JP6938297B2 - 質量分析装置および質量分析方法 - Google Patents

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本発明は、質量分析装置および質量分析方法に関するものである。
試料の分子をイオン化する手法の一つとして、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(Matrix-AssistedLaser Desorption/Ionization、MALDI)法が知られている。MALDI法では、試料とマトリックスとの混合物にパルスレーザ光が照射され、このパルスレーザ光のエネルギを吸収したマトリックスから熱が放出される。この熱により試料およびマトリックスが気化され、また、試料の分子とマトリックスの分子との間で電荷の授受が行われて、試料の分子がイオン化される。マトリックスとして、パルスレーザ光の照射によりイオン化され易い低分子量の有機化合物が好適に用いられる。
これに対して、マトリックスと混合することなく試料に直接にパルスレーザ光を照射して該試料の分子をイオン化するレーザ脱離イオン化(Laser Desorption/Ionization、LDI)法も知られている。LDI法では試料が損傷を受ける場合があるのに対して、MALDI法ではマトリックスと混合されることで試料の損傷が回避され得る。したがって、MALDI法は、破壊され易い分子量の高い生体分子(例えば、蛋白質、多糖など)のイオン化に適している。
また、MALDI法により生成されたイオンは、飛行時間型質量分析(Time-of-Flight Mass Spectrometry、TOF-MS)法により質量分析が行われる。すなわち、TOF-MS法では、MALDI法により生成されたイオンは、電界により加速されて、検出部まで飛行していく。このとき、イオンの質量mと電荷zとの比(質量電荷比m/z)が大きいほど、そのイオンの飛行速度は低速になるので、そのイオンは検出部に遅く到達する。したがって、検出部におけるイオン到達時刻分布(イオン飛行時間分布)を示す時間波形信号に基づいて試料の質量スペクトルを求めることができる。
非特許文献1に、MALDI法およびTOF-MS法を組み合わせた質量分析の自動化技術が記載されている。この文献に記載された質量分析の自動化技術は、ファジー理論エンジンを用いて、検出部により検出された試料の質量スペクトルの平均イオン強度および質量分解能を評価し、その評価結果に基づいてパルスレーザ光のフルエンスをフィードバック制御する。この制御により、質量スペクトルの平均イオン強度および質量分解能それぞれが所定範囲内に維持される。従来では熟練者が質量スペクトルの形状を見てフルエンスを調整していたところ、この自動化技術によれば、熟練者が調整する場合と同程度の分析結果が得られるとしている。なお、フルエンスは、単位光照射面積当たりの光エネルギである。質量分解能は、質量スペクトルにおけるピーク位置の質量mと半値全幅Δmとの比(m/Δm)で定義することができる。
Ole N. Jensen, et al., "Automationof Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization Mass Spectrometry Using Fuzzy LogicFeedback Control," Analytical Chemistry, Vol.69,No.9, pp.1706-1714 (1997).
従来の技術では、パルスレーザ光のフルエンスは、イオン発生閾値に近い低いフルエンス領域に設定される。非特許文献1に記載された技術でも、低いフルエンス領域においてフルエンスをフィードバック制御している。これは、低いフルエンス領域において高い質量分解能が得られるからである。しかし、パルスレーザ光のフルエンスが低いと、パルスレーザ光の1ショット当たりに発生するイオンの個数は少ない。高いSN比の質量スペクトルを得るためには、パルスレーザ光のショット数を多くして、時間波形信号の積算数を多くすることが必要となる。したがって、高SN比の質量スペクトルを得るのに長時間を要することになる。
一方、パルスレーザ光のフルエンスが高いと、パルスレーザ光の1ショット当たりに発生するイオンの個数は多い。しかし、この場合、時間波形信号において、分析対象の試料のイオンのピーク値が小さくなるともに、半値全幅Δmが大きくなって、分析対象の試料のイオンについて質量分解能が低下することがある。これは、パルスレーザ光のエネルギの大部分がマトリックスに吸収されることに因ると考えられる。以下では、このような状態を「マトリックスモード」という。これに対して、分析対象の試料のイオンについて、イオンのピーク値が「マトリックスモード」に比べて大きく且つ高い質量分解能が得られる状態を「試料分子モード」という。
パルスレーザ光のフルエンスが高いと、パルスレーザ光のショット毎に試料分子モードおよびマトリックスモードの何れかとなる。特に、フルエンスを高くしても1ショット当たりの発生イオン数が殆ど増加しなくなる飽和フルエンス領域では、マトリックスモードとなる頻度が高い。このような現象が生じるメカニズムは未だ解明されていない。
以上のような事情から、従来の技術では、SN比および質量分解能の双方が高い質量スペクトルを短時間に得ることは困難であった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、SN比および質量分解能の双方が高い質量スペクトルを短時間に得ることができる質量分析装置および質量分析方法を提供することを目的とする。
本発明の質量分析装置は、(1) 分析対象の試料とマトリックスとの混合物に照射すべきパルスレーザ光を出力するレーザ光源と、(2) パルスレーザ光が混合物に照射されることによって混合物から生じたイオンを電界によって加速させ飛行させる加速部と、(3) 加速部から飛行してきたイオンが到達する位置に設けられ、パルスレーザ光のショット毎に、当該イオン到達時刻分布を表す時間波形信号を出力するとともに、到達したイオン像の大きさを表すイオン像信号をも出力する検出部と、(4) パルスレーザ光のショット毎に、イオン像信号に基づいてイオン像の大きさが閾値より大きいか否かを判定し、イオン像が閾値より大きいと判定したときの時間波形信号を除外し、他の時間波形信号を積算して試料の質量スペクトルを求める処理部と、を備える。
本発明の質量分析方法は、(1) レーザ光源から出力されたパルスレーザ光を分析対象の試料とマトリックスとの混合物に照射する照射ステップと、(2) パルスレーザ光が混合物に照射されることによって混合物から生じたイオンを加速部において電界によって加速させ飛行させる加速ステップと、(3) 加速部から飛行してきたイオンが到達する位置に設けられた検出部により、パルスレーザ光のショット毎に、当該イオン到達時刻分布を表す時間波形信号を出力するとともに、到達したイオン像の大きさを表すイオン像信号をも出力する検出ステップと、(4) パルスレーザ光のショット毎に、イオン像信号に基づいてイオン像の大きさが閾値より大きいか否かを判定し、イオン像が閾値より大きいと判定したときの時間波形信号を除外し、他の時間波形信号を積算して試料の質量スペクトルを求める処理ステップと、を備える。
本発明の質量分析装置または質量分析方法では、検出部は、イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させるマイクロチャネルプレートと、マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けて第1信号を出力する第1アノード電極と、第1アノード電極とは別個に設けられマイクロチャネルプレートから出力される電子を受けて第2信号を出力する第2アノード電極と、を含み、第1信号および第2信号のうち一方を時間波形信号として出力し、他方をイオン像信号として出力するのが好適である。
また、本発明の質量分析装置または質量分析方法では、検出部は、イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させるマイクロチャネルプレートと、マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けてイオン像に応じた蛍光像を形成するとともに時間波形信号を出力する蛍光板と、蛍光板に形成された蛍光像を撮像して得られた撮像データをイオン像信号として出力する撮像部と、を含むのも好適である。
本発明の質量分析装置では、処理部は、時間波形信号に基づいて、混合物に照射されるパルスレーザ光のフルエンスを制御するのが好適である。また、本発明の質量分析方法では、処理ステップにおいて、時間波形信号に基づいて、混合物に照射されるパルスレーザ光のフルエンスを制御するのが好適である。
本発明によれば、SN比および質量分解能の双方が高い質量スペクトルを短時間に得ることができる。
図1は、質量分析装置1の構成を示す図である。 図2は、検出部50の第1構成例を示す図である。図2(a)は第1アノード電極71および第2アノード電極72の配置を示す。図2(b)は断面を示す。 図3は、時間波形信号の例を示す図である。図3(a)は、マトリックスモードのときの時間波形信号を示す。図3(b)は、試料分子モードのときの時間波形信号を示す。 図4は、MCP70に到達するイオン像(MCP70から出力される電子像)の例を示す図である。図4(a)は、マトリックスモードのときのイオン像を示す。図4(b)は、試料分子モードのときのイオン像を示す。 図5は、第1アノード電極71から出力される第1信号(時間波形信号)および第2アノード電極72から出力される第2信号(イオン像信号)それぞれの波形を説明する図である。 図6は、検出部50の第2構成例を示す図である。 図7は、フルエンスの時間変化の一例を示す図である。 図8は、フルエンスの時間変化の他の一例を示す図である。 図9は、各照射スポットから得られる積算イオン数とフルエンスとの間の関係を示すグラフである。 図10は、各照射スポットから得られる1ショット当たりのイオン数とショット回数との間の関係を示すグラフである。 図11は、各照射スポットから得られる積算イオン数を示すグラフである。 図12は、質量分析装置1Aの構成を示す図である。 図13は、フルエンスの時間変化の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、質量分析装置1の構成を示す図である。質量分析装置1は、レーザ光源10、強度調整部20、TOFチューブ30、試料台駆動部40、検出部50および処理部60を備える。分析対象の試料とマトリックスとの混合物は、TOFチューブ30内の試料台31に置かれる。
レーザ光源10は、試料台31に置かれた混合物に照射すべきパルスレーザ光を出力する。例えば、レーザ光源10は、波長337nmのパルスレーザ光を出力する窒素レーザ光源である。強度調整部20は、レーザ光源10から出力されたパルスレーザ光を入力し、そのパルスレーザ光の強度を調整して出力する。強度調整部20は、例えば、入力電圧に応じて光強度を変調することができる音響光学素子(Acousto-Optic Modulator、AOM)またはNDフィルタを含んで構成される。
ミラーMは、強度調整部20から出力されたパルスレーザ光を反射させて、そのパルスレーザ光を試料台31に置かれた混合物に照射する。ミラーMは、パルスレーザ光を混合物に集光照射する軸外し放物面鏡であってもよい。或いは、パルスレーザ光を混合物に集光照射する集光レンズが光路上に設けられてもよい。
TOFチューブ30内には試料台31に対向して引き出し電極32が設けられている。試料台31と引き出し電極32との間に電圧が印加される。このような電圧が印加された試料台31および引き出し電極32は、パルスレーザ光が混合物に照射されることによって混合物から生じたイオンを電界によって加速させ飛行させる加速部として作用する。試料台駆動部40は、試料台31を移動させることができ、これにより混合物におけるパルスレーザ光照射位置を走査することができる。
検出部50は、加速部から飛行してきたイオンが到達する位置に設けられる。検出部50は、パルスレーザ光のショット毎に、当該イオン到達時刻分布を表す時間波形信号を出力するとともに、到達したイオン像の大きさを表すイオン像信号をも出力する。検出部50の構成例については後述する。
処理部60は、検出部50から出力された時間波形信号およびイオン像信号を入力する。処理部60は、パルスレーザ光のショット毎に、イオン像信号に基づいてイオン像の大きさが閾値より大きいか否かを判定する。そして、処理部60は、イオン像が閾値より大きいと判定したときの時間波形信号を除外し、他の時間波形信号を積算して試料の質量スペクトルを求める。
処理部60は、強度調整部20によるパルスレーザ光の強度調整を制御する。また、処理部60は、試料台駆動部40による混合物におけるパルスレーザ光照射位置の1次元状または2次元状の走査を制御する。処理部60は、分析条件、分析開始指示、分析終了指示などの入力を受け付ける入力部を有する。また、処理部60は、分析結果などを表示する表示部を有する。例えば、処理部60は、入力部としてのキーボード等および表示部としてのディスプレイを有するコンピュータである。
この質量分析装置1を用いた質量分析方法は以下のとおりである。レーザ光源10から出力されたパルスレーザ光は、強度調整部20により強度が調整され、試料台31に置かれた混合物に照射される(照射ステップ)。パルスレーザ光が混合物に照射されることによって混合物から生じたイオンは、試料台31と引き出し電極32とからなる加速部において電界によって加速されて飛行する(加速ステップ)。加速部から飛行してきたイオンが検出部50に到達すると、その検出部50から、パルスレーザ光のショット毎に、当該イオン到達時刻分布を表す時間波形信号が出力されるとともに、到達したイオン像の大きさを表すイオン像信号も出力される(検出ステップ)。
そして、処理部60により、パルスレーザ光のショット毎に、イオン像信号に基づいてイオン像の大きさが閾値より大きいか否かが判定され、イオン像が閾値以下であると判定されたときの時間波形信号が積算されて、試料の質量スペクトルが求められる(処理ステップ)。また、試料台駆動部40による混合物におけるパルスレーザ光照射位置の走査により、混合物の各位置における試料の質量スペクトルが求められ得る。
図2は、検出部50の第1構成例を示す図である。図2(a)は第1アノード電極71および第2アノード電極72の配置を示す。図2(b)は断面を示す。第1構成例の検出部50Aは、マイクロチャネルプレート(Micro-Channel Plate、MCP)70、第1アノード電極71および第2アノード電極72を含む。
MCP70は、イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させる。MCP70は、多数のガラスキャピラリ(チャネル)が束ねられた板状構造を有する。各チャネルは、内径が数μm〜20μmであり、内壁を抵抗体および二次電子放出体とするものである。板状構造のMCP70の一方の面にイオンが到達してチャネル内に入射し、そのイオンがチャネルの内壁に衝突すると、そこから電子が放出される。その電子が更にチャネルの内壁に衝突すると、二次電子が放出される。このように各チャネルは電子増倍機能を有する。板状構造のMCP70の一方の面に到達したイオン像は、MCP70の他方の面から電子像として出力される。
第1アノード電極71および第2アノード電極72は、MCP70の電子像出力側に互いに別個に設けられている。第1アノード電極71は、MCP70から出力される電子を受けて第1信号を出力する。第2アノード電極72は、MCP70から出力される電子を受けて第2信号を出力する。検出部50Aは、第1信号および第2信号のうち一方を時間波形信号として出力し、他方をイオン像信号として出力する。処理部60は、これら第1信号および第2信号を入力する。
第1アノード電極71および第2アノード電極72は、図2(a)に示されるような配置とされるのが好適である。すなわち、円形板状の第1アノード電極71を囲むように、リング型板状の第2アノード電極72が配置されているのが好ましい。この場合、第1アノード電極71から出力される第1信号が時間波形信号となり、第2アノード電極72から出力される第2信号がイオン像信号となる。このことについて、図3および図4を用いて説明する。
図3は、時間波形信号の例を示す図である。図3(a)は、マトリックスモードのときの時間波形信号を示す。図3(b)は、試料分子モードのときの時間波形信号を示す。各図において、下部の波形は、上部の波形の一部(分析対象の試料分子の質量付近)を拡大したものである。マトリックスモードのときの時間波形信号(図3(a))では、マトリックスのイオンのピーク値が大きい一方で、分析対象の試料のイオンのピーク値が小さく、また、試料イオンのピークの半値全幅が大きいので、質量分解能が低い。これに対して、試料分子モードのときの時間波形信号(図3(b))では、マトリックスのイオンのピーク値が小さい一方で、分析対象の試料のイオンのピーク値が大きく、また、試料イオンのピークの半値全幅が小さいので、質量分解能が高い。
図4は、MCP70に到達するイオン像(MCP70から出力される電子像)の例を示す図である。図4(a)は、マトリックスモードのときのイオン像を示す。図4(b)は、試料分子モードのときのイオン像を示す。両イオン像の大きさを対比すると、マトリックスモードのときのイオン像(図4(a))は、試料分子モードのときのイオン像(図4(b))より大きい。また、マトリックスモードおよび試料分子モードの何れの場合においても、マトリックスイオンおよび分析対象の試料イオンの双方を含む全イオンの像と、分析対象の試料イオンの像とは、互いに略同じ大きさである。
本実施形態では、このことを利用して、イオン像の大きさに基づいて、マトリックスモードおよび試料分子モードの何れであるかを判定する。図2に示される構成では、試料分子モードのときと比べて、マトリックスモードのときに、第2アノード電極72から出力される第2信号(イオン像信号)の値が大きくなる。したがって、処理部60は、この第2信号の値が或る閾値より大きい場合に、マトリックスモードであると判定することができる。この閾値は値0でもよい。処理部60は、第2信号の値が閾値以下である場合に、試料分子モードであると判定して、第1アノード電極71から出力される第1信号(時間波形信号)を積算し、試料の質量スペクトルを求める。
図5は、第1アノード電極71から出力される第1信号(時間波形信号)および第2アノード電極72から出力される第2信号(イオン像信号)それぞれの波形を説明する図である。この図には、パルスレーザ光の3ショット分の第1信号(時間波形信号)および第2信号(イオン像信号)が示されている。この図に模式的に示される例では、ショットNo.2は、第2信号(イオン像信号)の値が大きいので、マトリックスモードであると判定される。これに対して、ショットNo.1およびショットNo.3は、第2信号(イオン像信号)の値が小さいので、試料分子モードであると判定されて、第1信号(時間波形信号)が積算される。
なお、第1アノード電極71および第2アノード電極72の形状および配置は、図2に示されたものに限られない。第1アノード電極71から出力される第1信号および第2アノード電極72から出力される第2信号のうち、少なくとも一方からイオン像の大きさが判定され、少なくとも他方から時間波形信号が得られればよく、その限りにおいて、第1アノード電極71および第2アノード電極72の形状および配置は任意である。第1信号および第2信号それぞれの値の差または比に基づいて、イオン像の大きさを判定して、マトリックスモードおよび試料分子モードの何れであるかを判定してもよい。また、第1信号および第2信号の和を時間波形信号としてもよい。
検出部50は他の構成を有するものであってもよい。図6は、検出部50の第2構成例を示す図である。第2構成例の検出部50Bは、MCP70、蛍光板73、撮像部74、抵抗器75、定電圧源76およびコンデンサ77を含む。
蛍光板73は、MCP70の電子像出力側に設けられている。蛍光板73は、抵抗器75を介して定電圧源76と接続されており、一定の電圧が与えられている。また、蛍光板73は、コンデンサ77を介して処理部60と接続されている。蛍光板73は、MCP70から出力される電子を受けてイオン像に応じた蛍光像を形成するとともに、コンデンサ77を介して処理部60へ時間波形信号を出力する。
撮像部74は、蛍光板73に形成された蛍光像を撮像して得られた撮像データをイオン像信号として出力する。撮像部74は、例えばCCDカメラまたはCMOSカメラである。撮像部74は、蛍光板73に形成された蛍光像を結像光学系により撮像素子に結像して撮像する。
撮像部74は、複数の画素が2次元配列された撮像素子(エリアセンサ)を有して2次元画像データを出力するものであってもよい。この場合、処理部60は、この2次元画像データを解析することでイオン像の大きさを判定することができる。
また、撮像部74は、浜松ホトニクス社製の2次元射影データ取得用高速フレームレートセンサ(プロファイルセンサ)S9132を受光素子として有するものであってもよい。このプロファイルセンサは、受光素子上のX方向およびY方向それぞれの射影データの取得に特化した高性能CMOSエリアセンサである。X方向およびY方向それぞれの射影プロファイルはデータ量が小さいので、通常のエリアセンサに比べてスポット光の高速な位置および大きさの検出が可能である。この場合、処理部60は、これらX方向およびY方向それぞれの射影プロファイルを解析することでイオン像の大きさを判定することができる。
本実施形態では、パルスレーザ光のフルエンスを高くして1ショット当たりに発生するイオンの個数を多くした場合(すなわち、マトリックスモードになり易い場合)であっても、質量分解能の低下をもたらすマトリックスモードのときの時間波形信号を除外する一方で、質量分解能が高い試料分子モードのときの時間波形信号を積算することができる。したがって、SN比および質量分解能の双方が高い質量スペクトルを短時間に得ることができる。本実施形態は、イオン発生閾値に近い低いフルエンス領域(マトリックスモードになる頻度が低い領域)にも適用が可能である。
次に、フルエンスの制御について説明する。本実施形態では、試料に照射するパルスレーザ光の各ショットのフルエンスを一定としてもよいが、各照射位置について各ショットのフルエンスを強度調整部20により変化させてもよい。
強度調整部20がAOMを含む場合、処理部60は、AOMに与える電圧を変化させることでフルエンスを調整することができる。AOMは、TTLレベルの電圧で例えば0〜1Vの時間波形が入力されると、その時間波形に応じて出力光の強度を変調することができる。パルスレーザ光の繰り返し周波数が10kHzであるとすると、ショット間隔は100μsとなる。このパルスレーザ光をAOMに通過させ、予め用意されたパターンの制御用信号をAOMに入力することで、フルエンスを制御することができる。例えば、各々の照射スポットに対し100ショット照射し、試料台駆動部40による次の照射スポットへの移動時間が100msとした場合、フルエンスの時間波形の一例は図7のようになる。図7は、フルエンスの時間変化の一例を示す図である。照射スポット位置を変更するのに要する期間(100ms)には、AOMへの入力電圧を0に設定して、パルスレーザ光が混合物に照射されないようにする。AOMへの制御用信号のパターンを複数準備しておいて、試料または測定条件毎に最適なパターンを選択するようにしてもよい。
強度調整部20がAOMを含む場合、処理部60は、時間波形信号に基づいてAOMへの入力電圧を調整して、混合物に照射されるパルスレーザ光のフルエンスをフィードバック制御するのも好適である。例えば、処理部60は、繰り返し周波数10kHzのパルスレーザ光(1秒間に1万ショット)により検出部50から出力された時間波形信号を100ショット(10ms)毎に積算し、その積算結果に基づいて、フィードバックを掛けたい分析対象イオンのピーク強度を求める。この積算に際して、マトリックスモードの時間波形信号を除外する。処理部60は、その求めた分析対象イオンのピーク強度が目標ピーク強度となるように、AOMへの入力電圧を調整してフルエンスを制御する。繰り返し周波数10kHzのパルスレーザ光を各々の照射スポットに対して1000ショット照射するとともに、フルエンスのフィードバック制御を行う場合、フルエンスの時間波形の一例は図8のようになる。図8は、フルエンスの時間変化の一例を示す図である。この場合、10ms毎に、計10回フルエンスの値が更新される。
図9は、各照射スポットから得られる積算イオン数とフルエンスとの間の関係を示すグラフである。ここでは、分析対象の試料としてペプチド試料であるブラジキニン(bradykinin)50pmol/μLを用い、マトリックスとしてα-CHCA(α-Cyano-4-hydroxycinnamic Acid)を用いた。また、レーザ光源10として出力波長355nmで繰り返し周波数20Hzのものを用いた。混合物における照射スポットの大きさは147μm×275μmであった。この図に示されるように、フルエンスが小さい領域では、フルエンスを大きくすれば、それに応じて積算イオン数は増加する。しかし、フルエンスが大きい領域(飽和フルエンス領域)では、フルエンスを大きくしても、それに応じた積算イオン数の増加が認められなくなる。この図に示される例では、フルエンスが大凡30J/mを越えると飽和フルエンス領域となる。
本実施形態の質量分析装置1および質量分析方法は、イオン発生閾値に近い低いフルエンス領域においても適用することができ、また、飽和フルエンス領域においても適用することができる。特に後者の場合において、本実施形態では、SN比および質量分解能の双方が高い質量スペクトルを短時間に得ることができる。
図10は、各照射スポットから得られる1ショット当たりのイオン数とショット回数との間の関係を示すグラフである。この図には、試料に照射するパルスレーザ光の各ショットのフルエンスを調整せず一定とした場合と、各ショットのフルエンスをフィードバック制御した場合と、が示されている。測定条件は、図9の条件と同様である。
この図に示されるように、試料に照射するパルスレーザ光の各ショットのフルエンスを調整せず28J/mで一定とした場合、ショット回数が少ないときにはショット回数の増加に従って1ショット当たりのイオン数が増加していくこともあるが、或るショット回数を越えるとショット回数の増加に従って1ショット当たりのイオン数が減少していく。
一方、各ショットのフルエンスを初期値28J/mから始めてフィードバック制御した場合、ショット回数が増加しても、1ショット当たりのイオン数の減少が抑制されている。このように、飽和フルエンス領域またはこれに近い領域であっても、SN比および質量分解能の双方が高い質量スペクトルを短時間に得ることができる。
図11は、各照射スポットから得られる積算イオン数を示すグラフである。この図には、試料に照射するパルスレーザ光の各ショットのフルエンスを調整せず初期値のまま一定とした場合と、各ショットのフルエンスを初期値から始めてフィードバック制御した場合と、が示されている。初期値は、28J/m、42.9J/m、61.8J/m、102.4J/m の各値とした。他の測定条件は、図9の条件と同様である。この図に示されるように、各ショットのフルエンスを調整せず初期値のまま一定とした場合に対し、各ショットのフルエンスを初期値から始めてフィードバック制御した場合には、積算イオン数は1.6倍〜2.5倍も増加した。
各ショットのフルエンスを初期値から始めてフィードバック制御する場合、そのフルエンスの初期値は、イオン発生閾値に近い低いフルエンス領域の値であってもよいし、飽和フルエンス領域またはこれに近い領域の値であってもよい。フルエンス初期値は、最大イオン強度が得られるフルエンスに対し50%〜90%の範囲にある値であってもよい。フルエンス初期値は、飽和フルエンス領域より幾らか小さい値であるのが好ましい。
次に、他の実施形態について説明する。図12は、質量分析装置1Aの構成を示す図である。この図12に示される質量分析装置1Aは、図1に示された構成において強度調整部20に替えて強度調整部20Aを備える。強度調整部20Aは、第1回転NDフィルタ21、第2回転NDフィルタ22およびシャッタ23を含む。これらの配置順は任意である。
第1回転NDフィルタ21および第2回転NDフィルタ22それぞれは、回転自在な円盤形状であって、周方向に沿った透過率分布を有し、その回転方位に応じた透過率でパルスレーザ光を透過させることができる。シャッタ23は、パルスレーザ光の通過/遮断を選択することができる。したがって、強度調整部20Aは、シャッタ23がオフ(遮断)状態であるときはフルエンスを値0に設定することができ、シャッタ23がオン(通過)状態であるときは第1回転NDフィルタ21および第2回転NDフィルタ22それぞれの透過率の積に応じたフルエンスを設定することができる。
図13は、強度調整部20Aを備える構成におけるフルエンスの時間変化の一例を示す図である。パルスレーザ光の繰り返し周波数が10kHzであるとすると、ショット間隔は100μsとなる。各照射スポットに1000ショットのパルスレーザ光を照射する場合、100msの測定期間に亘ってシャッタ23はオン状態とされる。照射スポットを移動させる期間が100msである場合、この100msの移動期間に亘ってシャッタ23はオフ状態とされる。
第2回転NDフィルタ22は、この100msの測定期間に1回転するように、処理部60により回転が制御される。第2回転NDフィルタ22は、シャッタ23がオン状態である100msの測定期間に1回転することで、その期間におけるフルエンスの時間変化を所望のパターンとすることができる。フルエンスは、シャッタ23がオン状態に転じた直後の初期値から次第に増加してくのが好ましい。また、第1回転NDフィルタ21は、フルエンス初期値を変更する場合に用いられる。
1,1A…質量分析装置、10…レーザ光源、20,20A…強度調整部、21…第1回転NDフィルタ、22…第2回転NDフィルタ、23…シャッタ、30…TOFチューブ、31…試料台、32…引き出し電極、40…試料台駆動部、50,50A,50B…検出部、60…処理部、70…マイクロチャネルプレート(MCP)、71…第1アノード電極、72…第2アノード電極、73…蛍光板、74…撮像部、75…抵抗器、76…定電圧源、77…コンデンサ。

Claims (8)

  1. 分析対象の試料とマトリックスとの混合物に照射すべきパルスレーザ光を出力するレーザ光源と、
    前記パルスレーザ光が前記混合物に照射されることによって前記混合物から生じたイオンを電界によって加速させ飛行させる加速部と、
    前記加速部から飛行してきたイオンが到達する位置に設けられ、前記パルスレーザ光のショット毎に、当該イオン到達時刻分布を表す時間波形信号を出力するとともに、到達したイオン像の大きさを表すイオン像信号をも出力する検出部と、
    前記パルスレーザ光のショット毎に、前記イオン像信号に基づいて前記イオン像の大きさが閾値より大きいか否かを判定し、前記イオン像が前記閾値より大きいと判定したときの前記時間波形信号を除外し、他の前記時間波形信号を積算して前記試料の質量スペクトルを求める処理部と、
    を備える質量分析装置。
  2. 前記検出部は、前記イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させるマイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けて第1信号を出力する第1アノード電極と、前記第1アノード電極とは別個に設けられ前記マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けて第2信号を出力する第2アノード電極と、を含み、前記第1信号および前記第2信号のうち一方を前記時間波形信号として出力し、他方を前記イオン像信号として出力する、
    請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記検出部は、前記イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させるマイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けてイオン像に応じた蛍光像を形成するとともに前記時間波形信号を出力する蛍光板と、前記蛍光板に形成された蛍光像を撮像して得られた撮像データを前記イオン像信号として出力する撮像部と、を含む、
    請求項1に記載の質量分析装置。
  4. 前記処理部は、前記時間波形信号に基づいて、前記混合物に照射されるパルスレーザ光のフルエンスを制御する、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の質量分析装置。
  5. レーザ光源から出力されたパルスレーザ光を分析対象の試料とマトリックスとの混合物に照射する照射ステップと、
    前記パルスレーザ光が前記混合物に照射されることによって前記混合物から生じたイオンを加速部において電界によって加速させ飛行させる加速ステップと、
    前記加速部から飛行してきたイオンが到達する位置に設けられた検出部により、前記パルスレーザ光のショット毎に、当該イオン到達時刻分布を表す時間波形信号を出力するとともに、到達したイオン像の大きさを表すイオン像信号をも出力する検出ステップと、
    前記パルスレーザ光のショット毎に、前記イオン像信号に基づいて前記イオン像の大きさが閾値より大きいか否かを判定し、前記イオン像が前記閾値より大きいと判定したときの前記時間波形信号を除外し、他の前記時間波形信号を積算して前記試料の質量スペクトルを求める処理ステップと、
    を備える質量分析方法。
  6. 前記検出ステップにおいて、前記検出部は、前記イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させるマイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けて第1信号を出力する第1アノード電極と、前記第1アノード電極とは別個に設けられ前記マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けて第2信号を出力する第2アノード電極と、を含み、前記第1信号および前記第2信号のうち一方を前記時間波形信号として出力し、他方を前記イオン像信号として出力する、
    請求項5に記載の質量分析方法。
  7. 前記検出ステップにおいて、前記検出部は、前記イオンの到達により電子を発生させるとともに電子を増倍させるマイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートから出力される電子を受けてイオン像に応じた蛍光像を形成するとともに前記時間波形信号を出力する蛍光板と、前記蛍光板に形成された蛍光像を撮像して得られた撮像データを前記イオン像信号として出力する撮像部と、を含む、
    請求項5に記載の質量分析方法。
  8. 前記処理ステップにおいて、前記時間波形信号に基づいて、前記混合物に照射されるパルスレーザ光のフルエンスを制御する、
    請求項5〜7の何れか1項に記載の質量分析方法。
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