図1は、既存システム(LTE Rel.8−12)における送信時間間隔(TTI)の一例の説明図である。図1に示すように、LTE Rel.8−12におけるTTI(以下、「通常TTI」という)は、1msの時間長を有する。通常TTIは、サブフレームとも呼ばれ、2つの時間スロットで構成される。TTIは、チャネル符号化された1データ・パケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であり、スケジューリング、リンクアダプテーション(Link Adaptation)などの処理単位となる。
図1に示すように、下りリンク(DL)において通常サイクリックプリフィクス(CP)の場合、通常TTIは、14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル(スロットあたり7OFDMシンボル)を含んで構成される。各OFDMシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
また、上りリンク(UL)において通常サイクリックプリフィクス(CP)の場合、通常TTIは、14SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル(スロットあたり7SC−FDMAシンボル)を含んで構成される。各SC−FDMAシンボルは、66.7μsの時間長(シンボル長)を有し、4.76μsの通常CPが付加される。シンボル長とサブキャリア間隔は互いに逆数の関係にあるため、シンボル長66.7μsの場合、サブキャリア間隔は、15kHzである。
なお、拡張CPの場合、通常TTIは、12OFDMシンボル(又は12SC−FDMAシンボル)を含んで構成されてもよい。この場合、各OFDMシンボル(又は各SC−FDMAシンボル)は、66.7μsの時間長を有し、16.67μsの拡張CPが付加される。
一方、Rel.13以降のLTEや5Gなどの将来の無線通信システムでは、数十GHzなどの高周波数帯に適した無線インターフェースや、IoT(Internet of Things)、MTC(Machine Type Communication)、M2M(Machine To Machine)、D2D(Device To Device)、V2V(Vehicular To Vehicular)サービス向けに、遅延を最小化する無線インターフェースが望まれている。
そのため、将来の通信システムでは、TTIを1msより短縮した短縮TTIを利用して通信を行うことが考えられる(図2参照)。図2では、通常TTI(1ms)を利用するセル(CC#1)と、短縮TTIを利用するセル(CC#2)を示している。また、短縮TTIを利用する場合、サブキャリア間隔を通常TTIのサブキャリアから変更(例えば、サブキャリア間隔を拡大)することが考えられる。
通常TTIよりも短い時間長のTTI(以下、「短縮TTI」という)を用いる場合、ユーザ端末や無線基地局における処理(例えば、符号化、復号など)に対する時間的マージンが増加するため、処理遅延を低減できる。また、短縮TTIを用いる場合、単位時間(例えば、1ms)当たりに収容可能なユーザ端末数を増加させることができる。以下に、短縮TTIの構成等について説明する。
(短縮TTIの構成例)
短縮TTIの構成例について図3を参照して説明する。図3A及び図3Bに示すように、短縮TTIは、1msより小さい時間長(TTI長)を有する。短縮TTIは、例えば、0.5ms、0.25ms、0.2ms、0.1msなど、倍数が1msとなるTTI長の1つ又は複数であってもよい。あるいは、通常CPの場合に通常TTIは14シンボルを含むことから、7/14ms、4/14ms、3/14ms、1/14msなど1/14msの整数倍となるTTI長の1つまたは複数であってもよい。また、拡張CPの場合に通常TTIは12シンボルを含むことから、6/12ms、4/12ms、3/12ms、1/12msなど1/12msの整数倍となるTTI長の1つまたは複数であってもよい。なお、短縮TTIにおいても、従前のLTEと同様に、通常CPか拡張CPかは報知情報やRRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングでConfigureすることができる。これにより、1msである通常TTIとの互換性(同期)を保ちながら、短縮TTIを導入できる。
なお、図3A及び図3Bでは、通常CPの場合を一例として説明するが、これに限られない。短縮TTIは、通常TTIよりも短い時間長であればよく、短縮TTI内のシンボル数、シンボル長、CP長などの構成はどのようなものであってもよい。また、以下では、DLにOFDMシンボル、ULにSC−FDMAシンボルが用いられる例を説明するが、これらに限られるものではない。
図3Aは、短縮TTIの第1の構成例を示す図である。図3Aに示すように、第1の構成例では、短縮TTIは、通常TTIと同一数の14OFDMシンボル(又はSC−FDMAシンボル)で構成され、各OFDMシンボル(各SC−FDMAシンボル)は、通常TTIのシンボル長(=66.7μs)よりも短いシンボル長を有する。
図3Aに示すように、通常TTIのシンボル数を維持してシンボル長を短くする場合、通常TTIの物理レイヤ信号構成(RE配置等)を流用することができる。また、通常TTIのシンボル数を維持する場合、短縮TTIにおいても通常TTIと同一の情報量(ビット量)を含めることができる。一方で、通常TTIのシンボルとはシンボル時間長が異なることから、図3Aに示す短縮TTIの信号と通常TTIの信号とを同一システム帯域(または、セル、CC)内に周波数多重することが困難となる。
また、シンボル長とサブキャリア間隔とは互いに逆数の関係にあるため、図3Aに示すようにシンボル長を短くする場合、サブキャリア間隔は、通常TTIの15kHzよりも広くなる。サブキャリア間隔が広くなると、ユーザ端末の移動時のドップラー・シフトによるチャネル間干渉や、ユーザ端末の受信機の位相雑音による伝送品質劣化を効果的に防止できる。特に、数十GHzなどの高周波数帯においては、サブキャリア間隔を広げることにより、伝送品質の劣化を効果的に防止できる。
図3Bは、短縮TTIの第2の構成例を示す図である。図3Bに示すように、第2の構成例では、短縮TTIは、通常TTIよりも少ない数のOFDMシンボル(又はSC−FDMAシンボル)で構成され、各OFDMシンボル(各SC−FDMAシンボル)は、通常TTIと同一のシンボル長(=66.7μs)を有する。この場合、短縮TTIは、通常TTIにおけるシンボル単位で構成することができる。例えば、1サブフレームに含まれる14シンボルのうちの一部のシンボルを利用して短縮TTIを構成することができる。図3Bでは、短縮TTIは、通常TTIの半分の7OFDMシンボル(SC−FDMAシンボル)で構成される。
図3Bに示すように、シンボル長を維持してシンボル数を削減する場合、短縮TTIに含める情報量(ビット量)を通常TTIよりも削減できる。このため、ユーザ端末は、通常TTIよりも短い時間で、短縮TTIに含まれる情報の受信処理(例えば、復調、復号など)を行うことができ、処理遅延を短縮できる。また、図3Bに示す短縮TTIの信号と通常TTIの信号とを同一システム帯域(またはセル、CC)内で周波数多重でき、通常TTIとの互換性を維持できる。
(短縮TTIの設定例)
短縮TTIの設定例について説明する。短縮TTIを適用する場合、既存システム(LTE Rel.8−12)との互換性を有するように、通常TTI及び短縮TTIの双方をユーザ端末に設定する構成とすることも可能である。図4は、通常TTI及び短縮TTIの設定例を示す図である。なお、図4は、例示にすぎず、これらに限られるものではない。
図4Aは、短縮TTIの第1の設定例を示す図である。図4Aに示すように、通常TTIと短縮TTIとは、同一のコンポーネントキャリア(CC)(周波数領域)内で時間的に混在してもよい。具体的には、短縮TTIは、同一のCCの特定のサブフレーム(或いは、特定の無線フレーム)に設定されてもよい。例えば、図4Aでは、同一のCC内の連続する5サブフレームにおいて短縮TTIが設定され、その他のサブフレームにおいて通常TTIが設定される。例えば、特定のサブフレームとして、MBSFNサブフレームの設定できるサブフレームや、MIBや同期チャネル等特定の信号を含む(あるいは含まない)サブフレームであってもよい。なお、短縮TTIが設定されるサブフレームの数や位置は、図4Aに示すものに限られない。
図4Bは、短縮TTIの第2の設定例を示す図である。図4Bに示すように、通常TTIのCCと短縮TTIのCCとを統合して、キャリアアグリゲーション(CA)又はデュアルコネクティビティ(DC)が行われてもよい。具体的には、短縮TTIは、特定のCCに(より具体的には、特定のCCのDL及び/又はULに)、設定されてもよい。例えば、図4Bでは、特定のCCのDLにおいて短縮TTIが設定され、他のCCのDL及びULにおいて通常TTIが設定される。なお、短縮TTIが設定されるCCの数や位置は、図4Bに示すものに限られない。
また、CAの場合、短縮TTIは、同一の無線基地局の特定のCC(プライマリ(P)セル又は/及びセカンダリ(S)セル)に設定されてもよい。一方、DCの場合、短縮TTIは、第1の無線基地局によって形成されるマスターセルグループ(MCG)内の特定のCC(Pセル又は/及びSセル)に設定されてもよいし、第2の無線基地局によって形成されるセカンダリセルグループ(SCG)内の特定のCC(プライマリセカンダリ(PS)セル又は/及びSセル)に設定されてもよい。
図4Cは、短縮TTIの第3の設定例を示す図である。図4Cに示すように、短縮TTIは、DL又はULのいずれかに設定されてもよい。例えば、図4Cでは、TDDシステムにおいて、ULに通常TTIが設定され、DLに短縮TTIが設定される場合を示している。
また、DL又はULの特定のチャネルや信号が短縮TTIに割り当てられ(設定され)てもよい。例えば、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、通常TTIに割り当てられ、上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)は、短縮TTIに割り当てられてもよい。例えばこの場合、ユーザ端末は、PUCCHの送信は通常TTIで行い、PUSCHの送信は短縮TTIで行う。
また、LTE Rel.8−12のマルチアクセス方式であるOFDM(あるいはSC−FDMA)とは異なるマルチアクセス方式が短縮TTIに割り当てられ(設定され)てもよい。
(短縮TTIの通知例)
上述したように、ユーザ端末に対して短縮TTIを利用するセルを設定する場合、ユーザ端末は、無線基地局からの黙示的(implicit)又は明示的(explicit)な通知に基づいて、短縮TTIを設定(又は/及び検出)することができる。以下では、本実施の形態で適用可能な短縮TTIの通知例について、(1)黙示的な通知の場合、又は、(2)報知情報又はRRC(Radio Resource Control)シグナリング、(3)MAC(Medium Access Control)シグナリング、(4)PHY(Physical)シグナリングの少なくとも一つによる明示的な通知の場合について説明する。
(1)黙示的な通知の場合、ユーザ端末は、周波数帯(例えば、5G向けのバンド、アンライセンスドバンドなど)、システム帯域幅(例えば、100MHzなど)、LAA(License Assisted Access)におけるLBT(Listen Before Talk)の適用有無、送信されるデータの種類(例えば、制御データ、音声など)、論理チャネル、トランスポートブロック、RLC(Radio Link Control)モード、C−RNTI(Cell-Radio. Network Temporary Identifier)などに基づいて、短縮TTIを設定(例えば、通信を行うセル、チャネル、信号などが短縮TTIであることを判断)してもよい。
また、通常TTIの先頭1、2、3、または4シンボルにマッピングされるPDCCH及び/又は1msのEPDCCHで自端末宛の制御情報(DCI)を検出した場合、当該PDCCH/EPDCCHを含む1msを通常TTIと判断し、それ以外の構成を取るPDCCH/EPDCCH(例えば通常TTIの先頭1〜4シンボル以外にマッピングされるPDCCH及び/又は1ms未満のEPDCCH)で自端末宛の制御情報(DCI)を検出した場合、当該PDCCH/EPDCCHを含む1ms未満の所定の時間区間を短縮TTIと判断してもよい。ここで、自端末宛の制御情報(DCI)の検出は、ブラインド復号したDCIに対するCRCのチェック結果に基づいて行うことができる。
(2)報知情報又はRRCシグナリングの場合、報知情報又はRRCシグナリングにより無線基地局(例えば、第1のセル)からユーザ端末に通知される設定情報に基づいて、短縮TTIが設定されてもよい。当該設定情報は、例えば、短縮TTIを利用するCC又は/及びサブフレームに関する情報、短縮TTIを利用するチャネル又は/及び信号に関する情報、短縮TTIのTTI長に関する情報などを示す。ユーザ端末は、無線基地局からの設定情報に基づいて、短縮TTIを準静的(semi-static)に設定する。なお、短縮TTIと通常TTIとのモード切り替えは、RRCの再構成(RRC Reconfiguration)手順で行われてもよいし、Pセルでは、Intra-cellハンドオーバ(HO)、Sセルでは、CC(Sセル)のremoval/addition手順により行われてもよい。
(3)MACシグナリングの場合、RRCシグナリングにより通知される設定情報に基づいて設定される短縮TTIが、MACシグナリングにより有効化又は無効化(activate又はde-activate)されてもよい。具体的には、ユーザ端末は、無線基地局からのMAC制御要素に基づいて、短縮TTIを有効化又は無効化する。ユーザ端末は、RRC等の上位レイヤシグナリングによりあらかじめ短縮TTIの有効化期間を示すタイマを設定されていて、L2制御信号で短縮TTIが有効化されたのち所定の期間短縮TTIのUL/DL割当がなされなかった場合、短縮TTIを無効化するものとしてもよい。このような短縮TTI無効化タイマは、通常TTI(1ms)を単位としてカウントするものとしてもよいし、短縮TTI(例えば0.25ms)を単位としてカウントするものとしてもよい。
なお、Sセルにおいて短縮TTIと通常TTIとのモードを切り替える場合、Sセルは、一旦de-activateされるものとしてもよいし、TA(Timing Advance)タイマが満了したものとみなされてもよい。これにより、モード切り替え時の通信停止期間を設けることができる。
(4)PHYシグナリングの場合、RRCシグナリングにより通知される設定情報に基づいて設定される短縮TTIが、PHYシグナリングによりスケジューリングされてもよい。具体的には、ユーザ端末は、受信及び検出した下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel又はEPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control Channel、以下、PDCCH/EPDCCHという)に含まれる情報に基づいて、短縮TTIを検出する。
例えば、通常TTIと短縮TTIでの送信または受信を割り当てる制御情報(DCI)は異なる情報要素を含むものとしておき、(4−1)ユーザ端末は、短縮TTIでの送受信を割り当てる情報要素を含む制御情報(DCI)が検出された場合に、そのPDCCH/EPDCCHが検出されるタイミングを含む所定の時間区間を短縮TTIと認識してもよい。ユーザ端末は、PDCCH/EPDCCHにおいて、通常TTIと短縮TTI、両方の送信または受信を割り当てる制御情報(DCI)をブラインド復号することができる。或いは、(4−2)ユーザ端末は、短縮TTIでの送受信を割り当てる情報要素を含む制御情報(DCI)が検出された場合に、そのPDCCH/EPDCCH(により伝送される下り制御情報(DCI:Downlink Control Information))によりスケジューリングされるPDSCH又はPUSCHが送信/受信されるタイミングを含む所定の時間区間を短縮TTIと認識してもよい。或いは、(4−3)ユーザ端末は、短縮TTIでの送受信を割り当てる情報要素を含む(DCI)が検出された場合に、そのPDCCH/EPDCCH(により伝送されるDCI)によりスケジューリングされるPDSCH又はPUSCHに対する再送制御情報(HARQ−ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest-Acknowledgement)、ACK/NACK、A/Nなどともいう)を送信又は受信するタイミングを含む所定の時間区間を短縮TTIと認識してもよい。
下り制御チャネルに含まれる情報に基づいて短縮TTIを検出する場合、短縮TTIでの送受信を指示する制御情報(DCI)は、短縮TTIの送受信を行うよりも一定時間前に送受信されるものとしてもよい。すなわち、無線基地局は、所定のタイミングにおいて短縮TTIでの送受信を指示する制御情報(DCI)を送信し、ユーザ端末は当該制御情報(DCI)を受信したら、所定時間後(例えばTTI長の整数倍時間後またはサブフレーム長の整数時間後)に、短縮TTIの送受信を行う。短縮TTIと通常TTIとでは、適する信号処理アルゴリズム(例えばチャネル推定や誤り訂正復号)が異なる可能性がある。このように、短縮TTIでの送受信を指示する制御情報(DCI)を、実際に短縮TTIでの送受信を行うよりも所定時間前に送受信しておくことにより、ユーザ端末が前記信号処理アルゴリズムを変更する時間を確保することができる。
RRC等の上位レイヤシグナリングで短縮TTIを設定しておき、下り制御チャネルで送受信される制御情報(DCI)の指示がなされた場合に、通常TTIでの送受信に切り替える方法を適用してもよい。一般に、低遅延での信号処理が求められる短縮TTIの方が、通常TTIよりも高いユーザ処理能力を必要とする。したがって、動的な切り替えを短縮TTIから通常TTIに限定することにより、通常TTIから短縮TTIへの動的な切り替えを許容する場合に比べ、TTI長変更に伴うユーザ端末の信号処理負担を緩和することができる。
また、ユーザ端末は、ユーザ端末の状態(例えば、Idle状態又はConnected状態)に基づいて、短縮TTIを検出してもよい。例えば、ユーザ端末は、Idle状態である場合、全てのTTIを通常TTIとして認識し、1msの通常TTIの先頭1〜4シンボルに含まれるPDCCHのみをブラインド復号するものとしてもよい。また、ユーザ端末は、Connected状態である場合、上述の通知例(1)−(4)の少なくとも一つに基づいて、短縮TTIを設定(又は/及び検出)してもよい。
以上のように、将来の無線通信では、通常TTIより送信時間間隔(TTI)長が短縮された短縮TTIをUL送信及び/又はDL送信に適用して通信を行うことが想定される。一方で、既存のLTEシステムでは、サブフレーム(1ms)単位で通信のタイミング制御が行われている。
例えば、既存システムにおけるTDDでは、1ms単位でULサブフレームとDLサブフレームが規定されたUL/DL構成に基づいて送信タイミングが制御されている(図5参照)。図5は、ULサブフレームとDLサブフレーム間の送信比率が異なる複数のフレーム構成(UL/DL configuration(UL/DL構成))を示している。
既存システムのTDDでは、UL/DL構成0〜6の7つのフレーム構成が規定されており、サブフレーム#0と#5は下りリンクに割当てられ、サブフレーム#2は上りリンクに割当てられる。また、UL/DL構成0、1、2、6では、DLサブフレームからULサブフレームへの変更点の周期(上下リンクの切替周期)が5ms、UL/DL構成3、4、5では、上下リンクの切替周期が10msとなっている。
図6は、既存システムの特別サブフレーム構成(Sp−SF Config)を示している。既存システムでは、特別サブフレーム構成として、通常CP(Normal CP)で10種類、拡張CP(Extended CP)で8種類が定義されている。また、特別サブフレーム構成に関する情報は、プライマルセル(PCell)においてはシステム情報(SIB1)を用いてユーザ端末に通知され、セカンダリセル(SCell)においてはRRCシグナリングを用いてユーザ端末に通知される。
図6の表に記載された数字はOFDM(またはSC−FDMA)シンボル数を表す。既存システムの特別サブフレーム構成では、上り時間区間(UpPTS)が最大で2シンボルまでしか設定されない。そのため、ULサブフレームにおいて上り共有チャネル(例えば、PUSCH)を用いて送信するユーザデータや、上り制御チャネル(例えば、PUCCH)を用いて送信する上り制御信号(UCI)等の送信は特別サブフレームでサポートされていない。既存システムの特別サブフレームでは、UL伝送としてPRACHとSRSの送信のみサポートされている。
また、TDDでは、上下リンク間の干渉を抑制するために同期が重要となる。例えば、同一のTDDセル(無線基地局)に接続するユーザ端末間だけでなく、複数TDDセル間、隣接TDDキャリア(オペレータ)間においても同期して制御することが上下リンク間の干渉抑制に効果的となる。
既存のLTEシステムの機能で通信を行うユーザ端末(レガシー端末)が同一キャリアに存在することを考慮した場合、短縮TTIで通信を行うユーザ端末がUL−DLの切替周期を短縮して適用すると上下リンク干渉が生じるおそれがある。例えば、短縮TTIを利用するユーザ端末がUL−DLの切替周期を2msに早めた構成を適用する場合を想定する(図7参照)。図7では、既存システムのUL/DL構成を利用するユーザ端末と、UL−DLの切替周期が2msの構成を利用するユーザ端末が同一キャリアで通信を行う場合を示している。
この場合、既存システムのUL/DL構成を適用するユーザ端末と、短縮TTI用のUL/DL構成を適用するユーザ端末間で上下リンク干渉が発生する期間が発生し、通信品質が劣化するおそれがある。かかる問題を解決するために、短縮TTIを利用するユーザ端末も既存システムのUL/DL構成を利用して通信(例えば、UL送信等)を制御することが考えられる。
しかし、5ms又は10ms周期のUL/DL切替を前提に短縮TTIを規定した場合、遅延削減効果は十分に得られない。このように、TDDを利用するセル(TDDキャリア)で短縮TTIを適用する場合、送信(例えば、UL送信)をどのように制御するかが問題となり、遅延削減を実現するための方法が望まれる。
そこで、本発明者等は、本発明の一態様として、短縮TTIを適用するTDDキャリアを含む複数キャリアと通信を行う場合に、当該TDDキャリアの各短縮TTIに対応するUL送信の少なくとも一部を他のキャリアを用いて送信することを着想した。
例えば、ユーザ端末は、TDDキャリアの各短縮TTIのDL信号に対するUL信号(例えば、上りデータ、上り制御信号等)の少なくとも一部を他のキャリアを用いて所定タイミングで送信するように制御する。所定タイミングとして、既存システムのUL送信タイミングより短い送信タイミング(短縮TTI用の送信タイミング)を適用することができる。これにより、TDDキャリアで短縮TTIを利用する場合であってもUL/DL構成は既存システムと同様に設定することができるため、上下リンク干渉の発生を抑制することができる。また、短縮TTIのDL信号に対応するUL送信を既存より短い送信タイミングで送信することができるため、TDDキャリアにおける遅延を削減することが可能となる。
以下に本実施の形態について詳細に説明する。以下の説明では、短縮TTIとして、既存システムにおける1サブフレーム(1ms)を3分割する場合(0.33ms)を例に挙げて説明するが、適用可能な短縮TTI長はこれに限られない。なお、1msとなるTTIを、通常TTI、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームと呼んでもよい。通常TTIより短いTTIを、短縮TTI、ショートTTI、短縮のサブフレーム、又はショートサブフレームと呼んでもよい。また、本実施の形態の短縮TTIに対して上記図1−図4で示した構成を適用することができる。
また、以下の説明ではLTEシステムを例に挙げるが本実施の形態はこれに限られず、TDDキャリアで短縮TTIを利用するシステムであれば適用することができる。また、以下に説明する複数の態様はそれぞれ単独で実施してもよいし、適宜組み合わせて実施することも可能である。
(第1の態様)
第1の態様では、短縮TTIを利用するTDDキャリアのDL送信に対する送達確認信号(HARQ−ACK、ACK/NACK、A/N)の送信方法について説明する。また、以下の説明では、DL送信に対するA/Nをフィードバックするタイミング(HARQタイミング)が、DL割当て(DL信号受信時)から1ms後とする場合を例に挙げて説明する。もちろんHARQタイミングは1msに限られず、短縮TTI長等に基づいて適宜変更することができる。
ユーザ端末は、TDDキャリアで短縮TTIを用いてDL受信を行う場合、各TTIのDL受信に対するUL送信の少なくとも一部を、ペアバンドとして設定(Configure)される他のキャリアを用いて行うように制御する。図8では、短縮TTIを利用するTDDキャリアのDL信号に対するA/Nを他のキャリアを利用して送信する場合を示している。
他のキャリアとしては、ペアバンドとして設定されるキャリア(又は、セル、CC)であればよく、FDDのULでもよいし、他のTDDキャリアでもよい。また、他のキャリアは、通常TTIを適用するキャリアであってもよいし、短縮TTIを適用するキャリアであってもよい。他のキャリアが短縮TTIを利用する場合、TDDキャリアの短縮TTI長と同じであってもよいし、異なるTTI長を利用するキャリアであってもよい。
図8Aは、他のキャリアがFDDのULである場合を示している。つまり、ユーザ端末は、TDDキャリアの各短縮TTIのDL信号に対するA/NをFDDのULを利用して所定タイミング(ここでは、1ms)後にフィードバックすることができる。なお、ここでは、TDDキャリアがUL/DL構成#2を利用する場合を示しているが、これに限られない。
この場合、短縮TTIを利用するTDDキャリアにおいて、既存システムのTDDのUL/DL構成と同様のUL期間・DL期間を設定すると共に、当該TDDキャリアにおけるA/Nの送信タイミングを既存システムの送信タイミング(例えば、4ms以上)より短くすることができる。
図8Bは、他のキャリアが別のTDDキャリア(ここでは、UL/DL構成#0)である場合を示している。つまり、ユーザ端末は、短縮TTIを利用するTDDキャリアのDL信号に対するA/Nを他のTDDキャリアのULサブフレームを用いて所定タイミング後にフィードバックすることができる。なお、ここでは、TDDキャリアがUL/DL構成#2を利用し、他のTDDキャリアがUL/DL構成#0を利用する場合を示しているが、これに限られない。
他のTDDキャリアが適用するUL/DL構成は、短縮TTIを利用するTDDキャリア(A/Nの送信元)のUL/DL構成と同じ構成であってもよいし、異なる構成としてもよい。TDDキャリア間で異なるUL/DL構成とする場合、A/N送信元のTDDキャリアと比較して、他のTDDキャリアが適用するUL/DL構成のULサブフレーム比率が高くなるように設定することが好ましい。この場合、他のTDDキャリアにおいて、A/N送信元のTDDキャリアのDL割当てに対するA/N送信に利用できるULリソースを増加することができる。
短縮TTIを利用するTDDキャリアのA/N送信を行うペアバンド(他のキャリア)は、UE個別に通知される上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)を用いてユーザ端末に設定することができる。例えば、あるTDDキャリアで短縮TTIを用いて通信を行う場合、無線基地局は、下記(a1)〜(e1)の少なくとも一つの情報を上位レイヤシグナリングでユーザ端末に通知する構成とすることができる。
(a1)短縮TTIを用いるTDDキャリアに関する情報
(b1)適用する短縮TTIに関する情報
(c1)適用するHARQタイミングに関する情報
(d1)ペアバンドとして用いるキャリアに関する情報
(e1)短縮TTIを適用するサブフレームに関する情報
ユーザ端末は、情報(a1)を受信することにより、複数TDDキャリアを利用する場合等に、どのTDDキャリアで短縮TTIを用いるか判断することができる。また、情報(b1)を受信することにより、どのような短縮TTIを用いるか(例えば、0.5ms又は0.25ms、あるいは、7シンボル又は3シンボル等)を判断することができる。また、情報(c1)を受信することにより、どのようなHARQタイミングを適用するか(例えば、1ms又は2ms等)を判断することができる。また、情報(d1)を受信することにより、どのキャリアをペアバンドとして用いるか(例えば、バンド番号等)を判断することができる。また、情報(e1)を受信することにより、どのサブフレームで短縮TTIを適用するか判断することができる。
上記図8では、短縮TTIを適用するTDDキャリアにおける各TTIのDL送信に対するA/Nの全部を他のキャリアを用いて送信する場合を示したが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、当該TDDキャリアにおける各TTIに対応するA/Nの一部を他のキャリアを用いて送信し、所定のA/Nを当該TDDキャリア(自キャリア)で送信するように制御することができる。以下に、TDDキャリアの各DL送信に対するA/Nを、当該TDDキャリア(自キャリア)と他のキャリアを利用して送信を制御する場合について説明する。
<DL割当てTTI位置とULリソース位置>
ユーザ端末は、短縮TTIを用いるTDDキャリアにおいて、所定のDL割当てに対するA/Nをペアバンドで送信し、その他のA/Nを当該TDDキャリア(自キャリア)のULで送信するように制御することができる。例えば、ユーザ端末は、TDDキャリアにおいてDL割当てが行われたTTIの位置(DL送信タイミング)と、当該TDDキャリア及び/又はペアバンドのULリソース位置(UL送信タイミング)とに基づいて、各DL割当てに対するA/Nの送信キャリアを決定することができる。
図9は、TDDキャリアにおいてDL割当てが行われたTTIの位置と、当該TDDキャリア及び/又はペアバンドとなる他のキャリアのULのULリソース位置とに基づいて、DL割当てに対するA/Nの送信キャリアを選択する場合を示している。図9Aは、ペアバンドとなる他のキャリアがFDDのULである場合を示し、図9Bは、ペアバンドとなる他のキャリアが別のTDDキャリア(ここでは、UL/DL構成#0)である場合を示している。
図9Aの場合、ユーザ端末は、DL割当てに対するA/Nが所定タイミング(ここでは、1ms)後に送信されるとした場合に、DL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアでA/N送信が可能(ULリソースがある)であるか判断する。1ms後にTDDキャリアでA/N送信が可能であれば、ユーザ端末は、当該TDDキャリアでA/N送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULリソースがない場合、ユーザ端末は、FDDキャリアのULでA/N送信を行う。
図9Bの場合も、ユーザ端末は、DL割当てに対するA/Nが1ms後に送信されるとした場合に、DL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアでA/N送信が可能であるか判断する。1ms後にTDDキャリアでA/N送信が可能であれば、ユーザ端末は、当該TDDキャリアでA/N送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULリソースが存在せず、他のTDDキャリアでULリソースが存在する場合、ユーザ端末は、他のTDDキャリアのULリソースでA/N送信を行う。
このように、所定のDL割当てに対するA/Nを選択的にペアバンドで送信し、その他のA/NはTDDキャリア(自キャリア)で送信することにより、自キャリアの周波数利用効率を向上することができる。所定のDL割当ては、所定タイミング後にTDDキャリアにULリソースが存在しないDL割当てとすることができる。
<下り制御情報を利用した通知>
ユーザ端末は、短縮TTIを利用するTDDキャリアのDL信号に対するA/N送信キャリア(ULリソース)を下り制御情報に基づいて決定してもよい。この場合、無線基地局は、TDDキャリアの短縮TTIで送信される下り制御情報(DCI)の所定ビット領域に、当該DL信号に対するA/Nの送信キャリアに関する情報を含めてユーザ端末に明示的に通知する。下り制御情報として、例えば、下り割当てを行うDCIフォーマット(DL assignment)を利用することができる。
ユーザ端末は、TDDキャリアの各短縮TTIで受信した下り制御情報の所定ビット領域に基づいて、A/N送信を行うキャリアを選択することができる。下り制御情報の所定ビット領域には、A/Nの送信を行うキャリアに関する情報(例えば、バンド番号等のキャリアに関する情報、ULリソースに関する情報等)を含めることができる。
<特別サブフレームのUpPTS利用>
ユーザ端末は、特別サブフレームのUpPTSを利用してA/Nを送信するように制御してもよい。例えば、ユーザ端末は、TDDキャリアにおいてDL割当てが行われた短縮TTIから所定タイミング(例えば、1ms)後に特別サブフレームが存在する場合、当該特別サブフレーム(UpPTS)にA/Nを割当てて送信する。
図10は、TDDキャリアにおいてDL割当てが行われたTTIの位置と、当該TDDキャリア及び/又はペアバンドとなる他のキャリアのULのULリソース位置とに基づいて、DL割当てに対するA/Nの送信キャリアを選択する場合を示している。ここでは、TDDキャリアのULリソース位置に特別サブフレーム(UpPTS)も含まれる。図10Aは、ペアバンドとなる他のキャリアがFDDのULである場合を示し、図10Bは、ペアバンドとなる他のキャリアが別のTDDキャリア(ここでは、UL/DL構成#0)である場合を示している。
図10Aの場合、ユーザ端末は、DL割当てに対するA/Nが所定タイミング(ここでは、1ms)後に送信されるとした場合に、DL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアでA/N送信が可能(ULリソースがある)であるか判断する。1ms後にTDDキャリアでULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)が存在する場合、ユーザ端末は、当該TDDキャリアでA/N送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)がない場合、ユーザ端末は、FDDキャリアのULでA/N送信を行う。
図10Bの場合も、ユーザ端末は、DL割当てに対するA/Nが1ms後に送信されるとした場合に、DL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアでA/N送信が可能であるか判断する。1ms後にTDDキャリアでULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)が存在する場合、ユーザ端末は、当該TDDキャリアでA/N送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)が存在せず、他のTDDキャリアでULリソース(ULサブフレーム及び/又は特別サブフレーム(UpPTS))が存在する場合、ユーザ端末は、他のTDDキャリアのULリソースでA/N送信を行う。
このように、特別サブフレームのUpPTSを利用してA/N送信を行うことにより、図9と比較して自キャリア(TDDキャリア)の周波数利用効率をさらに向上することができる。
また、上記図6で示したように、既存システムにおける特別サブフレームのUpPTS(最大2シンボル)ではA/N送信がサポートされていない。したがって、既存の特別サブフレームのUpPTSを利用してA/Nフィードバックを行う場合、1又は2シンボルでA/Nを送信する必要がある。この場合、1又は2シンボルでA/Nを送信可能なPUCCHフォーマット(新規PUCCHフォーマット)を規定して、UpPTSの1又は2シンボルに対するPUCCHの割当て制御を行う構成とすることができる(図11A参照)。
また、UpPTSで利用する新規PUCCHフォーマットは、ULサブフレームにおける短縮TTIのPUCCH送信にも適用する構成としてもよい。この場合、TDDキャリアのULサブフレーム(短縮TTI)と、特別サブフレームにおけるUpPTSに対して同じPUCCHフォーマットを利用することができる。これにより、短縮TTIの導入によりユーザ端末が新規に実装しなければならないPUCCHフォーマットの数を減らすことができ、端末実装コストを低減することができる。
なお、上述の新規PUCCHフォーマットは、TTI長を抑えて遅延を削減する必要があるため、従前のTTI長(1ms)と比べて短い方が好ましい。一方で、TTI長を短くするほど、A/N受信品質は劣化する。例えば、TTI長に含まれるOFDMシンボル数を減らして短縮TTIを実現する場合、A/N送信に用いる信号のサンプル数が減ることから、同じ送信電力で送信した場合に確保できるA/Nビットエネルギーが減少することとなる。TTI長に含まれるOFDMシンボル数を保持したままOFDMシンボル長を短縮して短縮TTIを実現する場合、サブキャリア間隔が拡がるため、OFDMシンボルあたりのサンプル数が減ることから、同じ送信電力で送信した場合に確保できるA/Nビットエネルギーが減少することとなる。A/Nビットエネルギーの減少は、ビット誤り率またはブロック誤り率の劣化を引き起こすこととなる。
そこで、短縮TTIまたはUpPTSで送信する新規PUCCHフォーマットは、A/Nビットエネルギーを確保するために、(1)送信電力ブースト(他のPUCCHフォーマットの送信と比較し送信電力を増加)、(2)複数リソースブロックでの送信(連続する複数の周波数リソースブロックを用いて送信)、(3)送信アンテナダイバーシチ、のいずれかまたは複数を適用するものとしてもよい。また、当該新規PUCCHフォーマットをサポートするユーザ端末は、前記(1)〜(3)のいずれかまたは全てを必須でサポートするものとしてもよい。
また、既存のTDDキャリアの特別サブフレームでは、UpPTSのシンボル数が最大2シンボルに制限されている。そこで、本実施の形態では、3シンボル以上のUpPTSを有する新規の特別サブフレーム構成を設定してもよい(図11B参照)。図11Bでは、DwPTSを5シンボル、ギャップを2シンボル、UpPTSを7シンボルで構成する場合を示しているが、特別サブフレームの構成はこれに限られない。
この場合、短縮TTIで送信されるDL信号に対するA/Nを特別サブフレームのUpPTSに割当てしやすくすることができる。これにより、遅延削減を図ることが可能となる。
<所定HARQ−ACKの送信タイミング遅延制御>
TDDキャリアのA/N送信に利用するペアバンドが別のTDDキャリアである場合(例えば、図8B、図9B、図10B)、短縮TTIのDL割当てから所定タイミング後にULリソース(ULサブフレーム)が存在しないケースが生じる。かかる場合、短縮TTIを利用するTDDキャリアにおいて、所定タイミング後にULリソースが存在しないDL割当て(DL送信)を行わないように制御することができる。
一方で、TDDキャリアの無線リソース(例えば、DLリソース)の利用効率を向上する観点からは、当該TDDキャリアにおけるDL割当てが制限されない構成とすることが好ましい。そこで、所定タイミング後に自キャリア及び/又はペアバンドにおいてULリソースがないDL割当てのA/Nフィードバックタイミングを所定タイミング(例えば、1ms)より長く設定する構成としてもよい(図12A参照)。
図12Aでは、所定タイミング後のペアバンド(他のTDDキャリア)及び/又は自キャリアにおいて対応するULリソースが存在しない短縮TTIに対してもDL割当てを許容する。ユーザ端末は、当該DL割当てに対するA/Nフィードバックタイミングを延長させ(遅延を許容し)、自キャリア又は他のTDDキャリアのULリソースを利用して送信するように制御する。これにより、ペアバンドが他のTDDキャリアの場合であっても、当該他のTDDキャリアのULリソース位置に関わらずDL割当てを行うことができる。
図12Aでは、1ms後にULリソースが存在しないDL割当てに対するA/Nを、次に最も早いULサブフレームに割当てる場合を示しているが、フィードバックタイミングを延長したA/Nを割当てるULリソースはこれに限られない。
あるいは、ユーザ端末は、所定タイミング後のペアバンド及び/又は自キャリアにおいてULリソースが存在しないDL割当てに対するA/Nを、通常TTIでDL割当てを行うサブフレームとして利用してもよい(図12B参照)。かかる場合、通常TTIを利用するDL割当てのHARQタイミングは、通常TTIで規定されたタイミングを利用してもよい。
このように、所定タイミング後に対応するULリソースがないDL割当て(DL−TTI)に対するA/Nフィードバックタイミングを別途制御することにより、TDDキャリアのリソースの利用効率を向上することができる。
なお、第1の態様では、ペアバンドとなる他のキャリアのULリソースとして、他のキャリアに設定される上り制御チャネル(例えば、PUCCH)及び/又は上り共有チャネル(例えば、PUSCH)を利用することができる。例えば、A/Nをペアバンドとなる他のキャリアに多重するタイミングにおいて、他のキャリアで上りデータ(例えば、PUSCH)送信がある場合、A/NをPUSCHに多重することができる。一方で、A/Nをペアバンドとなる他のキャリアに多重するタイミングにおいて、他のキャリアで上りデータ送信がない場合、A/Nを上り制御チャネル(例えば、PUCCH)PUSCHに多重することができる。
また、ユーザ端末が複数のキャリア(又は、セル、CC)に接続する場合、TDDキャリアのA/Nを他のキャリアで送信する場合に、いずれのキャリアにも上りデータ送信が無い場合には、所定のキャリアの上り制御チャネルにA/Nを多重する構成としてもよい。所定のキャリアは、PCell、PSCell、PUCCHセルとも呼ぶことができる。あるいは、TDDキャリアのA/Nを他のキャリアで送信する場合に、いずれかのキャリアで上りデータ送信がある場合には、当該上りデータ送信があるキャリアのPUSCHにA/Nを多重して送信してもよい。
(第2の態様)
第2の態様では、短縮TTIを利用するTDDキャリアのDL信号に含まれるUL送信指示(ULグラント)に基づくUL送信の方法について説明する。また、以下の説明では、ULグラントに対するUL送信のタイミングが、UL割当て(ULグラント受信時)から1ms後とする場合を例に挙げて説明する。もちろんUL送信のタイミングは1msに限られず、短縮TTI長等に基づいて適宜変更することができる。
ユーザ端末は、TDDキャリアで短縮TTIを用いてULグラントを受信する場合、各TTIのULグラントに対するUL送信の少なくとも一部を、ペアバンドとして設定される他のキャリアを用いて行うように制御する(図8参照)。UL送信としては、ULデータ(例えば、PUSCH)送信、非周期的CSI送信等が含まれる。
他のキャリアとしては、ペアバンドとして設定されるキャリア(又は、セル、CC)であればよく、FDDのULでもよいし、他のTDDキャリアでもよい。また、他のキャリアは、通常TTIを適用するキャリアであってもよいし、短縮TTI(同じTTI長又は異なるTTI長)を適用するキャリアであってもよい。
図8Aは、他のキャリアがFDDのULである場合を示している。ユーザ端末は、短縮TTIを利用するTDDキャリアのDL信号(ULグラント)に対する上りデータをFDDのULを利用して所定タイミング(ここでは、1ms)後に送信することができる。なお、ここでは、TDDキャリアがUL/DL構成#2を利用する場合を示しているが、これに限られない。
この場合、短縮TTIを利用するTDDキャリアにおいて、既存システムのTDDのUL/DL構成と同様のUL期間・DL期間を設定すると共に、当該TDDキャリアにおける上りデータの送信タイミングを既存システムの送信タイミング(例えば、4ms以上)より短くすることができる。
図8Bは、他のキャリアが別のTDDキャリア(UL/DL構成#0)である場合を示している。ユーザ端末は、短縮TTIを利用するTDDキャリアのULグラントに対する上りデータを他のTDDキャリアのULサブフレーム(例えば、PUSCH)を用いて所定タイミング後に送信することができる。なお、ここでは、TDDキャリアがUL/DL構成#2を利用し、他のTDDキャリアがUL/DL構成#0を利用する場合を示しているが、これに限られない。
他のTDDキャリアが適用するUL/DL構成は、短縮TTIを利用するTDDキャリア(上りデータの送信元)のUL/DL構成と同じ構成であってもよいし、異なる構成としてもよい。TDDキャリア間で異なるUL/DL構成とする場合、上りデータ送信元のTDDキャリアと比較して、他のTDDキャリアが適用するUL/DL構成のULサブフレーム比率が高くなるように設定することが好ましい。この場合、他のTDDキャリアにおいて、上りデータ送信元のTDDキャリアのULグラントに対する上りデータ送信に利用できるULリソースを増加することができる。
短縮TTIを利用するTDDキャリアの上りデータ送信を行うペアバンド(他のキャリア)は、UE個別に通知される上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)を用いてユーザ端末に設定することができる。例えば、あるTDDキャリアで短縮TTIを用いて通信を行う場合、無線基地局は、下記(a2)〜(e2)の少なくとも一つの情報を上位レイヤシグナリングでユーザ端末に通知する構成とすることができる。
(a2)短縮TTIを用いるTDDキャリアに関する情報
(b2)適用する短縮TTIに関する情報
(c2)適用するUL送信(例えば、上りデータ送信)タイミングに関する情報
(d2)ペアバンドとして用いるキャリアに関する情報
(e2)短縮TTIを適用するサブフレームに関する情報
ユーザ端末は、情報(a2)を受信することにより、複数TDDキャリアを利用する場合等に、どのTDDキャリアで短縮TTIを用いるか判断することができる。また、情報(b2)を受信することにより、どのような短縮TTIを用いるか(例えば、0.5ms又は0.25ms、あるいは、7シンボル又は3シンボル等)を判断することができる。また、情報(c2)を受信することにより、どのようなUL送信タイミングを適用するか(例えば、1ms又は2ms等)を判断することができる。また、情報(d2)を受信することにより、どのキャリアをペアバンドとして用いるか(例えば、バンド番号等)を判断することができる。また、情報(e2)を受信することにより、どのサブフレームで短縮TTIを適用するか判断することができる。
上記図8では、短縮TTIを適用するTDDキャリアにおける各TTIのULグラントに対する上りデータの全部を他のキャリアを用いて送信する場合を示しているが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、当該TDDキャリアの各TTIで指示される上りデータの一部を他のキャリアを用いて送信し、所定の上りデータを当該TDDキャリア(自キャリア)で送信するように制御することができる。以下に、TDDキャリアの各TTIのULグラントに対する上りデータを、当該TDDキャリア(自キャリア)と他のキャリアを利用して送信を制御する場合について説明する。
<UL割当てTTI位置とULリソース位置>
ユーザ端末は、短縮TTIを用いるTDDキャリアにおいて、所定のULグラントに対するUL送信をペアバンドで送信し、その他のUL送信を当該TDDキャリア(自キャリア)のULリソースで送信するように制御することができる。例えば、ユーザ端末は、TDDキャリアにおいてUL割当てが行われたTTIの位置(ULグラント受信タイミング)と、当該TDDキャリア及び/又はペアバンドのULリソース位置(UL送信タイミング)とに基づいて、各UL割当てに対するUL送信用のキャリアを決定することができる。
図9は、TDDキャリアにおいてUL割当てが行われたTTIの位置と、当該TDDキャリア及び/又はペアバンドとなる他のキャリアのULリソース位置とに基づいて、UL割当てに対する上りデータの送信キャリアを選択する場合を示している。図9Aは、ペアバンドとなる他のキャリアがFDDのULである場合を示し、図9Bは、ペアバンドとなる他のキャリアが別のTDDキャリア(ここでは、UL/DL構成#0)である場合を示している。
図9Aの場合、ユーザ端末は、UL割当てに対する上りデータが所定タイミング(ここでは、1ms)後に送信されるとした場合に、UL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアで上りデータ送信が可能(ULリソースがある)であるか判断する。1ms後にTDDキャリアで上りデータ送信が可能であれば、ユーザ端末は、当該TDDキャリアで上りデータ送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULリソースがない場合、ユーザ端末は、FDDキャリアのULで上りデータ送信を行う。
図9Bの場合も、ユーザ端末は、UL割当てに対する上りデータが1ms後に送信されるとした場合に、UL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアで上りデータ送信が可能であるか判断する。1ms後にTDDキャリアで上りデータ送信が可能であれば、ユーザ端末は、当該TDDキャリアで上りデータ送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULリソースが存在せず、他のTDDキャリアでULリソースが存在する場合、ユーザ端末は、他のTDDキャリアのULリソースで上りデータ送信を行う。
このように、所定のUL割当てに対する上りデータを選択的にペアバンドで送信し、その他の上りデータはTDDキャリア(自キャリア)で送信することにより、自キャリアの周波数利用効率を向上することができる。所定のUL割当ては、所定タイミング後にTDDキャリアにULリソースが存在しないUL割当てとすることができる。
<下り制御情報を利用した通知>
ユーザ端末は、短縮TTIを利用するTDDキャリアのULグラントに対するUL送信キャリア(ULリソース)を下り制御情報に基づいて決定してもよい。この場合、無線基地局は、TDDキャリアの短縮TTIで送信される下り制御情報(DCI)の所定ビット領域に、当該ULグラントに対する上りデータの送信キャリアに関する情報を含めてユーザ端末に明示的に通知する。下り制御情報として、例えば、上り割当てを行うDCIフォーマットを利用することができる。
ユーザ端末は、TDDキャリアの各短縮TTIで受信した下り制御情報の所定ビット領域に基づいて、上りデータ送信を行うキャリアを選択することができる。下り制御情報の所定ビット領域には、上りデータ送信を行うキャリアに関する情報(例えば、バンド番号等のキャリアに関する情報、ULリソースに関する情報等)を含めることができる。
<特別サブフレームのUpPTS利用>
ユーザ端末は、特別サブフレームのUpPTSを利用して上りデータ(例えば、PUSCH)を送信するように制御してもよい。例えば、ユーザ端末は、TDDキャリアにおいてUL割当てが行われた短縮TTIから所定タイミング(例えば、1ms)後に特別サブフレームが存在する場合、当該特別サブフレーム(UpPTS)に上りデータを割当てて送信する。
図10は、TDDキャリアにおいてUL割当てが行われたTTIの位置と、当該TDDキャリア及び/又はペアバンドとなる他のキャリアのULリソース位置とに基づいて、UL割当てに対する上りデータの送信キャリアを選択する場合を示している。ここでは、TDDキャリアのULリソース位置に特別サブフレーム(UpPTS)も含まれる。なお、図10Aは、ペアバンドとなる他のキャリアがFDDのULである場合を示し、図10Bは、ペアバンドとなる他のキャリアが別のTDDキャリア(ここでは、UL/DL構成#0)である場合を示している。
図10Aの場合、ユーザ端末は、UL割当てに対する上りデータが1ms後に送信されるとした場合に、UL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアで上りデータ送信が可能(ULリソースがある)であるか判断する。1ms後にTDDキャリアでULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)が存在する場合、ユーザ端末は、当該TDDキャリアで上りデータ送信を行う。一方で、1ms後に当該TDDキャリアにULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)がない場合、ユーザ端末は、FDDキャリアのULで上りデータ送信を行う。
図10Bの場合も、ユーザ端末は、UL割当てに対する上りデータが1ms後に送信されるとした場合に、UL割当てが行われたTTIの1ms後にTDDキャリアで上りデータ送信が可能であるか判断する。1ms後に当該TDDキャリアにULサブフレーム又は特別サブフレーム(UpPTS)が存在せず、他のTDDキャリアでULリソース(ULサブフレーム及び/又は特別サブフレーム(UpPTS))が存在する場合、ユーザ端末は、他のTDDキャリアのULリソースで上りデータ送信を行う。
このように、特別サブフレームのUpPTSを利用して上りデータ送信を行うことにより、図9と比較して自キャリア(TDDキャリア)の周波数利用効率をさらに向上することができる。
また、上記図6で示したように、既存システムにおける特別サブフレームのUpPTS(最大2シンボル)では上りデータ送信がサポートされていない。したがって、既存の特別サブフレームのUpPTSを利用して上りデータ送信を行う場合、1又は2シンボルで上りデータを送信する必要がある。この場合、1又は2シンボルで上りデータを送信可能なPUSCH構成(新規PUSCH構成)を規定して、UpPTSの1又は2シンボルに対するPUSCHの割当て制御を行う構成とすることができる(図13A参照)。
また、UpPTSで利用する新規PUSCH構成は、ULサブフレームにおける短縮TTIのPUSCH送信にも適用する構成としてもよい。この場合、TDDキャリアのULサブフレーム(短縮TTI)と、特別サブフレームにおけるUpPTSに対して同じPUSCH構成を利用することができる。これにより、短縮TTIの導入によりユーザ端末が新規に実装しなければならないPUSCH構成の数を減らすことができ、端末実装コストを低減することができる。なお、ここで述べているPUSCH構成とは、ULデータのリソース要素へのマッピング順序、DMRSのマッピング場所、SRSのマッピング場所、並びにUCI on PUSCH適用時のPUSCHリソース内でのUCI(CQI/PMI、RI、HARQ−ACK)マッピングルールを表す。
また、既存のTDDキャリアの特別サブフレームでは、UpPTSのシンボル数が最大2シンボルに制限されている。そこで、本実施の形態では、3シンボル以上のUpPTSを有する新規の特別サブフレーム構成を設定してもよい(図13B参照)。図13Bでは、DwPTSを5シンボル、ギャップを2シンボル、UpPTSを7シンボルで構成する場合を示しているが、特別サブフレームの構成はこれに限られない。
この場合、短縮TTIで送信されるULグラントに対する上りデータを特別サブフレームのUpPTSに割当てしやすくすることができる。これにより、遅延削減を図ることが可能となる。
(第3の態様)
第3の態様では、上記第1の態様及び/又は第2の態様を上りのキャリアアグリゲーションの能力(UL-CA capability)をサポートしないユーザ端末に対しても適用する場合について説明する。
ユーザ端末が複数のCC(又は、セル、キャリア)を利用してUL送信を行う場合、キャリアアグリゲーションの能力をサポートする必要がある。一方で、既存のユーザ端末(レガシー端末)の存在や、ユーザ端末の低コスト化等を考慮すると、UL−CAの能力を具備しないユーザ端末に対しても、短縮TTIを利用するTTDキャリアにおける通信をサポートすることが好ましい。
例えば、短縮TTIのUL送信向けのペアバンドが設定されているが、UL−CAが設定されていない場合でも、当該ペアバンドを利用したUL送信を行う構成を許容する。具体的には、TDDキャリアのUL送信用に利用するペアバンドにおいてUL送信が存在するタイミングでは、当該TDDキャリア(自キャリア)のUL送信を行わない(制限する)構成とすればよい。
例えば、TDDキャリアのUL送信(A/N、上りデータ等)に利用する他のキャリアがFDDのULである場合を想定する。かかる場合、ユーザ端末は、ペアバンドでUL送信があるタイミング(この場合、毎サブフレーム(TTI))において、TDDキャリアのUL送信を行わないように制御する(図14参照)。
この場合、ペアバンドでUL送信が存在するタイミングにおいて、TDDキャリア(自キャリア)でCQI報告やSRS送信等のUL送信が設定されている場合、ユーザ端末は、自キャリアのUL送信はドロップ(無送信)するように制御することができる。なお、TDDキャリアにおけるCQI報告は、他のキャリア(例えば、ペアバンド)を利用して行ってもよい。
また、ユーザ端末は、TDDキャリアにおいて短縮TTIが設定されている場合であっても、通常TTIを利用した送受信を行う場合には、当該TDDキャリア(自キャリア)を用いて送受信を行うように制御することができる。この場合、HARQタイミング、UL送信タイミングは既存システムと同じタイミングを利用してもよい。
このように、ペアバンドでUL送信が存在するタイミングにおいて当該TDDキャリアのUL送信を行わない(制限する)構成とすることにより、CA能力(例えば、UL−CA能力)を有していないユーザ端末に対してもペアバンドを利用したUL送信を行うことができる。なお、この場合、ペアバンドを利用したUL送信を行うユーザ能力(UE capability)シグナリングとして、CAやUL−CA能力とは独立したシグナリングを規定してもよい。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図15は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図15に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。なお、ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。なお、複数のセルのいずれかに短縮TTIを適用するTDDキャリアが含まれる構成とすることができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクにOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクにSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、上りリンクでOFDMAが用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認情報(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。送達確認情報(ACK/NACK)や無線品質情報(CQI)などの少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
<無線基地局>
図16は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
送受信部(送信部)103は、ユーザ端末に短縮TTIでDL信号(下り制御情報、下りデータ等)を送信する。送受信部(受信部)103は、DL送信に対するUL信号を受信する。例えば、送受信部(受信部)103は、TDDキャリアの短縮TTI毎に送信されるDL信号に対するUL信号の少なくとも一部を、他のキャリアを用いて所定タイミングで受信することができる(図8参照)。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図17は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図17では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図17に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS(Cell-specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)等のスケジューリングの制御も行う。また、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号等のスケジューリングを制御する。
制御部301は、送受信部(送信部)103の送受信を制御することができる。例えば、制御部301は、ユーザ端末上り制御情報と上りデータの受信を制御する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下りデータ信号、下り制御信号を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。具体的には、送信信号生成部302は、ユーザデータを含む下りデータ信号(PDSCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、DCI(ULグラント)を含む下り制御信号(PDCCH/EPDCCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号を生成して、マッピング部303に出力する。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(HARQ−ACK、PUSCH等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図18は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
送受信部(受信部)203は、無線基地局から送信されるDL信号(例えば、下り制御情報、下りデータ等)を受信する。また、送受信部(送信部)203は、受信したDL信号に対する上り制御情報と上りデータを送信する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図19は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図19においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図19に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、判定部405と、を備えている。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)など)や上りデータ信号の生成を制御する。具体的には、制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。
制御部401は、TDDキャリアの短縮TTI毎に送信されるDL信号に対するUL信号の少なくとも一部を、他のキャリアを用いて所定タイミングで送信するように制御することができる(図8参照)。他のキャリアは、TDDのペアバンドとして設定されるFDDのUL、又は他のTDDキャリアとすることができる。DL信号に対するUL信号は、DL信号に対するHARQ−ACK、及び/又はDL信号で送信が指示されるULデータ(非周期的CSI含んでもよい)とすることができる。
また、制御部401は、他のキャリアを用いて送信するUL信号を、TDDキャリアおいてDL信号を受信した短縮TTIと、TDDキャリアのUL送信タイミング及び/又は他のキャリアのUL送信タイミングと、に基づいて決定することができる。あるいは、制御部401は、TDDキャリアのDL信号に含まれる制御情報に基づいてUL信号を送信するキャリアを決定することができる。
また、制御部401は、TDDキャリアのDL信号に対するUL信号の一部を他のキャリアを用いて送信し、他のUL信号をTDDキャリアのULサブフレーム及び/又は特別サブフレームに含まれるUpPTSで送信するように制御することができる(図9、図10参照)。
また、制御部401は、他のUL信号を前記特別サブフレームに含まれるUpPTSで送信する場合、新規PUCCHフォーマット(新規PUSCH構成)及び/又は3シンボル以上UpPTSを有する特別サブフレーム構成を利用することができる(図11、図13参照)。
また、制御部401は、他のキャリアがTDDキャリアと異なる他のTDDキャリアであり、TDDキャリアのDL信号に対するUL信号の送信タイミングにおいて他のTDDキャリアでULリソースが存在しない場合、TDDキャリアのDL信号に対するUL信号を、所定タイミングより長い送信タイミングで送信するように制御することができる(図14参照)。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局から送信された下り制御信号、PDSCHで送信された下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、判定部405に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
判定部405は、受信信号処理部404の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うと共に、判定結果を制御部401に出力する。複数CC(例えば、6個以上のCC)から下り信号(PDSCH)が送信される場合には、各CCについてそれぞれ再送制御判定(ACK/NACK)を行い制御部401に出力することができる。判定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される判定回路又は判定装置から構成することができる。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図20は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDMシンボル、SC−FDMAシンボルなど)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームが送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプリフィクス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。例えば、上述の各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2016年1月27日出願の特願2016−013685に基づく。この内容は、全てここに含めておく。