第1の発明は、被加熱物が収納される加熱庫と、前記加熱庫に収納された前記被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱庫内を撮影し画像を生成する撮影部と、前記画像に基づいて、前記被加熱物のサイズを算出するサイズ検出部と、前記加熱部を制御する加熱制御部と、を有し、前記サイズ検出部は、前記画像から所定の図形を抽出し、前記抽出した図形に基づいて、前記加熱庫内における前記被加熱物の高さを算出し、前記加熱制御部は、前記算出した高さに基づいて、前記加熱部を制御するものである。
これにより、加熱調理器の加熱庫内に被加熱物を入れられた状態で撮影部が加熱庫内を撮影し、サイズ検出部が撮影した画像に写っている所定の図形を抽出することにより被加熱物の高さを算出し、加熱制御部が算出した高さに基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品の高さを検出し、加熱時間などの加熱条件を自動で設定することができる。
第2の発明は、前記サイズ検出部は、前記高さに基づいて前記被加熱物の大きさを算出し、前記加熱制御部は、前記算出した大きさに基づいて、前記加熱部を制御するものである。
これにより、画像と高さから被加熱物の大きさを算出し、加熱制御部が算出した大きさに基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品の大きさを検出し、加熱時間などの加熱条件を自動で設定することができる。
第3の発明は、前記サイズ検出部は、前記図形に基づいて前記被加熱物の面積を算出し、前記高さと前記面積との関係により前記被加熱物の大きさを算出し、前記加熱制御部は、前記算出した大きさに基づいて、前記加熱部を制御するものである。
これにより、被加熱物の高さと面積からより精度よく被加熱物の大きさを算出し、加熱制御部が算出した大きさに基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品の大きさを検出し、加熱時間などの加熱条件を自動で設定することができる。
第4の発明は、前記サイズ検出部は、前記図形における所定の寸法と予め記憶している比較用の図形の寸法との関係と、前記図形の位置と前記加熱庫内の基準位置との関係と、に基づいて前記高さを算出するものである。
これにより、被加熱物の高さをより精度よく算出し、加熱制御部が算出した大きさに基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品の大きさを検出し、加熱時
間などの加熱条件を自動で設定することができる。
第5の発明は、被加熱物が収納される加熱庫と、前記加熱庫に収納された前記被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱庫内を撮影し画像を生成する撮影部と、前記画像から加熱情報を認識する加熱情報認識部と、前記画像から抽出した所定の図形に基づいて、前記加熱庫内における前記被加熱物の高さを算出するサイズ検出部と、前記算出した高さに基づいて、前記加熱情報認識部が認識した前記加熱情報の誤りを判定する誤り判定部と、前記加熱情報に基づいて、前記加熱部を制御する加熱制御部と、を有するものである。
これにより、加熱調理器の加熱庫内に被加熱物を入れられた状態で撮影部が加熱庫内を撮影し、サイズ検出部が撮影した画像に写っている所定の図形を抽出することにより被加熱物の高さを検出し、また画像と高から被加熱物の大きさを検出し、また加熱情報認識部が画像から加熱情報を認識し、この認識した結果が大きさから判定して誤っていないかを誤り判定部が判定し、誤っていなければ加熱制御部は認識した加熱情報に基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品の大きさを検出し、加熱時間を自動で設定することができる。
第6の発明は、前記所定の図形は、被加熱物に付与された加熱情報を囲む枠である。
これにより、加熱情報を所定の寸法の枠で囲んで印刷したラベルの貼り付けられた食品を撮影部が撮影して大きさを検出すると同時に、その加熱情報を認識して誤り判定し、誤っていなければ加熱制御部は認識した加熱情報に基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品の大きさを検出し、加熱時間などの加熱条件を自動で設定することができる。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る加熱調理器の一例である電子レンジの外観斜視図である。図1に示すように、電子レンジ1は、加熱対象(被加熱物)である食品29を格納するための筐体2に、食品29を出し入れするためのドア3が設けられている。ドア3には、外部から筐体2内部を見えるようにするための透明のガラス窓4と、ドア3を開閉するときに掴む取っ手5と、操作表示部6とが設けられている。
操作表示部6は、報知部である液晶表示器7、時間設定ボタン群8、加熱開始ボタン9、取消ボタン10、および、一時停止ボタン11を備えている。この電子レンジ1は、後述するように加熱対象(被加熱物)である食品29を含む加熱庫内部の画像を撮影部により撮影して、画像から食品29の部分を抽出する。さらに、電子レンジ1は、食品29に表示されている所定の図形を抽出し、その寸法に基づいて食品29の高さを算出し食品29の大きさ(すなわち体積)を検出する。そして、検出した食品29の大きさから加熱時間を算出して設定し自動で加熱を行う。
液晶表示器7には、自動で加熱を行う場合の加熱時間が表示される。後述する図形読取部32により所定の図形がうまく読み取れなかった場合、または、所定の図形が表示されていない食品29を加熱する場合のために、電子レンジ1には、時間設定ボタン群8が設けられている。使用者は、数字ボタンと、ならびに、「分」、および、「秒」のボタンを使って、加熱時間を設定することができる。この場合、液晶表示器7には、設定された加熱時間が表示される。またエラーや注意喚起を促す表示をも行う報知部としての機能も備えている。
加熱開始ボタン9は、使用者が、液晶表示器7に表示された加熱時間を確認した後、加熱を開始するときに押すボタンである。取消ボタン10は、使用者が加熱開始ボタン9を
押して加熱を開始した後に、加熱途中で加熱を停止させる場合に押されたり、液晶表示器7に表示されている加熱時間の設定を取り消す場合に押されたりするボタンである。一時停止ボタン11は、使用者が、加熱途中で加熱を一時的に停止させる場合に押されるボタンである。また、加熱を一時停止した場合に、使用者が、再度、加熱開始ボタン9を押すことで、途中から残りの加熱を行うことができる。
図2は、本実施の形態に係る電子レンジ1の概略構成図である。電子レンジ1は高周波による食品29などの加熱が可能であり、食品29などの被加熱物を収納する加熱庫12内に、高周波を出力する加熱部であるマグネトロン13を備えている。マグネトロン13により、高周波を加熱庫12に供給して食品29を加熱する。マグネトロン13は、加熱制御部14により制御される。
電子レンジ1は、側面の壁を通して加熱庫12を照らす照明15と、天井部ほぼ中央に撮影部であるカメラ16を備えている。カメラ16は、加熱庫12内の画像を撮影する。筐体2には、ドア3の開閉検知のためのドアスイッチ17が設けられている。ドア3には、このドアスイッチ17を押し込むための突起部18が設けられている。
加熱庫12には、弁当、おにぎり、惣菜などの食品29が入れられる。それら食品29それぞれには、食品29の商品名や金額、加熱情報、消費期限などの情報が表示された貼付物であるシール19(後述)が貼付されている。
電子レンジ1は、加熱庫12内に収納された食品29のサイズ(すなわち、高さ、または幅、または面積、または大きさなど)を検出するための、サイズ検出部31を備えている。本実施の形態においては、サイズ検出部31は、図形読取部32、高さ算出部33、食品抽出部34、空画像記憶部35、面積算出部36、大きさ算出部37を有している。
後述するように、サイズ検出部31は、カメラ16により撮影された加熱庫12内の画像に基づいて、食品29のサイズを算出する。さらに、算出したサイズに基づく情報をサイズ情報として生成し、これを加熱時間算出部38に送信する。加熱時間算出部38は、サイズ検出部31が生成したサイズ情報に基づいて、加熱時間を算出する。加熱制御部14は、算出された加熱時間に基づいて、加熱部を制御する。
図3に、食品29に付与されたシール19の一例を示す。シール19には、商品名20、加熱情報21、金額情報22、消費期限情報23、商品を特定するコード記号の一例であるバーコード24、栄養情報25、および、お知らせ情報26などのいろいろな情報とともに所定の図形、例えば一辺が1.5cmの塗りつぶされた正方形の基準図形27が表示されている。
このシール19が添付された食品29が加熱庫12底面に置かれたときに、カメラ16が撮影する画像の例を図4に示す。図4(a)は高さが3cmの食品29が加熱庫12底面に収納された場合の撮影画像を表している。図4(b)は高さが6cmの食品29が加熱庫12底面に収納された場合の撮影画像を表している。各々の画像は、高さは異なるが底面積は同じで直方体の形状をした弁当の例を示している。
図4(a)と(b)において、カメラ16が撮影した画像には、加熱庫12底面の周縁部28が写っていて、その内部には弁当である食品29がある。そして食品29にはシール19が貼られていて、そのシール19に表示されている所定の図形である基準図形27が写っている。そして図から明らかなように、高さが6cmの食品29が写っている図4(b)の画像は、高さが3cmの食品29が写っている図4(a)の画像よりも、食品29の上面がカメラ16に近づくので、食品29、シール19、基準図形27が大きく写っ
ている。
実施の形態1においては、基準図形27は、例えば一辺が1.5cmの正方形としている。このカメラ16により撮影した画像に写っている基準図形27から弁当などの食品29の高さを算出する方法について説明する。
まず、高さ算出部33は、カメラ16からこの基準図形27までの距離Lを算出する。ここで、カメラ16から加熱庫12底面への距離を基準距離とする。高さ算出部33は、例えば基準距離が25cmの時の、基準図形27の一辺の画素数n0を記憶している。そして撮影された画像における、基準図形27の一辺の画素数をnとして、そのn0とnの比から距離Lを算出する。ここでの基準距離25cmは加熱庫12の高さの例であり、カメラ16から加熱庫12の底面までの垂直距離である。図5に示すように、距離Lと基準距離25cmとの比は、基準距離25cmにおける画素数n0と距離Lにおける画素数nとの比と等しくなるので、距離Lは、L=25×n0/n(cm)として計算できる。
弁当である食品29の高さを精度よく算出するには、さらに平面視における中心からの位置ずれの距離を算出する必要がある。この算出方法を図6により説明する。図6はカメラ16により撮影した画像を示しており、食品29に貼られたシール19に印刷されている基準図形27が写っている。そしてXで示す中心点30は加熱庫12の中心点であり、またカメラ16の視野の中心点であり、またカメラ16から垂直に加熱庫12の底面に垂直におろした点である。
この中心点30と基準図形27の中心点との距離Wを算出するためには、中心点30と基準図形27の中心とのx方向の画素数nxと、y方向の画素数nyを各々数える。さらに、仮想的な斜線の画素数nwを、三平方の定理を用いてnxの2乗とnyの2乗の和の平方根として算出する。前記したように、本実施例においては、正方形の1辺の画素数はnであり、1辺の長さは1.5cmなので、nWとnの比とWと1.5cmの比とは等しくなり、中心点30と基準図形27の中心との距離Wは、W=1.5×nw/n(cm)として計算できる。
次に、ここまでに算出したカメラ16と基準図形27の距離Lと、中心点30から基準図形27の中心までの距離Wから食品29の高さHを求める方法について説明する。図7は加熱庫12を横(すなわち、正面のドア3方向)から見た図であり、加熱庫12底面には食品29が置かれていて、その上面には基準図形27が印刷されている。ここで、前記したカメラ16と基準図形27との距離Lと、カメラ16が撮影した画像の中心と基準図形27の中心との距離Wとの関係は、図6に示すように直角三角形の底辺と斜辺の関係になる。
従って図7から明らかなように三平方の定理を用いて、Lの2乗とWの2乗の差の平方根を算出すれば、カメラ16から食品29の上面までの垂直距離Lhを算出できる。そして食品29の高さHを、加熱庫12の高さ25cmと垂直距離Lhとの差として算出できる。例えば、Lが20cm、Wが10cmの場合においては、Lhは約17.3cmとして算出される。さらに、高さHは、H=25−17.3=7.7cmとして算出できる。
次に食品29の上面の面積を算出する方法について、図4(a)または(b)を使って説明する。まず、カメラ16によって撮影した画像の中から後述する方法で食品29を抽出し、その抽出した領域内の画素数nFを数える。一方、基準図形27も後述する方法で抽出し、その画素数nBを数える。ここで食品29の上面の面積と基準図形27の面積の比は画素数nFとnBの比と等しい。そして、実施の形態1においては、基準図形27は、一辺が例えば1.5cmの正方形で、面積が2.25平方cmと想定しているので、食
品29の上面の面積Sは、S=2.25×nF/nB(平方cm)として算出できる。
図2に戻って、説明を続ける。使用者は、ドア3を開けて、食品29を加熱庫12に入れる。ここで、使用者が手動設定により食品29を加熱する場合には、使用者が時間設定ボタン群8を使って加熱時間を設定してから加熱開始ボタン9を押す。そうではなく自動で加熱する場合には、時間設定をせずに加熱開始ボタン9を押す。
そして、加熱時間が手動で設定されている場合に、使用者が加熱開始ボタン9を押すと、設定された加熱時間で加熱を開始する。加熱時間が手動で設定されていない場合に、使用者が加熱開始ボタン9を押すと、サイズ検出部31の図形読取部32が、カメラ16により撮影した加熱庫12内部の画像から、シール19に印刷された基準図形27を読み取る。
図形読取部32はカメラ16により撮影した加熱庫12内部の画像の各画素について階調値が所定値以上であるかどうかで白か黒かに分ける2値化処理を行う。そのうえで黒になった画素が一定数以上固まって、すなわち密集して存在する箇所を探し出し、かつその形状が正方形に近いかどうかを判定することで、基準図形27を抽出する。
高さ算出部33は、図形読取部32が抽出した基準図形27の一辺の画素数nを数えるか、または周囲の四辺の画素数を数えそれを4で割り算して基準図形27の一辺の画素数nを算出する。さらに、前記した方法によりカメラ16から基準図形27までの距離Lと、カメラ16の中心から基準図形27までの距離Wを算出し、カメラ16から食品29上面までの垂直距離Lhを算出して弁当の高さHを算出する。
一方、食品抽出部34はカメラ16が撮影した画像から、加熱庫12の底面と食品29とを切り分け、シール19の部分を抽出する。そのために、空画像記憶部35は、加熱庫12内部に何も入っていない時の空画像を予め記憶している。
図8(a)は加熱庫12内部が空の状態でカメラ16により撮影した画像であり、白い底面とその周囲に周縁部28が撮影されている。また図8(b)は加熱庫12内に食品29が入っている状態でカメラ16により撮影した画像であり、図4(b)と同じ画像である。ここでこの二つの画像について各画素ごとに階調値の差分を算出すると、図4(b)における食品29以外の画素は図4(a)の同じ部分の画素の階調値とはほとんど差がなく差分結果は0に近いが、食品29の部分の画素については、図4(a)の同じ部分の画素の階調値とは異なるので、差分結果は大きい値になる。この差分結果を使うことで食品29を抽出することができる。
空画像記憶部35が予め記憶している空画像は、電子レンジ1の出荷前、または、製造工程の最終段階、または、出荷後の利用時などに、カメラ16により撮影した画像である。
図2に戻って、食品抽出部34は、カメラ16により撮影した画像と空画像記憶部35に記憶している空画像とを比較し、各画素について階調値の差を算出する。そして階調値の差が所定以上あるところを食品29として抽出する。
更に面積算出部36は前記したように、食品抽出部34で食品29として抽出した部分の画素数nFと、基準図形27として抽出した部分の画素数nBとの比から、弁当などの食品29の面積Sを算出する。
一般に加熱対象として販売されている商品である食品29は、陳列の効率や移送の効率
の良さなどから略直方体に近い形状で作られている場合が多い。そのため、大きさ算出部37は、高さ算出部33で算出した食品29の高さHと、面積算出部36で算出した食品29の面積Sを掛け算することにより、食品29の体積Vを算出できる。
更に加熱時間算出部38は、大きさ算出部37が算出した食品29の体積Vから加熱時間を算出する。加熱時間は食品29の体積に比例して算出できる。例えば、標準的な大きさの弁当の体積が1500立方cmの場合において、業務用の高出力で1500Wのパワーの時の適切な加熱時間を40秒とする。この場合、弁当の大きさが半分の750立方cmであれば、その加熱時間は半分の20秒と算出できる。また、弁当の大きさが2倍の3000立方cmであれば、その加熱時間は2倍の1分20秒と算出できる。そうして加熱時間算出部38で算出した加熱時間で、加熱制御部14はマグネトロン13を制御して加熱する。
次に、本実施の形態の電子レンジ1の動作ステップについて説明する。
図9は、加熱制御部14、サイズ検出部31、および、加熱時間算出部38の動作の流れを示すフローチャートである。
使用者は、このフローチャートのステップS1に入る前に、ドア3を開けて食品29を加熱庫12に入れた後、ドア3を閉めて、必要であれば時間設定ボタン群8を押して時間設定するなどの事前の操作を済ませている。
そして、ステップS1でサイズ検出部31は、使用者により加熱開始ボタン9を押されたかどうかを判定する。加熱開始ボタン9が押されていた場合(ステップS1、YES)には、ステップS2に進む。一方、加熱開始ボタン9が押されていない場合(ステップS1、NO)には、ステップS1を繰り返して加熱開始ボタン9が押されるのを待つ。
ステップS2では、サイズ検出部31は、事前に手動設定操作で加熱時間を設定されているかどうかを判断する。そして手動設定操作で加熱時間を設定されている場合(ステップS2、YES)にはステップS13に進む。一方、手動設定操作で加熱時間を設定されていない場合(ステップS2、NO)にはステップS3に進む。
ステップS3ではサイズ検出部31は、カメラ16により加熱庫12底面の画像を撮影する。その後、ステップS4に進む。
ステップS4では、サイズ検出部31の図形読取部32が、ステップS3で撮影した画像の中から基準図形27を探して抽出する。そしてステップS5に進む。
ステップS5において、基準図形27が抽出できた場合(ステップS5、YES)にはステップS6に進む。一方、基準図形27が抽出できなかった場合(ステップS5、NO)にはステップS1に戻る。この、ステップS101へ戻る際には、例えば液晶表示器7において、自動で加熱はできないので、手動設定操作で時間設定するよう案内する表示などをしても良い。
ステップS6では、サイズ検出部31の高さ算出部33が、正方形の一辺の長さと中心からの位置ずれの距離から食品29の高さHを算出してステップS7に進む。
ステップS7では、サイズ検出部31の食品抽出部34が、カメラ16により撮影した加熱庫12の底面の画像と、空画像記憶部35で記憶している空画像との差分より、食品29の画素を抽出してステップS8に進む。
そしてステップS8では、サイズ検出部31の面積算出部36が食品抽出部34で抽出した食品29の画素数と、基準図形27の画素数の比からこの抽出した食品29の面積Sを算出してステップS9に進む。
ステップS9では、サイズ検出部31の大きさ算出部37が、高さ算出部33が算出した食品29の高さHと、面積算出部36が算出した食品29の面積Sから食品29の体積Vを算出して、体積Vをサイズ情報として加熱時間算出部38に送信し、ステップS10に進む。
そしてステップS10においては、加熱時間算出部38が、大きさ算出部37が算出した食品29のサイズ情報である体積Vから、食品29を加熱する加熱時間を算出してステップS11に進む。
ステップS11においては加熱制御部14が、加熱時間算出部38が算出した加熱時間に基づいて、マグネトロン13により加熱するように設定してステップS12に進む。
そしてステップS12において加熱制御部14が、マグネトロン13を制御して加熱を開始する。
前記ステップS2において、事前に使用者の手動設定操作により加熱時間が設定されていた場合(ステップS2、YES)にはステップS13に進んだ。ステップS13においては、加熱制御部14が、手動操作で設定された加熱時間だけマグネトロン13により加熱するように設定してステップS12に進む。
そしてステップS12において加熱制御部14がマグネトロン13を制御して加熱を開始する。
以上、説明してきたように実施の形態1においては、シール19に予め定めた所定の図形である基準図形27を印刷していて、カメラ16によりその基準図形27を撮影し、画像に写っている基準図形27の寸法から被加熱物である食品29の高さを知ることで、食品29の大きさを検出しているので、カメラ16以外に高さを知るための部品を設けずに、簡単な構成で少ない誤差で食品29の大きさを検出し、加熱時間などの加熱条件を自動で設定することができる。
また、シール19に印刷された1つの基準図形27を用いて、高さ方向と幅方向を精度よく算出することができる。そのため、電子レンジ1を簡単な構成にできるとともに、シール19についての小型化やシール19内のレイアウトの自由度を向上することもできる。
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態について図10の概略構成図を用いて説明する。実施の形態1と同じ機能を果たす構成要素には同じ記号を付し説明を省略する。サイズ検出部31は、実施の形態1と同様に、カメラ16で撮影した画像に写っている所定の図形から被加熱物である食品29の大きさ(すなわち体積)を検出する。
一方、加熱情報認識部39は、文字読取部40と誤り判定部42を有している。文字読取部40は、食品29に添付されているシールに記載されている加熱情報の文字を読み取り、加熱情報として認識する。そして、誤り判定部42は、大きさ算出部37で算出された食品29の大きさから、認識した加熱情報が適切かどうかを判定する。加熱情報認識部
39は、認識した加熱情報が適切であれば、加熱情報を加熱制御部14に送信する。加熱制御部14は、加熱情報認識部39から受信した、加熱情報認識部39により認識された加熱情報に従ってマグネトロン13を制御する。
図11に実施の形態2における食品29に付与されたシール19の一例を示す。シール19には、実施の形態1と同様に商品名20、加熱情報21、金額情報22、消費期限情報23、商品を特定するコード記号の一例であるバーコード24、栄養情報25、および、お知らせ情報26などの情報が印刷されている。
図10における文字読取部40は、この中から加熱情報21の文字を読み取る。加熱情報21が印刷されている箇所を明示するために、加熱情報21は、所定の図形である目印枠41により囲まれている。この目印枠41は予め決められた所定の寸法の長方形である。サイズ検出部31は、図形読取部32によりこの目印枠41を読み取り、
高さ算出部33や大きさ算出部37などを用いて食品29の大きさを検出する。
加熱情報21には、一般的な家庭用の電子レンジで加熱する時の目安として、例えば500Wの加熱パワーで加熱する場合の加熱時間と、業務用の電子レンジで、大きい加熱パワーで短時間、加熱する時の目安として、例えば1500Wの加熱パワーで加熱する場合の加熱時間とが併記されている。具体的には、加熱情報21として例えば、「500W2分00秒1500W0分40秒」などと表示されている。
より具体的には、加熱情報は、所定の加熱パワーでの加熱量を表す数字である第1文字列、例えば「500」と、その加熱パワーの単位を表す第2文字列、例えば「W」と、その加熱パワーでの加熱時間である数字である第3文字列、例えば「2」と、その加熱時間の単位を表す第4文字列、例えば「分」と、その加熱パワーでの加熱時間を示す数字である第5文字列、例えば「00」と、その加熱時間の単位を表す第6文字列、例えば「秒」とをこの順に含む文字列である。また、加熱情報は、前述した所定の加熱パワーよりも大きい加熱パワーの加熱量を表す数字である第7文字列、例えば「1500」と、その加熱パワーの単位を表す第8文字列、例えば「W」と、その加熱パワーでの加熱時間である数字である第9文字列、例えば「0」と、その加熱時間の単位を表す第10文字列、例えば「分」と、その加熱パワーでの加熱時間を示す数字である第11文字列、例えば「40」と、その加熱時間の単位を表す第12文字列、例えば「秒」とを、この順に含む文字列である。
なお、本実施の形態では、第2文字列、および、第8文字列として、熱量を表すSI単位である「W(ワット)」を用いたが、加熱パワーの単位を表すものであれば、他の文字または単位でもよい。また、第4文字列、第6文字列、第10文字列、および、第12文字列として、時間の単位を表す文字として「分」または「秒」を用いたが、時間の単位を表すものであれば、他の文字または単位でもよい。
文字読取部40は、カメラ16によって撮影された画像から、まず、目印枠41を抽出する。次に、文字読取部40は、目印枠41で囲まれた中の英数字を「500W2001500W040」という文字列で読み取る。ここで、文字読取部40は、「分」、「秒」といった時間の単位を表す文字は読み取らない、または、読み取ったとしても解析には用いない。
そして、加熱情報認識部39は、予め定めた解析ルールに従い、文字列を、「W」までの数字列、「W」の後の3桁の数字列、その数字列に続く「W」までの数字列、および、「W」の後の3桁の数字列の4つに分解して「500」、「200」、「1500」、「040」を得る。さらに、2番目の数字列と4番目の数字列のそれぞれは、最初の1桁が
「分」であり、後の2桁が「秒」であるとして解析する。また、加熱情報認識部39は、1番目の数字列が加熱パワーであり、2番目の数字列の時間と対応していて、3番目の数字列が加熱パワーであり、4番目の数字列の時間が対応しているとして解析する。この結果、加熱情報認識部39は、「500Wで2分」、「1500Wで40秒」という加熱情報を認識する。
そして加熱情報認識部39は、加熱制御部14で出力することのできる加熱パワーの範囲内で、大きい方の加熱パワーの加熱情報を選択し、「1500Wで40秒」として認識する。
一方でサイズ検出部31は、食品29の大きさを検出し加熱情報認識部39の誤り判定部42に送る。誤り判定部42は、食品29の大きさから、上限の加熱時間と、下限の加熱時間を算出する。例えば食品29が1500立方cmであれば、1500Wでの標準の加熱時間を40秒とし、上限を+50%の1分とし、下限を−50%の20秒として算出し、前記認識した加熱時間がその範囲に入っているかを判定する。
この範囲内に入っていれば、加熱情報認識部39は認識した加熱情報である1500Wで40秒加熱するように、加熱制御部14がマグネトロン13を制御する。範囲内に入っていなければ、加熱は行わず、例えば液晶表示器7に加熱できないことと時間設定ボタン群8を使って手動設定操作を促す表示する。
図12は、加熱制御部14、サイズ検出部31、および、加熱情報認識部39の動作の流れを示すフローチャートである。
使用者は、このフローチャートのステップS101に入る前に、ドア3を開けて食品29を加熱庫12に入れた後、ドア3を閉めて、必要であれば時間設定ボタン群8を押して時間設定するなどの事前の操作を済ませている。
そして、ステップS101でサイズ検出部31は、使用者により加熱開始ボタン9を押されたかどうかを判定する。加熱開始ボタン9が押されていた場合(ステップS101、YES)には、ステップS102に進む。一方、加熱開始ボタン9が押されていない場合(ステップS101、NO)には、ステップS101を繰り返して加熱開始ボタン9が押されるのを待つ。
ステップS102では、サイズ検出部31は、事前に手動設定操作で加熱時間を設定されているかどうかを判断する。そして手動設定操作で加熱時間を設定されている場合(ステップS102、YES)にはステップS115に進む。一方、手動設定操作で加熱時間を設定されていない場合(ステップS102、NO)にはステップS103に進む。
ステップS103ではサイズ検出部31は、カメラ16により加熱庫12底面の画像を撮影する。その後、ステップS104に進む。
ステップS104では、サイズ検出部31の図形読取部32が、ステップS103で撮影した画像の中から、目印枠41を探して抽出する。そしてステップS105に進む。
ステップS105において、目印枠41が抽出できた場合(ステップS105、YES)にはステップS106に進む。一方、目印枠41が抽出できなかった場合(ステップS105、NO)にはステップS101に戻る。この、ステップS101へ戻る際には、例えば液晶表示器7において、自動で加熱はできないので、手動設定操作で時間設定するよう案内する表示などをしても良い。
ステップS106では、サイズ検出部31の高さ算出部33が、目印枠41の長さと中心からの位置ずれの距離から食品29の高さHを算出してステップS107に進む。
ステップS107では、サイズ検出部31の食品抽出部34が、カメラ16により撮影した加熱庫12の底面の画像と、空画像記憶部35で記憶している空画像との差分より、食品29を抽出してステップS108に進む。
そしてステップS108では、サイズ検出部31の面積算出部36が食品抽出部34で抽出した食品29の画素数と、目印枠41で囲まれた長方形の画素数の比から、この抽出した食品29の面積Sを算出してステップS109に進む。
ステップS109では、サイズ検出部31の大きさ算出部37が、高さ算出部33が算出した食品29の高さHと、面積算出部36が算出した食品29の面積Sから食品29の体積Vを算出してステップS110に進む。
そしてステップS110においては、加熱情報認識部39が、大きさ算出部37が算出した食品29の体積Vから食品29を加熱する加熱時間の上下限を算出する。例えば、体積Vから標準時間を算出して、それに±50%を変え残するなどして、上下限を算出しステップS111に進む。
ステップS111においては、加熱情報認識部39の文字読取部40は、目印枠41に囲まれた英数字を読み取る。図11に示すシールの例であれば、文字読取部40は、「500W2001500W040」の文字列を読み取る。加熱情報認識部39は、予め定めた解析ルールによりその文字列を、500Wで2分、1500Wで40秒という2通りの加熱情報であると解析し、この電子レンジ1で加熱する条件は、例えば1500Wで40秒であるとして認識し、ステップS112に進む。
ステップS112においては、加熱情報認識部39はステップS111で認識した1500Wで40秒が、ステップS110で算出した加熱時間の上下限の範囲入っているかどうかで正しいかどうかを判定する。そして誤りがあると判定した場合(ステップS112、YES)は、ステップS101に戻る。一方、誤りがないと判定した場合(ステップS112、NO)は、ステップS113に進む。
ステップS113においては加熱制御部14は、加熱情報認識部39が認識した加熱時間に基づいて、マグネトロン13により加熱するように設定してステップS114に進む。そしてステップS114において加熱制御部14がマグネトロン13を制御して加熱を開始する。
前記ステップS102において、事前に使用者の手動設定操作により加熱時間が設定されていた場合(ステップS102、YES)にはステップS115に進んだ。ステップS115においては、加熱制御部14が、手動操作で設定された加熱時間だけマグネトロン13により加熱するように設定してステップS114に進む。
そしてステップS114において、加熱制御部14がマグネトロン13を制御して加熱を開始する。
このように、本実施の形態によれば、サイズ検出部31が撮影した画像に写っている目印枠41を抽出することにより被加熱物である食品29の高さを検出し、また画像と高さから食品29の大きさを検出し、また加熱情報認識部39が画像から加熱情報を認識し、
この認識した結果が大きさから判定して誤っていないかを誤り判定部42が判定し、誤っていなければ加熱制御部は認識した加熱情報に基づいて加熱部を制御するので、簡単な構成で少ない誤差で食品29のサイズを検出し、加熱時間などの加熱条件を自動で設定することができる。
(その他の実施の形態)
なお、本実施の形態1においては、所定の図形である基準図形27を正方形により構成し、シール19に印刷した。しかし、これは本発明を限定するものではなく、所定の図形である基準図形27は、寸法や形状が予め決まっていれば良い。例えば、基準図形27は、長方形や円形や星形などでも良いし、食品29のメーカーや販売店のロゴマークなどでも良い。また寸法や外形が決まっていれば、QRコード(登録商標)などの2次元コードやバーコードなどでも良い。更にはシールでも寸法・形状が決まっていれば良い。
また、本実施の形態1においては、基準図形27が正方形の場合における一辺の画素の数を画素数nとした。しかし、基準図形27が正方形でない場合においては、所定の位置関係における画素の数を画素数nとしても良い。例えば、基準図形27を円形により構成する場合は、直径における画素数を画素数nとしても良い。例えば、基準図形27を星形により構成する場合は、2つの頂点の間における画素の数を画素数nとしても良い。例えば、基準図形27をロゴマークにより構成する場合は、ロゴマークを囲む仮想的な矩形を決定したうえで所定の位置の間における画素の数を画素数nとしても良い。
また、実施の形態2において、食品29の高さや大きさを検出するために、加熱情報21を囲む目印枠41により構成した。これにより、加熱情報21を見つけ出すことと、食品29のサイズを検出することを、一つの所定の図形で行える。しかしながら、これらを別々に、すなわち、例えば加熱情報21を一方の目印により抽出し、それとは別の所定の図形により食品29のサイズを検出しても良い。
なお、本実施の形態では、サイズ検出部31が算出した高さに基づいて食品29の大きさを算出し、加熱時間を設定する構成を示した。しかしながら、これは本発明を限定するものではなく、算出した高さに基づき、加熱制御部14が制御する加熱パワー等の条件を変更しても良いし、照明15の照明条件を変更するなどの制御を行っても良い。また、算出した高さに基づき、食品29として、所定の商品が何段積み重ねられているかを推定し、これに基づいて加熱制御を行っても良い。
また、本実施の形態では、サイズ検出部31が算出した幅Hに基づいて、Lh及び高さHを精度よく算出する構成を示した。しかしながら、本発明によれば、食品29の高さに加えて、幅H、すなわち、平面視における位置と長さをも精度よく算出できる。したがって、これに基づいて加熱庫12内への加熱制御を行っても良い。例えば、平面視における高周波の放射方向を、幅Hに基づいて制御しても良い。
また、加熱情報を文字(少なくとも英数字を含む)として説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、加熱情報を符号化したバーコードや、QRコード(登録商標)などの2次元コード、または独自のコードなどでも良い。この場合には、バーコードやQRコード(登録商標)の寸法を規定することで、加熱情報の認識と食品29のサイズの検出の両方を行うことも可能である。