JP6900212B2

JP6900212B2 - 予期せぬ燃焼イベントを抑制するシステム及び方法

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Publication number: JP6900212B2
Application number: JP2017053899A
Authority: JP
Inventors: マヘシュクリシュナチェンガルヴァ，
Original assignee: Boeing Co
Current assignee: Boeing Co
Priority date: 2016-04-20
Filing date: 2017-03-21
Publication date: 2021-07-07
Anticipated expiration: 2037-03-21
Also published as: US10086947B2; US20170305562A1; RU2017105427A3; JP2017222340A; RU2017105427A; EP3235721B1; CN107303412A; EP3235721A1; RU2743720C2; CN107303412B

Description

本開示の分野は、広くは、航空機のアセンブリに関し、特に、航空機、列車、又はセミトレーラートラックなどの、輸送体の貨物室内での予期せぬ燃焼イベントを抑制するシステム及び方法に関する。

少なくとも一部の既知の大きな民間航空機は、旅客機、貨物運搬機、又はそれらの何らかの組み合わせとして運航されている。より具体的には、一部の航空機は、航空機の下側デッキ内に配置された荷物又は貨物室を含む。荷物又は貨物室は、通常、万一部屋内で燃焼イベントが生じた場合に使用されるための火災検出及び火災抑制システムを含む。例えば、火災抑制システムは、火災が航空機の残りの場所へ広がる前に、燃焼イベントを消火するための、スプリンクラー又はハロンシステム（Ｈａｌｏｎｓｙｓｔｅｍ）の形態を採り得る。しかし、リチウムイオン電池などの、強力な燃焼不具合をもたらす可能性がある、新しくて一般向けのテクノロジーを輸送することは、全ての安全対策が講じられているとしても潜在的な危険を生成する。

一態様では、航空機が提供される。航空機は、その中に形成された開口部を有する外板を含み、貨物室は、貨物室の内部を画定する複数の側壁を含む。複数の側壁は、その内部が開口部と流体連通するように、配置されている。航空機は、外板にヒンジで連結されたパネルを更に含む。ヒンジで連結されたパネルは、開口部を覆うための閉じた位置と内部を航空機の外側の周囲環境に晒すための開いた位置との間で動作可能である。解放デバイスが、ヒンジで連結されたパネルを閉じた位置に保持するように構成され、内部で予期せぬ燃焼イベントが生じたときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネルを解放するように構成されている。

別の一態様では、航空機の貨物室内での予期せぬ燃焼イベントを抑制するための方法が提供される。該方法は、ヒンジで連結されたパネルが閉じた位置にある状態で、貨物室の内部を密封することを含む。ヒンジで連結されたパネルは、閉じた位置と開いた位置との間で選択的に動作可能である。該方法は、貨物室の内部の温度が閾値よりも高いときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネルを解放することも更に含む。ヒンジで連結されたパネルは、内部が航空機の外側の周囲環境に晒されるように、且つ、予期せぬ燃焼イベントの生成物が周囲環境へ排気されるように解放される。

更に別の一態様では、航空機を組み立てる方法が提供される。該方法は、航空機の外板内に開口部を形成すること、貨物室の内部を開口部と流体連通するように連結させること、及びヒンジで連結されるパネルを外板に連結させることを含む。ヒンジで連結されたパネルは、開口部を覆うための閉じた位置と内部を航空機の外側の周囲環境に晒すための開いた位置との間で動作可能である。該方法は、外板と、ヒンジで連結されたパネルとの間に、解放デバイスを連結させることも更に含む。解放デバイスが、ヒンジで連結されたパネルを閉じた位置に保持するように構成され、内部で予期せぬ燃焼イベントが生じたときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネルを解放するように構成されている。

例示的な航空機の胴体の断面図である。図１で示された胴体内で使用され得る例示的な貨物室と火災抑制アセンブリの概略図である。図１で示された航空機の内側からの火災抑制アセンブリの概略内部図である。図１で示された航空機の外側からの火災抑制アセンブリの概略外部図である。図２で示された火災抑制アセンブリと共に使用され得る例示的な解放デバイスの概略図である。図２で示された火災抑制アセンブリと共に使用され得る代替的な解放デバイスの概略図である。予期せぬ燃焼イベントを抑制するための例示的なシーケンスを描いたフロー図である。

本明細書で説明される実施態様は、航空機の貨物室内での予期せぬ燃焼イベントを抑制するシステム及び方法に関する。より具体的には、貨物室は、航空機の外板内に形成された開口部と流体連通する内部を含む。開口部は、ヒンジで連結されたパネルで覆われている。ヒンジで連結されたパネルは、開口部を覆うときの閉じた位置と内部を航空機の外側の周囲環境に晒すための開いた位置との間で動作可能である。例えば、予期せぬ燃焼イベントが貨物室内で生じ、それによって、内部の温度が増加したときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネルが解放される。より具体的には、温度が上昇すると、温度に敏感な解放デバイスが、ヒンジで連結されたパネルを閉じた位置から解放する。内部を周囲環境に晒すことは、予期せぬ燃焼イベントの生成物が、周囲環境へ排気されることを可能にし、周囲環境からの気流が、予期せぬ燃焼イベントを抑制するために内部に入ることを可能にする。そのようにして、予期せぬ燃焼イベントを航空機内に封じ込めることを試みるのではなく、むしろ減圧イベントが、強力で連続的な気流を用いて予期せぬ燃焼イベントを急速に抑制することをもたらす。

本書で使用される際に、単数で記載され、「一」または「１つの」という言葉に後続する要素またはステップは、要素又はステップの複数形を除外することが明示的に記述されない限り、かかる除外は行われない。更に、本開示の「例示的な実施態様」又は「一実施態様」への言及は、やはり記載されている特徴を内包する更なる実施態様の存在を除外すると解釈されることを意図しない。

図１は、胴体１０２を含む例示的な航空機１００の断面図である。例示的な実施態様では、胴体１０２が、客室１０４、貨物デッキ１０６、及び貨物デッキ１０６の下に配置された複数の貨物室１０８を含む。客室１０４と貨物デッキ１０６は、第１の床１１０によって分離され、貨物デッキ１０６と複数の貨物室１０８は、第２の床１１２によって分離されている。胴体１０２は、客室１０４、貨物デッキ１０６、及び貨物室１０８の周りで延在する外板１１４も含む。更に、第２の床１１２の下に配置されるように示されているが、航空機の後方セクション内に配置された貨物室などの、貨物室１０８は、任意の形状を有し、航空機１１０内のどこに配置されてもよい。それは、本システムと方法が、本明細書で説明されるように機能することを可能にする。

図２は、（図１で示された）胴体１０２内で使用され得る例示的な貨物室１０８と火災抑制アセンブリ１１６の概略図である。例示的な実施態様では、胴体１０２の外板１１４が、その中に形成された開口部１１８を有し、貨物室１０８は、貨物室１０８の内部１２２を画定する複数の側壁１２０を含む。複数の側壁１２０は、外板１１４に連結され、内部１２２が開口部１１８と流体連通するように、配置されている。更に、複数の側壁１２０は、少なくとも部分的に耐火性の材料から形成されている。そのようにして、貨物室１０８は、予期せぬ燃焼イベントが（図１で示された）航空機１００の残りの部分に広がることを制限することができる。更に、貨物室１０８は、例えば、アクセスパネル１２４を含み、それは、（図１で示された）貨物デッキ１０６から内部１２２へのアクセスを提供する。

例示的な実施態様では、火災抑制アセンブリ１１６が、直接的に又は間接的にの何れかで外板１１４に連結されたヒンジで連結されたパネル１２８、及び解放デバイス１３０を含む。ヒンジで連結されたパネル１２８は、開口部１１８を覆うための閉じた位置と内部１２２を航空機１００の外側の周囲環境１３２に晒すための開いた位置との間で動作可能である。以下でより詳細に説明されるように、解放デバイス１３０は、航空機１００が通常に動作しているときに、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持し、予期せぬ燃焼イベントが内部１２２で生じたときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネル１２８を解放する。そのようにして、航空機１００が飛行しているときに、気流が、周囲環境１３２から貨物室１０８の内部１２２へ流れるように導かれ、予期せぬ燃焼イベントを抑制することを促進する。

更に、多数の孔を有する支持構造体１３４が、貨物室１０８内に連結されている。多数の孔を有する支持構造体１３４は、ヒンジで連結されたパネル１２８が開いた位置にあるときに、貨物室１０８内の貨物１３６が開口部１１８を通って落下することを制限するように、貨物室１０８内に配置されている。より具体的には、貨物１３６が開口部１１８を直接的に覆って配置されるように、多数の孔を有する支持構造体１３４が、開口部１１８の全体にわたり延在する。更に、多数の孔を有する支持構造体１３４は、その中に画定された複数の通り孔１３８が、気流がそこを通ることを許容するようにサイズ決定されるように、設計される。例えば、一実施態様では、各通り孔１３８が、少なくとも約２．０平方インチ（１２．９平方センチメートル）の開いた断面積を有する。そのようにして、ヒンジで連結されたパネル１２８が開いた位置にあるときに、通り孔１３８は、気流がより直接的なやり方で燃焼している貨物に到達することを可能にする。

多数の孔を有する支持構造体１３４は、任意の材料から製造され、本システム及び方法が本明細書で説明されるように機能することを可能にする、任意の形態を採り得る。示されるように、多数の孔を有する支持構造体１３４は、交わるパターンで配置され、それによって、通り孔１３８を画定する、ロッド１４０のネットワークから形成されている。更に、ロッド１４０は、少なくとも約１８３２°Ｆ（１０００°Ｃ）の高温燃焼イベントに耐えることができる材料から形成されている。例示的な耐温材料は、鋼材料を含むが、それに限定されるものではない。

図３は、（図１で示された）航空機１００の内側からの火災抑制アセンブリ１１６の概略内部図であり、図４は、航空機１００の外側からの火災抑制アセンブリ１１６の概略外部図である。図３を参照すると、例示的な実施態様では、火災抑制アセンブリ１１６が、貨物室１０８内に連結され且つ外板１１４内の（図３では示されていない）開口部１１８の縁部の周りで延在する、スプライスプレート１４２を更に含む。スプライスプレート１４２は、ヒンジで連結されたパネル１２８を、閉じた位置に保持するために、外板１１４に連結させることを容易にするように配置されている。より具体的には、スプライスプレート１４２が、外板１１４に連結され、ヒンジで連結されたパネル１２８が、スプライスプレート１４２に連結されている。例えば、ヒンジで連結されたパネル１２８は、スプライスプレート１４２に連結されたヒンジ１４４と複数の自由端１４６を含む。以下でより詳細に説明されるように、自由端１４６は、解放デバイス１３０を用いてスプライスプレート１４２に連結され、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持することを容易にする。

更に、スプライスプレート１４２は、ロッド１４０を形成するために使用された耐温材料などの、耐温材料から形成された複数のファスナ１４８を用いて外板１１４に連結される。そのようにして、ファスナ１４８は、高温燃焼イベントに耐えることができ、燃焼イベントの間にスプライスプレート１４２が外板１１４に連結されたままであることを保証する。

代替的な一実施態様では、火災抑制アセンブリ１１６が、ヒンジで連結されたパネル１２８よりも小さいサイズの、１以上のヒンジで連結されたパネルを含む。ヒンジで連結されたパネルのサイズを低減させることは、（図２で示された）貨物１３６が、高度に補強された多数の孔を有する支持構造体の使用なしに、その上に直接的に積み込まれ得るように、貨物室１０８内の床面積を増加させることを促進する。そのようにして、代替的な軽量化手段を用いて、貨物１３６は、開口部１１８を通って落下することが制限され、それによって、航空機１００の全体重量を低減させる。

図５は、火災抑制アセンブリ１１６と共に使用され得る例示的な解放デバイス１３０の概略図であり、図６は、火災抑制アセンブリ１１６と共に使用され得る代替的な解放デバイス１５０の概略図である。例示的な実施態様では、解放デバイス１３０が、ヒンジで連結されたパネル１２８とスプライスプレート１４２との間に連結される。上述されたように、解放デバイス１３０は、（図１で示された）航空機１００が通常に動作しているときに、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持し、予期せぬ燃焼イベントが内部１２２で生じたときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネル１２８を解放する。解放デバイス１３０と１５０は、内部１２２の温度が融点よりも高いときに、ヒンジで連結されたパネル１２８が自動的に閉じた位置から解放されるように、その融点を有する温度材料から製造されている。より具体的には、ヒンジで連結されたパネル１２８は、予期せぬ燃焼イベントによってもたらされた過剰な加熱による解放デバイス１３０又は１５０の破壊に際して、自動的に解放される。

図５を参照すると、解放デバイス１３０は、温度に敏感な材料から製造されたファスナ１５２である。より具体的には、ファスナ１５２は、ダブルカウンタシンクの設計を有し、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持するために、ヒンジで連結されたパネル１２８とスプライスプレート１４２を通って延在する。図６を参照すると、解放デバイス１５０は、温度に敏感な材料から製造された接着剤の層１５４である。より具体的には、接着剤の層１５４は、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持するために、ヒンジで連結されたパネル１２８とスプライスプレート１４２との間で延在する。代替的な一実施態様では、ヒンジで連結されたパネル１２８が、作動可能な機械的ラッチを用いて閉じた位置に保持されている。作動可能な機械的ラッチは、内部１２２に配置されたセンサからの温度フィードバックに応じて、作動可能である。

ファスナ１５２と接着剤の層１５４とは、解放デバイス１３０と１５０が本明細書で説明されるように機能することを可能にする、任意の温度に敏感な材料から製造され得る。本明細書で使用される際に、「耐温」及び「温度に敏感な」は、概して特定の材料の融点を説明するために使用される相対的な用語である。例えば、スプライスプレート１４２を外板１１４に連結させるために使用される複数のファスナ１４８は、解放デバイス１３０と１５０を製造するために使用される温度に敏感な材料よりも高い融点を有する耐温材料から製造されている。そのようにして、本明細書で使用されるように、耐温材料は、温度に敏感な材料よりも高い融点を有する。一実施態様では、温度に敏感な材料の融点は、約３５０°Ｆ（１７６．７°Ｃ）と約６００°Ｆ（３１５．６°Ｃ）の間の範囲内で規定される。

ファスナ１５２を製造するために使用される例示的な材料は、ポリテトラフルオロエチレン材料を含むが、それに限定されるものではない。接着剤の層１５４を製造するために使用される例示的な材料は、ＭａｓｔｅｒＢｏｎｄ、ＣｏｔｒｏｎｉｃｓＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ、及びＡｒｍｅｃｏＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎによって製造されるものなどの、高温エポキシ接着剤を含むが、それらに限定されるものではない。更に、ファスナ１５２のサイズは、内部１２２のサイズ、内部１２２に収容される貨物１３６の最大重量、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持するために使用されるファスナ１５２の数、及びファスナ１５２の引張強度などの、幾つかの要因に基づいて選択される。

図７は、第１のシーケンス図２００、第２のシーケンス図２０２、及び第３のシーケンス図２０４を含む、予期せぬ燃焼イベント１５６を抑制するための例示的なシーケンスを描いているフロー図である。例示的な実施態様では、火災抑制アセンブリ１１６は、最初は起動されていない状態にあり、貨物室１０８の内部１２２は、ヒンジで連結されたパネル１２８が閉じた位置にある状態で密封されている。第１のシーケンス図２００で示されているように、予期せぬ燃焼イベント１５６が内部１２２で生じ、それは、内部１２２の温度と圧力が増加することをもたらす。貨物室１０８内の（図示せぬ）火災検出システムが、予期せぬ燃焼イベント１５６の発生を操縦室の乗務員に知らせるが、シーケンスの残りは自動的に（すなわち、操縦室の乗務員からの介入なしに）生じる。

第２のシーケンス図２０２で示されているように、内部１２２の増加した温度が、解放デバイス１３０の破壊をもたらし、それは、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置から解放する。より具体的には、予期せぬ燃焼イベント１５６によってもたらされた内部１２２の増加した圧力は、貨物室１０８の内部１２２と周囲環境１３２との間の圧力差の生成を促進する。この圧力差は、ヒンジで連結されたパネル１２８が開いた位置へとスイングすることを容易にもたらし、それによって、（図１で示された）航空機１００の残りの部分が圧縮されたままである一方で、貨物室１０８の圧力を低減させる。熱と煙１５８などの、予期せぬ燃焼イベント１５６の生成物が、その後、直ちに周囲環境１３２へ排気される。

第３のシーケンス図２０４で示されるように、ヒンジで連結されたパネル１２８は開いた位置にあり、それは、気流１６０が貨物室１０８の内部１２２に入ることを可能にする。より具体的には、一実施態様では、内部１２２を急速に冷却するために、乱気流１６０が内部１２２へ流れるように導かれる速度で、航空機１００が動作している。そのようにして、予期せぬ燃焼イベント１５６は、気流１６０によって抑制され、貨物室１０８内に封じ込められる。

航空機１００の貨物室１０８内での予期せぬ燃焼イベントを抑制する方法が、本明細書で説明される。該方法は、ヒンジで連結されたパネル１２８が閉じた位置にある状態で、貨物室１０８の内部１２２を密封することを含む。ヒンジで連結されたパネルは、閉じた位置と開いた位置との間で選択的に動作可能である。該方法は、貨物室１０８の内部１２２の温度が閾値よりも高いときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネル１２８を解放することも更に含む。ヒンジで連結されたパネル１２８は、内部１２２が航空機１００の外側の周囲環境に晒されるように、且つ、予期せぬ燃焼イベントの生成物が周囲環境１３２へ排気されるように解放される。

該方法は、気流１６０が周囲環境１３２から貨物室１０８の内部１２２へ流れるように導かれる速度で、航空機１００を操縦することを更に含む。更に、ヒンジで連結されたパネル１２８を解放することは、温度に敏感な材料から製造された解放デバイス１３０を用いて、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持すること、及び貨物室１０８の内部１２２の温度が、温度に敏感な材料の融点よりも高いときに、自動的にヒンジで連結されたパネル１２８を解放することを含む。更に、貨物室１０８の内部１２２を密封することは、貨物室１０８の内部１２２と周囲環境１３２との間に圧力差を生成することを含み、その圧力差は、ヒンジで連結されたパネル１２８が開いた位置へとスイングすることをもたらす。

該方法は、多数の孔を有する支持構造体１３４を用いて、ヒンジで連結されたパネル１２８が除去された開口部１１８を通って、貨物１３６が落下することを制限することを更に含む。多数の孔を有する支持構造体１３４は、気流がそこを通ることを許容するようにサイズ決定された、その中に画定された複数の通り孔１３８を含む。

航空機１００を組み立てる方法も、本明細書で説明される。該方法は、航空機１００の外板１１４内に開口部１１８を形成すること、貨物室１０８の内部１２２を開口部１１８と流体連通するように連結させること、及びヒンジで連結されたパネル１２８を外板１１４に連結させることを含む。ヒンジで連結されたパネル１２８は、開口部１１８を覆うための閉じた位置と内部１２２を航空機１００の外側の周囲環境１３２に晒すための開いた位置との間で動作可能である。該方法は、外板１１４とヒンジで連結されたパネル１２８との間に解放デバイス１３０を連結させることを更に含む。解放デバイス１３０は、ヒンジで連結されたパネル１２８を閉じた位置に保持するように構成され、予期せぬ燃焼イベントが内部１２２で生じたときに、開いた位置への移動のためにヒンジで連結されたパネル１２８を解放するように構成されている。

該方法は、多数の孔を有する支持構造体１３４を貨物室１０８内に連結させることを更に含む。多数の孔を有する構造体１３４は、ヒンジで連結されたパネル１２８が開いた位置にあるときに、開口部１１８を通って貨物１３６が落下することを制限するように構成されている。更に、該方法は、内部１２２の温度が融点よりも高いときに、ヒンジで連結されたパネル１２８が解放されるように、その融点を有する温度に敏感な材料から解放デバイス１３０を製造することを含む。

一実施態様では、解放デバイス１３０を連結させることが、外板１１４と、ヒンジで連結されたパネル１２８との間に、ファスナ１５２と接着剤の層１５４のうちの少なくとも一方を連結させることを含む。更に、解放デバイス１３０を連結させることは、貨物室１０８内にスプライスプレート１４２であって、外板１１４内の開口部１１８の縁部の周りで延在する、スプライスプレート１４２を連結させること、及び解放デバイス１３０をヒンジで連結されたパネル１２８とスプライスプレート１４２との間に連結させることを含む。

本明細書で説明されたシステム及び方法の例示的な技術的な効果は、以下のもののうちの少なくとも１つを含む。すなわち、（ａ）予期せぬ燃焼イベントを急速に抑制すること、（ｂ）人間の介入なしに、自動的に予期せぬ燃焼イベントを抑制するための装置を提供すること、並びに（ｃ）航空機に搭載された火災抑制及び封じ込めシステムによって提供される効果及び全体の安全性を増加させることである。

本開示による発明対象の例示的、非排他的な例が、以下の条項Ａ１からＣ２０に記載される。すなわち、
Ａ１
本開示の一態様によれば、航空機（１００）であって、
外板（１１４）内に形成された開口部（１１８）を有する前記外板（１１４）、
貨物室（１０８）の内部（１２２）を画定する複数の側壁（１２０）であって、前記内部（１２２）が前記開口部（１１８）と流体連通するように配置された、複数の側壁（１２０）を備えた前記貨物室（１０８）、
前記外板（１１４）に連結されたヒンジで連結されたパネル（１２８）であって、前記開口部（１１８）を覆うための閉じた位置と前記内部（１２２）を前記航空機（１００）の外側の周囲環境（１３２）に晒すための開いた位置との間で動作可能な、ヒンジで連結されたパネル（１２８）、及び
前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を前記閉じた位置に保持するように構成され、前記内部（１２２）で予期せぬ燃焼イベントが生じたときに、前記開いた位置への移動のために前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放するように構成された、解放デバイス（１３０）を備える、航空機（１００）が提供される。
Ａ２
有利なことに、前記複数の側壁（１２０）が、少なくとも部分的に耐火性の材料から形成されている、条項Ａ１に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ３
好ましくは、前記貨物室（１０８）内に連結された多数の孔を有する支持構造体（１３４）であって、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が前記開いた位置にあるときに、前記開口部（１１８）を通って貨物が落下することを制限するように構成された、多数の孔を有する支持構造体（１３４）を更に備える、条項Ａ１又はＡ２に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ４
有利なことに、前記多数の孔を有する支持構造体（１３４）が、前記貨物が前記開口部（１１８）を直接的に覆って配置されるように、前記開口部（１１８）の全体にわたり延在する、条項Ａ３に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ５
有利なことに、前記多数の孔を有する支持構造体（１３４）が、気流が通ることを許容するようにサイズ決定された、中に画定された複数の通り孔（１３８）を備える、条項Ａ３又はＡ４に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ６
有利なことに、前記内部（１２２）の温度が融点よりも高いときに、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が自動的に解放されるように、前記解放デバイス（１３０）が、前記融点を有する温度に敏感な材料から製造されている、条項Ａ１からＡ５のいずれか一項に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ７
有利なことに、前記温度に敏感な材料の前記融点が、約３５０°Ｆ（１７６．７°Ｃ）と約６００°Ｆ（３１５．６°Ｃ）の間の範囲内で規定されている、条項Ａ６に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ８
好ましくは、前記解放デバイス（１３０）が、ファスナ（１５２）又は接着剤の層（１５４）のうちの少なくとも一方を備える、条項Ａ１からＡ７のいずれか一項に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ９
好ましくは、前記貨物室（１０８）内に連結され且つ前記外板（１１４）内の前記開口部（１１８）の縁部の周りで延在する、スプライスプレート（１４２）を更に備え、前記解放デバイス（１３０）が、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）と前記スプライスプレート（１４２）との間に連結されている、条項Ａ１からＡ８のいずれか一項に記載の航空機（１００）が提供される。
Ａ１０
有利なことに、前記スプライスプレート（１４２）が、前記解放デバイス（１３０）を製造するために使用された材料よりも高い融点を有する材料から製造された複数のファスナ（１４８）を用いて、前記外板（１１４）に連結されている、条項Ａ９に記載の航空機（１００）が提供される。
Ｂ１１
本開示の更なる一態様によれば、航空機の貨物室（１０８）内での予期せぬ燃焼イベントを抑制する方法であって、
閉じた位置と開いた位置との間で選択的に動作可能である、ヒンジで連結されたパネル（１２８）が、前記閉じた位置にある状態で、前記貨物室（１０８）の内部（１２２）を密封すること、及び
前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）の温度が閾値よりも高いときに、前記開いた位置への移動のために前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することであって、前記内部（１２２）が前記航空機（１００）の外側の周囲環境（１３２）に晒されるように、且つ、前記予期せぬ燃焼イベントの生成物が前記周囲環境（１３２）へ排気されるように、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することを含む、方法が提供される。
Ｂ１２
有利なことに、気流が前記周囲環境（１３２）から前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）へ流れるように導かれる速度で、前記航空機（１００）を操縦することを更に含む、条項Ｂ１１に記載の方法が提供される。
Ｂ１３
好ましくは、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することが、
温度に敏感な材料から製造された解放デバイス（１３０）を用いて、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を前記閉じた位置に保持すること、及び
前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）の前記温度が、前記温度に敏感な材料の融点よりも高いときに、自動的に前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することを含む、条項Ｂ１１又はＢ１２に記載の方法が提供される。
Ｂ１４
有利なことに、前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）を密封することが、前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）と前記周囲環境（１３２）との間に圧力差を生成することを含み、前記圧力差が、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が前記開いた位置へとスイングすることをもたらす、条項Ｂ１３に記載の方法が提供される。
Ｂ１５
多数の孔を有する支持構造体（１３４）を用いて、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が除去された開口部を通って、貨物が落下することを制限することを更に含み、前記多数の孔を有する支持構造体（１３４）が、気流がそこを通ることを許容するようにサイズ決定された、その中に画定された複数の通り孔（１３８）を含む、条項Ｂ１１からＢ１４のいずれか一項に記載の方法が提供される。
Ｃ１６
本開示の更なる一態様によれば、航空機（１００）を組み立てる方法であって、
前記航空機（１００）の外板（１１４）内に開口部（１１８）を形成すること、
貨物室（１０８）の内部（１２２）を前記開口部（１１８）と流体連通するように連結させること、
前記開口部（１１８）を覆うための閉じた位置と前記内部（１２２）を前記航空機（１００）の外側の周囲環境（１３２）に晒すための開いた位置との間で動作可能である、ヒンジで連結されるパネル（１２８）を、前記外板（１１４）に連結させること、及び
前記外板（１１４）と前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）との間に解放デバイス（１３０）であって、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を前記閉じた位置に保持するように構成され、前記内部で予期せぬ燃焼イベントが生じたときに、前記開いた位置への移動のために前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放するように構成された、解放デバイス（１３０）を連結させることを含む、方法が提供される。
Ｃ１７
有利なことに、前記貨物室（１０８）内に連結された多数の孔を有する支持構造体（１３４）であって、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が前記開いた位置にあるときに、前記開口部（１１８）を通って貨物が落下することを制限するように構成された、多数の孔を有する支持構造体（１３４）を更に備える、条項Ｃ１６に記載の方法が提供される。
Ｃ１８
好ましくは、前記内部（１２２）の温度が融点よりも高いときに、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が解放されるように、前記融点を有する温度に敏感な材料から前記解放デバイス（１３０）を製造することを更に含む、条項Ｃ１６又はＣ１７に記載の方法が提供される。
Ｃ１９
好ましくは、前記解放デバイス（１３０）を連結させることが、前記外板（１１４）と前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）との間に、ファスナ（１５２）と接着剤の層（１５４）のうちの少なくとも一方を連結させることを含む、条項Ｃ１６からＣ１８のいずれか一項に記載の方法が提供される。
Ｃ２０
好ましくは、前記解放デバイス（１３０）を連結させることが、
前記貨物室（１０８）内にスプライスプレート（１４２）であって、前記外板（１１４）内の前記開口部（１１８）の縁部の周りで延在する、スプライスプレート（１４２）を連結させること、及び
前記解放デバイス（１３０）を、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）と前記スプライスプレート（１４２）との間に連結させることを含む、条項Ｃ１６からＣ１８のいずれか一項に記載の方法が提供される。

この明細書は、例を使用して、ベストモードを含む様々な実行形態を開示し、かつ、いかなる当業者にも、任意のデバイス又はシステムを作成及び使用すること、並びに、組み合わされた任意の複数の方法を実行することを含む、様々な実行形態の実践を可能にしている。本開示の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に想起される他の例も含み得る。かかる他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、それらが特許請求の範囲の文言とほとんど違わない同等な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。

Claims

航空機（１００）であって、該航空機（１００）は、
外板（１１４）内に形成された開口部（１１８）を有する前記外板（１１４）、
貨物室（１０８）の内部（１２２）を画定する複数の側壁（１２０）であって、前記内部（１２２）が前記開口部（１１８）と流体連通するように配置された、複数の側壁（１２０）を備えた前記貨物室（１０８）、
前記外板（１１４）に連結されたヒンジで連結されたパネル（１２８）であって、前記開口部（１１８）を覆うための閉じた位置と前記内部（１２２）を前記航空機（１００）の外側の周囲環境（１３２）に晒すための開いた位置との間で動作可能な、ヒンジで連結されたパネル（１２８）、及び
前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を前記閉じた位置に保持するように構成され、前記内部（１２２）で予期せぬ燃焼イベントが生じたときに、前記開いた位置への移動のために前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放するように構成された、解放デバイス（１３０）を備え、
前記内部（１２２）の温度が融点よりも高いときに、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が自動的に解放されるように、前記解放デバイス（１３０）が、前記融点を有する温度に敏感な材料から製造されている、航空機（１００）。
前記複数の側壁（１２０）が、少なくとも部分的に耐火性の材料から形成されている、請求項１に記載の航空機（１００）。
前記貨物室（１０８）内に連結された多数の孔を有する支持構造体（１３４）であって、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が前記開いた位置にあるときに、前記開口部（１１８）を通って貨物が落下することを制限するように構成された、多数の孔を有する支持構造体（１３４）を更に備える、請求項１又は２に記載の航空機（１００）。
前記温度に敏感な材料の前記融点が、約３５０°Ｆ（１７６．７°Ｃ）と約６００°Ｆ（３１５．６°Ｃ）の間の範囲内で規定されている、請求項１から３のいずれか一項に記載の航空機（１００）。
前記貨物室（１０８）内に連結され且つ前記外板（１１４）内の前記開口部（１１８）の縁部の周りで延在する、スプライスプレート（１４２）を更に備え、前記解放デバイス（１３０）が、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）と前記スプライスプレート（１４２）との間に連結されている、請求項４に記載の航空機（１００）。
前記スプライスプレート（１４２）が、前記解放デバイス（１３０）を製造するために使用された材料よりも高い融点を有する材料から製造された複数のファスナ（１４８）を用いて、前記外板（１１４）に連結されている、請求項５に記載の航空機（１００）。
航空機の貨物室（１０８）内での予期せぬ燃焼イベントを抑制する方法であって、該方法は、
閉じた位置と開いた位置との間で選択的に動作可能である、ヒンジで連結されたパネル（１２８）が、前記閉じた位置にある状態で、前記貨物室（１０８）の内部（１２２）を密封すること、及び
前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）の温度が閾値よりも高いときに、前記開いた位置への移動のために前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することであって、前記内部（１２２）が前記航空機（１００）の外側の周囲環境（１３２）に晒されるように、且つ、前記予期せぬ燃焼イベントの生成物が前記周囲環境（１３２）へ排気されるように、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することを含み、
前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することが、
温度に敏感な材料から製造された解放デバイス（１３０）を用いて、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を前記閉じた位置に保持すること、及び
前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）の前記温度が、前記温度に敏感な材料の融点よりも高いときに、自動的に前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）を解放することを含む、方法。
前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）を密封することが、前記貨物室（１０８）の前記内部（１２２）と前記周囲環境（１３２）との間に圧力差を生成することを含み、前記圧力差が、前記ヒンジで連結されたパネル（１２８）が前記開いた位置へとスイングすることをもたらす、請求項７に記載の方法。