JP6917375B2 - 血液がんの治療または予防に有用な化合物および方法 - Google Patents

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Description

急性骨髄性白血病または急性非リンパ性白血病(ANLL)としても知られる急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄に蓄積し、正常な血液細胞の産生を妨げる異常な白血球の急速な増殖を特徴とする血液細胞の骨髄系統のがんである。AMLは成人に発症する最も一般的な急性白血病であり、その発生率は年齢と共に増加する。AMLは比較的稀な疾患であり(米国におけるがん死亡の約1.2%を占める)、その発生率は高齢化するにつれて増加すると予想される。
AMLの症状は、正常な骨髄が白血病細胞に置き換えられることによって引き起こされ、赤血球、血小板および正常な白血球の低下を引き起こす。これらの症状には、疲労、息切れ、容易なあざおよび出血、ならびに感染リスクの増加が含まれる。いくつかの危険因子および染色体異常が同定されているが、AMLの具体的な原因は現時点では不明である。急性白血病として、AMLは急速に進行し、典型的には未治療のまま放置すると、数週間または数ヶ月以内に致死的となる。
AMLにはいくつかのサブタイプがあり、治療および予後はサブタイプ間で異なる。5年生存率はわずか25%であり、再発率はサブタイプに応じて33〜78%で変動する。AMLは、寛解を誘導することを目的とした化学療法で最初に治療され、患者は、追加の化学療法または造血幹細胞移植を受けることに進み得る。
標準治療の化学療法は、シタラビンとアントラサイクリンとの組合せであり、過去40年間は変わらないままである。これは、上記の25%の生存率を考慮すると、新しい療法の必要性を明らかに示している。
白血病AML細胞の分化を誘因する全トランス型レチノイン酸(ATRA)および三酸化ヒ素などの小分子で対象を治療することを含む急性前骨髄球性白血病(APL)と診断された患者の10%サブセットのための1つのアプローチは、AMLにおいて限定された成功を達成した。ATRAおよび三酸化ヒ素は、レチノイン酸受容体アルファ(RARα)融合癌タンパク質によって課される分化停止を克服し、治療された白血球前骨髄球は最終的に成熟好中球に分化する。これらの小分子は、伝統的な細胞傷害性化学療法と比較して患者に著しく耐容性がある。さらに、ATRAを治療レジメンに組み込むことは、急性前骨髄球性白血病(APL)患者の全生存率を20%から75%まで一手に向上させた。残念なことに、非APL急性骨髄性白血病のはるかに大部分について分化療法は存在せず、標準治療で全生存率はわずか25%にしかならない。
哺乳動物のホメオボックス転写因子は、系統特異的造血分化に寄与し、その発現は正常な造血中に厳密に調節される。より具体的には、HoxA9は正常な造血および白血病誘発において重要な役割を有する。遺伝子のHoxAクラスターの発現は、初期の造血に重要ではあるが、細胞が成熟すると通常は下方制御される。遺伝子のHoxAクラスターのメンバーの持続的で不適切な発現は、急性骨髄性白血病の大部分で起こる。HoxA9は、融合タンパク質NUP98−HoxA9の1つのパートナーとしてヒト白血病に直接関与している。ヒトAMLの分析では、HoxA9発現のレベルは予後不良の核型と相関し、生存と逆相関する。さらに、CMLの患者では、比較的高レベルのHoxA9発現が、慢性期から加速および急性転化期への移行に関連する。HoxA9は、混合型白血病(MLL)遺伝子を含む融合癌タンパク質を発現するリンパ球および骨髄性白血病の小サブセットにとって重要である。MLL再編成を有する白血病は、AMLの特に予後不良のサブグループであり、増殖および生存についてHoxA9に依存する。全体的に、これは、NUP98との融合および/またはHoxA9発現の不適切な維持を通したHoxA9調節不全が、骨髄性白血病における分化停止の一般的な機序であることを示唆している。
それを必要とする対象において、それだけに限らないが、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、骨髄異形成症候群(MDS)、混合型白血病(MLL)および/または慢性骨髄性白血病(CML)などの血液がんを治療または予防するために使用することができる化合物を同定することが当技術分野で必要とされている。本発明はこの必要性を満たすものである。
Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(第2版1994)
以下に記載されるように、本発明は、一般に、それを必要とする対象において一定の種類の血液がんを治療または予防するために使用され得る化合物を提供する。一定の実施形態では、本発明の化合物は、血液がんで苦しむ対象における分化停止を克服する。
本発明は、それを必要とする対象において血液がんを治療または予防する方法であって、治療上有効量のブレキナルまたはその塩もしくは溶媒和物を対象に投与するステップを含み、ブレキナルを48時間毎に1回以下の頻度で対象に投与する方法を提供する。
本発明はさらに、それを必要とする対象において白血病始原細胞を枯渇させるまたはその分化を促進する方法であって、治療上有効量のブレキナルまたはその塩もしくは溶媒和物を対象に投与するステップを含み、ブレキナルを48時間毎に1回以下の頻度で投与する方法を提供する。
一定の実施形態では、ブレキナルを72時間毎に1回以下の頻度で対象に投与する。
一定の実施形態では、ブレキナルを72時間毎に1回の頻度で対象に投与する。
一定の実施形態では、血液がんが分化停止によって特徴付けられる。他の実施形態では、対象が、分化停止によって特徴付けられる血液がんを治療してきたまたは治療している。
一定の実施形態では、血液がんが急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)を含む。
一定の実施形態では、血液がんがAMLを含む。
一定の実施形態では、ブレキナルを、経口、直腸、粘膜、経粘膜、局所、静脈内、真皮内(intradermal)、筋肉内、皮下、皮内(intracutaneous)、子宮内、硬膜外および脳室内注射から選択される少なくとも1つの経路によって対象に投与する。
一定の実施形態では、対象に、血液がんの治療または予防に有用な少なくとも1種の追加の薬剤をさらに投与する。
一定の実施形態では、薬剤がATRAまたは三酸化ヒ素を含む。
一定の実施形態では、化合物および薬剤が共製剤化(coformulated)される。
一定の実施形態では、対象が哺乳動物である。他の実施形態では、哺乳動物がヒトである。
一定の実施形態では、対象が1種または複数の抗癌剤に応答しない。
一態様では、本発明は、それを必要とする対象において血液がんを治療または予防する方法におけるジヒドロオロテート阻害剤の使用を提供する。この方法は、治療上有効量のジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)阻害剤またはその塩もしくは溶媒和物を対象に投与するステップを含み、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸)(ブレキナル);5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミド);(2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミド)もしくはその任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物から選択されるジヒドロオロテート阻害剤を、72時間毎に1回以下の頻度で対象に投与する。
一定の実施形態では、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸)またはその塩もしくは溶媒和物を、72時間毎に1回以下の頻度で、または48時間毎に1回以下の頻度で対象に投与する。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、血液がんが急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)を含む。一定の実施形態では、血液がんがAMLを含む。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、対象が哺乳動物である。一定の実施形態では、哺乳動物がヒトである。本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、対象が、分化停止によって特徴付けられる血液がんを治療してきたまたは治療している。種々の実施形態では、対象が1種または複数の抗癌剤に応答しない。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸)を、経口、直腸、粘膜、経粘膜、局所、静脈内、真皮内、筋肉内、皮下、皮内、子宮内、硬膜外および脳室内注射から選択される少なくとも1つの経路によって対象に投与する。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、血液がんを治療または予防するために有用な少なくとも1種の追加の薬剤(例えば、三酸化ヒ素および/またはATRA)を対象にさらに投与する。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、本方法は、ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)阻害剤(例えば、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸(ブレキナル)またはその塩もしくは溶媒和物)を含む組成物を、対象から得た生体試料中のジヒドロオロテートのレベルを上昇させるおよび/またはウリジンのレベルを低下させるのに十分な量および持続時間、対象に投与し、それによって血液がんを治療するステップを含む。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、本方法は、第1の用量のDHODH阻害剤(例えば、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸(ブレキナル)またはその塩もしくは溶媒和物)を対象に投与するステップと;対象から得た生体試料中のジヒドロオロテートおよび/またはウリジンを検出するステップと;第2の用量のDHODH阻害剤(例えば、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸(ブレキナル)またはその塩もしくは溶媒和物)を対象に投与するステップであって、投与の量および/またはタイミングを検出されるジヒドロオロテート(DHO)および/またはウリジンの量に基づいて修正し、それによって対象の血液悪性腫瘍を治療するステップとを含む。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、DHODH阻害剤投与の量および/またはタイミングが、ジヒドロオロテートのレベルを少なくとも約100〜500倍上昇させるのに十分である。
本明細書で描写される任意の態様の種々の実施形態では、第2の用量のDHODH阻害剤(例えば、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−オンカルボン酸(ブレキナル)またはその塩もしくは溶媒和物)を、DHOの量がベースラインに戻った後に投与する。一定の実施形態では、第2の用量を、ウリジンの量が、第1の用量の投与の12時間後に存在するウリジンのレベルより10〜25%高い場合に投与する。
本発明は、抗がん活性を有する化合物、それを含む組成物、および一定の種類の血液がん、例えばAMLを治療または予防する方法を提供する。本発明によって定義される組成物および物品は、以下で提供される実施例に関連して単離または製造した。本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
定義
特に定義されない限り、本明細書で一般的に使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。以下の参考文献は、当業者に本発明で使用される多くの用語の一般的な定義を提供する: Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(第2版1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker編、1988);The Glossary of Genetics、第5版、R. Riegerら(編者)、Springer Verlag(1991);およびHale&Marham、The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。一般に、本明細書で使用される命名法ならびに医学、有機化学およびポリマー化学における実験室手順は、当該技術分野において周知で一般的に使用されているものである。
本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法的目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す。例として、「要素(an element)」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当業者によって理解され、それが使用される状況によってある程度変化するであろう。量、持続時間などの測定可能な値に言及するときに本明細書で使用される場合、「約」という用語は、指定される値の±20%または±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、なおより好ましくは±0.1%の変動を包含するものとし、よってこのような変動が開示される方法を行うのに適している。
本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、任意の適切な方法によって本発明の組成物を対象に提供することを意味する。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルケニル」という用語は、特に明記しない限り、指定数の炭素原子を有する安定なモノ不飽和またはジ不飽和の直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。例としては、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(アリル)、2−ブテニル(クロチル)、イソペンテニル、ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。アルケンを表す官能基は、−CH2−CH=CH2によって例示される。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ」という用語は、特に明記しない限り、酸素原子を介して分子の残りと結合した、上に定義される指定数の炭素原子を有するアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ(イソプロポキシ)ならびに高級同族体および異性体を意味する。それだけに限らないが、エトキシおよびメトキシなどの(C1〜C3)アルコキシが好ましい。
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、特に明記しない限り、指定された炭素原子数(すなわち、C1〜C10は1〜10個の炭素原子を意味する)を有する直鎖または分岐鎖炭化水素を意味し、直鎖、分岐鎖または環状置換基を含む。例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。それだけに限らないが、エチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびシクロプロピルメチルなどの(C1〜C6)アルキルが最も好ましい。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アルキニル」という用語は、特に明記しない限り、指定数の炭素原子を有する、三重炭素−炭素結合を有する安定な直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味する。非限定的な例としては、エチニルおよびプロピニル、ならびに高級同族体および異性体が挙げられる。「プロパルギル」という用語は、−CH2−C≡CHによって例示される基を指す。「ホモプロパルギル」という用語は、−CH2CH2−C≡CHによって例示される基を指す。「置換プロパルギル」という用語は、−CR2−C≡CR(式中、Rの各出現は独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニルであり、但し、少なくとも1つのR基は水素ではない)によって例示される基を指す。「置換ホモプロパルギル」という用語は、−CR2CR2−C≡CR(式中、Rの各出現は独立に、H、アルキル、置換アルキル、アルケニルまたは置換アルケニルであり、但し、少なくとも1つのR基は水素ではない)によって例示される基を指す。
本明細書で使用される場合、「AML」という用語は急性骨髄性白血病を指す。
本明細書で使用される場合、「APL」という用語は、PMLまたは前骨髄球性白血病としても知られている急性前骨髄球性白血病を指す。
本明細書で使用される場合、「芳香族」という用語は、1個または複数の多不飽和環を有し、芳香族性を有する、すなわち(4n+2)非局在化π(パイ)電子を有する(nは整数である)、炭素環または複素環を指す。
本明細書で使用される場合、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される「アリール」または「アレーン」という用語は、特に明記しない限り、1個または複数の環(典型的には1個、2個または3個の環)を含有する炭素環芳香族系を意味し、このような環はビフェニルなどのペンダント様式で一緒に結合していてもよく、またはナフタレンなどのように縮合していてもよい。例としては、フェニル、アントラシル(anthracyl)およびナフチル(1−および2−ナフチルを含む)が挙げられる。フェニルおよびナフチルが好ましく、フェニルが最も好ましい。
本明細書で使用される場合、「アリール−(C1〜C3)アルキル」という用語は、1〜3個の炭素アルキレン鎖がアリール基に結合している官能基、例えば−CH2CH2−フェニルまたは−CH2−フェニル(ベンジル)を意味する。アリール−CH2−およびアリール−CH(CH3)−が好ましい。「置換アリール−(C1〜C3)アルキル」という用語は、アリール基が置換されているアリール−(C1〜C3)アルキル官能基を意味する。置換基がハロゲン、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、シアノ、アミノから選択される置換アリール(CH2)−が好ましい。同様に、「ヘテロアリール−(C1〜C3)アルキル」という用語は、1〜3個の炭素アルキレン鎖がヘテロアリール基に結合している官能基、例えば−CH2CH2−ピリジルを意味する。ヘテロアリール−(CH2)−が好ましい。「置換ヘテロアリール−(C1〜C3)アルキル」という用語は、ヘテロアリール基が置換されたヘテロアリール−(C1〜C3)アルキル官能基を意味する。置換基がハロゲン、C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、シアノ、アミノから選択される置換ヘテロアリール−(CH2)−が好ましい。
本明細書で使用される場合、「ATRA」という用語は、全トランス型レチノイン酸、またはその塩もしくは溶媒和物を指す。
本明細書で使用される場合、「ブレキナル」という用語は、6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸、またはその塩もしくは溶媒和物を指す。
一態様では、対象に関連する「同時投与される」および「同時投与」という用語は、本発明の組成物またはその塩を、本発明内で熟慮される疾患のいずれかを治療することもできる組成物と一緒に対象に投与することを指す。一実施形態では、同時投与される組成物は、別々に、または単一の治療アプローチの一部として任意の種類の組合せで投与される。同時投与される組成物は、様々な固体、ゲルおよび液体製剤の下で、ならびに溶液として、固体および液体の混合物としての任意の種類の組合せで製剤化され得る。
本明細書で使用される場合、「CML」という用語は、慢性骨髄性白血病を指す。
本明細書で使用される場合、「組成物」または「医薬組成物」という用語は、本発明内で有用な少なくとも1種の化合物と薬学的に許容される担体の混合物を指す。医薬組成物は、対象への化合物の投与を容易にする。
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「シクロアルキル」という用語は、特に明記しない限り、指定された炭素原子数(すなわち、C3〜C6は3〜6個の炭素原子からなる環基を含む環状基を意味する)を有する環状鎖炭化水素を意味し、直鎖、分岐鎖または環状置換基を含む。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。それだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどの(C3〜C6)シクロアルキルが最も好ましい。
本明細書で使用される場合、「δ」という用語はデルタ(ppm)を指す。
本明細書で使用される場合、「DHODH」という用語はジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼを指す。
「DHODH阻害剤」によって、ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの活性を検出可能に低下させる薬剤が意味される。いくつかの実施形態では、DHODH活性の低下が少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%またはそれ以上である。一実施形態では、DHODH活性が、ジヒドロオロテート(DHO)のオロテートへの変換を検出することによって測定される。一実施形態では、DHODH阻害が、ジヒドロオロテート(DHO)を検出することによって測定される。別の実施形態では、DHODH活性が、ウリジンの枯渇を検出することによって測定される。
「疾患」または「障害」によって、細胞、組織または器官の正常な機能に損傷を与えるまたは干渉する任意の状態が意味される。一定の実施形態では、疾患が、血液がんが急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病(CML)および/または骨髄単球性白血病(MML)などの血液がんを含む。
本明細書で使用される場合、「DMSO」という用語はジメチルスルホキシドを指す。
「有効量」によって、未治療の患者と比較して疾患の症状を改善するために必要とされる化合物の量が意味される。疾患の治療的処置のために本発明を実施するために使用される1種または複数の活性化合物の有効量は、投与様式、対象の年齢、体重および全身の健康状態に応じて変化する。最終的に、主治医または獣医師が適切な量および投与レジメンを決定する。このような量を「有効」量と呼ぶ。がんとの関連において、疾患を治療するのに十分な有効量は、新生細胞増殖を減少させるもしくは安定化し、新生細胞の生存を低下させ、または新生細胞死を増加させる。
本明細書で使用される場合、「EtOAc」という用語は酢酸エチルを指す。
本明細書で使用される場合、単独でまたは別の置換基の一部として使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素または臭素、より好ましくはフッ素または塩素を意味する。
本明細書で使用される場合、それ自体または別の用語と組み合わせた「ヘテロアルキル」という用語は、特に明記しない限り、指定される数の炭素原子と、O、NおよびSからなる群から選択される1個または2個のヘテロ原子とからなり、窒素および硫黄原子は場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてもよい安定な直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。1個または複数のヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の残りと、ヘテロアルキル基の最も遠位の炭素原子に結合するだけでなく、それが結合している断片との間を含めて、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置することができる。例としては、−O−CH2−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OH、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−S−CH2−CH3および−CH2CH2−S(=O)−CH3が挙げられる。例えば、−CH2−NH−OCH3または−CH2−CH2−S−S−CH3など、最大2個のヘテロ原子が連続していてもよい。
本明細書で使用される場合、それ自体または別の置換基の一部としての「複素環」または「ヘテロシクリル」または「複素環式」という用語は、特に明記しない限り、炭素原子と、N、OおよびSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とからなり、窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、窒素原子は場合により四級化されていてもよい未置換のまたは置換された、安定な、単環または多環式複素環式環系を意味する。複素環系は、特に明記しない限り、安定な構造を与える任意のヘテロ原子または炭素原子に結合していてもよい。複素環は、性質上、芳香族であっても非芳香族であってもよい。一実施形態では、複素環がヘテロアリールである。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」または「複素芳香族」という用語は、芳香族特性を有する複素環を指す。多環式ヘテロアリールは、部分的に飽和した1つまたは複数の環を含むことができる。例としては、テトラヒドロキノリンおよび2,3−ジヒドロベンゾフリルが挙げられる。
非芳香族複素環の例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ジオキソラン、スルホラン、2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4−ジヒドロピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、2,3−ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、1,3−ジオキセパン、4,7−ジヒドロ−1,3−ジオキセピンおよびヘキサメチレンオキシドなどの単環式基が挙げられる。
ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル(例えば、それだけに限らないが、2−および4−ピリミジニル)、ピリダジニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリルおよび1,3,4−オキサジアゾリルが挙げられる。
複素芳香族または少なくとも部分的に非芳香族の複素環である多環式複素環の例としては、インドリル(例えば、それだけに限らないが、3−、4−、5−、6−および7−インドリル)、インドリニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、イソキノリル(例えば、それだけに限らないが、1−および5−イソキノリル)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル、シンノリニル、キノキサリニル(例えば、それだけに限らないが、2−および5−キノキサリニル)、キナゾリニル、フタラジニル、1,8−ナフチリジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、クマリン、ジヒドロクマリン、1,5−ナフチリジニル、ベンゾフリル(例えば、それだけに限らないが、3−、4−、5−、6−および7−ベンゾフリル)、2,3−ジヒドロベンゾフリル、1,2−ベンズイソキサゾリル、ベンゾチエニル(例えば、それだけに限らないが、3−、4−、5−、6−および7−ベンゾチエニル)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル(例えば、それだけに限らないが、2−ベンゾチアゾリルおよび5−ベンゾチアゾリル)、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンズトリアゾリル、チオキサンチニル、カルバゾリル、カルボリニル、アクリジニル、ピロリジジニルおよびキノリジジニルが挙げられる。
ヘテロシクリルおよびヘテロアリール部分の上記リストは、代表的なものであって限定的なものではない。
本明細書で使用される場合、「指示書(instructional material)」という用語は、本発明の組成物および方法の有用性を伝えるために使用され得る刊行物、記録、図、または任意の他の表現媒体を含む。ある場合には、指示書は、対象の血液がんを治療するのに有用なキットの一部であり得る。キットの指示書は、例えば、本発明の組成物を含有する容器に貼付することができる、または組成物を含有する容器と共に出荷することができる。あるいは、レシピエントが指示書と組成物を協同的に使用するという意図で、指示書を容器と別に出荷してもよい。例えば、指示書はキットを使用するためのものであり、組成物を使用するための説明書;または組成物の製剤を使用するための説明書である。
本明細書で使用される場合、「レフルノミド」という用語は、5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミド、またはその塩もしくは溶媒和物を指す。
本明細書で使用される場合、「MDS」という用語は骨髄異形成症候群(MDS)を指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、本発明の範囲内で有用な化合物の生物学的活性または特性を無効にせず、比較的毒性がない物質、例えば担体または希釈剤を指す、すなわち、物質を望ましくない生物学的効果を引き起こさず、それが含有される組成物の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することもなく、対象に投与することができる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、その無機酸、無機塩基、有機酸、無機塩基、溶媒和物、水和物および包接体を含む、薬学的に許容される非毒性の酸および塩基から調製された投与化合物の塩を指す。
本明細書で使用される「予防する」または「予防すること」または「予防」という用語は、薬剤または化合物の投与開始時にそのような症状を発症していない対象における疾患または状態に関連する症状の発症を回避または遅延することを意味する。疾患、状態、および障害は本明細書で互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「反応条件」という用語は、反応を促進するために必要とされるまたは場合により必要とされる物理的処理、化学試薬、またはこれらの組合せを指す。反応条件の非限定的な例は、電磁放射線、熱、触媒、化学試薬(例えば、それだけに限らないが、酸、塩基、求電子試薬または求核試薬)、および緩衝液である。
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、その無機酸、有機酸、無機塩基、有機塩基、溶媒和物、水和物または包接体を含む、本発明で熟慮される化合物の塩を指す。本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、本発明において有用な化合物である遊離酸または遊離塩基の付加塩を包含する。適切な酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、リン酸、過塩素酸およびテトラフルオロホウ酸が挙げられる。適当な有機酸は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸クラスの有機酸から選択され得、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸から選択され得る。本発明において有用な化合物の適切な塩基付加塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属塩、例えばリチウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アンモニウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を含む金属塩が挙げられる。許容される塩基付加塩には、塩基性アミン、例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチル−グルカミン)およびプロカインから生成された有機塩も含まれる。これらの塩の全ては、対応する遊離塩基化合物から、例えば適切な酸または塩基を対応する遊離塩基と反応させることにより、慣用的な手段によって調製することができる。
本明細書で使用される場合、「対象」、「患者」または「個体」という用語は、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物または鳥類であり得る。ヒト以外の哺乳動物には、例えば、家畜およびペット、例えばヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコおよびマウス哺乳動物が含まれる。好ましくは、対象がヒトである。
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、原子または原子群が、別の基に結合した置換基として水素を置き換えたことを意味する。特に明記しない限り、本発明内で列挙されるいずれの基も置換されていてもよい。
アリール、アリール−(C1〜C3)アルキルおよびヘテロシクリル基に関して、これらの基の環に適用される「置換された」という用語は、そのような置換が許容される場合、任意のレベルの置換、すなわち一、ニ、三、四または五置換を指す。置換基は独立に選択され、置換は任意の化学的に接近可能な位置にあり得る。一実施形態では、置換基が1〜4個の数で変化する。別の実施形態では、置換基が1〜3個の数で変化する。さらに別の実施形態では、置換基が1〜2個の数で変化する。さらに別の実施形態では、置換基が、C1〜C6アルキル、−OH、C1〜C6アルコキシ、ハロ、アミノ、アセトアミドおよびニトロからなる群から独立に選択される。本明細書で使用される場合、置換基がアルキルまたはアルコキシ基である場合、炭素鎖は分岐、直鎖または環状であってもよく、直鎖が好ましい。
本明細書で使用される場合、「テリフルノミド」という用語は、(Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ブタ−2−エンアミド、またはその立体異性体、塩もしくは溶媒和物を指す。
本明細書で使用される「治療する」および「治療すること」および「治療」という用語は、薬剤または化合物を対象に投与することによって、疾患または状態の症状が対象によって経験される頻度または重症度を減少させることを意味する。
本開示を通じて、本発明の種々の態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式の記載は、単なる便宜上のものにすぎず、本発明の範囲に対する融通のきかない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分範囲ならびにその範囲内の個々の数値、および場合によっては範囲内の数値の部分的な整数を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1〜6などの範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、2.7、3、4、5、5.3および6を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは範囲の幅に関係なく適用される。
本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読めばより良く理解されるであろう。本発明を例示する目的で、図面には現在好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、図面に示される実施形態の正確な配置および手段に限定されないことを理解すべきである。
図1Aは、ER−HoxA9細胞が条件付き骨髄分化のモデルを忠実に表すことを示している。FACS分析を提供する図である。MSCVneo−ER−HoxA9を形質導入された初代マウス骨髄細胞は、β−エストラジオールの存在下で系統陰性細胞として増殖する((+)E2;左パネル)。E2の除去(左から右へ:(−)24時間、(−)48時間、(−)72時間および(−)96時間)およびER−HoxA9の不活性化によって、フローサイトメトリーによって証明されるように骨髄分化マーカーCD11b(Mac1)およびGr−1の同時上方制御が得られる。図1Bは、ER−HoxA9細胞が条件付き骨髄分化のモデルを忠実に表すことを示している。ER−HoxA9細胞の最終分化が細胞周期から出ることを伴うことを示すフローサイトメトリーヨウ化プロピジウム分析を示すパネルである(左から右へ:(+)E2;(−)24時間、(−)48時間、(−)72時間および(−)96時間)。図1Cは、ER−HoxA9細胞が条件付き骨髄分化のモデルを忠実に表すことを示している。骨髄分化に伴う形態変化をE2の存在下(+)E2および非存在下(−96時間)の細胞のWright−Giemsa染色によって確認することを示す顕微鏡写真である。図1Dは、ER−HoxA9細胞が条件付き骨髄分化のモデルを忠実に表すことを示している。未分化細胞ではなく最終分化細胞が、蛍光標識された大腸菌(E. coli)の食作用が可能であることを示す顕微鏡写真である(左:β−エストラジオールの存在下、(+)E2;右:E2除去96時間後、(−)96時間)。 図1Eは、ER−HoxA9細胞が条件付き骨髄分化のモデルを忠実に表すことを示している。指定される遺伝子の発現の変化を分析する一連のグラフである(左から右、上から下へ:Csfra2、Ccl4、Elane、Cd34、Lyz1、Cd33、Mpo、Sox4、Mmp9、Ltf、Myb、Flt3、eGFP、Itgam、Pim1、Cebpa)。Lys−GFP−ER−HoxA9細胞は、5日間の時間経過にわたって骨髄分化の際の遺伝子発現の予想される変化を証明する。それらの段階的な遺伝子発現は、未処理マウス骨髄骨髄細胞(図1F)ならびに初代ヒト骨髄細胞の精製された集団(図1G)の遺伝子発現パターンに類似している。 図1Fは、ER−HoxA9細胞が条件付き骨髄分化のモデルを忠実に表すことを示している。未処理マウス骨髄骨髄細胞における比較時間経過を示す概略図である。この分析は、骨髄由来好中球における正常な遺伝子発現に似ている、全般的遺伝子発現の時間軸を示す。図1Gは、初代ヒト骨髄細胞における比較時間経過を示す概略図である。 図1Hは、野生型HoxA9およびG400V変異を含むHoxA9 ER融合タンパク質を示す概略図である。図1Iは、ER−HoxA9構築物を形質導入された初代マウス骨髄細胞の細胞表面マーカープロファイルを示す図である(上、左から右へ:SSC−A対FSC−A;FSC−W対FSC−A;SSC−W対SSC−A;7AAD対FSC−A;下、左から右へ:KIT対LIN;KIT対SCA;CD16/32対CD34;正常な骨髄:CD16/32対CD34)。図1Jは、ER−HoxA9構築物を形質導入した未分化のマウス骨髄細胞(正方形のグラフ)および未分化の対照細胞(点のグラフ)におけるスーパーオキシド産生を示すグラフである。 図1Kは、HoxA9−ER[hr]骨髄由来好中球[d]対対照細胞のβ−エストラジオール(E2)誘導分化の間の遺伝子発現パターンを示すヒートマップである。図1Lは、HoxA9−ER骨髄由来好中球対対照細胞のβ−エストラジオール(E2)誘導分化の間の遺伝子発現パターンの遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)を示す2つのグラフである(上:上方制御遺伝子;下:下方制御遺伝子)。 図2Aは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。GFP発現解析を示す2つのグラフである(左:β−エストラジオールの存在下、(+)E2;右:E2の除去、(−)E2)。エストラジオール除去時の分化後、Lys−GFP−ER−HoxA9 GMPはGFP蛍光を上方制御する。図2Bは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。図2Aに記載される細胞における細胞表面マーカーCD11b(Mac1)およびGr−1の発現解析を示す2つのグラフである(左:β−エストラジオールの存在下(+)E2;右:E2の除去(−)E2)。図2Cは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。GFPおよびCD11bの上方制御によって監視されるLys−GFP−ER−HoxA9細胞の分化を誘因し得る化合物を同定するために、ハイスループットフローサイトメトリー表現型スクリーニングを確立したことを示す概略図である。 図2Dは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。化合物3(C03)および化合物7(C07)を含む、図2Cに記載されるスクリーニングで同定された12種の生物学的に活性な化合物のうちの2つを示す図である。図2Eは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。最も強力な小分子がML390と呼ばれる(R)−C07の誘導体であったことを示す図である。図2Fは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。C03(正方形のグラフ)および(R)−C07が骨髄分化[%]を誘因した(三角形のグラフ)が、(S)−C07(菱形のグラフ)が活性対log[M]を完全に欠いていたことを示すグラフである。 図2Gは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。ML390がマウス(点のER−HoxA9グラフ)およびヒト急性骨髄性白血病(AML)モデル(正方形のU937グラフおよび三角形のTHP1グラフ)において骨髄分化[%]を引き起こすことができることを示すグラフである。図2Hは、ハイスループットスクリーニングおよび医薬品化学が、骨髄分化の誘導物質としての小分子ML390を同定することを示した。イメージングフローサイトメトリーが、βエストラジオールの非存在下(−E2)での分化またはML390による処理の結果としての分化中にLys−GFP−ER−HoxA9細胞におけるGFPおよびCD11b発現の上方制御ならびにKIT発現の下方制御を証明することを示す図である(上:β−エストラジオールの存在下、(+)E2;中央:E2の除去、(−)E2;下:β−エストラジオールおよびML390の存在下、(+)E2+ML390)。 図2Iは、96時間における未分化および分化したLys−GFP−ER−HoxA9細胞におけるGFP、KIT、CD11bおよびDAPIのイメージングフローサイトメトリー分析を示す図である(上:未分化、β−エストラジオールの存在下、(+)E2;下:分化、E2の除去96時間後、(−)E2 96時間)。図2Jは、Lys−GFP−ER−HoxA9細胞における細胞増殖の分析を示すグラフである、存在下(+)E2、点のグラフ/βエストラジオールの非存在下(−E2)、正方形のグラフ。 図3Aは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。時間[日数]にわたる耐性細胞株増殖[log細胞数]を示すグラフである。C03および(R)−C07に耐性のER−HoxA9およびU937細胞株を、ゆっくり増加する濃度の化合物で連続培養によって作製した、正方形のグラフ10μmol、25μmol、50μmol、DMSO、点線。図3Bは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。4つの耐性細胞株にわたって8つの過剰発現遺伝子のみが共有されていたことを証明する、DMSO対照と化合物耐性細胞との間の遺伝子発現の比較を示す図である。図3Cは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。「倍数変化[log2]」対「U937細胞におけるDMSO対C07」のグラフとして示される、8つの遺伝子が8倍超の上方制御を一貫して示し、第16染色体(ヒト)および第8染色体(マウス)上の隣接遺伝子であったことを示すグラフである。 図3Dは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。全エキソーム解析データの分析が、遺伝子発現の増加の根底にある機序としての染色体増幅と一致する、第16染色体の狭い領域にわたるカバレッジ増加を明らかにしたことを示す図であり、図は「コピー数比」対第16染色体位置を示している。図3Eは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。指定される化合物によるDHODH酵素阻害を示すグラフである。DHODHを、インビトロ酵素阻害アッセイを用いて、C03(下向き三角形のグラフ)、C07(点の(R)C07グラフ;正方形の(S)−C07グラフ)、およびML390(上向き三角のグラフ)の標的として確認した。 図3Fは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。C03およびML390の分化効果が、細胞培養培地中のウリジンの添加によって抑制され得ることを示すグラフである。グラフは、「分化からのレスキュー%」対「log[M]ウリジン」を示している。図3Gは、耐性細胞株がDHODHをML390の標的として同定することを示している。ML390で処理したLys−GFP−ER−HoxA9細胞における遺伝子発現の遺伝子セットエンリッチメント解析(GSEA)を提供する図である。細胞は、遺伝子セットエンリッチメント解析、「エンリッチメントスコア」対「遺伝子リストのランク」にって骨髄分化と一致する遺伝子発現変化を証明した(上:上方制御された遺伝子;下:下方制御された遺伝子)。 図3Hは、マウスおよびヒトの耐性細胞株において過剰発現された遺伝子における重複を示すベン図である。図3Iは、ブレキナル(菱形のグラフ)(BRQ)、ML390(三角形のグラフ)、(S)−C07(正方形のグラフ)およびテリフルノミド(点のグラフ)で処理した細胞におけるDHODH酵素阻害を示すグラフである。図3Jは、ブレキナル(BRQ)(黒色点のグラフ)、ML390(明るい点のグラフ)、(S)−C07(上向きのグラフ)、(R)−C07(正方形のグラフ)およびレフルノミド(LEF)/テリフルノミド(TERI)(下向き三角形のグラフ)で処理した細胞における分化%を示すグラフである。 図3Kは、ER−HoxA9細胞(点のグラフ)、U937(正方形のグラフ)およびTHP1ヒト白血病細胞株(三角形のグラフ)における分化%を示すグラフである。図3Lは、好中球対βエストラジオール非存在下のER−HoxA9細胞(−E2)対ML390で処理したER−HoxA9細胞で過剰発現された遺伝子の重複を示すベン図である。図3Mは、βエストラジオールの非存在下のER−HoxA9細胞(−E2)対ML390で処理したER−HoxA9細胞を示すヒートマップである。 図4Aは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示している。ブレキナルによる治療中の腫瘍サイズを示すグラフである。THP1細胞をSCIDマウスの脇腹に皮下移植し、マウスを10日間にわたってビヒクル(点のグラフ)またはブレキナルIP(5g/kg 1日1回(QD)正方形のグラフ、15g/kg 3日毎(Q3D)三角形のグラフ)で処理した。グラフは「腫瘍面積(mm2)」対「日数」を示している。図4Bは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示している。THP1細胞におけるCD11b発現のフローサイトメトリー分析の結果を示す図である(上:ビヒクル;中央パネル:ブレキナル(BRQ)、1日1回(QD)5mg/kg;下:ブレキナル(BRQ)、3日毎(Q3D)5mg/kg)。10日間の処理の終わりに腫瘍を外植し、フローサイトメトリーによって分化マーカーCD11bを分析した。 図4Cは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示している。対照細胞に対する示される用量のブレキナル(BRQ)で処理した細胞におけるCD11b発現を示すグラフである。CD11b−APC発現の幾何平均蛍光強度を、1群当たり3匹のマウスからの外植腫瘍について比較した、左ビヒクル、中央5mg/kg QD BRQ、右15mg/kg Q3D BRQ。図4Dは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ異種移植モデルにおいて抗腫瘍活性を示すことを示している。外植腫瘍からメタノールに抽出された代謝産物のレベル、および質量分析によって測定された細胞内ウリジンのレベルを示す図である。(A)および(C)のデータは平均±標準偏差Zとして表される、ビヒクル左点、BRQ5mg/kg QD右正方形。 図4Eは、単回IP投与後のブレキナル血漿濃度の分析を示す図である(左:血漿濃度のグラフ;右:薬物動態データのチャート)。上から下へ:連続線:上のグラフ50mg/kg i.p. sd、下25mg/kg i.p. sdおよび一番下のグラフ、点線:IC50_u(THP−1)およびボトムラインIC50_u(ubiochem)、「非結合濃度[μg/L]」。 図4Fは、DiscoverXキナーゼアッセイにおけるブレキナルキナーゼ阻害活性の分析を提供する図である。 図4Gは、図ブレキナルの存在下または非存在下で培養した腫瘍細胞のカルボキシフルオレセイン(CFSE)アッセイにおける増殖を示すグラフである(対照グラフは点でBRQグラフは正方形による、「APC蛍光」対「日」)。 図5Aは、DHODHの阻害が上流代謝産物の蓄積および下流代謝産物の枯渇をもたらすことを示している。新規ピリミジン合成に関与する酵素段階のモデルを示す概略図である。DHODHは、ミトコンドリア内膜に位置し、電子をユビキノンに伝達する。 図5Bは、DHODHの阻害が上流代謝産物の蓄積および下流代謝産物の枯渇をもたらすことを示している。ジヒドロオロテートの倍数変化を示すグラフである。ER−HoxA9細胞をML390で処理すると、ジヒドロオロテートが蓄積する。図5Cは、DHODHの阻害が上流代謝産物の蓄積および下流代謝産物の枯渇をもたらすことを示している。左から右にUMP、ウリジン、UDP、UDP−GlcNAcおよびUDP−グルコースを含む下流代謝産物の枯渇を示すグラフである、対照暗い長方形、ML390点付き長方形。図5Dは、DHODHの阻害が上流代謝産物の蓄積および下流代謝産物の枯渇をもたらすことを示している。ピラゾフリンで処理したER−HoxA9細胞における分化%を示すグラフである。ER−HoxA9細胞をOMPデカルボキシラーゼの阻害剤であるピラゾフリンで処理すると、培養培地のウリジン添加によってレスキューされ得る分化がもたらされる、(−)ウリジン点のグラフ、(+)ウリジン正方形のグラフ、「分化%」対「log[M]ピラゾフリン」。 図5Eは、DHODHの阻害が上流代謝産物の蓄積および下流代謝産物の枯渇をもたらすことを示している。イムノブロットを示す図である。細胞をML390またはブレキナルで処理し、引き続いて免疫ブロットすることにより、タンパク質N−アセチルグリコシル化(GlcNAc)の程度の全体的増加が実証される、左から右へ(−)E2 4日間、(+)E2対照、ブレキナル、ML390。 図6Aは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ同系モデルにおいて抗白血病活性を示すことを示している。治療レジメンを示す概略図である。HoxA9およびMeis1駆動急性骨髄性白血病の同系モデルを使用して、ブレキナルのインビボ活性を測定した。図6Bは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ同系モデルにおいて抗白血病活性を示すことを示している。ブレキナルで処理したマウス由来の骨髄白血病細胞のフローサイトメトリー分析の結果が、分化マーカーCD11bおよびGr−1の発現の増加を証明していることを示す図である(左:ビヒクル;右:ブレキナル(BRQ)25mg/kg)、「Gr−1」対「Mac1(CD11b)」。 図6Cは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ同系モデルにおいて抗白血病活性を示すことを示している。ブレキナル処理の分析を示す一連のグラフである。合計4用量、隔日で与えられる25mg/kgブレキナルで処理されたマウスは、ビヒクル処理マウスと比較して、骨髄における白血病負荷の減少(上、左)、脾臓重量の正常化(上、中央)、末梢血における白血病の減少(上、右)、白血病細胞の減少(下、左)、ならびに分化マーカーMAC1(下、中央)およびGR1(下、右)の増加を示す。 図6Dは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ同系モデルにおいて抗白血病活性を示すことを示している。ブレキナル処理の分析を示す一連のグラフである。合計6用量、7日間スケジュールの1日目と4日目で与えられる25mg/kgブレキナルで処理されたマウスは、ビヒクル処理マウスと比較して、白血病負荷のさらにより劇的な減少−骨髄における白血病負荷(上、左)、脾臓重量(上、中央)、末梢血における白血病(上、右)、白血病細胞(下、左)、ならびに分化マーカーMAC1(下、中央)およびGR1(下、右)の正常化を示す。 図6Eは、ブレキナルが分化を引き起こし、急性骨髄性白血病(AML)のインビボ同系モデルにおいて抗白血病活性を示すことを示している。ブレキナル処理の分析を示す一連のグラフである(左から右へ:mus重量、ヘマトクリット(HCT)、白血球数(WBC)および血小板数(PLT))。隔日で5mg/kgもしくは10mg/kgのブレキナル(左パネル)または7日間スケジュールの1日目と4日目に25mg/kgのブレキナルで、3週間(14日目〜33日目)マウスを処理した。3つの群全てのブレキナル処理マウスが、ビヒクル処理マウスよりも長く生存した。図6Fは、マウス体重に対するブレキナル処理の分析を示す一連のグラフである(左から右へ:mus重量、ヘマトクリット(HCT)、白血球数(WBC)および血小板数(PLT))。 図7Aは、ブレキナルがインビボでの分化の形態学的証拠を誘因し、白血病始原細胞活性の枯渇をもたらすことを示している。2つの顕微鏡写真(左:ビヒクル;右:ブレキナル)である。ビヒクルまたはブレキナルで処理したマウス由来の白血病細胞をFACSを介して精製した。Wright−Giemsaで染色されたCytospin(登録商標)調製物は、ブレキナル処理マウスから単離された白血病細胞において、核凝縮および細胞質清澄を含む顆粒球成熟の徴候を示した。図7Bは、ブレキナルがインビボでの分化の形態学的証拠を誘因し、白血病始原細胞活性の枯渇をもたらすことを示している。ブレキナルまたは対照で処理したマウスの生存時間経過を示す2つのグラフである(左:4用量で隔日(Q2D)25mg/kgでブレキナル(BRQ)を受けたマウス(Q2D)の研究;右:6用量で7日間サイクルの1日目(d1)と4日目(d4)に25mg/kgのブレキナル(BRQ)を受けたマウスの研究)。ビヒクルまたはブレキナルで処理したマウス由来の同数の精製生存白血病細胞を、白血病始原細胞活性のための機能的アッセイとしてレシピエントマウスに導入した。 単一25mg/kg用量のブレキナル(BRQ)後の血漿ウリジンのレベルを示すグラフである。ブレキナルを、急性骨髄性白血病(AML)の同系ネズミモデルに投与した(時間0、点のグラフ)。その後、ウリジンの血漿レベルを分析した(三角形のグラフ)、「ブレキナル[uM]」および「ウリジン[z.y x 106]」対「時間」。 単一25mg/kg用量のブレキナル後のジヒドロオロテート(DHO)のレベルを示すグラフである。DHOのレベルは、ブレキナルル投与の72時間以内に検出不可能なレベルまで低下した、DHO[ug/L]正方形のグラフ、BRQ[uM]点のグラフ、「BRQ[uM]」およびDHO[uM/L]対時間。 単一25mg/kg用量のブレキナル後のDHOレベルを示す2つのグラフ(上部)およびDHODH阻害剤、ML390(右)または対照(左)の投与後のDHOの倍数変化を示す第3のグラフ(下)である。 ブレキナル投与[uM]が腹腔内(IP、点のグラフ)であったか口(PO上向きの三角形のグラフ)によったかどうかにかかわらずDHOレベルの変化が類似であったことを示すグラフである、点付きグラフDHO[ng/ul](IP正方形のグラフ)、(PO下向き三角形のグラフ)。 DHOレベルの同様の変化が25、50または100mg/kgで生じたことを示すグラフである。ブレキナルについて:25(明るい点のグラフ)、50(正方形のグラフ)または100mg/kg(上向き三角形のグラフ)、DHOについて:点グラフ、25(下向き三角形のグラフ)、50(菱形のグラフ)および100mg/kg(黒色点のグラフ)、「BRQ」および「DHO」対時間。 腹腔内(IP)投与された3つの異なる投与量のブレキナルで閾値より上の同様の時間が観察されたことを示すグラフである。
本発明は、一般に、それを必要とする対象において一定の種類の血液がんを治療または予防するために使用され得る化合物、ならびに血液がんを有する対象に化合物を投与する方法を提供する。一定の実施形態では、本発明の化合物は、血液がんで苦しむ対象における分化停止を克服する。
本発明は、少なくとも部分的に、ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の阻害が骨髄分化を可能にするという発見、ならびにこれらの化合物を投与してその有効性を増強する方法の発見に基づいている。インビボ急性骨髄性白血病(AML)モデルでは、DHODH阻害剤は白血病細胞負荷を減少させ、白血病始原細胞のレベルを低下させ、生存率を改善した。DHODH阻害は、AML患者の分化遮断を克服するための新しい代謝標的を提供し得る。
特定の実施形態では、本発明は、AMLを治療するためのDHODH阻害剤、ブレキナルの使用を提供する。以前のDHODH阻害剤の研究では、阻害剤を体重に基づく様式で投与していた。これらの研究では、DHODH阻害剤の投与は毒性をもたらし、有効性を欠いていた。DHODH阻害剤を毎日マウスに投与した場合にも同様の結果が観察された。このような投薬は、重度の貧血、重度の血小板減少、および約10日間の治療後の死をもたらした。意外にも、DHODH阻害剤ブレキナルを3日毎に投与した場合、AMLに対して有効であると共に耐容性が高かった。
一定の実施形態では、本発明で熟慮されるがんが分化停止によって特徴付けられる。他の実施形態では、本発明の化合物を本発明で熟慮されるがんに罹患している対象に投与することにより、がんの分化停止が克服される。本発明はさらに、本発明の化合物の1種または複数を含む組成物、および本発明の化合物を使用して一定の種類の血液がんを治療または予防する方法を含む。
急性骨髄性白血病
急性骨髄性白血病(AML)は、臨床的に壊滅的な疾患である。診断および支持療法の改善があっても、AMLを有する成人の5年生存率はわずか30%であり、65歳以上の患者ではさらに予後不良である。これらの期待外れの結果および新規療法の必要性が強調されているにもかかわらず、化学療法標準治療であるシタラビンとアントラサイクリンの組合せは40年以上変わらないままである。
AMLの1つの特徴は、骨髄性白血病性芽球が分化の初期段階で停止することである。精密核型分析および遺伝子分析の開発に先立ち、未熟の形態学的特徴を使用して、患者の病気を組織学的に分類した(例えば、1976FAB分類スキーム)。白血病性芽球が未熟な分化段階で動かなくなっているように見えたという認識から、単に白血病細胞を死滅させるのではなく、分化を促進することに新たな療法を向けることができることが示唆された。
急性前骨髄球性白血病(APL、FAB M3)患者の小さなサブセット(10%)においては、再発性染色体転座が、レチノイン酸受容体を含む融合癌タンパク質をもたらす。患者を全トランス型レチノイン酸(ATRA)および三酸化ヒ素で治療することによってこの依存性を利用することにより、細胞が分化停止から解放され、白血病性芽球が最終分化した好中球までのその正常成熟過程を再開することが可能になる。この分化療法の劇的な成功と臨床的影響が、APL患者の生存曲線を逆転させた。APLがかつてはAMLの最悪の予後サブセットであったが、現在では治癒の見通しが最も良く、全体生存率は85%を超える。満たされていない課題は、非APL急性骨髄性白血病を有する、患者の残りの90%のために同様の分化療法を明らかにすることである。
骨髄分化遮断を克服するための新たな治療標的を明らかにするための広範な努力はほとんど成功していない。APLに類似した最近の進展では、変異型イソクエン酸デヒドロゲナーゼ2(IDH2)の小分子阻害剤が、IDH2変異を有する患者のサブセット(9%)の間で細胞分化を誘導することができる。しかしながら、AML症例の残りは、染色体の変化と遺伝子変異の複雑で異質な組合せを伴う。変異特異的治療法の開発は困難な課題であり、変異体Flt3などの標的の合理的に設計された強力な阻害剤でさえ、臨床的に期待外れであった。
分化または自己再生に影響を及ぼす多様な突然変異誘発事象が共通の分子経路を通して集中し得るという推論に基づいて、代替戦略が追求された。この戦略は、AMLのある範囲の遺伝子サブタイプにわたって共有される可能性のある分化の経路を定義し、標的化しようとした。興味深いことに、ホメオボックス転写因子HoxA9の発現はAML患者の70%において上方制御されており、分化停止の共通の段階で白血病性芽球が停止されることを反映しているようである。HoxA9は、正常な骨髄造血にとって重要であり、その発現は、正常な分化を可能にするために下方制御されなければならない。さらに、HoxA9は、MLL/AF9などのMLL転座によって駆動される白血病の維持にとって重要であり、HoxA9は慢性骨髄性白血病患者における急性転化期疾患への移行中に上方制御され、HoxA9発現自体は白血病の小児における独立した危険因子である。そのため、理論によって拘束されることを意図するわけではないが、突然変異していることは分かっていないが、HoxA9の持続的発現は、異種サブタイプの一定の範囲にわたる治療標的化に適したAMLにおける一般的に調節不全のノードとなり得るだろう。
HoxA9の公知の小分子阻害剤が存在しないので、不偏表現型スクリーニングで使用され得るHoxA9強制骨髄分化停止の細胞モデルを開発した。HoxA9の持続的発現が骨髄分化停止をもたらすので、エストロゲン受容体−HoxA9(ER−HoxA9)融合タンパク質を使用して、初代ネズミ骨髄の培養物を条件付き不死化した。ER−HoxA9細胞を、GFPがリゾチーム座にノックインされたマウスの骨髄から作製した。リゾチームは最終分化細胞においてのみ発現される骨髄性顆粒タンパク質であるので、この細胞系は、小分子の大規模表現型スクリーニングが活性HoxA9の存在下で分化を誘因することができるものを同定することを可能にした。
ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)を、最も活性な化合物の標的として同定した。DHODHは、新規のピリミジン生合成の第4のおよび律速段階を担う酵素であり、その調節はAML分化を誘導することはこれまで示されていない。この研究において、DHODH阻害剤は、AMLのマウスモデルとヒトモデルの両方においてインビトロおよびインビボで強力な分化活性を発揮した。理論によって拘束されることを意図しないが、DHODH阻害剤の抗白血病活性は、ウリジン生合成と細胞運命決定との間の新規な関係を指し、AML患者の治療に非常に必要な新しい治療選択肢を提供し得る。
化合物
一態様では、本発明は抗がん化合物を提供する。一定の実施形態では、化合物が哺乳動物DHODH(ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ)の阻害剤またはその塩もしくは溶媒和物を含む。他の実施形態では、哺乳動物DHODHがヒトDHODHを含む。
一定の実施形態では、本発明は、
ブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている)
Figure 0006917375
レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている)
Figure 0006917375
テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている)
Figure 0006917375
またはこれらの任意の組合せ
からなる群から選択される、少なくとも1種の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む。
本発明の化合物は、1つまたは複数の立体中心を有することができ、各立体中心は独立に(R)または(S)配置のいずれかで存在し得る。一実施形態では、本明細書に記載される化合物は、光学活性体またはラセミ体で存在する。本明細書に記載される化合物は、本明細書に記載される治療的に有用な特性を有するラセミ体、光学活性体、位置異性体および立体異性体、またはこれらの組合せを包含する。光学活性体の調製は、非限定的な例として、再結晶化技術によるラセミ体の分割、光学活性出発材料からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離を含む、任意の適切な様式で達成される。一実施形態では、1つまたは複数の異性体の混合物を、本明細書に記載される治療化合物として利用する。別の実施形態では、本明細書に記載される化合物が1つまたは複数のキラル中心を含む。これらの化合物は、立体選択的合成、エナンチオ選択的合成ならびに/あるいはエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物の分離を含む任意の手段によって調製される。化合物およびその異性体の分割は、非限定的な例として、化学プロセス、酵素プロセス、分別結晶化、蒸留およびクロマトグラフィーを含む任意の手段によって達成される。
本明細書に記載される方法および製剤は、本発明のいずれかの化合物の構造を有する化合物のN−オキシド(適切な場合)、結晶形態(多形としても知られる)、溶媒和物、非晶質相および/または薬学的に許容される塩、ならびに同じ種類の活性を有するこれらの化合物の代謝産物および活性代謝産物の使用を含む。溶媒和物は、水、エーテル(例えば、テトラヒドロフランもしくはメチルtert−ブチルエーテル)またはアルコール(例えば、エタノール)溶媒和物、酢酸塩などを含む。一実施形態では、本明細書に記載される化合物が水およびエタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する。別の実施形態では、本明細書に記載される化合物が非溶媒和形態で存在する。
一実施形態では、本発明の化合物が互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書に列挙される化合物の範囲内に含まれる。
一実施形態では、本明細書に記載される化合物をプロドラッグとして調製する。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬剤である。一実施形態では、インビボ投与の際に、プロドラッグが、化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に化学的に変換される。別の実施形態では、プロドラッグが、1つまたは複数のステップまたはプロセスによって化合物の生物学的、薬学的または治療的に活性な形態に酵素的に代謝される。
一実施形態では、例えば、本発明の化合物の芳香環部分上の部位が、種々の代謝反応を受けやすい。芳香環構造上に適切な置換基を組み込むことにより、この代謝経路を減少させる、最小化する、または排除することができる。一実施形態では、芳香環の代謝反応に対する感受性を低下または排除するための適切な置換基は、単なる例として、重水素、ハロゲンまたはアルキル基である。
本明細書に記載される化合物はまた、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、通常自然界に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている同位体標識化合物を含む。本明細書に記載される化合物に含めるのに適した同位体の例としては、それだけに限らないが、2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、125I、13N、15N、15O、17O、18O、32Pおよび35Sが挙げられる。一実施形態では、同位体標識化合物が、薬物および/または基質組織分布研究において有用である。別の実施形態では、重水素などのより重い同位体による置換が、より大きな代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加または投与量要件の減少)をもたらす。さらに別の実施形態では、11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体による置換が、基質受容体占有を調べるための陽電子放射トポグラフィー(PET)研究で有用である。同位体標識化合物は、他の方法で使用される非標識試薬の代わりに、任意の適切な方法によって、または適切な同位体標識試薬を使用するプロセスによって調製される。
一実施形態では、本明細書に記載される化合物が、それだけに限らないが、発色団もしくは蛍光部分、生物発光標識または化学発光標識を含む他の手段によって標識される。
本発明はさらに、本発明の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を含む。
一定の実施形態では、医薬組成物が、本明細書で熟慮される疾患または障害を治療するのに有用な少なくとも1種の追加の薬剤をさらに含む。一定の実施形態では、本発明の化合物および追加の薬剤が、組成物に共製剤化される。

本明細書に記載される化合物は酸と塩を形成してもよく、このような塩は本発明に含まれる。一実施形態では、塩が薬学的に許容される塩である。「塩」という用語は、本発明の方法において有用な遊離酸の付加塩を包含する。「薬学的に許容される塩」という用語は、医薬用途における有用性を与える範囲内の毒性プロファイルを有する塩を指す。それにもかかわらず、薬学的に許容されない塩は、例えば、本発明の方法において有用な化合物の合成、精製または製剤化のプロセスにおける有用性などの、本発明の実施における有用性を有する高結晶性などの特性を有し得る。
適切な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸(硫酸塩および硫酸水素塩を含む)、およびリン酸(リン酸水素およびリン酸二水素を含む)が挙げられる。適当な有機酸は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸およびスルホン酸クラスの有機酸から選択され得、その例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、マロン酸、サッカリン、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸から選択され得る。
本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩基付加塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属塩、例えばカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を含む金属塩が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩には、塩基性アミン、例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチル−グルカミン)およびプロカインから生成された有機塩も含まれる。これらの塩の全ては、対応する化合物から、例えば適切な酸または塩基を対応する化合物と反応させることにより調製することができる。
併用療法
一定の実施形態では、本発明の化合物が、本発明で熟慮される疾患または障害を治療または予防するのに有用な少なくとも1種の追加の薬剤と組み合わせて本発明の方法で有用である。この追加の薬剤は、本明細書で同定される化合物あるいはそれだけに限らないが、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病(CML)および/または骨髄単球性白血病(MML)などの血液がんを治療、予防またはその症状を低減することが知られている化合物、例えば商業的に入手可能な化合物を含み得る。
一定の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬剤が抗癌剤である。
抗癌剤は、131I−chTNT、アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、ado−トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレクチニブ、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、ヘキシルアミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンセスチム、アネトールジチオールチオン、アネツマブ・ラブタンシン、アンジオテンシンII、抗トロンビンIII、アプレピタント、アルシツモマブ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベシレソマブ、ベリノスタット、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ボルテゾミブ、ブセレリン、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カルシトニン、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カプロマブ、カルボプラチン、カルボコン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シドホビル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コビメチニブ、コパンリシブ、クリサンタスパーゼ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンアルファ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デプレオチド、デスロレリン、ジアンヒドロガラクチトール、デクスラゾキサン、塩化ジブロスピジウム、ジアンヒドロガラクチトール、ジクロフェナク、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、ドロナビノール、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エロツズマブ、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エンザルタミド、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エチニルエストラジオール、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フェンタニル、フィルグラスチム、フルオキシメステロン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、フォルメスタン、ホスアプレピタント、ホテムスチン、フルベストラント、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、ガドベルセタミド、ガドキセト酸、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルカルピダーゼ、グルトキシム(glutoxim)、GM−CSF、ゴセレリン、グラニセトロン、顆粒球コロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、ランソプラゾール、イバンドロン酸、イブリツモマブ・ティウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インジセトロン、インカドロン酸、インゲノールメブテート、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イオビトリドール、イオベングアン(123I)、イオメプロール、イピリムマブ、イリノテカン、イトラコナゾール、イクサベピロン、イキサゾミブ、ランレオチド、ランソプラゾール、ラパチニブ、IASOコリン(Iasocholine)、レナリドミド、レンバチニブ、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、レボノルゲストレル、レボチロキシンナトリウム、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メラルソプロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メタドン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メチロシン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、モガムリズマブ、モルグラモスチム、モピダモール、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、ナビロン、ナビキシモルス、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトレキソン、ナルトグラスチム、ネシツムマブ、ネダプラチン、ネララビン、ネリドロン酸、ネツピタント・パロノセトロン、ニボルマブペンテトレオチド(nivolumabpentetreotide)、ニロチニブ、ニルタミド、ニモラゾール、ニモツズマブ、ニムスチン、ニンテダニブ、ニトラクリン、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オファツムマブ、オラパリブ、オマセタキシン・メペサクシネート、オメプラゾール、オンダンセトロン、オプレルベキン、オルゴテイン、オリロチモド(orilotimod)、オシメルチニブ、オキサリプラチン、オキシコドン、オキシメトロン、オゾガマイシン、p53遺伝子療法、パクリタキセル、パルボシクリブ、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パロノセトロン、パミドロン酸、パニツムマブ、パノビノスタット、パントプラゾール、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、PEG−エポエチンベータ(メトキシPEG−エポエチンベータ)、ペムブロリズマブ、ベグフィルグラスチム、pegインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルフルブタン、ペルホスファミド、ペルツズマブ、ピシバニール、ピロカルピン、ピラルビシン、ピクサントロン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリビニルピロリドン+ヒアルロン酸ナトリウム、ポリサッカリド−K、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾン、プロカルバジン、プロコダゾール、プロプラノロール、キナゴリド、ラベプラゾール、ラコツモマブ、塩化ラジウム223、ラドチニブ、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラモセトロン、ラムシルマブ、ラニムスチン、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、エチドロン酸レニウム−186、リツキシマブ、ロラピタント、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロムルチド、ロニシクリブ、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、サツモマブ、セクレチン、シルツキシマブ、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソニデギブ、ソラフェニブ、スタノゾロール、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タリモジーン・ラハーパレプベック、タミバロテン、タモキシフェン、タペンタドール、タソネルミン、
テセロイキン、テクネチウム(99mTc)ノフェツモマブメルペンタン、99mTc−HYNIC−[Tyr3]−オクトレオチド、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、サイロトロピンアルファ、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラメチニブ、トラマドール、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、トレオスルファン、トレチノイン、トリフルリジン+チピラシル、トリロスタン、トリプトレリン、トラメチニブ、トロフォスファミド、トロンボポエチン、トリプトファン、ウベニメクス、バラチニブ、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム90ガラスミクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシンからなる群から選択され得るが、これらに限定されない。
他の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬剤が抗癌剤、特にシタラビンおよび/またはアントラサイクリンである。
他の実施形態では、少なくとも1種の追加の薬剤がATRAまたは三酸化ヒ素を含む。
相乗効果は、例えば、シグモイド−Emax式(Holford&Scheiner、19981、Clin. Pharmacokinet. 6:429〜453)、Loewe相加性の式(Loewe&Muischnek、1926、Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114:313〜326)および半数影響式(Chou&Talalay、1984、Adv. Enzyme Regul. 22:27〜55)などの適切な方法を用いて計算され得る。上で言及される各式を実験データに適用して、対応するグラフを作成して、薬物の組合せの効果を評価するのを助けることができる。上で言及される式に関連する対応するグラフは、それぞれ濃度−効果曲線、アイソボログラム曲線および組合せインデックス曲線である。
方法および使用
一態様では、本発明は、対象における血液がんを治療または予防する方法を含む。一定の実施形態では、方法が、治療上有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を対象に投与するステップを含む。他の実施形態では、少なくとも1種の本発明の化合物が、医薬組成物に製剤化される。
一定の実施形態では、血液がんが分化停止によって特徴付けられる。他の実施形態では、血液がんが急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)を含む。さらに他の実施形態では、血液がんがAMLを含む。
一定の実施形態では、本発明の化合物が、ブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);またはこれらの任意の組合せからなる群から選択される、少なくとも1種の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む。
一定の実施形態では、本発明の化合物が、ブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている)またはその塩もしくは溶媒和物を含む。
一定の実施形態では、化合物または組成物を、経口、直腸、粘膜(例えば、経口または鼻腔吸入による)、経粘膜、局所(経皮)、および静脈内、真皮内、筋肉内、皮下、皮内、子宮内、硬膜外および脳室内注射から選択される少なくとも1つの経路によって対象に投与する。他の実施形態では、対象に、血液がんの治療または予防に有用な少なくとも1種の追加の薬剤をさらに投与する。さらに他の実施形態では、対象が哺乳動物である。さらに他の実施形態では、哺乳動物がヒトである。さらに他の実施形態では、対象が1種または複数の商業的に入手可能なおよび/または有用な抗癌剤に応答しない。
一定の実施形態では、本発明は、血液がんの治療または予防に使用するための化合物、より具体的にはジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤(DHODH阻害剤)、さらにより具体的にはブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物を含む。
さらなる一定の実施形態では、本発明は、血液がんの治療または予防に使用するための化合物、より具体的にはジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤(DHODH阻害剤)、さらにより具体的にはブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている)またはその塩もしくは溶媒和物を含む。
一定のさらなる実施形態では、本発明は、血液がんが急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)である、使用するための化合物を含む。
一定の他の実施形態では、本発明は、血液がんが急性骨髄性白血病(AML)である、使用するための化合物を含む。
本発明の一定の他の実施形態では、本発明は、血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)の治療または予防に使用するためのジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ阻害剤(DHODH阻害剤)を含む。
一定の他の実施形態では、本発明は、血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)の治療または予防に使用するためのブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される化合物を含む。
他の実施形態では、本発明は、血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)を予防または治療するための医薬品を製造するためのブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される化合物の使用を含む。
製剤/投与
本発明の組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤を含有してもよく、適切な方法によって対象に投与されてもよい。
よって、一定のさらなる実施形態では、本発明は、予防または治療、より具体的には血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)の治療に使用するためのブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される化合物を含む組成物を含む。
一定の他の実施形態では、本発明は、予防または治療、より具体的には血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)の治療に使用するための薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤と一緒にブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される化合物を含む組成物を含む。
本発明の組成物は、当技術分野で公知の任意の慣用的な方法にしたがって、経口剤形または滅菌注射液を含む種々の形態で製剤化することができる。他の実施形態では、組成物を吸入型薬物送達システムとして使用することもできる。さらに他の実施形態では、本発明の組成物を、注射液用に製剤化することができる。
組成物は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エアゾール剤、外用製剤、坐剤および滅菌注射液として製剤化することができる。当技術分野で公知の適切な製剤は、例えばRemington’s Pharmaceutical Science(Mack Publishing Company、Easton PA)に開示されている。本発明の組成物に含有され得る担体、賦形剤および希釈剤には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、デンプン、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたは鉱油が含まれる。
錠剤はまた、結合および造粒剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸塩)、保存剤(例えば、パラベン)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、リン酸塩またはクエン酸塩緩衝剤)、および発泡剤(例えば、クエン酸塩/重炭酸塩混合物)のような標準的な成分も含有し得る。このような賦形剤は周知であり、ここで詳細に議論する必要はない。カプセル製剤は、硬質ゼラチンでも軟質ゼラチンの種類のものでもよく、固体、半固体または液体形態の活性成分を含有することができる。ゼラチンカプセルは、動物ゼラチンまたはその合成もしくは植物由来の同等物から形成することができる。固体剤形(例えば、錠剤、カプセル剤等)は、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよいが、典型的にはコーティング、例えば保護フィルムコーティング(例えば、ワックスもしくはワニス)または放出制御コーティングを有する。コーティング(例えば、Eudragit(商標)型ポリマー)は、胃腸管内の所望の位置で活性成分を放出するよう設計することができる。したがって、コーティングを、胃腸管内の一定のpH条件下で分解し、それによって胃または回腸または十二指腸内で化合物を選択的に放出するように選択することができる。あるいはまたはさらに、コーティングを、苦味のある薬物などの不快な味を隠すための味マスキング剤として使用することができる。コーティングは、不快な味を隠すのを助ける糖または他の薬剤を含有することができる。コーティングの代わりに、またはコーティングに加えて、抗生物質を、胃腸管内の変化する酸度またはアルカリ度の条件下で化合物を選択的に放出するよう適合され得る、放出制御剤、例えば、放出遅延剤を含む固体マトリックス中に提供してもよい。あるいは、マトリックス材料または放出遅延コーティングは、剤形が胃腸管を通過する際に実質的に連続的に侵食される侵食性ポリマー(例えば、無水マレイン酸ポリマー)の形態をとることができる。さらなる代替として、活性化合物を、化合物の放出の浸透圧制御を提供する送達系で製剤化することができる。浸透圧放出および他の遅延放出もしくは持続放出製剤は、当業者に周知の方法にしたがって調製することができる。医薬製剤は、単一のパッケージ、通常はブリスターパック中に治療の全経過を含有する「患者パック」で患者に提供することができる。患者パックは、患者が、通常、患者処方において欠けている患者パックに含有される添付文書に常にアクセスできるという点で、薬剤師が原体供給から医薬品の患者供給を分割する伝統的な処方に対する利点を有する。添付文書を含めることにより、医師の指示に対する患者のコンプライアンスが改善することが示されている。各錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤等は、例えば本明細書に論じられるような用量の単回用量であり得る、または用量は2個以上の錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤などであり得る;例えば、錠剤、カプセル剤などが125mgであり、用量が250mgである場合、患者は2個の錠剤、カプセル剤などを投与するための各間隔で服用することができる。
本発明の組成物は、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤または界面活性剤などの一般的に使用される希釈剤または賦形剤を用いて製剤化することができる。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤またはカプセル剤が含まれ、このような固体製剤は、組成物に加えて、少なくとも1種の賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトースまたはゼラチンを含む。単純な賦形剤に加えて、ステアリン酸マグネシウムまたはタルクなどの潤滑剤を使用することもできる。経口投与のための液体製剤には、懸濁剤、液剤、乳剤およびシロップが含まれ、これらは頻繁に使用される単純な希釈剤である水および流動パラフィンに加えて、種々の賦形剤、例えば湿潤剤、香味剤、芳香剤および保存剤を含有し得る。
非経口投与のための製剤には、滅菌水溶液、非水溶液、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤および坐剤が含まれる。非水性溶媒または懸濁剤として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、またはオレイン酸エチルなどの注射可能なエステルを使用することができる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール、Macrogol、Tween 61、カカオ脂、ラウリン脂肪またはグリセロゼラチンを使用することができる。
本発明の医薬組成物の好ましい用量は、患者の状態および体重、疾患の重症度、薬物の種類、ならびに投与経路および投与期間に応じて変化し、当業者によって適切に選択され得る。好ましい効果のために、本発明の医薬組成物を0.01〜100mg/kg/日の用量で投与することができる。投与は、1日1〜4回、例えば、1日1回、2回、3回または4回くらいとすることができる。24時間に投与される最大量は最大1500mgとすることができる。投与は、2日〜30日、例えば3日〜21日、例えば7日、10日または14日間の期間にわたり得る。当業者は、対象の体重および全身の健康状態および抗生物質の投与目的に応じて投与量を調節することができる。得られた応答に応じて、反復した治療コースを追求することができる。
一定の実施形態では、本発明は、化合物をそれを必要とする対象に48時間毎に1回以下の頻度で投与するステップを含む、血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)を予防または治療する方法に使用するための、ジヒドロオロテート阻害剤(DHODH阻害剤)、より具体的にはブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物を含む。
一定の他の実施形態では、本発明は、化合物をそれを必要とする対象に72時間毎に1回以下の頻度で投与するステップを含む、血液がん、より具体的には急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)、さらにより具体的には急性骨髄性白血病(AML)を予防または治療する方法に使用するための、ジヒドロオロテート阻害剤(DHODH阻害剤)、より具体的にはブレキナル(6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸としても知られている);レフルノミド(5−メチル−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−イソオキサゾール−4−カルボキサミドとしても知られている);テリフルノミド((2Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタ−2−エンアミドとしても知られている);もしくはこれらの任意の組合せまたはその塩もしくは溶媒和物を含む。
本発明の組成物は、種々の経路によって対象に投与することができる。例えば、経口、直腸、粘膜(例えば、経口または鼻腔吸入による)、経粘膜、局所(経皮)、または静脈内、真皮内、筋肉内、皮下、皮内、子宮内、硬膜外または脳室内注射など、全ての投与様式が熟慮される。
特に指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される分子量、反応条件などの成分、特性の量を表す全ての数字は、「約」という用語によって全ての例で修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、特にそれとは反対の指示がない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限、特許請求の範囲の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、報告される有効数字の数に照らしておよび通常の丸め技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含む。
本明細書において値および範囲が提供される場合はいつでも、これらの値および範囲に包含される全ての値および範囲は、本発明の範囲内に包含されることが意図されることが理解されるべきである。さらに、これらの範囲内に入る全ての値ならびに値の範囲の上限または下限も、本出願によって熟慮される。
当業者であれば、本明細書に記載される特定の手順、実施形態、特許請求の範囲および実施例に対する多数の同等物を認識する、または日常的な実験でしかないものを用いて確認することができるだろう。このような同等物は、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって網羅されるとみなした。例えば、それだけに限らないが、反応時間、反応サイズ/体積および実験試薬、例えば溶媒、触媒、圧力、大気条件、例えば窒素雰囲気、および還元/酸化剤を含む反応条件の修正は、当技術分野で認識される代替物と合わせて、日常的な実験でしかないものを用いて、本出願の範囲内にあると理解されるべきである。
以下の実施例は、当業者に本発明のアッセイ、スクリーニングおよび治療方法を作成および使用する方法の完全な開示および説明を提供するために提示されており、発明者らが発明とみなすものの範囲を限定することを意図していない。
実施例
本発明をここで以下の実施例を参照して説明する。これらの実施例は説明のためにのみ提供されており、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、むしろ本明細書で提供される教示の結果として自明な全ての変形を包含する。
特に注記しない限り、本明細書に記載される合成のための出発材料は、商業的供給源または公知の合成手順から得て、さらに精製することなく使用した。
生物学的実施例
実施例1:ER−HoxA9融合体は、条件付き骨髄分化停止のモデルを確立する
骨髄分化の具体的な測定は厄介であり、形態学的もしくは酵素的アッセイ、またはより最近では遺伝子発現の変化に歴史的に依拠しているので、ハイスループット骨髄分化アッセイは困難である。さらに、骨髄分化は、分化停止の機序が定義されていないAML細胞系において典型的に評価されている。
エストロゲン受容体−HoxA9(ER−HoxA9)融合タンパク質を使用して、初代ネズミ骨髄の培養物を条件付き不死化した。野生型HoxA9タンパク質の持続的発現は、マウス骨髄の培養物における骨髄分化停止を強制するのに十分であり、レシピエントマウスへのこれらの細胞の注入は、長い潜伏期を伴うにもかかわらず、急性骨髄性白血病(AML)に至る(Kroonら、The EMBO Journal 17、3714〜3725、1998)。HoxA9のN末端に対するヒトエストロゲン受容体(ER)のホルモン結合ドメインの融合は、β−エストラジオール(E2)の非存在下で細胞質において不活性形態で構成的に翻訳および捕捉されるタンパク質をもたらす。そのβ−エストラジオールリガンドに結合すると、ER−HoxA9タンパク質は核に転座し、そこで転写因子としてその野生型活性を保持する。ヒトERのG400V変異体を使用した。この変異体は、これを生理的濃度のエストロゲンまたはウシ胎児血清中に見出される微量のエストロゲンに非感受性にする(図1H)。
ER−HoxA9構築物を形質導入された初代マウス骨髄細胞は、顆粒球マクロファージ前駆細胞(GMP)と一致する細胞表面受容体プロファイルで、幹細胞因子依存性骨髄芽球細胞株として増殖する(図1I)。β−エストラジオールおよび活性ER−HoxA9タンパク質の存在下では、これらの細胞は未成熟骨髄芽球として無期限に増殖するが、β−エストラジオールの中止時には、細胞は4〜5日にわたって同期および終末好中球分化を受け、細胞表面CD11bおよびGr−1の発現における予想される変化を証明した(図1A)。この正常および終末顆粒球形成分化は、細胞周期(図1B)および形態学(図1C)における変化のアッセイならびに食作用(図1D)およびスーパーオキシド産生(図1J)を含む機能的好中球エフェクター機能のアッセイによって確認された。
実施例2:リゾチーム−GFP−ER−HoxA9細胞は、AML分化の表現型スクリーニングのためのモデルを確立する
小分子の分化スクリーニングを容易にするために、ER−HoxA9 GMP細胞株を、GFPの発現が成熟骨髄細胞に限定されるリゾチーム−GFP(緑色蛍光タンパク質)ノックインマウスの骨髄から得た。RNA−配列決定(RNA−Seq)による時間経過遺伝子発現解析を、β−エストラジオール中で培養されたならびにβ−エステオラジオールの除去後、最大120時間の9時点の未分化細胞に対して行った。重要な好中球遺伝子(Elane、Mpo)ならびにHoxA9標的遺伝子(Cd34、Flt3)の発現パターンは、転写因子、一次顆粒タンパク質および二次顆粒タンパク質の予想される段階的パターンを証明する(図1E)。遺伝子発現を、7日間にわたってインビトロで分化させた初代ネズミ骨髄芽球の非操作培養物の遺伝子発現と比較した(図1F、図1K、図1Lならびにヒト骨髄細胞の新たに選別されたサブセット(図1G)。ER−HoxA9細胞の分化中の段階的な遺伝子発現パターンは、マウスおよびヒト初代骨髄芽球との著しい類似性を示す。
Lys−GFP−ER−HoxA9細胞株において、GFP発現は骨髄分化の正常な過程に伴い(図1E、図2A)、骨髄マーカーCD11bおよびGr−1の発現と平行していた(図2B)。イメージングフローサイトメトリーは、分化に関連する単細胞形態変化が、細胞表面CD11b染色の増加、細胞表面CD117(CKIT)染色の減少、および細胞質GFP発現の増加を伴うことを示した(図2I)。実施例20は、骨髄分化を促進し得る化合物をスクリーニングするための方法を提供する。
野生型ER−HoxA9 GMPと同様に、Lys−GFP−ER−HoxA9細胞はSCF依存性であり、β−エストラジオールなしで培養すると、約12時間の倍加時間を有し、終末分化の前に5日間にわたって4〜5倍の倍加を経験した(図2J)。
実施例3:ハイスループットスクリーニングにより、骨髄分化のメディエーターとしての12種の小分子が同定される
Lys−GFP−ER−HoxA9 GMPを用いて、ハイスループット小分子表現型スクリーニングを行って、活性HoxA9の存在下で骨髄分化を誘因する化合物を同定した。(アッセイの詳細については実施例20を参照されたい)。4日間の化合物処理の後、細胞を、ハイスループットフローサイトメトリーによって、前方および側方散乱特性に基づく生存能、ならびにGFPの内因性発現およびCD11bの細胞表面発現によって測定される分化について評価した(APC蛍光、図2C)。アッセイは、Z値0.9を達成し、優れたシグナル対ノイズ比を示した。NIH分子ライブラリープログラムの分子ライブラリー小分子リポジトリ(MLSMR)ライブラリー内の33万個超の小分子の分化能を、約25スクリーニング日にわたって評価した。
毒性化合物(10%未満の生存細胞)、自己蛍光(緑色および/または遠赤色蛍光)化合物およびエストロゲンアンタゴニストを排除するために、活性化合物を濃度−応答実験でフローサイトメトリーによって再スクリーニングした。12種の化合物が、ER−HoxA9および野生型HoxA9マウスGMP細胞株の複数のクローンにおいて再現性のある骨髄分化を実証した。AMLの4つのヒト細胞株モデル(HL60、NB4、THP1およびU937)において、12種の活性化合物を異種間分化活性についてスクリーニングした。3および7と指定された化合物(図2DのC03およびC07)は、U937およびTHP1ヒト白血病細胞株における分化を促進した(CD11b発現の上方制御によってアッセイされる)ので、化合物最適化の出発点として選択した。
実施例4:ML390はC07の強力な誘導体である
別個の化合物分子骨格を有する2種の化合物(C03およびC07)を、マウスAMLモデルとヒトAMLモデルの両方でそれらの異種間相互作用に基づくさらなる研究のために選択した。化合物C03は、公知の非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)ならびにアルド−ケトレダクターゼ3(AKR3)の公知の阻害剤と構造的に類似であった。しかしながら、種々の確認されたNSAIDまたはAKR3阻害剤によるLys−GFP−ER−HoxA9細胞の処理は、骨髄分化をもたらさず、これが作用機序ではないことを示唆した。C03のいくつかの構造類似体は、本発明者らの分化アッセイ(実施例20参照)で親化合物よりも強力ではなかった。
C07のエナンチオマーを別々に合成し、生物学的活性は(R)−エナンチオマーに特異的であった(図2F)。合成の詳細については、実施例12を参照されたい。(R)−C07ハロゲン化基を変化させて効力を増加させ、ML390と呼ばれるリード化合物を得た(図2E)。ML390は、マウスおよびヒトAML細胞株において約2μMのED50(その最大分化活性の50%を誘因する有効濃度)で活性であった(図2G)。ML390とのインキュベーションによって誘因された分化は、細胞形態、細胞内GFP蛍光および細胞表面染色を同時に比較するためのイメージングフローサイトメトリーによって測定されるER−HoxA9不活性化を伴う正常分化と同様であった(図2H)。
実施例5:耐性細胞株の分析により、ML390の標的としてのジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼが同定される
大部分がアノテーションされていないライブラリーの表現型スクリーニングを受けて、12種の活性小分子のタンパク質標的は未知であった。化合物耐性細胞株の作製を介した標的同定は、本発明者らの実験室で以前成功していた手法であった。耐性細胞株を作製するために、マウスLys−GFP−ER−HoxA9およびヒトU937白血病細胞を、徐々に上昇する(5μM〜50μM)濃度のDMSO、C03または(R)−C07中で培養した。最初、処理細胞は非常にゆっくりと増殖し、親細胞よりも(形態学およびCD11b染色に基づいて)より分化したように見えた。
3〜4日毎に継代して6ヶ月の期間にわたって、耐性未分化細胞が出現し、これは同じ速度で増殖し、DMSOビヒクル中で培養した細胞と識別できなかった(図3A、図3B)。耐性細胞株は、(R)−C07処理培養物とC03処理培養物の両方ならびにマウス細胞株とヒト細胞株の両方において同様の時間枠で出現した。一見無関係な化学構造にもかかわらず、(R)−C07に耐性の細胞はC03に対して交差耐性を示し、その逆も同様であり、同様の耐性機序を示唆した。さらに、細胞はいずれかの化合物による処理の中止後6週間超耐性を保持し、耐性機序としての安定な遺伝子変異を示唆した。
本発明者らの4つの耐性細胞株の遺伝子発現をRNA−Seqで分析し、C03および(R)−C07に耐性の細胞間の発現変化の重複ならびにマウス細胞とヒト細胞との間の重複を比較した(図3H)。分析によって、Lys−GFP−ER−HoxA9細胞株とU937細胞株の両方において、C03耐性および(R)−C07耐性集団の間で8つの共有遺伝子のみが高度に(4倍超)上方制御されていることが明らかになった(図3I、図3J)。興味深いことに、これらの8つの転写産物は、第16染色体(ヒト)または第8染色体(マウス)の長腕の同じ100kb領域内の遺伝子隣接物であり、耐性機序としての染色体増幅を示唆した。全エキソーム解析(WES)データの分析により、この仮説が確認され、この領域内のより高い程度のカバレッジが証明された(図3C、図3D)。WESは一貫した点突然変異を特定しなかった。
増幅遺伝子の1つは、ピリミジンの細胞内新規合成における重要な酵素であるジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)をコードしていた。この酵素は、C03および(R)−C07がマウスAMLモデルとヒトAMLモデルの両方において分化を誘因する能力と一致して、ヒトとマウスの間で高度に保存されている(90%アミノ酸相同性)。
C03および(R)−C07は、インビトロ酵素阻害アッセイにおいて組換えヒトDHODHタンパク質を用いて証明されるように、DHODHの阻害剤であった。酵素阻害活性(IC50)は、生物学的分化効果(ED50)とほぼ同等であった(図3E)。同様に、レフルノミド、その活性代謝産物テリフルノミドおよびブレキナルナトリウムを含むDHODHの公知の阻害剤もまた、本発明者らの酵素阻害アッセイと細胞分化アッセイの両方において活性であった(図3I、図3J)。
細胞は細胞内ウリジン合成のためにDHODHに依存するが、ヌクレオシド輸送体を通して細胞外ウリジンを回収することもできる。ウリジンの濃度が増加する添加培地は、Lys−GFP−ER−HoxA9、U937およびTHP1細胞株におけるC03および(R)−C07の分化効果を無効にした(図3FはLys−GFP−ER−HoxA9細胞を示す)。この「ウリジンレスキュー」は、骨髄分化効果が、ウリジン一リン酸(UMP)合成(図5A)との干渉に完全に起因し、DHODHの阻害とは無関係の追加の代替機序を伴わないことを証明した。
実施例6:DHODH阻害は骨髄分化と一致する遺伝子発現パターンを誘因する
ML390で12、36および72時間処理したLys−GFP−ER−HoxA9細胞における遺伝子発現変化は、一次好中球分化に伴う変化に似ていた(図3G)。しかしながら、これらのパターンは、ER−HoxA9の不活性化後のパターンと比較してあまり顕著ではなかった(図1F、図1I、図3M)。正常分化の間に観察されなかったML390による処理後の遺伝子発現変化(図3L)は、ピリミジンの利用可能性の低下ならびにRNAおよびDNA合成の全体的抑制に関連している可能性が高かった。
実施例7:DHODHの強力かつ選択的な阻害剤であるブレキナルナトリウムは、インビボ研究に適している
ML390の低い溶解度およびバイオアベイラビリティがインビボツール化合物としてのその可能性を制限したので、インビボ研究のための他のDHODH阻害剤の適合性を評価した。ブレキナルナトリウムは、抗増殖剤としてDuPont Pharmaceuticals(DUP785;NSC368390)によって最初に開発されたDHODHの強力な阻害剤である。ブレキナルはインビトロで10nM未満のIC50でDHODH活性を阻害し(図3I)、1μM未満のED50でER−HoxA9、U937およびTHP1細胞における分化を誘因する(図3K)。ブレキナルの効力はウリジンの細胞外濃度に依存し;50%FBS(インビボでのウリジンの細胞外血漿濃度をよりよく近似するため)中で培養した細胞は、それらのED50において約2倍の増加を示した。
ブレキナルは、公開された文献(Cramer、1995)と一致して、インビボで約12時間の半減期を有し(図4E)、高度にタンパク質結合している(98〜99%)。ブレキナルがDHODHに加えてキナーゼを阻害する可能性を排除するのを助けるために、本発明者らは、400種を超える公知のキナーゼのパネル(DiscoverX KinomeScan)に対するブレキナルの特性を明らかにした。ブレキナルは、100nMおよび1μMの濃度でキナーゼ阻害活性がほぼ完全に存在しないことを示した(図4F)。
ブレキナルの最大耐量(MTD)を野生型C57Bl/6マウスで評価した(実施例21参照)。毎日投与する場合、ブレキナルは最大15mg/kgの用量で耐容性を示された。15mg/kgより高い用量を受けたマウスは、6日間の毎日投与後に体重減少と血小板減少を示した。この毒性は可逆的であり、処理の中断後にマウスは完全に回復した。15mg/kgまたは25mg/kgの単回腹腔内(IP)投与後の血漿ブレキナル濃度の測定は、断続的な投薬スケジュールが約1μMのインビトロ細胞ED50よりも上の濃度を維持し得ることを示唆した(図3K、図4E)。さらに、この断続的スケジュールはより優れた耐容性を示され、3日毎に1回(Q3D)最大50mg/kgの用量を与えられたマウスは、体重減少も血小板減少も示さなかった。
実施例8:ブレキナルは、AMLのTHP−1異種移植モデルにおける抗白血病活性およびインビボでの分化を証明する
THP1細胞をSCIDマウスの脇腹に皮下移植し、約40mm2の腫瘍サイズまで10日間生着させた。マウスを毎日5mg/kgまたは3日毎(Q3D)に15mg/kgの投与量でIP注射により与えられるビヒクル対照またはブレキナルで処理した。ブレキナルは、15mg/kgのQ3D投与量で腫瘍増殖を遅らせ、5mg/kgの毎日投与量で腫瘍増殖を停止させた(図4A、図4G)。分化分析のためにTHP1腫瘍を外植した;ブレキナルで処理したマウス由来のTHP1細胞は、CD11b発現の増加によって示されるように著しい分化を示した(図4Bにグラフで、および図4Cにおいて幾何平均蛍光強度によって示される)。
実施例9:DHODH阻害は、インビトロおよびインビボでのウリジンおよびUDP代謝産物の枯渇をもたらす
DHODHは、ウリジン一リン酸(UMP、図5A)の内因性合成におけるジヒドロオロテート(DHO)のオロテートへの変換を触媒する。インビトロにおいて、48時間のML390によるLys−GFP−ER−HoxA9細胞の処理は、DHODH活性を阻害し、上流代謝物であるジヒドロオロテートの劇的な蓄積(500倍超)(図5B)ならびにウリジンおよび他の下流代謝産物の枯渇(図5C)をもたらした。
DHODHがウリジン生合成の第4のステップを触媒し、酵素OMPデカルボキシラーゼ(OMPD)が第6のステップを触媒する(図5A)。ピラゾフリンは、OMPDの強力な小分子阻害剤であり(Dixら、1979)、ピラゾフリンによるLys−GFP−ER−HoxA9細胞の処理は、DHODH阻害の分化効果を表現型コピーした(図5D)。
細胞培養培地のウリジン添加は、ML390またはピラゾフリンの分化効果を無効にした(図3G、図5D)。ウリジン添加はまた、下流代謝産物の枯渇を逆転させたが、DHOの蓄積を逆転させなかった。総合すると、これらの知見は、ジヒドロオロテートの蓄積ではなく、経路に沿った2つの点でのUMP合成の阻害が骨髄分化をもたらすことを証明している。したがって、ジヒドロオロテートは酵素阻害のマーカーであるが、IDH変異白血病の患者の2−ヒドロキシグルタル酸(2HG)の場合のような癌代謝物(oncometabolite)ではない(Wardら、2010)。
インビボDHODH阻害を確認するために、皮下THP1細胞ならびにHoxA9−Meis1骨髄白血病細胞の細胞代謝産物分析を行った。BRQ処理マウスから単離したTHP1細胞は、ビヒクル処理対照と比較して、細胞ウリジンレベルの有意な(90%AUC)減少を示した(図4D)。同様の様式で、BRQ処理マウスの骨髄から単離したHoxA9−Meis1白血病細胞も、UDPおよびUDP−糖複合体(例えば、UDP−GlcNAc、UDP−GalNAc)に加えて、細胞ウリジンの有意な減少を示した。
DHODHおよびOMPD阻害剤は、モデル系におけるウリジンの枯渇および骨髄分化をもたらす。しかしながら、DNAおよびRNA生合成の下流阻害剤(メトトレキサート、ヒドロキシ尿素)またはDNA損傷剤(シタラビン、ダウノルビシン)は、分化なしで細胞傷害性を引き起こした。(実施例24参照)。理論によって拘束されることを意図しないが、分化効果の一部は、UDP−GlcNAcの枯渇により得、タンパク質のO−結合N−アセチルグリコシル化(GlcNAc)翻訳後修飾の減少をもたらす。ML390またはBRQによるDHODH阻害は、タンパク質O−GlcNAc修飾の全体的な減少をもたらした(図5E)。
実施例10:ブレキナルは、AMLの同系HoxA9モデルにおける抗白血病活性およびインビボでの分化を証明する
インビボでのDHODH阻害の抗白血病および分化効果に対処するために、本発明者らはAMLの同系レトロウイルス形質導入モデルを選択した。このモデルでは、骨髄細胞に、HoxA9とMeis1癌タンパク質の両方を発現するMSCVベースのレトロウイルスを形質導入し、亜致死量の放射線で前もって整えられたレシピエントマウスに静脈内導入する。急性骨髄性白血病を発症したマウスを屠殺し、骨髄細胞を、SCFおよびIL−3を補った培地中インビトロで増殖させた。インビボでの容易な追跡を可能にするために、白血病細胞にVenus蛍光タンパク質を発現するレンチウイルスを形質導入し、純度について蛍光活性化細胞選別(FACS)によって二重選別した。これらのVenus発現培養白血病細胞を、前もって整えられた二次レシピエントマウスに再移植し、これらの二次レシピエントを全ての記載される実験に使用した。ブレキナルまたはビヒクルによるIP処理を、骨髄における白血病性芽球の負荷が約5%であった14日後に開始した(図6A)。マウスを、6つの投与量:(1)ビヒクルQ2D、(2)BRQ5mg/kg Q2D、(3)BRQ10mg/kg Q2D、(4)BRQ25mg/kg Q2D、(5)ビヒクル7日間のスケジュールの1日目+4日目、または(6)BRQ 25mg/kg 7日間のスケジュールの1日目+4日目で処理した。計画された暫定的安楽死および白血病の分析を、2つの計画された時点で実施した(図6A)。
第1の分析および第2の移植を、4用量でQ2D与えるBRQ 25mg/kgの後に行った。このレジメンの強度ではマウスは体重減少、貧血および血小板減少の副作用を示した(図6A)。インビトロでのBRQの分化効果と同様に、白血病細胞は、分化マーカーCD11b(Mac−1)およびGr−1(Ly6C/G)の上方制御によって証明されるように、より成熟していた(図6B)。BRQで処理したマウスは、骨髄、脾臓および末梢血の白血病併発の劇的な低下を示した(図6C)。
第2の分析および第2の移植を、ビヒクル対照マウスが末期白血病の徴候(例えば、乱れた毛皮、活動低下、体重減少)を示した時点で行った。この群は、合計6用量の7日間スケジュールの1日目+4日目に与えられるBRQ 25mg/kgを受けた。注目すべきことに、この延長されたスケジュールで処理されたマウスは、隔日スケジュールで処理されたマウスの副作用のいずれも示さなかった(図6E、図6F)。さらに、ブレキナルで処理したマウスは、骨髄、脾臓および末梢血の白血病併発においてさらにより劇的な減少を示した(図6D)。
隔日でBRQ 5mg/kgまたは10mg/kgでマウスを処理すると、生存期間が延長した(図6E、左パネル)。この治療は、血液毒性も体重減少もなしに良好な耐容性を示した。マウスを7日間のスケジュールの1日目+4日目に与えられるBRQ 25mg/kgで処理すると、再び毒性なしに生存期間がさらに劇的に延長された(図6E、右パネル)。(実施例24参照)。この治療群では、14用量のBRQ(59日目)後の治療を中止する決定をした。マウスは最終的に治療から約4週間後に白血病が再発した。
実施例11:DHODH阻害剤は、インビボで白血病始原細胞活性の分化および枯渇を引き起こす
BRQ処理マウスから単離した白血病細胞を、CD11bおよびGr−1細胞表面発現に基づいてさらに区別した(図6C、図6D)。白血病始原細胞としてのそれらの形態ならびにそれらの機能的可能性を評価するために、生きたVenus陽性白血病細胞を蛍光活性化細胞選別(FACS)によってビヒクルまたはBRQ処理マウスから新たに単離した。白血病細胞のWright−Giemsa染色されたcytospin(登録商標)調製物は、凝集体中、BRQ処理マウスから単離した細胞が、核凝縮の徴候と共に形態学的顆粒球分化を示した(図7A)。
ビヒクルまたはBRQ処理マウス由来のFACS精製白血病細胞を、亜致死量の放射線照射をされた三次レシピエントマウスに再導入した。実験を2回行った:隔日で4用量BRQ25mg/kgを受けたマウス(図7B、左パネル)および合計6用量、7日間のサイクルの1日目+4日目にBRQを受けたマウス(図7B、右パネル)。両方の場合において、BRQ処理初代ドナー由来の同数の生きた白血病細胞を受けたマウスは、白血病の症状を発症するのに時間がかかり、白血病始原細胞の能力の低下と一致した。
DHODH阻害剤をマウスに毎日のように投与すると、マウスは重度の貧血になり、重度の血小板減少を示し、約10日間の治療後に死亡した。対照的に、ブレキナルを急性骨髄性白血病のマウスモデルにおいて3日毎に投与した場合、ブレキナルは耐容性が良好で有効であった。この所見を調査するために、ブレキナル、ジヒドロオロテート(DHO)およびウリジンの血漿レベルを分析した。DHODHは、ウリジン一リン酸の内因性合成におけるジヒドロオロテート(DHO)のオロテートへの変換を触媒する。DHODH活性の阻害は、ジヒドロオロテート蓄積およびウリジン枯渇をもたらす。
単一用量のブレキナル(25mg/kg)を急性骨髄性白血病(AML)の同系マウスモデルに投与した。その後、血漿ウリジンレベルを種々の時点で分析した(図8)。血漿ウリジンは最初減少し、約48時間後に回復した。DHOレベルは時間0において検出できなかった(図9)。DHOは急速に蓄積したが、ブレキナル投与72時間以内に、DHOレベルは再び検出不能となった(図9、図10)。これらの結果は、単独のまたはウリジンと組み合わせたDHOの血漿レベルをDHODH活性のマーカーとして使用することができることを示している。DHODH阻害剤の投与は、さらなる用量のDHODH阻害剤を投与する前にDHOがベースラインに戻ることを可能にするように時間を調整すべきである。これにより有効性が最大化され、死亡リスクを含む有害副作用が最小限に抑えられる。患者特異的投薬は、患者の代謝に基づいてDHODH阻害剤の用量を調節することによって達成される。これは、血漿DHOの測定に基づいて投与量を調節することを含む。これは有効性を最大化し、毒性を最小限に抑える。
本明細書で報告されるのは、ホメオボックスタンパク質HoxA9のエストロゲン依存形態を使用する条件付き骨髄分化の新規なモデル系である。ER−HoxA9は、リゾチーム−GFPノックインマウス由来の初代マウス骨髄単核細胞で発現されると、ER−HoxA9の不活性化時に正常、同期および終末好中球分化を受ける因子依存性顆粒球−単球前駆細胞(GMP)を生成する。この細胞は、正常骨髄造血の研究のための無限の骨髄前駆細胞源、ならびに分化停止を克服する小分子を同定するためのモデル白血病顆粒球−単球前駆体(GMP)の無制限供給を提供する。これらの細胞を用いて、骨髄分化を誘因し得る化合物についての不偏小分子表現型スクリーニングを行った。
これが、骨髄分化停止のモデルとしての条件付き骨髄分化のエストロゲン依存性HoxA9系の最初の使用である。最も強力な生物活性化合物を、酵素ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の阻害剤として同定した。実際には、330000種超の化合物のライブラリーからの12ヒットのうち11がDHODHの阻害剤であり、ピリミジン生合成経路が骨髄分化の調節因子として働くという予期せぬ発見を強調している。この研究は、腫瘍学における新規なかつ関連するタンパク質標的の同定において、標的に基づくスクリーニングと比較した表現型スクリーニングの重要性を強調し、それらが疾患に関する新規な生物学を明らかにすることができることを実証する。表現型スクリーニングの難しさは、しばしば標的同定の難しさである。小分子の分化効果に対する獲得耐性を有する細胞株を用いて、作用機序を決定した。
DHODHは、ジヒドロオロテートのオロテートへの変換であるピリミジン合成の第4のステップを触媒する。この酵素は、内部ミトコンドリア膜に局在しており、そのユビキノン(補酵素Q10)補因子の還元を介して、ジヒドロオロテートと電子伝達系の複合体3との間で電子を運ぶ。電子伝達におけるその役割は、下流酵素OMPD(電子伝達に関与しない)の阻害がDHODH阻害の分化効果を表現型コピーするため、インビトロ骨髄分化効果と関連するとは考えられていない。
DHODHは発達中に重要であり、酵素活性の完全な欠如は生命(マウスまたはヒト)と適合しない。ミラー症候群は、患者がDHODHの両方の対立遺伝子に遺伝性低形質突然変異を有し、多臓器機能不全を生じる稀な常染色体劣性遺伝疾患である。遍在的に発現するが、悪性腫瘍におけるDHODHの突然変異は報告されていない。周囲の関心があることに、DHODHはまた、ヒト酵素を阻害することなく熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)DHODHに特異的に結合し、阻害する小分子を設計する能力を考慮して、抗マラリア薬標的としても認識されている。
ヒトDHODHの2種の阻害剤が、ヒトにおける臨床的使用のために承認されている。レフルノミドは、関節リウマチの患者の治療において、疾患修飾および抗炎症薬として有効なプロドラッグである。その活性型テリフルノミドも多発性硬化症患者の治療に承認された。レフルノミドおよびテリフルノミドは、DHODHの弱い阻害剤(IC50約5μM)であり、容易に生体利用可能であり、長い半減期を有し、耐容性が高い。
白血病(HoxA9およびMeis1発現)マウスをレフルノミドで処理した。最も高い投与量では、レフルノミド(毎日25mg/kg)処理が、分化マーカーCD11bの発現を非常に穏やかに増加させたが、白血病負荷を減少させなかった。さらに、レフルノミドは、この投与量では耐容性に乏しく、レシピエントマウスに体重減少および嗜眠を引き起こした。
ブレキナルは、DuPont Pharmaceuticals(DUP 785、NSC 368390)によって開発されたDHODHの強力な(IC50約20nM)および特異的な阻害剤である。ブレキナルは、白血病または他の血液悪性腫瘍の患者において研究されていなかった。本明細書に記載されるモデル系では、インビトロでの骨髄分化効果のためにブレキナルに対する持続的曝露が必要とされた;48時間未満しか持続しないブレキナルパルスはほとんど効果がなかった。理論によって拘束されることを意図しないが、インビボでがん細胞を死滅させる、またはAML分化を誘導するために、ウリジン産生の長期抑制が必要とされ得る。
ブレキナルを、単独でならびにシクロスポリンおよびFK506と組み合わせて、免疫抑制剤として評価した。ブレキナルは、活性化T細胞がそのプリン(ATP、GTP)プールの2倍の拡大およびそれらのピリミジン(UTP、UDP−グルコース、CTP)プールの8倍の拡大を有するという仮説と一致して、前臨床移植モデルにおける臓器拒絶を予防するのに有効であり、活性化リンパ球の内因性ピリミジン合成の阻害剤に対する潜在的感受性を指し示している(Fairbanksら、1995)。
本明細書で報告される結果は、ブレキナルおよび他のDHODH阻害剤がインビトロおよびインビボで骨髄分化を誘因し、インビボで機能性白血病始原細胞の枯渇をもたらしたことを示している。同系白血病を有する野生型マウスおよびヒト異種移植片(THP1)を移植した免疫無防備状態のマウスは、拡大された用量のブレキナルに耐容性を示した。理論によって拘束されることを意図しないが、インビボで正常細胞と悪性細胞との間でDHODH阻害に対する感受性が異なる可能性が高い。この所見は、急性骨髄性白血病の患者の治療における治療窓を指す。
正常細胞および悪性細胞で遍在的に発現される酵素において治療窓の生物学的基礎は何であるだろうか?DHODH阻害は、ピリミジン前駆体の枯渇をもたらし、したがって、核酸合成を阻害する。累積的なDNA損傷をもたらす伝統的な代謝拮抗薬プリンおよびピリミジン類似体化学療法とは異なり、DHODH阻害はヌクレオチド枯渇の期間をもたらし、サルベージ経路またはオートファジーへの依存を駆動する。拡張型拍動性(Q2DまたはQ3D)ブレキナル曝露から、モデル系における有効性が観察された。理論によって拘束されることを望むものではないが、これは、ヌクレオチド「飢餓」の断続的な期間に対する、正常細胞と比較した悪性細胞の異なる感受性に起因し得る。これは、3日毎に投与される高用量が、毎日の投与で観察された体重減少および血小板減少を伴わない強力な抗白血病効果を示すマウスモデルにおける用量スケジュールの重要性と一致するであろう。
理論によって拘束されることを望むものではないが、分化効果がOMPDの阻害剤であるピラゾフリンによって表現型コピーされ得るが、シタラビン、ヒドロキシ尿素またはメトトレキセートではされ得ないという観察は、ウリジン/UMP/UDPの上流枯渇が、分化効果において特に重要であることを暗示している。分化の1つの興味深い潜在的な機序は、共通のタンパク質翻訳後修飾であるO−結合N−アセチルグリコシル化の改変である。酵素O−GlcNAcトランスフェラーゼ(OGT)は、GlcNAcをUDP−GlcNAcからセリンおよびスレオニン残基に転移させる遍在酵素であり、この修飾は、タンパク質機能の調節におけるリン酸化を含む他の修飾と競合し得る。GlcNAc翻訳後修飾を受ける特に興味深いタンパク質には、Akt、タンパク質のTETファミリー、およびc−Mycが含まれる((Hanoverら、2012;Jozwiakら、2014)に概説されている)。DHODHの阻害は、タンパク質N−アセチルグリコシル化の全体的な減少をもたらし、将来の研究は、特定のタンパク質修飾が分化表現型にとって重要であるかどうかを解明するのに役立つであろう。
白血病の治療における分化療法の有効性は、PML/RAR−α転座および急性前骨髄球性白血病の患者における小分子全トランス型レチノイン酸(ATRA)および三酸化ヒ素(As2O3)の圧倒的な利益によって証明されている。非APL AMLの他の形態の分化療法の欠如は、不完全なモデル系によって妨げられてきた。本明細書で報告されるのは、AMLにおける潜在的な治療標的としてのDHODHの予期せぬ同定ならびに同系および異種移植AMLのインビトロおよび動物モデルにおけるDHODH阻害の有効性の確認をもたらす新規な表現型スクリーニングシステムである。
この研究は、正常および悪性細胞生物学に関連する以前は認識されていない分子経路の同定における表現型スクリーニングの重要性を強調している。
化学実施例
全ての反応を窒素(N2)雰囲気下で行った。全ての試薬および溶媒は、市販業者から購入し、受け取ったまま使用した。NMRスペクトルは、Bruker 300(300MHz 1H、75MHz 13C、282MHz 19F)分光計で記録した。プロトンおよび炭素化学シフトを、NMR溶媒を基準とするppm(δ)で報告する。データを以下の通り報告する:化学シフト、多重度(br=ブロード、s=一重項、d=ニ重項、t=三重項、q=四重項、m=多重項;カップリング定数(Hz))。フラッシュクロマトグラフィーは、Teledyne Isco Combiflash Rfで40〜60μmシリカゲル(60Åメッシュ)を用いて行った。タンデム液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)は、Waters 2795分離モジュールおよび3100質量検出器で行った。
実施例12:化合物C03の合成
Figure 0006917375
化合物C03を文献手順(J. Org. Chem. 2006、71、3270)にしたがって合成した。n−ブタノール4mLに2−クロロニコチン酸1.0g(6.4mmol)、4−クロロアニリン1.6g(13mmol)、K2CO3 1.3g(9.5mmol)および銅粉末40mg(640mmol)を添加し、混合物を130℃で一晩加熱した。冷却後、水20mLを添加し、混合物を濾過し、濾液を濃HClで酸性にした。黄褐色沈殿を濾別し、EtOHから再結晶すると、LC/MS分析により購入物質と同一の黄褐色固体380mg(24%)が得られた。1H NMR(300 MHz, DMSO)δ13.60(s, 1H), 10.51(s, 1H), 8.41(dd, J=1.9, 4.7, 1H), 8.27(dd, J=1.9, 7.7, 1H), 7.78(d, J=8.9, 2H), 7.36(d, J=8.8, 2H), 6.91(dd, J=4.8, 7.7, 1H).13C NMR(75 MHz, DMSO)δ168.91, 155.22, 152.51, 140.52, 138.65, 128.45, 125.49, 121.32, 114.22, 107.88. MS 247(M−1).
実施例13:化合物C07エナンチオマーおよびML390の合成
Figure 0006917375
DMF20mL中の(R)−1−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン2.00g(13.6mmol)に、N−tBOC−β−アラニン2.58g(13.6mmol)、Et3N14mLの(140mmol)、HOBt1.84g(13.6mmol)およびEDAC HCl3.90g(10.2mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。水およびCH2Cl2を添加し、分離し、水をCH2Cl2で数回すすぎ、合わせたCH2Cl2層を食塩水で数回すすいだ後、乾燥させ(MgSO4)、濾過および濃縮し、残留DMFをトルエンで追い出した。ヘキサン中25〜50%EtOAcを用いるクロマトグラフィーによって、生成物3.58gが白色固体(83%)として得られた。1H NMR(300 MHz, CDCl3)δ7.20−7.25(m, 1H), 7.17(t, J=3.5, 2H), 7.08−7.12(m, 1H), 5.91(d, J=6.5, 1H), 5.19(t, J=6.8, 2H), 3.43(q, J=6.1, 2H), 2.89−2.67(m, 2H), 2.42(t, J=5.9, 2H), 2.10−1.97(m, 1H), 1.90−1.77(m, 3H), 1.42(s, 9H). 13C NMR(75 MHz, CDCl3)δ170.54, 156.04, 137.50, 136.56, 129.14, 128.55, 127.27, 126.25, 79.25, 47.42, 36.93, 36.45, 30.17, 29.18, 28.38, 19.97.
この物質をCH2Cl2 150mLに溶解し、氷浴で冷却した後、TFA40mLを添加し、氷浴を除去した。2時間撹拌した後、反応物を濃縮して油を得、エーテルを添加して白色固体を生成し、これを濾過し、エーテルですすいだ、(3.70g、99%)。1H NMR(300 MHz, DMSO−d6)δ8.48(d, J=8.5, 1H), 7.24−7.02(m, 4H), 4.99(dd, J=5.9, 13.7, 1H), 3.05(s, 2H), 2.73(d, J=5.9, 2H), 1.95−1.79(m, 2H), 1.79−1.60(m, 2H).
ML390:CH2Cl2 10mL中で撹拌したTFA塩304mg(0.916mmol)に、Et3N280mg(2.79mmol)を添加し、固体を溶解し、次いで、4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロリド226mg(1.01mmol)を添加し、反応物を一晩撹拌した。NaHCO3水溶液およびCH2Cl2を添加し、分離し、CH2Cl2を乾燥させ、濃縮し、ヘキサン中20〜70%EtOAcでクロマトグラフィーを行った後、CH2Cl2およびヘキサンからの再結晶化によって、生成物292mg(78%)が得られた。1H NMR(300 MHz, DMSO−d6)δ8.70(t, J=5.4, 1H), 8.30(d, J=8.7, 1H), 7.97(d, J=8.7, 2H), 7.47(d, J=8.2, 2H), 7.15−7.01(m, 3H), 7.01−6.91(m, 1H), 4.99(dd, J=5.8, 12.7, 1H), 3.52(dd, J=6.5, 12.6, 2H), 2.79−2.61(m, 2H), 2.40(ddd, J=6.9, 14.2, 27.5, 2H), 1.94−1.75(m, 2H), 1.75−1.54(m, 2H).19F NMR(282 MHz, CDCl3)δ−57.71.13C NMR(75 MHz, DMSO−d6)δ169.76, 164.92, 150.16, 137.50, 136.96, 133.58, 129.42, 128.58, 128.12, 126.51, 125.62, 120.50, 119.96(q, J C−F=5.4)46.20, 36.36, 35.35, 29.85, 28.72, 19.92.HRMS:Calcd.for C21H21F3N2O3 407.1577(M+H);found, 407.1578.
(R)−C07を、同じ手順を用いるが、4−クロロベンゾイルクロリドを用いて調製し、白色固体として73%で単離した:1H NMR(300 MHz, DMSO)δ8.67(t, J=5.4, 1H), 8.31(d, J=8.7, 1H), 7.87(d, J=8.6, 2H), 7.54(d, J=8.5, 2H), 7.12(t, J=7.9, 2H), 7.08−6.95(m, 2H), 5.00(t, J=7.1, 1H), 3.52(dd, J=6.6, 12.7, 2H), 2.70(d, J=4.9, 2H), 2.48−2.41(m, 1H), 2.37(dd, J=6.8, 14.2, 1H), 1.85(dd, J=3.7, 9.4, 2H), 1.77−1.57(m, 2H).13C NMR(75 MHz, DMSO)δ169.68, 165.03, 137.49, 136.91, 135.82, 133.20, 129.00, 128.53, 128.20, 128.09, 126.49, 125.61, 46.14, 36.29, 35.32, 29.81, 28.69, 19.89.MS 357(M+1).
実施例14:ブレキナルの合成
手短に言えば、米国特許第4680299号明細書に列挙されるものにしたがって、ブレキナルナトリウムを調製した。Pfitzinger反応を利用して、5−フルオロイサチンをKOHの存在下で4−(2−フルオロフェニル)プロピオフェノンと縮合させてブレキナルを遊離酸として得て、これをDMFから再結晶した。水酸化ナトリウムを用いたその後の塩形成によって、ブレキナルナトリウムを2段階にわたって47%で得た。LCおよび定量的1H NMR分光法により、塩の純度は95%超であることが分かった。
Figure 0006917375
ブレキナル
5−フルオロイサチン(18.1g、110mmol、1.00当量)および4−(2−フルオロフェニル)プロピオフェノン(25.0g、110mmol、1.00当量)の無水エタノール(183mL、0.60M)中室温撹拌溶液に、水酸化カリウムの9.0M水溶液(81.0mL、729mmol、6.66当量)を滴加した。得られた混合物を100℃で24時間加熱し、室温に冷却し、減圧下で濃縮した。水(500mL)を残渣に添加し、Et2O(500mL)で抽出した。次いで、水層を0℃に冷却し、氷酢酸で酸性化して濁った溶液を得た。沈殿を濾過し、水(100mL)、引き続いてEt2O(100mL)で洗浄して粗生成物を得た。固体を熱DMF/水から再結晶すると、ブレキナルが白色結晶固体(19.9g、53.0mmol、48%)として得られた。融点314°〜316°。1H NMR(300 MHz, DMSO−d6)14.4(1H, s, COOH), 8.15(1H, dd, J=9.0, 5.6 Hz, ArH), 7.77−7.67(5H, m, ArH), 7.64(1H, t, J=7.9 hz, ArH), 7.53−7.43(2H, m, ArH), 7.40−7.30(2H, m, ArH), 2.47(3H, s, CCH3);LRMS m/z(ESI)376([M+H], 100);LRMS m/z(ESI)374([M−H], 100), 749([2M−H], 20).
ブレキナルナトリウム
ブレキナル(18.1g、48.2mmol、1.00当量)の無水エタノール(482mL、0.10M)中室温撹拌溶液に、水酸化ナトリウムの1.0M水溶液(48.2mL、48.2mmol、1.00当量)を添加した。得られた混合物を50℃で4時間加熱し(透明になるまで)、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を水から凍結乾燥すると、ブレキナルナトリウムが白色粉末として得られた(18.8g、47.3mmol、98%)。1H NMR(300 MHz, DMSO−d6)7.94(1H, dd, J=9.0, 5.7 Hz, ArH), 7.69−7.66(4H, m, ArH), 7.63(1H, t, J=8.4 hz, ArH), 7.60−7.49(2H, m, ArH), 7.49−7.41(1H, m, ArH), 7.40−7.30(2H, m, ArH), 2.36(3H, s, CCH3).LRMS m/z(ESI)376([M+H], 100);LRMS m/z(ESI)374([M−H], 100), 749([2M−H], 15).
実施例15:溶解度測定
1%DMSOを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4中で溶解度を測定した。各化合物を、100%DMSOと1%DMSOを含むPBSの両方において、100μMで二連で調製した。化合物を室温で250rpmの軌道振盪で24時間平衡化させた。平衡化後、シングル四重極質量分析計でSIR検出によって検出された化合物を用いてUPLC−MS(Waters、Milford、MA)によって試料を分析した。DMSO試料を使用して、PBS中の応答が適合した2点検量線を作成した。
実施例16:PBS安定性
0.1%DMSOを含むPBS pH7.4の存在下で安定性を測定した。各化合物を6枚の別々のプレート上で2連で調製し、室温で250rpmの軌道振盪で48時間平衡化させた。1つのプレートを各時点(0、2、4、8、24および48時間)で取り出した。アリコートを各ウェルから取り出し、シングル四重極質量分析計でSIR検出によって検出された化合物を用いてUPLC−MS(Waters、Milford、MA)によって分析した。さらに、各時点で残っている物質にアセトニトリルを添加して化合物を無理に溶解させた(化合物の回収を試験するため)。これのアリコートもUPLC−MSによって分析した。
実施例17:GSH安定性
0.1%DMSOを含むPBS pH7.4μMおよび50μMグルタチオンの存在下で安定性を測定した。各化合物を6枚の別々のプレート上で2連で調製し、室温で250rpmの軌道振盪で48時間平衡化させた。1つのプレートを各時点(0、2、4、8、24および48時間)で取り出した。アリコートを各ウェルから取り出し、シングル四重極質量分析計でSIR検出によって検出された化合物を用いてUPLC−MS(Waters、Milford、MA)によって分析した。さらに、各時点で残っている物質にアセトニトリルを添加して化合物を無理に溶解させた(化合物の回収を試験するため)。これのアリコートもUPLC−MSによって分析した。
実施例18:血漿タンパク質結合
ヒト血漿とマウス血漿の両方について、迅速平衡透析(RED)装置(Pierce Biotechnology、Rockford、IL)を使用する平衡透析によって血漿タンパク質結合を決定した。各化合物を血漿中5μM(0.95%アセトニトリル、0.05%DMSO)で2連で調製し、膜の片側に添加し(200μl)、PBS pH7.4を反対側に添加した(350μl)。化合物を37℃で5時間、250rpm軌道振盪でインキュベートした。インキュベーション後、シングル四重極質量分析計でSIR検出によって検出された化合物を用いてUPLC−MS(Waters、Milford、MA)によって試料を分析した。
実施例19:血漿安定性
ヒト血漿とマウス血漿の両方において37℃で5時間、血漿安定性を測定した。各化合物を、PBS pH 7.4(0.95%アセトニトリル、0.05%DMSO)で50/50(v/v)希釈した血漿中5μMで、二連で調製した。化合物を37℃で5時間、250rpm軌道振盪でインキュベートし、時点を0時間および5時間でとった。シングル四重極質量分析計でSIR検出によって検出された化合物を用いてUPLC−MS(Waters、Milford、MA)によって試料を分析した。
実施例20:骨髄分化を促進する化合物を同定するための一次スクリーニング
使用した細胞株はERHoxA9骨髄芽球細胞株であった。HoxA9の条件付きバージョンを、HoxA9がエストロゲンの存在下でのみ活性となるように、HoxA9をエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインと融合することによって作製した。ERHoxA9タンパク質は、レトロウイルス形質導入によって初代マウス骨髄単核細胞に導入し、幹細胞因子(SCF)およびβ−エストラジオールの存在下で培養すると、骨髄分化を停止させ、骨髄芽細胞株の増殖を引き起こす。これらの細胞株は、β−エストラジオールおよびSCFの存在下で無期限に増殖する。培養培地からβ−エストラジオールを除去すると、ERHoxA9が不活性化し、細胞はHoxA9分化停止から解放され、正常な骨髄分化を受ける。この系を、緑色蛍光タンパク質(GFP)を内因性リゾチームプロモーターの下流に挿入したトランスジェニックマウスから採取した骨髄を用いて細胞株を作製することによってさらに適合させた。リゾチームは二次顆粒タンパク質であり、分化した骨髄細胞でのみ発現する。よって、リゾチームGFPトランスジェニックマウスの骨髄由来のERHoxA9骨髄芽球細胞株は、β−エストラジオールの存在下ではGFP陰性であったが、β−エストラジオールの除去およびERHoxA9の不活性化時に明らかにGFP陽性となった。
10%ウシ胎児血清(Serum Source Int’l)、ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミン(Omega Scientific)、幹細胞因子(SCF)を含有する5%条件培地および0.5μM β−エストラジオール(Sigma)を補ったRPMI(Cellgro)中で細胞を培養した。1日目に、0.04%Pluronic F−68(GIBCO)を補った25μLの完全培地を滅菌384ウェル培養プレート(Greiner)に添加し、続いてDMSO(Sigma)中試験化合物0.2μLを添加した。ウェルは、Pluronic F−68および5μMのエストロゲン受容体アンタゴニストフルベストラントを補った完全培地を含有しており、これが分化の陽性対照として役立った。完全培地中の細胞25μL(1.2×105個/ml)を添加し、プレートを4日間インキュベート(37℃/5%CO2)した。成分の最終濃度は3000個細胞/ウェル、4μM試験化合物および0.4%DMSOであった。
5日目に、プレートを以下の通り収穫した:APCコンジュゲート抗マウスCD11b(eBioscience、クローンM1/70)の1:100希釈物とポリスチレンビーズ(Spherotech)の1/500希釈物とからなる抗体/ビーズ溶液5μLをウェルに添加し、プレートをHyperCyt(登録商標)ハイスループットフローサイトメトリープラットホームを用いてサンプリングする前に20分間インキュベートした。
実施例20の詳細なアッセイプロトコル:
増殖培地
RPMI450mL(Cellgro、VWRカタログ番号45000−412)、ウシ胎児血清50mL(Serum Source International、カタログ番号FB02−500HI)、ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン5mL(Omega Scientific、カタログ番号PG−30)、幹細胞因子(SCF)を含有する条件培地25mLおよび0.05μM βエストラジオール(Sigma、カタログ番号P5556)。
スクリーニング培地
増殖培地+0.04%Pluronic F−68(Gibco、Life Technologiesカタログ番号24040−032)。
条件培地
SCFを構成的に発現し、上清中に分泌するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株によって作製。
細胞増殖
ERHoxA9骨髄芽球細胞株を解凍し、増殖培地100mLを入れたT175フラスコに入れ、37℃、5%CO2でインキュベートする。継代培養のために、細胞を50mLコニカルチューブに移し、1500rpmで5分間回転させる;古い培地を捨てる;細胞を増殖培地で洗浄し;十分な増殖培地を加えて1:10希釈する。
細胞スクリーニング
細胞を計数し、50mLコニカルチューブに移す。細胞を1500rpmで5分間回転させる;古い培地を捨てる。ペレットをスクリーニング培地に1.2×105細胞/mLの濃度まで再懸濁する。
384ウェルプレートの調製:スクリーニング培地25μLを、滅菌384ウェル培養プレート(Greiner、カタログ番号781182)のカラム1およびカラム3〜24に添加する;DMSO(Sigma、カタログ番号D2650)中試験化合物0.2μLをピンツールを用いてカラム3〜23に添加する;化合物の最終濃度は0.4%DMSOで4μMとなる;5μMのフルベストラント(Sigma、カタログ番号I4409)を含有するスクリーニング培地25μLをカラム2(陽性対照ウェル)のウェルに添加する。
上記のように調製した細胞25μL(1.2×105/ml)をカラム2〜23に添加する(細胞の最終濃度は3000個細胞/ウェルである)。プレートを37℃および5%CO2で4日間インキュベートする。5日目に、APCコンジュゲート抗マウスCD11b(eBioscience、クローンM1/70)の1:100希釈物とポリスチレンビーズ(5ミクロン;Spherotech、カタログ番号CPX−50−10)の1:500希釈物とからなる抗体/ビーズ溶液5μLをカラム2〜23のウェルに添加する。プレートを20分間インキュベートする。
HyperCyt(登録商標)ハイスループットフローサイトメトリープラットホームでサンプルを読み取る。対象となる細胞は、前方および側方光散乱を用いてゲート開閉される。GFP蛍光は488nmで励起され、575/25光バンドパスフィルタで検出される。APC−αCD11b蛍光は635nmで励起され、665/20光学バンドパスフィルタで検出する。
実施例21:一次用量反応
10%ウシ胎児血清(Serum Source Int’l)、ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミン(Omega Scientific)、幹細胞因子(SCF)を含有する5%条件培地および0.5μM β−エストラジオール(Sigma、E2758)を補ったRPMI(Cellgro)中で細胞を培養した。1日目に、0.04%Pluronic F−68(GIBCO)を補った25μLの完全培地を滅菌384ウェル培養プレート(Greiner)に添加し、続いてDMSO中化合物希釈アレイ0.2μLを添加した。いくつかのウェルは、Pluronic F−68および5μMのエストロゲン受容体アンタゴニストフルベストラントを補った完全培地を含有しており、これが分化の陽性対照として役立った。完全培地中の細胞25μL(1.2×105個/ml)を添加し、プレートを4日間インキュベート(37℃/5%CO2)した。成分の最終濃度は3000個細胞/ウェルおよび0.4%DMSOであった。試験化合物を40μMから開始して1:3で6回段階希釈し、40μM〜6nMの濃度範囲を得た。得られたデータポイントを、4パラメータロジスティック方程式としても知られている可変勾配を有するシグモイド用量−反応モデルにおいて、非線形最小二乗回帰を用いてPrism(登録商標)ソフトウェア(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA)によって当てはめた。曲線当てはめ統計を用いて、最大効果の50%をもたらした試験化合物の濃度(EC50)、EC50推定の信頼区間、ヒルスロープおよび相関係数を決定した。
5日目に、プレートを以下の通り収穫した:APCコンジュゲート抗マウスCD11b(eBioscience、クローンM1/70)の1:100希釈物とポリスチレンビーズ(Spherotech)の1/500希釈物とからなる抗体/ビーズ溶液5μLを添加し、プレートをHyperCyt(登録商標)ハイスループットフローサイトメトリープラットホームを用いてサンプリングする前に20分間インキュベートした。細胞生存率および緑色蛍光は、4日目のインキュベーション後24時間安定であった。不活性ビーズ集団上のゲーティングは、同数のビーズが各ウェルに播種されるので、サンプリング品質の尺度を提供した。GFPおよびAPC陽性生細胞の割合を使用して、試験化合物が分化効果を有するかどうか決定した。
実施例21の詳細なアッセイプロトコル:
増殖培地
RPMI450mL(Cellgro、VWRカタログ番号45000−412)、ウシ胎児血清50mL(Serum Source International、カタログ番号FB02−500HI)、ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン5mL(Omega Scientific、カタログ番号PG−30)。
スクリーニング培地
増殖培地+0.04%Pluronic F−68(Gibco、Life Technologiesカタログ番号24040−032)。
細胞増殖
細胞を解凍し、増殖培地100mLを入れたT175フラスコに入れ、37℃、5%CO2でインキュベートする。継代培養のために、細胞を50mLコニカルチューブに移し、1500rpmで5分間回転させる;古い培地を捨てる;細胞を増殖培地で洗浄し;十分な増殖培地を加えて1:10希釈する。
細胞スクリーニング
細胞を計数し、50mLコニカルチューブに移し、1500rpmで5分間回転させる。古い培地を捨て、ペレットをスクリーニング培地に1.2×105個細胞/mLの濃度に再懸濁する。
96ウェルプレートの調製:スクリーニング培地100μLを、滅菌96ウェル培養プレート(Greiner、カタログ番号655161)のカラム1およびカラム3〜24に添加する;DMSO(Sigma、カタログ番号D2650)中試験化合物0.8μLをピンツールを用いてカラム3〜23に添加する;化合物の最終濃度は0.4%DMSOで4μMとなる;5μMのフルベストラント(Sigma、カタログ番号I4409)を含有するスクリーニング培地100μLをカラム2(陽性対照ウェル)のウェルに添加する。
上記で調製した細胞100μL(1.2×105個/mL)をカラム2〜23に添加する。細胞の最終濃度は12000個細胞/ウェルである。プレートを37℃および5%CO2で4日間インキュベートする。5日目に、APCコンジュゲート抗マウスCD11b(eBioscience、クローンM1/70)の1:100希釈物とポリスチレンビーズ(5ミクロン;Spherotech、カタログ番号CPX−50−10)の1:500希釈物とからなる抗体/ビーズ溶液20μLをカラム2〜23のウェルに添加する。プレートを20分間インキュベートする。
HyperCyt(登録商標)ハイスループットフローサイトメトリープラットホームでサンプルを読み取る。対象となる細胞は、前方および側方光散乱を用いてゲート開閉される。APC−αCD11b(MAC1)蛍光は635nmで励起され、665/20光学バンドパスフィルタで検出する。
実施例22:カウンタースクリーニングアッセイ
カウンタースクリーニングアッセイを行って対象となる標的に作用しない化合物を排除した。緑色または赤色蛍光についてアッセイすることによって蛍光化合物を同定し、捨てた。HoxA9/Meis1によって不死化され、GFP−レポーターを欠くマウス細胞を、10%ウシ胎児血清(Serum Source Int’l)、ペニシリン/ストレプトマイシン、L−グルタミン(Omega Scientific)を補ったRPMI(Cellgro)を用いて、一次スクリーニングで細胞について上記したのと同じ様式で培養した。1日目に、0.04%Pluronic F−68(GIBCO)を補った25μLの完全培地を滅菌384ウェル培養プレート(Greiner)に添加し、続いてDMSO中試験化合物0.2μLを添加した。完全培地中の細胞25μL(1.2×105個/ml)を添加し、プレートを24時間インキュベート(37℃/5%CO2)した。成分の最終濃度は3000個細胞/ウェル、4μM試験化合物および0.4%DMSOであった。24時間のインキュベーション後、HyperCyt(登録商標)プラットホームを用いてプレートを回収し、前方および側方光散乱を用いて対象となる細胞をゲーティングした。緑色蛍光は488nmで励起され、575/25光バンドパスフィルタで検出した。赤色蛍光は635nmで励起され、665/20光バンドパスフィルタで検出した。いずれかの発光チャネルで蛍光として採点されたウェルを、自己蛍光、化合物の固有の蛍光の結果、または非蛍光化合物を蛍光化合物に代謝する細胞の能力のいずれかとしてフラグを立てた。
実施例23:分化確認スクリーニング
一次スクリーニングデータセットからMAC1発現のデータを抽出した。
実施例24:細胞毒性カウンタースクリーニング
Promega CellTiter−Glo(登録商標)アッセイを利用して、細胞生存率の尺度としての線維芽細胞株NIH3T3におけるATP(生存率の代用として)を測定した。培養培地中哺乳動物細胞を含む不透明壁マルチウェルプレート、96ウェルプレートについて1ウェルあたり100μL、または384ウェルプレートについて1ウェルあたり25mLを調製した。バックグラウンド発光が得られた後、試験化合物を添加し、培養プロトコルにしたがってインキュベートした。30分後、各ウェルに存在する細胞培養培地の体積に等しい体積のCellTiter−Glo(登録商標)試薬、内容物をオービタルシェーカーで2分間混合し、10分間インキュベートした後、200msecの発光を記録した。
実施例25:エストロゲン受容体アーチファクトカウンタースクリーニング
野生型HoxA9(すなわち、エストロゲン−受容体融合を欠いている構成的に活性なHoxA9タンパク質)細胞株を使用することを除いて、野生型HoxA9骨髄芽球細胞株を一次アッセイと同じ手順で使用し、4日目に、MAC1−APC抗体を添加した。
実施例26:HoxA9細胞傷害性パネル
HoxA9:ヒト白血病細胞
THP−1およびU937ヒト白血病細胞株を、ヒト白血病細胞株を使用することを除いて、一次アッセイと同じ手順で使用した。これらは、因子非依存性細胞株およびエストロゲン非依存性細胞株であるので、結果として細胞を10%ウシ胎児血清を補ったRPMIで単純に増殖させた。
細胞傷害性アッセイは、ATCCから得たHEK293T、HepG2およびA549細胞を使用して、一定範囲の濃度(0.05〜26μM)で細胞傷害性を試験した。化合物を細胞に添加し、72時間インキュベートした。細胞ATPレベルを、発光試薬、CellTiter−Glo(Promega)を用いて細胞生存率の代用として測定した。
HEK293の詳細なアッセイプロトコル:
0日目:HEK293細胞(HEK293T、ATCC)をTripleフラスコ(NUNC)中で約95%コンフルエンス(TrypLEフェノールレッドフリー)まで増殖させ、50000個細胞/mLのDMEM、10%FBS/Pen/Strep/グルタミン(Compact SelecT)で分注するために再懸濁する。
1日目:Corning 8867BC 384ウェルプレートを用いて、1ウェル当たり2000個の細胞を40μLの培地(DMEM/10%FBS/Pen/Strep/L−グルタミン)に蒔き、標準TC条件(5%CO2;95%湿度、37℃)で24時間インキュベートする(Compact SelecT)。
2日目:用量1ウェル当たり100nL化合物を、ピンツール(CyBi Well)を用いてアッセイ体積40μLに添加する。100nLの細胞傷害性化合物、ミトキサンドロン(CID 4212)を陽性対照ウェルに10μM(100nL 4mM DMSOストック)の最終濃度に固定する。系を、Liconicインキュベーター、95%湿度5%CO2中、37℃で72時間インキュベートする。
4日目:プレートをインキュベーターから取り出し、室温に15分間冷却する;20μLの50%Promega CellTiterGlo(PBSで1:1希釈、pH7.4)をThermo Combiを用いて添加する。系を室温で5分間インキュベートする。
読み取りは1ウェル当たり0.1秒間US LUM設定でPerkin−Elmer EnVisionを用いて得る。
HepG2の詳細なアッセイプロトコル:
0日目:HepG2細胞(ATCC)をTripleフラスコ(NUNC)中で約95%コンフルエンス(TrypLEフェノールレッドフリー)まで増殖させ、(TAP Compact SelecT自動化cll培養システムを用いて)50000個細胞/mLのDMEM、10%FBS/Pen/Strep/グルタミンで分注するために再懸濁する。
1日目:Corning 8867BC 384ウェルプレートを用いて、1ウェル当たり2000個の細胞を40μLの培地(DMEM/10%FBS/Pen/Strep/L−グルタミン)に蒔き、標準TC条件(5%CO2;95%湿度、37℃)で24時間インキュベートする(Compact SelecT)。
2日目:用量1ウェル当たり100nL化合物を、ピンツール(CyBi Well)を用いてアッセイ体積40μLに添加する。100nLの細胞傷害性化合物、ミトキサンドロンを陽性対照ウェルに10μM(100nL 4mM DMSOストック)の最終濃度に固定する。系を、Liconicインキュベーター、95%湿度5%CO2中、37℃で72時間インキュベートする。
4日目:プレートをインキュベーターから取り出し、室温に15分間冷却する;20μLの50%Promega CellTiter−Glo(PBSで1:1希釈、pH7.4)をThermo Combiを用いて添加する。系を室温で5分間インキュベートする。
プレートを、1ウェル当たり0.1秒間標準的な発光設定でPerkin−Elmer EnVisionプレートリーダーで読み取る。
A549の詳細なアッセイプロトコル:
0日目:A549細胞(ATCC)をTripleフラスコ(NUNC)中で約95%コンフルエンス(TrypLEフェノールレッドフリー)まで増殖させ、(TAP Compact SelecT自動化cell培養システムを用いて)25000個細胞/mLのDMEM、10%FBS/Pen/Strep/グルタミンで分注するために再懸濁する。
1日目:Corning 8867BC 384ウェルプレートを用いて、1ウェル当たり1000個の細胞を40μLの培地(DMEM/10%FBS/Pen/Strep/L−グルタミン)に蒔き、系を標準TC条件(5%CO2;95%湿度、37℃)で24時間インキュベートする(Compact SelecT)。
2日目:用量1ウェル当たり100nL化合物を、ピンツール(CyBi Well)を用いてアッセイ体積40μLに添加する。100nLの細胞傷害性化合物、ミトキサンドロン(CID 4212)を陽性対照ウェルに10μM(100nL 4mM DMSOストック)の最終濃度に固定する。系を、Liconicインキュベーター、95%湿度5%CO2中、37℃で72時間インキュベートする。
4日目:プレートをインキュベーターから取り出し、室温に15分間冷却する;20μLの50%Promega CellTiterGlo(PBSで1:1希釈、pH7.4)をThermo Combiを用いて添加する。系を室温で5分間インキュベートする。
プレートを、1ウェル当たり0.1秒間標準的な発光設定でPerkin−Elmer EnVisionで読み取る。
実施例27:HoxA9:CD34+カウンタースクリーニング
CD34+ヒト初代細胞を、初代CD34+細胞を使用する以外は、一次アッセイと同じ手順で使用した。正常なヒト骨髄ドナー由来の廃棄骨髄フィルタから磁気ビーズ陽性選択(Stem Cell Technologies)を用いて細胞を単離した。この場合、10%ウシ胎児血清、50μM β−メルカプトエタノールならびに10ng/ml幹細胞因子、インターロイキン−3、インターロイキン−6、トロンボポエチンおよびflt−3リガンドを補ったRPMIで細胞を培養した。
本明細書で引用した各および全ての特許、特許出願および刊行物の開示は、これによりその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明を、具体的な実施形態を参照して開示してきたが、発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態および変形形態を当業者が考案することができることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、このような実施形態および同等の変形全てを含むと解釈されることが意図される。

Claims (16)

  1. それを必要とする対象において血液がんを治療または予防する方法において使用するための医薬組成物であって、治療上有効量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を含み、48時間毎に1回以下の頻度で前記対象に投与される、医薬組成物。
  2. 72時間毎に1回以下の頻度で前記対象に投与される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記血液がんが急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、混合型白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)および/または慢性骨髄性白血病(CML)を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記血液がんがAMLを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記対象が、分化停止によって特徴付けられる血液がんをそれまでに治療してきたかまたは治療中である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  6. 口、直腸、粘膜、経粘膜、局所、静脈内、真皮内、筋肉内、皮下、皮内、子宮内、硬膜外および脳室内注射から選択される少なくとも1つの経路によって前記対象に投与される、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 血液がんの治療または予防に有用な少なくとも1種の追加の薬剤を前記対象にさらに投与する、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記追加の薬剤が三酸化ヒ素である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記対象が1種または複数の抗癌剤に応答しない、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  10. 前記対象から得た生体試料中のジヒドロオロテートのレベルを上昇させるおよび/またはウリジンのレベルを低下させるのに十分な量および持続時間、前記対象に投与され、それによって血液がんを治療する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  11. 前記方法が
    (a)第1の用量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を前記対象に投与する工程と、
    (b)前記対象から得た生体試料中のジヒドロオロテートおよび/またはウリジンを検出する工程と、
    (c)第2の用量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を投与する工程であって、前記投与の量および/またはタイミングを、検出されるジヒドロオロテート(DHO)および/またはウリジンの量に基づいて修正し、それによって前記対象の血液悪性腫瘍を治療する工程と
    を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  12. 6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物の投与の量および/またはタイミングが、ジヒドロオロテートのレベルを少なくとも約100〜500倍上昇させるのに十分である、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記第2の用量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を、DHOの量がベースラインに戻った後に投与する、請求項11に記載の医薬組成物。
  14. 前記方法が
    (a)第1の用量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を前記対象に投与する工程と、
    (b)前記対象から得た生体試料中のジヒドロオロテートおよび/またはウリジンを検出する工程と、
    (c)第2の用量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を投与する工程であって、前記投与の量および/またはタイミングを、検出されるジヒドロオロテート(DHO)および/またはウリジンの量に基づいて修正し、それによって前記対象の血液がんを治療する工程と
    を含む、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  15. 前記第2の用量の6−フルオロ−2−(2’−フルオロ−[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチルキノリン−4−カルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物を、DHOの量がベースラインに戻った後に投与する、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. ウリジンの量が、前記第1の用量の投与の12時間後に存在するウリジンのレベルより10〜25%高い場合に、前記第2の用量を投与する、請求項10から15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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