JP6908006B2 - プレス成形解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス成形品の離型後に生じるスプリングバックの要因となる部位を特定するプレス成形解析方法に関する。
金属板のプレス成形において、成形対象物であるプレス成形品に要求される形状精度を満足するためには、成形後の金型からプレス成形品を取り出す時に発生するスプリングバック量を低減させることが重要である。スプリングバックとは、成形下死点におけるプレス成形品の残留応力が金型からの離型時に解放されることで発生する弾性回復挙動である。そして、スプリングバックによる弾性回復量(スプリングバック量)を効果的に低減させるためには、プレス成形品の下死点における残留応力の内、どの部位の残留応力がどの程度、スプリングバック挙動に影響しているのかを知ることが重要である。
このような観点から、スプリングバックの発生要因となる部位を特定する方法がこれまでに提案されている。例えば、特許文献1には、離型前の成形対象物におけるある領域の残留応力を消去し、当該領域の残留応力の消去後のスプリングバックに関する量を算出し、当該領域の残留応力を消去する前後で前記スプリングバックに関する量がどのように変化するかを算出することにより、スプリングバックの発生要因となる部位を特定する方法が開示されている。
特許4894294号公報
特許文献1に開示されている方法においては、成形対象物を碁盤の目状に分割し、該分割した部位を前記成形対象物の応力値に基づいて細分化することにより、残留応力を消去する領域を選定するようにしている。しかしながら、このような領域の選定においては成形対象物の全体形状に基づいて人手で碁盤の目状に分割することを前提とする。そのため、成形対象物を細分化した領域毎に応力値を消去してスプリングバック解析を行ってスプリングバックの要因となる部位を特定するためには、人(例えば、解析者)が手動で領域を選定し、該選定した領域における応力の値を変更するので、スプリングバックの要因となる部位を詳細かつ効率的に特定するのに多大な労力と時間を要する場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、プレス成形品の離型後に生じるスプリングバックの要因となる部位を特定するに際し、成形下死点における応力の値を変更する領域を効率的に選定することができるプレス成形解析方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形解析方法は、コンピュータが、複数の要素で構成されるプレス成形品モデルにおける一つ又は複数の領域を応力変更領域として選定し、前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布に対して前記応力変更領域の応力の値を変更し、該変更した応力分布に基づいて前記プレス成形品モデルのスプリングバック量を算出し、該算出したスプリングバック量に基づいてスプリングバックの要因となる部位を特定するものであって、前記応力変更領域は、以下のステップS1〜ステップS15の手順に従って選定することを特徴とするものである。
(S1)前記プレス成形品モデルの全ての要素を母集団とする。
(S3)前記応力変更領域の選定に用いる応力の方向を指定する。
(S5)前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布における前記指定した方向の応力の値に基づいて、前記母集団の中から前記領域の選定の基準となる基準要素を選択する。
(S7)該選択した基準要素に近接する要素のうち、該基準要素との間で所定の条件を満たす要素を領域要素として選出する。
(S9)該選出した領域要素に近接する要素のうち、該領域要素との間に所定の条件を満たし、かつ前記基準要素との間にも所定の条件を満たす要素を領域要素として追加して選出する。
(S11)ステップS9において追加して選出される領域要素がなくなるまで、ステップS9を繰り返し実行する。
(S13)前記選択された基準要素と前記選出された領域要素とからなる領域を応力変更領域として選定する。
(S15)前記基準要素及び前記領域要素を前記母集団から除外したものを新たな母集団とし、該新たな母集団に含まれる要素がなくなるまで、又は、選定される応力変更領域が所定の個数に達するまで、ステップS5からステップS13を繰り返し実行する。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、ステップS7及びステップS9における前記基準要素との間の所定の条件は、前記基準要素との角度、重心間距離、法線方向距離及び応力比の全てがそれぞれについて予め定めた範囲内にあることとし、ステップS9における前記領域要素との間の所定の条件は、該領域要素との角度が予め定めた範囲内にあることとすることを特徴とするものである。
本発明によれば、成形下死点における応力の値を変更する領域を効率的に選定することができ、スプリングバックの要因となる部位の特定を高精度かつ効率的に行うことができる。
本発明の実施の形態に係るプレス成形解析方法において、スプリングバックの要因となる部位を特定するために応力を変更する応力変更領域を選定する処理の流れを示す図である。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、解析対象とするプレス成形品モデルを示す図である(x軸:長手方向、y軸:幅方向、z軸:高さ方向)。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、解析対象とするプレス成形品モデルの離型前の応力分布を示す図である(x軸:長手方向、y軸:幅方向、z軸:高さ方向)。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、応力変更領域の選定の基準とする基準要素に基づいて領域要素を選出する処理の流れを示す図である。 本発明の実施の形態に係るプレス成形解析方法において、基準要素に基づいて選出した領域要素についてさらに追加して領域要素を選出する処理の流れを示す図である。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、スプリングバック(SB)の要因となる部位を特定するための処理の流れを示す図である。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、応力変更領域の選定に用いたプレス成形品モデルの離型前における応力分布を示す図である(x軸:長手方向、y軸:幅方向)。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、ステップS1からステップS15の処理により選定された応力変更領域と、該応力変更領域の応力の値をコンター表示した図である(x軸:長手方向、y軸:幅方向)。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、スプリングバック量の算出法を説明する図である(x軸:長手方向、y軸:幅方向、z軸:高さ方向)。 本実施の形態に係るプレス成形解析方法において、各応力変更領域における応力の値を変更して算出したスプリングバック影響度の結果である(x軸:長手方向、y軸:幅方向)。
本発明の実施の形態に係るプレス成形解析方法は、コンピュータが解析するものであって、図2に一例として示すような、複数の要素で構成されるプレス成形品モデル1における一つ又は複数の領域を応力変更領域として選定し、図3に示すようなプレス成形品モデル1の離型前(成形下死点)の応力分布に対して前記応力変更領域の応力の値を変更し、該変更した応力分布に基づいてプレス成形品モデル1のスプリングバック量を算出し、該算出したスプリングバック量に基づいてスプリングバックの要因となる部位を特定するものであり、前記応力変更領域は、図1に示すようにステップS1〜ステップS15の手順に従って選定するものである。
以下、本実施の形態において対象としたプレス成形品モデル1について説明した後、ステップS1〜ステップS15の各ステップについて説明する。
<プレス成形品モデル>
図2に示すプレス成形品モデル1は、長手方向に沿って湾曲し、天板部3と縦壁部5とフランジ部7とを有する断面ハット形状のプレス成形品を平面要素で要素分割してモデル化したものである。ここで、図2におけるx軸方向、y軸方向及びz軸方向は、それぞれプレス成形品モデル1の長手方向、幅方向及び高さ方向に相当する。
そして、プレス成形品モデル1には、成形下死点となる離型前の形状と応力分布(残留応力)が与えられている。図3は、プレス成形品モデル1の長手方向の応力の値をコンター表示したものを示す。
プレス成形品モデル1の離型前の形状と応力分布は、プレス成形品モデル1の形状にプレス成形するプレス成形解析を事前に実施したり、あるいは、既に実施したプレス成形解析の解析結果を記憶した解析ファイルを読み込むことにより取得することができる。
なお、プレス成形解析には、市販の有限要素法解析ソフトウェアを用いることができる。
<ステップS1>
ステップS1は、プレス成形品モデル1の全ての要素を母集団とするステップである。母集団に含まれる各要素は、要素形状、要素を構成する節点に関する情報、節点座標や、応力やひずみ等に関する情報を有している。なお、各要素が有する応力に関する情報とは、通常、プレス成形解析により要素毎に求められた応力のことをいい、応力の値は、各要素の板厚方向に設定されている積分点に対して算出されている。
<ステップS3>
ステップS3は、応力変更領域の選定に用いる応力の方向を指定するステップである。本実施の形態では、前記応力変更領域の選定に用いる応力の方向としてプレス成形品モデル1の長手方向を指定する。もっとも、ステップS1は、プレス成形品モデル1の全体座標系における各軸方向(例えば、図2中のx軸方向、y軸方向及びz軸方向)や、プレス成形品モデル1を構成する要素の面内方向を選定に用いる応力の方向として指定してもよく、プレス成形品モデル1に生じるスプリングバック量の要因となりうる応力成分に応じて、前記選定に用いる応力の方向を指定すればよい。
<ステップS5>
ステップS5は、プレス成形品モデル1の離型前の応力分布における前記指定した方向の応力の値に基づいて、前記母集団の中から前記領域の選定の基準となる基準要素を選択するステップである。
本実施の形態では、図1に示すように、母集団の中から、ステップS3で指定した方向の応力の絶対値が最大となる要素を選択し(S51)、該選択した要素の応力の絶対値が予め設定した基準値以上であるかどうかを判定し(S53)、該基準値以上の要素を基準要素として選択する(S55)。
なお、基準要素の選択に用いる応力の値は、各要素の積分点の平均値や最大値を用いることができるが、板厚方向の任意の位置における積分点の値を用いてもよい。
<ステップS7>
ステップS7は、ステップS5において選択した基準要素に近接する要素のうち、該基準要素との間で所定の条件を満たす要素を領域要素として選出するステップである。
ステップS7における具体的な処理の一例を図4に示す。
まず、領域要素の候補として、ステップS5で選択した基準要素に近接する要素を抽出する(S71)。ここで、基準要素に近接する要素とは、要素が平面要素の場合、基準要素の辺を共有する要素のことをいい、以下、近接要素と表記する。
そして、抽出した近接要素が基準要素との間で所定の条件を満たすかどうかを判定する(S75〜S81)。
本実施の形態では、基準要素との間の所定の条件は、近接要素と基準要素との角度(S75)、近接要素と基準要素の重心間距離(S77)、近接要素と基準要素の法線方向距離(S79)、及び基準要素における前記指定した方向の応力の値を基準とした近接要素における前記指定した方向の応力の値の比(応力比)(S81)のそれぞれが予め定めた範囲内にあることとする。そして、これらの全てが予め定めた範囲内にある近接要素を領域要素として選出し(S83)、前記所定の条件のいずれか一つでも満たさないものは領域要素として選出しないものとする。
このように、基準要素について抽出した各近接要素についてS75〜S81の判定を行い、全ての近接要素について判定を終えた場合(S73)、当該基準要素についての領域要素の選出を完了する(S85)。
本実施の形態において、基準要素に近接する近接要素のうち領域要素として選出するかどうかの判定に用いた前記所定の条件は、それぞれ以下の理由による。
まず、近接要素と基準要素との角度(S75)は、プレス成形品モデル1において角度変化が大きく形状が変化する部位においては、スプリングバックに対する寄与が異なるとするものである。角度変化が大きく形状が変化する部位とは、プレス成形品モデル1における要素サイズにもよるが、例えば、図2に示す天板部3とパンチ肩R部9や、パンチ肩R部9と縦壁部5、等が挙げられる。
近接要素と基準要素の重心間距離(S77)は、スプリングバックの要因となる部位を詳細に特定するため、基準要素から距離が離れすぎている要素は応力を変更する領域には含めないようにするものである。
近接要素と基準要素の法線方向距離(S79)は、近接要素と基準要素との角度が予め定めた範囲内であっても、法線方向距離が所定の値を越えて形状が変化する部位は段差形状であり、スプリングバックに対する寄与が異なるとするものである。
近接要素の応力の値の比(S81)は、基準要素と同程度の応力の値を有する部位は、スプリングバックに対して同じように寄与するとみなされることによる。なお、近接要素の応力の値については、前述の基準要素の応力の値と同様、各要素における積分点の平均値や最大値、あるいは板厚方向の任意の位置における積分点の値を用いることができる。
なお、上記のS75〜S81での各判定における予め定めた所定の条件の具体的な数値は、プレス成形品モデル1における要素のサイズに応じて適宜設定することができる。
<ステップS9>
ステップS9は、ステップS7において選出した領域要素に近接する要素のうち、該領域要素との間の所定の条件を満たし、かつステップS5で選択した基準要素との間の所定の条件を満たす要素を領域要素として追加して選出するステップである。領域要素に近接する要素とは、基準要素に近接する近接要素と同様、要素が平面要素の場合においては当該領域要素の辺を共通とする辺を有する要素のことをいう。
ステップS9における具体的な処理を図5に示す。
まず、基準要素に近接する近接要素と同様、ステップS7で選出した領域要素に近接する近接要素を抽出する(S91)。このとき、ステップS7において基準要素の近接要素として抽出されて領域要素となった要素は、ステップS91では近接要素として抽出しないものとする。
そして、抽出した各近接要素について、領域要素との間の所定の条件を満たし、かつ前記基準要素との間の所定の条件を満たす要素を領域要素として追加して選出する。
本実施の形態では、領域要素との間の所定の条件としては、近接要素と領域要素との角度が予め定めた範囲内にあることとする(S95)。さらに、基準要素との間の所定の条件としては、近接する要素と基準要素との角度(S97)、近接する要素と基準要素の重心間距離(S99)、近接する要素と基準要素の法線方向距離(S101)、及び基準要素における前記指定した方向の応力の値を基準とした近接する要素における前記指定した方向の応力の値の比(応力比)(S103)のそれぞれが予め定めた範囲内にあることとする。そして、これらの全てが予め定めた範囲内にある近接要素を領域要素として追加して選出し(S105)、前記所定の条件のいずれか一つでも満たさないものは、領域要素として追加して選出しないものとする。
このように、領域要素について抽出した各近接要素についてS95〜S103の判定を行い、全ての近接要素について判定を終えた場合(S93)、当該領域要素について追加して領域要素を選出するのを完了する(S107)。
追加して選出する領域要素に関する上記所定の条件のうち、領域要素との角度については、前述の近接要素と基準要素との角度(S75)と同様、プレス成形品モデル1において角度が変化して形状が変わる部位においては、スプリングバックに対する寄与が異なるとするものである。
これに対して、近接要素と基準要素との角度(S97)については、近接要素と領域要素との角度が小さくても、基準要素から一つ又は複数の領域要素を挟んで連続する基準要素に対する角度が大きくなるように形状が変化する部位において、スプリングバックに対する寄与が異なるとするものである。このような部位として、例えば、図2に示すパンチ肩R部9を挟んで存在する天板部3と縦壁部5とが挙げられる。
ステップS9におけるその他の所定の条件(S99、S101及びS103)については、前述の基準要素と近接要素との間の所定の条件(S77、S79及びS81)と同様の理由である。また、領域要素に近接する近接要素の応力の値については、前述の基準要素に近接する近接要素の場合と同様、各要素の積分点の平均値や最大値を用いることができるが、板厚方向の任意の位置における積分点の値を用いてもよい。
<ステップS11>
ステップS11は、ステップS9において追加して選出された領域要素があるかどうかを判定し、追加して選出される領域要素がなくなるまで、ステップS9を繰り返し実行するステップである。
ステップS9において追加して選出された領域要素がある場合、当該追加して選出された領域要素に近接する近接要素を抽出する(S91)。このとき、基準要素又は領域要素の近接要素として既に抽出されて領域要素となった要素は、追加して選出された領域要素に近接する近接要素として抽出しないものとする。そして、抽出された近接要素が領域要素かどうかを判定し(S95〜S103)、当該判定を満たすものを領域要素としてさらに追加して選出する(S105)。
一方、ステップS9において追加して選出された領域要素がない場合、領域要素を追加して選出する処理を終了する。なお、ステップS11は、追加して選出された領域要素の要素数が所定の個数に達したら、領域要素を追加して選出する処理を終了してもよい。
<ステップS13>
ステップS13は、ステップS7で選択された基準要素とステップS9で選出された領域要素とからなる領域を応力変更領域として選定するステップである。
ここで、応力変更領域として選定する際に、基準要素と領域要素の要素数に制限を設けてもよい。例えば、基準要素と領域要素の要素数が所定の個数以上のものは応力変更領域として選定する。
<ステップS15>
ステップS15は、前記基準要素及び前記領域要素を前記母集団から除外し、所定の個数の応力変更領域を選定するまで、又は、母集団に含まれる要素若しくはステップS5において選択される基準要素がなくなるまで、ステップS5からステップS13の手順を繰り返し実行するステップである。
ステップS15の具体的な処理としては、図1に示すように、選定された応力変更領域が所定の個数に達したか否かを判定し(S151)、所定の個数に達している場合、応力変更領域の選定を終了する。これに対し、応力変更領域が所定の個数に達していない場合、選択された基準要素と選出された領域要素を母集団から除外したものを新たな母集団とする(S153)。そして、新たな母集団に含まれる要素数が0であるかどうかを判定し(S155)、母集団に含まれる要素数が0でなければ新たな母集団についてステップS5からステップS13を繰り返して実行し、そうでなければ応力変更領域の選定を終了する。
次に、本実施の形態に係るプレス成形解析方法により、スプリングバックの要因となる部位を特定する処理の流れを、図2に示すプレス成形品モデル1を解析対象とし、図1に示す手順に従って応力変更領域を選定する場合を例として、図6に基づいて説明する。
まず、解析者またはコンピュータにより、スプリングバックの要因部位の特定に用いる解析結果が記憶された解析ファイル(基本SB解析ファイル)を準備する(S201)。
基本SB解析ファイルには、要素分割されたプレス成形品モデル1の離型前(成形下死点)における形状や応力分布といった情報が記録されており、これらの情報は、例えば、プレス成形品モデル1のプレス成形解析により取得されているものとする。
次に、解析者またはコンピュータが、応力を変更する応力変更領域の選定及び当該応力変更領域において変更する応力の方向を指定する(S203)。本実施の形態では、図2に示すプレス成形品モデル1の長手方向の応力の値を指定する。図7に、プレス成形品モデル1の離型前における長手方向の応力分布を示す。
次に、コンピュータが、指定した方向の応力の値に基づいて、応力変更領域を選定する(S205)。応力変更領域の選定には、前述の図1に示す各処理(S1〜S15)を実行する。
応力変更領域の選定においては、基準要素を選択するステップS5と、領域要素として選出する判定を行うステップS7及びステップS9における所定の条件は、以下に示す例のように設定した。
まず、ステップS5における基準要素の選択に対する所定の条件は、応力の絶対値が200MPa以上とし(S53)、応力の絶対値がこの範囲外の要素は基準要素として選択しないものとする。
次に、基準要素に近接する要素について、該基準要素との所定の条件は、基準要素との角度が15°以内(S75)、基準要素との重心間距離が20mm以内(S77)、基準要素との法線方向距離が1.5mm以内(S79)、応力の絶対値が100MPa以上であって基準要素の応力絶対値に対する比が0.4以上(S81)とする。
さらに、選出された領域要素に近接する要素について、該領域要素との所定の条件は、領域要素との角度が5°以内(S95)とし、基準要素との所定の条件は、上記と同様、基準要素との角度が15°以内(S97)、基準要素との重心間距離が20mm以内(S99)、基準要素との法線方向距離が1.5mm以内(S101)、応力の値が100MPa以上であって基準要素の応力絶対値に対する比が0.4以上(S103)とする。
さらに、領域要素の選出においては、選出された領域要素の最小要素数を10とし、選出された領域要素の数がこれに満たない場合、当該基準要素について選定される応力変更領域はないものとする。
さらに、一つの基準要素に対して選出される領域要素の最大要素数は100とし、選出される領域要素が最大要素数に達した時点で、その基準となる基準要素に対して領域要素の選出を終了する。
また、本実施の形態において、応力変更領域の選定にかかるステップS3で指定する方向は、スプリングバック要因部位の特定にかかるステップS203で指定する方向と同一とする。もっとも、本発明は、ステップS3において指定する方向とステップS203において指定する方向とが同一であることを必須の要件とするものではない。
なお、選定された応力変更領域は、コンピュータが、プレス成形品モデル1にマッピングして表示させてもよい(S207)。図8に、一例として、選定された応力変更領域をプレス成形品モデル1にマッピングして表示した結果を示す。
ステップS205で選定した各応力変更領域について変更した応力の値を入力する応力変更入力ファイルを作成する(S209)。ここでは、応力変更領域の各要素において、ステップS203で指定した方向の応力を消去(応力の値をゼロ)とする。
もっとも、ステップS205は、応力変更領域における要素の応力を消去することに限るものではなく指定した方向の応力の値を定数倍する、定数を加算する、定数乗する、板厚方向の平均値又は中央値に置き替える、などのいずれかであってもよい。また、応力は要素の板厚方向における複数の積分点について与えられているので、各要素のうち所定の積分点について応力を変更してもよい。
次に、コンピュータが、応力変更領域の応力を変更したプレス成形品モデル1についてスプリングバック解析を行い(S211)、スプリングバック解析結果を取得する(S213)。当該スプリングバック解析と解析結果の取得は、応力変更領域の応力を変更したものそれぞれについて実行する。
そして、コンピュータが、スプリングバック解析の解析結果を用いて、各応力変更領域の応力を変更したときのスプリングバック影響度を求める(S215)。
スプリングバック影響度として、例えば、図9に示すように、プレス成形品モデル1の長手方向における一端側を固定したときのスプリングバックによる他端側のねじれ角を求める。この場合、応力変更領域の応力を変更せずにスプリングバック解析を実行したときのねじれ角を基準とし、応力変更領域の応力を変更してスプリングバック解析したときのねじれ角の変化量がスプリングバック影響度を表す指標となる。
その他、スプリングバック影響度を求めるにあたり、プレス成形品モデル1において指定した節点の変位や、指定した範囲における変位の二乗和や絶対値平均を用いることができる。さらに、例えば、4つの節点座標から算出される角度変化により、パンチ肩R部9のスプリングバックによる縦壁部の壁開き、3つ節点座標から曲率変化により、縦壁部5の壁そり等に対するスプリングバック影響度を求めることができる。このように、節点座標(位置情報)からスプリングバック量を計算できるものであれば、スプリングバック影響度は上記のものに限られない。
続いて、コンピュータが、スプリングバック影響度を応力変更領域の要素データとして書き出し(S217)、その書き出した結果をプレス成形品モデル1にコンター表示する(S219)。図10に、応力変更領域と、各応力変更領域のスプリングバック影響度をコンター表示した結果を示す。
以上、本発明に係るプレス成形解析方法においては、プレス成形品モデル1におけるスプリングバックの要因となる部位を特定するに際し、プレス成形品モデル1の形状と応力分布に基づいて応力を変更する領域の選定することができ、スプリングバックの要因となる部位の特定を高精度かつ効率的に行うことができる。
きる。
さらに、本発明に係るプレス成形解析方法によれば、解析者は、人手またはコンピュータを用いて前記基本SB解析ファイルを準備し、応力の方向を指定するだけで、応力変更領域の選定のみならず、該選定した応力変更領域毎にスプリングバック影響度を求め、該求めたスプリングバック影響度をプレス成形品モデルにマッピング表示したりグラフ作成に至るまでの一連の過程をコンピュータが自動でスクリプト処理することができる。これにより、スプリングバックの要因部位の特定のさらなる効率化と省力化を図ることができる。
なお、各応力変更領域において応力を変更したときのスプリングバック影響度(例えば、ねじれ角度の変化量)は、解析結果のポスト処理ソフトウェアを用い、マクロ処理により自動的に算出することができる。これらのスクリプト処理やマクロ処理には、市販の解析ソフトウェアを使用することができる。
また、応力変更領域の選定のために指定する方向は、前述のようにプレス成形品モデルの長手方向といった特定の方向に限定するものではなく、全体座標系における各軸方向や要素における面内方向を任意に指定し、該指定した方向の応力の値に基づいて応力変更領域を選定するものであってもよい。
なお、上記の説明において、プレス成形品モデルは平面要素でモデル化されたものを対象としていたが、本発明は平面要素に限るものではなく、立体要素でモデル化されたプレス成形品モデルを対象としてもよい。
1 プレス成形品モデル
3 天板部
5 縦壁部
7 フランジ部
9 パンチ肩R部

Claims (1)

  1. コンピュータが、複数の要素で構成されるプレス成形品モデルにおける一つ又は複数の領域を応力変更領域として選定し、前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布に対して前記応力変更領域の応力の値を変更し、該変更した応力分布に基づいて前記プレス成形品モデルのスプリングバック量を算出し、該算出したスプリングバック量に基づいてスプリングバックの要因となる部位を特定するプレス成形解析方法であって、
    前記応力変更領域は、以下のステップS1〜ステップS15の手順に従って選定することを特徴とするプレス成形解析方法。
    (S1)前記プレス成形品モデルの全ての要素を母集団とする。
    (S3)前記応力変更領域の選定に用いる応力の方向を指定する。
    (S5)前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布における前記指定した方向の応力の値に基づいて、前記母集団の中から前記領域の選定の基準となる基準要素を選択する。
    (S7)該選択した基準要素に近接する要素のうち、該基準要素との角度、重心間距離、法線方向距離及び応力比の全てがそれぞれについて予め定めた範囲内にあるという条件を満たす要素を領域要素として選出する。
    (S9)該選出した領域要素に近接する要素のうち、該領域要素との角度が予め定めた範囲内にあるという条件を満たし、かつ前記基準要素との角度、重心間距離、法線方向距離及び応力比の全てがそれぞれについて予め定めた範囲内にあるという条件を満たす要素を領域要素として追加して選出する。
    (S11)ステップS9において追加して選出される領域要素がなくなるまで、ステップS9を繰り返し実行する。
    (S13)前記選択された基準要素と前記選出された領域要素とからなる領域を応力変更領域として選定する。
    (S15)前記基準要素及び前記領域要素を前記母集団から除外したものを新たな母集団とし、該新たな母集団に含まれる要素がなくなるまで、又は、選定される応力変更領域が所定の個数に達するまで、ステップS5からステップS13を繰り返し実行する。
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