JP6919366B2 - 塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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本発明は、塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
特許文献1には、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載されている。
Figure 0006919366
特許文献2には、下記式で表される塩を酸発生剤として含有するレジスト組成物が記載されている。
Figure 0006919366
特開2011−37837号公報 特開2012−193160号公報
上記の塩を含むレジスト組成物では、得られるレジストパターンのCD均一性(CDU)が必ずしも満足できない場合があった。
本発明は以下の発明を含む。
[1] 式(aa1)で表される基を有する塩。
Figure 0006919366
[式(aa1)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
環Wは、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
環Wは、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。ただし、環Wは、少なくとも一つの塩基解離性基を有する。
*は、結合手を表す。]
[2] 式(aa1)で表される基を有するアニオンとカチオンとからなる[1]に記載の塩。
[3] 式(aa1)で表される基とスルホナートとを有するアニオンである[2]に記載の塩。
[4] 式(aa1)で表される基を有する塩が、式(aa2)で表されるアニオンを有する塩である[1]に記載の塩。
Figure 0006919366
[式(aa2)中、
a、Xb、環W及び環Wは、上記と同じ意味を表す。
b1は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。]
[5] 塩基解離性基が、式(Ba)で表される基又は式(Bb)で表される基である[1]〜[4]のいずれか記載の塩。
Figure 0006919366
[式(Ba)中、R23は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(Bb)中、R24は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
[6] 環W及び環Wは、それぞれ独立に、式(w1−1)で表される環、式(w1−2)で表される環、式(w1−3)で表される環又は式(w1−6)で表される環である[1]〜[5]のいずれかに記載の塩。
Figure 0006919366
[式(w1−1)、式(w1−2)、式(w1−3)及び式(w1−6)中、
環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
[7] Lb1が、*1−CO−O−(CH2t−(tは0〜6のいずれかの整数を表す。*1は、−C(Q1)(Q2)−との結合手を表す。)である[5]又は[6]に記載の塩。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の塩を含有する酸発生剤。
[9] [8]に記載の酸発生剤と酸不安定基を有する樹脂とを含有するレジスト組成物。
[10] さらに、酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩を含有する[9]に記載のレジスト組成物。
[11](1)[9]又は[10]記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
良好なCD均一性(CDU)のレジストパターンを製造することができる塩を提供する。
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。また、本明細書中に記載する基において、直鎖構造と分岐構造の両方をとり得るものについては、そのいずれでもよい。立体異性体を存在する場合は、その全ての立体異性体を含む。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
<塩(aa)>
本発明の塩は、以下の式(aa1)で表される基を有する塩である(以下「塩(aa)」という場合がある)。
Figure 0006919366
[式(aa1)中、
a及びXbは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
環Wは、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
環Wは、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。ただし、環Wは、少なくとも1つの塩基解離性基を有する。
*は、結合手を表す。]
a及びXbは、同じ原子であることが好ましく、ともに酸素原子がより好ましい。
環Wで表される脂環式炭化水素基は、単環式であってもよいし、多環式であってもよい。
環W1で表される脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、群Aに記載の基が挙げられる。
群A:ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、シアノ基、カルボキシル基及びこれらを組み合わせた基からなる群。
炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、下記に示す基が挙げられる。*は環との結合手である。
Figure 0006919366
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
これらを組み合わせた基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシメチル基等の炭素数2〜24のアルコキシアルキル基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基等の炭素数2〜24のアルコキシアルコキシ基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等の炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
環Wで表される脂環式炭化水素基が有する置換基としては、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
環Wで表される脂環式炭化水素基としては、具体的には、式(w1−1)〜式(w1−11)で表される環に由来する基等が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(w1−1)〜式(w1−11)中、
環に含まれる水素原子は、群Aに記載の基で置換されていてもよい。]
環Wは、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であることが好ましく、式(w1−1)で表される環、式(w1−2)で表される環、式(w1−3)で表される環又は式(w1−6)で表される環であることがより好ましく、式(w1−2)で表される環又は式(w1−6)で表される環がさらに好ましい。
環Wで表される脂環式炭化水素基は、単環式であってもよいし、多環式であってもよく、具体的には、上述した式(w1−1)〜式(w1−11)で表される環に由来する基等が挙げられる。
環Wは、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であることが好ましく、式(w1−1)で表される環、式(w1−2)で表される環、式(w1−3)で表される環又は式(w1−6)で表される環であることがより好ましく、式(w1−1)で表される環又は式(w1−2)で表される環がさらに好ましい。
環Wで表される脂環式炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1つは、塩基解離性基で置換される。環Wで表される脂環式炭化水素基は、塩基解離性基を複数有していてもよいが、1つ有することが好ましい。
塩基解離性基とは、脱離基を有し、アルカリとの接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
塩基解離性基としては、式(Ba)で表される基又は式(Bb)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006919366
[式(Ba)中、R23は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
式(Bb)中、R24は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
25及びR26は、それぞれ独立に、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表す。]
23、R2425及びR26で表されるフッ素原子を有するアルキル基は、例えば、1,1,1−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、2−トリフルオロメチル−1,1,1−トリフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2,3,3−ペプタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
25及びR26は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子であることが好ましい。
例えば、式(Ba)で表される基は、アルカリの作用により分解してヒドロキシ基を発生する。また、式(Bb)で表される基は、アルカリの作用により分解してカルボキシ基を発生する。アルカリとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
塩(aa)における塩基解離性基が開裂したことは、特開2013−041269号公報に記載の方法に準じて確認することができる。なお、開裂とは、結合が切断されて複数の分子に分かれることを意味し、開環反応は含まない。
環Wで表される脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、塩基解離性基以外基で置換されていてもよく、例えば、上述した群Aに記載の基で置換されていてもよい。
塩(aa)におけるアニオンが、式(aa1)で表される基を有していてもよいし、カチオンが式(aa)で表される基を有していてもよい。塩(aa)は、式(aa1)で表される基を有するアニオンとカチオンとからなる塩であることが好ましく、式(aa1)で表される基及びスルホナートを有するアニオンと、カチオンとからなる塩であることがより好ましい。
式(aa1)で表される基を有する塩(aa)は、式(aa2)で表されるアニオンを有する塩であることが好ましい。
Figure 0006919366
[式(aa2)中、
a、Xb、環W及び環Wは、上記と同じ意味を表す。
b1は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
1及びQ2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。]
1及びQ2で表されるペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
1及びQ2はそれぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましく、Q1及びQ2はともにフッ素原子がより好ましい。
b1で表される2価の飽和炭化水素基としては、アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基及びヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ペンタン−2,4−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、式(b1−1)〜式(b1−3)のいずれかで表される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−3)及び下記の具体例において、*は−Wとの結合手を表す。
Figure 0006919366
式(b1−1)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b3は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb2とLb3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−2)中、
b4は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb4とLb5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1−3)中、
b6は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
b7は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
ただし、Lb6とLb7との炭素数合計は、23以下である。
なお、式(b1−1)〜式(b1−3)においては、飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子又はカルボニル基に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
b2は、好ましくは単結合である。
b3は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
b4は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b5は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b6は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b7は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
中でも、式(b1−1)又は式(b1−3)で表される基が好ましい。
式(b1−1)としては、式(b1−4)〜式(b1−8)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−4)中、
b8は、単結合又は炭素数1〜22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1−5)中、
b9は、炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b10は、単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb9及びLb10の合計炭素数は20以下である。
式(b1−6)中、
b11は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b12は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb11及びLb12の合計炭素数は21以下である。
式(b1−7)中、
b13は、炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b14は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b15は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb13、Lb14及びLb15の合計炭素数は19以下である。
式(b1−8)中、
b16は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b17は、炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb16、Lb17及びLb18の合計炭素数は19以下である。
b8は、好ましくは炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
b9は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b10は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜19の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b11は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b12は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b13は、好ましくは、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基である。
b14は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基である。
b15は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の飽和炭化水素基である。
b16は、好ましくは、炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
b17は、好ましくは、炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基を表す。
b18は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基であり、より好ましくは、単結合又は炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基である。
式(b1−3)としては、式(b1−9)〜式(b1−11)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−9)中、
b19は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b20は、単結合又は炭素数1〜23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb19及びLb20の合計炭素数は23以下である。
式(b1−10)中、
b21は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b22は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b23は、単結合又は炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb21、Lb22及びLb23の合計炭素数は21以下である。
式(b1−11)中、
b24は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
b25は、炭素数1〜21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b26は、単結合又は炭素数1〜20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、Lb24、Lb25及びLb26の合計炭素数は21以下である。
なお、式(b1−10)及び式(b1−11)においては、飽和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、アルキルカルボニルオキシ基の炭素数、エステル結合中のCO及びOの数をも含めて、該飽和炭化水素基の炭素数とする。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−1)で表される基のうち、式(b1−8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
式(b1−3)で表される基のうち、式(b1−11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
b1としては、式(b1−4)で表される基であることが好ましく、*1−CO−O−(CH2t−(tは0〜6のいずれかの整数を表す。*1は、−C(Q1)(Q2)−との結合手を表す。)であることがより好ましい。
式(aa2)で表されるアニオンとしては、下記のアニオン等が挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
塩(aa)におけるカチオンは、有機カチオンであることが好ましい。有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
中でも、式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオン(以下、式番号に応じて「カチオン(b2−1)」等という場合がある。)が好ましい。
Figure 0006919366
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜36の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のRb7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複数のRb8は同一でも異なってもよい。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
b9とRb10とは、一緒になってそれらが結合する硫黄原子を含む環を形成してもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜36の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜36の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12とは、一緒になってそれらが結合する−CH−CO−を含む環を形成していてもよく、該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルフィニル基又はカルボニル基に置き換わってもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一又は相異なり、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及び2−エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb12の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
Figure 0006919366
特に、Rb9〜Rb12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好ましくは20以下である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−シクロへキシルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基に、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b4とRb5とが一緒になって形成する硫黄原子を含む環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、炭素数3〜18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4〜18の環である。また、硫黄原子を含む環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環であり、例えば下記の環が挙げられる。
Figure 0006919366
b9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環〜12員環が挙げられ、好ましくは3員環〜7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)である。
カチオン(b2−1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
カチオン(b2−2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006919366
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006919366
カチオン(b2−4)のとしては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 0006919366
塩(aa)は、上述したアニオン及びカチオンを任意に組合せることができる。これらのアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができる。
塩(aa)としては、表1〜表4に記載の塩が挙げられる。
表1における塩(I−1)は、以下の塩を表す。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
なかでも、塩(aa)は、塩(I−1)、塩(I−3)、塩(I−5)、塩(I−7)、塩(I−9)、塩(I−30)、塩(I−31)、塩(I−33)、塩(I−35)、塩(I−37)、塩(I−39)、塩(I−60)、塩(I−61)、塩(I−63)、塩(I−65)、塩(I−67)、塩(I−69)、塩(I−90)、塩(I−91)、塩(I−93)、塩(I−95)、塩(I−97)、塩(I−99)、塩(I−121)、塩(I−122)、塩(I−123)、塩(I−125)、塩(I−126)、塩(I−127)、塩(I−129)、塩(I−130)、塩(I−131)、塩(I−133)、塩(I−134)及び塩(I−135)が好ましい。
<塩(aa)の製造方法>
塩基不安定基が、式(Ba)で表される基を有する式(aa2)で表されるアニオン、及び有機カチオン(Z)からなる塩(I1)は、式(I1―a)で表される塩と、式(I1―b)で表される化合物とを、塩基性触媒下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 0006919366
(式中、X、X、Lb1、Q、Q、環W、環W、R23及びZは上記と同じ意味を表す。)
溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル等が挙げられる。
塩基触媒としては、N−メチルピロリジン等が挙げられる。
b1が*−CO−O−(*は−CQ−との結合位を表す。)である式(I1A−a)で表される塩は、例えば、式(I1−c)で表される塩と、式(I1−d)で表される化合物とを、アセトニトリル等の溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 0006919366
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
式(I1−c)で表される化合物は、下記式で表される化合物等が挙げられ、特開2012−193160号公報に記載の方法に従って合成できる。
Figure 0006919366
式(I1−d)で表される化合物は、式(I1−e)で表される化合物と、式(I1−f)で表される化合物とを、酸触媒下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 0006919366
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
この反応における酸触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
この反応における溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
式(I−e)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
Figure 0006919366
式(I1−f)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
Figure 0006919366
塩基不安定基が、式(Bb)で表される基を有する式(aa2)で表されるアニオン、及び有機カチオン(Z)からなる塩(I2)は、式(I2−a)で表される塩とカルボニルジイミダゾールとを溶媒中で反応させた後、さらに、式(I2−b)で表される化合物と反応させることにより製造することができる。
Figure 0006919366
(式中、X、X、Lb1、Q、Q、環W、環W、R24、R25、R26及びZは上記と同じ意味を表す。)
溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル等が挙げられる。
式(I2−b)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手できる。
Figure 0006919366
b1が*−CO−O−(*は−CQ−との結合位を表す。)である式(I2A−a)で表される塩は、例えば、式(I1−c)で表される塩と、式(I2−d)で表される化合物とを、溶媒中で反応させた後、塩基処理することによりさせることにより製造することができる。
Figure 0006919366
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル等が挙げられる。
塩基としては、水酸化カリウムなどが挙げられる。
式(I2−d)で表される化合物は、式(I1−e)で表される化合物と、式(I2−f)で表される化合物とを、酸触媒下、溶媒中で反応させることにより製造することができる。
Figure 0006919366
[式中、全ての符号は、それぞれ前記と同じ意味を表す。]
この反応における酸触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
この反応における溶媒としては、クロロホルム、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
式(I2−f)で表される化合物としては、下記式で表される化合物等が挙げられ、市場より容易に入手することができる。
Figure 0006919366
<酸発生剤>
本発明の塩(aa)は、レジスト組成物中において、酸発生剤として作用させることができる。塩(aa)をレジスト組成物中の酸発生剤として用いる場合、1種又は2種類以上の塩(a)を有効成分として含有してもよいし、塩(aa)以外のレジスト分野で公知の酸発生剤をさらに含有してもよい。
<レジスト組成物>
レジスト組成物は、塩(aa)と、酸不安定基を有する樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)とを含有する。ここで「酸不安定基」は、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
本発明のレジスト組成物は、さらに、レジスト分野で公知の酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有していてもよい。
レジスト組成物は、クエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)を含有することが好ましく、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)を有する。樹脂(A)は、さらに、構造単位(a1)以外の構造単位を含んでいることが好ましい。構造単位(a1)以外の構造単位としては、酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、その他の構造単位(以下「構造単位(t)」という場合がある)が挙げられる。
<構造単位(a1)>
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)から導かれる。
樹脂(A)において、構造単位(a1)に含まれる酸不安定基は、下記の式(1)で表される基及び/又は式(2)で表される基を脱離基とする基が好ましい。
Figure 0006919366
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成する。
naは、0又は1を表す。
*は酸素原子又は硫黄原子との結合手を表す。]
Figure 0006919366
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の2価の複素環基を形成し、該炭化水素基及び該2価の複素環基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
*は酸素原子又は硫黄原子との結合手を表す。]
a1〜Ra3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
a1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等が挙げられる。Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
Figure 0006919366
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられる。
naは、好ましくは0である。
a1及びRa2が互いに結合して2価の脂環式炭化水素基を形成する場合の−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)としては、下記の基が挙げられる。2価の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜12である。*は−O−との結合手を表す。
Figure 0006919366
式(1)で表される基としては、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中においてRa1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及びこれらが結合する炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)等が挙げられる。
a1'〜Ra3'の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
a2'及びRa3'が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに形成する2価の複素環基としては、下記の基が挙げられる。*は、結合手を表す。
Figure 0006919366
a1'及びRa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
式(2)で表される基の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合手を表す。
Figure 0006919366
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノマー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
式(1)で表される基を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、好ましくは、式(a1−0)で表される構造単位、式(a1−1)で表される構造単位又は式(a1−2)で表される構造単位が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。本明細書では、式(a1−0)で表される構造単位、式(a1−1)で表される構造単位及び式(a1−2)で表される構造単位を、それぞれ構造単位(a1−0)、構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)という場合がある。
Figure 0006919366
[式(a1−0)中、
a01は、酸素原子又は−O−(CH2k01−CO−O−を表し、k01は1〜7のいずれかの整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
a01は、水素原子又はメチル基を表す。
a02、Ra03及びRa04は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。]
a01は、好ましくは、酸素原子又は−O−(CH2k01−CO−O−であり、より好ましくは酸素原子である。k01は、好ましくは1〜4のいずれかの整数、より好ましくは1である。
a02、Ra03及びRa04のアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組み合わせた基としては、式(1)のRa1〜Ra3で挙げた基と同様の基が挙げられる。
a02、Ra03及びRa04のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
a02、Ra03及びRa04の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜8、より好ましくは3〜6である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。このような基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
a02及びRa03は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
a04は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数5〜12の脂環式炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基である。
Figure 0006919366
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
a1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k1−CO−O−を表し、k1は1〜7のいずれかの整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
a4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
a6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせることにより形成される基を表す。
m1は、0〜14のいずれかの整数を表す。
n1は、0〜10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0〜3のいずれかの整数を表す。]
a1及びLa2は、好ましくは、−O−又は−O−(CH2k1’−CO−O−であり、より好ましくは−O−である。k1’は、1〜4のいずれかの整数であり、好ましくは1である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基等が挙げられる。
a6及びRa7のアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成された基としては、アラルキル基が挙げられ、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
a6及びRa7のアルキル基の炭素数は、好ましくは6以下である。
a6及びRa7の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜6である。
m1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
モノマー(a1−0)としては、例えば、式(a1−0−1)〜式(a1−0−12)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−0−1)〜式(a1−0−10)のいずれかで表されるモノマーがより好ましい。
Figure 0006919366
上記の構造単位において、Ra01に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(a1−0)の具体例として挙げることができる。
構造単位(a1−1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。構造単位(a1−1)は、好ましくは、式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)のいずれかで表される構造単位であり、より好ましくは式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位である。
Figure 0006919366
構造単位(a1−2)は、好ましくは式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表される構造単位であり、より好ましくは、式(a1−2−3)、式(a1−2−4)、式(a1−2−9)又は式(a1−2−10)で表される構造単位であり、さらに好ましくは、式(a1−2−3)又は式(a1−2−9)で表される構造単位である。
Figure 0006919366
樹脂(A)が構造単位(a1−0)及び/又は構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を含む場合、これらの合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位の合計に対して、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
酸不安定基を有する構造単位としては、式(a1−5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−5)」という場合がある)も挙げられる。
Figure 0006919366
[式(a1−5)中、
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−(CH2h3−CO−L54−を表し、h3は1〜4のいずれかの整数を表し、*は、L51との結合手を表す。
51、L52、L53及びL54は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0〜3のいずれかの整数を表す。
式(a1−5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
51は、酸素原子が好ましい。
52及びL53は、一方が−O−、他方が−S−であることが好ましい。
s1としては、1が好ましい。
s1’ としては、0〜2のいずれかの整数が好ましい。
a1としては、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
構造単位(a1−5)を導くモノマーとしては、例えば、特開2010−61117号公報に記載されたモノマーが挙げられる。構造単位(a1−5)は、式(a1−5−1)で表される構造単位〜式(a1−5−4)で表される構造単位が好ましく、式(a1−5−1)で表される構造単位又は式(a1−5−2)で表される構造単位がより好ましい。
Figure 0006919366
樹脂(A)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位の合計に対して、1〜50モル%であることが好ましく、3〜45モル%であることがより好ましく、5〜40モル%であることがさらに好ましい。
さらに、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
樹脂(A)が上記構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%がより好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
〈酸不安定基を有さない構造単位(s)〉
構造単位(s)は、酸不安定基を有さないモノマー(以下「モノマー(s)」という場合がある)から導かれる。構造単位(s)を導くモノマー(s)は、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
<構造単位(a2)>
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基は、アルコール性ヒドロキシ基でも、フェノール性ヒドロキシ基でもよい。
本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造するとき、露光光源としてKrFエキシマレーザ(248nm)、電子線又はEUV(超紫外光)等の高エネルギー線を用いる場合には、構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を含むことが好ましい。また、ArFエキシマレーザ(193nm)等を用いる場合には、構造単位(a2)として、アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を含むことが好ましい。構造単位(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
樹脂(A)が、フェノール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜95モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、15〜80モル%がさらに好ましい。
アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)としては、式(a2−1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2−1)」という場合がある。)が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(a2−1)中、
a3は、−O−又は*−O−(CH2k2−CO−O−を表し、
k2は、1〜7のいずれかの整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10のいずれかの整数を表す。]
式(a2−1)では、La3は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f1−CO−O−であり(前記f1は、1〜4のいずれかの整数である)、より好ましくは−O−である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
構造単位(a2−1)を誘導するモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。式(a2−1−1)〜式(a2−1−6)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a2−1−1)〜式(a2−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2−1−1)又は式(a2−1−3)で表される構造単位がさらに好ましい。
Figure 0006919366
アルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を誘導するモノマーとしては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。
樹脂(A)がアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位(a2)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常1〜45モル%であり、好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは1〜35モル%であり、さらに好ましくは2〜20モル%である。
<構造単位(a3)>
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよく、該ラクトン環として、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、アダマンタンラクトン環又は、γ−ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)又は式(a3−4)で表される構造単位である。樹脂(A)は、これらの1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
Figure 0006919366
[式(a3−1)中、
a4は、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
a21は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
p1は、0〜5のいずれかの整数を表す。p1が2以上のとき、複数のRa21は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−2)中、
a5は、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a19は、水素原子又はメチル基を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
q1は、0〜3のいずれかの整数を表す。q1が2以上のとき、複数のRa22は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−3)中、
a6は、−O−又は*−O−(CHk3−CO−O−(k3は1〜7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。
r1は、0〜3のいずれかの整数を表す。r1が2以上のとき、複数のRa23は互いに同一であっても異なってもよい。
式(a3−4)中、
a24は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a7は、−O−、*−O−La8−O−、−O−La8−CO−O−、*−O−La8−CO−O−La9−CO−O−又は*−O−La8−O−CO−La9−O−を表す。
*はカルボニル基との結合手を表す。
a8及びLa9は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。]
a21、Ra22及びRa23の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
a24のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基又はエチル基が挙げられる。
a24のハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
a8及びLa9のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、互いに独立に、好ましくは−O−又は、k3が1〜4のいずれかの整数である*−O−(CHk3−CO−O−で表される基、より好ましくは−O−及び、*−O−CH−CO−O−、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、互いに独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、互いに独立に、好ましくは0〜2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
式(a3−4)において、Ra24は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
a7は、好ましくは、−O−又は−O−La8−CO−O−であり、より好ましくは−O−、−O−CH−CO−O−又は−O−C−CO−O−である。
式(a3−4)は、式(a3−4)’が特に好ましい。
Figure 0006919366
(式中、Ra24、La7は、上記と同じ意味を表す。)
構造単位(a3)を導くモノマーとしては、特開2010−204646号公報に記載されたモノマー、特開2000−122294号公報に記載されたモノマー、特開2012−41274号公報に記載されたモノマーが挙げられる。構造単位(a3)としては、式(a3−1−1)〜式(a3−1−6)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)、式(a3−3−1)〜式(a3−3−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−2−3)〜式(a3−2−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)のいずれかで表される構造単位がさらに好ましく、式(a3−4−1)〜式(a3−4−6)のいずれかで表される構造単位がさらにより好ましい。
構造単位(a3)は1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。構造単位(a3)としては、以下の構造単位が挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
以下の式(a3−4−1)〜式(a3−4−12)で表される構造単位においては、Ra24に相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物も、構造単位(a3−4)の具体例として挙げることができる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜70モル%であり、好ましくは10〜65モル%であり、より好ましくは10〜60モル%である。
式(a3−1)、式(a3−2)、式(a3−3)及び式(a3−4)で表される構造単位の各含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常5〜60モル%であり、好ましくは5〜50モル%であり、より好ましくは10〜50モル%である。
<その他の構造単位(t)>
樹脂(A)は、構造単位(a1)及び構造単位(s)以外の構造単位として、その他の構造単位(t)を含んでいてもよい。構造単位(t)としては、構造単位(a2)及び構造単位(a3)以外にハロゲン原子を有する構造単位(以下、場合により「構造単位(a4)」という。)及び非脱離炭化水素基を有する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)などが挙げられる。
<構造単位(a4)>
構造単位(a4)におけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。構造単位(a4)としては、式(a4−0)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(a4−0)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合又は炭素数1〜4の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
は、炭素数1〜8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数5〜12のペルフルオロシクロアルカンジイル基を表す。
は、水素原子又はフッ素原子を表す。]
の脂肪族飽和炭化水素基としては、炭素数1〜4のアルカンジイル基が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(中でも、メチル基、エチル基等)の側鎖を有するもの、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基及び2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
のペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロエチルフルオロメチレン基、ペルフルオロプロパン−1,3−ジイル基、ペルフルオロプロパン−1,2−ジイル基、ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,4−ジイル基、ペルフルオロブタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロブタン−1,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−1,5−ジイル基、ペルフルオロペンタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロペンタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−1,6−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘキサン−3,3−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−1,7−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−3,4−ジイル基、ペルフルオロヘプタン−4,4−ジイル基、ペルフルオロオクタン−1,8−ジイル基、ペルフルオロオクタン−2,2−ジイル基、ペルフルオロオクタン−3,3−ジイル基、ペルフルオロオクタン−4,4−ジイル基等が挙げられる。
のペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘキサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
は、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
は、好ましくは炭素数1〜6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルカンジイル基である。
構造単位(a4−0)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
上記の構造単位において、R5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(a4−0)の具体例として挙げることができる。
構造単位(a4)としては、式(a4−1)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(a4−1)中、
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)で表される基を表す。ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも1つは、置換基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
Figure 0006919366
〔式(a−g1)中、
sは0又は1を表す。
a42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
a43は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の2価の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す。
a41及びXa42は、それぞれ独立に、−O−、−CO−、−CO−O−又は−O−CO−を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は6以下である。〕
ただし、Aa41及びRa42のうち少なくとも一方は、置換基としてハロゲン原子を有する基である。
*、**は結合手であり、*が−O−CO−Ra42との結合手である。]
sは0が好ましい。
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、並びにこれらを組合せることにより形成される基が挙げられる。鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ペンタデシル基、ヘキシルデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基が挙げられる。環式の脂環肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合手を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。

Figure 0006919366
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニリル基、フェナントリル基及びフルオレニル基等が挙げられる。
a42の炭化水素基としては、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基並びにこれらを組合わせることにより形成される基が好ましい。これらの基は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、鎖式及び環式の脂肪族飽和炭化水素基並びにこれらを組合わせることにより形成される基がより好ましい。
a42の置換基としては、ハロゲン原子、式(a−g3)で表される基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(a−g3)中、
a43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a45は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
*はカルボニル基との結合手を表す。]
a45の脂肪族炭化水素基としては、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。
a42は、ハロゲン原子を有してもよい脂肪族炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子を有するアルキル基及び/又は式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基がより好ましい。
a42がハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
a42が、式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素基である場合、式(a−g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、脂肪族炭化水素基の総炭素数は、15以下が好ましく、12以下がより好ましい。式(a−g3)で表される基を置換基として有する場合、その数は1個が好ましい。
式(a−g3)で表される基を有する脂肪族炭化水素は、さらに好ましくは式(a−g2)で表される基である。
Figure 0006919366
[式(a−g2)中、
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
a44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下であり、Aa46及びAa47のうち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合手を表す。]
a46の脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましく、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
式(a−g2)で表される基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 0006919366
a41のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
a41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a41は、好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数2〜4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
式(a−g1)で表される基(以下、場合により「基(a−g1)」という。)におけるAa42、Aa43及びAa44の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が挙げられる。これらの置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
a42が酸素原子である基(a−g1)としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び**はそれぞれ結合手を表し、**が−O−CO−Ra42との結合手である。
Figure 0006919366
a42がカルボニル基である基(a−g1)としては、以下の基等が挙げられる。
Figure 0006919366
a42がカルボニルオキシ基である基(a−g1)としては、以下の基等が挙げられる。
Figure 0006919366
a42がオキシカルボニル基である基(a−g1)としては、以下の基等が挙げられる。
Figure 0006919366
式(a4−1)で表される構造単位としては、式(a4−2)及び式(a4−3)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006919366
[式(a4−2)中、
f1は、水素原子又はメチル基を表す。
f1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
f2は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
f1のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、1−メチルブタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられる。
f2の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含し、脂肪族炭化水素基は、鎖式、環式及びこれらの組み合わせることにより形成される基を含む。脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘプチル基及びシクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基が挙げられる。
f2のフッ素原子を有する炭化水素基としては、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有する脂環式炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、フッ素原子を有するアルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基等のフッ化アルキル基が挙げられる。
フッ素原子を有する脂環式炭化水素基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロアダマンチル基等のフッ化シクロアルキル基が挙げられる。
式(a4−2)においては、Af1は、炭素数2〜4のアルカンジイル基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
f2としては、炭素数1〜6のフッ化アルキル基が好ましい。
Figure 0006919366
[式(a4−3)中、
f11は、水素原子又はメチル基を表す。
f11は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
f12は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表す。 ただし、Af13及びAf14の少なくとも1つは、フッ素原子を有する脂肪族炭化水素基を表す。]
f11のアルカンジイル基としては、Af1のアルカンジイル基と同様の基が挙げられる。
f13の脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組み合わせられることにより形成される2価の脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
f13のフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい脂肪族飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基;ジフルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘキサンジイル基等が挙げられる。多環式の2価の脂肪族炭化水素基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
f14の脂肪族炭化水素基としては、鎖式及び環式のいずれか、並びに、これらが組み合わせることにより形成される脂肪族炭化水素基が包含される。この脂肪族炭化水素は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、好ましくは飽和の脂肪族炭化水素基である。
f14のフッ素原子を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、好ましくはフッ素原子を有していてもよい脂肪族飽和炭化水素基である。
フッ素原子を有していてもよい鎖式の脂肪族炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい環式の脂肪族炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂肪族炭化水素基を含む基としては、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基を含む基としては、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、ノルボルニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチルメチル基等が挙げられる。
式(a4−3)においては、Af11としては、エチレン基が好ましい。
f13の脂肪族炭化水素基は、炭素数1〜6が好ましく、2〜3がさらに好ましい。
f14の脂肪族炭化水素基は、炭素数3〜12が好ましく、3〜10がさらに好ましい。なかでも、Af14は、好ましくは炭素数3〜12の脂環式炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、シクロプロピルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
式(a4−2)で表される構造単位としては、例えば、式(a4−1−1)〜式(a4−1−22)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006919366

Figure 0006919366
式(a4−3)で表される構造単位としては、例えば、式(a4−1’−1)〜式(a4−1’−22)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006919366

Figure 0006919366
Figure 0006919366
構造単位(a4)としては、以下の構造単位も挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜20モル%が好ましく、2〜15モル%がより好ましく、3〜10モル%がさらに好ましい。
<構造単位(a5)>
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素基が挙げられ、好ましくは、脂環式炭化水素基が挙げられる。構造単位(a5)としては、例えば、式(a5−1)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(a5−1)中、
51は、水素原子又はメチル基を表す。
52は、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。但し、L51との結合位置にある炭素原子に結合する水素原子は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基で置換されない。
51は、単結合又は炭素数1〜18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
52の脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有した脂環式炭化水素基としては、3−メチルアダマンチル基などが挙げられる。
52は、好ましくは、無置換の炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
51の2価の飽和炭化水素基としては、2価の脂肪族飽和炭化水素基及び2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシクロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダマンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、式(L1−1)〜式(L1−4)で表される基が挙げられる。下記式中、*は酸素原子との結合手を表す。
Figure 0006919366
式(L1−1)中、
x1は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
x1は、炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1−2)中、
x3は、炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x4は、単結合又は炭素数1〜16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx1及びLx2の合計炭素数は、17以下である。
式(L1−3)中、
x5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x6及びLx7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx5、Lx6及びLx7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1−4)中、
x8及びLx9は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
x1は、炭素数3〜15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、Lx8、Lx9及びWx1の合計炭素数は、15以下である。
x1は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x2は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合である。
x3は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x4は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x5は、好ましくは、炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x6は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
x7は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
x8は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x9は、好ましくは、単結合又は炭素数1〜8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、単結合又はメチレン基である。
x1は、好ましくは、炭素数3〜10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
式(L1−1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 0006919366
式(L1−2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 0006919366
式(L1−3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 0006919366
式(L1−4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
Figure 0006919366
51は、好ましくは、単結合、メチレン基、エチレン基又は式(L1−1)で表される基であり、より好ましくは、単結合又は式(L1−1)で表される基である。
構造単位(a5−1)としては、以下のもの等が挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜30モル%が好ましく、2〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、このような構造単位としては、当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(a1)と構造単位(s)とからなる樹脂、すなわち、モノマー(a1)とモノマー(s)との共重合体である。
構造単位(a1)は、好ましくは構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、シクロペンチル基を有する該構造単位)から選ばれる少なくとも一種、より好ましくは構造単位(a1−1)又は構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)(好ましくはシクロヘキシル基、シクロペンチル基を有する該構造単位)から選ばれる少なくとも二種である。
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)の少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは式(a2−1)で表される構造単位である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)で表される構造単位、式(a3−2−1)〜式(a3−2−4)及び式(a3−4−1)〜式(a3−4−2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも一種である。
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノマーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,000以上(より好ましくは2,500以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。本明細書では、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで実施例に記載の条件により求めた値である。
<樹脂(A)以外の樹脂>
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)以外の樹脂を含んでもよい。このような樹脂としては、例えば、構造単位(t)を含む樹脂が挙げられる。
樹脂(A)以外の樹脂としては、構造単位(a4)を含む樹脂(ただし、構造単位(a1)を含まない。;以下「樹脂(X)」という場合がある。)が好ましい。樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位に対して、40モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。
樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、8,000以上(より好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。かかる樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部であり、より好ましくは1〜50質量部であり、さらに好ましくは1〜40質量部であり、特に好ましくは2〜30質量部である。
樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂との合計含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対する樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
<酸発生剤>
酸発生剤(B)は、イオン性酸発生剤でも、非イオン性発生剤でもよい。好ましくは、イオン性酸発生剤である。イオン性酸発生剤としては、公知のカチオンと公知のアニオンとの組み合わせからなるイオン性酸発生剤が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、有機スルホニウム塩等が挙げられ、特開2013−68914号公報、特開2013−3155号公報、特開2013−11905号公報等記載の酸発生剤が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、有機スルホン酸塩等が挙げられ、好ましくはフッ素含有酸発生剤が挙げられ、より好ましくは式(B1)で表される酸発生剤(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある)が挙げられる。
Figure 0006919366
[式(B1)中、
11及びQ12は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
B1は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−に置き換わっていてもよい。
は、有機カチオンを表す。]
11及びQ12のペルフルオロアルキル基としては、Q及びQで表されるペルフルオロアルキル基で挙げられたものと同様の基が挙げられる。
11及びQ12は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。Q11及びQ12が、ともにフッ素原子であることがさらに好ましい。
B1で表される2価の飽和炭化水素基としては、Lb1で表される2価の飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
B1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれるーCH−がーO−又はーCO−で置き換わった基としては、Lb1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれるーCH−がーO−又はーCO−で置き換わった基と同じものが挙げられる。具体的には、上述した式(b1−1)〜式(b1−3)で表される基が挙げられる。なお、LB1が式(b1−1)〜式(b1−3)で表される基である場合、式(b1−1)〜式(b1−3)で表される基における*はYとの結合手を表す。
B1は、式(b1−1)〜式(b1−3)で表される基のいずれかであることが好ましく、*2−CO−O−(CH2t1−、*2−(CH2t2−O−CO−(t1は0〜6のいずれかの整数を表す。t2は1〜6のいずれかの整数を表す。*2は、−C(Q11)(Q12)−との結合手を表す。)であることがより好ましい。
Yで表される1価の脂環式炭化水素基としては、単環であってもよいし、多環であってもよいし、スピロ環であってもよい。具体的には、式(Y1)〜式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる−CH−が−O−、−SO−又は−CO−で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上の複数でもよい。
Figure 0006919366
中でも、好ましくは式(Y1)〜式(Y20)、式(Y30)又は式(Y31)のいずれかで表される基が挙げられ、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16)、式(Y19)、式(Y30)又は式(Y31)で表される基が挙げられ、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y15)又は式(Y30)で表される基が挙げられる。
Yの脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアルキルカルボニル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2ja’−O−CO−Rb1’基(式中、Rb1’は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。ja’は、0〜4のいずれかの整数を表す)等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、具体的には、式(B1−1)〜式(B1−38)のいずれかで表される塩が挙げられる。中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)〜式(B1−3)、式(B1−5)〜式(B1−7)、式(B1−11)〜式(B1−14)、式(B1−17)、式(B1−20)〜式(B1−26)、式(B1−29)、式(B1−31)〜式(B1−48)のいずれかで表される塩がより好ましい。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
塩(aa)は、レジスト組成物中において、酸発生剤として作用することができる。塩(aa)は、2種以上含有していてもよい。
本発明のレジスト組成物においては、塩(aa)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、0.1質量%以上35質量%以下が好ましく、0.5質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上25質量%以下がさらに好ましい。
また、酸発生剤(B)を含む場合には、塩(aa)及び酸発生剤(B)の合計含有率は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1.5質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは40質量部以下(より好ましくは35質量部以下)である。酸発生剤(B)は、2種以上含有していてもよい。
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは30質量部以下(より好ましくは25質量部以下)である。本発明のレジスト組成物は、酸発生剤(B)の1種を単独で含有してもよく、複数種を含有してもよい。
本発明のレジスト組成物において、塩(aa)と酸発生剤(B)との含有量の比(質量比;塩(a):酸発生剤(B))は、通常、1:99〜100:0、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは2:98〜98:2、さらに好ましくは5:95〜95:5である。
〈溶剤(E)〉
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上であり、好ましくは92質量%以上であり、より好ましくは94質量%以上であり、99.9質量%以下であり、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
〈クエンチャー(C)〉
クエンチャー(C)は、塩基性の含窒素有機化合物又は酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩が挙げられる。クエンチャー(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜5質量%程度であることが好ましい。
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、2,2’−メチレンビスアニリン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、ピリジン、4−メチルピリジン、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、より好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
<酸性度の弱い酸を発生する塩>
塩(aa)及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、酸解離定数(pKa)で示される。塩(aa)及び酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常−3<pKaの塩であり、好ましくは−1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
塩(aa)及び酸発生剤(B)から発生ずる酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で表される塩、並びに特開2012−229206号公報、特開2012−6908号公報、特開2012−72109号公報、特開2011−39502号公報及び特開2011−191745号公報記載の塩が挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
弱酸分子内塩(D)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
Figure 0006919366
弱酸分子内塩(D)は、「Tetrahedron Vol. 45, No. 19, p6281-6296」に記載の方法で製造することができる。また、弱酸分子内塩(D)は、市販されている化合物を用いることができる。
酸性度の弱い酸を発生する塩、例えば、弱酸分子内塩(D)の含有率は、レジスト組成物の固形分中、好ましくは、0.01〜5質量%であり、より好ましく0.01〜3質量%である。
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)及び本発明の塩(aa)、並びに、必要に応じて用いられる樹脂(A)以外の樹脂、酸発生剤(B)、溶剤(E)、クエンチャー(C)、弱酸分子内塩(D)等の酸性度の弱い酸を発生する塩及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置によって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成されていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベーク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50〜200℃であることが好ましく、加熱時間は、10〜180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥する際の圧力は、1〜1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であってもよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5〜60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5〜300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液としてアルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさらに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンを含む現像液が好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンの合計含有率は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に酢酸ブチル及び/又は2−ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止してもよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物としてより好適であり、半導体の微細加工に有用である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。なお、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
実施例1:式(I−1)で表される塩の合成
Figure 0006919366
式(I−1−a)で表される化合物8部、式(I−1−b)で表される化合物9.5部、クロロホルム40部及び硫酸0.47部を混合し、モレキュラーシーブ20ml存在下、2時間還流攪拌した。得られた反応物を23℃まで冷却し、クロロホルム125部を添加し、撹拌した。得られた混合物に10%炭酸カリウム水溶液33.3部を加え、23℃で30分間攪拌した。得られた混合物を静置し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水50部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を3回行った。得られた有機層を濃縮することにより、式(I−1−c)で表される化合物12.53部を得た。
Figure 0006919366
式(I−1−d)で表される塩6部及びアセトニトリル30部を混合し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I−1−e)で表される化合物3.3部を添加し、さらに、70℃で2時間攪拌することにより、式(I−1−f)で表される塩を含む溶液を得た。
Figure 0006919366
得られた式(I−1−f)で表される塩を含む溶液に、式(I−1−c)で表される化合物5.8部を混合し、さらに、80℃で3時間攪拌し、濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム145部及びイオン交換水75部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水75部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、アセトニトリル13.5部及びtert−ブチルメチルエーテル134.5部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣を濃縮することにより、式(I−1−g)で表される塩7.7部を得た。
Figure 0006919366
式(I−1−g)で表される塩1.7部、クロロホルム10部及びピリジン0.6部を混合し、23℃で30分間攪拌した後、5℃まで冷却した。得られた混合溶液に、式(I−1−h)で表される化合物1.2部を1時間かけて滴下し、さらに23℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した後、得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及び5%シュウ酸水溶液2.8部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣にアセトニトリル1.45部及び酢酸エチル22部を加えて攪拌した後、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−1)で表される塩1.22部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 263.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 583.1
実施例2:式(I−61)で表される塩の合成
Figure 0006919366
式(I−61−a)で表される塩9.4部及びアセトニトリル50部を添加し、23℃で30分間攪拌した。得られた混合溶液に、式(I−61−b)で表される化合物4.0部を添加し、さらに、70℃で2時間攪拌することにより、式(I−61−c)で表される塩を含む溶液を得た。
Figure 0006919366
得られた式(I−61−c)で表される塩を含む溶液に、式(I−1−c)で表される化合物5.8部を添加し、さらに、23℃で18時間攪拌し、濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム100部及びイオン交換水35部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。得られた有機層にイオン交換水35部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル30部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。得られた残渣を濃縮することにより、式(I−61−d)で表される塩9.11部を得た。
Figure 0006919366
式(I−61−d)で表される塩1.7部、クロロホルム10部及びピリジン0.6部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、5℃まで冷却した。得られた混合溶液に、式(I−1−h)で表される化合物1.15部を1時間かけて滴下し、さらに23℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した後、得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及び5%シュウ酸水溶液2.8部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣にtert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した後、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−61)で表される塩1.09部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 583.1
実施例3:式(I−90)で表される塩の合成
Figure 0006919366
式(I−61−d)で表される塩1.7部、クロロホルム10部及びピリジン0.6部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、5℃まで冷却した。得られた混合溶液に、式(I−90−h)で表される化合物1.52部を1時間かけて滴下し、さらに23℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した後、得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及び5%シュウ酸水溶液2.8部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣にtert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した後、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−90)で表される塩1.22部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 633.1
実施例4:式(I−129)で表される塩の合成
Figure 0006919366
式(I−61−d)で表される塩1.7部、クロロホルム10部及びピリジン0.6部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、5℃まで冷却した。得られた混合溶液に、式(I−129−h)で表される化合物1.39部を1時間かけて滴下し、さらに23℃で1時間攪拌した。得られた反応溶液を濃縮した後、得られた濃縮残渣に、クロロホルム40部及び5%シュウ酸水溶液2.8部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。回収された有機層に、イオン交換水20部を仕込み23℃で30分間攪拌し、分液することにより有機層を回収した。この水洗の操作を5回行った。得られた有機層を濃縮した後、濃縮残渣にtert−ブチルメチルエーテル20部を加えて攪拌した後、上澄液を除去した。得られた残渣をアセトニトリルに溶解し、濃縮することにより、式(I−129)で表される塩1.01部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M 237.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M 615.1
樹脂の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物(モノマー)を下記に示す。以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1−1−3)」等という。
Figure 0006919366
合成例1:樹脂A1の合成
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−9)、モノマー(a2−1−3)及びモノマー(a3−4−2)を用い、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−3):モノマー(a3−4−2)〕が45:14:2.5:38.5となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.6×10の樹脂A1を収率68%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006919366
合成例2:樹脂X1の合成
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.7×10の樹脂X1を収率77%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006919366
合成例3:樹脂X2の合成
モノマーとして、モノマー(a5−1−1)及びモノマー(a4−0−12)を用い、そのモル比〔モノマー(a5−1−1):モノマー(a4−0−12)〕が50:50となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して3mol%添加し、70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.0×10の樹脂Xを収率91%で得た。この樹脂X2は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 0006919366
<レジスト組成物の調製>
表5〜表6に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
Figure 0006919366
Figure 0006919366
<樹脂>
A1、X1、X2:樹脂A1、樹脂X1、樹脂X2
<塩(aa)>
I−1:式(I−1)で表される塩
I−61:式(I−61)で表される塩
I−90:式(I−90)で表される塩
I−129:式(I−129)で表される塩
<酸発生剤(B)>
B1−21:式(B1−21)で表される塩(特開2012−224611号公報の実施例に従って合成)
B1−22:式(B1−22)で表される塩(特開2012−224611号公報の実施例に従って合成)
IX−1:特開2011−37837号公報の実施例に従って合成
IX−2:特開2012−193160号公報の実施例に従って合成
IX−3:特開2012−193160号公報の実施例と同様にして合成
Figure 0006919366
<化合物(D)>
D1:(東京化成工業(株)製)
Figure 0006919366
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20部
2−ヘプタノン 20部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジストパターンの製造及びその評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表5〜表6の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ90nm/ホール径55nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表5〜表6の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス法によって現像を行うことにより、ネガ型レジストパターンを製造した。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、前記マスクを用いて形成したホール径が50nmとなる露光量を実効感度とした。
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径55nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径55nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求め、
標準偏差が1.80nm以下の場合を「○」、
標準偏差が1.80nmより大きい場合を「×」として判断した。
その結果を表7に示す。括弧内の数値は標準偏差(nm)を示す。
Figure 0006919366
<レジストパターンの製造及びその評価>
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物を塗布したシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表5〜表6の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜(組成物層)を形成した。レジスト膜が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ150nm/ホール径75nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表5〜表6の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
各レジスト組成物からのレジストパターン形成において、ホール径75nmのマスクで形成したパターンのホール径が55nmとなる露光量を実効感度とした。
以上のようなレジストパターンの製造において、以下の項目を評価した。
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径75nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径75nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求め、
標準偏差が1.80nm以下の場合を「○」、
標準偏差が1.80nmより大きい場合を「×」として判断した。
その結果を表8に示す。括弧内の数値は標準偏差(nm)を示す。
Figure 0006919366
本発明の塩を含むレジスト組成物は、良好なCD均一性でレジストパターンを製造することができため、半導体の微細加工に好適である。

Claims (7)

  1. 酸不安定基を有する樹脂と、式(aa2)で表されるアニオンを有する塩と、を含む有機系現像液用レジスト組成物

    Figure 0006919366
    [式(aa)中、
    及びXは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表す。
    環Wは、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。
    環Wは、置換基を有していてもよい炭素数3〜36の脂環式炭化水素基を表す。ただし、環Wは、少なくとも1つの塩基解離性基を有する。
    b1 は、炭素数1〜24の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH −は、−O−又は−CO−に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
    1 及びQ 2 は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    上記の塩基解離性基は、式(Ba)で表される基又は式(Bb)で表される基である。

    Figure 0006919366
    [式(Ba)中、R 23 は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    式(Bb)中、R 24 は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    25 及びR 26 は、それぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はフッ素原子を表す。
    *は、環W と結合する結合手を表す。]
  2. 環W及び環Wは、それぞれ独立に、式(w1−1)で表される環、式(w1−2)で表される環、式(w1−3)で表される環又は式(w1−6)で表される環である請求項1記載の有機系現像液用レジスト組成物。
    Figure 0006919366

    [式(w1−1)、式(w1−2)、式(w1−3)及び式(w1−6)中、
    環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
  3. b1が、*1−CO−O−(CH−(tは0〜6のいずれかの整数を表す。*1は、−C(Q1)(Q2)−との結合手を表す。)である請求項1又は2に記載の有機系現像液用レジスト組成物。
  4. 前記式(aa2)で表されるアニオンを有する塩で表される塩よりも含有割合が多く、上記の塩基解離性基を有さない酸発生剤をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の有機系現像液用レジスト組成物。
  5. 上記の塩基解離性基を有さない酸発生剤が、式(b2−c−21)、式(b2−c−22)、式(b2−c−23)、式(b2−c−24)、(b2−c−25)、式(b2−c−26)又は式(b2−c−27)で表されるカチオンを含む塩である請求項4に記載の有機系現像液用レジスト組成物。
    Figure 0006919366
  6. さらに、式(aa2)で表されるアニオンを有する塩から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩を含有する請求項1〜のいずれかに記載の有機系現像液用レジスト組成物。
  7. (1)請求項1〜のいずれかに記載の有機系現像液用レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を有機系現像液で現像する工程、
    を含むレジストパターンの製造方法。
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