JP6899869B2 - 位相敏感ビーム・トラッキング - Google Patents

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Description

[0001] 本開示は、位相敏感ビーム・トラッキング・システムに関する。
[0002] 通信ネットワークは、情報(信号)を受信し、情報を宛先に送信する大規模分散システムである。過去20〜30年にわたって、通信アクセスの需要が、劇的に増加した。従来のワイヤおよびファイバの地上通信線、セルラ・ネットワーク、および静止衛星システムが、需要の増加に対処するために間断なく増大してきたが、既存の通信インフラストラクチャは、それでも、需要の増加に対処するのに十分に大きくはない。通信ネットワークが、光通信ビームの使用を介して帯域幅および伝送距離を改善しようとする場合がある。地球上での自由空間光通信ビームの使用は、シンチレーションおよび指向誤差に起因して問題含みである場合がある。シンチレーションは、大気乱流およびビーム・サイズによって引き起こされる可能性がある。指向誤差は、ジッタ、ミスアライメント、建物の動揺および振動、プラットフォームの動きおよび振動、熱膨張などからの静的指向誤差と動的指向誤差との両方を含む。これらの指向誤差によって引き起こされる素早い変化は、高精度で高速のビーム・トラッキング・システムの必要を顕在化させる可能性がある。
[0003] 本開示は、伝統的にアナログ除算または数値除算によって解決される正規化を必要とする、非常に動的な振幅によって駆動された差動アナログ信号の処理問題を、デジタル・エレクトロニクスを使用してたやすく測定され得る位相/タイミング問題に変換することのできるトラッキング・システムを説明する。それを行う際に、除算によって生成される数値誤差が除去される。具体的には、本明細書で説明される方法およびシステムは、信号の振幅が何桁も変化している間に、位置センサ上で位置を測定することができ、この測定は、0.1%までの2つの信号の比の高精度測定を用いる。
[0004] 本開示の一態様は、通信ビームに関して光ビーム・トラッキング・システムを動作させる方法を提供する。この方法は、信号処理ハードウェアにおいて、多軸ポジション・センシング・ディテクタ(multi−axis position sensing detector)から軸信号を受け取ることと、信号処理ハードウェアによって、軸信号を合計することによって基準信号を生成することとを含む。この方法は、信号処理ハードウェアによって、多軸ポジション・センシング・ディテクタの各軸のビーム位置誤差に基づいて光ビームを向けるミラーのミラー位置を決定することと、信号処理ハードウェアによって、ミラー位置に移動するためにミラーを作動させることとをさらに含む。各軸信号は、多軸ポジション・センシング・ディテクタに入射する光ビームのビーム位置を示す。さらに、各軸信号は、多軸ポジション・センシング・ディテクタの軸に対応する。多軸ポジション・センシング・ディテクタの軸ごとに、この方法は、i)信号処理ハードウェアによって、軸の第2の軸信号からの90度位相差を有するように軸の第1の軸信号の位相を変換することと、ii)信号処理ハードウェアによって、第1および第2の軸信号を合計することによって軸フェーザ信号を生成することと、iii)信号処理ハードウェアによって、位相差を判定するために軸フェーザ信号および基準信号を比較することとを含む。軸フェーザ信号は、光ビームのビーム位置にマッピングする角度を有する。位相差は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ上の対応する軸に沿ったビーム位置誤差にマッピングする。
[0005] 本開示の実施態様は、以下のオプションの特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、この方法は、信号処理ハードウェアにおいて、多軸ポジション・センシング・ディテクタの軸ごとに光電流を受け取ることと、信号処理ハードウェアの少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプによって、光電流を対応する軸信号に変換することであって、各軸信号は、電圧信号である、変換することとを含む。各光電流は、光ビームのビーム・パワーおよびビーム位置に依存する振幅を有することができる。この方法は、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタを使用して各軸信号を高域フィルタリングすることを含むことができる。この方法は、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタを使用して各軸フェーザ信号を低域フィルタリングすることをも含むことができる。いくつかの例では、この方法は、それぞれが対応する対数利得を表すように、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの制限増幅器によって各軸フェーザ信号および基準信号を変更することを含む。
[0006] いくつかの実施態様では、この方法は、変更された軸フェーザ信号および変更された基準信号のそれぞれに対してエッジ検出を実行するために、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの比較器によって、変更された軸フェーザ信号および変更された基準信号をフィルタリングすることを含む。この方法は、信号処理ハードウェアによって、基準信号を信号処理ハードウェアの基準クロックに同期化することをも含むことができる。この方法は、アナログ・デバイスでの待ち時間および位相シフトを考慮するために、信号処理ハードウェアのデジタル電位差計を使用して基準信号の周波数をトリミングすることをも含むことができる。この方法は、信号処理ハードウェアの閉ループ・コントローラ(たとえば、比例・積分・微分(proportional−integral−derivative、PID)コントローラ)によって、多軸ポジション・センシング・ディテクタの少なくとも1つの軸のビーム位置誤差に基づいてミラー位置の変化のレートを考慮してミラー位置を決定することをさらに含むことができる。この方法は、コントローラと通信しているノッチ・フィルタによって、ターゲット周波数を減衰させるためにミラー位置をフィルタリングすることをも含むことができる。
[0007] 本開示のもう1つの態様は、通信ビームに関して光ビーム・トラッキング・システムを動作させる方法を提供する。この方法は、信号処理ハードウェアにおいて、多軸ポジション・センシング・ディテクタに入射する光ビームのビーム位置に関する第1のX信号、X信号位相を含む第2のX信号、第1のY信号、およびY信号位相を含む第2のY信号を受け取ることを含む。この方法は、信号処理ハードウェアによって、第2のX信号のX信号位相を90度だけシフトすることと、信号処理ハードウェアによって、第2のY信号のY信号位相を90度だけシフトすることとを含む。この方法は、i)信号処理ハードウェアによって、第1のX信号およびシフトされた第2のX信号を合計することによって合計されたX信号を生成することと、ii)信号処理ハードウェアによって、第1のY信号およびシフトされた第2のY信号を合計することによって合計されたY信号を生成することと、iii)信号処理ハードウェアによって、第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号を合計することによって基準信号を生成することとをさらに含む。この方法は、信号処理ハードウェアによって、光ビームを向けるミラーのミラー位置を決定することをさらに含む。ミラー位置は、基準信号と合計されたX信号との間の第1の信号差または基準信号と合計されたY信号との間の第2の信号差のうちの少なくとも1つに基づく。この方法は、信号処理ハードウェアによって、ミラー位置に移動するためにミラーを作動させることを含む。
[0008] この態様は、以下のオプションの特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。この方法は、信号処理ハードウェアにおいて、第1のX光電流、第2のX光電流、第1のY光電流、および第2のY光電流を受け取ることを含む。各光電流は、光ビームのビーム・パワーおよびビーム位置に依存する振幅を有する。この方法は、信号処理ハードウェアの少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプによって、第1のX光電流、第2のX光電流、第1のY光電流、および第2のY光電流を対応する第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号に変換することであって、各信号は電圧信号である、変換することをも含むことができる。
[0009] この方法は、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタによって第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号を高域フィルタリングすることをも含むことができる。いくつかの例では、この方法は、それぞれ対応する対数利得を表すように、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの制限増幅器によって、合計されたX信号、合計されたY信号、および基準信号を変更することを含む。変更された合計されたX信号、変更された合計されたY信号、および変更された基準信号は、それぞれ、対応する合計されたX信号、対応する合計されたY信号、および対応する基準信号の対数に比例するものとすることができる。いくつかの実施態様で、この方法は、それぞれ対応する対数利得を表すように、信号処理ハードウェアによって、変更された合計されたX信号、変更された合計されたY信号、および変更された基準信号を増幅することを含む。この方法は、変更された合計されたX信号、変更された合計されたY信号、および変更された基準信号のそれぞれに対してエッジ検出を実行するために、信号処理ハードウェアの少なくとも1つの比較器によって、変更された合計されたX信号、変更された合計されたY信号、および変更された基準信号をフィルタリングすることをも含むことができる。
[0010] いくつかの例では、この方法は、アナログ・デバイスでの待ち時間および位相シフトを考慮するために、信号処理ハードウェアのデジタル電位差計を使用して基準信号の周波数をトリミングすることを含む。いくつかの例では、この方法は、信号処理ハードウェアのコントローラ(たとえば、PIDコントローラ)によって、第1の信号差または第2の信号差のうちの少なくとも1つに基づいてミラー位置の変化のレートを考慮してミラー位置を決定することを含む。この方法は、コントローラと通信しているノッチ・フィルタによって、ターゲット周波数を減衰させるためにミラー位置をフィルタリングすることをも含むことができる。
[0011] 本開示のもう1つの態様は、光ビーム・トラッキング・システムを提供する。このシステムは、位置敏感検出器に入射する光ビームのビーム位置に関する第1のX信号位相、X信号を含む第2のX信号、第1のY信号、およびY信号位相を含む第2のY信号を出力するように構成された位置敏感検出器を含む。少なくとも1つの位相シフタが、位置敏感検出器と通信しており、第2のX信号のX信号位相を90度だけシフトし、第2のY信号のY信号位相を90度だけシフトするように構成される。少なくとも1つの加算増幅器が、位置敏感検出器および少なくとも1つの位相シフタと通信している。少なくとも1つの加算増幅器は、第1のX信号およびシフトされた第2のX信号の合計を含む合計されたX信号と、第1のY信号およびシフトされた第2のY信号の合計を含む合計されたY信号と、第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号の合計を含む基準信号とを出力するように構成される。このシステムは、少なくとも1つの加算増幅器と通信しており、光ビームを向けるミラーのミラー位置を決定し、ミラー位置に移動するためにミラーを作動させるように構成された信号処理ハードウェアをも含む。ミラー位置は、基準信号と合計されたX信号との間の第1の信号差または基準信号と合計されたY信号との間の第2の信号差のうちの少なくとも1つに基づく。
[0012] この態様は、以下のオプションの特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。位置敏感検出器は、第1のX光電流を出力するように構成された第1のX陽極と、第2のX光電流を出力するように構成された第2のX陽極と、第1のY光電流を出力するように構成された第1のY陽極と、第2のY光電流を出力するように構成された第2のY陽極とを含むことができる。各光電流は、光ビームのビーム・パワーおよびビーム位置に依存する。位置敏感検出器は、第1のX陽極、第2のX陽極、第1のY陽極、および第2のY陽極と通信している少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプをも含むことができる。少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプは、第1のX光電流、第2のX光電流、第1のY光電流、および第2のY光電流を対応する第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号に変換するように構成され得、各信号は、電圧信号である。いくつかの例で、このシステムは、位置敏感検出器と通信しており、第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号を高域フィルタリングするように構成された少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタを含む。
[0013] いくつかの例で、少なくとも1つの位相シフタは、第2のX信号のX信号位相を90度だけシフトするように構成された第1の位相シフタと、第2のY信号のY信号位相を90度だけシフトするように構成された第2の位相シフタとを含む。少なくとも1つの加算増幅器は、第1の位相シフタと通信しており、第1のX信号およびシフトされた第2のX信号を合計するように構成された第1の加算増幅器と、第2の位相シフタと通信しており、第1のY信号およびシフトされた第2のY信号を合計するように構成された第2の加算増幅器と、位置敏感検出器と通信しており、第1のX信号、第2のX信号、第1のY信号、および第2のY信号を合計するように構成された第3の加算増幅器とを含むことができる。このシステムは、少なくとも1つの加算増幅器と通信している少なくとも1つの制限増幅器をも含むことができる。少なくとも1つの制限増幅器は、i)合計されたX信号、合計されたY信号、および基準信号を受け取り、ii)それぞれ対数利得を表すように、合計されたX信号、合計されたY信号、および基準信号を変更し、iii)変更された合計されたX信号、変更された合計されたY信号、および変更された基準信号を出力するように構成され得る。各変更された信号は、対応する受け取られた信号の対数に比例するものとすることができる。
[0014] いくつかの実施態様で、このシステムは、少なくとも1つの制限増幅器と通信している少なくとも1つの比較器を含む。少なくとも1つの比較器は、変更された合計されたX信号、変更された合計されたY信号、および変更された基準信号のそれぞれに対してエッジ検出を実行するように構成され得る。このシステムは、少なくとも1つの比較器と通信しており、アナログ・デバイスでの待ち時間および位相シフトを考慮するために、基準信号の周波数をトリミングするように構成される、デジタル電位差計をさらに含むことができる。
[0015] 信号処理ハードウェアは、第1の信号差または第2の信号差のうちの少なくとも1つに基づいてミラー位置の変化のレートを考慮してミラー位置を決定するように構成されたコントローラ(たとえば、PIDコントローラを含むことができる。いくつかの例で、このシステムは、コントローラと通信しているノッチ・フィルタであって、ノッチ・フィルタは、ターゲット周波数を減衰させるためにミラー位置をフィルタリングするように構成される、ノッチ・フィルタを含む。このシステムは、コントローラと通信しているミラー・スケーリング・カリキュレータであって、ミラー・スケーリング・カリキュレータは、ミラー・バイアス・セット・ポイントから離れて回転する相補的な第1および第2のミラー信号を生成するように構成される、ミラー・スケーリング・カリキュレータをさらに含むことができる。
[0016] 本開示の1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付図面および下の説明で示される。他の態様、特徴、および利点は、この説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明白になるだろう。
[0017]例示的な通信システムを示す概略図である。 [0018]空中基地局および地上端末を含む例示的な通信システムを示す概略図である。 [0019]衛星が極コンステレーション(polar constellation)を形成する、衛星および通信気球を有する例示的な地球規模の通信システムを示す概略図である。 [0020]Walkerコンステレーションを形成する、図1Aの衛星の例示的なグループを示す概略図である。 [0021]空中基地局の例を示す透視図である。 [0021]空中基地局の例を示す透視図である。 [0022]衛星の例を示す透視図である。 [0023]ビーム・トラッキング・システムを示す概略図である。 [0024]感光検出器システムを示す概略図である。 [0025]シグナル・コンディショニング・システムを示す概略図である。 [0026]データ処理ハードウェア機能を示す概略図である。 [0027]ミラー制御システムの例を示す概略図である。 [0028]ビーム・トラッキング・システムを動作させる方法の動作の構成の例を示す図である。 [0029]ビーム・トラッキング・システムを動作させる方法の動作の構成の例を示す図である。
[0030] 様々な図面内の同様の符号は、同様の要素を示す。
[0031] 本開示は、自由空間光通信ビームの素早いアライメントおよび補正のためのビーム・トラッキング・システムを説明する。光通信システムは、光通信ビームを介してデータを伝送することができる。光通信ビームは、静的なおよび/または動的なシンチレーションおよび指向誤差にさらされる可能性がある。光通信システムは、ビーム・トラッキング・システムを使用して、光通信ビームをトラッキングし、シンチレーションおよび指向誤差を補正するために通信ビームの位置補正およびアライメント補正を判定することができる。非常に動的な振幅によって駆動された差動アナログ信号の処理問題を、アナログ・エレクトロニクスまたはアナログ−デジタル変換器ではなくデジタル・エレクトロニクスを使用してたやすく測定され得る位相/タイミング問題に変換することのできるビーム・トラッキング・システム。具体的には、ビーム・トラッキング・システムは、信号の振幅が何桁も変化している間に、位置センサ上で位置を測定することができ、この測定は、0.1%までの2つの信号の比の高精度測定を用いる。ミラーが、ビーム・トラッキング・システムによる光通信ビームのトラッキングに基づいて通信ビームを向けることができる。
[0032] ビーム・トラッキング・システムは、それに入射する通信ビームの位置を感知し、通信ビームの感知された位置に対応する軸信号を出力するように構成された多軸位置敏感検出器を含む。ビーム・トラッキング・システムは、軸信号を位相シフトすることによって軸信号を振幅問題から周波数問題に変換するために軸信号をコンディショニングするように構成された信号処理ハードウェアをも含む。信号処理ハードウェアは、軸信号の利得を高めることとビーム・パワーの素早い変化を補償することとによって、軸信号をさらにコンディショニングする。信号処理ハードウェアは、コンディショニングされた軸信号を基準信号と比較することによって位置敏感検出器の各軸の位置誤差を判定し、この基準信号は、すべての軸信号の合計である。さらに、信号処理ハードウェアは、位置誤差を改善するために、比例・積分・微分計算およびノッチ・フィルタをオプションで使用することができる。信号処理ハードウェアによるミラー・スケーリングは、位置誤差を、ミラーを動作させるのに適当な値にスケーリングし、ミラー位置信号をもたらすことができる。信号処理ハードウェアは、ミラー位置信号をミラー・コントローラに送る。ミラー・コントローラは、ミラーを動かすためにミラー位置信号をミラー信号に変換するデジタル−アナログ変換器を含むことができる。ミラーは、通信ビームを位置敏感検出器に向ける。いくつかの実施態様では、ミラーは、通信ビームの位置を1つまたは複数の異なる光通信システムに向ける。
[0033]概要
[0034] 図1A〜図1Dを参照すると、いくつかの実施態様では、地球規模通信システム100は、ゲートウェイ110(たとえば、ソース地上局110aおよび宛先地上局110b)、成層圏プラットフォーム(HAP)または空中基地局200、および衛星300を含む。成層圏プラットフォーム(HAP)および空中基地局200は、交換可能に使用され得る。ソース地上局110aは、衛星300と通信することができ、衛星300は、空中基地局200と通信することができ、空中基地局200は、宛先地上局110bと通信することができる。いくつかの例では、ソース地上局110aは、衛星300の間のリンクするゲートウェイとしても動作する。ソース地上局110aは、1つまたは複数のサービス・プロバイダに接続され得、宛先地上局110bは、ユーザ端末(たとえば、モバイル・デバイス、住宅WiFiデバイス、ホーム・ネットワーク、その他)とすることができる。いくつかの実施態様では、空中基地局200は、高々度(たとえば、17〜22km)で動作する航空通信デバイスである。空中基地局は、たとえば航空機によって、地球の大気圏に解放され、または所望の高さまで流され得る。さらに、空中基地局200は、準静止航空機として動作することができる。いくつかの例では、空中基地局200は、無人航空機(UAV)などの航空機200aであるが、他の例では、空中基地局200は、通信気球200bである。衛星300は、低軌道(LEO)、中軌道(MEO)、または、地球同期軌道(GEO)を含む高軌道(HEO)にあるものとすることができる。
[0035] 図1Bは、光通信システム130の光通信ビーム120を介して通信リンクを確立する通信システム100の例示的なアーキテクチャの概略図を提供する。光通信システム130は、光通信ビーム120を介する、空中基地局200と1つまたは複数の地上端末110(たとえば、ゲートウェイ110)との間の通信を容易にする。地上端末110は、光通信ビーム120を介してお互いと通信しているものとすることができる。光通信ビーム120は、その位置に対する基準としてビーム位置122、その強度に対する基準としてビーム・パワー124を含むことができる。
[0036] いくつかの例では、空中基地局200は、無人航空システム(UAS)である。図示の例では、空中基地局200は、光通信システム130を支持する本体210を含む。光通信システム130は、1つまたは複数の光通信システム130を介して複数の光通信ビーム120を送信しまたは受信することができる。単一の光通信システム130が、複数の光通信ビーム120を送信することができ、あるいは、複数の光通信システム130が、それぞれ、対応する光通信ビーム120またはその組合せを送信することができる。光通信システム130は、トランシーバ、ビーム・エミッタ、ビーム・レシーバ、および光通信ビーム120を介してデータを送り、受信するシステムを含むことができる。
[0037] 地球5上での光通信ビーム120の使用は、シンチレーションおよび指向誤差に起因して問題含みである場合がある。シンチレーションは、大気乱流およびビーム・サイズによって引き起こされる可能性がある。静的および/または動的な指向誤差は、ジッタ、ミスアライメント、建物の動揺および振動、プラットフォームの動きおよび振動、熱膨張などから生じる可能性がある。
[0038] 光通信システム130は、光通信ビーム120の位置/アライメントをトラッキングし、すべての位置/アライメント誤差を補償するために光通信ビーム120を向けるミラー880を調整するように構成されたビーム・トラッキング・システム400を含むことができる。ビーム・トラッキング・システム400は、光通信ビーム120が、地上端末110または空中基地局200などの所期の光通信システム130と通信しているままになることを保証することができる。光通信システム130は、光通信ビーム120を介して、地上端末110、空中基地局200、または衛星300にデータ140を送信することができる。ビーム・トラッキング・システム400は、ビーム位置122を調整し、ビーム位置122が別の光通信システム130に接触したままになることを保証するためのミラー880の素早い調整を介して、すべてのシンチレーションおよび指向誤差の影響を補償する。
[0039] いくつかの例では、地上端末110は、空中基地局200または衛星300と通信するように構成された光通信システム130を含む。同様に、空中基地局200および衛星300は、それぞれ、光通信システム130を含むことができる。各光通信システム130が、専用のビーム・トラッキング・システム400を含むことができ、あるいは、複数の光通信システム130が、共有されるビーム・トラッキング・システム400を用いて通信することができる。
[0040] 空中基地局200は、対気速度、飛行方向、姿勢位置(attitude position)、温度、GPS(全地球測位システム)座標、風況、フライト・プラン情報、燃料量、バッテリ量、他のソースから受信されたデータ、他のアンテナから受信されたデータ、センサ・データ、その他などであるがこられに限定されない様々なデータ140および情報を地上端末110に通信することができる。同様に、地上端末110は、他の地上端末110または他のデータ・ネットワークに転送されるべきデータを含む様々なデータ140および情報を空中基地局200に通信することができる。空中基地局200は、航空機、飛行船、ヘリコプタ、ジャイロコプタ、小型飛行船、マルチコプタ、グライダ、気球、固定翼、回転翼、ロータ機、リフティング・ボディ、重航空機、軽航空機、その他の組合せを含むがこれに限定されない飛行機の様々な実施態様とすることができる。
[0041] 空中基地局200は、経路、軌跡、または軌道202(その軌道または軌跡がほぼ幾何学的平面を形成することができるので、平面とも呼ばれる)に沿って地球5の回りを移動することができる。さらに、複数の空中基地局200が、同一のまたは異なる軌道202内で動作することができる。たとえば、いくつかの空中基地局200は、第1の軌道202a内でほぼ地球5の緯度に沿って(または部分的に卓越風によって決定される軌跡内で)移動することができ、他の空中基地局200は、第2の軌道202b内で異なる緯度または軌跡に沿って移動することができる。空中基地局200は、地球5の回りの複数の異なる軌道202の中でグループ化され得、かつ/または他の経路202(たとえば、個々の経路)に沿って移動することができる。同様に、衛星300は、異なる軌道302、302a〜302nに沿って移動することができる。協力して働く複数の衛星300は、衛星コンステレーションを形成する。衛星コンステレーション内の衛星300は、グラウンド・カバレージ(ground coverage)においてオーバーラップするために、調整された形で動作することができる。図1Cに示された例では、衛星300は、衛星300に地球5の両極を周回させることによって、極コンステレーションで動作するが、図1Dに示された例では、衛星300は、Walkerコンステレーションで動作し、このWalkerコンステレーションは、ある緯度未満のエリアをカバーし、地上のゲートウェイ110の視野内に同時に多数の衛星300を提供する(より高い可用性、より少ない破棄された接続につながる)。
[0042] 図1B、図2A、および図2Bを参照すると、いくつかの実施態様では、空中基地局200は、空中基地局本体210と、空中基地局本体210上に配置された光通信システム130とを含む。空中基地局200の光通信システム130は、対応する光通信ビーム120を介して衛星300から通信20を受信し、対応する光通信ビーム120を介して通信20を宛先地上局110bに再ルーティングし、その逆を行うように構成され得る。空中基地局200の光通信システム130は、受信された通信20を処理し、宛先地上局110b(たとえば、ユーザ端末)に達するための通信20の経路を判定することができる。いくつかの実施態様では、地上の宛先地上局110bは、通信信号を空中基地局200に送る特殊化されたアンテナまたは光エミッタを有する。通信20を受信する空中基地局200は、別の空中基地局200、衛星300、またはゲートウェイ110(たとえば、地上端末110b)に通信20を送ることができる。
[0043] 図2Bは、気球204(たとえば、幅約49フィート、高さ約39フィートでヘリウムまたは水素を充填される)、空中基地局本体210としての機器ボックス206、および太陽電池パネル208を含む通信気球200bの例を示す。機器ボックス206は、高々度気球200bがどこに行く必要があるのかを判定するアルゴリズムを実行するデータ処理デバイスおよび/または光通信システム130を含み、各高々度気球200bは、それが行かなければならないところへそれを連れていくことのできる方向に吹く風の層内に移動する。光通信システム130は、対応する通信ビーム120を向けるために、ビーム・トラッキング・システム400およびミラー880を含むことができる。機器ボックス206は、電力を蓄えるバッテリと、他のデバイス(たとえば、他の空中基地局200、衛星300、地上端末110bなどのゲートウェイ110、地上のインターネット・アンテナ、その他)と通信するトランシーバ(たとえば、アンテナまたは光エミッタ)とをも含む。太陽電池パネル208は、機器ボックス206に電力を供給することができる。
[0044] 通信気球200bは、通常、11マイルと23マイルとの間の高度を達成するために地球の成層圏内に解放され、地上無線データ・サービス(3Gまたは4Gなど)に匹敵する速度で直径25マイルの地上エリアに接続性を提供する。通信気球200bは、成層圏内で航空機および気象の2倍の高度(たとえば、地球の表面から20km上)に浮かぶ。高々度気球200bは、風によって地球5の回りで運ばれ、所望の方向に移動する風を有する高度に上昇しまたは下降することによってステアリングされ得る。成層圏内の風は、通常は安定し、約5mphおよび約20mphでゆっくり移動し、風の各層は、方向および大きさにおいて異なる。
[0045] 図3を参照すると、衛星300は、地球5の周囲の軌道302内に配置された物体であり、軍事観測衛星、民間観測衛星、通信衛星、航行衛星、気象衛星、および研究用衛星(research satellite)など、異なる目的のために働くことができる。衛星300の軌道302は、衛星300の目的に部分的に依存して変化する。衛星軌道302は、地球5の表面からの高度に基づいて、低軌道(LEO)、中軌道(MEO)、および高軌道(HEO)として分類され得る。LEOは、高度において0マイルから1240マイルまでの範囲にわたる地球周回軌道(すなわち、地球5の回りを周回する)である。MEOも、高度において1200マイルから22236マイルまでの範囲にわたる地球周回軌道である。HEOも、地球周回軌道であり、22236マイルを超える高度を有する。地球同期軌道(GEO)は、HEOの特例である。対地静止軌道(GSO、時々GEOとも呼ばれる)は、地球同期軌道の特例である。
[0046] いくつかの実施態様では、衛星300は、たとえば空中基地局200のデータ処理デバイスまたは光通信システム130に似た、データ処理デバイスおよび/または光通信システム130を有する衛星本体304を含む。データ処理デバイスおよび/または光通信システム130は、衛星300がどこに進んでいるのかを判定するためにアルゴリズムを実行する。光通信システム130は、対応する通信ビーム120を向けるために、ビーム・トラッキング・システム400およびミラー880を含むことができる。衛星300は、通信20を受信し、送信するためにアンテナまたは光エミッタ320をも含む。衛星300は、衛星300に電力を供給するために衛星本体304に取り付けられた太陽電池パネル308を含む。いくつかの例では、衛星300は、日光が到達しておらず、太陽電池パネル308を充電していない時に使用される再充電可能バッテリを含む。
[0047] 空中基地局200を使用して地球規模通信システム100を構築する時には、時々、空中基地局200を衛星300にリンクすることおよび/または1つの空中基地局200をお互いにリンクすることによって、通信システム100を介して長距離にわたってトラフィックをルーティングすることが望ましい。たとえば、2つの衛星300が、デバイス間リンクを介して通信することができ、2つの空中基地局200が、デバイス間リンクを介して通信することができる。デバイス間リンク(IDL)は、空中基地局200または衛星300からゲートウェイ110までのホップ数を除去しまたは減少させ、これは、待ち時間を減少させ、全体的なネットワーク容量を増加させる。デバイス間リンクは、特定の領域をカバーする、ある空中基地局200または衛星300からの通信トラフィックが、同一の特定の領域をカバーする、別の空中基地局200または衛星300にシームレスにハンド・オーバされることを可能にし、ハンド・オーバでは、第1の空中基地局200または衛星300が、第1のエリアを去ろうとし、第2の空中基地局200または衛星300が、そのエリアに入ろうとしている。そのようなデバイス間リンクは、ソース地上局110aおよび宛先地上局110bから離れたエリアに通信サービスを提供するのに有用であり、待ち時間を低減し、セキュリティを強化することもできる(光ファイバ・ケーブルは、傍受される可能性があり、そのケーブルを介して進むデータは、取り出される可能性がある)。このタイプのデバイス間通信は、すべての信号トラフィックが、ソース地上局110aから衛星300に進み、その後、宛先地上局110b(たとえば、地上端末)に直接に進み、逆も同様である「曲管」モデルとは異なる。「曲管」モデルは、デバイス間通信をまったく含まない。その代わりに、衛星300がリピータとして働く。「曲管」モデルのいくつかの例では、衛星300によって受信された信号は、再送信される前に増幅されるが、信号処理は行われない。「曲管」モデルの他の例では、信号の一部またはすべてが、異なるビームへのルーティング、誤り訂正、またはサービス品質制御のうちの1つまたは複数を可能にするために処理され、復号される場合があるが、デバイス間通信は行われない。
[0048] いくつかの実施態様では、大規模通信コンステレーションが、複数の軌道202、302と、1つの軌道202、302あたりの空中基地局200または衛星300の個数とに関して記述される。同一の軌道202、302内の空中基地局200または衛星300は、その軌道内の空中基地局200または衛星300隣接物に対して相対的に同一の位置を維持する。しかし、隣接する軌道202、302内の隣接物に対する相対的な空中基地局200または衛星300の位置は、経時的に変化する可能性がある。たとえば、極に近い軌道を有する大規模衛星コンステレーションでは、同一の軌道202(所与の時点で特定の緯度におおまかに対応する)を有する衛星300は、その軌道内隣接物(すなわち、前後の衛星300)に対して相対的におおむね一定の位置を維持するが、隣接する軌道302内の隣接物に対する相対的な位置は、経時的に変化する。同様の概念が、空中基地局200にあてはまるが、空中基地局200は、地球5の回りで緯度平面に沿って移動し、隣接する空中基地局200に対しておおむね一定の位置を維持する。
[0049] ソース地上局110aは、衛星300とインターネットとの間または空中基地局200と地上端末110bとの間のコネクタとして使用され得る。いくつかの例では、システム100は、ある空中基地局200または衛星300から別の空中基地局200または衛星300に通信20を中継する、リンクするゲートウェイ110aとしてソース地上局110aを利用し、ここで、各空中基地局200または衛星300は、異なる軌道202、32内にある。たとえば、リンクするゲートウェイ110aは、周回する衛星300から通信20を受信し、通信20を処理し、通信20を異なる軌道302内の別の衛星300に切り替えることができる。したがって、衛星300とリンクするゲートウェイ110aとの組合せは、完全に接続されたシステム100を提供する。さらなる例において、ゲートウェイ110(たとえば、ソース地上局110aおよび宛先地上局110b)は、地上端末110と呼ばれなければならない。
[0050]ビーム・トラッキング・システム
[0051] 図4は、ビーム・トラッキング・システム400の例の概略図を示す。ビーム・トラッキング・システム400は、光通信ビーム120を受け入れ、多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500上の光通信ビーム120のビーム位置122を報告するように構成された多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500を含む。ビーム・トラッキング・システム400は、シグナル・コンディショニング・システム600は多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500と通信している、およびシグナル・コンディショニング・システム600と通信している信号処理ハードウェア700をも含む。シグナル・コンディショニング・システム600は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500から受け取られた信号をコンディショニングする。ミラー制御システム800は、信号処理ハードウェア700と通信しているものとすることができる。ミラー制御システム800は、信号処理ハードウェア700によって出力された角度に応答してミラー880を動かすことができる。ビーム・トラッキング・システム400、多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500、シグナル・コンディショニング・システム600、信号処理ハードウェア700、およびミラー制御システム800は、単一の回路基板上で、またはお互いと通信している別々の基板上で、実施され得る。
[0052] 図5は、位置多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500の例の概略図である。多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510(たとえば、1つまたは複数のフォトダイオード)を含む。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に入射する光通信ビーム120に応答して1つまたは複数の信号を出力することができる。いくつかの例では、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、グリッド上で正しい位置に置かれ、1つの軸580あたり1つまたは2つの信号を出力する。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、X軸582に対応する第1の軸580、582と、Y軸584に対応する第2の軸580、584とを含むことができる。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に衝突する光通信ビーム120のビーム位置122およびビーム・パワー124に応答して振幅および位相を出力することができる。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、X軸582に対応する第1のX陽極512および第2のX陽極514を含むことができる。第1のX陽極512および第2のX陽極514は、それぞれ、第1のX軸信号520および第2のX軸信号530を出力することができる。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、Y軸584に対応する第1のY陽極516および第2のY陽極518を含むことができる。第1のY陽極516および第2のY陽極518は、それぞれ、第1のY軸信号540および第2のY軸信号550を出力することができる。第1のX軸信号520は、それぞれ第1のX軸信号520の位相および振幅を表す第1のX軸位相522および第1のX軸振幅524を含むことができる。第2のX軸信号530は、それぞれ第2のX軸信号530の位相および振幅を表す第2のX軸位相532および第2のX軸振幅534を含むことができる。第1のY軸信号540は、それぞれ第1のY軸信号540の位相および振幅を表す第1のY軸位相542および第1のY軸振幅544を含むことができる。第2のY軸信号550は、それぞれ第2のY軸信号550の位相および振幅を表す第2のY軸位相552および第2のY軸振幅554を含むことができる。
[0053] 少なくとも1つの例では、光通信ビーム120は、第1のX陽極512および第1のY陽極516のより近くで多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に衝突する場合がある。第1のX陽極512、第2のX陽極514、第1のY陽極516、および第2のY陽極518は、それぞれ、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550を出力することができる。光通信ビーム120が多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に衝突する位置に応答して、第1のX軸信号振幅524が第2のX軸信号振幅534より大きくなる場合があり、第1のY軸信号振幅544が第2のY軸信号振幅554より大きくなる場合がある。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に衝突する光通信ビーム120の強度は、第1のX軸振信号幅524、第2のX軸信号振幅534、第1のY軸信号振幅544、および第2のY軸信号振幅554の異なる総振幅をもたらす可能性がある。いくつかの実施態様では、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、光通信ビーム120、ビーム位置122、およびビーム・パワー124が、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550に関して多軸ポジション・センシング・ディテクタ510にどのように影響するのかに応答して、電流変化を出力する。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510が、光通信ビーム120に応答して電流を出力する時に、トランスインピーダンス・アンプ560は、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550を、それぞれ、第1のX軸振幅524、第2のX軸振幅534、第1のY軸振幅544、および第2のY軸振幅554などの電圧ベースの信号に変換することができる。トランスインピーダンス・アンプ560がない時には、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510は、それぞれ第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550に対応する第1のX軸光電流520、第2のX軸光電流530、第1のY軸光電流540、および第2のY軸光電流550を出力することができ、トランスインピーダンス・アンプ560が含まれる可能性があるかどうかに応じて交換可能に使用され得る。第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、第2のY軸信号550、第1のX軸信号振幅524、第2のX軸信号振幅534、第1のY軸信号振幅544、第2のY軸信号振幅554、第1のX軸信号位相522、第2のX軸信号位相532、第1のY軸信号位相542、および第2のY軸信号位相552は、多軸ポジションセンシング・ディテクタ・システム出力570によって多軸ポジション・センシング・ディテクタ・システム500から出力され得る。多軸ポジションセンシング・ディテクタ・システム出力570は、シグナル・コンディショニング・システム600に接続され得る。多軸ポジションセンシング・ディテクタ・システム出力570は、信号の要求されるデータ、振幅、位相、または電圧を伝送するのに適切な任意の接続とすることができる。
[0054] 図6は、シグナル・コンディショニング・システム600の例の概略図である。第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550が、シグナル・コンディショニング・システム600に入る。図示の例では、第1のX軸位相522および第1のX軸振幅524を有する第1のX軸信号520が、第1の高域フィルタ610、610aに入る。同様に、第2のX軸位相532および第2のX軸振幅534を有する第2のX軸信号530が、第2の高域フィルタ610、610bに入る。また、図示の例では、第1のY軸位相542および第1のY軸振幅544を有する第1のY軸信号540が、第3の高域フィルタ610、610cに入る。同様に、第2のY軸位相552および第2のY軸振幅524を有する第2のY軸信号550が、第4の高域フィルタ610、610dに入る。いくつかの実施態様では、第1、第2、第3、および第4の高域フィルタ610、610a〜610dは、単一の共有される高域フィルタ610として組み合わされたものである。高域フィルタ610は、それぞれの信号上の高周波雑音または干渉をフィルタによって除去するように働くことができる。いくつかの例では、高域フィルタ610は、高域フィルタ610がフィルタによって除去する信号内のすべてのDC貢献を制限する高域フィルタである。
[0055] いくつかの実施態様では、第1の全域通過フィルタ620、620aは、第2のX軸信号530を受け取り、第2のX軸位相532を90度だけシフトする。第1の加算増幅器630、630aは、第1のX軸信号520および位相シフトされた第2のX軸信号530を受け取り、第1のX軸信号520を位相シフトされた第2のX軸信号530に加算し、フェーザX軸信号640をもたらす。第1の加算増幅器630、630aは、信号を帯域制限するための低域通過応答に寄与することができる。第1のX軸信号520を位相シフトされた第2のX軸信号530に加算することによって、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510からの光通信ビーム120のオフセットの振幅表現だけが残る。位相の差および等しい振幅は、信号がお互いを完全に打ち消し合うことをもたらすことができる。位相および/または振幅の差は、信号がフェーザX軸信号640として残ることをもたらすことができる。
[0056] 第1の制限増幅器670、670aは、フェーザX軸信号640を受け取り、対数利得を維持するためにフェーザX軸信号640を変更しまたは改変する。対数利得は、振幅の大きい変化を扱いやすいレベルに改変することを可能にすると同時に、ビーム・トラッキング・システム400の制御を可能にし、ビーム・トラッキング・システム400のダイナミック・レンジを増大させる。第1の制限増幅器670、670aは、シンチレーションの影響を制限するために利得を提供することができる。
[0057] 第1の比較器680、680aは、フェーザX軸信号640を受け取り、フェーザX軸信号640のエッジおよびすべての改変を識別するためにエッジ検出を提供する。第1の比較器680、680aは、フェーザX軸信号640を3.3ボルト信号にレベル・シフトすることができる。第1の比較器680、680aは、高周波チャタを制限するために低域フィルタを提供することもできる。フェーザX軸信号640は、オプションで、コネクタ690または汎用入出力(GPIO)ポートでシグナル・コンディショニング・システム600を出て、信号処理ハードウェア700に入ることができる。
[0058] いくつかの実施態様では、第2の全域通過フィルタ620、620bが、第2のY軸信号550を受け取り、第2のY軸信号位相532を90度だけシフトする。第2の加算増幅器630、630bが、第1のY軸信号540および位相シフトされた第2のY軸信号550を受け取り、第1のY軸信号540を位相シフトされた第2のY軸信号550に加算し、フェーザY軸信号650をもたらす。第2の加算増幅器630、630bは、信号を帯域制限するための低域通過応答に寄与することができる。第1のY軸信号540を位相シフトされた第2のY軸信号550に加算することによって、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510からの光通信ビーム120のオフセットの振幅表現だけが残る。位相の差および等しい振幅は、信号がお互いを完全に打ち消し合うことをもたらすことができる。位相および/または振幅の差は、信号がフェーザY軸信号650として残ることをもたらすことができる。
[0059] 第2の制限増幅器670、670bは、フェーザY軸信号650を受け取り、対数利得を維持するためにフェーザY軸信号650を変更しまたは改変する。対数利得は、振幅の大きい変化を扱いやすいレベルに改変することを可能にすると同時に、システムの制御を可能にし、システムのダイナミック・レンジを増大させる。第2の制限増幅器670、670bは、シンチレーションの影響を制限するために利得を提供することができる。
[0060] 第2の比較器680、680bは、フェーザY軸信号650を受け取り、フェーザY軸信号650のすべてのエッジおよび改変を識別するためにエッジ検出を提供する。第2の比較器680、680bは、フェーザY軸信号650を3.3ボルト信号にレベル・シフトすることができる。さらに、第2の比較器680、680bは、高周波チャタを制限するために低域フィルタを提供することもできる。フェーザY軸信号650は、コネクタ690または汎用入出力ポートでシグナル・コンディショニング・システム600を出て、信号処理ハードウェア700に入ることができる。
[0061] 第3の加算増幅器630、630cは、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550を受け取り、合計して、基準信号660を出力する。第3の加算増幅器630、630cは、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550を組み合わされるように働くことができる。さらに、第3の加算増幅器630、630cは、低域フィルタに寄与することができる。信号520、530、540、550のそれぞれの位相または振幅は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に衝突する光通信ビーム120の総振幅を表すように働き、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510の中心からの光通信ビーム120の総オフセットの基準位置を提供するようにも働く。
[0062] 第3の制限増幅器670、670cは、基準信号660を受け取る。第3の制限増幅器670、670cは、対数利得を維持するために基準信号660を変更しまたは改変するように構成される。対数利得は、振幅の大きい変化を扱いやすいレベルに改変することを可能にすると同時に、システムの制御を可能にし、システムのダイナミック・レンジを増大させる。第3の比較器680、680cは、第3の制限増幅器670、670cから基準信号660を受け取る。第3の比較器680、680cは、基準信号660のエッジ、ゼロ交差、および/または改変を識別するためにエッジ検出を提供することができる。基準信号660は、コネクタ690または汎用入出力ポートでシグナル・コンディショニング・システム600を出て、信号処理ハードウェア700に入ることができる。第3の比較器680、680cは、基準信号660に基づいて、光学的に受け取られるクロック662をも出力することができる。いくつかの例では、第3の比較器680、680cは、第3の比較器680、680cのゼロ交差検出器に基づいて光学的に受け取られるクロック662を判定する。
[0063] 図7は、信号処理ハードウェア700の例の概略図である。信号処理ハードウェア700は、フェーザX軸信号640、フェーザY軸信号650、および/または基準信号660をオーバーサンプリングすることができる。いくつかの例では、信号処理ハードウェア700は、高いレート(たとえば、50MHz)でフェーザX軸信号640、フェーザY軸信号650、および/または基準信号660をサンプリングする。デジタル信号プロセッサ710が、フェーザX軸信号640、フェーザY軸信号650、および/または基準信号660のそれぞれを受け取り、個別にスケーリングすることができる。デジタル信号プロセッサ710は、ダイナミック・レンジをさらに改善することができる。位相ロック・ループを含むクロック回復720が、基準信号660を受け取り、信号処理ハードウェア700のローカル・クロックを光学的に受け取られるクロック662に同期化する。信号処理ハードウェア700(たとえば、デジタル信号処理ハードウェア)は、汎用I/Oを使用して、基準信号660および光学的に受け取られるクロック662をサンプリングすることができる。位相トリマ722が、クロック回復720から基準信号660を受け取り、シグナル・コンディショニング・システム600を含むアナログ・エレクトロニクス内のすべての待ち時間および位相シフトを考慮するために基準信号660の位相をトリミングすることができる。位相トリマ722の位相トリミングは、電位差計によって、または電位差計によって調整される量によって、達成される。第1の加算器730、730aが、フェーザX軸信号640を基準信号660に加算し、この2つの信号の間の差に基づくX軸信号位置誤差780(または位相差)をもたらす。比例・積分・微分(PID)コントローラなどのコントローラ740が、X軸信号位置誤差780を受け取る。コントローラ740は、基準信号660からの比例、積分、および/または微分に応答してX軸信号位置誤差780を改変することができる。いくつかの実施態様では、信号処理ハードウェア700は、コントローラ740は特定の周波数の前後のすべての誤差を制限するためにX軸信号位置誤差780を改変することができると通信しているノッチ・フィルタ750を含む。ミラー・スケーリング760は、X軸信号位置誤差780をXミラー位置764に変換することができる。さらに、ミラー・バイアス・セットポイント762は、X軸信号位置誤差780をシフトし、ミラー制御システム800内のすべての誤差を考慮するためにXミラー位置764を改変することができる。
[0064] 同様の形で、第2の加算器730、730bが、フェーザY軸信号650を基準信号660に加算し、この2つの信号の間の差に基づくY軸信号位置誤差790(または位相差)をもたらす。コントローラ740が、Y軸信号位置誤差790を受け取り、基準信号660からの比例、積分、および/または微分に応答してY軸信号位置誤差790を改変する。ノッチ・フィルタ750は、特定の周波数の前後のすべての誤差を制限するためにY軸信号位置誤差790を改変することができる。ミラー・スケーリング760は、Y軸信号位置誤差790をYミラー位置766に変換することができる。さらに、ミラー・バイアス・セットポイント762は、Y軸信号位置誤差790をシフトし、ミラー制御システム800内のすべての誤差を考慮するためにYミラー位置766を改変することができる。Xミラー位置764およびYミラー位置766は、バス信号772内でXミラー位置764およびYミラー位置766を組み合わせるバス・コントローラ770に入力され得る。バス・コントローラ770は、オプションである。いくつかの例では、Xミラー位置764およびYミラー位置766は、ミラー制御システム800に直接に供給される。
[0065] 図8は、ミラー制御システム800の例の概略図を示す。バス信号772は、オプションで、マスタ端子コネクタ810を介してミラー・ドライバ基板820に進むことができる。ミラー・ドライバ基板820は、それぞれが出力824を含む4つのデジタル−アナログ変換器822を含むことができる。デジタル−アナログ変換器822は、SPI信号772を読み取り、Xミラー位置764およびYミラー位置766のデジタル値に基づいて代表電圧を出力することができる。電圧変換器830は、デジタル−アナログ変換器822の出力824を、ミラー880の受け入れ可能な電圧にスケーリングすることができる。少なくとも1つの例では、ミラー880は、0〜160ボルトの駆動電圧を使用し、中央セット・ポイントは80ボルトである。4つのデジタル−アナログ変換器822は、それぞれ、第1のミラーX信号840、第2のミラーX信号850、第1のミラーY信号860、または第2のミラーY信号870という信号のうちの1つを出力することができる。第1のミラーX信号840および第2のミラーX信号850は、X軸などの軸に沿ってミラー880を動かして、光通信ビーム120を多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に整列させることができる。第1のミラーY信号860および第2のミラーY信号870は、Y軸などの軸に沿ってミラー880を動かして、光通信ビーム120を多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に整列させ、ビーム・トラッキング・システム400が光通信ビーム120の移動または大気効果を補償することを可能にすることができる。
[0066] 図9は、ビーム・トラッキング・システム400を動作させる方法900の動作の構成の例を提供する。ブロック902では、方法900は、信号処理ハードウェア400において、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510から軸信号520、530、540、550を受け取ることを含む。各軸信号520、530、540、550は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に入射する光ビームのビーム位置122を示す。さらに、各軸信号520、530、540、550は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510の軸580に対応する。軸信号520、530、540、550は、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、または第2のY軸信号550のうちの1つとすることができる。第1のX軸信号520は、それぞれ第1のX軸信号520の位相および振幅を表す第1のX軸位相522および第1のX軸振幅524を含むことができる。第2のX軸信号530は、それぞれ第2のX軸信号530の位相および振幅を表す第2のX軸位相532および第2のX軸振幅534を含むことができる。第1のY軸信号540は、それぞれ第1のY軸信号540の位相および振幅を表す第1のY軸位相542および第1のY軸振幅544を含むことができる。第2のY軸信号550は、それぞれ第2のY軸信号550の位相および振幅を表す第2のY軸位相552および第2のY軸振幅554を含むことができる。ブロック902では、方法900は、信号処理ハードウェア400によって、軸信号520、530、540、550を合計することによって基準信号660を生成することを含むことができる。加算増幅器630は、第1のX軸信号520、第2のX軸信号530、第1のY軸信号540、および第2のY軸信号550を合計し、基準信号660をもたらすことができる。多軸ポジション・センシング・ディテクタ510の軸信号520、530、540、550ごとに、方法900は、ブロック906で、信号処理ハードウェア400によって、軸580の第2の軸信号530、550からの90度位相差を有するように軸580の第1の軸信号520、540の位相522、542を変換することを含むことができる。たとえば、第1のX軸位相522および/または第2のX軸位相542が、全域通過フィルタ620によって90度だけ位相シフトされ得る。ブロック908では、方法900は、信号処理ハードウェア400によって、第1および第2の軸信号520、530、540、550を合計することによって軸フェーザ信号640、650を生成することを含む。軸フェーザ信号640、650は、光通信ビーム120のビーム位置122にマッピングする角度を有する。さらに、軸フェーザ信号640、650は、加算増幅器630によって、第1のX軸信号520および第2のX軸信号530の合計ならびに/または第1のY軸信号540および第2のY軸信号550の合計とされ得る。ブロック910では、方法900は、信号処理ハードウェア400によって、位相差を判定するために軸フェーザ信号640、650および基準信号660を比較することを含むことができる。位相差は、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510上の対応する軸に沿ったビーム位置誤差780、790にマッピングする。加算器730は、フェーザX信号640を基準信号660と比較し、X軸信号位置誤差780をもたらすことができる。同様に、加算器730は、フェーザY信号650を基準信号660と比較し、Y軸信号位置誤差790をもたらすことができる。ブロック912では、方法900は、信号処理ハードウェア400によって、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510の各軸のビーム位置誤差780、790に基づいて光通信ビーム120を向けるミラー880のミラー位置764,766を決定することを含むことができる。ミラー位置764、766は、Xミラー位置764およびYミラー位置766を含むことができる。ブロック914では、方法900は、信号処理ハードウェア400によって、ミラー位置764、766に移動するためにミラー880を作動させることを含むことができる。ミラー・ドライバ820は、第1のミラーX信号840、第2のミラーX信号850、第1のミラーY信号860、および第2のミラーY信号870を含む、デジタル−アナログ変換器822からの電圧に基づいてミラー880を作動させることができる。
[0067] いくつかの実施態様では、方法900は、信号処理ハードウェア400において、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510の軸ごとに光電流520、530、540、550を受け取ることと、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプ560によって、光電流520、530、540、550を対応する軸信号520、530、540、550に変換することであって、各軸信号520、530、540、550は、電圧信号である、変換することとを含む。各光電流520、530、540、550は、光通信ビーム120のビーム・パワー124およびビーム位置122に依存する振幅524、534、544、554を有することができる。方法900は、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタ610を使用して各軸信号520、530、540、550を高域フィルタリングすることを含むことができる。方法900は、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタ610、620を使用して各軸フェーザ信号640、650を低域フィルタリングすることをも含むことができる。いくつかの例では、方法900は、それぞれが対応する対数利得を表すように、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの制限増幅器670によって各軸フェーザ信号640、650または軸信号520、530、540、550および基準信号660を変更することを含む。
[0068] いくつかの実施態様では、方法900は、変更された軸フェーザ信号640、650および変更された基準信号660のそれぞれに対してエッジ検出を実行するために、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの比較器680によって、変更された軸フェーザ信号640、650および変更された基準信号660をフィルタリングすることを含む。方法900は、信号処理ハードウェア400によって、基準信号660を信号処理ハードウェア400の基準クロック662に同期化することをも含むことができる。方法900は、信号処理ハードウェア400のデジタル電位差計または位相トリマ722を使用して基準信号660の周波数をトリミングすることをも含むことができる。方法900は、信号処理ハードウェア400の比例・積分・微分(PID)コントローラ740によって、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510の少なくとも1つの軸のビーム位置誤差780、790に基づいてミラー位置764、766の変化のレートを考慮してミラー位置746、766を決定することをさらに含むことができる。この方法は、コントローラ740と通信しているノッチ・フィルタ750によって、ターゲット周波数を減衰させるためにミラー位置764、766をフィルタリングすることをも含むことができる。
[0069] 図10は、ビーム・トラッキング・システム400を動作させる方法1000の動作の構成の例を示す図である。ブロック1002で、方法1000は、信号処理ハードウェア400において、多軸ポジション・センシング・ディテクタ510に入射する光通信ビーム120のビーム位置122に関する第1のX信号520、X信号位相532を含む第2のX信号530、第1のY信号540、およびY信号位相552を含む第2のY信号550を受け取ることを含むことができる。ブロック1004では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、第2のX信号530のX信号位相532を90度だけシフトすることを含むことができる。第2のX軸信号530のX軸位相532は、全域通過フィルタ620によってシフトされ得る。ブロック1006では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、第2のY信号550のY信号位相552を90度だけシフトすることを含むことができる。第2のY軸信号550のY軸位相552は、全域通過フィルタ620によってシフトされ得る。ブロック1008では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、第1のX信号520およびシフトされた第2のX信号530を合計することによって合計されたX信号すなわちフェーザX信号640を生成することを含むことができる。第1のX信号520およびシフトされた第2のX信号530は、合計されたX信号すなわちフェーザX信号640を作成するために、加算増幅器630によって合計され得る。ブロック1010では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、第1のY信号540およびシフトされた第2のY信号550を合計することによって合計されたY信号すなわちフェーザY信号650を生成することを含むことができる。第1のY信号540および第2のY信号550は、合計されたY信号すなわちフェーザY信号650を作成するために、加算増幅器630によって合計され得る。ブロック1012では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、第1のX信号520、第2のX信号530、第1のY信号540、および第2のY信号550を合計することによって基準信号660を生成することを含むことができる。第1のX信号520、第2のX信号530、第1のY信号540、および第2のY信号550は、基準信号660を作成するために、加算増幅器630によって合計され得る。ブロック1014では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、光通信ビーム120を向けるミラー880のミラー位置764、766を決定することであって、ミラー位置764、766は、基準信号660と合計されたX信号640との間の第1の信号差または基準信号660と合計されたY信号650との間の第2の信号差のうちの少なくとも1つに基づく、決定することをさらに含むことができる。加算器730は、信号差を作成するために、差 基準信号660と合計されたX信号640とおよび/または基準信号660と合計されたY信号650との間の第2の信号差を合計することができる。ブロック1016では、方法1000は、信号処理ハードウェア400によって、ミラー位置764、766に移動するためにミラー880を作動させることを含むことができる。
[0070] 方法1000は、信号処理ハードウェア400において、第1のX光電流520、第2のX光電流530、第1のY光電流540、および第2のY光電流550を受け取ることであって、各光電流520、530、540、550は、光通信ビーム120のビーム・パワー124およびビーム位置122に依存する振幅524、534、544、554を有する、受け取ることを含む。方法1000は、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプ560によって、第1のX光電流520、第2のX光電流530、第1のY光電流540、および第2のY光電流550を対応する第1のX信号520、第2のX信号530、第1のY信号540、および第2のY信号550に変換することであって、各信号520、530、540、550は電圧信号である、変換することをも含むことができる。方法1000は、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタ610によって第1のX信号520、第2のX信号530、第1のY信号540、および第2のY信号550を高域フィルタリングすることをも含むことができる。いくつかの例では、方法1000は、それぞれ対応する対数利得を表すように、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの制限増幅器670によって、合計されたX信号640、合計されたY信号650、および基準信号660を変更することを含む。変更された合計されたX信号640、変更された合計されたY信号650、および変更された基準信号660は、それぞれ、対応する合計されたX信号640、対応する合計されたY信号650、および対応する基準信号660の対数に比例するものとすることができる。
[0071] いくつかの実施態様では、方法1000は、それぞれ対応する対数利得を表すように、信号処理ハードウェア400によって、変更された合計されたX信号640、変更された合計されたY信号650、および変更された基準信号660を増幅することを含む。方法1000は、変更された合計されたX信号640、変更された合計されたY信号650、および変更された基準信号660のそれぞれに対してエッジ検出を実行するために、信号処理ハードウェア400の少なくとも1つの比較器680によって、変更された合計されたX信号640、変更された合計されたY信号650、および変更された基準信号660をフィルタリングすることをも含むことができる。いくつかの例では、方法1000は、信号処理ハードウェア400のデジタル電位差計または位相トリマ722を使用して基準信号660の周波数をトリミングすることを含む。いくつかの例では、方法1000は、信号処理ハードウェア400の比例・積分・微分(PID)コントローラ740によって、第1の信号差780または第2の信号差790のうちの少なくとも1つに基づいてミラー位置764、766の変化のレートを考慮してミラー位置764、766を決定することを含む。この方法は、コントローラ740と通信しているノッチ・フィルタ750によって、ターゲット周波数を減衰させるためにミラー位置764、766をフィルタリングすることをも含む。
[0072] 複数の実施態様が説明された。それでも、様々な変更が、本開示の趣旨および範囲から逸脱せずに行われ得ることを理解されたい。したがって、他の実施態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。

Claims (20)

  1. 信号処理ハードウェアにおいて、ポジション・センシング・ディテクタから複数の軸信号を受け取ることであって、各軸信号は、前記ポジション・センシング・ディテクタに入射する光ビームのビーム位置を示す、受け取ることと、
    前記ポジション・センシング・ディテクタの軸に対し、
    前記信号処理ハードウェアによって、前記軸の第2の軸信号からの90度位相差を有するように前記軸の第1の軸信号の位相を変換して、位相変換された第1の軸信号得ることと、
    前記信号処理ハードウェアによって、前記位相変換された第1の軸信号および前記第2の軸信号を合計することによって軸フェーザ信号を生成することであって、前記軸フェーザ信号は、前記光ビームの前記ビーム位置を示す、生成することと、
    前記信号処理ハードウェアによって、位相差を判定するために前記軸フェーザ信号と前記複数の軸信号に基づく基準信号とを比較することであって、前記位相差は、前記ポジション・センシング・ディテクタ上の前記軸に沿ったビーム位置誤差にマッピングする、比較することと
    前記信号処理ハードウェアによって、前記ポジション・センシング・ディテクタの前記軸の前記ビーム位置誤差に基づいて前記光ビームを向けるミラーのミラー位置を決定することと、
    を含む方法。
  2. 前記信号処理ハードウェアにおいて、前記ポジション・センシング・ディテクタの前記軸に対する複数の光電流を受け取ることであって、各光電流は、前記光ビームのビーム・パワーおよび前記ビーム位置に依存する振幅を有する、受け取ることと、
    前記信号処理ハードウェアの少なくとも1つのトランスインピーダンス・アンプによって、前記複数の光電流を前記複数の軸信号に変換することであって、各軸信号は、電圧信号である、変換することと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記信号処理ハードウェアの少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタを使用して各軸信号を高域フィルタリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記信号処理ハードウェアの少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタを使用して前記軸フェーザ信号を低域フィルタリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. それぞれが対応する対数利得を表すように、前記信号処理ハードウェアの少なくとも1つの制限増幅器によって前記軸フェーザ信号および前記基準信号を変更することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記変更された軸フェーザ信号および前記変更された基準信号に対してエッジ検出を実行するために、前記信号処理ハードウェアの少なくとも1つの比較器によって、前記変更された軸フェーザ信号および前記変更された基準信号をフィルタリングすることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記信号処理ハードウェアによって、前記基準信号を前記信号処理ハードウェアの基準クロックに同期化することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記信号処理ハードウェアのデジタル電位差計を使用して前記基準信号の周波数をトリミングすることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記信号処理ハードウェアのコントローラによって、前記ポジション・センシング・ディテクタの前記軸の前記ビーム位置誤差に基づいて前記ミラー位置の変化のレートを考慮して前記ミラー位置を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記コントローラと通信しているノッチ・フィルタによって、ターゲット周波数を減衰させるために前記ミラー位置を改変することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  11. 位置敏感検出器に入射する光ビームのビーム位置に関する第1の軸信号と軸信号位相を含む第2の軸信号とを出力するように構成された前記位置敏感検出器と、
    前記位置敏感検出器と通信しており、前記第2の信号の前記軸信号位相を90度だけシフトするように構成された少なくとも1つの位相シフタと、
    前記位置敏感検出器および前記少なくとも1つの位相シフタと通信しており、前記第1の軸信号およびシフトされた前記第2軸信号の合計を含む合計された軸信号を出力するように構成された少なくとも1つの加算増幅器と、
    前記少なくとも1つの加算増幅器と通信しており、前記光ビームを向けるミラーのミラー位置を基準信号と前記合計された軸信号との間の信号差に基づいて決定するように構成された信号処理ハードウェアと、
    を含む光ビーム・トラッキング・システム。
  12. 前記第1の軸信号および前記第2の軸信号は、前記位置敏感検出器の共通軸に関連付けられる、請求項11に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  13. 前記信号処理ハードウェアは、前記ミラー位置に移動するために前記ミラーを作動させるように構成される、請求項11に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  14. 前記位置敏感検出器と通信しており、前記第1の軸信号および前記第2の軸信号を高域フィルタリングするように構成された少なくとも1つの単一極フィルタまたは多極フィルタをさらに含む、請求項11に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  15. 前記少なくとも1つの加算増幅器と通信している少なくとも1つの制限増幅器であって、前記少なくとも1つの制限増幅器は、
    前記合計された軸信号および前記基準信号を受け取り、
    それぞれ対数利得を表すように、前記合計された軸信号および前記基準信号を変更し、
    前記変更された合計された軸信号および前記変更された基準信号を出力し、各変更された信号は、対応する前記受け取られた信号の対数に比例する
    ように構成された少なくとも1つの制限増幅器をさらに含む、請求項11に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  16. 前記少なくとも1つの制限増幅器と通信している少なくとも1つの比較器であって、前記少なくとも1つの比較器は、前記変更された合計された軸信号および前記変更された基準信号のそれぞれに対してエッジ検出を実行する
    ように構成された少なくとも1つの比較器をさらに含む、請求項15に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  17. 前記少なくとも1つの比較器と通信しているデジタル電位差計であって、前記デジタル電位差計は、前記基準信号の周波数をトリミングする
    ように構成されたデジタル電位差計をさらに含む、請求項16に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  18. 前記信号処理ハードウェアは、前記基準信号と前記合計された軸信号との間の信号差に基づいて前記ミラー位置の変化のレートを考慮して前記ミラー位置を決定する
    ように構成されたコントローラを含む、請求項11に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  19. 前記コントローラと通信しているノッチ・フィルタであって、前記ノッチ・フィルタは、ターゲット周波数を減衰させるために前記ミラー位置を改変する
    ように構成されたノッチ・フィルタをさらに含む、請求項18に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
  20. 前記コントローラと通信しているミラー・スケーリング・カリキュレータであって、前記ミラー・スケーリング・カリキュレータは、ミラー・バイアス・セット・ポイントから離れて回転する相補的な第1および第2のミラー信号を生成する
    ように構成されたミラー・スケーリング・カリキュレータをさらに含む、請求項18に記載の光ビーム・トラッキング・システム。
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