JP6936155B2 - マイクロ流体分配を用いた長いヌクレオチド配列の標的富化 - Google Patents
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Description
a) 1つ又はそれ以上の標的特異的DNA分子を含む混合DNA分子の液体試料及び少なくとも1つの前記標的DNA分子(401)の特異的検出用試薬を提供し、
b) 前記液体試料(403)から複数の液滴の形成、
c) 少なくとも1つの前記標的DNA分子(404)を含む液滴の特異的検出、ここで、各液滴は、平均してより多くの前記標的DNA分子(404)の1つの0.5未満、好ましくは0.25未満又はより好ましくは0.1未満を含み、及び
d) 少なくとも1つの前記標的DNA分子(405)を含む液滴を物理的に選択し、
e) 工程d)から合体し選択された液滴におけるDNA分子の一般的な増幅、ここで、前記DNA分子は総量が300fg未満であり、一般的な増幅反応混合物を形成するために一般的な増幅試薬を、合体し選択された液滴に加え、及び各反応混合物5μl当たり少なくとも1.2x106から最大1.2x109の液滴が形成される、工程を含む方法。
a) 1つ又はそれ以上の標的特異的DNA分子を含む混合DNA分子の液体試料及び少なくとも1つの前記標的DNA分子(401)の特異的検出用試薬を提供し、
b) 前記液体試料(402)からの混合DNA分子をそれぞれ含む複数の液滴の形成、
c) 少なくとも1つの前記標的DNA分子404)を含む液滴の特異的検出、ここで、各液滴は、平均してより多くの前記標的DNA分子(404)の1つの0.5未満、好ましくは0.25未満又はより好ましくは0.1未満を含み、及び
d) 少なくとも1つの前記標的DNA分子(405)を含む液滴を物理的に選択し、ここで、
ステップ(a)における混合DNA分子の試料におけるその頻度と比較した標的DNA分子の頻度は、0.01x(DNA分子を含む液滴の総数)x(標的DNAを有する液滴の数)-1と100x(DNA分子を含む液滴の総数)x(標的DNAを有する液滴の数)-1との間で増加し、
e) 工程d)から合体し選択された液滴における混合DNA分子の一般的な増幅、ここで、混合DNA分子は総量が300fg未満であり、一般的な増幅反応混合物を形成するために一般的な増幅試薬を、合体し選択された液滴に加え、及び各反応混合物5μl当たり少なくとも1.2x106から最大1.2x109の液滴が形成される、工程を含む方法。
a) 潜在的に1つ又は複数の特異的標的DNA分子を含むDNA試料及び標的分子の存在を検出するための試薬を提供する(401)。
標的DNA分子を潜在的に含む混合DNA分子の試料が、PINSswiftを実施するために選択される。標的DNA分子内に位置する少なくとも10個(又は15個、より好ましくは40個)の固有ヌクレオチドの1つ又はそれ以上複数のヌクレオチド配列を、PCR検出、ハイブリダイゼーションプローブ又は同様のものによるDNA検出などの所望の方法によってSNA分子をスクリーニング及び検出するために選択する。標的DNA分子は、典型的には500塩基対より大きく、例えば2000〜108塩基対の間、好ましくは2,000〜200,000塩基対の間、より好ましくは10,000〜100,000塩基対の間である。標的DNA分子は、例えば、1つの感染病原体の診断の遺伝的マーカー配列及び抗生物質耐性遺伝子の第2の診断マーカー等の所与の遺伝的マーカーに対応する1つ以上の固有ヌクレオチド配列を含み得る。典型的には、混合DNA分子の試料中の標的DNA分子の頻度は10-2未満であり、例えば10-3〜10-9の間、又は例えば10-4〜10-7の間、又は10-11未満である(標的配列の塩基対を試料中の全DNAの塩基対で割ったものとして計算される)。増幅に先立って、混合DNA分子の液体試料を、その後の液滴形成ステップにおける各液滴が平均して0.01未満の標的DNA分子、好ましくは0.001未満又はより好ましくは平均して0.0001の特定DNA分子を含むまで、所望の希釈数で連続的に希釈した。典型的は、この方法の工程b)において形成される液滴の総数は、5x103〜1x1010の間、又は2x104〜1x107の間、又は5x105〜5x106の間である。したがって、混合DNA分子の液体試料が100,000液滴に分離される場合、平均して、標的DNA分子は、これらの液滴の1,000個未満、好ましくは100個未満、さらに好ましくは10個未満の液滴中に存在し得る。液滴中の標的DNA分子の存在又は非存在は、本明細書において例示されるような標的DNA分子の特異的検出のための方法を用いる場合、検出可能な標的DNA分子の存在又は非存在として本明細書で定義される。この希釈は、標的富化を確実にするために行われる。この希釈は、標的富化を確実にするために行われる。標的を含有する液滴の平均数が低い場合、液滴内の非標的分子に対する標的の頻度は高い。PCR検出のための試薬には、PCRポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)、1.5〜2.5mMのMg++濃度の1x標準Taq反応緩衝液、及び各デオキシヌクレオチドの200μM dNTPが含まれ、これは、Taq DNAポリメラーゼで生成されるほとんどのPCR産物に最適である。一般的に20〜40ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドプライマーであり、その配列は標的DNA分子の既知の配列の5 '及び3'末端に特異的に結合することができる。
希釈された試料DNAを含有する液滴及び標的DNAの特異的検出に必要な試薬を、閉鎖区画内の標的DNA配列を単離するための任意の液滴生成方法を用いて生成する。液滴生成のための適切な方法は、音響エネルギー放出液滴、誘電泳動(DEP)及び絶縁体上のエレクトロウェッティング(EWOD)等の能動的方法、シェアーフォーカシング(shear focusing)[1]、又はT接合、X接合及びフローフォーカシング[2]、ボルテックス振動並びに超音波処理等の受動的方法を含む。液滴に加えて、一般的な増幅は、マイクロ流体チップ内の反応チャンバのような他のマイクロボリューム区画でも起こり得る。
工程b)における液滴生成に続いて、液滴は、所望の検出技術を用いて標的DNA分子の存在のためにスクリーニングされる。標的DNA分子を含むことが示された少なくとも1つ又はそれ以上のスクリーニングされた液滴において、標的DNA分子の頻度は、工程(a)における混合DNA分子の試料におけるその頻度と比較して増加する。本発明の第1の実施形態によれば、液滴当たりのDNA断片の平均総数(例えば、ヒトゲノム由来の1つの遺伝子のような、試料中の単一の標的)は、1〜1,000、又は2〜100、又は3〜10のDNA断片である。1滴あたり平均で1つのDNA断片しか存在しない場合、ポジティブな液滴は平均して純粋な形態の標的DNA分子を含むと推測される。この方法の第2の実施形態によれば、本方法の工程b)で形成された全ての液滴は、混合DNAを含み、ポジティブな液滴の選択によって得られる頻度の増加は、典型的に、0.1x(DNA含有液滴の総数)x(標的DNAを有する液滴の数)-1及び10x(DNAを含む液滴の総数)x(標的DNAを有する液滴の数)-1の間である。
工程c)における標的DNAの検出に基づいて、液滴は、少なくとも2つの異なる流れに選別される。工程c)において1つ以上の特定の標的が検出された場合、液滴は3、4、5又はそれ以上のストリーム(stream)に選別され得る。標的が検出された液滴を含むストリームにおいて、工程a)における混合DNA分子の試料と比較して、標的は富化される。
特定の標的DNAを含み、DNA総量が300fg未満である選択された液滴からのDNAを、全DNA増幅の任意の方法を用いて増幅し、各試料中のDNAの存在量を増加させる。適切な一般的な増幅方法は、Multiple Displacement Amplification(MDA)[4]である。好ましい実施形態では、一般的な増幅を実施するために使用される酵素はPhi29ポリメラーゼであり; 好ましくは、一般的な増幅酵素は、Phi29ポリメラーゼからなり、それにより一般的な増幅は追加のポリメラーゼを必要としない。液滴の破壊、混合又は融合によって一般的な増幅のために試薬を加えること、又は例えば、遠心分離及び/又は超音波処理のような力を加えることによってエマルジョンを破壊することが必要な場合がある。
f) 標的DNAの特異的検出のためのDNA産物の不活性化、分解又は除去。
富化された標的DNA分子がさらなるラウンドのPINSswift又は検出産物の存在がこれらのさらなるプロセシングに干渉する他の施用に使用される場合、検出工程c)におけるDNAの増幅は、デオキシリボヌクレオチド(dNTP)、デオキシリボヌクレオチド(dNTP)の1つの代わりにdUTPを用いて行うことができ、任意で産物を選択的に分解、不活性化又は除去することができる。この不活性化は、UNG又はUDGとしても知られているウラシル-DNAグリコシラーゼなどの酵素を用いて行うことができる。
新規の工程(a)において(e)で得られた富化された標的DNA分子を含有する液滴を用いて、標的DNA分子をさらに富化することができる。
(e)で得られた富化された増幅標的DNA分子を用いて、MDAのような一般的増幅又はPCRのような特異的増幅を用いて、標的DNA分子をさらに増幅することができる。例えば、さらなる増幅は、工程e); 一般的な増幅のための試薬を水相に加え反応混合物を形成する工程;反応混合物から新しい液滴を生成させる、における一般的な増幅の後に得られた合体液滴から水相を回収することによって、及び液滴エマルジョンを30℃でインキュベートすることによって行うことができる。
スキームの概要を図4に示す(401)。元のDNA試料中の標的DNA分子の濃度を決定する。標的分子を含む液滴の予想される平均数(正の液滴)が0.5未満になるまで試料を希釈する。1つのターゲットのみが富化されている場合、平均的な陽性液滴の数はより少なくなり、富化がより大きくなるはずである。理想的には、液滴の試料全体は、特定の標的あたり2〜100,000、好ましくは5〜10,000、より好ましくは20〜100の陽性液滴を含むべきである。2つの異なる遺伝子のような2つの異なる特異的標的を同じ試料から富化する場合、陽性液滴の理想的な数は2倍高い。標的の1つ以上の配列バリアントが存在する場合、各バリアントは別個の標的DNA分子としてカウントされる。これらのヌクレオチド配列の各々は、別個のDNA分子としてカウントされる。目標数と、陽性液滴の平均数と、PINSswift後の富化度との間の相関関係を、標的あたり1ラウンドのPINSwift、20,000液滴及び10陽性液滴の例を用いて図3に示す。
PINSswiftは、多重PINSswiftを実行するように適合させることができる。多重PINSswiftは、第2の標的DNA分子を生成するための配列特異的プライマーを用いた第2の連続配列の増幅による、解析された混合DNA分子の試料中の少なくとも10(又は15、より好ましくは40)ヌクレオチドの第2の連続配列を検出するように設計された追加の特徴を使用する。いくつかの液滴が第1及び第2の連続配列の両方からの特異的検出(例えば、蛍光シグナルによる)を示す場合、それらは同じMDA増幅標的DNA分子上に位置する可能性が高い。
III.i 混合DNA分子の試料
PINSswiftは、標的DNA分子を含み得る混合DNA分子の試料に施用され得る。混合DNA分子の試料は、DNA分子の集団(例えば、染色体DNA分子又はプラスミドDNA分子)を含み、集団内の個々のDNA分子は、それらのDNA中の少なくとも10(又は15又はより好ましくは40)の核酸塩基対の既知の連続した配列内の少なくとも1つのヌクレオチドが異なり、そのような既知の連続した配列を含む標的分子が、試料中の非標的分子とは異なり、区別することができる。混合DNA分子の試料は、一本鎖RNA又はDNAポリヌクレオチドをさらに含み得る。混合DNA分子の試料中のDNA分子の集団は、標的DNA分子を含む。
本発明の一実施形態によれば、標的DNA分子は、細胞のゲノムに由来し、ゲノムは、染色体DNA若しくは染色体外DNAのいずれかであり得るか、又はウイルス若しくは無細胞DNAなどの細胞の外部に存在するDNAから得ることができる。さらに、標的DNA分子は、細胞に由来し得、細胞は、微生物細胞、植物細胞、動物細胞、原生生物細胞、真菌細胞、又は哺乳動物細胞の中から選択される。哺乳類細胞はヒト細胞であり得る。微生物細胞は、細菌細胞、酵母細胞又は真菌細胞であり得る。さらに、標的DNA分子は、真菌の菌糸体又は真菌の胞子に由来し得る。
標的DNA分子を含む混合DNA分子の試料は、自然又は生物(例えば生検)から採取した試料から調製することができる。DNA分子の選択的抽出のための方法は、当技術分野で公知である[4]。標的DNA分子が細胞に由来する場合、細胞からの全核酸分子(DNA又はRNAを含む)を放出するためには、通常、細胞破壊又は細胞透過化の工程が必要であり、この工程はDNA分子の選択的抽出の次の工程に先行する。
本発明の方法は、液滴がそれぞれ平均0.01未満の特異的標的分子を含む複数の液滴を形成することを含む。好ましい実施形態では、特定の標的分子の分布はポアソン分布に従う。一部の液滴は、標的分子と比較して10倍又はそれ以上の濃度で存在する非標的分子を含むことができ、他の液滴は標的分子のみを含むことができる。
本発明の方法は、標的DNA分子を含有する液滴中の標的核酸分子の検出をさらに含む。特定の実施形態において、検出は標的分子の一部の増幅を含む。増幅反応は、核酸分子を増幅するのに適しており、Taqmanプローブ、スコーピオンプローブ、分子ビーコンプローブ、パドロックプローブ、分子反転プローブ及びハイブリダイゼーションによって標的DNA分子の配列特異的認識によって機能し、標的配列の増幅時に蛍光が増加する任意の他のプローブのようなプローブを含む若しくは含まないポリメラーゼ連鎖反応、又はネステッドポリメラーゼ連鎖反応を含む。
ターゲットが検出されない液滴から検出可能な標的DNA分子を含む液滴を選択的に分離するために、ステアリング、加熱、エレクトロウェッティング、磁気活性選別、音波[6]、及び誘電泳動選別[8]等、液滴の物理的選択や液滴選別のためのさまざまな方法を取ることができる。このような物理的選択は、第2の不混和性液体(例えば、特定の検出ステップからの液滴)に懸濁された水性液体の液滴を受ける手段、並びに各液滴を、前記液滴中の成分を検出することができる検出ユニットを通過させるための手段、並びに検出可能な成分の存在又は非存在によって決定されるような選択された区画への送達のために前記液滴をアドレス(addressing)する手段及び選択された区画に前記液滴を送達するための手段を有する装置を用いて実施することができる。
例えば、randomly degenerate primed PCR、リンカーライゲーションPCR、又は、Degenerate Oligonucleotide Primed (DOP) PCR及びMultiple Displacement Amplification (MDA)等のDNAの一般的な増幅の様々なアプローチために提案されている。MDAは少量のDNAでも全ゲノム増幅(WGA)を行うには効率的であると報告されている(但し、1ng以下の下限がある)。より伝統的なPCRベースのWGA法と比較して、MDAはより高いゲノムカバレッジを有するより高分子量のDNA分子を生成する。MDAは、以下の2つの酵素活性を有する鎖置換ポリメラーゼを使用する: 真核生物B型DNAポリメラーゼ(UniProtKB/TrEMBL:Q38545)に属するバクテリオファージphi29ポリメラーゼによって例示されるように、DNA合成(ポリメラーゼ)及び3'-5'方向の一本鎖DNAを分解するエキソヌクレアーゼ活性。他の有用なポリメラーゼとしては、BstIポリメラーゼが挙げられる。増幅は、DNAの局所濃度を増加させるために液滴中で行うことができる。いくつかの実施形態において、増幅は約30℃で4時間、好ましくは1時間未満で実施される。
特定の標的配列の存在に基づいて液滴を物理的に選択した後、場合によってはPCR産物のような検出シグナルを除去する必要があり得る。そのような信号を除去するためのいくつかの方法は、当該技術分野において知られている。dUTPが検出反応に使用されている場合、ウラシル-DNA N-グリコシラーゼを用いて検出分子を除去することができる[9]。あるいは、一般的な増幅によって生成された分子が検出分子よりもかなり長いため、分子の検出は、小分子DNAと大分子DNAのシリカ粒子への異なる結合親和性に基づくサイズ排除などのサイズ分離に基づく方法[10]を用いて検出分子を分離することができる。そのようなシリカ表面は、100bpより小さいDNA断片への結合効率が制限されており、結果として、100bpより小さいDNA断片のみが、シリカに基づく精製が施用された場合、効率的に廃棄される。しかしながら、用途によっては、検出分子を除去する必要がない場合もある。例えば、Phiポリメラーゼ及びいくつかの他のポリメラーゼは、1000塩基対より短いDNA分子に対して低い活性を有するので、PINSswift濃縮後の工程が一般的な増幅である場合、検出分子を除去する必要はない可能性があり、なぜなら、検出された分子は、実際に標的化されたより大きなDNA分子と比較して、増幅されていれば、限られた程度までしか増幅されないからである。
標的DNA分子が十分に富化され、一般的に増幅される場合、標的ヌクレオチド配列を含む分子のヌクレオチド配列を決定することができる。富化された標的DNA分子を、例えば、サンガー配列決定、エマルジョンPCR、ショットガンシーケンシング、SOLiDシーケンシング、ブリッジPCR、イオントレントシーケンシング、ポロニーシーケンシング、パイロシーケンシング、合成によるシーケンシング、DNAナノボールシーケンシング、ヘリオスコープ単分子シーケンシング、ナノポアDNAシーケンシング、トンネル電流DNAシーケンシング、ハイブリダイゼーションによるシーケンシング、質量分析によるシーケンシング、透過型電子顕微鏡DNAシーケンシング、RNAP(RNAポリメラーゼ)シーケンシング又は単分子リアルタイムシーケンシング等を用いシーケンスすることができる。
試料の複雑さのために他の方法で分析することはできない、環境から、又はゲノムへの直接のアクセスを提供する臨床試料から、又はその一部から回収した試料由来のDNA分子の混合試料において、標的DNAの単離若しくは富化にPINSswiftの使用すること。PINSswiftは、遺伝性疾患、癌及び感染症に関与するDNA分子を単離又は濃縮するのに特に有用である。
ゲノムのような大きなDNA分子の配列決定を行う場合、得られる配列情報はしばしば、配列決定された分子が重複しないか又は組み立てられないギャップを含む。PINSswiftは、小さな検出領域を取り巻く配列の最大100,000bpを回収するので、未知のギャップ領域をカバーするように設計することができるため、DNA配列のギャップ閉鎖に特に有用である。
PINSswiftは、医学的徴候又は疾患の進行を診断又はモニターするために、被検体(例えば、ヒト又は動物被験体)から得られた、例えば生検又は体液又は糞便の試料等の、多細胞生物に由来する試料中の標的DNA分子を分析するために使用され得る。
PINSswiftは、複雑な混合DNA試料から所望のDNA領域の増幅が起こった試料を特異的に選択することに基づいている。Phi29ポリメラーゼに基づく増幅(MDA)は、現在利用可能な最も信頼性の高いゲノム増幅として繰り返し記載されてきたが、大きな偏りを導入することが知られている。Pan et al[18]では、一般的に増幅偏りを回避する複雑なDNAプールの非常に特異的な全ゲノム増幅(WGA)が依然として課題であることを述べている。さらに、DOP-PCR及びランダムプライミングPCRのような別の増幅方法でも同様の所見が見られる。これらの2つの増幅方法は、遺伝子座表現を再現する際の効率がはるかに低いと説明されており[19]、さらにより偏った増幅産物をもたらす。偏りは一見避けられないが、存在する反応テンプレート[20]の量にかかわらず、増幅中に導入されたテンプレート非依存性産物(TIP)又は偏りの量は、反応におけるDNA鋳型の量に負の相関が見られ、いくつかの研究では全収量の70〜75%を表すと報告されている[18]。全ゲノム増幅は、PINSswiftプロセスにおいてDNAを増幅するために適用されるため、ゲノム増幅の偏りに関連するこれらの一般的な課題はPINSswiftにも当てはまると予想される。WGAを含む手順として、標的DNA分子に対する顕著な偏りが観察されるはずである。したがって、WGAを用いたPINSswiftのような手順は、混合試料中の特定のDNA領域を富化することができる方法とは考えられていなかった。
ヒトゲノムDNAに混合されたエシェリヒア・コリ由来のDNAの2つの領域の富化及びその後のシーケンシング
用いられた手順を図5に概略的に示す。
0.2μg/μLの大腸菌染色体DNA及び1μg/μLのHeLaヒト染色体DNAを含有する1μLのDNA試料を標準的なPCR試薬と混合して総量10μLとした。2つのPCRプライマーの間の領域にアニーリングする分子ビーコンプローブ「MB 8.7」と共に、大腸菌アスパルトキナーゼI(thrA)にアニーリングするプライマー「MB8 Fw1 tm60」及び「MB8 Rev1 tm60」によって、1つの領域(E.coli-アンプリコン1)を標的にした。第2の領域(大腸菌-アンプリコン2)は、大腸菌ホモセリンキナーゼ(thrB)にアニーリングするプライマー「ThrB-fw」及び「ThrB-Re」と、2つのプライマー間のDNAに対するビーコン-ThrBアニーリングを標的とした。
5μLのPCR反応+50μLの液滴オイル(4% v/v ABIL EM90、0.05% v/v Triton X100、96% v/v ミネラルオイル[分子生物学用軽油; Sigma-Aldrich; # M5904])をボルテックスミキサー上で混合して、約2.5μLの平均容量を有する異なるサイズの約200万個の油中水滴を生成させた。平均断片長が50キロベースであると仮定すると、各液滴は、約1.7x10-5標的断片及び9.1x10-3ヒト非標的断片の平均1.8x10-3エシェリヒア・コリ断片を含む。
95℃2分、3回(95℃3秒、56℃15秒)、25℃30秒のサイクル条件でエマルジョンPCRを行った。
試料を、シリンジポンプを用いて100μmの選別チャネル直径を有するマイクロ流体チップに移し、チップ上のt接合選別ゾーンに移した。液滴を、カメラを用いて視覚化し、明るい蛍光液滴(陽性液滴)を物理的に1つのチャネルに分類し、非蛍光液又は弱蛍光液滴を廃棄し、未選別はその後破棄した。すべての液滴をいずれかのゲートに振り分け、シリンジポンプからの真空とそれに続く重力流を用いて、陽性液滴(合計31個)に続いて油相をチップから除去し、200μLチューブに移した。検出された標的DNA分子の平均サイズが50,000塩基対であると仮定すると、合体後の検出された液滴中のDNA分子の総量は1.7fgであると推定される。
10μLの10mM Tris-HCl(pH8)を、選別された陽性液滴を含む油に加えた。40μLのペルフルオロオクタン-1-オルを加え、ボルテックスし、遠心分離することにより、液滴を合体させた。10μLの水相を、Phi29ポリメラーゼ、dNTP、ランダムヘキサマープライマー及び適切な塩を含むMDA増幅のための試薬を含む新しいチューブに移して総容量20μLにした。50μLのオイル(4% v/v ABIL EM90、0.05% v/v Triton X100、96% v/v ミネラルオイル[分子生物学用軽油; Sigma-Aldrich; # M5904])を加え、2つの相をボルテックスミキサー上で混合して、約5pLの平均容量を有する異なるサイズの約200万個の油中水滴を生成させた。2時間後、40μLのペルフルオロオクタン-1-オルを加え、ボルテックスし、遠心分離してエマルジョンを破壊し、水相を新しいチューブに移し、Phiポリメラーゼ増幅プロセスを繰り返し、エマルションを合体させた。最終水相は20μL中370ng/μLの全DNAを含有していた。標的DNA分子の数は、検出に使用したプライマー対に隣接する領域(プライマーMB10.1fw及びMB10.1rev)にアニーリングするプライマーを用いてqPCRを用いて定量した。
上記の富化後、最終試料は、上記のqPCR又はpgあたり30000個の標的を用いて定量化して、μLあたり1.1×1010標的コピーを含有した。これは、約1090倍の富化(標的/pgDNA総計で計算)に相当する。サンガーシーケンシング及び次世代シーケンシング(Illumina 150 bpペアエンドシーケンシング)を用いて試料を配列決定し、予想された大腸菌配列の両方を確認した。
用いられた手順を図5に概略的に示す。
遺伝子Kras(JX512447)のコドン12(配列GAT)に点変異を含む精製ヒトDNAを、コドン12(配列GGT)(変異頻度1%)の変異のない対応するサンプルと1:100で混合した。330ngの混合染色体DNAを含む1μLのDNA試料を、標準的なPCR試薬と混合して総容量20μLとした。
KrasにアニーリングするプライマーKras-cdn12-fw(TAGTGTATTAACCTTATGTG-配列番号19)及びKras-cdn12-re(TTACCTCTATTGTTGGAT-配列番号20)を、TaqmanプローブtaqMan-Kras-cdn12と共に、変異部位の2つのPCRプライマーの間の領域にアニーリングして使用した。
20μLのPCR反応+60μLの液滴油(4% v/v ABIL EM90、0.05% v/v Triton X100、96% v/v ミネラルオイル[分子生物学用軽油; Sigma-Aldrich; # M5904])を、ボルテックスミキサー上で混合して、約2.5pLの平均容量を有する異なるサイズの約8,000,000個の油中水滴を生じさせた。平均断片長が50キロベースであると仮定すると、各液滴は、合計で1000個の陽性液滴に対応する約1.2×10-4個の標的断片の平均760個の断片を含む。
95℃2分、3x(95℃5秒、56℃15秒、72℃15秒)、25℃30秒のサイクル条件でエマルジョンPCRを行った。
試料を、シリンジポンプを用いて選別チャネル直径105μmのマイクロ流体チップに移し、チップ上のx-接合選別ゾーンに移した。液滴を、カメラを用いて視覚化し、明るい蛍光液滴(陽性液滴)を物理的に1つのチャネルに選別し、非蛍光又は弱い蛍光液滴を他のチャネルに選別した。全ての液滴をいずれかのゲートに振り分けると、シリンジポンプからの真空を用いて、陽性液滴(合計950個)に続いて油相がチップから除去され、200μLのチューブに移された。検出された標的DNA分子の平均サイズが50,000塩基対であると仮定して、選択された陽性液滴中のDNA分子の総量は50fgであると推定される。
上記の富化の後、最終試料Aは、上記のqPCR又はpgあたり40個の標的を用いて定量化して、μLあたり1.7×107個の標的コピーを含有した。これは、13,000倍の富化(標的/pg総DNAベースで計算)に相当する。
50pgの全DNAからのヒトDNAに組み込まれたウイルスの配列及び統合点の同定
用いられた手順を図7に概略的に示す。
20μL中に組み込まれたHPV18ウイルスを含有する50pg/μLのHeLaヒト染色体DNAを含有する1μLのDNA試料を、標準的なPCR試薬と混合して総量10μLとした。HPV18にアニーリングするプライマー「HPV18 104 fw1」及び「HPV18 105 rev1」を、2つのPCRプライマー間の領域にアニーリングする分子ビーコンプローブ「HPV18 106p」と共に使用した。その後の反応からのPCR産物の除去を可能にするためにdNTPの代わりにdUTPを加えた。
10μLのPCR反応+30μLのミネラルオイル液滴油(4% v/v ABIL EM90、0.05% v/v Triton X100、96% v/v ミネラルオイル[分子生物学用軽油; Sigma-Aldrich; # M5904])を、約50pLの平均容量を有する約200,000個の油中水型単分散液滴を生成する液滴生成用のマイクロ流体チップ中で混合した。50kbの平均断片長及びゲノムあたり4コピーのHPV18と仮定すると、各液滴は、約3.0×10-4の標的断片の平均4.6個のDNA断片を含む。
95℃2分、3x(95℃5秒、56℃15秒、72℃15秒)、25℃30秒のサイクル条件でエマルジョンPCRを行った。
試料を、シリンジポンプを用いて100μmのチャネル直径を有するマイクロ流体チップに移し、チップ上のt接合選別区域に移した。液滴を、カメラを用いて視覚化し、明るい蛍光液滴(陽性液滴)を物理的に1つのチャネルに選別し、非蛍光又は弱い蛍光液滴を他のチャネルに選別した。全ての液滴をいずれかのゲートに振り分け、シリンジポンプからの真空を用いてチップから陽性液滴(合計57)を除去し、200μLチューブに移した。検出された標的DNA分子の平均サイズが50,000塩基対であると仮定すると、選択された陽性液滴中のDNA分子の総量は14.2fgであると推定される。
選別した陽性液滴を含む油に、UDG(ウラシル-DNA N-グリコシラーゼ)を含む10μL試薬及びPCR産物を含むdUTPを除去するための緩衝液を加えた。200μLのミネラルオイルを加え、ボルテックスし、遠心分離することにより、液滴を合体させた。10μLの水相を新しいチューブに移し、37℃で10分間、続いてUDGの不活性化のために95℃で1分間インキュベートした。Phi29ポリメラーゼ、dNTP、ランダムヘキサマープライマー及び適切な塩を含むMDA増幅のための試薬を加えて、総容量を20μLにした。60μLのミネラルオイルを加え、2つの相をボルテックスミキサー上で混合して、約5pLの平均容量を有する異なるサイズの約4000000個の油中液滴を生成させた。30℃でのインキュベーション中、液滴は徐々に融合し、合計4時間のインキュベーション後に液滴サイズが増加した。最終水相は20μL中に275ng/μLの全DNAを含んでいた。標的DNA分子の数は、検出に使用したプライマー対に隣接する領域にアニーリングするプライマーを用いqPCRにて定量した(プライマー: HPV5901f (GTTTAGTGTGGGCCTGTGC)及びHPV5994r (GGCATGGGAACTTTCAGTGT)。
上記の富化後、最終試料は、上記のqPCR又はpgあたり5500標的を用いて定量化して、μLあたり1.5×109標的コピーを含有した。これは、約1100倍(標的/pg総DNAベースで計算)の富化に相当する。サンガーシーケンシング及び次世代シーケンシング(イルミナ150bpペアエンドシーケンシング)を用いて試料の配列を決定し、組込み部位を含むHPV18の4つの統合コピーの領域の配列を決定した。
液滴中のDNA標的の一般的な増幅は、混入するDNAの増幅を排除する。
図8は、Phi29ポリメラーゼ増幅のサイズ分離増幅産物のアガロースゲルを示す。増幅されたDNAの有意な量は、効率的な増幅に対応するレーン1-3で見ることができる。レーン3の反応はテンプレートDNAを含まないので、増幅されたDNAは反応中にDNA混入から来る可能性が高い。非テンプレート反応を液滴で行った場合、増幅されたDNAはゲル上には見られない(レーン4)。
ヒトdusp3遺伝子の富化及びシーケンシング
以下の実験は、混合DNA分子のサンプル中の標的DNA分子の検出、富化及びシーケンシングを実証するために実施され、混合DNA分子のサンプル中の標的DNA分子の頻度は10-5〜10-7の間であり、標的DNA分子は10,000〜100,000の間の核酸塩基対を含んでいた。
1ng/μLのヒト染色体DNA(Jurkat)を含有する1μLのDNA試料を標準PCR試薬と混合して総容量20μLとした。ヒトDUSP3遺伝子(GenBank 受け入れ番号 NM_004090.3)にアニーリングするプライマー「Dusp3 fw3」[5’-AGATGGTTTTGCCCGCTTT - 配列番号21]及び「Dusp3 rev3」[5’-TGCCACTTAGCAGAAGCAAC -配列番号22]を、2つのPCRプライマー間の領域にアニーリングするTaqmanプローブ「Dusp3 tp3-2 FAM」[FAM-CCACCTCATATGTGTGTGCTGCC-BHQ1 - 配列番号23]を用いた。その後の反応からのPCR産物の除去を可能にするためにdNTPの代わりにdUTPを加えた。
20μLのPCR反応及び30μLのミネラルオイル液滴油(4% v/v ABIL EM90、0.05% v/v Triton X100、96% v/v ミネラルオイル[分子生物学用軽油; Sigma-Aldrich; # M5904])をマイクロ流体チップ中で液滴生成のために混合し、平均液滴体積が約3μLである約6,500,000個の油中水型単分散液滴を生成した。平均断片長が50キロベースであり、ゲノムあたりDUSP3遺伝子のコピーが1つであると仮定すると、各液滴は、平均約4.2×10-5の標的断片の2.6個のDNA断片を含む。
94℃2分、40x(94℃3秒、60℃30秒)、25℃30秒のサイクル条件でエマルジョンPCRを行った。
試料を蛍光活性化セルソーター(Biorad S3e)に移した。陽性液滴を物理的に1つのゲートに選別し、非蛍光又は弱蛍光液滴を廃棄物回収に選別した。全ての液滴をどちらかのゲートに振り分け、陽性液滴(合計592個)を200μLのチューブに移した。
選別された陽性液滴を、過剰の油を除去し、2×10μLの1H、1H、2H、2H、ペルフルオロオクタノールを添加し、混合物を混合及び遠心分離することによって合体させた。合体した液滴の水相の3μL試料(およそ30fg)を、N6壁さまープライマー、水、dNTP、2.5ユニットPhi29ポリメラーゼを含む17μL混合物に加えた。2%PicoSurf油20μLを加え、次いで、反応液を2600rpmで2分間ボルテックスして、平均液滴体積が約5μLである油中液滴を生成した。液滴を30℃で6時間インキュベートした後、合体液滴中の富化及び増幅されたDNAをqPCR及びTapestation(Agilent)測定を用いて分析した。これらの測定値によれば、富化及び増幅後の3μLのDNA試料は、その際60,000個の標的分子を含有していた。総DNA濃度は、Tapestationの検出の下限である0.5ng/μL以下であったので、液滴中の一般的な増幅の第2ラウンドを上記のように行って全DNA量を増加させた。
水/油界面への吸着の結果としての酵素不活性化
イントロダクション
この実施例は、液滴サイズの減少の効果として液滴ベースのPhi29ポリメラーゼ増幅に対する効果を示す。Phi29ポリメラーゼ反応は、酵素が水と液滴油との間の中間相への吸着に対して非常に感受性であると記載されている先行技術に基づいて、小液滴において阻害されることが期待される[11]。さらに、増加した表面積対体積比は、液滴中で酵素反応を行う場合に阻害を増加させることがしっかりと記載されている[12]。
2つの平行した20μlの試料を、実施例5に記載のようにPhi29増幅のために調製し、3ngのJurkat DNAテンプレート(Thermofisher Scientific)を各反応に加えた。40μlの2%PicoSurf(ドロマイトマイクロフルイディクス)を試料に加え、両方を以下の表に記載されるように異なる速度でボルテックスした。「エッペンドルフホルダーで手で引っ張る(Hand-pulled on Eppendorf holder)」とは、反応混合物を含む1.5mLエッペンドルフチューブを約45度の角度に保持し、チューブに適度な圧力を加えながら、16穴1.5mLチューブホルダーの上部に押しつける方法であり、ホルダーに上方向に素早く水平に引っ張ったときに(チューブホルダーの)各穴の上下運動を確実にする。この手順の結果、エッペンドルフチューブは、毎秒27回の垂直移動の頻度で約5mm上下に移動する。
得られた液滴の平均サイズを、顕微鏡画像及び関連する測定ソフトウェアを用いて測定した。平均液滴サイズに基づいて、各試料から液滴の総数を計算した。推定される鋳型断片サイズ30Kbに基づいて、3ngのDNAのテンプレート量は9.3x107個のDNA断片に相当すると考える。したがって、試料A及びBの両方の調製は、生成されたすべての液滴中にDNAが存在する液滴を生じた(表1詳細)。
結果の集計を表3に示す。簡単に述べると、表に示されたデータは、平均測定直径が施用されたボルテックスの強度と相関することを示している。最も穏やかな取り扱いが適用された試料Aは、45.7μmの平均液滴直径をもたらし、最も強い物理的ボルテックス(試料B)は、13.3μmの平均直径を有する液滴をもたらした。
MB8 Fw1 tm60: GACGGTAGATTCGAGGTAATGC [配列番号1]
MB8 Rev1 tm60: TATGGCCGGCGTATTAGAAG [配列番号2]
MB10.1fw: TCAACAACCTCGCATCGG [配列番号3]
MB10.1rev: GTGCTGGCTGCCTGTTTAC [配列番号4]
HPV18 104 fw1: CAGATCCTTATGGGGATTCC [配列番号5]
HPV18 105 rev1: GATTGAGGCACAGTGTCAC [配列番号6]
HPV18 106p: GGCATTTTTGGAATAGGGCAGG [配列番号7]
HPV5901f: GTTTAGTGTGGGCCTGTGC [配列番号8]
HPV5994r: GGCATGGGAACTTTCAGTGT [配列番号9]
ThrB-Fw: ACATTCAGTCTCAACAAC [配列番号10]
ThrB-Re: AATTTGCTTACCCAGTTC [配列番号11]
ビーコン-ThrB: CGCGATCGTTCTGACGGCAGCTTATCGGATCGCG [配列番号12]
大腸菌アンプリコン1 (ThrA)
GACGGTAGATTCGAGGTAATGCCCCACTGCCAGCAGTTTTTCGACCGGATCGATAACAGTAACGTTGTGACCGCGCGCTTCTAATACGCCGGCCATA [配列番号13]
大腸菌アンプリコン2 (ThrB)
ACATTCAGTCTCAACAACCTCGGACGCTTTGCCGATAAGCTGCCGTCAGAACCACGGGAAAATATCGTTTATCAGTGCTGGGAGCGTTTTTGCCAGGAACTGGGTAAGCAAATT [配列番号14]
K-rasアンプリコン
TAGTGTATTAACCTTATGTGTGACATGTTCTAATATAGTCACATTTTCATTATTTTTATTATAAGGCCTGCTGAAAATGACTGAATATAAACTTGTGGTAGTTGGAGCTGATGGCGTAGGCAAGAGTGCCTTGACGATACAGCTAATTCAGAATCATTTTGTGGACGAATATGATCCAACAATAGAGGTAA [配列番号15]
HPV18アンプリコン
GATTGAGGCACAGTGTCACCCATAGTACCTGCCCTATTCCAAAAATGCCTAGCAAAAAGCTGCTCACGCCGTAAGCAAAAAAACATGGAATCCCCATAAGGATCTG [配列番号16]
C-Thr 1325f: CCCGCGCCAATATCAACA [配列番号17]
C-Thr 1485r: ACCGACGCCAATCACAAACA [配列番号18]
Claims (18)
- 混合DNA分子の試料からの1つ又はそれ以上の標的DNA分子を富化するためのin vitro方法であって、
a) 1つ又はそれ以上の標的特異的DNA分子を含む混合DNA分子の液体試料及び少なくとも1つの前記標的DNA分子の特異的検出用試薬の提供、
b) 前記液体試料からの複数の液滴の形成、
c) 少なくとも1つの前記標的DNA分子を含む液滴の特異的検出、ここで、各液滴は、平均して0.5未満の1つ又はそれ以上の前記標的DNA分子を含み、及び
d) 少なくとも1つの前記標的DNA分子を含む液滴の物理的選択、
e) 工程d)から選択された液滴を合体させた液滴中のDNA分子の一般的な増幅、ここで、前記DNA分子は総量が300fg未満であり、一般的な増幅反応混合物を形成するために一般的な増幅試薬を、前記選択された液滴を合体させた液滴に加え、及びエマルジョンの液滴が、前記反応混合物から形成される、の工程を含む方法。 - 混合DNA分子の試料からの1つ又はそれ以上の標的DNA分子を富化するためのin vitro方法であって、
a) 1つ又はそれ以上の標的特異的DNA分子を含む混合DNA分子の液体試料及び少なくとも1つの前記標的DNA分子の特異的検出用試薬の提供、
b) 前記液体試料からの混合DNA分子をそれぞれ含む複数のエマルジョンの液滴の形成、
c) 少なくとも1つの前記標的DNA分子を含む液滴の特異的検出、ここで、各液滴は、平均して0.5未満の1つ又はそれ以上の前記標的DNA分子を含み、及び
d) 少なくとも1つの前記標的DNA分子を含む液滴を物理的選択、ここで、
工程a)における混合DNA分子の試料におけるその頻度と比較した標的DNA分子の頻度は、0.01x(DNA分子を含む液滴の総数)x(標的DNAを有する液滴の数)-1と100x(DNA分子を含む液滴の総数)x(標的DNAを有する液滴の数)-1との間で増加し、
e) 工程d)から選択された液滴を合体させた液滴中のDNA分子の一般的な増幅、ここで、混合DNA分子は総量が300fg未満であり、一般的な増幅反応混合物を形成するために一般的な増幅試薬を、前記選択された液滴を合体させた液滴に加え、及びエマルジョンの液滴が、前記反応混合物から形成される、の工程を含む方法。 - 工程e)において、前記反応混合物から5μlごとに、少なくとも1.2x106〜最大1.2x109までの液滴が形成される、請求項1又は2に記載の方法。
- 工程b)における液滴の総数が少なくとも5×105である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
- 前記特異的検出用試薬が、PCR試薬であり、1つ又はそれ以上の前記標的DNA分子の特異的検出が、PCRによって行われる、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
- 前記標的DNA分子が、1つ又はそれ以上の少なくとも40ヌクレオチドの特有な連続配列を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
- 工程e)におけるDNAの一般的な増幅が、多置換増幅によって行われる、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
- 特異的検出のための前記試薬が、dUTPを含む、請求項5〜7の何れか1項に記載の方法。
- 工程d)が、1つ又はそれ以上の前記標的DNA分子の特異的検出のために産生されたDNAを不活性化、分解又は除去する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 前記不活性化の工程が、ウラシル-DNA N-グリコシラーゼを用いて行われる、請求項9に記載の方法。
- 工程a)〜e)の反復工程f)をさらに含み、ここで、前記反復工程a)の液体試料中のDNA分子が、前記工程e)において選択された液滴を合体させた液滴中のDNA分子から生成された一般的な増幅産物に由来する、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。
- 工程b)において形成された各液滴が、2〜20μmの平均直径を有する、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
- 工程b)で形成された液滴が、液滴当たり平均して少なくとも10-7の標的DNA分子を含む、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
- 工程a)の1つ又はそれ以上の前記標的DNA分子のそれぞれが、1,000〜108の核酸塩基対を含む、請求項1〜13の何れか1項に記載の方法。
- 工程e)において生成される一般的な増幅産物が、1つ又はそれ以上の増幅された標的DNA分子を含み、増幅された標的DNA分子のそれぞれが、500〜150,000核酸塩基対を含む、請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。
- 前記標的DNA分子が、細胞のゲノムに由来する、請求項1〜15の何れか1項に記載の方法。
- 工程e)において、前記反応混合物から形成される前記液滴が、0.0042pL〜1nLの油中水滴である、請求項1、2、及び4〜16の何れか1項に記載の方法。
- 工程e)において、前記反応混合物から形成される前記液滴が、1pL〜1nLの油中水滴である、請求項1、2、及び4〜16の何れか1項に記載の方法。
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