<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成を例示するブロック図である。情報処理装置100は、例えば携帯電話機、スマートフォンまたはタブレット端末等の可搬型の情報端末である。図1に例示される通り、情報処理装置100は、処理装置11と記憶装置12と通信装置13と表示装置14と入力装置15と検出装置16とを具備するコンピュータシステムにより実現される。情報処理装置100の各要素は、単体または複数のバスで相互に接続される。なお、本願における「装置」という用語は、回路、デバイスまたはユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、情報処理装置100の各要素は、単数または複数の機器で構成される。情報処理装置100の一部の要素を省略してもよい。
処理装置11(コンピュータの例示)は、情報処理装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば単数または複数のチップで構成される。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置およびレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置11の機能の一部または全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的または逐次的に実行する。
記憶装置12は、処理装置11が利用可能な記録媒体であり、処理装置11が実行する複数のプログラムと処理装置11が使用する各種のデータとを記憶する。記憶装置12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路の1種類以上で構成される。
通信装置13は、移動体通信網またはインターネット等の通信網を介して他の装置と通信する機器である。通信装置13は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードまたは通信モジュールとも表記される。例えば、配信サーバ(図示略)から通信網を介して通信装置13が受信したプログラムが記憶装置12に記憶される。
表示装置14は、処理装置11による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の各種の表示パネルが表示装置14として好適に利用される。
入力装置15は、利用者による操作を受付ける。例えば、入力装置15は、数字および文字等の符号を入力するための操作と、表示装置14が表示するアイコンを選択するための操作とを受付ける。具体的には、表示装置14の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置15として利用される。なお、利用者が操作可能な複数の操作子を入力装置15が含んでもよい。
検出装置16は、情報処理装置100の状態(例えば姿勢または移動)に応じた検出信号を生成するセンサである。具体的には、検出装置16は、直交3軸の周囲の回転角を検出するジャイロセンサと、直交3軸の方向の加速度を検出する加速度センサと、地磁気を検出する磁気センサとを含んで構成される。ただし、検出装置16の具体的な構成は、以上の例示に限定されない。
図2は、情報処理装置100の機能に着目したブロック図である。記憶装置12に記憶されたプログラムを処理装置11が実行することで、図2に例示する複数の機能(移動解析部30、動作制御部31、表示制御部32および認証処理部33)が実現される。
移動解析部30は、検出装置16から出力される検出信号を利用して情報処理装置100の移動を検出する。例えば、検出装置16の加速度センサにより検出された加速度が所定の閾値を上回る場合、または、検出装置16のジャイロセンサにより検出された回転角が所定の閾値を上回る場合に、移動解析部30は情報処理装置100が移動したと判定する。例えば、静止状態にある情報処理装置100を利用者が把持して持上げた場合、移動解析部30は情報処理装置100の移動を検出する。移動解析部30が検出する情報処理装置100の「移動」は、情報処理装置100自体の位置が変化する動きのほか、位置自体は殆ど変化せずに情報処理装置100の姿勢が変化する動き(例えば回転)も包含する。
動作制御部31は、情報処理装置100の動作を制御する。第1実施形態の動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態を、通常状態と待機状態とロック状態との間で遷移させる。通常状態は、例えば利用者からの指示に応じて種々のプログラム(アプリケーションプログラム)を実行可能な動作状態である。待機状態は、消費電力の削減のために情報処理装置100の一部の機能を停止させた動作状態であり、スリープ状態またはスタンバイ状態とも表記され得る。例えば、待機状態では表示装置14による表示動作が停止する。移動解析部30は、待機状態において情報処理装置100の移動を検出する。ロック状態は、通常状態と比較して動作が制限された動作状態である。例えば、通常状態で実行可能な複数の機能のうち一部の機能のみがロック状態では限定的に許可される。ロック状態では、表示装置14による表示動作は実行される。
具体的には、通常状態において利用者が入力装置15を操作することなく所定の時間が経過した場合に、動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態を通常状態から待機状態に遷移させる。待機状態において移動解析部30が情報処理装置100の移動を検出すると、動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態を待機状態からロック状態に遷移させる。ロック状態において後述の認証処理が成功すると、動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態をロック状態から通常状態に遷移させる。すなわち、ロック状態が解除される。
図2の表示制御部32は、表示装置14に画像を表示させる。第1実施形態の表示制御部32は、通常状態において図3のホーム画面40を表示装置14に表示させる。ホーム画面40は、複数のプログラムにそれぞれ対応した複数のアイコン41が配列された画像である。通常状態では、ホーム画面40に配置された複数のアイコン41のうち利用者が選択した1個のアイコン41に対応するプログラムが実行される。表示制御部32は、プログラムの実行画面を表示装置14に表示させる。
表示制御部32は、情報処理装置100の動作状態が待機状態からロック状態に遷移すると、図4に例示されたロック画面50を表示装置14に表示させる。前述の通り、情報処理装置100の動作状態は、移動解析部30による移動の検出を契機として待機状態からロック状態に遷移する。すなわち、表示制御部32は、情報処理装置100の移動を移動解析部30が検出した場合にロック画面50を表示装置14に表示させる。以上の説明から理解される通り、第1実施形態では、情報処理装置100の移動を契機として動作状態がロック状態に遷移する。したがって、動作状態を待機状態からロック状態に遷移させるために利用者が入力装置15を操作する必要がある構成と比較して、利用者の操作の負荷を軽減することが可能である。
ロック画面50は、情報処理装置100がロック状態にあることを表す画像である。図4には、ロック画面50の経時的な遷移が図示されている。図4に例示される通り、ロック画面50には、動画像51と解除アイコン52とが配置される。動画像51は、例えば情報処理装置100の動作状態が待機状態からロック状態に遷移したことを利用者に通知するための映像(アニメーション)である。記憶装置12には、動画像51を表す画像データが記憶される。表示制御部32は、記憶装置12に記憶された画像データを利用して表示装置14に動画像51を表示させる。図4に例示された動画像51は、点状の画像が移動する軌跡により“Hello!”という単語の各文字が徐々に出現する様子を表現した映像である。動画像51は、所定長の期間(以下「再生期間」という)にわたり再生される。再生期間が終了すると動画像51は静止する。
図4の解除アイコン52は、ロック状態の解除(すなわち動作状態への遷移)を利用者が指示するための画像である。記憶装置12には、解除アイコン52を表す画像データが記憶される。表示制御部32は、記憶装置12に記憶された画像データを利用して表示装置14に解除アイコン52を表示させる。
第1実施形態の表示制御部32は、図4に例示される通り、動画像51の再生に並行して解除アイコン52の表示態様を経時的に変化させる。表示態様とは、視覚的に弁別可能な画像の状態を意味する。例えば、色彩の3属性である色相(色調)、彩度および明度(階調)のほか、表示位置、サイズおよび画像内容(例えば模様または形状)も、表示態様の概念に包含される。表示制御部32は、動画像51の再生期間内において解除アイコン52の表示態様を連続的または段階的に変化させる。図4には、解除アイコン52が移動するとともに解除アイコン52の色彩が経時的に変化する様子が例示されている。以上の説明から理解される通り、利用者の注意を引くように解除アイコン52が強調表示される。
再生期間が終了すると、解除アイコン52の表示態様の変化が停止する。すなわち、再生期間の終点において動画像51とともに解除アイコン52が静止する。表示装置14にロック画面50が表示された状態では、再生期間の終了後はもちろん、再生期間内(すなわち解除アイコン52の表示態様が変化している最中)においても、利用者は解除アイコン52を操作することが可能である。
図2の認証処理部33は、認証処理を実行する。認証処理は、利用者の正当性(具体的には、事前に登録された正規の利用者であるか否か)を判定する処理である。具体的には、利用者による解除アイコン52の操作を契機として認証処理が実行される。認証処理が成功した場合にはロック状態が解除され、認証処理が失敗した場合にはロック状態は解除されない。
認証処理部33が実行する認証処理の種類は任意である。例えばコード認証が認証処理の好適例である。コード認証は、数字および文字の一方または双方で構成された認証コード(例えばパスコードまたはパスワード)を利用する認証処理である。具体的には、認証処理部33は、入力装置15を利用して利用者が入力した認証コードと、事前に登録された参照データとを照合する。認証処理部33は、利用者が入力した認証コードと登録済の参照データとが一致する場合に利用者の正当性を認証し(認証成功)、両者が相違する場合には利用者の正当性を否定する(認証失敗)。
図5は、処理装置11による処理の内容(情報処理装置の動作方法)を例示するフローチャートである。情報処理装置100の動作状態が通常状態から待機状態に遷移すると、図5の処理が開始される。
移動解析部30は、検出装置16から出力される検出信号を利用して情報処理装置100の状態を解析し(Sa1)、情報処理装置100が移動したか否かを判定する(Sa2)。情報処理装置100の移動が検出されない状態(Sa2:NO)では、情報処理装置100の状態の解析(Sa1)と移動の有無の判定(Sa2)とが反復される。
情報処理装置100の移動が検出された場合(Sa2:YES)、例えば利用者が情報処理装置100を把持して持上げた場合、動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態を待機状態からロック状態に遷移させる(Sa3)。表示制御部32は、動画像51と解除アイコン52とを含む図4のロック画面50を表示装置14に表示させる(Sa4)。
動作制御部31は、利用者が解除アイコン52を操作したか否かを判定する(Sa5)。解除アイコン52が操作されていない場合(Sa5:NO)、表示制御部32は、動画像51の再生を進行させるとともに(Sa6)、解除アイコン52の表示態様を変化させる(Sa7)。そして、動作制御部31は、動画像51の再生が終了したか否かを判定する(Sa8)。なお、ステップSa5からステップSa7の処理の順序は任意であり、図5の例示には限定されない。
動画像51の再生が終了した場合(Sa8:YES)、表示制御部32は、動画像51および解除アイコン52を静止させる(Sa9)。そして、動作制御部31は、利用者が解除アイコン52を操作するまで待機する(Sa10)。動画像51の再生が終了していない場合(Sa8:NO)、処理はステップSa5に移行する。すなわち、動画像51の再生期間が終了するまで、動画像51の再生の進行(Sa6)と解除アイコン52の表示態様の変更(Sa7)とが反復される。
利用者が解除アイコン52を操作した場合(Sa5またはSa10:YES)、認証処理部33は、認証処理を実行する(Sa11)。認証処理部33による認証処理が成功した場合(Sa12:YES)、動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態をロック状態から通常状態に遷移させる(Sa13)。すなわち、ロック状態が解除される。表示制御部32は、ロック画面50をホーム画面40に変更する(Sa14)。他方、認証処理が失敗した場合(Sa12:NO)、動作制御部31は、情報処理装置100の動作状態をロック状態に維持したまま、処理をステップSa10に移行する。
以上に説明した通り、第1実施形態では、動画像51の再生に並行して解除アイコン52の表示態様が変化するから、ロック状態の解除のための操作を利用者が容易に把握できるという効果が実現される。また、動画像51の再生と解除アイコン52の表示態様の変更とを視認することで、情報処理装置100が適切に作動していることを利用者が視覚的および直観的に把握できるという利点もある。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第2実施形態の移動解析部30は、例えば図5のステップSa1において、情報処理装置100の移動を検出するほか、情報処理装置100の移動方向(具体的には回転方向)を特定する。具体的には、移動解析部30は、検出装置16から出力される検出信号を利用して情報処理装置100の移動方向を特定する。
図6および図7は、情報処理装置100の移動方向に関する説明図である。図6および図7に例示される通り、相互に直交するX方向およびY方向に沿って各縁辺が延在する略矩形板状の情報処理装置100を想定する。例えば情報処理装置100の短辺方向がX方向に相当し、長辺方向がY方向に相当する。
第2実施形態の移動解析部30は、図6のようにX方向を水平方向に維持した状態(すなわち縦向き)で情報処理装置100が回転したのか、図7のようにY方向を水平方向に維持した状態(すなわち横向き)で情報処理装置100が回転したのかを特定する。図6の例示の通り、情報処理装置100の回転軸がX方向に近い場合には、X方向を水平方向に維持した状態で情報処理装置100が回転したと推定される。他方、図7の例示の通り、情報処理装置100の回転軸がY方向に近い場合には、Y方向を水平方向に維持した状態で情報処理装置100が回転したと推定される。以上の関係を考慮すると、情報処理装置100の回転軸の方向がX方向およびY方向の何れに近いかを移動解析部30が判定する、と表現してもよい。
第2実施形態の表示制御部32は、例えば図5のステップSa4において、移動解析部30が特定した移動方向に応じてロック画面50の表示方向を制御する。具体的には、図6に例示される通り、情報処理装置100がX方向を水平方向に向けた状態(縦向き)で回転した場合、表示制御部32は、ロック画面50の縦方向DがY方向に沿うように表示装置14にロック画面50を表示させる。他方、図7に例示される通り、情報処理装置100がY方向を水平方向に向けた状態(横向き)で回転した場合、表示制御部32は、ロック画面50の縦方向DがX方向に沿うように表示装置14にロック画面50を表示させる。なお、ステップSa1およびステップSa4以外の動作は第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、移動解析部30が検出した移動方向に応じてロック画面50の表示方向が制御される。したがって、情報処理装置100の移動方向(具体的には縦向きおよび横向きの何れの状態で持上げられたか)に関わらず、利用者が適切に視認できる態様で表示装置14にロック画面50を表示させることが可能である。
<第3実施形態>
第3実施形態の移動解析部30は、例えば図5のステップSa1において、情報処理装置100の移動を検出するほか、情報処理装置100の移動速度を特定する。具体的には、移動解析部30は、検出装置16から出力される検出信号を利用して情報処理装置100の移動速度を特定する。
第3実施形態の表示制御部32は、例えば図5のステップSa4において、移動解析部30が特定した移動速度に応じて、動画像51をロック画面50に表示するか否かを制御する。情報処理装置100の移動速度が速い場合には、利用者が急いでいて動画像51を確認している余裕がない状況であると推定される。他方、情報処理装置100の移動速度が遅い場合には、動画像51を確認する時間の余裕が利用者にある状況であると推定される。以上の事情を考慮して、第3実施形態の表示制御部32は、情報処理装置100の移動速度が所定の閾値を上回る場合には動画像51をロック画面50に表示しない。
図8は、第3実施形態における表示制御部32の動作を例示するフローチャートである。図5のステップSa4において図8の処理が実行される。表示制御部32は、移動解析部30が特定した移動速度を所定の閾値と比較し(Sa41)、移動速度が閾値を上回るか否かを判定する(Sa42)。移動速度が閾値を下回る場合(Sa42:NO)、表示制御部32は、第1実施形態と同様に、動画像51と解除アイコン52とを含むロック画面50を表示装置14に表示させる(Sa43)。他方、移動速度が閾値を上回る場合(Sa42:YES)、表示制御部32は、図9に例示される通り、解除アイコン52を含み、かつ動画像51を含まないロック画面50aを、表示装置14に表示させる(Sa44)。すなわち、動画像51はロック画面50aに表示されない。したがって、動画像51の再生を進行させるステップSa6は省略される。処理装置11の他の動作は第1実施形態と同様である。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、移動解析部30が検出した移動速度に応じて動画像51の表示の有無が制御される。したがって、情報処理装置100の利用者の実際の状況のもとで適切なロック画面50を表示できるという利点がある。
<第4実施形態>
第4実施形態の移動解析部30は、第3実施形態と同様に、情報処理装置100の移動速度を特定する。表示制御部32は、移動解析部30が特定した移動速度に応じて動画像51の再生速度を制御する。第3実施形態で例示した通り、情報処理装置100の移動速度が速いほど、利用者が急いでいる状況であると推定される。以上の事情を考慮して、第4実施形態の表示制御部32は、情報処理装置100の移動速度が速いほど、表示装置14に表示される動画像51の再生速度を速める。
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第4実施形態では、移動解析部30が検出した移動速度に応じて動画像51の表示の有無が制御される。したがって、情報処理装置100の利用者の実際の状況のもとで適切な動画像51を表示できるという利点がある。
以上の説明から理解される通り、第2実施形態から第4実施形態は、移動解析部30が情報処理装置100の移動速度および/または移動方向を特定し、移動解析部30が特定した移動速度および/または移動方向に応じて表示制御部32がロック画面50の表示を制御する構成として包括的に表現される。以上の構成によれば、情報処理装置100の利用者の実際の状況のもとで適切なロック画面50を表示できるという利点がある。なお、第2実施形態から第4実施形態のなかから選択された2以上の形態を組合わせてもよい。
<第5実施形態>
第5実施形態の移動解析部30は、情報処理装置100の移動を検出するほか、情報処理装置100の移動速度を特定する(Sa1)。移動速度の特定には、検出装置16から出力される検出信号が利用される。
第5実施形態の認証処理部33は、複数種の認証処理の何れかを選択的に実行する。具体的には、認証処理部33は、コード認証および指紋認証の2種類の認証処理の何れかを実行する。指紋認証は、利用者の手指の指紋パターンを利用する認証処理である。具体的には、認証処理部33は、指紋検出器(図示略)が検出した指紋パターンと、正規の利用者が事前に登録した参照データとを照合することで、利用者の正当性を判定する。
第5実施形態の認証処理部33は、図5のステップSa11において、複数種の認証処理のうち、移動解析部30が特定した移動速度に応じた認証処理を実行する。例えば、認証処理部33は、情報処理装置100の移動速度が所定の閾値を上回る場合にはコード認証を実行し、移動速度が閾値を下回る場合には指紋認証を実行する。
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態では、情報処理装置100の移動速度に応じた種類の認証処理が実行される。したがって、移動速度に応じた多様な認証処理でロック状態を解除できるという利点がある。
なお、以上に例示した構成では、情報処理装置100の移動速度に応じて認証処理を選択したが、情報処理装置100の移動方向に応じて複数種の認証処理の何れかを選択してもよい。例えば、情報処理装置100が縦向きで回転した場合と横向きで回転した場合とで、認証処理部33が実行する認証処理の種類を相違させる。また、情報処理装置100の移動速度および移動方向の双方に応じて複数種の認証処理の何れかを選択してもよい。なお、移動速度および/または移動方向に関する条件と認証処理部33が実行する認証処理との関係は任意であり、例えば入力装置15に対する利用者からの指示に応じて変更される。なお、第2実施形態から第4実施形態のなかから選択された2以上の形態を第5実施形態に組合わせてもよい。
<第6実施形態>
第6実施形態の移動解析部30は、第5実施形態と同様に、情報処理装置100の移動を検出するほか、情報処理装置100の移動速度を特定する(Sa1)。移動速度の特定には、検出装置16から出力される検出信号が利用される。
図10は、第6実施形態の処理装置11が実行する一部の処理の内容を例示するフローチャートである。第6実施形態において、情報処理装置100の移動が検出されてから、情報処理装置100の動作状態が通常状態に遷移するまでの手順(Sa2〜Sa13)は第1実施形態と同様である。したがって、第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
情報処理装置100の動作状態が通常状態に遷移すると(Sa13)、第6実施形態の動作制御部31は、情報処理装置100の移動速度に応じたプログラムを起動する(Sb1)。すなわち、情報処理装置100の移動速度に応じて、ロック状態の解除後に起動されるプログラムが変化する。例えば、情報処理装置100の移動速度が所定の閾値を上回る場合、動作制御部31は、撮像装置(図示略)により画像を撮像するためのプログラムを起動する。他方、情報処理装置100の移動速度が閾値を下回る場合、動作制御部31は、通信装置13を利用して電子メールを授受するためのプログラムを起動する。
以上に説明した通り、第6実施形態では、情報処理装置100の移動速度に応じたプログラムがロック状態の解除後に起動される。したがって、ロック状態の解除後に利用者が入力装置15の操作によりプログラムを選択する構成と比較して、利用者がプログラムを選択するための負荷を軽減することが可能である。
なお、以上に例示した構成では、情報処理装置100の移動速度に応じてプログラムを選択したが、情報処理装置100の移動方向に応じて複数のプログラムの何れかを選択してもよい。例えば、情報処理装置100が縦向きで回転した場合と横向きで回転した場合とで、ロック状態の解除後に起動されるプログラムを相違させる。また、情報処理装置100の移動速度および移動方向の双方に応じて複数のプログラムの何れかを選択してもよい。なお、移動速度および/または移動方向に関する条件とロック状態の解除後に起動されるプログラムとの関係は任意であり、例えば入力装置15に対する利用者からの指示に応じて変更される。なお、第2実施形態から第5実施形態のなかから選択された2以上の形態を第6実施形態に組合わせてもよい。
<第7実施形態>
第7実施形態の移動解析部30は、第5実施形態と同様に、情報処理装置100の移動を検出するほか、情報処理装置100の移動速度を特定する(Sa1)。移動速度の特定には、検出装置16から出力される検出信号が利用される。
図11は、第7実施形態の処理装置11が実行する一部の処理の内容を例示するフローチャートである。第7実施形態において、情報処理装置100の移動が検出されてから、情報処理装置100の動作状態が通常状態に遷移するまでの手順(Sa2〜Sa13)は第1実施形態と同様である。したがって、第7実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
情報処理装置100の動作状態が通常状態に遷移すると(Sa13)、第7実施形態の動作制御部31は、情報処理装置100の移動速度に応じて、ロック状態の解除後における情報処理装置100の動作モードを設定する(Sb2)。例えば、移動速度が所定の閾値を上回る場合、動作制御部31は、情報処理装置100の動作モードを通常モードに設定する。また、移動速度が閾値を下回る場合、動作制御部31は、情報処理装置100の動作モードをマナーモードに設定する。マナーモードは、着信音等の各種の音の再生が制限された動作モードである。通常モードは、マナーモードで制限される動作が許可された動作モードである。動作制御部31が動作モード設定すると(Sb2)、表示制御部32は、ホーム画面40を表示装置14に表示させる(Sa14)。
以上に説明した通り、第7実施形態では、情報処理装置100の移動速度に応じて、ロック状態の解除後の動作モードが設定される。したがって、解除アイコン52の選択のための操作とは別個に利用者が動作モードを選択する必要がある構成と比較して、利用者が動作モードを選択するための負荷を軽減することが可能である。
なお、以上に例示した構成では、情報処理装置100の移動方向に応じて動作モードを選択したが、情報処理装置100の移動方向に応じて動作モードを選択してもよい。例えば、情報処理装置100が縦向きで回転した場合と横向きで回転した場合とで、ロック状態の解除後における動作モードを相違させる。また、情報処理装置100の移動速度および移動方向の双方に応じて複数のプログラムの何れかを選択してもよい。なお、移動速度および/または移動方向に関する条件とロック状態の解除後の動作モードとの関係は任意であり、例えば入力装置15に対する利用者からの指示に応じて変更される。なお、第2実施形態から第6実施形態のなかから選択された2以上の形態を第6実施形態に組合わせてもよい。
また、以上の説明では通常モードとマナーモードとを例示したが、移動速度および/または移動方向に応じて切替えられる動作モードの種類は以上の例示に限定されない。具体的には、通常モードとシニアモードとキッズモードとの何れかを移動速度および/または移動方向に応じて選択してもよい。例えば、移動速度が所定の閾値を下回る場合にはシニアモードに設定され、移動方向が所定の条件を充足する場合にはキッズモードに設定され、それ以外の場合には通常モードに設定される。シニアモードは、例えば、表示装置14に表示される文字が通常モードと比較して拡大されたり、情報処理装置100の各機能の案内が表示されたりする、高齢者に好適な動作モードである。他方、キッズモードは、情報処理装置100の一部の機能が制限されたり、特定のWebサイトへのアクセスが制限されたりする、子供に好適な動作モードである。
また、複数の利用者(例えば利用者Aおよび利用者B)が情報処理装置100を共用するマルチユーザ環境において、複数の利用者にそれぞれ対応する複数の動作モードの何れかを、情報処理装置100の移動速度および/または移動方向に応じて設定してもよい。例えば、移動速度が所定の閾値を上回る場合には、ロック状態の解除後に利用者A用の動作モードに設定され、移動方向が所定の条件を充足する場合には、ロック状態の解除後に利用者B用の動作モードに設定される。
<変形例>
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
(1)前述の各形態では、解除アイコン52が操作された場合に実行される認証処理の成功を条件としてロック状態を解除したが、認証処理部33による認証処理を省略してもよい。例えば、解除アイコン52が操作された場合に(認証処理を実行することなく)、ロック状態から通常状態に遷移する構成も想定される。以上の説明から理解される通り、前述の各形態における解除アイコン52は、ロック解除のために利用者が操作する画像として包括的に表現される。
(2)第2実施形態から第7実施形態において、移動解析部30が情報処理装置100の移動を検出した場合にロック画面50を表示させる構成を省略してもよい。例えば、入力装置15に対する利用者からの操作を契機としてロック画面50を表示する構成が想定される。以上の構成では、移動解析部30が情報処理装置100の移動を検出する動作も省略される。また、情報処理装置100の移動を契機としてロック状態に遷移する機能を、例えば入力装置15に対する利用者からの指示に応じて有効または無効に切替えてもよい。当該機能が無効に設定された状態では、情報処理装置100の移動が検出されただけではロック状態に遷移せず、例えば入力装置15に対する操作を契機として、情報処理装置100の動作状態が待機状態からロック状態に遷移する。
また、第2実施形態から第7実施形態において、解除アイコン52の表示態様を経時的に変化させる構成を省略してもよい。例えば、解除アイコン52を固定の表示態様で表示する構成が想定される。
(3)動画像51の表示前に、例えば現在時刻等の他の画像をロック画面50に表示してもよい。例えば、待機状態からロック状態に遷移すると、まず、図12に例示される通り、解除アイコン52と現在時刻53とを含むロック画面50bが表示される。表示の開始から所定の時間が経過すると、現在時刻53の表示が動画像51に置換されて、図4の例示と同様に当該動画像51の再生が進行する。なお、解除アイコン52の表示態様を変化させる動作の開始は、現在時刻53の表示が開始された時点、および、動画像51の再生が開始された時点の何れでもよい。
(4)前述の各形態では、再生期間の終了後も動画像51と解除アイコン52とをロック画面50に表示したが、再生期間の終了後におけるロック画面50の内容は以上の例示に限定されない。例えば、再生期間の終了とともに動画像51を消去し、再生期間内に動画像51が表示されていた領域内に解除アイコン52を表示してもよい。
(5)ロック画面50に表示される動画像51を切替えてもよい。例えば、内容が相違する複数の動画像51をそれぞれ表す複数の画像データが記憶装置12に記憶される。表示制御部32は、複数の画像データの何れかを選択し、当該画像データが表す動画像51を表示装置14に表示させる。画像データの選択の方法は任意であるが、例えばランダムに選択する構成、または、利用者が指定した順番で選択する構成が想定される。
(6)前述の各形態では、コード認証および指紋認証の2種類の認証処理を例示したが、認証処理部33が実行する認証処理の種類は以上の例示に限定されない。例えば、撮像装置が撮像した顔画像と事前に登録された参照データとを照合する顔認証を認証処理部33が実行してもよい。また、利用者から取得した虹彩パターンと事前に登録された参照データとを照合する虹彩認証、または、利用者が表示面に接触する地点の軌跡パターンと事前に登録された参照データとを照合するパターン認証等の任意の認証処理が、認証処理部33により実行される。
(7)前述の各形態では、携帯電話機またはスマートフォン等の可搬型の情報端末を情報処理装置100として例示したが、情報処理装置100の具体的な形態は任意であり、前述の各形態の例示には限定されない。例えば、可搬型または据置型のパーソナルコンピュータを情報処理装置100として利用してもよい。
(8)前述の各形態において例示したフローチャートにおいて、各ステップの順序を変更してもよい。すなわち、本発明の好適な態様における各処理の順序は、特定の順序に限定されない。
(9)図2に例示された各機能は、ハードウェアおよびソフトウェアの任意の組合せによって実現される。また、各機能は、単体の装置によって実現されてもよいし、相互に別体で構成された2個以上の装置によって実現されてもよい。
(10)前述の各形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称によって呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順または機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアおよびデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術および/または赤外線、無線およびマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術および/または無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(11)本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステムおよび/またはこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(12)入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(13)判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(14)本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
(15)本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
(16)本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(17)本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
(18)前述の各形態における情報処理装置100としては移動局が好適である。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(19)「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブルおよび/またはプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域および光(可視および不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
(20)前述の各形態では、記憶装置12としてROMおよびRAM等の記録回路を例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
(21)本願の全体において、例えば、英語におけるa、anおよびtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数を含む。
(22)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組合わせてもよい。