以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.回路装置
図1に、本実施形態の回路装置100(表示コントローラー400)の構成例を示す。回路装置100は、制御部110(制御回路)、画像処理部120(画像処理回路)、エラー検出部130(エラー検出回路)、エラー判定情報出力部140(エラー判定情報出力回路)、レジスター部150(レジスター)、インターフェース部160、170(インターフェース回路)を含む。回路装置100は、例えば集積回路装置(IC)により実現される。
インターフェース部160は、処理装置200と回路装置100の間の通信を行う。例えばインターフェース部160は、処理装置200から画像処理部120へ送信される画像データを受信したり、処理装置200から制御部110へ送信されるタイミング制御信号(例えばクロック信号、垂直同期信号、水平同期信号、データイネーブル信号等)を受信する。また、図11等を用いて後述するように、処理装置200からレジスター部150への書き込みが行われてもよい。その場合、インターフェース部160は、処理装置200からレジスター部150へ書き込まれるレジスター値を受信する。或いはインターフェース部160は、エラー判定情報出力部140が出力するエラー判定情報(エラー信号、エラー検出信号)を処理装置200に送信したり、処理装置200がレジスター部150から読み出すレジスター値を送信したりする。
画像データやタイミング制御信号の通信方式としては、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal)方式やRGBシリアル方式、ディスプレイポート規格の伝送方式等を採用できる。またエラー信号やレジスター値の通信方式としては、I2C方式、3線又は4線のシリアル伝送方式等を採用できる。インターフェース部160は、これらの通信方式を実現する入出力バッファー回路や制御回路(例えばLVDS方式ではPLL回路等)で構成される。
なお、回路装置100が例えば自動車等に搭載される場合、処理装置200はECU(Electronic Control Unit)である。或いは、回路装置100が情報通信端末等の電子機器に搭載される場合、処理装置200はCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサー等のプロセッサーである。
処理装置200は、エラー検出領域の位置情報と、そのエラー検出領域におけるCRCの期待値(エラー検出の期待値情報)とを含むエラー検出用データを、回路装置100(表示コントローラー400)に対して送信する。具体的には、図5、図6を用いて後述するように、実際に表示に用いられる表示用画像データと、エラー検出用データとを、画像データとして送信する。言い換えれば、処理装置200は、インターフェース部160のうち、画像データ送信用のインターフェース(上述したLVDS方式やRGBシリアル方式等)を介して、エラー検出用データを送信する。或いは、図11等を用いて後述するように、処理装置200はレジスター値用のインターフェース(I2C方式等)を介して、エラー検出用データをレジスター部150に書き込んでもよい。
制御部110は、回路装置100の各部の制御を行う。特に制御部110は、タイミング制御を行ってもよく、処理装置200からのタイミング制御信号に基づいて、回路装置100の各部の制御や、表示ドライバー300へ送信するタイミング制御信号(例えばクロック信号、垂直同期信号、水平同期信号、データイネーブル信号等)の生成を行う。
画像処理部120は、処理装置200からの画像データ(表示データ)に対して種々の画像処理(例えば階調補正等)やデータ整形処理(表示ドライバー300のデータ受信方式に適合した送信データを生成する処理)を行う。
エラー検出部130は、処理装置200からの画像データに対してエラー検出処理を行う。以下では、エラー検出部130がCRC(巡回冗長検査、CRC:Cyclic Redundancy Check)によるエラー検出処理を行う場合を例に説明する。なお、エラー検出の手法はCRCに限定されるものではなく、例えばチェックサム等の手法を採用することが可能である。エラー検出部130の詳細な構成例については後述する。
エラー判定情報出力部140は、エラー検出部130の出力(CRC値や、CRC値と期待値の比較結果信号)に基づいて、エラー判定情報を出力する。エラー判定情報の出力とは、例えば、処理装置200へのエラー判定情報(エラー信号)の出力でもよいし、レジスター部150へのエラー判定情報の書き込みであってもよい。ここでのエラー信号は例えば割り込み要求信号(IRQ:Interrupt ReQuest)である。或いは、エラー信号は、エラーと判定されたことを単に知らせる(エラーと判定された場合にアクティブとなる)信号であってもよい。
図4で後述するように、本実施形態では画像に対して複数のエラー検出領域が設定される。エラー検出部130は、各エラー検出領域に対して画像データのエラー検出を行い、各エラー検出領域についてのCRC値、比較結果信号を出力する。そしてエラー判定情報出力部140は、各エラー検出領域でのCRC値、比較結果信号に基づいて、エラー検出領域ごとにエラー判定を行い、エラー判定情報を出力する。エラー判定情報出力部140の詳細な構成例については後述する。
インターフェース部170は、回路装置100と表示ドライバー300の間の通信を行う。例えばインターフェース部170は、画像処理部120が出力する画像データを表示ドライバー300へ送信したり、制御部110が出力するタイミング制御信号を表示ドライバー300へ送信する。また、インターフェース部170は、表示ドライバー300の動作を制御する設定信号(例えばモード設定信号)を表示ドライバー300へ送信してもよい。通信方式は、インターフェース部160と同様の方式を採用できる。
なお、表示ドライバー300は、表示パネル(電気光学パネル。例えば液晶表示パネル、電気泳動表示パネル等)を駆動する回路装置である。表示ドライバー300は、例えば表示パネルのデータ線を駆動するデータドライバーや、表示パネルの走査線を駆動する走査ドライバー、それらを制御する制御回路、表示ドライバー300の各部に電源電圧や基準電圧を供給する電源回路等で構成される。
上記の制御部110、画像処理部120、エラー検出部130、エラー判定情報出力部140、レジスター部150はロジック回路(例えば、アンド回路やオア回路、インバーター回路等のゲート回路や、フリップフロップ回路等の機能回路を配置したゲートアレイ)で構成される。これらの各部は機能ブロックを表しており、ハードウェアとしては一体のロジック回路として構成されてもよいし、或いは個別のロジック回路として構成されてもよい。
或いは、上記の各部は、ソフトウェアにより実現してもよい。即ち、本実施形態の回路装置100等は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の回路装置100等が実現される。具体的には、非一時的な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリー(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
なお、以上では本実施形態に係る回路装置100が表示コントローラー400により実現される(表示コントローラー400に含まれる)例を説明したがこれには限定されない。例えば図2に示すように、本実施形態の回路装置100は、表示ドライバー300により実現されてもよい。
表示ドライバー300は、インターフェース部161と、エラー検出部131と、エラー判定情報出力部141と、レジスター部151と、制御部(制御回路)181と、駆動部(駆動回路)191を含む。インターフェース部161、エラー検出部131、エラー判定情報出力部141、レジスター部151は、それぞれ図1に示したインターフェース部160、エラー検出部130、エラー判定情報出力部140、レジスター部150と同様の構成により実現できる。また駆動部191は、上述したデータドライバー及び走査ドライバーに対応する。
図1、図2に示したように、表示コントローラー400(狭義にはインターフェース部170)と表示ドライバー300(狭義にはインターフェース部161)との間でも画像データの通信が行われる。よって表示ドライバー300により回路装置100を実現することで、表示コントローラー400と表示ドライバー300の間での通信エラーの判定が可能になる。
また、図1及び図2では、表示コントローラー400と表示ドライバー300が、それぞれ異なるICとして実装される例を示した。これに対して、図3に示したように、表示コントローラー400と表示ドライバー300とがワンチップとして実装されてもよい。この場合の回路装置100は、図3に示したように、制御部112、画像処理部122、エラー検出部132、エラー判定情報出力部142、レジスター部152、インターフェース部162、制御部182、駆動部192を含む。回路装置100の各部は図1或いは図2と同様の構成である。なお、図3では、表示コントローラー400用の制御部112と、表示ドライバー300用の制御部182を分けて記載したが、これらを1つの制御部としてもよい。
図3の例では、表示コントローラー400と表示ドライバー300との間の通信が不要となるため、処理装置200と回路装置100との間の通信エラーを判定すればよい。
以下では、図1のように回路装置100が表示コントローラー400として実現される例について説明するが、以下の説明は、図2や図3のように、回路装置100が他の装置として実現される場合に拡張して考えることが可能である。
2.エラー検出領域の設定例
図4に、エラー検出領域の設定例を示す。図4では、所与のフレームの画像IMGに対して第1〜第4のエラー検出領域AR1〜AR4が設定される。各エラー検出領域のサイズ(横幅、縦幅)は、画像IMGのサイズよりも小さい。即ち、画像IMGの全体ではなく一部のエラー検出領域AR1〜AR4についてエラー検出を行う。
エラー検出領域AR1〜AR4は、始点SP1〜SP4と終点EP1〜EP4で指定される。具体的には、始点SP1〜SP4の座標と終点EP1〜EP4の座標が位置情報として取得されることによって、エラー検出領域AR1〜AR4が指定される。例えば画像IMGの左上の画素の座標を原点として、水平走査方向の座標xと垂直走査方向の座標yを定義する。座標x、yが共に最も小さい画素が始点であり、座標x、yが共に最も大きい画素が終点である。
図4では、処理装置200は、エラー検出領域AR1〜AR4の各領域でのCRC値を算出し、そのCRC値を期待値として回路装置100に送信する。そしてエラー検出部130は、エラー検出領域AR1〜AR4の各領域でのCRC値を算出し、その算出値と期待値とを比較する。
なお、エラー検出領域の数は4つに限定されず、2つ以上の任意のエラー検出領域を設定できる。また図4では、エラー検出領域AR1〜AR4が互いに重ならない領域となっているが、これに限定されず、一部が重なる領域となってもよい。またエラー検出領域を指定する位置情報は始点と終点に限定されず、領域を確定できる情報であればよい。例えば、エラー検出領域の始点の座標と横幅(水平走査方向の画素数)と縦幅(垂直走査方向の画素数)であってもよい。
このようにして、画像全体ではなく、その一部のエラー検出領域についてエラー検出を行う。これにより、処理装置200がCRC値を演算するデータ量が削減され、処理装置200の処理負荷を低減できる。また、複数のエラー検出領域を設定することで、画像のより広い領域でのエラー検出が可能となり、検出漏れを低減できる。特に重要な領域にエラー検出領域を設定しておけば、効率のよいエラー検出が可能となる。
また、図4では所与の1フレームでのエラー検出領域を示したが、エラー検出領域の設定はフレームごとに変化させることが可能である。即ち、本実施形態では、各フレームでエラー検出領域の数、位置、サイズ、形状を可変に設定できる。言い換えれば、第iのフレーム画像では第iフレーム用のエラー検出領域でエラー検出が行われ、第jのフレーム画像では第jフレーム用のエラー検出領域でエラー検出が行われ、これらの第i、第jフレーム用のエラー検出領域は位置が異なっている。なおnを2以上の整数とし、i、jを1以上n以下の整数とし、且つ、i≠jとする。これにより、各フレームにおいて異なる位置のエラー検出領域でエラー検出を行うことが可能となり、画像の広い範囲でのエラー検出が可能となる。また1つのフレームでは画像全体よりも小さい領域でエラー検出を行っているので、処理装置200の処理負荷を低減できる。
ここで、エラー検出とは、処理装置200が回路装置100に送信しようとする画像データと、回路装置100が実際に受信した画像データとが、一致しているか否かをチェックすること(通信エラーの検出)である。またフレーム画像とは、1つのフレームにおいて表示される画像(又は表示される予定の画像)のことである。例えば30fps(frames per second)で表示パネルの表示を更新する場合、1/30秒が1フレームであり、その1フレームで描画される画像がフレーム画像である。なお、ここでのフレーム画像は、処理装置200が回路装置100に送信した段階での画像である。即ち、最終的に表示される際のフレーム画像と、エラー検出の対象となるフレーム画像は、その間に画像処理が行われる可能性があるため、全く同じ画像とは限らない。
3.データの受信手法の例
次に、処理装置200から表示用画像データ、及びエラー検出用データを受信する手法について説明する。なお図11等を用いて後述するように、表示用画像データ、及びエラー検出用データを受信する手法は異なる変形実施が可能である。
図1に示したように、本実施形態に係る回路装置100は、画像データを受信するインターフェース部160と、エラー検出を行うエラー検出部130を含む。なお上述したように、インターフェース部160は、画像データ用のインターフェース(RGB方式等)と、エラー信号やレジスター値用のインターフェース(I2C方式、3線又は4線のシリアル伝送方式等)を含むが、ここでのインターフェース部160は、狭義には画像データ用のインターフェースである。
そしてインターフェース部160は、表示用画像データと、エラー検出領域の位置情報を少なくとも含むエラー検出用データと、を含む画像データを受信し、エラー検出部130は、位置情報により特定されるエラー検出領域の表示用画像データに基づいて、表示用画像データのエラー検出を行う。
このようにすれば、画像データにエラー検出用データを含めることが可能になる。言い換えれば、本実施形態の回路装置100は、表示用画像データを受信するインターフェースを用いて、エラー検出用データを受信することが可能になる。
図5は、本実施形態の画像データに対応する画像領域(表示領域、非表示領域を含む)の模式図である。図5のth1は有効画像エリア(表示領域)の水平方向での画素数(サイズ)を表し、tv1は有効画像エリアの垂直方向での画素数を表す。図5の例では、有効画像エリアの面積(総画素数)、即ち、表示される画像のサイズがth1×tv1となる。
例えば、各画素についてR,G,Bのそれぞれに8ビットを割り当てる例であれば、1画素当たり24ビットのデータを用いればよい。本実施形態では、実際に表示に用いられる画像データを表示用画像データと表記する。表示用画像データとは、有効画像エリアのデータであり、上記例で言えばth1×tv1×24ビットのデータとなる。
また画像データの表示の際には、水平方向の1ラインの表示の後、次の1ラインの表示を開始するまでの期間である水平帰線期間が設けられる。図5のA1は、当該水平帰線期間に対応する領域を便宜的に図示しており、th2は当該領域の画素数を表す。また、画像データの表示では、1フレーム分の画像の表示が行われた後、次のフレームの画像の表示を開始するまでの期間である垂直帰線期間が設けられる。図5のA2は、当該垂直帰線期間に対応する領域を便宜的に図示しており、tv2は当該領域の画素数を表す。A1及びA2から決定される領域A3は、画像の表示には利用されない非表示領域である。
上述したように、有効画像エリアのデータは表示用画像データとなるため、当該有効画像エリアにエラー検出用データを含めることは好ましくない。エラー検出用データが書き込まれた有効画像エリアでは、画像の表示ができないためである。
これに対して、上記の非表示領域にエラー検出用データを付加してもよい。非表示領域は、帰線期間に対応するため、非表示領域へのデータ付加は、表示用画像データの送受信を阻害しない。ただし、通信規格によっては非表示領域へのエラー検出用データの付加が難しい場合も考えられる。
よって本実施形態では、インターフェース部160は、図5にLINE0として示したように、表示用画像データの前側にエラー検出用データが付加された画像データを受信する。このようにすれば、表示用画像データの受信を阻害することなく、エラー検出用データを適切に受信することが可能になる。
図5の例では、LINE0には水平方向1ライン分のデータ、例えばth1×24ビットのデータを含めることが可能である。
図6は、LINE0のデータフォーマットの一例である。エラー検出用データは、エラー検出で使用される期待値情報を含む。具体的には、インターフェース部160は、エラー検出領域の位置情報と、エラー検出で使用される期待値情報と、を含むエラー検出用データを含む画像データを受信する。図6では、4つのエラー検出領域を設定する例を想定しているため、エラー検出情報は、それぞれ4つの位置情報及び期待値情報を含む。
図4で説明したように、位置情報は、例えば始点SP1〜SP4の座標(始点にあたる画素の座標)と終点EP1〜EP4の座標(終点にあたる画素の座標)である。この場合、エラー検出部130は、始点と終点を結ぶ線を対角線とする四角形の領域を、エラー検出領域とする。始点の座標を(hs,vs)とし、終点の座標を(he,ve)とした場合、hs、vs、he,veの各値は、有効画像エリアのいずれかの画素を特定可能な情報であればよい。例えば有効画像エリアが1920×1080のサイズであれば、位置情報の各値は11ビットのデータを用いればよい。ただし、ビット数については種々の変形実施が可能である。
また、期待値情報は、送信側である処理装置200が求めたものであり、例えば第iフレーム用のエラー検出領域の期待値情報は、処理装置200が第iフレーム画像の表示用画像データのうち、第iフレーム用のエラー検出領域の表示用画像データから求めたものである。期待値情報は、例えばエラー検出領域の各ピクセルのRデータ値に基づく期待値crcrと、Gデータ値に基づく期待値crcgと、Bデータに基づく期待値crcbを含む。ここでは、crcr、crcg、crcbのそれぞれを16ビットとするが、これについても種々の変形実施が可能である。なお、本実施形態における期待値情報は、期待値そのものであってもよいがこれに限定されず、期待値(或いは期待値に相当する情報)を演算可能な情報であればよい。
図6の例では、LINE0のうち、i画素〜i+6画素目の領域が、第1のエラー検出領域の位置情報及び期待値情報に対応する。具体的には、i及びi+1画素のR領域である16ビットのうち、11ビットを用いて始点の垂直座標値vs0を記憶する。同様に、i及びi+1画素のG領域の11ビットを用いて始点の水平座標値hs0を記憶し、i+2及びi+3画素のR領域の11ビットを用いて終点の垂直座標値ve0を記憶し、i+2及びi+3画素のG領域の11ビットを用いて終点の水平座標値he0を記憶する。図6の例では、i〜i+3画素のB領域については使用しない。
また、i+4及びi+5画素のR領域である16ビットを用いてRデータに基づく期待値crcr0を記憶する。同様に、i+4及びi+5画素のG領域である16ビットを用いてGデータに基づく期待値crcg0を記憶し、i+4及びi+5画素のB領域である16ビットを用いてBデータに基づく期待値crcb0を記憶する。
他のエラー検出領域についても同様であり、i+6〜i+11画素目が第2のエラー検出領域に対応し、i+12〜i+17画素目が第3のエラー検出領域に対応し、i+18〜i+23画素目が第4のエラー検出領域に対応する。
ただし、エラー検出用データは、受信側の回路装置100において、各エラー検出領域の位置情報及び期待値情報を特定可能な形式であればよく、そのデータ形式は図6には限定されない。例えば、各エラー検出領域の位置情報と期待値情報の並びは図6の順序には限定されない。
図6に示したように、画像データは、第2〜第nのエラー検出用データ(nは2以上の整数)を含み、第2〜第nのエラー検出用データの第i(iは2≦i≦を満たす整数)のエラー検出量データは、第iのエラー検出領域に対応する位置情報を含む。例えば、インターフェース部160は、第1〜第nのエラー検出領域(nは2以上の整数)に対応し、各エラー検出用データが各エラー検出領域の位置情報を含む、第1〜第nのエラー検出用データを受信する。図6の例ではn=4であり、上述したように、エラー検出用データには4つの位置情報が含まれている。
このようにすれば、各フレームにおいて複数のエラー検出領域を適切に設定することが可能になる。なお、毎フレームで複数のエラー検出領域が設定される必要はなく、1つのエラー検出領域が設定されるフレームがあってもよい。また、エラー検出領域を設定しないことで、エラー検出(及びエラー判定)をスキップするフレームがあることも妨げられない。いずれにせよ図5、図6の手法では、回路装置100は、画像データを用いてフレームごとにエラー検出用データを受信できるため、エラー検出領域の柔軟な設定が可能である。
4.エラー検出部及びエラー判定情報出力部の詳細
図7に、エラー検出部130、エラー判定情報出力部140の詳細な構成例を示す。エラー検出部130は、算出部11〜14(算出回路)、比較部21〜24(比較回路)を含む。エラー判定情報出力部140は、第1判定部81−1〜81−4、第2判定部82−1〜82−4、第3判定部83−1〜83−4を含む。なお、ここでは算出部等が4つずつある場合を例に説明するが、算出部等は2以上の任意の個数(例えば、設定できるエラー検出領域の最大数と同じ個数)であってよい。以下、エラー検出部130と、エラー判定情報出力部140の各部について詳細に説明する。
4.1 エラー検出部
算出部11には、エラー検出用データのうちの、第1のエラー検出領域の位置情報と、表示用画像データが入力される。算出部11は、表示用画像データのうち、位置情報により特定される第1のエラー検出領域内の表示用画像データに基づいて、CRC値(算出値)を算出する。広義には、算出部11は、画像データの誤り検出符号を演算する。誤り検出符号の形式、及び演算については種々の手法が広く知られており、本実施形態ではそれらを広く適用可能である。算出部11は、算出したCRC値を、比較部21と、第1判定部81−1に出力する。
比較部21には、エラー検出用データのうちの、第1のエラー検出領域の期待値情報と、算出部11で算出されたCRC値が入力される。処理装置200から送信されるCRCの期待値と算出部11〜14が算出するCRC値は同じビット数であり、同じ演算式で算出されたものである。比較部21は、算出されたCRC値と、期待値が一致するか否かの比較処理を行う。即ちエラー検出部130は、期待値情報に基づいてエラー検出を行うことになる。比較部21は、比較結果を表す信号(比較結果信号)を、第2判定部82−1及び第3判定部83−1に出力する。
算出部12〜14、及び比較部22〜24についても同様であり、対応するエラー検出領域のCRC値の算出及び比較処理を行い、CRC値と比較結果信号を、エラー判定情報出力部140の対応する判定部に対して出力する。
図7に示したように、インターフェース部160が、第1〜第nのエラー検出領域に対応する第1〜第nのエラー検出用データを受信する場合において、エラー検出部130は、各エラー検出領域において、各エラー検出用データに基づいてエラー検出を行う。具体的には、エラー検出部130は、第iのエラー検出領域において、第iのエラー検出用データに基づいてエラー検出を行う。図7の例では、n=4であり、算出部及び比較部を4つ設けることで、各エラー検出領域においてエラー検出が実行される。
このようにすれば、1フレームに複数のエラー検出領域が設定される場合にも、各エラー検出領域を対象として適切にエラー検出を実行することが可能になる。
図7に示したように、エラー検出部130でのエラー検出は、エラー検出用データ(位置情報、期待値情報)と、表示用画像データが必要となる。この際、表示用画像データについては、画像全体分の表示用画像データを取得している必要はなく、位置情報により特定されるエラー検出領域の表示用画像データを取得していれば足りる。つまり、処理対象となる表示用画像データが受信されたら、逐次的に(パイプライン処理により)、算出部11によるCRC値の算出を開始するとよい。このようにすれば、効率的なエラー検出が可能になる。
その際、どの表示用画像データが処理対象となるかは、位置情報がなければ特定できない。つまり、表示用画像データよりも前のタイミングで、エラー検出用データを受信している必要がある。
よってエラー検出部130は、表示用画像データの前側に付加されるエラー検出用データに基づいて、表示用画像データのエラー検出を行うとよい。ここで、「前側」とは、インターフェース部160による受信において、より時間的に早いタイミングで受信されることを表す。図5のように2次元画像を想定し、且つ、走査が左上から右下に向かって行われる場合であれば、「前側」とは画像において上側、且つ同一ラインにおいては左側を表すことになる。
このようにすれば、1フレーム分の画像データを受信する際に、まずエラー検出用データが受信され、その後に表示用画像データが受信されることになる。そのため、表示用画像データのエラー検出を行うためのエラー検出用データを、同一フレームの画像データに含めることが可能になる。
ただし、エラー検出用データが表示用画像データの後側に付加されることは妨げられない。この場合、所与のフレームの画像データに含まれるエラー検出用データは、次のフレームの表示用画像データのエラー検出に用いられることになる。即ち、対となる表示用画像データとエラー検出用データとが、異なるフレームの画像データに含まれることになる。
なお、インターフェース部160は、電気光学パネルでの表示に用いられる表示データを、画像データとして処理装置200から受信し、エラー検出部130は、画像データの転送エラーの検出を行う。そして、エラー検出に用いる誤り検出符号は、巡回冗長検査(CRC)である。
すなわち、本実施形態に係る回路装置100で行われるエラー検出とは、具体的には表示用画像データを受信する場合において、その受信された表示用画像データの送信側との同一性をチェックする処理である。
4.2 エラー判定情報出力部
エラー検出部130では、CRC値と期待値との比較処理を行う。つまり比較結果が一致しない場合、表示用画像データに通信エラーが発生していることになる。そのため、エラー判定情報出力部140は、比較結果信号が不一致を表す場合に、処理装置200に対してエラー信号(割り込み要求信号)を出力してもよい。
ただし、通信によるエラーの発生頻度は規格によりある程度定まっており、例えばビットエラーを10−9以下とすることを求める規格が考えられる。これは1ビットのデータ転送でデータ誤りが発生する確率であるため、1フレームの画像サイズがth1×tv1であり、1画素のデータサイズが24ビットであれば、1フレーム当たりのエラー発生確率はth1×tv×24×10−9となる。具体的な値は画像サイズに依存することになるが、例えば1920×1080画素の画像であれば、20フレーム程度に1回はエラーが発生する可能性がある。この場合、フレームレートが30fpsであれば1秒に1.5回、60fpsであれば1秒に3回の頻度で割り込み要求信号が出力されてしまう。これは割り込み処理の発生頻度としては過剰に高く、処理装置200のスムーズな動作が妨げられるおそれがある。本実施形態では、画像全体よりも狭い領域をエラー検出領域として設定することで、割り込み要求信号の出力頻度(割り込み処理の発生頻度)は低減可能であるが、それでも充分とは言えない。
よって本実施形態では、エラー検出部130からの出力に基づいて、さらにエラー判定を行ってもよい。具体的には、回路装置100は、画像データを受信するインターフェース部160と、画像データの誤り検出符号を演算して、エラー検出を行うエラー検出部130と、複数のフレームでの誤り検出符号に基づくエラー判定情報を出力するエラー判定情報出力部140を含む。
このようにすれば、複数フレームでの誤り検出符号に基づくエラー判定情報を出力できる。具体例については後述するが、例えば誤り検出符号に基づくエラー検出回数が多い、或いはエラーが連続して発生しているといったように、単発でのエラー発生に比べて重要度の大きいエラーを判定することが可能になる。そのため、上記のように高頻度で割り込みが発生してしまうことを抑止できる。
また、エラー検出部130は、画像データの複数のエラー検出領域において、誤り検出符号を演算してエラー検出を行い、エラー判定情報出力部140は、複数のエラー検出領域でのエラー判定情報を出力する。即ち、エラー判定情報の出力についても、エラー検出領域ごとに行うことが可能である。そのため、エラー検出領域に応じて、エラー判定の内容を調整することも可能である。例えば、重要な領域については、エラーと判定されやすくすることで、エラーの見逃しを抑止できる。或いは、重要度の低い領域については、エラーと判定されにくくすることで、割り込み要求信号が過剰に出力されることを抑止できる。
エラー判定情報出力部140は、図7に示したように第1判定部81(81−1〜81−4)、第2判定部82(82−1〜82−4)、第3判定部83(83−1〜83−4)を含んでもよい。以下、詳細に説明する。ただし、各判定部の構成は以下で説明するものには限定されず、種々の変形実施が可能である。
図8は、第1判定部81−1の構成例である。以下では説明を省略するが、図8の第1判定部81−2〜81−4についても同様の構成を用いればよい。第1判定部81−1は、遅延回路DA1−1、DA1−2と、比較部CP1と、フレームカウンターFC1を含む。
遅延回路DA1−1には、算出部11からのCRC値が入力され、当該CRC値を1フレーム分遅延させる。遅延回路DA1−2には、遅延回路DA1−1からの出力が入力され、遅延回路DA1−1の出力を更に1フレーム分遅延させる。遅延回路DA1−1,DA1−2は、例えばDフリップフロップにより実現できる。比較部CP1は、遅延回路DA1−1の出力と、遅延回路DA1−2の出力の比較を行う。言い換えれば、比較部CP1はフレームiのCRC値と、1フレーム後であるフレームi+1のCRC値が一致するか否かを判定する。フレームカウンターFC1は、比較部CP1の出力に基づいてカウントアップ、或いはリセットが行われるカウンターである。
図8のmatchedは、フレームiとi+1のCRC値が一致した場合に“1”(ハイレベル、アクティブ)となり、不一致の場合に“0”(ローレベル、非アクティブ)となる信号である。unmatchedは、フレームiとi+1のCRC値が不一致の場合にアクティブとなり、一致した場合に非アクティブとなる信号である。フレームカウンターFC1は、UPに入力される信号がアクティブの場合にカウントアップ(カウンター値のインクリメント)が行われ、CLEARに入力される信号がアクティブの場合にリセット(例えばカウンター値=0)が行われる。
図8に示した第1判定部81−1により、エラー判定情報出力部140は、第iのフレームでの誤り検出符号と、第i+1のフレームでの誤り検出符号との比較結果に基づいて、エラー判定情報として第1のエラー判定情報を出力する。
表示用画像データの中には、多くのケースにおいて表示内容(画素値)が変化しない領域が存在しうる。例えば、回路装置100が車両に設けられる場合、表示パネルの一部に車両の異常を知らせる警告灯を表示する場合がある。警告灯は、異常が発生していない場合には第1のカラーパターン(例えば警告灯表示領域全面を緑色とするパターン)で表示され、異常発生時には第2のカラーパターン(例えば全面赤色)で表示される。このようにすれば、異常の発生の有無をユーザーに対して明確に通知できるためである。
警告灯が第2のカラーパターンで表示される場合とは、ユーザーに危険が生じるほどの重大な異常が発生している場合であるため、多くのケースでは、警告灯は第1のカラーパターンで表示されることになる。結果として、警告灯の表示領域の一部又は全部をエラー検出領域とした場合、当該エラー検出領域でのCRC値は、多くのケースで一定となる。また、警告灯以外でも、同様の表示の継続が想定される領域は考えられ、当該領域をエラー検出領域とした場合、CRC値は長期間不変であることが期待される。
つまり、CRC値が不変であることが想定されるエラー検出領域を対象とした場合、CRC値が不変(1フレーム前と一致)の場合には通信エラーは発生しておらず、CRC値が変化した場合に通信エラーの発生が疑われると判定することが可能である。
例えば、第1判定部81−1は、所定時間ごとにフレームカウンターFC1の値をチェックする。通信エラーが発生していなければ、フレームカウンターFC1のカウント値は、経過時間(経過フレーム数)により決定される値となっている。一方、通信エラーが発生していれば、発生したフレームに対応するタイミングでリセットがかかるため、カウント値はエラー非発生時に比べて小さい値となる。第1判定部81−1は、カウンターのカウント値の大きさに基づいて、通信エラーを判定し、判定結果を第1のエラー判定情報として出力する。
図9は、第2判定部82−1の構成例である。以下では説明を省略するが、図7の第2判定部82−2〜82−4についても同様の構成を用いればよい。第2判定部82−1は、積算カウンターAC1により実現できる。
積算カウンターAC1は、エラー検出部130の比較部21からの比較結果信号がUPに入力され、比較結果信号に基づいて、カウントアップが行われるカウンターである。図9では、比較結果信号は、CRC値と期待値が不一致の場合に“1”(アクティブ)となり、一致した場合に“0”(非アクティブ)となる信号である。ただし、比較結果信号が、CRC値と期待値が一致した場合にアクティブとなり、不一致の場合に非アクティブとなる信号であってもよい。その場合、第2判定部82−1は不図示の反転回路(ノット回路)を含み、比較結果信号を反転した上で、積算カウンターAC1のUPに入力してもよい。
積算カウンターAC1は、比較結果信号がアクティブ、即ち、CRC値と期待値が不一致の場合にカウントアップを行う。これにより、積算カウンターAC1では、CRC値と期待値が一致しなかった回数(CRCエラーの発生回数)を積算することができる。そして、積算カウンターAC1では、所定の閾値を設定しておき、CRCエラー発生回数が当該閾値を超えた場合に、エラーと判定する。CRCエラー発生回数が多ければエラーの深刻度も高いと考えられる。即ち、積算カウンターAC1を用いることで、深刻な通信エラーの発生判定を行うことが可能になる。
図9に示した第2判定部82−1により、エラー判定情報出力部140は、誤り検出符号に基づくエラーの検出回数の積算値が所与の回数になった場合に、エラー判定情報として第2のエラー判定情報を出力する。なお、ここでの所与の回数は種々の設定が可能であり、図9の例であれば、31、63、127、255回の4通りの候補のうち、いずれかを選択可能としている。例えば、重要なエラー検出領域に対しては、相対的に小さい値を設定し、重要度の低いエラー検出領域に対しては、相対的に大きい値を設定するとよい。このようにすれば、重要度に応じた柔軟なエラー判定が可能になる。
図10は、第3判定部83−1の構成例である。以下では説明を省略するが、図7の第3判定部83−2〜83−4についても同様の構成を用いればよい。第3判定部83−1は、第1〜第4の遅延回路(Dフリップフロップ)DB1−1〜DB1−4と、アンド回路AN1を含む。
第1の遅延回路DB1−1には、エラー検出部130の比較部21からの比較結果信号が入力される。ここでは上述した例と同様に、比較結果信号がCRC値と期待値が不一致の場合にアクティブとなり、一致した場合に非アクティブとなる信号である例を示したが、種々の変形実施が可能である。第1の遅延回路DB1−1の出力bit1は、第2の遅延回路DB1−2に入力される。第2の遅延回路DB1−2の出力bit2は、第3の遅延回路DB1−3に入力される。第3の遅延回路DB1−3の出力bit3は、第4の遅延回路DB1−4に入力される。bit1〜bit3、及び第4の遅延回路DB1−4の出力bit4は、アンド回路AN1に入力される。
遅延回路DB1−1〜DB1−4は、クロック信号として、画像データのフレームタイミングに相当する信号が入力される。つまり遅延回路DB1−1〜DB1−4は、比較結果信号を1フレームずつ遅延させる回路となり、bit1〜bit4は、異なる4フレーム(狭義には連続する4フレーム)の比較結果信号を表すことになる。
アンド回路AN1は、bit1〜bit4の論理積を出力するため、アンド回路AN1の出力は、bit1〜bit4の全てがアクティブの場合、即ち、4フレーム連続して、CRC値と期待値が不一致の場合にアクティブとなる。上述したように、CRCエラー自体は1秒当たり数回発生する可能性はあるが、複数フレームで連続することは通常では考えにくい。よって、CRCエラーが複数フレーム連続した場合には、重大な通信エラーが発生していると判定できる。
図10に示した第3判定部83−1により、エラー判定情報出力部140は、誤り検出符号に基づくエラーの検出が所与の設定フレーム数連続して発生した場合に、エラー判定情報として第3のエラー判定情報を出力する。なお、図10では所与の設定フレーム数が4である例を示したがこれには限定されない。例えば、図10には不図示の他のアンド回路を追加してもよい。具体的には、bit1とbit2が入力される2入力のアンド回路、及びbit1〜bit3が入力される3入力のアンド回路を追加してもよい。
その上で、第3判定部83−1の出力を、bit1そのもの、bit1とbit2の論理積、bit1〜bit3の論理積、bit1〜bit4の論理積のいずれかから選択可能に設定する。このようにすれば、上記所与の設定フレーム数を、1〜4から選択可能となり、重要度に応じた柔軟なエラー判定が可能になる。また、設定フレーム数として5フレーム以上を設定可能な構成としてもよい。なお、上述した第2判定部82−1と同様に、重要なエラー検出領域ほど、設定フレーム数を小さくするとよい。
なお、図7では複数のエラー検出領域の全てに対して、第1〜第3判定部を設ける例を示したがこれには限定されない。例えば、所与のエラー検出領域に対しては、第1判定部81を設けない、或いは構成としては設けるが動作させない(非アクティブにする)といった変形実施も可能である。
なお、本実施形態でのエラー判定情報の出力は種々の手法により実現可能である。例えば上述してきたように、エラー判定情報の出力は、処理装置200に対する割り込み要求信号の出力であってもよい。或いは、エラー判定情報の出力は、レジスター部150への書き込みであってもよい。この場合、処理装置200側が定期的にレジスター部150の対応する領域を読み込むことで、エラーの発生状況を確認する(ポーリング)。
一例としては、エラー判定情報出力部140は、上述した第1判定部81からの第1のエラー判定情報の出力を、レジスター部150への書き込みにより行い、第2判定部82からの第2のエラー判定情報及び第3判定部83の第3のエラー判定情報の出力を、割り込み要求信号の出力により行う。なお、この例ではエラー判定情報出力部140は、第2判定部82−1〜82−4及び第3判定部83−1〜83−4での8通りの判定の結果に基づいて、割り込み要求信号を出力することになる。例えば、第2判定部82−1〜82−4及び第3判定部83−1〜83−4のいずれか1つでエラーと判定された場合に、割り込み要求信号を出力すればよい。
処理装置200が割り込み要求信号を受信した場合の動作は、種々想定できる。例えば、処理装置200が回路装置100への画像データの送信を停止してもよいし、或いは処理装置200が特定の表示制御(例えば黒表示(画面全体を黒にする)や所定パターンの表示)を回路装置100に指示してもよい。或いは、処理装置200が回路装置100の動作を停止させたり、回路装置100をリセットしたりしてもよい。
この際、複数のエラー検出領域のいずれのエラー検出領域でエラーと判定されたに応じて、処理装置200での動作を変更してもよい。或いは、複数のエラー判定情報(上記の例では第1〜第3のエラー判定情報)のいずれのエラー判定情報が出力されたかに応じて、処理装置200での動作を変更してもよい。上述してきたように、本実施形態ではエラー検出領域を柔軟に設定可能であり、領域ごとに重要度等が異なる場合がある。また、エラー判定情報についても、互いに判定処理の内容が異なるため、いずれの判定でエラーと判定されたかに応じて、エラーの発生状況が異なる。そのため、エラー検出領域やエラー判定情報の内容を特定することで、処理装置200は、領域及び判定内容に応じた適切な対応を行うことが可能になる。
また、以上ではエラーと判定された場合に、処理装置200側で対応を行う例を示したがこれには限定されない。本実施形態の回路装置100は、当該回路装置の動作制御を行う制御部110を更に含み、エラー判定情報出力部140は、誤り検出符号に対する判定処理が互いに異なる複数のエラー判定情報を、エラー判定情報として出力する。そして回路装置100の制御部110は、複数のエラー検出領域のいずれのエラー検出領域でエラーと判定されたかを表す情報、及び、複数のエラー判定情報のいずれのエラー判定情報が出力されたかを表す情報、の少なくとも一方に基づいて、動作制御を行う。
即ち、エラーと判定された場合には、回路装置100側でエラー用の動作制御を実行してもよい。ここでの動作制御は、処理装置200の例と同様に種々考えられ、外部への画像データの出力(例えば回路装置100である表示コントローラー400から、表示ドライバー300への出力)を停止してもよいし、黒表示や特定パターン、或いは回路装置100内部に保存されている画像を表示するような特定の表示制御を行ってもよい。
また本実施形態の手法は、画像データを受信するインターフェース部160と、画像データの第1のエラー検出領域において、画像データの誤り検出符号を演算して、エラー検出を行う第1のエラー検出部と、画像データの第2のエラー検出領域において、画像データの誤り検出符号を演算して、エラー検出を行う第2のエラー検出部と、を含む回路装置100に適用できる。
ここで、第1のエラー検出部とは、例えば図7のエラー検出部130のうちの算出部11及び比較部21に対応し、第2のエラー検出部とは、算出部12及び比較部22に対応する。
そして回路装置100は、第1のエラー検出部から出力された、第1のフレームの画像データの誤り検出符号と、第1のフレームより後の第2のフレームの画像データの誤り検出符号と、に基づくエラー判定情報を出力する第1のエラー判定情報出力部と、第2のエラー検出部から出力された、第3のフレームの画像データの誤り検出符号と、第3のフレームより後の第4のフレームの画像データの誤り検出符号と、に基づくエラー判定情報を出力する第2のエラー判定情報出力部と、を含む。
ここで、第1のエラー判定情報出力部とは、例えば図7のエラー判定情報出力部140のうちの、第1判定部81−1、第2判定部82−1、第3判定部83−1に対応する。第2のエラー判定情報出力部とは、第1判定部81−2、第2判定部82−2、第3判定部83−2に対応する。
このようにすれば、画像に対して複数のエラー検出領域を設定するとともに、エラー検出領域ごとに、エラー検出処理、及びエラー判定情報の出力処理を行うことが可能になる。即ち、本実施形態の手法では、複数フレームを用いたエラー判定をエラー検出領域ごとに独立に行う(エラー検出部130からの出力をエラー検出領域ごとに独立に行う)こと等が可能になる。例えば、警告灯を表示する領域を第1のエラー検出領域とし、その他の領域を第2のエラー検出領域としてもよい。このようにすれば、エラー検出領域の特性(狭義には重要度合い)に応じて、領域ごとに処理を行うことが可能になる。
5.エラー検出用データを受信する手法の他の例
以上では、画像データにエラー検出用データを含め、インターフェース部160は、画像データ用のインターフェースを用いてエラー検出用データを受信する例について説明した。このようにすれば、各フレームにおいて表示用画像データの受信を阻害することなく、容易にエラー検出用データを受信することができ、レジスター部150へのエラー検出用データの書き込み等も不要である。
ただし、エラー検出用データの受信手法はこれには限定されない。例えば、画像データ用のインターフェースとは異なるインターフェースを用いてエラー検出用データを受信してもよい。また、受信したエラー検出用データをレジスター部150へ書き込むことで、エラー検出を行ってもよい。以下、詳細に説明する。
図11に、エラー検出部130、レジスター部150の詳細な構成例を示す。エラー検出部130は、算出部11〜14、比較部21〜24、エラー検出領域設定部30(エラー領域設定回路)を含む。算出部11〜14、及び比較部21〜24については図7と同様の構成である。
レジスター部150は、第1〜第4の位置情報レジスター51〜54、第1〜第4の期待値レジスター61〜64を含む。なお、図7の例と同様に算出部等は2以上の任意の個数であってよい。
位置情報レジスター51〜54には、処理装置200から第1〜第4のエラー検出領域の位置情報が書き込まれる。期待値レジスター61〜64には、処理装置200から第1〜第4のエラー検出領域のCRCの期待値が書き込まれる。
例えば、位置情報と期待値情報は、I2C通信や3線又は4線のシリアル通信等により、画像データとは別のインターフェースでレジスター部150に書き込まれる。或いは、期待値情報は、画像データのインターフェースを介してレジスター部150に書き込まれてもよい。
算出部11〜14は、位置情報レジスター51〜54から位置情報を読み出し、画像データ(表示用画像データ)から第1〜第4のエラー検出領域のCRC値を算出する。
比較部21〜24は、期待値レジスター61〜64からの第1〜第4のエラー検出領域のCRCの期待値と、算出部11〜14からの第1〜第4のエラー検出領域のCRC値とを比較する。比較部21〜24は、期待値とCRC値が一致した場合には比較結果信号として“0”(ローレベル、非アクティブ)を出力し、期待値とCRC値が不一致の場合には比較結果信号として“1”(ハイレベル、アクティブ)を出力する。
図12に、エラー検出処理のタイミングチャートを示す。回路装置100の制御部110(タイミング制御部)には、処理装置200から垂直同期信号VSYNCと水平同期信号HSYNCとデータイネーブル信号DEが供給される。なお、これらの信号が直接に処理装置200から供給される場合に限らず、処理装置200から供給される何らかの同期信号に基づいて制御部110が、これらの信号を生成してもよい。
垂直同期信号VSYNCは垂直走査期間(フレーム)を規定する信号であり、垂直同期信号VSYNCの立ち下がりから次の立ち下がりまでが1つの垂直走査期間である。1つの垂直走査期間において、1つのフレーム画像の画像データが処理装置200から回路装置100に送信される。
水平同期信号HSYNCは水平走査期間を規定する信号であり、水平同期信号HSYNCの立ち下がりから次の立ち下がりまでが1つの水平走査期間である。1つの水平走査期間において、1本の水平走査線の画像データが処理装置200から回路装置100に送信される。
データイネーブル信号DEは、水平走査期間の一部(データ有効期間)でアクティブ(ハイレベル)となり、その期間に水平走査線の画像データが処理装置200から回路装置100に送信される。データ有効期間とデータ有効期間の間を水平帰線期間と呼び、この期間には画像データは送信されない。また垂直走査期間の切り替わりに垂直帰線期間が設けられており、垂直帰線期間にはデータイネーブル信号DEが非アクティブ(ローレベル)となる。この期間には画像データは送信されない。図12の例では、垂直帰線期間は4水平帰線期間に相当し、そのうちの2水平帰線期間において垂直同期信号VSYNCがローレベルとなる。垂直帰線期間が終了し、次の垂直帰線期間が開始するまでの間に、フレーム画像の画像データ(表示用画像データ)が送信される。
エラー検出処理は、上記の垂直帰線期間において実行される。即ち、垂直帰線期間が開始された後の第1のレジスターアクセス期間TA1において、処理装置200が期待値レジスター61〜64にCRCの期待値を書き込む。この期待値は、垂直帰線期間の直前のフレームに送信される画像データから求めた期待値である。第1のレジスターアクセス期間TA1の後のエラー検出期間TB1において、比較部21〜24が、算出部11〜14において算出されたCRC値と期待値との比較を行う。なお、算出部11〜14は、垂直帰線期間の直前のフレームに送信される画像データからCRC値を算出する。この算出処理は、画像データが入力されるのに伴って逐次に行っており(即ち、垂直帰線期間に行うとは限らない)、エラー検出期間TB1よりも前に終了する。エラー検出期間TB1の後の第2のレジスターアクセス期間TA2において、処理装置200が位置情報レジスター51〜54にエラー検出領域の位置情報を書き込む。この位置情報は、垂直帰線期間の直後のフレームに送信される画像データに適用されるエラー検出領域の位置情報である。
エラー検出部130によりCRC値及び比較結果信号が求められた後の処理については、図7を用いて上述した例と同様である。或いは、エラー検出部130は、比較結果信号をエラー判定情報出力部140(エラー信号出力部)に出力し、エラー判定情報出力部140は、エラー検出部130からの比較結果信号(検出信号)がアクティブの場合に、エラー信号を処理装置200に出力してもよい。即ち、エラー判定情報出力部140の構成を、図7〜図10に比べて簡略化してもよい。この場合、エラー検出部130は、複数のエラー検出領域の各エラー検出領域に対して画像データのエラー検出を行い、各エラー検出領域についての検出信号を出力する(即ち複数の検出信号を出力する)。そしてエラー信号出力部は、複数の検出信号のうち1つでもアクティブである場合、エラー信号を出力する。
なお、位置情報、期待値情報をレジスター部150に書き込む場合、複数フレーム分のエラー検出用データをまとめてレジスター部150へ書き込んでおき、いずれの位置情報を用いるかを、エラー検出領域設定部30により設定することも可能である。
エラー検出領域設定部30は、各フレームにおいて、第1〜第4のエラー検出領域のいずれのエラー検出領域でエラー検出を行うかを設定(制御)する。具体的には、エラー検出領域設定部30は、垂直同期信号VSYNCをカウントするフレームカウンター31を含み、そのフレームカウンター31のカウント値に応じて、検出対象のエラー検出領域を選択する。
例えば、図11に示したように、第1〜第4の位置情報レジスター51〜54及び第1〜第4の期待値レジスター61〜64を用いて、4つのエラー検出領域に関するエラー検出用情報をレジスター部150に記憶した場合を考える。この場合、図4に示したように1フレーム当たり4つのエラー検出領域AR1〜AR4を継続して設定することが可能である(以下、これを第1手法とする)。ただし、上記4つのエラー検出領域の情報を用いることで、以下の第2〜第4手法等の変形実施も可能になる。
図13に、エラー検出の第2手法の説明図を示す。第2手法では、1つのフレーム画像に対して1つのエラー検出領域でエラー検出を行う。図13に示すように、例えば第1フレームのフレーム画像IMG1に対して第1のエラー検出領域AR1でエラー検出を行い、第2フレームのフレーム画像IMG2に対して第2のエラー検出領域AR2でエラー検出を行い、第3フレームのフレーム画像IMG3に対して第3のエラー検出領域AR3でエラー検出を行い、第4フレームのフレーム画像IMG4に対して第4のエラー検出領域AR4でエラー検出を行う。第5フレーム以降も、これを同様に繰り返す。
例えば第1フレームを例にとると、処理装置200は、フレーム画像IMG1のエラー検出領域AR1でのCRC値を算出し、そのCRC値を期待値としてレジスター部150に書き込む。そしてエラー検出部130は、フレーム画像IMG1のエラー検出領域AR1でのCRC値を算出し、その算出値と期待値とを比較する。エラー信号出力部(エラー判定情報出力部140)は、算出値と期待値が一致しない場合、割り込み要求信号を処理装置200に出力する。第2〜第4フレームでは、第2〜第4のエラー検出領域AR2〜AR4について同様のエラー検出処理を行う。なお、エラー検出領域AR1〜AR4の位置情報は、第1手法と同様に始点と終点の座標で指定される。
各フレームで用いるエラー検出領域は、例えば以下のように制御される。即ち、エラー検出領域AR1〜AR4の位置情報を一括してレジスター部150に書き込んでおき、どのフレームでどのエラー検出領域の位置情報を用いるかをフレームカウンターの出力に基づいて制御する。このとき、処理装置200が、各フレームでどのエラー検出領域を有効にするかを指定するレジスター値をレジスター部150に書き込み、エラー検出部130が、各フレームにおいて、レジスター値により指定されるエラー検出領域のエラー検出を行う。或いは、エラー検出部130は各フレームで全てのエラー検出領域AR1〜AR4のエラー検出を行い、エラー信号出力部が、レジスター値により指定されるエラー検出領域のエラー検出結果だけを有効にして(そのような重み付けを行って)、その有効なエラー検出結果だけに基づいて割り込み要求信号を出力してもよい。
第2手法によれば、画像全体ではなく、その一部のエラー検出領域についてエラー検出を行うと共に、各フレームで異なるエラー検出領域を設定する。これにより、処理装置200がCRC値を演算するデータ量が削減され、処理装置200の処理負荷を低減できる。また、各フレームで異なるエラー検出領域を設定することで、画像のより広い領域でのエラー検出が可能となり、検出漏れを低減できる。
図14に、エラー検出の第3手法の説明図を示す。第3手法では、第1フレームのフレーム画像と第2フレームのフレーム画像とで、異なる数のエラー検出領域でエラー検出を行う。図14に示すように、例えば第1フレームのフレーム画像IMG1に対して第1のエラー検出領域AR1でエラー検出を行い、第2フレームのフレーム画像IMG2に対して第2〜第4のエラー検出領域AR2〜AR4でエラー検出を行う。第3フレーム以降も、これを同様に繰り返す。或いは、第3フレームでは第1、第2のエラー検出領域AR1、AR2のエラー検出を行い、第4フレームでは第3、第4のエラー検出領域AR3、AR4のエラー検出を行う等、更にエラー検出領域の数を変えていってもよい。
エラー検出領域AR1〜AR4の位置情報は、第1手法と同様に始点と終点の座標で指定される。また、各フレームで用いるエラー検出領域は、第2手法と同様の手法で制御される。
第3手法によれば、第2手法と同様に処理装置200の処理負荷を低減すると共に、画像のより広い領域でのエラー検出が可能となる。
図15に、エラー検出の第4手法の説明図を示す。第4の手法では、画像を複数の領域に分割し、その分割領域をフレーム毎に順番に選択していき、その選択した分割領域をエラー検出領域としてエラー検出を行う。例えば図15では、8行×(M/2)列の分割領域が設定されており、2行でM個(Mは3以上の整数であり、図15の例ではMは偶数)の分割領域が配置されている。1行目、2行目の分割領域をAR11〜AR1M(第1群のエラー検出領域)とし、3行目、4行目の分割領域をAR21〜AR2M(第2群のエラー検出領域)とし、5行目、6行目の分割領域をAR31〜AR3M(第3群のエラー検出領域)とし、7行目、8行目の分割領域をAR41〜AR4M(第4群のエラー検出領域)とする。第1フレームのフレーム画像IMG1では、分割領域AR11、AR21、AR31、AR41がエラー検出領域であり、第2フレームのフレーム画像IMG2では、分割領域AR12、AR22、AR32、AR42がエラー検出領域である。これを第Mフレームまで繰り返し、第M+1フレームでは再び第1フレームと同様のエラー検出領域となる。
各フレームにおけるエラー検出領域は、例えば以下のように制御する。即ち、処理装置200が、第1フレームでは分割領域(エラー検出領域)AR11、AR21、AR31、AR41の位置情報をレジスター部150に書き込み、第2フレームでは分割領域(エラー検出領域)AR12、AR22、AR32、AR42の位置情報をレジスター部150に書き込む。これを第Mフレームまで繰り返すことによって各フレームでのエラー検出領域を制御する。この場合、位置情報は各分割領域の始点と終点の座標である。
或いは、処理装置200が、第1〜第4群のエラー検出領域における先頭の分割領域AR11、AR21、AR31、AR41の位置情報(始点と終点の座標)と、最終の分割領域AR1M、AR2M、AR3M、AR4Mの位置情報(終点の座標)とをレジスター部150に書き込む。エラー検出部130は、これらの位置情報から各分割領域の始点と終点の座標を求める。例えば、分割領域AR11の横幅が100画素である場合、分割領域AR11の始点SP11と終点EP11の座標を水平走査方向に100だけシフトした座標が、分割領域AR12の始点と終点の座標となる。このようにして求めていった終点の座標が、分割領域AR1Mの終点EP1Mの座標に一致した場合、その領域を最終の分割領域とする。エラー検出部130は、例えば垂直同期信号が入力される度に1つずつ分割領域をシフトさせ、その分割領域の位置情報でレジスター部150を更新することによって、各フレームでのエラー検出領域を制御する。
なお、第1〜第4群のエラー検出領域の全ての群についてエラー検出を行ってもよいし、その一部(任意の1群又は2群又は3群)についてエラー検出を行ってもよい。例えば、第1〜第Mフレームでは第1〜第4群のエラー検出領域の全ての群についてエラー検出を行い、その次の第M+1〜第2Mフレームでは第4群のエラー検出領域のみでエラー検出を行ってもよい。例えば処理装置200がレジスター部150に、どの群を有効にするかを指示するレジスター値を書き込むことで、どの群を有効にするかを制御する。例えば、画像の上3/4が黒で、下1/4にのみ表示がある場合、その下1/4に対応する第4群のエラー検出領域を有効にする。処理装置200は、画像データがどのようなものであるか知っているため、このような制御が可能である。連続した黒の画像データを多く含むような画像ではCRCの信頼性(エラー検出率)が低くなるので、そのような領域でのCRC値の演算を省略することで、処理装置200の処理負荷を軽減できる。
第4手法によれば、第2、第3手法と同様に処理装置200の処理負荷を低減できる。また、分割領域をフレーム毎に順に選択していくことで、画像の全体についてエラー検出することになり、検出漏れをより低減することが可能となる。
さて、画像の全体について画像データの通信エラーを検出する場合、処理装置200が画像全体についてエラー検出の期待値を演算するため演算対象のデータ量が大きくなり、処理負荷が大きくなる。一方、エラー検出領域を画像全体より小さい固定領域にした場合、処理装置200の処理負荷が低減されるが、画像の一部についてしかエラー検出できなくなってしまう。
この点、本実施形態では、回路装置100は、画像データのエラー検出を行うエラー検出部130と、エラー検出の結果に基づいてエラー信号を出力するエラー信号出力部と、を含む。nを2以上の整数とし、i、jを1以上n以下の整数とし、且つ、i≠jとする。第1〜第nのフレーム画像の第iのフレーム画像に対して、第iフレーム用のエラー検出領域が設定され、且つ、第1〜第nのフレーム画像の第jのフレーム画像に対して、第iフレーム用のエラー検出領域とは異なる位置に第jフレーム用のエラー検出領域が設定される。この場合に、エラー検出部130は、第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域の画像データに基づいてエラー検出を行う。エラー信号出力部は、第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域でのエラー検出の結果に基づいてエラー信号を出力する。
本実施形態によれば、第iのフレーム画像では第iフレーム用のエラー検出領域でエラー検出が行われ、第jのフレーム画像では第jフレーム用のエラー検出領域でエラー検出が行われ、これらの第i、第jフレーム用のエラー検出領域は位置が異なっている。これにより、各フレームにおいて異なる位置のエラー検出領域でエラー検出を行うことが可能となり、画像の広い範囲でのエラー検出が可能となる。また1つのフレームでは画像全体よりも小さい領域でエラー検出を行っているので、処理装置200の処理負荷を低減できる。
ここで、エラー検出とは、処理装置200が回路装置100に送信しようとする画像データと、回路装置100が実際に受信した画像データとが、一致しているか否かをチェックすること(通信エラーの検出)である。またエラー信号とは、エラー検出の結果に関する信号であり、例えば画像データのエラーが検出されたか否かを示す信号、或いはエラー検出の結果に応じて何らかの動作を処理装置200に要求する信号等である。またフレーム画像とは、1つのフレームにおいて表示される画像(又は表示される予定の画像)のことである。例えば30fps(frames per second)で表示パネルの表示を更新する場合、1/30秒が1フレームであり、その1フレームで描画される画像がフレーム画像である。なお、ここでのフレーム画像は、処理装置200が回路装置100に送信した段階での画像である。即ち、最終的に表示される際のフレーム画像と、エラー検出の対象となるフレーム画像は、その間に画像処理が行われる可能性があるため、全く同じ画像とは限らない。
例えば図13の第2手法では、n=4である。i=1、j=2の場合を例にとると、第iフレーム用のエラー検出領域はAR1であり、第jフレーム用のエラー検出領域はAR2である。これらのエラー検出領域AR1、AR2は位置が異なっている。図13の例では位置は領域の始点と終点に対応している。ただし、領域の位置はこれに限定されず、例えば始点のみ、或いは領域の中心点(例えば2本の対角線が交差する点)を位置としてもよい。
図14の第3手法では、n=2である。i=1、j=2とすると、第iフレーム用のエラー検出領域はAR1であり、第jフレーム用のエラー検出領域はAR2〜AR4である。このように、第i、第jフレーム用のエラー検出領域は複数の領域から構成されていてもよい。この場合、領域の位置は、複数の領域の各領域の位置(例えば始点と終点)であり、複数の領域のいずれか1つでも位置が異なっていればよい。例えば図14の例では、第jフレーム用のエラー検出領域AR2〜AR4の各領域は、全て第iフレーム用のエラー検出領域AR1と位置が異なっている。例えば、第jフレーム用のエラー検出領域がAR1とAR2であってもよい。この場合、領域AR2が第iフレーム用のエラー検出領域AR1と位置が異なっている。
図15の第4手法では、n=Mである。i=1、j=2とすると、第iフレーム用のエラー検出領域はAR11〜AR41であり、第jフレーム用のエラー検出領域はAR12〜AR42である。
また本実施形態では、回路装置100は、第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域の位置情報を記憶するレジスター部150を含む。第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域は、レジスター部150に記憶される位置情報に基づいて設定される。
図4等で説明したように、位置情報は、例えば始点SP1〜SP4の座標(始点にあたる画素の座標)と終点EP1〜EP4の座標(終点にあたる画素の座標)である。この場合、エラー検出部130は、始点と終点を結ぶ線を対角線とする四角形の領域を、エラー検出領域とする。
本実施形態によれば、レジスター部150に第i、第jフレーム用のエラー検出領域の位置情報が書き込まれることによって、エラー検出の対象となるエラー検出領域を設定することができる。そして、第i、第jフレーム用のエラー検出領域の位置情報として、互いに異なる位置情報がレジスター部150に書き込まれることによって、互いに位置が異なる第i、第jフレーム用のエラー検出領域を設定できる。
また本実施形態では、レジスター部150は、第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域の位置情報と共に、エラー検出の期待値情報を記憶する。エラー検出部130は、期待値情報に基づいてエラー検出を行う。
期待値情報は、送信側である処理装置200が求めたものであり、例えば第iフレーム用のエラー検出領域の期待値情報は、処理装置200が第iフレーム画像の表示データのうち、第iフレーム用のエラー検出領域の表示データから求めたものである。
本実施形態によれば、第i、第jフレーム用のエラー検出領域に対応するエラー検出の期待値情報がレジスター部150に書き込まれることで、第i、第jフレーム用のエラー検出領域についてのエラー検出が可能となる。
また本実施形態では、回路装置100は、インターフェース部160を含む。位置情報と期待値情報は、インターフェース部160を介して外部の処理装置200によりレジスター部150に設定される。
例えば、位置情報と期待値情報は、I2C通信や3線又は4線のシリアル通信等により、画像データとは別のインターフェースでレジスター部150に書き込まれる。或いは、期待値情報は、画像データのインターフェースを介してレジスター部150に書き込まれてもよい。この場合、画像データが送信されない期間(例えば後述の帰線期間)において期待値情報が送信される。例えば1画素の画像データが24ビット(RGB各8ビット)で、期待値情報が16ビットのCRC値である場合、画像データと同じフォーマットの24ビットのデータに16ビットのCRC値を埋め込んで送信する。例えばRGB各8ビットのうちRGの16ビットをCRC値として処理装置200が送信し、インターフェース部160は、受信した24ビットのうちRGの16ビットを取り出して期待値情報としてレジスター部150に書き込む。どのタイミングで受信した画像データが期待値情報であるかは、制御部110(タイミング制御部)のタイミング制御によって知ることができる。
本実施形態によれば、インターフェース部160を介して外部の処理装置200によりレジスター部150に位置情報と期待値情報が設定されることで、その位置情報に基づいてエラー検出領域を設定し、その期待値情報に基づいてエラー検出領域でのエラー検出を行うことができる。
また本実施形態では、画像データの帰線期間において受信した期待値情報と位置情報が、レジスター部150に設定される。
帰線期間とは、画像データの非送信期間であり、例えば垂直帰線期間である。図12に示すように、垂直帰線期間は、フレーム画像の画像データの送信期間(データ有効期間が存在する水平走査期間を合わせた期間)と、次のフレーム画像の画像データの送信期間との間の期間(データ有効期間が存在しない水平走査期間を合わせた期間)である。
処理装置200が期待値情報を求めたフレーム画像と、回路装置100がエラー検出を行うフレーム画像とは一致している必要がある。この点、本実施形態によれば、画像データの帰線期間において期待値情報を受信することで、その期待値情報が、その帰線期間の前に受信したフレーム画像の期待値情報であることが明確に対応づけられる。また、エラー検出領域の位置情報はエラー検出を行う前に知っておく必要がある。この点、本実施形態によれば、画像データの帰線期間において位置情報を受信することで、その位置情報が、その帰線期間の次に受信するフレーム画像でのエラー検出領域の位置情報であることが明確に対応付けられる。
また本実施形態では、第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域の各エラー検出領域として、複数のエラー検出領域が設定される。
例えば図14の第3手法では、第2フレーム用のエラー検出領域として、3つのエラー検出領域AR2〜AR4が設定される。図15の第4手法では、各フレーム用のエラー検出領域として、4つの分割領域(例えばAR11〜AR41)が設定される。
また本実施形態では、第iフレーム用のエラー検出領域の個数と第jフレーム用のエラー検出領域の個数とが異なる個数(可変の個数)となるように、第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域が設定されてもよい。
例えば図14の第3手法では、第1フレーム用のエラー検出領域として、1つのエラー検出領域AR1が設定され、第2フレーム用のエラー検出領域として、3つのエラー検出領域AR2〜AR4が設定される。
本実施形態によれば、各エラー検出領域として複数のエラー検出領域が設定され、或いは各エラー検出領域として異なる個数のエラー検出領域が設定される。これにより、表示画像の内容に合わせて適切なエラー検出領域を設定する等、自在なエラー検出領域の設定が可能となる。例えば、あるフレームでは画像の一部にのみ表示がある場合、そのフレームでは、その一部にだけ1つのエラー検出領域を設定し、それとは別のあるフレームでは画像の広い範囲に表示がある場合、そのフレームでは、その範囲内に複数のエラー検出領域を設定できる。
また図11で上述したように、エラー検出部130はエラー検出領域設定部30を含む。エラー検出領域設定部30は、フレームカウンター31のカウント値に基づいて、複数のエラー検出領域の中からエラー検出の対象となる第iフレーム用のエラー検出領域及び第jフレーム用のエラー検出領域を設定する。
具体的には、レジスター部150に複数のエラー検出領域の位置情報が設定され、その複数のエラー検出領域のうち、どのエラー検出領域についてエラー検出を行うか(又は、どのエラー検出領域について検出結果を出力するか)をエラー検出領域設定部30がカウント値に応じて制御する。このような制御が、エラー検出領域をカウント値に基づいてエラー検出領域を設定することに相当する。
本実施形態によれば、複数のエラー検出領域の中から各フレームにおけるエラー検出の対象となるエラー検出領域が設定される。これにより、第i、第jフレーム用のエラー検出領域として複数のエラー検出領域を設定したり、第i、第jフレーム用のエラー検出領域として異なる個数のエラー検出領域を設定したりする等の制御が可能となる。
また本実施形態では、エラー検出領域設定部30は、kを1以上n以下の整数とする場合に、第1〜第nのフレーム画像の第kのフレーム画像における第kフレーム用のエラー検出領域と、第k+1のフレーム画像における第k+1フレーム用のエラー検出領域とが、隣り合うようにエラー検出領域を設定する。
例えば図15の第4手法において、k=1、k+1=2とする。この場合、第kフレーム用のエラー検出領域はAR11〜AR41であり、第k+1フレーム用のエラー検出領域はAR12〜AR42である。領域AR12、AR22、AR32、AR42は、それぞれ領域AR11、AR21、AR31、AR41と隣り合った領域である。ここで領域が隣り合うとは、一方の領域の一辺と他方の領域の一辺とが隣り合う(例えば間に画素がない)ことである。
本実施形態によれば、エラー検出領域がフレーム毎に順次に隣り合った領域にシフトされる。これにより、複数フレームかけて画像全体をすき間無くエラー検出することが可能となり、エラー検出の精度を向上させることができる。
以下、図11の構成例に対応付けて、図4、図13〜図15で説明した各手法での動作を詳細に説明する。フレームカウンター31のカウント値は0〜15(15の次は0に戻る)であるとし、カウント値0〜15が第1〜第16のフレームに対応するものとする。
例えば図4の第1手法では、フレームカウンター31のカウント値に関わらず第1〜第4のエラー検出領域AR1〜AR4の全てが有効となっており、エラー検出領域設定部30は算出部11〜14の全てにCRC値を算出させる。
図13の第2手法では、フレームカウンター31のカウント値が0、4、8、12の場合に第1のエラー検出領域AR1が有効となり、第2〜第4のエラー検出領域AR2〜AF4が無効となる。即ち、エラー検出領域設定部30は、算出部11にCRC値を算出させ、算出部12〜14の動作をディスエーブルにする。ディスエーブルとなった算出部12〜14に対応する比較部22〜24は“0”(非アクティブ)を出力する。この場合、処理装置200は第1の位置情報レジスター51と第1の期待値レジスター61にのみレジスター値を書き込む。以下同様に、カウント値が1、5、9、13の場合に第2のエラー検出領域AR2が有効となり、カウント値が2、6、10、14の場合に第3のエラー検出領域AR3が有効となり、カウント値が3、7、11、15の場合に第4のエラー検出領域AR4が有効となる。
なお、第2手法では以下のような変形例も考えられる。即ち、いずれのフレームにおいても処理装置200は第1〜第4の位置情報レジスター51〜54と第1〜第4の期待値レジスター61〜64にレジスター値を書き込む。またカウント値に関わらず算出部11〜14はCRC値を算出し、比較部21〜24は期待値とCRC値の比較を行う。そして、カウント値が0、4、8、12の場合を例にとると、エラー検出領域設定部30は比較部21の比較結果に1を乗算する重み付けを比較部21に行わせ、比較部22〜24の比較結果に0を乗算させる重み付けを比較部22〜24に行わせる。これにより比較部21は比較結果を出力し、比較部22〜24は“0”を出力することになる。
図14の第3手法では、フレームカウンター31のカウント値が0、2、4、6、8、10、12、14の場合に第1のエラー検出領域AR1が有効となり、フレームカウンター31のカウント値が1、3、5、7、9、11、13、15の場合に第2〜第4のエラー検出領域AR2〜AR4が有効となる。エラー検出領域設定部30は、第2手法と同様にして算出部11〜14や比較部21〜24を制御する。変形例についても同様である。
図15の第4手法では、第1フレームでは、処理装置200は第1〜第4の位置情報レジスター51〜54にエラー検出領域AR11〜AR41の位置情報を書き込み、第1〜第4の期待値レジスター61〜64にエラー検出領域AR11〜AR41のCRCの期待値を書き込む。第2フレームでは、処理装置200は第1〜第4の位置情報レジスター51〜54にエラー検出領域AR12〜AR42の位置情報を書き込み、第1〜第4の期待値レジスター61〜64にエラー検出領域AR12〜AR42のCRCの期待値を書き込む。以降のフレームでも、同様に領域をシフトしていく。例えばM=16の場合、第16フレームでエラー検出領域AR1M〜AR4Mが有効になる。
エラー検出領域設定部30は、フレームカウンター31のカウント値に関わらず、算出部11〜14にCRC値を算出させ、比較部21〜24に比較結果を出力させる。或いは、エラー検出領域設定部30は、算出部11〜14のうち、いずれかをイネーブルに設定し、その他をディスエーブルに設定してもよい。例えば算出部11〜13をディスエーブルに設定し、算出部14をイネーブルに設定する。この場合、第4群のエラー検出領域AR41〜AR4Mのみがエラー検出の対象となる。なお、第2手法で説明した変形例と同様に比較部21〜24における重み付けにより同様の動作を実現してもよい。即ち、算出部11〜14にはCRC値を算出させておき、比較部21〜23には比較結果に0を乗じさせ、比較部24には比較結果に1を乗じさせてもよい。
以上のようなエラー検出領域設定部30の動作は、例えばレジスター設定により実現される。例えば、フレームカウンター31のカウント値と、各カウント値で算出部11〜14のいずれをイネーブルにするか(又は比較部21〜24での重み付け)とを対応付けたレジスター値を、処理装置200がレジスター部150に書き込み、それをエラー検出領域設定部30が参照して動作する。或いは、第1〜第4手法を切り替えるモード設定値をレジスター値として処理装置200がレジスター部150に書き込み、それをエラー検出領域設定部30が参照して動作する。この場合、各カウント値において算出部11〜14のいずれをイネーブルにするか(又は比較部21〜24の重み付け)は、エラー検出領域設定部30が自発的に制御することになる。
また図16は、レジスター部150の第2の詳細な構成例である。図16では、レジスター部150が第1〜第4の算出値レジスター71〜74を更に含んでいる。
第1〜第4の算出値レジスター71〜74には、算出部11〜14が算出したCRC値(CRCの算出値)が格納される。処理装置200は、インターフェース部160を介して第1〜第4の算出値レジスター71〜74からCRC値を読み出すことができる。
処理装置200には、エラー判定情報出力部140からのエラー判定情報(割り込み要求信号)が入力されるだけなので、画像データの通信エラーを知ることはできるが、どのエラー検出領域にエラーが発生したかを知ることができない。本実施形態では、処理装置200が算出値レジスター71〜74を参照することで、どのエラー検出領域にエラーが発生したかを知ることができる。
処理装置200は、エラー信号(割り込み要求信号)を受信した場合、算出値レジスター71〜74からCRC値を読み出して期待値と比較し、どのエラー検出領域にエラーが発生したかを判断する。例えば、処理装置200は、エラーが発生した領域の画像データを回路装置100に再送信して再描画させる等、エラーが発生した領域に応じた処理を行うことが可能となる。
6.電気光学装置、電子機器、移動体
本実施形態の手法は、上記の回路装置100を含む種々の装置に適用できる。例えば、本実施形態の手法は、回路装置100と、電気光学パネル(表示パネル)を含む電気光学装置に適用できる。また、本実施形態の手法は、回路装置100を含む電子機器や移動体に適用できる。
図17に、本実施形態の回路装置100を含む電気光学装置(表示装置)の構成例を示す。電気光学装置は、回路装置100(表示コントローラー)と、表示パネル360と、回路装置100による制御に基づいて表示パネル360を駆動する表示ドライバー300と、を含む。
表示パネル360は、例えばガラス基板と、ガラス基板上に形成される画素アレイ(液晶セルアレイ)とで構成される。画素アレイは、画素、データ線、走査線を含む。表示ドライバー300はガラス基板に実装され、表示ドライバー300と画素アレイとは透明電極(ITO:Indium Tin Oxide)で形成された配線群で接続される。回路装置100はガラス基板とは別の回路基板に実装され、回路基板とガラス基板はフレキシブル基板等で接続される。なお、電気光学装置はこの構成に限定されない。例えば、表示ドライバー300と回路装置100が回路基板に実装され、その回路基板と表示パネル360がフレキシブル基板等で接続されてもよい。
図18に、本実施形態の回路装置100を含む電子機器の構成例を示す。本実施形態の電子機器として、例えば車載表示装置(例えばメーターパネル等)や、ディスプレイ、プロジェクター、テレビション装置、情報処理装置(コンピューター)、携帯型情報端末、カーナビゲーションシステム、携帯型ゲーム端末、DLP(Digital Light Processing)装置等の、表示装置を搭載する種々の電子機器を想定できる。
電子機器は、CPU310(処理装置)、回路装置100(表示コントローラー)、表示ドライバー300、表示パネル360、記憶部320(メモリー)、操作部330(操作装置)、通信部340(通信回路、通信装置)を含む。
操作部330は、ユーザーからの種々の操作を受け付けるユーザーインターフェースである。例えば、ボタンやマウス、キーボード、表示パネル360に装着されたタッチパネル等で構成される。通信部340は、画像データや制御データの通信(送信、受信)を行うデータインターフェースである。例えばUSB等の有線通信インターフェースや、或は無線LAN等の無線通信インターフェースである。記憶部320は、通信部340から入力された画像データを記憶する。或は、記憶部320は、CPU310のワーキングメモリーとして機能する。CPU310は、電子機器の各部の制御処理や種々のデータ処理を行う。回路装置100は表示ドライバー300の制御処理を行う。例えば、回路装置100は、通信部340や記憶部320からCPU310を介して転送された画像データを、表示ドライバー300が受け付け可能な形式に変換し、その変換された画像データを表示ドライバー300へ出力する。表示ドライバー300は、回路装置100から転送された画像データに基づいて表示パネル360を駆動する。
図19に、本実施形態の回路装置100を含む移動体の構成例を示す。本実施形態の移動体として、例えば、車、飛行機、バイク、船舶、或いはロボット(走行ロボット、歩行ロボット)等の種々の移動体を想定できる。移動体は、例えばエンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。
図19は移動体の具体例としての自動車206を概略的に示している。自動車206には、回路装置100を有する表示装置350(電気光学装置)と、自動車206の各部を制御するECU510が組み込まれている。ECU510は、例えば車速や燃料残量、走行距離、各種装置(例えばエアーコンディショナー)の設定等の情報をユーザーに提示する画像(画像データ)を生成し、その画像を表示装置350に送信して表示パネル360に表示させる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また回路装置、処理装置、表示ドライバー、電気光学装置、電子機器、移動体の構成・動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である