JP6897971B2 - 関節炎を処置するための、方法および組成物 - Google Patents

関節炎を処置するための、方法および組成物 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
〔関連する出願に対する相互参照〕
本出願は、2015年5月15日にファイルされた米国の仮出願であるSer. No. 62/162,350の利益を請求する。なお、当該仮出願の全体が、本出願に、参考として援用される。
〔連邦政府の委託研究、または、成果に関する言及〕
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与される、AR059085およびRR024986の下の政府支援を用いて行われた。政府は、本発明に関して、特定の権利を有している。
〔発明の分野〕
本発明は、骨リモデリング疾患(disorders of bone remodeling)に関係する病気を処置するための、方法および組成物に関する。特に、本発明は、関節リウマチを処置するための、方法および組成物に関する。
〔背景〕
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は、様々な組織および臓器に影響を与え得る。関節リウマチは、主としてフレキシブルな関節(滑膜関節)に発症する、慢性の全身性炎症疾患である。関節リウマチは、無能力状態および疼痛状態であり得、適切な処置が施されなければ、機能および運動能力が実質的に失われる可能性がある。
経過には、(i)滑膜細胞の隆起(肥厚化)に次いで生じる、関節(滑膜)の周辺の被膜(capsule)における炎症反応、(ii)過剰な滑液、および、(iii)滑膜中における線維組織(パンヌス(pannus))の発達、が含まれる。病気の経過に伴う病変は、しばしば、関節の骨および軟骨の損傷、および、関節の硬直(融合)を引き起こす。関節リウマチは、また、肺、心臓の周辺の膜(心膜)、肺の膜(胸膜)、および、眼の白い箇所(強膜)に、広汎性炎症を発症させ得、かつ、最も一般的な皮下組織に、結節性病変を発症させ得る。
関節リウマチの原因は不明であるが、関節リウマチの慢性化および進行の両方において、自己免疫が重要な役割を果たしている。それ故に、関節リウマチは、全身性自己免疫疾患であると考えられている。臨床診断は、症状、身体診察(physical exam)、レントゲン写真(X線)、および、試験(labs)に基づいて行われる。
様々な処置が、利用可能である。非薬理的処置としては、理学療法、整形術、作業療法、および、栄養療法が挙げられる。しかしながら、これらの非薬理的処置が、関節損傷の進行を止めることは無い。無痛覚薬(鎮痛剤)および抗炎症薬としては、ステロイドが挙げられ、これらの無痛覚薬(鎮痛剤)および抗炎症薬は、症状の鎮静化に用いられる。リウマチに対する予防維持薬(disease-modifying antirheumatic drugs:DMARDs)は、潜在的な免疫プロセスを阻害または停止させるために、および、長期にわたる損傷を防止するために、必要である。近年、より新しい生物製剤が、治療法の選択肢を増加させている。世界の人口の略1%が、関節リウマチを患っており、女性は、男性の3倍の頻度にて関節リウマチを患っている。最も頻度高くは、40歳〜50歳にて発症するが、あらゆる年齢の者が発症し得る。
更なる処置が、求められている。
〔発明の概要〕
本発明は、骨リモデリング疾患に関係する病気を処置するための、方法および組成物に関する。特に、本発明は、関節リウマチを処置するための、方法および組成物に関する。
本発明の一態様は、下記の構造を有する化合物を含んでいる、組成物である:
Figure 0006897971
上記構造では、mおよびnは、同じまたは異なる、1〜4の整数であり;Xは、H、または、CHであり;Rは、Hアミジノ(H amidino)、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、β糖、または、α糖であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、または、メチル基であり;Rは、CH、OH、O−β糖、または、O−α糖(O-β or α sugar)であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基である。
本発明の一態様では、上記化合物は、下記の構造を有するものである:
Figure 0006897971
上記構造では、mおよびnは、1〜4の整数である。
本発明の一態様では、上記化合物は、下記の構造を有するものである:
Figure 0006897971
(Trp−c[Gly(4−アミノブチル)−Asp−Lys−Ser−Gly(4−アミノブチル)]−Ala−NH ;図1)。
本発明の一態様は、下記の構造を有する化合物を含んでいる、組成物である:
Figure 0006897971
上記構造では、mおよびnは、同じまたは異なる、1〜4の整数であり;Xは、H、または、CHであり;Rは、Hアミジノ、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、β糖、または、α糖であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、または、メチル基であり;Rは、CH、OH、O−β糖、または、O−α糖(O-β or α sugar)であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり;Rは、H、または、アセチル基であり;Rは、H、または、アセチル基である。
一態様では、5番目の位置のセリンのβ−ヒドロキシル基が糖化されている。一態様では、組成物のカルボキシル末端のアラニンが、糖化されたセリンによって置換されている。本発明は、特定の糖化成分または糖化形態に限定されない。一態様では、糖化は、単糖、または、二糖を含んでいる(例えば、β−グルコース)。一態様では、組成物の1つ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、または、5個)のアミノ酸が、N−メチル化されている(例えば、1番目、3番目、4番目、5番目、または、7番目の位置の、少なくとも1つの位置にてN−メチル化されている)。一態様では、組成物のアミノ末端のトリプトファンが、アミジン化(amidinated)されている。一態様では、組成物は、薬学的組成物である(例えば、薬学的に許容される担体を含んでいる)。
更なる態様では、上述した組成物は、何れも、骨リモデリング疾患(bone remodeling disorder)(例えば、関節リウマチに由来する骨損傷)の処置または予防に使用するためのものである。一態様では、組成物は、骨損傷を予防または処置するものである。
更なる態様は、骨リモデリング疾患を処置するための薬の製造における、上述した任意の組成物の使用である。
更なる態様は、骨リモデリング疾患を処置するための、上述した任意の組成物の使用である。
別の態様は、上述した任意の組成物を対象へ投与する工程を有する、骨リモデリング疾患を処置または予防する方法である。一態様では、上記対象は、骨リモデリング疾患(例えば、関節リウマチに由来する骨損傷)を患っていると診断された対象である。一態様では、上記投与が、骨損傷を処置または予防する。
本明細書に、更なる態様を説明する。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、化合物の一例であるBK2の構造を示している。
図2は、BKの、抗骨巨細胞腫性および効果を示している。異なる投与量のBK2存在下での、in vitroにおける、ネズミのpre−OC cell line RAW 264.7の破骨細胞形成を示している。ネガティブコントロールアナログであるBK6は、阻害しなかった。
図3は、BK2の抗関節炎作用(anti-arthritogenic effects)を示している。(A)CIAを患っているDBA/1マウスに対して、BK2(446pg/gm、青色)またはPBS(黒色)を用いた毎週のip投与(weekly ip doses)を行い、関節の隆起(joint swelling)を記録した。なお、当該投与は、CIA誘導の日を基準として、1日目に開始した。グループあたり、N=10であった。(B)CIAを患っているDBA/1マウスに対して、BK2(446pg/gm、青色)またはPBS(黒色)を用いた合計4週間のip投与を行い、関節の隆起を記録した。なお、当該投与は、CIA誘導の日を基準として20日目であって、関節炎が始まった時に開始した。矢印は、処置した日を示している。グループあたり、N=10であった。(C)CIAを患っているDBA/1マウスに対して、BK2(446pg/gm、青色)またはPBS(黒色)を用いた毎週のsq投与(weekly sq doses)を行い、関節の隆起を記録した。なお、当該投与は、CIA誘導の日を基準として、1日目に開始した。グループあたり、N=10であった。(D)骨損傷に対するBK2の保護効果を示す、放射線スコアである。(E)CIAを患っているDBA/1マウスに対して、BK2(446pg/gm、青色)またはPBS(黒色)を用いた合計4週間のsq投与を行い、関節の隆起を記録した。なお、当該投与は、CIA誘導の日を基準として20日目であって、関節炎が始まった時に開始した。矢印は、処置した日を示している。グループあたり、N=10であった。(F)骨損傷に対するBK2の保護効果を示す、放射線スコアである。
〔定義〕
本明細書において「骨リモデリング疾患(disorders of bone remodeling)」とは、骨のリモデリングが混乱または不規則になっている、症状または兆候を示す、あらゆる病気または疾患、を意図する。骨のリモデリング(または、骨の代謝)は、生涯続くプロセスであって、当該プロセスでは、成熟した骨組織が骨格から除去され(骨吸収(bone resorption)と呼ばれるプロセス)、新しい骨組織が形成される(骨化(ossification)または新たな骨形成(new bone formation)、と呼ばれるプロセス)。骨のリモデリングの2つのサブプロセス(骨吸収および骨形成)の制御における不安定性は、炎症性、代謝性、薬理性、内分泌性、伝染性、腫瘍性(neopleastic)、物理性(mecahnical)、および、特発性などの性質を有する様々な疾患を生じさせ、または、これらの疾患の結果であり得る。骨のリモデリングに関係する病気の例としては、具体的に、関節炎(例えば、関節リウマチ)、歯周病、乾癬性関節炎、反応性関節炎(reactive arthritis)、痛風、強直性脊椎炎、変形性関節症、骨粗鬆症、拒食症、ビタミンD欠乏、クッシング症候群、副甲状腺機能亢進症、コルチコステロイド、他の薬剤性骨粗鬆症、骨髄炎、骨転移、原発性骨腫瘍、多発性骨髄腫、骨折治癒(bone fracture healing)、外科手術後、人工器官に関連する骨の損傷、不使用(disuse)、麻痺、寝たきりの状態(bedridden conditions)、無重力、骨のパジェット病、および、骨壊死が挙げられる。しかしながら、骨のリモデリングに関係する病気は、これらに限定されない。
本明細書における「関節リウマチの1つ以上の兆候または症状(one or more signs or symptoms of rheumatoid arthritis)」(関節リウマチ(rheumatoid arthritis):RA)としては、柔らかく、温かく、腫れた関節が挙げられ、当該関節は、一般的に、左右対称に症状が出る。関節リウマチの別の症状としては、倦怠感を伴って時々発生する、発熱または不快感が挙げられる。痛みおよび凝りが、朝または長い休みの後に、30分間よりも長く続くことも、関節リウマチの一般的な症状である。
本明細書において「改善(improved)」とは、病気(例えば、関節リウマチ)の兆候または症状の重症度が低下すること、および、正常な機能に戻ること、を意図する。
本明細書において「処置(treatment)」とは、兆候または症状の低減、または、副作用の低減、を意図する。症状の等級(例えば、強度)または頻度が下がったときに、症状は「低減(reduced)」する。例えば、関節リウマチの場合、患者が受ける痛みが少なくなり、朝に関節の硬直が続く時間が短くなり、かつ、患っている関節の腫れが少なくなると、症状は低減している。本発明は、症状が無くなる場合のみに限定される訳ではない。具体的に、本発明は、たとえ症状が完全に無くならなくても、症状が低減される(および、それによって患者の状態が改善される)処置、を意図している。
本明細書において、ペプチドの「誘導体(derivatives)」または「アナログ(analogues)」とは、当該ペプチド内に変化が生じたもの、を意図する。一態様において、誘導体として、アミノ酸の配列に変化が生じたペプチドが挙げられる。このような変化は、通常の、アミノ酸の置換、アミノ酸の欠失、または、アミノ酸の挿入であり得る。このような変化では、共通エピトープ(shared epitope)、または、共通エピトープモチーフ(shared epitope motif)の活性が、実質的(50%以上)に保持されている。アナログは、天然のアミノ酸に対応する場所に、アミノ酸のアナログを有している。このようなアナログの例としては、p−フルオロフェニルアラニン(フェニルアラニンのアナログ)、エチオニン、および、ノルロイシンを挙げることができるが、これらに限定されない。アナログとしては、ペプチド鎖の特定の位置にD−アミノ酸を混合させたもの、も挙げられる。誘導体およびアナログが、結合していてもよい。
本明細書において「プロテアーゼ耐性ペプチド(protease resistant peptides)」とは、プロテアーゼによる消化に対する感受性が低下している(例えば、修飾の無いペプチドと比較して、プロテアーゼによる消化に対する感受性が低下している)、修飾されたペプチド、を意図する。例えば、プロテアーゼ耐性ペプチドは、保護基を含むものであってもよく、または、少なくとも1つのD−アミノ酸を含むものであってもよい。本発明は、プロテアーゼに対して完全に耐性なものに限定されない。プロテアーゼによる消化に対する感受性が減少していれば、本発明にとって十分である。一態様では、プロテアーゼによる消化に対する感受性は、修飾の無いペプチドと比較して、例えば、20%以上、30%以上、50%以上、75%以上、80%以上、90%以上、95%以上低下している(例えば、in vitroのプロテアーゼアッセイ、または、in vivoのプロテアーゼアッセイを用いて測定した時)。
本明細書において「合成ペプチド(synthetic peptide)」とは、化学的な合成手段、または、in vitroの酵素的な合成手段を用いて作製されたペプチド、を意図する。(i)合成された、共通エピトープを含むペプチド、および、共通エピトープモチーフを含むペプチド、(ii)誘導体、(iii)アナログ、および、(iv)類縁体が、意図される。
本明細書において「保護基(protecting groups)」とは、好ましくない反応(例えば、タンパク質の分解)を阻害する基(groups)、を意図する。当該保護基には、保護されていない官能基が含まれる。保護基は、共通エピトープを含むペプチドまたは共通エピトープモチーフを含むペプチドの、アミノ末端、カルボキシル末端またはこれらの両方に付加され得る。本発明の一態様において、保護基は、アシル基またはアミド基である。一態様において、アシル基は、アセテート基である。別の態様において、保護基は、ベンジル基である。別の態様において、保護基は、ベンゾイル基である。本発明は、また、これらの保護基の組み合わせであってもよい。
本明細書において、ペプチド、誘導体、アナログ、類縁体およびアンタゴニストの「生物活性(biological activity)」とは、ペプチド、誘導体、アナログ、類縁体およびアンタゴニスト(例えば、共通エピトープを含む、環状のアンタゴニスト)が有する、シグナル伝達経路を調節する能力、または、共通エピトープを含むペプチドの活性を阻害する能力、を意図する。そのような活性は、様々な技術を用いて評価され得る。例えば、生物活性は、DNA損傷を誘導した後に続くDNA修復のための、in vitroにおけるcAMP介在アッセイ(in vitro cAMP-mediated assay)を用いて評価され得る。このようなアッセイでは、共通エピトープを含むペプチドは、DNA修復を阻害する。このようなペプチドの生物活性は、また、当該ペプチドを細胞に投与した後で、細胞内のcAMPの濃度を測定すること、または、プロテインキナーゼAの活性化を測定することによって、決定され得る。
本明細書において、ペプチドの「アミノ末端(N-terminus)」とは、フリー(free)なアミノ基を有している、ペプチドの端部、を意図する。アミノ末端のアミノ基は、必ずしも「フリー」である必要はない。アミノ末端のアミノ基は、例えば、アミノ末端に結合する構成と結合を形成していてもよい。
本明細書において、ペプチドの「カルボキシル末端(C-terminus)」とは、フリー(free)なカルボキシル基を有している端部、を意図する。カルボキシル末端のカルボキシル基は、必ずしも「フリー」である必要はない。カルボキシル末端のカルボキシル基は、例えば、カルボキシル末端に結合する構成と結合を形成していてもよい。
本明細書において「単回投与(single dosage)」とは、一回の適用、または、一回の投与によって(例えば、1日に1回、1週間に1回、または、別の間隔)、所望の効果を達成し得る、薬学的組成物の製剤、を意図する。
本明細書において「経口投与(oral administration)」または「経口にて(orally)」とは、口腔を経由して対象内に薬学的組成物を導入すること、を意図する(例えば、水溶液、または、固形)。
本明細書にて「舌下投与(sublingual administration)」または「舌下にて(sublingually)」とは、舌下の粘膜面(口腔内)に投与することによって、対象内に薬学的組成物を導入し、これによって、薬学的組成物を対象内に吸収させること、を意図する。
本明細書において「口腔投与(buccal administration)」または「口腔にて(buccal)」とは、頬の裏側の粘膜面(口腔内)に投与することによって、対象内に薬学的組成物を導入し、これによって、薬学的組成物を対象内に吸収させること、を意図する。
本明細書において「鼻内投与(intranasal administration)」または「鼻内にて(intranasally)」とは、鼻腔内へ薬学的組成物を導入すること、を意図する。
本明細書において「呼吸吸入(respiratory inhalation)」とは、気道内へ薬学的組成物を導入すること、を意図する。
本明細書において「肺内投与(intrapulmonary delivery)」とは、肺への投与を包含すること、を意図する。患者の肺内への薬剤の投与は、エアゾール化を介して実施され得る。これとは別に、気管支鏡を介して、薬剤を肺へ投与することもできる。
本明細書において「経皮投与(transdermal administration)」、「経皮にて(transdermally)」または「皮膚にて(cutaneously)」とは、皮膚の表面に投与することによって、対象内に薬学的組成物を導入し、これによって、薬学的組成物を対象内に吸収させること、を意図する。
本明細書において「注射(injection)」または「標準的な注射(standard injection)」とは、対象内に薬学的組成物を配置すること、を意図する(例えば、皮下注射器を用いて配置する)。このような注射は、例えば、皮下に、静脈内に、筋肉内に、または、陰茎海綿体内に、行われ得る。
本明細書において「関節内(intra-articular)」の注射とは、関節内に薬学的組成物を直接注射すること、を意図する(例えば、関節リウマチを処置する方法において)。
本明細書において「アミノ酸配列(amino acid sequence)」とは、天然のタンパク質分子のアミノ酸配列、を意図する。「アミノ酸配列」および類似の用語(例えば、ポリペプチド(polypeptide)またはタンパク質(protein))は、記載されているタンパク質分子の、完全に天然のアミノ酸配列に限定されない。
本明細書において「結合に対して拮抗する(competes for binding)」とは、第2のポリペプチドが結合する基質と同じ基質に結合する活性を有している第1のポリペプチドに関連して用いられる。このとき、第2のポリペプチドは、第1のポリペプチドの変異体、関連するポリペプチド、または、異なるポリペプチドである。第1のポリペプチドの結合効率(例えば、反応速度、または、熱力学)は、第2のポリペプチドの基質への結合効率と同じであり得、第2のポリペプチドの基質への結合効率よりも高くあり得、または、第2のポリペプチドの基質への結合効率よりも低くあり得る。例えば、基質への結合の平衡結合定数(K)は、2つのポリペプチドにおいて、異なっていてもよい。本明細書において「K」とは、酵素のミカエリス・メンテン定数(Michaelis-Menton constant)、を意図する。Kは、酵素触媒反応に用いられている酵素が、当該酵素の最大速度の1/2の速度を実現しているときの、特定の基質の濃度、として規定される。
本明細書において「断片(fragment)」とは、天然のタンパク質と比較して、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の欠失を有しているポリペプチドであって、残されたアミノ酸配列が、全長cDNA配列から推定されるアミノ酸配列中の対応する位置と同じであるポリペプチド、を意図する。断片は、典型的に、少なくとも4個のアミノ酸の長さ、好ましくは20個のアミノ酸の長さ、一般的には少なくとも50個のアミノ酸の長さ、または、それ以上の長さである。断片は、組成物と、当該組成物の様々なリガンドおよび/または基質との分子間結合に必要な、ポリペプチドの部分にまで広がっている。
用語「試験化合物(test compound)」とは、あらゆる化学物質、調合薬および薬など、を意図する。これらの化学物質、調合薬および薬などは、病気、疾患、疾病または身体機能の障害の、処置または予防に用いられ得る。また、これらの化学物質、調合薬および薬などは、サンプルの生理的な状態、または、サンプルの細胞の状態を変えるために用いられ得る。試験化合物は、周知の化合物と、潜在的に治療効果を有している化合物と、の両方を含んでいる。試験化合物は、本明細書に記載のスクリーニング方法を用いたスクリーニングによって、治療効果を有していることが確認され得る。「周知の治療用化合物(known therapeutic compound)」とは、このような処置または予防に効果的であることが既に示されている治療用化合物(例えば、このような処置または予防に効果的であることが、動物実験、または、ヒトへの投与による事前の経験によって既に示されている、治療用化合物)、を意図する。
本明細書において「対象(subject)」とは、本発明の方法によって処置される生物、を意図する。当該生物としては、哺乳類(例えば、ネズミ、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、および、ネコなど)が挙げられ、最も好ましくはヒトが挙げられる。しかしながら、生物は、これらに限定されない。本明細書に関連して、用語「対象」は、一般的に、自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)に関する健康状態のための処置(例えば、本発明の化合物の投与、および、任意で1つ以上の別の薬の投与)を、これから受ける個体、または、既に受けている個体、を意図する。
本明細書において「有効量(effective amount)」とは、有益な結果、または、所望の結果を達成するために十分な、化合物(例えば、本発明の化合物)の量、を意図する。有効量は、1回以上の投与、1回以上の適用、または、1つ以上の製剤、によって投与され得るが、特定の製剤、または、特定の投与経路に限定されない。
本明細書において「共投与(co-administration)」とは、少なくとも2つ以上の薬(例えば、本発明の化合物)、または、少なくとも2つ以上の治療を、対象に与えること、を意図する。一態様では、2つ以上の薬/治療の共投与が、同時に行われる。別の態様では、第2の薬/治療の投与に先立って、第1の薬/治療の投与が行われる。当業者であれば、用いられる様々な薬/治療の、製剤および/または投与経路を、変えることができることを理解する。共投与のための適切な投与量は、当業者によって、容易に決定され得る。一態様では、薬/治療を共投与するときに、個々の薬/治療を、当該薬/治療を単独で行うときの適切な量よりも少ない量にて投与する。それ故に、共投与は、特に好ましい態様であり、薬/治療の共投与は、周知の潜在的に有害(例えば、毒性)な薬の必要量を低下させる。
本明細書において「毒性(toxic)」とは、毒薬を投与する前の細胞または組織と比較して、当該細胞または組織に、何らかの不利益な影響、または、有害な影響を及ぼすことを意図する。
本明細書において「薬学的組成物(pharmaceutical composition)」とは、活性成分と担体との混合物、を意図する。不活性型の組成物、または、活性型の組成物を作製することは、in vivo、in vivo、または、ex vivoにおける、診断用途または治療用途に特に適している。
本明細書において「薬学的に許容される担体(pharmaceutically acceptable carrier)」とは、標準的なあらゆる薬学的担体(例えば、リン酸緩衝溶液、水、エマルジョン(例えば、油/水、または、水/油のエマルジョン)、および、様々な種類の湿潤剤)、を意図する。組成物は、また、安定化剤および保存剤を含み得る。担体、安定化剤およびアジュバントの例については、「Marti,Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th ED.,Mack Publ.Co.,Easton,PA[1975]」などを参照のこと。
〔発明の説明〕
本発明は、骨リモデリング疾患に関係する病気を処置するための、方法および組成物に関する。特に、本発明は、関節リウマチを処置するための、方法および組成物に関する。
破骨細胞(Osteoclast:OC)を介した骨の損傷は、一般的であり、関節リウマチ(RA)における重篤な症状(outcome)である(Bromley et al.,1984 Arthritis Rheum.27:857−863;Gravallese et al.,2000.Arthritis Rheum.43:250−258)。生物学的作用物質の出現にもかかわらず、浸食性の関節リウマチの処置には、チャレンジングな試みが残されている。その理由は、関節リウマチを特異的に発症させ、および、関節リウマチの重症度を決める、メカニズムに対する理解が不十分であるためである。最近の新たな薬は、一般的な免疫調節経路、または、炎症性サイトカインを標的にしたものである。それ故に、薬障害(drug failure)および/または副作用は、全て、非常に一般的である。
関節リウマチの原因は、良くは理解されていない。しかしながら、関節リウマチの患者の大部分が、DRβ鎖の70〜74の位置に「共通エピトープ(shared epitope:SE)」と呼ばれる5つのアミノ酸配列のモチーフをコードしている、HLA−DRB1アレルを有していることが、長く観察されてきた(Gregersen et al.,1987.Arthritis Rheum.30:1205−1213)。SEは、関節リウマチのリスクをより高めるのみならず、より重篤な病気に発展する可能性を増加させる。SEをコードしているHLA−DRB1アレルは、より早い病気の発症、および、より重篤な骨浸食に関係している(Gonzalez−Gay et al.,2002.Semin.Arthritis Rheum.31:355−360;Mattey et al.,2001.Arthritis Rheum.44:1529−1533;Plant et al.,1998 J.Rheumatol.25:417−426;Weyand et al.,1994.J.Lab.Clin.Med.124:335−338)。更に、ジーン−ドーズ効果(gene-dose effect)の証拠が存在し、当該証拠では、関節リウマチにおける骨損傷の程度は、SEをコードしているHLA−DRB1アレルの数と、正(posotively)の関係にある(Mattey et al.,supra;Plant et al.,supra;Weyand et al.,supra)。
SEは、シグナル伝達のリガンドとして機能する。当該リガンドは、厳密なアレル特異的な様式によって、細胞表面のカルレティキュリン(calreticulin:CRT)に結合し、そして、一酸化窒素(nitric oxide:NO)を介したプロ酸化シグナル(pro-oxidative signaling)を活性化させる(Ling et al.,2006.Arthritis Rheum.54:3423−3432;Ling et al.,2007.Arthritis Res Ther 9:R5;Ling et al.,2007.The Journal OF Immunology 179:6359−6367;Ling et al.,2012 Arthritis Rheum.;De Almeida et al.,2010.The Journal OF Immunology 185:1927−1934;Holoshitz et al.,2010 Ann.N.Y.Acad.Sci.1209:91−98;U.S.Patents 7,208,154;7,074,893;これらの文献の各々は、その全体が、参考として本明細書中に援用される。)。SEリガンドによって活性化されるシグナルの重要な機能の1つは、in vitro、および、in vivoの両方において、IL−17を生産するT細胞(Th17)を拡大(expansion)することである(De Almeida et al.,supra)。
Th17細胞は、関節炎の病原において中心的な役割を担っている(Shahrara et al.,2008 Arthritis Res Ther 10:R93)。当該細胞は、RANK(receptor activator for nuclear factor-kB)のリガンド(RANKL)を多く発現し、かつ、破骨細胞形成を活性化させることが、以前から示されてきた(Sato et al.,2006 J.Exp.Med.203:2673−2682;Kotake et al.,1999 J.Clin.Invest.103:1345−1352)。以前の研究では、SEリガンドは、in vitroにおける、マウスおよびヒトの破骨細胞(osteoclast:OC)の分化を促進し、かつ、RAKLを発現するTh17細胞の分化を増強することが示された。in vivoにてマウスにコラーゲン誘導性関節炎(collagen-induced arthritis:CIA)を施した場合、SEリガンドは、関節の腫れ、滑膜組織のOC量、および、浸食性の骨損傷を増加させる(Holoshitz et al.,2012,J.Immunol)。
SEが、関節炎の重症度の直接的な一因であるシグナル伝達リガンドとして機能することを考慮して、本明細書に記載の実施例では、当該経路を阻害する方法を開発した。本明細書に記載の実施例は、SEアンタゴニストリガンドのペプチド類縁体の開発について記載している。
SE−CRT経路を標的にすれば、一般的な治療パラダイムを超えた、更なる利点が得られる。その理由は、SE−CRT経路が、関節リウマチの原因における「上流(upstream)」の段階で、独自の役割を担っているからである。SEは、関節リウマチにおける、最も重要な危険因子の一つである。SEは、感受性、重症度、および、一卵性双生児における病気の浸透度、さえも決定する(Jawaheer et al.,1994 Arthritis Rheum.37:681−686)。それ故に、リンパ球の活性化に関わる、エフェクターサイトカインまたは酵素とは異なり、SE−CRT経路は、病気の原因、および、発生の初期に、密接に関わっている。
〔1.化合物〕
本明細書中に記載しているように、本発明の一態様は、研究、スクリーニング、および、治療への応用のために用いられる、環状のSEペプチドである。一態様では、ペプチドは、環状のSEのアンタゴニストペプチド、または、環状のSEの阻害ペプチドである。SEによって活性化される経路を標的とする、ペプチド類縁体も提供される。一態様において、上記化合物は、下記の構造を有するものである:
Figure 0006897971
上記構造では、mおよびnは、同じまたは異なる、1〜4の整数であり;Xは、H、または、CHであり;Rは、Hアミジノ、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、β糖、または、α糖であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、または、メチル基であり;Rは、CH、OH、O−β糖、または、O−α糖(O-β or α sugar)であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど)、Rは、H、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基である。
本発明の一態様では、上記化合物は、下記の構造を有するものである:
Figure 0006897971
上記構造では、mおよびnは、1〜4の整数である。
本発明の一態様では、上記化合物は、下記の構造を有するものである:
Figure 0006897971
(Trp−c[Gly(4−アミノブチル)−Asp−Lys−Ser−Gly(4−アミノブチル)]−Ala−NH ;図1)。
本発明の一態様では、上記化合物は、下記の構造を有するものである::
Figure 0006897971
上記構造では、mおよびnは、同じまたは異なる、1〜4の整数であり;Xは、H、または、CHであり;Rは、Hアミジノ、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、または、メチル基であり;Rは、H、β糖、または、α糖であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、または、メチル基であり;Rは、CH、OH、O−β糖、または、O−α糖(O-β or α sugar)であり(例えば、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、マルトースなど);Rは、H、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり;Rは、H、または、アセチル基であり;Rは、H、または、アセチル基である。
本発明は、また、所望の特性(例えば、結合親和性、活性、および、可溶性など)を増強させるために、または、望ましくない特性(例えば、非特異的な反応性、および、毒性など)を最小限に抑えるために、本発明の組成物を修飾する方法、および、本発明の組成物を誘導体化する方法、を提供する。化学的な誘導体化の原理は、良く理解されている。一態様では、親化合物から、誘導体化された子化合物のライブラリーを作製するために、反復設計、および、化学合成のアプローチが用いられる。一態様では、in silicoのリガンド−レセプター相互作用を予測およびモデル化するために、ルーチンの実験によって結果を確認する前に、理論的なデザイン法(rational design methods)が用いられる。
一態様において、本発明は、プロテアーゼ耐性の化合物を意図する。一態様では、このようなプロテアーゼ耐性ペプチドは、保護基を有するペプチドである。一態様において、本発明は、アミノ末端のアセチル化(Ac)、および、カルボキシル末端のアミド化によって、プロテアーゼによる消化から保護されるペプチドを意図する。アセチル化およびアミド化された、共通エピトープを含むペプチドまたは共通エピトープモチーフを含むペプチドは、これらが有するタンパク質分解に対する耐性の故に、in vivoの投与にとって有用である。
別の態様では、本発明は、また、D型異性体(D-isomers)に対応するものを含んでいるペプチドを意図する。本発明は、特定のアミノ酸、および、特定のD型異性体に限定されない。当該態様は、グリシンを除く全てのアミノ酸について、適している。換言すれば、当該態様は、2つの立体異性体が存在する全てのアミノ酸について、適している。慣例により、これらの鏡像構造を、アミノ酸の、D型およびL型と呼ぶ。これらの型は、化学結合を破壊すること無く、相互に変換することはできない。稀な例外があるものの、L型のアミノ酸のみが、天然のタンパク質中に見いだされる。
別の態様では、保護基、および、対応するD型異性体によるL型アミノ酸の置換の両方を用いた、プロテアーゼによる消化からのペプチドの保護、が意図される。例えば、少なくとも1つのD型アミノ酸を含んでいるペプチドは、上述したように、アセチル化、および、アミド化され得る。
ペプチド配列を模倣した非ペプチド化合物の合成は、当該分野において周知である。Eldred等の文献(J.Med.Chem.37:3882(1994))には、Arg−Gly−Aspの配列を模倣した非ペプチドアンタゴニストが記載されている。同様に、Ku等の文献(J.Med.Chem.38:9(1995))には、このような一連の化合物の更なる説明が記載されている。本発明の化合物を模倣した、このような非ペプチド化合物は、特に意図されるものである。
本発明は、また、関連するペプチド配列を繰り返す化合物が多量体化されている、合成された化合物の類縁体を意図する。
本発明は、本発明の化合物の構造モデルに基づいた、ペプチドおよび非ペプチド類縁体のデザインを意図する。当該デザインとしては、(i)化合物の実験的な高解像度の三次元画像、(ii)共通エピトープのペプチド、および、カルレティキュリン阻害ペプチドの、立体配座の解析、および、結合領域の解析、(iii)共通エピトープの化合物、および、カルレティキュリン阻害化合物の合理的デザイン、(iv)共通エピトープの成分、および、カルレティキュリン阻害成分のための、連結ペプチドライブラリー(combinatorial peptide libraries)のスクリーニング、および、(v)生物学的に安定な、共通エピトープのペプチド、カルレティキュリン阻害ペプチドおよび非ペプチド類縁体のデザイン、が挙げられる。本発明の使用に適した幾つかの化合物は、光学異性体を含む、立体異性体として存在し得る。本発明は、当業者に周知の方法によって分離され得る個々の光学異性体のみならず、全ての立体異性体、および、これらの立体異性体を共に含むラセミ混合物、を包含する。特定の態様では、本発明の化合物は、3個よりも多い天然アミノ酸を含んでおらず、好ましくは2個以下の天然アミノ酸しか含んでおらず、更に好ましくは1個以下の天然アミノ酸しか含んでいない。
本明細書に記載の共有ペプチド、アナログ、誘導体または類縁体が、少なくとも1つの更なる構造体に結合している複合体も、意図される。更なる構造体は、担体分子であってもよい。当該担体分子は、適切な標的器官または標的組織への複合体の運搬を、容易にする。一態様では、複合体は、脳へ運搬される(例えば、血液脳関門を横断した、脳への運搬)。別の態様では、複合体は、局所への投与のために、浸透性が増強される(例えば、関節リウマチを患っている関節の上(over)への局所投与)。
様々な担体分子が意図され、当該担体分子は、所望の運搬形態および投与形態に基づいて、変化し得る。意図される担体分子としては、親油性の構造体、疎水性の構造体、抗体、抗体の断片、および、ポリアミンが挙げられるが、別の担体分子も用い得る。
本発明では、治療用の化合物を体内に導入する方法は、限定されない。別の方法のうち、本発明は、経皮投与、経口投与、または、標準的な注射による投与(例えば、静脈への)を意図する。
本発明は、また、本明細書に記載の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニストを、鼻内に、または、呼吸吸入を介して患者に投与すること、を意図する。鼻内投与に適した剤形としては、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、および、他の薬学的担体が挙げられる。当該剤形は、本発明の化合物、または、本発明の化合物を含んでいる薬学的組成物と、鼻腔との、直接的な接触を実現する。鼻内投与される薬学的組成物の例が、Craig等のU.S.Patent 5,393,773および5,554,639、並びに、MerkusのU.S.Patent 5,801,161に開示されており、これらの文献は、全て、本明細書中に参考として援用される。呼吸吸入に適した剤形としては、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、および、他の薬学的担体が挙げられる。当該剤形は、本発明の化合物、または、本発明の化合物を含んでいる薬学的組成物と、気道との、直接的な接触を実現する。呼吸吸入によって投与される薬学的組成物の例が、Hu等のU.S.Patent 4,552,891、Kreutner等のU.S.Patent 5,869,479、並びに、ChasisのU.S.Patent 5,864,037に開示されており、これらの文献は、全て、本明細書中に参考として援用される。
一態様では、鼻内投与および呼吸吸入は、投与が容易であり、かつ、治療活性の始まりがより早いが故に、好ましい投与形態である。経口投与に可能な有効量と比較して、鼻内投与および呼吸吸入は、投与される有効量をより少なくできる。それ故に、鼻内投与および呼吸吸入は、有利である。好ましい投与形態としては、肺への投与が挙げられる。患者に対する薬剤の肺内投与は、エアゾール化を介して実施され得る。これとは別に、薬剤は、気管支鏡を介して、肺に投与され得る。勿論、薬剤は、別の投与経路(例えば、非経口投与)を介して、その有効性が調べられ得る。
本発明は、経口投与の形態に限定されず、本発明の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニストの、水溶液および有機溶液であってもよい。同様に、本発明の化合物は、固形にて経口投与されるために、固形の薬学的担体と結合していてもよい(例えば、錠剤の形態)。当業者であれば、このような固形の製剤を、容易に調製することができる。一態様では、非活性成分としては、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、メトセル E5(methocel E5)、微結晶性セルロース、ポビジン(povidine)、プロピレングリコール、および、二酸化チタンが挙げられる。
本明細書に記載の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニストは、局所への投与に適した担体中に包含されて、経皮投与され得る。当該担体としては、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、ゼリー、スプレー、エアロゾル、バスオイル、および、他の薬学的担体が挙げられる。当該担体は、本発明の化合物と、皮膚の孔との、直接的な接触を実現する。一般的な医薬品は、活性を有する化合物を、略0.001%〜略10%(w/w)、好ましくは略0.01%〜5%(w/w)、含み得る。幾つかの態様では、医薬品中への混和を容易にするために、活性を有する化合物を、適切な溶媒(例えば、エタノール、または、DMSO(ジメチルスルホキシド)など)に溶解させれば、有益であり得る。
注射によって本発明の化合物を導入する方法は、特定の方法に限定されない。本発明の化合物の注射は、あらゆる従来の注射器を用いて行われ得る(例えば、注射器および針、または、類似の装置(Squibb Novo,Inc.,Princeton,N.J.,USAによって販売されているNovolinPen.)を用いて行われ得る)。当該注射は、対象である彼自身または彼女自身によって行われてもよいし、他者によって患者に対して行われてもよい。
本明細書に記載の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニストは、生理的に許容される組成物中に包含されて、注射によって導入され得る。このような組成物は、注射器による投与に生理的に許容される水溶液である。生理的に許容される担体は、例えば、注射時に、苦痛または不快感を与えないもの、から選択される。生理的に許容される組成物は、注射による投与のときに、無菌であることが好ましい。
本方法に用いるための生理的に許容される組成物は、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水であり、これらの中に、本発明の態様における化合物が溶解または懸濁し、その結果、得られる組成物は注射に適したものになる。このような生理的に許容される組成物は、非刺激性の保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)を、0.05%(w/v)〜0.2%(w/v)にて含んでいてもよい。
本発明では、化合物を注射する方法は限定されない。幾つかの態様では、化合物は、標準的な注射器を用いて注射される。当業者であれば、本発明の化合物を、上述した担体と共に、注射することができる。
幾つかの態様(例えば、関節リウマチの症状を呈する対象を処置する方法)では、本発明の組成物は、患っている関節に至る(reach)ことが望ましい。幾つかの態様では、患っている関節に組成物を至らしめることは、本明細書に記載の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニストを含んでいる薬学的組成物を、患っている関節を覆っている皮膚に対して直接的に、皮膚に経皮投与することによって実施され得る。別の態様では、患っている関節への化合物の運搬は、関節内への直接的な注射によってなされ得る。本発明は、特に、関節リウマチの患者への、関節内注射(intra-articular injections)を意図する。
関節穿刺を行うために、注射される関節の特定の領域が、触診され、次いで、マークが付される(例えば、引っ込んだインク部を有するボールペンを用いて、圧力をかける(firm pressure)ことによって)。これによって、10〜30分間、圧痕(impression)が残る。(ボールペンの技術は、柔らかい組織への注射でも、用いられ得る。)吸引および/または注射された領域は、十分な量の消毒薬(例えば、ヨード化合物の一種)を用いて、丁寧に洗浄される。次いで、ボールペンの圧痕を介して、針が挿入され得る。
有用な装置には、以下のような構成が備えられている:アルコールスポンジ;ヨウ素溶液および外科用石鹸;ガーゼドレッシング(2×2);無菌の使い捨て注射器(3mL、10mL、および、20mL);18ゲージ(gauge)および20ゲージ;1 1/2インチの針;20ゲージ くも膜下穿刺針;25ゲージ、5/8インチの針;プレインテストチューブ(plain test tubes);ヘパリンチューブ(heparinized tube);清潔な、顕微鏡用のスライドおよびカバースリップ;ヘパリンチューブに多量の炎症性の液体(inflammatory fluid)を加える場合には、当該ヘパリンチューブに加えるためのヘパリン;湿った調製物をシールするためのマニキュア(fingernail polish);チョコレートアガープレート(chocolate agar plate)またはセアー・マーチン培地(Thayer-Martin medium);ほとんどのバクテリアのための、トリプシン処理された大豆溶液;嫌気的な輸送培地(培地が古くなるのを避けるために、定期的に交換);グルコースのためのフッ化物を有するチューブ;プラスチック製の絆創膏;塩化エチル;止血剤;複数の血液サンプルを同時に採取するための止血帯;および、1%のリドカイン。
<膝>
膝は、最も注射が容易な関節である。患者は、膝を完全に伸ばした状態で、仰臥位になるべきである。膝蓋の内側部の直ぐ後方に穿刺マークが付され、18〜20ゲージ、1 1/2インチの針が、少し後方に、かつ、少し下方に、導かれる。関節腔内へ、直ちに導入(entered)されるべきである。時々、密集した滑膜または絨毛状の突起が、針の開口部を塞ぎ得、内側部へのアプローチを用いる場合には、膝への注入を容易にするために、針を回転させる必要があり得る。膝蓋下滑膜ヒダ(infrapatellar plica)は、靭帯粘膜(ligamentum mucosum)とも呼ばれる、痕跡構造(vestigal structure)である。当該膝蓋下滑膜ヒダは、内側部へのアプローチを用いる場合に、膝への適切な注入を妨げ得る。しかしながら、膝蓋下滑膜ヒダ(plica)は、外側面からの注射または吸引に対して、悪影響を与えるべきではない。
<肩>
肩への注射は、座っている患者に対して最も容易に行われ、肩は、外部的に回転される。マークが、上腕の先端の内側部の領域であって、烏口突起(coracoid proces)の少し下方、かつ、横方向の領域に付される。20〜22ゲージ、1 1/2インチの針が、後方に、少し上方に、かつ、横方向に、導かれる。関節腔に針が入ることを感じ取ることができるべきである。骨に衝突した場合には、オペレーターは、針を後方へ引き戻し、そして、少し異なる角度にて針を再び導くべきである。
肩鎖関節は、肩の内側部の鎖骨の外側端部における溝として、触診され得る。マークが付され、22〜25ゲージ、5/8〜1インチの針が、注意深く、下方に導かれる。滑液は、稀にしか、得られない。
胸鎖関節は、関節の直接前方の位置から、最も容易に注射される。気胸(pneumotharax)を避けるために、注意が必要である。当該場所は、線維軟骨であって、液体は、稀にしか、吸引され得ない。
<足関節>
本発明の化合物を足関節に注射するために、患者は、背臥位になり、かつ、レッグとフットとの角度(leg-foot angle)を90度にすべきである。マークが、前脛骨筋腱(tibialis anterior tendon)の内側部の領域であって、内果(medial malleolus)の横方向の領域に付される。20〜22ゲージ、1 1/2インチの針が、後方へ導かれ、そして、骨に衝突すること無く、容易に関節腔内へ導入されるべきである。
<距骨下足関節>
再度、患者は、背臥位になり、かつ、レッグとフットとの角度を90度にする。マークが、外果(lateral mallcolus)の先端の下方に付される。20〜22ゲージ、1 1/2インチの針が、当該マークに対して垂直に導かれる。当該関節に対して、針は、1回目には挿入され得ず、更なる試み、または、2回目の試みが必要である。それ故に、および、伴う痛みの故に、局部麻酔が有用であり得る。
<手首>
手首は、複雑な関節であるが、幸いにも、手根骨間のスペースの大部分は、注射可能である(communicate)。マークが、橈骨(radius)に対して抹消側の領域であって、アナトミックスナッフボックス(anatomic snuff box)と言われる尺骨の領域に付される。一般的に、24〜26ゲージ、5/8〜1インチの針が適切であって、注射が、マークに対して垂直に行われる。骨に衝突した場合には、針は、後方へ引き戻され、そして、親指に向かって、再度、少しだけ導かれるべきである。
<手根中手骨の第一関節(First Carpometacarpal Joint)>
当該関節は、しばしば、変形性関節症を伴う。関節腔は、しばしば、非常に狭く、注射は、困難であり、かつ、痛みを伴い得る。しかしながら、数少ない単純な方法が、注射を極めて容易なものにする。親指が、掌を横切るように、小指の先端に向かって曲げられる。マークが、スナッフボックス(snuff box)の端から離れた第一中手骨の基底(base)に付される。22〜26ゲージ、5/8〜1インチの針が、マークの箇所にて挿入され、第四中手骨の近接端部に向かって導かれる。当該方法は、橈骨動脈への衝突を防ぐ。
<中手指関節(Metacarpophalalangeal Joint)および小指指節間関節(Finger Interphalangral Joint)>
これらの関節内の滑膜炎は、しばしば、滑膜の背部に腫れを引き起こす。24〜26ゲージ、1/2〜5/8インチの針が、伸筋腱の下の一方の側面に挿入され得る。必ずしも、関節面の間に針を刺し込む必要はない。中手指関節(metacarpophalangeal joint)に注射をする場合、指を少し曲げることが好ましい。滑液が得られることは、珍しい。注射を行う場合、本発明の化合物と、少量の局部麻酔との混合物もまた、意図される。
<中足指節関節(Metatarsophalangeal Joint)および足趾節間関節(Toe Interphalangeal Joint)>
技術は、中手指関節および小指指節間関節に関する技術と非常に似ているが、より背部に、かつ、伸筋腱のより横方向に、注射することが好ましい。注射される領域に付されるマークは、注射される各関節の先端における、穏やかな印(gentle traction)として有用である。
<肘>
多くにとって好ましい技術では、肘を、90度に曲げる。炎症が生じている場合には、関節被膜(joint capsule)が腫れる。マークが、上腕の外側上顆の下に付される。22ゲージ、1〜1 1/2インチの針が、マークの箇所に挿入され、そして、橈骨の軸に沿って導かれる、または、皮膚に対して垂直に導かれる。
<腰>
腰は、ガイドとしてフルオロスコープを用いた場合であっても、注射を行うことが非常に困難な関節である。当該関節に挿入できたことを医者が確信することは、ほとんど無く、滑液が得られることは、ほとんど無い。2つのアプローチ(前方(anterior)、または、側面(lateral))が用いられ得る。20ゲージ、3 1/2インチのくも膜下穿刺針が、両方のアプローチにおいて、用いられるべきである。
前方のアプローチのために、患者は、背臥位になり、四肢は、完全に伸ばされ、かつ、外部から回転される。マークが、上前腸骨棘の略2〜3cm下側、および、大腿部の脈(femoral pulse)の2〜3cm横側に付されるべきである。針は、皮膚に対して60度の角度にて挿入され、そして、骨に衝突するまで、後方に、および、内側に導かれる。針は少し引き出され、場合によっては一滴または二滴の滑液が得られる。このことは、関節腔内への挿入を示している。
多くは、側面のアプローチを好む。その理由は、針が、大腿骨頚に従って(follow)関節内に入り得るからである。患者は背臥位になり、腰は内側に回転され、膝は離れ、つま先は接触する。マークは、大転子(greater trochanter)の前方に付される。針は、挿入され、そして、鼡径靱帯の中央の少し下の地点に向かって、内側に、かつ、展望がよい(sightly)頭側に、導かれる。関節内に挿入された針の先端を、感じ取ることができる。
<顎関節>
注射のために、顎関節は、頬骨弓の下の窪みであって、耳珠(tragus)の1〜2cm前方の窪みとして触診される。当該窪みは、患者に口を開閉させることによって、より容易に触診される。マークが付され、そして、患者の口が開かれた状態にて、22ゲージ、1/2〜1インチの針が、皮膚に対して垂直に挿入され、かつ、少し後方に、および、上方に、導かれる。
〔II.処置の方法〕
本発明の態様は、様々な自己免疫疾患を処置するための、組成物および方法を提供する。なお、自己免疫疾患としては、関節リウマチ(RA)が挙げられるが、これに限定されない。幾つかの態様では、化合物(例えば、本明細書に記載の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニスト)は、関節リウマチであると診断された対象に投与される。幾つかの態様では、投与によって、関節リウマチの1つ以上の症状が、低減または除去される。幾つかの態様では、投与によって、関節リウマチによる骨の損傷が、予防または回復される。
幾つかの態様では、本明細書に記載の化合物、誘導体、類縁体、複合体またはアンタゴニストを含んでいる組成物は、必要に応じて、対象に対して1回投与される。別の態様では、組成物は、継続的に、反復的に(recurrent)、または、繰り返し、投与される。組成物は、例えば、所定の期間の間(例えば、数日間、数か月間、または、数週間)、所定の頻度(例えば、1日あたり数回;1日あたり1回;2日、3日、4日、5日または6日毎に1回;1週間あたり1回、など)にて、投与される。適切な投与量、および、適切な当所スケジュールは、適切な方法(例えば、上述する実施例の欄に記載の方法、または、当業者に周知の方法)を用いて、当業者によって決定される。
幾つかの態様では、本発明は、無秩序な骨リモデリングを有することで特徴づけられる疾患を処置する方法を提供する。当該疾患としては、炎症性、代謝性、薬理性、内分泌性、伝染性、腫瘍性、物理性、および、特発性の疾患を挙げることができるが、これらに限定されない。以下に、上述したカテゴリーの代表例を示す:
炎症性:関節炎(例えば、関節リウマチ)、歯周病、乾癬性関節炎、反応性関節炎、痛風、SLE、強直性脊椎炎、変形性関節症など、
代謝性:骨粗鬆症、拒食症、
内分泌性:ビタミンD欠乏、クッシング症候群、副甲状腺機能亢進症、
薬理性:コルチコステロイド、他の薬剤性骨粗鬆症、
伝染性:骨髄炎、
腫瘍性:骨転移、原発性骨腫瘍、多発性骨髄腫など、
物理性:骨折治癒、外科手術後、人工器官に関連する骨の損傷、不使用、麻痺、寝たきりの状態、無重力など、
特発性:骨のパジェット病、骨壊死。
〔実施例〕
以下の実施例は、本発明における、特定の好ましい態様および特定の局面を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
図1は、BK2を示している。BK2は、ヘプタペプチドであって、当該ヘプタペプチドは、ウレア基(urea function)を介して環状化されている、2つのε−アミノ N−ブチルグリシン残基を有している。BK2は、3つの工程にて合成された。はじめに、固体の支持体上における、マイクロウェーブにて補助されたプロトコールを用いて、直鎖状の保護ペプチドである「ZTrp(Boc)−(4−Boc)−アミノブチル−Gly−Asp(OtBu)−Lys(Z)−Ser(OtBu)−(4−Boc)−アミノブチル−Gly−Ala−NH 」を合成した(リンク樹脂(Rink resin))。カップリングのために、HOAt/HATU/DIEAを用い、Fmoc−プロテクションの除去のために、20%ピペリジンまたは5%ピペラジンを用いた。TFA:TIS:D.I.水(9.5:0.25:0.25)の混合物を用いて、直線状のペプチドを開裂化および脱保護化し、次いで、HPLCを用いて当該ペプチドを精製した。部分的に保護された直鎖状のペプチドにおける基本骨格の尿素の環状化は、bis(4−ニトロフェニル)カーボネートを用いて行った(Filip et al.,Journal OF Peptide Science.9:649−657,2003)。環状化されたペプチドを、精製し、かつ、Pd/BaSO4の存在下にて水素添加分解(hydrogenolysis)した。これによって、Trp残基およびLys残基から、カルボベンジロキシ基(carbobenzyloxy group)を除去した。最終的な標的であるペプチドを精製し、当該ペプチドを、HPLCおよびLC−MSによって分析した。
BK2のSer(Glc)5−アナログの合成は、1つの更なる工程を含み、保護されたグルコース構造から、アセチル基が除去される。当該工程は、ペプチド樹脂(peptide resin)を、ヒドラジン一水和物とメタノールとの混合物(ヒドラジン一水和物:メタノール=4:1)を用いて1.5時間処理することによって、行われる。
in vitroの試験は、(1)BK2が、SE活性化シグナルの強力な阻害剤であること(IC50 〜10−12M)、(2)BK2が、in vitroにおける抗破骨細胞形成作用(anti-osteoclastogenic effect)について、pM−range IC50を有していること(マウス細胞およびヒト細胞−図2)、(3)BK2が、in vivoにおける破骨細胞形成および骨破壊と同様に(図3のD、図3のF)、CIAに対して、極めて強力な(ピコグラムの範囲の投与量)阻害作用を及ぼすこと(図3のA、図3のB、図3のC、図3のE)、を示している。
〔実施例2〕
幾つかの態様では、BK2の修飾物を調製した。幾つかの態様では、セリンの側鎖のβ−ヒドロキシル基を介した糖化を用いた。BK2の糖化には、幾つかのアプローチを利用することができる。BK2は、5番目の残基として、セリンを含んでいるので、当該セリンは、糖化される1番目の場所となる。加えて、(i)BK2のカルボキシル末端のアラニンを、糖化されたセリンに置換すること、および、(ii)カルボキシル末端に糖化されたセリンを付加すること、または、アミノ末端に糖化されたセリンを付加すること、によってBK2を伸長させ、これによってオクタペプチドを形成すること、も可能である。典型的な糖化には、β−グルコースが用いられるが、別の単糖または二糖を用いることも可能である。
幾つかの態様では、ペプチド配列内のアミノ酸のN−メチル化が用いられる。BK2は、対応するN−Meアミノ酸にて置換され得る、幾つかの残基を有している:Trp、Asp、Lys、Ser、および、Ala。これらの置換は、個別に行ってもよく、組み合わせて行ってもよい。これらの全アミノ酸のN−メチル化アナログは、ペプチド合成のために適切に保護されており、当該N−メチル化アナログは、市販されている。
幾つかの態様では、ペプチド配列のアミノ末端のアミノ酸が、アミジン化される。BK2のアミノ末端に位置するトリプトファンのα−アミンが、アミジン化される。
上述した修飾と並行して、環状骨格(cyclic scaffold)のための幾つかの修飾が用いられ得る。特に、N−アミノブチルグリシンの置換効果は、炭化水素ステープル(hydrocarbon staple)を用いた、尿素の環状化である。当該アプローチでは、炭化水素の側鎖を有するオレフィンを伴うアミノ酸は、全ての炭化水素の架橋を形成するための、ルテニウムによって触媒される閉環メタセシス(ruthenium catalyzed ring closing metathesis)を用いて、環状化する。環状化は、典型的には、n残基と、n+4残基との間で形成される(BK2アナログに適しているように)。そして、環状化は、BK2の2番目および6番目のN−アミノブチルグリシンの置換によって、行われる。幾つかの態様では、類似している直鎖状アナログは、2番目および6番目の残基に、N−ブチルグリシン、N−アミノブチルグリシン、および、ε−アセチル−N−アミノグリシンの組み合わせを用いることによって、形成され得る。
アナログは、例えばWO2014/130949に記載されている試験アッセイ(testedusing assays)であってもよい。なお、WO2014/130949の全体が、本明細書中に参考として援用される。
本明細書に十分に記載されているが、当業者は、本発明または本発明のあらゆる態様の範囲に影響を及ぼすこと無く、条件、製剤および他のパラメータに関する、広くかつ等価な範囲の中で、同様なことが行われ得ることを理解するであろう。本明細書に記載されている、全ての特許、特許出願および公開物は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。
化合物の一例であるBK2の構造を示している。 BKの、抗骨巨細胞腫性および効果を示している。 BK2の抗関節炎作用を示している。

Claims (21)

  1. 下記の構造を有する化合物を含んでいる、組成物:
    Figure 0006897971
    上記構造では、
    mおよびnは、同じまたは異なる、1〜4の整数であり、
    Xは、H、または、CHであり、
    は、H、アミジノ基、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり、
    は、H、または、メチル基であり、
    は、H、または、メチル基であり、
    は、H、β糖、または、α糖であり、
    は、H、または、メチル基であり、
    は、CH、OH、O−β糖、または、O−α糖であり、
    は、H、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基である。
  2. 上記化合物は、下記の構造を有するものである、請求項1に記載の組成物:
    Figure 0006897971
    上記構造では、
    mおよびnは、1〜4の整数である。
  3. 上記化合物は、下記の構造を有するものである、請求項2に記載の組成物:
    Figure 0006897971
    (Trp−c[Gly(4−アミノブチル)−Asp−Lys−Ser−Gly(4−アミノブチル)]−Ala−NH)。
  4. 下記の構造を有する化合物を含んでいる、組成物:
    Figure 0006897971
    上記構造では、
    mおよびnは、同じまたは異なる、1〜4の整数であり、
    Xは、H、または、CHであり、
    は、H、アミジノ基、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり、
    は、H、または、メチル基であり、
    は、H、または、メチル基であり、
    は、H、β糖、または、α糖であり、
    は、H、または、メチル基であり、
    は、CH、OH、O−β糖、または、O−α糖であり、
    は、H、糖化されたセリン残基、糖化されたスレオニン残基、または、1つ以上のアルギニン残基であり、
    は、H、または、アセチル基であり、
    は、H、または、アセチル基である。
  5. 上記RおよびRの少なくとも一方における糖は、グルコース、キシロース、フコース、ラクトース、および、マルトースからなる群より選択されるものである、請求項1または4に記載の組成物。
  6. 上記5番目の位置のセリンのβ−ヒドロキシル基が糖化されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物。
  7. 上記組成物のカルボキシル末端のアラニンが、糖化されたセリンによって置換されている、請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物。
  8. 上記糖化は、単糖、または、二糖を含んでいる、請求項7に記載の組成物。
  9. 上記糖化は、β−グルコースを含んでいる、請求項8に記載の組成物。
  10. 上記組成物の1つ以上のアミノ酸が、N−メチル化されている、請求項1〜9の何れか1項に記載の組成物。
  11. 上記組成物のアミノ末端のトリプトファンが、アミジン化されている、請求項1〜10の何れか1項に記載の組成物。
  12. 上記組成物は、薬学的組成物である、請求項1〜11の何れか1項に記載の組成物。
  13. 上記組成物は、薬学的に許容される担体を含んでいる、請求項12に記載の組成物。
  14. 骨リモデリング疾患の処置または予防に使用するためのものである、請求項1〜13の何れか1項に記載の組成物。
  15. 上記骨リモデリング疾患は、関節リウマチに由来する骨損傷である、請求項14に記載の組成物。
  16. 上記組成物は、骨損傷を予防または処置するものである、請求項15に記載の組成物。
  17. 骨リモデリング疾患を処置するための薬の製造における、請求項1〜13の何れか1項に記載の組成物の使用。
  18. 請求項1〜13の何れか1項に記載の組成物を、非ヒトである対象へ投与する工程を有する、骨リモデリング疾患を処置または予防する方法。
  19. 上記対象は、骨リモデリング疾患を患っていると診断された対象である、請求項18に記載の方法。
  20. 上記骨リモデリング疾患は、関節リウマチに由来する骨損傷である、請求項19に記載の方法。
  21. 上記投与が、骨損傷を処置または予防する、請求項20に記載の方法。
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