以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、第2始動口122は、第2遊技領域116bに位置しており、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。この第2始動口122は、可動片122bを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能もしくは困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球を不可能とする閉状態に維持されている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、開閉扉128bが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる開状態に変移する。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出ボタン208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなるメイン演出表示部200aおよびサブ演出表示部201aを備えている。メイン演出表示部200aは、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置されている。このメイン演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。また、サブ演出表示部201aは、メイン演出表示部200aの上方に設けられており、変動演出中に補助的な演出画像が表示される。
演出役物装置202は、メイン演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、メイン演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出ボタン208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出ボタン208は、メイン演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押し込ませることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
図3は、第2大入賞口128を説明するための図である。上記したように、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2大入賞口128とが設けられているが、このうち、第2大入賞口128の内部には、特定領域140bが設けられている。
図3(a)に示すように、第2大入賞口128の内部には、導出路128dが設けられており、第2大入賞口128は、当該第2大入賞口128に入球した遊技球が、導出路128dに導かれるように傾斜している。そして、導出路128dには、遊技球が通過可能な孔からなる特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が、特定領域140bおよび非特定領域140cのいずれかを通過して、遊技盤108の背面側に排出されるように構成されている。
そして、第2大入賞口128には、特定領域140bおよび非特定領域140cを開閉する可動部材142が設けられている。この可動部材142は、その可動(スライド)によって、特定領域140bへの遊技球の進入を可能とする状態と、特定領域140bへの遊技球の進入を不可能とする状態とに切り換える。より詳細には、可動部材142が、図3(b)に示す位置に変位すると、非特定領域140cが可動部材142によって塞がれ、遊技球は特定領域140bを通過可能となる。一方、可動部材142が、図3(c)に示す位置に変位すると、特定領域140bが可動部材142によって塞がれ、遊技球は非特定領域140cを通過可能となる。詳しくは後述するが、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、大役遊技の実行中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されることとなる。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域140bに遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ140sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128および特定領域140bの開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、電波を検知する電波検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサ等、異常または不正の可能性があることを検知する異常検知センサ174が複数設けられており、各異常検知センサ174から主制御基板300に異常検知信号が入力されるように構成されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御回路320が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御回路320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御回路320には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330c、RTC330dを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330は、上記メイン演出表示部200aおよびサブ演出表示部201aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、メイン演出表示部200aおよびサブ演出表示部201aに表示される種々の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、メイン演出表示部200aおよびサブ演出表示部201aの画像表示を制御する。
また、副制御基板330は、演出役物装置202を可動したり演出照明装置204を点灯制御したりするとともに、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。さらには、演出ボタン208が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
また、詳しい説明は省略するが、遊技盤108の背面には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128、排出口130を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路に、遊技球を検出するアウト球検出スイッチ209sが設けられている。このアウト球検出スイッチ209sは、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が副制御基板330に入力される。副制御基板330においては、アウト球検出スイッチ209sから入力される検出信号に基づいて、遊技球数を計数する。ここで、遊技領域116に発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過して遊技機100の外部に排出されることから、アウト球検出スイッチ209sは、遊技領域116に発射された発射球数、換言すれば、遊技領域116から排出される排出数を計数することとなる。詳しくは後述するが、副制御基板330においては、アウト球検出スイッチ209sが検出する遊技球(以下、「アウト球」と呼ぶ)の数が、所定数に到達するたびに、特定演出を実行する。なお、ここでは、アウト球検出スイッチ209sを上記の合流通路に設けることで、遊技領域116に発射された全ての遊技球を検出することとした。しかしながら、アウト球検出スイッチ209sにより、排出口130を通過した遊技球のみを検出することとし、一般入賞口118等の賞球を伴う入賞口に入球した遊技球を除いたもののみを、排出数として計数してもよい。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。副制御基板330に設けられたRTC330dは、このバックアップ電源から電源供給を受けて現在時刻を計時する。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放されるとともに当該第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図5は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜20164であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率および小当たり確率は、いずれも約1/399.6となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図5(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10618であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/106となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が約4倍となる。なお、低確率遊技状態において「大当たり」となる大当たり決定乱数(10001〜10164)は、高確率遊技状態においても「大当たり」となる。
図6は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」または「小当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(b)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。また、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(c)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図6(c)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルaによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、図6(b)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(小当たり図柄)が決定される。一方、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、ここでは、特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、特2用当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、異なる大当たり図柄がそれぞれ決定されることとした。しかしながら、両テーブルにおいて同一の大当たり図柄が決定されるようにしてもよいし、保留種別を問わず、1の当たり図柄乱数判定テーブルを参照して特別図柄の種別(大当たり図柄)を決定してもよい。
図7は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態、遊技状態に対応付けられている変動状態等に応じて、予め設定されたテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。なお、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留の保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図7(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、通常遊技状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの保留数が1〜2個であれば、図7(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が3個であれば、図7(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図7において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
なお、ここでは、非時短遊技状態において、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出されたときに参照されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについて説明したが、メインROM300bには、この他にも多数のリーチグループ決定乱数判定テーブルが記憶されている。
なお、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。
図8は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「小当たり」であった場合に選択される小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルおよび小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(a)に示し、特1用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(b)に示し、特2用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(c)に示し、特1用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図8(d)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図8(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図8(b)、(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。さらに、上記の大役抽選の結果が「小当たり」であった場合には、図8(d)に示すように、読み出された保留種別に対応する小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図8において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図8〜図10に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図7に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図8(a)に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」または「小当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄または小当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり、または、小当たり当選時の遊技状態等に対応する、図8に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照し、リーチモード決定乱数を用いて、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図9は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
図10は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図10(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図10(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなるが、その詳細については後述する。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼び、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合がある。
図11は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての特別図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A、B、C、D、または、小当たり図柄である特別図柄aが決定されると、図11に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口126および第2大入賞口128を所定の開閉パターンで開閉制御する開閉処理が実行される。大役遊技は、第1大入賞口126および第2大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。
この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、開放大入賞口(各ラウンド遊技において開放される第1大入賞口126および第2大入賞口128)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド遊技中の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における第1大入賞口126および第2大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の第1大入賞口126および第2大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、ラウンド間インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
本実施形態では、大当たり図柄である特別図柄A、B、C、Dが決定された場合には、いずれも15回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。
また、大当たり図柄である特別図柄A、B、C、Dが決定された場合には、1回目、6回目のラウンド遊技では第2大入賞口128が開放され、その他のラウンド遊技では第1大入賞口126が開放される。各ラウンド遊技中は、規定数(8個)の遊技球が第1大入賞口126または第2大入賞口128に入球するか、もしくは、第1大入賞口126または第2大入賞口128が開放されてから所定時間が経過するとラウンド遊技が終了となる。
ここで、特別図柄A、Cが決定されて実行される大役遊技では、1回目のラウンド遊技における第2大入賞口128の最大開放時間が0.1秒に設定されている。したがって、特別図柄A、Cが決定されて実行される大役遊技では、1回目のラウンド遊技中に第2大入賞口128に遊技球が入球することは殆どない。
一方、特別図柄B、Dが決定されて実行される大役遊技では、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128は、0.1秒間開放された後、10.0秒間のラウンド内インターバル時間(ラウンド遊技内の第2大入賞口128の閉鎖時間)に亘って閉鎖状態に維持され、その後、最大で28.9秒間開放される。したがって、特別図柄B、Dが決定されて実行される大役遊技では、この1回目のラウンド遊技において、確実に規定数の遊技球を第2大入賞口128に入球させることが可能となっている。
また、特別図柄A、B、C、Dが決定されて実行される大役遊技では、2〜5回目のラウンド遊技では第1大入賞口126が1回のみ開放される。このとき、特別図柄A、C、Dが決定されて実行される大役遊技では、2〜5回目のラウンド遊技のいずれにおいても、第1大入賞口126が最大で29.0秒開放される。したがって、大当たり図柄である特別図柄A、C、Dが決定されて実行される大役遊技では、この2〜5回目のラウンド遊技において、確実に規定数の遊技球を第1大入賞口126に入球させることが可能となっている。
一方、特別図柄Bが決定されて実行される大役遊技では、2〜5回目のラウンド遊技のいずれにおいても、第1大入賞口126が最大で0.1秒間開放される。したがって、特別図柄Bが決定されて実行される大役遊技では、この2〜5回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126に遊技球が入球することは殆どない。
また、特別図柄A、B、Dが決定されて実行される大役遊技では、6回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒間開放される。したがって、特別図柄A、B、Dが決定されて実行される大役遊技では、6回目のラウンド遊技中に第2大入賞口128に遊技球が入球することは殆どない。
一方、特別図柄Cが決定されて実行される大役遊技では、6回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128は、0.1秒間開放された後、10.0秒間のラウンド内インターバル時間に亘って閉鎖状態に維持され、その後、最大で28.9秒間開放される。したがって、特別図柄Cが決定されて実行される大役遊技では、この6回目のラウンド遊技において、確実に規定数の遊技球を第2大入賞口128に入球させることが可能となっている。
また、特別図柄A、B、C、Dが決定されて実行される大役遊技では、7〜15回目のラウンド遊技では第1大入賞口126が1回のみ開放される。このとき、大当たり図柄である特別図柄A、Dが決定されて実行される大役遊技では、7〜15回目のラウンド遊技のいずれにおいても、第1大入賞口126が最大で29.0秒間開放される。したがって、大当たり図柄である特別図柄A、Dが決定されて実行される大役遊技では、この7〜15回目のラウンド遊技においては、確実に規定数の遊技球を第1大入賞口126に入球させることが可能となっている。
一方、特別図柄B、Cが決定されて実行される大役遊技では、7〜15回目のラウンド遊技のいずれにおいても、第1大入賞口126が、最大で0.1秒間開放される。したがって、特別図柄B、Cが決定されて実行される大役遊技では、この7〜15回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126に遊技球が入球することは殆どない。
このように、特別図柄Aが決定されて実行される大役遊技では、実質的に、2〜5回目および7〜15回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126に規定数の遊技球を入球させることができる。また、特別図柄Bが決定されて実行される大役遊技では、1回目のラウンド遊技においてのみ、第2大入賞口128に規定数の遊技球を入球させることができる。また、特別図柄Cが決定されて実行される大役遊技では、2〜6回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126または第2大入賞口128に規定数の遊技球を入球させることができる。また、特別図柄Dが決定されて実行される大役遊技では、1〜5回目および7〜15回目のラウンド遊技において、第1大入賞口126または第2大入賞口128に規定数の遊技球を入球させることができる。
また、小当たり図柄である特別図柄aが決定された場合には、1回のラウンド遊技で構成される小当たり遊技が実行される。特別図柄aが決定されて実行される小当たり遊技では、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128は、0.1秒間開放された後、8.0秒間のラウンド内インターバル時間に亘って閉鎖状態に維持され、その後、最大で0.1秒間開放される。この小当たり遊技によれば、第2大入賞口128に遊技球が入球することは殆どない。
図12は、第2大入賞口128の開閉態様および可動部材142による特定領域140bの開閉態様を説明する図である。図12に示すように、可動部材142は、第2大入賞口128が開放される特定ラウンド遊技において、第2大入賞口128の開放と同時に、特定領域140bを一瞬(0.1秒程度)開放した後、しばらくの間(例えば、10.0秒程度)、特定領域140bを閉鎖状態に維持し、その後、再び特定領域140bを開放した状態に維持する。そして、図12(a)に示すように、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合における1回目および6回目のラウンド遊技、特別図柄B、Dが決定されて大役遊技が実行された場合における6回目のラウンド遊技(6R)、特別図柄Cが決定されて大役遊技が実行された場合における1回目のラウンド遊技(1R)には、当該ラウンド遊技の開始時に0.1秒のみ第2大入賞口128が開放される。この間に、仮に第2大入賞口128に遊技球が入球したとしても、当該遊技球が特定領域140bに到達するまでには所定の時間を要する。そのため、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに到達したときには、必ず、特定領域140bが閉鎖されており、その結果、特別図柄Aが決定されて大役遊技が実行された場合に、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
なお、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまったり、あるいは、何らかの理由で第2大入賞口128内に長時間に亘って遊技球が滞留してしまったりする等、不測の事態が生じた場合には、0.1秒のみ第2大入賞口128が開放される特定ラウンド遊技であっても、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入する可能性がある。したがって、本明細書においては、理解を容易にするために、「必ず」、「確実に」という文言を用いて説明しているが、これは、遊技機100の状態が、遊技を進行するにあたって適切な状態に置かれており、かつ、不測の事態が生じていないことを前提とするものであり、物理的な100%を意味するものではない。
これに対して、図12(b)に示すように、特別図柄B、Dが決定されて大役遊技が実行された場合における1回目のラウンド遊技(1R)、特別図柄Cが決定されて大役遊技が実行された場合における6回目のラウンド遊技(6R)は特定ラウンド遊技に設定され、当該特定ラウンド遊技の開始時に第2大入賞口128が0.1秒開放され、その後、ラウンド内インターバル時間(10.0秒)を経て、第2大入賞口128が最大で28.9秒開放される。したがって、第2大入賞口128の開放と同時に第2大入賞口128に入球した1〜2個程度の遊技球は、特定領域140bを通過することができない可能性はあるが、その後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、確実に特定領域140bを通過することができる。
なお、特別図柄aが決定されて小当たり遊技が実行された場合には、第2大入賞口128が最長で0.2秒(0.1秒+0.1秒)開放されるが、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
図13は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、決定された特別図柄、および、特定ラウンド遊技中における特定領域140bへの遊技球の進入可否に応じて大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。
この遊技状態設定テーブルによれば、決定された特別図柄の種別を問わず、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は170回に設定される。これは、高確率遊技状態が、大役抽選結果が170回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が170回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。また、決定された特別図柄の種別を問わず、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定される。
また、特別図柄A、C、Dが決定されて実行される大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は170回に設定される。これは、時短遊技状態が、大役抽選結果が170回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、時短回数の設定が行われることとなる。また、特別図柄A、C、Dが決定されて実行される大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、非時短遊技状態に設定される。また、特別図柄Bが決定された場合、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入したか否かに拘わらず、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定される。
図14は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122が開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122が閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図15(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図15(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図15(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図15(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、このうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図16は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(電源復帰指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(電源復帰指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファに格納)を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図17は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図18は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域検出スイッチ140sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cおよび可動部材駆動ソレノイド142cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図19は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126および第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sおよび第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−11に処理を移す。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、第1大入賞口126および第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、ステップS500−11に処理を移す。
(ステップS500−11)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域140bに遊技球が進入して特定領域検出スイッチ140sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS540)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
図20は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図21は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図22は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図23は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の8つの記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、大役仮抽選、当たり図柄仮決定、変動情報仮決定をする取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理では、新たに記憶された保留が読み出された際に決定される変動情報を示す先読み指定コマンドを副制御基板330に送信する。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−17でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図24は、上記ステップS540の特定領域通過処理を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−11で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS540−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540−9に処理を移す。
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものであり、本実施形態においては、大役遊技中および小当り遊技中における1回目、大役遊技中の6回目のラウンド遊技の開始時にオンされ、1回目、6回目のラウンド遊技の終了時から一定時間経過した後にオフされる。
(ステップS540−3)
上記ステップS540−1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグがオンしているかを判定する。なお、特定領域進入フラグは、特定領域140bに遊技球が既に有効に進入したことを識別するものである。特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合には当該特定領域通過処理を終了し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移す。
(ステップS540−5)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンする。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、特定領域140bに遊技球が有効に進入したことを副制御基板330に伝達すべく、特定領域進入コマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
(ステップS540−9)
メインCPU300aは、所定のエラー処理を実行する。
(ステップS540−11)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
図25は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図25に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図26は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図27は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、大役抽選が実行されたときの遊技状態を遊技状態バッファに記憶する等の処理を行う予備領域設定処理を行う。また、この予備領域設定処理では、大役抽選の結果が大当たりである場合に、メインRAM300cの予備領域に、大役遊技後に設定する遊技状態情報や大当たり図柄の種別(特別図柄判定データ)等を記憶する。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図28は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであるかを判定する。その結果、大当たりまたは小当たりであると判定した場合にはステップS611−3に処理を移し、大当たりおよび小当たりのいずれでもない(ハズレである)と判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、大当たり図柄の種別、保留種別、変動状態に対応するリーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、上記ステップS611−5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−5で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、上記ステップS611−3または上記ステップS611−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、上記ステップS611−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図29は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、当該特別図柄変動中処理を終了する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−19に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態を更新する。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が小当たりであるかを判定する。その結果、小当たりであると判定した場合にはステップS630−21に処理を移し、小当たりではないと判定した場合にはステップS630−17に処理を移す。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、遊技状態を初期状態である低確率遊技状態および非時短遊技状態にリセット(設定)する。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−21でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、大役遊技または小当たり遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、このオープニング指定コマンドは、オープニング時間ごとに設けられており、ここでは、上記ステップS630−25でセーブされたオープニング時間に対応するオープニング指定コマンドが送信バッファにセットされる。
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、上記ステップS630−3で確認した大役抽選の結果が大当たりである場合には、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、小当たりである場合には、特別遊技管理フェーズを「07H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
図31は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが03Hであるか、つまり、大役遊技中であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが03Hであると判定した場合にはステップS640−9に処理を移し、特別遊技管理フェーズは03Hではないと判定した場合にはステップS640−13に処理を移す。
(ステップS640−9)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、開始するラウンド遊技が1回目または6回目のラウンド遊技であるかを判定する。その結果、1回目または6回目のラウンド遊技を開始すると判定した場合はステップS640−11に処理を移し、開始するラウンド遊技は1回目および6回目のラウンド遊技ではないと判定した場合にはステップS640−13に処理を移す。
(ステップS640−11)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。これにより、1回目および6回目のラウンド遊技の開始に伴って、特定領域140bへの遊技球の進入が有効化される。
(ステップS640−13)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図32は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、ならびに、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、不図示の可動部材制御テーブルをセットするとともに、当該テーブルを参照して、可動部材駆動ソレノイド142cの通電制御を行う。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1大入賞口126および第2大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−13に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−13)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図33は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cおよび第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して第1大入賞口126および第2大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズが04Hであるか、つまり、大役遊技中であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが04Hであると判定した場合にはステップS650−13に処理を移し、特別遊技管理フェーズは04Hではないと判定した場合にはステップS650−17に処理を移す。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値に基づいて、1回目または6回目のラウンド遊技の終了時であるかを判定する。その結果、1回目または6回目のラウンド遊技の終了時と判定した場合はステップS650−15に処理を移し、1回目および6回目のラウンド遊技の終了時ではないと判定した場合にはステップS650−17に処理を移す。
(ステップS650−15)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオフするまでの時間を計時する有効期間フラグオフタイマをセットする。なお、有効期間フラグオフタイマは、ステップS400−9のタイマ更新処理でタイマ割込処理の度に減算されていき、0になると有効期間フラグがオフになる。
(ステップS650−17)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「05H」または「09H」)に更新する。
(ステップS650−19)
メインCPU300aは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図34は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」、「09H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが「09H」である場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「06H」または「0AH」)に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図35は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」、「0AH」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄、および、特定領域進入フラグに基づいて、大役遊技終了後の遊技状態が設定される。具体的には、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄A、C、Dであり、かつ、特定領域進入フラグがオンである場合には、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定するとともに高確回数および時短回数を170回に設定する。また、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄A、C、Dであり、かつ、特定領域進入フラグがオフである場合には、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定するとともに時短回数を100回に設定する。また、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄Bであり、かつ、特定領域進入フラグがオンである場合には、高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定するとともに高確回数を170回に設定する。また、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄が特別図柄Bであり、かつ、特定領域進入フラグがオフである場合には、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定する。なお、この処理は、大役遊技が実行された場合にのみ行われ、小当たり遊技が実行された場合には、当該処理を行うことはない。
また、ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄または小当たり遊技の実行契機となった小当たり図柄と、特定領域進入フラグとに基づいて、大役遊技または小当たり遊技の終了後の変動状態を設定すべく、変動状態識別フラグや変動回数をセットする処理も行われる。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態および変動状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図36は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図36に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図37は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図38は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図39は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」でなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図40は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図41は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図42は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図43は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図44は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、非時短遊技状態で実行される演出について、一例を用いて説明する。
(演出モードの説明)
図46は、演出モードを説明する図である。上記したように、本実施形態においては、大当たりの当選確率を異にする高確率遊技状態および低確率遊技状態と、可動片122bの開放確率を異にする時短遊技状態および非時短遊技状態とが組み合わされた遊技状態で遊技が進行する。
こうした遊技状態は主制御基板300において管理されるが、副制御基板330においては、主制御基板300で設定されている現在の遊技状態に応じて、演出モードの設定を行う。演出モードというのは、演出の状態を識別するためのものであり、演出モードごとに演出の出力内容が異なる。具体的には、本実施形態では、低確モード、潜伏モード、高確モードの3つの演出モードが設けられている。演出モードが低確モードに設定されている場合には、図46(a)に示すように、メイン演出表示部200aに街の背景画像が表示されるとともに、低確モード専用のBGMが音声出力装置206から出力される。また、演出モードが潜伏モードに設定されている場合には、図46(b)に示すように、メイン演出表示部200aに渦巻きの背景画像が表示されるとともに、潜伏モード専用のBGMが出力され、演出モードが高確モードに設定されている場合には、図46(c)に示すように、メイン演出表示部200aに宇宙の背景画像が表示されるとともに、高確モード専用のBGMが出力される。
低確モードは、遊技機の初期状態、すなわち、遊技状態が低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定されている場合にのみ設定され、潜伏モードは、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定されている場合、および、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定されている場合に設定され、高確モードは、遊技状態が高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されている場合にのみ設定される。したがって、低確モード用および高確モード用の背景画像やBGMの出力により、遊技者は現在の遊技状態を容易に識別することが可能となる。また、潜伏モードに設定されている場合には、遊技者は、現在の遊技状態が高確率遊技状態に設定されているのではないかといった期待感を抱くこととなる。
なお、潜伏モードは、低確モード中に小当たりに当選した場合、および、大当たり図柄として特別図柄Bが決定され、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合に設定される。そして、小当たりに当選した場合には、潜伏モードに滞在する期間が予め設定されており、小当たり当選後、特別図柄の変動表示が所定回数実行されたところで、潜伏モードから低確モードに移行することとなる。
このように、本実施形態では、複数の演出モードが設けられており、メイン演出表示部200aの背景画像や、音声出力装置206から出力されるBGMが、設定中の演出モードに応じて切り替わる。また、変動演出の内容や、演出図柄210a、210b、210cの表示態様も演出モードごとに異なるが、いずれの演出モードであっても、メイン演出表示部200aに演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、最終的に停止表示される演出図柄210a、210b、210cの組み合わせによって大役抽選の結果が遊技者に報知される点は共通している。したがって、以下では、変動演出の一例として、低確モード時の変動演出について説明し、潜伏モード時および高確モード時の変動演出については説明を省略する。
(演出の一例)
図47は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、メイン演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが表示される。なお、変動演出中は、メイン演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御されるが、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態の変動演出は、リーチなし変動パターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、メイン演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に演出図柄210a、210b、210cが重畳して変動表示される。例えば、図47(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、図47(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの白抜き矢印は、演出図柄210a、210b、210cが高さ方向にスクロール表示されていることを示している。
そして、図47(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、図47(d)に示すように、演出図柄210aと異なる演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、図47(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このときの3つの演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
図48は、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。本実施形態では、リーチ変動パターンが、ノーマルリーチ変動パターン、発展リーチ変動パターン、擬似連続リーチ変動パターンに大別される。ノーマルリーチ変動パターンの変動演出は、リーチなし変動パターンの変動演出と同様に、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、図48(a)に示すように、演出図柄210aがまず停止表示される。その後、図48(b)に示すように、演出図柄210aと同一の演出図柄210cが停止表示される。
このように、メイン演出表示部200aにおいて、同一の演出図柄210a、210cが停止表示されるリーチ態様で表示されると、図48(c)に示すように、メイン演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cに重畳して「リーチ」と表示される。なお、リーチ態様は複数種類設けられており、「1」〜「9」のいずれかの数字が記された同一の演出図柄210a、210cが停止表示される。その後、図48(d)に示すように、演出図柄210a、210cの形状を、リーチ態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、図48(e)に示すように、最終的に、演出図柄210a、210cと異なる演出図柄210bが停止表示され、大役抽選の結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
図49は、発展リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。発展リーチ変動パターンの変動演出は、図49(a)〜(d)に示すように、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出と同様に、メイン演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示される。その後、図49(e)に示すように、メイン演出表示部200aにおいて、所定の発展画像(動画)が再生表示されるリーチ発展演出が実行される。なお、このリーチ発展演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する内容や、味方キャラクタが所定のミッションに挑むといった内容となっている。
こうしたリーチ発展演出の内容は、主制御基板300で決定された変動パターン番号に基づいて決定される。このとき、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦内容や、味方キャラクタが挑むミッションの内容は複数パターン設けられており、そのいずれのパターンについても、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したり、味方キャラクタがミッションを達成したりする大当たりパターンと、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したり、味方キャラクタがミッションに失敗したりするハズレパターンとがそれぞれ設けられている。
大当たりパターンは、大役抽選の結果が大当たりであった場合にのみ選択され、ハズレパターンは、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ選択される。これら両パターンは、演出の終盤までは同一内容で構成されており、最終的に味方キャラクタが勝利するか敗北するか、あるいは、味方キャラクタがミッションを達成するか失敗するかといった点を異にしている。したがって、リーチ発展演出中は、変動演出の終盤まで、大役抽選の結果を遊技者が識別することができず、遊技者に大当たりの期待感が付与されることとなる。
なお、図49(e)に示すように、リーチ発展演出中は、演出図柄210a、210b、210cが、メイン演出表示部200aの右上において小さく変動表示を継続している。そして、発展画像の表示中もしくは発展画像の表示後に、演出図柄210a、210b、210cがメイン演出表示部200aの中央に最終的に停止表示され、演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によっても、大役抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
図50は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、図50(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始されると、図50(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、予め設けられた複数種類の態様(以下「擬似表示態様」という)のうちのいずれかで仮停止表示される継続演出が実行される。この擬似表示態様は、例えば、同一の演出図柄210a、210bと、これら演出図柄210a、210bよりも、「2」大きな数字が記された演出図柄210cとが仮停止表示されるものである。
演出図柄210a、210b、210cが擬似表示態様で仮停止表示される継続演出が実行されると、図50(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。つまり、継続演出は、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示を示すものと言える。その後、図50(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、再び擬似表示態様で仮停止表示される継続演出が実行される。
そして、図50(e)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開されると、図50(f)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、以後、図50(g)〜(i)に示すように、発展リーチ変動パターンと同様にリーチ発展演出が実行され、大役抽選の結果が遊技者に報知される。
このように、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでの内容が、発展リーチ変動パターンの変動演出と異なっており、リーチ態様となった後は、発展リーチ変動パターンと同様に変動演出が進行されることとなる。
また、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出では、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が複数回行われる。このとき、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始してから擬似表示態様で仮停止表示されるまでの変動を擬似変動と呼び、演出図柄210a、210b、210cが変動表示を開始してからリーチ態様となるまでの変動を本変動と呼ぶ。
また、擬似連続リーチ変動パターンにおいて、リーチ態様となるまでの演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンは複数パターン設けられており、変動表示パターンごとに、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数が異なっている。この変動表示パターンは、変動モードコマンドによって決定され、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数が多くなるほど、最終的に大当たりの当選が報知される可能性(以下「信頼度」という)が高くなるように、大当たり当選時およびハズレ時における変動モードコマンドの選択比率が設定されている。
具体的には、大役抽選の結果が大当たりであった場合には、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数の多い変動モードコマンドの選択比率が、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数の少ない変動モードコマンドの選択比率よりも高く設定されており、大役抽選の結果がハズレであった場合には、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数の少ない変動モードコマンドの選択比率が、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数の多い変動モードコマンドの選択比率よりも高く設定されている。
また、主制御基板300においては、擬似連続リーチ変動パターンの信頼度が、発展リーチ変動パターンの信頼度よりも高くなるように設定されている。したがって、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)の回数によって信頼度が示唆されることとなり、遊技者は、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(擬似変動)が多く実行されることを期待しながら、演出の行方を見守ることとなる。
なお、上記した変動演出の実行パターンは、主制御基板300で決定された変動コマンドに基づいて、副制御基板330において決定、実行制御される。つまり、変動演出の実行パターンは、主制御基板300と副制御基板330とで協働して決定されると言える。
図51は、変動演出決定テーブルを説明する図であり、図51(a)には前半変動演出決定テーブルを示し、図51(b)には後半変動演出決定テーブルを示す。上記したように、主制御基板300において大役抽選が行われると、大役抽選の結果に基づいて、変動コマンドが決定され、決定された各コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、前半変動演出決定テーブルを参照して、取得した演出乱数と、受信した変動モードコマンドとに基づいて、前半の変動演出の実行パターンを決定する。また、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、後半変動演出決定テーブルを参照して、取得した演出乱数と、受信した変動パターンコマンドとに基づいて、後半の変動演出の実行パターンを決定する。なお、図51においては、前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルの一部のみを抽出して示している。
図51に示すように、前半変動演出決定テーブルによれば、変動モード番号(変動モードコマンド)ごとに、前半の変動演出の実行パターンについての選択比率がそれぞれ設定され、後半変動演出決定テーブルによれば、変動パターン番号(変動パターンコマンド)ごとに、後半の変動演出の実行パターンについての選択比率がそれぞれ設定されている。そして、決定された前半および後半の変動演出の実行パターンを組み合わせて実行することで、1回の変動演出が実行されることとなる。
リーチなし変動パターンの変動演出は、前半の実行パターンとして、前半の変動演出を実行しないことを示す「なし」が決定され、後半の実行パターンとして、リーチなし変動パターンに対応する「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定された場合に実行される。例えば、前半の変動演出が実行されないことを示す「01H」の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信すると、副制御基板330では、必ず、前半の実行パターンとして「なし」が決定される。また、このとき、同時に受信し得る変動パターンコマンドには、「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」のいずれかのみが決定されるように、後半変動演出決定テーブルにおいて選択比率の設定がなされている。したがって、前半の実行パターンとして「なし」が決定され、後半の実行パターンとして「ノーマルハズレ1」、「ノーマルハズレ2」、「特殊ハズレ1」、「特殊ハズレ2」が決定されることで、変動演出の実行パターンは、上記のリーチなし変動パターンに決定されることとなる。
一方、リーチ変動パターンの変動演出は、前半の実行パターンとして「なし」以外が決定され、後半の実行パターンとして、いずれかのリーチ発展演出(図中、発展1〜5で示す)が決定された場合に実行される。換言すれば、メイン演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=01H以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信しており、発展1〜5のいずれかが決定される変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを受信していることとなる。
ここで、図51(a)において、前半の実行パターンにおける「ノーマルリーチ1」や「ノーマルリーチ2」は、それぞれ、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまでの、メイン演出表示部200aに表示される背景画像や演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されており、例えば、「ノーマルリーチ1」、「ノーマルリーチ2」が決定されると、図48(a)〜(d)に示す画像がメイン演出表示部200aに表示されることとなる。
また、図51(a)において、前半の実行パターンにおける「ノーマルリーチ3」や「ノーマルリーチ4」は、それぞれ、発展リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまで、より詳細には、リーチ発展演出が開始されるまでの、メイン演出表示部200aに表示される背景画像や演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンを示している。これらの画像パターンは、変動モード番号に対応付けられた特別図柄の変動表示の時間と一致するように予め設計されており、例えば、「ノーマルリーチ3」、「ノーマルリーチ4」が決定されると、図49(a)〜(d)に示す画像がメイン演出表示部200aに表示されることとなる。
また、図51(a)において、前半の実行パターンにおける「擬似1」等は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。例えば、「擬似1」は、擬似変動が1回である擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。「擬似2」は、擬似変動が2回である擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。また、「擬似3」は、擬似変動が3回である擬似連続リーチ変動パターンの変動演出のうち、リーチ発展演出が開始されるまでの実行パターンを示している。
なお、図51に示す前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルにおいては、リーチなし変動パターンおよびノーマルリーチ変動パターンの変動演出は、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ実行されるように、選択比率の設定がなされている。また、発展リーチ変動パターンおよび擬似連続リーチ変動パターンは、ハズレ時および大当たり時の双方で決定されるが、発展リーチ変動パターンは、擬似連続リーチ変動パターンよりも、ハズレ時の選択比率が高く、大当たり時の選択比率が低く設定されている。このように、ハズレ時と大当たり時とで選択比率を設定することにより、擬似連続リーチ変動パターンは、発展リーチ変動パターンよりも、信頼度が高く設定されることとなる。
さらに、擬似連続リーチ変動パターンの中でも、擬似変動の回数が多くなるほど、大当たり時の選択比率が高く、ハズレ時の選択比率が低く設定されており、擬似変動の回数が多くなるほど、信頼度が高くなるように設定がなされている。
以上のように、副制御基板330においては、変動コマンドを受信すると、変動演出決定テーブルを参照して変動演出の実行パターンが決定される。ただし、変動演出決定テーブルによって決定される変動演出の実行パターンというのは、大まかな演出の流れ、すなわち、1回の変動演出のタイムテーブルを決定するものである。そして、変動モードコマンドまたは変動パターンコマンドに基づいて、変動演出を構成するさまざまな要素演出の実行可否および実行パターンがさらに決定される。
ここで、要素演出というのは、例えば、上記のように、メイン演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの変動表示や、リーチ発展演出でメイン演出表示部200aに表示される画像、さらには、演出役物装置202を可動させる演出等をいう。本実施形態では、変動演出を構成する要素演出として、変動演出中のさまざまなタイミングで予告演出が実行される。
この予告演出というのは、変動演出の開始時や、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出における演出図柄210a、210b、210cの再変動表示時、さらには、リーチ発展演出中等に、メイン演出表示部200aに所定の画像を表示したり、所定のタイミングで演出役物装置202を可動したりする演出であり、予告演出ごとに、その実行可否や実行パターンが決定される。各予告演出には、それぞれ実行パターンが複数種類設けられ、複数種類の実行パターンそれぞれについて、変動パターン番号や変動モード番号ごとに、換言すれば、大当たりの当選可否ごとに選択比率が設定され、この選択比率によって、実行パターンごとに信頼度が設定されている。
図52は、予告演出の一例を説明する図である。上記したように、予告演出は、変動演出の実行パターンに応じて様々なタイミングで実行されるが、ここでは、その一例として変動演出の開始時、および、リーチ発展演出中に実行される予告演出について説明する。変動演出の開始時に実行される予告演出では、図52(a)、(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始後、メイン演出表示部200aに所定の画像が表示される。この予告演出の実行パターンは複数種類設けられており、実行パターンごとに異なる画像がメイン演出表示部200aに表示される。
具体的には、変動演出の開始時に実行される予告演出では、例えば、図52(a)、(b)に示すように、メイン演出表示部200aの下部に、キャラクタおよびメッセージが表示される。このように、キャラクタとメッセージとが表示される予告演出の実行パターンは複数種類設けられており、実行パターンごとに、メイン演出表示部200aに表示されるキャラクタとメッセージとの組み合わせを異にしている。
また、リーチ発展演出中に実行される予告演出では、例えば、図52(c)、(d)に示すように、メイン演出表示部200aの中央にカットイン画像が表示される。このリーチ発展演出中に実行される予告演出の実行パターンも複数種類設けられており、メイン演出表示部200aに表示されるカットイン画像の内容が実行パターンごとに設定されている。
図53は、予告演出決定テーブルを説明する図である。図53に示すように、予告演出決定テーブルは、予告演出の実行タイミングごとに設けられており、変動演出の開始時には、全ての予告演出決定テーブルを参照して、各予告演出の実行可否ならびに実行パターンが決定される。例えば、図53(a)に示す予告演出決定テーブルaは、図52(a)、(b)に示すように、変動演出の開始時に実行する予告演出の実行パターンを決定する際に参照される予告演出決定テーブルである。この予告演出決定テーブルaには、変動モード番号(変動モードコマンド)ごとに、変動開始時予告演出の実行パターン(図53において横軸に示す)それぞれについての選択比率が設定されている。なお、図中「なし」と記された実行パターンは、変動開始時予告演出を不実行とするものであり、この「なし」が決定された場合には、変動開始時予告演出が実行されることはない。
また、図53(b)に示す予告演出決定テーブルbは、リーチ発展時に実行する予告演出の実行パターンを決定する際に参照される予告演出決定テーブルである。この予告演出決定テーブルbには、変動パターン番号(変動パターンコマンド)ごとに、リーチ発展演出のタイトルをメイン演出表示部200aに表示する予告演出の実行パターンそれぞれについての選択比率が設定されている。なお、図中「なし」と記された予告演出の実行パターンは、リーチ発展時予告演出の不実行を示しており、リーチなし変動パターンの変動演出を実行する場合には、必ず「なし」が決定され、リーチ変動パターンの変動演出を実行する場合には、必ず、実行されるリーチ発展演出に対応する実行パターンが決定される。
なお、図53(b)において、例えば、「タイトル1−A」、「タイトル1−B」、「タイトル1−C」は、いずれも同一のタイトル名がメイン演出表示部200aに表示されるものの、当該タイトル名を表示する文字の色や背景色等を異にしている。このように、リーチ発展時予告演出では、以後に実行されるリーチ発展演出の内容を報知しつつ、その表示態様によって、大当たりの信頼度を示唆することとなる。
また、図53(c)に示す予告演出決定テーブルcは、リーチ発展演出中に実行する予告演出の実行パターンを決定する際に参照される予告演出決定テーブルである。リーチ発展中予告演出では、図52(c)、(d)に示すように、メイン演出表示部200aに所定のカットイン画像が表示される。予告演出決定テーブルcには、変動パターン番号(変動パターンコマンド)ごとに、複数種類のカットイン画像の表示パターンそれぞれについての選択比率が設定されている。なお、図53(c)の「なし」は、カットイン画像を表示しないこと、すなわち、リーチ発展中予告演出の不実行を示している。
以上説明したように、副制御基板330においては、変動コマンドを受信すると、変動演出の実行パターンや各要素演出の実行可否、実行パターンが決定され、特別図柄の変動表示中に変動演出が実行されることとなる。このように、変動演出は、1回の特別図柄の変動表示に対して1回行われるが、本実施形態では、複数回の特別図柄の変動表示に跨る演出も実行される。
図54は、先読み演出の一例を説明する図である。先読み演出は、メインRAM300cに記憶されたいずれかの保留(ここでは特1保留)を対象保留とし、対象保留が読み出されるよりも前から、当該対象保留の大当たりの信頼度を示唆する演出である。本実施形態では、先読み演出として、保留表示演出および連続演出の二種類の演出が設けられている。具体的には、メイン演出表示部200aの下部には保留表示領域が設けられており、保留表示演出では、大役抽選の際に処理領域(第0記憶部)に読み出された保留を示す当該保留表示212a、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている保留をそれぞれ示す、第1保留表示212b、第2保留表示212c、第3保留表示212d、第4保留表示212eが保留表示領域に表示される。なお、以下では、当該保留表示212aおよび第1保留表示212b〜第4保留表示212eを総称して、保留表示212と呼ぶ。
例えば、特別図柄の変動表示中であって、しかも、メインRAM300cに4つの特1保留が記憶されている場合には、図54(a)に示すように、当該保留表示212a、第1保留表示212b〜第4保留表示212eの合計5つの保留表示212が保留表示領域に表示される。そして、この状態から、特別図柄の変動表示が終了し、第1記憶部に記憶されている特1保留が処理領域(第0記憶部)に読み出されて大役抽選が行われるとともに、メインRAM300cの保留シフト処理が実行されると、図54(b)に示すように、当該保留表示212aが消去されるとともに、第1保留表示212b〜第4保留表示212eが1つ左に移動表示される。また、さらにこの状態から次なる特1保留が読み出されると、図54(c)に示すように、さらに各保留表示212が移動表示される。このように、保留表示演出は、メインRAM300cに記憶されている特1保留数を遊技者に報知する演出となっている。
また、保留表示212の表示パターンは複数設けられており、表示パターンごとに表示色を異ならせている。主制御基板300においては、保留が記憶されたときに取得時演出判定処理(S535−17)が実行され、新たに記憶された保留が第0記憶部に読み出された際に決定される変動情報を示す先読み指定コマンドを副制御基板330に送信する。副制御基板330においては、先読み指定コマンドを受信すると、当該受信コマンドに基づいて、新たに記憶された保留に対応する保留表示の表示パターンを決定する。このとき、先読み指定コマンドごとに、つまり、新たに記憶された保留が大役抽選で読み出された際に決定される変動情報ごとに、各表示パターンの選択比率が設定されている。つまり、大当たりの当選可否や、変動演出の実行パターンに応じて各表示パターンの選択比率が設定されていることから、保留表示212の表示パターンによって、大当たりの信頼度が示唆されることとなる。
また、副制御基板330においては、先読み指定コマンドを受信した際に、保留表示の表示パターンを決定するとともに、連続演出の実行可否や実行パターンを決定する。連続演出は、メインRAM300cの第1特図保留記憶領域に記憶されているいずれかの保留を対象保留とし、当該対象保留が読み出される前から、複数回の変動演出に跨って継続的あるいは連続的に所定の演出を実行するものである。このとき、大当たりに当選する保留の方が、ハズレとなる保留よりも、連続演出が高確率で実行されるように、連続演出の実行可否や実行パターンが決定される。
例えば、図54(a)に示す第2保留表示212cが、連続演出の対象保留に決定されるとともに、当該対象保留の1つ前の保留(以下、「対象前保留」と呼ぶ)にかかる変動演出の開始と同時に、連続演出を実行することが決定されたとする。この場合には、図54(b)に示すように、対象前保留の変動演出の開始とともに、メイン演出表示部200aに亀裂が生じる画像が表示される。そして、対象前保留にかかる変動演出が終了すると、次に、図54(c)に示すように、対象保留にかかる変動演出が開始される。この対象保留にかかる変動演出中も、メイン演出表示部200aには、引き続き亀裂が生じたままとなっている。なお、この亀裂画像は、対象保留の変動演出が終了するタイミングや、対象保留の変動演出においてリーチ発展演出が開始されるタイミングで消去される。
以上説明したように、先読み演出としての保留表示演出および連続演出は、複数回の特別図柄の変動表示、換言すれば、複数回の変動演出に跨って実行されるので、遊技者に対して長期間に亘って期待感を付与することができる。
また、本実施形態では、デモ中(客待ち中)に、遊技者が演出ボタン208等を操作して所定のパスワードを入力することにより、演出をカスタム設定することができる。具体的には、遊技者がパスワードを入力すると、その時点から、大当たり回数や変動演出の回数、出現した演出情報、遊技や演出に応じて付与される演出ポイント等のさまざまな情報が遊技履歴情報としてサブRAM330cに蓄積される。そして、遊技者が遊技を終了する際に、再び、演出ボタン208等を操作して終了操作を行うと、メイン演出表示部200aに所定のコード情報が出力される。このコード情報には、サブRAM330cに蓄積された遊技履歴情報が含まれており、例えば、携帯電話等で読み取ることで、遊技履歴情報をサーバに記憶させることができる。
そして、サーバから発行されるパスワードには、サーバに記憶されている遊技履歴情報が含まれており、パスワードを入力すると、それ以前に蓄積した遊技履歴情報が遊技機100に保持される。これにより、異なる遊技機100の間でも遊技履歴情報が引き継がれることとなる。なお、以下では、パスワードが入力されている状態、つまり、遊技履歴情報が蓄積される状態を遊技者識別状態と呼ぶ。この遊技者識別状態では、遊技者による演出のカスタム設定が可能となる。
図55は、演出のカスタム設定を説明する図である。主制御基板300における遊技の中断時には、メイン演出表示部200aにデモ画面等が表示されており、この間に遊技者が演出ボタン208に対して所定の操作を行うと、図55(a)に示すように、キャラクタを選択する選択画面が表示される。この選択画面で、遊技者が所定のキャラクタを選択、決定すると、以後、選択したキャラクタが、メイン演出表示部200aの下部に表示される。このキャラクタは、リーチ発展演出が行われている場合等、所定の演出が行われている場合以外は、常時、メイン演出表示部200aに表示され続けており、変動演出中等に、所定のメッセージがキャラクタに合わせて表示されて、大当たりの信頼度を示唆する予告演出として機能することもある。
このように、大役抽選の結果を示唆、報知する変動演出以外にも、さまざまな演出を実行することにより、遊技者の倦怠感を低減するようにしている。しかしながら、長時間に亘って遊技を行っている場合や、長時間に亘って遊技状態つまり演出モードが変更されない場合等には、どうしても遊技者が倦怠感を覚えてしまい、演出効果が低下してしまう。そこで、本実施形態では、アウト球数が、予め設定された特定数に達したことを条件として、所定期間に亘って特定演出を実行する。以下に、特定演出について詳述する。
図56は、アウト球数報知演出の一例を説明する図である。本実施形態では、遊技の進行状況に拘わらず、メイン演出表示部200aにアウト球数メータ218が表示されている。このアウト球数メータ218は、図56(a)に示すように、10段階に領域が区切られたメータ画像であり、アウト球数500球ごとに、メータ値が上昇していく。例えば、アウト球数が0球〜499球であれば、図56(a)に示すように、アウト球数メータ218の10段階の領域全てが白く表示され、アウト球数が1500球〜1999球であれば、図56(b)に示すように、下から3段目の領域までが黒色に識別表示される。そして、アウト球数が5000球になると、図56(c)に示すように、10段階の領域全てが黒色に識別表示され、メータ値が最大値に達したことが遊技者に報知される。
そして、例えば、主制御基板300において大役遊技が実行されておらず、かつ、特別図柄の変動表示も実行されていない待機状態(デモ中やデモ移行前の図柄停止状態を含む)でメータ値が最大値に達すると、図56(d)に示すように、メイン演出表示部200aの背景画像が特定背景画像(図中クロスハッチングで示す)に切り替わり、ミッションモード突入と表示され、特定演出が開始される。なお、詳しくは後述するが、デモ中にアウト球数が特定数(ここでは5000球)に達した場合には、即座に特定演出が開始となるが、例えば、変動演出が実行されているときにアウト球数が特定数に達した場合には、次の変動演出の開始と同時に特定演出が開始される等、遊技の進行状況や演出の状態に応じて、特定演出を開始する条件である特定演出開始条件が異なっている。
図57は、特定演出の一例を説明する図である。上記したように、特定演出中は、専用のBGMが出力されるとともに、特定背景画像がメイン演出表示部200aに表示され、この特定背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が行われる。この特定演出は、その開始から5分間に亘って実行され、5分が経過すると特定演出が終了となり、そのときに設定されている演出モード用の背景画像およびBGMに切り替わる。なお、特定演出中は、特定背景画像がメイン演出表示部200aに表示されるものの、メイン演出表示部200aに表示される変動演出用の画像は、特定演出が実行されていないときと変更はない。
つまり、特定演出中であっても、設定中の演出モード用の演出図柄210a、210b、210cが変動表示されるとともに、リーチ変動パターンの変動演出では、リーチ発展演出中、背景画像が非表示となることから、特定演出が実行されていないときと、特定演出の実行中とで、メイン演出表示部200aに表示される変動演出用の画像は同じものとなる。例えば、低確モード中に特定演出が実行された場合には、特定背景画像に重畳して、低確モード用の演出図柄210a、210b、210cが変動表示されることとなる。
図57(a)に示すように、特定演出が開始されると、メイン演出表示部200aにおいて、特定背景画像に重畳して複数のミッション情報220が表示される。このミッション情報220は、例えば、「リーチをかけろ」、「擬似連を出せ」といった、演出図柄210a、210b、210cの表示にかかる要素演出や、「○○カットインを出せ」といった予告演出等、変動演出中に起こり得る演出を出現させる指令が記されており、変動演出が開始されるたびに、3〜4個のミッション情報220が切り替え表示される。
そして、ミッション情報220には、指令ごとに獲得ポイント値が表示されており、ミッション情報220に記載された指令を達成すると、表示されている獲得ポイント値を獲得することができる。なお、ミッション情報220に記される指令は、達成が容易なものから困難なものまでさまざまであるが、達成が困難なものほど獲得ポイント値が高く設定されており、また、達成した場合の大当たりの信頼度が高くなるように設定されている。
また、特定演出中は、メイン演出表示部200aにタイマ画像222が表示され、特定演出の残り時間がカウントダウンされるとともに、サブ演出表示部201aには、所定のキャラクタ画像が表示されている。そして、図57(b)に示すように、変動演出中に、ミッション情報220に表示された指令が達成されると、達成したミッション情報220が強調表示されるとともに、サブ演出表示部201aにおいて、キャラクタを攻撃する補助演出が行われる。この補助演出では、図57(c)に示すように、サブ演出表示部201aに表示されているキャラクタを攻撃する画像が表示される。そして、実行中の変動演出が大当たり用の変動演出であった場合には、図57(d)に示すように、補助演出においてキャラクタを撃破する画像が表示される。ただし、キャラクタを撃破することができるのは、大当たり用の変動演出が実行されている場合に限られ、ハズレ用の変動演出が実行されている場合には、キャラクタへの攻撃が失敗したことが報知される。
このように、特定演出中は、ミッション情報220が表示されるとともに、ミッション情報220に記される指令が達成されると、キャラクタを攻撃する補助演出が実行される。そして、この補助演出において、キャラクタへの攻撃が成功すると大当たりに当選することとなる。なお、補助演出の実行タイミングは、1回の変動演出中に複数設定されており、そのタイミングに到達するまでの間に複数の指令が達成されることもある。また、指令の達成時期によっては、1回の変動演出中に補助演出が複数回実行されることもある。
なお、獲得ポイント値は、キャラクタへの攻撃が成功するまで累積され、また、1回の特定演出中にキャラクタへの攻撃が成功しなかった場合には、次の特定演出にも累積された獲得ポイント値が引き継がれる。補助演出においては、キャラクタへの攻撃パターンが複数設けられており、累積された獲得ポイント値が大きくなるほど、より強い攻撃パターンが選択されるように設定されている。
また、キャラクタの撃破に成功すると、当該キャラクタを、上記のカスタム設定で選択することが可能となる。つまり、出現期間が極めて限定的な特定演出において大当たりに当選することで、通常は選択することができないキャラクタを選択することができるようになるので、遊技者に達成感と優越感とが同時に付与されることとなる。
図58(a)は、特定演出開始条件を説明する図であり、図58(b)は、特定演出の待機状態の一例を説明する図である。図58(a)に示すように、主制御基板300において、大役遊技が実行されておらず、かつ、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、演出モードが低確モードもしくは潜伏モードに設定されている。演出モードが低確モードに設定されている場合であって、特別図柄の変動表示(変動演出)が実行されていないデモ中(客待ち中を含む)にアウト球数が特定数に達した場合には、上記のように、ミッションモードに即座に突入する。つまり、この場合には、アウト球数が特定数に達すると、即座に特定演出が開始される。
一方、低確モード中であって、上記の先読み演出が実行されている場合にアウト球数が特定数に達すると、先読み演出の終了後、より厳密には、先読み演出の対象となっている保留にかかる変動演出の終了後(先読み演出の対象となっている保留の次の保留にかかる変動演出の開始時)に、特定演出が開始される。
また、低確モード中であって、先読み演出が実行されておらず、変動演出が実行されているときに、アウト球数が特定数に達した場合には、大役抽選の結果に応じて、次のように特定演出開始条件が設定されている。すなわち、実行中の変動演出がハズレ用の変動演出であれば、次の変動演出の開始時に特定演出が開始される。また、実行中の変動演出が大当たり用の変動演出であれば、大役遊技後の条件にしたがって特定演出が開始される。なお、詳しくは後述するが、大役遊技中は特定演出を不実行とする禁止期間に設定されているため、大当たり用の変動演出中にアウト球数が特定数に達した場合には、当該変動演出および大役遊技が終了した後の遊技状況に応じて、特定演出開始条件が成立した時点で特定演出が開始されることとなる。
また、実行中の変動演出が小当たり用の変動演出であれば、当該変動演出の終了後、4回の変動演出が終了した後、より厳密には、当該変動演出の終了後、4回の変動演出がさらに終了して5回目の変動演出が開始するときに特定演出が開始される。これは、上記したように、低確モード中に小当たりに当選すると、演出モードが潜伏モードに移行するが、潜伏モードに移行するのと同時に特定演出を開始してしまうと、演出の内容が極めて煩雑となり、遊技者に不信感を抱かせてしまったり、現在の演出モードがわかりにくくなってしまったりするためである。つまり、小当たり用の変動演出中にアウト球数が特定数に達した場合には、潜伏モードにおいて4回の変動演出を実行した後に特定演出を開始することで、遊技者に演出モードの移行を確実に認識させ、遊技者に不信感を抱かせることがないようにしている。なお、低確モード中に小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行されるが、小当たり遊技中にアウト球数が特定数に達した場合における特定演出の開始条件は、小当たり用の変動演出中にアウト球数が特定数に達した場合における特定演出の開始条件と同じである。
また、潜伏モード中であって、上記の先読み演出が実行されている場合にアウト球数が特定数に達した場合にも、低確モード中と同様に、先読み演出の対象となっている保留にかかる変動演出の終了後(先読み演出の対象となっている保留の次の保留にかかる変動演出の開始時)に、特定演出が開始される。ただし、先読み演出の実行が予定されているものの、いまだ先読み演出が開始されていない状態である場合には、実行予定の先読み演出をキャンセルして特定演出を開始する。
また、潜伏モード中であって、先読み演出が実行されておらず、変動演出が実行されているときに、アウト球数が特定数に達した場合には、潜伏モードに移行してからの変動演出の回数と、大役抽選の結果とに応じて、次のように特定演出開始条件が設定されている。すなわち、実行中の変動演出が大当たり用の変動演出であれば、低確モード時と同様に、大役遊技後の条件にしたがって特定演出が開始される。また、実行中の変動演出がハズレ用もしくは小当たり用の変動演出(小当たり遊技中を含む)であれば、潜伏モードに移行してからの変動演出の回数が4回以内であるか、5回目以降であるかによって、次のように特定演出開始条件が設定されている。
つまり、潜伏モードに移行してからの変動演出の回数が4回以内であれば、潜伏モード移行後、4回の変動演出が終了した後、より厳密には、潜伏モード移行後、5回目の変動演出が開始するときに、特定演出が開始される。一方、潜伏モードに移行してからの変動演出の回数が4回以内ではないとき、つまり、潜伏モードにおける5回目以降の変動演出中にアウト球数が特定数に達した場合には、当該変動演出の次の変動演出の開始時に特定演出が開始される。このように、潜伏モードに移行後、4回の変動演出が終了するまでは、特定演出の実行を制限する禁止期間とすることにより、上記と同様、遊技者に不信感を与えないようにしている。
また、主制御基板300において、大役遊技が実行されておらず、かつ、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には、演出モードが高確モードに設定されている。演出モードが高確モードに設定されている場合には、変動演出の実行状況に拘わらず、特定演出の実行を制限する禁止期間となる。そして、高確モード中すなわち時短遊技状態中にアウト球数が特定数に達した場合には、時短遊技状態の終了後、4回の変動演出を実行した後に特定演出が開始される。つまり、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に移行する場合というのは、同時に高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行する場合であり、演出モードも高確モードから低確モードに移行する。したがって、高確モード中にアウト球数が特定数に達した場合には、低確モードに移行してから4回の変動演出が実行された後、5回目の変動演出の開始とともに特定演出が開始されることとなる。これも、上記と同様に、演出モードが移行してから4回の変動演出が終了するまでの期間を禁止期間とすることで、遊技者に不信感を与えないようにするためである。
また、大役遊技中にアウト球数が特定数に達した場合には、大役遊技後の遊技状況に応じて特定演出が開始される。具体的には、大役遊技後に非時短遊技状態に設定された場合には、演出モードが低確モードもしくは潜伏モードに設定され、大役遊技後に時短遊技状態に設定された場合には、演出モードが高確モードに設定される。したがって、大役遊技中にアウト球数が特定数に達した場合には、大役遊技後に設定された演出モードに規定される特定演出開始条件にしたがって、特定演出が開始されることとなる。
上記したように、アウト球数が特定数に達したときの遊技の進行状況に応じて、特定演出の開始時期を決定するが、遊技の進行状況が予め設定された特定状況下にあるときには、特定演出の開始を延期する。このように、遊技の進行状況によっては、特定演出の開始を延期することにより、他の演出との干渉を避けつつ、予め設定された内容の特定演出を確実かつ完全に実行することが可能となり、演出効果を向上して遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、先読み演出中や大役遊技中等、特定演出の開始時期を延期する場合には、図58(b)に示すように、待機中アイコン224がメイン演出表示部200aに表示され、特定演出の待機中であることが遊技者に報知される。また、アウト球数の計数は、遊技の進行状況に拘わらず継続的に行われるが、待機中アイコン224が表示されている間、すなわち、特定演出の待機中には、アウト球数の計数が中断されることとなる。したがって、例えば、高確率遊技状態時に大当たりに当選し、大役遊技後に再び高確率遊技状態に設定されるといった、所謂連荘状態が長時間続いたとしても、連荘中に待機中となる特定演出は1回分に限られ、複数回の特定演出が同時に待機中となることはない。ただし、特定演出の待機中もアウト球数を計数し、複数回の特定演出が同時に待機中となるように設定してもよい。
以下に、上記の特定演出を実行するための副制御基板330の処理について説明する。なお、以下では、理解を容易とするため、副制御基板330の実際の処理の順番と、説明の順番とを前後させる場合がある。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図59は、副制御基板330におけるサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図60は、副制御基板330におけるサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、上記の特定演出を実行するための特定演出実行処理を行う。この特定演出実行処理の詳細は後述する。
(ステップS1400)
サブCPU330aは、主制御基板300の遊技状況が、大役遊技が実行されておらず、かつ、特別図柄の変動表示も実行されていない待機状態にあるときに、メイン演出表示部200aにデモ画面を表示する等のデモ中処理を実行する。このデモ中処理の詳細は後述する。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、各演出についてセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。ここでは、タイムテーブルにセットされたタイムデータに応じて各種フラグのオン、オフ制御がなされるとともに、各種演出デバイスにコマンドが送信され、これによって変動演出をはじめとする各演出が実行されることとなる。
(ステップS1100−9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図61は、上記コマンド解析処理のうち、特図確定時遊技状態確認指定コマンドを受信した際に実行される特図確定時遊技状態確認指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特図確定時遊技状態確認指定コマンドは、主制御基板300において、図30のステップS630−11でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
特図確定時遊技状態確認指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した特図確定時遊技状態確認指定コマンドを解析する。
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、変動状態が変更されたかを確認する。なお、サブRAM330cには、現在の変動状態を記憶する記憶領域が設けられており、ここでは、サブRAM330cに記憶された変動状態と、上記ステップS1210−1の解析結果とから、変動状態が変更されたかを確認することとなる。
(ステップS1210−5)
サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶された変動状態を更新する。
(ステップS1210−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−5で更新した変動状態に対応する演出モードに設定するための処理を実行し、当該特図確定時遊技状態確認指定コマンド受信処理を終了する。これにより、主制御基板300における変動状態および遊技状態の変更に伴って、演出モードが変更されることとなる。
図62は、上記コマンド解析処理のうち、特図停止指定コマンドを受信した際に実行される特図停止指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特図停止指定コマンドは、主制御基板300において、図29のステップS620−19でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
特図停止指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した特図停止指定コマンドを解析し、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示された特別図柄を示す停止図柄情報を、サブRAM330cの所定の記憶領域に記憶する。
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1で記憶した停止図柄情報から、停止図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止図柄が大当たり図柄であると判定した場合にはステップS1220−5に処理を移し、停止図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合には当該特図停止指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶されている変動状態を、大当たり当選時の変動状態として所定の記憶領域に記憶し、当該特図停止指定コマンド受信処理を終了する。
図63は、上記コマンド解析処理のうち、遊技状態変化指定コマンドを受信した際に実行される遊技状態変化指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、遊技状態変化指定コマンドは、主制御基板300において、図35のステップS670−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1230−1)
遊技状態変化指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した遊技状態変化指定コマンドを解析し、主制御基板300において設定されている現在の遊技状態および変動状態をサブRAM330cの所定の記憶領域に記憶する。
(ステップS1230−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−5で記憶した大当たり当選時の変動状態を確認する。
(ステップS1230−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1で記憶した停止図柄情報すなわち大当たり図柄を確認する。
(ステップS1230−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1230−3およびステップS1230−5で確認した情報から、主制御基板300で設定される遊技状態に対応する演出モードに設定する演出モード設定処理を行い、当該遊技状態変化指定コマンド受信処理を終了する。ここでは、設定した演出モードに対応する背景画像をメイン演出表示部200aに表示するとともに、所定のBGMの出力を開始するための処理を行う。
図64は、上記コマンド解析処理のうち、先読み指定コマンドを受信した際に実行される先読み指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、先読み指定コマンドは、主制御基板300において、図23のステップS535−17でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1240−1)
先読み指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した先読み指定コマンドを解析し、サブRAM330cの所定の記憶領域に先読み情報を記憶する。
(ステップS1240−3)
サブCPU330aは、特定演出残り時間タイマのタイマ値が0よりも大きいかを判定する。なお、特定演出残り時間タイマは、特定演出の開始時にセットされ、その後、時間の経過に伴って0になるまで減算される。したがって、ここでは、現在、特定演出の実行中であるか否かを判定することとなる。その結果、特定演出の実行中であると判定した場合(タイマ値>0)にはステップS1240−11に処理を移し、特定演出の実行中ではないと判定した場合(タイマ値=0)にはステップS1240−5に処理を移す。
(ステップS1240−5)
サブCPU330aは、受信した先読み指定コマンドに基づいて、保留表示212の表示パターンを決定するとともに、決定した表示パターンをサブRAM330cに記憶する保留表示パターン決定処理を行う。この処理により、メイン演出表示部200aに表示される保留表示212の表示色や、どのタイミングで表示色が変化するか等、保留表示212がメイン演出表示部200aに最初に表示されてから消去されるまでの表示態様が決定されることとなる。
(ステップS1240−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1240−5で決定した表示パターンで保留表示212を表示するための保留表示処理を実行する。これにより、メインRAM300cに保留が記憶されたときに、当該保留に対応する保留表示212がメイン演出表示部200aに表示されることとなる。
(ステップS1240−9)
サブCPU330aは、サブRAM330cに記憶されている先読み情報に基づいて、新たに記憶された保留を対象保留とする連続演出を実行するか否か、また、連続演出を実行する場合には、その実行パターンを決定する連続演出実行処理を行い、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。ここでは、連続演出の実行が決定されると、連続演出を実行することを示す連続演出実行情報がサブRAM330cに記憶されることとなる。
(ステップS1240−11)
サブCPU330aは、メイン演出表示部200aにデフォルト(白色)で保留表示212を表示するデフォルト表示処理を実行し、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
上記の先読み指定コマンド受信処理によれば、特定演出の実行中は、保留表示212がデフォルトの態様でのみ表示されることとなり、連続演出や保留表示演出による先読み演出が不実行となる。これにより、特殊な演出が複合的に実行される事態がなくなり、遊技者に違和感や不信感を与えることがないようにしている。
図65は、上記コマンド解析処理のうち、変動コマンドを受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動コマンドは、主制御基板300において、図28のステップS611−13、ステップS611−17でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1250−1)
変動コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、メイン演出表示部200aに表示されている保留表示212を移動表示させる保留シフト処理を実行する。この保留シフト処理により、変動演出の開始時に、保留表示212が移動表示されることとなる。
(ステップS1250−3)
サブCPU330aは、現在設定されている演出モードを確認する。
(ステップS1250−5)
サブCPU330aは、サブRAM330cに連続演出実行情報が記憶されているか、つまり、現在、連続演出の実行中であるか、あるいは、連続演出の待機中であるかを確認する。
(ステップS1250−7)
サブCPU330aは、受信した変動コマンドを解析するとともに、その解析結果に基づき、図51(a)、(b)に示す前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルを参照して、変動演出の実行パターンを決定する。なお、ここでは、連続演出を実行する場合には、連続演出用の変動演出決定テーブルを参照することにより、連続演出用の実行パターンが決定されることとなる。
(ステップS1250−9)
サブCPU330aは、受信した変動コマンドに基づいて、予告演出や演出図柄210a、210b、210cの変動表示演出等、各種の要素演出の実行可否、実行パターンを決定する要素演出決定処理を行う。
(ステップS1250−11)
サブCPU330aは、パスワードが入力された遊技者識別状態において、図55に示すキャラクタの設定がなされているかを判定する。その結果、キャラクタの設定中であると判定した場合にはステップS1250−13に処理を移し、キャラクタの設定中ではないと判定した場合にはステップS1250−15に処理を移す。
(ステップS1250−13)
サブCPU330aは、受信した変動コマンドに基づいて、図55(b)に示すキャラ演出の実行可否または実行パターンを決定するキャラ演出決定処理を行う。
(ステップS1250−15)
サブCPU330aは、特定演出残り時間タイマのタイマ値が0よりも大きいか、すなわち、現在、特定演出の実行中であるか否かを判定する。その結果、特定演出の実行中であると判定した場合(タイマ値>0)にはステップS1250−29に処理を移し、特定演出の実行中ではないと判定した場合(タイマ値=0)にはステップS1250−17に処理を移す。
(ステップS1250−17)
サブCPU330aは、特定演出待機フラグがオンしているかを判定する。なお、特定演出待機フラグは、特定演出の開始が待機状態であることを示すものであり、アウト球数が特定数に達したときに、特定演出を開始できない場合にオンされる。特定演出待機フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1250−19に処理を移し、特定演出待機フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1250−33に処理を移す。
(ステップS1250−19)
サブCPU330aは、特定演出の待機中に実行された変動演出の回数等を更新する待機中情報更新処理を行う。上記したように、例えば、潜伏モードに移行後、4回の変動演出が終了するまでの間は、特定演出を不実行としている。したがって、ここでは、現在の演出モードが潜伏モードである場合には、潜伏モードに移行後の変動演出の回数を計数する等、特定演出開始条件に関する情報の更新を行う。
(ステップS1250−21)
サブCPU330aは、上記ステップS1250−19で更新した情報に基づき、特定演出開始条件が成立したか否かを判定する。
(ステップS1250−23)
サブCPU330aは、上記ステップS1250−21において特定演出開始条件が成立したと判定した場合にはステップS1250−25に処理を移し、特定演出開始条件は成立していないと判定した場合にはステップS1250−33に処理を移す。
(ステップS1250−25)
サブCPU330aは、特定演出残り時間タイマをセットする。ここでは、タイマ値として5分に相当するタイマ値がセットされることとなる。
(ステップS1250−27)
サブCPU330aは、メイン演出表示部200aに特定背景画像を表示したり、専用のBGMを出力したりする等、特定演出を開始するために必要な特定演出実行処理を行う。なお、ここでは、RTC330dを確認し、現在の時刻等に基づいて、サブ演出表示部201aに表示するキャラクタや、BGM等を決定する。これにより、アウト球数が特定数に達した後、特定演出開始条件が成立したところで特定演出が開始されることとなる。
(ステップS1250−29)
また、変動コマンドの受信時に、特定演出が実行されている場合、サブCPU330aは、メイン演出表示部200aに表示するミッション情報220を決定するミッション情報決定処理を行う。
(ステップS1250−31)
サブCPU330aは、上記の補助演出を実行するための補助演出実行処理を行う。ここでは、上記ステップS1250−29において、所定の指令が達成されることが決定されたかを判定するとともに、所定の指令が達成される場合には、サブ演出表示部201aに表示されているキャラクタを攻撃する画像を決定する等の処理が行われる。
(ステップS1250−33)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいてタイムテーブルのタイムデータをセットして、当該変動コマンド受信処理を終了する。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、ステップS1100−7において、変動演出画像をメイン演出表示部200aに表示したり、変動演出画像に対応する音声を出力したり、演出照明装置204を点灯したりする処理がなされることとなる。
図66は、上記特定演出実行処理(ステップS1300)を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、特定演出残り時間タイマのタイマ値が0よりも大きいか、すなわち、現在、特定演出の実行中であるか否かを判定する。その結果、特定演出の実行中であると判定した場合(タイマ値>0)にはステップS1310に処理を移し、特定演出の実行中ではないと判定した場合(タイマ値=0)にはステップS1300−3に処理を移す。
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、アウト球検出スイッチ209sから検出信号が入力されているか、すなわち、アウト球が検出されたかを判定する。その結果、アウト球が検出されたと判定した場合にはステップS1300−5に処理を移し、アウト球は検出されていないと判定した場合には当該特定演出実行処理を終了する。
(ステップS1300−5)
サブCPU330aは、特定演出待機フラグがオンしているか、つまり、特定演出の待機状態であるかを判定する。その結果、特定演出待機フラグがオンしていると判定した場合には当該特定演出実行処理を終了し、特定演出待機フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS1300−7に処理を移す。
(ステップS1300−7)
サブCPU330aは、アウト球数カウンタに記憶されているアウト球数(OC)を1インクリメントする。
(ステップS1300−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1300−7で更新したアウト球数(OC)がメータ更新値であるかを判定する。なお、メータ更新値とは、アウト球数メータ218のメータ値を上昇させる値であり、ここでは、0から500おきにメータ更新値が設定されている。
(ステップS1300−11)
サブCPU330aは、アウト球数メータ218のメータ値を上昇させるメータ更新処理を行う。
(ステップS1300−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1300−7で更新したアウト球数(OC)が最大値(ここでは5000)に達したかを判定する。その結果、アウト球数(OC)が最大値であると判定した場合にはステップS1300−15に処理を移し、アウト球数(OC)は最大値ではないと判定した場合には当該特定演出実行処理を終了する。
(ステップS1300−15)
サブCPU330aは、サブRAM330cを確認し、先読み演出を実行する予定があるかを判定する。その結果、実行予定の先読み演出があると判定した場合にはステップS1300−17に処理を移し、実行予定の先読み演出はないと判定した場合にはステップS1300−19に処理を移す。
(ステップS1300−17)
サブCPU330aは、先読み演出の実行情報をクリアする。なお、ここでは、連続演出実行情報に加えて、以後に保留表示212の表示態様が変化する情報を含めて、先読み演出の実行情報としている。この処理で先読み演出の実行情報をクリアすることにより、先読み演出がキャンセルされることとなる。
(ステップS1300−19)
サブCPU330aは、特定演出開始条件が成立しているかを判定する。
(ステップS1300−21)
サブCPU330aは、上記ステップS1300−19において特定演出開始条件が成立したと判定した場合にはステップS1300−23に処理を移し、特定演出開始条件は成立していないと判定した場合にはステップS1300−27に処理を移す。
(ステップS1300−23)
サブCPU330aは、特定演出残り時間タイマをセットする。ここでは、タイマ値として5分に相当するタイマ値がセットされることとなる。
(ステップS1300−25)
サブCPU330aは、メイン演出表示部200aに特定背景画像を表示したり、専用のBGMを出力したりする等、特定演出を開始するために必要な特定演出実行処理を行う。なお、ここでは、RTC330dを確認し、現在の時刻等に基づいて、サブ演出表示部201aに表示するキャラクタや、BGM等を決定する。これにより、特定演出を開始可能な状況でアウト球数が特定数に達した場合には、即、特定演出が開始されることとなる。
(ステップS1300−27)
また、サブCPU330aは、特定演出を開始できない状況でアウト球数が特定数に達した場合には、特定演出待機フラグをオンする。
(ステップS1300−29)
サブCPU330aは、待機中アイコン224をメイン演出表示部200aに表示する待機中アイコン表示処理を実行し、当該特定演出実行処理を終了する。
(ステップS1310)
また、サブCPU330aは、上記ステップS1300−1において、特定演出残り時間タイマのタイマ値が0よりも大きいと判定した場合、つまり、特定演出の実行中であれば、特定演出中処理を実行する。この特定演出中処理について、図67を用いて説明する。
図67は、上記の特定演出中処理(ステップS1310)を説明する図である。
(ステップS1310−1)
サブCPU330aは、特定演出残り時間タイマのタイマ値を減算する。
(ステップS1310−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1310−1で更新した残り時間が0になったかを判定する。その結果、特定演出の残り時間が0であると判定した場合にはステップS1310−11に処理を移し、特定演出の残り時間は0ではないと判定した場合にはステップS1310−5に処理を移す。
(ステップS1310−5)
サブCPU330aは、変動演出の終了タイミングであるかを判定する。その結果、変動演出の終了タイミングであると判定した場合にはステップS1310−7に処理を移し、変動演出の終了タイミングではないと判定した場合には当該特定演出中処理を終了する。
(ステップS1310−7)
サブCPU330aは、変動演出中に指令を達成したミッション情報220に記されている獲得ポイント値を、これまでに累積されている獲得ポイント値に加算する獲得ポイント値更新処理を行う。
(ステップS1310−9)
サブCPU330aは、変動演出中に実行された補助演出において、サブ演出表示部201aに表示されたキャラクタを撃破した場合に、当該キャラクタをカスタム設定で選択することができるように情報を更新する選択キャラクタ情報更新処理を実行し、当該特定演出中処理を終了する。
(ステップS1310−11)
サブCPU330aは、特定演出を終了するための特定演出終了処理を実行し、当該特定演出中処理を終了する。
図68は、上記コマンド解析処理のうち、客待ちコマンドを受信した際に実行される客待ちコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、客待ちコマンドは、主制御基板300において、図27のステップS610−5でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1260−1)
客待ちコマンドを受信すると、サブCPU330aは、主制御基板300における遊技の待機時間を計時するべく、客待ちタイマをセットし、当該客待ちコマンド受信処理を終了する。なお、ここでは、客待ちタイマに、例えば、5秒〜60秒に相当するタイマ値がセットされる。
図69は、上記のデモ中処理(ステップS1400)を説明する図である。
(ステップS1400−1)
サブCPU330aは、客待ちタイマのタイマ値が0よりも大きいか、すなわち、現在、客待ち中であるかを判定する。その結果、客待ちタイマのタイマ値が0よりも大きいと判定した場合にはステップS1400−3に処理を移し、客待ちタイマのタイマ値は0よりも大きくないと判定した場合にはステップS1400−11に処理を移す。
(ステップS1400−3)
サブCPU330aは、客待ちタイマのタイマ値を減算する。
(ステップS1400−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1400−3で更新したタイマ値が0になったか、つまり、ここでは、客待ち時間が経過したかを判定する。その結果、客待ちタイマのタイマ値=0であると判定した場合にはステップS1400−7に処理を移し、客待ちタイマのタイマ値=0ではないと判定した場合には当該デモ中処理を終了する。
(ステップS1400−7)
サブCPU330aは、メイン演出表示部200aにデモ画面を表示するデモ画面表示処理を行う。
(ステップS1400−9)
サブCPU330aは、デモ中フラグをオンして当該デモ中処理を終了する。
(ステップS1400−11)
サブCPU330aは、デモ中フラグがオンしているかを判定する。その結果、デモ中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS1400−13に処理を移し、デモ中フラグはオンしていないと判定した場合には当該デモ中処理を終了する。
(ステップS1400−13)
サブCPU330aは、演出ボタン検出スイッチ208sから操作信号が入力されたか、すなわち、演出ボタン208の操作が検出されたかを判定する。その結果、演出ボタン検出スイッチ208sから操作信号が入力されていると判定した場合にはステップS1400−15に処理を移し、演出ボタン検出スイッチ208sから操作信号は入力されていないと判定した場合には当該デモ中処理を終了する。
(ステップS1400−15)
サブCPU330aは、遊技者識別状態に設定したり、あるいは、遊技者識別状態を終了したりするための遊技者識別状態処理を行う。この処理において、パスワードが適切に入力された場合には、遊技者識別状態の設定がなされ、以後、遊技や演出の進行に伴って遊技履歴情報が蓄積される。また、遊技者が出力コードを表示する操作を行った場合には、蓄積されている遊技履歴情報に基づいて、メイン演出表示部200aに出力コードを表示する。
(ステップS1400−17)
サブCPU330aは、遊技者がキャラクタの設定を行うための操作を行った場合に、演出のカスタムを行うためのカスタム設定処理を実行し、当該デモ中処理を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態で説明した演出の具体的な内容は一例に過ぎず、適宜設計変更可能である。また、上記の遊技の内容はいずれも一例に過ぎず、遊技の内容や仕様は適宜設計可能である。
また、上記実施形態においては、遊技の進行を制御する主制御基板300と、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて演出を実行制御する副制御基板330とにおいて、上記のとおりに協働することで変動演出が実行されることとした。しかしながら、主制御基板300および副制御基板330において、上記の各機能をどのように分担するかは適宜設計することが可能である。
また、上記実施形態における特別図柄の種別や、大役遊技、小当たり遊技の内容、遊技状態の内容等の遊技性は一例に過ぎない。例えば、上記実施形態では、小当たり遊技が実行されることとしたが、小当たり遊技は必須ではない。また、上記実施形態では、大入賞口内に特定領域140bを設け、特定領域140bへの遊技球の進入可否に応じて、以後の遊技状態を設定することとした。しかしながら、特定領域140bを設けずに、大当たり図柄の種別に大役遊技後の遊技状態を対応付けておき、大当たり図柄に基づいて遊技状態を設定するとしてもよい。
いずれにしても、本発明は、始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも、遊技領域に設けられた大入賞口が開放される大入賞口開放遊技の実行可否が決定され、当該決定結果を示唆または報知する変動演出が実行される。そして、大入賞口開放遊技の実行が決定されるとともに、当該決定結果を示唆または報知する変動演出が実行されると、大入賞口開放遊技が実行されれば、遊技の詳細は適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、アウト球検出スイッチ209sを設け、遊技領域116から排出された遊技球の数である排出数を計数することとしたが、例えば、遊技領域に発射された遊技球の数である発射球数を計数してもよい。いずれにしても、遊技領域に発射された遊技球の数である発射球数、もしくは、遊技領域から排出された遊技球の数である排出数を計数する計数手段を備え、計数手段によって計数された遊技球数が、予め設定された特定数に達したことを条件として、所定期間に亘って特定演出を実行すればよい。
また、上記実施形態では、図58(a)に示すように特定演出開始条件を設定した。例えば、上記実施形態では、特定演出の開始が延期される状況(特定状況)として、大役遊技中(大入賞口開放遊技の実行中)が少なくとも含まれており、大役遊技中(大入賞口開放遊技の実行中)に、発射球数もしくは排出数が特定数に達した場合、大役遊技(大入賞口開放遊技)が終了するまで、特定演出の開始を延期することとした。
また、例えば、上記実施形態では、大役遊技(大入賞口開放遊技)が終了すると、所定の遊技の進行条件が規定された初期状態、および、初期状態よりも有利な進行条件が規定された特定遊技状態(高確率遊技状態、時短遊技状態)を少なくとも含む、互いに遊技の進行条件を異にする複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に設定されることとし、特定遊技状態に設定されている場合に、予め設定された遊技変更条件が成立すると、遊技状態を特定遊技状態から初期状態に変更する。このとき、特定演出の開始が延期される状況(特定状況)として、特定遊技状態の設定中が少なくとも含まれ、遊技状態が特定遊技状態に設定されているときに、発射球数もしくは排出数が特定数に達した場合、少なくとも、特定遊技状態から初期状態に遊技状態が変更されるまで、特定演出の開始を延期することとした。
しかしながら、図58(a)に示す特定演出開始条件は一例に過ぎず、適宜設定可能であることは言うまでもない。いずれにしても、発射球数もしくは排出数が特定数に達したときの遊技または演出の進行状況に応じて、特定演出の開始時期を決定するとともに、遊技または演出の進行状況が予め設定された特定状況下にあるときに発射球数もしくは排出数が特定数に達した場合には、特定状況が終了するまで、特定演出の開始を延期すればよい。
なお、上記実施形態における発射制御回路320が本発明の発射手段に相当する。
また、上記実施形態において、図27のステップS610−9およびステップS610−11の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の大入賞口開放遊技決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図65の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の変動演出実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、図31〜図34の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の大入賞口制御手段に相当する。
また、上記実施形態におけるアウト球検出スイッチ209s、および、図66のステップS1300−7の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の計数手段に相当する。
また、上記実施形態において、図65のステップS1250−27および図66のステップS1300−25の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の特定演出実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、図35のステップS670−3の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技状態設定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図30のステップS630−7の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技状態変更手段に相当する。