1)全体構成
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。
表示装置10の表示領域11は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。本実施形態における表示領域11は略方形状(横長の長方形状)である。当該表示領域11の大きさや形状は適宜変更可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、表示装置10の表示領域11に表示される識別図柄80(図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。なお、一部の図においては、識別図柄80の記載を省略するが、基本的には、当否判定結果を報知する報知演出が実行されている最中は、当該識別図柄80(識別図柄80群)が表示され続ける。各識別図柄80は、キャラクタ等を表した画像を含むものであってもよい。
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80(識別図柄80群)の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄(図示せず)が表示装置10の表示領域11に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。保留図柄を表示する専用の表示装置が設けられていてもよい。保留図柄の態様は常に同じであってもよいし、対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高まったことを示唆する通常の保留図柄とは異なる態様の一または複数種の特殊図柄が設定されていてもよい。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
2)表示装置(表示領域)を用いた演出
表示装置10(表示領域11)に表示される画像(以下、特に明示した場合を除き、単に画像というときは動画、静止画の両方を含むものとする)による演出について説明する。以下で説明する演出の一つのみが実行可能である構成としてもよいし、複数が実行可能である構成としてもよい。
2−1)立体表示演出
表示領域11に表示される画像を立体的にみせる演出である。基本的には、表示領域11全体に基準画像20が表示された基準状態(初期状態と称することもある)から、立体的な態様で表示される立体表示状態に遷移し、再び基準状態に戻るまでの演出である。
本実施形態では、基準状態にて、遊技者には三次元的にみえる基準画像20(裸眼立体視画像。以下、三次元画像と称することもある)が表示される(図3(a)参照)。平面的な画像を立体的にみせる手法は公知であるから詳細な説明を省略する。右目用画像と左目用画像を組み合わせて表示することにより、三次元的に見せる手法等を用いることができる。初期状態においては、当該基準画像20(本実施形態では動画であるが、図面を分かりやすくするため、各図面は静止画のように記載する)により、遊技者に対して三次元的な画像を用いた演出を提供する。
立体表示状態は、初期状態にて表示された基準画像20が奥に変位したかのように表示された状態である。具体的には、基準画像20の大きさを次第に小さくしていき、表示領域11の外縁と基準画像20の外縁との間に隙間が生じるように表示する。本実施形態では、基準画像20の全周に亘って表示領域11の外縁の間に隙間が生じるように表示される。基準画像20は、初期状態にて略方形状の表示領域11の全体に表示される画像であるから、その形状は方形状である。立体表示状態においては、方形状のまま基準画像20の大きさを次第に小さくしていく。ただし、一時的に初期状態の基準画像20と立体表示状態における基準画像20が相似形状とならない状況が発生しうる。本実施形態における基準画像20は動画であるところ、基準画像20が奥に変位したかのように(次第に小さくなるように)表示されている際にも、当該基準画像20の連続性(「動画」としての連続性)は維持される。
立体表示状態において、基準画像20の外縁と表示領域11の外縁との間には奥行画像21が表示される(図3(b)〜(f)参照)。つまり、基準画像20が奥に変位したかのように表示されつつ、それによって生じる基準画像20の外縁と表示領域11の外縁との間には奥行画像21が表示される。基準画像20は、次第に小さくなっていくように表示されるため、それにつれて奥行画像21の大きさ(奥行画像21が表示される領域)が大きくなっていく。
奥行画像21が表示される領域は、大きく四つに区分けされる。具体的には、略方形状である表示領域11の四隅(角)から略方形状である基準画像20の四隅(角)に延びる仮想線を想定し、当該仮想線によって区分けされる四つの領域に区分けされるものとする。以下の説明においては、基準画像20の上側の領域を上側領域11A、下側の領域を下側領域11B、左側の領域を左側領域11C、右側の領域を右側領域11Dと称することもある。
これら各領域に奥行画像21が表示される。具体的には、奥行画像21は、上側領域11Aに表示される上側部分、下側領域11Bに表示される下側部分、左側領域11Cに表示される左側部分、右側領域11Dに表示される右側部分を含む。各部分の間には、上記仮想線に沿うような境界(仮想線にぴったりと沿う境界であってもよいし、大まかに仮想線に沿う境界であってもよい)が存在することになるため、奥行画像21によって奥に変位したかのように表示される基準画像20の奥行き感が強調されることになる。
立体表示状態においては、次のように奥行画像21が変化していく。奥行画像21の上側部分、下側部分、左側部分、右側部分のそれぞれは、一または複数の単位画像から構成される。各単位画像は、基準画像20の一部と画像としての態様が同じものである。ここで、画像としての態様が同じとは、同じ内容を表していると遊技者が把握できる態様であれば、形状や大きさの相違は許容するという意味である(以下、「態様が同じ」というときは、当該画像としての態様が同じであることをいう)。本実施形態では、単位画像は動画であるところ、当該動画の変化に合わせて単位画像の態様も変化する(つまり、各単位画像も動画である)。また、本実施形態では、基準画像20は三次元画像であるところ、当該基準画像20の一部に相当する単位画像も三次元画像である。上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11Dのうち、同じ領域に複数の単位画像が表示される状態においては、当該同じ領域に表示される複数の単位画像の態様は互いに同じとされる。ただし、上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11Dのそれぞれは、基準画像20から離れるにつれて幅(上側領域11Aおよび下側領域11Bについては左右方向の大きさ、左側領域11Cおよび右側領域11Dについては上下方向の大きさのことをいう)が次第に大きくなる(次第に広がる)領域であるため、同じ領域に複数の単位画像が表示された状態においては、基準画像20から離れる単位画像ほど幅が大きくなる。つまり、同じ領域に表示される複数の単位画像は、態様は同じであるが、画像全体の形状(大きさ)が異なるものであるといえる。
時間経過とともに、当該各領域に表示される単位画像の数が次第に増加していく。本実施形態では、上側領域11Aおよび下側領域11Bの単位画像が増加すること(図3(b)(d)参照)と、左側領域11Cおよび右側領域11Dの単位画像が増加する(図3(c)(e)参照)ことが交互に発生する。具体的には、表示領域11の全体に基準画像20が表示された基準状態から、上側領域11Aおよび下側領域11Bのそれぞれに一つの単位画像が表示されるとともにその分基準画像20が奥に移動したかのような表示(小さくなったかのような表示)がなされる(図3(b)参照)。その後、左側領域11Cおよび右側領域11Dのそれぞれに一つの単位画像が表示されるとともにその分基準画像20が奥に移動したかのような表示がなされる(図3(c)参照)。そして、さらに上側領域11Aおよび下側領域11Bのそれぞれにさらに一つの単位画像が追加して表示される(計二つの単位画像が表示される)とともにその分基準画像20が奥に移動したかのような表示がなされる(図3(d)参照)。その後、左側領域11Cおよび右側領域11Dのそれぞれにさらに一つの単位画像が追加して表示される(計二つの単位画像が表示される)とともにその分基準画像20が奥に移動したかのような表示がなされる(図3(e)参照)。このようなことを繰り返しながら、各領域に表示される単位画像の数が増加していくとともに、その分基準画像20が奥に移動したかのような表示がなされる。本実施形態では、上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11Dのそれぞれに、四つの単位画像が表示されるまで単位画像が増加する(各領域に四つの単位画像が表示される状態が最大単位画像表示状態である)(図3(f)参照)。なお、上述の通り、本実施形態では上側領域11Aおよび下側領域11Bについて先に単位画像が増加していくことを説明したが、左側領域11Cおよび右側領域11Dについて先に単位画像が増加していくようにしてもよい。
最大単位画像表示状態から、所定時間経過後、単位画像が減少していく制御がなされる(図4参照)。本実施形態では、単位画像とは逆の順で単位画像が減少していく。具体的には、左側領域11Cおよび右側領域11Dのそれぞれから一つの単位画像(基準画像20側の単位画像)が消去されるとともにその分基準画像20が手前に移動したかのような表示(大きくなったかのような)がなされる(図4(b)(d)参照)。その後、上側領域11Aおよび右側領域11Dのそれぞれから一つの単位画像(基準画像20側の単位画像)が消去されるとともにその分基準画像20が手前に移動したかのような表示(大きくなったかのような)がなされる(図4(c)(e)参照)。各領域に表示される単位画像が0となるまでこれが繰り返されることにより、表示領域11全体に単位画像が表示された状態、すなわち基準状態に戻る(図4(f)参照)。なお、上述の通り、本実施形態では左側領域11Cおよび右側領域11Dについて先に単位画像が減少していくことを説明したが、上側領域11Aおよび下側領域11Bについて先に単位画像が減少していくようにしてもよい。基本的な増加・減少の態様が同じであればよい。本実施形態では、上側領域11Aおよび下側領域11Bを一組、左側領域11Cおよび右側領域11Dを一組として、各組において交互に単位画像の増加または減少が発生するという点において基本的な増加・減少の態様が同じであるということができる。
このように、立体表示演出は、基準画像20が奥に変位したかのように表示されつつ、それによって生じた領域に奥行を表す奥行画像21が表示されるものであるから、基準画像20が奥に変位するという三次元的な描写をリアル(写実的)に表現することができ、遊技(演出)の趣向性が向上する。
また、奥行画像21は、基準画像20の上下左右の領域(上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11D)に表示されるものであるから、三次元的な描写作用がさらに高められる。
また、奥行画像21として、各領域(上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11D)に表示される画像は、基準画像20の一部と態様が同じである一または複数の単位画像を含むものであるから、三次元的な描写作用がさらに高められる。
また、本実施形態のように、上側領域11Aおよび下側領域11Bの単位画像が増加・減少することと、左側領域11Cおよび右側領域11Dの単位画像が増加・減少することが交互に発生するようにすれば、面白みのある画像の変化態様とすることができる。
上記立体表示演出に関する構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、改良、具体化等してもよい。なお、以下の各例で示す事項(技術)を複数組み合わせて適用した構成としてよい。
a)基準画像20は三次元的画像(裸眼立体視画像)であることを説明したが、二次元的な画像であってもよい。この場合、基準画像20の一部と態様が同じである単位画像も二次元的な画像とする。このように、基準画像20自体や単位画像自体を二次元的な画像としても、基準画像20およびその周囲に表示される奥行画像21により、立体表示状態にて表示領域11に表示される画像が立体的に見え、面白みのあるものとなる。
b)上述した例は、上側領域11Aおよび下側領域11Bを一組、左側領域11Cおよび右側領域11Dを一組として、各組において交互に単位画像の増加または減少が発生するものであることを説明したが、当該増加・減少する順は変更可能である。また、上述した例のように、一度に複数の領域で単位画像が増加するようにしてもよいし、一つの領域で単位画像が増加することが順に発生するようにしてもよい。また、単位画像の増加態様(増加する順等)と減少態様(減少する順等)が異なっていてもよい。
例えば、時計回り(上側領域11A、右側領域11D、下側領域11B、左側領域11C、上側領域11A・・・の順)や反時計回り(上側領域11A、左側領域11C、下側領域11B、右側領域11D、上側領域11A・・・の順)といったように、基準画像20の周方向に沿って単位画像の数が増加するような構成とすることが考えられる。このようにすれば、基準画像20が渦巻きに巻き込まれるようにして奥側に変位するかのような画像の変化態様とすることができる。
また、上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11D、上側領域11A・・・の順で一つずつ単位画像が増加するような構成とすることが考えられる。このように、単位画像の増加・減少の態様を異ならせることで、遊技者に与える印象を変化させることが可能である。
c)上述した例では、基準画像20の周囲に奥行画像21が表示される領域(上側領域11A、下側領域11B、左側領域11C、右側領域11D)が設けられることを説明したが、当該領域の形状等は適宜変更可能である。例えば、上述した例における下側領域11Bが設けられない構成としてもよい。このようにしても、奥側に変位したかのように表示される基準画像20の三次元的な描写作用が発現される。
d)上述した例では、基準状態から単位画像が増加して最大単位画像表示状態となり、その後単位画像が減少して基準状態に戻ることを説明したが、最大単位画像表示状態から一度に全ての単位画像が消去されて、基準状態に戻るような構成としてもよい。つまり、単位画像が少しずつ減少していくような変化態様が発生しないようにしてもよい。また、基準状態から単位画像が少しずつ増加していくような変化態様が発生せずに、いきなり最大単位画像表示状態が表示されることがある構成としてもよい。
e)上述した例では、単位画像は基準画像20の一部と態様が同じであることを説明したが、単位画像の態様が基準画像20のどの部分とも態様が異なる構成としてもよい。単位画像の態様が基準画像20と全く関連性がないものとしてもよい。
これに対し、単位画像の態様が基準画像20と関連したものとしてもよい。例えば、基準画像20の一部および単位画像の一方はカラー画像であり、他方はモノクロ画像である(画像の内容等は一致している)構成とすることが考えられる。
また、基準画像20は動画である一方、単位画像は静止画である構成とすることが考えられる。各単位画像が表示される時点における基準画像20の一部が単位画像(静止画)として表示される。このようにすれば、基準画像20は経時的に変化するものの、単位画像は表示された時点の態様が維持されるものとなるから、遊技者に与える印象が異なる演出とすることが可能である。
2−2)三次元演出
表示装置10の表示領域11(ひとまとまりの領域)に、三次元的に視認される画像(三次元画像30)と二次元的に視認される画像(二次元画像31)を一度(同時期)に表示する演出である。本実施形態における三次元画像30は、公知の裸眼立体視画像である。このように、三次元画像30が表示されるとき、一緒に二次元画像31が表示されるようにすることで、三次元画像30が見やすくなる。特に、三次元画像30が裸眼立体視画像であると、当該画像が三次元的に視認されるかどうかは個人差があるところ、一緒に二次元画像31が表示されるようにすることで、裸眼立体視画像が三次元的に視認されやすくなる。
本実施形態における三次元演出では、三次元画像30の周囲を囲むように二次元画像31を表示する(図5参照)。つまり、三次元画像30を表示領域11の中央側に表示し、二次元画像31を表示領域11の外縁側に(外縁に沿うように)表示する。このようにすることで、表示領域11全体に三次元画像30が表示されているかのような印象を与えることができる。つまり、三次元画像30を表示するということは、当該三次元画像30を目立たせる演出を実行するということであるため、本来であれば二次元画像31は邪魔な存在であるといえるところ、三次元画像30の「額縁」のように二次元画像31を表示することで、二次元画像31によって三次元画像30を装飾しつつ、当該画像を三次元的にみせる作用を高めることが可能となる。
表示領域11に表示される画像が複数のレイヤ(画像レイヤ)からなる構成とする場合には、三次元画像30が表示されるレイヤと二次元画像31が表示されるレイヤを別のものとし、二次元画像31が表示されるレイヤを三次元画像30が表示されるレイヤよりも手前に設定すればよい。このようにすることで、二次元画像31が表示される部分については当該二次元画像31によって三次元画像30が覆われる(実際に出力されない)表示態様となる。
上記三次元演出に関する構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、改良、具体化等してもよい。なお、以下の各例で示す事項(技術)を複数組み合わせて適用した構成としてよい。
a)上述した例では、三次元画像30の周囲に二次元画像31が表示されることを説明したが、三次元画像30や二次元画像31の形状、表示領域11における三次元画像30と二次元画像31の相対的な位置関係は適宜変更可能である。ただし、三次元画像30および二次元画像31のいずれもが、表示領域11において分離して表示されるようにしないことが望ましい。三次元画像30および二次元画像31の少なくともいずれか一方が分離している(画像の一部と他の一部が非連続である)とすると、三次元的にみせる作用が弱まってしまうため、上記の例と同様に、三次元画像30の全体が連続しており、かつ、二次元画像31の全体が連続するものとするとよい。
b)上述した例のように、表示領域11において二次元画像31とともに三次元画像30が表示される演出(以下、形式的に第一演出と称する)(図6(a)参照)と、表示領域11の全体に三次元画像30が表示される演出(以下、形式的に第二演出と称する)(図6(b)参照)が発生しうるようにする。第一演出時に表示される三次元画像30と、第二演出時に表示される三次元画像30は、その少なくとも一部の態様が同じであるとする。具体的には、第二演出時に表示される三次元画像30のうち、第一演出時に二次元画像31が表示される領域を除いた領域に表示される部分が、第一演出時に表示される三次元画像30と同じであるとする。
そして、第一演出が発生したときの方が、第二演出が発生したときよりも、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が高いものとする。なお、当該遊技者に有利な事象としては、当否判定結果が大当たりとなることを例示することができる。この場合、第一演出および第二演出のいずれが発生するかは、いわゆる大当たり信頼度を示唆するものであるといえる。このようにすれば、二次元画像31によって三次元画像30がより明確に三次元的にみえる状態となったときの方が、三次元画像30単独で表示されたときよりも遊技者にとって喜ばしい状況となる遊技性を実現することが可能である。なお、本例とは逆の設定、すなわち第二演出が発生したときの方が、第一演出が発生したときよりも、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が高くなるように設定することを否定するわけではない。
これとは異なる例として、第二演出から第一演出に連続的に推移するような一連の演出が発生するようにすることが考えられる。つまり、三次元画像30単独で表示された状態から、二次元画像31によって三次元画像30が強調された状態に推移するような演出が発生するようにする。このような一連の演出により、二次元画像31により三次元画像30が強調される作用がより明確となる。つまり、遊技者は、三次元画像30のみが表示された状態から三次元画像30が強調された状態への変化を視認することになるから、二次元画像31による作用をよりはっきりと感じることができる。
c)三次元画像30と二次元画像31の境界線は直線ではない構成とする。例えば、三次元画像30と二次元画像31の境界部分において、一方の画像が、他方側に向かって突出する部分を有し、当該突出する部分が交互に入り込んだような形状を呈する。具体的には、略方形状である表示領域11の外縁に平行な仮想線(表示領域11が方形であるとすれば、当該仮想線も方形となる)を想定すると、当該仮想線に沿ってみると三次元画像30と二次元画像31が交互に存在するような形状とする(図7参照)。
三次元画像30と二次元画像31の境界が直線状であると両画像の境界が明瞭になってしまう。そうすると、三次元画像30と二次元画像31が別個独立の画像として見えてしまい、二次元画像31によって三次元画像30を三次元的にみせる作用が弱まってしまう可能性がある。これに対し、本例のように両画像の境界部分において両画像が互いに入り込んだような形状を呈するものとすれば、両画像の境界が暈けるため、三次元画像30と二次元画像31の一体感が増し、二次元画像31によって三次元画像30を三次元的にみせる作用が高まる。なお、三次元画像30と二次元画像31の境界部分の全域に亘ってではなく、一部の境界部分において両画像が互いに入り込んだような形状を呈するものとしてもよい。
2−3)背景変化演出
当否判定結果を示す識別図柄80の背景として表示される背景画像が変化するか否かを示す演出である。本実施形態では、全ての識別図柄80群が変動している最中に背景画像が表示されることがある(図2等参照)。背景画像は、基本的には、識別図柄80の後方に存在するかのように表示される画像であるため、識別図柄80が表示されている部分については、当該図柄に覆われて視認できないように表示される。なお、背景画像は動画であってもよいし、静止画であってもよい。
背景変化演出の対象となる背景画像を先の背景画像41、後の背景画像42とする。すなわち、背景変化演出が、先の背景画像41から、後の背景画像42に変化するか否かを示す演出であるとする。先の背景画像41から後の背景画像42への切り替わりが実現される場合を成功結末と、切り替わりが実現しない場合を失敗結末と称することもある。各背景画像の態様はどのようなものであってもよいから説明を省略する。
背景変化演出において、先の背景画像41は複数の部分に区分けされる。なお、先の背景画像41の全体が表示されているときに、各部分を区分けする線等が表示されているわけではない(説明のため、図面には当該線を点線で記載する)。つまり、先の背景画像41の全体が表示されているときに、遊技者が各部分を区別することができるわけではない。本実施形態では、表示領域11の左側に表示される部分(以下、先の左側部分41Lと称することもある)、中央側に表示される部分(以下、先の中側部分41Cと称することもある)、右側に表示される部分(以下、先の右側部分41Rと称することもある)に区分けされる(図8、図9参照)。
また、後の背景画像42も同様に複数の部分に区分けされる。なお、後の背景画像42の全体が表示されているとき(成功結末となった後)に、各部分を区分けする線等が表示されているわけではない。つまり、後の背景画像42の全体が表示されているときに、遊技者が各部分を区別することができるわけではない。本実施形態では、表示領域11の左側に表示される部分(以下、後の左側部分42Lと称することもある)、中央側に表示される部分(以下、後の中側部分42Cと称することもある)、右側に表示される部分(以下、後の右側部分42Rと称することもある)に区分けされる。後の左側部分42Lは先の左側部分41Lに、後の中側部分42Cは先の中側部分41Cに、後の右側部分42Rは先の右側部分41Rに対応する。後の左側部分42Lと先の左側部分41L、後の中側部分42Cと先の中側部分41C、後の右側部分42Rと先の右側部分41Rの大きさおよび表示される領域(表示領域11全体に対する表示される箇所)は同じである(図8、図9参照)。
背景変化演出では、先の背景画像41の一部である上記各部分(先の左側部分41L、先の中側部分41C、先の右側部分41R)が、対応する後の背景画像42の一部である上記各部分(後の左側部分42L、後の中側部分42C、後の右側部分42R)に変化するか否かが順に示されていく。具体的には、先の左側部分41Lが後の左側部分42Lに変化するか否かが示される。当該変化が発生した場合(図8(b)参照)には、続いて先の右側部分41Rが後の右側部分42Rに変化するか否かが示される。当該変化が発生した場合(図8(c)参照)には、続いて先の中側部分41Cが後の中側部分42Cに変化するか否かが示される。最終的に先の中側部分41Cが後の中側部分42Cに変化した場合(図8(d)参照)が、先の背景画像41から後の背景画像42への変化が実現する成功結末ということになる。換言すれば、背景変化演出は複数段階(本実施形態では三段階)からなり、全ての段階の結末が先の背景画像41の一部がそれに対応する後の背景画像42の一部に変化するという結末(以下、進行結末と称することもある)となった場合に、最終的な結末が成功結末となるというものである。
一方、途中で先の背景画像41の一部から、それに対応する後の背景画像42の一部への変化が発生しない場合(図9にその一例を示す)が、先の背景画像41から後の背景画像42への変化が実現しない失敗結末ということになる。失敗結末となった場合(図9(d)参照)には、先の背景画像41が表示された状態に戻る(図9(e)参照)。
なお、上記の通り、本実施形態では、左→右→中の順で変化が発生するか否かが示されるものであるが、当該順は適宜変更可能である。
本実施形態では、背景変化演出が成功結末となることが、遊技者に有利な事象として設定されている。遊技者に有利な事象としては、背景変化演出が発生することが、対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことの示唆として設定されたものを例示することができる。ただし、背景変化演出が成功結末となることによる背景変化が、単なる演出上の変化として設定されていてもよい。
このように、本実施形態における背景変化演出では、先の背景画像41から後の背景画像42に変化するか否かが一度に示されるというものではなく、先の背景画像41の一部(先の左側部分41L、先の中側部分41C、先の右側部分41R)が後の背景画像42の一部(後の左側部分42L、後の中側部分42C、後の右側部分42R)に変化するか否かというものを順に(段階的に)示し、先の背景画像41の一部の全てが後の背景画像42の一部に変化したときに、先の背景画像41から後の背景画像42への変化が実際に発生するというものである。したがって、背景画像の変化が発生するか否かを示す演出の趣向性を向上させることが可能である。
上記背景変化演出に関する構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、改良、具体化等してもよい。なお、以下の各例で示す事項(技術)を複数組み合わせて適用した構成としてよい。
a)上述した例における背景変化演出は、先の背景画像41の一部(先の左側部分41L、先の中側部分41C、先の右側部分41R)が後の背景画像42の一部(後の左側部分42L、後の中側部分42C、後の右側部分42R)に変化するか否かを順に(段階的に)示すものであり、先の背景画像41の一部がそれに対応する後の背景画像42の一部に完全に変化することが進行結末として設定されていることを説明したが、当該進行結末時の表示態様はこれに限られるものではない。
例えば、図10に示すように、進行結末となる場合には、先の背景画像41の一部が半透明となったかのように変化(図面では、半透明となった先の背景画像41の一部を点線で示す)し、当該先の背景画像41の一部を透過して、それに対応する後の背景画像42の一部が視認されるように表示されるものとする。つまり、先の背景画像41の一部が半透明となることで、それに対応する後の背景画像42の一部の態様が把握されるようになるものとする。最終的に成功結末となる場合には、先の背景画像41を透過して、後の背景画像42の全体が視認されるような表示態様となる。このように、進行結末となる場合に、先の背景画像41の一部が完全に消去される構成としなくてもよい。先の背景画像41の一部に換わって、後の背景画像42の一部が表示されたかのような印象を受ける表示態様であればよい。つまり、本例のように、先の背景画像41が半透明となったかのように変化することで、後の背景画像42の一部が視認できるような表示態様とするものも、先の背景画像41の一部が後の背景画像42の一部に「置き換わった」ものとする。
b)識別図柄80群の変動が停止または擬似停止する度に、先の背景画像41の一部が後の背景画像42の一部に変化する(置き換わる)か否かが示されるものとする。つまり、背景変化演出の各段階の結末(進行結末となるか否か)と、識別図柄80の変動の停止または擬似停止がリンクするものとする。
上述した通り、識別図柄80(識別図柄80群)は、対象の当否判定結果を報知する演出の開始とともに変動を開始し、当該対象の当否判定結果を示す組み合わせで停止する。対象の当否判定結果を踏まえ、各識別図柄80群から一つの識別図柄80が選択されて停止することになる。なお、「擬似停止」とは、遊技者には識別図柄80群(識別図柄80)の変動が停止したかのようにみえる状態をいう。例えば、わずかに揺れている状態を「擬似停止」として設定することが考えられる。「擬似停止」は、識別図柄80群から選択された一の識別図柄80が選択されて停止したかのようにみせつつ、将来的に別の種類の識別図柄80に変化する可能性がある場合に用いる。ただし、「停止」も「擬似停止」も、識別図柄80群から一の識別図柄80が選択されるという事象の発生であるということに変わりはない。
上述したように、本実施形態では、三つの識別図柄80群が表示される。以下の説明では、表示領域11における左側に表示される識別図柄80群を左識別図柄80群、中央側に表示される識別図柄80群を中識別図柄80群、右側に表示される識別図柄80群を右識別図柄80群と称する。これら各識別図柄80群から選択されて一の識別図柄80が停止または擬似停止するタイミングと、先の背景画像41の一部が後の背景画像42の一部に変化する(置き換わる)か否かが示されるタイミングがほぼ一致するように制御される(図11参照)。具体的には、左の識別図柄80群から選択されて一の識別図柄80が停止または擬似停止するときに、先の左側部分41Lが後の左側部分42Lに変化する(置き換わる)か否かが示される。当該変化が発生した(進行結末となった)場合(図11(b)参照)には、右の識別図柄80群から選択されて一の識別図柄80が停止または擬似停止するときに、先の右側部分41Rが後の右側部分42Rに変化する(置き換わる)か否かが示される。当該変化が発生した(進行結末となった)場合(図11(c)参照)には、中の識別図柄80群から選択されて一の識別図柄80が停止または擬似停止するときに、中の右側部分が後の中側部分42Cに変化する(置き換わる)か否かが示される。当該変化が発生した場合(図11(d)参照)には成功結末となる。一方、上記変化のいずれかが発生しなかった場合には失敗結末となる。このように、先の左側部分41L・後の左側部分42Lが表示される領域は左の識別図柄80(識別図柄80群)が表示される領域であり、先の右側部分41R・後の右側部分42Rが表示される領域は右の識別図柄80(識別図柄80群)が表示される領域であり、先の中側部分41C・後の中側部分42Cが表示される領域は中の識別図柄80(識別図柄80群)が表示される領域となっており、左・右・中の識別図柄80(識別図柄80群)と、背景画像の変化が発生するかどうかが示される左・右・中の領域が対応づけられている。
このような構成とすることで、先の背景画像41の一部が後の背景画像42の一部に変化する(置き換わる)か否かが示されるタイミングが分かりやすくなる。
c)上記b)で説明した例をさらに発展させた例である。先の背景画像41の一部が後の背景画像42の一部に変化する(置き換わる)進行結末となる場合、識別図柄80群から選択されて一の識別図柄80が停止または擬似停止するとき、当該停止または擬似停止した識別図柄80を透過するように後の背景画像42の一部(識別図柄80に重なる部分)が表示されるようにする。具体的には、図12に示すように、停止または擬似停止した識別図柄80が半透明となったかのように変化(図面においては半透明となった識別図柄80を破線で示す)して、当該識別図柄80を通じて後の背景画像42の一部が視認されるようにする。
このような構成とすることで、擬似停止する識別図柄80に覆われて後の背景画像42の態様が把握できない状況が発生してしまうのを抑制することが可能である。また、当否判定結果を示す識別図柄80を透過してまで後の背景画像42の態様を表示させるものであるから、背景変化が発生するかもしれないということを分かりやすく示すことが可能である。
結末(成功結末または失敗結末)後、半透明となった識別図柄80は元の状態に戻る。つまり、背景画像よりも識別図柄80の方が手前に位置するものであるかのように表示された状態となる。
d)上記b)またはc)で説明した例をさらに発展させた例である。背景変化の発生、すなわち背景変化演出が成功結末となることが、遊技者にとって有利な事象として設定されているとする。そして、背景変化演出が成功結末となる場合には、複数の識別図柄80群のそれぞれから選択されて停止または擬似停止する識別図柄80の組み合わせが遊技者に有利な事象の発生を示す組み合わせ(いわゆる「チャンス目」)となるようにする(図13参照)。当該組み合わせは、一定程度継続的に遊技を行っていればその法則が遊技者に把握できるようにする。例えば、「1・2・3」「2・3・4」・・・といった順目の組み合わせ(図13(e)参照)や、「○・7・〇」といったように、特定の位置に特定の図柄が停止または擬似停止した組み合わせを例示することができる。
また、本例における背景変化演出は、いわゆる連続演出を構成するものとして適用することができる。当該連続演出としては、先読み連続演出や擬似連続演出が例示される。これらの連続演出は公知であるため詳細な説明を省略するが、上記背景変化演出を適用することで以下のような連続演出とすることができる。
先読み連続演出は、ある当否判定結果(以下、対象当否判定結果と称することもある)が大当たりとなる蓋然性が、当該ある当否判定結果よりも前に報知が完了する一または複数の当否判定結果(以下、先の当否判定結果と称することもある)を報知する演出を利用して示唆されるものである。先読み連続演出として、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示すため、先の当否判定結果を報知する識別図柄80の組み合わせ(停止した識別図柄80の組み合わせ)が所定の組み合わせ(上述した「チャンス目」)となるものとする。上述した通り、識別図柄80が所定の組み合わせとなった場合には、背景変化演出が成功結末となるということであるから、識別図柄80の変動が停止した時点を境に背景画像が変化することになる。つまり、先読み連続演出として対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことが、識別図柄80が所定の組み合わせで停止するということだけでなく、背景変化の発生により示唆されるという演出形態となる。
擬似連続演出は、ある当否判定結果(以下、対象当否判定結果と称することもある)を報知するための識別図柄80が、変動状態から一旦所定の組み合わせで擬似停止して再び変動を開始する単位演出を一または複数回繰り返す演出である。一般的には、当該単位演出の発生回数が多くなるほど、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定される。このように、擬似連続演出(単位演出)の発生を示すため、変動する識別図柄80は所定の組み合わせ(上述した「チャンス目」)で擬似停止するところ、上述した通り識別図柄80が所定の組み合わせとなった場合には、背景変化演出が成功結末となるということであるから、識別図柄80が擬似停止した時点を境に背景画像が変化することになる。つまり、擬似連続演出として対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことが、識別図柄80が所定の組み合わせで擬似停止するということだけでなく、背景変化の発生により示唆されるという演出形態となる。
2−4)導入演出
本実施形態にかかる遊技機1には、遊技者が操作可能な操作手段50が設けられている(図1参照)。当該操作手段50はどのようなものであってもよい。本実施形態における操作手段50は、いわゆる押しボタンであり、かかる操作手段50を用いた操作演出が発生する。操作演出は、遊技者に対して操作手段50の操作を促すものである。遊技者に対して促される操作態様はどのようなものであってもよい。操作手段50を一回のみ操作することを促す単操作態様、操作手段50が操作された状態を維持する維持操作態様(操作手段50が押しボタンの場合にはいわゆる「長押し」ということになる)、操作手段50を連続的に操作することを促す連続操作態様(操作手段50が押しボタンである場合にはいわゆる「連打」ということになる)を例示することができる。
操作演出においては、遊技者が操作手段50を操作すべき時機であることを容易に把握することができるようにするため、操作手段50を示す操作画像51が表示領域11に表示される(図14(c)参照)。操作画像51は、操作手段50を表したものであることを遊技者が把握できるような画像であればよい。操作手段50を模したような画像であってもよいし、操作手段50を抽象化して表した画像であってもよい。本実施形態における操作手段50(押しボタン)は、略円形の形状を呈するものであるため、操作画像51も略円形を呈するものとされる。操作演出においては、上記操作画像51の表示に加えて、遊技者に対して求める操作態様を示す表示(例えば、「押せ」といった文字の表示)や、操作手段50の操作が演出に反映される操作有効期間を示す表示(タイマ等の表示)がなされる。
上記操作演出よりも前に実行されるのが導入演出(図14(a)(b)参照)である。なお、操作演出が発生するときに、それよりも前に必ず導入演出が発生するようにしなければならないわけではない。導入演出は、所定の有体物を表した画像(以下、特定画像52と称する)が表示される。本実施形態における特定画像52は、「トロフィー」を表した画像である(図14(a)参照)。当該「トロフィー」は、上部(頂部)に略球状を呈するもの(以下、球状部521と称することもある)を備えるものとされる。「トロフィー」は大まかにみて下から上に向かって次第に大きくなるような逆三角形状を呈する。
かかる導入演出から操作演出に移行する際において、表示領域11に表示される画像は次のように制御される。導入演出実行時には、特定画像52が表示された状態にある(図14(a)参照)。本実施形態では「トロフィー」が球状部521を上側にして(起立した状態で)平面的(二次元的)に表示された状態にある。これにより、遊技者は演出として特定画像52が表示されたという印象を受けることになる。
その後、特定画像52が手前側に倒れたかのような表示がなされる。つまり「トロフィー」が手前側に倒れたかのような表示がなされる(図14(b)参照)。本実施形態では、起立した状態にあった「トロフィー」が、略90度手前側に倒れたかのような表示がなされる。これにより、球状部521が手前側に変位し、「球」が平面的に表示されたような状態となる。そして、当該「球」に所定の模様や文字等が付されたり、余計なものが削除されたりすることで、当該「球」が操作画像51に変化する(図14(c)参照)。つまり、操作画像51が表示される操作演出に移行する。
このように、本実施形態では、導入演出から操作演出に推移する際、特定画像52の一部(本実施形態では球状部521)が操作画像51に変化したかのような表示がなされるため、操作演出の趣向性を向上させることが可能である。
また、本実施形態では、特定画像52が手前側に倒れ、特定画像52の頂部が操作画像51となるかのような表示がなされるものであるため、遊技者にとっては思いもよらない流れで導入演出から操作演出に移行するような演出態様となる。
上記導入演出および操作演出に関する構成はあくまで一例である。例えば以下のように変更、改良、具体化等してもよい。なお、以下の各例で示す事項(技術)を複数組み合わせて適用した構成としてよい。
a)特定画像52の態様はどのようなものであってもよい。つまり、特定画像52が何らかの「有体物」を表したものであると遊技者に捉えられるのであれば、当該特定画像52の具体的態様は適宜変更可能である。
また、特定画像52の一部が操作画像51に変化したかのように推移する際における特定画像52の変化の態様は、上記例のような態様(手前側に倒れる態様)に限られない。移動、回転等、有体物の変位として起こりうるような変化の態様であればよい。
b)同じ種類の操作演出について、導入演出を経て当該操作演出が発生する場合もあれば、導入演出が発生せずに当該操作演出が発生する場合もある構成とする。ここで、同じ種類の操作演出とは、遊技者が同じ種類であると把握できるものをいう。具体的には、少なくとも遊技者に対して操作手段50の操作が要求されるときに表示領域11に表示される画像(操作画像51やタイマの画像以外の画像)が同じであるものは、同じ種類の操作演出であるとする。このようにすれば、操作演出に至るまでの流れが変化に富むものとなるため、遊技の趣向性を向上させることが可能である。
この場合、導入演出を経て操作演出が発生した場合の方が、導入演出が発生せずに操作演出が発生したときよりも、操作演出の結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高くなるものとするとよい。つまり、導入演出により、操作演出発生の前触れが顕著に示された場合の方が、そうでない場合よりも遊技者にとって期待がもてる状況となるようにすることで、遊技の趣向性がさらに向上することになる。
c)導入演出を経て発生する一または複数種の操作演出(以下、形式的に操作演出Aと称する)と、導入演出を経ずに発生する一または複数種の操作演出(以下、形式的に操作演出Bと称する)が設定されたものとし、操作演出Aと操作演出Bにおいて表示される操作画像51の態様が異なるものとする(図15参照)。いずれの操作演出においても、操作画像51は操作手段50を操作すべきタイミングであることを遊技者に示すために表示される画像であり、操作手段50を表したものであることが把握できればよい。つまり、このような態様であれば、操作演出Aにおいて表示される操作画像51の態様と操作演出Bにおいて表示される操作画像51の態様はどのようなものであってもよい。ただし、操作演出Aにおいて表示される操作画像51は、特定画像52の一部が変化したものであるかのように表示されるものであるため、特定画像52の態様に応じて設定すればよい。
このように、導入演出の有無に応じて操作画像51の態様が異なるようにすることで、操作演出Aにおいて表示される操作画像51については特定画像52の態様に応じた設定とすることができる。例えば、操作演出Bにおいて表示される操作画像51については、操作手段50の態様をそのまま表した一般的な態様とし(図15(b)参照)、操作演出Aにおいて表示される操作画像51については、操作手段50の態様を変形(デフォルメ)した態様とすることができる(図15(a)参照)。つまり、特定画像52から操作画像51に至る変化が違和感のないものとなるように、操作画像51の態様を設定することができる。
また、導入演出が発生したかどうかを見逃してしまった遊技者であっても、操作画像51の態様により、導入演出が発生したかどうかを把握することができるという利点がある。上記b)の例にて説明したような導入演出の有無によって操作演出の結末が遊技者に有利なものとなる蓋然性が示唆されるものとする等、導入演出の有無が遊技者の関心事項となる構成とする場合に特に有効である。
d)導入演出が発生した場合であっても、操作演出が発生するとは限られない設定とする。導入演出において表示される特定画像52の一部が操作画像51に変化した場合には操作演出が発生し(図16(a)(b)(c)参照)、変化しなかった場合には操作演出が発生しない(図16(a)(b)(d)参照)ものとする。上記例に則していえば、導入演出として「トロフィー」を表す特定画像52が手前に倒れるかどうかを示すような演出(いわゆる「煽り(演出)」)が発生し(図16(b)参照)、「トロフィー」が倒れた場合には操作演出が発生する(図16(c)参照)一方、「トロフィー」が倒れなかった場合には操作演出が発生しない(図16(d)参照)設定とする。
この場合、導入演出から操作演出に移行することが、遊技者にとって有利な事象として設定された構成とするとよい。例えば、操作演出に移行しなかった場合には対応する当否判定結果がはずれとなることが確定する一方、操作演出に移行した場合には対応する当否判定結果が大当たりとなる可能性が残存する構成とすることが考えられる。
3)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を除き、上記実施形態にて説明した技術思想は、回動式遊技機等、ぱちんこ遊技機以外の遊技機にも適用可能である。
4)上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1−1
表示領域を有する表示装置と、
前記表示領域に表示されていた基準画像が次第に奥に変位するかのように表示されつつ、当該変位する基準画像の外縁と前記表示領域の外縁との間に奥行を表す奥行画像が次第に広がっていくかのように表示される立体表示演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、基準画像が奥に変位するという三次元的な描写をリアル(写実的)に表現することができ、遊技(演出)の趣向性が向上する。
○手段1−2
前記奥行画像は、
基準画像の上方で当該基準画像から離れるにつれて次第に広がる上側部分と、
基準画像の下方で当該基準画像から離れるにつれて次第に広がる下側部分と、
基準画像の左方で当該基準画像から離れるにつれて次第に広がる左側部分と、
基準画像の右方で当該基準画像から離れるにつれて次第に広がる右側部分と、
を含むことを特徴とする手段1−1に記載の遊技機。
このようにすることで、三次元的な描写作用がさらに高められる。
○手段1−3
前記奥行画像を構成する前記上側部分、前記下側部分、前記左側部分および前記右側部分のそれぞれは、前記基準画像の一部と態様が同じである一または複数の単位画像が並ぶように表示されたものであることを特徴とする手段1−2に記載の遊技機。
このように、奥行画像を構成する単位画像が基準画像の一部から構築されたかのような態様とすることで、三次元的な描写作用がさらに高められる。
○手段1−4
前記立体表示演出は、前記上側部分および前記下側部分を構成する前記単位画像の数が増加することと、前記左側部分および前記右側部分を構成する前記単位画像の数が増加することが交互に発生する態様を含むことを特徴とする手段1−3に記載の遊技機。
このようにすることで、単位画像が増加していく際の変化の態様が面白みのあるものとなる。
○手段1−5
前記立体表示演出は、前記単位画像の数が減少していき、最終的に前記表示領域の全体に基準画像が表示された状態に戻る態様を含むことを特徴とする手段1−3または手段1−4に記載の遊技機。
○手段1−5
前記立体表示演出は、前記上側部分および前記下側部分を構成する前記単位画像の数が減少することと、前記左側部分および前記右側部分を構成する前記単位画像の数が減少することが交互に発生して最終的に前記表示領域の全体に基準画像が表示された状態に戻る態様を含むものであることを特徴とする手段1−5に記載の遊技機。
このようにすることで、表示領域の全体に基準画像が表示された状態に戻す際の変化の態様が面白みのあるものとなる。
○手段2−1
表示領域を有する表示装置と、
前記表示領域の一部に三次元的に視認される三次元画像を表示する際、当該表示領域の他の一部に二次元的に視認される二次元画像を表示する三次元演出を実行する演出実行手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
このようにすることで、三次元画像が三次元的に見えない状況が発生するおそれを低減することが可能である。
○手段2−2
前記三次元演出は、前記三次元画像の周囲を囲むように前記表示領域の外縁に沿う前記二次元画像が表示されるものであることを特徴とする手段2−1に記載の遊技機。
このようにすれば、二次元画像による、三次元画像を三次元的にみせる作用を高めることが可能である。
○手段2−3
前記二次元画像と前記三次元画像の境界部分の少なくとも一部は、互いに交互に入り込んだような形状を呈することを特徴とする手段2−1または手段2−2に記載の遊技機。
このようにすれば、二次元画像と三次元画像の境界が目立たなくなる(二次元画像と三次元画像が別の画像として捉えられるおそれが低減される)から、三次元画像を三次元的にみせる作用を高めることが可能である。
○手段3−1
表示領域を有する表示装置と、
前記表示領域に表示される背景画像が、先の背景画像から後の背景画像に変化するか否かを示す背景変化演出を実行する背景演出実行手段と、
を備え、
前記背景変化演出は、前記先の背景画像の一部が前記後の背景画像の一部に置き換わるか否かを順に示すものであって、当該先の背景画像の一部の全てが当該後の背景画像の一部に置き換わったときに、当該先の背景画像から当該後の背景画像への背景変化が実際に発生するものであることを特徴とする遊技機。
上記遊技機の背景変化演出は、先の背景画像から後の背景画像に変化するか否かが一度に示されるというものではなく、先の背景画像の一部が後の背景画像の一部に置き換わるか否かというものを順に示していくものであるため、背景画像の変化が発生するか否かを示す演出の趣向性を向上させることが可能である。
○手段3−2
前記表示領域に複数種の識別図柄を含む複数の識別図柄群が変動表示され、各識別図柄群から一の識別図柄を選択して停止または擬似停止させる図柄制御手段を備え、
前記背景変化演出は、前記複数の識別図柄群のそれぞれから選択された前記識別図柄が停止または擬似停止する度に、前記先の背景画像の一部が前記後の背景画像の一部に置き換わるか否かを示すものであることを特徴とする手段3−1に記載の遊技機。
このような構成とすることで、先の背景画像の一部が後の背景画像の一部に置き換わるか否かが示されるタイミングが分かりやすくなる。
○手段3−3
前記背景変化演出は、前記先の背景画像の一部が前記後の背景画像の一部に置き換わる場合、前記複数の識別図柄群のそれぞれから選択された前記識別図柄が停止または擬似停止する度に、当該停止または擬似停止した識別図柄を透過するように前記後の背景画像の一部が表示されるものであることを特徴とする手段3−2に記載の遊技機。
このような構成とすることで、擬似停止する識別図柄に覆われて後の背景画像の態様が把握できない状況が発生してしまうのを抑制することが可能である。
○手段3−4
前記先の背景画像から前記後の背景画像への背景変化が実際に発生する場合、前記複数の識別図柄群のそれぞれから選択されて停止または擬似停止する識別図柄の組み合わせは、遊技者にとって有利な事象が発生することを示す組み合わせであることを特徴とする手段3−1から手段3−3のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、背景変化の発生が遊技者にとって有利な事象であるということを、識別図柄の組み合わせにより示唆することが可能となる。
○手段4−1
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段を示す操作画像を表示して、遊技者に対して前記操作手段の操作を促す操作演出を実行する操作演出実行手段と、
前記操作演出よりも前に実行される演出であって、所定の有体物を表す特定画像を表示する導入演出を実行する導入演出実行手段と、
を備え、
前記導入演出から前記操作演出に推移するに際し、前記特定画像の一部が前記操作画像に変化したかのような表示がなされることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、導入演出から操作演出に推移する演出の流れを面白みのあるものとすることが可能である。
○手段4−2
前記導入演出から前記操作演出に推移するに際し、前記特定画像が手前側に倒れたれ、当該特定画像の頂部が前記操作画像となるかのような表示がなされることを特徴とする手段4−1に記載の遊技機。
このような構成とすれば、導入演出から操作演出に推移する際の流れを、遊技者が想定することが困難な意外性のあるものとすることが可能である。