JP6956397B2 - 液状化強度比の推定方法 - Google Patents
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Description
原地盤の微小変形特性値(VS又はG)を取得する第1ステップと、
原地盤と同等の密度を有する試験試料についての微小変形特性値(VS *又はG*)と液状化強度比(RL *)とを取得する第2ステップと、
原地盤の液状化強度比(RL)を、前記原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と、前記試験試料の微小変形特性値(VS *又はG*)と、前記試験試料の液状化強度比(RL *)とから推定する第3ステップと
を備える液状化強度比の推定方法。
前記微小変形特性値は、せん断波速度(VS)である、項目1に記載の推定方法。
前記微小変形特性値は、せん断剛性率(G)である、項目1に記載の推定方法。
前記試験試料は、再構成試料又は原地盤から採取された不撹乱試料である
項目1〜3のいずれか1項に記載の推定方法。
原地盤から取得した前記不撹乱試料を評価し、前記不撹乱試料の品質が不十分と判断したときに、前記第3ステップを実行する
項目1〜4のいずれか1項に記載の推定方法。
原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と液状化強度比(RL)とを取得する第1ステップと、
原地盤と同等の密度を有する試験試料についての微小変形特性値(VS *又はG*)と液状化強度比(RL *)とを取得する第2ステップと、
前記原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と前記試験試料の微小変形特性値(VS *又はG*)との比と、前記原地盤の液状化強度比(RL)と前記試験試料の液状化強度比(RL *)との比との関係を取得する第3ステップと
を有する
関係取得方法。
項目1〜6のいずれか1項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と試験試料の微小変形特性値(VS *又はG*)との比と、前記原地盤の液状化強度比(RL)と前記試験試料の液状化強度比(RL *)との比との関係を表すデータであって、
ここで、前記試験試料は、前記原地盤と同等の密度を有しており、
原地盤の液状化強度比(RL)を、前記原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と、試験試料の微小変形特性値(VS *又はG*)と、前記試験試料の液状化強度比(RL *)とから推定する処理に用いられる
データ。
原地盤と同等の密度を有する試験試料についての微小変形特性値(VS *又はG*)を計測する第1計測部と、
前記試験試料についての液状化強度比(RL *)を計測する第2計測部と、
前記原地盤の液状化強度比(RL)を、原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と、前記試験試料の微小変形特性値(VS *又はG*)と、前記試験試料の液状化強度比(RL *)とから推定する推定部と
を備える液状化強度比の推定装置。
まず、本実施形態の説明の前提として、本発明者による知見を詳しく説明する。本発明者は、液状化強度比に及ぼす土粒子構造の影響を評価するため、密度一定という条件下で、異なるせん断波速度VSを有する供試体(すなわち試験試料)を作成し、下記の液状化試験を実施した(前記した非特許文献6参照)。
・試験機:三軸試験機;
・実験試料:豊浦砂;
・相対密度Dr:50%,65%,75%の3シリーズ。
図1に、両振幅軸ひずみεV(DA)=5%、繰り返し回数20回で定義した液状化強度比RLと供試体の相対密度との関係を示す。また、図2に、液状化強度比RLと、液状化試験前に計測した供試体のVsとの関係を示す。これらの図において「cycle」とは、排水繰り返し載荷履歴時の繰り返し回数を示し、「Reliq」は、非排水繰返し載荷履歴(いわゆる液状化履歴)を有する供試体を示している。
以上の説明を前提として、本実施形態に係る液状化強度比の推定方法を、図4〜図7をさらに参照しながら説明する。
まず、図3に示すような、RL/RL *とVS/VS *との関係を取得する。この手順の詳細を、図5をさらに参照しながら説明する。
まず、同密度でのVS,VS *,RL,RL *の組を、複数取得する。ここで、同密度とは、一つの組において密度が同程度であることをいう。したがって、異なる組の間では密度は異なっていてもよい。また、密度が同程度とは、実用上支障のない程度に同じ密度であればよく、どの程度の密度を同程度とするかは、実験的あるいは経験的に決定できる。同密度でのVS,VS *,RL,RL *の組の取得は、例えば、実際の地盤と試験試料とからデータを取得することにより求めてもよいし、既往研究に示されたこれらのデータを収集することにより求めてもよい。図3の例は、両者のデータを含んでいる。なお、これらのデータを取得するための取得方法としては、既存の各種方法を用いることができるので、それについての詳しい説明は省略する。
ついで、得られた密度ごとのデータの組(VS,VS *,RL,RL *)を用いて、RL/RL *とVS/VS *を算出する。この処理を、各組について行う。算出結果どうしの関係を、例えば最小二乗法を用いて近似することができる。
RL=RL *×(VS/VS *)^b (1)
と表すことができる。ここでbは、例えばフィッティングにより求められる係数である。
RL=a0+a1X+a2X2+,…,+anXn (2)
のように表すことができ、ai(ここでi=0,1,…,n)は、例えばフィッティングにより求められる係数である。多項式の適切な次数は、実験的に決定できる。
RL=F(VS,VS *,RL *) (3)
ついで、液状化強度比RLを推定すべき対象となる原地盤について、データの組(VS,VS *,RL *)を取得する。
まず、原地盤のせん断波速度VSと密度とを取得する。これらは、例えば原地盤に対するボーリング調査により取得できるが、この方法に制約されない。また、後述する試験試料の密度が原地盤と同等の密度であると見なされていれば、この時点で原地盤の密度を取得しなくともよい。
ついで、原地盤から、不撹乱試料を採取する。その後、室内試験により、その試料の品質を評価する。品質評価方法としては、非特許文献10に示されるように、原地盤と採取試料のせん断波速度VSと密度の同等性を確認する方法がある。また、不攪乱試料を採取せず、再構成試料を用いる場合は、ステップSC−2及びSC−3は省略できる。
試料の品質が十分であれば、その試料を用いて、液状化強度比RLを推定することができる。この場合は以降の手順を省略することができる。
ステップSC−2での不攪乱試料を採取しない場合、あるいはステップSC−3での試料の品質評価において、不十分と判断された場合は、室内試験において、原地盤と同等密度の再構成試料を準備する。あるいは、不撹乱試料の密度が原地盤と同等であれば、当該不撹乱試料を用いることもできる。以下の説明では、両者を総称して単に試料と称する。ここで、試料と原地盤との間における土粒子構造の相違については、特段の考慮は不要である点に注意する。
ついで、室内試験により、試料のせん断波速度VS *を計測する。この計測手法についても特に制約されず、例えば既存の各種方法を用いることができる。
ステップSC−6と同時にあるいは前後して、室内試験により、試料の液状化強度比RL *を計測する。この計測手法についても特に制約されず、例えば既存の各種方法を用いることができる。
ついで、得られたデータの組(VS,VS *,RL *)を用いて、例えば図3の関係を用いて、原地盤の液状化強度比RLを推定することができる。
以下、前記した手順を実施するための推定装置の一例を、図7を参照しながら説明する。
前記した実施形態において、図3に示すようなデータは、「原地盤の液状化強度比(RL)を、原地盤のせん断波速度VSと、試験試料のせん断波速度VS *と、試験試料の液状化強度比RL *とから推定する処理に用いられるデータ」の一例に対応する。
2 第2計測部
3 推定部
4 出力部
G せん断剛性率
RL 液状化強度比
VS せん断波速度
Claims (8)
- 原地盤の微小変形特性値を取得する第1ステップと、
原地盤と同等の密度を有する試験試料についての微小変形特性値と液状化強度比(RL *)とを取得する第2ステップと、
原地盤の液状化強度比(RL)を、前記原地盤の微小変形特性値と、前記試験試料の微小変形特性値と、前記試験試料の液状化強度比(RL *)とから、式(1)又は(2)に基づいて推定する第3ステップとを備えており、
前記式(1)は
R L =R L * ×(V S /V S * )^b (1)
と表されるものであり、
ここでV S は、前記原地盤の微小変形特性値、V S * は、前記試験試料の微小変形特性値、bは係数であり、
前記式(2)は
R L =a 0 +a 1 X+a 2 X 2 +,…,+a n X n (2)
と表されるものであり、
ここでX=R L * ×(V S /V S * )であり、a i (ここでi=0,1,…,n)は係数である、液状化強度比の推定方法。 - 前記微小変形特性値は、せん断波速度である、請求項1に記載の推定方法。
- 前記微小変形特性値は、せん断剛性率(G)である、請求項1に記載の推定方法。
- 前記試験試料は、再構成試料又は原地盤から採取された不撹乱試料である
請求項1〜3のいずれか1項に記載の推定方法。 - 前記試験試料は、前記原地盤から取得した不撹乱試料であり、
前記不撹乱試料の品質を評価し、この評価の結果に基づいて、前記第3ステップを実行するかどうかを決定するステップをさらに備える
請求項1〜4のいずれか1項に記載の推定方法。 - 請求項1に記載の前記式(1)又は(2)における係数(a i 又はb)を決定する方法であって、
原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と液状化強度比(RL)とを取得する第1ステップと、
原地盤と同等の密度を有する試験試料についての微小変形特性値(VS *又はG*)と液状化強度比(RL *)とを取得する第2ステップと、
前記原地盤の微小変形特性値(VS又はG)と前記試験試料の微小変形特性値(VS *又はG*)との比と、前記原地盤の液状化強度比(RL)と前記試験試料の液状化強度比(RL *)との比との関係から、前記式(1)又は(2)における係数を決定する第3ステップと
を有する
関係取得方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
- 原地盤の液状化強度比(RL)を、前記原地盤の微小変形特性値と、前記原地盤と同等の密度を有する試験試料の計測によって得られた微小変形特性値と、前記試験試料の計測によって得られた液状化強度比(RL *)とから、式(1)又は(2)に基づいて推定する推定部を備えており、
前記式(1)は
R L =R L * ×(V S /V S * )^b (1)
と表されるものであり、
ここでV S は、前記原地盤の微小変形特性値、V S * は、前記試験試料の微小変形特性値、bは係数であり、
前記式(2)は
R L =a 0 +a 1 X+a 2 X 2 +,…,+a n X n (2)
と表されるものであり、
ここでX=R L * ×(V S /V S * )であり、a i (ここでi=0,1,…,n)は係数である、液状化強度比の推定装置。
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