JP6913213B2 - 人工知能構築装置、情報提供システム、人工知能構築方法及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、人工知能構築装置、情報提供システム、人工知能構築方法及びプログラムに関する。
ニューラルネットワーク等の人工知能に関する実用例は多数提案されている。例えば、特許文献1には、ニューラルネットワークの追加学習において、過学習とデータセットの組み合わせによる負の転移に左右されないデータ学習を実施することが可能な追加学習装置について記載されている。
人工知能を使ってビジネスを展開する場合、顧客に応じて構築した学習済み人工知能を第三者に改ざん、盗難されないようにする必要がある。しかしながら、現状では、学習済み人工知能は営業秘密、契約等で守る以外に術がなく、サービス提供者は、自身で学習済み人工知能を保護する取り組みが必要である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、学習済み人工知能を強固に保護することが可能な人工知能構築装置、情報提供システム、人工知能構築方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、人工知能構築装置は、学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め複数の記録装置に分散記録された分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、当該パラメータ群を取得するパラメータ群取得部と、前記パラメータ群の各々の、前記学習済みの人工知能における適用箇所を特定可能な情報が規定された設計情報を取得する設計情報取得部と、取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の少なくとも一部を構築する人工知能構築部と、を備える。
本発明の第2の態様によれば、人工知能構築方法は、学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め複数の記録装置に分散記録された分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、当該パラメータ群を取得するステップと、前記パラメータ群の各々の、前記学習済みの人工知能における適用箇所を特定可能な情報が規定された設計情報を取得するステップと、取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の少なくとも一部を構築するステップと、を有する。
本発明の第3の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め複数の記録装置に分散記録された分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、当該パラメータ群を取得するステップと、前記パラメータ群の各々の、前記学習済みの人工知能における適用箇所を特定可能な情報が規定された設計情報を取得するステップと、取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の少なくとも一部を構築するステップと、を実行させる。
上述の人工知能構築装置、情報提供システム、人工知能構築方法及びプログラムによれば、学習済み人工知能を強固に保護することができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
(情報提供システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムの全体構成を示す図である。
第1の実施形態に係る情報提供システム1は、学習済みの人工知能を用いて顧客が所望する支援情報を提供する。例えば、情報提供システム1は、発電プラントを運用する顧客Aに対し、当該発電プラントの異常予兆診断情報、電力需要予測情報等の支援情報を提供する。情報提供システム1は、顧客Aが保有する発電プラントについて予め学習済みの人工知能αを用いて、上記支援情報を提供する。
人工知能αは、例えば、顧客Aが保有する発電プラントの、過去5年のプラントデータ群(出力電力、運転指令、各種計器類の検出値等)を教師データとして最適化(学習)が施されたものであってよい。このようにして作成された学習済みの人工知能αは、発電プラントの運転中におけるプラントデータ群を逐次入力するとともに、当該プラントデータ群に基づいて発電プラントの将来の状態を示す上記支援情報を出力することができる。 なお、本実施形態において、人工知能αは、複数段の層構造をなすニューラルネットワークであるものとする。ただし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
図1は、第1の実施形態に係る情報提供システムの全体構成を示す図である。
第1の実施形態に係る情報提供システム1は、学習済みの人工知能を用いて顧客が所望する支援情報を提供する。例えば、情報提供システム1は、発電プラントを運用する顧客Aに対し、当該発電プラントの異常予兆診断情報、電力需要予測情報等の支援情報を提供する。情報提供システム1は、顧客Aが保有する発電プラントについて予め学習済みの人工知能αを用いて、上記支援情報を提供する。
人工知能αは、例えば、顧客Aが保有する発電プラントの、過去5年のプラントデータ群(出力電力、運転指令、各種計器類の検出値等)を教師データとして最適化(学習)が施されたものであってよい。このようにして作成された学習済みの人工知能αは、発電プラントの運転中におけるプラントデータ群を逐次入力するとともに、当該プラントデータ群に基づいて発電プラントの将来の状態を示す上記支援情報を出力することができる。 なお、本実施形態において、人工知能αは、複数段の層構造をなすニューラルネットワークであるものとする。ただし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
図1に示すように、情報提供システム1は、情報提供装置10と、分散型記録システム2とを有してなる。
情報提供装置10は、顧客Aの端末装置(情報処理装置)に対して支援情報を提供(送信)する。本実施形態において、情報提供装置10は、サービス提供者(発電プラントについての支援情報の提供者)が所持するものであって、顧客Aの端末装置とは、公共又は専用の通信回線を通じて通信可能に接続されている。
情報提供装置10は、顧客Aの端末装置(情報処理装置)に対して支援情報を提供(送信)する。本実施形態において、情報提供装置10は、サービス提供者(発電プラントについての支援情報の提供者)が所持するものであって、顧客Aの端末装置とは、公共又は専用の通信回線を通じて通信可能に接続されている。
図1に示すように、分散型記録システム2は、広域通信ネットワークで接続された複数の記録装置20を有してなる。記録装置20は、分散型記録システム2の「ノード」を構成するコンピュータである。複数の記録装置20は、ピアツーピア通信により、互いに同期を取り合い、常に同一の情報が記録されている状態を維持する。また、一つのノード(記録装置20)において記録情報の改ざんがあった場合には、多数決等によって正当な記録情報が決定され、直ちに、改ざんデータが修正される。
また、分散型記録システム2は、ブロックチェーンを適用した分散型記録システムである。ブロックチェーンは、「ブロック」と呼ばれるデータの単位を一定時間ごとに生成し、鎖(チェーン)のように連結していくことによりデータを保管するデータベースである。一つのブロックに含まれるデータを改ざんしようとした場合、当該ブロックに連結された他のブロックとの整合性が失われるため、改ざんがあったことが直ちに発覚する。
以上のように、分散型記録システム2は、データの改ざんが極めて困難な記録システムを実現している。
なお、分散型記録システム2はブロックチェーンを適用した上記態様に限定されるものではない。他の実施形態においては、複数ノードからなる分散型記録システムであって、合意形成によりデータの登録・管理を行う仕組みを有する態様であれば、如何なる態様であってもよい。
また、分散型記録システム2は、ブロックチェーンを適用した分散型記録システムである。ブロックチェーンは、「ブロック」と呼ばれるデータの単位を一定時間ごとに生成し、鎖(チェーン)のように連結していくことによりデータを保管するデータベースである。一つのブロックに含まれるデータを改ざんしようとした場合、当該ブロックに連結された他のブロックとの整合性が失われるため、改ざんがあったことが直ちに発覚する。
以上のように、分散型記録システム2は、データの改ざんが極めて困難な記録システムを実現している。
なお、分散型記録システム2はブロックチェーンを適用した上記態様に限定されるものではない。他の実施形態においては、複数ノードからなる分散型記録システムであって、合意形成によりデータの登録・管理を行う仕組みを有する態様であれば、如何なる態様であってもよい。
本実施形態に係る分散型記録システム2の各ノード(記録装置20)には、学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め分散記録されている。本実施形態に係るパラメータ群とは、例えば、顧客Aの過去のプラントデータ群に基づく最適化(学習)の結果、導き出された数値群であって、人工知能αを固有に特徴づけるものである。本実施形態において、ここで記録されるパラメータ群の各々は、ニューラルネットワークをなす各ユニット(後述)間の“重み値”として適用される。
なお、本実施形態に係る分散型記録システム2は、サービス提供者がその全体(全ての記録装置20)を所持、管理する態様であるものとして説明するが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。他の実施形態においては、例えば、分散型記録システム2を構成する一部の記録装置20をサービス提供者が所持及び管理し、他の記録装置20を顧客(顧客A)が所持及び管理する態様であってもよい。また、クラウドサービスを提供する第三者が、分散型記録システム2全体を所持及び管理する態様であってもよい。
更に、図1においては、情報提供装置10と、分散型記録システム2を構成する各記録装置20とがハードウェアとして別々に存在する図示しているが、これに限られない。実施形態によっては、情報提供装置10が、分散型記録システム2のノード(記録装置20)の一つを兼ねて機能する態様であってもよい。また、実施形態によっては、顧客(顧客A)の所有する端末装置(支援情報の提供を受ける情報処理装置)が分散型記録システム2のノードの一つを兼ねて機能する態様であってもよい。
更に、図1においては、情報提供装置10と、分散型記録システム2を構成する各記録装置20とがハードウェアとして別々に存在する図示しているが、これに限られない。実施形態によっては、情報提供装置10が、分散型記録システム2のノード(記録装置20)の一つを兼ねて機能する態様であってもよい。また、実施形態によっては、顧客(顧客A)の所有する端末装置(支援情報の提供を受ける情報処理装置)が分散型記録システム2のノードの一つを兼ねて機能する態様であってもよい。
(情報提供装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る情報提供装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、CPU100と、メモリ11と、操作部12と、表示部13と、記録媒体14と、外部接続インターフェイス15とを備えている。 CPU100は、情報提供装置10の動作全体を司るプロセッサ(演算装置)である。CPU100は、記録媒体14等に格納されたプログラムやデータをメモリ11上に読み出し、処理を実行することで、後述する各機能を実現する。
メモリ11は、CPU100のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。
操作部12は、例えば、マウス、タッチパネル及びキーボード等で構成され、操作者(ユーザ)の指示を受けてCPU100に各種操作等を入力する。
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイにより実現され、CPU100による処理結果を表示する。
記録媒体14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により実現され、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
外部接続インターフェイス15は、外部装置とのインターフェイスである。本実施形態において、外部装置とは、支援情報を提供する顧客Aの端末装置、分散型記録システム2の各ノード(記録装置20)である。
図2は、第1の実施形態に係る情報提供装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、CPU100と、メモリ11と、操作部12と、表示部13と、記録媒体14と、外部接続インターフェイス15とを備えている。 CPU100は、情報提供装置10の動作全体を司るプロセッサ(演算装置)である。CPU100は、記録媒体14等に格納されたプログラムやデータをメモリ11上に読み出し、処理を実行することで、後述する各機能を実現する。
メモリ11は、CPU100のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。
操作部12は、例えば、マウス、タッチパネル及びキーボード等で構成され、操作者(ユーザ)の指示を受けてCPU100に各種操作等を入力する。
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイにより実現され、CPU100による処理結果を表示する。
記録媒体14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等により実現され、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び各種データを記憶する。
外部接続インターフェイス15は、外部装置とのインターフェイスである。本実施形態において、外部装置とは、支援情報を提供する顧客Aの端末装置、分散型記録システム2の各ノード(記録装置20)である。
次に、本実施形態に係るCPU100の各種機能について説明する。
パラメータ群取得部101は、分散型記録システム2に含まれる一つの記録装置20を参照して、学習済みの人工知能(例えば、顧客A向けの人工知能α)を特徴づけるパラメータ群を取得する。
設計情報取得部102は、学習済みの人工知能についての設計情報を取得する。ここで、「設計情報」とは、パラメータ群取得部101が取得したパラメータ群の各々の、学習済みの人工知能(人工知能α)における適用箇所を特定可能な情報である。
人工知能構築部103は、パラメータ群取得部101が取得したパラメータ群と、設計情報取得部102が取得した設計情報とに基づいて、学習済みの人工知能を構築する。 支援情報送信部104は、人工知能構築部103によって構築された人工知能の少なくとも一部から出力される支援情報を顧客の端末装置に送信する。
パラメータ群取得部101は、分散型記録システム2に含まれる一つの記録装置20を参照して、学習済みの人工知能(例えば、顧客A向けの人工知能α)を特徴づけるパラメータ群を取得する。
設計情報取得部102は、学習済みの人工知能についての設計情報を取得する。ここで、「設計情報」とは、パラメータ群取得部101が取得したパラメータ群の各々の、学習済みの人工知能(人工知能α)における適用箇所を特定可能な情報である。
人工知能構築部103は、パラメータ群取得部101が取得したパラメータ群と、設計情報取得部102が取得した設計情報とに基づいて、学習済みの人工知能を構築する。 支援情報送信部104は、人工知能構築部103によって構築された人工知能の少なくとも一部から出力される支援情報を顧客の端末装置に送信する。
(分散型記録システムのデータ構造)
図3は、第1の実施形態に係る分散型記録システムのデータ構造を示す図である。
分散型記録システム2の一つのノード(記録装置20)には、複数のブロックBが連結されるように記録され、ブロックデータベースを構成している。これらのブロックデータベースは、全てのノードにおいて同期がとられ、原則として全てのノードに同一の情報(ブロックデータベース)が記録されている。
図3は、第1の実施形態に係る分散型記録システムのデータ構造を示す図である。
分散型記録システム2の一つのノード(記録装置20)には、複数のブロックBが連結されるように記録され、ブロックデータベースを構成している。これらのブロックデータベースは、全てのノードにおいて同期がとられ、原則として全てのノードに同一の情報(ブロックデータベース)が記録されている。
具体的には、図3に示すように、ブロックBには、時系列上、一つ前に生成されたブロックBのハッシュ値Hが含まれる。当該ブロックBよりも一つ前に生成されたブロックBが改ざんされた場合には、このハッシュ値Hとの整合性によって判別が可能となる。
また、ブロックBには、ある時間帯に発行された複数のトランザクションTが含まれる。本実施形態における「トランザクション」とは、分散型記録システム2の利用者が、当該分散型記録システム2に向けて発行した記録要求の一単位である。本実施形態においては、利用者は、ある学習済みの人工知能(人工知能α)のうちのある一層に適用されるパラメータセット(W11、W12、W13、・・)について、一つの記録要求を発行する。
なお、一つのブロックBに含まれる各トランザクションTに記録されるパラメータセットは、一つの人工知能(人工知能α)についてのパラメータセットのみとは限らない。複数人の利用者が、同時多発的に、異なる人工知能のパラメータセットについて記録要求を発行した場合には、一つのブロックの中には、異なる人工知能についてのパラメータセットが記録されたトランザクションTが含まれ得る。例えば、ある一つのブロックBには、顧客B向けに学習された人工知能βの第X層に適用されるパラメータセットを有するトランザクションTや、顧客C向けに学習された人工知能γの第Y層に適用されるパラメータセットを有するトランザクションTなどが順不同に含まれ得る。ただし、各トランザクションTに記録される情報は、あくまで、いずれかの人工知能のいずれかの層に適用されるべきパラメータセット(W11、W12、W13、・・)の数値と当該トランザクションTが発行された時刻情報のみである。即ち、トランザクションTには、そのパラメータセットが、どの人工知能の第何層に適用されるパラメータセットかを判別する情報は含まれていない。
また、ブロックBには、ある時間帯に発行された複数のトランザクションTが含まれる。本実施形態における「トランザクション」とは、分散型記録システム2の利用者が、当該分散型記録システム2に向けて発行した記録要求の一単位である。本実施形態においては、利用者は、ある学習済みの人工知能(人工知能α)のうちのある一層に適用されるパラメータセット(W11、W12、W13、・・)について、一つの記録要求を発行する。
なお、一つのブロックBに含まれる各トランザクションTに記録されるパラメータセットは、一つの人工知能(人工知能α)についてのパラメータセットのみとは限らない。複数人の利用者が、同時多発的に、異なる人工知能のパラメータセットについて記録要求を発行した場合には、一つのブロックの中には、異なる人工知能についてのパラメータセットが記録されたトランザクションTが含まれ得る。例えば、ある一つのブロックBには、顧客B向けに学習された人工知能βの第X層に適用されるパラメータセットを有するトランザクションTや、顧客C向けに学習された人工知能γの第Y層に適用されるパラメータセットを有するトランザクションTなどが順不同に含まれ得る。ただし、各トランザクションTに記録される情報は、あくまで、いずれかの人工知能のいずれかの層に適用されるべきパラメータセット(W11、W12、W13、・・)の数値と当該トランザクションTが発行された時刻情報のみである。即ち、トランザクションTには、そのパラメータセットが、どの人工知能の第何層に適用されるパラメータセットかを判別する情報は含まれていない。
また、本実施形態においては、トランザクションTには、ある一つの学習済みの人工知能を構築するために必要な情報である設計情報が記録され得る。設計情報には、各トランザクションTに記録されるパラメータセットの各々の適用箇所(どの人工知能の第何層に適用されるか)を特定可能な情報が規定されている。また、設計情報は、人工知能の開発者によって予め規定された暗号鍵を用いて暗号化された状態で分散型記録システム2に記録される。設計情報のデータ構造については後述する(図6参照)。
(情報提供装置の処理フロー)
図4は、第1の実施形態に係る情報提供装置の処理フローを示す図である。
また、図5は、第1の実施形態に係る顧客情報のデータ構造を示す図である。
また、図6は、第1の実施形態に係る設計情報のデータ構造を示す図である。
また、図7は、第1の実施形態に係る情報提供装置の機能を説明するための図である。 以下、図4〜図7を参照しながら、情報提供装置10の処理の流れを詳細に説明する。
図4は、第1の実施形態に係る情報提供装置の処理フローを示す図である。
また、図5は、第1の実施形態に係る顧客情報のデータ構造を示す図である。
また、図6は、第1の実施形態に係る設計情報のデータ構造を示す図である。
また、図7は、第1の実施形態に係る情報提供装置の機能を説明するための図である。 以下、図4〜図7を参照しながら、情報提供装置10の処理の流れを詳細に説明する。
図4に示す処理フローは、人工知能を用いた顧客向けサービスを開始するにあたり、当該顧客に対応する人工知能(例えば、顧客A向けの学習を完了した人工知能α)を情報提供装置10内に構築する時点で実施される。
情報提供装置10は、顧客Aに向けて支援情報の提供を開始するにあたり、顧客A向けの学習を完了した人工知能αの構築を行う。具体的には、情報提供装置10の設計情報取得部102は、予め用意された顧客情報を参照して、分散型記録システム2に記録されている人工知能αについての設計情報を取得する(ステップS01)。
ここで、図5に示すように、顧客情報には、各顧客に対応する人工知能の識別子である「人工知能ID」、当該設計情報の分散型記録システム2における格納場所を示す「設計情報のアドレス」、及び、当該設計情報を復号するための「復号鍵」が対応付けられて記録されている。
なお、図5に示す顧客情報は、本実施形態においては、情報提供装置10に具備されたローカルな記録媒体14(図2)に予め用意されているものとするが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態において、顧客情報は、情報提供装置10とは異なる他の端末装置に記録される態様であってもよい。
なお、図5に示す顧客情報は、本実施形態においては、情報提供装置10に具備されたローカルな記録媒体14(図2)に予め用意されているものとするが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態において、顧客情報は、情報提供装置10とは異なる他の端末装置に記録される態様であってもよい。
ステップS01において、設計情報取得部102は、顧客情報を参照して、顧客A向けの学習が完了した人工知能α(人工知能ID=#0001)の設計情報のアドレスと、その設計情報を復号化するための復号鍵を取得する。次に、設計情報取得部102は、分散型記録システム2を構成する記録装置20のうちの一つにアクセスして人工知能αの設計情報(暗号化されたもの)を取得する。更に、設計情報取得部102は、対応する復号鍵を用いて、暗号化された設計情報を復号化し、図6に示すような設計情報を取得する。
図6に示すように、設計情報には、「人工知能ID」、「層」番号、「ユニット」、「パラメータのアドレス」、及び、当該設計情報の記録要求に係るトランザクションTが発行された「時刻」が対応付けて記録されている。
「人工知能ID」は、学習済みの人工知能(人工知能α)を特定するための識別子である。
「層」は、人工知能αを構成するニューラルネットワークの層についての識別子である。
「ユニット」は、各層を構成する複数のユニット(u11、u12、・・)の各々を規定している。「ユニット」とは、ニューラルネットワークの構成要素の最小単位であって、「ニューロン」とも呼ばれる。一つのユニットは、その前段の層に属するユニットの出力値を受け付けて、その出力値を変数とする所定の関数の演算を行い、その演算結果を次の層に属する他のユニットに向けて出力する。各ユニットを構成する関数、入力元、出力先等についてはこの「ユニット」の欄に一意に規定されている。
「パラメータのアドレス」は、各層に適用されるパラメータセットの、分散型記録システム2における格納先を示すアドレスである。
「人工知能ID」は、学習済みの人工知能(人工知能α)を特定するための識別子である。
「層」は、人工知能αを構成するニューラルネットワークの層についての識別子である。
「ユニット」は、各層を構成する複数のユニット(u11、u12、・・)の各々を規定している。「ユニット」とは、ニューラルネットワークの構成要素の最小単位であって、「ニューロン」とも呼ばれる。一つのユニットは、その前段の層に属するユニットの出力値を受け付けて、その出力値を変数とする所定の関数の演算を行い、その演算結果を次の層に属する他のユニットに向けて出力する。各ユニットを構成する関数、入力元、出力先等についてはこの「ユニット」の欄に一意に規定されている。
「パラメータのアドレス」は、各層に適用されるパラメータセットの、分散型記録システム2における格納先を示すアドレスである。
次に、図4において、情報提供装置10のパラメータ群取得部101は、人工知能αの各層に適用されるべきパラメータセットを取得する(ステップS02)。ここで、パラメータ群取得部101は、ステップS01で取得された設計情報(図6)を参照して、人工知能α(人工知能ID=#0001)の各層に適用すべきパラメータセットの格納場所(アドレス)を取得する。そして、パラメータ群取得部101は、分散型記録システム2を構成する記録装置20のうちの一つにアクセスし、設計情報から取得したアドレス(ブロックB及びトランザクションTを特定可能なアドレス)に基づき、層ごとに適用すべきパラメータセット(W11、W12、・・)を取得する(図3参照)。
次に、図4において、情報提供装置10の人工知能構築部103は、ステップS01で取得した人工知能αについての設計情報と、ステップS02で取得した人工知能αの各層に適用すべきパラメータセットと、を用いて人工知能αを構築する(ステップS03)。具体的には、人工知能構築部103は、設計情報に規定されたある層に属する各ユニットの出力に、その層に対応するパラメータセット(設計情報に規定されたアドレスから読み出したパラメータセット)を重み値として適用する。
例えば、人工知能構築部103は、図7に示すように、第1層の各ユニットu11、u12、u13、・・の各出力に対し、設計情報に記録された“B0000XX:T0000XX”なるアドレス(図6)に指定されたトランザクションT(図3)を参照する。そして、人工知能構築部103は、パラメータセット(W11、W12、W13、・・)の各々を第1層の各ユニットu11、u12、・・の各出力の重み値とする。ここで、例えば、パラメータW11は、第1層におけるユニットu11から第2層におけるユニットu21への出力値に適用される(乗算される)重み値である。また、パラメータW12は、第1層におけるユニットu11から第2層におけるユニットu22への出力値に適用される重み値である。同様に、パラメータW21は、第1層におけるユニットu12から第2層におけるユニットu21への出力値に適用される重み値である。以下、同様に、各ユニットから次の層のユニットへの出力値に、各パラメータが重み値として適用される。
更に、人工知能構築部103は、図7に示すように、第2層の各ユニットu21、u22、u23、・・の各出力に対し、設計情報に記録された“B0000YY:T0000YY”なるアドレス(図6)に指定されたトランザクションTを参照し、パラメータセット(W11、W12、W13、・・)の各々を重み値として適用する。
同様に、人工知能構築部103は、第3層、第4層、・・の各ユニットの出力に、各々の層に対応するパラメータW11、W12、・・を適用することで人工知能αを構築する。
例えば、人工知能構築部103は、図7に示すように、第1層の各ユニットu11、u12、u13、・・の各出力に対し、設計情報に記録された“B0000XX:T0000XX”なるアドレス(図6)に指定されたトランザクションT(図3)を参照する。そして、人工知能構築部103は、パラメータセット(W11、W12、W13、・・)の各々を第1層の各ユニットu11、u12、・・の各出力の重み値とする。ここで、例えば、パラメータW11は、第1層におけるユニットu11から第2層におけるユニットu21への出力値に適用される(乗算される)重み値である。また、パラメータW12は、第1層におけるユニットu11から第2層におけるユニットu22への出力値に適用される重み値である。同様に、パラメータW21は、第1層におけるユニットu12から第2層におけるユニットu21への出力値に適用される重み値である。以下、同様に、各ユニットから次の層のユニットへの出力値に、各パラメータが重み値として適用される。
更に、人工知能構築部103は、図7に示すように、第2層の各ユニットu21、u22、u23、・・の各出力に対し、設計情報に記録された“B0000YY:T0000YY”なるアドレス(図6)に指定されたトランザクションTを参照し、パラメータセット(W11、W12、W13、・・)の各々を重み値として適用する。
同様に、人工知能構築部103は、第3層、第4層、・・の各ユニットの出力に、各々の層に対応するパラメータW11、W12、・・を適用することで人工知能αを構築する。
次に、図4において、情報提供装置10の支援情報送信部104は、ステップS03で構築された人工知能αを用いて、顧客Aに支援情報を送信する(ステップS04)。ここで、支援情報送信部104は、図7に示すように、構築された人工知能αに、顧客Aの発電プラントから逐次供給されるプラントデータ群を入力する。そして、支援情報送信部104は、人工知能αの出力として得られる支援情報を、顧客Aに向けて送信する。
(作用、効果)
以上、第1の実施形態に係る情報提供システム1は、学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群を、分散型記録システム2に記録保存しておくとともに、当該パラメータ群から人工知能を構築するための情報が集約された設計情報を別途用意しておく。このようにすることで、分散型記録システム2に記録されたパラメータ群は、改ざんに対し強固に保護されている。また、分散型記録システム2に記録されている各パラメータ群は、それだけでは意味をなさないデータの集まりに過ぎないため、第三者の不正なアクセスにより人工知能αを盗用される恐れもない。
以上、第1の実施形態に係る情報提供システム1は、学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群を、分散型記録システム2に記録保存しておくとともに、当該パラメータ群から人工知能を構築するための情報が集約された設計情報を別途用意しておく。このようにすることで、分散型記録システム2に記録されたパラメータ群は、改ざんに対し強固に保護されている。また、分散型記録システム2に記録されている各パラメータ群は、それだけでは意味をなさないデータの集まりに過ぎないため、第三者の不正なアクセスにより人工知能αを盗用される恐れもない。
また、第1の実施形態に係る情報提供システム1では、設計情報そのものも分散型記録システム2における一つのトランザクションTとして記録されている。そして、設計情報取得部102は、分散型記録システム2に含まれる一の記録装置20を参照して設計情報を取得する。このようにすることで、設計情報も改ざんに対し強固に保護される。
また、第1の実施形態に係る情報提供システム1では、設計情報は、暗号化された上で、分散型記録システム2に記録されている。
このように、完成した人工知能をパラメータ群と設計図情報とに分け、このうち設計図情報のみを暗号化により保護することで、最小限の処理負担(暗号化処理)で安全に人工知能を保護することができる。
このように、完成した人工知能をパラメータ群と設計図情報とに分け、このうち設計図情報のみを暗号化により保護することで、最小限の処理負担(暗号化処理)で安全に人工知能を保護することができる。
なお、第1の実施形態において、設計情報は、分散型記録システム2に記録されている対応としたが、他の実施形態においてはこの態様に限定されることはない。他の実施形態においては、サービス提供者が所有するローカルなコンピュータに記録されている態様であってもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(情報提供システムの全体構成)
図8は、第2の実施形態に係る情報提供システムの全体構成を示す図である。
第2の実施形態に係る情報提供システム1は、第1の実施形態と同様に、顧客A向けに学習された人工知能αを用いて、当該顧客Aに向けて発電プラントに係る支援情報を提供する。しかし、本実施形態においては、人工知能αのうちの一部のみが情報提供装置10に構築され、残りの一部が顧客Aの端末装置に構築される点で、第1の実施形態と異なる。
図8は、第2の実施形態に係る情報提供システムの全体構成を示す図である。
第2の実施形態に係る情報提供システム1は、第1の実施形態と同様に、顧客A向けに学習された人工知能αを用いて、当該顧客Aに向けて発電プラントに係る支援情報を提供する。しかし、本実施形態においては、人工知能αのうちの一部のみが情報提供装置10に構築され、残りの一部が顧客Aの端末装置に構築される点で、第1の実施形態と異なる。
具体的には、図8に示すように、第1層から第9層までで構成される顧客A向けの人工知能αが、その一部(例えば、第1層から第7層まで)である部分人工知能α1と、残りの一部(例えば、第8層から第9層まで)である部分人工知能α2とに分けて構築されている。また、部分人工知能α1は、情報提供装置10に構築される一方、部分人工知能α2は、顧客Aが所有する端末装置に構築される。
第2の実施形態において、部分人工知能α1が顧客Aに向けて送信する支援情報は、人工知能αの中間層(第7層から第8層)において生成される中間データである。顧客A側の部分人工知能α2は、部分人工知能α1が出力した中間データを支援情報として受け取る。そして、部分人工知能α2は、当該中間データを入力して最終的な支援情報を出力する。
(設計情報のデータ構造)
図9は、第2の実施形態に係る設計情報のデータ構造を示す図である。
本実施形態において、サービス提供者は、図9に示すように、顧客A向けの人工知能α(人工知能ID=#0001)に係る設計情報として、サービス提供者用の設計情報と顧客用の設計情報との二つを予め用意しておく。サービス提供者は、顧客Aへのサービス提供を始める際、まず、サービス提供者用の設計情報(図9上段参照)を分散型記録システム2から取得する。サービス提供者は、当該サービス提供者用の設計情報に基づいて、第1の実施形態と同様の手順で、人工知能αのうちの部分人工知能α1を情報提供装置10に構築する。
図9は、第2の実施形態に係る設計情報のデータ構造を示す図である。
本実施形態において、サービス提供者は、図9に示すように、顧客A向けの人工知能α(人工知能ID=#0001)に係る設計情報として、サービス提供者用の設計情報と顧客用の設計情報との二つを予め用意しておく。サービス提供者は、顧客Aへのサービス提供を始める際、まず、サービス提供者用の設計情報(図9上段参照)を分散型記録システム2から取得する。サービス提供者は、当該サービス提供者用の設計情報に基づいて、第1の実施形態と同様の手順で、人工知能αのうちの部分人工知能α1を情報提供装置10に構築する。
また、顧客Aへのサービス提供開始に際し、サービス提供者は、更に、顧客用の設計情報(図9下段参照)を分散型記録システム2から取得する。サービス提供者は、顧客Aから公開鍵を受け取るとともに、当該公開鍵で顧客用の設計情報を再度暗号化し、顧客Aに向けて送信する。顧客Aは、自身の秘密鍵を用いて、受け取った顧客用の設計情報を復号化する。顧客Aの端末装置に具備された人工知能構築部103は、復号化された顧客用の設計情報に基づいて、人工知能αのうちの部分人工知能α2を顧客Aの端末装置に構築する。
(作用、効果)
以上のように、第2の実施形態においては、ある顧客(顧客A)向けに学習された人工知能(人工知能α)が、サービス提供者側の端末装置(情報提供装置10)と、顧客側の端末装置とに分割されて構築される。即ち、本実施形態に係る人工知能構築部103は、取得したパラメータ群と設計情報とに基づいて、学習済みの人工知能の一部のみ(部分人工知能α1)を構築する。また、支援情報送信部104は、構築された人工知能の一部(部分人工知能α1)から出力される中間データを、顧客向けの支援情報として顧客の端末装置に送信する。
このような態様とすることで、サービス提供者側の端末装置(情報提供装置10)から顧客側の端末装置へと伝送される支援情報は、本来、人工知能αの内部演算で用いられる情報であって、単体では何らの意味をなさない中間データのみとなる。したがって、通信データの暗号化を行わなくとも、第3者による通信データの盗聴に対して強固性を高めることができる。
以上のように、第2の実施形態においては、ある顧客(顧客A)向けに学習された人工知能(人工知能α)が、サービス提供者側の端末装置(情報提供装置10)と、顧客側の端末装置とに分割されて構築される。即ち、本実施形態に係る人工知能構築部103は、取得したパラメータ群と設計情報とに基づいて、学習済みの人工知能の一部のみ(部分人工知能α1)を構築する。また、支援情報送信部104は、構築された人工知能の一部(部分人工知能α1)から出力される中間データを、顧客向けの支援情報として顧客の端末装置に送信する。
このような態様とすることで、サービス提供者側の端末装置(情報提供装置10)から顧客側の端末装置へと伝送される支援情報は、本来、人工知能αの内部演算で用いられる情報であって、単体では何らの意味をなさない中間データのみとなる。したがって、通信データの暗号化を行わなくとも、第3者による通信データの盗聴に対して強固性を高めることができる。
なお、第2の実施形態においては、第1層から第9層までで構成された学習済みの人工知能αの前段(例えば、第1層から第7層まで)が情報提供装置10に構築され、後段(例えば、第8層から第9層まで)が顧客Aの所有する端末装置に構築されるものとして説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、他の実施形態においては、学習済みの人工知能αのうちの前段(例えば、第1層から第2層まで)と、後段(例えば、第8層から第9層まで)とが顧客Aの所有する端末装置に構築され、中段(例えば、第3層から第7層まで)が情報提供装置10に構築される態様であってもよい。この場合、顧客Aのプラントデータ群は、顧客Aの所有する端末装置に構築された人工知能αの前段(第1層)に入力される。顧客Aの所有する端末装置が情報提供装置10に向けて送信する情報は、プラントデータ群そのものではなく、人工知能αの中間層(第2層から第3層)において生成される中間データとなる。
このようにすることで、顧客Aから情報提供装置10に向けて送信されるデータが生データ(プラントデータ群)ではなく、人工知能αの中間データとすることができる。これにより、第3者による通信データの盗聴に対して一層強固性を高めることができる。
例えば、他の実施形態においては、学習済みの人工知能αのうちの前段(例えば、第1層から第2層まで)と、後段(例えば、第8層から第9層まで)とが顧客Aの所有する端末装置に構築され、中段(例えば、第3層から第7層まで)が情報提供装置10に構築される態様であってもよい。この場合、顧客Aのプラントデータ群は、顧客Aの所有する端末装置に構築された人工知能αの前段(第1層)に入力される。顧客Aの所有する端末装置が情報提供装置10に向けて送信する情報は、プラントデータ群そのものではなく、人工知能αの中間層(第2層から第3層)において生成される中間データとなる。
このようにすることで、顧客Aから情報提供装置10に向けて送信されるデータが生データ(プラントデータ群)ではなく、人工知能αの中間データとすることができる。これにより、第3者による通信データの盗聴に対して一層強固性を高めることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(情報提供装置の機能構成)
図10は、第3の実施形態に係る情報提供装置の機能構成を示す図である。
ここで、第3の実施形態に係る情報提供システム1は、第2の実施形態と同様に、複数の端末装置に渡って学習済みの人工知能αを構築する。本実施形態に係る情報提供システム1は、顧客Aの端末装置に構築された部分人工知能α2について、追加学習を行う機能(追加学習処理部105)を有する点で、第2の実施形態と異なる。
図10は、第3の実施形態に係る情報提供装置の機能構成を示す図である。
ここで、第3の実施形態に係る情報提供システム1は、第2の実施形態と同様に、複数の端末装置に渡って学習済みの人工知能αを構築する。本実施形態に係る情報提供システム1は、顧客Aの端末装置に構築された部分人工知能α2について、追加学習を行う機能(追加学習処理部105)を有する点で、第2の実施形態と異なる。
第3の実施形態に係る情報提供装置10の具体的な構成及び処理の内容について、以下に説明する。
図10に示す情報提供装置10の追加学習処理部105は、顧客Aのサービス提供開始に際し、学習済みの人工知能α(α1+α2)とは別に、当該人工知能αと同等の人工知能α’を内部に複製(構築)する。そして、追加学習処理部105は、人工知能αを用いたサービスの提供中において、支援情報の提供先である顧客Aから逐次提供されるプラントデータ群を教師データとして、内部に複製した人工知能α’のうち部分人工知能α2に相当する部分(部分人工知能α2’)を追加学習させる。
追加学習処理部105による追加学習の結果、人工知能αよりも予測精度が更に向上した支援情報を提供可能な部分人工知能α2’が完成した場合、サービス提供者は、当該部分人工知能α2’のパラメータを分散型記録システム2に記録するとともに、部分人工知能α2’の設計情報を作成する。
図10に示す情報提供装置10の追加学習処理部105は、顧客Aのサービス提供開始に際し、学習済みの人工知能α(α1+α2)とは別に、当該人工知能αと同等の人工知能α’を内部に複製(構築)する。そして、追加学習処理部105は、人工知能αを用いたサービスの提供中において、支援情報の提供先である顧客Aから逐次提供されるプラントデータ群を教師データとして、内部に複製した人工知能α’のうち部分人工知能α2に相当する部分(部分人工知能α2’)を追加学習させる。
追加学習処理部105による追加学習の結果、人工知能αよりも予測精度が更に向上した支援情報を提供可能な部分人工知能α2’が完成した場合、サービス提供者は、当該部分人工知能α2’のパラメータを分散型記録システム2に記録するとともに、部分人工知能α2’の設計情報を作成する。
このようにすることで、追加学習部分の効果をサービスに反映させるにあたり、部分人工知能α2’の設計情報を顧客Aに提供するのみで良くなる。そのため、顧客別のサービスの更新作業に要する負担を軽減することができる。
以上、第1〜第3の実施形態に係る情報提供システム1及び情報提供装置10について詳細に説明したが、情報提供システム1及び情報提供装置10の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、第1〜第3の実施形態においては、人工知能α(α1+α2)は、顧客Aの過去のプラントデータ群を教師データとして学習がなされたものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
他の実施形態においては、例えば、人工知能は、複数の顧客(顧客A、顧客B、顧客C、・・)の各々から収集した過去のプラントデータ群の全てを教師データとして学習がなされたものであってもよい。このような学習がなされたマスター人工知能Xは、複数の顧客全てに対して最適化された人工知能となる。
この場合、上記他の実施形態に係る情報提供装置10は、マスター人工知能Xの一部である共通人工知能X1(例えば、マスター人工知能Xの第1層〜第7層)を情報提供装置10に構築してもよい。そして、情報提供装置10は、人工知能の残りの部分(例えば、第8層〜第9層)については、各顧客別に最適化された人工知能を、対象とする顧客の端末装置に構築する態様としてもよい。
他の実施形態においては、例えば、人工知能は、複数の顧客(顧客A、顧客B、顧客C、・・)の各々から収集した過去のプラントデータ群の全てを教師データとして学習がなされたものであってもよい。このような学習がなされたマスター人工知能Xは、複数の顧客全てに対して最適化された人工知能となる。
この場合、上記他の実施形態に係る情報提供装置10は、マスター人工知能Xの一部である共通人工知能X1(例えば、マスター人工知能Xの第1層〜第7層)を情報提供装置10に構築してもよい。そして、情報提供装置10は、人工知能の残りの部分(例えば、第8層〜第9層)については、各顧客別に最適化された人工知能を、対象とする顧客の端末装置に構築する態様としてもよい。
また、上述の各実施形態に係る分散型記録システム2において、ブロックBに含まれる各トランザクションT(図3)には、ある人工知能の一つの層に適用されるべきデータセットがまとめて記録される態様として説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、一つのトランザクションTには、一つのパラメータ(例えば、“W11”、“W12”)単位で記録される態様であってもよいし、一つの人工知能(人工知能α、β、・・)単位で記録される態様であっても構わない。
例えば、一つのトランザクションTには、一つのパラメータ(例えば、“W11”、“W12”)単位で記録される態様であってもよいし、一つの人工知能(人工知能α、β、・・)単位で記録される態様であっても構わない。
また、上述の各実施形態においては、情報提供システム1及び情報提供装置10は、顧客が運用する発電プラントの運転を支援するための支援情報を提供する態様で説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、発電プラント以外のプラント(化学プラント、石油プラント、又は、大型装置等)の運転を支援するための支援情報を提供するものであってもよい。
また、上述の各実施形態においては、上述した情報提供装置10の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。更に、情報提供装置10は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 情報提供システム
10 情報提供装置
100 CPU
101 パラメータ群取得部
102 設計情報取得部
103 人工知能構築部
104 支援情報送信部
105 追加学習処理部
2 分散型記録システム
20 記録装置
10 情報提供装置
100 CPU
101 パラメータ群取得部
102 設計情報取得部
103 人工知能構築部
104 支援情報送信部
105 追加学習処理部
2 分散型記録システム
20 記録装置
Claims (8)
- 学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め複数の記録装置に分散記録された分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、当該パラメータ群を取得するパラメータ群取得部と、
前記パラメータ群の各々の、前記学習済みの人工知能における適用箇所を特定可能な情報が規定された設計情報を取得する設計情報取得部と、
取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の少なくとも一部を構築する人工知能構築部と、
を備える人工知能構築装置。 - 前記設計情報取得部は、
前記分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、前記設計情報を取得する
請求項1に記載の人工知能構築装置。 - 前記設計情報は、前記分散型記録システムにおいて暗号化されて記録されている
請求項2に記載の人工知能構築装置。 - 前記人工知能構築部は、取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の一部を構築する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の人工知能構築装置。 - 学習済みの人工知能と同等の人工知能を複製し、顧客から提供されるプラントデータ群を教師データとして、複製した人工知能のうちの少なくとも一部を追加学習させる追加学習処理部を更に備える
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の人工知能構築装置。 - 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の人工知能構築装置と、
前記分散型記録システムと、
を備える情報提供システム。 - 学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め複数の記録装置に分散記録された分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、当該パラメータ群を取得するパラメータ群取得ステップと、
前記パラメータ群の各々の、前記学習済みの人工知能における適用箇所を特定可能な情報が規定された設計情報を取得する設計情報取得ステップと、
取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の少なくとも一部を構築する人工知能構築ステップと、
を有する人工知能構築方法。 - コンピュータに、
学習済みの人工知能を特徴づけるパラメータ群が予め複数の記録装置に分散記録された分散型記録システムに含まれる一の前記記録装置を参照して、当該パラメータ群を取得するパラメータ群取得ステップと、
前記パラメータ群の各々の、前記学習済みの人工知能における適用箇所を特定可能な情報が規定された設計情報を取得する設計情報取得ステップと、
取得した前記パラメータ群と前記設計情報とに基づいて、前記学習済みの人工知能の少なくとも一部を構築する人工知能構築ステップと、
を実行させるプログラム。
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JP2020101779A JP6913213B2 (ja) | 2017-03-31 | 2020-06-11 | 人工知能構築装置、情報提供システム、人工知能構築方法及びプログラム |
Related Parent Applications (1)
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