JP6930353B2 - 仮想現実体感システム - Google Patents
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Description
特許文献2に記載されたモーションベース装置は、上下方向に動作することはできるものの、仮想現実ソフトウェアを解釈した制御コンピュータが、各油圧シリンダーに供給される圧油を制御することで搭乗機を上下運動および揺れ運動させるものであるため、搭乗機に搭乗している体感者の直感的な身体動作と連動した上下運動を実現することはできず、仮想現実の体感者にとって、その体感性は十分ではない。
特許文献3に記載されたモーションプラットフォームでは、体感者が手を鳥のように羽ばたかせるというインプットに基づいて、体感者の搭乗部を上昇および下降させることはできるものの、インプットとなる体感者の身体動作は、鳥のように手を羽ばたかせるという身体動作に限られているため、利用可能な仮想現実のコンテンツは限られてしまう。
図1は、本実施形態の仮想現実体感システム100を示す斜視図である。仮想現実を体感する体感者1は、仮想現実体感システム100に搭乗して基本姿勢をとっている。
映像生成部2は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)などから構成される。映像生成部2は、制御部5の中にその一部として組み込まれていてもよい。
表示部3は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを備える表示装置から構成される。例えば、表示部3として、体感者1の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイを用いることができる。表示部3として、ヘッドマウントディスプレイを用いることで、大型のスクリーンを設置する必要がなく、仮想現実体感システム100の小型化を図ることができる。表示部3としてのヘッドマウントディスプレイは、スマートフォンなどの携帯情報端末を筐体に取り付けて構成されるものであってもよい。
なお、図1に示す構成において、映像生成部2と表示部3とは互いに直接接続されているため、両者は制御部5を介さなくとも互いに通信可能である。このため、表示部3は、制御部5からの信号ではなく、映像生成部2からの信号のみに基づいて仮想現実の映像を表示することもできる。この場合には、制御部5からの信号の送信先を減らすことができる。
ベース部41を床面に強固に固定して取り付けるために、ベース部41は、アンカー部材などを取り付けるための図示しない開口部を有していてもよい。ベース部41には、ステンレス、アルミニウム、カーボン、樹脂材料、木材料などの公知の材料を用いることができる。
上下駆動機構部42は、油圧式または空圧式のシリンダーや、ボールねじ、電動リニアアクチュエーターなどから構成される。上下駆動機構部42として、油圧式または空圧式のシリンダーを用いる場合には、比較的小さなサイズで高速かつ大きな動力を得ることができるため好ましい。
ベース部41と上下駆動機構部42とは、図示しないボルトなどで互いに固定されている。上下駆動機構部42の筐体には、ステンレス、アルミニウム、カーボンなどの公知の材料を用いることができる。
なお、搭乗部43は図1に示すような椅子型には限られない。例えば、搭乗部として、体感者1が座面に跨るように搭乗する乗馬型の搭乗部としてもよい。
上下駆動機構部42と搭乗部43とは、図示しないボルトなどで連結されている。搭乗部43を形成する材料としては、ステンレス、アルミニウム、カーボン、樹脂材料、木材料などの公知の材料を用いることができる。
第1センサ部44bは、公知のセンサから構成される。例えば、第1センサ部44bのセンサには、ひずみゲージ式、磁歪式、静電容量式などのロードセルを用いることができる。第1センサ部44bは、第1荷重支持部44の全面(搭乗部43の座面の全面)に配置されていてもよいし、体感者1の身体動作に伴う第1荷重44aの変化を検知できる範囲で、その配置面積を小さくしてもよい。
第2センサ部45bは、第1センサ部44bと同様の構成とすることができる。第2センサ部45bは、第2荷重支持部45の全面(搭乗部43の下端部における延出面の全面)に配置されていてもよいし、体感者1の身体動作に伴う第2荷重45aの変化を検知できる範囲で、その配置面積を小さくしてもよい。
体感者1が着座して基本姿勢をとっている場合には、体感者1から搭乗部43にかかる荷重の大半は、搭乗部43の座面である第1荷重支持部44に第1荷重44aとしてかかる。体感者1の足は、搭乗部43の延出面である第2荷重支持部45に触れているものの、第2荷重支持部45が受ける第2荷重45aはそれほど大きいものとはならない。
つまり、制御部5は、第1センサ部44bからの第1荷重44aに関する情報と、第2センサ部45bからの第2荷重45aに関する情報とを取得して、第2センサ部45bによって検知される第2荷重45aがゼロではなく、第1センサ部44bによって検知される第1荷重44aが、第2センサ部45bによって検知される第2荷重45aよりも大きい場合には、体感者1は搭乗部43に着座して基本姿勢をとっていると判断(把握)する。
従って、上下駆動機構部42は、搭乗部43を上昇または下降させるような上昇駆動または下降駆動をすることはない。
つまり、制御部5は、第1センサ部44bからの第1荷重44aに関する情報と、第2センサ部45bからの第2荷重45aに関する情報とを取得して、第2センサ部45bによって検知される第2荷重45aが、第1センサ部44bによって検知される第1荷重44aよりも大きくなった際に、体感者1は搭乗部43において上昇動作をとったと判断(把握)する。
つまり、制御部5は、体感者1の上昇動作という直感的な身体動作に伴い、第2センサ部45bによって検知される第2荷重45aが第1センサ部44bによって検知される第1荷重44aよりも大きくなった際に、上下駆動機構部42によって搭乗部43を上昇させるとともに、当該上昇と連動した仮想現実の映像を映像生成部2に生成させ、かつ表示部3に表示させる。
つまり、制御部5は、第1センサ部44bからの第1荷重44aに関する情報と、第2センサ部45bからの第2荷重45aに関する情報とを取得して、第2センサ部45bによって検知される第2荷重45aがゼロになった際に、または第1センサ部44bによって検知される第1荷重44aが急峻に増大した際に、体感者1は搭乗部43において下降動作をとったと判断(把握)する。
つまり、制御部5は、体感者1の下降動作という直感的な身体動作に伴い、第2センサ部45bによって検知される第2荷重45aがゼロになった際に、または第1センサ部44bによって検知される第1荷重44aが急峻に増大した際に、上下駆動機構部42によって搭乗部43を下降させるとともに、当該下降と連動した仮想現実の映像を映像生成部2に生成させ、かつ表示部3に表示させる。
図4は、本実施形態の変形例1である仮想現実体感システム200を示す側面図である。
図4において、図面の見やすさの観点から、映像生成部2および制御部5を省略している。しかしながら、図4に示す仮想現実体感システム200は、図1に示す仮想現実体感システム100と同様に、映像生成部2および制御部5を備えている。つまり、仮想現実体感システム200においても、図8に示すブロック図のとおり、制御部5は、映像生成部2、表示部3および本体部4(第1センサ部44b、第2センサ部45b、および上下駆動機構部42)のそれぞれと通信可能に接続されている。
第1固定板21および第2固定板22には、ステンレス、アルミニウム、カーボン、樹脂材料、木材料などの公知の材料を用いることができる。
付勢部材20は、第1固定板21および第2固定板22に着脱可能に取り付けられてもよい。この場合、利用する仮想現実のコンテンツに合わせて、あらかじめ設けられた複数の第1固定板21および複数の第2固定板22のうち、必要箇所にのみ付勢部材20を取り付けることができる。
さらに、本変形例1の仮想現実体感システム200によれば、ベース部41と搭乗部43との間に搭乗部43の下降を付勢する付勢部材20を備えているため、体感者1はより加速感の増した下降を体感することができる。
図5は、本実施形態の変形例2である仮想現実体感システム300を示す側面図である。
図5において、図面の見やすさの観点から、映像生成部2および制御部5を省略している。しかしながら、図5に示す仮想現実体感システム300は、図1に示す仮想現実体感システム100と同様に、映像生成部2および制御部5を備えている。つまり、仮想現実体感システム300においても、図8に示すブロック図のとおり、制御部5は、映像生成部2、表示部3および本体部80(第1センサ部84b、第2センサ部85b、および上下駆動機構部42)のそれぞれと通信可能に接続されている。
付勢部材20は、上記の仮想現実体感システム200と同様である。図5において、付勢部材20は搭乗部83の前方に1つ設けられているが、その設置場所および設置個数はこれに限定されず、仮想現実体感システム300において利用する仮想現実のコンテンツに合わせて適宜決定される。
搭乗部83は、連結部81および支持部82を有している。連結部81は、上下駆動機構部42と支持部82とを繋ぐ連結部材から構成されている。連結部81は、その下端において上下駆動機構部42と繋がっており、その上端において支持部82と繋がっている。
支持部82は、連結部81の上端に回転自在に繋がっている。このため、搭乗部83に搭乗した体感者1は、連結部81の上端を中心として、自身の体の重心移動によって支持部82を前後に傾動させることができる。
連結部81および支持部82には、ステンレス、アルミニウム、カーボンなどの公知の材料を用いることができる。
図5に示すように、第1荷重支持部84は、体感者1の胸部または腹部が接するように支持部82の中央付近に配置されている。第2荷重支持部85は、体感者1の足裏が触れるように支持部82の一端において立設した立設面に配置されている。
第2荷重支持部85が配置される立設面の立設する角度は、体感者1の足裏が触れることができる範囲において適宜決定することができる。
支持部82は、把持部86と第1荷重支持部84との間に、腕支部87を有している。腕支部87は、搭乗部83に搭乗する体感者1の腕を支える。
支持部82は、第1荷重支持部84と第2荷重支持部85との間に、脚支部88を有している。脚支部88は、搭乗部83に搭乗する体感者1の脚を支える。
体感者1がこのような基本姿勢をとっている場合には、体感者1から搭乗部83にかかる荷重の大半は、体感者1の重心位置付近に設けられた第1荷重支持部84に第1荷重84aとしてかかる。体感者1の足は、搭乗部83(支持部82)の立設面である第2荷重支持部85に触れているものの、第2荷重支持部85が受ける第2荷重85aはそれほど大きいものとはならない。
つまり、制御部5は、第1センサ部84bからの第1荷重84aに関する情報と、第2センサ部85bからの第2荷重85aに関する情報とを取得して、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aがゼロではなく、第1センサ部84bによって検知される第1荷重84aが、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aよりも大きい場合には、体感者1は搭乗部83において基本姿勢をとっていると判断(把握)する。
従って、上下駆動機構部42は、搭乗部83を上昇または下降させるような上昇駆動または下降駆動をすることはない。
つまり、制御部5は、第1センサ部84bからの第1荷重84aに関する情報と、第2センサ部85bからの第2荷重85aに関する情報とを取得して、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aが、第1センサ部84bによって検知される第1荷重84aよりも大きくなった際に、体感者1は搭乗部83において上昇動作をとったと判断(把握)する。
つまり、制御部5は、体感者1の上昇動作という直感的な身体動作に伴い、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aが第1センサ部84bによって検知される第1荷重84aよりも大きくなった際に、上下駆動機構部42によって搭乗部83を上昇させるとともに、当該上昇と連動した仮想現実の映像を映像生成部2に生成させ、かつ表示部3に表示させる。
つまり、制御部5は、第1センサ部84bからの第1荷重84aに関する情報と、第2センサ部85bからの第2荷重85aに関する情報とを取得して、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aがゼロになった際に、または第1センサ部84bによって検知される第1荷重84aが急峻に増大した際に、体感者1は搭乗部83において下降動作をとったと判断(把握)する。
なお、体感者1の胸部または腹部が下降動作前から第1荷重支持部84に接触している場合には、体感者1の下降動作に伴う第1荷重84aの増加は急峻ではないこともある。この場合であっても、制御部5は、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aがゼロになったとの情報に基づいて、体感者1は搭乗部83において下降動作をとったと判断(把握)することができる。
つまり、制御部5は、体感者1の下降動作という直感的な身体動作に伴い、第2センサ部85bによって検知される第2荷重85aがゼロになった際に、または第1センサ部84bによって検知される第1荷重84aが急峻に増大した際に、上下駆動機構部42によって搭乗部83を下降させるとともに、当該下降と連動した仮想現実の映像を映像生成部2に生成させ、かつ表示部3に表示させる。
従って、本変形例2の仮想現実体感システム300は、仮想現実体感システム100と同様に、利用可能な仮想現実のコンテンツは多く、体感者1の直感的な身体動作と連動した上下駆動を可能とすることで体感者1の体感性を向上させることができる。
制御部5が第三者からのインプットを優先して処理するため、第三者が搭乗部を緊急停止させるなどの措置をとることもでき、仮想現実体感システムの安全性の向上を図ることもできる。
2 映像生成部
3 表示部
4、80 本体部
5 制御部
20 付勢部材
21 第1固定板
22 第2固定板
41 ベース部
42 上下駆動機構部
43、83 搭乗部
44、84 第1荷重支持部
44a、84a 第1荷重
44b、84b 第1センサ部
45、85 第2荷重支持部
45a、85a 第2荷重
45b、85b 第2センサ部
81 連結部
82 支持部
86 把持部
87 腕支部
88 脚支部
100、200、300 仮想現実体感システム
Claims (6)
- 体感者の身体動作を伴う仮想現実体感システムであって、
前記体感者が視認する仮想現実の映像を生成する映像生成部と、
前記映像生成部によって生成された仮想現実の映像を表示する表示部と、
ベース部と、前記ベース部上に固定設置された上下駆動機構部と、前記上下駆動機構部に連結された前記体感者が搭乗する搭乗部と、を有する本体部と、
前記映像生成部、前記表示部および前記本体部のそれぞれと通信可能に接続された制御部と、
を備え、
前記搭乗部は、前記体感者の足以外の部位からの第1荷重を受ける第1荷重支持部と、前記体感者の足からの第2荷重を受ける第2荷重支持部と、を有し、
前記第1荷重支持部は、前記第1荷重を検知する第1センサ部を有し、
前記第2荷重支持部は、前記第2荷重を検知する第2センサ部を有し、
前記制御部は、前記体感者の身体動作に伴い、前記第2センサ部によって検知される前記第2荷重が前記第1センサ部によって検知される前記第1荷重よりも大きくなった際に、前記上下駆動機構部によって前記搭乗部を上昇させるとともに、前記上昇と連動した仮想現実の映像を前記映像生成部に生成させ、かつ前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記体感者の身体動作に伴い、前記第2センサ部によって検知される前記第2荷重がゼロになった際に、または前記第1センサ部によって検知される前記第1荷重が急峻に増大した際に、前記上下駆動機構部によって前記搭乗部を下降させるとともに、前記下降と連動した仮想現実の映像を前記映像生成部に生成させ、かつ前記表示部に表示させる、
仮想現実体感システム。 - 前記第1荷重支持部は、前記体感者の臀部、胸部または腹部を支持する請求項1に記載の仮想現実体感システム。
- 前記ベース部と前記搭乗部との間に設けられ、前記搭乗部の前記下降を付勢する付勢部材をさらに有する請求項1または2に記載の仮想現実体感システム。
- 前記付勢部材は、ゴムまたはバネからなる請求項3に記載の仮想現実体感システム。
- 前記上下駆動機構部は、油圧式または空圧式のシリンダーからなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の仮想現実体感システム。
- 前記表示部は、前記体感者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の仮想現実体感システム。
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