JP6902782B2 - 粒子状酸化チタン材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は選択的な無機リン酸吸着を可能にする酸化チタン材料、該酸化チタン材料の製造方法、該酸化チタン材料を含む無機リン酸選択的吸着剤、該無機リン酸選択的吸着剤を用いる無機リン酸選択的吸着方法、及び、該無機リン酸選択的吸着剤を用いるタンパク質溶液からの無機リン酸除去方法に関する。
1段階で分子の分離と同定が可能になることから、液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析法(MS)を繋ぎ合わせたLC−MSは化学および生物学に渡る広範な研究領域において必要不可欠な技術である。特に生体分子の分離においては、そのコンホメーション変化を抑えるためにリン酸緩衝液が溶出液として用いられる。しかしながら、LC部で用いた無機リン酸がMS部へ流入することで、MS部のイオン化部に析出し、検体のイオン化を阻害してしまう。このためリン酸緩衝液を用いた場合にはLC−MSの連続運転は困難であり、LC部とMS部の間で脱塩操作を挟む必要がある。
酸化チタンは低pH条件において無機リン酸と強く吸着し、またpHの上昇に伴って無機リン酸を脱離することが知られている。しかしながら、酸化チタンはその製造方法によって吸着現象が大きく異なり、これを合理的に予測することは困難である。また、酸化チタン表面には無機リン酸のみならず様々な官能基を有する生体分子が吸着してしまうことが知られており、無機リン酸のみを選択的に吸着することができる材料が望まれてきた。
これまでに酸化チタン材料を用いてリン酸基を有するペプチドを吸着、脱着することで濃縮する技術は、例えば非特許文献1などで用いられている。また、非特許文献2では磁性粒子の周りを酸化チタンで被覆することにより、無機リン酸を磁気分離することに成功している。非特許文献3では酸化チタン材料を用いたLC−MSにおける連続的な脱リン酸も報告されている。
Nature Protocols Vol. 1 (2006), p. 1929-1935. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Vol. 78 (2014), p. 748-754. International Journal of Mass Spectrometry Vol. 306 (2011), p. 37-43.
従来の技術は全て酸化チタンに、無機リン酸およびリン酸基が強く吸着することを利用したものであり、吸着現象の選択性は検討されていない。また、酸化チタンには、リン酸基に限らずカルボン酸基やアミン基等の官能基も吸着してしまうため、様々な生体分子が非特異的に吸着してしまう。特にLC−MSの連続的な運転で生体分子を検出する場合、無機リン酸だけでなく測定成分である生体分子が酸化チタンに吸着されてしまうことで、これをMSで検出することが困難である。このような背景を踏まえて、生体分子を吸着せず、選択的に無機リン酸のみを吸着できる新たな材料の開発が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑み、無機リン酸を選択的に吸着し、タンパク質に対する吸着能が低い酸化チタン材料、該酸化チタン材料の製造方法、該酸化チタン材料を含む無機リン酸選択的吸着剤、該無機リン酸選択的吸着剤を用いる無機リン酸選択的吸着方法、及び、該無機リン酸選択的吸着剤を用いるタンパク質溶液からの無機リン酸除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、生体分子を吸着せず、選択的に無機リン酸のみを吸着できる新たな材料を求めて鋭意検討した結果、無機リン酸吸着能に優れ、かつ、タンパク質に対する吸着能が低い酸化チタン材料を製造することに成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(12)に関する。
(1)酸化チタンを含む酸化チタン材料であって、無機リン酸の吸着量が前記酸化チタン材料1g当たり、70〜250μmolであって、タンパク質の吸着量が前記酸化チタン材料1g当たり、60mg以下である、酸化チタン材料。
(2)前記タンパク質がカゼインである、(1)の酸化チタン材料。
(3)前記タンパク質がウシ血清アルブミン(以下、BSAと略記する)である、(1)の酸化チタン材料。
(4)前記酸化チタン材料が非晶質である、(1)〜(3)の酸化チタン材料。
(5)チタンアルコキシドを、低級アルコールを含む水性媒体中で加水分解させることを含む、酸化チタン材料の製造方法。
(6)前記低級アルコールが、イソプロパノール又はメタノールである、(5)の酸化チタン材料の製造方法。
(7)前記加水分解を、アルカリ存在下に行う、(5)又は(6)の酸化チタン材料の製造方法。
(8)前記アルカリがアミン類及びアンモニア類からなる群から選ばれる少なくとも一種である、(7)の酸化チタン材料の製造方法。
(9)前記アンモニア類がアンモニアである、(8)の酸化チタン材料の製造方法。
(10)(5)〜(9)のいずれかの製造方法により得られる酸化チタン材料。
(11)(5)〜(9)のいずれかの製造方法により得られる、酸化チタンを含む酸化チタン材料であって、無機リン酸の吸着量が前記酸化チタン材料1g当たり、70〜250μmolであって、タンパク質の吸着量が前記酸化チタン材料1g当たり、50mg以下である、酸化チタン材料。
(12)前記タンパク質がカゼインである(11)の酸化チタン材料。
(13)前記タンパク質がBSAである(11)の酸化チタン材料。
(14)(1)〜(4)のいずれか、又は、(10)〜(13)のいずれかの酸化チタン材料を含む無機リン酸選択的吸着剤。
(15)(14)の無機リン酸選択的吸着剤を用いる、無機リン酸選択的吸着方法。
(16)タンパク質を含むリン酸溶液を、(14)の無機リン酸選択的吸着剤に接触させて、無機リン酸を選択的に吸着させた後、該無機リン酸選択的吸着剤を除去して得られる上清より、タンパク質を回収することを特徴とする、タンパク質溶液からの無機リン酸除去方法。
本発明の酸化チタン材料は、選択的に無機リン酸を吸着し、タンパク質に対する吸着能が低いため、リン酸を含有するタンパク質溶液から、無機リン酸のみを該酸化チタン材料に吸着させ、リン酸を含まないタンパク質溶液を回収することができる。
実施例1及び2で得られた酸化チタン材料のFE−SEMによる観察像である。(a)は、実施例1で得られた酸化チタン材料の観察像、(b)は、実施例2で得られた酸化チタン材料の観察像をそれぞれ示す。 実施例1及び2で得られた酸化チタン材料のXRD測定の結果を示す。上段より、TECNAN社製酸化チタン粒子、実施例1で得られた酸化チタン粒子、実施例2で得られた酸化チタン粒子、アナターゼ型酸化チタン粒子、ルチル型酸化チタン粒子の強度をそれぞれ示す。 実施例1及び2で得られた酸化チタン材料の窒素吸脱着測定の結果を示す。左側のグラフが実施例1で得られた酸化チタン材料、右側のグラフが実施例2で得られた酸化チタン材料の測定結果をそれぞれ示す。 実施例1及び2で得られた酸化チタン材料の無機リン酸とカゼインの吸着量の測定結果を示す。(a)が無機リン酸の吸着量の測定結果、(b)がカゼインの吸着量の測定結果をそれぞれ示す。 実施例3及び4で得られた酸化チタン材料のFE−SEMによる観察像である。(a)は、実施例3で得られた酸化チタン材料の観察像、(b)は、実施例4で得られた酸化チタン材料の観察像をそれぞれ示す。 実施例3及び4で得られた酸化チタン材料のXRD測定の結果を示す。上段より、TECNAN社製酸化チタン粒子、実施例3で得られた酸化チタン粒子、実施例4で得られた酸化チタン粒子、アナターゼ型酸化チタン粒子、ルチル型酸化チタン粒子の強度をそれぞれ示す。 実施例3及び4で得られた酸化チタン材料の窒素吸脱着測定法の結果を示す。左側のグラフが実施例3で得られた酸化チタン材料、右側のグラフが実施例4で得られた酸化チタン材料の測定結果をそれぞれ示す。 実施例3及び4で得られた酸化チタン材料の無機リン酸とカゼインの吸着量の測定結果を示す。(a)が無機リン酸の吸着量の測定結果、(b)がカゼインの吸着量の測定結果をそれぞれ示す。 実施例1〜4で得られた酸化チタン材料のBSAの吸着量の測定結果を示す。
(酸化チタン材料)
本発明の酸化チタン材料は、酸化チタンを含み、無機リン酸を選択的に吸着する。無機リン酸の吸着能は、前記酸化チタン材料1g当たり、70〜250μmol、好ましくは、70〜200μmol、とくに好ましくは70〜150μmolである。
本発明の酸化チタン材料は、タンパク質に対する吸着能が低く、前記酸化チタン材料1g当たり、タンパク質の吸着量は、60mg以下であり、好ましくは、40mg、とくに好ましくは30mg以下、さらに好ましくは10mg以下である。
本発明のチタン材料のタンパク質吸着能の測定における、タンパク質としては、とくに制限はないが、例えば、カゼインやBSA等が挙げられる。
カゼインの場合の吸着能は、本発明のチタン材料1g当たり、60mg以下であれば、いずれでもよいが、好ましくは、50mg以下、とくに好ましくは、30mg以下である。
BSAの場合の吸着能は、本発明のチタン材料1g当たり、60mg以下であれば、いずれでもよいが、好ましくは、40mg以下、とくに好ましくは、30mg以下である。
本発明の酸化チタン材料の、無機リン酸に対する吸着能は、酸化チタン材料に吸着した無機リン酸の量を、モリブデンブルー法を用いて測定することができる。具体的には、以下のようにして本発明のチタン材料の無機リン酸の吸着能を測定することができる。
遠心管に本発明の酸化チタン材料を50mg入れ、そこに1mMリン酸水溶液を10mL加える。これを、ボルテックスを用いて10秒間撹拌し、さらに超音波バス中に3分間置くことにより、酸化チタン材料を分散させる。その後遠心分離機にて30000Gで5分間遠心分離を行い、得られた上澄みを、ミリポア (マイレクスLG、メルク社製)充填したシリンジを用いてろ過を行う。
このろ過された上澄み液を50μL取り、イオン交換水で希釈し、リン酸測定用試薬(2.5M硫酸水溶液5mL、1.0mM酒石酸アンチモニルカリウム水溶液0.5mL、8.1mMモリブデン酸アンモニウム水溶液1.5mL、0.10Mアスコルビン酸水溶液3mLを混合したもの)を0.4mL加え、1時間静置させた後、885nmにおける吸光度を測定する。
次に、イオン交換水を用いて、1mMリン酸水溶液を5、10、15、20μMになるように希釈し、それぞれの既知濃度のリン酸溶液に、前記のリン酸測定用試薬を0.4mL加え、1時間放置した後、885nmにおける吸光度を測定することで検量線を作成する。
この検量線と、前記上澄み液の吸光度から、前記上澄み液中のリン酸濃度を算出し、このリン酸濃度と、初期のリン酸濃度1mMとの差から本発明の酸化チタン材料への無機リン酸の吸着量を算出する。
本発明の酸化チタン材料へのタンパク質の吸着量は、BCA法を用いて測定することができる。具体的には、以下のようにして本発明の酸化チタン材料へのタンパク質の吸着量を測定することできる。
遠心管に本発明の酸化チタン材料を50mg入れ、そこにタンパク質水溶液を10mL加える。これを、ボルテックスを用いて10秒間撹拌し、さらに超音波バス中に3分間置くことにより、酸化チタン材料を分散させる。その後遠心分離機にて30000Gで5分間遠心分離を行い、得られた上澄みを、ミリポア (マイレクスLG、メルク社製)を充填したシリンジに用いてろ過を行う。
このろ過をした上澄み液を120μL取り、これにタンパク質測定用試薬(Takara BSA Protein Assay Kit;タカラバイオ社製)を2.4mL加え、37℃で30分間反応させた後、562nmにおける吸光度を測定する。
次に、カゼインナトリウム(和光純薬社製)をイオン交換水に溶解し、1mg/mLとなるように調製する。これを、イオン交換水を用いて0.25、0.50、0.75mg/mLとなるように希釈し、それぞれの既知濃度のカゼイン溶液に、前記のタンパク質測定用試薬を2.4mL加え、37℃で30分間反応させ、562nmにおける吸光度を測定することで検量線を作成する。
この検量線と、前記上澄み液の吸光度から、前記上澄み液中のタンパク質濃度を算出し、このタンパク質濃度と、初期のタンパク質濃度1mg/mLとの差から本発明の酸化チタン材料へのタンパク質の吸着量を算出する。
本発明の酸化チタン材料の形状は、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)等の走査型電子顕微鏡を用いて形状を観察することができる。具体的には、FE−SEMの試料台にカーボンテープを貼り、その上に、試料をピンセットで乗せ、加圧電圧5.0kV、作動距離(Working distance;W.D.)4mm、倍率50000倍の条件で観察する。
本発明の酸化チタン材料は、上記の吸着能を有していれば、その形状は問わず、粒子状であっても、非粒子状であってもよいが、粒子状である方が好ましい。また、本発明の酸化チタン材料は、結晶であっても、非晶質であってもよいが、非晶質が好ましい。
本発明において、酸化チタン材料が結晶であるか、非晶質であるかは、以下のX線回析(XRD)を測定することにより、判定することができる。
XRD測定は、一般的な粉末X線回析装置を用い、通常の条件で行うことができる。XRD測定において、酸化チタンのアナターゼ型結晶とルチル型結晶とを比較対象として用い、各結晶のピークと一致するか否かで、酸化チタン材料がいずれの結晶であるかを調べることができる。また、各結晶についての公知のXRDのデータと比較して、酸化チタン材料がいずれの結晶であるかを調べることもできる。XDR測定において、明確なピークが観察されなかった場合は、その試料は、非晶質(アモルファス)と判定することができる。
本発明の酸化チタン材料が粒子状である場合、その比表面積は、とくに制限されないが、通常、20〜500m/gである。また、粒子には細孔を有していても、有していなくてもよいが、細孔を有している方が好ましい。細孔を有する場合、細孔径はとくに、制限されないが、通常、1〜100nmである。
本発明において、比表面積及び細孔径の測定方法は、とくに制限はないが、例えば、窒素脱吸着測定によって、吸脱着等温線をプロットし、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法で比表面積、及びBJH(Barrett−Joyner−Hallender)法で細孔径分布を求めることができる。
(酸化チタン材料の製造方法)
本発明の酸化チタン材料は、チタンアルコキシドを原料として、ストーバー法等のゾル−ゲル法を用いて製造することができる。具体的には、チタンアルコキシドを、低級アルコールを含む水性媒体中で加水分解させることにより、本発明の酸化チタン材料を製造することができる。
本発明の製造方法において使用するチタンアルコキシドとしては、本発明の酸化チタン材料を製造することができれば、とくに制限はないが、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタンが挙げられるが、テトライソプロポキシチタンが好ましく用いられる。テトライソプロポキシチタンとしては、例えば、下記構造式で示されるオルトチタン酸テトライソプロピル(Tetraisopropyl Orthotitanate;TTIP)等が挙げられる。
Figure 0006902782
本発明において、低級アルコールとしては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖の飽和アルコールであって、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノールおよびイソペンタノール等が本発明において用いられるが、これらに限定されるものではなく、これらのいずれか1種類のみを用いることも、あるいは2種類以上を併用することもできる。
水性媒体としては、例えば、精製水、脱イオン水、蒸留水、超純水等が挙げられ、これらの混合物であってもよい。これら水性媒体の中でも、超純水が好ましく用いられる。また、上記水性媒体は、緩衝液等、任意の溶質を含有する溶液であってもよい。
本発明の酸化チタン材料の製造方法において、加水分解反応の反応温度は、加水分解反応が十分進行すればとくに制限はないが、通常、5〜50℃、好ましくは、10〜40℃、とくに好ましくは、15〜30℃である。加水分解反応の反応時間は、加水分解反応が十分進行すればとくに制限はないが、通常、1時間〜48時間、好ましくは2時間〜36時間、とくに好ましくは12時間〜30時間である。
上記の加水分解反応は、アルカリ存在下で行ってもよい。アルカリ存在下で加水分解反応を行うことにより、得られる酸化チタン材料のタンパク質に対する吸着能がより低下し、リン酸含有タンパク質溶液からの無機リン酸の選択効率をより向上させることができる。
前記アルカリとしては、例えば、無機塩基、有機塩基等が挙げられる。無機塩基としては、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩等が例示される。有機塩基としては、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンなどの脂肪族アミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;シクロプロピルアミンやシクロヘキシルアミンなどの脂環族アミン類;アニリンやメチルアニリンなどの芳香族アミン類;ピリジンなどの複素環式アミン類等が例示される。これらのアルカリは、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
これらのアルカリのうち、アンモニア、水酸化アンモニウム等のアンモニア類;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等のアルキルアミン類;モノエタノールアミン等のアルカノールアミン類等のアミン類が好ましく、アンモニア類がとくに好ましく、アンモニアがさらに好ましい。
前記加水分解反応に用いるアルカリの量は、加水分解が可能であればとくに制限はなく、通常、低級アルコールを含む水性媒体が、アルカリ域のpH、例えば、pH7〜13、好ましくは、pH7〜11となる量である。
低級アルコールを含む水性媒体中のアルカリの濃度は、特に制限されないが、例えば、0.1〜20質量%、好ましくは0.2〜10質量%、とくに好ましくは、0.2〜5質量%、である。
上記加水分解反応で得られる酸化チタン材料を遠心分離し、上澄み液を除去し、得られる残渣を乾燥させることにより、本発明の酸化チタン材料を製造することができる。遠心分離の条件は、本発明の酸化チタン材料を分離することできれば、とくに制限はないが、通常、10000G〜30000Gで、5〜15分間が好ましい。
上記の本発明の酸化チタン材料の製造方法を用いることにより、本発明の無機リン酸を選択的に吸着し、タンパク質に対する吸着能が低いチタン材料を製造することができる。本発明の酸化チタン材料の製造方法で得られる酸化チタン材料は、無機リン酸の吸着量が前記酸化チタン材料1g当たり、70〜250μmolであって、タンパク質の吸着量が前記酸化チタン材料1g当たり、50mg以下である。タンパク質としては、前記、本発明の酸化チタン材料で用いるタンパク質が挙げられ、例えば、カゼイン、BSA等のタンパク質が挙げられる。本発明の酸化チタン材料は、無機リン酸に対して優れた選択性を有し、タンパク質の吸着性が低いことから、当該酸化チタン材料を含有させることにより、無機リン酸選択的吸着剤として用いることができ、該無機リン酸選択的吸着剤は、無機リン酸選択的吸着方法に用いることができる。また、本発明の無機リン酸選択的吸着剤は、無機リン酸への吸着能が高く、タンパク質の吸着性が低いことから、リン酸含有タンパク質溶液から無機リン酸を選択的に除去することができる。
本発明の無機リン酸選択的吸着剤は、他の吸着剤を含有してもよい。例えば、シリカゲル、アルミナゲル、アルミノーシリカゲル等の吸着剤やイオン交換樹脂等を含有することにより、無機リン酸を吸着させつつ、他の物質を吸着し、除去することも可能である。
本発明の無機リン酸選択的吸着方法としては、本発明の酸化チタン材料を無機リン酸特異的吸着剤として用いる、無機リン酸選択的吸着方法であれば、とくに制限はなく、例えば、本発明の無機リン酸選択的吸着剤をカラムに充填し、当該カラムに、無機リン酸を含む溶液を流し、当該溶液中に存在する無機リン酸を選択的に吸着させる方法等が挙げられる。
また、本発明の無機リン酸選択的吸着方法にタンパク質の測定方法を組み合わせることにより、タンパク質溶液から無機リン酸を選択的に吸着して除去し、タンパク質をそれぞれのタンパク質の測定方法を適用して測定することにより、無機リン酸によるタンパク質測定の影響を抑制して、効率的にタンパク質を測定することが可能となる。
例えば、LC−MSにおいてタンパク質溶液の分析、測定を行う場合、LC部からの溶出液に、本発明の無機リン酸選択的吸着方法を適用することにより、タンパク質溶液から無機リン酸を選択的に吸着して除去することができる。これにより、MS部に無機リン酸が流入して、MS部で無機リン酸が析出することを防止することができ、タンパク質のイオン化の阻害を防止することができる。
(タンパク質溶液からの無機リン酸除去方法)
本発明の酸化チタン材料を用いた無機リン酸選択的吸着剤を用いることにより、リン酸を含有するタンパク質溶液から、無機リン酸を効率よく除去することができる。
具体的には、リン酸緩衝液等の無機リン酸を含む水溶液に溶解したタンパク質に、本発明の酸化チタン材料を、1分〜60分間、15〜35℃で接触させることにより、無機リン酸を、本発明の酸化チタン材料に選択的に吸着させる。その後、無機リン酸を吸着させた本発明の酸化チタン材料を遠心分離等の方法により除去し、得られた上清より、タンパク質を回収することにより、タンパク質溶液から無機リン酸を除去することができる。
また、本発明の無機リン酸選択的吸着剤をカラムに充填し、当該カラムに、タンパク質溶液を流し、タンパク質溶液中に存在する無機リン酸を、本発明の無機リン酸選択的吸着剤に吸着させ、カラムを通過する溶液を回収することにより、タンパク質溶液から無機リン酸を除去することができる。
例えば、リン酸を含む生体試料溶液をLC−MSに適用する場合、LC部から流出した溶液から、本発明の酸化チタン材料を用いて、生体試料中のタンパク質を除去することなく、無機リン酸を選択的に除去することができるため、無機リン酸が、MS部のイオン化部に析出することなく、タンパク質を連続して検出及び測定することが可能となる。
また、本発明の無機リン酸選択的吸着剤を充填したカラムは、無機リン酸がカラム中で飽和した場合は、容易に新しいものに交換することができる。さらに、無機リン酸が吸着した、本発明の無機リン酸選択的吸着剤を充填したカラムを、アルカリ水溶液で洗浄することにより、該カラムを再利用することも可能である。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例中、「%」は「質量%」を表わす。
(実施例1)
250mLデュラン瓶に、イソプロパノール(関東化学製)49.5g、MilliQ(メルク社製)を用いて調製した超純水6.6g、28%アンモニア水(和光純薬工業社製)0.4mLと撹拌子を入れ、マグネチックスターラーで撹拌した。得られた溶液のpHは10.9であった。
次に、オルトチタン酸テトライソプロピル(TTIP;東京化成工業社製)7mLをデュラン瓶に入れ、室温で24時間撹拌した。得られた懸濁液を遠沈管に溶液を移して30,000Gで5分間遠心分離を行った。遠心分離後、上澄みを除去し、得られた残渣をイソプロパノールで洗浄し、超音波バスで3分間保温した。その後、30,000Gで5分間遠心分離し、上清を除去し、得られた残渣を50℃に設定した真空乾燥機で一晩以上真空乾燥し、酸化チタン材料を得た。
(実施例2)
実施例1において、アンモニア水を加えない以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン材料を得た。なお、TTIPを添加する前の溶液のpHは7.1であった。
(試験例1)FE−SEM観察
実施例1及び2で得られた酸化チタン材料の状態を以下のようにして、FE−SEM(JSM−6330FS;日本電子社製)で観察した。
FE−SEMの試料台にカーボンテープを貼り、その上に、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料を、それぞれピンセットで乗せ、加速電圧5.0kV、走査距離(Working distance;W.D.)4mm、倍率50,000倍の条件で観察した。その結果を図1に示す。図1に示したように、加水分解反応におけるアンモニアの有無によらず、いずれの酸化チタン材料も一次粒子径が非常に小さく、不規則な形をした粒子が観察された。
(試験例2)XRD測定
実施例1及び2で得られた酸化チタン材料を、粉末X線回析装置(RINT2100VPC/N;Rigaku社製)を用いてXRD測定を行った。
その結果を図2に示す。なお、比較例として、市販の酸化チタン粒子である、TECNAN社製の酸化チタン粒子の測定も行った。また、公知のデータベースより得た、アナターゼ型酸化チタン結晶とルチル型酸化チタン結晶のXDRデータを図2に示した。図2に示したように、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料は、いずれも明確なピークが検出されず、ごくわずかに検出されたブロードなピークも、アナターゼ型酸化チタン粒子及びルチル型酸化チタン粒子のピークと一致しなかった。このことから、実施例1及び2で得られた酸化型チタン材料は、いずれも非晶質(アモルファス)の粒子であることが判明した。
(試験例3)窒素吸脱着測定
実施例1及び2で得られた酸化チタン材料について、窒素脱着測定を行った。窒素脱吸着測定をする前に、各酸化チタン材料は、250℃、2.5時間の真空熱処理を行い、測定に供した。
窒素脱吸着測定の結果得られた、吸脱着等温線、BETプロットと比表面積、細孔径分布の測定結果を図3に示す。なお、吸脱着等温線、BETプロット、細孔径分布の測定結果を比較しやすくため、グラフの縦軸は固定した。
図3に示したように、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料の窒素脱吸着測定は、いずれのグラフにおいても非常に近似した結果が得られた。このことは、本発明のチタン材料の製造方法に用いる低級アルコールとして、イソプロパノールを用いた場合は、アンモニアの有無によらず、得られる酸化チタン材料は、同じ表面積と細孔分布を有することを示している。
また、細孔径分布の測定の結果、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料は、細孔径が、1〜5nm程度であった。
(試験例4)無機リン酸とカゼインの吸着量測定
実施例1及び2で得られた酸化チタン材料を用いて、無機リン酸とカゼイン(カゼインナトリウム;和光純薬工業社製)の吸着量の測定を行った。比較例として、TECNAN社製の酸化チタン粒子を用いて同様に無機リン酸とカゼインの吸着量を測定した。その結果を図4に示す。
実施例1及び2で得られた酸化チタン材料は、いずれも、TECNAN社製の酸化チタン粒子よりも、無機リン酸の吸着能に優れていた。とくに実施例2で得られた酸化チタン材料は、TECNAN社製の酸化チタン粒子よりも、2.4倍程無機リン酸の吸着能を有していた。
一方、カゼインの吸着量は、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料は、いずれも、TECNAN社製の酸化チタン粒子よりも低く、実施例1の酸化チタン材料のカゼインに対する吸着能は、TECNAN社製の酸化チタン粒子の16%程しかなかった。
実施例1のアンモニア存在下で加水分解を行った酸化チタン材料と、実施例2のアンモニア非存在下で加水分解を行った酸化チタン材料は、試験例3の結果、比表面積には差がなかったが、無機リン酸とカゼインの吸着量は、アンモニア非存在下で加水分解を行った酸化チタン材料の方が、アンモニア存在下で加水分解を行った酸化チタン材料よりも、約2倍多かった。
(実施例3)
250mLデュラン瓶に、メタノール(関東化学製)59.2g、MilliQ(メルク社製)を用いて調製した超純水7.4g、28%アンモニア水(和光純薬工業社製)0.4mLと撹拌子を入れ、マグネチックスターラーで撹拌した。得られた溶液のpHは10.7であった。
次に、オルトチタン酸テトライソプロピル(TTIP;東京化成工業社製)7mLをデュラン瓶に入れ、室温で24時間撹拌した。得られた懸濁液を遠沈管に溶液を移して30,000Gで5分間遠心分離を行った。遠心分離後、上澄みを除去し、得られた残渣をメタノールで洗浄し、超音波バスに3分間保温した。その後、30,000Gで5分間遠心分離し、上清を除去し、得られた残渣を50℃に設定した真空乾燥機で一晩以上真空乾燥し、酸化チタン材料を得た。
(実施例4)
実施例3において、アンモニア水を加えない以外は、実施例1と同様にして、酸化チタン材料を得た。なお、TTIPを添加する前の溶液のpHは6.9であった。
(試験例5)FE−SEM観察
試験例1と同様にして、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料の状態をFE−SEM(JSM−6330FS;日本電子社製)で観察した。その結果を図5に示す。図5に示したように、加水分解反応の際のアンモニアの有無によらず、いずれの酸化チタン材料も一次粒子径が非常に小さく、不規則な形をしていることが観察された。また、実施例1及び2のイソプロパノール存在下で製造した酸化チタン材料と比較すると、全体的に粒子径はやや大きめであった。
(試験例6)XRD測定
試験例2と同様にして、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料を、粉末X線回析装置(RINT2100VPC/N;Rigaku社製)を用いてXRD測定を行った。
その結果を図6に示す。なお、比較例として、市販の酸化チタン粒である、TECNAN社製の酸化チタン粒子の測定も行った。また、公知のデータベースより得た、アナターゼ型酸化チタン結晶とルチル型酸化チタン結晶のXDRデータを図6に示した。図6に示したように、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料は、いずれも明確なピークが検出されず、ごくわずかに検出されたブロードなピークも、アナターゼ型酸化チタン粒子及びルチル型酸化チタン粒子のピークと一致しなかった。このことから、実施例3及び4で得られた酸化型チタン材料は、いずれも非晶質(アモルファス)の粒子であることが判明した。
(試験例7)窒素吸脱着測定
試験例3と同様にして、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料について、窒素脱着測定を行った。
図7に示したように、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料で得られた結果とは異なり、実施例3で得られた酸化チタン材料の方が、実施例4で得られた酸化チタン材料よりも、比表面積が大きくなった。
また、細孔径分布の測定の結果、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料は、実施例1及び2で得られた酸化チタン材料と比較して細孔径が、大きくなっていた。このことから、酸化チタン材料を製造する際の加水分解に用いる溶媒により、細孔径が変わることが判明した。
(試験例8)無機リン酸とカゼインの吸着量測定
試験例4と同様にして、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料を用いて、無機リン酸とカゼイン(カゼインナトリウム;和光純薬工業社製)の吸着量測定の結果を行った。比較例として、TECNAN社製の酸化チタン粒子を用いて同様に無機リン酸とカゼインの吸着量を測定した。その結果を図8に示す。
実施例3及び4で得られた酸化チタン材料は、TECNAN社製の酸化チタン粒子と同等か、それ以上の無機リン酸の吸着能を有していた。
一方、実施例3及び4で得られた酸化チタン材料は、カゼインの吸着量がTECNAN社製の酸化チタン粒子よりも低く、とくに実施例3の酸化チタン材料のカゼインに対する吸着能は、TECNAN社製の酸化チタン粒子のわずか3%程しかなかった。
実施例3のアンモニア存在下で加水分解反応を行った酸化チタン材料と、実施例4のアンモニア非存在下で加水分解反応を行った酸化チタン材料を比較すると、溶媒をイソプロパノールを用いた場合と同様に、メタノールを溶媒として用いた場合も、無機リン酸とカゼインの吸着量は、アンモニア存在下で加水分解反応を行った酸化チタン材料の方が、アンモニア非存在下で加水分解反応を行った酸化チタン材料よりも、全体的に減少する傾向が見られた。
(試験例9)BSAの吸着量測定
試験例4において、ウシ血清アルブミン(BSA;脂肪酸不含有、和光純薬社製)をカゼインの代わりに用いる以外は試験例4と同様にしてBSAの吸着量を測定した。
また、試験例8において、ウシ血清アルブミン(BSA;脂肪酸不含有、和光純薬社製)をカゼインの代わりに用いる以外は試験例8と同様にしてBSAの吸着量を測定した。なお、BSAの量は、TakaRa BCA Protein Assay Kit(タカラバイオ製)を用いて測定した。
その結果を図9に示す。TECNAN社製の酸化チタン粒子と比較して、実施例1〜4で製造した本発明の酸化チタン材料は、いずれもBSAの吸着量が低く、とくに、加水分解反応においてアンモニアを溶媒に添加せずに製造した酸化チタン材料は、BSAを殆ど吸着しなかった。
また、BSAの場合は、カゼインや無機リン酸とは異なり、水性溶媒に添加する低級アルコールとして、イソプロパノールを用いても、メタノールを用いても、BSAの吸着量に差はなかった。
本発明の酸化チタン材料は、選択的に無機リン酸を吸着し、タンパク質に対する吸着能が低いため、リン酸を含有するタンパク質溶液から、無機リン酸のみを該酸化チタン材料に吸着させて、無機リン酸のみを選択的に除去することができることから、LC−MSを用いるタンパク質を含む生体試料の連続測定等に有用である。

Claims (12)

  1. 酸化チタンを含む粒子状酸化チタン材料であって、前記粒子状酸化チタン材料の比表面積が20〜500m /gであり、無機リン酸の吸着量が前記粒子状酸化チタン材料1g当たり、70〜250μmolであって、タンパク質の吸着量が前記粒子状酸化チタン材料1g当たり、50mg以下である、粒子状酸化チタン材料。
  2. 前記タンパク質がカゼインである、請求項1記載の粒子状酸化チタン材料。
  3. 前記タンパク質がウシ血清アルブミンである、請求項1記載の粒子状酸化チタン材料。
  4. 前記酸化チタン材料が非晶質である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒子状酸化チタン材料。
  5. チタンアルコキシドを、低級アルコールを含む水性媒体中で、12時間〜30時間加水分解させることを含む、粒子状酸化チタン材料の製造方法。
  6. 前記低級アルコールが、イソプロパノール又はメタノールである、請求項5記載の製造方法。
  7. 前記加水分解を、アルカリ存在下に行う、請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 前記アルカリがアミン類及びアンモニア類からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項7記載の製造方法。
  9. 前記アンモニア類がアンモニアである、請求項8記載の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒子状酸化チタン材料を含む無機リン酸選択的吸着剤。
  11. 請求項10記載の無機リン酸選択的吸着剤を用いる、無機リン酸選択的吸着方法。
  12. タンパク質を含むリン酸溶液を、請求項10記載の無機リン酸選択的吸着剤に接触させて、無機リン酸を選択的に吸着させた後、該無機リン酸選択的吸着剤を除去して得られる上清より、タンパク質を回収することを特徴とする、タンパク質溶液からの無機リン酸除去方法。
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