添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
図1は、本実施形態に係るメッセージ配信システムのシステム構成例を示す図である。本実施形態に係るメッセージ配信システムは、管理サーバ10と、株式取引に関するユーザの行動を記録する記録サーバ20と、株式等の実際の取引を行う取引サーバ30と、SNS(Social Networking Service)等を提供する外部サーバ40と、株式の発行会社(以下「発行会社」と言う。)が利用する端末である発行会社端末50と、株式取引を行うユーザ(以下「ユーザ」と言う。)が利用する端末であるユーザ端末60とを有する。図1には、外部サーバ40、発行会社端末50及びユーザ端末60がそれぞれ1つずつ図示されているが、それぞれ複数であってもよい。本実施形態において、ユーザは、既に株式取引を行っているユーザのみならず、今後株式取引を行うことを予定しているユーザを含む。
管理サーバ10は、株式取引を行うユーザに関する各種の情報を、記録サーバ20、取引サーバ30及び外部サーバ40から収集し、収集した情報から判定したユーザの属性を管理する機能を有する。管理サーバ10が管理するユーザの属性には、ユーザの性別、年代、居住地といった属性に加えて、発行会社に対するユーザの愛好度を示す属性が含まれる。発行会社に対するユーザの愛好度とは、例えば、“発行会社そのものが好きである”、“投資対象として発行会社に魅力を感じている”といった愛好度を意図している。以下の説明において、“発行会社に対するユーザの愛好度を示す属性”のことを「ファン度」と言う。
また、管理サーバ10は、発行会社から予め登録されたメッセージを、メッセージ登録の際に発行会社から指定された属性を有するユーザに送信する機能を有する。メッセージには、例えば、新製品の案内広告や所定のアンケートが含まれる。また、管理サーバ10は、メッセージがアンケートである場合、送信したアンケートの回答をユーザから収集する機能、及び、収集したアンケートの回答結果について発行会社端末50からの参照を可能とする機能を有する。また、管理サーバ10は、発行会社端末50から、ユーザに対して配布可能なクーポン(例えば、発行会社の製品を安く購入できるクーポン等)の登録及びクーポン配布条件(例えばアンケートに回答したユーザに配布する等)の登録を受け付け、配布条件を満たすユーザに配布する機能を有する。
記録サーバ20は、株式取引に関するユーザの行動を記録する機能を有する。本実施形態において、記録サーバ20で記録される一連のユーザの行動を「投資日記」と呼ぶ。記録サーバ20は、ユーザとの間で自然文での対話を行う対話エンジンを備えており、ユーザ端末60が備える画面にてユーザから入力されたメッセージを解釈することでユーザの意図を理解し、ユーザの意図に応じた処理(例えば、株式の売買等)を行うことが可能である。また、記録サーバ20は、ユーザの意図に応じて行った処理を、株式取引に関するユーザの行動として記録しておき、記録したユーザの行動の内容を時系列でユーザ端末60に表示させる機能を有する。すなわち、ユーザは、記録サーバ20が提供する機能を利用することで、株式取引に関する一連の行動を、日記をつける感覚で記録していくことができる。
また、記録サーバ20は、ユーザから入力されたメッセージを解釈することで株式取引を通してユーザが抱く感情を認識し、認識したユーザの感情を、株式取引に関するユーザの行動と併せて記録する機能を有する。また、記録サーバ20は、ユーザが気になる銘柄として登録を指示した株式銘柄又はユーザが購入した株式銘柄に関するニュース等をユーザに通知する機能等を有する。なお、ユーザが気になる株式銘柄について株式取引サイト上で登録を指示することを、「お気に入り登録」と言う。なお、記録サーバ20はあくまで株式取引に関するユーザの行動を記録するのみであり、実際にお気に入り登録を行う処理や実際に株式取引を行う処理は取引サーバ30側で行われる。
取引サーバ30は、株式等の実際の取引を行うサーバであり、具体的には、証券口座の管理、お気に入り登録銘柄の管理、及び、実際の株式の売買等を行うサーバである。
外部サーバ40は、各種のSNSを提供するサーバ、株式銘柄に関するインターネット上の掲示板を提供するサーバ等である。外部サーバ40が提供するSNSには、例えば、ユーザ端末60にインストールされたSNSアプリケーション(以下「SNSアプリ」と言う。)からアクセスすることが可能である。また、外部サーバ40が提供する掲示板には、例えば、ユーザ端末60が備えるWebブラウザからアクセスすることが可能である。
発行会社端末50は、発行会社の従業員等が利用する端末であり、ユーザに送信したいアンケートを管理サーバ10に送信する機能、及び、管理サーバ10にアクセスすることでアンケート結果を参照する機能を有する。発行会社端末50は、主に、パーソナルコンピュータ(PC)又はノートPCを想定しているが、これに限定されず、スマートフォン、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器、PHSなど、通信機能を備えたあらゆる端末を用いることができる。
ユーザ端末60は、株式取引を行うユーザが利用する端末であり、管理サーバ10から送信されたアンケートを表示する機能、ユーザからアンケートの回答の入力を受け付ける機能等を有する。ユーザ端末60は、主に、スマートフォン又はタブレット端末を想定しているが、これに限定されず、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器、PHSなど、通信機能を備えたあらゆる端末を用いることができる。
<機能構成>
(管理サーバ)
図2は、本実施形態に係る管理サーバ10の機能構成の一例を示す図である。本実施形態に係る管理サーバ10は、情報収集部101と、判定部102と、登録処理部103と、メッセージ処理部104と、クーポン発行部105と、集計部106と、参照部107部と、記憶部108とを有する。これらの各機能部は、例えば、管理サーバ10のメモリに記憶されたプログラムが、CPUに実行させる処理により実現することができる。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記録媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば、CD−ROM等の記録媒体であってもよい。記憶部108は、管理サーバ10が備えるメモリ若しくは記憶装置、又は、管理サーバ10にネットワークで接続された記憶装置等を用いて実現することができる。
情報収集部101は、記録サーバ20、取引サーバ30及び外部サーバ40にアクセスすることで、ユーザに関する各種の情報を収集し、収集した情報からユーザの属性を抽出してユーザ属性DBに格納する機能を有する。ユーザ属性DBの具体例については後述する。
判定部102は、情報収集部101で収集された、ユーザに関する各種の情報に基づき、ユーザのファン度を判定し、判定結果をユーザ属性DBに格納する。判定部102がファン度を判定する際、記憶部108に記憶されている判定条件テーブルを用いる。判定部102が行う具体的な判定ロジックについては後述する。
登録処理部103は、発行会社端末50から、発行会社により作成されたメッセージの登録を受け付ける機能を有する。当該メッセージには、メッセージの配布対象であるユーザの属性が対応づけられている。本実施形態では、メッセージの配布対象であるユーザの属性は、ユーザの属性のうち少なくともファン度に対応づけられているものとする。また、登録処理部103は、発行会社端末50から、発行会社により発行されたクーポンの登録を受け付ける機能を有する。当該クーポンには、クーポンの配布条件が指定されている。
メッセージ処理部104は、登録処理部103により登録されたメッセージを、当該メッセージに対応づけられた属性を有するユーザのユーザ端末60に送信する機能を有する。また、メッセージ処理部は、当該メッセージがアンケートである場合、ユーザ端末60からアンケートの回答を収集する機能を有する。
クーポン発行部105は、登録処理部103により登録を受け付けたクーポンを、指定された配布条件を満たすユーザに配布する機能を有する。指定された配布条件とは、例えば、アンケートの回答を行ったユーザにクーポンを配布することを想定しているが、これに限定されるものではなく、どのような配布条件であってもよい。例えば、アンケートの回答を行ったユーザの中で、保有株式数が所定の株式数以上であるユーザにクーポンを配布するといった配布条件であってもよい。
集計部106は、メッセージ処理部104により収集された、複数のユーザからのアンケートの回答内容を集計する機能、及び、クーポン発行部105により配布されたクーポンの配布状況を集計する機能を有する。また、集計部106は、アンケートの回答内容及びクーポンの配布状況の集計結果を記憶部108に格納する。集計部106は、アンケートの回答内容を集計する際、個人を特定可能な情報については削除するようにしてもよい。
参照部107は、発行会社端末50からの照会(アクセス)を受けた場合に、アンケートの回答内容を集計した集計結果を発行会社端末50の画面に表示させる機能を有する。参照部107は、Webサーバ機能を備えており、集計結果を示すWebページを発行会社端末50に送信するようにしてもよい。
記憶部108は、ユーザ属性DB、及び判定条件テーブルを記憶する。ここで、ユーザ属性DBについて具体的に説明する。図3は、ユーザ属性DBの一例を示す図である。ユーザ属性DBは、ユーザに共通の属性が格納されるユーザ属性(共通)DBと、ユーザ毎かつ株式の銘柄毎に共通の属性が格納されるユーザ属性(銘柄毎)DBとを含む。
ユーザ属性(共通)DBの例を図3(a)に示す。「ユーザID」にはユーザを一意に識別する識別子が格納される。ユーザIDは、取引サーバ30で管理される証券口座においてユーザを一意に特定するための識別子(アカウント)であってもよいし、管理サーバ10内で独自に割り当てた識別子であってもよい。「性別」、「年代」及び「居住地」には、それぞれユーザの性別、年代及び居住地が格納される。なお、図3(a)に示すユーザ属性(共通)DBはあくまで一例に過ぎず、一部の項目が省略されていてもよいし更に他の項目が含まれていてもよい。
ユーザ属性(銘柄毎)DBの例を図3(b)に示す。「ユーザID」は図3(a)のユーザIDと同一である。「銘柄」には、ユーザが購入した株式銘柄の銘柄名又は銘柄コードが格納される。「ファン度」には、判定部102によるファン度の判定結果が格納される。「株式保有情報」には、ユーザが保有している株数、現時点での損益額等が格納される。なお、図3(b)に示すユーザ属性(銘柄毎)DBはあくまで一例に過ぎず、一部の項目が省略されていてもよいし更に他の項目が含まれていてもよい。
(記録サーバ)
図4は、本実施形態に係る記録サーバ20の機能構成の一例を示す図である。本実施形態に係る記録サーバ20は、言語処理部201と、出力部202と、情報収集部203と、外部連携部204と、記憶部205とを有する。これらの各機能部は、記録サーバ20のメモリに記憶されたプログラムが、CPUに実行させる処理により実現され得る。また、当該プログラムは、記録媒体に格納することができる。また、記憶部205は、記録サーバ20が備えるメモリ若しくは記憶装置、又は、記録サーバ20にネットワークで接続された記憶装置等を用いて実現され得る。
言語処理部201は、ユーザとの間で自然文での対話を行う対話エンジン2011を含む。対話エンジン2011は、ユーザ端末60を介してユーザから入力されたメッセージを解釈し、ユーザの意図に応じた所定の処理を行う機能、ユーザから入力されたメッセージに対する応答メッセージを生成してユーザ端末60に送信する機能、ユーザに通知すべき情報を含むメッセージを生成してユーザ端末60に送信する機能を有する。また、言語処理部201は、音声を認識して文字列に変換する機能(音声認識機能)、及び、文字列から音声に変化する機能(音声合成機能)を備えていてもよい。
また、言語処理部201は、履歴記録部2012を含む。対話エンジン2011は、ユーザから入力されたメッセージを解釈することで、株式取引についてのユーザの行動内容を認識し、認識した行動内容を履歴記録部2012に通知する。履歴記録部2012は、対話エンジン2011から通知されたユーザの行動内容を、ユーザの行動内容を記録するデータベース(以下、「行動履歴DB」と言う。)に記録する。より具体的には、履歴記録部2012は、対話エンジン2011から通知されたユーザの行動内容及び日時(行動履歴DBに記録する日時)を示す情報を、行動履歴DBに記録する。
株式取引についてのユーザの行動内容とは、ユーザが気になる株式銘柄をお気に入り登録すること、ユーザが株式の売買を指示すること等である。例えば、ユーザから入力されたメッセージに、「銘柄xxxをお気に入り登録しておいて」という文言が含まれている場合、対話エンジン2011は、銘柄xxxを登録するように取引サーバ30に指示すると共に、銘柄xxxをお気に入り登録したことを、ユーザの行動内容として履歴記録部2012に通知する。また、例えば、ユーザから入力されたメッセージに、「銘柄xxxを100株購入して」という文言が含まれている場合、対話エンジン2011は、銘柄xxxについて100株の購入を取引サーバ30に依頼すると共に、銘柄xxxを200株購入したことを、ユーザの行動内容として履歴記録部2012に通知する。
また、対話エンジン2011は、ユーザから入力されたメッセージを解釈することで、株式取引を通じてユーザが抱く感情を認識し、認識したユーザの感情を履歴記録部2012に通知する。履歴記録部2012は、対話エンジン2011から通知されたユーザの感情及び日時(ユーザの感情を行動履歴DBに記録する日時)を行動履歴DBに記録する。
対話エンジン2011は、ユーザの感情として、例えば、“嬉しい”(例えば儲かったと感じた時に抱く感情)、“期待している”(例えば株価上昇を期待している時に抱く感情)、“がっかり”(例えば株価が下落して落ち込んでいる時に抱く感情)及び“我慢”(例えば株価復活又は更なる上昇を期待している時に抱く感情)”の4種類を、株式取引についてのユーザの感情として認識するようにしてもよい。これらの感情はあくまで一例でありこれに限定されるものではない。対話エンジン2011は、更に多くの感情を認識するようにしてもよい。
また、対話エンジン2011は、ユーザから入力されたメッセージを解釈することで、株式取引についてのユーザのコメント(つぶやき)を認識し、認識したユーザのコメントを履歴記録部2012に通知するようにしてもよい。履歴記録部2012は、言語処理部201から通知されたコメントを日時(コメントを行動履歴DBに記録する日時)と共に行動履歴DBに記録する。
また、対話エンジン2011は、ユーザがお気に入り登録した株式銘柄又はユーザが購入した株式銘柄に関する情報を含むメッセージをユーザ端末60に送信する。当該情報とは、例えば、ユーザがお気に入り登録した株式銘柄又はユーザが購入した株式銘柄の株価、IR情報、ニュース、評価損益、配当金、配当利回り、投資スタイルに基づく売買タイミングのアドバイス等である。なお、対話エンジン2011は、株式取引についてのユーザの行動内容を認識した際や、ユーザがお気に入り登録した株式銘柄又はユーザが購入した株式銘柄に関する情報を含むメッセージをユーザ端末60に送信した際に、ユーザに対して感情の入力を促すメッセージ(例えば、「今の気持ちは?」というメッセージ等)をユーザ端末60に送信するようにしてもよい。
また、対話エンジン2011は、ユーザから入力されたメッセージを解釈することで、ユーザが購入した株式銘柄について購入目的及び/又は投資スタイルを認識し、認識した購入目的及び/又は投資スタイルを履歴記録部2012に通知する。履歴記録部2012は、対話エンジン2011から通知された購入目的及び/又は投資スタイルを、各銘柄の購入目的等を記録するデータベース(以下「銘柄DB」と言う。)に記録する。なお、投資スタイルとは、例えば、その株式銘柄を、長期に保持する予定で投資(長期投資)するのか、又は短期で売却する予定で投資するのか(短期投資)を意味する。
また、対話エンジン2011は、ユーザから入力されたメッセージを解釈することで、ユーザに通知すべき情報の内容と当該情報を通知すべきタイミングとしてユーザから指定された条件とを認識し、指定された条件が満たされたタイミングで当該情報をユーザ端末60に送信するようにしてもよい。ユーザに通知すべき情報とは、例えば、ユーザがお気に入り登録した銘柄の株価がユーザから指定された株価になったこと、ユーザが購入した銘柄の評価損益がユーザから指定された評価損益になったこと等である。
出力部202は、行動履歴DBからユーザの行動内容とその行動内容が記録された日時とを取得してユーザ端末60に出力する。出力されたユーザの行動内容は、ユーザ端末60の画面にて時系列順に並べて表示される。また、出力部202は、行動履歴DBからユーザの感情とその感情が記録された日時を取得してユーザ端末60に出力するようにしてもよい。出力されたユーザの行動内容及びユーザの感情は、ユーザ端末60の画面にて時系列順に並べて表示される。また、出力部202は、対話エンジン2011で取得されて銘柄DBに記録された株式銘柄ごとの購入目的を、ユーザが購入した株式銘柄ごとに対応づけてユーザ端末60に出力する。出力された株式銘柄ごとの購入目的は、ユーザ端末60の画面にて一覧表示される。
情報収集部203は、外部のWebサーバ等から、各企業のIR情報、株式市場に関するニュース等を収集して分析する機能を有する。収集及び分析された情報は、例えば、ユーザがお気に入り登録した株式銘柄又は購入済みの株式銘柄に関連する情報として言語処理部201からユーザ端末60に送信される。
外部連携部204は、対話エンジン2011においてユーザから入力されたメッセージからユーザの感情が認識された際に、認識されたユーザの感情に応じた所定のコンテンツを外部のコンテンツサーバ等に要求する機能を有する。また、外部連携部204は、要求した所定のコンテンツを外部のコンテンツサーバ等から取得する機能を有する。取得した所定のコンテンツは、対話エンジン2011からユーザに送信するメッセージに含まれてユーザ端末60に送信される。なお、ユーザの感情に応じた所定のコンテンツとは、ユーザが“がっかり”の感情を抱いている場合、例えば、明るい音楽、元気が出るグルメのグルメ情報など、ユーザを元気にさせるようなコンテンツである。また、ユーザが“我慢”の感情を抱いている場合、例えば、お笑い動画などユーザの気を紛らわせるようなコンテンツである。
記憶部205は、行動履歴DB及び銘柄DBを格納する。行動履歴DB及び銘柄DBは、ユーザごとに個別に格納される。図5(a)に、行動履歴DBの一例を示す。「記録日時」フィールドには、行動履歴DBに情報が記録された日時が格納される。「銘柄」フィールドには、株式銘柄の銘柄名又は銘柄コードが格納される。「行動内容」フィールドには、対話エンジン2011で認識されたユーザの行動内容(例えば、お気に入り登録、株式購入、株式売却等)が格納される。「取引内容」フィールドは、ユーザが株式の購入又は株式の売却を行った場合に、ユーザが行った取引の内容が格納される。「取引内容」フィールドには、例えば、購入株式数若しくは売却株式数、購入価格(取得価格)若しくは売却価格、及び売却損益(株式売却の場合のみ)が格納される。「感情」フィールドには、対話エンジン2011がユーザの感情を認識した場合に、認識したユーザの感情(例えば、嬉しい、期待している、がっかり、我慢等)が格納される。「コメント」フィールドには、対話エンジン2011がユーザのコメントを認識した場合に、認識したユーザのコメントが格納される。
図5(b)に、銘柄DBの一例を示す。「銘柄」フィールドには、ユーザが購入した株式銘柄の銘柄名又は銘柄コードが格納される。「購入目的」フィールドには、対話エンジン2011がユーザから入力されたメッセージを解釈することで認識した、ユーザが購入した株式銘柄の購入目的が格納される。「投資スタイル」フィールドには、対話エンジン2011が認識した、ユーザが購入した株式銘柄の投資スタイルが格納される。
<ファン度の判定ロジック>
続いて、判定部102がユーザのファン度を判定する際の処理について説明する。図6は、判定条件テーブルの一例である。
前述したように、“発行会社に対するユーザの愛好度を示す属性”のことを「ファン度」と言う。以下の説明では、“発行会社そのものが好きである”と想定されるユーザを、その発行会社の「企業ファン」と呼び、“あくまで投資対象として発行会社に魅力を感じている程度である”と想定されるユーザを、その発行会社の「投資ファン」と呼ぶ。
図6は、判定条件テーブルの一例を示す図である。判定条件テーブルには、「ユーザが行う株式に関する情報へのアクセス状況に関するデータ」、「ユーザが行う株式取引に関するデータ」、「ユーザが行う株式の発行会社に対応するソーシャルメディア又は掲示板へのアクセス状況に関するデータ」、「ユーザが行う株主アンケートへの回答状況に関するデータ」、及び、「株式取引についてユーザが行う行動内容が記録されたデータ」についての項目を含む。
「ユーザが行う株式に関する情報へのアクセス状況に関するデータ」は、図6のうち項目A〜Cに該当し、「ユーザが行う株式取引に関するデータ」は項目D〜Mに該当し、「ユーザが行う株式の発行会社に対応するソーシャルメディア又は掲示板へのアクセス状況に関するデータ」は項目Nに該当し、「ユーザが行う株主アンケートへの回答状況に関するデータ」は項目Oに該当し、「株式取引についてユーザが行った行動内容が記録されたデータ」は項目P〜Rに該当する。
「A:お気に入り登録」とは、ある株式について、ユーザがお気に入り登録を行っているか否かを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「B:株価チェック頻度」とは、取引サーバ30において、ある株式について、ユーザがどの程度の頻度で株価チェックを行っているのかを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、記録サーバ20又は取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「C:アラート設定」とは、ある株式について、ユーザが発行会社に関するニュースの配信登録を行っているか、現在株価が指定した株価になった場合にアラートを受信する設定を行っているか、及び/又は、現在株価が前日の株価と比較して指定した比率変化した場合にアラートを受信する設定を行っているかを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、記録サーバ20又は取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「D:信用取引」は、ある株式について、ユーザが信用取引をどの程度の回数行っているかを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「E:短期売買」は、ある株式について、ユーザが短期売買をどの程度の回数行っているかを示す項目である。なお、どの程度の期間を短期売買とみなすのかについては、予め記憶部108に格納された設定ファイル等で規定されていてもよい。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「F:過去保有歴」は、ある株式について、ユーザが過去にその株式を保有していたか否かを示す項目である。具体的には、ユーザがその株式を過去に保有しており、かつ、保持していた株式を全て手放したことが1回以上ある場合、過去保有歴=「あり」として扱われる。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「G:まめ株」は、ある株式について、ユーザがその株式についてのまめ株(ミニ株)を購入している(実施中である)か否かを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「H:グループ企業の株保有」は、ある株式の発行会社についてのグループ企業の株式を、ユーザが保有しているか否かを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「I:現在の保有経路」は、ある株式について、ユーザがどのような経路で株式を保有することになったのかを示す項目である。「買付」は、ユーザが自ら株を購入した場合を示しており、「相続・贈与」や、ユーザが相続又は贈与で株式を取得した場合を示している。「持株」は、ユーザが企業の持株会を介して株式を取得した場合を示している。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「J:過去の保有経路」は、ある株式について、ユーザが過去にその株式を保有していた場合に、その過去に保有していた株式をユーザがどのような経路で保有をすることになったのかを示す項目である。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「K:株保有期間」は、ある株式について、ユーザがどの程度の期間株式を保有しているのかを示す項目である。本項目は、現在保有している株式を保有している期間であってもよいし、通算して保有している期間であってもよい。例えば、ユーザが株式Aを1年間保有した後に全て売却し、再度購入して現在まで2年間保有している場合、そのユーザは、株式Aを2年間保有していると扱うようにしてもよいし、3年間保有していると扱うようにしてもよい。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「L:損益での行動」は、ある株式について損失が発生した場合又は利益が出た場合に、ユーザがどのような行動をとったのかを示す項目である。図6に示す「半年間の間、利益有かつ保有継続」とは、ある株式について利益が出ている状態で半年以上保有を継続していた場合を意味している。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「M:保有量の傾向」は、ある株式について、ユーザが保有している株式数の増減の傾向を示す項目である。「過去5年間残ゼロでない」とは、保有している株式数に増減はあるものの、過去5年間継続して株式を保有し続けていることを意味している。「統計的に増加」とは、ユーザが保有している株式数が増加傾向にあることを意味している。本項目は、情報収集部101が、取引サーバ30に問い合わせることで取得可能である。
「N:SNS・掲示板」は、ある株式について、その株式の発行会社が提供しているSNSサイトやその発行会社の株式に関するインターネット掲示板に対して、ユーザが何かしらのアクションを行ったか否かを示す項目である。ユーザが行うアクションとは、例えば、メッセージの投稿、「いいね」等のボタン押下、ユーザ自身のSNSサイトにシェア、友達登録を行うこと等を含む。本項目は、情報収集部101が、外部サーバ40に問い合わせることで取得可能である。
「O:株主アンケート回答」は、ある株式について、その株式の発行会社から株主に対して提供される株主アンケートにユーザが回答した回数を示す項目である。本項目は、情報収集部101が、記録サーバ20、取引サーバ30又は発行会社の発行会社端末50に問い合わせることで取得可能である。
「P:投資日記への投稿」は、ある株式について、ユーザが、記録サーバ20を利用して投資日記をつけているか否か示す項目である。本項目は、情報収集部101が、記録サーバ20に問い合わせることで取得可能である。
「Q:投資スタイル」は、ある株式について、ユーザが、長期投資を目的として株式を保有しているのか、又は、短期投資を目的として株式を保有しているのかを示す項目である。本項目は、記録サーバ20に格納されている銘柄DBに記録されており、情報収集部101が、記録サーバ20に問い合わせることで取得可能である。
「R:購入目的」は、ある株式について、ユーザがどのような目的でその株式を購入したのかを示す項目である。本項目は、記録サーバ20に格納されている銘柄DBに記録されており、情報収集部101が、記録サーバ20に問い合わせることで取得可能である。
判定部102は、以上説明した「ユーザが行う株式に関する情報へのアクセス状況に関するデータ」、「ユーザが行う株式取引に関するデータ」、「ユーザが行う株式の発行会社に対応するソーシャルメディア又は掲示板へのアクセス状況に関するデータ」、「ユーザが行う株主アンケートへの回答状況に関するデータ」、及び/又は、「株式取引についてユーザが行った行動内容が記録されたデータ」に基づいて、ユーザのファン度を判定する。
より具体的には、判定部102は、判定対象の発行会社の株式に対するA〜Rまでの項目のうち少なくとも1つ以上の項目を用いて、判定対象のユーザが投資ファンであると仮定した場合の合計得点と、企業ファンであると仮定した場合の合計得点とを算出し、合計得点が大きい方を、判定対象のユーザのファン度として判定する。判定部102は、A〜Rのうち一部の項目を用いてファン度の判定を行うようにしてもよいし、A〜Rまでの全ての項目を用いてファン度の判定を行うようにしてもよい。
例えば、判定部102が、項目A及びBを用いて、発行会社Aに対するユーザAのファン度を判定する場合を想定して具体例を説明する。ユーザAは、発行会社Aの株式をお気に入り登録しており、発行会社Aの株式の株価を毎日チェックしていると仮定する。この場合、ユーザAが投資ファンであると仮定した場合の合計得点は6点であり、ユーザAが企業ファンであると仮定した場合の合計得点は0点である。この場合、判定部102は、ユーザAを、発行会社Aの投資ファンであると判定する。
また、他の例として、ユーザAは、発行会社Aの株式をお気に入り登録しているが、発行会社Aの株式の株価を月1回未満しかチェックしていないと仮定する。この場合、ユーザAが投資ファンであると仮定した場合の合計得点は1点であり、ユーザAが企業ファンであると仮定した場合の合計得点は5点である。この場合、判定部102は、ユーザAを、発行会社Aの企業ファンであると判定する。
判定条件テーブルのうち判定部102が判定に用いる項目は、予め記憶部108に格納された設定ファイル等で規定されていてもよい。
<処理手順>
図7は、本実施形態に係るメッセージ配信システムが行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。以下の説明では、メッセージ配信システムが、発行会社から登録されたアンケートをユーザに送信すると共にアンケートの回答内容を集計し、集計したアンケートの回答内容を発行会社から参照可能にする場合を例に説明する。また、発行会社は複数存在する前提とし、ユーザも複数存在する前提とする。
ステップS101〜ステップS103で、管理サーバ10の情報収集部101は、記録サーバ20、取引サーバ30及び外部サーバ40にアクセスすることで、ユーザに関する各種の情報を収集し、収集した情報からユーザの属性を抽出してユーザ属性DBに格納する。なお、記録サーバ20、取引サーバ30及び外部サーバ40間で、ユーザを一意に特定する識別子が異なることが想定される。この場合、情報収集部101は、ユーザの氏名、住所、証券口座のアカウント、SNS又は他社が提供するサービス等のアカウントの紐付情報等を組み合わせることで、ユーザの対応づけ(名寄せ)を行うようにしてもよい。
ステップS104で、管理サーバ10の判定部102は、ステップS101〜ステップS103で情報収集部101が収集した情報に基づき、ユーザ毎かつ発行会社毎にファン度を判定してユーザ属性DBに格納する。
ステップS105で、管理サーバ10の登録処理部103は、複数の発行会社端末50の各々から、アンケートの登録及びクーポンの登録を受け付ける。なお、ステップS105の処理手順は、ステップS101の処理手順より前で行われてもよいし、ステップS101乃至ステップS104の間で行われてもよい。また、発行会社端末50の各々から登録されるアンケート及びクーポンについては、それぞれ、ユーザに配布可能な期間(有効期間)が指定されていてもよい。
発行会社が登録するアンケートはどのようなアンケートであってもよいが、例えば、発行会社に対するファン度が「企業ファン」であるユーザを発行対象としたアンケートとしては、トライアルサービスに対しての感想を尋ねるようなアンケートが考えられる。また、発行会社に対するファン度が「投資ファン」であるユーザを発行対象としたアンケートとしては、IR(Investor Relations)の実施方法に対しての感想を尋ねるようなアンケートが考えられる。
ステップS106で、管理サーバ10のメッセージ処理部104は、ステップS105で登録されたアンケートに対応づけられているユーザの属性に合致するユーザを、ユーザ属性DBを検索することで抽出する。例えば、発行会社Aから、発行会社Aに対するファン度が「企業ファン」であり、かつ、性別が男性であるユーザに対して配布すべきアンケートが登録された場合を想定する。この場合、メッセージ処理部104は、ユーザ属性(共通)DBの「性別」カラムを検索することで男性ユーザのユーザIDを抽出し、ユーザ属性(個別)DBのうち男性ユーザのユーザIDを有するレコードの中から、「銘柄」に発行会社Aの株式を示す銘柄IDが格納されており、かつ「ファン度」に企業ファンが格納されているレコードを抽出することになる。
続いて、メッセージ処理部104は、登録されたアンケートに対応づけられているユーザの属性に合致するユーザのユーザ端末60にアンケートを送信する。また、メッセージ処理部104は、ユーザ端末60から受信したアンケートの回答結果を受け付ける。
なお、ステップS106の処理手順は、ユーザが、発行会社の株式を購入したタイミング又は売却したタイミングで行われてもよいし、これに限定されず、他のタイミングで行われてもよい。アンケートの送信タイミングは、発行会社端末50から指示されるようにしてもよい。また、登録されたアンケートついてユーザに配布可能な期間が指定されている場合、メッセージ処理部104は配布可能な期間を経過したアンケートについては送信しないようにする。
ステップS107で、クーポン発行部105は、ステップS105で登録されたクーポンを、クーポンの配布条件を満たすユーザに配布する。例えば、発行会社Aが登録したクーポンには、アンケート回答者全員に配布するという配布条件が設定されている場合、クーポン発行部105は、ステップS106において発行会社Aのアンケートを送信したユーザ端末60からアンケート回答が返ってきた場合にクーポンを配布する。なお、登録されたクーポンついてユーザに配布可能な期間が指定されている場合、クーポン発行部105は配布可能な期間を経過したクーポンについては送信しないようにする。
ステップS108で、集計部106は、ステップS106の処理手順で収集したアンケートの回答内容を集計する。また、集計部106は、ステップS107の処理手順で配布したクーポンの配布状況を集計する。集計部106は、アンケートの送信、回答の集計及びクーポン配布に関して発行会社に課金すべき金額を集計する処理を行うようにしてもよい。
ステップS109で、参照部107は、発行会社端末50からの照会(アクセス)を受けた場合に、アンケートの回答内容を集計した集計結果及びクーポンの配布状況を発行会社端末50に送信する。なお、参照部107は、ユーザから許諾を受けた場合に限り、個人情報が含まれるアンケート回答内容を発行会社端末50から参照可能とするようにしてもよい。
以上説明した処理手順において、ステップS106及び/又はステップS107の処理手順を、外部サーバ40を介して行われるようにしてもよい。例えば、メッセージ処理部104及びクーポン発行部105は、証券会社等が提供するアプリケーション(スマートフォン向けアプリ)を利用してアンケート及び/又はクーポンを配布するために、当該アプリケーションを提供する取引サーバ30又は外部サーバ40にアンケート及び/又はクーポンを送信するようにしてもよい。ユーザ端末60にインストールされたアプリを介して、アンケート回答の収集及びクーポン配布を行うことが可能になる。
また、現在提供されているSNSの中には、ユーザのSNSアカウントと企業システムとの間で1対1でのコミュニケーションを可能にするAPIを提供しているサービスが存在する。そこで、メッセージ処理部104及びクーポン発行部105は、本APIを提供する外部サーバ40を介してアンケート及び/又はクーポンの配布を行うようにしてもよい。ユーザ端末60にインストールされたSNSアプリを用いて、アンケート回答の収集及びクーポン配布を行うことが可能になる。
以上説明したメッセージ管理システムでは、上述の例に限定されず、3種類以上のファン度を定義するようにしてもよい。例えば、「投資ファン」及び「企業ファン」に加えて、“現時点では発行会社を特に好きではないし投資対象としても魅力を感じていない”と想定されるユーザを定義し、その発行会社の「潜在的ファン」と呼ぶようにしてもよい。例えば発行会社は、「潜在的ファン」に対しては、自社の魅力をアピールするような広告をユーザに配信するといった対応を行うことができる。
また、「ファン度」を、投資会社に対するユーザの愛好度が小さい順(又は大きい順)に数値の大小で表現するようにしてもよい。すなわち、判定部102は、ユーザ属性(銘柄毎)DBの「ファン度」に、投資会社に対するユーザの愛好度を示す数値を格納するようにしてもよい。例えば、「潜在的ファン」をファン度=1とし、「投資ファン」をファン度=2とし、「企業ファン」をファン度=3というように表現することが考えられる。
以上、メッセージ配信システムが行う処理手順について説明した。本メッセージ管理システムによれば、株式取引を行うユーザの属性に応じたメッセージをユーザに配信することができ、株式の発行会社が、自社の効率的なマーケティング活動等に生かすことが可能になる。また、本メッセージ管理システムによれば、株式取引を行うユーザの属性に応じたアンケートをユーザに配信することができると共に、アンケートの集計結果を、株式の発行会社に提供することが可能になる。これにより、発行会社は、アンケートの集計結果を容易に把握することができ、効率的にマーケティング活動等を行うことが可能になる。また、本メッセージ管理システムによれば、ユーザの属性として、発行会社に対するユーザの愛好度を示す属性(ファン度)を規定するようにした。これにより、発行会社は、ユーザのファン度に応じたメッセージの配信又はアンケートの配信を行うことができ、効率的なマーケティング活動やIR活動を行うことが可能になる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
なお、本実施形態において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。