JP6914573B1 - 潮汐力発電装置及び潮汐力発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設置コストが低い潮汐力発電装置を提供する。【解決手段】ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰、並びに前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方に配置される、水位差で発電が可能な発電機を備えた潮汐力発電装置。【選択図】図4

Description

本発明は、潮汐力発電装置及び潮汐力発電システムに関する。
近年、火力発電には大量の化石燃料が必要であり、地球温暖化の原因である二酸化炭素を多量に排出する等の問題が認識されている。原子力発電には様々なリスクがあり、施設建設から廃炉、再処理コストまで含めると多大なコストがかかることからその効率性にも疑義が生じている。
このようなエネルギー問題及び環境問題が注目されてきており、2015年には、国連サミットにおける「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(持続可能な開発目標(SDGs))が採択され、従来の環境影響が大きいエネルギー源を代替する再生可能エネルギーの活用が求められている。
しかしながら、従来のエネルギーに代えて再生可能エネルギーを主に活用していくには多くのハードルがある。太陽光発電は天候に大きく影響され、夜間は発電できない等の問題がある。風力発電は無風時には発電できないことや、風速によって発電量に影響が出る等の問題がある。従来の水力発電は、ダム建設による自然環境破壊、降雨量、貯水量により発電量が左右される等の問題がある。
これに対して、天候に左右されにくく且つ環境への影響が小さい再生可能エネルギー源の一つとして、潮の干満差を利用する潮汐力発電が注目されている。潮汐力発電は、クリーン再生可能エネルギーであること、水の密度が大きいことによりエネルギー集中が可能なこと、及び潮汐現象を利用するため風力発電と異なり予測出力による安定した電力供給が可能であることから、利用が期待されている。特に、陸地面積に比して海岸線の長い日本等の国において効率的な潮汐力発電が実現された場合、その効果は非常に大きいものと期待されている。
潮汐力発電として、高水位水域と低水位水域を仕切る堤防と、高水位水域の水を汲み上げる汲み上げ装置と、汲み上げた水の貯水槽と、貯水槽の水による運転する発電機用水車とを有する潮汐発電装置(特許文献1)や、潮位によって上下動する浮きタンクの動きを油圧シリンダのピストンに伝達し、ピストンの上下動により油圧ポンプを回転させて発電する方法(特許文献2)が提案されている。また、潮汐力発電の設備利用率を向上させる技術も提案されている(特許文献3)。
実開昭58−132179号公報 特開平11−351120号公報 国際公開第2019/244754号
「潮力発電とは?そのポテンシャルと現状、四方を海に囲まれた日本は有利?」、URL:https://the-owner.jp/archives/3668
しかしながら、潮汐力発電は、現実的には、一部の国で実用化が進められているに過ぎない。潮汐力発電のインフラ整備のコストに見合った発電量を見込めないことが課題となっている(非特許文献1)
したがって、従来よりも設置コストが低い潮汐力発電装置が求められている。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰、並びに
前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方に配置される、水位差で発電が可能な発電機
を備えた潮汐力発電装置。
(2)前記発電機は、プロペラが双方向の流れに対して回転する双方向型である、上記(1)に記載の潮汐力発電装置。
(3)前記発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方を開閉するように動作可能なカバーを備える、上記(1)または(2)に記載の潮汐力発電装置。
(4)前記カバーを開閉する第1の制御部を備える、上記(3)に記載の潮汐力発電装置。
(5)前記起伏堰を起伏する第2の制御部を備える、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の潮汐力発電装置。
(6)前記発電機が、前記発電機の電機子の軸心が水平となる向きで配置される、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の潮汐力発電装置。
(7)(A)河口または河川の両側の岸の間、
(B)前記河口または河川に配置された1つまたは2つ以上の中間ピアと前記両側の岸のうち少なくとも一方との間、
(C)前記河口または河川に架けられた橋を支える1つまたは2つ以上の橋脚と前記両側の岸のうち少なくとも一方との間、
(D)前記河口または河川に配置された2つ以上の中間ピアの間、及び
(E)前記河口または河川に架けられた橋を支える2つ以上の橋脚の間
のうち少なくとも1つに配置されるゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される少なくとも1つの起伏堰、並びに
前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方と、前記岸、前記中間ピア、及び/または前記橋脚との間に配置される1つまたは2つ以上の発電機、
を備え、
前記起伏堰の上流側及び下流側の水位差を利用して前記発電機で発電を行う
潮汐力発電システム。
(8)前記発電機は、プロペラが双方向の流れに対して回転する双方向型である、上記(7)に記載の潮汐力発電システム。
(9)前記発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方を開閉するように動作可能なカバーを備える、上記(7)または(8)に記載の潮汐力発電システム。
(10)前記カバーを開閉する第1の制御部を備え、
前記第1の制御部が、前記水位差が所定値未満で前記カバーを閉じ、前記水位差が前記所定値以上で前記カバーを開ける、
上記(9)に記載の潮汐力発電システム。
(11)前記起伏堰を起伏する第2の制御部を備える、上記(7)〜(10)のいずれかに記載の潮汐力発電装置。
(12)前記第2の制御部が、前記河口または河川を船舶が通行可能になるように前記起伏堰のうち少なくとも1つを倒伏させる、上記(11)に記載の潮汐力発電システム。
(13)前記発電機が、前記発電機の電機子の軸心が水平となる向きで配置される、上記(7)〜(12)のいずれかに記載の潮汐力発電システム。
(14)前記橋脚の側面に、前記発電機が、前記発電機の軸心が水平となる向きで複数配置される、上記(7)〜(13)のいずれかに記載の潮汐力発電システム。
本発明により、従来よりも設置コストが低い潮汐力発電装置を提供することができる。
図1は、干潮のときの、ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰(以下、単に起伏堰ともいう)及び河口または河川の断面模式図である。 図2は、潮が満ち始めたときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図3は、図2から潮がさらに満ちたときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図4は、起伏堰の上流側と下流側の水位差が所定値以上となり発電を開始したときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図5は、発電を継続しているときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図6は、発電を終了したときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図7は、満潮時に起伏堰を倒伏させたときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図8は、図7の状態から起伏堰を起立させたときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図9は、図8の状態から引き潮になり、起伏堰の下流側の水位が低下したときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図10は、起伏堰の上流側と下流側の水位差が所定値以上となり発電を開始したときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図11は、発電を継続しているときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図12は、発電を終了したときの、起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図13は、河川の両側の護岸に配置された橋、橋を支える橋脚、起伏堰、及び橋脚の側面に配置された発電機の断面模式図である。 図14は、図13を上からみた断面模式図である。 図15は、干潮のときの起伏堰及び河口または河川の断面模式図である。 図16は、基礎上に配置された起伏堰の断面模式図である。 図17は、起伏堰の下流側に、起伏堰を倒伏可能な凹みを有する基礎の断面模式図である。 図18は、側面の一部の穴部を有する筒形状のカバーの内部に配置された支持部材及び支持部材中に固定された発電機の外観模式図である。 図19は、起伏堰の底部から端部にかけて斜め上方に延在する基礎に固定された起伏堰、及び起伏堰の端部に配置された支持部材内に配置された発電機の断面模式図である。
本開示は、ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰、並びに前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方に配置される、水位差で発電が可能な発電機を備えた潮汐力発電装置を対象とする。本装置によれば、設置コストが低い潮汐力発電装置を提供することができる。
本装置によれば、干満時におこる水位差を利用して河口または河川等の水を起伏堰により一時的に貯留し、貯留した水の水圧を利用して貯留水を発電機の中を通して放流することで、発電することができる。本装置は、設置が容易なゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰を利用するため、設置コストが低く、且つ潮の干満の高低差を利用するので、波や季節による温度差に左右されにくく、潮の干満に基づいて計画的に発電することが可能である。
本装置は、河口または河川の幅方向に容易に設置することができる。河口または河川の幅方向に本装置を設置することにより、河口または河川における干満による水位差を利用した潮汐力発電が可能となる。
より具体的には、河口または河川の幅方向に本装置を設置することにより、干満時におこる水位差を利用して河口または河川の水を一時的に貯留し、貯留した水の水圧を利用して、貯留水を起伏堰の両端部のうち少なくとも一方に配置された発電機の中を通して放流することで、発電することができる。本装置によれば、潮の干満の高低差を利用し、波や季節による温度差に左右されにくく、潮の干満に基づいて計画的に発電することが可能となる。本装置の河口または河川の幅方向への設置は、幅方向に対して、平行でもよく、斜めでもよい。起伏堰を斜めに配置する場合、起伏堰の下流側端部と岸との間に土砂履きゲートを配置してもよい。起伏堰が斜めに配置されているので、土砂を土砂履きゲートに集めやすくなる。
起伏堰は、ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される。ゴム引布製起伏堰またはゴム袋体支持式鋼製起伏堰(以下、まとめて起伏堰ともいう)は、一般的なダムに比べて設置コストが低い。また、起伏堰は起立及び倒伏を容易に行うことができるので、発電していない時、特に満潮時には、起伏堰を倒伏させて、河口または河川を航路、魚道等の通常の水路として利用することができる。洪水や氾濫時にも、起伏堰を倒伏させて、河口または河川を水路として使用して、対応することができる。
本装置は、河口または河川の両岸の間、河口または河川に配置された1つまたは2つ以上の中間ピア(堰柱)と両側の岸のうち少なくとも一方との間、または河口または河川に配置された2つ以上の中間ピアの間のうち少なくとも1つに配置され得る。1つまたは2つ以上の中間ピアの一部または全部に代えて、河口または河川に架けられた橋を支える橋脚を用いてもよい。本願における中間ピアは、従来、起伏堰の設置に用いられているものであることができ、橋の橋脚とは別個のものである。岸は岸壁を含む概念である。河口または河川の両岸の間で、起伏堰と起伏堰以外の堰とを組み合わせて配置してもよい。好ましくは、本装置は、橋脚部と岸の間及び橋脚部間に複数配置される。橋脚を利用して本装置を設置することにより、設置工事を容易に行うことができ、設置にかかるコストをより低減することができる。橋を、本装置を点検するための通路として、または、発電した電気のケーブル配線のための上部構として、利用することもできる。
本装置により発電する電力は再生可能エネルギーであり、発電した電力を橋の照明等に容易に利用することも可能である。そのため、従来の一般的なダムとは異なり、起伏堰を含む本装置の設置について周辺の市民の理解を得やすくなる。
ゴム引布製起伏堰とは、ゴム引布製のチューブに空気や水を注入・排出することで起伏させる堰である。ゴム引布製起伏堰の本体はゴム引布製のチューブで構成され、袋体ともいう。袋体の断面は略円形である。ゴム引布製のチューブ(袋体)に空気、水、またはそれらの組み合わせを注入して膨張・起立させることができ、袋体内の空気、水、またはそれらの組み合わせを排出することで収縮・倒伏させることができる。ゴム引布製起伏堰は、起立した状態で水をせき止めることができ、倒伏させて放流することができる。ゴム引布製起伏堰は、従来用いられているゴム引布製起伏堰であることができる。
ゴム引布製起伏堰の起伏操作は、ブロワー、ポンプ等の従来用いられている機械で行うことができる。ゴム引布製起伏堰の倒伏操作において、動力は不要であることができ、必要に応じて、空気、水、またはそれらの組み合わせを排出させるポンプ等を用いてもよい。したがって、ゴム引布製起伏堰は、設置やメンテナンスに手間がかからず、低コストで設置及び使用することができる。
ゴム袋体支持式鋼製起伏堰とは、鋼製扉体とゴム袋体で構成された堰である。ゴム引布製起伏堰と同様に、単純な構造であり、起立及び倒伏の操作が容易で維持管理性も良い。ゴム袋体支持式鋼製起伏堰のゴム袋体は扉体によって保護されるため、ゴム引布製起伏堰で発生し得るVノッチ現象の発生を防止することができる。ゴム袋体支持式鋼製起伏堰は、従来用いられているゴム袋体支持式鋼製起伏堰であることができる。
起伏堰は、起立させたときの高さが、好ましくは0.5m以上、より好ましくは1.0m以上、さらに好ましくは1.5m以上、さらにより好ましくは2.0m以上、さらにより好ましくは2.5m以上、さらにより好ましくは3.0m以上である。起立させたときの高さの上限は特に限定されないが、例えば20m以下、15m以下、10m以下、7.5m以下、または5.0m以下でもよい。
本装置が複数の起伏堰を含む場合、全ての起伏堰の起立させたときの高さは、同じでもよく、互いに異なってもよい。複数の起伏堰のうち一部、例えば河口または河川の幅方向の中央付近に、起立させたときの高さが相対的に小さい起伏堰を用いることにより、高さが相対的に小さい起伏堰の上部から優先的に水を流すことができる。このように特定の起伏堰から優先的に水を流すことにより、複数の起伏堰または長い起伏堰を用いるときに、起伏堰の一部に空気の圧力むらが生じた場合でも、高さが相対的に大きい起伏堰にVノッチ現象が発生することを防止することができる。
起伏堰の設置は従来の方法で行うことができる。起伏堰は、本装置を用いる河口または河川等の底に基礎を配置し、基礎上に固定され得る。基礎は、従来用いられているものを用いることができ、例えばコンクリート製であることができる。起伏堰のゴム袋体の底部の内部側に配置されたステンレス等の金属板と基礎との間に起伏堰のゴム袋体を挟むようにしてアンカーボルトで接続することにより、基礎上に起伏堰を固定してもよい。起伏堰の底部から端部にかけて斜め上方に延在する基礎が存在する場合(起伏堰の長手方向に平行方向の基礎の断面が略逆台形の起伏堰を保持する形状を有する場合)も、底部と端部とで同様にアンカーボルトで起伏堰と基礎とを接続することができる。起伏堰と接する基礎の表面部分は、凹凸を有してもよい。基礎の表面が凹凸を有することにより、起伏堰を凹凸に沿って配置することができ、起伏堰をより良好に基礎に固定することができる。
基礎は、本装置を用いる河口または河川等の底に自重で固定されるように配置してもよく、本装置を用いる河口または河川等の底に杭をうち、杭と基礎とを結合して配置してもよく、基礎と本装置を用いる河口または河川等の岸とを結合して配置してもよく、基礎と本装置を用いる河口または河川等に配置した中間ピアまたは橋の橋脚若しくは橋脚のフーチングとを結合して配置してもよい。基礎が複数ある場合、複数の基礎同士を結合して配置してもよい。複数の基礎が、本装置を用いる河口または河川等に配置した橋の橋脚を挟んで配置される場合、基礎間の接合部がフーチングに接続されて配置されてもよい。
発電機は、従来使用されている発電機であることができる。発電機は、河口若しくは河川の川上から川下に流れる水を利用して発電する一方向型の発電機、または河口若しくは河川の川上から川下に流れる水及び川下から川上に流れる水を利用して発電する双方向型の発電機であることができる。
好ましくは、発電機は、プロペラが双方向の流れに対して回転する双方向型である。双方向型の発電機は、満潮時及び干潮時の二方向流れで発電が可能であり、発電効率がより優れる。双方向型の発電機は、潮の干満時の両方で発電するため、水の取込口と放出口とが兼用の構成を有する。
発電機は、没水状態で水流中に置かれて稼働する没水式発電機であることができる。没水式発電機は、好ましくは、相対回転する軸心が一致する内外電機子、内外電機子を相対回転駆動するプロペラ、及び電機子を収容するケーシングを備え得る。
没水式発電機は、好ましくは、外側回転電機子と外側回転電機子に対峙し外側回転電機子とは逆方向に回転する内側回転電機子とを有する内外二重回転電機子形発電機構と、軸心を一致させて配設され軸心の延在方向に対する翼の捩れ方向が互いに逆方向の一組のプロペラとを備え得る。一組のプロペラの一方は前記内外の回転電機子の一方に、一組のプロペラの他方は前記内外の回転電機子の他方に、それぞれ連結される。没水式発電機は、さらに、内外二重回転電機子形発電機構を外部環境に対して密閉して収容するケーシングを備え得る。
発電機の大きさは特に限定されないが、小型発電機は設置のし易さで利点がある。小型発電機1つの発電量は、例えば約0.3〜5kWh、約0.5〜2kWh等である。小型発電機1つの大きさは、例えば水が流れる方向に垂直方向の直径が5〜100cm、10〜65cm、15〜35cm等であることができる。
発電機は、例えば、小水力発電機(相反転方式落差型小水力発電装置、株式会社協和コンサルタンツ製)、軽水力発電機(Cappa(登録商標)、株式会社茨木製作所)等であることができる。
発電機は、回転する電機子の軸心が水流の方向に略並行となるように設置され得る。発電機は、電機子の軸心の向きが水平方向、鉛直方向等になるように、任意の向きで設置され得る。
好ましくは、発電機は、電機子の軸心が水平となる向きで配置される。電機子の軸心の向きが水平方向になるように発電機を配置することにより、図13及び14に例示するように、水流に略並行方向に発電機を複数設置することが容易になる。
発電機は、河口または河川の水の流れに流されないように、起伏堰の端部に固定して配置される。起伏堰と河口または河川の岸との間、起伏堰と中間ピアとの間、及び/または起伏堰と橋の橋脚との間に、コンクリート製、ステンレス製等の支持部材を配置し、支持部材中に発電機を設置することができる。例えば、起伏堰の端部と、岸、中間ピア、または橋脚との間に支持部材が固定して配置され、支持部材中に発電機が固定して配置され得る。起伏堰の底部から端部にかけて斜め上方に延在する基礎が存在する場合、基礎と、岸、中間ピア、または橋脚との間に支持部材が固定して配置され得る。
支持部材と起伏堰とは、例えば起伏堰の端部の内部側に配置されたステンレス等の金属板と支持部材とをボルトで接続することにより、固定することができる。図19に例示するように、起伏堰10の底部から端部にかけて斜め上方に延在する基礎80が存在する場合、起伏堰10は基礎80に接続され、基礎80の端部が支持部材72に接続され、支持部材72が中間ピアまたは橋脚と、例えばコンクリートで接続することができる。図19は、起伏堰10の底部から端部にかけて斜め上方に延在する基礎80に固定された起伏堰10と、起伏堰10の端部に配置された支持部材72内に配置された発電機70の断面模式図である。支持部材は、基礎と一体でもよく、中間ピア、橋脚、またはフーチングと一体でもよい。支持部材と中間ピアまたは橋脚とは、例えばコンクリートで接続することができる。
発電機は、起伏堰の上流側及び下流側の水位差に基づいて、発電開始及び発電終了することができる。貯留水を放流している間の予測時間に基づいて、発電機による発電可能時間を予測することもできる。
発電機は、好ましくは、蓄電装置と接続される。これにより、発電機で発電した電気を蓄電装置に蓄電し、必要なときに蓄電した電気を外部に送電することができる。
好ましくは、本装置は、発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方を開閉するように動作可能なカバーを備える。カバーが閉じているとき、発電機の中を水が通らず、カバーが開いていると発電機の中を水が通り、発電する。カバーは、発電機が備えてもよく、支持部材が備えてもよい。カバーを構成する材料は、発電機の中を水が通らないように塞ぐことができるものであれば特に制限されないが、ステンレスであることができる。カバーの開閉には、カバー自体が開閉動作する場合、及びカバー内に配置された発電機または発電機を備えた支持部材が動いて発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方が開閉される場合を含む。
図18に、側面の一部に穴部76を有する筒形状のカバー74の内部に配置された支持部材72及び支持部材72中に固定された発電機70の外観模式図を示す。筒形状のカバー74は、紙面からみて反対側にも別の穴部76を有する。図18は、筒形状のカバー74が開いている状態を例示する。発電機70を含む支持部材72が破線矢印の向きに約90°回転すると、発電機70が筒形状のカバー74に閉じられる。図18に例示するカバーを有する発電機を用いる場合、支持部材を180°回転させることにより発電機の向きが上流側と下流側との間で回転するので、発電機が一方向型の場合でも双方向型の場合でも、双方向発電が可能である。支持部材72の表面とカバー74の表面とが螺旋状のねじ切り加工がされていてもよく、発電機70を含む支持部材72が破線矢印の向きに回転させるとともに、発電機70を含む支持部材72が上下に移動可能であってもよい。
本装置は、土砂、ごみ、流木等が発電機に流れ込むことを防止するためのスクリーンを有してもよい。スクリーンは、発電機が備えてもよく、支持部材が備えてもよい。発電機が、流れ込んだ土砂等を除去するための除去機構を有してもよい。
好ましくは、本装置は、カバーを開閉する第1の制御部を備える。第1の制御部は、カバーを開閉させる駆動部、起伏堰の上流側及び下流側の水位を測定する測定部、測定した水位に基づいて起伏堰の上流側及び下流側の水位差を算出する処理部、時刻に基づく潮の干満の予測データ、水位、水位差、発電量等のデータや、カバーの開閉等の信号を送受信する送受信部、上記データ及び信号を記憶する記憶部、前記データ及び信号をオペレータの端末との間で送受信する送受信部等を備え得る。起伏堰の上流側及び下流側の水位を測定する測定部は、水位を検知する水位センサーを有してもよい。水位センサーは従来使用されているものを用いることができ、例えばフロート式水位計でもよい。雨量が多い場合は、水位センサーで測定した水位差に基づいて発電開始及び発電終了のタイミングを決定することができる。雨量が多いときは起伏堰の上流側の水位が上がりやすいので、上流から下流への水の流れで発電しやすくなる。潮の干満の差が小さいときは、雨により生じた水位差を主に利用して発電してもよい。
第1の制御部は、起伏堰の上流側及び下流側の水位差が所定値未満ではカバーを閉じ、水位差が所定値以上でカバーを開くことができる。別法では、第1の制御部は、時刻に基づく潮の干満の予測データに基づいて、処理部が起伏堰の上流側及び下流側の水位差を算出し、算出された水位差に基づいて、カバーを開閉することができる。水位差の所定値とは、発電機によって変わり得るが、発電可能な水位差または発電効率が高くなる水位差であることができる。起伏堰の上流側と下流側の水位差は、好ましくは0.5m以上、より好ましくは0.8m以上、さらに好ましくは1.0m以上、さらにより好ましくは1.5m以上、さらにより好ましくは2.0m以上である。発電機の配置位置は、水位差に基づく水圧を効率よく利用する観点から、河口または河川の底部に近いほうが好ましく、例えば、発電機の底部側の位置が、底部から0cm、5cm以内、10cm以内、20cm以内、または30cm以内となるように配置してもよい。
好ましくは、本装置は、起伏堰を起伏する第2の制御部を備える。第2の制御部は、ブロワー、ポンプ等の注入部、水や空気を抜くポンプ等の排出部、起伏堰の圧力を測定する圧力計測部、圧力計測部で測定した圧力に基づいて注入部及び/または排出部を制御する処理部、起立及び倒伏の指示及び状態に関する信号、前記信号や圧力計測部で測定した圧力等のデータを記憶する記憶部、前記信号及びデータをオペレータの端末との間で送受信する送受信部等を備え得る。第2の制御部は、第1の制御部と別個に存在してもよく、共通構成を有してもよい。
図面を参照しながら、本装置を用いた発電方法について説明する。図1は、干潮のときの起伏堰10(ゴム引布製起伏堰またはゴム袋体支持式鋼製起伏堰)及び河口または河川20の断面模式図である。図1においては、起伏堰10が起立しているが、干潮なので水がひいている状態である。起伏堰の上流から流れてくる水は、ここでは省略する。起伏堰の断面形状は、図1に例示するような非対称形状でも、図15に例示するような対称形状でもよい。起伏堰10は、図16に示すように、基礎80上に配置され得る。図1〜12及び15においては、起伏堰10の下部に配置され得る基礎は省略する。
図17に例示するように、基礎80は、起伏堰10の下流側に、起伏堰10を倒伏可能な凹み82を有してもよい。基礎80が凹み82を有することにより、洪水時等に起伏堰を凹み82に完全に倒伏させることができる。
図2は、潮が満ちて起伏堰の下流側に水30が貯まり始めたときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰の下流側において、起伏堰10の下流側において、起伏堰の高さの30%の高さまで水位が上昇した状態である。
図3は、図2から潮がさらに満ちてきたときの、起伏堰の下流側の水30の水位が上昇したときの起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰10の下流側において、起伏堰の高さの80%の高さまで水位が上昇した状態である。
図4は、起伏堰10の上流側と下流側の水位差が所定値以上となり発電を開始したときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰10の下流側から上流側に、発電機の中を矢印の向きで水が通り始めた状態である。矢印は、起伏堰の端部に配置された発電機の中を水が流れる方向を表す。
図5は、発電を継続しているときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。発電機の中を矢印の向きで水が通って起伏堰10の上流側にも水30が貯まり始め、水位が上がってきた状態である。図4の状態よりも水位差は小さい。
図6は、発電を終了したときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰10の下流側だけでなく上流側にも水30が貯まり下流側及び上流側の水位差が小さくなり、発電を終了した状態である。水位差は、起伏堰10を挟んで上流側及び下流側の水30の表面位置の鉛直方向の差である。
好ましくは、図1〜3の状態では、発電機の水の入出口を開閉するように動作可能なカバーを閉じておき、図4の状態で、カバーを開けることで発電を開始することができる。
図7は、満潮時に起伏堰を倒伏させたときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰10を倒伏させることにより、河口または河川を、船舶40の航路、魚道等の通常の水路として利用することができる。起伏堰の倒伏は、起伏堰を膨張させるために入れた空気、水等を抜くことで容易に行うことができる。
好ましくは、起伏堰の下流側及び上流側の水位差が、発電に必要な水位差未満のときに、起伏堰を倒伏させる。例えば、満潮前の所定の水位差未満のときから満潮後の所定の水位差未満の間で、起伏堰を倒伏させる。満潮前の所定の水位差未満のときから満潮後の所定の水位差未満の間の時間は、所定の水位差によるが、例えば、20〜60分間、25〜50分間、30〜40分間等であることができる。発電に必要な水位差未満のときに起伏堰を倒伏させことにより、発電と、通常の水路として利用とを効率良く行うことができる。洪水や氾濫時にも、起伏堰を倒伏させることにより、通常の水路として対応することができる。
河口または河川の幅方向に複数の起伏堰を配置するとき、倒伏させる起伏堰は、複数の起伏堰の全てまたは一部であることができるが、好ましくは一部であり、より好ましくは2つ以下、さらに好ましくは1つである。複数の起伏堰のうち一部の起伏堰だけ倒伏させることにより、船舶の航路及び魚道を確保することができ、漁業権への影響及び生態系への影響を小さく、且つ起伏堰を再度起立させるためのエネルギーコストを小さくすることができる。洪水や氾濫時には、好ましくは、全ての起伏堰を倒伏させる。
図8は、満潮時に起伏堰を起立させたときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。好ましくは、満潮から引き潮に変わるときに、起伏堰10を起立させる。
図9は、図8の状態から引き潮になり、起伏堰10の下流側の水30が減り水位が低下したときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰10の下流側において、起伏堰の高さの30%の高さまで水位が低下した状態である。
図10は、起伏堰10の上流側と下流側の水位差が所定値以上となり発電を開始したときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。起伏堰10の上流側から下流側に、発電機の中を矢印の向きで水が通り始めた状態である。起伏堰10の上流側と下流側の水位差は、好ましくは0.5m以上、より好ましくは1.0m以上、さらに好ましくは1.5m以上である。このような好ましい水位差が生じているときに、効率良く発電することができる。
図11は、発電を継続しているときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。発電機の中を矢印の向きで水が通り起伏堰10の流側の水30が減り、水位が低下してきた状態である。図10の状態よりも水位差が大きいので発電効率を高くすることができる。
図12は、発電を終了したときの、起伏堰10及び河口または河川20の断面模式図である。上流側に貯留した水が下流側に流れて起伏堰10の下流側及び上流側の水位差が小さくなり、発電を終了した状態である。
好ましくは、図8〜9の状態では、発電機の水の入出口を開閉するように動作可能なカバーを閉じておき、図10の状態で、カバーを開けることで発電を開始することができる。
約6時間で干潮から満潮になり、さらに約6時間で満潮から干潮になり、これを繰り返す。満潮及び干潮の変化は、例えば、気象庁の潮位表等に基づいて予測することができる。予測される満潮及び干潮の変化に基づいて、起伏堰の起立及び倒伏及びカバーの開閉を行うことができる。
好ましくは、本装置を用いて、図1〜6に示すように、干潮から満潮になるときに発電し、図8〜12に示すように、満潮から干潮になるときも同様に発電することができる。
干潮から潮が満ち始めるときにカバーを閉じておき、起伏堰の上流側に比べて下流側の水位が上がり所定の水位差になったときにカバーを開けることで、発電機の中を水が流れ始めるので、発電を開始することができる。また、満潮から潮が引き始めるときにカバーを閉じておき、起伏堰の上流側に比べて下流側の水位が下がり所定の水位差になったときにカバーを開けることで、発電機の中を水が流れ始めるので、発電を開始することができる。このように、本装置においては、起伏堰は水をためるだけでなく、干潮から満潮になるとき、及び/または満潮から干潮になるときに、発電に寄与することができる。
1つの河口または河川の下流から上流にかけての複数箇所に、本装置を設けてもよい。例えば、満潮になったときに、下流から上流にかけての複数箇所に設けた本装置の起伏堰で水を堰き止めておき、その後、潮が引いてきて最も下流(下流側1番目)に設けた本装置の起伏堰で所定の水位差に到達すると、カバーを開いて発電を行う、次いで下流側2番目の本装置の起伏堰でカバーを開いて発電を行う、次いで下流側3番目の本装置の起伏堰でカバーを開いて発電を行う、という順番で、下流から上流にかけての複数箇所に設けた起伏堰で順次発電を行うことができる。
本開示はまた、(A)河口または河川の両側の岸の間、(B)前記河口または河川に配置された1つまたは2つ以上の中間ピアと前記両側の岸のうち少なくとも一方との間、(C)前記河口または河川に架けられた橋を支える1つまたは2つ以上の橋脚と前記両側の岸のうち少なくとも一方との間、(D)前記河口または河川に配置された2つ以上の中間ピアの間、及び(E)前記河口または河川に架けられた橋を支える2つ以上の橋脚の間のうち少なくとも1つに配置されるゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される少なくとも1つの起伏堰、並びに前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方と、前記岸、前記中間ピア、及び/または橋脚との間に配置される1つまたは2つ以上の発電機、を備え、前記起伏堰の上流側及び下流側の水位差を利用して前記発電機で発電を行う潮汐力発電システムを対象とする。
本システムによれば、潮の干満時におこる水位差を利用して河口または河川の水を起伏堰により一時的に貯留し、貯留した水の水圧を利用して貯留水を発電機の中を通して放流することで、発電することができる。本システムは、設置が容易なゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰を利用するため、設置コストが低く、且つ潮の干満の高低差を利用するので、波や季節による温度差に左右されにくく、潮の干満に基づいて計画的に発電することが可能である。
本システムにおいては、河口または河川の水が発電機の中だけを流れるようにして、効率良く発電することができる。本システムは、潮の干満による水位差が、好ましくは0.5m以上、より好ましくは1.0m以上、さらに好ましくは0.8m以上、さらにより好ましくは1.5m以上、さらにより好ましくは2.0m以上、さらにより好ましくは2.5m以上、さらにより好ましくは3.0m以上となる河口または河川に使用される。
図13に、河川の両側の護岸50に配置された橋60、橋を支える橋脚62、起伏堰10、及び橋脚62の側面に配置された発電機70の断面模式図を示す。図13においては、フーチング64の上部及び橋脚62の側面に、コンクリート等の支持部材を配置し、支持部材中に発電機70を設置している。支持部材間には、ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰10を配置することができる。図13において、橋脚の一部または全部を中間ピアに代えてもよい。
好ましくは、発電機は、発電機の電機子の軸心が水平となる向きで配置される。好ましくは、橋脚の側面に、発電機が、発電機の軸心が水平となる向きで複数配置される。図13の例示においては、各橋脚62の側面の一方毎に、発電機70の軸心が水平となる向きで、鉛直方向に3つの発電機70が配置されている。好ましくは、発電機は、発電機の軸心が水平となる向きで、水平方向に並列にまたは直列に複数の発電機が配置される。図13の例示においては、橋脚62を利用して起伏堰10及び発電機70が配置されるので、本システムの設置コストを低減することができる。
図14に、図13を上からみた断面模式図を示す。本潮汐力発電システムは、起伏堰10と橋脚62との間に配置された支持部材72中に配置された発電機の中を、潮の干満に応じて、矢印で示す上流から下流方向及び/または下流から上流方向に水が流れることにより、発電することができる。
好ましくは、発電機は、プロペラが双方向の流れに対して回転する双方向型である。双方向型の発電機の構成及び効果については、潮汐力発電装置に関して説明した上述の構成が適用される。
好ましくは、本システムは、発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方を開閉するように動作可能なカバーを備える。カバーの構成及び効果については、潮汐力発電装置に関して説明した上述の構成が適用される。
好ましくは、本システムは、カバーを開閉する第1の制御部を備え、第1の制御部が、水位差が所定値未満でカバーを閉じ、水位差が所定値以上でカバーを開ける。第1の制御部の構成及び効果については、潮汐力発電装置に関して説明した上述の構成が適用される。
好ましくは、本システムは、起伏堰を起伏する第2の制御部を備える。第2の制御部の構成及び効果については、潮汐力発電装置に関して説明した上述の構成が適用される。
好ましくは、第2の制御部が、河口または河川を船舶が通行可能になるように起伏堰のうち少なくとも1つを倒伏させる。好ましくは、図7に例示するように、起伏堰の下流側及び上流側の水位差が、発電に必要な水位差未満のときに、起伏堰を倒伏させる。例えば、満潮前の所定の水位差未満のときから満潮後の所定の水位差未満の間で、起伏堰を倒伏させる。満潮前の所定の水位差未満のときから満潮後の所定の水位差未満の間の時間は、所定の水位差によるが、例えば、20〜60分間、25〜50分間、30〜40分間等であることができる。発電に必要な水位差未満のときに起伏堰を倒伏させことにより、発電と、通常の水路として利用とを効率良く行うことができる。洪水や氾濫時にも、起伏堰を倒伏させることにより、通常の水路として対応することができる。
起伏堰は、河口または河川の底に基礎を配置し、基礎上に固定され得る。基礎は、従来用いられているものを用いることができ、例えばコンクリート製であることができる。
起伏堰のゴム袋体の底部の内部側に配置されたステンレス等の金属板と基礎との間に起伏堰のゴム袋体を挟むようにしてボルトで接続することにより、基礎上に起伏堰を固定してもよい。基礎は、河口または河川の底に自重で固定されるように配置してもよく、河口または河川の底に杭をうち、杭と基礎とを結合して配置してもよく、基礎と岸とを結合して配置してもよく、基礎と橋脚または橋脚のフーチングとを結合して配置してもよい。基礎が複数ある場合、複数の基礎同士を結合して配置してもよい。複数の基礎が橋脚を挟んで配置される場合、基礎間の接合部がフーチングの上に配置されてもよい。
1つの発電機は、例えば、150L/秒の水量で1kwの発電、すなわち、540t/時の水量で3600kwの発電をすることができる。例えば、幅100m、長さ200m、及び水位差2mの河口または河川の水を利用する場合、発電に使用できる水量は40000m(40000t)である。1時間で40000tの水を発電機の中を流して発電するには、40000/540=74台の発電機があれば足りる。この発電を、約6時間周期の干潮から満潮にかけて、満潮から干潮にかけて、または干潮から満潮及び満潮から干潮の両方向にかけて、行うことができる。
1つの河口または河川の下流から上流にかけての複数箇所に、本潮汐力発電システムを設けてもよい。例えば、干潮から満潮になったときに、下流から上流にかけての複数箇所に設けた起伏堰で水を堰き止めておき、その後、潮が引いてきて最も下流(下流側1番目)に設けた起伏堰で所定の水位差に到達すると、放流発電を行う、次いで下流側2番目の起伏堰で放流発電を行う、次いで下流側3番目の起伏堰で放流発電を行う、という順番で、下流から上流にかけての複数箇所に設けた起伏堰で順次発電を行うことができる。
本システムを適用可能な河口または河川は、潮の干満による所定値以上の水位差が発生する河口または河川であれば特に限定されない。本装置及び本システムは、例えば、潮の干満による水位差が大きい広島の河口または河川、例えば太田川等に好ましく用いられる。
起伏堰及び発電機並びにそれらの配置等の構成は、潮汐力発電装置に関して説明した上述の構成が適用される。
10 ゴム引布製起伏堰またはゴム袋体支持式鋼製起伏堰
20 河口または河川
30 水
40 船舶
50 護岸
60 橋
62 橋脚
64 フーチング
70 発電機
72 発電機の支持部材
74 筒形状のカバー
76 穴部
80 基礎
82 基礎の凹み

Claims (14)

  1. 河口または河川の潮の干満により生じる水位差を利用した潮汐力発電装置であって
    ゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される起伏堰、並びに
    前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方に配置され、且つ河口または河川の潮の干満により生じる前記起伏堰の上流側及び下流側の水位差で発電が可能な発電機
    を備え
    前記起伏堰は、発電中は、前記河口または河川において前記潮の干満により生じる前記水位差を得ることができるように起立可能であり、発電しない時、洪水時、または氾濫時は、前記河口または河川を、航路、魚道、または水路として利用することができるように倒伏可能である
    潮汐力発電装置。
  2. 前記発電機は、プロペラが双方向の流れに対して回転する双方向型である、請求項1に記載の潮汐力発電装置。
  3. 前記発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方を開閉するように動作可能なカバーを備える、請求項1または2に記載の潮汐力発電装置。
  4. 前記カバーを開閉する第1の制御部を備える、請求項3に記載の潮汐力発電装置。
  5. 前記起伏堰を起伏する第2の制御部を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の潮汐力発電装置。
  6. 前記発電機が、前記発電機の電機子の軸心が水平となる向きで配置される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の潮汐力発電装置。
  7. 河口または河川の潮の干満により生じる水位差を利用した潮汐力発電システムであって、
    (A)河口または河川の両側の岸の間、
    (B)前記河口または河川に配置された1つまたは2つ以上の中間ピアと前記両側の岸のうち少なくとも一方との間、
    (C)前記河口または河川に架けられた橋を支える1つまたは2つ以上の橋脚と前記両側の岸のうち少なくとも一方との間、
    (D)前記河口または河川に配置された2つ以上の中間ピアの間、及び
    (E)前記河口または河川に架けられた橋を支える2つ以上の橋脚の間
    のうち少なくとも1つに配置されるゴム引布製起伏堰及びゴム袋体支持式鋼製起伏堰から選択される少なくとも1つの起伏堰、並びに
    前記起伏堰の両端部のうち少なくとも一方と、前記岸、前記中間ピア、及び/または前記橋脚との間に配置される1つまたは2つ以上の発電機、
    を備え、
    前記河口または河川の潮の干満により生じる前記起伏堰の上流側及び下流側の水位差を利用して前記発電機で発電を行い、
    前記起伏堰は、発電中は、前記河口または河川において前記潮の干満により生じる前記水位差を得ることができるように起立可能であり、発電しない時、洪水時、または氾濫時は、前記河口または河川を、航路、魚道、または水路として利用することができるように倒伏可能である
    潮汐力発電システム。
  8. 前記発電機は、プロペラが双方向の流れに対して回転する双方向型である、請求項7に記載の潮汐力発電システム。
  9. 前記発電機の水の入口及び出口のうち少なくとも一方を開閉するように動作可能なカバーを備える、請求項7または8に記載の潮汐力発電システム。
  10. 前記カバーを開閉する第1の制御部を備え、
    前記第1の制御部が、前記水位差が所定値未満で前記カバーを閉じ、前記水位差が前記所定値以上で前記カバーを開ける、
    請求項9に記載の潮汐力発電システム。
  11. 前記起伏堰を起伏する第2の制御部を備える、請求項7〜10のいずれか一項に記載の潮汐力発電装置。
  12. 前記第2の制御部が、前記河口または河川を船舶が通行可能になるように前記起伏堰のうち少なくとも1つを倒伏させる、請求項11に記載の潮汐力発電システム。
  13. 前記発電機が、前記発電機の電機子の軸心が水平となる向きで配置される、請求項7〜12のいずれか一項に記載の潮汐力発電システム。
  14. 前記橋脚の側面に、前記発電機が、前記発電機の軸心が水平となる向きで複数配置される、請求項7〜13のいずれか一項に記載の潮汐力発電システム。
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