JP6924431B2 - ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法 - Google Patents
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Description
(1)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に、抗癌剤が封入されている前記リポソームを投与する、本願第一の発明の薬剤の投与方法;及び
(2)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、術創周辺の皮膚表皮へ、抗癌剤が封入されている前記リポソームを含有する乳化物を塗擦する、本願第一の発明の薬剤の投与方法。
(1)ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法であって、当該腫瘍の除去後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺にインターフェロン−γが封入されているリポソームを投与することを含む、前記治療又は再発防止方法;及び
(2)ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法であって、当該腫瘍の除去後において、術創周辺の皮膚表皮へインターフェロン−γが封入されているリポソームを含有する乳化物を塗擦し、インターフェロン−γを経皮吸収させることを含む、前記治療又は再発防止方法である。
抗癌剤の例には、アルキル化薬、白金製剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管阻害薬、抗腫瘍性抗生物質、分子標的薬、ホルモン療法薬、がんワクチン、腫瘍溶解性ウイルス、インターフェロン、ビスホスホネート剤等がある。より具体的には、白金製剤であるシスプラチン及びカルボプラチン、インターフェロン−γ、及び腫瘍の骨転移や多発性骨髄腫の治療に用いられるビスホスホネート剤であるゾレドロン酸が例示される。
抗生物質は、局所の感染症の予防と治療目的で使用される。抗生物質は、その作用機序から、核酸合成阻害薬、細胞壁合成阻害薬及びタンパク合成阻害薬に分類される。
抗炎症薬は、ステロイド系抗炎症薬と非ステロイド系抗炎症薬に大別される。本発明においては、いずれの抗炎症薬も使用可能である。
生物活性物質とは、各種のサイトカインやホルモンを指す。サイトカインの例としては、インターロイキン、ケモカイン、インターフェロン、造血因子、細胞増殖因子、細胞傷害因子、アディポカイン、神経栄養因子等が挙げられる。また、ホルモンの例としては、コルチコステロイド等が挙げられる。
抗寄生虫薬には、イベルメクチン等がある。
本発明で用いる局所麻酔薬は、リドカイン、メピバカイン、ロピバカイン等である。
本発明で用いる破骨細胞の活動阻害剤は、ビスホスホネート剤、抗RANKLモノクローナル抗体製剤等である。
(1)表皮、真皮、皮下組織、粘膜組織、粘膜下組織、及び腫瘍の除去によって生じた体腔内間隙からなる群から選択される少なくとも一個所に薬剤が封入されているリポソームを注入する場合や、骨の融解部位周辺及び/又は骨の周囲の軟部組織に薬剤が封入されているリポソームを投与する場合には、
(1−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましく;
(1−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、1乃至50mgであることが好ましく、2乃至30mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(1−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.1乃至5.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(1−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.05乃至4.0mgであることが好ましく、0.1乃至2.5mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。
(1−1)インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量であることがさらに好ましく;
(1−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1.5乃至50mgであることが好ましく、2乃至40mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(1−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、0.15乃至5.0mgであることが好ましく、0.2乃至4.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(1−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、0.1乃至4.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。
(2−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることがさらに好ましく;
(2−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、2乃至40mgであることが好ましく、2.5乃至20mgであることがさらに好ましく;
(2−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.2乃至4.0mgであることが好ましく、0.25乃至2.0mgであることがさらに好ましく;及び
(2−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.15乃至3.0mgであることが好ましく、0.2乃至1.6mgであることがさらに好ましい。
(3−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましく;
(3−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、1乃至50mgであることが好ましく、2乃至30mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(3−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.1乃至5.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(3−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.05乃至4.0mgであることが好ましく、0.1乃至2.5mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。
(3−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく;
(3−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、2乃至40mgであることが好ましく、2.5乃至20mgであることがより好ましく;
(3−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、0.2乃至4.0mgであることが好ましく、0.25乃至2.0mgであることがより好ましく;及び
(3−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、0.15乃至3.0mgであることが好ましく、0.2乃至1.6mgであることがより好ましい。
(4−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、1回当たり、500乃至100,000単位/kg−体重の量であることが好ましく、1,000乃至50,000単位/kg−体重の量であることがより好ましく、2,000乃至30,000単位/kg−体重の量であることがさらにより好ましく、5,000乃至15,000単位/kg−体重の量であることが特に好ましく;
(4−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1回当たり、1乃至50mgであることが好ましく、2乃至30mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(4−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、1回当たり、0.1乃至5.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(4−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、1回当たり、0.05乃至4.0mgであることが好ましく、0.1乃至2.5mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。
(4−1)薬剤がインターフェロン−γである場合には、インターフェロン−γの量として、5,000乃至30,000単位/kg−体重の量を注入することが好ましく、5,000乃至20,000単位/kg−体重の量を注入することがより好ましく;
(4−2)薬剤がカルボプラチンである場合には、カルボプラチンの量として、1.5乃至50mgであることが好ましく、2乃至40mgであることがより好ましく、2.5乃至20mgであることが特に好ましく;
(4−3)薬剤がシスプラチンである場合には、シスプラチンの量として、0.15乃至5.0mgであることが好ましく、0.2乃至4.0mgであることがより好ましく、0.25乃至2.0mgであることが特に好ましく;及び
(4−4)薬剤がゾレドロン酸(塩)である場合には、ゾレドロン酸の量として、0.1乃至4.0mgであることが好ましく、0.15乃至3.0mgであることがより好ましく、0.2乃至1.6mgであることが特に好ましい。
1.材料
インタードッグ(登録商標)(東レ株式会社製の遺伝子組換え型イヌインターフェロン−γ): 30万単位/バイアル
日局生理食塩水: 5.94mL
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロール: 0.06g
インタードッグ(登録商標)を日局生理食塩水に溶解した。ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロールを、25℃にてインタードッグ(登録商標)の生理食塩水溶液にゆっくりと加え、得られた混合物をボルテックス・ミキサーで約15秒間撹拌した。得られた調製物を偏光顕微鏡で観察したところ、水中にリポソームが懸濁されてなるインターフェロン−γ封入リポソームの水性懸濁液であった。
1.材料
実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液: 4.0g
可溶化剤(セテアレス−20): 2.0g
乳化剤(ポリソルベート20): 2.0g
保湿剤(白色ワセリン): 2.0g
80℃にて、セテアレス−20及び白色ワセリンを溶かし、その後にポリソルベート20を加え、撹拌した。得られた油性混合液を40℃まで冷却した後に、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液をゆっくりと加え、乳化するまで撹拌し、その後室温となるまで放冷して、インターフェロン−γ封入リポソーム含有乳化物を調製した。
[症例1]
13歳齢の雌のビーグル犬において、乳腺腫瘍(炎症性乳癌)の再発に伴う強い疼痛が観察された。第1−2乳腺付近の皮膚の腫瘍と腋かリンパ節の切除術を行い、同時に、切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。本症例では、術創は良好に癒合し、術後3ヶ月間、疼痛は観察されず、再発もなかった。
11歳齢の雌のミニチュアダックスフンド犬において、乳腺腫瘍の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後6ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。
13歳齢の雄のビーグル犬において、扁平上皮癌が右下顎骨へ湿潤し、右下顎骨を融解し始めていることが観察された。癌組織の超音波乳化吸引装置による摘出を行い、同時に癌摘出部位周辺の口腔粘膜組織及び口腔粘膜下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。本症例では、術創は良好に癒合し、癌の再発や進行は抑制され、病状の悪化は認められなかった。さらに、術後2週又は4週間間隔で、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、癌摘出部位周辺の口腔粘膜組織及び口腔粘膜下組織に麻酔あるいは鎮静下で直接注入したところ、約1年間、癌の急激な再発や進行は抑制され、良好な術後経過を過ごした。
13歳齢の避妊雌アイリッシュ・セッター犬において、軟組織癌の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後6ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。
8歳齢の雄の雑種犬において、血管周皮腫の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後11ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。
15歳齢の雄のウェルシュ・コーギー犬において、血管周皮腫の切除術を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で一回投与した。術後12ヶ月間、再発及び副作用は観察されなかった。
7歳齢の避妊雌の柴犬において、尿道に移行性上皮癌の再発が観察され、排尿困難も呈してきていた。そこで、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、前記癌の腫瘤へ直接注入した。その結果、腫瘤の軟化、縮小と、排尿状態の改善が認められた。
13歳齢の雄のビーグル犬において、下顎に生じた扁平上皮癌の部分切除を行い、同時に切除部位周辺の体腔内間隙及び皮下組織へ、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。術後2週間毎に、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、癌切除部位周辺の皮下組織に注入したところ、3ヶ月間、取り残した癌の大きさの顕著な変化は認められなかった。
14歳齢の避妊雌の柴犬において、皮膚に移行上皮癌の転移が観察された。当該転移癌の部分切除を行い、同時に切除部位周辺の皮下組織へ実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。術後2週間毎に、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、癌切除部位周辺の皮下組織に注入したところ、2ヶ月間、取り残した癌の大きさの顕著な変化は認められなかった。
7歳齢の雄のフレンチ・ブルドッグ犬において、皮膚に生じた繊維肉腫の治療として、最初に放射線治療を行い、その後、放射線を照射した患部の皮下組織に、実施例1で調製したリポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で投与した。放射線治療後2週間毎に、前記リポソームの水性懸濁液を、インターフェロン−γの量で表して10,000単位/kg−体重となる量で、患部皮下組織に注入したところ、12ヶ月間腫瘍の顕著な増大は観察されなかった。
1.材料
ゾレドロン酸(ノバルティスファーマ株式会社製のゾメタ(登録商標)点滴静注4mg/5mL: 5mL
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロール: 0.05g
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロールを、25℃にてゾメタ(登録商標)点滴静注4mg/5mLにゆっくりと加え、得られた混合物をボルテックス・ミキサーで約15秒間撹拌した。得られた調製物を偏光顕微鏡で観察したところ、水中にリポソームが懸濁されてなるゾレドロン酸封入リポソームの水性懸濁液であった。
[症例11]
11歳齢の雌のパピヨン犬(体重:3.2kg)において、大腿骨遠位に扁平上皮癌の骨転移があり、一部骨融解と疼痛が観察された。骨融解が生じている骨と転移腫瘍組織の間(融解が生じている骨の表面及びその周囲の軟部組織)に、実施例4で調製したリポソームの水性懸濁液0.17ml(ゾレドロン酸:0.136mg)を一回投与した。本症例では、投与4日目より、疼痛が緩和され、患肢を負重するようになり、その後、死に至るまで正常に歩行した。
8歳齢の去勢雄のロッドワイラー犬(体重:80kg)において、上腕骨に扁平上皮癌の骨転移があり、一部骨融解と疼痛が観察された。骨融解が生じている骨と転移腫瘍組織の間(融解が生じている骨の表面及びその周囲の軟部組織)に、実施例4で調製したリポソームの水性懸濁液1.5ml(ゾレドロン酸:1.2mg)を初回投与し、その18日後に、2回目投与として、2.0ml(ゾレドロン酸:1.6mg)を投与した。本症例では、2回目投与の後、患部の疼痛は軽減したようであった。
1.材料
カルボプラチン(日本化薬株式会社製のカルボプラチン点滴静注液50mg「NK」): 5mL
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロール: 0.05g
ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロールを、25℃にてカルボプラチン点滴静注液50mg「NK」)にゆっくりと加え、得られた混合物をボルテックス・ミキサーで約15秒間撹拌した。得られた調製物を偏光顕微鏡で観察したところ、水中にリポソームが懸濁されてなるカルボプラチン封入リポソームの水性懸濁液であった。
[症例13]
8歳齢の去勢雄のロッドワイラー犬(体重:80kg)において、左前肢の肢端部に腫瘍(扁平上皮癌)が観察された。腫瘤は境界不明瞭で増大しており、皮膚は自壊しており、腫瘤の奥では骨の露出もあった。実施例6で調製したリポソームの水性懸濁液3ml(カルボプラチン:30mg)を腫瘤に直接注入したうえで、当該腫瘤部に、X線を8.9グレイ照射した。1週間後に、実施例6で調製したリポソームの水性懸濁液2ml(カルボプラチン:20mg)を腫瘤に直接注入したうえで、当該腫瘤部に、X線を8.9グレイ照射した。さらに1週間後、実施例6で調製したリポソームの水性懸濁液1.7ml(カルボプラチン:17mg)を腫瘤に直接注入したうえで、当該腫瘤部に、X線を8.9グレイ照射した。その1週間後には、X線の照射(8.9グレイ)のみを行った。その結果、腫瘍は縮小し、疼痛が軽減され、歩行が可能となった。
本出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
抗癌剤、抗生物質、抗炎症剤、生物活性物質、抗寄生虫薬、局所麻酔薬及び破骨細胞の活動阻害剤からなる群から選択される薬剤が封入されているリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記薬剤の薬効発現を求める個所に投与することを含む、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様2)
前記薬剤の薬効発現を求める個所が、表皮、真皮、皮下組織、粘膜組織、粘膜下組織、及び体腔内間隙からなる群から選択される、態様1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様3)
前記薬剤の薬効発現を求める個所が、骨の融解部位周辺及び/又は骨の周囲の軟部組織である、態様1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様4)
前記リポソームを、ヒトを除く哺乳動物の病変部位に直接注入する、態様1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様5)
前記薬剤が抗癌剤であり、前記病変が悪性腫瘍である、態様4に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様6)
腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に、抗癌剤が封入されている前記リポソームを投与する、態様1又は2に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様7)
腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、術創周辺の皮膚表皮へ、抗癌剤が封入されている前記リポソームを含有する乳化物を塗擦する、態様1又は2に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様8)
前記抗癌剤がインターフェロン−γである、態様5乃至7のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様9)
前記抗癌剤が白金製剤である、態様5乃至7のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様10)
前記薬剤がビスホスホネート剤である、態様1乃至7のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様11)
前記腫瘍が、乳腺癌、乳癌、扁平上皮癌、軟組織癌、血管周皮腫、線維肉腫、及び移行上皮癌からなる群から選択される、態様5乃至10のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様12)
前記ヒトを除く哺乳動物が愛玩動物である、態様1乃至11のいずれか一項に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
(態様13)
態様5乃至12のいずれか一項に記載の薬剤の投与方法と、放射線療法とを併用する、ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法。
Claims (3)
- インターフェロン−γが封入されている自己組織化リポソームであって、ポリエチレングリコール−12 二オレイン酸グリセロール、ポリエチレングリコール−12 二ミリスチン酸グリセロー ル、ポリエチレングリコール−23 二パルミチン酸グリセロール、ポリエチレングリコー ル−12 二ステアリン酸グリセロール及びポリエチレングリコール−23 二ステアリン酸グリセロールからなる群から選択される一つ以上の脂質を含むリポソームを、ヒトを除く哺乳動物の前記インターフェロン−γの薬効発現を求める個所に投与することを含み、ここで、投与方法は、
(1)インターフェロン−γが封入されている前記リポソームを、ヒトを除く哺乳動物の悪性腫瘍である病変部位に直接注入する、
(2)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に、インターフェロン−γが封入されている前記リポソームを投与する、又は
(3)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、術創周辺の皮膚表皮へ、インターフェロン−γが封入されている前記リポソームを含有する乳化物を塗擦することである、ヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。 - 前記投与方法が、(1)インターフェロン−γが封入されている前記リポソームを、ヒトを除く哺乳動物の悪性腫瘍である病変部位に直接注入する、又は、(2)腫瘍の治療又は再発防止のために、当該腫瘍の部分除去又は全摘後において、当該腫瘍が存在していた個所の周辺に、インターフェロン−γが封入されている前記リポソームを投与することである、請求項1に記載のヒトを除く哺乳動物への薬剤の投与方法。
- 請求項1又は2に記載の薬剤の投与方法と、放射線療法とを併用する、ヒトを除く哺乳動物の腫瘍の治療又は再発防止方法。
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