JP6917646B2 - 揮発性有機化合物の回収システム - Google Patents

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Description

本発明は、揮発性有機化合物の回収システムに関するものである。
大気環境中に含まれる微小粒子状物質の規制は世界的規模でなされており、我が国は、大気汚染防止法その他の関係法令により、微小粒子状物質の大気中への放出を規制している。
微小粒子状物質とは、大気中に浮遊する小さな粒子のうち、粒子径が2.5μm以下の粒子のことをいう。その成分には、炭素成分、硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩のほか、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなどの無機元素などが含まれる。さまざまな粒径のものが含まれており、地域や季節、気象条件などによって組成が変動する。
微小粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるもの(一次生成粒子)と、環境大気中での化学反応により生成されたもの(二次生成粒子)とに大別される。一次生成粒子の発生源としては、ボイラーや焼却炉などばい煙を発生する施設、コークス炉や鉱物堆積場など粉じん(細かいちり)を発生する施設、自動車、船舶、航空機等のほか、土壌、海洋、火山など自然由来のものや越境汚染による影響もある。二次生成粒子は、火力発電所、工場・事業所、自動車、船舶、航空機、家庭などの燃料燃焼によって排出される硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、燃料燃焼施設の他に溶剤・塗料の使用時や石油取扱施設からの蒸発、森林などから排出される揮発性有機化合物(VOC)等のガス状物質が、大気中で光やオゾンと反応して生成される。特に、揮発性有機化合物の排出量は、発生源として塗料、洗浄剤、接着剤、インキからの排出が全体の約75%を占め、業種別に見ても、塗料等を多く扱う業種からの排出が大部分を占める現状にある。
例えば、一般的な塗装工場は、建屋内にいくつかの塗装ブースと乾燥ライン、塗料の配
合・供給場所、また被塗装材の搬入と塵埃除去、研磨装置等があり、排気は複数の排気口
に設けたプレフィルタで大粒のミストや塵埃を除き、専用の排気ダクトを通って外部の活
性炭やゼオライトなどを充填した回収システムで吸着処理してから大気中に放出する。
揮発性有機化合物の処理手法は、大別して、燃焼法、吸着法、その他の手法がある。特に吸着法は、微小粒子状物質を物理的・化学的に吸着して回収する手法であり、揮発性有機化合物の吸着と脱離を繰り返して、吸着剤を再生しながら行う手法である。
吸着法を用いた揮発性有機化合物の処理手法に先行文献1がある。先行文献1は、ハニカムロータで揮発性有機化合物を吸着及び脱離させて凝縮回収するVOC処理システムに関する技術を開示している。ハニカムロータは、多数の孔がハニカム状に設けられ、これらの孔の内壁に吸着剤が多数固定され、揮発性有機化合物を含む気体をこの孔に通すと、揮発性有機化合物がこの吸着剤に吸着される。そして、揮発性有機化合物が吸着された段階で、これらの孔に加熱気体を通すと揮発性有機化合物が脱離して、回収される。
特開第2017−87150号公報 特許第6140326号公報 特許第5414719号公報 特許第5717491号公報 特許第5422320号公報
しかしながら、孔の壁に固定された吸着剤の層のうちの表層付近では、加熱気体に直接曝され、揮発性有機化合物の脱離が促進されるが、中層や下層付近では直接に加熱気体に曝されにくく、熱量が伝導しにくいため、表層ほどの脱離は促進され難い。結果、層間で脱離の度合にムラが発生するので、揮発性有機化合物の脱離速度が大きいとは言い難い。
また、前述の孔は、壁部に吸着剤が固定されているが、軸心部には吸着剤が固定されていない構造となっている場合、揮発性有機化合物を含有する気体を前述の孔に通しても、気体の一部が吸着剤に吸着されずに、ハニカムロータを透過してしまう。そうすると、揮発性有機化合物の回収率が相対的に良いものとならない。なお、吸着剤が孔を塞ぐように充填した構造のハニカムロータでは、孔の軸心方向の長さが相対的に大きいと、気体の通気性が悪くなる。
また、脱離を促進させようとすると、より多くの加熱気体を脱離ロータに通す必要がある。そして、吸着ロータを透過した加熱気体は熱交換器で、冷却凝縮された気体と熱交換されるが、この熱交換を行うと、冷却凝縮された気体が加温されて冷却ロータに送風されることになり、冷却ロータの冷却効率が低下し、システム全体の揮発性有機化合物の凝縮能力が低下して、回収効率がよいものとは必ずしもならない。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、脱離速度が大きく、かつ吸着剤に吸着した揮発性有機化合物の回収効率がよい揮発性有機化合物の回収システムを提供することである。
この課題を解決した態様は以下のとおりである。
(第1の態様)
建屋内の気体中に分散した揮発性有機化合物の回収システムであって、
前記揮発性有機化合物を吸着する吸着剤を剥離可能に多数、保持する保持部材と、
前記保持部材から剥離した前記吸着剤が気体と共に流れる第1流路と、
前記第1流路から流れ込んだ前記吸着剤を加熱して、当該吸着剤に吸着された前記揮発性有機化合物を脱離する脱離装置と、
脱離した前記揮発性有機化合物を凝縮して回収する回収装置と、
前記第1流路を加熱する加熱手段とを備え、
前記第1流路を流れる前記吸着剤が、前記加熱手段で予め加熱される、
ことを特徴とする揮発性有機化合物の回収システム。
本態様では、保持部材から剥離した吸着剤は、第1流路で予め加熱され、脱離装置でさらに加熱される。吸着剤に揮発性有機化合物が吸着されている場合は、揮発性有機化合物の一部が第1流路の予熱で脱離し、残りが脱離装置で脱離する。吸着剤が第1流路及び脱離装置で加熱されるので、揮発性有機化合物が熱エネルギーを得て、気化して脱離し易くなる。また、第1流路と脱離装置とでは吸着剤の姿勢が異なるので、吸着剤相互で吸着剤温度のムラが生じにくい。そのため、脱離が促進され脱離速度が相対的に大きいものとなる。脱離が促進されるので、相対的に多くの揮発性有機化合物が脱離し回収されることになる。よって、回収効率のよいものとなる。さらに、第1流路を流れる吸着剤を予熱するので、脱離装置で揮発性有機化合物を気化して脱離させるのにかかる時間が短くて済む。
(第2の態様)
前記脱離装置から前記回収装置へ、前記吸着剤から脱離した高温の揮発性有機化合物が気体と共に流れる第2流路を有し、
前記加熱手段が、前記第2流路を流れる前記高温の揮発性有機化合物で前記第1流路を流れる前記吸着剤を予熱する第1熱交換器である、
第1の態様の揮発性有機化合物の回収システム。
加熱手段の加熱するための熱エネルギー源を高温の揮発性有機化合物とすることで、別途加熱設備を設ける必要がなく、エネルギーを有効に活用できる。また、この第1熱交換器から流出した揮発性有機化合物は、同第1熱交換器に流入する前よりも冷却される。よって、回収装置で揮発性有機化合物を凝縮するのに用いるエネルギーを節約でき、また、回収装置で凝縮するのにかかる時間が短くて済む。
(第3の態様)
前記第2流路における前記第1熱交換器の下流に備わり、当該第2流路を冷却する冷却手段と、
前記回収装置から前記脱離装置へ、当該回収装置で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる第3流路とを有し、
前記回収装置は、前記第2流路から流入した前記揮発性有機化合物を冷却して凝縮し、回収するものであり、
前記冷却手段が、前記第3流路を流れる前記凝縮されなかった低温の揮発性有機化合物で前記第2流路を流れる前記揮発性有機化合物を冷却する第2熱交換器である、
第2の態様の揮発性有機化合物の回収システム。
回収装置は揮発性有機化合物を冷却して凝縮するものであり、回収装置を出て、凝縮されなかった揮発性有機化合物は、第1熱交換器から流出した揮発性有機化合物よりも低温となっている。第1熱交換器から流出した揮発性有機化合物を、第2熱交換器で予め冷却しておくことで、回収装置で冷却して凝縮するのに要するエネルギーを節約できる。凝縮されなかった揮発性有機化合物は、第2熱交換器で、第2流路を流れる揮発性有機化合物の熱量を得て加温される。この揮発性有機化合物が加温されていると、この揮発性有機化合物が加温された分の熱エネルギーを脱離装置で賄わなくてよいので、脱離装置で脱離するために必要な熱エネルギーを節約することができる。
(第4の態様)
前記回収装置から前記第1流路へ、当該回収装置で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる返送流路を有する、
第1〜第3のいずれか1つの態様の揮発性有機化合物の回収システム。
回収装置内では揮発性有機化合物が凝縮されるが、気液平衡状態になると、揮発性有機化合物の一部が凝縮されないままとなる。この気相中の揮発性有機化合物の濃度が高いと、不必要な箇所で揮発性有機化合物が液化する等して、このシステムを構成する装置や部材が早期に摩耗することになる。そこで、返送流路を設け、気相中の揮発性有機化合物を第1流路に逃がすことで、回収装置や第3流路における揮発性有機化合物の濃度が高まり過ぎるのを抑制できる。
(第5の態様)
前記第1流路を流れる前記吸着剤を振動させる振動手段を有する、
第1〜第4のいずれか1つの態様の揮発性有機化合物の回収システム。
第1流路を気体と共に流れる吸着剤は、気体の風量や吸着剤量、第1流路の形状等の要因で、第1流路内の特定箇所に居付いたり、ブリッジを形成したりする場合がある。吸着剤を振動させることで吸着剤の居付きやブリッジが抑制され、吸着剤が流れ易くなる。
(第6の態様)
前記加熱手段は、前記第1流路のうちの、前記吸着剤で満たされた部分を加熱するものである、
第1〜第5のいずれか1つの態様の揮発性有機化合物の回収システム。
吸着剤で満たされた部分を加熱することで、加熱手段による熱が効率よく吸着剤に伝導し、吸着剤が相対的に速く予熱される。
本発明によると、脱離速度が大きく、かつ吸着剤に吸着した揮発性有機化合物の回収効率がよい揮発性有機化合物の回収システムとなる。
図9のW部分の拡大図である。 図1のX−X部分の濾過フィルタの横断面図である。 図2のY部分の拡大図である。 図3のZ部分の拡大図である。 破過曲線の図である。 図1のZ−Z部分の濾過フィルタの矢視図である。 (7A)図6のP部分の拡大図である。(7B)図7AのR部分の拡大図である。 蓋体を示す横断面図である。 揮発性有機化合物の回収システムの構造説明図である。 揮発性有機化合物の回収システムの構造説明図である。 揮発性有機化合物の回収システムの構造説明図である。 揮発性有機化合物の回収システムの構造説明図である。
発明を実施するための形態を以下に説明する。本発明は、揮発性有機化合物を吸着剤に吸着させることにより、気体中から揮発性有機化合物を分離して凝縮・回収する回収システムの技術に関するものである。以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきではない。
揮発性有機化合物の回収システム100は、建屋、例えば、工場や実験施設、処理場、揮発性有機化合物(VOC)貯蔵施設、化学製品製造関係施設、塗装関係施設、接着関係施設、印刷関係施設、工業用洗浄関係施設等に設置可能である。揮発性有機化合物の回収システム100の好ましい一形態例を次記に示す。揮発性有機化合物の回収システム100は、この建屋で発生した揮発性有機化合物を、吸着剤で吸着して凝縮・回収するものである。図10を参照しつつ説明すると、揮発性有機化合物の回収システム100は、前記揮発性有機化合物を吸着する吸着剤200を剥離可能に多数、保持する保持部材12と、前記保持部材から剥離した前記吸着剤200が気体と共に流れる第1流路(上流側から下流側へ流路T1,流路T2,流路T3,流路T4)と、前記第1流路から流出した前記吸着剤200を加熱して、当該吸着剤200に吸着された前記揮発性有機化合物を脱離する脱離装置50と、脱離した前記揮発性有機化合物を凝縮して回収する回収装置70と、前記第1流路を加熱する加熱手段55とを基本形態として少なくとも備える。
前述の基本形態に、次記の事項を加えることもできる。具体的には、前記脱離装置50から前記回収装置70へ、前記吸着剤200から脱離した高温の揮発性有機化合物が気体と共に流れる第2流路(上流側から下流側へ、流路T7、流路T8、流路T9、流路10)を有し、前記加熱手段55が、前記第2流路を流れる前記高温の揮発性有機化合物で、前記第1流路を流れる前記吸着剤200を予熱する第1熱交換器55aを加えることができる。また、前記第2流路における前記第1熱交換器55aの下流に備わりに、当該第2流路を冷却する冷却手段56と、前記回収装置70から前記脱離装置50へ、当該回収装置70で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる第3流路(上流側から下流側へ流路T11、又は流路T11及び流路T4)とを加えることができる。この場合、前記冷却手段を、前記第3流路を流れる低温の前記凝縮されなかった揮発性有機化合物で、前記第2流路を流れる前記揮発性有機化合物を冷却する第2熱交換器56aとしてもよい。さらに、回収装置70から前記第1流路へ、当該回収装置70で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる返送流路T14を備えたり、前記第1流路を流れる前記吸着剤200を振動させる振動手段を備えたりしてもよい。振動手段としては、公知のバイブレータを用いることができ、例えば、ボールバイブレータ、エアボール高周波バイブレータを好適に用いることができる。
特に、前記第1流路と、前記脱離装置50から前記保持部材12へ、前記吸着剤200が気体と共に流れる流路と併せて吸着剤200の循環流路110という。第2流路と第3流路とを併せて揮発性有機化合物の循環流路120という。
揮発性有機化合物の循環流路120は、揮発性有機化合物が脱離装置50から加熱手段55を通って、第2熱交換器56aを通り、回収装置70に至り、前記第2熱交換器56aを通って、再び前記脱離装置50へ戻る流路としてもよい。そして、第2熱交換器56aから脱離装置50までの流路に、揮発性有機化合物を加温するヒータ74を備え、第2熱交換器56aから回収装置70までの流路T9に、揮発性有機化合物を冷却する冷却器72を設けることができる。また、揮発性有機化合物の循環流路120には、送風装置73を備えてよい。送風装置73は揮発性有機化合物の循環流路120内であればどこに設置してもよいが、例えば、第2熱交換器56aから揮発性有機化合物の循環流路120までの流路T9に設けるのが好ましい。同流路T9は、回収装置70へ揮発性有機化合物を導くものであることから、送風された気体の圧力損失が少ないまま揮発性有機化合物を回収装置70へ導くことができる。
この揮発性有機化合物の回収システム100は、保持部材12から剥離した吸着剤200が回収される回収容器30を第1流路に設けることができる。この回収容器30には回収された吸着剤200を切り出す第1ダンパV3を備えてよい。また、脱離装置50から保持部材12まで延在する流路T6には、脱離装置50で再生された吸着剤200を保存する保存容器40を設けることができる。この保存容器40には、同保存容器内の吸着剤200を切り出す第2ダンパV5を備えてよい。
(吸着剤の循環流路)
吸着剤200の循環流路110の一例について以下説明する。循環経路110は、端的に言うと、保持部材12から剥離した吸着剤200が、気体の流れに沿って、第1熱交換器を経由して、加熱装置50に至り、加熱装置50から同第1熱交換器を経由せずに、同保持部材12に戻る流路をいう。保持部材12から剥離した吸着剤200は、回収容器30に接続する流路T1,T2を通って、回収容器30に導入される。回収容器30から導出された吸着剤200は、加熱手段55を通過し、この加熱手段55と脱離装置50を接続する流路T3,T4を通って、脱離装置50に導入される。脱離装置50で加熱されて再生した吸着剤200は、脱離装置50と保存容器40を接続する流路T5を通って、保存容器40に導入される。保存容器40から導出された吸着剤200は、この保存容器40と流路T1,T2を接続する流路T6を通って、流路T1に導出され、再び、保持部材12に戻る。流路T2及び流路T6には、吸着剤200の通過を遮ることができる開閉バルブV12を設けることができる。吸着剤200の循環流路110に沿って、吸着剤200を循環させる手法としては、公知の手法を適宜適用できるが、例えば、後述する送風手段を適用できる。以上より、流路T1では、吸着剤200が、保持部材12側から脱離装置50側に向かって流れる場合と、脱離装置50側から保持部材12側に向かって流れる場合がある。なお、回収容器30及び保存容器40は設けてもよいし、設けなくてもよい。
(揮発性有機化合物の循環流路)
揮発性有機化合物の循環流路120の一例について以下説明する。循環流路120は、端的に言うと、加熱装置50から導出された揮発性有機化合物が気体の流れに沿って、第1熱交換器を経由して、回収装置70に至り、この回収装置70で回収されなかった揮発性有機化合物が気体の流れに沿って、第1熱交換器を経由せずに加熱装置50に戻る流路をいう。脱離装置50で加熱されて脱離した揮発性有機化合物は、この脱離装置50と加熱手段55を接続する流路T7を通って、加熱手段55に導入される。加熱手段55から導出された揮発性有機化合物は、この加熱手段55と回収装置70とを接続する流路(この流路は、上流から下流に向かって流路T8,流路T9,流路T10と表される。)を通って、回収装置70に導入される。この流路T8,T9,T10には、冷却手段56と冷却器72と送風装置73を設けることができる。冷却器72、送風装置73相互はどの順序で配置してもよいが、一例としては、上流から下流に向かって、流路T8と流路T9の間に冷却手段56を、流路T9と流路T10の間に冷却器72を、流路T10上に送風装置73をそれぞれ設けることができる。回収装置70で凝縮しなかった揮発性有機化合物は、この回収装置70と脱離装置50を接続する流路T11,T12(回収装置70側の流路を流路T11、脱離装置50側又は流路T4側の流路を流路T12とする。)を通って、再び脱離装置50に導入される。また、流路T11,T12の別形態として、流路T11,T12が回収装置70と流路T4を接続するように設けられてもよい。流路T11,T12には、冷却手段56及びヒータ74を設けることができる。冷却手段56は流路T11と流路T12の間に、ヒータ74は流路12上に設けるとよい。なお、冷却手段として、公知の手法を適宜用いることができるが、例えば、低温の気体、液体、固体を流路に接触させたり、熱交換器で冷却する手段を用いたりするとよい。
揮発性有機化合物の中には引火し易い性質を有するものがあるため、高濃度で揮発性有機化合物を循環流路120に流すのは危険を伴う。そこで、不活性ガス(例えば、希ガス元素ガスや窒素ガス)を、揮発性有機化合物を含む気体に、混ぜたものを循環流路120に流すとよい。不活性ガスを気体中に含めることで、同気体中における揮発性有機化合物の濃度が下がり、引火し難くなる。循環流路120への不活性ガスの混入手段は、不活性ガスを循環流路120に混入させる流路を設けて、この流路から混入させる手法や、不活性ガスを循環流路120に送り込む手段を、脱離装置50に備えて、不活性ガスを混入させる手法としてもよい。
(返送流路)
回収装置70から第1流路又は保持部材12へ、凝縮しなかった揮発性有機化合物を戻す返送流路130を設けることができる。返送流路130には揮発性有機化合物の通過を遮ることができる開閉バルブV13を設けるとよい。保持部材12が図1の保持容器10内に備わる場合は、返送流路130が接続される保持部材12の位置は、保持容器10内における気体が流れる空間の、保持部材12の上流側であれば特に限定されないが、例えば、供給部のうちのダンパV1よりも上流側とするとよい。
(回収装置)
回収装置は、脱離装置50で脱離した揮発性有機化合物を凝縮して回収するものである。揮発性有機化合物の凝縮手法は、加圧、冷却による手法を挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、揮発性有機化合物を含む気体中には、水分が含まれる場合があり、この場合揮発性有機化合物を凝縮する際、水分も凝縮する。水分が凝縮すると、揮発性有機化合物の凝縮効率が悪くなるので、除湿機能を回収装置70に備わせて、水分の凝縮を抑制するとよい。回収装置90は、揮発性有機化合物を凝縮する凝縮部90と凝縮した揮発性有機化合物を回収する回収部80とで構成することができる。凝縮した揮発性有機化合物を回収する回収部80を回収装置70に設けてもよいが、回収装置70と別体でこの回収部80を設けてもよい。別体で設ける場合は、回収装置70で凝縮した揮発性有機化合物は、この回収装置70と回収部80を接続する流路を通過して回収部80に導入される。回収部80に導入された揮発性有機化合物は回収部80内で気液平衡状態にあるため、一部が凝縮しきれずに気化する。この気化した(すなわち、凝縮しなかった)揮発性有機化合物は、回収部80から保持部材12へ伸びる流路T14を通って、保持部材12に導入される。なお、気液平衡状態下では気化した揮発性有機化合物は、再度凝縮するものと、凝縮しないものがあり、この凝縮しないものを「凝縮しなかった揮発性有機化合物」ということができる。
以上、流路について述べたが、各容器や各装置を接続する流路には、気体、液体、吸着剤200等が通過可能な公知の配管を用いてよいが、例えば、空気配管を用いることができる。
(保持部材)
保持部材12は、建屋内に設けることができる。建屋内の気体中に分散した揮発性有機化合物が保持部材12に保持された吸着剤200に吸着される。保持部材12に保持された吸着剤200は、保持部材12に物理的エネルギー(例えば振動、風圧、槌打)を与えることで剥離する。剥離した吸着剤200は、第1流路を負圧にする等、公知の手法で同第1流路に気体の流れを発生させることで、脱離装置50へ流れる。建屋内の気体中に、吸着剤200が保持された保持部材10を曝したり、気体Aをこの保持部材10に当てたりすると、気体Aのうちの、揮発性有機化合物が吸着剤200に吸着され、残分Bが建屋内に漂う。また、保持部材12は、吸着剤200が付着及び剥離可能な部材であれば、特に限定されない。例えば、板、管、ハニカム、シート、網、不織布、ろ布、後述する濾過フィルタ等の膜を保持部材12に用いることができる。保持部材12が通気性の部材である場合は、これらの膜に向けて気体を流すと、この気体に含まれる揮発性有機化合物が保持部材12に保持された吸着剤200に吸着され、残りの気体が透過する。
また、保持部材12を内部に有する保持容器10を設ける形態としてもよい。この場合、保持容器10は、気体の供給部11と排出部13と、吸着剤200の出入部15と、保持部材12に圧縮空気を噴射して、この保持部材12に付着した吸着剤200を剥離する剥離手段とを有する。剥離手段による噴射は、例えば噴射ノズル14により行うことができる。保持容器10の容積は、特に限定されないが、例えば0.75〜1.25m3とすることができる。保持部材12は例えば、保持容器10に備わる支持体18に支持された形態とすることができる。保持容器10内に保持部材12は1つ、又は複数備えることができる。支持体18は、気体を通さない部材(例えば、金属、ステンレス鋼材、木材、プラスチック等)で形成することができる。この支持体18とこれに支持される保持部材12とが、供給部11から保持容器10内に供給され、排出部13から排出される気体の流れ空間を、供給部側の空間と排出部側の空間に隔離している。支持体18には開口部が備わり、この開口部に保持部材12が張設された形態とすることができる。保持容器10の内部はこの支持体18と保持部材12とで供給部側と排出部側に隔離され、気体供給部11から吸着容器内の供給部側に供給された気体が保持部材12を透過して、排出部側に流れ、気体排出部13から保持容器10の外へ排出される。また、保持部材10は、有底であり、供給部側の壁が、底に向かって窄まった形状となっていてもよいし、窄まっていない形状(例えば、供給部側の壁が略底に向かって略同一径である筒状)となっていてもよい。
気体供給部11には、供給気体Aの供給量を調整するための開閉自在なダンパV1が備わっている。吸着剤200の出入部15には、吸着剤200の流入量又は流出量を調整するための開閉自在なダンパV2が備わっている。
保持部材には濾過フィルタを好適に用いることができる。この濾過フィルタは単層又は多層にすることができる。図示形態では単層の濾過フィルタを用いている。また、濾過フィルタの素材は気体を透過し、吸着剤200を透過しないものであれば特に限定されない。ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を濾過フィルタの素材として例示することができる。濾過フィルタの具体的な素材としては、例えば、東レ株式会社のポリエステル長繊維不織布「アクスター」(登録商標)のG2260−1S BK0を用いることができる。
濾過フィルタの膜厚は、好ましくは0.3〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは7μmである。繊維径が0.5μmより細い繊維を用いると、ガス透過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなる。また、繊維径が10μmよりも太い繊維を用いると、吸着剤200が濾過フィルタを透過してしまい、吸着剤200の回収がし難くなる。
したがって、繊維径が0.5〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過フィルタを形成することが好ましい。このようなある程度の目の粗さを持つ濾過フィルタによって、ガス透過時には、濾過フィルタの目に吸着剤200の一部が食い込んで吸着層が形成されるため、揮発性有機化合物が、この吸着剤200層に吸着され、濾過フィルタを透過し難いものとなる。
本形態において、濾過フィルタは、供給部側に対向する面(供給部側面)とその裏面、すなわち、排出部側に対向する面(排出部側面)を有する。なお、気体供給部11は保持部材12の供給部側空間のいずれの位置に設けてもよいが、濾過フィルタからなるべく離れた部分、又は、そのなるべく離れた部分付近に設けると、供給されたガスが供給部側空間に広く拡散されるため、好ましい。排出部13は保持部材12の排出部側空間のいずれの位置に設けてもよい。特に、供給部11と排出部13は、保持部材12の壁に設けられて、この供給部11と排出部13の間に濾過フィルタが配され、相互に最も離れている形態が好適である。
濾過フィルタは、公知のフィルタを適宜用いることができるが、圧縮空気の噴射に耐え、圧縮空気が当たった際の衝撃で吸着剤200を剥離させるため、また、濾過フィルタの交換頻度を減らし、ランニングコストを削減するため、所定の強度以上のものを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)がタテ:1000〜1300、好ましくは1200、ヨコ:700〜800、好ましくは700、破裂強力(kgf/cm2)がタテ:170〜260のものを用いるとよい。
濾過フィルタの形状は特に限定されないが、例えば、平面状にすることができる。また、袋状、具体的には、開口部を有する球状であってもよいし、有底の筒状、特に平坦な濾材を蛇腹状に折り曲げて複数の襞が形成された筒状であって有底であるもの(いわゆる、プリーツ状のもの)であってもよい。袋状とすることで、平面状よりも濾過フィルタの表面積が広くなり、その分、吸着剤層の形成面積が広くなるので好ましい。筒状には、円筒状、多角柱状等が含まれるがこれらの形状に限られるものではない。
濾過フィルタが袋状である場合は、気体供給部側から気体排出部側に延在して、この濾過フィルタにおける気体排出部側端が開口している濾過フィルタは好ましい形態である。この場合、濾過フィルタは、長手方向の長さが例えば500mm〜1200mmにすることができる。
(筒状体)
濾過フィルタが袋状である場合は、ガスの気流の影響を受け、濾過フィルタが袋内側方向に縮まり、揮発性有機化合物の吸着効率が低下してしまう。濾過フィルタが縮まるのを防止するため、次記の筒状体12sを濾過フィルタの内面(排出部側面)沿いに設けるとよい。例えば、濾過フィルタの形状が、一方端が閉じ、対向する他方端が開口された角柱であれば、この角柱とほぼ同サイズの角筒状の筒状体(角筒体の両底面は開口されているとよい。)を設けるとよい。また、筒状体12sの側面にはガスの通過孔が形成され、内面に透過されたガスBが通るガス通路が形成されたものとするとよい。
特に、図2に示すようなプリーツ状の濾過フィルタを用いる場合は、保持部材12内には、壁面にガスの透過孔が形成され、内部に透過されたガスBが通るガス通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。筒状体12sの形状や姿勢は、特に限定されないが、図示した一例では円筒形状であって、その中心軸が保持部材12の長手方向(US−DS方向)に沿う姿勢で、保持部材12内に配されている。そのほか、筒状体12sの形状を角筒形などの任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの中心軸が斜めに傾斜するように保持部材12内に設置しても良い。なお、図示した筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものである。
筒状体12sの壁面の外側には、濾過フィルタが形成されている。この濾過フィルタとしては、表面積(ガス透過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、筒状(図2の態様では、円筒状にしているが、これに限定されず、角柱状や楕円状等にしてもよい)に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで、筒状体12sの周囲に(図示形態では筒状体12sの全周に)、複数の襞2が形成される。平坦な濾材を折り曲げる際は、折り目がつくように折り曲げてもよいし、折り目がつかないように曲線(緩やかな曲線、急な曲線など)を描くように折り曲げても良い。また、図6に示すように、プリーツフィルタの供給部側端部を閉じて袋状とするために、後述する、襞2における気体供給部側の基端部2bの各々を通過して形成される略円を蓋体12mDで覆われるものとする。この蓋体12mDは、例えば、プリーツフィルタに用いる素材(濾材)と同一の素材で形成するとよい。
(スペーサー)
襞2の内部に、複数の穴が開けられた平坦な板材(ハニカムメッシュや金網等)を蛇腹状(この蛇腹状には、波状のものも含まれる)に折り曲げたスペーサー3を設けることが好ましい。スペーサー3は、襞2の基端側(筒状体12s側)から先端側(吸着容器11側)へ向かって、ジグザグに折り曲がりながら延在している。図示形態では、各襞2にスペーサー3が一枚ずつ設けられ、そのスペーサー3の一端側端部は筒状体12sの外面と0.1mm〜0.5mm程度離れ(筒状体12sと接触していてもよい)、他端側端部は襞2の先端側端部に位置している。スペーサー3の厚み方向両端部に形成された屈曲部3C、3Cは、濾過フィルタの裏面12bと接触している。図示形態のスペーサー3は、平面視で濾過フィルタと点状に接触しており、この接触部分が屈曲部3C、3Cになっている。スペーサー3は襞2の内部空間2Sを保持する機能を有し、気体供給部11から供給されたガスAが濾過フィルタの供給部側面12fから排出部側面12bへ向かう気流から受ける風圧力や、濾過フィルタの供給部側面12fにガスAに含まれる異物が積層して襞2を押し潰そうとする圧力に抗って、内部空間2Sが完全に潰れてしまうことを防いでいる。襞2の内部空間2Sがなくなることを「閉塞」といい、この閉塞を防ぐことにより、透過ガスBが内部空間2Sを先端側から基端側へ向かって移動しやすくなる。図4Aは、ガスAが供給される前の状態を示し、図4BはガスAが供給されている最中の状態を示す。これらの図面に示すように、襞2がガスAによって供給部側から風圧力を受けると、風圧力を受ける前と比べて、スペーサー3の厚みが薄くなり(厚み方向の長さが短くなり)、平面視におけるスペーサー3の形状が平坦に近いものになり、襞2の幅2wが狭くなる。このような場合であっても、スペーサー3は完全に平坦にならず、内部空間2Sが完全に潰れて閉塞してしまうことはほとんどない。
図示した形態では、平面視で、プリーツフィルタとスペーサー3が屈折部3Cで接触しており、この接触部Tcは、スペーサー3の延在方向に沿って、所定の間隔を空けながら、厚み方向に交互に点状に存在している。すなわち、平面視で、プリーツフィルタとスペーサー3が面状に接触していない形態である。以上のように、スペーサー3を蛇腹形状にすることにより、襞2に対して、厚み方向に伸縮する弾性力を付与することができる。
スペーサー3の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンなど(単体でも用いても良いし、複数を組み合わせて用いても良い)を用いることができる。特に、弾性力や耐圧性などが要求されることから、ポリプロピレンやポリエステルを用いることが好ましい。
例えば、スペーサー3として、プラスチック繊維(他の繊維でもよい)からなるメッシュ構造の板材を波付け加工して弾性体にしたものを用いることができる。このときのメッシュ構造は、例えば1.5mm〜2mm程度のメッシュにすることができる。この波付け弾性体であるスペーサー3は、ガスAの風圧力によって、濾過フィルタの供給部側(外側)から排出部側(内側)へ向かって押し付けられるが、メッシュの結節部は線径の倍の厚さ(約0.32〜0.4mm)があり、襞の内部空間2S内の透過ガスBが筒状体12sの方向へ流れる通気性を確保している。
前記の説明において、隣接襞間空間2nを開放状態にする旨を記載した。この隣接襞間空間2nを完全に開放状態にすることが最も好ましいが、必ずしもこのような形態に限定されるものではなく、隣接襞間空間2nの一部が閉鎖されていても良い。
(開放空間)
図8に示すように、プリーツフィルタの軸心方向を上下方向とした場合、プリーツフィルタの上端部及び下端部の少なくとも一方は、この外側襞間空間2nを覆うように外側から蓋体21が被せられていた形態とすることができる。これによって外側襞間空間2nが封鎖された状態になっている。例えば、図8Bのようにプリーツフィルタを縦置きした場合、そのプリーツフィルタの上端部及び下端部の少なくとも一方に蓋体21が設けられ、プリーツフィルタの内部のガスが、意図せずに外部(図示形態では供給部側)に漏れ出ることを防いでいる。なお、図8Bでは、プリーツフィルタの下方部分のみを例示しているが、プリーツフィルタの上端部にも蓋体21が設けられていてもよい。
また、図1などに示すように、プリーツフィルタの上下方向両側(上端側と下端側の両方)又は下端側は封鎖されていない構成にすることができる。具体的には、図6に示すように、プリーツフィルタの襞2の外側の空間27であって、隣接する襞2と襞2の間の空間2n(「外側襞間空間」や「隣接襞間空間」ともいう。本明細書において、他の段落においても同じ。)が封鎖されていないものとなっている。すなわち、外側襞間空間2nが開放空間(「非封鎖空間」ともいう)になっている。図6では外側襞間空間2nの1つに網掛けを付した。この図6では、図面の視認性を良くするために、1個の外側襞間空間2nにのみ網掛けを付しているが、図6に示すようにプリーツフィルタの全周にわたって多数の襞2が形成されており、プリーツフィルタの外側であって、隣接する襞2と襞2の間の空間は、すべて外側襞間空間2nとなる。この外側襞間空間2nは、隣接する襞2と襞2の外表面12fによって囲まれた部分(外表面12fによって区画された部分)をいい、この外側襞間空間2nの基端は襞2の基端部2bと接しており、外側襞間空間2nの先端は隣接する襞2、2の先端部2p、2pの間を繋げた仮想線ALによって区画される。図8Bに示すように蓋体21を設けたプリーツフィルタは、プリーツフィルタの上端と蓋体21の接続部29や、プリーツフィルタの下端と蓋体21の接続部29に、供給されたガスと共に混入した異物や塵、剥離した吸着剤200等が溜まりやすい。この異物や塵、剥離した吸着剤200等は、吸着剤200の流入風量を調節することで発生する気流で取り除かれるが、下記の構造にすると、接続部29に溜まらず好ましい。
また、プリーツフィルタの軸心方向両側において、外側襞間空間2nを蓋体21などで封じず、開放状態にしたものを提案できる。変形例として、プリーツフィルタの軸心方向下端側のみにおいて、外側襞間空間2nを蓋体21などで封じず、開放状態にしてもよい。また、プリーツフィルタの軸心方向下端側又は両側に蓋体21を設けても良いが、この蓋体21を設ける場合は、蓋体21のうち外側襞間空間2nと重なる部分に切り欠きを設けるなどして、外側襞間空間2nを開放状態にすることが好ましい。
プリーツフィルタの軸心方向下端側又は両端が開放状態にすると、噴射ノズル14による噴射や、付着手段、導出手段を行うときに、プリーツフィルタに付着した異物や塵、吸着剤200等が、保持部材12内に拡散したり剥落したりしやすくなり、外側襞間空間2nに滞留し難くなる。
なお、プリーツフィルタの軸心方向両側又は下端側において、外側襞間空間2nを開放状態にする場合は、蓋体21以外にも埋込物などを設けないことが重要である。埋込物を設けると、開放状態にならないからである。
(閉鎖空間)
図6や図7に示すように、プリーツフィルタの軸心方向両側において、襞2の内側の空間を封鎖することが好ましい。襞2の内側の空間とは、図4に示すような襞2の内部空間2Sを含む概念である。図7A及び図7Bでは、襞2の相対する濾過膜12ma、12mbに挟まれた空間(襞2の内部空間2S)が封鎖されており(閉じられており)、いわゆる閉鎖空間16Cになっている。閉鎖空間16Cにする方法は特に限定されないが、例えば、対面する濾過膜12ma、12mbの内壁面相互を超音波もしくはヒータで加熱して溶着する方法を挙げることができる。そのほか、前記下流面(内壁面)相互を接着剤で接着したり、濾過膜12ma、12mbの間に樹脂を埋め込んだりしてもよい。
プリーツフィルタの内部に筒状体12sを設ける場合は、襞2の内側の空間という概念に、濾過フィルタmと筒状体12sの間の空間22(図7Aの網掛け部分)(以下、「膜筒間空間」という。)を含ませてもよい。図7Aの例では、この膜筒間空間22に樹脂を埋め込むことによって閉鎖空間16Cにしているが、この態様に限られるものではなく、例えば濾過フィルタmと筒状体12sの間を接着剤によって接着するなどしてもよい。
以上の説明において、閉鎖空間16Cを形成するために、接着剤や埋込物を用いる形態を説明した。接着剤の種類は特に限定されないが、耐圧性や接着力に優れることから、例えばエポキシ樹脂接着剤やゴム系接着剤などを用いることが好ましい。埋込物の種類も特に限定されないが、封止性が高いことから、例えばエポキシ樹脂系やシリコンゴムシーラントなどを用いることが好ましい。埋込物は、埋め込んだ後に硬化する樹脂(例えば、エポキシ樹脂系やフェノール系など)を用いることが好ましい。樹脂が硬化しない場合、剥離するおそれがあるからである。
また、接着剤や埋込物以外のものを用いて閉鎖空間16Cを形成してもよい。例えば、閉鎖空間16Cを形成したい部分に蓋体を設けても良い。この蓋体としては、例えば一枚の板材から構成することができる。複数枚の板材を用いるとシール性が向上するが、部材点数が多くなって管理が大変であるとともに、コストが高くなるので、一枚の板材が好ましい。板材の素材としては、例えばステンレス、アルミ、プラスチックなどを用いることができる。
この板材を用いる位置は、プリーツフィルタの軸心方向における一端側端部や他端側端部であれば、いずれの部分であってもよい。すなわち、必ずしもプリーツフィルタの一端側端縁や他端側端縁に設けなくてもよく、例えば、プリーツフィルタの襞2の内部空間2Sにこの板材を埋め込むようにしてもよい。
なお、閉鎖空間16Cを設ける位置は、図1に示すように、プリーツフィルタの軸心方向の一端側端部及び他端側端部の少なくともいずれか一方である。なお、図1の実施例では、一端側端部と他端側端部に閉鎖空間16Cを形成するために、エポキシ樹脂を用いている。
以上のように、襞2の内側の空間を封鎖することによって、襞2の外側(供給部側)の空間に存在するガスAが、プリーツフィルタの軸心方向端部からプリーツフィルタ内部へ混入することを防ぐことができる。その結果、透過ガスBが襞2の内側の空間から透過ガスの通路12rへと移動することになる。なお、透過される前のガスAがプリーツフィルタの軸心方向端部から内部へ混入した場合、この透過される前のガスAは透過ガスBと混ざり、排出部13から排出される。
透過ガスBの通路12rとは、筒状体12sが設けられた場合では、筒状体12sの内側の空間をいう。筒状体12sが設けられていない場合では、襞2の基端部2bよりも内側の空間をいう。図1では、平面視、このプリーツフィルタの上端部は、図示しない蓋体で覆われている。この蓋体は、プリーツフィルタの上端部を覆い、中央部に透過ガスBの通過口(ガス透過口)が備わるものである。このガス通過口は、筒状体12sの上方に位置するように設けられている。プリーツフィルタの上端部を蓋体で覆うことによって、プリーツフィルタの上端部付近で、供給側の空間から排出部側の空間へ、供給ガスAが侵入を防ぐことができる。透過ガスBは、排気手段により気体排出部13から回収システムの外部に排出される。排気手段は公知の手段を適宜用いることができる。排気手段の例として、気体供給部11の上流に備わる給気装置19a(例えば、給気ファン等)を用いて透過ガスBを気体排出部13から外部に排出する手段を挙げることができる。
なお、襞2の内側の空間を封鎖する場合は、完全に封鎖することが好ましい。一部に隙間が生じていると、その隙間から排出部側へ、揮発性有機化合物を含むガスAが混入するおそれがある。すなわち、襞2の内側の空間を接着剤で接着する場合は、例えば、対面する濾過膜12ma、12mbの間を密閉することが好ましい。また、襞2の内側の空間を埋込物で封鎖する場合は、埋込物の内部に細かな貫通孔などが発生しないようにするとともに、例えば濾過フィルタと埋込物の間や、筒状体12sと埋込物の間に隙間が生じないように密閉することが好ましい。同様に、襞2の内側の空間を蓋体で封鎖する場合は、濾過膜12mと蓋体の間や、筒状体12sと蓋体の間に隙間が生じないように密閉することが好ましい。
プリーツフィルタの軸心方向両端部16C、16C以外の部分、すなわちプリーツフィルタの軸心方向中間部については、襞2の内側の空間を封鎖しないことが好ましい。透過ガスBがその空間を通過して、透過ガス通路12rへと流れ込むことができるようにするためである。
(吸着剤)
吸着剤200としては、活性炭、ゼオライト、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化チタン、イモゴライトなどを使用できる。活性炭の原料は、ヤシガラ、石炭(瀝青炭、無煙炭)、オイルピッチ、木材チップ、おが屑、コーヒー滓、レーヨン、アクリルニトリル、フェノール樹脂などがある。形状は、粒状、破砕状、粉末状、繊維状、成型(ハニカム状)などがあり、限定されるものではない。
吸着剤200の孔はその大きさから、直径2nm以下をマイクロ孔(ミクロ孔)、2〜50nmをメソ孔、それ以上をマクロ孔と呼んでいる。吸着剤200の比表面積を大きくし、揮発性有機化合物を素早く吸着するのはマイクロ孔である。例えば、活性炭はマイクロ孔からマクロ孔まで様々な径の孔を持っている。また、ゼオライトは相対的にサイズの揃ったマイクロ孔を持っている。前記例示の吸着剤200群は、そのマイクロ孔(ミクロ孔)の存在故に、本発明においていずれの吸着剤200も使用可能である。
吸着剤200の平均粒子径は、5〜30μm、好ましくは10〜20μmとするとよい。5μm未満だと、吸着剤200が保持部材12の内部に入り込んだり、透過してしまったりする。30μm超だと、所定の流入風量又は所定の流出風量で吸着剤200が気流にのって流れ難い。平均粒子径はJIS Z 8825:2013に準拠して測定することができる。
吸着剤200の嵩比重は、0.4〜1.5g/cm3とするとよい。0.4g/cm3未満だと僅かな風で吸着剤200が舞い上がり、取り扱い難い。1.5g/cm3超だと気流に沿って流れ難くなる。
吸着剤200の比熱は、0.2〜1kJ/(kg・℃)、好ましくは0.4〜0.8kJ/(kg・℃)とするとよい。0.2kJ/(kg・℃)未満だと、吸着剤200の温度が雰囲気の温度に変動を受けやすく、揮発性有機化合物の吸着反応及び脱離反応が安定しない。1kJ/(kg・℃)超だと、吸着剤200の昇温に時間がかかり過ぎ、多くの熱エネルギーを必要とするため不経済である。
保持部材12内における保持部材12に、吸着剤200が含まれるガスを所定の流入風量で供給すると、保持部材12に吸着剤200が付着されて吸着剤200層が形成される。吸着剤200の出入部15が供給部側にあるときは保持部材12の供給部側面に、この出入部15が排出部側にあるときは保持部材12の排出部側面に吸着剤200層が形成される。保持部材12が袋状である場合は、袋状保持部材12の袋の外部から内部へ気体Aが流れる形態とするとよい。このとき、筒状体12sを保持部材12内部に設ける場合は、出入部15を供給部側に設けるとよい。このようにすると、保持部材12の供給部側面に吸着剤200層が形成され、供給部側から排出部側に保持部材12を透過した透過ガスBが、筒状体12sのガス通路12rを通過して排出部13から排出される。
吸着剤200を保持部材12に保持させる場合、吸着剤200が保持部材の表面に層として形成される。吸着剤層の厚みは、例えば、下限が0.8mm以上とするとよく、上限が2.5mm以下とするとよい。0.8mm未満だと揮発性有機化合物が保持部材12を透過してしまうおそれがあり、2.5mm超だと吸着剤200層のうちの供給部側の面付近では揮発性有機化合物が吸着され易いが、排出部側の面付近では吸着され難い。
(噴射ノズル)
剥離手段は、保持部材12に圧縮空気を噴射して吸着剤200を剥離する手段である。噴射は保持部材12のうちの吸着剤200を保持した面又はその裏面に行うことができる。特に、この裏面に噴射を行うと、吸着剤200は、この吸着剤200が保持された面に対して法線方向に噴射圧力を受け、及び保持部材12の形状変化による外力を同上方に受けて、同面側の外方に剥離するように促されるため、好ましい。噴射は例えば、噴射ノズル14を用いて行うことができる。噴射ノズル14の噴射口は、保持部材12の吸着剤200が保持された面側又はその裏面側に備えることができる。特に噴射ノズル14は、保持部材12の吸着剤200が付着する面の裏面に備えるのが好ましい。例えば、保持部材12における気体供給部空間に対向する面に、吸着剤200が付着する形態の場合には、保持部材12の排出部空間側に噴射ノズル14が備わり、保持部材12の排出部空間に対向する面に圧縮空気を噴射する形態となる。この形態では、噴射ノズル14の噴射口の設置箇所は、排出部側であって、保持部材12の面に圧縮空気を噴射可能であれば、特に限定されない。特に袋状の保持部材12における開口端の近傍に噴射ノズル14が備わる形態は、圧縮空気の損失が抑制されるので好ましい。近傍とは、図1に示すように例えば、保持部材12の径(プリーツフィルタの場合は、襞2の基端部2b、2b、・・・を通って形成された略円の径)をxとしたとき、保持部材12における開口端と噴射ノズル14との距離14Lがxの1.5倍以下、好ましくは1倍以下であるとよい。xの1.5倍を超えると、噴射ノズル14から噴射された圧縮空気が分散されてしまい、保持部材12から吸着剤を剥離させる効果が期待できないおそれがある。
噴射ノズル14から圧縮空気が噴射される手法は、公知の手段を適宜採用できる。例えば、噴射ノズル14と空気圧縮装置、例えば、コンプレッサ、とが空気供給管で接続された設備を用意し、空気圧縮装置で生成された圧縮空気が空気供給管を通って噴射ノズル14から噴射される手法を挙げることができる。
噴射ノズル14の噴射口の径は適宜調節できるが、例えば25〜50mmとすることができる。25mm未満だと噴射範囲が狭いため、保持部材12から吸着剤200が十分に剥離されないおそれがある。50mm超だと噴射範囲が広過ぎ、噴射するための圧縮空気量が多くなり効率的ではない。
噴射ノズル14から圧縮空気が200〜900kPa、より好ましくは300〜500kPaとするとよい。200kPa未満だと吸着剤200層を構成する吸着剤200の剥離が十分になされない。900kPaを超えると噴射時の音量が大きく騒音の原因となるおそれがある。
(脱離装置)
揮発性有機化合物が吸着した吸着剤200は、吸着剤200の出入部15から流出させて、廃棄してもよいが、揮発性有機化合物を加熱して脱離し、再生された揮発性有機化合物を、再度、吸着するのに使用してもよい。吸着剤200を加熱して、揮発性有機化合物を脱離させる脱離装置50を設けることができる。揮発性有機化合物を吸着した吸着剤200は、保持部材12から剥離されて、脱離装置50へ送られ、加熱処理される。
脱離装置50の加熱温度は、揮発性有機化合物の構成成分によって適宜調節するとよいが、例えば、350℃以上とするとよい。350℃未満だと揮発性有機化合物の脱離又は酸化分解がされ難い。なお、脱離装置50に導入される吸着剤200の温度が、加熱温度に対して低いと、連続してこの脱離装置50で吸着剤200を加熱する際、この吸着剤200で脱離装置50が冷やされてしまう。そこで、流路T12にヒータ74を設け、このヒータ74で、例えば、300℃以上に加熱された揮発性有機化合物を、流路T4を流れる吸着剤200に合流させて、この吸着剤200を加温して脱離装置50に導入すると、脱離装置50が急冷され難くなり、好ましい。
脱離装置50は公知のものを適宜用いることができるが、例えば、特許第6140326号や特許5317885号に開示される装置を適用できる。この装置の概要は次記に示すものである。この装置は、回転キルンの一方の端部に吸着剤200の装入口、他方の端部に排出口と揮発性有機化合物の排気口を有する加熱キルンタイプのものである。加熱キルンは、外熱キルン又は内熱キルンとすることができる。
装入口から揮発性有機化合物を吸着させた吸着剤200を装入し、加熱キルンの転動回転により、吸着剤200と共に装入した触媒と接触させるとともに、所定温度に加熱して、揮発性有機化合物の脱離を行い、処理済みの再生吸着剤200は排出口から排出して、揮発性有機化合物は排気口から排気するように構成したものである。吸着剤200は、ホッパ、切出しフィダー、供給フィダーにより回転キルンに装入する。回転キルン内には、内容物(吸着剤200Sと触媒)を撹拌する手段を設けることができる。また、キルン内部もしくは内容物の排出口側に温度検出手段を設けて、その結果に基づき温度制御を行うことができる。排気口には、吸着剤200を通さず揮発性有機化合物を透過して分離するフィルタ51を設けるとよい。このフィルタ51を備えることで、送風で容易に搬送される程度の密度、大きさの吸着剤200と、揮発性有機化合物と分離することができる。
酸化分解触媒は、セリウムの炭酸塩及びコバルトの炭酸塩の混合物を焼成した複合酸化物を主体とするCo,Ce酸化物系触媒、白金系触媒、三酸化二クロム(Cr23)、五酸化バナジウム(V25)、二酸化チタン(TiO2)、三酸化タングステン(WO3)及びこれらの併用物の群から選ぶことができる。
Co,Ce酸化物系触媒としては、市販の「ボール型Co,Ce酸化物系触媒」(三協興産から提供されている)を使用できる。また、これに関しては、特許第5717491号、特許第5422320号、特許第5414719号の発明が知られており、その発明の適用分野、成分、製造方法、特徴的な作用効果などが知られている。また、市販のCo,Ce酸化物系触媒を使用するほか、前記特許群に基づいて触媒を得る(製造して使用する)こともできる。
前述の脱離装置50のほか、吸着剤をセラミックフィルタに付着させて加熱し、吸着剤200に吸着した揮発性有機化合物を脱離する脱離装置を例示できる。この脱離装置は、吸着剤200の装入口と排出口と吸着剤の流出口とを備えるケースと、ケース内の、挿入口側の空間と排出口側の空間を隔離するセラミックフィルタを有する。セラミックフィルタは気体を透過するが、吸着剤を透過しない。吸着剤の流出口は排出口側空間に備わる。また排出口側に送風装置を備えてもよい。この脱離装置の装入口からケース内部に吸着剤200が気体と共に挿入されてセラミックフィルタに付着する。そして、加熱処理し、吸着剤から脱離した揮発性有機化合物は排出口から排出される。また、加熱処理後の吸着剤は、吸着剤の流出口から脱離装置の外部に流出される。吸着剤200をセラミックフィルタから剥離させるには、セラミックフィルタを振動させたり、送風装置による風圧力をセラミックフィルタに加えたりする手法を採ることができる。
脱離装置50で1回に加熱する吸着剤200の容量は、特に限定されないが、16リットル程度とするとよい。16リットルは、およそ、通常稼働時における、吸着部材12に保持される吸着剤200の容量である。加熱時間は吸着剤200の質量にもよるが、吸着剤200が8kgであれば、350℃で3〜5分とするとよい。3分未満だと、吸着剤200に吸着した揮発性有機化合物の脱離が不十分となるおそれがある。吸着剤1gに対して25質量%、揮発性有機化合物が吸着するとすると、脱離装置50で加熱を1回行うと、2kgの揮発性有機化合物が脱離することになる。また、1回の加熱時間を5分と仮定すると、当該脱離装置50は、毎分0.4kgの揮発性有機化合物を脱離できることになる。なお、脱離装置50で加熱された吸着剤自身の温度は、220℃以上となる。
(加熱手段)
加熱手段55は、吸着剤200が流れる第1流路を加熱することで、この流路内の吸着剤200を予熱するものである。加熱手段55は、第1流路(流路T2、流路T3、流路4)に設けることができる。しかしながら、回収容器30を設ける場合は、第1流路における回収容器30の下流側に設けるとよい。回収容器30は計量器33を備え、回収した吸着剤の量を計量できるので、吸着剤200を適量切り出して、加熱手段によって予熱することができる。加熱手段55は、公知の手段を適宜用いることができるが、例えば、水蒸気や炎、バーナ、熱交換器等で熱する手段を用いることができる。
加熱手段55を第1熱交換器55aとする場合は、この第1熱交換器55aが、第2流路を流れる高温の揮発性有機化合物で、第1流路を流れる吸着剤を予熱するものであるとよい。第1流路を流れる吸着剤200が脱離装置50で加熱される前に第1熱交換器55aで予め加熱されることで、吸着剤200に吸着された揮発性有機化合物の気化が促進される。また、吸着剤200が比熱の高い材質であっても予熱されることで、脱離装置50で揮発性有機化合物を気化するのにかかる時間(処理時間)が短縮され、好ましい。
第1熱交換器55aについて、吸着剤の流路の容積が、保持部材12に保持される吸着剤の両以上とするとよい。例えば、保持部材12に保持される吸着剤の量が16Lであれば、同吸着剤の流路の容積を16L以上とするとよい。このようにすると、保持部材12から剥離した吸着剤の全量を第1熱交換器55a内の同流路に留めておき、同流路のうちの吸着剤で満たされた部分を、一度に予熱することができる。吸着剤の材質にもよるが、第1熱交換器55aが吸着剤を予熱する時間は3〜5分とするとよい。この予熱により吸着剤は200℃以上となる。また、なるべく早く吸着剤の温度を上げるために第1熱交換器55aの伝熱面積は4m3以上、好ましくは5m3以上とするとよい。
この第1熱交換器55aは、吸着剤が気体と共に流れる流路と、脱離装置50から流出される揮発性有機化合物を含む気体が流れる流路を有し、この揮発性有機化合物を含む気体によって、吸着剤を予熱するものである。脱離装置50で350℃以上となった、この揮発性有機化合物を含む気体を1〜2回流して、吸着剤が気体と共に流れる流路を加熱する。この揮発性有機化合物を含む気体を吸着剤の予熱に用いることで、脱離装置50で吸着剤を加熱する熱量やヒータ74で消費する熱量を抑制できる。
第1熱交換器55aの材質は、公知の熱交換器に用いられる材質とすることができるが、一例に、銅、ステンレス鋼、チタンを用いるとよい。特に、ステンレス鋼(SUS)が耐熱性、耐腐食性に優れるため望ましい。熱伝導が効率よく行われるように、吸着剤が気体と共に流れる流路の厚みは、0.4〜1mm、好ましくは0.5mmとするとよい。
この第1熱交換器55aの流路のうち、少なくとも吸着剤が流れる流路の出口に、吸着剤及び気体の流通を遮るダンパV4を設けるとよい。ダンパV4は特に限定されないが、耐熱性を備えた、メタルタッチ式のものを好適に用いることができる。第1熱交換器55aで吸着剤を予熱すると、吸着剤に吸着された揮発性有機化合物の一部が気化する。ダンパV4の開閉操作でこの気化物を第1熱交換器55aの外へ逃がすようにする。
第1熱交換器55aは、公知の熱交換器を用いることができるが、例えば、プレート式熱交換器やチューブ式熱交換器を用いることができる。また、第1熱交換器55aは吸着剤200と共に流れる気体と、加熱装置50から排出される気化した揮発性有機化合物とで熱交換を行うことから、気気熱交換器ということもできるし、固気熱交換器ということもできる。
図9に示すように、第3流路を流れる凝縮されなかった低温の揮発性有機化合物で第2流路を流れる揮発性有機化合物を冷却する第2熱交換器56aを備える形態では、第2熱交換器56aは、低温の揮発性有機化合物が流れる流路と、第2流路を流れる揮発性有機化合物が流れる流路とを有する。すなわち、第2熱交換器56aを流れる物質は主に気体である。よって、第2熱交換器56aは、公知の熱交換器を適宜用いることができる。
特許文献1の揮発性有機化合物の除去装置は、吸着剤をハニカムロータに固定させて、揮発性有機化合物の吸着、脱離を行って、揮発性有機化合物を除去するものである。脱離の手法は、ハニカムロータの脱着ゾーンに形成された多数の孔に加熱気体を通過させて、揮発性有機化合物の気化を促して、脱離するものである。吸着剤はハニカムロータの孔の内壁に固定されたままの姿勢で加熱気体に曝されることになる。そうすると、例えば、加熱気体が、脱着ゾーンの上流側では高温であるが、下流側に流れるにつれて低温化する。具体的に言うと、脱着ゾーンの上流側で、揮発性有機化合物の気化熱に、加熱気体の熱量が、活発に奪われ、熱エネルギーが低下してしまう結果、下流側に至るころには、加熱気体が、吸着剤に吸着した揮発性有機化合物を十分に気化するだけの熱量が備わっていない場合があり得る。また、吸着剤個々の表面のうちの、加熱気体の流れに対向する側の面は、加熱されるものの、加熱気体の流れに対向する側の面ではない面は、加熱されにくい傾向となる。吸着剤が断熱材質である場合は、特にこの傾向が顕著になる。よって、ハニカムロータに固定される吸着剤の位置(すなわち、上流側か下流側か)により、揮発性有機化合物の脱離度合が異なるし、吸着剤個々の部位においても、脱離度合が異なることになる。脱離がされにくければ、揮発性有機化合物の回収効率がよいとは言えない。これに対して、図10に示すように、保持部材12に保持された吸着剤200は、第1流路(流路T1、流路T2、流路T3、流路T4)に備わる加熱手段55で予熱され、脱離装置50で加熱される。そして、加熱手段55で予熱されるときと、脱離装置50で加熱されるときでは、吸着剤200の姿勢が異なる。予熱で揮発性有機化合物の一部が気化・脱離し、脱離装置50による加熱で残りが気化・脱離する形態となっている。そのため、本形態では、特許文献1と比較しても、吸着剤200からの揮発性有機化合物の脱離が促進され、結果、揮発性有機化合物の回収効率がよいものとなっている。
加熱手段55から流出した吸着剤200は、3秒以内に脱離装置50に流入させるとよい。3秒より長いと吸着剤200が冷え過ぎたり、脱離した揮発性有機化合物が吸着剤200に再吸着したりして、揮発性有機化合物の回収効率が低下するおそれがある。
(吸着剤の流動)
出入部15から保持容器10の外部へ、剥離した吸着剤200を流出させる手法を以下に例示する。脱離装置50に送風装置を備え、この送風装置を稼働させて、第1流路内を負圧にすることで、吸着剤200を気体と共に脱離装置50へ流す手法を挙げることができる。このほかにも、保持部材12の下部に、第1流路を設け、この第1流路の下部に脱離装置50を設けて、重力で剥離した吸着剤200を流出させ、脱離装置50に導く手法も挙げることができる。また、第2流路を備える場合には、この第2流路に送風装置73を設け、この送付装置73を稼働させて、第2流路及び第1流路を負圧にして、吸着剤200を気体と共に脱離装置50へ流す手法としてもよい。
脱離装置50で再生した吸着剤200を再び、保持部材12に付着させる場合は、以下の手法で行うことができる。図9に示すように、吸着剤の循環流路110と揮発性有機化合物の循環流路120を備える形態において、送風装置73を稼働させて、回収装置90から第3流路(流路T11)を介して脱離装置50に揮発性有機化合物を含む気体が流れる気流を発生させる。ここで、流路T7に備わる開閉バルブV14と、流路T2に備わる開閉バルブV12を閉じておくと圧力損失が少なくて済み好ましい。脱離装置50にある再生済みの吸着剤が、第3流路(流路T11)から脱離装置50に流入した気体と共に流路T5、流路T6、流路T1を流れて保持部材12に達し、この保持部材12に付着する。
送風装置73には、正圧運転及び負圧運転が可能なブロワやコンプレッサを用いることができる。送風装置73の風量は、2m3/分以上、好ましくは4m3/分以上であればよい。2m3/分未満だと、吸着剤200が吸着剤の循環流路110を滑らかに流れにくく、また、保持部材12へ付着しづらい。
吸着剤の循環流路110では吸着剤200が気体と共に流れ、揮発性有機化合物の循環流路120では揮発性有機化合物が気体と共に流れるが、この気体は、空気や不活性ガスとするとよく、特に、窒素ガスの割合が空気よりも多い気体とするとよい。窒素ガスの割合が空気よりも多い気体は、例えば、VSA設備等で製造可能である。吸着剤200と共に流す気体、又は揮発性有機化合物と共に流す気体は、どこからでも流路内に導入してよいが、例えば、脱離装置50に当該気体の導入部を設けて、脱離装置50内に当該気体を導入するとよい。
なお、吸着剤200が保持部材12に十分に保持されたかどうかの判断は、保持部材12の供給部側と排出部側のそれぞれの空気圧力差や揮発性有機化合物の濃度差に基づき行うことができる。揮発性有機化合物の濃度差を判断基準にして十分な付着を判断するのは容易であり、吸着剤200が保持部材12に十分に保持されていれば、揮発性有機化合物の濃度は、供給部側では定量下限を超える場合でも、排出部側では定量下限未満となる。揮発性有機化合物の濃度計としては、公知の濃度計を適宜用いることが可能であるが、例えば、光明理化学工業株式会社の製品「北川式ガス検知器」を採用することができる。
吸着剤200の出入部15は、保持容器10内に設けることができる。気流がなければ吸着剤200は、自重で重力により自由落下する性質を有する。この性質を考慮すれば、例えば、出入部15は、保持部材12の鉛直方向下方に設けるとよく、特に保持容器10における鉛直方向の下部に設けるとよい。保持部材12の下方に設けておけば、保持部材12から剥離して自由落下した吸着剤200が保持部材12の下方に溜まるので、吸着剤200の排出(流出)が容易であり、また小さい流出風量で吸着剤200の流出が可能であるという利点がある。
(回収容器)
図9に示すように、保持部材12から剥離した吸着剤200を回収するための回収容器30を第1流路のうちの、加熱手段55の上流側に設けることができる。回収容器30は、本体32と、吸着剤200の流入部と流出部と回収容器内の吸着剤200の質量を計量する計量器33と、回収された吸着剤200を流出部から加熱手段55へ切り出す第1ダンパV3とを備えることができる。
(保存容器)
図9に示すように、脱離装置50の排出部から排出された吸着剤200を保存する保存容器40を設けることができる。保存容器40は、本体42と吸着剤200の流入部と流出部と保存容器内の吸着剤200の質量を計量する計量器43と、保存された吸着剤200を流出部から外部へ切り出す第2ダンパV5とを備えることができる。第2ダンパV5から切り出された吸着剤200は、廃棄されてもよいし、再度、保持部材12に保持させて、さらなる揮発性有機化合物の吸着に用いられてもよい。脱離装置50の排出部と保存容器40の流入部とは流路T5で接続され、第2ダンパV5に一端が接続された流路T6は、他端を流路T1又は保持容器10の出入部15に接続されたものとすることができる。
(第1処理フロー)
図10を参照しつつ、揮発性有機化合物を回収するフローの一例を説明する。
揮発性有機化合物が分散する気体A中に吸着剤を保持した保持部材12を設置する。吸着剤への揮発性有機化合物の吸着量が所定量に達すると、吸着剤200が破過し始める。吸着剤200の破過が始まった時点又はその直前で、保持部材12から吸着剤を剥離する。保持部材12から吸着剤を剥離するタイミングは、例えば次記のようにするとよい。保持部材12を気体A中に設置してから破過するまでにかかる時間を予め計測しておき、その計測に基づき、その設置してから破過するまでにかかる時間が経過したときに剥離するとよい。
吸着剤200の破過が始まった時点又はその直前で、保持部材12から吸着剤200を剥離する。剥離した吸着剤200は気体と共に第1流路を流れ、加熱手段55により150℃以上、好ましくは200℃以上に予熱される。この予熱により、吸着剤200に吸着された揮発性有機化合物の一部が、気化して、この吸着剤200から脱離する。ここで、脱離した揮発性有機化合物は、脱離装置50を経由して、回収装置90で凝縮されて回収される。ここで、第1流路を流れる吸着剤200を振動させる振動手段を用いると、第1流路で吸着剤200が密になり、加熱手段55による熱エネルギーが無駄なく吸着剤200に伝導され好ましい。
予熱された吸着剤200は、脱離装置50に流れ込み、350℃以上の雰囲気下で加熱される。この加熱で、吸着剤自体の温度は、220℃以上になる。この加熱により、吸着剤200に吸着されていた揮発性有機化合物が、気化して、この吸着剤200から脱離する。揮発性有機化合物が脱離した吸着剤200は、保存容器40などに保存される。
脱離装置50で気化した揮発性有機化合物は、回収装置70で冷却又は加圧されて凝縮し、回収される。
吸着剤200は、脱離装置50のみで加温されるだけでなく、第1流路においても予熱手段により加温される。揮発性有機化合物が脱離する温度(220℃以上)まで、吸着剤200が昇温するのにかかる時間が短くて済む。よって、吸着剤200の昇温にかかる時間が短いため、揮発性有機化合物の脱離速度が速い。
(第2処理フロー)
図9を参照しつつ説明すると、第2処理フローは、第1処理フローの変形であり、第1処理フローとの違いは、加熱手段55に第1熱交換器55aを用いる点である。よって、第2処理フローでは第1処理フローと異なる点を説明する。
保持部材12から吸着剤200を剥離する工程までは第1処理フローと同様である。剥離した吸着剤200は気体と共に第1流路を流れ、第1熱交換器55aにより150℃以上、好ましくは200℃以上に予熱される。この予熱により、吸着剤200に吸着された揮発性有機化合物の一部が、気化して、この吸着剤200から脱離する。ここで、脱離した揮発性有機化合物は、脱離装置50を経由して、回収装置90で凝縮されて回収される。
予熱された吸着剤200は、脱離装置50に流れ込み、350℃以上の雰囲気下で加熱される。この加熱で、吸着剤自体の温度は、220℃以上になる。この加熱により、吸着剤200に吸着されていた揮発性有機化合物が、気化して、この吸着剤200から脱離する。
脱離装置50で気化した揮発性有機化合物は気体と共に、第2流路(流路T7、流路T8、流路T9、流路10)を流れ回収装置70で冷却又は加圧されて凝縮し、回収される。ところで、気化した揮発性有機化合物が高濃度の状態になると引火し易くなる。この第2流路を流れる気体は揮発性有機化合物の濃度が高いことから、この第2流路に不活性ガスを注入して揮発性有機化合物の濃度を低下させるとよい。脱離装置50から流出した高温の揮発性有機化合物を含む気体を第1熱交換器55aに流して、吸着剤を予熱させる。第1熱交換器55aに流す揮発性有機化合物を含む気体はおよそ300℃程度となっている。また、第1熱交換器55aから流出した揮発性有機化合物を含む気体は170℃程度になっている。
(第3処理フロー)
図9を参照しつつ、揮発性有機化合物の回収フローの変形例を説明する。保持部材12に吸着剤200が保持されておらず、保存容器40には未使用の又は再生された吸着剤200が保存され、ダンパV1〜ダンパV5全て、開閉バルブV11〜V13全てが全閉である状態を初期状態とする。
<保持工程>
初期状態で先ず脱離装置50を外部と連通しておき外気を取り込めるようにする。第2ダンパV5、開閉バルブ11、ダンパV2を開く。送風装置73を稼働させて、回収装置70から第3流路(流路T11)、脱離装置50、保存容器40、流路T6を介して、気体を保持容器10に流れ込ませる。保存容器40に保存された吸着剤200が第2ダンパV5から切り出され、この気体と共に、保持容器10に流れ込み、保持部材12に保持される。第2ダンパV5から切り出される吸着剤200の量は、保持部材12に保持される量と等量程度するとよい。保持部材12に吸着剤200が保持され、吸着剤層が形成された段階で保持工程は終了し、吸着工程に移行する。脱離装置50は外部との連通を遮断し、外気を取り込めないようにする。
<吸着工程>
吸着工程では、先ずダンパV1を開き、ダンパV2〜ダンパV5、及び開閉バルブV11,V12を全閉にする。給気装置19aを運転して、気体供給部11から保持容器10に供給された気体Aが保持部材12を透過して、透過された気体Bが気体排出部13から排出される気流を発生させる。気体Aの透過量が所定量に達すると、吸着剤200が破過し始める。吸着剤200の破過が始まった時点又はその直前で、ダンパV1を閉じ、給気装置19aを停止する。吸着剤200が破過したかどうかの判断は、一例として、濃度計を用いて行うとよい。例えば、保持部材12における供給部側の空間と排出部側の空間とに濃度計62,62をそれぞれ設置して、排出部側の空間に設置した濃度計の数値が上昇を開始した時を、破過した時と判断する。なお、保持部材12における供給部側の空間には濃度計を設置しなくてもよい。
濃度計62,62の設置位置は、特に限定されない。例えば、排出部側の空間に設置する濃度計62であれば、気体排出部13又はこの近傍に設置するとよく、供給部側の空間に設置する濃度計62であれば、気体供給部11又はこの近傍に設置するとよい。気体排出部13又はこの近傍は、透過ガスBが集まる箇所であり、平均的な測定値となり易い。気体供給部11又はこの近傍も、揮発性有機化合物を含む気体Aが拡散される前の箇所であり、平均的な測定値となり易い。
図5に示すように一般的に吸着剤200が破過すると、揮発性有機化合物の濃度[C](すなわち、排出部側の空間に設置した濃度計62の濃度測定値)が次第に上昇し、吸着剤200が機能しなくなることが知られている。特に揮発性有機化合物の濃度[C]が上昇し出した時点を、破過点61という。図5は、吸着剤200にヤシガラ活性炭を使用し、揮発性有機化合物に分類されるアセトアルデヒドガスを吸着剤200に曝した場合の破過曲線60を示し、縦軸がアセトアルデヒドの濃度[C]、横軸が時間[T]を示している。
吸着剤200が破過したと判断された段階、又は揮発性有機化合物を含む気体Aを所定時間、供給した段階で吸着工程は終了し、剥離工程に移行する。
<剥離工程>
剥離工程は、ダンパV1〜V5全てを全閉にし、開閉バルブV11は開いていても閉じていてもよいが、閉じていた方が好ましい。開閉バルブV12は開いておくとよい。噴射ノズル14から圧縮空気を噴射させる。圧縮空気が噴射されると、保持部材12が排出部側に膨らんで変形したり振動したりして、付着された吸着剤200が保持部材12から剥離される。剥離した吸着剤200は自由落下する。特に保持部材12が前述のプリーツフィルタである場合は、プリーツフィルタが支持体18に張設されており、圧縮空気の噴射を受けて振動し、このプリーツフィルタに付着した吸着剤200が剥離する。
吸着部材12と噴射ノズル14との組が複数設置されている(図11や図2では2組設けられている)場合は、圧縮空気を、第1噴射ノズル14から噴射させ、次いで第2噴射ノズルから噴射させ、次いで第3噴射ノズルから噴射させる、次いで第4噴射ノズルから、・・・というように、順次噴射させることができる。また、順次噴射させて一巡した後、もう一巡、第1噴射ノズル14から順次噴射させていってもよい。さらに、複数の噴射ノズル14,14,・・・から圧縮空気を一斉に噴射させてもよい。圧縮空気を噴射させると大きな音を伴うが、順次噴射させることで、一度に噴射させたときよりも音量が小さくなる。一方、複数の噴射ノズル14,14,・・・から圧縮空気を一斉に噴射させると、剥離工程の時間短縮になる。また、順次噴射させたときよりも、一斉に噴射させたときの方が、保持容器10内の気圧の変化が大きなものとなり、吸着剤200の剥離がより促進される。
噴射ノズル14の噴射が終了した段階(噴射ノズル14が複数ある場合は、噴射ノズル14全ての噴射が終了した段階)で剥離工程は終了し、予熱工程に移行する。
<予熱工程>
予熱工程は、先ずダンパV2を開いて剥離した吸着剤200を気体と共に回収容器30に導く。重力で導いてもよいし、ダンパV3,V4を開けて送風装置73を稼働し、第1流路(流路T1,流路T2,流路T3)を負圧にして吸引してもよい。
回収容器30は、保持部材12に保持された吸着剤200の全部を少なくても回収できる容積とするとよい。回収容器30には計量器33が備わり、回収容器30に回収された吸着剤200の質量を計量できるようになっている。
回収容器30の第1ダンパV3から切り出された吸着剤200は、第1熱交換器55aに流入して、第1熱交換器55a内で一旦留まる。吸着剤200が留まった状態で、第1熱交換器55aで3〜5分予熱される。予熱され200℃程度となった吸着剤は脱離装置50に送られる。ここで、第1熱交換器55aは、第1流路(流路T2、流路T3、流路T4)と第2流路の一部(流路T7、流路T8)に跨って設置されている。なお、第1熱交換器55aに留める吸着剤200の量は、保持部材12から剥離した吸着剤200の量とするとよい。剥離した当該吸着剤200を予熱することで、脱離装置50から排出された揮発性有機化合物を含む高温気体の熱量を有効に利用できる。
<加熱再生工程>
加熱再生工程は、脱離装置50内の温度を350℃以上に加熱して、吸着剤200に吸着された揮発性有機化合物を気化して脱離する、とともに吸着剤200を再生する工程である。再生された吸着剤200は保存容器40に送られ、保存される。
<冷却工程>
一方、脱離した高温の揮発性有機化合物は、第2流路(流路T7,流路T8,流路T9,流路T10)に設けられた前述の第1熱交換器55aに流入し、吸着剤200に熱を奪われ、170℃程度で当該第1熱交換器55aから流出する。そして、第1熱交換器55aから流出した揮発性有機化合物が、第2熱交換器56aに流入し、第3流路(流路T11、流路T12)を流れる揮発性有機化合物を加熱する、と同時に95℃程度に冷却されて、この第2熱交換器56aから流出される。ここで、第2熱交換器56aは、第2流路の一部(流路T8、流路T9)における第1熱交換器55aの下流と第3流路(流路T11、流路T12)に跨って設置されている。また、第2流路(流路T9、流路T10)における第2熱交換器56aの下流に冷却器72を設けることができる。この冷却器72により、第2熱交換器56aから流出した揮発性有機化合物を37℃程度まで冷却して、回収装置70に送ると、回収装置70での凝縮にかかるエネルギーを低減でき経済的である。
<回収工程>
第2熱交換器56aから流出した揮発性有機化合物は、回収装置70に流入し、凝縮部90で加圧及び/又は冷却され、凝縮されて、回収部80で回収される。回収装置70で凝縮されなかった揮発性有機化合物は、気体と共に、第3流路(流路T11、流路T12)に設置される第2熱交換器56aに流入し、加熱されて当該第2熱交換器56aから流出して流路T4又は脱離装置50に流入する。第3流路の下流端は、脱離装置50又は流路T4に接続される形態とすることができる。特に流路T4に接続される形態であれば、ヒータ74を流路T12に設け、このヒータ74で350℃程度に加熱された揮発性有機化合物を含む気体が、流路T4を流れる吸着剤に合流して、吸着剤の温度を高めるので、その下流の脱離装置50での加熱に要するエネルギーを節約でき好ましい。
<返送工程>
回収装置70から第1流路又は保持容器10へ、当該回収装置70で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる返送流路T14と、この返送流路T14に備わる開閉バルブ13を有する場合は、この開閉バルブV13を開いて、回収装置70で凝縮されなかった揮発性有機化合物を気体と共に第1流路又は保持容器10へ流すとよい。回収装置70では揮発性有機化合物が気液平衡状態にあり、気体の揮発性有機化合物の濃度が高まると、揮発性有機化合物が引火し易くなる。そこで、気体の、すなわち、凝縮されなかった揮発性有機化合物を返送流路T14に流すことで、回収装置70内における気体の揮発性有機化合物の高濃度化を抑制することができる。
第3処理フローでは、吸着剤200について保持工程、吸着工程、剥離工程、予熱工程、加熱再生工程を繰り返し行う、すなわち、吸着剤の循環流路110に沿って吸着剤200を循環させることで、破過した吸着剤200が保持部材12から剥離して再生され、再生した吸着剤200が同保持部材12に再び保持されることになると同時に、建屋内に分散する揮発性有機化合物が減少する。また、吸着剤200に吸着された揮発性有機化合物について、予熱工程、加熱再生工程、冷却工程、回収工程を繰り返し行う、すなわち、揮発性有機化合物の循環流路120に沿って揮発性有機化合物を空気と共に循環させることで、揮発性有機化合物が効率よく回収される。
第3処理フローを用いて、建屋内の揮発性有機化合物の回収を行うと、気体Aを流量1500m3/分で保持部材12を透過させ、送風装置73の気体流量を4m3/分とした場合、濃縮倍率は375倍(=(1500m3/分)/(4m3/分))と考えられる。建屋内の揮発性有機化合物の濃度が50ppmとし、揮発性有機化合物の全量が吸着剤200に吸着されるとすると、回収装置70に流入する気体中の揮発性有機化合物濃度は1.88%(≒50ppm×375倍)となり、相対的に高い濃縮率となる。
吸着剤200を保持部材12から剥離して、再生して、再度保持部材12に保持させるまでにかかる時間は720〜900秒程度であり、揮発性有機化合物を取り扱う作業を停止する時間の短縮化が図られ、同作業が効率の良いものとなる。これに対して、特開第2017−87150号公報に開示される、いわゆるハニカムロータを用いた揮発性有機化合物の除去システムでは、揮発性有機化合物を取り扱う作業を停止している間に、吸着剤200は、吸着された揮発性有機化合物を脱離して、冷却を行わなければならない。結果、揮発性有機化合物を取り扱う作業を停止する時間が長く、同作業を効率良く行うことができるものとは言い難い。
(第4処理フロー)
第4処理フローは、第3処理フローの変形であり、第3処理フローとの違いは、保持容器10を複数台設けていることである。保持容器10の設置台数は、例えば、2台以上、好ましくは5〜10台とすることができる。図12は、保持容器10が2台備わる場合の回収システムの全体図である。図9と異なる点を説明すると、流路T1は、一端を流路T2に接続し、他端を分岐させて、第1の保持容器10の出入部、第2の保持容器10の出入部、第3の保持容器10の出入部、・・・にそれぞれ接続している。分岐させた流路には、それぞれ開閉バルブV21,V21′を設けるとよい。返送流路T14は、一端を回収装置70に接続し、他端を分岐させて、第1の保持容器10の供給部11、第2の保持容器10の供給部11、第3の保持容器10の供給部11、・・・にそれぞれ接続している、又は流路T1に接続している。分岐させた流路には、それぞれ開閉バルブV13,V13′を設けるとよい。
第4処理フローでは、例えば、5台設置して稼働させた場合を例に説明すると、第1保持容器10〜第5保持容器10の5台を同時に稼働させる。仮に第1保持容器10の吸着剤層が最も早く破過した場合、この第1濾過容器10のみ稼働を停止させる。前述の第3処理フローに従って、この第1保持容器10に対して、吸着剤200について循環工程(具体的には、剥離工程、予熱工程、加熱再生工程、保持工程、吸着工程)を繰り返し行う。
次いで、第2濾過容器10の吸着剤層が破過した場合、この第2濾過容器10のみ稼働を停止させる。前述の第3処理フローに従って、この第2濾過容器10に対して、吸着剤200について循環工程(具体的には、剥離工程、予熱工程、加熱再生工程、保持工程、吸着工程)を繰り返し行う。
さらに、別の濾過容器10の吸着剤層が破過した場合も、前述同様に、濾過容器10に対して、同循環工程を行うとよい。
このように、吸着剤層が破過した濾過容器10のみを停止し、その他の濾過容器10は稼働を継続することで、揮発性有機化合物が含まれる雰囲気下で、作業者は作業を連続して行うことができる。
本実施形態の回収システムを用いて、トルエンの除去性能を調べた。所定容積の容器内の空間にトルエンを、いわゆる、塗装作業用スプレーガンで噴射した。噴射量は0.1kg/分とした。同凝回収システム内のトルエンを含むガスの風量を150m3/分とした。実施例に用いたトルエンは、ダンケミカル株式会社製のトルオール(トルエン濃度99.9%以上)であった。トルエン濃度の測定は、「北川式ガス検知器VOC(揮発性有機化合物)濃度計」で行った。吸着剤200は、クラレケミカル株式会社製の粉末活性炭「クラレコール PK−D(登録商標)」を用いた。保存容器40からの活性炭の切り出し速度を1kg/分とした。吸着部材12には前述のプリーツフィルタを用い、その素材に東レ株式会社のポリエステル長繊維不織布「アクスター」(登録商標)のG2260−1S BK0を用いた。活性炭は、濾過フィルタの濾過面に層の厚みが3mm、付着量1.5kg/m2となるように層状に付着させた。
トルエンが噴射された雰囲気が入っている容器から保持部材12の気体供給部11に気体を風量150m3/分で供給した。気体供給部11と気体排出部13それぞれのトルエン濃度を所定の時間(経過時間)ごとに測定した。供給される気体に含まれるトルエン濃度を変えて、試験例1〜試験例4とした。測定結果を表1に示す。
Figure 0006917646
試験例1〜試験例4における全ての経過時間で、気体排出部におけるトルエン濃度が0ppmとなった。この結果から、トルエンの回収率が100%であることが分かる。なお、回収率は次式[数1]より求められる。
[数1]
(トルエン回収率(%))=((気体供給部におけるトルエン濃度)―(気体排出部におけるトルエン濃度))÷(気体供給部におけるトルエン濃度)×100
特許文献1に代表されるロータ式揮発性有機化合物回収システムでは、ロータが例えば、ハニカムロータ形式となっており、吸着剤200がこのロータに付着されている。揮発性有機化合物を含むガスがハニカムロータに設けられた多数の孔を通過する際に、揮発性有機化合物がこれら孔の内壁に固定された吸着剤200に吸着される。しかしながら、この形状だと孔個々における中心側には、吸着剤が設けられず、同孔が吸着剤200で完全に塞がっているわけではないので、揮発性有機化合物の一部が吸着されずに当該孔を透過する。結果として、ロータ式における揮発性有機化合物の回収率は、およそ80〜90%となる。回収率で比較すると、本発明の回収システムの方がロータ式のシステムよりも優れているといえる。
(付記)
前述した態様以外にも、望ましい態様を次記に示す。
<付記1>
前記吸着容器は、前記吸着剤を剥離可能に付着して、吸着剤層が片面全体に形成された濾過フィルタと、前記気体の供給部及び排出部とを備え、
前記供給部から供給された前記気体が、前記濾過フィルタを透過して、前記排出部から排出される、
態様1の揮発性有機化合物の回収システム。
<付記2>
前記回収装置で前記凝縮されなかったものを、前記回収装置から前記吸着容器へ戻す返送流路が備わる、
態様1の揮発性有機化合物の回収システム。
<付記3>
前記吸着剤の嵩比重が0.4〜1.5g/cm3である、
態様1の揮発性有機化合物の回収システム。
<付記4>
建屋内の気体中に分散した揮発性有機化合物の回収システムであって、
前記揮発性有機化合物を吸着する吸着剤を剥離可能に多数、保持する保持部材と、
前記保持部材から剥離した前記吸着剤が気体と共に流れる第1流路と、
前記第1流路から流出した前記吸着剤を加熱して、当該吸着剤に吸着された前記揮発性有機化合物を脱離する脱離装置と、
脱離した前記揮発性有機化合物を凝縮して回収する回収装置と、
前記第1流路と、前記脱離装置から前記保持部材へ、前記吸着剤が気体と共に流れる流路とからなる循環流路と、
前記第1流路を加熱する加熱手段とを備え、
前記第1流路を流れる前記吸着剤が、前記加熱手段で予熱される、
ことを特徴とする揮発性有機化合物の回収システム。
(定義等)
・揮発性有機化合物の概念に含まれる、揮発性有機化合物とは、有害大気汚染物質に係る環境基準に規定される物質である、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンや、室内汚染物質である、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン、テトラデカン、クロルピリホス、フェノブカルブ、ダイアジノン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルへキシルを挙げることができる。また、揮発性有機化合物として、労働安全衛生法に基づき定められた有機溶剤中毒予防規則により、同法施工令別表第6の2に規定される、クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、ベンゼン、ホルムアルデヒド、アセトン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルエーテル、キシレン、ジクロルメタン、スチレン、テトラクロルエチレン、トリクロルエチレン、トルエン、ノルマルヘキサン、メタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチル−ノルマル−ブチルケトンなど54種類の有機溶剤を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
・上流方向USとは、保持部材12において、気体供給部と気体排出部を結んだ直線であって、気体供給部側の方向をいい、下流方向DSとは、同直線であって気体排出部の方向をいうことができる。また、保持部材12が袋状のフィルタである場合であって、同フィルタの開口側とこの開口に対向する、閉じた側とを結ぶ直線を仮定したとき、この直線であって開口側の方向を下流方向DS、この開口に対向する、閉じた側の方向を上流方向USということができる。
本回収システムは、揮発性有機化合物が発生する環境下で利用可能である。
10…保持容器、11…気体供給部、12…保持部材、13…気体排出部、14…噴射ノズル、15…出入部、30…回収容器、40…保存容器、50…脱離装置、55…加熱手段、56…冷却手段、73…送風装置、70…回収装置、80…回収部、90…凝縮部、100…揮発性有機化合物の回収システム、200…吸着剤。

Claims (5)

  1. 建屋内の気体中に分散した揮発性有機化合物の回収システムであって、
    前記揮発性有機化合物を吸着する吸着剤を剥離可能に多数、保持する保持部材と、
    前記保持部材から剥離した前記吸着剤が気体と共に流れる第1流路と、
    前記第1流路から流れ込んだ前記吸着剤を加熱して、当該吸着剤に吸着された前記揮発性有機化合物を脱離する脱離装置と、
    脱離した前記揮発性有機化合物を凝縮して回収する回収装置と、
    前記第1流路を加熱する加熱手段と
    前記脱離装置から前記回収装置へ、前記吸着剤から脱離した高温の揮発性有機化合物が気体と共に流れる第2流路とを備え、
    前記加熱手段が、前記第2流路を流れる前記高温の揮発性有機化合物で前記第1流路を流れる前記吸着剤を予熱する第1熱交換器である、
    ことを特徴とする揮発性有機化合物の回収システム。
  2. 前記第2流路における前記第1熱交換器の下流に備わり、当該第2流路を冷却する冷却手段と、
    前記回収装置から前記脱離装置へ、当該回収装置で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる第3流路とを有し、
    前記回収装置は、前記第2流路から流入した前記揮発性有機化合物を冷却して凝縮し、回収するものであり、
    前記冷却手段が、前記第3流路を流れる前記凝縮されなかった低温の揮発性有機化合物で前記第2流路を流れる前記揮発性有機化合物を冷却する第2熱交換器である、
    請求項に記載の揮発性有機化合物の回収システム。
  3. 前記回収装置から前記第1流路へ、当該回収装置で凝縮されなかった揮発性有機化合物が気体と共に流れる返送流路を有する、
    請求項1又は請求項2に記載の揮発性有機化合物の回収システム。
  4. 前記第1流路を流れる前記吸着剤を振動させる振動手段を有する、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物の回収システム。
  5. 前記加熱手段は、前記第1流路のうちの、前記吸着剤で満たされた部分を加熱するものである、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物の回収システム。
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