JP6916037B2 - 発光デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材表面にエレクトロルミネッセンス(EL)発光層(又はEL発光素子とも称する)を有する発光デバイスの製造方法の改良に関するものである。
液晶のバックライトや照明、広告看板等にシート状のエレクトロルミネッセンス(EL)デバイスが使用されているが、ゴムや薄い樹脂の如き基材にEL発光層を積層すると、柔軟で湾曲することができるので、このようなシート状の発光デバイスは、種々の物品の曲面に貼合して使用することができる。しかし、このようなシート状発光デバイスは、複雑な曲面を有する物品に貼合することが困難であるため、熱可塑性フィルム状基材にドクターブレードコーティング及びスクリーン印刷又はインクジェット印刷等の印刷プロセスでEL発光層を施して形成された加飾フィルムを用いて、インモールド成形等で、曲面を有する物品にEL素子を形成する技術が採用されている(例えば特許文献1、2参照)。この方法は、比較的曲率半径が大きい表面には良好に適用することができるが、より複雑な曲面に適用しようとすると、発光デバイスが引き延ばされ過ぎて発光デバイスが損傷したり、発光斑が生じたりすることがあった。
この問題を解決するため、湾曲面を有する基材にスプレー・コンフォーマル・コーティングによって水性ベースの導電性のバックプレーン材料から成っているベースバックプレーン電極層、水性ベースの誘電体材料から成っている誘電体層、水性ベースの蛍光体材料から成っている蛍光体層、水性ベースの実質的に透明な導電性の電極材料から成っている電極層の順で積層して発光デバイスを製造する方法が提案されている(特許文献3参照)。
このスプレー・コンフォーマル・コーティングによって発光デバイスを製造する方法は、複雑な曲面に良好に発光デバイスを形成できるが、EL発光部分の模様を多様にデザイン化した場合には、テープやステンシルシート等によるマスキング作業が必要となるため、生産効率が低い欠点があった。また、EL発光層に加飾層を組み合わせる場合に、この加飾層は、スプレーブラシ等によって施されているため、製造価格が高かった。一方、このスプレーブラシによる加飾に代えて加飾層を有する熱可塑加飾フィルムを用いてインモールド成形で加飾層を形成したり、転写シールを用いて加飾したりする方法が試みられているが、この方法は、複雑な曲面に適用することができなかった。このように従来技術では、幅広い意匠性を実現しながら高い生産性で低価格で曲面形状の基材にEL発光層を有する発光デバイスを得ることができなかった。
特開平11−162633公報(特許第3325216号) 特開2005−243488公報 特表2015−503829公報
本発明が解決すべき課題は、幅広い意匠性を実現しながら高い生産性と低価格で曲面形状の基材にEL発光層を施すことができる発光デバイスを製造する方法を提供することである。
本発明の第1の課題解決手段は、基材を選択する工程(A)と、前記基材の表面に第1の電極層を形成する工程(B)と、 前記第1の電極層の上に誘電体層を形成する工程(C)と、前記誘電体層の上に蛍光体層を形成する工程(D)と、前記蛍光体層の上に透明な第2の電極層を形成する工程(E)とを含み、少なくとも1つのエレクトロルミネッセンスユニットを構成する発光層を有する発光デバイスの製造方法であって、水溶性フィルム上に蛍光体付与層が施された第1の転写層を有する水圧転写フィルムを用いて前記第1の転写層を前記誘電体層の上に水圧転写して前記蛍光体層を形成し、前記発光層を構成する残りの層をスプレー塗布によって形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明の第2の課題解決手段は、基材を選択する工程(A)と、前記基材の表面に第1の電極層を形成する工程(B)と、 前記第1の電極層の上に誘電体層を形成する工程(C)と、前記誘電体層の上に蛍光体層を形成する工程(D)と、前記蛍光体層の上に透明な第2の電極層を形成する工程(E)とを含み、少なくとも1つのエレクトロルミネッセンスユニットを構成する発光層を有する発光デバイスの製造方法であって、水溶性フィルム上に下から順に蛍光体付与層と誘電体付与層とを積層して形成された第2の転写層を有する水圧転写フィルムを用いて前記第2の転写層を前記第1の電極層の上に水圧転写して前記蛍光体層と前記誘電体層とを一括して形成し、前記発光層を構成する残りの層をスプレー塗布によって形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法を提供することにある
本発明の第1又は第2の解決手段において、前記第1又は第2の転写層のいずれかの転写層の前記蛍光体付与層と前記水溶性フィルムとの間に加飾付与層を有する第の転写層が形成された水圧転写フィルムを用いて前記第の転写層を水圧転写して加飾層を含む発光層を形成してもよい。
本発明の第1又は第2の課題解決手段において、異なる蛍光体材料から成る複数の蛍光体領域を面方向又は厚み方向に有する蛍光体付与層を含んで形成された第4の転写層を有する水圧転写フィルムを用いて前記第の転写層を水圧転写して複数の蛍光体領域を含む発光層を形成してもよい。
本発明の第1又は第2の課題解決手段において、前記発光層の最外面に透明保護層を形成してもよい。
本発明の第1又は第2の課題解決手段において、前記基材の発光層側の表面に表面処理層を形成してもよい。
本発明によれば、幅広い意匠性を有しながら生産性よく低価格で曲面形状の基材に発光層が形成された発光デバイスを製造することができる。
本発明の第1の実施形態によって製造された発光デバイスの概略図である。 本発明の第2の実施形態によって製造された発光デバイスの概略図である。 本発明の第3の実施形態によるエレクトロルミネッセンスデバイスの概略図である。 本発明の第4の実施形態によるエレクトロルミネッセンスデバイスの概略図である。 本発明の第5の実施形態によって製造された発光デバイスの概略図である。 本発明の第6の実施形態によって製造された発光デバイスの概略図である。 本発明の第1と第2の実施形態に用いられる水圧転写フィルムの概略図である。 本発明の全ての実施形態に用いられる水圧転写の概略系統図である。
本発明の2つの実施の形態によるエレクトロルミネッセンスデバイス(発光デバイス)の製造方法を以下に述べる。
本発明の製造方法によって製造される発光デバイスは、基材と、下方の第1の電極層と上方の第2の電極層とこれらの電極層の間に配置された少なくとも1つの誘電体層と蛍光体層とを含む発光層とから成っているが、本発明の製造方法は、発光層を構成する電極層、誘電体層及び蛍光体層のうち、蛍光体層又は蛍光体層と誘電体層との積層体を水圧転写によって形成し、残りの層は、スプレー塗布によって形成することにある。
本発明の2つの実施形態を以下順に図1及び図2を参照して詳細に説明するが、図1及び図2において太枠で囲まれた層は、水圧転写によって形成される層である。
(第1の実施形態)
本発明の基本的な実施の形態(第1の実施形態)による発光デバイス10の製造方法を図1を参照して詳細に述べると、この図1に例示された方法は、
(A)基材12を選択する工程と、
(B)工程(A)で選択された基材12の上に第1の電極層14を形成する工程と、
(C)工程(B)で形成された第1の電極層14の上に誘電体層16を形成する工程と、
(D)工程(C)で形成された誘電体層16の上に蛍光体層18を形成する工程と、
(E)工程(D)で形成された蛍光体層18の上に透明な第2の電極層20を形成する工程(E)と
から成っており、これらの工程中、工程(A)と(D)とを除く他の工程(B)(C)(E)の層14、16、20は、スプレー塗布によって形成され、工程(D)の蛍光体層18のみが水圧転写によって形成される。
以下に、本発明の第1の実施形態における基材12と発光層を構成する層14乃至20と第1の実施形態による発光デバイス10の製造工程について詳細に述べる。
(基材)
基材12は、発光デバイスが搭載される物品の表面とすることができ、その材質は、特に限定されないが、典型的には、樹脂性材料である。
(第1の電極層)
第1の電極層14は、スプレー可能な導電性材料を塗布して形成されるが、この導電性材料は、種々の環境と用途に適合するように調整される。1つの形態では、第1の電極層14は、導電性が高く、不透明な材料から形成されるが、このような材料の例として、Lyons New YorkのCaswell,Inc.社のSILVASPRAY(商標)の如く、アルコール/ラテックスベースで銀を多く含む溶液と、同じくCaswell,Inc.社の銅の導電塗料である「Caswell Copper」の如き、水性ベースでラテックス状の銅を多く含む溶液とすることができる。
第1の電極層14は、上記の不透明な材料に代えて透明な材料とすることができ、この例として、ドイツのLeverkusenのHeraeus Clevios GmbH社の「CLEVIOS(登録商標)SV3」及び/又は「CLEVIOS(登録商標)SV4」の導電ポリマーの如き導電性材料がある。
(誘電体層)
誘電体層16は、比較的高い誘電率を有する絶縁性ポリマーマトリクスの中に封入された比較的高い誘電率を有する非導電性の材料、典型的には、チタン酸バリウム−BaTiOから形成される。一例では、誘電体層16は、コポリマーと希釈水酸化アンモニウムとを約2:1で含む溶液とすることができる。この溶液に、水酸化アンモニウムでプリウェットされた幾分かのBaTiOを添加して過飽和懸濁液を作る。他の例として、誘電体層16は、チタン酸塩、酸化物、ニオブ酸塩、アルミン酸塩、タンタル酸塩及びジルコン酸塩材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。
この誘電体層16は、蛍光体層18を発光させる電荷の供給源として機能する。更に、具体的に述べると、第1の電極層(以下、下部電極層ともいう)14と第2の電極層(以下、上部電極層ともいう)20との間に、AC信号30が印加されると、誘電体層16の材料自体が有する電磁的な固有の分極特性により、誘電体層16は、蛍光体層18との界面に電荷を生じ、この電荷が交流電界で加速されて蛍光体層18に分散された蛍光体材料に衝突し、この蛍光体材料が励起して基底状態に緩和される際に発光が生じる。誘電体層16の誘電率は、蛍光体層18の発光効率を高めるため、蛍光体層18の誘電率よりもできるだけ大きいことが好ましい。また、誘電体層16は、電気的絶縁耐圧が高いため、下部電極層14と半導電性の蛍光体層18との間及び下部電極層14と上部電極層20との間の絶縁バリアとして機能し、更に蛍光体層18に高電界を安定して印加する機能を有する。更に、誘電体層16は、下部電極層14と上部電極層20との間に生成された静電界に対して非常に透過性がある。
(蛍光体層)
蛍光体層18は、後に詳細に述べるように、蛍光体付与層を誘電体層16の上に水圧転写して形成される。蛍光体付与層を形成する蛍光体材料は、電界で加速された電荷(電子)を透過することができるポリマーマトリクスの中に、金属ドープされた硫化亜鉛(ZnS)等によって代表される半導電性の蛍光体材料を分散して得られる。この蛍光体材料は、上下の電極層14、20間に印加されるAC信号30によって生成された交番する静電界によって励起されると、この静電界からエネルギーを吸収し、基底状態に緩和される際にそのエネルギーを可視光の光子として再放出する機能を有する。また、この蛍光体材料は、電気絶縁性を有するポリマーマトリクスの中に分散されて封入されることによって、下部電極層14と上部電極層20との間に更なる絶縁バリアを形成する。
蛍光体層18に用いられるポリマーマトリクスは、公知の無機ELで用いられる材料とすることができ、1例として、アクリル系ポリマーがある。蛍光体層18に用いられる蛍光体材料は、例えば、バリウムチオアルミネート(BaAl)の如き硫化アルミニウム系蛍光体材料や、硫化亜鉛(ZnS)系蛍光体材料又は硫化ストロンチウム(SrS)の如きアルカリ土類金属硫化物蛍光体材料等とすることができるが、これらに限定されるものではない。また、BaAl、ZnS、SrSの母材に遷移金属や稀土類金属イオンを微量に添加することによって種々の色の発光が可能である。例えばZnS:Mnは橙色、ZnS:Tbは緑色、SrS:Ceは青緑、CaS:Euは赤色、BaAl:Euは、青色に発光する。更に、蛍光体材料は、量子ドットの特性を有していてもよい。
(第2の電極層=上部電極層)
上部電極層20は、導電性であり、且つ全体的に透明である。この上部電極層20は、導電ポリマー(PEDOT)、カーボンナノチューブ(CNT)、アンチモン錫酸化物(ATO)及びインジウム錫酸化物(ITO)の如き材料で作ることができる。好ましい材料は、イソプロピルアルコールで希釈されたものであって、Heraeus Clevios GmbH社の導電性、透明性、可撓性のポリマーであるCLEVIOS(登録商標)である。これは、比較的環境に無害である。
上部電極層20の他の材料としてインジウム錫酸化物(ITO)及びアンチモン錫酸化物(ATO)を用いることができるが、環境問題を考慮すると、CLEVIOS(登録商標)が望ましい。
既に述べたように、下部電極層14は、全体的に透明であってもよいが、この場合、上部電極層20に用いられる材料のいずれかを下部電極層14と同じ材料としてもよい。
(上下の電極層の接続部)
図示していないが、発光層を励起するために下部電極層14と上部電極層20との間にAC信号30を供給する必要があるが、このAC信号30を供給するために、その接続部として機能する図示しないバスバーを上部電極層20に設けることができる。このバスバーは、一般に発光デバイスの点灯領域の周辺端部に施される。なお、バスバーは、上部電極層20と下部電極層14のとの両方又は下部電極層14のみに設けてもよい。
(スプレー塗布)
この発光デバイス10においては、既に述べたように、下部電極層14、誘電体層16、上部電極層20は、スプレー塗布によって基材12上に形成される。この塗布技術は、種々の材料及び/又は複雑な表面形状に適用することができる。
(各工程の説明)
図1の発光デバイスの製造工程を以下に詳細に説明する。
(基材の選択工程)
これは、本発明の第1の実施の形態の工程(A)に相応し、基材12は、既に述べたように、適宜の物品の表面であり、導電性、非導電性の材料のいずれでもよく、任意の輪郭と形状を有することができる。
(電気的接続工程)
発光デバイスの「点灯領域」毎に、蛍光体層18を励起するAC信号30を供給する信号経路を付与するために電気接続が行われる。これらの信号経路は、一例として、キャリースルー技術を用いて形成される。例えば、基材12がプラスチック、ガラス繊維又はそれらの複合材料の如き非導電性である場合には、基材12に設けられた小さい開口部内に貫通するように、下部電極層14に少なくとも1つの「キャリースルー」導電素子を設けて、下部電極層14と上部電極20のバスバーとを電気的に接続する。また、基材12が導電性の材料から成っている場合には、開口内に基材12とキャリースルーとの間を電気的に絶縁するために、覆いが設けられる。これらのキャリースルー技術による下部電極層14とバスバーとの電気的接続の詳細な工程は、特許文献3の図3及び図3に関連する説明文に記載されている通りである。
(第1の電極=下部電極層の塗布工程)
下部電極層14は、導電材料を含むパターンであり、基材12の表面に積層して形成される。この下部電極層14は、好ましくは、エアブラシ又は十分に細かい穴の重力供給型スプレー機器を用いて、例えば、約0.001インチ(0.0254mm)の厚さまで塗布することができる。下部電極層14がこのように塗布されると、導電素子と接触するように配置されてAC信号30と電気的に接触し、また点灯した発光デバイス10の領域に概略の輪郭を形成する。
(誘電体層の塗布工程)
誘電体層16は、BaTiOを含む非導電性の溶液を吸引及び/又は圧力供給型のスプレー機器を用いて塗布される。
(蛍光体層の付着工程)
蛍光体層18は、既に述べたように、誘電体層16の上に、水圧転写法によって形成される。水圧転写法は、公知の技術であるが、その概要を図を参照して述べる。図(A)に示すように、ポリビニールアルコールを主成分とする水溶性のキャリアフィルム54Cにグラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷の如き印刷や各種コーティング等の手段で形成された蛍光体材料の付与層18P(以下蛍光体付与層と称する)を付着した転写フィルム54を用意する。この場合、蛍光体材料は、一般の透明メジウムインクと同様の樹脂成分に分散させた状態で上記手段によって水溶性キャリアフィルムに塗布することができる。この蛍光体付与層18は、水圧転写前に、活性剤を塗布して樹脂に浸透させることによって活性状態にすることができる。図に示すように、このようにして活性状態の蛍光体付与層18Pを有する転写フィルム54を蛍光体付与層18Pが上向きとなるようにして水槽50内の水面52に浮かばせ、一方、発光デバイス10の基材12から誘電体層16まで積層したスタック(積層物付きの物品10A)を形成し、この積層物付きの物品10Aを誘電体層16が転写フィルム54に対面するようにして、水槽50内に押し込み、この際に、発生する水圧を利用して、転写フィルム54の蛍光体付与層18Pを誘電体層16の上に転写する。水溶性キャリアフィルム54Cは、蛍光体付与層18Pの転写後、水槽50内の水で溶解するが、この水で溶解しきれないで残ったフィルム部分は、水槽50から引き揚げたのち、シャワーで強制的に除去される、その後、熱風等で乾燥して誘電体層16に物理的に結合された蛍光体層18が形成される。この蛍光体付与層18Pの付着工程(水圧転写工程)は、バッチ方式(積層物付き物品10Aを一個毎に転写する方式)又は連続方式(多数の積層物付き物品10Aを順次水槽50に搬送して連続的に転写する方式)のいずれで行ってもよい。
なお、蛍光体付与層18Pは、水溶性のキャリアフィルム54Cの全面に形成してもよいし、部分的に形成してもよく、後者の場合には、光の発散が模様状になって装飾的に観察することができる。模様状の蛍光体付与層18は、マスキングを施すことなく印刷によって容易に形成することができる。
(誘電体層と蛍光体層との硬化工程)
このように誘電体層16上に蛍光体層18を水圧転写によって積層し、熱風等によって加熱し乾燥すると、誘電体層16と蛍光体層18とから水分や活性剤中の溶剤成分が蒸発して取り除かれてこれらの積層物が硬化し、また、誘電体層16と蛍光体層18と下部電極層14との間が機械的に結合される。この加熱工程は、温度や湿度の如き環境因子に応じて適宜設定される。この硬化工程は、熱風に代えて赤外線熱源を用いることによって適宜加速することができる。
(第2の電極層=上部電極層の塗布工程)
上部の透明電極層20は、エアブラシ又は十分に細かい穴の重力供給スプレー機器を用いて、蛍光体層18の上にスプレー塗布によって施される。この際、上部電極層20は、EL領域の周辺部におけるバスバーとの間に導電経路を形成する。この上部電極層20は、その塗布中に蛍光体層18の照射を視覚的にモニターするために、上部電極層20と下部電極層14との間に電気信号30を印加することが好ましい。
(第2の実施形態)
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態が図2に示されており、この実施形態では、誘電体層16と蛍光体層18との両方の層が水圧転写によって一括して形成され、残りの第1及び第2の電極層14、20は、第1の実施の形態と同様にスプレー塗布して形成される。更に詳細に述べると、この第2の実施の形態では、図(B)に示すように、水溶性キャリアフィルム54C上に下から順に蛍光体付与層18Pと誘電体付与層16Pを積層して形成された第2の転写層T2を有する水圧転写フィルム54を用いて図に示すように、この第2の転写層T2を第1の電極層14の上に水圧転写して蛍光体層18と誘電体層16とを一括して形成する。蛍光体付与層18Pは、第1の実施の形態と同様の手段で蛍光体材料をキャリアフィルム54C上に塗布又は印刷して形成し、また、誘電体付与層16Pは、蛍光体付与層18Pの上に誘電体材料をコーター等の各種コーティングの手段で塗布して形成する。蛍光体付与層18Pが模様を有する場合には、誘電体付与層16Pは、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などによって蛍光体付与層18Pの模様と一致させるように形成する。この場合には、第1及び第2の電極層14、20が接触しないように、誘電体層16が形成されていない部分には、電気絶縁性の樹脂材料でメジウム層を形成する。
この第2の実施の形態によれば、発光層を構成する誘電体層16と蛍光体層18とが一体に同時に形成されるので、これらの層の付着作業工程が短縮される。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施の形態が図3に示されており、この実施の形態では、図1の発光デバイス10の蛍光体層18と第2の電極層20との間に加飾層24が介在している発光層から成る発光デバイスであるが、この加飾層24を含む発光デバイスは、図1の発光デバイスと同様に加飾層24と蛍光体層18とを水圧転写によって一括して形成する。この第3の実施の形態では、水溶性キャリアフィルム54C上に下から順に加飾付与層24P(図示せず)と蛍光体付与層18Pとを積層して形成された第3の転写層T3(図示せず)を有する水圧転写フィルム54を用い、図8に示すように、この第3の転写層T3を基材12の上に水圧転写して蛍光体層18と加飾層24とを一括して形成する。加飾付与層24Pは、適宜の模様とすることができるが、広義的には、この模様は、文字、図形、記号等を含んでおり、この加飾付与層22Pは、水溶性キャリアフィルム54C上にインクで印刷して形成され、蛍光体付与層18Pは、この加飾付与層22Pの上に印刷して形成される。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施の形態が図4に示されており、この実施の形態では、図1の発光デバイス10において、異なる蛍光体材料から成る複数、図示の例では、2つの蛍光体領域18a、18bを有する蛍光体層18を備えている。図示の例では、蛍光体領域18aは、面方向に延びており、蛍光体領域18bは、厚み方向に延びている。この発光デバイス10の製造では、蛍光体領域18a、18bに相応するパターン領域を有する蛍光体付与層18Pを含んで形成された第4の転写層T4(図示せず)を有する水圧転写フィルム54を用いてこの第4の転写層T4を水圧転写して複数の蛍光体領域18a、18bを有する蛍光体層18を含む発光層を形成する。
この第4の実施の形態によれば、蛍光体層18が異なる蛍光体領域を有するため、発光層が部分的に異なる色合いで発光するので、発光時に多様の意匠を形成することができる。
本発明によって製造される発光デバイス10は、図5に示すように、発光層の最外面である第2の電極層20の上に発光デバイス10を機械的、化学的に保護する透明保護層26を形成してもよく、また図6に示すように、基材12と第1の電極層14との間にこれらの間の接着性、電気的絶縁性を確実にするために表面処理層(プライマー層)28を形成してもよい。
(本発明による発光デバイスの動作)
本発明の発光デバイス10の動作を図1及び図2に示される実施の形態について詳細に述べると、AC信号30がキャリアースルー(導電素子)を介して第1の電極層14と透明な第2の電極層20のバスバー(図示せず)との間に印加されると、AC信号30が第1の電極層14と第2の電極20とにそれぞれ送られ、これらの間にある蛍光体層18に交流電界を生成する。この電界によって誘電体層16と蛍光体層18との境界面に電荷が生じ、この電荷は、電界によって蛍光体層18内に加速し放出されて、蛍光体層18内の蛍光体材料が励起され、基底状態に緩和される際に蛍光体層18が光を放出する。蛍光体層18によって放出された光は、透明な第2の電極20を通過し、外部に放出される(発光する)(図1及び図2の放出光の矢印参照)。
本発明によれば、発光デバイスの発光層の蛍光体層又は蛍光体層と誘電体層の積層体を水圧転写によって形成し、水圧転写以外によって施される残りの層は、スプレー塗布によって形成するので、幅広い意匠性を実現しながら高い生産性と低価格で曲面形状の基材に発光デバイスを施すことができ、高い産業上の利用性を有する。
10 発光デバイス
10A 積層物付物品
12 基材(物品の表面)
14 第1の電極層
16 誘電体層
18 蛍光体層
18a、18b 異なる蛍光体領域
20 透明な第2の電極層
22 透明絶縁層
24 加飾層
26 透明保護層
28 表面処理層
30 AC信号
50 水槽
52 水面
54 転写フィルム
54C 水溶性キャリアフィルム
16P、18P 蛍光体付与層及び誘電体付与層
TI、T2 転写層

Claims (6)

  1. 基材を選択する工程(A)と、前記基材の表面に第1の電極層を形成する工程(B)と、 前記第1の電極層の上に誘電体層を形成する工程(C)と、前記誘電体層の上に蛍光体層を形成する工程(D)と、前記蛍光体層の上に透明な第2の電極層を形成する工程(E)とを含み、少なくとも1つのエレクトロルミネッセンスユニットを構成する発光層を有する発光デバイスの製造方法であって、水溶性フィルム上に蛍光体付与層が施された第1の転写層を有する水圧転写フィルムを用いて前記第1の転写層を前記誘電体層の上に水圧転写して前記蛍光体層を形成し、前記発光層の残りの層は、スプレー塗布して形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  2. 基材を選択する工程(A)と、前記基材の表面に第1の電極層を形成する工程(B)と、 前記第1の電極層の上に誘電体層を形成する工程(C)と、前記誘電体層の上に蛍光体層を形成する工程(D)と、前記蛍光体層の上に透明な第2の電極層を形成する工程(E)とを含み、少なくとも1つのエレクトロルミネッセンスユニットを構成する発光層を有する発光デバイスの製造方法であって、水溶性フィルム上に下から順に蛍光体付与層と誘電体付与層とを積層して形成された第2の転写層を有する水圧転写フィルムを用いて前記第2の転写層を前記第1の電極層の上に水圧転写して前記蛍光体層と前記誘電体層とを一括して形成し、前記発光層の残りの層は、スプレー塗布して形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  3. 請求項1又は2による発光デバイスの製造方法であって、前記蛍光体付与層と前記水溶性フィルムとの間に加飾層を有する第の転写層が形成された水圧転写フィルムを用いて前記第の転写層を水圧転写して加飾層を含む発光層を形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  4. 請求項1乃至のいずれかにによる発光デバイスの製造方法であって、異なる蛍光体材料から成る複数の蛍光体領域を面方向又は厚み方向に有する蛍光体付与層を含んで形成された第の転写層を有する水圧転写フィルムを用いて前記第の転写層を水圧転写して複数の蛍光体領域を含む前記発光層を形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  5. 請求項1乃至のいずれかによる発光デバイスの製造方法であって、前記発光層の最外面に透明保護層を形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかによる発光デバイスの製造方法であって、前記基材の発光層が形成される表面に表面処理層を形成することを特徴とする発光デバイスの製造方法。
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