JP6929286B2 - 治療用化合物、組成物及びその使用方法 - Google Patents

治療用化合物、組成物及びその使用方法 Download PDF

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Description

関連出願との相互参照
本出願は、2015年12月18日に出願された、国際出願PCT/CN2015/097932号(その全体が引用例として本明細書に取り込まれる)の優先権を主張する。
本発明の分野は、JAK1のようなヤヌス(Janus)キナーゼの阻害剤である化合物、更にはこれらの化合物を含有する組成物、及びJAKキナーゼの阻害に応答する症状に罹患している患者の診断又は治療を含むが、これらに限定されない使用方法に関する。
サイトカイン経路は、炎症及び免疫の多くの態様を含む、広範囲の生物学的機能に介在する。JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2を含むヤヌスキナーゼ(JAK)は、I型及びII型サイトカイン受容体と会合し、サイトカインのシグナル伝達を調節する、細胞質プロテインキナーゼである。同種受容体とのサイトカインの関与は、受容体会合JAKの活性化を引き起こし、これにより、シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)タンパク質のJAK介在性チロシンリン酸化が起こり、最終的には特定の遺伝子セットの転写活性化に至る(Schindler et al., 2007, J. Biol. Chem. 282: 20059-63)。JAK1、JAK2及びTYK2は、遺伝子発現の広範なパターンを示すが、JAK3発現は、白血球に限定される。サイトカイン受容体は、典型的にはヘテロ二量体として機能し、その結果、通常2種類以上のJAKキナーゼが、サイトカイン受容体複合体と会合する。様々なサイトカイン受容体複合体と会合する特定のJAKは、多くの場合、遺伝学研究によって決定され、他の実験的証拠によって裏付けられている。JAK酵素の阻害の例示的な治療上の利点は、例えば、国際出願WO2013/014567に論じられている。
JAK1は、新規なキナーゼのスクリーニングにおいて最初に同定された(Wilks A.F., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:1603-1607)。遺伝学及び生化学研究は、JAK1がI型インターフェロン(例えば、IFNα)、II型インターフェロン(例えば、IFNγ)、並びにIL−2及びIL−6サイトカイン受容体複合体と機能的及び物理的に会合することを実証している(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24; Levy et al., 2005, Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 3:651-662; O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK1ノックアウトマウスは、LIF受容体シグナル伝達の欠損に起因して周産期に死ぬ(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24; O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK1ノックアウトマウス由来の組織の性状解析により、IFN、IL−10、IL−2/IL−4及びIL−6経路におけるこのキナーゼの決定的に重要な役割を証明した。IL−6経路を標的とするヒト化モノクローナル抗体(トシリズマブ(Tocilizumab))は、中等度から重度関節リウマチの治療のために欧州委員会により承認されている(Scheinecker et al., 2009, Nat. Rev. Drug Discov. 8:273-274)。
CD4 T細胞は、IL−4、IL−9及びIL−13を含む、肺内のTH2サイトカイン類の産生を介して喘息の病因において重要な役割を果たす(Cohn et al., 2004, Annu. Rev. Immunol. 22:789-815)。IL−4及びIL−13は、粘液産生の増加、好酸球の肺への動員、及びIgEの産生増加を誘導する(Kasaian et al., 2008, Biochem. Pharmacol. 76(2): 147-155)。IL−9は、喘息症状を増悪させる肥満細胞の活性化をもたらす(Kearley et al., 2011, Am. J. Resp. Crit. Care Med., 183(7): 865-875)。IL−4Rα鎖は、JAK1を活性化し、共通γ鎖又はIL−13Rα1鎖のいずれかに合わさって、それぞれIL−4又はIL−13のいずれかに結合する(Pernis et al., 2002, J. Clin. Invest. 109(10):1279-1283)。共通γ鎖はまた、IL−9Rαと合わさってIL−9に結合することもでき、その上IL−9RαはJAK1を活性化する(Demoulin et al., 1996, Mol. Cell Biol. 16(9):4710-4716)。共通γ鎖はJAK3を活性化するとはいえ、JAK1がJAK3より優位であり、そしてJAK3活性にもかかわらずJAK1の阻害が、共通γ鎖を介したシグナル伝達を充分に不活性化することは証明されている(Haan et al., 2011, Chem. Biol. 18(3):314-323)。JAK/STATシグナル伝達経路を遮断することによる、IL−4、IL−13及びIL−9シグナル伝達の阻害は、前臨床肺炎症モデルにおける喘息症状を軽減することができる(Mathew et al., 2001, J. Exp. Med. 193(9): 1087-1096; Kudlacz et. al., 2008, Eur. J. Pharmacol. 582(1-3): 154-161)。
生化学及び遺伝学研究は、JAK2と単鎖(例えば、EPO)、IL−3とインターフェロンγサイトカイン受容体ファミリーとの間の会合を証明している(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24; Levy et al., 2005, Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 3:651-662; O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。これと一致して、JAK2ノックアウトマウスは、貧血が原因で死ぬ(O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。JAK2におけるキナーゼ活性化突然変異(例えば、JAK2 V617F)は、ヒトにおける骨髄増殖性疾患と関連している。
JAK3は、IL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15及びIL−21サイトカイン受容体複合体中に存在する、γ共通サイトカイン受容体鎖と排他的に会合する。JAK3は、リンパ系細胞の発生及び増殖に決定的に重要であり、JAK3の突然変異は重症複合免疫不全(SCID)を引き起こす(O'Shea et al., 2002, Cell, 109 (suppl.): S121-S131)。リンパ球の調節におけるその役割に基づいて、JAK3及びJAK3介在性経路は、免疫抑制適応症(例えば、移植拒絶反応及び関節リウマチ)の標的とされている(Baslund et al., 2005, Arthritis & Rheumatism 52:2686-2692; Changelian et al., 2003, Science 302: 875-878)。
TYK2は、I型インターフェロン(例えば、IFNα)、IL−6、IL−10、IL−12及びIL−23サイトカイン受容体複合体と会合する(Kisseleva et al., 2002, Gene 285:1-24; Watford, W.T. & O'Shea, J.J., 2006, Immunity 25:695-697)。これと一致して、TYK2欠損ヒト由来の初代細胞は、I型インターフェロン、IL−6、IL−10、IL−12及びIL−23シグナル伝達に欠陥がある。IL−12及びIL−23サイトカインの共有p40サブユニットを標的とする完全ヒトモノクローナル抗体(ウステキヌマブ(Ustekinumab))が、中等度から重度の尋常性乾癬の治療のために欧州委員会により最近承認された(Krueger et al., 2007, N. Engl. J. Med. 356:580-92; Reich et al., 2009, Nat. Rev. Drug Discov. 8:355-356)。更に、IL−12及びIL−23経路を標的とする抗体は、クローン病を治療するための臨床試験を経た(Mannon et al., 2004, N. Engl. J. Med. 351:2069-79)。
現在、ヤヌスキナーゼの阻害剤である更なる化合物が必要とされている。例えば、有用な治療的利益を達成するのに必要な他の薬理学的特性と組合せた、1種以上のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)の阻害剤として有用な効力を有する化合物が必要とされている。例えば、一般的に他のキナーゼよりも1種のヤヌスキナーゼに選択性を示す強力な化合物が必要とされている。また、他のヤヌスキナーゼよりも1種のヤヌスキナーゼに選択性(例えば、他のヤヌスキナーゼよりもJAK1に対する選択性)を示す強力な化合物も必要とされている。JAK1に選択性を示すキナーゼは、JAK1の阻害に応答する症状において、副作用が少ない治療的有用性を提供することができる。更に、製剤及び吸入による投与に必要な他の特性(例えば、融点、pK、溶解度など)を有する、強力なJAK1阻害剤が現在必要とされている。そのような化合物は、例えば喘息のような症状を治療するために特に有用であろう。
発明の要約
本発明の1つの態様は、式(I):
Figure 0006929286

[式中、
は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
は、式(a)〜(j)、(o)及び(p):
Figure 0006929286

からなる群より選択され;
各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、(C−Cアルキル)S−、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル(−C(O)−NR、−C(O)−OR、−(C−Cアルキル)−C(O)−NR、及び−(C−Cアルキル)−C(O)−ORからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−NR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、−NRC(O)R、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;そしてRは、水素及びC−Cアルキル(ハロ、シアノ、及びC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より選択されるか;あるいはR及びRは、一緒になってC−Cアルケニレン(ハロ、シアノ、及びC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成し;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−SH、(C−Cアルキル)S−、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、R、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、(C−Cアルキル)S−、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、ハロ、シアノ、S(O)NR、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、−S(O)(C−Cアルキル)、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており、そしてここで、任意の前記6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、(C−Cアルキル)NC(O)−、又はC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)で場合により置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
各Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、−NR、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、(C−Cアルキル)S−、及びC−Cアルキル(ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
nは、0、1、又は2であり;
z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;そして
A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物、又はその塩若しくは立体異性体を含む。幾つかの実施態様において、A環は場合により置換されていない。
また、本発明の化合物及び薬学的に許容し得る担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
別の態様は、炎症性疾患又は癌の治療のような治療に使用するための本発明の化合物を含む。
別の態様は、患者における、JAK1キナーゼのようなヤヌスキナーゼの阻害に応答する疾患又は症状を予防するか、治療するか又はその重症度を軽減する方法を含む。この方法は、患者に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含むことができる。
別の態様は、JAK1キナーゼのようなヤヌスキナーゼの阻害に応答する疾患の治療用医薬品の製造における、本発明の化合物の使用を含む。
別の態様は、JAK1キナーゼのようなヤヌスキナーゼの阻害に応答する疾患又は障害を治療するためのキットを含む。このキットは、本発明の化合物を含む第1の医薬組成物、及び使用説明書を含むことができる。
本発明の特定の化合物は、1種以上のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)の阻害剤として有益な効力を有する。特定の化合物はまた、a)他のキナーゼよりも1種のヤヌスキナーゼに対して選択的であるか、b)他のヤヌスキナーゼよりもJAK1に対して選択的であるか、かつ/又は、c)製剤化及び吸入による投与に必要な他の特性(例えば、融点、pK、溶解度など)を有する。式(I)の特定の化合物は、喘息のような症状の治療に特に有用であり得る。
発明の詳細な説明
定義
「ハロゲン」又は「ハロ」とは、F、Cl、Br又はIのことをいう。更に、「ハロアルキル」のような用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むものである。
「アルキル」という用語は、飽和の直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルのことをいうが、ここで、アルキルラジカルは、場合により置換されていてもよい。一例において、アルキルラジカルは、1〜18個の炭素原子(C−C18)である。他の例において、アルキルラジカルは、C−C、C−C、C−C、C−C12、C−C10、C−C、C−C、C−C、C−C、又はC−Cである。Cアルキルとは結合のことをいう。アルキル基の例は、メチル(Me、−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH、1−ヘプチル及び1−オクチルを含む。幾つかの実施態様において、「場合により置換されているアルキル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びピリミジニルの1〜4個の例を含むが、ここで、これらのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により、この同じリストから選択される置換基の1〜4個の例によって置換されていてもよい。
「C−Cアルケニレン」という用語は、直鎖又は分枝鎖の二価炭化水素ラジカル(例えば、(C−Cアルキル)CH=及び(C−Cアルキル)(CH)C=)のことをいうが、ここで、アルケニレンラジカルは、場合により置換されていてもよい。
「アリール」とは、指定された数の炭素原子を有するか、又は数が指定されていない場合、14個以下の炭素原子を有する、1個以上の基に縮合しているかどうかに関わりなく、炭素環式芳香族基のことをいう。一例は、6〜14個の炭素原子を有するアリール基を含む。別の例は、6〜10個の炭素原子を有するアリール基を含む。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、1H−インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニルなどが含まれる(例えば、Lang's Handbook of Chemistry (Dean, J. A., ed.) 13th ed. Table 7-2 [1985]を参照のこと)。特定のアリールはフェニルである。置換フェニル又は置換アリールとは、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びピリミジニルのような、本明細書に特定される基(「場合により置換されている」の定義を参照のこと)から選択されるような、1、2、3、4又は5個の置換基、例えば、1〜2個、1〜3個又は1〜4個の置換基で置換されたフェニル基又はアリール基を意味するが、ここで、これらのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により、この同じリストから選択される置換基の1〜4個の例によって置換されていてもよい。「置換フェニル」という用語の例は、2−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、4−クロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、3,4−ジブロモフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルなどのようなモノ−又はジ(ハロ)フェニル基;4−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、これらの保護ヒドロキシ誘導体などのようなモノ−又はジ(ヒドロキシ)フェニル基;3−又は4−ニトロフェニルのようなニトロフェニル基;シアノフェニル基、例えば、4−シアノフェニル;4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2−メチルフェニル、4−(イソプロピル)フェニル、4−エチルフェニル、3−(n−プロピル)フェニルなどのようなモノ−又はジ(アルキル)フェニル基;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば、3,4−ジメトキシフェニル、3−メトキシ−4−ベンジルオキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−(イソプロポキシ)フェニル、4−(t−ブトキシ)フェニル、3−エトキシ−4−メトキシフェニルなど;3−又は4−トリフルオロメチルフェニル;4−カルボキシフェニルのようなモノ−又はジカルボキシフェニル又は(保護カルボキシ)フェニル基;3−(保護ヒドロキシメチル)フェニル又は3,4−ジ(ヒドロキシメチル)フェニルのようなモノ−又はジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護ヒドロキシメチル)フェニル;2−(アミノメチル)フェニル又は2,4−(保護アミノメチル)フェニルのようなモノ−又はジ(アミノメチル)フェニル又は(保護アミノメチル)フェニル;あるいは3−(N−メチルスルホニルアミノ))フェニルのようなモノ−又はジ(N−(メチルスルホニルアミノ))フェニルを含む。また、「置換フェニル」という用語は、置換基が異なる二置換フェニル基、例えば、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、2−メトキシ−4−ブロモフェニル、4−エチル−2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル、2−ヒドロキシ−4−クロロフェニル、2−クロロ−5−ジフルオロメトキシフェニルなど、並びに置換基が異なる三置換フェニル基、例えば、3−メトキシ−4−ベンジルオキシ−6−メチルスルホニルアミノフェニル、3−メトキシ−4−ベンジルオキシ−6−フェニルスルホニルアミノフェニル;及び3−メトキシ−4−ベンジルオキシ−5−メチル−6−フェニルスルホニルアミノフェニルのような、置換基が異なる四置換フェニル基を表す。
「発明の化合物」及び「本発明の化合物」などの用語は、特に断りない限り、式(I)、(I-I)、(I-II)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、(Iq)の化合物、並びに本明細書の表1及び2の化合物[これらの立体異性体(アトロプ異性体を含む)、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、同位体、塩(例えば、薬学的に許容し得る塩)、及びプロドラッグを含む]を含む。幾つかの実施態様において、溶媒和物、代謝物、同位体又はプロドラッグ、又はこれらの任意の組合せは除外される。
「シクロアルキル」とは、非芳香族の、飽和又は部分不飽和の炭化水素環基のことをいうが、ここで、シクロアルキル基は、場合により、本明細書に記載の1個以上の置換基で独立して置換されていてもよい。一例において、シクロアルキル基は、3〜12個の炭素原子(C−C12)である。他の例において、シクロアルキルは、C−C、C−C10又はC−C10である。他の例において、シクロアルキル基は、単環として、C−C、C−C又はC−Cである。別の例において、シクロアルキル基は、二環として、C−C12である。別の例において、シクロアルキル基は、スピロ系として、C−C12である。単環式シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、ペルジュウテリオシクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、1−シクロヘキサ−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルを含む。7〜12個の環原子を有する二環式シクロアルキルの例示的な配置は、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]又は[6,6]環系を含むが、これらに限定されない。例示的な架橋二環式シクロアルキルは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びビシクロ[3.2.2]ノナンを含むが、これらに限定されない。スピロシクロアルキルの例は、スピロ[2.2]ペンタン、スピロ[2.3]ヘキサン、スピロ[2.4]ヘプタン、スピロ[2.5]オクタン及びスピロ[4.5]デカンを含む。幾つかの実施態様において、「場合により置換されているシクロアルキル」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びピリミジニルの1〜4個の例を含むが、ここで、これらのアルキル、アリール及び複素環部分は、場合により、同じリストから選択される1〜4個の例によって置換されていてもよい。
「複素環基」、「複素環式(heterocyclic)」、「複素環」、「ヘテロシクリル」、又は「ヘテロシクロ」は、互換的に用いられ、そして3〜20個の環原子を有する、任意の単環、二環、三環式又はスピロの、飽和又は不飽和の、芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族(例えば、ヘテロシクロアルキル)の環系のことをいうが、ここで、環原子は、炭素であり、かつ環又は環系中の少なくとも1個の原子は、窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である。環系の任意の環原子がヘテロ原子である場合、その系は、分子の残りの部分への環系の結合点にかかわらず、複素環である。一例において、ヘテロシクリルは、3〜11個の環原子(「員」)を含み、そして単環、二環、三環及びスピロ環系を含むが、ここで、環原子は、炭素であり、そして環又は環系中の少なくとも1個の原子は、窒素、硫黄又は酸素から選択されるヘテロ原子である。一例において、ヘテロシクリルは、1〜4個のヘテロ原子を含む。一例において、ヘテロシクリルは、1〜3個のヘテロ原子を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄又は酸素から選択される、1〜2個、1〜3個又は1〜4個のヘテロ原子を有する、3〜7員単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、窒素、硫黄又は酸素から選択される、1〜2個、1〜3個又は1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜6員単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、3員単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、4員単環を含む。別の例において、ヘテロシクリルは、5〜6員単環、例えば、5〜6員ヘテロアリールを含む。別の例において、ヘテロシクリルは、4〜11員ヘテロシクロアルキルのような、3〜11員ヘテロシクロアルキルを含む。幾つかの実施態様において、ヘテロシクロアルキルは、少なくとも1個の窒素を含む。一例において、ヘテロシクリル基は、0〜3個の二重結合を含む。任意の窒素又は硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていてもよく(例えば、NO、SO、SO)、そして任意の窒素ヘテロ原子は、場合により四級化されていてもよい(例えば、[NRCl、[NROH)。複素環の例は、オキシラニル、アジリジニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2−ジチエタニル、1,3−ジチエタニル、ピロリジニル、ジヒドロ−1H−ピロリル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ヘキサヒドロチオピラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、オキサジナニル、チアジナニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、オキサゼパニル、ジアゼパニル、1,4−ジアゼパニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、チアゼパニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,1−ジオキソイソチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、イミダゾリジノニル、4,5,6,7−テトラヒドロ[2H]インダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、1,6−ジヒドロイミダゾール[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジニル、チアジニル、オキサジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、1−ピロリニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、チアピラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジチアニル、ジチオラニル、ピリミジノニル、ピリミジンジオニル、ピリミジン−2,4−ジオニル、ピペラジノニル、ピペラジンジオニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、2−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、8−アザビシクロ[2.2.2]オクタニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザスピロ[3.5]ノナニル、アザスピロ[2.5]オクタニル、アザスピロ[4.5]デカニル、1−アザスピロ[4.5]デカン−2−オニル、アザスピロ[5.5]ウンデカニル、テトラヒドロインドリル、オクタヒドロインドリル、テトラヒドロイソインドリル、テトラヒドロインダゾリル、1,1−ジオキソヘキサヒドロチオピラニルである。硫黄又は酸素原子、及び1〜3個の窒素原子を含有する、5員複素環の例は、チアゾリル(チアゾール−2−イル及びチアゾール−2−イルN−オキシドを含む)、チアジアゾリル(1,3,4−チアジアゾール−5−イル及び1,2,4−チアジアゾール−5−イルを含む)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール−2−イル)及びオキサジアゾリル(1,3,4−オキサジアゾール−5−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−5−イルなど)である。2〜4個の窒素原子を含む5員環複素環の例は、イミダゾリル(イミダゾール−2−イルなど);トリアゾリル(1,3,4−トリアゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−5−イルなど)、及びテトラゾリル(1H−テトラゾール−5−イルなど)を含む。ベンゾ縮合5員複素環の例は、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル及びベンゾイミダゾール−2−イルである。6員複素環の例は、1〜3個の窒素原子及び場合により硫黄又は酸素原子を含有し、例えば、ピリジル(ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、及びピリド−4−イルなど);ピリミジル(ピリミド−2−イル及びピリミド−4−イルなど);トリアジニル(1,3,4−トリアジン−2−イル及び1,3,5−トリアジン−4−イルなど);ピリダジニル、特にピリダジン−3−イル、及びピラジニルである。ピリジンN−オキシド及びピリダジンN−オキシド並びにピリジル、ピリミド−2−イル、ピリミド−4−イル、ピリダジニル及び1,3,4−トリアジン−2−イル基は、他の複素環基の例である。複素環は、場合により置換されていてもよい。例えば、「場合により置換されている複素環」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、オキソ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びピリミジニルの1〜4個の例を含むが、ここで、これらのアルキル、アリール及び複素環部分は、場合により、同じリストから選択される置換基の1〜4個の例によって置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの環が、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、5員又は6員芳香環である、任意の単環、二環、又は三環式環系のことをいい、そして一例の実施態様において、少なくとも1個のヘテロ原子は窒素である。例えば、Lang's Handbook of Chemistry (Dean, J. A., ed.) 13th ed. Table 7-2 [1985]を参照のこと。定義には、上記ヘテロアリール環のいずれかがアリール環に縮合されている任意の二環式基が含まれるが、ここで、アリール環又はヘテロアリール環は、分子の残りに結合している。1つの実施態様において、ヘテロアリールは、1個以上の環原子が窒素、硫黄又は酸素である、5〜6員単環式芳香族基を含む。ヘテロアリール基の例は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル、イミダゾール[1,2−a]ピリミジニル及びプリニル、並びにベンゾ縮合誘導体、例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル及びインドリルを含む。ヘテロアリール基は、場合により置換されていてもよい。幾つかの実施態様において、「場合により置換されているヘテロアリール」の置換基は、F、Cl、Br、I、OH、SH、CN、NH、NHCH、N(CH、NO、N、C(O)CH、COOH、COCH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、スルホニルアミノ、メタンスルホニルアミノ、SO、SO、フェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びピリミジニルの1〜4個の例を含むが、ここで、これらのアルキル、フェニル及び複素環部分は、場合により、同じリストから選択される置換基の1〜4個の例によって置換されていてもよい。
特定の実施態様において、ヘテロシクリル基は、ヘテロシクリル基の炭素原子で結合している。一例として、炭素結合ヘテロシクリル基は、ピリジン環の2、3、4、5、又は6位、ピリダジン環の3、4、5、又は6位、ピリミジン環の2、4、5、又は6位、ピラジン環の2,3,5、又は6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール又はテトラヒドロピロール環の2、3、4、又は5位、オキサゾール、イミダゾール又はチアゾール環の2、4、又は5位、イソオキサゾール、ピラゾール、又はイソチアゾール環の3、4、又は5位、アジリジン環の2又は3位、アゼチジン環の2、3、又は4位、キノリン環の2、3、4、5、6、7、又は8位、あるいはイソキノリン環の1、3、4、5、6、7、又は8位の結合配置を含む。
ある一定の実施態様において、ヘテロシクリル基はN−結合している。一例として、窒素結合ヘテロシクリル又はヘテロアリール基は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾール、又はβ−カルボリンの9位の結合配置を含む。
「アルコキシ」という用語は、式:−OR[式中、Rは、本明細書中と同義のアルキルである]により表される直鎖又は分岐の一価ラジカルのことをいう。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、モノ−、ジ−及びトリ−フルオロメトキシ並びにシクロプロポキシを含む。
「アルカノイル」という用語は、(アルキル)−C(=O)−基(ここで、アルキルは、本明細書中と同義である)のことをいう。例えば、C−Cアルカノイルとは、式:(C−Cアルキル)−C(=O)−の基のことをいう。アルカノイル基は、ホルミル、アセチル、プロパノイル、イソプロパノイル、ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、3−メチルペンタノイル、及びヘキサノイルを含む。
「場合により置換されている」とは、特に断りない限り、ある基が置換されていなくとも、又はその基のために列挙される1個以上の置換基(例えば、0、1、2、3、4、又は5以上、あるいはその中で誘導可能な任意の範囲)(ここで、該置換基は同一であっても異なっていてもよい)によって置換されていてもよいことを意味する。ある実施態様において、場合により置換されている基は1個の置換基を有する。別の実施態様において、場合により置換されている基は2個の置換基を有する。別の実施態様において、場合により置換されている基は3個の置換基を有する。別の実施態様において、場合により置換されている基は4個の置換基を有する。別の実施態様において、場合により置換されている基は5個の置換基を有する。
本明細書に使用されるとき、化学構造中の結合と交差する「〜」の波線は、この波状結合が化学構造中で分子の残りに、又は分子の断片の残りに接続している原子の結合点を示す。幾つかの実施態様において、アスタリスクと一緒になった矢印が、結合点を示すために波線のやり方で使用される。
ある一定の実施態様において、二価基は、特定の結合配置なしに一般的に記述される。一般的記述は、特に断りない限り、両方の結合配置を含むものと理解される。例えば、基:R−R−Rにおいて、基:Rが−CHC(O)−として記述される場合、この基は、特に断りない限り、R−CHC(O)−Rとして、及びR−C(O)CH−Rとしての両方で結合されていてよいと理解される。
「薬学的に許容し得る」という語句は、必要に応じて、例えば、ヒトのような動物に投与されるとき、有害反応、アレルギー反応又は他の悪い反応を生じさせない、分子の実体及び組成物のことをいう。
本発明の化合物は、薬学的に許容し得る塩のような、塩の形態であってもよい。「薬学的に許容し得る塩」は、酸付加塩と塩基付加塩の両方を含む。「薬学的に許容し得る酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的効果及び特性を保持し、かつ生物学的にも他の意味でも不適切でない塩であって、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などのような無機酸と形成された塩、並びにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸の、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式のカルボン酸及びスルホン酸類から選択することができる有機酸と形成された塩のことをいう。
「薬学的に許容し得る塩基付加塩」は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などのような無機塩基から誘導される塩を含む。特定の塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。薬学的に許容し得る有機非毒性塩基から誘導される塩は、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン類、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などのような、第1級、第2級、及び第3級アミンの塩、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂を含む。特定の有機非毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トロメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインを含む。
幾つかの実施態様において、塩は、塩酸塩、臭化水素塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホ酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、パルミチン酸塩、L−乳酸塩、D−乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L−酒石酸塩、D−酒石酸塩、ステアリン酸塩、フロ酸塩(例えば、2−フロ酸塩又は3−フロ酸塩)、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホナート又はナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホナート)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホナート又はエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホナート)、イセチオン酸塩(2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩)、2−メシチレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、D−マンデル酸塩、L−マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、エシラート、マロン酸塩、メシチル酸塩(2−メシチレンスルホン酸塩)、ナプシル酸塩(2−ナフタレンスルホン酸塩)、カンシル酸塩(カンファー−10−スルホン酸塩、例えば、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸塩)、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、馬尿酸塩(2−(ベンゾイルアミノ)酢酸塩)、オロチン酸塩、キシラート(p−キシレン−2−スルホン酸塩)、及びパモ酸(2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ジナフチルメタン−3,3’−ジカルボン酸塩)から選択される。
「無菌」製剤とは、無菌であるか、又は全ての生存微生物及びその胞子を含まないことである。
「立体異性体」とは、同一の化学組成を有するが、空間内の原子又は基の配置に関して異なる化合物のことをいう。立体異性体は、ジアステレオマー、エナンチオマー、配座異性体などを含む。
「キラル」とは、鏡像パートナーの重ね合わせることができない性質を有する分子のことをいい、一方「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナーに重ね合わせることができる分子のことをいう。
「ジアステレオマー」とは、2つ以上のキラル中心を有し、その分子が互いに鏡像ではない立体異性体のことをいう。ジアステレオマーは、異なる物性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性又は生物学的活性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動及びHPLCのようなクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順の下で分離することができる。
「エナンチオマー」とは、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体のことをいう。
本明細書に使用される立体化学の定義及び慣例は、一般に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;及び Eliel, E. and Wilen, S., "Stereochemistry of Organic Compounds", John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994 に従う。多くの有機化合物は、光学活性体として存在する、即ち、これらは、平面偏光面を回転させる能力を有している。光学活性化合物を記述する際に、接頭辞のD及びL、又はR及びSは、そのキラル中心についての分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞のd及びl又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の符号を示すために使用され、(−)又はlは、その化合物が左旋性であることを意味する。接頭辞が(+)又はdである化合物は右旋性である。所与の化学構造に関して、これらの立体異性体は、これらが互いに鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーとも呼ばれ、そしてこのような異性体の混合物は、しばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、そしてこれは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性が存在しなかった場合に生じ得る。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」という用語は、光学活性を欠いている、2つのエナンチオマー種の等モル混合物のことをいう。
「互変異性体」又は「互変異性型」とは、低エネルギー障壁を介して相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体のことをいう。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られている)は、ケトン−エノール異性化及びイミン−エナミン異性化のような、プロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体には、幾つかの結合電子の再編成による相互変換が含まれる。
本発明のある一定の化合物は、非溶媒和形態並びに水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。「溶媒和物」とは、1個以上の溶媒分子と本発明の化合物との会合体又は複合体のことをいう。溶媒和物を形成する溶媒の例には、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、及びエタノールアミンが含まれる。本発明のある一定の化合物は、複数の結晶形態又は非晶質形態で存在することができる。一般に、全ての物理的形態が本発明の範囲内にあるものとする。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体のことをいう。
「代謝物」とは、特定化合物又はその塩の体内での代謝によって生じた生成物のことをいう。そのような生成物は、投与された化合物の、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断などによって生じ得る。
代謝産物は、典型的には、本発明の化合物の放射性標識(例えば、14C又はH)同位体を調製し、これをラット、マウス、モルモット、サル、又はヒトのような動物に検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で投与し、充分な時間(典型的には約30秒〜30時間)代謝させ、そしてその変換産物を尿、血液又は他の生物学的試料から単離することによって同定される。これらの産物は、標識されているため容易に単離される(そうでない物は、代謝物中に残存するエピトープに結合できる抗体の使用によって単離される)。代謝物の構造は、従来のやり方で、例えば、MS、LC/MS又はNMR分析によって決定される。一般に、代謝物の分析は、当業者には周知の従来の薬物代謝研究と同じ方法で行われる。代謝産物は、他の方法ではインビボで見い出されない限り、本発明の化合物の治療的投与のための診断アッセイにおいて有用である。
「アミノ保護基」は、本明細書に使用されるとき、化合物上の他の官能基で反応が行われる間に、アミノ基をブロック又は保護するために一般的に使用される基の誘導体のことをいう。そのような保護基の例は、カルバマート、アミド、アルキル及びアリール基、並びにイミン、更には所望のアミン基を再生するために脱離することができる、多くのN−ヘテロ原子誘導体を含む。特定のアミノ保護基は、Pmb(p−メトキシベンジル)、Boc(tert−ブチルオキシカルボニル)、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)及びCbz(カルボベンジルオキシ)である。これらの基の更なる例は、 T. W. Greene and P. G. M. Wuts, "Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999に見い出される。「保護アミノ」という用語は、上記アミノ保護基の1つで置換されているアミノ基のことをいう。
「カルボキシ保護基」は、本明細書に使用されるとき、分子の他の位置でのその後の反応の条件に対して安定な基であって、分子の残りの部分を乱すことなく適切な時点で脱離して、非保護カルボキシ基を与えることができる基のことをいう。カルボキシ保護基の例は、エステル基及びヘテロシクリル基を含む。カルボン酸基のエステル誘導体は、化合物上の他の官能基で反応が行われる間に、カルボン酸基をブロック又は保護するために使用され得る。このようなエステル基の例は、置換アリールアルキル(4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4−メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4’−ジメトキシベンズヒドリル、2,2’,4,4’−テトラメトキシベンズヒドリルのような、置換ベンジル類を含む)、アルキル又は置換アルキルエステル類[メチル、エチル、t−ブチルアリル又はt−アミル、トリフェニルメチル(トリチル)、4−メトキシトリチル、4,4’−ジメトキシトリチル、4,4’、4”−トリメトキシトリチル、2−フェニルプロパ−2−イルなど]、t−ブチルチオエステルのようなチオエステル類、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリルエステルのようなシリルエステル類、フェナシル、2,2,2−トリクロロエチル、β−(トリメチルシリル)エチル、β−(ジ(n−ブチル)メチルシリル)エチル、p−トルエンスルホニルエチル、4−ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エン−3−イルなどの部分を含む。カルボキシ保護基の別の例は、1,3−オキサゾリニルのようなヘテロシクリル基である。これらの基の更なる例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, "Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999 に見い出される。「保護カルボキシ」という用語は、上記カルボキシ保護基の1つで置換されているカルボキシ基のことをいう。
「ヒドロキシ保護基」は、本明細書に使用されるとき、化合物上の他の官能基で反応が行われる間に、ヒドロキシ基をブロック又は保護するために一般的に使用されるヒドロキシ基の誘導体のことをいう。そのような保護基の例は、テトラヒドロピラニルオキシ、ベンゾイル、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジル、及びシリルエーテル類(例えば、TBS、TBDPS)基を含む。これらの基の更なる例は、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, "Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, Inc., 1999 に見い出される。「保護ヒドロキシ」という用語は、上記ヒドロキシ保護基で置換されているヒドロキシ基のことをいう。
本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含有することができる。したがって、化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー又はこれらの混合物として存在し得る。化合物の合成は、出発物質として又は中間体として、ラセミ体、ジアステレオマー又はエナンチオマーを用いることができる。特定のジアステレオマー化合物の混合物は、クロマトグラフィー又は結晶化方法によって、分離することができるか、又は1つ以上の特定のジアステレオマーに濃縮することができる。同様に、エナンチオマー混合物は、同じ手法又は当該分野で知られている他の手法を用いて、分離することができるか、又はエナンチオマーに濃縮することができる。不斉炭素又は窒素原子のそれぞれは、R又はS立体配置であってもよく、そしてこれらの立体配置の両方が本発明の範囲内である。
本明細書中に示される構造において、任意の特定のキラル原子の立体化学が特定されていない場合、全ての立体異性体が考慮され、本発明の化合物として含まれる。立体化学が、特定の立体配置を表すくさび形又は破線によって特定される場合、その立体異性体は、そのように特定及び定義される。特に断りない限り、くさび形又は破線が使用される場合、相対立体化学が意図される。
別の態様は、生理条件下で、放出、例えば、加水分解されて本発明の化合物を生成する、既知のアミノ保護基及びカルボキシ保護基を含む本発明の化合物のプロドラッグを含む。
「プロドラッグ」という用語は、親薬物と比較して患者に対して効力が低く、そして酵素又は加水分解によって、活性の高い親の形態に活性化又は変換することができる、薬学活性物質の前駆体又は誘導体の形態のことをいう。例えば、Wilman, "Prodrugs in Cancer Chemotherapy" Biochemical Society Transactions, 14, pp. 375-382, 615th Meeting Belfast (1986) 及び Stella et al., "Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery," Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), pp. 247-267, Humana Press (1985) を参照のこと。プロドラッグは、リン酸含有プロドラッグ、チオリン酸含有プロドラッグ、硫酸含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、場合により置換されているフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、又は場合により置換されているフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、並びに5−フルオロシトシン及び5−フルオロウリジンプロドラッグを含むが、これらに限定されない。
プロドラッグの特定の種類は、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ又はグアニジノ基中の窒素原子が、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル(−CO−R)基、アルコキシカルボニル(−CO−OR)基、又はアシルオキシアルキル−アルコキシカルボニル(−CO−O−R−O−CO−R)基[式中、Rは、一価又は二価の基、例えば、アルキル、アルキレン又はアリールである]、あるいは式:−C(O)−O−CP1P2−ハロアルキル[式中、P1及びP2は、同一であるか又は異なっており、そして水素、アルキル、アルコキシ、シアノ、ハロゲン、アルキル又はアリールである]を有する基で置換されている化合物である。特定の実施態様において、この窒素原子は、本発明の化合物のアミジノ基の窒素原子の1つである。プロドラッグは、本発明の化合物をアシル基のような活性基と反応させて、例えば、化合物中の窒素原子を活性アシル基の典型的なカルボニルに結合させることによって調製することができる。活性カルボニル化合物の例は、カルボニル基に結合した脱離基を含む化合物であり、例えば、ハロゲン化アシル、アシルアミン、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、アシルフェノキシド(p−ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル、及びジフルオロフェノキシアシルなど)を含む。反応は、一般に、不活性溶媒中、−78〜約50℃のような低温で行われる。反応はまた、無機塩基、例えば、炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム、あるいはピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどを含むアミンのような、有機塩基の存在下で行うこともできる。
更に別のタイプのプロドラッグもまた包含される。例えば、本発明の化合物の遊離カルボキシル基は、アミド又はアルキルエステルとして誘導体化され得る。別の例として、遊離ヒドロキシ基を含む本発明の化合物は、このヒドロキシ基を、リン酸エステル、ヘミスクシナート、ジメチルアミノアセタート、又はホスホリルオキシメチルオキシカルボニル基のような基(これらに限定されない)に変換することによって、プロドラッグとして誘導体化することができる(Fleisher, D. et al., (1996) Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs Advanced Drug Delivery Reviews, 19:115 に略述されるとおり)。ヒドロキシ及びアミノ基のカルバマートプロドラッグも含まれ、同様にヒドロキシ基のカルボナートプロドラッグ、スルホン酸エステル及び硫酸エステルも含まれる。(アシルオキシ)メチル及び(アシルオキシ)エチルエーテルとしてのヒドロキシ基の誘導体化(ここで、アシル基は、エーテル、アミン及びカルボン酸官能基を含むが、これらに限定されない基で、場合により置換されているアルキルエステルであってよいか、あるいはアシル基は、上記のアミノ酸エステルである)もまた包含される。このタイプのプロドラッグは、J. Med. Chem., (1996), 39:10 に記載されている。より具体的な例は、アルコール基の水素原子の、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカノイル、アリールアシル及びα−アミノアシル、又はα−アミノアシル−α−アミノアシルのような基での置換を含む[ここで、各α−アミノアシル基は、天然のL−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)又はグリコシル(ヘミアセタール型の炭水化物のヒドロキシル基の脱離に起因するラジカル)から独立して選択される]。
「脱離基」とは、化学反応における第1の反応物の一部分であって、その化学反応において第1の反応物から置換される部分のことをいう。脱離基の例は、ハロゲン原子、アルコキシ及びスルホニルオキシ基を含むが、これらに限定されない。スルホニルオキシ基の例は、アルキルスルホニルオキシ基[例えば、メチルスルホニルオキシ(メシラート基)及びトリフルオロメチルスルホニルオキシ(トリフラート基)]及びアリールスルホニルオキシ基[例えば、p−トルエンスルホニルオキシ(トシラート基)及びp−ニトロスルホニルオキシ(ノシラート基)]を含むが、これらに限定されない。
「被験体」、「個体」、又は「患者」は脊椎動物である。ある一定の実施態様において、脊椎動物は哺乳動物である。哺乳類は、家畜(ウシなど)、スポーツ動物、ペット(モルモット、ネコ、イヌ、ウサギ及びウマなど)、霊長類、マウス及びラットを含むが、これらに限定されない。ある一定の実施態様において、哺乳動物はヒトである。患者への化合物の投与を含む実施態様において、患者は、典型的にはそれを必要としている。
「ヤヌスキナーゼ」という用語は、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2タンパク質キナーゼのことをいう。幾つかの実施態様において、ヤヌスキナーゼは、JAK1、JAK2、JAK3又はTYK2のうちの1つとして更に定義される。任意の実施態様において、JAK1、JAK2、JAK3及びTYK2のいずれか1つをヤヌスキナーゼとして特異的に除外することができる。幾つかの実施態様において、ヤヌスキナーゼはJAK1である。幾つかの実施態様において、ヤヌスキナーゼは、JAK1とJAK2の組合せである。
「阻害する」及び「低減する」という用語、又はこれらの用語の任意の変形は、所望の結果を達成するための任意の測定可能な減少又は完全な阻害を含む。例えば、約、多くとも約、又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、又はそれ以上、あるいはこの中で誘導できる任意の範囲での低下、即ち、正常と比較した活性(例えば、JAK1活性)の減少があり得る。
幾つかの実施態様において、式(I)の化合物は、JAK3及びTYK2よりもJAK1の阻害に選択的である。幾つかの実施態様において、式(I)の化合物は、JAK2、JAK3、又はTYK2よりも、あるいはJAK2、JAK3、又はTYK2の任意の組合せよりもJAK1の阻害に選択的である。幾つかの実施態様において、式(I)の化合物は、JAK3及びTYK2よりもJAK1及びJAK2の阻害に選択的である。幾つかの実施態様において、式(I)の化合物は、JAK3よりもJAK1の阻害に選択的である。「阻害に選択的」とは、その化合物が、別の特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK3)活性と比較して、特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)活性の、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、若しくはそれ以上、又はこの中で誘導できる任意の範囲でのより優れた阻害剤であるか、あるいは別の特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK3)活性と比較して、特定のヤヌスキナーゼ(例えば、JAK1)活性の、少なくとも2、3、4、5、10、25、50、100、250、又は500倍優れた阻害剤であることを意味する。
「治療有効量」は、(i)特定の疾患、症状又は障害を治療するか又は予防するか、あるいは(ii)特定の疾患、症状又は障害の1つ以上の症候を減弱させるか、改善するか又は取り除き、そして場合により(iii)本明細書に記載の特定の疾患、症状又は障害の1つ以上の症候の発症を予防するか又は遅延させる、式(I)、(I-I)、(I-II)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、又は(Iq)の化合物、あるいは表1又は2の化合物のような、本発明の化合物の量を意味する。幾つかの実施態様において、治療有効量は、自己免疫疾患又は炎症性疾患(例えば、喘息)の症候を低減させるか又は軽減するのに充分な量である。幾つかの実施態様において、治療有効量は、B細胞の活性又は数を有意に低減させるのに充分な、本明細書に記載の化学物質の量である。癌の症例において、薬物の治療有効量は、癌細胞の数を減少させるか;腫瘍のサイズを縮小するか;末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害する(即ち、ある程度遅くして、好ましくは停止させる)か;腫瘍転移を阻害する(即ち、ある程度遅くして、好ましくは停止させる)か;腫瘍増殖をある程度阻害するか;又は癌に合併する1つ以上の症候をある程度緩和することができる。薬物が増殖を妨げるか、又は既存の癌細胞を死滅させることができる範囲で、薬物は細胞増殖抑制性であっても細胞傷害性であってもよい。癌治療の場合、有効性は、例えば、増殖抑制期間(TTP)を評価することによって、又は奏効率(RR)を決定することによって測定することができる。
「治療」(及び「治療する」又は「治療すること」のような変化形)とは、治療される個体又は細胞の自然経過を変更しようとする臨床的介入のことをいい、そして予防のために、又は臨床病理の経過中のいずれかに実施することができる。治療の望ましい効果は、疾患の発生又は再発の予防、症候の軽減、疾患の任意の直接又は間接の病理的帰結の減衰、疾患の安定化(即ち、悪化していない)状態、疾患の進行速度の低下、病状の改善又は緩和、治療を受けていない場合に予想される生存期間と比較した生存期間の延長、及び寛解又は予後の改善を含む。幾つかの実施態様において、本発明の化合物は、疾患若しくは障害の発生を遅延させるために、又は疾患若しくは障害の進行を遅らせるために使用される。治療を必要とする者は、既に症状又は障害を有するもの、並びに症状又は障害を有する傾向があるもの(例えば、遺伝子変異を介して)あるいは症状又は障害を予防すべきものを含む。
「炎症性障害」とは、過度の又は無秩序な炎症反応が過剰な炎症症状、宿主組織の損傷、又は組織機能の消失をもたらす、任意の疾患、障害又は症候群のことをいう。「炎症性障害」はまた、白血球の流入又は好中球走化性が介在する病的状態のことをいう。
「炎症」とは、組織の傷害又は破壊によって誘発された局所的な防御反応であって、有害物質と傷害組織の両方を破壊、希薄化、又は遮断(封鎖)する働きをする反応のことをいう。炎症は、白血球の流入又は好中球走化性に特に関連している。炎症は、病原性生物及びウイルスによる感染から、並びに外傷又は心筋梗塞若しくは脳卒中後の再灌流、外来抗原に対する免疫反応及び自己免疫反応のような非感染手段から生じ得る。したがって、式(I)、(I-I)、(I-II)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)、若しくは(Iq)の化合物、又は表1若しくは2の化合物のような、本発明の化合物による治療に適した炎症性障害は、特異的防御系の反応、並びに非特異的防御系の反応に関連する障害を包含する。
「特異的防御系」とは、特異的抗原の存在に反応する免疫系の構成要素のことをいう。特異的防御系の反応から生じる炎症の例は、外来抗原に対する古典的反応、自己免疫疾患、及びT細胞が介在する遅延型過敏反応を含む。慢性炎症性疾患、固形組織移植及び臓器移植、例えば、腎臓及び骨髄移植の拒絶、並びに移植片対宿主病(GVHD)は、特異的防御系の炎症反応の更に別の例である。
「非特異的防御系」という用語は、免疫記憶ができない白血球(例えば、顆粒球、及びマクロファージ)が介在する炎症性障害のことをいう。少なくとも部分的には非特異的防御系の反応から生じる炎症の例は、成人(急性)呼吸促迫症候群(ARDS)又は多臓器損傷症候群;再灌流傷害;急性糸球体腎炎;反応性関節炎;急性炎症性要素を伴う皮膚病;急性化膿性髄膜炎又は脳卒中のような他の中枢神経系炎症性障害;熱傷;炎症性腸疾患;顆粒球輸血関連症候群;及びサイトカイン誘発性毒性のような症状を伴う炎症を含む。
「自己免疫疾患」とは、組織損傷が体内自己成分に対する体液性又は細胞性の反応を伴う任意の疾患群のことをいう。自己免疫疾患の非限定的な例は、関節リウマチ、狼瘡及び多発性硬化症を含む。
「アレルギー疾患」とは、本明細書に使用されるとき、アレルギーに起因する任意の症候、組織損傷、又は組織機能の消失のことをいう。「関節炎疾患」とは、本明細書に使用されるとき、様々な病因に起因する関節の炎症性病変を特徴とする任意の疾患のことをいう。「皮膚炎」とは、本明細書に使用されるとき、様々な病因に起因する皮膚の炎症を特徴とする皮膚疾患の大ファミリーのいずれかのことをいう。「移植拒絶」とは、本明細書に使用されるとき、移植組織及び周囲組織の機能の消失、疼痛、腫脹、白血球増加症、及び血小板減少症を特徴とする、臓器又は細胞(例えば、骨髄)のような、移植組織に対する任意の免疫反応のことをいう。本発明の治療方法は、炎症細胞活性化を伴う障害の治療のための方法を含む。
「炎症細胞活性化」とは、炎症細胞[単球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球、顆粒球(即ち、好中球、好塩基球、及び好酸球のような多形核白血球)、肥満細胞、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、及び内皮細胞を含むが、これらに限定されない]における、増殖性細胞反応の刺激(サイトカイン、抗原又は自己抗体を含むが、これらに限定されない)による誘導、可溶性メディエーター(サイトカイン、酸素ラジカル、酵素、プロスタノイド、又は血管作用性アミンを含むが、これらに限定されない)の産生、あるいは新しいメディエーターの又は増加した数のメディエーター(主要組織適合抗原又は細胞接着分子を含むが、これらに限定されない)の細胞表面発現のことをいう。これらの細胞におけるこれらの表現型の1つ又は組合せの活性化が、炎症性障害の開始、持続、又は増悪の一因となり得ることは、当業者には理解されよう。
幾つかの実施態様において、本発明の方法により治療することができる炎症性障害は、喘息、鼻炎(例えば、アレルギー性鼻炎)、アレルギー性気道症候群、アトピー性皮膚炎、気管支炎、関節リウマチ、乾癬、 接触性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患及び遅延型過敏反応を含むが、これらに限定されない。
「癌」及び「癌性」、「新生物」、及び「腫瘍」という用語、並びに関連用語は、典型的には無秩序な細胞増殖を特徴とする、哺乳動物における生理的状態のことをいうか、又は記述する。「腫瘍」は、1つ以上の癌性細胞を含む。癌の例は、癌腫、芽細胞腫、肉腫、セミノーマ、神経膠芽腫、黒色腫、白血病、及び骨髄性又はリンパ性悪性腫瘍を含む。このような癌の更に特定の例は、扁平細胞癌(例えば、扁平上皮細胞癌)、並びに肺癌[小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺腺癌及び肺扁平上皮癌を含む]を含む。他の癌は、皮膚、角化棘細胞腫、濾胞腺癌、有毛細胞白血病、口腔、咽頭(口)、口唇、舌、口、唾液腺、食道、喉頭、肝細胞性、胃、腹、胃腸管、小腸、大腸、膵臓、子宮頸部、卵巣、肝臓、膀胱、肝癌、乳、結腸、直腸、結腸直腸、泌尿生殖器、胆汁道、甲状腺、乳頭、肝臓、子宮内膜、子宮、唾液腺、腎臓又は腎、前立腺、精巣、外陰部、腹膜、肛門、陰茎、骨、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、中枢神経系、脳、頭頸部、ホジキン、及び関連転移を含む。新生物性障害の例は、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、原発性骨髄線維症のような骨髄線維症、及び慢性骨髄性白血病(CML)のような、骨髄増殖性障害を含む。
「化学療法剤」は、所与の障害、例えば、癌又は炎症性障害の治療に有用な薬剤である。化学療法剤の例は、当該分野において周知であり、例えば、引用例として本明細書に取り込まれる、米国特許出願第2010/0048557号に開示されているような例を含む。更に、化学療法剤は、化学療法剤のいずれかの薬学的に許容し得る塩、酸又は誘導体、並びにそれらの2つ以上の組合せを含む。
「添付文書」は、その治療薬の使用に関する適応、使用法、用量、投与法、禁忌又は警告に関する情報を含む、治療薬の商用パッケージに慣習的に含まれている使用説明に言及するために使用される。
特に断りない限り、本明細書に描かれる構造は、1種以上の同位体濃縮された原子の存在のみが異なる化合物も含むことを意味する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例は、それぞれH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iのような、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体を含む。同位体標識化合物(例えば、H及び14Cで標識された化合物)は、化合物又は基質の組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(即ち、H)及び炭素−14(即ち、14C)同位体は、調製の容易さ及び検出能のために有用であり得る。更に、重水素(即ち、H)のような重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増大又は必要用量の低減)を与え得る。幾つかの実施態様において、本発明の化合物では、1個以上の炭素原子が13C−又は14C−濃縮炭素で置き換えられている。15O、13N、11C、及び18Fのような陽電子放出同位体は、基質受容体占有率を調べるための陽電子放射断層撮影(PET)研究に有用である。同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬を同位体標識試薬に置換することによって、本明細書のスキーム又は実施例に開示されている手順と類似の手順によって調製することができる。
本発明の1つの実施態様に関して論じられた限定は、本発明の任意の他の実施態様にも適用され得ることが特に考慮される。更に、本発明の任意の化合物又は組成物は、本発明の任意の方法において使用することができ、そして本発明の任意の方法を、本発明の任意の化合物又は組成物を製造又は利用するために用いることができる。
「又は」という用語の使用は、本開示が、選択肢のみ及び「及び/又は」を指す定義を支持しているとはいえ、選択肢のみを指すように明示的に示されているか、又は選択肢が互いに排他的でない限り、「及び/又は」を意味するのに用いられる。
本出願の至るところで、「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために使用されている装置又は方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。
本明細書に使用されるとき、「a」又は「an」は、他に明確に示されない限り、1つ以上を意味する。本明細書に使用されるとき、「別の」は、少なくとも2番目以上を意味する。
本明細書に使用される見出しは、構成目的のみが意図されている。
ヤヌスキナーゼの阻害剤
上記のとおり、本発明の1つの態様は、式(I):
Figure 0006929286

[式中、
は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
は、式(a)〜(j)、(o)及び(p):
Figure 0006929286

からなる群より選択され;
各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、(C−Cアルキル)S−、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル(−C(O)−NR、−C(O)−OR、−(C−Cアルキル)−C(O)−NR、及び−(C−Cアルキル)−C(O)−ORからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−NR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、−NRC(O)R、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;そしてRは、水素及びC−Cアルキル(ハロ、シアノ、及びC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より選択されるか;あるいはR及びRは、一緒になってC−Cアルケニレン(ハロ、シアノ、及びC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成し;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−SH、(C−Cアルキル)S−、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、R、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、(C−Cアルキル)S−、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、ハロ、シアノ、S(O)NR、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、−S(O)(C−Cアルキル)、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており、そしてここで、任意の前記6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、(C−Cアルキル)NC(O)−、又はC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)で場合により置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
各Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、−NR、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、(C−Cアルキル)S−、及びC−Cアルキル(ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
nは、0、1、又は2であり;
z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;そして
A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物、又はその塩若しくは立体異性体を含む。幾つかの実施態様において、A環は場合により置換されていない。
本発明の別の態様は、式(I-0):
Figure 0006929286

[式中、
は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
は、式(a)〜(j)、(o)及び(p):
Figure 0006929286

からなる群より選択され;
各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル(場合により、−(C−Cアルキル)−C(O)−NR又は−(C−Cアルキル)−C(O)−ORで置換されている)、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−NR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、ハロ、シアノ、S(O)NR、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており、そしてここで、任意の前記6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、又はC−Cアルキルで場合により置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
各Rは、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
nは、0、1、又は2であり;
z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;そして
A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物、又はその塩若しくは立体異性体を含む。幾つかの実施態様において、A環は場合により置換されていない。
また提供されるのは、式(I-I):
Figure 0006929286

[式中、
は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
は、式(a)〜(j):
Figure 0006929286

からなる群より選択され;
各Rは、OH、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及び6〜10員アリールからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、Rの任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
各Rは、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
nは、0、1、又は2であり;そして
A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物、又はその塩若しくは立体異性体として更に定義される式(I)の化合物である。幾つかの実施態様において、A環は場合により置換されていない。
幾つかの実施態様において、Rz1及びRz2は、それぞれ水素である。幾つかの実施態様において、Rz1は水素であり、そしてRz2はC−Cアルキルである。
また提供されるのは、表1の実施例1〜199から選択される化合物である。表1には特定の塩が示されるかもしれないが、本明細書に記載されるような、他の塩も考慮されることを理解すべきである。
1つの実施態様において、式(Ia):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ib):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ic):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Id):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ie):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(If):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ig):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ih):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ii):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ij):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Io):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ip):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Iaa):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Igg):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(Ioo):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、−C(O)NR又は−C(O)Rである。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

Figure 0006929286

Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物、塩又は立体異性体のRは、以下:
Figure 0006929286

Figure 0006929286

からなる群より選択される。
本発明の例示化合物は、表1から選択される化合物、塩及び立体異性体を含む。表1に特定の塩が描かれているならば、他の塩もまた考慮される。
Figure 0006929286

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1つの実施態様において、式(I-II):
Figure 0006929286

[式中、
z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;
は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
は、式(m)及び(n):
Figure 0006929286

からなる群より選択され;
各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及び6〜10員アリールからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
各Rは、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;そして
nは、0、1、又は2であり;そして
A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物、又はその塩若しくは立体異性体が提供される。幾つかの実施態様において、A環は場合により置換されていない。
式(I-II)の化合物に関する幾つかの実施態様において:
z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;
は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
は、式(m)及び(n):
Figure 0006929286

からなる群より選択され;
各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル(−(C−Cアルキル)−C(O)−NR又は−(C−Cアルキル)−C(O)−ORで場合により置換されている)、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、NR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
各Rは、ハロ、シアノ、−S(O)NR、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており、そしてここで、任意の前記6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、又はC−Cアルキルで場合により置換されており;
は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
各Rは、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
nは、0、1、又は2であり;
z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;そして
A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている。幾つかの実施態様において、A環は場合により置換されていない。
1つの実施態様において、式(Im):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、式(In):
Figure 0006929286

で示される化合物又はその塩若しくは立体異性体が提供される。
1つの実施態様において、Rは、以下:
Figure 0006929286

からなる群より選択される。
1つの実施態様において、Rはベンジルである。
1つの実施態様において、化合物は、以下:
Figure 0006929286

又はその塩若しくは立体異性体からなる群より選択される。
1つの実施態様において、疾患又は症状は、癌、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、関節リウマチ、炎症性腸症候群、クローン病、乾癬、接触性皮膚炎又は遅延型過敏反応である。
1つの実施態様において、癌、真性赤血球増加症、本態性血小板増加症、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、関節リウマチ、炎症性腸症候群、クローン病、乾癬、接触性皮膚炎又は遅延型過敏反応の治療のための、式(I)の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用が提供される。
1つの実施態様において、吸入による投与用に処方される組成物が提供される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む定量吸入器が提供される。1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含むドライパウダー吸入器が提供される。
1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK1の阻害剤として、JAK2の阻害剤としてよりも少なくとも5倍強力である。
1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK1の阻害剤として、JAK2の阻害剤としてよりも少なくとも10倍強力である。
1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK1の阻害剤として、JAK3の阻害剤としてよりも少なくとも5倍強力である。
1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、JAK1の阻害剤として、JAK3の阻害剤としてよりも少なくとも10倍強力である。
1つの実施態様において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の脱毛症を治療する方法が提供される。
1つの実施態様において、脱毛症の治療のための式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。
1つの実施態様において、哺乳動物の脱毛症用の医薬品を製造するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用が提供される。
ヤヌスキナーゼ阻害化合物の合成
本発明の化合物は、本明細書に記載の合成経路によって合成することができる。ある一定の実施態様において、本明細書に含まれる記載に加えて、又はそれに照らして、化学技術において周知のプロセスを使用することができる。出発物質は、一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee, Wis.)のような商業的供給源から入手可能であるか、又は当業者には周知の方法を用いて容易に調製される[例えば、Louis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, N.Y. (1967-1999 ed.)、Beilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlin(補遺を含む)(また、Beilsteinのオンラインデータベースを介して入手可能である)、又はComprehensive Heterocyclic Chemistry, Editors Katrizky and Rees, Pergamon Press, 1984 に一般的に記載される方法によって調製される]。
化合物は、単独で、又は少なくとも2種、例えば5〜1,000種の化合物、若しくは10〜100種の化合物を含む化合物ライブラリーとして調製することができる。化合物のライブラリーは、当業者に公知の手順により、コンビナトリアル合成の「スプリット・ミックス」法によって、又は液相若しくは固相化学のいずれかを使用する複数の平行合成によって調製することができる。よって、本発明の更なる態様によれば、式(I)、(I-I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)、(Ih)、(Ii)、(Ij)、(Im)、(In)、(Io)、(Ip)若しくは(Iq)の化合物、又は表1若しくは2の化合物のような、本発明の少なくとも2種の化合物を含む化合物ライブラリーが提供される。
説明のために、以下の反応スキームは、本発明の化合物、更には重要な中間体を合成するための経路を提供する。個々の反応工程の更に詳細な説明については、下記の実施例の項を参照のこと。当業者であれば、他の合成経路を使用してもよいことを理解するであろう。幾つかの特定の出発物質及び試薬がスキームに描かれ、以下に論じられるが、他の出発物質及び試薬に置換して、種々の誘導体又は反応条件を提供することができる。更には、以下に記載される方法によって調製される化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を用いて本開示に照らして更に修飾することができる。
本発明の化合物の調製において、中間体の遠隔官能基(例えば、第1級又は第2級アミン)の保護が必要な場合がある。そのような保護の必要性は、遠隔官能基の性質及び調製方法の条件に依存して変化する。適切なアミノ保護基は、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、フェニルスルホニル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)及び9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。保護基及びそれらの使用の概要については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991 を参照のこと。
本発明の化合物の合成に一般的に使用され、種々の試薬及び条件を用いて実施することができる、他の変換法は、以下を含む:
(1)カルボン酸とアミンとのアミドを形成する反応。このような変換は、当業者には公知の種々の試薬を用いて達成することができるが、包括的な総説は、Tetrahedron, 2005, 61, 10827-10852 に見ることができる。
(2)第1級又は第2級アミンとハロゲン化アリール又は擬ハロゲン化アリール、例えばトリフラートとの反応(「Buchwald-Hartwig クロスカップリング」として一般に知られている)は、種々の触媒、配位子及び塩基を用いて達成することができる。これらの方法の総説は、Comprehensive Organic Name Reactions and Reagents, 2010, 575-581 に提供される。
(3)ハロゲン化アリールとビニルボロン酸又はボロン酸エステルとの間のパラジウムクロスカップリング反応。この変換は、Chemical Reviews, 1995, 95(7), 2457-2483 に完全に総説されている反応の分類である、「鈴木−宮浦クロスカップリング」の一種である。
(4)対応するカルボン酸を与えるエステルの加水分解は、当業者には周知であり、条件は、メチル及びエチルエステルの場合、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムのような水性強塩基、又はHClのような水性強鉱酸の使用を含み;tert−ブチルエステルの場合、加水分解は、酸、例えば、ジオキサン中のHCl又はジクロロメタン(DCM)中のトリフルオロ酢酸(TFA)を用いて行われよう。
Figure 0006929286
スキーム1に示されるとおり、タイプ(8)の化合物は、タイプ(1)の化合物から出発して入手することができる。(1)中に存在するニトロ基を還元すると、化合物(2)が生成する。化合物(2)は、Buchwald-Hartwig型条件のような適切な条件下で、(3)のようなハロゲン化アリール又はハロゲン化アリール均等物と反応させて、タイプ(4)の化合物が生成する。化合物(4)を酸性条件下で脱保護して、タイプ(5)の化合物を生成させ、次にこれを、2−ブロモ酢酸tert−ブチルのような適切な求電子試薬と反応させて、タイプ(6)の化合物を与える。酸性条件で(6)を処理すると、遊離酸(7)が遊離し、次にこれを標準条件下でアミンとカップリングさせて、タイプ(8)のアミド化合物を与える。
Figure 0006929286
スキーム2に示されるとおり、タイプ(6)の化合物は、タイプ(1)の化合物から出発して入手することができる。X基は、スキーム2の下部に列挙される部分から成る。(1)を加水分解すると、タイプ(2)の化合物を与えることができ、次にこれを標準条件下で適切なアミンとカップリングすることによって、タイプ(3)のアミド化合物を与える。(3)を酸性条件下で脱保護すると、タイプ(4)の化合物を与え、次にこれをBuchwald-Hartwig型条件のような適切な条件下で、(5)のようなハロゲン化アリール又はハロゲン化アリール均等物と反応させると、タイプ(6)の化合物を生成させることができる。
Figure 0006929286
スキーム3に示されるとおり、タイプ(5)、(6)、(7)、及び(8)の化合物は、タイプ(1)及び(2)の化合物から出発して入手することができる。X基は、スキーム3の下部に列挙される部分から成る。タイプ(2)の化合物をBuchwald-Hartwig型条件のような適切な条件下で、(1)のようなハロゲン化アリール又はハロゲン化アリール均等物と反応させると、タイプ(3)の化合物を生成させることができる。酸性条件で(3)を処理すると、化合物(4)中に存在する遊離アミンが遊離する。アミン(4)を種々の求電子条件下で反応させる(還元的アミノ化の場合には続いて還元工程を伴う)と、タイプ(5)、(6)、(7)、及び(8)の化合物が生成する。
Figure 0006929286
スキーム4に示されるとおり、タイプ(6)の化合物は、タイプ(1)の化合物から出発して入手することができる。X基は、スキーム4の下部に列挙される部分から成る。タイプ(1)のケトンを還元すると、タイプ(2)のアルコールが生成する。(2)のアルキル化により、タイプ(3)の化合物が生成する。酸性条件で(3)を処理すると、タイプ(4)の遊離アミンが遊離する。タイプ(4)の化合物をBuchwald-Hartwig型条件のような適切な条件下で、(5)のようなハロゲン化アリール又はハロゲン化アリール均等物と反応させると、タイプ(6)の化合物を生成させることができる。
Figure 0006929286
スキーム5に示されるとおり、タイプ(5)、(6)、(7)、及び(8)の化合物は、タイプ(2)の化合物から出発して入手することができる。タイプ(2)の化合物を鈴木型条件のような適切な条件下で、(1)のようなハロゲン化アリール又はハロゲン化アリール均等物と反応させると、タイプ(3)の化合物を生成させることができる。酸性条件で(3)を処理すると、タイプ(4)のアミン化合物を遊離させることができ、次にこれを種々の求電子条件下で反応させると、タイプ(5)、(6)、及び(7)の化合物を生成させることができる。タイプ(5)の化合物を、パラジウム担持活性炭の存在下の水素ガスのような水素化条件で更に処理すると、タイプ(8)の化合物が生成する。
式(I)のA環上の置換は、当該分野において公知の手法を用いて達成することができる。例えば、WO 2015/032286 及びそこに引用される文献を参照のこと。
Figure 0006929286
スキーム6に示されるとおり、タイプ(5)の化合物は、タイプ(1)の化合物から出発して入手することができる。X基は、スキーム6の下部に列挙される部分から成る。タイプ(1)のケトンをRNHで還元的アミノ化すると、タイプ(2)のアミンが生成する。酸性条件で(2)を処理すると、タイプ(3)の遊離アミンが遊離する。タイプ(3)の化合物をBuchwald-Hartwig型条件のような適切な条件下で、(4)のようなハロゲン化アリール又はハロゲン化アリール均等物と反応させると、タイプ(5)の化合物を生成させることができる。
本発明は、ある程度の詳しさで説明及び例示されてきたが、本開示はほんの一例として行われたものであり、部分の組合せ及び配置における多くの変更は、特許請求の範囲によって定義される本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、当業者には実施することができる。
略語
AcOH 酢酸
BINAP (rac)−(1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)
BocO ジ-tert-ブチルジカルボナート
CsCO 炭酸セシウム
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO−d 重水素化ジメチルスルホキシド
EDC・HCl エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
g グラム
HATU (ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム)
HCl 塩酸
HM−N Isolute HM−Nは、珪藻土の修飾形である
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
KOH 水酸化カリウム
L リットル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
mL ミリリットル
NaBHCN シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaBH(OAc) トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
Pd(dba)・CHCl トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム−クロロホルム錯体
Pd(dppf)Cl [1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
RT 周囲温度
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
キサントホス(XantPhos) 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
NMR分析法: H NMRスペクトルは、ATM+Zを有する5mm広帯域液体プローブBBFOを備えたBruker Avance III 300(300MHz)分光計、及びATM+Zを有する5mm広帯域液体プローブBBFOを備えたBruker Avance III HD(400MHz)分光計を用いて周囲温度で記録された。化学シフトは、テトラメチルシランに対するppmで表される。以下の略語が使用されている:br=ブロードシグナル、s=シングレット、d=ダブレット、dd=ダブルダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット。
方法A
実験は、Shim-Pack XR-ODS カラム(50×3mm、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法B
実験は、C18逆相カラム(50×3mm、Xtimate TM-C18、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.1%ギ酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%ギ酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法C
実験は、C18逆相カラム(50×3mm、Gemini-NX 3μ-C18 110A、3.0μm粒径)、移動相:溶媒A:水/5mM NHHCO;溶媒B:アセトニトリルを備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法D
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Ascentis Express C18、2.7μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法E
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Xtimate TM -C18、2.6μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05% TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.05% TFAを備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。
Figure 0006929286
方法F
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(50×3mm、Xtimate TM -C18、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05% TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.05% TFAを備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法G
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Xtimate TM -C18、2.7μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLCで実施された。
勾配:
Figure 0006929286
方法H
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(50×3mm、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLCで実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法I
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(50×3mm、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法J
実験は、C18逆相カラム(50×3mm、Gemini-NX 3μ-C18 110A、3.0μm粒径)、移動相:溶媒A:水/5mM NHHCO;溶媒B:アセトニトリルを備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法K
実験は、C18逆相カラム(50×3mm、Gemini-NX 3μ-C18 110A、3.0μm粒径)、移動相:溶媒A:水/5mM NHHCO;溶媒B:アセトニトリルを備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法L
実験は、イオン化源としてESIを用いたAgilent MSD(6140)質量分析計と組合せたAgilent 1290 UHPLCで実施された。LC分離は、Phenomenex XB-C18、1.7μm、50×2.1mmカラムを用いて0.4mL/分の流量で行った。溶媒Aは0.1%ギ酸を含む水であり、溶媒Bは0.1%ギ酸を含むアセトニトリルである。勾配は、7分間で2〜98%溶媒Bとし、1.5分間平衡化した後に98%のBを1.5分間保持した。LCカラム温度は40℃である。UV吸光度を220nm及び254nmで収集し、質量スペクトルのフルスキャンを全ての実験に適用した。
方法M
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(50×3mm、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法N
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Ascentis Express C18、2.7μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法O
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(50×3mm、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法P
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(50×3mm、2.2μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法Q
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Ascentis Express C18、2.7μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法R
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Ascentis Express C18、2.7μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法S
実験は、C18逆相カラム(50×3mm、Gemini-NX 3μ-C18 110A、3.0μm粒径)、移動相:溶媒A:水/5mM NHHCO;溶媒B:アセトニトリルを備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法T
実験は、C18逆相カラム(50×2.1mm、Ascentis Express C18、2.7μm粒径)、移動相:溶媒A:水+0.05%トリフルオロ酢酸;溶媒B:アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸を備えたSHIMADZU 20A HPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法U
実験は、Shim-pack XR-ODS カラム(100×2.1mm、Acquity BEH C18、1.7μm粒径)を備えた、溶媒A:水/0.05% TFA;溶媒B:アセトニトリル/0.05% TFAで40℃で溶出する、Waters Acquity UPLC で実施された。勾配:
Figure 0006929286
方法V
実験は、イオン化源としてESIを用いたAgilent MSD(6140)質量分析計と組合せた、溶媒A:水+0.1%ギ酸;溶媒B:アセトニトリル+0.1%ギ酸で溶出する、Agilent 1290 UHPLCで実施された(Phenomenex XB-C18、1.7μm、50×2.1mm、1.7μm粒径)。勾配:
Figure 0006929286
実施例1
Figure 0006929286

2−[4−([8−[(1R,5S,8R)−8−(ベンジルオキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン
メタノール(30mL)中のtert−ブチル 8−オキソ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(1.00g、4.44mmol)の溶液を、氷浴下で0℃に冷却し、NaBH(173mg、4.57mmol)を、0℃で反応温度を保つ速度で少量ずつ加えた。得られた溶液を、0℃でさらに5分間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(4/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(1R,5S,8r)−tert−ブチル 8−ヒドロキシ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート992mg(98%)を無色の油状物として与えた。TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、Rf=0.4。
DMF(10mL)中の水素化ナトリウム(63.1mg、2.63mmol)の懸濁液に、tert−ブチル 8−ヒドロキシ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(300mg、1.32mmol)を加えた。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した。次に、(ブロモメチル)ベンゼン(339mg、1.98mmol)を加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。次に、反応物を、水(10mL)の添加によりクエンチした。得られた溶液を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、そして真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(4/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、tert−ブチル 8−(ベンジルオキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート457mg(73%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]=262.2、保持時間1.64分。
tert−ブチル 8−(ベンジルオキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(200mg、0.630mmol)を、HCl/ジオキサン(4M、10mL)に少量ずつ加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。残留物をHO(20mL)に溶解した。溶液のpH値を、炭酸カリウム(3mol/L)で8〜9に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をDCM/MeOH=5/1(20mL)に溶解した。固体を濾別した。濾液を真空下で濃縮して、8−(ベンジルオキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン117mg(85%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]=218.2、保持時間=1.22分。
ジオキサン(10mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(128mg、0.305mmol)の溶液に、8−(ベンジルオキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(200mg、0.920mmol)、Pd(dba)CHCl(63mg、0.061mmol)、BINAP(76mg、0.122mmol)及びCsCO(199mg、0.611mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、DCM/MeOH(10/1)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、濃縮した。粗生成物(87mg)を、以下の条件(Column、Gemini-NX C18 AXAI Packed 21.2*150mm、5um; 移動相A、水中10mmol/L NHHCO; 移動相B、MeCN;(6分かけて35.0% B〜60% Bに); 検出器、UV 254nm)で分取HPLCによりさらに精製して、2−[4−([8−[(1R,5S,8R)−8−(ベンジルオキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン8.21mgを淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法J、ESI):[M+H]=556.4、保持時間=2.06分。1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.01 (dd, J=6.6, 0.9 Hz, 1H), 7.90 (d, J=0.6 Hz, 1H), 7.63 (d, J=0.6 Hz, 1H), 7.42 - 7.27 (m, 5H), 6.81 (dd, J=7.8, 6.6 Hz, 1H), 6.71 (d, J=6.9 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.65 (s, 2H), 3.93 - 3.84 (m, 3H), 3.62 (t, J=5.1 Hz, 4H), 3.39 - 3.35 (m, 2H), 2.46 (m, t, J=5.1 Hz, 4H), 2.36 - 2.33 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.00 - 1.96 (m, 2H), 1.82 - 1.78 (m, 2H)。
実施例2
Figure 0006929286

1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−[[8−(8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン
トルエン(10mL)中の3−(トリフルオロメチル)アゼチジン塩酸塩(500mg、3.10mmol)の溶液に、4−ニトロフェニルクロロホルマート(624mg、3.10mmol)を加えた。得られた溶液を、油浴中、110℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/4)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮した。これが、4−ニトロフェニル 3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラート790mg(88%)を淡黄色の油状物としてもたらした。TLC:Rf=0.4; 酢酸エチル/ヘキサン=1/2。
ジオキサン(12mL)中のtert−ブチル 3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート(600mg、2.83mmol)及び2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(592mg、1.41mmol)の溶液に、Pd(dba)CHCl(293mg、0.283mmol,)、BINAP(352mg、0.566mmol)及びCsCO(923mg、2.83mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を100℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷やし、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(91/9)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル 3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート730mg(94%)を黄色の油状物として与えた。LC/MS(方法E、ESI):[M+H]=551.3、保持時間=1.01分;ジクロロメタン(10mL)中のtert−ブチル 3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート(730mg、1.33mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を加えた。得られた溶液を室温で60分間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をDCMに溶解した。溶液のpH値を、DIPEAで8に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮した。これが、2−[4−[(8−[3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン及びDIPEA TFA塩2.50g(粗)をもたらした。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]=451.3、保持時間=0.58分。
前工程からの2−[4−[(8−[3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン及びDIPEA TFA塩(100mg、約0.05mmol)の溶液に、4−ニトロフェニル 3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラート(130mg、0.448mmol)及びDIPEA(86.1mg、0.665mmol)を加えた。得られた溶液を85℃で3日間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(70/30)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。粗生成物(80mg)を、以下の条件[Column、XBridge Shield RP18 OBD Column、19*150mm、5um; 移動相A、水中10mmol/L NHHCO; 移動相B、MeCN;(7分かけて22.0% MeCN B〜46.0% Bに); 検出器、UV 254nm]で分取HPLCによりさらに精製した。これが、1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−[[8−(8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン12.1mgを白色の固体として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=602.4、保持時間=2.20分; 1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 7.97 (d, J=6.3 Hz, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 6.73 (t, J=7.2 Hz, 1H), 6.61 (d, J=7.5 Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.24 - 4.17 (m, 4H), 4.05 - 3.97 (m, 4H), 3.56 - 3.50 (m, 4H), 3.44 - 3.35 (m, 1H), 2.94 - 2.86 (m, 2H), 2.41 - 2.33 (m, 4H), 2.22 (s, 3H), 2.08 - 2.02 (m, 2H), 1.89 - 1.84 (m, 2H)。
実施例6及び15
Figure 0006929286

1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−[[8−(8−[[(1r,3r)−3−(トリフルオロメチル)シクロブチル]カルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン(Trans異性体)及び1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−[[8−(8−[[(1s,3s)−3−(トリフルオロメチル)シクロブチル]カルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン(Cis異性体)
DMF(10mL)中のいくらかのDIPEA TFA塩(100mg、約0.05mmol)を含有する粗 2−[4−[(8−[3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オンの溶液に、3−(トリフルオロメチル)シクロブタン−1−カルボン酸(38mg、0.226mmol)、EDC.HCl(86.1mg、0.449mmol)、HOBt(60.2mg、0.444mmol)及びDIPEA(115mg、0.890mmol)のcis/trans混合物を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(85/15)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、cis/transアミド混合物を与え、これを以下の条件[Column、Gemini-NX C18 AXAI Packed 21.2*150mm 5um; 移動相、水中0.1%ギ酸及びMeCN(6分かけて32.0% MeCN〜58.0%に);検出器、UV 254nm]で分取HPLCにより分離して、2つの異性体を与えた:
第1の画分:そのギ酸塩として8.21mg。LC/MS(方法C、ESI):[M+H]=601.4、保持時間1.47分; 1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.08 (d, J=6.3 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 6.81 (t, J=7.2 Hz, 1H), 6.70 (d, J=7.2 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.41 - 4.37 (m, 1H), 4.20 (d, J=11.1 Hz, 1H), 4.09 (d, J=11.1 Hz, 1H), 3.67 (t, J=5.4 Hz, 4H), 3.46 - 3.40 (m, 1H), 3.11 - 3.02 (m, 1H), 2.99 - 2.84 (m, 2H), 2.62 (t, J=5.1 Hz, 4H), 2.47 - 2.39 (m, 8H), 2.23 - 2.11 (m, 2H), 2.00 - 1.93 (m, 2H)。
第2の画分:4.7mg、白色の固体としてギ酸塩。LC/MS(方法K、ESI):[M+H]=601.4、保持時間1.14分;1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.07 (d, J=6.3 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 6.81 (t, J=6.6 Hz, 1H), 6.71 (d, J=7.2 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.37 - 4.32 (m, 1H), 4.18 (d, J=11.1 Hz, 1H), 4.11 (d, J=11.1Hz, 1H), 3.65 (t, J=5.4 Hz, 4H), 3.68 - 3.50 (m, 1H), 3.11 - 3.00 (m, 1H), 2.98 - 2.84 (m, 2H), 2.66 - 2.50 (m, 9H), 2.40 (s, 3H), 2.24 - 2.11 (m, 2H), 2.05 - 1.88 (m, 2H)。
実施例18
Figure 0006929286

4,4,4−トリフルオロ−1−[3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−イル]ブタン−1−オン
1,4−ジオキサン(10mL)及び水(2.0mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(500mg、1.19mmol)の溶液に、窒素下、室温で、tert−ブチル 3−(テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−カルボキシラート(605mg、1.81mmol)、Pd(dppf)Cl.CHCl(98.0mg、0.120mmol)及びCsCO(780mg、2.39mmol)を連続して加えた。得られた溶液を、窒素下、80℃で一晩撹拌し、室温まで放冷した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(96/4〜92/8)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル 3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−カルボキシラート517mg(79%)を油状物として与えた。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=548.4、保持時間1.69分。
ジクロロメタン(5.0mL)中のtert−ブチル 3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−カルボキシラート(500mg、0.913mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(5.0mL)を加えた。得られた溶液を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮した。これが、2−[4−[(8−[8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン950mgをそのTFA塩としてもたらした。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=448.3、保持時間1.36分。
DMF(10mL)中の2−[4−[(8−[8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(200mg、TFA塩)の溶液に、4,4,4−トリフルオロブタン酸(127mg、0.894mmol)、HATU(255mg、0.671mmol)、DIPEA(173mg、1.34mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(80/20)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[Column、XBridge Shield RP18 OBD Column、19*150mm、5um; 移動相A、水中10mmol/L NHHCO; 移動相B、MeCN;(9分かけて25.0% B〜50.0% Bに);検出器、UV 254nm]で分取HPLCによりさらに精製して、4,4,4−トリフルオロ−1−[3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−8−イル]ブタン−1−オン53.1mgをオフホワイトの固体として得た。LC/MS(方法I、ESI):[M+H]=572.4、保持時間2.53分;1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.40 (d, J=6.9 Hz, 1H), 7.96 (d, J=3.0 Hz, 1H), 7.65 - 7.59 (m, 1H),7.62(s,1H), 7.44 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.94 (t, J=7.2 Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 5.05 - 5.03 (m, 1H), 4.75 - 4.62 (m,2H), 3.64 (t, J=5.4 Hz, 4H), 3.23- 3.10 (m, 1H), 2.73 - 2.60 (m, 4H), 2.51 - 2.40 (m, 5H), 2.33 (s, 3H), 2.23 - 2.11 (m, 2H), 2.06 - 1.82 (m, 1H)。
実施例34
Figure 0006929286

2−[4−[(8−[6−[(4−クロロフェニル)メチル]−3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン
DMF(50ml)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸(10.3g、30.6mmol)の溶液に、HATU(23.5g、61.8mmol)、DIPEA(16g、124mmol)及び1−メチルピペラジン(6.20g、61.9mmol)を加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、1N NaOH(200mL)とジクロロメタン(500mL)に分配した。相を分離し、水相をジクロロメタン(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ、そして真空下で濃縮した。粗生成物をメタノールから再結晶化して、2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン9.80g(77%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=419.0、保持時間0.72分。
ジオキサン(20mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(1.00g、2.39mmol)の溶液に、tert−ブチル 3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−6−カルボキシラート(474mg、2.39mmol)、Pd(dba).CHCl(248mg、0.240mmol)、BINAP(298mg、0.479mmol)及びCsCO(1.56g、4.79mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を、窒素下、100℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷やし、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(80/20)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル 3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−6−カルボキシラート801mg(63%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=537.3、保持時間0.72分。
ジクロロメタン(15mL)中のtert−ブチル 3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−6−カルボキシラート(800mg、1.49mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(7.0mL)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮した。得られた溶液が>7のpHになるまで、DIPEAを残留物に加えた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(80/20〜50/50)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−[4−[(8−[3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン602mg(92%)を淡黄色の油状物として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=437.2、保持時間0.48分。
エタノール(10mL)中の2−[4−[(8−[3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(150mg、0.344mmol)の溶液に、Ti(Oi−Pr)(200mg、0.704mmol)及び4−クロロベンズアルデヒド(193mg、1.37mmol)を加えた。得られた溶液を60℃で一晩撹拌した。AcOH(0.1mL、1.745mmol)及びNaBHCN(22mg、0.350mmol)を加えた。得られた溶液を、60℃でさらに3時間撹拌しながら反応させた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(70/30)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通して濾過した。適切な画分を濃縮して、粗生成物(200mg)を与え、これを以下の条件[Column、XBridge Shield RP18 OBD Column、19*150mm、5um; 移動相、水中0.1%ギ酸及びMeCN(8分かけて10.0% MeCN〜35.0%に);検出器、UV 254nm]で分取HPLCによりさらに精製して、2−[4−[(8−[6−[(4−クロロフェニル)メチル]−3,6−ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン15.8mgをギ酸塩として得た(1H NMRから判断する2当量のギ酸で)。LC/MS(方法A、ESI):[M+H]=561.4、保持時間1.21分;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 9.07 (s, 1H, ギ酸のH), 8.14 (s, 1H, ギ酸のH), 8.08 (d, J=6.6 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.55 - 7.44 (m, 5H), 6.84 (t, J=7.8 Hz, 1H), 6.58 (d, J=7.8 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.25 - 3.97 (m, 9H), 3.63 - 3.20 (m, 4H), 2.72 - 2.67 (m, 5H), 2.46 (s, 3H), 1.95 - 1.86 (m, 1H)。
実施例43
Figure 0006929286

1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−[[8−(8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン(endo/exo異性体の約1:1 混合物)
ジクロロメタン(20mL)中のメチル 3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート塩酸塩(200mg、0.972mmol)の溶液に、BocO(436mg、2.00mmol)、DMAP(25.0mg、0.205mmol)及びDIPEA(516mg、3.99mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(20/80)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3−tert−ブチル 8−メチル 3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3,8−ジカルボキシラート270mgを無色の油状物として与えた。LC/MS(方法F、ESI):[M+H]=255.0、保持時間1.53分。
水(3.0mL)及びエタノール(6.0mL)中の3−tert−ブチル 8−メチル 3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3,8−ジカルボキシラート(270mg、1.00mmol)の溶液に、KOH(280mg、4.99mmol)を加えた。得られた溶液を室温で5時間撹拌した。溶液のpH値を、塩化水素(1mol/L)で6に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮乾固した。残留物をMeOH/DCM(50/50)で希釈した。固体を濾別した。濾液を真空下で濃縮した。これが、3−[(tert−ブトキシ)カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸300mg(粗)を白色の固体としてもたらした。
DMF(10mL)中の3−[(tert−ブトキシ)カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボン酸(300mg、1.18mmol)の溶液に、HATU(668mg、1.76mmol)、3−(トリフルオロメチル)アゼチジン塩酸塩(350mg、2.17mmol)及びDIPEA(454mg、3.51mmol)を加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をジクロロメタン/石油エーテル(40/60)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、tert−ブチル 8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート300mg(2工程で82%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法F、ESI):[M+Na]=385.0、保持時間1.53分。
前工程からの生成物 tert−ブチル 8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(300mg、0.828mmol)を、HCl/ジオキサン(4M、20mL)に加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。溶液のpH値を、炭酸カリウムで8に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮した。得られた混合物を、DCM/MeOH=5/1(100ml)で希釈した。固体を濾別した。濾液を真空下で濃縮した。これが、8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン300mg(粗)を褐色の油状物としてもたらした。
ジオキサン(10mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(75.0mg、0.179mmol)の溶液に、窒素下で、8−[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(70.0mg、0.267mmol)、Pd(dba).CHCl(37.0mg、0.0361mmol)、BINAP(45.0mg、0.0723mmol)及びCsCO(220mg、0.675mmol)を連続して加えた。得られた溶液を100℃で一晩撹拌し、室温に冷やした。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(86/14)で溶離するシリカゲルのショートパッドに通した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮した。粗生成物を、以下の条件[Column、SunFire Prep C18 OBD Column 19×150mm 5um; 移動相A、水中10mmol/L NHHCO; 移動相B、MeCN;(8分かけて23.0% B〜45.0% Bに);検出器、UV 254nm]で分取HPLCによりさらに精製して、1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−[[8−(8−[[3−(トリフルオロメチル)−アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン15.7mg(endo/exo異性体の約1:1 混合物)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=601.4、保持時間2.30分及び2.33;1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.03 - 8.00 (m, 1H), 7.92 (7.90) (s, 1H), 7.63 (7.62) (s, 1H), 6.83 - 6.77 (m, 1H), 6.69 - 6.64 (m, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.56 - 4.54 (m, 1H), 4.39 - 4.35 (m, 1H), 4.22 - 4.18 (m, 2H), 4.03 - 3.97 (m, 2H), 3.64 -3.62 (m, 4H), 3.55 - 3.52 (m, 1H), 3.36 - 3.32 (m, 1H), 2.92 - 2.86 (m, 1H), 2.64 - 2.45 (m, 7H), 2.33 (2.32) (s, 3H), 2.03 - 1.86 (m, 4H)。
実施例62
Figure 0006929286

1−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]−2−(4−[[8−(8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン
DMF(15mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸(1.00g、2.97mmol)の溶液に、N−メチル−N−(オキセタン−3−イル)ピペリジン−4−アミン(506mg、2.97mmol)、EDC.HCl(1.14g、5.95mmol)、HOBt(800mg、5.92mmol)、DIPEA(1.54g、11.9mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタンと水に分配した。水相をジクロロメタン(2×)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(4/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]エタン−1−オン1.01g(69%)を淡黄色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=491.2、保持時間0.54分。
ジオキサン(10mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]エタン−1−オン(200mg、0.409mmol)の溶液に、tert−ブチル 3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート(96.0mg、0.452mmol)、Pd(dba).CHCl(43.0mg、0.042mmol)、BINAP(51.0mg、0.082mmol)及びCsCO(268mg、0.823mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(4/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert−ブチル 3−(2−[[1−(2−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート200mg(79%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=621.4、保持時間0.93分。
ジクロロメタン(10mL)中のtert−ブチル 3−(2−[[1−(2−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]−2−オキソエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート(200mg、0.322mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(8mL)を加えた。得られた溶液を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。溶液のpH値を、DIPEAで>7に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮した。これが、DIPEA/TFA塩を含有する2−[4−[(8−[3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]エタン−1−オン180mg(粗)を与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=521.4、保持時間0.47分。
エタノール(5.0mL)中の上記粗生成物(90mg、約0.16mmol)の溶液に、4−ニトロフェニル 3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−カルボキシラート(100mg、0.345mmol)及びDIPEA(67.0mg、0.518mmol)を加えた。得られた溶液を85℃で3日間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン/メタノール(9/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより最初に精製した。粗生成物(50mg)を、以下の条件[Column、XBridge Shield RP18 OBD Column、19*150mm、5um; 移動相A、水中10mmol/L NHHCO; 移動相B、MeCN;(8分かけて23.0% B〜45.0% Bに);検出器、UV 254nm]で分取HPLCによりさらに精製した。これが、1−[4−[メチル(オキセタン−3−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]−2−(4−[[8−(8−[[3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル]カルボニル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル)エタン−1−オン2.30mgを白色の固体としてもたらした。LC/MS(方法C、ESI):[M+H]=672.5、保持時間1.35分;1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.07 (d, J=6.3 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.83 (t, J=7.2 Hz, 1H), 6.72 (d, J=7.5 Hz, 1H), 5.22 - 4.99 (m, 4H), 4.63 - 4.61 (m, 3H), 4.33 - 4.30 (m, 4H), 4.13 - 4.03 (m, 4H), 4.02 - 3.98 (m, 2H), 3.50 - 3.48 (m, 1H), 3.14 - 3.12 (m, 1H), 3.00 (d, J=11.1 Hz, 2H), 2.69 - 2.61 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.17 - 2.12 (m, 2H), 1.98 - 1.95 (m, 2H), 1.74 - 1.71 (m, 2H), 1.44 - 1.38 (m, 2H)。
中間体1
Figure 0006929286

2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸
Figure 0006929286

エタノール(1000mL)及び水(100mL)中の4−ニトロ−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール(70.0g、288mmol)の溶液に、鉄粉末(161g、2.88mol)及びNHCl(76.9g、1.44mol)を加えた。得られた溶液を、油浴中で還流しながら3時間撹拌した。固体を濾別した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(2000mL)に溶解した。得られた混合物をブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮した。これが、1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−アミン65g(粗)を黄色の油状物としてもたらし、それをさらに精製することなく次の工程に用いた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=214.1、保持時間0.65分。
ジオキサン(500mL)中の8−ブロモ−2−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(42.0g、130mmol)の溶液に、1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−アミン(30.0g、141mmol)Pd(dba).CHCl(7.20g、6.96mmol)、XantPhos(8.10g、14.0mmol)及びCsCO(92.0g、282mmol)を窒素下で加えた。得られた溶液を窒素下、60℃で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(2000mL)に溶解した。得られた混合物をブライン(1×500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(2:3)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、N−[8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−アミン50.0g(87%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=409.0、保持時間1.00分。
ジオキサン(500mL)中のN−[8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−1−[[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル]−1H−ピラゾール−4−アミン(56.0g、137mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、400mL)を加えた。得られた溶液を室温で4時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液を、pH値が>9になるまで撹拌しながら残留物に加えた。固体を濾過により集め、水で洗浄し、乾燥させて、N−[8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−アミン38.5gをオフホワイトの固体として与えた。粗生成物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=279.0、保持時間0.61分。
DMF(400mL)中のN−[8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−4−アミン(33.0g、118mmol)の溶液に、tert−ブチル 2−ブロモアセタート(48.0g、246mmol)、DIPEA(46.0g、356mmol)を加えた。得られた溶液を、油浴中で60℃で一晩撹拌した。次に、反応物を水(1000mL)の添加によりクエンチした。得られた溶液を酢酸エチル(3×1000mL)で抽出し、有機層を合わせた。得られた混合物をブライン(1×500mL)で洗浄した。混合物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/1)で溶離するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、tert−ブチル 2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]アセタート28.1g(60%)を黄色の固体として得た。LC/MS(方法G、ESI):[M+H]=393.0、保持時間0.85分。
ジオキサン中の塩化水素(4M、500mL)の溶液に、tert−ブチル 2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]アセタート(30g、76.3mmol)を少量ずつ加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮した。これが、2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸塩酸塩18.1g(70%)をオフホワイトの固体としてもたらした。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 12.41 (br, 1H), 9.52 (s, 1H), 8.73 (dd, J=6.4, 0.8 Hz, 1H), 7.86 - 7.84 (m, 2H), 7.50 (s, 1H), 6.91 (dd, J=7.8, 6.6 Hz, 1H), 4.94 (s, 2H)。
実施例137
Figure 0006929286

2−(4−((8−((1R,5S)−8−(2−フルオロベンジル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン
DMF(0.257ml)中の2−[4−[[8−(3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ]ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタノン塩酸塩(25mg、0.0513mmol)、1−(ブロモメチル)−2−フルオロ−ベンゼン(9.70mg、0.0513mmol)及びDIPEA(20.3mg、0.0268mL、0.154mmol)の溶液を、室温で16時間撹拌した。得られた混合物を、以下の条件[Column、Gemini-NX C18 OBD Column、50*30mm、5um; 移動相A、水中10mmol/L NHHCO; 移動相B、MeCN;(10分かけて20%〜60% Bに);検出器、UV 220nm]で分取HPLCにより精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、2−(4−((8−((1R,5S)−8−(2−フルオロベンジル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(9.4mg、33%)を与えた。LC/MS(方法L、ESI):[M+H]=559.3、保持時間2.47分。
実施例145
Figure 0006929286

1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−((8−((1R,5S,8r)−8−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノン
3,3,3−トリフルオロプロパン−1−アミン(201mg、1.77mmol)を、ジクロロメタン(15mL)中のtert−ブチル 8−オキソ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(200mg、0.888mmol)の溶液に加え、得られた溶液を室温で6時間撹拌した。NaBH(OAc)(471mg、2.22mmol)を加え、溶液を室温で一晩撹拌し、次に真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル:石油エーテル(1:4)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、濃縮して、tert−ブチル trans−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(270mg、94%)を白色の固体として与えた。TLC:Rf=0.2; DCM:MeOH=10:1。
HCl/ジオキサン(10mL、4M)中のtert−ブチル trans−8−[(3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ]−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(270mg、0.838mmol)の混合物を、室温で4時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を水(10mL)に溶解し、溶液のpHを、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で9に調整し、次に真空下で濃縮した。DCMとMeOHの混合物を加え、沈殿した固体を濾過により除去した。濾液を真空下で濃縮して、trans−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.2.1]−オクタン−8−アミン(150mg、81%)を淡黄色の固体として与えた。TLC:Rf=0.4; DCM:MeOH=1:1。
ジオキサン(8mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(130mg、0.310mmol)、trans−N−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−アミン(85.0mg、0.382mmol)、Pd(dba)CHCl(64.0mg、0.0618mmol)、BINAP(77.0mg、0.124mmol)及びCsCO(203mg、0.623mmol)の脱気した混合物を、油浴中、100℃で一晩加熱した。混合物を室温まで放冷し、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン:メタノール(85:15)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。粗生成物を、以下の条件[Column、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm; 移動相、水(+0.05% NHO)及びMeCN(9分かけて35.0%〜56.0%に);検出器、UV 254、220nm]で分取HPLCによりさらに精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−((8−((1R,5S,8r)−8−((3,3,3−トリフルオロプロピル)アミノ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノン(20.8mg、12%)をオフホワイトの固体として与えた。LC/MS(方法P、ESI):[M+H]=561.4、保持時間1.13分;1H NMR (300 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.01 (dd, J=6.6, 0.9 Hz, 1H), 7.89 (d, J=0.6 Hz, 1H), 7.62 (d, J=0.6 Hz, 1H), 6.81 (dd, J=7.8, 6.6, 1H), 6.70 (dd, J=7.5, 0.9 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.95 - 3.90 (m, 2H), 3.63 - 3.61 (m, 4H), 3.30 - 3.24 (m, 2H), 2.95 - 2.90 (m, 3H), 2.49 - 2.41 (m, 6H), 2.32 (s, 3H), 2.31 - 2.27 (m, 2H), 2.00 - 1.96 (m, 2H), 1.87 - 1.84 (m, 2H)。
実施例149
Figure 0006929286

4−[3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−スルホニル]ベンゾニトリル
ジクロロメタン(3mL)中の2−[4−[(8−[3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル]−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ]−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(70mg、0.155mmol)の溶液に、4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリド(37.5mg、0.186mmol)及びDIPEA(120mg、0.932mmol)を加え、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を水と酢酸エチルに分配し、相を分離した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮した。残留物を、以下の条件[Column、XBridge Shield RP18 OBD Column、5um、19*150mm; 移動相、水(+0.05% NHO)及びMeCN(11分かけて25%〜43.0%に);検出器、UV 254、220nm]で分取HPLCにより精製した。適切な画分を合わせ、蒸発させて、4−[3−[2−([1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−オキソエチル]−1H−ピラゾール−4−イル]アミノ)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−8−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−スルホニル]ベンゾニトリル10.1mg(11%)を白色の固体として与えた。LC/MS(方法H、ESI):[M+H]=616.3、保持時間2.39分;1H NMR (400 MHz, CD3OD-d4): δ (ppm) 8.13 (d, J=8.4 Hz, 2H), 8.07 (d, J=6.8 Hz, 1H), 7.97 (d, J=8.4, 2H), 7.88 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 6.79 (dd, J=7.6, 6.8 Hz, 1H), 6.69 (d, J=7.6 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.48 - 4.40 (m, 2H), 4.18 (dd, J=11.4, 2.2 Hz, 2H), 3.69 - 3.48 (m, 4H), 3.01 (d, J=11.2 Hz, 2H), 2.48 - 2.42 (m, 4H), 2.32 (s, 3H), 2.07 - 2.02 (m, 2H), 1.59 - 1.56 (m, 2H)。
実施例189
Figure 0006929286

1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−((8−((1R,5S,8s)−8−(ピリジン−4−イルメトキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノン
メタノール(30mL)中の3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オン(2.15g、9.98mmol)の溶液に、窒素下、0℃で、NaBH(570mg、15.0mmol)を少しずつ加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、撹拌しながら水(200mL)に注意深く加えた。固体を濾過により集めて、trans−3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(1.55g、71%)を白色の固体として与えた。TLC:Rf=0.4; PE/EA=1/2。
ジクロロメタン(10mL)中のtrans−3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(500mg、2.30mmol)の溶液に、DIPEA(594mg、4.59mmol)及びTfO(975mg、3.45mmol)を0℃で加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。得られた溶液をDCMと水に分配した。有機相を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、trans−3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イルトリフルオロメタンスルホナート(750mg、93%)を淡黄色の油状物として与えた。TLC:Rf=0.2; 石油エーテル:酢酸エチル=10:1。
p−トルエンスルホン酸(555mg、3.22mmol)を、DMSO(4.0mL)、水(1.0mL)及びトルエン(10mL)の溶媒混合物中のtrans−3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イルトリフルオロメタンスルホナート(750mg、2.14mmol)の溶液に加えた。反応混合物を還流下で3日間加熱し、室温まで放冷した。飽和炭酸カリウム溶液(100mL)を加え、得られた溶液をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を真空下で濃縮し、残留物を酢酸エチル/石油エーテル(1/4〜1/2)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、cis−3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(240mg、51%)を淡黄色の固体として得た。TLC:Rf=0.4; 石油エーテル:酢酸エチル=1:2。
メタノール(10mL)中のcis−3−ベンジル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(240mg、1.10mmol)と10% Pd/C(25mg)の混合物を、H雰囲気下で一晩水素化した。固体を濾過により除去し、濾液を真空下で濃縮して、cis−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(130mg、93%)を淡黄色の固体として与えた。TLC:Rf=0.3; DCM:MeOH=1:5。
ジクロロメタン(4.0mL)中のcis−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−オール(130mg、1.02mmol)の溶液に、DIPEA(263mg、2.03mmol)及びジ−tert ブチルジカルボナート(335mg、1.53mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル:石油エーテル(1:4〜1:2)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、tert−ブチル cis−8−ヒドロキシ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(130mg、56%)を淡黄色の固体として与えた。TLC:Rf=0.5; 石油エーテル:酢酸エチル=1:2。
N,N−ジメチルホルムアミド(6.0mL)中のNaH(117mg、鉱油中60%分散液、2.91mmol)の懸濁液に、tert−ブチル cis−8−ヒドロキシ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(130mg、0.572mmol)を窒素下、0℃で加えた。得られた溶液を室温まで放冷し、室温で20分間撹拌し、次に0℃に冷却した。4−(クロロメチル)ピリジン塩酸塩(140mg、0.853mmol)を加え、得られた溶液を室温で2時間撹拌した。反応物を水(1.0mL)の添加によりクエンチし、得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル:石油エーテル(1:2〜1:1)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮して、tert−ブチル cis−8−(ピリジン−4−イルメトキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(125mg、69%)を無色の油状物として与えた。TLC:Rf=0.2; 石油エーテル:酢酸エチル=1:2。
HCl/ジオキサン(5.0mL、4M)中のtert−ブチル cis−8−(ピリジン−4−イルメトキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボキシラート(125mg、0.393mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。溶液のpHを、飽和炭酸カリウム溶液の添加により9に調整した。得られた混合物を真空下で濃縮した。DCM:MeOH(2:1、20mL)の混合物を加え、得られた固体を濾過により除去した。濾液を真空下で濃縮して、cis−8−(ピリジン−4−イルメトキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(80mg、93%)を淡黄色の固体として与えた。TLC:Rf=0.2; DCM:MeOH=1:5。
ジオキサン(5mL)中の2−[4−([8−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル]アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル]−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタン−1−オン(110mg、0.262mmol)、cis−8−(ピリジン−4−イルメトキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(68.0mg、0.312mmol)、Pd(dba)(48.0mg、0.052mmol)、BINAP(65.0mg、0.104mmol)及びCsCO(170mg、0.522mmol)の脱気した混合物を、油浴中、100℃で一晩加熱した。反応混合物を室温まで放冷し、真空下で濃縮した。残留物を、ジクロロメタン中メタノール(10〜20%)の勾配で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を合わせ、真空下で濃縮した。残留物を、メタノールから再結晶化して、1−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−(4−((8−((1R,5S,8s)−8−(ピリジン−4−イルメトキシ)−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)アミノ)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノン(64.9mg、44%)を黄色の固体として与えた。LC/MS(方法P、ESI):[M+H]=557、保持時間1.17分;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ (ppm) 9.20 (s, 1H), 8.54 (dd, J=4.5, 1.5 Hz, 2H), 8.18 (dd, J=6.3, 1.2 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.35 (dd, J=4.5, 1.5 Hz, 2H), 6.79 (dd, J=7.8, 6.3 Hz, 1H), 6.63 (dd, J=7.8, 1.2 Hz, 1H), 5.06 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.17 - 4.11 (m, 2H), 3.75 (s, 1H), 3.48 - 3.42 (m, 4H), 2.89 - 2.73 (m, 2H), 2.51 - 2.49 (m, 2H), 2.31 - 2.26 (m, 4H), 2.17 (s, 3H), 1.85 - 1.82 (m, 2H), 1.77 - 1.73 (m, 2H)。
本明細書に記載される手順と同様の手順を用いて、表1の化合物を調製した。表1では、特定の化学構造が2回以上示されることがある(例えば、実施例190−191、192−193、及び197−198を参照のこと)。これらの別個の実施例は、表2に示されるとおり分離された単一ジアステレオマーであって、各ジアステレオマーの絶対立体化学が解明されていないジアステレオマーを表すと理解される。
酵素アッセイ
JAK酵素アッセイは、以下のとおり行われた:
単離された組換えJAK1及びJAK2キナーゼドメインの活性は、JAK3(Val−Ala−Leu−Val−Asp−Gly−Tyr−Phe−Arg−Leu−Thr−Thr、5−カルボキシフルオレセインでN末端がフルオレセイン標識されている)から誘導されたペプチドのリン酸化をCaliper LabChip(登録商標)技術(Caliper Life Sciences, Hopkinton, MA)を用いてモニターすることによって測定された。阻害定数(K)を決定するために、化合物をDMSOに連続希釈して、最終DMSO濃度2%で、精製酵素(1.5nM JAK1、又は0.2nM JAK2)、100mM HEPES緩衝液(pH7.2)、0.015% Brij-35、1.5μM ペプチド基質、ATP(25μM)、10mM MgCl、4mM DTTを含有する50μL キナーゼ反応液に添加した。反応液を384ウェルのポリプロピレンマイクロタイタープレートで22℃で30分間インキュベートし、次に25μLのEDTA含有溶液(100mM HEPES緩衝液(pH7.2)、0.015% Brij-35、150mM EDTA)の添加により反応を停止させると、50mMの最終EDTA濃度になった。キナーゼ反応の終了後、製造業者の仕様によりCaliper LabChip(登録商標)3000を用いて、リン酸化生成物の割合を全ペプチド基質の比として求めた。次にATP競合阻害について修飾されたMorrisonの強結合モデル(Morrison, J.F., Biochim. Biophys. Acta. 185:269-296 (1969); William, J.W. and Morrison, J.F., Meth. Enzymol., 63:437-467 (1979))を用いてK値を求めた[K=Ki,app/(1+[ATP]/Km,app)]。
細胞株におけるJAK1経路アッセイは、以下のとおり行われた:
阻害効力(EC50)は、JAK1依存性STATリン酸化を測定するように設計された細胞ベースのアッセイで決定した。上記のように、Jak/Statシグナル伝達経路を遮断することによるIL−4、IL−13、及びIL−9シグナル伝達の阻害は、前臨床肺炎モデルにおける喘息症状を軽減することができる((Mathew et al., 2001, J Exp Med 193(9): 1087-1096; Kudlacz et. al., 2008, Eur J. Pharmacol 582(1-3): 154-161)。1つのアッセイ法では、American Type Culture Collection(ATCC;Manassas, VA)から得られたTF−1ヒト赤白血病細胞を用いて、IL−13刺激の下流のJAK1依存性STAT6リン酸化を測定した。アッセイに使用する前に、TF−1細胞を、0.5% 活性炭/デキストラン処理したウシ胎仔血清(FBS)、0.1mM 非必須アミノ酸(NEAA)、及び1mM ピルビン酸ナトリウムを補足した、OptiMEM培地(Life Technologies, Grand Island, NY)中で一晩GM−CSFを欠乏させた。アッセイは、300,000細胞/ウェルを使用して無血清OptiMEM培地中、384ウェルプレートで行われた。第2のアッセイ方法では、ATCCから得られたBEAS−2Bヒト気管支上皮細胞を、実験の1日前に、96ウェルプレートの1ウェルあたり100,000細胞で蒔いた。BEAS−2Bアッセイは、完全増殖培地(気管支上皮の基礎培地+BulletKit;Lonza; Basel, Switzerland)中で行われた。
試験化合物をDMSOで1:2に連続希釈し、次に使用直前に培地で1:50に希釈した。希釈した化合物を0.2%の最終DMSO濃度になるよう細胞に添加し、37℃で30分間(TF−1アッセイの場合)又は1時間(BEAS−2Bアッセイの場合)インキュベートした。次に、各個別ロットについて前もって決定されたとおり、それぞれのEC90濃度のヒト組換えサイトカインで細胞を刺激した。細胞を37℃で15分間、IL−13(R&D Systems, Minneapolis, MN)で刺激した。TF−1細胞反応は、10×溶解緩衝液(Cell Signaling Technologies, Danvers, MA)の直接添加によって停止させたが、一方、BEAS−2B細胞インキュベーションは、培地の除去及び1×溶解緩衝液の添加によって停止させた。得られた試料を−80℃でプレート中で凍結させた。MesoScale Discovery(MSD)技術(Gaithersburg, MD)を用いて、細胞溶解物中のSTAT6リン酸化の化合物介在性阻害を測定した。EC50値は、DMSO対照について測定したものと比較して、STATリン酸化の50%阻害に必要な化合物の濃度として決定された。
表2は、上記実施例についてのJAK1 K、JAK2 K及びIL−13−pSTAT6 IC50情報を提供する。表1の別々の実施例は、表2に示されるとおり分離された単一ジアステレオマーであって、各ジアステレオマーの絶対立体化学が解明されていないジアステレオマーを表すと理解される。
Figure 0006929286

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Figure 0006929286

Claims (22)

  1. 式(I):
    Figure 0006929286

    [式中、
    は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであるか、又は、以下:
    Figure 0006929286

    からなる群より選択され
    は、式(a)〜(j)、(o)及び(p):
    Figure 0006929286

    からなる群より選択され;
    各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、(C−Cアルキル)S−、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル(−C(O)−NR、−C(O)−OR、−(C−Cアルキル)−C(O)−NR、及び−(C−Cアルキル)−C(O)−ORからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−NR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、−NRC(O)R、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;そしてRは、水素及びC−Cアルキル(ハロ、シアノ、及びC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より選択されるか;あるいはR及びRは、一緒になってC−Cアルケニレン(ハロ、シアノ、及びC−Cアルコキシから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成し;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
    及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
    各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、−SH、(C−Cアルキル)S−、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、R、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
    及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、(C−Cアルキル)S−、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
    各Rは、ハロ、シアノ、S(O)NR、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、−S(O)(C−Cアルキル)、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており、そしてここで、任意の前記6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、(C−Cアルキル)NC(O)−、又はC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)で場合により置換されており;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
    各Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、−NR、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    各Rは、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、(C−Cアルキル)S−、及びC−Cアルキル(ハロ、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    nは、0、1、又は2であり;
    z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;そして
    A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  2. 請求項1記載の化合物、又はその塩若しくは立体異性体であって、
    は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
    は、式(a)〜(j)、(o)及び(p):
    Figure 0006929286

    からなる群より選択され;
    各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル(−(C−Cアルキル)−C(O)−NR又は−(C−Cアルキル)−C(O)−ORで場合により置換されている)、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−NR、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、シアノ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
    及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
    各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
    及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
    各Rは、ハロ、シアノ、S(O)NR、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており、そしてここで、任意の前記6〜10員アリール及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、又はC−Cアルキルで場合により置換されており;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
    各Rは、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    nは、0、1、又は2であり;
    z1及びRz2は、それぞれ、水素及びC−Cアルキルから独立して選択され;そして
    A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている、化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  3. 請求項1記載の化合物、又はその塩若しくは立体異性体であって、式(I)の化合物が、式(I-I):
    Figure 0006929286

    [式中、
    は、1個以上のRで場合により置換されている、3〜11員ヘテロシクリルであり;
    は、式(a)〜(j):
    Figure 0006929286

    からなる群より選択され;
    各Rは、OH、ハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、C(O)NR、NR、及びC−Cアルカノイルからなる群より独立して選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、3〜11員ヘテロシクリル、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    は、水素、−OR、−CN、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、3〜11員ヘテロシクリル、−C(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、及び−C(O)Rからなる群より選択され、ここで、該C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルカノイル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、Rから独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは
    及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
    各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)から独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    及びRは、各出現毎に独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、各C−Cアルキルは、独立して、ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されているか;あるいは、
    及びRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により置換されている3〜11員ヘテロシクリル(ハロ、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)を形成してもよく;
    各Rは、ハロ、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ、C−Cアルコキシ、シアノ、及びC−Cシクロアルキルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    各Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、(C−Cシクロアルキル)オキシ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、1個以上のR基で場合により置換されており;
    各Rは、ハロ、シアノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−SH、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択され、ここで、任意のC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルチオ、6〜10員アリール、及び3〜11員ヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、及びC−Cアルキル(ハロ及びシアノからなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されている)からなる群より独立して選択される1個以上の基で場合により置換されており;
    nは、0、1、又は2であり;そして
    A環は、CH、CHCH、OCH、OCHF、OCHF、OCF、CF、CHF、CHF、F及びClからなる群より選択される1個以上の置換基で更に場合により置換されている]で示される化合物である、化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  4. A環が、場合により置換されていない、請求項1又は請求項2記載の化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  5. z1及びRz2が、それぞれ水素である、請求項1又は請求項2記載の化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  6. z1が、水素であり、そしてRz2が、C−Cアルキルである、請求項1又は請求項2記載の化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物、塩又は立体異性体であって、Rが、以下:
    Figure 0006929286

    からなる群より選択される、化合物、塩又は立体異性体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物、塩又は立体異性体であって、Rが、以下:
    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    からなる群より選択される、化合物、塩又は立体異性体。
  9. が、−C(O)NR又は−C(O)Rである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物、塩又は立体異性体。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物、塩又は立体異性体であって、Rが、以下:
    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    からなる群より選択される、化合物、塩又は立体異性体。
  11. 以下:
    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    Figure 0006929286

    からなる群より選択される化合物、又はその塩若しくは立体異性体。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物又はその塩を含む、医薬組成物。
  13. 治療で使用するための、請求項12記載の医薬組成物
  14. 炎症性疾患の処置で使用するための、請求項12記載の医薬組成物
  15. 炎症性疾患が喘息である、請求項14記載の医薬組成物。
  16. 炎症性疾患を処置するための医薬を調製するための、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩の使用。
  17. 炎症性疾患が喘息である、請求項16記載の使用。
  18. 炎症性疾患の処置で使用するための、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩。
  19. 炎症性疾患が喘息である、請求項18記載の化合物又は薬学的に許容し得るその塩。
  20. 患者における、ヤヌスキナーゼ活性の阻害に応答する疾患又は状態を予防するか、治療するか又はその重症度を軽減するための請求項12記載の医薬組成物
  21. 疾患又は状態が、喘息である、請求項20記載の医薬組成物
  22. ヤヌスキナーゼが、JAK1である、請求項20記載の医薬組成物。
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