JP6909665B2 - ランナコーン及び軸流水車 - Google Patents

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Description

本発明の実施の形態は、プロペラ水車、カプラン水車、バルブ水車、チューブラ水車などの軸流水車に関し、特には、ランナボスに取り付けられ、吸出し管損失を低減可能なランナコーン、及び、当該ランナコーンを有する軸流水車に関する。
図12は、従来の軸流水車の一例であるカプラン水車の構成を示す概正面図である。本図では、対称軸線の片側のみが示されている。図12に示すように、カプラン水車では、水圧鉄管(不図示)を介して上池から導かれた流水がケーシング1を通って複数枚のステーベーン2の全周に流入するようになっている。この流水は、ガイドベーン3を通った後、軸方向に流れを転向させる導水カバー9を経てランナベーン5に導かれる。そして、この流水によりランナベーン5が回転されることにより、回転軸線4と平行に延在する水車主軸を介して発電機(不図示)が回転駆動されるようになっている。ランナベーン5を回転させた流水は、吸出し管10を経て下流側の下池あるいは河川に放水される。カプラン水車等の軸流水車では、ガイドベーン開度とランナベーン角度との最適な組み合わせによる、いわゆるオンカム運転を行うことで、水の流量を調節し、発電量を変化させている。
カプラン水車等の軸流水車は、任意の出力点においてガイドベーン開度とランナベーン角度との最適な組み合わせで運転が行われるように制御されるため、ランナベーン5から流出する流れの旋回流れが流量変化に伴って大きく変化することは、比較的少ない。すなわち、ランナベーン5から流出する流れは、旋回流れをあまり有していない。この点は、固定羽根ランナを有するフランシス水車等の水車から流出する流れとは、異なっている。
しかしながら、カプラン水車等の軸流水車は、ランナベーン5の角度を運転状態に応じて変化させるための駆動機構(不図示)を有している。この駆動機構は、ランナベーン5を保持しているランナボス6内に内蔵されているため、このランナボス6によって、ランナベーン5が位置するディスチャージリング8の流路断面が4割から5割程度閉塞されている。
図12に示すように、ランナボス6の下端には、ランナコーン7が取り付けられている。ランナコーン7は、流水にとって最適な流体力学的特性を示すように、形状が定義されている。しかしながら、ランナボス6及びランナコーン7は回転体であるため、カプラン水車等の軸流水車がオンカム運転をする場合においても、ランナコーン7の近傍には、当該ランナコーン7の回転に起因した旋回流れが発生する。このため、ランナコーン7の下部には、死水領域12が存在することになる。
ここで、ランナコーン7の下部に発生する死水領域12について、図13を参照して説明する。図13はカプラン水車のランナ周りの流れの様子を流れ解析によりシミュレーションした結果を示している。本図では、流れの速さを異なる濃さで段階的に色分けして示しており、白色の領域で最も早く、色が濃くなるにつれて次第に遅くなっていく。図13に示すように、ランナベーン5から流出した流れは下流に向かって減速するが、この減速は、ランナボス6およびランナコーン7近傍において顕著である。特に、ランナコーン7の下部において、流水が流れ難くなっていることが確認される。このような流水が流れ難くなっている領域が、死水領域12である。
次に、図14はランナコーン7の下部の速度分布を、軸流成分と旋回成分とに分けて表した図である。軸流成分は、図中の実線で示されている。上下方向の中央にて左右方向に延びる直線Lの上側は、軸流成分が上流側に向かう速度を有していることを示しており、直線Lの下側は、軸流成分が下流側に向かう速度を有していることを示している。また、旋回成分は、図中の破線で示されている。直線Lの上側は、旋回成分がランナコーン7の回転方向と同じ方向の速度を有していることを示しており、直線Lの下側は、旋回成分が当該回転方向と逆方向の速度を有していることを示している。
図14に示すように、軸流成分(実線)は、中心から離れた領域においては半径方向に概ね一定であるが、中心に近づくと急激に減速し、更に近づくと逆流している。また、旋回成分(破線)は、ランナベーン5と同じ回転方向の旋回流れとなっており、中心から外周側にかけてその流速が若干増加している。水車の運転効率を考慮すると、中心(回転軸線)近傍の旋回成分は可能な限り小さくしたいが、ランナコーン7の影響により旋回成分を持った流れとなっている。以上から、最適な運転をしている場合でさえ、図14に示すような、軸流水車の性能向上を妨げる一因となるような流れが、生じている。
ランナベーン5から流出する流れの特性は、下流の吸出し管10の性能に密接に関係する。吸出し管10へ流入する流れは、中心近傍の死水領域12が少なく、軸流成分ができるだけ均一に分布している状態が望ましい。
ランナコーン7の下流における流水の挙動についてみると、例えば従来のフランシス水車では、非設計点においてランナコーン7の下流に渦が形成さる。この渦は、部分負荷では振れまわり、一方過負荷では中心部に発生して水圧変動を生じさせ、これにより吸出し管10の性能を低下させる。この対策として、例えば、ランナコーン7の表面にその回転方向とは逆方向にV字の溝を形成する方法、あるいは、フィンを螺旋状に取り付けることによりランナコーン7で発生する渦を抑制し水圧脈動を低減する方法などが提案されている。しかしながら、これらの提案は、渦が発生する起点となるランナコーン7の表面の流れを制御することを目的としているため、軸流水車のようなランナコーン下部に形成される死水領域12を抑制する際には、その効果は確認されていない。
あるいは、ランナコーン7の内部に回転方向とは逆方向にリブを傾斜させて取付けることにより、ランナコーン7の下部の流れを下流側から上流側に導く、という方法も提案されている。但し、この方法は、ランナベーン5の下流側において外側に流れようとする流水を中心付近に引き戻すことにより、ホワールの発達を抑え込み水圧脈動を抑制するものである。
特許4576414号公報 特許5341782号公報
本発明は、以上の事情に基づいて創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、カプラン水車等の軸流水車において、ランナコーンの下部に死水領域が発生することを抑制することにより、吸出し管損失を低減させることが可能なランナコーン、及び、当該ランナコーンを用いた軸流水車、を提供することである。
本実施の形態は、軸流水車のランナボスに取り付けられるランナコーンであって、下流側端部と、前記下流側端部に形成され、上流側に向かって窪んだ凹部と、を備えた、ランナコーンである。
あるいは、本実施の形態は、軸流水車のランナボスに取り付けられるランナコーンであって、下流側端部と、前記下流側端部に形成され、上流側から供給される水を排出するための複数の開口と、を備え、前記複数の開口は、下流側から見て、前記ランナコーンの回転軸線を取り囲んで配置されている、ランナコーンである。
更には、以上のようなランナコーンを備えた軸流水車も、本発明の範囲内である。
本発明によれば、カプラン水車等の軸流水車において、ランナコーンの下部に死水領域が発生することが抑制されるため、吸出し管損失を低減させることが可能なランナコーン、及び、当該ランナコーンを用いた軸流水車、を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態によるランナコーンを備えたカプラン水車を示す、部分的な概略正面図である。 図1のランナコーンの周囲の流れを説明するための図である。 図1のランナコーンの下方における流水の速度分布を示す図である。 本発明の第2の実施の形態によるランナコーンを示す概略縦断面図である。 図4のランナコーンを示す概略底面図である。 図4の変形例によるランナコーンを示す概略底面図である。 図4の更なる変形例によるランナコーンを示す概略縦断面図である。 図7のランナコーンを示す概略底面図である。 本発明の第3の実施の形態によるランナコーンを示す概略縦断面図である。 図9のランナコーンを示す概略底面図である。 図9の変形例によるランナコーンを示す概略底面図である。 従来のカプラン水車の構成を示す概略正面図であり、対称軸線の片側のみが示されている。 図12のカプラン水車におけるランナコーンの周囲の流れを解析した結果を示す図である。 図13のランナコーンの下方における流水の速度分布を示す図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明による第1の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるランナコーン107を備えたカプラン水車100を示す概略側面図である。図1では、一点鎖線で示される回転軸線の右側に位置する部分のみが示されている。
図示されているカプラン水車100は、ランナコーン107を除き、従来と略同様の構成を有している。すなわち、図12と同様に、カプラン水車100は、回転軸線4周りに回転するランナボス6と、ランナボス6に保持されたランナベーン5と、ランナベーン5の上流側に配置され、水圧鉄管(不図示)及びケーシング1を介してランナベーン5に流入する流水の整流を行うステーベーン2と、ステーベーン2とランナベーン5との間に配置され、流水の整流を行うガイドベーン3と、ランナベーン5を通過した流水を流出させる吸出し管10と、を備えている。ランナボス6の下流側には、以下に説明するランナコーン107が取り付けられている。このランナコーン107は、ランナベーン5を通過した流水の整流を行うためのものである。
図1に示すように、本実施の形態によるランナコーン107は、カプラン水車100などの軸流水車のランナボス6に取り付けられるものであって、下流側端部107bと、この下流側端部107bに形成され、上流側に向かって窪んだ凹部107cと、を備えている。
図1に示すように、ランナコーン107は、下流側に向かうにつれて次第に先細りとなる形状を有しており、下流側端部107bと、この下流側端部107bに形成され、上流側に向かって窪んだ凹部107cと、を備えている。図1に示すように、凹部107cは、ランナコーン107の回転軸線4に関して対称的なすり鉢状の形状を有している。換言すれば、ランナコーン107の下流側端部107bは、回転軸線4に直交する平面で切断した時の断面形状が円環状となっている。
次に、図2を参照して、本実施の形態によるランナコーン107の作用について説明する。図2は、図1のランナコーン107の周囲の流れを説明するための図である。
前述したように、本実施の形態によるランナコーン107の下流側端部107bには、凹部107cが存在しているため、カプラン水車100の運転時には、凹部107c内に流水(動力水)が存在している。この凹部107c内に存在する流水は、ランナコーン107の回転につられて、当該ランナコーン107の回転方向Rと同じ方向に回転する。この結果、凹部107c内に存在する流体に遠心力が作用するため、当該流水は、凹部107cの径方向外方に移動する。本実施の形態では、凹部107cがすり鉢状に形成されているため、流水は、図2の矢印Aで示すように、凹部107cの表面(内面)に到達したのち、当該表面に沿って、凹部107cの縁部107eまで移動する。
凹部107cの縁部107eまで移動した流水は、同様にして径方向外方に移動してきた後続する流水によって、図2の矢印Bで示すように、凹部107c内から下流側に向かって押し出される。これによって、ランナコーン107の下流側端部107b近傍に滞留していた低エネルギー水流が、図2の矢印Cで示すように、高エネルギー水流側に掻き出される。この結果、死水領域12(図13参照)が減少し、ランナベーン5の下流側の吸出し管10の水力損失が低減される。
以上のような本実施の形態によれば、凹部107c内から掻き出される流水によって、ランナコーン107の下部に死水領域12が発生することが抑制される。この効果について、図3を参照して具体的に説明する。
図3は、図1のランナコーン107の下方における流水の速度分布を示す図である。図3では、太い線が従来例の速度分布を示しており(図14に対応)、細い線が本実施の形態における速度分布を示している。また、実線が軸流成分の分布を示しており、破線が旋回成分の分布を示している。本図も、図14と同様に、軸流成分については、上下方向の中央にて左右方向に延びる直線Lの上側が上流側に向かう速度方向を示し、直線Lの下側が下流側に向かう速度方向を示している。また、旋回成分については、直線Lの上側がランナコーン7の回転方向と同じ方向を示し、直線Lの下側が当該回転方向と逆の方向を示している。
図3に示すように、ランナコーン7、107の回転軸線4の近傍において、従来は、軸流成分が減速し部分的に逆流しており、旋回成分が回転軸線4から離れるにつれて、次第に増速していた。これに対し、図3に示すように、本実施の形態では、軸流成分の減速ないし逆流と旋回成分の増速との双方が、緩和されている。これにより、吸出し管10の中心部の流れについて、従来のように低エネルギー流体が下流側へ流下していくことが抑制される。すなわち、吸出し管損失が低減し、カプラン水車100の運転効率が向上される。
以上から、本実施の形態によれば、ランナコーン107の下流側端部107bに設けられた凹部107cの存在によって、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン107を提供することができる。更に、本実施の形態によるランナコーン107を採用することにより、吸出し管損失が低減された軸流水車が提供され得る。
なお、以上の実施の形態では、凹部107cの形状として、すり鉢状の形状が採用されたが、円筒状、円錐状など、他の形状が採用されても良い。この場合も、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン107を提供することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態によるランナコーン207を示す概略縦断面図であり、図5は、その概略底面図である。
図4に示すように、ランナコーン207は、下流側端部207bに形成された凹部207cが、円筒状の形状を有している点で、第1の実施の形態とは異なっている。更に、図4及び図5に示すように、当該凹部207cの表面(内面)には、ランナコーン207の回転方向Rと交差する方向に延在するリブ207rが設けられている。具体的には、本実施の形態のリブ207rは、ランナコーン207の回転軸線4と平行に、すなわち当該ランナコーン207の回転方向Rと直角に交差する方向に、直線状に延在している。リブ207rは、ランナコーン207の回転方向R(凹部207cの周方向)に沿って、等間隔で複数形成されていることが好ましい。リブ207rの数及び寸法は、水車の仕様等を考慮して、適宜に設計され得る。図5に示す例では、8本のリブ207rが、前記回転方向Rに沿って、等間隔で形成されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、本実施の形態によるランナコーン207の作用について説明する。
前述したように、本実施の形態によるランナコーン207の下流側端部207bには、凹部207cが存在しているため、カプラン水車の運転時には、凹部207c内に流水(動力水)が存在している。この凹部207c内に存在する流水は、ランナコーン207の回転につられて、当該ランナコーン207の回転方向Rと同じ方向に回転する。この結果、凹部207c内に存在する流体に遠心力が作用するため、当該流水は、凹部207cの径方向外方に移動する。更に、本実施の形態では、凹部207cの表面に複数のリブ207rが形成されているため、つまり凹部207cの表面に凹凸が形成されているため、凹部207c内の流体は、第1の実施の形態よりも効率的に旋回される。これに伴って、凹部207c内の流体には相対的に大きな遠心力が作用するため、流水は、凹部207cの径方向外方に向かって、迅速に移動する。
凹部207cの円筒状の壁面まで移動した流水は、同様にして当該壁面まで移動してきた後続する流水によって凹部207c内から下流側に向かって押し出される。これによって、ランナコーン207の下流側端部207bの近傍に滞留していた低エネルギー水流が高エネルギー水流側に掻き出される。この結果、死水領域12(図13参照)が減少し、ランナベーン5の下流側の吸出し管10の水力損失が低減される。
以上のような本実施の形態によれば、凹部207c内から掻き出される流水によって、ランナコーン207の下部の死水領域12の発生が効果的に抑制される。この効果の具体的な内容については、第1の実施の形態にて、図3を参照して説明した通りである。すなわち、本実施の形態によれば、ランナコーン207の下流側端部207bに設けられた凹部207cの存在によって、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン207を提供することができる。更に、本実施の形態によるランナコーン207を採用することにより、吸出し管損失が低減された軸流水車が提供され得る。
なお、以下に説明するように、凹部207cの表面に、リブ207rに代えて溝207gが形成されていても、同様の効果を得ることができる。このような変形例について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施の形態の変形例によるランナコーン207Aを示す概略底面図である。本変形例は、凹部207cの表面(内面)に、ランナコーン207Aの回転方向Rと交差する方向に延在する溝207gが形成されている点で、第2の実施の形態とは異なっている。本変形例の場合も、溝207gの存在によって、凹部207cの表面に凹凸が形成されているため、凹部207c内の流体は、第1の実施の形態よりも効率的に旋回される。これに伴って、凹部207c内の流体には、相対的に大きな遠心力が作用するため、流体は、凹部207cの径方向外方に向かって、迅速に移動する。
したがって、本変形例によっても、凹部207c内から掻き出される流水によって、ランナコーン207Aの下部の死水領域12の発生が効果的に抑制されるため、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン207Aを提供することができる。更に、本変形例によるランナコーン207Aを採用することにより、吸出し管損失が低減された軸流水車が提供され得る。
更に、溝207gは、機械加工などによって形成され得るため、溶接によって取り付けられるリブ207rよりも機械的強度が高いというメリットがある。このため、本変形例によるランナコーン207Aを採用することにより、長期の運転においても、水車のメンテナンスのコストを抑えることができる。
次に、図7は、図4の更なる変形例によるランナコーン207Bを示す概略縦断面図であり、図8は、図7のランナコーン207Bを示す概略底面図である。
図7に示すように、本変形例によるリブ207Brは、ランナコーン207Bの回転軸線4と直交する方向から見て、緩やかな弧を描くように湾曲して延在している点で、第2の実施の形態(図4及び図5参照)とは異なっている。具体的には、図7及び図8に示すように、下流側から見て、リブ207Brの下流側端部207Br2の位置が、リブ207Brの上流側端部207Br1の位置に対して、ランナコーン207Bの回転方向において後れる方向にずれている。そして、これら上流側端部207Br1と下流側端部207Br2との間の部分が、ランナコーン207Bの回転方向において後れる方向に凸となるように、湾曲している。なお、図8において、白抜きで示されている端部が上流側端部207Br1であり、黒く塗りつぶされている端部が下流側端部207Br2である。
本変形例の場合も、リブ207Brの存在によって、凹部207cの表面に凹凸が形成されているため、凹部207c内の流水が第1の実施の形態よりも効率的に旋回されることになる。これにより、凹部207c内の流体には相対的に大きな遠心力が作用するため、流水は、凹部207cの径方向外方に向かって、迅速に移動する。そして、凹部207cの円筒状の壁面まで移動した流水は、同様にして当該壁面まで移動してきた後続する流水によって凹部207c内から下流側に向かって押し出される。このことにより、ランナコーン207の下流側端部207bの近傍に滞留していた低エネルギー水流が高エネルギー水流側に効率的に掻き出される。このとき、当該低エネルギー水流は、ランナコーン207Bの回転方向とは逆方向に向かって凹部207c内から排出されるため、ランナコーン207Bの下流側端部207bの近傍に生じる旋回流の流速が低下することになる。
以上のような本変形例によっても、凹部207c内から掻き出される流水によって、ランナコーン207Bの下部に死水領域12が発生することが効果的に抑制される。このため、本変形例によっても、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン207Bを提供することができる。更に、本変形例によるランナコーン207Bを採用することにより、吸出し管損失が低減された軸流水車が提供され得る。
更に、本変形例では、凹部207c内の流体がランナコーン207Bの回転方向とは逆方向に向かって排出されるため、ランナコーン207Bの下流側端部207b近傍に生じる旋回流の流速を効果的に減速させることができる。この結果、ランナコーン207の下部における流水の減速状態を緩和し、軸流速度分布をフラット化させることができる。
なお、リブ207Brの下流側端部207Br2の位置が、下流側から見て、リブ207Brの上流側端部207Br1の位置に対してランナコーン207Bの回転方向において進んだ方向にずれていても良い。この場合、凹部207cから掻き出される流水がランナコーン207Bの外壁近傍における流水の流れ方向と同じになるため、凹部207cからより多く流水を掻き出すことができる。但し、このとき、ランナコーン207Bの下流側端部207bの近傍において、旋回成分が若干増速することになる。
また、リブ207Brの形状は、上述したような湾曲形状には限定されない。すなわち、各リブ207rは、上流側端部207Br1と下流側端部207Br2との間に位置している部分が、ランナコーン207Bの回転方向において進んだ方向に凸となるように、湾曲していても良いし、直線状に形成されていても良い。あるいは、当該部分が、変曲点を挟んで2以上の湾曲部分を有していても、湾曲部分と直線部分とを有していても良い。
以上の第2の実施の形態及びこの変形例によるランナコーン207、207A、207Bにおいては、凹部207cの形状として円筒状の形状が採用されたが、円錐状、すり鉢状などの他の形状が採用されても良い。この場合も、リブないし溝の存在によって、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーンを提供することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、本発明の第3の実施の形態によるランナコーン307を示す概略縦断面図であり、図10は、その概略底面図である。
図9及び図10に示すように、ランナコーン307は、下流側端部307bが当該ランナコーン307の回転軸線4と直交する平坦面となっており、この平坦面に複数の開口307aが形成されている点で、第1及び第2の実施の形態とは異なっている。これら複数の開口307aは、上流側から供給された流水を下流側に向けて排出するためのものである。開口307aの数及び寸法は、水車の仕様等を考慮して、適宜に設計され得る。図10に示すように、複数の開口307aは、下流側から見て、ランナコーン307の回転軸線と同心の円C1に沿って、等間隔で8つ配置されている。
図9に示すように、ランナコーン307は、当該ランナコーン307の上流側から供給される流水を各開口307aに導く複数の流路317を更に有している。複数の流路317は、ランナコーン307の回転軸線4と平行に各開口307aから上流側に向かって延在している。図示されていないが、各流路317の上流端は、例えば、ランナボス6の入口側(上流側)まで連絡している。すなわち、この場合、ランナボス6の入口側の部位から取水し、その水をランナボス6の内部及びランナコーン307の各流路317を通じて、各開口307aへと供給するようになっている。この水が、各開口307aから下流側へと排出されることにより、ランナコーン307の下流側端部307bの近傍に滞留していた低エネルギー水流が高エネルギー水流側に効率的に移動されるのである。
以上のような本実施の形態によれば、複数の開口307aから排出される流水によって、ランナコーン307の下部に死水領域12が発生することが効果的に抑制される。このため、本実施の形態によっても、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン307を提供することができる。更に、このようなランナコーン307を採用することにより、吸出し管損失が低減された軸流水車が提供され得る。
なお、取水する位置は、ランナボス6の入口側には限定されず、例えば、ランナベーン5の下流に位置するランナボス6の外壁の高圧部位や、ランナコーン307の外壁の高圧部位などであっても良い。ランナベーン5の下流側に取水口を形成する場合、流路317の長さが相対的に短くて済み、更に、ランナボス6内にて、ランナベーン5を駆動させるための複雑な駆動機構の隙間を縫って流路を形成する必要が無い。このため、流路317を形成するための加工が容易である。
取水口の位置を決定するに当たっては、ランナベーン5の角度を変化させたときに高圧部位の位置がどのように変化するかを予め流れ解析によるシミュレーションによって調査しておくことが好ましい。そして、その結果に基づいて、ランナベーン5の可動範囲を複数の角度範囲に分け、それぞれの角度範囲に対応する高圧部位の位置にそれぞれ取水口を形成することが好ましい。換言すれば、ランナベーン5の角度を変化させたときの高圧部位の移動軌跡に沿って、複数の取水口が形成されていることが好ましい。このことにより、広範囲の運転条件にわたって、死水領域12が発生することが抑制される。
次に、図11を参照して、本実施の形態の変形例によるランナコーン307Aについて説明する。図11は、図9の変形例によるランナコーン307Aを示す概略底面図である。
図11に示すように、本変形例によるランナコーン307Aは、流路317Aが、ランナコーン307Aの回転軸線(図11における奥行き方向に延在する軸線)と交差するように延在している点で、第3の実施の形態(図9及び図10参照)とは異なっている。図示される例では、流路317Aは、少なくとも下流側部分において、下流側に向かうにつれてランナコーン307Aの回転方向Rとは逆方向に進んでいる。流路317Aの下流側部分は、例えば、ランナコーン307Aの回転方向において後れた方向に凸となるように湾曲して形成されていて良い。もちろん、このような形状には限定されず、当該下流側部分は、直線状に形成されていても、前記回転方向において進んだ方向に凸となるような湾曲部を有して形成されていても良い。
以上のような本変形例によっても、複数の開口307aから排出される流水によって、ランナコーン307Aの下部に死水領域12が発生することが効果的に抑制される。すなわち、本実施の形態によっても、吸出し管損失を低減することが可能なランナコーン307を提供することができる。更に、このようなランナコーン307を採用することにより、吸出し管損失が低減された軸流水車が提供され得る。
更に、本変形例では、流路317Aを通じて供給される流水が複数の開口307aからランナコーン307Aの回転方向とは逆方向に向かって排出されるため、ランナコーン307Aの下流側端部307bの近傍に生じる旋回流の流速を効果的に減速させることができる。この結果、ランナコーン307Aの下部における流水の減速状態を緩和し、軸流速度分布をフラット化させることができる。
なお、流路317Aは、少なくとも下流側部分において、下流側に向かうにつれてランナコーン307Aの回転方向に進んで形成されていても良い。この場合、複数の開口307aから排出される流水がランナコーン307Aの外壁近傍における流水の流れ方向と同じになるため、当該複数の開口307aからより多く流水を排出させることができる。但し、このとき、ランナコーン307Aの下流側端部307bの近傍において、旋回成分が若干増速することになる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1:ケーシング,2:ステーベーン,3:ガイドベーン,4:回転軸線,5ランナベーン,6:ランナボス,7:ランナコーン,8:ディスチャージリング,9:導水カバー,10:吸出し管,12:死水領域,100,100a:カプラン水車,107:ランナコーン,107b:下流側端部,107c:凹部,107e:縁部,207,207A,207B:ランナコーン,207b:下流側端部,207r,207Br:リブ,207Br1:リブの上流側端部,207Br2:リブの下流側端部,207c:凹部,207g:溝,307,307A:ランナコーン,307a:開口,307b:下流側端部,317,317A:流路

Claims (7)

  1. 軸流水車のランナボスに取り付けられるランナコーンであって、
    下流側端部と、
    前記下流側端部に形成され、上流側に向かって窪んだ凹部と、を備え
    前記凹部は、すり鉢状の形状を有している、ランナコーン。
  2. 前記凹部の表面には、前記ランナコーンの回転方向と交差する方向に延在するリブが形成されている、請求項に記載のランナコーン。
  3. 前記凹部の表面には、前記ランナコーンの回転方向と交差する方向に延在する溝が形成されている、請求項に記載のランナコーン。
  4. 軸流水車のランナボスに取り付けられるランナコーンであって、
    下流側端部と、
    前記下流側端部に形成され、上流側から供給される水を排出するための複数の開口と、を備え、
    前記複数の開口は、下流側から見て、前記ランナコーンの回転軸線を取り囲んで配置されている、ランナコーン。
  5. 前記複数の開口は、下流側から見て、前記ランナコーンの回転軸線と同心の円に沿って、等間隔で配置されている、請求項に記載のランナコーン。
  6. 前記ランナコーンの上流側から供給される水を前記開口に導く流路を更に備え、
    前記流路は、下流側部分が、下流側に向かうにつれて、前記ランナコーンの回転方向に進んでいる、または、当該回転方向とは逆方向に進んでいる、請求項またはに記載のランナコーン。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のランナコーンを有する、軸流水車。
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