JP6924991B2 - 鋲打ち方法および鋲 - Google Patents
鋲打ち方法および鋲 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6924991B2 JP6924991B2 JP2017163769A JP2017163769A JP6924991B2 JP 6924991 B2 JP6924991 B2 JP 6924991B2 JP 2017163769 A JP2017163769 A JP 2017163769A JP 2017163769 A JP2017163769 A JP 2017163769A JP 6924991 B2 JP6924991 B2 JP 6924991B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stud
- fastened
- spiral groove
- spiral
- tacking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
近年、鋲を用いた高速締結技術として、特許文献1に記載される技術が提案されている。特許文献1に記載される技術で用いられる鋲は、鋲頭部と、鋲軸と、鋲端部とを有し、鋲頭部の底面には円形溝が設けられている。そして、この鋲を締結対象の部材に実質的に回転することなく軸方向に高速で打ち込む。これにより、鋲頭部側の部材には、円形溝内に突出する円環状の材料隆起部が形成されると共に、鋲頭部から遠い側の部材には、鋲頭部から離れる方向に突出する噴火口状の材料隆起部が形成され、二部材が締結される。
本発明の実施形態に係る鋲について、図面を参照して詳細に説明する。図1ないし図4に示す鋲1は、重ねられた締結対象の二部材に高速で打ち込まれ、この二部材を締結するものである。図1に示すように、鋲1は、円盤状の頭部2と、頭部2の片側の中央部に設けられた軸部3とを主に備えている。鋲1は、例えば金属製であり、締結対象の部材の材質に応じて様々な材質で製造することができる。以下の説明における「上下」は図2の矢印に従う。当該方向は、説明の便宜上定めるものであり、本発明を限定するものではない。また、ここでは鋲1を用いて二つの部材を締結する場合を説明するが、鋲1の締結対象は三つ以上の部材であってもよい。
tanα=nP/πd ・・・式(1)
ここで、「n」は螺旋溝3bの条数であり、「P」は螺旋溝3bのピッチであり、「d」は螺旋角度βの有効径(軸部3の外径da(図4参照)と螺旋溝3b部分の径db(図4参照)との中間の値)である。螺旋溝3bのリード角αの適正値については後記する。
本発明の実施形態に係る鋲1を用いた鋲打ち方法について、図面を参照して詳細に説明する。図5に示す鋲打ち装置10は、重ねられた締結対象の二部材(以下では、「被締結材30」と称する)に鋲1を高速で打ち込み、被締結材30を締結するものである。
図5に示すように、鋲打ち装置10は、エアコンプレッサ11と、第1ニードルバルブ12と、増圧器13と、第2ニードルバルブ14と、ソレノイドバルブ15と、鋲射出部16と、これらの構成を繋ぐホース17とを備えている。
実施例1の試験では、鋲1を被締結材30に打ち込み、打ち込まれた後の状態を観察した。また、射出圧力に対する鋲1の抜き力や打ち込み後の鋲1の位置(高さ位置)を測定した。また、打ち込み後の鋲1が回転するか否かを調査した。
実施例2の試験では、鋲1を被締結材30に途中で止まるように打ち込み、被締結材30に形成される孔を観察した。また、鋲1を被締結材30に完全に打ち込んだ状態で切断し、その断面を観察した。
実施例3の試験では、鋲1を被締結材30に打ち込み、螺旋角度βと抜き力との関係およびリード角αと抜き力との関係を調べた。
抜き力測定装置40は、第二部材30bの両端を支持する一対の支持部40aと、第一部材30aの両端部近傍に載置された一対の載置部40bと、載置部40bを介して第一部材30aに下方向の力を付与する付与部40c(例えば、重り)とを備えている。抜き力測定方法では、付与部40cが付与する力を徐々に強めていき、第一部材30aが抜けた時点で付与部40cが付与していた力を抜き力とする。
本試験では、螺旋角度90°,180°,360°,720°の四種類の鋲1を準備し、被締結材30にこれらの鋲1を打ち込んだ。ここでの被締結材30は、アルミ製(A6063-T5)の20mm角パイプ材(板厚2mm)にアルミ製(A5052-H34)の板材(板厚1mm)を載せたものである。
図11に螺旋角度180°の鋲1を示し、図12に螺旋角度180°の鋲1を被締結材30に打ち込んだ後の状態を示す。
図13に螺旋角度360°の鋲1を示し、図14に螺旋角度360°の鋲1を被締結材30に打ち込んだ後の状態を示す。
図15に螺旋角度720°の鋲1を示し、図16に螺旋角度720°の鋲1を被締結材30に打ち込んだ後の状態を示す。
また、図14および図16に示すように、螺旋角度360°,720°の鋲1では、螺旋角度90°,180°の鋲1と同様に、鋲1の周辺に被締結材30で出来た噴火口状の突起が形成され、さらに、螺旋溝3bによって切られた被締結材30が螺旋溝3bに沿って軸部3に巻き付く事象が観察された。
図19に示すように、射出圧力「1.2MPa」では打ち込み後において鋲1が概ね回転しない状態であり、また、射出圧力「1.4MPa」では打ち込み後において鋲1が少しだけ回転する状態であった。一方、射出圧力「1.0MPa」では、螺旋角度βに関わらず、打ち込みエネルギーが足りずに鋲1が途中で止まってしまった。また、射出圧力「1.8MPa」では、螺旋角度βに関わらず、打ち込み後においても鋲1が回転する状態であった。これは、射出圧力が大きい場合には打ち込みエネルギーが過大となり、被締結材30に大きな塑性変形(凹み)が生じたためである。その塑性変形によって締結力が低下することが分かった。以上の結果より、鋲1により最大の締結力を得るためには最適な打ち込みエネルギー(運動エネルギー)があり、これを制御することが重要であることが分かった。
鋲1の頭部2が被締結材30に当接しない程度に螺旋角度90°の鋲1を被締結材30に打ち込み、その後に鋲1を被締結材30から抜き、被締結材30に形成される孔を観察した。螺旋角度90°の鋲1を被締結材30に途中まで打ち込んだ状態を図20に示す。図20に示すように、鋲1は完全に打ち込まれることなく、鋲1が途中で止まっている。なお、図20に示す鋲1には、各々が螺旋角度90°の一対の螺旋溝3bが対向して形成されている。
本試験では、螺旋角度90°,180°,270°,360°,720°の五種類の鋲1を準備し、被締結材30にこれらの鋲1を打ち込んだ。ここでは、被締結材30としてアルミ製(A6063-T5)の20mm角パイプ材(板厚2mm)にアルミ製(A5052-H34)の板材(板厚1mm)を載せたものと、アルミ製(A6063-T5)の20mm角パイプ材(板厚2mm)にCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製の板材(板厚2mm)を載せたものとを用意した。以下では、前者を「アルミ/アルミ製の被締結材」と呼び、後者を「アルミ/CFRP製の被締結材」と呼ぶことにする。
比較例として図25に示す鋲101(RIVTAC(登録商標)タイプ)を製造し、鋲101を被締結材30に実際に打ち込み、打ち込まれた後の状態を観察した。また、鋲101を被締結材30に完全に打ち込んだ状態で切断し、その断面を観察した。なお、図25に示す鋲101は、先行技術文献(特許第5280209号公報)に記載される技術を参考に製造したものである。
2 頭部
3 軸部
3b 螺旋溝
10 鋲打ち装置
20 弾
21 補助部材
30 被締結材
30a 第一部材
30b 第二部材
Claims (9)
- 一方の金属板の表面に他方の金属板の裏面を重ね合わせる準備工程と、
他方の前記金属板の表面から離れた位置にセットした金属製の鋲を回転しない状態で高速で移動させて、前記鋲が他方の前記金属板および一方の前記金属板の順に回転しながらねじ込まれる鋲打ち工程と、を含み、
前記鋲は、円盤状の頭部と、前記頭部の中央部に設けられた先細りの形状の軸部とを備え、
前記軸部の外周面には、先端側から基端側にかけて螺旋溝が刻設されており、
前記螺旋溝の螺旋角度は、270°±25°であることを特徴とする鋲打ち方法。 - 前記金属板はアルミニウム合金板であることを特徴とする請求項1に記載の鋲打ち方法。
- 金属板の表面に樹脂板の裏面を重ね合わせる準備工程と、
前記樹脂板の表面から離れた位置にセットした金属製の鋲を回転しない状態で高速で移動させて、前記鋲が前記樹脂板および前記金属板の順に回転しながらねじ込まれる鋲打ち工程と、を含み、
前記鋲は、円盤状の頭部と、前記頭部の中央部に設けられた先細りの形状の軸部とを備え、
前記軸部の外周面には、先端側から基端側にかけて螺旋溝が刻設されており、
前記螺旋溝の螺旋角度は、270°±25°であることを特徴とする鋲打ち方法。 - 前記金属板はアルミニウム合金板であり、前記樹脂板はCFRPであることを特徴とする請求項3に記載の鋲打ち方法。
- 前記準備工程では、前記鋲と当該鋲の移動を補助する補助部材とを一緒にセットしておき、
前記鋲打ち工程では、前記鋲と前記補助部材とを一体にして高速で飛ばすことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の鋲打ち方法。 - 前記補助部材は樹脂製であることを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の鋲打ち方法。
- 前記螺旋溝のリード角は、75°±2.5°であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の鋲打ち方法。
- 鋲打ち工程では、前記鋲を60〜140m/秒の速度で打ち込むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の鋲打ち方法。
- 一方の板材の表面に他方の板材の裏面を重ね合わせた被締結材を締結する金属製の鋲であって、
円盤状の頭部と、前記頭部の中央部に設けられた先細りの形状の軸部とを備え、
前記軸部の外周面には、先端側から基端側にかけて螺旋溝が刻設されており、
前記螺旋溝の螺旋角度は、270°±25°であり、
前記螺旋溝によって、前記軸部が前記被締結材に回転しながらねじ込まれることを特徴とする鋲。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017163769A JP6924991B2 (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | 鋲打ち方法および鋲 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017163769A JP6924991B2 (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | 鋲打ち方法および鋲 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019039535A JP2019039535A (ja) | 2019-03-14 |
JP6924991B2 true JP6924991B2 (ja) | 2021-08-25 |
Family
ID=65725602
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017163769A Active JP6924991B2 (ja) | 2017-08-28 | 2017-08-28 | 鋲打ち方法および鋲 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6924991B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021055305A (ja) * | 2019-09-27 | 2021-04-08 | 大建工業株式会社 | 耐火壁および耐火壁の施工方法 |
JP2024006179A (ja) * | 2022-07-01 | 2024-01-17 | 日本軽金属株式会社 | 鋲打ち方法および締結物 |
JP2024006178A (ja) * | 2022-07-01 | 2024-01-17 | 日本軽金属株式会社 | 鋲打ち方法および締結物 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR1029108A (fr) * | 1949-12-31 | 1953-05-29 | Powder Power Tool Corp | Cheville destinée à pénétrer dans une paroi en béton ou en acier sous l'action d'une force explosive |
US2676508A (en) * | 1952-10-18 | 1954-04-27 | Powder Power Tool Corp | Stud for explosive installation |
NL99022C (ja) * | 1954-07-08 | |||
CA2036955C (en) * | 1991-02-25 | 1995-03-21 | Raymond G. Faucher | Hanger nail for suspended ceiling |
JPH10339312A (ja) * | 1997-06-05 | 1998-12-22 | Nippon Steel Corp | 鋼材接合用ねじ釘 |
JP2002122111A (ja) * | 2000-10-11 | 2002-04-26 | Sakai Fastening:Kk | クッションコンクリートピン |
DE102004040701B3 (de) * | 2004-08-23 | 2005-07-14 | Hilti Ag | Befestigungselement |
DE102006002238C5 (de) * | 2006-01-17 | 2019-02-28 | Böllhoff Verbindungstechnik GmbH | Verfahren zum Herstellen einer Nagelverbindung sowie Nagel hierfür |
-
2017
- 2017-08-28 JP JP2017163769A patent/JP6924991B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019039535A (ja) | 2019-03-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6924991B2 (ja) | 鋲打ち方法および鋲 | |
US8782899B2 (en) | Method for establishing a nail connection and a nail for this purpose | |
US9435366B2 (en) | Method for establishing a nail connection and nails therefor | |
US10047778B2 (en) | Connection between two components made of reinforced plastic and method for the production thereof | |
US10662992B2 (en) | Bonding objects together | |
JP5626929B2 (ja) | クリンチピン式パネル固定装置 | |
US9120188B2 (en) | Apparatus and method for inserting a component through the surface of a workpiece | |
US7010953B2 (en) | Swaging machine and method of use | |
US8708628B2 (en) | Insertion component and method for inserting thereof through the surface of a workpiece | |
CN109072958A (zh) | 将第二物体锚固至第一物体 | |
US9416809B2 (en) | Rivet stud | |
US6993953B2 (en) | Swaging die and method of use | |
JP2018532963A (ja) | 薄板クリンチ式ファスナー | |
JP2016223116A (ja) | 後施工アンカーおよび後施工アンカーの施工方法 | |
KR20080110362A (ko) | 셀프 피어싱 장치용 앤빌유닛 | |
AU2021202679B2 (en) | Fastening system | |
JP4739118B2 (ja) | 打ち込み式連結ファスナー | |
JP6791738B2 (ja) | ボルト植設構造とそれを用いたアッパサポート、ボルト植設構造の製造方法 | |
JP2024006179A (ja) | 鋲打ち方法および締結物 | |
JP2024006178A (ja) | 鋲打ち方法および締結物 | |
JP4570374B2 (ja) | ゴルフクラブヘッド | |
TW202409434A (zh) | 鉚接方法以及鎖緊物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200819 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210409 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210427 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210624 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210706 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210721 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6924991 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |