JP6949644B2 - 風環境学習装置、風環境評価システム、風環境学習方法及び風環境評価方法 - Google Patents

風環境学習装置、風環境評価システム、風環境学習方法及び風環境評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、高層ビル等の建設時に風環境の評価を行う演算を機械学習させる風環境学習装置及び風環境学習方法、並びに、機械学習を用いて高層ビル等の建設時に設計段階で風環境の評価を行う風環境評価システム及び風環境評価方法に関する。
高層ビル等の周辺ではビル風等の強風が発生するおそれがある。そのため、高層ビル等の建設時には、風環境の変化を評価し、風速が所定の速さに収まることを確認する必要がある。
従来、風環境の変化を予測する方法として、風洞実験で、感圧塗料が塗布された建物と相似する模型を撮影し、感圧塗料を解析することにより、風速を算定する技術が開示されている(特許文献1)。
特開2014−48120号公報
風工学研究所編著,「ビル風の基礎知識」,鹿島出版会,2005年12月
しかしながら、風洞実験を行った結果、風速が所定の速さに収まらなかった場合、建物の設計段階に戻って、再び建物の模型を作成しなければならない。したがって、多大なコストと工期がかかってしまうおそれがあった。
本発明は、高層ビル等の建設時に風環境の評価を行う演算を機械学習させることが可能な風環境学習装置及び風環境学習方法、並びに、実験模型等を用いず、設計の初期段階でデータから設計者自らが風環境を、安価で迅速に評価することが可能な風環境評価システム及び風環境評価方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる風環境学習装置は、
過去の調査対象建物及びその周辺のCADデータを取り込む過去調査対象CADデータ取込部、過去の調査対象建物及びその周辺の風データを取り込む過去調査対象風情報取込部、及び、過去の調査対象建物及びその周辺の位置データを取り込む過去調査対象位置取込部を有する過去調査対象データ取込部と、
過去の調査対象建物周辺の風向毎の風速比の分布を取り込む過去調査結果風速取込部、及び、過去の調査対象建物周辺の風環境をランク分けした結果を取り込む過去調査結果ランク取込部のうち、少なくとも1つを有する過去調査結果データ取込部と、
前記過去調査対象データ取込部が取り込んだ過去調査対象データと、前記過去調査対象データ取込部が取り込んだ過去調査対象データに対応する前記過去調査結果データ取込部が取り込んだ過去調査結果データと、から前記過去調査対象データと前記過去調査結果データとの関係を学習する機械学習部と、
を備える
ことを特徴とする。
本発明にかかる風環境評価システムは、
データを入力する入力部と、
前記入力部から送られたデータを機械学習により演算する請求項1に記載の機械学習部と、
前記機械学習部が演算した結果を出力する出力部と、
を備え、
前記入力部は、
対象建物及びその周辺のCADデータを入力するCADデータ入力部と、
前記対象建物及びその周辺の風データを入力する風情報入力部と、
前記対象建物の位置データを入力する対象位置入力部と、
を有し、
前記機械学習部は、前記入力部から入力されたデータに対して予め学習した機械学習に基づき演算を行い、前記対象建物及びその周辺の風環境を予測する
ことを特徴とする。
本発明にかかる風環境評価システムは、
前記機械学習部は、前記予測した風環境を、予め定めた基準に基づいてランク分けする
ことを特徴とする。
本発明にかかる風環境学習方法は、
過去の調査対象建物及びその周辺のCADデータ、過去の調査対象建物及びその周辺の風データ、及び、過去の調査対象建物及びその周辺の位置データを取り込む第1ステップと、
過去の調査対象建物周辺の風環境をランク分けした結果、及び、過去の調査対象建物周辺の風向毎の風速比の分布のうち、少なくとも1つを取り込む第2ステップと、
前記第1ステップで取り込んだ入力データと、前記第1ステップで取り込んだ過去調査対象データに対応する前記第2ステップで取り込んだ過去調査結果データと、から前記過去調査対象データと前記過去調査結果データとの関係を学習する第3ステップと、
を有する
ことを特徴とする。
本発明にかかる風環境評価方法は、
対象建物及びその周辺のCADデータを入力し、
前記対象建物周辺での風データを入力し、
前記対象建物及びその周辺の位置データを入力し、
入力された各データに対して請求項4に記載の風環境学習方法により学習した機械学習に基づき演算を行い、
演算した前記対象建物及びその周辺の風環境を予測した評価結果を出力する
ことを特徴とする。
本発明にかかる風環境評価方法は、
前記予測した評価結果を、予め定めた基準に基づいてランク分けする
ことを特徴とする。
本発明にかかる風環境学習装置及び風環境学習方法によれば、高層ビル等の建設時に風環境の評価を行う演算を機械学習させることが可能となる。また、本発明にかかる風環境評価システム及び風環境評価方法によれば、実験模型等を用いず、設計の初期段階でデータから設計者自らが風環境を、安価で迅速に評価することが可能となる。
本実施形態の風環境学習装置の制御ブロックを示す。 本実施形態の風環境学習装置を用いた風環境学習方法のフローチャートを示す。 本実施形態の風環境学習装置に用いる対象建物及びその周辺のCADデータを示す。 本実施形態の風環境学習装置に用いる建物の有無を表す2次元情報を示す。 本実施形態の風環境学習装置に用いる建物の有無及び高さを表す3次元情報を示す。 本実施形態の風環境学習装置に用いる風情報を示す。 本実施形態の風環境学習装置に用いる風に関する統計情報を表すデータを示す。 本実施形態の風環境学習装置に用いる所定の地点の風の観測データを示す。 本実施形態の風環境評価システムの制御ブロックを示す。 本実施形態の風環境評価システムにおける風環境評価結果の一例を示す。 本実施形態の風環境評価システムにおける風環境評価結果の他の例を示す。 本実施形態の風環境評価システムを用いた風環境評価方法のフローチャートを示す。
以下、図面を参照して本発明にかかる一実施形態の風環境学習装置を説明する。
図1は、本実施形態の風環境学習装置1の制御ブロックを示す。
本実施形態の風環境学習装置1は、データを入力する過去データ取込部10と、過去データ取込部10から送られたデータを機械学習する学習部40と、を備える。
本実施形態の過去データ取込部10は、過去の調査対象のデータを取り込む過去調査対象データ取込部20と、過去の調査結果のデータを取り込む過去調査結果データ取込部30と、を有する。
過去調査対象データ取込部20は、過去の対象建物及びその周辺のCAD(Computer-Aided Design)データを取り込む過去調査対象CADデータ取込部21と、過去の対象建物及びその周辺の風データを取り込む過去調査対象風情報取込部22と、過去の対象建物及びその周辺の位置データを取り込む過去調査対象位置取込部23と、を有する。
過去調査結果データ取込部30は、過去調査対象データ取込部20に取り込んだ過去調査対象CADデータ取込部21、過去調査対象風情報取込部22及び過去調査対象位置取込部23から過去の実験又は演算等によって得た結果を取り込む。本実施形態の過去調査結果データ取込部30は、過去の対象建物周辺の風向毎の風速比の分布を取り込む過去調査結果風速取込部31、及び、過去の対象建物周辺の風環境をランク分けした結果を取り込む過去調査結果ランク取込部32、のうち、少なくとも1つを有する。
機械学習部40は、過去調査対象データ取込部20が取り込んだ過去調査対象データと、過去調査対象データ取込部20が取り込んだ過去調査対象データに対応する過去調査結果データ取込部30が取り込んだ過去調査結果データと、から過去調査対象データと過去調査結果データとの関係を学習する。この学習は、可能な限り多い方が好ましい。
図2は、本実施形態の風環境学習装置を用いた風環境学習方法のフローチャートを示す。
風環境学習方法では、図2に示すようなフローチャートに基づき、機械学習を行う。
まず、第1ステップとしてのステップ1で、過去調査対象データ取込部20が過去の調査対象のデータを取り込む(ST1)。続いて、第2ステップとしてのステップ2で、過去調査結果データ取込部30が過去の調査対象のデータに対応して、過去の実験又は演算等によって得た過去調査結果データを取り込む(ST2)。次に、第3ステップとしてのステップ3で、機械学習部40が過去の調査対象のデータと過去の調査結果データとの対応関係を機械学習する(ST3)。
ここで、各データの内容について説明する。まず、CADデータについて説明する。
図3は、本実施形態の風環境学習装置1に用いる対象建物及びその周辺のCADデータの一例を示す。
過去調査対象CADデータ取込部21は、まず、地形、建物形状及び植栽配置等の都市域の形状に関する画像情報を読み込む。画像情報は、3次元の立体形状を小さな三角形の集合体で表現するSTL(Stereolithography)ファイルデータ等が好ましい。なお、3次元のデータは、容量が多いので、2次元のデータでもよい。
図4は、本実施形態の風環境学習装置1に用いる建物の有無を表す2次元情報の一例を示す。図5は、本実施形態の風環境学習装置1に用いる建物の有無及び高さを表す3次元情報の一例を示す。
過去調査対象CADデータ取込部21は、図3に示した画像情報を、検討対象範囲の街区を等間隔で分割し、建物がある場所を「1」、建物がない場所を「0」で表示した図4に示したような数値データに変換してもよい。本実施形態の画像情報は、例えば、1km〜500mの領域を1m毎の直交格子に分割している。このデータからは、対象建物を中心として、周辺の建物と道路の有無が理解される。
また、図4に対して、過去調査対象CADデータ取込部21は、図5に示すように建物の高さを表示したデータを加えて取り込んでもよい。例えば、図5に示すように、対象建物が250mであって、対象建物の紙面上方の周辺建物は120mであることがわかる。
次に、風の情報について説明する。
図6は、本実施形態の風環境学習装置1に用いる風情報を示す。図6(a)は風向頻度分布を示し、図6(b)は風速強度頻度分布を示す。図7は、本実施形態の風環境学習装置1に用いる風に関する統計情報を表すデータを示す。ただし、Cは尺度定数、Kは形状定数である。なお、図6及び図7は、非特許文献1から引用している。
過去調査対象風情報取込部22は、対象建物周辺の風の情報を取り込む。過去調査対象風情報取込部22は、風情報として、図6に示すような気象台等の風観測記録に基づく風向頻度分布及び風速強度頻度分布を用いてもよい。図6(a)に示す風向頻度分布は、対象建物周辺にどの方向からの風がどの程度の頻度で吹くのかを示す。例えば、図6(a)では、北北西からの風が多いことがわかる。図6(b)に示す風速強度頻度分布は、対象建物周辺にどの風速の風がどの程度の頻度で吹くのかを示す。例えば、図6(b)では、風速2.0-2.9(m/s)の頻度が高いことがわかる。
図7に示す例は、各地点の風の強度を統計的に表した確率分布である。過去調査対象風情報取込部22は、風情報として、図7に示すような風のデータを加工したデータを用いてもよい。所定の地点の風の状況を知るには、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization))の局所風況マップ等を用いてもよい。
図8は、本実施形態の風環境学習装置1に用いる所定の地点の風の観測データを示す。
図8に示す例は、所定の地点で観測した風速及び風向の時刻歴波形のデータである。過去調査対象風情報取込部22は、図8に示すような実際に観測したデータを風情報として用いてもよい。
次に、位置のデータについて説明する。過去調査対象位置取込部23は、調査対象の位置のデータを取り込む。対象位置のデータは、緯度経度又は所定の座標情報を用いればよい。座標情報は、1つの対象位置に対して1つ設定される。なお、対象位置は、対象建物周辺の歩行者の高さにおける風の情報が好ましい。
次に、過去調査対象データ取込部20から取り込まれた過去調査対象データに対応する過去調査結果データを取り込む過去調査結果データ取込部30について説明する。本実施形態の過去調査結果データ取込部30は、過去調査対象データに対応して演算、観測又は実験により求められた対象建物周辺の風向毎の風速比の分布等を取り込む過去調査結果風速取込部31、及び、過去調査対象データに対応して演算、観測又は実験により求められた対象建物周辺の風環境をランク分けした結果等を取り込む過去調査結果ランク取込部32のうち、少なくとも1つを有する。
本実施形態の風速分布及びランク分けは、一例として、以下の表1のように決めた設定値に基づいて行う。なお、表1は、非特許文献1から引用した。
Figure 0006949644
過去調査結果風速取込部31は、過去調査対象データに対応して演算、観測又は実験により求められた対象建物周辺の風向毎の風速比の分布等の過去調査結果データを取り込む。過去調査結果ランク取込部32は、過去調査対象データに対応して累積頻度55%の風速及び累積頻度95%の風速によって、ランク分け等した過去調査結果データを取り込む。
例えば、本実施形態では、領域Aを住宅地で見られる風環境としてランクAとし、領域Bを領域AとCの中間的な街区で見られる風環境としてランクBとし、領域Cをオフィス街で見られる風環境としてランクCとし、領域Dを好ましくない風環境としてランクDとする。
次に、本実施形態の風環境学習装置1における過去結果データの他の例を示す。
過去調査結果データの他の例は、過去調査結果ランク取込部32が対象建物周辺の風環境を他のランクに分けて表すデータである。この例のランク分けは、一例として、以下の表2のように決めた設定値に基づいて行う。なお、表2は、非特許文献1から引用した。
Figure 0006949644
表2において、日最大瞬間風速は評価時間2〜3秒、日最大平均風速は10分平均風速であって、地上1.5mの風速とする。また、日最大瞬間風速において、10m/sではごみが舞い上がり干し物が飛ぶ現象が発生、15m/sでは立て看板、自転車等が倒れ、歩行が困難になる現象が発生、20m/sでは風に吹き飛ばされそうになる現象が発生する。
ガストファクターG.F(Gust Factor)は、最大瞬間風速と最大平均風速の比を表す突風率である。表2のガストファクターは、地上1.5m、評価時間2〜3秒である。ガストファクターは、乱れは強いが平均風速はそれほど高くない密集した市街地で2.5〜3.0、通常の市街地で2.0〜2.5、高層ビル近傍の増速域等の特に風速の大きい場所で1.5〜2.0、である。
この例では、過去調査結果風速取込部31は、過去の調査対象のデータに対応して演算、観測又は実験により求められた対象建物周辺の風向毎の風速比の分布を取り込み、過去調査結果ランク取込部32は、日最大平均風速によって、ランク分けした過去のデータを取り込む。
表2では、例えば、ランク1の用途では、日最大瞬間風速が10m/sを超過する頻度が10%(年間約37日)以下であれば許容できるということが読み取れる。
次に、機械学習部40について説明する。本実施形態の機械学習部40は、対象建物及びその周辺のCADデータ、対象建物周辺での風データ、並びに、対象建物及びその周辺の位置データが入力されると、対象建物及びその周辺の風環境を予測する評価結果を出力するような演算を機械的に学習する。
なお、機械学習部40は、既存の実験模型で風洞実験又は数値流体解析モデルで解析した際の風向毎の風速比評価等の情報等から学習してもよい。
このように、本実施形態の風環境学習装置1は、過去調査対象データ取込部20から取り込まれた入力データから、この入力データに対応する過去調査結果データ取込部30から取り込まれた結果データが出力されるような関係を機械学習部40に学習させる。
したがって、入力データが入力された場合に、結果データがすぐに出力されるようなデータを管理することが可能となる。
図9は、本実施形態の風環境評価システム100の制御ブロックを示す。
本実施形態の風環境評価システム100は、対象建物及びその周辺のデータを入力する入力部50と、入力部50から送られたデータを機械学習により演算する機械学習部40と、機械学習部40が演算した結果を出力する出力部60と、を備える。
本実施形態の入力部50は、対象建物及びその周辺のCAD(Computer-Aided Design)データを入力するCADデータ入力部51と、対象建物及びその周辺の風データを読み込む風情報入力部52と、対象建物及びその周辺の位置データを入力する対象位置入力部53と、を有する。
まず、CADデータについて説明する。CADデータ入力部51から入力されるCADデータは、評価したい対象建物及びその周辺を表す図3に示したようなCADデータである。
CADデータ入力部51は、まず、地形、建物形状及び植栽配置等の都市域の形状に関する画像情報を読み込む。画像情報は、3次元の立体形状を小さな三角形の集合体で表現するSTL(Stereolithography)ファイルデータ等が好ましい。なお、2次元のデータでもよい。
図3に示した画像情報は、検討対象範囲の街区を等間隔で分割し、建物がある場所を「1」、建物がない場所を「0」で表示した図4に示したような数値データに変換される。本実施形態の画像情報は、例えば、1km〜500mの領域を1m毎の直交格子に分割している。このデータからは、対象建物を中心として、周辺の建物と道路の有無が理解される。
また、図4に対して、図5に示した建物の高さを表示した情報を加えてもよい。例えば、図5に示したように、対象建物が250mであって、対象建物の紙面上方の周辺建物は120mであることがわかる。
次に、風の情報について説明する。風情報入力部52は、対象建物周辺の風の情報を入力する。風情報入力部52は、風情報として、図6に示した気象台等の風観測記録に基づく風向頻度分布及び風速強度頻度分布を用いてもよい。
風情報入力部52は、風情報として、図7に示した風のデータを加工したデータを用いてもよい。所定の地点の風の状況を知るには、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization))の局所風況マップ等を用いてもよい。
図8示した例は、所定の地点で2ヶ月間観測した風速及び風向の時刻歴波形のデータである。風情報入力部52は、図8に示した実際に観測したデータを風情報として用いてもよい。
次に、位置のデータについて説明する。対象位置入力部53は、対象位置のデータを入力する。対象位置のデータは、緯度経度又は所定の座標情報を用いればよい。座標情報は、1つの対象位置に対して1つ設定される。
次に、本実施形態の機械学習部40について説明する。本実施形態の風環境評価システム100は、図1に示した風環境学習装置1によって学習された機械学習部40を用いる。機械学習部40は、入力部50から入力された入力データから、この入力データに対応する出力データを出力部60から出力させる。
本実施形態の機械学習部40は、CADデータ入力部51、風情報入力部52及び対象位置入力部53から入力されたデータを元に機械学習により演算を行い、対象建物周辺と風の関係を表す情報を出力部60へ出力する。出力される対象位置は、対象建物周辺の歩行者の高さにおける風の情報とする。
なお、機械学習部40は、既存の実験模型で風洞実験又は数値流体解析モデルで解析した際の風向毎の風速比評価等の情報を学習し、演算にその情報を使用してもよい。
本実施形態の出力部60は、機械学習部40が演算した対象建物周辺の風向毎の風速比の分布を出力する風速出力部61、及び、機械学習部40が演算した対象建物周辺の風環境をランク分けした結果を出力するランク出力部62のうち、少なくとも1つを有する。
図10は、本実施形態の風環境評価システム100における風環境評価結果の一例を示す。
図10に示す例は、対象建物周辺の風環境をランク分けして表す。本実施形態では、ランク分けは、表1のように決めた設定値に基づいて行えばよい。
機械学習部40は、累積頻度55%の風速及び累積頻度95%の風速を算出する。そして、演算された風速によって、ランク分けを行う。例えば、本実施形態では、領域Aを住宅地で見られる風環境としてランクAとし、領域Bを領域AとCの中間的な街区で見られる風環境としてランクBとし、領域Cをオフィス街で見られる風環境としてランクCとし、領域Dを好ましくない風環境としてランクDとする。
出力部60は、図10に示すように、ランク分けの結果を地図上に表示する。地図上の○が対象位置を表し、○の塗りつぶしの種類が対象建物周辺のランクを表す。例えば、図10に示す中央の濃い建物が対象建物であり、その対象建物の左上にランクCの位置があることがわかる。このように、本実施形態の風環境評価システム100によれば、ランク分けすることによって、対象建物及びその周辺の風の情報を容易に理解することが可能となる。
また、対象建物周辺の風環境を他のランクに分けて表してもよい。本実施形態では、ランク分けは、表2のように決めた設定値に基づいて行ってもよい。出力部60は、図10と同様に、ランク分けの結果を地図上に表示することが好ましい。このように、本実施形態の風環境評価システム100によれば、ランク分けすることによって、対象建物及びその周辺の風の情報を容易に理解することが可能となる。
次に、本実施形態の風環境評価システム100における風環境評価結果の他の例を示す。
図11は、本実施形態の風環境評価システム100における風環境評価結果の他の例を示す。
風環境評価システム100は、図3に示したCADデータに対して、風環境評価結果を用いて画像を処理し、出力してもよい。例えば、図11に示す例では、風環境評価システム100は、建築物のうち風が強く当たる白丸部分を色濃く出力している。風環境評価結果の表示は、色を濃く出力することに限らず、色を変えたり、記号を入れたりするようにしてもよい。
なお、風環境評価システム100が風速と風向を評価する場合、学習時の入力データとして風速を用い、演算時の出力データとして風速ランクを用いた。これに対して、風環境評価システム100が風圧を評価する場合、学習時の入力データとして風圧を用い、演算時の出力データとして風荷重を用いればよい。
図12は、本実施形態の風環境評価システム100を用いた風環境評価方法のフローチャートを示す。
本実施形態の風環境評価システム100を用いた風環境評価方法では、まず、ステップ11で、入力部50が対象建物及びその周辺のCADデータを入力する(ST11)。続いて、ステップ12で。入力部50が対象建物周辺での風情報を入力する(ST12)。続いて、ステップ13で、入力部50が対象建物及びその周辺の位置を入力する(ST13)。
次に、ステップ14で、機械学習部40が、ステップ1、2及び3において入力部50から入力された情報及び機械学習部40からの情報に基づいて、評価演算を行う(ST14)。続いて、ステップ15で、ステップ14において機械学習部40が演算した評価結果を、出力部60が出力する(ST15)。
このように、本実施形態の風環境評価システム100を用いた風環境評価方法によれば、実験模型等を用いず、設計の初期段階でデータから設計者自らが風環境を、安価で迅速に評価することが可能である。
以上、本実施形態の風環境学習装置1は、過去の調査対象建物及びその周辺のCADデータを取り込む過去調査対象CADデータ取込部21、過去の調査対象建物及びその周辺の風データを取り込む過去調査対象風情報取込部22、及び、過去の調査対象建物及びその周辺の位置データを取り込む過去調査対象位置取込部23を有する過去調査対象データ取込部20と、過去の調査対象建物周辺の風向毎の風速比の分布を取り込む過去調査結果風速取込部31、及び、過去の調査対象建物周辺の風環境をランク分けした結果を取り込む過去調査結果ランク取込部32のうち、少なくとも1つを有する過去調査結果データ取込部30と、過去調査対象データ取込部20が取り込んだ過去調査対象データと、過去調査対象データ取込部20が取り込んだ過去調査対象データに対応する過去調査結果データ取込部30が取り込んだ過去調査結果データと、から過去調査対象データと過去調査結果データとの関係を学習する機械学習部40と、を備える。したがって、本実施形態の風環境学習装置1は、高層ビル等の建設時に設計段階で風環境の評価を行う演算を機械学習させることが可能となる。
また、本実施形態の風環境評価システム1は、データを入力する入力部50と、入力部50から送られたデータを機械学習により演算する前記機械学習部40と、機械学習部40が演算した結果を出力する出力部60と、を備え、入力部50は、対象建物及びその周辺のCADデータを入力するCADデータ入力部51と、対象建物及びその周辺の風データを入力する風情報入力部52と、対象建物の位置データを入力する対象位置入力部53と、を有し、機械学習部40は、入力部50から入力されたデータに対して予め学習した機械学習に基づき演算を行い、対象建物及びその周辺の風環境を予測する。したがって、本実施形態の風環境評価システム1は、実験模型等を用いず、設計の初期段階でデータから設計者自らが風環境を、安価で迅速に評価することが可能である。
また、本実施形態の風環境評価システム1では、機械学習部40は、予測した風環境を、予め定めた基準に基づいてランク分けする。したがって、本実施形態の風環境評価システム1は、対象建物及びその周辺の風の情報を容易に理解することが可能となる。
さらに、本実施形態の風環境学習方法は、過去の調査対象建物及びその周辺のCADデータ、過去の調査対象建物及びその周辺の風データ、及び、過去の調査対象建物及びその周辺の位置データを取り込む第1ステップと、過去の調査対象建物周辺の風環境をランク分けした結果、及び、過去の調査対象建物周辺の風向毎の風速比の分布のうち、少なくとも1つを取り込む第2ステップと、第1ステップで取り込んだ入力データと、第1ステップで取り込んだ過去調査対象データに対応する第2ステップで取り込んだ過去調査結果データと、から過去調査対象データと過去調査結果データとの関係を学習する第3ステップと、を有する。したがって、本実施形態の風環境学習方法は、高層ビル等の建設時に設計段階で風環境の評価を行う演算を機械学習させることが可能となる。
また、本実施形態の風環境評価方法では、対象建物及びその周辺のCADデータを入力し、対象建物周辺での風データを入力し、対象建物及びその周辺の位置データを入力し、入力された各データに対して請求項4に記載の風環境学習方法により学習した機械学習に基づき演算を行い、演算した対象建物及びその周辺の風環境を予測した評価結果を出力する。したがって、本実施形態の風環境評価方法は、実験模型等を用いず、設計の初期段階でデータから設計者自らが風環境を、安価で迅速に評価することが可能である。
また、本実施形態の風環境評価方法では、予測した評価結果を、予め定めた基準に基づいてランク分けする。したがって、本実施形態の風環境評価方法は、対象建物及びその周辺の風の情報を容易に理解することが可能となる。
なお、この実施形態によって本発明は限定されるものではない。すなわち、実施形態の説明に当たって、例示のために特定の詳細な内容が多く含まれるが、当業者であれば、これらの詳細な内容に色々なバリエーションや変更を加えてもよい。
1…風環境学習装置
10…過去データ取込部
20…過去調査対象データ取込部
21…過去調査対象CADデータ取込部
22…過去調査対象風情報取込部
23…過去調査対象位置取込部
30…過去調査結果データ取込部
31…過去調査結果風速取込部
32…過去調査結果ランク取込部
40…機械学習部
50…入力部
51…CADデータ入力部
52…風情報入力部
53…対象位置入力部
60…出力部
61…風速出力部
62…ランク出力部
100…風環境評価システム

Claims (6)

  1. 過去の調査対象建物及びその周辺のCADデータを取り込む過去調査対象CADデータ取込部、過去の調査対象建物及びその周辺の風データを取り込む過去調査対象風情報取込部、及び、過去の調査対象建物及びその周辺の位置データを取り込む過去調査対象位置取込部を有する過去調査対象データ取込部と、
    過去の調査対象建物周辺の風向毎の風速比の分布を取り込む過去調査結果風速取込部、及び、過去の調査対象建物周辺の風環境をランク分けした結果を取り込む過去調査結果ランク取込部のうち、少なくとも1つを有する過去調査結果データ取込部と、
    前記過去調査対象データ取込部が取り込んだ過去調査対象データと、前記過去調査対象データ取込部が取り込んだ過去調査対象データに対応する前記過去調査結果データ取込部が取り込んだ過去調査結果データと、から前記過去調査対象データと前記過去調査結果データとの関係を学習する機械学習部と、
    を備える
    ことを特徴とする風環境学習装置。
  2. データを入力する入力部と、
    前記入力部から送られたデータを機械学習により演算する請求項1に記載の機械学習部と、
    前記機械学習部が演算した結果を出力する出力部と、
    を備え、
    前記入力部は、
    対象建物及びその周辺のCADデータを入力するCADデータ入力部と、
    前記対象建物及びその周辺の風データを入力する風情報入力部と、
    前記対象建物の位置データを入力する対象位置入力部と、
    を有し、
    前記機械学習部は、前記入力部から入力されたデータに対して予め学習した機械学習に基づき演算を行い、前記対象建物及びその周辺の風環境を予測する
    ことを特徴とする風環境評価システム。
  3. 前記機械学習部は、前記予測した風環境を、予め定めた基準に基づいてランク分けする
    ことを特徴とする請求項2に記載の風環境評価システム。
  4. 過去の調査対象建物及びその周辺のCADデータ、過去の調査対象建物及びその周辺の風データ、及び、過去の調査対象建物及びその周辺の位置データを取り込む第1ステップと、
    過去の調査対象建物周辺の風環境をランク分けした結果、及び、過去の調査対象建物周辺の風向毎の風速比の分布のうち、少なくとも1つを取り込む第2ステップと、
    前記第1ステップで取り込んだ入力データと、前記第1ステップで取り込んだ過去調査対象データに対応する前記第2ステップで取り込んだ過去調査結果データと、から前記過去調査対象データと前記過去調査結果データとの関係を学習する第3ステップと、
    を有する
    ことを特徴とする風環境学習方法。
  5. 対象建物及びその周辺のCADデータを入力し、
    前記対象建物周辺での風データを入力し、
    前記対象建物及びその周辺の位置データを入力し、
    入力された各データに対して請求項4に記載の風環境学習方法により学習した機械学習に基づき演算を行い、
    演算した前記対象建物及びその周辺の風環境を予測した評価結果を出力する
    ことを特徴とする風環境評価方法。
  6. 前記予測した評価結果を、予め定めた基準に基づいてランク分けする
    ことを特徴とする請求項5に記載の風環境評価方法。
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