JP6929375B2 - 軟磁性構造を用いたナノ細孔を介してdna、rnaおよび他の生体分子を引っ張る方法およびシステム - Google Patents

軟磁性構造を用いたナノ細孔を介してdna、rnaおよび他の生体分子を引っ張る方法およびシステム Download PDF

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Description

本開示は、一般にDNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)およびタンパク質並びにナノ細孔を通過する他の生体分子などの分子の移動を制御する方法に関する。軟磁性材料からなる構造を用いて、磁気ビーズでタグ付けされたDNAを選択的に固定し、引っ張り、かつリリースする方法を具体的に記述する。
本開示において、DNAの操作が説明される。これらの方法は、RNAおよび電荷を有する直線状の他の分子に一般化され得る。
ナノ細孔技術は、DNAがナノ細孔を介して引っ張られるときにヌクレオチドを識別することによって、長い読み取り長の遺伝子情報を正確に提供する可能性を有している。ゆっくりと一様の速度でナノ細孔を介したDNAの進行を制御することは、正確な配列決定を実行するために重要である。
その主題の全体が参照により本明細書に組み込まれる特許出願PCT/US16/59794において、Leiらは、この制御を実現する方法について説明している。本開示は、これらの方法を改善するものである。
(PCT/US16/59794(Leiら)の概要)
Leiらは、DNAの転座スピードを良好に制御して、ナノ細孔を介してDNAの鎖を引っ張る手段について説明している。DNAは、DNA分子の荷電主鎖に作用するナノ細孔の電圧バイアスにより、ナノ細孔を介して引っ張られる。DNAは、ナノ細孔のシス側からトランス側へ引っ張られる。ここで「シス」および「トランス」は、ナノ細孔のオリフィスの出発側と受容側のそれぞれの、互いに隔離した空間を指す。シス側では、DNAの露出した端部がスキャンプレートに取り付けられる。共有結合などの永続的な手段によって、または磁気ビーズでタグ付けするなどの非永続的な手段によって、取り付けることができる。DNAは、スキャンプレートとナノ細孔との間で引っ張られる。DNAの張力は、ナノ細孔を横切る電圧バイアス(すなわち、ポテンシャル差)に比例するナノ細孔内の電場の引っ張りによって決定される。ナノ細孔とスキャンプレートとの間の離隔距離は、精密な機械アクチュエータによって、典型的にはナノメータ精度の圧電素子によって制御される。離隔距離を増大させることにより、引き伸ばされたDNAは、一定の張力を受けてナノ細孔を介して引っ張られる。離隔距離を減少させることにより、引き伸ばされたDNAは、一定の張力を受けてナノ細孔に引き込まれる。一定の張力下でDNAを固定することによって、転座率を良好に制御し、ブラウン運動効果を低減させる。
PCT/US16/59794において、Leiらは、さらに「DNAの自動位置合わせ」の方法を開示している。この方法は、配列決定手順においてDNAでタグ付けされた磁気ビーズを引き付け、固定し、引っ張り、かつリリースすることを制御可能な磁石を活用する。
ここでは、磁気ビーズにかかる力がビーズの体積、ビーズの磁化および磁場勾配によって決定されることが開示される。
(磁気ビーズに作用する力)
以下の式で与えられるように、磁石が磁気ビーズなどの磁性材料の体積に作用する力
Figure 0006929375
は、磁場勾配
Figure 0006929375
、材料の磁化
Figure 0006929375
およびビーズ内の磁性材料の体積VBEADにほぼ比例する。
Figure 0006929375
(完全式)
磁場が強い場合、磁気ビーズの磁化は、その飽和限界に近づき、もはや駆動磁場に比例しなくなる。力の式は、次のように簡略化されることができる。
Figure 0006929375
(飽和磁性材料の簡略化式)
ここで、MSATURATIONは、飽和状態でのビーズの磁化である。
Figure 0006929375
は、磁場勾配である。
ナノ細孔のバイアス電圧を上昇させることによってDNAの中の張力を増大させることができるため、力は強いことが望ましい。保持力が弱い場合、磁気ビーズは、DNAが大きいバイアス電圧によって引っ張られるときに、スキャンプレートから落下するだろう。
本発明は、磁気ビーズでタグ付けされたDNAを、非常に強い静電気力で固定する間、ナノ細孔を介して引っ張ることができる手段である。本発明は、小さな軟磁性構造を使用して極めて大きな磁場勾配を生成し、ナノメータ精度で動くことが可能なスキャンプレートに対して磁気ビーズをトラップする。
本手法を用れば、従来の磁石を用いて可能なものと比べて磁気トラップ力の大きさを数桁増大させることができる。従って、ナノ細孔を介したDNAの進行をより良く制御するために、DNAの張力を増加させることができる。明確にするために、軟磁性構造は磁石ではないが、磁石によって生成される磁場に配置された場合に、磁場を著しく変化させることができる構造である。
(表一覧)
表la、lbは、磁場の測定結果を示す。様々な永久磁石に対して磁場測定を行い、使用可能な最大の実質磁場勾配を求めた。
[表1a]
Figure 0006929375
[表1b]
Figure 0006929375
表2は、磁力計算を示す。
一般に用いられる磁気ビーズの最大磁場力を算出した。
[表2]
Figure 0006929375
表3は、DNAの引っ張りスピードの減少係数の計算を示す。ナノ細孔に対する磁気ビーズのずれを考慮して、DNAの引っ張り速度を算出した。
[表3]
Figure 0006929375
概略のレイアウトを示す。 本図は、DNAの配列決定のための機械アセンブリを示す特許出願PCT/US16/59794(Leiら)の図のコピーである。
磁気ビーズでの自動位置合わせを示す。 本図は、ナノ細孔上でDNAをまっすぐに引っ張ることができるように磁気ビーズでタグ付けされたDNAの位置合わせをする方法を示す、特許出願PCT/US16/59794(Leiら)の図のコピーである。
磁気ビーズでの自動位置合わせを示す。 本図は、本発明を示す。機械アセンブリは、ナノ細孔チップに面しているスキャンプレート側に表面的に配置される軟磁性構造を含んで図示される。永久磁石は、磁束が軟磁性構造に貫通するように配置されて図示される。
矩形FEMMのレイアウト図を示す。 本図は、2次元有限要素法モデル解析の物理レイアウトを示す。
軟磁性構造近くの磁束を示す。 4x1アレイの軟磁性構造近くの磁束は、2次元FEA解析を用いて算出された。寸法を重ねて磁束を示している。
軟磁性構造の磁極近くの磁束を示す。 4x1アレイの軟磁性構造の磁束は、2次元FEA解析を用いて算出された。軟磁性構造の磁極のすぐ近くの解析部分が示される。
軟磁性構造の端部付近の磁束および磁場強度を示す。
軟磁性構造の端部より下方の鉛直線に沿ってモデル化された磁場強度および磁場勾配のグラフを示す。 2次元FEA解析の結果である。
FEMM物理モデルの例を示す。 本図は、円筒形軟磁性構造を解析するために用いられる3次元軸対象FEAモデルのレイアウトを示す。
場の力線を示す軸対称物理モデルの例を示す。 本図は、円筒形軟磁性構造を解析するために用いられる3次元軸対象FEAモデルの2次元断面を示す。
円筒形軟磁性構造の端部近くの磁束をクローズアップした図を示す。 円筒形軟磁性構造の3次元軸対称FEA解析の磁場および磁束線の出力をクローズアップした図である。
軟磁性構造の端部より下方の鉛直線に沿ってモデル化された磁場強度および磁場勾配のグラフを示す。 円筒形軟磁性構造の3次元FEA解析の結果である。
スキャンプレートの加工プロセスを示す。 本図は、マイクロリソグラフィ技術を用いて軟磁性構造を有するスキャンプレートを生成する段階を示す。
スキャンプレートの表面の上方に突出する軟磁性構造の断面を示す。 これらの図は、スキャンプレートから突出する軟磁性構造およびマイクロリソグラフィ技術を用いた加工方法を示す。
DNAの位置ずれの例を示す。 本図は、軟磁性構造の間隔が原因で生じる磁気ビーズの位置ずれを概略的に表す。
軟磁性構造および評価可能なスキャンプレートを有するダイナミックチャンバを示す。 本図は、特許出願PCT/US16/59794(Leiら)によって開示されるダイナミックチャンバのデザインにおいてスキャンプレートに軟磁性構造を追加して、どのように修正され得るかについて表している。
光学的位置のフィードバックを示す。 磁石を光学システムに交換して、スキャンプレートおよびナノ細孔チップの相対的な位置を決定し得る方法を示すために、配列決定アセンブリが図示される。
スキャンプレートを介してキャプチャされるナノ細孔チップウィンドウの画像を示す。 これらの画像および添付で示される強度のグラフは、光学システムによってスキャンプレートとナノ細孔チップとの離隔距離を決定し得る方法を説明する。
軟磁性材料構造のクラスタの例を示す。 クラスタは、基板上で特定のナノ細孔と密接に位置合わせされる。
本発明は、DNAおよび他の分子をナノ細孔を介して引っ張るために磁気ビーズをスキャンプレートに対して固定し得る力を格段に増大させる。
本発明と一貫性のある少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明がその応用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構造の詳細および対象物の配置構成に限定されないことを理解すべきである。
本発明による複数の方法及び複数の装置は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施および実行されることができる。また、本明細書および以下に含まれる要約で用いられる語句および用語は、説明を目的とするものであり、限定的とみなされるべきではないことを理解すべきである。
そのため、当業者であれば、本開示のベースとなる概念が、本発明のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法及びシステムを設計するための基礎として、容易に利用可能であることが理解されよう。従って、特許請求の範囲は、そのような均等の構造を、それらが本発明による複数の方法及び複数の装置の意図および範囲から逸脱しない限り、含むものとみなされることが重要である。
さらに、例示的な実施形態を詳細に示す図面に移る前に、本明細書に記載されるかまたは図面に示される詳細または方法に本開示が限定されないことを理解されたい。また、用語は、説明のみを目的とするものであり、限定的とみなされるべきではないことも理解されたい。同じ用語を使用する努力がなされている。
(磁気ビーズにかかる最大力の推定)
磁性材料の体積量を増加させるか、その体積の磁化を増加させるか、または磁場勾配を増加させるかのいずれかによって、力を増加させることができる。
磁気ビーズのサイズを大きくすると、コストが上昇する。また、これによりビーズの表面積も増加し、ビーズ上の結合部位の数が増加するため、不必要な付着力を引き起こすかもしれない。また、ビーズが大きいほど、より多くの空間を占有し、このことはDNAの集中を制限するため問題となるかもしれない。
ビーズの磁化をある程度増加させることはできるが、凝集を引き起こす外部磁場がない場合にも、鉄を高密度に集中させることで磁化を保持することができる。密度の上昇はまた、ビーズの固定を加速させる。
超常磁性ビーズは、最小の磁化を保持し、一般により低密度の鉄を有する。コストを最小限に抑え、流体の懸濁液により長くとどませるには、小さなビーズが好ましい。
磁場勾配の増加は、DNAの端部を固定/引っ張る力を最大化するために好ましい方法である。一般に、永久磁石は電磁石よりはるかに磁力が強い。表la、lbは、小さいが磁力が強い、いくつかのネオジム磁石に対して試験を行ったときの測定結果をまとめたものである。これらの測定は、マイクロメータに取り付けられたガウスメータを用いて行われ、永久磁石から異なる距離で磁場を測定した。本実験の目的は、軸上(中央)の位置で、磁石から異なる距離での磁場勾配を測定することであった。
既知の磁気理論と完全に一致するいくつかの結論を出すことができる。
1.単一の磁石からの磁場は、その磁石表面からの距離が増加するほど減少する。
2.磁場勾配は、磁石表面近くで最大となり、磁石表面からの距離が増加するほど減少する。
使用可能な最も強力な磁場勾配は、磁気ビーズタグ付きDNAを引き付け、固定し、引っ張り、最終的にリリースするために必要な機械的レイアウトによって制限される。
これらの測定結果から、小さな磁石を用いて生成されることができる最大磁場勾配は、約450テスラ/mであると概算することができる。この仮定は、磁石の表面と操作される磁気ビーズとの間に少なくとも0.35mmの間隙が必要であるとの現実的な仮定に基づいている。たとえそうでも、そのような小さな間隙を実装することは容易ではないだろう。
所与の磁場勾配のとき、磁気ビーズにかかる力
Figure 0006929375
は少なくとも近似的に、求めることができる。これらの計算は、上述の開示のコピーされたセクションにおいて解説される。以下の計算は、1.05μmのDynabead(登録商標)(生物学上の操作で一般的に使用されるビーズ)にかかる力を推定する。
表2は、磁化計算の結果を示す。ビーズの飽和磁化値は、「Magnetic separation in microfluidic systems」という題名の2007年のSmistrupの論文における実験から取られている。
この計算例のビーズサイズは、経済性と性能の理由で考慮できるおおよそ最大のサイズである。市販のより大きいビーズは、通常、より低密度の磁性材料を含んでいる。磁気ビーズを凝集させないように確実に分離するために、厚膜のコーティングが必要となるかもしれないことが別途考慮される。
(ナノ細孔内の電気的な力)
ブラウン運動の効果が最小限に抑えるには、DNAにかかる張力を最大化することが有利である。この張力最大化には、DNAの破断力限界および磁気ビーズとDNAとの接続強度などの実際的な限界並びに電気的な制約があることが明らかである。一般に議論されるナノ細孔のバイアス電圧は100mVから400mVである。ssDNAにかかる対応する力は、10pNから100pNである。広い範囲は、細孔サイズおよび電気浸透流(すなわち負に帯電したssDNAがナノ細孔の電圧バイアスに引っ張られる方向とは反対側に流れる、正に帯電したイオンの流れ)の遮蔽効果についての異なる仮定に関連している。
従って、算出した磁気ビーズの力、8.18pNは、この推定範囲の下限であり、従って、作成した仮定を少なくとも損なうことなく、この方法を実装することに対する実際的な課題を示しているかもしれない。
(軟磁性材料)
軟磁性材料は、容易に磁化し、消磁する材料として大まかに定義される。典型的には、軟磁性材料は、1000A/m未満の小さい固有保磁力を有する。軟磁性材料は主に、電磁石によってまたは永久磁石若しくはその他のソースによって生成される磁束を高め、および/または伝えるために使用される。
軟磁性材料の性能指数としてしばしば使用される主な材料特性は、その材料が印加磁場にどれだけ容易に反応するかの尺度である、相対透磁率である。
他の好ましい特性は、磁束ソースが除去された後に材料が磁場を保持する傾向である、低保磁力である。低保磁力であることは動的なアプリケーションにとって最も好ましい。
他の好ましい特性は、高い磁束強度を可能とさせる材料の能力である、高飽和磁化である。
材料の磁気抵抗は、透磁率に反比例する。従って軟磁性材料は低磁気抵抗を有する。
(磁束)
磁束は、磁石(永久磁石または電磁石のいずれか)の対向する磁極間に閉ループを形成するが、磁束が通る経路は、その近くの材料の磁気抵抗によって異なる。極端に単純化した用語を使うと、磁束は、低磁気抵抗材料を貫通する経路を「好む」傾向にある。空気および水は、軟磁性材料よりも磁気抵抗がはるかに高い。従って、非磁性基板上にまたは非磁性流体若しくは非磁性気体内に配置された軟磁性構造は、そのジオメトリが磁石の磁極間の磁束経路の一部を形成できる場合、磁束のアトラクタになるだろう。
軟磁性構造内およびその周りの磁束の集中は、一時的な磁極の形成を引き起こす。磁束が外部からこれらの磁極に近づくにつれてより集中するようになるので、磁気ビーズに作用する力は常に軟磁性構造に引き付けられる。軟磁性構造がさらされる磁場の方向を変化させても、力を反発させることはできない。
(レイアウト)
図3は、本発明を示す。この図は、PCT/US16/59794(Leiら)によって開示される多くの構造を含み、多くの追加および変化が加えられている。
ナノ細孔(500)は、トランス空間(651)をシス空間(650)から分離するナノ細孔チップ(501)に取り付けられる。これらの空間の両方は、適切な溶液で満たされている。電位または電圧バイアス(530)は、ナノ細孔(500)を経由してのみ接続される2つの空間の間に印加されることができる。ナノ細孔チップ(501)から距離(571)だけ分離され、ナノ細孔チップ(501)と実質的に平行に置かれているのが、スキャンプレート(510)である。スキャンプレート(510)のナノ細孔チップ(501)に面している側は、1または複数の軟磁性構造(511)を含む。
解析対象のDNA(600)は、柔軟なリンカー分子(602)に取り付けられ、柔軟なリンカー分子(602)は磁気ビーズ(620)にさらに取り付けられる。配列決定において、アセンブリ(600、601、602、620)は一部がナノ細孔(500)に引っ張られる。
フレキシブルリンカー分子は、天然の、修飾されたまたは合成の、一本鎖核酸、二重鎖核酸、ポリペプチドチェーン、セルロースファイバ、または、任意のフレキシブル線状ポリマ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。
制御可能な磁石(520)は、軟磁性構造(511)を通り、さらにスキャンプレート(510)とナノ細孔チップ(501)との間のシス空間(650)を通る、磁束をもたらす。制御可能な磁石の下面は、ナノ細孔チップ(501)に面し、軟磁性構造(511)を含むスキャンプレート(510)のスキャンプレート表面から距離(524)だけ離れている。制御可能な磁石(520)からの磁束(522)は、さらに遠ざかるにつれて発散する。
用語「制御可能な磁石」(520)は、広く使用されている。電磁石の磁場強度および極性は、駆動電流を変えるだけで制御することができる。永久磁石を使用する場合、永久磁石と軟磁性構造との相対位置を変えることによって、軟磁性構造がさらされる磁場強度を変動させることができる。永久磁石の磁場を変動させる別の手段は、透過性材料を用いて他の経路に沿って磁場をそらすことである。また、非常に強い磁場を生成するためにハルバッハアレイなどの永久磁石のアセンブリも使用することができる。磁石からの磁束をスキャンプレートに向けるために、または磁束を制御するために、磁極片または他の構造を使用することができよう。
磁束を集中させるために、軟磁性構造(511)は、磁束が高磁気抵抗材料を貫通することを回避できる、磁気抵抗の低い経路を提供しなければならない。磁気構造は、より高い磁気抵抗材料を回避するように、磁束の方向に長いことが有利である。軟磁性構造は、軟磁性構造の間に、そこから磁束を引き込むための十分な間隙を有さなければならない。すべての磁束が制御可能な磁石の磁極間を通るため、軟磁性構造は、再配置することによって磁束を生成しないが、集中を生成する。
(例1−無限矩形の2次元解析)
この解析のために、David Meekerによる磁気有限要素解析プログラムFEMM4.2が使用された。強磁場中のスチール磁気構造(1010合金)がモデル化され、結果場が解析された。解析モードは、2次元であった。この種の解析は、複数の物体周辺の磁束を調べるのに有用である。この解析は、磁束が2次元の形状の近くからしか引き込まれないため、磁束集中を実際より少なく見積もる。
図4は、モデル化されたレイアウトを示す。永久磁石は、ネオジム鉄ボロンのグレード52(すなわちNdFeB−52)である。磁石は幅20mmで、高さ10mmである。軟磁性構造の位置は、下部磁極よりも4mm下方であり、軸上に配置されている。この位置で、磁場は、約0.3T(3000ガウス)の強度を有する。磁場は、この位置で僅かに発散する。
軟磁性構造は、幅1μmx高さ5μmで、各方向に45度で0.1μmの面取りをした、無限矩形である。中心間の間隔が5μmの構造体(すなわち4μmの間隙)が4つある。
軟磁性材料含有構造の中心間の間隔は、
a.約250ナノメートルから約1ミクロン、
b.約1ミクロンから約3ミクロン、および
c.約10ミクロンから約40ミクロン
から成るリストから選択される。
図5は、軟磁性構造近くのモデル化された磁束を示し、図6は、軟磁性構造の周りの隣接したエリアをクローズアップしたものである。軟磁性構造の端部のすぐ近くで磁束線の方向が変えられているが、その効果は非常に局所的である。任意の方向に距離10μmのところで、磁場のひずみが最小となる。図7は、磁束線を実線で示し、磁場強度をグレースケールで示す。
図8は、複数の軟磁性構造のうちの1つ(左から3番目)の底面中央の直下にのびる線に沿った磁場強度および磁場勾配を示すグラフである。
1μmにおいて、磁場勾配は80000テスラ/mであり、2μmにおいて、20000テスラ/mであり、3μmにおいて、約7000テスラ/mである。これらの勾配は、非常に大きいため、強い力で磁気ビーズを固定するであろう。強い力を有する局所領域は、図3において寸法(523)で示される。
さらに少し離れると、軟磁性構造の局所効果が減少するため、磁場勾配は小さくなる。ナノ細孔から張力を受けない限り、スキャンプレートに磁気ビーズを引っ張るのに十分な引力がまだある。これは、ナノ細孔チップとスキャンプレートとの間の距離がリンカー分子の長さよりも小さい場合の条件である。
局所エリア(523)は、軟磁性の堆積物の磁束集中によって支配される。更に離れると、あたかも軟磁性の堆積物がないかのように、磁束は永久磁石の元の磁場にほぼ一致するようになる。
(例2−円筒の軸対称解析)
この解析のために、David Meekerによる磁気要素構造解析プログラムFEMM4.2が使用された。強磁場中の単一の軟磁性構造のパーマロイがモデル化され、結果場が解析された。解析モードは、「軸対称」であり、モデル化された領域が2次元平面に定義され、次に軸を中心にスイープされる。解析モードは、正確には3次元だが、単一の軸を中心に対称な物体に限定される。
物理レイアウトは、図9と、計算モデルで構成されたものが図10にも概略的に示される。
永久磁石は、NdFeB−52の種類であり、直径20mmx高さ10mmの寸法を有する。軟磁性構造の上部は、永久磁石の底面から4mmの位置にある。軟磁性構造の寸法は、直径2μmx高さ5μmである。解析で使用された軟磁性材料は、パーマロイ87であった。軟磁性構造近くの磁場強度は、約0.3テスラである。
軟磁性材料含有構造の直径は、
a.約100〜500ナノメートル、
b.約500〜1500ナノメートル、
c.約1.5ミクロン〜5ミクロン、および
d.約5ミクロン〜20ミクロン
から成るリストから選択される。
図10は、有限要素解析によって推測される磁束を示す。解析目的のために、ソフトウェアは、モデリングエリアの周りに一連のシェルを使用し、磁束が出たり再度入ったりすることを可能した。これによって、計算は有限エリアに限定される。
軸対称モデルは、物理モデルが1つの共通の対称軸を有するという制約がある、3次元手法である。図11に、いくつかの解析結果を示す。解析中の乱れを回避するために、円筒の角を45度で面取りした。磁束線は、軟磁性構造を介した上部から底部への経路をたどるように曲がっている。
図12のグラフは、円筒形軟磁性構造の底面中央の直下にのびる線に沿った磁場強度を示す。磁場勾配は、1μmで130000テスラ/mであり、2μmで70000テスラ/mであり、3μmで約20000テスラ/mである。これらの勾配は、非常に大きいため、磁気ビーズを強い力で固定するであろう。勾配は、対応する距離で、無限矩形での推測よりもある程度大きくなる。
(磁束ゼロ?)
軟磁性構造は、比較的弱い磁場に配置された場合に強い磁場勾配を生成するのに非常に効果的である。これらの勾配によって固定される磁気ビーズをリリースするためには、磁場から軟磁性構造を隔離する必要があってよい。
また、強い磁束が必要でない場合、スキャンプレート(510)および軟磁石構造(511)を制御可能な磁石(520)から遮蔽する必要があってもよい。このことは、制御可能な磁石(520)をある距離だけ遠くに動かして、ミューメタルまたは別の適切な磁性材料で覆って制御可能な磁石(520)をとり囲んで、磁束がその磁極間で実質的に低い磁気抵抗の経路を有するようにすることで成し遂げることができよう。
別の手法は、スキャンプレートおよび他のコンポーネントを、器具近くから発生する外部磁場から、または地球磁場から発生する外部磁場からでさえも、遮蔽することであろう。ミューメタル遮蔽を用いることはできるが、磁束の干渉または減少を回避するために、制御可能な磁石を近づける場合はこれを除去する必要があってよい。
軟磁性構造または磁気ビーズのいずれか一方がいくらか磁場を保持してよい可能性がある。この残留磁気を除去する1つの方法は、方向が何度も変化しながら、同時に大きさが漸次的に減少する磁場を生成することである。これによって、磁場にさらされる材料中の磁場は、効果的にごちゃまぜにされる。これは、適切な電子回路で駆動する電磁石によって成し遂げられることができよう。また、磁場強度を低減させるために、永久磁石を回転させて、徐々に遠くに動かすか、または徐々に遮蔽させることで成し遂げることもできよう。
(軟磁石構造およびアレイ)
軟磁性構造の寸法、レイアウトおよび組成は、軟磁性構造の性能に影響する。
(レイアウト)
軟磁性構造について、例えば次のような多くのレイアウトが可能である。
・孤立構造
・構造のグリットアレイ
・構造の六角形アレイ
・孤立ストリップ
・エリアを横切るストリップの直線アレイ
・構造または構造の集合が、ナノ細孔チップ上に複数のナノ細孔を位置合わせする場合に配置されることができる。例えば、構造の小さなアレイが、その小さなアレイ間で間隙を有する各ナノ細孔の上方に配置されることができる。
・構造のランダムパターン
構造または構造の集合は、ナノ細孔チップ上に複数のナノ細孔を位置合わせする場合に配置されることができる。例えば、構造の小さなアレイが、その小さなアレイ間で間隙を有する各ナノ細孔の上方に配置されることができる。
構造は、例えば次のような異なる形状を有することができる。
・円形円筒体
・楕円形円筒体
・矩形ブロック
・多角形円筒体
・ピラミッド型
・逆ピラミッド型
・円錐体
・逆円錐体
・細長形状
・不規則粒子
・隆線
(寸法)
直径:直径がより大きい軟磁性構造は、直径が小さいものよりもその端部をさらに越えて磁束をひずませるだろう。対応する勾配は、より小さくてよい。
高さ:構造は、磁束に対して実質的に低磁気抵抗である「ショートカット」を提供しないため、過度に短くすることができない。短い構造は、機能はするが、より高い構造ほど効果的ではない。
間隔:各構造は、その周囲のエリア(磁束方向と垂直なエリア)から磁束を引き込む。構造は、磁場の集中を制限するため、互いに近づけすぎることができない。構造が近づきすぎる場合、磁場勾配が構造より下方で効果的になる範囲も制限する。
組成:理想的な軟磁性材料は、透磁率が高く、保持力が低い。最大の効果を得るために、磁気飽和は、「引き込みエリア」からの磁束が全て、構造を経由し得るようにしなければならない。例えば、1μmの断面エリアと10μmの引き込みエリアと0.7テスラの磁気飽和を有する磁気構造は、制御可能な磁石の磁場がわずか0.07テスラである場合に、引き込みエリアからすべての磁束をフルに収容することができる。透磁率は、組成だけでなく、材料の粒子構造によっても決定される。
軟磁性構造と磁気ビーズとのマッチング:軟磁性構造の最適な大きさおよび間隔は、DNAをタグ付けするために用いられる磁気ビーズに関連する。200nmのビーズなどの非常に小さな磁気ビーズは、数100nmしかシス空間へ浸透しない非常に強い勾配が生成され得るため、同様のサイズの軟磁性によって最もよくキャプチャされることができる。同様に、20ミクロンのビーズなどの非常に大きな磁気ビーズは、たとえば直径が20ミクロンの円筒形状などの大きな軟磁性構造によって最もよく固定されるであろう。このことは、最良の結果を得るための一般規則であるが、新しい磁場が磁力に十分な力を生成できる限り、その新しい磁場が作用するので、必要条件ではない。
(微細加工)
軟磁性構造を有するスキャンプレートをとりわけ良好に加工する方法は、マイクロリソグラフィを用いることである。このマイクロリソグラフィには、次のようないくつかのメリットがある。
・基板は、きめ細かく研磨されたシリコンまたはガラスである。これは、スキャンプレートとナノ細孔チップとの間の間隙を正確に維持する一助となる。
・ミクロンまたはサブミクロンの精度でパターンを生成するする製造方法が開発されている。
図13は、スキャンプレートを製造するためのプロセスを簡略化した例を示す。
(a)一方側がインジウムティンオキサイド(ITO)などの導電層でコーティングされている研磨ガラスプレートから開始する。(b)導電側をフォトレジスト層でコーティングする。フォトレジストは、ポジティブ型またはネガティブ型のいずれか一方であってよい。UV光により硬化され、安定性が向上するため、ネガティブ型が好ましい。
(c)クロムパターンマスクでフォトレジストを露光する。光の波長をフォトレジストの要件、典型的には紫外と一致させなければならない。
(d)ポジティブ型のフォトレジストは、露光によりもろくなり、その後露光エリアにおいて分解する。ネガティブ型のフォトレジストは、露光エリアでは安定し、その後非露光エリアが分解して、なくなる。導電層は、所望のパターンに露光される。
(e)露光されパターン化されたエリアをパーマロイなどの軟磁性材料で電気めっきをする。
軟磁性材料含有構造の材料は、
a.パーマロイ、
b.ニッケル−鉄−モリブデン系合金、
c.約40%よりも大きく、約75%未満であるニッケルを含む鉄−ニッケル系合金、
d.約75%以上で約85%未満のニッケルを含む鉄−ニッケル系合金、
e.約85%以上のニッケルを含む鉄−ニッケル系合金、
f.実質的に純粋なニッケル、
g.実質的に純粋な鉄、
h.ニッケル−コバルト系合金、
i.鉄−ニッケル−コバルト系合金、および
j.鉄−シリコン系合金
から成るリストから選択される。
パーマロイは、ニッケル80%と鉄20%とを含む金属合金である。シード層は、導電層への良好な付着を達成することが求められてよい。電着は、示されるようにフォトレジストの表面と面一、またはほぼ面一になるように十分に厚くするべきである。
(f)1または複数の保護コーティングをパターン上に塗布する。(1または複数の)保護コーティングは、露出からパターンを保護し、また、磁気ビーズの付着を減少させてもよい。
(g)ガラスシートを小さなスキャンプレートにダイス(カット)する(図示せず)。
(h)カット時のごみを除去するために、結果として得られる「小片」を洗浄する(図示せず)。
(突出した軟磁性構造)
前述の例および例示では、軟磁性構造がスキャンプレート表面に対して面一になる、または凹むように示されてきた。このことは、必須ではない。軟磁性構造がスキャンプレート表面から外に突出する利点はあってよい。軟磁性構造の間の間隙によって、流体がスキャンプレートとナノ細孔チップとの間で流れる追加の空間が提供されることができよう。突出した軟磁性構造は、間に通路を有して実質的にスキャンプレートを横切って広がる隆線を形成できよう。
図14は、突出した軟磁性構造を示す。スキャンプレート基板(513)に接触する付け根部分が先端部よりも広がるように形成すると、より安定するかもしれない(図14aを参照)。そのような構造は、エッチングプロセスを用いて製造されることができる。ここで、図14bで示されるように、構造の先端部は、軟磁性材料がエッチングされるときにアンダーカットされるフォトレジストのパターンによって保護される。
(手順)
PCT/US16/59794においてLeiらは、ナノ細孔からまっすぐに引っ張ることができるように磁気ビーズでタグ付けられたDNAを配向させるべく用いられる位置合わせ手順を開示している。非常に類似した手順が、軟磁性コアを用いて適用されることができる。dsDNAリンカーおよび磁気ビーズでタグ付けされているssDNAを位置合わせするために、以下のステップが設計される。
1.ナノ細孔アレイのシス側のチャンバは、(上述の通り)磁気ビーズでタグ付けされたDNAを含む緩衝液で満たされている。
2.ナノ細孔のバイアス電圧は、負に帯電するDNAをナノ細孔に引き込むように設定される。
DNA(600)の自由端がナノ細孔(500)に入る。このことは、ナノ細孔のオープンポアの流れをモニタすることによって検出されることができる。ナノ細孔に入ることができないリンカーノードによって、DNA分子はナノ細孔への前進を止める。適切に選ばれたリンカーノードは、他のDNAがナノ細孔に入ることを妨ぐこともできる。
荷電分子のナノ細孔を通る移動速度は、塩基ユニット毎に約0.25ms以下である。
リンカーノードは、抗体、酵素、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、アビジン、ポリマ複合体、粒子、ビーズ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。
3.タグ付けされたDNAの中には、ナノ細孔を占有せず、ナノ細孔チップ表面上またはシス緩衝容器中にとどまって散在しているものもあるだろう。我々は、ナノ細孔の内側にあるタグ付けされたDNAのことを「関与しているもの」と呼び、一方で細孔の外にあるタグ付けされたDNAのことを「関与していないもの」と呼ぶ。関与しているDNAの配列決定において、干渉を考慮すると、関与していないDNAをシス容器から除去することが望ましいかもしれない。この除去は、磁場を印加する前に洗浄ステップを行うことによって成し遂げることができる。除去される未使用DNAは、貯蔵容器内に貯蔵され、ることができ、配列決定プロセスの次のラウンドでリリースされることができる。
4.スキャンプレート(510)は、ナノ細孔表面に比較的近づけられるが、離隔(571)され、その距離は最も長いリンカー分子の長さより大きい。制御可能な磁石は、有効である。磁気ビーズは、スキャンプレート(510)上の軟磁性構造から生じる強い勾配の到達圏外である。磁気ビーズは、制御可能な磁石(520)の遠方場の影響を受ける。Fは、懸濁液中の磁気ビーズに作用してスキャンプレートに引っ張る磁力であり、Fesは、関与していないDNAに作用してナノ細孔に引っ張る電気力であり、Felは、関与しているDNAに作用してナノ細孔を介してそれらを引っ張る電気力である。ナノ細孔内の力、Felは、関与していないDNAにかかる力、Fesよりも、大きさが数桁大きい。調整可能な磁石(520)を作動させることで、ゼロ磁場または非常に弱い磁場で開始して、徐々に磁場強度を増加させて、Fes<<F<<Felで、磁力が任意の残りの関与していないDNAをスキャンプレートに引き込むのに十分であるが、関与しているDNAをナノ細孔から引っ張るのには十分でないようにする。関与しているDNAにリンクされた磁気ビーズ(620)は、リンカーノードビーズ(603)の上方にまっすぐ引き込まれ、DNAを伸ばして(まっすぐにして)対応するナノ細孔に完全に位置が合うようにするだろう。
5.スキャンプレートは次に、さらに下げられ、関与しているDNAに対応するすべての磁気ビーズが、そのすぐ上方でスキャンプレートに接触することができるようにする。磁気ビーズは、強い局所磁気勾配によってキャプチャされ、もっとも近い軟磁性構造に側方に引き込まれる。これによって、磁気ビーズの位置が対応するナノ細孔から僅かにずれるかもしれない(これについては、以下で議論する)。
6.すべての磁気ビーズ(620)が接触した後、磁場を増加させて、磁力Fが関与しているDNAにかかる電気力Felよりもはるかに大きくなるようにする(F>>Fel)。磁気ビーズ(620)は、スキャンプレート(510)に対してきつく引っ張られることで、スキャンプレートの動きを精密にトラッキングする。DNAは、精密に制御されたスピードでスキャンプレートを動くことによって(またはナノ細孔基板を動くことによって)必要な回数だけ細孔を出入りするときに、配列決定されることができる。DNAの配列決定後、磁力をオフにしてタグ付けされたDNAをリリースし、緩衝の変更または追加の試料の処理をすることなく短時間で別の配列決定のラウンドを開始できる。上述で留意したように、磁気ビーズをリリースするために一掃させなければならない残留磁場があってよい。
(ビーズの位置ずれ?)
軟磁性構造は、磁束の集中を個々に生成する。スキャンプレート上に繰り返しパターンを加工される場合、軟磁石構造は、磁場に配置されたとき磁気ビーズを強く引き付ける位置のパターンを生成する。引力点は、スキャンプレート全体の連続体ではなく、間隙(528)によって離隔された個別の点である。磁気ビーズ位置の最大「誤差」または最大「位置ずれ」(529)は、六角形状のパターンの場合は軟磁性構造間の距離の約半分であり、四角グリッドの場合は間隔の約0.7倍である。このことは、図15に示される。
大きさが1〜5μmオーダーである特徴および3〜10μmオーダーの間隔は、典型的には直径が50nm〜3μmの範囲で、リンカー長さが10〜30μmオーダーである磁気ビーズにとって適切であるように思われる。表3は、位置ずれが、DNA鎖がナノ細孔の外へ引っ張られる速度にどの程度影響を与えるかを示す。DNAの運動は、単純なジオメトリの関係を用いて決定される。プレート距離(571)が増加するとき、ナノ細孔を介したDNAの動きはプレートの動きに近づく。すなわちプレートが1μm変位するごとに、DNAは1μm動く。このスピード減少係数は、単純なジオメトリで算出され、様々なDNA長さおよび位置ずれについて表3に示される。
例えば、λ−DNAが二重鎖のリンカー分子として用いられるとしよう。伸ばされていない場合のリンカー分子の長さは、約16μmである。軟磁性構造が4μmの六角形状のパターン上に加工される場合、最大位置ずれは、2μmを少し超える程度であろう。対応する動きは、最初のベースで0.99μm/μmよりもおおよそ優れており、距離が増加するにつれて改善するであろう。DNAの運動は、スキャンプレートとナノ細孔チップとの間の離隔距離について非常に線形的であろう。
(複数のナノ細孔に対する軟磁石材料構造の位置合わせ)
多くの応用のために、複数のナノ細孔を備える基板を活用することが有利である。軟磁性材料構造が加工されるスキャンプレートのエリアを、各ナノ細孔のすぐ上方のみに制限するユーティリティがあってよい。このような配置構成は、磁性材料の消費を低減させるだろう。そして、このような構成は、他の利点を有してよい。最も簡単なケースにおいて、単一の軟磁性材料構造は、各ナノ細孔のすぐ上方に加工されることができよう。そのような配置構成は、慎重な位置合わせが必要となるだろう。軟磁性構造のクラスタが各ナノ細孔の上方に配置される配置構成を作り上げることはより簡単であってよい。これによって、クラスタの横方向における位置決めのトレランスがいくらか可能になる。
図19は、固体ナノ細孔基板755に適用されるかもしれない配置構成を示す。この基板755の一部を示す。4つのナノ細孔位置754が図示される。各ナノ細孔は、薄型のウィンドウ753の中央に位置する。19個の軟磁性材料構造752の六角形のクラスタが、各ナノ細孔の上方に重ねられる。例示の目的のために、クラスタおよびナノ細孔は、横方向にいくらか位置ずれして示される。
(軟磁性構造を有するダイナミックチャンバ)
PCT/US16/59794において、Leiらは、「ダイナミックチャンバ」を開示している。このアセンブリは、ほとんどがナノ細孔チップおよびスキャンプレートから構成されている。ナノ細孔チップおよびスキャンプレートは、これらの構造を相対的にいくらか移動させることができるようなやり方で、機械的に連結している。ナノ細孔チップおよびスキャンプレートを小さなアセンブリ内に組み立てることは、それらの間の機械的な経路長を低減させることで機械的な振動を低減させる一助となり得る。このアセンブリはまた、使い捨て可能でシングルユースの製品として製造されることができ、これによりその次の測定からDNAとの相互汚染の可能性を排除することができよう。
軟磁性構造を使用するために、PCT/US16/59794においてLeiらが示したアセンブリを最小限で修正する必要がある。図16は、次のことを示す。軟磁性構造[511]は、スキャンプレート[510]の底面[515]に追加される。制御可能な磁石をスキャンプレート[510]の背面側に配置できるように、クリアランス[518]を提供する必要があってよい。
ただし、アセンブリ[580]の組成が強い磁場によって悪い影響を受けないようにすべきであることを留意されたい。このため、使い捨て可能アセンブリの大部分で磁化できない材料を用いるべきである必要がある。
(光分離フィードバック)
上述で説明された微細加工方法を用いて、軟磁性材料のパターンをパターン非生成時に透明である基板上に生成することができる。光が一部だけ遮られてよいため、スキャンプレートを介して撮像することによって、スキャンプレートとナノ細孔チップとの間の離隔距離をモニタすることが可能であってよい。軟磁性構造は典型的には、スキャンプレートのエリアのごく一部だけを占有してよい。これにより、スキャンプレートを介して撮像してナノ細孔チップのウィンドウを見ることができる。図17は、次のことを示す。701によって明示されるようにレンズを移動させるか、対応するデジタルカメラ(図示せず)、チューブレンズ(図示せず)または撮像システム内の別の光学要素を動かすかのいずれかによって、レンズ700に明示された撮像システムの焦点を上下に動かすことができる。スキャンプレート510上の軟磁性構造511の焦点位置またはスキャンプレート510上の別の識別特徴を確認して、ナノ細孔チップ501上のウィンドウ503の焦点位置と比較することによって、離隔距離571を決定することができる。
配列決定において磁石520がスキャンプレート510の上方の位置を占有しなければならないため、光学システムは磁石520と交換されなければならず、その逆もまた同様である。
レンズ700またはレンズシステムは、スキャンプレート510および支持構造が物理的にそれと干渉しない十分な作動距離を有していなければならない。開口数が高い対物レンズで十分な作動距離があることが好ましい。自動化された画像解析およびヒルクライミングアルゴリズムを用いれば、比較的開口数が低い対物レンズでも最もシャープな焦点平面を決定できよう。透過照明光源703が示される。
図18のパネル(a)および(b)は、20倍で開口数0.4の対物レンズで記録された画像である。これらは、中心間の間隔が9μmの六角形状のパターンにおいて4.5μmのパーマロイ構造を備えたスキャンプレートを介して見たときの、薄型の固体ナノ細孔チップの窒化ケイ素ウィンドウの画像である。構造の高さは8μmである。四角形の明るい部分は、ウィンドウを介して通過する光である。丸い影は、光がスキャンプレート上の軟磁性構造によって遮蔽された部分である。画像は、23μm離れた高さで記録される。パネル(a)は、ウィンドウの先端にフォーカスを合わせたものである。パネル(b)は、パーマロイ構造の上部にフォーカスを合わせたものである。構造の底部からの離隔距離が15μmであることを示されている。画像を通るように描かれた白い線は、対応するパネル(c)および(d)において示された強度プロファイルの経路を示している。
ウィンドウフォーカス画像について、先端の遷移部分710および711は、コアフォーカス画像と比べてより急峻であり、より明確に定義される。
コアフォーカス画像について、ディップ部分712、713、714は、ウィンドウフォーカス画像と比べてより急峻であり、より底が平らである。
(参照)
米国特許出願PCT/US16/59794 Lei,M.,oorda,R.,Chen,Z.,Ho,N.,Wang,Y. 「DNA、RNAおよびナノ細孔を通過する他の生体分子の制御方法及びシステム」
Smistrup,K.,Hansen,M.F.,Bruus,H.,Tang,P.T.,およびKruhne,U.W.W. (2007) マイクロ流体システムにおける磁気分離
Meeker,D. 「有限要素法磁気」 ソフトウェア バージョン4.2
(発明の態様)
本発明の態様によれば、磁気ビーズでタグ付けされたDNAを固定し引っ張る方法を提供する。
本発明の一態様によれば、DNAの一端を確実に固定してDNAに強い張力を加えることを促進することによって、ナノ細孔を介したDNAの進行に対するブラウン運動の効果を低減させる方法を提供する。
本発明の一態様によれば、磁気ビーズでタグ付けされたDNAを強い維持力でスキャンプレートに対して固定する方法を提供する。
本発明の一態様によれば、磁気ビーズでタグ付けされたDNAをスキャンプレートに対して固定する方法であって、これにより十分な保持力が直径がサブミクロンの磁気ビーズで達成される、方法を提供する。
本発明の一態様によれば、磁気ビーズでタグ付けされたDNAをスキャンプレートに対して固定する方法であって、これにより十分な保持力が直径が1ミクロン以上の磁気ビーズで達成される、方法を提供する。
本発明の一態様によれば、磁気ビーズでタグ付けされたDNAをスキャンプレートに対して固定する方法であって、磁気ビーズでタグ付けされたDNAがスキャンプレートから迅速にリリースされる、方法を提供する。
本発明の一態様によれば、軟磁性構造が使い捨て可能なデバイスの一部として製造されることができる。

Claims (31)

  1. 電分子をナノ細孔に通す移動を制御するシステムであって、
    a)シス空間とトランス空間とを分離するために配置される基板と、
    b)記シス空間の中に配置される磁気ビーズに取り付けられる少なくとも1つの前記荷電分子と、
    c)記基板中の少なくとも1つの前記ナノ細孔であって、前記荷電分子の少なくとも一部は、前記ナノ細孔をを通って、前記シス空間から前記トランス空間通過することができる、前記ナノ細孔と、
    d)前記シス空間と前記トランス空間との間でバイアス電圧を印加する電位源と、
    e)前記シス空間に配置されるスキャンプレートと、
    f)前記スキャンプレートを通過する磁場を生成するように構成される磁石または磁石アセンブリと、
    g)記スキャンプレートの前記ナノ細孔に面している表面上または前記表面近くの少なくとも1つの軟磁性材料含有構造であって、前記軟磁性材料含有構造は、局在的な磁場勾配を生成する前記磁場を構成する、前記軟磁性材料含有構造と、
    h)前記基板と前記スキャンプレートとの間の距離を制御して、前記基板と前記スキャンプレートとがナノメータ精度で動くことができるようにするためのアクチュエータと
    を備えるシステム。
  2. 前記スキャンプレートを通過する前記磁場の大きさおよび/または前記磁場の方向は、コントローラによって制御され、前記磁石または前記磁石センブリは、電磁石、調整可能な永久磁石、磁石群またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記磁場の一部は、前記スキャンプレートを通過し、前記スキャンプレートの前記表面を通過する前記磁場の前記一部の方向は、記スキャンプレートの前記基板に面している前記表面に対し実質的に垂直である、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記軟磁性材料含有構造によって生成された前記的な場勾配は、電圧バイアスがかかった前記ナノ細孔の、前記荷電分子に作用する静電気力を超える大きさの力で、前記磁気ビーズを前記軟磁性材料含有構造に向けて引っ張って、前記磁気ビーズを前記スキャンプレートに固定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 複数の軟磁性材料含有構造を有する前記スキャンプレートは、光学撮像システムが前記スキャンプレートの後ろの前記基板上の特徴を分析できるように透明である、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記スキャンプレート上の前記軟磁性材料含有構造は、単一構造、グリッドアレイ、六角形アレイ、単一ストリップ、エリアを横切るストリップの直線アレイ、構造のクラスタのパターン化されたアレイ、構造のランダムパターンおよびこれらの組み合わせから成るリストから選択されたレイアウトを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記スキャンプレート上の前記軟磁性材料含有構造または軟磁性材料含有構造のクラスタは、前記基板上前記ナノ細孔位置合わせされる、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記スキャンプレート上の複数の軟磁性材料含有構造または複数の軟磁性材料含有構造のラスタは、前記基板上の複数のナノ細孔位置合わせされる、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記スキャンプレートに連結された、または前記基板に連結されたマイクロメートル精度の調整ステージさらに備え、前記調整ステージは、列決定前の位置調整のために、横方向におよび/または縦方向に動くように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記軟磁性材料含有構造は、円形円筒体、楕円形円筒体、矩形ブロック、多角形円筒体、ピラミッド型、逆ピラミッド型、円錐体、逆円錐体、細長形状、不規則粒子、隆線およびこれらの組み合わせから成るリストから選択される形状を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 前記軟磁性材料含有構造の料は、
    a.パーマロイ、
    b.ニッケル−鉄−モリブデン系合金、
    c.約40%よりも大きく、約75%未満であるニッケルを含む鉄−ニッケル系合金、
    d.約75%以上で約85%未満のニッケルを含む鉄−ニッケル系合金、
    e.約85%以上のニッケルを含む鉄−ニッケル系合金、
    f.実質的に純粋なニッケル、
    g.実質的に純粋な鉄、
    h.ニッケル−コバルト系合金、
    i.鉄−ニッケル−コバルト系合金、および
    j.鉄−シリコン系合金
    から成るリストから選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記軟磁性材料含有構造の中心間の間隔は、約3〜10ミクロンである、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 前記軟磁性材料含有構造の中心間の間隔は、
    a.約250ナノメートルから約1ミクロン、
    b.約1ミクロンから約3ミクロン、および
    c.約10ミクロンから約40ミクロン
    から成るリストから選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記軟磁性材料含有構造の直径は、
    a.約100〜500ナノメートル、
    b.約500〜1500ナノメートル、
    c.約1.5ミクロン〜5ミクロン、および
    d.約5ミクロン〜20ミクロン
    から成るリストから選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
  15. 前記基板は、平面状の配置構成で配置される複数のナノ細孔を有するナノ細孔チップであり、各ナノ細孔は、面している前記スキャンプレートの表面から実質的に等距離である、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
  16. 前記磁気ビーズは、(a)常磁性、(b)超常磁性、(c)強磁性およびこれらの組み合わせから成るリストから選択される磁気特性を有する材料で構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
  17. 前記荷電分子は、核酸配列、ポリペプチド配列、またはこれらの組み合わせであり、前記核酸配列は、一本鎖DNA、二重鎖DNA、一本鎖RNA、オリゴヌクレオチド、修飾ヌクレオチドを含む配列およびこれらの組み合わせから成るリストから選択される、請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
  18. 前記ナノ細孔は、
    a.円形状、
    b.スリット形状、
    c.矩形状、
    d.不規則形状、および
    e.楕円形状
    から成るリストから選択される形状を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
  19. 前記荷電分子が前記ナノ細孔を通過する前記荷電分子の個々の塩基ユニットの識別情報および特性を決定する検出器をさらに備え、
    前記荷電分子の前記塩基ユニットは、イオン電流遮断、認識トンネリング、電界効果トランジスタ、他の塩基センシング方法またはこれらの組み合わせによって測定される、請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
  20. 前記アクチュエータは、前記荷電分子が一様の速度で前記ナノ細孔から引っ張り出され得、または前記ナノ細孔内に挿入され得、前記荷電分子の正確な塩基ユニットの配列決定をもたらすように、前記スキャンプレートと前記基板との間の前記距離を制御するように構成され精密直線移動ステージを有る、請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
  21. 記荷電分子の前記ナノ細孔を通る移動度は、塩基ユニット毎に約0.25ms以下である、請求項20に記載のシステム。
  22. 記荷電分子の前記ナノ細孔を通る移動度は、塩基ユニット毎に約5ms〜約20msである、請求項20に記載のシステム。
  23. 前記磁気ビーズと前記荷電分子との間に配されるフレキシブルリンカー分子をさらに備え、前記フレキシブルリンカー分子の一端は、前記荷電分子の第1の端に取り付けられ、前記フレキシブルリンカー分子の他端は、前記磁気ビーズに取り付けられる、請求項1から22のいずれか一項に記載のシステム。
  24. 前記フレキシブルリンカー分子は、天然の、修飾されたまたは合成の、一本鎖核酸二重鎖核酸ポリペプチドチェーン、セルロースファイバまたは、意のフレキシブル線状ポリマ、およびこれらの組み合わせら成る群から選択される、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記フレキシブルリンカー分子は、前記荷電分子と同じ種類の分子である、請求項23または24に記載のシステム。
  26. 前記フレキシブルリンカー分子と前記荷電分子との間に配されるリンカーノードをさらに備え、前記リンカーノードは、前記フレキシブルリンカー分子が前記ナノ細孔に入ることを妨げるように構成される、請求項23から25のいずれか一項に記載のシステム。
  27. 前記リンカーノードは、抗体、酵素、ニュートラアビジン、ストレプトアビジンアビジン、リマ複合体、ビーズ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項26に記載のシステム。
  28. ナノ細孔に通すように荷電分子を引っ張る方法であって、
    a.少なくとも1つの荷電分子を少なくとも1つの磁気ビーズに取り付ける段階と、
    b.前記荷電分子が電気的にバイアスがかかったナノ細孔に部分的に引っ張られるようにする段階と、
    c.強い磁場をスキャンプレート上に重畳させることにより、前記スキャンプレート上に形成された少なくとも1つの軟磁性材料構造の近くに強い磁場勾配を生成させる段階と、
    d.記軟磁性材料構造の近くの前記強い磁気勾配領域内で、前記磁気ビーズを前記スキャンプレートに密着固定する段階と、
    e.前記スキャンプレートを前記ナノ細孔から遠ざけるように、または前記ナノ細孔に向かうようにナノメータ精度で動かすことにより記磁気ビーズをナノメータ精度で同時に動かすことで記荷電分子の一部が前記ナノ細孔を通るようにナノメータ精度で動かす段階と
    と備える方法。
  29. 前記強い磁場は、
    a.制御可能な電磁石、および/または、
    b.移動可能な永久磁石
    によって生成される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記荷電分子が前記ナノ細孔を通過するに、前記荷電分子の個々の塩基ユニットの識別情報または特性を検出する段階をさらに備え、前記荷電分子の前記塩基ユニットは、イオン電流遮断、認識トンネリング、電界効果トランジスタ、他の塩基センシング方法またはこれらの組み合わせによって検出される、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記荷電分子が前記ナノ細孔を通過する段階は、前記スキャンプレートを基板から遠ざけて、または前記基板に向けて動かす段階を有する、請求項30に記載の方法。
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