JP6947724B2 - グアユールの植物から樹脂及びゴムを抽出するプロセス - Google Patents

グアユールの植物から樹脂及びゴムを抽出するプロセス Download PDF

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Description

本発明は、植物性素材から天然ゴム及び他の成分を抽出及び処理する産業分野に関する。
とくに、本発明は、グアユールの植物から樹脂及びゴムを抽出するプロセスに関し、このプロセスは、収穫し、貯蔵し、また植物の一部を機械的及び化学的に処理する工程を有し、研究所で、また工業的規模の双方において利用可能であり、抽出生成物の相当高い収率及び品質に特徴がある。
グアユール(グアユールゴムノキ:Parthenium argentatum)は、米国南西部(とくに、テキサス州)及びメキシコ北部の半砂漠地域における多年生低木植物である。この植物は、主にシス(-1,4-)ポリイソプレーンから成る天然ゴムをラテックスの形式で、とくに、枝及び幹の樹皮に蓄積する。天然ゴム含有量は、種々の環境、耕作及び貯蔵の要因に基づいて変化し得るものであり、またしたがって、乾燥植物の全重量の5〜20重量%を含有する。
グアユール植物からの、キク科、トウダイグサ科、キキョウ科、シソ科、及びクワ科の属に属する他の植物、例えばホルトソウ(Euphorbia lathyris)、パルテニウム・インカヌム(Parthenium incanum)、クリソタムヌス・ノセソウスス(Chrysothamnus nauseosus)、ペディランサス・マクロカルパス(Pedilanthus macrocarpus)、クリプトステジア・グランディフローラ(Cryptostegia grandiflora)、アスクレピアス・シリアカ(Asclepias syriaca)、アスクレピアス・スペシオサ(Asclepias speciosa)、アスクレピアス・スブラータ(Asclepias subulata)、ソリダゴ・アルティスシマ(Solidago altissima)、ソリダゴ・グラミニフォリア(Solidago graminifolia)、ソリダゴ・リギダ(Solidago rigida)、ソンチュス・アルベンシス(Sonchus arvensis)、シリフィウム種(Silphium spp.)、カカリア・アトリプリシフォリア(Cacalia atriplicifolia)、タラクサクム・コク-サギツ(Taraxacum kok-saghyz)、ピクナンテマム・インカヌム(Pycnanthemum incanum)、テウクリウム・カナデンス(Teucrium canadense)、カンパヌラ・アメリカーナ(Campanula americana)(これら他の植物は、用語「グアユール類(guayule type)」で端的に総称される)からの天然ゴム抽出は、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)からの天然ゴム抽出の重要な代替案であり、これは特に、パラゴムノキを攻撃する病原体に対するこれら植物種の抵抗性がより高いこと、植物原材料の輸入コストがより低いこと、及びパラゴムノキ由来のものと比べると、これら植物から抽出したゴムにおける、I型ラテックスアレルギー(又はIgE媒介性)に関与する多くのタンパク質汚染物質の含有量がより少ないことを考慮してのことである。
これらの理由から、ここ数年間にわたりパラゴムノキでない植物から、例えば、グアユール又はグアユール類の植物から天然ゴムを抽出する方法及び技術を開発する目的に対して数多くの研究が行われてきた。
パラゴムノキ天然ゴムは樹皮に沿うラテックス導管内に存在するラテックスを管のチャンネルに皮層切込みを形成することで収集して採取されるが、グアユール植物の天然ゴムは、植物細胞(幹、葉及び根)内に蓄積され、また植物性素材を破砕し、また細胞成分を物理的及び/又は化学的方法で収集することで採取することができる。
従来技術のプロセスでは、植物を破砕してゴム自体を水又は有機溶媒で抽出することによるグアユール植物からのゴム抽出を想定している。
例えば、特許文献1(国際公開第2014/047176号)は、植物性素材の部分的乾燥ステップを含む「収穫後(post-harvest)」(又は「予抽出(pre-extraction)」処理を想定してのグアユールからのゴム抽出方法について記載している。実際、特許文献1は、グアユールからのゴムは決められた値よりも低い残留水分レベルを含有する植物性素材から抽出されるとき分子量が相当低く、したがって、より低い品質であることに特徴がある。さらに、残留水分レベルの減少と関連して抽出効率も低下する。上述の特許文献に記載の抽出は、無極性有機溶媒及び極性有機溶媒の混合物(例えば、ペンタン/アセトン)で実施される。
実際、従来技術で記載されたプロセスの多くは、ゴム回収のみの観点から、グアユール植物から得ることができるすべての主要成分を単一段階で抽出することを想定している。
しかし、品質標準(例えば、ASTMインターナショナルが規定した標準)に適合する目的のためには、天然ゴムは相当純度が高くあらねばならず、すなわち植物性素材から抽出し得る他の化合物がなく、他の汚染物がないものでなければならない。この理由のため、グアユール植物、とくに、樹脂から抽出可能な上述の化合物の除去段階を含む方法が開発されてきた。
特許文献2(国際公開第2013/134430号)は、非パラゴムノキ植物から天然ゴムを抽出するプロセスについて記載しており、グアユール植物を収穫し、葉っぱの大部分を除去し、また植物性素材を部分的に乾燥するステップを想定している。
圧壊及び破砕後に、植物性素材を極性有機溶媒(例えば、アセトン)及び無極性有機溶媒(例えば、ヘキサン)が存在する懸濁液内に配置する。バガスを懸濁液から分離した後、ゴム及び樹脂を含有する懸濁液又はミセラを採取する。他の極性有機溶媒をこのミセラに添加して、ゴム凝固物を沈降作用によって分離される粒子にする。特許文献2は、高分子量ゴムが単離されているミセラから残留樹脂を回収することについては記載しておらず、これはすなわち、主な関心が、ゴム含有懸濁液から汚染物を除去することに向けられているためである。
特許文献3(米国特許第4,681,929号)は、単一段階でなされるグアユールからのゴム調製プロセスについて記載しており、この場合、植物性素材は極性有機溶媒(例えば、メタノール)及び無極性有機溶媒(例えば、ヘキサン)での抽出を受け、これにより、ゴム及び樹脂の双方を含むミセラを採取する。本発明の好適な態様においては、プロセスは、極性有機溶媒による樹脂の第1抽出、及び無極性有機溶媒を用いてのゴムの第2抽出を想定している。特許文献3に記載のプロセスの特異性は、ミセラ自体を抽出剤として使用して、90%にも達する割合で新鮮溶媒に添加し、抽出に要する溶媒の量を減少することにある。
さらに、樹脂及び/又はゴムを含む溶液は、沈降及び/又は重力ドレナージではなく圧搾によってバガスから分離される。このようにして、洗い流しすべきバガスの体積をかなりの程度減少し、それ以上の有機溶剤の使用を制限することができる。しかし、この場合も、樹脂は、やはりゴムに対する汚染物質であり、除去及び排除されるべきものであると見なされる。
しかし、しばらくの間は、ゴムよりも高くない品質である場合に比較すると、植物によって生ずるグアユールからの樹脂は種々の目的向けに使用されてきており、この目的としては、例えば、粘着剤の製造、及び害虫攻撃に抵抗性がある木製パネルの生産がある。この理由から、従来技術文献に記載されている幾つかのプロセスにおいて、重要性がこの成分の抽出にも与えられている。
例えば、特許文献4(米国特許第4,435,337号)は、ゴム、樹脂、水溶性化合物及びバガスを抽出するプロセスについて記載しており、これは、グアユールからゴムを抽出する「歴史的」プロセスである、いわゆる「サルティヨ・プロセス」(以下の非特許文献に記載されている:“Guayule: An Alternative Source of Natural Rubber”, 1977, National Academy of Sciences)から着想を受けている。特許文献4に記載のプロセスは、植物性素材を部分的に乾燥する予備ステップと、次に無水アセトンで樹脂を抽出するステップと、並びに昔のサルティヨ・プロセスに類似したゴム状材料の浮選により樹脂、水溶性化合物及びバガスを回収するステップとを備える。特許文献4は、抽出溶媒の含水量が少なくなればなるほど樹脂抽出がより一層効率的になるという事実を強調している。さらに、予想外にも、樹脂自体を植物性素材から抽出するためには、新鮮溶媒を使用するよりも、濃縮された樹脂を含有するミセラを使用すると一層有利であることが観測されている。
特許文献5(米国特許出願公開第2014/0288255号)は、ゴム、樹脂及びバガスを分離するプロセスについて記載しており、このプロセスは、樹脂を可溶化できる手段の存在下で植物性素材を均質化し、次いで樹脂をバガスから分離する第1ステップと、ゴムを可溶化できる溶媒の存在下でバガスを均質化し、次いでゴムをバガスから分離する第2ステップと、ゴム及びバガスを乾燥する最終ステップであって、例えば、掃過膜エバポレータ内での溶媒気化及びゴム抽出を含む、該最終ステップとを備える。特許文献5は、さらに、ゴム及び樹脂を可溶化できる「製粉溶媒」の存在下で植物性素材を均質化し、分別溶媒の使用による後続の精製段階でこれらゴム及び樹脂を互いに分離するプロセスについて記載している。
特許文献5はヘッジング又は刈込みによる植物収穫の適正時期の重要性を強調しているものの、収穫後に植物の如何様な乾燥の有用性に対する情報を何ら提供していないことに留意することは重要である。
特許文献6(欧州特許第0164137号)は、植物性素材の乾燥ステップを用意していない。逆に、特許文献6は収穫後に植物を真直ぐに立てる処理の重要性を強調している。特許文献6のプロセスによれば、グアユール植物全体に対して有機溶媒(例えば、ヘキサン、又は上述の抽出から得られたミセラ)での対向重力パーコレイションによる抽出を施し、樹脂及びゴム双方の可溶化ができるようにする。第2ステップにおいて、ゴムの非溶剤(例えば、アセトン)を抽出から得られたミセラに添加して、ミセラの沈降を生ぜしめる。この後、脱樹脂したゴムを洗浄及び再沈殿に続くろ過及び/又は遠心分離によって比較的高い純度で回収する。
国際公開第2014/047176号 国際公開第2013/134430号 米国特許第4,681,929号明細書 米国特許第4,435,337号明細書 米国特許出願公開第2014/0288255号明細書 欧州特許第0164137号明細書
本願人は、従来技術プロセスには少なくとも3つの欠点があると認識している。すなわち、
1. 単一段階でのゴム及び樹脂の抽出を想定するプロセスは、上述したように、固有の商業的価値を有する樹脂を量的に十分回収できない、
2. 単一段階でのゴム及び樹脂の抽出及びその後の樹脂からの分離を想定するプロセスは、ゴムを得ることができるものの、市場が要求する品質標準を満たすために更なる精製ステップを必要とする、
3. 有機溶媒又は水で実施する単一段階での抽出後に得られるバガスは、依然として十分な量のゴム及び樹脂を含んでおり、したがって、燃料として活用される以外の異なる用途(例えば、農業又は動物給餌)には不向きであると見なされ得る、
という欠点がある。
したがって、本願人は、グアユール植物から始めてゴム、樹脂及びバガスを調製し、これにより従来技術プロセスよりも生成物の収率及び品質特性がよりよい状態で上述の成分を採取する新たなプロセスを特定するという問題を解決することに着手した。
したがって、本発明の目的は、グアユール植物から樹脂及びゴムを抽出するプロセスであって、上述した従来技術の欠点がほとんどなく、最大収率で採取することを目指す方策に特徴がある、該プロセスを得るにある。
本発明の明細書及び特許請求の範囲の説明目的のため、数値範囲の定義は、それ以外を明示しない限り極限値を常に含むものとする。
本発明の明細書及び特許請求の範囲の説明目的のため、それ以外を明示しない限りすべての比率及び百分率は重量によるものである。
本発明による実施形態の説明において、用語「備える(comprising)」及び「含む(containing)」は、例えば、方法若しくはプロセスのステップ又は生成物若しくはデバイスのコンポーネントに関して記載された選択肢は、必ずしも排他的ではない。しかし、記載された選択肢に関連する、例えば、方法若しくはプロセスのステップ又は生成物若しくはデバイスのコンポーネントに関して用語「備える(comprising)」は、明示的に述べられていない場合でも、「ほぼ〜から成る(which essentially consists of)」又は「〜から成る(which consists of)」ものとして解さなければならない。
本明細書及び特許請求の範囲において、グアユール植物は、概してグアユールゴムノキ種及び先に列挙した種のグアユール類植物(guayule type plants)の双方を意味する。
本発明の明細書及び特許請求の範囲の説明目的のため、用語「植物性素材(plant material)」は、化学的及び/又は物理的な方法によってゴム、樹脂及び植物自体に存在する他の成分を抽出する目的で使用される任意の形態(例えば、植物全体、根、枝及び/又は幹を含む植物の部分、葉、樹皮、切り刻み、破砕等により得られた植物の断片、植物断片を押し固めすることにより得られたブリケット及びペレット)を意味する。
用語「バガス(bagasse)」は、植物性素材の抽出プロセスから派生する残留部分を意味する。バガスは、さらに、一般的に植物の根に関連し、耕地に由来する非植物性物質の幾分かの量的部分をも含む。
本発明の説明目的のため、用語「ミセラ(miscella)」は、抽出プロセスを実施してバガスの分離後に得られる、ゴム及び/若しくは樹脂、水、及び/又は有機溶剤を含む溶液、懸濁液若しくはエマルションを意味する。
本発明の説明目的のため、用語「揮発性物質(volatile matter)」は、固体状態にあるゴムのサンプルに含まれ得るが、100℃以上の温度で蒸気相に移行し、また該サンプルから分離できるゴムとは異なる化合物に言及するものである。
固体状態にあるゴムのサンプルに存在する揮発性物質の決定は、例えば、当業者には既知の標準試験ASTM D1278-91により実施することができる。
さらに、揮発性有機化合物又はVOCs(例えば、固体状態にあるゴムのサンプルに存在する無極性有機溶媒)及びそれらの残留濃度の決定は、既知濃度の上述したVOCs標準溶液を用いて、炎イオン化検出器を有するガスクロマトグラフィにより行う。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することで明らかになるであろうし、これら図面は、本発明の方法、構成及び/又は本発明実施形態で使用される材料の全体的特徴を示し、また以下に記載の説明を完璧にすることを意図する。
グアユールの植物から開始する本発明による方法の実施形態における全体ブロック図である。 本発明による方法であって、葉落し(“b”)ステップ及び貯蔵(“c”)ステップが逆順である他の実施形態におけるプログラムの一部を表すブロック図である。より明確にはステップの番号付けは変化していない。この図において、ステップ「b」及び「c」は太線ボックスで示している。 本発明によるプロセスで得られた天然ゴムの分子量(MW)の分布を示し、この分布は、ISO11344:2004の標準方法であり、標準としてポリスチレンを用いてIDT(「ゴム、生、合成−ゲル浸透クロマトグラフィによる溶液ポリマーの分子量分布決定」)で都合よく実施される、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により決定される。このような手法は当業者には既知である。
上述の図面は本発明の幾つかの実施形態で使用される方法、構造及び/又は材料の全般的な特徴を示し、以下の記載説明を完璧にすることを意図するものである点に留意することは重要である。
これら図面は、しかし、縮尺通りには描いておらず、また細密な構造上の特徴又は或る実施形態の性能を正確に反映するものではなく、これら実施形態の有用性又は特性の区間を定義又は制限するものと解すべきではない。これら図面における同様又は同一の参照符号の使用は、1つ若しくはそれ以上の素子、又は1つ若しくはそれ以上の同様又は同一の機能の存在を示すことを意図する。
本発明は、グアユールの植物から樹脂及びゴムを抽出するプロセスに関し、このプロセスは、
a. グアユールの植物を収穫するステップと、
b. 前記植物を葉落しするステップと、
c. 前記葉落しした植物を、制御された温度及び相対湿度の環境内で7〜21日の期間にわたり、前記植物内に含まれる残留水分量を30〜45%に維持するよう貯蔵するステップと、
d. 前記葉落しした植物を破砕して平均粒径が0.5〜10mmの植物断片からなる植物性素材を得るステップと、
e. 少なくとも1種類の極性有機溶媒及び安定剤系からなる極性溶媒系内に前記植物性素材を分散させて懸濁液を得るステップと、
f. 前記ステップ“e”から得られた前記懸濁液をろ過/圧搾し、第1バガスから前記樹脂を含む第1ミセラを分離するステップと、
g. 前記第1ミセラから前記少なくとも1種類の極性有機溶媒を除去して濃縮した前記樹脂を得るステップと、
h. 前記ステップ“f”で得られた前記第1バガスから前記少なくとも1種類の極性有機溶媒を除去するステップと、
i. 前記ステップ“h”で得られた溶媒除去済みの前記第1バガスを、少なくとも1種類の無極性溶媒及び安定剤系からなる無極性溶媒系に分散させるステップと、
j. 前記ステップ“i”から得られた前記懸濁液をろ過/圧搾し、第2バガスから前記ゴムを含む第2ミセラを分離するステップと、
k. 前記第2ミセラから前記少なくとも1種類の無極性有機溶媒を除去して固体状態のゴムを得るステップと、
l. 前記ステップ“j”で得られた前記第2バガスから前記少なくとも1種類の無極性有機溶媒を除去するステップと、
を備える。
好適には、上述のプロセスの前記ステップを“a”〜“l”の順序で行うことができる。以下により詳しく説明するように、本発明の幾つかの実施形態においては、本発明の全体的原理を変更することなく、上述のステップのうち幾つかを上述したリストとは逆順で行うことができる。
従来技術のプロセスに対して、本発明によるプロセスは、2つの異なる有機溶媒間での接触を阻止するようグアユール植物から樹脂及びゴムを個別に抽出することを想定する。このようにして、それぞれの抽出プロセス後に、複雑な溶媒混合物の分離ステップを設けることなく、それら有機溶媒自体を再循環及び再利用することが可能である。
さらに、水の代わりに有機溶媒を使用することによるゴムの抽出は、廃棄前に必ず精製プロセスを受けなければならなくなる多量の水を使用する必要がないという利点がある。これとは逆に、有機溶媒の使用は、各抽出ステップ後に閉じた再循環システム内で溶媒を再使用することができる。
グアユール植物の異なる部分におけるゴム蓄積は、異なる要因、例えば、植物年齢、環境光の強度、水の利用可能性、温度及び季節に依存する。例えば、原産地において、グアユール植物は冬季月にゴムを蓄積するとともに、樹脂
産生は夏季によく行われる(以下の特許文献参照:S. Macrae, M.G. Gilliland, J. Van Staden in “Rubber production in guayule: determination of rubber producing potential” (1986) Plant Physiol. vol. 81, pag. 1027-1032)。
好適には、グアユール植物の収穫ステップは前記植物の生育期の再開時に実施する。代表的には、この生育期には春及び初夏が含まれる。
本発明の好適な実施形態において、全グアユール植物を現場で幹の首元を切断すること(再成長が予想される場合)、又は根を引き抜くことによって(植物が低木発達でない、又は再成長を選択しない場合)収穫する(図1のボックス10参照)。
収穫中、前記植物は、手作業又は収穫機械によって、その後の保存及び貯蔵作業を容易にするため、8cm以上かつ20cm以下のサイズで収穫するのが好ましい。
好適には、サイズは8〜15cmの間とすることができ、またより好適にはサイズは10〜12cmの間とすることができる。
本発明の説明目的のため、収穫後のステップにおいて、また他に特定しない限り、「植物」は、植物全体、及び収穫サイズの植物断片の双方を意味する。
収穫後に、植物は部分的に又は全体的に葉落しすることができる。(ステップ20)
この葉落しは、手作業で又はブレード、ローラ、若しくは空気式葉落しマシンによる機械作業で行うことができる。この場合、幹からの葉の分離は、枝に比べて葉の密度が低いことを利用して、振動及び空気流により行う。
好適には、上述のプロセスのステップ“b”中に、植物から葉の少なくとも50%を除去し、より好適には葉の少なくとも90%を除去する。
この後、葉落しした植物に貯蔵処理を施すことができる。
本願人は、予想外にも、収穫及び葉落し後のグアユール植物に適切な貯蔵処理を施し、制御された温度及び相対湿度の環境内で部分的に乾燥させることで(ステップ30参照)、高重量平均分子量に特徴があるゴムを高収率で抽出できることを発見した。
特定の理論に言及したくはないが、植物の代謝作用は、切断後であっても短期間にわたり特別な温度及び湿度条件の下に継続することができ、植物に含まれるエラストマーの重量平均分子量は、初期値の3倍にも達するまで増加し続けることが観測されている。さらに、本発明による貯蔵ステップ後に抽出されるゴムによれば、該エラストマーの減少した多分散性指数及び重量平均分子量の極めて狭い範囲における分布、天然ポリマーの全体的品質を画定するのに寄与する特性を示す。
既知のように、多分散性指数、又は単に「分散性」は、重量平均分子量と数平均分子量との間の比によって表される(以下の非特許文献参照:IUPAC Recommendation “Dispersity in polymer science” (2009), Pure Appl. Chem. vol. 81 pag. 351-353)。
本発明の説明目的のため、制御された温度及び相対湿度の環境とは、空気の温度及び相対湿度をモニタリングし、また特定要件に基づいて変更する場所を意味する。
相対湿度(RH)は、同一温度及び圧力条件の下に、或る空気体積に含まれる蒸気量と同一空気体積が含むことができる最大(すなわち、飽和状態での)蒸気量との百分率で表される。
それに引き替え、残留水分量は、素材サンプルに含まれる水の百分率を意味する。それは、一定圧力及び90℃の温度で少なくとも24時間にわたる乾燥後にサンプルを計量することで決定される乾燥物質の量を100から引き算した差として計算される。
本発明の好適な態様において、上述のプロセスのステップ“c”は、温度が15〜40℃の間で一定に維持される環境内で実施することができる。
さらに好適な態様において、前記ステップ“c”は、温度が20〜30℃の間に維持される環境内で実施することができる。
さらに好適な態様において、本発明による前記ステップ“c”は、相対湿度が80〜95%の間で一定に維持される環境内で実施することができる。
さらに好適な態様において、前記ステップ“c”は、相対湿度が80〜90%の間に維持される環境内で実施することができる。
本発明の好適な態様において、上述のプロセスのステップ“c”は、10〜15日の期間にわたり実施することができる。当業者であれば、切断したばかりの植物に含まれる水分量に基づいて、また植物を貯蔵する環境の相対湿度及び温度条件に基づいて、好適な範囲内におけるステップ“c”の持続時間を決定することができ、これにより植物の残留水分量を30%〜45%の範囲内に留めることができる。
好適な態様において、上述のプロセスの前記ステップ“c”の終了時には、切断した植物の残留水分量が35%〜40%の範囲内にあるようにすることができる。
本発明の実施形態において、図2に示すように貯蔵ステップ“c”を葉落しステップ“b”に先行させることができる。この場合、貯蔵は葉落ししないグアユール植物で行うことができる。
ステップ“d”で行う植物(又は植物の部分)の破砕は、用途に有用な方法及び設備で行うことができる。例えば、チッパー、クラッシャー、造粒機、ブレードミル、ハンマーミル、平滑又は波形のロールミル、ストーンミル、及びボールミルのような破砕機を使用することができる。好適には、ステップ“d”は、1つ若しくはそれ以上のハンマーミルを用いて実施することができる。本発明の好適な態様において、前記ステップ“d”は、順次に1つ若しくはそれ以上のハンマーミル、及び1つ若しくはそれ以上の波形ロールミルを用いて実施することができる。
好適な態様において、前記ステップ“d”は、順次に1つ若しくはそれ以上のハンマーミル、及び1つ若しくはそれ以上の平滑ロールミルを用いて実施することができる。
好適な態様において、破砕ステップ“d”で得られる植物性素材の断片は、0.5〜7.5mmの平均粒径を有することができる。さらに好適な態様において、前記断片は、1〜2mmの平均粒径を有することができる。
破砕ステップで得られる植物性素材は、少なくとも1種類の極性有機溶媒及び安定剤系からなる極性溶媒系内に極めて迅速に浸漬することができる(ステップ50参照)。
このステップ“e”において、樹脂が極性溶媒系によって抽出される。
使用される極性有機溶媒の量は植物性素材の重量に基づいて計算される。好適な態様において、極性溶媒系の体積対前記植物性素材の重量の比は、1〜7の間、及び好適には2〜5の間とすることができる。
好適には、ステップ“e”で使用する極性溶媒系は、1〜8個の炭素原子を有するアルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール)、2〜8個の炭素原子を有するエーテル若しくはエステル(例えば、酢酸エチル)、4〜8個の炭素原子を有する環状エーテル、3〜8個の炭素原子を有するケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、又はそれらの組合せから選択される少なくとも1種類の極性有機溶媒を含むことができる。
好適な態様において、前記極性有機溶媒はエタノール及びアセトンから選択することができる。
好適な態様において、前記極性有機溶媒はエタノールとすることができる。
極性溶媒系に存在する安定剤系は少なくとも1種類の酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤として、ハイドロキノン誘導体、又は立体的に嵩高い基で置換したフェノール由来化合物、立体障害基を有するp-フェニレンジアミン、又はそれらの組合せを、有利に使用することができる。好適な態様において、極性溶媒系は、2,5-ジ[tert-アミル]ハイドロキノン(CAS番号79-74-3)及び重合スルホン酸アルキルナフタレンのナトリウム塩(CAS番号9084-06-4/36290-04-7)より成る水性混合物、p-クレゾール、ジシクロペンタジエン及びイソブチレンの反応生成物(CAS番号68610-51-5)並びに重合スルホン酸アルキルナフタレンのナトリウム塩(CAS番号9084-06-4/36290-04-7)より成る水性混合物、4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-アミノ]-2,6-ジ- tert-ブチルフェノール(CAS番号991-84-4)、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(CAS番号793-24-8)、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(CAS番号793-24-8)及びN-1,4-ジメチルペンチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(CAS番号3081-01-4)の混合物、又はそれらの混合物から選択される酸化防止剤を有することができる。好適には、極性溶媒系は、酸化防止剤である4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-アミノ]-2,6-ジ- tert-ブチルフェノールを有する。
好適な態様において、前記極性溶媒系は、1つ又はそれ以上の段にして撹拌あり又は撹拌なしの対向流で、0.1〜5時間の範囲内の期間にわたり、25℃と使用する前記極性有機溶媒の沸点との間の温度で、前記植物性素材に接触させるよう配置することができる。
好適な態様において、ステップ“e”は0.5〜2.5時間の範囲内の期間にわたり実施する。
好適な態様において、ステップ“e”は35℃〜50℃間における温度で実施する。
好適な態様において、極性溶媒系及び植物性素材は、0.5〜2.5時間の範囲内の期間にわたり35℃〜50℃間における温度で互いに接触するよう配置することができる。
終了時には極性溶媒系における植物性素材の懸濁液は、懸濁液/樹脂及び固体部分に富む液状エマルション(いわゆる「ミセラ」)を互いに分離する目的で、ろ過/圧搾処理を受ける(ステップ“f”、60)。
本発明によるプロセスのステップ“f”は、プレスフィルタ、真空フィルタ、スクリュープレス、回転プレス、オーガープレス、薄膜プレス、又は液相を固相から分離するのに適した任意な他の機械的システムで実施し得る。
好適な態様において、ろ過/圧搾は、樹脂に富むミセラをゴム含有バガスから分離するのを促進する25℃〜50℃の間における温度で実施し得る。
植物性素材に存在するゴムの一部(とくに、いわゆる「低分子量」、すなわち2・10g/mol未満の分子量のゴム)は、樹脂を抽出するのに使用される実際の極性溶媒系によって安定化される傾向があることに留意することは重要である。
好適な態様において、プロセスのステップ“f”における該ろ過/圧搾は、25℃〜35℃の間における温度で実施することができる。このような条件の下では、低分子量ゴムは、沈降する傾向があり、またひいてはバガスと一緒にろ過によって分離することができる。したがって、得られるミセラは、ほぼ樹脂のみを含有する。
好適な態様において、上述のろ過/圧搾は、35℃〜50℃の間における温度で実施することができる。このような条件の下では、低分子量ゴムは、溶液内に留まる傾向があり、またひいてはろ過/圧搾後に得られ、低分子量ゴムを含み得るミセラは、使用に応じて、上述の低分子量ゴムから樹脂を分離する他のステップを施す又は施さないようにすることができる。
樹脂に富むミセラは、極性有機溶媒を除去するよう適切な処理を受け(ステップ“g”)、この極性有機溶媒はステップ“e”で再循環させることができ、また植物から抽出した樹脂を濃縮した形態で回収することができる。
この処理は、間接加熱による気化によって、及び/又は直接蒸気による剥脱によって、及び/又は大気圧若しくは真空下での空気による剥脱によって、実施することができる。ステップ“e”で植物から抽出した樹脂とともに、若干量の水がミセラに存在することがあり、この水をステップ“g”で上述の処理により又は蒸留によって溶媒から分離してから、溶媒自体を抽出ステップ“e”において
再循環させなければならない。
グアユール樹脂は、上述したように多くの用途に使用することができ、例えば以下の非特許文献を参照されたい:F.S. Nakayama in “Guayule future development” (2005) Industrial Crops and Products, vol. 22, pag. 3-13。
樹脂は、重要産業における又は潜在的興味対象である、また昆虫フェロモンを生成するためのテルペン類に属する、脂肪酸のグリセリド、ワックス及びイソブチレン構成成分を含む二次代謝に豊富に存在し、昆虫フェロモンは、幾つか場合、薬理学及び化粧品の分野に対して興味深い特性を示している。
さらに、樹脂留分は、建築に使用される木材の処理に有利に使用することができ、雰囲気剤及び例えば、菌類及びシロアリのような寄生生物による攻撃に対する耐性を向上することができる。
ろ過/圧搾ステップ“f”によって得られ、樹脂がなく、しかし依然としてゴムを含有するバカスから残留極性有機溶媒を除去し、この除去は、間接加熱による気化によって、及び/又は直接蒸気による剥脱によって、及び/又は大気圧若しくは真空下での空気による剥脱によって行う(ステップ“h”、80)。
このようにして、極性溶媒系と、後続のゴム抽出ステップに使用される無極性溶媒系との間の混合が阻止される。
回収ステップ“h”(80)から回収された極性有機溶媒は、除去ステップ“g”(70)から回収された同一の極性有機溶媒と組み合わせ、またできれば、残留水内容物を排除する蒸留に続いてステップ“e”(50)で再循環させる。
樹脂及び極性有機溶媒がないバガスは、次にステップ“i”で少なくとも1種類の無極性有機溶媒及び安定剤系を含む無極性溶媒系における分散(90)による第2抽出ステップを受ける。このステップにおいて、無極性溶媒系によるゴム抽出を生ずる。
使用すべき該無極性溶媒系の量は第1バガスの重量に基づいて計算する。好適な態様において、無極性溶媒系の体積対前記第1バガスの重量の比は、1.5〜7の間、及び好適には2〜5の間とすることができる。
ステップ“i”で使用される無極性溶媒系は、少なくとも1種類の炭化水素溶媒を含むことができる。好適には、該少なくとも1種類の溶媒は、4〜9個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルカン(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン)、5〜10個の炭素原子を有するシクロアルカン若しくはアルキルシクロアルカン(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン)、6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、又はそれらの組合せから選択することができる。
好適な態様において、無極性有機溶媒はヘキサンとする。
好適な態様において、無極性有機溶媒はシクロヘキサンとする。
無極性溶媒系に存在する安定剤系は少なくとも1種類の酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤として、ハイドロキノン誘導体、又は立体的に嵩高い基で置換したフェノール由来化合物、立体障害基を有するp-フェニレンジアミン、又はそれらの組合せを、有利に使用することができる。好適な態様において、無極性溶媒系は、2,5-ジ[tert-アミル]ハイドロキノン(CAS番号79-74-3)及び重合スルホン酸アルキルナフタレンのナトリウム塩(CAS番号9084-06-4/36290-04-7)より成る水性混合物、p-クレゾール、ジシクロペンタジエン及びイソブチレンの反応生成物(CAS番号68610-51-5)並びに重合スルホン酸アルキルナフタレンのナトリウム塩(CAS番号9084-06-4/36290-04-7)より成る水性混合物、4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-アミノ]-2,6-ジ- tert-ブチルフェノール(CAS番号991-84-4)、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(CAS番号793-24-8)、N-1,3-ジメチルブチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(CAS番号793-24-8)及びN-1,4-ジメチルペンチル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(CAS番号3081-01-4)の混合物、又はそれらの混合物から選択される酸化防止剤を有することができる。好適には、極性溶媒系は、酸化防止剤である4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-アミノ]-2,6-ジ- tert-ブチルフェノールを有する。
好適な態様において、無極性溶媒系は、1つ又はそれ以上の段にして撹拌あり又は撹拌なしの対向流で、0.1〜5時間の範囲内の期間にわたり、25℃と使用する前記無極性有機溶媒の沸点との間の温度で、前記第1バガス材に接触させるよう配置することができる。
好適な態様において、該ステップ“i”は0.5〜2.5時間の範囲内の期間にわたり実施する。
好適な態様において、該ステップ“i”は35℃〜60℃間における温度で実施する。
好適な態様において、無極性溶媒系及び第1バガスは、0.5〜2.5時間の範囲内の期間にわたり35℃〜60℃間における温度で互いに接触するよう配置することができる。
終了時には無極性有機溶媒系におけるバガスの懸濁液は、ゴムに富む第2ミセラと、樹脂及び天然ゴムの双方がほとんどない第2バガスとを互いに分離する目的で、ろ過/圧搾処理を受ける(ステップ“j”、100)。
ろ過/圧搾処理は、ステップ“f”につき先に記載したように実施することができる。後続のステップ“k”において、天然ゴムを含む第2ミセラは、植物から抽出されるゴム回収のための剥脱及び/又は気化での無極性溶媒の除去ステップ(110)に送る。
好適な態様において、上述した無極性溶媒の除去は、分散系の存在の下に水蒸気での剥脱によって実施することができる。
その目的のため、溶液内に天然ゴムを有する第2ミセラを、水を収容しまた分散系を含む剥脱リアクタ又はストリッパに送ることができ、この剥脱リアクタ又はストリッパ内には、水蒸気の流れを送り込む。このシステム内に導入された水蒸気の一部は液化し、したがって、溶媒を気化するのに必要な熱を発生する。このようにして、水における天然ゴムの粒々による懸濁液が得られる。
分散系は懸濁液の安定化を促進して、懸濁液の処理性(例えば、ポンプ作業能力)を助長し、また上述した粒々の凝集を減少する。
本発明の好適な態様において、分散系は、Al、Ca及びMgから選択される金属による少なくとも1種類の水溶性金属塩と、及びポリカルボン酸塩類に属する少なくとも1種類の水溶性界面活性剤を含むことができる。本発明の好適な態様において、この界面活性剤は、無水マレイン酸及び2,4,4-トリメチル-1-ペンテン(CAS番号37199-81-8)の共重合体ナトリウム塩とすることができる。毒性が極めて制限されていることに特徴があるこの界面活性剤は、水混和性の液状形態で、ローヌ・プーランク社によるSopropon(登録商標)T36、ロディア社によるGeropon(登録商標)T/36、又はローム・アンド・ハース社によるOrotan(登録商標)731Aの商品名で市販されている。
好適な分散系は塩化カルシウム及びOrotan(登録商標)731A ERを有する。上述したように、分散系の存在下における無極性有機溶媒の水蒸気での剥脱による除去効率は特に高く、これはすなわち、ゴムから溶媒を除去するプロセスは上述の粒々の形成と同時に生ずるからである。
水内で得られるゴムの粒々による懸濁液は、その後に液相除去(例えば、粒々のろ過及び/又は絞り出しによる)及び水分の蒸発を施すことができる。
粒々の絞り出し及び残留水分の最終蒸発は、2つの別個の押出機で行うことができる。第1押出機は、液相の水を逃がすことを可能にしてゴムの粒々を含むとともに、第2押出機は水を蒸発させることができ、これはすなわち、できれば真空条件の下での機械的エネルギー消散又は加熱により固相の温度を上昇させ、適切な脱気ゾーンにおいて水が蒸気形態に直接移行できるからである。
上述の処理の終了時には、主に水である揮発性物質による0.75重量%未満の含有物とともにゴムを得ることができ、また好適には、この揮発性物質含有物は0.75重量%〜0.5重量%の間で含まれる。
揮発性物質含有量は、標準分析方法ASTM D1278-91(1977)で決定することができる。
本発明プロセスで使用される極性及び無極性の有機溶媒の粒々内における残留含有量は全体で4000ppm未満である。好適な態様において、該ゴム内における有機溶媒の残留含有量は、4000ppm未満かつ50ppm以上であり得る。より好適には、有機溶媒の含有量は2000ppm〜75ppmの間であり得る。
さらに好適な態様において、有機溶媒の含有量は1000ppm〜100ppmの間とすることができる。
有機溶媒の残留含有量は、キャリヤガスとしてヘリウムを用いる溶融石英カラムにおける定性的かつ定量的なガスクロマトグラフィにより、また炎イオン化検出器(FID)で決定することができる。分析を実施するため、0.1mgの精度で計量したゴムサンプルを、内部標準として既知の量のn-オクタンを含む二硫化炭素に溶解させる。得られた溶液の1μlをガスクロマトグラフィ内に注入する。この機器は、検出すべき有機溶媒の既知量(0.01mgの精度)を含む溶液の1μlを、内部標準として既知の量のn-オクタンを含む二硫化炭素に注入することによって較正する。上述の方法を用いて検出可能な最小量は1ppmである。
上述した処理の他の利点は、溶媒を除去した後、例えば、振動篩での分離プロセス、圧搾プロセス、押出しプロセス等でゴムは優れた処理性を維持する点にある。
本発明によるプロセスを適用することによるグアユール植物から抽出されるゴム収率は、その植物に存在するゴムの総量に対して80%以上となることができる。上述したゴム総量は、以下の非特許文献に記載のようなソリッドステート13C-NMRによって決定される:M. Geppi, F. Ciardelli, C,A. Veracini, C. Forte, G. Cecchin, P. Ferrari, in “Dynamics and morphology of polyolefinic elastomers by means of 13C and 1H solid-state n.m.r.”(1997), Polymer, vol. 38, pag. 5713-5723。
好適な態様において、上述のゴム抽出収率は80〜95%であり得る。
このようにして、得られるゴムは、1・10〜2・10g/molの間の重量平均分子量を有することを特徴とする。
本発明によるプロセスで得られるグアユール天然ゴムの多分散性指数は好適には、2〜5の間であり、より好適には2.5〜3.5の間である。
したがって、本発明の他の要旨は本発明によるプロセスで得られるグアユールゴムであって、1・10〜2・10g/molの間の重量平均分子量、0.75重量%未満の揮発性物質含有量、4000ppm未満の有機溶媒残留含有量を特徴とする、グアユールゴムである。
好適な態様において、ゴムにおける有機溶媒の残留含有量は、4000ppm未満かつ50ppm以上であり得る。より好適には、有機溶媒の含有量は2000ppm〜75ppmの間であり得る。さらに好適な態様において、有機溶媒の含有量は1000ppm〜100ppmの間であり得る。
本発明によるプロセスで得られる天然ゴムは、様々な市場用途向けに加工することができる。グアユール天然ゴムの特性は、とくに、パラゴムノキ天然ゴムの特性に類似又はそれより優れた物理的特性を有する天然ゴム物品を製造するのに適した、例えば、育児用品、スポーツ用具、及び生物医学用消耗品の用途に適したものにする。
ステップ“j”で得られる樹脂及びゴムがないが残留無極性溶媒を依然として含む第2バガスも、間接加熱による気化によって、及び/又は直接蒸気による剥脱によって、及び/又は大気圧若しくは真空下での空気による剥脱によって、本発明によるプロセスのステップ“l”における該溶媒の除去を受ける(ステップ120)。
プロセスの終了時に収集されるバガスは、加水分解プロセス及び発酵プロセスを受け、これらプロセスによれば、動物飼料として有用な生成物を得ることができる。同様の用途は、元々含まれているゴム及び樹脂がないバガスを必要とすることは明らかである。
他のケースにおいて、バガスは、例えば、生体接着剤又はバイオ農薬を得るための二次プロセスに、また発酵によってバイオ燃料及び/又はバイオエタノールに変換される次世代糖類として再利用することができる。
バガス由来の木質素材はさらに加工して、建築材料、燃料ペレット及びブリケットを得ることができ、又は根覆い若しくは肥料として農業に使用することができる。
除去ステップ“l”(120)から回収される有機溶媒は、除去ステップ“k”(110)から回収される同一溶媒と組み合わされて抽出ステップ“i”(90)に再循環される。
本発明を実践し、またより明瞭にする目的で、以下は幾つかの非限定的な実施例である。
しかし、特許請求の範囲から逸脱することなく、他の改変及び変更を本明細書に記載したプロセスに加えることができるものと理解されたい。
実施例1(本発明によるプロセスでグアユール植物から樹脂及びゴムを抽出する試験)
本願人が運営する南イタリアにおける実験農場からおおよそ20本のグアユール植物を地面上方約10cmの高さまでカットし、約15kgのバイオマスを採取した。
植物は、葉落し、また覆われかつ通気された環境内でパレット上に保存し、該環境内で温度及び相対湿度を常にモニタリングした。このような環境内での15日間の貯蔵後、100gの葉落し済み植物(残留水分量20%)をハンマーミルで破砕し、2mmより小さい断片を得た。
この植物性素材は、純粋エタノール(95%)を500mL収容した1Lのガラス製フラスコ内に投入し、該純粋エタノールには、Irganox(登録商標)565(4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-アミノ]-2,6-ジ- tert-ブチルフェノール)を酸化防止剤として溶解させた。
このようにして得られた懸濁液を一定撹拌の下(150rpmに設定した機械的ミキサー)で1時間にわたり45℃に維持し、次にグーチ・フィルタ(多孔率10〜15μm)の使用でろ過処理を施し、ゴムを含むバガスから樹脂に富むミセラを分離した(透過させた)。ろ過デバイスにおいて、上述のバガスにさらに圧搾処理を施し、樹脂を含むエタノール分の回収を促進した。
ミセラからは蒸発処理を施して5.5gの樹脂を採取し、この採取は、植物に含まれる樹脂の量に対して94%の抽出収率を示すものであった。葉落しし、また部分的に乾燥した植物に含まれる総樹脂量は、FT-IR分光法を用いて決定した。
上述したようにして得たバガスには、真空下での剥脱による残留エタノール除去を施した。次に、バガスを計量し(75g)、純粋ヘキサン(95%)を300mL収容した1Lのガラス製フラスコ内に投入し、該純粋ヘキサンには、Irganox(登録商標)565(4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-アミノ]-2,6-ジ- tert-ブチルフェノール)を酸化防止剤として溶解させた。
このようにして得られた懸濁液を一定撹拌の下(150rpmに設定した機械的ミキサー)で1時間にわたり55℃に維持し、次にセライトパッド(厚さ20mm)によるろ過処理を施し、樹脂及びゴムがない第2バガスから樹脂に富むミセラを分離した(透過させた)。ろ過デバイスにおいて、上述のバガスにさらに圧搾処理を施し、溶液にゴムを含む液体分の回収を促進した。
次に、ゴムに富むミセラに対して剥脱による溶媒蒸発処理を施してゴムを回収した。
4.2gのゴムが採取され、これは、葉落し及び部分的に乾燥した植物に含まれ、ソリッドステート13C-NMRによって決定される総ゴム量に対して80%の生成収率であった。
採取され、標準としてポリスチレンの使用によるゲル浸透クロマトグラフィで分析したゴムは、1・10g/molの重量平均分子量であることを特徴とする(図3参照)。このゴムは、ゴム自体の品質が高いことを証明する2.9という多分散性指数を特徴とする。
比較例2(本発明に従わないプロセスによって貯蔵ステップを受けないグアユール植物から樹脂及びゴムを抽出する試験)
このプロセスは実施例1と同様に行ったが、葉落し後に植物に対し制御した温度及び相対湿度環境での貯蔵ステップなしに、抽出プロセスを施した点で相違する。回収され、また、標準としてポリスチレンの使用によるゲル浸透クロマトグラフィで分析したゴムは、実施例1で得られたゴムに対して70%も低い0.48・10g/molの重量平均分子量、及び3.8の多分散性指数であることを特徴とする。
比較例3(本発明に従わないプロセスによって10%未満の残留水分量を有するグアユール植物からゴムを抽出する試験)
このプロセスは実施例1と同様に行ったが、植物は、10%未満の残留水分量に達するまで制御した温度及び相対湿度環境維持した点で相違する。
抽出された樹脂は、実施例1の試験で得られた収率と同一であったが、抽出されたゴムの収率は80%から90%まで達した。しかし、ゲル浸透クロマトグラフィで分析した抽出ゴムは、実施例1の試験で得られたゴムに対して30%も低い重量平均分子量に特徴がある。
比較例4(1cm未満の粒径に破砕したグアユール植物から樹脂及びゴムを抽出する試験)
このプロセスは実施例1と同様に行ったが、貯蔵ステップ後に植物は、1cmの平均粒径になるまで破砕を施した点で相違する。
この場合、抽出した樹脂収率は実施例1の試験で得られた収率に匹敵するが、抽出されたゴムの収率は80%から70%まで低下した。
最後に、本明細書で記載しまた図示したプロセスに対して、特許請求の範囲から逸脱することなく、更なる改変及び変更を加えることができると理解されたい。

Claims (24)

  1. グアユールの植物から樹脂及びゴムを抽出するプロセスであって、
    a. グアユールの植物を収穫するステップと、
    b. 前記植物を葉落しするステップと、
    c. 前記葉落しした植物を、制御された温度及び相対湿度の環境内で7〜21日の期間にわたり、前記植物内に含まれる残留水分量を10〜20%に維持するよう貯蔵するステップと、
    d. 前記葉落しした植物を破砕して平均粒径が0.5〜7.5mmの植物断片からなる植物性素材を得るステップと、
    e. 少なくとも1種類の極性有機溶媒及び安定剤系からなる極性溶媒系内に前記植物性素材を分散させて懸濁液を得るステップと、
    f. 前記ステップ“e”から得られた前記懸濁液をろ過/圧搾し、第1バガスから前記樹脂を含む第1ミセラを分離するステップと、
    g. 前記第1ミセラから前記少なくとも1種類の極性有機溶媒を除去して濃縮した前記樹脂を得るステップと、
    h. 前記ステップ“f”で得られた前記第1バガスから前記少なくとも1種類の極性有機溶媒を除去するステップと、
    i. 前記ステップ“h”で得られた溶媒除去済みの前記第1バガスを、少なくとも1種類の無極性溶媒及び安定剤系からなる無極性溶媒系に分散させるステップと、
    j. 前記ステップ“i”から得られた前記懸濁液をろ過/圧搾し、第2バガスから前記ゴムを含む第2ミセラを分離するステップと、
    k. 前記第2ミセラから前記少なくとも1種類の無極性有機溶媒を除去して固体状態のゴムを得るステップと、
    l. 前記ステップ“j”で得られた前記第2バガスから前記少なくとも1種類の無極性有機溶媒を除去するステップと、
    を備える、プロセス。
  2. 請求項1記載のプロセスにおいて、前記プロセスのステップを“a”〜“l”の順序で行う、プロセス。
  3. 請求項1又は2記載のプロセスにおいて、前記グアユール植物の収穫ステップは、前記植物の生育期の再開時に実施する、プロセス。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記植物は、8cm以上かつ20cm以下のサイズで収穫する、プロセス。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記ステップ“c”は、10〜15日の期間にわたり、温度が15〜40℃の間で一定に維持される環境内及び/又は相対湿度が80〜95%の間で一定に維持される環境内で実施する、プロセス。
  6. 請求項1及び3〜5のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記貯蔵ステップ“c”は、前記葉落しステップ“b”に先行させる、プロセス。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記破砕ステップ“d”は、1つ若しくはそれ以上のハンマーミルを用いて実施する、プロセス。
  8. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記ステップ“d”は、順次に1つ若しくはそれ以上のハンマーミル、及び1つ若しくはそれ以上の波形ロールミル又は1つ若しくはそれ以上の平滑ロールミルを用いて実施する、プロセス。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記破砕ステップ“d”から得られた植物性素材の断片は、0.5〜7.5mmの平均粒径を有する、プロセス。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記プロセスのステップ“e”における前記極性溶媒系の体積対前記植物性素材の重量の比は、1〜7の間、及び好適には2〜5の間とする、プロセス。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記ステップ“e”に使用する前記極性溶媒系は、1〜8個の炭素原子を有するアルコール、2〜8個の炭素原子を有するエーテル及びエステル、4〜8個の炭素原子を有する環状エーテル、3〜8個の炭素原子を有するケトン、又はそれらの組合せから選択される少なくとも1種類の極性有機溶媒を含む、プロセス。
  12. 請求項11記載のプロセスにおいて、前記極性有機溶媒はエタノール及びアセトンから選択する、プロセス。
  13. 請求項1〜12のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記極性溶媒系は、1つ又はそれ以上の段にして撹拌あり又は撹拌なしの対向流で、0.1〜5時間の範囲内の期間にわたり、25℃と使用する前記極性有機溶媒の沸点との間の温度で、前記植物性素材に接触させるよう配置する、プロセス。
  14. 請求項1〜13のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記ステップ“f”の前記ろ過/圧搾は、25℃〜50℃の間における温度で実施する、プロセス。
  15. 請求項1〜14のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記プロセスのステップ“i”における前記無極性溶媒系の体積対前記第1バガスの重量の比は、1.5〜7の間、及び好適には2〜5の間とする、プロセス。
  16. 請求項1〜15のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記ステップ“i”に使用する前記無極性溶媒系は、4〜9個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルカン、5〜10個の炭素原子を有するシクロアルカン若しくはアルキルシクロアルカン、6〜10個の炭素原子を有する芳香族炭化水素、又はそれらの組合せから選択される少なくとも1種類の炭化水素溶媒を含む、プロセス。
  17. 請求項16記載のプロセスにおいて、前記炭化水素溶媒は、ヘキサン及びシクロヘキサンから選択する、プロセス。
  18. 請求項1〜17のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記無極性溶媒系は、1つ又はそれ以上の段にして撹拌あり又は撹拌なしの対向流で、0.1〜5時間の範囲内の期間にわたり、25℃と使用する前記無極性有機溶媒の沸点との間の温度で、前記第1バガスに接触させるよう配置する、プロセス。
  19. 請求項1〜18のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記ステップ“k”における前記天然ゴムを含む第2混合物からの前記無極性有機溶媒の除去は、分散系の存在下で水蒸気による剥離によって実施する、プロセス。
  20. 請求項19記載のプロセスにおいて、前記分散系は、Al、Ca及びMgから選択される少なくとも1種類の水溶性金属塩、及びポリカルボン酸塩族に属する少なくとも1種類の水溶性界面活性剤を含む、プロセス。
  21. 請求項1〜20のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、グアユール植物から抽出されるゴムの収率は、植物に存在するゴムの総量に対して80%以上である、プロセス。
  22. 請求項1〜21のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記プロセスで得られるグアユールゴム、1・10〜2・10g/molの間の重量平均分子量、0.75重量%未満の揮発性物質含有量、4000ppm未満の有機溶媒残留含有量を特徴とする、プロセス
  23. 請求項22記載のプロセスにおいて、前記有機溶媒残留含有量は4000ppm未満かつ50ppm以上である、プロセス
  24. 請求項22又は23記載のプロセスにおいて、前記グアユールゴムの多分散性指数は、2〜5の間であるプロセス
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