以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
電子機器の構成の一部を示す等価回路図を図1に示す。
図1に示すように、電子機器、ここでは携帯情報端末は、3つの通常時用のバッテリーと1つの非常用のバッテリーを用いている。
3つの通常時用のバッテリーの合計残量が第1の閾値電力を下回った場合は、非常時モードに移行する。バッテリーの残量の検出手段としては、電圧計、電流計、電力計などを利用することができる。図1では電圧計を用いる例を示している。
非常時モードでは、CTL=“H”として、非常時用のバッテリーから電力を供給する。また、携帯情報端末全体の消費電力を低下させる。具体的には、液晶表示装置をIDS駆動とする。
また、ハイブリッドディスプレイであれば反射表示のみとし、ゲームソフトウェアなどの非常時用ではないアプリケーションソフトウェアは終了あるいは起動不許可とする。CPUやGPU、液晶表示装置のコントローラはノーマリオフ駆動、すなわち、不揮発性レジスタにレジスタデータを退避した後パワーゲーティングし、当該レジスタデータを復帰した後に動作を再開することで消費電力を低減する駆動方法、を用いるものとする。また、携帯情報端末は、位置情報を定期的に基地局に送信する必要があるが、この頻度を低くする。基地局から呼び出し信号を受信した場合、また、携帯情報端末から非常電話をかける場合には、通話が可能とする。
なお、非常時用のバッテリーの残量を第1の電力とすると、上記非常時モードで、バッテリーの残量が第1の電力から第4の閾値電力P4(通話に必要な非常時用のバッテリーの残量)に低下するまでの時間が所望の時間だけ得られるように、第1の電力を設定すればよい。当該時間の目安としては、災害が発生してから人命救助の目安とされる72時間を目処に100時間以上200時間以下が望ましい。また、必要な回数だけ通話するための電力も含むことが望ましい。例えば、10回以上20回以下の通話が可能なことが望ましい。
なお、太陽電池や無線給電装置などの非常時用のバッテリー及び通常時用のバッテリーを充電する充電装置を有する構成が好ましい。このような構成とすることで、非常時用のバッテリーの残量が第4の閾値電力P4未満となっても、所定の時間経過後に第4の閾値電力P4以上の非常時用のバッテリーの残量に回復させることが可能となる。
また、充電装置は、非常時用のバッテリーにのみ充電する構成が可能である。具体的には。図1の構成で充電器からの電流を非常時用のバッテリーもしくは常用のバッテリーに選択的に、もしくは、同時に供給できるスイッチを設けることができる。このような構成とすることで、非常電話の回数、頻度を向上し、また、非常電話を待ち受けることの出来る時間を長くすることができる。さらに、充電装置は、非常時用のバッテリーの残量が第1の電力まで充電した後、通常時用のバッテリー及び非常時用のバッテリーを充電する構成が可能である。このような構成とすることで、情報携帯端末のその他の機能も使えるようになり、利便性が向上する。
(実施の形態2)
本実施の形態では、一つの電子機器に一つのリチウムイオン二次電池を用いる場合の例を示す。
二次電池の残量が第1の閾値電力P1を下回った場合は、非常時モードに移行する。二次電池の残量の検出には、電圧計、電流計、電力計などを利用することができる。具体的には、図2に示す第1の閾値電力P1選択範囲が示されている。バッテリーの出力で電圧が3.3V未満となるとLSIなどの一部の回路では、特別に電圧を昇圧して電源電圧を生成しないと動作困難となる場合があるため、P1選択範囲の下限は3.3Vとする構成が適当である。なお、その他のP1選択範囲の下限の電圧としては、5.0V、2.5V、2.0V、1.8V、1.2Vなどが有効であるが、バッテリーの特性と合わせて適宜決めることができる。また、P1選択範囲の上限においては使用するリチウムイオン二次電池の性能にも左右されるが例えば、図2に示すP1選択範囲においては3.6V近傍とする。これよりも高い電圧に設定すると、僅かな電圧変動で閾値電力より低下したとみなす誤検出が生じやすくなる恐れがある。また、特に、バッテリーに個差がある場合には、未だ十分な残量があるにもかかわらず第1の閾値電力より低下したとみなされ、充電回数が増えることになる恐れがある。
また、定期的にバッテリーの残量を検出することで使用状況を鑑み、残量の低下傾向を予測する演算回路を電子機器に設けておくことが好ましい。電子機器の使用中に、電子機器のP1選択範囲となることが予測される時間が予め判明するため、使用者にアラームを出すことができる。
非常時モードでは、携帯情報端末全体の消費電力を低下させる。具体的には、液晶表示装置をIDS駆動とし、また、ハイブリッドディスプレイであれば反射表示のみとし、ゲームソフトウェアなどの非常時用ではないアプリケーションソフトウェアは終了あるいは起動不許可とする。CPUやGPU、液晶表示装置のコントローラはノーマリオフ駆動とする。
また、携帯情報端末は、スムーズな電話の授受を可能にするため、位置情報を定期的に基地局に送信する必要があるが、この頻度を低くする。基地局から呼び出し信号を受信した場合、また、携帯情報端末から非常電話をかける場合には、通話が可能とする。
なお、少なくとも数回の通話に必要なバッテリーの残量を第2の閾値電力P2(ただし、P1>P2>0Vを満たす)とすると、上記非常時モードで、バッテリーの残量が第1の閾値電力P1から第2の閾値電力P2に低下するまでの時間が所望の時間だけ得られるように、第1の閾値電力P1及び第2の閾値電力P2を設定すればよい。
さらに、太陽電池や無線給電装置などを有する構成が好ましい。このような構成とすることで、バッテリーの残量が第2の閾値電力P2未満となっても、所定の時間経過後に第2の閾値電力以上のバッテリーの残量に回復させることが可能となる。
本実施の形態ではリチウムイオン二次電池の例を示したが、特に限定されず、ナトリウムイオン二次電池や、ニッケル水素電池や、電気二重層キャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学キャパシタ、空気電池などを用いてもよい。
本実施の形態は実施の形態1と自由に組み合わせることができる。
(実施の形態3)
図3乃至図5を用いて、本実施の形態の表示装置の構成例について説明する。
<構成例1>
図3は、表示装置300の斜視概略図である。表示装置300は、基板351と基板361とが貼り合わされた構成を有する。図3では、基板361を破線で明示している。
表示装置300は、表示部362、回路364、配線365等を有する。図3では表示装置300にIC(集積回路)373及びFPC372が実装されている例を示している。そのため、図3に示す構成は、表示装置300、IC、及びFPCを有する表示モジュールということもできる。
回路364としては、例えば走査線駆動回路を用いることができる。
配線365は、表示部362及び回路364に信号及び電力を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC372を介して外部から、またはIC373から配線365に入力される。
図3では、COG(Chip On Glass)方式またはCOF(Chip on Film)方式等により、基板351にIC373が設けられている例を示す。IC373は、例えば走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。なお、表示装置100及び表示モジュールは、ICを設けない構成としてもよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
図4には、表示部362の一部の拡大図を示している。表示部362には、複数の表示素子が有する電極311bがマトリクス状に配置されている。電極311bは、可視光を反射する機能を有し、液晶素子180の反射電極として機能する。
また、図3に示すように、電極311bは開口451を有する。さらに表示部362は、電極311bよりも基板351側に、発光素子170を有する。発光素子170からの光は、電極311bの開口451を介して基板361側に射出される。発光素子170の発光領域の面積と開口451の面積とは等しくてもよい。発光素子170の発光領域の面積と開口451の面積のうち一方が他方よりも大きいと、位置ずれに対するマージンが大きくなるため好ましい。特に、開口451の面積は、発光素子170の発光領域の面積に比べて大きいことが好ましい。開口451が小さいと、発光素子170からの光の一部が電極311bによって遮られ、外部に取り出せないことがある。開口451を十分に大きくすることで、発光素子170の発光が無駄になることを抑制できる。
図4に、図3で示した表示装置300の、FPC372を含む領域の一部、回路364を含む領域の一部、及び表示部362を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
図4に示す表示装置300は、基板351と基板361の間に、トランジスタ201、トランジスタ203、トランジスタ205、トランジスタ206、液晶素子180、発光素子170、絶縁層220、着色層131、着色層134等を有する。基板361と絶縁層220は接着層141を介して接着されている。基板351と絶縁層220は接着層142を介して接着されている。
基板361には、着色層131、遮光層132、絶縁層121、及び液晶素子180の共通電極として機能する電極113、配向膜133b、絶縁層117等が設けられている。基板361の外側の面には、偏光板135を有する。絶縁層121は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層121により、電極113の表面を概略平坦にできるため、液晶層112の配向状態を均一にできる。絶縁層117は、液晶素子180のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。絶縁層117が可視光を透過する場合は、絶縁層117を液晶素子180の表示領域と重ねて配置してもよい。
液晶素子180は反射型の液晶素子である。液晶素子180は、画素電極として機能する電極311a、液晶層112、電極113が積層された積層構造を有する。電極311aの基板351側に接して、可視光を反射する電極311bが設けられている。電極311bは開口451を有する。電極311a及び電極113は可視光を透過する。液晶層112と電極311aの間に配向膜133aが設けられている。液晶層112と電極113の間に配向膜133bが設けられている。
液晶素子180において、電極311bは可視光を反射する機能を有し、電極113は可視光を透過する機能を有する。基板361側から入射した光は、偏光板135により偏光され、電極113、液晶層112を透過し、電極311bで反射する。そして液晶層112及び電極113を再度透過して、偏光板135に達する。このとき、電極311bと電極113の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板135を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層131によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
図4に示すように、開口451には可視光を透過する電極311aが設けられていることが好ましい。これにより、開口451と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶層112が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
接続部207において、電極311bは、導電層221bを介して、トランジスタ206が有する導電層222aと電気的に接続されている。トランジスタ206は、液晶素子180の駆動を制御する機能を有する。
液晶素子180には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。
なお、液晶素子180として、反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板135を設けてもよい。また、偏光板135とは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
なお、偏光板135よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LED(Light Emitting Diode)を備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
また、ゲスト・ホスト液晶モードを用いて液晶素子180を駆動する構成としてもよい。これにより、偏光板を用いることなく反射型の表示パネルを提供することができる。または、表示パネルの表示を明るくすることができる。ゲスト・ホスト液晶とは、二色性色素を含む液晶材料を指している。具体的には、分子の長軸方向に大きな吸光度を備え、長軸方向と直交する短軸方向に小さな吸光度を備える材料を、二色性色素に用いることができる。好ましくは、10以上の二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができ、より好ましくは、20以上の二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができる。
例えば、アゾ系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素等を、二色性色素に用いることができる。
また、ホモジニアス配向した二色性色素を含む二層の液晶層を、配向方向が互いに直交するように重ねた構造を、液晶材料を含む層に用いることができる。これにより、全方位について光を吸収しやすくすることができる。または、コントラストを高めることができる。
また、相転移型ゲスト・ホスト液晶や、ゲスト・ホスト液晶を含む液滴を高分子に分散した構造を、液晶素子180の液晶層に用いることができる。
接着層141が設けられる一部の領域には、接続部252が設けられている。接続部252において、電極311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、電極113の一部が、接続体243により電気的に接続されている。したがって、基板361側に形成された電極113に、基板351側に接続されたFPC372から入力される信号または電位を、接続部252を介して供給することができる。
接続体243としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。また、接続体243は、図4に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。上下方向に潰れた形状となることで、接続体243と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体243は、接着層141に覆われるように配置することが好ましい。例えば接着層141となるペースト等を塗布した後に、接続体243を配置すればよい。
発光素子170は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子170は、絶縁層220側から画素電極として機能する電極191、EL層192、及び共通電極として機能する電極193の順に積層された積層構造を有する。電極191は、絶縁層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層222bと接続されている。トランジスタ205は、発光素子170の駆動を制御する機能を有する。絶縁層216が電極191の端部を覆っている。電極193は可視光を反射する材料を含み、電極191は可視光を透過する材料を含む。電極193を覆って絶縁層194が設けられている。発光素子170が発する光は、着色層134、絶縁層220、開口451、電極311a等を介して、基板361側に射出される。
液晶素子180及び発光素子170は、画素によって着色層の色を変えることで、様々な色を呈することができる。表示装置300は、液晶素子180を用いて、カラー表示を行うことができる。表示装置300は、発光素子170を用いて、カラー表示を行うことができる。
液晶素子180と電気的に接続される回路は、発光素子170と電気的に接続される回路と同一面上に形成されることが好ましい。これにより、2つの回路を別々の面上に形成する場合に比べて、表示装置の厚さを薄くすることができる。また、2つのトランジスタを同一の工程で作製できるため、2つのトランジスタを別々の面上に形成する場合に比べて、作製工程を簡略化することができる。
液晶素子180の画素電極は、トランジスタが有するゲート絶縁層を挟んで、発光素子170の画素電極とは反対に位置情報する。
ここで、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、オフ電流が極めて低いトランジスタ206を適用した場合や、トランジスタ206と電気的に接続される記憶素子を適用した場合などでは、液晶素子180を用いて静止画を表示する際に画素への書き込み動作を停止しても、階調を維持させることが可能となる。すなわち、フレームレートを極めて小さくしても表示を保つことができる。本発明の一態様では、フレームレートを極めて小さくでき、消費電力の低い駆動を行うことができる。
[金属酸化物]
ここで、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、オフ電流が極めて低いトランジスタ206について説明する。チャネル形成領域に用いる金属酸化物として、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を用いることが好ましい。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどが含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、酸化物半導体が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するInMZnOである場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウムなどがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
<金属酸化物の構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
本明細書において、金属酸化物が、導電体の機能を有する領域と、誘電体の機能を有する領域とが混合し、金属酸化物全体では半導体として機能する場合、CAC(Cloud−Aligned Composite)−OS(Oxide Semiconductor)、またはCAC−metal oxideと定義する。
つまり、CAC−OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の元素が偏在し、該元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、0.5nm以上3nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
特定の元素が偏在した領域は、該元素が有する性質により、物理特性が決定する。例えば、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、絶縁体となる傾向がある元素が偏在した領域は、誘電体領域となる。一方、金属酸化物を構成する元素の中でも比較的、導体となる傾向がある元素が偏在した領域は、導電体領域となる。また、導電体領域、および誘電体領域がモザイク状に混合することで、材料としては、半導体として機能する。
つまり、本発明の一態様における金属酸化物は、物理特性が異なる材料が混合した、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)の一種である。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、元素M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該元素を主成分とするナノ粒子状領域が観察され、一部にInを主成分とするナノ粒子状領域が観察され、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
<CAC−OSの解析>
続いて、各種測定方法を用い、基板上に成膜した酸化物半導体について測定を行った結果について説明する。
≪試料の構成と作製方法≫
以下では、本発明の一態様に係る9個の試料について説明する。各試料は、それぞれ、酸化物半導体を成膜する際の基板温度、および酸素ガス流量比を異なる条件で作製する。なお、試料は、基板と、基板上の酸化物半導体と、を有する構造である。
各試料の作製方法について、説明する。
まず、基板として、ガラス基板を用いる。続いて、スパッタリング装置を用いて、ガラス基板上に酸化物半導体として、厚さ100nmのIn−Ga−Zn酸化物を形成する。成膜条件は、チャンバー内の圧力を0.6Paとし、ターゲットには、酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いる。また、スパッタリング装置内に設置された酸化物ターゲットに2500WのAC電力を供給する。
なお、酸化物を成膜する際の条件として、基板温度を、意図的に加熱しない温度(以下、室温またはR.T.ともいう。)、130℃、または170℃とした。また、Arと酸素の混合ガスに対する酸素ガスの流量比(以下、酸素ガス流量比ともいう。)を、10%、30%、または100%とすることで、9個の試料を作製する。
≪X線回折による解析≫
本項目では、9個の試料に対し、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定を行った結果について説明する。なお、XRD装置として、Bruker社製D8 ADVANCEを用いた。また、条件は、Out−of−plane法によるθ/2θスキャンにて、走査範囲を15deg.乃至50deg.、ステップ幅を0.02deg.、走査速度を3.0deg./分とした。
図22にOut−of−plane法を用いてXRDスペクトルを測定した結果を示す。なお、図22において、上段には成膜時の基板温度条件が170℃の試料における測定結果、中段には成膜時の基板温度条件が130℃の試料における測定結果、下段には成膜時の基板温度条件がR.T.の試料における測定結果を示す。また、左側の列には酸素ガス流量比の条件が10%の試料における測定結果、中央の列には酸素ガス流量比の条件が30%の試料における測定結果、右側の列には酸素ガス流量比の条件が100%の試料における測定結果、を示す。
図22に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度を高くする、または、成膜時の酸素ガス流量比の割合を大きくすることで、2θ=31°付近のピーク強度が高くなる。なお、2θ=31°付近のピークは、被形成面または上面に略垂直方向に対してc軸に配向した結晶性IGZO化合物(CAAC(c−axis aligned crystalline)−IGZOともいう。)であることに由来することが分かっている。
また、図22に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さいほど、明確なピークが現れなかった。従って、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい試料は、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
≪電子顕微鏡による解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料を、HAADF(High−Angle Annular Dark Field)−STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)によって観察、および解析した結果について説明する(以下、HAADF−STEMによって取得した像は、TEM像ともいう。)。
HAADF−STEMによって取得した平面像(以下、平面TEM像ともいう。)、および断面像(以下、断面TEM像ともいう。)の画像解析を行った結果について説明する。なお、TEM像は、球面収差補正機能を用いて観察した。なお、HAADF−STEM像の撮影には、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fを用いて、加速電圧200kV、ビーム径約0.1nmφの電子線を照射して行った。
図23(A)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像である。図23(B)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像である。
≪電子線回折パターンの解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料に、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで、電子線回折パターンを取得した結果について説明する。
図23(A)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像において、黒点a1、黒点a2、黒点a3、黒点a4、および黒点a5で示す電子線回折パターンを観察する。なお、電子線回折パターンの観察は、電子線を照射しながら0秒の位置から35秒の位置まで一定の速度で移動させながら行う。黒点a1の結果を図23(C)、黒点a2の結果を図23(D)、黒点a3の結果を図23(E)、黒点a4の結果を図23(F)、および黒点a5の結果を図23(G)に示す。
図23(C)、図23(D)、図23(E)、図23(F)、および図23(G)より、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
また、図23(B)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像において、黒点b1、黒点b2、黒点b3、黒点b4、および黒点b5で示す電子線回折パターンを観察する。黒点b1の結果を図23(H)、黒点b2の結果を図23(I)、黒点b3の結果を図23(J)、黒点b4の結果を図23(K)、および黒点b5の結果を図23(L)に示す。
図23(H)、図23(I)、図23(J)、図23(K)、および図23(L)より、リング状に輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
ここで、例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる回折パターンが見られる。つまり、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、リング状の回折パターンが確認される。つまり、CAAC−OSは、a軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
また、微結晶を有する酸化物半導体(nano crystalline oxide semiconductor。以下、nc−OSという。)に対し、大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。また、nc−OSに対し、小さいプローブ径の電子線(例えば50nm未満)を用いるナノビーム電子線回折を行うと、輝点(スポット)が観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域に複数の輝点が観測される場合がある。
成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の電子線回折パターンは、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点を有する。従って、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料は、電子線回折パターンが、nc−OSになり、平面方向、および断面方向において、配向性は有さない。
以上より、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい酸化物半導体は、アモルファス構造の酸化物半導体膜とも、単結晶構造の酸化物半導体膜とも明確に異なる性質を有すると推定できる。
≪元素分析≫
本項目では、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用い、EDXマッピングを取得し、評価することによって、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の元素分析を行った結果について説明する。なお、EDX測定には、元素分析装置として日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分析装置JED−2300Tを用いる。なお、試料から放出されたX線の検出にはSiドリフト検出器を用いる。
EDX測定では、試料の分析対象領域の各点に電子線照射を行い、これにより発生する試料の特性X線のエネルギーと発生回数を測定し、各点に対応するEDXスペクトルを得る。本実施の形態では、各点のEDXスペクトルのピークを、In原子のL殻への電子遷移、Ga原子のK殻への電子遷移、Zn原子のK殻への電子遷移及びO原子のK殻への電子遷移に帰属させ、各点におけるそれぞれの原子の比率を算出する。これを試料の分析対象領域について行うことにより、各原子の比率の分布が示されたEDXマッピングを得ることができる。
図24には、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面におけるEDXマッピングを示す。図24(A)は、Ga原子のEDXマッピング(全原子に対するGa原子の比率は1.18乃至18.64[atomic%]の範囲とする。)である。図24(B)は、In原子のEDXマッピング(全原子に対するIn原子の比率は9.28乃至33.74[atomic%]の範囲とする。)である。図24(C)は、Zn原子のEDXマッピング(全原子に対するZn原子の比率は6.69乃至24.99[atomic%]の範囲とする。)である。また、図24(A)、図24(B)、および図24(C)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面において、同範囲の領域を示している。なお、EDXマッピングは、範囲における、測定元素が多いほど明るくなり、測定元素が少ないほど暗くなるように、明暗で元素の割合を示している。また、図24に示すEDXマッピングの倍率は720万倍である。
図24(A)、図24(B)、および図24(C)に示すEDXマッピングでは、画像に相対的な明暗の分布が見られ、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料において、各原子が分布を持って存在している様子が確認できる。ここで、図24(A)、図24(B)、および図24(C)に示す実線で囲む範囲と破線で囲む範囲に注目する。
図24(A)では、実線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含む。また、図24(B)では実線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含む。
つまり、実線で囲む範囲はIn原子が相対的に多い領域であり、破線で囲む範囲はIn原子が相対的に少ない領域である。ここで、図24(C)では、実線で囲む範囲において、右側は相対的に明るい領域であり、左側は相対的に暗い領域である。従って、実線で囲む範囲は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1などが主成分である領域である。
また、実線で囲む範囲はGa原子が相対的に少ない領域であり、破線で囲む範囲はGa原子が相対的に多い領域である。図24(C)では、破線で囲む範囲において、左上の領域は、相対的に明るい領域であり、右下側の領域は、相対的に暗い領域である。従って、破線で囲む範囲は、GaOX3、またはGaX4ZnY4OZ4などが主成分である領域である。
また、図24(A)、図24(B)、および図24(C)より、In原子の分布は、Ga原子よりも、比較的、均一に分布しており、InOX1が主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2が主成分となる領域を介して、互いに繋がって形成されているように見える。このように、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、クラウド状に広がって形成されている。
このように、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有するIn−Ga−Zn酸化物を、CAC−OSと呼称することができる。
また、CAC−OSにおける結晶構造は、nc構造を有する。CAC−OSが有するnc構造は、電子線回折像において、単結晶、多結晶、またはCAAC構造を含むIGZOに起因する輝点(スポット)以外にも、数か所以上の輝点(スポット)を有する。または、数か所以上の輝点(スポット)に加え、リング状に輝度の高い領域が現れるとして結晶構造が定義される。
また、図24(A)、図24(B)、および図24(C)より、GaOX3などが主成分である領域、及びInX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域のサイズは、0.5nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下で観察される。なお、好ましくは、EDXマッピングにおいて、各元素が主成分である領域の径は、1nm以上2nm以下とする。
以上より、CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
[酸化物半導体を有するトランジスタ]
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
なお、上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化物半導体膜のキャリア密度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。例えば、酸化物半導体は、キャリア密度が8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコンや炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。従って、該酸化物半導体において、窒素はできる限り低減されていることが好ましい、例えば、酸化物半導体中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
トランジスタ203は、画素の選択、非選択状態を制御するトランジスタ(スイッチングトランジスタ、または選択トランジスタともいう)である。トランジスタ205は、発光素子170に流れる電流を制御するトランジスタ(駆動トランジスタともいう)である。
絶縁層220の基板351側には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層212は、トランジスタ206等を覆って設けられる。絶縁層213は、トランジスタ205等を覆って設けられている。絶縁層214は、平坦化層としての機能を有する。なお、トランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、単層であっても2層以上であってもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層をバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示装置を実現できる。
トランジスタ201、トランジスタ203、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、ゲートとして機能する導電層221a、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、ソース及びドレインとして機能する導電層222a及び導電層222b、並びに、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
トランジスタ201及びトランジスタ205は、トランジスタ203及びトランジスタ206の構成に加えて、ゲートとして機能する導電層223を有する。
トランジスタ201及びトランジスタ205には、チャネルが形成される半導体層を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
または、2つのゲートのうち、一方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与えることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。
表示装置が有するトランジスタの構造に限定はない。回路364が有するトランジスタと、表示部362が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。回路364が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同様に、表示部362が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。
絶縁層213に接して着色層134が設けられている。着色層134は、絶縁層214に覆われている。
基板351の基板361と重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線365が接続層242を介してFPC372と電気的に接続されている。接続部204は接続部207と同様の構成を有している。接続部204の上面は、電極311aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部204とFPC372とを接続層242を介して電気的に接続することができる。
基板361の外側の面に配置する偏光板135として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子180に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
なお、基板361の外側には各種光学部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。基板361の外側に、例えば1μm以下の反射防止膜が形成された材料を基板361に用いることができる。具体的には、誘電体を3層以上、好ましくは5層以上、より好ましくは15層以上積層した材料を基板361に用いることができる。これにより、反射率を1%以下好ましくは0.3%以下に抑制することができる。
また、基板361の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜等を配置してもよい。
<構成例2>
図5に示す表示装置300Aは、トランジスタ201、トランジスタ203、トランジスタ205、及びトランジスタ206を有さず、トランジスタ281、トランジスタ284、トランジスタ285、及びトランジスタ286を有する点で、主に表示装置300と異なる。
なお、図5では、絶縁層117及び接続部207等の位置も図4と異なる。図5では、画素の端部を図示している。絶縁層117は、着色層131の端部に重ねて配置されている。また、絶縁層117は、遮光層132の端部に重ねて配置されている。このように、絶縁層は、表示領域と重ならない部分(遮光層132と重なる部分)に配置されてもよい。
トランジスタ284及びトランジスタ285のように、表示装置が有する2つのトランジスタは、部分的に積層して設けられていてもよい。これにより、画素回路の占有面積を縮小することが可能なため、精細度を高めることができる。また、発光素子170の発光面積を大きくでき、開口率を向上させることができる。発光素子170は、開口率が高いと、必要な輝度を得るための電流密度を低くできるため、信頼性が向上する。
トランジスタ281、トランジスタ284、及びトランジスタ286は、導電層221a、絶縁層211、半導体層231、導電層222a、及び導電層222bを有する。導電層221aは、絶縁層211を介して半導体層231と重なる。導電層222a及び導電層222bは、半導体層231と電気的に接続される。トランジスタ281は、導電層223を有する。
トランジスタ285は、導電層222b、絶縁層217、半導体層261、導電層223、絶縁層212、絶縁層213、導電層263a、及び導電層263bを有する。導電層222bは、絶縁層217を介して半導体層261と重なる。導電層223は、絶縁層212及び絶縁層213を介して半導体層261と重なる。導電層263a及び導電層263bは、半導体層261と電気的に接続される。
導電層221aは、ゲートとして機能する。絶縁層211は、ゲート絶縁層として機能する。導電層222aはソースまたはドレインの一方として機能する。トランジスタ286が有する導電層222bは、ソースまたはドレインの他方として機能する。
トランジスタ284とトランジスタ285が共有している導電層222bは、トランジスタ284のソースまたはドレインの他方として機能する部分と、トランジスタ285のゲートとして機能する部分を有する。絶縁層217、絶縁層212、及び絶縁層213は、ゲート絶縁層として機能する。導電層263a及び導電層263bのうち、一方はソースとして機能し、他方はドレインとして機能する。導電層223は、ゲートとして機能する。
<構成例3>図6に、表示装置300Bの表示部の断面図を示す。
図6に示す表示装置300Bは、基板351と基板361の間に、トランジスタ40、トランジスタ80、液晶素子180、発光素子170、絶縁層220、着色層131、着色層134等を有する。
液晶素子180では、外光を電極311bが反射し、基板361側に反射光を射出する。発光素子170は、基板361側に光を射出する。液晶素子180及び発光素子170の構成については、構成例1を参照できる。
基板361には、着色層131、絶縁層121、及び液晶素子180の共通電極として機能する電極113、配向膜133bが設けられている。
液晶層112は、配向膜133a及び配向膜133bを介して、電極311a及び電極113の間に挟持されている。
トランジスタ40は、絶縁層212及び絶縁層213で覆われている。絶縁層213と着色層134は、接着層142によって、絶縁層194と貼り合わされている。
表示装置300Bは、液晶素子180を駆動するトランジスタ40と発光素子170を駆動するトランジスタ80とを、異なる面上に形成するため、それぞれの表示素子を駆動するために適した構造、材料を用いて形成することが容易である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で説明した表示装置の、より具体的な構成例について図7乃至図9を用いて説明する。
図7(A)は、表示装置400のブロック図である。表示装置400は、表示部362、回路GD、及び回路SDを有する。表示部362は、マトリクス状に配列した複数の画素410を有する。
表示装置400は、複数の配線G1、複数の配線G2、複数の配線ANO、複数の配線CSCOM、複数の配線S1、及び複数の配線S2を有する。複数の配線G1、複数の配線G2、複数の配線ANO、及び複数の配線CSCOMは、それぞれ、矢印Rで示す方向に配列した複数の画素410及び回路GDと電気的に接続する。複数の配線S1及び複数の配線S2は、それぞれ、矢印Cで示す方向に配列した複数の画素410及び回路SDと電気的に接続する。
なお、ここでは簡単のために回路GDと回路SDを1つずつ有する構成を示したが、液晶素子を駆動する回路GD及び回路SDと、発光素子を駆動する回路GD及び回路SDとを、別々に設けてもよい。
画素410は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。
図7(B1)、および図7(B4)に、画素410が有する電極311の構成例を示す。電極311は、液晶素子の反射電極として機能する。図7(B1)、および図7(B2)の電極311には、開口451が設けられている。
図7(B1)、および図7(B2)には、電極311と重なる領域に位置する発光素子360を破線で示している。発光素子360は、電極311が有する開口451と重ねて配置されている。これにより、発光素子360が発する光は、開口451を介して表示面側に射出される。
図7(B1)では、矢印Rで示す方向に隣接する画素410が異なる色に対応する画素である。このとき、図7(B1)に示すように、矢印Rで示す方向に隣接する2つの画素において、開口451が一列に配列されないように、電極311の異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子360を離すことが可能で、発光素子360が発する光が隣接する画素410が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子360を離して配置することができるため、発光素子360のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
図7(B2)では、矢印Cで示す方向に隣接する画素410が異なる色に対応する画素である。図7(B2)においても同様に、矢印Cで示す方向に隣接する2つの画素において、開口451が一列に配列されないように、電極311の異なる位置に設けられていることが好ましい。
非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が小さいほど、液晶素子を用いた表示を明るくすることができる。また、非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が大きいほど、発光素子360を用いた表示を明るくすることができる。
開口451の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口451を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口451を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
また、図7(B3)、および図7(B4)に示すように、電極311が設けられていない部分に、発光素子360の発光領域が位置していてもよい。これにより、発光素子360が発する光は、表示面側に射出される。
図7(B3)では、矢印Rで示す方向に隣接する2つの画素410において、発光素子360が一列に配列されていない。図7(B4)では、矢印Rで示す方向に隣接する2つの画素において、発光素子360が一列に配列されている。
図7(B3)の構成は、隣接する2つの画素410が有する発光素子360どうしを離すことができるため、上述の通り、クロストークの抑制、及び、高精細化が可能となる。また、図7(B4)の構成では、発光素子360の矢印Cに平行な辺側に、電極311が位置しないため、発光素子360の光が電極311に遮られることを抑制でき、高い視野角特性を実現できる。
回路GDには、シフトレジスタ等の様々な順序回路等を用いることができる。回路GDには、トランジスタ及び容量素子等を用いることができる。回路GDが有するトランジスタは、画素410に含まれるトランジスタと同じ工程で形成することができる。
回路SDは、配線S1と電気的に接続される。回路SDには、例えば、集積回路を用いることができる。具体的には、回路SDには、シリコン基板上に形成された集積回路を用いることができる。
例えば、COG方式またはCOF方式等を用いて、画素410と電気的に接続されるパッドに回路SDを実装することができる。具体的には、異方性導電膜を用いて、パッドに集積回路を実装できる。
図8は、画素410の回路図の一例である。図8では、隣接する2つの画素410を示している。
画素410は、スイッチSW1、容量素子C1、液晶素子340、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C2、及び発光素子360等を有する。また、画素410には、配線G1、配線G2、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、及び配線S2が電気的に接続されている。また、図8では、液晶素子340と電気的に接続する配線VCOM1、及び発光素子360と電気的に接続する配線VCOM2を示している。
図8では、スイッチSW1及びスイッチSW2にトランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1のゲートは、配線G1と接続されている。スイッチSW1のソース及びドレインのうち一方は、配線S1と接続され、他方は、容量素子C1の一方の電極、及び液晶素子340の一方の電極と接続されている。容量素子C1の他方の電極は、配線CSCOMと接続されている。液晶素子340の他方の電極が配線VCOM1と接続されている。
スイッチSW2のゲートは、配線G2と接続されている。スイッチSW2のソース及びドレインのうち一方は、配線S2と接続され、他方は、容量素子C2の一方の電極、及びトランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C2の他方の電極は、トランジスタMのソースまたはドレインの一方、及び配線ANOと接続されている。トランジスタMのソースまたはドレインの他方は、発光素子360の一方の電極と接続されている。発光素子360の他方の電極は、配線VCOM2と接続されている。
図8では、トランジスタMが半導体を挟む2つのゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線G1には、スイッチSW1を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM1には、所定の電位を与えることができる。配線S1には、液晶素子340が有する液晶の配向状態を制御する信号を与えることができる。配線CSCOMには、所定の電位を与えることができる。
配線G2には、スイッチSW2を導通状態または非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM2及び配線ANOには、発光素子360が発光する電位差が生じる電位をそれぞれ与えることができる。配線S2には、トランジスタMの導通状態を制御する信号を与えることができる。
図8に示す画素410は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線G1及び配線S1に与える信号により駆動し、液晶素子340による光学変調を利用して表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線G2及び配線S2に与える信号により駆動し、発光素子360を発光させて表示することができる。また両方のモードで駆動する場合には、配線G1、配線G2、配線S1及び配線S2のそれぞれに与える信号により駆動することができる。
なお、図8では一つの画素410に、一つの液晶素子340と一つの発光素子360とを有する例を示したが、これに限られない。図9(A)は、一つの画素410に一つの液晶素子340と4つの発光素子360(発光素子360r、360g、360b、360w)を有する例を示している。図9(A)に示す画素410は、図8とは異なり、1つの画素で発光素子を用いたフルカラーの表示が可能である。
図9(A)では図8の例に加えて、画素410に配線G3及び配線S3が接続されている。
図9(A)に示す例では、例えば4つの発光素子360に、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子340として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
図9(B)に、図9(A)に対応した画素410の構成例を示す。画素410は、電極311が有する開口部と重なる発光素子360wと、電極311の周囲に配置された発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bとを有する。発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置として用いることができる入出力パネルの構成について、図10および図11を参照しながら説明する。
図10は、本発明の一態様の入出力パネルの構成を説明する図である。図10は入出力パネルが備える画素の断面図である。
図11は、本発明の一態様の入出力パネルの構成を説明する図である。図11(A)は図10に示す入出力パネルの機能膜の構成を説明する断面図であり、図11(B)は入力ユニットの構成を説明する断面図であり、図11(C)は第2のユニットの構成を説明する断面図であり、図11(D)は第1のユニットの構成を説明する断面図である。
なお、本明細書において、1以上の整数を値にとる変数を符号に用いる場合がある。例えば、1以上の整数の値をとる変数pを含む(p)を、最大p個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。また、例えば、1以上の整数の値をとる変数mおよび変数nを含む(m,n)を、最大m×n個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。
本構成例で説明する入出力パネル700TP3は、画素702(i,j)を有する(図10参照)。また、入出力パネル700TP3は、第1のユニット10と、第2のユニット20と、入力ユニット30と、機能膜770Pと、を有する(図11参照)。第1のユニット10は機能層620を含み、第2のユニット20は機能層720を含む。
<画素702(i,j)>
画素702(i,j)は、機能層620の一部と、第1の表示素子750(i,j)と、第2の表示素子650(i,j)と、を有する(図10参照)。
機能層620は、第1の導電膜、第2の導電膜、絶縁膜601Cおよび画素回路630(i,j)を含む。なお、図示しない画素回路630(i,j)は、例えば、トランジスタMを含む。また、機能層620は、光学素子660、被覆膜665およびレンズ680を含む。また、機能層620は、絶縁膜628および絶縁膜621を備える。絶縁膜621Aおよび絶縁膜621Bを積層した材料を、絶縁膜621に用いることができる。
例えば、屈折率1.55の材料を絶縁膜621Aまたは絶縁膜621Bに用いることができる。または、屈折率1.6の材料を絶縁膜621Aまたは絶縁膜621Bに用いることができる。または、アクリル樹脂またはポリイミドを絶縁膜621Aまたは絶縁膜621Bに用いることができる。
絶縁膜601Cは、第1の導電膜および第2の導電膜の間に挟まれる領域を備え、絶縁膜601Cは開口部691Aを備える。
第1の導電膜は、第1の表示素子750(i,j)と電気的に接続される。具体的には、第1の表示素子750(i,j)の電極751(i,j)と電気的に接続される。なお、電極751(i,j)を、第1の導電膜に用いることができる。
第2の導電膜は、第1の導電膜と重なる領域を備える。第2の導電膜は、開口部691Aにおいて、第1の導電膜と電気的に接続される。例えば、導電膜612Bを第2の導電膜に用いることができる。第2の導電膜は、画素回路630(i,j)と電気的に接続される。例えば、画素回路630(i,j)のスイッチSW1に用いるトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜を第2の導電膜に用いることができる。ところで、絶縁膜601Cに設けられた開口部691Aにおいて第2の導電膜と電気的に接続される第1の導電膜を、貫通電極ということができる。
第2の表示素子650(i,j)は、画素回路630(i,j)と電気的に接続される。第2の表示素子650(i,j)は、機能層620に向けて光を射出する機能を備える。また、第2の表示素子650(i,j)は、例えば、レンズ680または光学素子660に向けて光を射出する機能を備える。
第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を視認できる範囲の一部において、第2の表示素子650(i,j)を用いた表示を視認できるように、上記の第2の表示素子650(i,j)が配設される。例えば、第2の表示素子650(i,j)が射出する光を遮らない領域751Hを備える形状を第1の表示素子750(i,j)の電極751(i,j)に用いる。なお、外光を反射する強度を制御して画像情報を表示する第1の表示素子750(i,j)に外光が入射し反射する方向を、破線の矢印を用いて図中に示す。また、第1の表示素子750(i,j)を視認できる範囲の一部に第2の表示素子650(i,j)が光を射出する方向を、実線の矢印を用いて図中に示す。
これにより、第1の表示素子を用いた表示を視認することができる領域の一部において、第2の表示素子を用いた表示を視認することができる。または、入出力パネルの姿勢等を変えることなく使用者は表示を視認することができる。または、第1の表示素子が反射する光が表現する物体色と、第2の表示素子が射出する光が表現する光源色とを掛け合わせることができる。または、物体色および光源色を用いて絵画的な表示をすることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な入出力パネルを提供することができる。
例えば、第1の表示素子750(i,j)は、電極751(i,j)と、電極752と、液晶材料を含む層753と、を備える。また、配向膜AF1と、配向膜AF2とを備える。具体的には、反射型の液晶素子を第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。
例えば、屈折率2.0の透明導電膜を電極752または電極751(i,j)に用いることができる。具体的には、インジウムとスズとシリコンを含む酸化物を電極752または電極751(i,j)に用いることができる。または、屈折率1.6の材料を配向膜に用いることができる。
例えば、第2の表示素子650(i,j)は、電極651(i,j)と、電極652と、発光性の材料を含む層653(j)と、を備える。電極652は、電極651(i,j)と重なる領域を備える。発光性の材料を含む層653(j)は、電極651(i,j)および電極652の間に挟まれる領域を備える。電極651(i,j)は、接続部622において、画素回路630(i,j)と電気的に接続される。具体的には、有機EL素子を第2の表示素子650(i,j)に用いることができる。
例えば、屈折率2.0の透明導電膜を電極651(i,j)に用いることができる。具体的には、インジウムとスズとシリコンを含む酸化物を電極651(i,j)に用いることができる。または、屈折率1.8の材料を発光性の材料を含む層653(j)に用いることができる。
光学素子660は透光性を備え、光学素子660は第1の領域、第2の領域および第3の領域を備える。
第1の領域は第2の表示素子650(i,j)から可視光を供給される領域を含み、第2の領域は被覆膜665と接する領域を含み、第3の領域は可視光の一部を射出する機能を備える。また、第3の領域は第1の領域の可視光を供給される領域の面積以下の面積を備える。
被覆膜665は可視光に対する反射性を備え、被覆膜665は可視光の一部を反射して、第3の領域に供給する機能を備える。
例えば、金属を被覆膜665に用いることができる。具体的には、銀を含む材料を被覆膜665に用いることができる。例えば、銀およびパラジウム等を含む材料または銀および銅等を含む材料を被覆膜665に用いることができる。
<レンズ680>
可視光を透過する材料をレンズ680に用いることができる。または、1.3以上2.5以下の屈折率を備える材料をレンズ680に用いることができる。例えば、無機材料または有機材料をレンズ680に用いることができる。
例えば、酸化物または硫化物を含む材料をレンズ680に用いることができる。
具体的には、酸化セリウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、インジウムとスズを含む酸化物またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物などを、レンズ680に用いることができる。または、硫化亜鉛などを、レンズ680に用いることができる。
例えば、樹脂を含む材料をレンズ680に用いることができる。具体的には、塩素、臭素またはヨウ素が導入された樹脂、重金属原子が導入された樹脂、芳香環が導入された樹脂、硫黄が導入された樹脂などをレンズ680に用いることができる。または、樹脂と樹脂より屈折率の高い材料のナノ粒子を含む樹脂をレンズ680に用いることができる。酸化チタンまたは酸化ジルコニウムなどをナノ粒子に用いることができる。
<機能層720>
機能層720は、基板770および絶縁膜601Cの間に挟まれる領域を備える。機能層720は、絶縁膜771と、着色膜CF1と、を有する。
着色膜CF1は、基板770および第1の表示素子750(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
絶縁膜771は、着色膜CF1と液晶材料を含む層753の間に挟まれる領域を備える。これにより、着色膜CF1の厚さに基づく凹凸を平坦にすることができる。または、着色膜CF1等から液晶材料を含む層753への不純物の拡散を、抑制することができる。
例えば、屈折率1.55のアクリル樹脂を、絶縁膜771に用いることができる。
<基板670、基板770>
また、本実施の形態で説明する入出力パネルは、基板670と、基板770と、を有する。
基板770は、基板670と重なる領域を備える。基板770は、基板670との間に機能層620を挟む領域を備える。
基板770は、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。例えば、複屈折が抑制された材料を当該領域に用いることができる。
例えば、屈折率1.5の樹脂材料を基板770に用いることができる。
<接合層605>
また、本実施の形態で説明する入出力パネルは、接合層605を有する。
接合層605は、機能層620および基板670の間に挟まれる領域を備え、機能層620および基板670を貼り合せる機能を備える。
<構造体KB1、構造体KB2>
また、本実施の形態で説明する入出力パネルは、構造体KB1と、構造体KB2とを有する。
構造体KB1は、機能層620および基板770の間に所定の間隙を設ける機能を備える。構造体KB1は領域751Hと重なる領域を備え、構造体KB1は透光性を備える。これにより、第2の表示素子650(i,j)によって射出される光を一方の面に供給され、他方の面から射出することができる。
また、構造体KB1は光学素子660と重なる領域を備え、例えば、光学素子660に用いる材料の屈折率との差が0.2以下になるように選択された材料を構造体KB1に用いる。これにより、第2の表示素子が射出する光を効率よく利用することができる。または、第2の表示素子の面積を広くすることができる。または、有機EL素子に流す電流の密度を下げることができる。
構造体KB2は、偏光層770PBの厚さを所定の厚さに制御する機能を備える。構造体KB2は第2の表示素子650(i,j)と重なる領域を備え、構造体KB2は透光性を備える。
または、所定の色の光を透過する材料を構造体KB1または構造体KB2に用いることができる。これにより、構造体KB1または構造体KB2を例えばカラーフィルターに用いることができる。例えば、青色、緑色または赤色の光を透過する材料を構造体KB1または構造体KB2に用いることができる。また、黄色の光または白色の光等を透過する材料を構造体KB1または構造体KB2に用いることができる。
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の複合材料などを構造体KB1または構造体KB2に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。
例えば、屈折率1.5のアクリル樹脂を構造体KB1に用いることができる。また、屈折率1.55のアクリル樹脂を構造体KB2に用いることができる。
<入力ユニット30>
入力ユニット30は検知素子を備える。検知素子は、画素702(i,j)と重なる領域に近接するものを検知する機能を備える。これにより、表示部に近接させる指などをポインタに用いて、位置情報を入力することができる。
例えば、静電容量型の近接センサ、電磁誘導型の近接センサ、光学方式の近接センサ、抵抗膜方式の近接センサまたは表面弾性波方式の近接センサなどを、入力ユニット30に用いることができる。具体的には、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式または赤外線検知型の近接センサを用いることができる。
例えば、静電容量方式の近接センサを備える屈折率1.6のタッチセンサを入力ユニット30に用いることができる。
<機能膜770D、機能膜770P等>
また、本実施の形態で説明する入出力パネル700TP3は、機能膜770Dと、機能膜770Pと、を有する。
機能膜770Dは第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。機能膜770Dは機能層620との間に第1の表示素子750(i,j)を挟む領域を備える。
例えば、光拡散フィルムを機能膜770Dに用いることができる。具体的には、基材の表面と交差する方向に沿った軸を備える柱状構造を有する材料を、機能膜770Dに用いることができる。これにより、光を軸に沿った方向に透過し易く、他の方向に散乱し易くすることができる。または、例えば、第1の表示素子750(i,j)が反射する光を拡散することができる。
機能膜770Pは、偏光層770PB、位相差フィルム770PAまたは構造体KB2を備える。偏光層770PBは開口部を備え、位相差フィルム770PAは偏光層770PBと重なる領域を備える。なお、構造体KB2は開口部に設けられる。
例えば、二色性色素、液晶材料および樹脂を偏光層770PBに用いることができる。偏光層770PBは、偏光性を備える。これにより、機能膜770Pを偏光板に用いることができる。
偏光層770PBは第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備え、構造体KB2は第2の表示素子650(i,j)と重なる領域を備える。これにより、液晶素子を第1の表示素子に用いることができる。例えば、反射型の液晶素子を第1の表示素子に用いることができる。または、第2の表示素子が射出する光を効率よく取り出すことができる。または、有機EL素子に流す電流の密度を下げることができる。または、有機EL素子の信頼性を高めることができる。
例えば、反射防止フィルム、偏光フィルムまたは位相差フィルムを機能膜770Pに用いることができる。具体的には、2色性色素を含む膜および位相差フィルムを機能膜770Pに用いることができる。
また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜などを、機能膜770Pに用いることができる。
例えば、屈折率1.6の材料を拡散フィルムに用いることができる。また、屈折率1.6の材料を位相差フィルム770PAに用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
<電子機器130>
図12(A)には、本発明の一態様の電子機器を示す。図12(A)に示す電子機器130は、制御回路144と、蓄電池145と、表示部102と、表示部104と、を有する。制御回路144はパワーマネージメントICを有することが好ましい。
電子機器130は、制御回路147と、駆動回路153と、端子146と、を有することが好ましい。駆動回路153は例えば、ドライバICを有する。駆動回路153はソースドライバを有することが好ましい。制御回路147はアプリケーションプロセッサを有することが好ましい。端子146には例えば、USB(Universal Serial Bus)に対応する端子、あるいはUSBに含まれる端子、と接続可能な端子が接続される。
電子機器130は入力部148を有することが好ましい。入力部148は例えば、制御回路147に電気的に接続される。入力部148については後述する。
電子機器130は、ゲートドライバ152を有する。あるいは、ゲートドライバ152は、駆動回路153に含まれてもよい。
電子機器130は、タッチセンサ114を有することが好ましい。表示部102、表示部104およびタッチセンサ114は互いに重なるように配置されることが好ましい。ここで本明細書等では、タッチセンサは例えば、近接センサを指す場合がある。
制御回路144は駆動回路153と電気的に接続される。駆動回路153は、表示部102および表示部104と電気的に接続される。
制御回路144は蓄電池145に電気的に接続される。また、制御回路144は制御回路147に電気的に接続される。また、制御回路144は制御回路147に、I2Cインターフェースを介して信号を与えることが好ましい。図12(A)に示す電子機器130においては、第1の蓄電池145の2つの端子(例えば正極、および負極)が、制御回路144に電気的に接続される。また、制御回路147は駆動回路153に、MIPIインターフェースを介して信号を与えることが好ましい。
端子146に接続される配線は例えば、外部電源と、制御回路144とを電気的に接続する。図12においては外部電源143の一方の一端が端子146に接続する例を示す。外部電源143の他端は例えば外部電源に接続される。蓄電池145は制御回路144を介して外部電源より充電される。また、外部電源から、非接触給電(例えばアンテナを用いた無線給電)により制御回路144に電力を供給してもよい。
制御回路144は、第1の蓄電池145の容量を計測する機能を有する。より具体的には例えば、制御回路144は、第1の蓄電池145の充電および放電の際に蓄電池に流れる電荷量を計測し、該電荷量を積算することにより、第1の蓄電池145の容量を計測する。
電荷量の計測には例えばクーロンカウンタを用いることができる。クーロンカウンタでは例えば積分回路を用いて電荷量を計測する。
制御回路147は、制御回路147より第1の蓄電池145の容量値が与えられる。制御回路147は、第1の蓄電池145の容量値に応じて、電子機器130の表示モードを決定する。
充電が行われる際には、第1の蓄電池145に接続される充電回路により、第1の蓄電池145の電流または電圧が制御される。定電流充電の際の電流値、および定電圧充電の際の電圧値の制御には例えば、トランジスタを用いて行うことができる。トランジスタにおいてゲート電圧を制御することにより、定電流と定電圧の切り替えを行うことができる。
電子機器130は保護回路を有することが好ましい。保護回路は、第1の蓄電池145を過充電、過放電、および過電流、等から保護する機能を有することが好ましい。
制御回路147では例えば、ゲートドライバの制御信号として、スタートパルス(GSP)、クロック信号(GCLK)等が生成され、ソースドライバの制御信号として、スタートパルス(SSP)、クロック信号(SCLK)等が生成される。なお、これら制御信号は、1つの信号でなく、信号群である場合がある。
また、制御回路147は、制御回路144からのゲートドライバおよびソースドライバへの電源電圧の供給、およびその停止を制御する機能を備えてもよい。
ゲートドライバでは例えば、GSPが入力されるとGCLKに従ってゲート信号を生成し、各ゲート線に順次出力する。ゲート信号は、データ信号が書き込まれる画素を選択するための信号である。
ソースドライバは例えば、画像信号(Video信号)を処理して、データ信号を生成し、ソース線に出力する機能を有する。ソース線では、SSPが入力されると、SCLKに従ってデータ信号を生成し、各ソース線に順次出力する。
表示部102は複数の画素61を有する。表示部104は複数の画素62を有する。
表示部102は表示素子101を有する(表示素子101については、後述する図12(B)に示す)。表示素子101は液晶素子を有することが好ましい。また、表示素子101は光の反射を利用して階調を表示する機能を有することが好ましい。表示素子101として例えば反射型の液晶素子を用いることができる。液晶素子は、電荷を蓄積するコンデンサ構造を有する。また液晶素子は2つの電極(画素電極とコモン電極)と、これらに挟まれた液晶を有する。
反射型の液晶素子は、外光を光源として表示される。反射型の液晶素子を用いた電子機器は、鮮明で美しい画像が得られる。またバックライトが不要なため消費電力が抑えられる。また電子ペーパー等と比較して応答速度が速い。ここで反射型の液晶素子を用いた電子機器において後述するアイドリング・ストップ(IDS)駆動を用いることにより、表示装置の消費電力を極めて低くすることができる。反射型の液晶素子とIDS駆動を組み合わせた表示装置は、その低い消費電力と、美しい表示画質から、例えば書籍、特に図や画像を含む書籍、例えば教科書、参考書等を表示する携帯型端末として優れている。
表示部104は表示素子103を有する(表示素子103については、後述する図12(B)に示す)。表示素子103は発光型表示素子であることが好ましい。表示素子103として例えば有機EL素子を用いることができる。あるいは、表示素子103として透過型の液晶素子を用いることもできる。透過型の液晶素子は例えば、バックライトと、液晶に印加される電圧を制御するスイッチング素子と、を有する。該スイッチング素子としてトランジスタを用いればよい。また、表示素子101として反射型の液晶素子を用い、表示素子103として透過型の液晶素子を用いる場合には、表示素子101と表示素子103は同じ層の液晶を用いてもよいし、それぞれの液晶層を別々に、例えば積層させて設けてもよい。電子機器130が表示素子103を有することにより、外光が暗い場合においても高画質な画像を表示することができる。つまり、電子機器130を幅広い場面、環境において使用することができる。また表示素子101と表示素子103を組み合わせて表示することにより、画像の表現性が向上するため好ましい。
表示部102および表示部104はそれぞれ、複数の画素を有する。画素は、ゲート信号によりソース線(以降の図12(B)では例えば配線GLおよび配線GE)との接続が制御されるスイッチング素子(以降の図12(B)では例えばトランジスタ63およびトランジスタ66等)を有する。スイッチング素子がオンとなると、ソース線(以降の図12(B)では例えば配線SLおよび配線DL等)から画素にデータ信号が書き込まれる。スイッチング素子がオフになると、画素はデータの保持状態となる。
表示部102が有する画素の一例として、図12(B)に画素61を示す。画素61は表示素子101と、トランジスタ63と、を有する。トランジスタ63のゲートはゲート信号が与えられる配線GLと電気的に接続される。トランジスタ63のソースおよびドレインの一方はデータ信号が与えられる配線SLと電気的に接続され、他方は表示素子101の一方の電極に電気的に接続される。トランジスタ63にはOS−FETを用いることが好ましい。
表示部104が有する画素の一例として、図12(B)に画素62を示す。画素62は表示素子103を有する。また、画素62はトランジスタ65、トランジスタ66、等を有することが好ましい。
画素61と画素62は隣り合って配置されることが好ましい。また、画素61と画素62は一部の領域が重なっていてもよい。
表示部102および表示部104に同じ画像を表示する場合には例えば、画素61と画素62には同一の画像信号が表示される。表示部102および表示部104に同じ画像を表示することにより例えば、独特の質感を有する画像が得られる。また、目に優しい画像が得られる場合がある。
電子機器130は、Hybridモード、R‐表示モード、およびE‐表示モード、の3種類の表示モードを有する。Hybridモードにおいては、表示部102と表示部104を表示し、R‐表示モードにおいては、表示部102を表示し、E‐表示モードにおいては、表示部104を表示する。表示モードの切り替えは例えば、外光の強さ、ユーザーの好み、画像の種類、等に応じて行うことができる。あるいは後述するように、蓄電池の残量などに応じてモードが切り替えられる。
電子機器130の表示部102および表示部104は、電子機器130において、いずれの表示モードが選択されているかを示す画像や文字を表示してもよい。
電子機器130は例えば、外光が強い場合にはR‐表示モードとし、外光が弱い場合にはE‐表示モード、あるいはHybridモードとする。Hybridモードとすることにより、独特の質感を有する画像が得られる。また、目に優しい画像が得られる場合がある。R‐表示モードの場合、表示部104の表示機能は停止される。
R‐表示モードとすることにより、バックライトが不要なため、消費電力を抑えることができる。また、表示部102が有する表示素子101として反射型の液晶素子を用い、動作方法としてIDS駆動を用いることにより、消費電力を極めて低くすることができる。電子機器130が有する第1の蓄電池145の残量が少ない場合には、より消費電力の低いR‐表示モードとすることにより、電子機器130の使用時間を長くすることができるため好ましい。
また、表示部104を表示する、すなわちE‐表示モードまたはHybridモードとすることにより例えば、より視野角の広い表示が得られる場合がある。視野角が広い表示が得られることにより例えば、電子機器130を閲覧する角度にこだわらずに用いることができる。また、複数人で同じ表示画面を閲覧しやすい場合がある。E‐表示モードの場合、表示部102の表示機能は停止される。
また、表示部102には例えば、カラー画像が表示されてもよいし、グレー画像が表示されてもよい。表示部104にはカラー画像が表示されることが好ましい。
電子機器130において表示部102にグレー画像、表示部104にカラー画像が表示される場合を考える。この場合には例えば、電子機器130に表示される画像がグレー画像の場合には表示部102を表示し、カラー画像の場合には表示部104を表示する。また例えば、グレー画像あるいは白黒画像で構成される文字情報を表示部102に、図および写真等で構成されるカラー画像を表示部104に、それぞれ表示してもよい。
入力部138は例えば、電子機器130に設けられる電気的なスイッチ(接点)、あるいは機械的なスイッチである。また入力部138は凸部、例えばボタン状の形状を有していてもよい。例えば、後述する実施の形態に示す電子機器が有する操作ボタン、操作キー、およびスイッチ等を用いることができる。
あるいは入力部138は例えば、タッチセンサ114であってもよい。例えば表示部102および表示部104に表示される入力部と重なる領域において、タッチセンサ114に触れることにより信号を入力することができる。
<動作例1>
本発明の一態様の表示装置の動作について、図13に示すフローを用いて説明する。
まずステップS001において端子146へ、外部電源143等が接続される。外部電源143はUSBに対応する端子を有することが好ましい。外部電源143に外部電源が接続されることにより、第1の蓄電池145への充電を行うことができる。あるいは、ステップS001において端子146へ、USBに対応するコネクタが接続されてもよい。
次にステップS101において、外部電源143より端子146への電源が供給されているかを判定する。電源が供給されている場合にはステップS102へ、されていない場合にはステップS103へ進む。
ステップS102に進む場合には、電子機器130の表示モードの制限を行わない。ステップS102の後にはステップS101へ戻る。
制御回路147は例えば、制御回路144から与えられる第1の蓄電池145の残量に基づき、表示モードを決定する。決定された表示モードに基づき、制御回路147より駆動回路153に信号が与えられる。第1の蓄電池145の残量がほぼゼロとなれば、制御回路147は第2の蓄電池140に供給先を切り替え、非常用の通話モードに電子機器130の機能を制限する。
ステップS103において、第1の蓄電池145の残量が第1の閾値電力P1以下の場合にはステップS104へ、P1より大きい場合にはステップS105へ進む。
P1はあらかじめ初期設定値を設けてもよいし、電子機器を使用するユーザーが第1の閾値電力P1を設定してもよい。
ステップS105へ進む場合には、電子機器130の表示モードの制限を行わない。ステップS105の後にはステップS103へ戻る。
ステップS104へ進む場合には、電子機器130の表示モードを、R‐表示モードに制限する。ステップS104の後にはステップS106へ進む。
ここで、ステップS104において、電子機器130の表示モードがR‐表示モードに制限されたことをユーザーに示すために、アラートを表示してもよい。例えば、電子機器130に警報音、あるいはバイブレーション動作を発生させればよい。あるいは例えば、電子機器130の表示部102に、メッセージを表示してもよい。あるいは電子機器130の表示部102に、R‐表示モードに制限された旨を示す画像や文字を表示してもよい。
ステップS104の次に、ステップS301へ進む。ステップS301において、第1の蓄電池145の残量がP2より大きい場合には第1の蓄電池145の残量が第2の閾値電力P2以下となるまでは次のステップには進まない。P2以下となったら、ステップS302へ進む。
第2の閾値電力P2は第3の閾値電力P3より大きい値である。また、図13に示す動作例は、P2はP1以下の場合の例を示す。P2がP1より大きい場合には、ステップS301およびステップS302をステップS101およびステップS105より後、ステップS103より前に行えばよい。
ステップS302において、機能Aの動作を停止、あるいは制限する。
一例として、電子機器130が適用される電子機器が通話、インターネットを介した情報通信、およびカメラによる撮像、の3つの機能を有する場合を考える。カメラによる撮像は、他の機能、例えば通話に比べて消費電力が大きい場合がある。一方、通話は、他の機能に比べて緊急性が高く、優先度が高い場合がある。よって、ステップS302において機能Aとして、カメラによる撮像が選択される。すなわち、ステップS302において、カメラの起動を禁止、あるいは制限する。あるいは、ゲームなどのアプリケーションソフトの実行を停止、あるいは速度を制限してもよい。
次に、ステップS106において、第1の蓄電池145の残量がP3より大きい場合には第1の蓄電池145の残量がP3以下となるまでは次のステップには進まない。P3以下となったら、ステップS401へ進む。
ステップS401において例えば、電子機器130の電源供給を第2の蓄電池140に切り替わり、電子機器の動作を制限、具体的には非常用の連絡(通話)ができるようにのみ設定する。
ここでステップS106において残量がP3以下であるか否かを判断基準としている。例えば第1の蓄電池145が電圧VL以下であるか否かを判断基準としている。ここで電圧VLは例えば、第1の蓄電池145の放電電圧の下限値近傍の電圧である。電圧VLを判断基準とすることにより、過放電を、より生じにくくすることができる場合がある。
以上のフローにより、電子機器130を動作させる。
<IDS駆動>
表示部102に静止画のように、時間に対して変化しない、あるいは変化の周波数が遅い画像を表示する場合を考える。OS−FETは、そのオフリークが極めて低い。液晶素子の画素のスイッチングトランジスタであるトランジスタ63にOS−FETを用いることによりリークが極限まで抑制されるためデータの劣化を抑えることができ、データの保持時間を極めて長くすることができる。例えば長期間、画像データの変動がない静止画、あるいは画像データの変化の周波数が遅い画像を表示する際のリフレッシュ頻度を小さくすることができるため、低い周波数で表示を行うことができる。表示の周波数を低くすることにより電子機器の消費電力を低減することができる。
例えば、静止画等を表示した場合に表示の周波数を1Hz以下、より好ましくは0.3Hz以下、さらに好ましくは0.1Hz以下とすることができる。このように周波数が1Hz以下の表示を行う場合の表示装置の駆動を「IDS駆動」と呼ぶ場合がある。「IDS駆動」の詳細については後述する。
このように、OS−FETの優れた特性を用いることにより、書き換え頻度が少なくても画質の劣化の少ない優れた表示を実現することができる。
IDS駆動を行う場合と、1フレーム毎に画像信号を書き込み場合と、の比較を図14を用いて説明する。図14は電子機器130を駆動する場合のGVDD、GSP、GCLKの一例を示すタイミングチャートである。ここでGVDDはゲートドライバ152の高電源電圧である。
図14(A)はフレーム毎に画像信号を書き込む場合、例えば動画を表示する場合等、比較的速い周波数、例えば30Hz以上240Hz以下、より好ましくは50Hz以上130Hz以下で駆動する場合のタイミングチャートを示す。
まず第1のフレーム(Frame 1)において、GSPの入力をトリガーにして、ゲートドライバ152ではGCLKに従いゲート信号を生成し、ゲート線に出力する。駆動回路153が有するソースドライバでは(図示しないが)SSPが与えられると、(図示しないが)SCLKに従い画像信号を処理してVdataを生成し、ソース線に順次出力する。このとき、Vdataの極性は正になるようにする。
次に、第2のフレーム(Frame 2)において、同様の手順でゲート信号およびVdataを生成する。液晶素子に印加される極性に偏りがあると、液晶素子の劣化が大きくなる場合がある。よって、正の極性と負の極性を交互に書き込めばよい。第2のフレームにおいてはVdataの極性は負になるようにする。第3のフレーム(Frame 3)以降は、1フレーム毎に正の極性と負の極性を交互に書込む。
図14(B)は、数フレームに渡って画像信号が同じ場合、例えば静止画を表示する場合のタイミングチャートを示す。図14(B)に示す駆動方法は、データの書き込み処理を実行した後、データの書き換えを停止する駆動方法である。これを「IDS駆動」と呼ぶ。例えば静止画を表示する際には1フレームごとにデータの書き換えを行う必要がない。そこで静止画を表示する際には表示部102をIDS駆動を用いて動作させると、電力消費を削減することができるとともに、画面のちらつきも抑制することができる。書き込みを行う期間、図14(B)においては第1のフレーム(Frame 1)を期間31、第2のフレーム(Frame 2)以降、例えば同じ画像信号が続く場合には、新たに書き込みを行わず、書き込まれた画像を保持すればよい。画像を保持する期間、図14(B)においては第2フレーム以降、次の書き込みが行われるまでの期間を期間32とする。期間31を書き込み期間、期間32を保持期間とそれぞれ呼ぶ場合がある。
まずFrame 1において、GSPの入力をトリガーにして、ゲートドライバ152ではGCLKに従いゲート信号を生成し、ゲート線に出力する。駆動回路153が有するソースドライバでは(図示しないが)SSPが与えられると、(図示しないが)SCLKに従い画像信号を処理してVdataを生成し、ソース線に順次出力する。
次に、Frame 2以降においては画素のスイッチングトランジスタであるトランジスタ63をオフ状態とし、書き込んだ画像を保持する。Frame 2以降は、データの書き換えが停止されるため、GSPおよびGCLKの供給を停止することができる。また、GVDDの供給を停止してもよい。GSP、GCLK、GVDD等の供給を停止することにより消費電力を低減することができる。
なお、図14(B)においては書き込み期間(期間31)をFrame 1としたが、書き込み期間は複数のフレームに渡って行われてもよい。例えば書き込み期間をFrame 1からFrame 3までとし、保持期間(期間32)をFrame 4以降としてもよい。なお、書き込み期間が偶数個のフレームに渡る場合には保持期間の極性に偏りが生じるため、書込み期間は奇数個のフレームであることが好ましい。
なお、IDS駆動を行うためには、後述する液晶層の誘電率の異方性を2以上3.8以下とし、液晶層の抵抗率を1.0×1014(Ω・cm)以上1.0×1015(Ω・cm)以下とすることが好ましい。
液晶層の誘電率の異方性が高いと、電界との相互作用が大きく、液晶層の挙動が速くなるため、表示パネルの高速動作が可能である。なお、液晶層の誘電率の異方性が3.8を超えると、液晶中の不純物の精製が困難となる。この不純物が液晶層に残留することで、液晶層の導電率が増大してしまい、IDS駆動の場合に、画素に書き込んだ電圧を保持することが困難になる。
一方、液晶層の誘電率の異方性が低いと、液晶層中の不純物の量を低減することができるため、液晶層の導電率を低減できる。なお、液晶層の誘電率の異方性が2未満であると、電界との相互作用が小さく、液晶層の挙動が遅いため、高速動作を促すために駆動電圧を高く設定しなければならず、消費電力の低減が困難である。
これらのことから、液晶層の誘電率の異方性を2以上3.8以下とし、液晶層の抵抗率を1.0×1014(Ω・cm)以上1.0×1015(Ω・cm)以下とすることで、IDS駆動化可能であり、表示パネルの消費電力を低減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示モジュールを有する携帯情報端末6000について説明する。
図15(A)に示す表示モジュールを有する携帯情報端末6000は、上部カバー6001と下部カバー6002との間に、FPC6005に接続された表示パネル6006、フレーム6009、プリント基板6010、及び複数のバッテリ6011a、6011b、6011c、6011dを有する。
実施の形態1に示したように、複数のバッテリ6011a、6011b、6011c、6011dのうち、一つは非常用バッテリとして用いる。
例えば、上述した本発明の一態様を用いて作製された表示装置を、表示パネル6006に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
上部カバー6001及び下部カバー6002は、表示パネル6006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
また、表示パネル6006に重ねてタッチパネルを設けてもよい。タッチパネルとしては、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル6006に重畳して用いることができる。また、タッチパネルを設けず、表示パネル6006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム6009は、表示パネル6006の保護機能の他、プリント基板6010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム6009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板6010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ6011による電源であってもよい。バッテリ6011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュールを有する携帯情報端末6000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
図15(B)は、光学式のタッチセンサを備える表示モジュールを有する携帯情報端末6000の断面概略図である。
表示モジュールを有する携帯情報端末6000は、プリント基板6010に設けられた発光部6015及び受光部6016を有する。また、上部カバー6001と下部カバー6002により囲まれた領域に一対の導光部(導光部6017a、導光部6017b)を有する。
上部カバー6001と下部カバー6002は、例えばプラスチック等を用いることができる。また、上部カバー6001と下部カバー6002とは、それぞれ薄く(例えば0.5mm以上5mm以下)することが可能である。そのため、表示モジュールを有する携帯情報端末6000を極めて軽量にすることが可能となる。また少ない材料で上部カバー6001と下部カバー6002を作製できるため、作製コストを低減できる。
表示パネル6006は、フレーム6009を間に介してプリント基板6010やバッテリ6011a、6011b、6011c、6011dと重ねて設けられている。バッテリ6011a、6011b、6011c、6011dはラミネート封止された薄型の蓄電池を用いている。表示パネル6006とフレーム6009は、導光部6017a、導光部6017bに固定されている。
発光部6015から発せられた光6018は、導光部6017aにより表示パネル6006の上部を経由し、導光部6017bを通って受光部6016に達する。例えば指やスタイラスなどの被検知体により、光6018が遮られることにより、タッチ操作を検出することができる。
発光部6015は、例えば表示パネル6006の隣接する2辺に沿って複数設けられる。受光部6016は、発光部6015と表示パネル6006を挟んで対向する位置に複数設けられる。これにより、タッチ操作がなされた位置の情報を取得することができる。
発光部6015は、例えばLED素子などの光源を用いることができる。特に、発光部6015として、使用者に視認されず、且つ使用者にとって無害である赤外線を発する光源を用いることが好ましい。
受光部6016は、発光部6015が発する光を受光し、電気信号に変換する光電素子を用いることができる。好適には、赤外線を受光可能なフォトダイオードを用いることができる。
導光部6017a、導光部6017bとしては、少なくとも光6018を透過する部材を用いることができる。導光部6017a及び導光部6017bを用いることで、発光部6015と受光部6016とを表示パネル6006の下側に配置することができ、外光が受光部6016に到達してタッチセンサが誤動作することを抑制できる。特に、可視光を吸収し、赤外線を透過する樹脂を用いることが好ましい。これにより、タッチセンサの誤動作をより効果的に抑制できる。
なお、本実施の形態では、蓄電池として、薄型の蓄電池を示したが、その他のコイン型、円筒型および封止型蓄電池、角型蓄電池等様々な形状の蓄電池を用いることができる。また、正極、負極、およびセパレータが複数積層された構造、正極、負極、およびセパレータが捲回された構造であってもよい。例えば、他の蓄電池の例を図16乃至図19に示す。
〈蓄電池の構成例〉
図16および図17に、薄型の蓄電池の構成例を示す。図16(A)に示す捲回体993は、負極994と、正極995と、セパレータ996と、を有する。
捲回体993は、セパレータ996を挟んで負極994と、正極995とが重なり合って積層され、該積層シートを捲回したものである。この捲回体993を角型の封止容器などで覆うことにより角型の蓄電池が作製される。
なお、負極994、正極995およびセパレータ996からなる積層の積層数は、必要な容量と素子体積に応じて適宜設計すればよい。負極994はリード電極997およびリード電極998の一方を介して負極集電体(図示せず)に接続され、正極995はリード電極997およびリード電極998の他方を介して正極集電体(図示せず)に接続される。
図16(B)および図16(C)に示す蓄電池990は、外装体となるフィルム981と、凹部を有するフィルム982とを熱圧着などにより貼り合わせて形成される空間に上述した捲回体993を収納したものである。捲回体993は、リード電極997およびリード電極998を有し、フィルム981と、凹部を有するフィルム982との内部で電解液に含浸される。
フィルム981と、凹部を有するフィルム982は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料を用いることができる。フィルム981および凹部を有するフィルム982の材料として樹脂材料を用いれば、外部から力が加わったときにフィルム981と、凹部を有するフィルム982を変形させることができ、可撓性を有する蓄電池を作製することができる。
また、図16(B)および図16(C)では2枚のフィルムを用いる例を示しているが、1枚のフィルムを折り曲げることによって空間を形成し、その空間に上述した捲回体993を収納してもよい。
また、可撓性を有する部分が薄型の蓄電池のみである蓄電装置ではなく、外装体や、封止容器を樹脂材料などにすることによって可撓性を有する蓄電装置を作製することができる。ただし、外装体や、封止容器を樹脂材料にする場合、外部に接続を行う部分は導電材料とする。
例えば、可撓性を有する別の薄型蓄電池の例を図17に示す。図17(A)の捲回体993は、図16(A)に示したものと同一であるため、詳細な説明は省略することとする。
図17(B)および図17(C)に示す蓄電池990は、外装体991の内部に上述した捲回体993を収納したものである。捲回体993は、リード電極997およびリード電極998を有し、外装体991、992の内部で電解液に含浸される。外装体991、992は、例えばアルミニウムなどの金属材料や樹脂材料を用いることができる。外装体991、992の材料として樹脂材料を用いれば、外部から力が加わったときに外装体991、992を変形させることができ、可撓性を有する薄型蓄電池を作製することができる。
本発明の一態様に係る活物質を含む電極を、可撓性を有する薄型蓄電池に用いることにより、薄型蓄電池を繰り返し折り曲げることによって電極に応力が作用したとしても、活物質が劈開してしまうことを防止することができる。
〈蓄電システムの構造例〉
また、蓄電システムの構造例について、図18及び図19を用いて説明する。ここで蓄電システムとは、例えば、蓄電装置を搭載した機器を指す。
図18(A)および図18(B)は、蓄電システムの外観図である。蓄電システムは、回路基板900と、蓄電池913と、を有する。蓄電池913には、ラベル910が貼られている。さらに、図18(B)に示すように、蓄電システムは、端子951と、端子952と、アンテナ914と、アンテナ915と、を有する。
回路基板900は、端子911と、回路912と、を有する。端子911は、端子951、端子952、アンテナ914、アンテナ915、および回路912に接続される。なお、端子911をさらに複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子などとしてもよい。
回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914およびアンテナ915は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。
また、平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ914若しくはアンテナ915は、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能することができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アンテナ914若しくはアンテナ915を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけでなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
アンテナ914の線幅は、アンテナ915の線幅よりも大きいことが好ましい。これにより、アンテナ914により受電する電力量を大きくできる。
蓄電システムは、アンテナ914およびアンテナ915と、蓄電池913との間に層916を有する。層916は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。
なお、蓄電システムの構造は、図18に示す構造に限定されない。
例えば、図19(A−1)および図19(A−2)に示すように、図18(A)および図18(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図19(A−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図19(A−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図18(A)および図18(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図18(A)および図18(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図19(A−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914が設けられ、図19(A−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ915が設けられる。層917は、例えば蓄電池913による電磁界を遮蔽することができる機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いることができる。
上記構造にすることにより、アンテナ914およびアンテナ915の両方のサイズを大きくすることができる。
または、図19(B−1)および図19(B−2)に示すように、図18(A)および図18(B)に示す蓄電池913のうち、対向する一対の面のそれぞれに別のアンテナを設けてもよい。図19(B−1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図19(B−2)は、上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図18(A)および図18(B)に示す蓄電システムと同じ部分については、図18(A)および図18(B)に示す蓄電システムの説明を適宜援用できる。
図19(B−1)に示すように、蓄電池913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテナ914およびアンテナ915が設けられ、図19(B−2)に示すように、蓄電池913の一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。アンテナ918は、例えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、例えばアンテナ914およびアンテナ915に適用可能な形状のアンテナを適用することができる。アンテナ918を介した蓄電システムと他の機器との通信方式としては、NFCなど、蓄電システムと他の機器の間で用いることができる応答方式などを適用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る表示装置を用いた電子機器の一例について説明する。
図20(A)に、本発明の一態様に係る表示装置を用いた電子機器の一例を示す。図20(A)は、タブレット型の情報端末6200であり、筐体6221、表示装置6222、操作ボタン6223、スピーカ6224を有する。また、本発明の一態様に係る表示装置6222に、位置入力装置としての機能を付加しても良い。
また、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。あるいは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。また、操作ボタン6223に情報端末6200を起動する電源スイッチ、情報端末6200のアプリケーションを操作するボタン、音量調整ボタン、又は表示装置6222を点灯、あるいは消灯するスイッチなどのいずれかを備えることができる。また、図20(A)に示した情報端末6200では、操作ボタン6223の数を4個示しているが、情報端末6200の有する操作ボタンの数及び配置は、これに限定されない。
また、図示していないが、図20(A)に示した情報端末6200は、筐体6221の内部にセンサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線などを測定する機能を含むもの)を有する構成であってもよい。特に、ジャイロセンサ、加速度センサなどの傾きを測定するセンサを有する測定装置を設けることで、図20(A)に示す情報端末6200の向き(鉛直方向に対して情報端末がどの向きに向いているか)を判断して、表示装置6222の画面表示を、情報端末6200の向きに応じて自動的に切り替えるようにすることができる。
また、該傾きの情報と、先述した光センサ6225X及び光センサ6225Yから得た外光の入射角度、及び照度の情報を組み合わせることによって、より正確に表示装置6222に映す画像データの色の調整と階調の調整を行うことができる。この場合、筐体6221に撮像センサを設けて、情報端末6200に対する使用者の眼の位置(あるいは視線の方向)の情報を取得し、該傾き、外光の入射角度、及び照度の情報を組み合わせることによって、より更に正確に、表示装置6222に表示する画像の色の調整と階調の調整を行うことができる。
また、図示していないが、図20(A)に示した情報端末6200は、マイク及びスピーカを有する構成であってもよい。この構成により、例えば、情報端末6200に携帯電話のような通話機能を付することができる。また、図20(A)に示すように、情報端末6200は、カメラ6226を有する構成であることが好ましい。また、図示していないが、図20(A)に示した情報端末6200は、フラッシュライト、又は照明の用途として発光装置を有する構成であってもよい。
また、図示していないが、図20(A)に示した情報端末6200は、指紋、静脈、虹彩、又は声紋など生体情報を取得する装置を有する構成であってもよい。この構成を適用することによって、生体認証機能を有する情報端末6200を実現することができる。
また、図示していないが、図20(A)に示した情報端末6200は、マイクを有する構成であってもよい。この構成を適用することによって、情報端末6200に通話機能を付することができる。また、情報端末6200に音声解読機能を付することができる場合がある。情報端末6200に音声解読機能を設けることで、音声認識によって情報端末6200を操作する機能、更には、音声や会話を判読して会話録を作成する機能、などを情報端末6200に有することができる。これにより、例えば、会議などの議事録作成として活用することができる。
図20(B)は携帯電話であり、曲面を有する筐体5901に、本発明の一態様に係る表示装置5902、マイク5907、スピーカ5904、カメラ5903、外部接続部5906、操作用のボタン5905が設けられている。携帯電話に本発明の一態様に係る表示装置5902を用いることで、非常時に連絡できる電力を確保する構成とすることができる。
図20(C)はタブレット型のパーソナルコンピュータであり、筐体5301、筐体5302、本発明の一態様に係る表示装置5303、光センサ5304、光センサ5305、スイッチ5306等を有する。表示装置5303は、筐体5301及び筐体5302によって支持されている。そして、表示装置5303は可撓性を有する基板を用いて形成されているため形状をフレキシブルに曲げることができる機能を有する。筐体5301と筐体5302の間の角度をヒンジ5307及び5308において変更することで、筐体5301と筐体5302が重なるように、表示装置5303を折りたたむことができる。図示してはいないが、開閉センサを内蔵させ、上記角度の変化を表示装置5303において使用条件の情報として用いても良い。また、光センサ5304は筐体5301に付いており、光センサ5305は筐体5302に付いている。上記構成により、筐体5301に支持されている領域における表示装置5303への外光の入射角の情報と、筐体5302に支持されている領域における表示装置5303への外光の入射角の情報とを、共に表示装置5303における使用条件の情報として用いることができる。タブレット型のパーソナルコンピュータに本発明の一態様に係る表示装置5303を用いることで、非常時に連絡できるメールの電力を確保する構成とすることができる。
図21(A)は腕時計型の携帯情報端末5200であり、筐体5201、本発明の一態様に係る表示装置5202、ベルト5203、光センサ5204、スイッチ5205等を有する携帯情報端末5200に本発明の一態様に係る表示装置5202を用いることで、非常時に連絡できる電力を確保する構成とすることができる。
図20および図21に示す電子機器は、非接触給電(例えばアンテナを用いた無線給電)により電力を供給してもよい。図21(B)は、図21(A)に示す携帯情報端末5200を電力送信装置5209を用いて充電する例を示す。また図21(C)には、携帯情報端末5200の表示装置5202が電力送信装置5209上に載せられる例を示す。ここで、図示しないが表示装置5202、あるいは表示装置5202の下側の領域において、アンテナを有することが好ましい。
図21(C)に示すように、携帯情報端末5200は電力送信装置5209からの電波5208を用いて無線で充電を行うことができる。携帯情報端末5200に本発明の一態様に係る表示装置5202を用いることで、非常時に連絡できる電力を確保する構成とすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。