JP6921304B2 - 非燃焼加熱型喫煙物品 - Google Patents

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Description

本発明は、非燃焼加熱型喫煙物品に関する。
電気ヒータから発生する熱によって香味源(香味発生源)を加熱し、香味源の燃焼や熱分解を伴うことなく香味を吸引可能な非燃焼加熱型喫煙物品が種々提案されている(例えば、特許文献1、2等を参照)。
特表2009−502136号公報 特表2017−501805号公報 国際公開第2013/120565号
従来の非燃焼加熱型喫煙物品は、香味源を収容する香味源収容部内に、ケーシングの通気孔から内部に取り入れた吸入空気を通気させることで、喫煙者の口腔内に香味成分を輸送する構造を採用している。このように香味源収容部を通気させる構造(以下、「収容部通気構造」という)によれば、吸入空気によって香味成分の蒸発が促進され、香味成分を容易にマウスピースの吸い口孔に輸送できるという利点がある一方、ヒータの加熱によって非常に高温となる香味源収容部内を吸入空気が通気することで、口腔内に供給される煙温度が高くなり過ぎてしまう虞がある。
更に、上述した収容部通気構造は、香味収容部を空気が通過する際に香味成分の蒸発が促進されることで、香味源中の香味成分の減少速度が大きくなり、喫煙(吸引)を重ねる中で煙量、香味の濃さが急速に減少する懸念がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、煙温度が過度に上昇することがなく、且つ吸引毎にデリバリーされる香味成分量が安定した非燃焼加熱型喫煙物品に関する技術を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、吸い口孔を有するマウスピースと、香味源を収容し、当該香味源が蒸発した蒸気成分を放出する蒸気放出口を有する香味源収容部と、前記香味源を加熱して蒸発させるためのヒータと、前記蒸気放出口と前記吸い口孔を連通し、前記香味源が蒸発した蒸気成分を一時的に貯留するためのチャンバー部と、前記チャンバー部の内外を連通する空気取入孔と、を備え、前記蒸気放出口は前記チャンバー部に対してのみ開放されており、吸引時に前記チャンバー部に滞留している前記蒸気成分が前記空気取入孔から前記チャンバー部に流入した取入れ空気と混合されて前記吸い口孔に輸送される、非燃焼加熱型喫煙物品である。上記構成を採用することにより、煙温度が過度に上昇することがなく、且つ吸引毎にデリバリーされる香味成分量が安定した非燃焼加熱型喫煙物品に関する技術を提供することができる。なお、本発明においてチャンバー部とは、蒸気放出口と吸い口孔との間に形成される中空空間であり、マウスピース内に形成される流路を含んでいる。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品は、前記空気取入孔から前記チャンバー部を通って前記香味源収容部内へ流入する空気量が、当該空気取入孔から流入する全空気量に対して25%以下であっても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記香味源は、たばこ刻およびエアロゾル基材を含んでいても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品は、前記ヒータに電力を供給する電源部を備え、前記電源部は、所定の通電開始条件が成立してから所定の通電終了条件が成立するまでの通電期間に亘って常時前記ヒータに電力を供給するように構成されていても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記ヒータは、前記香味源収容部の側面を加熱する発熱体を有していても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、吸煙時における前記香味源の蒸気成分の温度が60℃以下であっても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記チャンバー部の容積が2.1mL以上20mL以下であっても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記チャンバー部の容積が7.9mL以上20mL以下であり、且つ、前記蒸気放出口から吸い口孔までの長さに対する、前記蒸気放出口から前記空気取入孔までの長さの比率(空気取入孔の開孔高さ比率)が63%以上90%以下であっても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記チャンバー部に、前記香味源の蒸気成分を冷却するための冷却部材が配置されていなくても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記空気取入孔の直径が0.2mm以上0.8mm以下であっても良い。
また、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品において、前記チャンバー部に複数の前記空気取入孔が設けられていても良い。
本発明によれば、煙温度が過度に上昇することがなく、且つ吸引毎にデリバリーされる香味成分量が安定した非燃焼加熱型喫煙物品に関する技術を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る非燃焼加熱型喫煙物品の概略図である。 図2Aは、実施形態1に係る非燃焼加熱型喫煙物品の概略図である。 図2Bは、実施形態1に係る非燃焼加熱型喫煙物品の概略図である。 図3は、実施形態1に係る香味源収容ポッドを説明する図である。 図4Aは、実施例1に係るデバイスの概略構造を示す図である。 図4Bは、実施例1に係るデバイスにおける取入れ空気の流れを概念的に示す図である。 図5Aは、比較例1に係るデバイスの概略構造を示す図である。 図5Bは、比較例1に係るデバイスにおける取入れ空気の流れを概念的に示す図である。 図6は、煙温度上昇抑制効果の検証試験条件と香味源仕様の一覧を示す図である。 図7は、比較例1の煙温度履歴の測定結果を示す図である。 図8は、実施例1の煙温度履歴の測定結果を示す図である。 図9は、実施例1および比較例1に対する喫煙試験時に喫煙機によって吸引されたエアロゾルおよび蒸気に含まれる全粒子状物質量を示す図である。 図10は、実施例1〜12および比較例1の仕様一覧を示す図である。 図11は、実施例2〜4に係るデバイスの概略構造を示す図である。 図12は、実施例1〜4に対して喫煙試験を実施した際のTPM量の測定結果を示す図である。 図13は、実施例1、2、5に対して喫煙試験を実施した際のTPM量の測定結果を示す図である。 図14は、実施例1、3、6に対して喫煙試験を実施した際のTPM量の測定結果を示す図である。 図15は、実施例1、4、7、8に対して喫煙試験を実施した際のTPM量の測定結果を示す図である。 図16は、実施例2に係るデバイスにおける取入れ空気の流体パスラインを示す図である。 図17は、変形例に係る非燃焼加熱型喫煙物品の空気取入孔を説明する図である。
ここで、本発明に係る非燃焼加熱型喫煙物品の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態1>
図1、図2Aおよび図2Bは、実施形態1に係る非燃焼加熱型喫煙物品1の概略図である。図1は、非燃焼加熱型喫煙物品1の側面図である。図2Aは、非燃焼加熱型喫煙物品1の内部構造図である。図2Bは、図2AにおけるA−A矢視断面図である。非燃焼加熱型喫煙物品1はロッド形状を有する小型携帯喫煙デバイスである。非燃焼加熱型喫煙物品1は、互いに着脱自在な第1ケーシング110と第2ケーシング120を有する。第1ケーシング110は有底円筒状のケーシングであり、第2ケーシング120の先端側にはマウスピース20が形成されている。第1ケーシング110および第2ケーシング120はネジ方式、スナップロック方式等といった公知の接続方式によって着脱自在となっている。本明細書において、「ケーシング」との用語は、非燃焼加熱型喫煙物品1の各種部品を収容する筐体としての意味であり、例えば「シェル」、「ハウジング」等と称呼されても良い。また、第1ケーシング110および第2ケーシング120を合わせて単にケーシング100と呼ぶ。図2Aおよび図2Bに示す符号CLは、非燃焼加熱型喫煙物品1(ケーシング100)の長手軸方向に伸びる中心軸である。
以下、非燃焼加熱型喫煙物品1のうち、マウスピース20が設けられている方を「上端」とし、反対側を「下端」として定義する。マウスピース20は、吸い口孔200を有する。喫煙時において、マウスピース20を咥えると共に吸い口孔200を通じて喫煙することができる。
符号100aは、非燃焼加熱型喫煙物品1の後端を示す。ケーシング100の内部には、電源部2、香味源収容ポッド3(香味源収容部)、ヒータ4、電子制御部5等が収容されている。ヒータ4は電気加熱式のヒータであり、例えばセラミックス等からなる発熱体41を有している。電源部2は、ヒータ4に電力を供給するための電池であり、例えばリチウムイオン二次電池等といった充電式電池であっても良い。電子制御部5は、各種電子部品を制御するためのコンピュータであり、例えば、ヒータ4に対する電源部2からの電力供給を制御する。電子制御部5は、例えばプロセッサ、メモリ等を実装する回路基板(図示せず)を有するマイクロプロセッサであっても良い。
図1に示す符号6は、電源スイッチである。電源スイッチ6は、例えばプッシュボタン式のスイッチであり、電源スイッチ6が押し込まれることで、オンとオフが切り替えられる。電源スイッチ6は、電子制御部5と電気配線を介して接続され、電源スイッチ6のオン、オフの各状態を電子制御部5は検知する。電子制御部5は、電源スイッチ6がオン操作されたことを検知すると、電源部2にヒータ4への通電を開始させる。そして、電源スイッチ6がオフ操作されたことを電子制御部5が検知すると、電源部2にヒータ4への通電を停止させる。ヒータ4は、電源部2からの電力供給によって通電されることにより、発熱体41が発熱する。
図3は、実施形態1に係る香味源収容ポッド3を説明する図である。香味源収容ポッド3は、耐熱容器31と、この耐熱容器31内に収容された香味源(香味発生源)32を含む。耐熱容器31は、カップ形状を有する金属製の容器であり、円形の平坦底面31aと、平坦底面31aから立設する側面31bを有している。また、耐熱容器31における側面31bの上端側には、開口端としての蒸気放出口31cが形成されている。香味源32は、加熱されることで香味を放出する材料であれば特に限定されず、本実施形態においては例えばタバコ刻と、エアロゾル基材、および香料を練り固めたものである。本実施形態における香味源収容ポッド3は、図3に示すように、耐熱容器31における側面31bの内側に、香味源32がへばり付いた状態で、耐熱容器31内に収容されている。但し、耐熱容器31内における香味源32の収容形態は特に限定されない。なお、本実施形態において、エアロゾル基材は、加熱されることでエアロゾルを生成する液体であり、例えばプロピレングリコール溶液であっても良い。
図2Aに示すように、ケーシング100内における電源部2の前部には、香味源収容ポッド3を配置するための中空部7が設けられており、この中空部7に香味源収容ポッド3が配置される。中空部7への香味源収容ポッド3の設置方法は特に限定されない。なお、香味源収容ポッド3は、蒸気放出口31cがマウスピース20の吸い口孔200に対向するように中空部7に設置される。
図2Aに示すように、香味源収容ポッド3の蒸気放出口31cと、マウスピース20の吸い口孔200の間には、チャンバー部8が形成されている。チャンバー部8は一定の容積を有する中空部である。チャンバー部8は、蒸気放出口31cと吸い口孔200を連通し、香味源32がヒータ4の発熱体41からの加熱によって蒸発した際に蒸気放出口31cから放出される蒸気成分(香味成分)を一時的に貯留するための貯留空間である。本実施形態において、香味源収容ポッド3の蒸気放出口31cは、チャンバー部8に対してのみ開放されている。また、本実施形態におけるチャンバー部8は、第1チャンバー部8Aおよび第2チャンバー部8Bを含む。第1チャンバー部8Aは、マウスピース20に設けられた中空状の貯留空間であり、吸い口孔200に面している。第2チャンバー部8Bは、第2ケーシング120の上端側に形成された中空状の貯留空間であり、蒸気放出口31cに面している。本実施形態において、第1チャンバー部8Aおよび第2チャンバー部8Bは円柱形状を有し、第1チャンバー部8Aよりも第2チャンバー部8Bの方が拡径されているが、その形状は特に限定されない。なお、チャンバー部8を構成する第1チャンバー部8Aと第2チャンバー部8Bの比率は特に限定されず、例えば第1チャンバー部8Aと第2チャンバー部8Bの何れかの容積(体積)が実質的にゼロであっても良い。例えば、後述する実施例1において、チャンバー部8は実質的に第1チャンバー部8Aのみによって形成されており、第2チャンバー部8Bの容積(体積)は実質的にゼロである。
図1および図2A、図2Bに示すように、第2ケーシング120には、チャンバー部8の内外を連通する空気取入孔9が設けられている。本実施形態においては、2つの空気取入孔9が第2ケーシング120に設けられている。2つの空気取入孔9は、非燃焼加熱型喫煙物品1の長手方向(軸方向)において互いに等しい高さに設けられている。また、図2Bに示すように、2つの空気取入孔9は、非燃焼加熱型喫煙物品1の中心軸CLを中心として周方向に180°ずれた位置に設けられており、互いに対向した配置関係となっている。つまり、2つの空気取入孔9は、非燃焼加熱型喫煙物品1の中心軸CLを中心として互いに点対称の位置に配置されている。
上記のように構成される非燃焼加熱型喫煙物品1は、喫煙者によって電源スイッチ6がオン操作されたことを電子制御部5が検知すると、電子制御部5は電源部2に制御信号を送り、ヒータ4への通電を開始させる。その結果、発熱体41が発熱し、香味源収容ポッド3の耐熱容器31が加熱される。これにより、耐熱容器31内に収容されている香味源32が加熱されることで、香味源32が蒸発した香味成分を含む蒸気(以下、「香味蒸気」という)が放出される。香味源32が蒸発することで生成された香味蒸気は、香味源収容ポッド3における耐熱容器31の蒸気放出口31cからチャンバー部8へと流入し、チャンバー部8において一時的に貯留される。
上記のように、チャンバー部8内に香味蒸気が貯留されている状態で、喫煙者がマウスピース20を咥え、吸引すると、チャンバー部8の内外を連通する各空気取入孔9を通じて外部の空気がチャンバー部8に取り込まれる。このようにして、吸引時に各空気取入孔9を通じてチャンバー部8に流入した空気は、チャンバー部8に滞留している香味蒸気と混合することでエアロゾルを形成し、当該エアロゾルがマウスピース20の吸い口孔200に輸送され、この吸い口孔200を通じて喫煙者の口腔内に供給される。
本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1によれば、香味源収容ポッド3における蒸気放出口31cとマウスピース20の吸い口孔200を連通し、香味源32が蒸発することで生成された香味蒸気を一時的に貯留するためのチャンバー部8と、チャンバー部8の内外を連通する空気取入孔9を備え、且つ、香味源収容ポッド3の蒸気放出口31cをチャンバー部8に対してのみ開放するように構成したので、空気取入孔9を通じてチャンバー部8内に取り込まれた空気を、香味源収容ポッド3の耐熱容器31内を通過させずに、チャンバー部8に貯留されている香味蒸気と混合し、マウスピース20の吸い口孔200へと輸送することができる。すなわち、空気取入孔9からチャンバー部8内に流入した空気(以下、「取入れ空気」ともいう)を、発熱体41による加熱によって非常に高温となっている耐熱容器31内を通過させない構造(以下、「加熱部非通気構造」という)を採用することで、空気取入孔9からチャンバー部8内に流入した空気が高温に晒され、過度に温度上昇することを抑制できる。これにより、口腔内に輸送される煙温度が過度に高くなることを抑制することが可能となる。なお、ここでいう煙には、エアロゾルと蒸気が混在しているため、本明細書における「煙」とは「エアロゾル」と「蒸気」が混在する混合気として特定することができる。
また、上記のように空気取入孔9からチャンバー部8内に取り込んだ空気を、耐熱容器31内を通気させない加熱部非通気構造を採用することで、ヒータ4の発熱体41による加熱時において、耐熱容器31内に収容されている香味源32の蒸発が過剰に促進されることを抑制できる。これにより、香味源32中の香味成分の減少速度が過度に大きくなることを防ぎ、喫煙者がパフ(吸引)を重ねる中で、煙量、香味の濃さが急速に減少することを抑制することができる。以上より、本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1によれば、煙温度(エアロゾルと蒸気の混合気温度)が過度に上昇することがなく、且つ吸引毎にデリバリーされる香味成分量を安定させることができる。
更に、本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1によれば、耐熱容器31内に収容されている香味源32から蒸発した香味蒸気をある適度貯留することができるだけの容積をチャンバー部8が有しているため、空気取入孔9からチャンバー部8内に取り込んだ空気に耐熱容器31内を通気させない非通気構造を採用しつつも、香味源32の蒸発を適度に促し、煙量を十分に確保することができる。
なお、本実施形態においては、電源部2からヒータ4への通電時において、耐熱容器31(或いは、耐熱容器31内の雰囲気温度)が150℃〜250℃の範囲になるように電子制御部5が電源部2を制御する。例えば、電子制御部5は、公知の温度フィードバック制御によって、耐熱容器31(或いは、耐熱容器31内の雰囲気温度)が150℃〜250℃の範囲に維持されるように、電源部2からヒータ4への通電を制御することができる。その際、温度センサを用いて耐熱容器31における側面31bの温度、又は耐熱容器31内の雰囲気温度を監視しても良い。耐熱容器31或いは耐熱容器31内の雰囲気温度を上記適正範囲内に維持させることで、香味源32(たばこ刻)が焦げることを抑制しつつ香味源32を適正に霧化させることができる。
なお、本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1は、チャンバー部8に2つの空気取入孔9が設けられており、当該2つの空気取入孔9が非燃焼加熱型喫煙物品1の中心軸CLを中心として互いに点対称の位置、すなわち周方向に180°ずれた位置に対向配置されている。このように、一組の空気取入孔9を、中心軸CLを中心に対称位置に設けることで、取入れ空気がチャンバー部8の横断面中央で衝突し、その衝突によって下向き(香味源収容ポッド3方向)に向かう取入れ空気の線速度を、空気取入孔の数が1つの場合と比較して低下させることができる。その結果、空気取入孔9からチャンバー部8に流入する取入れ空気の全空気量に対して、チャンバー部8を通じて香味源収容ポッド3内に侵入する空気量の割合である空気流入量率を少なくすることができる。
また、本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1において、空気取入孔9の数は多い方が好ましい。空気取入孔9の数が多いほど、喫煙者の吸引量を一定と仮定する条件下においては、1つ当たりの空気取入孔9からチャンバー部8に流入する空気量が少なくなるため、空気取入孔9からチャンバー部8に流入する取入れ空気の線速度が遅くなる。その結果、空気取入孔9からチャンバー部8に流入する取入れ空気が、香味源収容ポッド3内に侵入し難くすることができる。これにより、煙温度が過度に上昇することがなく、且つ吸引毎にデリバリーされる香味成分量が安定した非燃焼加熱型喫煙物品1をより好適に提供することができる。
なお、非燃焼加熱型喫煙物品1は、喫煙者によって電源スイッチ6がオン操作されたことを契機に電子制御部5は電源部2に制御信号を送り、ヒータ4への通電を開始させると共に、電源スイッチ6がオフ操作されたことを契機に電子制御部5は電源部2に制御信号を送り、電源部2からヒータ4への通電を終了させる。上記の場合、電源スイッチ6のオン操作がなされることで通電開始条件が成立し、電源スイッチ6のオフ操作がなされることで通電終了条件が成立すると共に、通電開始条件が成立してから通電終了条件が成立するまでの通電期間に亘って常時、電源部2からヒータ4への電力供給が継続されるようになっている。このような常時加熱タイプの非燃焼加熱型喫煙物品1では、通電期間において香味源収容ポッド3内では常に香味源32の霧化が起こっているため、香味源収容ポッド3で生成された香味蒸気がチャンバー部8に流入した後、チャンバー部8に一時的に貯留されている香味蒸気を吸引することが特に有用である。
また、本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1においては、ヒータ4は、香味源収容ポッド3の側面を加熱する発熱体41を有しており、チャンバー部8にヒータ4を配置しない構造を採用したので、チャンバー部8に滞留しているエアロゾル、すなわち香味吸気を冷却することができるという利点がある。また、非燃焼加熱型喫煙物品1においては、チャンバー部8に、香味源32の蒸気成分を冷却するための冷却部材を特段設けていない。非燃焼加熱型喫煙物品1は、上述した加熱部非通気構造を採用することで、香味蒸気の温度が過度に高くなることを抑制できるため、チャンバー部8に冷却部材を設ける必要が無く、喫煙デバイスをより低コストで製造することができる。
以下、本実施形態に係る非燃焼加熱型喫煙物品1によって実現される各種効果について検証する。
<煙温度上昇抑制効果の検証>
本実施形態に係る非燃焼加熱型喫煙物品1について、取入れ空気に耐熱容器31内を通気させない加熱部非通気構造を採用することによる煙温度上昇抑制効果を検証するために、取入れ空気に耐熱容器31内を通気させる加熱部通気構造を採用する比較例1と吸入時煙温度を比較した。
図4Aは、実施例1に係るデバイスの概略構造を示す図である。図4Bは、実施例1に係るデバイスにおける取入れ空気の流れを概念的に示す図である。図5A、比較例1に係るデバイスの概略構造を示す図である。図5Bは、比較例1デバイスにおける取入れ空気の流れを概念的に示す図である。
図4Aおよび図4Bに示す実施例1は、本実施形態に係る非燃焼加熱型喫煙物品1を模した加熱部非通気型デバイスであり、底面に通気用孔が形成されていない香味源収容ポッド3を使用し、マウスピース20には香味源収容ポッド3の上部開口端(蒸気放出口)31cから7mmの高さに孔径0.5mmφの空気取入孔9を2箇所に設けている。実施例1において、蒸気放出口31cから吸い口孔200(第1チャンバー部8Aの上端)までの長さに対する蒸気放出口31cから前記空気取入孔9までの長さの比率(以下、「空気取入孔の開孔高さ比率」という)が20%となっている。実施例1において、香味源収容ポッド3の上部開口端(蒸気放出口)31cから空気取入孔9までの流路におけるチャンバー部8(第1チャンバー部8A)の容積(体積)は0.4mLとした。なお、実施例1は、チャンバー部8は、実質的に第1チャンバー部8A(マウスピース20の内部空間)のみから構成されており、第2チャンバー部8Bの容積(体積)は実質的にゼロである。一方、図5Aおよび図5Bに示す比較例1は、香味源収容ポッド3の底部に直径2mmの通気用孔が形成された加熱部通気型デバイスとして形成されており、マウスピース20には空気取入孔9が形成されていない点で実施例1と相違する。また、香味源収容ポッド3の容積から香味源(たばこ刻およびエアロゾル基材の混合物)32によって占有される体積を減じた空洞部の容積は、実施例1および比較例1において共に0.3mLである。
図6に、煙温度上昇抑制効果の検証試験条件と香味源仕様の一覧を示す。上記のように構成された実施例1および比較例1の各デバイスに対して、喫煙機(Borgwaldt, RM-26)を用いて喫煙試験を行った。喫煙試験における吸煙流量は55mL/2秒、喫煙間隔は30秒とした。喫煙試験時における各デバイスの温度制御には、卓上型温度制御ユニット(株式会社チノー製 形式:SY2111-30)およびK熱電対を使用した。香味源収容ポッド3内の香味源(たばこ刻)32の表面にK熱電対が触れるように設置し、120秒でヒータが目標温度域(200℃)に到達するよう昇温プロファイルを設定し、目標温度域到達後においては、香味源(たばこ刻)32の温度をリアルタイムで測定することでPID制御を行った。
また、喫煙試験に際しては、実施例1および比較例1の各デバイスにシリコンチューブを繋げ、マウスピース20の先端から30mmの位置に熱電対を挿入し、温度履歴を測定することで、喫煙機によって吸引された煙(エアロゾルおよび蒸気を含む混合気)の温度を測定した。図7は、比較例1の煙温度履歴の測定結果を示す図である。図8は、実施例1の煙温度履歴の測定結果を示す図である。加熱部通気構造を採用した比較例1においては、1パフ目で煙温度が100℃に到達し、5パフ目以降では約60℃で一定となった。一方、加熱部非通気構造を採用した実施例1においては、1パフ目の最高温度が50℃以下であり、5パフ目以降においても安定的に30℃付近を維持した。以上より、加熱部通気構造を採用する比較例1に比べて、加熱部非通気構造を採用する実施例1の方が、煙温度の上昇を抑制できることが確認できた。また、実施例1によれば、別途、煙を冷却するための煙冷却機構を設けることなく、喫煙時の煙温度を常温近傍の温度域に維持することが可能となることが確認できた。
<香味成分デリバリー傾向の評価>
上述した喫煙試験を行った際、実施例1および比較例1の各々において、喫煙機によって吸引されたエアロゾルおよび蒸気に含まれる全粒子状物質(TPM:total particulate matter)の量を測定した。図9は、実施例1および比較例1に対する喫煙試験時に喫煙機によって吸引されたエアロゾルおよび蒸気に含まれる全粒子状物質量を示す図である。縦軸は全粒子状物質(TPM)量、横軸はパフ回数を示している。
なお、全粒子状物質量の測定は喫煙機を用いて実施した。所定の喫煙条件(吸煙容量は55mL/2秒、喫煙間隔は30秒)の下、30パフ分を2パフ間隔でケンブリッジフィルター(CF)に捕集させ、ケンブリッジフィルターに付着したエアロゾル状物質の重量増加分を秤量することによって全粒子状物質量を定量した。初期のパフ(約10パフまで)に関しては、加熱部非通気構造を採用した実施例1よりも加熱部通気構造を採用した比較例1の方が、相対的に全粒子状物質量が多くなる傾向がある一方、10パフ目以降ではその傾向が逆転し、比較例1よりも実施例1の方が、全粒子状物質量が多くなる傾向が確認できた。
加熱部通気構造を採用した比較例1については、特にエアロゾル溶液が豊富に存在する喫煙初期において、喫煙機によって吸引する2秒間にヒータ4によって加熱された香味源の表面を取入れ空気が通過するため、香味成分の蒸発が促進される。これに対して、加熱部非通気構造を採用した実施例1では、ヒータ4によって加熱された香味源32の表面を取入れ空気が通過しないため、喫煙器による吸引時においてチャンバー部に溜まった蒸気が支配的に吸引されると考えられる。その結果、香味源32からの蒸発が加熱部通気構造を採用する比較例1程は過度に促進されず、香味源32における香味成分の減少速度が適度に小さくなる。つまり、加熱部通気構造を採用した比較例1に比べて加熱部非通気構造を採用した実施例1の方が、香味成分を安定的にデリバリーすることができる。
ここで、喫煙時におけるエアロゾルおよび蒸気に含まれる全粒子状物質(TPM)量の減少率(以下、「TPM減少率」という)を以下の式にて定義すると、加熱部通気構造を採用した比較例1におけるTPM減少率が0.91であったのに対し、加熱部非通気構造を採用した実施例1におけるTPM減少率は0.61であった。ここで、TPM減少率が小さいということは1パフ目から10パフ目までの成分デリバリー量の減少が少ないこと(安定していること)を示している。上記のように、加熱部非通気構造(実施例1)は、加熱部通気構造(比較例1)よりもTPM減少率が小さいため、加熱部非通気構造(実施例1)の方が安定的に成分をデリバリーできていると言える。
Figure 0006921304
次に、実施例1に対して、チャンバー部8の容積(体積)、空気取入孔9の開孔位置、開孔数、開孔径等を変更した実施例2〜12について説明する。図10に、実施例1〜12および比較例1の仕様一覧を示す。図10には、実施例1〜12および比較例1に関する空気流入量率Rpod 、実施例1〜8および比較例1に関する煙温度およびTPM減少率も併せて示している。空気流入量率Rpodの詳細については、後述する。また、図10中の「開孔位置(mm)」とは、香味源収容ポッド3の上部開口端(蒸気放出口)31cから空気取入孔9までの離間寸法である。また、図10中の「開孔高さ比率(%)」とは、「空気取入孔の開孔高さ比率」を意味しており、上記のように蒸気放出口31cから吸い口孔200(第1チャンバー部8Aの上端)までの長さに対する、蒸気放出口31cから空気取入孔9までの長さの比率である。また、実施例1〜8、11、12に関しては、2つの空気取入孔9がデバイスの中心軸を中心として周方向に180°ずれた位置に対向配置されている。また、実施例9に関しては、4つの空気取入孔9がデバイスの中心軸を中心として周方向に90°ずれた位置に配置されている。
ここで、実施例2〜12は、実施例1と同様、加熱部非通気構造を採用している。実施例2〜4は、実施例1に対してチャンバー部8の容積をパラメータとして変更している。図11に、実施例2〜4に係るデバイスの概略構造を示す。実施例1におけるチャンバー部8の容積(第1チャンバー部8Aと第2チャンバー部の容積の合計)が0.4mLであるのに対して、実施例2〜4におけるチャンバー部8の容積(第1チャンバー部8Aと第2チャンバー部の容積の合計)はそれぞれ2.1mL、3.5mL、7.9mLである。なお、実施例2〜4における香味源収容ポッド3は、図4Aで説明した実施例1における香味源収容ポッド3と同様である。
図12は、実施例1〜4に対して喫煙試験を実施した際の全粒子状物質(TPM)量の測定結果を示す図である。図12に示すように、実施例1に比べてチャンバー部の容積を増やした実施例2〜4は、エアロゾルおよび蒸気に含まれる全粒子状物質(TPM)量が、実施例1よりも増加していることが分かる。これは、チャンバー部8の容積を十分に確保したことで、喫煙間隔30秒間にチャンバー部8内の蒸気分圧が過度に高まることがなく、香味源収容ポッド3内に収容されている香味源32の香味成分の蒸発が阻害されることを抑制できるからと考えられる。つまり、実施例2〜4のように、チャンバー部8の容積を十分に確保することで、香味成分の蒸発が進んでもチャンバー部8内の蒸気分圧が高くなり過ぎることを抑制することができ、香味源収容ポッド3内に収容されている香味源32からの香味成分の蒸発を円滑に促すことにより、香味成分のデリバリー量を増加できることが判った。なお、喫煙試験時における香味成分のデリバリー量について、実施例2〜4の相互間において有意差は見出されなかったため、一定容積(例えば、チャンバー部8の容積が2.1mL)以上のチャンバー部8を香味源収容ポッド3の上部に設けることで、チャンバー部8の容積に関係なく香味成分のデリバリー量を十分に確保することが可能であると言える。しなしながら喫煙デバイスの仕様上、チャンバー部8が大きすぎるものは小型喫煙デバイスとして現実的ではないため、チャンバー部8の容積は20mL以下とすることが好ましい。
次に、空気取入孔9の開孔位置、開孔数、開孔径をパラメータとして変更したときの影響について説明する。図13は、実施例1、2、5に対して喫煙試験を実施した際の全粒子状物質(TPM)量の測定結果を示す図である。図14は、実施例1、3、6に対して喫煙試験を実施した際の全粒子状物質(TPM)量の測定結果を示す図である。図15は、実施例1、4、7、8に対して喫煙試験を実施した際の全粒子状物質(TPM)量の測定結果を示す図である。
図15に示すように、チャンバー部8の容積が7.9mLであり、且つ、空気取入孔9の開孔位置が43mm(「空気取入孔の開孔高さ比率」が63%の位置にあたる)の実施例8においては、概ね15パフ目まで十分な量の成分デリバリー量を維持することができた。これは、空気取入孔9の位置を香味源収容ポッド3から遠ざけることで、チャンバー部8に蓄積している香味成分の蒸気の吸引量が抑えられたことに起因すると考えられる。従って、チャンバー部8の容積を7.9mL以上とし、且つ、空気取入孔9の開孔高さ比率が63%以上の位置に空気取入孔9を設置することが、チャンバー部8を設けない構造よりも香味成分の蒸発量を増加させ、且つ、成分デリバリー量を安定化させるために好ましいと言える。
<流体解析>
次に、各実施例および比較例1における香味源収容ポッド3内への空気流入量率Rpodを比較する。空気流入量率Rpodは、喫煙機によって吸煙する2秒間において、空気取入孔9からチャンバー部に流入する取入れ空気の全空気量に対して、チャンバー部8を通じて香味源収容ポッド3内に侵入する空気量の割合であり、流体解析によって算出した。なお、空気流入量率Rpodを算出した際の温度条件としては、香味源収容ポッド3(耐熱容器31)の壁面およびポッド内部の空間部を500ケルビンとし、他の空間は300ケルビンの初期条件にて流体解析を実施した。流体解析はFluent version 18.0 (ANSYS) を用い、吸煙流量55mL/2秒のサインプロファイルの下で解析を実施した。また、香味源収容ポッド3内への空気流入量率Rpod(%)は以下の式を用いて算出した。
Figure 0006921304
ここで、Vpodは喫煙機によって吸煙する2秒間に香味源収容ポッド3内部に侵入した空気体積、Vinhalationは吸煙容量であり55mLの一定値とした。なお、本流体解析においては、香味源収容ポッド3内に進入(流入)する空気と、香味源収容ポッド3から流出する空気を同時にカウントし、その値から香味源収容ポッド3内に進入する空気の体積を算出しているため、空気流入量率Rpodの算出では実数値に0.5を乗じた。解析結果は、図10に示す通りである。実施例1の空気流入量率Rpodは0.15%であり、空気が香味源収容ポッド3内にほとんど侵入していないことが確認できた。
図10に示したように、実施例2〜4では、他の実施例に比べて空気流入量率Rpodが10%以上高い。これはチャンバー部8での対向位置に配置された2つの空気取入孔9から流入した取入れ空気がチャンバー部8内で衝突することで生成された下方向への気流によって、香味源収容ポッド3内に取入れ空気が侵入したことによるものと考えられる。例として、図16に、実施例2に係るデバイスにおける取入れ空気の流体パスラインを示す。
一方、空気取入孔9の開孔位置が香味源収容ポッド3から遠い実施例5〜8においては、取入れ空気がチャンバー部8の中心部で衝突することで生成された下方向への気流が香味源収容ポッド3まで至らず、空気流入量率Rpodが1%以下という結果が得られた。また、空気取入孔9の開孔数に関しては、4つの空気取入孔9が喫煙デバイスの中心軸CLを中心として周方向に90°ずつ、ずれた位置に配置されている実施例9の空気流入量率Rpodについては、空気取入孔9の開孔数が2つの実施例1と同様の傾向が見られた。
ここで、空気取入孔9の開孔数だけが相違する実施例1および実施例10の空気流入量率Rpodを比較すると、空気取入孔9が2個の実施例1(Rpod:0.15%)よりも、空気取入孔9が1個の実施例10(Rpod:12.4%)の方が、空気流入量率Rpodが高くなる結果となった。これは、空気取入孔9が2個の実施例1よりも、空気取入孔9が1個の実施例10の方が、吸引(パフ)時に空気取入孔9を通じて外部からチャンバー部8内に流入する空気の線速度が速くなること、また、空気取入孔9が1個の実施例10においては空気取入孔9から流入した空気が空気取入孔9に対向するチャンバー部8の内壁面に衝突することで、下方すなわち香味源収容ポッド3方向の気流を生み出し易いことが要因として考えられる。なお、吸引(パフ)時に空気取入孔9を通じて外部からチャンバー部8内に流入する空気の線速度は、実施例1が146.2m/秒であったのに対して、実施例10では257.9m/秒であった。以上より、加熱部非通気構造を採用する実施例においては、チャンバー部8に複数の空気取入孔9を設置することが好ましいと言える。
さらに空気取入孔9の開孔径(直径)を変化させた際、開孔径が0.2mmの実施例11における取入れ空気の線速度は、開孔径が0.8mmの実施例12に対して約8倍となり、香味源収容ポッド3方向への気流が顕著に形成されることで実施例11の空気流入量率Rpodは高くなるが、Rpod自体は1%以下であるため、開口径の影響は小さいことが確認できた。
また、上記検証結果より、香味源収容ポッド3方向の後段に配置されたチャンバー部8に空気取入孔9を設置した加熱部非通気構造を採用する各実施例においては、空気流入量率Rpodが25%以下であれば、十分に加熱部非通気構造の特徴を有していると考えることができ、より好ましくは空気流入量率Rpodが15%以下、更に好ましくは空気流入量率Rpodが1%以下である。また、チャンバー部8の容積(第1チャンバー部8Aおよび第2チャンバー部8Bの容積の合計)は2.1mL以上が好ましく、7.9mL以上がより好ましい。また、チャンバー部8に空気取入孔9を設ける高さとしては開孔位置が高いほど、すなわち空気取入孔9の開孔高さ比率(蒸気放出口31cから吸い口孔200までの長さに対する、蒸気放出口31cから空気取入孔9までの長さの比率)が大きいほど好ましく、空気取入孔9の開孔高さ比率を63%以上とすることが好ましい。喫煙具としての使用を鑑みると人が口で咥えることが可能な長さのマウスピースの設置は必須であり、また、空気取入孔9が口腔内に含まれる位置に設けられると空気流入が不可能であるため、空気取入孔9の開孔高さ比率は90%以下とすることが妥当な範囲であると考えられる。なお、空気取入孔9の開孔径(直径)については、0.2mm以上0.8mm以下とすることが好ましい範囲として例示できる。
また、図10に示すように、比較例1における煙温度は100℃を超えているのに対して、実施例1〜12における煙温度は60℃以下に維持されている。このように、吸煙時における香味源32の蒸気成分の温度が60℃以下とすることで、喫煙者にとって喫煙しやすい温度域のエアロゾルを供給することができる。
なお、本実施形態における非燃焼加熱型喫煙物品1における空気取入孔9は、チャンバー部8内に空気が流入する際の流入方向(空気取入孔9の軸線方向)が中心軸CLに対して直交する方向に設定されているが、図17に示す変形例のように、チャンバー部8内に空気が流入する際の流入方向(空気取入孔9の軸線方向)がマウスピース20の吸い口孔200側を向くように中心軸CLに対して傾斜していても良い。これにより、空気取入孔9からチャンバー部8に流入した取入れ空気が、香味源収容ポッド3内に対してより一層侵入しにくくなるため、煙温度の上昇抑制と香味成分の安定供給をより好適に実現することが可能となる。
1・・・非燃焼加熱型喫煙物品
2・・・電源部
3・・・香味源収容ポッド
4・・・ヒータ
5・・・電子制御部
6・・・電源スイッチ
7・・・中空部
8・・・チャンバー部
9・・・空気取入孔
20・・・マウスピース
31・・・耐熱容器
32・・・香味源
41・・発熱体
100・・・ケーシング
200・・・吸い口孔

Claims (10)

  1. 吸い口孔を有するマウスピースと、
    香味源を収容し、当該香味源が蒸発した蒸気成分を放出する蒸気放出口を有する香味源収容部と、
    前記香味源を加熱して蒸発させるためのヒータと、
    前記蒸気放出口と前記吸い口孔を連通し、前記香味源が蒸発した蒸気成分を一時的に貯留するためのチャンバー部と、
    前記チャンバー部の内外を連通する空気取入孔であって、前記チャンバー部のうち、前記蒸気放出口と前記吸い口孔との間の位置に外部からの空気を流入させる空気取入孔と、
    を備え、
    前記蒸気放出口は前記チャンバー部に対してのみ開放されており、吸引時に前記チャンバー部に滞留している前記蒸気成分が前記空気取入孔から前記チャンバー部に流入した取入れ空気と混合されて前記吸い口孔に輸送される、
    非燃焼加熱型喫煙物品。
  2. 前記空気取入孔から前記チャンバー部を通って前記香味源収容部内へ流入する空気量が、当該空気取入孔から流入する全空気量に対して25%以下である、
    請求項1に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  3. 前記香味源は、たばこ刻およびエアロゾル基材を含む、
    請求項1又は2に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  4. 前記ヒータに電力を供給する電源部を備え、
    前記電源部は、所定の通電開始条件が成立してから所定の通電終了条件が成立するまでの通電期間に亘って常時前記ヒータに電力を供給する、
    請求項1から3の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  5. 前記ヒータは、前記香味源収容部の側面を加熱する発熱体を有している、
    請求項1から4の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  6. 前記チャンバー部の容積が2.1mL以上20mL以下である、
    請求項1から5の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  7. 前記チャンバー部の容積が7.9mL以上20mL以下であり、且つ、前記蒸気放出口から吸い口孔までの長さに対する、前記蒸気放出口から前記空気取入孔までの長さの比率が63%以上90%以下である、
    請求項1から6の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  8. 前記チャンバー部に、前記香味源の蒸気成分を冷却するための冷却部材が配置されていない、
    請求項1から7の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  9. 前記空気取入孔の直径が0.2mm以上0.8mm以下である、
    請求項1から8の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
  10. 前記チャンバー部に複数の前記空気取入孔が設けられている、
    請求項1から9の何れか一項に記載の非燃焼加熱型喫煙物品。
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