JP6956950B2 - リポソーム組成物及び炎症性疾患用治療剤 - Google Patents

リポソーム組成物及び炎症性疾患用治療剤 Download PDF

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Description

本発明は、インターロイキン10で表面修飾したリポソーム組成物、及びかかるリポソーム化合物を用いた炎症性疾患用治療剤に関する。
インターロイキン10のような抗炎症性サイトカインは、各種の炎症性疾患において高い有効性を示し、炎症性疾患の治療に幅広く応用されている。しかし、このような抗炎症性サイトカインは、生体内半減期が非常に短いため、十分な治療効果を得るためには、大量投与または繰り返し投与が必要である。抗炎症性サイトカインによる治療効率の向上のためには、抗炎症性サイトカインを安定的に標的細胞へ送達することが必要不可欠である。
サイトカインの生体内安定性の向上のために、サイトカイン表面にポリエチレングリコールを修飾する手法が汎用されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、このポリエチレングリコール修飾サイトカインは、繰り返し投与により、ポリエチレングリコールに対する抗体が形成される問題がある。抗ポリエチレングリコール抗体の存在は、本来の生体内滞留性効果の軽減、生体内から急速な減少、及び治療効果の低下に繋がるため好ましくない。
また、サイトカインに抗体の一部であるIgGのFcと融合させる技術も使用されているが(例えば、非特許文献2参照)、免疫細胞の炎症性Fc受容体との結合により、炎症反応を促進する恐れがある。
小出裕之, 浅井知浩, 畑中剣太朗, 清水広介, 横山昌幸, 石田竜弘, 際田弘志, 奥直人.PEG化ナノキャリア頻回投与によるaccelarated blood clearance現象の機構解明.YAKUGAKU ZASSHI 129:1445-1451 (2009). R Vazquez-Lombardi, B Roome D Christ. Molecular engineering of therapeutic cytokines. Antibodies 2:426-451 (2013).
本発明の課題は、免疫細胞マクロファージに、抗炎症性サイトカインインターロイキン10を選択的に送達することができ、インターロイキン10のもつ抗炎症効果を有効に発揮させると同時に、マクロファージの抗炎症効果を刺激して、極めて高い抗炎症効果を発揮することができるリポソーム組成物を提供することにある。
本発明者らは、すでにホスファチジルセリンを含有したリポソーム組成物に関する技術を確立させている。本発明者らは、この技術に基づきさらに研究を進めた結果、抗炎症性サイトカインインターロイキン10で表面修飾したホスファチジルセリンを含有するリポソーム組成物が、マクロファージへのインターロイキン10の選択的送達を可能とし、インターロイキン10の生体内安定性の向上を図ることができることを見いだした。さらに、炎症疾患に対する相乗的な治療効果の向上が得られることを見いだした。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1]ホスファチジルセリンを含有するリポソームの表面がインターロイキン10で修飾されていることを特徴とするリポソーム組成物。
[2]リポソームの表面が脂肪酸を介してインターロイキン10で修飾されていることを特徴とする[1]記載のリポソーム組成物
[3][1]又は[2]記載のリポソーム組成物を含有することを特徴とする炎症性疾患用治療剤。
[4]炎症性疾患が、肥満、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、心筋炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、脂肪性肝炎及びクローン病から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[3]記載の炎症性疾患用治療剤。
[5]炎症性疾患が、肥満であることを特徴とする[4]記載の炎症性疾患用治療剤。
本発明のリポソーム組成物は、免疫細胞マクロファージにインターロイキン10を選択的に安定して送達することができ、インターロイキン10の生体内安定性の向上を図ることができることから、インターロイキン10のもつ抗炎症効果を有効に発揮させることができる。さらに、本発明のリポソーム組成物がマクロファージ表面に存在する受容体と結合することにより、インターロイキン10のもつ抗炎症効果を有効に発揮させると同時に、マクロファージの炎症反応を抑えてマクロファージの抗炎症反応を刺激し、これらの相乗効果により、極めて高い抗炎症効果を発揮する。
したがって、本発明のリポソームを含有する炎症性疾患用治療剤は、低用量でも長時間にわたる抗炎症効果を維持でき、炎症性疾患に対する治療効率・治療効果を向上させることができる。
本発明のインターロイキン10で表面修飾したホスファチジルセリンを含有するリポソーム組成物(PSL-IL10)の抗炎症効果を示すグラフであり、炎症性サイトカインであるインターロイキン6(IL-6)の濃度を示す。(I)は、IL-10 (3 ng/ml)、PSL (3 μg/ml)、PSL-IL10 [IL-10 (3 ng/ml)修飾PSL (3 μg/ml)]である。(II)は、IL-10 (10 ng/ml)、PSL (10 μg/ml)、PSL-IL10 [IL-10 (10 ng/ml)修飾PSL (10 μg/ml)]である。IL-10はインターロイキン10を示し、PSLはホスファチジルセリン含有リポソームを示す。UNTは、無添加を示す。n = 4;* P < 0.05、** P < 0.01、*** P < 0.005;一元配置分散分析(ANOVA)と両側スチューデントのt検定法。 本発明のインターロイキン10で表面修飾したホスファチジルセリンを含有するリポソーム組成物(PSL-IL10)の抗炎症効果を示すグラフであり、炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF-α)の濃度を示す。 本発明のPSL-IL10のマクロファージ認識能(蛍光強度)を示すグラフである。蛍光強度の結果は、総タンパク質のmg当たりの蛍光強度として算出した。n = 4; *** P < 0.005;一元配置分散分析(ANOVA)とスチューデントのt検定法。 マウスにおける内臓脂肪の写真である。NDは普通食を示し、HFDは高脂肪食を示す。 内蔵脂肪の変化量を示すグラフである。* P < 0.05、** P < 0.01、*** P < 0.005;一元配置分散分析(ANOVA)とスチューデントのt検定法。 血清中TC値の変化量を示すグラフである。 F4/80で染色した脂肪組織の組織切片の顕微鏡写真(スケールバー100μm)であり、矢印は典型的な王冠様構造を示す。NDは普通食を示し、HFDは高脂肪食を示す。 脂肪細胞のサイズを示すグラフである。* P < 0.05、*** P < 0.005;一元配置分散分析(ANOVA)とスチューデントのt検定法。 王冠様構造のパーセントを示すグラフである。 IL-6で染色した脂肪組織の組織切片の顕微鏡写真(スケールバー100μm)であり、矢印は典型的なIL-6を示す。NDは普通食を示し、HFDは高脂肪食を示す。 TNF-αモノクローナル抗体で染色した脂肪組織の組織切片の顕微鏡写真(スケールバー100μm)であり、矢印は典型的なTNF-αを示す。 血清中のALT値を示すグラフである。NDは普通食を示し、HFDは高脂肪食を示す。* P < 0.05、*** P < 0.005;一元配置分散分析(ANOVA)とスチューデントのt検定法。 肝脂肪のパーセントを示すグラフである。 肝臓組織における炎症巣の数(平均数)を示す図である。 肝臓組織切片のHE染色の顕微鏡写真(スケールバー50 μm)であり、中央上部の矢印は典型的な大滴性脂肪変性を示し、右部の矢印は小滴性脂肪変性を示し、左部の矢印は炎症巣を示す。
本発明のリポソーム組成物(PSL-IL10)は、ホスファチジルセリン(PS)を含有するリポソームの表面がインターロイキン10(IL-10)により修飾されていることを特徴とする。
本発明のリポソーム組成物は、マクロファージを特異的に認識できることから、マクロファージへのインターロイキン10の選択的送達を実現することができると共に、インターロイキン10の生体内安定性の向上を図ることが可能となる。すなわち、炎症性疾患に対する治療効率を向上させることができると共に、低用量でも長時間にわたって抗炎症効果を維持することができる。
なお、ホスファチジルセリンがマクロファージを特異的に認識することは知られているが、表面修飾によりかかる特異的認識能が維持できるとは限らない。本発明においては、インターロイキン10で修飾してもマクロファージを特異的に認識し、マクロファージへのインターロイキン10の選択的送達が可能なことを確認したものである。
例えば、ホスファチジルセリンを含有したリポソーム(PSリポソーム)の表面に抗体を修飾すると、非修飾のPSリポソームに比べて生体内の半減期が著しく短くなり、抗炎症効果の低下に繋がるというおそれがある(K Maruyama, SJ Kennel, L Huang. Lipid composition is important for highly efficient target binding and retention of immunoliposomes. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 5744-5748 (1990).)。また、安定性を高めるためにPSリポソームの表面に、ポリエチレングリコールなどの高分子ポリマーを修飾すると、マクロファージに対するPSリポソームの認識能が顕著に低下するおそれがある(SA Johnstone, D Masin, L Mayer, MB Bally. Surface-associated serum protein inhibit the uptake of phosphatidylserine and poly(ethylene glycol) liposomes by mouse macriphages. Biochim Biopohys Acta 1513:25-37 (2001).)。
このような中で、本発明は、PSリポソーム組成物にインターロイキン10を修飾しても、マクロファージの認識能に変化はなく、マクロファージに対する選択性も維持していることを確認したものである(図2等参照)。
また、マクロファージ細胞の表面には、インターロイキン10とホスファチジルセリン受容体両方が存在し、本発明のリポソーム組成物は、単独または同時にこれらの受容体と結合することから、インターロイキン10受容体とホスファチジルセリン受容体を経由する両方のシグナル伝達の刺激が、インターロイキン10のもつ抗炎症効果を有効に発揮させると同時に、マクロファージの炎症反応を抑えて抗炎症反応を刺激し、これらの相乗効果により、極めて高い抗炎症効果を発揮すると考えられる。
本発明におけるリポソームとしては、ホスファチジルセリンを含有するものであれば特に制限されるものではなく、ホスファチジルコリン(PC)と組み合わせて用いることが好ましい。リポソームにおけるホスファチジルセリン(PS)の含有量としては、10mol%以上であることが好ましく、20mol%以上であることがより好ましい。また、PCと共に用いる場合は、PSとPCのモル比は、PS:PC=1:3〜2:1であることが好ましく、1:2〜1:1であることがより好ましく、3:7であることが特に好ましい。
リポソームの大きさは、リポソームの安定性や組織への到達性等の観点から適宜調整することができ、例えば直径100〜400nm程度の単層リポソームを挙げることができる。リポソームの直径は、例えば動的光散乱法により測定することができる。
ホスファチジルセリンとしては、置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基(不飽和を含む)を有するものが好ましい。アルキル基の炭素数としては、例えば10〜20程度を挙げることができる。ホスファチジルコリンも同様に、アルキル基を有するホスファチジルセリンが好ましく、アルキル基の炭素数としては、例えば10〜20程度を挙げることができる。
本発明のリポソームは、構成成分として、ホスファチジルセリンやホスファチジルコリンの他に、例えば、ジラウリルフォスフェート、ジミリスチルフォスフェート、ジセチルフォスフェート等のリン酸ジアルキルエステルを含有してもよい。
また、本発明のリポソームは、さらに膜安定化剤を含んでいてもよい。膜安定化剤としては、例えば、シトステロール、コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレステロールエステル、フィトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、コレスタノール、ラノステロール、1−O−ステロールグルコシド、1−O−ステロールマルトシド、及びこれらの混合物を挙げることができる。
また、本発明のリポソームは、薬剤や遺伝子類を内包させてもよい。
リポソームの調製方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、超音波処理法、エタノール注入法、フレンチプレス法、エーテル注入法、コール酸法、カルシウム融合法、凍結融解法、逆相蒸発法等を挙げることができる。
本発明のリポソーム組成物は、上記リポソームの表面がインターロイキン10により修飾されているものであるが、安定性の観点から、リポソーム及びインターロイキン10に結合するリンカーを介して修飾されていることが好ましく、リンカーとしては、脂肪酸を好適に例示することができる。脂肪酸としては、リポソーム及びインターロイキン10と結合するものであり、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸を挙げることができ、パルミチン酸が好ましい。
本発明のリポソーム組成物の調製方法としては、例えば、インターロイキン10と、脂肪酸(又はその誘導体)とを反応させた後、かかる反応物をリポソームと反応させる方法を挙げることができる。
本発明のリポソーム組成物は、医薬品製剤(後述する炎症性疾患用治療剤)、生体内材料(免疫細胞にサイトカインを特異的に送達する材料等)、酵素、免疫細胞に対する抗炎症刺激剤(炎症機構や発症のメカニズムの解明のための研究材料等)として用いることができる。
本発明の炎症性疾患用治療剤としては、上記本発明のリポソーム組成物を含有するものであれば特に制限されるものではなく、滅菌水や生理食塩水等の薬学的に許容される担体や、薬学的に許容される他の成分を含んでいてもよい。
本発明の炎症性疾患用治療剤の投与方法としては、注射による投与が好ましく、具体的にボーラス注射又は連続注入により投与することができる。投与量は、投与経路、症状の重度、患者の年齢、副作用の程度等により適宜設定することができる。
本発明の炎症性疾患用治療剤は、炎症性疾患の予防、緩和、改善又は治療のために用いることができ、かかる炎症性疾患としては、肥満、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、心筋炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、脂肪性肝炎、クローン病等を挙げることができ、特に肥満に対して有効である。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
〈材料〉
1.ホスファチジルセリン含有リポソーム(PSL)、およびインターロイキン10修飾PSL(PSL-IL10)の調製
(ホスファチジルセリン含有リポソーム(PSL)の調製)
C18:0のアルキル基を有するホスファチジルセリン(PS)(純度≧98%)と、C16:0−C18:2のアルキル基を有するホスファチジルコリン(PC)(純度≧98%)(all Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)とを、クロロホルム/メタノール(90:10、v/v)に溶かした。
溶媒(クロロホルム/メタノール)を、30℃でロータリーエバポレーターを使って減圧留去し、デシケーターで2時間乾燥を行ってからリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で再懸濁した(10mg/ml)。
ホスファチジルセリン含有リポソーム(PSL)は、PS(14 mM)とPC(33 mM)のモル比3:7の混合で、ホスファチジルコリンリポソーム(PCL)は、PC単独で、FITCラベル化ジオレイルホスファチジルエタノールアミン蛍光色素[1,2-dioleoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine-N-(carboxyfluorescein) (ammonium salt)] (Avanti Polar Lipids, Inc., Alabaster, Alabama, USA)の有り無しのものを作製した。蛍光色素の量は、リポソームmg当たり14.6μgであった。
(インターロイキン10修飾PSL(PSL-IL10)の調製)
既報(S.A. Kim, J.S. Peacock, The use of palmitate-conjugated protein A for coating cells with artificial receptors which facilitate intercellular interactions, J. Immunol. Methods 158 (1993) 57e65.)に少し変更を加えた方法を用いて、組み換えマウスIL-10(BioLegend, San Diego, CA, USA)を、N-ヒドロキシスクシンイミドパルミタート (純度≧98%) (Sigma-Aldrich)と誘導化された。N-ヒドロキシスクシンイミドパルミタートは、10 mg/mlになるようにエタノールで溶かし、50℃まで加温した。正確に10 μl溶液を37℃で加温しておいたIL-10溶液に添加し、37℃で6時間攪拌した。
脂質誘導化されたIL-10は、Sephadex G-25 カラム(GE Healthcare Bio-Science, Tokyo, Japan)で精製し、検量線を用いて280 nm波長で0.1 mg/mlになるように調整した。
PS-IL10は、PSL溶液(10mg/ml)と脂質誘導化されたIL-10溶液(10 μg/ml)を室温で20分間混合することで作製した。未反応のIL-10は4℃で100,000g、60分間、二度遠心することで除去した。リポソームに修飾されたIL-10の濃度は、Bradford法のマイクロアッセイ(Coomassie Brilliant Blue G-250 reagent; BIO-RAD Lab., Hercules, CA, USA)にて定量し、その量はリポソームmg当たりに 0.86 ± 0.02 μgであった。
2.PDL-IL10とPSLのサイズとゼータ電位の測定
ミリーQ水(900 μl;pH 7.3)をPSLまたはPSL-IL10溶液(各100 μl)に添加した。サイズとゼータ電位は、Zetasizer 措置(Malvern Instruments, Malvern, UK)のHe/Neレーザーを用い、検出角度173度、温度25℃で測定した。
PSLのサイズと多分散指数は、312.0 ± 6.5 nmと0.322 ± 0.006であり、PSL-IL10のサイズと多分散指数は、405.9 ± 7.3 nmと0.373 ± 0.012であった。PSLのゼータ電位は、-92.8 ± 1.7 mVであり、PSL-IL10は、-93.6 ± 2.6 mVであった。
〈実験及び結果〉
本実験の結果は、平均値と標準偏差で示した。各グループにおける統計的有意差は、一元配置分散分析(ANOVA)と両側スチューデントのt検定法(Student’s t test)にて算出した。
1.イン・ビトロ実験
(本発明のPSL-IL10の抗炎症機能)
本発明のPSL-IL10が、相乗的な抗炎症効果と濃度依存的炎症反応の減少を誘導することができることを確認した。IL-10、PSLおよびPSL-IL10の抗炎症効果の確認には、Raw264.7マクロファージ細胞を用いた。脂肪組織マクロファージ(ATM)によって活発に産生され、肥満時に増加する二つの炎症性サイトカインであるインターロイキン6(IL-6)と腫瘍壊死因子(TNF-α)に焦点をおいた。
Raw 264.7細胞を、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM) (Gibco、Invitrogen Co.、Grand Island、NY、USA)を用いて、37℃、5%二酸化炭素の条件下で培養した。培地に10%ウシ胎仔血清、ペニシリン(100 U/mL)、ストレプトマイシン(100 μg/mL)、およびアムホテリシンB (0.25 μg/mL) (Gibco製品)を添加した。細胞(2.5 × 104)は24ウェルプレートで37℃、24時間培養した。
リポポリサッカライド(LPS)の刺激(1 μg/ml)から1時間後、IL-10(3または10 ng/ml)、PSL(3または10 μg/ml)、および PSL-IL10[IL-10 (3または10 ng/ml) + PSL(3または10 μg/ml)]を細胞に添加した。さらに、24時間培養後、培地を回収し、IL-6とTNF-αサイトカインの濃度をReady-SET-Go ELISA kit (Affymetrix Inc.、 Santa Clara、CA、 USA)を用い、取扱説明書に沿って測定した。
この結果を図1に示す。(I)は、IL-10 (3 ng/ml)、PSL(3 μg/ml)、PSL-IL10[IL-10(3 ng/ml)修飾PSL(3 μg/ml)]である。(II)は、IL-10(10 ng/ml)、PSL(10 μg/ml)、PSL-IL10[IL-10 (10 ng/ml)修飾PSL (10 μg/ml)]である。UNTは、無添加を示す。
図1に示すように、リポポリサッカライド(LPS)の添加は、Raw264.7でIL-6とTNF-αの産生を促進した(UNT+)。しかし、LPSで処理したRaw264.7に、IL-10、PSL-IL10、およびPSLを添加すると、IL-6とTNF-αの濃度は有意に減少した。興味深いことに、PSLと比べ、本発明のPSL-IL10の添加は、IL-6とTNF-α両方のレベルを有意に減少させたが、IL-10はIL-6レベルだけを減少させた。また、本発明のPSL-IL10を添加したRaw264.7細胞では、IL-6とTNF-αの産生が濃度依存的に減少したが、PSLとIL-10を添加した細胞では同様の結果が確認されなかった。
これらの結果は、PSLにIL-10を修飾した本発明のPSL-IL10が、相乗的な抗炎症効果を奏することを示している。
マクロファージ細胞の表面には、PSとIL-10受容体両方が存在する。PSL-IL10は、単独または同時にこれらの受容体と結合する。受容体との結合は、抗炎症シグナルを刺激するが、PS受容体とIL-10受容体を経由する抗炎症シグナル伝達経路は異なる。例えば、IL-10/IL-10受容体の結合は、主にJak1/STAT3またはTyk2/STAT3シグナルを、PS/PS受容体の結合は、c-Src/PI3K/STAT3またはc-Src/FAK/Racシグナルを刺激する。したがって、PSL-IL10によるPS受容体とIL-10受容体を経由する両方のシグナル伝達の刺激が、相乗的な抗炎症効果と深く関係があると考えられる。
(本発明のPSL-IL10のマクロファージ認識能)
マクロファージに対するPSLとPSL-IL10の親和性(選択能)を、蛍光標識PSLとPSL-IL10を用いて評価した。
肥満は、脂肪細胞への脂肪組織マクロファージ(ATM)浸潤を促進する。これらのATMは、脂肪細胞由来炎症反応における炎症分子の重要な供給源である。近年、アデノ随伴ウイルス(AAV)によるLepob/obマウスの骨格筋へのIL-10遺伝子導入はTNF-α産生の抑制だけではなく、過食、肥満、グルコース不耐性、およびインスリン抵抗性を緩和することがわかってきている。さらに、IL-10遺伝子のハイドロダイナミック送達は、高脂肪食を給餌したマウスモデルの脂肪組織(AT)でマクロファージの浸潤と王冠様構造の発生を抑制することが報告されている。従って、マクロファージにIL-10の高効率な送達は、抗肥満および抗炎症効果を向上させる可能性が高いことから、本発明のPSL-IL10のマクロファージに対する親和性を確認した。
細胞(5 × 104;Raw 264.7、HeLa、NIH3T3、およびHepG2)を24ウェルプレートに蒔いてから、37℃、24時間培養し、さらにサンプル(PSL、PSL-IL10)を添加してから37℃で1時間または3時間培養した。1時間または3時間後、細胞をPBSで3回洗浄し、200 μLの細胞破壊液(100 mM Tris-HCl、pH 7.2、1% Triton-X 100、および2 mM EDTA)を用いて細胞を破壊した。蛍光強度は、マイクロプレートリーダー(Synergy HT, BioTek Instruments, Inc, Winooski, VT, USA)を用いて測定した。総タンパク質の量は595 nm波長でBradford法(Coomassie Brilliant Blue G-250 reagent; BIO-RAD)にて定量した。蛍光強度の結果は総タンパク質のmg当たりの蛍光強度として算出した。
この結果を図2に示す。
図2に示すように、PSLと本発明のPSL-IL10は、他の細胞(HepG2、HeLa、および NIH3T3 細胞)よりもRaw264.7細胞に対する高い親和性を示した。しかし、PSLと本発明のPSL-IL10との間に蛍光強度の差はなかった。
これらの結果は、修飾されているIL-10はマクロファージによるPSL-IL10の認識を阻害せず、また、本発明のPSL-IL10はマクロファージにIL-10をデリバリーする生体材料として適していることを示している。
2.肥満マウスモデルを用いた実験
(肥満マウスにおける本発明のPSL-IL10の抗肥満効果および肝臓損傷抑制効果)
高脂肪食給餌によって誘発された肥満マウスに対する本発明のPSL-IL10の抗肥満効果を、内臓脂肪の変化量及び血清中の総コレステロール値(TC値)の変化量を用いて確認した。
また、高脂肪食給餌による肝臓の損傷について、血清中のアラニンアミノ基転移酵素(ALT)値を用いて確認した。なお、肥満は、肝臓の損傷と、肝脂肪(肝脂肪変性)および肝炎といった肝臓疾患のリスクの増加と関連がある。アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)とアラニンアミノ基転移酵素(ALT)は、臓の損傷を調べるバイオマーカーとして広く使用される。しかし、ASTは心臓に高濃度で存在し、骨格筋、腎臓、脳、膵臓、および血中細胞にも確認されるが、ALTは他の組織に比べ、肝臓に高濃度で存在する理由で、ASTよりもALTのほうが肝臓の損傷をより正確に示す酵素であると考えられている。また、ALTは、肥満と肝脂肪の存在下で有意に増加する。
動物実験は厚生労働省および国立循環器病研究センターの動物実験ガイドラインに従って行った。C57BL/6マウス(オス、5週齢、日本SLC、静岡、日本)は12時間の明暗サイクルと温度(22℃)管理された部屋で飼育した。
6週齢のマウス(20 ± 1 g)を対照群と、ポジティブコントロール群、IL-10投与群、PSL投与群、およびPSL-IL10投与群の四つに分けた。
対照群には、普通食(脂肪4.6%;脂肪由来キロカロリー比11.6%)(CE-2; 日本クレア、東京、日本)を、ポジティブコントロール群、IL-10投与群、PSL投与群、およびPSL-IL10投与群には高脂肪食(脂肪32%;脂肪由来キロカロリー比56.7%)(HFD32; 日本クレア)を12週間給餌した。PSLとPSL-IL10 (各200 μl)およびIL-10 (200 μl PBS溶液;1 μg/mouse)を一週間に一回腹腔内投与した。対照群とポジティブコントロール群には、PBS(200 μl)が腹腔内投与された。
12週目に、マウスの体重を測定し、対照群よりも体重が低いマウスと対照群と同程度の体重のマウス二匹を評価から除外した。残りのマウス(対照群、PSL投与群、およびPSL-IL10投与群はn = 5;ポジティブコントロール群とIL-10投与群はn = 4)を安楽死させ、後大静脈から血液を採取した。BDマイクロテイナ(登録商標)血液採取チューブ(BD, Franklin Lakes, NJ, USA)を血液採取に用い、血清は10,000 × g、5分間遠心して得た。
血清中の総コレステロール値(TC)は、コレステロールE テストワコー(和光純薬工業株式会社、大阪、日本)を用い、取扱説明書に沿って測定した。また、血清中のALT値は、トランスアミナーゼ活性アッセイキット(トランスアミナーゼCII-テストワコー;和光) を用い、取扱説明書に沿って測定した。
図3Aに各サンプルを腹腔内に投与した後のマウスの内臓脂肪の写真を示し、図3Bに各サンプルを腹腔内に投与した後の内蔵脂肪の変化量を示し、図3Cに各サンプルを腹腔内に投与した後の血清中TC値の変化量を示す。
高脂肪食給餌マウス(IL-10、PSL、PSL-IL10、およびポジティブコントロール群)は、普通食給餌マウスに比べて体重の増加が確認された。図3ABに示すように、IL-10と本発明のPSL-IL10を投与したマウスは、ポジティブコントロールマウスと比べ、有意な内臓脂肪量の減少を示した。また、図3Cに示すように、血清中のコレステロール値(TC)は、ポジティブコントロールマウスと比べ、本発明のPSL-IL10を投与したマウスで有意に減少したが、IL-10またはPSL投与群においては有意な減少は確認されなかった。
また、図6Aに、各サンプルを腹腔内に投与した後の血清中のALT値を示す。
図6Aに示すように、ポジティブコントロール群およびIL-10とPSLをそれぞれ投与した群は、対照群と比べ、有意に高いALT値を示した。しかし、本発明のPSL-IL10を投与したマウスのALT値は、対照群と同等のレベルであり、ポジティブコントロール群よりは有意に低かった。
これらの結果は、本発明のPSL-IL10が、抗肥満効果を有し、かつ肝臓の損傷を抑えることができることを示している。
3.組織病理学および免疫組織化学的染色
(本発明のPSL-IL10の抗肥満効果および抗炎症効果)
脂肪細胞のアポトーシスとカスパーゼ3のようなカスパーゼの活性は、肥満マウスとヒトで顕著に増加する。また、脂肪細胞のサイズ、脂肪組織マクロファージ(ATM)浸潤、および脂肪細胞の死滅との間には正相関がある。王冠様構造の発生は、肥満マウスとヒトでの脂肪細胞の死滅とATM浸潤と関連がある。さらに、死滅した脂肪細胞を囲む王冠様構造に浸潤したATMは、TNF-αとIL-6のような炎症関連マーカーを産生する。脂肪細胞の死滅とATM浸潤は、肝臓における脂肪化も促進する。
したがって、上記肥満マウスモデルを用いた実験の各グループにおける脂肪細胞のサイズと王冠様構造を確認した。
内臓脂肪と肝臓を摘出し、重さを量ってから10%ホルマリン固定した。パラフィン包埋、パラフィン切片、スライドグラス上の貼り付けといった一連の操作を終えて、組織はヘマトキシリン・エオシン染色(HE)で染色し、またラット抗マウスF4/80 (CI:A3-1; Abcam, Cambridge, UK)、ヤギ抗マウスIL-6 (M-19; Santa Cruz Biotechnology, Inc., Dallas, TX, USA)、またはマウス抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体(52B83; Santa Cruz Biotechnology)と反応させた。
脂肪細胞のサイズは、ImageJソフトウェアを用いて既報(S.D. Parlee, S.I. Lentz, H. Mori, O.A. MacDougald, Quantifying size and number of adipocytes in adipose tissue, Methods Enzymol. 537 (2014) 93e122.)に従って測定した。王冠様構造(crown-like structure)のパーセントは、既報(I. Murano, G. Barbatelli, V. Parisani, C. Latini, G. Muzzonigro, M. Castellucci, et al., Dead adipocytes, detected as crown-like structures, are prevalent in visceral fat depots of genetically obese mice, J. Lipid Res. 49 (2008) 1562e1568.)に従って行った。小滴性脂肪変性および大滴性脂肪変性は、50−100×倍率で測定し、全表面積当たりのパーセントで示した。二つの脂肪変性は、脂肪性肝細胞の中心に細胞核の存在有無によって分けられた。
図4AにF4/80で染色した脂肪組織の組織切片の顕微鏡写真を示し、図4Bに脂肪細胞のサイズを示し、図4Cに王冠様構造のパーセントを示す。図5AにIL-6で染色した脂肪組織の組織切片の顕微鏡写真を示し、図5BにTNF-αモノクローナル抗体で染色した脂肪組織の組織切片の顕微鏡写真を示す。
図4に示すように、高脂肪食給餌マウス(IL-10、PSL、PSL-IL10、およびポジティブコントロール群)でも小さな脂肪細胞が確認されたが、高脂肪食給餌マウスの脂肪細胞のサイズは、普通食を給餌した対照群と比べ明らかに増加した。本発明のPSL-IL10を投与したマウスは、ポジティブコントロールマウスよりも脂肪細胞のサイズの減少(図4AB)と王冠様構造のパーセントの減少を示したが(図4C)、IL-10またはPSL投与群においては有意な減少は確認されなかった。
また、図5に示すように、脂肪組織から産生される炎症性サイトカイン(IL-6とTNF-α)も高脂肪食給餌マウスで増加し、主に王冠様構造で確認された。しかし、本発明のPSL-IL10の投与は、両方の炎症性サイトカインの産生を抑制した。これらの結果は、本発明のPSL-IL10の投与が、脂肪細胞の死滅と、脂肪組織(AT)における炎症反応を減少し、これによりATへのATM浸潤が抑制されたものと理解できる。
(本発明のPSL-IL10の肝脂肪抑制効果及び炎症巣抑制効果)
さらに、上記摘出した肝臓組織を用いて、本発明のPSL-IL10が、肝脂肪と炎症巣を抑制することができるかを確認した。
図6Bに、肝脂肪のパーセントを示し、図6Cに、肝臓組織における炎症巣の数(平均数)を示し、図6Dに、肝臓組織切片のHE染色の顕微鏡写真を示す。
図6BCDに示すように、高脂肪食給餌は、小滴性脂肪変性と大滴性脂肪変性を含め、肝臓の構造変性を誘発した。しかし、本発明のPSL-IL10を投与したマウスではポジティブコントロール群と比べ、肝脂肪のパーセントを有意に減少されたが、IL-10またはPSLを投与したマウスでは有意な差がなかった(図6BD)。一方、炎症巣の数は、対照群よりもポジティブコントロール群およびIL-10とPSLをそれぞれ投与した群で高かった。しかし、本発明のPSL-IL10投与群と対照群の間に統計的な有意差は見られなかった(図6C)。これらの結果は、本発明のPSL-IL10は、肥満マウスにおいて肝臓の損傷と肝疾患のリスクを減らすことができることを示している。
以上のとおり、本実施例における高脂肪食給餌マウスを用いた実験で、本発明のPSL-IL10を投与したマウスでは、血清中TC値の減少、脂肪細胞のサイズの減少、王冠様構造の減少、脂肪組織における炎症性サイトカイン(IL-6とTNF-α)の産生抑制、および肝臓における損傷、脂肪化および炎症の減少といった抗肥満および抗炎症効果が確認されたが、IL-10またはPSLを投与したマウスでは確認されなかった。これらの結果から、本発明のPS-IL10はマクロファージ認識能と、IL-10とPSLとの相乗的な抗炎症効果による極めて高い炎症抑制能を有しており、肥満を含めた炎症関連疾患の治療効率を上げることができると考えられる。
本発明のリポソーム組成物は、医薬品製剤(炎症性疾患用治療剤等)、生体内材料(免疫細胞にサイトカインを特異的に送達する材料等)、酵素、免疫細胞に対する抗炎症刺激剤(炎症機構や発症のメカニズムの解明のための研究材料等)として用いることができ、産業上有用である。

Claims (7)

  1. ホスファチジルセリンを含有するリポソームの表面がインターロイキン10で修飾されていることを特徴とする前記インターロイキン10をマクロファージへ送達するためのリポソーム組成物。
  2. ホスファチジルセリンを含有するリポソームの表面がインターロイキン10で修飾されていることを特徴とする抗炎症用リポソーム組成物。
  3. リポソームの表面が脂肪酸を介してインターロイキン10で修飾されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリポソーム組成物。
  4. ホスファチジルセリンを含有するリポソームの表面がインターロイキン10で修飾されているリポソーム組成物を含有することを特徴とする炎症性疾患用治療剤。
  5. リポソーム組成物が、リポソームの表面が脂肪酸を介してインターロイキン10で修飾されていることを特徴とする請求項4記載の炎症性疾患用治療剤。
  6. 炎症性疾患が、肥満、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、心筋炎、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、脂肪性肝炎及びクローン病から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4又は5記載の炎症性疾患用治療剤。
  7. 炎症性疾患が、肥満であることを特徴とする請求項記載の炎症性疾患用治療剤。
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