JP6939122B2 - 船外機の制御装置 - Google Patents
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Description
このような船外機が搭載された船舶では、シフト操作によって船舶の減速や停止を行うことがある。例えば船舶を減速又は停止させるときに、現在のシフトポジションと逆側のシフトポジションにシフトチェンジすることによって、船舶の進行方向とは逆向きの推進力を発生させる。
しかしながら、現在のシフトポジションと逆側のシフトポジションにシフトチェンジする場合、シフトチェンジの前後でプロペラシャフトの回転方向が逆になるため、動力源や動力伝達機構に負荷がかかる。
特許文献1には、進行方向とは逆側にシフトチェンジする際に動力源や動力伝達機構にかかる負荷を低減させる目的で、シフトポジションが第1のシフトポジションから第2のシフトポジションへと変化すると共に、アクセル開度変化速度の絶対値が所定値以上となるようにコントロールレバーが操作された際に、アクチュエータに、プロペラの回転速度が所定の回転速度以下となるまで第1のシフトポジションを維持させた後に、第2のシフトポジションに切り替えさせる船舶用推進システムが開示されている。
操船者のシフト操作の情報、及び前記動力源の回転速度を入力する入力手段と、
フォワードからニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作が行われたとき、スロットルバルブ開度の全閉状態で前記シフト機構をフォワードに維持し、前記動力源の回転速度が所定の閾値以下になった後、前記シフト機構をニュートラルを経てリバースに切り替える制御手段とを備え、
前記制御手段は、
フォワードからニュートラルに至るシフト操作が行われたとき、前記シフト機構をニュートラルに切り替え、
いったんニュートラルで止まったが、予め設定された所定の時間内にニュートラルからリバースに至るシフト操作が行われたときは、前記シフト機構をフォワードに戻して、スロットルバルブ開度の全閉状態で前記シフト機構をフォワードに維持し、前記動力源の回転速度が所定の閾値以下になった後、前記シフト機構をニュートラルを経てリバースに切り替えることを特徴とする。
このようにニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作が行われたとき、スロットルバルブ開度の全閉状態でシフト機構をフォワードに維持することにより、動力源の回転速度が船速に相関する状態にすることができる。この状態で、動力源の回転速度が所定の閾値以下になるのを待って、すなわち船速が十分に落ちるのを待って、シフト機構をニュートラルを経てリバースに切り替えるので、船速センサやプロペラ回転速度センサを不要として、シフトチェンジに際して動力源や動力伝達機構にかかる負荷を低減することができる。
まず、本発明を適用可能な船外機の一例を説明する。図1は、船外機1の左側面図である。船外機1は、船体2の船尾のトランサムに取り付けられ、動力源であるエンジン3の回転力を動力伝達機構を介してプロペラ4に伝達し、船舶の推進力を発生させる。なお、各図において必要に応じて前方をFr、後方をRrで示す。
次に、図3を参照して、船外機1におけるシフト機構12のシフトポジションの切り替えを制御する電子シフト制御システムを説明する。以下では、シフト機構12のシフトポジションを実シフトポジションとも称する。
船体2には、操作部であるリモートコントローラ22が設置されている。リモートコントローラ22は、コントロールボックス23と、操作レバー24とを備え、操作レバー24をニュートラルから前方に倒すとフォワードへのシフト操作になり、後方に倒すとリバースへのシフト操作になる。より詳細には、ニュートラルから前方はフォワードのシフト位置であり、角度領域αを超えるスロットル範囲では、操作レバー24の操作量に応じてアクセル開度が全閉から全開へと変化する。同様に、ニュートラルから後方はリバースのシフト位置であり、角度領域βを超えるスロットル範囲では、操作レバー24の操作量に応じてアクセル開度が全閉から全開へと変化する。操作レバー24の位置、すなわちリモートコントローラ22でのシフト操作によるシフト位置及びアクセル開度は、検出器25によって検出される。このようにしたリモートコントローラ22は、フォワード又はリバースからニュートラルに至るシフト操作が、アクセル開度を開状態から全閉にするスロットル操作を兼ねることになる。
制御部102は、以下に詳述するが、フォワードからニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作が行われたとき、スロットルバルブ開度の全閉状態でシフト機構12をフォワードに維持し、エンジン回転速度が所定の閾値以下になった後、シフト機構12をニュートラルを経てリバースに切り替える。なお、スロットルバルブ開度の全閉状態とは、スロットルバルブ27が最も閉じた状態をいうが、完全に閉じた状態とは異なり、エンジン3がアイドリング運転を継続可能な最小開度であることをいう。
船舶では自動車等のブレーキに相当する装置がないため、前進航行中に減速や停止したいときに、シフト操作をフォワードからニュートラル方向への操作とし、状況によっては、船舶の進行方向と逆向きの推進力を発生させるべく、シフト操作をフォワードからニュートラルを経てリバースに至る操作とすることがある。具体的には、リモートコントローラ22の操作レバー24を、前方に倒した状態からニュートラルに戻し、さらに後方に倒すように動かすような操作である。
このように前進航行中にフォワードからニュートラルを経てリバースに至るシフト操作が行われたとき、時間遅れなく実シフトポジションをフォワードからニュートラルを経てリバースに切り替えると、エンジン3や動力伝達機構に過大な負荷がかかり、その耐久性の低下やエンジンストールの要因となるおそれがある。
そこで、本実施例では、前進航行中にフォワードからニュートラルを経てリバースに至るシフト操作が行われたときに、実シフトポジションをリバースに切り替えるタイミングを制御し、動力伝達機構の耐久性の低下やエンジンストールを防ぐ。
図4に示すように、フォワードからニュートラルに至るシフト操作402の途中のタイミングt1でアクセル開度403が全閉となり、タイミングt2でシフト操作402によるシフト位置がニュートラルになる。
そこで、実施形態に係る船外機の制御装置100は、フォワードからニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作が行われたとき、スロットルバルブ開度の全閉状態で実シフトポジションをフォワードに維持する。これにより、エンジン回転速度が船速に相関する状態にすることができる。この状態で、エンジン回転速度が所定の閾値以下になるのを待って、すなわち船速が十分に落ちるのを待って、実シフトポジションをニュートラルを経てリバースに切り替えるので、シフトチェンジに際してエンジン3や動力伝達機構にかかる負荷を低減することができる。
ここで、フォワードからニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作とは、既述したように前進航行中に減速や停止したいときに、船舶の進行方向と逆向きの推進力を発生させるべく、フォワードからニュートラルを経てリバースに至るシフト操作を行うことを想定するものであり、操作速度や操作時間の観点から予め定義される。例えば操作レバー24の操作速度を検出するようにし、操作速度が所定の操作速度を上回ったまま、連続的にフォワードからニュートラルを経てリバースに至るシフト操作を定義すればよい。或いは、フォワードからニュートラルを経てリバースに至るシフト操作が所定の操作時間内で行われるものを定義すればよい(フォワードからニュートラルを経てリバースに至るシフト操作が所定の操作時間内で行われるのであれば、シフト操作が途中で止まる(操作速度が0になる)ものを含むようにしてもよい)。ここで例示したもの以外にも、例えば操作速度及び操作時間の両方を組み合わせた観点から一連のシフト操作を定義するようにしてもよい。
また、フォワードからニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作が行われる都度、そのときのエンジン回転速度に応じて実シフトポジションの切り替えタイミングを制御するので、例えば船底の汚れ等によって水抵抗が変化することがあっても、常に船体の状態に相応しいタイミングとなるように制御することができる。
例えば前進航行中にフォワードからニュートラルに至るシフト操作が行われると、制御部102は、通常の制御としてシフト機構12をニュートラルに切り替える。この場合に、いったんニュートラルで止まったが、続いてニュートラルからリバースに至るシフト操作が行われることがありえる。続いてとは、例えばいったんニュートラルで止まったが、短時間のうち(予め設定された所定の時間内)にニュートラルからリバースに至るシフト操作が再開されるような状況を意味する。この場合、ニュートラルに切り替えられたシフト機構12をいったんフォワードに戻して、スロットルバルブ開度の全閉状態でシフト機構12をフォワードに維持し、エンジン回転速度が所定の閾値以下になった後、シフト機構12をニュートラルを経てリバースに切り替える。
なお、本発明を適用した船外機の制御装置は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えた情報処理装置により構成され、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される。
Claims (2)
- 動力源と、前記動力源の回転力により駆動するプロペラと、前記動力源と前記プロペラとの間の動力伝達機構の一部を構成し、シフトポジションをフォワード、ニュートラル及びリバースに切り替えるシフト機構と、前記シフト機構を駆動するアクチュエータとを備えた船外機を制御する制御装置であって、
操船者のシフト操作の情報、及び前記動力源の回転速度を入力する入力手段と、
フォワードからニュートラルを経てリバースに至る一連のシフト操作が行われたとき、スロットルバルブ開度の全閉状態で前記シフト機構をフォワードに維持し、前記動力源の回転速度が所定の閾値以下になった後、前記シフト機構をニュートラルを経てリバースに切り替える制御手段とを備え、
前記制御手段は、
フォワードからニュートラルに至るシフト操作が行われたとき、前記シフト機構をニュートラルに切り替え、
いったんニュートラルで止まったが、予め設定された所定の時間内にニュートラルからリバースに至るシフト操作が行われたときは、前記シフト機構をフォワードに戻して、スロットルバルブ開度の全閉状態で前記シフト機構をフォワードに維持し、前記動力源の回転速度が所定の閾値以下になった後、前記シフト機構をニュートラルを経てリバースに切り替えることを特徴とする船外機の制御装置。 - 操船者がシフト操作する操作部において、フォワードからニュートラルに至るシフト操作が、アクセル開度を開状態から全閉にするスロットル操作を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の船外機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017119812A JP6939122B2 (ja) | 2017-06-19 | 2017-06-19 | 船外機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017119812A JP6939122B2 (ja) | 2017-06-19 | 2017-06-19 | 船外機の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019001405A JP2019001405A (ja) | 2019-01-10 |
JP6939122B2 true JP6939122B2 (ja) | 2021-09-22 |
Family
ID=65005666
Family Applications (1)
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JP2017119812A Active JP6939122B2 (ja) | 2017-06-19 | 2017-06-19 | 船外機の制御装置 |
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2017
- 2017-06-19 JP JP2017119812A patent/JP6939122B2/ja active Active
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JP2019001405A (ja) | 2019-01-10 |
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