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
そこで、他の実施形態では、AT遊技やボーナス遊技といった多くの遊技メダルが付与され得る特別遊技が終了するタイミングにおいて、注意喚起を行うようにした。
図73は、特別遊技の終了時において、画像表示装置で表示される終了画面と注意喚起を行うための画像(以下、「注意喚起画像」と称する)の一例である。終了画面は、少なくとも特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)と背景を示す画像である。なお、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)を示す画像を、背景を示す画像(以下、「背景画像」と称する)と別個の画像として用意してもよい。また、注意喚起画像は、「のめり込みに注意しましょう。パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像である。
次に図74を参照し、特別遊技の終了時において、画像表示装置に表示する注意喚起画像の大きさについて説明する。注意喚起画像は、小さすぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、大きすぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、他の実施形態では、注意喚起画像を表示する画像表示装置が7インチ未満であれば(換言すると、小型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像の大きさを縦が10.00mm、横が64.12mmとしている。また、注意喚起画像を表示する画像表示装置が7インチ以上であれば(換言すると、大型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像の大きさを縦が30.00mm、横が192.37mmとしている。
次に図75を参照して、画像表示装置に終了画面と注意喚起画像を表示するタイミングについて説明する。図75は、いずれも特別遊技の最終遊技であり、最終遊技において遊技メダルが付与される場合(小役が入賞した場合)は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示する(図75(a))。また、最終遊技において遊技メダルが付与されない場合(リプレイ役が入賞した場合など)は、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示する(図75(b))。
次に画像表示装置での終了画面を非表示とするタイミングについて説明する。終了画面を表示する理由の1つは、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を遊技者に教えるためである。すなわち、遊技者が特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を認識したと思われるタイミングであれば、終了画面を非表示としても問題はないといえる。そこで、他の実施形態では、スタートスイッチが操作されたときに終了画面を非表示としている。
また、他の実施形態では、スタートスイッチが操作されたときに、そのときの遊技状況に応じた演出画面を画像表示装置で表示する。たとえば、ボーナス遊技やAT遊技の終了後の遊技が通常遊技であり、小役の1つであるチェリー役に当選したのであれば、図76(a)に示すようなチェリー役に当選したことを示唆する演出画面が表示可能である。また、ボーナス遊技の終了後の遊技がAT準備遊技であり、小役の1つである押し順ベル役に当選したのであれば、図76(b)に示すような如何なる順番でストップスイッチを操作すべきかを示す押し順画像(以下、「ナビ画像」とも称する)とAT準備遊技中の演出画面が表示可能である。
次に注意喚起画像を表示し続ける時間について説明する。注意喚起画像を表示する時間が短すぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。また、認識できたとしても気にかけず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、長すぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、他の実施形態では、のめり込み対策として期待されている効果を発揮でき、かつ遊技者に不快感を与えない時間だけ、注意喚起画像を表示し続けるようにしている。注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間については、順を追って説明していく。
まず、図77を参照して、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間について説明する。スタートスイッチが操作された後、リールの回転が開始してからリールの回転速度が一定となるまでに費やす時間が約180msである。また、ストップスイッチが操作されてからリールの回転が停止するまでに費やす時間が最大でも190msである(遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)イ(ト)において定められている)。さらに、付与される遊技メダルをクレジット数として加算するのに費やす時間および実際に払い出すのに費やす時間が1枚当たり約40msである。すなわち、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間は、付与される遊技メダルの枚数によって変化するものの、複数のストップスイッチが同時に操作できない(複数のリールを同時に停止制御できない)仕様であれば約750ms〜約1070ms(付与される遊技メダルが0枚〜8枚のとき)であり、複数のストップスイッチが同時に操作できる(複数のリールを同時に停止制御できる)仕様であれば約370ms〜約690ms(付与される遊技メダルが0枚〜8枚のとき)であるといえる。
ちなみに、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間(1回の遊技に要する最小の時間は、4100ms以上)未満で1回の遊技を終了することはできない。これは、遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)リ(イ)とその技術上の規格の解釈基準において定められている。そこで、他の実施形態では、図78に示すように前回の遊技が最短時間で遊技され、スタートスイッチが操作されたときであっても、リールの回転を開始するのは、前回の遊技におけるリールの回転を開始したときから4100msが経過してからとすることで、最小遊技時間未満で1回の遊技が終了することがないようになっている。
一般的に、ボーナス遊技の1つであるBB遊技では、目押しが不要な小役(特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作する必要がない小役)が高確率で当選する(必ず当選する仕様の場合もある)。また、AT遊技では、ストップスイッチを特定の順番で操作することが必要な押し順ベル役や押し順リプレイ役が当選するものの、どの順番で操作すべきかを教えている。さらに、ボーナス遊技中やAT遊技中は、遊技者が興奮状態にある。そのため、少なくとも特別遊技中は、多くの遊技者が最短時間で遊技している。
上述したように、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間未満で1回の遊技を終了することはできない。すなわち、図79に示すように特別遊技の最終遊技が最短時間で遊技された場合、すぐにスタートスイッチが操作されたとしても、リールの回転を開始するまでにはある程度の時間がある。また、リールの回転が開始してもリールの回転速度が一定となるまでにもある程度の時間がある。これらの時間は、遊技者による如何なる操作も無効であるため、注意喚起画像を表示し続けていても、遊技者に不快感を与えることはないが、これらの時間を超えても注意喚起画像を表示し続けていると、遊技者に不快感を与える可能性がある。なぜなら、これらの時間を超えると、少なくともストップスイッチの操作は有効となるが、図76(a)に示すようなチェリー役に当選したことの示唆と注意喚起画像が重なっているせいで、ストップスイッチを操作できなかったり(どの役を狙えばよいか分からないため)、注意喚起画像が表示されているため、ストップスイッチを操作してはいけないのではないかという不安感が生じたりするからである。ゆえに、注意喚起画像を表示し続ける時間は、これらの時間を超えないことが好ましいといえる。
そこで、他の実施形態では、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を3000ms以上、3210ms以下としている。なお、3000ms以上としているのは、長ければ長い程、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できると考えられるからである。
図80に示すように、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者も僅かながらいると思われる。その場合、注意喚起画像を3210ms表示し続けると、途中で少なくともストップスイッチの操作が有効になるため、遊技者に不快感を与える可能性はある。ただし、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者であるため、最短時間で遊技を行う遊技者よりは不快感があると思わない可能性が高い。ちなみに、注意喚起画像を非表示とした後に最短時間で遊技を行えば、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができる。そのため、本来であれば最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができるのに、注意喚起画像が表示され続けていたせいで、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができなかった(損をした)というような苦情が寄せられることはない。
次に注意喚起画像を表示する位置について説明する。基本的には、遊技者が認識し易い位置に表示されることが好ましい。遊技者が認識し易い位置の1つとして、筐体の中央より上側の位置が挙げられる。これは、遊技者の目の高さが筺体の中央より上側にあるからである。
他の実施形態では、図72に示すように画像表示装置を筺体の中央より上側に備え、図73に示すように画像表示装置の中央より上側に注意喚起画像を表示するようにしている。
もちろん、画像表示装置が筺体の中央より上側に備えられているのであれば、画像表示装置の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、他の画像が表示される位置を考慮して、注意喚起画像を表示する位置を決めることが好ましい。たとえば、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)やチェリー役に当選したことの示唆などとは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。また、押し順画像とは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。
さらに、他の実施形態では、遊技待機中においても、注意喚起を行うようにしている。図81に、遊技待機中に画像表示装置で表示されるデモ画面を示す。
遊技待機中になると、最初に製造業者を示す画像が表示される(図81(a))。そして、所定時間の経過後は、注意喚起画像が表示される(図81(b))。さらに、所定時間の経過後は、スロットマシンの題材を紹介する画像が表示される(図81(c))。このように、遊技待機中は、画像表示装置に図81(a)から図81(c)が繰り返し表示されるようになっている。
上述したように、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者である。のめり込み対策として、遊技を始めようとする遊技者に、予めのめり込んではいけないということを印象づけるという方法も考えられるが、過度な注意喚起を行ってしまうと、遊技意欲を低下させてしまう虞がある。そこで、他の実施形態では、遊技待機中に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間を、特別遊技の終了時に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間よりも短くしている。換言すると、3000ms未満としている。具体的には、2000ms以下としている。ただし、これに限られるものではない。
ちなみに、注意喚起画像を表示する位置と大きさは、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしている。これは、表示する位置を、状況によって変更するようにすると、サブ制御部による負担が増大する可能性があるためである。また、大きさを変更するようにすると、複数の画像を用意する必要があるためである。
次に図85を参照して、特別遊技の最終遊技でエラーが発生した場合について説明する。他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようになっている。これは、遊技の進行を停止してしまうと、遊技者の集中力が切れ、ストップスイッチを操作する際にミスが起きやすくなってしまう可能性があるからである。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
そして、すべてのリールの回転が停止すると(遊技の進行が停止すると)、画像表示装置にエラー画像を表示する。これは、エラーが発生したときにエラー画像を表示してしまうと、遊技者が驚いた拍子にミスしてしまう可能性があるからである。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置に終了画面と注意喚起画像が表示される。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。もちろん、ストップスイッチの操作は有効となった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図86を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合について説明する。他の実施形態では、スタートスイッチが操作されるまでの間にエラーが発生したときは、エラーが発生したときに、遊技の進行が停止するようになっている。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
また、遊技の進行が停止すると、画像表示装置では注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示する。ちなみに、エラーが発生したことを速やかに遊技店員に知らせる必要があるため、エラー画像は注意喚起画像よりも優先度が高く設定されている。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置ではエラー画像を非表示とする。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。なお、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間は含めている。もちろん、ストップスイッチの操作は有効となった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図87を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合について説明する。他の実施形態では、電力の供給が停止すると、最小遊技時間(4100ms)の計測も停止し、電力の供給が再開されると、最小遊技時間(4100ms)の計測も再開する。
また、電力の供給が停止すると、画像表示装置も停止し、電力の供給が再開されると、画像表示装置も表示を再開する。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
次に図88を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で演出スイッチが操作された場合について説明する。他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置にメニュー画面を表示するようにしている。また、画像表示装置にメニュー画面が表示されているときは、パスワード入力、2次元コード表示、配当表といた項目が選択できるようになっている。具体的には、十字キースイッチ及び演出スイッチを操作することで、各項目を選択できるようになっている。
演出スイッチが操作されても、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これは、メニュー画面が表示されたときに、注意喚起画像を非表示としてしまうと、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞があるからである。
ただし、注意喚起画像を表示する位置は、選択されている項目が分かるような位置としている。換言すると、選択されている項目が分かる範囲であれば、重ねて表示してもよい。また、注意喚起画像を表示する位置は、2次元コード表示が選択された際に表示される2次元コードと可能な限り重ならない位置としている。これは、注意喚起画像が表示され続けることにより、遊技を終えようとする遊技者が、すぐに遊技を終えることができなくなることを防止するためである。
他の実施形態では、特別遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を画像表示装置に表示するようにしたが、特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合は、特別遊技の終了時において、注意喚起画像を画像表示装置で表示しないようにしてもよい。
これは、特別遊技中に付与される遊技メダルが極端に少なければ、遊技者の気が大きくなることもないし、これまでに使用した金額に対応する遊技メダルの数よりも特別遊技中に付与された遊技メダルの数が少なくても、取り返そうという気持ちに陥り難い(取り返すことが不可能に近いため)からである。
特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合の一例としては、AT遊技中であれば300枚未満の場合、ボーナス遊技中であれば50枚以下の場合などが挙げられる。また、特別遊技の終了時やデモ画面の一部において注意喚起画面を画像表示装置に表示するようにしたが、一定時間ごと(例えば1時間ごと)、一定ゲーム数ごと(例えば600ゲームごと)に予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)表示するようにしてもよいし、最後に注意喚起画面が表示されてから一定時間(例えば1時間)、一定ゲーム数(600ゲーム)経過を契機に表示するようにしてもよい。その際、注意喚起画面を画像表示装置の中央より上側右隅に小さく表示してもよし、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じとしてもよい。また、表示する場合は他の演出(連続演出、予告演出や期待度を示す演出など)と同時に表示してもよいし、表示をしている期間中を操作不能な期間となるよう設定してもよい。定期的に表示を行うようにすることで、特別遊技を実行していない遊技者にも注意喚起を行うことができる。
他の実施形態では、特別遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を画像表示装置に表示するようにしたが、終了画面を表示しないときは、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。たとえば、20回連続でAT遊技が行われるときは、20回目のAT遊技中に画像表示装置で動画像を表示するようになっている。そして、20回目のAT遊技中にボーナス役が当選しても、ボーナス遊技中でも、ボーナス遊技の終了時にも、画像表示装置では動画像を表示し続けたいため、ボーナス遊技の終了時に画像表示装置で終了画面を表示しないようになっている。このようなときには、表示されている動画像を視認する際の妨げにもなるため、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。ただし、20回目のAT遊技の終了時には、画像表示装置で終了画面を表示するとともに注意喚起画像を表示することが好ましい。
他の実施形態では、注意喚起画像の大きさを図74に示す大きさとしたが、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できる大きさであればよく、図74に示す大きさよりも大きい注意喚起画像であってもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像の大きさを状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに表示するときの大きさと、演出画面とともに表示するときの大きさは異なる大きさであってもよい。
他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で表示するようにしてもよいし、最後のストップスイッチが離されたときに画像表示装置で表示するようにしてもよい。また、遊技メダルが付与されない場合は、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、最後のストップスイッチが離されたとき画像表示装置で表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、終了画面と注意喚起画像を同じタイミングで画像表示装置に表示するようにしたが、終了画面を表示した後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。さらには、終了画面を表示してから所定時間の経過後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、最終遊技において遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートスイッチが操作されたときに終了画面を非表示とするようにしたが、最終遊技において遊技メダルが付与される場合は、遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されたときに終了画面を非表示としてもよい。
また、終了画面を表示してから所定時間が経過したときに非表示としてもよい。これは、画像表示装置には、終了画面だけでなく、注意喚起画像も表示されているため、不安を感じた遊技者がスタートスイッチを操作しない可能性があるからである。
他の実施形態では、画像表示装置を筺体の中央より上側に備えるようにしたが、画像表示装置は筺体の中央に備えてもよい。その場合、画像表示装置の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央に注意喚起画像を表示すれば、遊技者の目の高さに近い位置に表示されることになる。なお、1つの画像表示装置しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、筐体のデザインなどの影響により画像表示装置が筺体の中央より下側に備えられることがある。なお、1つの画像表示装置しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像の位置を状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに表示するときの位置と、演出画面とともに表示するときの位置は異なる位置であってもよい。
他の実施形態では、遊技待機中に図81(a)から図81(c)が繰り返し表示されるようにしたが、表示する順番は入れ替えてもよい。たとえば、図82(a)から図82(c)が繰り返し表示されるようにしてもよい。遊技者が遊技を始める前にデモ画面を見るのは、遊技を始めようとするスロットマシンの題材が如何なるものであるかを確認するためである。他の実施形態のようにスロットマシンの題材を紹介する画像が表示される前に、注意喚起を行うための画像が表示されることにより、遊技意欲が著しく低下する虞がある場合には、表示する順番を入れ替えることが好ましい。なお、入れ替える順番は、これに限られるものではない。
他の実施形態では、遊技待機中に注意喚起画像を表示し続ける時間を3000ms未満にしたが、遊技を始めようとする遊技者にも、予めのめり込んではいけないということを印象づける必要があれば、3000ms以上表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、遊技待機中に表示される注意喚起画像の位置と大きさを、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしたが、表示する位置や大きさを状況によって、変更するようにしてもよい。たとえば、図83に示すように、遊技待機中に注意喚起画像を常時表示する場合には、画像表示装置の中央より上側右隅に小さく表示してもよい。これは、注意喚起画像が表示され続ける時間が長くなるため、少しでも過度な注意喚起とならないようにするための工夫である。なお、表示する位置と大きさは、これに限られるものではない。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようにしたが、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されるまでは、遊技の進行を停止しないようにしてもよい(遊技メダルが付与されない場合は除く)。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止すると、画像表示装置にエラー画像を表示するようにしたが、エラーが発生したときにエラー画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技店員が駆けつけることができ、遊技の進行が停止後すぐにエラーを解除することができる。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、エラーの解除までに費やした時間に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラーの解除までに費やした時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。たとえば、エラーの解除までに60000ms以上費やしたときは、注意喚起画像を1000ms表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示するようにしたが、注意喚起画像を非表示とし、エラー画像を表示するようにしてもよい。そして、エラーが解除されたときは、エラー画像を非表示とし、注意喚起画像を表示するようにしてもよい。これは、エラー画像と注意喚起画像の優先度を同じにしたい場合に好適である。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。エラー画像を表示しているか否か(エラーが発生したか否か)に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)だけ注意喚起画像を表示し続ければよいので、サブ制御部による負担を増大させなくて済む。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、エラー画像が表示されることにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像の優先度を注意喚起画像よりも高く設定したが、注意喚起画像の優先度をエラー画像よりも高く設定してもよい。ただし、注意喚起画像によって、発生したエラーの種類が特定できなくなることは好ましくないため、注意喚起画像を表示する位置は、発生したエラーの種類が明記される位置と重ならない位置にすることが好ましい。なお、発生したエラーの種類が特定できる程度であれば、重なっていても構わない。
また、この場合は、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、電力の供給が停止したことにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
他の実施形態では、電力の供給が再開すると、すぐに起動(表示を再開)する画像表示装置を用いたが、起動するまでに時間がかかる画像表示装置を用いる場合も、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。起動するまでの時間によっては、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。ただし、遊技者に多大なる不快感を与える可能性があれば、起動するまでの時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。
他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置にメニュー画面を表示するようにしたが、遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートスイッチが操作されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置にメニュー画面を表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、注意喚起画像を表示する位置を、メニュー画面が表示されたときに、選択されている項目が分かるような位置にしたが、選択されている項目が分からなくなるような位置にしてもよい。このようにすることで、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れることを抑制することができる。
他の実施形態では、図79や図80に示すように、注意喚起画像が表示され続けていても、スタートスイッチなどの操作が有効となっている(遊技が進行する)が、注意喚起画像が表示され続けている間は、フリーズさせてもよい。換言すると、スタートスイッチなどの操作が無効となる(遊技の進行を停止させる)ようにしてもよい。遊技者に不快感を与えることになるが、のめり込み対策として期待される効果を最大限発揮することができる。具体的には、長時間に亘って遊技の進行が停止するため、遊技意欲をある程低下させることができる。この場合の注意喚起画像が表示され続ける時間は、遊技意欲をある程度低下させることができる時間であることが適当である。しかし、過度に長すぎる(たとえば、最小遊技時間以上の時間である)と、遊技者が二度と遊技しない可能性がでてくる。ゆえに、3000ms以上、4100ms未満であることが好ましい。
また、フリーズさせる場合であれば、図84に示すように、画像表示装置に終了画面を表示させた後、終了画面を非表示とするとともに注意喚起画像のみ表示するようにしてもよい。注意喚起画像のみ表示することで、遊技者の意識を確実に注意喚起画像に向けさせることができるため、のめり込み対策として期待される効果をより発揮することができる。なお、注意喚起画像を表示してから所定時間(3000ms以上、4100未満のうち、予め定めた時間)が経過した後、注意喚起画像を非表示とするとともに再び終了画面を表示するようにしてもよし、注意喚起画像のみを表示し続けてもよい。
まず、遊技待機中は図81(b)、図81(a)、図81(c)の順番で表示されるようにしたうえで、図84(b)を表示するタイミングのときに、図81(b)を表示し続けるようにしてもよい。これにより、図84(b)を表示するための画像を用意する必要がなくなる。
他の実施形態では、画像表示装置で注意喚起を行うようにしたが、画像表示装置以外でも注意喚起を行うようにしてもよい。たとえば、遊技者が認識し易い位置にある筐体のパネル部分に注意喚起画像を表示してもよい。
注意喚起画像は、例示したものに限られるものではない。たとえば、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」や「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像であってもよい。
なお、文字の色やフォントは、遊技者が認識し難いものでなければ自由である。たとえば、注意喚起画像を表示する際の背景画像と色が似ていると、遊技者が認識し難くなる恐れがあるため、背景画像の大部分を占める色とは異なる色である方が好ましい。特に、色相環で正反対に位置する色(以下、「反対色」とも称する)または反対色に近しい色である方が、色が引き立つため好ましい。
他の実施形態では、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚のときを例に、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を算出したが、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚以上15枚以下のときも、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。たしかに、15枚の遊技メダルが付与されるときは、8枚の遊技メダルが付与されるときよりも、費やす時間が約280ms増えるため、その分だけ、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を短くすれば、ストップスイッチの操作が有効になる前に、注意喚起画像を非表示とすることはできる。ただし、ストップスイッチの操作が有効になってから約280ms後に、注意喚起画像を非表示としても、遊技者がそれに気づく可能性は著しく低いといえる。そうであれば、長ければ長い程、のめり込み対策として期待される効果を発揮することができるため、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。
また、注意喚起画面表示後に清算処理を行う場合には、清算処理が終了した時点が、注意喚起画面表示開始時から3秒未満であっても注意喚起画面を終了させてもよい。その場合は、清算処理が終了した後にデモ画面の表示を開始する。清算処理により遊技者は遊技を終え、デモ画面でも注意喚起画面が表示されることからのめり込み防止を表示する必要がないからである。また、注意喚起画面を終了させることで、前の遊技者が遊技をしていないことをより明確にし、次の遊技者が、前の遊技者が遊技しているか戸惑わずに速やかに遊技を行うことができようになる。
なお、上述した実施形態、変更態様および他の実施形態を適宜組み合わせることが可能であり、さらに各実施形態またはそれらの組み合わせに対して、上述した変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、本発明はスロットマシン以外の遊技機(例えば、ぱちんこ機や、カジノマシン、アレンジボール、遊技メダルや遊技球を用いない封入式遊技機等)にも適用可能である。
封入式遊技機の一例としては、遊技メダルや遊技球といった物理的な遊技媒体ではなく、電子的な遊技媒体を用いて遊技が可能となる遊技機が挙げられる。このような遊技機においては、電子的な遊技媒体の数を複数桁(2桁以上)の7セグメント表示器で表示可能になっている。なお、電子的な遊技媒体は、遊技者が遊技機に直接投入できるようになっていてもよいし、遊技者の指示により遊技機外に設けられた装置から間接投入されるようになっていてもよい。封入式遊技機において、小役が成立すると、電子的な遊技媒体が遊技者に付与される(複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体の数が増える)。
また、封入式遊技機においては、AT抽選やボーナス抽選(ボーナス役を含む複数の役から何れか1つ以上の役を決定するための役抽選)が行われる。そして、AT抽選に当選したときやボーナス抽選に当選したときは、そのことを煽るための演出(煽る演出とも称する)も行われる。ちなみに、AT抽選に当選していないときやボーナス抽選に当選していないときであっても、煽るための演出は行われるようになっている。煽る演出の例としては、複数の遊技に亘って行われる一連の演出であって、最後にAT抽選に当選しているか否かやボーナス抽選に当選しているか否かを告知する演出(連続演出と称することもある)や、AT抽選に当選しているときやボーナス抽選に当選しているときに滞在し易い背景画像を画像表示装置に表示する演出(前兆演出と称することもある)などが挙げられる。
のめり込み対策として、遊技者が1日に所定の金額(例えば5万円)を超えた金額を使用して遊技(投入)できないようにする遊技禁止手段を備えてもよい。具体的には、所定の金額に到達するまでは投入を可能とし、所定の金額を超えた投入を不可能とするものであり、この遊技禁止手段は、直接投入又は間接投入できる封入式遊技機の場合であれば、封入式遊技機が備えていてもよいし、間接投入できる封入式遊技機の場合であれば、当該封入式遊技機に対応する遊技機外に設けられた装置が備えていてもよい。
なお、遊技機外に設けられた装置で電子的な遊技媒体の残り数を管理できる(具体的には、遊技を終了する際に、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体を遊技機外に設けられた装置に預ける(貯玉する)ことができる)ようにし、貯玉していた電子的な遊技媒体の残り数から投入できるようにしてもよい。この場合、遊技禁止手段は、貯玉からの投入とは別に遊技者が1日に所定の金額(例えば5万円)を超えた金額を使用して遊技(投入)できないようにするものであってもよいし、貯留から投入する電子的な遊技媒体の数と金額を使用してい投入する電子的な遊技媒体の数の合計数が、所定の金額を電子的な遊技媒体に換算した数を超えて投入できないようにしてもよい。
封入式遊技機又は遊技機外に設けられた装置のいずれかが遊技禁止手段を備えていたとしても、封入式遊技機において、AT抽選に当選していることやボーナス抽選に当選していることが告知された後であって、その告知に係るAT遊技やボーナス遊技が終了するまでの間に、遊技者が使用する金額が所定の金額を超えてしまうときは、遊技できないようにしなくてもよい。遊技者には、告知がなされているのにも関わらず、遊技できないのではあまりにも酷であるからである。また、新たに使用する金額は高が知れている(1000円〜2000円程度)からである。ちなみに、AT遊技やボーナス遊技が終了したときは、遊技できないようにしてもよい(本来であれば、遊技できないようになっていたためである)し、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体が残っている間は、遊技できるようにしてもよい(AT遊技やボーナス遊技中に付与された電子的な遊技媒体であって、新たに金額を使用しているわけではないためである)。
また、封入式遊技機又は遊技機外に設けられた装置のいずれかが遊技禁止手段を備えている場合であって、AT抽選に当選したときやボーナス抽選に当選したときは、1遊技を行うのに必要な電子的な遊技媒体の数(例えば3)と、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体の残り数(例えば残り12)と、現に遊技者が使用している金額と所定の金額の差(例えばもう5万円に達している)などの状況(ここでは状況を3つの情報で判断するように記載しているが、これに限られるものではなく、いずれか2つの情報で判断してもよいし、3つの情報に遊技機外に設けられた装置で管理する電子的な遊技媒体の残り数情報(所謂貯玉)など新たな1つ以上の情報を加えて判断してもよい)によって、AT抽選やボーナス抽選に当選していることを告知するまでのタイミング(何遊技後に告知するか)を決めることが望ましい。これは、当選していることを告知する前に、遊技できないようになることを抑制するためである。封入式遊技機が遊技禁止手段を備える場合には、遊技機外に設けられた装置から、必要な情報(現に遊技者が使用している金額と所定の金額の差などの使用可能な残り金額情報、遊技機外に設けられた装置で管理する使用可能な電子的な遊技媒体の残り数情報を受信し判断する。
また、封入式遊技機又は遊技機外に設けられた装置のいずれかが遊技禁止手段を備えている場合であって、間もなく遊技できない状態になる状況(1遊技を行うのに必要な電子的な遊技媒体の数は3、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体の残り数は3、現に遊技者が使用している金額が所定の金額に達している)では、次遊技の演出として、AT抽選やボーナス抽選に当選しているか否かに関わらず、煽る演出を行わないようにすることが望ましい。煽り演出を行った途端に遊技できなくなると遊技の興趣が低下し、遊技離れが進む虞があるためである。
また、間もなく遊技できない状況になるより前に、このまま遊技を継続すると利益が獲得可能となったとしても得ることができなくなる可能性がある旨忠告する表示を行ってもよい。表示タイミングはAT抽選やボーナス抽選の契機から告知、抽選結果に基づく利益を享受するまでに必要なゲーム数を消化可能な遊技媒体を貸し出せる金額を残した状態であればよく、例えば、遊技者が仕様した金額が所定の金額より低い特定の金額(例えば4万5千円)に達したタイミングとしてよい。この忠告により、所定の金額を使ってしまって、利益(AT遊技、ボーナス遊技)が獲得可能となっているにも関わらず利益を享受できないことを予防できる。
《第8実施形態》
次に、第8実施形態に係るスロットマシン(以下「第8形態のスロットマシン」とも称する)について、図89〜図94を追加参照しながら説明する。この第8形態のスロットマシンは、図89(A)に示すように、主に遊技の進行に係る制御処理を行うための主制御基板610(上述の主制御基板60に相当する)と、遊技の進行に応じて遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出装置630(上述のホッパー50に相当する)とを備えている。また、図示していないが、複数種類の図柄を変動表示する複数(例えば3個)の回胴(上述のリール3a,3b,3cに相当する)等、スロットマシンとしての遊技を行うために必要な各構成要素を備えている。
遊技メダル払出装置630は、遊技メダルを収容するタンク部(図示略)と、タンク部に収容された遊技メダルを払い出すために回転駆動するロータディスク(図示略)と、ロータディスクを回転駆動させるためのホッパモータ637と、2個の払出センサ631,632と、1個の揺動遮光体635とを備えて構成される。
払出センサ631,632は、例えば、LED等により構成される発光部と、フォトダイオード等で構成される受光部とが対向配置されてなる透過型のフォトセンサ(フォトインタラプタ)により構成され、揺動遮光体635の揺動範囲内に、それぞれ配置されている。揺動遮光体635は、回転駆動するロータディスクによって遊技メダルが1枚払い出されるごとに所定の揺動範囲内を往復揺動し、1回往復揺動する間に、2個の払出センサ631,632の発光部と受光部との間を通過するように構成されている。この揺動遮光体635の揺動によって、払出センサ631,632は、払出センサ631のみが遮光された状態(発光部から受光部に向かう光が遮られた状態)と、払出センサ631,632のどちらもが遮光されていない状態と、払出センサ631のみが遮光された状態との3つの状態が、所定の順序で切り替えられるようになっている(詳細後述)。
主制御基板610と遊技メダル払出装置630とは、電気的に互いに接続されている。図89(A)には、遊技メダル払出装置630の払出センサ631,632と主制御基板610の入力ポートとが、2本の電路651,652により接続され、遊技メダル払出装置630のホッパモータ637と主制御基板610の出力ポートとが、1本の電路655により接続された状態を簡略的に示している。電路651は、払出センサ631からの検出信号(「払出センサ1信号」とも称する)を、主制御基板610の入力ポートに伝送するものであり、電路652は、払出センサ632からの検出信号(「払出センサ2信号」とも称する)を、主制御基板610の入力ポートに伝送するものである。2本の電路651,652は、主制御基板610において所定の電圧レベル(例えば、DC+5ボルト)にプルアップされており、払出センサ631,632の状態(揺動遮光体635により遮光されているか否か)によって、それぞれの信号レベルが変化するようになっている(詳細後述)。
電路655は、ホッパモータ637を駆動させるための信号(「ホッパモータ駆動信号」とも称する)を、主制御基板610からホッパモータ637に伝送するものである。この電路655を介して、主制御基板610からホッパモータ637に対しホッパモータ駆動信号が送信され、このホッパモータ駆動信号をホッパモータ637が受信することにより、遊技メダル払出装置630が作動するようになっている。
なお、図89(A)は、主制御基板610と遊技メダル払出装置630との間の電気的接続状態を、非常に簡略化して示すものであり、実際には多くの他の電路が設けられ、各電路上には、必要に応じて、ICや抵抗等の電子部品が配置される。また、主制御基板610と遊技メダル払出装置630との間に他の基板が配置されることもある。図89(B)には、主制御基板610と遊技メダル払出装置630との間に中継基板620が配置され、この中継基板620を介して、主制御基板610と遊技メダル払出装置630とが電気的に接続される構成例を簡略的に示している。
図89(B)に示す例では、主制御基板610のコネクタ611と中継基板620のコネクタ621との間に、3本の信号線651a,652a,655aが配置され、中継基板620のコネクタ622と遊技メダル払出装置630のコネクタ639との間に、4本の信号線651b,652b,655b,655cが配置されている。信号線651bは、払出センサ631からの払出センサ1信号を中継基板620に伝送するものであり、信号線652bは、払出センサ632からの払出センサ2信号を中継基板620に伝送するものである。信号線651aは、中継基板620からの払出センサ1信号を主制御基板610(入力ポート)に伝送するものであり、信号線652aは、中継基板620からの払出センサ2信号を主制御基板610(入力ポート)に伝送するものである。信号線651a,651bを含んで電路651が構成され、信号線652a,652bを含んで電路652が構成される。
信号線655aは、主制御基板610(出力ポート)からのホッパモータ駆動信号を中継基板620に伝送するものであり、信号線655bは中継基板620からのホッパモータ駆動1信号を遊技メダル払出装置630(ホッパモータ637)に伝送するものであり、信号線655cは中継基板620からのホッパモータ駆動2信号を遊技メダル払出装置630(ホッパモータ637)に伝送するものであり、これらの信号線655a,655b,655cを含んで電路655が構成される。ホッパモータ駆動1信号とホッパモータ駆動2信号は、一方の信号レベルがL(Low)、他方の信号レベルがH(High)の状態で出力されるとホッパモータ637が駆動し、両信号が未出力の状態とされるとホッパモータ637が停止するようになっている。なお、信号線651a,652a,655a(及び不図示の他の信号線)により1本のワイヤハーネス(単に「ハーネス」とも称する)が構成され、信号線651b,652b,655b,655c(及び不図示の他の信号線)により別のワイヤハーネスが構成されるようにしてもよい。
図90には、払出センサ631,632に関連した4つの状態と、各状態のときに、主制御基板610の入力ポートに入力される払出センサ1信号と払出センサ2信号のレベル(電圧レベル)との関係を示している。ここで、各状態について説明する。
同図(A)に示す払出センサ状態P01とは、揺動遮光体635により払出センサ631が遮光され、払出センサ632は遮光されていない状態である。この払出センサ状態P1のときは、遮光されていない払出センサ632(フォトダイオード)において光電流が流れることなり、これにより、プルアップ側から払出センサ632側に電流が引き込まれ、入力ポートにおける払出センサ2信号のレベルがL(Low)となるように構成されている。一方、遮光されている払出センサ631においては光電流が流れず、これにより、払出センサ631側がハイインピーダンス状態となって、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルはH(High)となるように構成されている。主制御基板610のCPU(「主基板CPU」とも称する)は、払出センサ1信号のレベルは負論理で認識し、払出センサ2信号のレベルは正論理で認識するようになっている。すなわち、払出センサ1信号については、Hレベルのときは信号がOFF(真理値で0)、Lレベルのときは信号がON(真理値で1)と認識し、払出センサ2信号については、Hレベルのときは信号がON、Lレベルのときは信号がOFFと認識する。
同図(B)に示す払出センサ状態P02とは、2個の払出センサ631,632がどちらも遮光されていない状態である。この払出センサ状態P2のときは、払出センサ631,632においてそれぞれ光電流が流れ、これにより、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルと、払出センサ2信号のレベルは、どちらもLとなるように構成されている。また、このとき主基板CPUは、払出センサ1信号をON、払出センサ2信号をOFFと認識する。
同図(C)に示す払出センサ状態P03とは、揺動遮光体635により払出センサ632が遮光され、払出センサ631は遮光されていない状態である。この払出センサ状態P03のときは、遮光されていない払出センサ631において光電流が流れ、これにより、プルアップ側から払出センサ631側に電流が引き込まれ、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルがLとなるように構成されている。一方、遮光されている払出センサ632においては光電流が流れず、これにより、払出センサ632側がハイインピーダンス状態となり、入力ポートにおける払出センサ2信号のレベルはHとなるように構成されている。また、このとき主基板CPUは、払出センサ1信号をON、払出センサ2信号もONとして認識する。なお、払出センサ状態P01〜P03を総称して単に「払出センサ状態」という。
同図(D)に示す非通電状態とは、主制御基板610と遊技メダル払出装置630との間の電気的接続状態に異常が発生した状態、具体的には、主制御基板610の入力ポートと払出センサ631,632とが電気的に接続されていないときの状態である。このような非通電状態は、例えば、主制御基板610と中継基板620とを繋ぐワイヤハーネスもしくは中継基板620と遊技メダル払出装置630とを繋ぐワイヤハーネスが外れたり断線したり、あるいは、主制御基板610と遊技メダル払出装置630とがフローティングタイプのドロワコネク等により直接的に接続される場合には、そのドロワコネクによる接続が外れたりすることなどによって発生する。この非通電状態のときは、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルと、払出センサ2信号のレベルは、どちらもHとなるように構成されている。また、このとき主基板CPUは、払出センサ1信号をOFF、払出センサ2信号はONと認識する。
遊技メダル払出装置630が作動して遊技メダルが正常に払い出される場合、上述したように揺動遮光体635は、遊技メダルが1枚払い出されるごとに1回往復揺動する。より詳細には、揺動遮光体635は、遊技メダル払出装置630が未作動または作動開始直後の状態においては第1の位置(払出センサ631のみを遮光する払出センサ状態P01の位置)にあり、遊技メダル払出装置630が正常に作動して遊技メダルが1枚払い出される過程において、第1の位置から第2の位置(払出センサ631,632のどちらも遮光しない払出センサ状態P02の位置)を経て、第3の位置(払出センサ632のみを遮光する払出センサ状態P03の位置)まで移動し、さらに、第2の位置を経て、第1の位置まで戻るように構成されている。
図91には、回胴の停止後に遊技メダル払出装置630が正常に作動して1枚の遊技メダルが払い出される過程における払出センサ状態の変遷と、各払出センサ状態のときに、主制御基板610の入力ポートに入力される払出センサ1信号と払出センサ2信号のレベルと、主基板CPUが認識する、払出センサ1信号と払出センサ2信号のON、OFFとの関係を模式的に示している。
この図に示すように、回胴が回転して停止し、ホッパモータ駆動信号が出力(ON)された直後までは、払出センサ631,632は、払出センサ状態P01(払出センサ631のみが遮光された状態)にある。このとき、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルはH、払出センサ2信号のレベルはLとなり、主基板CPUは、払出センサ1信号をOFF、払出センサ2信号もOFFと認識する。
ホッパモータ駆動信号がONされた後、遊技メダル払出装置630が作動して1枚の遊技メダルの払出しが開始されると、払出センサ631,632は、払出センサ状態P02(払出センサ631,632が共に遮光されていない状態)となる。このとき、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルはL、払出センサ2信号のレベルもLとなり、主基板CPUは、払出センサ1信号をON、払出センサ2信号はOFFと認識する。
次いで、払出センサ631,632は、払出センサ状態P03(払出センサ632のみが遮光された状態)となる。このとき、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルはL、払出センサ2信号のレベルはHとなり、主基板CPUは、払出センサ1信号をON、払出センサ2信号もONと認識する。
さらに、払出センサ631,632は、払出センサ状態P02(払出センサ631,632が共に遮光されていない状態)に移り、このとき、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルはL、払出センサ2信号のレベルもLとなり、主基板CPUは、払出センサ1信号をON、払出センサ2信号はOFFと認識する。
そして、1枚の遊技メダルの払出しの最終段階において、払出センサ631,632は、払出センサ状態P01(払出センサ631のみが遮光された状態)に戻る。このとき、入力ポートにおける払出センサ1信号のレベルはH、払出センサ2信号のレベルはLとなり、主基板CPUは、払出センサ1信号をOFF、払出センサ2信号もOFFと認識する。遊技メダルの払出終了によりホッパモータ駆動信号はOFFとされ、払出センサ状態P01が維持される。なお、複数枚の遊技メダルが払い出される場合は、複数枚全ての遊技メダルの払出しが終了するまでホッパモータ駆動信号はONとされる。そして、主基板CPUにおいて認識される払出センサ1信号と払出センサ2信号は、1枚目の遊技メダルが払い出されるときに、両信号ともにOFF、払出センサ1信号はONで払出センサ2信号はOFF、両信号ともにON、払出センサ1信号はONで払出センサ2信号はOFF、両信号ともにOFFの順に推移し、2枚目以降の各遊技メダルが払い出されるときにも同様に、両信号ともにOFF、払出センサ1信号はONで払出センサ2信号はOFF、両信号ともにON、払出センサ1信号はONで払出センサ2信号はOFF、両信号ともにOFFの順に推移する。そして、最後の遊技メダルの払出終了によりホッパモータ駆動信号はOFFとされる。
このように、主制御基板610と遊技メダル払出装置630とが電気的に接続されており、遊技メダル払出装置630が正常に作動して遊技メダルが払い出されるときには、主基板CPUにおいて認識される払出センサ1信号と払出センサ2信号は、両信号ともにOFF、払出センサ1信号はONで払出センサ2信号はOFF、両信号ともにON、の3通りのパターン(これらを総称して「センサ信号正常パターン」という)しかとらないことになる。これに対し、上述の非通電状態では、払出センサ1信号はOFFで払出センサ2信号はONとなる(図90(D)を参照)。このようなパターンは、通常では生じないので、そのパターン(「センサ信号異常パターン」とも称する)が発生したことに基づいて、主制御基板610と遊技メダル払出装置630との間の電気的接続状態に異常(「非通電エラー」とも称する)が発生したことを検知することができる。
このような非通電エラーが発生した状況下で遊技を進めると、払い出されるはずの遊技メダルが払い出されないなど、遊技者が不利益を被る虞がある。非通電エラーが発生する状況(原因)として、遊技メダル払出装置を清掃したときの戻し忘れがある。遊技メダル払出装置は使用に伴って塵埃等が溜まり易いこともあり、遊技機から取り外されて水洗いされるなどの清掃作業が日常的に行われる。遊技店では、一度に複数の遊技メダル払出装置を清掃することもあり、清掃のために取り外した遊技メダル払出装置を遊技機に戻し忘れたり、戻してもハーネス等を接続することを忘れたり、最悪の場合、外した遊技メダル払出装置を紛失することもある。このような戻し忘れの状態で遊技が行われてしまうと、払い出すべき遊技メダルを払い出すことができなくなる。また、遊技中に遊技メダル払出装置の戻し忘れに気付いても、遊技メダル払出装置を紛失していた場合は、戻すこと自体ができない。遊技機では、型式試験等で認められた正規品以外の代替品を使用することは禁止されているので、正規の遊技メダル払出装置を紛失していた場合は遊技を続けることができなくなる。戻し忘れた遊技メダル払出装置が見つかった場合でも、それを遊技機に戻した上でハーネス等を接続しなければならない。ハーネス等を接続する際には、遊技機に限らず、電源を落とした状態で行うことが好ましいが、遊技機の場合、営業中に電源を落とすことは、設定変更が可能となる行為となるため難しい。そのため、電源を落とさない状態でハーネス等の接続が行われ、それが原因で想定外の事態、例えば、RAM等に記憶された必要な情報が消去されてしまうといったことが起きることもある。また、不正行為が行われたことにより非通電エラーが発生したことも考えられ、そのまま遊技を進めると遊技店が不利益を被る虞がある。そこで、この第8形態のスロットマシンでは、非通電エラーが発生したときは、所定のタイミングにおいて遊技を停止するようにしている。図92,93には、非通電エラーが発生した4つの状況(状況Q01〜Q04)を例示しており、以下、各状況において遊技が停止されるタイミングについて説明する。
図92(A)の状況Q01は、全ての回胴が停止しており、遊技メダルの払出しも行われていない(ホッパモータ駆動信号が出力されていない(OFF))ときに、非通電エラーが発生した場合を示している。この状況Q01では、図示のように、払出センサ1信号がOFFで払出センサ2信号がONと認識されるセンサ信号異常パターンが発生している。上述したように、このセンサ信号異常パターンが発生しているときは、主制御基板610と遊技メダル払出装置630との間の電気的接続が異常な状態(「非通電状態」とも称する)であることを示している。ただし、ノイズ等の影響によって、このようなセンサ信号異常パターンが瞬間的に発生する可能性もあるので、本形態では、センサ信号異常パターンが、その発生時から所定時間T01(例えば、100ミリ秒程度の時間とするが、適宜変更可)連続する場合に、非通電エラーとして検出し、その後、遊技を停止するようにしている。
詳細には、非通電エラーが検出されると、そのことを示す所定の情報(「非通電エラー検出フラグ」とも称する)が、主制御基板610が備えるRAM等の所定の記憶領域に記憶される(非通電エラー検出フラグをセットするとかONにするなどと称する)。そして、この非通電エラー検出フラグがセットされていることが、後述する遊技進行処理内のエラー処理において確認されると、非通電エラー検出フラグがクリア(OFF)され、遊技が停止されるようになっている。停止された遊技は、所定の遊技再開条件、例えば、非通電状態が解消され(例えば、抜けていたワイヤハーネス等が接続され)、かつリセットボタン(先述のリセットスイッチ82に相当する)が操作されるという条件(具体的な内容は適宜変更可)が充足されると再開される。以下、非通電エラー検出フラグがセットされてから、遊技再開条件が充足されて遊技が再開可能となるまでの間の状態を「非通電エラー検出中状態」とも称する。本例の場合、非通電エラー検出フラグがセットされた後、エラー処理が行われるまでの時間が非常に短いので(回胴停止中は頻繁にエラー処理が実行されるため)、非通電エラーが検出されると、直ちに遊技が停止されることになる。
図92(B)の状況Q02は、回胴が回転中(ホッパモータ駆動信号はOFF)のときに、非通電状態が発生し、その非通電状態が回胴停止後に解消された場合を示している。この状況Q02では、図示するように、回胴回転中にセンサ信号異常パターンが発生し、その状態が所定時間T01連続した時点で、非通電エラー検出フラグがセットされる。ただし、非通電エラー検出フラグがセットされているか否かの確認(判定)は、回胴回転中は行われず、回胴が停止した後のエラー処理において行われる。非通電エラー検出フラグがセットされていることが確認されると、非通電エラー検出フラグがクリアされて遊技が停止され、その後、遊技再開条件が充足されると非通電エラー検出中状態が解消され遊技が再開可能となる。
図93(A)の状況Q03は、回胴が回転中(ホッパモータ駆動信号はOFF)のときに、非通電状態が発生し、その非通電状態が回胴回転中に解消された場合を示している。この状況Q03では、図示のように、回胴回転中にセンサ信号異常パターンが発生し、その状態が所定時間T01連続した時点で、非通電エラー検出フラグがセットされる。ただし、非通電エラー検出フラグがセットされているか否かの確認(判定)は、回胴回転中は行われず回胴が停止した後のエラー処理において行われる点は状況Q02と同じである。そのため、回胴回転中に非通電状態が解消されても非通電エラー検出フラグがクリアされることはなく、回胴が停止した後のエラー処理において非通電エラー検出フラグがセットされていることが確認されると、非通電エラー検出フラグがクリアされて遊技が停止される。その後、遊技再開条件が充足されると(本例の場合、既に非通電状態は解消されているので、リセットボタンが操作されることにより)非通電エラー検出中状態が解消され遊技が再開可能となる。
なお、回胴回転中に発生した非通電状態が、遊技を停止する前(例えば、回胴回転中)に解消された場合には、遊技を停止することなく遊技を継続するように構成することも可能である。しかし、非通電状態が発生した原因とそれが解消された原因が、不正行為によるものである可能性もあるので、一旦非通電エラーが検出された場合には、必ず遊技を停止するようにし、非通電エラーの発生原因を確認することが好ましい。これにより、不正行為が行われていた場合にそれを発見し易くなる。
図93(B)の状況Q04は、役抽選確率等の設定変更を実行している(ホッパモータ駆動信号はOFF)ときに、非通電状態が発生し、その非通電状態が設定変更の実行中に解消された場合を示している。この状況Q04では、図示のように、設定変更の実行中にセンサ信号異常パターンが発生し、その状態が所定時間T01連続した時点で、非通電エラー検出フラグがセットされる。非通電エラー検出フラグがセットされているか否かの確認(判定)は、設定変更中は行われず、そのため、設定変更中に非通電エラー検出フラグがクリアされることはない。なお、設定変更中は遊技が停止される(図中では、設定変更中であることにより遊技が停止されていることを「遊技停止A」と表記)が、設定変更が終了するとこの遊技停止Aの状態はクリアされる。ただし、本例の場合、設定変更中に非通電エラー検出フラグがセットされたことによって、設定変更が終了しても非通電エラー検出中状態が続いているため、遊技は停止されたままとなる(図中では、非通電エラー検出中状態のために遊技が停止されていることを「遊技停止B」と表記)。設定変更終了後のエラー処理において非通電エラー検出フラグがセットされていることが確認されて非通電エラー検出フラグがクリアされ、その後、遊技再開条件が充足されると非通電エラー検出中状態が解消され遊技が再開可能となる。
非通電エラーが生じた状況下においては、他にも異常が発生することがある。例えば、回胴回転中に非通電エラーが生じたときに、同じようなタイミングで、回胴の回転不良を起こすような異常が生じることもある。そのような回転不良が生じた場合に想定される事態とその対応について以下に説明する。上述の状況Q02,Q03のように、回胴回転中に非通電状態(非通電エラー)が生じ、その際に同じタイミングで回胴の回転不良が発生した場合には、その回転不良が原因で回胴を所期の停止予定位置に停止させることができない事態が発生する虞がある。例えば、入賞確定役が当選したときの遊技において、第3停止操作が受け付けられた後の回胴回転中に非通電エラーが生じ、その際に同じタイミングで回胴回転不良が発生したために、第1回胴と第2回胴においては入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されたが、第3回胴においては入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されなかった場合が挙げられる。この第8形態のスロットマシンでは、第3停止操作が受け付けられた後に非通電エラーが生じ、その非通電エラー発生中に回胴回転不良が発生したために、第3回胴において入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができなくても、遊技メダルの払出しを行えるようになっている。すなわち、第3停止操作が受け付けられた時点で、入賞確定役が成立することが内部的に確定していれば、非通電エラー発生中に発生した回胴回転不良によって実際の停止位置がずれていても、表示判定としては入賞図柄が揃ったものとして遊技者に利益を与えるようになっている。これにより、遊技者が不利益を被ることを防止することが可能となり、かつ遊技の進行を円滑に行うことが可能となる。もちろん、入賞確定役が当選したときの遊技において、第3停止操作が受け付けられる前の回胴回転中に非通電エラーが生じ、その後の第3停止操作が受け付けられた後に回胴回転不良が発生したために、第1回胴と第2回胴においては入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されたが、第3回胴においては入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されなかった場合も、遊技メダルの払出しを行えるようになっている。
入賞確定役以外の役が当選した場合でも同様の制御を行うことができる。例えば、押し順や押し位置によっては成立する入賞役が当選した場合で、第3停止操作を受け付けた時点でその入賞役が成立することが内部的に確定しているときには、その後(その前でもよい)に非通電エラーが生じ、その非通電エラー発生中に回転不良が発生して入賞役図柄を有効ライン上に停止表示させることができなくても遊技メダルの払出しを行うようにしてもよい。一方、第3停止操作を受け付けた時点でその入賞役が成立しないことが内部的に確定したのに、その後(その前でもよい)に非通電エラーが生じ、その非通電エラー発生中に回転不良が発生したことによって入賞役図柄が有効ライン上に停止表示された場合には、遊技メダルの払出しは行わないようにしてもよい。これにより、本来であれば得ることのできない利益を遊技者が不当に得ることを防止することが可能となる。非通電エラーが不正行為によって発生することが多いときに効果的である。
第1停止操作または第2停止操作を受け付けた後に非通電エラーが生じ、その非通電エラー発生中に回転不良が発生した場合についても同様の構成とすることができる。例えば、第2停止操作が受け付けられた後に非通電エラーが生じ、その非通電エラー発生中に回転不良が発生し、第1回胴においては入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されたが、第2回胴においては入賞役図柄を有効ライン上に停止表示されず、その後、非通電状態及び回胴回転不良が解消され(状況Q03の場合)、第3停止操作によって第3回胴において入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されたような場合には、遊技メダルの払出しを行うようにしてよい。同様に、第1停止操作が受け付けられた後に非通電エラーが生じ、その非通電エラー発生中に回転不良が発生し、第1回胴においては入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されず、その後、非通電状態及び回胴回転不良が解消され、第2停止操作及び第3停止操作によって、第2回胴及び第3回胴において入賞役図柄が有効ライン上に停止表示されたような場合には、遊技メダルの払出しを行うようにしてよい。
なお、遊技メダル払出装置630の駆動中(ホッパモータ駆動信号がON)のときに、非通電状態が発生し、非通電エラーとして検出された場合においても、遊技を停止するよようにしてもよい。例えば、遊技メダル払出装置630の駆動中にセンサ信号異常パターンが発生した場合には、その状態が所定時間T02(上記所定時間T01と同じ程度の長さ、あるいはそれ以上の長さとしてもよいし、10ミリ秒程度と短くしてもよい)連続した時点で、非通電エラー検出フラグをセットする。そして、その後の所定のタイミング、例えば、遊技メダルが1枚払い出された直後にエラー処理を行い、そのエラー処理において、非通電エラー検出フラグがセットされているか否かの確認(判定)を行う。ここで、非通電エラー検出フラグがセットされていることが確認されれば、非通電エラー検出フラグをクリアして遊技(遊技メダル払出装置630の駆動)を停止することが挙げられる。
次に、第8形態のスロットマシンで実行される主要な制御処理について、図94を追加参照して説明する。同図(A)〜(C)は、遊技の進行に伴って1回の遊技において1回実行される遊技進行処理(先述の遊技進行制御処理に相当する)の概略的な流れ(説明上必要とする制御ステップのみの流れ)を示し、同図(D)は、スロットマシンの作動中、所定時間(例えば、2ミリ秒程度)ごとに実行される割込処理(先述のタイマ割込処理に相当する)の概略的な流れを示している。
割込処理では、図94(D)に示すように、入力ポートを確認し、入力ポートに入力されていた情報をRAM等の所定の記憶領域に記憶する(L11)。例えば、入力ポートにおける払出センサ1信号、払出センサ2信号のHレベルまたはLレベルの状態を、ON(1)またはOFF(0)の情報として記憶する。次に、エラー番号が記憶されているか否かを判定する(L12)。エラー番号とは、検出されたエラーの種類別に定められた番号であり、エラーが検出されていた場合に、後述のエラー処理において記憶される。
ここで、エラー番号が記憶されている場合には、そのまま割込リターンする。一方、エラー番号が記憶されていない場合には、エラーを検出したか否かを判定する(L13)。エラーの検出は、エラーの種類ごとに異なる。非通電エラーの場合は、払出センサ1信号と払出センサ2信号のON/OFF状態に基づき、センサ信号異常パターンが所定時間T01連続していることが確認されると検出される。エラーが検出されると、エラー検出フラグ(非通電エラーの場合は、非通電エラー検出フラグ)をセットする(L14)。一方、エラーが検出されていない場合には、エラー検出フラグはセットせず割込リターンする。なお、本例では、ステップL12の判定において、任意のエラー番号が記憶されていれば、ステップL13における判定(エラーが検出されたか否かの判定)を行わずに割込リターンするようにしているが、エラーの種類別にエラー番号の有無を判定し、その判定結果に基づきエラーが検出されたか否かの判定を行うようにしてもよい。例えば、非通電エラーに対応したエラー番号の有無を検出し、そのエラー番号が記憶されていれば、非通電エラーが検出されたか否かの判定は行わないが他のエラー(例えば、遊技メダル滞留エラー)が検出されたか否かの判定は行うようにしてもよいし、遊技メダル滞留エラーに対応したエラー番号の有無を検出し、そのエラー番号が記憶されていれば、遊技メダル滞留エラーが検出されたか否かの判定は行わないが別のエラー(例えば、非通電エラー)が検出されたか否かの判定は行うようにしてもよい。
遊技進行処理では、図94(A)に示すように、スタートレバーの操作が有効に受け付けられるまで、エラー処理(K11)が繰り返し実行される。このエラー処理では、図94(B)に示すように、エラー検出フラグがセットされている(ON)か否かを判定する(K21)。エラー検出フラグがONでない場合には、そのままエラー処理を終了してリターンする。一方、エラー検出フラグがONの場合には、検出されたエラーの種類に応じたエラー番号を所定の記憶領域に記憶(セット)する(K22)。例えば、非通電エラー検出フラグがONの場合には、非通電エラーに対し予め対応付けられたエラー番号をセットする。
エラー番号のセット後、非通電エラー検出フラグをクリアする(K23)。その後は、リセットボタンが操作され、かつ、エラー原因が除去されるまで、ステップK24の判定処理(リセットボタンが操作されたか否かの判定処理)、ステップK25の判定処理(エラー原因が除去されたか否かの判定処理)を繰り返す。これにより、エラー処理内に留まり、遊技進行処理の次のステップに進めなくなることから、遊技の進行が停止する。エラー原因が除去されたか否かの判定方法は、エラーの種類ごとに異なる。非通電エラーの場合には、センサ信号異常パターンが解消されたことが確認されるとエラー原因が除去されたと判定する。リセットボタンが操作され、かつ、エラー原因が除去されると、エラー番号をクリアし(K26)、エラー処理からリターンする。
エラー処理からリターンし、スタートレバーの操作が有効に受け付けられると(ステップK12でYESの場合)、役抽選を行う(K13)。役抽選後、全回胴を回転させ(K14)、全回胴の回転が停止するまで、ステップK15の判定処理(全回胴が停止したか否かの判定処理)を繰り返す。なお、回胴回転中は、エラー処理は行わないため、遊技は停止されない。ただし、回胴回転中も割込処理は繰り返し行われ、そこでエラーの検出は行われている(態様の変更例として、回胴回転中もエラー処理を行い、割込処理においてエラーが検出されていた場合には遊技を停止するようにしてもよい)。全回胴が停止すると(ステップK15でYESの場合)、表示判定処理(K16)を行う。
この表示判定処理では、図94(C)に示すように、エラー処理を行う(K31)。ここでのエラー処理において、エラー検出フラグONが確認されると、遊技の進行が停止するのは上記と同様である。すなわち、回胴回転中にエラーが検出(エラー検出フラグがセット)されていても遊技は停止されないが、全回胴が停止すると、回胴回転中のエラー検出に基づいて、遊技が停止される。このエラー処理の後、入賞役が成立したか否かを判定する(K32)。ここでの入賞判定は、上述したように、実際に有効ライン上に停止した図柄により行われるのではなく、役抽選により選出された入賞役の成立が内部的に確定したか否かに基づき行われる。そのため、例えば第3停止操作が受け付けられた後に回胴の回転不良が発生し、それが原因で回胴を所期の停止予定位置に停止させることができない場合でも、内部的に入賞役の成立が確定しているときは、遊技メダルの払出しが行われる。
入賞役が成立したと判定した場合は、成立した入賞役に応じた枚数分の遊技メダルの払出しが終了するまで、ステップK33の判定処理(技メダルの払出しが終了したか否かの判定処理)を繰り返し行い、遊技メダルの払出しが終了すると表示判定処理からリターンする。なお、図示していないが、遊技メダルの払出中も、エラー処理と類似した処理が行われる。具体的には、遊技メダルを1枚払い出す処理(「1枚払出処理」とも称する)の実行中に、エラー検出のための処理(非通電エラーの場合は、払出センサ1信号と払出センサ2信号のON/OFF状態を確認する処理)を繰り返し行い(1枚払出処理中の処理として行ってもよいし、割込処理で行ってもよい)、エラーを検出したとき(非通電エラーの場合は、センサ信号異常パターンが所定時間T02連続したことを確認したとき)には、エラー処理のステップK22以降の処理を実行する。そのため、遊技メダルの払出中にエラーが検出されたときも、遊技(遊技メダルの払出し)が停止されることになる。
このような第8実施形態のスロットマシンによれば、払出センサ1信号と払出センサ2信号とのON、OFFのパターンに基づき非通電エラーを検出するように構成されており、非通電エラーを検出した場合には、遊技を停止するようになっている。そのため、非通電エラーが発生した状況下で遊技が進められてしまって、払い出されるはずの遊技メダルが払い出されずに、遊技者が不利益を被るといった事態が生じることを確実に防止することが可能となる。また、不正行為が行われたことにより非通電エラーが一時的に発生したような場合でも遊技を停止することが可能に構成されているので、遊技メダルが不正に取得されて、遊技店が不利益を被るといった事態が生じることを防止することも可能となる。
以上説明した第8実施形態では、2個の払出センサ631,632を用い、これらからの払出センサ1信号と払出センサ2信号のパターンが、センサ信号異常パターンであることに基づき、非通電エラーの発生を検出している。また、遊技メダルの払出しを行うときの払出センサ1信号と払出センサ2信号のパターンの遷移状態(遷移するときの所要時間等)を検出することにより、遊技メダルが詰まったことや払い出す遊技メダルが無くなったことなども的確に検出することが可能である。なお、検出に用いる払出センサの設置数や具体的な構成、センサ信号のパターン等は、上述した例に限定されるものではなく適宜変更可能である。
例えば、上述の例では、払出センサ1信号がOFFで払出センサ2信号がONのパターンをセンサ信号異常パターンとしているが、払出センサ1信号がONで払出センサ2信号がOFFのパターンをセンサ信号異常パターンとしたり、払出センサ1信号も払出センサ2信号もOFFのパターンをセンサ信号異常パターンとしたりする(これらの場合、払出センサ1信号がOFFで払出センサ2信号がONのパターンはセンサ信号正常パターンとする)ことも可能である。要は、非通電エラーが発生していないときのパターンと非通電エラーが発生しているときのパターンとが異なるのであれば、個々のパターンはどのようなものであってもよい。払出センサとしては、反射型のフォトセンサを用いてもよいし、揺動遮光体の構成も適宜設定する(例えば、同時に2個の払出センサを遮光する状態が生じるような構成とする)ことが可能である。
また、払出センサを1個のみ設置し(例えば、払出センサ632のみ設置し)、これで非通電エラーを検出するように構成してもよい。1個の払出センサを用いる場合は、例えば、その払出センサからの信号(払出センサ2信号)が、ホッパモータ未駆動のときは常時OFF(払出センサ2信号レベルがL)、ホッパモータ駆動中はOFFからON、ONからOFFに順次切り替わるように構成し、それが、ホッパモータ未駆動のときに所定時間以上ONとなれば、非通電エラーが発生していると検出し、ホッパモータ駆動中に所定時間以上ONまたはOFFのままであれば、それぞれ遊技メダルが詰まったまたは遊技メダルが無くなったと検出するようにしてもよい。なお、例えば、払出センサ631のみ設置してもよい。また、3個以上の払出センサを用いてエラー検出を行うように構成することも可能である。
また、上述の例では、エラー原因が除去されていなければ、エラー処理を終了できないようになっている(図94(B)のステップK25を参照)が、エラー原因が除去されていなくても、リセットボタンが操作されれば、エラー処理が終了して遊技が再開可能となるようにしてもよい。ただし、エラー原因が除去されずにエラー処理を終了した場合には、遊技再開後、再びエラーが検出され、再び遊技が停止されるように構成することが好ましい。
また、上述の例では、主制御基板610と遊技メダル払出装置630とが、1つの中継基板620を介して電気的に接続される構成と、中継基板を介さずにハーネスやドロワコネクタにより直接電気的に接続される構成を示しているが、複数の中継基板を介して主制御基板610と遊技メダル払出装置630とが電気的に接続される構成としてもよい。また、主制御基板610においてプルアップ(プルダウン)するのではなく、中継基板においてプルアップする構成としてもよい。
上述した第8実施形態の構成は、本明細書に記載する別の実施形態の構成と適宜組合せて用いることが可能である。また、第8実施形態は、スロットマシン(回胴式遊技機)に適用が限定されるものではなく、遊技媒体を払い出す装置を備えた構成のものであれば、他の遊技機、例えば、ぱちんこ遊技機やカジノマシン等に対しても適用することが可能である。
《第9実施形態》
次に、第9実施形態に係るスロットマシン(以下「第9形態のスロットマシン」とも称する)について、具体的には、主制御基板が収容される主基板ケースについて、図95〜図104を追加参照しながら説明する。第9実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成については、第1実施形態に係るスロットマシンと同様であるため、図示および説明を省略する。
第9形態のスロットマシンでは、図95に示すように、主制御基板710が主基板ケース720に収容されてユニット化された主基板ケースユニット700を備えている。このように、主基板ケースユニット700は、主制御基板710と、主制御基板710を収容する主基板ケース720とを主体に構成される。主制御基板710は、図96に示すように、CPU機能を備えたマイクロプロセッサ712、複数のIC素子(図示せず)、複数の抵抗器(図示せず)等の電子部品と、電気コネクタ713等の電気部品と、これらが実装されるプリント基板711とから構成される。なお、主基板ケースユニット700は、マイクロプロセッサ712等が実装されたプリント基板711の実装面が前方を向く(前面となる)ように、本体筐体内の上部(背板(図示せず)の上部内面)に設けられたブラケット部材(図示せず)に取り付けられる。
マイクロプロセッサ712は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を搭載したICチップが、直方体状のパッケージ本体内に封入されて構成されたワンチップ型のマイコンである。マイクロプロセッサ712の表面には、対応するスロットマシンの型式名(もしくは製品名)が記載された型式表示シール716が貼り付けられる。また、プリント基板711の外周側には、複数の電気コネクタ713,713…が実装される。プリント基板711の四隅には、基板固定ネジ786(図95を参照)を挿通さることが可能なネジ穴714が形成される。
主基板ケース720は、図95に示すように、ケース本体721と、ケース蓋741とを有し、ケース本体721とケース蓋741とを結合させて形成されるケース内部に主制御基板710を収納可能に構成されている。ケース本体721は、図97に示すように、ABS樹脂等の透明の樹脂材料を用いて、成型加工により、前側が開口した矩形箱状に形成される。ケース本体721の下部に、3つのヒンジ係合片部722,722,722が形成される。ヒンジ係合片部722には、ケース蓋741の下部に形成されたヒンジ軸部(図示せず)が回転自在に係合するようになっている。ケース蓋741のヒンジ軸部(図示せず)がケース本体721のヒンジ係合片部722と係合した状態で、ケース蓋741がケース本体721に対して揺動可能に連結される。
ケース本体721の左右の上部に、第1本体側結合部723および第2本体側結合部724が形成される。第1本体側結合部723は、上下方向に延びる蟻溝状に形成される。第1本体側結合部723には、第1かしめ部材761の第1ベース部762(図99を参照)が下方から挿入されて係合するようになっている。第2本体側結合部724も、上下方向に延びる蟻溝状に形成される。第2本体側結合部724には、第2かしめ部材766の第2ベース部767(図99を参照)が下方から挿入されて係合するようになっている。ケース本体721の左上端部に、本体側仮係合部725が形成される。本体側仮係合部725は、前後方向に延びる有底の円筒状に形成される。本体側仮係合部725には、主基板ケースユニット700を回収する際、使用済みの(切断された)第1かしめ部材761(もしくは第2かしめ部材766)の第1筒状部763(もしくは第2筒状部768)を係合させることができるようになっている。ケース本体721の中央上部左側に、封印カバー781によって封印される本体側封印部726が形成される。ケース本体721の中央上部右側に、ケース本体721と結合した状態のケース蓋741の蓋側隣接面部751に隣接する平面状の本体側隣接面部731が形成される。
本体側隣接面部731には、本体側機種名刻印部732と、本体側機種別番号刻印部734とが、本体側隣接面部731の平面部分よりも前方に突出して形成される(図102も参照)。本体側機種名刻印部732は、本体側隣接面部731の下部に配置され、対応するスロットマシンの製品ロゴ(機種名)の上斜め半分を示す刻印形状を有して形成される。少なくとも、製品ロゴの上斜め半分を形成する本体側機種名刻印部732の前端部が、本体側隣接面部731の平面部分よりも前方に突出して形成される。本体側機種名刻印部732の前端部より凹んだ部分は、刻印形状に応じて、本体側隣接面部731の平面部分よりも前方に突出する場合もあれば、本体側隣接面部731の平面部分と同じ高さになる場合もあれば、本体側隣接面部731の平面部分よりも凹む場合もある。なお、本体側機種名刻印部732の表面(前面)は、全体的に、緩やかに湾曲した曲面状に形成されてもよい。本体側機種名刻印部732における製品ロゴの文字等を構成しない中間部分に、本体側シボ形成部733が形成される。本体側シボ形成部733は、皺状の凹凸形状を有して形成される。なお、本体側シボ形成部733の凹凸形状は微細であるため、図97、図101、図103において模式的に示している。本体側機種別番号刻印部734は、本体側隣接面部731の中間部(本体側機種名刻印部732の上方)に配置され、主基板ケースユニット700の(例えば、数字とアルファベットの組み合わせからなる)機種別管理番号を示す刻印形状を有して形成される。
ケース蓋741は、図98に示すように、ABS樹脂等の透明の樹脂材料を用いて、成型加工により、後側が開口した矩形蓋状に形成される。ケース蓋741の下部に、ケース本体721の3つのヒンジ係合片部722,722,722と係合可能な3つのヒンジ軸部(図示せず)が形成される。ケース蓋741の後側の四隅に、主制御基板710(プリント基板711)のネジ穴714と位置整合する基板固定穴(図示せず)が形成される。基板固定ネジ786を主制御基板710のネジ穴714に挿通させてケース蓋741の基板固定穴(図示せず)にネジ固定することで、主制御基板710がケース蓋741の後側(内面側)に取り付けられる。
ケース蓋741の左右の上部に、第1蓋側結合部743および第2蓋側結合部744が形成される。第1蓋側結合部743は、前後方向に延びる有底の二重の筒状に形成される。第1蓋側結合部743(内筒側)には、第1かしめ部材761の第1筒状部763(図99を参照)が係合するようになっている。第2蓋側結合部744も、前後方向に延びる有底の二重の筒状に形成される。第2蓋側結合部744(内筒側)には、第2かしめ部材766の第2筒状部768(図99を参照)が係合するようになっている。ケース蓋741の左上端部に、蓋側仮係合部745が形成される。蓋側仮係合部745は、前後方向に延びる有底の円筒状に形成される。蓋側仮係合部745には、主基板ケースユニット700を回収する際、使用済みの(切断された)第1かしめ部材761(もしくは第2かしめ部材766)の第1筒状部763(もしくは第2筒状部768)を係合させることができるようになっている。ケース蓋741の中央上部左側に、本体側封印部726とともに封印カバー781によって封印される蓋側封印部746が形成される。ケース蓋741の中央上部右側に、ケース蓋741と結合した状態のケース本体721の本体側隣接面部731に隣接する平面状の蓋側隣接面部751が形成される。
蓋側隣接面部751には、蓋側機種名刻印部752と、蓋側機種別番号刻印部754とが、蓋側隣接面部751の平面部分よりも前方に突出して形成される(図102も参照)。蓋側機種名刻印部752は、蓋側隣接面部751の上部に配置され、対応するスロットマシンの製品ロゴ(機種名)の下斜め半分を示す刻印形状を有して形成される。少なくとも、製品ロゴの下斜め半分を形成する蓋側機種名刻印部752の前端部が、蓋側隣接面部751の平面部分よりも前方に突出して形成される。蓋側機種名刻印部752の前端部より凹んだ部分は、刻印形状に応じて、蓋側隣接面部751の平面部分よりも前方に突出する場合もあれば、蓋側隣接面部751の平面部分と同じ高さになる場合もあれば、蓋側隣接面部751の平面部分よりも凹む場合もある。なお、蓋側機種名刻印部752の表面(前面)は、全体的に、緩やかに湾曲した曲面状に形成されてもよい。蓋側機種名刻印部752における製品ロゴの文字等を構成しない中間部分に、蓋側シボ形成部753が形成される。蓋側シボ形成部753は、皺状の凹凸形状を有して形成される。なお、蓋側シボ形成部753の凹凸形状は微細であるため、図98、図101、図103において模式的に示している。蓋側機種別番号刻印部754は、蓋側隣接面部751の中間部(蓋側機種名刻印部752の下方)に配置され、主基板ケースユニット700の(例えば、数字とアルファベットの組み合わせからなる)機種別管理番号を示す刻印形状を有して形成される。
ケース本体721とケース蓋741とが結合すると、図101および図103に示すように、本体側隣接面部731と蓋側隣接面部751とが隣接するとともに、本体側機種名刻印部732と蓋側機種名刻印部752とが隣接して、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752により対応するスロットマシンの製品ロゴを示す一体的な刻印が形成されるようになっている。ケース本体721とケース蓋741とが結合して、本体側隣接面部731と蓋側隣接面部751とが隣接する状態で、図103に示すように、レーザーマーキングにより、本体側隣接面部731と蓋側隣接面部751とに跨って複数のマーキング部(以降、説明のため、図103の左側から順に第1〜第10マーキング部755A〜755Jと称する)が左右方向に並んで形成される。第1〜第10マーキング部755A〜755Jの各形状は、0〜9までの数字のうちいずれかの形状を任意に設定可能であり、第1〜第10マーキング部755A〜755Jによって10桁の数字を印字可能に構成される。なお、第1〜第10マーキング部755A〜755Jは、各形状を任意に設定可能であるため、図103において簡略化して図示する。
第1〜第10マーキング部755A〜755Jのうち、第2〜第8マーキング部755B〜755Hは、本体側機種名刻印部732と蓋側機種名刻印部752とに跨って重なるように形成されるが、(対応する)スロットマシンの製品ロゴを示す一体的な刻印と異なる印形状(数字の形状)を有している。そのため、例えば第1〜第10マーキング部755A〜755Jを視認したときに、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752による一体的な刻印と、第1〜第10マーキング部755A〜755Jによる10桁の数字とを判別して認識することが可能である。
なお、レーザーマーキングにより、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752における第2〜第8マーキング部755B〜755Hが形成される部分は削られる。そのため、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752に手で触ることで、(少なくとも前端部が)本体側隣接面部731および蓋側隣接面部751の平面部分よりも前方に突出して形成された本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752と、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752に削られて(凹んで)形成された第2〜第8マーキング部755B〜755Hとが、正規のものであることを認識することができる。仮に、レーザーマーキングのみによって、各機種名刻印部およびマーキング部と同様の形状の部分を本体側隣接面部および蓋側隣接面部に形成し、主基板ケースユニットを不正に複製したとしても、レーザーマーキングにより、各機種名刻印部に相当する部分が本体側隣接面部および蓋側隣接面部に削られて(凹んで)形成される。そのため、各機種名刻印部に相当する部分に手で触れることで、当該部分(すなわち、主基板ケースユニット)が不正に複製されたものであることを認識することができる。
ケース蓋741の前面中央部に、かしめ使用記録シール784(図95を参照)が貼り付けられるシール貼り付け部747が形成される。シール貼り付け部747は、かしめ使用記録シール784の外周形状に合わせた矩形の窪み形状に形成される。かしめ使用記録シール784は、主基板ケース720を封印した日付等(以降、かしめ使用記録と称する場合がある)を記入するための表が印刷された、透明のシート状に形成される。
また、ケース蓋741の各部には、主制御基板710に設けられた電気コネクタ713を露出させるコネクタ露出部748が複数形成される。ケース蓋741の右端部には、主基板ケースユニット700(主基板ケース720)を本体筐体内のブラケット部材(図示せず)に結合するためのブラケット結合部749が形成される。
なお、主制御基板710のプリント基板711上に実装された、マイクロプロセッサ712、複数のIC素子(図示せず)等といった電気コネクタを除く各電子部品は、主制御基板710が主基板ケース720のケース内部に収容された状態で、ケース蓋741に覆われるようになっている。前述したように、ケース本体721およびケース蓋741は、透明の樹脂材料を用いて形成されており、ケース蓋741の外側から、マイクロプロセッサ712、複数のIC素子(図示せず)等を視認可能に構成されている。そして、ケース蓋741の前面におけるマイクロプロセッサ712と重ならない部分に、前述のシール貼り付け部747が形成される。これにより、(シール貼り付け部747に貼り付けられた)かしめ使用記録シール784に遮られることなく、ケース蓋741を介してマイクロプロセッサ712に対して不正が行われていないか否かを確認することができる。また、かしめ使用記録シール784に遮られることなく、ケース蓋741を介して(マイクロプロセッサ712に貼り付けられた)型式表示シール716に記載のスロットマシンの型式名(もしくは製品名)を確認することができる。
第1かしめ部材761は、図99に示すように、ABS樹脂等の(有色の)樹脂材料を用いて、成型加工によりブロック状に形成されており、後方側に形成された略直方体状の第1ベース部762と、前方側に形成された円筒状の第1筒状部763とを有している。第1ベース部762は、第1本体側ガード部材771を被せた状態で、ケース本体721の第1本体側結合部723と係合するようになっている。第1本体側ガード部材771は、金属板材を用いて、第1ベース部762の周囲を覆う箱状に形成される。第1ベース部762の側部に形成された係止爪762aが第1本体側ガード部材771の側部に形成された係止穴771aに係止することで、第1ベース部762に第1本体側ガード部材771を被せた状態が保持される。金属製の第1本体側ガード部材771が第1ベース部762の周囲を覆うことで、ケース本体721の第1本体側結合部723と係合した第1ベース部762に対する不正なアクセスを防止することができる。
第1筒状部763は、第1蓋側ガード部材776(図95を参照)に周囲が覆われた状態で、ケース蓋741の第1蓋側結合部743と係合するようになっている。第1蓋側ガード部材776は、図95および図100(B)に示すように、金属板材を用いて矩形枠状に形成され、ケース蓋741において二重の筒状に形成された第1蓋側結合部743における内外の筒同士の間隙部に取り付けられる。金属製の第1蓋側ガード部材776が第1筒状部763の周囲を覆うことで、ケース蓋741の第1蓋側結合部743と係合した第1筒状部763に対する不正なアクセスを防止することができる。
第2かしめ部材766は、図99に示すように、第1かしめ部材761と同様に形成されており、第2ベース部767と、第2筒状部768とを有している。第2ベース部767は、第2本体側ガード部材772を被せた状態で、ケース本体721の第2本体側結合部724と係合するようになっている。第2本体側ガード部材772は、第1本体側ガード部材771と同様に形成される。第2ベース部767の側部に形成された係止爪767aが第2本体側ガード部材772の側部に形成された係止穴772aに係止することで、第2ベース部767に第2本体側ガード部材772を被せた状態が保持される。金属製の第2本体側ガード部材772が第2ベース部767の周囲を覆うことで、ケース本体721の第2本体側結合部724と係合した第2ベース部767に対する不正なアクセスを防止することができる。
第2筒状部768は、第2蓋側ガード部材777(図95を参照)に周囲が覆われた状態で、ケース蓋741の第2蓋側結合部744と係合するようになっている。第2蓋側ガード部材777は、図95および図100(B)に示すように、第1蓋側ガード部材776と同様に形成され、ケース蓋741において二重の筒状に形成された第2蓋側結合部744における内外の筒同士の間隙部に取り付けられる。金属製の第2蓋側ガード部材777が第2筒状部768の周囲を覆うことで、ケース蓋741の第2蓋側結合部744と係合した第2筒状部768に対する不正なアクセスを防止することができる。
第1かしめ部材761の第1ベース部762とケース本体721の第1本体側結合部723とが係合するとともに、第1かしめ部材761の第1筒状部763とケース蓋741の第1蓋側結合部743とが係合することで、ケース本体721の第1本体側結合部723とケース蓋741の第1蓋側結合部743とが結合する。第2かしめ部材766の第2ベース部767とケース本体721の第2本体側結合部724とが係合するとともに、第2かしめ部材766の第2筒状部768とケース蓋741の第2蓋側結合部744とが係合することで、ケース本体721の第2本体側結合部724とケース蓋741の第2蓋側結合部744とが結合する。このように、第1かしめ部材761および第2かしめ部材766を用いて、ケース本体721の第1本体側結合部723および第2本体側結合部724と、ケース蓋741の第1蓋側結合部743および第2蓋側結合部744とを結合させることにより、ケース蓋741が主制御基板710を覆うようにケース本体721に結合される。さらに、(結合した)ケース蓋741をケース本体721に対して固定するためのケース固定ネジ787(図95を参照)が、ケース本体721とケース蓋741とに跨って取り付けられるようになっている。
封印カバー781は、図100(A)に示すように、ABS樹脂等の透明の樹脂材料を用いて、成型加工により、ケース本体721の本体側封印部726およびケース蓋741の蓋側封印部746を封印可能な箱状に形成される。ケース本体721とケース蓋741とが結合した状態で、上下に隣り合う本体側封印部726と蓋側封印部746とに跨って封印シール783が貼り付けられる。封印カバー781は、この封印シール783を覆うように、本体側封印部726の上方から下方にスライド移動することで、本体側封印部726および蓋側封印部746に取り付けられるようになっている。本体側封印部726および蓋側封印部746に取り付けられた封印カバー781には、先端側に切断部を有するカッター部材782が装着され、カッター部材782の切断部が封印カバー781の内部に配置されるようになっている。そのため、封印カバー781を上方にスライド移動させて取り外すときには、このカッター部材782の切断部により封印シール783が切断されるようになっている。
以上のように構成される主基板ケースユニット700の製造方法について、図104のフローチャートを参照して説明する。まず、主基板ケースユニット700を構成する各部品を作製する部品作製工程PC11を実施する。この部品作製工程PC11において、例えば、成型加工により、前述のヒンジ係合片部722、第1本体側結合部723、第2本体側結合部724、本体側仮係合部725、本体側封印部726、本体側隣接面部731、本体側機種名刻印部732および本体側機種別番号刻印部734等を有するように、ケース本体721を作製する。また、成型加工により、前述のヒンジ軸部(図示せず)、第1蓋側結合部743、第2蓋側結合部744、蓋側仮係合部745、蓋側封印部746、シール貼り付け部747、コネクタ露出部748、ブラケット結合部749、蓋側隣接面部751、蓋側機種名刻印部752および蓋側機種別番号刻印部754等を有するように、ケース蓋741を作製する。
ケース本体721の本体側機種名刻印部732および本体側機種別番号刻印部734は、対応するスロットマシンの型式(機種)に応じてその形状が変更される。主基板ケースユニット700の製造コストを考慮すると、スロットマシンの機種が変わるごとに、主基板ケースユニット700の形状等を全体的に変更することは難しい。一方、不正対策を考慮すると、スロットマシンの機種が変わるごとに、主基板ケースユニット700の形状等を一部だけでも変更することが好ましい。そのため、ケース本体721の成形型において、本体側機種名刻印部732および本体側機種別番号刻印部734が形成される本体側隣接面部731に対応する部分に、入れ子が用いられる。同様に、ケース蓋741の蓋側機種名刻印部752および蓋側機種別番号刻印部754も、対応するスロットマシンの型式に応じてその形状が変更される。そのため、ケース蓋741の成形型において、蓋側機種名刻印部752および蓋側機種別番号刻印部754が形成される蓋側隣接面部751に対応する部分に、入れ子が用いられる。なお、本体側機種別番号刻印部734および蓋側機種別番号刻印部754が示す機種別管理番号は、成形型の入れ子を管理するための番号である。本体側隣接面部731は、ケース本体721の前面の一部に形成されるが、図95、図97、図101、図103の各図において、ケース本体721の前面において成形型の入れ子の部分によって形成される部分を、本体側隣接面部731に該当する部分として二点鎖線で示している。蓋側隣接面部751は、ケース蓋741の前面の一部に形成されるが、図95、図98、図101、図103の各図において、ケース蓋741の前面において成形型の入れ子の部分によって形成される部分を、蓋側隣接面部751に該当する部分として二点鎖線で示している。
また例えば、成型加工により、第1かしめ部材761と、第2かしめ部材766と、封印カバー781と、カッター部材782等を作製する。また、マイクロプロセッサ712、複数のIC素子(図示せず)、複数の抵抗器(図示せず)、複数の電気コネクタ713,713…等を、半田付け等によりプリント基板711の実装面上に実装することで、主制御基板710を作製する。
次に、主基板ケースユニット700を組み立てる組立工程PC12を実施する。この組立工程PC12において、第1かしめ部材761の第1ベース部762を、第1本体側ガード部材771を被せた状態で、ケース本体721の第1本体側結合部723と係合させる。第2かしめ部材766の第2ベース部767を、第2本体側ガード部材772を被せた状態で、ケース本体721の第2本体側結合部724と係合させる。基板固定ネジ786を用いて、主制御基板710をケース蓋741の後側に取り付ける。第1蓋側ガード部材776を、ケース蓋741の第1蓋側結合部743における内外の筒同士の間隙部に取り付ける。第2蓋側ガード部材777を、ケース蓋741の第2蓋側結合部744における内外の筒同士の間隙部に取り付ける。
この状態で、ケース蓋741のヒンジ軸部(図示せず)をケース本体721のヒンジ係合片部722と係合させ、ケース本体721の前側を覆うようにケース蓋741を揺動させる。このとき、第1かしめ部材761の第1ベース部762とケース本体721の第1本体側結合部723とが係合した状態で、第1かしめ部材761の第1筒状部763とケース蓋741の第1蓋側結合部743とが係合することで、ケース本体721の第1本体側結合部723とケース蓋741の第1蓋側結合部743とが結合する。第2かしめ部材766の第2ベース部767とケース本体721の第2本体側結合部724とが係合した状態で、第2かしめ部材766の第2筒状部768とケース蓋741の第2蓋側結合部744とが係合することで、ケース本体721の第2本体側結合部724とケース蓋741の第2蓋側結合部744とが結合する。
これにより、ケース本体721とケース蓋741とが結合して、ケース内部に主制御基板710が収容される。ケース本体721とケース蓋741とが結合すると、前述したように、本体側隣接面部731と蓋側隣接面部751とが隣接するとともに、本体側機種名刻印部732と蓋側機種名刻印部752とが隣接して、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752により対応するスロットマシンの製品ロゴを示す一体的な刻印が形成される。
さらに、ケース固定ネジ787を用いて、ケース蓋741をケース本体721に対して固定する。また、ケース本体721とケース蓋741とが結合した状態で、上下に隣り合う本体側封印部726と蓋側封印部746とに跨って封印シール783を貼り付ける。この封印シール783を覆うように、封印カバー781を本体側封印部726の上方から下方にスライド移動させて、本体側封印部726および蓋側封印部746に取り付ける。本体側封印部726および蓋側封印部746に取り付けられた封印カバー781に、カッター部材782を装着する。封印カバー781によって、封印シール783が貼り付けられた本体側封印部726および蓋側封印部746が封印される。また、ケース蓋741のシール貼り付け部747に、かしめ使用記録シール784を貼り付ける。このようにして、主基板ケースユニット700が組み立てられる。
そして、組み立てた主基板ケースユニット700に対してレーザーマーキングを行うマーキング工程PC13を実施する。このマーキング工程PC13において、CO2レーザー加工機を用いたレーザーマーキングにより、本体側隣接面部731と蓋側隣接面部751とに跨って第1〜第10マーキング部755A〜755Jを形成する。第1〜第10マーキング部755A〜755Jによって印字される10桁の数字として、例えば、主基板ケースユニット700の製造管理番号が設定される。なおこのとき、カメラ等の所定の読み取り機(図示せず)により、本体側機種別番号刻印部734の示す機種別管理番号と、蓋側機種別番号刻印部754の示す機種別管理番号とを読み取って、読み取った各機種別管理番号が正規の機種別管理番号であることを確認した後に、レーザーマーキングを開始するようにしてもよい。これにより、誤った組み合わせのケース本体721およびケース蓋741に対してレーザーマーキングが行われることを防止することができる。また、本体側機種別番号刻印部734の示す機種別管理番号と、蓋側機種別番号刻印部754の示す機種別管理番号とを読み取って、レーザーマーキングを行う際、第1〜第10マーキング部755A〜755Jによって印字される数字のフォント(書体)を、対応する機種別管理番号ごとに異なるフォント(書体)となるように設定してもよい。
本実施形態によれば、ケース本体721は、本体側隣接面部731に前方に突出して形成された本体側機種名刻印部732を有して、成型加工により作製され、ケース蓋741は、蓋側隣接面部751に前方に突出して形成された蓋側機種名刻印部752を有して、成型加工により作製される。そして、ケース本体721とケース蓋741とが結合して、ケース内部に主制御基板710が収容され、本体側隣接面部731と蓋側隣接面部751とが隣接する状態で、本体側機種名刻印部732と蓋側機種名刻印部752とが隣接して一体的な刻印(例えば、スロットマシンの製品ロゴを示す一体的な刻印)が形成される。このようにすれば、一体的な刻印を形成する本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752の前端部が本体側隣接面部731および蓋側隣接面部751に対して前方に突出するため、切削加工により本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752を形成することが困難になり、ケース本体721およびケース蓋741の複製に手間が掛かる。
さらに、レーザーマーキングにより、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752による一体的な刻印と異なる印形状(数字の形状)を有するマーキング部(第2〜第8マーキング部755B〜755H)が、本体側機種名刻印部732と蓋側機種名刻印部752とに跨って形成される。これにより、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752の表面形状が複雑になって、ケース本体721およびケース蓋741の複製に手間が掛かるため、主基板ケースユニット700の不正な複製を防止することができる。
例えば、レーザーマーキングのみによって、各機種名刻印部およびマーキング部と同様の形状の部分が形成されている場合、当該部分を含む主基板ケースユニットを比較的容易に複製することができる。一方、上述のように本体側機種名刻印部732と蓋側機種名刻印部752とに跨ってマーキング部(第2〜第8マーキング部755B〜755H)が形成された基板ケースユニット700を完璧に複製するには、本実施形態と同じ製造工程(具体的には、本体側機種名刻印部732を有するように成型加工によりケース本体721を作製する工程と、蓋側機種名刻印部752を有するように成型加工によりケース蓋741を作製する工程と、レーザーマーキングによりマーキング部を形成する工程)を経なければならない。また、レーザーマーキングにより、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752におけるマーキング部(第2〜第8マーキング部755B〜755H)が形成される部分は削られるため、本実施形態と同じ製造工程と経たとしても、レーザーマーキングによりマーキング部が形成された本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752を完璧に再現することは非常に困難である。
また、成型加工により、本体側機種名刻印部732の中間部分に、皺状の凹凸形状を有する本体側シボ形成部733が形成され、蓋側機種名刻印部752の中間部分に、皺状の凹凸形状を有する蓋側シボ形成部753が形成される。これにより、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752の表面形状がより複雑になって、ケース本体721およびケース蓋741の複製に手間が掛かるため、主基板ケースユニット700の不正な複製を防止することができる。なお、3Dプリンタを用いてケース本体721およびケース蓋741を複製しようとしても、皺状の凹凸形状を有する本体側シボ形成部733および蓋側シボ形成部753を形成することが困難である(一般的に、3Dプリンタを用いて本体側シボ形成部733および蓋側シボ形成部753を形成しようとしても、皺状の凹凸形状を形成することができずに、表面が滑らかになってしまう)ため、本体側機種名刻印部732および蓋側機種名刻印部752(本体側シボ形成部733および蓋側シボ形成部753)の形状を確認することにより、不正に複製された主基板ケースユニットを容易に発見することができる。
上述の第9実施形態において、本体側機種名刻印部732の中間部分に、皺状の凹凸形状を有する本体側シボ形成部733が形成され、蓋側機種名刻印部752の中間部分に、皺状の凹凸形状を有する蓋側シボ形成部753が形成されているが、これに限られるものではない。例えば、本体側機種名刻印部732の表面(前面)全体および蓋側機種名刻印部752の表面全体が皺状の凹凸を有して形成されてもよく、本体側機種名刻印部732の表面および蓋側機種名刻印部752の表面における少なくとも一部が、皺状の凹凸を有して形成されていればよい。
上述の第9実施形態において、ケース本体721の本体側隣接面部731に、本体側機種名刻印部732および本体側機種別番号刻印部734が形成され、ケース蓋741の蓋側隣接面部751に、蓋側機種名刻印部752および蓋側機種別番号刻印部754が形成されているが、これに限られるものではなく、本体側隣接面部731および/もしくは蓋側隣接面部751に、基板ケースユニットの製造業者を示す製造業者刻印部が形成されてもよい。
上述の第9実施形態において、第1〜第10マーキング部755A〜755Jの各形状は、0〜9までの数字のうちいずれかの形状を任意に設定可能であるが、これに限られるものではない。例えば、第1〜第10マーキング部755A〜755Jの各形状は、A〜Zまでのアルファベットのうちいずれかの形状を任意に設定可能であってもよく、0〜9までの数字およびA〜Zまでのアルファベットのうちいずれかの形状を任意に設定可能であってもよい。
上述の第9実施形態において、CO2レーザー加工機を用いたレーザーマーキングにより、各マーキング部755A〜755Jが形成されているが、これに限られるものではない。例えば、ケース本体721およびケース蓋741がポリカーボネート等の透明の樹脂材料を用いて作製される場合には、YVO4レーザー加工機を用いたレーザーマーキングにより、各マーキング部755A〜755Jが形成されるようにしてもよい。YVO4レーザー加工機を用いる場合、各マーキング部755A〜755Jは、ケース本体721(本体側隣接面部731)およびケース蓋741(蓋側隣接面部751)における他の部分に対して変色する。この場合、主制御基板710のマイクロプロセッサ712等の視認性を確保するため、(ケース本体721および)ケース蓋741の前面におけるマイクロプロセッサ712から十分離れた部分に、各マーキング部755A〜755Jが形成されるようにすることが好ましい。マイクロプロセッサ712から十分離れた部分として、例えば、ケース蓋741の前面におけるマイクロプロセッサ712と重ならない部分等、(ケース本体721および)ケース蓋741の前面における、マイクロプロセッサ712の視認性を妨げない程度に十分離れた部分が挙げられる。
上述の第9実施形態において、ケース本体721とケース蓋741とが結合して形成されるケース内部に、主制御基板710が収容されるように構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、第4実施形態の主制御基板600が収容されるように構成されてもよい。また、主制御基板710が主基板ケース720に収容されてユニット化された主基板ケースユニット700に限らず、副制御基板が副基板ケースに収容されてユニット化された副基板ケースユニットに対しても、本実施形態を適用することが可能である。また、スロットマシン(回胴式遊技機)に限らず、例えば、ぱちんこ遊技機、アレンジボール、雀球遊技機、(アーケード)ゲームマシン、カジノマシン等における、制御基板が基板ケースに収容されてユニット化された基板ケースユニットに対しても、本実施形態を適用することが可能である。