JP6932803B2 - 患者インタフェースおよび該患者インタフェースを形成するための方法 - Google Patents

患者インタフェースおよび該患者インタフェースを形成するための方法 Download PDF

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Description

2 (B)関連出願の相互参照
この出願は、2012年6月27日に出願された米国仮出願第61/676,456号、2013年4月30日に出願された米国仮出願第61/817,674号、2013年5月14日に出願された米国仮出願第61/823,192号、2013年6月20日に出願された米国仮出願第61/837,521号、および、2013年6月27日に出願された米国仮出願第61/839,916号の利益を主張する。この出願は、2012年8月15日に出願されたオーストラリア仮出願第2012903504号、2012年10月8日に出願されたオーストラリア仮出願第2012904378号、2013年1月16日に出願されたオーストラリア仮出願第2013900132号、2013年1月16日に出願されたオーストラリア仮出願第2013900133号、2013年6月24日に出願されたオーストラリア仮出願第2013902305号、および、2013年1月18日に出願されたオーストラリア仮出願第2013900168号の利益を主張する。この出願は、2103年1月16日に出願されたニュージーランド出願第605907号、および、2103年1月16日に出願されたニュージーランド出願第605908号の利益を主張する。先に参照された出願のそれぞれは、参照によりその全体が本願に組み入れられる。
3 (C)技術の背景
3.1(1)技術の分野
本技術は、呼吸器疾患の、診断、処置、および、改善のうちの1つ以上に関するとともに、呼吸器疾患を防止するための手順に関する。特に、本技術は、呼吸器疾患を処置するとともに呼吸器疾患を防止するための医療機器および該医療機器の使用に関する。
3.2(2)関連技術の説明
身体の呼吸器系は、ガス交換を容易にする。鼻および口は、患者の気道への入口を形成する。
気道は一連の分岐管を含み、これらの分岐管は、それらが肺の中へとより深くまで入り込むにつれて、より細くなり、より短くなり、より多くなる。肺の主な機能はガス交換であり、それにより、酸素が空気から静脈血中へと移動できるとともに、二酸化炭素が外部へ移動できる。気管は左右の主気管支へと分かれ、更に、主気管支は最終的に終末細気管支へと分かれる。気管支は、誘導気道を形成するとともに、ガス交換に関与しない。気道の更なる分割は、呼吸細気管支をもたらし、最終的に肺胞をもたらす。肺の肺胞領域は、ガス交換が行われる場所であり、呼吸域と称される。
一連の呼吸器疾患が存在する。
睡眠呼吸障害(SDB)の一形態である閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠中の上部気道の閉塞によって特徴付けられる。それは、異常に小さい上気道と、睡眠中の舌、軟口蓋、および、後口腔咽頭壁の領域における筋緊張の正常損失との組み合わせに起因する。病状により、罹患患者は、一般に30〜120秒の持続期間にわたって、時として夜ごとに200〜300回呼吸を停止する。それにより、しばしば、過度の日中傾眠を引き起こすとともに、循環器疾患および脳損傷を引き起こす場合がある。該症候群は特に中高年の肥満男性に一般的な疾患であるが、罹患者はその問題に気付いていない場合がある。これについては、米国特許第4,944,310号(Sullivan)を参照されたい。
チェーン−ストークス呼吸(CSR)は、動脈血の脱酸素および再酸素化の繰り返しを引き起こす、換気量の増大および減少の律動的な交互の周期が存在する患者の呼吸制御器の疾患である。CSRは、反復性の低酸素症に起因して有害であると考えられる。一部の患者において、CSRは、重度の睡眠乱れ、交感神経作用の増大、および、後負荷の増大を引き起こす、睡眠からの反復的な覚醒と関連付けられる。これについては、米国特許第6,532,959号(Berthon-Jones)を参照されたい。
肥満低換気症候群(OHS)は、低換気の他の既知の原因がない場合の重度の肥満と覚醒慢性的高炭酸ガス血症との組み合わせとして規定される。症状としては、呼吸困難、起床時の頭痛、および、過度の日中の眠気が挙げられる。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、特定の共通の特徴を有する任意の一群の下気道疾患を包含する。これらの特徴としては、空気移動に対する抵抗の増大、呼吸の長い呼気相、および、肺の正常な弾力性の損失が挙げられる。COPDの例は、肺気腫および慢性気管支炎である。COPDは、慢性的なタバコ喫煙(第一危険因子)、職業被爆、空気汚染、および、遺伝因子によって引き起こされる。症状としては、労作時の呼吸困難、慢性咳、および、痰が出ることが挙げられる。
神経筋疾患(NMD)は、内在筋病変を介して直接的にまたは神経病変を介して間接的に筋肉の機能を低下させる多くの疾患および病気を包含する広義語である。一部のNMD患者は、歩行能力の喪失をもたらす進行性筋肉機能障害、車いすに束縛されること、嚥下障害、呼吸筋力低下、および、最終的には呼吸不全による死によって特徴付けられる。神経筋疾患は急速進行性と緩徐進行性とに分けられ得る。すなわち、(i)急速進行性疾患は、数か月にわたって悪化して数年内に死をもたらす筋肉機能障害を特徴とし(例えば、十代の若者の筋萎縮側索硬化症(ALS)およびデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD));(ii)可変進行性または緩徐進行性の疾患:数年にわたって悪化して平均余命をほんの少し減少させる筋肉機能障害を特徴とする(例えば、肢帯筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、および、筋強直性ジストロフィー)。NMDにおける呼吸不全の症状としては、逓増的な全身衰弱、嚥下障害、労作時および安静時の呼吸困難、疲労、眠気、起床時の頭痛、および、集中および情緒変化の困難が挙げられる。
胸壁疾患は、呼吸筋と胸郭との間の非効率的な結合をもたらす一群の胸郭変形である。疾患は、通常、拘束性障害によって特徴付けられるとともに、長期高炭酸ガス性呼吸不全を共有する。脊柱側弯症および/または脊椎後側弯症が重度の呼吸不全を引き起こす場合がある。呼吸不全の症状としては、労作時の呼吸困難、末梢浮腫、起座呼吸、反復性肺感染症、起床時の頭痛、疲労、睡眠の質の低下、および、食欲不振が挙げられる。
それ以外には、健常人が、呼吸器疾患の発症を防止するためにシステムおよび装置をうまく利用してもよい。
3.2.1 システム
SDBを処置するために使用される1つの既知の製品は、レスメドリミテッドにより製造されるS9睡眠治療システムである。
3.2.2 治療
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を処置するために鼻持続的気道陽圧(CPAP)治療が使用されてきた。前提は、持続的気道陽圧が、空気圧スプリントとして作用するとともに、軟口蓋および舌を後口腔咽頭壁から離れるように前方へ押し進めることによって上気道閉塞を防止し得ることである。
OHS、COPD、MD、および、胸壁疾患を処置するために非侵襲的換気(NIV)が使用されてきた。
3.2.3 患者インタフェース
患者の気道の入口に対する所定供給量の陽圧空気の印加は、鼻マスク、フルフェースマスク、または、鼻枕などの患者インタフェースの使用によって容易にされる。フルフェースマスクは、少なくとも鼻孔および口を覆う1つのシール形成部または少なくとも鼻孔および口を個別に覆う複数のシール形成部を有するマスクを含む。一連の患者インタフェース装置が知られているが、それらの多くは、非常に目立ち、審美的に望ましくない、取り付け具合いが悪く、使用するのが難しいとともに、特に長期間にわたって着用されるときまたは患者がシステムに不慣れなときに不快であるといったことの1つ以上に見舞われる。飛行士のために、個人的保護器具の一部として、または、麻酔薬の投与のためにのみ設計されたマスクは、それらの当初の用途においては許容できる場合があるが、それにもかかわらず、長期間にわたって、例えば睡眠中に着用するには不快であり、望ましくない。
3.2.3.1 シール形成構造体
患者インタフェースは一般にシール形成構造体を含む。
1つのタイプのシール形成構造体は、患者インタフェースの外周にわたって延在するとともに、シール形成構造体をユーザの顔面と突き合わせ係合させた状態で力が患者インタフェースに印加されるときにユーザの顔面に対してシールするようになっている。シール形成構造体は、空気充填クッションまたは流体充填クッション、または、ゴムなどのエラストマーから成る弾性シール要素の成形面または形成面を含む場合がある。この種のシール形成構造体を用いると、嵌め合いが適切でなければ、シール形成構造体と顔面との間に隙間が存在し、また、患者インタフェースを顔面に押して付けてシールを達成するために更なる力が必要とされる。
他のタイプのシール形成構造体は、陽圧がマスク内に印加されるときにユーザの顔面に対する自己シール作用をもたらすようにマスクの外周にわたって位置付けられる薄い材料のフラップシールを組み込む。これまでのスタイルのシール形成構造体のように、顔面とマスクとの間の適合が良くなければ、シールを行うために更なる力が必要とされる場合があり、または、マスクが漏れる場合がある。また、シール形成構造体の形状が患者の形状と適合しなければ、シール形成構造体が使用時に折れるまたは座屈する場合があり、それにより、漏れが生じる。
他の形態のシール形成構造体は、シールを行うために接着剤を使用する場合がある。一部の患者は、接着剤を自分達の顔面に絶えず塗布して除去することが不便であると感じる場合がある。
一連の患者インタフェースシール構造体技術は、レスメドリミテッドに譲渡された以下の特許出願、すなわち、国際公開第1998/004,310号;国際公開第2006/074,513号;国際公開第2010/135,785号に開示される。
3.2.3.2 位置決め安定化
陽圧空気治療のために使用される患者インタフェースのシール形成構造体は、シールに支障を来す空気圧の対応する力に晒される。したがって、シール形成構造体を位置決めしてそれを顔の適切な部分とのシール関係に維持するために様々な技術が使用されてきた。
1つの技術は接着剤の使用である。これについては、例えば米国特許出願第2010/0000534号を参照されたい。
他の技術は、1つ以上のストラップおよび安定化ハーネスの使用である。多くのそのようなハーネスは、似合わない、嵩張る、不快、および、使用し難いといったことの1つ以上に見舞われる。
「リジダイザ」としても知られる硬質要素が拡張性のヘッドギアと共にこれまで使用されてきた。1つの既知の問題は、大面積の拡張性材料に取り外し不能に取り付けられる(例えば、積層されるまたは縫い合わされる)リジダイザが、材料の伸長可能長さを制限し、したがって、ヘッドギア全体の弾性特性に影響を及ぼすという事実と関連付けられる。他の問題は、リジダイザおよび拡張性材料の両方をそれらが互いに取り外し不能に取り付けられることから一緒に洗浄する必要があるヘッドギアの洗浄に関係する。
3.2.3.3 通気孔技術
患者インタフェースシステムの幾つかの形態は、吐き出された二酸化炭素の流出を可能にするための通気孔を含んでもよい。多くのそのような通気孔は雑音がある。他の通気孔は、使用時に塞がって不十分な流出をもたらす場合がある。一部の通気孔は、例えば雑音または集束気流によって、患者のベッドパートナーの睡眠を乱す場合がある。一部の通気孔は、適切に洗浄することができず、それらが塞がった後に廃棄しなければならない。一部の通気孔は、短い継続期間、すなわち、3か月未満の期間にわたって使用されるようになっており、したがって、洗浄または頻繁な洗浄を防止して通気孔のより頻繁な交換を促すべく脆弱な材料から製造される。
レスメドリミテッドは多くの改良されたマスク通気孔技術を開発してきた。これについては、国際公開第1998/034,665号;国際公開第2000/078,381号;米国特許第6,581,594号;米国特許出願第2009/0050156号;米国特許出願第2009/0044808号を参照されたい。
Figure 0006932803
様々な対象の音圧値が以下に挙げられる。
Figure 0006932803
3.2.3.4 鼻枕技術
1つの形態の鼻枕がPuritan Bennettにより製造されるAdam Circuitにおいて見出される。他の鼻枕または鼻パフは、Puritan Bennettコーポレーションに譲渡された米国特許第4,782,832号(Trimbleおよびその他)の主題である。
レスメドリミテッドは、鼻枕を組み込む以下の製品、すなわち、SWIFT(商標)鼻枕マスク、SWIFT II(商標)鼻枕マスク、SWIFT LT(商標)鼻枕マスク、SWIFT FX(商標)鼻枕マスク、および、LIBERTYフルフェースマスクを製造してきた。レスメドリミテッドに譲渡された以下の特許出願、すなわち、国際特許出願国際公開第2004/073,778号(数ある中でも、ResMed SWIFT(商標)鼻枕の態様について記載する)、米国特許出願2009/0044808(数ある中でも、ResMed SWIFT LT鼻枕の態様について記載する)、国際特許出願国際公開第2005/063,328号および国際公開第2006/130,903号(数ある中でも、ResMed LIBERTY(商標)フルフェースマスクについて記載する)、国際特許出願国際公開第2009/052,560号(数ある中でも、ResMed SWIFT FX(商標)鼻枕の態様について記載する)は、鼻枕マスクについて記載する。
3.2.4 PAP装置
陽圧空気は、一般に、モータ駆動ブロワなどのPAP装置によって患者の気道へ供給される。ブロワの出口は、可撓性の送出導管を介して、前述した患者インタフェースに接続される。
3.2.5 下顎再配置
下顎再配置装置(MRD)は、睡眠時無呼吸のための処置オプションのうちの1つである。この装置は、睡眠中に下顎を前方位置に保持する歯科医から入手できる特注の調整可能な口腔器具である。この機械的な突出は、舌の背後の空間を広げて、張力を咽頭壁に作用させ、気道のつぶれを減少させるとともに、口蓋振動を減少させる。
4 (D)技術の簡単な概要
本技術は、快適さ、コスト、有効性、容易な使用、および、製造可能性の向上のうちの1つ以上を有する、呼吸器疾患の診断、改善、処置、または予防において使用される医療装置を提供することを対象とする。
本技術の1つの態様は、呼吸器疾患の診断、改善、処置、または予防において使用される機器に関する。
本技術の他の態様は、呼吸器疾患の診断、改善、処置、または予防において使用される方法に関する。
本技術の1つの形態の1つの態様は、洗浄のために取り外しできるシール形成構造体を有する患者インタフェースである。本技術の望みは、従来技術の患者インタフェースと比べて軽量で、従来技術の患者インタフェースと比べて目立たず、および、従来技術の患者インタフェースと比べて使用時に静かである患者インタフェースを提供することである。また、治療開始前にマスク構成要素を接続する際に患者が直観的に理解できるとともに、治療のために調整して着用することが簡単な患者インタフェースを提供することが望ましい。
本技術の1つの形態の一態様は、硬質−硬質間接続を介して患者インタフェース上の所定位置に位置決めできるシール形成構造体を有する患者インタフェースである。本技術の1つの形態の他の態様は、患者インタフェースのヘッドギア部分の分離を必要とすることなく洗浄のために取り外すことができる患者インタフェースのシール形成構造体である。
本技術の1つの形態の一態様は、シール形成構造体と、プレナムチャンバと、接続部とを備える患者インタフェースであり、シール形成構造体およびプレナムチャンバは比較的柔軟な材料から形成され、また、接続部は比較的硬質な材料から形成される。1つの形態において、接続部は、例えばスナップ作用、トグル、または、双安定機構を介して患者インタフェースのフレームに取り外し可能に接続できる。1つの形態では、接続部がプレナムチャンバにインサート成形される。
本技術の1つの形態の一態様は、患者の鼻中隔および/または上唇との接触を減らすまたは回避する患者インタフェースである。
本技術の1つの形態の他の態様は、意図される着用者の外周形状と一致するようになっている明確に画定される外周形状を伴って成形されまたはその他の方法で構成される患者インタフェースである。
本技術の1つの形態の一態様は、本明細書中に記載される患者インタフェースを製造する方法である。本技術の望みは、製造効率を高めるために従来技術の患者インタフェースを製造する方法よりも複雑さが低く、少ない原材料を使用するとともに、操作者による組み付けに要する時間が少ない製造方法を提供することである。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、保持構造体と、該保持構造体に取り外し不能に接続されるシール形成構造体とを含むクッション部材と、フレーム部材とを備えてもよく、保持構造体とフレーム部材とが繰り返して互いに係合可能および互いから離脱可能であり、クッション部材とフレーム部材との係合によってガスチャンバが少なくとも部分的に形成され、クッション部材内の空気圧の増大がシール形成構造体とフレーム部材との間のシール力を増大させる。
一例において、(a)シール形成構造体は保持構造体と共成形されてもよく、(b)クッション部材は、保持構造体付近のクッション部材の2つの両側の場所をつまむことによって繰り返してフレーム部材と取り外し可能に取り付けられてもよく、(c)システム形成構造体は、保持構造体とフレーム部材とが互いに取り付けられるときにフレーム部材に当て付いてシールするシールリップを備えてもよく、クッション部材内の空気圧が増大するときに、シールリップは、シール力を高めるためにフレーム部材へ向けて撓まされ、(d)シールリップは、シール形成構造体と一体の連続する内周縁であってもよく、(e)保持構造体およびフレーム部材がシール形成構造体よりも硬質であってもよく、(f)保持構造体が一対の鉤状部を備えてもよく、(g)前記フレーム部材は、前記クッション部材のそれぞれの嵌め合い機能部を受けるように構成されるチャネルを備えてもよく、(h)前記クッション部材は、前記フレーム部材のそれぞれの嵌め合い機能部を受けるように構成されるチャネルを備えてもよく、(i)前記シール形成構造体は、患者の気道の入口でシールを形成するために前記シール形成構造体の外周にわたって延在するシールフランジを備えてもよく、(j)前記フレーム部材は、前記シールフランジと共にシールを行うように構成されて配置される舌部を備えてもよく、(k)クッション部材は、使用時に患者の上唇と隣り合って位置付けられるように構成されて配置される後壁を有するプレナムチャンバを備えてもよく、プレナムチャンバが保持構造体とシール形成構造体との間に位置付けられてもよく、(l)患者インタフェースは、位置決め安定化構造体、または、位置決め安定化構造体のためのコネクタを含んでもよく、(m)患者インタフェースは、接続ポートによってガス送出チューブに直接に接続されてもよく、(n)接続ポートが患者インタフェースのフレームと一体に形成されてもよく、(o)接続ポートがフレームに対して角度を成して形成されてもよく、(p)プレナムチャンバは、鼻枕間でプレナムチャンバにまたがる凹状、窪んだ、または、サドル形状の領域を含んでもよく、および/または、(q)サドル形状領域は、プレナムチャンバの後壁からプレナムチャンバの前壁へと及んでいてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に与えるための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、プレナム接続領域を有するプレナムチャンバと、プレナムチャンバに配置されるシール形成構造体と、フレーム接続領域とヘッドギア接続領域とを備えるフレームと、ガス送出チューブとを備えてもよく、ガス送出チューブがフレームにインサート成形される。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に与えるための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、プレナム接続領域を有するプレナムチャンバと、プレナムチャンバに配置されるシール形成構造体と、フレーム接続領域とヘッドギア接続領域とを備えるフレームと、ガス送出チューブを受けるための接続ポートとを備えてもよく、接続ポートは、1または複数の接続ポートの外周の限られた部分でフレームに接続される。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に与えるための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、プレナム接続領域を有するプレナムチャンバと、プレナムチャンバに配置されるシール形成構造体と、フレーム接続領域とヘッドギア接続領域とを備えるフレームとを備えてもよく、フレーム接続領域は、プレナム接続領域でプレナムチャンバに取り付くように構成され、シールリップがプレナム接続領域とフレーム接続領域との間に空気圧シールを形成するようになっている。
例において、(a)シール形成構造体は、鼻孔へと向かう呼吸可能ガスのためのほぼシールされた経路を与えるとともに患者の鼻の鼻柱領域で少なくとも部分的にシールを形成するように構成されて配置される一対の鼻枕を備えてもよく、(b)一対の鼻枕のそれぞれは、柄部によってプレナムチャンバに空気圧接続される円錐台部を備えてもよく、(c)円錐台部がシールフランジと支持フランジとを備えてもよく、前記シールフランジおよび前記支持フランジが可撓性領域によって柄部に接続されてもよく、(d)支持フランジは、シールフランジを患者の鼻孔の外周領域に押し付けるようになっていてもよく、(e)プレナムチャンバがシールリップを備えてもよく、前記シールリップがプレナム接続領域に位置付けられ、(f)シールリップは、プレナム接続領域でプレナムチャンバの周囲に環状に配置されてもよく、(g)シールリップは、プレナムチャンバの内周にわたって配置されてもよく、(h)シールリップは、プレナムチャンバの外周にわたって配置されてもよく、(i)シールリップは、プレナムチャンバからシール形成構造体とは略反対の方向に角度を成して延在してもよく、(j)シールリップは、シール形成構造体へとほぼ向かう方向で変形できるように構成されて配置され、それにより、フレームがプレナム接続領域を介してプレナムチャンバに取り付けられるときにプレナムチャンバとフレームとの間に空気圧シールが形成され、(k)シールリップは、プレナムチャンバの内周全体にわたって配置されてもよく、(l)シールリップは、プレナムチャンバの外周全体にわたって配置されてもよく、(m)シールリップとプレナムチャンバとが一体を成してもよく、(n)プレナム接続領域とプレナムチャンバとが共成形または射出成形によって取り付け固定されてもよく、(o)プレナム接続領域およびプレナムチャンバが異なる材料を備えてもよく、(p)プレナムチャンバは、プレナム接続領域よりも柔軟な材料を備えてもよく、(q)プレナムチャンバがエラストマー材料を備えてもよく、プレナム接続領域は、ポリカーボネート、高デュロメータシリコーン、または、熱可塑性のエラストマーを備えてもよく、(r)プレナム接続領域を構成する材料とフレームを構成する材料とが同じであってもよく、(s)プレナム接続領域は、フレームとの接続を容易にするために少なくとも1つの保持機能部を備えてもよく、フレームは、少なくとも1つの相補的なフレーム接続領域を備えて、それに対応する少なくとも1つの保持機能部を受けてもよく、(t)少なくとも1つの保持機能部のそれぞれが鉤状部を備えてもよく、前記鉤状部が前面および後面を有してもよく、少なくとも1つのフレーム接続領域のそれぞれが引き込み面および保持面を備えてもよく、(u)前面は、少なくとも1つの保持機能部が引き込み面とは略反対の方向に変形するように、フレームに対するプレナム接続領域の取り付け中に少なくとも1つのフレーム接続領域の対応する引き込み面と接触するべく構成されてもよく、(u)少なくとも1つのフレーム接続領域に対する少なくとも1つの保持機能部の完全な係合は、プレナム接続領域がフレームに取り付けられて前面が引き込み面を通過するときに、聞き取れるクリック音を発生させてもよく、(v)前記鉤状部は、前記少なくとも1つの保持機能部から少なくとも1つの保持機能部の更なる面の反対側に延在してもよく、(w)前記鉤状部の前面および後面は、互いの方へ向けて更なる面から離れるように更なる面に対して傾けられてもよく、(x)前記鉤状部の前面は、更なる面に対して約60°で傾けられてもよく、(y)前記鉤状部の後面は、更なる面に対して約75°で傾けられてもよく、(z)後面は、フレームに対してプレナム接続領域を取り付けるために必要とされる力がフレームからプレナム接続領域を取り外すために必要とされる力よりも大きいように、前面よりも更なる面に対して垂直に近い角度で傾けられてもよく、(aa)少なくとも1つのフレーム接続領域の引き込み面は、取り付け中に少なくとも1つの保持機能部の前面と同一平面となるように傾けられてもよく、(bb)少なくとも1つのフレーム接続領域の保持面は、少なくとも1つのフレーム接続領域と少なくとも1つの保持機能部とが完全に係合されるときに少なくとも1つの保持機能部の後面と同一平面となるように傾けられてもよく、(cc)少なくとも1つの保持機能部が第1の保持機能部および第2の保持機能部を備えてもよく、少なくとも1つのフレーム接続領域が第1のフレーム接続領域および第2のフレーム接続領域を備えてもよく、(dd)第1の保持機能部は、第2の保持機能部を第1のフレーム接続領域に係合させることができないように、第1のフ
レーム接続領域に対して相補的に寸法付けられてもよく、(ee)フレームは、補給酸素を供給するためまたはプレナムチャンバ内の圧力を測定するために導管に接続するようになっているポートを備えてもよく、(ff)ポートが略円筒状であってもよく、(gg)ポートとフレームとが一体を成してもよく、(hh)ポートがフレームからプレナムチャンバと略反対の方向に延在してもよく、(ii)ポートがフレームから下方に延在してもよく、(jj)フレームが少なくとも1つの通気孔を備えてもよく、(kk)少なくとも1つの通気孔がメッシュを備えてもよく、(ll)少なくとも1つの通気孔が一対の通気孔を備えてもよく、各通気孔は、フレームの前面の両側に配置されてもよく、(mm)シール形成構造体が単一のオリフィスによって患者の両方の鼻孔を扱ってもよく、(nn)患者インタフェースは、接続ポートによってガス送出チューブに直接に接続されてもよく、(oo)接続ポートが患者インタフェースのフレームと一体に形成されてもよく、(pp)接続ポートがフレームに対して角度を成して形成されてもよく、(qq)プレナムチャンバは、鼻枕間でプレナムチャンバにまたがる凹状、窪んだ、または、サドル形状の領域を含んでもよく、および/または、(rr)サドル形状領域は、プレナムチャンバの後壁からプレナムチャンバの前壁へと及んでいてもよい。
本技術の1つの形態の他の態様は、意図される着用者の外周形状と一致するようになっている明確に画定される外周形状を伴って成形されまたはその他の方法で構成される患者インタフェースである。
本技術の1つの態様は、患者インタフェース装置のための位置決め安定化構造を対象とする。位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのストラップと、少なくとも1つのリジダイザアームとを備えてもよく、位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのストラップの少なくとも硬化される部分が少なくとも1つのリジダイザアームに対して移動できるようにする所望の形状を少なくとも1つのリジダイザアームが少なくとも1つのストラップの硬化される部分で少なくとも1つのストラップに対して与えるように、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを互いに対して位置決めするように配置されてもよい。
例において、(a)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップの限られた領域で少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(b)限られた領域は、ポケットまたはスリーブ開口と隣り合ってもよく、(c)位置決め安定化構造体は、所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを患者の気道の入口へ送出するための患者インタフェース装置用のヘッドギアを備えてもよく、(d)少なくとも1つのリジダイザアームが三日月形状を成してもよく、(e)少なくとも1つのストラップが弾性布材料から形成されてもよく、位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのストラップが弾性的に拡張するおよび/または収縮することによって前記少なくとも1つのストラップおよび/またはリジダイザアームの長手方向軸線に沿って少なくとも1つのリジダイザアームに対してほぼ自由に移動できるように配置されてもよく、(f)少なくとも1つのストラップの伸長可能長さは、少なくとも1つのリジダイザアームを伴わない少なくとも1つのストラップと比べて実質的に変わらないままであってもよく、(g)弾性布材料は、エラスタン、TPE、ナイロン、および、シリコーンから成るグループからのいずれか1つであってもよく、(h)位置決め安定化構造体は、そのほぼ全長にわたって伸長できてもよく、(i)少なくとも1つのストラップは、伸長可能であるとともに、少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたって滑るように配置されるスリーブの形態を成してもよく、前記配置は、少なくとも1つのストラップがその伸長可能長さのほぼ全体を維持するとともに少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたってほぼ自由に伸長できるようになっており、(j)少なくとも1つのストラップは、少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置で受けるための中空スリーブと、少なくとも1つのリジダイザアームをスリーブ内へと受けるための少なくとも1つの開口とを備えてもよく、(k)スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのリジダイザアームがスリーブの内側で略軸方向に移動できるようにするべく配置されてもよく、(l)少なくとも1つのリジダイザアームの端部が少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(m)少なくとも1つのリジダイザアームは、裁縫、溶着、接着、熱かしめ、クランプ、ボタン掛け、端部上にわたってカ
バーをスナップ留めすること、および/または、外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(n)少なくとも1つのリジダイザアームが外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着される場合、外部部品に対するスナップ留めは、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを位置合わせして、スリーブの内側に少なくとも1つのリジダイザアームを押し込むとともに、スリーブおよびリジダイザアームの両方を外部部品に固定することによって達成されてもよく、(o)外部部品は、スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームのそれぞれの端部の両方を保持する外部クリップであってもよく、クリップは、位置決め安定化構造体の端部をマスクフレームのそれぞれの端部に取り付けるようになっていてもよく、クリップがマスクフレーム自体の一部であってもよく、(p)与えられた所望の形状は、位置決め安定化構造体の圧力を着用者の顔面の所定の部分へと方向付けてもよく、(q)少なくとも1つのストラップの弾性長さの調整を可能にするべく少なくとも1つの固定位置が選択されて変えられるように取り付け用の複数の取り付けポイントが設けられてもよく、(r)少なくとも1つのリジダイザアームは、伸長することができず、少なくとも1つのストラップよりも相対的に硬質であってもよく、(s)少なくとも1つのストラップが弾性壁を備えてもよく、前記弾性壁は、織られる、編まれる、編組される、成形される、および、押し出される、から成るグループからのいずれか1つであり、(t)位置決め安定化構造体は、患者の顔面の両側に対称的に配置される2つ以上のリジダイザアームを備えてもよく、(u)少なくとも1つのリジダイザアームが少なくとも1つのストラップから完全に取り外し可能であってもよく、(v)位置決め安定化構造体は、その全体の作動長さを維持するとともに、少なくとも1つのリジダイザアームに沿って自由に伸長でき、(w)少なくとも1つのストラップは、患者インタフェースから患者の頭部の側面に沿って延在するように配置される2つのサイドストラップ部と、患者の頭部の背面に沿って延在するように配置される2つのバックストラップ部とを含んでもよく、(x)2つのバックストラップ部は、該バックストラップ部の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体の全長を短くすることによってバックストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能であってもよく、(y)位置決め安定化構造体は、2つ以上のジョイントにより接続される3つ、4つ、または、それ以上の別個のストラップを備えてもよく、(z)少なくとも1つのストラップが2つのポケットを備えてもよく、各ポケットは、少なくとも1つのストラップをリジダイザアームに解放可能に固定するために1つのリジダイザアームを受け、(aa)位置決め安定化構造体が少なくとも1つの保持手段を備えてもよく、前記保持手段は、少なくとも1つのリジダイザアームを受けて少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置に保持するためのループ、スリーブ、および/または、ポケットを備え、(bb)少なくとも1つの保持手段が、少なくとも1つのストラップ上にまたは該ストラップ内に形成されてもよく、(cc)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップに設けられる案内要素に取着されてもよく、(dd)少なくとも1つのリジダイザアームは、1つの局所的なポイントまたは領域でのみ少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(ee)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームが入り込んで延在するまたは通過して延在するループ状部またはシース状部または通路またはポケットであってもよく、(ff)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームに対する少なくとも1つのストラップの長手方向の拡張または収縮を可能にしてもよく、および/または、少なくとも1つのストラップに対する少なくとも1つのリジダイザアームのほぼ自由な移動または遊動を可能にしてもよく、(gg)少なくとも1つのストラップは、少なくとも2つのバックストラップへと分けられるバック部を備えてもよく、(hh)少なくとも2つのバックストラップは、頭冠付近で患者と係合するようになっている第1のバックストラップと、頭部の背面付近で患者と係合するようになっている第2のバックストラップとを備えてもよく、(ii)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、ほぼ等しい張力により、患者インタフェースを患者の鼻に当て付けて保持するようになっていてもよく、(jj)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、患者により着用されるときに、
ほぼ等しい力を伴う伸長状態にあってもよく、(kk)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、対称的であって、少なくとも2つのバックストラップが患者の頭冠のそれぞれの側で必然的に中心付くように非独立的に調整可能であってもよく、(ll)分割領域が少なくとも2つのバックストラップ間に画定されてもよく、分割領域の長さが約200mmであり、および/または、(mm)患者インタフェースシステムは、先の例のうちのいずれか1つに係る位置決め安定化構造体と、患者の顔に合わせて、鼻カニューレ、鼻突起、および、着用者の鼻および/または口を覆う呼吸マスクから成るグループからのいずれか1つを備える患者インタフェースと、を備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に与えるための患者インタフェースシステムを対象にする。患者インタフェースシステムは、患者の気道に対する空気圧接続を行うためにシール形成構造体を含む患者インタフェースと、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを含むとともに、患者インタフェースを患者に対して解放可能に保持するように構成される位置決め安定化構造体とを備えてもよく、少なくとも1つのストラップの成形部は、少なくとも1つのリジダイザアームの形状を受け入れるようになっており、前記成形部は、少なくとも1つのリジダイザアームの長手方向軸線に沿って移動するように配置される。
例において、(a)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップの限られた領域で少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(b)限られた領域は、ポケットまたはスリーブ開口と隣り合ってもよく、(c)位置決め安定化構造体はヘッドギアを備えてもよく、(d)少なくとも1つのリジダイザアームが三日月形状を成してもよく、(e)少なくとも1つのストラップが弾性布材料から形成されてもよく、位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのストラップが弾性的に拡張するおよび/または収縮することによって少なくとも1つのストラップおよび/またはリジダイザアームの長手方向軸線に沿って少なくとも1つのリジダイザアームに対してほぼ自由に移動できるように配置されてもよく、(f)少なくとも1つのストラップの伸長可能長さは、少なくとも1つのリジダイザアームを伴わない少なくとも1つのストラップと比べて実質的に変わらないままであってもよく、(g)弾性布材料は、エラスタン、TPE、ナイロン、および、シリコーンから成るグループからのいずれか1つであってもよく、(h)位置決め安定化構造体は、そのほぼ全長にわたって伸長できてもよく、(i)少なくとも1つのストラップは、伸長可能であるとともに、少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたって滑るように配置されるスリーブの形態を成してもよく、前記配置は、少なくとも1つのストラップがその伸長可能長さのほぼ全体を維持するとともに少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたってほぼ自由に伸長できるようになっており、(j)少なくとも1つのストラップは、少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置で受けるための中空スリーブと、少なくとも1つのリジダイザアームをスリーブ内へと受けるための少なくとも1つの開口とを備えてもよく、(k)スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのリジダイザアームがスリーブの内側で略軸方向に移動できるようにするべく配置されてもよく、(l)少なくとも1つのリジダイザアームの端部が少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(m)少なくとも1つのリジダイザアームは、裁縫、溶着、接着、熱かしめ、クランプ、ボタン掛け、端部上にわたってカバーをスナップ留めすること、および/または、外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのス
トラップに取着されてもよく、(n)少なくとも1つのリジダイザアームが外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着される場合、外部部品に対するスナップ留めは、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを位置合わせして、スリーブの内側に少なくとも1つのリジダイザアームを押し込むとともに、スリーブおよびリジダイザアームの両方を外部部品に固定することによって達成されてもよく、(o)外部部品は、スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームのそれぞれの端部の両方を保持する外部クリップであってもよく、クリップは、位置決め安定化構造体の端部をマスクフレームのそれぞれの端部に取り付けるようになっていてもよく、クリップがマスクフレーム自体の一部であってもよく、(p)成形部は、位置決め安定化構造体の圧力を着用者の顔面の所定の部分へと方向付けてもよく、(q)少なくとも1つのストラップの弾性長さの調整を可能にするべく少なくとも1つの固定位置が選択されて変えられるように取り付け用の複数の取り付けポイントが設けられてもよく、(r)少なくとも1つのリジダイザアームは、伸長することができず、少なくとも1つのストラップよりも相対的に硬質であり、(s)少なくとも1つのストラップが弾性壁を備えてもよく、前記弾性壁は、織られる、編まれる、編組される、成形される、および、押し出される、から成るグループからのいずれか1つであり、(t)患者インタフェースは、患者の顔面の両側に対称的に配置される2つ以上のリジダイザアームを備えてもよく、(u)少なくとも1つのリジダイザアームが少なくとも1つのストラップから完全に取り外し可能であってもよく、(v)位置決め安定化構造体は、その全体の作動長さを維持するとともに、少なくとも1つのリジダイザアームに沿って自由に伸長でき、(w)少なくとも1つのストラップは、患者インタフェースから患者の頭部の側面に沿って延在するように配置される2つのサイドストラップ部と、患者の頭部の背面に沿って延在するように配置される2つのバックストラップ部とを含んでもよく、(x)2つのバックストラップ部は、該バックストラップ部の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体の全長を短くすることによってバックストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能であってもよく、(y)患者インタフェースは、2つ以上のジョイントにより接続される3つ、4つ、または、それ以上の別個のストラップを備えてもよく、(z)少なくとも1つのストラップが2つのポケットを備えてもよく、各ポケットは、少なくとも1つのストラップをリジダイザアームに解放可能に固定するために1つのリジダイザアームを受け、(aa)位置決め安定化構造体が少なくとも1つの保持手段を備えてもよく、前記保持手段は、少なくとも1つのリジダイザアームを受けて少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置に保持するためのループ、スリーブ、および/または、ポケットを備え、(bb)少なくとも1つの保持手段が少なくとも1つのストラップ上にまたは該ストラップ内に形成されてもよく、(cc)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップに設けられる案内要素に取着されてもよく、(dd)少なくとも1つのリジダイザアームは、1つの局所的なポイントまたは領域でのみ少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(ee)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームが入り込んで延在するまたは通過して延在するループ状部またはシース状部または通路またはポケットであってもよく、(ff)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームに対する少なくとも1つのストラップの長手方向の拡張または収縮を可能にしてもよく、および/または、少なくとも1つのストラップに対する少なくとも1つのリジダイザアームのほぼ自由な移動または遊動を可能にしてもよく、(gg)少なくとも1つのストラップは、少なくとも2つのバックストラップへと分けられるバック部を備えてもよく、(hh)少なくとも2つのバックストラップは、頭冠付近で患者と係合するようになっている第1のバックストラップと、頭部の背面付近で患者と係合するようになっている第2のバックストラップとを備えてもよく、(ii)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、ほぼ等しい張力により、患者インタフェースを患者の鼻に当て付けて保持するようになっていてもよく、(jj)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、患者により着用されるときに、ほぼ等しい力を伴う伸長状態にあってもよく、(kk)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、対称的であって、少なくとも2つの
バックストラップが患者の頭冠のそれぞれの側で必然的に中心付くように非独立的に調整可能であってもよく、(ll)患者インタフェースシステムは分割領域を含んでもよく、分割領域が少なくとも2つのバックストラップ間に画定されてもよく、分割領域の長さが約200mmであり、および/または、(mm)患者インタフェースは、患者の顔に合わせて、鼻カニューレ、鼻突起、および、着用者の鼻および/または口を覆う呼吸マスクから成るグループからのいずれか1つを備えてもよい。
本技術の他の態様は、少なくとも1つのストラップと、少なくとも1つのリジダイザアームとを備える位置決め安定化構造体を対象にし、位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのリジダイザアームが少なくとも1つのストラップの硬化される部分に所望の形状を与えるように少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを互いに対して位置決めするべく配置され、少なくとも1つのリジダイザアームは、患者インタフェースが患者の鼻と係合するべく移動され得るように可撓性ジョイントによって患者インタフェースに接続するようになっている。
例において、(a)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップの限られた領域で少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(b)限られた領域は、ポケットまたはスリーブ開口と隣り合ってもよく、(c)位置決め安定化構造体は、所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを患者の気道の入口へ送出するための患者インタフェース装置用のヘッドギアを備えてもよく、(d)少なくとも1つのリジダイザアームが三日月形状を成してもよく、(e)少なくとも1つのストラップが弾性布材料から形成されてもよく、位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのストラップが弾性的に拡張するおよび/または収縮することによって少なくとも1つのストラップおよび/またはリジダイザアームの長手方向軸線に沿って少なくとも1つのリジダイザアームに対してほぼ自由に移動できるように配置されてもよく、(f)少なくとも1つのストラップの伸長可能長さは、少なくとも1つのリジダイザアームを伴わない少なくとも1つのストラップと比べて実質的に変わらないままであってもよく、(g)弾性布材料は、エラスタン、TPE、ナイロン、および、シリコーンから成るグループからのいずれか1つであってもよく、(h)位置決め安定化構造体は、そのほぼ全長にわたって伸長できてもよく、(i)少なくとも1つのストラップは、伸長可能であるとともに、少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたって滑るように配置されるスリーブの形態を成してもよく、前記配置は、少なくとも1つのストラップがその伸長可能長さのほぼ全体を維持するとともに少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたってほぼ自由に伸長できるようになっており、(j)少なくとも1つのストラップは、少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置で受けるための中空スリーブと、少なくとも1つのリジダイザアームをスリーブ内へと受けるための少なくとも1つの開口とを備えてもよく、(k)スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのリジダイザアームがスリーブの内側で略軸方向に移動できるようにするべく配置されてもよく、(l)少なくとも1つのリジダイザアームの端部が少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(m)少なくとも1つのリジダイザアームは、裁縫、溶着、接着、熱かしめ、クランプ、ボタン掛け、端部上にわたってカバー
をスナップ留めすること、および/または、外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(n)少なくとも1つのリジダイザアームが外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着される場合、外部部品に対するスナップ留めは、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを位置合わせして、スリーブの内側に少なくとも1つのリジダイザアームを押し込むとともに、スリーブおよびリジダイザアームの両方を外部部品に固定することによって達成されてもよく、(o)外部部品は、スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームのそれぞれの端部の両方を保持する外部クリップであってもよく、クリップは、位置決め安定化構造体の端部をマスクフレームのそれぞれの端部に取り付けるようになっていてもよく、クリップがマスクフレーム自体の一部であってもよく、(p)与えられる所望の形状は、位置決め安定化構造体の圧力を着用者の顔面の所定の部分へと方向付けてもよく、(q)少なくとも1つのストラップの弾性長さの調整を可能にするべく少なくとも1つの固定位置が選択されて変えられるように取り付け用の複数の取り付けポイントが設けられてもよく、(r)少なくとも1つのリジダイザアームは、伸長することができず、少なくとも1つのストラップよりも相対的に硬質であってもよく、(s)少なくとも1つのストラップが弾性壁を備えてもよく、前記弾性壁は、織られる、編まれる、編組される、成形される、および、押し出される、から成るグループからのいずれか1つであり、(t)位置決め安定化構造体は、患者の顔面の両側に対称的に配置される2つ以上のリジダイザアームを備えてもよく、(u)少なくとも1つのリジダイザアームが少なくとも1つのストラップから完全に取り外し可能であってもよく、(v)位置決め安定化構造体は、その全体の作動長さを維持するとともに、少なくとも1つのリジダイザアームに沿って自由に伸長でき、(w)少なくとも1つのストラップは、患者インタフェースから患者の頭部の側面に沿って延在するように配置される2つのサイドストラップ部と、患者の頭部の背面に沿って延在するように配置される2つのバックストラップ部とを含んでもよく、(x)2つのバックストラップ部は、該バックストラップ部の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体の全長を短くすることによってバックストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能であってもよく、(y)位置決め安定化構造体は、2つ以上のジョイントにより接続される3つ、4つ、または、それ以上の別個のストラップを備えてもよく、(z)少なくとも1つのストラップが2つのポケットを備えてもよく、各ポケットは、少なくとも1つのストラップをリジダイザアームに解放可能に固定するために1つのリジダイザアームを受け、(aa)位置決め安定化構造体が少なくとも1つの保持手段を備えてもよく、前記保持手段は、少なくとも1つのリジダイザアームを受けて少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置に保持するためのループ、スリーブ、および/または、ポケットを備え、(bb)少なくとも1つの保持手段が少なくとも1つのストラップ上にまたは該ストラップ内に形成されてもよく、(cc)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップに設けられる案内要素に取着されてもよく、(dd)少なくとも1つのリジダイザアームは、1つの局所的なポイントまたは領域でのみ少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(ee)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームが入り込んで延在するまたは通過して延在するループ状部またはシース状部または通路またはポケットであってもよく、(ff)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームに対する少なくとも1つのストラップの長手方向の拡張または収縮を可能にしてもよく、および/または、少なくとも1つのストラップに対する少なくとも1つのリジダイザアームのほぼ自由な移動または遊動を可能にしてもよく、(gg)少なくとも1つのストラップは、少なくとも2つのバックストラップへと分けられるバック部を備えてもよく、(hh)少なくとも2つのバックストラップは、頭冠付近で患者と係合するようになっている第1のバックストラップと、頭部の背面付近で患者と係合するようになっている第2のバックストラップとを備えてもよく、(ii)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、ほぼ等しい張力により、患者インタフェースを患者の鼻に当て付けて保持するようになっていてもよく、(jj)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、患者により着用されるときに、ほぼ等
しい力を伴う伸長状態にあってもよく、(kk)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、対称的であって、少なくとも2つのバックストラップが患者の頭冠のそれぞれの側で必然的に中心付くように非独立的に調整可能であってもよく、(ll)分割領域が少なくとも2つのバックストラップ間に画定されてもよく、分割領域の長さが約200mmであり、および/または、(mm)患者インタフェースシステムは、先の例のうちのいずれか1つに係る位置決め安定化構造体と、患者の顔に合わせて、鼻カニューレ、鼻突起、および、着用者の鼻および/または口を覆う呼吸マスクから成るグループからのいずれか1つを備える患者インタフェースと、を備えてもよい。
本技術の他の態様は位置決め安定化構造体を対象にする。位置決め安定化構造体は、少なくとも2つのバックストラップを含む少なくとも1つのストラップを備えてもよく、少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、対称的であるとともに、少なくとも2つのバックストラップが患者の頭冠のそれぞれの側で必然的に中心付くように非独立的に調整可能である。
例において、(a)位置決め安定化構造体は少なくとも1つのリジダイザアームを備えてもよく、(b)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップの限られた領域で少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(c)限られた領域は、ポケットまたはスリーブ開口と隣り合ってもよく、(d)位置決め安定化構造体は、所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを患者の気道の入口へ送出するための患者インタフェース装置用のヘッドギアを備えてもよく、(e)少なくとも1つのリジダイザアームが三日月形状を成してもよく、(f)少なくとも1つのストラップが弾性布材料から形成されてもよく、位置決め安定化構造体は、少なくとも1つのストラップが弾性的に拡張するおよび/または収縮することによって少なくとも1つのストラップおよび/またはリジダイザアームの長手方向軸線に沿って少なくとも1つのリジダイザアームに対してほぼ自由に移動できるように配置されてもよく、(g)少なくとも1つのストラップの伸長可能長さは、少なくとも1つのリジダイザアームを伴わない少なくとも1つのストラップと比べて実質的に変わらないままであってもよく、(h)弾性布材料は、エラスタン、TPE、ナイロン、および、シリコーンから成るグループからのいずれか1つであってもよく、位置決め安定化構造体は、そのほぼ全長にわたって伸長できてもよく、(i)少なくとも1つのストラップは、伸長可能であるとともに、少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたって滑るように配置されるスリーブの形態を成してもよく、前記配置は、少なくとも1つのストラップがその伸長可能長さのほぼ全体を維持するとともに少なくとも1つのリジダイザアーム上にわたってほぼ自由に伸長できるようになっており、(j)少なくとも1つのストラップは、少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置で受けるための中空スリーブと、少なくとも1つのリジダイザアームをスリーブ内へと受けるための少なくとも1つの開口とを備えてもよく、(k)スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのリジダイザアームがスリーブの内側で略軸方向に移動できるようにするべく配置されてもよく、(l)少なくとも1つのリジダイザアームの端部が少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(m)少なくとも1つのリジダイザアームは、裁
縫、溶着、接着、熱かしめ、クランプ、ボタン掛け、端部上にわたってカバーをスナップ留めすること、および/または、外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(n)少なくとも1つのリジダイザアームが外部部品にスナップ留めすることによって少なくとも1つのストラップに取着される場合、外部部品に対するスナップ留めは、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを位置合わせして、スリーブの内側に少なくとも1つのリジダイザアームを押し込むとともに、スリーブおよびリジダイザアームの両方を外部部品に固定することによって達成されてもよく、(o)外部部品は、スリーブおよび少なくとも1つのリジダイザアームのそれぞれの端部の両方を保持する外部クリップであってもよく、クリップは、位置決め安定化構造体の端部をマスクフレームのそれぞれの端部に取り付けるようになっていてもよく、クリップがマスクフレーム自体の一部であってもよく、(p)少なくとも1つのストラップの弾性長さの調整を可能にするべく少なくとも1つの固定位置が選択されて変えられるように取り付け用の複数の取り付けポイントが設けられてもよく、(q)少なくとも1つのリジダイザアームは、伸長することができず、少なくとも1つのストラップよりも相対的に硬質であってもよく、(r)少なくとも1つのストラップが弾性壁を備えてもよく、前記弾性壁は、織られる、編まれる、編組される、成形される、および、押し出される、から成るグループからのいずれか1つであり、患者の顔面の両側に対称的に配置される2つ以上のリジダイザアームを備え、(s)少なくとも1つのリジダイザアームが少なくとも1つのストラップから完全に取り外し可能であってもよく、(t)位置決め安定化構造体は、その全体の作動長さを維持するとともに、少なくとも1つのリジダイザアームに沿って自由に伸長でき、(u)少なくとも1つのストラップは、患者インタフェースから患者の頭部の側面に沿って延在するように配置される2つのサイドストラップ部と、患者の頭部の背面に沿って延在するように配置される2つのバックストラップ部とを含んでもよく、(v)2つのバックストラップ部は、該バックストラップ部の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体の全長を短くすることによってバックストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能であってもよく、(w)位置決め安定化構造体は、2つ以上のジョイントにより接続される3つ、4つ、または、それ以上の別個のストラップを備えてもよく、(x)少なくとも1つのストラップが2つのポケットを備えてもよく、各ポケットは、少なくとも1つのストラップをリジダイザアームに解放可能に固定するために1つのリジダイザアームを受け、(y)位置決め安定化構造体が少なくとも1つの保持手段を備えてもよく、前記保持手段は、少なくとも1つのリジダイザアームを受けて少なくとも1つのリジダイザアームを所定位置に保持するためのループ、スリーブ、および/または、ポケットを備え、(z)少なくとも1つの保持手段が少なくとも1つのストラップ上にまたは該ストラップ内に形成されてもよく、(aa)少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのストラップに設けられる案内要素に取着されてもよく、(bb)少なくとも1つのリジダイザアームは、1つの局所的なポイントまたは領域でのみ少なくとも1つのストラップに取着されてもよく、(cc)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームが入り込んで延在するまたは通過して延在するループ状部またはシース状部または通路またはポケットであってもよく、(dd)案内要素は、少なくとも1つのリジダイザアームに対する少なくとも1つのストラップの長手方向の拡張または収縮を可能にしてもよく、および/または、少なくとも1つのストラップに対する少なくとも1つのリジダイザアームのほぼ自由な移動または遊動を可能にしてもよく、(ee)少なくとも2つのバックストラップは、頭冠付近で患者と係合するようになっている第1のバックストラップと、頭部の背面付近で患者と係合するようになっている第2のバックストラップとを備えてもよく、(ff)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、ほぼ等しい張力により、患者インタフェースを患者の鼻に当て付けて保持するようになっていてもよく、(gg)少なくとも2つのバックストラップのそれぞれは、患者により着用されるときに、ほぼ等しい力を伴う伸長状態にあってもよく、(hh)分割領域が少なくとも2つのバックストラップ間に画定されてもよく、分割領域の長さが約200mmであり、および/または、(ii)患者インタフェー
スシステムは、先の例のうちのいずれか1つに係る位置決め安定化構造体と、患者の顔に合わせて、鼻カニューレ、鼻突起、および、着用者の鼻および/または口を覆う呼吸マスクから成るグループからのいずれか1つを備える患者インタフェースと、を備えてもよい。
本技術の他の態様は位置決め安定化構造体を対象にする。位置決め安定化構造体は、一対のサイドストラップと、一対の各サイドストラップ間に位置付けられる一対のバックストラップとを含む少なくとも1つのストラップを備えてもよく、一対のサイドストラップと一対のバックストラップとが一体である。
例において、(a)位置決め安定化構造体は、一対のバックストラップ間に画定される分割領域を備えてもよく、(b)分割領域は、一対のバックストラップのそれぞれの遠位端部で始まり、(c)各遠位端部は、分割領域と隣り合う補強部を備えてもよく、(d)少なくとも1つのストラップは、その横方向軸線よりもその長手方向軸線に沿ってより大きく伸長可能であってもよく、(e)少なくとも1つのストラップは、一対のサイドストラップのそれぞれの近位端部に穴を含んでもよく、穴は、リジダイザアームの挿入を受けるように形成されて寸法付けられ、(f)少なくとも1つのストラップが縦編み材料または織り材料を備えてもよく、および/または、(g)少なくとも1つのストラップが管状であってもよい。
本技術の他の態様は、患者によって患者インタフェースを着用するための方法であって、患者インタフェースが位置決め安定化構造体を含む方法を対象にする。本方法は、位置決め安定化構造体を患者インタフェースから離れるように伸長させるステップと、患者インタフェースのシール形成構造体を患者の気道に対して配置するステップと、位置決め安定化構造体の後部を患者の頭部の後部に当て付けて位置させることにより位置決め安定化構造体の張力の一部を解放するステップと、位置決め安定化構造体の後部のバックストラップを引き離すことによって位置決め安定化構造体の張力を調整するステップとを備えてもよい。
本技術の他の態様は患者インタフェースシステムを対象とする。患者インタフェースシステムは、分割領域を間に有する少なくとも2つのバックストラップを含む少なくとも1つのストラップと、シール形成構造体を含むとともに少なくとも1つのストラップに接続可能な患者インタフェースとを備えてもよく、少なくとも2つのバックストラップは、シール形成構造体が患者の気道に対して配置される際には少なくとも2つのバックストラップ間の角度がゼロのときに少なくとも1つのストラップにより患者インタフェースに抗して生み出される引張りシール力が最も大きいように、調整可能に分離できる。
例において、(a)引張りシール力は、少なくとも2つのバックストラップ間の角度が増大するにつれて減少してもよく、(b)少なくとも2つのバックストラップ間の角度を増大させることによって患者が前記引張りシール力を調整できるようにするために少なくとも2つのバックストラップ間の開始角度がゼロであってもよく、(c)少なくとも2つのバックストラップ間の角度が180°以下であってもよく、および/または、(d)少なくとも2つのバックストラップ間の角度が約180°であるときに、引張りシール力は、少なくとも2つのバックストラップ間の角度が約ゼロのときの引張りシール力よりも約40%小さくてもよい。
本技術の他の態様は、位置決め安定化構造体を患者インタフェース装置に対して繰り返し係合させるための方法を対象にする。本方法は、中空の伸長可能な織物ストラップの開口を介して非拡張性のリジダイザアームをストラップの一部へと挿入するステップと、ストラップの端部をリジダイザアームに対して解放可能に固定するステップとを備えてもよく、位置決め安定化構造体は、ストラップの硬化される部分がリジダイザアームに対して自由に移動できるようにしつつリジダイザアームがストラップの硬化される部分に対して所望の形状を与えるように、ストラップとリジダイザアームとを互いに対して位置決めするべく配置される。
例において、(a)リジダイザアームは、患者インタフェース装置のマスクフレームに対して取り外し不能に接続されてもよく、(b)ストラップの端部は、リジダイザアームのそれぞれの捕捉部材に固定されるポケット状端部であってもよく、および/または、(c)ポケット状端部は、リジダイザアームのそれぞれの捕捉部材上にわたって巻き付けられる。
他の態様では、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースを製造するための方法が提供される。本方法は、繊維を交絡させることによって形成される布から通気孔部をカットするステップを備える。布は所定の大きさの気孔率を有する。
方法は、通気孔部を金型内に保持するステップを備える。
方法は、呼気(吐き出された二酸化炭素を含む)を流出させるべく患者インタフェースの通気孔を形成するために、保持された通気孔部をプラスチック材料から形成されるマスクフレームに対して取り外し不能に接続するステップを備えてもよい。
または、方法は、呼気(吐き出された二酸化炭素を含む)を流出させるために患者インタフェースの通気孔を形成するべく通気孔部とマスクフレームとの間の機械的連結によって保持された通気孔部をマスクフレームにオーバーモールドするステップを備える。機械的連結は、通気孔をマスクフレームから取り外すことができないように通気孔部とマスクフレームとの間に取り外し不能な接続をもたらす。想定し得る機械的連結は、1つ以上のマッシュルーム形状の機械的連結要素によって行われる。通気孔部とマスクフレームとの結合面に前処理を施して、マイクロ粗さをもたらし、それにより、結合強度を高めることができる。
方法は、第1の気流速度を有する第1の通気孔部をマスクフレームに対して取り外し不能に接続するステップを更に備えてもよい。また、方法は、第1の気流速度とは異なる第2の気流速度を有する第2の通気孔部を前記マスクフレームに対して取り外し不能に接続するステップを更に備えてもよい。第1の通気孔部および第2の通気孔部は、第1の気流速度と第2の気流速度とを合わせた平均の気流速度が所定の範囲内にある場合に選択される。
交絡繊維は熱可塑性高分子から形成されてもよい。熱可塑性高分子は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン、および、ポリエチレンから成るグループからのいずれか1つであってもよい。熱可塑性高分子は、SEFAR材料Tetex Mono 05-1010-K 080織りポリプロピレン材料であってもよい。
取り外し不能な接続は、オーバーモールド、共射出成形、および、ツーショット(2K)射出成形から成るグループからのいずれか1つを使用して分子付着により得られてもよい。
方法の患者インタフェースは、鼻マスク、フルフェースマスク、鼻枕から成るグループからのいずれか1つであってもよい。好ましくは、患者インタフェースは、鼻枕または鼻クレードルである。
カットするステップは、レーザ切断、超音波切断、および、機械的切断から成るグループからのいずれか1つであってもよい。
通気孔は、半円形状またはD形状をほぼ成してもよい。
布は、通気孔部をカットする前にロールまたはリボンの形態で与えられてもよい。
通気孔は、約16mm〜約21mm、好ましくは約18.2mm〜18.6mmの最大幅、約19mm〜約24mm、好ましくは21.6mm〜22mmの最大高さ、および、約0.36mm〜約0.495mm、好ましくは0.40mm〜0.45mmの厚さを有してもよい。
マスクは2つの通気孔を有してもよい。第1の通気孔はマスクフレームの左側に位置付けられる。第2の通気孔はマスクフレームの右側に位置付けられる。第1の通気孔および第2の通気孔は、空気送出チューブを受けるための開口によって分離される。
方法は、通気孔部を通じた気流速度が所定の範囲を超える場合に通気孔部の気孔率の大きさを選択的に減少させるステップを更に備えてもよい。
所定の範囲は、20cmH2O圧で約42〜約58リットル/分、好ましくは20cmH2O圧で約47〜約53リットル/分であってもよい。
SEFAR材料Tetex Mono 05-1010-K 080織りポリプロピレン材料を通じた気流速度は、20cmH2O圧で約37〜約64リットル、好ましくは20cmH2O圧で約42〜約58リットルであってもよい。
通気孔部の気孔率は、熱かしめ、圧縮によるプラスチック変形、超音波溶着、封止材の付加、薄膜の付加から成るグループからのいずれか1つによって減少されてもよい。封止材はホットメルト接着剤であってもよい。
通気孔部の気孔率は、通気孔部の穴を部分的に塞ぐことによって、または、通気孔部の穴を完全に塞ぐことによって減少されてもよい。
通気孔部の連続する外周縁領域の気孔率が減少されてもよい。
第2の態様では、患者インタフェースからの呼気(吐き出された二酸化炭素を含む)の流出のための通気孔を製造するための方法が提供される。
方法は、気流を拡散させるために所定の大きさの気孔率を有する半透性材料から通気孔部をカットするステップを備える。
また、方法は、通気孔を形成するために患者インタフェースのマスクフレームに対して通気孔部を取り外し不能に接続するステップも備える。所定の大きさの気孔率は、前記患者インタフェースからの20cmH2O圧の呼吸ガスで約42〜59リットル/分の気流速度が得られるように、また、3dbAの不確かさを伴って25dbA以下であるA特性音響パワーレベルと1メートルの距離で3dbAの不確かさを伴って17dbA以下であるA特性音圧とが発生されるようになっている。好ましくは、A特性音響パワーレベルは約22dbAであり、また、A特性音圧は約13dbAである。
気流速度は、20cmH2O圧の呼吸ガスで47〜53リットル/分であってもよい。
他の態様では、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースが提供される。患者インタフェースは、呼気(吐き出された二酸化炭素を含む)を流出させるための通気孔を備える。通気孔は、プラスチック材料から形成される通気キャップに接続される。通気キャップは、マスクフレームとマスクフレームに形成される通気オリフィスで取り外し可能に係合できる。通気孔は、繊維を交絡させることによって形成される布から成る。布は所定の大きさの気孔率を有する。
通気孔は、所定の大きさの気孔率を得るために熱かしめによって塞がれる部分を有してもよい。
通気孔は、約201.6mm2〜約278.6mm2の表面積を有してもよい。
通気孔の表面積が約1%〜10%の全多孔質領域を有してもよい。
本技術の他の態様は、呼吸器から呼吸可能ガスを供給するためのガス送出チューブを対象にしてもよい。ガス送出チューブは、複数の隣り合うコイルから構成される螺旋コイルであって、隣り合うコイルのそれぞれが、幅によって分離されるとともに、コイル直径を画定する外面を有する、螺旋コイルと、螺旋コイルと同軸であって、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で螺旋コイルに取り付けられるとともに、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を有し、前記少なくとも1つの折り曲げ部が所定の折り曲げ線によって画定される、材料のウェブとを備えてもよく、この場合、前記少なくとも1つの折り曲げ部の頂点が折り曲げ部直径を画定し、ガス送出チューブが中立状態にあるときに、コイル直径が折り曲げ部直径にほぼ等しい。
例において、(a)材料のウェブは、ガス送出チューブの少なくとも1つの長さ方向に沿って径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を備えてもよく、(b)材料のウェブの傾斜角は、ガス送出チューブが中立状態にあるときに螺旋コイルから少なくとも1つの折り曲げ部の頂点へと増大してもよく、(c)材料のウェブは、所定の折り曲げ線付近に非対称な断面形状を有してもよく、(d)所定の折り曲げ線は、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で均等に離間していてもよく(e)複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイルを離間した幅は、ガス送出チューブが中立状態にあるときの螺旋コイルの幅に等しくてもよく、(f)螺旋コイルは、材料のウェブの少なくとも1つの折り曲げ部よりも大きいガス送出チューブの表面積割合を占めてもよく、(g)螺旋コイルの外側部分が丸みを帯びた外形を有してもよく、(h)螺旋コイルの外側部分は、13mm直径を有する円柱上にまとわれたときにそれ自体の重量下で44mmの曲率半径を有してもよく、(i)螺旋コイルの外側部分が楕円形状の外形を有してもよく、(j)螺旋コイルは、材料のウェブよりも大きい厚さを有してもよく、(k)材料のウェブが略一様な厚さを有してもよく、(l)螺旋コイルが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(m)材料のウェブが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(n)材料のウェブおよび螺旋コイルは、ガス送出チューブの一様な連続する内面を形成するように結合されてもよく、(o)少なくとも1つの折り曲げ部は、複数の隣り合うコイルのうちの1つおきのコイル間で径方向外側に延在してもよく、(p)螺旋コイルが約3.2mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(q)螺旋コイルが約4.5mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(r)螺旋コイルが約0.03N/mmのバネ剛性を有してもよく、(s)チューブの内径は、中立状態にあるときに約18mmであってもよく、および/または、(t)ガス送出チューブは、3つの異なる状態、すなわち、ガス送出チューブが中立長さを備える中立状態、ガス送出チューブが中立長さよりも長い伸張長さまで伸ばされる伸長状態、および、ガス送出チューブが中立長さよりも短い圧縮長さまで圧縮される圧縮状態のうちの1つを備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に供給するための呼吸治療システムを対象とする。呼吸治療システムは、治療中にユーザによって着用されるべき呼吸マスクアセンブリ、先の段落に記載される例のうちの少なくとも1つに係るガス送出チューブであって、前記ガス送出チューブが、第1の端部で呼吸マスクアセンブリに取り付け固定されるとともに、第2の端部に取り付け固定された回転可能アダプタを有する、ガス送出チューブ、第3の端部で回転可能アダプタによってガス送出チューブに回転可能に取り付けられるガス送出チューブとは異なる更なるガス送出チューブ、および/または、前記更なるガス送出チューブに第4の端部で接続される呼吸可能ガス流を発生させるための呼吸器を備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸器から呼吸可能ガスを供給するためのガス送出チューブを対象とする。ガス送出チューブは、複数の隣り合うコイルから構成される螺旋コイルであって、隣り合うコイルのそれぞれが幅によって分離される、螺旋コイルと、螺旋コイルと同軸であって、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で螺旋コイルに取り付けられる、材料のウェブとを備えてもよく、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル同士を離間した幅は、ガス送出チューブが中立状態にあるときの螺旋コイルの幅にほぼ等しい。
例において、(a)材料のウェブは、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を備えてもよく、前記折り曲げ部は、所定の折り曲げ線によって画定されるとともに、頂点を有し、(b)材料のウェブは、ガス送出チューブの少なくとも1つの長さ方向に沿って径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を備えてもよく、(c)少なくとも1つの折り曲げ部は、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で均等に離間していてもよく、(d)螺旋コイルは、材料のウェブの少なくとも1つの折り曲げ部よりも大きいガス送出チューブの表面積割合を占めてもよく、(e)螺旋コイルの外面がコイル直径を画定してもよく、前記少なくとも1つの折り曲げ部の頂点が折り曲げ部直径を画定してもよく、また、ガス送出チューブが中立状態にあるときにコイル直径が折り曲げ部直径にほぼ等しくてもよく、(f)材料のウェブの傾斜角は、ガス送出チューブが中立状態にあるときに螺旋コイルから少なくとも1つの折り曲げ部の頂点へと増大してもよく、(g)材料のウェブは、所定の折り曲げ線付近に非対称な断面形状を有してもよく、(h)螺旋コイルの外側部分が丸みを帯びた外形を有してもよく、(i)螺旋コイルの外側部分は、13mm直径を有する円柱上にまとわれたときにそれ自体の重量下で44mmの曲率半径を有してもよく、(j)螺旋コイルの外側部分が楕円形状の外形を有してもよく、(k)螺旋コイルは、材料のウェブよりも大きい厚さを有してもよく、(l)材料のウェブが略一様な厚さを有してもよく、(m)螺旋コイルが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(n)材料のウェブが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(o)材料のウェブおよび螺旋コイルは、ガス送出チューブの一様な連続する内面を形成するように結合されてもよく、(p)材料のウェブは、複数の隣り合うコイルのうちの1つおきのコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を備えてもよく、(q)螺旋コイルが約3.2mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(r)螺旋コイルが約4.5mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(s)螺旋コイルが約0.03N/mmのバネ剛性を有してもよく、(t)チューブの内径は、中立状態にあるときに約18mmであってもよく、および/または、(u)ガス
送出チューブは、3つの異なる状態、すなわち、ガス送出チューブが中立長さを備える中立状態、ガス送出チューブが中立長さよりも長い伸張長さまで伸ばされる伸長状態、および、ガス送出チューブが中立長さよりも短い圧縮長さまで圧縮される圧縮状態のうちの1つを備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に供給するための呼吸治療システムを対象とする。呼吸治療システムは、治療中にユーザによって着用されるべき呼吸マスクアセンブリ、先の段落に記載される例のうちの少なくとも1つに係るガス送出チューブであって、前記ガス送出チューブが、第1の端部で呼吸マスクアセンブリに取り付け固定されるとともに、第2の端部に取り付け固定された回転可能アダプタを有する、ガス送出チューブ、第3の端部で回転可能アダプタによってガス送出チューブに回転可能に取り付けられるガス送出チューブとは異なる更なるガス送出チューブ、および/または、前記更なるガス送出チューブに第4の端部で接続される呼吸可能ガス流を発生させるための呼吸器を備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸器から呼吸可能ガスを供給するためのガス送出チューブを対象としてもよい。ガス送出チューブは、複数の隣り合うコイルから構成される螺旋コイルであって、隣り合うコイルのそれぞれが幅によって離間した、螺旋コイルと、螺旋コイルと同軸であって、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で螺旋コイルに取り付けられるとともに、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を有し、前記少なくとも1つの折り曲げ部が所定の折り曲げ線によって画定される、材料のウェブとを備えてもよく、前記少なくとも1つの折り曲げ部の頂点が折り曲げ部直径を画定し、材料のウェブの傾斜角は、ガス送出チューブが中立状態にあるときに螺旋コイルから少なくとも1つの折り曲げ部の頂点へと増大する。
例において、(a)少なくとも1つの折り曲げ部は、ガス送出チューブの少なくとも1つの長さ方向に沿って径方向外側に延在してもよく、(b)少なくとも1つの折り曲げ部は、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で均等に離間していてもよく、(c)螺旋コイルの外面がコイル直径を画定してもよく、前記少なくとも1つの折り曲げ部の頂点が折り曲げ部直径を画定してもよく、また、ガス送出チューブが中立状態にあるときにコイル直径が折り曲げ部直径にほぼ等しくてもよく、(d)螺旋コイルは、少なくとも1つの折り曲げ部の頂点よりも大きいガス送出チューブの表面積割合を占めてもよく、(e)螺旋コイルの外側部分が丸みを帯びた外形を有してもよく、(f)螺旋コイルの外側部分は、13mm直径を有する円柱上にまとわれたときにそれ自体の重量下で44mmの曲率半径を有してもよく、(g)螺旋コイルの外側部分が楕円形状の外形を有してもよく、(h)螺旋コイルは、材料のウェブよりも大きい厚さを有してもよく、(i)材料のウェブが略一様な厚さを有してもよく、(j)螺旋コイルが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(k)材料のウェブが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(l)材料のウェブおよび螺旋コイルは、ガス送出チューブの一様な連続する内面を形成するように結合されてもよく、(m)材料のウェブは、複数の隣り合うコイルのうちの1つおきのコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を備えてもよく、(n)螺旋コイルが約3.2mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(o)螺旋コイルが約4.5mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(p)螺旋コイルが約0.03N/mmのバネ剛性を有してもよく、(q)チューブの内径は、中立状態にあるときに約18mmであってもよく、および/または、(r)ガス送出チューブは、3つの異なる状態、すなわち、ガス送出チューブが中立長さを備える中立状態、ガス送出チューブが中立長さよりも長い伸張長さまで伸ばされる伸長状態、および、ガス送出チューブが中立長さよりも短い圧縮長さまで圧縮される圧縮状態のうちの1つを備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸器から呼吸可能ガスを供給するためのガス送出チューブを対象とする。ガス送出チューブは、それぞれが幅によって離間した複数のコイルと、コイルと同軸であって、複数のコイルのうちの隣り合うコイル間でコイルに取り付けられるとともに、複数のコイルのうちの隣り合うコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を有し、前記少なくとも1つの折り曲げ部が山によって画定される、材料のウェブとを備えてもよく、前記材料のウェブは、コイルの第1の側と隣り合う瘤部と、コイルの第2の側と隣り合う傾斜部とを備え、前記第2の側が前記第1の側の反対側にあり、ガス送出チューブが中立状態にあるときに、傾斜部から隣り合う山までの材料のウェブの傾きは、瘤部から隣り合う山までの材料のウェブの傾きよりも急である。
例において、(a)少なくとも1つの折り曲げ部は、ガス送出チューブの少なくとも1つの長さ方向に沿って径方向外側に延在してもよく、(b)少なくとも1つの折り曲げ部は、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で均等に離間していてもよく、(c)コイルの外面がコイル直径を画定してもよく、前記少なくとも1つの折り曲げ部の頂点が折り曲げ部直径を画定してもよく、また、ガス送出チューブが中立状態にあるときにコイル直径が折り曲げ部直径にほぼ等しくてもよく、(d)コイルは、少なくとも1つの折り曲げ部の山よりも大きいガス送出チューブの表面積割合を占めてもよく、(e)コイルの外側部分が丸みを帯びた外形を有してもよく、(i)コイルの外側部分は、13mm直径を有する円柱上にまとわれたときにそれ自体の重量下で44mmの曲率半径を有してもよく、(g)コイルの外側部分が楕円形状の外形を有してもよく、(h)コイルは、材料のウェブよりも大きい厚さを有してもよく、(i)材料のウェブが略一様な厚さを有してもよく、(j)コイルが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(k)材料のウェブが熱可塑性エラストマーを備えてもよく、(l)材料のウェブおよびコイルは、ガス送出チューブの一様な連続する内面を形成するように結合されてもよく、(m)材料のウェブは、複数の隣り合うコイルのうちの1つおきのコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を備えてもよく、(n)コイルが約3.2mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(o)コイルが約4.5mm〜約4.7mmのピッチを有してもよく、(p)コイルが約0.03N/mmのバネ剛性を有してもよく、(q)チューブの内径は、中立状態にあるときに約18mmであってもよく、および/または、(r)ガス送出チューブは、3つの異なる状態、すなわち、ガス送出チューブが中立長さを備える中立状態、ガス送出チューブが中立長さよりも長い伸張長さまで伸ばされる伸長状態、および、ガス送出チューブが中立長さよりも短い圧縮長さまで圧縮される圧縮状態のうちの1つを備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に供給するための呼吸治療システムを対象とする。呼吸治療システムは、治療中にユーザによって着用されるべき呼吸マスクアセンブリ、先の段落に記載される例のうちの少なくとも1つに係るガス送出チューブであって、前記ガス送出チューブが、第1の端部で呼吸マスクアセンブリに取り付け固定されるとともに、第2の端部に取り付け固定された回転可能アダプタを有する、ガス送出チューブ、第3の端部で回転可能アダプタによってガス送出チューブに回転可能に取り付けられるガス送出チューブとは異なる更なるガス送出チューブ、および/または、前記更なるガス送出チューブに第4の端部で接続される呼吸可能ガス流を発生させるための呼吸器を備えてもよい。
本技術の他の態様によれば、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースが提供される。患者インタフェースは、第1の材料から形成されるリジダイザアームを備えてもよい。また、患者インタフェースは、リジダイザアームに取り外し不能に接続される可撓性ジョイントを備えてもよく、可撓性ジョイントは、第1の材料と一体に結合され得ない第2の材料から形成される。患者インタフェースは、可撓性ジョイントに取り外し不能に接続されるマスクフレームを備えてもよく、マスクフレームは、第2の材料と一体に結合される第3の材料から形成される。リジダイザアームおよび可撓性ジョイントは機械的連結によって取り外し不能に接続されてもよい。第1の材料、第2の材料、および、第3の材料が異なる材料であってもよい。
一体的な結合が共有結合または水素結合であってもよい。
第1の材料は熱可塑性ポリエステルエラストマーであってもよい。熱可塑性ポリエステルエラストマーは、DuPont(登録商標)によって製造されるHytrel(登録商標)5556であってもよい。
第2の材料は熱可塑性エラストマー(TPE)であってもよい。TPEは、Dynaflex(商標)TPE化合物または、Medalist(登録商標)MD-115であってもよい。
第3の材料は熱可塑性高分子であってもよい。熱可塑性高分子はポリプロピレン(PP)であってもよい。
可撓性ジョイントはマスクフレームにオーバーモールドされてもよい。
機械的連結は、可撓性ジョイントの材料によりオーバーモールドされるリジダイザアームから延在する突出部を備えてもよい。突出部は、該突出部の中心領域に空隙を有するT形状を成してもよく、空隙は、可撓性ジョイントの材料が通過するために突出部の上側から下側へと貫通して延在する。
機械的連結は、リジダイザアームの遠位端部から横方向に延在する2つの突出部を備えてもよい。
各突出部の隣には、可撓性ジョイントの材料が通過するためにリジダイザアームを貫通して延在する空隙があってもよい。
患者インタフェースは、鼻枕または鼻クレードルであってもよい。
本技術の他の態様によれば、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースが提供される。患者インタフェースは、第1の材料から形成されるリジダイザアームを備えてもよい。また、患者インタフェースは、リジダイザアームに取り外し不能に接続されるマスクフレームを備えてもよい。マスクフレームは、第1の材料と一体的に結合され得ない第2の材料から形成されてもよい。第1の材料は、第2の材料よりも相対的に弾性的可撓性があってもよい。リジダイザアームとマスクフレームとが機械的連結によって取り外し不能に接続されてもよい。
マスクフレームがリジダイザアームにオーバーモールドされてもよい。
機械的連結は、マスクフレームの材料によってオーバーモールドされるリジダイザアームから延在する封入可能部分を備えてもよい。
封入可能部分は、屈曲部の一部と、フックとを有してもよい。
本技術の他の態様によれば、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースが提供される。患者インタフェースは、第1の材料から形成されるリジダイザアームを備えてもよい。また、患者インタフェースは、第2の材料から形成されるマスクフレームを備えてもよく、また、リジダイザアームに一体的に結合されてもよい。第1の材料が第2の材料よりも相対的に弾性的可撓性があってもよい。第1の材料は繊維強化複合ポリプロピレン材料であってもよく、また、第2の材料はポリプロピレンである。
繊維強化複合ポリプロピレン材料はCurv(登録商標)であってもよい。
本技術の他の態様によれば、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースが提供される。患者インタフェースはリジダイザアームを備えてもよい。また、患者インタフェースは、リジダイザアームと解放可能に係合できるマスクフレームを備えてもよい。リジダイザアームはマスクフレームよりも弾性的に可撓性があってもよい。リジダイザアームは、位置決め安定化構造体のストラップのポケット状端部を保持するように構成される突出端部を含んでもよい。突出端部はマスクフレーム付近にあってもよい。
患者インタフェースは、リジダイザアームと解放可能に係合できる可撓性ジョイントを更に備えてもよい。可撓性ジョイントは、マスクフレームと解放可能に係合できてもよい。可撓性ジョイントは、リジダイザアームよりも弾性的に可撓性があってもよい。
リジダイザアームとマスクフレームとの間の解放可能な係合は、機械的なクリップアセンブリによって行われてもよい。
可撓性ジョイントとリジダイザアームとの間の解放可能な係合および可撓性ジョイントとマスクフレームとの間の解放可能な係合が機械的なクリップアセンブリによって行われてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、拡張できなくてもよい第1の材料から形成されてもよいリジダイザアームを備えてもよく、マスクフレームはリジダイザアームに取り外し不能に取り付けられ、マスクフレームは、第1の材料と一体に結合され得なくてもよい第2の材料から形成されてもよく、第1の材料は、第2の材料よりも相対的に弾性的可撓性があってもよく、また、リジダイザアームとマスクフレームとが機械的連結によって取り外し不能に接続されてもよく、リジダイザアームは、第1の材料から形成されてもよいとともに、マスクフレームに取り外し不能に接続されてもよく、その場合には、患者インタフェースが患者によって着用されるときに、リジダイザアームは、それが患者のフランクフォート水平面と略平行な平面内でのみ可撓性があるように構造化されてもよい。
例において、(a)マスクフレームがリジダイザアームにオーバーモールドされてもよく、(b)機械的連結は、マスクフレームの材料によってオーバーモールドされるリジダイザアームから延在する封入可能部分を備えてもよく、および/または、(c)封入可能部分は、屈曲部の一部と、フックとを有してもよい。
本技術の他の態様は、位置決め安定化構造体の弾性織物ストラップをマスクフレームに動作可能に接続するためのリジダイザアームを対象とする。リジダイザアームは、患者の頬形状にほぼ従うべく曲率を有してもよい本体を備えてもよく、突出端部が、ストラップのポケット状端部を保持するように構成されてもよく、突出端部はリジダイザアームの遠位端部に位置付けられてもよく、接続部が、可撓性ジョイントまたはマスクフレームに接続するように構成されてもよく、接続部はリジダイザアームの遠位端部に位置付けられてもよい。
例において、(a)接続部は、少なくとも1つの突出部と、可撓性ジョイントまたはマスクフレームに接続するべくオーバーモールドされるように構成される少なくとも1つの空隙とを備えてもよく、(b)リジダイザアームが熱可塑性ポリエステルエラストマーを備えてもよく、(c)リジダイザアームは、該リジダイザアームが1つの平面内でのみ可撓性がある材料を備えてもよく、および/または、(d)リジダイザアームが伸長しない材料を備えてもよい。本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、保持構造体と、該保持構造体に取り外し不能に接続される柄部によってプレナムチャンバに空気圧接続される一対の鼻枕とを含むクッション部材と、フレーム部材とを備え、保持構造体とフレーム部材とが繰り返して互いに係合可能および互いから離脱可能であり、所定の方向とは反対の方向での柄部の変形に対する抵抗を増大させるために各柄部の両側が等しくない材料剛性を有する。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、保持構造体と、該保持構造体に対して取り外し不能に接続されるシール形成構造体とを含むクッション部材と、フレーム部材とを備え、保持構造体とフレーム部材とが繰り返して互いに係合可能および互いから離脱可能であり、シール形成構造体は、保持構造体とフレーム部材との間の係合離脱方向と平行な方向で保持構造体よりも長い長さを有し、クッション部材は、保持構造体の付近で第1の厚さを有するとともに、前記シール形成構造体の付近で第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有し、クッション部材の厚さは、第1の厚さから第2の厚さへと徐々に減少される。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に与えるための患者インタフェースシステムを対象とする。患者インタフェースは、患者の気道に対する空気圧接続を行うためにシール形成構造体を含む患者インタフェースと、少なくとも1つのストラップと少なくとも1つのリジダイザアームとを含むとともに、患者インタフェースを患者に対して解放可能に保持するように構成される位置決め安定化構造体とを備えてもよく、少なくとも1つのリジダイザアームは、少なくとも1つのリジダイザアームの長手方向軸線を矢状面と略平行な第1の平面から前頭面と略平行な第2の平面へと変向させるための屈曲部を有する。
本技術の他の態様は、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、0.45mm以下の厚さと234グラム/m2以下の重量とを有する、呼気を流出させるための洗浄可能で再使用可能な通気孔を備えてもよく、通気孔は、呼気のための曲がりくねった空気流路を画定する多孔質領域を有し、多孔質領域は、患者の呼吸サイクル中にその形状をほぼ維持するために所定のレベルの剛性を有する。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースのためのクッション部材を対象とする。クッション部材は、フレーム部材との繰り返し可能な係合およびフレーム部材からの離脱のための保持構造体と、保持構造体に取り外し不能に接続されるシール形成構造体とを備えてもよく、シール形成構造体が第1の材料から形成され、保持構造体は、第1の材料とは異なる機械的特性を有する第2の材料から形成され、第2の材料が第1の材料よりも硬質であり、クッション部材内の空気圧の増大は、シール形成構造体とフレーム部材との間のシール力を高める。
本技術の他の態様は、患者インタフェースを介して患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するためのガス送出チューブを対象とする。ガス送出チューブは、複数の隣り合うコイルから構成される螺旋コイルであって、隣り合うコイルのそれぞれが幅によって離間した、螺旋コイルと、螺旋コイルと同軸であって、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で螺旋コイルに取り付けられるとともに、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を有し、前記少なくとも1つの折り曲げ部が所定の折り曲げ線によって画定される、材料のウェブと、チューブを患者インタフェースのフレームに対して取り外し不能に且つ回転不能に接続するための第1の端部カフと、チューブアダプタと解放可能に且つ回転可能に接続するための第2の端部カフとを備えてもよく、ガス送出チューブは、3つの異なる状態、すなわち、ガス送出チューブが中立長さを備える中立状態、ガス送出チューブがその長手方向軸線に沿って中立長さよりも長い伸張長さまで伸ばされる伸長状態、および、ガス送出チューブがその長手方向軸線に沿って中立長さよりも短い圧縮長さまで圧縮される圧縮状態のうちの1つを備える。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースのためのクッション部材を対象とする。クッション部材は、フレーム部材との繰り返し可能な係合およびフレーム部材からの離脱のための保持構造体と、保持構造体に取り外し不能に接続されるシール形成構造体とを備えてもよく、シール形成構造体が第1の材料から形成され、保持構造体は、第1の材料とは異なるとともに第1の材料よりも硬質な第2の材料から形成され、第1の材料は、シール形成構造体が指圧に容易に順応できるようにし、第2の材料は、保持構造体が指圧に容易に順応しないようにする。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースのためのクッション部材を対象とする。クッション部材は、フレーム部材との繰り返し可能な係合およびフレーム部材からの離脱のための保持構造体と、保持構造体に接続されるシール形成構造体とを備えてもよく、シール形成構造体が第1の材料から形成され、保持構造体は、第1の材料とは異なるとともに第1の材料よりも硬質な第2の材料から形成され、保持構造体は、フレーム部材と接触する前側に連続する外周縁を有する。
本技術の他の態様は、位置決め安定化構造体のストラップをマスクフレームに接続するためのリジダイザアームを対象とする。リジダイザアームは、患者の頬形状にほぼ従うべく複数の軸線で曲率を有する本体を備えてもよく、リジダイザアームは、マスクフレームから患者の頬骨付近の位置まで延在する。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、通気オリフィスが形成されて成るマスクフレームと、通気オリフィスでマスクフレームと取り外し可能に係合できるプラスチック材料から形成される通気キャップと、通気キャップに取り外し不能に接続される通気孔であって、通気孔が呼気の流出のための多孔質領域を有する、通気孔とを備えてもよく、通気孔は、プラスチック繊維を交絡させることによって形成される布から成り、呼気のための曲がりくねった空気経路が交絡されたプラスチック繊維間の空間によって画定され、布は、通気孔の形状、幾何学的形態、および、プロファイルが患者の呼吸サイクル中に実質的に変化されないとともに多孔質領域が呼気における略一定の流出速度を維持するように構造化される。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースのための通気キャップを対象とする。通気キャップは、患者インタフェースのマスクフレームの通気オリフィスと取り外し可能に係合するための通気フレームと、通気フレームに取り外し不能に接続される通気孔であって、通気孔が呼気の流出のための多孔質領域を有する、通気孔とを備えてもよく、通気孔は、プラスチック繊維を交絡させることによって形成される布から成り、呼気のための曲がりくねった空気経路が交絡されたプラスチック繊維間の空間によって画定され、布は、通気孔の形状、幾何学的形態、および、プロファイルが患者の呼吸サイクル中に実質的に変化されないとともに多孔質領域が呼気における略一定の流出速度を維持するように構造化される。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースのための通気孔を対象とする。通気孔は、交絡された繊維間の空間によって画定される呼気用の曲がりくねった空気経路を有する繊維の交絡構造体を備え、繊維の交絡構造体は、患者の呼吸サイクル中にその形状、幾何学的形態、および、プロファイルをほぼ維持するように構成され、空間は、呼気における略一定の流出速度を維持する。
本技術の他の態様は、呼吸可能ガスを患者に与えるための患者インタフェースを対象とし、患者インタフェースは、接続ポートと、少なくとも2つの通気孔と、接続ポートの第1の側の少なくとも2つの通気孔のうちの第1の通気孔と、接続ポートの第2の側の少なくとも2つの通気孔のうちの第2の通気孔とを備え、通気孔が多穴通気孔または交絡構造体である。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースのためのクッション部材を対象とし、前記患者インタフェースがクッション部材に接続可能なフレームを含む。クッション部材は、クッション部材がフレームに接続されるときにクッション部材の位置ずれを防止するための視覚表示指標を備えてもよい。
本技術の他の態様は、呼吸器から呼吸可能ガスの加圧流を供給するためのガス送出チューブを対象とする。ガス送出チューブは、複数の隣り合うコイルから構成される螺旋コイルであって、隣り合うコイルのそれぞれが、幅によって離間した、コイル直径を画定する外面を有する、螺旋コイルと、螺旋コイルと同軸であって、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で螺旋コイルに取り付けられるとともに、複数の隣り合うコイルのうちの隣り合うコイル間で径方向外側に延在する少なくとも1つの折り曲げ部を有し、前記少なくとも1つの折り曲げ部が所定の折り曲げ線によって画定される、材料のウェブとを備えてもよく、前記少なくとも1つの折り曲げ部の頂点が折り曲げ部直径を画定し、ガス送出チューブが中立状態にあるときに、コイル直径が折り曲げ部直径にほぼ等しく、隣り合うコイルが中立状態で互いから離間した、螺旋コイルおよび材料のウェブが熱可塑性材料から形成され、螺旋コイルおよび材料のウェブは、呼吸器からの呼吸可能ガスの加圧流の供給中にガス送出チューブが閉塞することが防止されるように構造化され、ガス送出チューブは、ガス送出チューブの遠位端部がガス送出チューブの近位端部の方向に対して垂直な方向で30mm伸ばされるときにねじれチューブ抵抗が実質的に近位端部に存在しないように、十分に低い屈曲剛性を有する。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための鼻枕マスク、鼻クレードルマスク、または、鼻マスクのためのクッション部材を対象とする。クッション部材は、フレーム部材との繰り返し可能な係合およびフレーム部材からの離脱のための保持構造体と、保持構造体に取り外し不能に接続されるシール形成構造体とを備えてもよく、クッション部材内の空気圧の増大は、シール形成構造体とフレーム部材との間のシール力を増大させ、保持構造体とフレーム部材との間の保持力は、保持構造体をフレーム部材から離脱させるための離脱力よりも高い。
本技術の他の態様は、患者の気道の入口へ所定量の加圧空気または呼吸可能ガスを送出するための患者インタフェースを対象とする。患者インタフェースは、保持構造体と、該保持構造体に取り外し不能に接続されるシール形成構造体とを含むクッション部材と、フレーム部材とを備え、保持構造体およびフレーム部材は、繰り返し互いと係合可能および互いから離脱可能であり、保持構造体は、約50〜60ミリメートルの長さを伴う長軸線と、約25〜約35mmの長さを伴う短軸線とを有する。
本技術の他の態様は、意図される着用者(すなわち、患者)の外周形状と一致するとともに意図される着用者の顔面と密に適合するようになっている明確に画定される外周形状を伴って成形されまたはその他の方法で構成される患者インタフェースである。
本技術の1つの形態の一態様は、患者インタフェースを製造する方法である。
無論、態様の一部が本技術の下位態様を形成してもよい。また、下位態様および/または態様のうちの様々な態様部分は、様々な方法で組み合わされてもよく、また、本技術の更なる態様または下位態様も構成する。
本技術の他の特徴は、以下の詳細な説明、要約、図面、および、特許請求の範囲に含まれる情報を考慮することにより明らかである。
5 図面の幾つかの図の簡単な説明
本技術は、以下の添付図面の図に一例として示されており、限定的に示されるものではない。図中、同様の参照数字は同様の要素を示す。
5.1 処置システム
本技術に係るシステムを示す。患者インタフェース3000を着用する患者1000は、PAP装置4000から陽圧の空気の供給を受ける。PAP装置4000からの空気は、加湿器5000で加湿されて、空気回路4170に沿って患者1000へと通過する。 鼻マスクを伴う患者1000に用いるPAP装置4000を示す。 フルフェースマスクを伴う患者1000に用いるPAP装置4000を示す。 5.2 治療 5.2.1 呼吸器系 鼻腔および口腔、喉頭、声帯、食道、気管、気管支、肺、肺胞嚢、心臓、および、横隔膜を含む人の呼吸器系の全体図を示す。 鼻腔、鼻骨、側鼻軟骨、大鼻翼軟骨、鼻孔、上唇、下唇、喉頭、硬口蓋、軟口蓋、中咽頭、舌、喉頭蓋、声帯、食道、および、気管を含む人の上気道の図を示す。 5.2.2 顔面生体構造 上唇、上唇紅、下唇紅、下唇、口幅、目頭部分、鼻翼、鼻唇溝、および、口角点を含めて特定された表面生体構造の幾つかの特徴を伴う顔の正面図である。 眉間、鼻根、鼻尖、鼻棘、上唇、下唇、上顎、鼻稜部、上耳底、および、下耳底を含めて特定された表面生体構造の幾つかの特徴を伴う頭部の側面図である。また、上および下、並びに、前および後の方向も示される。 頭部の更なる側面図である。フランクフォート水平面および鼻唇角のおおよその位置が示される。 鼻の底面図を示す。 鼻の表面特徴の側面図を示す。 外側軟骨、中隔軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨、および、線維脂肪組織を含む鼻の皮下構造を示す。 特に中隔軟骨および大鼻翼軟骨の内側脚を示す、矢状面から約7ミリメートルの鼻の内側剥離を示す。 前頭骨、側頭骨、鼻骨、および、頬骨を含む頭蓋骨の骨の正面図を示す。鼻甲介が示され、同様に、上顎、下顎、および、オトガイ隆起も示される。 頭部の表面の輪郭および幾つかの筋肉を伴う頭蓋骨の側面図を示す。以下の骨、すなわち、前頭骨、ちょう形骨、鼻骨、頬骨、上顎骨、下顎骨、頭頂骨、側頭骨、および、後頭骨が示される。オトガイ隆起が示される。以下の筋肉、すなわち、二腹筋、咬筋、胸鎖乳突筋、および、僧帽筋が示される。 鼻の前方側面図を示す。 5.3 PAP装置および加湿器 本技術の一例に係るPAP装置の分解図を示す。 本技術の1つの形態に係る加湿器の斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係るPAP装置の空気圧回路の概略図を示す。上流方向および下流方向が示される。 5.4 患者インタフェース 本技術の1つの形態に係るプレナムチャンバの前面図である。 図4の線5−5に沿う断面である。 図5から引き出される拡大詳細図である。 図4に示されるプレナムチャンバの上から見た斜視図である。 図7の線8−8に沿う断面である。 図8から引き出される拡大詳細図である。 本技術の1つの例に係るプレナムチャンバの正面から見た斜視図である。 図4に示されるプレナムチャンバの図である。 図11の線12−12に沿ってとられる断面である。 図12から引き出される拡大詳細図である。 プレナム接続領域の拡大断面図である。 図11に示される患者インタフェースの側面図である。 図15の線16−16に沿ってとられる断面である。 図16から引き出される拡大詳細図である。 位置決め安定化構造体が何ら示されないモデル患者の頭部上の適所にある患者インタフェースの側面図である。 モデル患者の頭部上の適所にある本技術の1つの形態に係る患者インタフェースの一部の部分下面図である。なお、明確にするために、フレームに接続する位置決め安定化構造体の一部だけが示される。 本技術の1つの形態に係るプレナムチャンバのプレナム接続領域の側面図である。 プレナムチャンバのプレナム接続領域の上部の図である。 プレナムチャンバのプレナム接続領域の正面図である。 プレナムチャンバのプレナム接続領域の下面図である。 プレナムチャンバのプレナム接続領域の斜視図である。 プレナムチャンバとフレームとが係合されない、接続部およびフレーム接続領域の断面図である。 プレナムチャンバとフレームとが接触するが完全に係合されない、接続部およびフレーム接続領域の断面図である。 保持機能部が撓まされるようにプレナムチャンバとフレームとがほぼ完全に係合する、接続部およびフレーム接続領域の断面図である。 プレナムチャンバとフレームとが係合されるが保持機能部が撓まされるように分離される、接続部およびフレーム接続領域の断面図である。 プレナムチャンバとフレームとが完全に係合される、接続部およびフレーム接続領域の断面図である。 プレナムチャンバおよびシール形成構造体が取り外された本技術の一例に係る患者インタフェースの後面斜視図である。 プレナムチャンバおよびシール形成構造体が取り外された本技術の一例に係る患者インタフェースの前面斜視図である。 プレナムチャンバおよびシール形成構造体が取り外された状態の本技術の一例に係る患者インタフェースの後面図である。 プレナムチャンバおよびシール形成構造体が取り外された状態の本技術の一例に係る患者インタフェースの側面図である。 患者インタフェースのフレームに対する典型的なシール形成構造体およびプレナムチャンバの取り付けを示す本技術の他の例に係る患者インタフェースの斜視図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザ(rigidiser)アームを含む患者インタフェースの断面図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの斜視図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの分解図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームの端部の詳細図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの分解図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの断面図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームの斜視図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの断面図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの斜視図を示す。 本技術の一例に係るマスクフレーム、可撓性ジョイント、および、リジダイザアームを含む患者インタフェースの分解図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームの端部の詳細図を示す。 本技術の一例に係る可撓性ジョイントおよびリジダイザアームの端部の詳細図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザおよびマスクフレームの断面図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの詳細断面図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの断面図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの斜視図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザとマスクフレームとの間の接続の詳細な斜視図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの平面図を示し、前頭面内の側方外側方向におけるリジダイザアームの屈曲を破線で示す。 本技術の一例に係るリジダイザとマスクフレームとの間の接続の詳細な平面図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの断面斜視図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザおよびマスクフレームの側面図を示し、矢状面内の垂直下方向におけるリジダイザアームの屈曲を破線で示す。 本技術の一例に係るリジダイザおよびマスクフレームの正面図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの斜視図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザアームおよびマスクフレームの部分分解斜視図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザおよびマスクフレームの詳細な部分分解斜視図を示す。 本技術の一例に係るリジダイザの斜視図を示す。 X−Y平面内のグリッド上にプロットされた本技術の一例に係るリジダイザアームの図を示す。 X−Z平面内のグリッド上にプロットされた本技術の一例に係るリジダイザアームの図を示す。 Y−Z平面内のグリッド上にプロットされた本技術の一例に係るリジダイザアームの図を示す。 三次元でプロットされた本技術の一例に係るリジダイザアームの図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体の概略斜視図を示す。 図65における線66−66に沿ってとられた位置決め安定化構造体の断面図を示す。 本技術に係る位置決め安定化構造体のための典型的なリジダイザアームの概略側面図を示す。 第1の状態における本技術に係るリジダイザアームを含む典型的な位置決め安定化構造体の概略斜視図を示す。 第2の状態における本技術に係るリジダイザアームを含む典型的な位置決め安定化構造体の概略斜視図を示す。 第3の状態における本技術に係るリジダイザアームを含む典型的な位置決め安定化構造体の概略斜視図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の斜視図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の正面図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の側面図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の斜視図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の正面図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の側面図を示す。 患者に着用された本技術に係る典型的な位置決め安定化構造体の下方斜視図を示す。 一連の負荷(単位がニュートン)に晒された本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの伸長(単位がmm)のグラフを示す。 中間の製造段階中における本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの平面図を示す。 中間の製造段階中における本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの図79の線80−80を通じてとられた断面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの平面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの詳細な平面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの図81の線83−83を通じてとられた断面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の正面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の正面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の正面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の正面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の正面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を着用する患者の一連の側面図を示す。 本技術の一例に係る患者インタフェースを調整する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る患者インタフェースを調整する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る患者インタフェースを調整する患者の一連の斜視図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を調整する患者の一連の後面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を調整する患者の一連の後面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を調整する患者の一連の後面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を調整する患者の一連の後面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を調整する患者の一連の後面図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップとリジダイザアームとの間の接続の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップのスリット領域の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップのスリット領域の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップのスリット領域の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの分岐部の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの分岐部の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの分岐部の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの分岐部の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの分岐部の他の詳細図を示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体のストラップの分岐部の他の詳細図を示す。 本技術の一例にしたがって製造された位置決め安定化構造体の斜視図を示す。 本技術の一例にしたがって連続ロールから位置決め安定化構造体ストラップを形成するプロセスを示す。 本技術の一例に係る編みプロセスを描く従来例を示す。 本技術の一例に係る編みプロセスを描く従来例を示す。 本技術の一例に係る基本的な縦編み織物を示す。 図136の基本的な縦編み織物の概略表示である。 本技術の一例に係る基本的な縦編み織物を示す。 本技術の一例に係る基本的な横編み織物を示す。 本技術の一例に係る患者の頭部上に位置付けられる位置決め安定化構造体の側面図である。 本技術の一例に係る図140の位置決め安定化構造体の経路または木目の方向変化を示す。 本技術の一例に係る編まれた位置決め安定化構造体の経路の方向で増大する伸びを示す。 本技術の一例に係る位置決め安定化構造体を形成するために使用される3D印刷リンクを示す。 本技術の一例に係るリジダイザを含む3D印刷された位置決め安定化構造体断片を示す。 本技術の一例に係る3D印刷された位置決め安定化構造体ストラップおよびクリップを示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の後面斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の正面斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の後面斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の側面斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の側面斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の側面斜視図を示す。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースのための通気孔の平面斜視図を示す。 本技術の一例に係る呼吸器疾患の処置のための患者インタフェースを製造するための方法を描くプロセスフロー図である。 図153の方法を行うために使用される機器を大まかに描くシステム図である。 本技術の一例に係る熱かしめ後の通気孔部を描く織物の平面図である。 本技術の一例に係る熱かしめ前の通気孔部の周縁の拡大平面図である。 本技術の一例に係る熱かしめ後の通気孔部の周縁の拡大平面図である。 本技術の一例に係る熱かしめ前の通気孔部の周縁の拡大断側面図である。 本技術の一例に係る熱かしめ後の通気孔部の周縁の拡大断側面図である。 本技術の一例に係る中立状態の短チューブを示す。 本技術の一例に係る圧縮状態の短チューブの側面図を示す。 本技術の一例に係る伸長状態の短チューブの側面図を示す。 本技術の一例に係る湾曲状態の短チューブの側面図を示す。 本技術の一例に係る図163に示される線163−163に沿ってとられた短チューブの断面図を示す。 本技術の一例に係る湾曲された伸長状態の短チューブの斜視図を示す。 患者に用いる本技術の1つの形態に係る患者インタフェースシステムを示す斜視図である。 レスメドリミテッドによるSWIFT FX(商標)鼻枕マスクの通気孔からのx軸およびz軸に沿う垂直面気流速度(m/s)を描くチャートである。 レスメドリミテッドによるSWIFT FX(商標)鼻枕マスクの通気孔からのx軸およびy軸に沿う水平面気流速度(m/s)を描くチャートである。 レスメドリミテッドによるSWIFT FX(商標)鼻枕マスクの通気孔からのx軸およびy軸に沿う垂直面信号を描くチャートである。 レスメドリミテッドによるSWIFT FX(商標)鼻枕マスクの通気孔からのx軸およびy軸に沿う水平面信号を描くチャートである。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースシステムの通気孔からのx軸およびz軸に沿う垂直面気流速度(m/s)を描くチャートである。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースシステムの通気孔からのx軸およびy軸に沿う水平面気流速度(m/s)を描くチャートである。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースシステムの通気孔からのx軸およびy軸に沿う垂直面信号を描くチャートである。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースシステムの通気孔からのx軸およびy軸に沿う水平面信号を描くチャートである。 本技術の1つの形態に係る患者インタフェースの通気孔およびレスメドリミテッドによるSWIFT FX(商標)鼻枕マスクの通気孔からの距離(mmにしたがった通気孔軸線に沿う速度(m/s)を比較するチャートである。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のストラップの端部上に折り重ねられる補強部の底面斜視図である。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のストラップの端部上に折り重ねられる補強部の平面図である。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のストラップの端部上に折り重ねられる補強部の斜視側面図である。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のストラップの端部上に折り重ねられる補強部の側平面図である。 図179の拡大図である。 図177の拡大図である。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームからストラップを取り外す一連のステップを示す。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームからストラップを取り外す一連のステップを示す。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームからストラップを取り外す一連のステップを示す。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームにストラップを取り付ける一連のステップを示す。 本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームにストラップを取り付ける一連のステップを示す。 視覚的指標を示す本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームの平側面図である。 視覚的指標を示す本技術の1つの形態に係る位置決め安定化構造体のリジダイザアームの平側面図である。 視覚的指標および触覚的指標を示す本技術の1つの形態に係るフレームおよびリジダイザアームの平正面図である。 視覚的指標を示す本技術の1つの形態に係るシール形成構造体の平面図である。 視覚的指標を示す本技術の1つの形態に係るシール形成構造体の後面図である。 視覚的指標を示す本技術の1つの形態に係るシール形成構造体の上面斜視図である。 図192の線193−193を通じてとられる断面図である。 図192の線194−194を通じてとられる断面図である。 本技術の1つの形態に係るフレームの後面図である。 本技術の1つの形態に係るフレームの平面図である。 本技術の1つの形態に係るフレームの後面斜視図である。 本技術の1つの形態に係るフレームの平側面図である。 本技術の1つの形態に係るプレナム接続領域の保持構造体の後面図である。 本技術の1つの形態に係るプレナム接続領域の保持構造体の下面図である。 本技術の1つの形態に係るプレナム接続領域の保持構造体の後面斜視図である。 本技術の1つの形態に係るプレナム接続領域の保持構造体の平側面図である。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長される本技術の1つの形態に係るチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長される本技術の1つの形態に係るチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長される本技術の1つの形態に係るチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長される本技術の1つの形態に係るチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長される本技術の1つの形態に係るチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるResMed(商標) SWIFT FX(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるResMed(商標) SWIFT FX(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるResMed(商標) SWIFT FX(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるResMed(商標) SWIFT FX(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるResMed(商標) SWIFT FX(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) GoLife(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) GoLife(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) GoLife(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) GoLife(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) GoLife(商標)鼻枕マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) Wisp(商標)鼻マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) Wisp(商標)鼻マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) Wisp(商標)鼻マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) Wisp(商標)鼻マスクチューブを示す。 伸長が始まる前にチューブの下端でその長手方向軸線が伸長方向に対して垂直な状態でチューブの下端が所定位置に保持される、30mm、60mm、90mm、および、120mmの長さだけ伸長されるPhilips(商標) Respironics(商標) Wisp(商標)鼻マスクチューブを示す。
6 (F)本技術の実施例の詳細な説明
本技術を更に詳しく説明する前に、本技術が本明細書中に記載される変更可能な特定の実施例に限定されないことを理解するべきである。また、この開示の中で使用される用語は、本明細書中で論じられる特定の実施例を説明するという目的のためにすぎず、限定しようとするものでないことも理解されるべきである。
6.1 処置システム
1つの形態において、本技術は、呼吸器疾患を処置するための機器を備える。機器は、図1aに示されるように、患者インタフェース3000に通じる空気回路4170を介して空気などの加圧呼吸ガスを患者1000へ供給するためのフロージェネレータまたはブロワを備えてもよい。
6.2 治療
1つの形態において、本技術は、患者1000の気道の入口に陽圧を印加するためのステップを備える呼吸器疾患を処置するための方法を備える。
6.2.1 OSAのための鼻CPAP
1つの形態において、本技術は、鼻連続陽性気道圧を患者に印加することによって患者の閉塞性睡眠時無呼吸を処置する方法を備える。
6.3 患者インタフェース3000
図166を参照すると、本技術の1つの態様に係る非侵襲的な患者インタフェース3000は、以下の機能的態様、すなわち、シール形成構造体3100(例えば図4参照)、プレナムチャンバ3200、位置決め安定化構造体3300、および、空気回路4170の短チューブ4180への接続のための接続ポート3600を備える。幾つかの形態では、機能的態様が1つ以上の物理的構成要素によって与えられてもよい。幾つかの形態では、1つの物理的構成要素が1つ以上の機能的態様を与えてもよい。使用時、シール形成構造体3100は、陽圧の空気の気道への供給を容易にするために患者1000の気道への入口を取り囲むように配置される。
6.3.1 シール形成構造体3100
本技術の1つの形態において、シール形成構造体3100は、シール形成表面を与えるとともに、クッション機能を更に与えてもよい。
本技術に係るシール形成構造体3100は、シリコーンなどの柔軟な、可撓性のある、弾性材料から構成されてもよい。シール形成構造体3100は、PAP装置からの空気を患者の鼻孔へ送出するためのシール経路の一部を形成してもよい。
図9を参照すると、本技術の1つの形態では、シール形成構造体3100がシールフランジ3110と支持フランジ3120とを備えてもよい。シールフランジ3110は、約1mm未満、例えば約0.25mm〜約0.45mmの厚さを有する比較的薄い部材を備えてもよい。支持フランジ3120がシールフランジ3110よりも相対的に厚くてもよい。支持フランジ3120は、スプリング状要素でありまたはスプリング状要素を含んでもよく、使用時にシールフランジ3110を座屈しないように支持するべく機能する。使用時、シールフランジ3110は、該シールフランジを顔面、例えば患者の鼻孔との緊密なシール係合状態へと付勢するべくシールフランジの下面に作用するプレナムチャンバ3200内のシステム圧力に容易に応答し得る。プレナムチャンバ3200は、シリコーンなどの軟質材料から形成される。
6.3.1.1 鼻枕
本技術の1つの形態において、非侵襲的な患者インタフェース3000のシール形成構造体3100は、一対の鼻パフまたは一対の鼻枕3130を備え、それぞれの鼻パフまたは鼻枕は、例えば患者の鼻孔の外周領域に当て付いてシールを形成することによって患者の鼻のそれぞれの鼻孔とシールを形成するように構成されて配置される。
本技術の一態様に係る鼻枕3130(図9)は、その少なくとも一部が患者の鼻の下面で、例えば円錐台部分でシールを形成する円錐台3140と、柄部3150と、円錐台3140の下面にあって円錐台を柄部3150に接続する上側可撓性領域3142とを含む。また、本技術の鼻枕3130が接続される構造体は、柄部3150の基部に隣接する下側可撓性領域3152を含む。上側可撓性領域3142および下側可撓性領域3152は、円錐台3140と鼻枕3130が接続される構造体との相対動作−変位および角度の両方−に順応するユニバーサルジョイント構造を促進するように協調して作用し得る。1つの例において、円錐台3140は、それが接続される柄部3150と同軸であってもよい。他の例では、円錐台3140と柄部3150とが同軸でなくてもよい(例えば、オフセットする)。鼻枕3130は、後述するように、それらがプレナムチャンバ3200の壁を側方から越えて延出するように寸法付けられおよび/または形成されてもよい。
本技術の1つの形態において、各柄部3150は、鼻枕3130が使用中に柄部3150の圧縮および/または曲げに起因して前方へ揺れ動かないように可変剛性を備えてもよい。例えば、使用時に患者の顔面から離れた柄部3150の側は、患者の顔面に近い柄部3150の領域より硬くてもよい。言い換えると、柄部3150の圧縮または曲げが予め決められた方向でなされなければ、柄部3150の両側の異なる材料剛性がより大きな抵抗を与える。これは、枕3130が前方へ揺れ動かないようにすることによって枕3130を鼻孔に押し付けることさえも可能にする。そのような構成は、鼻枕3130の前方への揺動をもたらす柄部3150の座屈に抵抗することに役立ち得る。また、可変剛性は、柄部3150が所望の方向で座屈するようにその周囲で揺動が促進される脆弱ポイントを与えるために使用されてもよい。言い換えると、鼻枕3130の圧縮を達成することさえできる。この構成は、鼻枕3130の上端でシール力を局在化できるようにしてもよい。また、この構成は、鼻枕3130の任意の撓みを緩やかにできるようにしてもよい。鼻枕3130は、患者の顔面に抗して付勢される際に、プレナムチャンバ3200に抗して圧縮するように形成されてもよく、その際には、鼻枕3130はプレナムチャンバよりも横方向に幅広くてもよいため、プレナムチャンバ3200の一部が枕3130を越えて延在しない。他の例において、鼻枕3130は、圧縮される際に、それらの外周がプレナムチャンバ3200の外周と略同一面上にあるように形成されおよび/または寸法付けられてもよい。技術の更なる例において、柄部3150は、円錐台3140の基部で最も薄くてもよい。
一例では、枕3130を患者の気道への入口と係合させるために、枕3130が鼻孔への入口に配置される。位置決め安定化構造体3300が調整されると、張力が枕3130を鼻孔内へ引き込み始める。鼻孔内への枕3130の持続的挿入により、柄部3150は、枕3130の基部をプレナムチャンバ3200の上面へと移動させるトランポリン3131によって潰れる。鼻枕3130の柄部3150は、プレナムチャンバ3200に接続されてもよく、また、薄肉部または厚さ減少部分を備えてもよい。薄肉部は、枕3130が容易に跳ねることができるまたはトランポリン作用できるようにし、したがって、患者1000の鼻翼角度に合うように枕3130がより容易に順応できるようにする。トランポリン3131は、枕3130の底部または患者1000の鼻中隔および/または上唇から離れるように傾けられてもよい。これは、患者インタフェース装置3000の快適さおよび安定性を向上させる。
また、共通に寸法付けられた接続領域およびプレナム接続領域を有するプレナムチャンバと共に様々なサイズの鼻枕3130が使用されてもよいことも想起される。これは、患者をその患者の特定の生体構造、例えば鼻孔のサイズおよび方向に最も良く適合するように寸法付けられたプレナムチャンバ3200および枕3130と適合させることができるようにするという利点を有する。
本技術の1つの形態において、シール形成構造体3100は、患者の鼻の鼻柱領域で少なくとも部分的にシールを形成する。
6.3.1.2 鼻クッション
使用時に鼻枕3130の小部分が鼻に入ってもよいが、別の形態のシール形成構造体3100は、使用時に、実質的に鼻の外側にある。図34に示される本技術の1つの形態では、非侵襲的な患者インタフェース3000のシール形成構造体3100は、鼻の内側に部分的に位置付けられることなく両方の鼻孔を取り囲むシールを患者の気道に対して形成するように構成されて配置される。シール形成構造体3100は、単一のオリフィスによって両方の鼻孔を扱う、例えば鼻クッションまたは鼻クレードルである。図34において、描かれた例に係るシール形成構造体3100は、その外周にわたって配置される鼻フランジ3101を含む。また、この図は、フレーム3310に対するプレナムチャンバ3200およびシール形成構造体3100の取り付けも示す。
6.3.2 プレナムチャンバ3200
本技術の1つの形態の一態様に係るプレナムチャンバ3200は、2つの鼻孔間での空気の流れとPAP装置4000から短チューブ4180を介した空気の供給とを可能にするように機能する。短チューブ4180は、一般に、PAP装置4000に接続される長チューブ(更なるガス送出チューブ)4178および接続ポート3600を介してフレーム3310に接続する空気回路4170の一部である。このようにすると、プレナムチャンバ3200は、呼吸サイクルの吸気部分の最中には入口マニホールドとして、および/または、呼吸サイクルの呼気部分の最中には排気マニホールドとして、選択的に機能し得る。
プレナムチャンバ3200はエラストマー材料から構成されてもよい。
プレナムチャンバ3200は、本技術の1つの形態の他の態様によれば、シール形成構造体3100と位置決め安定化構造体3300との間にクッション機能を与える。
プレナムチャンバ3200の1つの形態では、同じ物理的構成要素によって入口/出口マニホールド機能およびクッション機能が果たされるが、本技術の別の形態では、これらの機能が2つ以上の構成要素によって形成される。
シール形成構造体3100およびプレナムチャンバ3200は、単一の一体の構成要素として形成され、例えば成形される。
プレナムチャンバ3200は前壁3210と後壁3220とを備える。
後壁3220は後面3222を備える(図8参照)。本技術の1つの形態において、シール形成構造体3100は、図18および図19において分かるように、使用時に後面3222が患者の鼻中隔および/または上唇から離間するように後壁3220に対して構成されて配置される。1つの形態では、例えばシール形成構造体3100が鼻枕3130を含むときに、これは、後面3222によって図8に示されるように、後面3222が鼻枕3130の最後部3130.1の前方にあるように後壁3220を配置することによって達成される。また、この構成は、鼻中隔および/または上唇が患者インタフェース3000との接触から解放されるため、シール力を患者1000の鼻孔に集中させることもできる。
プレナムチャンバ3200は、シール形成構造体3100との接続部を形成する屈曲領域3230(図9)も備える。屈曲領域3230は、前壁3210および/または後壁3220とは別個の領域であってもよい。あるいは、それぞれの前壁3210および後壁3220の一部または全部が屈曲領域3230の一部を形成してもよい。シール形成構造体3100がそれぞれの左右の鼻枕3130を備える本技術の1つの形態では、対応するそれぞれの左屈曲領域3232と右屈曲領域3234(図4)とが存在する。屈曲領域3230,3232,3234は、患者インタフェース3000の使用時に直面される力、例えばチューブ抵抗力に応じて、または、患者の頭部の動き、例えば患者インタフェース3000をベッドの枕に押し付けることに応じて曲がるおよび/または屈曲するように構成されて配置される。屈曲領域3230、左屈曲領域3232、および/または、右屈曲領域3234は、例えば約35〜約45の範囲内のA型圧入硬度を有するシリコーンゴムから構成されてもよい。しかしながら、更に幅広い範囲の圧入硬度は、それに応じて同様のレベルの力を得るべく壁3210,3220の厚さが調整されれば可能である。
図4、図7、図8、図10および図11において見られ得る本技術の他の態様では、プレナムチャンバ3200がサドルまたは分離領域3236を有する。図4において分かるように、屈曲領域3230は、左屈曲領域3232と右屈曲領域3234との間に位置付けられてもよい分離領域3236を備えてもよい。分離領域3236は、形状が凹状であってもよく、前壁3210から後壁3220にまで及んでもよい。前述したように分離領域3236を有するプレナムチャンバ3200を形成することにより、屈曲領域の一方における動きが他方の屈曲領域に実質的に影響を与えないように左屈曲領域3232を右屈曲領域3234から分離できてもよい。言い換えると、左屈曲領域3232の変形および/または座屈が右屈曲領域3234に支障を来すことがなく、逆もまた同様である。好適には、これにより、支障を来さない屈曲領域と関連する鼻枕3130は、他方の屈曲領域に支障を来すにもかかわらず、患者の対応する鼻孔上の適所にとどまることができる。分離領域3236は、柄部3150間で凹状を成すことにより、鼻中隔との接触を回避できる。また、分離領域3236は、この領域で所望の大きさの柔軟性を可能にするべくプレナムチャンバ3200の最も薄い領域であってもよい。あるいは、分離領域3236は、プレナムチャンバ3200の最も厚い領域であってもよい。サドル領域3236に深い曲率を与えることにより、鼻中隔および/または上唇接触を最小にしてまたは回避して、患者の快適さを向上させることができる。サドル領域3236は、U形状またはV形状であってもよく、また、その頂点で約70°〜約120°の鼻唇角を有する。サドル領域3236は、患者の鼻中隔付近のクリアランスのために、深さが約0.5mm〜約2.5mmであってもよい。
後壁3220は、患者インタフェース3000の使用時に、図18および図19の場合のように、患者の上側の唇または上唇と隣り合って配置されてもよい。
1つの形態では、プレナムチャンバ3200がシールリップ3250(図6)を更に備えてもよい。シールリップ3250は、可撓性のある弾性材料、例えば約30〜約50の範囲内のA型硬度を有するシリコーンゴムから構成されてもよく、それにより、比較的柔軟な構成要素を形成する。図5、図6および図8に示されるように、シールリップ3250は、プレナムチャンバ3200の内面または内周に位置付けられまたは内面または内周の一部を形成してもよく、または、プレナムチャンバ3200の内周領域全体に位置付けられてもよい。しかしながら、シールリップ3250がプレナムチャンバ3200の外面または外周にわたってまたはプレナムチャンバ3200の外周領域全体にわたって配置されてもよいことも想起される。シールリップ3250は、以下で更に詳しく説明されるように、プレナムチャンバ3200とフレーム3310との間に空気圧シールを形成してもよい。シールリップ3250およびプレナムチャンバ3200が一体部品を成してもよい。他の患者インタフェース装置は、シリコーンなどの弾性変形可能な材料から形成されるプレナムチャンバを圧縮してプレナムチャンバをフレームに係合させると同時に空気圧シールを形成するために、圧縮シールを使用してプレナムチャンバとフレームとの間に空気圧シールを形成する。一方、本技術の1つの例は、フレーム3310に当て付いて撓むシールリップ3250からの干渉によってプレナムチャンバ3200が最初にフレーム3100に固定されるときに空気圧シールを形成する。呼吸障害を処置するためにプレナムチャンバ3200内の圧力が大気圧を上回って増大されると、より大きな力によってシールリップ3250がフレーム3310に押し付けられるため、空気圧シールが強化されてシール力を高める。これらの他の患者インタフェース装置のクッション/プレナムチャンバ内の空気圧は、クッションとフレームとの間のシール力に影響を及ぼさない。また、これらの他の患者インタフェース装置は、シールリップおよびフレームと係合するための側壁を伴うクッションを有し、シールリップは、それらが指圧に容易に順応し、硬質ではなく、僅かな労力で伸長され得るまたは弾性的に曲げられ得るため、軟質である。特に、鼻クッションのサイズおよびアスペクト比が比較的大きいため、これがクッションの軟質性に
寄与する。フレーム係合のための側壁は、非常に軟質であるため、非常に僅かな指力でクッションの両側を一緒につまんで互いに接触させることができる。フレーム係合のための側壁の変形のこの容易さは、これらの他の患者インタフェースにおいて手に関節炎を伴う患者がクッションをフレームに素早く接続する困難さの主な根源となる場合がある。また、十分な剛性を有する前述したプレナムチャンバ3200の特徴を形成することにより、シール形成構造体により形成されるシールの安定性を向上させることができてもよいことも理解されるべきである。また、プレナムチャンバがプレナム接続領域3240からシール形成構造体3100へ向かって次第に薄くなるようにプレナムチャンバ3200の厚さを変えることができてもよい。本技術の1つの例において、プレナムチャンバ3200は、プレナム接続領域3240またはその近傍で約2〜3mm厚であってもよく、プレナム接続領域3240とシール形成構造体3100との間のポイントで1mm厚であってもよく、および、シール形成構造体3100またはその近傍で0.75mm厚であってもよい。これらの特徴を有するプレナムチャンバ3200の形成が射出成形製造によって達成されてもよい。プレナムチャンバ3200の厚さにおけるこの漸進的な減少は、柄部3150および患者の鼻により近いシリコーン材料のより大きな変形能を可能にして、快適さを高めるとともに、シール破壊の可能性を減少させる。
一部の鼻枕患者インタフェースは、(i)プレナムチャンバ、(ii)ヘッドギア接続、および、(iii)シール形成構造体の組み付け順序を有する。一方、本技術の患者インタフェース3000の1つの例は、(i)ヘッドギア接続、(ii)プレナムチャンバ、および、(iii)シール形成構造体の組み付け順序を有する。配置におけるこの違いは、シール力に支障を来す場合があるプレナムチャンバ3200およびシール形成構造体3000の変形をヘッドギア張力が引き起こさないことを意味する。
6.3.3 フレーム3310
図4、図10、図75、図76および図166に示されるように、フレーム3310は中心ハブとして機能し、この中心ハブには、短チューブ4180、プレナムチャンバ3200、および、位置決め安定化構造体3300が取り外し可能な態様でまたはより恒久的な態様で接続される。
また、図31〜図33は、ストラップ3301を有する位置決め安定化構造体3300に対して可撓性ジョイント3305を介して接続されるフレーム3310の様々な図を示す。これらの図は、プレナムチャンバ3200およびシール形成構造体3100を伴わないフレーム3310を示す。接続ポート3600および通気孔3400は、いずれも以下で更に詳しく説明されるが、フレーム3310に配置されてもよい。
技術の1つの例では、フレーム3310がポリプロピレンから形成されてもよい。
技術の他の例では、フレーム3310が1つのサイズで形成されてもよいが、プレナムチャンバ3200およびシール形成構造体3100は、本明細書中に記載される共通に寸法付けられた接続機能部によって単一のフレームに取り付け可能な複数のサイズで形成されてもよい。
技術の一例において、フレーム3310は、それが成形された後に屈曲を伴わずに金型から除去され得るように逃げ溝を何ら伴うことなく成形されてもよい。
6.3.4 プレナムチャンバとフレームとの間の接続
本技術の1つの形態において、プレナムチャンバ3200は、例えば洗浄を容易にするため、または、異なって寸法付けられたシール形成構造体3100の交換のために、フレーム3310に対して取り外し可能に取り付けることができる。これにより、プレナムチャンバ3200をフレーム3310および短チューブ4180よりも頻繁に洗って洗浄できるようにしてもよい。また、それにより、プレナムチャンバ3200をストラップ3301とは別個に洗って洗浄できるようにしてもよい。別の形態では、プレナムチャンバ3200をフレーム3310から容易に取り外すことができない。
プレナムチャンバ3200はプレナム接続領域3240(図6)を備えてもよい。プレナム接続領域3240の保持構造体3242は、対応するフレーム接続領域3312(図10)の形状および/または形態に対して相補的な形状および/または形態を有する。プレナムチャンバ3200の保持構造体3242は、プレナムチャンバ3200の他の部分よりも硬質であり、フレーム3310と同じ材料、例えばポリプロピレンまたはRilsan(登録商標)などのポリアミドから形成されてもよい。他の実施形態では、プレナム接続領域3240がナイロンから形成されてもよく、また、フレーム3310がポリプロピレンから形成されてもよい。ナイロン、ポリアミド、および、ポリプロピレンは、軟質材料ではなく、指圧に容易に順応しない。したがって、プレナム接続領域およびフレームが互いに係合されると、聞き取れるクリック音および硬質−硬質間接続が存在する。図20〜図24には、保持構造体3242の形状が放物柱または双曲柱に似た形状を成して描かれる。保持構造体3242は、それがフレーム3310と係合するときおよびフレーム3310から離脱するときにその一般的形状を維持するために、伸長不可能であり、伸び縮みしない。保持構造体3242の形状は、僅かな程度の屈曲を許容するが、保持構造体3242の両側が指圧によって一緒につままれる場合に互いに触れることができる程度まで屈曲を許容しない。言い換えると、保持構造体3242の両側は、通常の治療状況下では生じない患者1000により意図された大きな締め付け力によってのみ互いに接触し得る。図示の例において、保持構造体3242の上縁および下縁は、同じ大きさの締め付け力を使用して、保持構造体3242の側縁よりも互いに近づけて/容易に挟圧され得る。図18において分かるように、フレーム3310および保持構造体3242の湾曲は、患者の上唇の自然な湾曲に従うようになっており、ヘッドギア張力による接触圧が患者の上唇にわたって均一に広げられるように患者の上唇の任意の特定のポイントに接触圧が集中することを回避できる。これは、長期にわたる接触圧の集中によって引き起こされる皮膚損傷を最小限に抑えるまたは排除することができる。湾曲における他の利点は、プレナムチャンバ3200のための材料が平坦なフレームと比べて少なくて済むという点である。
平坦なフレームは、プレナムチャンバ3200が患者の上唇に適合するようにプレナムチャンバ3200の側縁においてより多くの材料をもたらす。より少ない材料は、患者インタフェース3000における全体の重量軽減をもたらす。また、湾曲は、患者の顔面からの患者インタフェース3000の前方向の任意の突出を最小限に抑え、それにより、患者インタフェース3000の目立たなさを向上させる。また、保持構造体3242は、成形後、技術の一例にしたがって、プレナムチャンバ3200に(例えば接着剤を使用して)接着されてもよい。他の例において、保持構造体3242とプレナムチャンバ3200との間で一体の化学結合(分子付着)が利用されてもよい。
技術の一例において、保持構造体3242は、それが成形された後に屈曲を伴わずに金型から除去され得るように逃げ溝を何ら伴うことなく成形されてもよい。保持構造体3242は、フレーム3310と接触する前側に連続的な外周縁を有する。この連続的な外周縁は、それが硬質−硬質間態様でフレーム3310と接触して係合するように露出される。これは、大部分の軟質−硬質間接続とは対照的であり、軟質−硬質間接続では、一部の従前のマスクにおいて、取り外し可能な硬質保持構造体の大部分を覆ってこれと重なるシール形成構造体の前唇部が存在する。前唇部は、LSRから形成されており、保持構造体を一緒に保持するために保持構造体上にわたって巻き付く。しかしながら、そのような従前のマスクでは、取り外し可能なクリップ上に前唇部を巻き付けることが困難であって煩わしく、また、クリップを誤って配置することが想定でき、その結果、シール形成構造体をフレームに接続できなくなる。
保持構造体の1つの目的は、フレーム3310と係合するときにプレナムチャンバ3200を位置合わせすることである。これは、フレーム3310のフレーム接続領域3312と干渉部3314との間に画定される空間内でプレナムチャンバ3200の保持構造体3242の形状が(場合により多様な深さで)保持されるからである(図29)。
保持構造体3242の他の目的は、プレナムチャンバ3200をフレーム3310に対して、これらの2つの部品間の相対的な横方向の垂直な相対動作を防止することによって保持することである。プレナム接続領域3240は少なくとも1つの保持機能部3244を備えてもよく、また、少なくとも1つの相補的なフレーム接続領域3312が存在してもよい。プレナム接続領域3240が1つ以上の保持機能部3244を備えてもよい(図10)。プレナムチャンバ3200とフレーム3310との間の相対的な横方向の垂直な動きを防止することに加えて、保持機能部3244の他の目的は、これらの2つの部品間の相対的な長手方向方向の動きを防止することである。プレナムチャンバ3200の残りの部分は、保持構造体3240およびプレナム接続領域3240よりも可撓性がある材料を備えてもよい。
1つの形態において、プレナム接続領域3240は、硬質材料または半硬質材料、例えば高デュロメータシリコーンまたはTPE、プラスチック、ナイロン、耐温度性材料、ポリプロピレン、および/または、ポリカーボネートから構成される。プレナム接続領域3240は、プレナムチャンバ3200の他の部分とは異なる材料から構成されてもよい。例えば、プレナム接続領域3240は、プレナムチャンバ3200の接続部3202(図10)と取り外し不能に接続される、一体的に結合される、または、機械的に連結される別個の構成要素であってもよい。図6を参照すると、プレナムチャンバ3200の接続部3202は、プレナム接続領域3240の保持構造体3242とほぼ同じ厚さを有してもよい。プレナム接続領域3240は、チャネル部3211.1、例えばフレーム3310のチャネル部により嵌合状態で受けられるように構成されて配置される舌部3211を含んでもよい。このようにすると、チャネル部3211.1が舌部3211のための嵌め合い機能部を形成することができ、逆もまた同様である。また、舌部3211およびチャネル部3211.1は、この領域でシール表面積を最大にするように寸法付けられてもよい。
6.3.4.1.1 プレナムチャンバの取り付けおよびフレームからの取り外し
プレナムチャンバ3200は、フレーム3310に対して取り付け固定されてもよいが、フレーム3310に対して取り外し可能に取り付けられてもよい。図12は、フレーム3310に対して接続された位置にあるプレナムチャンバ3200を示す。プレナム接続領域3240は、この例では、接続領域3240の両側、例えば後側および前側に位置付けられる2つの保持機能部3244のみを含む。図12および図13は、両方の鉤状部3246を貫通する断面を示し、一方、図17は、例えばチャネルまたは溝3211.1を形成する、鉤状部3246が存在しない他の断面を示す。弾性鉤状部3246は、(偶発的な外れを防止するための)高い保持力を与えるとともに比較的容易い意図的な取り外しも可能にするある種のスナップ式圧縮嵌合部材である。図17において、プレナム接続領域3240およびフレーム3310は、舌−溝状態様で互いに簡単に嵌合する。フレーム3310および保持構造体3242は、保持機能部3244がフレームと係合する前に舌部3211とチャネル部3211.1とが係合するように形成されてもよい。これは、接続のために保持機能部3244を位置合わせするのに役立ち得る。
各保持機能部3244は、前面3246.1および後面3246.2を有する鉤状部3246(図6および図13)の形態を成してもよい。前面3246.1は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310とが互いとの係合状態へと移動される際にフレーム3310のフレーム接続領域3312の引き込み面3312.1と係合するようになっている。保持機能部3244が所定位置へと押し込まれると、該保持機能部が変形する。また、フレーム3310のフレーム接続領域3312の上側領域および下側領域並びに干渉領域3314も僅かに変形してもよい。また、保持構造体3242も特に保持機能部3244付近で僅かに変形してもよい(例えば、図27および図28の破線参照)。図195〜図198を参照すると、フレーム3310のフレーム接続領域3312および干渉部3314の変形は、許容される変形量に関して、および、変形が起こるようになっている区域に関しても、リブ3294の使用によって制御される。本技術の1つの例では、干渉部3314の周囲で離間した該干渉部に当て付く6つのリブ3294が存在する。リブ3294の間隔および位置は、干渉部3314の変形の区域を、保持機能部3244に近い区域だけに制限する。リブ3294は、プレナムチャンバ3200がフレーム3310と係合されるときにプレナム接続領域3240とフレーム接続領域3312との間のより強固な係合をこれらの接触点でもたらすためにプレナム接続領域3240の内面に当接して変形してもよい。図199〜図202を参照すると、プレナムチャンバ3200のプレナム接続領域3240は、リブ3294と対応するための切り欠き3295を有する。切り欠き3295は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310との組み付け中にリブ3294に当て付くプレナム接続領域3240の摩擦を最小限に抑えるために面取りであってもよい。鉤状部3246が十分な量で押し込まれる時点で、鉤状部は、鉤状部3246が図13に示される保持位置をとるように径方向外側へとスナップ係合する。スナップ作用は、安心感を与えるクリック音などの聞き取れる音をユーザにもたらし、それにより、適切な接続が確立されたというフィードバックをユーザまたは患者に与える。保持位置では、図13に示されるように、鉤状部3246の後面3246.2がフレーム接続領域3312の保持面3312.2と係合する。この安心感を与えるクリック音は、技術の1つの例では、十分な剛性のプレナム接続領域3240を形成することによって容易にされてもよく、その剛性はプレナム接続領域3240の近傍で最も大きい。この剛性は、オーバーモールド製造によって達成されてもよい。
図13において分かるように、鉤状部3246およびフレーム接続領域3312の表面は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310との間のスライド接続を容易にするために特定の態様で傾けられる。例えば、先に述べらたように、前面3246.1および引き込み面3312.1は、これらの表面が相対的な容易さをもって互いにスライド係合できるように互いに対応する角度をもって形成されてもよい。同様に、後面3246.2および保持面3312.2は、接続された時点で、フレーム3310およびプレナムチャンバ3200を保持するのに役立つように互いに対して傾けられてもよい。後面3246.2と保持面3312.2との間の角度は、例えば鼻枕3130の軸線にほぼ沿って印加される引張力が鉤状部3246を内側に屈曲させることによりプレナムチャンバ3200をフレーム3310から解放するのに十分であるように選択される。この引張力は、患者1000が最初に例えばプレナムチャンバ3200を前後方向に圧搾することによって鉤状部3246を径方向内側に撓ませることを要しない。むしろ、関連する角度に起因して、鉤状部3246の径方向の撓みは、印加される軸方向の引張力の結果としてのみ生じる。本技術の1つの例では、プレナム接続領域3240が撓まされ、また、フレーム3310からのプレナムチャンバ3200の分解は、プレナムチャンバ3200をつまんでプレナムチャンバ3200をフレーム3310から引き離すことによって行われる。
図13において分かるように、プレナムチャンバ3200は、プレナム接続領域3240を介してフレーム3310に取り付けられ、また、保持機能部3244は、鉤状部3246によってフレーム接続領域3312と係合される。この図にも示されるように、フレーム接続領域3312の保持面3312.2および鉤状部3246の後面3246.2は、係合されて互いに同一平面である。患者がプレナムチャンバ3200をフレーム3310から取り外すために、患者は、後面3246.2に当て付く保持面3312.2の抵抗に打ち勝つべくプレナムチャンバ3200を十分な力を伴ってフレーム3310に対して引っ張らなければならない。本技術の1つの例において、プレナムチャンバ3200を挟圧すると、プレナムチャンバ3200をフレーム3310から取り外すために必要とされる軸方向引張力が減少する。この抵抗は、これらの表面3312.2,3246.2が互いに係合する角度を変えることによって所望のレベルに「合わせられ」得るまたは選択的に調整され得る。これらの表面3312.2,3246.2がプレナムチャンバ3200をフレーム3310から取り外すために患者1000により加えられる力の方向に対して垂直に近ければ近いほど、取り外しをもたらすために必要とされる力が大きくなる。この角度は、後面3246.2が公称垂直軸線3246.4(フレーム3310に対するプレナムチャンバ3200の軸方向の引張方向に対応する)に対して傾けられる図14にβとして示される。βが増大されるにつれて、プレナムチャンバ3200をフレーム3310から取り外すために必要とされる力が増大する。また、βが増大するにつれて、取り外しが患者1000にとってより急激と感じる。1つの例では、約75°の角度βが、患者にとって快適な取り外し感触を生み出すことが分かってきた。更なる例において、βは、取り外しに対する理想的な抵抗レベルをもたらすために、30°から110°まで、または、40°から90°まで、または、65°から85°までさまざまであってもよい。これは、偶発的な外れの可能性を最小限に抑えるように、また、患者1000による意図的な取り外しのみを許容するように選択されてきた。
公称垂直軸線3246.4と前面3246.1との間の角度である角度αも、患者1000がプレナムチャンバ3200をフレーム3310に取り付けるときに特定のレベルの力を必要とするように同様に「合わせられ」得るまたは選択的に調整され得る。角度αが増大されるにつれて、保持機能部3244をフレーム接続領域3312と係合させるために必要とされる力が増大するとともに、これらの構成要素3244,3312を係合させる患者にとっての取り付け感触もより急激となる。言い換えると、保持機能部3244の前面3246.1がフレーム接続領域3312の引き込み面3312.1に沿ってスライドする際に、ユーザは、角度αが減少するにつれて、より滑らかな係合感触を受けることができる。1つの例では、約30°の角度αが、患者1000にとって快適な取り外し感触を生み出すことが分かってきた。更なる例において、角度αは、取り外しに対する理想的な抵抗レベルをもたらすために、50°から70°まで、または、15°から60°までさまざまであってもよい。
また、プレナムチャンバ3200とフレーム接続領域3312との係合および離脱の感触および力を互いに無関係に合わせるまたは選択的に調整することができるため、角度αおよびβは、取り外しの抵抗のレベルとは異なる取り外しに対する抵抗のレベルを患者に感じさせるように選択されてもよい。技術の1つの例において、角度αおよびβは、角度βが角度αよりも大きいように選択されてもよく、それにより、患者は、取り外し抵抗よりも小さいプレナムチャンバ3200とフレーム3310との取り付け抵抗を感じる。言い換えると、プレナムチャンバ3200をフレーム3310から取り外すことの方がそれらを接続することよりも困難であると患者が感じ得る。
図4において分かるように、技術の1つの例は一対の保持機能部3244,3245を含む。また、この図に示されるように、典型的な保持機能部3244,3245は異なって寸法付けられる。特に、この図は、プレナム接続領域3240の前部に配置される保持機能部3245がプレナム接続領域3240の後部に配置される保持機能部3244よりも幅狭いことを示す。保持機能部3244を異なって寸法付けることにより、患者1000は、1つの方向でのみプレナムチャンバ3200をフレーム3310に取り付けることができる。そのような構成が図10に示される。これは、取り付け中の患者のフラストレーションを回避し、不正確な取り付けによって起こり得る患者インタフェース3000の損傷を最小限に抑えるとともに、患者の気道に対して適切なシールを与えるべくシール形成構造体3100が正しい方向となるようにして、患者1000の鼻中隔および/または上唇との接触を減らすまたは回避することによって快適さを与える。
図10には、2つのフレーム接続領域3312,3313が対応する保持機能部3244,3245と係合して示される。ここに描かれる例は、幅狭い方の前保持機能部3245が幅狭い方の前フレーム接続領域3313に対応するように寸法付けられることを示す。また、幅広い方の後保持機能部3312は、対応して寸法付けられた後フレーム接続領域3244と係合される。1つの保持機能部が対応する一意的に寸法付けられたフレーム接続領域と係合するように一意的に寸法付けられるこのような構成は、患者がプレナムチャンバ3200を1つの方向でのみフレーム3310に取り付けることができるという利点を有する。取り付け方向を制限することにより、患者1000は、患者インタフェース3000を不適切に組み付けることが防止されるとともに、不適切に組み付けられた患者インタフェース3000に起因して次善の治療を受けることが防止される。技術のこの特定の例に関して記載された構成は、構成要素が適切に位置合わせされる場合にのみ患者1000が患者インタフェース3000を完全に組み付けることができるため、視覚問題に起因して構成要素を正確に係合させる方法を理解するのが困難な場合がある患者1000、または、暗い部屋、例えば就寝前のベッドルームで患者インタフェース3000を組み付けているかもしれない患者1000に有利である。
前述したように、鉤状部3246の前面3246.1および後面3246.2は、患者インタフェース3000の組み付けおよび分解に対する最適な大きさの抵抗を与えるのに重要である。また、組み付け時に構成要素の適切な方向付けが確保されるようにそれぞれの保持機能部3244,3245およびフレーム接続領域3312,3313を対応して寸法付ける利点についても前述した。保持機能部3244,3245およびフレーム接続領域3312,3313を適切に寸法付けることは、プレナムチャンバ3200をフレーム3310の方へと案内するのに役立ち得る。言い換えると、フレーム接続領域3312,3313および保持機能部3244,3245は、フレーム接続領域の外周および保持機能部3244の外周が保持機能部3244をフレーム接続領域3312へと方向付けて位置合わせするのに役立つように互いに緊密に適合して寸法付けられてもよい。これは、疾病(例えば関節炎)に起因して機敏さが制限される患者、または、就寝前の暗いベッドルーム内であろうがまたは限られた視力に起因していようが視界が損なわれる場合に患者インタフェース3000を組み付ける患者にとって有益となり得る。また、保持機能部3244,3245およびフレーム接続領域3312,3313を互いに緊密に適合して寸法付けることにより、これは、プレナムチャンバ3200とフレーム3310との間のシールがこれらの2つの構成要素間の強固な接続を容易にすることによって維持されるようにするのに役立つ。また、保持機能部3244,3245とフレーム接続領域3312,3313との間の緊密な適合は、フレーム3310に対するプレナムチャンバ3200の同等の位置合わせを容易にするのに役立ち得る。本技術の1つの例では、保持機能部3244,3245とフレーム接続領域3312,3313との間に0.3mm〜2mmの差が組み入れられてもよい。
また、前述したおよび後述するフレーム3310とプレナムチャンバ3200との間の接続が他のタイプのマスクと共に使用されてもよいことも理解されるべきである。コンパクトな鼻マスクまたはコンパクトなフルフェースマスクなどの鼻梁下をシールするマスクは、本明細書中に記載される接続機能部を組み込んでもよい。また、前頭支持体を欠くマスクは、これらの接続機能部を含んでもよい。また、鼻枕3130または鼻クレードル/鼻フランジ3101を有するマスクなどの鼻尖部下をシールするマスクを含む本技術の例がこれらの接続機能部を使用してもよいことも想起される。
6.3.4.1.2 プレナムチャンバおよびフレームの取り付けおよび取り外しシーケンス
図25〜図29は、プレナムチャンバ3200の接続部3202およびフレーム3310のフレーム接続領域3312の一連の断面図を示す。これらの順次的な図は、フレーム3310に対するプレナムチャンバ3200の取り付けのプロセスを示す。これらの図は1つのフレーム接続領域3312に対する1つの保持機能部3244の取り付けのみを示すが、図10において分かるようにおよび前述したように、複数の保持機能部3244および複数のフレーム接続領域3312が存在してもよいことが理解されるべきである。したがって、プレナムチャンバ3200およびフレーム3310の取り付けシーケンス中に、プレナムチャンバ3200とフレーム3310との完全な取り付けを達成するために、図示の取り付けシーケンスの複数の事例が行われてもよい。
図25は、プレナムチャンバ3200の接続部3202およびフレーム3310のフレーム接続領域3312の断面図を示し、この場合、接続部3202およびフレーム接続領域3312は互いの近傍に位置するが接触しない。矢印は、接続部3203とフレーム接続領域3312とが結合しようとしていることを示す。言うまでもなく、これらの図に関しては、簡単にするため、プレナムチャンバ3200およびフレーム3310の更なる部分が含まれていない。したがって、例えば図13において分かるように、フレーム接続領域3312および該フレーム接続領域3312の干渉部3314がいずれもフレーム3310の一部であることも理解されるべきである。また、フレーム接続部3312および該フレーム接続部3312の干渉部3314が取り付けシーケンスにわたって互いに対して移動することは言うまでもない。図25に戻ると、この図は、シールリップ3250が形成されないとともに、保持機能部3244が変形されないことを示す。これは、これらの構成要素3250,3244のいずれもフレーム3310と接触しないからである。
図26は、保持機能部3244の鉤状部3246がフレーム3310のフレーム接続領域3312と接触し始めていることを示す。具体的には、この図は、フレーム接続領域3312の引き込み面3312.1と接触する鉤状部3246の前面3246.1を示す。この図において、保持機能部3244およびフレーム接続領域3312は、保持機能部3244が撓まされないように互いに接触しているにすぎない。また、シールリップ3250は、それがフレーム接続領域3312の干渉部3314と未だ接触していないため、撓まされてしまっていない。前述したように、前面3246.1の角度αは、プレナムチャンバ3200とフレーム接続領域3312との係合に対してユーザが感じる抵抗に影響を及ぼし始める。これは、前面3246.1が引き込み面3312.1と摩擦接触状態で係合し始めるからである。
図27は、保持機能部3244がフレーム接続領域3312との接触によって撓まされるように取り付けシーケンスに更に従うプレナムチャンバ3200およびフレーム3310を示す。この図において分かるように、フレーム接続領域3312およびフレーム接続領域3312の干渉部3314は接続部3202に更に近づいている。また、この図に示されるように、鉤状部3246の前面3246.1は、保持面3312.2に更に近い引き込み面3312.1の部分と接触する。言い換えると、鉤状部3246は、フレーム接続領域3312との取り付けの更に近くまで移動してしまっているとともに図26に示される位置に対して移動してしまって見える。前述したように、プレナムチャンバ3200の接続部3202およびプレナム接続領域3240は、患者1000により生み出される締め付け力によって撓まされてもよい。また、図27は、保持機能部3244がフレーム接続領域3312との接触によって撓まされてしまっていることも示し、破線は、非変形状態の保持機能部3244の輪郭を示す。また、図27は、シールリップ3250がフレーム接続領域3312の干渉部3314と未だ接触せず、したがって、シールリップ3250が変形されていないことも示す。この図に示されないが、これらの部分3312,3244が互いに押し進められる力に起因してフレーム接続領域3312が保持機能部3244から離れるように撓み得ることも理解されるべきである。
図28では、プレナムチャンバ3200とフレーム3310とがほぼ取り付けられて、保持機能部3244がフレーム接続領域3312とほぼ完全に係合される。この図では、保持機能部3244が依然として変形されるが、鉤状部3246はフレーム接続領域3312の異なる部分と接触する。具体的には、このとき、鉤状部3246の後面3246.2がフレーム接続領域3312の保持面3312.2と接触する。また、後面3246.2と保持面3312.2とが互いに接触する角度に起因して、保持機能部3244およびフレーム接続領域3312は、撓まされた保持機能部3244のその非変形状態へと戻ろうとする固有の傾向によって係合状態へと付勢され、それにより、実際には、特定の挿入距離に達した後にこれらの部分が互いに引き寄せられる。また、図28は、非変形状態の保持機能部3244の輪郭を破線によって示す。また、この図では、シールリップ3250がフレーム接続領域3312の干渉部3314と接触していることも分かる。取り付けシーケンスのこの時点では、シールリップ3250とフレーム接続領域3312の干渉部3314との接触によってシールが形成され始めてもよい。シールリップ3250は、フレーム接続領域3312の干渉部3314に当て付く接触によって僅かに撓まされてもよい。
図29は、保持機能部3244の鉤状部3246とフレーム接続領域3312との係合によって完全に取り付けられるプレナムチャンバ3200およびフレーム3310を示す。この図では、保持面3312.2が後面3246.2に比較的ぴったりとくっついている。また、保持機能部3244は、フレーム接続領域3312との接触によってもはや撓まされ得ない。保持機能部3244は、図28に示されるその撓んだまたは変形された状態から非変形状態へと戻り、鉤状部3246および保持機能部3244が図28に示される位置から図29に示される位置へと移動する際に聞き取れるクリック音を発生させてもよい。この安心感を与える聞き取れるクリック音は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310とが完全に係合されるというフィードバックをクリック音が患者1000に与えるという点において有益となり得る。係合の完了時にこのフィードバックを患者1000に与えることにより、患者1000は、プレナムチャンバ3200とフレーム3100とがしっかりと取り付けられて患者1000が就寝して治療を受けている間に分離しないという確信をもって患者インタフェース3000を使用できてもよい。
また、所望のレベルのシール接触は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310とが図29に示されるように取り付けられるときに達成されてもよい。シールリップ3250は、フレーム接続領域3312の干渉部3314に当て付いて撓まされているのが分かる。図示のように撓まされることにより、シールリップ3250は、シールリップ3250がその非変形形状に戻ろうとする傾向に起因して十分な力でフレーム接続領域3312の干渉部3314にそれ自体が押し付けられてもよく、それにより、所望のシールがこれらの構成要素間にもたらされる。更に、治療が施されるときにプレナムチャンバ3200内の空気圧が増大するにつれて、シールリップ3250は、フレーム接続領域3312の干渉部3314へ向けて強制的に撓ませられ、それにより、この領域でシール力を増大させる。プレナムチャンバ3200がフレーム3310と係合されるときに保持構造体3242とフレーム接続領域3312との間に圧縮シールが形成される場合であっても、係合時に、シールリップ3250とフレーム接続領域3312の干渉部3314との間には、内部の空気圧が増大するにつれて強くなる圧力作動シールも形成される。特定の例では、圧縮シールが気密ではなく、それにより、望ましくない漏れが生じることが想定され得る。
また、圧縮シールを形成するために構成要素の非常に大きな圧縮量が必要とされる場合には、これにより、フレーム3310に対するプレナムチャンバ3200の容易な取り付けおよび取り外しが妨げられる場合があり、その結果、場合により、その操作を行うために片手では済まず、または、かなりの量の労力を必要とする。したがって、本技術の1つの例において、圧縮シールは、主に、シールよりはむしろ保持の目的のために機能し、また、圧力作動シールは、主に、気密シールを形成して維持する目的のために機能する。そのようなシール作用がプレナムチャンバ3200とフレーム3310との間の接合部の周囲にわたって生じていてもよいことが理解されるべきである。例えば、図17は、保持機能部3244とは別個の領域でフレーム接続領域3312に当て付く同様に撓まされた状態のシールリップ3250を示す。また、図5においては、例えば、シールリップ3250がプレナムチャンバ3200の外周にわたって延在することが分かる。シールリップ3250をプレナムチャンバ3200とフレーム3310との間の接合部の周囲にわたって内側で延在させることにより、この領域の全体にわたって所望のレベルのシールを得ることができ、それにより、加圧ガスの望ましくない漏れが防止される。
また、シールリップ3250がこれらの部分を分離付勢している力によってフレーム接続部3312の干渉部3314に押し付いていてもよいことが理解されるべきである。しかしながら、鉤状部3246の後面3246.2とフレーム接続領域3312の保持面3312.2との構造的な係合に起因する摩擦力は、シールリップ3250が非変形状態に戻ってプレナムチャンバ3200をフレーム3310から分離しようとする傾向の力に抵抗するのに十分でなければならない。
プレナムチャンバ3200とフレーム3310との取り外しに関しては、このプロセスが前述したプロセスとはほぼ逆の順序であることが理解されなければならない。言い換えると、ユーザは、これらの構成要素を反対方向に引くことによってプレナムチャンバ3200をフレーム3310から分離してもよく、また、図29が分離プロセスの始まりであってもよく、図25は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310とが完全に分離される図を表してもよい。プレナム接続領域3240付近でプレナムチャンバ3200を締め付けてまたはプレナム接続領域3240を締め付けてフレーム3310から引き離すことは、フレーム3310からのプレナムチャンバ3200の取り外しに役立ち得る。また、患者1000がプレナムチャンバ3200を握る目的でプレナムチャンバ3200を任意の場所で、例えば鼻枕3130または柄部3150で締め付けて単にフレーム3310から引き離してもよいことも想起される。引っ張りつつひねる動作も、プレナムチャンバ3200をフレーム3310から離脱させることに役立ち得る。
6.3.4.1.3 硬質−硬質間接続
プレナム接続領域3240およびフレーム3310は、図25〜図29に示されるように組み付けられて取り付けられてもよい。前述したように、プレナム接続領域3240および/または保持構造体3242は、半硬質材料、例えば高デュロメータシリコーン(プレナムチャンバ3200よりも高いデュロメータ)/TPE、プラスチック、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアミド、および/または、ポリカーボネートから構成されてもよい。プレナム接続領域3240は、連続したリングまたは楕円形の2つのC形状クリップ、1つのC形状クリップ、または、単一の連続する断片の形態を成すがプレナムチャンバ3200の一部のみを取り囲んで構成され得る。クリップは、スプリングクリップとして機能してもよく、また、C断面または二重C断面の形態を成してもよい。スプリングクリップのバネ力は、プレナム接続領域3240がフレーム3310のフレーム接続領域3312,3313または干渉部3314に抗して伸長される弾力性によって与えられてもよい。他の例では、クリップ形態が必要でなくてもよく、保持機能部3242,3244のみが接続領域3312,3313と係合するためにプレナム接続領域3240および/または保持構造体3242を伴わずにプレナムチャンバ3200に取り外し不能に直接に接続される。また、本技術の1つの例がプレナム接続領域3240と同じまたは同様の半硬質材料から構成されるフレーム3310を含んでもよいことも想起される。半硬質材料のフレーム3310およびプレナム接続領域3240を製造することにより、「硬質−硬質間」接続または結合インタフェースが形成されてもよい。この「硬質−硬質間」接続は、プレナム接続領域3240およびフレーム接続領域3312の構造的特徴と併せて、患者インタフェース3000を組み付けるときにプレナムチャンバ3200とフレーム3310との間の接続の確信的感触を(例えば、聞き取れるスナップ嵌合または安心感を与えるクリック音をもたらすことによって)患者1000に与えることができる。プレナムチャンバ3200とフレーム3310との間の確実な嵌合は、患者1000が患者インタフェース3000を介して最適な治療を受けるようにするのに役立つため、確実な嵌合が達成されたという確信を患者1000に与える構造は有益である。本明細書中に記載される硬質−硬質間接続は、それがシール形成構造体3100により形成されるシールに対して安定性を加えることができるという点においても有益となり得る。これは、プレナムチャンバおよびフレームのいずれか一方または両方が軟質材料から形成され、それにより、特に暗い部屋でプレナムチャンバとフレームとを容易に適切に係合させることを関節炎の手にとって難しくする、硬質−軟質間接続または軟質−軟質間接続とは対照的である。
保持機能部3242,3244がプレナムチャンバ3200に設けられるように説明されるとともに、接続領域3312,3313がフレーム3310に設けられるが、その場所をフレーム上の保持機能部およびプレナムチャンバ上の接続領域に切り換えることができてもよい。また、一方の部分には、他方の部分にある接続領域および保持機能部と対応する保持機能部と接続領域との組み合わせが存在してもよい。
6.3.5 プレナムチャンバを形成する方法
プレナムチャンバ3200を製造するための方法は、第1の金型内でプレナム接続領域3240を成形して、成形されたプレナム接続領域3240を第1の金型から除去するとともに、プレナム接続領域3240を第2の金型内へ挿入して、第2の金型内で接続部3202を備えるプレナムチャンバ3200の一部を成形するステップを備えてもよい。プレナム接続領域3240は、接続部3202に対して化学的に結合されおよび/または機械的に連結されてもよい。
1つの形態において、シールリップ3250は、プレナムチャンバ3200とフレーム3310とが互いに組み付けられるときにフレーム接続領域3312の干渉部3314と干渉する(図13)ように構成されて配置される。使用時、シールリップ3250は、フレーム接続領域3213の干渉部3314と組み付けられるときに静止位置(図6)から離れるように弾性的に屈曲させられるとともに、少なくとも部分的には弾性材料である結果として干渉部3314に押し付いて(図12)、シールリップ3250と干渉部3314との間での空気の漏れに抵抗するまたは漏れを防止する。シールリップ3250がプレナムチャンバ3200に設けられるように説明してきたが、シールリップがフレーム3310に設けられてもよい。1つのシールリップを説明してきたが、2つ以上のシールリップが設けらてもよいことが想定され、その場合、少なくとも1つのシールリップがプレナムチャンバ3200に設けられ、また、少なくとも1つのシールリップがフレーム3310に設けられる。
6.3.6 位置決め安定化構造体
本技術の1つの形態では、多くの構造的特徴が位置決め安定化構造体の一部、例えばヘッドギアアセンブリ(単にヘッドギアと称される場合がある)を形成することに留意されたい。本技術の別の形態では、これらの特徴のうちの1つ以上がフレーム3310に位置付けられる。例えば、屈曲ジョイント3305の全体または一部がヘッドギアまたはフレーム3310に位置付けられてもよい。また、延在部3350は、それがリジダイザアーム3302と一体に形成されることを除き、屈曲ジョイント3305と同じ機能を果たしてもよい。
本技術の患者インタフェース3000のシール形成構造体3100は、使用時に、位置決め安定化構造体3300によってシール位置に保持されてもよい(図75、図76および図166)。1つの形態において、位置決め安定化構造体3300はヘッドギアを備える。言うまでもなく、位置決め安定化構造体3300は、本技術の1つの形態では、ヘッドギアと称されてもよい。
ヘッドギアは、ヘッドギアコネクタを介して、位置決め安定化構造体3300などの患者インタフェースの一部に取り外し可能に接続できてもよい。
6.3.6.1 ストラップ
位置決め安定化構造体3300は、少なくとも1つのストラップ3301(例えば、図65参照)と、少なくとも1つのリジダイザアーム3302(例えば、図67参照)とを備えてもよい。ストラップ3301は、弾性材料から形成されてもよく、また、弾性特性を有してもよい。言い換えると、ストラップ3301は、例えば患者により加えられる伸長力によって弾性的に伸長されてもよく、また、伸長力の解放時に中立状態のその当初の長さに戻るまたは収縮する。ストラップ3301は、エラスタン、TPE、シリコーン等の任意のエラストマー材料から形成されてもよくまたは任意のエラストマー材料を備えてもよい。ストラップ3301の材料は、前述した材料のうちのいずれかと他の材料との組み合わせに相当してもよい。ストラップ3301は、単層または多層のストラップであってもよい。ストラップ3301、特に使用中に患者1000と接触するサイドストラップ部3315,3316は、織られ、編まれ、編組され、成形され、押し出され、またはその他の方法で形成される。ストラップ3301は、織り材料などの布材料を備えてもよくまたは布材料から形成されてもよい。そのような材料は、一方では、合成繊維または天然繊維を備え、それにより、触覚特性などの望ましい有益な表面特性および皮膚快適性を与えてもよい。他方では、ストラップ3301の材料は、望ましいエラストマー特性を与えるためにエラストマー材料を含んでもよい。サイドストラップ部3315,3316およびバックストラップ部3317を含むストラップ3301全体が伸長可能であってもよい。これにより、ストラップ3301の全長を伸ばし、それにより、快適な力移動プロファイルをもたらすことができる。使用時にストラップ3301を伸長させるために、ストラップ3301の長さが患者の平均小頭囲未満であってもよい。例えば、ストラップ3301の長さは、1つの例では590mm未満であってもよく、他の例では500mm未満であってもよい。しかしながら、性別固有であってもよい患者の頭囲に応じて、異なる長さのストラップ3301が患者に与えられてもよい。例えば、小サイズのストラップは、長さが490mmであってもよく、また、大サイズのストラップが540mmであってもよい。幾つかの状況において、このことは、ストラップ3301の長さが大きな距離にわた
って伸長される(すなわち、大きい頭囲のための小サイズストラップ)必要がないことを意味する。大きな距離にわたる伸長は、そのような患者にとって不必要に高いヘッドギア張力をもたらすととともに、小サイズストラップ3301が長い長さへと伸長されるにつれてあまりスムーズでない力移動プロファイルをもたらす。
ストラップ3301は、特定の区域では、例えばフレーム3301から患者の頬骨に近い位置に至るまで、挿入されたリジダイザアーム3302によって硬くされる。ストラップ3301は中空リボンの形態を成してもよい。ストラップ3301は、それがリジダイザアーム3302上へと滑らされてフレーム3301に近いリジダイザアーム3302の一端に固定されるときにリジダイザアーム3302上にわたって通されると見なされてもよい。
1つの例において、サイドストラップ部3315,3316とバックストラップ部3317とを含むストラップ3301は、布材料を縦編みすることによって形成される。ストラップ3301は、単一の一体品としてコンピュータ制御により編まれる3D編地である。糸および縫い目の変化は、ストラップ3301の弾力性および強度および耐久性を特定の場所で調整するためにストラップ3301に沿う様々な位置で生じてもよい。例えば、開口、挿入ポイントまたはボタン穴3303,3304、および、バックストラップ部3317a,3317bのための分岐点3324の場所では、繰り返しの長期にわたる使用中にストラップ3301が伸長されるときに高い応力を受けるこれらの場所でストラップ3301の補強を行ってストラップ3301の不具合/破損を防止するために、更なる糸が編まれてもよい。ストラップ3301の編組方法(すなわち、縦編み)および弾性布材料(例えば、エラスタン)は、ストラップ3301を水中で洗浄して乾燥した後のストラップ3301の弾性回復に寄与する。言い換えると、ストラップ3301を定期的に洗浄することによって長期にわたる使用後にストラップ3301の弾力性を維持することができ、したがって、ストラップの耐用年数が延ばされる。
図65〜図73において、ストラップ3301は、フレーム3310に直接にまたは可撓性ジョイント3305を介して取り付けられるためのポケット状端部3311,3313を有する単一の連続的なストラップであるように示される。しかしながら、ストラップ3301が例えば縫い合わせまたは超音波溶着によって互いに直接に接続されるまたは接続されてもよい複数の個々のストラップを備えてもよいことが認識されてもよい。図65において、ストラップ3301および位置決め安定化構造体3300は、調整手段または変化手段を何ら伴うことなく示される。しかしながら、そのような調整は、ストラップ3301よりも硬質な患者インタフェース3000または他の接続要素、例えば可撓性ジョイント3305に対してストラップ3301が固定される場所を変えることによって行われてもよい。図72を参照すると、これに加えてまたは代えて、調整は、(例えば図71〜図73に示されるように)ラダーロッククリップ3305.1上にわたるスライドなどの機構をバックストラップ部3317またはサイドストラップ部3315,3316に加えることによって、またはその他の方法で、ストラップ3301および位置決め安定化構造体3300の伸縮長さをそれぞれ調整することによって可能にされ得る。図65に示される例において、ストラップ3301は、楕円形状または円形状を示す図68〜図70のそれぞれの概略図、または、観察者の方に面する(目に見える)外面を実線として示すとともに観察者から離れて面する(目に見えない)内壁を破線として示す円形状または楕円形状のそれぞれのマーク3321a〜d, 3323a〜eから解釈され得るような、および、図66に係る断面図によって解釈され得るような管状形態を有する。しかしながら、位置決め安定化構造体3300は、平坦なまたはシート状の形状、単層、多層または積層構造などの任意の他の形状をとってもよいことが分かる。ストラップ3301は、紙面と略平行な軸線であると理解されてもよい長手方向軸線を有してもよく、この長手方向軸線に沿ってストラップ3301が延在する(例えば図65の破線参照)。
ストラップ3301は、耐久性を向上させては回転を最小にするまたは防止するために補強縫い合わせを有してもよい。例えば、ボタン穴3303,3304におけストラップ3301の領域およびストラップが分岐点3324で2つのバックストラップ部3317a,3317bへと分岐する位置にあるストラップ3301の領域は、伸長時に高い応力に晒される。材料の傾向は、分割領域3326で互いから離れるように分かれることであり、したがって、これらの領域における補強縫い合わせは、この懸案事項を扱う1つの方法である。一例において、中心縫い目は、ストラップ3301の中心長手方向軸に沿って延在し、補強縫い合わせとして機能する。また、ストラップ3301の遠位端部の縁およびボタン穴3303,3304の開口は、これらの領域で任意の遊離繊維を融着してストラップ3301を強化するべく超音波溶着されてもよい。好適には、これは、長期使用および繰り返し洗浄の後のストラップ3301の繊維のほつれも防止する。ポケット状端部3311、遠位端部の縁、および、ボタン穴3303を補強して強化するための他の技術が想起され、該技術は、テープなどの更なる材料を含んでもよい。テープは、ブランド情報およびロゴ情報を含んでもよい。
図123〜図125は、上側バックストラップ部3317aと下側バックストラップ部3317bとの間の分割領域3326の益々詳細な図を示す。上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bの縁部が編みプロセスの結果として完全に平滑ではないと理解されるべきであり、また、これらの図が欠陥を見ることができるように大きな倍率をもって縁部を示すことが更に理解されるべきである。肉眼では、上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bの縁部の凹凸を、そのように容易に見ることはできず、また、一般に、患者が接触によって認識することはできない。更に、これらの図では、分割領域3326に材料が存在しないことから分割領域3326が空白で示される状態で、バックストラップ部3317a,3317bの性状を示すために点描が使用される。
図126〜図131は、上側バックストラップ部3317aと下側バックストラップ部3317bとがサイドストラップ部3315,3316から分かれる場所に存在する分岐点3324の様々な詳細図を示す。また、これらの図には、分岐点3324またはその付近に更なる縫い合わせまたは溶着を含んでもよい補強部3325も見える。補強部3325は、上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bの繰り返される分離による応力に起因してサイドストラップ部3315,3316が割れるおよび/または裂けることを防止するのに役立つことができる。言い換えると、補強部3325は、分岐点3324付近の応力集中の場所で更なる強度を与えることができる。また、これらの図には、上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bが様々な分離角度θで示される。これらの図は、上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bが大きな角度θで互いから広げられるときに補強部3325が分岐点3324で更なる強度を与えることを示しているのが分かる。
図176〜図181を参照すると、本技術の1つの例において、ストラップ3301の端部は、ストラップ3301の端部の材料が折り重ねられて成る補強部3327を有する。これは、溶着端部3311.1,3313.1(図81参照)に加えて、この領域で更なる補強を与える。補強部3327の材料は、ストラップ3301とは異なる材料であってもよい。補強部3327は、患者1000がこの領域を起点としてストラップ3301をその長手方向軸線に沿って引き裂くまたは破る可能性を回避するまたは軽減することができる。補強部3327は、いかにしてストラップ3301をリジダイザアーム3302に滑り込ませるべきかまたはストラップ3301をリジダイザアーム3302から取り外すべきかに関する視覚的および触覚的な表示を患者1000に与えるのに役立つ。これは、補強部がボタン穴3303,3304の位置を特定するのに役立ち得るからである。補強部3327の角部3328は、該角部3328がリジダイザアーム3302の遠位端部の自由端部3302.1の丸みを帯びた角部(図50、図52、図55、図57、図58、図60参照)とほぼ適合するようにカットされて丸みがつけられてしまっている。これは、審美的に感じの良いリジダイザアーム3302との止まり嵌めをもたらす。丸みを帯びた角部3328は、それらが代わりに鋭利であった場合に生じ得る顔面の引っかき傷を避けるための柔軟な縁部を与える。
6.3.6.2 リジダイザアーム
図67はリジダイザアーム3302の一例を示す。図示のように、リジダイザアーム3302は三日月形状または半円形状を成してもよい。リジダイザアーム3302は、ほぼ細長い平坦な形態を有してもよい。言い換えると、リジダイザアーム3302は、厚さ(紙面へと向かう方向)よりも長さおよび幅(紙面内の上下方向)の方が大きい。リジダイザアーム3302は、3つの全ての軸(X、YおよびZ)で曲率を有する三次元形状を有する。レジスタアセンブリ3302の厚さは略均一であってもよいが、その高さはその全長にわたって変化する。リジダイザ3302の形状および寸法の目的は、患者の頬に密に適合して、依然として目立たないままにするとともに、患者の顔面および頬に馴染ませることであある。リジダイザアーム3302の端部3319a,3319bは、リジダイザアーム3302の残りの部分に対して丸み付けられおよび/または僅かに傾けられてもよい。リジダイザアーム3302は図67の紙面によって示されるように平坦であってもよいが、リジダイザアーム3302は、特に患者の頬または頭部側領域の形状などの患者の顔面の形状との位置合わせ向上を可能にするために、図67の紙面へと向かう方向でも所望の空間的形態を有してもよいことが分かる(例えば、図71および図72参照)。リジダイザアーム3302は、紙面と略平行な軸線であると理解されてもよい長手方向軸線を有してもよく、この長手方向軸線に沿ってリジダイザアーム3302が延在する(図67の破線参照)。
リジダイザアーム3302は、ストラップ3301よりも硬質であるとともに、マスクフレーム3310ほど硬質ではない。特に、リジダイザアーム3302および/またはストラップ3301は、組み合わせた状態で、リジダイザアーム3302がストラップ3301に対して形状を与えるとともに少なくとも1つの方向でまたは少なくとも1つの軸線でまたは少なくとも1つの軸線の周りで剛性度の向上を与えるようになっている。また、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301のための伸長方向または伸長経路を案内するまたは画定する。言い換えると、患者は、ストラップ3301をリジダイザアーム3302の長手方向軸線と略平行な方向で伸長させる。ストラップ3301の他の方向での伸長は、マスクフレーム3310に対するリジダイザアーム3302の望ましくない回転をもたらす。リジダイザアーム3302の剛性は、リジダイザアーム3302をその自然の回転されないねじれない非変形状態へと付勢する。ある程度まで、これにより、位置決め安定化構造体3300を自動調整ヘッドギアにすることができる。自動調整機能は、ヘッドギアストラップの材料長さを手作業で短くしたまたは長くした後に調整された長さを覚えておくことを回避する。これは、一般的には、顔面の両側のヘッドギアストラップを1つずつ短くまたは長くしなければならないため、厄介なプロセスであった。自動調整機能は、良好なシール力を維持するためにそのような高いレベルのヘッドギア張力が必要とされないときに患者がヘッドギアを過度に締め付けることができる能力を排除し得る。図示の例では、ストラップ3301が管状またはスリーブ状の形態を有する。言い換えると、ストラップ3301は、ボタン穴3303を介してストラップ3301内に滑り込まされるリジダイザアーム3302の挿入を受けるために中空である。他の例において、リジダイザアーム3302は、少なくとも1つの位置で、例えばリジダイザアーム3302とストラップ3301との間に一体的な化学結合(分子付着)を形成するためにリジダイザアームがオーバーモールドされるまたは接着されるアンカーポイントで、ストラップ3301に対して取り外し不能に接続されてもよい。
ストラップ3301は、サイドストラップ部3315,3316と、サイドストラップ部3315,3316間に位置付けられるバックストラップ部3317とを備える。図4〜図8および図166に示されるように、サイドストラップ部3315,3316は、着用されているときに患者の頭部の側面に沿って延在するようになっており、一方、バックストラップ部3317は、患者の頭部の背面に沿って延在するようになっている。バックストラップ部3317は、特に安定性を与えるために、平行に配置される2つ、3つ、または、それ以上のストラップから構成されてもよい。より小さいバックストラップ部3317a,3317bが長さが等しいように示されてきたが、一方のバックストラップ部が他方のバックストラップ部よりも長いことが想起される。バックストラップ部3317における小さいバックストラップ部3317a,3317bの数が多くなればなるほど、与えられるスプリング効果が大きくなる。言い換えると、ストラップ3301が製造されるときに同じサイズの小さいバックストラップ部3317a,3317bの数が増大するにつれて、バックストラップ部3317a,3317bによって互いに引き寄せられるべきサイドストラップ3315,3316に対してより大きな張力が及ぼされる。図示の例では、ストラップ3301のサイドストラップ部3315,3316が2つのバックストラップ部3317a,3317bへと分岐する。1つの例において、各バックストラップ部3317a,3317bは、ストラップ3301の各サイドストラップ部3315,3316と比べて半分の量のエラスタン材料を有する。1つの例において、位置決め安定化構造体3300は、ボタン穴3303,3304を介したストラップ3301とリジダイザアーム3302との間の取り外し可能な接続によってマスクフレーム3310に接続され、リジダイザアーム3302は、機械的連結によってマスクフレーム3310に対して取り外し不能に接続される。他の例では、TPEから形成される可撓性ジョイント3305がリジダイザアーム3302およびマスクフレーム3310に対して取り外し不能に接続してもよい。可撓性ジョイント3305は、取り外し不能な接続のためにマスクフレーム3310とオーバーモールドされ、また、可撓性ジョイント3305は、機械的連結によってリジダイザ3302に取り外し不能に接続される。他の例において、可撓性ジョイント3305は、リジダイザアーム3302と同じ材料、例えばHytrel(登録商標)から形成されてもよいとともに、リジダイザアーム3302と一体であり、また、可撓性ジョイント3305は、機械的連結によってマスクフレーム3310に取り外し不能に接続される。ストラップ3301は、ボタン穴3303,3304を介してリジダイザアーム3302に取り外し可能に接続される。
リジダイザアーム3302に対するストラップ3301の係合は、マスクフレーム3310付近の1つの位置で行われてもよい。このタイプの係合は、ストラップ3301の最大範囲の動き、すなわち、伸長を可能にする。この係合は、ストラップ3301の洗浄を容易にするためにストラップ3301をリジダイザアーム3302から、ひいてはマスクフレーム3310から完全に取り外すことができるようにするべく解除できる。この係合はストラップ3301のためのアンカーポイントとして機能し、それにより、ストラップ3301が伸長されるときに、伸長力がアンカーポイントから離れるように外側に方向付けられる。図48〜図60を参照すると、アンカーポイントに位置するストラップ3301の端部は、少なくともリジダイザアーム3302の遠位端部の縁および/またはリジダイザアーム3302から延在する突出端部3306によって保持される。
当業者であれば分かるように、本明細書中で言及されるリジダイザアーム3302は、ストラップ3301よりも硬質であってもよく、また、リジダイザアームがストラップ3301に対して形状を与えることができるようにする。リジダイザアーム3302は、少なくとも1つの軸線でまたは軸線の周りでより硬質であってもよく、また、少なくとも1つの軸線に沿って伸長され得るストラップ3301とは対照的に拡張できない。他の例において、リジダイザアーム3302は、その長手方向軸線と略平行な方向で拡張できる/伸長できる。エラストマーは一般に伸長できるが、一部の熱可塑性ポリエステルエラストマー、例えばDuPont(登録商標)により製造されるHytrel(登録商標)は、伸長しないが、可撓性がある。例えば、リジダイザアーム3302は、リジダイザアーム3302が圧縮位置と完全伸長位置との間で移動できるようにするハサミリンク構造体または伸縮式構造体を有してもよい。拡張できるリジダイザアーム3302は、リジダイザアーム3302の長さを適切に調整できるように、長顔を有する患者1000においてより良い適合を可能にし得る。あるいは、リジダイザアーム3302がヨークおよび/または補強材と称されてもよい。ヨークは、位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を支持するようになっている硬質要素であると理解されてもよい。リジダイザアーム3302は、顔に着用される際に位置決め安定化構造体3300のストラップ3301に形状を与える硬質要素であると理解されてもよい。
6.3.6.3 ストラップとリジダイザアームとの取り付け
図65に示されるストラップ3301のサイドストラップ部3315,3316はそれぞれ2つのボタン穴3303,3304を含む。ボタン穴3303,3304は、ストラップ3301の外面、すなわち、着用されているときに患者1000から離れて面する表面に位置付けられてもよく、また、リジダイザアーム3302を管状またはスリーブ状のストラップ3301の内部へ挿入するためまたはリジダイザアームをストラップから取り外すためにリジダイザアーム3302を受けるようになっている。あるいは、ボタン穴3303,3304がストラップ3301の内面に位置付けられてもよい。ボタン穴3303,3304は、使用中のストラップ3301からのリジダイザアーム3302の偶発的な外れまたは分離を依然として防止しつつ位置決め安定化構造体3300を組み付けるべくリジダイザアーム3302をそのようなボタン穴3303を通じて挿入できるおよび/または取り外すことができるように方向付けられおよび/または形成されてもよい。図65に示されるように、これは、例えばストラップ3301と並行にまたはストラップ3301に対して横方向に向けられてもよいボタン穴と同様のスリット状形態を有するボタン穴3303を設けることによって達成されてもよい。あるいは、ボタン穴3303は、必要に応じて、ストラップ3301を横切って方向付けられてもよい。言い換えると、ボタン穴3303,3304の細長い延在は、ストラップ3301およびリジダイザアーム3302の両方の長手方向軸線と略同軸に延在してもよい。これは、特にストラップ3301の弾力性に起因して、ストラップ3301の管状またはスリーブ状のストラップまたは部分内へのリジダイザアーム3302の容易な挿入を可能にすると同時に、リジダイザアームの偶発的な外れを防止する。ストラップ3301の遠位端部とボタン穴3303との間のストラップ3301の端部は、リジダイザアーム3302の縁部上にわたって巻き付いて、アンカーポイントとして機能する。リジダイザアーム3302のこの縁部またはアンカーポイントが捕捉部材であってもよい。ストラップ3301のこの端部がポケット状端部3311と称されてもよい。これは、患者インタフェース3000を着用しているまたは脱いでいる状態でストラップ3301が伸長されて調整されるときに、挿入されたリジダイザアーム3302からストラップ3301が滑り落ちることを防止する。
図185および図186を参照すると、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301の第1のボタン穴3303内へ挿入されてもよい。他の方法では、ストラップ3301がボタン穴3303を介してリジダイザアーム3302上にわたって滑らされてもよい。リジダイザアーム3302の遠位端部の自由端部3302.1は、最初に、ボタン穴3303を介してストラップ3301内に挿入される。リジダイザアーム3302は、ストラップ3301の端部がリジダイザアーム3302の縁部に強固に固定し得るように、リジダイザアーム3302の大部分または略全体がストラップ3301内へ挿入されるまでストラップ3301内へと更に押し込まれる。ボタン穴3303付近のストラップ3301の一部の材料は、突出部3309(図38参照)の外面3319の真下に位置するように調整される。図6〜図8において分かるように、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301内に挿入されると、ストラップ3301の内側で遊動するほぼ規制されない状態のままにされてもよい。最も重要なこととして、ボタン穴3303は取り付けポイントよりも上側になければならない。これは、ストラップ3301をリジダイザアーム3302に固定するためにストラップ3303の端部がリジダイザアーム3302の突出端部3306に対して捕捉されるとともに、ストラップ3301が伸長されるときにストラップ3303の端部が突出端部3306に抗して引っ張るからである。一般に、リジダイザアーム3302とストラップ3301との間の取り付けポイントの位置は、例えばストラップ3301のボタン穴3303,3304を使用する取り付けのタイプよりも重要である。図182〜図184を参照すると、リジダイザアーム3302とストラップ3301との間の取り付けのタイプは、ストラップ3301の別個の洗浄を可能にするためにリジダイザアーム3302からのストラップ3301の容易な取り外しを促してもよい。言い換えると、ストラップ3301のための洗浄クリーニング措置は、マスクフレーム3310とは異なる時間であってもよい。患者1000は、リジダイザアーム3302からストラップ3301を外すためにボタン穴3303の周囲でストラップ3301を僅かに伸長させる。ストラップ3301の遠位端部が外された後、ストラップ3301は、ボタン穴3303を介してリジダイザアーム3302から完全に引き離されてもよい。
これに加えてまたは代えて、リジダイザアーム3302がストラップ3301に取着されてもよい。取着は、挿入後にボタン穴3303付近にあるリジダイザアーム3302の第2の端部を位置決め安定化構造体3300のストラップ3301に取り付けるまたは取着することによって行われてもよい。取着は、明細書本文の序文の部分で論じられたように、局所的であってもよい。ここで、リジダイザアーム3302とストラップ3301との間の接続は、ストラップ3301の長さに沿って分配されず、ボタン穴3303と隣り合う領域で局部的に行われる。あるいは、そのような接続は、ボタン穴3304と隣り合う領域でもたらされてもよい。取着は、裁縫、溶着、接着、熱かしめ、クランプ、ボタン掛け、端部上にわたってカバーをスナップ留めすること、または、リジダイザアーム3302をストラップ3301内に押し込んでストラップおよびリジダイザアーム3302の両方をストラップおよびリジダイザアームのそれぞれの端部を保持する外部クリップなどの外部部品に対して固定することにより外部部品にスナップ留めすること、によって行われてもよい。あるいは、ストラップ3301がリジダイザアーム3302に対して化学的に結合されてもよい。また、クリップは、ストラップ3301の端部をマスクフレーム3310のそれぞれの端部に取り付けるために使用されてもよい。したがって、クリップがマスクフレーム3310自体の一部であってもよい。
本技術を用いると、ストラップ3301がリジダイザアーム3302の形状を成すように配置される一方で、ストラップの全長にほぼ沿って伸長させることも依然としてできる。したがって、リジダイザアーム3302は、位置決め安定化構造体3300の圧力を顔面の所要部分へと方向付ける所要の形状を与え、一方、弾性の位置決め安定化構造体3300は、その全体の作動長さを維持するとともに、リジダイザアーム3302上にわたって自由に伸長できる。加えて、リジダイザアーム3302は前頭面内でチューブトルクを切り離してもよい。また、特に、リジダイザアーム3302の鋭い屈曲部3307は、矢状面内で任意のチューブトルクを扱って切り離すのに役立ってもよい。同時に、位置決め安定化構造体3300のストラップ3301は、リジダイザアーム3302を覆ってもよく、また、軟らかい感じおよび高い快適さを与える。
鋭い屈曲部3307は、安定性を患者インタフェース3000に与える。患者1000が横倒しになって寝ている場合には、寝具類上にある顔の側に当て付くリジダイザアーム3302が内側に押圧される。鋭い屈曲部3307は、前頭面内でこの動作を切り離して、シール力に支障を来すことを防止する。鋭い屈曲部3307は、その下面(患者の顔面と対向する)と比べてその上面(患者の顔面から離れて面する)でよりきつい曲がりを有する。鋭い屈曲部3307の下面は、鋭い屈曲部3307の上面よりも大きい半径を有し(へたっている)、それにより、下面が平滑化され、患者1000につく顔マーキングが回避されまたは最小限に抑えられる。これは、患者の鼻中隔および/または上唇で何らかの接触(チューブ重量またはチューブトルクによって引き起こされる鼻垂下による)がある場合に接触圧が殆ど集中されないからである。2つの鋭い屈曲部3307間の距離は約50mmである。
図65〜図70に示される特定の例に関して図示されて論じられているが、ストラップ3301、または、ストラップのサイドストラップ部3315,3316のそれぞれには1つのボタン穴3303,3304だけが設けられてもよいことが分かる。しかしながら、2つ以上のボタン穴が設けられてもよい。これに代えてまたは加えて、ストラップ3301は、管状またはスリーブ状でなく、平坦な単層形態または積層形態を有してもよい。ここで、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301の外面(例えば、使用時に患者から離れて面する表面)に設けられる1つ以上のループ、スリーブ状部分、または、ポケットを含む保持手段を備えることによってストラップ3301に対して位置決めされてもよい。
これに加えてまたは代えて、本明細書中に記載される異なる接続機構の組み合わせが設けられてもよい。例えば、リジダイザアーム3302は、例えばマーク3321b,3323bの領域でストラップ3301の外面に設けられるループまたはスリーブ状の要素を備えることでストラップ3301に隣接して保持されつつ、前述したように、例えばストラップ3301のポケット状端部3311,3313と隣り合う単一のポイントでまたは局所的な領域でストラップ3301に固定されてもよい。言い換えると、リジダイザアーム3302は、それを1つの局所的なポイントまたは領域のみで固定することによってストラップ3301に接続される一方で、ストラップ3301に対する更なる案内要素として機能してもよい。そのような案内要素機能は、図66に示されるストラップ3301の形状に基づいてリジダイザアーム3302が入り込んで延在するまたは通過して延在するストラップ3301のループまたはシース状の部分または通路またはポケットにより与えられてもよい。ストラップ3301は、管状であってもよいが、必ずしも円筒状ではない。これは、ストラップ3301にとって可能な最も長い伸長経路を可能にする。あるいは、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301の長さに沿って分布される1つ以上のポケット(例えば、リジダイザアームを中央のどこかで支持するかなりの長さのシースの端部が開放した単一のポケット、または、それぞれがリジダイザアームの対応する端部を支持する一対のポケット)内または複数のループ内に取り付けられないで配置されてもよい。そのような案内要素機能は、一端で取り付けられるかどうかにかかわらず、ストラップ3301に対するリジダイザアーム3302の実質的に自由な動作または遊動を可能にする。そのような形態は、前述した形態と同じ利点および利益を可能にする。また、本技術の一例によれば、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301と同じ方向で伸長または屈曲しない。むしろ、リジダイザアーム3302は、その長手方向軸線と略垂直な面内で伸長または屈曲してもよい。
図示されて論じられた例では、リジダイザアーム3302がストラップ3301の端部を越えて延在しない。しかしながら、別の態様によれば、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301を越えて延在しつつ、それぞれのポケット状端部3311,3313と隣り合うポイントまたは領域でストラップ3301に例えば固定されてもよい。そのような形態では、リジダイザアーム3302は、形状、幾何学的形態、および/または、剛性をストラップ3301に与えてもよく、同時に、患者インタフェース3000と接続するための可撓性ジョイント3305などの構造的手段を与えてもよい。これにより、リジダイザアーム3302は、リジダイザアーム3302としての機能、および、ストラップ3301および位置決め安定化構造体3300をそれぞれフレーム3100、プレナムチャンバ3200、または、シール形成構造体3100に接続するためのコネクタとしての機能の両方を果たすことができる。
図113〜図122は、ポケット状端部3311,3313とリジダイザアーム3302との間の接続の詳細図を示す。図113および図114は、リジダイザアーム3302のそれぞれの突出端部3306の周囲のポケット状端部3311,3313を示す。これらの図において、突出端部3306は、それらがポケット状端部3311,3313により覆われるため、見えない。リジダイザアーム3302の延在部3350(以下で更に説明する)の直線部分3351が、延在部3350の外面3355上に証印3358を伴って示される。証印3358は、患者1000が暗い環境内にいるときの使用中に装置3000を方向付けるのに役立つべく、パッド印刷された隆起した表面またはエンボス加工部であってもよい。延在部3350の直線部分3351は、それぞれのポケット状端部3311,3313のボタン穴3303から外側に延在して見える。直線部分3351は、図47〜図60に示されるように、リジダイザアーム3302の一部であり、また、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301とマスクフレーム3310との間の接続を容易にする。図114は図113と同様の図を示すが、直線部分3351の外面3555が証印を伴わない。図113が1つのリジダイザアーム3302とそれぞれのポケット状端部3311との間の接続を描き、一方、図114が他のリジダイザアーム3302と他のそれぞれのポケット状端部3313との間の接続を描くことが理解されるべきである。1つの外面3355上にだけ証印3358を配置することにより、患者1000は、暗い環境内での嵌め付けに役立つように装置3000の方向を決定するべく触覚を使用できる。図114は、ボタン穴3303を通じて見えるフランジ3359も示す。
図115は、図114と同様の特徴を示すが、フランジ3359とポケット状端部3313との間の関係をより良く示すための詳細図である。また、図116は、図113と同様の特徴を示すが、証印3358とポケット状端部3313のボタン穴3303とをより良く示すための詳細図である。
図117は、ポケット状端部3313のボタン穴3303をより良く例示するための図114の更なる詳細図を示す。図118は、ポケット状端部3313のボタン穴3303をより良く例示するための図113の更なる詳細図を示す。
図119〜図122は、図113〜図118に示される特徴と同様の特徴を示すが、これらの図において、フランジ3359は、その形態をより良く示すためにボタン穴3303から引き抜かれる。図119〜図122は、ポケット状端部3311のボタン穴3303から延在する外面3355上に証印3358を含むリジダイザアーム3302を示す。図122は、図119の更に詳しい図を示していると理解されるべきである。図120および図121は、証印を含まなくてもよい他のリジダイザアーム3302を示す。図121は、図120の更に詳しい図を示していると理解されるべきである。
6.3.6.4 リジダイザアームに対するストラップの伸長
図68に示される例において分かるように、2つのリジダイザアーム3302が位置決め安定化構造体3300のストラップ3301のサイドストラップ部3315,3316内に挿入され、リジダイザアーム3302は、取り囲んでいるストラップ3301によって所定位置に保持され、同時に、ストラップ3301のスリーブ状形態は、ストラップ3301の少なくとも一部がリジダイザアーム3302に対して伸長できるまたは移動できるようにする。好ましくは、この伸長可能部が実質的部分である。これは、アンカーポイントでのみストラップ3301がリジダイザアーム3302に固定されるからである。幾つかの例において、リジダイザアーム3302の動きの制限は、一般に、図69の場合のようにリジダイザアーム3302の端部のうちの一方3319aまたは3319bがストラップ3301のそれぞれのポケット状端部3311へと移動して当接するときに課される。例えば、位置決め安定化構造体3300が患者の頭部上になく、ストラップ3301が緩んでいるときには、挿入されたリジダイザアーム3302がバックストラップ部3317a,3317bへ向けて極端に移動すると、その端部3319bがこれらのバックストラップ部3317a,3317b のうちの一方の開放端に入る場合がある。バックストラップ部3317a,3317bの幅がリジダイザアーム3302の幅よりも小さいため、リジダイザアーム3302の端部3319bがそれぞれのバックストラップ部3317a,3317b と当接し、それにより、リジダイザアームのこの方向での更なる移動が制限される。
先の節で説明されたリジダイザアーム3302に対するストラップ3301の取り付けは、位置決め安定化構造体3300が受け入れることができる頭部のサイズにも影響を及ぼす場合がある。言い換えると、より長い長さのストラップ3301をリジダイザアーム3302に沿って設けることにより、位置決め安定化構造体3300の全体の伸長可能長さを増大させることができ、それにより、ストラップ3301の伸縮性を高める必要なく、周長がかなり大きい頭部を受け入れることができてもよい。また、ストラップ3301が接続される場所をリジダイザアーム3302の長さに沿って変えることができてもよい。これにより、ストラップ3301の伸縮性を変える必要なく、かなり大きな頭部サイズ範囲および頭部周長範囲を受け入れることができる。
ストラップ3301の長さは約400mm〜700mmである。ストラップ3301の長さが約490mmであってもよい。ストラップ3301は、大部分の頭部サイズにとって快適なレベルのヘッドギア張力を与えることができる。ストラップには性別固有の長さまたはサイズが2つあってもよく、男性母集団のための一方は、女性バージョンよりも長い。好ましくは、それぞれの性別ごとストラップ3301の2つのサイズ/長さが存在してもよい。快適なレベルのヘッドギア張力は、約2ニュートン〜約5ニュートンである。快適なレベルのヘッドギア張力は、約2.2ニュートン〜約4.7ニュートンである。頭部の周長が小さい患者1000に関してストラップ3301が490mmから526mmまで伸長されると、インストロン試験機を使用して測定されたヘッドギア張力は2ニュートンである。頭部の周長が大きい患者に関してストラップ3301が490mmから662mmまで伸長されると、インストロン試験機を使用して測定されたヘッドギア張力は4.4ニュートンである。測定のため、ストラップ3301のボタン穴3303,3304がクランプ固定具に取り付けられる。100ニュートンロードセルを有する引張試験機が使用される。ストラップ3301は、伸ばされて、1分間にわたって所定の伸長ポイント(例えば、90.5mm、73mm、および、108mm)で保持され、それぞれの伸長ポイントごとに力の値(ニュートン)が記録される。そのような測定は、患者の顔または髪の毛に対するストラップ3301の材料の任意の摩擦を考慮しない。
2つのバックストラップ部3317a,3317b間に画定される分割領域3326の長さは約180mm〜約220mmである。分割領域3326の長さが200mmであってもよい。分割領域3326の長さが十分に長くない場合、2つのバックストラップ部3317a,3317bは、患者の頭部の背面を包囲することができず、したがって、治療中にそれらの位置を維持することができず、ヘッドギア張力が患者の好みに依然として合っていないままである。分割領域3326の長さが長すぎる場合には、2つのバックストラップ部3317a,3317bがユーザの耳の手前で分かれて不快となる。これは、バックストラップ部が耳よりも上側/耳の周囲ではなく耳上を横切って通り、それにより、2つのバックストラップ部3317a,3317bにおける互いに対する最大角度範囲が減少されるからである。
ストラップ3301の中立の伸長されていない状態において、2つのバックストラップ部3317a,3317bは、互いから約0°〜約10°の角度θを有する。患者インタフェース3000を着用した後、2つのバックストラップ部3317a,3317bは、角度θが最大で約180°となり得るように互いから分けられてもよい。これは180°の最大角度範囲を可能にし、それにより、2つのバックストラップ部3317a,3317bを漸進的に広げて離すことでヘッドギア張力の大きな減少範囲が与えられる。角度範囲は、10°のデフォルト角度〜120°の最大角度まで狭められてもよい。患者は、自分の頭部の背面に今現在作用する張力下で、片手または両手を使用して2つのバックストラップ部3317a,3317bを移動させてもよい。2つのバックストラップ部3317a,3317bを互いから更に離れるように移動させることにより、分割領域3326が広がり、それにより、ヘッドギア張力が、分割されない2.5〜5ニュートンの範囲から減少される。ヘッドギア張力は、ロードセルにより測定されるように、1つの例によれば約30%から約50%まで減少されてもよく、または、他の例では約40%まで減少されてもよい。言い換えると、頭部の周長が小さい患者の場合、ヘッドギア張力は、2つのバックストラップ部3317a,3317b間の距離間隔を広げることによって2ニュートンから1.2ニュートンへと減少されてもよい。頭部の周長が大きい患者の場合、ヘッドギア張力は、2つのバックストラップ部3317a,3317b間の距離間隔を広げることによって4.4ニュートンから2.64ニュートンへと減少されてもよい。
したがって、リジダイザアーム3302は、ストラップ3301の長さに沿ってほぼ無制限に移動できるようにされてもよく、ストラップ3301に取り付けられてもよく、または、ストラップの端部のうちの1つと隣り合ってもよい。
論じられた形態は、図70に示されるように、ストラップ3301、したがって位置決め安定化構造体3300が長さを伸長して拡張できるようにする。そのような伸びは、リジダイザアーム3302と接触しないまたはリジダイザアーム3302と平行でないストラップ3301の部分に限定されず、ストラップ3001の伸び、特に弾性的な伸びは、リジダイザアーム3302の領域でも達成される。これは、図68および図70におけるリジダイザアーム3302の長さ(ストラップ3301が伸長されるが同じままである)と、リジダイザアーム3002の長さに対するストラップ3301の長さを視覚化するマーク3321a〜d,3323a〜eとの比較から容易に導き出され得る。非伸長状態の図68ではリジダイザアーム3302がマーク3321a〜3321c,3323a〜3323dのそれぞれに沿って延在することは、図68および図70の比較によって容易に導き出せる。それとは反対に、図70に係る伸長状態では、リジダイザアーム3302がマーク3321a〜3321b,3323a〜3323cに沿ってのみ延在する。そこから、リジダイザアーム3302がストラップ3301内に収容される領域でもその領域に沿ってストラップ3301が伸長されることが明らかになる。しかしながら、ストラップ3301の伸長中においては、リジダイザアーム3302は伸長されないままである。
言うまでもなく、位置決め安定化構造体3300が1つ以上のリジダイザアーム3302を備えてもよい。先の議論は、リジダイザアーム3302とストラップ3301との関係に焦点を合わせているが、図68〜図70に示される例が2つのリジダイザアーム3302を備え、ストラップ3301のそれぞれの各サイドストラップ部3315,3316内に1つのリジダイザアームが設けられることが留意されなければならない。したがって、先のコメントは、最終的には1つのリジダイザアーム3302に言及するが、マスクフレーム3310に接続される2つ以上のリジダイザアーム3302にも同様に適用される。
前述したようにストラップ3301がリジダイザアーム3302に対して伸長できるようにする1つの場合により有利な属性は、任意のストラップまたは他の接続機能部を取り外す必要なく患者インタフェース3000が位置決め安定化構造体3300と共に患者1000によって着脱されてもよいということであってもよい。これは、患者が患者インタフェースを取り付けるまたは取り外すために様々な構成要素の接続または切り離しを見ることができる必要がないという点において、暗いベッドルームでまたは睡眠後に装置3000を使用している患者1000に役立ち得る。むしろ、患者1000は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を単に身に着けるまたは脱ぐだけで済み、また、着用する場合には、シール形成構造体3100を位置決めすることも必要な場合がある。しかしながら、これは全て感触によって達成することができ、見る必要はない。
しかしながら、位置決め安定化構造体3300からのプレナムチャンバ3200またはシール形成構造体3100の取り外しを可能にすることは、依然として有利であり続ける場合がある。例えば、プレナムチャンバ3200またはシール形成構造体3100を洗浄するためには、位置決め安定化構造体3300を濡らさないままプレナムチャンバまたはシール形成構造体を洗浄することが望ましい場合がある。これは、そのような目的のためにこれらの構成要素が取り外しできるようにすることによって容易にされ得る。
6.3.6.5 リジダイザアームおよびマスクフレーム
図47〜図60は、本技術の更なる例に係るリジダイザアーム3302およびマスクフレーム3310を示す。
図47〜図49および図54は、本技術の一例に係るリジダイザアーム3302およびマスクフレーム3310並びにそれらの間の接続の断面図を示す。リジダイザアーム3302の鋭い屈曲部3307の近傍で、延在部3350がジョイント3356に接続される。また、鋭い屈曲部3307の近傍には、位置決め安定化構造体3300のサイドストラップ部3316のポケット状端部を保持してもよいリジダイザアーム3302の突出端部3306もある。これらの図において、マスクフレーム3310は、延在部3350の封入可能部分3354およびフック3353の周囲に形成されるのが分かる。マスクフレーム3310には、該マスクフレーム3310が封入可能部分3354を取り囲む場所の近傍に開口3335が形成されてもよい。開口3335はオーバーモールドプロセスの結果として形成されてもよく、このオーバーモールドプロセスによって、マスクフレーム3310が形成されてリジダイザアーム3302の封入可能部分3354の周囲に固定される。この例に係るリジダイザアーム3302はHytrel(登録商標)から形成されてもよく、また、マスクフレーム3310はポリプロピレン(PP)から形成されてもよい。Hytrel(登録商標)は、リジダイザアーム3302を形成するために望ましい。これは、この材料がクリープに耐性を示すからである。これらの材料を一体的に結合できないため、この例では、確実な接続を形成するために、マスクフレーム3310がリジダイザアーム3302にオーバーモールドされてもよい。また、この例では、延在部3350およびリジダイザアーム3302が一体に成形されてもよいことが留意されるべきである。マスクフレーム3310は、リジダイザアーム3302に対して遠位端部の自由端3302.1の反対側に位置付けられるそれぞれの延在部3350で接続されてもよい。延在部3350は、フック3353に結合される屈曲部3352に結合される直線部分3351を備えてもよい。フック3353および屈曲部3352の一部が封入可能部分3354を形成してもよい。
延在部3350をリジダイザアーム3302に接続するジョイント3356が可撓性の目標点を与えても良く、また、所望の方向および所望の度合いで屈曲を可能にするために、ジョイントが成形されて形成されてもよいことが理解されるべきである。したがって、患者インタフェース3000が着用されてリジダイザアーム3302が位置決め安定化構造体3300のストラップ3301からの張力によって応力を受けると、リジダイザ3302がジョイント3356で屈曲し、それにより、リジダイザアームは、患者の顔に対して所望の位置にマスクフレーム3310を保持するのに役立ちつつ、顔骨組み形状を保持することができる。
図50および図51は、本技術の一例に係る、マスクフレーム3310に接続されるリジダイザアーム3302の斜視図および詳細斜視図をそれぞれ示す。図51は、マスクフレームをリジダイザアーム3302の端部に固定するためにマスクフレーム3310によってオーバーモールドされた封入可能部分3354を破線で更に示す。図47〜図49の場合と同様に、リジダイザアーム3302のフック3353およびマスクフレーム3310を完全に貫通する通路を形成する開口3335を見ることができる。
図52および図53は、本技術の一例に係る、リジダイザアーム3302に接続されるマスクフレーム3310の平面図および詳細平面図をそれぞれ示す。図52において、寸法Lは、図示の方向におけるリジダイザアーム3302の長さを示す。好ましくは、リジダイザアーム3302の公称長さLは114mmである。これらの図は、ジョイント3356が突出端部3306と鋭い屈曲部3307との間で延在部3350をリジダイザアーム3302に対してどのように接続し得るのかを特にうまく示す。
図55〜図57は、本技術の一例に係る、リジダイザアーム3302およびマスクフレーム3310の側面図、平面図、および、斜視図をそれぞれ示す。図55において、寸法Hは、図示の方向におけるリジダイザアーム3302の高さを示す。好ましくは、リジダイザアーム3302の公称高さHは33mmである。リジダイザアーム3302および延在部3350は、一体品として形成された後、リジダイザアーム3302の延在部3350の封入可能部分3354に対してマスクフレーム3310をオーバーモールドすることによってマスクフレーム3310に接続されてもよい。延在部3350は、リジダイザアーム3302に対する垂直回転または回動態様で曲がることによって鼻垂下を受け入れる。延在部3350は、リジダイザアーム3302の残りの部分よりも小さい高さを有するとともに少ない材料を有し、また、鋭い屈曲部3307によってリジダイザアーム3302の残りの部分から切り離されるため、延在部3350の曲げは、リジダイザアーム3302の残りの部分が曲がり始める前に局在化されて起こる。これは、シール力に支障を来す可能性を減らす。
図58および図59は、本技術の一例に係る、リジダイザ3302およびマスクフレーム3310の部分分解図および詳細な部分分解図をそれぞれ示す。延在部3350のフック3353および封入可能部分3354がマスクフレーム3310から分離されているのが分かる。これらの図ではフック3353および封入可能部分3354の形状を見ることができ、また、マスクフレーム3310がオーバーモールドされるときにこれらの部分がマスクフレーム3310とのより強い機械的連結を確保するように形成されることが理解されるべきである。具体的には、これらの図は、マスクフレーム3310に対する保持のための表面を与えるために封入可能部分3354がフック3353でフレア状の端部を伴って形成されてもよいことを示す。本技術の他の例において、封入可能部分3354は、マスクフレーム3310のオーバーモールド中にリジダイザアーム3302を金型内で保持するための開口を含んでもよい。マスクフレーム3310がリジダイザの周囲にオーバーモールドされる際にリジダイザアーム3302を安定させるために、この開口を通じて金型が挿入されてもよい。これは有益となり得る。その理由は、マスクフレーム3310との理想に満たない機械的連結が形成されるようにオーバーモールド圧がリジダイザアーム3302を移動させる場合があるからである。
図60は、本技術の一例に係るリジダイザアーム3302の斜視図を示す。この図は、マスクフレーム3310との取り外し不能な接続の前のリジダイザアーム3302を示す。今しがた論じられたように、リジダイザアーム3302は、マスクフレーム3310に対する機械的連結を介した接続を可能にするためにフック3353および封入可能部分3354を含んでもよい。これは、リジダイザアーム3302をフレーム3310に対して取り外し不能に接続する。リジダイザアーム3302とフレーム3310とが互いに取り外し不能に接続されるとは、着脱可能な部分が殆どなく、洗浄する際の患者インタフェース3000の組み付け/分解中に部品をなくしてしまう可能性が低いことを意味する。
6.3.6.6 患者が身に着ける位置決め安定化構造体
図71〜図73は本技術の一例を示す。ここで、位置決め安定化構造体3300は、サイドストラップ部3315,3316とバックストラップ部3317とを有するストラップ3301を備え、バックストラップ部3317は、患者の頭部の背面に沿って平行に延在する2つのバックストラップ部3317a,3317bを備える。位置決め安定化構造体3300は、それぞれがスリーブ状または管状のストラップ3301のそれぞれのサイドストラップ部3315,3316内に収容される2つのリジダイザアーム(図示せず)を備える。リジダイザアーム3302は、所定の形状または所望の形状および/または剛性をストラップ3301に対し、したがって位置決め安定化構造体3300に対して与える。例えば、ストラップ3301のサイドストラップ部3315,3316は、それぞれに形作られたリジダイザアーム3302を用意することによって達成される、患者の顔面の周囲の所望の輪郭に従うための特定の曲率を有する(図52、図54、図58および図60の参照数字3323の曲率を参照)。図示の例において、位置決め安定化構造体3300は、空気などの呼吸可能ガス、ひいては加圧された呼吸可能ガスを患者の気道へ与えるために、フレーム3310、プレナムチャンバ3200、または、シール形成構造体3100に接続される。図示の例において、そのような呼吸可能ガスは、患者インタフェース3000に接続されるホースまたはチューブ4180を介して与えられる。チューブ4180は、加圧された呼吸可能ガスを供給するためのブロワまたは人工呼吸器などの呼吸可能ガス源に対してその他端(図示せず)が接続されてもよい。患者インタフェース3000は、患者インタフェース3000に対して構造的完全性を与えるためおよび/または位置決め安定化構造体3300に接続するためにフレーム部またはフレーム3310を備えてもよい。位置決め安定化構造体3300は、ストラップ3301および/またはリジダイザアーム3302に設けられる別個のコネクタ手段(図示せず)を介してフレーム3310、プレナムチャンバ3200、または、シール形成構造体3100に接続されてもよい。
図74〜図77は、図71〜73に示される特徴と同様の特徴を示すが、図74〜図76および図77に示される例は、位置決め安定化構造体3300とマスクフレーム3310との間の異なる接続を描く。サイドストラップ部3315,3316の各端部には、図65および図81に示されるようなポケット状端部3311,3313が存在する。これらのポケット状端部3311,3313は、例えば図47〜図60に示されるそれぞれのリジダイザアームの突出端部3306によってリジダイザアーム3302上に保持される(これらの図では、リジダイザアームがサイドストラップ部3315,3316内にあるため、リジダイザアームが見えない)。図74〜図77では見えないが、この例において、図81に描かれる溶着端部3311.1,3313.1は、該溶着端部が突出端部3306に対して保持され得るようにポケット状端部3311,3313を閉じるのに役立つことが理解されるべきである。リジダイザアーム3302は、その後、例えば図47〜図60に関連して説明されるように、オーバーモールドによってマスクフレーム3310に対して取り外し不能に機械的に固定される。
6.3.6.7 位置決め安定化構造体の分割されたバックストラップ
1つの態様によれば、ストラップ3301および位置決め安定化構造体3300の構造は有益である。特に、後側に2つの弾性ストラップまたはバックストラップ部3317a,3317bを設けると、頭部を包囲できるとともに、これらのストラップを適切に位置決めすることによって、例えばストラップを広げることによって張力ベクトルを調整できる。また、2つのバックストラップ部3317a,3317bを設けると、頭部の背面の特に敏感な領域を避けて、より良好な支持および安定性も得られ、また、可撓性を高めることができる。バックストラップ部3317a,3317bは、位置および係合を維持するために頭蓋冠で頭部を包囲するようになっている。1つの例では、患者の特定の頭部形状とバックストラップ部3317a,3317bの分割の大きさとに応じて、上側バックストラップ部3317aが頭頂骨付近に位置付けられるようになっているとともに、下側バックストラップ部3317bが後頭骨または僧帽筋の上繊維の近傍(すなわち、頸部の上頸または背頸部の近傍)に位置付けられるようになっている。下側バックストラップ部3317bは、外後頭隆起上またはそれよりも下側の位置で患者と係合するように構成されてもよい。材料長さ調整(短くするまたは長くする)を必要とする従前のマスクのヘッドギアとは異なり、位置決め安定化構造体3300によって与えられる張力は、2つのバックストラップ部3317a,3317b間の相対角度を開くまたは閉じるだけで調整できる。患者インタフェース3000が着用されるときには、ヘッドギア張力を減らすため、2つのバックストラップ部3317a,3317bが頭部の背面上で更に離間するヘッドギア張力を高めるためには、2つのバックストラップ部3317a,3317bが互いに近づけられる。この調整態様は、ヘッドギア張力の予め設定された漸進的調整のみを可能にする切り欠き付きストラップ、所望のヘッドギア張力が得られるまで締め付けおよび締め付け解除の幾つかの試みを必要とするVelcro(登録商標)(連続したループ織物)ストラップ、または、締め付けのためにストラップをバックルに通して引っ張る動作に起因してヘッドギア張力を減少させることよりも増大させることの方が容易な、ストラップをバックルに通してループ状にすること、よりも有利である。また、患者1000は
、ヘッドギア張力を誤るまたはヘッドギア張力を変えることを躊躇する。
頭部の背面にある2つの小さい方のストラップ、すなわち、バックストラップ部3317a,3317bは、長さが等しくてもよく、また、材料の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体3300のサイドストラップ部3315,3316での全長を短くすることによって両方のバックストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能である。例えば、ストラップ3301を異なる程度まで重ね合わせ、それにより、位置決め安定化構造体3300の全長を変えることができるようにするスライド機構(図示せず)が設けられてもよい。非独立的に調整できるストラップ長により、2つのバックストラップ部3317a,3317bは、必然的にそれら自体を頭冠に中心付けることができる。2つのバックストラップ部3317a,3317bは対称的であってもよくまたは非対称的であってもよい。言い換えると、上側バックストラップ部3317aは必然的に頭頂に定着してもよく、一方、下側バックストラップ部3317bは必然的に後頭葉付近またはそれよりも下側の頭部の背面に定着してもよい。これは、他方のストラップが緩みすぎていることを補償するために一方のストラップを手で過剰に締め付け、それにより、位置決め安定化構造体3300の誤った嵌め合いをもたらす可能性を減らすことができる。更に、これは、不快をもたらすだけでなく、治療コンプライアンスに悪影響も及ぼす場合がある。両方のバックストラップ部3317a,3317bを合わせた幅は、サイドストラップ3315の幅にほぼ等しくてもよい。これは、審美的に感じが良いとともに、患者インタフェース3000を着用する際にバックストラップ部3317a,3317bを調整するための視覚的指標を患者に与える。2つのバックストラップ部3317a,3317bを説明してきたが、それより多い数も想定でき、それによれば、ヘッドギア張力の異なる調整度合いを与えることができる。ストラップ3301が中立状態にあって伸長されないときには、患者インタフェース3000を着用する際にバックストラップ部3317a,3317bを調整するように患者に促すまたは示唆するための隙間が2つのバックストラップ間に存在するように、2つのバックストラップ部3317a,3317bが部分的に離間するこれは、ヘッドギア張力を調整するための直観を高めるとともに、ヘッドギア張力をどのように調整できるのかを視覚的に示唆するが、従前のマスクでは時としてこれを欠く。
前述したように、ストラップ3301を1つの連続した物品にせず、2つ以上のジョイントを設けて、3つ、4つ、または、それ以上の別個のストラップから位置決め安定化構造体3300を形成することができる。これは、組み付けを複雑にし得るが、製造プロセスを簡略化できる。ジョイントは、サイドストラップ部3315,3316と2つのバックストラップ部3317a,3317bとの間の分岐点3324に配置されてもよく、または、バックで中心付けられてもよい。ジョイントは、縫い付けられ、溶着され、接着され、または、オーバーモールドされてもよく、また、頭部上での移動を減らすのに役立つように高摩擦材料を組み込むことができる。高摩擦材料は、ストラップ3301,3317a,3317bと患者の皮膚または髪の毛との間の相対的な表面摩擦を高めて患者の頭部上でのストラップ3301,3317a,3317bの位置を維持するために、パッド印刷、シリコーン印刷を含んでもよい。高摩擦材料は、バックストラップ部3317a,3317bの患者接触面にだけ存在してもよい。これは、患者の顔面に対するサイドストラップ部3315,3316の位置を維持するという機能の一部または大部分をリジダイザアーム3302が果たし得るからである。
高摩擦材料は、患者の皮膚または髪の毛に対してストラップが滑ることを減らすべく、バックおよびサイドストラップ部3315,3316,3317a,3317bの内面に加えられてもよい。アームまたはサイドストラップ部3315,3316に関して、このことは、位置決め安定化構造体3300が頬上にとどまることを助け、また、バックストラップ部3317では、それにより、位置決め安定化構造体3300が頭部の背面を横切ってスライドすることを阻止できる。そのような材料は、表面上に印刷され、流し込まれ、または、成形されてもよく、または、前述したようにジョイント、裁縫または溶着のプロセスに組み込まれてもよい。ストラップ滑りを減らすための他の方法は、布材料から突出する弾性糸を有することである。
リジダイザアーム3302は、図65に示されるようにマスクフレーム3310付近に位置付けられるボタン穴3303,3304から挿入される代わりに、随意的に、位置決め安定化構造体3300が分岐する分岐点3324付近に位置付けられる開口3308から挿入され得る。リジダイザアーム3302が挿入されると、材料の弾力性は、小さいバックストラップ部3317a,3317bのうちの一方(上側または下側)の開口の内側にリジダイザアーム3302を戻して引っ掛けるために使用され得る。これは、リジダイザアーム3302が移動することを防止し、したがって、リジダイザを所定位置に固定することができる。さもなければ、リジダイザアーム3302をストラップ3301内に捕捉するために、ボタン穴3303,3304を縫う、成形する、またはその他の方法で恒久的に閉じることができる。
バックにある分割領域3326は、安定性のために、2つ、3つ、または、それ以上のストラップを含んでもよい。前述したような位置決め安定化構造体3300がフルフェースマスク(鼻および口を覆う)または鼻マスクと共に使用されてもよい。2つ以上のストラップ(サイドストラップと同じ幅であってもよい)をバックに有してもよい従前のマスクの他の位置決め安定化構造体が使用されてもよく、この場合、下側バックストラップは、一般に、外後頭隆起上またはそれよりも低い位置で患者の頭部に当て付いて係合する。そのようなバックストラップは、伸長できずまたは弾力性がないが、長さ調整できてもよく、また、バックストラップは、単一のサイドストラップとの収束ポイントで皺が寄るまたはねじれることを避けるべくデフォルト角度へ戻るように付勢されてもよい。例えば、デフォルト角度は、患者の頭部を包囲して頭部と係合するために2つのバックストラップ間の分割において45°であってもよく、また、バックストラップの互いに対する旋回は、シール形成構造体に対して患者の顔面に抗する張力を与えるべく患者インタフェースを所定位置に固定する患者インタフェースの着脱のためである。2つのバックストラップは、45°の角度に戻るように付勢され、したがって、患者インタフェースの安定性のために患者の頭部の背面を包囲する機能を果たすにすぎず、45°の角度からそれる任意の角度を維持することができない。
本技術の使用により、リジダイザアーム3302を設けて使用すると、ストラップ3301の伸長可能長さに影響を及ぼすことができる。これにより、位置決め安定化構造体3300が大きな範囲の頭部サイズに適合し得る。これは、事実上、「1サイズ最適合」位置決め安定化構造体3300であり、これは、患者が以前に位置決め安定化構造体3300を試着したまたは使用したことがない場合であっても、バッグ外の位置決め安定化構造体3300が患者に適合する可能性が高いことを意味する。本技術は、患者インタフェース3000の容易な着脱を可能にする位置決め安定化構造体3300を提供し得る。特に、このことは、幾つかの他の位置決め安定化構造体とは異なり、マスク3000が脱がれるときに張力設定が変化する必要がなくおよび/または張力設定が失われないことを意味し得る。リジダイザアーム3302は、快適さおよび視認性のために眼および耳の周囲にクリアランスが存在するようにする所望の形状を画定してもよい。ストラップ3301の布は、発汗から表面熱および凝縮物を形成して保持するシリコーン、発泡体、または、プラスチックを伴わずに皮膚が自然に呼吸して汗をかくことができるようにしてもよい。
ストラップ3301のバックに2つの弾性ストラップ3317a,3317bを設けると、ストラップを広げてストラップの位置を独立に変えることにより、患者の頭部を包囲できるとともに、印加される力の分配を調整することができる。頭部の背面にある2つの小さい方のバックストラップ部3317a,3317bは、長さが等しくてもよく、また、材料の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体3300のストラップで全長を短くすることによって両方のバックストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能である
6.3.6.8 可撓性ジョイント3305
図19、図71〜図73、図75、図76および図166は、プレナムチャンバ3200と関連付けられるフレーム3310に対する位置決め安定化構造体3300の接続も示す。特に、リジダイザアーム3302とフレーム3310とのジョイント3305は、可撓性があってもよく、および/または、弾性的に変形可能であってもよい。したがって、患者1000により着用される際には、シール形成構造体3100が様々な鼻唇角(例えば、図2eに示される)を受け入れることができてもよい。したがって、このジョイント3305の可撓性により、フレーム3310、プレナムチャンバ3200、および、他の関連する構成要素がリジダイザアーム3302に対して多くの軸線周りで移動できることが理解されるべきである。本技術の1つの形態において、フレーム3310およびプレナムチャンバ3200は、可撓性ジョイント3305を介して、リジダイザアーム3302のそれぞれの端部間で画定される1つの軸線の周りで回転できてもよい。そのような配置により、幅広い範囲の想定し得る鼻唇角にわたってシール形成構造体3100を患者1000の鼻下領域に当て付けて角度付けることができる。
図18、図19、図75、図76および図166において分かるように、シール形成構造体3100は、患者1000の鼻下面に当て付いて、1つの例では鼻孔などの患者の気道に当て付いて保持される。シール形成構造体3100の適切な位置は、最小の保持力をもって加圧ガスの漏れが最小限に抑えられるような患者の鼻孔に対する円錐台3140の効果的なシールを得るのに重大な因子である。円錐台3140がシール形成構造体3100の柄部3150から軸方向に延在するため、最適なシールを得るためには、ある程度の可撓性を患者の鼻に対する患者インタフェース3000の方向で与えることが有益となり得る。そのような可撓性は、共通の患者インタフェースによって受け入れられる必要があるかもしれない様々な鼻唇角(図2e参照)を患者が有する場合があるため、有益となり得る。この可撓性は、可撓性ジョイント3305を設けることによって典型的な患者インタフェース3000において達成されてもよい。本技術の一例において、可撓性ジョイント3305は、フレーム3310とリジダイザアーム3302との間に位置付けられてもよい。そのような典型的な配置において、フレーム3310は、位置決め安定化構造体3300のリジダイザアーム3302による可撓性ジョイント3305での屈曲を容易にする材料から構成されてもよい。別の構成では、患者の鼻下面に対するシール形成構造体3100の適切な位置を可能にするために、リジダイザアーム3302が延在部3350を介して屈曲してもよい。また、屈曲が両方の部分で部分的に起こる場合があることも想起される。任意の想起される構成おいて、望ましい結果は、様々な鼻唇角を受け入れることができるように患者の鼻下面に対して患者インタフェース3000が回転できることである。可撓性ジョイント3305により与えられるこの可撓性により、トランポリン3131は、患者の鼻孔または鼻に抗する快適な力を与える際に、より有効となり得る。可撓性ジョイント3305がなければ、トランポリン3313は、様々な鼻翼角度を受け入れて安定性を維持するのにあまり有効でなくなる。これは、位置決め安定化構造体3300からの張力がシール形成構造体3100を患者の気道に当て付くシール位置に保持するときに柄部3150およびプレナムチャンバ3200が既に部分的にまたは完全に潰れた状態にあるからである。
この可撓性ジョイント3305は、効果的なシールを確実にするのに十分な剛性を維持しつつ、ジョイント3305で可撓性を可能にするのに十分な弾性率を有する材料からフレーム3310および/またはリジダイザアーム3302を形成することによって与えられてもよい。これに加えてまたは代えて、フレーム3310および/またはリジダイザアーム3302は、この領域で可撓性を可能にするように構造的に形成されてもよい。言い換えると、フレーム3310および/またはリジダイザアーム3302は、ジョイント3305の領域で必要量の可撓性を可能にするように形成されてもよい。これは、これらの構造体の一部を該構造体の剛性が屈曲を可能にするべく減少されるように除去することによって達成されてもよい。
本技術のこの態様の更なる想定し得る利点は、それがリジダイザアーム3302およびフレーム3310と関連付けられる曲げモーメントを減少させるという点になり得る。図19、図71〜図73および図75に示されるように、リジダイザアーム3302は、患者の顔面の輪郭に適合するように形成されてもよい。また、シール形成構造体3100が患者の鼻孔と係合するときに、位置決め安定化構造体3300により鼻に対して保持されるシール形成構造体3100、プレナムチャンバ3200、および、フレーム3310の間の比較的限られた大きさの可撓性に起因して、鼻孔がフレーム3310の変位を引き起こす場合がある。フレーム3310とリジダイザアーム3302との間に可撓性ジョイント3305を設けることにより、関連する力の一部がジョイントの屈曲へと放散されるため、患者インタフェース3000が患者によって着用されるときのこれらの構造体と関連付けられる曲げモーメントが減少され得る。これは、患者インタフェース3000が摩耗および裂けを減少させるべく使用中にあまり力を受けないため、有益となり得る。また、これらの力を可撓性ジョイント3305の曲げへと放散することにより、リジダイザアーム3302および/またはフレーム3310の曲げを減少させることができる。これは、リジダイザアーム3302が患者の顔面に適合するように形成される場合には、リジダイザアームを曲げることにより適合性が低下する場合があり、それにより、患者に不快をもたらすため、有益となり得る。同じことがフレーム3310の曲げにも当てはまる場合があり、また、フレーム3310の曲げは、シール形成構造体3100を患者の鼻から移動させる場合もある。
前述した構成では、リジダイザアーム3302を補強することが有益となる場合があることも理解すべきである。十分に剛性が高い材料からリジダイザアーム3302を形成することにより、および/または、リジダイザアーム3302をそれらが十分に剛性を持つように形作ることにより、可撓性ジョイント3305が患者の鼻からのシール形成構造体3100の移動を許容しないようにすることも想定し得る。言い換えると、適切な適合および効果的なシールは、シール形成構造体が患者の鼻と係合して効果的なシールを与えることができるようにシール形成構造体の十分な移動を許容しつつ患者の顔面に対する所望の度合いの適合性を維持する十分に剛性があるリジダイザアーム3302によって達成されてもよい。リジダイザアーム3302は、23℃で180MPaの曲げ弾性率と180MPa(26)の引張係数とを有するHytrel(登録商標)から形成されてもよい。また、本技術の1つの態様では、フレーム3310とリジダイザアーム3302との間の可撓性ジョイント3305およびシール形成構造体3100でのみ弾性変形が行われるように患者インタフェース3000が構造化されてもよいことが理解されるべきである。
可撓性ジョイント3305を伴わない前述した本技術の例では、リジダイザアーム3302の延在部3350が前述したような可撓性ジョイント3305と同様の機能を果たす。
6.3.6.9 位置決め安定化構造体の張力ベクトル
前述したように、典型的な位置決め安定化構造体3300は、好適には、シール形成構造体3100と関連付けられる圧縮ベクトルが患者の鼻または鼻孔と適切に位置合わせされるようにヘッドギアの張力ベクトルを患者の頭部に対して位置付けてもよい。図72、図73、図75および図76に示されるように、使用時にシール形成構造体3100を患者1000の鼻に押し付ける力の典型的な方向および大きさを示すためにベクトルVが描かれる。典型的な位置決め安定化構造体3300をシール形成構造体3100に対して動作可能に取り付けることにより、患者1000により着用される際の位置決め安定化構造体3300の張力は、ベクトルVの方向および大きさを有する力をもって患者インタフェース3000を患者1000の鼻または鼻孔に押し付けるのに十分となり得る。ベクトルの概念は以下のように説明されてもよい。患者1000の鼻孔の周囲にシールを適切におよび/または効果的に形成するため、本技術のこの例で描かれる鼻枕3130を使用するときには、シール形成構造体3100のそれぞれの柄部3150の長手方向軸線と略同軸の方向でシール形成構造体3100が患者の鼻孔に押し付けられなければならない。力の大きさも、シール形成構造体3100が鼻孔の周囲でシールできるようにするのに十分でなければならないが、不快感または比較的柔軟なシール形成構造体3100の変形を引き起こすほど大きくてはならない。したがって、ベクトルVとして描かれる大きさおよび方向の力がシール形成構造体3100に与えられなければならない。しかしながら、患者の鼻の側面に沿って眼を横切ってまたは耳を横切ってストラップ3301がまとわれることは理想的ではない。これは、患者1000にとって不快で混乱を生じさせる場合がある。二点力ベクトル制御により、ストラップ3301は、マスク3000を徐々に安定させることができるとともに、鼻枕3130を所定位置へと引っ張って患者の気道との空気圧シールを形成することができる。
必要な方向および大きさのシール力を患者の顔面の特定の領域から移動させながら与える必要があるというこの課題を克服するために、前述したリジダイザアーム3302および/またはフレーム3310が設けられてもよい。リジダイザアーム3302および/またはフレーム3310は、ストラップ3301を患者の眼から離れるように方向付けることができるようにしつつ、張力を位置決め安定化構造体3300からシール形成構造体3100へと伝えるための媒介として作用してもよい。言い換えると、位置決め安定化構造体3300は、伸張状態にあることにより、それぞれのリジダイザアーム3302および/またはフレーム3310の一端部で力を生み出すことができ、また、リジダイザアーム3302および/またはフレーム3310は、十分に剛性があるため、同等の方向および大きさを有するこの力を、シール形成構造体3100が位置付けられるその反対側の端部へと伝える。したがって、シール形成構造体3100を患者の鼻に押し付けて効果的なシールを形成することができる。他の方法として、リジダイザアーム3302および/またはフレーム3310は、適切な方向および大きさのシール力を維持し続けながら位置決め安定化構造体3300をシール形成構造体3100から構造的に切り離す役目を果たす。
前述したように、特定の例では、位置決め安定化構造体3300のストラップ3301がリジダイザアーム3302を取り囲んでもよい。ストラップ3301およびリジダイザアーム3302のこのシース状の配置を維持しつつ先の段落で説明された力分離を容易にするために、リジダイザアーム3302は、その少なくとも一部に沿って滑らかな面を備えてもよい。リジダイザアーム3302に沿って滑らかな面を設けることにより、位置決め安定化構造体3300のストラップ3301は、比較的自由なおよび/または低い摩擦態様でリジダイザアーム3302に沿って伸長するおよび/または圧縮することができる。言い換えると、ストラップ3301は、それがリジダイザアーム3302に固定されるポケット状端部3311を除き、リジダイザアーム3302上にわたって遊動する。また、リジダイザアーム3302に沿う位置決め安定化構造体3300の摩擦を減らすことにより、シール形成構造体3100の空気圧シールの損失または破壊および/または不快な嵌め合いをもたらす場合がある外部からの望ましくない力を避けることができる。
多層の積層ストラップを有する従前のマスクの幾つかの位置決め安定化構造体では、異なる度合いの可撓性を与える異なる材料から形成される層が互いに恒久的に重ね合される。従前のマスクの他の位置決め安定化構造体は、多層ストラップを互いに取り外し不能に接続するために縫い合わせまたは接着剤を使用する。一方、本技術の位置決め安定化構造体3300は、リジダイザアーム3302と解放可能に係合できるストラップ3301を有する。これは、ストラップ3301をリジダイザアーム3302およびフレーム3310とは別個に洗浄できるようにする。解放可能な係合は、ストラップ3301のポケット状端部3311を使用して、面積が小さい局所的な領域(フレーム3310付近のリジダイザアーム3302の縁部)でもたらされ、それにより、フレーム3310との接続ポイントからのストラップ3301のほぼ全長の伸長が可能になる。従前のマスクの他の位置決め安定化構造体は、1つ以上のヘッドギアストラップの長さを調整(通常は長さを短くすることによって調整)して患者の顔面上の患者インタフェース3000のヘッドギア張力を調整するために調整バックルまたはVelcro(登録商標)を使用する場合がある。一方、本技術の位置決め安定化構造体3300は、ヘッドギア張力を調整するために長さ調整を必要とせず、また、特に暗い部屋の中でヘッドギア張力を調整するために調整バックルまたはVelcro(登録商標)を適切に用いることができる良好な運動神経能力を欠く場合がある関節炎の手をもつ患者にとって特に有益である。
6.3.6.10 ストラップの製造
位置決め安定化構造体3300は、成形する(例えば、任意のかなりの量の材料を切り取る必要なく、さもなければ「フルファッショニング」として知られる形状に一体形成される)ように製造され、それにより、廃棄材料を殆どもたらさないまたは全くもたらさない。あるいは、位置決め安定化構造体3300は、それぞれが(例えば、編むことによって)別々に成形するように製造された後に互いに取り付けられる複数のセグメントへと分けられてもよい。図132は、少なくとも2つの領域(クラウン部または後部210およびストラップ220)を有する単一の一体の縫い目がない構造体を明示し、この場合、少なくとも2つの領域が接合部(接合部は、ストラップ220と後部210との間の接続部である)から延在し、ストラップ220が異なる角度方向で後部210へと延在する。後部210およびストラップ220は連続的なプロセスで形成される(すなわち、構成要素を形成する材料および構成要素の形状が単一のステップで形成される)−これは、材料のシートが形成された後にカットされて形作られるプロセス(これは単一のステップと見なされない)とは異なる。また、図132は、縫い目または更なる形成ステップを必要とすることなく、ストラップ220が後部210へ向けて異なる角度または異なる方向で枝を出すまたは延在することも示す。
位置決め安定化構造体3300などの編まれた構成要素は、更なる縫い合わせプロセスまたは結合プロセスが実質的にない一体の編み要素として構成されるときに「一体型編み構造」から形成されると画定される。
図133に示されるように、ストラップ220は、その後にカットされる連続片として(例えば、縦編み、丸編み、または、3D編組によって)形成されてもよい。これは、この手続きが製造効率を更に高めることができるからである。
様々な位置決め安定化構造体部分を連続態様で編むことは、隣り合う部分を縫い付ける、融着する、接着する、またはその他の方法で取り付けるために必要とされる更なる製造ステップが無いまたは殆ど無いため、有益となり得る。結果として、製造プロセスのステップを減らすことができ、廃棄材料の量が減少され、位置決め安定化構造体3300の隣り合う部分同士の間に縫い目がほぼ無いとともに、目立つ接合部や縫い目を伴うことなく織物から形成される位置決め安定化構造体3300が患者にとって更に快適となり得る。
6.3.6.10.1 技術
廃棄材料を殆ど伴わずにまたは全く伴わずに位置決め安定化構造体3300を製造して成形するために本技術にしたがって多くの技術を使用できる。該技術は、単一の一体的な縫い目がない構造体である位置決め安定化構造体をもたらすことができる。単一の一体的な縫い目がない構造体をもたらすことができる技術としては、インタールーピング(編むなど)、交絡、および/または、インターウィニング(編組、結節、および、クローシェ編みを含む)を含む糸の機械的な操作が挙げられる。3D印刷の別の技術は、一体の縫い目がない構造体を有する位置決め安定化構造体を形成することもできる。
本技術に係る製造技術は、以下の特徴、すなわち、(1)廃棄物を殆どまたは全くもたらさない、(2)患者にとって快適な位置決め安定化構造体をもたらす、(3)快適な位置決め安定化構造体をもたらす、(4)呼吸用位置決め安定化構造体をもたらす、(5)顔マーキングを最小限に抑えることがきる位置決め安定化構造体をもたらす、および/または、(6)軽量な位置決め安定化構造体をもたらす、のうちの1つ以上を有してもよい。
6.3.6.10.1.1 インタールーピング−編み
本技術の一例によれば、位置決め安定化構造体3300は、編みなどのインタールーピング(例えば、編み織物を形成するように糸または撚糸を織り混ぜる)によって形成されてもよい。位置決め安定化構造体3300が横編みまたは丸編みによって形成されてもよいが、他の形態の編みも想定し得る。横編みおよび丸編みは、それらが一体の縫い目がない構造体を伴う位置決め安定化構造体3300を形成できるため、有益となり得る。横編みまたは縦編みを形成するために横編み機または丸編み機が利用されてもよい。1または複数の位置決め安定化構造体構成要素を製造するために、丸編みおよび縦糸-または横糸-横編みを含む様々な編みプロセスが利用されてもよい。横編みは、(1)付加的なクッションまたは嵩を与えるために例えば位置決め安定化構造体ストラップ内に浮遊糸を位置させることができること、および/または、(2)位置決め安定化構造体ストラップの上面または下面のいずれかに糸の付加的なループを含み、したがって、例えば柔軟なテリー織り布材料の効果をもたらす、または、フックテープファスナと係合するための切れ目のないループ織物を形成することができること、および/または、(3)単一の統合された位置決め安定化構造体構成内に両面仕上げの編み構造に隣接して3D寸法のスペーサ織物構造を編むことができること、を含むがこれらに限定されない幾つかの利点を有してもよい。
位置決め安定化構造体3300は、異なる物理的特性を伴う様々な部分を有する単一の一体構造体をもたらすためにインタールーピングプロセスによって機械的に操作される複数の糸から主に形成されてもよい。
図134は、横編み織物64のウェール、すなわち、1本の糸のループが他の糸のループに交わる方向を示す。コース85、すなわち、単一の糸からのループの方向が図135に示される。図136および図137は、基本的な閉ループ縦編み90を示す。図138は、ウェールがコースと略平行に延在する状態で、糸が垂直方向にジグザグ態様で編まれて他の縦糸を捕捉する、縦編みトリコットジャージ織物構造の一例を示す。
図136〜図139を参照すると、縦編み90,90−1は、互いに平行に延在するウェールおよびコースを備え、一方、横編み100では、ウェールがコースに対して垂直に延在する。本技術の位置決め安定化構造体3300は、縦編みまたは横編みのいずれかによって形成されてもよい。縦編み、例えばトリコット、ラッセル、または、ロックニットは、一般に、連続稼働に対してより耐久性があり、機械加工が容易であるとともに、複数の糸を使用することができる(複数の色または糸タイプの使用を可能にする)。横編み100は単一の糸を用いて形成できるが、複数の糸の使用も想定し得る。本技術の位置決め安定化構造体3300は、縦編みまたは横編みから構成されてもよい。
編み織物は、織布と比べて異なる伸縮特性を有し得る。編み織物は、一般に、(布を形成する糸に応じて)一方向にしか伸長できない織布よりも可撓性があり、したがって、患者にとってより快適な嵌め合いをもたらすことができる。編み織物は、織物が二方向伸長を成すように構成されてもよい−すなわち、第1の方向に向けられた第1の糸は、第2の方向に向けれらた第2の糸よりも低い可撓性を有する。この構成は、位置決め安定化構造体3300のストラップに沿って望ましい場合があり、その場合には、ストラップがそれらの長さに沿って伸長できるがそれらの幅を横切って伸長できず、または、その逆も同様である。あるいは、編み布は4方向伸長を成してもよい。すなわち、第1の方向および第2の方向の糸はいずれも、ストラップに対する適用が縦方向および横方向の両方での伸長を可能にするように可撓性がある。
図142の例は、グレインまたはコース1250を有するストラップ1200を示しており、また、グレインまたはコースの方向が伸長にどのように影響を及ぼすのかを明示する。編み織物は、コースの方向でより容易に伸長する傾向がある。したがって、位置決め安定化構造体3300を特定の方向で伸長するとともに他の方向の伸長に対してより耐えるように形成できる。例えば、ストラップ1200は、その幅方向Aで(患者の顔面から頭部の背面へ向けて)伸長する傾向があり、ストラップの長さに沿う伸長が制限されてもよい。この形態は、嵌め合い範囲を増大させつつ、位置決め安定化構造体3300の安定性を長さ方向で高めることができる。ストラップ1200は、ストラップ1200が患者の顔面とのシールを高める態様でマスクアセンブリを患者の顔面上にうまく保持できるようにするために、特定の方向で伸長するとともに他の方向の伸長に耐えるように構成されてもよい。
図140および図141を参照すると、編みストラップ1105は、上部1102と、後部1104と、下部1106とを含む。下部1106は、上部1102および後部1104を形成するために接合部で分岐しまたは枝を出す。上部1102の角度方向は、後部1104と比べて異なってもよい。例えば、上部1102は、後部1104に対して約30〜110°で延在してもよく、または、後部1104に対して約90°または垂直に延在してもよい。編み方向、または、編みのグレインまたはコース1150は、特定の領域で織物の形状または伸長を調整するように変えられてもよい。例えば、グレインまたはコース1150は、患者の眼を塞ぐのを避けるべく頬領域でストラップを曲げるように構成されてもよい。また、図141に示されるように、グレインまたはコース1150は、矢印Bにより示されるように、曲がって分かれ、それにより、上部1102および後部1104を形成してもよい。上部1102および後部1104のそのような形態は、ストラップを患者の頭部上の所定位置に安定させ、したがって、編みストラップ1105が患者の顔面とのシールを高める態様でマスクアセンブリを患者の顔面上にうまく保持できるようにする。
編みストラップ1105は、患者インタフェース3000(例えば、鼻マスク)を患者の顔面上に支持してもよい。ストラップ1105を患者インタフェース3000に取り付けるためにコネクタ1120が使用されてもよく、また、空気回路4170が患者インタフェース3000を介して患者の気道へ呼吸可能ガスを送出してもよい。図示の例において、患者インタフェース3000は、患者の鼻の下側に位置付けられて、患者の鼻の外面に対してシールする。
本技術の位置決め安定化構造体3300は、ポケット、トンネル、層、および/または、リブを更に備えてもよい。そのような位置決め安定化構造体3300は、丸編みまたは横編みによって一体に形成されてもよい。ポケットまたはトンネルは、編み布よりも高い剛性または硬度を有する材料によって補強されてもよく、それにより、位置決め安定化構造体3300が硬化される。位置決め安定化構造体3300の硬化は、マスクをユーザの顔面上の所定位置により良好に安定させることができる。位置決め安定化構造体3300を硬化させるために使用される材料としては、プラスチック、例えばナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、または、剛性がより高い布、例えば編組ロープを挙げることができる。位置決め安定化構造体3300の硬化は、患者の頭部の骨領域、例えば頬、後頭部、または、頭頂部に位置付けられてもよい。補強構造は編みプロセス中に挿入されてもよく、例えば、編みプロセス中または編みプロセス後に、より高剛性のまたはより平坦な糸または硬質高分子要素が編み構造中に挿入されてもよい。撚糸または硬質構成要素は、ねじれに耐えるとともに、例えば治療のための位置決め安定化構造体ストラップの締め付けに起因する応力を支えるように機能し、または、マスクをより良く安定させるように機能し、または、位置決め安定化構造体片をマスクインタフェースに取り付けるための結合材または締結材として作用するのに役立つ。
または、ポケットまたはトンネルは、快適さを加えるためにクッション性があってもよい。例えば、ポケットまたはトンネルには、発泡体、ゲル、浮遊糸、ループ状糸、または、他のクッション材料が充填されてもよい。
位置決め安定化構造体3300は、横編みまたは丸編みによって形成されてもよく、この場合、位置決め安定化構造体3300は織端を有する。すなわち、位置決め安定化構造体3300は、位置決め安定化構造体3300を構成するために使用される糸の端部が位置決め安定化構造体構成要素の縁部に実質的に存在しないような仕上げ形態を有するべく形成されてもよい。位置決め安定化構造体構成要素を仕上げ形状に成形するという利点は、糸がカットされておらず、したがって、糸がほどける可能性が低く、また、仕上げステップを殆ど必要としないという点である。仕上げ縁部を形成することにより、位置決め安定化構造体3300の完全性が維持されまたは更には強化され、また、(1)位置決め安定化構造体構成要素のほどけることを防止するために、および/または、(2)(例えば、織物−発泡体−織物積層体材料に「柔軟な縁部」を超音波切断してシースする際に)目立つが柔軟な縁部を形成するために、および/または、(3)位置決め安定化構造体3300の審美特性および耐久特性を高めるために、後処理ステップが殆どまたは全く必要とされない。
本技術の位置決め安定化構造体3300は、規則的なまたは不規則なピケニットにより形成されてもよい。ピケニットは、第1の糸を正しい側(位置決め安定化構造体3300が着用される際に見える患者と接触しない側)で方向付けるとともに、第2の糸を誤った側(位置決め安定化構造体3300が着用される際に見えない患者と接触する側)で方向付ける。すなわち、正しい側で露出される糸は、誤った側で露出される糸とは異なってもよい。例えば、正しい側の糸が感じの良い外観を有してもよく、また、誤った側の糸が患者の皮膚と接触するのに良い手触りを有してもよい。これに代えてまたは加えて、正しい側の糸が第1の水分ウィッキング特性を有してもよく、また、誤った側が第2の水分ウィッキング特性を有してもよい。例えば、正しい側の糸は、第1の水分ウィッキング特性を有する高い割合のマイクロファイバを有してもよく、また、誤った側は、第2の水分ウィッキング特性を有する高い割合の非マイクロファイバを有してもよい。
位置決め安定化構造体3300は、簡単にするために、材料および特性が均一であってもよい一体の編み構造体として形成されてもよいが、縫い目のない態様で結合される異なる物理特性を有する様々な部分を含む一体の構造体として形成されてもよい。様々な部分は、例えば、異なる度合いの強度、耐摩耗性、摩耗抵抗、可撓性、高い耐久性、より高いまたはより低い吸湿性(水分吸収性)、水分ウィッキング能、親水性、通気性または空気透過性、液体透過性、伸長性または伸長耐性、圧縮性、クッション能力、支持、剛性、回復、嵌め合い、および、形状を示してもよいが、これらに限定されない。様々な部分は、4方向伸長、または、双方向伸長、仕立てレベルの伸長耐性、または、非伸長など、指向性伸長の変化を示すように構成されてもよい。これは、例えばこれに限定されないが、特定の糸または編み構造タイプを選択することによって達成されてもよい。
一体の縫い目のない構造体としての位置決め安定化構造体3300は、均一の特性を伴って、または、様々な特性を有する2つ以上の部分から、一体に形成されてもよい。2つ以上の位置決め安定化構造体部分は、異なるねじれ、デニール、繊維組成などの2つ以上の異なる糸を使用することによって、したがって、異なる物理特性を位置決め安定化構造体3300に与えることによって異なってもよい。2つ以上の位置決め安定化構造体部分は、2つ以上の様々なニットステッチタイプを使用することによって、したがって、固有の物理特性を2つの部分に与えることによって異なってもよい。
1つの領域は、伸縮性を高めるために例えばエラスタンまたはPBT(ポリブチレンテレフタレートポリエステル)を組み込んでもよいのに対し、他の領域は、耐久性を高めるためにナイロンまたはポリエステルを組み込んでもよい。同様に、位置決め安定化構造体3300の1つの領域は1デニールの糸を組み込んでもよいが、他の領域は、クッション性、厚さ、または、嵩をカスタマイズするために、更に高いまたは低いデニール、捲縮、または、性状を有する糸を含んでもよい。
位置決め安定化構造体構成内の2つ以上の部分は、例えば縫い目がない態様で第1の部分を第2の部分に結合するタックステッチまたは他のニットステッチを使用することによって接続されてもよい。これは、第1の部分を編んだ後に、第1の編み部分と第2の編み部分との間のタックステッチを編み、その後、第2の部分を編むことによって達成される。タックステッチは、特に細管丸編み機を使用するときに、ウェール間の部分を縫い目なく接続するために利用される。
位置決め安定化構造体片は、縫い目を伴うことなく仕上げられてもよい。位置決め安定化構造体片が染色していない糸を用いて形成される場合、これは、水溶性繊維を含む糸を用いた編みプロセスを仕上げることによって達成されてもよい。水溶性繊維は、染色プロセスにおいて織物が縮むことができるようにするとともに、きちんと仕上げられた縁部をもたらし、それにより、縁部に付加的な縫い目を形成する必要性を排除する。
製造効率を高めるために、編み機は、ストラップまたは頭頂部構成要素などの一連の結合された位置決め安定化構造体構成要素を形成するために利用されてもよい。すなわち、編み機は、複数の位置決め安定化構造体片を含む単一の構成要素を形成してもよい。位置決め安定化構造体セグメントのそれぞれは、ほぼ同一の形状およびサイズを有してもよい。あるいは、位置決め安定化構造体片のそれぞれは、更には、順次にプログラミングされてもよい異なる形状およびサイズを有してもよい。また、様々な位置決め安定化構造体部分、例えばストラップを切断作業を要することなく分離できるようにするために、編み解放領域(例えば、溶ける糸、緩く編まれる糸、より細かいデニールの糸、または、簡単に裂けるプレースホルダ糸から成ってもよいが、これらに限定されない)が一連の位置決め安定化構造体構成要素に編み込まれてもよい。
6.3.6.10.1.1.1 可変糸番手
他の例において、糸番手は、快適さ、嵌め合い、および/または、性能を高めるために織物にわたって変化してもよい。例えば、糸番手は、より大きな剛性を必要とする領域(例えば、頬領域、後頭部)で高くてもよい。しかしながら、より低い剛性が望まれる領域(例えば、ストラップに沿う領域)では、糸番手が低くてもよく、それにより、材料がより容易に屈曲できる。
糸番手、したがって剛性は、糸のタイプ、ステッチのタイプ(例えば、十字ステッチは剛性が高いことがある)、および、ステッチ間の距離によって決定されてもよい。
6.3.6.10.1.1.2 糸
糸は、本技術の位置決め安定化構造体3300を形成するために利用されてもよい。糸は、合成であってもよく、ねじられまたはテクスチャード加工されてもよく、また、ナイロン、ポリエステル、アクリル、レーヨン、または、ポリプロピレンから形成できるが、これらに限定されない。糸は、従来の短繊維糸、マイクロファイバ糸、または、これらの両方の組み合わせであってもよい。糸は、伸長特性および回復特性を与えるために、デュポン社が提供しているLYCRA商標をもつ繊維などのエラスタン繊維または長繊維を組み込んでもよい。糸は、合成材料、または、綿、ウール、または、竹などの天然繊維、または、シルクなどの天然長繊維から形成されてもよい。
位置決め安定化構造体の任意の構成要素を構成するために使用される糸は、単繊維、または、複数の単長繊維、すなわち、多繊維糸から形成されてもよい。
糸は、それぞれが異なる材料から形成される別個の長繊維を含んでもよい。また、糸は、異なる材料から形成されるシース−コア形態または2つの半体を有する長繊維を伴う複合糸など、それぞれが2つ以上の異なる材料から形成される長繊維を含んでもよい。異なる度合いのねじれまたは捲縮、および、異なるデニールは、位置決め安定化構造体3300の特性に影響を及ぼし得る。
位置決め安定化構造体構成要素2900を構成するために使用される材料は再利用可能または生分解可能であってもよく、例えば、糸は、再利用可能なまたは生分解可能な繊維または長繊維を含んでもよい。
頭部の背面または襟首に位置付けられる位置決め安定化構造体3300の部位など、多大な摩耗に晒される位置決め安定化構造体3300の部位(例えば、患者の枕と接触している部位または領域であるが、これに限定されない)は、場合により密に形成されてもよく、したがって、重量がより重くなって、拡張しにくくなる場合がある。逆に、この部位は、汗による最大の水分蓄積量に晒される場合があり、したがって、特注の開口パターンを伴う薄いが強力な網状構造から成る必要があるかもしれない。この場合には、耐摩耗性が糸特性にのみ固有のものでなければならないかもしれない。
6.3.6.10.1.2 3D印刷
他の例において、位置決め安定化構造体3300は、3Dプリンタを使用して形作るように製造されてもよい。図143に示されるように、3Dプリンタは、複数の接続リンク2802を印刷するために使用されてもよく、それにより、可撓性の3D印刷布2804が形成される。図144を参照すると、リジダイザアーム3302を含むように位置決め安定化構造体片2900が形成されてもよい。リジダイザアーム3302は穴2922を含み、布2804とリジダイザ3302とを一体化するべく布2804が印刷される際に布2804のリンクがこれらの穴2922を通過してもよい。リジダイザアーム3302は、任意の適した材料(例えば、ナイロン12などの高分子、または、金属粉末からの焼結固体、または、添加物製造プロセスとして使用され得る任意の他の材料)から形成され得る。添加物製造(「3D印刷」プロセス)技術が向上するにつれて、リジダイザアーム3302などの硬質構成要素を随意的に封入して布を3D印刷するための材料選択が更に広くなることが想起される。構造は、材料に固有のものとなり得る、または、形状、形態、または、構造体に基づき得る。
また、図145に示されるように、3D印刷ストラップ2924が雄および雌のクリップ2912,2914の穴2912(1),2914(1)に組み込まれてもよい。
6.3.6.10.2 ストラップの成形および仕上げ
図79および図80は、製造の中間ステップにおけるストラップ3301の図を示す。図示の典型的なストラップ3301は、幾つかの例では前述した方法およびプロセスによって製造される編み材料から所定長さにカットされてしまっていない未加工長さである。例えば、ストラップ3301の最も左側の端部に一対のボタン穴3303を見ることができるが、仕上げられた時点でのはその端部に1つの穴だけがある。これは、図81に示されるストラップを製造するためにこれらの穴間で未加工のストラップがカットされてしまうからである。また、図79に示される未加工長さのストラップ3301を形成する編みプロセスは、ストラップの長さに沿って複数の分割領域3326を形成する。しかしながら、図81に示される仕上がったストラップ3301は1つの分割領域3326のみを含む。この場合も先と同様に、これは、仕上げ中に、図79に示される最も右側のボタン穴3303間でストラップ3301がカットされ、そこに示される未加工長さのストラップ3301が複数のストラップへと分離されるからである。
本技術の1つの例によれば、ストラップ3301は、織物に鎖を形成するために複数のバーを有する縦糸ラベリングマシンを使用して形成されてもよい。他の例によれば、ストラップ3301は、2つのサイドストラップ部3315,3316と2つのバックストラップ部3317a,3317bとを中心で結合するための6つのバーを有するComezマシンによって形成されてもよい。更に多いバーをComezマシンに付加することにより、より多くの編み方向に対応してもよい。また、編みプロセスは、分岐点3324で異なる織り方を用いてストラップ3301を形成することを含んでもよい。ストラップ3301の材料が1740番手を含んでもよい。ストラップ3301を編むためのパターンタイプの順序は以下の通りである。すなわち、通常、その後にボタン穴、その後に通常、その後に分割、その後に通常、その後にボタン穴、および、その後に通常である。後続のストラップ3301は、その後、製造されるそれぞれのストラップ3301ごとに前進して、再び、この同じ順序により編まれる。
本技術の1つの例では、ストラップ3301を編むために使用される糸が二重螺旋状に巻回される。
見込まれる破壊ポイントに更なる強度を付加するため、ストラップ3301には、これらのポイントに付加的なステッチを形成してもよい。見込まれる破壊ポイントとしては、ボタン穴3303,3304および分岐点3324を挙げることができる。また、更なる補強のために、ストラップ3301の中央に沿って更なる糸が編まれてもよい。
図80は、線80−80を通じてとられた図79のサイドストラップ部3316の断面図を示す。分岐点3324は、サイドストラップ部3316の分割領域と、上側バックストラップ部3317aと下側バックストラップ部3317bとの間の分割とを示しているのが分かる。
また、図79は、ストラップ3301の様々な特徴における寸法L1〜L6も示す。L1は、1つのストラップ3301のボタン穴3303と隣り合うストラップのボタン穴3303との間の距離を示す。L2は、同じストラップ3301のボタン穴3303間の距離を示す、この値は、1つの例によれば、約500mmであってもよい。L3は、本技術の1つの例では約200mmであってもよい分割領域3326の長さを示す。L4は、隣り合うストラップ3301の隣り合うボタン穴3303間の距離を示してもよく、1つの例では約15mmであってもよい。L5は、ボタン穴3303の幅を示してもよく、1つの例では約5mmであってもよい。L6は、ストラップ3301の幅を示してもよく、1つの例では約15mmであってもよい。
図81〜図83は、本技術の一例に係る仕上がったストラップ3301の図を示す。図81において分かるように、ストラップ3301のそれぞれの端部には、たった1つの分割領域3326と、たった1つのボタン穴3303とが存在する。したがって、このストラップ3301が本技術の一例にしたがって図79に示されるストラップ3301からカットされて仕上げられてしまっていることが理解されるべきである。また、図81には、例えば会社ロゴまたは他のアートワークの形態を成してストラップ3301上に形成されてもよいストラップロゴ3357が示される。ストラップロゴ3357はパッド印刷または超音波溶着によって形成されてもよい。ストラップロゴ3357が超音波溶着によって形成される場合、これは、理想的な嵌め合いおよびストラップ張力を確保するべく患者1000によってバックストラップ部3317a,3317bを広げることを促すために、バックストラップ部3317a,3317bを分岐点3324で広げるのに役立ち得る。
また、図81は溶着端部3311.1,3313.1も示す。前述したように、サイドストラップ部3316は中空または管状の形状に編み込まれてもよい。したがって、端部は、例えば開放端部に沿う裂けを防止する溶着によって閉じられない場合には開放している。溶着端部3311.1,3313.1は、ストラップ3301の遊離した繊維をシールするために超音波溶着によって形成されてもよい。超音波溶着は、ストラップ3301を構成する織物の伸縮性を低下させる場合があるが、端部でのほつれを減少させるとともに、高応力ポイントで強度を付加するのに役立ち得る。溶着端部3311.1,3313.1はそれぞれのポケット状端部3311,3313付近にあるため、溶着端部は、リジダイザアーム3302にそれらのそれぞれの突出端部3306で保持されるべきストラップ3301に対して強度を与える。言うまでもなく、ポケット状端部3311,3313およびそれらのそれぞれの溶着端部3311.1,3313.1は、本技術の1つの例によれば、リジダイザアーム3302に対して保持するおよび/または固定するためのストラップ3301の主要部である。ストラップ3301は、長期の使用後に弾力性を失う場合があるが、ストラップ3301を洗浄して乾燥させることにより、この弾力性の少なくとも一部または全部を回復させることができることが理解されるべきである。
Pilario(商標)マスク用のFisher & Paykel(商標)によって提供されるStretchWise(商標)ヘッドギアは、ヘッドギアストラップの硬質プラスチックフック状端部とマスクフレーム上に位置付けられる硬質プラスチック垂直バーとの間に硬質の取り外し可能な回動接続部を有する。一方、本技術の1つの例のストラップ3301は、硬質構成要素の繰り返しの係脱後のフック状端部のクリープおよび破壊などの問題を回避する硬質の取り外し可能な接続部をストラップ3301とマスクフレーム3310との間に有さない。StretchWise(商標)ヘッドギアの硬質のフック状端部を機械的に変形させてそれを硬質バーに対して係脱させるためにはかなりの大きさの力が必要とされる。一方、本技術のリジダイザアーム3302は、そのようなかなりの力を伴うことなく、ストラップ3301のボタン穴3303内に挿入されて、ストラップ3301のポケット状端部内に保持される。これは、ストラップ3301をマスクフレーム3310に接続するためまたはストラップ3301をマスクフレーム3310から取り外すためにリジダイザアーム3302またはストラップ3301のいずれかの塑性変形が必要とされないからである。StretchWise(商標)ヘッドギアの他の欠陥は、ヘッドギアストラップを洗浄した後にヘッドギアストラップの弾力性がほぼ当初のレベルの弾力性まで回復しないことである。言い換えると、StretchWise(商標)ヘッドギアは経時的に緩くなる。
図80に類似する図82は、図81の線83−83を通じてとられたストラップ3301の断面図を示す。分割領域3326の開始を示す分岐点3324を見ることができる。また、この図では、ストラップロゴ3357がサイドストラップ部3316から隆起されるのが分かる。
図83は、ストラップ3301の詳細図を示し、特にストラップロゴ3357を示す。また、分岐点3324を分割領域3326のはじめに見ることができる。
図81は、典型的なストラップ3301の特徴を表す更なる寸法も示す。L7は、溶着端部3311.1,3313.1におけるストラップ3301の仕上げ端部間の距離を示してもよく、1つの例では約5mmであってもよい。L8は、溶着端部3311.1,3313.1の幅を示してもよく、1つの例では約1mmであってもよい。
6.3.6.11 患者インタフェースおよび位置決め安定化構造体の着用
典型的な患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300は、本技術の様々な例にしたがって簡単であるが調整可能な態様で着用されてもよい。以下で更に詳しく説明されるように、図84〜図112は、着用者(すなわち患者)1000が患者インタフェース300と位置決め安定化構造体3300とを着用して調節する様々な手順を描く。
図84〜図88は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用する患者1000の一連のそれぞれの図を示す。図84において、患者1000は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を鼻に当て付けて保持することにより、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用し始める。その後、図85は、位置決め安定化構造体3300を着用し始めている患者1000を示す。患者1000は、分割領域3326付近でストラップ3301を一方の手で引っ張る一方、他方の手で患者インタフェース3000を保持して、ストラップ3301を頭部上にわたって伸長させる。その後、図86は、一方の手で分割領域3326を依然と保持するとともに他方の手で患者インタフェース3000を保持しつつ、ストラップ3301を頭部の背面へ向けて更に引っ張っている患者1000を示す。このステップの完了時、患者インタフェース3000を患者1000の鼻に当て付けて保持するために、ストラップ3301は、適切な引張りシール力が位置決め安定化構造体3300に配されるように、頭頂部付近および後頭葉付近または後頭葉よりも上側で頭部の背面に位置付けられなければならない。その後、図87は、リジダイザアーム(これらの図では見えない)を頬骨の下側に位置させるとともに鼻に対するシール形成構造体3100の嵌め合いを調整して完全なシールを確保するために位置決め安定化構造体3300を調整する患者1000を示す。リジダイザアーム3302を頬骨の下側に位置させることにより、位置決め安定化構造体3300は、患者1000の顔面上をずり上がって患者の視線内に入ることが防止され得る。その後、図88は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を身に着けて治療に備える患者1000を示す。
図89〜図93は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用している患者1000の一連の側面図を示す。図89は、一方の手により患者インタフェース3000を保持してそれを鼻へ向けて引き上げる一方で他方の手により位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を保持する患者1000を示す。この時点では、ストラップ3301がかなり伸長されなくてもよい。図90は、一方の手で患者インタフェース3000、特にシール形成構造体3100を鼻に当て付けて位置させるとともに他方の手で位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を引っ張ってそれを頭部上にわたって伸長させる患者1000を示す。分割領域3326での分離もストラップ3301の引っ張りに起因して同様にうまくいくのが分かる。図91は、依然としてシール形成構造体3100および患者インタフェース3000を鼻に当て付けて保持する一方で位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を頭部の背面へ向けて更に引っ張る患者1000を示す。この時点で、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用する最初のステップは、ストラップ3301が患者1000の頭部の背面に当て付いて位置付けられるようにほぼ完全でなければならない。その後、図92は、頬骨に対するリジダイザアーム3302の適切なシールおよび適切な位置を確保するためにシール形成構造体3100および患者インタフェース3000を鼻に対して調整する患者1000を示す。その後、図93は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を身に着けて治療に備える患者1000を示す。
図94〜図98は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用する患者1000の一連の正面図を示す。図94は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用し始めている患者1000を示す。一方の手で患者インタフェース3000を保持するとともに他方の手で位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を保持して、患者1000は、患者インタフェースおよび位置決め安定化構造体を顔面へ向けて引き上げる。図95は、位置決め安定化構造体3300を一方の手で持ってステップ3301を僅かに伸長させた患者1000を示す。また、図95は、シール形成構造体3300を鼻に当て付けて配置するために鼻の近傍において他方の手で保持される患者インタフェース3000を示す。図96は、位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を伸長させて頭部上にわたって引っ張るとともに頭部の背面に対してストラップ3301を位置決めする一方で、シール形成構造体3100および患者インタフェース3000を鼻に当て付けて保持してしまっている患者1000を示す。図97は、その後、頬骨下でシールするべくリジダイザアーム3302を快適な位置に位置決めすることによって位置決め安定化構造体3300および患者インタフェース3000を調整して、位置決め安定化構造体3300が患者の視線内へとずり上がらないようにするとともに、シール形成構造体3100によって鼻に対してシールを維持できるようにする患者1000を示す。その後、図98は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を身に着けて治療に備える患者1000を示す。
図99〜図104は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用する患者1000の一連のそれぞれの斜視図を示す。図99は、一方の手でストラップ3301を保持するとともに他方の手で患者インタフェース3000を保持しつつストラップ3301を伸長させることによって患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を着用し始める患者1000を示す。その後、図100は、患者インタフェース3000を顔面へ向けて引き上げるとともに頭部の背面上にわたってストラップ3301を引っ張ることによって患者インタフェース3000を位置決め安定化構造体3300を頭部上に配置する患者1000を示す。その後、図101は、一方の手でシール形成構造体3100を鼻に当て付けて配置する一方でストラップ3301を頭部の背面付近で伸長状態に保持する患者1000を示す。その後、図102は、ストラップの引張りシール力を解放し始めることによってストラップ3301を頭部の背面に位置決めする患者1000を示す。図102において、患者1000は、引張りシール力がストラップ3301から解放される際に適切なシールが保持されるようにするために、依然として患者インタフェース3000を鼻に当て付けて保持している。図103は、適切な嵌め合いおよびシールを確保するとともに頬骨下にリジダイザアームを位置決めするために患者インタフェース3000を鼻に対して調整する患者1000を示す。その後、図104は、患者インタフェース3000および位置決め安定化構造体3300を身に着けて治療に備える患者1000を示す。
図105〜図107は、シール形成構造体3100による適切なシールを確保するために患者インタフェース3000を鼻に対して調整する患者1000の斜視図を示す。図105から図107まで、患者1000は、シール形成構造体3100を用いた鼻に対するシールを達成するために患者インタフェース3000を更に下方へと鼻に対して徐々に傾けているのが分かる。これらの図は、一方の手で患者インタフェース3000を調整する患者1000を示すが、2つの手で患者インタフェース3000を位置決めして調整できることが理解されるべきである。
図108〜図112は、頭部の背面に対して位置決め安定化構造体3300を調整する患者1000の一連の背面図を示す。図108は、頭部の背面に当接している位置決め安定化構造体3300を示す。ストラップ3301は、この位置では、その最大の大きさの引張りシール力を有する。その後、図109は、一方の手で上側バックストラップ部3317aを握り且つ他方の手で下側バックストラップ部3317bを握るとともにこれらのバックストラップ部3317a,3317bを分割領域3326で引き離している患者1000を示す。これらのバックストラップ部3317a,3317bを引き離すことによって位置決め安定化構造体3300における引張りシール力が図108に示される位置から減少していることが理解されるべきである。これは、バックストラップ部3317a,3317bが鼻に対して一定の位置に静止している患者インタフェース3000へと近づくからである。バックストラップ部3317a,3317bを患者インタフェース3000へと近づけることによって、ストラップ3301の伸長長さが減少され、それにより、ストラップの引張りシール力が減少される。図110は図109に類似するが、この図では、患者1000が上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bを更に引き離してしまっている。バックストラップ部3317a,3317bの広がりに起因して位置決め安定化構造体3300における引張りシール力が更に減少してしまっていることが理解されるべきである。図111は、上側バックストラップ部3317aおよび下側バックストラップ部3317bを引き離している患者1000の更なる図を示す。引張りシール力は、図110に示される位置から再び減少される。また、この時点で、患者1000は、位置決め安定化構造体3300の所望のレベルの引張りシール力への調整をほぼ完了してしまっている。上側バックストラップ部3317aが頭頂付近に位置付けられてもよく、また、下側バックストラップ部3317bが後頭葉付近またはそれよりも下側に位置付けられてもよい。その後、図112は、所望のレベルの引張りシール力に完全に調整された位置決め安定化構造体3300を身に着ける患者1000を示す。この場合も先と同様に、上側バックストラップ部3317aが頭頂付近に位置付けられてもよく、また、下側バックストラップ部3317bが後頭葉付近またはそれよりも下側に位置付けられてもよい。更に、上側バックストラップ部3317aと下側バックストラップ部3317bとが引き離されるにつれて位置決め安定化構造体3300における引張りシール力が減少するため、それにしたがってθが増大することが理解されるべきである。これらの図に示されないが、図108では、θが約0°であってもよく、また、θは、調整シーケンスによって増大する。θが図112における約180°の最大値まで増大してしまった場合には、位置決め安定化構造体3300における引張りシール力が図108における引張りシール力の約40%であってもよい。本技術の他の例では、リジダイザアーム3302が分岐点3324まで延在しいずれもバックストラップ部3317a,3317b内へと僅かに延在する上側アームと下側アームとに分かれる場合には、例えば上側バックストラップ部3317aと下側バックストラップ部3317bとの分岐の最初のポイントで角度θを所定値に維持することができてもよい。このことは、バックストラップ部3317a,3317bを分けてヘッドギア張力を調整するように患者1000に促すことができる。また、それは、例えば外部シームテープまたはプラスチッククリップを使用して、サイドストラップ部3315,3316がバックストラップ部3317a,3317bと合流するY形状部分で分岐点3324を補強する。そのようなプラスチッククリップは、該クリップ上にブランド情報およびロゴ情報をパッド印刷することにより、ブランド設定の機会を与えることができる。
本技術の1つの形態において、位置決め安定化構造体3300は、フレーム3310との2つの接続ポイントを有し、そのため、2つのリジダイザアーム3302と、分割領域3326を伴う単一の中空ストラップ3301とが存在する。このタイプの患者インタフェース3000に伴う1つの問題は、何れのバックストラップ部3317a,3317bがより多く引っ張るかに応じて分割領域3326がずり上がるまたはずり下がることである。この問題に対処するため、患者の頭部の背面と接触する分割領域3326は、両方向(上下方向)の引っ張りにおいて均一な分配を有する。したがって、ずり上がりまたはずり下がりの問題が軽減される。
位置決め安定化構造体3300は、少なくとも1つのストラップ3301(例えば図166参照)と、少なくとも1つの硬質要素またはリジダイザアーム3302(例えば図19参照)とを備えてもよい。ストラップは、弾性材料から形成されてもよく、また、弾性特性を有してもよい。言い換えると、ストラップ3301は、例えば伸長力によって弾性的に伸長されてもよく、また、伸長力の解放時には、その当初の長さに戻るまたは収縮する。ストラップ3301は、エラスタン、TPE、シリコーンなどの任意のエラストマー材料から形成されてもよくまたは該エラストマー材料を備えてもよい。また、ストラップ材料は、前記材料のいずれかと他の材料との組み合わせに相当してもよい。ストラップ3301は、単層ストラップであってもよく、または、多層ストラップであってもよい。ストラップ3301の側、特に、使用中に患者と接触する側は、織られ、編まれ、編組され、成形され、押し出され、または、整形されてもよい。これは、ストラップ3301がそれぞれの特性を呈する材料の層から形成されまたはそのような層を備えることによって達成されてもよい。ストラップ3301は、織り材料などの布材料を備えてもよくまたはそのような布材料から形成される。そのような材料は、一方では望ましい有益な表面特性を与えるために、人工のまたは天然の繊維を備えてもよい。他方では、ストラップ材料は、所望のエラストマー特性を与えるためにエラストマー材料を含んでもよい。
図65〜図145において、ストラップ3301は、シール形成構造体3100に対して直接にまたはフレーム3310を介して取り付けられるための1つの個々のストラップであるとして示される。しかしながら、ストラップ3301が互いに接続されるまたは接続されてもよい複数の個々のストラップを備えてもよいことが分かる。しかしながら、調整は、ストラップが患者インタフェースまたはコネクタなどの他の硬質要素に対して固定される場所を変えることによって行われてもよい。これに加えてまたは代えて、調整は、(例えば図75、図76および図166に示されるように)ラダーロッククリップ上にわたるスライドなどの機構をバックストラップまたはサイドストラップに加えることによって、またはその他の方法で、ストラップ3301および位置決め安定化構造体3300の弾性長さをそれぞれ調整することによって可能にされ得る。
6.3.6.12 リジダイザアーム3302
図19および図166において分かるように、本技術の一例は、患者インタフェース3000を患者に対して保持するために補強ヘッドギアを備えてもよい。この例を描く図面に示されるように、位置決め安定化構造体3300は少なくとも1つのリジダイザアーム3302を含んでもよい。
本技術のこの例において、患者インタフェース3000のシール形成構造体3100は、リジダイザアーム3302の支持によって患者1000の鼻の下面の所望の位置に保持される。位置決め安定化構造体3300は、患者インタフェースがシール形成構造体3100を除いて患者1000と接触しないように患者インタフェース3000を位置決めしてもよい。
特定の従来技術例において、患者インタフェースは、患者の上唇に少なくとも部分的に当接するようになっていてもよく、そうすることで、米国特許第7,900,635号に記載されるように、患者の上唇の前面は、患者インタフェースを所望の位置に保持するためのサポート指標を与える。しかしながら、本例では、図18および図19において分かるように、患者インタフェース3000が患者1000の上唇に当接しないことが望ましい。特に、図19は、プレナムチャンバ3200の後壁3220が隙間または間隔Sだけ患者1000の鼻中隔および/または上唇から離間して示されることを示す。この配置は、長期の着用中にプレナムチャンバ3200の後壁3220との接触および摩擦による鼻中隔および/または上唇での患者1000への炎症または損傷を防止するという利点を有する。鼻中隔および/または上唇の特定の場所に圧力が集中するのを避けることにより、皮膚損傷および痛みの原因が生じることを防止できる。
患者の鼻中隔および/または上唇がプレナムチャンバ3200の後壁3220から離間したこの特定の例の配置は、図19および図166において分かるように、リジダイザアーム3302によって達成される。図19に示されるように、位置決め安定化構造体3300のリジダイザアーム3302は、鼻唇溝(図2c参照)のほぼ上側で患者1000の頬に当て付いて支持されてもよい。位置決め安定化構造体3300のリジダイザアーム3302には、患者の頬骨まで患者の対応する頬領域の曲率に近づけるために、湾曲プロファイル3323に所定の湾曲が形成されてもよい。リジダイザアーム3302は、フレーム3310との接続点からリジダイザアーム3302の遠位端部の自由端部3302.1まで、頬領域のかなりの部分を横切って延在してもよい。フレーム3310との接続点からリジダイザアーム3302の遠位端部の自由端部3302.1までの間の距離は約120mmである。リジダイザアーム3302は、患者の顔面から離れるように鼻翼と略平行に、所定の角度で、例えばほぼ直角に延在してもよい。言い換えると、リジダイザアーム3302の主要部分3333の内面、特に湾曲プロファイル3323の内面は、患者の頬領域のかなりの部分と接触して該部分を横切って延在する。この接触は、患者の顔面に対する患者インタフェース3000の半固定状態での位置決めおよびロックをもたらす。この接触は、患者の顔面に対するリジダイザアーム3302の任意の垂直移動を最小限に抑える。また、少なくとも鋭い屈曲部3307付近の湾曲プロファイル3323の領域は、患者の頬骨または頬との接触を維持するようになっている。患者1000が自分の顔面の一方側をベッド枕に当て付けた状態で横たわるときに、ベッド枕上のリジダイザアーム3302および/または延在部3350または可撓性ジョイント3305の一部に対して及ぼされる力は、最小限に抑えられ、または、他のリジダイザアームに伝わることが防止される。これは、そのリジダイザアーム3302の鋭い屈曲部3307および延在部3350が、患者の気道とのシールに影響を及ぼす前に、そのような力を大部分吸収するからである。言い換えると、湾曲プロファイル3323の領域が患者の頬と接触するとともに、延在部3350または可撓性ジョイント3305によるこの力の何らかの吸収が存在するため、位置決め安定化構造体3300に作用する横方向の力が少なくとも部分的に切り離される。
また、リジダイザアーム3302が患者インタフェース3000の支持分離を行ってもよく、それにより、鼻中隔および/または上唇に対する患者インタフェース3000の望ましくない接触を引き起こさない位置で患者インタフェース3000を保持する位置決め安定化構造体3300の張力により、患者インタフェース3000を患者の鼻の下面の望ましい位置に位置決めすることができる。更に、リジダイザアーム3302は、後壁3320が患者の鼻中隔および/または上唇から間隔Sだけ距離を隔てるように寸法付けられてもよい。また、位置決め安定化構造体3300の張力は、鼻に抗して患者の顔面へ向けて内側に抗することなく、リジダイザアーム3302の幅および広さを横切って患者の頬へと主に伝えられる。この典型的な配置は有益である。それは、保持力を放散するために比較的大きな顔面領域である頬の組織を使用することが、その軟骨性に起因してより敏感である患者の鼻および/または上唇を使用するのとは対照的に、より大きな快適さを患者に与えることができるからである。また、この典型的な配置は、患者の鼻の下面で患者の気道に対してシールを形成するのに十分な大きさの力によってシール形成構造体3100を保持できるようにする一方で、保持力が患者1000に不快感を引き起こすレベルまで増大できないようにする。
リジダイザアーム3302とプレナムチャンバ3200との間の接触を回避することが望ましい場合がある。したがって、プレナムチャンバ3200は、リジダイザアーム3302との接触を回避するべく十分に幅広くされてもよい。
6.3.6.13 リジダイザアームに対するヘッドギアストラップの伸長
図166に示される例では、2つのリジダイザアーム3302が位置決め安定化構造体3300のストラップ3301の左右のサイドストラップ部3314,3316内に挿入され、リジダイザアーム3302が周囲のストラップ3301によって所定位置に保持されると同時に、ストラップ3301のスリーブ状形態によってストラップの少なくとも一部がリジダイザに対して伸長するまたは移動することができる。リジダイザアーム3302は、それがストラップ3301内に収容されているため、この図では見ることができない。
先の節で説明されたリジダイザアーム3302に対するストラップ3301の取り付けは、位置決め安定化構造体3300が受け入れることができる頭部のサイズにも影響し得る。言い換えると、リジダイザアーム3302に沿ってより大きな長さのストラップ3301を設けることにより、位置決め安定化構造体3300の全体の伸長可能長さを増大させることができ、それにより、ストラップの伸縮性を高める必要なく、より一層大きな頭部を受け入れることができる。更に、ストラップ3301が接続される場所をリジダイザアーム3302の長さに沿って変えることができてもよい。これは、ストラップの伸縮性を高める必要なく、なお一層大きな範囲の頭部サイズを受け入れることができるようにする。
したがって、リジダイザアーム3302は、スリーブの長さに沿ってほぼ制限なく移動することが許容されてもよく、スリーブ3301に取り付けられてもよく、または、スリーブの端部のうちの一方と隣り合ってもよい。
6.3.6.14 位置決め安定化構造体の分割されたバックストラップ
1つの態様によれば、ストラップ3301および位置決め安定化構造体3300の構造は有益である。特に、図166が描くように、2つの弾性ストラップまたはストラップ部3317a,3317bをバックに設けると、これらのストラップを適切に位置決めすることにより、例えば広げることによって、頭部を包囲することができるとともに、張力ベクトルを調整することができる。また、2つのバックストラップ部3317a,3317bを設けると、頭部の背面の特に敏感な領域を避けて、より良好な支持および安定性も得られ、また、可撓性を高めることができる。
頭部の背面にある2つの小さいストラップまたはストラップ部は、長さが等しくてもよく、また、材料の弾力性による場合を除いて、または、位置決め安定化構造体のアームでの全長を短くすることによって両方のストラップ部の締め付けを等しく高めることによる場合を除いて、調整不可能である。例えば、ストラップを異なる程度まで重ね合わせ、それにより、位置決め安定化構造体の全長を変えることができるようにするスライド機構(図示せず)が設けられてもよい。
前述したように、ストラップ3301を1つの連続した物品にせず、2つ以上のジョイントを設けて、3つ、4つ、または、それ以上の別個のストラップから位置決め安定化構造体3300を形成することができる。これは、組み付けを複雑にし得るが、製造プロセスを簡略化できる。ジョイントは、サイドストラップ部3315,3316と2つのバックストラップ部3317a,3317bとの間の分岐またはY接合部に配置されてもよく、または、バックで中心付けられてもよい。ジョイントは、縫い付けられ、溶着され、接着され、または、オーバーモールドされてもよく、また、頭部上での移動を減らすのに役立つように高摩擦材料を組み込むことができる。
本技術の1つの例では、ストラップ3301の1つ以上の糸が接着剤または糊から成っていてもよい。ストラップ3301がこの糸から製造された後、ストラップ3301に熱が加えられて、接着糸または糊糸が溶かされ、それにより、接着糸または糊糸の領域またはその付近の領域でストラップ3301を補強する。
高摩擦材料は、ストラップが滑ることを減らすべく、バックおよびサイドストラップ部3315,3316,3317a,3317bの内面に加えられてもよい。アームまたはサイドストラップ部3315,3316に関して、このことは、位置決め安定化構造体3300が頬上にとどまることを助け、また、バックストラップ部3317では、それにより、位置決め安定化構造体3300が頭部の背面を横切ってスライドすることを阻止できる。そのような材料は、表面上に印刷され、流し込まれ、または、成形されてもよく、または、前述したようにジョイント、裁縫または溶着のプロセスに組み込まれてもよい。
患者の頭部の背面にある分割領域3326は、安定性のために、2つ、3つ、または、それ以上のストラップ3317a,3317bを含んでもよい。前述したような位置決め安定化構造体3300がフルフェースマスク(鼻および口のための1つ以上のシール)または鼻マスクと共に使用されてもよい。
バックストラップ部3317a,3317bが完全に離れるように分けられることまたは所定距離を超えて分けられることを防止するためにバックストラップ部3317a,3317b間で許容される最大距離を制限できるまたは制約できることが想定し得る。分割領域3326を横切る結合ストラップまたは分割領域3326を横切る網をバックストラップ部3317a,3317bに接続して、所定距離を超えて離れるように分かれることができるバックストラップ部の能力を制限してもよい。
6.3.6.15 マスクフレームとリジダイザアームとの間の接続
図35〜図64を参照して以下で更に詳しく説明されるべき本技術の例によれば、患者インタフェース3000は、マスクフレーム3310とリジダイザアーム3302とを含んでもよい。以下の説明から明らかなように、リジダイザアーム3302は、位置決め安定化構造体3300のストラップ3301を患者の眼および視線から離れるように方向付ける一方で、患者の気道に対するシール形成構造体3100の効果的なシールを確保するために、位置決め安定化構造体3300の1または複数のストラップ3301により生み出される張力のベクトルを所望の方向に向けるように機能してもよい。したがって、シール力の有効な方向を促すようにリジダイザアーム3302およびマスクフレーム3310が形成されて接続されなければならないことも理解されるべきである。患者の顔面および頭部の様々な形状およびサイズを受け入れるためにリジダイザアーム3302がマスクフレーム3310に対して屈曲できるようにすることが有益な場合がある。患者の快適さを高めるために、リジダイザアーム3302とマスクフレーム3310との間の屈曲の方向および度合いが具体的に制御されてもよい。可撓性ジョイント3305がこれを達成してもよく、または、リジダイザアーム3302がマスクフレーム3310に直接に接続されてもよい。
6.3.6.15.1 リジダイザアームとマスクフレームとを接続するための可撓性ジョイント
図35〜図38を参照すると、患者インタフェース3000は、一般に、マスクフレーム3310と、リジダイザアーム3302と、可撓性ジョイント3305とを備えて設けられる。保持構造体3242をマスクフレーム3310と除去可能に取り外しできてもよい。保持構造体3242は、シール形成構造体3100をマスクフレーム3310上に保持してもよい。リジダイザアーム3302は、熱硬化性物質または熱可塑性物質から形成されてもよい。例えば、DuPont(商標)によって製造されるHytrel(登録商標)5556は、優れた耐クリープ性を有するとともにリジダイザアーム3302のための材料として使用されてもよい熱可塑性高分子エラストマーである。リジダイザアーム3302は、呼吸器官治療を施すべく患者の顔面上の所定位置にマスクフレーム3310を位置決めして保持するための位置決め安定化構造体3300の一部であってもよい。1つの例において、位置決め安定化構造体3300は、その遠位端部に2つのリジダイザアーム3302を有する。各リジダイザアーム3302は、マスクフレーム3310の両側に取り外し不能に接続されてもよい。
弾性織物ストラップ3301は、例えば参照によりその全体が本願に組み入れられる2021年7月27日に出願された米国仮出願第61/676,456号に開示されるような位置決め安定化構造体3300を形成するために、各リジダイザアーム3302上にわたって滑らされてもよい。弾性織物ストラップ3301は、患者1000の頭部の周囲で延在してもよく、また、自動調整を行うために分岐されてもよい。また、リジダイザアーム3302は、弾性織物ストラップ3301のポケット状端部を保持する突出端部3306を含んでもよい。一例において、リジダイザアーム3302は、ポケット状端部付近のボタン穴に挿通されて、中空の弾性織物ストラップ3301内へと挿入される。患者インタフェース3000が着用される際に弾性織物ストラップ3301が伸長されると、弾性織物ストラップ3301の伸長のヘッドギア張力ベクトルの方向は、リジダイザアーム3302の形状および外形によって案内される。突出端部3306は、マスクフレーム付近のリジダイザアーム3302の基部の固定アンカーであり、弾性織物ストラップ3301の伸長のための始点を与える。突出端部3306は、マスクフレーム3310およびリジダイザアーム3302とは別個の弾性織物ストラップ3301の洗浄を容易にするために、リジダイザアーム3302に対する弾性織物ストラップ3301の接続および取り外しを可能にする。また、リジダイザアーム3302は、弾性織物ストラップ3301を眼から離したまま耳よりも上側に保つことにより、顔面を枠で囲み、それにより、患者は患者インタフェース3000を邪魔にならないと感じるようになる。リジダイザアーム3302は、一般に、所定の厚さの平坦なアームであってもよい。リジダイザアーム3302の厚さは、その長さに沿って変化してもよく、遠位端部の自由端部3302.1で約1mmであってもよく、また、可撓性ジョイント3305との接続ポイント付近のリジダイザアーム3302の遠位端部まで湾曲プロファイル3323に沿って厚さが1.5mmまで徐々に増大する。遠位端部の自由端部3302.1はリジダイザアーム3302の他の領域に対して少ない材料を有するため、リジダイザアーム3302の他の領域が屈曲し始める前に最初に遠位端部の自由端部3302.1またはその付近でリジダイザアーム3302の任意の屈曲が起こる傾向がある。屈曲の順序は快適さを高めるように意図される。これは、遠位端部の自由端部3302.1が顔面の特に敏感な領域となり得る患者の耳、頬骨、および、こめかみに近く、また、曲げおよび変形に対する順応および低い抵抗が必要とされ得るからである。鋭い屈曲部3307は、可撓性ジョイント3305との接続ポイント付近のリジダイザアーム3302の遠位端部に設けられてもよい。鋭い屈曲部3307は、ほぼ90°以下の角度であってもよい。また、鋭い屈曲部3307は、リジダイザアーム3302をマスクフレーム3310に対して所定位置に固定するために剛性の増大をもたらしてもよい。鋭い屈曲部3307は、長手方向の伸長を妨げまたは最小限に抑えてもよい。また、鋭い屈曲部3307は、リジダイザアーム3302の圧縮を受け入れてもよい。前頭面内で力がリジダイザアーム3302の側面に加えられる場合には、鋭い屈曲部3307またはその付近で屈曲の大部分が起こり得る。
可撓性ジョイント3305は、リジダイザアーム3302とマスクフレーム3310との間に設けられてもよい。可撓性ジョイント3305は、高い弾性特性を与える熱可塑性エラストマー(TPE)から形成されてもよい。例えば、Dynaflex(商標)TPE化合物またはMedalist(登録商標)MD-115が使用されてもよい。マスクフレーム3310はポリプロピレン(PP)材料から形成されてもよい。PPは、良好な耐疲労性を有する熱可塑性高分子である。可撓性ジョイント3305の利点は、それによりリジダイザアーム3302とマスクフレーム3310とを互いに取り外し不能に接続できるという点であってもよい。Hytrel(登録商標)およびPPは、共有結合または水素結合を形成することによって互いに一体に結合され得ない。一体結合は、化学結合を含むが、付加的な接着物質の使用を伴わない。一例において、リジダイザアーム3302には、該リジダイザアーム3302の遠位端部から外側に延在する突出部3309が設けられる。図38を参照すると、突出部3309の内面3318はリジダイザアーム3302の表面であり、該表面から突出部3309が延在する。突出部3309の外側露出面3319は内面3318と反対側である(図38参照)。突出部3309は、突出部3309の中心領域に空隙3320を有してもよい。空隙3320は、上面3321から突出部3309を貫通して突出部3309の下面3322へと略垂直に延在してもよく、また、その外周にわたって突出部3309により取り囲まれてもよい。外面3319は、突出部3309を越えて延在する平坦面であってもよい。上から見ると、突出部3309は、中心領域に空隙3320が見える略T形状の断面を有してもよい。突出部3309は、突出端部に代えてまたは加えて弾性織物ストラップを保持する役目を果たしてもよい。
可撓性ジョイント3305の他の利点は、それがリジダイザアーム3302よりも相対的に可撓性が高いという点であってもよい。この可撓性は、TPE材料と可撓性ジョイント3305の構造的特徴との組み合わせによって与えられてもよい。構造的には、可撓性ジョイント3305は、所定の度合いの屈曲を可能にするための所定の厚さを有してもよく、また、可撓性ジョイント3305の曲率の大きさは、屈曲度合いに寄与するように選択されてもよい。可撓性ジョイント3305は、マスクフレーム3310に対してその長手方向軸線を中心に径方向に屈曲することができてもよいが、他の方向の屈曲に対して抵抗力があってもよい。この可撓性は、患者インタフェース3000に自動調整機能を与えてもよく、また、顔の輪郭、鼻傾斜、または、睡眠姿勢に対するずれを補償してもよい。この屈曲は、大部分の患者の人体測定範囲を受け入れてもよい。この位置では、リジダイザアーム3302それ自体内の可撓性と比べて大きい可撓性が必要とされる場合がある。また、屈曲は特定の方向に制限されるため、マスクフレーム3310の安定性を高めることができるとともに、位置決め安定化構造体3300の弾性織物が調整を必要とする場合にはマスクフレーム3310の位置を鼻および口に対してほぼ維持することができる。
可撓性ジョイント3305がマスクフレーム3310にオーバーモールドされてもよい。PPとTPEとを互いに一体に結合することができる。言い換えると、可撓性ジョイント3305とマスクフレーム3310との間の融着結合または化学結合(分子付着)が想定し得る。これは、可撓性ジョイント3305とマスクフレーム3310との間の取り外し不能な接続を形成してもよい。可撓性ジョイント3305は、リジダイザアーム3302の突出部3309にオーバーモールドされてもよい。TPEとHytrel(登録商標)とを互いに一体に結合することができる。しかしながら、本技術の一例に係るオーバーモールド中には、可撓性ジョイント3305のためのTPE材料が突出部3309の空隙3320内へ流れ込むとともに突出部3309の周囲で流れる。TPE材料は、突出部3309の前後面および上下面を取り囲む。その結果、機械的連結を与えて、可撓性ジョイント3305とリジダイザアーム3302との間に取り外し不能な接続を形成することができる。
突出部3309の外面3319は、可撓性ジョイント3305の外面と同一平面であってもよい。これは視覚的に審美的に感じが良い。
図42〜図46を参照すると、他の例では、リジダイザアーム3302の遠位端部に延在部3350があってもよい。延在部3350は、リジダイザアーム3302の外面からステム3361を介して突出してもよい。延在部3350は、上から見たときにL形状を成してもよい。延在部3350は、延在部3350の第1の部分3363を第2の部分3364から分離する約90°の鋭い屈曲部3307を有してもよい。第1の部分3363は、遠位端部でリジダイザアーム3302の外面と平行な平面内で方向付けられてもよい。第1の部分3363の端部3363Aが湾曲状の角部であってもよい。第2の部分3364は、第1の部分3363よりも小さい高さおよび厚さを有してもよい。したがって、第2の部分3364の上縁および下縁は、第1の部分3363の上縁および下縁から後退されてもよい。また、リジダイザアーム3302は、弾性織物ストラップ3301のポケット状端部3311を保持する突出端部3306を含んでもよい。ステム3361は、突出端部3306に代えてまたは加えて弾性織物ストラップを保持する役目を果たしてもよい。
第2の部分3364が第1の突出部3365と第2の突出部3366とを有してもよい。突出部3365,3366は、リジダイザアーム3302から外側方向で横に延在してもよい。第1の突出部3365に隣接して第1のスロット3367があるとともに、第2の突出部3366に隣接して第2のスロット3368がある。スロット3367,3368はそれぞれ、第2の部分3364の厚さを貫通する空隙を形成してもよく、また、突出部3365,3366とほぼ同じ高さを有してもよい。
TPから形成される可撓性ジョイント3305は、リジダイザアーム3302の延在部3350の第2の部分3364にオーバーモールドされてもよい。オーバーモールド中、TPE材料がスロット3367,3368を通じて流れて突出部3365,3366を取り囲んでもよい。第2の部分3364の大部分が可撓性ジョイント3305のTPE材料によって取り囲まれてもよい。これは、可撓性ジョイント3305をリジダイザアーム3302に取り外し不能に接続できるようにする機械的連結を与えてもよい。第2の部分3364は第1の部分3363よりも小さい高さおよび厚さを有するため、第2の部分3364にオーバーモールドされるTPE材料は第1の部分3363を越えて過度に突出しなくてもよい。また、可撓性ジョイント3305は、可撓性ジョイント3305およびリジダイザアーム3302をマスクフレーム3310に接続するためにマスクフレーム3310にオーバーモールドされてもよい。
先に説明された例と同様に、より大きな相対的可撓性は、リジダイザアーム3302に対する可撓性ジョイント3305によって与えられてもよい。この位置での屈曲および屈曲方向の制御は、大部分の患者の人体測定範囲を受け入れるとともに、使用時に患者インタフェース3000の安定性を維持することができる。
6.3.6.15.2 リジダイザアームとマスクフレームとの間の直接的な接続
図39〜図41を参照すると、他の例では、TPEから形成される可撓性ジョイント3305が必要とされなくてもよい。延在部3350が使用されてもよい。リジダイザアーム3302は、湾曲プロファイル3323と鋭い屈曲部3307とを備える本体または主要部分3333を有してもよい。リジダイザアーム3302は、弾性織物ストラップのポイント状端部を保持する突出端部3306を含んでもよい。湾曲プロファイル3323は、その長手方向軸線の大部分に沿って、患者の顔面の輪郭に厳密に従うべく鈍角に対応するように形成されてもよい。リジダイザアーム3302の遠位端部には、鋭い屈曲部3307の後に延在部3350が設けられてもよい。延在部3350は、前頭面内でリジダイザアーム3302から外側に突出してもよい。延在部3350がリジダイザアーム3302から突出するポイントで凹部3329(図40、図50、図57、図58参照)がリジダイザアーム3302の表面に形成されてもよい。延在部3350の高さは、リジダイザアーム3302の主要部分3333の高さより低くてもよい。これにより、リジダイザアーム3302に対する延在部3350のための材料の相対的な減少に起因して、リジダイザアーム3302の主要部分3333と比べて大きな可撓性を延在部3350において可能にし得る。延在部3350を含むリジダイザアーム3302はHytrel(登録商標)から形成されてもよい。Hytrel(登録商標)は、23℃で180MPaの曲げ弾性率と180MPa(26)の引張係数とを有するリジダイザアーム3302をもたらす。延在部3350の封入可能部分3354は、マスクフレーム3310の縁部でマスクフレーム3310のPP材料によってオーバーモールドされてもよい。これはオーバーモールド中に金型内で行われ、マスクフレーム3310のPP材料は、封入可能部分3354の内面、外面、上面、および、下面を取り囲んで、機械的連結によりリジダイザアーム3302をマスクフレーム3310と取り外し不能に接続する。マスクフレーム3310のPP材料による延在部3350の封入可能部分3354の封入は、リジダイザアーム3302とマスクフレーム3310との間の一体結合を伴うことなく機械的な保持を与える。
リジダイザアーム3302とマスクフレーム3310との間の接続は、屈曲部3352またはその付近でのヒンジ接続である。言い換えると、リジダイザアーム3302は、マスクフレーム3310に対して回動できる。回動点の位置は、様々な鼻垂下に対応するとともに空気回路4170により引き起こされるモーメントアームおよびチューブ抵抗を最小限に抑えるために鼻枕および患者1000の鼻孔と一直線になる可能な限り前方である。前頭面内でのマスクフレーム3310に対するリジダイザアーム3302の屈曲および回転動作は、過度の力を伴わずに、好ましくは2つのリジダイザアーム3302間での患者の頬の締め付けを最小限に抑えるまたは排除するために必要とされる1または2ニュートン未満の力で様々な頭部幅を受け入れるためである。2つの屈曲部3352間の距離は約62mmである。2つの屈曲部3352間のこの間隔は、患者の鼻の鼻頂部および側面の付近でリジダイザアーム3302の突出端部3306および延在部3350または可撓性ジョイント3305が患者の鼻と接触することを回避する。患者の顔面のこれらの領域は特に敏感であるため、これらの領域における接触の回避は、快適さを向上させることができる。
患者インタフェース3000が着用される際に、リジダイザアーム3302は、様々な頭部幅を受け入れるために外側へ広げられてもよい。マスクフレーム3310に対するリジダイザアーム3302の回動は、リジダイザアーム3302のその長手方向軸線に沿う屈曲と同様に起こる。
6.3.6.15.3 本技術の更なる特徴および例
他の例において、リジダイザアーム3302は、マスクフレーム3310よりも相対的に弾性的に可撓性があってもよい。リジダイザアーム3302は、水平方向にのみ、すなわち、フランクフォート水平面および横断面と平行な平面内で、可撓性があるように形成されてもよい。また、リジダイザアーム3302は、垂直方向で、すなわち、フランクフォート水平面に対して垂直な平面内で可撓性がなくてもよい。言い換えると、リジダイザアーム3302は、フランクフォート水平面および横断面と平行な平面内でより可撓性があり、任意の他の平面内で可撓性が殆どない(好ましくは、可撓性がない)。更に、リジダイザアーム3302の材料は、伸長可能または拡張可能でなくてもよい。リジダイザアーム3302がその端部で伸長される場合、リジダイザアーム3302の湾曲プロファイルは平坦になる。これらの特徴は、それ単独でまたは形状および寸法と組み合わせて、リジダイザアーム3302が患者の耳を横切ってずり上がるまたは上方に屈曲するまたは患者の耳に抗してずり下がるまたは下方に屈曲することなく、リジダイザアーム3302が屈曲できるおよび/または患者1000の外面を枠で囲むことができるようにする。また、これにより、弾性織物ストラップ3301は、耳の付け根の上端付近で患者の耳よりも上側を行き来できる。
図35〜図38に示される例において、会社ロゴなどの証印は、機械的連結の位置を隠すべく突出部3309の外面3319上に設けられてもよい。図39〜図41に示される例において、証印は、延在部3350の外面3355上に設けられてもよい。証印は、患者インタフェース3000を着用するとき、患者インタフェースが上下逆さまに着用されるのを防止するために、患者インタフェース3000の正しい方向を患者が決定するのを視覚的に支援してもよい。証印も隆起面/エンボス面である場合、これは、特に患者が暗い部屋で患者インタフェース3000を着用している場合に患者1000のための触覚フィードバックを与えることができる。
更なる例では、表面処理後、リジダイザアーム3302をマスクフレーム3310に対して取り外し不能に接続するために、または、リジダイザアームを可撓性ジョイント3305に取り外し不能に接続するために、接着促進剤が使用されてもよい。この例では、機械的連結が不要である。
他の例において、リジダイザアーム3302は、PP材料から形成されるマスクフレーム3310と一体結合され得る材料から形成される。リジダイザアーム3302は、繊維強化複合PP材料、例えばPropex Incによって製造されるCurv(登録商標)から形成されてもよい。Curv(登録商標)は、Hytrel(登録商標)と同様のレベルの弾力的な可撓性を有する。Curv(登録商標)は、シート形態を成して設けられるとともに、リジダイザアーム3302の所望の形状へのレーザカットを必要とする。リジダイザアーム3302にとって望ましい厚さを得るために、リジダイザアーム3302の厚さを特定の領域で調整するべくシートの圧縮または層化が行われてもよい。Curv(登録商標)はマスクフレーム3310と同じ材料から形成されるため、リジダイザアーム3302がマスクフレーム3310にオーバーモールドされるときに一体結合が可能である。
患者インタフェース3000は、例えば参照によりその全体が本願に組み入れられる2013年5月14日に出願された米国仮出願第61/823,192号に開示される鼻枕または鼻クレードルを含んでもよい。鼻枕は、マスクフレーム3310と解放可能に係合できてもよい。リジダイザアーム3302がマスクフレーム3310に対して取り外し不能に接続された後、位置決め安定化構造体3300の弾性織物ストラップがリジダイザアーム3302上にわたって滑らされてリジダイザアーム3302に固定されてもよい。
T形状突出部3309について説明してきたが、リジダイザアーム3302を(1つの例では可撓性ジョイントを介して)マスクフレーム3310に対して機械的に取り外し不能に接続するために、マッシュルーム形状突出部を含む他の形状および形態が可能であることが想起される。空隙3320について説明してきたが、可撓性ジョイント3305またはマスクフレーム3310をリジダイザアーム3302に保持するために、突出部3309が空隙を有さなくてもよく、むしろ、凹部またはスロットを有してもよいことが想起される。
説明された接続配置を逆にして、リジダイザアーム3302ではなくマスクフレーム3310または可撓性ジョイント3305から延在する突出部を設けることが想起される。そのような例では、リジダイザアーム3302が可撓性ジョイント3305またはマスクフレーム3310にオーバーモールドされる。
可撓性ジョイント3305をマスクフレーム3310に対して一体結合を伴わずに取り外し不能に接続できることが想起される。例えば、可撓性ジョイント3305をマスクフレーム3310に取り外し不能に接続するために機械的連結が設けられてもよい。
リジダイザアーム3302、可撓性ジョイント3305、および、マスクフレーム3310を互いに取り外し不能に接続されるとして説明してきたが、例えば機械的なクリップ(スナップ嵌合)アセンブリを使用して一部または全部が互いから解放可能に取り外しできてもよいことが想起される。
6.3.6.16 リジダイザアームの形状
図61〜図64は、二次元および三次元でプロットされた本技術の一例に係るリジダイザアーム3302を示す。
図61〜図63は、グリッド上にプロットされた本技術の一例に係るリジダイザアーム3302の3つの二次元図を示す。図61はX−Y平面を示し、図62はX−Z平面を示し、図63はY−Z平面を示す。これらの図には、方向目的のために原点も示される。これらのそれぞれには番号が付された座標も示され、これらの座標は、これらの平面内でリジダイザアーム3302の湾曲を画定してもよい。以下の表は、これらの図に示されるリジダイザアーム3302の外形の座標を一覧表示している。各座標には4つの図のそれぞれにわたって一貫して番号が付けられることが理解されるべきである。
Figure 0006932803
図64は、図61〜図63に描かれたリジダイザアーム3302の更なる図を三次元で示す。方向に役立つように、X、YおよびZ軸が示されるとともに、原点も示される。
リジダイザアーム3302の湾曲の形状は、患者の頬に厳密に従うようになっている。弾性織物ストラップ1200がリジダイザアーム3302を覆っている状態で、使用中に患者の頬と接触するリジダイザアーム3302の相対位置は、リジダイザアームが患者の顔面上を滑らないようになっている。例えば、リジダイザアーム3302が患者の頬骨よりも僅かに下側に位置してもよく、それにより、リジダイザアーム3302が上方にスライドすることが防止される。また、滑りを防止して、最終的にシール力に支障を来すことを最小限に抑えるために、リジダイザアーム3302の内面の大部分または全てと患者の顔面との間の接触が摩擦を増大させてもよい。リジダイザアーム3302の湾曲プロファイル3323の形状は、人体測定範囲の大部分にわたって眼と耳との間で位置決め安定化構造体3300を方向付ける。この方向は、患者1000および患者のベッドパートナー1100の観点からすればそれが審美的で且つ目立たないため、有益である。上側から見ると、リジダイザアーム3302の湾曲プロファイル3323は、側方から見た際にリジダイザアーム3302よりも大きい半径を有する。
6.3.6.17 リジダイザアームの可撓性
図52および図55を参照して前述したように、リジダイザアーム3302は、リジダイザアーム3302に沿う特定の位置で特定の方向により大きな可撓性がある。リジダイザアーム3302の曲げ剛性が比較される。比較の目的で、リジダイザアーム3302の可撓性が、前頭面内の外側横方向および矢状面内の垂直下方向で、レスメドリミテッドによる幾つかの従前のマスクの硬化されたヘッドギアと対照して測定される。
Figure 0006932803
この比較は、マスクフレームに接続されるときに硬化ヘッドギア構成要素の上遠位端部を5mmの距離だけ移動させるために必要な力(ニュートン)の差を示す。硬化ヘッドギア構成要素の上遠位端部を測定位置として選択するのは、この位置が敏感な顔面領域と接触するからであり、また、特定のタイプの可撓性がシール安定性を損なうことなく快適さを与えるからである。前頭面内の外側横方向で可撓性の方向(横外側)を測定することは、図52に破線で示されるように顔幅が大きい患者を受け入れることができるリジダイザアーム3302の能力を測定しようとしている。リジダイザアーム3302の弾力的可撓性は、患者インタフェース3000がより幅広い範囲の顔面形状により正確に適合できるようにする。例えば、より幅広い平坦な顔(いわゆるパンダ形状)をもつ患者と同じ患者インタフェース3000は、細いやせこけた顔(いわゆるワニ形状)をもつ患者で使用され得る。矢状面内の垂直下方向で可撓性の方向(垂直下)を測定することは、図55に破線で示されるように治療中に空気回路4170により及ぼされるチューブトルクを扱うことができるリジダイザアーム3302の能力を測定しようとしている。いずれの測定値も50Nロードセルを有するInstron機を使用して取得される。
垂直下方向を測定するために、各マスクは、プレートに固定されて、プレートと同じ高さに位置するとともに、通常は患者の顔面上にある角度で硬化ヘッドギア構成要素を有する。このプレートは、Instron機のために使用される大きな円形のベースプレートに締結される。硬化ヘッドギア構成要素は、ねじれおよび滑りを防止するために冶具内に保持され、また、この冶具は、それが硬化ヘッドギア構成要素の上遠位端部と接触するように手動で下降される。Instron機は、この高さ位置でゼロに合わせられる。次に、5mmの圧縮伸長が50mm/分の速度で加えられて、測定値が記録される。
外側横方向を測定するために、スペーサおよび90°エルボーが第1のプレートに固定される。各マスクは、第2のプレートに固定されて、該プレートと同じ高さに位置するとともに、通常は患者の顔面上にある角度で硬化ヘッドギア構成要素を有する。第1のプレートが第2のプレートに対して垂直に保持されるように第2のプレートを第1のプレート上の90°エルボーと固定するべくスプリングクランプが使用される。大きな突起がそれを硬化ヘッドギア構成要素の上遠位端部に位置決めするために使用される。Instron機は、この高さ位置でゼロに合わせられる。次に、5mmの圧縮伸長が50mm/分の速度で加えられて、測定値が記録される。
測定値は、フレーム3310に接続されるリジダイザアーム3302がかなりの倍数分だけ両方向により大きな可撓性を有することを示す。大きな顔幅を受け入れるために、リジダイザアーム3302は、この方向で2番目に可撓性が大きいマスク(ResMed Mirage Swift LT)よりも1.8倍大きい可撓性を有する。チューブトルクを受け入れるために、フレーム3310に接続されるリジダイザアーム3302、リジダイザアーム3302は、この方向で2番目に可撓性が大きいマスク(ResMed Pixi)よりも8.39倍大きい可撓性を有する。より大きな可撓性を有することにより、リジダイザアーム3302は、これらの方向で移動されるとき、より大きな快適さを患者1000に与えるとともに、チューブトルクにより引き起こされるシール破壊の可能性が殆どなく、したがって、使用頻度および治療継続時間に関して患者の治療順守を向上させる。
リジダイザアーム3302の異なる方向での相対的な可撓性も重要な考慮事項である。垂直下方向の可撓性が非常に高い(すなわち、横外側方向に等しい)場合には、シールが不安定になる場合がある。1つの例において、リジダイザアーム3302は、垂直下方向よりも横外側方向で可撓性がより高い。リジダイザアーム3302は、垂直下方向よりも横外側方向で可撓性が9〜10倍高い。好ましくは、リジダイザアーム3302は、垂直下方向よりも横外側方向で可撓性が約9.23倍高い。チューブトルクも他のマスク構成要素と併せて扱われてもよく、例えば、短チューブ4180を有する(例えば、それを軽量にする、体の線に更にぴったり合うようにする、または、更に可撓性を高くする)、または、スイベルコネクタ、ボールソケットジョイント、または、ガセット、または、プリーツ付き部分の使用などがある。しかしながら、多様な顔幅が主にリジダイザアーム3302の可撓性によって扱われ、そのため、リジダイザアーム3302は、垂直下方向と比べて横外側方向でより大きな可撓性を有する必要がある。
従前のマスクの幾つかの硬化ヘッドギア構成要素は、フレームよりも硬質である。一般に、これらの剛性が高いヘッドギア構成要素は、ヘッドギアを手動調整してそれを患者の頭部に嵌め付けるためにネジ付きのアームとボルトとを使用する。可撓性フレームは、マスクの快適さを向上させて、良好なシールをもたらし、不慮の漏れを最小限に抑えるとともに、ヘッドギアストラップが治療のための低圧レベルにとって締め付けすぎる危険を最小にするが、可撓性フレームがシール形成構造体と解放可能に取り外しできる必要があった場合には何らかの困難が生じる。シール形成構造体は、それらが患者の気道に対してシールを形成するように弾性的に可撓性がある。シール形成構造体およびフレームの両方が同様の可撓性を有する(すなわち、非常に可撓性があるまたは軟質である)場合、患者1000、特に暗い部屋にいて手に関節炎を伴う患者がこれらの2つの部品を互いに係合させることは困難である。
従前のマスクの幾つかの硬化ヘッドギア構成要素は、フレームから取り外しできる。一般に、これは、いすれも硬質で剛性が高い構成要素であるリジダイザアームとマスクフレームとの間のスナップ嵌合またはクリップ接続によってなされる。リジダイザアームとフレームとの間のこのタイプの硬質−硬質間接続は、接続ポイントで低い可撓性をもたらし得る。このことは、このポイントで屈曲するためにより大きな力が必要とされ、それにより、顔幅が大きい患者に不快感を引き起こすことを意味する。これは、リジダイザアームが外側に強制的に曲げられるときに締め付け力を受ける場合があるからである。これらのリジダイザヘッドギア構成要素の一部は、フレームとの解放可能な接続のためにリジダイザアームの遠位端部に硬質クリップを有する。硬質クリップはヘッドギアストラップに取り外し不能に接続されており、そのため、ヘッドギアが洗浄機内で洗浄される際に洗浄機チューブまたは他の洗濯物を損傷させる場合がある。また、これらの硬化ヘッドギア構成要素の一部は、幅広フレームを有する患者インタフェースを必要とする傾向があり、このことは、ヘッドギアストラップが他からより大きく距離を隔てたフレーム位置から始まることを意味する。幅広フレームは横方向アームを有してもよく、これらの横方向アームは、それらが同じ材料から形成されるため、フレームの一部と見なされる。幅広フレームは、より目立つとともに審美的に望ましくないと患者1000および患者のベッドパートナーによって見なされる場合がある。これは、それらの幅広フレームが顔上のより大きな設置面積を覆うからである。一方、本技術の1つの例において、リジダイザアーム3302は、フレーム3310よりも可撓性があるがストラップ1200よりも可撓性が低い材料から形成される。言い換えると、ストラップ1200は、それが弾性織物から形成されるため、位置決め安定化構造体3300の最も可撓性がある構成要素である。位置決め安定化構造体3300の2番目に可撓性が大きい構成要素は、1つの例ではHytrel(登録商標)から形成されるリジダイザアーム3302である。最も硬質なまたは最も剛性が高い構成要素は、容易にまたは全く屈曲する、伸長する、または、曲がるようになっていないフレーム3310である。これは、シール形成構造体3100が弾性変形によって患
者の気道とのシールを形成するようになっているからである。個々の構成要素の可撓性の違いは、特定の場所で屈曲の大きさを制御できるとともに、特定の力が加えられるとき、例えばチューブトルクが作用するときまたは大きな顔幅を受け入れるときに特定の構成要素が屈曲し始める順序を決定できる。個々の構成要素の可撓性の違いは、力が特定の態様または順序でシール形成構造体3100のシールに支障を来し始め得る前に、これらの力を切り離してもよい。これらの因子は、快適さ、安定性、および、良好なシールの形成という患者インタフェースのための要件を同時に扱うことを狙っている。リジダイザアーム3302の他の利点は、異なるサイズのシール形成構造体3100または異なるサイズのヘッドギアストラップ3301を有する患者インタフェース3000のために同じサイズのリジダイザアーム3302を使用できるという点である。リジダイザアーム3302が内側に屈曲されると、リジダイザアームは、鼻枕3130と接触してシールを取り除く前に患者の鼻の側面と接触する虞がある。このとき、リジダイザアーム3302の内側移動範囲は患者の鼻によって制限され、したがって、そのような方向での移動によるシール力の乱れが最小限に抑えられるまたは排除される。
6.3.7 通気孔3400
1つの形態において、患者インタフェース3000は、呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の流出を可能にするように構成されて配置される通気孔3400を含んでもよい。
本技術に係る通気孔3400の1つの形態は、複数の非常に小さい穴、すなわち、多穴通気孔を備える。2つ以上の多穴通気孔がフレーム3310に設けられてもよい。これらの通気孔は、空気回路4170のための接続ポート3600の両側に位置付けられてもよい。これらの穴は、布材料の繊維間の隙間であってもよい。あるいは、これらの穴は、紫外線スペクトル域内で動作するレーザドリルを使用して半透性材料の基体に形成されるマイクロ穴(1ミクロン以下)であってもよい。レーザで開けられたマイクロ穴は、直線壁状またはテーパ/トランペット形状であってもよい。マイクロ穴を形成する他の方法は、基体の領域をマスキングした後に化学エッチャントを使用することによる。約20〜約80個の穴、または、約32〜約42個の穴、または、約36〜約38個の穴が存在してもよい。1つの例では、この形態の通気孔3400がインサート成形される場合、通気孔3400の厚さを貫く穴の方向は、垂直ではなく斜めとなるように変えられてもよい。これは、患者1000がベッドパートナー1100と対向している場合にベッドパートナー1100の顔へと直接に吹き込む呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)を回避できる。1つの例において、穴の最終的な数は、当初の多くの数の穴から幾つかの穴を塞ぐことによって決定されてもよい。例えば、40個の穴が存在して、2個の穴が(充填によって)塞がれ、それにより、穴の最終的な数が38個となるようにしてもよい。塞がれるべき穴の量および位置の両方に関して穴を選択的に塞ぐことができる能力は、気流速度および空気拡散パターンの制御を向上させる。
図146〜図152を参照すると、患者インタフェース3000が鼻枕マスクであり、また、好ましくは、2つの通気孔3400が、マスクフレーム3310のプレナムチャンバ3200内に位置付けられ、または、具体的には、マスクフレーム3310のクッションクリップ(クッションと予め組み付けられてもよい)に位置付けられる。接続ポート3600または短チューブ4180が2つの通気孔3400間に位置付けられる。図153および図154を参照すると、呼吸器疾患の処置のための患者インタフェース3000を製造するための方法が与えられる。処理のために多孔質布が受けられる(51)。本方法は、布から通気孔部72,73をカットする(57)ことを含む。布は、空気が通過するための曲がりくねった空気経路を画定する交絡構造体を形成するべく繊維を交絡させることによって形成される。布は、所定の大きさの気孔率を有する。通気孔部は金型内に保持される(59)。保持された通気孔は、マスクフレーム3310に取り外し不能に接続される(60)。通気孔部およびマスクフレーム3310はいずれもプラスチック材料から形成されてもよい。これは、患者インタフェース3000が呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)を流出させるための通気孔3400を形成する。
通気孔部72,73を布からカットするために任意のタイプの切断器具67、例えばレーザまたは機械的なカッタが使用されてもよい。複数の通気孔部を布65から同時にカットすることができ、また、好ましくは、2つの通気孔部を同時に形成するために2つの通気孔部がカットされる。布65の同じ領域から2つが大雑把にカットされる場合には、2つの通気孔部の気流速度および材料特性が時としてほぼ同様であってもよい。これは、供給されてしまった欠陥材料を決定してその位置を突き止めるのに役立つとともに、必要に応じて機器が気流速度を調整するための較正の量を減らす。他の例において、かしめパンチ68による熱かしめが必要とされる場合には、熱かしめの前に通気孔部72,73をカットするのではなく、熱かしめの後に通気孔部72,73を布65からカットすることができる。そのようなシナリオでは、カッタ67による最初の切断を排除できる。
本技術の1つの例において、交絡繊維の材料は、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、および、好ましくはポリプロピレンを含んでもよい熱硬化性物質または熱可塑性物質である。特定の例において、布65は、SEFAR材料 Tetex Mono 05-1010-K 080織りポリプロピレン材料であってもよい。熱硬化性物質が使用されてもよい。布は、一般に、切断ステップの前にロールまたはリボン65の形態を成して用意される。布65の織り方は好ましくは繻子織である。しかしながら、平織、逆平畳織、および、斜文織を含む他の織り方が想起される。また、布65は、織る代わりに編まれてもよい(例えば、縦編み)。繊維の編み/織りによって布65を貫いて画定される空隙または穴は、必ずしも均一な寸法を有さない。これは、布の織りにおいて繊維の位置決め、間隔、および、圧縮の間に何らかの変化があるからである。空隙は、好ましくは、穴を通じて直線状ではなく、むしろ、布65の厚さにわたって隣り合う繊維間に曲がりくねった空気流路を画定する。曲がりくねった空気流路は、空気経路に沿って異なる圧力領域(高圧または低圧)を有してもよい。曲がりくねった空気流路は、空気流をかなり拡散し、それにより、雑音を減少させる。空隙が穴を通じて直線状であった場合には、布65の繊維が網状格子またはマトリクスの形態を成して配置されてもよい。好適には、通気孔3400から抜け出る空気流は、直線状ではなく、層流を回避し、また、乱流を伴う幅広い柱状噴流が発生される。
患者インタフェース3000は、鼻マスク、フルフェースマスク、または、鼻枕を含む。患者インタフェース3000のマスクフレーム3310は、少なくとも1つの通気孔3400、好ましくは2つの通気孔3400を有する。2つの通気孔3400が存在する場合には、左側通気孔がマスクフレーム3310の前面の左側に位置付けられるとともに、右側通気孔がマスクフレーム3310の前面の右側に位置付けられる。左右の通気孔3400は、PAP装置4000に動作可能に接続される短チューブ4180を受けるための開口または接続ポート3600によって離間するあるいは、マスクフレーム3310の中心に位置付けられる単一の連続する通気孔3400を想定することもでき、短チューブ4180はマスクフレーム3310の側面に接続される。単一の連続する通気孔は、2つの通気孔3400の組み合わされた表面積に等しい表面積を有してもよい。
2つ以上の通気孔3400がマスクフレーム3310に設けられる1つの例において、全ての通気孔3400を通じた全体または平均の気流速度は、異なる気流速度を伴う通気孔部を選択することによって望ましい気流速度を得るために使用される。例えば、低い気流速度を伴う第1の通気孔部は、高い気流速度を伴う第2の通気孔部と共に使用されてもよい。このとき、組み合わされる2つの通気孔部は、望ましい気流速度である平均気流速度を与えてもよい。
通気孔部は、レーザ切断、超音波切断、または、機械的切断、または、熱切断(高温アンビルを使用する)によって布からカットされまたは除去される。レーザ切断、超音波切断、および、熱切断は、それらが通気孔3400の外周縁のほつれた端部を伴う遊離繊維を排除するために通気孔3400の外周縁を切断して融着するためである。レーザカッタ69がレーザ切断に使用され得る。また、レーザ切断、超音波切断、および、熱切断は、その後のオーバーモールドに役立つ。これは、該切断が、通気孔の外周縁を平坦化するとともに、不均一な縁部と比べてオーバーモールドすることを更に容易にするからである。その結果、通気孔3400とマスクフレーム3310との間の結合位置で気泡の捕捉が避けら、それにより、通気孔3400が一体化されて成るマスクフレーム3310が視覚的に非常に魅力的で構造的に信頼できるものとなる。
取り外し不能な接続は、オーバーモールド、二色成形、ツーショット(2K)射出成形を使用する分子付着によって得ることができる。これは、一体結合をもたらすとともに、通気孔部の材料とマスクフレーム3310の材料とが共有結合または水素結合を形成することによって相互作用するときに強化される。一部の金型は、新たなプラスチック層が最初の部品の周囲に形成できるようにするべく、既に成形された部品を再び挿入できるようにする。これはオーバーモールドと称される。オーバーモールドプロセスは、1つの凝集構成要素を形成するために2つの材料の使用を伴う。2つのタイプのオーバーモールド、すなわち、インサート成形およびツーショット(2K)成形が存在する。
ツーショット成形およびマルチショット成形は、単一の成形サイクル内で「オーバーモールド」するようになっており、2つ以上の射出ユニットを有する専用の射出成形機で処理されなければならない。このプロセスは、実際には、2回行われる射出成形プロセスである。高レベルの分子付着が得られる。前述した患者インタフェース3000を製造するための方法は、布の通気孔部をマスクフレーム3310にオーバーモールドすることによって行われてもよい。通気孔部が金型70内に保持されて、成形機71が通気孔部をマスクフレーム3310にオーバーモールドする。布65およびマスクフレーム3310は好ましくは同じプラスチック材料から形成されるため、オーバーモールドは、構造的に強力で取り外し不能な結合である布の通気孔部とマスクフレーム3310との間の材料の融合を果たす。最終的な組み付けられた患者インタフェース3000では、通気孔3400とマスクフレーム3310とが2つの別個の部品であることを人の肉眼によって殆ど検知できない。
通気孔3400は、約16mm〜約21mm、好ましくは18.2〜18.6mmの最大断面幅、約19mm〜約25mm、好ましくは21.6mm〜22mmの最大断面高さ、および、約0.36mm〜約0.495mm、好ましくは0.40〜0.45mmの厚さを有する。したがって、2つの通気孔3400の表面積は約800mm2である。通気孔3400の多孔質領域の表面積は、約201.6mm2〜約278.6mm2、好ましくは240mm2であってもよい。したがって、2つの通気孔3400の場合、多孔質領域の表面積は約480mm2〜500mm2である。マスクフレーム3310の前面は約1800mm2の表面積を有する。通気孔3400の表面積は、マスクフレーム3310の前面の表面積の少なくとも35%を占める。好ましくは、2つの通気孔3400は、マスクフレーム3310の前面の40%〜60%を占める。好ましくは、2つの通気孔3400は、マスクフレーム3310の前面の45%〜55%を占める。より好ましくは、2つの通気孔3400は、マスクフレーム3310の前面の約50%を占める。通気孔3400の交絡繊維は、マスクフレーム3310の前面の表面積を形成するようになっている半硬質織り構造をもたらす。通気孔3400は、重力下でそれ自体の重量を支えることができる十分な剛性を有し、また、チューブトルクが存在するときにそれ自体折り重ならず、軟質でない。ほつれた織物から成る通気孔を有する一部の従前のマスクは、患者の呼吸サイクル(吸気および呼気)中にそれらの形状、幾何学的形態、および、外形を維持することができず、したがって、治療中に通気孔がそれ自体折り重なる。そのような従前の通気孔がそれ自体折り重なると、通気孔の多孔質領域が無作為態様で所定割合だけ減少される。これは、折り重なる部分がこれらの折り重なる部分で通気孔を部分的にまたは完全に塞ぐからである。これは、呼気(吐き出された二酸化炭素を含む)の不十分な流出をもたらす。これに対し、本技術の通気孔3400は、それ自体折り重ならず、したがって、患者1000の呼吸サイクル中に通気孔3400の多孔質領域が呼気における略一定の流出速度を維持できるようにし、それにより、治療中に呼気(吐き出された二酸化炭素を含む)の適切な流出がもたらされる。
1つの例では、布65の通気孔部の気流速度が最初に気流計器66によって測定される(52)。測定された気流速度と所望の気流速度との間に差があるかどうかに関して決定がなされる(53)。通気孔部を通じた気流速度が所定の範囲を超える(56)場合には、通気孔部の気孔率の大きさが選択的に減少される(54)。望ましい所定の範囲は、20cmH2O圧で約42〜約59リットル/分であり、好ましくは20cmH2O圧で約47〜約55リットル/分である。例えば、SEFAR材料 Tetex Mono 05-1010-K 080織りポリプロピレン材料を通じた気流速度は、20cmH2O圧で約37〜約64リットル、好ましくは20cmH2O圧で約42〜約58リットルであってもよい。布の長さにわたる変化は、布リボンの長さにわたって正弦波的であってもよい。最初に布製造業者から受けられるときの布の異なる領域は、製造プロセスであるが均一な熱および力の分配を伴わないカレンダリングに限定されないプロセスに起因して、異なる気流速度を示す場合がある。通気孔部の気孔率が減少されてしまった後、それが現時点で所定範囲内にあることを確かめる検証のために、気流速度が再び測定される(55)。空隙の開口の平均直径は、好ましくは0.1mm未満であり、好ましくは通気孔3400の表面積の約1%〜10%の総開口面積(多孔質領域)を与える。例えば、総開口面積(多孔質領域)は、通気孔の表面積が240mm2である場合には、22mm2であってもよい。
望ましい気流速度が布65で存在する場合には、随意的に、望ましい通気孔部の外周縁領域の穴が塞がれる(56A)。通気孔部の外周縁領域はマスクフレーム3310にオーバーモールドされる。外周縁領域に存在した穴が塞がれてしまっているため、オーバーモールド後に通気孔部の気流速度は大きく異ならないはずである。
幾つかの例では、通気孔部が布からカットされた後に気流速度が測定されてもよく(58)、また、マスクフレームにオーバーモールドされた後に通気孔が測定されてもよい(61)。これにより、特定の製造ステップ後に気流速度を知って気流速度が望ましい所定の範囲内にあると決定することができる。これにより、部品が望ましい所定の範囲内にないことが分かると直ぐに部品が廃棄されるような無駄を防止できる。
通気孔部の気孔率は、熱かしめ、圧縮による塑性変形、超音波溶着、封止材(例えばホットメルト接着剤)の塗布、薄膜の塗布を含む幾つかの方法によって減らすことができる。好ましくは、高い精度、布における穴の閉塞の高い確実性、製造速度、熱かしめ後の良好な視覚的訴求、および、付加材料が必要とされないことに起因して気孔率を減らすために、かしめパンチ68による熱かしめが使用される。プラスチック材料を加熱する際には何らかの材料収縮が起こり、これは、通気孔の形状のために特定の物理的寸法を取り囲む過剰な材料を有することによりもたらされる。通気孔部の気孔率は、通気孔部の穴を部分的に塞ぐことによってまたは完全に塞ぐことによって減少される。かしめパンチ68は、熱かしめを行うために様々なサイズの幾つかの熱溶着ヘッドを使用してもよい。熱溶着ヘッドのサイズは、通気孔の気流速度に応じて選択され、この場合、気流速度が非常に高ければ、より大きなサイズが使用される。
切断ステップおよび気孔率減少ステップの順序が置き換えられてもよい。言い換えると、気孔率減少が最初に布65に関して行われてもよく、その後、通気孔部が布65からカットされる。そのようなシナリオでは、カッタ67による切断が排除される。
気孔率を減少させるために通気孔部の任意の部位または領域が選択されてもよい。好ましくは、通気孔部のほぼ連続的な外周縁領域の気孔率が減少される。この領域は通気孔部がマスクフレームにオーバーモールドされる場所と隣り合うまたは該場所にあるため、これにより良好な視覚的訴求を与えられる。通気孔部の外周縁領域と残りの部分との間の任意の視覚的な違いは、この場所で人の目をあまり引かないかもしれない。これは、その場所が通気孔3400を受けるためのマスクフレーム3310の所定の縁部であるように見える場合があるからである。あるいは、気孔率減少のための部位は、視覚的影響を高めてブランド認知を向上させるために、通気孔3400の中心領域79でキャラクタ/文字またはロゴの形態を成してもよい。その形態は、特定の使用期間後に通気孔3400を置き換えるために、患者1000のための交換指標として使用されてもよい。
通気孔部の領域の気孔率を減少した後、気流速度が現時点において20cmH2O圧で約47〜約53リットル/分の望ましい所定の範囲内にあることを確かめるために、気流計器66によって通気孔部の気流速度が再び測定される。気流速度が望ましい所定の範囲内になければ、通気孔部が再び熱かしめを受けてもよく、または、通気孔部が廃棄される。これは、欠陥のある通気孔部だけを廃棄できるときに、オーバーモールドされた欠陥通気孔を伴うマスクフレームを廃棄しなければならないことを回避することによって無駄を最小限に抑える。鼻枕における更なる例において、それは、空気送出チューブがオーバーモールドされたマスクフレームを廃棄することも回避する。
図156および図158は、熱かしめ前の布65の一部分を示す。布65の上縁に沿う垂直に向けられた繊維80(縦糸)のほつれた端部81が見える。空隙83の開口が、垂直に向けられた繊維80と水平に向けられた繊維82(横糸)との間に画定される。一部の空隙83が他の空隙よりも多孔性があると見なされる。これは、それらの空隙が、より大きな開口を有し、したがって、これらの空隙を通じてより多くの気流を許容して、呼気流出の増大を可能にするからである。
図157および図159は、熱かしめ後の布65の一部分を示す。熱かしめの前に既に存在した空隙83は、該空隙を通過する気流を減少させるまたは防止するために塞がれてしまっている。図157は、単なる例示目的のための図式描写であるが、顕微鏡写真は、熱によって引き起こされる材料変形および繊維の溶融と熱かしめプロセスの圧縮とに起因して熱かしめ後の布の別個の繊維が視覚的に検出できないことを示す可能性が高い。図159に描かれる側断面図は、熱によって引き起こされる材料変形および繊維の溶融と熱かしめプロセスの圧縮とに起因して熱かしめ後の布65の別個の繊維が視覚的に検出できないことを示す。したがって、熱かしめ後の通気孔部のこの領域は、通気孔部全体の全気流速度を選択的に調整するために、空気を実質的に透過しないようになる。
図155を参照すると、布65の一部分は、左右の通気孔部を対象として熱かしめされた2つの通気孔部72,73を有する。熱かしめ前の通気孔部の輪郭を示す概念的な左側通気孔部84も描かれる。通気孔部72,73は、半円の形状を成し、または、D形状である。各通気孔部72,73は、マスクフレーム3310の通気開口の形状にほぼ適合する。通気孔部72,73は、最初は、オーバーモールドに役立つとともに熱かしめおよびオーバーモールドのその後のステップによる熱に起因して予期される塑性収縮を考慮に入れるべく通気開口よりも僅かに大きく形成される。好ましくは、各通気孔部72,73の外周縁は、連続的に湾曲され、または、直線を伴わない弓形を成す。鋭角を伴う2つの角部74,75は、通気孔部の長い方の側76の遠位端部である。長い方の側76は、約19mm〜約24mm、好ましくは21.6mm〜22mmの範囲の長さを有する。長い方の側76の反対側には、鈍角を伴う通気孔部の第3の角部77がある。通気孔部のほぼ連続的な外周縁領域78が、この領域で布材料65の気孔率を減少させるために熱かしめされる。外周縁領域78が位置合わせ機能部/ピンを有してもよい。熱かしめされるべき外周縁領域78における幅は、通気孔全体にわたって望ましい気流速度を得るために、減少されるべき気孔率の大きさに基づいて選択される。外周縁領域78内に位置付けられる中心領域79は、熱かしめが適用されておらず、また、気孔率は当初の布65のままである。
通気孔3400を通過する呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)によって引き起こされる音は、患者1000が自分の鼻から息を吐いて呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)が通気孔3400を通じて流出するときに呼気が特に鼻枕における布/交絡繊維を通過するにつれて大きくなる空気拡散に起因して、最小限に抑えられる。呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の拡散は、通気孔方向および睡眠姿勢に応じてベッドパートナー1100または患者1000への直接的なまたは集中的な空気流を回避する。図167〜図175を参照すると、本技術の1つの例において、通気孔3400は、レスメドリミテッドによるSWIFT FX(商標)鼻枕マスクの多穴通気孔よりもかなり拡散される。図175を参照すると、約100mmの通気孔までの近い距離で、本技術の通気孔3400からの呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の空気速度は、SWIFT FX(商標)鼻枕マスクよりも約5倍小さい。言い換えると、患者1000および患者のベッドパートナー1100は、多穴通気孔と比べて、通気孔3400からの呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)を感じる虞がほとんどない。このことは、患者1000および患者のベッドパートナー1100の快適さを高める。平均空気速度は、直線でない曲線を有し、閉ざされた部屋で指向性熱線風速計を使用して測定された。空気速度は、通気孔3400を通過する呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)を人が感じることができるかどうかに関する主要因子である。図167〜図175で測定されなかった人により感じられるものに影響を及ぼし得る他の因子は、室温、人の毛嚢密度、および、人の皮膚の感性を含む。通気孔から更に大きな距離では、両方の通気孔からの呼気の空気速度は、ゼロに近づき、周囲の環境状態から区別できない。しかしながら、本技術の通気孔3400からの呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の空気速度は、多穴通気孔よりも通気孔3400に近い距離で、ゼロのこの限界に達する。SWIFT FX(商標)鼻枕マスクで使用されてきた特定の多穴通気孔が比較されたが、雑音レベルおよび空気拡散に関しては、本技術の通気孔3400が大部分の多穴通気孔と比べて優れていることが想起される。
患者インタフェース3000からの呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の流出のための通気孔3400を製造するための他の方法も提供される。通気孔部は、0.45mm未満の厚さと空気流を拡散させるための所定の大きさの気孔率とを有する半透性材料からカットされる。半透性材料が特に大きな幅を有する大きなシート、リボン、または、ロールの形態で与えられる場合には切断が行われる。通気孔部は、通気孔3400を形成するために患者インタフェースのマスクフレーム3310に対して分子付着される。所定の大きさの気孔率は、20cmH2O圧の呼吸ガスで約47〜53リットル/分の気流速度が患者インタフェースから得られるようになっている。また、所定の大きさの気孔率は、3dbAの不確かさを伴って25dbA以下であるA特性音響パワーレベルと1メートルの距離で3dbAの不確かさを伴って17dbA以下であるA特性音圧とが発生されるようになっている。好ましくは、A特性音響パワーレベルdbA(不確かさ)が約22.1(3)dbAであり、また、A特性音圧(不確かさ)が約14.1(3)dbAであり、これらは、ISO 17510−2:2007,1mで10cmH2O圧を使用して測定された。言い換えると、本技術の通気孔3400は、関連技術の説明の冒頭で説明した従前のマスクの雑音の表に記載されるような従前のマスクの多穴通気孔よりも静かである。患者1000および患者のベッドパートナー1100は、多穴通気孔と比べて、通気孔3400を通過する呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)により引き起こされる音を聞く虞が殆どない。熱かしめまたは穴を塞ぐ他の既に説明した技術は、望ましい気流速度が得られるまで必要に応じて通気孔部の気流速度を具体的に調整するために使用されてもよい。
通気孔部72は、該通気孔部72を成形機71内のマスクフレーム3310にオーバーモールドできるようにするべく金型70内に保持される。半透性材料は、厚さが約0.45mm未満である限り、布であってもよくまたは布でなくてもよい。薄い通気孔は、コンパクトで目立たない患者インタフェース3000を提供できるようにする1つの特徴である。また、マスクフレーム3310に成形される薄い通気孔は視覚的訴求を有する。これは、これらの2つの部分間の融合が縫い目のない同一平面のように見えるとともに、薄い通気孔がマスクフレーム3310に対して内側または外側に過度に突出する必要がないからである。また、薄い通気孔は、必要とされる材料が少ないため軽量であり、そのため、患者インタフェース3000の全体の重量が減少する。例えば、布材料65は、約200〜250グラム/m2の重さがあってもよい。布材料65は、約217〜約234グラム/m2の重さがあってもよい。より小さい直径の繊維は、同じ気流速度を得るために、より薄い布材料をもたらすことができ、また、これは、より軽量な通気孔3400をもたらす。
患者インタフェース3000の通気孔3400は、洗浄が簡単であり、再使用できる。通気孔3400を洗浄するために低刺激性の洗浄溶液または石鹸水を使用できる。洗浄のために熱水を使用して通気孔3400に流通させることもできる。通気孔3400をマスクフレーム3310から分解することなく手洗いして濯ぐことができる。これは、通気孔がマスクフレーム3310に対して取り外し不能に接続される、例えばオーバーモールドされるからである。患者インタフェース3000のための取り外しできる部品が少ないと、個々の部品を紛失する可能性が避けられるとともに、多くの部品を互いから取り外して再び組み付ける必要がないことにより洗浄時間が減少する。通気孔3400がプラスチック繊維を交絡させることによって形成される場合、通気孔3400の耐久性は、他のあまり耐久性がない材料、例えば織物またはGORE-TEX(商標)から形成される通気孔とは異なり、繰り返しの洗浄後であっても維持される。本技術の通気孔3400とは異なり、GORE-TEX(商標)は不織布材料であり、その空隙は、使用中に、空隙内に捕捉される大気粒子により非常に急速に塞がり、それにより、最終的に通気孔の著しい閉塞がもたらされる。通気孔の閉塞は、患者による呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の不適切な流出を引き起こし、それにより、血中のCO2レベルの増大がもたらされ、最終的にCO2再呼吸に起因する低酸素症がもたらされる。また、GORE-TEX(商標)の空隙は肉眼では見えず、そのため、患者は、粘膜、塵埃、ごみ、および、汚れにより引き起こされる閉塞を視覚的に決定することができない。GORE-TEX(商標)材料を洗浄してもこの問題は軽減されない。これは、GORE-TEX(商標)の目的が水をはじくことだからである。本技術の通気孔3400とは異なり、GORE-TEX(商標)は、それが紙に類似しており、容易に裂けるとともに、ブラシや指により洗浄しようとすると容易に破損し易いため、頑丈な材料ではない。これは、GORE-TEX(商標)をそれが紙のような脆弱性に起因して洗浄プロセスにより取り返しのつかないほど損傷されるために洗浄して再使用できない更なる理由である。通気孔のための焼結円筒ブロックなどの焼結材料は、焼結材料の細孔が使用後に詰まってそれらを再使用のために適切に洗浄
できないとともに閉塞の検査を肉眼で認識できないという点において、GORE-TEX(商標)と同様な欠陥を伴う。非プラスチック材料から形成される通気孔は、本発明の通気孔3400ほど容易に製造されない。これは、それらの通気孔が更なる製造ステップを必要とする場合があるまたはそれらの通気孔をオーバーモールドなどの一体結合によりマスクフレームに取り外し不能に接続できないからである。通気孔とマスクフレームとの間の一体結合がなければ、耐久性および信頼性が低下する場合があり、および/または、視覚的審美性があまり良くない。
1つの例において、通気孔3400は、呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の適切な流出を可能にするべく通気孔を通じた一貫した連続的な空気流を有する。通気孔3400は、高速で製造できるとともに、高速で組み立てられるため、幾つかの従来の通気孔製造方法と比べて低い生産コストをもたらす。これは、その比較的簡単な幾何学的形状、通気孔3400がマスクフレーム3310に取り外し不能に取り付けられるための処理ステップの少なさ、および、気流速度の調整が求められる場合に必要とされる機器のタイプおよび処理ステップの量の少なさに起因し得る。また、通気孔3400が交絡プラスチック繊維により形成される布である場合には、通気孔が織物外観を有し、これは、多穴通気孔または焼結ブロック通気孔と比べて患者1000および患者のベッドパートナー1100にとって審美的に感じが良い。
他の例は、通気孔3400を製造するために記載される。プラスチック繊維は、紡いだ単長繊維であり、幅が狭い製織機で交絡構造体へと織られまたは編まれる。交絡構造体は、大きな幅を有するロールではなく、幅が狭いリボンの形態を成してもよい。あるいは、プラスチック繊維は、単長繊維よりも緊密な巻きおよび単長繊維よりも曲がりくねった経路を与え得る多長繊維であってもよい。これは、熱切断が回避されるため、布65の透過性のより高い制御を可能にする。他の利点は、気流速度を制御して補正するための前述した例の熱かしめステップを回避できるまたはかしめパンチ68のための熱溶着ヘッドの数を減らすことができるという点である。したがって、通気孔3400用の布65を望ましい所定の範囲内で製造することができ、また、取り外し不能な取り付けのためにマスクフレーム3310にオーバーモールドする目的で通気孔3400の外周縁領域を閉塞するためだけに熱かしめが使用される。
製造中に通気孔3400の気流速度の任意の意図されない変化を更に制限することができてもよい。前述した例において、ロールまたはリボン65には、ロールまたはリボン65が高温で且つ平坦シートを形成する圧力でローラ下に通される仕上げプロセスであるカレンダリング加工が施されてもよい。しかしながら、他の例において、ロールまたはリボン65は、最初にカレンダリング加工されなくてもよく、代わりに最初に、通気孔3400の高さにほぼ類似する幅を有する幅狭いリボンへとカットされる。幅狭いリボンのそれぞれは、熱および圧力がリボンに対して均一に加えられるようにするために、リボンの幅にほぼ類似する幅をもつ接触面を有する加熱ローラを使用して、リボンを平坦にするべくカレンダリング加工される。したがって、不均一なカレンダリングにより引き起こされる通気孔3400の気流速度の任意の意図されない変化を回避できる。
他の例において、布65は、望ましい所定の範囲内の気流速度を得るために、所定の圧力および所定レベルの熱を用いて均一にカレンダリングされてもよい。したがって、空隙を塞ぐことによって気流速度を調整するための前述した熱かしめステップを回避されてもよい。
他の例において、布65は、カレンダリングおよび空隙閉塞を省いてもよい。布65は、幅狭いリボンまたはストリップの状態へと交絡構造体に編まれまたは織られてもよい。その後、布65は、前述した切断/溶融技術を使用して通気孔部72,73の形状へと切断される。通気孔部72,73は、その後、フレーム3310または患者インタフェース3000の空気圧経路内の他の構成要素に取り外し不能に接続される。
通気孔3400を交絡プラスチック繊維から形成されるとして説明してきたが、生体適合性があり且つ通気孔3400の形状、幾何学的形態、プロファイルが患者1000の呼吸サイクル中に変化するのを防止するために同様の曲げ剛性を有するプラスチックとは別の繊維のための材料が使用されてもよいことが想起される。例えば、薄い金属ワイヤまたは糸が使用されてもよい。通気孔の金属骨格または糸骨格を補強して、通気孔3400の形状、幾何学的形態、プロファイルが患者1000の呼吸サイクル中に変化するのを防止するべく曲げ剛性を与えるために添加物が噴射されてもよい。通気孔3400は、織り繊維または編み繊維を含む交絡構造体の形態を有すると見なされる。
6.3.7.1 通気孔3400の位置
本技術の1つの形態において、通気孔3400は、フレーム3310の一部分上に位置付けられまたはフレーム3310の一部分として形成される。具体的には、図75および図76に描かれる本技術の例では、一対の通気孔3400がフレーム3310の前面の両側に配置されてもよい。1つの例では、マスクフレーム3310の前面が湾曲され、したがって、通気孔3400は、矢状面に対して垂直な方向に面しておらず、むしろ、矢状面と前頭面との間の垂直軸線と対向している。このようにしてマスクフレーム3310に通気孔3400を位置させると、通気孔3400からの空気の流れが真っ直ぐな中心ではなく側面へと向かい、それにより、患者1000が直接にベッドパートナーと対向している場合にベッドパートナー1100への空気の直接的な流れが回避される。患者インタフェース3000の中心の前方領域は、通気孔軸線に沿う領域、すなわち、通気孔3400の表在する前面に対して垂直な方向に沿う領域と比べて通気孔3400からの平均空気速度が低い。
通気孔3400をフレーム3310に取り外し不能に接続されるとして説明してきたが、通気孔3400を患者インタフェース3000の空気圧領域内の他のある場所に、例えばシール形成構造体3100またはその付近に、または、カフ/アダプタ4190(図1bおよび図1c参照)上に位置させて、呼気(吐き出される二酸化炭素を含む)の流出を可能にしてもよいことが想起される。通気孔3400は、患者インタフェース3000の空気圧領域内の他の空気圧構成要素に、例えばチューブトルクを切り離すために患者インタフェース3000がエルボーを有する場合にはエルボーで、取り外し不能に接続されてもよい。
通気孔3400の孔径特性は、アメリカ試験材料標準規格協会(ASMT)の方法F316に記載される泡立ち点検査法を使用して推定されてもよい。泡立ち点試験は高感度視覚技術である。布材料65は、約60〜約100psig(psig:1平方インチゲージ当たり)の泡立ち点圧力を有してもよい。好ましくは、布材料65の泡立ち点圧力は、約80psigの泡立ち点圧力を有する。
本技術の1つの例において、通気孔3400は、患者インタフェース3000のための取り外し可能な通気孔キャップとして設けられてもよい。通気孔キャップは、通気孔オリフィスと取り外し可能に係合するために通気孔フレームを有する。通気孔オリフィスは、マスクフレーム、エルボー、または、クッション部材/プレナムチャンバ3200に位置付けられてもよい。通気孔3400の布材料65は通気孔フレームに取り外し不能に接続される。通気孔3400は、呼気の流出のための多孔質領域を有する。布65は交絡繊維の形態を成す。呼気のための曲がりくねった空気経路が交絡繊維間の空間によって画定される。布は、患者1000の呼吸サイクル中に通気孔の形状、幾何学的形態、および、プロファイルが実質的に変化されないとともに多孔質領域が呼気のためのほぼ一定の流出速度を維持するように構造化される。
通気孔3400が交絡構造体として説明されてきたが、通気孔3400がシールされない多孔質プラスチックマトリクスの形態を成す繊維強化高分子などの不織構造を有することができてもよい。第1の層としての不織構造体が第2の層としての織構造体に結合されることにより通気孔3400のための二層構造が想定し得る。
6.3.8 接続ポート3600
接続ポート3600は、図166に示されるように、空気回路4170の短チューブ4180に対する患者インタフェース3000の接続を可能にする。本技術の1つの例において、短チューブ4180は、接続ポート3600によって患者インタフェース3000に直接に接続されてもよい。短チューブ4180は、フレームを短チューブ4180にインサート成形することにより接続ポート3600でフレーム3310に接続されてもよい。接続ポート3600は、患者インタフェース3000に位置付けられてもよく、また、ガス送出チューブ4180に対する固定接続部または可動接続部のいずれかを備えてもよい。
接続ポート3600は、フレームが接続ポートを一体で含むべく成形されるようにフレーム3310の一部であってもよい。また、接続ポート3600は、その外周の限られた1または複数の部分でフレーム3310に接続されてもよい。これは、接続ポート3600とフレーム3310との間に開放領域をもたらしてもよく、また、これらの開放領域が本明細書中に記載される通気孔3400を含んでもよい。図10、図15および図18に示されるように、接続ポート3600は、チューブをマスクから角度を成して方向付けるべくフレーム3310に対して角度を成して形成されてもよい。また、接続ポート3600は、フレーム3310に対して任意の角度で且つ任意の方向に傾けられてもよい。図示の例において、接続ポート3600は、一般に処置中にチューブ4180が下方へ向けられる患者の大部分に応じるべくフレーム3310に対して下方に傾けられる。これは、チューブ4180のルーピングを最小限に抑えるとともに、処置中に患者インタフェース3000のシールおよび安定性を向上させることができる。また、接続ポート3600をフレーム3310とは別個に形成してこれらの構成要素を接続ポート3600がスイベル接続を使用してフレーム3310に対して回転できるように接続することができてもよい。そのような例は、シール力に支障を来す短チューブ4180のチューブトルクを減少させることができ、または、短チューブ4180が患者の頭部の上の方にチューブを上にした位置で設定される場合に快適さおよびシールを向上させることができる。
図18は、フレーム3310に対して下向きの角度を成して形成される接続ポート3600に対する短チューブの接続によって患者インタフェース3000に対して下方に傾けられた短チューブ4180を示す。この配置は、短チューブ4180が患者から長い距離を隔てて離れるように外方にループすることを防止してもつれを回避することができる。
また、本技術の例では、空気回路4170を患者インタフェース3000に接続するためにエルボーが使用されない場所で、患者インタフェース3000へのガスの流入がより均一に分配され得ることが理解されるべきである。エルボーの鋭い屈曲部は、エルボーの一方側で高密度の流線を引き起こし得る。これは、流れが密にされる噴流を引き起こす場合があり、また、これは、患者インタフェース3000、特に鼻枕3130への次善の流れをもたらす場合がある。前述した通気孔3400が噴流の減少に寄与し得ることが理解されるべきである。従前のマスクにおけるエルボーの使用は、空気回路4170とフレーム3310との間の少なくとも相対的な回転動作を許容することによってチューブトルクを切り離すためであったが、本技術の1つの形態は、従来のエルボーが関与するチューブトルクを切り離すことができる特に軟質な短チューブを有する。
6.3.9 前頭支持体
本技術の1つの形態において、患者インタフェース3000は前頭支持体を含まない。1つの形態において、患者インタフェース3000は、前頭支持体が必要とされない十分な安定性を与え、それにより、あまり目立たないとともに、眼および鼻骨が開放される。
1つの別の形態では、患者インタフェース3000が前頭支持体を含む。
6.3.10 窒息防止
本技術の1つの形態では、患者インタフェース3000が窒息防止弁(AAV)を含んでもよい。本技術の更なる例では、フルフェースマスクが使用されるときに、AAVが分離構造体4190(図1b参照)、空気回路4170(図1a〜図1c参照)、または、患者インタフェース3000と共に含まれてもよい。
6.3.11 ポート
本技術の1つの形態において、患者インタフェース3000は、プレナムチャンバ3200内の空間にアクセスできるようにする1つ以上の酸素補給ポート4185を含んでもよい。1つの形態において、これは、臨床医が補給酸素を供給できるようにする。1つの形態において、これは、圧力などのプレナムチャンバ3200内のガス特性の直接的な測定を可能にする。
6.4 分離構造体4190
1つの形態において、患者インタフェース3000は、少なくとも1つの分離構造体、例えば、図1bおよび図1cに示されるような回転可能なカフまたはアダプタ4190、または、ボール及びソケットを含む。図1bおよび図1cを参照すると、チューブ抵抗力の分離は、少なくとも部分的に短チューブ4180によって行われる。このようにすると、短チューブ4180は、少なくとも部分的に分離構造体4190として機能する。
図1bおよび図1cを参照すると、少なくとも1つの態様では短チューブ4180と異なってもよい更なるガス送出チューブ4178の第3の端部への接続を容易にするために、短チューブ4180の端部に回転可能なカフまたはアダプタ4190がある。回転可能なカフ4190は、短チューブ4180および更なるガス送出チューブ4178がそれぞれの端部で互いに対して回転できるようにする。更なるガス送出チューブ4178は、短チューブ4180と同様の特徴を組み込んでもよいが、より大きな内径(例えば18mm〜22mm)を有してもよい。チューブに与えられるこの更なる自由度は、空気回路4170のねじれ、したがって空気回路4170のもつれを軽減することによってチューブ抵抗力を減少させるのに役立ち得る。更なるガス送出チューブ4178の他端はPAP装置4000に接続されてもよい。
6.4.1 短チューブ4180
本技術の1つの形態では、図166に示されるように、短チューブ4180が、接続ポートでフレーム3310に接続されて、空気回路4170の一部を形成する。
短チューブ4180は、本技術の一態様に係るガス送出チューブであり、PAP装置4000と患者インタフェース3000との間で呼吸可能ガスの流れを可能にするように構成されて配置される。
ガス送出チューブは、使用している間にチューブが受ける力に相当するチューブ抵抗力に晒される。これは、送出チューブが使用中に患者の上または他の表面(例えば、ベッド、寝室用小卓、病院ベッド、テーブル、床など)上に横たわるからである。短チューブ4180は呼吸可能ガスを患者1000へ供給するために患者インタフェース3000に接続されるため、これらのチューブ抵抗力は、患者インタフェース3000と患者1000との間の接続に影響を及ぼし得る。例えば、引張りやねじれのチューブ抵抗力により、患者インタフェース3000が患者の顔面から移動し、それにより、患者インタフェース3000からの呼吸可能ガスの漏れが引き起こされる場合がある。したがって、チューブ抵抗力を減少させることが望ましい。これは、短チューブ4180の重量を減少させることによって、短チューブの可撓性を向上させることによって(例えば、チューブ4180をよりきつく湾曲させることができるようにチューブの曲げ半径を減少させることによって)、および、短チューブ4180のための少なくとも1つの自由度を加えることによって達成されてもよい。また、そのようなチューブ抵抗力の減少は、例えば患者が自分の腕をチューブ4180の上に置くときまたはキンク位置へとねじられるときにチューブが閉塞力に抵抗できるようにチューブ4180の強度を大きく低下させることなく達成されなければならない。
図160〜図162は、3つの異なる状態の典型的の短チューブ4180の3つの側面図を示す。図160は、ニュートラル状態または通常状態の短チューブ4180を示す。ニュートラル状態において、短チューブ4180はいかなる外力にも晒されない。すなわち、短チューブは伸長されずまたは圧縮されない。短チューブ4180は、螺旋コイル4174の隣り合うコイル間で間隔が隔てられる材料のウェブ4172から構成されてもよい。短チューブ4180の螺旋コイル4174はWCの幅を有してもよい。材料のウェブ4172は、隣り合うコイル間の距離WFに跨ってもよい。また、図160に示されるように、材料のウェブ4172は、折り曲げ部4182の頂点または山が隣り合うコイル間から径方向外側へ延在するように折り曲げられてもよい。材料のウェブ4172の折り曲げ部に起因して、材料のウェブ4172を構成する材料の幅が隣り合うコイル間の幅WFよりも幅広くてよいことが理解されるべきである。また、材料のウェブ4172は、所定の折り曲げ線4186に沿って折り曲げられてもよい。
また、図160に示されるように、隣り合うコイル間の距離WFは、短チューブ4180がニュートラル状態にあるときに、螺旋コイルの幅WCに等しくてもよく、または、ほぼ等しくてもよい。そのような配置では、チューブ4180の最大曲げ半径R(図163に示される)が減少されて、可撓性が向上される。これは、隣り合うコイル間の距離に跨るように従来技術のチューブよりも多くの量の材料が使用されなければならないからである。一例として、距離WFがコイルの幅WCに等しいことは、その距離に跨るためにより多くの量の材料をもたらし、また、コイルが折り曲げられるため、材料のウェブ4172を備えるべく、より一層多くの材料が設けられなければならない。この原理は、図163に関連して更に詳しく説明される。折り曲げ部の形状は、チューブの全体の可撓性にとって重要である。ウェブの折り曲げ部の半径を大きくすればするほど、より可撓性の高いチューブがもたらされる。非常に鋭い折り目は、チューブの可撓性を低下させる。複数の熱消毒サイクルの後、折り曲げ部が弛緩し始め、チューブの可撓性が低くなる。折り曲げ部が弛緩されると、折り曲げ部直径がコイル直径に対して減少され、そのため、折り曲げ部の山が下降されることが観察される。
また、図160では、材料のウェブ4172の折り曲げ部が短チューブ4180から径方向外側に延在するだけでなく、材料のウェブ4172の折り曲げ部が螺旋コイル4174の隣り合うコイル間の中心に位置付けられるのが分かる。また、図160は、材料のウェブ4172の傾きが螺旋コイル4174の隣り合うコイルから折り曲げ部の頂点または山4182へ向かってどのように増大し得るのかも示す。言い換えると、材料のウェブ4172は、所定の折り曲げ線4186から離れるにつれて平坦になり、また、材料のウェブ4172は、折り曲げ部の頂点または山4182の付近で急勾配となって先が尖る。
また、図160では、以下で更に詳しく説明するように、螺旋コイル4174の外側部分または外表面4184が幅広い角度にわたって丸みを帯びた湾曲形状を有することが分かる。言い換えると、螺旋コイル4174は、楕円形の外周の一部分の形状を有してもよい。丸みを帯びた外表面または形状4184を螺旋コイル4174に与えることにより、より柔軟で且つより滑らかな触感が患者1000に与えられてもよい。また、この丸みを帯びた外表面4184は、使用している間に寝具類、患者の衣類、ベッドルームまたは病院の家具などの表面に引っかかる短チューブ4180の傾向を減らすこともできる。図160において分かるように、短チューブ4180の長手方向軸線に対して垂直に測定される複数の螺旋コイルのうちの1つの直径であるコイル直径DCを見ることができる。
図160において見られ得る他の特徴において、短チューブ4180は、その中立状態で、折り曲げ部の頂点または山4182が螺旋コイル4174の外表面4184とほぼ同じ高さまたは同じ高さであるようにガス送出チューブから径方向外側に立ち上がる材料のウェブ4172の折り曲げ部を有する。また、材料のウェブ4172の折り曲げ部は、折り曲げ部の両側の頂点4182間に、短チューブ4180の長手方向軸線に対して垂直に測定される折り曲げ部直径DFを画定する。言い換えると、短チューブ4180がその中立状態にあるとき、ガス送出チューブの長手方向軸線を横切ってその折り曲げ部のそれぞれの頂点4182に跨る材料のウェブ4172の直径は、長手方向軸線を横切るそれぞれの外表面4184に跨る螺旋コイル4174の直径に等しくてもよい。また、短チューブ4180が中立状態で真っ直ぐに配置されれば、単一の円筒が折り曲げ部の頂点または山4182と螺旋コイル4174の外表面4184とに対して同一平面に外接され得ると言うこともできる。また、短チューブ4180が中立状態にあるときに折り曲げ部直径DFがコイル直径DCに等しいまたはほぼ等しいと言ってもよい。
そのような構成は、螺旋コイル4174の丸みを帯びた外形状4184と併せて、触感の向上をもたらすことができ、それにより、患者にとってより滑らかで且つより柔軟な感触を生み出す。また、短チューブ4180の引っかかる傾向の減少は、折り曲げ部の頂点または山4182と螺旋コイル4174の外表面4184とを同じ高さまで立ち上がらせることによって促進させることができる。これは、外表面に引っかかるように著しく突出する単一表面が存在しないからである。
本技術の他の例において、材料のウェブ4172は、螺旋コイル4174の隣り合うコイル間で複数回折り曲げられてもよい。これは、それぞれの隣り合うコイル間にある付加的な材料の量に起因して、短チューブ4180の付加的な可撓性を更なる伸縮性と共に可能にする。また、本技術の他の例においては、材料のウェブ4172が螺旋コイル4174の隣り合うコイル間で折り曲げられる短チューブ4180の長さに沿う特定の領域または部分と、材料のウェブが折り曲げられないガス送出チューブの他の領域とが存在してもよい。そのような構成は、ガス送出チューブの長さに沿って可撓性および伸縮性の度合いを変えることができるようにしてもよい。例えば、患者インタフェース3000およびPAP装置4000の近傍の位置で剛性の増大または減少を伴う短チューブ4180の部分を設けることができてもよい。1つの例において、患者インタフェース3000およびPAP装置4000の近傍の短チューブ4180の部分は、これらの領域でチューブの剛性を高めてこれらの領域でキンクが減少されるようにするために、チューブの単位長さ当たりの折り曲げ部の数が少なくてもよい。材料のウェブ4172の一部分を折り曲げない他の理由は、製造理由のためであってもよい。例えば、カフのオーバーモールドが行われるようになっている遠位端部ではウェブ4172に折り曲げ部を有さない。これにより、ウェブがカフと接合する場所でウェブ4172に脆弱スポットを形成する傾向を減少させることができる。これは、これらの位置で折り曲げられたウェブが弱い締め付け状態で捕捉される可能性があるからである。
図161は、典型的な短チューブ4180の他の側面図を示す。この図では、短チューブ4180が圧縮状態または収縮状態にある。この状態において、短チューブ4180の長さは、それが図160に示される中立状態にあるときのその長さよりも短い。例えば、短チューブ4180は、中立状態におけるよりも最大で50%短い長さまで圧縮されてもよい。短チューブ4180がその圧縮状態まで圧縮されると、材料のウェブ4172は、その折り曲げ部が更に急勾配になって螺旋コイル4174の隣り合うコイル間の距離WFが減少するように圧縮される。圧縮状態において、隣り合うコイル間の距離WFは、螺旋コイルの幅WCよりも小さくなるように減少してもよい。また、材料のウェブ4172の折り曲げ部の頂点または山4182は、頂点または山が螺旋コイル4174の外面4184よりも上側に立ち上がるように更に径方向外側に押し進められてもよい。言い換えると、材料のウェブ4172の丈が更に高くなってもよい。この作用は、隣り合うコイル間の材料の量と、材料のウェブ4172の折り曲げ部の角度および厚さTWとによって制御されてもよい。また、螺旋コイルの幅WCが短チューブ4180の圧縮中に減少しなくてもよい一方で、他のバネには普通にあることだが、螺旋コイル4174の隣り合うコイル同士が近づけられてもよいことも理解されるべきである。また、図161においては、短チューブ4180が圧縮状態にあるときに、材料のウェブ4172の折り曲げ部の頂点または山4182における角度(すなわち、所定の折り曲げ線の両側にある材料のウェブのそれぞれの部分間の角度)が減少されて、先と同様に、材料のウェブの丈が更に高くなってもよいことが分かる。
図162は、短チューブ4180のそれがその拡張状態または伸長状態にあるときの更なる側面図を示す。この状態において、短チューブ4180は、図160に示される中立状態におけるよりも長い長さを有し得る。例えば、短チューブ4180は、中立状態にあるときのその長さの最大200%まで伸長されてもよい。また、この図では、螺旋コイル4174の隣り合うコイル間の距離WFが増大して、材料のウェブ4172の折り曲げ部が更に平らになることが分かる。また、隣り合うコイル間の距離WFは、螺旋コイルの幅WCよりも大きい幅まで増大し得る。更に、図162において分かるように、材料のウェブ4172の折り曲げ部の頂点または山4182は、頂点または山が螺旋コイル4174の外表面4184の高さよりも下側まで下がるように径方向内側に押し進められ得る。この場合も先と同様、これは、隣り合うコイル間の材料の量と折り曲げ部の角度とによって制御されてもよい。また、螺旋コイルの幅WCが短チューブ4180の伸長中に増大しなくてもよい一方で、他のバネには普通にあることだが、螺旋コイル4174の隣り合うコイルが引き離されてもよいことも理解されるべきである。また、図162においては、短チューブ4180が伸長状態にあるときに、材料のウェブの折り曲げ部の頂点または山における角度(すなわち、所定の折り曲げ線の両側にある材料のウェブのそれぞれの部分間の角度)が増大されて、先と同様に、材料のウェブ4172が更に平坦になってもよいことが分かる。
図163は、2つの端部間で湾曲された典型的な短チューブ4180を示す。図163に示されるように湾曲されると、螺旋コイル4174の隣り合うコイル間の材料のウェブ4172が湾曲部の外側4179で伸長され得るとともに、屈曲部の内部4176の材料のウェブが圧縮され得る。このように湾曲されると、屈曲部半径Rの限界をより良く理解できる。1つの例において、チューブは、13mm直径を有する円筒体上にわたってまとわれると、それ自体の重量下で44mmの屈曲部半径Rを有してもよい(付加的な重量が加えられない状態)。材料のウェブ4172を構成する材料の量が多ければ多いほど、想定し得る屈曲部半径Rは小さくなる。これは、図163において分かるように、隣り合うコイル間の最大可能距離WFまでだけ湾曲部の外側4179を伸ばすことができるからである。屈曲部の外部4179において、短チューブ4180は、隣り合うコイル間に設けられる材料のウェブ4172の幅に至るまでしか屈曲して伸びることができない。したがって、隣り合うコイル間の材料のウェブ4172のために更に多くの材料が設けられれば、屈曲部の外部4179が更に伸長されるように短チューブ4180を屈曲できるとともに、最大屈曲部半径Rが減少されるため、可撓性が向上される。
また、屈曲部の湾曲内部4176の内側における隣り合うコイル間の距離WFは、螺旋コイル4174の隣り合うコイルがほぼ接触しているポイントまで減少されるのが分かる。したがって、屈曲部の内部4176にある材料のウェブ4172によって屈曲部半径Rも制限される。図164において分かるように、材料のウェブ4172は、屈曲部の内部4176では、螺旋コイル4174の隣り合うコイル間で圧縮される。そのため、材料のウェブ4172が厚くなればなるほど、最大屈曲部半径Rが大きくなる。これは、隣り合うコイル間の材料の量が多ければ多いほど、コイル同士が屈曲部の内部4176で互いに近づきにくくなるからである。
したがって、短チューブ4180の屈曲部半径Rを最適化するためには、屈曲部の外部4179が伸長して所望の屈曲部半径を満たすことができるようにするべく十分な幅の材料のウェブ4172が設けられなければならないが、螺旋コイル4174の隣り合うコイルが屈曲部の内部4176で近づいて所望の屈曲部半径を達成できるようにするべく十分な厚さの材料のウェブも設けられなければならない。
図164は、図163に示されるようにとられた典型的な短チューブ4180の断面図を示す。短チューブ4180のこの断面図は、隣り合うコイル間の距離WFが螺旋コイルの幅WCに等しいようにガス送出チューブをその中立状態で示す。また、短チューブ4180は、約18mmである内径DIを有してもよい。短チューブ4180は、3.2mm〜4.7mm、または、好ましくは4.5mm〜4.7mmのピッチPを有してもよい。また、この図は、螺旋コイル4174が材料のウェブ4172の厚さTWよりも大きい厚さTCを有してもよいことも示す。螺旋コイル4174が材料のウェブ4172よりも厚いと、螺旋コイルが構造的強度を与えることができるとともに、これが短チューブ4180にバネ作用を与える。また、この図では、材料のウェブ4172が略均一のおよび/または連続する厚さを有してもよいことが分かる。
図164は、材料のウェブ4172の少なくとも一部が所定の折り曲げ線4186の周りで非対称であってもよいことも示す。例えば、材料のウェブ4172は、所定の折り曲げ線4186の一方側で螺旋コイルに隣接する瘤部4181を含んでもよく、また、他方側には、他方側の螺旋コイルに隣接して傾斜部4183が含まれてもよい。また、折り曲げ部の頂点または山4182に対する材料のウェブ4172の傾斜は、瘤部4181の側よりも傾斜部4183の側で急であってもよい。勾配の険しさが異なるため、短チューブ4180が中立状態にあるときに、傾斜部4183の側の螺旋コイルの縁部と所定の折り曲げ線4186との間の幅WFSは、瘤部4181の側の螺旋コイルの縁部と所定の折り曲げ線との間の幅WFFよりも小さくてよい。したがって、伸長されると、材料のウェブ4172は、WFSがWFFよりも増大するように伸長され得る。これは、より多くの量の材料がその領域に含まれるからである。言い換えると、短チューブ4180は、第1の方向で(例えば、傾斜部4183から瘤部4181へと)特定の量だけ伸ばされてもよく、また、第1の方向と反対の第2の方向で(例えば、瘤部から傾斜部へと)異なる量だけ伸ばされてもよい。そのような構成は、患者インタフェース3000が短チューブ4180の一端に取り付けられるとともにPAP装置4000が他端に取り付けられる場合に有益となり得る。これは、患者1000が、患者インタフェース3000を着用しながら移動する場合があり、したがって、患者1000の方向でより大きな量の伸縮性を必要とする場合があるからである。チューブ4180の非対称な形状は、一般に、チューブ4180がどのように形成されたかの結果である。しかしながら、もう一つの方法として、材料のウェブ4172が所定の折り曲げ線4186の周りで略対称な形状を有することも想定し得る。
図164において分かるように、瘤部の幅WHおよび傾斜部の幅WSが異なってもよい。したがって、材料のウェブ4172は、瘤部4181を横切るよりも大きな範囲にわたって傾斜部4183を横切って隣り合うコイルへ向けて屈曲されてもよい。言い換えると、WSにおける大きな隙間に起因して、小さい隙間を有するWHにおけるよりも大きな大きさの可撓性(すなわち、より小さい屈曲部半径)がこの特定の領域に存在してもよい。また、WHにおける小さい隙間に起因して、この部分は、材料のウェブ4172がWHにおいてWSにおけるよりも既にコイル4174に近づいているため、WSにおけるよりも少ない度合いまで圧縮できてもよい。
図164に示される他の特徴は、螺旋コイル4174が一般にウェブ4172よりも良いと感じる場合、特にウェブの折り曲げ部が非常に鋭利である場合には、外見上の表面積(例えば、短チューブ4180の最も外側の表面積)が材料のウェブ4172よりも大きな割合で螺旋コイル4174の外表面4184によって占められ得ることである。これにより、患者にとってより良い触感を与えることができる。これは、図164において分かるように、螺旋コイル4174の外表面4184が、丸みを帯びており、したがって、材料のウェブ4172の折り曲げ部の頂点または山4182よりも滑らかだからである。
また、図164において分かるように、材料のウェブ4172および螺旋コイル4174は、短チューブ4180の内面が滑らかで連続するように一体に結合されてもよい。滑らかで連続する内面を形成するために材料のウェブ4172の隣り合う側を互いに接合でき、または、材料のウェブ4172を螺旋コイル4174の隣り合うコイルの隣り合う側に結合できることが理解されるべきである。このようにして、内面が滑らかで連続するように短チューブ4180を形成することにより、呼吸可能ガスのよりスムーズな流れがガス送出チューブを通じてもたらされてもよい。一般に、テープ締め付けを防止するために、折り曲げ部は、短チューブ4180の両端にカフをオーバーモールドした後に形成される。
また、材料の任意の適した組み合わせが材料のウェブ4172および螺旋コイル4174を構成してもよいことも理解されるべきである。それぞれの各構成要素4172,4174の材料は、同じであってもよく、または、少なくとも1つの局面で異なってもよい。本技術の1つの例において、材料のウェブ4172および螺旋コイル4174は、熱可塑性エラストマー(TPE)または熱可塑性ポリウレタン(TPU)から形成されてもよい。ウェブ4172およびコイル4174はいずれも、ウェブ4172とコイル4174との間に一体的な化学結合(分子付着)をもたらすのに有利な同じプラスチック材料(または、同じプラスチック材料の異なる混合)から形成されてもよい。材料選択は多くの因子によって制約される。可撓性を与えることができるようにするウェブ4172用の材料の機械的特性は、決定的な因子である。熱消毒に耐えることができる能力がもう1つの重要な因子である。べとついて粘着性がないことが他の因子である。また、短チューブ4180は、患者の手足が短チューブ4180の上に位置する場合に起こり得るようなチューブ4180の外周面に対する外力の印加時に閉塞を回避してフープ応力に耐えなければならない。これは、短チューブ4180に最小の内径を与えて、螺旋コイル4174の螺旋ピッチおよび構造的剛性を定めることによって対処される。
また、材料の選択は、短チューブ4180のバネ剛性(P=kx、ここで、Pは負荷であり、kは剛性であり、xは撓みである)にも影響を及ぼし得る。バネの剛性kが大きくなればなるほど、一定の負荷下での撓みが小さくなる。バネ率は、測定単位当たりのバネ(任意のバネ)を撓ませるために必要な重量の大きさである。例えば、異なる弾性率および異なる曲げ剛性を有する材料は、所望のバネ剛性をもたらすために、材料のウェブ4172および螺旋コイル4174のそれぞれのために使用されてもよい。同様に、バネ剛性は、材料のウェブ4172および螺旋コイル4174の両方において同じ弾性率を有する材料を使用することによって選択されてもよい。また、図164に関連して説明した螺旋コイル4174のピッチは、ガス送出チューブ4180のバネ剛性にも影響を及ぼし得る。1つの例において、バネ剛性は約0.03N/mmであってもよい。
図165は、屈曲状態または湾曲状態の典型的な短チューブ4180の他の図を示す。この図においても図163と同様に、短チューブ4180が半径Rにわたって湾曲される。しかしながら、この図では、チューブ4180が重力に起因して一端で張力を受けるときにどのように曲がることができるのかを明らかにするために、短チューブ4180が平坦な高い表面(例えばテーブル)の縁上に垂らしてかけられて見える。テーブルの角を越えて垂れ下がる短チューブ4180の部分の重量は、チューブ4180の伸長と、テーブルの縁付近のチューブ4180の領域での曲げとを引き起こし得る。この図は、図163に示される曲げ特性と同様の曲げ特性を描く。具体的には、材料のウェブ4172は、WFが湾曲の内側よりも外側で大きくなるように、屈曲部領域の外側4179で伸長されるとともに、屈曲部の内部4176で圧縮される。
図166は、患者インタフェース3000に対して直接に取り付けられる典型的な短チューブ4180を示す。従前のマスクでは、ガス送出チューブが旋回エルボーを介してマスクに取り付けられる。ガス送出チューブを患者インタフェースとのその接合部で旋回エルボーによって変向させることにより、従来技術のアセンブリはチューブ抵抗力を減少させようとしている。しかしながら、旋回エルボーの含ませることにより重量および部品が増大し、それにより、チューブ抵抗力の減少が抑制され得る。したがって、本技術によれば、短チューブ4180がマスクフレーム3310に直接に接続されてもよい。図166は、短チューブ4180がマスクフレーム3310に対する接続部から下方に傾けられてもよいことを更に示し、これは、チューブ抵抗力の減少にも寄与し得る。下向き角度は、部分的には接続ポートによって円滑にされてもよい。
再び図1bおよび図1cを参照すると、本技術に係る短チューブ4180は、第1の端部に患者インタフェース3000を接続して見える。この接続は、図166に関連して前述した固定接続であってもよい。この例では、カフがチューブ4180の第1の端部にオーバーモールドされ、その後、チューブ4180の第1の端部が患者インタフェース3000に形成される対応する接続ポート3600にオーバーモールドされる。この例は、チューブ4180とマスクフレーム3310との間にエルボーが存在しないという意味でエルボーレスである。他の例では、スイベルエルボーをチューブ4180とマスクフレーム3310との間に位置させて、スイベルエルボーおよびチューブ4180がマスクフレーム3310に対して自由に回転できるようにすることができる。様々な異なる患者インタフェースが短チューブ4180に接続されてもよいことを示すために、これらの図に示される患者インタフェース3000が破線で示されることが理解されるべきである。短チューブ4180の第2の端部は、短チューブ4180とは異なってもよい更なるガス送出チューブ4178の第3の端部に対する接続を容易にするための回転可能なカフ、スイベルカフ、または、アダプタ4190である。回転可能なカフは、短チューブ4180および更なるガス送出チューブ4178がそれぞれの端部で互いに対して回転できるようにする。更なるガス送出チューブ4178は、短チューブ4180と同様の特徴を組み込んでもよいが、更に大きな直径(例えば、18mm〜22mm)を有してもよい。チューブ4178,4180に対して与えられるこの更なる自由度は、短チューブ4180のねじれを軽減して、短チューが受ける任意のチューブ抵抗力を切り離し、したがって、キンクを切り離すことによって、チューブ抵抗力を減少させるのに役立ち得る。更なるガス送出チューブ4178の第4の端部はPAP装置4000に接続されてもよい。スナップ式に取り付けられる二部品スイベルがカフにインモールド成形で組み付けられる。または、スナップ式の一部品スイベルも想定し得る。
図203〜図222を参照すると、本技術のチューブ4180が、螺旋コイルを有する従前の短チューブと比較される。比較は、本技術のチューブ4180の曲げ剛性または軟質性が優れていることを示す。これは、チューブ4180が伸長されるときに該チューブがより低いグラム重量(gf)を有するからである。チューブの下端は、短チューブを伸長するするために印加される力の方向に対して垂直である角度からチューブの長手方向軸線が始まるように固定位置に保持される。言い換えると、短チューブの下端は、それが最初に水平面に対して平行で接するように保持される(図203、図208、図213、図218参照)。短チューブの上端は、短チューブの保持された下端の真上でInstron機により保持される。Instron機は、0から30mmまで、60mmまで、90mmまで、および、120mmまで、一連のステップで30mmずつ短チューブを垂直上方向で伸長させる。また、Instron機は、短チューブのバネ剛性に対応してもよい力をニュートン単位でそれぞれの距離ごとに測定する。短チューブが伸長されるそれぞれの距離ごとに短チューブの固定された下端でグラム重量を測定するために、トルクゲージおよび力ゲージ(Torque Gauge RM No. MTSD05997およびMecmesin Force Gauge RM No, MFGX05996)が使用される。チューブは異なる重量および長さを有するため、初期位置で、Instron機、トルクゲージ、および、力ゲージがゼロに合わされる。このようにして測定機器をゼロに合わせることにより、測定値が各チューブの重量および長さとは無関係になる。それぞれの距離ごとに短チューブの角度を大まかに示すために、背景には1cmのマス目も配置される。比較は以下を示す。
Figure 0006932803
前記比較は、本技術の短チューブ4180だけが30mmと60mmとの間の伸長でチューブトルクを受け始め、一方、従前のチューブは、30mm伸長によってチューブトルクを既に受ける。測定された全ての距離で、従前のチューブは、それらが本技術のチューブ4180と比べて軟質性が低いととともに高い曲げ剛性を有することを示すかなり高いグラム重量を有する。したがって、チューブ4180においては、従前のチューブと比べてチューブトルクの結果としてのシール破壊が生じる可能性が殆どない。また、チューブ1480の軟質性は、チューブトルクを扱うために一般に使用されるスイベルエルボーまたはボールソケットエルボーを必要とすることなくチューブをフレーム3310に直接に接続できるようにする。これは付加的な部品を排除し、それにより、患者インタフェース3000における全体の重量の減少がもたらされる。チューブ4180が患者1000によって感じられることが殆どなく、また、何らかのチューブ抵抗がシール形成構造体3100を患者の顔面から引き抜くように作用する前にチューブがより大きな動作自由度を患者に与えるため、快適さが向上される。
前述したように、短チューブ4180が患者インタフェース3000に対して移動されるにつれて、短チューブがチューブ抵抗力をもたらす場合がある。チューブ抵抗力は、ここでは、力および/またはモーメントを含んでもよいが、別段に述べられなければ、チューブ抵抗力という用語が力および/またはモーメントを包含することが理解され得る。
そのようなチューブ抵抗力のうちの1つが短チューブ4180の曲げであってもよい。例えば、患者1000が自分の身体をPAP装置4000から背ける際に短チューブ4180で生み出される曲げは、患者インタフェース3000でチューブ抵抗力をもたらす場合があり、それにより、随意的に、シールに支障を来し、および/または、不快感を患者にもたらす。
チューブ抵抗力の作用を実証するために、患者インタフェース3000と短チューブ4180とを備えるシステムの簡単な描写が考えられてもよい。このシステムでは、患者インタフェースが患者1000に配置されて、ヘッドギアが患者インタフェースから切り離されることが想定されてもよい。このケースでは、何らかのチューブ抵抗に患者インタフェース3000が反応せざるを得ない。この場合、例えば何らかのモーメントが偶力として患者に作用する場合があり、および/または、何らかの力が等しい相反する反力によって患者1000に作用する場合がある。
結果として患者インタフェース3000に生じるチューブ抵抗力は、短チューブ4180の構造に関連付けられてもよい。より具体的には、短チューブ4180が曲げられると、短チューブ4180の曲げ剛性が患者インタフェース3000でもたらされるチューブ抵抗力に影響を及ぼし得る。
一般的には、一定の断面をもつ円筒状の管状物体が固定端で固定されて自由端で荷重を受ける(すなわち、片持ち)と、結果として固定端に生じる力およびモーメントは、
Figure 0006932803
(重力を無視する)として表すことができる。ここで、dは撓みであり、Pは垂直力であり、Iはチューブの長さであり、Eは材料の弾性率であり、Iは断面の断面に二次モーメントである。ここでは、結果として固定端で生じる反作用は、逆向きのPの垂直力、および、IPのモーメントとなる。
これを患者インタフェース3000と短チューブ4180とを備えるシステムに適用すると、近位端部における反作用は、チューブ抵抗力の一部を形成してもよいPの垂直力およびIPのモーメントとなる。先の式が
Figure 0006932803
へと書き換えられてもよい。このとき、所定の撓みd(すなわち、患者1000により与えられる動作)およびチューブ長さlに関して、チューブ抵抗力は、EIが増大されるにつれて増大され、または、EIが減少されるにつれてチューブ抵抗が減少されるのが分かる。
断面が一定の円形チューブに関して、Iは、方程式
Figure 0006932803
を使用して計算されてもよい。したがって、一例として、15mmの所定の内径(di)に関して、外径(do)の19mmから18mmへの減少は、チューブ抵抗力を約32%減少させる。同様に、使用される材料の弾性率の減少は、チューブ抵抗力の減少をもたらすが、この場合の関係は直線的であってもよい。
したがって、本技術における短チューブ4180は断面が一定の円形でなくてもよいが、短チューブ4180の全体の曲げ剛性は、材料のウェブ4172および螺旋コイル4174などの短チューブ4180の様々な部分の幾何学的形態および材料特性の結果となり得る。
短チューブ4180の曲げ剛性の減少は、短チューブ4180の構造的完全性の低下をもたらす場合がある。すなわち、一例として、短チューブ4180の外径を減少させることによって材料のウェブ4172の厚さが変えられた場合には、曲げ剛性、したがってチューブ抵抗力が減少され得るが、これは、短チューブ4180のより脆弱な構造をもたらすとともに、通常の使用中に短チューブ4180の閉塞を引き起こす場合がある。
したがって、本技術の利点は、閉塞を回避して耐久性をもつべく適切な強度を維持しつつ曲げ剛性を低下させるように作用する短チューブ4180の幾何学的形態と材料との組み合わせである。
チューブ4180は、チューブ4180の軸方向の圧縮および伸長によって生じ得る厄介な雑音/静止摩擦力を伴わず、実質的に静かである。雑音を減らすまたは排除するための1つの例は、螺旋コイルのコイル同士が互いに固着しないようにするために添加剤を加えることであってもよい。患者インタフェースのための従前のチューブは、寝ようとするときにそれが断続的な雑音であることから患者および患者のベッドパートナー1100を不快にさせ得るこの種の雑音に見舞われることで知られてきた。チューブ4180は、重力下でチューブ4180の重量により引き起こされるチューブ抵抗力を最小にするために軽量となるように意図される。本技術の1つの例では、中立状態において、チューブ4180の長さが端部カフを含めて約285mm〜305mmであってもよく、また、重量が約18.7グラム〜19.1グラムであってもよい。したがって、端部カフを伴うチューブ4180の重量は約62.6g/m〜65.6g/mであってもよい。チューブ4180とチューブ4180の端部にオーバーモールドされる端部カフとの間で空気漏れは存在しない。端部カフのうちの一方は、短チューブ4180と長チューブ4178との間の360°の相対回転を可能にするためにスイベルカフ4190であってもよく、一方、他方の端部カフは、旋回しないフレームカフである。スイベルカフ4190は、患者1000の人差し指によってチューブ4180を長チューブ4178に接続されるチューブアダプタ4190から離脱させることができる感触のある外周縁を与える隆起部を有してもよい。隆起部は、長チューブに対する係脱の繰り返し後のスイベル端部カフ4190および短チューブ4180の耐久性を高めるために、より大きな力に耐えてもよい。
単一の螺旋コイル4174について説明してきたが、より多くの螺旋コイルがチューブ4180に設けられてもよいことが想起される。複数の螺旋コイルをチューブ4180に設けると、マルチスタート(ダブルスタート、トリプルスタートなど)、言い換えると、多条が可能となる。これは、チューブ4180の軟質度を高めてチューブ抵抗力を減少させるが強力な構造を有することによりキンクおよび閉塞も防止するまたはそれに抵抗するために、各螺旋コイルを異なる材料から形成できるまたは各螺旋コイルが異なる寸法を有することができるようにし得る。
6.4.1.1.1 マスクシステム
マスク構成要素のうちの1つ以上は、シール破壊の可能性を最小限に抑えるためにチューブトルクを切り離すように共に構成されて配置されてもよい。短チューブ4180は、その高い軟質さと伸長できる能力とに起因して、チューブトルクを切り離すことができる。短チューブ4180が分離できることよりもチューブトルクが大きい場合には、位置決め安定化構造体3300もチューブトルクを切り離す。リジダイザアーム3302は、チューブトルクを切り離すために矢状面内で屈曲する。また、プレナムチャンバ3200および/またはシール形成構造体3100のクッション機能はチューブトルクの一部を切り離す。これらの特徴のうちの2つ以上の任意の組み合わせは、チューブトルクを切り離すことができる能力を高める。これらの特徴の全ての組み合わせは、より大きなチューブトルクを切り離すことができる能力を更に高める。
マスク構成要素のうちの1つ以上は、患者1000にとっての快適さを高めるべく共に構成されて配置されてもよい。短チューブ4180は軽量であり、また、プレナムチャンバ3200およびシール形成構造体3100も軽量であり、したがって、位置決め安定化構造体3300により与えられるヘッドギア張力は、良好なシールをもたらすために不快に高くならないで済む。エルボーが短チューブ4180をフレーム3310に接続する必要性を減らすと、患者インタフェース3000の全体の重量も減少し、それにより、位置決め安定化構造体3300により必要とされるヘッドギア張力のレベルが下がる。また、患者インタフェース3000が軽量であるときの患者1000による認識は、それが「そこに殆どない」というものであり、それにより、患者インタフェース3000を着用しているように感じず、不安神経症や閉所恐怖症を殆どもたらさない。リジダイザアーム3302の形状および可撓性は患者1000に快適さを与える。これは、リジダイザアームが頬骨下に位置するとともに、一部の患者1000にとっては敏感な顔面領域となり得る患者の耳の周囲でリジダイザアームがヘッドギアストラップ3301を方向付けるからである。ストラップ3301は、織布から形成されるとともに、患者の皮膚に良好に当て付くのを感じる。これは、プラスチックヘッドギアストラップと比べてストラップ3301が表面熱と汗からの凝縮物とを保持しないからである。また、織布から形成されるストラップ3301はプラスチック材料よりも密度が低く、これは、重量および嵩の減少につながる。ストラップ3301の分割領域3326は、患者1000が自分にとって快適であると感じるレベルまでヘッドギア張力を調整できるようにする。これらの特徴のうちの2つ以上の任意の組み合わせは、患者1000にとっての快適さを高める。これらの特徴の全ての組み合わせは、患者1000にとっての快適さを大きく高める。
マスク構成要素のうちの1つ以上は、患者1000との最適なシールの機会を増やすように共に構成されて配置されてもよい。これは、より良い治療コンプライアンスをもたらすとともに、平均的な毎日の使用を更に36分だけ増大させる。前述したようなチューブトルクの切り離しの向上と患者1000にとっての高い快適さとの組み合わせによって最適なシールを得ることができる。
マスク構成要素のうちの1つ以上は、特に初めての患者1000において、より良好な治療コンプライアンスをもたらす患者インタフェース3000の視覚的訴求を高めるように共に構成されて配置されてもよい。患者インタフェース3000は、低いプロファイルを有するとともに、患者の顔面上に小さい設置面積を有する。これは、フレーム3310があまり幅広くないとともに顔の幾何学的形態に対応して湾曲されるからである。また、分割領域3326とリジダイザアーム3323の湾曲プロファイルの滑らかな連続する表面とを伴う一体型のストラップ3301は、目障りではなく、嵩張ってまたは複雑に見えないとともに、患者の顔面の大きな表面領域を覆わない。これらの特徴の2つ以上の任意の組み合わせは、患者インタフェース3000の視覚的訴求を向上させる。これらの特徴の全ての組み合わせは、患者インタフェース3000の視覚的訴求を大きく高める。
マスク構成要素のうちの1つ以上は、患者インタフェース3000の組み付けおよび分解を向上させるように共に構成されて配置されてもよい。患者インタフェース3000は、フレーム3310から取り外しできるシール形成構造体3100およびストラップ3301である2つの構成要素が存在するため、患者1000に対して簡素さを与える。また、取り外しできる構成要素が少ないことは、患者インタフェース3000を洗浄する必要があるときに患者インタフェース3000を組み立てるおよび分解するこが容易であることも意味する。フレーム3100、プレナムチャンバ3200/シール形成構造体3100、および、ストラップ3301は、個別に異なるスケジュールで洗浄されてもよく、例えば、プレナムチャンバ3200/シール形成構造体3100がストラップ3301よりも頻繁に洗浄されてもよい。構成要素の形状および構造は、患者インタフェース3000を直観的態様で組み付けるおよび分解する方法を患者1000に対して視覚的および触覚的に示唆する。例えば、係合が正しいときに聞き取れるクリック音を発生させるプレナムチャンバ3200とフレーム3310との間の嵌め合い関係は、患者1000に直観的である。また、フレーム3310、プレナムチャンバ3200、および、位置決め安定化構造体3300に視覚的および触覚的な指標を設けることは、患者1000がマスク構成要素の誤った組み付け/分解または誤った方向付け/位置ずれを回避するための更なるガイドを付加する。これらの特徴の一部は、暗い環境の中にいる手に関節炎を伴う患者1000にとって特に有益である。例えば、聞き取れるクリック音が聞かれてもよく、または、マスク構成要素の形状の手触りおよび感触、並びに、触覚指標も、微光状態において有用である。また、単にストラップ3301を伸長させるだけで患者インタフェース3000を着用するまたは患者の顔から取り外すことは、複雑な係合/離脱手続きを回避する。これらの特徴のうちの2つ以上の任意の組み合わせは、患者インタフェース3000の簡素化を向上させる。これらの特徴の全ての組み合わせは、患者インタフェース3000の簡素化を大きく高める。
本技術の1つの例において、フレームアセンブリは、フレーム3310のサブアセンブリ、短チューブ4180、通気孔3400、および、リジダイザアーム3302を含む。フレームアセンブリのサブアセンブリは互いに取り外し不能に接続され、例えば、フレーム3310と短チューブ4180とが互いに取り外し不能に接続され、フレーム3310とリジダイザアーム3302とが互いに取り外し不能に接続され、および、フレーム3310と通気孔3400とが互いに取り外し不能に接続される。クッションアセンブリがフレームアセンブリと取り外し可能に係合できる。クッションアセンブリは、シール形成構造体3100、プレナムチャンバ3200、保持構造体3242、および、プレナム接続領域を含む。ストラップ3301は、フレームアセンブリと、特にリジダイザアーム3302と取り外し可能に係合できる。
織物から形成されるストラップ3301について説明してきたが、ストラップの少なくとも遠位端部がシリコーンまたはプラスチック材料から形成されてもよいことが想起される。シリコーンストラップは、取り外し不能な接続のためにプレナムチャンバ3200へのオーバーモールドを可能にする。
6.4.1.1.2 マスクシステムの不正確な組み付けおよび分解の防止
図187〜図190を参照すると、患者インタフェース3000には、マスク構成要素と互いに係合する際の誤った方向付けを防止しまたは最小限に抑えるために、視覚的指標および触覚的指標が設けられる。また、これらの指標は、マスク構成要素を互いから離脱させる際に患者に直観も与える。図187および図188において、リジダイザアーム3302の延在部3350の外面3555上には、パッド印刷3290が設けられる。単語が右上側に向けられる方向性を患者に示すようにマスク名およびブランドロゴがパッド印刷される。これらの印刷は視覚的表示を患者1000に与える。図189では、隆起した/エンボス加工された文字列3291がフレーム3310の上縁に存在する。この文字列は、フレーム3310が上に向けられるかまたは下に向けられるかどうかについての視覚的および触覚的な指標を患者1000に与えるとともに、ストラップ3301をリジダイザアーム3302に取り付けるときの光量が少ない状態において特に役立つ。また、凹状の文字列3292がリジダイザアーム3302の外面上に存在する。この文字列は、リジダイザアーム3302の方向性の視覚的および触覚的な指標を患者1000に与えるとともに、ストラップ3301をリジダイザアーム3302に取り付ける際に役立つ。プレナムチャンバ3200の一方側にパッド印刷3293が存在してもよい。パッド印刷3293は、左枕3130および右枕3130と、シール形成構造体3100のサイズ(小、中、大)とを表示してもよい。例えば、患者1000がプレナムチャンバ3200上のパッド印刷3293を見ると、患者は、自分がプレナムチャンバ3200の上面と対向していることに気付く。これらの全ての視覚的および触覚的な指標は、誤った方向付けと不適切な組み付けおよび分解とを避けるために、患者1000が患者インタフェース3000の側および表面を特定するのを助ける。これは、患者インタフェース3000に対する不慮の損傷を避けることができるとともに、組み付けおよび分解と関連付けられる任意のユーザフラストレーションも緩和する。
6.5 PAP装置4000
本技術の1つの態様に係るPAP装置4000は、機械的な空気圧式の構成要素4100と電気的構成要素4200とを備えるとともに、1つ以上のアルゴリズム4300を実行するようにプログラミングされる。PAP装置は外部ハウジング4010を有してもよく、外部ハウジング4010は、2つの部分を成して、すなわち、外部ハウジング4010の上部4012と、外部ハウジング4010の下部4014とを成して形成される。別の形態では、外部ハウジング4010が1つ以上のパネル4015を含んでもよい。PAP装置4000は、PAP装置4000の1つ以上の内部構成要素を支持する筐体4016を備えてもよい。1つの形態では、空気圧ブロック4020が筐体4016によって支持されまたは筐体4016の一部として形成される。PAP装置4000はハンドル4018を含んでもよい。
PAP装置4000の空気圧経路は、入口空気フィルタ4112と、入口マフラと、陽圧の空気を供給できる制御可能な圧力装置(例えば、制御可能なブロワ4142)と、出口マフラとを備えてもよい。1つ以上の圧力センサおよび流量センサが空気圧経路中に含まれてもよい。
空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に位置付けられる空気圧経路の一部を構成してもよい。
PAP装置4000は、電源4210と、1つ以上の入力装置4220とを有してもよい。電気構成要素4200が単一の印刷回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に装着されてもよい。別の形態では、PAP装置4000が複数のPCBA4202を含んでもよい。
6.5.1 PAP装置の機械的な空気圧式の構成要素4100
6.5.1.1 空気フィルタ4110
本技術の1つの形態に係るPAP装置4000は、1つの空気フィルタ4110または複数の空気フィルタ4110を含んでもよい。
1つの形態では、入口空気フィルタ4112が制御可能なブロワ4142の上流側の空気圧経路の冒頭に位置付けられる。図3c参照。
1つの形態では、出口空気フィルタ4114、例えば抗菌フィルタが空気圧ブロック4020の出口と患者インタフェース3000との間に位置付けられる。図3c参照。
6.5.1.2 圧力装置4140
本技術の一形態では、陽圧の空気の流れを生み出すための圧力装置が制御可能なブロワ4142である。例えば、ブロワ4142は、1つ以上のインペラが渦巻きを成して収容されるブラシレスDCモータを含んでもよい。ブロワ4142は、約4cmH2O〜約20cmH2Oの範囲内、または、他の形態では最大で約30cmH2Oの陽圧の例えば約120リットル/分の所定量の空気を送出することができてもよい。
6.6 加湿器5000
6.6.1 加湿器概要
本技術の1つの形態では、図3bに示されるように、水リザーバと加熱プレートとを備えてもよい加湿器5000が設けられる。
6.7 用語解説
本技術の開示目的のため、本技術の特定の形態では、以下の定義のうちの1つ以上が適用される場合がある。本技術の他の形態では、別の定義が適用される場合がある。
6.7.1 総論
空気:本技術の特定の形態では、患者へ供給される空気が大気であってもよく、また、本技術の他の形態では、大気に酸素が補給されてもよい。
持続的気道陽圧(CPAP):CPAP処置は、大気に対して持続的にプラスで且つ好ましくは患者の呼吸サイクルにわたってほぼ一定の圧力で所定量の空気または呼吸可能ガスを気道への入口に印加することを意味するべく解釈される。幾つかの形態において、気道への入口における圧力は、単一の呼吸サイクル内で数センチメートルの水だけ変化し、例えば吸気中において高く、呼気中において低い。幾つかの形態において、気道への入口における圧力は、呼気中においては僅かに高く、吸気中においては僅かに低い。幾つかの形態において、圧力は、患者の異なる呼吸サイクル間で変化し、例えば、部分上気道閉塞の兆候の検出に応じて増大され、また、部分上気道閉塞の兆候がない場合には減少される。
6.7.2 PAP装置の態様
空気回路:使用時に所定量の空気または呼吸可能ガスをPAP装置と患者インタフェースとの間で送出するように構成されて配置される導管またはチューブ。特に、空気回路は、空気圧ブロックの出口および患者インタフェースと流体接続してもよい。空気回路が空気送出チューブと称されてもよい。ある場合には、吸気および呼気のための回路の別個の肢が存在してもよい。他の場合には、単一の肢が使用される。
APAP:自動気道陽圧。SDB事象の兆候の存在または不存在に応じて最小限界と最大限界との間で連続的に調整できる気道陽圧。
ブロワまたはフロージェネレータ:周囲圧力を上回る圧力の空気流を送出する装置。
コントローラ:入力に基づいて出力を調整する装置または装置の一部。例えば、コントローラの1つの形態は、装置への入力を構成する制御下の変数−制御変数−を有する。装置の出力は、制御変数の現在の値の関数、および、変数のための設定点である。サーボ換気装置は、入力としての換気、設定点としての目標換気量、および、出力としての圧力サポートレベルを有するコントローラを含んでもよい。他の形態の入力は、酸素飽和度(SaO2)、二酸化炭素の分圧(PCO2)、動作、プレチスモグラフからの信号、および、ピーク流量のうちの1つ以上であってもよい。コントローラの設定点は、固定、可変、または、学習のうちの1つ以上であってもよい。例えば、換気装置における設定点は、患者の測定された換気量の長期平均値であってもよい。他の換気装置は、時間に伴って変化する換気量設定点を有してもよい。圧力コントローラは、特定の圧力の空気を送出するためにブロワまたはポンプを制御するように構成されてもよい。
治療:本文脈における治療は、陽圧療法、酸素療法、二酸化炭素療法、死腔の制御、および、薬剤の投与のうちの1つ以上であってもよい。
モータ:電気エネルギーを部材の回転動作へと変換するための装置。本文脈において、回転部材は、回転軸に沿って移動する空気に対して圧力増大を与えるために固定軸を中心に所定位置で回転するインペラである。
気道陽圧(PAP)装置:陽圧の所定量の空気を気道へ供給するための装置。
トランスデューサ:1つの形態のエネルギーまたは信号を他の形態のエネルギーまたは信号へと変換するための装置。トランスデューサは、機械エネルギー(動作など)を電気信号へ変換するためのセンサまたは検出器であってもよい。トランスデューサの例としては、圧力センサ、流量センサ、二酸化炭素(CO2)センサ、酸素(O2)センサ、エフォートセンサ、動作センサ、ノイズセンサ、プレチスモグラフ、および、カメラが挙げられる。
6.7.3 呼吸サイクルの態様
無呼吸:好ましくは、無呼吸は、所定の持続時間、例えば10秒にわたって流量が所定の閾値を下回って降下するときに起こると言われる。閉塞性無呼吸は、患者努力にもかかわらず気道の何らかの閉塞が空気の流れを許容しないときに起こると言われる。中枢性無呼吸は、呼吸努力の減少または呼吸努力の欠如に起因する無呼吸が検出されるときに起こると言われる。
デューティサイクル:総呼吸時間Ttotに対する吸気時間Tiの割合。
努力(呼吸):好ましくは、呼吸努力は、呼吸しようとする自発的に呼吸する人によって行われる作業であると言われる。
呼吸サイクルの呼気部分:呼気流の開始から吸気流の開始までの期間。
流量限界:好ましくは、流量限界は、患者による努力の増大が対応する流量の増大を引き起こさない患者の呼吸における事象の状態であると解釈される。呼吸サイクルの吸気部分中に流量限界が起こる場合、それは、吸気流量限界と見なされてもよい。呼吸サイクルの呼気部分中に流量限界が起こる場合、それは、呼気流量限界と見なされてもよい。
呼吸低下:好ましくは、呼吸低下は、流れの中断ではなく、流量の減少であるであると解釈される。1つの形態において、呼吸低下は、所定の持続時間にわたって閾値を下回る流量の減少があるときに起こると言われる。成人における1つの形態では、以下のうちのいずれかを来すと、呼吸低下と見なされてもよい。
(i)少なくとも10秒にわたって呼吸する患者における30%減少+関連する4%脱飽和、または、
(ii)少なくとも3%の関連する脱飽和または覚醒を伴う、少なくとも10秒にわたって呼吸する患者における減少(しかし、50%未満)。
呼吸サイクルの吸気部分:好ましくは、吸気流の開始から呼気流の開始までの期間が呼吸サイクルの吸気部分であると解釈される。
開通性(気道):気道が開放している度合い、または、気道が開放する範囲。開通気道は開放している。気道開通性は、例えば開通している1の値および閉塞しているゼロ(0)の値を用いて定量化されてもよい。
呼気終末陽圧(PEEP):呼気の終わりに存在する肺内の大気圧を上回る圧力。
ピーク流量(Qpeak):呼吸流波形の吸気部分中の流量の最大値。
呼吸流量、気流量、患者気流量、呼吸気流量(Qr):これらの同義語は、通常はリットル/分の単位で表される患者が直面する実際の呼吸流量である「真の呼吸流量」または「真の呼吸気流量」とは対照的に、PAP装置の呼吸気流量の推定値を示すものと理解されてもよい。
1回換気量(Vt):余分な努力が加えられないときの通常の呼吸中に吸い込まれるまたは吐き出される空気の量。
(吸気)時間(Ti):呼吸流波形の吸気部分の持続時間。
(呼気)時間(Te):呼吸流波形の呼気部分の持続時間。
(総)時間(Ttot):1つの呼吸流波形の吸気部分の開始と後続の呼吸流波形の吸気部分の開始との間の総持続時間。
典型的な最近の換気量:何らかの所定のタイムスケールにわたる最近の値がその周囲に集まる傾向がある換気量の値、すなわち、換気量の最近の値の中心的傾向の指標。
上気道閉塞(UAO):一部上気道閉塞および完全上気道閉塞の両方を含む。これは、上気道にわたる圧力差が増大するにつれて流量のレベルが僅かだけ増大するまたは更には減少してもよい流量限界の状態(スターリング抵抗挙動)と関連付けられてもよい。
換気量(Vent):吸気流量および呼気流量の両方を含む、患者の呼吸器系によって交換されるガスの単位時間当たりの総量の指標。1分当たりの量として表される際、この量は、しばしば、「分時換気量」と称される。分時換気量は、時として、単に、1分当たりの量であると理解されるボリュームとして与えられる。
6.7.4 PAP装置パラメータ
流量:単位時間当たりに送出される空気の瞬時の量(または質量)。流量および換気量は単位時間当たり同じ大きさの量または質量を有するが、流量は、かなり短い時間にわたって測定される。流量は、患者の呼吸サイクルの吸気部分においては名目上プラスであってもよく、そのため、患者の呼吸サイクルの呼気部分においてはマイナスであってもよい。ある場合には、流量への言及は、スカラー量、すなわち、大きさのみを有する量への言及となる。他の場合には、流量への言及は、ベクトル量、すなわち、大きさおよび方向の両方を有する量への言及となる。流量には記号Qが与えられる。総流量Qtは、PAP装置から出る空気の流量である。通気孔流量Qvは、吐き出されたガスの流出を可能にするための通気孔から出る空気の流量である。漏れ流量Qlは、患者インタフェースシステムからの意図しない漏れの流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸器系内へ受けられる空気の流量である。
漏れ:好ましくは、漏れという用語は、周囲環境への空気の流れであると解釈される。漏れは、例えば吐き出されるCO2の流出を可能にするために意図的であってもよい。漏れは、例えばマスクと患者の顔面との間の不完全なシールの結果として意図的でなくてもよい。
圧力:単位面積当たりの力。圧力は、cmH2O、g-f/cm2、ヘクトパスカルを含む一連の単位で測定されてもよい。1cmH2Oは、1 g-f/cm2に等しいとともに、約0.98ヘクトパスカルである。この明細書中では、別段に述べられなければ、圧力がcmH2Oの単位で与えられる。OSAの鼻CPAP処置に関して、処置圧力への言及は、約4〜20cmH2Oの範囲内の圧力、または、約4〜30cmH2Oへの言及である。患者インタフェース内の圧力には記号Pmが与えられる。
音響パワー:音波によって伝えられる単位時間当たりのエネルギー。音響パワーは、音圧の平方と波面の面積との積に比例する。音響パワーは、通常、デシベルSWLの単位、すなわち、通常は10-12ワットとして解釈される、基準パワーに対するデシベルの単位で与えられる。
音圧:媒体を通じて進む音波の結果としての所定の時刻での周囲圧力からの局所的な偏り。音圧は、通常、デシベルSPLの単位、すなわち、人の聴力の閾値と見なされる、通常は20×10-6パスカル(Pa)として解釈される、基準パワーに対するデシベルの単位で与えられる。
6.7.5 顔面の生体構造
鼻翼(ala):各鼻孔の外側の外壁または「翼」(複数形:alar)。
鼻翼最外点(alare):鼻翼の最も外側にある点。
鼻翼湾曲(または鼻翼頂部)点:頬との鼻翼の結合により形成される折れ目で見出される各鼻翼の湾曲ベースラインにおける最も後側の点。
耳介(auricula)または耳介(pinna):耳の視認できる全体の外側部分。
(鼻)骨格:鼻の骨格は、鼻骨、上顎骨前頭突起、および、前頭骨の鼻部を備える。
(鼻)軟骨骨格:鼻の軟骨骨格は、鼻中隔、外側軟骨、大鼻翼軟骨、小鼻翼軟骨を備える。
鼻柱:鼻孔を分離するとともに鼻尖点から上唇まで延在する皮膚片。
鼻柱角:鼻孔開口の中点を通って引かれるラインと鼻棘を横切りつつフランクフォート水平面に対して垂直に引かれるラインとの間の角度。
フランクフォート水平面:眼窩縁の最下点から左耳珠点まで延在するライン。耳珠点は、耳介の耳毛よりも上側の切痕における最深点である。
眉間:軟組織上に位置付けられる、額の正中矢状面内の最隆起点。
側鼻軟骨:軟骨の略三角形プレート。その上縁は鼻骨および上顎骨前頭突起に付いており、また、その下縁は大鼻翼軟骨に接続される。
大鼻翼軟骨:側鼻軟骨の下側に位置する軟骨のプレート。大鼻翼軟骨は、鼻孔の前部の周囲で湾曲される。その後端は、鼻翼の3つまたは4つの小軟骨を含む頑丈な線維膜によって上顎骨前頭突起に接続される。
鼻孔(鼻の穴):鼻腔への入口を形成する略楕円形の開口。鼻孔(nares)の単数形は鼻孔(naris(nostril))である。鼻孔は、鼻中隔によって分離される。
鼻唇溝(Naso-labial sulcus)または鼻唇溝(Naso-labial fold):頬を上唇から分離する、鼻の両側から口の角まで延在する皮膚の襞または溝。
鼻唇角:鼻棘を横切る状態での鼻柱と上唇との間の角度。
耳下基点:顔面の皮膚に対する耳介の取り付け最下点。
耳上基点:顔面の皮膚に対する耳介の取り付け最上点。
鼻尖点:頭部の一部の残りの側面図で特定され得る鼻の最突出点または頂点。
人中:鼻中隔の下縁から上唇領域の唇の上端まで延在する正中溝。
ポゴニオン:軟組織上に位置付けられる、顎の最前中点。
稜部(鼻堤):鼻稜部は、鼻根から鼻尖点まで延在する鼻の正中突起。
矢状面:身体を右半分と左半分とに分ける前(正面)から後(背面)まで通り過ぎる垂直面。
鼻根:軟組織上に位置付けられる、前頭鼻骨縫合の領域上に横たわる最凹点。
中隔軟骨(鼻中隔軟骨):鼻中隔軟骨は、中隔の一部を形成するとともに、鼻腔の前部を分ける。
鼻翼最下点:鼻翼基部が上(上側)唇の皮膚と結合する鼻翼基部の下縁。
鼻棘:軟組織上に位置付けられる、鼻柱が正中矢状面内で上唇と合流する点。
スプラメンターレ:下唇中点と軟組織ポゴニオンとの間の下唇の中線における最凹点。
6.7.6 頭蓋骨の構造
前頭骨:前頭骨は、額として知られる領域に対応する、大垂直部、すなわち、前頭鱗を含む。
下顎:下顎は下側の顎を形成する。オトガイ隆起は、オトガイを形成する顎の骨隆起である。
上顎:上顎は、上側の顎を形成するとともに、下顎よりも上側および眼窩よりも下側に位置付けられる。上顎骨前頭突起は、鼻の側面によって上方へ突出するとともに、鼻の側面境界の一部を形成する。
鼻骨:鼻骨は、異なる個体でサイズおよび形状が異なる2つの小さい楕円形の骨である。鼻骨は、顔面の中央部および上部に並んで配置されるとともに、それらの接合によって鼻の「梁」を形成する。
ナジオン:前頭骨と2つの鼻骨との交わりであり、眼と鼻梁の上部とのちょうど間にある陥凹領域である。
後頭骨:後頭骨は頭蓋の後下部に位置付けられる。後頭骨は、楕円開口、すなわち、大後頭孔を含み、この大後頭孔を通じて頭蓋腔が脊柱管と連通する。大後頭孔の背後の湾曲板が後頭鱗である。
眼窩:眼球を収容するための頭蓋骨の腔。
頭骨頭頂部:頭骨頭頂部は、互いに接合されるときに頭蓋の天盤および側面を形成する骨である。
側頭骨:側頭骨は、頭蓋骨の基部および側部に位置付けられるとともに、こめかみとして知られる顔面の部分を支持する。
頬骨:顔面は、顔面の上部および側部に位置付けられて頬の隆起を形成する2つの頬骨を含む。
6.7.7 呼吸器系の構造
横隔膜:胸郭の底部を横切って延在する筋層。横隔膜は、心臓、肺、肋骨を収容する胸腔を腹腔から分離する。横隔膜が収縮すると、胸腔の容積が増大して、空気が肺内へ引き込まれる。
喉頭:喉頭または発声器は、声帯を収容するとともに、咽頭の下部(下咽頭)を気管と接続する。
肺:人の呼吸器。肺の伝導領域は、気管、気管支、細気管支、および、終末細気管支を含む。呼吸器領域は、呼吸細気管支、肺胞管、および、肺胞を含む。
鼻腔:鼻腔(nasal cavity)(または鼻腔(nasal fossa))は、顔面の中央の鼻の上後にある大きい空気充填空間である。鼻腔は、鼻中隔と呼ばれる垂直ひれによって2つに分けられる。鼻腔の両側には、鼻甲介(conchae)(単数形「concha」)または鼻甲介(turbinate)と呼ばれる3つの水平な延出部がある。鼻腔の前方には、背部が後鼻孔を介して鼻咽頭へと一体化する鼻がある。
咽頭:鼻腔の真下(下方)に位置付けられるとともに食道および喉頭の上に位置付けられる咽喉の一部。喉頭は、通常、3つの部分、すなわち、鼻咽頭(上咽頭)(咽頭の鼻部分)と、中咽頭(oropharynx)(中咽頭(mesopharynx))(咽頭の口腔部分)と、咽喉頭(下咽頭)とに分けられる。
6.7.8 材料
シリコーンまたはシリコーンエラストマー:合成ゴム。この明細書において、シリコーンへの言及は、液状シリコーンゴム(LSR)または圧縮成形シリコーンゴム(CMSR)への言及である。市販のLSRの1つの形態は、Dow Corningにより製造されるSILASTIC(この商標の下で販売される一連の製品に含まれる)である。LSRの他の製造業者はWackerである。正反対のことが別段に明示されなければ、LSRの好ましい形態は、ASTM D2240を使用して測定される約35〜約45の範囲内のショアA(またはタイプA)圧入硬度を有する。
ポリカーボネート:ビスフェノールAカーボネートの一般的に透明な熱可塑性高分子。
6.7.9 患者インタフェースの態様
窒息防止弁(AAV):フェイルセーフ方式で大気へ開放することによって患者による過剰なCO2再呼吸の危険を減らすマスクシステムの構成要素またはサブアセンブリ。
エルボー:所定の角度にわたって方向を変えるべく空気流の軸線を方向付ける導管。1つの形態では、角度が約90°であってもよい。他の形態では、角度が90°未満であってもよい。導管が略円形断面を有してもよい。他の形態では、導管が楕円または長方形の断面を有してもよい。
フレーム:フレームは、位置決め安定化構造体との2つ以上の接続点間の張力負荷を支持するマスク構造体を意味するように解釈される。マスクフレームは、マスクにおける気密でない負荷支持構造体であってもよい。しかしながら、気密なマスクフレームの形態であってもよい。
位置決め安定化構造体:位置決め安定化構造体は、頭部上で用いるようになっている位置決め安定化構造体の一形態を意味するように解釈される。好ましくは、位置決め安定化構造体は、呼吸療法を与えるために患者インタフェースを患者の顔面上の所定位置に位置決めして保持するように構成される1つ以上の支柱、紐、補強材の集合体を備える。幾つかの紐は、発泡体と織物との積層複合体などの柔軟な可撓性の弾性材料から形成される。
膜:膜は、例えばシール部および/または顔面接触部との関連で、好ましくは曲げ耐性を実質的に有さないが伸長耐性を有する一般的に薄い要素を意味するように解釈される。
プレナムチャンバ:マスクプレナムチャンバは、所定容積の空間を封入する壁を有する患者インタフェースの一部分を意味するように解釈され、前記空間は、使用時に大気圧を上回って加圧される空気を内部に有する。外殻がマスクプレナムチャンバの壁の一部を形成してもよい。1つの形態では、患者の顔面の領域がプレナムチャンバの壁のうちの1つを形成する。
シール:名詞形(「シール」)は、2つの表面の界面を通じた空気の流れに意図的に抵抗する構造体または障壁を意味するように解釈される。動詞形(「シールする」)は、空気の流れに抵抗することを意味するように解釈される。
外殻:好ましくは、外殻は、曲げ剛性、引張剛性、および、圧縮剛性を有する湾曲構造体、例えばマスクの湾曲構造壁を形成するマスクの一部を意味するように解釈される。好ましくは、外殻は、その全体の寸法と比べて比較的薄い。幾つかの形態では、外殻が面取りされてもよい。好ましくは、そのような壁が気密であるが、幾つかの形態では、それらの壁が気密でなくてもよい。
補強材:補強材は、他の構成要素の曲げ抵抗を少なくとも1つの方向で高めるようになっている構造的な構成要素を意味するように解釈される。
支柱:支柱は、他の構成要素の圧縮抵抗を少なくとも1つの方向で高めるようになっている構造的な構成要素であるように解釈される。
スイベル:(名詞)好ましくは低トルク下で、好ましくは独立に、共通の軸の周りで回転するように構成される構成要素のサブアセンブリ。1つの形態において、スイベルは、少なくとも360°の角度にわたって回転するように構成されてもよい。他の形態において、スイベルは、360°未満の角度にわたって回転するように構成されてもよい。構成要素のサブアセンブリは、空気送出導管との関連で使用されるときには、好ましくは、円筒状の導管の適合された対を備える。好ましくは、使用中スイベルからの空気流の漏れが殆どまたは全くない。
紐:紐は、張力に抵抗するようになっている構造的な構成要素であると解釈される。
通気孔:(名詞)吐き出された二酸化炭素(CO2)の流出および酸素(O2)の供給を可能にするための、マスクの内部からの空気の意図的な制御された割合の漏れを許容する構造体、または、外気への導管。
6.7.10 患者インタフェースに関して使用される用語
(表面の)曲率:1つの方向で上方に曲がるとともに異なる方向で下方に曲がるサドル形状を有する表面の領域は、マイナスの曲率を有すると言われる。2つの主方向で同じように曲がるドーム形状を有する表面の領域は、プラスの曲率を有すると言われる。平坦な表面は、ゼロ曲率を有するように解釈される。
軟質:以下の特徴の組み合わせである材料、構造体、または、複合体の品質。
指圧に容易に順応する。
それ自体の重量を支持させられるときにその形状を保つことができない。
硬質ではない。
僅か労力で弾性的に伸長され得るまたは曲げられ得る。
軟質であるという性質は、方向と関連付けられてもよく、したがって、特定の材料、構造体、または、複合体は、第1の方向で軟質であるが、第2の方向で、例えば第1の方向と垂直な第2の方向で高剛性または硬質であってもよい。
弾性:1秒などの比較的短い時間内で、ほぼ弾力的に変形できるとともに、荷重除去時にエネルギーのほぼ全てを解放できる。
硬質:指圧に応じて、および/または、患者インタフェースを患者の気道への入口とのシール関係に設定して維持するときに一般に直面される張力または負荷に応じて、容易に変形しない。
半硬質:気道陽圧治療中に一般に印加される機械的な力の作用下で実質的に歪まないように十分に硬質であることを意味する。
6.8 他の所見
この特許文献の開示の一部は、著作権保護を受ける題材を含む。著作権所有者は、特許文献または特許開示のうちのいずれかによる複製に何ら異存はない。これは、複製が、特許商標局の特許ファイルまたは記録に現れるが、そのほかの点では全ての著作権を何であれ留保するからである。
文脈が別段に明確に指示する場合を除き、値の範囲が与えられる場合、その範囲の上限と下限との間にある下限の単位の1/10までのそれぞれの値、および、任意の他の述べられた値またはその述べられた範囲内にある値は、本技術内に含まれることが理解される。これらの介在範囲の該介在範囲内に独立に含まれてもよい上限および下限も、述べられた範囲内の任意の特に排除された限界値の制約下で本技術内に含まれる。述べられた範囲がその限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれた限界値のいずれか一方または両方を排除する範囲も本技術内に含まれる。また、1または複数の値が本技術の一部として実施されるように本明細書中で述べられる場合には、別段に述べられなければ、そのような値が近似されてもよいことが理解され、また、そのような値は、任意の適した有効数字まで利用されてもよい。ただし、実用的な技術的実施がそれを許容するまたは必要とする場合に限る。また、任意の全ての述べられた値は、述べられた値から10〜20%増変可能であってもよいことが理解されるべきである。
別段に規定されなければ、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、この技術が属する技術分野における当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と同様または等価な任意の方法および材料を本技術の実施または試験で使用することもできるが、本明細書中には、限られた数の典型的な方法および材料が記載される。
特定の材料が一構成要素を構成するために使用されるのが好ましいと見なされる場合、同様の特性を有する自明な別の材料が代替物として使用されてもよい。また、反対のことが明示されなければ、本明細書中に記載される任意の全ての構成要素は、一緒にまたは個別に製造され得る、したがって製造されてもよいと理解される。
本明細書中でおよび添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および、「その(the)」は、文脈が別段に明確に指示しなければ、それらの複数の等価物を含むことが留意されなければならない。
本明細書中で言及される全ての刊行物は、それらの刊行物の主題である方法および/または材料を開示して説明するべく、参照により本願に組み入れられる。本明細書中で論じられる刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためだけに与えられているにすぎない。本明細書中の何れも、本技術が従前の発明に基づきそのような刊行物に先行する権利を有さないという自白として解釈されるべきでない。また、与えられる刊行物の日付は、実際の公開日とは異なる場合があり、公開日は独立に確認される必要がある場合がある。
また、開示内容を解釈する際、全ての用語は、文脈と一致する最も広い妥当な態様で解釈されるべきである。特に、「備える(comprises)」および「備えている(comprising)」という用語は、非排他的態様で要素、構成要素、または、ステップに言及しているとして解釈されるべきであり、言及された要素、構成要素、または、ステップが存在し、または、利用され、または、明確に言及されない他の要素、構成要素、もしくは、ステップと組み合わされてもよいことを示唆している。
詳細な説明で使用される主題の表題は、読者の参照を容易にするためだけに含まれており、開示または特許請求の範囲の全体にわたって見出される主題を限定するために使用されるべきでない。主題の表題は、1または複数の特許請求項の範囲を限定的に解釈して使用されるべきでない。
本明細書中の技術を特定の実施形態に関連して説明してきたが、言うまでもなく、これらの実施例は、本技術の原理および用途の単なる例示にすぎない。ある場合には、専門用語および記号は、本技術を実施するために必要とされない特定の詳細を示唆する場合がある。例えば、「第1」および「第2」という用語が使用される場合があるが、別段に明記されなければ、それらの用語は、任意の順序を示すように意図されず、別個の要素間を区別するために利用される場合がある。また、方法論におけるプロセスステップが所定の順序で説明されまたは図示される場合があるが、そのような順序付けは必要とされない。当業者であれば分かるように、そのような順序付けが変更されてもよく、および/または、その態様が同時にまたは更には同期して行われてもよい。
したがって、本技術の思想および範囲から逸脱することなく、例示された実施形態に対して多数の変更が成されてもよく、また、他の構成が考え出されてもよいことが理解されるべきである。
64 横編み織物
65 布
66 気流計器
67 切断器具
68 かしめパンチ
69 レーザカッタ
70 金型
71 成形機
72 通気孔部
73 通気孔部
74 通気孔部の鋭角部
75 通気孔部の鋭角部
76 通気孔部の長い方の側
77 通気孔部の鈍角部
78 通気孔部の外周縁領域
79 通気孔部の中心領域
80 垂直に方向付けられた繊維
81 結んでない端部
82 水平に方向付けられた繊維
83 空隙
84 概念的な左側通気部
85 コース
90 基本的な閉ループ縦編み
90-1 縦編み
100 横編み
210 後部
220 ストラップ
1000 患者
1100 ベッドパートナー
1102 編みストラップの上部
1104 編みストラップの後部
1105 編みストラップ
1106 編みストラップの下部
1120 コネクタ
1150 コース
1200 ストラップ
1250 コース
2802 接続されたリンク
2804 可撓性3D印刷布
2900 位置決め安定化構造体部分
2912(1) 穴
2912 雄クリップ
2914 雌クリップ
2914(1) 穴
2922 リジダイザアームの穴
2924 3D印刷ストラップ
3000 患者インタフェース
3100 シール形成構造体
3101 鼻フランジ
3110 シールフランジ
3120 支持フランジ
3130 鼻枕
3130.1 最後部
3131 トランポリン
3140 円錐台
3142 上側可撓性領域
3150 柄部
3152 下側可撓性領域
3200 プレナムチャンバ
3202 接続部
3210 前壁
3211 舌部
3211.1 チャネル部
3220 後壁
3222 後面
3230 屈曲領域
3232 左屈曲領域
3234 右屈曲領域
3236 分離領域
3240 プレナム接続領域
3242 保持構造体
3244 幅広保持機能部
3245 幅狭保持機能部
3246 鉤状部
3246.1 前面
3246.2 後面
3246.4 公称垂直軸線
3250 シールリップ
3290 パッド印刷
3291 エンボス加工された文字列
3292 凹状テキスト
3293 パッド印刷
3294 リブ
3295 切り欠き
3300 位置決め安定化構造体
3301 ストラップ
3302 リジダイザアーム
3302.1 遠位端部自由端部
3303 ボタン穴
3304 ボタン穴
3305 可撓性ジョイント
3305.1 ラダーロッククリップ
3306 突出端部
3307 鋭い屈曲部
3308 開口
3309 突出部
3310 マスクフレーム
3311 ポケット状端部
3311.1 溶着端部
3312 幅広フレーム接続領域
3312.1 引き込み面
3312.2 保持面
3313 幅狭フレーム接続領域
3313.1 溶着端部
3314 干渉部
3315 右側ストラップ部
3316 左側ストラップ部
3317 バックストラップ部
3317a 上側バックストラップ部
3317b 下側バックストラップ部
3318 突出部の内面
3319 突出部の外面
3319a リジダイザアームの端部
3319b リジダイザアームの端部
3320 突出部の空隙
3321 突出部の上面
3321a〜3321d マーク
3322 突出部の下面
3323 リジダイザアームの湾曲プロファイル
3323a〜3323e マーク
3324 分岐点
3325 補強部
3326 分割領域
3327 補強部
3328 丸角部
3329 リジダイザアームの凹部
3333 リジダイザアームの主要部分
3335 フレームの開口
3350 延在部
3351 延在部の直線部分
3352 延在部の屈曲部
3353 延在部のフック
3354 延在部の封入可能部分
3355 延在部の外面
3356 ジョイント
3357 ストラップロゴ
3358 証印
3359 フランジ
3361 ステム
3363 延在部の第1の部分
3363A 端部
3364 延在部の第2の部分
3365 第2の部分の第1の突出部
3366 第2の部分の第2の突出部
3367 第2の部分の第1のスロット
3368 第2の部分の第2のスロット
3400 通気孔
3600 接続ポート
4000 PAP装置
4010 外側ハウジング
4012 外側ハウジングの上部
4014 外側ハウジングの下部
4015 パネル
4016 筐体
4018 ハンドル
4020 空気圧ブロック
4100 空気圧構成要素
4112 吸気エアフィルタ
4142 制御可能ブロワ
4170 空気回路
4172 材料のウェブ
4174 螺旋コイル
4176 屈曲部の内部
4178 長チューブ
4179 屈曲部の外部
4180 短チューブ
4181 瘤部
4182 折り曲げ部の山
4183 傾斜部
4184 螺旋コイルの外面
4185 酸素補給ポート
4186 折り曲げ線
4190 回転可能アダプタ
4200 電気構成要素
4202 印刷回路アセンブリ(PCBA)
4210 電源
4220 入力装置
4300 アルゴリズム
5000 加湿器
7.1 特許文献
米国特許第7,743,767号;米国特許第7,318,437号;米国特許出願公開第2009/0044808号;国際公開第2000/069521号;米国特許第5,724,965号;米国特許第6,119,694号;米国特許第6,823,869号;米国特許出願公開第2009/0044808号;国際公開第2009/052560号;国際公開第2005/010608号;米国特許第4,782,832号;国際公開第2002/11804号;米国特許第6,854,465号、米国特許出願公開第2010/0000543号;米国特許出願公開第2009/0107508号;国際公開第2011/121466号;米国特許第7,562,658号;欧州特許第2,022,528号;欧州特許第1356841号;米国特許出願公開第2012/0318270号;米国特許第8439038号;米国特許出願公開第2009/0078259号;米国特許出願公開第2009/0277525号;米国特許出願公開第2010/0224276号;米国特許第6,581,594号;米国特許出願公開第2009/0050156号;米国特許出願公開第2001/0319700号;米国特許出願公開第2009/0044810号

Claims (19)

  1. 患者インターフェースであって、
    レームであって、
    者によって呼吸するための周囲圧力より少なくとも4cmHOだけ高い治療圧力の空気流を受容するように寸法決めされ、且つ構成された、接続ポート、及び
    使用中に前記患者による連続的な呼気ガス流が周囲に流れるのを可能にするように構成された複数の通気孔を備えるベント構造、
    を含むフレームと、
    前記治療圧力まで加圧可能なプレナムチャンバであって、前記フレームに取り外し可能に接続される、プレナムチャンバと、
    前記治療圧力の空気流が前記患者の鼻孔へ送達されるように前記患者の前記鼻孔の周りで前記患者の顔に対してシールするように構成され、且つ配置されたシール形成構造体であって、前記シール形成構造体が、使用時に前記患者の呼吸サイクルにわたって前記プレナムチャンバ内で前記治療圧力を維持するように構成され、且つ配置され、前記シール形成構造体及び前記プレナムチャンバが単一の一体の構成要素として成形される、シール形成構造体と
    記患者の前記顔上の治療上有効な位置において前記シール形成構造体を保持するように構成された位置決め安定化構造体であって、前記フレームに接続された一対のリジダイザアームと、前記一対のリジダイザアームに取り外し可能に接続されたストラップとを有し、前記ストラップは長さ伸長可能であり、前記ストラップは使用時に少なくとも一部分が前記患者の上頭の対応する横側から前記患者の上耳底点を覆うように構成され、且つ配置される、位置決め安定化構造体と、
    前記プレナムチャンバに一体的に成形された保持構造体であって、前記プレナムチャンバを前記フレームに取り外し可能に接続するように構成された保持構造体と、
    前記接続ポートにおいて前記フレームに接続されたガス送出チューブであって、前記治療圧力の空気流を前記プレナムチャンバへ方向付けるように構成されたガス送出チューブと、
    を備え、
    前記通気孔は、使用時に前記連続的な呼気ガス流が前記プレナムチャンバ内から周囲へ流れることができるとともに、前記プレナムチャンバ内で前記治療圧力を維持するように寸法決めされ、且つ形成され、
    前記患者インターフェースは、前記患者の口を覆わない状態にしておくように構成されており、
    前記シール形成構造体及び前記プレナムチャンバは、第1シリコーン材料から成形されており、前記保持構造体は前記第1シリコーン材料よりも高い硬度を有する第2シリコーン材料から成形されており、それによって、前記保持構造体が前記シール形成構造体及び前記プレナムチャンバより高い剛性を有し、
    前記プレナムチャンバは、前記フレームと係合するように構成されたシールリップをさらに備え、それによって、前記プレナムチャンバ内の空気圧の増加が前記シールリップと前記フレームとの間のシール力を増加させる、患者インターフェース。
  2. 前記患者インターフェースは、前頭支持体を含まない、請求項1に記載の患者インターフェース。
  3. 前記フレームは、プラスチック材料から構成される、請求項1又は2に記載の患者インターフェース。
  4. 前記プラスチック材料は、ポリプロピレンである、請求項3に記載の患者インターフェース。
  5. 前記一対のリジダイザアームは、前記フレームの前記プラスチック材料に一体的に接着されることができない軟質材料から構成される、請求項3又は4に記載の患者インターフェース。
  6. 前記フレームの前記プラスチック材料は、機械的連結によって前記フレーム及び前記一対のリジダイザアームを永久的に接続するように前記一対のリジダイザアームの前記軟質材料にオーバーモールドされている、請求項5に記載の患者インターフェース。
  7. 前記軟質材料は、熱可塑性のエラストマーである、請求項5又は6に記載の患者インターフェース。
  8. 前記フレームは、機械的連結によって前記フレーム及び前記一対のリジダイザアームを永久的に接続するように前記一対のリジダイザアームにオーバーモールドされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  9. 前記シール形成構造体は、使用中に前記患者の前記鼻孔内へ入らないように構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  10. 前記フレームはチャネル部をさらに備え、
    前記保持構造体は舌部をさらに備え、
    前記舌部は、舌−溝状態様で前記チャネル部を解放可能に係合するように構成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  11. 前記ベント構造は、2つのグループの通気孔を備え、
    前記2つのグループの通気孔の各グループは、前記接続ポートの対応する横側に位置付けられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  12. 前記フレームは、前記フレーム及び前記ガス送出チューブを永久的に接続するように、前記ガス送出チューブ上に成形される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  13. 前記ストラップは、布材料から構成される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  14. 前記布材料は、前記ストラップが弾性的に伸長可能であるようにエラストマーの材料をさらに備える、請求項13に記載の患者インターフェース。
  15. 前記布材料は、前記ストラップが弾性的に伸長可能であるように縦編みされる、請求項13又は14に記載の患者インターフェース。
  16. 前記ストラップは、一対のサイドストラップ部をさらに備え、
    前記一対のサイドストラップ部のそれぞれは、使用時に前記患者の頭部の対応する横側に沿って位置付けられるように構成される、請求項13〜15のいずれか一項に記載の患者インターフェース。
  17. 前記一対のサイドストラップ部のそれぞれは、管状形態と、その対応する自由端において孔とを有し、
    前記一対のリジダイザアームのそれぞれは、前記一対のサイドストラップ部のうちの対応するサイドストラップ部内に挿入される、請求項16に記載の患者インターフェース。
  18. 前記一対のサイドストラップ部のそれぞれの自由端は、前記一対のリジダイザアームのうちの対応するリジダイザアームを係合して前記一対のサイドストラップ部のそれぞれを前記対応するリジダイザアームに接続し、それによって、前記一対のリジダイザアームのそれぞれが、前記対応するサイドストラップ部に湾曲を実質的に与え、
    前記一対のサイドストラップ部のそれぞれは、前記対応するリジダイザアームに対して伸長可能である、請求項17に記載の患者インターフェース。
  19. 前記一対のサイドストラップ部のそれぞれの自由端は、前記対応するサイドストラップ部に対して前記ストラップの動きを制限するように、前記対応するリジダイザアームの一部を包囲し且つ隣接する、請求項17又は18に記載の患者インターフェース。
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