(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部31AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部31AKについて説明する。図8は、本実施の形態のパチンコ遊技機1における変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。図8(A)に示すように、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに表示結果が「ハズレ」となる非リーチハズレの変動パターンPA1−1、PA1−2、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となって表示結果が「ハズレ」となるリーチハズレの変動パターンPA2−1〜PA2−6、PA3−1〜PA3−4等、表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2−1〜PB2−6、PB3−1〜PB3−4等が用意されている。
また、図8(B)に示すように、本実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Eといったリーチ演出が実行されるようになっている。この実施の形態では、リーチ演出は、大当り状態に制御されることを示唆する示唆演出とも称される。各リーチが実行されたときの信頼度(大当り信頼度)は、図8(B)の黒色の星の数で表すように、ノーマルリーチ<スーパーリーチE<スーパーリーチD<スーパーリーチC<スーパーリーチB<スーパーリーチAの順番に高くなっている。なお、大当りとなることが確定するリーチを設けてもよい。
この実施の形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して実行されるようになっている。また、スーパーリーチのリーチ演出中に、より信頼度の高いリーチに発展(昇格)する発展演出が実行される場合がある。図8(A)に示す変動パターンPA3−1〜PA3−4等、変動パターンPB3−1〜PB3−4等が、発展演出が実行されることに対応した変動パターンとなっている。なお、図8(A)では、信頼度が一段階上のスーパーリーチに発展する変動パターンが示されているが、信頼度が二段階以上発展する変動パターンも設けられる。また、発展演出が複数回実行される変動パターンを設けてもよい。
この実施の形態では、信頼度が最も低いノーマルリーチ以外では、リーチ成立後の所定タイミングにおいて、そのリーチのタイトルが報知されるようになっている。図8(B)に示すように、リーチの種類によってタイトルの報知態様が異なっている。具体的には、スーパーリーチの中で最も信頼度の低いスーパーリーチEは、表示のみでリーチのタイトルが報知され、それ以外のスーパーリーチは、表示及び音声によりタイトルが報知される。このように、信頼度の高いリーチの方が信頼度の低いリーチより多くの演出装置によりタイトルの報知が実行されるようになっている。これにより、遊技者の期待感を効果的に煽ることができ演出効果が向上する。なお、タイトルの報知態様は、信頼度によってまたは信頼度によらず任意に変更してもよい。また、同じリーチ演出においても、実際の表示結果等に応じて報知態様を異ならせてもよい。また、リーチの種類によってタイトル文字のフォント(ゴシック体、明朝体等)や書体(行書、楷書等)を異ならせてもよい。
リーチのタイトルの報知(タイトル報知)とは、リーチの名称といったタイトルそのものを示すものに限定されず、リーチ演出で登場するキャラクタの名称、リーチ演出の演出内容等を示すものであってもよい。
(特徴部31AKの演出動作例)
続いて、本実施の形態における演出動作例について説明する。以下の演出動作は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理を実行することで実行される。図9、図10は、本実施の形態におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図9(A)は、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていることを示している。その後、例えば、図9(B)に示すように、「左」及び「右」に7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチ態様となる。その後はリーチの種類に応じて演出が分岐する。
(スーパーリーチA)
スーパーリーチAとなる場合には、図9(C)に示すように、画像表示装置5に味方キャラであるキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出ともいう)の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図9(D)に示すように、画像表示装置5の画面全体にスーパーリーチAのタイトル31AK002(ここでは「SPリーチA」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチA」)が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチAのタイトル31AK002が消去され、図9(E)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK003が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK003とが対決するスーパーリーチAのリーチ演出の後続部分が実行される。キャラクタ同士が対決する演出をバトル演出ともいい、バトル演出において味方キャラが勝利すると大当りとなり、味方キャラが敗北するとハズレとなる。
なお、スーパーリーチ演出中に画像表示装置5にセリフを表示するときに、スピーカ8からセリフに対応する音声が出力されるようにしてもよい。また、セリフは図9(E)に示すように吹き出しに表示することに限定されず、画像表示装置5の下部等に字幕で表示するようにしてもよい。
(スーパーリーチB)
スーパーリーチBとなる場合には、図9(C)に示すように、画像表示装置5にキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチ演出の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図9(F)に示すように、画像表示装置5の画面全体にスーパーリーチBのタイトル31AK005(ここでは「SPリーチB」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチB」)が出力されることで、スーパーリーチBのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチBのタイトル31AK005が消去され、図9(G)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK006が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK006とが対決するスーパーリーチBのリーチ演出の後続部分が実行される。
このように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過したときにリーチのタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、スーパーリーチ演出の導入部分等を遊技者に見せた後にタイトルを報知できるので、タイトル報知の演出効果を高めることができる。
また、スーパーリーチA(図9(C)→(D)→(E)・・・)とスーパーリーチB(図9(C)→(F)→(G)・・・)とでは、タイトルが報知されるまでの導入部分においては、共通の演出態様でスーパーリーチ演出が実行されるようになっている(図9(C))。このようにすることで、スーパーリーチ演出が開始されてからいずれのスーパーリーチとなるか、いずれのタイトルが報知されるかに遊技者を注目させることができる。スーパーリーチAとスーパーリーチBとにおいて、タイトルが報知されるまでの演出態様を完全に共通にすることに限定されず、演出を注視すればいずれのスーパーリーチとなるかを判別できる等、少なくとも一部を共通の演出態様にするようにしてもよい。例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトルに関連する態様でスーパーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆するような演出)を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果が向上し、遊技者が演出に注目するようになる。このように、いずれのスーパーリーチとなるかを特定可能にしてからタイトル報知を実行するようにしてもよい。
(スーパーリーチD)
スーパーリーチDとなる場合には、図9(H)に示すように、画像表示装置5の中央の一部にスーパーリーチDのタイトル31AK007(ここでは「SPリーチD」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「敵を倒せ」)が出力されることで、スーパーリーチDのタイトルが報知される。このように、スーパーリーチDでは、スーパーリーチ演出の開始時にタイトルが報知されるようになっている。また、タイトル31AK007の下には、当該リーチの期待度を示唆する期待度示唆表示31AK008が表示される。期待度は、図9(H)に示すように、黒い星の数で表される。ここで、期待度とは大当りとなる期待度であるが、リーチの大当り信頼度と完全に一致していなくてもよい。
なお、スーパーリーチDの音声による報知は、タイトル名をそのまま報知するのではなく、リーチの内容を報知するようになっている。このように、この実施の形態では、リーチの種類によって音声によるタイトル報知の報知態様を異ならせている。これにより、タイトル報知の報知態様が多彩になり、興趣が向上する。
スーパーリーチDにおいてタイトルが報知された後には、図9(I)に示すように、画像表示装置5にキャラクタ31AK001が表示される。このとき、タイトル31AK007及び期待度示唆表示31AK008は、画像表示装置5の右上部分等に縮小して表示され続ける。このようにすることで、リーチ演出中にも遊技者がリーチの期待度を把握することができる。なお、図9(I)では、図9(C)(スーパーリーチA、スーパーリーチB)と共通の演出内容が示されているが、スーパーリーチD専用のスーパーリーチ演出が実行されてもよい。
その後、図9(J)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK009が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK009とが対決するスーパーリーチDのリーチ演出が実行される。
(スーパーリーチE)
スーパーリーチEとなる場合には、図10(A)に示すように、画像表示装置5の左上の一部にスーパーリーチEのタイトル31AK010(ここでは「SPリーチE」の文字)が表示されることで、スーパーリーチEのタイトルが報知される。なお、スーパーリーチEでは、音声によるタイトルの報知が行われない。また、タイトル31AK010の表示と合わせて、キャラクタ31AK001と敵キャラであるキャラクタ31AK011とが表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK011とが対決するスーパーリーチEのリーチ演出が実行される。このように、スーパーリーチEでは、リーチ演出の進行と合わせてタイトルが報知されるようになっている。スーパーリーチEでは、リーチ演出中にタイトル31AK010が表示され続ける。
大当り信頼度の低いスーパーリーチEのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うことで、遊技者に過度な期待感を与えることを防止できる。これに対して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようになっている(図9(D)、(F)、(H))。このようにすることで、スーパーリーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDといったスーパーリーチ演出においてもリーチの進行を停止せずにタイトル報知を行うようにしてもよい。また、この実施の形態とは逆に、大当り信頼度の高いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うようにしてもよい。大当り信頼度の低いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようにしてもよい。
(タイトルの報知タイミング)
以上のように、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、大当り信頼度の低いスーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっていたが、大当り信頼度の高いリーチの場合にスーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され、大当り信頼度の低いリーチの場合にスーパーリーチ演出後所定期間経過してからタイトルが報知されるようにしてもよい。
(タイトルの表示領域)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、画像表示装置5の画面全体(第1領域)においてタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、画像表示装置5の画面の一部(第2領域)においてタイトルが報知される。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。特に、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも広い表示領域でタイトル報知が実行されるので効果的なタイトル報知が可能になる。なお、画像表示装置5の画面全体におけるタイトル報知とは、画面いっぱいに収まるサイズでタイトルが表示されるものであってもよいし、背景全体をタイトル報知用の背景としてそこにタイトルが表示されるもの(画面全体を使用したタイトル報知)等であってもよい。また、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよいし、スーパーリーチDとスーパーリーチEとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよい。
リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる方法は、この実施の形態の例に限定されず、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を任意に異ならせてもよい。例えば、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも狭い表示領域でタイトル報知が実行されてもよい。また、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる場合において、この実施の形態のように表示面積を異ならせてもよいし、表示させる場所を異ならせてもよい。
(期待度示唆表示)
この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されることで遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。
なお期待度示唆表示は、図9(H)等に示すように、黒い星の数によって示すものに限定されず、メーターやゲージにより期待度を示唆するようにしてもよいし、期待度に対応した数値を表示するようにしてもよい。また、図9(H)等に示すように、黒い星の数によって示す場合において、半個相当(半分)の黒い星を表示可能ようにして、期待度の段階数を増やしてもよい。
(タイトルの表示終了タイミング)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、タイトルが表示された後、タイトルが消去されてスーパーリーチ演出が実行される。これにより、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、リーチ演出に注目させることができる。また、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、タイトルが表示された後、後述の決め演出が実行されるまでタイトルが表示され続ける。これにより、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出中もリーチの種類を把握することができる。また、以上のようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、タイトルの表示終了タイミングは、いずれであっても演出効果の向上を図れるため、任意に変更してもよい。
なお、ここではスーパーリーチCのリーチ演出の演出動作については省略するが、例えば大当り信頼度に応じたタイトル報知や期待度示唆表示が実行されればよい。
(決め演出)
各リーチ演出が実行されてから、表示結果を導出するタイミング(可変表示の終盤)になると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行される。決め演出には、表示結果が「大当り」となることを示す決め演出と、表示結果が「ハズレ」となることを示す決め演出と、が含まれる。この実施の形態では、図10(B)に示すように、画像表示装置5に画像31AK012が表示される決め演出が実行される。その後、表示結果が「大当り」であれば、図10(C)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK013が表示され、図10(D)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、表示結果が「ハズレ」であれば、味方キャラが敗北したことを示す画像が表示され、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出される。
この実施の形態では、リーチ演出中も継続してタイトルを報知する場合でも、決め演出が実行される前にタイトルの報知を終了するようになっている。これにより、決め演出に注目させることができ、また、メリハリのあるタイトル報知を実行できる。
図9、図10に示した演出動作例では、スーパーリーチのリーチ演出中は画像表示装置5の右下部分で飾り図柄を縮小して可変表示を実行するようになっていたが、リーチ演出中の飾り図柄の表示のさせ方は任意でよい。例えば、リーチ演出中は飾り図柄が表示されなくてもよいし、リーチ演出の種類によって表示態様(大きさ、位置、濃淡、数等)を異ならせてもよい。
なお、画像表示装置5に保留表示、アクティブ表示、可変表示中に常駐表示されるキャラクタ、携帯連動関連の表示を表示する場合、スーパーリーチのリーチ演出中はリーチ演出に注目させるために適宜非表示としてもよい。その際に、スーパーリーチEといった低信頼度のリーチ演出中には、これらの表示を表示したままにするようにしてもよい。このようにすることで、低信頼度のリーチ演出により遊技者を過度に期待させてしまうことを防止できるとともに、高信頼度のリーチ演出ではリーチ演出に注目させることができる。
(発展演出)
続いて、発展演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図11(A)に示すように、スーパーリーチDのリーチ演出が実行されている(スーパーリーチDのタイトル報知が実行されている)ときに発展演出が実行される場合、図11(B)に示すように、リーチ演出が中断して画面が裂けるような演出が実行される。その後、スーパーリーチAに発展する場合には、図11(C)に示すように、スーパーリーチAのタイトルが報知され、スーパーリーチAのリーチ演出が実行される。スーパーリーチBに発展する場合には、図11(D)に示すように、スーパーリーチBのタイトルが報知され、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。図11に示すように、発展先のリーチが表示及び音声によりタイトル報知を行うリーチである場合には、表示及び音声によるタイトル報知が改めて実行される。
なお、発展演出は図11(B)に示すような例に限定されず、画面に徐々にヒビが入って割れるような演出であってもよいし、砂嵐(故障したような表示)を表示するようにしてもよい。このような演出とすることで、意外性のある演出を実行できる。なお、画面に徐々にヒビが入るがリーチが発展しない演出といった、ガセの発展演出があってもよい。
(期待度示唆演出)
図9(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図12(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図12(B)に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表示され、図12(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示31AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ8から期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図12(D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。このときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ8から出力される音声(音量、音階、音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図12(F)に示すように、その黒い星が光るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したことがわかりやすくなる。
図12(A)〜(F)に示す例では、黒い星が1つずつ表示されて期待度示唆表示により示される期待度が1段階ずつ上がるようになっていたが、黒い星が2つ以上表示されて期待度が2段階以上上がるようにしてもよい。また、半分の黒い星が表示されて期待度が半段階上がるようにしてもよい。この場合において、表示される星の数(上昇する期待度の段階数)に応じて、異なる音声を出力するようにしてもよいし、同じ音声を出力するようにしてもよい。例えば、半分の黒い星が表示されるときと1つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。2つ半の黒い星が表示されるときと3つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。また、音声を出力しない場合があってもよい。このようにすることで、期待度示唆演出が多彩になり、演出効果が向上する。なお、一度に増加する期待度の段階数によらず、同じ黒い星の画像が表示されて、期待度示唆表示の白い星に収まって、増加する期待度の段階数に応じた黒い星が増加するような演出を実行するようにしてもよい。
(演出モード)
画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9といった演出装置における演出モードが複数あってもよい。異なる演出モードでは、主基板11から同じコマンド(例えば変動パターンを指定するコマンド)が送信された場合でも、当該コマンドに基づく演出が異なる演出態様で実行される。各演出モードでは、画像表示装置5に表示される背景、キャラクタ、モチーフ、スピーカ8から出力される音声等が異なっていればよい。演出モードは、可変表示の回数や遊技状態に応じて自動的に変更されるようにしてもよいし、遊技者の操作により変更可能にしてもよい。
図12(G)〜(L)は、演出モードとして通常モード及び特別モードが設けられる場合において、特別モードとなっている場合のタイトル報知及び期待度示唆演出の演出動作例である。通常モードでは、図12(A)〜(F)に示すようタイトル報知及び期待度示唆演出が実行される。特別モードでは、スーパーリーチDの変動パターンに基づくリーチ演出は、スーパーリーチDのリーチ演出とは演出態様の異なるスーパーリーチD2のリーチ演出となる。従って、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合、図12(G)に示すように、スーパーリーチD2のタイトル31AK023が表示される。このとき、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されるが、通常モードとは異なる音声(例えば声色が異なる音声)が出力される。また、スーパーリーチD2における期待度示唆表示31AK024は、星型ではなく菱形となっている。
その後、図12(H)に示すように、期待度示唆表示31AK024の星より大きな黒い菱形31AK025が表示され、図12(I)に示すように、黒い菱形31AK025が移動して期待度示唆表示31AK024の白い菱形の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ8から期待度を示す黒い菱形が増加したことを示す「ポン」という音声が出力される。図12(J)、(K)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。期待度示唆表示31AK024に期待度に対応した数の黒菱形が収まった段階で、図12(L)に示すように、その黒い菱形が光るといったように強調表示される。このように、遊技者の選択や遊技状態等に応じて決定される演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、タイトルの報知態様を異ならせることで演出が多彩になり演出効果が向上する。
図12では、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合の演出動作例を示したが、演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって他のリーチ演出(タイトル報知、期待度示唆演出を含む)の演出態様を異ならせるようにしてもよい。演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、リーチのタイトルを報知するか否かやタイトル報知の実行割合を異ならせてもよい。例えば、所定の演出モードが選択された場合には、リーチのタイトルが報知されないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の好みに応じた演出を実行でき演出効果が向上する。
なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するようにしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。
(発展演出の他の例)
期待度示唆表示の期待度を示す表示を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行する場合において、期待度を示す表示を増加させた後に発展演出を実行するようにしてもよい。この場合において、発展演出後に期待度を示す表示を増加させる場合、増加させる表示については段階的ではなく一度に表示するようにしてもよい。例えば図13(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルが報知され、黒い星を段階的に増加させる演出が完了した後に、図13(B)に示すように、画像表示装置5にボタン画像31AK031が表示される発展演出が実行される。ここで、プッシュボタン31Bへの操作が検出されると、図13(C)に示すように、スーパーリーチCのタイトル31AK032(ここでは「SPリーチC」の文字)が表示されることで、スーパーリーチCのタイトルが報知される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。また、タイトル31AK032の下には、黒い星の数が3個である期待度示唆表示31AK033が強調表示される。なお、黒い星の数が2個以上増加する場合でも一度に表示される。なお、可動体32が動作した後に、タイトルや期待度示唆表示が変化する発展演出を実行するようにしてもよい。
(予告演出)
この実施の形態では、予告演出として、タイトルの報知態様(例えばタイトルの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するタイトル予告を実行するようになっている。例えば図14(A)に示すように、スーパーリーチAのタイトル31AK036が黒色で表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知された後、図14(B)に示すようにタイトル31AK036の表示色が赤色に変化するタイトル予告を実行するようになっている。このように、タイトル予告が実行されない場合はタイトルが黒色で表示され、タイトル予告が実行される場合はタイトルが黒色以外の色で表示される。図14に示すタイトル予告では、音声によりリーチのタイトルが報知された後に、タイトルの表示態様(表示色)が変化する場合がある。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。なお、タイトルが黒色以外で表示されるタイミングはこれに限定されず、タイトルの表示開始時から黒色以外で表示されるようにしてもよい。
また、タイトルの表示態様(表示色)が変化するタイトル予告が実行された場合には、タイトルの表示態様が変化した後に、変化後の表示態様に応じた音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。また、音声によるタイトル報知は、タイトルの表示態様(表示色)が変化した後に実行されるようにしてもよい。この場合、変化後のタイトルの表示態様(表示色)に応じた音声が出力するようにしてもよい。
(タイトル報知の実行タイミング)
リーチ中のタイトルの報知は、予告演出や発展演出といった、大当り有利状態に制御される期待度が向上する演出(特定演出)の実行タイミング以外で実行することが好ましい。このようにすることで、一旦タイトルが報知された場合、期待度が向上する演出が実行され得るので、遊技者の期待感を維持することができる。
図15は、予告演出の実行の有無や演出態様を決定するための予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。予告演出決定処理は、演出制御用CPU120が図7のステップS171の可変表示開始設定処理内で実行する。予告演出決定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、主基板11から送信されるコマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップ31AKS001)。
スーパーリーチの変動パターンである場合には(ステップ31AKS001;Yes)、スーパーリーチのタイトルの表示色(タイトル予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS002)。
ステップ31AKS002では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図16(A)に示す決定割合で、スーパーリーチのタイトルの表示色を決定する。スーパーリーチのタイトルの表示色は、図16(A)に示すように、「黒」、「赤」、「黒」から「赤」に変化するもの、「黒」から「フルーツ柄」に変化するもの、「赤」から「フルーツ柄」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、タイトルの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がタイトルの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。
なお、「フルーツ柄」は、タイトルの文字が太字で表示され文字そのものが「フルーツ柄」であってもよいし、タイトルの表示領域の背景部分が「フルーツ柄」となるものであってもよい。最初から「フルーツ柄」で表示されるパターンがあってもよい。表示色が変化するものについては、図14に示したように、タイトル報知が実行された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。また、スーパーリーチの種類によって、タイトルの表示期間が異なるため、スーパーリーチの種類によって表示色が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。タイトルの表示期間が長いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチE)の場合には、変化するタイミングを複数設けて、変化タイミングをいずれかに決定するようにしてもよい。そして、タイトルの表示期間が短いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチB)の場合には、変化するタイミングの数を1つ又はタイトルの表示期間が長いスーパーリーチよりも少数にしてもよい。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、通常モードでは図16(A)に示す決定割合でタイトルの表示色を決定し、特別モードでは図16(B)に示すような通常モードと異なる割合でタイトルの表示色を決定する。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。このように、演出モードによってタイトル予告の実行態様(表示色や表示色の変化タイミング)を異ならせることで、演出が多彩になり演出効果が向上する。
この実施の形態では、予告演出として、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示態様(例えばセリフの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するセリフ予告を実行するようになっている。
スーパーリーチのタイトルの表示色を決定した後には、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示色(セリフ予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS003)。
ステップ31AKS003では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図16(C)に示す決定割合で、リーチ演出におけるセリフの表示色を決定する。リーチ演出におけるセリフの表示色は、図16(C)に示すように、「白」、「赤」、「白」から「赤」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、セリフの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がセリフの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。なお、表示色が変化するものについては、セリフが表示された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、タイトル予告とセリフ予告とで同じ演出態様(表示色)が含まれる場合、同じ演出態様となった場合には大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の変化タイミングの組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、変化タイミングが同じ場合に変化タイミングが異なる場合より大当り信頼度が高くなるようにしたり、いずれの変化が先かで大当り信頼度を異ならせてもよい。このようにすることで、タイトル予告とセリフ予告とのそれぞれの変化タイミングに注目させることができる。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、特別モードでは通常モードと異なる割合でセリフの表示色を決定するようにしてもよい。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。
なお、セリフ予告に代えてリーチ演出の演出態様の変化によって大当り信頼度を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、その予告演出において、演出態様の変化タイミングを複数設けて、変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なるようにすればよい。
リーチ演出におけるセリフの表示色を決定した後や、スーパーリーチの変動パターンでないと判定された場合(ステップAK31S001;No)、その他の予告演出に実行有無や演出態様を決定する(ステップAK31S004)。その後、31AKS002〜31AKS004における決定結果をRAM122の所定領域に保存し(ステップAK31S005)、予告演出決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチである場合に、タイトル予告及びセリフ予告を実行可能となっているが、特定のスーパーリーチ(例えば信頼度の低いスーパーリーチ以外)である場合に、タイトル予告及びセリフ予告のうち少なくとも一方を実行可能にしてもよい。また、タイトル予告及びセリフ予告については、図16に示す決定割合で決定されるものとして説明したが、決定割合は任意であり、例えばスーパーリーチの種類に応じて決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで、リーチの種類に応じた予告演出を実行でき、演出効果が向上する。
この実施の形態では、タイトル予告とセリフ予告とでは、実行可能な演出態様の数(表示可能な表示色の数)が異なっている。このようにすることで、演出が多彩になり演出効果が高まる。タイトル予告とセリフ予告とにおいて、実行可能な演出態様の数は任意に変更してもよく、実行可能な演出態様の数や種類が同じであってもよい。このようにすることで、統一感ある予告演出が実行でき、遊技者は大当り信頼度を把握しやすくなる。
(作用演出)
このタイトル予告とセリフ予告との演出態様が変化するときに、演出態様が変化することを示す演出を実行するようにしてもよい。例えば、画像表示装置5に作用演出画像を表示し、その画像がタイトル及びセリフのうち少なくとも1つに作用する作用演出を実行するようにしてもよい。そして、作用演出が実行された後に、タイトルやセリフの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。作用演出の演出態様(作用演出画像等)はタイトル及びセリフにいずれに作用する場合でも共通としてもよい。なお、作用演出が実行されたにも関わらず、タイトルやセリフの演出態様が変化しない場合があってもよい。作用演出を実行する場合には、タイトル予告とセリフ予告に係る決定結果に基づいて、作用演出の実行の有無や実行タイミング、演出態様を決定するようにすればよい。そのような決定はステップAK31S004の処理で実行されればよい。例えば、作用演出の演出態様に応じて、タイトル予告とセリフ予告との少なくとも一方の演出態様が変化する割合(作用演出により演出態様が変化する割合)が異なるようにしてもよいし、タイトル予告とセリフ予告といずれの演出態様が変化するかの割合(いずれに作用するかの割合)が異なるようにしてもよいし、何色に(何段階)変化するかの割合が異なるようにしてもよい。このような作用演出を実行することで、遊技者はいずれ作用演出画像が表示されたときに、タイトルとセリフのいずれに作用するかに注目するようになり演出効果が向上する。なお、複数の演出モードがある場合、演出モードに応じて異なる割合で作用演出の実行有無や演出態様を決定するようにしてもよい。このようにすることで、演出モードに応じた作用演出を実行でき、演出効果が向上する。
このような作用演出の他の例として、リーチ演出の演出内容(例えばキャラクタの動作やバトル演出における演出内容等)に応じて、タイトル及びセリフのいずれかのうち少なくとも1つの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者はリーチ演出の演出内容に注目するようになる。
この発明は、上記特徴部31AKで説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態で説明した特徴部分は、全てが必須構成ではなく、適宜省略可能である。
(サブ液晶)
画像表示装置5とは異なるサブ表示装置として、遊技盤2または遊技機用枠3にサブ液晶が設けられていてもよい。ここではサブ液晶と表現するが、サブ表示装置は、有機ELやドットマトリクスのLEDにより構成されてもよい。サブ液晶装置は、例えば画像表示装置5の近傍等に固定されるものであってもよいし、可動式または収納式であってもよい。サブ液晶においては、予告演出や保留表示の表示といった各種演出を実行する。例えば、サブ液晶においてタイトル報知を実行するようにしてもよい。上記実施の形態のスーパーリーチD及びスーパーリーチEのように、タイトル報知後にも継続してタイトルを表示する場合に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。この場合、画像表示装置5においてタイトルを報知した後に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。このようにすることで、画像表示装置5におけるスーパーリーチ演出を阻害することなくタイトルや期待度示唆表示を表示することができる、タイトルや期待度示唆表示もわかりやすくなる。
上記実施の形態では、示唆演出としてのリーチ演出のタイトルの報知について、本発明を適用した例を説明したが、他の演出に関するタイトル報知(主に文字を表示する報知)に本発明を適用してもよい。例えば、予告演出(例えば先読み予告演出)として、画像表示装置5における背景画像や演出態様がそれぞれ異なる複数のゾーン(ステージ、演出モード等)に移行させる先読みゾーン演出を実行する場合において、移行したゾーンのタイトル報知に本発明を適用してもよい。ミッション(「7でリーチをかけろ」、「スティックコントローラを使って敵を全滅させろ」等)を提示し、当該ミッションを達成したときに遊技者に有利な状態となるミッション演出を実行する場合に、ミッションのタイトル報知に本発明を適用してもよい。
(特徴部31AKの変形例1)
上記実施の形態では、表示結果を導出するタイミングになると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行され、その後、表示結果が示されるようになっていた(図10(B)〜(D))。このような決め演出に代えて、表示結果を導出する前の所定タイミングになると、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を促す操作演出が実行され、操作有効期間に所定の操作が検出されるとバトル演出の勝敗が表示されたり、表示結果が仮停止される等により、表示結果が示されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の操作に応じて表示結果が示されるため、遊技者の遊技参加意欲を高めることができ、興趣が向上する。
図17、図18は、操作演出が実行され、その操作に応じて表示結果が示される変形例におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図17(A)に示すように、画像表示装置5においてリーチ態様となった後、例えば図17(B)に示すように、味方キャラであるのキャラクタ31AK041と敵キャラであるキャラクタ31AK042とが表示され、図17(C)〜(F)、図18(G)〜(I)に示すように、キャラクタ31AK041とキャラクタ31AK042とが対決するリーチ演出が実行される。
リーチ演出に伴い、図17(C)に示すように、画像表示装置5の右下に小ボタン画像31AK043と小ボタン画像31AK043に重畳する規制線31AK044とが表示される。これにより、プッシュボタン31Bを使用する操作演出が実行されるが、現状は操作の受付が規制されていることが示唆される。
この変形例では、操作演出が実行されることを示す操作演出画像が複数種類用意されている。そして、いずれの操作演出画像が表示されて操作演出が実行されるかによって大当り信頼度が異なるようになっている。また、リーチ演出中に操作演出が実行されることを示す画像がより信頼度の高い態様に変化する場合があるようになっている。
例えば、図17(D)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が表示され、図17(E)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が喜ぶキャラクタ31AK046に変化するとともに、小ボタン画像31AK043が大ボタン画像31AK047に変化する。
その後、図18(H)に示すように、大砲31AK048が表示され、図18(I)に示すように、大砲31AK048から弾が発射されるエフェクト31AK049が表示され、大ボタン画像31AK047に弾が命中するエフェクト31AK050が表示される。そして、大ボタン画像31AK047がスティック画像31AK051に変化する。
このように、この変形例では、操作演出画像が変化する場合には操作演出画像が変化することを示す作用演出が実行される。なお、作用演出を伴わずに操作演出画像が変化する場合があってもよい。また、作用演出が実行されたにも関わらず操作演出画像が変化しない場合があってもよい。作用演出の種類によって、操作演出画像が変化する割合が異なっていてもよい。
その後、表示結果が導出される所定時間前に、図18(J)に示すように、規制線31AK044が消去され、図18(K)に示すように、スティック画像31AK051が中央部に拡大表示され、スティックコントローラ31Aを引く操作を促す表示がされる。また、このときスティックコントローラ31Aへの操作が有効な操作有効期間となる。
ここで、スティックコントローラ31Aを引く操作が検出されると、図18(L)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK052が表示される。その後、変動時間の終了するタイミングで、図18(M)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、予め定められた操作有効期間内に操作が検出されなかった場合には、自動的に図18(L)に示す画像が表示される。
この変形例では、操作演出画像として、小ボタン画像、大ボタン画像、スティック画像とがあり、小ボタン画像<大ボタン画像<スティック画像の順でこれらの画像を用いた操作演出が実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。信頼度の低い操作演出画像が表示された場合であっても、リーチ演出中に信頼度の高い操作演出画像に変化する場合があるので、演出効果が向上し、また、遊技者の期待感を維持することができる。
なお、図17、図18に示した演出動作例では、リーチのタイトル報知や、期待度示唆表示は省略しているが、図17、図18に示したリーチ演出や操作演出と並行して適宜実行されるようにしてもよい。操作演出や操作演出画像に係る決定(操作演出の有無、表示する操作演出画像、作用演出の有無等)は、図15のステップ31AKS004にて実行されればよい。
(特徴部31AKの変形例2)
大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なうようにしてもよい。例えば、第1示唆表示を行うシャッター演出と、第2示唆表示を行うリーチタイトル演出と、実行するようにしてもよい。シャッター演出では、可変表示開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、リーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。リーチタイトル演出は、上記実施の形態のタイトル予告と同じであってもよいし、別の処理で決定される別の演出であってもよい。
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り信頼度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像、要素E2のメロン画像、要素E3のリンゴ画像、要素E4のスイカ画像、要素E5のイチゴ画像が含まれる。これら要素E1〜E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1〜E5の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E1〜E5の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E1〜E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
可変表示開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示されないときよりも大当り信頼度が高い。また、リーチ演出実行中に、リーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り信頼度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E1〜E5を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り信頼度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り信頼度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、可変表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに遊技効果ランプ9の発光による報知を行なう。共通音および遊技効果ランプ9の発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図19は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図19(a)に示すように、シャッター演出が実行される場合、画像表示装置5において可変表示の開始時にシャッター画像31AK061が表示される。シャッター画像31AK061には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ9の発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図19(b)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。下向きの矢印が左、中、右図柄の可変表示を示している。左図柄および右図柄の可変表示が仮停止すると、図19(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図19(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。可変表示は例えば画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像31AK062が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像31AK062には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像31AK062には、バトル演出を伴うリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ9の発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り信頼度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図19(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による可変表示画面に戻る。図19(f)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図19(a)、(d)に示すように、シャッター画像31AK061およびリーチタイトル画像31AK062のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像31AK061とリーチタイトル画像31AK062とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り信頼度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図19(a)に示すシャッター画像31AK061の表示サイズは、図19(d)に示すリーチタイトル画像31AK062の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像31AK061の表示サイズとリーチタイトル画像31AK062の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図19(a)に示すシャッター画像31AK061と図19(d)に示すリーチタイトル画像31AK062とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
シャッター演出に係る決定(シャッター演出の有無や演出態様)は、図15のステップ31AKS004にて実行されればよい。その際には、図15のステップ31AKS002におけるタイトルの表示色の決定結果に基づいてシャッター演出に係る決定を行うようにしてもよい。例えば、タイトルの表示色がフルーツ柄になるものが決定されている場合は、フルーツ柄のシャッター演出が実行されやすくしてもよい。また、リーチタイトル演出の係る決定もシャッター演出に係る決定と合わせて図15のステップ31AKS004にて実行されるようにしてもよい。
(特徴部90AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部90AKについて説明する。特徴部90AKに係るパチンコ遊技機1は、保留記憶数が予め設定された特定数となったときに、当該特定数となったことを報知する報知演出を実行可能である。また、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出として、保留表示の表示態様を通常態様とは異なる特定態様に変化させて表示する保留予告を実行可能であり、特定態様での保留表示が行われたことを報知する特定報知演出を実行可能である。そして、特徴部90AKに係るパチンコ遊技機1では、保留記憶数が特定数に達したときに特定態様の保留表示が行われる場合、報知演出の実行を制限して特定報知演出を実行する。以下、このような特徴部90AKについて、図20−1〜図20−7を参照して詳細に説明する。
図20−1は、図5のステップS101において実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。図20−1に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理において第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定した場合(ステップS201;Yes)、CPU103は、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS202;No)、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201において第1始動口スイッチ22Aがオフであると判定した場合(ステップS201;No)や、ステップS202において第1特図保留記憶数が上限値に達していると判定した場合(ステップS202;Yes)には、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理において第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定した場合(ステップS204;Yes)、CPU103は、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば、「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205において第2特図保留記憶数が上限値ではないと判定した場合(ステップS205;No)、CPU103は、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンではないと判定した場合(ステップS204;No)や、第2特図保留記憶数が上限値であると判定した場合(ステップS205;Yes)には、CPU103は、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203またはS206の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
第1特図保留記憶部は、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示部5HLの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第1保留表示部5HLの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば、「4」)に達するまで記憶する。こうして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される)とは、基本的に対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示部5HRの一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、第2保留表示部5HRの第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理を実行した後、CPU103は、予め用意された始動口入賞指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。その後、CPU103は、予め用意された保留記憶数通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS212)。
続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS213)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3のうちの乱数値MR1およびMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるか否かおよび当該可変表示の変動パターン(図8参照)を判定する処理である。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS214;「2」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であると判定した場合(ステップS214;「1」)、CPU103は、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204に処理を進める。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図20−2は、入賞時乱数値判定処理として、図20−1のステップS213にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、入賞時乱数値判定処理では、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、このタイミングで抽出された乱数値(ステップS209の処理において抽出された乱数値)の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示の変動パターンがどれになるかの判定などを行う(いわゆる「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前(特図ゲームの開始条件成立前)に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、この先読み結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示の表示態様などを決定することができる。
図20−2に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS301)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定する。例えば、特図プロセスフラグの値が、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
ステップS301の処理に続いて、CPU103は、特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS302)。大当り中でないと判定した場合(ステップS302;No)、CPU103は、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(ステップS303)。高ベース中であると判定した場合(ステップS303;Yes)、または、ステップS302の処理において大当り中であると判定した場合(ステップS302;Yes)、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS304)。始動口バッファ値が「2」ではないと判定した場合(ステップS304;No)、CPU103は、入賞時判定を制限するための設定を行う(ステップS306)。
一方、始動口バッファ値が「2」であると判定した場合(ステップS304;Yes)、または、ステップS303の処理において高ベース中ではないと判定した場合(ステップS303;No)、CPU103は、図20−3(A)、(B)に示す第1特図表示結果決定テーブルまたは第2特図表示結果決定テーブルから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルを選択する(ステップS305)。
ステップS305の処理に続いて、CPU103は、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS307)。CPU103は、例えば、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図20−1に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
なお、ステップS307の処理において、例えば、CPU103は、ステップS210で特図保留記憶部に格納した乱数値MR1を読み出し、読み出した乱数値MR1を使用して上記の判定を行えばよい。また、CPU103は、ステップS210とは別に乱数値MR1をRAM102の所定領域(特図保留記憶部以外の領域)やCPU103の記憶領域などに保持しておき、保持した乱数値に基づいて上記の判定を行ってもよい。これは、後述する乱数値MR3についても同様である。このように、入賞時乱数値判定処理で使用される乱数値は、特図保留記憶部に格納された乱数値でなくてもよい。
ステップS307の処理において大当り決定範囲内であると判定した場合(ステップS307;Yes)、CPU103は、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS308)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、図20−3(C)に示す大当り種別決定テーブルから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。CPU103は、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。
ステップS308の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述する大当り変動パターン決定テーブルを選択して使用テーブルに設定する(ステップS309)。大当り変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「大当り」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターン(図8(A)参照)に乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられていればよい。
ステップS307の処理において大当り決定範囲内でないと判定した場合(ステップS307;No)、CPU103は、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS310)。CPU103は、ステップS305の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り決定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。
小当り決定範囲の範囲内であると判定した場合(ステップS310;Yes)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された小当り変動パターン決定テーブルを選択して使用テーブルに設定する(ステップS312)。小当り変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「小当り」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。
一方、小当り決定範囲の範囲内ではないと判定した場合(ステップS310;No)、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを選択して使用テーブルに設定する(ステップS311)。具体的には、ステップS301で特定した現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)場合と、ステップS301で特定した現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)とで、それぞれ異なるハズレ変動パターン決定テーブルを使用テーブルに設定する。ハズレ変動パターン決定テーブルは、可変表示結果が「ハズレ」になる可変表示の変動パターンを決定するためのテーブルであり、各変動パターンに乱数値MR3と比較される決定値が割り当てられている。なお、現在の遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合(時短フラグがオン状態のとき)には、現在の遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合(時短フラグがオフ状態のとき)場合よりも、変動時間が短縮された変動パターン(例えば図8に示すPA1−2の変動パターン)に決定される割合が高くなっている。
ステップS309、S311、S312のいずれかを実行した後、CPU103は図20−1のステップS209で抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り変動パターン決定テーブル、小当り変動パターン決定テーブル、ハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動パターンを判定する(ステップS313)。CPU103は、例えば、各変動パターンに割り当てられた個々の決定値と、乱数値MR3とを、逐一比較することにより、乱数値MR3と合致する決定値の有無を判定することで変動パターンを判定してもよいし、あるいは、各変動パターンに割り当てられた決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR3と決定値の最小値や最大値とを比較することにより変動パターンを判定してもよい。
ステップS306、S313の処理のいずれかを実行した後、CPU103は、ステップS308やステップS313の判定結果に応じた内容の始動入賞時コマンドの送信設定を行い(ステップS314)、入賞時乱数値判定処理を終了する。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動入賞口指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動入賞口指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、図柄判定結果指定コマンドと、変動パターン判定結果指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理において送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。送信設定する図柄指定コマンドは、ステップS307の判定結果が大当り決定範囲内であるときには(ステップS307;Yes)、可変表示結果の判定結果が「大当り」であることを指定するコマンド(「大当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS307の判定結果が小当り決定範囲であるときには(ステップS310;Yes)、可変表示結果の判定結果が「小当り」であることを指定するコマンド(「小当り」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS310の判定結果が小当り決定範囲でないときには(ステップS310;No)、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを指定するコマンド(「ハズレ」に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS303の判定結果が始動口バッファ値=1であるときには(ステップS304;No)、始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。送信設定する変動パターン判定結果指定コマンドは、ステップS313で変動パターンを判定した場合には判定結果となる変動パターンを指定するコマンド(判定結果である変動パターンに対応したEXTデータを含むコマンド)とし、ステップS304の判定結果が始動口バッファ値=1(ステップS304;No)であるときには始動入賞時の判定を行っていない「判定なし」であることを指定するコマンド(「判定なし」に対応したEXTデータを含むコマンド)とすればよい。
入賞時乱数値判定処理では、上記のように、今回ステップS209で抽出した乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」や「小当り」になるか否か、および、当該可変表示の変動パターン(図13参照)が判定され、いわゆる先読みが行われる。なお、この処理では現在の遊技状態に基づいて判定を行い、可変表示が実際に実行されるときの遊技状態に基づいて判定を行っていないため、当該判定は必ずしも正確なものでないが、ある程度の精度で可変表示結果や変動パターンを予測することができる。また、入賞時乱数値判定処理では、ステップS302の処理において大当り中であると判定した場合や、ステップS303の処理において時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS304の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS305などの処理を実行せずにステップS314の処理に進み、始動入賞時の判定を行わない。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読みが実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図20−4は、図6のステップS75において実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図20−4に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンド(始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップS401)。
始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップS401;Yes)、始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS402)。始動入賞時コマンドとして、第1始動入賞口指定コマンドや第1特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第1始動入賞時コマンドバッファに格納する。始動入賞時コマンドとして、第2始動入賞口指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信した場合、始動入賞時コマンド(第2始動入賞口指定コマンド、第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンド)を、RAM122の所定領域に設けられた第2始動入賞時コマンドバッファに格納する。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第1始動入賞時コマンドバッファには、第1特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。第1始動入賞口への始動入賞があったときは、第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第1始動入賞時コマンドバッファには、これらの第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第1始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第1始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞時に受信した始動入賞時受信コマンドを構成する各種コマンドデータが記憶される。第2始動入賞時コマンドバッファには、第2特図保留記憶数の最大値(例えば、4)に対応する個数分の各種データを格納可能な格納領域(保留表示番号1〜4のそれぞれに対応する領域)が設けられている。第2始動入賞口への始動入賞があったときは、第2始動入賞口指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドという4つのコマンドを1セットとした演出制御コマンド(始動入賞時コマンド)が、主基板11から演出制御基板12へと送信される。第2始動入賞時コマンドバッファには、これらの第2始動入賞口指定コマンド、第2特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドに加え、その他の情報を各保留記憶情報に対応付けて格納できるように格納領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを特定するデータを、受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域の先頭から格納する。第2始動入賞時コマンドバッファの空き領域、すなわち、データが格納されていない領域のデータは、「0000(H)」となっている。したがって、始動入賞時コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファにおいて、始動入賞時コマンドの格納領域がすべて「0000(H)」である最小の保留表示番号に対応する格納領域に、第2始動入賞口指定コマンド、第1特図保留記憶指定コマンド、図柄判定結果指定コマンド、変動パターン判定結果指定コマンドの順に各演出制御コマンドデータを格納する。
ステップS402を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS401;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS403)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS403;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグおよび高ベースフラグのオン/オフ状態を切り替える(ステップS404)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態/オフ状態の切り替えに対応して、オン状態/オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態/オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグおよび時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグおよび高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS404を実行した後、または、始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS403;No)、演出制御用CPU120は、その他の解析処理を実行し(ステップS405)、コマンド解析処理を終了する。
図20−5は、図7のステップS161において実行される先読予告設定処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、特徴部90AKでは、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出として、保留表示の表示態様を通常態様とは異なる特定態様に変化させる保留予告を実行可能であり、当該先読予告設定処理では、保留予告や特定報知演出を実行する処理が行われる。また、先読予告設定処理では、保留記憶数が予め設定された特定数となったことを報知する報知演出を実行する処理や、保留記憶数が特定数に達したときに特定態様の保留表示が行われる場合、報知演出の実行を制限して特定報知演出を実行する処理が行われる。
図20−5に示す先読予告設定処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ90AKS001)。始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ90AKS001;No)、演出制御用CPU120は、先読予告設定処理を終了する。一方、始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップ90AKS001;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した始動入賞時コマンドが、低ベース状態で受信した第1保留記憶数加算指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2保留記憶数加算指定コマンド、のいずれかであるか否かを判定する(ステップ90AKS002)。本実施の形態では、ステップ90AKS002の処理が実行されることによって、低ベース状態では第1始動入賞口への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに保留予告演出が実行可能となり、高ベース状態では第2始動入賞口14への入賞に基づいて保留記憶が増加したときに保留予告演出が実行可能になる。
低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、または、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれかであると判定した場合(ステップ90AKS002;Yes)、演出制御用CPU120は、保留予告の実行有無を決定する(ステップ90AKS003)。演出制御用CPU120は、例えば、可変表示結果に応じて、ROM121の所定領域に予め記憶されている図20−6(A)に示す保留予告決定テーブルを参照して、保留予告の実行有無を決定する。なお、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドに含まれる図柄判定結果指定コマンドおよび変動パターン判定結果指定コマンドを参照して、可変表示結果を取得すればよい(後述するステップ90AKS005についても同様)。
図20−6(A)に示す保留予告決定テーブルでは、可変表示結果が、「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)/小当り」、「上記以外」に区分され、それぞれについて、保留予告を実行する「実行有り」と保留予告を実行しない「実行無し」とに、異なる決定割合が割り当てられている。図示するように、特徴部90AKでは、可変表示結果が「大当り(確変/非確変)」である場合に、「実行有り」の決定割合が最も高く設定されている。一方、可変表示結果が、2ラウンド遊技が実行される「大当り(突確)」の場合および可変表示結果が、変動パターンにスーパーリーチ演出を含む「ハズレ(スーパーリーチ)」または「小当り」である場合、「実行有り」の決定割合が2番目に高く設定されている。可変表示結果が、上述した「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)」、「小当り」のいずれにも該当しない場合には、「実行有り」の決定割合が最も高く設定され、「実行無し」の決定割合が他の可変表示結果よりも高く設定されている。したがって、保留予告が実行された場合には、実行されない場合よりも遊技者にとって有利な有利状態に制御される可能性が高いことを示唆することができる。
図20−5に戻り、ステップ90AKS003の処理により保留予告の実行有無を決定した後、演出制御用CPU120は、ステップ90AKS003にて保留予告を実行すると決定したか否かを判定する(ステップ90AKS004)。保留予告を実行すると決定した場合(ステップ90AKS004;Yes)、保留予告の実行態様を決定する(ステップ90AKS005)。演出制御用CPU120は、例えば、可変表示結果に応じて、ROM121の所定領域に予め記憶されている図20−6(B)に示す保留予告態様決定テーブルを参照して、保留予告の態様(特定態様として表示する保留表示の表示態様)を決定する。
図20−6(B)に示す保留予告態様決定テーブルでは、可変表示結果が、「大当り(確変/非確変)」、「大当り(突確)」、「ハズレ(スーパーリーチ)/小当り」、「上記以外」に区分され、それぞれの区分について「青」、「緑」、「赤」といった表示態様(特定態様)に、それぞれ異なる決定割合が割り当てられている。図示するように、特徴部90AKでは、保留予告の表示態様が「赤」となる場合が最も期待度が高く、次いで「緑」となる場合が高く、その次に「青」となる場合が高くなっている。なお、上述したように、保留予告が実行される場合には、実行されない場合よりも期待度が高く設定されていることから、保留予告の表示態様が「青」であっても、保留予告を実行しない場合の保留表示の表示態様(通常態様)である「白」よりは期待度が高くなっている。したがって、保留予告が実行される場合における表示態様についての遊技者の注目を集めることができる。
図20−5に戻り、ステップ90AKS005の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップ90AKS005にて決定した表示態様で保留予告を実行するとともに、特定態様での保留表示が行われたことを報知する特定報知演出を実行する(ステップ90AKS006)。具体的に、特徴部90AKにおける特定報知演出は、ステップ90AKS005にて決定した表示態様に応じて異なる報知音(第2報知音)を出力するとともに(第1報知音については後述する)、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口の近傍に設けられたランプ(図20−7に示す入賞口近傍ランプ90AK002)を、当該表示態様に応じた色で発光させる演出である。なお、特定報知演出は、例えば、ステップ90AKS005にて決定した保留予告の表示態様が「赤」であっても、報知音1と報知音2といった複数種類の報知音のいずれか(複数種類の第2報知音のいずれか)を、期待度に応じて出力するなど、同じ態様の表示態様であっても、期待度に応じて異なる種類の報知音を出力するようにしてもよい。また、期待度が高いほど音量が大きいなど、同じ報知音ではあるが音量が異なるようにしてもよい。また、ステップ90AKS005にて決定した表示態様に応じて異なる報知音を出力しなくとも、表示態様に関わらず共通の報知音を出力し、入賞口近接ランプ90AK002の発光色を、ステップ90AKS005にて決定した表示態様に応じた色としてもよい。
ステップ90AKS006の処理を実行した後、ステップ90AKS002にて低ベース状態で受信した第1始動入賞口指定コマンド、および、高ベース状態で受信した第2始動入賞口指定コマンド、のいずれでもないと判定した場合(ステップ90AKS002;No)、または、90AKS004にて保留予告を実行しないと決定した場合(ステップ90AKS004;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が予め設定された特定数となったことを報知する報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップ90AKS007)。報知演出の実行中であるか否かは、後述するステップ90AKS010にて報知演出が実行され、当該報知演出が終了するまでの期間オン状態にセットされる報知演出実行中フラグの値を確認することにより判定すればよい。報知演出実行中フラグがオン状態である場合、すなわち報知演出の実行中であると判定した場合(ステップ90AKS007;Yes)、演出制御用CPU120は、先読予告設定処理を終了する。なお、ステップ90AKS007にて報知演出の実行中であると判定した場合には先読予告設定処理を終了することから、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。一方で、特定報知演出については、報知演出の実行中であるか否かに関わらず90AKS004にて「実行有り」と決定した場合には実行される。この場合、報知演出の実行中であれば、実行中の報知演出を後述する音なし報知演出に切り替えてもよいし、実行中の報知演出を終了(中断)させてもよい。また、報知演出における報知音の音量を下げるようにしてもよい。
報知演出実行中フラグがオフ状態である場合、すなわち報知演出の実行中でないと判定した場合(ステップ90AKS007;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が特定数として予め設定された「4」であるか否かを判定する(ステップ90AKS008)。ステップ90AKS008の処理では、例えば、ステップ90AKS001にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第1始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する。一方、ステップ90AKS001にて第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第2始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する。すなわち、ステップ90AKS008では、ステップ90AKS001にて受信した始動入賞口指定コマンドに応じた特図保留記憶数が特定数である「4」であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」でないと判定した場合(ステップ90AKS008;No)、演出制御用CPU120は、先読予告設定処理を終了する。なお、この例では特定数が上限値である「4」である例を示しているが、当該特定数は、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により任意の値に変更可能であり、遊技開始前や遊技中に設定可能であればよい。初期値として「4」が設定されていればよい。また、例えば遊技者の選択操作により特定数が「3」に設定されていた場合であっても、例えば客待ちデモ指定コマンドと受信した場合や、打球操作ハンドル30を遊技者が所定期間触れていないことをタッチセンサなどにより検知した場合など、遊技終了と判定した場合には初期値の「4」に設定値がクリアされればよい。なお、例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により、報知演出を実行しない設定が可能としてもよい。
保留記憶数が「4」であると判定した場合(ステップ90AKS008;Yes)、演出制御用CPU120は、当該保留における保留予告の表示態様が「緑」以上であるか否かを判定する(ステップ90AKS009)。ステップ90AKS009では、ステップ90AKS005で決定された表示態様(ステップ90AKS006にて実行された保留予告の表示態様)が「緑」または「赤」であるか、すなわち、「緑」以上の期待度の表示態様であるか否かを判定すればよい。当該保留について保留予告を実行していない場合や、「青」の表示態様にて保留予告を行った場合、すなわち当該保留における保留予告の表示態様が「緑」以上ではない場合(ステップ90AKS009)、演出制御用CPU120は、報知演出を実行し(ステップ90AKS010)、先読予告設定処理を終了する。ステップ90AKS010では、上述したように、当該報知演出の実行に合わせて報知演出実行中フラグをオン状態にセットし、当該報知演出の終了に合わせてオフ状態にクリアする設定がなされる。なお、特徴部90AKにおける報知演出では、特定報知演出とは異なる報知音(第1報知音)を出力するとともに、打球操作ハンドル(操作ノブ)30に設けられた振動装置を起動させて当該打球操作ハンドル30を振動させる演出が行われる。
一方、当該保留の保留予告の表示態様が「緑」以上である場合(ステップ90AKS009;Yes)、演出制御用CPU120は、音なし報知演出を実行し(ステップ90AKS011)、先読予告設定処理を終了する。特徴部90AKにおける音なし報知演出は、第1報知音を出力せずに打球操作ハンドル30を振動させる演出である。このように、特徴部90AKでは、保留予告を実行し(より具体的には表示態様が「緑」以上の保留予告を実行し)特定報知演出を実行する場合、保留記憶が「4」であっても、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行し、保留予告および特定報知演出を実行する。
(特徴部90AKの演出動作例)
続いて、特徴部90AKにおける演出動作例について説明する。図20−7は、特定報知演出などの演出動作例を示す図である。具体的に、図20−7は、特定報知演出および音なし報知演出が実行された場合と、報知演出のみが実行された場合の演出動作例を示している。なお、図示する例では通常状態(低確低ベース状態)であることを前提としている。
図20−7(a)に示すように保留記憶数(より具体的には第1特図保留記憶数)が「3」の状態において、第1始動入賞口に遊技球が入賞すると、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを受信するため、図20−5のステップS90AKS001にてYesと判定する。また、低ベース状態で第1始動入賞口指定コマンドを受信したため、ステップ90AKS002においてもYesと判定する。そして90AKS003にて保留予告を実行すると決定し、90AKS005にて「緑」または「赤」の態様の保留予告を実行すると決定した場合には、図20−7(b−1)に示すように、保留表示を特定態様90AK001で表示する。また、特定報知演出として第2報知音(図示する例ではA音)を出力するとともに、当該表示された保留表示の態様に応じた発光色にて入賞口近傍ランプ90AK002を点灯させる(図20−5のステップ90AKS006にて実行する)。なお、図20−7(b−1)に示す例では、特定態様として「赤」の保留表示が行われた例を示している。そのため、特定態様として「緑」の保留表示が行われた場合には、特定報知演出としてA音とは異なるA2音を出力するとともに、「緑」の発光色にて入賞口近傍ランプ90AK002を点灯させればよい。さらに、保留記憶数(より具体的には第1特図保留記憶数)が特定数である「4」となり、「緑」以上の態様の保留予告が行われていることから、図20−5のステップ90AKS011にて音なし報知演出を実行し、図20−7(b−1)に示すように、打球操作ハンドル(操作ノブ)30に設けられた振動装置を起動させて当該打球操作ハンドル30を振動させる演出を行う。
一方、90AKS003にて保留予告を実行しないと決定した場合や、90AKS003にて保留予告を実行すると決定し、かつ90AKS005にて「青」の態様の保留予告を実行すると決定した場合には、図20−7(b−2)に示すように、図20−5のステップ90AKS010にて、音なし報知演出ではなく報知演出を実行し、保留記憶数が特定数である「4」となったことを報知する第1報知音(図示する例ではB音)を出力するとともに、打球操作ハンドル30を振動させる演出を行う。なお、図20−7(b−2)に示す例では、90AKS003にて保留予告を実行しないと決定した場合の例を示しており、90AKS003にて保留予告を実行すると決定し、かつ90AKS005にて「青」の態様の保留予告を実行すると決定した場合には、保留表示90AK003が特定態様である「青」で表示され、特定報知演出としてA音およびA2音のいずれとも異なるA3音(第2報知音)を出力するとともに、「青」の発光色にて入賞口近傍ランプ90AK002を点灯させればよい。すなわち、保留予告として期待度の低い「青」の態様の保留表示が行われた場合には、特定報知演出および報知演出の両方を実行する。これにより、期待度の低い保留予告についての報知を優先することにより遊技者に与えてしまう煩わしさを軽減することができる。なお、「青」の態様の保留予告を実行する場合の特定報知演出では、第2報知音を出力せず入賞口近傍ランプ90AK002のみ点灯させてもよい。
以上のように、特徴部90AKでは、保留予告を実行し(より具体的には表示態様が「緑」以上の保留予告を実行し)特定報知演出を実行する場合、保留記憶数が「4」であっても、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行し、保留予告および特定報知演出を実行する。したがって、保留記憶数が特定数となった場合でも、特定報知演出が優先されるため、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部90AKにおける報知演出では、第1報知音の出力と打球操作ハンドル30を振動させる演出とを実行することで保留記憶数が特定数となったことを報知する。また、特定報知演出では、少なくとも第1報知音とは異なる第2報知音を出力することで特定態様の保留表示が行われたことを報知する。そして、報知演出の実行を制限する場合、音なし報知演出として、第1報知音の出力を制限する。したがって、特定報知演出を優先しつつ特定数となったことを遊技者に報知でき遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部90AKでは、保留予告として期待度の低い「青」の態様の保留表示が行われた場合には、報知演出を制限することなく、特定報知演出および報知演出の両方を実行する。そして、「緑」以上の態様の保留表示が行われた場合に報知演出を制限する。これにより、期待度の低い保留予告についての報知を優先することにより遊技者に与えてしまう煩わしさを軽減することができる。
また、特徴部90AKでは、図20−5のステップ90AKS007にて報知演出の実行中であると判定した場合、先読予告設定処理を終了する。そのため、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。その一方で、特定報知演出については、報知演出の実行中であるか否かに関わらず90AKS004にて「実行有り」と決定した場合には実行される。報知演出の実行中であれば、実行中の報知演出を後述する音なし報知演出に切り替えてもよいし、実行中の報知演出を終了(中断)させてもよく、また、報知演出における報知音の音量を下げるようにしてもよい。これによれば、特定報知演出を確実に実行することにより遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部90AKでは、遊技者のスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により、特定数を任意の値に変更可能である。これによれば演出効果を高め遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部90AKの変形例)
上記実施の形態では、図20−5に示す90AKS009にて当該保留の保留予告の表示態様が「緑」以上であるか否かにより報知演出と音なし報知演出のいずれかを実行する例を示したが、90AKS009では、保留予告の表示態様に関わらず、当該保留について90AKS006の処理を実行したか否か(保留予告を実行したか否か)を判定するようにしてもよい(すなわち、「緑」未満である「青」の表示態様の保留予告も含むようにしてもよい)。そして、当該保留について保留予告を実行している場合には、音なし報知演出を実行し、保留予告を実行していない場合には報知演出を実行すればよい。
また、上記実施の形態では、報知演出の制限として、音なし報知演出を実行する例を示したが、報知演出および音なし報知演出のいずれも実行しないようにしてもよい。すなわち、ステップ90AKS009にてYesと判定した場合には、そのまま先読予告設定処理を終了してもよい。また、上記実施の形態では、ステップ90AKS007にて報知演出の実行中であるか否かを判定したが、ステップ90AKS007では、さらに、音なし報知演出の実行中であるか否かについても判定してもよい。これにより、音なし報知演出と報知演出のいずれについても、複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
また、上記実施の形態では、ステップ90AKS007にて報知演出の実行中であるか否かを判定し、実行中であれば報知演出を実行することなくそのまま先読予告設定処理を終了する例を示したが、これは一例である。例えば、報知演出を実行してから2秒間を報知演出禁止期間とし、その期間以外であれば、報知演出の実行中であっても再度報知演出を実行可能としてもよい。この場合には、ステップ90AKS007にて報知演出禁止期間であるか否かを判定し、禁止期間であればそのまま先読予告設定処理を終了し、禁止期間でなければステップ90AKS008の処理に移行すればよい。
(特徴部91AKに関する説明)
次に、特徴部91AKについて説明する。特徴部91AKに係るパチンコ遊技機1は、特徴部90AKと同様に、保留記憶数が予め設定された特定数となったときに、当該特定数となったことを報知する報知演出を実行可能である。そして、特徴部91AKでは、時短状態において保留記憶数が特定数となった場合に報知演出の実行を制限する。以下、このような特徴部91AKについて、図20−8および図20−9を参照して詳細に説明する。
特徴部91AKでは、図7に示す演出制御プロセス処理に代えて、図20−8に示す内容の演出制御プロセス処理を実行する。具体的に、図7に示す演出制御プロセス処理ではステップS161にて特徴部90AKにおける図20−5に示す内容の先読予告設定処理を実行するのに対し、図20−8に示す演出制御プロセス処理では、ステップS161における先読予告設定処理に代えて、ステップ91AKS001の報知演出処理を実行する。
図20−9は、図20−8のステップ91AKS001にて実行される報知演出処理の一例を示すフローチャートである。図20−9に示す報知演出処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ91AKS002)。始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ91AKS002;No)、演出制御用CPU120は、報知演出処理を終了する。一方、始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップ91AKS002;Yes)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が予め設定された特定数である「4」となったことを報知する報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップ91AKS003)。報知演出の実行中であるか否かは、後述するステップ91AKS007にて報知演出が実行され、当該報知演出が終了するまでの期間オン状態にセットされる報知演出実行中フラグの値を確認することにより判定すればよい。報知演出実行中フラグがオン状態である場合、すなわち報知演出の実行中であると判定した場合(ステップ91AKS003;Yes)、演出制御用CPU120は、報知演出処理を終了する。なお、ステップ91AKS003にて報知演出の実行中であると判定した場合には報知演出処理を終了することから、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
報知演出実行中フラグがオフ状態である場合、すなわち報知演出の実行中でないと判定した場合(ステップ91AKS003;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が特定数として予め設定された「4」であるか否かを判定する(ステップ91AKS004)。ステップ91AKS004の処理では、例えば、ステップ91AKS002にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第1始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する。一方、ステップ91AKS002にて第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第2始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する。すなわち、ステップ91AKS004では、ステップ91AKS002にて受信した始動入賞口指定コマンドに応じた特図保留記憶数が特定数である「4」であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」でないと判定した場合(ステップ91AKS004;No)、演出制御用CPU120は、報知演出処理を終了する。なお、この例では特定数が上限値である「4」である例を示しているが、当該特定数は、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により任意の値に変更可能であり、遊技開始前や遊技中に設定可能であればよい。初期値として「4」が設定されていればよい。また、例えば遊技者の選択操作により特定数が「3」に設定されていた場合であっても、例えば客待ちデモ指定コマンドと受信した場合や、打球操作ハンドル30を遊技者が所定期間触れていないことをタッチセンサなどにより検知した場合など、遊技終了と判定した場合には初期値の「4」に設定値がクリアされればよい。なお、例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により、報知演出を実行しない設定が可能としてもよい。
保留記憶数が「4」であると判定した場合(ステップ91AKS004;Yes)、演出制御用CPU120は、高ベース中であるか否かを、高ベースフラグがオン状態にセットされているか否かにより判定する(ステップ91AKS005)。高ベースフラグがオン状態である場合、すなわち、高ベース中であると判定した場合(ステップ91AKS005;Yes)、演出制御用CPU120は、スーパーリーチのリーチ演出中(スーパーリーチ中)であるか否かを判定する(ステップ91AKS006)。なお、図20−8のステップS171における可変表示開始設定処理においてスーパーリーチのリーチ演出期間(スーパーリーチ期間)が設定されており、ステップ91AKS006の処理では、スーパーリーチ期間であるか否かを判定することでスーパーリーチ中であるか否かを判定する。スーパーリーチ中であると判定した場合(ステップ91AKS006;Yes)、またはステップ91AKS005にて高ベースフラグがオフ、すなわち高ベース中ではないと判定した場合(ステップ91AKS005;No)、演出制御用CPU120は、報知演出を実行し(ステップ91AKS007)、報知演出処理を終了する。ステップ91AKS007では、上述したように、当該報知演出の実行に合わせて報知演出実行中フラグをオン状態にセットし、当該報知演出の終了に合わせてオフ状態にクリアする設定がなされる。なお、特徴部91AKにおける報知演出では、報知音を出力するとともに、打球操作ハンドル(操作ノブ)30に設けられた振動装置を起動させて当該打球操作ハンドル30を振動させる演出が行われる。スーパーリーチ中は、可変表示結果が「大当り」となる期待度が高く、かつ可変表示結果が表示されるまでの期間も長いことから、当該スーパーリーチ中に特定数となった場合、遊技球の発射を中断した方がよい状況となる。そのため、特徴部91AKでは、時短状態であっても、ステップ91AKS006にてスーパーリーチ中であると判定した場合には、報知演出を実行し、保留記憶数が特定数である「4」となったことを遊技者に報知する。
ステップ91AKS006にてスーパーリーチ中でないと判定した場合(ステップ91AKS006;No)、演出制御用CPU120は、音なし報知演出を実行し(ステップ91AKS008)、報知演出処理を終了する。特徴部91AKにおける音なし報知演出は、報知音を出力せずに打球操作ハンドル30を振動させる演出である。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御が行われ、かつ、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。そのため、時短状態である場合には保留記憶が上限に達しやすく、頻繁に報知演出が実行されると、遊技者が煩わしさを感じ遊技興趣を低下させてしまう。特徴部91AKでは、高ベース制御が行われる時短状態において(より具体的には時短状態でかつスーパーリーチ中でない状態において)、保留記憶数が「4」となっても、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行する。したがって、遊技者に煩わしさを与えることを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部91AKにおける報知演出では、報知音の出力と打球操作ハンドル30を振動させる演出とを実行することで保留記憶数が特定数となったことを報知する。そして、報知演出の実行を制限する場合、音なし報知演出として報知音の出力を制限する。したがって、特定数となったことを遊技者に報知でき遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部91AKでは、時短状態であっても、ステップ91AKS006にてスーパーリーチ中であると判定した場合には、報知演出を実行し、保留記憶数が特定数である「4」となったことを遊技者に報知する。したがって、発射を中断した方がよい状況において遊技者に報知を行うことができ遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部91AKでは、図20−9のステップ91AKS003にて報知演出の実行中であると判定した場合、報知演出処理を終了する。そのため、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
また、特徴部91AKでは、遊技者のスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により、特定数を任意の値に変更可能である。これによれば演出効果を高め遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部91AKの変形例)
上記実施の形態では、報知演出の制限として、音なし報知演出を実行する例を示したが、報知演出および音なし報知演出のいずれも実行しないようにしてもよい。すなわち、ステップ91AKS006にてNoと判定した場合には、そのまま報知演出処理を終了してもよい。また、上記実施の形態では、ステップ91AKS003にて報知演出の実行中であるか否かを判定したが、ステップ91AKS003では、さらに、音なし報知演出の実行中であるか否かについても判定してもよい。これにより、音なし報知演出と報知演出のいずれについても、複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。また、上記実施の形態では、高ベース中であり、かつスーパーリーチ中でない場合に報知演出を制限して音なし報知演出を実行する例を示したが、高ベース中であれば、スーパーリーチ中であるか否かに関わらず報知演出を制限してもよい(音なし報知演出を実行してもよいし、音なし報知演出すら実行しなくてもよい)。
また、上記実施の形態では、ステップ91AKS003にて報知演出の実行中であるか否かを判定し、実行中であれば報知演出を実行することなくそのまま報知演出処理を終了する例を示したが、これは一例である。例えば、報知演出を実行してから2秒間を報知演出禁止期間とし、その期間以外であれば、報知演出の実行中であっても再度報知演出を実行可能としてもよい。この場合には、ステップ91AKS003にて報知演出禁止期間であるか否かを判定し、禁止期間であればそのまま報知演出処理を終了し、禁止期間でなければステップ91AKS004の処理に移行すればよい。
また、特徴部91AKにおける演出制御用CPU120は、時短状態に制御中、保留記憶数が「0」となった場合に、報知演出とは異なる特殊報知演出を実行してもよい。これによれば、遊技者に不利益を与えることを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。なお、特殊報知演出は、図20−8のステップS171における可変表示開始設定処理において保留記憶数が「0」となったか否かを判定し、「0」となった場合に実行すればよい。なお、特殊報知演出は、ステップS172における可変表示中演出処理において実行されてもよい。また、上記実施の形態では、図20−9のステップ91AKS006にてスーパーリーチ中であるか否かを判定する例を示したが、スーパーリーチのリーチ演出に限られず、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆する演出であれば任意の演出であってもよい。
(特徴部92AKに関する説明)
次に、特徴部92AKについて説明する。特徴部92AKに係るパチンコ遊技機1は、特徴部90AKおよび特徴部91AKと同様に、保留記憶数が予め設定された特定数となったときに、当該特定数となったことを報知する報知演出を実行可能である。そして、特徴部92AKでは、スーパーリーチのリーチ演出など、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆する特定演出の実行中に保留記憶数が特定数となった場合に報知演出の実行を制限する。以下、このような特徴部92AKについて、図20−10および図20−11を参照して詳細に説明する。
特徴部92AKでは、特徴部91AKにおけるステップ91AKS001の報知演出処理(図20−9参照)に代えて、図20−10に示す内容の報知演出処理を実行する。図20−10は、特徴部92AKにおいて実行される報知演出処理の一例を示すフローチャートである。図20−10に示す報知演出処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定する(ステップ92AKS002)。始動入賞時コマンドを受信していないと判定した場合(ステップ92AKS002;No)、演出制御用CPU120は、報知演出処理を終了する。一方、始動入賞時コマンドを受信したと判定した場合(ステップ92AKS002;Yes)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が予め設定された特定数である「4」となったことを報知する報知演出の実行中であるか否かを判定する(ステップ92AKS003)。報知演出の実行中であるか否かは、後述するステップ92AKS007にて報知演出が実行され、当該報知演出が終了するまでの期間オン状態にセットされる報知演出実行中フラグの値を確認することにより判定すればよい。報知演出実行中フラグがオン状態である場合、すなわち報知演出の実行中であると判定した場合(ステップ92AKS003;Yes)、演出制御用CPU120は、報知演出処理を終了する。なお、ステップ92AKS003にて報知演出の実行中であると判定した場合には報知演出処理を終了することから、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
報知演出実行中フラグがオフ状態である場合、すなわち報知演出の実行中でないと判定した場合(ステップ92AKS003;No)、演出制御用CPU120は、保留記憶数が特定数として予め設定された「4」であるか否かを判定する(ステップ92AKS004)。ステップ92AKS004の処理では、例えば、ステップ92AKS002にて第1始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第1始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する。一方、ステップ92AKS002にて第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第2始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する。すなわち、ステップ92AKS004では、ステップ92AKS002にて受信した始動入賞口指定コマンドに応じた特図保留記憶数が特定数である「4」であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」でないと判定した場合(ステップ92AKS004;No)、演出制御用CPU120は、報知演出処理を終了する。なお、この例では特定数が上限値である「4」である例を示しているが、当該特定数は、例えばスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により任意の値に変更可能であり、遊技開始前や遊技中に設定可能であればよい。初期値として「4」が設定されていればよい。また、例えば遊技者の選択操作により特定数が「3」に設定されていた場合であっても、例えば客待ちデモ指定コマンドと受信した場合や、打球操作ハンドル30を遊技者が所定期間触れていないことをタッチセンサなどにより検知した場合など、遊技終了と判定した場合には初期値の「4」に設定値がクリアされればよい。なお、例えば、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により、報知演出を実行しない設定が可能としてもよい。
保留記憶数が「4」であると判定した場合(ステップ92AKS004;Yes)、演出制御用CPU120は、スーパーリーチのリーチ演出中(スーパーリーチ中)であるか否かを判定する(ステップ92AKS005)。なお、図20−8のステップS171における可変表示開始設定処理においてスーパーリーチのリーチ演出期間(スーパーリーチ期間)が設定されており、ステップ92AKS005の処理では、スーパーリーチ期間であるか否かを判定することでスーパーリーチ中であるか否かを判定する。この実施の形態におけるスーパーリーチには、上述したように、より信頼度の高いリーチに発展(昇格)する発展演出が実行される場合があり、当該発展演出が行われるスーパーリーチについては、発展前の部分を前半部分、発展後の部分を後半部分とし、発展演出が行われないスーパーリーチについては、例えば可変表示結果が表示される直前(スーパーリーチ演出終了タイミング)から3秒前までの期間を後半部分とし、それ以外の期間を前半部分として予め設定されている。なお、例えば、スーパーリーチ開始から所定期間を前半部分、それ以外の期間を後半部分として、発展演出の有無に関わらず、変動パターンに応じてそれぞれ前半部分および後半部分の長さが異なるよう予め設定されていてもよい。当該前半部分、後半部分についても、図20−8のステップS171における可変表示開始設定処理において設定されていればよい。また、後半部分については、例えば上述した決め演出の実行期間を後半部分とし、それ以外の期間を前半部分としてもよい。
後半部分を実行中ではない、すなわち前半部分を実行中であると判定した場合(ステップ92AKS006;No)、またはステップ92AKS005にてスーパーリーチ中ではないと判定した場合(ステップ92AKS005;No)、演出制御用CPU120は、報知演出を実行し(ステップ92AKS007)、報知演出処理を終了する。ステップ92AKS007では、上述したように、当該報知演出の実行に合わせて報知演出実行中フラグをオン状態にセットし、当該報知演出の終了に合わせてオフ状態にクリアする設定がなされる。なお、特徴部92AKにおける報知演出では、特徴部91AKと同様に、報知音を出力するとともに、打球操作ハンドル(操作ノブ)30に設けられた振動装置を起動させて当該打球操作ハンドル30を振動させる演出が行われる。なお、ステップ92AKS007にて一旦報知演出を実行した後は、実行中のスーパーリーチが後半部分に突入しても、そのまま報知演出を継続して実行する。これとは反対に、例えば、ステップ92AKS007にて報知演出を実行した後、実行中のスーパーリーチが後半部分に突入した場合には、音なし報知演出に切り替える制御を行ってもよいし、報知演出を終了させる制御を行ってもよい。この際には報知演出実行中フラグをオフ状態にクリアすればよい。具体的に、図20−8におけるステップS172の可変表示中演出処理において、スーパーリーチの後半部分に突入したか否かを判定し、突入した場合に報知演出の実行中であれば、音なし報知演出に切り替え、または報知演出を終了させる制御を行えばよい。
一方、後半部分を実行中であると判定した場合(ステップ92AKS006;Yes)、演出制御用CPU120は、音なし報知演出を実行し(ステップ92AKS008)、報知演出処理を終了する。特徴部92AKにおける音なし報知演出は、特徴部91AKと同様、報知音を出力せずに打球操作ハンドル30を振動させる演出である。ここで、スーパーリーチのリーチ演出は、可変表示結果が「大当り」となる期待度が高く、かつ可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆する、遊技者にとって注目度の高い演出である。そのため、当該スーパーリーチの実行中に報知演出が実行されると、遊技者の集中力を低下させ遊技興趣が低下するおそれがある。特徴部92AKでは、スーパーリーチ中(より具体的にはスーパーリーチの後半部分の実行中)、保留記憶数が「4」となっても、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行する。したがって、スーパーリーチに対する遊技者の集中力を持続させ、遊技興趣の低下を防止することができる。
図20−11は、報知演出または音なし報知演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。図示する例のスーパーリーチでは、スーパーリーチBからスーパーリーチAに発展する場合を例としており、上述したように、スーパーリーチBの期間が前半部分、スーパーリーチAの期間が後半部分となっている。まず、図示するt1のタイミングで遊技球の入賞があり、保留記憶数が「4」になった場合について説明する。t1のタイミングでは、スーパーリーチ中ではないことから、図20−10のステップ92AKS005にてNoと判定され、ステップ92AKS007にて報知演出が実行される。
次に、図20−11のt2のタイミングで遊技球の入賞があり、保留記憶数が「4」になった場合について説明する。t2のタイミングはスーパーリーチ中のタイミングであることから、図20−10のステップ92AKS005にてYesと判定される。そして、当該t2のタイミングでは前半部分のスーパーリーチの実行中であることから、ステップ92AKS006にてNoと判定され、ステップ92AKS007にて報知演出が実行される。続いて図20−11のt3のタイミングで遊技球の入賞があり、保留記憶数が「4」になった場合について説明する。当該t3のタイミングはスーパーリーチ中のタイミングであることから、図20−10のステップ92AKS005にてYesと判定されることとなるが、当該t3のタイミングでは後半部分のスーパーリーチの実行中であるため、ステップ92AKS006にてYesと判定され、ステップ92AKS008にて音なし報知演出が実行されることとなる。
以上のように、特徴部92AKでは、スーパーリーチといった特定演出の実行中(より具体的にはスーパーリーチの後半部分の実行中)、保留記憶数が「4」となっても、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行する。したがって、特定演出に対する遊技者の集中力を持続させ、遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部92AKでは、スーパーリーチのリーチ演出に含まれる前半部分と後半部分のうち、後半部分を実行中である場合に報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行する。スーパーリーチの後半部分は遊技者がより注目する部分であり、これとは反対にスーパーリーチの前半部分は後半部分よりも遊技者の注目度が低い部分であることから、特徴部92AKのように、後半部分を実行中である場合に報知演出の実行を制限することで、報知演出を好適に制限することができ遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部92AKでは、図20−10のステップ92AKS003にて報知演出の実行中であると判定した場合、報知演出処理を終了する。そのため、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。
また、特徴部92AKでは、ステップ92AKS007にて一旦報知演出を実行した後は、実行中のスーパーリーチが後半部分に突入しても、そのまま報知演出を継続して実行する。これによれば、遊技者に違和感を与えることを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。
また、特徴部92AKでは、遊技者のスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作により、特定数を任意の値に変更可能である。これによれば演出効果を高め遊技興趣を向上させることができる。
(特徴部92AKの変形例)
上記実施の形態では、報知演出の制限として、音なし報知演出を実行する例を示したが、報知演出および音なし報知演出のいずれも実行しないようにしてもよい。すなわち、ステップ92AKS006にてYesと判定した場合、そのまま報知演出処理を終了してもよい。これによれば、例えば後半部分において複数の可動体が動作して役物が完成し、「大当り」となる場合にはプッシュボタン31Bなどが振動するような遊技機において、当該期間に報知演出にて打球操作ハンドル30を振動させることで遊技者に「大当り」となったと勘違いさせてしまうことを防止することができる。また、上記実施の形態では、ステップ91AKS003にて報知演出の実行中であるか否かを判定したが、ステップ92AKS003では、さらに、音なし報知演出の実行中であるか否かについても判定してもよい。これにより、音なし報知演出と報知演出のいずれについても、複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。また、上記実施の形態では、スーパーリーチ中であり、かつ後半部分の実行中である場合に報知演出を制限して音なし報知演出を実行する例を示したが、スーパーリーチ中であれば、後半部分の実行中であるか否かに関わらず報知演出を制限してもよい(音なし報知演出を実行してもよいし、音なし報知演出すら実行しなくてもよい)。すなわち、ステップ92AKS005にてYesと判定した場合、ステップ92AKS008の処理に移行してもよい。
また、上記実施の形態では、ステップ92AKS003にて報知演出の実行中であるか否かを判定し、実行中であれば報知演出を実行することなくそのまま報知演出処理を終了する例を示したが、これは一例である。例えば、報知演出を実行してから2秒間を報知演出禁止期間とし、その期間以外であれば、報知演出の実行中であっても再度報知演出を実行可能としてもよい。この場合には、ステップ92AKS003にて報知演出禁止期間であるか否かを判定し、禁止期間であればそのまま報知演出処理を終了し、禁止期間でなければステップ92AKS004の処理に移行すればよい。
また、上記実施の形態では、図20−9のステップ91AKS006にてスーパーリーチ中であるか否かを判定する例を示したが、スーパーリーチのリーチ演出に限られず、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆する演出であれば任意の演出であってもよい。当該任意の演出を前半部分と後半部分とに区分けし、後半部分において報知演出の実行を制限すればよい。また、上記実施の形態では、スーパーリーチなどの特定演出の後半部分の実行中に報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行し、前半部分の実行中は報知演出を実行する例を示したが、例えば、前半部分の実行中は音なし報知演出を実行し、後半部分は音なし報知演出も報知演出も実行しない(すなわち禁止する)、といったように、前半部分と後半部分の両方で報知演出の実行を制限し、かつ後半部分の制限度合いを前半部分よりも高くするようにしてもよい。これによれば、報知演出を好適に制限することができ遊技興趣の低下を防止することができる。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部90AK、特徴部91AKおよび特徴部92AKに関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。例えば、特徴部90AKのように保留予告と特定報知演出、および報知演出を実行可能な遊技機において、特徴部91AKのように時短中であれば報知演出の実行を制限する。一方、時短中でない場合、特徴部92AKのように、スーパーリーチ中であれば(より具体的にはスーパーリーチの後半部分の実行中であれば)報知演出の実行を制限する。そして、スーパーリーチ中でなく、「緑」以上の態様の保留予告の実行中であれば、特徴部90AKのように報知演出の実行を制限し保留予告と特定報知演出を実行する。このように各特徴部を組み合わせてもよく、この場合には図7のステップS161における先読予告設定処理において、このような各特徴部を組み合わせた処理を実行すればよい。
図20−12は、各特徴部を組み合わせた処理を実行する場合の先読予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図20−12における先読予告設定処理において、ステップ90AKS001からステップ90AKS006までの処理については、図20−5における各処理と同様であるため、説明を省略する。また、図20−12に示す先読予告設定処理において、図20−5、図20−9、および図20−10における各ステップにおいて実行される処理については、同一のステップ番号を付している。
図20−12のステップ90AKS007において、演出制御用CPU120は、保留記憶数が予め設定された特定数となったことを報知する報知演出の実行中であるか否かを判定する。報知演出の実行中であるか否かは、後述するステップ90AKS010にて報知演出が実行され、当該報知演出が終了するまでの期間オン状態にセットされる報知演出実行中フラグの値を確認することにより判定すればよい。報知演出実行中フラグがオン状態である場合、すなわち報知演出の実行中であると判定した場合(ステップ90AKS007;Yes)、演出制御用CPU120は、先読予告設定処理を終了する。なお、ステップ90AKS007にて報知演出の実行中であると判定した場合には先読予告設定処理を終了することから、報知演出の実行中に、可変表示が終了して保留表示がシフトし(保留記憶が消化されて保留記憶数が「3」となり)、再度保留記憶数が特定数である「4」となった場合であっても、報知演出は実行されない。したがって、報知演出が複数回重複して実行されることで遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。一方で、特定報知演出については、報知演出の実行中であるか否かに関わらず90AKS004にて「実行有り」と決定した場合には実行される。この場合、報知演出の実行中であれば、実行中の報知演出を後述する音なし報知演出に切り替えてもよいし、実行中の報知演出を終了(中断)させてもよい。また、報知演出における報知音の音量を下げるようにしてもよい。
報知演出実行中フラグがオフ状態である場合、すなわち報知演出の実行中でないと判定した場合(ステップ90AKS007;No)、演出制御用CPU120は、高ベース中であるか否かを、高ベースフラグがオン状態にセットされているか否かにより判定する(ステップ91AKS005)。高ベースフラグがオン状態である場合、すなわち、高ベース中であると判定した場合(ステップ91AKS005;Yes)、演出制御用CPU120は、第2特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第2始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する(ステップ91AKS009)。なお、時短状態では第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)が実行されることから、当該ステップ91AKS009では、第2特図保留記憶数が「4」であるか否かを判定している。第2特図保留記憶数が「4」でないと判定した場合(ステップ91AKS009;No)、演出制御用CPU120は、先読予告設定処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が「4」であると判定した場合(ステップ91AKS009;Yes)、演出制御用CPU120は、音なし報知演出を実行し(ステップ90AKS011)、先読予告設定処理を終了する。ステップ90AKS011における音なし報知演出は、各特徴部90AKにおける音なし報知演出と同様、第1報知音を出力せずに打球操作ハンドル30を振動させる演出である。これにより、時短中は保留記憶数が特定数となっても報知演出の実行を制限する特徴部91AKと、保留予告および特定報知演出を実行する特徴部90AKを組み合わせた処理が実行されることとなる。
ステップ91AKS005にて高ベースフラグがオフ、すなわち高ベース中ではないと判定した場合(ステップ91AKS005;No)、演出制御用CPU120は、第1特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第1始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定する(ステップ91AKS010)。なお、時短状態ではない通常状態では、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)が実行されず、第2始動入賞口に遊技球が進入するよりも第1始動入賞口に遊技球が進入すること方がはるかに多いため、当該ステップ91AKS010では、第1特図保留記憶数が「4」であるか否かを判定している。第1特図保留記憶数が「4」でないと判定した場合(ステップ91AKS010;No)、演出制御用CPU120は、先読予告設定処理を終了する。
一方、第1特図保留記憶数が「4」であると判定した場合(ステップ91AKS010;Yes)、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ中であるか否かを判定する(ステップ92AKS005)。スーパーリーチ中であるか否かの判定については、特徴部92AKと同様にして行えばよい。スーパーリーチ中であると判定した場合(ステップ92AKS005;Yes)、演出制御用CPU120は、当該実行中のスーパーリーチ演出について、後半部分を実行中であるか否かを判定する(ステップ92AKS006)。スーパーリーチにおける前半部分および後半部分の設定についても上述した特徴部92AKと同様であり、また、ステップ92AKS005における判定について、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆する演出であれば、スーパーリーチのリーチ演出に限られず任意の演出であってもよい点についても特徴部92AKと同様である。後半部分を実行中であると判定した場合(ステップ92AKS006;Yes)、演出制御用CPU120は、音なし報知演出を実行し(ステップ90AKS011)、先読予告設定処理を終了する。これにより、可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆するスーパーリーチなどの特定演出の実行中(より具体的にはスーパーリーチの後半部分の実行中)は、保留記憶数が特定数となっても報知演出の実行を制限する特徴部92AKと、保留予告および特定報知演出を実行する特徴部90AKを組み合わせた処理が実行されることとなる。なお、図示する例では、ステップ92AKS006にてスーパーリーチの後半部分の実行中であるか否かを判定し、後半部分の実行中である場合に報知演出を制限して音なし報知演出を実行する例を示しているが、スーパーリーチ中であれば、後半部分の実行中であるか否かに関わらず報知演出を制限してもよい(音なし報知演出を実行してもよいし、音なし報知演出すら実行しなくてもよい)。すなわち、ステップ92AKS005にてYesと判定した場合、ステップ90AKS011の処理に移行してもよい。
ステップ92AKS006にて後半部分を実行中ではない、すなわち前半部分を実行中であると判定した場合(ステップ92AKS006;No)、またはステップ92AKS005にてスーパーリーチ中ではないと判定した場合(ステップ92AKS005;No)、演出制御用CPU120は、当該保留における保留予告の表示態様が「緑」以上であるか否かを判定する(ステップ90AKS009)。ステップ90AKS009では、ステップ90AKS005で決定された表示態様(ステップ90AKS006にて実行された保留予告の表示態様)が「緑」または「赤」であるか、すなわち、「緑」以上の期待度の表示態様であるか否かを判定すればよい。当該保留について保留予告を実行していない場合や、「青」の表示態様にて保留予告を行った場合、すなわち当該保留における保留予告の表示態様が「緑」以上ではない場合(ステップ90AKS009)、演出制御用CPU120は、報知演出を実行し(ステップ90AKS010)、先読予告設定処理を終了する。ステップ90AKS010では、上述したように、当該報知演出の実行に合わせて報知演出実行中フラグをオン状態にセットし、当該報知演出の終了に合わせてオフ状態にクリアする設定がなされる。なお、この報知演出では、特徴部90AKにおける報知演出と同様に、特定報知演出とは異なる報知音(第1報知音)を出力するとともに、打球操作ハンドル(操作ノブ)30に設けられた振動装置を起動させて当該打球操作ハンドル30を振動させる演出が行われる。
一方、当該保留の保留予告の表示態様が「緑」以上である場合(ステップ90AKS009;Yes)、演出制御用CPU120は、音なし報知演出を実行し(ステップ90AKS011)、先読予告設定処理を終了する。なお、この音なし報知演出は、特徴部90AKにおける音なし報知演出と同様、第1報知音を出力せずに打球操作ハンドル30を振動させる演出である。これにより、特徴部90AKにおける、保留予告を実行し(より具体的には表示態様が「緑」以上の保留予告を実行し)特定報知演出を実行する場合、保留記憶が「4」であっても、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行し、保留予告および特定報知演出を実行する処理が行われる。なお、保留予告の表示態様に関わらず、当該保留予告が行われた場合は報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行してもよい。
以上のように、図20−12に示す先読予告設定処理では、報知演出を制限する条件として、特徴部91AKのように時短状態であること、特徴部92AKのようにスーパーリーチなどの特定演出中であること、特徴部90AKのように保留予告が行われたこと、といったように複数の条件が設けられている。また、これらの条件のうち、時短状態であれば、スーパーリーチ中であるか否か、および保留予告が行われているか否かに関わらず報知演出を制限することから、時短状態であるといった条件(第1条件)が最も優先度が高く、時短状態でない場合、スーパーリーチ中であれば、保留予告が行われているか否かに関わらず報知演出を制限することから、スーパーリーチ中であるといった条件(第2条件)が次に優先度が高く、保留予告が行われているといった条件(第3条件)が最も優先度が低くなっている。図20−12に示す先読予告設定処理において、これら第1条件〜第3条件の優先度については、例えば第3条件の優先度を最も高くするなど、任意に設定可能である。
また、図20−12に示す例では、高ベース中であるか否かに応じて異なる特図保留記憶数を確認する例を示しているが、特徴部91AKと同様に、ステップ90AKS001にて始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第1特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第1始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定し、ステップ90AKS001にて第2始動入賞口指定コマンドを受信した場合には、第2特図保留記憶数が「4」であるか否かを、第2始動入賞時コマンドバッファを確認することにより判定してもよい。
また、図20−12に示す例では、高ベース中である場合、すなわち時短状態である場合には報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行する例を示しているが、特徴部91AKで示したように、時短状態であってもスーパーリーチ中であれば報知演出を実行可能としてもよい。さらに、時短状態に制御中でスーパーリーチ中であっても、保留表示の態様が「緑」以上の保留予告が実行されている場合には、報知演出の実行を制限して音なし報知演出を実行してもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、通常状態よりも短い可変表示時間にて可変表示を実行する割合が高い時短状態へ制御可能な状態制御手段(例えば時短状態に制御可能なCPU103など)と、未だ開始していない可変表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段(例えば始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶するなど)と、前記保留記憶手段に記憶されている保留記憶情報の数が特定数に達したときに、前記特定数に達したことを報知する報知演出を実行する報知演出実行手段(例えばステップS91AKS007の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、前記報知演出実行手段は、前記時短状態に制御中、前記報知演出の実行を制限し(例えばステップ91AKS005にてYesと判定した後にステップ91AKS008の処理を実行するなど)、さらに、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU120)と、前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図9(D)、(F))遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、遊技興趣の低下を防止することができる。また、演出効果を高めることができる。
さらに、遊技興趣の低下を防止することができ、また、演出効果を高めることができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1)であって、前記有利状態に制御されることを示唆する示唆演出(例えばリーチ演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば演出制御用CPU120)と、前記示唆演出に対応したタイトルを報知可能なタイトル報知手段(例えば演出制御用CPU120)と、を備え、前記タイトル報知手段は、前記示唆演出の開始から所定期間経過したときに当該示唆演出に対応したタイトルを報知可能である(例えば図9(D)、(F))遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例の特徴部について説明する。次に、特徴部21TMに関して説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図21−1に示すような主基板11、演出制御基板12、ターミナル基板(情報出力基板)21TM016といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
なお、前述した図2に示すように、主基板11には、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、並びに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4B等の各種部品が接続されており、演出制御基板12には、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の各種演出装置が接続されているが、図21−1では、これらを省略している。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、図21−3に示すように、基板ケース21TM201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載され、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板11には、図21−3及び図21−5(A)に示すように、パチンコ遊技機1の背面側から視認可能な表示モニタ21TM029が設けられており、該表示モニタ21TM029に、入賞に関する各種の入賞情報を表示する機能も備えている。尚、表示モニタ21TM029の左側方には表示切替スイッチ21TM030が設けられており、該表示切替スイッチ21TM030の操作によって表示モニタ21TM029に表示されている情報を切り替えることが可能となっている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号の他、電源断信号、クリア信号、リセット信号等の各種信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、ターミナル基板21TM016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路112が搭載されている。
また、図21−1に示す主基板11は、図21−3及び図21−5(A)に示すように、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケース21TM201に封入されており、主基板11の中央には表示モニタ21TM029(例えば、7セグメント)が配置され、表示モニタ21TM029の右側には表示切替スイッチ21TM030が配置されている。表示モニタ21TM029及び表示切替スイッチ21TM030は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11の背面中央下部には、後述する設定変更モードまたは設定確認モードに切り替えるための錠スイッチ21TM051(図21−1参照)が設けられている。主基板11は、遊技機用枠3を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠3を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
また、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比などの各種の入賞情報が表示モニタ21TM029に表示されるようになっており、これら入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報を確認できる。つまり、パチンコ遊技機1のメーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認される。さらに、パチンコ遊技機1を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認される。そこで、本実施例のパチンコ遊技機1では、当該パチンコ遊技機1において、設置後にどのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。
また、電源基板は、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケースに封入されており、電源基板の背面右側下部には、後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052と、電源スイッチ21TM055が設けられている。遊技場の店員等が、パチンコ遊技機1に電源電圧が供給されていない状態で、電源スイッチ21TM055を操作することで、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板21TM037等の各基板に所定の動作電圧が供給される。さらに、電源スイッチ21TM055が操作されるタイミングで、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ100にクリア信号が入力され、後述する初期化処理(RAMクリア)が実行される。同じ電源基板上において、電源スイッチ21TM055とクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を近くに配置することで、電源投入操作及び初期化操作を行い易いようにしている。
尚、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放しない限り操作不可能とされており、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。また、錠スイッチ21TM051はキー操作を要することから、遊技店の店員のなかでも、錠スイッチ21TM051の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、錠スイッチ21TM051は、所定のキーによってONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチであるが、該切替操作を実行可能であると共に該切替操作とは異なる操作(例えば、押込み操作)を実行可能なスイッチであっても良い。
なお、錠スイッチ21TM051は、ON状態又はOFF状態を維持可能である。即ち、遊技場の店員等により力を加えられなくても、錠スイッチ21TM051は、ON状態又はOFF状態を維持可能である。また、錠スイッチ21TM051は、OFF状態でのみキーを挿抜可能な構成とする。このような構成によれば、遊技場の店員等は、キーを回収するために錠スイッチ21TM051をOFF状態としなければならないので、遊技場の店員等が錠スイッチ21TM051をON状態としたまま放置してしまうことを防ぐことができる。
尚、図21−3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側の下部には、各入賞口に入賞した遊技球やアウト口に進入した遊技球をパチンコ遊技機1外に排出するためのノズル(排出口)が設けられており、該ノズル内には、パチンコ遊技機1内から排出される遊技球を検出する(発射された遊技球を検出する)ための排出口スイッチ21TM070が設けられている。該排出口スイッチ21TM070は、図2に示すように、前述したスイッチ回路110に接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図21−2は、払出制御基板21TM037および球払出装置21TM097などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図21−2に示すように、払出制御基板21TM037には、払出制御用CPU21TM371を含む払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御基板21TM037を構成する。すなわち、払出制御基板21TM037は、払出制御用CPU21TM371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ21TM370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に内蔵されていてもよい。
球切れスイッチ21TM187、満タンスイッチ21TM048および払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372fに入力される。なお、この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力されたあと、I/Oポート21TM372aおよび出力回路21TM373Bを介して主基板11に出力される。
また、払出制御基板21TM037には、図21−2に示すように、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3の開放を検知する遊技機枠開放センサと、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠3aの開放を検知する扉枠開放センサと、を備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。なお、遊技機用枠3の開放が検知されたときの検知信号と、ガラス扉枠3aの開放が検知されたときの検出信号とは、異なる端子に入力されることにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、区別して認識可能となっている。
また、払出モータ位置センサ21TM295からの検出信号は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372eに入力される。払出モータ位置センサ21TM295は、払出モータ21TM289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板21TM037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、球切れスイッチ21TM187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ21TM048からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。
さらに、満タンスイッチ21TM048からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板21TM090に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板21TM090のAND回路21TM091が出力する発射モータ21TM094への発射モータ信号は、発射基板21TM090から発射モータ21TM094に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの満タン信号は、発射基板21TM090に搭載されたAND回路21TM091の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路21TM092からの駆動信号(発射モータ21TM094を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路21TM091の入力側の他方に入力される。そして、AND回路21TM091の発射モータ信号が発射モータ21TM094に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が満タン信号を出力している間は、発射モータ21TM094への発射モータ信号の出力が停止される。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370には、遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路21TM380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370とは、シリアル通信回路21TM505,21TM380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で信号(賞球要求信号、受信ACK信号)をやり取り(送受信)している。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル通信回路21TM505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための信号(この実施の形態における賞球要求信号)を送信し、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの賞球要求信号を受信した場合、その旨を通知する信号(受信ACK信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この実施の形態では、賞球要求信号や受信ACK信号に特定のデータを乗せることにより、賞球要求信号や受信ACK信号を送受信するタイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間で特定のデータをやり取りするように構成している。例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、払い出すべき賞球個数を示すデータを、賞球要求信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた賞球要求信号を 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。そして、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、所定のエラー(球貸し、満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるシリアル通信による具体的な信号のやり取りについては、図21−22、図21−34〜36において詳述する。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、出力ポート21TM372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)21TM160に出力する。なお、出力ポート21TM372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図21−2では記載省略されている。
また、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、出力ポート21TM372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED21TM374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート21TM372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED21TM053および球切れLED21TM054に出力する。なお、払出制御基板21TM037の入力ポート21TM372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ21TM375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ21TM375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの払出モータ21TM289への駆動信号は、出力ポート21TM372aおよび中継基板21TM072を介して球払出装置21TM097の払出機構部分における払出モータ21TM289に伝えられる。なお、出力ポート21TM372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図21−3では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット21TM050には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット21TM050には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)21TM066には、度数表示LED21TM060、球貸し可LED21TM061、球貸スイッチ21TM062および返却スイッチ21TM063が接続される。
インタフェース基板21TM066からカードユニット21TM050には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ21TM062が操作されたことを示す球貸スイッチ信号および返却スイッチ21TM063が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット21TM050からインタフェース基板21TM066には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート21TM372fおよび出力ポート21TM372dを介して送受信される。カードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間には、インタフェース基板21TM066が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図21−2に示すように、インタフェース基板21TM066を介してカードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板21TM037に搭載されている 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号の入力状態によってカードユニット21TM050の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチが操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。
そして、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット21TM050からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ21TM289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット21TM050からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット21TM050で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板21TM037から供給される。すなわち、カードユニット21TM050に対する電源基板からの電力供給は、払出制御基板21TM037およびインタフェース基板21TM066を介して行われる。この例では、インタフェース基板21TM066内に配されているカードユニット21TM050に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット21TM050を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット21TM050に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
本実施例のパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6,5,4,3,2,1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5,4,3,2,1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
図21−4(A)〜(F)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値が設定されている。
図21−4(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」である場合よりも低い確率(1/300)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/300)で大当りに当選するようになっている。
また、図21−4(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。
また、図21−4(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。
また、図21−4(D)に示すように、設定値4に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」、「3」である場合よりも高い確率(1/250)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/250)で大当りに当選するようになっている。
また、図21−4(E)に示すように、設定値5に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」、「3」、「4」である場合よりも高い確率(1/235)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/235)で大当りに当選するようになっている。
また、図21−4(F)に示すように、設定値5に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」、「3」、「4」、「5」である場合よりも高い確率(1/220)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/220)で大当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が図21−4(A)〜(F)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りF)とすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当りの当選を決定する。尚、図21−4(A)〜(F)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、本実施例では、CPU103は、図21−4(A)〜(F)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1〜6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、2個、3個、4個、5個、または7個以上であってもよい。
ここで、本実施例の主基板11における遊技球の集計及び役物比率等の表示について説明する。
主基板11には、遊技の入賞に関する情報、例えば、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、発射球数が集計され、表示モニタ21TM029は、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である連比(%)、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が占める割合である役比(%)、打ち出した遊技球数に対する賞球合計数が占める割合であるベース(%)を表示するようになっている。連比とは、賞球合計数のうち大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の連続役物獲得球数)が占める割合である。役比とは、賞球合計数のうち第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数(下記の役物獲得球数)が占める割合である。ベースとは、賞球合計数に対する打ち出した遊技球数が占める割合である。賞球合計数(下記の総獲得球数)は、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数と、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)への入賞による賞球数と、の総和である。なお、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)は、可変役物であり、遊技球の通過可能幅が変動することで、遊技球の入賞想定割合が変動する役物である。また、大入賞口(アタッカー)及び第2始動入賞口(電チュー)以外の入賞口(第1始動入賞口、一般入賞口)は、固定役物であり、遊技球の通過可能幅が固定されており、遊技球の入賞想定割合は一定の役物である。
遊技の入賞に関する情報の集計、計算方法としては、連比と役比については、6000個の賞球数における第1始動入賞口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数である普通電役賞球数(電チュー賞球数)、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数である特別電役賞球数(アタッカー賞球数)を集計する。その集計を1セットとし、10セット分、すなわち60000個分の連比(%)、役比(%)を算出する。なお、集計する第1始動入賞口(ヘソ)及び一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球数(一般賞球数)、普通電役賞球数(電チュー賞球数)、特別電役賞球数(アタッカー賞球数)は、設定値毎に設けられたリングバッファに記録されるようになっており、少なくとも11セット分の記録容量があり、1セット毎に更新するようになっている。つまり、6000個の11セット分の記憶を相当数量(例えば、数バイト分)記憶しており、それらの累計の連比(%)、役比(%)を算出することができる。また、ベースについては、60000個の賞球数に対する打ち出した遊技球数を集計する。その集計を1セットとし、打ち出した遊技球数に対する60000個の賞球の占める割合(ベース(%))を算出する。
表示モニタ21TM029は、6000個分の連比(%)、役比(%)、及び累計の連比(%)、役比(%)及び前回の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース1(%))、直前の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース2(%))を所定時間(例えば、5秒)毎に切り替えて表示することができる。すなわち、一つの表示手段で6つの表示を切り替えて表示するようになっている。この場合、全て表示を行うのに30秒要するが、遊技が進行することで集計される第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数が変化することになる。とすると、例えば、6000個分の連比(%)を表示した後に入賞した賞球数を、その後に表示される60000個分の役比(%)に反映してしまうと、6000個分の連比(%)と60000個分の役比(%)とで食い違いが生じてしまうおそれがある。そこで、第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球数、第2始動入賞口(電チュー)の入賞による賞球数、大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数、賞球合計数が入力、集計は、切替表示における所定のタイミング(例えば、6000個分の連比(%)の表示タイミングなど)で行うようにすれば、このような食い違いを防ぐことができる。
尚、本実施例における遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域は、設定値毎に設けられており、一般入賞賞球や第1始動入賞口賞球、普通電役賞球、特別電役賞球、賞球合計、打込合計は、設定されている設定値に応じた記憶領域(リングバッファ)に記憶されるようになっている。このため、本実施例の連比、役比、ベースは、設定値毎に個別に算出可能となっている。
以下に計算方法の一例として、賞球合計数が60000個であり、第2始動入賞口(電チュー)への入賞による賞球数と大入賞口(アタッカー)への入賞による賞球数との合計である役物獲得球数が42000個である場合の役物比率(役比(%))の計算方法を説明する。なお、以下の説明において、総獲得球数とは、パチンコ遊技機1から払い出された遊技媒体(賞球)の総累計数をいう。また、役物獲得球数とは、アタッカー及び電チューに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。また、連続役物獲得球数とは、アタッカーに遊技媒体が入賞することによって払い出された遊技媒体の累計数をいう。打込合計とは、賞球数が60000個に達するまでにパチンコ遊技機1に打ち込まれた遊技媒体の累計数をいう。このため、連比は、下記(1)式で求めることができる。また、役比は、下記(2)式で求めることができる。また、ベースは下記(3)式で求めることができる。
連比=[連続役物獲得球数/総獲得数]×100 ・・・(1)
役比=[(連続役物獲得球数+役物獲得球数)/総獲得数]×100 ・・・(2)
ベース=[60000(賞球合計数)/打込合計]×100・・・(3)
賞球合計数が60000個であり、役物獲得球数が42000個である場合の役物比率は、42000を60000で除算することにより0.70(小数点以下3桁切り捨て)として求められる。しかしながら、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは小数点以下の演算を行うことができないため、以下の手法での演算が必要となる。
まず、第1の演算方法を説明する。第1の演算方法において、まず、役物獲得球数を100倍して4200000とする。そしてこの4200000を60000で除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、被除数を100倍することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000倍すればよい。
次に、第2の演算方法を説明する。第2の演算方法において、まず、賞球合計数を100で除算して600とする。そしてこの600で42000を除算する。これにより商として70が求められる。ここで求められた70より役物比率が70%として求められる。つまり、除数を100で除算することにより、小数点以下2桁までの演算結果を求められるようにしている。ここで、小数点以下3桁までの演算結果を求める場合1000で除算すればよい。
上記した例で賞球合計数は60000個であるが、長い期間の役物比率を算出するために、賞球合計数を格納するための領域として3バイトの領域が設けられている。つまり本例では3バイトの格納領域に00EA60hとして格納される。また、同様に役物獲得球数も3バイトの格納領域に00A410hが格納される。
ここで、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法ではパチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
第3の演算方法ではパチンコ遊技機1で用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になる一方、+12%の誤差が生じる。ただし、賞球合計数および役物獲得球数がともに10倍の場合の誤差は+1%となる。つまり、役物比率を算出するための期間が長くなることにより誤差は縮小され、本来の数値に近似する。
また、基板ケース21TM201は、透光性を有する材質で形成されており、主基板11、及び表示モニタ21TM029が視認可能になっている。基板ケース21TM201には主基板11に接続される配線コネクタが挿通する図示しない孔部と、主基板11の電気部品の熱を放出するための放熱孔とが形成されている。主基板11に設けられた表示モニタ21TM029は、放熱孔が真正面にはない位置に配置されている。このため放熱孔によって表示モニタ21TM029の視認性が遮られないようにされている。なお、ここでの「真正面」とは、主基板11を視点としての真正面を意味し、主基板11を視認しようとする従業員等と主基板11との間を意味する。
ここで、パチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができない。従って、演算を容易にするために、下位1バイトについて切り捨てを行ってもよい。
ここで上記第2の演算方法を簡略化して行う第3の演算方法を説明する。第3の演算方法ではパチンコ遊技機1に用いられるマイクロコンピュータでの演算が容易になるように、賞球合計数の00EA60hに対し、下位1バイトの60hを切り捨て、賞球合計数を00EAh、つまり10進数表記で234を算出する。同じく、役物獲得球数の00A410hに対し、下位1バイトの10hを切り捨て、役物獲得球数を00A4h、つまり10進数表記で164を算出する。
そして、上記第2の演算方法と同様に、賞球合計数を100で除算(273/100)して2を算出する。そして、この2で156を除算して、商として78が求められる。ここで求められた78より役物比率が78%として求められる。
また、遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域(リングバッファ、10セット合計バッファ(最大2バイトのカウンタを10個備えるリングバッファに記憶された遊技の入賞に関する情報を合計したもの)、賞球合計数バッファ)はリセットボタンが操作された場合に初期化は行われず、継続して記憶されてもよい。リングバッファについては後にさらに説明する。なお、記憶された値のチェックサムを算出し、異常が検出された場合に初期化を行ったり、記憶された賞球合計数の値よりも役物獲得球数の値が大きかったり、役物獲得球数の値よりも連続役物獲得球数の値が大きかったりした場合など、状況として起こりえない事象が検知された場合などには遊技の入賞に関する情報が記憶される記憶領域の初期化処理を行ってもよい。また、初期化処理を行うことなく、エラー表示や警告表示などを行ってもよいし、エラー表示や警告表示を行うとともに、あるいは行った後に初期化処理を行ってもよい。エラー表示や警告表示については後にさらに説明する。
役比(%)の計算は、例として総獲得球数を34321個、役物獲得球数を19876個とすると、19876個に対して34321個を除数として除算し、割合を計算する。19876/34321=0.57912・・・となり約57.9%の役比(%)であることが算出される。遊技制御用マイクロコンピュータ100において演算を行う場合には小数点での計算を避けなければならないため、以下のような計算式に置き換える。19876/34321の除算において分母の34321を100で除算し、小数点を切り捨て、19876/343=57.9475・・・となる。小数点以下は切り捨てられるため57%の役比(%)であることが算出され、表示モニタ21TM029に表示されることとなり、この例の場合には正確な計算によって算出した値とは表示上では誤差がないものとなる。
16ビットにおける最小値は32768(最上位ビットの値以外が0)で誤差が最大となる値は総獲得球数および役物獲得球数がそれぞれ32799であるときである。これを上記の方法で計算すると、32799/32799=100%、遊技制御用マイクロコンピュータ100での計算に置き換えると32799/327=100.3%で+0.3%の誤差となる。小数点を切り捨てて計算を行った場合に、例えば、正確な値が69.9%、遊技制御用マイクロコンピュータの計算による値が70.1%となった場合に69%→70%で表示上1%の誤差が表示されることが考えられるが、1%の誤差という表示上においても非常に小さい誤差で役比(%)(又は連比(%))が表示できる。
また、上記の計算方法を用いる場合に、総獲得球数を100で除算するため、総獲得球数が100未満の場合には計算を行うことができない。さらに、32768未満である場合にも徐々に誤差が大きくなる。10000未満である場合には誤差が1%を超え、さらに大きな誤差となる場合がある。つまり、総獲得球数が少ないほど誤差が大きくなってしまう。このため特定の数以上の総獲得球数(例えば16ビットの最小値である32768)をカウンタによって集計するまでは、表示モニタに役比(%)、連比(%)の表示を行わなかったり、表示を行ったとしても誤差が大きい可能性があることを専用のLEDの発光や、報知音を出力したり、表示された値を点滅表示させるなどして報知してもよい。
また、表示モニタ21TM029は役比(%)と、連比(%)と、ベース(%)を7セグメント上に表示するものであり、それぞれの値を所定期間毎(例えば5秒毎)に切り替えて表示する。この場合に、例えば役比(%)を5秒間表示している間に、電チューやアタッカーへ新たに遊技媒体が入賞するという事象が発生し、それに従い計算した値を5秒後に連比(%)の値として表示してしまうと、役比(%)と連役(%)との値が乖離してしまう虞がある。このため、役比(%)と連比(%)は同一割込み内で計算し算出された値を順次表示していくことが好ましい。
また、7セグメントに表示可能な数値を2ケタとした場合(例えば7セグメントが2つ設けられている場合)に100%を100として表示ができなくなる。この場合には100の代わりに99を表示するようにしてもよい。図21−5(A)に示す表示モニタ21TM029では、下位2桁に数値を表示可能としているが、この場合でも、上位2桁を使用することなく、数値を表示してもよい。あるいは、特定の条件の下で、上位2桁の一部に数値を表示してもよい。
尚、本実施例では、アタッカーと電チューのそれぞれに設けられたセンサによって遊技媒体が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいてそれぞれの賞球数を個別に集計する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アタッカーに入賞した遊技媒体と電チューに入賞した遊技媒体とが排出される排出通路が合流した後に設けられたセンサとを使い、その検出結果に基づいて役物獲得球数、連続役物獲得球数を集計するようにしてもよい。
以下、連比、役比、ベースの表示について、より具体的に説明する。本実施例において主基板11は、遊技盤2(図21−3参照)の裏面側に設けられている。遊技盤2の裏面側には、主基板11以外の他、演出制御基板12などの各周辺基板も設けられている。
主基板11におけるRAM102には、ゲート通過数カウンタ、第1始動入賞数カウンタ、第2始動入賞数カウンタ、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタ、大入賞数カウンタが設けられている。尚、本実施例では、大入賞口(アタッカー)の入賞数を大入賞数カウンタにて集計する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1大入賞口への入賞数を集計する第1大入賞数カウンタと、第2大入賞口への入賞数を集計する第2大入賞数カウンタとを個別に設けて、第1大入賞口への入賞数と第2大入賞口への入賞数とを個別に集計し、これらの各入賞数を合計してアタッカーへの入賞数とするようにしてもよい。
ゲート通過数カウンタは、ゲートスイッチ21が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1始動入賞数カウンタは、第1始動口スイッチ22Aが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第2始動入賞数カウンタは、第2始動口スイッチ22Bが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。第1一般入賞数カウンタ〜第4一般入賞数カウンタは、第1一般入賞口スイッチ〜第4一般入賞口スイッチが遊技球を検出した数を計数するカウンタである。大入賞数カウンタが、カウントスイッチ23が遊技球を検出した数を計数するカウンタである。
尚、図21−3に示す、電源基板には、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が接続されている。クリアスイッチ21TM052は、遊技盤2の裏側面において、従業員等が容易に操作できない位置に配置されている。クリアスイッチ21TM052を操作することにより、後に説明するRAM102に記憶された連比や役比に用いるデータがクリアされる。クリアスイッチは21TM052、連比や役比の算出などに障害が生じた場合など、連比や役比の算出をやり直さざるを得ない状態に陥った時に操作されるスイッチである。このため、通常の連比や役比の算出を行うためのデータの収集を行っている際には、操作する必要がないスイッチである。また、クリアスイッチ21TM052を操作すると、データのクリアのほかにクリアスイッチ操作信号が主基板11に送信される。
尚、主基板11には、前述したように、RTC106が設けられおり、RTC106によって現在時刻を検出できる。RTC106は、初期設定を行うことで所定の時刻や経過時間などを測定できるが、本実施例においてRTC106は、遊技場の営業可能時間を計測可能とされている。
主基板11は、図21−5(A)に示すように、基板ケース21TM201に収容されている。基板ケース21TM201には、かしめピン21TM011Bが取り付けられている。このかしめピン21TM011Bが設けられていることにより、主基板11が基板ケース21TM201に完全に封入された状態となり、主基板11に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース21TM201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、表示モニタ21TM029は、主基板11上に設けられている。また、基板ケース21TM201には、主基板11が封入されたことを証明するための封印シール21TM011Sが貼られている。封印シール21TM011Sは例えば基板ケース21TM201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール21TM011Sは、主基板11からは離れた位置に配置されており、表示モニタ21TM029の真正面など、表示モニタ21TM029の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ21TM029は、封印シール21TM011Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ21TM029は、第1表示部21TM029A、第2表示部21TM029B、第3表示部21TM029C、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eを備えている。第1表示部21TM029A〜第5表示部21TM029Eは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部21TM029A〜第5表示部21TM029Eは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることもできる。
表示モニタ21TM029には、図21−5(B)に示す表示No1〜6の各項目が表示される。1桁目の第1表示部21TM029Aには集計させた設定値(1〜6)、及びCPU103が設定変更モードの処理の後に実行するRAMクリアが完了したことを報知するRAMクリア報知(「C」)が表示され、2桁目の第2表示部21TM029Bと3桁目の第3表示部21TM029Cには集計期間が表示され、4桁目の第4表示部21TM029Dと5桁目の第5表示部21TM029Eには数値が百分率で表示される。表示No1では、短期の連比が表示され、表示No2では、短期の役比が表示される。表示No3では、総累計の連比が表示され、表示No4では、総累計の役比が表示される。また、表示No5では、前回の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース1)が表示され、表示No6では、直前の賞球60000個に基づいて算出されたベース(ベース2)が表示される。
ここでの短期とは、払い出された賞球数(獲得球数)が6000個であった期間を意味する。総累計を求める期間は、連比、役比の算出を開始してからの通算、又は連比、役比の計算を一旦リセットしてからの通算の期間を意味する。
なお、上記の例では、連比や役比、ベースは、遊技状態によらずに算出するが、遊技状態を考慮して算出してもよい。例えば、連比は、賞球合計数のうち、大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、役比は、賞球合計数のうち、高ベース状態中の第2始動入賞口への入賞による賞球数と大当り遊技状態中の大入賞口への入賞による賞球数が占める割合としてもよい。また、ベースは、低ベース状態と高ベース状態とで個別に算出してもよい。
表示No1の短期連比が表示される場合には、第2表示部21TM029B及び第3表示部21TM029Cに「y6.」が表示され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第2表示部21TM029B及び第3表示部21TM029Cに「y7.」が表示される。また、表示No1の短期連比が表示される場合には、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、短期連比が百分率表示(%表示)され、表示No2の短期役比が表示される場合には、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、短期役比が百分率表示(%表示)される。
表示No3の総累計連比が表示される場合には、第2表示部21TM029B及び第3表示部21TM029Cに「A6.」が表示され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第2表示部21TM029B及び第3表示部21TM029Cに「A7.」が表示される。また、表示No3の総累計連比が表示される場合には、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No4の総累計役比が表示される場合には、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
表示No5のベース1が表示される場合には、第2表示部21TM029B及び第3表示部21TM029Cに「bL.」が表示され、表示No4のベース2が表示される場合には、第2表示部21TM029B及び第3表示部21TM029Cに「B6.」が表示される。また、表示No5のベース1が表示される場合には、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、総累計連比が百分率表示(%表示)され、表示No6のベース2が表示される場合には、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、総累計役比が百分率表示(%表示)される。
主基板11は、連比、役比及びベースを算出するにあたり、大入賞口(アタッカー)、第1始動入賞口、第2始動入賞口、及び第1一般入賞口から第4一般入賞口に進入した遊技球の進入数と、排出口から排出された遊技球数の集計を行っている。CPU103は、メイン処理において、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、並びに、第1一般入賞口スイッチ〜第4一般入賞口スイッチ、排出口スイッチ21TM070の各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認するスイッチ処理を行っている。
このスイッチ処理において、各スイッチから出力される検出信号に基づいて、いずれの進入領域に遊技球が進入したのかを特定する。そして、ゲートスイッチ21から検出信号が出力された場合には、ゲート通過数カウンタの値を加算し、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bから検出信号が出力された場合には、第1始動入賞数カウンタ,第2始動入賞数カウンタの値を加算し、カウントスイッチ23から検出信号が出力された場合には、大入賞数カウンタの値を加算し、第1一般入賞口スイッチ,第2一般入賞口スイッチ,第3一般入賞口スイッチ,第4一般入賞口スイッチから検出信号が出力された場合には、第1一般入賞数カウンタ,第2一般入賞数カウンタ,第3一般入賞数カウンタ,第4一般入賞数カウンタの値を加算し、排出口スイッチ21TM070から検出信号が出力された場合には、打込数カウンタの値を加算することで、各進入領域への遊技球の進入数(各入賞口への遊技球の入賞数)を集計する。なお、各カウンタの値はRAM102に記憶されている。
このように、各進入領域への遊技球の進入数を集計するためのステップを、各進入領域に対応したスイッチの状態を確認する一連の処理において併せて実行する(スイッチの状態確認処理であるスイッチ処理に含める)ことにより、別途の集計プログラムを実行させることなく、即ち、実行プログラムが増加することによる容量不足という問題を生じさせることなく、各進入領域への遊技球の進入数を集計可能となっている。
主基板11のCPU103は、集計した各入賞口への遊技球の入賞数に基づいて、各入賞口への入賞による賞球数を算出し、算出した賞球数を入賞口ごとにRAM102に記憶させる。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口に対する1回の入賞で払い出される遊技球数と、当該入賞口への入賞回数を乗じた数で算出される。遊技球の入賞による賞球数は、入賞口毎にあらかじめ定められている。
ここで区分される入賞口ごとの賞球数は、図21−6に示すように、一般入賞口賞球(第1一般入賞口〜第4一般入賞口(ソデ)への入賞による賞球)、第1始動入賞口賞球(第1始動入賞口(ヘソ)への入賞による賞球)、普通電役賞球(電チューへの入賞による賞球)、特別電役賞球(アタッカーへの入賞による賞球)の賞球数である。また、RAM102は、総賞球数や打ち込まれた遊技球数も記憶している。なお、CPU103では、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動入賞口への遊技球入賞数を個別に集計しているが、一般入賞口への遊技球の入賞数及び第1始動入賞口への遊技球入賞数をまとめて集計してもよい。また、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動入賞口賞球の賞球数とを個別に算出しているが、一般入賞口賞球の賞球数と、第1始動入賞口賞球の賞球数とをまとめて算出してもよい。
RAM102は、これらの賞球数や打込数を記憶するためのリングバッファとアクティブバッファを備えている。リングバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる10個の第1記憶領域〜第10記憶領域を備えている。このように、リングバッファでは、所定単位(最大2バイト)の記憶領域を備えている。また、アクティブバッファは、6000個の賞球数ごとの各入賞口への入賞による賞球数を記憶する最大2バイトのカウンタからなる第0記憶領域を備えている。第0記憶領域には、遊技の進行によって増加する入賞口毎の賞球数が加算される。第0記憶領域〜第10記憶領域の11個の記憶領域は、256×256=65536のデータを記憶可能であり、6000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、入賞口毎に、第1記憶領域〜第10記憶領域に記憶された賞球数(10セット分)や打込数の総和と、総累計との記憶領域が設けられている。10セット分の総和及び総累計の記憶領域は、最大3バイトのカウンタで構成されている、このため、256×256×256=16777216のデータを記憶可能であり、60000個までのデータは余裕をもって記憶できる。
また、RAM102には、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域と、10セット分のベース(ベース2)と前回の10セット分のベース(ベース1)を記憶するベース記憶領域と、を備えている。主基板11のCPU103では、10セット分及び総累計の各入賞口への遊技球の入賞数に基づく賞球数によって、10セット分及び総累計の役比及び連比を算出し、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域に記憶させる。10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域は、いずれも最大1バイトのカウンタで構成されている。10セット分及び総累計の役比及び連比は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
また、主基板11のCPU103では、10セット分の各入賞口への遊技球の入賞数に対する打込数によって、10セット分のベースを算出し、該10セット分のベース(ベース2)と前回の10セット分の各入賞口への遊技球の入賞数に対する打込数によって算出したベース(ベース1)とをベース記憶領域に記憶させる。ベース1とベース2は、例えば整数で記憶させる場合には、最大1バイトのカウンタで余裕をもって記憶できる。
ここで、主基板11のCPU103のメモリ空間について説明する。図21−7は主基板におけるCPUのメモリマップを示した図である。CPU103は、上述の内蔵レジスタ、ROM101、RAM102などにアクセスするためのメモリ空間を有している。具体的には、図21−7のメモリマップに示すように、ROM101のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のROM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFH(Hは16進数を示す。以下、同じ)のうち、0000H〜2FBFH。2FC0H〜2FFFHはプログラム管理エリア)に割り当てられ、CPU103は、このROM領域を指定してROM101からのデータの読み出しを行う。また、本実施例では、ROM領域を第一領域〜第八領域の8つの領域に分けて管理を行っており、第一領域は0000Hから始まる領域としている。
また、内蔵レジスタのアドレス/データ信号線は、メモリ空間のレジスタエリア(本実施形態では、FE00H〜FEBFH)に割り当てられ、CPU103は、このレジスタエリアを介して内蔵レジスタからのデータの読み出しやレジスタへのデータの書き込みを行う。
また、RAM102のアドレス/データ信号線は、メモリ空間のRWM領域(本実施形態では、F000H〜F3FFH)に割り当てられ、CPU103は、このRWM領域を指定してRAM102からのデータの読み出しやRAM102へのデータの書き込みを行う。なお、メモリ空間の他の領域(本実施形態では、3000H〜EFFFH、F400H〜FDFFH、FEC0H〜FFFFH)は非使用領域とされている。
また、RAM102の記憶領域に対応するRAM領域(本実施形態では、0000H〜2FFFHの16Kバイト領域)は、図21−8に示すように、RAM制御領域、非使用領域、RAMデータ領域及びその他領域で構成されている。このRAM制御領域に対応するRAM102の記憶領域には、CPU103が実行する複数種類の命令それぞれに対応する命令データ(オペコード)やCPU103がそれぞれの命令を実行するために必要な補足データ(オペランド)によって構成される制御プログラム用のデータ(単に、制御プログラムデータと称する場合がある)が一時的に記憶され、RAMデータ領域に対応するRAM102の記憶領域には、上記の制御プログラムによって参照される参照データ(例えば、上述の各種抽選データ)が一時的に記憶される。
また、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域及びその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、連比や役比の表示に用いるデータが一時的記憶される。例えば、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の賞球数の総累計を記憶する記憶領域及び総累計の連比役比記憶領域が設けられている。またその他領域に対応するRAM102の記憶領域には、入賞口毎の第0記憶領域を備えるアクティブバッファ、第1記憶領域〜第10記憶領域を備えるリングバッファ、入賞口毎の賞球数(10セット分)の総和の記憶領域、及び10セット分の連比役比記憶領域が設けられている。なお、非使用領域に対応するRAM102の記憶領域と、その他領域に対応するRAM102の記憶領域とには、サブルーチンの先頭アドレスが互いに異なるデータがそれぞれ記憶されている。
なお、本実施形態では、RAM領域の各々のアドレスに対応するRAM102の記憶領域には、1バイト(8ビット)のデータが記憶可能であり、上述の各データ(命令データ、補足データ、参照データ、管理データ)が1バイトを超えるバイト数(例えば、2バイト)のデータである場合には、RAM制御領域の連続する複数のアドレスに対応するRAM102の記憶領域に1バイト毎に分割して記憶している。
また、主基板11は、表示モニタ21TM029に対して、連比、役比、ベースを表示する制御を行う。ここで、主基板11は、複数の項目を順次表示する制御を行う。図21−9(A)は、役物比率表示装置に表示される項目の表示時間を示すタイムチャートである。図21−9(A)に示すように、表示モニタ21TM029に対する表示を開始すると、まず表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比の表示は、緑字で表示される。表示No1の短期連比の表示では、図21−9(B−1)に示すように、第1表示部21TM029Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部21TM029Bに「y」の文字が表示され、第3表示部21TM029Cに「6.」の文字が表示される。また、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、短期連比が表示される。例えば、短期連比が41%の場合、第4表示部21TM029Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部21TM029Eに「1.」の文字が表示される。
表示No1の表示が5秒間継続すると、表示No2の短期役比が表示される。表示No2の短期連比の表示は、赤字で表示される。表示No2の短期役比の表示では、図21−9(B−2)に示すように、第1表示部21TM029Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部21TM029Bに「y」の文字が表示され、第3表示部21TM029Cに「7.」の文字が表示される。また、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、短期役比が表示される。例えば、短期役比が63%の場合、第4表示部21TM029Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部21TM029Eに「3.」の文字が表示される。
表示No2の表示が5秒間継続すると、表示No3の総累計連比が表示される。表示No3の総累計連比の表示は、赤字で表示される。表示No3の総累計連比の表示では、図21−9(B−3)に示すように、第1表示部21TM029Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部21TM029Bに「A」の文字が表示され、第3表示部21TM029Cに「6.」の文字が表示される。また、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、総累計連比が表示される。例えば、総累計連比が58%の場合、第4表示部21TM029Dに「5.」の文字が表示され、第5表示部21TM029Eに「8.」の文字が表示される。
表示No3の表示が5秒間継続すると、表示No4の総累計役比が表示される。表示No4の総累計役比の表示は、赤字で表示される。表示No4の総累計役比の表示では、図21−9(B−4)に示すように、第1表示部21TM029Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部21TM029Bに「A」の文字が表示され、第3表示部21TM029Cに「7.」の文字が表示される。また、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、総累計役比が表示される。例えば、総累計役比が68%の場合、第4表示部21TM029Dに「6.」の文字が表示され、第5表示部21TM029Eに「8.」の文字が表示される。
表示No4の表示が5秒間継続すると、図21−9(B−5)に示すように、表示No5のベース1が表示される。表示No5のベース1の表示は、赤字で表示される。表示No5のベース1の表示では、図21−9(B−5)に示すように、第1表示部21TM029Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部21TM029Bに「b」の文字が表示され、第3表示部21TM029Cに「L.」の文字が表示される。また、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、前回の賞球60000個に基づいて算出したベース1が表示される。例えば、ベース1が40%の場合、第4表示部21TM029Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部21TM029Eに「0.」の文字が表示される。
表示No5の表示が5秒間継続すると、図21−9(B−6)に示すように、表示No6のベース2が表示される。表示No6のベース2の表示は、赤字で表示される。表示No6のベース2の表示では、図21−9(B−6)に示すように、第1表示部21TM029Aに設定値である「1」が表示され、第2表示部21TM029Bに「b」の文字が表示され、第3表示部21TM029Cに「6.」の文字が表示される。また、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eには、
直前の賞球60000個に基づいて算出したベース2が表示される。例えば、ベース2が42%の場合、第4表示部21TM029Dに「4.」の文字が表示され、第5表示部21TM029Eに「2」の文字が表示される。
そして、表示No5の表示が5秒間継続すると図21−9(B−1)に示すように、表示No1の短期連比が表示される。表示No1の短期連比が表示される。以後、表示No1の短期連比〜表示No6のベース2の表示が5秒毎に順次表示される。また、その表示の色は、表示No1の短期連比のみが緑色とされ、表示No2の短期役比〜表示No5のベース2は赤色とされる。このように、表示モニタ21TM029は、短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2を5秒ごとに切り替えて表示する。
更に、これら短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示は、図18(A)〜図18(B)に示すように、表示切替スイッチ21TM030の操作に基づいて、設定値が「1」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示、設定値が「2」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示、設定値が「3」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示に順次変更することが可能となっている。尚、設定値が「1」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ21TM030が操作された場合は、第1表示部21TM029Aに表示される数値が「2」に更新されるとともに、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の数値が設定値「2」の値に切り替わる。
また、設定値が「2」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ21TM030が操作された場合は、第1表示部21TM029Aに表示される数値が「3」に更新されるとともに、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の数値が設定値「3」の値に切り替わる。
また、設定値が「3」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ21TM030が操作された場合は、第1表示部21TM029Aに表示される数値が「4」に更新されるとともに、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の数値が設定値「4」の値に切り替わる。
また、設定値が「4」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ21TM030が操作された場合は、第1表示部21TM029Aに表示される数値が「5」に更新されるとともに、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の数値が設定値「5」の値に切り替わる。
また、設定値が「5」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ21TM030が操作された場合は、第1表示部21TM029Aに表示される数値が「6」に更新されるとともに、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の数値が設定値「6」の値に切り替わる。
そして、設定値が「6」の場合の短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の表示中に表示切替スイッチ21TM030が操作された場合は、第1表示部21TM029Aに表示される数値が「1」に更新されるとともに、第4表示部21TM029D及び第5表示部21TM029Eに表示される短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2の数値が設定値「1」の値に切り替わる。
尚、本実施例の表示モニタ21TM029においては、各設定値における連比、役比、ベースを表示可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示モニタ21TM029においてはこれら連比、役比、ベースのうち、1の数値のみ、或いはいずれか2の数値のみ表示可能であってもよい。
また、本実施例では、付与された賞球数に基づく情報である連比、役比、ベースを算出し、これら連比、役比、ベースを表示モニタ21TM029にて表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連比、役比、ベースを算出せずに、表示モニタ21TM029には、付与された賞球数の履歴を表示するようにしてもよい。
また、本実施例では、表示モニタ21TM029において、短期連比のみ赤色で表示し、短期役比、総累計連比、総累計役比、ベース1、ベース2については緑色にて表示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、短期連比と短期役比、総累計連比及び総累計役比を同色にて表示し、ベース1とベース2とについては短期連比、短期役比、総累計連比、総累計役比とは異なる同一の色にて表示してもよい。
また、主基板11では、アクティブバッファにおける第0記憶領域の賞球合計が所定の容量である6000個に到達すると、リングバッファにおける第0記憶領域〜第10記憶領域の記憶を更新する。さらには、10セット分の総和及び総累計の記憶領域、10セット分及び総累計の役比及び連比を記憶する連比役比記憶領域の記憶をそれぞれ更新する。
アクティブバッファ及びリングバッファにおける更新では、アクティブバッファの第0記憶領域に記憶されている数値をリングバッファの第1記憶領域に移動させる。また、リングバッファの第1記憶領域〜第9記憶領域に記憶されている数値をそれぞれ第2記憶領域〜第10記憶領域に移動させる。例えば、図21−10に示すように、第0記憶領域〜第9記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数がそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」であったとする。このときに、アクティブバッファの第0記憶領域における賞球合計が6000個に到達すると、第1憶領域〜第10記憶領域における一般入賞口賞球の賞球数をそれぞれ「27」「81」「120」「36」「225」「87」「66」「117」「45」「21」に更新する。また、第0記憶領域の賞球数を「0」とし、第10記憶領域の賞球数を消去する。
第0記憶領域〜第10記憶領域に記憶される賞球数を更新する際には、記憶している賞球数を一旦消去してから新たな賞球数を記憶させてもよい。あるいは、記憶されている賞球数に上書きする形で新たな賞球数を記憶させてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。図21−11に示すように、遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS21TM1010以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS21TM1010)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS21TM1020)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS21TM1030)。次いで、演出制御基板12が動作を開始するまでのウエイトを行う(ステップS21TM1040)。
そして、CPU103は、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS21TM1050)、RAM102をアクセス可能状態に設定する(ステップS21TM1060)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
また、図21−12に示すように、CPU103は、錠スイッチ21TM051がONとなっているか否かを判定する(ステップS21TM1110)。錠スイッチ21TM051がONとなっていない場合(ステップS21TM1110;NO)は、ステップS21TM1310に進む。錠スイッチ21TM051がONとなっている場合(ステップS21TM1110;YES)は、CPU103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(電源基板に搭載されている設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS21TM1120)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態確認において、ON状態を検出した場合には(ステップS21TM1120でYES)、CPU103は、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する。即ち、CPU103は、電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであるという第1条件が成立しており、且つ、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がONであるという第2条件が成立していることに基づいて、処理状態を設定変更モードに制御する。
CPU103は、設定変更モードに移行することに伴い、情報出力回路112から設定変更対応信号を出力すると共に、セキュリティ信号を出力する(ステップS21TM1130)。これにより、各遊技機の遊技情報を管理するホールコンピュータ等の外部装置において、設定変更対応信号及びセキュリティ信号が入力されていることに基づいて、これらの信号の出力元である遊技機が設定変更モード又は後述する設定確認モードに制御されていることを特定可能である。従って、当該外部装置が備える表示装置において、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技機(例えば台番号等)を特定可能に報知することが可能となる。
また、CPU103は、演出制御基板12に対する演出制御コマンドとして、設定変更モードに制御されたことを指定する設定変更モードコマンドを送信する(ステップS21TM1140)。演出制御用CPU120は、設定変更モードコマンドを受信したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定変更モードに移行したことを特定可能である。従って、画像表示装置5において当該遊技機が設定変更モードに制御されていることを報知することが可能となる。
そして、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を読み出して、表示モニタ21TM029に表示させる(ステップS21TM1150)。そして、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作を待機する(ステップS21TM1160)と共に、錠スイッチ21TM051のOFF操作を待機する(ステップS21TM1180)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作待機状態において、CPU103は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作される毎に(ステップS21TM1160でYES)、表示モニタ21TM029に表示している設定値を変更する(ステップS21TM1170)。例えば、後述するように、設定変更操作を受け付ける毎に、表示している設定値を1ずつ増加させ、6まで達した後には1に戻す表示制御を実行する。
また、錠スイッチ21TM051のOFF操作を待機している状態において、CPU103は、錠スイッチ21TM051のOFF操作を検出すると(ステップS21TM1180でYES)、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を、表示モニタ21TM029に表示している設定値に変更する(ステップS21TM1190)。即ち、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を、表示している設定値で上書きすることにより、設定値を確定させる。そして、確定した設定値(RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値)を表示モニタ21TM029に表示させる(ステップS21TM1190)。
なお、ステップS21TM1160において、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されることなく(ステップS21TM1160でYESと判定されることなく)、錠スイッチ21TM051のOFF操作が行われた場合(ステップS21TM1180でYESと判定された場合)には、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値と、表示モニタ21TM029に表示している設定値が一致している状態のため、結果として、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は変更されない。
ステップS21TM1200の処理が実行されると、設定変更モードが終了し、CPU103は、後述する図21−13に示すステップS21TM1410の初期化処理に移行する。
前述したステップS21TM1120におけるクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態確認において、OFF状態を検出した場合には(ステップS21TM1120でNO)、CPU103は、設定値を確認可能な設定確認モードに移行する。即ち、CPU103は、電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであるという第1条件は成立しているが、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がONであるという第2条件は成立していないことに基づいて、処理状態を設定確認モードに制御する。
CPU103は、設定確認モードに移行することに伴い、情報出力回路112から設定変更対応信号を出力すると共に、セキュリティ信号を出力する(ステップS21TM1210)。これにより、各遊技機の遊技情報を管理するホールコンピュータ等の外部装置において、設定変更対応信号及びセキュリティ信号が入力されていることに基づいて、これらの信号の出力元である遊技機が設定変更モード又は設定確認モードに制御されていることを特定可能である。従って、当該外部装置が備える表示装置において、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技機(例えば台番号等)を特定可能に報知することが可能となる。
また、CPU103は、演出制御基板12に対する演出制御コマンドとして、設定確認モードに制御されたことを指定する設定確認モードコマンドを送信する(ステップS21TM1220)。演出制御用CPU120は、設定確認モードコマンドを受信したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定確認モードに移行したことを特定可能である。従って、画像表示装置5において当該遊技機が設定確認モードに制御されていることを報知することが可能となる。
そして、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を読み出して、表示モニタ21TM029に表示させる(ステップS21TM1230)。そして、錠スイッチ21TM051のOFF操作を待機する(ステップS21TM1240)。
また、錠スイッチ21TM051のOFF操作を待機している状態において、CPU103は、錠スイッチ21TM051のOFF操作を検出すると(ステップS21TM1240でYES)、設定確認モードが終了し、CPU103は、後述する図21−13に示すステップS21TM1320の、電源断検出処理が実行されたか否かの判定処理に移行する。
前述したステップS21TM1110で、錠スイッチがOFFの状態であると判定された場合には(ステップS21TM1110でNO)、CPU103は、図21−13に示すように、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(電源基板に搭載されている設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS21TM1310)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態確認において、ON状態でない場合には(ステップS21TM1310でNO)、CPU103は、電源断検出処理(図21−14参照)を実行したか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(ステップS21TM1320)。
本例において、このステップS21TM1320の処理が実行されるケースとして、(1)電源投入時に錠スイッチ21TM051がOFFであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もOFFであったことに基づいて、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも移行することなく直ちにステップS21TM1320の処理が実行される場合と、(2)電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFFであったことに基づいて、設定確認モードに移行し、その設定確認モードの終了後にステップS21TM1320の処理が実行される場合と、が存在する。
バックアップデータが格納されている場合、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS21TM1330)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS21TM1330では、算出したチェックサムと、電源断検出処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する(ステップS21TM1330でNOと判定されてステップS21TM1410に移行する)。
チェック結果が正常であれば(ステップS21TM1330でYES)、CPU103は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS21TM1340及びステップS21TM1350の処理)を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS21TM1340)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定してステップS21TM1360に進む(ステップS21TM1350)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS21TM1340及びステップS21TM1350の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、規制部材状態指定フラグ、初期化済フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。設定値格納領域(確定した設定値が格納されている領域)も、初期化してはならない部分に含まれる。また、設定値毎に、連比、役比、及びベース等の各集計値(表示モニタ21TM029に表示可能な遊技情報)が記憶されている領域も、初期化してはならない部分に含まれる。
次いで、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を読み出す(ステップS21TM1360)。後述する遊技制御用タイマ割込処理では、ここで読み出された設定値に基づいて特別図柄プロセス処理(ステップS21TM1690)における大当り判定が実行される。次いで、CPU103は、電力供給復旧時のコマンドとしてのバックアップコマンド(復旧時のコマンド)を送信する(ステップS21TM1370)。演出制御用CPU120では、このバックアップコマンド(復旧時のコマンド)を受信したことに基づいて、電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われたことを認識する。演出制御用CPU120は、バックアップコマンドを受信すると、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置において、電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われたことを報知することが可能である。次いで、CPU103は、ステップS21TM1470の設定コマンド送信処理を実行する。
尚、ステップS21TM1310で、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がオンの状態である場合(ステップS21TM1310;YES)や、ステップS21TM1320でバックアップデータが格納されていない場合(ステップS21TM1320;NO)、ステップS21TM1330でパリティチェックの結果が正常でない場合(ステップS21TM1330;NO)場合は、初期化処理を実行する(ステップS21TM1410)。
本例において、ステップS21TM1410の初期化処理が実行されるケースとして、(1)電源投入時に錠スイッチ21TM051がOFFであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がONであったことに基づいて、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも移行することなく直ちにステップS21TM1410の初期化処理が実行される場合と、(2)電源投入時に錠スイッチ21TM051がOFFであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もOFFであったことに基づいて、ステップS21TM1320又はステップS21TM1330の何れかでNOと判定されたことを条件として、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも移行することなく直ちにステップS21TM1410の初期化処理が実行される場合と、(3)電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もONであったことに基づいて、設定変更モードに移行し、その設定変更モードの終了後にステップS21TM1410の初期化処理が実行される場合と、(4)電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFFであったことに基づいて、設定確認モードに移行し、その設定確認モードの終了後にステップS21TM1320又はステップS21TM1330の何れかでNOと判定されたことを条件として、ステップS21TM1410の初期化処理が実行される場合と、が存在する。
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS21TM1410)。RAMクリア処理では、RAM102の遊技状態情報格納領域に格納されている電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)はクリアされて、初期値が設定されるが、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値はクリアされず、RAMクリア処理の前から変更されない。また、設定値毎に、連比、役比、及びベース等の各集計値(表示モニタ21TM029に表示可能な遊技情報)が記憶されている領域も、クリアされず、これら設定値毎の各集計値は、RAMクリア処理の前から変更されない。そして、表示モニタ21TM029に「C」の文字を表示すること等により、遊技状態が初期化されたことを報知する(ステップS21TM1420)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS21TM1430)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS21TM1440)。
また、ステップS21TM1430およびステップS21TM1440の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
尚、本実施例では、錠スイッチ21TM051がONとなっていることを条件に設定変更モード、設定確認モードに移行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に遊技機用枠3が開放されていること(遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により遊技機用枠3が開放状態となっていることが検出されていること)を条件として設定変更モード、設定確認モードに移行可能としてもよい。
ステップS21TM1430、ステップS21TM1440の実行後、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を読み出す(ステップS21TM1450)。後述する遊技制御用タイマ割込処理では、ここで読み出された設定値に基づいて特別図柄プロセス処理(ステップS21TM1690)における大当り判定が実行される。次いで、CPU103は、電源投入時(あるいは、設定変更モード又は設定確認モードの終了時)に初期化処理が行われたことを指定する初期化コマンドを送信する(ステップS21TM1460)。演出制御用CPU120では、この初期化コマンドを受信したことに基づいて、初期化処理が行われたことを認識する。演出制御用CPU120は、初期化コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置において、遊技状態等の初期化が行われたことを報知することが可能である。次いで、CPU103は、ステップS21TM1470の設定コマンド送信処理を実行する。
CPU103は、ステップS21TM1360又はステップS21TM1450で読み出した設定値を指定する設定コマンドを、演出制御用CPU120に送信する(ステップS21TM1470)。設定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、設定コマンドが指定する設定値に応じた演出を実行することにより、設定値を示唆することが可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出の態様を、指定された設定値に応じて異ならせることで、遊技者に設定値を示唆することが可能である。
そして、CPU103は、シリアル通信回路21TM505の設定処理を実行する(ステップS21TM1480)。この設定処理では、主基板11の出力回路21TM067から払出制御基板21TM037の入力回路21TM373Aに接続確認信号が出力される(図21−19及び図21−21を参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100のシリアル通信回路21TM505と、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のシリアル通信回路21TM380との通信を実行可能な状態に設定する。
次に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS21TM1490)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に特図表示結果判定用の乱数値MR1の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS21TM1500において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU103は、表示用乱数更新処理(ステップS21TM1520)および初期値用乱数更新処理(ステップS21TM1530)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS21TM1510)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS21TM1540)。本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
図21−12及び図21−13に示した例では、設定変更モードに制御された場合、CPU103は、設定変更モードコマンド(ステップS21TM1140)を送信した後に、電源投入時の初期化コマンドを送信し(ステップS21TM1460)、設定コマンドを送信する(ステップS21TM1470)。また、設定確認モードに制御された場合、CPU103は、設定確認モードコマンド(ステップS21TM1220)を送信した後に、電源断復旧時のバックアップコマンド又は電源投入時の初期化コマンドを送信し(ステップS21TM1370又はステップS21TM1460)、設定コマンドを送信する(ステップS21TM1470)。従って、演出制御用CPU120は、設定変更モードコマンドを受信した後に初期化コマンドを受信したことに基づいて、設定変更モードの終了を特定可能であり、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置により設定変更モードの終了を報知することが可能である。また、演出制御用CPU120は、設定確認モードコマンドを受信した後にバックアップコマンド又は初期化コマンドを受信したことに基づいて、設定確認モードの終了を特定可能であり、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置により設定確認モードの終了を報知することが可能である。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図21−14のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図21−14に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、電源断検出処理を実行する(ステップS21TM1610)。そして、遊技停止エラーが発生しているか否かを判定し(ステップS21TM1615)、遊技停止エラーが発生していないことを条件として(ステップS21TM1615でNO)、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、排出口スイッチ21TM070といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS21TM1620)。一方、遊技停止エラーが発生している場合には(ステップS21TM1615でYES)、ステップS21TM1620のスイッチ処理は実行されず、結果として遊技が停止される。
例えば、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態が検出されていること、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されていること、不図示の磁気センサにより異常と判定されるレベルの磁気が検出されていること、不図示の振動センサにより異常と判定されるレベルの振動が検出されていること、不図示の電波センサにより異常と判定されるレベル及び周波数帯の電波が検出されていることに基づいて、遊技停止エラーが発生していると判定される。
続いて、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、第1一般入賞口〜第4一般入賞口、のいずれかに遊技球が入賞した場合、つまり、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、第1一般入賞口スイッチ〜第4一般入賞口スイッチからの検出信号の入力があった場合には、各検出信号による入賞に対応した賞球個数の設定などを行う賞球処理(ステップS21TM1630)を実行する。
次いで、CPU103は、役比、連比、ベース等の入賞情報を算出する入賞情報処理(ステップS21TM1640)、該入賞情報処理にて算出された役比、連比、ベース等の入賞情報を表示モニタ21TM029に表示する入賞情報表示制御処理(ステップS21TM1650)を行う。その後、所定のメイン側エラー処理(ステップS21TM1660)を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を実行可能とする。なお、ステップS21TM1660において、ステップS1615の説明で述べた各種センサによる異常(遊技停止エラー)の検出を行い、異常を検出した場合には、異常検出フラグをセットして、次回のタイマ割込におけるステップS21TM1615において遊技停止させる(スイッチ処理を実行させない)ようにしても良い。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、払出情報などのデータを出力する(ステップS21TM1670)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1や乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS21TM1680)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS21TM1690)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS21TM1700)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS21TM1710)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
尚、ステップS21TM1710のコマンド制御処理においては、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を通知するためのコマンドを送信すること、または、変動パターンや変動表示が終了したことを通知するためのコマンド等の既存コマンドにパチンコ遊技機1に設定されている設定値の情報を含ませて送信することによって、演出制御基板12に対して定期的に設定値を通知するようにしてもよい。更に、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は主基板11からこれらコマンドを受信することによって、設定されている設定値を示唆する演出を変動表示中や大当り遊技中等、様々タイミングにて実行してもよい。
次に、設定変更モード(メイン処理のステップS21TM1130からステップS21TM1200)、及び、RAMクリア(メイン処理のステップS21TM1410からステップS21TM1420)に関連した処理における表示モニタ21TM029の表示態様について説明する。先ず、図21−15(A)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電源断させる)と、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止することによって表示モニタ21TM029での表示が終了する。
次に、図21−15(B)に示すように、錠スイッチ21TM051がONとなっていること(メイン処理のステップS21TM1110でY)を条件に、遊技場の店員等がクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を操作しつつ電源を投入すると(メイン処理のステップS21TM1120でYの場合)、CPU103によってステップS21TM1130及びステップS21TM1140の処理が実行され、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「1」)が、RAM102の設定情報一時記憶領域にコピーされ、表示モニタ21TM029(より正確には第1表示部21TM029A)において該設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値(この例では、設定値「1」)が表示される(ステップS21TM1150)。
このように第1表示部21TM029Aにて設定値が表示されている状態において、図21−15(C)に示すように、CPU103は、遊技場の店員等によるクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作を検出する毎に、第1表示部21TM029Aに表示している数値(設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値)を順次更新表示していく(ステップS21TM1170)。例えば、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作される毎に、第1表示部21TM029Aに表示している数値(設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値)を、1→2→3→4→5→6→1→・・・のように更新表示していく。ここで、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されても、その操作によってはRAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「1」)自体は変更されず、後述する錠スイッチ21TM051のOFF操作が実行されたときに、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「1」)が、第1表示部21TM029Aに表示されている数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「2」)に変更される(上書きされる)。
次いで、図21−15(D)に示すように、CPU103は、遊技場の店員等による錠スイッチ21TM051のOFF操作を検出(ステップS21TM1180でYES)したことにもとづいて、RAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値(この例では、設定値「1」)が、第1表示部21TM029Aに表示されている数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「2」)に変更され(上書きされ)、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「2」)が確定する(ステップS21TM1190)。このとき、CPU103は、第1表示部21TM029Aを点滅表示させることによって、遊技場の店員等に新たな設定値がRAM102の設定値格納領域に格納され、設定変更モードの制御が終了したことを報知(設定完了報知)する(ステップS21TM1200)。
なお、一旦錠スイッチ21TM051がOFF操作された後は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されても、第1表示部21TM029Aに表示されている数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「2」)、及び、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「2」)は何れも変更されない。仮に、設定値が確定した後にも第1表示部21TM029Aに表示される数値が変更可能であると、錠スイッチ21TM051がOFFの状態でも設定値が変更可能であると誤解させてしまうおそれがある。そのため、本実施形態では、一旦錠スイッチ21TM051がOFF操作された後は、第1表示部21TM029Aに表示される数値を変更させないようにしている。
そして、設定変更モード(ステップS21TM1130からステップS21TM1200)を終了し、CPU103は、RAMクリアの処理を実行する(ステップS21TM1410)。RAMクリア処理では、RAM102の遊技状態情報格納領域に格納されている電源断発生時の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)がクリアされて、初期値が設定されることにより、遊技状態が初期化されるが、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値はクリアされず、RAMクリア処理の前から変更されない。また、RAM102のバックアップ領域に保留記憶が記憶されている場合は、該保留記憶がクリアされる。RAMクリアの処理が終了した後、CPU103は、第1表示部21TM029Aに「C」を表示させることによって、遊技場の店員等にRAMクリアの処理が実行されたことを報知(RAMクリア報知)する(ステップS21TM1420)。これにより、遊技場の店員等は、設定変更モードが終了して(設定値が確定して)、初期化処理が実行されたことを把握する。そして、ステップS21TM1430以降の処理を実行することによって遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。
尚、本実施例の設定変更モードでは、表示モニタ21TM029に表示する初期表示として、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定変更モードにおいて表示モニタ21TM029に表示する初期表示としては、遊技者にとって最も有利な設定値(本実施例であれば「6」)、或いは、遊技者にとって最も不利な設定値(本実施例であれば「1」)を表示するようにしてもよい。
また、CPU103は、設定変更モードの終了に伴い、RAMクリア報知後に、表示モニタ21TM029に、確定した設定値(RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値)に対応した、連比、役比、及びベース等の各集計値を表示させるようにしても良い。また、設定値毎に、各設定値に対応した連比、役比、及びベース等の各集計値を、順番(設定値の昇順又は降順)に表示モニタ21TM029に表示させるようにしても良い。
なお、設定変更モードに制御されているときに、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされることなく電源断が発生した場合には、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされていないことにより、RAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値は、電源投入時から変更されておらず、設定情報一時記憶領域に記憶されていた設定値は削除される。
次に、設定確認モード(ステップS21TM1210からステップS21TM1240)の処理における表示モニタ21TM029の表示態様について説明する。先ず、図21−16(A)に示すように、遊技場の店員等の操作によって電源がOFFとなる(電源断させる)と、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止することによって表示モニタ21TM029での表示が終了する。
次に、図21−16(B)に示すように、錠スイッチ21TM051がONとなっていること(メイン処理のステップS21TM1110でY)を条件に、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFFの状態で電源を投入すると(メイン処理のステップS21TM1120でNの場合)、CPU103によってステップS21TM1210及びステップS21TM1220の処理が実行され、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「1」)が、RAM102の設定情報一時記憶領域にコピーされ、表示モニタ21TM029(より正確には第1表示部21TM029A)において該設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値(この例では、設定値「1」)が表示される(ステップS21TM1230)。
なお、設定変更モードに制御されているときと異なり、設定確認モードに制御されているときには、遊技場の店員等によりクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作が行われても、第1表示部21TM029Aに表示している数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「1」)は更新表示されない。仮に、設定確認モードに制御されているときに、遊技場の店員等によりクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作が行われたことにより、第1表示部21TM029Aに表示している数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「1」)が更新表示されてしまうと、設定確認モードにおいて、設定値が変更可能であると誤解させてしまうおそれがある。そのため、本実施形態では、設定確認モードに制御されているときには、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作が行われても、第1表示部21TM029Aに表示している数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「1」)は更新表示されないようにしている。
そして、CPU103は、遊技場の店員等による錠スイッチ21TM051のOFF操作を検出(ステップS21TM1240でYES)したことにもとづいて、設定確認モードを終了する。ステップS21TM1320以降の処理を実行することによって遊技が可能な状態、つまり、変動表示結果や大当り種別、変動パターンの決定抽選や、賞球の払出等が実行可能な状態となる。すなわち、設定確認モードの処理を実行した場合、CPU103は、ステップS21TM1320又はステップS21TM1330でNOと判定された場合を除き、RAMクリアに関連した処理を実行しない。
なお、錠スイッチ21TM051がOFF操作された後は、前述したように、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されても、第1表示部21TM029Aに表示されている数値(この例では、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値「1」)、及び、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(この例では、設定値「1」)は何れも変更されない。
以上に示したように、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されるときに、(1)錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もON状態である、という、設定変更モードに制御するための条件が成立している場合には、遊技機が設定変更モードに制御され、(2)錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052はOFF状態である、という、設定確認モードに制御するための条件が成立している場合には、遊技機が設定確認モードに制御されることになる。
遊技場の店員等は、設定値を変更又は表示させるため(設定変更モード又は設定確認モードに移行させるため)には、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態とするが、このとき、設定変更モードに移行させるためには、さらに初期化処理を実行させるための操作(クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作)を行い、設定確認モードに移行させるためには、当該初期化処理を実行させるための操作を行わない。このように、遊技場の店員等は、電源投入時に遊技機を設定変更モード及び設定確認モードの何れに制御させるのか(あるいは何れにも制御させないか)を選択可能であると共に、初期化処理を実行させるか否かについても選択可能となっている。
また、本実施形態では、遊技機を設定確認モードに移行させるために初期化処理が必要とはならない(ステップS21TM1320又はステップS21TM1330でNOと判定された場合を除いてRAMクリアが実行されない)。そのため、遊技者が遊技を行っているときに遊技場の店員等が設定値を確認したい場合等に、一旦電源を落として、その後の電源投入時に設定確認モードに移行させても、遊技状態が初期化されず、遊技者の不利益となることがない。遊技場側では、設定確認モードによって、設定値の確認を支障無く行うことが可能となる。
また、CPU103は、設定確認モードの終了に伴い、表示モニタ21TM029に、表示した設定値(RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値)に対応した、連比、役比、及びベース等の各集計値を表示させるようにしても良い。また、設定値毎に、各設定値に対応した連比、役比、及びベース等の各集計値を、順番(設定値の昇順又は降順)に表示モニタ21TM029に表示させるようにしても良い。
図21−17は、設定変更モード、設定確認モードに制御されたときに、パチンコ遊技機1の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L,8R、及び、遊技効果ランプ9)により設定変更モード、設定確認モードに移行したことの報知が行われる例を示している。図21−17(1)は、設定変更モードに制御されたときに画像表示装置5に表示される画像の例、図21−17(2)は、設定確認モードに制御されたときに画像表示装置5に表示される画像の例を、それぞれ示している。
図21−17(1)の(A)に示すように、電源投入時(特にステップS21TM1040の演出制御基板動作待ちのウエイトが完了する前)は、演出制御基板12の起動が完了していない。よって、画像表示装置5には画像が表示されておらず、スピーカ8L,8Rから音は出力されず、遊技効果ランプ9は発光していない状態となっている。
次に、図21−17(1)の(B)に示すように、メイン処理におけるステップS21TM1140でCPU103から演出制御基板12に送信される設定変更モードコマンドを受信したことに基づいて、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定変更モードに移行したことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、画像表示装置5において「設定変更中」の文字を表示し、スピーカ8L,8Rから設定変更モードに移行したことを報知する音声(例えば「設定変更中です」という音声)を出力し、遊技効果ランプ9を所定の発光態様(例えば白色の点滅態様)で発光させることにより、設定変更モードに移行したことを報知する。このような構成によれば、パチンコ遊技機1の中で最も大きな表示領域を備えた画像表示装置5等において、設定変更モードに移行されていることを報知することが可能であるため、設定変更モードに制御されていることを明確に把握可能となる。ここで、図21−17(1)の(B)に示す状態では、画像表示装置5におけるその他の表示情報(例えば、演出図柄や小図柄、第4図柄、右打ち表示等)を表示しない。
なお、演出制御用CPU120が設定変更モードコマンドを受信したときに、VDP(Video Display Processor)により、映像信号を画像表示装置5に供給可能な状態となっていなければ(即ち、表示制御部123により画像表示装置5の制御が可能となっていないときには)、映像信号を画像表示装置5に供給可能な状態となるまで(即ち、表示制御部123により画像表示装置5の制御が可能となるまで)、画像表示装置5による報知は行わず、音声報知及び発光報知を先行して実行する。即ち、スピーカ8L,8Rから設定変更モードに移行したことを報知する音声(例えば「設定変更中です」という音声)を出力し、遊技効果ランプ9を所定の発光態様(例えば白色の点滅態様)で発光させることにより、設定変更モードに移行に移行したことを報知する。その後、映像信号を画像表示装置5に供給可能な状態となったときに(即ち、表示制御部123により画像表示装置5の制御が可能となったときに)、上記音声報知及び上記発光報知に加えて、画像表示装置5による報知を開始する。即ち、画像表示装置5において「設定変更中」の文字を表示する。
そして、図21−17(1)の(C)に示すように、メイン処理におけるステップS21TM1470でCPU103から演出制御基板12に送信される設定コマンドを受信したことに基づいて(あるいは、ステップS21TM1460でCPU103から演出制御基板12に送信された電源投入時の初期化コマンドを受信したことに基づいて)、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定変更モードを終了したことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、画像表示装置5において「設定変更終了」の文字を表示し、スピーカ8L,8Rから出力されていた設定変更モードに移行したことを報知する音声(例えば「設定変更中です」という音声)の出力を停止し、遊技効果ランプ9による所定の発光態様(例えば白色の点滅態様)での発光を停止することにより、設定変更モードが終了したことを報知する。このような構成によれば、パチンコ遊技機1の中で最も大きな表示領域を備えた画像表示装置5等において、設定変更モードが終了したことを報知することが可能であるため、設定変更モードが終了したことを明確に把握可能となる。
そして、図21−17(1)の(D)に示すように、CPU103は、メイン処理のステップS21TM1480以降の処理を実行し、遊技可能な状態になったこと(遊技制御用タイマ割込処理が実行されたこと)に伴って、画像表示装置5においてデモ画面を表示するための演出制御用コマンドを送信し、これを受信した演出制御用CPU120は、画像表示装置5にデモ画面を表示する。
図21−17(2)の(A)に示すように、電源投入時(特にステップS21TM1040の演出制御基板動作待ちのウエイトが完了する前)は、演出制御基板12の起動が完了していない。よって、画像表示装置5には画像が表示されておらず、スピーカ8L,8Rから音は出力されず、遊技効果ランプ9は発光していない状態となっている。
次に、図21−17(2)の(B)に示すように、メイン処理におけるステップS21TM1220でCPU103から演出制御基板12に送信される設定確認モードコマンドを受信したことに基づいて、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定確認モードに移行したことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、画像表示装置5において「設定確認中」の文字を表示し、スピーカ8L,8Rから設定確認モードに移行したことを報知する音声(例えば「設定確認中です」という音声)を出力し、遊技効果ランプ9を所定の発光態様(例えば白色の点滅態様)で発光させることにより、設定確認モードに移行したことを報知する。このような構成によれば、パチンコ遊技機1の中で最も大きな表示領域を備えた画像表示装置5等において、設定確認モードに移行されていることを報知することが可能であるため、設定確認モードに制御されていることを明確に把握可能となる。ここで、図21−17(2)の(B)に示す状態では、画像表示装置5におけるその他の表示情報(例えば、演出図柄や小図柄、第4図柄、右打ち表示等)を表示しない。
なお、演出制御用CPU120が設定確認モードコマンドを受信したときに、VDP(Video Display Processor)により、映像信号を画像表示装置5に供給可能な状態となっていなければ(即ち、表示制御部123により画像表示装置5の制御が可能となっていないときには)、映像信号を画像表示装置5に供給可能な状態となるまで(即ち、表示制御部123により画像表示装置5の制御が可能となるまで)、画像表示装置5による報知は行わず、音声報知及び発光報知を先行して実行する。即ち、スピーカ8L,8Rから設定確認モードに移行したことを報知する音声(例えば「設定変更中です」という音声)を出力し、遊技効果ランプ9を所定の発光態様(例えば白色の点滅態様)で発光させることにより、設定確認モードに移行したことを報知する。その後、映像信号を画像表示装置5に供給可能な状態となったときに(即ち、表示制御部123により画像表示装置5の制御が可能となったときに)、上記音声報知及び上記発光報知に加えて、画像表示装置5による報知を開始する。即ち、画像表示装置5において「設定確認中」の文字を表示する。
そして、図21−17(2)の(C)に示すように、メイン処理におけるステップS21TM1470でCPU103から演出制御基板12に送信される設定コマンドを受信したことに基づいて(あるいは、ステップS21TM1370またはステップS21TM1460でCPU103から演出制御基板12に送信された電源断復旧時のバックアップコマンドまたは電源投入時の初期化コマンドを受信したことに基づいて)、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定確認モードを終了したことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、画像表示装置5において「設定確認終了」の文字を表示し、スピーカ8L,8Rから出力されていた設定確認モードに移行したことを報知する音声(例えば「設定確認中です」という音声)の出力を停止し、遊技効果ランプ9による所定の発光態様(例えば白色の点滅態様)での発光を停止することにより、設定確認モードが終了したことを報知する。このような構成によれば、パチンコ遊技機1の中で最も大きな表示領域を備えた画像表示装置5等において、設定確認モードが終了したことを報知することが可能であるため、設定確認モードが終了したことを明確に把握可能となる。
そして、図21−17(2)の(D)に示すように、CPU103は、メイン処理のステップS21TM1480以降の処理を実行し、遊技可能な状態になったこと(遊技制御用タイマ割込処理が実行されたこと)に伴って、画像表示装置5においてデモ画面を表示するための演出制御用コマンドを送信し、これを受信した演出制御用CPU120は、画像表示装置5にデモ画面を表示する。
設定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、設定コマンドが指定する設定値に応じた演出を実行することにより、設定値を示唆することが可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出の態様を、指定された設定値に応じて異ならせることで、遊技者に設定値を示唆することが可能である。図21−18(1)、(2)、及び(3)は、設定示唆演出の例を示している。図21−18(1)は、大当り終了画面において「晴れ」態様のエンディング画像が選択された例、図21−18(2)は、大当り終了画面において「曇り」態様のエンディング画面が選択された例、図21−18(3)は、大当り終了画面において「雨」態様のエンディング画像が選択された例を示している。また、図21−18(4)は、設定示唆演出の態様を、設定コマンドが指定した設定値に基づいて決定するためのテーブルの具体例を示す説明図である。
CPU103は、メイン処理のステップS21TM1470において、設定値を指定する設定コマンドを演出制御用CPU120に送信している。また、CPU103は、大当り遊技状態が終了したときに、画像表示装置5においてエンディング演出を実行するための演出制御用コマンドを演出制御用CPU120に送信する。演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドにより指定された設定値をRAM102に記憶することにより、記憶した設定値に基づいてエンディング演出の態様を決定可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに送信される演出制御用コマンドに基づいて、画像表示装置5に、大当り遊技状態が終了したことを報知する文字(「BONUS終了」の文字)と共に、記憶している設定値に基づいて決定された態様(晴れの態様、曇りの態様、雨の態様)のエンディング画像を表示することが可能となる。
図21−18(4)に示すテーブルには、設定コマンドで指定された設定値が「1,2」である場合、「3,4」である場合、及び「5,6」である場合について、それぞれ、設定示唆演出の態様を、図21−18(1)に示す「晴れ」態様に決定する場合、図21−18(2)に示す「曇り」態様に決定する場合、及び図21−18(3)に示す「雨」態様に決定する場合、の判定値が割り振られている。
演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドで指定された設定値が「1」又は「2」である場合には、低い割合(例えば20%)で(1)に示す「晴れ」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば40%)で(2)に示す「曇り」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば40%)で(3)に示す「雨」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定する。また、演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドで指定された設定値が「3」又は「4」である場合には、低い割合(例えば20%)で(1)に示す「晴れ」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、高い割合(例えば50%)で(2)に示す「曇り」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば30%)で(3)に示す「雨」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定する。また、演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドで指定された設定値が「5」又は「6」である場合には、高い割合(例えば50%)で(1)に示す「晴れ」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、低い割合(例えば20%)で(2)に示す「曇り」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば30%)で(3)に示す「雨」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定する。
このように、設定値に応じて設定示唆演出の各態様の決定割合を異ならせることにより、遊技者は設定示唆演出がどのような態様で実行されるかに関心を抱くことになり、設定示唆演出の興趣を向上させることができる。本例では、遊技者は、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出がどのような態様で実行されるかに関心を抱くことになり、特に、「晴れ」態様でエンディング演出が実行されることに期待することになる。
次に、メイン処理における賞球処理(ステップS21TM1630)を説明する。まず、主基板11と払出制御基板21TM037との間で送受信される払出制御信号(接続確認信号)および賞球要求信号(払出制御コマンド)について説明する。
図21−19は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から払出制御基板21TM037に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板11と払出制御基板21TM037との間で制御信号として接続確認信号が送受信される。図21−19に示すように、接続確認信号は、主基板11の立ち上がり時(遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板21TM037に対して主基板11が立ち上がったことを通知するための信号(主基板11の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。なお、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート21TM057および出力回路21TM067を介して出力され、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の入力回路21TM373AおよびI/Oポート21TM372eを介して払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される。接続確認信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。なお、接続確認信号は、電源投入時に実行されるステップS21TM1350,S21TM1440の処理によって出力ポート0の接続確認信号に対応するビットに初期値が設定されることによって出力可能な状態となる(具体的にはステップS21TM2080の処理によって出力されるが、ステップS21TM1350,S21TM1440のタイミングで出力されるようにしてもよい)。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、シリアル通信回路21TM380を内蔵する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505と、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380との間で、各種払出制御コマンドが送受信される。なお、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380の構成及び機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505の構成及び機能と同様である。
図21−20は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御基板21TM037との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行うために、主基板11と払出制御基板21TM037とのマイクロコンピュータの間で各種制御コマンド(賞球要求信号)が送受信される。
上述したように、賞球要求信号および受信ACK信号は、8ビットのデータ(2進8桁のデータ)によって構成され、設定された8ビットのデータの内容によって所定の内容を示す制御コマンドとして出力される。
接続確認コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続状態が正常であるか否かを確認するために一定間隔(1s)毎に遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される制御コマンドである。接続確認コマンドのデータの内容は「A0(H)」すなわち「1010000」とされている。
接続OKコマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続状態が正常であることを通知するための制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が接続確認コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「10000xxx」とされている。ここで、賞球エラー(入賞にもとづく賞球払出動作や球貸し要求にもとづく球貸払出動作が正常に行えない状態になった異常状態)が発生した場合には、1ビット目の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目の「x」に「1」が設定される。また、ドア開放エラーが発生した場合には、4ビット目の「x」に「1」が設定される。このようにして、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続確認を行っている最中に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370における所定のエラーの発生を遊技制御用マイクロコンピュータ100に通知することができる。
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(0〜14個)を通知するための制御コマンドであって、遊技制御用マイクロコンピュータ100が入賞の発生に基づいて送信する制御コマンドである。賞球個数コマンドのデータの内容は「5x(H)」すなわち「0101xxxx」とされている。この実施の形態では、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bで遊技球が検出されると3個の賞球払出を行い、一般入賞口10に対応した入賞口スイッチで遊技球が検出されると10個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると14個の賞球払出を行う。よって、第1始動口スイッチ22A,第2始動口スイッチ22Bで遊技球が検出された場合、賞球数3個を通知するための賞球個数コマンド「01010011」が送信され、一般入賞口10に対応した入賞口スイッチで遊技球が検出された場合、賞球数10個を通知するための賞球個数コマンド「01011010」が送信され、カウントスイッチ23で遊技球が検出された場合、賞球数14個を通知するための賞球個数コマンド「01011110」が送信される。なお、接続確認コマンド及び賞球個数コマンドは賞球要求信号として、何れかが送信されるように構成されている。なお、賞球個数コマンドは、賞球の払出条件(入賞等の発生)が成立したことにもとづいて、接続確認コマンドが送信されるタイミングで、接続確認コマンドに代えて送信されるものである。この実施の形態では、上述したように、上位4ビットに賞球個数に対応したデータを設定しているが、上位4ビットを共通にして下位4ビットに賞球個数に対応したデータを設定するようにしてもよい。
賞球終了コマンドは、賞球動作(賞球払出動作)が終了したことを示す制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が賞球動作の終了にもとづいて送信する制御コマンドである。賞球終了コマンドのデータの内容は「50(H)」すなわち「01010000」とされている。なお、賞球終了コマンドは、賞球動作が終了したことにもとづいて、接続OKコマンドが送信されるタイミングで、接続OKコマンドに代えて送信されるものである。この実施の形態では、賞球終了コマンドにエラー情報を示すデータを設定するように構成してない。これは、賞球終了コマンドは賞球動作が終了したときに1回だけ送信されるので、そのタイミングでエラー情報を送らなくても次の接続OKコマンドにエラー情報を示すデータを設定して送るようにすることが可能であるからである。なお、賞球終了コマンドの下位4ビットにエラー情報を示すデータを設定するようにしてもよい。
賞球準備中コマンドは、所定のエラーが発生し賞球動作が終了していないことを通知する制御コマンドであって、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が賞球動作の実行中に所定のエラーが発生したことにもとづいて送信する制御コマンドである。接続OKコマンドのデータの内容は「8x(H)」すなわち「10000xxx」とされている。ここで、賞球エラーが発生した場合には、1ビット目の「x」に「1」が設定される。また、満タンエラーが発生した場合には、2ビット目の「x」に「1」が設定される。また、球切れエラーが発生した場合には、3ビット目の「x」に「1」が設定される。また、ドア開放エラーが発生した場合には、4ビット目の「x」に「1」が設定される。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から遊技制御用マイクロコンピュータ100に賞球動作の実行中に所定のエラーが発生し賞球動作が終了していないことを遊技制御用マイクロコンピュータ100に通知することができるとともに、エラーの内容も遊技制御用マイクロコンピュータ100に通知することができる。賞球準備中コマンドは、接続OKコマンドと同様に、下位4ビットの内容をエラー状態に応じて異ならせる(所定ビットを異ならせる)ことによって所定のエラーが発生したことを通知している。また、接続OKコマンド、賞球準備中コマンド、賞球終了コマンドは、受信ACK信号として、何れかのコマンドが送信されるように構成されている。なお、賞球準備中コマンドは、エラーが発生して賞球動作が実行できない状態のみならず、賞球動作の実行中の状態においても出力されるコマンド(信号)である。
なお、賞球準備中コマンドは、エラーが発生して賞球動作が行えない状態になったことにもとづいて、接続OKコマンドが送信されるタイミングで、接続OKコマンドに代えて送信されるものである。
図21−21は、図21−19に示す制御信号および図21−20に示す制御コマンドの送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図21−21に示すように、接続確認信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって出力回路21TM067を介して出力され、入力回路21TM373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される。また、制御コマンドのうちの接続確認コマンドおよび賞球個数コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505から出力され、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380に入力される。制御コマンドのうちの接続OKコマンド、賞球終了コマンドおよび賞球準備中コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が内蔵するシリアル通信回路21TM380から出力され、遊技制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するシリアル通信回路21TM505に入力される。なお、図21−21では、シリアル通信を行うための信号線として2本の信号線(賞球要求信号を送信するための信号線と受信ACK信号を送信するための信号線)を示しているが、実際は1本の信号線で賞球要求信号と受信ACK信号を送受信する。
次に、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの信号(賞球要求信号、受信ACK信号;制御コマンド)の送受信について説明する。賞球要求信号は、接続確認コマンドと賞球個数コマンドからなり、受信ACK信号は、接続OKコマンドと賞球終了コマンドと賞球準備中コマンドからなる。
図21−22は、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すシーケンス図である。図21−22に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル通信回路21TM505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の信号線の接続が切れていないかどうかを確認するために、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての接続確認コマンドをシリアル通信回路21TM380を介して受信すると、受信ACK信号としての接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
次に、払出制御基板21TM037の動作について説明する。図21−23は、払出制御基板21TM037が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、払出制御用CPU21TM371は、まず、割込禁止に設定する(ステップS21TM1810)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS21TM1820)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS21TM1830)。また、払出制御用CPU21TM371は、内蔵デバイスレジスタの設定を行い(ステップS21TM1840)、CTCおよびPIOの設定を行う(ステップS21TM1850)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS21TM1860)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(ステップS21TM1870)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、ステップS21TM1840の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS21TM1850の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて払出モータ21TM289を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて払出モータ21TM289を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップにもとづく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。
次に、払出制御用CPU21TM371は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS21TM1880)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS21TM1890)。ステップS21TM1890の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。
また、払出制御用CPU21TM371は、シリアル通信回路21TM380を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS21TM1900)。この場合、払出制御用CPU21TM371は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が行うシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM2560参照)と同様の処理に従って、シリアル通信回路21TM380に遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路21TM380を初期設定すると、払出制御用CPU21TM371は、シリアル通信回路21TM380の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS21TM1910)。この場合、払出制御用CPU21TM371は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が行う優先順位の初期設定処理と同様の処理に従って、割込処理の優先順位を初期設定する。
そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に設けられているCTCのレジスタの設定を行う(ステップS21TM1920)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS21TM1810において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS21TM1930)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371は、タイマ割込処理を実行する。
図21−24は、払出制御基板21TM037が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371は、払出制御処理として以下の処理を実行する。まず、払出制御用CPU21TM371は、入力判定処理を行う(ステップS21TM2010)。入力判定処理は、入力ポート0のビット4〜6および入力ポート1のビット3〜6の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0のビット4〜6および入力ポート1のビット3〜6の状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。
次に、払出制御用CPU21TM371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS21TM2020)。払出モータ制御処理では、払出モータ21TM289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
また、払出制御用CPU21TM371は、カードユニット21TM050と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS21TM2030)。また、払出制御用CPU21TM371は、後述する主制御通信処理を実行する(ステップS21TM2035)。さらに、カードユニット21TM050からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数コマンドが示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS21TM2040)。
そして、払出制御用CPU21TM371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS21TM2050)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS21TM2060)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示用LED21TM374に所定の表示を行うとともに、賞球LED21TM053および球切れLED21TM054を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS21TM2070)。
本実施の形態では、後述するエラー処理において各種エラー(例えば、満タンエラーや球切れエラー、プリペイドカードユニット未接続エラー)が検出されると、検出されたエラーに対応するエラービットがセットされる。そして、ステップS21TM2070の表示制御処理において、エラービットがセットされていることに基づいて、払出制御用CPU21TM371は、エラー表示用LED21TM374に所定の表示を行う。また、払出制御用CPU21TM371は、表示制御処理において、賞球払出を行っている状態であるときに、賞球LED21TM053を点灯するための制御を行う。また、賞球払出を終了したら、賞球LED21TM053を消灯するための制御を行う。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU21TM371は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファは、払出モータ制御処理(ステップS21TM2020)、プリペイドカード制御処理(ステップS21TM2030)、主制御通信処理(ステップS21TM2035)、情報出力処理(ステップS21TM2060)および表示制御処理(ステップS21TM2070)で更新される。
次に、ステップS21TM2035の主制御通信処理において、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の払出制御用CPU21TM371が各種コマンドを送受信する動作を説明する。図21−21に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と各種コマンドをシリアル通信するシリアル通信回路21TM380を内蔵している。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、シリアル通信回路21TM380を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から図21−20に示す賞球個数コマンドを受信する。また、賞球個数コマンドを受信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、シリアル通信回路21TM380を用いて、賞球ACKコマンド「D2」を受信確認信号として送信する。
また、払出制御用CPU21TM371は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103と同様に、割り込み許可状態である間にシリアル通信回路21TM380からの割り込み要求があると、シリアル通信回路21TM380が割り込み要求を行った割り込み原因に応じた割り込み処理を実行する。この実施の形態では、払出制御用CPU21TM371は、割り込み原因が、シリアル通信回路21TM380が受信データを受信したことであると特定すると、受信時割込処理を実行する。この場合、払出制御用CPU21TM371は、シリアル通信回路21TM380が受信データを受信していることを示す受信時割込フラグをセットする。なお、払出制御用CPU21TM371は、受信時割込処理において、受信時割込フラグをセットするのでなく、シリアル通信回路21TM380の受信データレジスタからデータを読み込んでもよい。この場合、例えば、払出制御用CPU21TM371は、受信時割込処理において、読み込んだ受信データが賞球個数コマンドであるか否かを判断する。また、受信データが賞球個数コマンドである場合、払出制御用CPU21TM371は、賞球個数コマンドが示す賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算してもよい。そのようにすれば、後述する主制御通信処理において、受信時割込フラグがセットされていることにもとづいて受信データが賞球個数コマンドであるか否かを判定し、賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算する処理を実行する必要がなくなる。
図21−25は、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)及び払出モータ21TM289、並びに、カードユニット21TM050の間で実行される球貸のための通信処理を説明するためのブロック図である。ここで、後述するように、払出モータ21TM289による球貸を制限する方法として、以下に示す第1の球貸制限方法〜第4の球貸制限方法が存在する。
まず、(1)第1の球貸制限方法は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)から払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)に対しての接続確認信号の出力を停止する方法である。また、(2)第2の球貸制限方法は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)からカードユニット21TM050に対してのPRDY信号の出力を停止する方法である。また、(3)第3の球貸制限方法は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300を備える払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)から払出モータ21TM289に対しての払出モータ21TM289を駆動させるための信号の出力を停止する方法である。また、(4)第4の球貸制限方法は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)からカードユニット21TM050に対してのEXS信号の出力を停止する方法である。
設定変更モードへの移行、設定確認モードへの移行は、電源断(電源スイッチ21TM055をOFFとすることを含む)、及び、その後の電源投入を伴うものであるため、遊技機の状態として不安定になる可能性があり、このような不安定な状態において球貸処理に対応する払出制御を実行してしまうと、貸出要求に対応した適正な数量の遊技媒体を払い出せない可能性がある。このような状況における遊技者の不利益を防止するために、以下の実施形態では、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技機における球貸を制限するようにしている。以下、これら第1の球貸制限方法〜第4の球貸制限方法に関して、具体的に説明する。
図21−26は、遊技機の主基板11、払出制御基板21TM037、及びカードユニット21TM050の間の通信を説明するためのタイミング図である。遊技機への電力供給が開始され、主基板11からの接続確認信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。接続確認信号は、図21−13に示す、ステップS21TM1480におけるシリアル通信回路設定処理でON状態となる(図21−19参照)。カードユニット21TM050は、電力供給が開始されると、接続信号としてのVL信号をON状態にする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチが操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御基板21TM037は、PRDY信号がON状態であり、かつ、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、カードユニット21TM050からのBRQ信号の立ち下がり(OFF)を検出すると、払出モータ21TM289を駆動し、所定個(例えば25個)の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出制御基板21TM037は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち下げる。すなわちEXS信号をOFF状態にする。
(設定変更モードにおける第1の球貸制限方法)
設定変更モードに制御されている期間において、球貸を制限する方法として、前述した第1の球貸制限方法〜第4の球貸制限方法がある。まず、第1の球貸制限方法に関して、図21−27を用いて具体的に説明する。
図21−27は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。CPU103が、図21−13に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態であるので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号がOFF状態であるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間に、球貸スイッチ21TM062が操作されて球貸スイッチ信号が入力されたとしても、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。すなわち、接続確認信号がOFF状態であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動されないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、球貸スイッチ21TM062が操作されても球貸(遊技媒体の払出)が実行されない。
このように、設定変更モード、設定確認モードに制御されている期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が接続確認信号をON状態としないことにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることができる。また、カードユニット21TM050においては、PRDY信号がON状態とならないことに基づいて、球貸が実行されないこと(球貸エラーが発生したこと)を報知することが可能である。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了し、図21−13に示す、ステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、以降の球貸の払出制御を実行する。
なお、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード、設定確認モードに制御可能な構成を採用した場合であっても、図21−27に示した第1の球貸制限方法を適用可能である。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたことに基づいて、接続確認信号の出力を停止する(ON状態からOFF状態に切り替える)。これにより、接続確認信号が入力されなくなったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、PRDY信号をOFF状態とすることにより、あるいは、EXS信号をON状態としないことにより、球貸が実行されないようにする。
(設定変更モードにおける第2の球貸制限方法)
次に、第2の球貸制限方法に関して、図21−28を用いて具体的に説明する。なお、図21−28に示す例では、設定変更モードに制御されている期間は、接続確認信号はON状態であり、設定確認モードに制御されている期間も、接続確認信号はON状態であるものとする。即ち、接続確認信号は、図21−12及び図21−13に示した例とは異なり、設定変更モードに制御される前のタイミングでON状態となり、設定変更モード期間中もON状態が維持されるものとする。また、接続確認信号は、図21−12及び図21−13に示した例とは異なり、設定確認モードに制御される前のタイミングでON状態となり、設定確認モード期間中もON状態が維持されるものとする。
図21−28は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。そして、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がON状態となった後に、設定変更モード又は設定確認モードに移行する。
図21−28の例では、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間も接続確認信号はON状態である。ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードに制御したことに基づいて、接続確認コマンドの送信を停止する。接続確認コマンドは、前述したように、シリアル通信回路21TM505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の通信状態を確認するためのコマンドである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から接続確認コマンドを受信していないことに基づいて、PRDY信号をON状態としない。また、PRDY信号が既にON状態となっている場合には、PRDY信号をON状態からOFF状態に切り替える。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態(即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態)であり、且つ、接続確認信号がON状態(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100と電気的に接続されている状態)であっても、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間(接続確認コマンドを受信していない間)は、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態とする。
その結果、カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間に、球貸スイッチ21TM062が操作されて球貸スイッチ信号が入力されたとしても、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。すなわち、接続確認信号がON状態であるときでも、接続確認コマンドが送信されないときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動されないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、球貸スイッチ21TM062が操作されても球貸(遊技媒体の払出)が実行されない。
このように、設定変更モード、設定確認モードに制御されている期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が接続確認コマンドを送信しないことにより、接続確認コマンドを受信していない払出制御用マイクロコンピュータ21TM370側で、PRDY信号をON状態としないようになっている。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることができる。また、カードユニット21TM050においては、PRDY信号がON状態とならないことに基づいて、球貸が実行されないこと(球貸エラーが発生したこと)を報知することが可能である。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了すると、接続確認コマンドの送信を再開する。遊技制御用マイクロコンピュータ100からの接続確認コマンドの受信を再開したことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、以降の球貸の払出制御を実行する。
なお、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード、設定確認モードに制御可能な構成を採用した場合であっても、図21−28に示した第2の球貸制限方法を適用可能である。また、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に接続確認信号が入力されているか否か(ON状態であるか又はOFF状態であるか)にかかわらず、PRDY信号を出力する(ON状態とする)ことが可能な構成を採用した場合であっても、図21−28に示した第2の球貸制限方法を適用可能である。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から接続確認コマンドを受信していないことに基づいて、ON状態となっているPRDY信号をOFF状態に切り替える。これにより、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、球貸が実行されないようにすることが可能となる。
(設定変更モードにおける第3の球貸制限方法)
次に、第3の球貸制限方法に関して、図21−29を用いて具体的に説明する。なお、本実施形態では、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放しない限り操作不可能とされているので、当該パチンコ遊技機1を設定変更モード又は設定確認モードに制御させるには、遊技機用枠3を開放しなければならない。即ち、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、遊技機用枠3が開放されていることが通常である。即ち、設定変更モード及び設定確認モードに制御されている期間は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3の開放を検知していることになる。このように、遊技機用枠3の開放状態が検出されている期間には、設定変更モードに制御されている期間、設定確認モードに制御されている期間が含まれる。
図21−29は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知しているときに、主基板11、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。
図21−29の例では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知していることに基づいて、PRDY信号をON状態としない。また、PRDY信号が既にON状態となっている場合には、PRDY信号をON状態からOFF状態に切り替える。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態(即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態)であり、且つ、接続確認信号がON状態(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100と電気的に接続されている状態)であっても、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間(遊技機用枠3が開放状態となっている期間)は、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態とする。
その結果、カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間に、球貸スイッチ21TM062が操作されて球貸スイッチ信号が入力されたとしても、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知しているときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動されないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、球貸スイッチ21TM062が操作されても球貸(遊技媒体の払出)が実行されない。
このように、設定変更モード、設定確認モードに制御されている期間は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知していることにより、PRDY信号をON状態としないようになっている。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることができる。また、カードユニット21TM050においては、PRDY信号がON状態とならないことに基づいて、球貸が実行されないこと(球貸エラーが発生したこと)を報知することが可能である。
そして、遊技場の店員等が、錠スイッチ21TM051をOFF状態とする操作を行うことによって、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了する。さらに、遊技場の店員等が、当該パチンコ遊技機1を遊技可能な状態とするために遊技機用枠3を閉鎖することで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3の開放状態を検知しなくなる。遊技機用枠3の閉鎖に伴い、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、以降の球貸の払出制御を実行する。
なお、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード、設定確認モードに制御可能な構成を採用した場合であっても、図21−29に示した第3の球貸制限方法を適用可能である。また、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に接続確認信号が入力されているか否か(ON状態であるか又はOFF状態であるか)にかかわらず、PRDY信号を出力する(ON状態とする)ことが可能な構成を採用した場合であっても、図21−29に示した第3の球貸制限方法を適用可能である。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知していることに基づいて、PRDY信号をON状態としない。これにより、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、球貸が実行されないようにすることが可能となる。
なお、本実施形態では、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、払出制御基板21TM037に設けられている(開放状態の検出信号が払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される)例を示したが、このような形態に限らず、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300は、主基板11に設けられる(開放状態の検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される)ようにしても良い。このような構成とした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知したことに基づいて、接続確認信号の出力を停止する(ON状態からOFF状態に切り替える)。これにより、接続確認信号が入力されなくなったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、PRDY信号をOFF状態とすることにより、あるいは、EXS信号をON状態としないことにより、球貸が実行されないようにする。
(設定変更モードにおける第4の球貸制限方法)
次に、第4の球貸制限方法に関して、図21−30を用いて具体的に説明する。なお、図21−30に示す例では、設定変更モードに制御されている期間は、接続確認信号はON状態であり、設定確認モードに制御されている期間も、接続確認信号はON状態であるものとする。即ち、接続確認信号は、図21−12及び図21−13に示した例とは異なり、設定変更モードに制御される前のタイミングでON状態となり、設定変更モード期間中もON状態が維持されるものとする。また、接続確認信号は、図21−12及び図21−13に示した例とは異なり、設定確認モードに制御される前のタイミングでON状態となり、設定確認モード期間中もON状態が維持されるものとする。
図21−30は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。そして、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がON状態となった後に、設定変更モード又は設定確認モードに移行する。
図21−30の例では、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間も接続確認信号はON状態である。ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードに制御したことに基づいて、接続確認コマンドの送信を停止する。接続確認コマンドは、前述したように、シリアル通信回路21TM505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の通信状態を確認するためのコマンドである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であることに基づいて、PRDY信号をON状態とする。また、PRDY信号が既にON状態となっている場合には、PRDY信号をON状態のまま維持する。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態(即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態)であり、且つ、接続確認信号がON状態(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100と電気的に接続されている状態)であるときは、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードに制御されているか否かにかかわらず、PRDY信号をON状態とする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間に、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
ここで、払出制御基板21TM037は、PRDY信号がON状態であり、かつ、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であるが、遊技制御用マイクロコンピュータ100から接続確認コマンドを受信していないことに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にしない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態(即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態)であり、且つ、接続確認信号がON状態(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100と電気的に接続されている状態)であり、PRDY信号がON状態(即ち、払出制御基板21TM037による、払出動作が可能な状態)であり、BRDY信号がON状態(即ち、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力された状態)であり、BRQ信号がON状態(即ち、BRDY信号がON状態となってから所定の遅延時間が経過した状態)であっても、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間(接続確認コマンドを受信していない間)は、EXS信号をON状態とせず、OFF状態とする。このように、接続確認信号、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号がON状態であるときでも、接続確認コマンドが送信されないときには、EXS信号がOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動されないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、球貸スイッチ21TM062が操作されても球貸(遊技媒体の払出)が実行されない。
このように、設定変更モード、設定確認モードに制御されている期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が接続確認コマンドを送信しないことにより、接続確認コマンドを受信していない払出制御用マイクロコンピュータ21TM370側で、EXS信号をON状態としないようになっている。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることができる。また、カードユニット21TM050においては、EXS信号がON状態とならないことに基づいて、球貸が実行されないこと(球貸エラーが発生したこと)を報知することが可能である。
そして、カードユニット21TM050は、BRQ信号をON状態としてから、EXS信号がOFF状態のまま所定の時間が経過すると(予め定められた値にセットされたタイマがタイムアウトすると)、BRQ信号の出力を停止する。即ち、BRQ信号をOFF状態にする。そして、カードユニット21TM050は、BRQ信号がOFF状態となったことに基づいて、BRDY信号の出力を停止する。即ち、BRDY信号をOFF状態にする。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了すると、接続確認コマンドの送信を再開する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態に維持している。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの接続確認コマンドの受信を再開したこと、並びに、BRDY信号、及び、BRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、以降の球貸の払出制御を実行する。
なお、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード、設定確認モードに制御可能な構成を採用した場合であっても、図21−30に示した第4の球貸制限方法を適用可能である。また、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に接続確認信号が入力されているか否か(ON状態であるか又はOFF状態であるか)にかかわらず、PRDY信号を出力する(ON状態とする)ことが可能な構成を採用した場合であっても、図21−30に示した第4の球貸制限方法を適用可能である。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から接続確認コマンドを受信していないことに基づいて、EXS信号をON状態にしない。これにより、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、球貸が実行されないようにすることが可能となる。
また、図21−30では、BRQ信号がON状態となってから、EXS信号がOFF状態のまま所定の時間が経過すると(予め定められた値にセットされたタイマがタイムアウトすると)、カードユニット21TM050がBRQ信号をOFF状態に戻し、さらに、BRDY信号もOFF状態に戻す例を示しているが、このような形態に限らず、BRQ信号がON状態となってから、EXS信号がOFF状態のまま所定の時間が経過しても、BRQ信号をON状態のまま維持し、BRDY信号もON状態のまま維持するようにしても良い。そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの接続確認コマンドの受信を再開したこと(設定変更モード又は設定確認モードが終了したこと)、並びに、BRDY信号、及び、BRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、EXS信号をON状態にしても良い。ここで、EXS信号をON状態としたときに、(1)球貸スイッチ21TM062が改めて操作されることなく、BRQ信号がOFF状態となり球貸が自動的に実行される(即ち、設定変更モード又は設定確認モードが終了したときに、当該設定変更モード又は当該設定確認モードの期間内に受け付けられた球貸操作に応じた球貸処理が実行される)ようにしても良く、(2)球貸スイッチ21TM062が改めて操作されたことを契機として、BRQ信号がOFF状態となり、球貸が実行されるようにしても良い。
(設定変更モード中に球貸制限を実行しない方法)
次に、設定変更モード中に球貸制限を実行しない方法に関して、図21−31を用いて具体的に説明する。なお、図21−31に示す例では、設定変更モードに制御されている期間は、接続確認信号はON状態であり、設定確認モードに制御されている期間も、接続確認信号はON状態であるものとする。即ち、接続確認信号は、図21−12及び図21−13に示した例とは異なり、設定変更モードに制御される前のタイミングでON状態となり、設定変更モード期間中もON状態が維持されるものとする。また、接続確認信号は、図21−12及び図21−13に示した例とは異なり、設定確認モードに制御される前のタイミングでON状態となり、設定確認モード期間中もON状態が維持されるものとする。
図21−31は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。そして、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がON状態となった後に、設定変更モード又は設定確認モードに移行する。
図21−31の例では、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間も接続確認信号はON状態である。ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間も、接続確認コマンドの送信を継続する。接続確認コマンドは、前述したように、シリアル通信回路21TM505を介して、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の通信状態を確認するためのコマンドである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であること、及び、接続確認コマンドを受信していることに基づいて、PRDY信号をON状態とする。また、PRDY信号が既にON状態となっている場合には、PRDY信号をON状態のまま維持する。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態(即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態)であり、接続確認信号がON状態(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100と電気的に接続されている状態)であり、且つ、接続確認コマンドを受信している状態であるときは、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードに制御されているか否かにかかわらず、PRDY信号をON状態とする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間に、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御基板21TM037は、PRDY信号、BRDY信号、及び、BRQ信号が何れもON状態であり、且つ、接続確認コマンドを受信している状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、カードユニット21TM050からのBRQ信号の立ち下がり(OFF)を検出すると、払出モータ21TM289を駆動し、所定個(例えば25個)の遊技媒体を遊技者に払い出す。
このように、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間でも、遊技制御用マイクロコンピュータ100が接続確認コマンドを継続して送信することにより、接続確認コマンドを継続して受信している払出制御用マイクロコンピュータ21TM370側で、PRDY信号、及び、EXS信号をON状態とするようになっている。このようにして、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間でも、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させるようにすることができ、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間に払出制御を実行させないようにするための制御負担を軽減することができる。また、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、カードユニット21TM050とパチンコ遊技機1との間の通信機能についての点検等も併せて行うことができ、作業性を向上させることができる。
CPU103は、設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了しても、接続確認コマンドを継続して送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100からの接続確認コマンドの受信を継続していることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号のON状態を維持する。
なお、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、所定個の遊技媒体の払出が終了し、払出モータ21TM289の駆動が停止すると、払出制御基板21TM037は、EXS信号の出力を停止する。即ち、EXS信号をOFF状態にする。そして、カードユニット21TM050は、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、BRDY信号の出力を停止する。即ち、BRDY信号をOFF状態にする。このように、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、EXS信号がON状態からOFF状態になり、これに伴いBRDY信号がON状態からOFF状態になる場合がある。また、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、所定個の遊技媒体の払出が終了し、払出モータ21TM289の駆動が停止すると、払出制御基板21TM037は、EXS信号の出力を停止する。即ち、EXS信号をOFF状態にする。そして、カードユニット21TM050は、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、BRDY信号の出力を停止する。このように、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、EXS信号がON状態からOFF状態になり、これに伴いBRDY信号がON状態からOFF状態になる場合がある。
(設定変更モード終了後に球貸を再開する方法)
次に、球貸が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、その後の電源投入時に設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合の処理に関して、図21−32を用いて具体的に説明する。図21−32に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したことに基づいて、遊技媒体の払出を中断し、電源投入後に設定変更モード又は設定確認モードに制御され、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に中断されていた払出を再開する。
図21−32は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)が遊技媒体の払出を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間は、主基板11からの接続確認信号はON状態であり、払出制御基板21TM037からのPRDY信号、及び、EXS信号、並びに、カードユニット21TM050からのBRDY信号はON状態であるものとする。
払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間において、電源断が発生すると、主基板11からの接続確認信号の出力が停止され、払出制御基板21TM037からのPRDY信号の出力が停止される。即ち、PRDY信号はOFF状態となる。そして、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050からのBRDY信号、及び、払出制御基板21TM037からのEXS信号の出力が停止される。即ち、BRDY信号、及び、EXS信号はOFF状態となる。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
この未払出個数は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372fに入力される払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号に基づいて更新される。具体的には、未払出個数は、払出モータ21TM289により払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば25個)から、払出個数カウントスイッチ21TM301によりカウントされた個数(即ち、実際に払出モータ21TM289により払い出された遊技媒体数)を減算することにより算出される。
その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。CPU103が、図21−13に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態であるので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号がOFF状態であるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している期間は、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、球貸スイッチ21TM062が操作されても払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止させた状態を維持する。すなわち、接続確認信号がOFF状態であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動しないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、遊技媒体の払出が実行されない。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了し、図21−13に示す、ステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。
そして、電力供給が再開され、電源投入時に制御された設定変更モード又は設定確認モードが終了したこと(接続確認信号がON状態となり、PRDY信号がON状態となったこと)に基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAMに保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断、及び、その後の設定変更モード又は設定確認モードへの移行により中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、球貸の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合であっても、当該設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、球貸を完了させることが可能である。
ここで、図21−32に示す例では、払出処理中に電源断が発生したことにより払出処理が中断され、電源復旧時に設定変更モード又は設定確認モードに制御され、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、中断されていた払出処理が再開される例を示したが、この電源断は、遊技場の店員が、設定値を変更又は確認するために電源スイッチ21TM055をOFF状態としたことにより発生した電源断であっても良く、遊技場の営業終了に伴い電源スイッチ21TM055をOFF状態としたことにより発生した電源断であっても良い。また、電源断が発生した場合に限らず、払出処理中に、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態が検出されたこと、又は、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことに応じて、実行中の払出処理が中断され、その後に設定変更モード又は設定確認モードに制御され、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、中断されていた払出処理が再開されるようにしても良い。
(電源断に伴う球貸の強制終了方法)
次に、球貸が実行されている途中で電源断が発生したときに払出が強制終了(中止)され、電源復旧後に払出が再開されない場合の処理に関して、図21−33を用いて具体的に説明する。図21−33に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したときに、実行中の払出を停止し、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、払出を再開せず、また、設定変更モード又は設定確認モードの終了後にも払出を再開しない。
図21−33は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)が遊技媒体の払出を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間は、主基板11からの接続確認信号はON状態であり、払出制御基板21TM037からのPRDY信号、及び、EXS信号、並びに、カードユニット21TM050からのBRDY信号はON状態であるものとする。
払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間において、電源断が発生すると、主基板11からの接続確認信号の出力が停止され、払出制御基板21TM037からのPRDY信号の出力が停止される。即ち、PRDY信号はOFF状態となる。そして、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050からのBRDY信号、及び、払出制御基板21TM037からのEXS信号の出力が停止される。即ち、BRDY信号、及び、EXS信号は何れもOFF状態となる。そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、EXS信号がOFF状態となったことに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を強制終了(中止)する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータを格納しない(あるいは、未払出個数格納バッファ自体が設けられていない)ため、以下に示すように、電源復旧後に、未払出個数相当の遊技媒体の払出は実行されない。
その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。CPU103が、図21−13に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態であるので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。
その後、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。そのため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している期間は、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、球貸スイッチ21TM062が操作されても払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止させた状態を維持する。すなわち、接続確認信号がOFF状態であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動しないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、遊技媒体の払出が実行されない。
CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了し、図21−13に示す、ステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。なお、未払出個数のデータをバックアップしていないため、電源断発生前(電源復旧に伴い設定変更モード又は設定確認モードに制御される前)に実行されていた球貸処理において払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば25個)のうち、払出の中止(強制終了)により払い出されなかった未払出個数分に関しては、払出が行われない。このように、球貸の実行中に電源断が発生すると、払出を強制終了(中止)し、その後、電源復旧時、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間、設定変更モード又は設定確認モードの終了後、に未払出個数分の払出を実行しないことにより、未払出個数のデータをバックアップして払出を再開する制御が不要となり、球貸処理を簡略化することができる。
なお、図21−33に示す例では、払出中に電源断が発生したときに、未払出個数のデータをバックアップしないことにより、実行中の払出を途中で強制終了(中止)させているが、このような形態に限らず、図21−32に示した例のように、電源断が発生したときに、未払出個数のデータをバックアップしておき、電源復旧後に設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されないことを条件として、バックアップされていた未払出個数のデータに基づいて未払出個数相当の遊技媒体の払出を実行する(バックアップデータに基づいて払出を再開する)一方、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときには、未払出個数相当の遊技媒体の払出を実行せず(バックアップデータに基づく払出を再開せず)、設定変更モード又は設定確認モードの終了後も未払出個数相当の遊技媒体の払出を実行しない、ようにしても良い。
なお、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード、設定確認モードに制御可能な構成を採用した場合であっても、図21−33に示した設定変更モードへの移行に伴う球貸の強制終了方法を適用可能である。また、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に接続確認信号が入力されているか否か(ON状態であるか又はOFF状態であるか)にかかわらず、PRDY信号を出力する(ON状態とする)ことが可能な構成を採用した場合であっても、図21−33に示した設定変更モードへの移行に伴う球貸の強制終了方法を適用可能である。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から接続確認信号を受信していないことに基づいて、PRDY信号をON状態にしない。これにより、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、払出(球貸)が実行されないようにすることが可能となる。
(賞球払出制御)
図21−34は、通常動作時における遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すタイミング図である。図21−34に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行い、賞球の払い出し(賞球払出動作)が終了すると、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信する。
尚、図示していないが、接続確認の通信処理の実行中(賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信してから受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信した後に払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行い、賞球の払い出し(賞球払出動作)が終了すると、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、賞球の払い出し(賞球払出動作)の実行中は、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
(設定変更モード又は設定確認モード中の入賞無効)
図21−35は、設定変更モード又は設定確認モード中における遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すタイミング図である。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。
前述したように、CPU103が、図21−13に示す割込許可(ステップS21TM1540)を実行するまでは、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1一般入賞口スイッチ〜第4一般入賞口スイッチ、及び、カウントスイッチ23の各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認するスイッチ処理(図21−14に示すステップS21TM1620)が実行されず、大当り判定処理等を含む特別図柄プロセス処理(図21−14に示すステップS21TM1690)等も実行されない。そのため、CPU103が、設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している期間は、各スイッチから出力される検出信号を検知せず、大当り判定処理等も実行しない。即ち、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、遊技媒体が各入賞口を通過しても入賞が無効とされる。さらに、スイッチ処理が実行されないことにより、排出口スイッチ21TM070による遊技球の検出も実行されず、ベースの集計も実行されないことになる。即ち、割込許可が実行されるまでは、連比、役比、及びベース等の各項目の集計が不要となるため、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、これら各項目の集計期間外となり、CPU103の処理負担を軽減することができる。
設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、スイッチ処理及び特別図柄プロセス処理を実行しないことで各入賞口を遊技媒体が通過したことに基づく入賞を無効とする。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に賞球個数コマンドを送信せず、大当り判定処理等を実行しない。そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの賞球個数コマンドを受信していないことに基づいて、払出モータ21TM289を駆動させない。即ち、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、遊技媒体が各入賞口を通過しても、賞球の払出制御は実行されない。
CPU103が、設定変更モード又は設定確認モードの処理を終了すると、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1一般入賞口スイッチ〜第4一般入賞口スイッチ、及び、カウントスイッチ23の各スイッチの状態(検出信号の有無)を確認するスイッチ処理を実行可能となり、遊技媒体が各入賞口を通過したことを検知可能となり、賞球個数コマンド(及び接続確認コマンド)の送信が可能となる。また、大当り判定処理を含む特別図柄プロセス処理を実行可能となる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信し、賞球要求信号としての接続確認コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、受信ACK信号としての接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。このとき、遊技媒体が何れかの入賞口を通過すると(入賞が発生すると)、CPU103は、スイッチ処理を実行することにより入賞を検知し、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信し、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信した払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を駆動させ所定個(例えば3個)の遊技媒体を払い出す。そして、所定個の遊技媒体を払い出した払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを送信する。
仮に、設定値が変更される可能性がある設定変更モード期間内に、スイッチ処理が実行されることにより大当り判定用乱数が抽出され、その大当り判定用乱数に基づいて大当り判定が実行されてしまうと、変更前の設定値では大当りとなるが変更後の設定値(確定後の設定値)では大当りとはならない大当り判定用乱数に基づいて大当り判定が実行されてしまうケースや、逆に変更前の設定値では大当りとはならないが変更後の設定値(確定後の設定値)では大当りとなる大当り判定用乱数に基づいて大当り判定が実行されてしまうケース等が発生しうる。即ち、これらのケースでは、大当り判定の実行タイミングと設定値との関係が複雑化し、遊技者又は遊技場が不利益を被る可能性がある。
本実施形態では、設定変更モードに制御されているときには、各入賞口を遊技球が通過したことに基づく賞球の払出を実行せず、大当り判定処理も実行しないようにすることで、大当り判定の実行タイミングと設定値との関係が複雑化することを防止すると共に、遊技者又は遊技場の不利益を防止するようにしている。
また、本実施形態では、設定値を変更可能な設定変更モードのみならず、設定値が表示されるものの変更はできない設定確認モードにおいても、同様に入賞を無効とし、大当り判定処理を実行しないようにしている。仮に、設定確認モードに関して、設定変更モードとは異なり、電源投入時ではなく遊技制御用タイマ割込処理を実行しているときに制御可能であり、設定確認モードに制御されている期間もスイッチ処理及び特別図柄プロセス処理を実行可能とすると、設定変更モードとは全く異なる制御が必要となり、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御負担が増加してしまうという問題が生じる。
そこで、本実施形態では、設定確認モードにおいても、設定変更モードと同様に電源投入時にのみ制御可能とし、各入賞口を遊技球が通過したことに基づく賞球の払出を実行せず、大当り判定処理も実行しないようにすることで、処理を共通化して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減している。
本実施形態では、図21−12及び図21−13に示すように、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後に、タイマ割込の設定が行われるようになっている(ステップS21TM1500)。従って、遊技制御用タイマ割込処理自体が実行されないことにより、遊技制御用タイマ割込処理内のスイッチ処理及び特別図柄プロセス処理が実行されず、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間における入賞が無効化されている。これに対して、磁気エラー、電波エラー、振動エラー等によって遊技が停止される場合は、遊技制御用タイマ割込処理が実行されている期間、即ち遊技中において、遊技停止エラーが発生しているか否かが判定されて(ステップS21TM1615)、遊技停止エラーが発生していると判定されると(ステップS21TM1615)、同一の割込処理における以降のスイッチ処理(ステップS21TM1620)及び特別図柄プロセス処理(ステップS21TM1690)が実行されないことにより、入賞が無効化されている。このように、設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合と、遊技停止エラーが発生した場合とでは、入賞を無効化する(遊技を停止させる)方式が異なる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370への賞球要求信号としての接続確認コマンドの送信を停止することにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信しない。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間において、接続OKコマンドを受信していないことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に賞球要求信号としての賞球個数コマンドを送信しないことで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることが可能である。このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、賞球要求信号としての接続確認コマンド及び賞球個数コマンドの出力を行わないことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に払出制御を実行させず、入賞を無効とすることが可能となる。
尚、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード又は設定確認モードに制御可能な構成としても良い。このような構成を採用した場合であっても、図21−35に示した方法を適用可能であり、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、スイッチ処理及び特別図柄プロセス処理を実行しないようにすると良い。
また、設定変更モード又は設定確認モードに制御されているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100がスイッチ処理を実行可能な構成(遊技媒体が各入賞口を通過したことの検出自体は可能な構成)としても良い。このような構成を採用した場合には、上述したように、設定変更モード又は設定確認モードに制御されているときに、賞球個数コマンド及び接続確認コマンドの送信を停止することにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に払出制御を実行させず入賞を無効とすると共に、特別図柄プロセス処理は実行しないようにする。そして、設定変更モード又は設定確認モードが終了したときに、当該スイッチ処理を実行可能な状態で賞球個数コマンド及び接続確認コマンドの送信を再開すると共に、特別図柄プロセス処理を実行する。
(遊技機枠・扉枠開放検知中の払出制限方法)
図21−36は、遊技機枠・扉枠開放検知中における遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すタイミング図である。前述のように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、通常動作時は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。このとき、遊技場の店員等が遊技機用枠3又はガラス扉枠3aを開放すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知する。
遊技機用枠3が開放されている状態(及び、ガラス扉枠3aと上皿が一体化されている構成であれば、ガラス扉枠3aが開放されている状態)では、払い出されるべき賞球が流下する経路と、流下してきた賞球が貯留される上皿とが物理的に接続されていないため、仮に、この状態で賞球が払い出されてしまうと、遊技媒体が上皿に到達せずに落下してしまう。ここで、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放されている状態で、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1一般入賞口〜第4一般入賞口、及び、大入賞口の何れかの入賞口で遊技媒体の通過を検出したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信するが、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している払出制御用マイクロコンピュータ21TM370では、遊技媒体の払出制御を実行せず、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この賞球準備中コマンドは、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しなくなるまで、即ち、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが閉鎖状態となるまで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信し続けられる。
このように、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態である期間は、遊技媒体が各入賞口を通過して入賞を検知しても、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を駆動させずに賞球の払出制御を実行しない。そして、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態の検知を終了すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を駆動させ、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検知されている期間内の入賞に応じた所定数(賞球個数コマンドにより指定された数)の賞球の払出制御を実行する。そして、所定数の遊技媒体を払い出した払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを送信する。
なお、賞球の払出を実行中に遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、当該賞球の払出を中断して、賞球個数コマンドにより指定された個数のうち未払出個数のデータを、RAM内のバックアップ領域に記憶しておく。そして、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態の検知を終了すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数相当の遊技媒体の払出制御を実行する。そして、遊技媒体を払い出した払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを送信する。
尚、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作により設定変更モード、設定確認モードに制御可能な構成を採用した場合であっても、図21−36に示した遊技機枠・扉枠開放検知中の払出制限方法を適用可能である。本実施形態では、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放しない限り操作不可能とされている。そのため、当該パチンコ遊技機1を設定変更モード又は設定確認モードに制御させるには、遊技機用枠3を開放しなければならず、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、遊技機用枠3が開放されていることが通常である。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機用枠3が開放状態であることを検知している期間は、払出モータ21TM289の駆動を制限して、賞球の払出が実行されないようにすることで、結果として、設定変更モードに制御されている期間、設定確認モードに制御されている期間における賞球の払出が制限されることになる。
次に、設定変更モード中に電源断が発生した場合の制御について、図21−37(1)及び(2)に基づき説明する。
図21−37(1)及び(2)は、電源断に係るパターンを、電源断発生時の状況の違いに基づき、それぞれ別な図表に分けて示している。図21−37(1)に示す電源断に係るパターンは、「設定値変更中」に「設定値確定」が行われない状況で電源断が発生した場合の制御を示しており、電源断復帰時の設定値は前回の電源投入時の設定値となる。また、図21−37(2)に示す電源断に係るパターンは、「設定値変更中」に「設定値確定」が行われた状況で電源断が発生した場合の制御を示しており、電源断復帰時の設定値は電源断発生時の設定値となる。
すなわち、図21−37(1)は、錠スイッチ21TM051がOFF状態に操作される「設定値確定」の操作がない状態(錠スイッチ21TM051がON状態のまま)で電源断が発生した場合の設定値に関する制御を示しており、図21−37(2)は、錠スイッチ21TM051がOFF状態に操作される「設定値確定」の操作があった後に電源断が発生した場合の設定値に関する制御を示している。
また、図21−37(1)及び(2)は、設定変更の作業における各種の状況を、発生の順番に沿って上段から下段に示している(「順番」欄及び「状況」欄を参照)。また、図21−37(1)及び(2)中においては、「錠スイッチ」の欄に、各状況(順番1〜8)における錠スイッチ21TM051のON/OFFの状態が示されており、「設定値」の欄には、それぞれの状況における設定値のデータ(RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値)が示されている。また、図中の「設定値表示」の欄には、それぞれの状況における表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)の表示内容(設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値)が示されている。
設定変更の作業が行われる際には、図21−37(1)における「状況」の欄の最上段に示すように、パチンコ遊技機1の電源投入(順番1)があり、図中右側の「錠スイッチ」の欄に示すように、このときの錠スイッチ21TM051の状態はON状態となっている。また、図21−37(1)中において、順番1の「電源投入」のときの「設定値」は、このときRAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が「1」であるため、「1」となっている。
また、「設定値表示」の欄に示す表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)の表示内容が空白(ブランク)となっているのは、この段階では、電源投入がされたばかりであり、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を読み出して表示する処理(ステップS21TM1150)が行われる前であるため、設定値の表示が開始されていないことを表している。
「電源投入」の状況の後には、「設定変更モード開始」の状況(順番2)となる。そして、この「設定変更モード開始」においては、図21−37(1)中に示すように、「錠スイッチ」の欄は、「ON」となっており、「設定値」の欄は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値から変更していないことに基づいて、「1」となっており、「設定値表示」の欄は、前述したように、RAM102の設定値格納領域から読み出して設定情報一時記憶領域に記憶している設定値を表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示していることに基づいて、「1」となっている。
続いて、「設定値変更中」の状況(順番3)となった際には、「錠スイッチ」の欄は「ON」のままであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作があると、図21−37(1)に示すように、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は変更されないため「設定値」の欄は「1」のままであるが、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値は「1」から「2」に変更されることにより、「設定値表示」の欄(表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示する設定値)については、選択された新たな値である「2」に変化する。
さらに、「設定値変更中」の状況(順番4)となった際には、「錠スイッチ」の欄は「ON」のままであり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作があると、図21−37(1)に示すように、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は変更されないため「設定値」の欄は「1」のままであるが、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値は「2」から「3」に変更されることにより、「設定値表示」の欄(表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示する設定値)については、選択された新たな値である「3」に変化する。
そして、図21−37(1)に示すように、「設定値変更中」に電源断が発生すると(順番5)、設定値を確定させる操作が行われておらず、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を上書きする処理(設定値を確定させるステップS21TM1190の処理)が実行されていないので、「設定値」の欄は「1」のままである。つまり、電源断発生時は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は電源投入時の「1」の状態を維持している。ここで、電源断が発生したことにより、設定情報一時記憶領域に記憶されていた設定値は消去される。
さらに、図21−37(1)に示すように、錠スイッチ21TM051がON状態のままで、かつクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態で、電源投入が行われると(順番6)、その後の「設定変更モード開始」の状況(順番7)においては、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(本例では「1」)が読み出されて設定情報一時記憶領域に記憶され、表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示されるため、「設定値」の欄は「1」のままであり、「設定値表示」の欄も「1」となる。なお、順番7において、設定変更モードではなく設定確認モードに制御された場合も同様である。
このように、電源投入に伴い設定変更モードに移行し、設定変更操作が完了することなく(錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられることなく)、電源断が発生した場合には、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が変更されていないため、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示される設定値は、前回の電源投入時(電源断発生前)にRAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値となる。このように、設定変更モードに制御されているときに電源断が発生した場合の設定値を適切に定めることができる。
次に、設定値の確定後に電源断が発生した場合の制御について、図21−37(2)を用いて説明する。設定値の確定前に電源断が発生した場合と共通する処理部分については説明を省略する。設定値の確定後に電源断が発生する場合において、順番4で示す「設定値変更中」の後に、順番5に示す「設定値確定」が行われるものとする。ここで、設定値を確定させるための操作が行われる直前は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は「1」であり、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値(表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示されている設定値)は「3」の状態である。そして、設定変更モード中において、錠スイッチ21TM051をOFF状態にすることに基づいて「錠スイッチ」欄は「OFF」となっている。
即ち、設定変更モード中において、錠スイッチ21TM051をOFF状態にする(ステップS21TM1180でYES)と、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値である「1」が、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値(表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示されている設定値)である「3」により上書きされ、これにより設定値が確定する(ステップS21TM1190)。結果として、RAM102の設定値格納領域には設定値として「3」が格納される。
そして、この状態で電源断が発生すると(順番6)、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を上書きする処理(設定値を確定させるステップS21TM1190の処理)が実行されたことにより、「設定値」の欄は「3」となっている。つまり、電源断発生時は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は電源投入時とは異なる「3」に変更されている。ここで、電源断が発生したことにより、設定情報一時記憶領域に記憶されていた設定値は消去される。
さらに、図21−37(2)に示すように、錠スイッチ21TM051がOFF状態からON状態に切りかえられて、電源投入が行われると(順番7)、その後の「設定変更モード開始」の状況(順番8)においては、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値(本例では「3」)が読み出されて設定情報一時記憶領域に記憶され、表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示されるため、「設定値」の欄は「3」となり、「設定値表示」の欄も「3」となる。なお、順番8において、設定変更モードではなく設定確認モードに制御された場合も同様である。
なお、前述したように、設定変更モードに制御されているときに、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされることなく電源断が発生した場合には、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされていないことにより、RAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値は、電源投入時から変更されておらず、設定情報一時記憶領域に記憶されていた設定値は削除される。従って、遊技場の店員等は、仮に、電源投入時に誤って遊技機を設定変更モードに移行させてしまい、さらに設定変更操作(クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作)を行った場合であっても、その後に電源スイッチ21TM055をOFFにすることで、設定値の変更を中止させて、設定変更モードに移行させる前の状態に戻すことができる。
設定変更モードへの移行、設定確認モードへの移行は、電源断(電源スイッチ21TM055をOFFとすることを含む)、及び、その後の電源投入を伴うものであるため、遊技機の状態として不安定になる可能性があり、このような不安定な状態における設定値の取り扱いが問題となるが、図21−37(1)に示したように、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされることなく電源断が発生した場合には、RAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値が、電源投入時から変更されないことにより、設定値を適切に定めることができると共に、設定値に関する制御の不安定化を回避でき、設定値に関する適切な制御を実行させることができる。
図21−38は、遊技中(遊技制御用タイマ割込処理が実行可能な状態)に、錠スイッチ21TM051又はクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたときに、パチンコ遊技機1の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L,8R、及び、遊技効果ランプ9)により、設定値を変更させるための操作が行われたことの報知が実行される例を示している。
図21−38(1)は、遊技中に画像表示装置5において飾り図柄が変動表示されている状態を示している。このとき遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、遊技制御用タイマ割込処理を実行している。主基板11(CPU103)は、遊技中(例えば、特別図柄の可変表示を実行中)に、錠スイッチ21TM051が操作されたこと(OFF状態からON状態に切り替えられたこと)を検知すると(遊技制御用タイマ割込処理のステップS21TM1660)、錠スイッチ21TM051が操作されたことを示す錠スイッチ操作コマンドを、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に送信し(遊技制御用タイマ割込処理のステップS21TM1710)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたことを検知すると(遊技制御用タイマ割込処理のステップS21TM1660)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたことを示す設定切替スイッチ操作コマンドを、演出制御基板12(演出制御用CPU120)に送信する(遊技制御用タイマ割込処理のステップS21TM1710)。即ち、設定値を変更するための操作が行われたことを報知するために、錠スイッチ操作コマンド、及び/又は、設定切替スイッチ操作コマンドを送信する。
図21−38(2)に示すように、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、錠スイッチ操作コマンド、及び/又は、設定切替スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されていないにもかかわらず、設定値を変更させるための操作が行われたことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、錠スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5において「錠スイッチの操作を検出しました。」の文字を表示する異常操作警告報知を実行する。また、設定切替スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、「設定切替スイッチの操作を検出しました。」の文字を表示する異常操作警告報知を実行する。
本例では、演出制御用CPU120は、錠スイッチ操作コマンド及び設定切替スイッチ操作コマンドの両方を受信したことに基づいて、異常操作警告報知として「錠スイッチ、設定切替スイッチの操作を検出しました。」の文字を画像表示装置5に表示させている。異常操作警告報知は、表示優先度が背景画像及び飾り図柄よりも高い(表示されるレイヤが背景画像及び飾り図柄よりも上位である)ので、図21−38(2)に示すように、飾り図柄の可変表示中であっても、遊技場の店員等は、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されていないにもかかわらず設定値を変更させるための操作が行われたことを明確に把握して、不正が行われていないか等を確認することができる。尚、スピーカ8L,8Rから設定値変更のための操作が検出されたことを報知する音声(例えば「錠スイッチ、設定切替スイッチの操作を検出しました」という音声)を出力し、遊技効果ランプ9を所定の発光態様(例えば赤色の点滅態様)で発光させることにより、設定値変更のための操作が検出されたことを報知してもよい。
本実施形態では、電源投入時(遊技制御用タイマ割込み処理が実行される前)においてのみ、設定変更モード又は設定確認モードに制御可能な構成としており、通常であれば、設定値を変更又は確認するための操作(錠スイッチ21TM051、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作)は、遊技制御用タイマ割込み処理を実行可能な期間内には行われないようになっている。従って、特別図柄及び飾り図柄の可変表示が実行されている期間内、あるいは、普通図柄の可変表示が実行されている期間内に、錠スイッチ21TM051、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作が行われた場合には、設定値が不正に変更されようとしているおそれがある。
本実施形態では、電源投入時、又は、設定変更モード若しくは設定確認モードに制御されている期間、以外のタイミングで、錠スイッチ21TM051及び/又はクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合には、パチンコ遊技機1が備える最大の表示装置である画像表示装置5において、設定値を変更するための操作、設定値を確認するための操作、が行われたことを報知して、不正を抑止するようにしている。
また、前述したように、錠スイッチ21TM051及び/又はクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作される場合には、通常、遊技機用枠3が開放状態となるため、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態が検知されて、その旨が報知されるようになっている。また、前述したように、球貸が中断又は中止され、賞球払出も中断又は中止される。しかしながら、遊技島の所定位置に設置されているパチンコ遊技機1に関しては、その遊技島において、所定位置に対向する位置に設置されているパチンコ遊技機1の遊技機用枠3が開放状態となることにより、所定位置に対向する位置から、所定位置に設置されているパチンコ遊技機1の遊技盤2の裏側面を見ることが可能であり、その裏面側の錠スイッチ21TM051及び/又はクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を操作することが可能となる。即ち、所定位置のパチンコ遊技機1の遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3の開放状態を検出していない状態でも、当該所定位置のパチンコ遊技機1の錠スイッチ21TM051及び/又はクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の操作が可能となる場合がある。
そのため本実施形態では、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により遊技機用枠3の開放状態が検知されているか否かにかかわらず、錠スイッチ21TM051及び/又はクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合には、設定値を変更するための操作、設定値を確認するための操作、が行われたことを報知することで、不正の抑止を強化するようにしている。
(設定変更対応信号)
次に、主基板11の情報出力端子から出力される各種信号について具体的に説明する。図21−39に示すように、本実施形態における情報出力回路112には、第1端子〜第10端子までの10の情報出力端子が設けられており、各情報出力端子に対応した信号が出力される。
図21−39(1)に示すパターン1の例において、第1端子からは賞球信号が出力される。賞球信号は、10個の賞球が払い出される毎に出力されるパルス状の信号であり、パルス幅は0.1秒となっている。第2端子からは遊技機枠・扉枠開放信号が出力される。遊技機枠・扉枠開放信号は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により遊技機用枠3の開放状態が検出されているときにON状態となり、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されているときにもON状態となる。
第3端子からは全図柄確定回数信号が出力される。全図柄確定回数信号は、第1特別図柄の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたとき(確定したとき)に出力され、第2特別図柄の可変表示が実行されて表示結果が導出表示されたとき(確定したとき)にに出力されるパルス状の信号であり、パルス幅は0.5秒となっている。第4端子からは全始動口信号が出力される。全始動口信号は、第1始動入賞口への遊技球の入賞が発生したときに出力され、第2始動入賞口への遊技球の入賞が発生したときにも出力されるパルス状の信号であり、パルス幅は0.1秒となっている。
第5端子からは大当り1信号が出力される。大当り1信号は、大当り遊技状態に制御されているときにON状態となる。第6端子からは大当り2信号が出力される。大当り2信号は、大当り遊技状態に制御されているときにON状態となり、高ベース状態に制御されているときにもON状態となる。即ち、大当り1信号がOFF状態であり、大当り2信号がON状態である期間は、高ベース状態として特定可能である。
第7端子からは設定変更対応信号が出力される。設定変更対応信号は、設定変更モードに制御されている期間にON状態となり、設定確認モードに制御されている期間にもON状態となる信号である。また、設定変更対応信号は、後述するように、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、パルス状(特殊態様)で出力可能であり、そのときのパルス数により設定値を外部装置側で特定可能となっている。
第8端子からはアウト信号が出力される。アウト信号は、10個のアウト球(遊技領域に発射されて排出口に導かれた遊技球)が排出口スイッチ21TM070により検出される毎に出力されるパルス状の信号であり、パルス幅は0.1秒となっている。第9端子からは入賞信号が出力される。入賞信号は、各入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口、第1一般入賞口〜第4一般入賞口)に遊技球が入賞する毎(各入賞口に対応したスイッチにより入賞が検出される毎)に出力され、また、10個の賞球が払い出される毎に出力されるパルス状の信号である。入賞信号のパルス幅は0.1秒となっている。
第10端子からはセキュリティ信号が出力される。セキュリティ信号は、電源投入時に初期化処理(ステップS21TM1410のRAMクリア)が実行されたときに、30秒間ON状態となる信号である。また、不正行為が検出された場合に4分間ON状態となる。不正行為が検出される場合には、例えば、異常入賞が発生した場合が含まれ、各入賞口に異常な頻度(例えば、第1始動入賞口に30秒間あたり15回以上の頻度で遊技球が入賞した場合等)で遊技球が入賞していることに基づいて、異常入賞と判定される。また、スイッチ異常検出が発生した場合も含まれ、各入賞口に対応したスイッチが入賞検出状態となっている期間が異常である(例えば、遊技制御用タイマ割込み処理で10回以上連続して第1始動口スイッチがON状態となっている場合等)ことに基づいて、スイッチ異常検出と判定される。また、磁気センサにより異常磁気が検出されたときには、遊技停止対象エラーが発生したことに基づいて、電源がOFFになるまでON状態が継続し、電源再投入後に異常磁気が検出されなくなったとき(エラー解除後)には4分間ON状態となる。
さらに、図21−39(1)に示すパターン1の例では、セキュリティ信号は、設定変更モードに制御されている期間にON状態となり、設定確認モードに制御されている期間にもON状態となる。
このように、第10端子からセキュリティ信号を出力可能であり、第7端子からは設定変更対応信号を出力可能であることにより、不正行為が行われた可能性を外部に通知可能であると共に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたこと(設定変更に関連した処理が実行されたこと)を外部に通知可能となっている。また、設定変更モード又は設定確認モードの終了に伴い、一旦は、第7端子から出力される設定変更対応信号がOFF状態となり、その後に同じ第7端子から、RAM102の設定値格納領域に格納されている現在の設定値に対応した数のパルス状の設定変更対応信号が出力されるため、設定値を外部に通知可能となっている。
具体的には、図21−40(1)に示すように、電源投入時に設定変更モードに移行した場合には、第7端子から設定対応変更信号が出力され、これと同時に、第10端子からはセキュリティ信号が出力される。そして、RAMクリアが実行されたことに基づいて、設定変更モードの終了に伴い設定変更対応信号がOFF状態となった後も、30秒間はセキュリティ信号がON状態とされる。
また、図21−40(2)に示すように、電源投入時に設定確認モードに移行した場合には、第7端子から設定変更対応信号が出力され、これと同時に、第10端子からはセキュリティ信号が出力される。そして、RAMクリアが実行されないことに基づいて、設定確認モードの終了に伴い設定変更対応信号及びセキュリティ信号が同時にOFF状態となる。ここで、電源投入時に設定確認モードに制御された後にRAMクリアが実行された場合(ステップS21TM1320においてNO、又は、ステップS21TM1330においてNOの場合)には、図21−40(1)に示した例と同様に、設定確認モードの終了に伴い設定変更対応信号がOFF状態となった後も、30秒間はセキュリティ信号がON状態とされる。
なお、電源投入時に設定変更モード及び設定確認モードの何れにも移行することなくRAMクリアが実行された場合には、電源投入時から30秒間はセキュリティ信号がON状態となるが、設定変更対応信号はON状態とはならない。
このように、セキュリティ信号は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間もON状態となる。従って、外部装置が、設定変更対応信号の入力を想定しておらず、設定変更対応信号の入力に基づく処理が実行されないように構成されている場合であっても、少なくともセキュリティ信号の入力に基づいて、設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性があることを認識可能となっている。
設定変更対応信号は、設定変更モード又は設定確認モードが終了したときにOFF状態となるが、セキュリティ信号に関しては、RAMクリアが実行されたことに基づいて、設定変更モード(又は設定確認モードにおいてパリティチェックの結果が正常でない場合)が終了した後も30秒間はON状態となる。一方、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されることなくRAMクリアが実行された場合には、セキュリティ信号は電源投入時から30秒間、ON状態となる。従って、セキュリティ信号が入力される外部装置側では、セキュリティ信号の入力期間が30秒程度である場合には、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されることなくRAMクリアが実行された可能性があることを認識可能である。一方、セキュリティ信号の入力期間が30秒を超えている場合には、設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性があることを認識可能であり、セキュリティ信号の入力期間が30秒に達しなかった場合には、設定確認モードに制御された後にRAMクリアが実行されなかった可能性があることを認識可能である。つまり、セキュリティ信号の入力期間が30秒程度である場合には、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されることなくRAMクリアが実行された可能性があることをホールコンピュータ等の管理装置において認識可能であり、セキュリティ信号の入力期間が30秒未満である場合には、一時的に設定確認モードに制御された可能性があることを管理装置において認識可能であり、セキュリティ信号の入力期間が30秒を超えている場合には、設定変更モードに制御された可能性があることを管理装置において認識可能である。したがって、遊技機のセキュリティ信号の出力期間によって、外部側で遊技機がどのような制御を実行したかを区別することができる。
従って、外部装置が、設定変更対応信号の入力を想定しておらず、設定変更対応信号の入力に基づく処理が実行されないように構成されている場合であっても、少なくともセキュリティ信号の入力に基づいて、RAMクリアが実行された可能性と、設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性とを、区別して認識可能となっている。
なお、図21−40(3)に示すように、設定確認モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力しない構成としても良い。この構成には、設定変更モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力する一方で、設定確認モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力しない構成と、設定変更モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力せず、設定確認モードに制御されている期間もセキュリティ信号を出力しない構成と、が含まれる。具体的には、電源投入時に設定確認モードに移行した場合には、第7端子から設定対応変更信号が出力されるが、第10端子からはセキュリティ信号が出力されないものとする。そして、設定確認モードの終了に伴い設定変更対応信号がOFF状態になると、RAMクリアが実行されないことに基づいてセキュリティ信号のOFF状態を維持する。即ち、設定確認モードに移行された場合には、RAMクリアが実行されないことを条件としてセキュリティ信号が出力されない。
このように、設定確認モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力しない構成において、図21−40(5)に示すように、電源投入時に設定確認モードに制御された後にRAMクリアが実行された場合(ステップS21TM1320においてNO、又は、ステップS21TM1330においてNOの場合)には、設定確認モードの終了(設定変更対応信号のOFF状態)から30秒間はセキュリティ信号がON状態となる。
また、図21−40(4)に示すように、設定変更モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力しない構成としても良い。即ち、電源投入時に設定変更モードに移行した場合には、第7端子から設定対応変更信号が出力されるが、第10端子からはセキュリティ信号が出力されない。そして、設定変更モードの終了に伴いRAMクリアが実行されたことに基づいて、設定変更対応信号がOFF状態となった後も、30秒間はセキュリティ信号がON状態となる。なお、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間はセキュリティ信号を出力しない構成において、電源投入時に設定変更モード及び設定確認モードの何れにも移行することなくRAMクリアが実行された場合には、電源投入時から30秒間はセキュリティ信号がON状態となるが、設定変更対応信号はON状態とはならない。
このように、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、設定変更対応信号をON状態とする一方でセキュリティ信号はOFF状態としておき、RAMクリアが実行されたときには、設定変更モード又は設定確認モードが終了してから(設定変更対応信号がOFF状態となってから)30秒間はセキュリティ信号をON状態とすることで、一方の信号がON状態のときには、他方の信号がOFF状態となる関係となる。このような関係により、信号出力制御が簡素化され(同時に両方の信号がON状態とはならないため出力制御が簡素化され)、外部装置において、設定変更モード又は設定確認モードへの制御期間を明確に認識可能であると共に、設定変更モード又は設定確認モードの終了を契機として初期化処理が実行されたことを明確に認識可能となる。
また、図21−40(6)に示すように、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検知された場合には、第2端子から遊技機枠・扉枠開放信号が出力され、これと同時に、第10端子からはセキュリティ信号が出力される。そして、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの閉鎖に伴い遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300による遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態の検知が終了したことに基づいて、遊技機枠・扉枠開放信号がOFF状態となった後も、30秒間はセキュリティ信号がON状態とされる。
ここで、図21−39(1)に示したパターン1の例では、第7端子から設定変更対応信号を出力し、第10端子からセキュリティ信号を出力するようにしているが、通常は出力端子の割り当てに制約があるため、設定変更対応信号専用の出力端子を割り当てることが困難な場合がある。図21−39(2)に示すパターン2の例では、セキュリティ信号が出力される第10端子から設定変更対応信号も出力される例を示している。
パターン2において、第1端子〜第6端子、第8端子、及び、第9端子に関しては、パターン1における信号の割り当てと同様である。パターン2においては、パターン1と異なり、第7端子からは、高ベース信号が出力される。高ベース信号は、高ベース状態に制御されているときにON状態となる。第10端子からはセキュリティ信号が出力される。セキュリティ信号は、電源投入時に初期化処理(ステップS21TM1410のRAMクリア)が実行されたときに、30秒間ON状態となる信号である。また、不正行為が検出された場合に4分間ON状態となる。不正行為が検出される場合には、例えば、異常入賞が発生した場合が含まれ、各入賞口に異常な頻度(例えば、第1始動入賞口に30秒間あたり15回以上の頻度で遊技球が入賞した場合等)で遊技球が入賞していることに基づいて、異常入賞と判定される。また、スイッチ異常検出が発生した場合も含まれ、各入賞口に対応したスイッチが入賞検出状態となっている期間が異常である(例えば、遊技制御用タイマ割込み処理で10回以上連続して第1始動口スイッチがON状態となっている場合等)ことに基づいて、スイッチ異常検出と判定される。また、磁気センサにより異常磁気が検出されたときには、遊技停止対象エラーが発生したことに基づいて、電源がOFFになるまでON状態が継続し、電源再投入後に異常磁気が検出されなくなったとき(エラー解除後)には4分間ON状態となる。
さらに、図21−39(2)の例では、第10端子から、設定変更対応信号が出力される。設定変更対応信号は、設定変更モードに制御されている期間にON状態となり、設定確認モードに制御されている期間にもON状態となる信号である。また、設定変更対応信号は、後述するように、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、パルス状(特殊態様)で出力可能であり、そのときのパルス数により設定値を外部装置側で特定可能となっている。従って、第10端子からは、セキュリティ信号及び設定変更対応信号が出力されている。即ち、セキュリティ信号及び設定変更対応信号は、共通端子から出力されている。
このように、第10端子からセキュリティ信号及び設定変更対応信号を出力可能であることにより、不正行為が行われた可能性を外部に通知可能であると共に、設定変更対応信号専用の出力端子を設けることなく、設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性があること(設定変更に関連した処理が実行された可能性があること)を外部に通知可能となっている。また、設定変更モード又は設定確認モードの終了に伴い、一旦は、第10端子から出力される設定変更対応信号がOFF状態となり(RAMクリアが実行された場合には設定変更モード又は設定確認モードの終了から30秒後に第10端子から出力される信号がOFF状態となり)、その後に同じ第10端子から、RAM102の設定値格納領域に格納されている現在の設定値に対応した数のパルス状の設定変更対応信号が出力されるため、設定値を外部に通知可能となっている。そして、遊技機島に設けられた中継装置を介して遊技機番号(台番号)とともに設定変更対応信号が管理装置へ送信されるため、管理装置において、台番号と設定変更対応信号に基づく設定値と事前に決定された設定値とを対応付けて表示することにより対比可能に表示するような処理が可能となる。この結果、複数の遊技機の実際の設定値を遊技店の管理者が管理装置を介して容易に管理することができ、管理者が事前に決定した設定値と設定変更作業において変更された設定値との不整合を管理者が把握することができる。そして、このような不整合が生じている場合には、当該遊技機について設定確認又は再度の設定変更作業を行うことによって、遊技店における複数の遊技機における設定に関する管理の適正化を図ることができる。
前述したように、設定変更対応信号は、設定変更モードの終了、設定確認モードの終了に伴い一旦はOFF状態となるが、その後、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値に対応した特殊態様で出力される。具体的には、図21−41に示すように、特殊態様の設定変更対応信号として、設定値に相当する数のパルスが出力される。本例では、設定値の数と同じパルスが出力される。パルスの幅は例えば0.1秒であり、例えば、設定値が3である場合には、0.1秒の幅のパルスが所定間隔(例えば0.5秒間隔)で3回出力される。これにより、ホールコンピュータ等の外部装置において、各遊技機の設定値を容易に特定可能となる。
図21−42(1)に示すように、電源投入時に設定変更モードに制御されたことに伴い、設定変更対応信号がON状態となる。ここでは、電源投入時にRAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値が1であったものとする。そして、設定変更モードにおいて、設定値の変更が行われることなく設定変更モードが終了したものとする。設定変更モードの終了に伴い、設定変更対応信号が一旦はOFF状態となるが、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が1であることに基づいて、特殊態様の設定変更対応信号として1のパルスが出力されている。
このように、設定変更対応信号により、設定変更モードに制御されているか否かを外部に通知することが可能であると共に、設定変更モード終了時における設定値(設定値が変更された場合には変更後の設定値)を外部に通知することが可能となり、設定変更モードに制御されているか否かを通知する信号と、設定値を通知する信号とを、共通の情報出力端子から出力させることが可能となる。
さらに、本実施形態では、設定変更モード、設定確認モードが終了したときに限らず、予め定められた所定契機に、特殊態様の設定変更対応信号として、設定値に相当する数のパルスが出力される。具体的には、大当り遊技状態に制御されたこと、大当り遊技状態が終了したこと、高ベース状態が終了したこと、払い出された賞球数が1000増加したこと、といった遊技状態に関連した事象や、遊技機用枠3の開放を検知したこと、ガラス扉枠3aの開放を検知したこと、磁気異常を検知したこと等の遊技機エラーに関連した事象を契機として、その時点(所定事象が発生したとき)におけるRAM102の設定値格納領域に格納されている設定値に対応した特殊態様の設定変更対応信号を出力する。図21−42(1)に示す例では、大当りの発生を契機として、特殊態様の設定変更対応信号として1のパルスが出力されている。
これにより、外部装置において、各遊技機の設定値を把握する機会を確保することが可能となり、例えば、設定変更モードの終了時に設定変更対応信号が適切に入力されなかったこと等により、外部装置側で設定値を特定できなかった場合でも、その後の所定契機に設定値を特定可能となり、設定値を不適切な方法により変更する不正の防止を強化することができる。
また、図21−42(2)に示す例では、電源投入時に設定変更モードに制御されたことに伴い、設定変更対応信号がON状態となる。ここでは、電源投入時にRAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値が1であったものとする。そして、設定変更モードにおいて、設定値の変更が行われた結果、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が1から3に変更されたものとする。この場合には、設定変更モードの終了に伴い、設定変更対応信号が一旦はOFF状態となり、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が3となったことに基づいて、設定変更対応信号として3のパルスが出力されている。また、図21−42(2)に示す例では、大当りの発生を契機として、特殊態様の設定変更対応信号として3のパルスが出力されている。
ここで、図21−41(1)に示すように、設定変更モードに制御されているときに設定値を変更する操作(設定切替スイッチ21TM052の操作)が行われず、設定値が変更されなかった場合と、図21−41(2)に示すように、設定変更モードに制御されているときに設定値を変更する操作(設定切替スイッチ21TM052の操作)が行われて、設定値が変更された場合とで、何れの場合にも設定変更モードの終了後には、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値に対応した数のパルス状の設定変更対応信号が出力されるようになっている。このように、設定変更モードに制御されたときには、実際に設定変更操作や設定値の変更が行われたか否かにかかわらず、設定変更モードの終了に伴い共通の信号出力処理を実行することで、信号出力処理を簡素化することができる。
また、図21−42(3)に示す例では、電源投入時に設定確認モードに制御されたことに伴い、設定変更対応信号がON状態となる。ここでは、電源投入時にRAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値が1であったものとする。そして、設定確認モードにおいては、設定値の変更が行われないため、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は1のまま変更されない。この場合には、設定確認モードの終了に伴い、設定変更対応信号が一旦はOFF状態となり、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が1であることに基づいて、設定変更対応信号として1のパルスが出力されている。また、図21−42(3)に示す例では、大当りの発生を契機として、特殊態様の設定変更対応信号として1のパルスが出力されている。
このように、設定変更対応信号により、設定確認モードに制御されているか否かを外部に通知することが可能であると共に、設定確認モードにおいて報知された設定値(電源投入時にRAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値であり、表示モニタ21TM029に表示されていた設定値)を外部に通知することが可能となり、設定確認モードに制御されているか否かを通知する信号と、設定値を通知する信号とを、共通の情報出力端子から出力させることが可能となる。
なお、前述した図21−39(2)に示した情報端子の割り当てパターン2では、設定変更モード又は設定確認モードの終了に伴いRAMクリアが実行された場合、第10端子から出力される信号が、設定変更モード又は設定確認モードの終了から30秒経過後にOFF状態となり、その後、同じ第10端子から、RAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値に対応した数のパルス状(特殊態様)の設定変更対応信号が出力されることになる。
(遊技制御メイン処理の変形例)
次に、前述した図21−11〜図21−13の遊技制御メイン処理に関する他の形態に関して、図21−43及び図21−44を用いて説明する。図21−11〜図21−13では、設定変更モード又は設定確認モードが終了した後に初期化処理(RAMクリア)が実行される例を示したが、このような形態に限らず、図21−43及び図21−44に示すように、初期化処理(RAMクリア)が実行された後に、設定変更モード又は設定確認モードに移行するようにしても良い。
図21−11に示した遊技制御メイン処理において、CPU103は、RAM102をアクセス可能状態に設定する(ステップS21TM1060)と、図21−43のステップS21TM2110に移行し、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS21TM2110)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態確認において、ON状態を検出した場合には(ステップS21TM2110でYES)、CPU103は、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたことを示すRAMクリアフラグをセットして(ステップS21TM2210)、初期化処理を実行する(ステップS21TM2220)。初期化処理に伴う一連の処理(ステップS21TM2220〜ステップS21TM2270に示す処理)に関しては、図21−13に示したステップS21TM1410〜ステップS21TM1460に示した処理と同様であり、説明を省略する。
一方、ステップS21TM2110におけるクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052の出力信号(クリア信号)の状態確認において、OFF状態を検出した場合には(ステップS21TM2110でNO)、CPU103は、ステップS21TM2120以降の処理を実行する。ステップS21TM2120〜ステップS2170に示す処理に関しては、図21−13に示したステップS21TM1320〜ステップS21TM1370に示した処理と同様であり、説明を省略する。
そして、CPU103は、ステップS21TM2170で電源断復旧時のバックアップコマンドを送信した後、又は、ステップS21TM2270で電源投入時の初期化コマンドを送信した後、錠スイッチ21TM051がONとなっているか否かを判定する(図21−44のステップS21TM2310)。錠スイッチ21TM051がONとなっていない場合(ステップS21TM2310;NO)は、ステップS21TM2550に進む。錠スイッチ21TM051がONとなっている場合(ステップS21TM2310;YES)は、CPU103は、RAMクリアフラグがセットされているか否か、即ち、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたか否かを確認する(ステップS21TM2320)。
RAMクリアフラグがセットされている場合、即ち、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていた場合には(ステップS21TM2320でYES)、CPU103は、設定値を変更可能な設定変更モードに移行する(ステップS21TM2330〜ステップS21TM2400)。即ち、CPU103は、電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであるという第1条件が成立しており、且つ、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がONであるという第2条件が成立していることに基づいて、処理状態を設定変更モードに制御する。設定変更モードに関連したステップS21TM2330〜ステップS21TM2400に示す処理は、図21−12のステップS21TM1130〜ステップS21TM1200に示した処理と同様であり、説明を省略する。そして、ステップS21TM2400の処理を実行した後に、セットされていたRAMクリアフラグを消去して(ステップS21TM2410)、ステップS21TM2550に進む。
RAMクリアフラグがセットされていない場合、即ち、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていなかった場合には(ステップS21TM2320でNO)、CPU103は、設定値を確認可能な設定確認モードに移行する(ステップS21TM2510〜ステップS21TM2540)。即ち、CPU103は、電源投入時に錠スイッチ21TM051がONであるという第1条件は成立しているが、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がONであるという第2条件は成立していないことに基づいて、処理状態を設定確認モードに制御する。設定確認モードに関連したステップS21TM2510〜ステップS21TM2540に示す処理は、図21−12のステップS21TM1210〜ステップS21TM1240に示した処理と同様であり、説明を省略する。そして、ステップS21TM2540において、錠スイッチ21TM051がOFFとなったことを確認すると(ステップS21TM2540でYES)、ステップS21TM2550に進む。
ここで、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていなかった場合には、仮に、図21−43のステップS21TM2120又はステップS21TM2130でNOと判定されて、初期化処理(ステップS21TM2220以降の処理)が実行された場合であっても、RAMクリアフラグがセットされていない。その結果、ステップS21TM2320でNOと判定されて、設定変更モードには移行しないようになっている。このように、初期化処理(RAMクリアによる遊技状態の初期化)が実行される場合でも、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がONであるという第2条件が成立していない場合には、設定変更モードには制御されないようになっている。
設定変更モード若しくは設定確認モードが終了した後、又は、電源投入時に錠スイッチ21TM051がOFF状態であった場合における、ステップS21TM2550〜ステップS21TM2620に関する一連の処理は、図21−13に示したステップS21TM1470〜ステップS21TM1540に示した一連の処理と同様であり、説明を省略する。
図21−43及び図21−44に示した例では、設定変更モードに制御された場合、CPU103は、電源投入時の初期化コマンド(ステップS21TM2270)を送信した後に、設定変更モードコマンド(ステップS21TM2340)を送信し、設定コマンドを送信する(ステップS21TM2550)。また、設定確認モードに制御された場合、CPU103は、電源断復旧時のバックアップコマンド又は電源投入時の初期化コマンド(ステップS21TM2170又はステップS21TM2270)を送信した後に、設定確認モードコマンドを送信し(ステップS21TM2520)を送信し、設定コマンドを送信する(ステップS21TM2550)。従って、演出制御用CPU120は、設定変更モードコマンドを受信した後に設定コマンドを受信したことに基づいて、設定変更モードの終了を特定可能であり、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置により設定変更モードの終了を報知することが可能である。また、演出制御用CPU120は、設定確認モードコマンドを受信した後に設定コマンドを受信したことに基づいて、設定確認モードの終了を特定可能であり、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置により設定確認モードの終了を報知することが可能である。このような構成によれば、設定変更モード又は設定確認モードが終了したことを指定するための専用のコマンド(設定変更モード終了コマンド又は設定確認モード終了コマンド)を設けること無く、設定コマンドの受信によって、演出制御用CPU120側で設定変更モード又は設定確認モードが終了したことを特定可能であるため、コマンド数を抑制することができる。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減し、コマンド数を記憶させるための容量を抑制することができる。
(特徴部21TMに関する他の変形例)
上記の実施形態では、設定値を変更するためのスイッチが、遊技機を初期化(RAMクリア)させるためのクリアスイッチと共通である例を示したが、このような形態に限らず、設定値を変更するためのスイッチは、主基板11に設けられており(遊技制御用マイクロコンピュータ100が操作を検知可能であり)、遊技機を初期化(RAMクリア)させるためのクリアスイッチとは異なるスイッチであっても良い。このような構成とすることによって、設定値を切り替えるためのスイッチが電源基板に設けられる場合と比較して、設定値を切り替えるためのスイッチと、表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)との位置が近くなるため、設定値を変更する際に、設定値の確認と、設定値の確認に応じた切替操作が容易になり、作業性を向上させることができる。
また、上記の実施形態では、集計されたベース等の遊技情報が表示される表示モニタ21TM029の一部表示領域(第1表示部21TM029A)に、設定値が表示される例を示したが、このような形態に限らず、集計された遊技状態が表示される表示モニタ21TM029とは異なる表示装置、例えば、設定値を表示させるための専用の表示装置であって、主基板11に設けられている7セグメント表示器等に、設定値を表示させるようにしても良い。このような構成によれば、集計された遊技情報、及び、設定値を、個別に、より明確に把握することができるため、集計された遊技情報に応じて設定値を変更する作業が容易になり、作業性を向上させることができる。
また、遊技機を初期化(RAMクリア)させるためのクリアスイッチを備える一方で、設定値を変更するためのスイッチを備えていない構成としても良い。このような構成において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モードに制御されているときに、表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示させる設定値を自動的に順番に変更し(例えば1→2→3→4→5→6の順序で5秒毎に変更し)、錠スイッチ21TM051がON状態からOFF状態となったときに、表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示されている設定値(設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値)が、設定値格納領域に格納される(設定値格納領域に格納されていた設定値が、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値により上書きされる)ことにより設定値が確定するようにしても良い。遊技場の店員は、確定させたい設定値が表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示されているタイミングで、錠スイッチ21TM051をON状態からOFF状態に切り替えることで、そのとき表示されていた設定値を、当該遊技機の設定値として確定させることが可能である。
上記の実施形態では、遊技機が、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を上皿又は下皿に払い出すパチンコ遊技機1である例を示したが、このような形態に限らず、遊技機に遊技媒体を封入しておき、入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。この封入式遊技機において、主基板11から払出制御基板21TM037を介してカードユニット21TM050に定期的に送信される情報の中に、設定変更モード又は設定確認モードに関する情報が含まれていても良く、例えば、設定変更モードに制御されたこと、設定確認モードに制御されたこと、設定変更モードに制御されている期間内であること、設定確認モードに制御されている期間内であること、設定値を変更するための操作が行われたこと、設定変更モードが終了したこと、設定確認モードが終了したこと、等を示す情報が含まれていても良い。また、情報出力回路112から、これらの情報がホールコンピュータ等の管理装置に送信され、ホールコンピュータにおいて、各遊技機が設定変更モード又は設定確認モードに制御されていること等を特定可能としても良い。
上記の実施形態では、演出制御基板12に接続される画像表示装置5等によって、設定変更モードに制御されている期間内であること、設定確認モードに制御されている期間内であること、等が報知される例を示したが、このような形態に限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モードに制御されていることに基づいて、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20等により、設定変更モードに制御されていることを報知する(例えば、7セグメント表示器を第1報知態様で発光させる)ようにしても良く、設定確認モードに制御されていることに基づいて、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20等により、設定確認モードに制御されていることを報知する(例えば、7セグメント表示器を第1報知態様とは異なる第2報知態様で発光させる)ようにしても良い。更に、パチンコ遊技機1に大当り遊技中のラウンド数を表示する表示器(ラウンド数表示器)や、遊技者に対して遊技領域の特定領域(例えば右側の遊技領域)に遊技球を打ち出すよう指示するための表示器(右打ち表示器)等を設ける場合は、これら表示器を、設定変更モードの処理を実行中である旨を示す態様、設定確認モードの処理を実行中である旨を示す態様、にて発光させるようにしてもよい。
上記の実施形態では、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、セキュリティ信号がON状態となり、その後、設定変更モード又は設定確認モードの終了後にRAMクリアが実行される場合には、セキュリティ信号がOFF状態となることなく、設定変更モード又は設定確認モードの終了後から30秒間、セキュリティ信号が継続してON状態となる例を示したが、このような形態に限らず、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、セキュリティ信号がON状態となり、その後、設定変更モード又は設定確認モードの終了後にRAMクリアが実行される場合には、設定変更モード又は設定確認モードの終了に伴い、セキュリティ信号が一旦、所定期間(例えば0.5秒間)OFF状態となり、その後に、セキュリティ信号が特定期間(例えば、30秒間)ON状態となるようにしても良い。このような信号出力方式とすることにより、ホールコンピュータ等の外部装置において、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間を明確に特定可能となると共に、RAMクリアが実行されたことを明確に特定可能となる。
図12に示される期待度示唆演出に関して、当該遊技機の設定値(RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値)と、大当り期待度とに応じて、各演出態様(黒い星の数)の選択割合が変化するようにしても良い。例えば、大当り期待度が低い場合であっても、当該パチンコ遊技機1の設定値が高い場合(例えば、5又は6の場合)には、当該パチンコ遊技機1の設定値が低い場合(例えば、1又は2の場合)よりも、高い割合で、黒い星の数が3以上の期待度示唆演出が実行されるようにしても良い。このような演出構成とすることにより、表示結果がハズレとなった場合でも、黒い星の数が3以上の期待度示唆演出が実行されたことにより、当該パチンコ遊技機1の設定値が高いことを遊技者に期待させることができ、期待度示唆演出が実行されるときの演出態様(黒い星の数)に遊技者を注目させることができる。また、大当り期待度が低いリーチであっても、これに伴い、黒い星の数が多い(例えば3以上の)期待度示唆演出が実行されることにより、遊技者は、当該パチンコ遊技機1の設定値が高いことを期待することができるため、大当り期待度が低いときにも興趣を向上させることができる。
上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。このようなスロット機では、設定値に応じてボーナスが成立する割合が異なり、スロット機を設定変更モードに制御させることにより設定値を変更可能であり、設定確認モードに制御させることにより設定値を確認可能である。
[特徴部21TMに関する詳細及び他の形態]
次に、上述した特徴部21TMに関する詳細及び他の形態について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠を備える。遊技機枠は、遊技機用枠3と、ガラス扉枠3aと、図示しない外枠と、を備えている。また、遊技機枠は、左右方向の一端側(例えば遊技者から見て左側)に図示しないヒンジ機構部を備えており、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aは、それぞれヒンジ機構部を支点として左右方向の他端側(例えば遊技者から見て右側)が外枠から離れる方向に回動可能に連結されている。ガラス扉枠3aがヒンジ機構部を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2の遊技領域を含む、外枠の内側部分を開放することができる。遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの他端側(例えば遊技者から見て右側)には、それらの他端側を外枠に固定するロック機構が設けられている。
また、外枠は、金属製であり、パチンコ遊技機1の外郭部となる枠体である。遊技機用枠3は、遊技盤2が取り付けられる合成樹脂製の枠体であり、前方から見て中央が貫通された略長方形の枠形状とされている。遊技盤2は、遊技機用枠3に対して前方から取り付けられる。遊技機用枠3に取り付けられた遊技盤2は、固定装置によって遊技機用枠3から外れないように係止される。遊技機用枠3は、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9、スティックコントローラ31A、及び、プッシュボタン31B等が配設される枠体である。ガラス扉枠3aは、遊技盤面を保護するとともに、遊技盤2の前面の遊技領域を視認可能な透視窓として、ガラス板(窓部に相当)を備えている。
遊技場の店員が、遊技盤面のメンテナンス(例えば、球詰まりの解消措置等)を行う場合には、ガラス扉枠3aを、他端側が外枠に固定(ロック)されている閉鎖状態から、ヒンジ機構部(一端側)を支点として扉のように手前側に回動させることにより、他端側を外枠から離した開放状態とする必要がある。遊技場の店員が、遊技盤2の裏面側に配置された電源スイッチ21TM055、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052、表示切替スイッチ21TM030等を操作するためには、また、表示モニタ21TM029を視認するためには、遊技機用枠3を、他端側が外枠に固定(ロック)されている閉鎖状態から、ヒンジ機構部(一端側)を支点として扉のように手前側に回動させることにより、他端側を外枠から離した開放状態とする必要がある。
遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300は、遊技機用枠3の開放状態を検出すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に、遊技機用枠3が開放状態となっていることを特定可能な検出信号を出力し、ガラス扉枠3aの開放状態を検出すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に、ガラス扉枠3aが開放状態となっていることを特定可能な検出信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370側では、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、区別して認識可能となっている。
(電源投入時処理)
図22−1及び図22−2は、パチンコ遊技機1の電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ100において実行される処理の一例を示す図であり、図21−11〜図21−13、並びに、図21−11及び図21−43〜図21−44に示した処理に相当する処理である。但し、これら図21−11等に示した処理のうち、一部の処理(例えば、図21−11に示した処理等)については図示を省略している。
図22−1に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、電源が投入された後に、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS21TM3010)。この処理は、図21−13のステップS21TM1330及び図21−43のステップS21TM2130に示した処理と同様の処理であり、データチェックとしてパリティチェックを行う。
チェック結果が正常であれば(ステップS21TM3010でYES)、CPU103は、設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS21TM3020)。設定変更中フラグは、後述する設定変更・確認処理に移行したときにセットされ(ステップS21TM3510)、錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられたときにクリアされる(ステップS21TM3710)。
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップS21TM3020でNO)、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が、正規の値、例えば、1〜6の何れかに合致するか否かを確認する(ステップS21TM3030)。ここで、パチンコ遊技機1が遊技機メーカから出荷される際(遊技場に設置される前)には、設定値格納領域に、上記正規の値とは異なる値(例えば0)が記憶されている場合がある。また、設定値格納領域のデータが壊れている場合には、正規の値となっていない場合がある。設定値が正規の値であれば(ステップS21TM3030でYES)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM3040)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であれば(ステップS21TM3040でYES)、CPU103は、設定値格納領域を除いた領域をクリアし、RAMクリアフラグを1に設定する(ステップS21TM3050)。ステップS21TM3050におけるRAMクリア処理では、RAM102の遊技状態情報格納領域に格納されている電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)はクリアされて、初期値が設定されるが、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値はクリアされず、RAMクリア処理の前から変更されない。また、設定値毎に、連比、役比、及びベース等の各集計値(表示モニタ21TM029に表示可能な遊技情報)が記憶されている領域も、クリアされず、これら設定値毎の各集計値は、RAMクリア処理の前から変更されない。そして、表示モニタ21TM029に「C」の文字を表示すること等により、遊技状態が初期化されたことを報知する。なお、遊技状態が初期化されたことの報知は、設定変更モード又は設定確認モードに制御される前に行われるようにしても良く、前述したように、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に行われるようにしても良い。
次いで、CPU103は、初期化処理が行われたことを指定する初期化コマンドを送信し(ステップS21TM3055)、ステップS21TM3060に移行する。演出制御用CPU120では、この初期化コマンドを受信したことに基づいて、初期化処理が行われたことを認識する。演出制御用CPU120は、初期化コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置において、遊技状態等の初期化が行われたことを報知することが可能である。
一方、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であれば(ステップS21TM3040でNO)、CPU103は、電力供給復旧時のコマンドとしてのバックアップコマンド(復旧時のコマンド)を送信し(ステップS21TM3045)、ステップS21TM3060に移行する。演出制御用CPU120では、このバックアップコマンド(復旧時のコマンド)を受信したことに基づいて、電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われたことを認識する。演出制御用CPU120は、バックアップコマンドを受信すると、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置において、電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われたことを報知することが可能である。
次いで、CPU103は、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっているか否かを確認する(ステップS21TM3060)。ここで、前述したように、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により検出可能となっており、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300から払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に、遊技機用枠3の開放状態が検出されたことを示す検出信号、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことを示す検出信号が出力される。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機用枠3の開放状態が検出されたことを認識すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100に、遊技機用枠3の開放状態が検出された旨を通知し、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことを認識すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100に、ガラス扉枠3aの開放状態が検出された旨を通知することで、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、個別に認識可能となっている。
なお、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300から遊技制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技機用枠3の開放状態が検出されたことを示す検出信号、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことを示す検出信号が出力される構成とした場合(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300を備える場合)には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、これらの検出信号の入力によって、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、個別に認識可能となる。
CPU103が、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識した場合には(ステップS21TM3060でYES)、錠スイッチ21TM051がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM3070)。そして、錠スイッチ21TM051がON状態であれば(ステップS21TM3070でYES)、図22−2に示す、設定変更モード又は設定確認モードに関連したステップS21TM3510以降の処理、に移行する。設定変更モードに移行した場合には設定値の確認及び変更が可能となり、設定確認モードに移行した場合には設定値の確認が可能となる。
即ち、バックアップRAM領域のデータチェック結果が正常であり(ステップS21TM3010でYES)、設定変更中に電源断が発生しておらず(ステップS21TM3020でNO)、設定値が正規の値であるときには(ステップS21TM3030でYES)、遊技機用枠3が開放状態であり(ステップS21TM3060でYES)、且つ、錠スイッチ21TM051がON状態である(ステップS21TM3070でYES)ことを条件として、設定値の変更及び/又は確認が可能となり、遊技機用枠3が閉鎖状態であるか(ステップS21TM3060でNO)、又は、錠スイッチ21TM051がOFF状態である(ステップS21TM3070でNO)ことを条件として、通常遊技処理に移行する。
本実施形態では、設定値の変更を許可しないものの、設定値を確認することが可能な状態(設定確認モード)とするためには、(1)遊技機用枠3が開放状態であり、(2)錠スイッチ21TM051がON状態である、という2つの条件が必要となっている。CPU103は、ステップS21TM3060及びステップS21TM3070の判定処理によって、これら(1)及び(2)の条件が何れも成立していることを確認したときに、設定値を確認することが可能な状態(設定確認モード)に移行可能としている。また、これら(1)及び(2)の条件に加えて、さらに、(3)ステップS21TM3040で、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である(YES)と判定されたことを条件として、後述するように、設定値を変更することが可能な状態(設定変更モード)に移行可能となっている。
前述したように、設定値を確認又は変更するために操作しなければならない錠スイッチ21TM051は、遊技盤2の裏面側に設けられており、遊技機用枠3を開放状態としなければ操作することができない。仮に、遊技機用枠3が開放状態となっていないにもかかわらず、錠スイッチ21TM051が操作されたということは、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300に異常があるか、又は、何らかの不正な手段で設定値の確認又は変更が行われようとしている可能性がある。このような状態で、設定値の確認又は変更を許可することは不適切であるため、本実施形態では、遊技機用枠3が開放状態となっていないときには、パチンコ遊技機1を設定確認モード及び設定変更モードの何れにも制御させないようにしている。
なお、本実施形態では、(1)の条件として、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの何れか一方が開放状態となっているときには、パチンコ遊技機1を設定確認モード又は設定変更モードに制御可能としているが、このような形態に限らず、仮に、ガラス扉枠3aが開放状態となっていても、遊技機用枠3が開放状態となっていなければ、設定確認モード及び設定変更モードの何れにも制御させないようにしても良い。
一方、ステップS21TM3060で、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識しなかった場合(ステップS21TM3060でNO)、即ち、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっている場合には、通常遊技処理に移行する。また、ステップS21TM3070で、錠スイッチ21TM051がOFF状態であることが確認されると(ステップS21TM3070でNO)、通常遊技処理に移行する。通常遊技処理への移行に伴い、図21−13に示したステップS21TM1470〜ステップS21TM1540、又は、図21−44に示したステップS21TM2550〜ステップS21TM2620に相当する処理が実行可能となり、図21−14に示した遊技制御用タイマ割込処理が実行可能となる(特別図柄プロセス処理等が実行可能となる)。
バックアップRAM領域のデータチェックにおいて(ステップS21TM3010)、チェック結果が異常であれば(ステップS21TM3010でNO)、CPU103は、設定値格納領域に格納されている設定値が異常である可能性があることを示す設定値異常エラーコマンドを、演出制御用CPU120に送信する(ステップS21TM3110)。ここで、仮に、設定値格納領域に正規の値(1〜6)が格納されている場合であっても、バックアップRAM領域の一部が壊れている場合には、ステップS21TM3110が実行されて、設定値格納領域に格納されている値が不適切である可能性があることが、CPU103及び演出制御用CPU120によって認識される。
また、ステップS21TM3020において、設定変更中フラグがセットされていることが確認された場合には(ステップS21TM3020でYES)、CPU103は、設定値異常エラーコマンドを、演出制御用CPU120に送信する(ステップS21TM3110)。
また、ステップS21TM3030において、設定値格納領域に正規の値(1〜6)が格納されていない場合には(ステップS21TM3030でNO)、CPU103は、設定値格納領域に0を記憶させて(ステップS21TM3100)、設定値異常エラーコマンドを、演出制御用CPU120に送信する(ステップS21TM3110)。仮に、バックアップRAM領域のデータチェックにおいて(ステップS21TM3010)、チェック結果が正常であっても(ステップS21TM3010でYES)、設定値格納領域に正規の値(1〜6)が格納されていない場合には、設定値として0が設定され、設定値異常エラーコマンドが送信されることになる。
演出制御用CPU120は、設定値異常エラーコマンドを受信すると、画像表示装置5において、設定値が異常である可能性があることを報知する(例えば、「設定値が異常です。」というメッセージを表示する)。さらに、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、設定値を変更すべき状態であることを報知する(例えば、「設定値を変更して下さい。」というメッセージを表示する)。なお、スピーカ8L、8Rによって、設定値が異常である可能性があることを報知する(例えば、「設定値が異常です。」という音声を出力する)ようにしても良く、設定値を変更すべき状態であることを報知する(例えば、「設定値を変更して下さい。」という音声を出力する)ようにしても良い。
CPU103は、設定値異常エラーコマンドを送信すると、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっているか否かを確認する(ステップS21TM3120)。CPU103が、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識した場合には(ステップS21TM3120でYES)、錠スイッチ21TM051がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM3130)。
錠スイッチ21TM051がON状態であれば(ステップS21TM3130でYES)、CPU103は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM3140)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であれば(ステップS21TM3140でYES)、CPU103は、設定値格納領域を含む領域をクリアし、RAMクリアフラグを1に設定する(ステップS21TM3150)。ステップS21TM3150におけるRAMクリア処理では、RAM102の遊技状態情報格納領域に格納されている電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)はクリアされて、初期値が設定されると共に、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値もクリアされ、設定値格納領域には0が記憶される。一方で、設定値毎に、連比、役比、及びベース等の各集計値(表示モニタ21TM029に表示可能な遊技情報)が記憶されている領域は、クリアされず、これら設定値毎の各集計値は、RAMクリア処理の前から変更されない。そして、表示モニタ21TM029に「C」の文字を表示すること等により、遊技状態が初期化されたことを報知する。
そして、CPU103は、RAMクリア(ステップS21TM3150)を実行した後に、初期化コマンドを送信し(ステップS21TM3160)、図22−2に示す、設定変更モード又は設定確認モードに関連したステップS21TM3510以降の処理、に移行する。なお、電源断復旧時のバックアップコマンド(ステップS21TM3045)、及び、電源投入時の初期化コマンド(ステップS21TM3055又はステップS21TM3160)に関しては、電源投入時に1回のみ送信されるコマンドである。そのため、CPU103は、これら電源投入時のコマンドを送信したときに、電源投入時のコマンドを送信したことを特定可能であり電源断時のバックアップ記憶が不要なコマンド送信フラグをセットするようにしておき、通常遊技処理に移行したとき(ステップS21TM1470〜)に、コマンド送信フラグをクリアするようにしても良い。そして、コマンド送信フラグがセットされていない場合にのみ、電源断復旧時のバックアップコマンド(ステップS21TM3045)、及び、電源投入時の初期化コマンド(ステップS21TM3055又はステップS21TM3160)を送信可能としても良い。
一方、ステップS21TM3120で、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識しなかった場合(ステップS21TM3120でNO)、即ち、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっている場合には、電源断となるまで処理を実行しない(ステップS21TM3200)。また、ステップS21TM3130で、錠スイッチ21TM051がOFF状態であることが確認されると(ステップS21TM3130でNO)、電源断となるまで処理を実行しない(ステップS21TM3200)。また、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であれば(ステップS21TM3140でNO)、電源断となるまで処理を実行しない(ステップS21TM3200)。
即ち、バックアップRAM領域のデータチェック結果が異常である場合(ステップS21TM3010でNO)、設定変更中に電源断が発生した場合(即ち、電源投入時に設定変更中フラグがセットされていた場合であり、ステップS21TM3020でYESと判定される場合)、及び、設定値が正規の値ではない場合(ステップS21TM3030でNO)、のいずれかに該当する場合には、この状態で遊技を行わせるべきではなく、通常遊技処理に移行する前に、設定値格納領域の設定値を正規の値に確定させる必要がある。そのため、RAMクリアによって設定値格納領域を含む領域をクリアして(ステップS21TM3150)、設定変更モードに移行させるようにしている。
本実施形態では、設定値の変更が可能な状態(設定変更モード)とするためには、(1)遊技機用枠3が開放状態であり、(2)錠スイッチ21TM051がON状態であり、(3)クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である、という3つの条件が必要となっている。CPU103は、ステップS21TM3120、ステップS21TM3130、及びステップS21TM3140の判定処理によって、これら(1)〜(3)の条件が何れも成立していることを確認したときに、設定値の変更が可能な状態(設定変更モード)に移行可能としている。
仮に、(1)〜(3)の条件のうち何れかの条件が成立していなければ、設定値の変更が許可されないため、設定値格納領域の設定値を正規の値に確定させることができず、通常遊技処理に移行させることができない。そのため、ステップS21TM3120、ステップS21TM3130、及びステップS21TM3140の判定処理のうち、何れかでNOと判定された場合には、一旦は電源断を行わせて、次の電源投入時に(1)〜(3)の条件を全て成立させるようにして、設定変更モードに移行させ、設定値格納領域の設定値を正規の値に確定させるようにしている。
なお、CPU103は、(1)〜(3)の条件のうち何れかの条件が成立していない場合には、電源をOFF状態とすべき旨を報知するためのコマンドを演出制御用CPU120に送信するようにしても良い。そして、このコマンドを受信した演出制御用CPU120が、画像表示装置5に、電源をOFF状態とするように促すメッセージ(例えば「電源をOFFとして下さい。」という文字)を表示するようにしても良い。また、CPU103は、(1)〜(3)の条件のうち何れかの条件が成立していない場合には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bを、予め定められた電源断指示態様で発光させることにより、電源をOFF状態とするように促すようにしても良い。
次に、設定変更モード及び設定確認モードに関連する処理について、図22−2を用いて説明する。図22−2の処理において、CPU103は、設定値の変更が行われている可能性があることを示す設定変更中フラグをセットする(ステップS21TM3510)。設定変更中フラグの値が格納される領域は、バックアップRAM領域に含まれるため、電源断の状態となっても、設定変更中フラグの値は保持される。
次いで、CPU103は、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっているか否かを確認する(ステップS21TM3520)。CPU103が、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識した場合には(ステップS21TM3520でYES)、錠スイッチ21TM051がOFF状態であるか否かを確認する(ステップS21TM3530)。そして、錠スイッチ21TM051がON状態であれば(ステップS21TM3530でNO)、CPU103は、設定変更対応信号及びセキュリティ信号を出力し(ステップS21TM3540)、設定値格納領域に格納されている設定値を、表示モニタ21TM029に表示させる(ステップS21TM3550)。
さらに、CPU103は、RAMクリアフラグが0であるか否かを確認する(ステップS21TM3570)。RAMクリアフラグが0であれば(ステップS21TM3570でYES)、即ち、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されていなければ、CPU103は、設定確認モードに制御されたことを指定する設定確認モードコマンドを送信し(ステップS21TM3580)、ステップS21TM3520に移行する。演出制御用CPU120は、設定確認モードコマンドを受信したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定確認モードに移行したことを特定可能である。従って、画像表示装置5やスピーカ8L、8Rにより、当該遊技機が設定確認モードに制御されていることを報知することが可能となる。
一方、RAMクリアフラグが1であれば(ステップS21TM3570でNO)、即ち、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されていれば、CPU103は、設定変更モードに制御されたことを指定する設定変更モードコマンドを送信し(ステップS21TM3585)、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたか否かを確認する(ステップS21TM3590)。演出制御用CPU120は、設定変更モードコマンドを受信したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定変更モードに移行したことを特定可能である。従って、画像表示装置5やスピーカ8L、8Rにより、当該遊技機が設定変更モードに制御されていることを報知することが可能となる。
設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されていなければ(ステップS21TM3590でNO)、CPU103は、ステップS21TM3520に移行する。設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作された場合には(ステップS21TM3590でYES)、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を更新して(ステップS21TM3600)、ステップS21TM3520に移行する。
ここで、セキュリティ信号の出力(ステップS21TM3540)及び現在の設定値の表示(ステップS3550)、並びに設定確認モードコマンドの送信(ステップS21TM3580)を実行可能であるが、設定変更モードコマンドの送信(ステップS21TM3585)及び設定値の更新(ステップS21TM3600)を実行できない状態は、設定値の確認は可能であるか設定値の変更はできない設定確認モードに相当する。即ち、設定確認モードには、錠スイッチ21TM051がON状態であり(ステップS21TM3530でNO)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であること(ステップS21TM3040でNOと判定されて、RAMクリアフラグが0のままであること)に基づいて制御される。
また、セキュリティ信号の出力(ステップS21TM3540)及び現在の設定値の表示(ステップS3550)を実行可能であると共に、設定変更モードコマンドの送信(ステップS21TM3585)及び設定値の更新(ステップS21TM3600)を実行可能な状態は、設定値の確認及び変更が可能な設定変更モードに相当する。即ち、設定変更モードには、錠スイッチ21TM051がON状態であり(ステップS21TM3530でNO)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であること(ステップS21TM3040又はステップS21TM3140でYESと判定されて、RAMクリアフラグが1に設定されていること)に基づいて制御される。
なお、設定確認モードコマンドに関しては、設定確認モード制御時に1回のみ送信されるコマンドである。そのため、CPU103は、設定確認モードコマンドを送信したときに、設定確認モードコマンドを送信したことを特定可能であり電源断時のバックアップ記憶が不要な設定確認モードコマンド送信フラグをセットするようにしておき、設定変更中フラグがクリアされたとき(ステップS21TM3710)に、設定確認モードコマンド送信フラグをクリアするようにしても良い。そして、設定確認モードコマンド送信フラグがセットされていない場合にのみ、設定確認モードコマンドを送信可能としても良い。同様に、設定変更モードコマンドに関しては、設定変更モード制御時に1回のみ送信されるコマンドである。そのため、CPU103は、設定変更モードコマンドを送信したときに、設定変更モードコマンドを送信したことを特定可能であり電源断時のバックアップ記憶が不要な設定変更モードコマンド送信フラグをセットするようにしておき、設定変更中フラグがクリアされたとき(ステップS21TM3710)に、設定変更モードコマンド送信フラグをクリアするようにしても良い。そして、設定変更モードコマンド送信フラグがセットされていない場合にのみ、設定変更モードコマンドを送信可能としても良い。
ステップS21TM3530において、錠スイッチ21TM051がOFF状態であれば(ステップS21TM3530でYES)、CPU103は、設定変更中フラグをクリアする(ステップS21TM3710)。ここで、設定変更中フラグがクリアされたことにより、その後に実行されるステップS21TM3020の処理で、設定変更中フラグがセットされていない(NO)と判定されるため、通常遊技処理に移行可能となる。
次いで、CPU103は、設定値格納領域に格納されている設定値を指定する設定コマンドを、演出制御用CPU120に送信する(ステップS21TM3720)。前述したように、演出制御用CPU120は、設定コマンドの受信により、設定確認モード又は設定変更モードが終了したことを特定可能である。また、設定コマンドが指定する設定値に応じた演出を実行することにより、設定値を示唆することが可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出の態様を、指定された設定値に応じて異ならせることで、遊技者に設定値を示唆することが可能である。
次いで、CPU103は、表示モニタ21TM029に表示させている設定値を消去して(ステップS21TM3730)、RAMクリアフラグの値が0であるか否かを確認する(ステップS21TM3740)。
ここで、RAMクリアフラグの値が0である(ステップS21TM3740でYES)ということは、バックアップRAM領域のデータチェック結果が正常であり(ステップS21TM3010でYES)、設定変更中に電源断が発生しておらず(ステップS21TM3020でNO)、且つ、設定値が正規の値である(ステップS21TM3030でYES)、と判定され、さらに、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であることにより(ステップS21TM3040でNO)、RAMクリア(ステップS21TM3050)が実行されていないということであるから、電源復旧時の通常処理を実行すれば良く、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となったこと(ステップS21TM3060でNO)が確認された場合に、通常遊技処理に移行すれば良い。
一方、RAMクリアフラグの値が1である(ステップS21TM3740でNO)ということは、ステップS21TM3050又はステップS21TM3150で、RAMクリアが実行されたということであり、仮に、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされる前(ステップS21TM3530でYESと判定される前)に、設定値格納領域に正規の設定値(1〜6)が格納されていなければ(例えば、設定値が0の状態のまま、設定変更モードにおいて設定値を変更する操作が行われなかった場合等には)、設定変更モードに移行させて、設定値格納領域に正規の設定値(1〜6)を格納させる必要がある。従って、CPU103は、再度電源投入時処理に移行して、ステップS21TM3010以降の処理を実行する。
以上に示したように、遊技場の店員等は、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をON状態とすることで、パチンコ遊技機1を設定変更モードに制御させることが可能であると共に、遊技状態等を初期化させること(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150のRAMクリアを実行させること)ことが可能となる。また、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をOFF状態とすることで、パチンコ遊技機1を設定確認モードに制御させることが可能であると共に、遊技状態等を初期化させない(ステップS21TM3040又はステップS21TM3140でNOと判定させて、ステップS21TM3050又はステップS21TM3150のRAMクリアを実行させないこと)ことが可能となる。このように、遊技場の店員は、パチンコ遊技機1を設定変更モード及び設定確認モードの何れに制御させるのかを選択可能であると共に、遊技状態等を初期化させるか否かも選択可能となっている。
なお、図22−2に示す制御では、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている状態で、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされることなく(ステップS21TM3530でNO)、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態とされると、ステップS21TM3520でNOと判定されて、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となることを待機する状態となる。このとき、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aを開放すべき旨を報知するように指示するコマンド、及び、錠スイッチ21TM051を操作して設定変更モード又は設定確認モードを終了させるべき旨を報知するように指示するコマンドを、演出制御用CPU120に送信するようにしても良い。そして、これらのコマンドを受信した演出制御用CPU120では、画像表示装置5やスピーカ8L,8R等によって、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aを開放すべき旨を報知すると共に、錠スイッチ21TM051を操作して設定変更モード又は設定確認モードを終了させるべき旨を報知する。例えば、画像表示装置5に、「遊技機用枠3を開放し、錠スイッチ21TM051をOFF状態として設定変更モードを終了させて下さい。」というメッセージを表示するようにしても良い。
また、設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理へ移行した後は、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっているときに、(1)錠スイッチ21TM051が操作されたこと(OFF状態からON状態となったこと)に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に対して、錠スイッチ操作コマンドが送信され、(2)設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたこと(OFF状態からON状態となったこと)に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に対して、設定切替スイッチ操作コマンドが送信されることになる。
そして、図21−38(2)に示したように、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、錠スイッチ操作コマンド、及び/又は、設定切替スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されていないにもかかわらず、設定値を変更させるための操作が行われたことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、錠スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5において「錠スイッチの操作を検出しました。」の文字を表示する異常操作警告報知を実行する。また、設定切替スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、「設定切替スイッチの操作を検出しました。」の文字を表示する異常操作警告報知を実行する。これにより、遊技場の店員等は、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されていないにもかかわらず設定値を変更させるための操作が行われたことを明確に把握して、不正が行われていないか等を確認することができる。
なお、このような形態に限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理へ移行した後は、錠スイッチ21TM051が操作されたか否か、及び、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたか否か、を確認することなく、錠スイッチ操作コマンド及び設定切替スイッチ操作コマンドを送信しないようにしても良い。このように、通常遊技処理(遊技制御用タイマ割込処理)が実行されている期間は、設定値を変更するための操作及び設定値を確認するための操作の実行状況を確認しないようにすることで、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することが可能になる。
図22−3は、表示モニタ21TM029に表示される設定値の変化を示す説明図である。設定変更モードに制御されたときには、ステップS21TM3550で、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が表示されることになる。このとき、設定値格納領域に、正規の値とは異なる値(本例では0)が格納されていれば、図22−3(1)に示すように、表示モニタ21TM029の7セグメント表示器には「E」の文字が表示される。従って、遊技場の店員は、少なくとも正規の値が設定値格納領域に格納されていないことを把握して、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052を操作する(設定変更操作を行う)ことになる。
遊技場の店員が、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を操作する(ステップS21TM3590でYES)毎に、設定値格納領域に格納されている設定値が更新される(ステップS21TM3600)。本例では説明のために、正規の設定値が1〜3の範囲である例を示しており、この場合には、設定変更操作毎に、設定値格納領域に格納される設定値が、0→1→2→3→1の順序で更新され、これに応じて、表示モニタ21TM029に表示される情報が、E→1→2→3→1の順序で更新されることになる。
このように、設定値格納領域に格納されている値が、正規の値ではない場合には、これに対応した情報として、表示モニタ21TM029に数字とは異なる情報(本例ではアルファベットのE)が表示される。これにより、設定値格納領域に正規の値とは異なる値が格納されていることを明確に把握させて、設定変更操作を促すことが可能となる。仮に、設定値格納領域に正規の値とは異なる値(本例では0)が格納されている場合に、表示モニタ21TM029にもその値(本例では0)を表示すると、遊技場の管理者は、表示モニタ21TM029に表示されている値が正規の値の何れかに該当すると誤解して、設定変更操作を行わずに錠スイッチ21TM051をOFF状態にしてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、設定値格納領域に正規の値とは異なる値が格納されている場合には、表示モニタ21TM029に数字とは異なる情報(本例ではアルファベットのE)を表示させることにより、そのような誤解を防止して、確実に設定変更操作を行わせるようにしている。
また、図22−3(1)に示すように、設定変更モードに制御されたときに、当初、設定値格納領域に正規の値とは異なる値(本例では0)が格納されていれば、表示モニタ21TM029の7セグメント表示器には「E」の文字が表示されるが、その後に、1回でも設定変更操作が行われて設定値格納領域に正規の値が格納されると、その後に、設定変更操作が何回行われたとしても、当該設定変更モードに制御されている期間(錠スイッチ21TM051がOFF状態となるまで)は、正規の設定値の範囲内で設定値の更新が行われ、設定値格納領域に正規の値とは異なる値(本例では0)が格納されることは無く、また、表示モニタ21TM029にも正規の値とは異なる情報(本例ではEの文字)が表示されることは無い。
一方、図22−3(2)に示すように、設定変更モードに制御されたときに、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が正規の値であった場合には、ステップS21TM3550で、設定値格納領域に格納されている正規の設定値(本例では2)が表示されることになる。本例では説明のために、正規の設定値が1〜3の範囲である例を示しており、この場合には、設定変更操作毎に、設定値格納領域に格納される設定値が、2→3→1→2→3の順序で更新され、これに応じて、表示モニタ21TM029に表示される情報が、2→3→1→2→3の順序で更新されることになる。
即ち、設定変更モードに制御されたときに、当初、設定値格納領域に格納されている設定値が正規の値であった場合には、その後に、設定変更操作が何回行われたとしても、当該設定変更モードに制御されている期間(錠スイッチ21TM051がOFF状態となるまで)は、正規の設定値の範囲内で設定値の更新が行われ、設定値格納領域に正規の値とは異なる値(本例では0)が格納されることは無く、また、表示モニタ21TM029にも正規の値とは異なる情報(本例ではEの文字)が表示されることは無い。
例えば、遊技機メーカーが、パチンコ遊技機1を出荷する際(遊技場への設置前)に、RAM102の設定値格納領域に正規の値とは異なる値(本例では0)を設定しておくことで、その後、遊技場側で、当該パチンコ遊技機1の電源投入時に、設定変更モードを経て設定値を正規の値に変更しなければ、当該パチンコ遊技機1での遊技を行わせることができなくなる。これにより、遊技場でパチンコ遊技機1を設置する際に、確実に設定変更操作を行わせて、設定値を正規の値に確定させるようにすることができる。
また、遊技機メーカーが、パチンコ遊技機1を出荷する際(遊技場への設置前)に、予め設定変更中フラグをセットさせておくことで、その後、遊技場側で、設定変更モードを経て設定値を正規の値に変更し、設定変更モードを終了させなければ、当該パチンコ遊技機1での遊技を行わせることができなくなる。これにより、遊技場でパチンコ遊技機1を設置する際に、確実に設定変更操作を行わせて、設定値を正規の値に確定させるようにすることができる。
(遊技機用枠又はガラス扉枠の開放状態検知に基づく球貸制限)
次に、遊技機用枠3が開放状態となったとき、ガラス扉枠3aが開放状態となったときの球貸制限方法に関して、図22−4を用いて具体的に説明する。図22−4は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しているときに、主基板11、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。
図22−4の例では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知していることに基づいて、PRDY信号をON状態としない。また、PRDY信号が既にON状態となっている場合には、PRDY信号をON状態からOFF状態に切り替える。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態(即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態)であり、且つ、接続確認信号がON状態(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100と電気的に接続されている状態)であっても、遊技機用枠3が開放状態となっている期間は、CPU103が、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態とする。
その結果、カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している間に、球貸スイッチ21TM062が操作されて球貸スイッチ信号が入力されたとしても、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しているときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動されないので、球貸スイッチ21TM062が操作されても球貸(遊技媒体の払出)が実行されない。
このように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、PRDY信号をON状態としないようになっている。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることができる。
そして、遊技場の店員等が、当該パチンコ遊技機1を遊技可能な状態とするために遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすることで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3の開放状態を検出しておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検知していない状態となる。遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となったことに伴い、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。
カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチ21TM062が操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット21TM050は、PRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。すなわち、BRDY信号をON状態にする。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット21TM050は、BRDY信号がON状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。すなわち、BRQ信号をON状態にする。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもON状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態にし、以降の球貸の払出制御を実行する。
前述したように、本実施形態では、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放状態としない限り操作不可能とされているので、当該パチンコ遊技機1を設定変更モード又は設定確認モードに制御させるには、遊技機用枠3を開放状態としなければならない。即ち、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間は、遊技機用枠3が開放されていることが通常である。従って、遊技機用枠3の開放状態が検出されている期間には、設定変更モードに制御されている期間、設定確認モードに制御されている期間が含まれる。
ここで、設定変更モードへの移行、設定確認モードへの移行は、電源断(電源スイッチ21TM055をOFFとすることを含む)、及び、その後の電源投入を伴うものであるため、遊技機の状態として不安定になる可能性があり、このような不安定な状態において球貸処理又は賞球処理に対応する払出制御を実行してしまうと、払出要求に対応した適正な数量の遊技媒体を払い出せない可能性がある。このような状況における遊技者の不利益を防止するためには、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている遊技機における払出制御を制限することが適切である。しかしながら、遊技制御用マイクロコンピュータ100側における設定変更モード、設定確認モードへの制御状況を払出制御用マイクロコンピュータ21TM370側で把握するためには、そのためのコマンドや判定処理等が必要となり、制御が複雑化してしまうという問題がある。
そのため、本実施形態では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態が検出されている期間、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されている期間は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が球貸処理及び賞球処理を実行しないようにしている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、払出制御が実行されないことになる。結果として、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370側での制御を複雑化させることなく、設定変更モードに制御されている期間、設定確認モードに制御されている期間における球貸処理及び賞球処理が制限される。このような構成によって、球貸処理及び賞球処理に関して適切な払出制御を実現するようにしている。
このように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態が検出されている期間、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されている期間において、払出制御が制限されることにより、払出要求に対応した適正な数量の遊技媒体を払い出せない等の、払出制御に伴う不具合の発生を回避でき、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態とされた場合の遊技機のメンテナンス作業等を円滑に進めることができる。
(開放状態検知終了後の球貸再開)
次に、球貸が実行されている途中で遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態とされたことにより払出が中断され、その後に遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが閉鎖状態とされた場合の処理に関して、図22−5を用いて具体的に説明する。図22−5に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことを検知したことに基づいて、遊技媒体の払出を中断し、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態ではなくなった(閉鎖状態となった)ことに基づいて、中断されていた払出を再開する。
図22−5は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)が遊技媒体の払出を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間は、主基板11からの接続確認信号はON状態であり、払出制御基板21TM037からのPRDY信号、及び、EXS信号、並びに、カードユニット21TM050からのBRDY信号はON状態であるものとする。
払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間において、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知していることに基づいて、PRDY信号をON状態からOFF状態に切り替える。そして、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050からのBRDY信号、及び、払出制御基板21TM037からのEXS信号の出力が停止される。即ち、BRDY信号、及び、EXS信号はOFF状態となる。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
この未払出個数は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372fに入力される払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号に基づいて更新される。具体的には、未払出個数は、払出モータ21TM289により払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば25個)から、払出個数カウントスイッチ21TM301によりカウントされた個数(即ち、実際に払出モータ21TM289により払い出された遊技媒体数)を減算することにより算出される。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、球貸スイッチ21TM062が操作されても払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止させた状態を維持する。すなわち、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動しないので、遊技媒体の払出が実行されない。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となったことを検知すると(遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が終了したことを検知すると)、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。
そして、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となったこと(PRDY信号がON状態となったこと)に基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放により中断されていた遊技媒体の払出が完了する。
従って、電源断発生前に実行されていた球貸処理において払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば25個)のうち、払い出されなかった未払出個数分に関して、払出が実行されることになるため、遊技者の不利益の発生を回避できる。
(電断発生時の球貸処理(設定変更モードに移行せず))
次に、球貸が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されない場合の処理に関して、図22−6を用いて具体的に説明する。図22−6に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したことに基づいて、遊技媒体の払出を中断し、電源投入後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されることなく、接続確認信号がON状態となった後に、中断されていた払出を再開する。
図22−6は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)が遊技媒体の払出を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間は、主基板11からの接続確認信号はON状態であり、払出制御基板21TM037からのPRDY信号、及び、EXS信号、並びに、カードユニット21TM050からのBRDY信号はON状態であるものとする。
払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間において、電源断が発生すると、主基板11からの接続確認信号の出力が停止され、払出制御基板21TM037からのPRDY信号の出力が停止される。即ち、PRDY信号はOFF状態となる。そして、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050からのBRDY信号、及び、払出制御基板21TM037からのEXS信号の出力が停止される。即ち、BRDY信号、及び、EXS信号はOFF状態となる。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
ここで、遊技場の店員は、電源投入を行うために、遊技機用枠3を開放状態とした後、電源スイッチ21TM055をON状態とする。この際、パチンコ遊技機1を初期化させる場合には、さらにクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を操作する。その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって電源投入時処理が実行される。本例では、電源投入時に錠スイッチ21TM051がOFF状態であったことに基づいて、設定変更モード又は設定確認モードに制御されることなく、図22−1に示したステップS21TM1470以降の処理が実行されるものとする。ここで、CPU103が、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態である。
払出制御基板21TM037では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が起動し、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態を検出可能となったときに、遊技機用枠3が開放状態となっていることを検知する。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、主基板11からの接続確認信号がOFF状態であるため、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、球貸スイッチ21TM062が操作されても払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止させた状態を維持する。すなわち、接続確認信号がOFF状態であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動しないので、接続確認信号がOFF状態である期間(PRDY信号がOFF状態である期間)は、遊技媒体の払出が実行されない。
CPU103が、図22−1に示すステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態となったときに、遊技機用枠3の開放状態が検出されておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検出されていないことを条件として、PRDY信号をON状態とする。
前述したように、電源投入後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの開放状態を検出可能な状態となってから、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、遊技媒体の払出が実行されない。即ち、主基板11からの接続確認信号がON状態となった場合でも、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていれば、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持することにより、球貸処理を実行させないようにする。このように、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている期間は、PRDY信号がOFF状態となる。
なお、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、遊技場の店員は、通常、RAMクリアが実行されたことを確認した後に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを閉鎖状態とするため、接続確認信号がON状態の期間(ステップS21TM1480以降)であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている場合がありうる。このような場合には、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていることに基づいて、PRDY信号がOFF状態となる。
遊技場の店員が、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であり、且つ、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの何れの開放状態も検出していないことに基づいて、PRDY信号をON状態とする。そして、PRDY信号がON状態となったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断の発生、及び、その後に遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことにより中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、球貸の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが閉鎖状態となったことを条件として、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、球貸を完了させることが可能である。
(電断発生時の球貸処理(設定変更モードに移行))
図22−7(1)は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052、主基板11、及び、払出制御基板21TM037におけるRAMクリア信号線の接続例を示すブロック図である。図22−7(1)に示す例では、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されると、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052から出力されたRAMクリア信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/O105、及び、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のI/O21TM372fに入力される。即ち、遊技場の店員が、1のクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を操作することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102を初期化するRAMクリアと、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302を初期化するRAMクリアと、が両方実行されることになる。
次に、球貸が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合の処理に関して、図22−7(2)を用いて具体的に説明する。本例においては、図22−7(1)に示すように、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100及び払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の両方にRAMクリア信号が送信されるものとする。図22−7(2)に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したときに、実行中の払出を停止し、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、払出を再開せず、また、設定変更モード又は設定確認モードが終了した後でも、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されたことに基づいて、払出を再開しない。
図22−7(2)は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)が遊技媒体の払出を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間は、主基板11からの接続確認信号はON状態であり、払出制御基板21TM037からのPRDY信号、及び、EXS信号、並びに、カードユニット21TM050からのBRDY信号はON状態であるものとする。
払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間において、電源断が発生すると、主基板11からの接続確認信号の出力が停止され、払出制御基板21TM037からのPRDY信号の出力が停止される。即ち、PRDY信号はOFF状態となる。そして、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050からのBRDY信号、及び、払出制御基板21TM037からのEXS信号の出力が停止される。即ち、BRDY信号、及び、EXS信号は何れもOFF状態となる。そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、EXS信号がOFF状態となったことに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
ここで、遊技場の店員は、電源投入を行うために、遊技機用枠3を開放状態とした後、電源スイッチ21TM055をON状態とする。この際、前述したように、設定変更モードに移行させるため(さらにパチンコ遊技機1を初期化するため)には、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もON状態としておく。また、設定確認モードに移行させるためには、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052はOFF状態とする。
その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって電源投入時処理が実行される。本例では、電源投入時に錠スイッチ21TM051がON状態であったことに基づいて設定変更モード又は設定確認モードに制御される。
払出制御基板21TM037では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が起動し、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態を検出可能となったときに、遊技機用枠3が開放状態となっていることを検知する。
その後、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。そのため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している期間は、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、球貸スイッチ21TM062が操作されても払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止させた状態を維持する。すなわち、接続確認信号がOFF状態であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動しないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、未払出個数のデータがクリアされていない場合であっても、遊技媒体の払出が実行されない。
その後、錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられると、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、図22−2に示したステップS21TM3710以降の処理が実行されるものとする。なお、RAMクリア処理が実行された場合には、RAMクリアが実行されたことが報知される。また、本例において、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100及び払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の両方にRAMクリア信号が送信されるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータが、消去(クリアされる)。
CPU103が、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態である。CPU103が、図22−1に示すステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態となったときに、遊技機用枠3の開放状態が検出されておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検出されていないことを条件として、PRDY信号をON状態とする。
前述したように、電源投入後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの開放状態を検出可能な状態となってから、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、遊技媒体の払出が実行されない。即ち、主基板11からの接続確認信号がON状態となった場合でも、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていれば、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持することにより、球貸処理を実行させないようにする。このように、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている期間は、PRDY信号がOFF状態となる。
ここで、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、遊技場の店員は、通常、RAMクリアが実行されたことを確認した後に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを閉鎖状態とするため、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後の接続確認信号がON状態の期間(ステップS21TM1480以降)であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている場合がありうる。このような場合には、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後の接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていることに基づいて、PRDY信号がOFF状態となる。
遊技場の店員が、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であり(設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了しており)、且つ、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの何れの開放状態も検出していないことに基づいて、PRDY信号をON状態とする。
本例において、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されていない場合(電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていなかった場合)には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされていないため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在するため)、PRDY信号がON状態となったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断の発生、その後に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたこと、及び、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことにより中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、球貸の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に、未払出個数のデータがクリアされていないことに基づいて、また、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが閉鎖状態となったことを条件として、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、球貸を完了させることが可能である。
一方で、図22−7(2)に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行された場合(電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合)には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされているため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在しないため)、PRDY信号がON状態となったときにも、払出モータ21TM289を駆動させず、払出動作を行わない。
本実施例では、図22−7(1)に示すように、クリアスイッチ21TM052から出力されるRAMクリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100及び払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の両方に入力される。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されると、これに伴い、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されている未払出個数のデータが初期化される。このように、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、未払出個数のデータが初期化されてしまうため、電源断発生前(電源復旧に伴い設定変更モード又は設定確認モードに制御される前)に実行されていた球貸処理において払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば25個)のうち、払い出されなかった未払出個数分に関しては、払出が行われない。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されると、これに伴い、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302に記憶されている未払出個数のデータが初期化されるため、球貸処理又は賞球処理において払い出すべき所定の遊技媒体数のデータの管理を簡素化することができる。
以上に示したように、球貸処理の実行中に電源断が発生したことにより払出が中断されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに未払出個数のデータが格納されることになる。ここで、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、未払個数のデータがクリアされるため、中断されていた払出が再開されることなく強制終了(中止)される。即ち、電源復旧時、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間、設定変更モード又は設定確認モードの終了後、に未払出個数分の払出を実行しないことになる。
(電断発生時の球貸処理(設定変更モードに移行)に関する変形例)
図22−8(1)は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052及び主基板11、並びに、クリアスイッチ21TM052a及び払出制御基板21TM037におけるRAMクリア信号線の接続例を示すブロック図である。図22−8(1)に示す例では、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)に対応して前述したクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が設けられており、払出制御基板21TM037に対応して、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052とは異なる別のクリアスイッチ21TM052aが設けられている。即ち、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、払出制御基板21TM037とで、別個に独立したクリアスイッチが設けられている。
電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されると、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052から出力されたRAMクリア信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/O105に入力される。電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作されると、クリアスイッチ21TM052aから出力されたRAMクリア信号が、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のI/O21TM372fに入力される。
遊技場の店員は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を初期化させ、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370を初期化させない場合には、電源投入時に、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をON状態とし、クリアスイッチ21TM052aはOFF状態とする。これとは逆に、遊技制御用マイクロコンピュータ100を初期化させず、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370を初期化させる場合には、電源投入時に、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をOFF状態とし、クリアスイッチ21TM052aはON状態とする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100を初期化させ、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370を初期化させる場合には、電源投入時に、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をON状態し、クリアスイッチ21TM052aもON状態とする。
次に、球貸が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合の処理に関して、図22−8(2)を用いて具体的に説明する。本例においては、図22−8(1)に示すように、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102が初期化され、電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作されることにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302が初期化される。図22−8(2)に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したときに、実行中の払出を停止し、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、払出を再開せず、設定変更モード又は設定確認モードが終了した後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されていないことに基づいて、払出が再開される。
図22−8(2)は、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)が遊技媒体の払出を実行しているときの、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)、払出制御基板21TM037(払出制御用マイクロコンピュータ21TM370)、及びカードユニット21TM050の間で行われる通信処理を説明するためのタイミング図である。払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間は、主基板11からの接続確認信号はON状態であり、払出制御基板21TM037からのPRDY信号、及び、EXS信号、並びに、カードユニット21TM050からのBRDY信号はON状態であるものとする。
払出制御基板21TM037が遊技媒体の払出を実行している期間において、電源断が発生すると、主基板11からの接続確認信号の出力が停止され、払出制御基板21TM037からのPRDY信号の出力が停止される。即ち、PRDY信号はOFF状態となる。そして、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050からのBRDY信号、及び、払出制御基板21TM037からのEXS信号の出力が停止される。即ち、BRDY信号、及び、EXS信号は何れもOFF状態となる。そして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、EXS信号がOFF状態となったことに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
ここで、遊技場の店員は、電源投入を行うために、遊技機用枠3を開放状態とした後、電源スイッチ21TM055をON状態とする。この際、前述したように、設定変更モードに移行させるため(さらに遊技制御用マイクロコンピュータ100を初期化するため)には、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もON状態としておく。また、設定確認モードに移行させるためには、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052はOFF状態とする。
その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって電源投入時処理が実行される。本例では、電源投入時に錠スイッチ21TM051がON状態であったことに基づいて設定変更モード又は設定確認モードに制御される。
払出制御基板21TM037では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が起動し、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態を検出可能となったときに、遊技機用枠3が開放状態となっていることを検知する。
その後、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。そのため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、PRDY信号をON状態としない。即ち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号がON状態であっても、即ち、カードユニット21TM050と電気的に接続されている状態であっても、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。
その結果、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している期間は、カードユニット21TM050は、PRDY信号がOFF状態であることに基づいて、球貸スイッチ21TM062が操作されても払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力しない。すなわち、BRDY信号はOFF状態のままである。この時点から所定の遅延時間が経過しても、カードユニット21TM050は、BRDY信号がOFF状態であることに基づいて、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力しない。すなわち、BRQ信号はOFF状態のままである。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、BRDY信号及びBRQ信号が何れもOFF状態であることに基づいて、カードユニット21TM050に対するEXS信号をON状態とせず、OFF状態に維持する。そして、EXS信号がOFF状態であることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を停止させた状態を維持する。すなわち、接続確認信号がOFF状態であるときには、PRDY信号、BRDY信号、BRQ信号、及びEXS信号が何れもOFF状態であり、払出モータ21TM289は駆動しないので、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、未払出個数のデータがクリアされていない場合であっても、遊技媒体の払出が実行されない。
その後、錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられると、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、図22−2に示したステップS21TM3710以降の処理が実行されるものとする。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMクリア処理が実行された場合には、RAMクリアが実行されたことが報知される。また、本例において、電源投入時に払出制御基板21TM037に対応したクリアスイッチ21TM052aが操作された場合には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370にRAMクリア信号が送信されるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータが、消去(クリアされる)。
CPU103が、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態である。CPU103が、図22−1に示すステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときにはPRDY信号をON状態にする。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態となったときに、遊技機用枠3の開放状態が検出されておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検出されていないことを条件として、PRDY信号をON状態とする。
前述したように、電源投入後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの開放状態を検出可能な状態となってから、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、遊技媒体の払出が実行されない。即ち、主基板11からの接続確認信号がON状態となった場合でも、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていれば、PRDY信号をON状態とせず、OFF状態に維持することにより、球貸処理を実行させないようにする。このように、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている期間は、PRDY信号がOFF状態となる。
ここで、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、遊技場の店員は、通常、RAMクリアが実行されたことを確認した後に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを閉鎖状態とするため、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後の接続確認信号がON状態の期間(ステップS21TM1480以降)であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている場合がありうる。このような場合には、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後の接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていることに基づいて、PRDY信号がOFF状態となる。
遊技場の店員が、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であり、且つ、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの何れの開放状態も検出していないことに基づいて、PRDY信号をON状態とする。
本例において、図22−8(2)に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されていない場合(電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作されていなかった場合)には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合(電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合))であっても、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされていないため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在するため)、PRDY信号がON状態となったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断の発生、その後に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたこと、及び、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことにより中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、球貸の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に、未払出個数のデータがクリアされていないことに基づいて、また、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが閉鎖状態となったことを条件として、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、球貸を完了させることが可能である。
一方で、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行された場合(電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作された場合)には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされているため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在しないため)、PRDY信号がON状態となったときにも、払出モータ21TM289を駆動させず、払出動作を行わない。
本実施例では、図22−8(1)に示すように、クリアスイッチ21TM052から出力されるRAMクリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力されるが、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370には入力されない。そのため、主基板11に対応したクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたことより、遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたとしても、払出制御基板21TM037に対応したクリアスイッチ21TM052aが操作されていなければ、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されている未払出個数のデータは初期化されない。このように、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたか否かにかかわらず(遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたか否かにかかわらず)、クリアスイッチ21TM052aが操作されていなければ、未払出個数のデータは初期化されず、電源断発生前(電源復旧に伴い設定変更モード又は設定確認モードに制御される前)に実行されていた球貸処理において払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば25個)のうち、払い出されなかった未払出個数分に関して、払出が実行されることになる。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたか否かに関わらず、RAM21TM302に記憶されている未払出個数のデータは初期化されないため、球貸処理又は賞球処理において払い出すべき所定の遊技媒体数のデータを適切に保護できる。
以上に示したように、球貸処理の実行中に電源断が発生したことにより払出が中断されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに未払出個数のデータが格納されることになる。ここで、電源投入時に主基板11に対応したクリアスイッチ21TM052が操作されたとしても、払出制御基板21TM037に対応したクリアスイッチ21TM052aが操作されていなければ、未払個数のデータがクリアされずに維持されているため、中断されていた払出が再開されて、未払個数の遊技媒体の払出が完了する。即ち、電源復旧後に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間を経て、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、未払出個数分の払出が実行されることになる。
なお、本実施形態では、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、払出制御基板21TM037に設けられている(開放状態の検出信号が払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される)例を示したが、このような形態に限らず、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300は、主基板11に設けられる(開放状態の検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される)ようにしても良い。このような構成とした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知したことに基づいて、接続確認信号の出力を停止する(ON状態からOFF状態に切り替える)。これにより、接続確認信号が入力されなくなったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、PRDY信号をOFF状態とすることにより、あるいは、EXS信号をON状態としないことにより、球貸が実行されないようにする。
(遊技機用枠又はガラス扉枠の開放状態検知に基づく賞球払出制限)
次に、遊技機用枠3が開放状態となったとき、ガラス扉枠3aが開放状態となったときの賞球払出の制限方法に関して、図22−9を用いて具体的に説明する。図22−9は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との信号の送受信を示すタイミング図である。図22−9に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
このとき、遊技場の店員等が遊技機用枠3又はガラス扉枠3aを開放すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知する。遊技機用枠3が開放されている状態(及び、ガラス扉枠3aと上皿が一体化されている構成であれば、ガラス扉枠3aが開放されている状態)では、払い出されるべき賞球が流下する経路と、流下してきた賞球が貯留される上皿とが物理的に接続されていないため、仮に、この状態で賞球が払い出されてしまうと、遊技媒体が上皿に到達せずに落下してしまう。
図22−9の例では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1一般入賞口〜第4一般入賞口、及び、大入賞口の何れかの入賞口に関する遊技媒体の通過を検出したことに基づいて、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信するが、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している払出制御用マイクロコンピュータ21TM370では、遊技媒体の払出制御を実行せず、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この賞球準備中コマンドは、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しなくなるまで、即ち、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが閉鎖状態となるまで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信し続けられる。
このように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、遊技媒体が各入賞口を通過して入賞を検知しても、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を駆動させずに賞球の払出制御を実行しない。このようにして、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370による遊技媒体の払出制御を実行させないようにすることができる。そして、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
そして、遊技場の店員等が、当該パチンコ遊技機1を遊技可能な状態とするために遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすることで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3の開放状態を検出しておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検知していない状態となる。遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となったことに伴い、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときには払出モータ21TM289を駆動させ、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検知されている期間内の入賞に応じた所定数(賞球個数コマンドにより指定された数)の賞球の払出制御を実行する。そして、所定数の遊技媒体を払い出した払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、受信ACK信号としての賞球終了コマンドを送信する。
(開放状態検知終了後の賞球払出再開)
次に、賞球の払出が実行されている途中で遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態とされたことにより払出が中断され、その後に遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが閉鎖状態とされた場合の処理に関して、図22−10を用いて具体的に説明する。図22−10に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことを検知したことに基づいて、遊技媒体の払出を中断し、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態ではなくなった(閉鎖状態となった)ことに基づいて、中断されていた払出を再開する。
図22−10に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行う。この賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行っている期間に、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放され、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放を検知したことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
この未払出個数は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372fに入力される払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号に基づいて更新される。具体的には、未払出個数は、払出モータ21TM289により払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば14個)から、払出個数カウントスイッチ21TM301によりカウントされた個数(即ち、実際に払出モータ21TM289により払い出された遊技媒体数)を減算することにより算出される。
遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している払出制御用マイクロコンピュータ21TM370では、遊技媒体の払出制御を実行せず、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この賞球準備中コマンドは、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知しなくなるまで、即ち、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが閉鎖状態となるまで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信し続けられる。
このように、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態である期間は、遊技媒体の払出の実行途中であっても、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を駆動させずに遊技媒体の払出を実行しない。そして、受信ACK信号としての賞球準備中コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となったことを検知すると(遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が終了したことを検知すると)、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが閉鎖されたことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放により中断されていた遊技媒体の払出が完了する。
(電断発生時の賞球処理(設定変更モードに移行せず))
次に、賞球の払出が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されない場合の処理に関して、図22−11を用いて具体的に説明する。図22−11に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したことに基づいて、遊技媒体の払出を中断し、電源投入後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されることなく、接続確認信号がON状態となり、遊技機用枠3が閉鎖状態となった後に、中断されていた払出を再開する。
図22−11に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行う。この賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行っている期間において、電源断が発生すると、払出モータ21TM289への電力供給が停止するので、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
ここで、遊技場の店員は、電源投入を行うために、遊技機用枠3を開放状態とした後、電源スイッチ21TM055をON状態とする。この際、パチンコ遊技機1を初期化させる場合には、さらにクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を操作する。その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって電源投入時処理が実行される。本例では、電源投入時に錠スイッチ21TM051がOFF状態であったことに基づいて、設定変更モード又は設定確認モードに制御されることなく、図22−1に示したステップS21TM1470以降の処理が実行されるものとする。ここで、CPU103が、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態である。
払出制御基板21TM037では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が起動し、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態を検出可能となったときに、遊技機用枠3が開放状態となっていることを検知する。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、主基板11からの接続確認信号がOFF状態であるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を停止状態に維持する。その結果、電源投入後に、CPU103が電源投入時処理となる所定の処理を実行している期間(電源投入後、設定変更モード又は設定確認モードに制御されることなく、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでの期間)は、払出モータ21TM289の駆動が停止状態であるので、遊技媒体の払出を中断した状態を維持する。
その結果、接続確認信号がOFF状態であるときには、払出モータ21TM289は駆動しないので、接続確認信号がOFF状態である期間(電源投入してから、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでの期間)は、遊技媒体の払出が実行されない。
CPU103が、図22−1に示すステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときには払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態となったときに、遊技機用枠3の開放状態が検出されておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検出されていないことを条件として、払出モータ21TM289を駆動させ、払出動作を行うものとする。
前述したように、電源投入後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの開放状態を検出可能な状態となってから、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、遊技媒体の払出が実行されない。即ち、主基板11からの接続確認信号がON状態となった場合でも、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていれば、払出モータ21TM289を駆動させないことにより、賞球処理を実行させないようにする。このように、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている期間は、払出モータ21TM289を駆動させない。
なお、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、遊技場の店員は、通常、RAMクリアが実行されたことを確認した後に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを閉鎖状態とするため、接続確認信号がON状態の期間(ステップS21TM1480以降)であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている場合がありうる。このような場合には、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動は停止状態となり、遊技媒体の払出が実行されない。
遊技場の店員が、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であり、且つ、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの何れの開放状態も検出していないことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断の発生、及び、その後に遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことにより中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、賞球の払出の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが閉鎖状態となったことを条件として、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、賞球の払出を完了させることが可能である。
(電断発生時の賞球処理(設定変更モードに移行))
次に、賞球の払出が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合の処理に関して、図22−12を用いて具体的に説明する。本例においては、図22−7(1)に示すように、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100及び払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の両方にRAMクリア信号が送信されるものとする。図22−12に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したときに、実行中の払出を停止し、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、払出を再開せず、また、設定変更モード又は設定確認モードが終了した後でも、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されたことに基づいて、払出を再開しない。
図22−12に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行う。この賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行っている期間において、電源断が発生すると、払出モータ21TM289への電力供給が停止するので、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
ここで、遊技場の店員は、電源投入を行うために、遊技機用枠3を開放状態とした後、電源スイッチ21TM055をON状態とする。この際、前述したように、設定変更モードに移行させるため(さらにパチンコ遊技機1を初期化するため)には、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もON状態としておく。また、設定確認モードに移行させるためには、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052はOFF状態とする。
その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって電源投入時処理が実行される。本例では、電源投入時に錠スイッチ21TM051がON状態であったことに基づいて設定変更モード又は設定確認モードに制御される。
払出制御基板21TM037では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が起動し、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態を検出可能となったときに、遊技機用枠3が開放状態となっていることを検知する。
その後、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。そのため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を停止状態に維持する。その結果、電源投入後に、CPU103が電源投入時処理となる所定の処理を実行している期間(設定変更モード又は設定確認モードに制御され、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでの期間)は、払出モータ21TM289の駆動が停止状態であるので、未払出個数のデータがクリアされていない場合であっても、遊技媒体の払出を中断した状態が維持されることになる。
その後、錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられると、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、図22−2に示したステップS21TM3710以降の処理が実行されるものとする。なお、RAMクリア処理が実行された場合には、RAMクリアが実行されたことが報知される。また、本例において、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100及び払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の両方にRAMクリア信号が送信されるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータが、消去(クリアされる)。
CPU103が、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態である。CPU103が、図22−1に示すステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときには、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態となったときに、遊技機用枠3の開放状態が検出されておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検出されていないことを条件として、払出モータ21TM289を駆動させ、払出動作を行うものとする。
前述したように、電源投入後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの開放状態を検出可能な状態となってから、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、遊技媒体の払出が実行されない。即ち、主基板11からの接続確認信号がON状態となった場合でも、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていれば、払出モータ21TM289を駆動させないことにより、賞球処理を実行させないようにする。このように、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている期間は、払出モータ21TM289を駆動させない。
ここで、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、遊技場の店員は、通常、RAMクリアが実行されたことを確認した後に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを閉鎖状態とするため、接続確認信号がON状態の期間(ステップS21TM1480以降)であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている場合がありうる。このような場合には、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動は停止状態となる。
遊技場の店員が、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であり(設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了しており)、且つ、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの何れの開放状態も検出していないことに基づいて、払出モータ21TM289を駆動させる。
本例において、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されていない場合(電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていなかった場合)には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされていないため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在するため)、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断の発生、その後に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたこと、及び、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことにより中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、賞球の払出の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に、未払出個数のデータがクリアされていないことに基づいて、また、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが閉鎖状態となったことを条件として、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、賞球の払出を完了させることが可能である。
一方で、図22−12に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行された場合(電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合)には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされているため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在しないため)、払出モータ21TM289を駆動させず、払出動作を行わない。
本実施例では、図22−7(1)に示すように、クリアスイッチ21TM052から出力されるRAMクリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100及び払出制御用マイクロコンピュータ21TM370の両方に入力される。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されると、これに伴い、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されている未払出個数のデータが初期化される。このように、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、未払出個数のデータが初期化されてしまうため、電源断発生前(電源復旧に伴い設定変更モード又は設定確認モードに制御される前)に実行されていた賞球処理において払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば14個)のうち、払い出されなかった未払出個数分に関しては、払出が行われない。
以上に示したように、賞球処理の実行中に電源断が発生したことにより払出が中断されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに未払出個数のデータが格納されることになる。ここで、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、未払個数のデータがクリアされるため、中断されていた払出が再開されることなく強制終了(中止)される。即ち、電源復旧時、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間、設定変更モード又は設定確認モードの終了後、に未払出個数分の払出を実行しないことになる。
(電断発生時の賞球処理(設定変更モードに移行)に関する変形例)
次に、賞球の払出が実行されている途中で電源断が発生したことにより払出が中断され、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御された場合の処理に関して、図22−13を用いて具体的に説明する。本例においては、図22−8(1)に示すように、電源投入時にクリアスイッチ21TM052が操作されることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM102が初期化され、電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作されることにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302が初期化される。図22−13に示す例では、遊技媒体の払出を実行中に電源断が発生したときに、実行中の払出を停止し、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに、払出を再開せず、設定変更モード又は設定確認モードが終了した後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されていないことに基づいて、払出が再開される。
図22−13に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球要求信号としての接続確認コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信すると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370から送信される受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信すると、受信した時点から1s(1秒)経過後に賞球要求信号としての接続確認コマンドを再び送信する。遊技制御用マイクロコンピュータ100および払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続状態が正常である限り、上記のような接続確認の通信処理を繰り返し実行する。
接続確認の通信処理を実行していないとき(受信ACK信号としての接続OKコマンドを受信してから賞球要求信号としての接続確認コマンドを送信するまでの間)に入賞があった場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、賞球個数を示すデータを賞球要求信号に設定し、当該設定した賞球要求信号としての賞球個数コマンドを払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球要求信号としての賞球個数コマンドを受信すると、賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行う。この賞球個数コマンドで指定された個数の賞球の払い出しを行っている期間において、電源断が発生すると、払出モータ21TM289への電力供給が停止するので、払出モータ21TM289の駆動を停止し、遊技媒体の払出を中断する。このとき、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに、未払出個数のデータが格納される。
ここで、遊技場の店員は、電源投入を行うために、遊技機用枠3を開放状態とした後、電源スイッチ21TM055をON状態とする。この際、前述したように、設定変更モードに移行させるため(さらに遊技制御用マイクロコンピュータ100を初期化するため)には、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052もON状態としておく。また、設定確認モードに移行させるためには、電源スイッチ21TM055をON状態とするときに、錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052はOFF状態とする。
その後、主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって電源投入時処理が実行される。本例では、電源投入時に錠スイッチ21TM051がON状態であったことに基づいて設定変更モード又は設定確認モードに制御される。
払出制御基板21TM037では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が起動し、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態を検出可能となったときに、遊技機用枠3が開放状態となっていることを検知する。
その後、CPU103が設定変更モード又は設定確認モードの処理を実行している間は、主基板11からの接続確認信号はOFF状態である。そのため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出モータ21TM289を停止状態に維持する。その結果、電源投入後に、CPU103が電源投入時処理となる所定の処理を実行している期間(設定変更モード又は設定確認モードに制御され、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでの期間)は、払出モータ21TM289の駆動が停止状態であるので、未払出個数のデータがクリアされていない場合であっても、遊技媒体の払出を中断した状態が維持されることになる。
その後、錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられると、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、図22−2に示したステップS21TM3710以降の処理が実行されるものとする。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMクリア処理が実行された場合には、RAMクリアが実行されたことが報知される。また、本例において、電源投入時に払出制御基板21TM037に対応したクリアスイッチ21TM052aが操作された場合には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370にRAMクリア信号が送信されるため、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータが、消去(クリアされる)。
CPU103が、図22−1に示すシリアル通信回路設定処理(ステップS21TM1480)を実行するまでは、主基板11から払出制御基板21TM037に出力される接続確認信号がOFF状態である。CPU103が、図22−1に示すステップS21TM1480のシリアル通信回路設定処理を実行すると、主基板11からの接続確認信号がON状態となることに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、払出動作が可能なときには、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態となったときに、遊技機用枠3の開放状態が検出されておらず、且つ、ガラス扉枠3aの開放状態も検出されていないことを条件として、払出モータ21TM289を駆動させ、払出動作を行うものとする。
前述したように、電源投入後に、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの開放状態を検出可能な状態となってから、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態を検知している期間は、設定変更モードに制御されているか否かによらず、また、設定確認モードに制御されているか否かによらず、遊技媒体の払出が実行されない。即ち、主基板11からの接続確認信号がON状態となった場合でも、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていれば、払出モータ21TM289を駆動させないことにより、賞球処理を実行させないようにする。このように、接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている期間は、払出モータ21TM289を駆動させない。
ここで、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、遊技場の店員は、通常、RAMクリアが実行されたことを確認した後に、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを閉鎖状態とするため、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後の接続確認信号がON状態の期間(ステップS21TM1480以降)であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっている場合がありうる。このような場合には、設定変更モード又は設定確認モードの処理が終了した後の接続確認信号がON状態の期間であっても、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの開放状態が検出されていることに基づいて、払出モータ21TM289の駆動は停止状態となる。
遊技場の店員が、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aを何れも閉鎖状態とすると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、接続確認信号がON状態であり、且つ、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aの何れの開放状態も検出していないことに基づいて、払出モータ21TM289の駆動を開始する。
本例において、図22−8(2)に示すように、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行されていない場合(電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作されていなかった場合)には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合(電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作された場合))であっても、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされていないため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在するため)、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302に保存されている未払出個数格納バッファの内容に基づいて、払出モータ21TM289を駆動させ、未払出個数のデータが0になるまで1個ずつ払出動作を行う。これにより、電源断の発生、その後に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されたこと、及び、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となったことにより中断されていた遊技媒体の払出が完了する。このように、賞球の払出の実行中に電源断が発生して遊技媒体の払出が中断されたときには、その後の電源復旧時に、未払出個数のデータがクリアされていないことに基づいて、また、設定変更モード又は設定確認モードが終了し、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが閉鎖状態となったことを条件として、中断されていた遊技媒体の払出を再開して、賞球の払出を完了させることが可能である。
一方で、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370におけるRAM21TM302を対象としたRAMクリアが実行された場合(電源投入時にクリアスイッチ21TM052aが操作された場合)には、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されていた未払出個数のデータがクリアされているため(払い出すべき残りの遊技媒体が存在しないため)、払出モータ21TM289を駆動させず、払出動作を行わない。
本実施例では、図22−8(1)に示すように、クリアスイッチ21TM052から出力されるRAMクリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力されるが、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370には入力されない。そのため、主基板11に対応したクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたことより、遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたとしても、払出制御基板21TM037に対応したクリアスイッチ21TM052aが操作されていなければ、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに格納されている未払出個数のデータは初期化されない。このように、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されたか否かにかかわらず(遊技制御用マイクロコンピュータ100を対象としたRAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたか否かにかかわらず)、クリアスイッチ21TM052aが操作されていなければ、未払出個数のデータは初期化されず、電源断発生前(電源復旧に伴い設定変更モード又は設定確認モードに制御される前)に実行されていた賞球処理において払い出すべき所定の遊技媒体数(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100から指定された払出個数であり、例えば14個)のうち、払い出されなかった未払出個数分に関して、払出が実行されることになる。
以上に示したように、賞球処理の実行中に電源断が発生したことにより払出が中断されると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370において、RAM21TM302内のバックアップ領域に形成されている未払出個数格納バッファに未払出個数のデータが格納されることになる。ここで、電源投入時に主基板11に対応したクリアスイッチ21TM052が操作されたとしても、払出制御基板21TM037に対応したクリアスイッチ21TM052aが操作されていなければ、未払個数のデータがクリアされずに維持されているため、中断されていた払出が再開されて、未払個数の遊技媒体の払出が完了する。即ち、電源復旧後に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間を経て、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、未払出個数分の払出が実行されることになる。
なお、本実施形態では、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、払出制御基板21TM037に設けられている(開放状態の検出信号が払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力される)例を示したが、このような形態に限らず、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300は、主基板11に設けられる(開放状態の検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される)ようにしても良い。このような構成とした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が、遊技機用枠3(又はガラス扉枠3a)の開放状態を検知したことに基づいて、入賞を検知しても、賞球個数コマンドを送信しない。これにより、賞球個数コマンドを受信しなくなったことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、払出モータ21TM289を駆動させないことにより、賞球の払出が実行されないようにする。
(セキュリティ信号及び設定変更対応信号の出力期間)
前述したように、図21−39(1)に示すパターン1の例では、第10端子からセキュリティ信号を出力可能である。このセキュリティ信号により、前述したように、初期化処理(RAMクリア)、不正行為の検出、遊技停止対象エラーの検出等が行われた可能性を外部に通知可能である。また、セキュリティ信号は、設定変更モード又は設定確認モードに関する処理が開始されてから、設定変更モード又は設定確認モードに関する処理が終了して通常遊技処理に移行するまで(例えば、図22−1及び図22−2に示した、ステップS21TM3510から、ステップS21TM3060又はステップS21TM3070でNOと判定されて通常遊技処理が実行されるまで)の期間にON状態となる。
また、図21−39(1)に示すパターン1の例では、第7端子からは設定変更対応信号を出力可能である。設定変更対応信号は、設定変更モード又は設定確認モードに関する処理が開始されてから、設定変更モード又は設定確認モードに関する処理が終了して通常遊技処理に移行するまで(例えば、図22−1及び図22−2に示した、ステップS21TM3510から、ステップS21TM3060又はステップS21TM3070でNOと判定されて通常遊技処理が実行されるまで)の期間にON状態となる。この設定変更対応信号により、設定変更モード又は設定確認モードに関する処理が実行されたこと(設定値の変更又は確認に関連した処理が実行されたこと)を外部に通知可能となっている。また、設定変更モード又は設定確認モードが終了すると(通常遊技処理に移行すると)、一旦は、第7端子から出力される設定変更対応信号がOFF状態となり、その後に同じ第7端子から、RAM102の設定値格納領域に格納されている現在の設定値に対応した数のパルス状の設定変更対応信号が出力されるため、設定値を外部に通知可能となっている。
具体的には、図22−14(1)に示すように、電源投入時にRAMクリア(例えば、図22−1に示したステップS21TM3050又はステップS21TM3150)を伴う設定変更モードに移行した場合には、第7端子から設定変更対応信号が出力され、これと同時に、第10端子からはセキュリティ信号が出力される。そして、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたことに基づいて、設定変更モードが終了して通常遊技処理に移行した後も、30秒間はセキュリティ信号がON状態とされる。また、設定変更モードが終了したことに伴い(正確には設定変更モードが終了して通常遊技処理に移行してから50ms経過したタイミングで)、設定変更対応信号が一旦はOFF状態となるが、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が2であることに基づいて、特殊態様の設定変更対応信号として2のパルスが出力されている。
一方で、図22−14(2)に示すように、電源投入時にRAMクリア(例えば、図22−1に示したステップS21TM3050又はステップS21TM3150)は実行されたものの、設定変更モードに移行しなかった場合には、電源投入時(RAMクリア実行時)から30秒間はセキュリティ信号がON状態となるが、設定変更対応信号はON状態とはならない。
このように、セキュリティ信号は、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間もON状態となる。従って、外部装置が、設定変更対応信号の入力を想定しておらず、設定変更対応信号の入力に基づく処理が実行されないように構成されている場合であっても、少なくともセキュリティ信号の入力に基づいて、設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性があることを認識可能となっている。
図22−15(3)及び(4)に示すように、設定変更対応信号は、設定変更モード又は設定確認モードが開始されたときにON状態となり、設定変更モード又は設定確認モードが終了したときに(正確には、設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理に移行してから50ms経過したタイミングで)OFF状態となる。セキュリティ信号に関しても、設定変更モード又は設定確認モードが開始されたときにON状態となるが、図22−15(3)に示すように、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された場合には、設定変更モードが終了した後に直ちにOFF状態とはならず、設定変更モードが終了した後も、30秒間はON状態が継続される。一方、図22−15(4)に示すように、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されなかった場合には、設定確認モードが終了したときに(正確には、設定確認モードが終了して通常遊技処理に移行してから50ms経過したタイミングで)OFF状態となる。
また、図22−15(3)及び(4)の何れの場合にも、設定変更モード又は設定確認モードの終了に伴い、設定変更対応信号が一旦はOFF状態となるが(正確には設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理に移行してから50msが経過したタイミングでOFF状態となるが)、その後に(例えば、さらに50ms以上が経過した後で)、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が2であることに基づいて、特殊態様の設定変更対応信号として2のパルスが出力されている。これにより、ホールコンピュータ等の外部装置において、各遊技機の設定値を容易に特定可能となる。
一方、図22−14(2)に示したように、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されて、設定変更モードに移行しなかった場合には、セキュリティ信号は、電源投入時(RAMクリア実行時)から30秒間、ON状態となる。
従って、セキュリティ信号が入力される外部装置側では、セキュリティ信号の入力期間が30秒程度である場合には、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたものの、設定変更モードに移行しなかった可能性があることを認識可能である。一方、セキュリティ信号の入力期間が30秒を超えている場合には、設定変更モード又は設定確認モードに移行した可能性があること(特に、RAMクリアを伴う設定変更モードに移行した可能性が高いこと)を認識可能であり、セキュリティ信号の入力期間が30秒に達しなかった場合には、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されることなく、設定確認モードに移行した可能性があること(設定値を変更可能な状態となることなく確認のみが行われた可能性があること)を認識可能である。
つまり、セキュリティ信号の入力期間が30秒程度である場合には、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されたものの、設定変更モードに移行しなかった可能性があることを、ホールコンピュータ等の管理装置において認識可能であり、セキュリティ信号の入力期間が30秒未満である場合には、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されることなく、設定確認モードに移行した可能性があること(設定値を変更可能な状態となることなく確認のみが行われた可能性があること)を、管理装置において認識可能であり、セキュリティ信号の入力期間が30秒を超えている場合には、設定変更モード又は設定確認モードに移行した可能性があること(特に、RAMクリアを伴う設定変更モードに移行した可能性が高いこと)を、管理装置において認識可能である。このように、遊技機のセキュリティ信号の出力期間によって、外部側で遊技機がどのような制御を実行したかを区別することができる。
従って、外部装置が、設定変更対応信号の入力を想定しておらず、設定変更対応信号の入力に基づく処理が実行されないように構成されている場合であっても、少なくともセキュリティ信号の入力に基づいて、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行された可能性と、設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性とを、区別して認識可能となっている。
また、本実施形態では、遊技機が設定変更モードに制御されるときには、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であるため、必ずRAMクリアが実行されることになる(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)。その結果、セキュリティ信号の出力期間は、設定変更モードに制御されている期間+30秒間程度となる。一方、遊技機が設定確認モードに制御されるときには、電源投入時にクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であり、RAMクリアフラグが0の状態である(ステップS21TM3570でYESである)ため、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)が実行されていない。その結果、セキュリティ信号の出力期間は、設定確認モードに制御されている期間(正確には設定確認モードに制御されている期間+50ms程度)となる。
このように、遊技機が設定変更モードに制御された場合と、設定確認モードに制御された場合とで、セキュリティ信号の出力期間が異なることにより、外部装置側で、各遊技機が、設定変更モードに制御されたのか、あるいは、設定確認モードに制御されたのか、を区別して特定することが可能となっている。
また、本実施形態では、設定変更対応信号が、設定変更モード又は設定確認モードが開始されたときにON状態となり、設定変更モード又は設定確認モードが終了したときに(正確には、設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理に移行してから50ms経過したタイミングで)OFF状態となる。そのため、外部装置側では、設定変更対応信号の入力期間によって、設定変更モード又は設定確認モードへの制御期間を特定可能となっている。また、設定変更対応信号の入力期間よりもセキュリティ信号の入力期間の方が30秒程度長くなった場合には、設定変更モードに制御されたこと及びこれに伴うRAMクリアが実行されたことを認識可能であり、設定変更対応信号の入力期間とセキュリティ信号の入力期間が同じ期間であった場合には、RAMクリアを伴わない設定確認モードに制御されたことを認識可能である。
このように、セキュリティ信号と、設定変更対応信号とが、異なる出力端子から出力されることにより、これらの信号が入力される外部装置側では、当該遊技機において所定事象(本例ではRAMクリア)が発生したことと、当該遊技機が設定変更モード又は設定確認モードに制御されたことを区別して特定可能となる。そして、設定変更モード又は設定確認モードへの制御期間を明確に特定可能となり、設定変更モード及び設定確認モードの何れに制御されたのかも、セキュリティ信号の入力期間に基づいて特定可能となる。
次に、電源投入時に錠スイッチ21TM051がON状態であり、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であったことに基づいて、RAMクリア(ステップS21TM3050又はステップS21TM3150)を伴わずに、設定確認モードに移行し、設定確認モードが開始されてから(例えば、ステップS21TM3510で設定変更中フラグがセットされてから)50ms未満で、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされたことにより、設定確認モードが終了して通常遊技処理に移行したものとする。
このとき、図22−15(5)に示すように、設定確認モードが開始されたタイミングを起点に、第7端子から設定変更対応信号が出力され、これと同時に、第10端子からはセキュリティ信号が出力される。そして、設定確認モードが開始されてから50ms未満で、設定確認モードが終了して(錠スイッチ21TM051がOFF状態とされて)通常遊技処理に移行した場合であっても、少なくとも50ms以上の期間、設定変更対応信号及びセキュリティ信号は継続して出力されるようになっている。即ち、設定変更対応信号及びセキュリティ信号に関しては、一旦ON状態となると、少なくとも50msはON状態が維持される。
仮に、設定変更対応信号及びセキュリティ信号がON状態となる期間が所定期間(本例では50ms)未満であったとすると、ホールコンピュータ等の外部装置側では、パチンコ遊技機1が設定変更モード又は設定確認モードに移行したことを認識することが困難となってしまう。本実施形態のように、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間によらず、少なくとも所定期間(本例では50ms)は、設定変更対応信号及びセキュリティ信号をON状態とすることにより、外部装置側で、各パチンコ遊技機1が、設定変更モード又は設定確認モードに移行したことを認識可能としている。
また、設定変更対応信号に関しては、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に、パルス幅が100msの特殊態様で設定変更対応信号が出力されることにより、ホールコンピュータ等の外部装置側で、各パチンコ遊技機1の設定値を特定して管理可能となっている。仮に、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間が50ms未満であったことに応じて、設定変更対応信号がON状態となってから50ms未満でOFF状態に切り替わり、その後に、設定値格納領域に格納されている設定値に対応した数の100ms幅のパルスが出力される構成とした場合には、外部装置において、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間(50ms未満)に相当する設定変更対応信号を認識することができず、その後に出力される特殊態様(パルス幅が100ms)の設定変更対応信号のみを認識することで、当該パチンコ遊技機1の設定値を誤って認識してしまうおそれがある。本実施形態のように、設定変更モード又は設定確認モードに制御されている期間によらず、少なくとも所定期間(本例では50ms)は、設定変更対応信号をON状態とすることにより、外部装置側で、各パチンコ遊技機1の設定値を正確に特定できるようになる。