JP6894167B2 - 通信装置及び通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置及び通信方法に関する。
インターネット通信においてQoS(Quality of Service)を保証する代表的な手法にDiffServ(Differentiated Services)がある(非特許文献1等参照)。DiffServは、通信フローをいくつかのクラスに分類し、クラス毎に優先順位をつけて制御を行う手法である。優先制御手法としては、例えばPQ(PriorityQueuing)、WFQ(Weighted Fair Queuing)、LLQ(Low Latency Queuing)などがある。これらは、優先度の高いクラスのパケットを優先的に処理、又は帯域保証を行うことでQoSを保証する。
また、ルータなどでパケットの過剰なバッファリングによって大きな遅延が生じるBufferbloatを回避する手法として、動的にパケット交換装置のキューサイズを変更する様々なAQM(Active Queue Management)の方式が提案されている。AQMとは、キューにバッファできる最大のパケット量やパケット破棄率を動的に変更することでパケットのバッファ量を制御する手法である。AQMの一つに、通信フロー間の公平性が高く、キューイング遅延を低減するFQ_CoDel(Flow Queue Control Delay)がある(非特許文献2等参照)。FQ_CoDelは、通信フロー毎にキューを分類し、それぞれのキューはCoDelというAQM方式によってキュー管理がなされる。CoDelは、パケットがキューに入ってから出るまでの滞在時間が、ある閾値を一定時間超えた場合にキューの先頭からパケットを破棄、又はマーキングする手法である。各キューからのパケット排出スケジューリングには、パケット単位ではなく、データ量単位で順番にパケットを取り出すDRR(Deficit Round Robin)という手法を用いるため、通信フロー間の公平性が高く、キューイング遅延が閾値を超えることを防ぐ。CoDel同様にキューイング遅延に応じて制御を行うAQMアルゴリズムであるPIE(Proportional Integral controller Enhanced)は、パケットの排出量と現在のキュー長から、キューイング遅延を計算し、キューイング遅延の増加によってパケット破棄率を上昇させるRED(Random Early Detection)を実施する(非特許文献3等参照)。
cisco systems, "DIFFSERV-THE SCALABLE END-TO-END QUALITY OF SERVICE MODEL," 2005, [online], [平成27年7月6日検索], インターネット<URL:http://www.cisco.com/en/US/technologies/tk543/tk766/technologies_white_paper09186a00800a3e2f.pdf> T. Hoeiland-Joergensen et al., "The FlowQueue-CoDel Packet Scheduler and Active Queue Management Algorithm draft-ietf-aqm-fq-codel-06," IETF Internet-Draft (work in progress), Mar. 2016, [online], [平成27年7月6日検索], インターネット<URL:https://tools.ietf.org/html/draft-ietf-aqm-fq-codel-06> R. Pan et al., "Proportional Integral Controller Enhanced (PIE): A Lightweight Control Scheme to Address the Bufferbloat Problem", IETF RFC 8033, Feb. 2017, [online], [平成27年7月6日検索], インターネット<URL:https://tools.ietf.org/html/rfc8033#ref-HPSR-PIE>
近年、3GPP(The3rdGenerationPartnershipProject)にて5G(第5世代移動体通信システム)の標準化が進んでいる。3GPPでは、最大スループット20Gbps、平均スループット100Mbpsを5Gの要求条件としている。5Gでは高速通信を実現するために28GHz帯などの周波数帯の利用を想定しており、既存のLTE(Long Term Evolution)と比較して、電波の直進性が高く、面的なエリア構築が困難という特徴がある。したがって、5G普及の初期段階では、LTEサービスと併用し、高速通信の需要の高いエリアにスポット的に5Gサービスが展開されると想定される。
LTEセルから5Gセルへハンドオーバした場合、通信帯域は数十Mbpsから数Gbpsと大きく変動する。また、5Gではこれまでより高い周波数帯を利用するため、遮蔽物があると急激にスループットが低下することが想定される。このように5Gではこれまでのモバイルアクセスネットワークよりも急激な帯域、遅延などの変動が生じる。このような通信品質の変動においても、1Gbps以上の通信速度を提供するためには、基地局やモバイルコアノードにおいて十分なパケットバッファを確保することが求められる。
一方で、バッファの増大は通信遅延の増加を招くため、Web閲覧、IP電話、ライブストリーミングなど、リアルタイム性が要求されるアプリケーションでは、バッファは小さい方が望ましい。特に前述の1Gbps以上の高速通信と低遅延を要求する通信が同じボトルネックリンクを共有する場合、ルータなどで過剰にパケットがバッファされ、遅延が大きく悪化するBuffferbloatが生じることが知られている。従って高スループットを要求するアプリケーションと低遅延を要求するアプリケーションを共存させる仕組みが求められる。
現在のインターネット通信ではほとんどがベストエフォートで運用されており、また近年インターネット通信の暗号化が進んでいるため、通信種別を容易に判定することが困難となっている。DPI(Deep Packet Inspection)によりパケットのペイロード部を識別、又は、通信種別ごとのパケット送信間隔や、パケット長などをパターン認識して通信を判別する手法があるが、ベストエフォートトラヒック内で特定の通信を優遇することになり、通信フロー毎の公平性が損なわれる。通信パターンで通信を判別する場合は判別の誤りにより、通信事業者の意図していない通信制御を行う可能性もある。また、暗号化された通信の解析は通信の秘密に抵触する恐れもある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通信フローに応じて、より効率的にパケットを転送することのできる通信装置及び通信方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明に係る通信装置は、受受信したパケットを、端末及びサーバ並びにアプリケーションの何れかによるキュー要求に関するキュー要求情報に基づいて、いずれかのキューに振り分けるキュー分類部と、前記キュー毎に異なる条件により、前記キューに蓄積された前記パケットの破棄又は輻輳マーキングするかどうかの遅延判定を行うキュー管理部と、所定の計測間隔の間にキューに追加された通信フローの種類をフロー数として算出するとともに、各キューの通信フロー数から算出される重みに基づいて、いずれのキューに蓄積されたパケットを排出するかどうかを決定するスケジューリング部と、を備え、前記異なる条件は、許容キューイング遅延の条件、及び最大キューサイズの条件のいずれかであることを特徴とする。
また、本願発明に係る通信方法は、受信したパケットを、端末及びサーバ並びにアプリケーションの何れかによるキュー要求に関するキュー要求情報に基づいて、いずれかのキューに振り分けるステップと、前記キュー毎に異なる条件により、前記キューに蓄積された前記パケットの破棄又は輻輳マーキングするかどうかの遅延判定を行うステップと、所定の計測間隔の間にキューに追加された通信フローの種類をフロー数として算出するとともに、各キューの通信フロー数から算出される重みに基づいて、いずれのキューに蓄積されたパケットを排出するかどうかを決定するステップと、を備え、前記異なる条件は、許容キューイング遅延の条件、及び最大キューサイズの条件のいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、通信フローに応じて、より効率的にパケットを転送することができる。
本実施形態に係る通信システムの構成について示す概略図 通信装置の機能を示すブロック図 通信装置におけるパケットの処理を説明するための概略図 キュー分類部の機能の詳細を示すブロック図 キュー分類部を利用した通信システムの処理を示すシーケンス図 IPパケットの構成例について示す図 オプション領域に保存されるキュー要求情報の一例を示す図 オプション領域に保存されるキュー要求情報の一例を示す図 キュー要求データベースの構成の一例について示す図 キュー要求データベースの構成の一例について示す図 キュー分類部の第1変形例の機能構成について示すブロック図 キュー分類部の第1変形例を用いた通信システムの処理を示すシーケンス図 通信システムの変形例の構成について示す概略図 キュー分類部の第2変形例の機能構成を示すブロック図 通信システムの変形例に係る処理を示すシーケンス図 キュー管理部の機能構成の一例を示すブロック図 キュー管理部の処理を示すフローチャート ハッシュテーブルの例を示す図 スケジューリング部の処理の一例を示すフローチャート 重みを更新する処理について示すフローチャート 重みを更新する処理により算出された重みの例を示す表 スケジュールされたパケット排出順について示す図 キュー管理部の第1変形例の機能構成を示すブロック図 キュー管理部の第2変形例の機能構成を示すブロック図 キュー管理部の第3変形例の機能構成を示すブロック図 キュー管理部の第3変形例の処理を示すフローチャート キューイング遅延の例について示すグラフ 端末及び通信装置の機能を示すブロック図
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。説明において同様の要素には同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
<通信システム及び通信装置の概要>
図1は、本実施形態に係る通信システム10の構成について示す概略図である。この図に示されるように、通信システム10は、サーバ装置11と、インターネット12と、モバイルコアネットワーク13と、通信装置100と、無線基地局14と、端末50とにより構成されている。サーバ装置11、通信装置100、無線基地局14及び端末50は、それぞれ、主に半導体装置で構成され、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置、及び外部との通信のための接続を行う通信インターフェースを有する、いわゆる情報処理機器として構成されていてもよい。
モバイルコアネットワーク13は、例えば携帯電話等が利用する移動体通信網とすることができる。モバイルコアネットワーク13及びインターネット12は、通信ネットワークであり、例えばTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)プロトコルにより通信接続を行う通信ネットワークとすることができる。
端末50は無線基地局14、通信装置100、モバイルコアネットワーク13を経由して、インターネット12上のサーバと通信を行う。通信装置100の配置場所は、無線基地局14とモバイルコアネットワーク13の間に限られず、例えば無線基地局14またはモバイルコアネットワーク13のノード(例えばLTEにおけるEPCのS/P−GWなど)と統合する場合、モバイルコアネットワーク13とインターネット12の間に配置することとしてもよい。通信システム10は図1の構成に限られず、サーバ装置11及び端末50等の通信端末間を通信装置100を介して通信接続される構成であればよい。
図2は、通信装置100の機能を示すブロック図である。通信装置100は、パケット受信部101、キュー分類部110、キュー管理部130、スケジューリング部160及びパケット送信部102を有している。パケット受信部101は、例えばモバイルコアネットワーク13又は無線基地局14からの通信パケットを受信する。キュー分類部110は、受信したパケットのキュー要求に関するキュー要求情報に基づいて、パケットをいずれかのキューに振り分ける。キュー管理部130は、キュー毎に異なる条件により、キューに蓄積されたパケットの破棄又は輻輳マーキングするかどうかの遅延判定を行う。異なる条件は、許容キューイング遅延の条件や最大キューサイズの条件等とすることができる。スケジューリング部160は、キューに蓄積されたパケットを排出するかどうかを決定する。パケット送信部102は、排出が決定されたキューから、例えば無線基地局14又はモバイルコアネットワーク13にパケットを送信する。
図3は、通信装置100におけるパケットの処理を説明するための概略図である。この図に示されるように、パケット受信部101が受信したパケットをキュー分類部110が、端末50、サーバ装置11やアプリケーションなどのキュー要求に応じてパケットをキューに振り分ける。それぞれのキューはキュー毎に異なる許容キューイング遅延パラメータや最大キューサイズを有し、キュー管理部130はそれぞれのキューを独立に管理する。スケジューリング部160は、どのキューからどれだけのパケットを排出するかを決定する。各キューからのパケット排出量は、各キューを利用する通信フロー数に比例してパケット排出量を多くする。排出が決定したパケットは、パケット送信部102により送信される。
キュー管理部130は、通信フロー毎のキュー要求(低遅延、高スループット等)に応じて異なるキューを提供し、キューに応じた許容キューイング遅延の違いによってパケット処理方法を変えることができる。例えば低遅延を要求する通信フローに対応するキューは、許容キューイング遅延を小さくし、輻輳時でも、積極的にパケットをドロップまたは輻輳通知のマーキングを行うことで、スループットを犠牲にして低遅延を維持することができる。高スループットを要求する通信フローに対応するキューは、許容キューイング遅延を大きくすることで、輻輳時にパケットがキューに溜り、遅延の悪化を招くが、輻輳解消時にキューに溜まったパケットが送信されるため、高スループット通信を可能とする。
各キューからのパケット送信量に関し、例えば、各キューを利用する通信フロー数に基づいて重み付けをすることで、通信フロー間で公平にパケットをキューから排出することができる。これにより、通信フロー数に応じて、より効率的にパケットを転送することができる。また、同一優先度のパケットが混在する通信システム10において、特定の通信を優先、帯域保証などの優遇を行うことなく、通信フロー毎のキュー要求に沿ったパケット処理が可能となる。
<キュー分類部>
図4は、キュー分類部110の機能の詳細を示すブロック図である。この図に示されるように、キュー分類部110は、オプション確認部111及び要求確認部113を有している。通信装置100は、更にキュー分類部110と通信するキュー要求データベース112を有していてもよい。キュー要求データベース112は、通信フロー情報とキュー要求情報との対応付けを記憶する。オプション確認部111は、パケットのオプション領域にキュー要求情報が付加されているかどうかを判定し、キュー要求情報が付加されている場合にはキュー要求データベース112に登録し、対応するキューにパケットを送信する。要求確認部113は、通信フローが登録されているかどうかを参照し、登録されている場合には対応するキューにパケットを送信する。つまり、キュー分類部110は、受信したパケットに保存されたキュー要求情報に基づいて、パケットをいずれかのキューに振り分けることができる。また、キュー分類部110は、キュー要求データベース112に保存された情報に基づいて、通信フロー情報に対応するパケットを振り分けることができる。
サーバ装置11又は端末50は、通信フローのキュー要求であるキュー要求情報をTCP又はIPパケットのオプション領域に付加し、パケットを送信する。キュー要求情報が付加されたIPパケットは、通信装置100のキュー分類部110にてキュー要求情報の判定が行われる。
図5は、キュー分類部110を利用した通信システム10の処理を示すシーケンス図である。この図に示されるように、まず、ステップS11において、サーバ装置11がキューのキュー要求情報をIPパケットに付加し、ステップS12において、インターネット12及びモバイルコアネットワーク13を介して、通信装置100に送信する。IPパケットは、図6に示されるように、例えばIPヘッダ部のオプション領域21やTCPヘッダのオプション領域22を有している。図7及び8は、オプション領域21又は22に保存されるキュー要求情報の一例をそれぞれ示す図である。図7に示すように、オプション領域21又は22は、オプション番号及びオプション領域長さを保存する領域を有し、更に予め定められた、例えば低遅延向け、広帯域向け、標準等の要求クラスを指定する領域を有していてもよい。また図8に示すように、オプション番号及びオプション領域長さを保存する領域を有すると共に、最大キュー長、許容キューイング遅延、遅延測定間隔等のキューイング方式又はキューイング方式毎のパラメータを直接指定することとしてもよい。
図5に戻り、IPパケットを受信した通信装置100のオプション確認部111は、ステップS13において、オプション領域21又は22にキュー要求情報が付加されているかどうかを判定し、キュー要求情報が付加されている場合には、ステップS14において、キュー要求データベース112に登録する。つまり、キュー分類部110は、キューに振り分けられるパケット内に保存された情報に基づいてキュー要求データベース112を更新する。
図9及び10は、キュー要求データベース112の構成の一例について示す図である。図9に示されるようにキュー要求データベース112は、送信IP、宛先IP、送信ポート、宛先ポート、プロトコル、キュー制御及び最新パケット到着時刻を有することができる。ここで送信IP、宛先IP、送信ポート、宛先ポート及びプロトコルは5tupleといい、これにより通信フローを特定する。図10は、キュー要求データベース112が、5tupleの個別の項目の代わりに、5tupleのハッシュ値を登録して通信フローを特定することとしてもよい。ハッシュ値を用いることでデータベース参照の計算量が軽減され、高速に処理可能となる。本実施形態における「通信フロー」の用語は、5tupleが同一であるパケットのグループを示すものとしてもよい。また、5tupleのハッシュ値が同一であるパケットのグループを示すものとしてもよい。またキュー要求データベース112にはパケット到達時のタイムスタンプ値を登録しておき、一定時間、通信フローからの要求がない、またはパケットが送られてこない場合には、キュー要求データベース112からその通信フローの登録を削除してもよい。
図5に戻り、ステップS15において、オプション確認部111が、対応するキューにパケットを送信する。ステップS17において、IPパケットは、対応するキューがスケジューリング部160によりスケジュールされた際に、許容キューイング遅延未満であれば端末50に送信される。
次にステップS19において、サーバ装置11が、オプション領域21又は22にキュー要求情報が付加されていない、同一通信フローのIPパケットを送信する。IPパケットを受信したオプション確認部111は、ステップS21において、オプション領域21又は22に要求が付加されているかどうかを判定し、要求が付加されてない場合には、ステップS22において、要求確認部113に要求の有無を確認する。要求確認部113は、ステップS23において、キュー要求データベース112を参照し、通信フローが登録されているかどうかを確認する。通信フローが登録されている場合には、ステップS24において、通信フローに対応する要求キューにIPパケットを送信する。ステップS25において、IPパケットは、対応するキューがスケジューリング部160によりスケジュールされた際に、許容キューイング遅延未満であれば端末50に送信される。
ステップS26において、サーバ装置11が、要求解除の情報を、例えばIPパケットのオプション領域21又は22に付加し、ステップS27においてIPパケットを送信する。IPパケットを受信したオプション確認部111は、ステップS28においてオプション領域21又は22の内容を確認し、要求解除である情報であることを判定すると、ステップS29においてキュー要求データベース112に対して、対応する通信フローと要求キューの登録の削除を要求する。キュー要求データベース112では対応する登録の削除を行う。上述のシーケンスでは、通信フローの初めだけ要求通知を行えばよいが、全てのパケットについてデータベース参照を行うこととなるため、オーバーヘッドが生じる。
<キュー分類部の第1変形例>
図11は、キュー分類部110の第1変形例の機能構成について示すブロック図である。この図に示されるようにキュー分類部110の第1変形例はオプション確認部111を有している。オプション確認部111は、パケットのオプション領域21又は22のキュー要求情報を確認し、対応するキューにパケットを振り分ける。つまり、キュー分類部110は、受信したパケットに保存されたキュー要求情報に基づいて、パケットをいずれかのキューに振り分けることができる。
図12は、図11のキュー分類部110の第1変形例を利用した通信システム10の処理を示すシーケンス図である。この図に示されるように、まず、ステップS31において、サーバ装置11がキュー要求情報をIPパケットに付加し、ステップS32においてインターネット12及びモバイルコアネットワーク13を介して、通信装置100に送信する。次にIPパケットを受信した通信装置100のオプション確認部111は、ステップS33において、オプション領域21又は22のキュー要求情報を確認し、ステップS35において、対応するキューにパケットを送信する。ステップS36において、IPパケットは、対応するキューがスケジューリング部160によりスケジュールされた際に、許容キューイング遅延未満であれば端末50に送信される。
このように、図11及び図12に示されるキュー分類部110の第1変形例では、全てのパケットにキュー要求情報を付加し、キュー分類部110では、パケットのオプション領域を見て要求キューへの振り分けが行われる。この変形例では、全てのパケットにキュー要求情報を付加する必要があるが、データベース参照のオーバーヘッドがなく、処理の効率化を図ることができる。
<キュー分類部の第2変形例>
図13は、通信システム10の変形例の構成について示す概略図である。この通信システム10の変形例の構成は、図1の構成と比較して、インターネット12及びモバイルコアネットワーク13に接続された通信管理装置200を更に有する点で異なっている。他の構成については図1の構成と同様であるため、重複する説明を省略する。通信管理装置200は、主に半導体装置で構成され、CPU、RAM等の揮発性記憶装置、ハードディスクやフラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置、及び外部との通信のための接続を行う通信インターフェースを有する、いわゆる情報処理機器として構成されていてもよい。通信管理装置200は、例えば端末50又はサーバ装置11からの要求により、通信装置100のキュー要求データベース112を更新する。
図14は、キュー分類部110の第2変形例の機能構成を示すブロック図である。キュー分類部110の第2変形例は、例えば図13の通信システム10の変形例に適用される構成である。この図に示されるように、キュー分類部110は、オプション確認部111及びキュー要求データベース112を有している。オプション確認部111及びキュー要求データベース112の詳細については、図4とその対応する説明で示したものと同様であるため、重複する説明を省略する。このような構成により、キュー分類部110は、受信したパケットに保存されたキュー要求情報に基づいて、パケットをいずれかのキューに振り分けることができる。
図15は、図13に示した通信システム10の変形例に係る処理を示すシーケンス図である。この図に示されるように、まず、ステップS41において、サーバ装置11が、通信管理装置200にキュー要求情報を含むサービス要求を送信する。サービス要求を受信した通信管理装置200は、ステップS42において、通信装置100のキュー要求データベース112に、サービス要求のキュー要求情報の反映を要求し、キュー要求データベース112はサービス要求のキュー要求情報を反映する。
次に、サーバ装置11が、ステップS43においてインターネット12及びモバイルコアネットワーク13を介して、通信装置100にIPパケットを送信する。IPパケットを受信した通信装置100の要求確認部113は、ステップS44において、キュー要求データベース112を参照し、通信フローが登録されているかどうかを確認する。通信フローが登録されている場合には、ステップS45において、通信フローに対応する要求キューにIPパケットを送信する。ステップS46において、IPパケットは、対応するキューがスケジューリング部160によりスケジュールされた際に、許容キューイング遅延未満であれば端末50に送信される。
このように、図13及び図14に示した通信システム10の変形例の処理では、端末50又はサーバ装置11が直接パケットにキュー要求情報を付加するのではなく、インターネット12にアクセス可能な通信管理装置200にキュー要求情報を通知する。通知を受けた通信管理装置200は、端末50−サーバ装置11間の通信装置100のキュー要求データベース112を更新する。つまり、キュー分類部110は、いずれのキューにも振り分けられないパケットに保存された情報に基づいてキュー要求データベース112を更新する。端末50がどの通信装置100の配下にいるか、通信管理装置200はわからないため、キュー要求データベース112の更新方法としては、図5のシーケンスのように、キュー要求情報を付加したIPパケットを通信管理装置200が送信する方法が考えられる。端末50宛に送信したIPパケットは、必ず端末50上位の通信装置100を通過するため、端末50の利用する通信装置100のキュー要求データベース112を更新することが可能である。LTEではIPパケットはGTP(GPRS Tunneling Protocol)によりカプセル化されるが、GTPヘッダからヘッダ長が判るため、カプセル化されているIPパケットの通信フローを識別することは容易である。
IPパケットを用いてキュー要求データベース112の更新を行わない場合、例えば端末50の利用する基地局ID(Cell ID)などを用いて端末50の利用する通信装置100を特定することが考えられる。予め、通信装置100配下の基地局情報を通信装置100に登録しておき、要求のあった端末50が利用する基地局IDを取得して通信装置100を特定する。この通信システム10の変形例では、通信管理装置200のAPIを公開し、特定のアプリケーション起動時や、端末50からの設定によって通信装置100の制御を変更することを想定している。
<キュー管理部>
図16は、キュー管理部130の機能構成の一例を示すブロック図である。この図に示されるように、キュー管理部130は、タイムスタンプ部131と、通信フロー数計測部132と、キューq1〜q5と、キュー滞在時間判定部134と、パケット破棄部135と、輻輳マーキング部136と、を有している。タイムスタンプ部131は、受信したパケットのパケット到達時刻のタイムスタンプ値を記憶させる。通信フロー数計測部132は、キューq1〜q5の種類の数だけあり、例えばそれぞれのキューq1〜q5を利用する通信フローの数を計測する。キューq1〜q5は、キュー毎に設定された処理規則に基づいてパケットを蓄積及び排出する。キュー滞在時間判定部134は、許容キューイング遅延の時間を超えているかどうかを判定する。パケット破棄部135はパケットを破棄する。輻輳マーキング部136はパケットにマーキングを行う。キューq1〜q5は、それぞれ目的の異なる複数クラスが独立して管理される。例えば、低遅延の処理を行う低遅延通信キュー、高スループットの処理を行う高スループットキュー、高ジッタに対応した処理を行う高ジッタキュー、通常の処理を行うデフォルトキュー等のクラスに分けることができる。各キューは、それぞれ目的に合わせて異なる許容キューイング遅延とキューイング遅延計測間隔とが定められている。
図17は、図16のキュー管理部130の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示されるように、まずステップS51においてタイムスタンプ部131がパケット到達時刻のタイムスタンプ値を記憶して、ステップS52において、キューq1〜q5のうち、キュー分類部110にて振り分けられたキューにパケットを送信する。各パケットでは、まず通信フロー数算出更新処理S53を実行する。
通信フロー数算出更新処理S53の一例について説明する。各通信フローは、いつ通信が終了したかを通信装置100で判定することは困難であるため、キューを利用する通信フローを厳密に算出することは難しい。そこでフロー計測間隔T_flowの間にキューに追加された通信フロー(パケットの5tuple)の種類を通信フロー数とする。具体的な手順としては以下の通りである。
1.パケットの5tupleをハッシュ化し、ハッシュテーブルを参照。ハッシュテーブルにはフローの有無を示す1ビットと、タイムスタンプ値が保存される。
2.ハッシュテーブルのタイムスタンプ値を更新し、通信フローが無ければ、フラグを立て、通信フロー数に1を加算する。
3.一定時間タイムスタンプ値の更新がない場合、通信フロー数から1を減算し、フラグを0に戻す。
4.T_flow経過時の通信フロー数をキューを利用する通信フロー数とする。
図18は、ハッシュテーブルの例が示されている。この図に示されるようにハッシュテーブルは、5tupleハッシュ値と、フロー有無と、タイムスタンプ値とのフィールドで構成されている。
図17に戻り、通信フロー数算出更新処理S53が終了すると、ステップS54において、パケットは要求されたキューの末尾に挿入される。次に、ステップS55において、キューの先頭パケットのタイムスタンプ値からキュー滞在時間Tstayを算出し、ステップS56において算出されたキュー滞在時間Tstayと最小キューイング時間Tminとを比較する。キュー滞在時間Tstayが最小キューイング時間Tminより小さい場合には、ステップS57において最小キューイング時間Tminをキュー滞在時間Tstayで更新し、ステップS58に移行する。キュー滞在時間Tstayが最小キューイング時間Tmin以上の場合には、ステップS58に移行する。
次にステップS58において、現在時が前回計測時からキューイング遅延計測間隔を超えたか否か、すなわち許容キューイング遅延時間を超えている時間がキューイング遅延計測間隔を超えたか否かを判定する。前記計測時からキューイング遅延計測間隔を超えていない場合には、ステップS65に移行する。一方、前記計測時からキューイング遅延計測間隔を超えている場合には、ステップS59に移行する。次にステップS59において、最小キューイング時間Tminと許容キューイング遅延とを比較する。最小キューイング時間Tminが、許容キューイング遅延以上の場合、すなわち最小キューイング時間Tminがキューイング遅延計測間隔の間に渡って許容キューイング遅延を超えた場合には、ステップS60においてキューイング遅延計測間隔を短縮し、ステップS61において、ECN(Explicit Congestion Notification)対応パケットであるかどうかを判定する。ECN対応パケットでない場合には、ステップS62においてパケットを破棄し、ステップS51の処理に戻る。ECNに対応したパケットであれば、ステップS63において輻輳マーキングを行い、引き続きステップS65においてパケットをキューから排出する。最小キューイング時間Tminが許容キューイング遅延以上であっても、許容キューイング遅延時間を超えている時間がキューイング遅延計測間隔未満であれば、ステップS60の処理は行わず、パケットをキューから排出する(前記ステップS58参照)。前記ステップS59において最小キューイング遅延時間Tminがキューイング遅延計測間隔にわたって許容キューイング遅延より小さい場合には、ステップS64においてキューイング遅延計測間隔をリセットし、ステップS65においてパケットをキューから排出する。なお、図17の例では、キューイング遅延計測時間におけるキューイング遅延の最小値を用いたが、平均値、最大値、平坦化した遅延などを用いても良い。
上述のように、各キューは独立にパケット処理を行うため、許容キューイング遅延の短いキューは輻輳時にパケット破棄されやすく、遅延の増大を防ぎ、許容キューイング遅延の長いキューは輻輳時でもパケット破棄が行われにくいため、遅延の悪化を招くが、転送レートの低下を防ぐことができる。
図19は、スケジューリング部160の処理の一例を示すフローチャートである。スケジューリング部160は、各キューの通信フロー数から算出される重みに基づいて、いずれのキューに蓄積されたパケットを排出するかどうかを決定することとしてもよい。このフローチャートに示されるように、スケジューリング部160は、まずステップS71において通信フロー数に更新がないかどうかを判定する。通信フロー数に更新がない場合には、ステップS73に移行し、通信フロー数に更新があった場合には、ステップS80において重みWiを更新し、ステップS73に移行する。
図20は、重みWiを更新する処理S90について示すフローチャートである。このフローチャートに示されるように、重みWiを更新する処理S90は、ステップS91においてiに1を設定し、ステップS92において、通信フロー数が最大のキューqmaxにおける通信フロー数fmaxをキューqiの通信フロー数fiで除した値を代入する。ステップS93においてiがnに達している場合には、処理S90を終了し、nに達していない場合には、ステップS91に戻り、iに1を加算して、処理を繰り返す。
図21は、重みWiを更新する処理S90により算出された重みWiの例を示す表である。この表に示されるように、4つのキューqiのうち、キューq1が最大通信フロー数fmax=100であるため、キューqmaxとなり、他のキューqiの重みWi=fmax/fiは表に示される通りとなる。
ステップS73では、通信フロー数が最大のキューqmaxから最小パケット排出量をスケジューリングする。ステップS74においてiに1を代入し、ステップS75においてCiに1を加算する。Ciは、キューqiにおいて、通信フロー数が最大のキューqmaxからスケジューリングされた最小パケット排出量のカウント数(初期値0)である。つまり、キューqiから排出される最小パケット排出量の数である。
ステップS76において重みWiとCiとを比較し、重みWiがCi以上の場合にはステップS79に移行する。重みWiがCiより小さい場合には、ステップS77において、qiから最小パケット排出量をスケジューリングする。引き続き、CiをCi−Wiで更新し、ステップS79に移行する。ステップS79では、iがキューの数nであるかを判定し、nでない場合には、ステップS74に戻り、iに1を加算して処理を繰り返す。
iがキューの数nである場合には、ステップS80において、すべてのキューにパケットが存在しないかどうかを判定し、肯定的な判定の場合には処理を終了する。否定的な判定の場合には、ステップS71に戻り処理を繰り返す。このように、各キューからのパケット排出量は、キュー毎の通信フロー数によって重み付けしてスケジューリングされることとしてもよい。キュー毎の通信フロー数の偏りによるキューイング遅延のジッタを低減するため、キューの選出はラウンドロビンではなく、最小パケット排出値(例えばMTUサイズ、パケット単位)をキュー毎の通信フロー数に比例した頻度で等間隔に排出することができる。
上述のように、通信フロー数が最大のキューを基準に、最大の通信フロー数fmaxを各キューの通信フロー数fiで割った値×最小パケット排出値のパケットを通信フロー数が最大のキューqmaxから排出した際に各キューからパケットが排出されるようにスケジューリングを行うこととしてもよい。スケジューリング部160の処理は、図19のフローチャートに限られず、その他の通信フロー数によって重み付けによる処理や重み付けを行わないその他の処理を用いることができる。
図22は、上述のスケジューリング部160の処理によりスケジュールされたパケット排出順について示す図である。同じ塗りつぶし又はハッチングは同じキューqiからの排出を示している。この図に示されるように、キューqmaxであるキューq1は、毎回スケジュールされ、他のキューqiは、重みWiの値が大きくなるにつれて、スケジュールされる頻度が減っているのが分かる。
<キュー管理部の第1変形例>
図23は、キュー管理部130の第1変形例の機能構成を示すブロック図である。この図に示されるように、キュー管理部130は、タイムスタンプ部131と、端末識別部137と、通信フロー識別部138と、キューq1〜q4と、キュー滞在時間判定部134と、パケット破棄部135と、輻輳マーキング部136と、を有している。タイムスタンプ部131、キュー滞在時間判定部134、パケット破棄部135及び輻輳マーキング部136は、図16及びその対応する説明で説明したものと同様であるため、重複する説明を省略する。
端末識別部137は、いずれの端末50と送受信されるパケットであるかを識別する。端末50の識別方法はLTEであれば、例えば、端末50毎に決定されるGTPプロトコルヘッダ内のTEIDによって識別可能である。通信フロー識別部138は、端末50内での異なる通信フローを識別する。通信フローの識別には、上述した5tuple等を用いることができる。
キューq1〜q4は端末50毎に設けられ、更にその中で通信フロー別に管理されることとしてもよい。例えば、キューq1〜q4は端末A〜Dの通信のためのキューとすることができる。つまり、キューqiの1つは、一の端末50の通信に対して割り当てられる。キュー毎の制御は図16及び17に示されるキュー管理部130の説明と同様である。各キューからのパケット排出量を決定するスケジューリングは、端末50間の重みWiを等しくすることで、端末50毎に公平に帯域を割当てることができる。
図16に示されるキュー管理部130の実施形態のようにクラス別にキューを分ける場合、フロー毎には帯域を公平に割り当てるが、一つの端末50が多数の通信を行う場合、通信数が少ない端末50に割当てる帯域が減ってしまう恐れがある。また端末50別に異なるキュー制御を実施する場合や、特定アプリケーションの通信のみ異なるキュー制御を実施するといったことが、図23に示されるキュー管理部130では容易に実現できる。一方で端末数や通信フロー数が多い場合、キュー管理の処理負荷が高くなってしまう、小規模なネットワークに適している。
<キュー管理部の第2変形例>
図24は、キュー管理部130の第2変形例の機能構成を示すブロック図である。この図に示されるように、キュー管理部130は、タイムスタンプ部131と、端末識別部137と、通信フロー識別部138と、通信フロー数計測部132と、キューq1〜q4と、キュー滞在時間判定部134と、パケット破棄部135と、輻輳マーキング部136と、を有している。タイムスタンプ部131、通信フロー数計測部132、キュー滞在時間判定部134、パケット破棄部135及び輻輳マーキング部136は、図16のキュー管理部130の実施形態で説明したものと同様であるため、重複する説明を省略する。端末識別部137及び通信フロー識別部138については、図23のキュー管理部130の第1変形例において説明したものと同様であるため、重複する説明を省略する。
キュー管理部130の第2変形例では、特定の端末50及び特定の通信フローのみを個別にキュー管理し、その他の端末50及びその他の通信フローは同じキュー(例えば、デフォルトキューq1)で管理する。複数の通信フローが混在するデフォルトキューのみパケット排出量の重みWiを決定するため、通信フロー数の計測を行うこととしてもよい。キュー管理数の最大値を設けることで、キュー管理の負荷を低減しつつ特定の端末50及び通信フローごとの制御が可能となる。
<キュー管理部の第3変形例>
図25は、キュー管理部130の第3変形例の機能構成を示すブロック図である。キュー管理部130の第3変形例では、送信スループットに基づいて最大キューサイズを決定することとすることができる。この図に示されるように、キュー管理部130は、パケット破棄部135と、輻輳マーキング部136と、通信フロー数計測部132、キューq1及びq2と、パケット排出量計測部151と、キューサイズ算出部152と、を有している。パケット破棄部135、輻輳マーキング部136及び通信フロー数計測部132は、図16のキュー管理部130の実施形態で説明したものと同様であるため、重複する説明を省略する。
パケット排出量計測部151は、各キューqiにおけるパケット排出量を計測する。キューサイズ算出部152は、パケット排出量計測部151が計測したパケット排出量に基づいて最大キューサイズを決定する。
このキュー管理部130の第3変形例では、パケット到達時刻のタイムスタンプ記憶及び、キュー滞在時間の計測を行わないこととしている。その代わりにパケット排出量計測部151によって算出した送信スループットに基づいて、キューサイズ算出部152が、各キューの許容キューイング遅延に対応する最大キューサイズを決定する。最大キューサイズを超えてパケットがキューイングされる場合、パケットは破棄、又は輻輳マーキングが実施される。
パケット排出量は、以下の式(1)で計算される。
Figure 0006894167

従って、通信フローが平等にパケットを排出する場合の各キューの平均パケット排出量は、式(2)のようになる。
Figure 0006894167

これにより、各キューの最大サイズは、以下の式(3)で計算される。
Figure 0006894167
また最大キューサイズに満たない場合でも、キューのパケット充填度に応じてランダムにパケットを破棄するREDなどのAQMアルゴリズムを適用してもよい。
図26は、図25のキュー管理部130の第3変形例の処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示されるように、まずステップS101において、キューqiのうち、キュー分類部110にて振り分けられたキューにパケットを送信する。次にステップS102において、現在キューにバッファしているデータ量とキューサイズを比較する。現在キューにバッファしているデータ量がキューサイズ以上である場合には、ステップS103に移行し、ECN対応パケットであるかどうかを判定する。ECN対応パケットでない場合には、ステップS104においてパケットを破棄する。ECNに対応したパケットであれば、ステップS105において輻輳マーキングを行い、ステップS106に移行する。
一方、現在キューにバッファしているデータ量がキューサイズ未満の場合には、ステップS106に移行に移行し、キューの通信フロー数を更新する。引き続きステップS107において、キューの末尾にパケットを挿入し、ステップS108においてパケットをキューから排出して、処理を終了する。このようなフローチャートの処理とすることにより、パケット処理の負荷を低減することができる。
なお、キュー管理及びスケジューリングを無線アクセス品質に基づいて行うこととしてもよい。この場合には、端末50の保持する無線アクセス情報(端末カテゴリ、利用基地局(Cell ID)、利用周波数帯、CQI(Channel Quality Indicator)、MCS(Modulation and channel Coding Scheme)等)を通信装置100や通信管理装置200に送信する。
次に例えば、端末カテゴリの最大送受信スループット及び利用基地局、周波数帯の提供可能な最大送受信スループットに基づいて、端末50毎のキューにおけるパケット排出量の重みを決定する。重みの例としては、4Gアクセス利用端末より5G利用端末のパケット排出量を多くする等がある。
<無線アクセス情報を利用する例>
また、別の例としては、無線アクセス情報を受信した通信装置100や通信管理装置200は、MCSの変動量を測定し、変動が大きいほど電波受信品質の変動が大きいことを示すため、該当キューの遅延測定間隔、または最大キューサイズの拡張を行い、無線アクセス区間の遅延揺らぎによるパケットロスを削減することとしてもよい。図27は、この方法により制御した場合のキューイング遅延の例について示すグラフである。このグラフに示されるように測定間隔Aでは、遅延は常に許容キューイング遅延未満なのでパケット破棄されない。測定間隔Bでは、許容キューイング遅延を一度超えているが、キューイング遅延の平均値は許容キューイング遅延未満なのでパケットは破棄されない。測定間隔Cでは、常に許容キューイング遅延を上回るため、パケットは破棄される。測定間隔Dでは平均値が許容キューイング遅延を超えているため、パケットは破棄される。測定間隔Eでは、測定間隔を拡張したことで、平均値が許容キューイング遅延を下回り、パケットは破棄されない。つまり、キューイング遅延の測定間隔を延長することで、一時的なキューイング遅延の増加が生じても輻輳による恒常的な遅延の増加が生じなければパケットが破棄されにくくなる。このように端末50の無線アクセス情報に基づいて遅延判定が行われる間隔を変更することにより、より効率的にパケットを転送することができる。
各測定間隔におけるキューイング遅延は、この例では各計測区間のキューイング遅延の平均値を用いたが、各区間のキューイング遅延最小値、最大値、または平坦化した遅延(前回測定間隔におけるキューイング遅延×α+今回測定間隔におけるキューイング遅延×(1−α))などを用いてもよい。
無線アクセス品質情報を通信装置100へ送信する方法は例えば以下の3つがある。
1.インターネットアクセス可能な通信管理装置200に送信する。
2.通信装置100にて品質情報パケットを取り出すローカルブレイクアウト処理を行う。
3.LTEにおけるRxインターフェースを用い、PCRFから通信装置100へポリシー情報を送る。
1の場合には、図13〜図15に示した通信システム10の変形例の処理と同様の処理により通信管理装置200に送信することができる。
図28は、上記2の場合について説明するための、端末50及び通信装置100の機能を示すブロック図である。通信装置100は、図2と比較して、ローカルブレイクアウト判定部105及び端末品質管理部106を更に有している点で異なっている。ローカルブレイクアウト判定部105は、通常のパケットを受信した場合には、キュー分類部110にパケットを送信し、品質情報パケットを受信した際には端末品質管理部106に送信する。端末品質管理部106は、品質情報パケットに基づいて、キュー管理部130又はスケジューリング部160に対して、キュー制御のパラメータを変更する等の要求を行う。端末50は品質情報を送信する際にローカルブレイクアウト用IPアドレス、ポート番号を指定し、通信装置100は、その情報から品質情報であることを検知し、通信装置100内にパケットを取り込むことができる。
以上説明したように、本実施形態の通信装置100及び通信方法では、通信フローに応じて、より効率的にパケットを転送することができる。
また、DiffServをPQやLLQのように優先処理、帯域確保を行うのではなく、許容キューイング遅延または最大キューサイズの違いによって分類し、各キューを利用する通信フローの数に比例して各キューからのパケット送信量の重み付けを行うことで、同一優先度のトラヒック(ベストエフォート等)においても、特定の通信が他の通信フローの帯域や遅延を悪化させることなく低遅延、高スループットなど目的に適したパケット処理ができる。これにより5Gの急激な帯域変動においても低遅延通信と高スループット通信を共存させることができる。
例えば許容キューイング遅延を小さくすることで輻輳時に直ぐにパケット破棄を行うため、スループットは低下するが、遅延の悪化を防ぐことができる。反対に許容キューイング遅延を大きくすると、輻輳時に遅延が増大するが、パケットロスが生じず、特にTCP通信のスループットが低下することを防ぐ。輻輳解消時には、キューに溜まっているパケットが送信されるため、即座に高スループット通信が可能となる。
DiffServで用いられるIPパケットのDSCP値は、通信キャリアやISP間で独自に運用されているため、異なる事業者を跨いでパケット処理の要求を通知することが困難であるが、IPパケットのオプション領域を用いる、又はインターネット12アクセス可能な通信管理装置200に要求通知を行うことで端末50の通信品質要求を別事業者網を経由しても指定の通信装置100にサービス要求を反映できる。
また、無線アクセス区間の通信品質情報をキュー管理に反映させることで、例えば遅延の変動が大きい無線品質の不安定な端末50には、キューイング遅延の測定間隔を長くすることで、一時的にキューイング遅延が増加してもパケット破棄が生じない制御に変更することで、過剰なパケットロスやスループットの低下を低減することが可能となる。
10…通信システム
11…サーバ装置
12…インターネット
13…モバイルコアネットワーク
14…無線基地局
50…端末
100…通信装置
101…パケット受信部
102…パケット送信部
105…ローカルブレイクアウト判定部
106…端末品質管理部
110…キュー分類部
111…オプション確認部
112…キュー要求データベース
113…要求確認部
130…キュー管理部
131…タイムスタンプ部
132…通信フロー数計測部
134…キュー滞在時間判定部
135…パケット破棄部
136…輻輳マーキング部
137…端末識別部
138…通信フロー識別部
151…パケット排出量計測部
152…キューサイズ算出部
160…スケジューリング部
200…通信管理装置

Claims (6)

  1. 受信したパケットを、端末及びサーバ並びにアプリケーションの何れかによるキュー要求に関するキュー要求情報に基づいて、いずれかのキューに振り分けるキュー分類部と、
    前記キュー毎に異なる条件により、前記キューに蓄積された前記パケットの破棄又は輻輳マーキングするかどうかの遅延判定を行うキュー管理部と、
    所定の計測間隔の間にキューに追加された通信フローの種類をフロー数として算出するとともに、各キューの通信フロー数から算出される重みに基づいて、いずれのキューに蓄積されたパケットを排出するかどうかを決定するスケジューリング部と、を備え
    前記異なる条件は、許容キューイング遅延の条件、及び最大キューサイズの条件のいずれかである
    ことを特徴とする通信装置。
  2. 前記キュー管理部は、端末から取得したMCS(Modulation and channel Coding Scheme)の変動を測定し、前記MCSの変動が大きい場合には前記遅延判定が行われる間隔を長くする
    ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記キュー管理部は、送信スループットに基づいて最大キューサイズを決定する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の通信装置。
  4. 前記キュー分類部は、受信したパケットに保存された前記キュー要求情報に基づいて、前記パケットをいずれかのキューに振り分ける
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の通信装置。
  5. 通信フロー情報とキュー要求情報との対応付けを記憶したキュー要求データベースを更に備え、
    前記キュー分類部は、前記キュー要求データベースに保存された情報に基づいて、前記通信フロー情報に対応するパケットを振り分ける
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の通信装置。
  6. 受信したパケットを、端末及びサーバ並びにアプリケーションの何れかによるキュー要求に関するキュー要求情報に基づいて、いずれかのキューに振り分けるステップと、
    前記キュー毎に異なる条件により、前記キューに蓄積された前記パケットの破棄又は輻輳マーキングするかどうかの遅延判定を行うステップと、
    所定の計測間隔の間にキューに追加された通信フローの種類をフロー数として算出するとともに、各キューの通信フロー数から算出される重みに基づいて、いずれのキューに蓄積されたパケットを排出するかどうかを決定するステップと、を備え、
    前記異なる条件は、許容キューイング遅延の条件、及び最大キューサイズの条件のいずれかである
    ことを特徴とする通信方法。
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