JP6929683B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場中に置かれた患者の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF:Radio Frequency)信号で励起し、励起に伴って被検体から発生する磁気共鳴信号を再構成して画像を生成する撮像装置である。
近年の磁気共鳴イメージング装置では、例えば、高画質な画像の取得のため、あるいは高速撮像のため、被検体から発生する磁気共鳴信号を受信するRFコイルのチャネル数が増加傾向にある。
従来の磁気共鳴イメージング装置では、RFコイルのチャネル数増加に対して、RFコイルで受信した信号を多重化し、多重化されたアナログ信号をアナログフィルタで受信チャネルごとに分離していた。
このような従来の磁気共鳴イメージング装置では、アナログ回路の部品点数が多くなるため、コストの増加につながる。
特許第5574619号公報
本発明が解決しようとする課題は、低コストでRFコイル装置のチャネル数増加に対応する手段を提供することである。
実施形態の磁気共鳴イメージング装置は、RF(Radio Frequency)コイル装置と、受信器とを有する。RFコイル装置は、複数のチャネルにそれぞれ対応する複数のコイルエレメントで磁気共鳴信号を受信し、前記磁気共鳴信号の周波数を前記チャネルごとに異ならせ、前記周波数を異ならせた磁気共鳴信号を前記複数のチャネルに亘って合成したアナログの多重化信号を出力する。受信器は、前記アナログの多重化信号をディジタルの多重化信号に変換するアナログディジタル変換回路と、前記周波数を異ならせた磁気共鳴信号の合成に関する前記チャネルのチャネル数に基づいて前記ディジタルの多重化信号を分離する所定の数の分離チャネルとを有し、前記所定の数の分離チャネルのうち、前記ディジタルの多重化信号の分離の処理に用いられない分離チャネルでの前記処理を停止する。
第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るRFコイル装置に関する詳細な構造を示すブロック図。 第1の実施形態に係るMR信号をコイルエレメントで受信して端子から寝台本体に信号が出力されるまでの流れを示すフローチャート。 第1の実施形態に係るRF受信器に関する詳細な構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係るポートで受信されたアナログの多重化信号がディジタル信号に変換されてからシーケンスコントロール回路に供給されるまでの流れを示すフローチャート。 変形例1に係るRF受信器32に関する詳細な構成を示すブロック図。 変形例1に係るポートで受信されたアナログの多重化信号がディジタル信号に変換されてからシーケンスコントロール回路に供給されるまでの流れを示すフローチャート。 第2の実施形態に係るRFコイル装置がアナログ回路を用いて識別情報を端子に供給する例を示す図。 第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係る多重化信号を出力するRFコイル装置または多重化信号を出力しないRFコイル装置からの出力信号を処理可能なRF受信器32における処理の流れを示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の全体構成を示すブロック図である。磁気共鳴イメージング装置1は、磁石架台100、寝台500、制御キャビネット300、コンソール400、WB(Whole Body)コイル12、RF(Radio Frequency)コイル装置20を備える。
磁石架台100は、静磁場磁石10、傾斜磁場コイル11、およびWBコイル12を有しており、これらの構成は略円筒状の筐体に収納されている。寝台500は、寝台本体50と天板51を有している。
制御キャビネット300は、静磁場用電源30、傾斜磁場電源31(X軸用31x、Y軸用31y、Z軸用31z)、RF受信器32、RF送信器33、及びシーケンスコントロール回路34を備えている。
磁石架台100の静磁場磁石10は、略円筒形状をなしており、被検体、例えば患者、が搬送されるボア内に静磁場を発生させる。ボアとは、磁石架台100の円筒内部の空間のことである。静磁場磁石10は、例えば超電導コイルを内蔵する。液体ヘリウムによって超電導コイルは極低温に冷却されている。
静磁場磁石10は、励磁モードにおいて静磁場用電源30から供給される電流を超電導コイルに印加することで静磁場を発生する。その後、永久電流モードに移行すると、静磁場用電源30は切り離される。一旦永久電流モードに移行すると、静磁場磁石10は長時間、例えば1年以上に亘って、大きな静磁場を発生し続ける。なお、静磁場磁石10を超電導磁石として説明したが、超電導磁石に限らず、永久磁石を用いて静磁場を形成してもよい。さらには、静磁場磁石10は、略円筒形状に限らず、開放型の形状で構成してもよい。
傾斜磁場コイル11も略円筒形状をなし、静磁場磁石10の内側に固定されている。この傾斜磁場コイル11は、傾斜磁場電源(31x、31y、31z)から供給される電流によりX軸、Y軸、Z軸の各方向に傾斜磁場を被検体に印加する。
寝台500の寝台本体50は天板51を上下方向及び水平方向に移動することができる。寝台本体50は、撮像前に天板51に載置された被検体を所定の高さまで移動させる。その後、寝台本体50は、撮像時には天板51を水平方向に移動させて被検体をボア内に移動させる。
WBコイル12は全身用コイルとも呼ばれ、傾斜磁場コイル11の内側に被検体を取り囲むように略円筒形状に固定されている。WBコイル12は、RF送信器33から伝送されるRFパルスを被検体に向けて送信する一方、また、水素原子核の励起によって被検体から放出される磁気共鳴信号、即ちMR(Magnetic Resonance)信号を受信する。
磁気共鳴イメージング装置1は、WBコイル12の他、図1に示すようにRFコイル装置20を備える。RFコイル装置20は、被検体の体表面に近接して載置されるコイルを有する。RFコイル装置20は、例えば頭部コイルや、膝用コイル、腹部用コイル、肩用コイル、乳房用コイル、足用コイルなど有する。RFコイル装置20は、送受信兼用RFコイル装置として構成されてもよいし、受信専用RFコイル装置として構成されてもよい。RFコイル装置20は複数のコイルエレメントを備えている。RFコイル装置20の詳細な構成については後述する。
RF送信器33は、シーケンスコントロール回路34からの指示に基づいてRFパルスを生成する。生成したRFパルスはWBコイル12または、RFコイル装置20に伝送され、被検体に印加される。RFパルスの印加によって被検体からMR信号が発生する。このMR信号をWBコイル12またはRFコイル装置20が受信する。
なお、図1では、RF送信器33は、WBコイル12に向けてRFパルスを供給するように示しているが、例えば、RFコイル装置20がRFパルスを送信可能なように構成してもよい。
RFコイル装置20で受信したMR信号、より具体的には、RFコイル装置20内の各コイルエレメントで受信したMR信号は、RFコイル装置20と寝台本体50とを接続するケーブルを介してRF受信器32に出力される。RF受信器32は、MR信号をAD(Analog to Digital)変換して、シーケンスコントロール回路34に出力する。MR信号をAD変換するための具体的な構成については、RFコイル装置20の詳細な構成と併せて後述する。ディジタル化されたMR信号は、生データ(Raw Data)と呼ばれることもある。また、このMR信号は、フーリエ変換によって実空間データに変換される前の空間周波数データであるため、k空間データと呼ばれることもある。
シーケンスコントロール回路34は、コンソール400による制御のもと、傾斜磁場電源31、RF送信器33およびRF受信器32をそれぞれ駆動することによって被検体のスキャンを行う。スキャンによってRF受信器32から生データを受信すると、シーケンスコントロール回路34は、受信した生データをコンソール400に送信する。
シーケンスコントロール回路34は、処理回路(図示を省略)を具備している。この処理回路は、例えば所定のプログラムを実行するプロセッサである。「プロセッサ」とは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、プロセッサの回路内に組み込まれた記憶領域または記憶回路41からプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。なお、各実施形態におけるプロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
コンソール400は、処理回路40、記憶回路41、ディスプレイ42、入力インターフェイス回路43、および通信インターフェイス回路44を備えている。コンソール400は、ホスト計算機として機能する。
記憶回路41は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)の他、HDD(Hard Disk Drive)や光ディスク装置等の外部記憶装置を含む記憶媒体である。記憶回路41は、各種の情報やデータを記憶する他、処理回路40が具備するプロセッサが実行する各種のプログラムを記憶する。
入力インターフェイス回路43は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル等であり、各種の情報やデータを操作者が入力するための種々のデバイスを含む。ディスプレイ42は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機ELパネル等の表示デバイスである。
処理回路40は、例えば、プロセッサを備える回路である。プロセッサは、記憶回路41に記憶した各種のプログラムを実行することによって、後述する各種の機能を実現する。また、処理回路40は、プロセッサとプログラムによるソフトウェア処理と、ハードウェア処理とを組わせて、各種の機能を実現することもできる。
通信インターフェイス回路44は、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して、外部の機器や、カスタマーサービスセンタ等の施設と情報の授受を行う。
図2は、本実施形態に係るRFコイル装置20に関する詳細な構造を示すブロック図である。
RFコイル装置20は、コイルエレメント201と、増幅器202と、乗算器203と、発振器204と、フィルタ205と、加算器(合成回路)206と、端子21とを有する。具体的には、RFコイル装置20は、複数のチャネルにそれぞれ対応する複数のコイルエレメントで磁気共鳴信号を受信し、磁気共鳴信号の周波数を前記チャネルごとに異ならせ、周波数を異ならせた磁気共鳴信号を前記複数のチャネルに亘って合成したアナログの多重化信号をRF受信器32に出力する。図2では、RFコイル装置20が4つのコイルエレメントを有する構成を示し、以下でもRFコイル装置20が4つのコイルエレメントを有することを前提に説明するが、コイルエレメントの数を4に限定することは意図していない。
コイルエレメント201は、被検体から発生するMR信号を受信する。図2では、RFコイル装置20は、4つのコイルエレメント2011、2012、2013、2014を有する。なお、コイルエレメント201とは、図2において破線で囲った複数のコイルエレメントの総称である。なお、受信されたMR信号が通るRFコイル装置20内の信号経路を受信チャネルと呼び、コイルエレメント2011、2012、2013、2014に対応する受信チャネルを、それぞれ受信チャネル1、受信チャネル2、受信チャネル3、受信チャネル4と呼ぶこととする。
増幅器202は、コイルエレメント201がそれぞれ受信したMR信号を増幅する。図2では、RFコイル装置20は、4つの増幅器2021、2022、2023、2024を有する。なお、増幅器202とは、図2において破線で囲った複数の増幅器の総称である。
発振器204は、所定の周波数の信号を生成する。発振器204で生成される信号は、ローカル信号とも呼ばれる。各チャネルに供給されるローカル信号は、互いに異なる周波数成分を有する。なお、発振器204は、RFコイル装置20で独立して設けられる構成に限定することを意図しない。例えば、RF受信器32において発生させられるローカル信号を取得することにより、RF受信器32と発振器204とは共通化されて構成されてもよい。
乗算器203は、増幅器202から出力される信号と、発振器204から供給されるローカル信号とを乗算して乗算結果を出力する。具体的には、乗算器203は、乗算回路であって、チャネルごとに周波数が異なる複数のローカル信号各々を、チャネルからそれぞれ出力された複数の前記磁気共鳴信号各々に、チャネルごとに乗算する。図2では、RFコイル装置20は、4つの乗算器2031、2032、2033、2034を有する。なお、乗算器203とは、図2において破線で囲った複数の乗算器の総称である。
フィルタ205は、乗算器203からそれぞれ出力される信号のうち、所定の周波数成分のみを通過させて出力する。図2では、RFコイル装置20は、4つのフィルタ2051、2052、2053、2054を有する。なお、フィルタ205とは、図2において破線で囲った複数のフィルタの総称である。
加算器206は、フィルタ205からそれぞれ出力される信号を加算する。加算器206から出力される信号を多重化信号と呼ぶ。
端子21は、加算器206から出力された多重化信号を、寝台500を介してRF受信器32に伝送するため、寝台本体50に接続される部品である。端子21は1つまたは複数の信号線を有しており、多重化信号を伝送する。
ここで、RFコイル装置20において、被検体から発生したMR信号をコイルエレメント201で受信して、端子21から寝台本体50に信号が出力されるまでの流れを図3のフローチャートを用いながら説明する。
ステップS11では、コイルエレメント201がMR信号を受信する。
ステップS12では、増幅器202が、MR信号を増幅する。受信チャネル1で受信されるMR信号が増幅された時点における信号をSIGとすると、SIGは、振幅Aと、時刻tと、MR信号の周波数fmrとを用いて、次のように表現することができる。
SIG=A(t)cos(2πfmrt)
なお、fmrはラーモア周波数に比例する磁場強度に応じた周波数である。
また、受信チャネル2、受信チャネル3、受信チャネル4についても、同様にして、MR信号が増幅された時点における信号SIGとSIGとSIGとを次のように表現することができる。
SIG=A(t)cos(2πfmrt)
SIG=A(t)cos(2πfmrt)
SIG=A(t)cos(2πfmrt)
なお、AとAとAとは各チャネルの信号の振幅である。
ステップS13では、乗算器203が、増幅されたMR信号と発振器204で生成されたローカル信号とを乗算する。乗算器203は、多重化信号に含まれる各受信チャネルの信号成分が区別できるように、各受信チャネルで周波数成分をずらしている。
発振器204で生成される、受信チャネル1に供給されるローカル信号LOは、例えば周波数(f+Δf)の正弦波であり、次のように表現できる。
LO=cos{2π(f+Δf)t}
すると、MR信号SIGとローカル信号LOとを乗算して得られる信号は、次のように表現できる。
SIG×LO
=A(t)cos(2πfmrt)×cos(2π(f+Δf)t)
=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+1/2・A(t)cos(2π(fmr+(f+Δf))t)
また、受信チャネル2、受信チャネル3、受信チャネル4についても、同様にして、MR信号とローカル信号とを乗算して得られる信号は次のように表現できる。
SIG×LO
=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+1/2・A(t)cos(2π(fmr+(f+Δf))t)
SIG×LO
=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+1/2・A(t)cos(2π(fmr+(f+Δf))t)
SIG×LO
=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+1/2・A(t)cos(2π(fmr+(f+Δf))t)
なお、LOとLOとLOとは各受信チャネルの信号と乗算されるローカル信号である。また、(f+Δf)と(f+Δf)と(f+Δf)とは、各受信チャネルに供給されるローカル信号の周波数である。ただし、ΔfとΔfとΔfとΔfとは互いに異なる値である。
ステップS14では、フィルタ205が、乗算器203による乗算の結果得られる信号の特定の周波数帯域の信号のみを通過させる。受信チャネル1における乗算した結果得られる信号は、(fmr−(f+Δf))と(fmr+(f+Δf))の2つの周波数成分を有するが、所望の成分は低周波数成分である。フィルタ2051は、低周波成分のみを取り出す。この処理をダウンコンバージョンと呼び、ダウンコンバージョンによって得られる信号を中間周波数信号と呼ぶ。受信チャネル1における中間周波数信号IFは、次のように表現できる。
IF=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
また、受信チャネル2、受信チャネル3、受信チャネル4についても、同様にして、中間周波数信号IF、IF、IFは、それぞれ次のように表現できる。
IF=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
IF=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
IF=1/2・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
ステップS15では、加算器206が、フィルタ205が出力する各中間周波数信号を加算して多重化信号を出力する。出力される多重化信号MLTは次のように表現できる。
MLT=1/2[A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)]
ステップS16では、端子21が、多重化信号MLTを出力する。
上述した、各コイルエレメントで受信したMR信号は、それぞれ周波数成分を異ならせて多重化するので、RF受信器32でチャネルごとに信号成分を分離することが可能となる。
図4は、本実施形態に係るRF受信器32に関する詳細な構成を示すブロック図である。
RF受信器32は、寝台本体50に設けられたポート501からアナログの多重化信号を受信する。RF受信器32は、ADC(Analog-to-Digital Converter、アナログディジタル変換器、アナログディジタル変換回路)321と、乗算器322と、発振器323と、フィルタ324と、を有する。乗算器322と、発振器323と、フィルタ324とは、所定の数の分離チャネルに相当する。分離チャネルは、前記周波数を異ならせた磁気共鳴信号の合成に関する受信チャネルのチャネル数に基づいてディジタルの多重化信号を分離する。RF受信器32の一部または全ては、例えばFPGAなどで構成される。なお、RF受信器32において、コイルエレメント201の受信チャネル1に対応するディジタル信号がシーケンスコントロール回路34に出力される経路を、単にチャネル1と呼ぶこととする。同様にして、RFコイル装置20の残る受信チャネルに対応するRF受信器32の信号経路をチャネル2、チャネル3、チャネル4と呼ぶこととする。
ADC321は、アナログ信号をディジタル信号に変換する回路である。ADC321は、ポート501から出力されるアナログの多重化信号をディジタルの多重化信号に変換する。
発振器323は、所定の周波数の信号を生成する。発振器323で生成される信号は、ローカル信号とも呼ばれる。各チャネルに供給されるローカル信号は、互いに異なる周波数成分を有する。すなわち、発振器323は、チャネルごとに周波数が異なるローカル信号を生成する。
乗算器322は、ADC321から出力されるディジタルの多重化信号と発振器323で生成されるローカル信号とを乗算した結果の信号を出力する。図4では、RF受信器32は、4つの乗算器3221、3222、3223、3224を有する。なお、乗算器322とは、図4において破線で囲った複数の乗算器の総称である。乗算器322は、ディジタルの多重化信号にローカル信号を乗算し、分離チャネル間で周波数帯域が共通となる信号を出力する乗算回路である。
フィルタ324は、乗算器322からそれぞれ出力される信号のうち、所定の周波数成分のみを通過させて出力する。図4では、RF受信器32は、4つのフィルタ3241、3242、3243、3244を有する。4つのフィルタは、共通な通過帯域を有する。なお、フィルタ324とは、図4において破線で囲った複数のフィルタの総称である。フィルタ324は、分離チャネル間で共通の通過帯域で、乗算回路から出力された信号を通過させる。
ここで、RF受信器32において、ポート501で受信されたアナログの多重化信号がディジタル信号に変換されてからシーケンスコントロール回路34に供給されるまでの流れを図5のフローチャートを用いながら説明する。
ステップS21では、ADC321がアナログの多重化信号MLTをディジタルの多重化信号DMLTに変換する。ADC321よりも後段の信号処理は、ディジタル信号処理となる。ディジタルの多重化信号DMLTは次のように表現できる。
DMLT=α[A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)]
なお、αは任意の係数である。
ステップS22では、乗算器322が、チャネルごとに分配された多重化信号と、発振器323により生成される、チャネルごとに周波数成分が異なるローカル信号とを乗算する。発振器323で生成される、チャネル1に供給されるローカル信号DLOは、例えば周波数(fDL+Δf)の正弦波であり、次のように表現できる。
DLO=cos{2π(fDL+Δf)t}
すると、多重化信号DMLTとローカル信号DLOとを乗算して得られる信号は、次のように表現できる。
DMLT×DLO
=α[A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)]
×cos{2π(fDL+Δf)t}
=1/2・α[A(t)cos(2π(fmr−f+fDL)t)
+A(t)cos(2π(fmr−f−fDL−2Δf)t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf)+(fDL+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf)−(fDL+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf)+(fDL+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf)−(fDL+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf)+(fDL+Δf))t)
+A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf)−(fDL+Δf))t)]
ステップS23では、フィルタ324が、乗算器322から出力された信号の特定の周波数帯域の信号のみを通過させる。チャネル1における乗算器322から出力された信号は、複数の周波数成分を有するが、所望の成分は、チャネル1以外のチャネルの情報を含まない周波数成分である。チャネル1における乗算器322から出力された信号のうち、フィルタ324は、例えば、周波数成分が(fmr−f+fDL)の信号のみを通過させる。このようにして、多重化信号からチャネル1の情報のみを抽出することが可能となる。他のチャネルについても、同様にして多重化信号から特定のチャネルの情報のみを抽出することができる。具体的には、チャネル2、3、4それぞれに周波数(fDL+Δf)、(fDL+Δf)、(fDL+Δf)の周波数のローカル信号を供給し、多重化信号DMLTと各ローカル信号を乗算した信号のうち周波数成分が(fmr−f+fDL)の信号のみを通過させればよい。
ステップS24では、フィルタ324からそれぞれ出力される、チャネルごとに分離された信号が、シーケンスコントロール回路34に出力される。
以上のステップに従い、多重化信号DMLTは、各チャネルで異なるローカル信号と乗算され、共通の通過帯域のフィルタを通過させられることにより、RFコイル装置20の各受信チャネルに対応する信号に分離され、シーケンスコントロール回路34に出力される。
(変形例1)
上述した、多重化信号を各受信チャネルに対応する信号に分離してシーケンスコントロール回路34に出力する流れにおいては、各チャネルにそれぞれ異なるローカル信号を供給し、ローカル信号と乗算された信号を共通の通過帯域のフィルタを介して通過させていたが、構成はそれに限らない。
図6は、変形例1に係るRF受信器32に関する詳細な構成を示すブロック図である。図4で示した構成と異なる点は、各チャネルで異なるローカル信号を供給していない点にある。ポート501と、ADC321は、上述した構成と同じである。
フィルタ324は、ADC321から出力されるディジタルの多重化信号についての各チャネルに対応する通過帯域を有し、特定の周波数成分のみを通過させて出力する。
例えば、チャネル1、2、3、4に対応するフィルタの通過帯域は、それぞれ、(fmr−(f+Δf))、(fmr−(f+Δf))、(fmr−(f+Δf))、(fmr−(f+Δf))である。
ここで、変形例1に係るRF受信器32において、ポート501で受信されたアナログの多重化信号がディジタル信号に変換されてからシーケンスコントロール回路34に供給されるまでの流れを図7のフローチャートを用いながら説明する。
ステップS31では、ADC321がアナログの多重化信号MLTをディジタルの多重化信号DMLTに変換する。ADC321よりも後段の信号処理は、ディジタル信号処理となる。ディジタルの多重化信号DMLTは図5のステップS21で説明した表現と同様である。
ステップS32では、フィルタ324が、多重化信号DMLTの特定の周波数帯域の信号のみを通過させる。各チャネルにおいて、フィルタ324を通過して出力される信号は、次のように表現できる。
チャネル1:α・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
チャネル2:α・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
チャネル3:α・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
チャネル4:α・A(t)cos(2π(fmr−(f+Δf))t)
ステップS33では、フィルタ324からそれぞれ出力される、チャネルごとに分離された信号が、シーケンスコントロール回路34に出力される。
上述した第1の実施形態によれば、RFコイル装置20において複数の受信チャネルに亘って受信信号を多重化し、アナログ信号として多重化信号を出力する。RF受信器32は、アナログの多重化信号をディジタルに変換した後に、チャネルごとに多重化信号を分離し、シーケンスコントロール回路34に出力する。
この構成によると、アナログの多重化信号をアナログ回路によってチャネルごとに分離してからディジタル信号に変換する場合と比較して、例えばADCなどのアナログ回路の点数が削減できるため、省コスト化を図ることができる。また、回路構成を簡素化することができる。
また、第1の実施形態の受信器32は、発振器323から各チャネルに、チャネルごとに異なるローカル信号を供給し、共通の通過帯域のフィルタ324で特定の周波数成分のみ通過させる。これによりあらかじめ記憶させておくことが求められるフィルタ324の種類を減らすことができるので、受信器32を構成する、例えばFPGAに必要とされるメモリの容量を節約することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、ポート501に接続されたRFコイル装置20が多重化信号を出力するRFコイル装置であるか否かを判定する機能を有する。本実施形態において、第1の実施形態と重複する内容は省略する。また、図面の符号についても、共通の箇所には同じ符号を付して説明する。
以下、第1の実施形態と異なる構成として、端子21と処理回路40の判定機能45について説明する。
端子21は、1つまたは複数の信号線を有する。端子21は、複数の信号線として多重化信号を伝送する信号線のほか、RFコイル装置20の識別情報を端子21の接続先に認識させるための信号線を有する。RFコイル装置20の識別情報とは、例えば、RFコイル20により端子21を介して出力される多重化信号がいくつのチャネルを多重化して出力されるものであるかを示す情報である。また、RFコイル装置20の識別情報は、多重化した受信チャネルの数を有する情報に限定されない。例えば、RFコイル装置20の識別情報をRFコイル装置20の機種情報としてもよい。このとき、処理回路40は、端子21の接続先が読み出した機種情報を用いて、例えば、記憶回路41にあらかじめ記憶させておいた、機種情報と多重化したチャネル数との対応表を参照する。これにより、処理回路40は、多重化したチャネルがいずれのチャンネルであるか、またはいくつであるか、の情報を取得する。
図8は、RFコイル装置20の識別情報を端子21に供給する例として、アナログ回路を用いた場合を示した図である。端子21は、寝台500の例えば寝台本体50に設けられたポート501に接続される。図8では、端子21が2つの信号線を有し、ポート501が端子21の信号線に対応して2つの信号線を有する構成を例示した。2つの信号線をそれぞれ信号線1、信号線2と呼ぶこととする。
図8(A)は、端子21の信号線2がグランドGNDに接続され、信号線1はグランドGNDに接続されていない状態である。ポート501の信号線1の状態は、信号線がグランドGNDに接続されていない状態を表す、電圧値が非ゼロの状態である。一方で、ポート501の信号線2の状態は、信号線がグランドGNDに接続された状態を表す、電圧値がゼロの状態である。信号線の電圧値がゼロの場合を0、信号線の電圧値が非ゼロの場合を1と定義すれば、端子21が接続先であるポート501に認識させる識別情報は、信号線1と信号線2の状態を「信号線1,信号線2」の形式の2進数で表すとすれば「10」の情報となる。一方、図8(B)は、端子21の信号線1がグランドGNDに接続され、信号線2はグランドGNDに接続されていない状態である。図8(A)と同様に、信号線の接続状態から識別情報を求めると、「01」となる。このように、ポート501は、識別情報に対応する端子21の信号線の電圧値などの状態から、接続されているRFコイル装置20の識別情報を認識することができる。
上述した、RFコイル装置20の識別情報の取得においては、端子21が識別情報のために信号線を2つ設けた場合を例示したが、信号線の数はこれに限らない。識別したいRFコイル装置20の種類が増える場合には、識別情報用の信号線を増やすことによって対応することができる。また、端子21からの識別情報に関する信号の供給方法は、アナログ回路として実現することに限らない。例えば、RFコイル装置20が例えばフラッシュストレージなどの記憶媒体を有し、この記憶媒体から識別情報が供給されるように構成してもよい。
図9に示すように、処理回路40は、判定機能45を有する。判定機能45を除いて、磁気共鳴イメージング装置1の各構成は、図1で説明した構成と基本的に同一である。判定機能45は、判定部の一例である。判定機能45は、RFコイル装置20の識別情報に基づいて、RFコイル装置20が多重化信号を出力するRFコイル装置であるか否かを判定する。
例えば、処理回路40は、判定機能45により、端子21から供給される識別情報を取得する。そして、処理回路40は、識別情報と、RFコイル装置20が多重化信号を出力するか否かの情報との関係を読み出して判定する。識別情報と多重化信号出力の有無の関係は、記憶回路41にあらかじめ記憶させておく。なお、RFコイル装置20が、多重化信号を出力するか否かの識別情報を供給する構成を有しない場合、つまり、処理回路40が、判定機能45によりRFコイル装置20の識別情報を取得できない場合、処理回路40は、判定機能45によりRFコイル装置20が多重化信号を出力しないコイルであると判定する。
さらに例えば、処理回路40は、判定機能45により、RFコイル装置20の識別情報を、入力インターフェイス回路43や通信インターフェイス回路44を介して取得して用いてもよい。そして、処理回路40は、取得した識別情報に基づいて、RFコイル装置20が多重化信号を出力するか否かを判定してもよい。
処理回路40は、判定機能45により、さらに、RFコイル装置20から多重化信号が出力されていると判定した場合、RFコイル装置20が有するチャネルのうち、どのチャネルの信号が多重化されて出力されているかの情報を取得する。RFコイル装置20のどのチャネルにおける磁気共鳴信号が多重化されているかの情報は、RFコイル装置20に関する識別情報の一つとして、端子21の信号線を介して取得されてもよいし、コンソール400の記憶回路41から読み出すことにより取得されてもよい。コンソール400の記憶回路41から読み出される情報は、例えば、入力インターフェイス回路43や通信インターフェイス回路44を介して取得、および入力される情報である。
処理回路40は、判定機能45により、多重化信号を出力しないRFコイル装置20を識別可能であるが、以下に、RFコイル装置20とRF受信器32に関して、RFコイル装置20とは異なって多重化信号を出力しないRFコイル装置に対処する構成を説明する。
RFコイル装置20は、複数の受信チャネルのうち1つの受信チャネルに供給されるローカル信号を十分小さくする。多重化信号を出力しないRFコイル装置は、ラーモア周波数の信号を出力するので、例えば、第1の実施形態において説明した受信チャネル1の中間周波数信号の周波数成分(fmr−(f+Δf))をfmrに近づける。
RF受信器32は、RFコイル装置20の各受信チャネルの周波数成分に対応した多重化信号の分離の処理を行う。このため、RF受信器32は、少なくとも1つの受信チャネルが多重化信号を出力しないRFコイル装置の出力する信号の周波数を処理可能なように構成される。
ここで、多重化信号を出力するRFコイル装置20、または多重化信号を出力しないRFコイル装置からの出力信号を処理可能なRF受信器32における処理の流れを、図10のフローチャートを用いながら説明する。
ステップS41では、処理回路40が、判定機能45により、RFコイル装置20により多重化信号が出力されているか否かを判定する。例えば、処理回路40は、RFコイル装置20からRF受信器32に出力されたアナログ信号が多重化信号であるか、あるいは単一のチャネルに対応する信号であるかを判定する。RFコイル装置20から多重化信号が出力されている場合は、ステップS42に進み、RFコイル装置20から多重化信号が出力されていない場合は、ステップS43へ進む。
ステップS42では、処理回路40が、判定機能45により、RFコイル装置20の識別情報に基づいて、多重化信号を出力しているRFコイル装置20のどの受信チャネルを使用した信号が多重化されているかについての情報を取得する。使用中の受信チャネルの情報は、RF受信器32に供給される。
ステップS43では、RF受信器32が、使用中の受信チャネルに対応するチャネルに対して、信号処理を行う。使用中でないチャネルに対しては、例えば、チャネルの情報をゼロクリアする。
ステップS44では、RF受信器32がシーケンスコントロール回路34に各チャネルの信号を出力する。
上述したRF受信器32の構成は、一つのRFコイル装置20がポート501に接続されている場合を説明しているが、それに限らない。例えば、寝台本体50が複数のポート501を有していてもよい。RF受信器32は、接続されている1つまたは複数のRFコイル装置20に応じて、RF受信器32における信号の処理を切り替える。
例えば、複数のポート501にそれぞれ多重化信号を出力するRFコイル装置20と多重化信号を出力しないRFコイル装置とが接続されている場合、RFコイル装置ごとに、RF受信器32における処理を切り替えることができる。さらに例えば、複数のポート501に、多重化しているチャネルの数が異なるRFコイル装置20が接続されている場合、RFコイル装置ごとに、RF受信器32における処理を切り替えることができる。
なお、上述したステップS43において、使用中でないチャネルに対してゼロクリアすることを例示したがこれに限らない。例えば、使用中でないチャネルに対して、演算処理自体を行わないようにしても構わない。具体的には、処理回路40は、磁気共鳴信号の多重化に関するチャネル数を示す識別情報をRFコイル装置20から取得し、識別情報に基づいて周波数を異ならせた磁気共鳴信号の合成に関するチャネル数を判定し、所定の数の分離チャネルのうち、分離の処理を停止させる少なくとも一つの分離チャネルを特定する。これにより、RF受信器32は、所定の数の分離チャネルのうち、ディジタルの多重化信号の分離の処理に用いられない分離チャネルでの分離の処理を停止する。
上述した第2の実施形態によれば、処理回路40は、判定機能45により、寝台本体50に接続されたRFコイル装置20の識別情報に基づいて、RF受信器32における信号の処理を切り替える。
多重化信号を出力するRFコイル装置20が寝台本体50に接続されている場合は、RFコイル装置20の識別情報に基づいて、いくつの受信チャネルが多重化されているかの情報をRF受信器32が取得する。そして、RF受信器32において多重化信号をチャネルごとに分離するときに、使用された受信チャネルの信号に対してのみ分離の処理を行う。これにより、RFコイル装置20において多重化されている受信チャネルに対応したチャネルに対してのみ、RF受信器32が分離の処理を行うことができる。また、RF受信器32は、多重化信号から必要なチャネルの分だけ分離の処理を行うので、計算量と、処理にかかる消費電力の低減を図ることができる。
多重化信号を出力しないRFコイル装置20が寝台本体50に接続される場合に対応するために、多重化信号を出力するRFコイル装置20の少なくとも1つの受信チャネルの信号の周波数を、多重化信号を出力しないRFコイル装置20から出力された信号の周波数に合わせる。また、RF受信器32は、RFコイル装置20の各受信チャネルに対応してチャネルごとに多重化信号の分離の処理を行う。これにより、RF受信器32は、多重化信号を出力するか否かによらず、RFコイル装置20から出力された信号を処理することができる。
また、多重化しているチャネル数の異なる複数のRFコイル装置20、あるいは多重化信号を出力しているRFコイル装置20と多重化信号を出力しないRFコイル装置が、寝台本体50が複数のポート501にそれぞれ接続されている場合にも、RF受信器32は接続されたRFコイル装置20の種別に応じて、多重化信号の分離の処理ができる。つまり、多重化の有無や多重化した受信チャネルの数がどのような形態であっても、RF受信器32は、RFコイル装置から出力される信号を処理可能である。
(変形例2)
本変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1におけるRFコイル装置20は、複数のコイルエレメント201と、第1のダイレクトディジタルシンセサイザ(Direct Digital Synthesizer:以下第1DDSと呼ぶ)と、ディジタルアナログ変換器(Digital to Analog Converter:以下DACと呼ぶ)と、乗算器203と、加算器206とを有する。
複数のコイルエレメント201は、複数の受信チャネルにそれぞれ対応し複数の磁気共鳴信号をそれぞれ受信する。
第1DDSは、複数の受信チャネルにそれぞれ対応する複数の第1周波数をそれぞれ有する複数の第1ローカル信号を、ディジタル信号として発生する。具体的には、第1DDS各々は、積算器とメモリを有する。メモリは、1サイクル分の複数の位相値(角度)に対する1サイクル分の複数の振幅値の対応表と、第1周波数に対応する積算設定値とを記憶する。積算設定値は、第1DDSにおけるクロック信号の周波数と第1周波数とに応じて予め設定される。積算設定値は、クロック信号において積算されるクロック数を示すディジタルデータである。積算器は、クロック信号におけるクロック数を積算する。第1DDSは、積算したクロック数が積算設定値に到達するごとに、積算設定値を入力位相値として対応表を参照することにより、振幅値を出力する。第1DDSは、クロック数の積算および振幅値の出力を繰り返すことで、第1周波数を有するディジタル信号をDACに出力する。
第1DDSは、受信チャネルのチャネル数に対応する個数で、RFコイル装置20内に搭載される。例えば、図2に示すようにチャネル数が4つである場合、第1DDSの数は、4となる。また、図2において、複数の第1DDSは、発振器204に相当する。なお、RFコイル装置20に搭載される第1DDSの数は、受信チャネルの数に限定されない。例えば、複数の受信チャネルの内一つの受信チャネルによる磁気共鳴信号には第1ローカル信号が乗算されなくてもよい。このとき、第1DDSの数は受信チャネルの数より一つ少なくなる。
また、一つの第1DDSで周波数fを有するディジタル信号を生成し、他の4つの第1DDSで周波数Δf、周波数Δf、周波数Δf、周波数Δfを有するディジタル信号をそれぞれ生成してもよい。このとき、第1ローカル信号は、周波数fを有するディジタル信号と周波数Δf(N=1〜4)を有するディジタル信号とを乗算することにより、第1ローカル信号が生成される。このとき、第1DDSの数は受信チャネルの数より一つ多くなる。
DACは、ディジタル信号をアナログの第1ローカル信号に変換する。DACは、アナログの第1ローカル信号を乗算器に出力する。DACは、発振器204と乗算器203との間に設けられる。
乗算器203は、複数の乗算回路を有する。乗算器203は、複数の第1ローカル信号を複数の磁気共鳴信号にチャネルごとに乗算する。
加算器は、加算回路であって、第1ローカル信号を乗算した磁気共鳴信号をチャネルに亘って加算することにより、アナログの多重化信号を生成する。
また、本変形例に係る磁気共鳴イメージング装置1におけるRF受信器32は、アナログディジタル変換器(ADC)321と、第2のダイレクトディジタルシンセサイザ(第2DDS)と、乗算器322と、フィルタ324とを有する。
ADC321は、アナログの多重化信号をディジタルの多重化信号に変換する。
第2DDSは、複数の第1周波数にそれぞれ対応する複数の第2周波数をそれぞれ有する複数の第2ローカル信号を発生する。第2DDSの数は、好適には、受信チャネルの数に対応する。なお、第2DDSの数は、上述した第1DDSの数と同様に、受信チャネルの数に限定されない。また、図4において、複数の第2DDSは、発振器323に相当する。
フィルタ324は、磁気共鳴信号の加算に関する受信チャネルのチャネル数にディジタルの多重化信号を分離する。
乗算器322は、分離前のディジタルの多重化信号または分離後のディジタルの多重化信号に、第2ローカル信号をチャネルごとに乗算する。すなわち、乗算器は、図4に示すように、フィルタ324とADC321との間に設けられてもよいし、フィルタ324とシーケンスコントロール回路34との間に設けられてもよい。
以上に述べた構成によれば、前述の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本変形例によれば、DDSを用いて、第1ローカル信号と第2ローカル信号とを、位相誤差なく発生させることができる。これにより、第1ローカル信号と第2ローカル信号とを完全に同期させることができる。すなわち、アナログ多重化信号の生成およびディジタルの多重化信号の分離を、誤差なく実行することができる。これらのことから、本変形例によれば、磁気共鳴信号の多重化による画質劣化を抑制した画像を生成することができる。
(変形例3)
本変形例と変形例2との相違は、RFコイル装置20に搭載された発振器204が、アナログの第1ローカル信号を発生することにある。発振器204は、例えば、水晶振動子を用いた発振回路と分周器などとを用いた水晶発振器、位相同期回路(Phase−Locked Loop:以下、PLL回路と呼ぶ)などにより実現される。本変形例のRF受信器32における発振器323は、DDSにより実現される。このとき、DDSは、クロック数の積算値を、第2ローカル信号の1周期ごとにゼロにリセットする位相リセット機能を有する。すなわち、位相リセット機能は、第2ローカル信号の1周期ごとに、第2ローカル信号を示す波形の位相値をゼロにリセットする機能である。位相リセット機能により、第2ローカル信号は、第1ローカル信号に完全に同期させることができる。これにより本変形例によれば、変形例2と同様な効果を得ることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置によれば、RFコイル装置20において複数の受信チャネルに亘って受信信号を多重化し、アナログ信号として多重化信号を出力する。RF受信器32は、アナログの多重化信号をディジタルに変換した後に、受信チャネルに対応したチャネルごとに多重化信号を分離し、シーケンスコントロール回路34に出力する。
RFコイル装置20において複数の受信チャネルの信号が多重化されるので、受信チャネルの増加に伴ってケーブル本数が増加しない。また、受信チャネルの増加に伴って必要な信号線が増加しないので、ポートの形状の仕様変更を必要としない。
RF受信器32は、アナログの多重化信号をディジタルに変換した後に、チャネルごとに多重化信号を分離するので、アナログの多重化信号をアナログ回路によってチャネルごとに分離してからディジタル信号に変換する場合と比較して、例えばADCなどのアナログ回路の点数が削減できるため、省コスト化を図ることができる。また、回路構成を簡素化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…磁気共鳴イメージング装置、20…RFコイル装置、201…コイルエレメント、203…乗算器、205…フィルタ、21…端子、32…受信器、321…ADC、322…乗算器、324…フィルタ、34…シーケンスコントロール回路、501…ポート。

Claims (9)

  1. 複数のチャネルにそれぞれ対応する複数のコイルエレメントで磁気共鳴信号を受信し、前記磁気共鳴信号の周波数を前記チャネルごとに異ならせ、前記周波数を異ならせた磁気共鳴信号を前記複数のチャネルに亘って合成したアナログの多重化信号を出力するRF(Radio Frequency)コイル装置と、
    前記アナログの多重化信号をディジタルの多重化信号に変換するアナログディジタル変換回路と、前記周波数を異ならせた磁気共鳴信号の合成に関する前記チャネルのチャネル数に基づいて前記ディジタルの多重化信号を分離する所定の数の分離チャネルとを有し、前記所定の数の分離チャネルのうち、1以上の分離チャネルが前記ディジタルの多重化信号の分離の処理に用いられない場合、前記1以上の分離チャネルでの前記分離の処理を停止する受信器と、
    を備えた、磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記磁気共鳴信号の多重化に関する前記チャネル数を有する識別情報を前記RFコイル装置から取得し、前記識別情報に基づいて前記合成に関する前記チャネル数を判定し、前記所定の数の分離チャネルのうち、前記処理を停止させる少なくとも一つの分離チャネルを特定する処理回路をさらに具備する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記RFコイル装置は、前記チャネルごとに前記周波数が異なる複数のローカル信号各々を、前記チャネルからそれぞれ出力された複数の前記磁気共鳴信号各々に、前記チャネルごとに乗算する乗算回路をさらに有する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記処理回路は、前記RFコイル装置から前記受信器に出力されたアナログ信号が前記多重化信号であるか、あるいは単一のチャネルに対応する信号であるかを判定する、
    請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記受信器は、前記チャネルごとに周波数が異なるローカル信号を生成する発振器をさらに有し、
    前記分離チャネル各々は、
    前記ディジタルの多重化信号に前記ローカル信号を乗算し、前記分離チャネル間で周波数帯域が共通となる信号を出力する乗算回路と、前記分離チャネル間で共通の通過帯域で、前記乗算回路から出力された信号を通過させるフィルタとを有する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 複数のチャネルにそれぞれ対応し複数の磁気共鳴信号をそれぞれ受信する複数のコイルエレメントと、前記複数のチャネルにそれぞれ対応する複数の第1周波数をそれぞれ有する複数の第1ローカル信号を発生する発振器と、前記複数の第1ローカル信号を前記複数の磁気共鳴信号に前記チャネルごとに乗算する乗算器と、前記第1ローカル信号を乗算した前記磁気共鳴信号を前記チャネルに亘って加算することによりアナログの多重化信号を生成する合成回路とを有するRFコイル装置と、
    前記アナログの多重化信号をディジタルの多重化信号に変換するアナログディジタル変換器と、前記第1周波数にそれぞれ対応する複数の第2周波数をそれぞれ有する複数の第2ローカル信号を発生するダイレクトディジタルシンセサイザとを有し、前記磁気共鳴信号の加算に関する前記チャネルのチャネル数に前記ディジタルの多重化信号を分離し、分離前の前記ディジタルの多重化信号または分離後の前記ディジタルの多重化信号に前記第2ローカル信号を前記チャネルごとに乗算する受信器と、
    を具備する磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記発振器は、前記第1ローカル信号に対応するディジタル信号を発生するダイレクトディジタルシンセサイザであり、
    前記RFコイル装置は、前記ディジタル信号をアナログの前記第1ローカル信号に変換するディジタルアナログ変換器をさらに有する、
    請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 前記発振器は、アナログの前記第1ローカル信号を発生し、
    前記ダイレクトディジタルシンセサイザは、前記第2ローカル信号の1周期ごとに、前記第2ローカル信号を示す波形の位相値をリセットする、
    請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  9. 前記受信器は、前記第2周波数に応じた通過帯域を用いて前記ディジタルの多重化信号を分離するフィルタを有する、
    請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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