JP6954172B2 - 放射線撮影システム及びコンソール - Google Patents

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Description

本発明は、放射線撮影システム及びコンソールに関する。
従来、生体を放射線撮影した放射線画像を定量解析(信号値の数値解析)することにより得られた解析結果が診断の判断材料として利用されている。放射線画像の定量解析では、解析結果の信号値が非常に重要な意味を持っている。
しかし、放射線撮影装置は、装置によって管球の固有濾過、付加フィルター、照射野絞り器又はX線可動絞りの材質等が異なり、同一の撮影条件(管電圧:kV、線量:mAs等)であっても、撮影装置によって実際に出力される線量や線質が異なってしまうことがある。そうすると、同一撮影条件下で撮影された放射線画像の信号値(同一対象を撮影したときの信号値)やコントラストにバラツキが生じ、患者の解析結果そのものや経時変化、他の患者とどの程度解析結果が異なるかという比較が困難となり、解析結果が診断の助けにならなくなる。
例えば、長手方向に20cm、最大の厚さ2cmで、1mmずつ20ステップの厚さが変わるアルミニウム製の部材(アルミステップ。図2参照。)等の基準ファントムFを基準のエネルギーの放射線を照射して放射線撮影した場合に図4(a)に示す信号値が得られたとした場合、線質を変えて、基準より低エネルギーの放射線を照射すると、放射線はアルミニウムに吸収されやすいため、図4(b)に示すように信号値のコントラストが大きくなる。また、基準より高エネルギーの放射線を照射すると、放射線はアルミニウムに吸収されにくいため、図4(c)に示すように信号値のコントラストが小さくなる。また、放射線の線量が増えると、同じステップ(厚さ)のアルミニウムを表す信号値は大きくなる。
そこで、装置間のバラツキ等による放射線画像の信号値やコントラストのバラツキを補正する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、骨部の放射線画像を利用してその骨部の骨塩定量を求める骨塩定量分析システムにおいて、骨塩定量を求めるのに先行して、放射線管球を基準管電圧を含む複数通りの管電圧で駆動して標準物質の放射線画像を取得し、得られた放射線画像から、標準物質の放射線透過特性が互いに異なる少なくとも2つの部分に関する濃度勾配を複数通りの管電圧毎に求めておき、骨塩定量を求めるために撮影された放射線画像において、その濃度勾配と基準管電圧で撮影された場合の濃度勾配との関係に基づいて、骨塩定量を求めるための放射線画像又は骨塩定量分析結果を基準管電圧で撮影された場合のものに補正することが記載されている。
特開2013−150762号公報
ところで、近年、放射線を用いて生体の動態を動画撮影することにより得られた動画像を定量解析することが提案されている。動画撮影では、複数のフレーム画像(例えば、300枚)を取得するために連続して(または短時間に多数の)放射線を照射し続けるため、熱等の影響により撮影中に管球のターゲットやフィラメントの状態が変化し、出力される放射線の線量や線質が撮影中に変化する、という現象が生じる。
しかしながら、特許文献1の記載の技術では、静止画撮影で得られた放射線画像を対象としているため、出力される放射線の線量や線質が撮影中に変化するという動画像特有の現象を考慮した補正を行うことができない。
本発明の課題は、撮影装置が異なることにより放射線撮影された動画像の信号値やコントラストがばらつくことを抑制できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
被写体に放射線を照射して動画撮影することにより動画像を取得する撮影手段を備える放射線撮影システムであって、
基準の撮影装置で基準ファントムを基準となる撮影条件で動画撮影することにより得られた基準画像を記憶する記憶手段と、
前記撮影手段により前記基準ファントムを動画撮影することにより得られた基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて、前記撮影手段により取得される動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための複数の補正データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された補正データを用いて、前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正する補正手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記撮影手段で前記被写体と前記基準ファントムを同時に動画撮影させ、得られた前記基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて前記生成手段に前記補正データを生成させる制御手段を備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記撮影手段で前記被写体を動画撮影する前又は後に前記基準ファントムを動画撮影させ、得られた前記基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて前記生成手段に前記補正データを生成させる制御手段を備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記記憶手段は、前記基準の撮影装置で前記基準ファントムを複数の撮影条件で動画撮影することにより得られた複数の基準画像を記憶し、
前記撮影手段により前記複数の撮影条件で前記基準ファントムを動画撮影させ、得られた複数の前記基準ファントム画像のそれぞれの複数のフレーム画像と、その基準ファントム画像を撮影したときと同一の撮影条件で動画撮影された前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて、前記生成手段により複数の撮影条件毎の前記補正データを生成して前記記憶手段に記憶させ、前記撮影手段により前記被写体が動画撮影された際に、前記補正手段により当該被写体を撮影したときの撮影条件に対応する前記補正データに基づいて前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正させる制御手段を備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記生成手段は、前記動画像の各フレーム画像毎に一の補正データを生成する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記生成手段は、前記動画像の全てではない複数枚のフレーム画像毎に一の補正データを生成する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、
前記補正手段により信号値が補正された動画像に定量解析を施す定量解析手段を備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、
前記補正手段は、前記動画像に定量解析を施す場合には、前記生成手段により前記動画像の各フレーム画像毎又は複数のフレーム画像毎に生成された複数の補正データを用いて前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正し、前記動画像に定量解析を施さない場合には、前記生成手段により生成された前記動画像の全てのフレーム画像に共通の一の補正データを用いて前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正する。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、
前記撮影手段は、さらに、被写体に放射線を照射して静止画撮影することにより静止画像を取得することが可能であり、
前記生成手段は、前記撮影手段により動画撮影が行われた場合に取得される前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための補正データを生成する第1の生成手段と、前記撮影手段により静止画撮影が行われた場合に取得される前記静止画像の信号値を補正するための補正データを生成する第2の生成手段を有し、
前記補正手段は、前記撮影手段により動画撮影が行われた場合には、前記第1の生成手段で生成された補正データを用いて前記動画像の各フレーム画像の信号値の補正を行い、前記撮影手段により静止画撮影が行われた場合には、前記第2の生成手段で生成された補正データを用いて前記静止画像の信号値の補正を行う。
請求項10に記載の発明は、
撮影手段により被写体に放射線を照射して動画撮影することにより得られた動画像を補正するコンソールであって、
基準の撮影装置で基準ファントムを基準となる撮影条件で動画撮影することにより得られた基準画像を記憶する記憶手段と、
前記撮影手段により前記基準ファントムを動画撮影することにより得られた基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて、前記撮影手段により取得される動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための複数の補正データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された補正データを用いて、前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正する補正手段と、
を備える。
本発明によれば、撮影装置が異なることにより放射線撮影された動画像の信号値やコントラストがばらつくことを抑制することが可能となる。
本発明の実施形態における放射線撮影システムの全体構成を示す図である。 基準ファントムの一例を示す図である。 第1の実施形態において撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理Aを示すフローチャートである。 (a)は、基準ファントムを基準のエネルギーの放射線を照射して放射線撮影した場合に得られる信号値の一例を示す図、(b)は、基準のエネルギーよりも低エネルギーの放射線を照射して放射線撮影した場合に得られる信号値の一例を示す図、(c)は、基準のエネルギーよりも高エネルギーの放射線を照射して放射線撮影した場合に得られる信号値の一例を示す図である。 第2の実施形態において撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理Bを示すフローチャートである。 第3の実施形態において撮影用コンソールの制御部により実行される補正テーブル生成処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態において撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理Cを示すフローチャートである。 第4の実施形態において撮影用コンソールの制御部により実行される撮影条件調整処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<第1の実施形態>
〔放射線撮影システム100の構成〕
まず、本発明の第1の実施形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における放射線撮影システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、放射線撮影システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。放射線撮影システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、人体の被写体部位を放射線撮影して放射線画像を取得する撮影手段である。撮影装置1は、静止画撮影又は動画撮影が可能である。例えば、撮影装置1は、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ被写体の動態を動画撮影する。動画撮影では、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得する。動画撮影により得られた一連の画像を動画像と呼ぶ。動画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。なお、以下の実施形態では、撮影装置1は、胸部を撮影するものとして説明する。また、動画撮影では、パルス照射により動画撮影を行う場合を例にとり説明する。
放射線源11は、被写体Mを挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影時間、管電流の値、管電圧の値、SID(Source to Image−receptor Distance)、等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、FPD(Flat Panel Detector)等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPDにはX線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、撮影時間(蓄積時間)、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影(動画撮影、静止画撮影)及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された放射線画像(動画像、静止画像)に信号値の補正処理を始めとする各種補正処理を施して診断用コンソール3に送信する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理Aを始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御したり、撮影装置1により得られた放射線画像(動画像、静止画像)に各種補正処理を施したりする。
制御部21は、生成手段、補正手段、制御手段として機能する。
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図3に示す撮影制御処理Aを実行するためのプログラムを記憶している。また、記憶部22は、胸部の静止画撮影用及び動画撮影用の撮影条件(放射線照射条件及び画像読取条件)を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部22には、図示しないRIS(Radiology Information System)等から送信された撮影オーダー情報が記憶されている。撮影オーダー情報には、患者情報(例えば、患者ID、患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)、検査情報(例えば、検査ID、検査日、被写体部位(ここでは、胸部とする)、静止画撮影か動画撮影かの区別、定量解析の有無等)が含まれる。
さらに、記憶部22には、基準の撮影装置で基準ファントムを基準の撮影条件で放射線撮影(静止画撮影)したときの信号値を表す静止画撮影用の基準画像と、基準の撮影装置で基準のファントムを基準の撮影条件で放射線撮影(動画撮影)したときの各フレーム画像における信号値を表す動画撮影用の基準画像と、が記憶されている。基準ファントムは、例えば、図2に示すように、長手方向に20cm、最大の厚さ2cmで、1mmずつ20ステップの厚さが変わるアルミニウム製の部材(アルミステップ)等である。基準画像は、撮影用コンソール2を出荷するときに予め記憶部32に記憶されたものである。
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部25は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から放射線画像を取得し、取得した放射線画像を表示したり、放射線画像に定量解析を行って解析結果を表示したりすることにより医師の診断を支援するための装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、撮影用コンソール2から受信した放射線画像を表示したり、受信した放射線画像に定量解析処理を施したりする。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31が定量解析処理を実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部32には、撮影された放射線画像が患者情報(例えば、患者ID、患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)、検査情報(例えば、検査ID、検査日、被写体部位(ここでは、胸部とする)、静止画撮影か動画撮影かの区別、定量解析の有無等)に対応付けて記憶されている。
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示部34は、LCDやCRT等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種表示を行う。
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔放射線撮影システム100の動作〕
次に、本実施形態における上記放射線撮影システム100の動作について説明する。
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図3に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理Aのフローチャートを示す。撮影制御処理Aは、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、撮影実施者により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、撮影オーダー情報が選択される(ステップS1)。
次いで、選択された撮影オーダー情報に基づいて、動画撮影を行うか静止画撮影を行うかが判断される(ステップS2)。
動画撮影を行うと判断された場合(ステップS2;YES)、撮影オーダー情報に対応する動画撮影用の放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、動画撮影用の画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS3)。ここで設定される撮影条件は、基準の撮影装置で動画撮影用の基準画像を撮影したときの基準の撮影条件と同じである。
ここで、撮影技師等の撮影実施者は、被写体M及び基準ファントムを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。基準ファントムは、被写体Mと重ならない予め定められた位置に配置される。また、被検者に対し、呼吸状態(息止め、深呼吸、安静呼吸等)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
また、放射線源11と放射線検出部13の相対位置関係は線量に影響するため、予め定められた位置関係(基準の撮影装置において基準画像を取得したときの放射線源と放射線検出部の相対位置関係)と合うように、放射線源11と放射線検出部13の中心位置、相対角度、照射野等を調整しておくか、距離の2乗則に則り距離の影響を補正しておくことが好ましい。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、被写体Mと基準ファントムが同時に動画撮影される(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定された撮影条件で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13により被写体Mと基準ファントムが描写された複数のフレーム画像が取得される。予め定められた撮影時間が経過すると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、動画撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が対応付けられてRAMに記憶される。
次いで、撮影により取得された動画像の各フレーム画像に各種補正処理が施される(ステップS5)。ステップS5においては、例えば、放射線検出部13のゲイン補正、オフセット補正、残像補正、画素欠陥補正、線欠陥補正、放射線のヒール効果による濃度ムラ補正、放射線検出部13の温度依存性や経時変化の補正、画素のリニアリティの補正、散乱線補正、放射線源11から放射線検出部13までの間にある中間物質(ベッドや天板等)の影響の補正、体動補正等が挙げられる。なお、一部の補正処理は、ステップS8、S10の信号値の補正処理の後に行われることも有り得る。
次いで、定量解析を行うか否かが判断される(ステップS6)。例えば、ステップS1で選択された撮影オーダー情報の検査情報に基づいて、定量解析を行うか否かが判断される。
定量解析を行うと判断された場合(ステップS6;YES)、撮影により得られた動画像のフレーム画像毎に、基準ファントム領域(すなわち、基準ファントム画像)の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の対応するフレーム画像(フレーム番号が同じフレーム画像)の信号値との比較に基づいて、ステップS4で動画撮影された動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための補正テーブル(補正データ)が生成される(ステップS7)。本願において、補正テーブルは、撮影により得られた画像の信号値を、基準の撮影装置で同じ被写体を同じ撮影条件で撮影したときに得られる画像の信号値に合うように補正するためのテーブルである。例えば、基準ファントムFを基準の撮影装置で放射線撮影することにより得られた各ステップの信号値が図4(a)であり、基準ファントムFを撮影装置1で放射線撮影することにより得られた各ステップの信号値が図4(b)(又は(c))であった場合、図4(b)(又は(c))の複数ステップの信号値の傾きを図4(a)複数ステップの信号値の傾きに変換するテーブルが補正テーブルとして生成される。当然、途中の信号値もその変換に則って補正することができる。
そして、生成された補正テーブルに基づいてステップS4で動画撮影された動画像の各フレーム画像の信号値が補正され(ステップS8)、処理はステップS16に移行する。
ここで、動画撮影では、複数のフレーム画像(例えば、300枚)を取得するために連続して放射線を照射し続けるため、熱等の影響により撮影中に管球のターゲットやフィラメントの状態が変化し、出力される放射線の線量や線質が撮影中に変化する、という現象が生じる。そこで、本実施形態では、基準の撮影装置での動画撮影中における放射線の線量や線質の変化による動画像の信号値やコントラストの変化に今回の撮影で取得された動画像の信号値やコントラストを合わせるために、基準の撮影装置で基準ファントムを基準の撮影条件で動画撮影した各フレーム画像における基準ファントム領域の信号値を表す動画撮影用の基準画像を予め用意しておき、フレーム画像毎に、今回の動画撮影により得られた基準ファントム領域の信号値を基準画像の対応するフレーム画像の信号値と比較して、その差異に基づいて補正テーブルを生成する。そして、動画像のフレーム画像毎に、生成した補正テーブルに基づいて信号値を補正する。したがって、撮影された動画像の各フレーム画像の信号値やコントラストを基準の撮影装置の動画撮影中における線量や線質の変化による信号値やコントラストの変化に合わせることができ、異なる撮影装置間における動画像の信号値やコントラストのバラツキを抑えることができる。
なお、本実施形態では、動画撮影により得られた各フレーム画像の基準ファントム領域の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の対応するフレーム画像の信号値との比較に基づいて、撮影された動画像の各フレーム画像の補正テーブルを生成する場合を例にとり説明しているが、定量解析で問題となる信号値やコントラストの変化に対して補正した動画像の信号値やコントラストの変化が小さければ、同一の補正テーブルを使用しても問題がない。そのため、補正テーブルは、全てのフレーム画像ではなく、解析結果に有意に影響を与える程度に信号値やコントラストが変化する枚数毎(例えば、10フレーム毎、50フレーム毎等)に生成することとしてもよい。この場合、動画撮影用の基準画像についても補正テーブルを生成する枚数に対応して記憶しておけばよい。例えば、1〜10フレームに対して同じ補正テーブルを使用する場合、1枚目のフレーム画像の基準ファントム領域の信号値と基準画像の1枚目のフレーム画像の信号値を用いて補正テーブルを生成し、この補正テーブルを用いて1〜10フレームまでを補正してもよい。或いは、中間の5枚目のフレーム画像の基準ファントム領域の信号値と基準画像の5枚目のフレーム画像の信号値を用いて補正テーブルを生成し、この補正テーブルを用いて1〜10フレームまでを補正してもよい。或いは、1〜10フレームの基準ファントム領域の信号値の平均値と基準画像の1〜10フレームの信号値の平均値を用いて補正テーブルを生成し、この補正テーブルを用いて1〜10フレームまでを補正してもよい。これにより、各フレーム画像に対して補正テーブルを生成する場合に比べて補正テーブルの作成に要する処理時間を短縮することができる。
一方、ステップS6において、定量解析を行わないと判断された場合(ステップS6;NO)、撮影により得られた所定のフレーム画像の基準ファントム領域の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の対応するフレーム画像の信号値との比較に基づいて、撮影された動画像の信号値の補正テーブル(全フレーム画像の共通補正テーブル)が生成される(ステップS9)。そして、生成された補正テーブルに基づいてステップS4で動画撮影された動画像の各フレーム画像の信号値が補正され(ステップS10)、処理はステップS16に移行する。
ここで、動画撮影中における信号値やコントラストの変化は、目視で動画像を観察するだけではわからない。そこで、定量解析を行わずに、動画像を目視による観察用に表示するだけの場合、補正テーブルを1つ生成し、1つの補正テーブルで全フレーム画像を補正する。例えば、撮影により得られた1枚目のフレーム画像の基準ファントム領域の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の1枚目のフレーム画像の信号値との比較に基づいて、撮影された動画像の全フレーム画像の共通補正テーブルを生成することとしてもよい。また、動画撮影の最初や最後は呼吸が落ち着いていない、最後で息苦しい状態になっている等の原因で、呼吸の中央付近の信号を診断において重要視する場合は、例えば、撮影により得られた中間番目のフレーム画像の基準ファントム領域の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の中間番目のフレーム画像の信号値との比較に基づいて、撮影された動画像の全フレーム画像の共通補正テーブルを生成することとしてもよい。或いは、撮影により得られた動画像の全フレーム画像の基準ファントム領域の信号値の平均値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の全フレーム画像の信号値の平均値との比較に基づいて、撮影された動画像の各フレーム画像の信号値の共通補正テーブルを生成することとしてもよい。これにより、各フレーム画像に対して補正テーブルを生成する場合に比べて補正テーブルの作成に要する処理時間を短縮することができる。この全フレーム画像の共通補正テーブルは、出荷時に工場で作成し、撮影用コンソール2の記憶部22に事前に保存しておいてもよい。
一方、ステップS2において、静止画撮影を行うと判断された場合(ステップS2;NO)、撮影オーダー情報に対応する静止画撮影用の放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、静止画撮影用の画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS11)。ここで設定される撮影条件は、基準の撮影装置で静止画撮影用の基準画像を撮影したときの基準の撮影条件と同じである。
ここで、撮影技師等の撮影実施者は、被写体M及び基準ファントムを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。基準ファントムは、被写体Mと重ならない予め定められた位置に配置される。また、被検者に対し、呼吸状態(息止め)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、被写体Mと基準ファントムが同時に静止画撮影される(ステップS12)。即ち、放射線照射制御装置12に設定された撮影条件で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13により1枚の静止画像が取得される。撮影により取得された静止画像は撮影用コンソール2に入力され、RAMに記憶される。
次いで、撮影により取得された静止画像に各種補正処理が施される(ステップS13)。ステップS13においては、ステップS5で挙げた各種補正処理が行われる。なお、一部の補正処理は、ステップS15の信号値の補正処理の後に行われることも有り得る。
次いで、撮影により得られた静止画像の基準ファントム領域の信号値と記憶部22に記憶されている静止画撮影用の基準画像の信号値との比較に基づいて、撮影された静止画像の信号値の補正テーブルが生成される(ステップS14)。そして、生成された補正テーブルに基づいて静止画像の信号値が補正され(ステップS15)、処理はステップS16に移行する。
ステップS16においては、補正後の動画像のフレーム画像又は静止画像に画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、動画像の場合の撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれる)、通信部25により診断用コンソール3に送信され、撮影制御処理Aは終了する。
診断用コンソール3においては、撮影用コンソール2から放射線画像(動画像又は静止画像)が受信されると、受信した放射線画像が患者情報や検査情報と対応付けて記憶部32に記憶される。そして、操作部33により放射線画像が選択され、表示が指示されると、制御部31により、選択された放射線画像が記憶部32から読み出されて表示部35に表示される。また、操作部33により放射線画像が選択され、定量解析が指示されると、制御部31により、選択された放射線画像が記憶部32から読み出されて定量解析が施され、解析結果が表示部35に表示される。胸部の動画像の定量解析としては、例えば、特開2012−110451号公報に記載の換気解析や血流解析等を挙げることができる。また、長さや角度などの面内での解析ではなく、信号値を用いた解析については、他の解析についても同様に適用できる。
このように、第1の実施形態において、撮影用コンソール2の制御部21は、撮影装置1により被写体Mと基準ファントムを同時に動画撮影させ、得られた動画像の複数のフレーム画像の基準ファントム領域の信号値と、基準の撮影装置で基準ファントムを基準の撮影条件で動画撮影することにより取得された基準画像の複数のフレーム画像の信号値とに基づいて、撮影装置1により取得された動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための補正テーブルを生成して動画像の各フレーム画像の信号値を補正する。
したがって、撮影された動画像の各フレーム画像の信号値やコントラストを基準の撮影装置の動画撮影中における線量や線質の変化による信号値やコントラストの変化に合わせることができ、異なる撮影装置間における動画像の信号値やコントラストのバラツキを抑えることができる。その結果、動画像を定量解析した解析結果のバラツキを抑えることができ、精度の高い解析結果を提供することが可能となる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、基準ファントムと被写体を同時に撮影する例について説明したが、第2の実施形態では、被写体の撮影前又は後に基準ファントムを撮影する例について説明する。
第2の実施形態の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態の動作について説明する。
図5に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理Bのフローチャートを示す。撮影制御処理Bは、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、撮影実施者により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、撮影オーダー情報が選択される(ステップS21)。
次いで、選択された撮影オーダー情報に基づいて、動画撮影を行うか静止画撮影を行うかが判断される(ステップS22)。
動画撮影を行うと判断された場合(ステップS22;YES)、撮影オーダー情報に対応する動画撮影用の放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、動画撮影用の画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS23)。ここで設定される撮影条件は、基準の撮影装置で動画撮影用の基準画像を撮影したときの基準の撮影条件と同じである。
ここで、撮影技師等の撮影実施者は、基準ファントムを放射線源11と放射線検出部13の間の所定の位置に配置し、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。また、放射線源11と放射線検出部13の相対位置関係は線量に影響するため、予め定められた位置関係(基準の撮影装置において基準画像を取得したときの放射線源と放射線検出部の相対位置関係)と合うように、放射線源11と放射線検出部13の中心位置、相対角度、照射野等を調整しておくか、距離の2乗則に則り距離の影響を補正しておくことが好ましい。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、基準ファントムの動画撮影が行われる(ステップS24)。動画撮影により取得された基準ファントム画像のフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、動画撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が対応付けられてRAMに記憶される。
基準ファントムの撮影が終了すると、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。また、被検者に対し、呼吸状態(息止め、深呼吸、安静呼吸等)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、被写体Mの動画撮影が行われる(ステップS25)。動画撮影により取得された被写体Mの動画像のフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、動画撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が対応付けられてRAMに記憶される。
次いで、撮影により取得された基準ファントムの動画像及び被写体Mの動画像に各種補正処理が施される(ステップS26)。ステップS26の処理は、図3のステップS5で説明したものと同様であるので説明を援用する。
次いで、定量解析を行うか否かが判断される(ステップS27)。例えば、ステップS21で選択された撮影オーダー情報の検査情報に基づいて、定量解析を行うか否かが判断される。
定量解析を行うと判断された場合(ステップS27;YES)、基準ファントム画像の各フレーム画像の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の対応するフレーム画像(フレーム番号が同じフレーム画像)の信号値との比較に基づいて、撮影された被写体Mの動画像の各フレーム画像の信号値の補正テーブルが生成される(ステップS28)。
そして、生成された補正テーブルに基づいて被写体Mの動画像の各フレーム画像の信号値が補正され(ステップS29)、処理はステップS38に移行する。
ステップS28〜S29の処理及びその効果は、図3のステップS7〜S8で説明したものと同様であるので説明を援用する。
一方、ステップS27において、定量解析を行わないと判断された場合(ステップS27;NO)、基準ファントム画像の所定のフレーム画像の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の対応するフレーム画像の信号値との比較に基づいて、撮影された被写体Mの動画像の信号値の補正テーブル(全フレーム画像の共通補正テーブル)が生成される(ステップS30)。そして、生成された補正テーブルに基づいて、被写体Mの動画像の各フレーム画像の信号値が補正され(ステップS31)、処理はステップS38に移行する。
ステップS30〜S31の処理及びその効果は、図3のステップS9〜S10で説明したものと同様であるので説明を援用する。
一方、ステップS22において、静止画撮影を行うと判断された場合(ステップS22;NO)、撮影オーダー情報に対応する静止画撮影用の放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、静止画撮影用の画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS32)。ここで設定される撮影条件は、基準の撮影装置で静止画撮影用の基準画像を撮影したときの基準の撮影条件と同じである。
ここで、撮影技師等の撮影実施者は、基準ファントムを放射線源11と放射線検出部13の間に配置して、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、基準ファントムの静止画撮影が行われる(ステップS33)。撮影により取得された基準ファントム画像(静止画像)は撮影用コンソール2に入力され、RAMに記憶される。
基準ファントムの撮影が終了すると、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。また、被検者に対し、呼吸状態(息止め)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、被写体Mの静止画撮影が行われる(ステップS34)。静止画撮影により取得された静止画像は順次撮影用コンソール2に入力され、RAMに記憶される。
次いで、撮影により取得された基準ファントムの静止画像及び被写体Mの静止画像に各種補正処理が施される(ステップS35)。ステップS35においては、図3のステップS5で挙げた各種補正処理が行われる。
次いで、基準ファントム画像(静止画像)の信号値と記憶部22に記憶されている静止画撮影用の基準画像の信号値との比較に基づいて、撮影された被写体Mの静止画像の信号値の補正テーブルが生成される(ステップS36)。そして、生成された補正テーブルに基づいて被写体Mの静止画像の信号値が補正され(ステップS37)、処理はステップS38に移行する。
ステップS38においては、補正後の動画像の各フレーム画像又は静止画像に画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、動画像の場合の撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれる)、通信部25により診断用コンソール3に送信され(ステップS38)、撮影制御処理Bは終了する。
診断用コンソール3における処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
なお、図5においては、被写体撮影時と同じ撮影条件で基準ファントムを撮影した後、被写体Mを撮影することとしたが、被写体Mを撮影した後に同じ撮影条件で基準ファントムを撮影することとしてもよい。
このように、第2の実施形態において、撮影用コンソール2の制御部21は、撮影装置1に被写体Mを動画撮影する前又は後に基準ファントムを動画撮影させ、得られた基準ファントム画像の複数のフレーム画像の信号値と、基準の撮影装置で基準ファントムを基準の撮影条件で動画撮影することにより取得された基準画像の複数のフレーム画像とに基づいて、撮影装置1により取得された動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための補正テーブルを生成して動画像の各フレーム画像の信号値を補正する。
したがって、撮影された動画像の各フレーム画像の信号値やコントラストを基準の撮影装置の動画撮影中における線量や線質の変化による信号値やコントラストの変化に合わせることができ、異なる撮影装置間における動画像の信号値やコントラストのバラツキを抑えることができる。その結果、動画像を定量解析した解析結果のバラツキを抑えることができ、精度の高い解析結果を提供することが可能となる。
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、被写体Mの撮影に先立って、予め補正テーブルを生成しておく例について説明する。
第3の実施形態において、記憶部22には、基準の撮影装置において予め定められた複数の静止画撮影用の撮影条件(基準の撮影条件)で基準ファントムを静止画撮影したときの信号値を表す静止画撮影用の基準画像と、基準の撮影装置において予め定められた複数の動画撮影用の撮影条件(基準の撮影条件)で基準のファントムを動画撮影したときの各フレーム画像における信号値を表す複数の動画撮影用の基準画像と、が記憶されている。
その他の第3の実施形態の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第3の実施形態の動作について説明する。
第3の実施形態においては、予め図6に示す補正テーブル生成処理が実行され、複数の撮影条件に対応する補正テーブルが生成されて記憶部22に記憶される。被写体Mの撮影時には、図7に示す撮影制御処理Cが実行され、撮影により得られた被写体Mの動画像の各フレーム画像や静止画像の信号値が撮影条件に応じた補正テーブルに基づいて補正される。
まず、図6を参照して補正テーブル生成処理について説明する。補正テーブル生成処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
なお、本実施形態では、予め基準ファントムが放射線源11と放射線検出部13の間の所定の位置に配置されているものとする。また、放射線源11と放射線検出部13の相対位置関係は線量に影響するため、予め定められた位置関係(基準の撮影装置において基準画像を取得したときの放射線源と放射線検出部の相対位置関係)と合うように、放射線源11と放射線検出部13の中心位置、相対角度、照射野等を調整しておくか、距離の2乗則に則り距離の影響を補正しておくことが好ましい。
補正テーブル生成処理においては、まず、記憶部22に記憶されている動画撮影用の複数の放射線照射条件のうち、一の放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、対応する画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS41)。
次いで、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、基準ファントムの動画撮影が行われる(ステップS42)。動画撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、動画撮影で取得された一連の基準ファントム画像のフレーム画像のそれぞれに、撮影条件及び撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が対応付けられてRAMに記憶される。
次いで、撮影により得られた基準ファントム画像の各フレーム画像の信号値と、記憶部22に記憶されている同じ撮影条件で基準ファントムを撮影することにより得られた基準画像の対応するフレーム画像(フレーム番号が同じフレーム画像)の信号値との比較に基づいて、撮影装置1により撮影される動画像の各フレーム画像の信号値の補正テーブルが生成される(ステップS43)。ステップS43の処理は、図3のステップS7で説明したものと同様であるので説明を援用する。なお、基準ファントム画像の各フレーム画像には、図3のステップS5で説明した各種補正処理を施しておくことが好ましい。
そして、生成された補正テーブルが撮影条件に対応付けて記憶部22に記憶される(ステップS44)。
予め定められた全ての撮影条件での基準ファントムの動画撮影及び補正テーブルの生成が終了するまで、撮影条件を変えてステップS41〜S44の処理が繰り返し実行され、全ての撮影条件での基準ファントムでの動画撮影及び補正テーブルの生成が終了すると(ステップS45;YES)、処理はステップS46に移行する。
ステップS46においては、まず、記憶部22に記憶されている静止画撮影用の複数の放射線照射条件のうち、一の放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、対応する画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS46)。
次いで、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、基準ファントムの静止画撮影が行われる(ステップS47)。静止画撮影により取得された基準ファントム画像(静止画像)は撮影用コンソール2に入力され、RAMに記憶される。
次いで、撮影により得られた基準ファントム画像(静止画像)の信号値と、記憶部22に記憶されている、基準の撮影装置で基準ファントムを同じ撮影条件で撮影することにより得られた静止画撮影用の基準画像の信号値との比較に基づいて、撮影装置1により撮影される静止画像の信号値の補正テーブルが生成される(ステップS48)。なお、基準ファントム画像の各フレーム画像には、図3のステップS5で説明した各種補正処理を施しておくことが好ましい。
そして、生成された補正テーブルが撮影条件に対応付けて記憶部22に記憶される(ステップS49)。
予め定められた全ての撮影条件での基準ファントムの静止画撮影及び補正テーブルの生成が終了するまで、撮影条件を変えてステップS46〜S49の処理が繰り返し実行され、全ての撮影条件での基準ファントムでの静止画撮影及び補正テーブルの生成が終了すると(ステップS50;YES)、補正テーブル生成処理は終了する。
次に、図7を参照して第3の実施形態において実行される撮影制御処理Cについて説明する。撮影制御処理Cは、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、撮影実施者により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、撮影オーダー情報が選択される(ステップS61)。
次いで、選択された撮影オーダー情報に基づいて、動画撮影を行うか静止画撮影を行うかが判断される(ステップS62)。
動画撮影を行うと判断された場合(ステップS62;YES)、記憶部22に記憶されている複数の動画撮影用の撮影条件が表示部24に表示され、撮影実施者により操作部23から選択された撮影条件が放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に設定される(ステップS63)。
ここで、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。また、被検者に対し、呼吸状態(息止め、深呼吸、安静呼吸等)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、被写体Mの動画撮影が行われる(ステップS64)。動画撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、動画撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が対応付けられてRAMに記憶される。
次いで、撮影により取得された被写体Mの動画像に各種補正処理が施される(ステップS65)。ステップS65の処理は、図3のステップS5で説明したものと同様であるので説明を援用する。
次いで、動画撮影に用いられた撮影条件に対応する補正テーブル(各フレーム画像の補正テーブル)が記憶部22から読み出され、読み出された補正テーブルに基づいて被写体Mの動画像の各フレーム画像の信号値が補正され(ステップS66)、ステップS71に移行する。
ステップS66の処理及び効果は、図3のステップS8で説明したものと同様であるので説明を援用する。
一方、ステップS62において、静止画撮影を行うと判断された場合(ステップS62;NO)、記憶部22に記憶されている複数の静止画撮影用の撮影条件が表示部24に表示され、撮影実施者により操作部23から選択された撮影条件が放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に設定される(ステップS67)。
ここで、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。また、被検者に対し、呼吸状態(息止め)を指示する。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、被写体Mの静止画撮影が行われる(ステップS68)。静止画撮影により取得された画像は撮影用コンソール2に入力され、RAMに記憶される。
次いで、撮影により取得された被写体Mの静止画像に各種補正処理が施される(ステップS69)。ステップS69の処理は、図3のステップS5で説明したものと同様であるので説明を援用する。
次いで、静止画撮影に用いられた撮影条件に対応する補正テーブルが記憶部22から読み出され、読み出された補正テーブルに基づいて被写体Mの静止画像の信号値が補正され(ステップS70)、ステップS71に移行する。
ステップS70の処理及び効果は、図3のステップS8で説明したものと同様であるので説明を援用する。
ステップS71においては、補正後の動画像の各フレーム画像又は静止画像に画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、動画像の場合の撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれる)、通信部25により診断用コンソール3に送信され(ステップS71)、撮影制御処理Cは終了する。
診断用コンソール3における処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
上記補正テーブル生成処理のステップS43においては、各フレーム画像の補正テーブルに加え、定量解析を実施しない場合に対応する、全フレーム画像の共通補正テーブルを併せて生成して、撮影条件に対応付けて記憶部22に記憶しておくこととしてもよい。そして、被写体Mの動画撮影時に、定量解析を実施するか否かを判断し、実施しない場合は、記憶部22から動画撮影に使用した撮影条件に対応する全フレーム画像共通の補正テーブルを用いて被写体Mの動画像の各フレーム画像の信号値の補正を行うこととしてもよい。
第3の実施形態は、例えば、被写体Mの体格等によって異なる撮影条件で撮影を行う場合に有効である。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態においても、基準の撮影装置で予め定められた複数の撮影条件で基準ファントムを撮影することにより取得された基準データを撮影条件に対応付けて記憶部22に記憶しておき、実際の撮影に用いられた撮影条件に対応する基準画像を用いて補正テーブルを生成すれば、被写体Mの体格等に応じて撮影条件を変えることが可能となる。
このように、第3の実施形態において、撮影用コンソール2の制御部21は、撮影装置1により複数の撮影条件で基準ファントムを動画撮影させ、得られた複数の基準ファントム画像のそれぞれの複数のフレーム画像の信号値と、基準の撮影装置で基準ファントム画像を撮影したときと同一の撮影条件で動画撮影された基準画像の複数のフレーム画像の信号値とに基づいて、複数の撮影条件毎の補正テーブルを生成して記憶部22に記憶させる。そして、撮影装置1により被写体Mが動画撮影された際に、被写体Mを撮影したときの撮影条件に対応する補正テーブルに基づいて撮影された動画像の各フレーム画像の信号値を補正する。
したがって、撮影された動画像の各フレーム画像の信号値やコントラストを基準の撮影装置の動画撮影中における線量や線質の変化による信号値やコントラストの変化に合わせることができ、異なる撮影装置間における動画像の信号値やコントラストのバラツキを抑えることができる。その結果、動画像を定量解析した解析結果のバラツキを抑えることができ、精度の高い解析結果を提供することが可能となる。
なお、第3の実施形態においては、複数の撮影条件に対応する補正テーブルを作成することとしたが、1つの基準の撮影条件に対応する補正テーブルを撮影に先立って予め生成して記憶部22に記憶しておくこととしてもよい。そして、動画像が撮影された際に、記憶部22に記憶されている補正テーブルに基づいて撮影により取得された動画像の各フレーム画像の信号値を補正してもよい。
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態においては、基準の撮影装置において基準の撮影条件で動画撮影したときに得られる動画像の信号値(具体的には基準ファントムの信号値、又はコントラスト)と同様の信号値を得ることのできる撮影条件を撮影装置1において事前に調整して求めておく例について説明する。
第4の実施形態の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第4の実施形態の動作について説明する。
図8に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影条件調整処理のフローチャートを示す。撮影条件調整処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
なお、本実施形態では、予め基準ファントムが放射線源11と放射線検出部13の間の所定の位置に配置されているものとする。また、放射線源11と放射線検出部13の相対位置関係は線量に影響するため、予め定められた位置関係(基準の撮影装置において基準画像を取得したときの放射線源と放射線検出部の相対位置関係)と合うように、放射線源11と放射線検出部13の中心位置、相対角度、照射野等を調整しておくか、距離の2乗則に則り距離の影響を補正しておくことが好ましい。
まず、操作部23により設定された放射線照射条件が放射線照射制御装置12に、画像読取条件が読取制御装置14に設定される(ステップS81)。
次いで、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、基準ファントムの動画撮影が行われる(ステップS82)。動画撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、動画撮影で取得された基準ファントム画像の一連のフレーム画像のそれぞれに、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が対応付けられてRAMに記憶される。
次いで、撮影により得られた基準ファントム画像における所定のフレーム画像の信号値と、記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の対応するフレーム画像(フレーム番号が同じフレーム画像)の信号値とが比較される(ステップS83)。
ステップS83においては、例えば、動画撮影により得られた基準ファントム画像の1枚目のフレーム画像の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の1枚目のフレーム画像の信号値とを比較する。また、動画撮影の最初や最後は呼吸が落ち着いていない、最後で息苦しい状態になっている等の原因で、呼吸の中央付近の信号を診断において重要視する場合は、例えば、動画撮影により得られた基準ファントム画像の中間番目のフレーム画像の信号値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の中間番目のフレーム画像の信号値とを比較してもよい。或いは、動画撮影により得られた基準ファントム画像の各フレーム画像の信号値の平均値と記憶部22に記憶されている動画撮影用の基準画像の各フレーム画像の信号値の平均値とを比較することとしてもよい。
比較の結果、基準ファントム画像の信号値が動画撮影用の基準画像の信号値に一致していないと判断された場合(ステップS84;NO)、処理はステップS81に戻り、ステップS81〜S84の処理が繰り返し実行される。なお、ここでは、基準ファントム画像の信号値と基準画像の信号値との差異(基準ファントムの同じステップ(厚さ)の領域の信号値同士の差異)が予め定められた範囲内であれば一致していると判断される。
基準ファントム画像の信号値が基準画像の信号値に一致していると判断された場合(ステップS84;YES)、ステップS81において設定された撮影条件が被写体Mの動画撮影時の撮影条件として決定されて記憶部22に記憶され(ステップS85)、撮影条件調整処理は終了する。
例えば、撮影装置1で基準ファントムを或る撮影条件(例えば、管電圧=95kV、管電流=60mA、撮影時間=5.3msec、SID=2m)で動画撮影したときに得られた基準ファントム画像の信号値が、基準の撮影装置で基準ファントムを基準の撮影条件(例えば、管電圧=100kV、管電流=53mA、撮影時間=5.3msec、SID=2m)で動画撮影して得られた基準画像の信号値と一致した場合、動画撮影用の撮影条件が、(管電圧=95kV、管電流=60mA、撮影時間=5.3msec、SID=2m)に決定され、記憶部22に記憶される。
定量解析を行う際は、制御部21により、記憶部22から上記撮影条件調整処理により調整された撮影条件が読み出され、読み出された撮影条件で動画撮影が行われる。
なお、図8に示す撮影条件調整処理では、動画撮影時の撮影条件を調整する場合について説明しているが、基準の撮影装置において基準ファントムを基準の撮影条件で静止画撮影することにより得られた静止画撮影用の基準画像を記憶部22に記憶しておき、上記撮影条件調整処理における動画撮影を静止画撮影に置き換えて静止画撮影に用いる撮影条件を調整することとしてもよい。
また、撮影条件を調整した上で、第1〜第3の実施形態で説明した信号値の補正処理を行うこととしてもよい。
撮影により得られた動画像(静止画像)は、患者情報、検査情報、撮影順番等対応付けられて通信部25により診断用コンソール3に送信される。診断用コンソール3における処理は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
第4の実施形態においては、撮影装置1において撮影条件を調整しながら基準ファントムを動画撮影し、得られた基準ファントム画像の信号値が基準の撮影装置で基準の撮影条件で撮影することにより得られた基準画像の信号値と一致した場合に、撮影装置1における基準ファントム撮影時の撮影条件を動画撮影用の撮影条件として記憶部22に記憶しておく。そして、動画撮影時には、記憶部22に記憶された動画撮影用の撮影条件を用いて動画撮影を行う。
したがって、動画撮影によって得られる動画像の信号値が基準の撮影装置で基準の撮影条件で撮影される動画像の信号値に合うように撮影条件が調整されていれるので、撮影装置が異なることにより放射線撮影された動画像の信号値やコントラストがばらつくことを抑制することが可能となる。その結果、動画像を定量解析した解析結果のバラツキを抑えることができ、精度の高い解析結果を提供することが可能となる。
なお、患者の撮影に用いられた撮影条件を撮影された画像に対応付けて記憶しておき、同じ患者の撮影を行う際には、同じ撮影条件で撮影することが好ましい。これにより、安定した経過観察が可能となる。
以上説明したように、第1〜第3の実施形態における放射線撮影システム100によれば、撮影用コンソール2の記憶部22に基準の撮影装置で基準ファントムを基準となる撮影条件で動画撮影することにより得られた基準画像を記憶しておき、制御部21は、撮影装置1により基準ファントムを動画撮影することにより得られた基準ファントム画像の複数のフレーム画像と記憶部22に記憶されている基準画像の複数のフレーム画像とに基づいて、撮影装置1により取得される動画像の各フレーム画像の信号値を基準の撮影装置で同一被写体を基準の撮影条件で動画撮影したときに得られる信号値に補正するための複数の補正テーブルを生成し、生成した補正テーブルを用いて、撮影装置1により取得された動画像の各フレーム画像の信号値を補正する。
したがって、撮影された動画像の各フレーム画像の信号値やコントラストを基準の撮影装置の動画撮影中における線量や線質の変化による信号値やコントラストの変化に合わせることができ、異なる撮影装置間における動画像の信号値やコントラストのバラツキを抑えることができる。その結果、動画像を定量解析した解析結果のバラツキを抑えることができ、精度の高い解析結果を提供することが可能となる。
例えば、撮影された動画像の各フレーム画像毎に一の補正テーブルを生成することで、撮影装置1により取得される動画像の各フレーム画像の信号値を基準の撮影装置で同一被写体を基準の撮影条件で動画撮影したときに得られる信号値に精度良く補正することが可能となる。
また、例えば、撮影された動画像の全てではない複数枚のフレーム画像毎に一の補正テーブルを生成することで、補正テーブルの生成に要する処理時間を短縮することができる。
また、例えば、撮影された動画像に定量解析を施す場合には、動画像の各フレーム画像毎又は複数のフレーム画像毎に生成された複数の補正テーブルを用いて動画像の各フレーム画像の信号値を補正し、動画像に定量解析を施さない場合には、動画像の全てのフレーム画像に共通の一の補正テーブルを用いて動画像の各フレーム画像の信号値を補正することで、定量解析を行わない場合の補正テーブルの生成に要する処理時間を短縮することができる。
また、撮影装置1により動画撮影が行われた場合に取得される動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための補正テーブルと静止画撮影が行われた場合に取得される静止画像の信号値を補正するための補正テーブルを異なる補正テーブルとすることで、動画撮影と静止画撮影のそれぞれに適した補正を行うことが可能となる。
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、胸部を被写体とした動画像に本願発明を適用した場合を例にとり説明したが、例えば、手足の関節等の他の部位を被写体とした動画像に本発明を適用することとしてもよい。
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、放射線撮影システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 放射線撮影システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス

Claims (10)

  1. 被写体に放射線を照射して動画撮影することにより動画像を取得する撮影手段を備える放射線撮影システムであって、
    基準の撮影装置で基準ファントムを基準となる撮影条件で動画撮影することにより得られた基準画像を記憶する記憶手段と、
    前記撮影手段により前記基準ファントムを動画撮影することにより得られた基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて、前記撮影手段により取得される動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための複数の補正データを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された補正データを用いて、前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正する補正手段と、
    を備える放射線撮影システム。
  2. 前記撮影手段で前記被写体と前記基準ファントムを同時に動画撮影させ、得られた前記基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて前記生成手段に前記補正データを生成させる制御手段を備える請求項1に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記撮影手段で前記被写体を動画撮影する前又は後に前記基準ファントムを動画撮影させ、得られた前記基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて前記生成手段に前記補正データを生成させる制御手段を備える請求項1に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記記憶手段は、前記基準の撮影装置で前記基準ファントムを複数の撮影条件で動画撮影することにより得られた複数の基準画像を記憶し、
    前記撮影手段により前記複数の撮影条件で前記基準ファントムを動画撮影させ、得られた複数の前記基準ファントム画像のそれぞれの複数のフレーム画像と、その基準ファントム画像を撮影したときと同一の撮影条件で動画撮影された前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて、前記生成手段により複数の撮影条件毎の前記補正データを生成して前記記憶手段に記憶させ、前記撮影手段により前記被写体が動画撮影された際に、前記補正手段により当該被写体を撮影したときの撮影条件に対応する前記補正データに基づいて前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正させる制御手段を備える請求項1に記載の放射線撮影システム。
  5. 前記生成手段は、前記動画像の各フレーム画像毎に一の補正データを生成する請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
  6. 前記生成手段は、前記動画像の全てではない複数枚のフレーム画像毎に一の補正データを生成する請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
  7. 前記補正手段により信号値が補正された動画像に定量解析を施す定量解析手段を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
  8. 前記補正手段は、前記動画像に定量解析を施す場合には、前記生成手段により前記動画像の各フレーム画像毎又は複数のフレーム画像毎に生成された複数の補正データを用いて前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正し、前記動画像に定量解析を施さない場合には、前記生成手段により生成された前記動画像の全てのフレーム画像に共通の一の補正データを用いて前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正する請求項7に記載の放射線撮影システム。
  9. 前記撮影手段は、さらに、被写体に放射線を照射して静止画撮影することにより静止画像を取得することが可能であり、
    前記生成手段は、前記撮影手段により動画撮影が行われた場合に取得される前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための補正データを生成する第1の生成手段と、前記撮影手段により静止画撮影が行われた場合に取得される前記静止画像の信号値を補正するための補正データを生成する第2の生成手段を有し、
    前記補正手段は、前記撮影手段により動画撮影が行われた場合には、前記第1の生成手段で生成された補正データを用いて前記動画像の各フレーム画像の信号値の補正を行い、前記撮影手段により静止画撮影が行われた場合には、前記第2の生成手段で生成された補正データを用いて前記静止画像の信号値の補正を行う請求項1〜8のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
  10. 撮影手段により被写体に放射線を照射して動画撮影することにより得られた動画像を補正するコンソールであって、
    基準の撮影装置で基準ファントムを基準となる撮影条件で動画撮影することにより得られた基準画像を記憶する記憶手段と、
    前記撮影手段により前記基準ファントムを動画撮影することにより得られた基準ファントム画像の複数のフレーム画像と前記基準画像の複数のフレーム画像とを用いて、前記撮影手段により取得される動画像の各フレーム画像の信号値を補正するための複数の補正データを生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成された補正データを用いて、前記動画像の各フレーム画像の信号値を補正する補正手段と、
    を備えるコンソール。
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