JP6958811B2 - 油劣化センサ - Google Patents

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本発明は、油の劣化を粘度の変化を介して検出する油劣化センサに関するものである。
油等の液体の状態を検出する装置として、粘度を計測するセンサがある。特許文献1には、液体からの粘性応力を受ける構造体が二重渦巻き構造を有する粘度計であって、二重渦巻き構造の一方は固定され、二重渦巻き構造の他方は渦巻きの中心軸に平行な方向に可動とし、アクチュエータにより渦巻きの中心軸に平行な方向に移動させることにより、二つの渦巻き構造のギャップの液体から粘性応力を受けることで、可動する渦巻構造の運動がダンピングを受けて変化することを利用した粘度計が記載されている。また、特許文献2には、液体中で強制加振される振動体と、その強制振動体とわずかな間隙を介して設置されたもう一つの振動体である感力体を用いて、強制振動体の運動で生じた粘性応力で感力体が連動して変位するのを測定することで、間隙の液体の粘度を測定できる粘度計が記載されている。
特許第5483112号公報 特許第5483113号公報
特許文献1および2に記載の装置は、液体の粘度を計測することができる。しかしながら、液体の粘度は、温度依存性があり、温度で大きく変動するため、測定環境の温度が変動したり、センサ周辺に温度分布が存在したりする場合には、特定の温度における粘度を正確に測定することができない。そのため、センサタイプでない通常の粘度計で、正確に粘度を測定したい場合には、循環恒温水槽などを用いて温度を一定にした環境下で測定すべきであることが知られている。しかし、油を利用する機器の運転中に粘度を計測するため、機器に直接、油劣化センサを設置する場合などのように、センサの設置環境は、粘度の計測のために温度を一定に保つことができない状況が多い。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、種々の状況で油の劣化を計測することができる油劣化センサを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明は、油劣化センサ(油劣化検出センサ)であって、油を供給する供給路が形成された供給板と、2重の渦巻形状が形成され、2重の渦巻形状の一方に磁石が設けられ、前記溝を通過する油の粘度に応じて振動特性が変化する計測部を有し、前記供給路と連通した空間に設けられた計測チップと、前記計測チップの前記供給板と反対側に配置され、前記計測チップを通過した油を排出する排出板と、前記排出板側で前記計測チップと対面して配置され、前記計測チップを振動させる電磁石と、前記2重の渦巻形状の振動を計測する計測部と、前記計測チップを流れる油を加熱し、前記油の温度を調整する温度調整部と、を有することを特徴とする。
また、前記供給板は、前記計測チップに過大な流体力がかかるのを防止するため、前記供給流路が流れる油の一部を、前記計測チップを通過させずに前記排出板に排出する切欠きを有することが好ましい。
また、前記供給板は、前記温度調整部による温度調整の精度を向上させるため、前記温度調整部とできる限り接して設置され、予熱の時間を確保するため、通過時間が長くなるように、蛇行した溝やオリフィス等の障害物を有していることが好ましい。
また、前記計測チップは、第1計測チップであり、前記排出板は、第1排出板であり、前記電磁石は、第1電磁石であり、前記計測部は、第1計測部であり、前記供給板の前記第1計測チップが配置されている側とは反対側の面の前記供給板と連通した空間に設けられた第2計測チップと、前記第2計測チップの前記供給板と反対側に配置され、前記計測チップを通過した油を排出する第2排出板と、を有することが好ましい。計測チップを2つセットで設置する理由は、測定値を平均化して精度を向上させたり、他方の故障をもう一方で検出したり、一方が壊れた状況でも他方で測定を継続したりする機能を付与するためである。
また、前記供給板は、前記供給路に過大な流れやショックを抑制するためのオリフィスが形成されていることが好ましい。
本発明は、連続的に油を供給する状況でも、温度を精度よく調整することができ、連続的に正確な粘度を検出することが可能となり、種々の環境の油の状態を検出することができる。
図1は、本実施形態の油劣化センサを有する発電ユニットの概略構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態の油劣化センサの概略構成を示す斜視図である。 図3は、本実施形態の油劣化センサの概略構成を他の向きから示す斜視図である。 図4は、油劣化センサの概略構成を示す断面図である。 図5は、供給板の概略構成を示す正面図である。 図6は、計測チップの概略構成を示す正面図である。 図7は、計測チップの概略構成を示す斜視図である。 図8は、計測チップの概略構成を示す断面図である。 図9は、排出板の概略構成を示す斜視図である。 図10は、他の実施形態の油劣化センサの概略構成を示す断面図である。 図11は、他の実施形態の油劣化センサの供給板の概略構成を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の油劣化センサを有する発電ユニットの概略構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、油劣化センサ(油劣化検出センサ)を発電ユニットの潤滑油の劣化(状態)の計測に用いる場合として説明するが、これに限定されない。油劣化センサは、種々の潤滑油、作動油の状態、具体的には、粘度の計測に用いることがきる。
本実施形態の発電ユニット10は、エンジン本体12と、過給機14と、発電機16と、潤滑油供給ユニット18と、を有する。エンジン本体12は、ガスエンジン、ディーゼルエンジン等、燃料を燃焼し、回転軸を回転させる。過給機14は、エンジン本体12から排出されるエネルギーによりタービンが回転し、タービンと一体で回転するコンプレッサで、空気を圧縮して、エンジン本体12に供給する。発電機16は、エンジン本体12に連結され、エンジン本体12により回転されることで、発電する。
潤滑油供給ユニット18は、エンジン本体12、過給機14及び発電機16に潤滑油を供給し、エンジン本体12、過給機14及び発電機16から排出された潤滑油を回収する。潤滑油供給ユニット18は、潤滑油タンク20と、潤滑油ライン22と、ポンプ24と、冷却器26と、フィルタ28と、逆洗こし器30と、バイパス配管32と、三方弁34と、第1センサユニット50と、第2センサユニット52と、を有する。
潤滑油タンク20は、エンジン本体12、過給機14及び発電機16から排出される潤滑油を貯留する。潤滑油ライン22は、潤滑油タンク20と、エンジン本体12、過給機14及び発電機16と、を接続し、潤滑油タンク20の油をエンジン本体12、過給機14及び発電機16に供給し、エンジン本体12、過給機14及び発電機16の潤滑油を潤滑油タンク20に排出する。ポンプ24は、潤滑油ライン22に配置され、潤滑油タンク20の潤滑油をエンジン本体12、過給機14及び発電機16に供給する。潤滑油供給ユニット18は、潤滑油を冷却器26で冷却し、フィルタ28で異物を除去しつつ、ポンプ24で送ることで、エンジン本体12、過給機14及び発電機16に潤滑油を供給する。
冷却器26は、潤滑油ライン22のポンプ24の下流側に配置されている。冷却器26は、潤滑油ライン22を流れる潤滑油を冷却する。フィルタ(主こし器)28は、潤滑油ライン22の冷却器26の下流側に配置されている。フィルタ28は、潤滑油ライン22を流れる潤滑油に含まれる異物を除去する。フィルタ28を通過した潤滑油は、エンジン本体12、過給機14及び発電機16に供給される。フィルタ28は、除去した異物を逆洗で除去する。逆洗こし器30は、フィルタ28の逆洗時に排出される潤滑油が供給される。逆洗こし器30は、フィルタ28の逆洗時に排出される潤滑油から異物を除去し、異物を除去した潤滑油を潤滑油タンク20に排出する。
バイパス配管32は、冷却器26をバイパスする配管である。三方弁34は、冷却器26を通過するラインと、バイパス配管32と、フィルタ28とを接続する弁である。三方弁34が、冷却器26を通過するラインとフィルタ28を接続した状態と、バイパス配管32とフィルタ28とを接続した状態を切り替えることで、潤滑油が冷却器26を通過するか否かを切り替えることで、潤滑油の温度を制御する。また、三方弁34は、冷却器26を通過するラインとバイパス配管32の両方がフィルタ28を接続した状態とし、それぞれの開度を調整することで、冷却器26を通過する潤滑油の流量とバイパス配管32を通過する潤滑油の流量との割合を調整することができる。三方弁34は、冷却器26を通過する潤滑油の流量とバイパス配管32を通過する潤滑油の流量との割合を調整することで、潤滑油の温度を制御する。
第1センサユニット(油劣化センサ、センサユニット)50は、潤滑油ライン22を流れる潤滑油の劣化状態、具体的には、粘度を検出する。第1センサユニット50は、油劣化センサ60と、センサライン62と、バルブ64と、を有する。油劣化センサ60は、潤滑油の粘度を検出する。油劣化センサ60については、後述する。センサライン62は、一方の端部が循環ライン22のフィルタ28の下流となる位置に接続され、他方の端部が逆洗こし器30に接続されている。センサライン62は、フィルタ28を通過した潤滑油の一部が流入し、油劣化センサ60を通過させた後、逆洗こし器30に排出する。バルブ64は、センサライン62に配置され、開閉を切り替えることで、油劣化センサ60に潤滑油を供給するか否かを切り替える。また、バルブ64は、開度を調整することで、油劣化センサ60に供給する潤滑油の流量を調整する流量調整弁の機能も備えている。
第2センサユニット(油劣化センサ、センサユニット)52は、潤滑油ライン22を流れる潤滑油の劣化状態、具体的には、粘度を検出する。第2センサユニット52は、油劣化センサ70と、センサライン72と、バルブ76と、を有する。油劣化センサ70は、油劣化センサ60と同様に潤滑油の粘度を検出する。センサライン72は、一方の端部がフィルタ28に接続され、他方の端部が逆洗こし器30に接続されている。センサライン72は、フィルタ28の潤滑油が流入し、油劣化センサ70を通過させた後、逆洗こし器30に排出する。バルブ76は、センサライン62に配置され、開閉を切り替えることで、油劣化センサ70に潤滑油を供給するか否かを切り替える。また、バルブ76は、開度を調整することで、油劣化センサ70に供給する潤滑油の流量を調整する流量調整弁の機能も備えている。
第1センサユニット50、第2センサユニット52は、潤滑油の圧力差で、フィルタ28から逆洗こし器30に向けて潤滑油が流れ、ポンプ等の駆動力を設けずに油劣化センサ60に潤滑油を供給することができる。本実施形態では、第1センサユニット50、第2センサユニット52を配置したが、いずれか一方のみを配置してもよい。また、センサユニットの配置位置はこれに限定されない。
次に、図2から図9を用いて、油劣化センサ60、70について説明する。油劣化センサ60と油劣化センサ70は、配置位置を除いて基本的な構成は同じなので、以下代表して油劣化センサ60について説明する。図2は、本実施形態の油劣化センサの概略構成を示す斜視図である。図3は、本実施形態の油劣化センサの概略構成を他の向きから示す斜視図である。図4は、油劣化センサの概略構成を示す断面図である。図5は、供給板の概略構成を示す正面図である。図6は、チップの概略構成を示す正面図である。図7は、計測チップの概略構成を示す斜視図である。図8は、計測チップの概略構成を示す断面図である。図9は、排出板の概略構成を示す斜視図である。
油劣化センサ60は、流入する潤滑油の粘度を計測する。油劣化センサ60は、供給板102と、計測チップ104と、排出板106と、シール材108と、蓋110と、シール材112と、ヒータ(温度調整部)114、116と、計測制御部117と、を有する。油劣化センサ60は、一方から他方に向けて、ヒータ114、蓋110、シール材112、供給板102、計測チップ104、シール板108、排出板106、ヒータ116の順で積層されている。
供給板102は、板状の部材であり、センサライン62と接続し、測定対象の潤滑油を計測チップ104に供給する。供給板102は、供給路118と、開口120と、切欠き122が形成されている。供給路118は、測定対象の潤滑油が流れる流路であり、一方の端部がセンサライン62と接続し、他方の端部が開口120と接続する。供給路118は、直線部160と、屈曲部162と、を有する。直線部160は、一方がセンサライン62と連結し、他方が屈曲部162と連結している。屈曲部162は、一方が直線部160と連結し、他方が開口120と連結している。屈曲部162は、折れ曲がった流路(蛇行した流路)であり、潤滑油を開口120に案内する。直線部160と屈曲部162は、供給板106のシール材112側の面に形成されている。つまり、供給路118は、供給板102の断面の一部に形成される溝である。開口120は、供給板102に形成された貫通穴であり、計測チップ104と対面している。切欠き122は、開口120の供給路118とは反対側の部分に形成されている。切欠き122は、一部が計測チップ104と対面しない位置に形成されている。
計測チップ104は、供給板102とシール材108とに挟まれて配置されている。計測チップ104は、供給板102の開口120に供給された潤滑油が流入し通過する貫通部130が形成されている。貫通部130は、渦巻き状の溝で形成されている。渦巻き状の溝は2重渦巻きとなっており、溝で隔てられた部分によって、第1渦巻部132と第2渦巻部134とが形成されている。貫通部130の断面は、第1渦巻部132の線分と第2渦巻部134の線分とが交互に形成されている。第1渦巻部132と第2渦巻部134は、外周側は計測チップ104の基板につながっており、一方で中央側は固定されていない。貫通部130は、第1渦巻部132と第2渦巻部134との間に潤滑油が流入し、充填される。貫通部130に流入した潤滑油の粘度により、第1渦巻部132の振動に対する第2渦巻部134の振動特性が変化する。
また、計測チップ104は、磁石135と、計測部136と、が設けられている。磁石135は、第1渦巻部132に配置されている。本実施形態では、磁石135は、第1渦巻部132の先端、つまり、渦巻きの中心近傍に配置されている。磁石135は、後述する電磁石140に対応して配置されている。磁石135は、接着剤等で、第1渦巻部132に固定されている。磁石135は、電磁石140の磁石135と対面している面の極が周期的にS極とN極に切り替わることで、電磁石140との間で作用する力の方向が切り替わる。第1渦巻き部132は、接続されている磁石135に作用する力の方向が周期的に切り換わることにより、計測チップ104のチップ面に対して垂直に、つまり中央付近が垂直に持ち上げられるタケノコばねのような変形をして、振動する。
計測部136は、第1渦巻部132及び第2渦巻部134の移動または変形を検出し、第1渦巻部132及び第2渦巻部134の振動を検出する。計測部136は、第1ひずみゲージ137と、第2ひずみゲージ138と、計測制御部117の制御機能の一部と、を含む。なお、図7では、第1ひずみゲージ137と、第2ひずみゲージ138と、模式的に示している。第1ひずみゲージ137は、第1渦巻部132に配置され、第1渦巻部132のひずみを検出する。第2ひずみゲージ138は、第2渦巻部134に配置され、第2渦巻部134のひずみを検出する。計測制御部117は、計測部136で検出したひずみに基づいて、第1渦巻部132と第2渦巻部134との振動を算出する。計測制御部117は、算出した振動の振幅比に基づいて、貫通部130を通過する潤滑油の粘度を算出する。
排出板106は、供給板102及び計測チップ104から流入する潤滑油をセンサライン62に排出する。排出板106は、電磁石140と、開口142と、切欠き144と、排出路146と、を有する。
電磁石140は、磁石135に引力、斥力を作用させ、計測チップ104の貫通部130の第1渦巻部132を振動させる。電磁石140は、鉄心150と、電磁石コイル152と、を有する。鉄心150は、磁性体の棒状の部材であり、電磁石コイル152に挿入されている部分と、磁石135と対面する部分を有する。鉄心150は、電磁石コイル152で形成される電界により、磁石135と対面する部分が磁場を形成する。電磁石コイル152は、電流が流れることで、鉄心150の磁石135と対面する部分に磁場を形成する。電磁石コイル152は、交流電流が印加されることで、鉄心150の磁石135と対面する面の磁極(S極、N極)と磁力を周期的に変化させる。
開口142は、開口120と対面する位置に形成されている。開口142は、開口120から計測チップ104に供給され、貫通部130を通過した潤滑油が流入する。切欠き144は、切欠き122と対面する位置に形成されている。切欠き144は、切欠き122から排出される潤滑油が流入する。切欠き144には、貫通部130を通過していない潤滑油が流入する。排出路146は、開口142、切欠き144と接続され、センサライン62と接続されている。排出路146は、開口142、切欠き144に流入した潤滑油をセンサライン62に排出する。
シール材108は、計測チップ104及び供給板102と排出板106との間に配置されている。シール板108は、開口120及び切欠き122と同様の開口170及び切欠き172が形成されている。シール板108は、計測チップ104及び供給板102と、排出板106と、の間の潤滑油が流れる経路の周囲をシールする。
蓋110は、供給板102の計測チップ104とは反対側に配置されている。蓋110は、供給板102の供給路118側の面を閉じている。シール材112は、供給板102と蓋110との間をシールする。つまり、シール材112は、供給路118と開口120と切欠き122から潤滑油が漏れることを抑制する。
ヒータ114は、蓋110に接して配置され、蓋110を加熱することで、計測チップ104に流入する潤滑油の温度を制御する。ヒータ116は、排出板106に接して配置され、排出板106を加熱し、計測チップ104の周辺の液体を加熱して、計測チップ104内の潤滑油の温度を制御する。温度は、流入する液体の予想温度よりも数℃高い程度に設定することが好ましい。
計測制御部117は、電磁石140の電磁石コイル152に印加する電流を制御する。また、計測制御部117は、計測部136で検出される第1渦巻部132、第2渦巻部134のひずみの変化に基づいて、第1渦巻部132、第2渦巻部134の振動、振幅を算出する。計測制御部117は、第1渦巻部132と第2渦巻部134との振幅比に基づいて、潤滑油の粘度を算出する。
センサユニット50は、以上のような構造である。次に、センサユニット50の計測動作に説明する。まず、センサユニット50は、循環油供給ユニット18の一部に配置され、潤滑油の粘度を検出することで、潤滑油の状態(劣化状態)を検出する。センサユニット50は、バルブ64を開くことで、センサライン62に潤滑油が流入し、センサライン62の潤滑油が供給板102の供給路118を通過して開口120に到達する。
センサユニット50は、開口に到達した潤滑油の一部が計測チップ104に流入し、貫通部130の第1渦巻部132と第2渦巻部134との間に流入する。また、センサユニット50は、開口に到達した潤滑油の一部が計測チップ104に流入せずに、切欠き122、切欠き144を通過する。センサユニット50は、計測チップ104に流入した潤滑油及び切り欠き122、144を通過した潤滑油が排出路146からセンサライン62に排出され、逆洗こし器30に排出される。
センサユニット50は、潤滑油が流入している状態の計測チップ104の第1渦巻部132を電磁石140で振動させる。具体的には、電磁石コイル152に交流電流を印加し、鉄心150で、磁石135の周囲に周期的に変化する磁場を形成することで、第1渦巻部132の渦巻きに直交する方向において、力の大きさと方向が周期的に変化する力を磁石135に対して加える。これにより、磁石135が固定された第1渦巻部132は、第1渦巻部132の渦巻きに直交する方向に振動する。
センサユニット50は、第1渦巻部132が振動すると、第1渦巻部132と第2渦巻部134との間に充填された潤滑油がずり流動を発生させ、第2渦巻部134に対して粘性力として伝達し、第2渦巻部134が第1渦巻部132に追随して振動する。
計測部136は、第1ひずみゲージ137で第1渦巻部132の振動を検出し、第2ひずみゲージ138で第2渦巻部134の振動を検出する。ここで、第2渦巻部134の振動は、潤滑油の粘性によって変化する。具体的には、センサユニット50は、潤滑油の粘度が高いほど、第2渦巻部134に作用する粘性力が大きくなり、第2渦巻部134の振動が大きくなる。センサユニット50は、粘度と振幅の関係に基づいて、計測部136で検出した第1渦巻き部132の振幅に対する第2渦巻部の振幅、つまり振幅比から、潤滑油の粘度を算出する。
また、センサユニット50は、ヒータ114、116で計測チップ104を流れる潤滑油の温度を制御する。センサユニット50は、潤滑油の温度を検出する温度センサを備え、温度センサの検出結果に基づいて、ヒータ114、116を制御してもよい。また、センサユニット50は、温度を検出せずに、ヒータ114、116を一定温度とすることで、潤滑油の温度を制御してもよい。
センサユニット50、52は、以上のように、センサライン62、72を設け、潤滑油を循環させる構造とすることで、測定対象の潤滑油の粘度を連続してつまりオンラインで計測することができる。
また、センサユニット50、52は、ヒータ114、116等の温度制御部を備え、温度制御部を用いて、温度を制御しつつ、計測を行うことで、連続に計測を行った場合でも測定環境の変化を抑制することがで、計測精度を高くすることができる。なお、ヒータ114、116は、両方設ける必要はなく、一方のみでもよい。温度制御部としては、供給板102と接するヒータ114を設けることが好ましい。なお、測定条件としては、流量20ml/min以上100ml/min以下、温度40℃以上70℃以下が例示される。流量は、100ml/min以下とすることが好ましい。
また、センサユニット50、52は、フィルタ28よりも下流側の潤滑油ライン22と接続し、フィルタ28を通過した潤滑油を計測することで、センサユニット50、52に異物が混入することを抑制でき、計測チップ104等が詰まることを抑制することができる。また、センサユニット50、52は、潤滑油の流入側の接続部と排出側の接続部とを、圧力差がある位置に接続することで、循環ライン22の圧力差を利用して、潤滑油を流すことができ、動力が不要となり、装置構成を簡単にすることができる。
また、センサユニット50、52は、開口120、142と接続し、計測チップ104と一部が重ならない切欠き122、144を設けることで、供給板102に供給される潤滑油の一部を、計測チップ104を通過させずに流すことできる。これにより、センサユニット50、52で潤滑油を安定して流すことができる。また、貫通部130に過剰な潤滑油が供給され、潤滑油の流れにより、第1渦巻部132、第2渦巻部134の振幅が変化することを抑制でき、計測精度を高くすることができる。また、潤滑油に気泡が混入した場合に、より流れやすい切欠きに気泡を流すことができ、計測チップ104に気泡が混入することを抑制できる。
また、供給板102は、供給路が本実施形態の屈曲部162のように蛇行した溝やオリフィス等の障害物を有する(後述する)ことが好ましい。供給板102は、蛇行した溝やオリフィス等の障害物を有することで、ヒータにより予熱される領域の通過時間を長くでき、予熱される時間を確保することができ、温度調整の精度を向上させることができる。
図10は、他の実施形態の油劣化センサの概略構成を示す断面図である。図10に示すセンサユニット(油劣化センサ)50aは、供給板102に対して、計測チップ104を対称に2つ配置し、2か所で潤滑油の状態を計測することができる構造である。センサユニット50aは、供給板102と、第1検出部180と第2検出部182と、を有する。供給板102は、板の内部に供給路118が形成されている。
第1検出部180は、計測チップ104aと、排出板106aと、シール板108aと、ヒータ116aと、第1磁石135aと、第1計測部136aと、第1電磁石140aと、を有する。図10では、第1計測部136aのひずみゲージの模式的な図示は省略している。第1計測部180は、供給板102の一方の面に計測チップ104a、シール板108a、排出板106a、ヒータ116aの順で積層されている。排出板106aは、鉄心150aと電磁石コイル152aとを有する。計測チップ104aには、貫通部130aが設けられている。各部の構造は、上述したセンタユニット50と同様である。
第2検出部182は、計測チップ104bと、排出板106bと、シール板108bと、ヒータ116bと、第2磁石135bと、第1計測部136aと、第1電磁石140aと、を有する。図10では、第2計測部136bのひずみゲージの模式的な図示は省略している。第1計測部180は、供給板102の一方の面に計測チップ104b、シール板108b、排出板106b、ヒータ116bの順で積層されている。排出板106bは、鉄心150bと電磁石コイル152bとを有する。計測チップ104bには、貫通部130bが設けられている。各部の構造は、上述したセンタユニット50と同様である。
センサユニット50aは、供給板102の供給路118から供給された潤滑油を第1検出部180、第2検出部182の両方に供給する。第1検出部180、第2検出部182は、流入した潤滑油の粘度を計測する。
このように、センサユニット50aは、1つのセンサユニット50aで2つの計測値を算出することができる。センサユニット50aは、同様の特性の計測チップを用いることで2つの検出値を比較することができ、計測精度を高くすることができる。また、センサユニット50aは、異なる特性の計測チップを用いることで2つのセンサで異なる範囲の粘度を計測することが可能となり、高い分解能で広い範囲の計測を行うことも可能となる。
図11は、他の実施形態の油劣化センサの供給板の概略構成を示す断面図である。図11に示す供給板102aは、センサライン62との接続部190を有する、接続部190は、内部に流路が形成されたネジである。接続部190は、内部にオリフィスが形成されている。また、供給路は、直線部と開口120との間に、拡幅部194が設けられている。拡幅部194は、円形の開口120の径と同じ幅の流路であり、開口120の直線部側の半円部分と接している。拡幅部194は、供給路106と同様に溝であり、供給板102aを貫通していない。拡幅部194には、突起部196が形成されている。突起部196は、直線部の延長線と重なる位置に配置されている。突起部196は、供給路106内に配置され、供給板102aよりも突出していない突起である。突起部196は、例えば、供給路106を形成する際に、突起部196を切削しないことで形成することができる。なお、突起部196の形状は特に限定されず、供給路の直線部側の面が平面でも曲面でもよい。
供給板102aは、オリフィス192を備えることで、供給路106に流入する潤滑の流量を調整することができる。これにより、潤滑油ライン22、センサライン62での潤滑油の振動が開口120に流入する潤滑油に残ることを抑制できる。これにより、計測時のノイズを低減することができる。また、オリフィス192を接続部190に設けることで、接続部190を交換することで、オリフィス192の形状を変更することができる。これにより測定条件を簡単に変更することができる。
また、供給板102aは、拡幅部194を設けることで、開口120に流入する潤滑油の流速を低減することができ、開口120の一部で流速が速くなり、流量に分布が生じることを抑制できる。また、供給板102aは、突起部196を設けることで、供給路118の直線部から拡幅部194に流入した潤滑油を突起で開口120から他の方向に流すことができる。これにより、開口120に流入する潤滑油の流れをより均一にすることができる。
10 発電システム
12 エンジン本体
14 過給機
16 発電機
18 潤滑油供給ユニット
20 潤滑油タンク
22 潤滑油ライン
24 ポンプ
26 冷却器
28 フィルタ
30 逆洗こし器
32 バイパス配管
34 三方弁
50 第1センサユニット
52 第2センサユニット
60、70 油劣化センサ
62、72 センサライン
64、76 バルブ
102 供給板
104 計測チップ
106 排出板
108 シール材
110 蓋
112 シール材
114、116 ヒータ
117 計測制御部
118 供給路
120 開口
122 切欠き
130 貫通部
132 第1渦巻部
134 第2渦巻部
135 磁石
136 計測部
137 第1ひずみゲージ
138 第2ひずみゲージ
140 電磁石
142 開口
144 切欠き
146 排出路
150 鉄心
152 電磁石コイル

Claims (6)

  1. 油を供給する供給路が形成された供給板と、
    2重の渦巻形状が形成され、2重の渦巻形状の一方に磁石が設けられ、2重の渦巻形状の間の溝を通過する油の粘度に応じて振動特性が変化する計測部を有し、前記供給路と連通した空間に設けられた計測チップと、
    前記計測チップの前記供給板と反対側に配置され、前記計測チップを通過した油を排出する排出板と、
    前記排出板側で前記計測チップと対面して配置され、前記計測チップを振動させる電磁石と、
    前記2重の渦巻形状の振動を計測する計測部と、
    前記計測チップを流れる油を加熱し、前記油の温度を調整する温度調整部と、を有することを特徴とする油劣化センサ。
  2. 前記供給板は、前記供給路が流れる油の一部を前記計測チップを通過させずに前記排出板に排出する切欠きを有することを特徴とする請求項1に記載の油劣化センサ。
  3. 前記温度調整部は、前記供給板と接して設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の油劣化センサ。
  4. 前記計測チップは、第1計測チップであり、
    前記排出板は、第1排出板であり、
    前記電磁石は、第1電磁石であり、
    前記計測部は、第1計測部であり、
    前記供給板の前記第1計測チップが配置されている側とは反対側の面の前記供給板と連通した空間に設けられ、2重の渦巻形状が形成され、2重の渦巻形状の一方に磁石が設けられ、2重の渦巻形状の間の溝を通過する油の粘度に応じて振動特性が変化する計測部を有する第2計測チップと、
    前記第2計測チップの前記供給板と反対側に配置され、前記計測チップを通過した油を排出する第2排出板と、
    前記第2排出板側で前記第2計測チップと対面して配置され、前記第2計測チップを振動させる第2電磁石と、
    前記2重の渦巻形状の振動を計測する第2計測部と、を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の油劣化センサ。
  5. 前記供給板は、前記供給路にオリフィスが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の油劣化センサ。
  6. 前記供給板は、前記供給路が蛇行した流路となっていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の油劣化センサ。
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