JP6914250B2 - 動物における病原性感染症を予防および/または治療する際のグリコシドヒドラーゼおよびそれらの使用 - Google Patents

動物における病原性感染症を予防および/または治療する際のグリコシドヒドラーゼおよびそれらの使用 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に全体として組み込まれる、2015年9月2日に出願された米国仮特許出願第62/213564号明細書の利益を主張するものである。
本分野は、例えばα−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼ、および特に、動物における腸病原性感染症および/または下痢を予防および/または治療する際のそれらの使用に関する。
ヒトおよび動物の両方を治療する際の抗生物質の使用は、現在では健康への大きな世界的脅威となっている抗菌薬耐性を生じさせてきた。そこで、健康上のこの世界的な懸念に対処するために、抗生物質の代替薬を開発することが追求されている。
消費者は、動物飼料に抗生物質が広く使用されることについて極めて懸念している。小売業者や農場経営者はどちらも、抗生物質を含まない食用肉を好む消費者におけるこの変化に応じて変化することが必要であろう。
毒素原性大腸菌(E.coli)(ETEC)は、典型的には重度の水様性下痢として出現する、例えばブタや子ウシなどの幼若動物の最も一般的なタイプの大腸菌病である。ETECは、さらに発展途上国世界における旅行者(「旅行者下痢」)や小児の間の下痢の有意な原因でもある。
ほぼ全てのETEC細菌は、タンパク性表面付属器(線毛およびピリ線毛)または非線毛タンパク質によって小腸上皮上の受容体に付着することが知られている。さらに、それらはタンパク質毒素(腸毒素)を分泌して、小腸上皮細胞の流体および電解質の吸収を減少させて分泌を増加させる。腸毒素は、腸細胞に局所的に作用する。動物におけるETEC感染症および下痢の疫学、病原、診断および予防についての詳細は、Nagy and Fekete(1999)Vet Res.30:259−84の中に見いだすことができる。
より詳細には、ETECおよび腸管毒素原性(ETEEC)大腸菌(Escherichia coli)(F18E.coli)は、小腸内でコロニー形成し、例えば子ブタおよび子ウシなどの超幼若動物において下痢を誘発し、第三世界におけるヒトの死亡率の主因であるF18線毛を発現することが見いだされている。そのような疾患に対する保護は、動物腸細胞へのそのような病原体の線毛付着を防止することによって確立することができる。そこで、例えばETECなどの病原性感染症を予防および治療するための新規および代替のアプローチを見いだす必要がある。
1つの態様では、開示されるのは、腸病原性感染症および/または下痢を有することから動物を予防および/または治療する方法であって、ここで病原性感染症および/または下痢は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む方法である。一部の態様では、グリコシドヒドロラーゼは、α−L−フコシダーゼである。
また別の態様では、α−L−フコシダーゼは、単独もしくは(a)血液型A抗原を血液型H抗原に転換させる、または(b)血液型B抗原を血液型H抗原に転換させることのできる酵素と組み合わせてのいずれかで、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができる。より特別には、α−L−フコシダーゼは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)およびグリコシドヒドロラーゼファミリー29(GH29)からなる群から選択される。
第3態様では、病原体は、F18線毛を発現する大腸菌(Escherichia coli)である。
第4態様では、本明細書に開示した方法は、単独もしくは少なくとも1つのプロテアーゼを組み合わせてのいずれかで、少なくとも1つの直接給与微生物と組み合わせて有効量のα−L−フコシダーゼを動物に投与する工程をさらに含み、さらに、α−L−フコシダーゼはカプセル封入されている。
第5態様では、本明細書に開示した方法は、カプセル封入されていてもカプセル封入されていなくてもα−L−フコシダーゼ、および/または直接給与微生物および/またはプロテアーゼが動物飼料もしくはプレミックス中で投与されることをさらに含む。さらに、α−L−フコシダーゼは、カプセル封入されていてもカプセル封入されていなくても、動物飼料もしくはプレミックス中で使用するための顆粒の形態にあってよい。
第6態様では、開示されるのは、腸病原性感染症および/または下痢を有する動物を予防および/または治療するための組成物であって、ここで病原性感染症および/または下痢は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む組成物である。一部の態様では、グリコシドヒドロラーゼは、α−L−フコシダーゼである。
このα−L−フコシダーゼは、単独もしくは(a)血液型A抗原を血液型H抗原に転換させる、または(b)血液型B抗原を血液型H抗原に転換させることのできる酵素と組み合わせてのいずれかで、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができる。さらに、α−L−フコシダーゼは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)およびグリコシドヒドロラーゼファミリー29(GH29)からなる群から選択される。
第7態様では、病原体は、F18線毛を発現する大腸菌(Escherichia coli)である。
第8態様では、本明細書に開示した組成物は、単独もしくは少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで、少なくとも1つの直接給与微生物をさらに含み、ここでα−L−フコシダーゼはカプセル封入されていてもいなくてもよく、動物飼料もしくはプレミックス中で使用されてよい。
第9態様では、本明細書に開示した組成物は、カプセル封入されていてもいなくても1つのα−L−フコシダーゼを含んでいてよく、少なくとも1つの直接給与微生物および/または少なくとも1つのプロテアーゼは動物に飼料もしくはプレミックスとして投与され、α−L−フコシダーゼは動物飼料もしくはプレミックス中で使用するための顆粒の形態にあってよい。
p3JMの典型的なプラスミドマップを示す図である。 p2JMの典型的なプラスミドマップを示す図である。 pGXT−GOIの典型的なプラスミドマップを示す図である。 2’−フコシルラクトースの加水分解による粗培養上清中のα−1,2−フルコシダーゼ活性を示すグラフである。 2’フコシルラクトースに向かうフコシダーゼ活性にpHが及ぼす作用を示すグラフである。 2’フコシルラクトースに向かうフコシダーゼ活性に温度が及ぼす作用を示すグラフである。 ペプシンの存在下および非存在下でアッセイしたフコシダーゼを示すグラフである。 ペプシンの存在下および非存在下でアッセイしたフコシダーゼを示すグラフである。 pH6.8および37℃でのブタ胃ムチン(II型)の加水分解を示すグラフである。 pH6.8および37℃でのH抗原三糖(I型)の加水分解を示すグラフである。 A BおよびO抗原の末端構造を示す図である。 ABO血液型抗原の構造的基礎を示す図である。 子ブタの小腸由来の組織サンプルからのフコースのフコシダーゼ誘導性放出を示す図である。
本明細書で引用する全ての特許、特許出願および刊行物は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本開示では、多数の用語および略語を使用する。他に特に明記されない限り、下記の定義が当てはまる。
1つの要素もしくは成分に先行する不定冠詞「1つの」は、その要素もしくは成分の事例(すなわち、出現)の数に関して非制限的であることが意図されている。このため「1つの」および「その」は、1つもしくは少なくとも1つを含むと読むべきであり、要素もしくは成分の単数語形はまた、特にその数が明らかに単数であることを意味しない限り複数形も含む。
用語「〜を含む」は、特許請求の範囲で言及された既定の特徴、整数、工程もしくは成分の存在を意味するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、成分もしくはそれらの群の存在もしくは添加を排除するものではない。用語「〜を含む」は、用語「〜から本質的になる」および「〜からなる」によって包含される実施形態を含むことが意図されている。同様に、用語「〜から本質的になる」は、用語「〜からなる」によって包含される実施形態を含むことが意図されている。
存在する場合、全ての範囲は、包括的および結合可能である。例えば、「1〜5」の範囲が記載された場合、記載された範囲は、「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2および4〜5」、「1〜3および5」などの範囲を含むと解釈すべきである。
本明細書において数値と結び付けて使用する用語「約」は、その用語がその状況において他に特に定義されていない限り、数値の±0.5の範囲を指す。例えば、語句「約6のpH値」は、pH値が他に特に定義されていない限り、5.5〜6.5のpH値を指す。
本明細書を通して示されたあらゆる最高数値限度は、それより低いありとあらゆる数値限度を、そのようなより低い数値限度が本明細書に明示的に記載されたかのように含むことが意図されている。本明細書全体を通して示された数値の下限は全て、それより大きい数値限度が本明細書に明確に記載されているかのように、そのようなより大きい数値限度を全て含む。本明細書全体を通して示された数値範囲は全て、それより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲に入る全てのより狭い数値範囲を全て含む。
用語「グリコシドヒドロラーゼ」は、「グリコシダーゼ」および「グリコシルヒドロラーゼ」と互換的に使用される。グリコシドヒドロラーゼは、複合糖類(多糖類)におけるグリコシド結合の加水分解に役立つ。グリコシルトランスフェラーゼと一緒に、グリコシダーゼはグリコシド結合の合成および破壊にとっての主要触媒機構を形成する。グリコシドヒドロラーゼは、O−もしくはS−グリコシドの加水分解を触媒する酵素としてEC3.2.1に分類されている。グリコシドヒドロラーゼはさらに、加水分解反応の立体化学的結果にしたがって分類することもできる:そこで、それらは保持型もしくは反転型いずれかの酵素であると分類できる。グリコシドヒドロラーゼは、さらにそれらがオリゴ糖/多糖鎖それぞれの(通常は非還元型)末端もしくは中間で機能するかどうかに依存して、外部もしくは内部で作用すると分類することもできる。グリコシドヒドロラーゼは、さらにまた配列もしくは構造に基づく方法によって分類できる。それらは、典型的にはそれらが作用を及ぼす基質名をとって命名される。
用語「グリコシルトランスフェラーゼ」は、単糖類間のグリコシド結合の形成を触媒する酵素を意味する。
用語「α−L−フコシダーゼ」、「α−L−フコシドフコヒドロラーゼ」および「α−フコシダーゼ」は、本明細書では互換的に使用され、α−L−フコシドからL−フコースを除去する、ECクラス3.2.1.51に規定の酵素を意味する。α−L−フコシダーゼは、様々な生物および哺乳動物において見いだされるエキソグリコシダーゼである。α−L−フコシダーゼは、2種の別個のグリコシドヒドロラーゼファミリー: 周知のグリコシドヒドロラーゼファミリー29(GH29)に属する、保持機構を使用して加水分解を触媒するα−L−フコシダーゼとグリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)に属する、反転機構を使用して加水分解を触媒するα−L−フコシダーゼとに分けられてきた。
用語「α−1,2−L−フコシダーゼ」、「アーモンドエムルシンフコシダーゼII」、「α−2−L−フコピラノシル−β−D−ガラクトシドフコヒドロラーゼ」および「α−(1−>2)−L−フコシダーゼ」は、本明細書では互換的に使用され、1,2−α結合によってD−ガラクトース残基に結合した非還元型末端L−フコース残基の加水分解を触媒するECクラス3.2.1.63内の酵素を意味する。用語「α−1,3−L−フコシダーゼ」、「アーモンドエムルシンフコシダーゼI」および「α−3−L−フコース−N−アセチルグルコサミニル−糖タンパク質フコヒドロラーゼ」は、本明細書では互換的に使用され、α−L−フコースとN−アセチルグルコサミン残基の間の(1−>3)結合を加水分解するECクラス3.2.1.111内の酵素を意味する。
用語「α−1,6−L−フコシダーゼ」、「α−L−フコシダーゼI」および「1,6−L−フコース−N−アセチル−D−グルコサミニルグリコペプチドフコヒドロラーゼ」は、本明細書では互換的に使用され、α−L−フコースとN−アセチル−D−グルコサミン残基の間の(1−>6)結合を加水分解するECクラス3.2.1.127内の酵素を意味する。
用語「脱フコシル化する」および「脱フコシル化する工程」は、互換的に使用され、グリカン含有構造からフコシル基を除去できる酵素を意味する。
用語「グリカン」および「多糖」は、本明細書では互換的に使用される。グリカンは、多糖もしくはオリゴ糖、または例えば炭水化物が唯一の単糖である場合でさえ、糖タンパク質、糖脂質もしくはプロテオグリカンなどの複合糖質の炭水化物部分を意味する。グリカンは、単糖残基のホモポリマーもしくはヘテロポリマーであってよい。それらは線状もしくは分岐状分子であってよい。グリカンは、糖タンパク質およびプロテオグリカンにおけるようにタンパク質に付着した状態で見いだすことができる。一般に、それらは細胞の外面上で見いだされる。O−およびN−結合グリカンは真核生物では極めて一般的であるが、原核生物においてもそれほど一般的ではないが見いだすことができる。
本明細書において使用する用語「グリカン含有構造」は、それにグリカンが任意の方法で付着できるタンパク質、脂質などの任意の構造を意味する。
用語「N−アセチル−ガラクトシルアミン含有部分」は、それにN−アセチル−ガラクトシルアミンが付着している構造である。そのような構造には、炭水化物などが含まれるがそれらに限定されない。
本明細書において使用する用語「FUT1」は、α−1,2−フコシルトランスフェラーゼ1を意味する。フコシルトランスフェラーゼは、GDP−フコース供与体基質から受容体基質へL−フコース糖を移動させる酵素である。受容体基質は、N−結合グリコシル化の場合のようにコアGlcNAc糖への、またはO−フコシルトランスフェラーゼによるO−結合グリコシル化の場合のようにタンパク質へのフコースの移動などのまた別の糖であってよい。この群のタンパク質の一部は、赤血球膜の外側上の表面マーカーである血液型抗原の分子的基礎の責任を負っている。
本明細書において使用する用語「動物」には、全ての非反芻動物(ヒトを含む)および反芻動物が含まれる。特定の実施形態において、動物は、ウマおよび単胃動物などの非反芻動物である。単胃動物の例としては、子ブタ、成長ブタ、雌ブタなどのブタ;ダチョウ、アヒル、ニワトリ、ブロイラー、産卵ニワトリなどの家禽類;サケ、マス、テラピア、ナマズ、コイなどの魚類;およびエビやクルマエビなどの甲殻類が挙げられるが、それらに限定されない。また別の実施形態では、動物は、ウシ、幼ウシ、ヤギ、ヒツジ、キリン、バイソン、アメリカヘラジカ、エルク、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、アンテロープ、プロングホーンおよびニルガイを含むがそれらに限定されない反芻動物である。
本明細書において使用する用語「病原体」は、疾患の任意の原因物質を意味する。そのような原因物質としては、細菌性、ウイルス性、真菌性原因物質などを挙げることができるが、それらに限定されない。
本明細書において使用する用語「病原体結合部位」は、酵素が酵素自体を化合物に付着させ、それと反応することができる領域もしくは区域を意味する。本開示では、好ましい病原体結合部位は、少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分と置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する部位である。
用語「F18大腸菌(E.Coli)」は、F18線毛を発現できる任意の大腸菌(E.Coli)を意味する。
本明細書において使用するバチルス(Bacillus)属には、枯草菌(B.subtilis)、B.リケニホルミス(licheniformis)、B.レンツス(lentus)、B.ブレビス(brevis)、B.ステアロサーモフィルス(stearothermophilus)、B.アルカロフィルス(alkalophilus)、B.アミロリケファシエンス(amyloliquefaciens)、B.クラウシイ(clausii)、B.ハロデュランス(halodurans)、B.メガテリウム(megaterium)、B.コアグランス(coagulans)、B.サーキュランス(circulans)、B.gibsonii(ギブソニイ)およびB.チューリンゲンシス(thuringiensis)が含まれるがそれらに限定されない、当業者には公知であるバチルス(Bacillus)属に含まれるすべての種が含まれる。バチルス(Bacillus)属が分類学的再構成を受け続けることは認識されている。したがって、この属には、現在は「ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)」と称されるB.ステアロサーモフィルス(stearothermophilus)または現在はパエニバチルス・ポリミキサ(Paenibacillus polymyxa)と称されるバチルス・ポリミキサ(Bacillus polymyxa)などの生物を含むがそれらに限定されない、再分類されている種が含まれることが意図されている。ストレスに満ちた環境条件下での抵抗性内生胞子の生成は、バチルス(Bacillus)属の決定的な特徴であると考えられるが、この特徴は、さらに、最近命名されたアリシクロバチルス(Alicyclobacillus)属、アンフィバチルス(Amphibacillus)属、アネウリニバチルス(Aneurinibacillus)属、アノキシバチルス(Anoxybacillus)属、ブレビバチルス(Brevibacillus)属、フィロバチルス(Filobacillus)属、グラシリバチルス(Gracilibacillus)属、ハロバチルス(Halobacillus)属、パエニバチルス(Paenibacillus)属、サリバチルス(Salibacillus)属、サーモバチルス(Thermobacillus)属、ウレイバチルス(Ureibacillus)属およびビルジバチルス(Virgibacillus)属にも当てはまる。
「飼料」および「食料」は、それぞれ、非ヒト動物および人間それぞれによって食べられる、摂取される、消化されるために意図される、もしくは好適である任意の天然もしくは人工食物、食事などまたはそのような食物の成分を意味する。
本明細書において使用する用語「食料」は、広義において使用され、ヒトのための食料および食品ならびに非ヒト動物のための食料(すなわち、飼料)に及ぶ。
用語「飼料」は、家畜の飼育において動物に与えられる製品に関して使用される。用語「飼料」および「動物飼料」は、互換的に使用される。好ましい実施形態では、食料もしくは飼料は、非反芻動物および反芻動物が消費するためである。
本明細書において使用する用語「直接給与微生物」(「DFM」)は、生きている(生育性)天然型微生物の起源である。DFMのカテゴリーには、バチルス(Bacillus)属、乳酸菌および酵母が含まれる。バチルス(Bacillus)属は、胞子を形成する固有のグラム陽性桿菌である。これらの胞子は極めて安定性であり、例えば熱、水分およびある範囲のpHなどの環境条件に抵抗することができる。これらの胞子は、動物に摂取されると活性栄養細胞に成長し、食事およびペレット飼料に使用することができる。乳酸菌は、病原体に対して拮抗性である乳酸を生成するグラム陽性球菌である。乳酸菌はある程度は感熱性であると思われるので、それらはペレット化飼料では使用されない。乳酸菌のタイプには、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属およびストレプトコッカス(Streptococcus)属が含まれる。酵母は細菌ではない。これらの微生物は、植物群の真菌に属する。
本明細書において使用する用語「プロテアーゼ」は、ペプチド結合を開裂できる酵素を指す。用語「プロテアーゼ」、「ペプチダーゼ」および「プロテイナーゼ」は、互換的に使用できる。プロテアーゼは、動物、植物、細菌、古細菌およびウイルス内で見いだすことができる。タンパク質分解は、現在は6つの幅広い群:アスパラギン酸プロテアーゼ、システインプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼおよびメタロプロテアーゼに分類されている酵素によって達成できる。
用語「単離(された)」は、物質が自然には発生しない形態もしくは環境にあることを意味する。単離物質の非限定的例には、(1)任意の非天然型物質、(2)それが自然に結び付いている天然型成分の1つ以上もしくは全部から少なくとも部分的に除去されている任意の宿主細胞、酵素、変異体、核酸、タンパク質、ペプチドもしくは補因子を含むがそれらに限定されない任意の物質;(3)自然に見いだされる物質と比較してヒトの手によって修飾された任意の物質;または(4)それが自然に結び付いている他の成分と比較して物質の量を増加させることによって修飾された任意の物質が含まれる。用語「単離核酸分子」、「単離ポリヌクレオチド」および「単離核酸断片」は、互換的に使用され、一本鎖もしくは二本鎖の、任意選択的に合成、非天然もしくは改変ヌクレオチド塩基であるRNAもしくはDNAのポリマーを意味する。DNAのポリマーの形態にある単離核酸分子は、cDNA、ゲノムDNAもしくは合成DNAの1つ以上のセグメントから構成されてよい。
核酸もしくはポリペプチドに適用される用語「精製(された)」は、一般に、当分野において周知の分析技術によって決定した他の成分を本質的に含まない核酸もしくはポリペプチドを示す(例えば、精製ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドは、電気泳動ゲル、クロマトグラフィー溶出液および/または密度勾配遠心分離法に供された媒体において個別のバンドを形成する)。例えば、電気泳動ゲルにおいて本質的に1つのバンドを生じさせる核酸もしくはポリペプチドは「精製されて」いる。精製核酸もしくはポリペプチドは、少なくとも約50%純粋であり、通常は、少なくとも約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%(例えば、モルベースでの重量%)以上純粋である。これに関連して、組成物は、精製もしくは濃縮技術の適用後に分子濃度が実質的に増加している場合は、分子が濃縮されている。「濃縮(された)」という用語は、組成物中に化合物、ポリペプチド、細胞、核酸もしくは他の特定の材料もしくは成分が出発組成物より高い相対濃度もしくは絶対濃度で存在することを意味する。
用語「ペプチド」、「タンパク質」および「ポリペプチド」は互換的に使用され、ペプチド結合によって一緒に結合されたアミノ酸のポリマーを意味する。「タンパク質」もしくは「ポリペプチド」は、アミノ酸残基のポリマー配列を含む。アミノ酸に対しては、本開示全体を通して生物学的命名法に関するIUPAC−IUB連合委員会に準拠して定義された1文字また3文字コードを使用する。1文字のXは、20種のアミノ酸のいずれかを指す。ポリペプチドは、遺伝子コードの縮重に起因して2つ以上のヌクレオチド配列によってコードできることも理解されている。変異は、親アミノ酸の一文字コードに続いて位置番号、その後に、変異アミノ酸の1文字コードによって名付けることができる。例えば、87位でのグリシン(G)からセリン(S)への変異は、「G087S」もしくは「G87S」と表示される。修飾を記載する場合、位置の後に括弧内に列挙されたアミノ酸が続く場合は、列挙したアミノ酸のいずれかによるその位置での置換のリストを示している。例えば、6(L、I)は、6位をロイシンもしくはイソロイシンで置換できることを意味する。時には、1つの配列内では、スラッシュ(/)は置換を定義するために使用され、例えば、F/Vは、特定位置がその位置でフェニルアラニンもしくはバリンを有する可能性があることを示す。
変異は、親アミノ酸の一文字コードに続いて位置番号、その後、変異アミノ酸の1文字コードによって名付けることができる。例えば、87位でのグリシン(G)からセリン(S)への変異は、「G087S」もしくは「G87S」と表示される。
タンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドの「成熟」形という用語は、シグナルペプチド配列およびプロペプチド配列を含まないタンパク質、ポリペプチドもしくは酵素の機能的形態を指す。
タンパク質もしくはペプチドの用語「前駆体」形は、そのタンパク質のアミノもしくはカルボニル末端に機能的に結合しているプロ配列を有するタンパク質の成熟形を指す。前駆体はまた、プロ配列のアミノ末端に機能的に結合している「シグナル」配列を有する可能性がある。前駆体はまた、翻訳後活性に関連する追加のポリペプチド(例えば、タンパク質もしくはペプチドの成熟形態を残すためにそれから開裂されたポリペプチド)を有する可能性がある。
「プロ配列」もしくは「プロペプチド配列」は、酵素の適正なフォールディングおよび分泌に必要である、シグナルペプチド配列と成熟酵素配列(例えば、フコシダーゼ)との間のアミノ酸配列を指す;それらは時々は分子内シャペロンと呼ばれる。プロ配列もしくはプロペプチド配列の開裂は、プロ酵素として発現することが多い成熟活性酵素を生じさせる。
用語「シグナル配列」および「シグナルペプチド」は、タンパク質の成熟形もしくは前駆体形の分泌または直接輸送に関与する可能性があるアミノ酸残基の配列を指す。シグナル配列は、典型的には、前駆体もしくは成熟タンパク質配列のN末端に位置する。シグナル配列は、内因性もしくは外因性であってよい。シグナル配列は、通常は成熟タンパク質には存在しない。シグナル配列は、典型的には、タンパク質が輸送された後にシグナルペプチダーゼによってそのタンパク質から開裂される。当該遺伝子は、シグナル配列を伴って、または伴わずに発現する可能性がある。
アミノ酸配列もしくは核酸配列に関連した用語「野生型」は、そのアミノ酸配列もしくは核酸配列が天然もしくは天然型配列であることを示す。本明細書において使用する用語「天然型」は、自然に見出される何か(例えば、タンパク質、アミノ酸もしくは核酸配列)を指す。これとは逆に、用語「非天然型」は、自然には見出されない何かのもの(例えば、実験室で生成された、または野生型配列の修飾で生成された組換え核酸およびタンパク質配列)を指す。
アミノ酸残基の位置に関連して本明細書において使用する「〜に対応している」または「〜に対応する」または「対応する」は、タンパク質もしくはペプチド中の列挙された位置におけるアミノ酸残基、またはタンパク質もしくはペプチド中の列挙された残基と類似の、相同の、または均等なアミノ酸残基を指す。本明細書において使用する「対応する領域」は、一般に、関連タンパク質もしくは参照タンパク質における類似の位置を指す。
用語「〜に由来する」および「〜から得られる」は、問題の生物の系統によって生成される、または生成可能なタンパク質だけではなく、例えばそのような菌株から単離されたDNA配列、およびそのようなDNA配列を含有する宿主生物中で生成されたDNA配列によってコードされるタンパク質もまた意味する。さらに、この用語は、合成および/またはcDNA起源のDNA配列によってコードされ、問題のタンパク質の識別特徴を有するタンパク質を指す。
用語「アミノ酸」は、タンパク質もしくはポリペプチドの基本的化学構造単位を意味する。したがって、疎水性アミノ酸であるアミノ酸のアラニンに対するコドンは、また別の低疎水性残基(例えばグリシン)もしくはより疎水性残基(例えばバリン、ロイシンもしくはイソロイシン)をコードするコドンによって置換されてよい。同様に、1つの負荷電残基の他の負荷電残基との(例えば、アスパラギン酸のグルタミン酸との)または1つの正荷電残基の他の正荷電残基との(例えばリシンのアルギニンとの)置換を生じさせる変化は、さらにまた機能的に同等の生成物を生成すると予測することができる。多くの場合に、タンパク質分子のN末端およびC末端部分の変化を生じさせるヌクレオチド変化もまたそのタンパク質の活性を変化させるとは予測されないであろう。提案された修飾のそれぞれは、コードされた生成物の生物学的活性の保持の決定と同様に、当業者の技術の範囲内に明確に含まれている。
用語「コドン最適化」は、様々な宿主の形質転換のための核酸分子の遺伝子もしくはコーディング領域を意味するので、DNAがコードするポリペプチドを変化させずに宿主生物の典型的なコドン使用を反映するための核酸分子の遺伝子もしくはコーディング領域内のコドンの変化を意味する。
用語「遺伝子」は、コーディング配列に先行する調節配列(5’非コーディング配列)および後続する配列(3’非コーディング配列)を含む、特異タンパク質を発現する核酸分子を意味する。「天然遺伝子」は、自己の調節配列とともに自然で見出される遺伝子を意味する。「キメラ遺伝子」は、天然遺伝子ではない、自然には一緒に見いだされることのない調節配列およびコーディング配列を含む任意の遺伝子を意味する。したがって、キメラ遺伝子は、異なる起源に由来する調節配列およびコーディング配列を含む可能性がある、または同一起源に由来するが、自然に見いだされるのとは異なる方法で配列された調節配列およびコーディング配列を含む可能性がある。「内在性遺伝子」は、生物のゲノム内でその天然の場所にある天然遺伝子を意味する。「外来」遺伝子は、宿主生物内で通常は見いだされないが、遺伝子導入によって宿主生物中に導入されている遺伝子を意味する。外来遺伝子は、非天然生物内に挿入された天然遺伝子またはキメラ遺伝子を含むことができる。「トランス遺伝子」は、形質転換手技によってゲノム内に導入されている遺伝子である。
用語「コーディング配列」は、特定のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を意味する。「好適な調節配列」は、コーディング配列の上流(5’−非コーディング配列)、コーディング配列内またはコーディング配列の下流(3’−非コーディング配列)に位置しており、関連するコーディング配列の転写、RNAのプロセシングもしくは安定性、または翻訳に影響を及ぼすヌクレオチド配列を意味する。調節配列は、プロモーター、翻訳リーダー配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位およびステムループ構造を含む可能性がある。
用語「機能的に結合した」は、一方の機能が他方の機能によって影響されるような単一核酸配列上での核酸配列の会合を意味する。例えば、プロモーターは、それがそのコーディング配列の発現に影響を及ぼすことができる場合、すなわちコーディング配列がプロモーターの転写制御下にある場合に、コーディング配列と機能的に結合している。コーディング配列は、センスもしくはアンチセンス方向で調節配列に機能的に結合させることができる。
用語「調節配列」もしくは「制御配列」は、本明細書では互換的に使用され、生物内の特異的遺伝子の発現を増加もしくは減少させることのできるヌクレオチド配列のセグメントを意味する。調節配列の例としては、プロモーター、シグナル配列、オペレーターなどが挙げられるがそれらに限定されない。上述のように、調節配列は、関心対象のコーディング配列/遺伝子にセンスもしくはアンチセンス方向に機能的に結合させることができる。
「プロモーター」もしくは「プロモーター配列」は、RNAポリメラーゼによる遺伝子の転写が始まる場所を規定するDNA配列を意味する。プロモーター配列は、典型的には転写開始部位のすぐ上流もしくは5’末端に位置する。プロモーターは、それらの全体が天然もしくは天然型遺伝子に由来してよい、または自然に見出される様々なプロモーターに由来する様々な要素から構成されてよい、またはいっそう合成DNAセグメントを含んでいてもよい。当業者であれば、種々のプロモーター(「誘導性プロモーター」)が、種々の組織もしくは細胞型もしくは種々の発生段階で、または種々の環境もしくは生理的条件に反応して遺伝子の発現を指示できることを理解している。
「3’非コーディング配列」は、コーディング配列の下流に位置するDNA配列を意味し、例えば転写の終結などのmRNAプロセシングもしくは遺伝子発現に影響を及ぼすことができる調節シグナルをコードする配列を含む。
本明細書において使用する用語「形質転換」は、核酸分子の宿主生物への移動もしくは導入を意味する。核酸分子は、DNAの線状形もしくは環状形として導入することができる。核酸分子は、自律的に複製するプラスミドであってよい、または核酸分子は生成宿主のゲノム内に組み込まれてよい。形質転換核酸を含有する生成宿主は、「形質転換(された)」もしくは「組換え」もしくは「トランスジェニック」生物もしくは「形質転換体」と呼ばれる。
本明細書において使用する用語「組換え」は、例えば、化学合成によって、または遺伝子工学技術による核酸の単離セグメントの操作によって、核酸配列の本来なら別々の2つの配列セグメントの人工的組み合わせを意味する。例えば、1つ以上のセグメントもしくは遺伝子が、自然もしくは実験的いずれかの操作によって異なる分子から、同一分子の別の部分から、または人工的配列からその中に挿入されているDNAは、遺伝子内への、および引き続いて生物内への新規な配列の導入を生じさせる。用語「組換え」、「トランスジェニック」、「形質転換(された)」、「遺伝子操作(された)」もしくは「外来遺伝子発現のために修飾された」は、本明細書では互換的に使用される。
用語「組換え構築物」、「発現構築物」、「組換え発現構築物」および「発現カセット」は、本明細書では互換的に使用される。組換え構築物は、核酸断片、例えば自然には全部が一緒に見いだされることのない調節配列およびコーディング配列の人工的組み合わせを含む。例えば、構築物は、異なる起源に由来する調節配列およびコーディング配列、または同一起源に由来するが、自然に見いだされるのとは異なる方法で配列された調節配列およびコーディング配列を含む可能性がある。そのような構築物は、単独で使用されてよい、またはベクターと結び付けて使用されてよい。ベクターが使用される場合、ベクターの選択は、当業者であれば周知であるように、宿主細胞を形質転換させるために使用される方法に左右される。例えば、プラスミドベクターを使用できる。当業者であれば、宿主細胞を上首尾で形質転換する、選択する、および繁殖させるためにベクター上に存在しなければならない遺伝要素について熟知している。当業者であれば、異なる独立形質転換事象が異なるレベルおよびパターンの発現を生じさせる可能性があること(Jones et al.,(1985)EMBO J4:2411−2418;DeAlmedia et al.,(1989)Mol Gen Genetics 218:78−86)、およびそこで多数の事象は、典型的には所望の発現レベルおよびパターンを提示するラインを入手するためにスクリーニングされることも認識するであろう。そのようなスクリーニングは、標準分子生物学、生物化学アッセイならびにDNAのサザン分析、mRNA発現のノーザン分析、PCR、リアルタイム定量的PCR(qPCR)、逆転写PCR(RT−PCR)、タンパク質発現の免疫ブロッティング分析、酵素もしくは活性アッセイおよび/または表現型分析を含む他のアッセイによって遂行することができる。
用語「生成宿主」、「宿主」および「宿主細胞」は、本明細書では互換的に使用され、組換え構築物が遺伝子を発現するためにその中に安定性もしくは一過性で導入できる、ヒトであろうと非ヒトであろうと、任意の生物またはその細胞を意味する。この用語は、増殖中に発生する突然変異に起因して親細胞と同一ではない、親細胞の任意の子孫を含む。
用語「同一性率」は、配列を比較することによって決定される2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。当分野では、「同一性」は、一連のそのような配列間のマッチするヌクレオチドもしくはアミノ酸の数によって決定されるように、場合によっては、ポリペプチドもしくはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度をさらに意味する。「同一性」および「類似性」は:Computational Molecular Biology(Lesk,A.M.,ed.)Oxford University Press,NY(1988);Biocomputing:Informatics and Genome Projects(Smith,D.W.,ed.)Academic Press,NY(1993);Computer Analysis of Sequence Data,Part I(Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.)Humana Press,NJ(1994);Sequence Analysis in Molecular Biology(von Heinje,G.,ed.)Academic Press(1987);およびSequence Analysis Primer(Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.)Stockton Press,NY(1991)に記載されている方法を含むがそれらに限定されない公知の方法によって容易に計算できる。同一性および類似性を決定するための方法は、公的に入手できるコンピュータープログラムにおいて体系化されている。
本明細書において使用する「同一性(%)」もしくは同一性率(%)」もしくは「PID」は、タンパク質配列の同一性を指す。同一性率(%)は、当分野で公知の標準技術を使用して決定することができる。有用なアルゴリズムとしては、BLASTアルゴリズム(Altschul et al.,J Mol Biol,215:403−410、1990;およびKarlin and Altschul,Proc Natl Acad Sci USA,90:5873−5787,1993を参照されたい)が挙げられる。BLASTプログラムは、数種の検索パラメーターを使用するが、そのほとんどはデフォルト値に設定される。NCBI BLASTアルゴリズムは、生物学的類似性に関して最も関連する配列を見出すが、20個未満の残基のクエリー配列のためには推奨されない(Altschul et al.,Nucleic Acids Res,25:3389−3402,1997;およびSchaffer et al.,Nucleic Acids Res,29:2994−3005,2001)。核酸配列検索用の典型的なデフォルトBLASTパラメーターには、次のものが挙げられる:隣接ワード閾値(Neighboring words threshold)=11;E‐値カットオフ=10;スコアリングマトリックス(Scoring Matrix)=NUC.3.1(マッチ=1、ミスマッチ=−3);ギャップオープニング(Gap Opening)=5;およびギャップエクステンション(Gap Extension)=2。アミノ酸配列検索用の典型的なデフォルトBLASTパラメーターには、次のものが挙げられる:ワードサイズ(Word size)=3;E値カットオフ=10;スコアリングマトリックス(Scoring Matrix)=BLOSUM62;ギャップオープニング(Gap Opening)=11;およびギャップエクステンション(Gap Extension)=1。アミノ酸配列同一性値(%)は、マッチする同一残基の数を最適/最大アラインメントのためのプログラムによって作製された任意のギャップを含む「参照」配列の総残基数で割ることによって決定される。BLASTアルゴリズムは、「参照」配列を「クエリー」配列と呼ぶ。本明細書において使用する「相同タンパク質」もしくは「相同酵素」は、一次、二次および/または三次構造において明確な類似性を有するタンパク質を指す。タンパク質相同性は、タンパク質がアラインメントされた場合の線状アミノ酸配列における類似性を指すことができる。タンパク質配列の相同性探索は、NCBI BLAST製のBLASTPおよびPSI−BLASTを使用して、0.001の閾値(E値カットオフ)で実施することができる(Altschul SF,Madde TL,Shaffer AA,ZhangJ,ZhangZ,Miller W,LipmanDJ. Gapped BLAST and PSI BLAST a new generation of protein database search programs.Nucleic Acids Res 1997 Set1;25(17):3389−402)。この情報を使用して、タンパク質配列を分類することができる。系統樹は、アミノ酸配列を使用して構築することができる。
配列アラインメントおよび同一性率(%)の計算は、LASERGENE bioinformatics computing suite(DNASTAR Inc.,Madison,WI)のMegalignプログラム、Vector NTI v.7.0(Informax,Inc.,Bethesda,MD)のAlignXプログラムまたはEMBOSS Open Software Suiteを使用して実施することができる(EMBL−EBI;Rice et al.,Trends in Genetics 16,(6):276−277(2000))。配列の複数のアラインメントは、デフォルトパラメーターを用いてClustal法(例えば、CLUSTALW;例えば、バージョン1.83)のアラインメント(欧州バイオインフォマティクス研究所を介して欧州分子生物学研究所から入手できるHiggins and Sharp,CABIOS,5:151−153(1989);Higgins et al.,Nucleic Acids Res.22:4673−4680(1994);およびChenna et al.,Nucleic Acids Res 31(13):3497−500(2003))を使用して実施することができる。CLUSTALWタンパク質アラインメントについての好適なパラメーターには、ギャップイグジステンスペナルティ(GAP Existence penalty)=15、ギャップエクステンション(GAP extension)=0.2、マトリックス=Gonnet(例えば、Gonnet250)、タンパク質ENDGAP=−1、タンパク質GAPDIST=4およびKTUPLE=1が含まれる。1つの実施形態では、迅速もしくは緩徐なアラインメントは、緩徐なアラインメントであるデフォルト設定を用いて使用される。または、CLUSTALW法(例えば、バージョン1.83)を使用するパラメーターは、さらにKTUPLE=1、ギャップペナルティ(GAP PENALTY)=10、ギャップエクステンション(GAP extension)=1、マトリックス=BLOSUM(例えば、BLOSUM64)、ウィンドウ=5およびトップダイアゴナルズセイブ(TOP DIAGONALS SAVED)=5を使用するために修飾することもできる。
本明細書では、様々なポリペプチドのアミノ酸配列およびポリヌクレオチド配列が所定の態様の特徴として開示される。所定の実施形態では、本明細書に開示した配列と少なくとも約70〜85%、85〜90%もしくは90%〜95%同一であるこれらの配列の変異体を使用することができる。または、所定の実施形態では、変異ポリペプチド配列もしくはポリヌクレオチド配列は、本明細書に開示した配列と少なくとも60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する可能性がある。変異アミノ酸配列もしくはポリヌクレオチド配列は、本明細書に開示した配列の機能と同一の機能または本明細書に開示した配列の少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の機能を有する。
ポリペプチドに関する用語「変異体」は、アミノ酸の1つ以上の天然型もしくは人工の置換、挿入または欠失を含むという点で特定の野生型、親もしくは参照ポリペプチドとは異なるポリペプチドを指す。同様に、ポリヌクレオチドに関する用語「変異体」は、ヌクレオチド配列において特定の野生型、親もしくは参照ポリヌクレオチドとは異なるポリヌクレオチドを指す。野生型、親もしくは参照ポリペプチドもしくはポリヌクレオチドの同一性は、状況から明らかになるであろう。
用語「プラスミド」、「ベクター」および「カセット」は、細胞の中央代謝の一部ではない遺伝子を運ぶことが多く、通常は二本鎖DNAの形態にある染色体外要素を意味する。そのような要素は、その中で多数のヌクレオチド配列が、細胞内へ関心対象のポリヌクレオチドを導入できる固有構造に結合もしくは再結合されている任意の起源に由来する一本鎖もしくは二本鎖のDNAもしくはRNAの線状もしくは環状の形態にある自律的複製配列、ゲノム統合配列、ファージまたはヌクレオチド配列であってよい。「形質転換カセット」は、遺伝子を含有する、および遺伝子に加えて特定宿主細胞の形質転換を促進する要素を有する特定ベクターを意味する。用語「発現カセット」および「発現ベクター」は、本明細書では互換的に使用され、遺伝子を含有する、および遺伝子に加えて宿主におけるその遺伝子の発現を可能にする要素を有する特定ベクターを意味する。
本明細書において使用する用語「発現」は、前駆体もしくは成熟形のいずれかでの機能的最終産物(例えば、mRNAもしくはタンパク質)の生成を意味する。発現は、さらにまたmRNAのポリペプチドへの翻訳もまた意味する。
遺伝子の発現は、遺伝子の転写およびmRNAの前駆体もしくは成熟タンパク質への翻訳を包含する。「アンチセンス阻害」は、標的タンパク質の発現を抑制することができるアンチセンスRNA転写産物の生成を意味する。「共抑制」は、同一もしくは実質的に類似の外来もしくは内在性遺伝子の発現を抑制することのできるセンスRNA転写産物の生成を意味する(米国特許第5,231,0.0号明細書)。「成熟」タンパク質は、翻訳後にプロセシングされたポリペプチド、すなわち、一次翻訳産物中に存在する任意のプレペプチドもしくはプロペプチドがそれから除去されているポリペプチドを意味する。「前駆体」タンパク質は、mRNAの翻訳の一次産物を意味する;すなわち、プレペプチドおよびプロペプチドが依然として存在する。プレペプチドおよびプロペプチドは、細胞内局在化シグナルであってよいがそれには限定されない。「安定性形質転換」は、結果として遺伝的に安定性の遺伝形質を生じさせる、核およびオルガネラゲノムの両方を含む宿主生物のゲノム内への核酸断片の移動を意味する。対照的に、「一過性形質転換」は、結果として統合もしくは安定性遺伝形質を伴わない遺伝子発現を生じさせる、宿主生物の核もしくはDNA含有オルガネラ内への核酸断片の移動を意味する。形質転換核酸断片を含有する宿主生物は、「トランスジェニック」生物と呼ばれる。
発現ベクターは、当分野において公知の好適な生成宿主の形質転換のために有用な任意の数のベクターもしくはカセットの1つであってよい。典型的には、ベクターもしくはカセットは、関連遺伝子の転写および翻訳を指令する配列、選択可能なマーカーおよび自律複製もしくは染色体統合を可能にする配列を含むであろう。好適なベクターには、一般に、転写開始制御配列を有する遺伝子の5’領域および転写終結を制御するDNA断片の3’領域が含まれる。どちらの制御領域も、そのような制御領域がそのように由来する必要はないが、形質転換生成宿主細胞の遺伝子および/または生成宿主に天然の遺伝子に相同の遺伝子に由来してよい。
本明細書において使用する「相同タンパク質」もしくは「相同酵素」は、一次、二次および/または三次構造において明確な類似性を有するタンパク質を指す。タンパク質相同性は、タンパク質がアラインメントされた場合の線状アミノ酸配列における類似性を指すことができる。タンパク質配列の相同性探索は、NCBI BLAST製のBLASTPおよびPSI−BLASTを使用して、0.001の閾値(E値カットオフ)で実施することができる(Altschul SF,Madde TL,Shaffer AA,Zhang J,Zhang Z,Miller W,Lipman DJ.Gapped BLAST and PSI BLAST a new generation of protein database search programs.Nucleic Acids Res 1997 Set 1;25(17):3389−402)。これらの情報を使用すると、タンパク質配列を分類することができる。アミノ酸配列を使用すると系統樹を構築することができる。アミノ酸配列は、Vector NTI Advance suiteなどのプログラムに入力することができ、樹形図は、Neighbor Joining(NJ)法(齋藤および根井、Mol Biol Evol,4:406−425,1987)を使用して作成することができる。系統樹の構築は、木村の配列距離補正を使用し、ギャップを含む位置を無視して計算することができる。AlignXなどのプログラムは、系統樹上に示された分子名に続く括弧内の計算距離値を提示することができる。
分子間の相同性についての理解は分子の進化史ならびに分子の機能に関する情報を明らかにすることができる;新規に配列解析したタンパク質が既に特性解析されたタンパク質と相同であれば、新規なタンパク質の生化学的機能であることの強力な指標である。2つの実体間の最も基本的な関係は、相同性である。2つの分子は、それらが共通の祖先に由来していれば、相同であると言われる。相同分子もしくはホモログは、パラログとオルトログの2つのクラスに分類することができる。パラログは、1つの種内に存在するホモログである。パラログは、多くの場合、それらの詳細な生化学的機能が相違する。オルトログは、異なる種に存在するホモログであり、極めて類似または同一の機能を有する。タンパク質スーパーファミリーは、それらの共通の祖先を推察できるタンパク質の最大分類(クレード)である。通常、この共通の先祖は、配列アラインメントと機構類似性に基づいている。スーパーファミリーは、典型的には、ファミリー内で配列類似性を示す数種のタンパク質ファミリーを含有している。用語「タンパク質クラン」は、一般に、MEROPSプロテアーゼ分類系に基づくプロテアーゼスーパーファミリーに対して使用される。
CLUSTAL Wアルゴリズムは、配列アラインメントアルゴリズムのまた別の例である(Thompson et al.,Nucleic Acids Res,22:4673−4680,1994を参照されたい)。CLUSTAL Wアルゴリズムのデフォルトパラメーターには、次のパラメーターが含まれる:ギャップオープニングペナルティ(Gap opening penalty)=10.0;ギャップエクステンションペナルティ(Gap extension penalty)=0.05;タンパク質重量マトリックス(Protein weight matrix)=BLOSUMシリーズ;DNA重量マトリックス(DNA weight matrix)=IUB;ディレイ発散数列(%)(Delay divergent sequences %)=40;ギャップ分離距離(Gap separation distance)=8;DNAトランジション重量(DNA transitions weight)=0.50;親水性残基のリスト=GPSNDQEKR;負のマトリックスの使用(Use negative matrix)=OFF;トグル残基特異的ペナルティ(Toggle Residue specific penalties)=ON;トグル親水性ペナルティ(Toggle hydrophilic penalties=ON;およびトグルエンドギャップ分離ペナルティ(Toggle end gap separation penalty)=OFF。CLUSTALアルゴリズムでは、いずれか一方の末端で発生する欠失が含まれる。例えば、500個のアミノ酸からなるポリペプチドの一方の末端(またはポリペプチド内)で5個のアミノ酸が欠失した変異体は、「参照」ポリペプチドに対して、99%(495/500個の同一残基×100)の配列同一性率を有する。そのような変異体は、ポリペプチドに対して「少なくとも99%の配列同一性」を有する変異体に包含されるであろう。
本明細書において使用する用語「機能アッセイ」は、タンパク質の活性の指標を提供するアッセイを意味する。一部の実施形態では、この用語は、タンパク質が通常の能力で機能する能力について分析されるアッセイ系を指す。例えば、α−L−フコシダーゼの場合、機能アッセイは、α−L−フコシダーゼがα−L−フコシド基質を加水分解する有効性を決定する工程を包含することができる。
L−フコース含有複合糖質は、例えば炎症、細菌およびウイルス感染症などの無数の生理学的および病理学的活性にとって重要である。
フコシル化グリカンは、それらが細胞表面上およびムチン上で見いだされる消化管内で一般的である。ムチンは、膜関連型および分泌型の両方で見いだされる高分子量の重度にグリコシル化されたタンパク質である。
F18に対する腸受容体の存在もしくは非存在は、遺伝的に制御される。水腫疾患におけるF18保持大腸菌(E.Coli)によるコロニー形成に対する感受性は、優性対立遺伝子によって、および耐性は劣性対立遺伝子によって制御されることが証明されている(Vogeli et al.(1996)Anim Genet.27(5):321−8)。
大腸菌(E.Coli)F18受容体の発現を制御する遺伝子は、α(1,2−L−フコシルトランスフェラーゼ1遺伝子(FUT1)に関連していると証明されている。FUT1遺伝子は、接着が発生するグリカン末端を修飾するガラクトシド2−α−L−フコシルトランスフェラーゼをコードする。
ETEC耐性動物は、有意に低いレベルのFUT1酵素を示した(Francis DH(2002)J Swine Health Prod.10(4):171−5;Meijerink et al.(1997)Mammalian Genome 8:736−41)。フコシルトランスフェラーゼは、腸上皮のフコシル化に関係することが証明されており、さらに、フコシル化のレベルは動物の発達中に変動する(Torres−Pinedo and Mahmood(2004)Biochem Biophys Res Commun 125:546−53;Ruggiero−Lopez et al.(1991)Biochem J 279:801−6;Biol et al.(1987)Pediatr Res 22:250−6)。
血液型抗原は、赤血球膜上の表面マーカーである。血液型抗原は、一般に消化管、尿路および気道の内側を覆う細胞を含む赤血球および所定の上皮細胞上で検出される脂質およびタンパク質の炭水化物側鎖への糖類の連続的添加によって形成された分子であると規定されている。
特定のオリゴ糖抗原は、赤血球の表面上のタンパク質および脂質に付着する。付着している最も基本的なオリゴ糖は、O抗原と呼ばれる(さらにH抗原とも呼ばれる)。ヒト血液型は、単糖類間のグリコシド結合の形成を触媒する酵素であるグリコシルトランスフェラーゼの機能に左右される。特定のオリゴ糖抗原は、赤血球の表面上のタンパク質および脂質に付着する。
このO型(もしくはH型)抗原は、全3種の血液型であるAB型、A型およびB型において見いだされる基本的オリゴ糖である。O抗原は、(−−脂質−−グルコース−−ガラクトース−−N−アセチルグルコサミン−−ガラクトース−−フコース)の形態である。O型の血液型だけが赤血球に付着したO抗原を有する。
血液型抗原の形成のためにα−1−2フコシルトランスフェラーゼが必要であることが見いだされている。OもしくはH抗原は、ガラクトースにα−1,2−結合したフコースである。血液型A抗原では、GalNAcはH抗原内のガラクトースに添加されている。H抗原およびA抗原は、ヒトおよびブタにおいて存在する。
血液型A特異性を決定する免疫優勢単糖は、末端α−1,3−結合N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)であり、他方対応する血液型B特異性の単糖は、α−1,3−結合ガラクトース(Gal)である。O型細胞には、それらのオリゴ糖鎖の末端でこれらの単糖類の両方が欠如しており、その代わりに末端にはα−1,2−結合フコース(Fuc)残基があり、H抗原と指定されている。
図9は、A BおよびO抗原の末端構造を示している。血液抗原として最もよく知られているが、これらの抗原は身体の大多数の組織上ならびに上皮および内皮細胞上で発現することに留意されたい。
図10は、ABO血液型抗原の構造的基礎を示している。A型およびB型三糖エピトープ、一般的H型二糖基質であるα−1,3−N−アセチルガラクトシアミニルトランスフェラーゼ(GTA)およびα−ガラクトシルトランスフェラーゼ(GTB)から形成される。これとは逆に、血液型AおよびB抗原からHへの酵素的転換のために使用される戦略は、O型赤血球(RBC)上で見いだされる一般的H構造を形成するためのα−1,3−GalNAc(A−酵素であるα−N−アセチルガラクトシダーゼを使用する)またはα−1,3−ガラクトース(B−酵素であるα−ガラクトシダーゼを使用する)を特異的に加水分解するエキソグリコシダーゼを含んでいる。
下記の実施例で例証するように、α−L−フコシダーゼはH1抗原からフコース残基を除去することができると思われるが、おそらく立体傷害に起因してA抗原四糖からフコース残基を除去することには困難があると思われる。しかし、α−L−フコシダーゼがα−N−アセチルガラクトシルアミン含有部分を除去できる酵素と結合されると、α−L−フコシダーゼはこのフコースをA抗原グルカン含有構造から除去できると考えられる。
さらに、α−ガラクトシダーゼを使用して血液型B抗原をH抗原に転換させられる可能性もある。α−N−アセチルガラクトシルアミン含有部分をグルカン含有構造から除去できるそのような酵素の例としては、New England Biolabsから入手できるN−アセチルガラクトサミニダーゼ(#P0734)が挙げられるがそれには限定されない。
本開示は、腸病原性感染症および/または下痢を有することから動物を予防および/または治療する方法であって、ここで病原性感染症および/または下痢は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む方法に関する。
さらに本開示の範囲内に含まれるのは、腸病原性感染症および/または下痢を有する動物を予防および/または治療するための組成物であって、ここで病原性感染症および/または下痢は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む組成物である。
本明細書に開示した全ての態様(方法、組成物またはそれらの使用)では、α−L−フコシダーゼは、単独またはグリカン含有構造からN−アセチル−ガラクトシルアミン含有部分を除去できる酵素と組み合わせてのいずれかで、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができる。下記の実施例ではこれについて詳細に考察する。
理論によって拘束されなくても、末端α1,2結合フコースの加水分解は、例えば、ETECによって発現させられるF18線毛の場合におけるように、腸細胞への接着を防止すると考えられる。
例えばグリコシドヒドロラーゼなどの、少なくとも1つのフコシル部分を除去できる酵素は、そのフコシル部分が病原体結合部位から除去されても、またはフコシル部分が同様に除去される限り大部分の病原体結合部位が除去されていても使用することができる。好ましくは、α−L−フコシダーゼポリペプチドを使用できる。本開示の例えばα−L−フコシダーゼポリペプチドなどのグリコシドヒドロラーゼには、単離、組換え、実質的純粋または非天然型ポリペプチドが含まれる。
好ましくは、α−L−フコシダーゼポリペプチドは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)またはグリコシドヒドロラーゼファミリー29(G29)由来である。最も好ましくは、そのようなα−L−フコシダーゼポリペプチドは、GH95ファミリーに含まれる。
低pHで安定性であり、ペプシンに対しても安定性であるようなα−L−フコシダーゼを設計することが望ましい可能性がある。さらに、より広い基質特異性を有する、例えば、A(およびBさえ)血液型抗原を基質にすることができる、または受容できるα−L−フコシダーゼを設計することも望ましい可能性がある。これを言い換えると、設計されたα−L−フコシダーゼが、α−N−アセチルガラクトサミニダーゼを添加する必要を伴わずにA型四糖からフコース残基を除去することができるように基質特異性を拡張させる。
一部の実施形態では、ポリペプチドは、病原性感染症を予防および/または治療する際に有用であり、予防用および/または治療用組成物中に組み込むことができる。
好適なα−L−フコシダーゼは、例えばアルカノバクテリウム(Arcanobacterium)属、バチルス(Bacillus)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ジクチオステリウム(Dictyostelium)属、フザリウム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、イグニスファエラ(Ignisphaera)属、マヘラ(Mahella)属、セルロファーガ(Cellulophaga)属、ルビニスファエラ(Rubinisphaera)属、ナイアステラ(Niastella)属、ハリスコメノバクター(Haliscomenobacter)属、ロードピレルラ(Rhodopirellula)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、クロストリジウム(Clostridium)属、フラボバクテリア科(Flavobacteriaceae)、クテドノバクター(Ktedonobacter)属、リステリア(Listeria)属、パルジバクター(Paludibacter)属、プルヌス(Prunus)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属、ルミノコッカス(Ruminococcus)属、サーモトガ(Thermotoga)属、キサントモナス(Xanthomonas)属およびラクトバチルス(Lactobacillus)属などの様々な起源に由来してよい。α−L−フコシダーゼがそれに由来してよい種の例としては、アルカノバクテリウム・ヘモリチクム(Arcanobacterium haemolyticum)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス種(Bacillus sp.)TS−2、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、バチルス種(Bacillus sp.)J13、バチルス種(Bacillus sp.)J37、バチルス・レヘンシス(Bacillus lehensis)バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・セルロシリチクス(Bacillus cellulosilyticus)、バチルス・ヘミセルロシリチクス(Bacillus hemicellulosilyticus)、バチルス・オクヒデンシス(Bacillus okuhidensis)、バチルス・ブタノリボランス(Bacillus butanolivorans)、バチルス・シューダルカリフィルス(Bacillus pseudalcaliphilus)、バチルス・ボゴリエンシス(Bacillus bogoriensis)、バチルス・アキバイ(Bacillus akibai)、バチルス・フルミナンス(Bacillus fulminans)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ヘルコゲネス(Bacteroides helcogenes)、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)B6、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)、ジクトステリウム・ジスコイデウム(Dictyostelium discoideum)、フラボバクテリア科バクテリウム(Flavobacteriaceae bacterium)S85、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ビフィドバクテリウム・ビフィヅム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、イグニスファエラ・アグレガンス(Ignispheaera aggregans)、マヘラ・アウストラリエンシス(Mahella australiensis)、セルロファーガ・リティカ(Cellulophaga lytica)、セルロファーガ・アルジコーラ(Cellulophaga algicola)、ルビニスファエラ・ブラジンリエンシス(Rubinisphaera brasinliensis)、ナイアステラ・コレエンシス(Niastella koreensis)、ハリスコメノバクター・ヒドロシス(Haliscomenobacter hydrossis)、ロードピレルラ・バルチカ(Rhodopirellula baltica)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クテドノバクター・ラセミファー(Ktedonobacter racemifer)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、パルジバクター・プロピオニシゲネス(Paludibacter propionicigenes)、プルヌス・ドゥルシス(Prunus dulcis)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・グナブス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)およびキサントモナス・マニホチス(Xanthomonas manihotis)が挙げられる。
さらに他の実施形態では、本明細書に開示した方法および組成物を実施するために任意のα−L−フコシダーゼを使用できる。例えば、フコシダーゼ活性を有するポリペプチドは、アルカノバクテリウム・ヘモリチクム(Arcanobacterium haemolyticum)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス種(Bacillus sp.)TS−2、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、バチルス種(Bacillus sp.)J13、バチルス種(Bacillus sp.)J37、バチルス・レヘンシス(Bacillus lehensis)、バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・セルロシリチクス(Bacillus cellulosilyticus)、バチルス・ヘミセルロシリチクス(Bacillus hemicellulosilyticus)、バチルス・オクヒデンシス(Bacillus okuhidensis)、バチルス・ブタノリボランス(Bacillus butanolivorans)、バチルス・シューダルカリフィルス(Bacillus pseudalcaliphilus)、バチルス・ボゴリエンシス(Bacillus bogoriensis)、バチルス・アキバイ(Bacillus akibai)、バチルス・フルミナンス(Bacillus fulminans)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ヘルコゲネス(Bacteroides helcogenes)、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)B6、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)、ジクチオステリウム・ディスコイデウム(Dictyostelium discoideum)、フラボバクターバクテリア科バクテリウム(Flavobacteriaceae bacterium)S85、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ビフィドバクテリウム・ビフィヅム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、イグニスファエラ・アグレガンス(Ignispheaera aggregans)、マヘラ・アウストラリエンシス(Mahella australiensis)、セルロファーガ・リティカ(Cellulophaga lytica)、セルロファーガ・アルギコーラ(Cellulophaga algicola)、ルビニスファエラ・ブラジンリエンシス(Rubinisphaera brasinliensis)、ナイアステラ・コレエンシス(Niastella koreensis)、ハリスコメノバクター・ヒドロシス(Haliscomenobacter hydrossis)、ロードピレルラ・バルチカ(Rhodopirellula baltica)、マイコバクテリウム・チューバーキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クテドノバクター・ラセミファー(Ktedonobacter racemifer)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、パルジバクター・プロピオニシゲネス(Paludibacter propionicigenes)、プルヌス・ドゥルシス(Prunus dulcis)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・グナブス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)およびキサントモナス・マニホチス(Xanthomonas manihotis)、またはアルカノバクテリウム・ヘモリチクム(Arcanobacterium haemolyticum)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス種(Bacillus sp.)TS−2、バチルス・バタビエンシス(Bacillus bataviensis)、バチルス・ナイアシニ(Bacillus niacini)、バチルス種(Bacillus sp.)J13、バチルス種(Bacillus sp.)J37、バチルス・レヘンシス(Bacillus lehensis)、バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・セルロシリチクス(Bacillus cellulosilyticus)、バチルス・ヘミセルロシリチクス(Bacillus hemicellulosilyticus)、バチルス・オクヒデンシス(Bacillus okuhidensis)、バチルス・ブタノリボランス(Bacillus butanolivorans)、バチルス・シューダルカリフィルス(Bacillus pseudalcaliphilus)、バチルス・ボゴリエンシス(Bacillus bogoriensis)、バチルス・アキバイ(Bacillus akibai)、バチルス・フルミナンス(Bacillus fulminans)、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・ヘルコゲネス(Bacteroides helcogenes)、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)B6、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)、ジクチオステリウム・ディスコイデウム(Dictyostelium discoideum)、フラボバクターバクテリア科バクテリウム(Flavobacteriaceae bacterium)S85、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ビフィドバクテリウム・ビフィヅム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、イグニスファエラ・アグレガンス(Ignispheaera aggregans)、マヘラ・アウストラリエンシス(Mahella australiensis)、セルロファーガ・リティカ(Cellulophaga lytica)、セルロファーガ・アルギコーラ(Cellulophaga algicola)、ルビニスファエラ・ブラジンリエンシス(Rubinisphaera brasinliensis)、ナイアステラ・コレエンシス(Niastella koreensis)、ハリスコメノバクター・ヒドロシス(Haliscomenobacter hydrossis)、ロードピレルラ・バルチカ(Rhodopirellula baltica)、マイコバクテリウム・チューバーキュロシス(Mycobacterium tuberculosis)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クテドノバクター・ラセミファー(Ktedonobacter racemifer)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、パルジバクター・プロピオニシゲネス(Paludibacter propionicigenes)、プルヌス・ドゥルシス(Prunus dulcis)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ルミノコッカス・グナブス(Ruminococcus gnavus)、ルミノコッカス・トルケス(Ruminococcus torques)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)およびキサントモナス・マニホチス(Xanthomonas manihotis)由来のフコシダーゼ配列との少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%同一性を有する配列、または1個もしくは数個のアミノ酸の添加、欠失および/または置換によって上述の配列のいずれかと相違するポリペプチド;または上記のフコシダーゼ配列のいずれかを発現するポリヌクレオチドに由来してよい。
相同性は、アミノ酸配列アラインメントによって、例えば、本明細書に記載のBLAST、ALIGNまたはCLUSTALなどのプログラムを使用して決定することができる。一部の実施形態では、ポリペプチドは、控えめに述べても、病原体結合部位から少なくとも1つのフコシル部分を除去することができる、単離、組換え、実質的純粋もしくは非天然型酵素である。このポリペプチドが、少なくとも1つのフコシル部分もまた除去されることを前提に、病原体結合部位の大部分を除去できることは考えられる。好ましくは、この酵素は、α−L−フコシダーゼ活性を有する、またはα−L−フコシドなどの多糖からの末端α−1,2−結合フコース基の開裂を触媒する。
当業者には、全長および/または成熟α−L−フコシダーゼが当分野における任意の周知の技術を使用して作製できることは明白であろう。
また別の態様では、控えめに述べても、病原体結合部位から少なくとも1つのフコシル部分を除去することができる任意のポリペプチド(任意の融合タンパク質などを含む)をコードするヌクレオチド配列を含む任意の単離、組換え、実質的純粋、合成由来または非天然型核酸。このポリペプチドが、少なくとも1つのフコシル部分もまた除去されることを前提に、病原体結合部位の大部分を除去できることは考えられる。
さらに興味深いのは、α−1,2−L−フコシドからのL−フコース部分を加水分解するα−L−フコシダーゼ酵素などのグルコースヒドロラーゼをコードするポリヌクレオチドを含むベクターである。
当業者には、ベクターが任意の好適な発現ベクターであってよいこと、およびベクターの選択はその中にベクターが挿入される細胞のタイプに依存して変動する可能性があることは明白であろう。好適なバクターには、pGAPT−PG、pRAX1、pGAMD、pGPT−pyrG1、pC194、pJH101、pE194およびpHP13が含まれる(Harwood and Cutting[eds.],Chapter 3,Molecular Biological Methods for Bacillus,John Wiley & Sons[1990]を参照されたい)。さらに、Perego,Integrational Vectors for Genetic Manipulations in Bacillus subtilis,in Sonenshein et al.,[eds.]Bacillus subtilis and Other Gram−Positive Bacteria:Biochemistry,Physiology and Molecular Genetics,American Society for Microbiology,Washington,D.C.[1993],pp.615−624)およびp2JM103BBIを参照されたい。
発現ベクターは、当分野において公知の好適な生成宿主の形質転換のために有用な任意の数のベクターもしくはカセットの1つであってよい。典型的には、ベクターもしくはカセットは、関連遺伝子の転写および翻訳を指令する配列、選択可能なマーカーおよび自律複製もしくは染色体統合を可能にする配列を含むであろう。好適なベクターには、一般に、転写開始制御配列を有する遺伝子の5’領域および転写終結を制御するDNA断片の3’領域が含まれる。どちらの制御領域も、そのような制御領域がそのように由来する必要はないが、形質転換生成宿主細胞の遺伝子および/または生成宿主に天然の遺伝子に相同の遺伝子に由来してよい。
転写終結を制御するDNA断片もまた好ましい生成宿主細胞にとって天然である様々な遺伝子に由来してよい。所定の実施形態では、終結制御領域の包含は任意選択的である。所定の実施形態では、発現ベクターは、好ましい宿主細胞に由来する終結制御領域を含んでいる。
発現ベクターは、生成宿主中に、特に微生物生成宿主の細胞中に含めることができる。生成宿主細胞は、真菌科もしくは細菌科内で見いだされる、および広範囲の温度、pH値および溶媒耐性にわたって増殖する微生物宿主であってよい。例えば、任意の細菌、藻類および例えば糸状菌などの真菌および酵母が発現ベクターを好適に受け入れられることは企図されている。
生成宿主細胞内への発現ベクターの包含は、それが細胞内、細胞外または細胞の内側および外側の両方の組み合わせで存在できるように関心対象のタンパク質を発現させるために使用できる。細胞外発現は、細胞内発現によって生成されるタンパク質回復のための方法よりも発酵生成物からの所望のタンパク質の回収を容易にさせる。
組換え発現ベクターは、便宜的にも組換えDNA法を受けさせることができ、さらにヌクレオチド配列の発現を導くことができる任意のベクター、例えばプラスミドもしくはウイルスであってよい。ベクターの選択は、典型的には、ベクターとその中にベクターが導入される生成宿主との適合性に左右されるであろう。ベクターは、線状または閉環状プラスミドであってよい。ベクターは、自律複製ベクター、すなわち、染色体外実体として存在し、その複製が染色体複製からは独立している、例えば、プラスミド、染色体外要素、微小染色体または人工染色体であるベクターであってよい。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含有することができる。または、ベクターは、生成宿主内に導入されると、ゲノム内に統合され、その中に既に統合されている染色体と一緒に複製されるベクターであってよい。そのようなベクターの一部の非限定的な例は、真菌遺伝学系統センター菌株カタログ(FGSC、<www.fgsc.net≫)の中に提供されている。好適な発現ベクターおよび/または統合ベクターの追加の例は、Sambrook et al.,(1989)上記、Ausubel(1987)上記、Bennett and Lasure (Eds.)MORE GENE MANIPULATIONS IN FUNGI,Academic Press.396−428内のvan den Hondel et al.(1991)および米国特許第5,874,276号明細書に提供されている。特に有用なベクターには、pTREX、pFB6、pBR322、PUCI8、pUCI00およびpENTR/Dが含まれる。細菌細胞において使用する好適なプラスミドには、大腸菌(E.coli)内での複製を許容するpBR322およびpUC19ならびに例えばバチルス(Bacillus)属内での複製を許容するpE194が含まれる。
手短には、生成宿主細胞内での生成に関しては、Sambrook et al.,(1989)上記、Ausubel(1987)上記、Bennett and Lasure(Eds.)MORE GENE MANIPULATIONS IN FUNGI,Academic Press(1991)pp.70−76 and 396−428内のvan den Hondel et al.(1991);Nunberg et al.,(1984)Mol.Cell BioI.4:2306−2315;Boel et al.,(1984)30 EMBO J.3:1581−1585;Finkelstein in BIOTECHNOLOGY OF FILAMENTOUS FUNGI,Finkelstein et al.Eds.Butterworth−Heinemann,Boston,MA(1992),Chap.6;Kinghorn et al.(1992)APPLIED MOLECULAR GENETICS OF FILAMENTOUS FUNGI,Blackie Academic and Professional,Chapman and Hall,London;Kelley et al.,(1985)EMBO J.4:475−479;Penttila et al.,(1987)Gene 61:155−164;および米国特許第No.5,874,276号明細書を参照されたい。好適なベクターのリストは、真菌遺伝学系統センター菌株カタログ(FGSC、fgsc.netのwww)の中に見いだすことができる。好適なベクターには、例えば、Invitrogen Life TechnologiesおよびPromegaから入手できるベクターが含まれる。真菌宿主細胞に対して使用するために好適な特異的ベクターには、例えば、pFB6、pBR322、pUC18、pUC100、pDON(商標)201、pDONR(商標)221、pENTR(商標)、pGEM(登録商標)3ZおよびpGEM(登録商標)4Zが含まれる。
ベクター系は、単一のベクターもしくはプラスミドまたは宿主細胞のゲノム内もしくはトランスポゾン内に導入されるべき全DNAを一緒に含有している2つ以上のベクターもしくはプラスミドであってよい。
ベクターは、さらに形質転換細胞の容易な選択を許容するために1つ以上の選択可能なマーカーを含有していてよい。選択可能なマーカーは遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤もしくはウイルス耐性などを提供する。選択可能なマーカーの例としては、抗菌耐性を付与するマーカーが挙げられる。本発明においては、当分野においてamdS、argBおよびpyr4として公知であるマーカーを含む栄養マーカーもまた利用される。トリコデルマ(Trichoderma)属の形質転換のために有用なマーカーは、当分野において公知である(例えば、Biotechnology of Filamentous Fungi,Finkelstein et al.,EDS Butterworth−Heinemann,Boston MA(1992)内のFinkelstein、第6章およびKinghorn et al.,(1992)Applied Molecular Genetics of Filamentous Fungi,Blackie Academic and Professional,Chapman and Hall,Londonを参照されたい)。一部の実施形態では、発現ベクターは、レプリコン、さらに組換えプラスミドを有する細菌の選択を許容する抗生物質耐性をコードする遺伝子および異種配列の挿入を可能にするためのプラスミドの非必須領域内の固有の制限部位も含んでいるであろう。選択された特定の抗生物質耐性は重要ではない;当分野において公知の多数の耐性遺伝子はいずれも好適である。原核生物配列は、それらが好ましくはトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)内でのDNAの複製もしくは統合を干渉しないように選択される。
ベクターは、細胞のゲノムからは独立して、生成宿主ゲノム内へのベクターの安定性統合または生成宿主内のベクターの自律複製を許容する要素も含有していてよい。宿主細胞ゲノム内へ統合するために、ベクターはアスパラギン酸プロテアーゼをコードするヌクレオチド配列または相同もしくは非相同組換えによるゲノム内へベクターを安定性統合するための任意の他の要素に依存する可能性がある。
自律複製のために、ベクターは、ベクターが生成宿主内で自律的に複製することを可能にする複製起源をさらに含むことができる。
α−L−フコシダーゼの生成を増加させるためには、α−L−フコシダーゼをコードするヌクレオチド配列の2つ以上のコピーを生成宿主内に挿入することができる。ヌクレオチド配列のコピー数の増加は、生成宿主のゲノム内へその配列の少なくとも1つの追加のコピーを統合することによって、または増幅可能、選択可能なマーカー遺伝子を含めることによって入手することができ、さらにそれによりヌクレオチド配列の追加のコピーは、適切な選択可能な作用物質の存在下で生成宿主細胞を培養することによって選択することができる。
α−L−フコシダーゼをコードするヌクレオチド配列を含むベクターは、ベクターが染色体構成要素として、または自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、生成宿主内に導入される。統合は、一般に、ヌクレオチド配列が生成宿主内で安定性に維持される可能性が高いので、有益であると考えられる。生成宿主染色体内へのベクターの統合は、上記で考察したように、相同もしくは非相同組換えによって発生する可能性がある。
典型的なベクターには、pGXT(国際公開第2015/017256号パンフレットに記載されたpTTTpyr2ベクターと同一)が含まれる。さらにまた、バクテリオファージλおよびM13ならびにプラスミド、例えばpBR322系プラスミd、pSKF、pET23Dおよび融合発現系、例えばMBP、GSTおよびLacZを含む標準細菌発現ベクターを挙げることができる。便宜的な単離方法を提供するためには、組換えタンパク質にエピトープタグ、例えば、c−mycを添加することもできる。
好適な発現および/または統合ベクターの例は、Sambrook et al.,(1989)上記、Bennett and Lasure(Eds.)More Gene Manipulations in Fungi,(1991)Academic Press pp.70−76 and pp.396−428およびその中で言及された論文;米国特許第5,874,276号明細書および真菌遺伝学系統センター菌株カタログ(FGSC、www.fgsc.net.)に提供されている。有用なベクターは、PromegaおよびInvitrogenから入手することができる。一部の特に有用なベクターには、pBR322、pUC18、pUC100、pDON(商標)201、pENTR(商標)、pGEN(登録商標)3ZおよびpGEN(登録商標)4Zが含まれる。しかし、同等に機能し、当分野において公知である、または公知になる他の形態の発現ベクターもまた使用できる。したがって、本明細書に開示したDNA配列を発現させる際には、多種多様な宿主/発現ベクターの組み合わせを使用できる。有用な発現ベクターは、例えば、SV40および公知の細菌プラスミドなどの染色体、非染色体および合成DNA配列のセグメント、例えばcol E1、pCR1、pBR322、pMb9、pUC19およびそれらの誘導体を油組む大腸菌(E.coli)由来のプラスミド、広い宿主範囲のプラスミド、例えば、RP4、ファージDNA、例えばファージλの数多くの誘導体、例えばNM989および他のDNAファージ、例えばM13および糸状一本鎖DNAファージ、2.muプラスミドなどの酵母プラスミドもしくはそれらの誘導体からなってよい。
生成宿主の選択は、細菌、真菌および藻類などの任意の好適な微生物であってよい。典型的には、選択は、α−L−フコシダーゼなどの関心対象のグリコシドヒドロラーゼをコードする遺伝子に左右されるであろう。
好適な生成宿主の例としては、細菌、真菌、植物細胞などが挙げられるがそれらに限定されない。好ましくは、生成宿主は、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、トリコデルマ(Trichoderma)属(特に、T.リーゼイ(reesei))、バチルス(Bacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属(特に、A.ニガー(niger))、植物細胞および/またはバチルス(Bacillus)属、トリコデルマ(Trichoderma)属もしくはアスペルギルス(Aspergillus)属の胞子から選択することができる。
一部の実施形態では、本明細書に開示した方法および組成物において組換えα−L−フコシダーゼ酵素を使用することができる。好ましい態様では、α−L−フコシダーゼからL−フコースを加水分解することができるα−L−フコシダーゼ酵素を含む食品もしくは飼料添加物が提供される。
α−L−フコシダーゼなどの所望のグリコシドヒドロラーゼを大量に発現する細菌および糸状菌(例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属もしくはトリコデルマ(Trichoderma)属)細胞系を生成するためには、多数の標準トランスフェクション法を使用することができる。トリコデルマ(Trichoderma)属のセルラーゼ生成菌株内にDNA構築物を導入するための公表された方法の一部には、Lorito,Hayes,DiPietro and Harman,(1993)Curr.Genet.24:349−356;Goldman,VanMontagu and Herrera−Estrella,(1990)Curr.Genet.17:169−174;およびPenttila,Nevalainen,Ratto,Salminen and Knowles,(1987)Gene 6:155−164が含まれるが、さらに米国特許第6.022,725号明細書;同第6,268,328号明細書およびMolecular Industrial Mycology,Eds,Leong and Berka,Marcel Dekker Inc.,NY(1992)pp129−148内のNevalainen et al.,‘‘The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes’’も参照されたい;アスペルギルス(Aspergillus)属についてはYelton,Hamer and Timberlake,(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470−1474が含まれ、フザリウム(Fusarium)属についてはBajar,Podila and Kolattukudy,(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8202−8212が含まれ、ストレプトマイセス(Streptomyces)属についてはHopwood et al.,1985,Genetic Manipulation of Streptomyces:Laboratory Manual,The John Innes Foundation,Norwich,UKおよびFernandez−Abalos et al.,Microbiol 149:1623−1632(2003)が含まれ、およびバチルス(Bacillus)属についてはBrigidi,DeRossi,Bertarini,Riccardi and Matteuzzi,(1990)FEMS Microbiol.Lett.55:135−138)が含まれる。
しかし、宿主細胞内へ外来ヌクレオチド配列を導入するためにはいずれかの周知の手技を使用することができる。これらには、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリブレン、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、バイオリスティック、リポソーム、マイクロインジェクション、プラズマベクター、ウイルスベクターおよびクローン化ゲノムDNA、cDNA、合成DNAまたは宿主細胞内への他の外来遺伝子物質を導入するための他の周知の方法のいずれかの使用が含まれる(例えば、Sambrook et al.、上記を参照されたい)。さらに有用であるのは、米国特許第6,255,115号明細書に記載されたアグロバクテリウム(Agrobacterium)属媒介性トランスフェクション法である。必要なのは、使用される特定の遺伝子組換え手技が遺伝子を発現することのできる宿主細胞内へ少なくとも1つの遺伝子を導入することに成功できることだけである。
使用される宿主細胞に応じて、転写後および/または翻訳後修飾を作製することができる。転写後および/または翻訳後修飾の1つの非限定的な例は、ポリペプチドの「クリッピング」もしくは「切断」である。例えば、これは、酵素活性を有する成熟ペプチドにさらなる翻訳後プロセシングを受けさせるプロペプチドの場合におけるように、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを不活性もしくは実質的不活性状態から活性状態にさせることを生じさせる可能性がある。また別の例では、このクリッピングはα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを成熟形にさせ、さらに酵素活性を維持しているα−L−フコシダーゼの切断系を生成するためにNもしくはC末端アミノ酸を除去することを生じさせる可能性がある。
転写後および/または翻訳後修飾の他の例としては、ミリストイル化、グリコシル化、切断、脂質化およびチロシン、セリンまたはトレオニンリン酸化が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、タンパク質が受ける可能性がある転写後もしくは翻訳後修飾のタイプは、タンパク質がその中で発現する宿主生物に左右される可能性があることを理解するであろう。
アスペルギルス(Aspergillus)属およびトリコデルマ(Trichoderma)属のための形質転換法は、例えば、Yelton et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470−1474;Berka et al.,(1991)in Applications of Enzyme Biotechnology,Eds.Kelly and Baldwin,Plenum Press(NY);Cao et al.,(2000)Sci.9:991−1001;Campbell et al.,(1989)Curro Genet.16:53−56;Pentilla et al.,(1987)Gene 61:155−164);de Groot et al.,(1998)Nat.Biotechnol.16:839−842;米国特許第6,022,725号明細書;同第6,268,328号明細書および欧州特許第238023号明細書を参照されたい。トリコデルマ(Trichoderma)属内での異種タンパク質発現の発現は、米国特許第6,022,725号明細書;同第6,268,328号明細書;Harkki et ale(1991);Enzyme Microb.Technol.13:227−233;Harkki et al.,(1989)Bio Technol.7:596−603;欧州特許第244,234号明細書;同第215,594号明細書;およびMOLECULAR INDUSTRIAL MYCOLOGY,Eds.Leong and Berka,Marcel Dekker Inc.,NY(1992)pp.129−148内のNevalainen et al.,‘‘The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes’’の中に記載されている。フザリウム(Fusarium)属菌株の形質転換については、国際公開第96100787号パンフレットおよびBajar et al.,(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8202−28212を参照されたい。
発現ベクターが細胞内に導入された後に、トランスフェクト細胞もしくは形質転換細胞は、プロモーター配列の制御下での遺伝子の発現に好都合な条件下で培養される。一部の例では、プロモーター配列は、cbh1プロモーターである。大バッチの形質転換細胞は、Ilmen et al 1997(‘‘Regulation of cellulase gene expression in the filamentous fungus Trichoderma reesei.’’Appl.Envir.Microbiol.63:1298−1306)に記載されたように培養できる。
宿主トリコデルマ種(Trichoderma sp.)菌株内へのDNAの取込みは、カルシウムイオン濃度に左右される。一般に、約10〜50mMのCaClが取込み液中で使用される。追加の好適な化合物には、バッファー系、例えばTEバッファー(10mMのTris、pH7.4;1mMのEDTA)もしくは10mMのMOPS、pH6.0およびポリエチレングリコールが含まれる。ポリエチレングリコールは、細胞膜を融解させるので、そこで培地の内容物がトリコデルマ種(Trichoderma sp.)菌株の細胞質内に送達されることを許容すると考えられる。この融解は、宿主染色体内に組み込まれたプラスミドDNAの多数のコピーを残すことが多い。
通常、トリコデルマ種(Trichoderma sp.)の形質転換は、典型的には10〜10/mL、特に2×10/mLの密度での透過性処理を受けているプロトプラストもしくは細胞を使用する。適切な溶液(例えば、1.2Mのソルビトールおよび50mMのCaCl)中の体積100μLのこれらのプロトプラストもしくは細胞は、所望のDNAと混合することができる。
一般には、高濃度のPEGが取込み溶液に加えられる。プロトプラスト懸濁液には0.1〜1体積の25%のPEG4000を加えることができる;しかし、プロトプラスト懸濁液には約0.25体積を加えることが有用である。例えば、ジメチルスルホキシド、ヘパリン、スペルミジン、塩化カリウムなどの添加物もまた、形質転換を促進するために取込み溶液に加えられてよい。他の真菌宿主細胞に対しても類似の手技を利用できる。例えば、米国特許第6,022,725号明細書を参照されたい。
細胞を培養するために使用する培地は、宿主細胞を増殖させ、α−フコシダーゼポリペプチドの発現を得るために好適な任意の従来型培地であってよい。好適な培地および培地成分は、商業的供給業者から入手可能である、または(例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載されたような)公開された製法にしたがって調製することができる。
一部の実施形態では、組換え微生物の使用済み全発酵ブロス調製は、結果として関心対象の酵素の発現を生じさせる当分野において公知の任意の培養法を使用して達成できる。このため、発酵は、好適な培地中および酵素が発現もしくは単離されるのを許容する条件下で、実験室用もしくは産業用発酵槽内での振とうフラスコ培養、小規模もしくは大規模発酵(連続、バッチ、フェドバッチもしくは固形発酵を含む)を含むと理解することができる。用語「使用済み全発酵ブロス」は、本明細書では培養培地、細胞外タンパク質(例えば、酵素)および細胞バイオマスを含む発酵材料の未分画内容物であると定義されている。用語「使用済み全発酵ブロス」は、さらに当分野において周知の方法を使用して溶解もしくは透過化されている細胞バイオマスも含むと理解されている。
宿主細胞は、α−グルコシダーゼの発現を許容する好適な条件下で培養することができる。酵素の発現は、酵素が連続的に生成されるように構成的であってよい、または発現を開始するための刺激を必要とする誘導性であってよい。誘導性発現の場合には、タンパク質生成は、必要とされる場合は、例えば、培養培地へのインデューサー物質、例えば、デキサメタゾンまたはIPTGもしくはソホロースの添加によって開始することができる。
ポリペプチドは、例えばTNT(商標)(Promega)ウサギ網状赤血球系などのin vitro無細胞系内で組換え技術により生成することもできる。発現宿主は、さらにまた好気性条件下で、宿主にとって適切な培地中で培養することができる。振とうまたは撹拌および通気の組み合わせを提供することができ、生成は、宿主のニーズおよび所望のα−グルコシダーゼの生成に依存して、例えば約25℃〜約75℃(例えば、30℃〜45℃)のその宿主にとって適切な温度で発生する。培養する工程は、約12〜約100時間以上(および例えば24〜72時間などの、それらの間の任意の時間値)にわたって発生することができる。典型的には、培養ブロスは、同様に例えばフコシダーゼなどの関心対象の酵素の生成に比較して、宿主にとって必要とされる培養条件に依存して、約4.0〜約8.0のpHにある。生成宿主および形質転換細胞は、従来型の栄養培地中で培養することができるので。形質転換宿主細胞のための培養培地は、プロモーターを活性化して形質転換細胞を選択するために適宜修飾されてよい。例えば温度、pHなどの特定の培養条件は、発現のために選択された宿主細胞のために使用される条件であってよく、当業者には明白であろう。さらに、好ましい培養条件は、例えばSambrook,(1982)上記;Kieser,T,MJ.Bibb,MJ.Buttner,KF Chater,and D.A.Hopwood(2000)Practical Streptomyces Genetics.John Innes Foundation,Norwich UK;Harwood,et al.,(1990)Molecular Biological Methods for Bacillus,John Wileyおよび/またはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC;www.atcc.org)からなどの科学文献の中に見いだすことができる。
当分野において周知の発酵方法はいずれも、本明細書に記載した形質転換もしくは誘導真菌株を発酵させるために好適に使用することができる。
伝統的なバッチ発酵は、培地の組成が発酵の開始時に設定され、発酵中にその組成が変更されない閉鎖系である。発酵の開始時に、培地には所望の生物が接種される。言い換えると、全発酵工程は、全体を通して発酵系にいかなる成分の追加も行わずに行われる。
または、バッチ発酵は、炭素源の添加に関して「バッチ」として適格である。さらに、発酵工程を通して例えばpHや酸素濃度などの因子を制御するための頻回な試みが実施される。典型的には、バッチ系の代謝産物およびバイオマス組成は、発酵が停止するまで常に変化する。バッチ培養内では、細胞は静的誘導期を経由して高増殖対数期へ進行し、最終的には増殖率が減少もしくは停止する静止期に進む。未処理のまま放置すると、静止期にある細胞は最終的には死滅することになる。一般に、対数期にある細胞は、生成物の大量生産に寄与する。標準バッチ系に関する好適な変形形態は、「フェドバッチ発酵」系である。典型的なバッチ系のこの変形形態では、発酵の進行につれて基質が徐々に加えられる。フェドバッチ系は、異化代謝産物抑制が細胞の代謝を抑制することが公知である場合、および/または発酵培地中では限定量の基質を有することが所望である場合に有用である。フェドバッチ系内での実際の基質濃度の測定は困難であるので、このため例えばpH、溶存酸素およびCO2などの排気ガスの部分圧などの測定可能な因子の変化に基づいて推定される。バッチおよびフェドバッチ発酵は、当分野において周知である。
連続発酵は、また別の公知の発酵方法である。連続発酵は、定義された発酵培地がバイオリアクターに連続的に加えられ、等量の馴化培地から加工処理のために同時に除去される開放系である。連続発酵は、一般に、細胞が主として対数期増殖に維持される一定密度で培養を維持する。連続発酵は、細胞増殖および/または生成物濃度に影響を及ぼす1つ以上の因子の調節を許容する。例えば、炭素源もしくは窒素源などの制限的栄養分は、一定比率に維持することができ、他の全てのパラメーターは調節することが許容される。他の系では、増殖に影響を及ぼす多数の因子を連続的に変化させることができるが、その間に培地濁度によって測定される細胞濃度は一定に維持される。連続系は、定常状態増殖条件を維持しようと努力する。したがって、除去される培地に起因する細胞消失は、発酵中の細胞増殖率に対してバランスが取られなければならない。連続発酵工程のための栄養分および増殖因子を調節する方法ならびに生成物形成速度を最大化するための技術は、工業微生物学の分野において周知である。
分離技術および濃縮技術は当分野において公知であり、従来方法を使用して本発明のα−グルコシダーゼポリペプチドを含む濃縮液もしくはブロスを調製することができる。
発酵後には発酵ブロスが得られ、酵素含有溶液を得るために微生物細胞および残留生発酵材料を含む様々な懸濁固体が従来型分離技術によって除去される。濾過、遠心分離、精密濾過、回転真空ドラム濾過、限外濾過、遠心分離後に行われる限外濾過、抽出もしくはクロマトグラフィーなどが一般に使用される。
時には、回収を最適化するために、関心対象のポリペプチドを含む溶液もしくはブロスを濃縮することが望ましい場合がある。未濃縮溶液もしくはブロスの使用は、典型的には、濃縮もしくは精製酵素沈降物を収集するための培養時間を増加させるであろう。
酵素含有溶液は、所望の酵素レベルが得られるまで、従来型の濃縮技術を使用して濃縮することができる。酵素含有溶液の濃縮は、本明細書において考察した技術のいずれかによって達成することができる。濃縮および精製方法の例としては、回転真空濾過および/または限外濾過が挙げられるがそれらに限定されない。
例えば本明細書に記載したα−L−フコシダーゼ酵素などの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、当分野において公知の様々な試験を使用して活性について試験することができる。例えば、活性は、必要に応じてこの酵素を糖タンパク質もしくはオリゴ糖および水と結合させることによって試験できる。活性は、例えば、薄層クロマトグラフィーもしくは分光測光法によって分離および可視化できる反応生成物の分析によって測定できる。フコース分光測光法アッセイの1つの例は、Megazyme K−FUCOSEキット(Cao et al.(2014)J Biol Chem 289(37):25624−38である。
本明細書に開示した方法は、少なくとも1つの直接給与微生物単独と組み合わせて、または少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせて、α−L−フコシダーゼなどの有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程をさらに含む。
さらに、単独もしくは少なくとも1つの直接給与微生物単独と組み合わせて、および/または少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、動物飼料もしくはプレミックス中で使用するためにカプセル封入されてよい。さらに、単独もしくは少なくとも1つの直接給与微生物単独と組み合わせて、および/または少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで、カプセル封入されていてもいなくても、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、顆粒の形態にあってよい。
本明細書に記載したα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、1つ以上の追加の酵素と組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、1つ以上の追加の酵素は、カルボキシペプチダーゼ、好ましくはカルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼY、PEPAa、PEPAb、PEPAcおよびPEPAdのA.ニガー(niger)アスパラギン酸プロテアーゼ、エラスターゼ、アミノペプチダーゼ、ペプシンもしくはペプシン様、トリプシンもしくはトリプシン様プロテアーゼ、サブチリシンおよびその変異体を含む酸性真菌プロテアーゼおよび細菌プロテアーゼ、ならびにデンプン代謝、繊維分解、脂質代謝に関係する酵素、グリコーゲン代謝に関係するタンパク質もしくは酵素、他の汚染因子を分解する酵素、アセチルエステラーゼ、アミラーゼ、アラビナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、エキソおよびエンドペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、キモシン、クチナーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エピメラーゼ、エステラーゼ、ホルムアミダーゼ、−ガラクトシダーゼ、例えばαもしくはβ−ガラクトシダーゼ、エキソ−グルカナーゼ、グルカンリアーゼ、エンドグルカナーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、例えばαもしくはβ−グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、ヘミセルラーゼ、ヒドロラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、フェノールオキシダーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、オキシドレダクターゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ペプチンアセチルエステラーゼ、ペクチンデポリメラーゼ、ペプチダーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチン溶解酵素、ペルオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、フィターゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノ−ガラクツロナーゼ、リボヌクレアーゼ、タウマチン、トランスフェラーゼ、輸送タンパク質、トランスグルタミナーゼ、キシラナーゼ、ヘキソースオキシダーゼ(D−ヘキソース:(3/4−オキシドレダクターゼ、EC1.1.3.5)、酸性ホスファターゼおよび/またはその他もしくはそれらの組み合わせを含むタンパク質分解に関係する酵素からなる群から選択される。これらには、例えば、組成物もしくは飼料の粘度を調節する酵素が含まれる。
さらに、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、胃の中で見いだされる酸性pHに抵抗できるようにカプセル封入されてもよい。
α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、カプセル封入されていてもいなくても、単独で、または少なくとも1つの直接給与微生物と組み合わせて使用することができる、および動物飼料もしくはプレミックス中で投与することができる。
α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、カプセル封入されていてもいなくても、単独で、または少なくとも1つの直接給与微生物および少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせて使用することができる、および動物飼料もしくはプレミックス中で投与することができる。
さらに、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼは、カプセル封入されていてもいなくても、単独で、または少なくとも1つの直接給与微生物と組み合わせて使用することができる、および動物飼料もしくはプレミックス中で投与することができ、およびα−L−フコシダーゼは顆粒もしくは液体の形態にあってよい。好ましい形態は、顆粒である。
さらに本開示の範囲内に含まれるのは、腸病原性感染症および/または下痢を有する動物を予防および/または治療するための組成物であって、ここで病原性感染症は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、ここで病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む組成物である。
上述したように、α−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼは、単独で、もしくはグリカン含有構造からN−アセチル−ガラクトシルアミン含有部分を除去できる酵素と組み合わせてのいずれかで、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができなければならない。好ましくは、α−L−フコシダーゼは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)およびグリコシドヒドロラーゼファミリー29(GH29)からなる群から選択され、および最も好ましくは、α−L−フコシダーゼは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)からなる群から選択される。
本組成物は、上記で考察したような任意の腸病原性感染症を予防および/または治療するために使用できる。関心対象の1つの病原体は、F18線毛を発現する大腸菌(Escherichia coli)である。
上記の考察から、本組成物が、単独もしくは少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで、少なくとも1つの直接給与微生物を含む可能性があるのは明白である。
単独もしくは少なくとも1つの直接給与微生物単独と組み合わせて、および/または少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで、α−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼは、動物飼料もしくはプレミックス中で使用するためにカプセル封入されてよい。さらに、α−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼは、単独もしくは少なくとも1つの直接給与微生物単独と組み合わせて、および/または少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせてのいずれかで、カプセル封入されていてもいなくても、顆粒の形態にあってよい。
動物飼料は、例えばコーン、コムギ、モロコシ、大豆、カノーラ、ヒマワリなどの植物材料、またはこれらの植物材料のいずれかもしくは家禽類、ブタ、反芻動物、水産養殖およびペットのための植物性タンパク質源の混合物を含むことができる。例えば成長、飼料摂取量および飼料効率などの動物性能パラメーターだけではなく、さらに動物畜舎における改善された均質性、減少したアンモニア濃度および結果として改善される動物の福祉および健康状態もまた改善されるであろうことが企図されている。より詳細には、本明細書において使用する「動物性能」は、飼料効率および/または動物の体重増加および/または飼料転換率および/または飼料中の栄養素の消化率(例えば、アミノ酸消化率)および/または飼料中の可消化エネルギーもしくは代謝可能エネルギーおよび/または窒素残留および/または動物が壊疽性腸炎の悪影響を回避する能力および/または被験者の免疫応答によって決定することができる。
用語「動物飼料」、「飼料」、「飼料原料」および「家畜飼料」は、互換的に使用され、a)穀物類、例えば、小穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギおよびそれらの組み合わせ)および/または大類、例えばトウモロコシもしくはソルガム;b)穀物類からの生成物、例えば、コーングルテンミール、可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(DDGS)(特に、コーンをベースとする可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(cDDGS)、ふすま、コムギミドリングス、コムギショーツ、米ヌカ、籾殻、カラスムギ殻、パーム核および柑橘パルプ;c)例えば大豆、ヒマワリ、ピーナッツ、ルピナス、エンドウマメ、ソラマメ、綿、カノーラ、魚粉、乾燥血漿タンパク質、肉骨粉、ジャガイモタンパク、ホエイ、コプラ、ゴマなどの起源から得られたタンパク質;d)植物源および動物源から得られた油脂類;および/またはe)ミネラル類およびビタミン類を含む群から選択される1つ以上の飼料材料を含むことができる。
飼料、例えば、機能性飼料として、またはその調製において使用する場合、本発明の酵素もしくは飼料添加用組成物は、栄養学上許容される担体、栄養上許容される希釈剤、栄養上許容される賦形剤、栄養上許容されるアジュバント、栄養上許容される有効成分の1つ以上と結び付けて使用することができる。例えば、タンパク質、ペプチド、スクロース、ラクトース、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、ソルビン酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、ソルビン酸マグネシウム、次亜塩素酸ナトリウム、メチルパラベンおよびプロピルパラベンからなる群から選択される少なくとも1つの成分を挙げることができよう。
1つの好ましい実施形態では、本発明の酵素もしくは飼料添加用組成物は、飼料原料を形成するために飼料成分と混合される。本明細書において使用する用語「飼料成分」は、飼料原料の全部または一部を意味する。飼料原料の一部は、飼料原料の1つの構成要素もしくは飼料原料の2つ以上、例えば、2つもしくは3つもしくは4つ以上の構成要素を意味する可能性がある。1つの実施形態では、用語「飼料成分」は、プレミックスもしくはプレミックス構成要素を包含する。好ましくは、飼料は、家畜飼料もしくはそのプレミックス、配合飼料もしくはそのプレミックスであってよい。本発明による飼料添加用組成物は、配合飼料、配合飼料成分と、または配合飼料のプレミックスに、または家畜飼料、家畜飼料成分もしくは家畜飼料のプレミックスに混合されてよい。
本明細書に記載した任意の「飼料原料」は、a)穀物類、例えば、小穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギおよびそれらの組み合わせ)および/または大類、例えばトウモロコシもしくはソルガム;b)穀物類からの生成物、例えば、コーングルテンミール、ウエットケーキ(特に、コーンをベースとするウエットケーキ)、穀類蒸留粕(DDG)(特に、コーンをベースとする穀類蒸留粕(cDDG))、可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(DDGS)(特に、コーンをベースとする可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(cDDGS))、ふすま、コムギミドリングス、コムギショーツ、米ヌカ、籾殻、カラスムギ殻、パーム核および柑橘パルプ;c)例えば大豆、ヒマワリ、ピーナッツ、ルピナス、エンドウマメ、ソラマメ、綿、カノーラ、魚粉、乾燥血漿タンパク質、肉骨粉、ジャガイモタンパク、ホエイ、コプラ、ゴマなどの起源から得られたタンパク質;d)植物源および動物源から得られた油脂類;および/またはe)ミネラル類およびビタミン類を含む群から選択される1つ以上の飼料材料を含むことができる。
本明細書において使用する用語「家畜飼料」は、(動物が自身で探しまわる必要なくむしろ)動物に提供される任意の食料を意味する。家畜飼料は、刈り取られた植物を包含する。さらに、家畜飼料には、サイレージ、圧縮およびペレット化飼料、油および混合飼料ならびにさらに胚芽穀粒およびマメ類が含まれる。
家畜飼料は、コーン(トウモロコシ)、アルファルファ(ルーサン)、オオムギ、ミヤコグサ、アブラナ、キャベツ(Chau moellier)、ケール、ナタネ(カノーラ)、ルタバガ(スウェーデンカブ)、チューリップ、クローバー、タチクローバー、レッドクローバー、地下クローバー、シロツメクサ、ウシノケグサ、スズメノチャヒキ、キビ、カラスムギ、ソルガム、大豆、木(木を原料とする牧草用の短く刈り込んだ木の芽)、コムギおよびマメ類から選択される1つ以上の植物から入手することができる。
用語「配合飼料」は、ミール、ペレット、ナッツ、ケーキもしくはクランブルの形態にある市販飼料を意味する。配合飼料は、様々な原材料および添加物からブレンドすることができる。これらのブレンドは、標的動物の規定の要件にしたがって配合される。
配合飼料は、1日必要栄養素の全部を提供する完全飼料、食料の一部(タンパク質、エネルギー)を提供する濃縮物または例えば、ミネラル類およびビタミン類などの追加の微量栄養素だけを提供するサプリメントであってよい。
配合飼料において使用される主成分は、コーン、コムギ、カノーラミール、ナタネミール、ルーピン、大豆、ソルガム、カラスムギおよびオオムギを含む飼料用穀物である。
好適には、本明細書において言及したプレミックスは、微量成分、例えば、ビタミン類、ミネラル類、化学保存料、抗生物質、発酵生成物および他の必須成分から構成される組成物であってよい。プレミックスは、通常は市販食料にブレンドするための好適な組成物である。
1つの実施形態では、飼料原料は、コーン、DDGS(例えば、cDDGS)、コムギ、フスマもしくはそれらの任意の組み合わせを含む、またはそれらからなる。
1つの実施形態では、飼料成分は、コーン、DDGS(例えば、cDDGS)、コムギ、フスマもしくはそれらの任意の組み合わせであってよい。1つの実施形態では、飼料原料は、コーン、DDGS(例えば、cDDGS)もしくはそれらの組み合わせを含む、またはそれらからなる。
本発明に記載した飼料原料は、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%もしくは少なくとも60重量%のコーンおよび大豆ミールまたはコーンおよび高脂肪大豆、またはコムギミールもしくはヒマワリミールを含有する可能性がある。
例えば、飼料原料は、約5〜約40%のコーンDDGSを含有する可能性がある。家禽類に対しては、飼料原料は平均して、約7〜15%のコーンDDGSを含有する可能性がある。ブタに対しては、飼料原料は、平均して5〜40%のコーンDDGSを含有する可能性がある。飼料原料は、さらに単一穀粒としてのコーンを含有することができ、その場合には、飼料原料は約35%〜約80%のコーンを含んでいてよい。
混合穀粒を含む、例えばコーンおよびコムギを含む飼料原料では、飼料原料は、少なくとも10%のコーンを含む可能性がある。
これに加えて、またはこれに代えて、飼料原料は、高繊維飼料原料を提供するために、少なくとも1つの高繊維飼料材料および/または少なくとも1つの高繊維飼料材料の少なくとも1つの副生成物を含む可能性がある。高繊維飼料材料の例としては:コムギ、オオムギ、ライムギ、カラスムギ、穀粒類からの副生成物、例えばコーングルテンミール、コーングルテン飼料、ウエットケーキ、穀類蒸留粕(DDG)、可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(DDGS)、フスマ、コムギミドリングス、コムギショーツ、米ヌカ、籾殻、カラスムギ殻、パーム核および柑橘類パルプが挙げられる。一部のタンパク質源は、例えばヒマワリ、ルーピン、ソラマメおよび綿などの起源から得られたタンパク質も高繊維であるとみなすことができる。1つの態様では、本明細書に記載した飼料原料は、例えば可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(DDGS)、特にcDDGS、ウエットケーキ、穀類蒸留粕(DDG)、特にcDDG、フスマおよびコムギからなる群から選択される少なくとも1つの高繊維材料および/またはその少なくとも1つの高繊維飼料材料の少なくとも1つの副生成物を含む。1つの実施形態では、本明細書に記載した飼料原料は、例えば可溶性物質添加乾燥穀類蒸留粕(DDGS)、特にcDDGS、フスマおよびコムギからなる群から選択される少なくとも1つの高繊維材料および/またはその少なくとも1つの高繊維飼料材料の少なくとも1つの副生成物を含む。
飼料は、以下の:例えば、ペレット、ナッツもしくは(ウシ用)ケーキ;作物または作物残渣:コーン、大豆、ソルガム、カラスムギ、オオムギコプラ、ムギワラ、籾殻、サトウダイコン廃棄物;魚粉;肉骨粉ミール;糖蜜;油かすおよび圧搾ケーキ;オリゴ糖;保存飼料植物:サイレージ;海草;全粒または圧砕、製粉などにより調製された種子および穀物;発芽穀物およびマメ科植物;酵母抽出物のを含む配合飼料およびプレミックスの1つ以上であってよい。
本明細書で使用する用語「飼料」は、一部の実施形態ではペットフードを包含する。ペットフードは、ペットによる消費が意図される植物または動物材料、例えば、ドッグフードもしくはキャットフードである。ペットフード、例えば、ドッグフードおよびキャットフードは、乾燥形、例えば、犬用粗挽き穀物、またはウェットタイプの缶詰形のいずれであってもよい。キャットフードは、アミノ酸のタウリンを含有することができる。
動物飼料は、さらに魚肉を含むことができる。魚肉は、通常は、飼育魚の健康を良好に保つために必要とされる多量養素、微量元素およびビタミン類を含有する。魚用飼料は、フレーク、ペレットもしくはタブレットの形態であってよい。その一部が急速に沈降するペレット化形は、大型魚または水域の底で餌を取る種のために使用されることが多い。一部の魚用飼料は、添加物、例えば、観賞魚の発色を人工的に改善するためにベータカロテンまたは性ホルモンなどもさらに含有する。
さらにまた別の態様では、動物飼料は、鳥の餌を含んでいる。鳥の餌は、バードフィーダーおよびペットの鳥に給餌するための両方に使用される飼料を含む。典型的には、鳥の餌は、種々の種子を含むが、さらにスエット(牛脂もしくは羊脂)もまた包含することができる。
本明細書で使用する用語「接触(した)」は、本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼ、例えばα−L−フコシダーゼ(または例えばα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを含む組成物)の生成物(例えば、飼料)への間接的もしくは直接的適用を意味する。使用されてよい適用方法の例としては、飼料添加用組成物を含む材料中で生成物を処理する方法、飼料添加用組成物を生成物と混合することにより直接適用する方法、飼料添加用組成物を生成物の表面上に噴霧する方法または生成物を飼料添加用組成物の調製物中に浸漬する方法が挙げられるが、それらに限定されない。1つの実施形態において、本発明の飼料添加用組成物は、好ましくは、生成物(例えば、飼料原料)と混合される。または、飼料添加用組成物は、飼料原料のエマルジョンもしくは生成分に含めることができる。これは、組成物が性能上の利点を付与することを可能にする。
用語「熱安定性」は、規定の温度へ加熱する前に添加物中で存在した/活性であった酵素の少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%もしくは98%の酵素が室温に冷却された後でもまだ存在する/活性であることを意味する。好ましくは、規定温度への加熱前に添加剤中に存在し、活性であった酵素成分の少なくとも約80%が、室温への冷却後に依然として存在し、活性である。
さらに、本明細書に記載したα−L−フコシダーゼ(もしくはα−L−フコシダーゼを含む組成物)は、粉末を生成するためにホモジナイズすることができる。
また別の好ましい実施形態では、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼ(もしくはα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを含む組成物)は、本明細書に参照により組み込まれる国際公開第2007/044968号パンフレット(TPT顆粒と呼ぶ)または国際公開第1997/016076号パンフレットもしくは同第1992/012645号パンフレットに記載された顆粒に処方することができる。「TPT」は、熱防護テクノロジーを意味する。
別の態様では、飼料添加用組成物が顆粒に配合される場合、顆粒は、タンパク質コアの全体を覆ってコーティングされる水和障壁塩を含む。このような塩コーティングの利点は、熱耐性の改善、貯蔵安定性の改善およびさもなければ酵素に対して有害効果を有する他の飼料用添加物からの保護である。好ましくは、塩コーティングに使用される塩は、0.25超の水分活性または20℃で60%超の恒湿を有する。一部の実施形態では、塩コーティングは、NaSOを含む。
α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼ(もしくはα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを含む組成物)を調製する方法は、さらに粉末をペレット化する工程をさらに含むことができる。粉末は、当分野において公知の他の成分と混合されてよい。粉末、または粉末を含む混合物は、ダイを通過させられてよく、得られたストランドは様々な長さの好適なペレットに切断される。
任意選択的に、ペレット化工程は、ペレット形成の前に、蒸気処理、またはコンディショニング段階を含むことができる。粉末を含む混合物は、コンディショナー、例えば、蒸気噴射装置を備えるミキサー内に配置することができる。混合物は、コンディショナー内で例えば60〜100℃などの規定温度まで加熱されるが、典型的温度は、70℃、80℃、85℃、90℃もしくは95℃であろう。滞留時間は、秒単位から分単位、および時間単位さえで変動する可能性がある。例えば、5秒間、10秒間、15秒間、30秒間、1分間、2分間、5分間、10分間、15分間、30分間および1時間。本明細書に記載したα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼ(もしくはα−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを含む組成物)は、任意の適切な飼料材料に添加するために好適であることは理解されるであろう。
当業者であれば、異なる動物は異なる飼料原料を必要とすること、および同じ動物であっても、その動物の飼育目的に応じて異なる飼料原料を必要とする可能性があることを理解できるであろう。
任意選択的に、飼料原料は、例えば、カルシウムなどの追加のミネラル類および/または追加のビタミン類も含有する可能性がある。一部の実施形態では、飼料原料は、コーン大豆ミールミックスである。
飼料原料は、典型的には、原材料が最初に好適な粒経に粉砕され、その後に適切な添加物と混合される飼料粉砕機中で生成される。その後、飼料原料はマッシュまたはペレットとして生産されてよい;後者は、典型的には、温度が標的レベルに上昇させられ、次に供給原料がダイを通過させられて特定のサイズのペレットが製造される。ペレットは冷却させられる。続いて、脂肪および酵素などの液体添加物を添加することができる。飼料原料の生産は、特に少なくとも蒸気の使用を含むことができる好適な技術によって、ペレット化の前に押出または膨張を含む追加の工程も包含することができる。
飼料原料は、家禽類(例えば、ブロイラー、産卵ニワトリ、ブロイラー種鳥、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、水鳥)およびブタ(全年齢カテゴリー)などの単胃動物、ウシ(例えば、乳牛もしくは雄牛(子ウシを含む))などの反芻動物、ウマ、ヒツジ、ペット(例えば、イヌ、ネコ)もしくは魚(例えば、無胃魚、有胃魚、サケなどの淡水魚、タラおよびコイ、例えばコイ(koi carp)、シーバスなどの海水魚ならびにエビ、イガイおよびホタテガイなどの甲殻類のための飼料原料であってよい。好ましくは、飼料原料はブタ用である。
飼料添加用組成物および/または同一物を含む飼料原料は、任意の好適な形態で使用されてよい。飼料添加用組成物は、固体もしくは液体調製物またはそれらの代替物の形態で使用することができる。固体調製物の例としては、湿潤型、スプレー乾燥型または凍結乾燥型であってよい粉末、ペースト、ボーラス、カプセル、ペレット、錠剤、ダストおよび顆粒が挙げられる。液体調製物の例としては、これらに限定されないが水溶液、有機もしくは水性有機溶液、懸濁剤およびエマルジョンが挙げられる。
一部の用途では、飼料添加用組成物は、飼料と混合されてよい、または飲料水中で投与されてよい。
本明細書で教示するフコシダーゼを飼料として許容される担体、希釈剤もしくは賦形剤と混合し、および(任意選択的に)包装する工程を含む飼料添加用組成物。
供給原料および/または飼料添加用組成物は、少なくとも1種のミネラルおよび/または少なくとも1種のビタミンと結合されてよい。このように得られた組成物は、本明細書ではプレミックスと呼ぶことができる。飼料原料は、少なくとも0.0001重量%の飼料添加物を含むことができる。好適には、飼料原料は、少なくとも0.0005重量%;少なくとも0.0010重量%;少なくとも0.0020重量%;少なくとも0.0025重量%;少なくとも0.0050重量%;少なくとも0.0100重量%;少なくとも0.020重量%;少なくとも0.100重量%;少なくとも0.200重量%;少なくとも0.250重量%;少なくとも0.500重量%の飼料添加物を含んでいてよい。
好ましくは、食品もしくは飼料添加用組成物は、さらに少なくとも1種の生理学上許容される担体を含むことができる。生理学上許容される担体は、好ましくは、マルトデキストリン、石灰石(炭酸カルシウム)、シクロデキストリン、コムギもしくはコムギ成分、スクロース、デンプン、NaSO、タルク、PVAおよびそれらの混合物の少なくとも1つから選択される。また別の実施形態では、食品もしくは飼料添加物は、さらに金属イオンキレート剤を含むことができる。金属イオンキレート剤は、EDTAもしくはクエン酸から選択されてよい。
一部の実施形態では、食品もしくは飼料添加用組成物は、α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼを少なくとも0.0001g/kg、0.001g/kg、少なくとも0.01g/kg、少なくとも0.1g/kg、少なくとも1g/kg、少なくとも5g/kg、少なくとも7.5g/kg、少なくとも10.0g/kg、少なくとも15.0g/kg、少なくとも20.0g/kg、少なくとも25.0g/kgのレベルで含む。一部の実施形態では、食品もしくは飼料添加物は、食品もしくは飼料材料に添加される場合に、飼料材料がα−L−フコシダーゼを1〜500mg/kg、1〜100mg/kg、2〜50mg/kgもしくは2〜10mg/kgの範囲内で含むようなレベルでα−L−フコシダーゼを含む。本発明の一部の実施形態では、食品もしくは飼料材料は、飼料もしくは食品材料1kg当たり少なくとも100、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、10,000、20,000、30,000、50,000、100,000、500,000、1,000,000もしくは2,000,000単位のα−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼを含む。一部の実施形態では、1単位のα−1,2−フコシダーゼ活性は、実施例2に記載したアッセイ条件下で2’−フコシルラクトースからの1分間当たり1μMのL−フコースの放出を触媒できる酵素の量であると規定することができる。
範囲には、上記で考察した下限および上限範囲の任意の組み合わせを含むことができるがそれらに限定されない。
α−1,2−フコシダーゼなどの本明細書に記載した任意のグリコシドヒドロラーゼおよび本明細書に記載した組成物を含む調製物は、調製物が活性酵素を含むことを証明するための任意の好適な方法で作製できる。そのような調製物は、液体、乾燥粉末もしくは顆粒としてであってよい。好ましくは、飼料添加用組成物は、飼料ペレット上もしくは中に添加するために好適な固体形にある。
乾燥粉末もしくは顆粒は、例えば、高剪断造粒、ドラム造粒、押出、球形化、流体床凝集、流体床スプレー乾燥などの当業者であれば公知の手段によって調製することができる。
α−L−フコシダーゼなどの本明細書に記載したグリコシドヒドロラーゼおよび本明細書に記載した組成物は、コーティングされてよい、例えばカプセル封入されてよい。1つの実施形態では、コーティングは酵素を熱から防護し、熱防護材であると見なすことができる。1つの実施形態では、コーティングは酵素を低pHから防護する。Eudragit(登録商標)は、使用できるコーティング材料の1つの例である。
本明細書に記載した飼料添加用組成物は、国際公開第2007/044968号パンフレット(TPT顆粒と呼ばれる)もしくは同第1997/016076号パンフレットもしくは同第1992/012645号パンフレットに記載された乾燥粉末もしくは顆粒に調製することができる(それらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。
1つの実施形態では、動物飼料は:コア;活性物質;および少なくとも1つのコーティングを含む飼料組成物のための顆粒として調製することができ、その顆粒の活性物質は、a)飼料ペレット化プロセス、b)蒸気加熱飼料前処理プロセス、c)貯蔵、d)非ペレット化混合物中の成分としての貯蔵、およびe)微量ミネラル、有機酸、還元糖、ビタミン類、塩化コリン、および酸性もしくは塩基性飼料基剤ミックスもしくは飼料プレミックスを結果として生じさせる化合物から選択される少なくとも1つの化合物を含む飼料基剤ミックスもしくは飼料プレミックス中の成分としての貯蔵の1つ以上から選択された条件後に少なくとも50%の活性、少なくとも60%の活性、少なくとも70%の活性、少なくとも80%の活性を維持している。
顆粒に関して、少なくとも1種のコーティングは、少なくとも55重量/重量%の顆粒を構成する水分水和材料を含むことができる;および/または少なくとも1種のコーティングは2種のコーティングを含むことができる。これら2種のコーティングは、水分水和コーティングおよび水分障壁コーティングであってよい。一部の実施形態では、水分水和コーティングは、顆粒の25重量/重量%〜60重量/重量%であってよく、水分障壁コーティングは顆粒の2重量/重量%〜15重量/重量%であってよい。水分水和コーティングは、無機塩、スクロース、デンプンおよびマルトデキストリンから選択されてよく、水分障壁コーティングは、ポリマー、ガム、ホエイおよびデンプンから選択されてよい。
顆粒は、飼料ペレット化プロセスを使用して生成することができ、飼料前処理プロセスは、例えば85℃〜95℃などの70℃〜95℃で数分間まで実施されてよい。
飼料添加用組成物は、コア;活性物質であって、顆粒が成分である場合に貯蔵後および蒸気加熱ペレット化プロセス後に少なくとも80%の活性を維持している顆粒の活性物質;水分障壁コーティング;および顆粒の少なくとも25重量/重量%である水分水和コーティングを含む動物飼料用の顆粒に調製することができ、顆粒は蒸気加熱ペレット化プロセス前に0.5未満の水分活性を有する。
顆粒は、ポリマーおよびガムから選択された水分障壁コーティングを有していてよく、水分水和材料は無機塩であってよい。水分水和コーティングは、顆粒の25重量/重量%〜45重量/重量%であってよく、水分障壁コーティングは顆粒の2重量/重量%〜10重量/重量%であってよい。
顆粒は、85℃〜95℃で数分間まで実施できる蒸気加熱ペレット化プロセスを使用して生成することができる。
または、本組成物は、好ましくは消費のために好適な液体調製物中に含まれ、そのような液体消費は次の:バッファー、塩、ソルビトールおよび/またはグリセロールの1つ以上を含有する。
さらに、飼料添加用組成物は、例えば粉砕コムギなどの担体基質上に酵素をスプレーする工程などの適用する工程によって調製することができる。
1つの実施形態では、飼料添加用組成物は、プレミックスとして調製することができる。一例として、プレミックスだけが例えば1種以上のミネラル類および/または1種以上のビタミン類などの1種以上の飼料成分を含むことができる。
1つの実施形態では、少なくとも1つのDFMおよび/またはα−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼ(カプセル封入されていてもいなくても)および/または少なくとも1つのプロテアーゼは、マルトデキストリン、石灰石(炭酸カルシウム)、シクロデキストリン、コムギもしくはコムギ成分、スクロース、デンプン、NaSO、タルク、PVA、ソルビトール、安息香酸塩、ソルベート、グリセロール、スクロース、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グルコース、パラベン、塩化ナトリウム、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、カルシウム、メタ重亜硫酸塩、ギ酸塩およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の生理学上許容される担体を用いて処方される。
一部の実施形態では、例えばα−L−フコシダーゼなどのグリコシドヒドロラーゼは、生理学上許容される担体中にあるであろう。好適な担体は、例えばタンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子などの緩徐に代謝される大きな高分子であってよい。医薬上許容される塩、例えば、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩および硫酸塩などの鉱酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩および安息香酸塩などの有機酸の塩を使用できる。治療用組成物中の医薬上許容される担体は、追加して水、食塩液、グリセロールおよびエタノールなどの液体を含有する可能性がある。さらに、そのような組成物中には、湿潤剤もしくは乳化剤またはpH緩衝物質などの補助物質が存在してよい。そのような担体は、医薬組成物を患者が摂取するための錠剤、ピル剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤および懸濁剤として処方することを可能にする。いったん処方されると、本発明の組成物は、被験者に直接的に投与することができる。治療対象の被験者は、動物であってよい。しかし、1つ以上の実施形態では、本組成物は、ヒト被験者に投与するために適応させられる。
本明細書に開示した組成物および方法の非限定的例としては、以下が挙げられる:
1. 腸病原性感染症および/または下痢を有することから動物を予防および/または治療する方法であって、ここで病原性感染症および/または下痢は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む方法。
2. グリコシドヒドロラーゼは、α−L−フコソシダーゼである、実施形態1の方法。
3. α−L−フコシダーゼは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)およびグリコシドヒドロラーゼファミリー29(GH29)からなる群から選択される、実施形態2の方法。
4. α−L−フコシダーゼは、単独もしくは(a)血液型A抗原を血液型H抗原に転換させる、または(b)血液型B抗原を血液型H抗原に転換させることのできる酵素と組み合わせてのいずれかで、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができる、実施形態2の方法。
5. 病原体は、F18線毛を発現する大腸菌(Escherichia coli)である、実施形態1の方法。
6. 本方法は、少なくとも1つの直接給与微生物と組み合わせて有効量のグリコシドヒドロラーゼもしくはα−L−フコシダーゼを動物に投与する工程をさらに含む、実施形態1または2の方法。
7. 本方法は、少なくとも1つの直接給与微生物および少なくとも1つのプロテアーゼと組み合わせて、有効量のグリコシドヒドロラーゼもしくはα−L−フコシダーゼを動物に投与する工程をさらに含む、実施形態6の方法。
8. α−L−フコシダーゼがカプセル封入されている、実施形態1または7のいずれかの方法。
9. α−L−フコシダーゼはカプセル封入されている、実施形態6の方法。
10. α−L−フコシダーゼおよび/または直接給与微生物および/またはプロテアーゼは、動物飼料もしくはプレミックス中で投与される、実施形態1または7のいずれかの方法。
11. α−L−フコシダーゼおよび/または直接給与微生物および/またはプロテアーゼは、動物飼料もしくはプレミックス中で投与される、実施形態6の方法。
12. α−L−フコシダーゼは、顆粒の形態にある、実施形態1または7のいずれかの方法。
11. α−L−フコシダーゼは、顆粒の形態にある、実施形態6の方法。
12. 腸病原性感染症および/または下痢を有する動物を予防および/または治療するための組成物であって、ここで病原性感染症は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、病原体結合部位から少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼを動物に投与する工程を含む組成物。
13. グリコシドヒドロラーゼは、α−L−フコソシダーゼである、実施形態12の組成物。
14. α−L−フコシダーゼは、グリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)およびグリコシドヒドロラーゼファミリー29(GH29)からなる群から選択される、実施形態13の組成物。
15. α−L−フコシダーゼは、単独もしくは(a)血液型A抗原を血液型H抗原に転換させる、または(b)血液型B抗原を血液型H抗原に転換させることのできる酵素と組み合わせてのいずれかで、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができる、実施形態13の組成物。
16. 病原体は、F18線毛を発現する大腸菌(Escherichia coli)である、実施形態12の方法。
17. 前記組成物は、少なくとも1つの直接給与微生物をさらに含む、実施形態12または13の組成物。
18. 前記組成物は、少なくとも1つの直接給与微生物および少なくとも1つのプロテアーゼをさらに含む、実施形態17の組成物。
19. α−L−フコシダーゼは、カプセル封入されている、実施形態12または18のいずれかの組成物。
20. α−L−フコシダーゼは、カプセル封入されている、実施形態17の組成物。
21. α−L−フコシダーゼおよび/または直接給与微生物および/またはプロテアーゼは、動物飼料もしくはプレミックスとして動物に投与される、実施形態12または18のいずれかの組成物。
22. α−L−フコシダーゼおよび/または少なくとも1つの直接給与微生物および/または少なくとも1つのプロテアーゼは、飼料もしくはプレミックスとして動物に投与される、実施形態17の組成物。
23. α−L−フコシダーゼは、顆粒形で投与される、実施形態12または18のいずれかの組成物。
24. α−L−フコシダーゼは、顆粒形で投与される、実施形態17の組成物。
他に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.,John Wiley and Sons,New York(1994)およびHale & Marham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、本開示で使用する用語の多数についての一般的辞書を当業者に提供する。
下記の実施例において本開示をさらに定義する。これらの実施例は、所定の実施形態を示しているが、単に説明のためにのみ提供されていると理解すべきである。上記の考察およびこれらの実施例から、当業者であれば、本発明の本質的な特徴を確証することができ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な使用および条件に適応させるために本開示を様々に変化させて、修飾を加えることができる。
一般的方法
標準組換えDNAおよび分子クローニング技術は、当分野において周知であり、Sambrook,J.and Russell,D.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(2001);およびSilhavy,T.J.,Bennan,M.L.and Enquist,L.W.,Experiments with Gene Fusions,Cold Spring Harbor Laboratory Cold Press Spring Harbor,NY(1984);およびMolecular Biology,5th Ed.Current Protocols and John Wiley and Sons,Inc.,N.Y.,2002の中でAusubel,F.M.et.al.,Short Protocolsによって記載されている。
実施例1
フコシダーゼの同定、クローニングおよび発現
文献による概説に基づくと、α−1,2−L−フコシダーゼは、2つのグリコシドヒドロラーゼ(GH)ファミリーであるGH29およびGH95(CaZy(炭水化物活性酵素)分類)に分類されている。これら2つのGHファミリーに属するタンパク質配列は、CaZyおよびNCBIデータベースから引き出し、ソフトウエアMega 6を使用して系統発生的に分析した。数種の代表的なGH95およびGH29フコシダーゼは、それらの系統発生的分布および発現のための生物学的起源(プロバイオティクス由来のフコシダーゼが好ましかった)を参照して選択した。発現させたフコシダーゼのリストは、表1に示した。
Figure 0006914250
A.枯草菌(Bacillus subtilis)中の細菌フコシダーゼのクローニングおよび発現
成熟細菌フコシダーゼ配列をコードする合成遺伝子をコドン最適化し、GeneRay(Shanghai,China)によって合成した。この合成遺伝子をp2JMおよびp3JMベクター内に挿入した(Vogtentanz(2007)Protein Expr.Purif.,55:40−52)。両方のベクター内にクローニングされた遺伝子は、aprEプロモーターの制御下にあるが、p2JMベクターがさらに枯草菌(B.subtilis)内での標的タンパク質分泌を指令するために使用されたaprEシグナル配列および標的タンパク質の分泌を促進するためにペプチドAla−Gly−LysをコードするAGK−プロAprEと称するオリゴヌクレオチドを含有する点が相違する。p3JMベクター内に挿入された遺伝子については、開始コドンおよび成熟タンパク質をコードする遺伝子配列がaprEプロモーターの直後に配置された。典型的なプラスミドマップは、図1Aおよび1Bに示した。
Illustra TempliPhi 100増幅キット(GE Healthcare Life Sciences,NJ)を使用してプラスミドを増幅させた。好適な枯草菌(B.subtilis)菌株は、当分野において公知の方法を使用して増副産物を用いて形質転換させた(国際公開第01/14490号パンフレット)。枯草菌(B.Subtilis)形質転換体は、5ppmのクロラムフェニコールが補給されたルリア寒天プレート上で選択した。形質転換プレートからのコロニーは、5mLのLB培地中に接種して37℃で一晩インキュベートした。これらのプラスミドを含んでいる枯草菌(B.Subtilis)形質転換体の選択的増殖は、37℃で40時間にわたり5ppmのクロラムフェニコールを含有するMBD培地(主要窒素源としての尿素、主要炭素源としてのグルコースおよび強固な細胞増殖のために4%ソイトンが補給された、MOPsバッファーをベースとする濃縮半合成培地)中で実施した。細胞は、遠心分離によって採取し、細胞および上清のどちらもSDS−PAGEによって分析した。細菌フコシダーゼ発現は、SDS−PAGEゲル上の可視タンパク質バンドを用いて確証した。
B.トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)中の選択されたフコシダーゼのクローニングおよび発現
真菌フコシダーゼ遺伝子は、予測タンパク質配列に基づいてコドン最適化し、GeneRay(Shanghai,China)によって合成した。合成遺伝子および増幅遺伝子の両方をpGXTベクター(公表されたPCT特許出願である国際公開第2015/017256号パンフレットに記載されたpTTpyr2と同一)内に挿入した。pGXTベクター内にクローニングされた遺伝子は、CBH1プロモーターの制御下にあり、発現のためには天然シグナルペプチドを使用した。典型的なプラスミドマップは、図2に示した。
好適なトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)菌株は、プロトプラスト形質転換(Te’o et al.(2002)J.Microbiol.Methods 51:393−99)を使用して発現プラスミドを用いて形質転換させた(公表されたPCT特許出願である国際公開第05/001036号パンフレット)。
形質転換体は、単独窒素源としてのアセトアミドを含有する培地上で選択した。アセトアミドプレート上での5日間の増殖後、形質転換体を収集し、グルコースおよびソホロースの混合物を含有する合成培地中で250mLの振とうフラスコ内で発酵させた。
発酵ブロスの上清は、濾過によって収集し、発現についてSDS−PAGEにかけた。
真菌フコシダーゼ発現は、SDS−PAGEゲル上の可視タンパク質バンドを用いて確証した。
実施例2
フコシルラクトース基質を使用するフコシダーゼの生化学的特性解析
1.粗培養上清中でのα−1,2−フコシダーゼ活性についてのアッセイ
活性α−1,2−フコシダーゼを同定するために、発現した細菌および真菌フコシダーゼの粗培養上清は、基質としての10mMの2’−フコシルラクトースを使用して37℃でアッセイした。反応は、5μLの粗サンプルをそれぞれ50mMの酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)中および50mMのNaOH−HEPESバッファー(pH8.2)中の45μLの基質溶液に加えることによって開始させた。酵素を使用せずに発現させた粗サンプルは、ブランクコントロールと同一条件下でアッセイした。10分後、放出されたL−フコースがK−フコースキット(Megazyme,Ireland)を使用して検出された。340nmでの吸光度として測定された、観察されたフコシダーゼ活性(酵素ブランクを減じた)を図3に報告した。
特異的α−1,2−フコシダーゼ活性の測定
詳細な特性解析のために数種の発現したフコシダーゼを精製した。精製フコシダーゼの特異的活性は、10mMの2’−フコシルラクトースを用いて測定した。反応前に、酵素溶液は、適切な用量(例えば、5ppm)から出発して6ラウンドにわたる2倍連続希釈によって調製した。反応は、5μLの希釈酵素サンプルもしくは水(ブランクコントロール)を50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)中の45μLの基質溶液に加えることによって開始させ、その後に10分間インキュベーションした。放出されたL−フコースはK−フコースキットを使用して検出した。用量反応曲線は、Y値としての吸光度変化およびX値としての酵素用量を用いて生成し、曲線の直線部分は、精製酵素サンプルの特異的活性の計算のために使用した。1単位のα−1,2−フコシダーゼ活性は、記載したアッセイ条件下で1分間当たりの1μMのL−フコースの放出を触媒できる酵素の量であると規定した。全フコシダーゼの特異的α−1,2−フコシダーゼ活性は、表2に示した。これらの条件下で、GH95ファミリーからの細菌α−1,2−フコシダーゼが他の酵素より高い特異的活性を示すことが観察された。
Figure 0006914250
実施例3
様々なフコシダーゼについてのpHおよび温度プロファイル
フコシダーゼをアッセイして、それらのpHおよび温度プロファイルを決定した。最適pHを決定するために、α−1,2−フコシダーゼ候補が37℃で2’−フコシルラクトースを加水分解する能力を3.0〜10.0の範囲内のpHを備える50mMの酢酸ナトリウム/HEPES/グリシンバッファー中で測定した。最適温度を決定するために、フコシダーゼ候補が50mMのリン酸ナトリウムバッファー中で2’−フコシルラクトースを加水分解する能力を30℃〜90℃の間の10℃間隔で測定した。全反応は2回ずつ実施し、10分間にわたり実施した。結果は、図4、5および表3に示した。
Figure 0006914250
実施例4
低pHおよびペプシンの存在下でのフコシダーゼ活性の評価
α−1,2−フコシダーゼ候補の低いpHおよびペプシン耐性でのフコシダーゼ活性を評価するために、酵素サンプルをそれぞれ50mMのグリシン−HClバッファー(pH3.5)および50mMの酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)中のペプシン(Sigma,Cat.No.P7000)とともにインキュベートした。100ppmのフコシダーゼを1:0、1:2.5、1:25および1:250の比率でペプシンと混合し、酵素混合物を37℃でインキュベートした。同時に、100ppmのフコシダーゼは37℃および4℃の50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)中で(コントロールとして)単独でインキュベートした。30分間のインキュベーション後、酵素サンプルを適切な用量に希釈し、続いて37℃の50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)中の2’−フコシルラクトースを用いてアッセイした。精製水は、同一条件下でブランクコントロールとしてアッセイした。残留α−1,2−フコシダーゼ活性は、100×の正味OD340(インキュベートした酵素)/正味OD340(4℃で貯蔵した酵素)として計算した。全反応は、2回ずつ実施した。図6Aおよび6Bに例示した結果は、細菌α−1,2−フコシダーゼがこのアッセイの酸性条件(pH3.5)に対して不耐性であり、低酸性条件(pH5.0)下では安定性であったことを証明している。
実施例5
様々な天然基質へのフコシダーゼ活性の評価
α−1,2−フコシダーゼ候補の加水分解活性をブタ胃ムチン(II型)およびH抗原三糖(I型)に対して評価した。40mg/mLのブタ胃ムチン(II型)の加水分解は、2および20ppmの酵素サンプルを使用してアッセイしたが、他方3mMのH抗原三糖(I型)の加水分解は、0.25ppmおよび1ppmの酵素サンプルを使用してアッセイした。どちらの反応も、実施例4の第2項に記載したアッセイ条件を使用して10分間実施した。全反応は37℃の50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.8)中で実施し、精製水をブランクコントロールとして同一条件下でアッセイした。精製水は、同一条件下でブランクコントロールとしてアッセイした。図7および8に例示したように、CRC08400を除くGH95フェミリ−からの細菌α−1,2−フコシダーゼは、ムチンおよびH抗原三糖(I型)両方に向けてより高い加水分解活性を提した。詳細には、CRC08392はムチン分解への最高活性を示したが(表4)、他方CRC08394およびCRC08401はH抗原三糖(I型)を加水分解する際に最も活性であった(図8)。
Figure 0006914250
実施例6
F18ETEC菌株のin vitro腸細胞培養への接着にフコシダーゼが及ぼす作用
新生子ブタ空腸由来IPEC−1(ACC=705;DSMZ,Braunschweig,Germany)細胞を96ウエルプレート(NUNC)内に播種し、16時間にわたり付着させた。コントロールウエルには細胞を含まない培養培地だけを装填し、コントロールとして機能させた。フコシダーゼはバッファー1(12.5mMのHEPES、141mMのNaCl、0.5mMのMgCl2、0.15mMのCaCl2、0.1%のゼラチン、pH6)中に希釈し、IPEC−1細胞もしくは培地単独を総容量100μL中の2、20もしくは200ppmの最終濃度で含有する96ウエルプレートに加えた。プレートを37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、プレートは、100μLのバッファー2(12.5mMのHEPES、141mMのNaCl、0.5mMのMgCl2、0.15mMのCaCl2、0.1%のゼラチン、pH7.4)を用いて洗浄した。IPEC−1細胞へのF18 ETECの接着は、本実験では免疫グロブリンとのインキュベーションを行わずにF18ETEC菌株を使用したことを除いて、本質的には、Hedegaard CJ,Strube ML,Hansen MB,Lindved BK,Lihme A,Boye M,et al.(2016).Natural Pig Plasma Immunoglobulins Have Anti−Bacterial Effects:Potential for Use as Feed Supplement for Treatment of Intestinal Infections in Pigs.PLoS ONE 11(1):e0147373に記載されたように測定した。
実施例7
減少したin vivoでのF18 ETECコロニー形成にフコシダーゼが及ぼす作用
A.制御放出フコシダーゼ顆粒の調製
制御放出フコシダーゼ顆粒は、下記の表5に示した式を使用して調製した。ベクターFL−1流体床コーター内に、150〜355μに篩過した670gの硫酸ナトリウム結晶(Minera Santa Marta,Spain)を顆粒コアとして加えた。コアは、70℃の入口温度および50cfmの流動化気流で流体化させた。Erkol5−88(Erkol Corporation,Guardo,Spain)部分加水分解ポリビニルアルコールの250gの16重量/重量%の水溶液と一緒にしっかりと混合した、400gの25重量/重量%のフコシダーゼ酵素限外濾過濃縮液からなる酵素溶液を調製した。「SP1」と指名された酵素−PVA溶液は、20psiの霧化圧および7g/分のスプレー速度で、70℃の入口温度を維持しながら、30分後に12g/分へ増加させながら流体化コア上にスプレーした。PVA/タルク溶液(SP2)は、250gの15重量/重量%のPVA溶液を200gの30%のタルク懸濁液と結合することによって調製した。PVA/タルク溶液は、上記の入口温度および霧化圧を維持しながら、10g/分の速度で酵素がコーティングされたコア上にスプレーした。2kgの25重量/重量%の硫酸ナトリウム溶液(SP3)は、上記の入口温度および霧化圧を維持しながら、15g/分のスプレー速度でPVA/タルクコーティングコア上にスプレーした。
最後に、制御放出コーティング(SP4)は、上記の入口温度および霧化圧を維持しながら、1,200gの30重量/重量%のEudragit L30 D−55ラテックス懸濁液(Evonik Corporation,Kennesaw,Georgia)を800gの30重量/重量%のタルクの懸濁液と結合することによって調製した。ベクターFL−1コーターから、2,000gの制御放出フコシダーゼ顆粒を収穫した。
Figure 0006914250
B.減少したF18 ETECコロニー形成にフコシダーゼ食が及ぼす作用
実施例7のA項の制御放出フコシダーゼ顆粒を1,000g/トンの用量でコーン大豆飼料と結合した。顆粒は離乳期の子ブタに供給した。制御放湿コーティングは、フコシダーゼが胃(およそpH3)の通過中に放出されるのを防止するが、フコシダーゼ酵素を子ブタの腸管内に放出させ、そこでフコシダーゼはグリカンからα1,2フコース基を除去した;これにより、腸管毒素原性F18大腸菌(E.coli)および関連下痢による腸内でのコロニー形成の可能性を有意に減少させる。
実施例8
小腸(空腸)由来の組織サンプル由来のフコースのフコシダーゼ誘導性放出の評価
およそ1cmの組織サンプルを血液型が不明の2匹の異なる24日齢の子ブタ由来の空腸から入手した(子ブタ_1および子ブタ_2)。これらの組織サンプルを12mLの試験管内に配置し、100ppmのフコシダーゼCRC08392を含む、または含まない3mLのアッセイバッファー(アッセイバッファー:50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6)+137mMのNaCl、2.7mMのKCl)で被覆した。(対応するアクセッション番号については表1を参照されたい。)サンプルを37℃で1時間インキュベートした。次に、インキュベーター内に残留したサンプルの残りから1アリコートを取り出した。サンプルは、卓上遠心分離機を用いて沈降させた。上清を遠心濾過装置(10kDAのカットオフ値を備える)に移し、約1時間遠心した。放出されたフコースは、マイクロプレートアッセイ法についての製造業者の取扱説明書にしたがって、MegazymeからのL−フコースキットを使用して定量した。
図11に描出した結果は、フコースが、フコシダーゼ(アクセッション番号AAQ72464を有するCRC08392(表1))を使用すると組織サンプルから放出されたことを示している。これらのin vitro結果はこのフコシダーゼがin vivoで使用された場合に予想された結果と相関する可能性があると思われる。

Claims (11)

  1. 腸病原性感染症および/または下痢から非ヒト動物を予防および/または治療する方法であって、ここで前記病原性感染症および/または下痢は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、前記病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、前記病原体結合部位から前記少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)α−L−フコシダーゼを前記動物に投与する工程を含む方法。
  2. 腸病原性感染症および/または下痢を有する動物を予防および/または治療するための組成物であって、ここで前記病原性感染症は動物腸細胞に結合できる病原体によって誘発され、前記病原体の前記結合は少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分で置換された少なくとも1つのグリカン構造を有する病原体結合部位の存在に依存し、前記動物に前記病原体結合部位から前記少なくとも1つのα−1,2−L−フコース部分を除去することができる有効量のグリコシドヒドロラーゼファミリー95(GH95)α−L−フコシダーゼを含む組成物。
  3. 前記GH95α−L−フコシダーゼは、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィヅム(Bifidobacterium bifidum)、バクテロイデス・ヘルコゲネス(Bacteroides helcogenes)、またはバクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)に由来する、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記GH95α−L−フコシダーゼが、グリカン含有構造から末端α−1,2−結合フコース基を除去することができる、請求項2に記載の組成物。
  5. 前記GH95α−L−フコシダーゼは、(a)血液型A抗原を血液型H抗原に転換させる、または(b)血液型B抗原を血液型H抗原に転換させることのできるさらなる酵素をさらに含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記病原体は、F18線毛を発現する大腸菌(Escherichia coli)である、請求項2に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、少なくとも1つの直接給与微生物をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
  8. 前記組成物は、少なくとも1つの直接給与微生物および少なくとも1つのプロテアーゼをさらに含む、請求項2に記載の組成物。
  9. 前記GH95α−L−フコシダーゼは、カプセル封入されている、請求項2に記載の組成物。
  10. 前記GH95α−L−フコシダーゼおよび/または前記直接給与微生物および/または前記プロテアーゼは、動物飼料もしくはプレミックス中で投与される、請求項8に記載の組成物。
  11. 前記GH95α−L−フコシダーゼは、顆粒の形態である、請求項2に記載の組成物。
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