JP6948052B2 - 探査機 - Google Patents

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Description

本発明は、探査機に関する。
地球周回衛星では、熱環境が周期的に変化し、平均的には安定しているのに対し、惑星探査機は、熱環境が長期に渡って大きく変化するという特徴がある。したがって、惑星探査機などの地球周回軌道を離脱する宇宙機については、熱環境の変化に対応するための熱制御デバイスが必要となる。
宇宙機用の熱制御デバイスとしては、高い赤外線放射率を有し、宇宙機内部の電子機器等から発生した熱を赤外線として外部に放射可能なラジエータが知られている。
非特許文献1には、宇宙機用のラジエータとして、銀蒸着テフロン(テフロン:登録商標)が開示されている。
また、低温での赤外線放射率が相対的に低く、高温での赤外線放射率が相対的に高くなるように赤外線放射率が可変とされているラジエータが知られている。この赤外線放射率可変ラジエータは、例えば、宇宙機内部の電子機器等から発生する熱量が少なくなっても、放射率を低下させることにより、宇宙機内部の温度低下を抑制することができる。このように放射率を調整して、宇宙機の内部温度を一定に維持することによって、電子機器等を安定に作動させることができる。この赤外線放射率可変ラジエータを用いることによって、宇宙機のヒータ電力の使用量を削減できるという利点がある。
非特許文献2には、上記の赤外線放射率可変ラジエータとして、LaMnOのLaサイトにアルカリ土類金属をドープしたペロブスカイト型Mn酸化物を用いた放射率可変素子(SRD:Smart Radiation Device)が開示されている。
特許文献1には、サーモクロミック多層コーティングと太陽光拒絶多層コーティングとの組合せを備える熱制御コーティングが開示されている。この特許文献1に開示されているサーモクロミック多層コーティングは、二酸化バナジウムとシリコンとからなる。サーモクロミック多層コーティングは、2.5μmから25μmの範囲の波長における熱放射率が、二酸化バナジウムの半導体から金属への相転移温度を下回る温度で0.05から0.15の範囲とされ、相転移温度を上回る温度では0.8から1.0の範囲とされている。
特開2008−45207号公報
デイヴィッド・G・ギルモア(David G. Gilmore)著、「スペースクラフト・サーマル・コントロール・ハンドブック(Spacecraft Thermal Control Handbook Volume I: Fundamental Technologies)」、ジ・エアロスペース・コーポレーション(The Aerospace Corporation)、2002年発行、p.143の図4.4 太刀川純孝,大西晃,中村靖之,岡本章、「Mn酸化物を使った放射率可変素子の地上試験と軌道上評価」、日本航空宇宙学会論文集、Vol.55(2007)No.643、P.367−372
ところで、惑星探査機などの宇宙機を、調査対象の惑星に着陸又は接近させて、必要な作業を行い、再び惑星から離陸又は離脱させる場合、作業時間を確保するため、宇宙機の惑星への着陸又は接近時間はなるべく長時間としたい。
しかしながら、調査対象の惑星が高温である場合、従来のラジエータおよび赤外線放射率可変ラジエータは高温での赤外線放射率が高いために、惑星表面から放射(輻射)される赤外線を取り入れてしまい、宇宙機を惑星に着陸又は接近させると内部温度が過度に上昇するおそれがあった。宇宙機の内部温度が過度に上昇すると、電子機器の誤作動や故障の原因となる。このため、調査対象の惑星が高温である場合、従来のラジエータおよび赤外線放射率可変ラジエータを備えた宇宙機では、宇宙機の着地点を制限する、惑星への接近スピードを速くする、惑星への着陸又は接近時間を制限するなどの対策が必要であった。
一方、宇宙機を赤外線放射率が低い材料で被覆することが考えられる。しかし、この場合、宇宙機が極低温環境下である宇宙空間を飛行しているときには、宇宙機内部の電子機器等から発生した熱を赤外線として外部に放出することが難しくなるという問題がある。
上述した課題は、特許文献1や非特許文献1、2に記載された技術で解決することは困難である。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、例えば、探査機に適用した場合、高温の惑星に接近したときなどの高温環境下では、温度上昇の要因となる赤外線の放射率が低く(即ち、赤外線の反射率が高く)、探査機の内部温度の上昇を抑えることができ、遮熱性が高く、一方、宇宙空間のような極低温環境下では赤外線の放射率が高く、探査機内部の熱を赤外線として効率良く外部に放出させることができ、熱交換性に優れる赤外線放射率制御デバイスが備えられている探査機を提供すること目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の探査機は、エンジンと、二酸化バナジウム結晶層を備え、前記二酸化バナジウム結晶層はルチル型結晶構造−単斜晶型結晶構造間の相転移温度を持ち、前記相転移温度よりも高い温度での赤外線放射率が、前記相転移温度よりも低い温度での赤外線放射率よりも低い特性を有する赤外線放射率制御デバイスと、内部温度が所定の温度となった場合は、前記エンジンを作動させて、惑星から離陸又は離脱させ、内部温度が所定の温度にまで低下した場合は、再度、惑星に着陸又は接近させる電子機器と、を備えることを特徴としている。
この構成の赤外線放射率制御デバイスによれば、二酸化バナジウム結晶層を備えていて、この二酸化バナジウム結晶層はルチル型結晶構造−単斜晶型結晶構造間の相転移温度を持つので、環境温度によって二酸化バナジウム結晶層を構造相転移させることができる。そして、相転移温度よりも高い温度での赤外線放射率が、相転移温度よりも低い温度での赤外線放射率よりも低い特性を有するので、相転移温度以上の高温環境下では、赤外線放射率を低く(即ち、赤外線の反射率を高く)、一方、相転移以下の低温環境下では赤外線の放射率を高くすることが可能となる。よって、この構成の探査機によれば、上記の赤外線放射率制御デバイスを備えているので、高温の惑星に接近したときなどの高温環境下では、温度上昇の要因となる赤外線の放射率が低い。従って、高温の惑星に接近させた場合でも、赤外線が探査機の内部に取り込まれにくく、探査機の内部温度が上昇しにくくなる。また、一方、宇宙空間のような極低温環境下では赤外線の放射率が高く、探査機内部の電子機器等から発生した熱を赤外線として外部に放出させることができるので、探査機の内部温度が上昇しにくくなる。
ここで、本発明の探査機においては、二酸化バナジウム結晶層の厚さが、10μm以上であることが好ましい。
この場合、赤外線が二酸化バナジウム結晶層を透過しにくくなるので、赤外線が反射しやすくなり、二酸化バナジウム結晶層の相転移温度よりも高い温度での赤外線の放射率を確実に低くできる。
また、本発明の探査機においては、前記相転移温度が300K以上340K以下の範囲にあることが好ましい。
この場合、例えば高温の惑星に接近したときなどの高温環境下において赤外線放射率を確実に低くできる。
さらに、本発明の探査機においては、前記相転移温度よりも10K高い温度での赤外線放射率が、前記相転移温度よりも10K低い温度での赤外線放射率の1/2以下であることが好ましい。
この場合、二酸化バナジウム結晶層の相転移温度より高い温度での赤外線放射率と相転移温度よりも低い温度での赤外線放射率が大きく異なり、相転移温度より高い温度では、確実に遮熱性に優れ、一方、相転移温度よりも低い温度では、確実に熱交換性に優れたものとなる。
本発明の探査機においては、前記赤外線放射率制御デバイスが、宇宙機の下面に備えられていることが好ましい。
ここで、探査機の下面とは、探査機が惑星に着陸又は接近する際に、惑星に対向する外側の表面を意味する。
この場合、赤外線放射率制御デバイスが、探査機の下面に備えられているので、惑星の表面から放出される赤外線が探査機の内部に取り込まれにくくなる。
本発明によれば、例えば高温の惑星に接近したときなどの宇宙環境における高温環境下では、温度上昇の要因となる赤外線の放射率が低く(即ち、赤外線の反射率が高く)、宇宙機の内部温度の上昇を抑えることができ、一方、例えば宇宙空間のような極低温環境下では赤外線の放射率が高く、宇宙機内部の熱を赤外線として効率良く外部に放出させることができる赤外線放射率制御デバイスと、この赤外線放射率制御デバイスが備えられている赤外線放射率制御装置および宇宙機を提供することが可能となる。
本発明の赤外線放射率制御デバイスにおいて用いる二酸化バナジウム結晶の結晶構造図である。 本発明の赤外線放射率制御デバイスを用いた赤外線放射率制御装置の一例の断面図である。 本発明の一実施形態に係る宇宙機の部分断面図である。 実施例1で作製した二酸化バナジウム単結晶体を、233〜353Kの温度範囲で昇温させながら測定した分光反射率である。 実施例1で作製した二酸化バナジウム単結晶体を、233〜353Kの温度範囲で降温させながら測定した分光反射率である。 実施例1で作製した二酸化バナジウム単結晶体の赤外線放射率である。 実施例2および比較例1で行ったシミュレーションで想定したモデルの概念図である。 実施例2および比較例1で行ったシミュレーションの結果である。
本発明者は、二酸化バナジウム結晶はルチル型結晶構造−単斜晶型結晶構造間の相転移を起こし、相転移温度よりも高い高温ではルチル型結晶構造をとり、相転移温度よりも低い低温では単斜晶型結晶構造をとるという性質に着目して検討を重ねた。その結果、ルチル型結晶構造の二酸化バナジウム結晶は、単斜晶型結晶構造の二酸化バナジウム結晶と比較して、1.67〜100μmという広い波長範囲において低い赤外線放射率(即ち、高い赤外線反射率)を示すことを見出した。そして、このルチル型結晶構造と単斜晶型結晶構造との間の構造相転移を利用することによって、二酸化バナジウム結晶を高温環境下においては赤外線放射率が低く、極低温環境下においては赤外線放射率が高い、赤外線放射率が可変な赤外線放射率制御デバイスとして利用できることを確認して、本発明を完成した。
ルチル型結晶構造の二酸化バナジウム結晶が、単斜晶型結晶構造の二酸化バナジウム結晶と比較して低い赤外線放射率が低い(即ち、高い赤外線反射率)を示す理由は、ルチル型結晶構造の二酸化バナジウム結晶は金属的な性質を有しているためであると考えられる。次に、二酸化バナジウム結晶のルチル型結晶構造と単斜晶型結晶構造の性質について説明する。
図1は、二酸化バナジウム結晶の結晶構造図である。図1の(a)は、単斜晶型結晶構造(Monoclinic−type straucture)の結晶構造図であり、(b)はルチル型結晶構造(Rutile−type straucture)の結晶構造図である。
二酸化バナジウム結晶の構造相転移において特徴的であるのはバナジウム原子がペアリングを形成することである。単斜晶型結晶構造では、バナジウム原子の間隔に長いものと短いものが交互に現れる。ルチル型結晶構造では、バナジウム原子は酸素原子の作る八面体の中心にあるが、6個の酸素原子が立方晶であると仮定すると、バナジウム原子のd軌道は、酸素原子の八面体結晶場の影響を受けて3重縮退のt2g軌道と2重縮退のe軌道に分裂している。
単斜晶型結晶構造では、バナジウム原子のペアリングにより、d −y バンドが、エネルギーが低い状態のバンド(d||バンド)とエネルギーが高い反結合状態のバンド(d|| バンド)とに分裂している。また、バナジウム原子のジグザグ配列により酸素原子との重なりが大きくなるため、πバンドは高エネルギー側にシフトする。このため、単斜晶型結晶構造では、バンドギャップがπバンドの底とd||バンドの頂上の間で形成される。よって、単斜晶型結晶構造の二酸化バナジウム結晶は絶縁体的な性質を示す。単斜晶型結晶構造では、エネルギーバンドは価電子帯と伝導帯に分かれ、フェルミ準位はバンドギャップの中にある。
二酸化バナジウム結晶の温度が高くなるに伴って、d||バンドと酸素原子の2pバンドは広くなっていき、バンドギャップは小さくなり、単斜晶型結晶構造がルチル型結晶構造に構造相転移すると、金属的な性質を示すようになる。すなわち、ルチル型結晶構造では、少なくとも一つのエネルギーバンドの中にフェルミ準位が存在する。このように、ルチル型結晶構造の二酸化バナジウム結晶は金属的な性質を示し、自由電子が存在するエネルギーバンドを有するので、単斜晶型結晶構造の二酸化バナジウム結晶と比較して低い赤外線放射率(即ち、高い赤外線反射率)を示すと考えられる。
以下、以上の知見に基づいて構成された赤外線放射率制御デバイス、赤外線放射率制御装置および宇宙機の一実施形態について説明する。
<赤外線放射率制御デバイス>
本実施形態の赤外線放射率制御デバイスは、二酸化バナジウム結晶層を備える。この二酸化バナジウム結晶層は、前述のとおり、ルチル型結晶構造−単斜晶型結晶構造間の相転移温度を持つ。このため、環境温度によって二酸化バナジウム結晶層を構造相転移させることができる。そして、二酸化バナジウム結晶層は、相転移温度よりも高い温度での赤外線放射率が、相転移温度よりも低い温度での赤外線放射率よりも低い特性を有する。このため、相転移温度以上の高温環境下では、赤外線放射率を低く(即ち、赤外線の反射率を高く)、一方、相転移以下の極低温環境下では赤外線放射率を高くすることが可能となる。
二酸化バナジウム結晶層は、厚さが10μm以上であることが好ましい。二酸化バナジウム結晶層の厚さが10μm以上であると、赤外線が二酸化バナジウム結晶層を透過しにくくなるので、赤外線が反射し易くなり、相転移温度よりも高い温度での赤外線放射率を確実に低くできる。一方、二酸化バナジウム結晶層が厚くなりすぎると、割れやすくなるおそれがあり、重量削減の観点からも2mm以下の厚さであることが好ましい。
二酸化バナジウム結晶層は、単結晶体であってもよいし、多結晶体であってもよい。二酸化バナジウムの単結晶体は、例えば、FZ法(フローティングゾーン法)によって作製することができる。二酸化バナジウムの多結晶体からなる層は、蒸着法によって形成することができる。また、二酸化バナジウム結晶粉末の分散液を塗布し、乾燥した後、焼成する方法によっても成形することができる。
二酸化バナジウム結晶層の相転移温度は、300K以上340K以下の範囲にあることが好ましい。相転移温度が上記の範囲にあると、宇宙機に適用した場合、例えば高温の惑星に接近したときなどの高温環境下において赤外線放射率を確実に低くできる。
なお、相転移温度は、宇宙などの環境に応じて、例えば300K未満の温度範囲にあってもよく、400K以上の温度範囲にあってもよい。
二酸化バナジウム結晶層の相転移温度は、例えば、次のようにして測定することができる。
二酸化バナジウム結晶層の温度を順次昇温させながら、二酸化バナジウム結晶層の赤外線反射率あるいは電気抵抗を測定する。得られたデータから、横軸を温度、縦軸を赤外線反射率あるいは電気抵抗としたグラフを作成する。作成した赤外線反射率あるいは電気抵抗のグラフの傾きが最大となった温度を相転移温度とする。
二酸化バナジウム結晶層の相転移温度は、二酸化バナジウム結晶の結晶性、配向性、格子定数、格子歪、結晶サイズなどの物性を変化させることによって調整することができる。これらの物性を変化させる方法としては、例えば、二酸化バナジウム結晶に金属元素をドープする方法、特定の下地層あるいは基材の上に二酸化バナジウム結晶層を形成する方法を用いることができる。二酸化バナジウム結晶にドープする金属元素の例としては、例えば、W、Mo、Ti、Re、Cr、NbおよびGaを挙げることができる。W、Mo、TiおよびReは相転移温度を下げる効果があり、Cr、NbおよびGaは相転移温度を上げる効果がある。また、特定の下地層あるいは基材の上に二酸化バナジウム結晶層を形成する方法として、NbをドープしたTiO基板の上に、二酸化バナジウムの結晶層を蒸着法によって成膜すると、相転移温度が40K低下した二酸化バナジウム結晶層が得られることが知られている。
二酸化バナジウム結晶層は、相転移温度よりも10K高い温度での赤外線放射率が、相転移温度よりも10K低い温度での赤外線放射率の1/2以下であることが好ましく、1/5以下であることがより好ましく、1/10以下であることがさらに好ましい。例えば、相転移温度よりも10K低い温度での赤外線放射率が0.6である場合、相転移温度よりも10K高い温度での赤外線放射率が0.3以下であることが好ましい。相転移温度よりも10K低い温度での赤外線放射率と相転移温度よりも10K高い温度での赤外線放射率が上記の関係にあり、相転移温度より低い温度での赤外線放射率と相転移温度よりも高い温度での赤外線放射率が大きく異なると、相転移温度より高い温度では確実に遮熱性に優れ、一方、相転移温度よりも低い温度では確実に熱交換性に優れたものとなる。
以上のように、本実施形態の赤外線放射率制御デバイスによれば、二酸化バナジウム結晶層を備えることにより、例えば、これを宇宙機に適用した場合、高温の惑星に接近したときなどの宇宙環境における高温環境下では、温度上昇の要因となる赤外線の放射率が低く、宇宙機の内部温度の上昇を抑えることができ、遮熱性が高くなる。一方、宇宙空間のような極低温環境下では赤外線の放射率が高く、宇宙機内部の熱を赤外線として効率良く外部に放出させることができ、熱交換性に優れる。
<赤外線放射率制御装置>
図2は、本発明の赤外線放射率制御デバイスを用いた赤外線放射率制御装置の一例の断面図である。
図2において、赤外線放射率制御装置20は、基材21と、基材21の上面に積層されている赤外線放射率制御デバイス10とからなる。赤外線放射率制御デバイス10の構成は上述のとおりである。赤外線放射率制御デバイス10は、少なくとも一層の二酸化バナジウム結晶層を備えていればよい。基材21と赤外線放射率制御デバイス10との間には中間層が配置されていてもよい。また、赤外線放射率制御デバイス10の上面(基材21側と反対側の面)には保護層が備えられていてもよい。
基材21の材料の例としては、TiO、Al、ZrOなどのセラミックス、金属材料および高分子材料が挙げられる。
赤外線放射率制御装置20は、例えば、基材21に、二酸化バナジウムの単結晶体を貼り合わせる方法によって製造することができる。また、基材21の上に蒸着法によって二酸化バナジウム膜を形成する方法によって製造することができる。さらに、基材21の上に、二酸化バナジウム結晶粉末の分散液を塗布し、乾燥した後、焼成する方法によっても成形することができる。
以上のように、本実施形態の赤外線放射率制御装置20は、上述の赤外線放射率制御デバイス10を備えているので、赤外線放射率制御デバイス10に備えられている二酸化バナジウム結晶層の相転移温度より高い温度では、赤外線放射率が低く遮熱性に優れ、一方、相転移温度よりも低い温度では、赤外線放射率が高く熱交換性に優れたものとなる。
<宇宙機>
図3は、本発明の一実施形態に係る宇宙機の部分断面図である。
図3において、宇宙機30は、本体部31と、本体部31の下面に備えられている脚部34とを有する。本体部31の内部には、電子機器32およびエンジン33などの装置類が収容されている。本体部31の下面には、赤外線放射率制御デバイス10が備えられている。赤外線放射率制御デバイス10の構成は上述のとおりである。赤外線放射率制御デバイス10に対向する位置に配置されている電子機器32は、例えば、宇宙機30を惑星に着陸又は接近させて必要な作業を行い、再び離陸又は離脱させるなどの惑星調査作業において作動させる必要がない機器、即ち惑星調査作業の際に電源がOFFとなっていて、発熱しない機器であることが好ましい。一方、惑星調査作業において作動させる必要があり、惑星調査作業の際に電源がONとなっていて、発熱する電子機器(図示せず)は本体部31の上方に配置することが好ましい。
赤外線放射率制御デバイス10は、本体部31の下面のみでなく、宇宙機30の惑星調査作業時に惑星から放射される赤外線があたり易い部分、例えば本体部31の側面に備えられていてもよい。宇宙機30の惑星調査作業時に惑星から放射される赤外線があたりにくい場所、例えば本体部31の上面には、通常のラジエータ(図示せず)が備えられていることが好ましい。
次に、宇宙機30による惑星調査作業の実施方法の一例を説明する。
先ず、宇宙機30のエンジン33の出力を調整しながら、宇宙機30を惑星に着陸又は接近させる。宇宙機30が惑星に接近するまでは、赤外線放射率制御デバイス10の二酸化バナジウム結晶層は単斜晶型結晶構造(絶縁体相)であり、赤外線放射率が高い状態である。宇宙機30が惑星に接近すると、赤外線放射率制御デバイス10の二酸化バナジウム結晶層は、惑星表面から放射(輻射)される赤外線によって加熱されてルチル型結晶構造(金属相)に構造相転移して、赤外線放射率が低い状態となる。
次いで、宇宙機30が惑星に着陸又は接近した後、エンジン33を止め、本体部31の内部温度を測定しながら、サンプルの採取等の必要な作業を行う。このとき、赤外線放射率制御デバイス10は赤外線放射率が低い(即ち、赤外線反射率が高い)ので、惑星表面から放射される赤外線が本体部31の内部に取り込まれにくく、本体部31の内部温度の上昇が緩やかになる。
次いで、本体部31の内部温度が所定の温度となった場合は、エンジン33を作動させて、宇宙機30を惑星から離陸又は離脱させる。宇宙機30が惑星から離陸又は離脱して宇宙空間に到達すると、赤外線放射率制御デバイス10の二酸化バナジウム結晶層にあたる赤外線の量が低減し、二酸化バナジウム結晶層の温度が低下して、二酸化バナジウム結晶層が単斜晶型結晶構造(絶縁体相)に構造相転移する。これによって、赤外線放射率制御デバイス10の赤外線放射率が高くなる。赤外線放射率制御デバイス10の赤外線放射率が高くなることによって、本体部31の内部の熱が外部に赤外線として放出されやすくなり、本体部31の内部温度が速やかに低下する。本体部31の内部温度が所定の温度にまで低下した場合は、再度、宇宙機30を惑星に着陸又は接近させることができる。
以上のように、本実施形態の宇宙機30は、上述の赤外線放射率制御デバイス10を備えているので、高温の惑星に接近したときなどの高温環境下では、温度上昇の要因となる赤外線の放射率が低い。従って、高温の惑星に着陸又は接近させた場合でも、赤外線が宇宙機30の本体部31の内部に取り込まれにくく、宇宙機30の本体部31の内部温度が上昇しにくくなるので、長時間、高温の惑星に着陸又は接近させることができる。また、一方、宇宙空間のような極低温環境下では赤外線の放射率が高く、宇宙機30の本体部31の内部の熱を赤外線として外部に放出させることができるので、宇宙機の内部温度が上昇しにくくなる。特に、宇宙機30が、高温の惑星から離陸又は離脱して、宇宙空間に到達したときは、本体部31の内部温度を従来のラジエータと同様に速やかに低下させることができる。このため、宇宙機30が惑星を離陸又は離脱してから、再度、宇宙機30を従来のラジエータと同様に速やかに惑星に着陸又は接近させることもできる。
本実施形態の宇宙機30は、高温の惑星の探査機としてのみでなく、各種の惑星、衛星、彗星、小惑星などの天体の探査機として利用することができる。
[実施例1]
FZ法を用いて、二酸化バナジウムの単結晶体(サイズ:縦5.8mm×横3.3mm×厚さ1.2mm)を作製した。
得られた二酸化バナジウム単結晶体を、ペルチェ素子を用いて233〜353K(−40〜80℃)の範囲で温度を2Kずつ変化させながら、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いて1.67〜100μmの波長範囲の分光反射率(R)を測定した。なお、分光反射率(R)は、温度を233Kから順次昇温させた昇温過程と、温度を353Kから順次降温させた降温過程とで測定した。
また、測定した各分光反射率(R)から、下記の式(1)を用いて各温度での放射率ε(T)を算出した。なお、下記の式(1)中、R(λ、T)は、温度T、波長λでの分光反射率であり、Eλb(λ、T)は、温度T、波長λでの黒体の分光放射強度である。上記の波長範囲に含まれる黒体の輻射エネルギーは、233〜353Kのいずれの温度においても全エネルギーの99%以上である。
Figure 0006948052
図4と図5に二酸化バナジウム単結晶体の分光反射率の測定結果を示す。
図4は、昇温過程で測定した分光反射率であり、図5は降温過程で測定した分光反射率である。図4のグラフより、昇温過程では333Kから343Kの間で、二酸化バナジウム単結晶体の分光反射率は高くなっていることから、この温度範囲で単斜晶型結晶構造(絶縁体相)からルチル型結晶構造(金属相)へと相転移を起こしていることが分かる。また、図5のグラフより、降温過程では323Kから333Kの間で二酸化バナジウム単結晶体の分光反射率が低くなっていることから、この温度範囲でルチル型結晶構造(金属相)から単斜晶型結晶構造(絶縁体相)へと相転移を起こしていることが分かる。この図4の図5のグラフから、二酸化バナジウム単結晶体の分光反射率が大きく変化する温度(相転移温度)は昇温過程と降温過程とで異なり、二酸化バナジウム結晶の相転移にはヒステリシスがあることが確認された。
図6に、二酸化バナジウム単結晶体の赤外線放射率の算出結果を示す。図6に示すように昇温過程と降温過程で赤外線放射率のグラフは異なっており、グラフの傾きが最大のところを相転移温度Tcとすると、昇温過程ではTc=338K、降温過程ではTc=330Kとなった。降温過程の時よりも昇温過程の時の方が、相転移温度Tcが8K程度高い。また、昇温過程では数Kの温度変化で赤外線放射率が劇的に変化し、降温過程でも数Kで劇的に変化するが、その後緩やかな変化となる。放射率(ε)は、昇温過程時はε353K=0.26、ε233K=0.59、降温過程時はε353K=0.25、ε233K=0.59となる。よって、相転移が起きた後の赤外線放射率は昇温過程で測定したときと、降温過程で測定したときと共にほぼ一致していることが分かる。
[実施例2]
実施例1で測定した二酸化バナジウム単結晶体の赤外線放射率を用いて、赤外線放射率制御デバイスを装着した探査機が、高温天体に接近するときの温度上昇をシミュレーション(熱解析)した。シミュレーションには、市販の3次元熱解析ソフトウェア(Thermal Desktop)を使用した。
シミュレーションは、図7に示すモデル40を想定して実施した。高温天体である熱源41は、温度が500Kで、サイズが1km四方の矩形状とした。探査機42は、実施例1で作製した二酸化バナジウム単結晶体からなる二酸化バナジウム結晶層を備えた赤外線放射率制御デバイス10を装着したものとした。二酸化バナジウム結晶層の赤外線の放射面積は1.148m×1.148mとした。また、赤外線放射率制御デバイス10を探査機42の下面に取り付けたものと、側面に取り付けたものを想定した。
探査機42を高度500mから0.1m/秒の速度で、熱源41の中心に5000秒の時間をかけて降下させ、熱源41に着地させた後、熱源41から0mの高さで2000秒の間維持させる操作を想定した。この操作中の赤外線放射率制御デバイス10の温度をシミュレーションにより計算した。その結果を、図8に示す。なお、図8中、赤外線放射率制御デバイス10を探査機42の下面に取り付けたものの結果を、VO_Hとして白丸で示し、側面に取り付けたものの結果をVO_Vとして黒丸で示した。なお、図8の横軸(時間)は、0秒から5000秒までの間は、探査機42を熱源41に着地させるまでの操作を行った時間であり、5000秒から7000秒までの間は、探査機42を熱源41から0mの高さで維持させる操作を行った時間である。
[比較例1]
赤外線放射率制御デバイス10の代わりに、従来の銀蒸着テフロン(テフロン/Ag,ε=0.83)を用い、銀蒸着テフロンの赤外線放射面積を1m×1mとしたこと以外は、実施例2と同じ条件で、銀蒸着テフロンの温度をシミュレーションした。なお、銀蒸着テフロンの赤外線放射面積を1m×1mとしたのは、実施例2のシミュレーションで用いた赤外線放射率制御デバイス10と赤外線の放射性能を同じにするためである。その結果を、図8に示す。銀蒸着テフロンを探査機42の下面に取り付けたものの結果を、Teflon/Ag_Hとして白四角で示し、側面に取り付けたものの結果をTeflon/Ag_Vとして黒四角で示した。
図8のグラフに示すように、探査機42の下面に赤外線放射率制御デバイス10を配置した場合(白丸)と、探査機42の下面に銀蒸着テフロンを配置した場合(白四角)とを比較すると、約1200秒までは温度がほぼ同様に上昇しているが、1200秒以降では赤外線放射率制御デバイス10の方が銀蒸着テフロンよりも顕著に温度の上昇が緩やかになることがわかる。これは、1200秒の付近(温度:340K)で、赤外線放射率制御デバイス10の二酸化バナジウム結晶層が単斜晶型結晶構造(絶縁体相)からルチル型結晶構造(金属相)に構造相転移して赤外線放射率が低下したためであると考えられる。また、例えば、400Kに到達するまでの時間は、赤外線放射率制御デバイス10の方が銀蒸着テフロンと比較して約2000秒長いため、その分、探査機42の熱源41への着地時間を長くできることがわかる。
探査機42の側面に赤外線放射率制御デバイス10を配置した場合(黒丸)と、探査機42の側面に銀蒸着テフロンを配置した場合(黒四角)とを比較すると、操作時間が約5000秒まで(即ち、探査機42が熱源41に着地するまで)は、温度がほぼ同様に上昇しているが、5000秒以降(即ち、探査機42が熱源41に着地した後)では赤外線放射率制御デバイス10の方が銀蒸着テフロンよりも顕著に温度の上昇が緩やかになることがわかる。これは着地時間が5000秒付近で、二酸化バナジウム結晶相層が単斜晶型結晶構造(絶縁体相)からルチル型結晶構造(金属相)に構造相転移して赤外線放射率が低下したためであると考えられる。なお、探査機42の下面に二酸化バナジウム単結晶を配置した場合よりも構造相転移までの時間が長くなったのは、探査機42の側面は、探査機42の下面より入射される赤外線の量が少ないためであると考えられる。
10 赤外線放射率制御デバイス
20 赤外線放射率制御装置
21 基材
30 宇宙機
31 本体部
32 電子機器
33 エンジン
34 脚部
40 モデル
41 熱源
42 探査機

Claims (5)

  1. エンジンと、
    二酸化バナジウム結晶層を備え、前記二酸化バナジウム結晶層はルチル型結晶構造−単斜晶型結晶構造間の相転移温度を持ち、前記相転移温度よりも高い温度での赤外線放射率が、前記相転移温度よりも低い温度での赤外線放射率よりも低い特性を有する赤外線放射率制御デバイスと、
    内部温度が所定の温度となった場合は、前記エンジンを作動させて、惑星から離陸又は離脱させ、内部温度が所定の温度にまで低下した場合は、再度、惑星に着陸又は接近させる電子機器と、を備える探査機。
  2. 前記二酸化バナジウム結晶層の厚さが、10μm以上である請求項1に記載の探査機。
  3. 前記相転移温度が、300K以上340K以下の範囲にある請求項1又は2に記載の探査機。
  4. 前記相転移温度よりも10K高い温度での赤外線放射率が、前記相転移温度よりも10K低い温度での赤外線放射率の1/2以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の探査機。
  5. 前記赤外線放射率制御デバイスを下面に備えた請求項1〜4のいずれか一項に記載の探査機。
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