JP6941848B1 - 苗数計数方法、苗数計数プログラムおよび苗数計数装置 - Google Patents

苗数計数方法、苗数計数プログラムおよび苗数計数装置 Download PDF

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Abstract

プラグトレイに挿入した苗の本数を計数する手間がかかる。そのため、苗数計数方法(苗数計数プログラム)は、プラグトレイにおける有底凹部の総数が入力または取得される入力ステップ(ステップS1)と、照射手段が上方向および前後左右の斜め上方向からプラグトレイへ光を照射する照射ステップ(ステップS2)と、照射されたプラグトレイを下方向から撮像手段が撮像する撮像ステップ(ステップS3)と、プラグトレイの画像で有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、明部の数を有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識ステップ(ステップS4)と、を具備している。苗数計数装置は、苗数計数方法、苗数計数プログラムを具体化している。

Description

本発明は、プラグトレイに挿入した苗の数(苗数)を計数するための苗数計数方法、苗数計数プログラムおよび苗数計数装置に関する。
農家は、自身が栽培する苗を苗の生産・販売業者から購入している。
苗の生産・販売業者は、ある程度苗を育苗した上で農家に苗を提供、販売しており、苗を育苗する方法として接木(つぎき)が一般的に行われている。接木により病害虫の被害を回避させたり収穫数を向上させることができ、品質が安定することで知られている。
接木とは、2個以上の植物を人為的に切断した切断面で接着して、1つの個体とすることである。接木した苗を接木苗、接木の元となる苗を元苗とそれぞれいう。また、接木苗の上部の植物を穂木、下部の植物を台木とそれぞれいう。接木は、トマト、ナス、キュウリ、スイカなどの野菜や、果物に多く用いられている。
特段断りのない限り、本願では接木苗を単に苗という。
接木の作業者は接木した苗を、苗の根に土を付けたままプラグトレイの各有底凹部に順次挿入する。プラグトレイとは、複数の有底凹部が長手方向およびこれに直行する方向に配列されて形成された平面視矩形形状の板状部材である。プラグトレイの有底凹部の個数は、たとえば72穴、128穴、200穴などとされ、苗の種類などに応じて適切な有底凹部の大きさ、個数を有するプラグトレイが選択される。
作業者が何本の接木を行ったかを判断するにあたり、各プラグトレイに挿入された苗の数(苗数)を作業者などが計数する。しかし、プラグトレイ上の苗数を人力で計数すること自体が手間であり、計数のミスも発生していた。
また、作業者は通常、ある程度の連続性をもって苗をプラグトレイの有底凹部へ挿入するが、すべての有底凹部へ連続して苗を挿入するとは限らない。そのため、実際には苗の挿入されない有底凹部の空所がランダムに発生していた。ランダムな空所が発生している場合は、苗数の計数の手間が余計に生じる。
しかし、プラグトレイ上の苗数を自動的に計数する方法、プログラム、装置などは存在していない。
ところで、苗の状態を自動的に判別する方法、装置などが知られている(たとえば特開2008−295407号公報)。
特開2008−295407号公報では、プラグトレイの有底凹部から苗を一旦引き出し、引き出したひとつの苗を台座に配置している。台座の上方向には撮像手段が設置され、撮像手段は台座を回転させて台座上の苗を連続的に撮影する。撮影した苗の画像を画像認識することで、苗の茎部の太さ、曲がり具合を判別している。
特開2008−295407号公報
特開2008−295407号公報の撮像手段や画像認識の方法を、プラグトレイ上の苗数を計数する方法に転用すれば、プラグトレイ上の苗数を自動的に計数することができると考えられる。すなわち、特開2008−295407号公報の撮像手段によりプラグトレイを撮影し、撮影したプラグトレイの画像を画像認識することでプラグトレイ上の苗数を計数することができる。
しかし、特開2008−295407号公報には、撮像された画像からどのようにして苗の茎部の太さ、曲がり具合が判別されるのか、つまり具体的な画像認識の方法についてはなんら開示されていない。そのため、特開2008−295407号公報の撮像手段や画像認識の方法を、プラグトレイ上の苗数を計数する方法などに転用することができない。
本発明は、コンピュータを、プラグトレイ上の苗数を自動的に取得可能とする苗数計数方法、苗数計数プログラムの提供を目的としている。
また、プラグトレイ上の苗数を自動的に取得する、構成の簡単な苗数計数装置の提供を別の目的としている。
本発明では、プラグトレイの有底凹部に小孔がそれぞれ形成されていることに着目している。プラグトレイの上方向から光を照射すると、苗のない有底凹部の小孔へは光が透過し、苗のある有底凹部の小孔へは光が透過しない。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、底に小孔を持つ有底凹部を平面に複数有して形成されるプラグトレイの各有底凹部に挿入された苗の本数を計数する苗数計数方法において、プラグトレイの有底凹部の総数が入力または取得される入力ステップと、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置する照射手段が、プラグトレイへ光を照射する照射ステップと、プラグトレイの下方向に位置する撮像手段が、照射されたプラグトレイを下方向から撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識ステップと、を具備している。
また、請求項6に係る本発明によれば、底に小孔を持つ有底凹部を複数有して形成されるプラグトレイの各有底凹部に挿入された苗の本数を計数する苗数計数プログラムにおいて、プラグトレイの有底凹部の総数が入力または取得される入力手段、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置、プラグトレイへ光を照射する照射手段、プラグトレイの下方向に位置、照射されたプラグトレイを撮像する撮像手段、および、前記撮像手段で撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識手段としてコンピュータを機能させている。
そして、請求項11に係る本発明によれば、底に小孔を持つ有底凹部を複数有して形成されるプラグトレイの各有底凹部に挿入された苗の本数を計数する苗数計数装置において、内部にプラグトレイを収納可能な本体と、前記本体内部に設置され、少なくとも1枚のプラグトレイを載置可能なトレイ台と、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置し、プラグトレイへ光を照射する照射手段と、前記トレイ台の下方向に位置し、前記照射手段により照射された前記トレイ台のプラグトレイを下方向から撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値を前記トレイ台に載置したプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識手段と、を具備している。
請求項1、6、11に係る本発明では、苗のない有底凹部の小孔では光が透過し、苗のある有底凹部の小孔では光が透過しないため、透過した光(明部)の数を画像認識手段(ステップ)で計数(算定)し、有底凹部の総数から減算すれば、プラグトレイにおける苗数を自動的に取得することができる。
(A)は本発明の一実施例(実施例1)に係る苗数計数装置(本発明の実施例(実施例1)に係る苗数計数方法、苗数計数プログラムを具体化した装置)を表す概略斜視図、(B)は(A)の正面上部を開放した苗数計数装置を表す概略斜視図をそれぞれ示す。 (A)は本発明の一実施例(実施例1)に係る苗数計数装置の扉の背面図、(B)は苗数計数装置の収納部内部の平面図をそれぞれ示す。 (A)(B)はモデル化したプラグトレイの概略平面図、苗およびプラグトレイの概略側面図をそれぞれ示す。図3(B)の実線の矢視は苗を挿入する方向を、一点鎖線の矢視は照射する光をそれぞれ示している。 苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法のフロー図を示す。 (A)は苗数計数方法の入力ステップ(ステップS1)のフロー図、(B)は照射ステップ(ステップS2)のフロー図をそれぞれ示す。 (A)は苗数計数方法の撮像ステップ(ステップS3)のフロー図、(B)は画像認識ステップ(ステップS4)のフロー図をそれぞれ示す。 画像認識ステップ(ステップS4)中のステップS4−3の詳細なフロー図を示す。 ステップS4−3−2の詳細なフロー図を示す。 苗を挿入したプラグトレイの概略平面図を示す。 (A)は苗を挿入したプラグトレイを撮像手段が撮影した画像(RGBおよびグレースケール)の概略図、(B)は(A)の画像に対して連続性による処理(ステップS4−3−2)を行った後の画像の概略図をそれぞれ示す。 (A)(B)は図10(A)(B)の画像を白黒(0または1)画素で表した概略図をそれぞれ示す。 (A−1)は有底凹部に異物のある一定範囲のカラー画像、(A−2)は(A−1)をグレースケールに変換した後にさらに2値画像に変換したもの、(A−3)は(A−2)の画像に処理を施した後の画像をそれぞれ示す。 プリンタ(出力手段)により出力された用紙の概略図を示す。 他の実施例(実施例2)に係る苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法におけるステップS4−3の詳細なフロー図を示す。 他の実施例(実施例2)に係るステップS4−3−3の詳細なフロー図を示す。 (A)は他の実施例(実施例2)に係るデータの格納例を表す概略図、(B)は図心を表す印を付した画像の概略図を示す。
プラグトレイの有底凹部の総数が入力または取得される入力ステップ(手段)と、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置する照射手段が、プラグトレイへ光を照射する照射ステップ(手段)と、プラグトレイの下方向に位置する撮像手段が、照射されたプラグトレイを下方向から撮像する撮像ステップ(手段)と、前記撮像ステップで撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識ステップ(手段)と、を具備している。
1.苗数計数方法、苗数計数プログラムおよび苗数計数装置の概要
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について詳細に説明する。図1(A)は本発明の一実施例に係る苗数計数装置(本発明の実施例に係る苗数計数方法、苗数計数プログラムを具体化した装置)を表す概略斜視図、(B)は(A)の正面上部を開放した苗数計数装置を表す概略斜視図をそれぞれ示す。図2(A)は本発明の一実施例に係る苗数計数装置の扉の背面図、(B)は苗数計数装置の収納部内部の平面図をそれぞれ示す。図3(A)(B)はモデル化したプラグトレイの概略平面図、苗およびプラグトレイの概略側面図をそれぞれ示す。図3(B)の実線の矢視は苗を挿入する方向を、一点鎖線の矢視は照射する光をそれぞれ示している。図4は、苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法のフロー図を示す。
なお、前後上下左右は苗数計数装置を正面から見た方向をいい、Fr、Rr、Up、Lw、L、Rで示す。
図1(A)(B)〜図3(A)(B)に示すように、底に小孔24を持つ有底凹部22を複数有して形成されるプラグトレイ20の各有底凹部に挿入された苗30の本数を計数する苗数計数装置(本発明の実施例に係る苗数計数方法、苗数計数プログラムを具体化した装置)1において、内部にプラグトレイ20を収納可能な本体10と、本体内部に設置され、少なくとも1枚のプラグトレイを載置可能なトレイ台12と、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置し、プラグトレイへ光を照射する照射手段14と、トレイ台の下方向に位置し、照射手段により照射されたトレイ台のプラグトレイを下方向から撮像する撮像手段16と、撮像手段で撮像されたプラグトレイの画像において、有底凹部22の小孔24を透過した光を明部(後述する図10(A)参照)と認識し、明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、明部の数を有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値を、トレイ台に載置したプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識手段18と、を具備している。
また、図4に示すように、底に小孔24を持つ有底凹部22を平面に複数有して形成されるプラグトレイ20の各有底凹部に挿入された苗30の本数を計数する、苗数計数装置1による苗数計数方法および苗数計数プログラムにおいて、プラグトレイの有底凹部の総数が入力または取得される入力ステップ(手段;ステップS1)と、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置する照射手段14が、プラグトレイへ光を照射する照射ステップ(手段;ステップS2)と、プラグトレイの下方向に位置する撮像手段16が、照射されたプラグトレイを撮像する撮像ステップ(手段;ステップS3)と、撮像ステップで撮像されたプラグトレイの画像において、有底凹部の小孔を透過した光を明部(後述する図10(A)参照)と認識し、明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、明部の数を有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識ステップ(手段;ステップS4)と、を具備している。
まず、図3(A)(B)を参照してプラグトレイ20について先に説明する。
プラグトレイ20は、複数の有底凹部22を長手方向および長手方向に直行する方向の2方向(双方向)に配列して形成した平面視矩形形状の部材である。1枚のプラグトレイ20は、長手方向(以下、適宜x方向ともいう)の長さが589mm、長手方向に直行する方向(以下、直行方向、適宜y方向ともいう)は300mmが標準的な長さとされ、たとえば可撓性のある合成樹脂製とされている。プラグトレイ20は、苗トレイ、台木トレイとも呼ばれている。
プラグトレイ20は黒色の樹脂製のものが多数流通している。本発明で使用するプラグトレイ20も黒色であれば撮像手段16による撮像がより鮮明になり、発明の効果をよりよく得ることができる。本実施例では黒色のプラグトレイ20を想定しているが、図3(A)(B)などでは構造やその説明の簡略化のため、プラグトレイを白色で表している。しかし、プラグトレイの色、素材などは限定されない。
プラグトレイ20の周囲には、作業者が把持してプラグトレイを輸送するための枠部20−1が設けられている。
有底凹部22は、その内部に苗(接木苗)30をひとつずつ挿入、育苗する空間(凹部)を持つ小さなポット状の部材である。1枚のプラグトレイ20に設けられる有底凹部22の数や大きさはそれぞれ異なり、苗の種類などに応じて適切な有底凹部を持つプラグトレイが選択される。プラグトレイ20の有底凹部22の総数は、たとえば72個(穴。長手方向6個、直行方向12個)、108個(穴)、200個(穴)などとされている。
図3(A)(B)などでは構造やその説明の簡略化のため、プラグトレイ20を簡素化(モデル化)している。図3(A)(B)などの1枚のプラグトレイ20は、有底凹部22の数を長手方向(x方向)に6個、直行方向(y方向)に4個配列させた計24個としている。
小孔24は、各有底凹部22の底に形成された小さな孔である。図3(A)では、小孔24は各有底凹部22の底の中央部に形成された円形形状の孔としているが、これに限定されない。各有底凹部22の小孔24にはピン(図示しない)が下方から挿入され、有底凹部22に挿入、育苗された苗30がピンにより下方から押し出されて各有底凹部から取り出される。
2.苗数計数装置の詳細な構成
苗数計数装置1の構成を説明する。
苗数計数装置1の本体10は、内部にプラグトレイ20を収納可能な形状、たとえば略直方体形状とされている。本体10はその上部の内部空間が収納部10’とされ、収納部にプラグトレイ20を収納することができる。本体10の正面上部は開閉可能な板状の扉10Aが取り付けられ、閉扉すると苗数計数装置1の本体10の外部からの光が遮断され、本体内部が暗所とされる。なお、本体の背面(図示しない)にも、正面の扉10Aと同様の扉(図示しない)が取り付けられているが、構造やその説明の簡略化のため、正面の扉のみ説明する。本体の背面の扉(図示しない)も正面の扉10Aと同様の機能を有することはいうまでもない。閉扉することでプラグトレイ20を収納する収納部10’が暗所になれば足り、扉の枚数や位置などはこれに限定されない。
図1(A)の扉10Aは右側が開閉可能とされ、扉の背面において、その扉のヒンジに対向する側の辺にはスイッチ10Bが、スイッチ10Bと対応する本体10の位置には対となる別のスイッチ10Cが、それぞれ取り付けられている。スイッチ10B、Cはたとえば磁気型接触スイッチとされ、図1(B)の一点鎖線で示すように撮像手段16に接続されている。つまり、スイッチ10B、Cは扉10Aの開閉を検出し、閉扉時に撮像手段16の電源がオン、開扉時に電源がオフとなるように撮像手段の電源として機能している。扉10Aの開閉の方向やスイッチの種類などはこれに限定されない。
トレイ台12は、苗数計数装置1の本体10の内部(収納部10’)に設置され、プラグトレイ20を載置可能とする板状の台である。板状のトレイ台12の中央部は、プラグトレイ20の形状よりも小さい略矩形形状に打ち抜かれて形成された載置部12−1が形成されている。載置部12−1の周囲は枠部12−2が形成されている。
プラグトレイ20を上方向から載置部12−1に配置すると、載置部の枠部12−2がプラグトレイの枠部20−1を下方から支持し、プラグトレイがトレイ台12に載置、固定される。
なお、トレイ台12に載置されるプラグトレイ20は少なくとも1枚あれば足りるが、トレイ台の載置部12−1の形状を変更して複数のプラグトレイを載置可能としてもよい。本実施例では、構造やその説明の簡略化のため、トレイ台12に載置するプラグトレイ20を1枚としている(図3(A)、(B)など)。
また、プラグトレイ20は可撓性を有するため、プラグトレイを載置部12−1に配置するとプラグトレイの自重や苗30の重みで下方向に撓む場合がある。この場合、苗30を挿入していない空のプラグトレイ20を先に載置部12−1に配置し、その上に苗の挿入されたプラグトレイを配置、重畳してプラグトレイの強度を向上させてもよい。
照射手段14は、トレイ台12の上方向および前後左右の斜め上方向に位置し、トレイ台に載置されたプラグトレイ20を上方向および前後左右の斜め上方向から照射可能としている。照射手段14は、たとえば1または複数の光源14−1と、1または複数の反射板14−2とを有している。言い換えると、複数の光源14−1、反射板14−2は、苗30や小孔24に対して十分な光量によりあらゆる角度から照射できる位置に設置されている。十分な光量によりあらゆる角度から照射可能な照射手段であれば、その個数や設置の位置は実施例に限定されない。
図3(B)では説明の簡略化のため、照射手段14(光源14−1)による上方向からの照射を表している。照射手段14からの光(図3(B)の一点鎖線)は、苗30が挿入されていない有底凹部22ではその小孔24を透過する。一方、苗30が挿入された有底凹部22では光は苗に遮断され、小孔24を透過しない。
具体的に、収納部10’内部の天井面(平面)、正面(扉10A)、背面、側面(左右側面)には、図2(A)に示すように光源14−1、反射板14−2がそれぞれ備え付けられている。
光源14−1は、図1(B)、図2(A)(B)のように、本体10内の収納部10’内部の天井面(平面)に3個、左右側面および正面、背面に各1個設けられ、たとえばLEDアレイ光源とされる。光源14−1にLEDアレイ光源を用いることにより、蛍光灯などの直管タイプの光源よりも明るさを一定に保つことが可能である。図2(A)に示すように、収納部10’内部の正面(つまり、扉10Aの背面)においては、正面の下部に光源14−1が長手方向に1個取り付けられている。図2(A)の収納部10’内部の正面と同様に、収納部内部の側面および背面においても、下部に光源14−1が1個それぞれ取り付けられている。また、図2(B)に示すように、収納部10’内部の平面(天井面)には光源14−1が3個、長手方向に並置、取り付けられている。
反射板14−2は、図1(B)、図2(A)(B)のように、本体10内の収納部10’内部の左右側面、正面、背面において光源14−1の下方向に各1箇所に設けられ、たとえばアルミシートとされる。反射板14−2を設ければ光源14−1からの光が反射板で反射されて光量が増加し、撮像手段16による撮像がより鮮明になる。
撮像手段16は、トレイ台12の下方向に位置し、照射手段14により照射されたトレイ台のプラグトレイ20を下方から撮像し、後述する制御装置40(制御部42)内の画像認識手段18に撮像したプラグトレイの画像を送信可能としている。撮像手段16は、図1(B)のように本体内部(収納部10’)の底面中央部に設けられ、たとえばウェブカメラのような小型カメラとされる。
上記のとおり、撮像手段16はスイッチ10B、Cと接続、連動可能であってもよい。図1(B)では、スイッチ10Cと撮像手段16とが一点鎖線で示すように接続されている。接続は有線、無線のいずれによるものでもよい。たとえば扉10Aが開扉された状態ではスイッチ10B、Cは互いに離反しており、撮像手段16の電源はオフとされる。トレイ台12にプラグトレイ20が載置され扉10Aが閉扉された状態ではスイッチ10B、Cは互いに接触(接続)し、撮像手段16の電源はオンとされる。なお、スイッチ10B、Cの接触から一定時間経過後に撮像手段16の電源がオンになる構成であれば、トレイ台12にプラグトレイ20が載置されることによる本体10の振動が一定時間中に低減し、一定期間経過後には振動が終息する。そのため、撮像手段16による撮像がぶれることなく、より鮮明になる。
画像認識手段18は、撮像手段16により撮像されたプラグトレイ20の画像を認識し、プラグトレイにおける苗の本数(苗数)を算出している。苗数計数装置1の本体10に制御装置40が接続され、画像認識手段18は制御装置内に含まれている。たとえば、撮像手段16と制御装置40とが図1の一点鎖線で示すように接続されている。接続は有線、無線のいずれによるものでもよい。
制御装置40は、たとえば情報処理機能を有するCPU40’(プロセッサ)などから構成され、接続された撮像手段16や制御装置に内蔵された画像認識手段18を制御するとともに、画像認識手段などに関わる本発明の苗数計数プログラム(図示しない)などを実行する制御部42、メモリなどの記憶媒体から構成されて情報を記憶する記憶部44、タッチパネルやキーボード、カードリーダなどの入力手段46’からの入力を受け付ける入力部46、ディスプレイ、プリンタなどの出力(表示)手段48’に出力する出力部48などを有している。
そのほか、制御装置40はネットワークを介して外部と通信する通信部(図示しない)を有していてもよい。また、制御部42はタイマー機能、日付・時刻設定機能を有していてもよく、制御装置40や制御部はこの構成に限定されない。
制御装置の記憶部44には、本発明の苗数計数プログラム(図示しない)などが記憶されている。制御部42は、記憶部44に記憶された苗数計数プログラム(図示しない)を実行することで、図4のように、プラグトレイの有底凹部22の総数が入力または取得される入力ステップ(後述するステップS1;入力手段)と、プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置する照射手段14が、プラグトレイへ光を照射する照射ステップ(後述するステップS2;照射手段)と、プラグトレイの下方向に位置する撮像手段16が、照射されたプラグトレイを撮像する撮像ステップ(後述するステップS3;撮像手段)と、撮像ステップで撮像されたプラグトレイ20の画像において、有底凹部22の小孔24を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、明部の数を有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識ステップ(後述するステップS4;画像認識手段)を実行し、機能する。
3.苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法のフロー(実施例1)
図4〜図11(A)(B)を用いて、苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法のフローについて説明する。
図5(A)は苗数計数方法の入力ステップ(ステップS1)のフロー図、(B)は照射ステップ(ステップS2)のフロー図をそれぞれ示す。図6(A)は苗数計数方法の撮像ステップ(ステップS3)のフロー図、(B)は画像認識ステップ(ステップS4)のフロー図をそれぞれ示す。図7は画像認識ステップ(ステップS4)中のステップS4−3の詳細なフロー図を示す。図8はステップS4−3−2の詳細なフロー図を示す。図9は苗を挿入したプラグトレイの概略平面図を示す。図10(A)は苗を挿入したプラグトレイを撮像手段が撮影した画像(RGBおよびグレースケール)の概略図、(B)は(A)の画像に対して連続性による処理(ステップS4−3−2)を行った後の画像の概略図をそれぞれ示す。
プラグトレイ20に挿入した苗30の数(苗数)を計数するための苗数計数装置10による苗数計数方法、苗数計数プログラムは、図4を見るとわかるように、入力ステップ(ステップS1;入力手段46’)と、照射ステップ(ステップS2;照射手段14)と、撮像ステップ(ステップS3;撮像手段16)と、画像認識ステップ(ステップS4;画像認識手段18)とを含んでいる。
入力ステップ(ステップS1)は主に入力手段46’により、照射ステップ(ステップS2)は照射手段14により、撮像ステップ(ステップS3)は撮像手段16によりそれぞれ行われ、これらのステップは制御装置40内の制御部42により制御されてもよい。また、画像認識ステップ(ステップS4)は制御装置40(制御部42)内の画像認識手段18により行われ、制御部42により制御されることはいうまでもない。
図5(A)(B)では、作業者が行うステップを破線で、制御装置40(制御部42)などが自動的に行うステップを実線でそれぞれ表しているが、この構成に限定されない。
図5(A)に示すように、入力ステップ(ステップS1)は、苗数計数装置1の本体10や制御装置40などを起動するステップ(ステップS1−1)と、プラグトレイにおける有底凹部22の総数などの情報を入力または取得するステップ(ステップS1−2)とを含んでいる。また、入力ステップ(ステップS1)は、作業者が行うステップ、すなわち扉の開閉やプラグトレイの載置のステップ(ステップS1−3〜5)をも含んでいる。
図5(A)に示すように、入力ステップ(ステップS1)では、まず作業者などにより苗数計数装置1(本体10)の制御装置40の電源(図示しない)がオンにされ、制御装置が起動される(ステップS1−1)。
そして、制御装置の入力手段46’により有底凹部22の総数や作業者の情報、苗の情報などが作業者により入力または自動的に取得される(ステップS1−2)。たとえば、有底凹部22の総数、苗の名称などの情報は、作業者によりキーボード(入力手段)46’を操作して入力される。たとえば、氏名などの作業者の情報は、カードリーダ(入力手段)46’が作業者の勤務管理用カード(従業員カード)を読み取って取得される。有底凹部22の総数、苗の名称などの情報など入力された情報は、一時的に制御装置の記憶部44に記憶される。
作業者は、図1(B)のように扉10Aを開扉し(ステップS1−3)、1または複数の苗の挿入されたプラグトレイ20をトレイ台12に載置し(ステップS1−4)、閉扉して本体内部を暗所にする(ステップS1−5)。
入力ステップ(ステップS1)の各ステップは上記に限定されず、たとえば、苗30の挿入されたプラグトレイ20をトレイ台12に載置した後に制御装置40を起動するなど、一部のステップの前後が置換されてもよい。また、プラグトレイ20の載置は作業者が行ってもよいし、作業者以外の手段で行われるものであってもよい。さらに、苗の名称などの情報の入力なども上記に限定されない。
図5(B)に示すように、照射ステップ(ステップS2)では、まず作業者などにより照射手段14の電源(図示しない)がオンにされて照射手段が起動し(ステップS2−1)、トレイ台12に載置されたプラグトレイ20に向けて照射が開始される(ステップS2−2)。
なお、照射ステップ(ステップS2)の各ステップは上記に限定されない。照射手段14の起動、照射(ステップS2−1、2)は次の撮像ステップ(S3)よりも前に行われていればよく、たとえば照射ステップ(ステップS2)よりも前の入力ステップ(ステップS1)内で行われてもよい。また、照射手段14の起動、照射自体は作業者が行ってもよいし、制御装置40の起動(ステップS1−1)と連動して自動で行われてもよい。
図6(A)に示すように、撮像ステップ(ステップS3)では、まず撮像手段16が起動する(ステップS3−1)。たとえば、扉10Aの閉扉によりスイッチ10B、Cが接触、作動し、スイッチの作動から一定時間経過後に撮像手段16が起動する構成であればよいが、これに限定されない。
起動した撮像手段16は、トレイ台12に載置されたプラグトレイ20を下方から自動的に撮像し(ステップS3−2)、撮像された画像は制御装置の制御部へ送信される(ステップS3−3)。
図9に示す正面視のプラグトレイ20を下方から撮像すると、図10(A)に示す画像50Aが得られる。小孔24は円形形状の孔であるから、苗30の挿入されていない有底凹部22では照射手段14からの光が小孔にそのまま透過し、撮像手段16による画像上は明るい円形形状、つまり明部(白色の部分)として撮像される。苗30の挿入されている有底凹部22や、枠部12−2などプラグトレイのそのほかの部分では、照射手段14からの光が透過しないため、撮像手段16による画像上は暗い部分、つまり暗部(黒色の部分)として撮像される。
なお、図9は正面視、図10(A)は底面視であり、図9、10では上下反転していることはいうまでもない。また、画像50AはたとえばRGB画像によるものとされる。
苗30は、図9の左部のようにある程度の連続性を持って挿入されているが、作業者の作業上すべての有底凹部22に苗が連続して挿入されているとは限らず、苗の挿入されない有底凹部、空所がランダムに発生する。また、作業中に細かい土や葉などの異物が、有底凹部22内に落下、残存することがある。図9では、たとえばある程度の大きさを持つ土32A、落ち葉32B、小さな枝32Cが、一部の有底凹部22の底に付着している。
図9に示す簡略化されたプラグトレイ20では、有底凹部22の数は長手方向(x方向)に6個(x=6)、直行方向(y方向)に4個(y=4)とされ、小さな双葉を持つ苗30が複数(図9では7個)挿入されている。図9では、苗の挿入された有底凹部22は、正面視で双葉を持つ苗以外の部分が土により黒く塗りつぶされて表されている。
図9のプラグトレイ20の正面視の概略図や、図10(A)(B)、後述する図16(B)の画像において、苗30の挿入された有底凹部22の位置を、座標のように適宜「位置(x、y)」と表現する。位置(x、y)は、たとえば画像の左上の位置を始点とし、始点からx方向にx、y方向にy進んだ位置を表している。実施例の図10(A)の画像において、始点である左上隅の位置は(1、1)、右下隅の位置は(6、4)と表される。
前述のとおり、苗30の挿入されていない有底凹部22では照射手段14からの光が小孔にそのまま透過し、撮像手段16による画像上は明部(白色の部分)として撮像される。苗30の挿入されている有底凹部22などでは、照射手段14からの光が透過しないため、撮像手段16による画像上は暗部(黒色の部分)として撮像される。図9において苗30の挿入された有底凹部は7個(箇所)あり、7個の有底凹部に対応する暗部は、図10(A)では位置(1、1)〜(1、3)(2、3)(2、4)(3、2)(3、3)に相当する。
図10(A)の位置(6、1)および(5、3)を見るとわかるように、図9の細かい土32Aや落ち葉32Bの入った有底凹部であっても明部として撮像され、細かい土や落ち葉は画像50A上に撮像されていない。図9の細かい土32Aや落ち葉32Bに対応する図10(A)の位置(6、1)および(5、3)を、符号51A’、51B’でそれぞれ示す。これは、本体の収納部10’内部に光源14−1、反射板14−2が複数取り付けられ、十分な光量をもってあらゆる角度、すなわちプラグトレイ20の上方向のみならず前後左右方向からプラグトレイの小孔が照射されていることによるものである。
しかし、照射手段14(光源14−1、反射板14−2)の十分な光量をもってしても小孔24に入り込んだ異物が撮像される場合は存在する。図10(A)の画像50Aにおいて位置(2、1)に枝32Cの画像51C’が小さく撮像されている(枝32Cの影50C’が小さく写り込んでいる)。
図6(B)に示すように、画像認識ステップ(ステップS4)では、ステップS3において撮像手段16により撮像された画像50A(RGB画像;図10(A))を、制御部42内の画像認識手段18がデジタルデータとして受信する(ステップS4−1)。画像認識手段18は、受信した画像50Aの色彩をRGBからグレースケールへ変換する(ステップS4−2)。本実施例において図10(A)に示す画像50Aは、RGBからグレースケールに変換しても図面上変更がないものとして扱う。グレースケールの解像度は、たとえばプラグトレイ20の長手方向(x方向)では600dpi、直行方向(y方向)では400dpiとされる場合や、長手方向(x方向)では640dpi、直行方向(y方向)では480dpiとされる場合などが挙げられる。
画像認識手段18は、グレースケールに変換した画像(図10(A))において、さらに画像処理を行い、土32A、落ち葉32Bのように照射手段14では排除できなかった小さな枝32Cなどの異物を除去し、異物や苗30のない明部(小孔24から透過した光が撮像された明部)の個数を算出する(ステップS4−3)。ステップS4−3で算出された明部の個数をプラグトレイの有底凹部22の総数から減算することで、苗30の挿入された有底凹部22の総数、すなわちプラグトレイの苗の本数(苗数)を算出する(ステップS4−4)。
図7を用いて、ステップS4−3の処理の詳細を説明する。
ステップS4−3では、まず、制御部42内の画像認識手段18は、画像50Aをさらにグレースケールから白黒、つまり0または1の二値(ブール型変数)で表現可能な2値画像に変換する(ステップS4−3−1)。照射手段14は十分な光量をもってあらゆる角度からプラグトレイの小孔24を照射するため、小孔内の異物は撮像されたとしても白色に近い薄い灰色で撮像されると考えられる。このような場合に2値画像の変換(ステップS4−3−1)を行うと異物の撮像された画像の部分は白色(ブール型変数の「0」。明部)となる。つまり、2値画像の変換(ステップS4−3−1)により異物がないものと処理される。
本実施例において図10(A)に示す画像50Aは、グレースケールから二値(白黒)に変換しても図面上変更がないものとして扱う。
しかし、照射手段14の十分な光量のもとで撮像し(ステップS3)、さらに2値画像への変換(ステップS4−3−1)を経てもなお異物が除去されず、プラグトレイの小孔24の画像に映り込んでしまう場合がわずかに存在する。そのため、制御部42内の画像認識手段18はさらに、連続性による処理(ステップS4−3−2)を行い、プラグトレイの小孔24の画像に映り込む異物を確実に除去する。
図10(A)(B)、11を用いて、連続性による処理(ステップS4−3−2)の詳細を説明する。連続性による処理(ステップS4−3−2;図8)の説明にあたり、その前のステップ(2値画像への変換、ステップS4−3−1)を経てもなお、図10(A)の画像50Aにおいて位置(2、1)に枝32Cの画像50C’が小さく撮像されている(枝32Cの影50C’が小さく写り込んでいる)場合を想定して説明する。
図11(A)(B)は図10(A)(B)の画像を白黒(0または1)画素で表した概略図をそれぞれ示す。
図11(A)の符号52Aは、図10(A)の画像における白黒の色情報を、ブール型変数(0または1)を用いて画素(ピクセル)単位で表した画像を示している。前述と同様に、1個の画素において、ブール型変数の「0」は明部(白色)、「1」は暗部(黒色)をそれぞれ表している。図11(A)(B)の一点鎖線は、x方向、y方向ともに2画素ずつの計4画素(4ピクセル)からなる一定範囲(フィルター)を示している。一定範囲の周囲に位置するブール型変数「1」は、プラグトレイの枠部20−1や各小孔24の間など、照射手段14の光が透過しないプラグトレイの部分(暗部、黒色)を表している。
なお、図11(A)(B)での一定範囲は、x方向、y方向ともに2画素ずつの計4画素(n画素×m画素と表すとすれば、2画素×2画素)からなる範囲とされる。この画素数に限定されず、任意に設定可能とされるが、当然ながらトレイの小孔24に相当する大きさよりも小さい範囲でなければならない。一定範囲(フィルター)を、たとえば後述する図12(A−2)のようにx方向に3画素、y方向に2画素ずつの計6画素(3画素×2画素)からなる範囲としてもよい。また、一定範囲の大きさは取得される画像の画素数により変化する。図12(A−2)を用いて後述するように、一定範囲における画素数を多くすれば、より詳細な連続性の処理が可能になる。
たとえば、図11(A)の一定範囲52A’は、図10(A)の位置(1、1)(x=1、y=1)の画像を示している。図10(A)の位置(1、1)は暗部(黒色の部分)であり、一定範囲52A’では4画素すべてがブール型変数の「1」(黒色)とされている。
図11(A)の一定範囲52B’は、図10(A)の位置(4、1)(x=4、y=1)の画像を示している。図10(A)の位置(4、1)が明部(白色の部分)であり、一定範囲52B’では4画素すべてがブール型変数の「0」(白色)とされている。
しかし、図11(A)の一定範囲52C’は、図10(A)の位置(2、1)(x=2、y=1)の画像を示しており、4画素中にブール型変数の「0」、「1」が混在している。図10(A)の位置(2、1)の画像には枝32Cの画像50C’(暗部)が小さく撮像されており、この枝の画像に該当する右上の1画素はブール型変数の「1」(符号52C’−1に該当。暗部)と、これ以外の3画素は照射手段14からの光の透過、すなわち明部を表すブール型変数の「0」とそれぞれされている。
制御部42内の画像認識手段18は、一定範囲の画素中にブール型変数の「0」と「1」とが混在する場合、ブール型変数の連続性による処理を行っている(ステップS4−3−2)。連続性による処理(ステップS4−3−2)の詳細を、一定範囲52C’の場合で説明する。
図8に示すように、まず、制御部42内の画像認識手段18は、ステップS4−3−1で処理した2値画像(白黒画像。0または1で表現される画像)において、位置(x、y)の小孔24の画像(白色または黒色)を示す、n画素(x方向)×m画素(y方向)からなる一定範囲内で不連続となっている画素を検索する(ステップS4−3−2A)。たとえば図11(A)の画像52Aにおいて、2画素×2画素からなる一定範囲を順に検索すると、ブール型変数の「0」、「1」が混在している一定範囲52C’が検索される。一定範囲52C’内の4画素中、右上の1画素は暗部を表すブール型変数の「1」(符号52C’−1に該当)、これ以外の3画素は明部を表すブール型変数の「0」であり、ブール型変数の「0」の画素数が「1」よりも多い。
このとき、符号52C’−1のブール型変数「1」は、本来、一定範囲内で多数を占めるブール型変数と同一の「0」(明部)であるところ、1画素分のブール型変数の「1」(暗部)である異物が映り込んだものと、制御部42内の画像認識手段18が認識、判断する。そして、制御部42内の画像認識手段18は、符号52C’−1のブール型変数の「1」を、図11(B)の符号52C’−0の「0」のように自動的に置換する(ステップS4−3−2B)。
制御部42内の画像認識手段18は、2値画像(白黒画像)の一定範囲内で不連続となっているブール型変数がほかにあればステップS4−3−2Bに戻り、不連続な画素(ブール型変数)を再度置換し、不連続な画素がなければステップS4−3−2の処理を終了する(ステップS4−3−2C)。不連続な画素の置換された図11(B)に基づいて、図10(B)の画像50Bが得られる。画像50Bに示すように、ステップS4−3−2の処理により、図10(A)の位置(2、1)に撮像されていた枝32Cの画像は除去されている。
このように、制御部42内の画像認識手段18は、2値画像の中から、ブール型変数の「0」と「1」とが混在している一定範囲(n画素×m画素)を検索し、混在している範囲があった場合はその一定範囲内のブール型変数(画素)を置換することで、ブール型変数の「1」で表された異物(たとえば枝32C)を画像から除去している。
制御部42内の画像認識手段18は、ステップS4−3−2Cを経て異物を除去された画像52B(図11(B))から明部の個数を計数し、この個数を有底凹部22の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする(ステップS4−4;図6(B))。図11(B)では、有底凹部22の総数は24、4画素がすべてブール型変数「0」からなる明部の個数は17(個)であり、減算すると7(個)が求める苗数となる。
実施例ではブール型変数「0」(苗がないと判断されたもの)の個数を有底凹部22の総数から減算したが、位置(x、y)に該当するブール型変数「1」(苗があると判断されたもの)の個数を計数し、プラグトレイで挿入された苗の本数(苗数)としてもよい。
算出された苗数の値を、ステップS1−2で入力または取得した作業者の情報、苗の情報などと併せて、制御部42を介してディスプレイ、プリンタなどの出力(表示)手段48’に出力してもよい。図13は、プリンタ(出力手段)により出力された用紙の概略図を示す。
たとえばプリンタ(出力手段48’)にロール状の用紙(図示しない)が設置され、図13の用紙60には作業者名62、苗数の計数日時64(年月日、時刻)、そして算出された苗数の値である作業本数66などの項目が、本発明の苗数計数装置1による苗数計数方法、苗数計数プログラムを実施するごとに繰り返して印字されている。印字される苗数の計数日時64の項目は、たとえば制御部42が有する日付・時刻設定機能により、たとえば画像認識手段18のプログラムを開始した日付・時刻が取得され、出力手段48’により印字される。
出力、表示の方法や項目などは、これに限定されないことはいうまでもない。たとえば、用紙60にプラグトレイ20のロットの情報などが出力されてもよく、あるいは電磁的な情報として記録し、計数された結果を外部のデータベース(図示しない)などに送信、保存するなどの処理をしてもよい。
4.苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法のフロー(別の実施例1)
前述のとおり、画像全体やその一部である一定範囲(フィルター)における画素数を多くすれば、より詳細な連続性の処理が可能になる。より詳細な連続性の処理により、たとえば1つの小孔24がその中央部に位置する異物により2カ所に分断され、前述の実施例1では異物を除去できなかった場合であっても、制御部42内の画像認識手段18の処理により確実に異物を除去し、この小孔を「2個」ではなく「1個」と確実に認識、カウントすることができる。
図12(A−1)〜(A−3)を用いて説明する。図12(A−1)は有底凹部に異物のある一定範囲のカラー画像、(A−2)は(A−1)をグレースケールに変換した後にさらに2値画像に変換したもの、(A−3)は(A−2)の画像に処理を施した後の画像をそれぞれ示す。
図11(A)(B)では一定範囲(フィルター)52C’を2画素×2画素からなる4画素としたが、図12(A−2)(A−3)では一定範囲を20画素×20画素からなる400画素としている。また、図12(A−1)〜(A−3)では説明の簡略化のため一定範囲における1つの有底凹部22に着目し、プラグトレイ20全体の画像ではなく、1つの有底凹部の画像を示している。この1つの有底凹部22の画像を用いて、一定範囲における画素数を多くした場合におけるステップS4の詳細を説明する。
たとえば、図12(A−1)のように、1つの有底凹部22に小孔24を分断する長い根のような異物が入り込み、照射手段14では除去できずに画像に暗部として撮像される場合がある。図12(A−1)の異物はy方向に延び、(x、y)=(8、1)〜(9、20)にかけて配置されている。
ステップS4−1で受信した画像50D’をグレースケールに変換し(ステップS4−2;図8)、それからブール型変数の「0」(明部)または「1」(暗部)による2値画像に変換すると(ステップS4−3−1;図7)、図12(A−2)に示す画像52D’となる。図12(A−2)の符号52D’は、x方向、y方向ともに20画素ずつの計400画素(400ピクセル)からなる一定範囲を示している。
異物は照射手段14の光を透過しないため、y方向に延びて小孔24を分断する異物(たとえば長い根)の画像50D’−1は、図12(A−1)に示すように当然に暗部(黒色)として撮像される。図12(A−2)において太線で囲まれた範囲の符号52D’−1は、小孔24を分断する異物の2値画像を示す。異物の2値画像52D’−1は、ブール型変数の「1」(暗部)で表されている。
図12(A−2)において、異物により左右に分断された小孔24の2値画像は、照射手段14の光の透過によってブール型変数の「0」(明部)で表されている。そして、プラグトレイの枠部20−1や各小孔24の間などは、照射手段14の光が透過しないため、ブール型変数の「1」(暗部)で表されている。
ここで、図12(A−2)においては、連続した画素中における一定範囲が規定される。連続した画素とは、二値画像において、ブール型変数が連続する箇所を意味する。たとえば、図12(A−2)において破線(一部太線)で囲まれた範囲の符号52D’−0は、ブール型変数の「0」(明部)が小孔の大きさに相当する範囲内で連続して位置する箇所である。すなわち、符号52D’−0は物理的な小孔24に対応し、画像としては異物により分断されても、本来的には連続すべき範囲を示している。
また、図12(A−2)において、一定範囲52E’−0、52F’−1とは、たとえばx方向に3画素、y方向に2画素ずつの計6画素(3画素×2画素)からなる範囲とされている。説明のため、図12(A−2)における一定範囲52E’−0は(x、y)=(3、15〜5、16)の範囲、別の一定範囲52F’−1は(x、y)=(6、15〜8、16)の範囲とそれぞれされている。前述のとおり、一定範囲の大きさは取得される画像の画素数により変化する。
たとえば、一定範囲52E’−0は小孔24に該当する明部(白色の部分)であり、6画素すべてがブール型変数の「0」(白色)とされている。しかし、別の一定範囲52F’−1は、6画素中におけるブール型変数の「0」、「1」が混在している。すなわち、一定範囲52F’−1では、異物の画像に該当する右部の2画素はブール型変数の「1」(符号52D’−1の一部に該当。暗部)とされ、これ以外の4画素は照射手段14からの光の透過、すなわち明部を表すブール型変数の「0」とされている。
図11(A)(B)の場合と同様に、制御部42内の画像認識手段18は、一定範囲の画素中にブール型変数の「0」と「1」とが混在する場合、ブール型変数の連続性による処理を行う(ステップS4−3−2;図8)。
まず、制御部42内の画像認識手段18は、ステップS4−3−1で処理した2値画像(図12(A−2))において、n画素(x方向)×m画素(y方向)からなる一定範囲内で不連続となっている画素を検索する(ステップS4−3−2A)。たとえば図12(A−2)の画像52D’において、画像認識手段18は、3画素×2画素からなる一定範囲を順に検索し、一定範囲52E’−0のようにすべて「0」、もしくはすべて「1」となる一定範囲は不連続ではないと判断し、他の一定範囲を検索する。そして、制御部42内の画像認識手段18は、ブール型変数の「0」、「1」が混在している一定範囲52F’−1を認識する。一定範囲52F’−1内の6画素中2画素は暗部を表すブール型変数の「1」(符号52D’−1に該当)、残りの4画素は明部を表すブール型変数の「0」であり、ブール型変数の「0」の画素数が「1」よりも多い。
このとき、符号52F’−1のブール型変数「1」は、本来、一定範囲内で多数を占めるブール型変数と同一の「0」(明部)であるところ、2画素分のブール型変数の「1」(暗部)である異物が映り込んだものと、制御部42内の画像認識手段18が認識、判断する。制御部42内の画像認識手段18は、図12(A−2)の符号52F’−1のブール型変数の「1」を、図12(A−3)の符号52F’−0の「0」のように自動的に置換する(ステップS4−3−2B)。図12(A−3)は、画像認識手段18によって異物による画像の分断を除去し、現実にはプラグトレイの有底凹部22内に苗30がない状態の小孔22に対応した平面上の2値画像(白黒画像)をブール型変数(「0」(明部)、「1」(暗部))により表現したものである。
画像認識手段18は、2値画像(白黒画像)52D’の連続した画素内において、一定範囲内で不連続となっているブール型変数がほかにあればステップS4−3−2Bに戻り、不連続な画素(ブール型変数)を再度置換し、不連続な画素がなければステップS4−3−2の処理を終了する(ステップS4−3−2C)。不連続な画素の置換された図12(A−3)に基づいて、異物のない画像(図示しない)が得られる。
制御部42内の画像認識手段18は、ステップS4−3−2Cを経て異物を除去された画像(図示しない)から明部の個数を計数し、この個数を有底凹部22の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする(ステップS4−4;図6(B))。
計数された苗の本数などは、制御部42を介してディスプレイ、プリンタなどの出力(表示)手段48’に主力されてもよく、また、電磁的な情報として記録し、計数された結果を外部のデータベース(図示しない)などに送信、保存するなどの処理をしてもよいことはいうまでもない。
このように、制御部42内の画像認識手段18は、2値画像の中から、ブール型変数の「0」と「1」とが混在している一定範囲(n画素×m画素)を検索し、混在している範囲があった場合はその一定範囲内のブール型変数(画素)を置換して、ブール型変数「1」で表される異物を画像から除去している点は、図11(A)(B)の処理(ステップS4−1〜4−4)と同様である。図12(A−1)〜(A−3)のように2値画像や一定範囲の画素数を多くすれば、小孔24を分断する異物(符号50D’−1)により小孔を分断して認識、カウントすることなく、異物のない小孔の個数をより正確に認識することができる。すなわち、2値画像や一定範囲の画素数を多くすれば、より詳細な連続性の処理が可能となる。
5.効果
実施例1に係る苗数計数方法、苗数計数プログラムおよびこれらを具現化した苗数計数装置1において、制御装置40の制御部42は、プラグトレイ20の有底凹部22の総数を取得し(入力ステップ、ステップS1)、作業者により苗30の挿入されたプラグトレイが載置された後に照射手段14による照射(照射ステップ、ステップS2)を経て、プラグトレイを下方から撮像する(撮像ステップ、ステップS3)。そして、撮像された画像50Aにおいて、制御部42は、画像認識手段18によりグレースケールの画像への変換、2値画像への変換および連続性による処理を経て画像中から異物を確実に除去して画像50Bを得ている(画像認識ステップ、ステップS4)。そして、画像50Bを参照して計数した明部の数を有底凹部22の総数から減算することで、プラグトレイ20に挿入された苗の総数を算出する(画像認識ステップ、ステップS4)。
つまり、苗数計数装置1や苗数計数方法、苗数計数プログラムによれば苗30の有無を簡単かつ自動的に選別することができる。そのため、作業者が人力でプラグトレイ20上の苗数を計数する手間、時間をかけることなく、苗数を自動的に取得することができる。
また、照射手段14として光源14−1、反射板14−2を設けることで、プラグトレイ20を確実に照射し、画像を撮影することができる。言い換えると、複数の光源14−1、反射板14−2は、小孔24に対して十分な光量によりあらゆる角度から照射できる位置に設置される必要がある。
特に苗数計数装置1は、その本体の収納部10’の平面(天井面)に光源14−1を3個備え、さらにその周囲の面(左右側面、正面、背面)に反射板14−2を備えている。たとえば大きい葉を持つ苗30がプラグトレイの有底凹部22の一箇所に挿入され、その左右に位置する有底凹部には苗が挿入されていない(空所の)場合、照射手段14からの光量が少ないと、大きな葉により左右の有底凹部の小孔24が覆われて十分に照射されず、左右の小孔は暗部として撮像、認識されるおそれがある。
光源14−1、反射板14−2を複数設けてあらゆる方向から照射すれば、大きな葉の近隣に位置する空所の有底凹部22であっても葉に覆われて暗部とされることはない。つまり、明部あるいは暗部を確実に反映した画像を撮像することができる。
そして、光源14−1、反射板14−2のみでは排除されなかった異物(枝32C)を、制御部42の画像認識手段18が、2値画像の変換(ステップS4−3−1)および連続性による処理(ステップS4−3−2)を経て画像中から異物を確実に除去することができる(図10(A)(B)、図11(A)(B)参照)。
苗数計数装置1は、本体10の内部(収納部10’)を暗所として、その内部にトレイ台12、照射手段14、撮像手段16を備えるとともに、撮像手段などに制御装置40を含む画像認識手段18を接続すればよく、構成が簡単である。
6.苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法の他のフロー(実施例2)
図14は他の実施例(実施例2)に係る苗数計数装置および苗数計数プログラムによる苗数計数方法におけるステップS4−3の詳細なフロー図を示す。この実施例2において、上記実施例(実施例1)と共通する構成部材については同じ参照符号を付してその説明を省略し、実施例1と異なる構成を主として説明する。
図14に示すように、2値画像の変換(ステップS4−3−1)および連続性による処理(ステップS4−3−2)の次に、実施例2では図心による処理(ステップS4−3−3)が追加された点で実施例1と相違している。実施例2の図心による処理(ステップS4−3−3)は、2値画像の変換(ステップS4−3−1)および連続性による処理(ステップS4−3−2)により算出されたプラグトレイ20に挿入された苗の総数を確認するためのステップである。
図15は、他の実施例(実施例2)に係るステップS4−3−3の詳細なフロー図を示す。図16(A)は他の実施例(実施例2)に係るデータの格納例を表す概略図、(B)は図心を表す印を付した画像の概略図を示す。
図15に示すように、制御部42内の画像認識手段18は、2値画像の変換(ステップS4−3−1)および連続性による処理(ステップS4−3−2)により最終的に得られた画像50B(図10(B))より、関数を用いて白色画素からなる明部の図心の個数および図心の位置を算出する(ステップS4−3−3A)。明部の個数は、実施例1でも算出したように17(個)とされる。
次に、制御部42内の画像認識手段18は、ステップ4−3−3Aで算出した図心の位置および明部の個数を格納する(ステップS4−3−3B)。図16(A)に示すように、格納されるデータは、たとえば記憶部44に記憶、格納され、また、フィールド、図心の位置[x、y]を構成項目として有している。フィールドは1から始まる連続番号の数字が格納され、フィールドの最後の数字が明部の個数を表している。図心の位置は実施例1の位置(x、y)のように座標で表されるが、たとえば画像50Bの左上の頂点を始点[0、0]として、支点からのx方向、y方向の距離(画素)で表される。実施例1の明部または暗部の位置(x、y)と表示を区別するため、図心の位置は[x、y](角括弧)で表される。
データとして、たとえばフィールド「1」、図心の位置[170.853、69.412]がそれぞれ格納されている。また、図11(B)の明部の個数は17個であるから、フィールドは「1」から「17」までの数値が格納されている。
制御部42内の画像認識手段18は、図11(B)の画像上において、ステップS4−3−3Bで格納された図心の位置[x、y]に図心を表す印54を付す(ステップS4−3−3C)。図心を表す印54は、図16(A)の明部の数、つまりフィールドの個数分付される。図16(B)では図心を表す印54として「*」印が使用されているが、この印に限定されない。図心を表す印54は、赤色など色彩が付されていてもよい。
すべての明部に図心を表す印54が付される(ステップS4−3−3C)と、ステップS4−3−3の処理が終了する。制御部42内の画像認識手段18は、フィールドの個数を明部の個数とする。そして、実施例1と同様に、明部の個数を有底凹部22の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする(ステップS4−4;図6(B))。図16(B)では明部の個数は17(個)であり、減算すると7(個)が求める苗数となる。
7.効果
実施例2の図心による処理(ステップS4−3−3)により、プラグトレイ20が本来載置すべき位置からずれて載置された場合や、載置したプラグトレイが自重などで撓んだ場合であっても、正確に明部の個数を把握することができる。
たとえば、プラグトレイ20が本来載置すべき位置(載置部12−1)からずれて載置された場合、撮像装置16で撮像された画像において、苗の挿入されていない有底凹部22の小孔24の画像(明部)は必ずしも小孔の形状(小さな円形形状)とはならない。また、プラグトレイのx方向、y方向と、苗数計数装置1の本体10の長手方向(x方向)、直行方向(y方向)とが一致せず、プラグトレイ上の位置(x、y)が正確に判断できない。
さらに、プラグトレイ20は可撓性を有するため、本来載置すべき載置部12−1に載置しても、プラグトレイの自重や苗30の重みでプラグトレイの中央部が下方向に大きく撓む場合がある。プラグトレイ20が撓んだ場合、撮像装置16で撮像された画像において、画像の中央部に位置する小孔24の画像(明部)は小孔の形状(小さな円形形状)に近い形状に撮像される。一方、プラグトレイ20の中央部から離反して位置する小孔24の画像(明部)は、プラグトレイの撓みにより、楕円形形状など小孔の形状(小さな円形形状)とは異なる形状に撮像される。
このように、画像上の明部が小孔24の形状と異なる場合や位置(x、y)を正確に判断できない場合であっても、小孔24の画像が図心を判断できる程度の明部を有すれば、図心による処理(ステップS4−3−3)により明部の個数および明部の位置を把握、取得することができる。明部の個数が把握されれば、減算により苗数を算出することができる。
実際には、図心による処理(ステップS4−3−3)よりも前のステップ、すなわち2値画像の変換(ステップS4−3−1)および連続性による処理(ステップS4−3−2)により苗の総数はすでに算出されている。実施例2の図心による処理(ステップS4−3−3)を追加することにより、前のステップ(ステップS4−3−2)で算出された苗の総数を確認することができる。
プラグトレイ20の下方向への撓みを防止するため、苗30の挿入されたプラグトレイの下に、苗の挿入されていない別のプラグトレイを設けてもよい。苗30の挿入されたプラグトレイ20の下に別のプラグトレイを設置することにより、プラグトレイの強度を強めるとともに、本体10内部の好ましい位置にプラグトレイを配置、固定することができる。
実施例2の構成であっても、実施例1と同様の効果が得られることはいうまでもない。
すなわち、図心による処理(ステップS4−3−3)が追加された苗数計数装置1や苗数計数方法、苗数計数プログラムであっても、苗30の有無を簡単かつ自動的に選別することができる。そのため、作業者が人力でプラグトレイ20上の苗数を計数する手間、時間をかけることなく、苗数を自動的に取得することができる。
また、実施例2でも、複数の光源14−1、反射板14−2からなる照射手段14が苗30をあらゆる方向から照射し、明部あるいは暗部を確実に反映した画像を撮像することができる。光源14−1、反射板14−2のみでは排除されなかった異物(たとえば枝32C)は、2値画像の変換(ステップS4−3−1)および連続性による処理(ステップS4−3−2)により画像中から異物を確実に除去する(図10(A)(B)、図11(A)(B)参照)。
苗数計数装置1は、本体10の内部(収納部10’)を暗所として、その内部にトレイ台12、照射手段14、撮像手段16を備えるとともに、撮像手段などに制御装置40を含む画像認識手段18を接続すればよく、構成が簡単であることはいうまでもない。
8.そのほか
前述した実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何等限定するものでなく、本発明の技術範囲内で変形、改造などの施されたものも全て本発明に包含されることはいうまでもない。
本発明の苗数計数方法、苗数計数システムおよび苗数計数装置の実施例として接木苗の場合を例示したが、計数の対象となる苗がプラグトレイの有底凹部に挿入されていればよく、接木苗に限定されない。たとえば、接木していない単体の苗であってもよい。
1 (苗数計数方法、苗数計数システムを具体化した)苗数計数装置
10 本体
12 トレイ台
14 照射手段
14−1 光源
14−2 反射板
16 撮像手段
18 画像認識手段
20 プラグトレイ
22 有底凹部
24 小孔
30 苗
S1 入力ステップ
S2 照射ステップ
S3 撮像ステップ
S4 画像認識ステップ

Claims (12)

  1. 底に小孔を持つ有底凹部を平面に複数有して形成されるプラグトレイの各有底凹部に挿入された苗の本数を計数する苗数計数方法において、
    プラグトレイの有底凹部の総数が入力または取得される入力ステップと、
    プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置する照射手段が、プラグトレイへ光を照射する照射ステップと、
    プラグトレイの下方向に位置する撮像手段が、照射されたプラグトレイを下方向から撮像する撮像ステップと、
    前記撮像ステップで撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識ステップと、
    を具備する苗数計数方法。
  2. 前記撮像ステップはRGBによるプラグトレイの画像を撮像し、
    前記画像認識ステップは前記プラグトレイの画像をグレースケールに変換する請求項1記載の苗数計数方法。
  3. 前記画像認識ステップは2値画像変換のステップと連続性による処理のステップとを含み、
    前記2値画像変換のステップでは、前記プラグトレイの画像を白黒画素からなる二値画像に変換し、
    前記連続性による処理のステップでは、前記二値画像の一定範囲内に不連続な画素があれば連続の画素に置換する請求項1または2記載の苗数計数方法。
  4. 前記画像認識ステップはさらに図心による処理のステップを含み、
    前記図心による処理のステップでは、前記連続性による処理のステップ後の画像から、白色画素からなる明部の図心の個数を算出し、前記図心の個数を、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部の数とする請求項3記載の苗数計数方法。
  5. 前記図心による処理のステップでは、前記連続性による処理のステップ後の画像から白色画素からなる明部の図心の位置をさらに算出し、前記画像上の前記図心の位置に印を付す請求項4記載の苗数計数方法。
  6. 底に小孔を持つ有底凹部を複数有して形成されるプラグトレイの各有底凹部に挿入された苗の本数を計数する苗数計数プログラムにおいて、
    プラグトレイの有底凹部の総数が入力または取得される入力手段、
    プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置し、プラグトレイへ光を照射する照射手段、
    プラグトレイの下方向に位置し、照射されたプラグトレイを撮像する撮像手段、および、
    前記撮像手段で撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値をプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識手段としてコンピュータを機能させる苗数計数プログラム。
  7. 前記撮像手段はRGBによるプラグトレイの画像を撮像し、
    前記画像認識手段は前記プラグトレイの画像をグレースケールに変換する請求項6記載の苗数計数プログラム。
  8. 前記画像認識手段は2値画像変換の手段と連続性による処理の手段とを含み、
    前記2値画像変換の手段では、前記プラグトレイの画像を白黒画素からなる二値画像に変換し、
    前記連続性による処理の手段では、前記二値画像の一定範囲内に不連続な画素があれば連続の画素に置換する請求項6または7記載の苗数計数プログラム。
  9. 前記画像認識手段はさらに図心による処理の手段を含み、
    前記図心による処理の手段では、前記連続性による処理の手段後の画像から、白色画素からなる明部の図心の個数を算出し、前記図心の個数を、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部の数とする請求項8記載の苗数計数プログラム。
  10. 前記図心による処理の手段では、前記連続性による処理の手段後の画像から白色画素からなる明部の図心の位置をさらに算出し、前記画像上の前記図心の位置に印を付す請求項9記載の苗数計数プログラム。
  11. 底に小孔を持つ有底凹部を複数有して形成されるプラグトレイの各有底凹部に挿入された苗の本数を計数する苗数計数装置において、
    内部にプラグトレイを収納可能な本体と、
    前記本体内部に設置され、少なくとも1枚のプラグトレイを載置可能なトレイ台と、
    プラグトレイの上方向および前後左右の斜め上方向に位置し、プラグトレイへ光を照射する照射手段と、
    前記トレイ台の下方向に位置し、前記照射手段により照射された前記トレイ台のプラグトレイを下方向から撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像されたプラグトレイの画像において、前記有底凹部の小孔を透過した光を明部と認識し、前記明部を苗の挿入されていない有底凹部と判断し、前記明部の数を前記有底凹部の総数から減算し、減算により求められた数値を前記トレイ台に載置したプラグトレイにおける苗の本数とする画像認識手段と、
    を具備する苗数計数装置。
  12. 前記照射手段は、1または複数の光源と、1または複数の反射板とを有し、
    前記光源からの光が前記反射板により反射されて、前記トレイ台に載置されたプラグトレイを照射する請求項11記載の苗数計数装置。
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