JP6958277B2 - 異常判定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、物品の外観上の異常を判定する異常判定方法及び装置に関する。
物品表面の異常判定は、一般に、検査対象となる物品の画像のデータを撮像し、撮像された画像のデータを、予め登録された参照用画像のデータと比較することにより行われる。どのように参照用画像のデータを決定するか、又はどのように画像のデータの特徴量を決定するかによって、判定率が大きく変わるため、異常判定は、専門の知識や経験、試行錯誤を必要とし、時間や労力をも要するという実情がある。
例えば、特許文献1に開示される検査方法では、画像のデータの評価値を求めるための評価方法が複数の学習用画像のデータを用いることにより決定された後、学習用画像のデータの各々から複数の特徴量が抽出され、抽出された複数の特徴量を評価方法に代入することにより評価値が求められる。評価方法としてマハラノビス距離や、ユークリッド距離、投影距離が例示されている。
また、特許文献2には、画像のデータに関してではなく、音声信号等の時系列データに関する異常判定について、特徴量としてスペクトル密度を使用し、ランダムに選んだ正常データ群の一部からのマハラノビス距離を用いて異常判定することが開示されている。
特開2016−110626号公報 国際公開第2016/117358号
Jeff Donahueら、"DeCAF: A Deep Convolutional Activation Feature for Generic Visual Recognition",[on line]Cornell University Library, arXiv: 1310. 1531v1[cs.CV] 6 Oct 2013.[平成29年3月22日検索]、インターネット〈URL: https://arxiv.org/pdf/1310.1531.pdf〉
上述の特許文献1に記載の検査方法では、複数の学習用画像のデータの各々における評価値がコンピュータのディスプレイに表示され、このディスプレイを参照しつつ良品グループと不良品グループとに分けられるように評価値が調整される。しかも、そのような調整は、ユーザ自身によっても行われ得る。この場合には、学習用画像のデータを用いた学習の結果を経験や試行錯誤に基づいて調整するといった労力が必要となる。
本発明は、上記の事情に鑑み、経験や試行錯誤を必要とせずに簡便に特徴量を作成でき、特徴量に基づいた確度の高い異常判定を可能とする異常判定方法及び装置を提供する。
本発明の第1の態様は、被検査体の画像に基づいて当該被検査体の外観異常を判定する異常判定方法であって、正常な外観を有することが既知の複数の参照被検査体に対応する複数の参照画像を取得する第1取得ステップと、前記複数の参照画像の各々を学習済みニューラルネットワークへ入力する第1入力ステップと、前記複数の参照画像の各々が入力された前記学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記複数の参照画像の各々に対応する参照画像の特徴量を抽出する第1抽出ステップと、被検査体の画像を取得する第2取得ステップと、前記第2取得ステップにて取得された前記被検査体の画像を前記学習済みニューラルネットワークへ入力する第2入力ステップと、前記被検査体の画像が入力された前記学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記画像に対応する特徴量を抽出する第2抽出ステップと、前記第1抽出ステップにて抽出された前記特徴量と前記第2抽出ステップにて抽出された前記特徴量とに基づいて、前記被検査体の外観が正常であるか否かを判定する判定ステップと、を備える。
本発明の第2の態様は、被検査体の画像のデータに基づいて当該被検査体の外観異常を判定する異常判定装置であって、正常な外観を有することが既知の参照被検査体の参照画像と、被検査体の画像とを取得可能な画像取得部と、前記画像取得部により取得された前記参照画像と前記被検査体の画像との各々を学習済みニューラルネットワークへ入力させ、当該学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記参照画像と前記被検査体の画像との各々の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記特徴量抽出部により抽出された前記被検査体の画像の特徴量と前記参照画像の特徴量とに基づいて、前記被検査体の外観が正常であるか否かを判定する異常判定部と、を備える。
本発明の実施形態によれば、経験や試行錯誤を必要とせずに簡便に特徴量を作成でき、特徴量に基づいた確度の高い異常判定を可能とする異常判定方法及び装置が提供される。
本発明の第1の実施形態による異常判定装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態による異常判定方法を説明するフローチャートであり、詳しくは異常判定の基準として用いられる閾値を設定するフローを示す。 本発明の第2の実施形態による異常判定方法における閾値の設定を説明する説明図である。 図2のフローチャートに引き続き、本発明の第2の実施形態による異常判定方法を説明する他のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による異常判定方法の効果を実証するために行った実験結果を示すグラフである。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。
以下、図1を参照しながら、本発明の実施形態による異常判定装置を説明する。図示のとおり、本実施形態による異常判定装置10は、被検査体の画像のデータを取得する画像取得部11と、被検査体の画像のデータを入力し、その画像のデータに対応した特徴量を抽出する特徴量抽出部12と、コンピュータプログラムや、画像のデータに関する種々の情報を記憶する記憶部13と、異常判定の基準として用いられる閾値を特徴量に基づいて設定する閾値設定部14と、画像のデータに示される外観が異常か否かを判定する異常判定部15と、記憶部13に記憶される情報や判定結果、異常箇所の画像のデータなどを表示する表示部16とを備える。また、特徴量抽出部12、閾値設定部14、及び異常判定部15により、制御部10aが構成され、制御部10aには入出力(I/O)装置17が接続されている。I/O装置17は、例えばキーボードやマウス、光ディスクドライブなど(いずれも図示せず)を備えることができる。
画像取得部11は、被検査体や、被検査体と同一の製品(以下、被検査体等と称する)の外観を撮像することにより得られた画像のデータを取得する。画像のデータは、例えばデジタルカメラなどの撮像装置(図示せず)により被検査体の外観を撮像することにより生成することができる。具体的には、撮像装置は、例えば、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などの撮像素子(図示せず)と、被検査体等からの入射光を撮像素子に収束させる光学系(図示せず)とを備えることができる。これにより、光学系を通して入射した被写体光が撮像素子により光電変換されて画像のデータ信号が生成され、この画像のデータ信号がデジタル変換されて画像のデータが生成される。生成された画像のデータは、所定のインタフェイスを通して画像取得部11により取得される。画像取得部11において取得された画像のデータは記憶部13へと出力され、記憶部13に記憶される。
また、光学系には必要に応じて外部光源を設けても良い。外部光源としては、例えばLED(Light Emitting Diode)、レーザ光源、メタルハライドランプ等を用いることができる。画像取得部11では、外部光源を用いて被検査体等を照明しておくことで、より明瞭な画像データ信号を生成することができる。
特徴量抽出部12は、画像取得部11により取得され、記憶部13に記憶される画像を学習済みニューラルネットワークへ入力させ、当該学習済みニューラルネットワークの中間層からの出力に基づき、当該画像の特徴量を抽出する。
一般的に、市販されているような学習済みニューラルネットワークでは、入力された画像が、予め準備された幾つかの判定結果のうち、当該画像がどの判定結果に類似しているかを演算して出力する。そうした演算は、多数段の演算を行い、最終的な結果として出力されるものであるが、多数段の演算の途中(中間層)において、その演算結果を抽出することも可能である。そうすることで、入手しやすい市販の学習済みニューラルネットワークを活用することができ、また、予め準備された判定結果に束縛されることなく、演算結果を所望の判定に流用することができ、さらに、再度の学習を不要にすることができるため、計算コストの削減を図ることができる。
記憶部13は、たとえばハードディスクドライブ(HDD)などの記憶装置で構成され、後述する異常判定方法を異常判定装置10に実施させるための異常判定プログラムや学習済みニューラルネットワークを記憶している。記憶部13は、異常判定方法の実施に必要な各種情報を記憶することもできる。具体的には、記憶部13は、画像取得部11により取得された画像のデータや、学習済みニューラルネットワークの中間層からの出力、この出力から抽出された特徴量、異常判定の基準として用いられる閾値などを記憶する。
異常判定プログラムは、後述する異常判定方法を異常判定装置10に実施させる複数の命令(コード)からなる命令列を含んでいる。異常判定プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体17aに記憶され、I/O装置17から制御部10aを通して記憶部13へダウンロードされても良い。コンピュータ可読記憶媒体17aは、HDD、固体ドライブ(SSD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM又はフラッシュメモリ素子)、コンパクトディスクROM(CD−ROM)やデジタル多用途ディスクROM(DVD−ROM)などの光ディスク記憶メディア、磁気記憶メディアなどを含む非一過性又は有形のコンピュータ可読記憶媒体であって良い。
閾値設定部14は、記憶部13に記憶される画像のデータについて、特徴量抽出部12により抽出された特徴量に基づき、異常判定の基準として用いられる閾値を設定する。具体的には後述する距離閾値や角度閾値等を設定する。
異常判定部15は、閾値設定部14により設定された閾値に基づいて、被検査体等の画像の特徴量から、画像取得部11により取得される、被検査体の外観が異常か否かを判定する。
表示部16は、ディスプレイやプリンタなどの出力装置(図示せず)を備え、記憶部13に記憶される情報や判定結果を表示又は印刷する。また、表示部16は、異常と判定された外観を示す画像のデータを表示又は印刷することもできる。
次に、図2から図4を参照しながら、本発明の実施形態による異常判定方法を説明する。図2及び図4は、本実施形態による異常判定方法を説明するフローチャートである。具体的には、図2は、異常判定の基準として用いられる閾値を設定するフローを示し、図4は、検査対象としての被検査体に対して行う異常判定のフローを示している。これらのフローにおける各工程は、好適には異常判定装置10により実施される。
図2を参照しながら、閾値を設定するフローについて説明する。まず、被検査体等の内から、外観異常を有さない、正常な外観を示すn枚の画像のデータが、参照画像として用意される(ステップS1)。正常な外観を示す画像のデータ(以下、正常画像のデータと称する)とは、被検査体と同一の製品であって、例えば他の検査方法や目視検査などによって異物や、キズ、汚れ、凹みなどの欠陥がないことが明らかとなっている製品を撮像することにより得られた画像のデータである。また、画像のデータの数nは、後述する平均ベクトルの算出のために2以上であれば特に限定されることはない。
次に、用意された1枚目の正常画像のデータが、異常判定装置10の画像取得部11により読み込まれることで、取得される(ステップS2)。
読み込まれた正常画像のデータは、画像取得部11から記憶部13に送られ記憶された後、特徴量抽出部12からの命令に従って、学習済みニューラルネットワークへ入力される。特徴量抽出部12は、学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、その正常画像のデータについての特徴量を抽出する。抽出された特徴量は記憶部13に記憶される(ステップS3)。
この後、フラグi(初期値はゼロ)に1を加え(ステップS4)、フラグが正常画像のデータの枚数nと比較される。比較の結果、i<nと判定された場合は(ステップS5:NO)、ステップS2へ戻り、次の正常画像のデータが取得され(ステップS2)、その正常画像のデータについての特徴量が抽出される。比較の結果、i=nと判定された場合は(ステップS5:YES)、ステップS6へ進む。これにより、用意されたすべての正常画像のデータが読み込まれ、正常画像のデータのそれぞれについて特徴量が抽出され、記憶部13に記憶される。
ステップS6では、記憶部13から閾値設定部14へ特徴量が出力され、閾値設定部14において、特徴量の平均値が計算される。特徴量は多次元のベクトル量であり、該当する次元数の空間におけるベクトルに基づいて平均値が求められる。即ち、複数の正常画像からなる参照画像の特徴量のベクトルについて平均値を求めることで、複数の正常画像からなる参照画像の特徴量のベクトル平均位置が、特徴量が属する多次元空間において、どの位置にあるのかが特定される。
以下、説明の単純化のため、各特徴量のベクトルが2次元ベクトルであると仮定して説明する。図3Aを参照すると、xy平面上に、各ベクトルの終点が黒丸Dで表わされている。これらのベクトルは、正常画像のデータから求められた特徴量に対応し、ある程度のバラツキで分布している。ここで、まず、すべてのベクトルの終点のx座標の平均値a1とy座標の平均値a2とが計算され、Ea(a1、a2)を終点とする平均ベクトルVaが求められる(ステップS6(図2))。
次に、この平均ベクトルVaの終点Eaと各ベクトルの終点Dとの間の距離(ユークリッド距離)が計算される。即ち、平均ベクトルVaを座標(a1、a2)で表し、図3A中の任意のベクトルVを座標(b1、b2)で表すと、距離dは、d=((a1−b1)+(a2−b2))の平方根で求められる。
同様に、平均ベクトルVaの終点Eaとすべてのベクトルの終点Dとの間の距離がそれぞれ計算された後、そのうちの最大の値が距離の閾値Tdとして設定される(ステップS7(図2))。閾値Tdは、閾値設定部14から記憶部13へ出力され、記憶部13に記憶される。
なお、図3Aに示される円Cは、平均ベクトルVaの終点Eaを中心とし、上記の最大の値(閾値Td)を半径とする円である。即ち、正常画像のデータに対応する特徴量のベクトルの終点Dは、円C内に収まる。
次に、平均ベクトルVaに対する各ベクトルのコサイン類似度が求められる。図3Bに示す平均ベクトルVaと任意のベクトルVとに対するコサイン類似度Csは、平均ベクトルVaと任意のベクトルVの内積をそれぞれの大きさで除した値であり、具体的には、下記の式で与えられる。
Figure 0006958277
コサイン類似度Csは−1から1までの値をとる。平均ベクトルVaと任意のベクトルVのなす角θ(図3B)は、コサイン類似度Csが1に近いほど小さくなり、ゼロに近いほど90°に近づく。即ち、コサイン類似度Csが1に近いほど、平均ベクトルVaの終点Eaと任意のベクトルVの終点Dとが近接していることになる。言い換えると、コサイン類似度Csが1に近いほど、任意のベクトルVに対応する特徴量と、平均ベクトルVaに対応する特徴量との差が小さくなるということができる。反対に、コサイン類似度Csがゼロに近いほど、平均ベクトルVaの終点Eaと任意のベクトルVの終点Dとが離れており、任意のベクトルVに対応する特徴量は、平均ベクトルVaに対応する特徴量と相違するということができる。
平均ベクトルVaとすべてのベクトルとの間のコサイン類似度Csがそれぞれ求められた後、最もゼロに近い値がコサイン類似度に基づく閾値、即ち、角度の閾値Tcとして設定される(ステップS7(図2))。角度の閾値Tcは、閾値設定部14から記憶部13へ出力され、記憶部13に記憶される。
以上により、距離の閾値Tdと角度の閾値Tcとが設定され、閾値を設定するフローが終了する。
次に、図4を参照しながら、被検査体の異常判定について説明する。初めに、画像取得部11により被検査体の画像のデータが取得される(ステップS8)。取得された画像のデータは、画像取得部11から記憶部13に入力された後、特徴量抽出部12からの命令に従って、学習済みニューラルネットワークへ入力される。特徴量抽出部12は、学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、その画像のデータについての特徴量を抽出する(ステップS9)。抽出された特徴量は記憶部13に記憶される。
次いで、異常判定部15により、記憶部13に記憶された特徴量のベクトルと、閾値設定部14により設定され記憶部13に記憶された平均ベクトルVaとの間の距離が計算される。即ち、被検査体の画像のデータについての特徴量のベクトルの終点と、平均ベクトルVaの終点Eaとの間の距離が計算される(ステップS10)。続けて、異常判定部15において、計算された距離と距離の閾値Tdとが比較される(ステップS11)。比較の結果、計算された距離が閾値Td以下の場合には(ステップS11:YES)、ステップS12へ進む。
反対に、計算された距離が閾値Tdより大きい場合には(ステップS11:NO)、異常と判定されて(ステップS15)、異常判定が終了する。
ステップS11において、計算された距離が閾値Td以下と判定された場合、ステップS12において、異常判定部15によって当該特徴量のベクトルと平均ベクトルVaとの間のコサイン類似度Csが計算される。次いで、ステップS13において、計算されたコサイン類似度Csと、コサイン類似度に基づく角度の閾値Tcとが比較される。比較の結果、コサイン類似度Csが角度の閾値Tc以下の場合(ステップS13:YES)、当該特徴量のベクトルに対応する被検査体は正常と判定され(ステップS14)、異常判定が終了する。
反対に、コサイン類似度Csが角度の閾値Tcより大きい場合には(ステップS13:NO)、異常と判定されて(ステップS15)、異常判定が終了する。
この後、他の被検査体がある場合には、その被検査体について同じ操作が行われる。
次に、本発明の実施形態による異常判定方法の効果を確認するために行った検証実験について説明する。この実験においては、検査対象として、鉄鋼製品であるめっき鋼板の199枚の画像が用いられた。これらのめっき鋼板に対しては、予め、光切断法に基づく検査が行われている。その結果、199枚の画像のうちの109枚目から113枚目までの画像は、欠陥があることが分かっているめっき鋼板の画像であり、これら以外は正常画像のデータである。
この異常判定実験を行う前に、先に説明した、閾値を設定するフロー(図2)に従って、異常判定の基準として用いられる閾値を設定した。閾値の設定には、上記の199枚の画像のデータとは別に、200枚の正常画像を用意した。これらを用いて設定された距離の閾値Tdは6.9であり、角度の閾値Tcは0.9であった。また、ここでは距離としてユークリッド距離を用いた。
図5A及び図5Bに実験結果を示す。図5Aは、検査対象画像に対し、距離の閾値Tdだけを用いて異常判定を行った場合の結果を示している。この図を参照すると、110枚目から112枚目までの画像では、距離の閾値Tdを超えており、これらの画像により示されためっき鋼板は異常と判定されたことになる。一方、正常な外観を示す194枚のすべてが正常と判定されていることが分かる。
また、図5Bは、検査対象画像のデータに対し、コサイン類似度に基づく角度の閾値Tcだけを用いて異常判定を行った場合の結果を示している。この図を参照すると、109枚目から113枚目までの画像のデータにおいて角度の閾値Tcを下回っており、これらの画像で示されためっき鋼板が異常と判定されたことになる。一方、予め欠陥があることが分かっている109枚目から113枚目までの画像のデータのすべてを異常と判定することができ、正常な外観を示す194枚のすべてを正常と判定することができた。
以上の結果から、本実施形態による異常判定方法において設定される距離の閾値Tdと、角度の閾値Tcとを用いる効果が理解される。また、第2の実施形態による異常判定方法では、距離の閾値Tdと比較することにより異常の判定された画像のデータを角度の閾値Tcと比較することにより異常か否かの判定を更に行っているので、より確度の高い判定ができることが分かる。
本実施形態による異常判定方法では、学習済みのニューラルネットワークが用いられ、その中間層からの出力に基づき画像のデータの特徴量が抽出される。学習済みのニューラルネットワークは、大量の一般画像のデータで学習しており、学習に利用した一般画像と異なるジャンルの画像の識別にも有効であることが知られている(非特許文献1)。このような学習済みのニューラルネットワークの中間層の出力を用いれば、経験や試行錯誤を必要とせず簡便かつ短時間で特徴量を抽出することができる。
また、本実施形態による異常判定方法によれば、正常画像のデータに関して、学習済みニューラルネットワークの中間層の出力から抽出された特徴量に基づき、距離の閾値及びコサイン類似度の閾値を設定しているので、経験や試行錯誤によらず、客観的かつ一意に閾値を設定することができる。
以上、幾つかの実施形態を参照しながら、本発明による異常判定方法及び装置を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々に変形又は変更が可能である。
例えば、本発明の実施形態による異常判定方法で用いられる学習済みのニューラルネットワークは、例えば多層構造を有するいわゆる深層学習(deep learning)であっても良い。また、本発明の実施形態による異常判定方法では、学習が既に終了し、一般に公開されているニューラルネットワークを使用することができるが、訓練データを用いて新たに学習させたニューラルネットワークを用意し、使用することもできる。さらに、記憶部13に記憶することなく、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、又はインターネットなどのワイド・エリア・ネットワークと有線又は無線により接続し、ネットワーク上で公開される学習済みニューラルネットワークを使用することもできる。
第2の実施形態においては、まず、距離に関する比較を行ない、距離の閾値Td以下の場合に、さらにコサイン類似度に関する比較を行っている。しかし、他の実施形態においては、コサイン類似度に基づく角度の閾値Tcとの比較を行ない、その結果、正常と判定された画像について、距離の閾値Tdとの比較を行っても良い。更に別の実施形態においては、距離の閾値Tdとの比較のみを行っても良く、角度の閾値Tcとの比較のみを行っても良い。これらの効果は、上述の検証実験の結果から明らかである。
ただし、特徴量のベクトルの次元数の大きい場合には、距離の閾値Tdと角度の閾値Tcの双方と比較することの効果は高いと考えられる。その理由として、次元数が高い場合には、図3に示す2次元空間(xy平面)における円とは異なり、特徴量のベクトルの終点を内包する空間は複雑な形状になる得ることが挙げられる。このような場合、検査対象の画像のデータから得られた特徴量のベクトルと平均ベクトルVaとの差異は、距離だけでなく角度にも大きく依存することになると推測される。そのため、距離及びコサイン類似度の双方についての閾値を利用することが有効と考えられる。
また、第2の実施形態において、距離の閾値を設定するステップでは、ユークリッド距離を用いたが、特徴量のベクトルの終点のバラツキに偏りがある場合には、その標準偏差を反映させたマハラノビス距離を用いても良い。
さらに、検証実験においてはめっき鋼板を用いたが、本発明の実施形態による異常判定方法は、画像のデータを撮像できる限り、どのような物品であっても、その外観の異常を判定することができる。
またさらに、第2の実施形態において、平均ベクトルVaの終点Ea(平均値)から最も離れた他のベクトルの終点までの距離(最大距離)を閾値と設定したが、例えば判定エラーを低減する目的で、所定の定数(例えば1.2、1.5、2、3など)を最大距離に乗じた値を閾値として設定しても良い。
さらに、第1の実施形態による異常判定装置10においては、画像取得部11は、LANなどの通信網を通して他の撮像装置又は記憶装置から画像のデータを入力できるように通信ケーブルの接続ポートと、ドライバなどのソフトウェアとを備えていても良い。また、画像取得部11は、無線LAN子機と、ドライバなどのソフトウェアとを備えていても良い。このような構成によれば、取得した画像のデータや、閾値などの数値情報を、通信網で繋がれたサーバー(データベース)などの記憶装置に送信し、記憶させても良い。言い換えると、記憶部13は、通信網で繋がれた外部の記憶装置であっても良い。
また、正常画像は、正常であることが分かっている物品の画像のデータを撮像することにより得られるが、画像が撮像された後に、その画像のデータを例えばデータベースに保存しておいても良い。この場合、画像取得部11は、正常画像のデータをデータベースからダウンロードすることにより取得することができる。
また、第2の実施形態では、正常画像を取得するたびに特徴量を抽出したが、複数の正常画像のデータのすべてを取得して記憶部13に入力してから、逐次、各正常画像の特徴量を抽出するようにしても良い。
さらに、第2の実施形態では、被検査体の画像についての距離を距離の閾値Tdと比較し、正常と判定された後に、コサイン類似度を計算しているが、他の実施形態では、距離の閾値Tdとの比較の前に、又は距離と共に、コサイン類似度を計算しても良い。
10 異常判定装置
10a 制御部
11 画像取得部
12 特徴量抽出部
13 記憶部
14 閾値設定部
15 異常判定部
16 表示部
17 入出力(I/O)装置
17a コンピュータ可読記憶媒体

Claims (10)

  1. 被検査体の画像に基づいて当該被検査体の外観異常を判定する異常判定方法であって、
    正常な外観を有することが既知の複数の参照被検査体に対応する複数の参照画像を取得する第1取得ステップと、
    前記複数の参照画像の各々を学習済みニューラルネットワークへ入力する第1入力ステップと、
    前記複数の参照画像の各々が入力された前記学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記複数の参照画像の各々に対応する参照画像の特徴量を抽出する第1抽出ステップと、
    被検査体の画像を取得する第2取得ステップと、
    前記第2取得ステップにて取得された前記被検査体の画像を前記学習済みニューラルネットワークへ入力する第2入力ステップと、
    前記被検査体の画像が入力された前記学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記画像に対応する特徴量を抽出する第2抽出ステップと、
    前記第1抽出ステップにて抽出された前記特徴量と前記第2抽出ステップにて抽出された前記特徴量とに基づいて、前記被検査体の外観が正常であるか否かを判定する判定ステップと、
    を備える異常判定方法。
  2. 被検査体の画像に基づいて当該被検査体の外観異常を判定する異常判定方法であって、
    正常な外観を有することが既知の複数の参照被検査体に対応する複数の参照画像を取得する第1取得ステップと、
    前記複数の参照画像の各々を学習済みニューラルネットワークへ入力する第1入力ステップと、
    前記複数の参照画像の各々が入力された前記学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記複数の参照画像の各々に対応する参照画像の特徴量を抽出する第1抽出ステップと、
    前記複数の参照画像の特徴量の多次元空間における平均位置を特定する特定ステップと、
    前記多次元空間において、前記複数の参照画像の特徴量の各々と前記平均位置との間の距離に基づく距離閾値と、前記複数の参照画像の特徴量の各々の前記平均位置に対するコサイン類似度に基づく角度閾値との一方又は双方を閾値として設定する設定ステップと、
    被検査体の画像を取得する第2取得ステップと、
    前記第2取得ステップにて取得された前記被検査体の画像を前記学習済みニューラルネットワークへ入力する第2入力ステップと、
    前記被検査体の画像が入力された前記学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記画像に対応する特徴量を抽出する第2抽出ステップと、
    前記第2抽出ステップにて抽出された前記特徴量と前記平均位置との間の距離と、当該特徴量の前記平均位置に対するコサイン類似度との一方又は双方を計算する計算ステップと、
    前記計算ステップで計算された前記距離と前記コサイン類似度との一方又は双方を、前記設定ステップで設定された前記閾値に対応させて比較し、比較結果に基づいて、前記被検査体の外観が正常であるか否かを判定する判定ステップと
    を備える異常判定方法。
  3. 前記設定ステップにおいて、前記複数の参照画像の特徴量の各々と前記平均位置との間の距離のうちの最大値が前記距離閾値として設定される、請求項2に記載の異常判定方法。
  4. 前記設定ステップにおいて、前記複数の参照画像の特徴量の各々の前記平均位置に対するコサイン類似度のうちの最小値が前記角度閾値として設定される、請求項2又は3に記載の異常判定方法。
  5. 前記距離がユークリッド距離とマハラノビス距離とのいずれか一方である、請求項2から4のいずれか一項に記載の異常判定方法。
  6. 被検査体の画像に基づいて当該被検査体の外観異常を判定する異常判定装置であって、
    正常な外観を有することが既知の参照被検査体の参照画像と、被検査体の画像とを取得可能な画像取得部と、
    前記画像取得部により取得された前記参照画像と前記被検査体の画像との各々を学習済みニューラルネットワークへ入力させ、当該学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記参照画像と前記被検査体の画像との各々の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記特徴量抽出部により抽出された前記被検査体の画像の特徴量と前記参照画像の特徴量とに基づいて、前記被検査体の外観が正常であるか否かを判定する異常判定部と、
    を備える異常判定装置。
  7. 被検査体の画像に基づいて当該被検査体の外観異常を判定する異常判定装置であって、
    正常な外観を有することが既知の参照被検査体の参照画像と、被検査体の画像とを取得可能な画像取得部と、
    前記画像取得部により取得された前記参照画像と前記被検査体の画像との各々を学習済みニューラルネットワークへ入力させ、当該学習済みニューラルネットワークの中間層の出力に基づき、前記参照画像と前記被検査体の画像との各々の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記画像取得部により取得された複数の前記参照画像の特徴量の多次元空間における平均位置を特定し、当該多次元空間において、前記複数の前記参照画像の特徴量の各々と前記平均位置との間の距離に基づく距離閾値と、前記複数の前記参照画像の特徴量の各々の前記平均位置に対するコサイン類似度に基づく角度閾値との一方又は双方を閾値として設定する閾値設定部と、
    前記特徴量抽出部により抽出された、前記被検査体の画像の特徴量と前記平均位置との間の距離と、当該特徴量の前記平均位置に対するコサイン類似度との一方又は双方を計算し、当該距離と当該コサイン類似度の一方又は双方を、前記閾値設定部により設定された閾値に対応させて比較し、比較結果に基づいて、前記被検査体の外観が正常であるか否かを判定する異常判定部と
    を備える異常判定装置。
  8. 前記閾値設定部が、前記複数の前記参照画像の特徴量の各々と前記平均位置との間の距離のうちの最大値を前記距離閾値として設定する、請求項7に記載の異常判定装置。
  9. 前記閾値設定部が、前記複数の前記参照画像の特徴量の各々の前記平均位置に対するコサイン類似度のうちの最小値を前記角度閾値として設定する、請求項7又は8に記載の異常判定装置。
  10. 前記距離がユークリッド距離とマハラノビス距離とのいずれかである、請求項7から9のいずれか一項に記載の異常判定装置。

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