以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図39は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
本体枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、送風演出装置26等の演出手段が配置され、それら上部スピーカ25等を前側から略覆う上装飾カバー27が装着されている。
また扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段28から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿30、その上皿30が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿31、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル32等が配置され、更に上皿30、下皿31等を前側から略覆う下装飾カバー33が装着されている。下装飾カバー33は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の所定操作手段が設けられている。
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット36が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金37と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金38と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金39とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具40が例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具41が例えば左下部に夫々配置されている。
また、例えば下部補強板金39の背面側には、球送りユニット42、下皿案内ユニット43等が装着されている。球送りユニット42は、上皿30内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43は、上皿30が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿31に案内するためのもので、例えば球送りユニット42に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
また、本体枠6の例えば上部側には、前枠3が外枠2に対して開放しているか否かを検出可能な扉開放スイッチ44が設けられている。この扉開放スイッチ44は、例えば前枠3が外枠2に対して前側に開放したときにON、閉鎖したときにOFFとなるように構成されている。
遊技盤16は、図3に示すように例えばベニヤ板等のベース板45を備え、そのベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、普通入賞ユニット49等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また遊技領域23の外側の例えば下部側には遊技情報表示手段50が配置されている。もちろん、遊技情報表示手段50は遊技領域23内に配置してもよい。
遊技情報表示手段50は、図4に示すように、例えば8個のLED60で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED60が普通図柄表示手段51、普通保留個数表示手段52、第1特別図柄表示手段53、第2特別図柄表示手段54、第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58及びラウンド数報知手段59に所定個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ50a,50bに属する各8個のLED60は夫々第1,第2特別図柄表示手段53,54を構成し、第3LEDグループ50cに属する8個のLED60は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57を構成し、第4LEDグループ50dに属する8個のLED60は、そのうちの2個が普通図柄表示手段51を、他の2個が右打ち報知手段58を、残りの4個がラウンド数報知手段59を夫々構成している。
遊技盤16の複数のユニット部品47〜49上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な可動体67aを備えた可動演出手段67等が配置されている。
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、図3に示すように、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、液晶表示手段66の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、その装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。またステージ73の上側には、跳ね返り等による後側への遊技球の侵入を阻止するための侵入防止手段77が設けられている。
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段51は、普通図柄を変動表示するためのもので、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED60が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED60は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当たり態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、普通図柄表示手段51の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段52等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段52は、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、それら2個のLED60の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
第1特別図柄始動手段(図柄始動手段)62は、第1特別図柄表示手段53による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、例えば始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)63は、第2特別図柄表示手段54による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉部78が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段63は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、開閉部78は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板71と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板71の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。なお、この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)53は、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第1大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には第1はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段53の変動後の停止図柄が第1大当たり態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)54は、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第2大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には第2はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段54の変動後の停止図柄が第2大当たり態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、各8個のLED60の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当たり態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段53の図柄変動中、第2特別図柄表示手段54の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報(乱数情報)が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段55,56は、図4に示すように遊技情報表示手段50における各2個のLED60で構成され、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、例えば中央表示枠ユニット47に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当たり態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当たり遊技(特別遊技)」という。
本実施形態では、大当たり遊技における大入賞手段64の開放パターンとして例えば4R,6R,10Rの3種類設けられている。4R,6R,10Rの各開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを夫々4回,6回,10回行うように構成されている。ここで、出玉ありのラウンドは、大入賞手段64の開放後、その大入賞手段64への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段64を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路74b側の大入賞手段64を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。なお、出玉ありのラウンドに加えて、大入賞手段64が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放する出玉なしのラウンドを有する開放パターンを設けてもよいし、出玉なしのラウンドのみの開放パターンを設けてもよい。
また液晶表示手段66には、例えば第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄80を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄80は、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、図3に示すように、例えば1〜8等の数字、その他で構成される図柄本体部80aと、この図柄本体部80aに付随するキャラクタその他の装飾部80bとの結合で構成されている。演出図柄80は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお演出図柄80では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当たり演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様(特定態様)となる場合には演出図柄80は大当たり演出態様(特定演出態様)となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様(非特定態様)となる場合には演出図柄80は外れ演出態様(非特定演出態様)となる。
また第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
また遊技盤16の裏側には、図5に示すように中央表示枠ユニット47等を後側から覆う裏カバー81が装着され、この裏カバー81の背面側に、主制御基板82aが格納された主基板ケース82、演出制御基板83a及び演出インターフェイス基板83bが格納された演出基板ケース83、液晶制御基板84aが格納された液晶基板ケース84等が着脱自在に装着されている。
また、前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー85が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク86aとタンクレール86bとが、左右一側に払い出し手段28と払い出し通路87とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク86a内の遊技球をタンクレール86bを経て払い出し手段28により払い出し、その遊技球を払い出し通路87を経て上皿30に案内するようになっている。なお、開閉カバー85は、例えば主基板ケース82の上部側の一部分を後側から覆うように配置されている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台88が着脱自在に装着されており、この基板装着台88の背面側に、電源基板89aが格納された電源基板ケース89、払出制御基板90aが格納された払出基板ケース90が夫々着脱自在に装着されている。なお、例えば電源基板89aには、電源基板ケース89の外側からON/OFF操作が可能な電源スイッチ98が設けられている。
図6(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図6(a)において、主制御基板82aは遊技制御動作を統括するもので、遊技盤16上の遊技情報表示手段50、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、普通入賞手段65等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行う演出制御基板83a、この演出制御基板83aからの制御コマンドに基づいて液晶表示手段66を制御する液晶制御基板84a、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御する払出制御基板90a、この払出制御基板90aからの発射制御信号等に基づいて発射手段17を制御する発射制御基板91等のサブ制御手段が接続されている。
また主制御基板82aには、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の操作手段と、性能情報表示手段97等の表示手段とが接続されている。図5に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とは何れも主基板ケース82の外側から操作可能な状態で、また性能情報表示手段97は主基板ケース82の外側から視認可能な状態で、夫々主制御基板82aに装着されている。なお本実施形態では、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97は、何れも開閉カバー85で覆われない位置に配置されている。
RAMクリアスイッチ92は、電源投入時にRAMクリアを行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。また設定変更操作手段93は、設定変更を行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。なお本実施形態では、この設定変更操作手段93等を操作することにより、大当たり確率、即ち第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)を複数段階(ここでは設定1〜6の6段階)に変更可能となっている。この設定変更等の詳細については後述する。
性能情報表示手段97は、設定表示手段94と性能表示手段95とを構成するもので、例えば4桁の7セグ表示部97a〜97dを備え、透明な主基板ケース82を通して視認可能となるように例えば主基板ケース82内で主制御基板82aに装着されており、第1期間中は設定表示手段94として機能し、第1期間とは異なる第2期間中は性能表示手段95として機能するようになっている。
設定表示手段94は、設定値(ここでは設定1〜6の何れか)を示す設定情報を、例えばその設定値が確定前であるか否かに応じて異なる表示態様で表示するもので、例えば設定1〜6に対応して「1」〜「6」、「1.」〜「6.」の何れかを性能情報表示手段97の少なくとも一部に表示可能であり、設定変更期間中は確定前の設定値に対応する設定情報を例えばドットなしの「1」〜「6」(第1表示態様)で、設定変更期間終了後の所定期間及び設定確認期間中は確定された設定値に対応する設定情報を例えばドット付きの「1.」〜「6.」(第2表示態様)で夫々表示可能となっている。もちろん、設定値が確定前であるか否かを、ドットの有無以外の表示態様の違い(例えば点灯/点滅)で表現してもよいし、確定前後の設定値に対応する設定情報を同じ表示態様で表示してもよい。
なお本実施形態では、性能情報表示手段97の4桁の7セグ表示部97a〜97dのうち、前枠3を開いたときに前側から最も近くに見える背面視左端側の7セグ表示部97dを設定表示手段94として使用するが、7セグ表示部97d以外の例えば7セグ表示部97aを設定表示手段94として使用してもよいし、7セグ表示部97c〜97d、7セグ表示部97b〜97d等の2桁以上の7セグ表示部を設定表示手段94として使用してもよい。
性能表示手段(特定表示手段)95は、いわゆるベース値を、性能情報表示手段97の少なくとも一部、例えば7セグ表示部97a〜97dに表示するものである。ベース値は、遊技実績に基づいて得られる特定情報の一例であり、例えば「(低確率状態での払い出し個数÷低確率状態でのアウト個数)×100」で算出される。なお本実施形態の性能表示手段95は、複数種類のベース値、例えばリアルタイムベース値、第1累計ベース値、第2累計ベース値、第3累計ベース値の4種類を切り替え表示可能となっている。リアルタイムベース値は、アウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間中におけるリアルタイムでのベース値である。第1〜第3累計ベース値は、夫々1〜3回前の単位計測期間における累計のベース値である。もちろん、リアルタイムでのベース値のみを表示してもよいし、1種類、2種類又は4種類以上の累計ベース値を表示可能としてもよい。
以上のように、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97(設定表示手段94及び性能表示手段95)は、何れも遊技機本体1の後側に配置されており、それらにアクセスするためには解錠して前枠3を開放する必要があるため、ホール関係者等以外はRAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93を操作することができず、また性能情報表示手段97(設定表示手段94、性能表示手段95)の表示内容を見ることもできない。
また本実施形態では、遊技情報表示手段50と性能情報表示手段97とについて主にダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。図7に示すように、主制御基板82aのLEDコモンポートからは1バイトのダイナミック点灯コモンC0〜C7の走査信号を出力可能であり、それらのうち、ダイナミック点灯コモンC0〜C3のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a〜50dに、ダイナミック点灯コモンC4〜C7のラインが性能情報表示手段97の7セグ表示部97a〜97dに夫々接続されている。
また、主制御基板82aのLEDデータポート1,2からは夫々1バイトのダイナミック点灯データD10〜D17,D20〜D27を出力可能であり、LEDデータポート1のダイナミック点灯データD10〜D17のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a〜50dに、LEDデータポート2のダイナミック点灯データD20〜D27のラインが性能情報表示手段97の7セグ表示部97a〜97dに夫々接続されている。
演出制御基板83a及び液晶制御基板84aは、図6(a)に示すように主制御基板82aに接続された演出インターフェイス基板83bに接続されており、主制御基板82aから演出制御基板83aへの制御コマンド、演出制御基板83aから液晶制御基板84aへの制御コマンドは共に演出インターフェイス基板83bを経由して送信されるようになっている。
また、演出制御基板83aの制御対象である各種演出手段、例えばスピーカ18,25、電飾手段96、可動演出手段67等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等は例えば演出インターフェイス基板83bを介して演出制御基板83aに接続されている。なお、電飾手段96は、上下の装飾カバー27,33内や遊技盤16等に配置された多数のLED(図示省略)により構成されている。
続いて、電源投入時に主制御基板82aにおいて実行される電源投入処理(図8)について説明する。この電源投入処理(図8)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、スタックポインタを設定し(S2)、サブ基板の起動待ち処理(S3〜S5)を実行する。即ち、サブ基板起動待ち時間(例えば2秒)に対応する値を所定のレジスタにセットし(S3)、その値が0になるまで、即ちサブ基板起動待ち時間が経過するまで、減算処理(S4)を繰り返し実行する。また、電源異常信号がOFFになるまで待機する電源異常信号監視処理(S6)を実行すると共に、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とする(S7)。
続いて、作業領域の初期設定(S8)を実行する。ここでは、例えばソレノイドポートバッファ、電源異常確認カウンタを夫々クリアし、システム動作ステータスに初期値である01Hをセットする。また、演出制御基板83aに対して電源投入時コマンド(BA08H)を送信する(S9)。演出制御基板83aが電源投入時コマンド(BA08H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「Please Wait」等の表示が行われる(図38,図39)。
そして、入力ポートから取得される電源投入時信号及び払出通信確認信号がONになるまで、WDT(Watchdog Timer)をクリアしつつ待機する(S10,S11)。
続いて図9に示すS12〜S22の処理に移行する。このS12〜S22の処理は、設定変更処理(S14)及びRAMクリア処理(S15)を実行する「設定変更」、設定変更処理(S14)を実行することなくRAMクリア処理(S15)を実行する「RAMクリア」、設定確認処理(S20)及びバックアップ復帰処理(S21)を実行する「設定確認」、設定確認処理(S20)を実行することなくバックアップ復帰処理(S21)を実行する「バックアップ復帰」、電源再投入待ち処理(S17)を実行する「RAM異常」の5種類の処理態様の何れかで行われる。
また、これら5種類の処理態様のうち、「RAM異常」を除く4種類については、設定変更操作手段93のON/OFF状態、RAMクリアスイッチ92のON/OFF状態、扉(前枠3)の開放/閉鎖状態の組み合わせに応じて選択される。
本実施形態では、図13に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONの場合には原則として「設定変更」が選択され、RAMクリアスイッチ92がON、設定変更操作手段93がOFFの場合には「RAMクリア」が選択されるが、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92とが共にONであっても、扉閉鎖の場合には「設定変更」ではなく「RAMクリア」が選択されるようになっている。また同様に、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONの場合には原則として「設定確認」が選択され、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にOFFの場合には「バックアップ復帰」が選択されるが、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONであっても、扉閉鎖の場合には「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」が選択されるようになっている。
このように本実施形態では、扉(前枠3)が開放していないにも拘わらずRAMクリアスイッチ92や設定変更操作手段93がONであるという状況は不正行為が疑われることから、設定変更機能に関する「設定変更」及び「設定確認」については扉開放を条件とし、扉閉鎖の場合には、設定変更処理(S14)を実行しない「RAMクリア」、設定確認処理(S20)を実行しない「バックアップ復帰」を選択するようになっている。なお、設定変更機能に関係しない「RAMクリア」、「バックアップ復帰」については、RAMクリアスイッチ92及び設定変更操作手段93のON/OFF状態のみを条件とし、扉の開放/閉鎖状態は条件としていない。
以下、S12〜S22の処理について、図9等のフローチャートを参照しつつ、図10,図11等に示すソースプログラムに従って詳細に説明する。なお図10,図11には、S12〜S22のソースプログラムが、メモリ上の記憶順序に沿って記載されている。また、そのソースプログラムの右側には、上述した「設定変更」、「RAMクリア」、「設定確認」、「バックアップ復帰」、「RAM異常」の5種類の処理態様毎に、実行する処理とそれらの実行順序とを、矢印とその右上の数字とで示している。
入力ポートデータ取得処理(S12)では、図10に示すように、入力ポート(P_INPT1)のデータをAレジスタに入力する(Sa1)。本実施形態では、入力ポート(P_INPT1)の第0〜7ビットに対応する入力信号は図12に示すようになっており、扉開放スイッチ44のON/OFF信号(扉開放信号)は第4ビットに、RAMクリアスイッチ92のON/OFF信号は第5ビットに、設定変更操作手段93のON/OFF信号は第6ビットに、夫々入力される。Sa1では、その入力ポート(P_INPT1)の第0〜7ビットのデータがAレジスタの第0〜7ビットに夫々入力される。
入力ポートデータ取得処理(S12)に続いては、設定変更分岐判定処理(S13)を実行する。この設定変更分岐判定処理(S13)は、処理態様として「設定変更」を選択するか否かを判定するもので、図10に示すように、Aレジスタの値とマスクデータ“01110000B”(@DOPEN+@RWMCR+@SETKY)との論理積(AND)を求めることにより、扉開放スイッチ44のON/OFF信号(扉開放信号)に対応する第4ビット、RAMクリアスイッチ92のON/OFF信号に対応する第5ビット、設定変更操作手段93のON/OFF信号に対応する第6ビット以外のビットをマスクし、Aレジスタをそのマスク後のデータに更新する(Sb1)。
図13に示すように、Sb1の処理実行後のAレジスタの第4ビットは、扉(前枠3)が開放している場合に1、閉鎖している場合に0となり、同じく第5ビットは、RAMクリアスイッチ92がONの場合に1、OFFの場合に0となり、同じく第6ビットは、設定変更操作手段93がONの場合に1、OFFの場合に0となる。なお、このときのAレジスタの第4,5,6ビットの値の組み合わせは図13に示す8種類存在する。以下の説明では、このときのAレジスタの第4,5,6ビットの値a4,a5,a6の組み合わせを、必要に応じてA(a4,a5,a6)で表現する。
続いて、Aレジスタの値と“01110000B”(@DOPEN+@RWMCR+@SETKY)とを比較してそれらの差を求める(Sb2)。これにより得られる値は、Aレジスタの第4,5,6ビットが全て1の場合(A(1,1,1))、即ち扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONの場合に0となる。なお、得られた値(差)が0であれば例えばZF(ゼロフラグ)に1がセットされる。そして、Sb2で得られた値が0であれば(ZF=1)、即ちA(1,1,1)であれば、処理態様として「設定変更」が選択され、SYSTEM_80(RAM異常判定処理(S18))へジャンプすることなく次の設定変更処理(S14)へと移行する(Sb3)。
なお、このSb3のジャンプ処理では、絶対アドレスジャンプの「JP」命令ではなく、相対アドレスジャンプの「JR」命令を用いている。絶対アドレスジャンプの「JP」命令では、ジャンプ先アドレスを絶対アドレス(2バイト)で指定するのに対し、相対アドレスジャンプの「JR」命令では、ジャンプ先のアドレスを相対アドレス(1バイト)で指定するため、「JR」命令の方が1バイト分プログラム容量を削減できるという利点がある。但し、「JR」命令の場合には、ジャンプ先として指定可能な範囲が「JP」命令に比べて制限され、PCレジスタの場所から−128〜+127バイトの範囲となるため、その範囲を超えてジャンプする場合には使用できない。
設定変更処理(S14)では、図10のソースプログラム及び図14のフローチャートに示すように、まず設定変更期間が開始したことを示す設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する(Sc1,Sc2)。演出制御基板83aが設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定変更中」等の表示が行われる(図38)。
次に、バックアップフラグをクリアする(Sc3)。これは、設定変更期間中に電断が発生した場合、次回電源投入時に後述するRAM異常判定処理(S16)でバックアップ異常と判定されるようにするためである。また、システム動作ステータスをインクリメントする(Sc4)。これにより、システム動作ステータスは初期値である01H(図8のS8参照)から02Hへと変化する。
続いて、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを読み出し、設定作業値として例えばWレジスタにセットする(Sc5)と共に、そのWレジスタの値をデクリメントする(Sc6)。本実施形態では、設定値として設定1〜6の何れかを選択可能であり、RAM上の設定値ワーク領域には、設定値(設定1〜6の何れか)に応じて0〜5の何れかの設定値データが格納されている。従って、設定値ワーク領域の値が正常であれば、Wレジスタにはまず0〜5の何れかが格納された後、デクリメントされて−1〜4の何れかとなる。
続いて、Wレジスタの設定作業値と、設定値データの最大値である5(設定最大値(@DANMAX)である6から1減算した値)とを比較し、それらの差が負の値であればCF(キャリーフラグ)に1をセットする(Sc7)。ここで、Sc5でWレジスタにセットした設定値データの値が正常値(0〜5の何れか)であれば、Sc7の比較処理で得られる値は負の値となってCF=1となるのに対し、設定値データの値が異常値(例えば6)であれば負の値にはならないためCF≠0となる。次に、Wレジスタの設定作業値をインクリメントする(Sc8)。これにより、Sc6でデクリメントされた設定作業値は元の値に戻る。
そして、CF=1であるか否かを判定し、CF=1でなければSc10でWレジスタの設定作業値をクリアした後にSc11(SYSTEM_60)に移行するが、CF=1であれば、Sc10をスキップしてSc11(SYSTEM_60)に移行する(Sc9)。これにより、設定値データに異常がある場合、設定作業値に設定1に対応する0を強制的にセットすることができる。もちろん、異常時にWレジスタ(設定作業値)にセットする値は0に限られるものではなく、正常範囲内(0〜5)の何れかであればよい。
本実施形態の場合、設定変更処理(S14)の前には後述するRAM異常判定処理(S16)が実行されないため(図9参照)、設定変更処理(S14)の開始時点でRAM異常により設定値ワーク領域の設定値データが正常範囲内にない可能性がある。そこで本実施形態では、設定変更処理(S14)において、設定値データが異常値の場合に正常値(ここでは0)に補正する設定値異常補正処理(Sc6〜Sc10)を実行することにより、RAM異常の場合でも設定変更処理を進めることができるようにしている。
続いて、Sc11でWAレジスタのデータをスタックに退避した後、Aレジスタをクリアし(Sc12)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Sc13)。
このシステム入出力管理処理(第1処理モジュール、表示制御処理)は、主に設定表示手段94(性能情報表示手段97の7セグ表示部97d)のダイナミック点灯制御を行うもので、図15(a)のソースプログラム及び図15(b)のフローチャートに示すように、まず外部端子ポート(P_GAIBU2)に所定データ(@GAI1)を出力することによってセキュリティ信号の出力をONにし(Ss1)、またLEDコモンポートへの出力をクリアする(Ss2)。そして、数値用7セグデコードテーブル(D_N7STBL)の先頭アドレスをHLレジスタにセットする(Ss3)。数値用7セグデコードテーブルは、図16に示すように、設定1〜6の6種類の設定値とエラーに対応する各1バイト、計7バイトの表示パターンデータで構成されている。
続いて、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にWレジスタの値(設定変更処理中の場合は設定作業値)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタ(設定変更処理中の場合は0)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新する(Ss4)。これにより、例えば設定変更処理中であれば、Aレジスタには設定作業値に対応する表示パターンデータ、例えば設定作業値が0であれば「1」を表示するための“00000110B”が、設定作業値が5であれば「6」を表示するための“01111101B”がセットされる。
そして、そのAレジスタの表示パターンデータをLEDデータポート2(P_LED2)に出力する(Ss5)。また、LED出力カウンタ(W_LEDCNT)をインクリメントし(Ss6)、そのインクリメント後のLED出力カウンタの下位2ビットが“11”であれば、7セグ表示部97d(設定表示手段94)を指定するコモンデータ(@CMN23)をLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力するが(Ss7〜Ss9)、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”でなければSs9はスキップされるため、LEDコモンポートへの出力はクリアされたままとなる。これにより、設定表示手段94(7セグ表示部97d)には、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”になる毎(4回に1回)に点灯状態となってその時点の設定作業値に対応して「1」〜「6」の何れかが表示され、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”でないとき(4回に3回)は消灯状態となる。
なお、Ss8のジャンプ処理では、「JR」命令よりも更にプログラム容量を小さくできる「JRS」命令を用いている。「JR」命令の場合、命令1バイト、ジャンプ先の相対アドレス指定1バイトの計2バイト構成であるのに対し、「JRS」命令の場合、命令3ビット、ジャンプ先の相対アドレス指定5ビットの計1バイト構成となり、「JRS」命令の方が「JR」命令よりも更に1バイト分プログラム容量を削減できる。但し、「JRS」命令の場合には、ジャンプ先に指定可能な範囲が「JR」命令よりも更に制限され、PCレジスタの場所から−16〜+15バイトの範囲となる。
続いて、システム確認中処理(M_WAIT)をコールする(Ss10)。このシステム確認中処理(待ち時間形成モジュール、周期調整待ち時間処理)は、所定の待ち時間(ここでは約4ms)を設けるためのもので、図17(a)のソースプログラム及び図17(b)のフローチャートに示すように、まずWDTをクリアし(St1)、WAレジスタにタイマ値として初期値(ここでは6654)をセットする(St2)。そして、WAレジスタのタイマ値が0になるまでデクリメントを繰り返した後(St3,St4)、電源異常チェック処理(M_PWRCHK)をコールし(St5)、システム確認中処理(M_WAIT)を終了する。なお本実施形態では、St2でタイマ初期値として6654をセットすることにより、システム確認中処理の実行時間を、後述するタイマ割込みの周期(ダイナミック点灯方式におけるデータ出力タイミングの周期)である4msと略一致させている。
電源異常チェック処理(M_PWRCHK)は、図18に示すように、まず電源基板89aから送信されてくる電源異常信号を2回読み込む(S41)。そして、その2回読み込んだ電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定し(S42)、それらのレベルが一致しない場合(S42:No)にはS41に戻り、一致する場合(S42:Yes)にはその電源異常信号がONであるか否か、即ち電源異常信号のレベルが「H」レベルであるか否かを判定する(S43)。
電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)でない場合には(S43:No)、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S44)、電源異常チェック処理を終了する。
一方、電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)である場合には(S43:Yes)、電源異常確認カウンタの値をインクリメントする(S45)と共に、インクリメント後の電源異常確認カウンタの値が例えば2に達しているか否かを判定する(S46)。そして電源異常確認カウンタの値が2未満であれば(S46:No)、そのまま電源異常チェック処理を終了する。
S46で電源異常確認カウンタの値が2に達している場合には(S46:Yes)、電源異常と判断し、電源断コマンド(BA33H,BA55H)を送信する(S47)と共に、システム動作ステータスが00Hであることを条件に、バックアップフラグをON(=AA55H)に設定する(S48,S49)。ここで、例えば設定変更処理中はシステム動作ステータスが02Hに設定されているため(Sc4)、設定変更処理中に電断が発生した場合にはバックアップフラグはOFF(=0000H)のままとなる。
そして、RAMのプロテクトを有効にすると共に禁止領域を無効とする(S50)。これにより、以降の処理においてRAMへのデータ書込みが禁止される。また、外部端子ポート、サブポート、ソレノイドポート、LEDコモンポート、LEDデータポート等の出力ポートをクリアし(S51)、タイマ割込みを禁止した後(S52)、WDTをクリアしつつ無限ループ処理を繰り返し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ(S53)。
図15に戻って説明を続ける。以上のシステム確認中処理(M_WAIT)が終了すると(Ss10)、入力データテーブル(D_SWINTBL2)を用いて、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の入力情報を取得する操作入力情報取得処理を実行し(Ss11,Ss12)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)を終了する。
以上のように本実施形態では、図15(c)に示すように、システム入出力管理処理を実行する毎にLED出力カウンタがインクリメントされると共に4msの待ち時間が設けられ、しかもLED出力カウンタの下位ビットが“11”の場合にのみ7セグ表示部97d(設定表示手段94)を指定するコモンデータをLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力し、それ以外はLEDコモンポートへの出力はクリアされた状態となる。これにより、7セグ表示部97d(設定表示手段94)の点灯/消灯パターンは、4ms点灯→12ms消灯→4ms点灯→12ms消灯→…となり、後述する性能表示手段95(性能情報表示手段97)によるベース値表示時における7セグ表示部97dの点灯/消灯パターン(4ms点灯→12ms消灯→4ms点灯→12ms消灯→…)と一致する。
また本実施形態では、設定変更操作手段93がOFFになるまで(Sc15,Sc16)、Sc7〜Sc19又はSc11〜Sc19の処理(設定変更中処理)が高速で繰り返され、その度に設定変更操作がなされたか否か(Sc17〜Sc19)、即ちRAMクリアスイッチ92がOFF→ONに変化したか否かが判定されるが、RAMクリアスイッチ92等の入力情報を取得する操作入力情報取得処理(Ss11,Ss12)の前にシステム確認中処理(所定待ち時間処理)をコールする(Ss10)ことにより4msの待ち時間(所定待ち時間)を設けているため、RAMクリアスイッチ92のチャタリングによる誤検出を防止できる。また、その所定待ち時間(4ms)として、ダイナミック点灯制御用の4ms周期を作成するための周期調整待ち時間を利用しているため、チャタリング防止用の待ち時間のための処理プログラムを別途設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。
図14に戻って説明を続ける。以上のシステム入出力管理処理(M_SYSIO)が終了すると(Sc13)、スタックからWAレジスタにデータを復帰させた後(Sc14)、設定変更終了条件が満たされたか否か、即ち設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されたか否かを判定し(Sc15)、設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されない場合には、所定の設定変更操作が行われたか否かを判定する(Sc16,Sc17)。本実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用にも利用しており、Sc17では、RAMクリアスイッチ92のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定する。
そして、設定変更操作が行われたと判定された場合にはSc7(SYSTEM_50)に移行する(Sc18)。即ち、その時点の設定作業値と、設定値データの最大値である5(設定最大値(@DANMAX)である6から1減算した値)とを比較し、それらの差が負の値であればCF(キャリーフラグ)に1をセットする(Sc7)。これにより、設定作業値が0〜5のうちの0〜4の場合のみCF=1となる。次に、設定作業値をインクリメントし(Sc8)、CF=1でない場合(インクリメント後の設定作業値が6の場合)には設定作業値に0をセットする(Sc9,Sc10)。
このように本実施形態では、設定変更期間中に設定変更操作(RAMクリアスイッチ92の操作)が行われる毎にSc7〜Sc10の設定作業値変更処理を実行することにより、設定変更操作に応じて設定作業値を0〜5の範囲で循環的に変更するようになっている。なお、この設定作業値変更処理(Sc7〜Sc10)は、上述した設定値異常補正処理(Sc6〜Sc10)と一部処理(Sc7〜Sc10)を共通化しているため、別処理で行う場合と比べてプログラム容量を小さく抑えることができる。
設定作業値変更処理(Sc7〜Sc10)に続いてはSc11以降の処理が行われる。また、Sc17で設定変更操作がないと判定された場合にはSc11に移行する。このSc11〜Sc14の処理については既に説明したのでここでは詳細は省略するが、この処理により、設定作業値の変化に応じて設定表示手段94の表示も変化する。
以上のように、設定変更処理(S14)では、設定変更操作手段93がONである限り、設定変更操作が行われた場合にはSc7〜Sc14の処理が、設定変更操作が行われない場合にはSc11〜Sc14の処理が繰り返し実行される。そして、設定変更操作手段93がONからOFFに切り替えられて設定変更終了条件が満たされると、設定変更期間を終了し、Wレジスタの設定作業値を、設定値ワーク領域に格納する(Sc20)。これにより、設定変更期間中にRAMクリアスイッチ92の操作により変更された暫定的な設定作業値が設定値データとして確定する。そして、RAMクリア処理(S15)へジャンプし(Sc21)、設定変更処理を終了する。
続くRAMクリア処理(S15)では、図11のソースプログラム及び図19のフローチャートに示すように、まず領域内のワークエリア(領域内RAM)の特定範囲をクリアする(Sg1〜Sg6)。即ち、まず領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域のアドレス(W_BACKFLG)をHLレジスタにセットする(Sg1)。これが、クリア対象範囲の先頭アドレスとなる。またAレジスタをクリアする(Sg2)。そして、HLレジスタで指定された領域をクリアすると共にそのHLレジスタの値をインクリメントする処理(Sg3)を、HLレジスタの値が、例えば領域外RAMの先頭アドレス(@RWM2TOP)に達するまで繰り返し実行する(Sg3〜Sg5)。
本実施形態では、RAM上の所定範囲が領域内のワークエリア(領域内RAM)として、またそれに続く所定範囲が領域外のワークエリア(領域外RAM)として夫々割り当てられている。従って、上記Sg1〜Sg5により、領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域以降の領域が0クリアされる。なお本実施形態では、LED出力カウンタ、システム動作ステータス、設定値データを格納する各領域は、領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域よりも前側に設けられているため、Sg3〜Sg5の処理ではクリアされない。なお、LED出力カウンタについては次のSg6で0クリアされる。
領域内RAMのクリア処理(Sg1〜Sg6)に続いては、初期値設定テーブル(D_INISET2)の先頭アドレスをHLレジスタにロードし(Sg7)、データセット処理をコールすることにより(Sg8)、例えば不正情報タイマに初期値(例えば30秒に対応する値)をセットし、第1特別図柄、第2特別図柄に所定の外れ態様をセットする。この不正情報タイマは、セキュリティ信号の出力時間をカウントするためのもので、例えば後述するタイマ割込み処理においてこの不正情報タイマの値が0になるまでセキュリティ信号を出力するようになっている。
続いて、設定変更処理(S14)を経由したか否かを判定する設定変更経由判定処理(Sg9)を実行する。本実施形態では、システム動作ステータス(初期値01H)の値が02Hであるか否かを判定し(Sc4参照)、システム動作ステータスの値が02Hであれば、設定変更処理(S14)を経由したと判断して次の設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)を実行するが、システム動作ステータスの値が02Hでなければ、設定変更経由時処理をスキップしてSg23に移行するようになっている。
設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)では、まずシステム動作ステータスに00Hをセットし(Sg11)、設定変更期間が終了したことを示す設定変更終了コマンド(BA77H)を送信する(Sg12,Sg13)。システム動作ステータスに00Hをセットすることにより、例えばその後に電断が生じても、既に説明した電源異常チェック処理(図18)のS48,S49でバックアップフラグがON(=AA55H)となるため、次回電源投入時にバックアップ異常により電源再投入待ちとなることはない。
また、7セグ表示部97d(設定表示手段94)を指定するコモンデータ(@CMN23)をLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力する(Sg14)。そして、数値用7セグデコードテーブル(D_N7STBL)(図16)の先頭アドレスをHLレジスタに、設定値データの値をAレジスタに夫々セットする(Sg15,Sg16)と共に、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にAレジスタの値(設定値データ)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタにセットする(Sg17)。これにより、Aレジスタには設定値データに対応する表示パターンデータ、例えば設定値データが0であれば「1」を表示するための“00000110B”が、設定値データが5であれば「6」を表示するための“01111101B”がセットされる。
そして、そのAレジスタの値と、「.(ドット)」に対応する表示パターンデータである“10000000B”(@SEG_DP)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新し(Sg18)、そのAレジスタの表示パターンデータをLEDデータポート2(P_LED2)に出力する(Sg19)。これにより、設定変更処理により確定した設定値データ(0〜5の何れか)に対応して「1.」〜「6.」の何れかが設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dに表示される。このように、設定変更期間が終了して設定値データが確定したとき、設定表示手段94に表示される設定情報の表示態様を、それまでの設定変更期間中とは異ならせる(例えばドットを付加する)ことにより、設定値データが確定したことを作業者に視覚的に報知することが可能である。このとき、表示内容の変化(ドットの付加等)に代えて又は加えて、光量を変化(例えば増加)させたり、表示パターンを変化(例えば点滅から点灯)させてもよい。
続いて、所定時間(例えば約1秒)の待ち時間処理(Sg20〜Sg22)を実行する。即ち、まずBレジスタに所定時間(例えば約1秒)に対応する値(ここでは250)をセットし(Sg20)、上述したシステム確認中処理(M_WAIT)を、Bレジスタの値を減算しつつその減算後のBレジスタの値が0になるまで繰り返し実行する(Sg21,Sg22)。本実施形態のシステム確認中処理は、上述したように4msの待ち時間を設けるためのものであるから、これを250回繰り返すことにより、設定表示手段94による確定後の設定値データ(0〜5の何れか)に対応する表示(以下、設定変更確定表示という)を約1秒継続することができる。
また、設定変更確定表示のための待ち時間処理(1秒)に、設定表示手段94(7セグ表示部97d)の表示制御でデータ出力タイミングを一定周期に調整するために用いているシステム確認中処理(待ち時間形成モジュール)を用いているため、専用の待ち時間処理を設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。なお本実施形態では、以上のように約1秒間の設定変更確定表示に関してはスタティック点灯方式により駆動制御を行っている。
以上の設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)に続いては、RAMクリアコマンド用の下位バイトデータである02HをWレジスタにセットした上で共通処理(S22)へジャンプし(Sg23,Sg24)、RAMクリア処理を終了する。
共通処理(S22)では、図11のソースプログラム及び図20のフローチャートに示すように、まずBA01H(イニシャライズコマンドデータ)をDEレジスタに格納し(Sk1)、コマンド送信処理(Sk2)によってそのコマンドデータを送信する。また、WレジスタをEレジスタにロードし(Sk3)、コマンド送信処理(Sk4)によってDEレジスタのコマンドデータを送信する。例えば「設定変更」の場合には、Wレジスタには02Hがセットされているため(Sg23)、DEレジスタに格納されているBA01Hの下位バイトが02Hに変更されてBA02H(RAMクリアコマンド)が送信される。
続いて、遊技状態報知情報更新処理(M_MKINFO)を実行する(Sk5)。この遊技状態報知情報更新処理(Sk5)では、処理態様に応じて各種コマンドの送信等を行う。即ち、処理態様が「設定確認」、「バックアップ復帰」の何れかの場合には、第1,第2特別保留個数の値に基づく第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、遊技状態に基づく状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)を順次送信する(Sk51→Sk52〜Sk54)。また、処理態様が「設定確認」、「バックアップ復帰」の何れでもない場合、即ち「設定変更」、「RAMクリア」の何れかの場合には、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)を送信し、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)は送信しない(Sk51→Sk55)。更に、第1,第2特別図柄が変動中でない場合には客待ち中コマンド(BA04H)を送信する(Sk56,Sk57)。
そして、各種内部機能レジスタに初期値を設定する(Sk6〜Sk10)。例えばLEDコモンポートはここでクリアされ、それによって約1秒間の設定変更確定表示は終了する。また、作業領域の初期設定を行う(Sk11,Sk12)。この作業領域の初期設定では、例えばシステム動作ステータスに00Hをセットし、発射制御信号をONに設定し、動作確認タイマに初期値をセットする。
動作確認タイマは、性能表示手段95の動作確認表示の実行時間を計時するためのもので、例えば領域内RAMに記憶され、初期値として、例えば4800msに対応するタイマ値に1を加算した値がセットされる。本実施形態では、後述するように4ms周期で実行されるタイマ割込み処理において動作確認タイマが1ずつ減算されるため(図26のS82)、4800msに対応するタイマ値は1200となり、動作確認タイマの初期値はこれに1を加算した1201となる。このように本実施形態では、動作確認表示の実行時間の計時に用いる動作確認タイマの初期設定を、電源投入時の処理(メインループ処理の前)に行っている。
S13(図9,図10)の設定変更分岐判定処理に戻って説明を続ける。Sb2で得られた値が0でなければ(ZF≠1)、即ちA(1,1,1)でなければ、図10のSYSTEM_80、即ちRAM異常判定処理(S16)へとジャンプする(Sb3)。
RAM異常判定処理(S16)は、「RAM異常」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、図10に示すように、まずRAM異常か否かの判定を行う(Sd1,Sd2)。即ち、領域内RAMの設定値ワーク領域(W_SETVAL)から設定値データを取得し、その設定値データと設定最大値(@DANMAX)である6とを比較してそれらの差を求める(Sd1)。本実施形態の場合、RAM上の設定値ワーク領域には、f〜6の何れが選択されているかに応じて0〜5の何れかの設定値データが格納されているはずであるから、正常であれば、設定値データと6との差は負の値となる。従って、その差が負の値でなければ(JF=0)、RAM異常と判断してSYSTEM_90、即ち電源再投入待ち処理(S17)にジャンプする(Sd2)。
またRAM異常でない場合には、バックアップ異常か否かの判定を行う(Sd3,Sd4)。即ち、バックアップフラグの値とAA55H(@BACKUP)とを比較してそれらの差を求める(Sd3)。そして、その差が0でなければ(ZF≠1)、バックアップ異常と判定し、ジャンプすることなく次のSYSTEM_90、即ち電源再投入待ち処理(S17)へと移行する(Sd4)。
なお上述したように、設定変更処理(S14)でバックアップフラグをクリアし(Sc3)、電源異常チェック処理で電源異常を検出した場合にはシステム動作ステータスが00Hの場合にのみバックアップフラグがON(=AA55H)に設定されるようになっているため、設定変更期間中に電断が発生した場合には、次の電源投入時にはこのRAM異常判定処理(S16)でバックアップ異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。
電源再投入待ち処理(S17)では、図10のソースプログラム及び図21のフローチャートに示すように、まず電源再投入コマンド(BA7FH)を送信する(Se1,Se2)。演出制御基板83aが電源再投入コマンド(BA7FH)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の表示が行われる(図39)。
そして、Wレジスタに「E」表示用のオフセット値である06Hをセットし(Se3)、Aレジスタをクリアした上で(Se4)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Se5)という一連の処理を無限に繰り返す電源再投入待ち状態(Se6)となる。ここで、システム入出力管理処理については既に設定変更処理(S14)で説明した通りであるが、Wレジスタの値が異なることにより、設定変更処理のときとは一部動作が異なっている。即ち、この電源再投入待ち処理ではシステム入出力管理処理をコールする際にWレジスタに06Hをセットしているため(Se3)、システム入出力管理処理のSs4(図15)では、数値用7セグデコードテーブルにおける7番目の表示パターンデータ、即ち「E」を表示するための“01111001B”がAレジスタにセットされる。従って、設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dにはエラーを示す「E」が表示される。
以上のように本実施形態では、性能情報表示手段97のダイナミック点灯制御に関する処理と電源異常チェック処理とをシステム入出力管理処理(表示制御モジュール)として設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)等の間で共通化することにより、プログラム容量を削減している。
また以上のように本実施形態では、RAM異常又はバックアップ異常の場合には、電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成されている。なお、RAM異常により電源再投入待ち処理(S17)が実行された場合、次の電源再投入時のS13でA(1,1,1)でない場合には再びRAM異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。よって、電源再投入待ちとなって電源を再投入する際には、扉(前枠3)を開放し、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とを共にONにすることによって設定変更処理(S14)を実行させ、設定値を設定1〜6のうちの任意の値に設定する必要がある。
このように、「RAM異常」の場合には、電源の再投入により設定変更処理(S14)を実行させて設定値を正常な値に設定させるために電源再投入待ち状態となる。その点、設定変更処理(S14)を実行する「設定変更」の場合には、RAM異常であっても電源再投入待ち状態にする必要がない。よって本実施形態では、無駄な処理を排除すべく、設定変更分岐判定処理(S13)の後にRAM異常判定処理(S16)を実行するようになっている。
S16のRAM異常判定処理に戻って説明を続ける。S16でRAM異常でもバックアップ異常でもないと判定された場合には、図11のSYSTEM_110、即ちRAMクリア分岐判定処理(S18)へと移行する(Sd4)。このRAMクリア分岐判定処理(S18)は、「RAMクリア」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、図11に示すように、まずAレジスタの第5ビット(@B_RWMCR)の値をCF(キャリーフラグ)に転送する(Sf1)。そして、そのCF(Aレジスタの第5ビット)が1であれば、即ちRAMクリアスイッチ92がONであれば、「RAMクリア」の処理態様が選択され、Sf2でジャンプすることなく次のRAMクリア処理(S15)へと移行するが、そうでなければSYSTEM_160、即ち設定確認分岐判定処理(S19)へとジャンプする。
本実施形態では、Aレジスタの第4,5,6ビットの値の8種類の組み合わせのうち、RAMクリア分岐判定処理(S18)が実行されるのはA(1,1,1)以外の7種類の場合である。そしてそれら7種類のうち、「RAMクリア」の処理態様が選択されるのはA(0,1,1)、A(1,1,0)、A(0,1,0)の3種類の場合であるから(図13参照)、このS18ではAレジスタの第4,5,6ビットのうちの第5ビットのみを判定すれば足りる。
なお、上述したようにRAMクリア処理(S15)では設定値ワーク領域はクリアされないため、本実施形態ではRAMクリア分岐判定処理(S18)よりも前にRAM異常判定処理(S16)を実行するように構成されている。
RAMクリア処理(S15)及びそれ以降の処理については既に説明した通りであるが、この場合、RAMクリア処理(S15)におけるSg9の時点ではシステム動作ステータスは初期値である01Hのままであるため、設定変更経由判定処理(Sg9)では設定変更処理(S14)を経由していないと判定され、設定変更経由時処理(Sg11〜Sg22)は実行されない。従って、約1秒間の設定変更確定表示は行われないため、設定変更が行われていないにも拘わらず無駄に1秒間の待ち時間が設けられることもない。
RAMクリア分岐判定処理(S18)でAレジスタの第5ビットが1でないと判定された場合に移行する設定確認分岐判定処理(S19)は、「設定確認」と「バックアップ復帰」の何れの処理態様を選択するかを判定するものである。このように、設定確認分岐判定処理(S19)をRAM異常判定処理(S16)よりも後に行うことにより、設定確認或いはバックアップ復帰と判定された後にRAM異常により復帰できないという事態を回避できる。
設定確認分岐判定処理(S19)では、図11に示すように、まずAレジスタの値と“01010000B”(@DOPEN+@SETKY)とを比較してそれらの差を求める(Sh1)。これにより得られる値は、Aレジスタの第4,6ビットが1で第5ビットが0の場合(=A(1,0,1))、即ち扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONの場合に0となる(図13参照)。なお、得られた値(差)が0であれば例えばZF(ゼロフラグ)に1がセットされる。そして、Sh1で得られた値が0でなければ(ZF=0)、即ちA(1,0,1)でなければ、「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」の処理態様が選択され、次の設定確認処理(S20)をスキップしてSYSTEM_180、即ちバックアップ復帰処理(S21)へと移行(ジャンプ)する(Sh2)。
本実施形態では、Aレジスタの第4,5,6ビットの値の8種類の組み合わせのうち、設定確認分岐判定処理(S19)が実行されるのは第5ビットが0の4種類の場合のみである。そして、それら4種類のうち、「設定確認」の処理態様が選択されるのはA(1,0,1)の場合のみであり、それ以外のA(0,0,1)、A(1,0,0)、A(0,0,0)の3種類の場合は全て「バックアップ復帰」の処理態様が選択される(図13参照)。
バックアップ復帰処理(S21)では、図11に示すように、まず領域内RAMにおけるバックアップフラグのアドレスをHLレジスタにセットし(Sj1)、領域内RAMにおける入賞口エラー検出タイマ3のアドレスからバックアップフラグのアドレスを引いて1を加えることにより得られた値をBレジスタにセットする(Sj2)と共に、0クリア処理をコールする(Sj3)。本実施形態では、領域内RAMの設定値ワーク領域の次がバックアップフラグワーク領域となっており、そのバックアップフラグワーク領域の次から入賞口エラー検出タイマ3ワーク領域までの間が、エラー関連のワーク領域となっている。従って、上記Sj1〜Sj3により、領域内RAMにおけるバックアップフラグワーク領域と、それに続くエラー関連のワーク領域とが0クリアされる。このように、バックアップ復帰時であっても、エラー関連のワーク領域だけは0クリアすることで、電断前のエラー情報を持ち越さないようになっている。
そして、停電復帰表示コマンド用の下位バイトデータである03HをWレジスタにセットし(Sj4)、次の共通処理(S22)に移行する。共通処理(S22)については既に説明した通りであるが、この場合、Wレジスタには03Hがセットされているため、イニシャライズコマンド(BA01H)の送信(Sk1,Sk2)に続いては停電復帰表示コマンド(BA03H)が送信される。
設定確認分岐判定処理(S19)に戻って説明を続ける。図11のSh2において、Sh1で得られた値が0であれば(ZF=1)、即ちA(1,0,1)であれば、「設定確認」の処理態様が選択され、SYSTEM_180(バックアップ復帰処理S21)へジャンプすることなく、次の設定確認処理S20に移行する。
設定確認処理(S20)では、図11のソースプログラム及び図22のフローチャートに示すように、まず不正情報タイマ(W_SGTMER)に初期値(例えば30秒に対応する値)をセットする(Si1)。この不正情報タイマは、セキュリティ信号の出力時間をカウントするためのもので、例えば後述するタイマ割込み処理においてこの不正情報タイマの値が0になるまでセキュリティ信号を出力するようになっている。なお本実施形態では、「設定確認」の場合、不正情報タイマへの初期値の設定を設定確認処理(S20)の開始時に行っているため、設定確認終了後に所定時間(ここでは30秒)のセキュリティ信号の出力が保証される。即ち、例えば不正情報タイマへの初期値の設定を設定確認処理(S20)の終了時に行う場合、例えば設定確認期間中に電源を切り(電断)、設定変更操作手段93をOFFにして電源を再投入することによりバックアップ復帰させると(電断復帰)、セキュリティ信号の出力をキャンセルできる可能性があるが、本実施形態の場合にはそのような手順で操作しても不正情報タイマには30秒に対応する初期値がセットされているため、セキュリティ信号の出力をキャンセルすることはできない。即ち本実施形態では、設定確認処理(S20)の実行中に電断し、その後の電断復帰時に設定確認処理(S20)を実行することなく遊技処理を実行する場合もセキュリティ信号を外部出力するため、セキュリティ信号を所定時間確実に出力することが可能である。
続いて、設定確認期間が開始したことを示す設定確認開始コマンド(BA60H)を送信する(Si2,Si3)。演出制御基板83aが設定確認開始コマンド(BA60H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定確認中」等の表示が行われる(図39)。なお、例えば設定確認開始コマンド(BA60H)の下位バイトに設定値データを加算することにより、設定値データの情報を付加した設定確認開始コマンド(BA60H〜BA65H)を送信するようにしてもよい。
次に、設定値ワーク領域から取得した設定値データをWレジスタにセットし(Si4)、「.(ドット)」に対応する表示パターンデータである“10000000B”(@SEG_DP)をAレジスタにセットした上で(Si5)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Si6)一連の処理を、設定確認終了条件が満たされるまで、即ち設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されるまで繰り返し実行する(Si7,Si8)。
ここで、システム入出力管理処理については既に設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)で説明した通りであるが、WレジスタとAレジスタの値が異なることにより、設定変更処理、電源再投入待ち処理のときとは一部動作が異なっている。即ち、この設定確認処理ではシステム入出力管理処理をコールする際にWレジスタに設定値データを、Aレジスタに「.(ドット)」に対応する表示パターンデータを夫々セットしているため(Si4,Si5)、システム入出力管理処理のSs4(図15)では、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にWレジスタの値(設定値データ)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタ(「.(ドット)」に対応する表示パターンデータ)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新する。これにより、設定値データ(0〜5の何れか)に対応して「1.」〜「6.」の何れかが設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dに表示される。
そして、設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されると、設定確認期間が終了したことを示す設定確認終了コマンド(BA67H)を送信し(Si9,Si10)、既に説明したバックアップ復帰処理(S21)に移行する。
このように本実施形態では、設定表示手段94(7セグ表示部97d)のダイナミック点灯制御に関する処理と電源異常チェック処理とをシステム入出力管理処理(M_SYSIO)として設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)及び設定確認処理(S20)の間で共通化することにより、プログラム容量を削減している。
以上のS12〜S22が終了すると、メインループ処理(S23〜S28)に移行する。このメインループ処理では、割込みを禁止し(S23)、各種乱数を更新し(S24)、全レジスタをスタック領域に退避させ(S25)、領域外処理(S26)を実行した後、全レジスタを復帰させて(S27)割込みを許可する(S28)という一連の処理を繰り返し実行する。これにより、例えば4ms周期でタイマ割込み処理が呼び出され、実行される。
ここで、領域外処理(S26)では、図23に示すように、まず領域内スタックポインタを退避させ(S61)、領域外RAMチェック処理(S62)を実行する。この領域外RAMチェック処理(S62)では、例えば図24に示すように、領域外RAMに異常があるか否かを判定し(S71)、領域外RAMに異常があると判定することを条件に(S71:Yes)、領域外RAMを初期化(クリア)する(S72)。
このように、メインループ中に領域外RAMに異常が発生した場合には領域外RAMは初期化されるが(S71,S72)、本実施形態では動作確認タイマは領域内RAMに記憶されているため、例えば動作確認タイマの値が0に達する前に領域外RAMに異常が発生しても動作確認タイマの値はクリアされない。
領域外RAMチェック処理(S62)に続いては性能表示集計除算処理(S63)を実行する。性能表示集計除算処理(S63)は、性能表示手段95に表示するベース値(所定情報)を算出するもので、アウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでの単位計測期間中に、その単位計測期間中における「低確率状態での払い出し個数」と「低確率状態でのアウト個数」とをカウントし、前者を後者で除算することによりリアルタイムベース値を算出する。
なお、性能表示集計除算処理(S63)では、「低確率状態での払い出し個数」と「低確率状態でのアウト個数」とのカウント処理については常に行うが、それらのカウント値を用いてリアルタイムベース値を算出するための除算処理については、後述する集計除算カウンタに開始値がセットされたときに実行し、それ以外のタイミングでは実行しないようになっている。また、単位計測期間が終了するとき、その時点のリアルタイムベース値が新たな第1累計ベース値となり、それまでの第1,第2累計ベース値が夫々新たな第2,第3累計ベース値となる。
性能表示集計除算処理(S63)の実行後は、領域内スタックポインタを復帰させ(S64)、領域外処理を終了する。
図25は、以上説明した電源投入処理において主制御基板82aから演出制御基板83aに対して送信される主なコマンドとその送信順序とを、「設定変更」、「RAMクリア」、「設定確認」、「バックアップ復帰」、「RAM異常」の5種類の処理態様毎に示したものである。この図25より明らかなように、「設定変更」における設定変更開始コマンド(BA76H)及び設定変更終了コマンド(BA77H)、「設定確認」における設定確認開始コマンド(BA60H)及び設定確認終了コマンド(BA67H)、「RAM異常」における電源再投入コマンド(BA7FH)については各処理態様の場合にのみ送信されるが、それ以外のコマンドについては、複数の処理態様において共通に送信されるようになっている。
続いて、主制御基板82aのタイマ割込み処理(図26)について説明する。このタイマ割込み処理(図26)では、まず電源異常チェック処理(S81)を実行する。この電源異常チェック処理(S81)は、既に説明した図18に示す電源異常チェック処理と共通である。このように、電源投入処理とタイマ割込み処理とで電源異常チェック処理を共通化することによりプログラム容量の更なる削減が可能となっている。
電源異常チェック処理(S81)が終了すると、続いて遊技制御に用いられる各種タイマを管理するタイマ管理処理(S82)、各入賞手段に設けた遊技球検出手段や操作手段等の各種センサによる検出情報を管理する入力管理処理(S83)、設定値に関する異常チェックを行う設定異常チェック処理(S84)、各種エラーの発生を監視するエラー管理処理(S85)、大当たり判定乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理(S86)、払出制御基板90aに払出制御コマンドを送信する等の賞球管理を行う賞球管理処理(S87)を実行する。
ここで、タイマ管理処理(S82)では、例えば動作確認タイマの減算処理も行われる。この動作確認タイマの減算処理は、例えば動作確認タイマの値が0になるまで行われる。動作確認タイマは、電源投入時の共通処理(S22)における作業領域初期設定処理(図20のSk12)において、初期値として動作確認時間(ここでは4800ms)に対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201がセットされているため、電源投入後の最初のタイマ管理処理(S82)で1減算され、4800msに対応する1200となる。
また、賞球管理処理(S87)に続いては、普通図柄管理処理(S88)、普通電動役物管理処理(S89)、特別図柄管理処理(S90)、特別電動役物管理処理(S91)を実行する。
普通図柄管理処理(S88)は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を管理するもので、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/はずれの判定(当たり判定)を行うと共に、その当たり判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択し、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を行うようになっている。
また、普通電動役物管理処理(S89)は、普通利益状態を管理するもので、S88の当たり判定結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段63の開閉部78を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
特別図柄管理処理(S90)は、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を管理するもので、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて、大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、その他の乱数値よりなる第1,第2特別乱数情報を取得すると共にその第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、第1,第2特別図柄表示手段53,54が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列から、その先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値を用いた乱数抽選により所定の大当たり確率で大当たり/はずれの判定を行うと共に、その大当たり判定結果に応じて、第1,第2特別図柄の停止図柄態様、演出図柄の変動パターン等を決定し、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を行うようになっている。
特別電動役物管理処理(S91)は、大当たり遊技を管理するもので、大当たり判定の結果が大当たりとなり、第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に、大入賞手段64を所定の開放パターンに従って開状態に変化させる大当たり遊技(第1,第2特別利益状態)を発生させるようになっている。
特別電動役物管理処理(S91)に続いては、外部端子処理(S92)、LED管理処理(S93)を実行する。外部端子処理(S92)では、外部出力端子からホールコンピュータ等の外部装置に各種情報を出力するための処理を行う。本実施形態では、例えば設定確認処理(S20)の開始時等において不正情報タイマに初期値(例えば30秒に対応する値)をセットするようになっているが、この外部端子処理(S92)では、その不正情報タイマを減算しつつ、その値が0になるまで(即ち例えば30秒経過するまで)外部出力端子からセキュリティ信号を出力するようになっている。
またLED管理処理(S93)は、遊技情報表示手段50、性能表示手段95(性能情報表示手段97)等を構成するLEDの発光管理を行うものである。本実施形態では遊技情報表示手段50と性能情報表示手段97とについてダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。
LED管理処理(S93)では、図27に示すように、まずLEDコモンポートとLEDデータポートにクリア信号を出力して同ポートをクリアし(S101)、LED出力カウンタをインクリメントする(S102)。そして、LEDコモン出力選択テーブル(図28(a))から、LED出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択し(S103)、そのコモンデータをLEDコモンポートに出力する(S104)。
本実施形態のLEDコモン出力選択テーブルでは、図28(a)及び図7に示すように、コモンC0とコモンC4とをONにする第1コモンデータと、コモンC1とコモンC5とをONにする第2コモンデータと、コモンC2とコモンC6とをONにする第3コモンデータと、コモンC3とコモンC7とをONにする第4コモンデータの4種類のコモンデータが設けられており、それら第1〜第4コモンデータが、LED出力カウンタの増加に応じてその順序で循環的に選択されるようになっている。
これにより、1割込み毎(ここでは4ms毎)に、遊技情報表示手段50の点灯対象はLEDグループ50a→50b→50c→50d→50a→…のように順次変化し、同様に性能表示手段95(性能情報表示手段97)の点灯対象は7セグ表示部97a→97b→97c→97d→97a→…のように順次変化する。
続いて、LED出力カウンタについて、最下位を第0ビットとしたときの第5ビットの値を判定し(S105)、その値に応じて2つのLEDデータ出力情報テーブルA,B(図28(b))の何れかを選択する(S106a,106b)。これにより、割込み32回(128ms)毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えることができる。もちろん、割込み何回毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えるかは任意である。
ここで、LEDデータ出力情報テーブルA,Bは、遊技情報表示手段50に接続されるLEDデータポート1に対応しており、図28に示すように夫々第1〜第4コモンデータに対応する第1〜第4LEDデータA0〜A3,B0〜B3が設けられている。即ち、第1LEDデータA0,B0は、コモンC0に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50a(第1特別図柄表示手段53)のLEDデータであり、第2LEDデータA1,B1は、コモンC1に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50b(第2特別図柄表示手段54)のLEDデータであり、第3LEDデータA2,B2は、コモンC2に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50c(特別保留個数表示手段55等)のLEDデータであり、第4LEDデータA3,B3は、コモンC3に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50d(普通図柄表示手段51等)のLEDデータである。
LEDデータ出力情報テーブルA,Bの何れかを選択すると(S106a,S106b)、そのLEDデータ出力情報テーブルからLED出力カウンタの値に対応するLEDデータを選択し(S107)、そのLEDデータをLEDデータポート1に出力し(S108)、LED管理処理を終了する。
以上の処理により、遊技情報表示手段50の4つのLEDグループ50a〜50dを4ms毎に順次切り替えつつ点灯させることができ、しかも同一グループで2種類の表示態様を128ms毎に切り替えることができる。
図26のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明したLED管理処理(S93)が終了すると、全レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(S94)、性能表示手段95による表示を行うための性能表示更新処理(S95)を実行する。この性能表示更新処理(S95)により、性能表示手段95が全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示が所定の動作確認時間(例えば約5秒間)行われた後、性能表示集計除算処理(図23のS63)で算出される複数種類のベース値(ここではリアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の4種類)を性能表示手段95に表示する複数のベース値表示期間(リアルタイムベース値表示期間、第1〜第3累計ベース値表示期間)が所定時間(例えば4.8秒)毎に循環的に切り替えられる。
このように、性能表示手段95の動作確認表示は、タイマ割込みのLED管理処理(S93)において実行されるため、その開始時期は、設定変更終了後に所定時間(例えば約1秒)行われる設定表示手段94による設定変更確定表示の終了後となる。なお、性能表示手段95の動作確認表示後は、例えば扉(前枠3)開放中等の所定期間のみベース値の表示を行うようにしてもよいし、時間経過以外の所定条件を満たしたとき(例えばボタン操作が行われたとき)に複数のベース値表示期間を切り替えるようにしてもよい。
性能表示手段95を構成する4つの7セグ表示部97a〜97d(図5,図7)は、例えば上位2桁の7セグ表示部97d,97cがベース値の種類(リアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の別)等を示す識別表示部、下位2桁の7セグ表示部97b,97aがベース値の数値等を表示する数値表示部となっている。
ベース値は、アウト個数が所定個数(ここでは60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間毎に計測されるが、初回電源投入後の1回目の単位計測期間は、電源投入時から開始するのではなく、所定の計測前期間の経過後(例えばアウト個数が所定個数(ここでは300個)に達したとき)に開始する。
リアルタイムベース値表示期間中、識別表示部には例えばリアルタイムベース値を示す「bL.」と表示し、数値表示部には例えばそのリアルタイムベース値表示期間の開始時又はその直前のリアルタイムベース値を表示するが、その時点の単位計測期間におけるアウト個数が所定閾値(例えば6000個)に達しているか否かに応じて、識別表示部の「bL.」の表示態様を例えば点灯と点滅とで異ならせるようになっている。なお、ベース値は例えば小数第一位を四捨五入した上で数値表示部に表示するが、四捨五入後の値が3桁以上の場合には、数値表示部にオーバーフローを示す「99.」等を表示する。
また、第1〜第3累計ベース値表示期間中は、識別表示部には例えば第1〜第3累計ベース値を示す「b1.」〜「b3.」を表示し、数値表示部にはその時点の第1〜第3累計ベース値を表示するが、未だ第1〜第3累計ベース値が得られていない場合には、例えば識別表示部の「b1.」〜「b3.」を点滅表示すると共に数値表示部には「−−」を表示する。例えば初回電源投入後の1回目の単位計測期間が終了するまでは、第1〜第3累計ベース値は何れも得られていないため、第1〜第3累計ベース値表示期間中の性能表示手段95の表示は「b1.−−」〜「b3.−−」となる。
なお、1回目の単位計測期間が始まる前の計測前期間中(アウト個数が300個未満)については、識別表示部には「bL.」,「b1.」〜「b3.」を例えば点滅表示し、数値表示部には例えば「−−」を点灯表示する。
性能表示更新処理(S95)では、図29に示すように、まず全レジスタを退避させた後(S111)、表示更新処理(S112)により、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファに夫々表示パターンデータをセットし、続く表示データ出力処理(S113)により、それら識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファにセットされた表示パターンデータを、LED管理処理(図27)で選択されたコモン(7セグ表示部)に応じてLEDデータポート2(図7)に出力することにより、性能表示手段95に所定の表示を行う。そして、試射試験信号出力処理(S114)を実行し、全レジスタを復帰させて(S115)終了する。
以下、表示更新処理(S112)の処理手順を、図35〜図37のタイムチャートを適宜参照しつつ時間経過に従って説明する。表示更新処理(S112)では、図30に示すように、まずこの表示更新処理の実行が電源投入後1回目である場合に限り(S121:Yes)、性能表示手段95の表示に関する各種情報(動作確認タイマを除く第1情報)の初期設定を行う(S122)。S121の判定については種々の方法が考えられるが、本実施形態では、動作確認タイマの値が4800msに対応する値、具体的には1200であるか否かで判定を行う。本実施形態の動作確認タイマは、電源投入時の作業領域初期設定処理(図20のSk12)で、初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201がセットされ、その後の1回目のタイマ管理処理(S82)で1減算されるため、電源投入後1回目の表示更新処理(S112)の時点では動作確認タイマの値は4800msに対応する1200となっている。
S122では、例えば点滅周期タイマに0が、点灯・消灯切替カウンタに15が、集計除算カウンタに所定の非開始値が、表示内容ポインタに4が、夫々セットされると共に、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファに夫々消灯データ(0000H)がセットされる。ここで、点滅周期タイマは点滅周期を計時するためのもの、点灯・消灯切替カウンタは点滅時の点灯と消灯とを切り替えるためのもの、集計除算カウンタは、性能表示集計除算処理(S63)においてカウント値を用いてリアルタイムベース値を算出するタイミングを指定するためのものである。また表示内容ポインタは、性能表示手段95の表示内容、即ちベース値の種類を指定するためのもので、例えばリアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値に対応して例えば1〜4の値をとるようになっている。
このように本実施形態では、性能表示手段95の表示に関する第1情報、即ち点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタについて電源投入後に初期設定を行うように構成することで、例えば電源を投入する毎に、動作確認表示が開始される際の点灯/消灯の状態が異なったり、動作確認表示後に最初に表示されるベース値の種類が異なるようなことがなく、電源投入後の性能表示手段95の表示開始時の状態を常に同じにすることができる。
また本実施形態では、性能表示手段95の表示に関する所定情報のうち、動作確認タイマについては割込み処理が開始される前の電源投入処理にて初期設定を行い(Sk12)、それ以外の第1情報、例えば点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタについては割込み処理にて初期設定を行うため(S122)、電源投入時の処理時間が短く、迅速な立ち上げが可能である。
なお、点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタについては領域外RAM(第2記憶領域)に記憶される。従って、領域外RAMチェック処理(図24)で領域外RAM異常であると判定された場合には(S71:Yes)、領域内RAMに記憶されている動作確認タイマはクリアされないが、領域外RAMに記憶されている点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、集計除算カウンタ、表示内容ポインタ等はクリアされる。
続いて、点滅周期タイマをインクリメントし(S123)、その加算後の点滅周期タイマの値が所定値(ここでは0.3秒に対応する75)以上であるか否かを判定し(S124)、点滅周期タイマの値が所定値未満であれば(S124:No)ここで表示更新処理を終了する。S124で点滅周期タイマの値が所定値(ここでは75)以上であれば(S124:Yes)、その点滅周期タイマをクリアする(S125)と共にS126以降の処理を実行する。このように、S125以降の処理は、点滅周期タイマが所定値である75に達する毎、即ち例えば0.3秒(=4ms×75)経過毎に実行される。
なお、上述したS122において、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファには初期値として夫々消灯データ(0000H)がセットされるため、S124で最初にYes判定となるまで(点滅周期タイマが最初に所定値に達するまで)の約0.3秒間(図35のT1〜T2)は、性能表示手段95は全消灯状態となる。
S125に続いては、点灯・消灯切替カウンタをインクリメントする(S126)と共に、その加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が偶数/奇数の何れであるかを判定し(S127)、偶数であれば図31のS131へ、奇数であれば図32のS141へ移行する。即ち、例えば0.3秒経過毎に、図31に示すS131以降の処理と、図32に示すS141以降の処理とが交互に行われる。
本実施形態では、S122で点灯・消灯切替カウンタに初期値として15がセットされるため、電源投入後1回目のS127(図35のT2)では点灯・消灯切替カウンタは偶数(=16)となり、図31のS131へ移行する。この時点の点灯・消灯切替カウンタは16で所定値(ここでは15)以上であるから、点灯・消灯切替カウンタはS131でクリアされ、0になる(図35参照)。またこの時点の動作確認タイマの値は1126(図35参照)であって0ではないから(S132:No)、識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々点灯データ(FFFFH)をセットし(S133,S134)、ここで表示更新処理を終了する。これにより、性能表示手段95は全消灯状態から全点灯状態に切り替わる。なお、このS133,S134の点灯データは、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。
その0.3秒後の表示更新処理では、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタは1となるから(図35のT3)、S127で奇数と判定されて図32のS141へ移行する。この時点の動作確認タイマの値は1051(図35参照)であって0ではないから(S141:No)、識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々消灯データ(0000H)をセットする(S142,S143)。これにより、性能表示手段95は全点灯状態から全消灯状態に切り替わる。なお、S142,S143の消灯データについても、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。また、この時点での点灯・消灯切替カウンタの値は1であって所定値(ここでは15)ではないから(S147:No)、ここで表示更新処理を終了する。
以上の処理は、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが15になる前まで(図35のT4)繰り返し行われる。そして、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが15となったとき(図35のT5)、S127で奇数と判定されて図32のS141に移行するが、この時点の動作確認タイマの値は1(図35参照)であって0ではないから、S142,S143で識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々消灯データ(0000H)をセットする。これにより、性能表示手段95は全点灯状態から全消灯状態に切り替わる。
そして、この時点の点灯・消灯切替カウンタは15であるから、続くS147の判定がYesとなり、S148〜S151の処理を実行する。即ち、表示内容ポインタに1を加算し(S148)、その加算後の表示内容ポインタが所定値(ここでは5)以上であることを条件に(S149:Yes)、表示内容ポインタに1をセットする(S150)。本実施形態では、S122で表示内容ポインタには初期値として4がセットされるため、S148の加算後の表示内容ポインタの値は5となり、S149で所定値以上であると判定され、S150で表示内容ポインタに1がセットされる。そして、集計除算カウンタに開始値をセットし(S151)、表示更新処理は終了する。
集計除算カウンタに開始値がセットされると、性能表示集計除算処理(図23のS63)において、その時点のカウント値を用いてリアルタイムベース値を算出するための除算処理が行われる。リアルタイムベース値の算出が行われると、集計除算カウンタには非開始値がセットされる。なお、例えばリアルタイムベース値の表示を行わない計測前期間中等、集計除算カウンタに開始値がセットされても、リアルタイムベース値を算出しない場合があってもよい。
その0.3秒後の表示更新処理では、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタは16となるから(図35,図36のT6)、S127で偶数と判定され、続く図31のS131で、点灯・消灯切替カウンタはクリアされて0となる。そして、この時点では動作確認タイマは既に0となっているから(S132:Yes)、動作確認表示を終了し、S135〜S138の処理を実行する。このように本実施形態では、性能表示手段95の全消灯と全点灯とを所定時間(0.3秒)毎に切り替える動作確認表示が、図35のT1〜T6まで約5.1秒間(=0.3秒×17)行われる。
S135〜S138では、まず識別表示部LEDデータテーブルから、表示内容ポインタに対応する識別表示部表示パターンデータを取得し(S135)、取得した識別表示部表示パターンデータを識別表示部出力バッファにセットする(S136)。識別表示部LEDデータテーブルには、図33(a)に示すように、表示内容ポインタの1〜4の値に対応して、「bL.」,「b1.」,「b2.」,「b3.」の表示に対応する表示パターンデータが予め記憶されている。この時点の表示内容ポインタの値は1であるから(図36参照)、「bL.」の表示に対応する表示パターンデータが識別表示部出力バッファにセットされる。
また、10進数値LEDデータテーブルから、数値表示部への表示内容に対応する数値表示部表示パターンデータを取得し(S137)、取得した数値表示部表示パターンデータを数値表示部出力バッファにセットする(S138)。数値表示部への表示内容は、例えば図34に示すように表示内容ポインタと区間ポインタとに基づいて決定する。ここで、区間ポインタはベース値の計測に関する期間を示すもので、例えば図34に示すように、「計測前期間」、それに続く「第1単位計測期間」,「第2単位計測期間」,「第3単位計測期間」及び「第4単位計測期間以降」の5種類の期間に対応して1〜5の何れかの値をとるようになっている。また、10進数値LEDデータテーブルには、図33(b)に示すように、「0」〜「9」の10種類の数字と「−」とに対応する各1バイトの表示パターンデータが予め格納されている。
この時点(図36のT6)では、表示内容ポインタは1であり、また区間ポインタは1(計測前期間)である可能性が高いから、図34に示すように数値表示部の表示内容は「−−」となる。従って、10進数値LEDデータテーブルから10の位の「−」に対応する“01000000B”と、同じく1の位の「−」に対応する“01000000B”とが取得され、数値表示部出力バッファにセットされる。
以上により、図35,図36のT6の時点(動作確認表示の終了時点)でリアルタイムベース値表示期間(計測前期間)が開始され、性能表示手段95の表示は全消灯状態から「bL.−−」に切り替えられる。
その0.3秒後(図36のT7)の表示更新処理では、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタは1となり、S127で奇数と判定される。そして、図32のS141で動作確認タイマの値は0であると判定されるから(S141:Yes)、続くS144で識別表示部の表示態様が点灯/点滅の何れであるかを判定し、その判定結果が点滅であることを条件に(S145:Yes)、識別表示部出力バッファに消灯データ(0000H)をセットする(S146)。これにより、識別表示部の表示は例えば「bL.」から消灯状態に切り替わる。なお、数値表示部出力バッファの値は更新されないため、数値表示部の表示は例えば「−−」のまま変化しない。
以上の処理は、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが16になる前まで(図36のT8)繰り返し行われる。なお、S126による加算後の点灯・消灯切替カウンタが15となったときには(図36のT8)、図32のS147の判定がYesとなるから、S148〜S151の処理により、表示内容ポインタが1から2に変化すると共に集計除算カウンタに開始値がセットされる。
これにより、その0.3秒後(図36のT9)にはリアルタイムベース値表示期間が終了して新たに第1累計ベース値表示期間が開始し、例えば識別表示部は例えば「b1.」の点滅状態となり、数値表示部には例えば「−−」が点灯表示される。
図37は、識別表示部の表示態様が点灯の場合の例として、区間ポインタが3(第2単位計測期間)で、表示内容ポインタが2(第1累計ベース値表示期間)の場合の性能表示手段95の表示状態を示している。区間ポインタが3で表示ポインタが2の場合、識別表示部の表示態様は点灯となっているため(図34)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が偶数の場合には、識別表示部出力バッファには「b1.」に対応する識別表示部表示パターンデータが、数値表示部出力バッファにはその時点の第1累計ベース値に対応する数値表示部表示パターンデータがセットされ(S135〜S138)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が奇数の場合には、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファは何れも更新されない。従って、図37のT10〜T11の第1累計ベース値表示期間中、識別表示部には「b1.」が点灯表示され、数値表示部にはその時点の第1累計ベース値が点灯表示される。
そして、表示内容ポインタが2から3に切り替わって第2累計ベース値表示期間が開始されると(図37のT11)、識別表示部の表示態様は点滅となるため(図34)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が偶数の場合には、識別表示部出力バッファには「b2.」に対応する識別表示部表示パターンデータが、数値表示部出力バッファには「−−」に対応する数値表示部表示パターンデータがセットされ(S135〜S138)、S126の加算後の点灯・消灯切替カウンタの値が奇数の場合には、識別表示部出力バッファに消灯データ(0000H)がセットされる(S146)。従って、図37のT11〜の第2累計ベース値表示期間中、識別表示部には「b2.」が点滅表示され、数値表示部には「−−」が点灯表示される。
また、動作確認表示中(図35のT1〜T6)に領域外RAMに異常が発生した場合(図24のS71:Yes)、領域外RAMはクリアされるが(S72)、動作確認タイマは領域内RAMに記憶されているためクリアされない。従って、動作確認表示は中断することなく、少なくとも動作確認タイマの値が0に達するまでそのまま継続される。しかしながらこの場合、領域外RAMに記憶されている点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、表示内容ポインタ等(第1情報)についてはクリアされるため、例えば点滅のタイミング(点滅周期タイマの値が所定値(75)に達するタイミング)等が変化する可能性がある。また、表示内容ポインタがクリアされることにより、動作確認表示後の最初の表示内容が変化する可能性もある。
図26のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明した性能表示更新処理(S95)が終了すると、退避していたレジスタの内容を復帰させ(S96)、WDTをクリアして(S97)、タイマ割込み処理を終了する。
続いて、演出制御基板83aの制御動作について説明する。演出制御基板83aは、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67等の各種演出手段による演出を制御するもので、図6(b)に示すように、電源投入時制御手段101、特別保留個数表示制御手段102、先読み予告演出制御手段103、図柄変動演出制御手段104、通常予告演出制御手段105等を備えている。
電源投入時制御手段101は、電源投入時に主制御基板82aから各種制御コマンドを受信することに基づいて液晶表示手段66等の各種演出手段を制御するようになっている。
図38,図39は、主制御基板82aからの主な受信コマンドとそれに対応する液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67の作動内容とを処理態様毎に示したもので、図38が「RAMクリア」及び「設定変更」の場合を、図39が「バックアップ復帰」、「設定確認」及び「RAM異常」の場合を示している。
RAMクリア時については、図38に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときに、液晶表示手段66に「Please Wait」等の文字情報を表示するが、電飾手段96は全て消灯し、スピーカ18,25からはBGM等の音声は出力せず(消音)、可動演出手段67は例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。そして、その後にイニシャライズコマンド(BA01H)を受信したとき、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25についてはそれまでの状態を継続するが、可動演出手段67については初期動作(イニシャライズ動作)の実行を開始する。
そして、RAMクリアコマンド(BA02H)を受信すると、液晶表示手段66に演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)を表示すると共に、電飾手段96を全て点灯させ、スピーカ18,25からは所定のRAMクリア音を出力し、可動演出手段67についてはそれまでの状態(初期動作)を継続する。
その後に客待ち中コマンド(BA04H)を受信すると、液晶表示手段66の表示については、例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまでそのまま継続し、電飾手段96を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段67についてはそれまでの状態を継続する。
また設定変更時については、図38に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、設定変更開始コマンド(BA76H)を受信したときに、液晶表示手段66に設定変更期間中であることを示す「設定変更中」等の文字情報を表示すると共に、電飾手段96を例えば所定の設定変更中パターンで発光させ、スピーカ18,25からは所定の設定変更中音を出力するが、可動演出手段67についてはそれまでの状態を継続する。そして、その後に設定変更終了コマンド(BA77H)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67の何れについてもそれまでの状態を維持する。なお、設定変更終了コマンド(BA77H)を受信したとき、液晶表示手段66に表示中の「設定変更中」等の文字情報を消去し、電飾手段96の設定変更中パターンでの発光を終了して消灯し、スピーカ18,25からの設定変更中音の出力を停止してもよい。その後のイニシャライズコマンド(BA01H)、RAMクリアコマンド(BA02H)、客待ち中コマンド(BA04H)の受信時における各演出手段の演出態様はRAMクリア時と同様である。
またバックアップ復帰時については、図39に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)、イニシャライズコマンド(BA01H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、停電復帰表示コマンド(BA03H)を受信したとき、液晶表示手段66に、遊技の再開を促すための「停電から復帰しました 遊技を再開してください」等の文字情報を表示するが、電飾手段96については例えば全消灯を維持し、スピーカ18,25については消音状態を維持し、また可動演出手段67については例えば初期動作を継続する。その後、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値コマンド(F6xxH)、状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67の何れについてもそれまでの状態を維持する。そして、客待ち中コマンド(BA04H)を受信したときには、液晶表示手段66には例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまで演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)を表示し、電飾手段96を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段67についてはそれまでの状態を継続する。
このバックアップ復帰時には、電断前の状態で復帰することになるため、例えば電断前における遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報が大当たりの停止態様であった場合には、バックアップ復帰後も大当たりの停止態様で復帰することとなる。ここで、設定変更処理が実行された場合に、RAMクリア処理後、遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報として、はずれの停止態様を示す値や、非点灯を示す値、その他の特定値(遊技中には使用しない表示態様)を設定するようにすると、バックアップ復帰時の特別図柄の表示態様と矛盾が生じ、これによりバックアップ復帰されたか(すなわち非設定変更)、設定変更処理が行われたかを遊技者が判別可能となる。これは、遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報だけに限らず、普通図柄の情報に関しても同様のことが言える。そこで、バックアップ復帰時に、特別図柄が変動中か否かの情報を確認して、変動中ではないと判断した場合には、遊技情報表示手段50が示す特別図柄の表示態様を、設定変更の場合と同じはずれの停止態様に設定することで、仮にバックアップ復帰時に遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報が当たりを示す表示態様であったとしても、はずれの停止態様を示す値や、非点灯を示す値、その他の特定値(遊技中には使用しない表示態様)に書き換えることができるので、設定変更処理が行われた際との矛盾が生じない。
ここで、特別図柄が変動中か否かの情報を確認することとしたのは、仮に特別図柄が変動中であった場合には、変動中の特別図柄の情報をはずれに書き換えてしまうこととなり、仮にその変動が当たりの変動であった場合には、当たりをはずれ態様で表示してしまうという矛盾を発生させてしまうからである。このような矛盾は、遊技機として市場に提供可能な基準を満たしているとは到底言えず、絶対に発生させてはいけない事象であるので、上述の様な構成としている。このように、バックアップ復帰時に、特別図柄の情報を参照して特定の条件(非変動中や客待ち中など)を満たす場合には、遊技情報表示手段50の特別図柄の情報を書き換えるようにしてもよく、これにより特定の条件(電断前の状態が非変動中や客待ち中など)を満たしたバックアップ復帰時と、RAMクリア時や設定変更時とで、同様の情報を遊技情報表示手段50の特別図柄の表示態様として指定することができ、設定変更処理がなされたか否かの判別を困難にすることが可能となる。また、特別図柄の情報に限らず、特別図柄の非変動中にしか発生し得ない客待ち状態中か否かを参照することで、同様の構成とするようにしてもよい。また、特別図柄だけに限らず、遊技情報表示手段50が示す普通図柄についても同様の構成としておくことが望ましい。これにより、特別図柄と同様に普通図柄についてもバックアップ復帰時と設定変更時とで表示態様に矛盾が生じないように構成することが可能となる。
また設定確認時については、図39に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、設定確認開始コマンド(BA60H)を受信したときに、液晶表示手段66に設定確認期間中であることを示す「設定確認中」等の文字情報を表示すると共に、電飾手段96を例えば所定の設定確認中パターンで発光させ、スピーカ18,25からは所定の設定確認中音を出力するが、可動演出手段67についてはそれまでの状態を継続する。その後に設定確認終了コマンド(BA67H)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67の何れについてもそれまでの状態を維持する。そして、イニシャライズコマンド(BA01H)、停電復帰表示コマンド(BA03H)、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値コマンド(F6xxH)、状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)、客待ち中コマンド(BA04H)の受信時における各演出手段の演出態様はバックアップ復帰時と同様である。なお、例えば設定確認終了コマンド(BA67H)を受信したとき、液晶表示手段66に表示中の「設定確認中」等の文字情報を消去し、電飾手段96の設定確認中パターンでの発光を終了して消灯し、スピーカ18,25からの設定確認中音の出力を停止してもよい。
またRAM異常時については、図39に示すように、電源投入時コマンド(FA08H)を受信したときにRAMクリア時と同様の処理を行った後、電源再投入コマンド(BA7FH)を受信したときに、液晶表示手段66に電源の再投入を促すための「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の文字情報を表示するが、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67についてはそれまでの状態を維持するようになっている。
特別保留個数表示制御手段102は、液晶表示手段66への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1〜X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1〜Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段66に表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶よりも第2特別図柄の保留記憶を優先的に消化するため、保留表示に関しても第2特別図柄側を優先し、図3に示すように第1保留画像X1〜X4の前側に第2保留画像Y1〜Y4を夫々一部重ねて表示している。主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留加算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の最後尾に1個追加表示する。また、主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留減算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて変動中保留画像Zに変化させるようになっている。なお本実施形態では、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜、変動中保留画像Zの表示色(表示態様)については例えば「白」をデフォルトとし、後述する保留変化予告を実行する場合には先読み予告演出制御手段103で選択されたシナリオに従って変化させるようになっている。
先読み予告演出制御手段103は、先読み予告演出を制御するものである。先読み予告演出は、主制御基板82aによる先読み判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当たり態様となって大当たり遊技が発生するか否か等を予告するもので、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行する「連続予告」、先読み判定結果に基づいて第1,第2保留画像(保留表示)X1〜,Y1〜の表示態様を異ならせる(変化させる)「保留変化予告」等がある。
図柄変動演出制御手段104は、演出図柄80の表示制御及びそれに伴う音声出力、電飾発光等の制御を行うもので、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオと、通常予告演出制御手段105によって選択された予告演出シナリオとに基づいて演出図柄80の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄80の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
通常予告演出制御手段105は、通常予告演出を制御するものである。通常予告演出は、主制御基板82a側の大当たり判定処理による大当たり判定結果等に基づいて、当該図柄変動中にその図柄変動後の停止図柄が第1,第2大当たり態様となるか否かを予告するもので、いわゆる「疑似連」、「SU予告」、「タイマ予告」、「復活演出」、「プレミア予告」等がある。
ここで「疑似連」とは、第1,第2特別図柄が1回変動する間に液晶表示手段66で演出図柄80を複数回変動させる演出であり、例えば疑似連の変動回数が多いほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。また「SU予告」は、第1,第2特別図柄の変動中に、液晶表示手段66への演出図柄80の表示を含む所定の演出ステップを、例えば大当たり信頼度に応じて複数段階(例えばSU1〜SU5の5段階)のうちの所定段階まで実行する演出であり、例えば演出ステップの段階が進むほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。「タイマ予告」は、例えば液晶表示手段66上に所定のタイミングでタイマ画像を表示して計時(例えばカウントダウン)を行う演出であり、例えばその計時時間が長いほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。また「復活演出」ははずれ等を表示した状態から復活して例えば大当たり態様となる演出、「プレミア予告」とは出現率が極めて低く、出現したときには例えば確変大当たりが確定する演出である。
通常予告演出制御手段105は、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドから得られる情報(ここでは大当たり判定結果と変動パターン選択結果)と、設定値(設定1〜6の何れか)と、通常予告演出選択テーブルとに基づいて、通常予告演出に関する抽選を実行するか否か(抽選あり/なし)等を選択する。また、複数の通常予告演出の少なくとも1つについて抽選実行を選択した場合には、その通常予告演出について、例えば大当たり判定結果と、設定値(設定1〜6の何れか)と、各通常予告演出に関するシナリオ選択テーブルとに基づいて複数のシナリオの中から1つを選択する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、設定値に応じて乱数抽選の当選確率が異なるように構成し、設定値に関する設定情報を表示可能な設定表示手段94を備え、電源投入時に設定変更開始条件を満たす場合に、遊技に関する遊技処理の実行前に、設定変更操作に基づいて設定値を変更する設定変更処理(S14)を実行し、電源投入時に設定確認開始条件を満たす場合に、遊技処理の実行前に、設定表示手段94にその時点の設定値に関する設定情報を表示する設定確認処理(S20)を実行し、設定確認処理の実行後に、所定時間セキュリティ信号を外部出力するように構成し、設定確認処理の実行中に電断し、その後の電断復帰時に設定確認処理を実行することなく遊技処理を実行する場合もセキュリティ信号を外部出力するように構成しているため、設定確認の終了後にセキュリティ信号を所定時間確実に出力することが可能である。
また、設定変更処理(S14)では、設定変更操作の有無を判定して設定変更操作があった場合には設定値の変更に関する設定変更中処理(Sc7〜Sc19)を繰り返し実行し、設定変更終了条件を満たした場合に設定変更処理を終了するように構成し、設定変更中処理(Sc7〜Sc19)では、所定の待ち時間を設けるチャタリング防止待ち時間処理(所定待ち時間処理)(Ss10)の後、設定変更操作に関する操作入力情報を取得する操作入力情報取得処理(Ss11,Ss12)を実行するように構成しているため、十分でない操作環境の元でも迅速且つ確実な設定変更操作を行うことが可能である。また、設定変更中処理(Ss11,Ss12)では、設定表示手段94の表示制御をダイナミック点灯方式で行う表示制御処理を実行し、その表示制御処理では、データ出力タイミングを一定周期に調整するための周期調整待ち時間処理(Ss10)を実行し、その周期調整待ち時間処理をチャタリング防止待ち時間処理(所定待ち時間処理)としているため、チャタリング防止待ち時間用の処理プログラムを別途設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。
また、設定表示手段94の表示制御を行うシステム入出力管理処理(第1処理モジュール)を備え、電源投入時に設定変更開始条件を満たす場合には設定変更処理(S14)を実行し、電源投入時に設定確認開始条件を満たす場合には設定確認処理(S20)を実行し、設定変更処理(S14)は、システム入出力管理処理(第1処理モジュール)を呼び出すことにより設定表示手段94に設定情報を表示しつつ、設定変更操作に基づいて設定値の変更に関する処理を実行し、設定確認処理(S20)は、システム入出力管理処理(第1処理モジュール)を呼び出すことにより設定表示手段94にその時点の設定値に関する設定情報を表示するように構成しているため、プログラム容量の更なる削減が可能となっている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば設定確認に関するセキュリティ信号の出力期間については、設定確認処理中と設定確認処理後との何れか一方であってもよいし、それらの両方であってもよい。また、設定確認に関するセキュリティ信号の出力時間(所定時間)は、例えば50ms程度の短時間から30000ms或いはそれ以上の長時間までを任意に設定可能である。設定確認処理中と設定確認処理後とで異なるセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。実施形態では設定確認処理の開始時に不正情報タイマに初期値を設定するように構成したが、設定確認処理の実行を示すフラグをセットするようにしてもよい。
実施形態では、設定変更中、設定確認中における性能情報表示手段97のダイナミック点灯制御において、点灯時(4ms)の間だけコモンデータを指定し、消灯時(12ms)の間はコモンデータを指定しない(クリアする)ように構成したが、遊技中に性能情報表示手段97にベース値を表示する場合と同様、4ms毎にコモンデータを切り替えるように構成してもよい。その場合、点灯時(4ms)の間は点灯用データを指定し、消灯時(12ms)の間は、消灯用データに切り替えて点灯制御することが望ましい。
また実施形態では、ダイナミック点灯を行うためのプログラムをモジュール化して、設定変更中と設定確認中とで共通のサブモジュールを呼び出すこととしたが、これに限らず、遊技中に性能情報表示手段97にベース値を表示する際に使用する点灯用モジュールを呼び出すように構成してもよい。
実施形態では、性能表示手段95の一部を設定表示手段94として使用するように構成したが、性能表示手段95の全部を設定表示手段94として使用してもよいし、設定表示手段94と性能表示手段95とを別々に設けてもよい。
実施形態では、性能表示手段95の動作確認表示中に領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合でも、動作確認表示は継続して実行するように構成した例を示したが、動作確認表示中に領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合には性能表示手段95の動作確認表示を中断するように構成してもよい。
この場合の第1の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、動作確認タイマを領域内RAMではなく、点滅周期タイマ等と同じく領域外RAMに記憶することが考えられる。これにより、領域外RAMに異常が生じた場合(図24のS71:Yes)、領域外RAMが初期化(クリア)されることにより(S72)、動作確認タイマは0となるため、それが動作確認表示中であった場合には動作確認表示はその時点で中断し、以後再開されることはない。
この第1の構成を更に変更し、例えば領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示を再度最初から実行することができる。このとき、領域外RAMが初期化されたタイミングが動作確認表示中であった場合に限り、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合に再度動作確認表示が行われることを防止できる。逆に、領域外RAMが初期化されたタイミングに拘わらず動作確認タイマに初期値をセットするように構成すれば、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合には再度動作確認表示が行われる。なお、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするだけでなく、点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、表示内容ポインタ等についても初期値をセットするように構成してもよい。実施形態の表示更新処理(図30)の場合、S121で動作確認タイマの値が4800msに対応する1200の場合に、点滅周期タイマ等に初期値をセットするS122が実行されるため、例えば動作確認タイマに初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201をセットすれば、点滅周期タイマ等にも初期値をセットすることができるが、例えば動作確認タイマにそれ以外の値、例えば4800msに対応するタイマ値である1200をセットすれば、S122は実行されないため、点滅周期タイマ等には初期値はセットされない。
また、領域外RAMがクリアされた場合に動作確認表示を中断する第2の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合、領域内RAMに記憶された動作確認タイマをクリアすることが考えられる。これにより、領域外RAMの異常により動作確認表示中に領域外RAMがクリアされた場合、動作確認タイマもクリアされて0となるため、動作確認表示はその時点で中断し、以後再開されることはない。
また、領域外RAMがクリアされた場合に動作確認表示を中断する第3の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合、領域内RAMに記憶された動作確認タイマに初期値をセットすることが考えられる。これにより、領域外RAMの異常により動作確認表示中に領域外RAMがクリアされた場合、動作確認表示を再度最初から実行することができる。このとき、領域外RAMが初期化されたタイミングが動作確認表示中であった場合に限り、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合に再度動作確認表示が行われることを防止できる。逆に、領域外RAMが初期化されたタイミングに拘わらず動作確認タイマに初期値をセットするように構成すれば、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合には再度動作確認表示が行われる。なお、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするだけでなく、点滅周期タイマ、点灯・消灯切替カウンタ、表示内容ポインタ等についても初期値をセットするように構成してもよい。実施形態の表示更新処理(図30)の場合、S121で動作確認タイマの値が4800msに対応する1200の場合に、点滅周期タイマ等に初期値をセットするS122が実行されるため、例えば動作確認タイマに初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201をセットすれば、点滅周期タイマ等にも初期値をセットすることができるが、例えば動作確認タイマにそれ以外の値、例えば4800msに対応するタイマ値である1200をセットすれば、S122は実行されないため、点滅周期タイマ等には初期値はセットされない。
性能表示手段95の動作確認表示の態様については、7セグ表示部を全て同時に点滅させる全点滅に限られるものではなく、複数の7セグ表示部を順番に点滅させる順次点滅等でもよい。
設定変更機能に関連する設定変更機能部(RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、設定表示手段94等)のうち、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93については外側から操作できるように主基板ケース82の外側(後側)に露出させておく必要があるが、設定表示手段94については外側から表示内容を視認できればよいため、主基板ケース82内に収容しておくことが望ましい。これにより、少なくとも設定表示手段94へのアクセスが困難となるため、例えば遊技者に有利な設定値に不正に変更しつつ、設定表示手段94には遊技者に不利な設定値を表示させておくようなゴト行為を防止できる。
設定変更機能は、大当たり確率を変更するものであるため、ゴト行為の痕跡を容易に発見できるようにしておくことが重要である。そこで、各設定変更機能部に接続される電子部品(例えば、主制御CPU→電子部品1→電子部品2→設定変更機能部の順に接続されている場合には、電子部品1と電子部品2の少なくとも一方)については、主基板ケース82の管理番号表記部や開封履歴表記部等と前後に重ならない位置に配置することが望ましい。これにより、遊技機本体1の後方から主基板ケース82を視認した際(主基板ケース82の背面部分を通して主制御基板82aを視認した際)に、各設定変更機能部に接続される電子部品を容易に確認できる。また、管理番号表記部や開封履歴表記部に限らず、例えば設定可能な設定値の段階数(設定1〜6等)や設定毎の大当たり確率を表記したシールを主基板ケース82に貼付する場合にも同様の構成とすることが望ましい。
また、各設定変更機能部に接続される電子部品に限らず、例えばベース値を表示する性能表示手段95に接続されている電子部品(物理的に接続されているものに限らず、例えば主制御CPU→電子部品1→電子部品2→性能表示手段95の順に接続されている場合には、電子部品1と電子部品2の両方を含む)についても、同様の構成としておくことが望ましい。これにより、電子部品に対する何らかの不正により累計遊技におけるベース値を書き換えたりリセットするようなゴト行為が行われたとしても、その痕跡の発見が容易となる。
主基板ケース82に設けた各設定変更機能部の後側に位置するように裏カバー81を配置してもよい。これにより、裏カバー81を開放しない限り各設定変更機能部にアクセスできないため、ゴト行為の抑制という面では有利である。また、裏カバー81が主基板ケース82の後側に位置する構成を採用しつつ、各設定変更機能部と裏カバー81とが前後に重ならないように、裏カバー81の一部に開口部、切欠部等を設けてもよい。これにより、主基板ケース82の一部は裏カバー81と前後関係にあるので、裏カバー81を開放しない限り主基板ケース82を容易には取り外せないようにすることができ、ゴト行為を抑制することができると共に、ホール関係者が設定変更を行うために各設定変更機能部にアクセスする際には裏カバー81を開放する必要がなく、設定変更を容易に行うことができる。ホール関係者が設定変更を行う際のアクセスのし易さだけを考慮するならば、裏カバー81が主基板ケース82の後側には位置しないような構成としてもよい。
また、各設定変更機能部のうち、一部の機能部については裏カバー81と前後に重ならない位置に配置し、その他の機能部については裏カバー81と前後に重なる位置に配置してもよい。例えば、各設定変更機能部のうち、設定表示手段94(性能情報表示手段97)については裏カバー81と前後に重なる位置に配置し、その他の設定変更操作手段93、RAMクリアスイッチ92等については裏カバー81と前後に重ならない位置に配置してもよい。これにより、設定表示手段94についてはアクセスし難いため、設定情報の表示を変更するゴト行為を抑制できると共に、設定変更操作手段93、RAMクリアスイッチ92等については裏カバー81を開放することなくアクセスできるため、設定変更を容易に行うことができる。
また、実施形態のように設定キーを鍵穴部に差し込んでON/OFF操作を行う設定変更操作手段93の場合、その鍵穴部を裏カバー81と前後に重なる位置に配置してもよい。またこの場合、鍵穴部に設定キーを挿した状態では裏カバー81を閉鎖することができない構成としてもよい。例えば、裏カバー81を閉鎖した状態での鍵穴部とその後側の裏カバー81との間の隙間を、鍵穴部に挿した状態での設定キーの突出高さよりも小さくしておくことが考えられる。これにより、設定変更や設定確認を行った後の設定キーの抜き忘れを防止することが可能である。逆に、設定キーを挿した状態でも、裏カバー81を閉鎖することができる構成としてもよい。これにより、設定変更や設定確認を行った後、設定キーを挿しっぱなしの状態で裏カバー81を閉鎖したとしても、設定キーとの当接により裏カバー81や設定キーが損傷することを防止できる。
また、設定変更操作手段93の鍵穴部を裏カバー81と前後に重ならない位置に配置することにより、設定キーを挿した状態でも裏カバー81を閉鎖することができる構成としてもよい。この場合、裏カバー81を閉鎖した状態で、鍵穴部に挿した設定キーの頭部が裏カバー81よりも後側に突出するように構成してもよい。これにより、設定変更や設定確認を行った後、設定キーを挿しっぱなしの状態で裏カバー81を閉鎖した場合に、裏カバー81から設定キーが突出するため、設定キーの抜き忘れに気付きやすいという利点がある。
各設定変更機能部のうち、裏カバー81と前後に重なる位置に配置するものと、裏カバー81と前後に重ならない位置に配置するものの組み合わせは任意である。なお、設定表示手段94(性能情報表示手段97)を裏カバー81と前後に重なる位置に配置する場合には、裏カバー81における少なくとも設定表示手段94の後側に対応する部分については、裏カバー81を閉鎖した状態でも設定値を視認できるよう、光透過性とすることが望ましい。また、裏カバー81に設けられた放熱孔を、設定表示手段94と前後に重なる位置に配置してもよい。これにより、設定値を確認する際の視認性が高くなる。また、各設定変更機能部のうち、裏カバー81の放熱孔と前後に重なる位置に配置するものと、裏カバー81の放熱孔と前後に重ならない位置に配置するものの組み合わせは任意である(全て重なる位置でもよいし、全て重ならない位置でもよい)。
設定変更開始コマンド(BA76H)、設定変更終了コマンド(BA77H)、設定確認開始コマンド(BA60H)等の設定変更機能に関するコマンド(以下、設定情報コマンドという)を主制御基板82aからサブ基板へ送信するためのハーネス(以下、特定ハーネスという)については、裏カバー81と前後に重なる位置に配線することが望ましい。裏カバー81に複数の放熱孔がある場合には、特定ハーネスについては、放熱孔を避けた位置に配線することが望ましい。また、ここでいう「ハーネス」は、両端のコネクタ同士を繋ぐ複数本の信号線により構成されるが、上述のように裏カバー81と前後に重なる位置に配線したり、裏カバー81の放熱孔を避けて配線したりするのは、複数本の信号線のうち少なくとも設定情報コマンドが送信される信号線を含んでいればよい。これにより、遊技機後側から特定ハーネスへアクセスすることが困難となり、例えば特定ハーネスや特定ハーネスの信号線を挿脱して不正な電子部品を仕込むことにより本来の設定情報コマンドとは異なる情報を不正にサブ基板へ送信するようなゴト行為を抑制できる。
また特定ハーネスを、裏カバー81と前後に重ならない位置に配線したり、裏カバー81の放熱孔と前後に重なる位置に配線してもよい。これにより、遊技機後側からの特定ハーネスへのアクセスが容易になるとともに、特定ハーネスの遊技機後側からの視認性が高くなり、目視による確認を容易に行うことができる。また、特定ハーネスについては、複数の信号線の周りをビニール性等の特定部材などで覆うことで、アクセスを困難にしてもよい。またその場合であっても、前述した配置を採用することでより強固に不正行為を防止することができる。
実施形態では、設定表示手段94に表示する設定情報に「.(ドット)」を付加するか否かで、その設定情報が確定前のものか確定後のものであるかを識別可能としたが、例えば性能情報表示手段97を構成する7セグ表示部97a〜97dのうち、設定表示手段94として利用していない7セグ表示部97b〜97dの表示態様の違いによってその設定情報が確定前のものか確定後のものであるかを報知するようにしてもよい。
実施形態では、設定変更中や設定確認中であることを、サブ基板側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66等により報知するように構成したが、主制御基板82a側で制御する盤ランプや設定表示手段94により報知するようにしてもよい。ここで、サブ基板側で制御する電飾手段96とは、例えば遊技機の枠側に搭載されている可動体、操作手段、その他装飾部に設けられているLEDや、遊技機の遊技盤側に搭載されている可動体、始動口、アタッカー、センターケースなどの各種遊技部品に設けられているLEDのことである。一方、主制御基板82a側で制御する盤ランプとは、遊技機正面から視認可能となるように遊技盤16に設けられた遊技情報表示手段50(図3,図4)等である。
遊技情報表示手段50は、主制御基板82a側で決定する図柄抽選に関する様々な事項について、サブ制御基板を介さずに、主制御基板82aから直接信号を受けて、その内容を複数種類の発光表示手段により報知するようになっている。なお実施形態では、遊技情報表示手段50により構成される複数種類の発光表示手段として、普通図柄表示手段51、第1,第2特別図柄表示手段53,54、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58、ラウンド数報知手段59を例示したが、もちろんそれらに限られるものではない。
そして、設定変更中及び/又は設定確認中に、遊技情報表示手段50を構成するLED60を所定の発光態様で発光させることにより、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するように構成してもよい。この場合の遊技情報表示手段50の発光態様は、そのLED60の全てを点灯、点滅等させるものでもよいし、上述した複数種類の発光表示手段のうちの一部を点灯、点滅等させるものでもよい。またこのとき、設定変更中と設定確認中とで発光態様を異ならせることで設定変更中であるか設定確認中であるかを識別可能としてもよいし、逆に設定変更中と設定確認中とで発光態様を同じにすることで設定変更中と設定確認中との何れであるかについては識別できないようにしてもよい。
また実施形態の場合、設定変更中や設定確認中は遊技が出来ない状態(具体的には、発射操作が不可能であったり、始動入賞口への入賞が無効であったり、図柄変動に係る処理を実行しない状態などであり、要するに主制御のプログラムとしてこれらの処理を行うためのタイマ割込み処理を未だ開始していない状態)であって、遊技情報表示手段50の各発光表示手段についても本来の発光表示を行うことができない。従って、設定変更中及び/又は設定確認中に、その旨を報知するべく遊技情報表示手段50をどのような発光態様で発光させても、それが図柄変動に関する報知であるとホール関係者が誤認してしまう可能性は低いが、設定変更中及び/又は設定確認中に遊技情報表示手段50を以下のように発光させることでより効果的な報知が可能である。
即ち、遊技情報表示手段50の発光表示手段の全部を点灯/消灯/点滅等させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、多くのLED60により視覚的に発光態様を確認し易くすることができる。また、特定単数の発光表示手段のみで報知する場合には、その発光表示手段の発光部が故障していた場合などは報知不可能となるが、全部の発光表示手段を使用して報知する場合にはその心配はない。
また、遊技情報表示手段50の複数種類の発光表示手段のうち、いずれか1つの発光表示手段を点灯/消灯/点滅等させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、全部の発光表示手段を使用して報知する場合に比べて発光制御のためのプログラム容量を少なくすることができる。またその場合、発光表示手段が単数の発光部(LED60)により構成されている場合には、複数の発光部により構成されている場合に比べて視認性は低下するが、主制御から点灯/消灯/点滅を示す制御信号を送信するプログラム容量を更に少なくすることができる。
また、遊技情報表示手段50の複数種類の発光表示手段のうち、少なくとも2以上を組み合わせて点灯/消灯/点滅等させることにより、設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、現在の状況が遊技中ではなく設定変更中或いは設定確認中であると認識させ易くすることができる。例えば、実施形態のように第2特別図柄が第1特別図柄に優先して変動表示されるパチンコ機の場合には、遊技中であれば第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することはないため、設定変更中や設定確認中にそれら第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する発光表示手段(第1,第2特別図柄表示手段53,54)を同時に点灯等させることで、設定変更中或いは設定確認中であると認識させ易くすることができる。もちろんその他の2以上の発光表示手段により、遊技中には起こり得ない発光態様で設定変更中や設定確認中であることを報知するようにしてもよい。
また、遊技情報表示手段50の少なくとも1つの発光表示手段を、遊技中ではあり得ない発光態様で点灯/消灯/点滅等させることにより、設定変更中や設定確認中であることを報知してもよい。例えば、ラウンド数報知手段59が、遊技中は点滅状態で表示することがない場合に、このラウンド数報知手段59を点滅させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知してもよい。
ここで、遊技情報表示手段50の発光表示手段の発光態様として、点灯/消灯/点滅等と説明したが、この場合の点灯、点滅とは、視覚的にそのように認識されるものをいうものとする。即ち、実施形態のようにダイナミック点灯方式により遊技情報表示手段50を制御する場合、点灯状態であっても実際には高速の点滅状態であるが、これは点灯状態とする。点滅状態とは、視覚的に点灯状態(高速の点滅)と消灯状態(消灯)とを所定間隔で繰り返す場合をいう。
また、遊技中に遊技情報表示手段50の発光表示手段を制御する場合にはダイナミック点灯方式とし、設定変更中や設定確認中に遊技情報表示手段50の発光表示手段を制御する場合にはスタティック点灯方式としてもよい。例えば、遊技中は4msのタイマ割込み処理の発生を許可しているため、4ms毎に繰り返し行われる処理を利用して、毎割込み毎に遊技情報表示手段50の発光表示手段のいずれの発光部に点灯に関するデータを送信するかを決定するコモンデータを切り替えることができ、これにより割込み毎に所定間隔で点灯/消灯を繰り返して行うダイナミック点灯制御を行うことが容易である一方、設定変更中や設定確認中は遊技が可能な状態となる前であり、この期間では未だ4msのタイマ割込み処理の発生を許可していないため、同様の処理を実行しようとした場合にはそれを実現するために必要なプログラム容量が大きくなってしまう。その点、設定変更中や設定確認中は遊技情報表示手段50の制御をスタティック点灯方式とすれば、遊技情報表示手段50の発光表示手段のうち、何れかの発光部に対して点灯に関するデータを送信するだけでいいので、ダイナミック点灯制御の場合よりも圧倒的にプログラム容量を少なくすることが可能である。このように、遊技中と設定変更中及び/又は設定確認中とで、遊技情報表示手段50の点灯制御方式を異ならせてもよい。
また、遊技情報表示手段50に、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するための発光表示手段を、遊技中に使用する発光表示手段とは別に設けてもよい。この場合、設定変更中であることを報知する発光表示手段と、設定確認中であることを報知する発光表示手段とを別に設けてもよい。1種類の発光表示手段(1又は複数個の発光部)で設定変更中と設定確認中とを報知する場合、設定変更中と設定確認中とで発光態様を異ならせることで設定変更中であるか設定確認中であるかを識別可能としてもよいし、逆に設定変更中と設定確認中とで発光態様を同じにすることで設定変更中と設定確認中との何れであるかについては識別できないようにしてもよい。
また、遊技情報表示手段50に、遊技中に使用する発光表示手段とは別に、設定変更中であることを報知する発光表示手段と設定確認中であることを報知する発光表示手段とを設ける場合、両者を隣接するように配置することが望ましいが、他の発光表示手段を挟むように配置してもよい。
また、性能表示手段95は、遊技中はベース値を表示する為に常時作動しているため、基本的に遊技中は消灯状態を長時間継続するという制御を行うことがない。そのため、設定変更中や設定確認中などの遊技中ではない状態では、あえて消灯状態を継続することで、現在の状態が遊技中ではないと認識させることができ、それにより設定変更中や設定確認中であることを報知することが可能である。このように、性能表示手段95の本来の表示態様を考慮し、点灯状態ではなく敢えて消灯状態とすることで、設定変更中や設定確認中であることを報知するようにしてもよい。これは、設定表示手段94と性能表示手段95とを別々に設ける場合も同様である。
続いて、設定変更中や設定確認中であることを主制御側で制御する遊技情報表示手段50(盤ランプ)や設定表示手段94、性能表示手段95により報知することによるメリットを以下に記載する。仮にサブ側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66のみによって設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、ゴト行為により、主制御基板とサブ制御基板とを接続する信号線を切断されてしまうと、設定変更中や設定確認中であることを報知することができなくなってしまい、例えばホール関係者に知られることのないまま、容易に設定変更や設定確認を行うことが可能になってしまう。一方、サブ側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66に加えて(或いは代えて)、主制御側で制御する遊技情報表示手段50(盤ランプ)や設定表示手段94、性能表示手段95により設定変更中や設定確認中であることを報知するようにすれば、仮に主制御基板とサブ制御基板とを接続する信号線を切断された場合であっても遊技情報表示手段50や設定表示手段94、性能表示手段95による報知は行われるため、ホール関係者がゴト行為に気付くことが可能となる。
また、遊技機前側から視認可能な遊技情報表示手段50と、遊技機後側から視認可能な設定表示手段94及び/又は性能表示手段95(性能情報表示手段97)とを用いて、設定変更中や設定確認中であることを報知するように構成すれば、遊技機の前側と後側の両方から設定変更中や設定確認中の状態を確認可能である。
また、設定変更中や設定確認中であることを、サブ側(演出制御基板83a)で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66(演出手段)では報知せず、主制御側で制御する遊技情報表示手段50や設定表示手段94、性能表示手段95により報知するように構成してもよいが、サブ側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66と、主制御側で制御する遊技情報表示手段50や設定表示手段94、性能表示手段95との両方で報知するように構成することにより例えば識別性がより向上する。
また、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するための盤ランプとして遊技情報表示手段50を例示したが、主制御基板側で制御するものであればどのような発光手段でもよく、例えば盤側と枠側との何れに設けられているものでもよい。
実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用に利用する例を示したが、RAMクリアスイッチ92以外の操作手段、例えば演出ボタン34等を設定変更操作用に利用してもよいし、設定変更操作手段93に、設定変更に関するON/OFF機能に加えて設定変更操作機能を持たせてもよい。また、設定変更操作専用の操作手段を設けてもよい。
設定変更操作手段93は、主制御基板82aとは別の基板に設けてもよい。例えば別途、設定変更操作基板を設け、これに設定変更操作手段93を設けてもよい。
実施形態では、設定値を設定1〜6の6段階に変更可能な構成としたが、設定値の段階数は任意であり、2〜5段階でもよいし7段階以上でもよい。
演出制御基板83aが設定変更終了コマンド(BA77H)を受信した場合に、設定変更期間が終了した旨を液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25等により報知するようにしてもよい。また、演出制御基板83aが例えば設定確認終了コマンド(BA67H)等を受信した場合に、設定確認期間が終了した旨を液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25等により報知するようにしてもよい。
性能表示手段95の動作確認表示中に、遊技盤16に設けられた盤側可動体(例えば可動演出手段67)や前枠3側に設けられた枠側可動体による初期動作(イニシャル動作)を実行するようにしてもよい。また、性能表示手段95の動作確認表示が終了するまでに可動体の初期動作が終了するように構成することが望ましいが、盤側可動体と枠側可動体のいずれかの可動体についてのみ、動作確認表示中に初期動作が終了するように構成してもよい。また、性能表示手段95の動作確認表示が終了した後に、可動体の初期動作を実行するように構成してもよい。この場合には、当然ながら動作確認表示の終了後に初期動作が完了することとなる。
性能表示手段95の動作確認表示中は、遊技機前側のランプ・音・液晶のうちの少なくとも1つを用いて、動作確認表示中である旨を報知するようにしてもよい。これにより、性能表示手段95が動作確認表示中であることを、ホール従業員等が遊技機前側から確認することができる。性能表示手段95の動作確認表示中であっても、第1,第2特別図柄や普通図柄の変動表示を開始可能に構成してもよい。
実施形態では、性能表示手段95に、性能情報(特定情報)の一例としてベース値を表示することとしたが、表示する性能情報はこれに限らず、役物比率(いわゆる電チュー(第2特別図柄始動手段63)及び大入賞口(大入賞手段64)への入賞により払い出された遊技球/電チュー及び大入賞口に加えて始動入賞口(第1特別図柄始動手段62)、その他入賞口への入賞により払い出された遊技球)を表示するようにしてもよい。これにより、総払出遊技球のうち、電チューや大入賞口といった役物による払い出しの割合を性能表示手段95に表示することが可能となる。また、性能表示手段95に複数種類の性能情報、例えばベース値と役物比率とを表示する際には、ベース値と役物比率の両方を所定タイミングやボタン操作で切り替えて表示するようにしてもよいし、役物比率のみを表示するようにしてもよい。また、ベース値を表示するモニタと、役物比率を表示するモニタとを個別に設けてもよい。
設定値に関する各種履歴情報を記憶し、その履歴情報を所定の表示手段、例えば演出制御基板83a側で制御する表示手段(液晶表示手段66等)で表示可能としてもよい。この場合、設定変更処理や設定確認処理が行われた日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。またその場合、設定変更処理や設定確認処理の日時と共に、設定変更処理によって設定された設定値、設定確認処理により確認された設定値を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、例えばRTC(real-time clock)を搭載していないために設定変更等の日時を取得できない場合には、前回の設定変更からの通電経過時間を、例えば設定変更処理によって設定された設定値、設定確認処理により確認された設定値と共に記憶し、表示可能としてもよい。この場合、電源が投入される度にその時点から通電経過時間を蓄積カウントし、設定変更処理や設定確認処理を実行したときにその時点の通電経過時間の蓄積カウント値を履歴情報として記憶するように構成してもよい。更にその場合、通電経過時間の蓄積カウント値は設定変更処理を実行したときにクリアされ、設定確認処理を実行してもクリアされないように構成する。なお、例えばRTCを搭載している場合でも、設定変更等の日時と共に、或いは日時に代えて前回の設定変更からの通電経過時間を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、設定変更処理や設定確認処理の日時を履歴情報として記憶する場合、その履歴情報に基づいて例えば前回の設定変更からの経過時間等を算出し、表示可能としてもよい。また、特定のエラー情報が発生した場合にその旨を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。
設定値が異常値であると判定した場合には、その日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、設定値が異常値であると判定した後、正常な設定値が設定された場合に、その間の経過時間等を表示可能としてもよい。また、本来は遊技中に設定値が変更されたり、設定値が正常値から異常値になることはないが、ノイズやゴト行為により、遊技中にもかかわらず設定値に変更があった場合には、その日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、RAMクリア処理やバックアップ復帰処理が行われた場合にも例えば履歴情報として記憶し、その日時や回数等を表示可能としてもよい。
履歴情報の表示は、設定確認処理中や設定変更処理中とすることが望ましい。また、設定確認処理中や設定変更処理中に所定の操作入力があった場合に、表示手段に履歴情報を表示するように構成してもよい。また、遊技中であっても所定の操作入力があった場合には、表示手段に履歴情報を表示するように構成してもよい。
以上のような履歴情報は、演出制御基板83a側にSRAMを設け、このSRAMに記憶するようにしてもよい。演出制御基板83aの演出制御CPUは、電源投入時にSRAMの情報を読み出して内部ワークに保存し、後述する所定のタイミングで、内部ワークの情報をSRAMに記憶する処理を行う。基本的には、履歴情報はSRAMに記憶するが、履歴情報に更新がある場合には、内部ワークの値を更新するようにしている。このように更新時には内部ワークの値を更新することで、更新の度にSRAMにアクセスする必要がなく、SRAMへのアクセス頻度を少なくでき、処理速度を高速化することができる。
また、更新した内部ワークの情報については、例えばその内部ワークに記憶された経過時間を参照し、所定時間が経過したと判断されたタイミングでSRAMに記憶するようにしてもよい。また、主制御基板82a側から演出制御基板83a側に、設定確認中コマンド、設定確認終了コマンド、設定変更中コマンド、設定変更完了コマンド等の所定のコマンドが送信されたタイミングで、内部ワークの値をSRAMに記憶するようにしてもよい。ここで、設定確認中コマンド、定確認終了コマンド、設定変更中コマンド、設定変更完了コマンドが送信された場合には、その時点で新たに履歴情報が追加されることとなるため、まず新たな履歴情報を内部ワークに記憶した上で、SRAMに記憶する処理を行うことが望ましい。またこの際、バックアップ用のデータをSRAMのバックアップ領域に記憶させておくようにしてもよい(以下、SRAMの履歴情報を記憶している領域をメイン領域とし、バックアップ用のデータを記憶している領域をバックアップ領域とする)。
また、内部ワークの情報についてサム値を算出し、これも同様にSRAMに記憶させておくようにしてもよい。これにより、例えば演出制御CPUの電源が投入されたタイミングや履歴情報を表示するタイミングでSRAMの履歴情報を内部ワークに読み出した場合に、読み出した内部ワークのサム値と記憶したサム値とを比較することで、履歴情報が正常か否かを判断することができる。ここで、内部ワークに読み出した履歴情報が正常ではない場合には、バックアップ用として記憶した履歴情報をSRAMから内部ワークに読み出すようにしてもよい。またこの際にも、読み出した内部ワークのサム値とバックアップ用に記憶したサム値とを比較して、正常なデータか否かを判断するようにしてもよい。そして、バックアップ用の履歴情報も正常ではないと判断された場合には、内部ワークの情報を初期化した上で、その初期化データをSRAMに書き込むようにしてもよい。この場合、SRAMのバックアップ領域に対しても初期化データを書き込むようにする。一方、バックアップ用の履歴情報が正常であると判断された場合には、内部ワークの情報をSRAMのメイン領域に書き込むようにする。これにより、正常ではないと判断されたメイン領域の履歴情報を正常なものに書き換えることができる。
SRAMの履歴情報が記憶されるメイン領域とバックアップ領域には、例えばチェックサム記憶領域(2バイト)、最新履歴位置情報記憶領域(2バイト)、経過時間記憶領域(4バイト)、履歴記憶領域(300バイト)等を夫々設けてもよい。ここで、チェックサム記憶領域には、サム値が記憶されている。また最新履歴位置情報記憶領域には、最新の履歴情報を記憶するための位置情報が記憶されている。例えば現在30履歴までを記憶している場合には、次に記憶する履歴情報は31個目になるので、最新履歴位置情報記憶領域には31履歴目の情報として記憶するための位置情報を記憶している。ここで、記憶可能な履歴情報の数を最大50個とした場合には、50履歴の次に新たな履歴を記憶する場合には、1履歴目の情報に上書きする形で記憶することとなるので、最新履歴位置情報記憶領域は、1履歴目を示す情報となる。なお、それらの例えば最大50個の履歴情報は上述した履歴記憶領域に記憶される。また経過時間記憶領域には、上述した通電経過時間の蓄積カウント値等が記憶される。
履歴情報の表示中は、遊技機前側の十字操作手段35、演出ボタン34等の操作手段を操作することによって履歴情報の切り替えを行えるようにしてもよい。例えば、最初に表示される画面を1ページ目とした場合に、ここには最新の履歴情報を1個目として、過去へ遡る形で所定個数(例えば10個目まで)の履歴情報が表示される。そして、例えば十字操作手段35の左右キーを操作することで、2ページ目へと切り替わり、11個目から20個目までの履歴情報が表示される。同様の操作により例えば5ページ目まで切替可能であり、それによって例えば全50履歴まで表示可能となる。そのため、ページの切替操作が行われたタイミングでは、次に表示されるページにて表示する必要がある履歴情報についてのみ、その情報がコマンドにより液晶制御CPUへ送信又は表示手段に送信されることとなる。また、履歴情報の1ページ目については、ページ切り替え用の操作手段(ここでは十字操作手段35の左右キー)とは別の操作手段(例えば演出ボタン34)が操作された場合にその表示を開始するようにしてもよい。また、何れかのページを表示中に、ページ切り替え用の操作手段(ここでは十字操作手段35の左右キー)とは別の操作手段(例えば演出ボタン34)が操作された場合には履歴情報の表示を終了するようにしてもよい。また、所定期間中(設定確認中、設定変更中等)は、所定の操作手段(ここでは演出ボタン34)を操作する毎に、履歴情報の表示と非表示とを切り替え可能としてもよい。
履歴情報の表示中は、ベース値を表示する性能表示手段95を非表示としておくことが望ましい。また、性能表示手段95の動作確認表示についても履歴情報の表示中は行わないようにすることが望ましい。また、履歴情報の表示中であっても、音量及び/又は光量の調整が有効となるように構成してもよい。この場合、履歴情報の表示中は、音量及び/又は光量の調整が有効であっても、履歴情報を表示している表示手段には調整が有効である旨の表示は行わないことが望ましいが、行う場合には履歴情報とは重ならない位置に表示することが望ましい。また、履歴情報の表示中は、音量及び/又は光量の調整の調整ができないようにしてもよい。
また、履歴情報の表示中は、少なくとも盤側の可動体のイニシャライズ動作を実行しないようにすることが望ましい。これにより盤側の可動体が表示手段(液晶表示手段66)の前側に移動して、表示画面の視認性を妨げてしまうことを防止することができる。また、枠側の可動体についても同様にイニシャライズ動作を実行しないようにしてもよい。但し、枠側の可動体については、液晶表示手段66等の表示画面を妨げる可能性がない場合にはイニシャライズを行うようにしてもよい。この場合、例えば演出ボタン34等の操作手段に搭載された振動手段や、エアーを噴出する送風演出装置26などについてもイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。これにより、枠側の可動体については、先にイニシャライズ動作を終了させておくことができるので、履歴情報の表示終了後、すなわち設定確認処理や設定変更処理の終了後に、盤側の可動体のイニシャライズを行うだけで済むため効率的である。またこれに限らず、履歴情報の表示終了後に、全ての可動体についてイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。
上述した全ての実施形態、変更形態は、どのように組み合わせて構成してもよく、各実施形態、変更形態として記載した内容は個別の実施形態、変更形態のみに限定されるものではない。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。