JP6905737B2 - 自律型水中ロボット及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本開示は、自律型水中ロボット及びその制御方法に関するものである。
従来、海洋調査等においては、無人水中航走体又は自律型水中ロボット(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)と称される装置が利用されている。このような装置は、傾斜や突起のある海底面に沿って観測しながら、自動的に海中を航行するために、マルチビームソーナーによって前方の海底面を探知するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−141916号公報
しかしながら、前記従来の装置では、比較的高価なマルチビームソーナーを使用しているので、製造コストが高くなってしまう。また、マルチビームソーナーは取得するデータ量が多いので、処理すべきデータ量が多くなり、十分に高いデータ処理能力を有するコンピュータが必要となるが、このようなコンピュータは大型となるので、一般的に小型な無人水中航走体や自律型水中ロボットに搭載することが困難である。また、海底からの高度が低い場合、音響ビームの入射角が大きくなり反射強度が弱まるため、従来の閾値処理による手法では前方の海底面の探知は困難である。
ここでは、前記従来の問題点を解決して、スキャニングソーナーを使用して生成した反射強度マップからポテンシャルマップを生成し、ポテンシャルマップに基づいて目標経路を決定することができる自律型水中ロボット及びその制御方法を提供することを目的とする。
そのために、自律型水中ロボットにおいては、潜水状態で水中を航行可能な自律型水中ロボットであって、航行方向前方の所定の角度範囲をスキャニングするスキャニングソーナーと、該スキャニングソーナーの計測値に基づいて障害物の存在確率を表す反射強度マップを生成するマップ生成器と、前記反射強度マップからポテンシャルマップを生成し、該ポテンシャルマップに基づいて目標経路を生成する経路生成器とを備える。
他の自律型水中ロボットにおいては、さらに、前記反射強度マップは複数の領域が行列状に配列されたメッシュマップであり、各領域に、前記スキャニングソーナーの計測値である音響ビームの反射波の強度が、障害物の存在確率を表す値として反映される。
更に他の自律型水中ロボットにおいては、さらに、前記経路生成器は、接近又は接触を避けるべき領域のポテンシャルが高く、接近又は接触をすべき領域のポテンシャルが低くなるように設定されたゴールポテンシャルを、前記反射強度マップに加えて前記ポテンシャルマップを生成し、該ポテンシャルマップに基づき、ポテンシャル法によって前記目標経路を生成する。
更に他の自律型水中ロボットにおいては、さらに、前記自律型水中ロボットの航行速度を検出する速度センサと、前記自律型水中ロボットの姿勢を検出する姿勢センサと、前記自律型水中ロボットの深度を検出する深度センサとを更に備え、前記マップ生成器は、前記スキャニングソーナー、速度センサ、姿勢センサ及び深度センサの計測値に基づいて前記反射強度マップを生成する。
更に他の自律型水中ロボットにおいては、さらに、前記マップ生成器は、前記自律型水中ロボットの移動量に合わせて前記反射強度マップ上の値を移動させて前記反射強度マップを更新する際に、ガウスフィルタをかけて前記計測値の誤差を反映させる。
更に他の自律型水中ロボットにおいては、さらに、前記経路生成器は、前記メッシュマップの各縦列内において、上下に隣接する領域同士の値を比較して、上側の領域の値の方が大きい場合には、下側の領域の値を上側の領域の値に置換する。
自律型水中ロボットの制御方法においては、潜水状態で水中を航行可能な自律型水中ロボットの制御方法であって、航行方向前方の所定の角度範囲をスキャニングするスキャニングソーナーの計測値に基づいて障害物の存在確率を表す反射強度マップを生成し、該反射強度マップからポテンシャルマップを生成し、該ポテンシャルマップに基づいて目標経路を生成する。
本開示によれば、簡素な構成でありながら、確実に障害物を避けることができる目標経路を短時間で容易に生成することができる。
本実施の形態におけるAUVの模式側面図である。 本実施の形態におけるAUVの海中航行動作を示す概念図である。 本実施の形態におけるAUVの制御システムの構成を示すブロック図である。 本実施の形態におけるAUVのスキャニングソーナーによる探知動作を説明する図である。 本実施の形態におけるAUVが反射強度マップを更新する動作を説明する図である。 本実施の形態におけるAUVが反射強度マップにスキャニングソーナーの計測値を反映させる動作を説明する図である。 本実施の形態におけるAUVがポテンシャルマップを生成する動作を説明する図である。 本実施の形態におけるAUVの目標経路を生成する動作を説明する第1の図である。 本実施の形態におけるAUVの目標経路を生成する動作を説明する第2の図である。 本実施の形態におけるAUVの実証機の写真である。 本実施の形態におけるAUVの実証機の仕様表を示す図である。 本実施の形態におけるAUVの推定される航跡及び推定される海底面を示す図である。 本実施の形態におけるAUVの高度のヒストグラムを示す図である。 本実施の形態におけるAUVの実証機が撮影した海底画像を示す写真である。 本実施の形態におけるAUVの実証機が生成した反射強度マップ及び目標経路を示す図である。
以下、本実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施の形態におけるAUVの模式側面図、図2は本実施の形態におけるAUVの海中航行動作を示す概念図、図3は本実施の形態におけるAUVの制御システムの構成を示すブロック図である。
図において、10は本実施の形態におけるAUVであり、海や河川において潜水状態で水中を自律的に航行し、例えば、画像を撮影したり、温度計、化学センサ等によって水の状態を測定したりすることにより、種々の調査や観測を行う装置であるが、いかなる目的に使用されるものであってもよい。ここでは、前記AUV10は、海底面(sea floor)32に沿って海中を航行しながら画像を撮影するものであるとして説明する。
また、前記AUV10は、潜水状態で水中を自律的に航行可能であれば、いかなる構造を有するものであってもよいが、ここでは、比較的高速での航行が可能ないわゆるクルーズ型AUVであって、図1に示されるように、船尾に推進器としてのスラスタ12を備え、船首に音響ソーナーとしてのスキャニングソーナー14を備えるものであるとする。前記スラスタ12は、推進力を発生する装置であれば、いかなる種類の装置であってもよいが、ここでは、電気モータによってスクリュを回転させるものであって、サージ(surge)方向(前後方向)の推進力を発生させる2基のサージスラスタと、ヒーブ(heave)方向(上下方向)の推進力を発生させる2基のヒーブスラスタとを含み、サージスラスタによってサージ及びヨー(yaw)方向の制御を行い、ヒーブスラスタによってロール(roll)及びピッチ(pitch)方向の制御を行うものであるとする。前記スキャニングソーナー14は、鉛直方向(上下方向)にスキャニングを行うものであって、図2に示されるように、音響ビーム31を送信波とし、反射波を感知して、その強度を計測値として出力するものであり、AUV10の前方から下方までの範囲のスキャニングを行うものとする。
本実施の形態において、AUV10は、スキャニングソーナー14の外に、速度センサ15、姿勢センサ16及び深度センサ17を備え、前記スキャニングソーナー14、速度センサ15、姿勢センサ16及び深度センサ17の計測値に基づいて、図2に示されるように、自機前方の垂直平面に複数の領域が行列状に配列されたメッシュマップを定義し、該メッシュマップの各領域に海底面32等の障害物の存在確率を表す危険度ポテンシャルを定義して、反射強度マップ35を生成し、該反射強度マップ35から後述されるポテンシャルマップ34を生成する。そして、AUV10は、前記ポテンシャルマップ34に、移動ロボットの最適経路計画法の1つであるポテンシャル法を適用し、海底面32に衝突しない目標経路33を生成し、該目標経路33に沿って航行するようにピッチ方向の制御を行う。なお、前記反射強度マップ35、ポテンシャルマップ34及び目標経路33は、前記計測値に基づいて、リアルタイムで更新される。また、AUV10は、常に直進し、衝突回避は上に乗り越えるように行うものとする。
さらに、AUV10は、CPU等の演算装置、メモリ等の記憶装置、通信装置等を含むコンピュータシステムとしての制御システムを備える。そして、該制御システムは、図3に示されるように、スキャニングソーナー14、速度センサ15、姿勢センサ16及び深度センサ17が出力した計測値に基づいて反射強度マップ35を生成するマップ生成器21と、該マップ生成器21が生成した反射強度マップ35からポテンシャルマップ34を生成し、該ポテンシャルマップ34に基づいて目標経路33を生成する経路生成器22と、該経路生成器22が生成した目標経路33に基づいてスラスタ12の制御を行うスラスタコントローラ23とを含んでいる。なお、該スラスタコントローラ23は、AUV10の動作の指令、監視等を行う上位制御器25から受信した指令にも従って、スラスタ12の制御を行う。
次に、前記構成のAUV10の動作について詳細に説明する。
図4は本実施の形態におけるAUVのスキャニングソーナーによる探知動作を説明する図、図5は本実施の形態におけるAUVが反射強度マップを更新する動作を説明する図、図6は本実施の形態におけるAUVが反射強度マップにスキャニングソーナーの計測値を反映させる動作を説明する図、図7は本実施の形態におけるAUVがポテンシャルマップを生成する動作を説明する図、図8は本実施の形態におけるAUVの目標経路を生成する動作を説明する第1の図、図9は本実施の形態におけるAUVの目標経路を生成する動作を説明する第2の図である。なお、図5において、(a)は時刻t−1での反射強度マップを示す図、(b)は時刻tでの反射強度マップを示す図である。
図4に示されるように、スキャニングソーナー14は、AUV10のサージ方向を示すX軸に対する角度αの方向に向けて音響ビーム31を発射し、反射波の強さpを反射強度として計測する。AUV10からの距離rは、例えば、1〜100〔m〕の範囲内で1〔m〕刻みに設定し、離散的に多点計測する。障害物があると、その地点からの反射強度が一般に強くなるので、それにより、障害物の探知が可能となる。1回の計測で得られるデータは、α、(r1 、p1 )、(r2 、p2 )・・・(rn 、pn )となる。
速度センサ15は、AUV10のサージ速度u(前進速度)を計測する。
姿勢センサ16は、AUV10のピッチ角φ(前後の傾き:水平ゼロ、機首上げプラス)及びロール角θ(左右の傾き:水平ゼロ、右傾斜プラス)を計測する。
深度センサ17は、AUV10の水深dを計測する。
そして、マップ生成器21は、前記スキャニングソーナー14、速度センサ15、姿勢センサ16及び深度センサ17が出力した計測値に基づいて、危険度ポテンシャルを示すマップである反射強度マップ35を更新する。該反射強度マップ35は、海底面32等の障害物の存在確率を表すメッシュマップであり、メッシュの網目に相当する各領域の反射強度の値の大小は、障害物の存在確率の大小を表す。ここでは、存在確率の大小は色の濃淡で表されるものとし、色の濃い領域ほど障害物の存在確率が高いものとする。そして、マップ生成器21は、スキャニングソーナー14の計測値である音響ビーム31の反射波の強度をそのまま各領域の反射強度の値として、反射強度マップ35を生成する。該反射強度マップ35の更新には2種類あり、反映させるデータがそれぞれ異なる。
まず、マップ生成器21は、図5に示されるように、過去の反射強度マップ35をAUV10の移動量に合わせて更新する。なお、図5(b)は現在時刻tにおける反射強度マップ35を示し、図5(a)は現在時刻tの1つ前の時刻t−1における反射強度マップ35を示している。また、現在時刻tの1つ前の時刻t−1との時間差をdtとする。すると、AUV10の移動量は、水平方向にdx=ut tanθt dtであり、垂直方向にdz=dt −dt-1 となるので、時刻t−1における反射強度マップ35上のすべての値を(−dx、−dz)だけ移動させる。さらに、センサの誤差を反映させるために、ガウスフィルタ(Gaussian Filter)をかける。図5(b)に示されるように、ガウスフィルタをかけることで値がぼやける。ガウスフィルタは値をぼやかすための一般的な処理である(例えば、非特許文献1参照。)。なお、反射強度マップ35において、反射強度の強弱は色の濃淡で表される。
画像情報教育振興協会、「ディジタル画像処理〔改訂新版〕」、2015年発行
続いて、マップ生成器21は、図6に示されるように、スキャニングソーナー14の計測値を反映させる。該スキャニングソーナー14の計測値は、発射された音響ビーム31内のスキャニングソーナー14からのある距離(ri )及び該距離(ri )からの反射波の強さ(反射強度)(pi )の集合、α、(r1 、p1 )、(r2 、p2 )・・・(rn 、pn )として得られる。メッシュマップである反射強度マップ35におけるi番目の計測値の位置は、xi =ri cosα、zi =ri sinαである。この位置における反射強度マップ35の値をスキャニングソーナー14で計測した反射強度pi とすると、M(xi 、zi )=pi と表すことができる。同様の処理をi=1〜nのすべてについて行う。
次に、経路生成器22は、反射強度マップ35からポテンシャルマップ34を生成し、ポテンシャル法によってAUV10のピッチ角指令値を算出する。なお、ポテンシャル法は、移動ロボットの最適経路計画法の1つとして既知の技術である(例えば、非特許文献2参照。)。ポテンシャル法においては、二次元又はそれ以上の領域にポテンシャルを定義し、常にポテンシャルが最小となる方向に進路を取ることでロボットの経路を作成する。そこで、障害物のような接近や接触を避けるべき領域のポテンシャルを増加させ、ゴールや到達目標のような接近や接触をすべき領域のポテンシャルを減少させることで、設計者やオペレータの意図を反映した経路が生成される。
日本機械学会、「ロボティクス」、2011年発行
図7に示されるように、AUV10の前方に障害物の存在を示す反射強度の強い領域である点35aが存在すると、該点35aの下に回り込むような目標経路33が生成されることを防止するために、経路生成器22は、前記点35aを下に伸ばした反射強度マップ35−2を作成する。具体的には、メッシュマップである反射強度マップ35の各縦列内において、上下に隣接する領域同士の値を比較して、上側の領域の値の方が大きい場合には、下側の領域の値を上側の領域の値に置換する。これにより、反射強度マップ35において、前記点35aを含むカラム(縦列)35b内の前記点35aより下に位置するすべての点の反射強度の値を前記点35aの値と等しい値に変更することによって、色の濃い、すなわち、反射強度の強いカラム35bを含む反射強度マップ35−2を作成する。
続いて、経路生成器22は、反射強度マップ35−2にゴールポテンシャル36を加算して、ポテンシャルマップ34を作成する。具体的には、反射強度マップ35−2の各点における反射強度の値を関数Fを介してポテンシャルの値に変換し、これに、ゴールポテンシャル36の各点におけるポテンシャルの値を加算する。一般的なポテンシャル法では、ゴールや到達目標のような地点のポテンシャルを低くすることによって当該地点を目指す経路を生成するようになっているところ、本実施の形態におけるAUV10は、特定の地点を目標とするものでなく、できるだけ海底面32に近付きつつ、すなわち、できるだけ低高度で、海底面32に沿って航行することを目標とするものである。そこで、本実施の形態において、ゴールポテンシャル36は、AUV10を前方斜め下方向(図における右下方向)に進ませるようなポテンシャルを付与するためのもので、図における右下に向かうほど、ポテンシャルが低くなるように設定されている。なお、ゴールポテンシャル36及びポテンシャルマップ34において、ポテンシャルの高低は、色の濃淡で表される。
続いて、経路生成器22は、ポテンシャルマップ34にポテンシャル法を適用し、図2に示されるように、海底面32に衝突しない目標経路33を生成する。該目標経路33を生成する際には、AUV10の最小旋回半径D/2を考慮する。また、前記目標経路33は、急な経路変更を避けるため、図8に示されるように、長さlの線分(One line)を最小単位とし、該線分を複数接続することによって生成される。この場合、最小旋回半径D/2の存在を反映するために、隣り合う線分同士のなす角度ξに制限が設けられる。具体的には、角度ξがξmax =sin-1(l/D)を超えない範囲で、図9に示されるように、当該線分上の各ノードが存在する領域のポテンシャルPの積分値Σが最小となる経路を選択する。
最後に、スラスタコントローラ23は、AUV10が目標経路33に沿って航行するように、スラスタ12の動作を制御する。なお、上位制御器25からの指令を受信した場合には、該指令の内容に従ってスラスタ12の動作を制御する。
次に、実際に作製されたAUV10の実証機について説明する。
図10は本実施の形態におけるAUVの実証機の写真、図11は本実施の形態におけるAUVの実証機の仕様表を示す図、図12は本実施の形態におけるAUVの推定される航跡及び推定される海底面を示す図、図13は本実施の形態におけるAUVの高度のヒストグラムを示す図、図14は本実施の形態におけるAUVの実証機が撮影した海底画像を示す写真、図15は本実施の形態におけるAUVの実証機が生成した反射強度マップ及び目標経路を示す図である。
本発明の発明者は、図10に示されるようなAUV10の実証機を実際に作製した。該実証機は、図11に示されるように、スキャニングソーナー14としてTritech社製の小型モデルMicronを、速度センサ15としてKenek社製のプロペラ式の対水流速度計を、姿勢センサ16としてInvenSense社製の9軸センサMPU−9250を、深度センサ17としてBlueRobotics社製の圧力計を備えている。さらに、前記実証機は、海底面32を観測するために、前方及び後方に向けて1つずつ、画像を撮影するカメラとしてGoPro社製のGoProHERO3及びGoProHERO4を備えている。そして、浅海域での動作試験では、推力35〔%〕で、サージ速度1.3〔m/s〕が記録された。流体抵抗が速度の2乗に比例すると仮定すると、推力100〔%〕でのサージ速度は2.2〔m/s〕と推定される。
本発明の発明者は、前記AUV10の実証機を使用して、三浦半島の油壺湾で海底追従試験を行った。試験海域は水深5〔m〕程度の岩場である。そして、反射強度マップ35を更新するために、スキャニングソーナー14の出力値(0〜255:0〜80〔dB〕に相当)をそのまま使用した。また、岩場に衝突した場合のAUV10へのダメージを防ぐために、サージ速度は0.8〔m/s〕に抑制した。
海底追従試験として行われた4本の潜航を代表する第1の潜航によって、図12に示されるように、各センサの計測値に基づいて推定されたAUV10の航跡(trajectory)と、スキャニングソーナー14の計測値に基づいて推定された海底面32とが得られ、後処理によって、図13に示されるような海底面32からの高度(altitude)のヒストグラムが得られた。なお、図12において、縦軸は約5倍に引き伸ばされている。図12及び13から、AUV10は海底面32の変化に対して高度1.5〜2.5〔m〕で追従していることが分かる。
図14には、AUV10の実証機が備えるカメラによって約75秒間撮影された映像から、PhotoScan(AjiSoft社製)によって生成された海底画像モザイクが示されている。図14から、AUV10は画像観測に適した高度で海底面32に追従していることが分かる。
図15には、潜航開始後60秒経過した時点でAUV10によって生成された反射強度マップ35及び生成された目標経路33が示されている。なお、図15に示される領域は、図12に示される枠A内の領域である。また、図15において、目標経路33は複数の点で示されている。図15から、スキャニングソーナー14によって、AUV10の前方約12〔m〕に存在する岩場が捉えられていることが分かる。スキャニングソーナー14のスキャン周期が約5秒であることを考えると、巡航速度が1.5〔m/s〕のクルーズ型AUVにも対応可能であることが分かる。
このように、本実施の形態において、AUV10は、潜水状態で水中を航行可能な自律型水中ロボットであって、航行方向前方の所定の角度範囲をスキャニングするスキャニングソーナー14と、スキャニングソーナー14の計測値に基づいて障害物の存在確率を表す反射強度マップ35を生成するマップ生成器21と、反射強度マップ35からポテンシャルマップ34を生成し、ポテンシャルマップ34に基づいて目標経路33を生成する経路生成器22とを備える。また、AUV10の制御方法では、航行方向前方の所定の角度範囲をスキャニングするスキャニングソーナー14の計測値に基づいて障害物の存在確率を表す反射強度マップ35を生成し、反射強度マップ35からポテンシャルマップ34を生成し、ポテンシャルマップ34に基づいて目標経路33を生成する。
これにより、簡素な構成でありながら、確実に障害物を避けることができる目標経路33を短時間で容易に生成することができる。
また、反射強度マップ35は複数の領域が行列状に配列されたメッシュマップであり、各領域に、スキャニングソーナー14の計測値である音響ビーム31の反射波の強度が、障害物の存在確率を表す値として反映される。したがって、音響ビーム31の反射波の強度をそのまま使用することができ、例えば、設定された閾値に基づいて、海底面32のような障害物の存在位置を検出する必要がないので、演算処理の負荷を低減することができる。また、反射強度が小さくなる海底面32での運用にも適用することができる。
さらに、経路生成器22は、接近又は接触を避けるべき領域のポテンシャルが高く、接近又は接触をすべき領域のポテンシャルが低くなるように設定されたゴールポテンシャル36を、反射強度マップ35に加えてポテンシャルマップ34を生成し、ポテンシャルマップ34に基づき、ポテンシャル法によって目標経路33を生成する。これにより、例えば、海底面32にできるだけ近付きながらも、海底面32への接触又は衝突が確実に防止可能な目標経路33を生成することができる。
さらに、AUV10は、AUV10の航行速度を検出する速度センサ15と、AUV10の姿勢を検出する姿勢センサ16と、AUV10の深度を検出する深度センサ17とを更に備え、マップ生成器21は、スキャニングソーナー14、速度センサ15、姿勢センサ16及び深度センサ17の計測値に基づいて反射強度マップ35を生成する。
さらに、マップ生成器21は、AUV10の移動量に合わせて反射強度マップ35上の値を移動させて反射強度マップ35を更新する際に、ガウスフィルタをかけて計測値の誤差を反映させる。これにより、海底面32のような障害物の不確かさを適切に調整することができる。
さらに、マップ生成器21は、メッシュマップの各縦列内において、上下に隣接する領域同士の値を比較して、上側の領域の値の方が大きい場合には、下側の領域の値を上側の領域の値に置換する。これにより、障害物の存在を示す反射強度の強い領域が存在した場合に、この下に回り込むような目標経路33が生成されることを防止するために、反射強度の強いカラムを含む反射強度マップ35を得ることができる。
なお、本実施の形態においては、AUV10が海底面32に沿って海中を航行するものであって、スキャニングソーナー14が鉛直方向(上下方向)にスキャニングを行うものである例についてのみ説明したが、AUV10は、例えば、堤防の側壁面のように、ほぼ上下方向に延在する面に沿って航行するものであってもよい。この場合、スキャニングソーナー14は、水平方向(左右方向)にスキャニングを行うように変更して、使用することとなる。
また、本実施の形態においては、AUV10がスキャニングソーナー14を1つだけ備えるものである例についてのみ説明したが、スキャニングソーナー14は2つ以上であってもよい。例えば、鉛直方向にスキャニングを行うスキャニングソーナー14と水平方向にスキャニングを行うスキャニングソーナー14とを備えるようにすると、AUV10は、海底面32及び堤防の側壁面に沿って航行することが可能となる。
さらに、本実施の形態においては、スキャニングソーナー14が2次元平面内のスキャニングを行うものである例についてのみ説明したが、スキャニングソーナー14は3次元空間内のスキャニングを行うものであってもよい。
さらに、本実施の形態においては、AUV10が比較的高速での航行が可能ないわゆるクルーズ型AUVである場合についてのみ説明したが、AUV10は、細かい位置制御が可能ないわゆるホバリング型AUVであってもよい。
なお、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することによって、当然に考え付くことである。
本開示は、自律型水中ロボット及びその制御方法に適用することができる。
10 AUV
14 スキャニングソーナー
15 速度センサ
16 姿勢センサ
17 深度センサ
21 マップ生成器
22 経路生成器
31 音響ビーム
33 目標経路
34 ポテンシャルマップ
35、35−2 反射強度マップ
36 ゴールポテンシャル

Claims (7)

  1. 潜水状態で水中を航行可能な自律型水中ロボットであって、
    航行方向前方の所定の角度範囲をスキャニングするスキャニングソーナーと、
    該スキャニングソーナーの計測値に基づいて障害物の存在確率を表す反射強度マップを生成するマップ生成器と、
    前記反射強度マップからポテンシャルマップを生成し、該ポテンシャルマップに基づいて目標経路を生成する経路生成器とを備えることを特徴とする自律型水中ロボット。
  2. 前記反射強度マップは複数の領域が行列状に配列されたメッシュマップであり、各領域に、前記スキャニングソーナーの計測値である音響ビームの反射波の強度が、障害物の存在確率を表す値として反映される請求項1に記載の自律型水中ロボット。
  3. 前記経路生成器は、接近又は接触を避けるべき領域のポテンシャルが高く、接近又は接触をすべき領域のポテンシャルが低くなるように設定されたゴールポテンシャルを、前記反射強度マップに加えて前記ポテンシャルマップを生成し、該ポテンシャルマップに基づき、ポテンシャル法によって前記目標経路を生成する請求項1に記載の自律型水中ロボット。
  4. 前記自律型水中ロボットの航行速度を検出する速度センサと、
    前記自律型水中ロボットの姿勢を検出する姿勢センサと、
    前記自律型水中ロボットの深度を検出する深度センサとを更に備え、
    前記マップ生成器は、前記スキャニングソーナー、速度センサ、姿勢センサ及び深度センサの計測値に基づいて前記反射強度マップを生成する請求項1に記載の自律型水中ロボット。
  5. 前記マップ生成器は、前記自律型水中ロボットの移動量に合わせて前記反射強度マップ上の値を移動させて前記反射強度マップを更新する際に、ガウスフィルタをかけて前記計測値の誤差を反映させる請求項4に記載の自律型水中ロボット。
  6. 前記経路生成器は、前記メッシュマップの各縦列内において、上下に隣接する領域同士の値を比較して、上側の領域の値の方が大きい場合には、下側の領域の値を上側の領域の値に置換する請求項2に記載の自律型水中ロボット。
  7. 潜水状態で水中を航行可能な自律型水中ロボットの制御方法であって、
    航行方向前方の所定の角度範囲をスキャニングするスキャニングソーナーの計測値に基づいて障害物の存在確率を表す反射強度マップを生成し、
    該反射強度マップからポテンシャルマップを生成し、
    該ポテンシャルマップに基づいて目標経路を生成することを特徴とする自律型水中ロボットの制御方法。
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