JP6908006B2 - プレス成形解析方法 - Google Patents
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Description
(S1)前記プレス成形品モデルの全ての要素を母集団とする。
(S3)前記応力変更領域の選定に用いる応力の方向を指定する。
(S5)前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布における前記指定した方向の応力の値に基づいて、前記母集団の中から前記領域の選定の基準となる基準要素を選択する。
(S7)該選択した基準要素に近接する要素のうち、該基準要素との間で所定の条件を満たす要素を領域要素として選出する。
(S9)該選出した領域要素に近接する要素のうち、該領域要素との間に所定の条件を満たし、かつ前記基準要素との間にも所定の条件を満たす要素を領域要素として追加して選出する。
(S11)ステップS9において追加して選出される領域要素がなくなるまで、ステップS9を繰り返し実行する。
(S13)前記選択された基準要素と前記選出された領域要素とからなる領域を応力変更領域として選定する。
(S15)前記基準要素及び前記領域要素を前記母集団から除外したものを新たな母集団とし、該新たな母集団に含まれる要素がなくなるまで、又は、選定される応力変更領域が所定の個数に達するまで、ステップS5からステップS13を繰り返し実行する。
図2に示すプレス成形品モデル1は、長手方向に沿って湾曲し、天板部3と縦壁部5とフランジ部7とを有する断面ハット形状のプレス成形品を平面要素で要素分割してモデル化したものである。ここで、図2におけるx軸方向、y軸方向及びz軸方向は、それぞれプレス成形品モデル1の長手方向、幅方向及び高さ方向に相当する。
そして、プレス成形品モデル1には、成形下死点となる離型前の形状と応力分布(残留応力)が与えられている。図3は、プレス成形品モデル1の長手方向の応力の値をコンター表示したものを示す。
なお、プレス成形解析には、市販の有限要素法解析ソフトウェアを用いることができる。
ステップS1は、プレス成形品モデル1の全ての要素を母集団とするステップである。母集団に含まれる各要素は、要素形状、要素を構成する節点に関する情報、節点座標や、応力やひずみ等に関する情報を有している。なお、各要素が有する応力に関する情報とは、通常、プレス成形解析により要素毎に求められた応力のことをいい、応力の値は、各要素の板厚方向に設定されている積分点に対して算出されている。
ステップS3は、応力変更領域の選定に用いる応力の方向を指定するステップである。本実施の形態では、前記応力変更領域の選定に用いる応力の方向としてプレス成形品モデル1の長手方向を指定する。もっとも、ステップS1は、プレス成形品モデル1の全体座標系における各軸方向(例えば、図2中のx軸方向、y軸方向及びz軸方向)や、プレス成形品モデル1を構成する要素の面内方向を選定に用いる応力の方向として指定してもよく、プレス成形品モデル1に生じるスプリングバック量の要因となりうる応力成分に応じて、前記選定に用いる応力の方向を指定すればよい。
ステップS5は、プレス成形品モデル1の離型前の応力分布における前記指定した方向の応力の値に基づいて、前記母集団の中から前記領域の選定の基準となる基準要素を選択するステップである。
なお、基準要素の選択に用いる応力の値は、各要素の積分点の平均値や最大値を用いることができるが、板厚方向の任意の位置における積分点の値を用いてもよい。
ステップS7は、ステップS5において選択した基準要素に近接する要素のうち、該基準要素との間で所定の条件を満たす要素を領域要素として選出するステップである。
まず、領域要素の候補として、ステップS5で選択した基準要素に近接する要素を抽出する(S71)。ここで、基準要素に近接する要素とは、要素が平面要素の場合、基準要素の辺を共有する要素のことをいい、以下、近接要素と表記する。
そして、抽出した近接要素が基準要素との間で所定の条件を満たすかどうかを判定する(S75〜S81)。
ステップS9は、ステップS7において選出した領域要素に近接する要素のうち、該領域要素との間の所定の条件を満たし、かつステップS5で選択した基準要素との間の所定の条件を満たす要素を領域要素として追加して選出するステップである。領域要素に近接する要素とは、基準要素に近接する近接要素と同様、要素が平面要素の場合においては当該領域要素の辺を共通とする辺を有する要素のことをいう。
まず、基準要素に近接する近接要素と同様、ステップS7で選出した領域要素に近接する近接要素を抽出する(S91)。このとき、ステップS7において基準要素の近接要素として抽出されて領域要素となった要素は、ステップS91では近接要素として抽出しないものとする。
ステップS11は、ステップS9において追加して選出された領域要素があるかどうかを判定し、追加して選出される領域要素がなくなるまで、ステップS9を繰り返し実行するステップである。
ステップS13は、ステップS7で選択された基準要素とステップS9で選出された領域要素とからなる領域を応力変更領域として選定するステップである。
ここで、応力変更領域として選定する際に、基準要素と領域要素の要素数に制限を設けてもよい。例えば、基準要素と領域要素の要素数が所定の個数以上のものは応力変更領域として選定する。
ステップS15は、前記基準要素及び前記領域要素を前記母集団から除外し、所定の個数の応力変更領域を選定するまで、又は、母集団に含まれる要素若しくはステップS5において選択される基準要素がなくなるまで、ステップS5からステップS13の手順を繰り返し実行するステップである。
基本SB解析ファイルには、要素分割されたプレス成形品モデル1の離型前(成形下死点)における形状や応力分布といった情報が記録されており、これらの情報は、例えば、プレス成形品モデル1のプレス成形解析により取得されているものとする。
応力変更領域の選定においては、基準要素を選択するステップS5と、領域要素として選出する判定を行うステップS7及びステップS9における所定の条件は、以下に示す例のように設定した。
さらに、一つの基準要素に対して選出される領域要素の最大要素数は100とし、選出される領域要素が最大要素数に達した時点で、その基準となる基準要素に対して領域要素の選出を終了する。
スプリングバック影響度として、例えば、図9に示すように、プレス成形品モデル1の長手方向における一端側を固定したときのスプリングバックによる他端側のねじれ角を求める。この場合、応力変更領域の応力を変更せずにスプリングバック解析を実行したときのねじれ角を基準とし、応力変更領域の応力を変更してスプリングバック解析したときのねじれ角の変化量がスプリングバック影響度を表す指標となる。
きる。
3 天板部
5 縦壁部
7 フランジ部
9 パンチ肩R部
Claims (1)
- コンピュータが、複数の要素で構成されるプレス成形品モデルにおける一つ又は複数の領域を応力変更領域として選定し、前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布に対して前記応力変更領域の応力の値を変更し、該変更した応力分布に基づいて前記プレス成形品モデルのスプリングバック量を算出し、該算出したスプリングバック量に基づいてスプリングバックの要因となる部位を特定するプレス成形解析方法であって、
前記応力変更領域は、以下のステップS1〜ステップS15の手順に従って選定することを特徴とするプレス成形解析方法。
(S1)前記プレス成形品モデルの全ての要素を母集団とする。
(S3)前記応力変更領域の選定に用いる応力の方向を指定する。
(S5)前記プレス成形品モデルの離型前の応力分布における前記指定した方向の応力の値に基づいて、前記母集団の中から前記領域の選定の基準となる基準要素を選択する。
(S7)該選択した基準要素に近接する要素のうち、該基準要素との角度、重心間距離、法線方向距離及び応力比の全てがそれぞれについて予め定めた範囲内にあるという条件を満たす要素を領域要素として選出する。
(S9)該選出した領域要素に近接する要素のうち、該領域要素との角度が予め定めた範囲内にあるという条件を満たし、かつ前記基準要素との角度、重心間距離、法線方向距離及び応力比の全てがそれぞれについて予め定めた範囲内にあるという条件を満たす要素を領域要素として追加して選出する。
(S11)ステップS9において追加して選出される領域要素がなくなるまで、ステップS9を繰り返し実行する。
(S13)前記選択された基準要素と前記選出された領域要素とからなる領域を応力変更領域として選定する。
(S15)前記基準要素及び前記領域要素を前記母集団から除外したものを新たな母集団とし、該新たな母集団に含まれる要素がなくなるまで、又は、選定される応力変更領域が所定の個数に達するまで、ステップS5からステップS13を繰り返し実行する。
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