JP6888079B2 - 熱力学サイクル装置及び熱力学サイクル方法 - Google Patents

熱力学サイクル装置及び熱力学サイクル方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱力学サイクル装置及び熱力学サイクル方法に関し、具体的には、エネルギー貯蔵のために、及び/又は廃熱を貯蔵するために、そして廃熱を有用なエネルギーとして再生利用するために使用することができる。
発電の分野において、電力の需要と供給との間にずれがあることが多い。
一例として、発電所を需要に合うように断続的に稼働させるのではなく、連続して稼働させるほうが、多くの場合に効率的である。しかし、電気エネルギーの需要が絶えず変化することを考えると(特に、夜間には需要が著しく低下する)、発電所からの電力供給が、需要のレベルを頻繁に上回る可能性がある。別の例として、再生可能エネルギー発電機は、再生可能エネルギー源(例えば、風力、波力、太陽光強度等)が本来、予測不可能であり、変わりやすいことに起因して、多くの場合にエネルギーレベルの変動をもたらす。こうした時間に左右される出力が需要に合うことはほとんどない。したがって、発電機によって生成されたエネルギーを(例えば、そのようなエネルギーの需要が低いときに)貯蔵するために使用でき、後に(例えば、需要が増加したときに)、貯蔵されたエネルギーを変換して電気エネルギーに戻すことができるエネルギー貯蔵システムが必要とされている。
いくつかのエネルギー貯蔵システムが知られており、これらのシステムには、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、その後、後に使用するために熱エネルギーが貯蔵されるシステムが含まれる。
揚水発電(PSH:pumped-storage hydroelectricity)は、大規模に利用可能であり、現時点で最も実効的なエネルギー貯蔵の解決策である。しかし、PSHは、その高い充放電効率(round trip efficiency)から利益を得るために、山と湖又は貯水池を必要とする。他の大規模エネルギー貯蔵解決策も議論されているが、それらは多くの場合、他の地理的な制約のある特徴(例えば、岩塩空洞(salt caverns))、複雑な極低温設備及びバッテリ(これらは、その経済性を疑わせるほど有効期間が限られるだけでなく、空調環境も必要とし、それにより寄生損失が加わり、著しい安全性の問題が生じる)を必要とするか、又は寿命の終了時に廃止処理を行い、危険物を廃棄することに関連する高いコストを伴う。
多くの工業的及び商業的なプロセスにおいて、熱という形で廃エネルギーが生まれる。この廃熱を取り込み、使用可能な電力に変換できれば、経済的な利益だけではなく、環境上の利益ももたらされる。そのため、エネルギーを貯蔵すること、及び/又は廃熱を取り込むことの両方が求められている。
本発明の実施形態は、従来技術に関係する不都合な点を解決することを目的とする。
本発明の実施形態は、エネルギーを貯蔵し、及び/又は廃熱を取り込み、その廃熱を有用なエネルギーに変換することを目的とする。
本発明の一態様によれば、熱力学サイクル装置であって、
(i)第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバと、
(ii)第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバと、
(iii)前記第1のリザーバに熱結合され、前記第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、前記第2のリザーバに熱結合され、前記第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有するヒートポンプと、
(iv)第1の作動流体の第1の熱力学回路であって、
前記第1の作動流体を気化させて、第1の加圧蒸気を生成する第1の蒸発器と、
前記第1の加圧蒸気を膨張させる第1の膨張器と、
前記第1の膨張器から受け取った第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与える第1の凝縮器であって、該第1の凝縮器は前記第1のリザーバに熱結合される、第1の凝縮器と、
を備える、第1の熱力学回路と、
(v)第2の作動流体の第2の熱力学回路であって、
前記第2の作動流体を気化させて、第2の加圧蒸気を生成する第2の蒸発器であって、該第2の蒸発器は前記第2のリザーバに熱結合される、第2の蒸発器と、
前記第2の加圧蒸気を膨張させる第2の膨張器と、
前記第2の膨張器から受け取った第2の作動流体を凝縮し、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える第2の凝縮器と
を備える、第2の熱力学回路と、
(vi)補助熱が前記第1の加圧蒸気の生成に寄与できるように、前記第1の熱力学回路に熱的に接続される補助熱入力手段と、
(vii)前記第2の作動流体が補助ヒートシンクに熱を逃がすことができるように、前記第2の熱力学回路に熱的に接続される補助熱出力手段と
を備え、
前記第1の熱力学回路は前記第2の熱力学回路から熱的に独立しており、該装置は、充填モード(charging mode)、貯蔵モード(storage mode)及び放出モード(discharge mode)において動作可能であり、
前記充填モードでは、前記ヒートポンプにエネルギーが加えられて、前記第1の貯蔵媒体が冷却され、前記第2の貯蔵媒体が加熱され、
前記貯蔵モードでは、冷却された第1の貯蔵媒体が前記第1のリザーバに貯蔵され、加熱された第2の貯蔵媒体が前記第2のリザーバに貯蔵され、
前記放出モードでは、前記第1の加圧蒸気が前記第1の膨張器によって膨張し、及び/又は前記第2の加圧蒸気が前記第2の膨張器によって膨張する、熱力学サイクル装置が提供される。
或る特定の実施形態では、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、タービン、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関のうちの1つを含むことができる。付加的又は代替的に、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、発電するための膨張器発電機(expander-generator)を含むことができる。
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路のうちの一方又は両方が、第1の作動流体又は第2の作動流体を循環させるポンプを含むことができる。前記第1の凝縮器は前記第1の熱力学回路の前記ポンプを介して、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与えるように構成することができ、及び/又は前記第2の凝縮器は前記第2の熱力学回路の前記ポンプを介して、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与えるように構成することができる。前記第1の熱力学回路の前記ポンプ及び/又は前記第2の熱力学回路の前記ポンプは、遠心ポンプ、スライディングベーンポンプ、ジェロータポンプ、ジェローラポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、蠕動ポンプ又はローブポンプから選択することができる。前記装置は、複数のポンプを備えることができ、前記複数のポンプは共通のシャフト上に取り付けられる。前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器の一方又は両方は、前記ポンプのうちの1つ以上の前記共通のシャフトとすることができる共通のシャフト上に取り付けることができる。
前記装置は、前記補助熱入力手段を介して前記補助熱を前記第1の熱力学回路に与える補助熱源を更に備えることができる。前記補助熱源は、外部環境空気源、建物内部からの空気源、空調又は冷凍システムから廃棄される熱、周囲水源、地表源、地熱源、太陽熱源、太陽池、生物活性熱源、工業プロセスからの廃熱、発電技術からの廃熱のうちの1つ以上を含むことができる。
前記装置は、前記補助熱出力手段を介して熱を前記第2の熱力学回路から受け取る補助ヒートシンクを更に備えることができる。前記補助ヒートシンクは、外部環境空気源、建物内部からの空気源、周囲水源、地表源及び廃冷源のうちの1つ以上を含むことができる。
前記第2の熱力学回路は、付加的な補助熱が前記第2の加圧蒸気の前記生成に寄与できるように、付加的な補助熱入力手段を備えることができる。前記装置は、前記付加的な補助熱入力手段を介して前記付加的な補助熱を前記第2の熱力学回路に与える付加的な補助熱源を更に備えることができる。
前記装置は、前記第1の蒸発器と前記第1の膨張器との間に第1の過熱器を更に備えることができ、前記第1の過熱器は前記第1の作動流体を過熱する。
前記装置は、前記第2の蒸発器と前記第2の膨張器との間に第2の過熱器を更に備えることができ、前記第2の過熱器は前記第2の作動流体を過熱する。
前記装置は、前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との間に予熱器を更に備えることができ、前記予熱器は前記第2の作動流体を加熱する。
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、カプセル化された相変化材料又はカプセル化されていない相変化材料を含むことができる。
前記ヒートポンプの低温部は、第1の熱伝達流体の第1の熱伝達回路によって前記第1のリザーバに熱結合することができる。前記第1の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含むことができ、前記第1の熱伝達流体は前記第1の貯蔵媒体内に混和できないものとすることができる。
前記ヒートポンプの高温部は、第2の熱伝達流体の第2の熱伝達回路によって、前記第2のリザーバに熱結合することができる。前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含むことができ、前記第2の熱伝達流体は前記第2の貯蔵媒体内に混和できないものとすることができる。
前記第1のリザーバは第3の熱伝達流体の第3の熱伝達回路によって、前記第1の熱力学回路内の凝縮器に熱結合することができる。前記第3の熱伝達流体は前記第1の熱伝達流体と同じとすることができる。
前記第2のリザーバは、第4の熱伝達流体の第4の熱伝達回路によって、前記第2の熱力学回路内の蒸発器に熱結合することができる。前記第4の熱伝達流体は前記第2の熱伝達流体と同じとすることができる。
或る特定の実施形態では、前記ヒートポンプは冷媒の冷凍回路を備えることができる。前記冷凍回路は、冷凍圧縮器と、冷凍蒸発器と、冷凍凝縮器又はガス冷却器と、前記冷媒を膨張させる冷凍膨張手段とを含むことができ、前記ヒートポンプの前記低温側は前記冷凍蒸発器を備え、前記ヒートポンプの前記高温側は前記冷凍凝縮器又は前記ガス冷却器を備える。前記冷凍膨張手段は冷凍膨張弁又は冷媒膨張器を含むことができる。
前記第1の貯蔵媒体及び/又は前記第2の貯蔵媒体は、前記充填モード、前記貯蔵モード及び前記放出モードのいずれかにおける前記装置の動作中に相を変更しない液体を含むことができる。前記装置は、前記第1の貯蔵媒体を攪拌及び/又は再循環させて前記第1のリザーバ内の温度を均等化し、層化を抑制する手段を備え、及び/又は、前記第2の貯蔵媒体を攪拌及び/又は再循環させて前記第2のリザーバ内の温度を均等化し、層化を抑制する手段を備えることができる。
前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバはそれぞれ、一次側容器及び二次側容器を備えることができる。前記第1の貯蔵媒体は、前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記一次側の第1の容器から前記二次側の第1の容器へと移動可能であり、前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記二次側の第1の容器から前記一次側の第1の容器へと移動可能な液体とすることができる。前記第2の貯蔵媒体は、前記装置が充填モードにおいて動作するときに、前記一次側の第2の容器から前記二次側の第2の容器へと移動可能であり、前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記二次側の第2の容器から前記一次側の第2の容器へと移動可能な液体とすることができる。
前記装置は、前記第1のリザーバ及び/又は前記第2のリザーバ内に配置される1つ以上の熱交換器を更に備えることができる。
前記装置は、付加的な補助ヒートシンク手段であって、該付加的な補助ヒートシンク手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクが前記第1の加圧蒸気の前記凝縮に寄与できるように配置される、付加的な補助ヒートシンク手段を更に備えることができる。前記装置は、前記付加的な補助ヒートシンク手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクを更に備えることができる。
前記装置は、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器によって出力されるエネルギーから独立してエネルギーを出力する付加的なエネルギー貯蔵手段を更に備えることができる。前記付加的なエネルギー貯蔵手段は、キャパシタ、電池、フライホイール又は他の非熱的な電気的若しくは機械的エネルギー貯蔵手段を含むことができる。
或る特定の実施形態では、前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路の一方又は両方が、ランキンサイクル、ローレンツサイクル又はカリーナサイクルを含むことができる。
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、−50℃〜200℃、又は−30℃〜100℃の温度において貯蔵されるように構成することができる。
本発明の別の態様によれば、熱力学回路サイクル装置を動作させる方法であって、
(a)熱力学回路サイクル装置を設けるステップであって、該熱力学回路サイクル装置は、
(i)第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバと、
(ii)第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバと、
(iii)前記第1のリザーバに熱結合され、前記第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、前記第2のリザーバに熱結合され、前記第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有するヒートポンプと、
(iv)第1の作動流体の第1の熱力学回路であって、
前記第1の作動流体を気化させて、第1の加圧蒸気を生成する第1の蒸発器と、
前記第1の加圧蒸気を膨張させる第1の膨張器と、
前記第1の膨張器から受け取った第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与える第1の凝縮器であって、該第1の凝縮器は前記第1のリザーバに熱結合される、第1の凝縮器と
を備える、第1の熱力学回路と、
(v)第2の作動流体の第2の熱力学回路であって、
前記第2の作動流体を気化させて、第2の加圧蒸気を生成する第2の蒸発器であって、該第2の蒸発器は前記第2のリザーバに熱結合される、第2の蒸発器と、
前記第2の加圧蒸気を膨張させる第2の膨張器と、
前記第2の膨張器から受け取った第2の作動流体を凝縮し、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える第2の凝縮器と
を備える、第2の熱力学回路と
を備える、ステップと、
(b)前記ヒートポンプにエネルギーを加えて、前記第1の貯蔵媒体を冷却し、前記第2の貯蔵媒体を加熱することによって、前記装置を充填モードにおいて動作させるステップと、
(c)冷却された第1の貯蔵媒体を前記第1のリザーバ内に貯蔵し、加熱された第2の貯蔵媒体を前記第2のリザーバ内に貯蔵することによって前記装置を貯蔵モードにおいて動作させるステップと、
(d)補助熱源を使用して、前記第1の蒸発器において前記第1の加圧蒸気を生成し、前記第1の膨張器で前記第1の加圧蒸気を膨張させ、前記第1の凝縮器において前記第1の作動流体を凝縮することによって、前記装置を第1の放出モードにおいて動作させるステップと、
(e)前記第2のリザーバからの熱を使用して、前記第2の蒸発器において前記第2の加圧蒸気を生成し、前記第2の加圧蒸気を膨張させ、補助ヒートシンクを使用して、前記第2の凝縮器において前記第2の作動流体を凝縮することによって、前記装置を第2の放出モードにおいて動作させるステップと
を含み、
ステップ(d)及び(e)は同時に、かつ互いに独立して実行可能である、方法が提供される。
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、タービン、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関のうちの1つを含むことができ、前記タービンは任意選択で、ラジアルタービン、軸流タービン又は衝動タービンとすることができる。
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、発電するための膨張器発電機を含むことができる。
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路のうちの一方又は両方が、第1の作動流体又は第2の作動流体を循環させるポンプを含むことができる。
前記方法は、前記第1の熱力学回路の前記ポンプを用いて、第1の作動流体を前記第1の凝縮器から前記第1の蒸発器に与え、及び/又は前記第2の熱力学回路の前記ポンプを用いて、第2の作動流体を前記第2の凝縮器から前記第2の蒸発器に与えるステップを含むことができる。前記第1の熱力学回路のポンプ及び/又は前記第2の熱力学回路のポンプは、遠心ポンプ、スライディングベーンポンプ、ジェロータポンプ、ジェローラポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、蠕動ポンプ又はローブポンプから選択することができる。前記装置は複数のポンプを備えることができ、前記複数のポンプは共通のシャフト上に取り付けられる。前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器の一方又は両方は、前記ポンプのうちの1つ以上を含む場合も含まない場合もある前記共通のシャフト上に取り付けることができる。
前記装置は、補助熱入力手段を介して前記第1の熱力学回路に補助熱を与える補助熱源を備えることができる。前記補助熱源は、外部環境空気源、建物内部からの空気源、空調又は冷凍システムから廃棄される熱、周囲水源、地表源、地熱源、太陽熱源、太陽池、生物活性熱源、工業プロセスからの廃熱、発電技術からの廃熱のうちの1つ以上を含むことができる。
前記装置は補助ヒートシンクを備えることができ、前記方法は、前記補助ヒートシンクを用いて、補助熱出力手段を介して前記第2の熱力学回路から熱を受け取るステップを含む。前記補助ヒートシンクは、外部環境空気源、建物内部からの空気源、周囲水源、地表源及び廃冷源のうちの1つ以上を含むことができる。前記第2の熱力学回路は、付加的な補助熱が前記第2の加圧蒸気の生成に寄与できるように、付加的な補助熱入力手段を備えることができる。前記装置は付加的な補助熱源を備えることができ、前記方法は、前記補助熱源からの熱を用いて、前記充填モード、前記貯蔵モード、前記第1の放出モード及び前記第2の放出モードのいずれかにおいて前記第2の加圧蒸気の生成に寄与することを含むことができる。
前記装置は前記第1の蒸発器と前記第1の膨張器との間に第1の過熱器を備えることができ、前記方法は、前記第1の過熱器を用いて前記第1の作動流体を過熱するステップを含むことができる。
前記装置は前記第2の蒸発器と前記第2の膨張器との間に第2の過熱器を備えることができ、前記方法は前記第2の過熱器を用いて前記第2の作動流体を過熱するステップを含むことができる。
前記装置は前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との間に予熱器を備えることができ、前記方法は、前記予熱器を用いて前記第2の作動流体を加熱するステップを含むことができる。
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、カプセル化された相変化材料又はカプセル化されていない相変化材料を含むことができる。
前記第1の貯蔵媒体はカプセル化されていない材料を含むことができ、前記方法は、前記充填モードの動作の終了時にスラリー又は断片化可能な固体(fragmentable solid)として前記第1の貯蔵媒体を貯蔵するステップを含むことができる。
前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない材料を含むことができ、前記方法は、前記第2の放出モードの動作の終了時にスラリー又は断片化可能な固体として前記第2の貯蔵媒体を貯蔵するステップを含むことができる。
前記ヒートポンプの低温部は、第1の熱伝達流体の第1の熱伝達回路によって前記第1のリザーバに熱結合することができる。前記第1の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含むことができ、前記第1の熱伝達流体は前記第1の貯蔵媒体内で混和できないものとすることができる。
前記ヒートポンプの高温部は、第2の熱伝達流体の第2の熱伝達回路によって前記第2のリザーバに熱結合することができる。前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含むことができ、前記第2の熱伝達流体は前記第2の貯蔵媒体内で混和できないものとすることができる。
前記第1のリザーバは、第3の熱伝達流体の第3の熱伝達回路によって前記第1の熱力学回路の凝縮器に熱結合することができる。前記第3の熱伝達流体は前記第1の熱伝達流体と同じとすることができる。
前記第2のリザーバは、第4の熱伝達流体の第4の熱伝達回路によって前記第2の熱力学回路の蒸発器に熱結合することができる。前記第4の熱伝達流体は前記第2の熱伝達流体と同じとすることができる。
或る特定の実施形態では、前記ヒートポンプは冷媒の冷凍回路を備えることができる。前記冷凍回路は、冷凍圧縮器と、冷凍蒸発器と、冷凍凝縮器又はガス冷却器と、前記冷媒を膨張させる冷凍膨張手段とを含むことができ、前記ヒートポンプの前記低温側は前記冷凍蒸発器を備え、前記ヒートポンプの前記高温側は前記冷凍凝縮器又は前記ガス冷却器を備える。前記冷凍膨張手段は、冷凍膨張弁又は冷媒膨張器を含むことができる。
前記第1の貯蔵媒体及び/又は前記第2の貯蔵媒体は、前記充填モード、前記貯蔵モード及び前記放出モードのいずれかにおける前記装置の動作中に相を変更しない液体を含むことができる。
前記装置は、前記第1の貯蔵媒体/前記第2の貯蔵媒体を攪拌及び/又は再循環させる手段を備えることができ、前記方法は、前記充填モード中に、前記第1の貯蔵媒体/前記第2の貯蔵媒体を攪拌及び/又は再循環させて、前記第1のリザーバ/前記第2のリザーバ内の温度を均等化し、層化を抑制するステップを含むことができる。
前記第1のリザーバ及び/又は前記第2のリザーバはそれぞれ、一次側容器及び二次側容器を備えることができる。
或る特定の実施形態では、前記第1の貯蔵媒体は液体とすることができ、前記方法は、前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記第1の貯蔵媒体を前記一次側の第1の容器から前記二次側の第1の容器へと移動させるステップと、前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記第1の貯蔵媒体を前記二次側の第1の容器から前記一次側の第1の容器へと移動させるステップとを含むことができる。
或る特定の実施形態では、前記第2の貯蔵媒体は液体とすることができ、前記方法は、前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記第2の貯蔵媒体を前記一次側の第2の容器から前記二次側の第2の容器へと移動させるステップと、前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記第2の貯蔵媒体を前記二次側の第2の容器から前記一次側の第2の容器へと移動させるステップとを含むことができる。
前記装置は前記第1のリザーバ及び/又は前記第2のリザーバ内に配置される1つ以上の熱交換器を備えることができる。
前記装置は、付加的な補助熱出力手段であって、該付加的な補助熱出力手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクが第1の加圧蒸気の凝縮に寄与できるように配置される、付加的な補助熱出力手段を備えることができる。前記装置は前記付加的な補助熱出力手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクを備えることができ、前記方法は、前記付加的な補助ヒートシンクを用いて、前記第1の加圧蒸気の凝縮に寄与することを含むことができる。
前記第1の熱力学回路はシングルパス熱交換器を備えることができ、前記方法は、前記装置を前記第1の放出モードにおいて動作させるときに、前記シングルパス熱交換器を通して前記第1の貯蔵媒体からの放出を行うステップと、その後に前記第1の貯蔵媒体が層化できるようにするステップとを含むことができる。
前記第2の熱力学回路はシングルパス熱交換器を備えることができ、前記方法は、前記装置を前記第2の放出モードにおいて動作させるときに、前記シングルパス熱交換器を通して前記第2の貯蔵媒体からの放出を行うステップと、その後に前記第2の貯蔵媒体が層化できるようにするステップとを含むことができる。
前記装置は、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器から出力されるエネルギーとは別にエネルギーを出力する付加的なエネルギー貯蔵手段を備えることができる。前記付加的なエネルギー貯蔵手段は、キャパシタ、電池、フライホイール又は他の非熱的な電気的若しくは機械的エネルギー貯蔵手段を含むことができる。
前記方法は、前記第1の放出モード及び/又は前記第2の放出モードによって出力されるエネルギーが所定の量に達するまで、前記付加的なエネルギー貯蔵手段を用いて、電気エネルギーの出力を与えるステップを含むことができる。
前記方法は、第1の作動流体/第2の作動流体を前記第1の膨張器及び/又は前記第2の膨張器に導入する前に、前記第1の膨張器及び/又は前記第2の膨張器を駆動するステップを含むことができる。
前記装置は、前記第1の膨張器の入力に接続される第1の配管を備えることができ、前記方法は、前記第1の放出モードの動作前にガス状の第1の作動流体により前記第1の配管を加圧するステップを含むことができる。
前記装置は、前記第2の膨張器の入力に接続される第2の配管を備えることができ、前記方法は、前記第2の放出モードの動作前にガス状の第2の作動流体により前記第2の配管を加圧するステップを含むことができる。
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路の一方又は両方が、ランキンサイクル、ローレンツサイクル又はカリーナサイクルを含むことができる。
前記方法は、前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方を、前記貯蔵モードにおいて−50℃〜200℃の温度、又は−30℃〜100℃の温度において貯蔵するステップを含むことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を更に説明する。
本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置の説明図である。 本発明の代替の実施形態による、熱力学サイクル装置の説明図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の詳細図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の詳細図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の詳細図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の詳細図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の詳細図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の詳細図である。 本発明の更なる実施形態による、熱力学サイクル装置の説明図である。 本発明の実施形態によって利用可能なパワーエレクトロニクス装置の説明図である。
図1に、本発明の一実施形態による熱力学サイクル装置100を示す。熱力学サイクル装置100は、第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバ(reservoir)2と、第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバ3と、ヒートポンプ1とを備える。ヒートポンプ1は、第1のリザーバ2に熱結合され、第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、第2のリザーバ3に熱結合され、第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有する。
本発明の別の実施形態(図3〜図8に示す)に関して後に説明するように、ヒートポンプ1は、冷凍圧縮器19と、冷凍蒸発器20と、冷凍凝縮器21と、膨張弁22(又は冷媒膨張器)の形をとることができ、冷媒を収容する冷凍膨張手段とを有する冷凍回路とすることができる。そのような実施形態において、ヒートポンプ1の低温側は冷凍蒸発器20を備えることができ、ヒートポンプ1の高温側は冷凍凝縮器21を備えることができる。代替の実施形態では、ヒートポンプ1は、代替の適切なヒートポンプを備えることができ、必ずしも、図を参照しながら本明細書にて説明する特定のヒートポンプには限定されない。例えば、上記の冷凍回路の冷凍凝縮器21は、ガス冷却器とすることができる。
熱力学サイクル装置100は更に、第1作動流体23の第1熱力学回路4と、第2作動流体24の第2熱力学回路5とを備える。
第1の熱力学回路4は、第1の蒸発器9と、第1の膨張器6と、第1の凝縮器7とを備える。図示される非限定的な実施形態において、第1の熱力学回路4は、第1の作動流体23を送り込む第1のポンプ8を有する。しかし、代替の実施形態では、第1の作動流体23を循環させて、その流体中に圧力差を生み出す他の手段が設けられる場合もある。第1の蒸発器9は、第1の作動流体23を気化させ、第1の加圧蒸気を生成する。第1の膨張器6は、第1の加圧蒸気を受け取り、膨張させる。或る特定の実施形態において、第1の膨張器6は、電気エネルギーを生成することができる膨張器発電機(expander generator)とすることができる。代替の実施形態では、第1の膨張器6は、機械的作用を他の構成要素(例えば、シャフト)に与えるように構成することができる。或る特定の実施形態において、第1の膨張器6は、軸流タービン、ラジアルタービン、衝動タービン(又は他のタイプのタービン)、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関とすることができる。第1の凝縮器7は、第1の膨張器6から受け取った第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体23を(図1に示される実施形態では、第1のポンプ8を介して)第1の蒸発器9に与え、これにより、第1の熱力学回路4が完成する。第1の凝縮器7は第1のリザーバ2に熱結合されるが、第1の作動流体23は、第1のリザーバ2内に収容される第1の貯蔵媒体とは別のものである。
第2の熱力学回路5は、第2の蒸発器14と、第2の膨張器11と、第2の凝縮器12とを備える。図示される非限定的な実施形態において、第2の熱力学回路5は、第2の作動流体24を送り込む第2のポンプ13を有する。しかし、代替の実施形態では、第2の作動流体24を循環させて、その流体中に圧力差を生み出す他の手段が設けられる場合もある。第2の蒸発器14は、第2の作動流体24を気化させ、第2の加圧蒸気を生成する。第2の蒸発器14は第2のリザーバ3に熱結合されるが、第2の作動流体24は、第2のリザーバ3内に収容される第2の貯蔵媒体とは別のものである。第2の膨張器11は、第2の加圧蒸気を受け取り、膨張させる。或る特定の実施形態において、第2の膨張器11は、電気エネルギーを生成することができる膨張器発電機とすることができる。代替の実施形態では、第2の膨張器11は、機械的作用を他の構成要素(例えば、シャフト)に与えるように構成することができる。或る特定の実施形態において、第2の膨張器11は、ラジアルタービン、軸流タービン、衝動タービン(又は他のタイプのタービン)、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関とすることができる。第2の凝縮器12は、第2の膨張器11から受け取った第2の作動流体24を凝縮し、第2の作動流体24を(図1に示される実施形態では、第2のポンプ13を介して)第2の蒸発器14に与える。
図1の熱力学サイクル装置100は補助熱源10を有する。補助熱源から第1の作動流体23に対して補助熱が送られ、第1の加圧蒸気の生成に寄与できるように、補助熱源は補助熱入力手段を介して第1の熱力学回路4に熱的に接続される。補助熱源10は、第1の作動流体23を気化させるエネルギーを与える。或る特定の実施形態において、補助熱源10は、豊富で自由に入手可能な熱源とすることができ、この熱源は任意選択で、空気、建物若しくは住居内部からの空気、地表源、太陽池、貯水池及び湖等から供給される河川、用水路の水の流れ、既存の空調又は冷凍回路から廃棄される熱、又は非常に低位(very low grade)の廃熱等の、周囲熱源又は環境熱源とすることができる。補助熱源10から熱が抽出されると、結果として生じる冷却を用いて、建物又は住居の内部を冷却することができる。例えば、補助熱源10が建物又は住居の内部からの空気である場合には、その熱は空気から抽出することができ、冷却された空気を建物又は住居の内部に戻すことができ、それゆえ、空調システムとしての役割を果たす。
さらに、図1の熱力学サイクル装置100は補助ヒートシンク15を有する。第2の作動流体24が補助ヒートシンク15に熱を逃がすことができるように、補助ヒートシンクは補助熱出力手段を介して第2の熱力学回路5に熱的に接続される。補助熱入力手段及び/又は補助熱出力手段は、第1の作動流体23及び第2の作動流体24と、補助熱源10及び補助ヒートシンク15との間でそれぞれ熱エネルギーを伝達する熱交換器又は任意の他の適切な手段とすることができる。補助ヒートシンク15は、第2の膨張器11を出た後の第2の作動流体24から熱を除く手段を提供し、そのような熱損失は、第2の作動流体24の凝縮に(少なくとも部分的に)寄与する。或る特定の好ましい実施形態において、補助ヒートシンク15は、理想的には、可能な限り温度が低く、大きい熱吸収容量を有する。適切な補助ヒートシンク15の例は、限定はしないが、空気、建物又は住居の内部からの空気、河川の流れ、用水路水源、地表源、貯水池及び湖等の、周囲熱源又は環境熱源を含む。建物又は住居の内部からの空気が補助ヒートシンク15として使用される実施形態では、空気は、その後、加熱され、建物又は住居に戻され、その内部に暖房を提供することができる。そのような実施形態では、装置100は、部分的には、建物又は住居用のスペースヒータとしての役割を果たすことができる。
或る特定の実施形態において、第1の熱力学回路4は、第2の熱力学回路5との間で熱を交換する手段が設けられていないという限りにおいて、第2の熱力学回路5から熱的に独立している。
熱力学サイクル装置100は、充填モード(チャージモード)(charging mode)、貯蔵モード(ストレージモード)(storage mode)及び放出モード(ディスチャージモード)(discharge mode)において動作可能である。
充填モード(チャージモード)では、ヒートポンプ1にエネルギーが与えられ、第1のリザーバ2内の第1の貯蔵媒体が冷却され、第2のリザーバ3内の第2の貯蔵媒体が加熱される。すなわち、ヒートポンプ1を動作させるためにエネルギー(例えば、電気及び/又は機械)が与えられる。ヒートポンプ1に与えられるエネルギーは、装置100によって貯蔵されることになるエネルギーである。
貯蔵モード(ストレージモード)では、冷却された第1の貯蔵媒体が第1のリザーバ内に貯蔵され、加熱された第2の貯蔵媒体が第2のリザーバ内に貯蔵される。第1のリザーバ2及び/又は第2のリザーバ3は、貯蔵モードにおいて該リザーバからの熱損失を低減するために断熱することができる。
放出モード(ディスチャージモード)では、第1の加圧蒸気が第1の膨張器6によって膨張し、及び/又は第2の加圧蒸気が第2の膨張器11によって膨張する。
このようにして、充填モードにおいて熱力学サイクル装置100にエネルギーを入力することができ、貯蔵モードにおいてエネルギーを貯蔵することができ、必要とされるときに、第1の膨張器6及び第2の膨張器11の一方又は両方を動作させることによって、放出モードにおいて放出を行うことができる。すなわち、第1の放出モードは、(第1の熱力学回路4、詳細には、第1の膨張器6を動作させて)第1のリザーバ2からの放出を可能にする場合があり、第2の放出モードは、(第2の熱力学回路5、詳細には、第2の膨張器11を動作させて)第2のリザーバからの放出を可能にする場合があり、第1の放出モード及び第2の放出モードは一緒に、又は互いに別々に動作する場合がある。第1の膨張器6及び/又は第2の膨張器11が膨張器発電機である場合には、装置100から電気エネルギーを再生することができる。代替の実施形態では、エネルギーは異なる形(例えば、機械エネルギー)で再生することができる。
第1の凝縮器7と第1のリザーバ2との間の熱結合の結果として、第1のリザーバ2の温度によって第1の熱力学回路4の低い方の温度が決定される。第1のリザーバ2は充填モードにおいてヒートポンプ1によって冷却されるので、低温の第1のリザーバ2が、第1の放出モードにおける第1の作動流体23の凝縮を助長する。補助熱源10は、第1の作動流体23を気化させるエネルギーを与え、図1の実施形態では、第1の熱力学回路4の高い方の温度を決定する。
第2のリザーバ3と第2の蒸発器14との間の熱結合によって、第2のリザーバ3から第2の蒸発器14に熱を伝達できるようになり、第2の放出モードにおいて動作するときに第2の作動流体24の気化を助長する。図1に示される実施形態において、第2の熱力学回路5の高い方の温度は第2のリザーバ3の温度によって決定される(それは、充填モードにおいて動作するときにヒートポンプ1によって高められる)。第2の熱力学回路5の低い方の温度は、補助ヒートシンク15によって決定される。
第1の熱力学回路4及び/又は第2の熱力学回路5は、限定はしないが、ランキンサイクル、ローレンツサイクル又はカリーナサイクルを含む、任意の適切な熱力学サイクルの動作を可能にする回路を備えることができる。
図2に、本発明の代替の実施形態による、図1の熱力学サイクル装置100の変形形態200を示す。図2の装置200は図1の装置100と同じであるが、第1の過熱器16、第2の予熱器17及び第2の過熱器18を更に含む。
第1の過熱器16は、第1の熱力学回路4内の第1の蒸発器9と、第1の膨張器6との間に配置される。第1の過熱器16は、第1の蒸発器9を出た後に、第1の膨張器6によって膨張させる前に、第1の作動流体23に熱を与えるように構成される。第1の過熱器16によって与えられる熱は、廃熱とすることができるか、又は二次熱源からの熱とすることができる。
第2の予熱器17は、第2の熱力学回路5内の第2の凝縮器12と、第2の蒸発器14との間(より詳細には、第2のポンプ13と第2の蒸発器14との間)に配置される。第2の予熱器17は、第2の作動流体24が第2の蒸発器14に入る前に予熱するように構成される。第2の予熱器17は、廃熱を利用することができるか、又は二次熱源とすることができる。
第2の過熱器18は、第2の熱力学回路5内の第2の蒸発器14と、第2の膨張器11との間に配置される。第2の過熱器18は、第2の作動流体24が第2の蒸発器14を出た後に、第2の膨張器11によって膨張させる前に、第2の作動流体24を加熱するように構成される。第2の過熱器18によって与えられる熱は、廃熱とすることができるか、又は二次熱源からの熱とすることができる。
本発明による更なる実施形態を、図3〜図9を参照しながら以下に説明する。説明される全ての実施形態において、同じ参照番号は同じ構成要素及び特徴に対応する。
図3に、本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置300を示す。図3の実施形態において、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3内のそれぞれ第1の貯蔵媒体及び第2の貯蔵媒体として、カプセル化された(encapsulated)相変化材料(又は相変化物質)(PCM:phase change material)が利用される。PCMは、PCMが液体から固体に、又はその逆に相が変わるのに応じて、比較的一定の温度において蓄熱又は放熱することができる。
第1のリザーバ3内の第1の(「低温側」)PCMは、第1の作動流体23がPCMと直接接触せず、PCMが動作中に第1のリザーバ2から流れ出ないように、カプセル化された相変化材料である。カプセル化は、第1の作動流体23がPCM材料(例えば、複数のカプセル化された球体、平板、複数の管による積重体、ハニカム体等)と良好に熱接触できるようにし、動作中に第1の作動流体23が第1のリザーバ2を通って流れるのを著しく妨げないように構成される。この実施形態において、第1のリザーバ2は、第1の凝縮器7としての役割も果たす。
充填モードにおいて動作する前に、第1のポンプ8が動作するときに、第1の作動流体23を第1のリザーバ2から冷凍蒸発器20に向かわせるように弁27が設定される。第1のリザーバ2から先行する動作中に完全に(すなわち、第1の放出モードの動作によって)放出が行われた場合には、この段階において低温側PCMは完全に液体になり、好ましくは融点温度になるが、構成によっては、融点よりわずかに高い場合がある。
第2のリザーバ3内の第2の(「高温側」)PCMは、第2の作動流体24がPCMと直接接触せず、動作中にPCMが第2のリザーバ3から流れ出ないように、カプセル化された相変化材料である。カプセル化は、第2の作動流体24がPCM材料(例えば、複数のカプセル化された球体、平板、複数の管による積重体、ハニカム体等)と良好に熱接触できるようにし、動作中に第2の作動流体24が第2のリザーバ3を通って流れるのを著しく妨げないように構成される。この実施形態において、第2のリザーバ3は、第2の蒸発器14としての役割も果たす。
充填モードにおいて動作する前に、任意選択の遮断弁40及び42が開けられる場合があり(存在する場合)、任意選択の遮断弁41及び43が閉じられる場合がある(存在する場合)。任意選択の三方弁32及び33が、(ポンプ29が第2の作動流体24を循環させるように動作するときに)第2の作動流体24を、第2のリザーバ3から単に冷凍凝縮器21に、又は熱交換器31を介して何らかの付加的な熱源も利用されることになる場合には或る適切な位置に向かわせるように設定される場合がある。高温側PCMは、第2のリザーバ3からその先行する動作中に完全に(すなわち、第2の放出モードの動作によって)放出が行われた場合には、そして、熱交換器31を介して付加的な熱がそれ以降に加えられていない場合には、この段階において完全に固体になる。高温側PCMは好ましくは融点温度になるが、構成によっては、融点よりわずかに低い場合がある。
充填モードにおいて動作するとき、ヒートポンプ1は電気又は機械エネルギー供給源に接続され、冷凍圧縮器19を駆動するようにエネルギーを与えられる。冷凍圧縮器19は、ヒートポンプ1内のガス状冷媒を加圧し、冷凍凝縮器21に入る前にガス状冷媒の温度を上昇させる。結果として、冷凍凝縮器21の他の側を通ってポンプ29によって循環している第2の作動流体24に熱が供給される。第2の作動流体24に熱を引き渡すことによって、冷媒は液相まで凝縮される。液相冷媒は、その後、膨張弁22に入り、膨張弁は、冷媒の圧力を下げ、それに応じて、その沸点を下げる。冷媒蒸発器20に入る冷媒は、ポンプ8を介して冷媒蒸発器20の他の側を通って循環している第1の作動流体23から熱を抽出するのに応じて沸点に達する。
装置300は、必須ではないが、好ましくは、低温側PCMの全てが凝固するまで、充填モードにおいて動作する。これは、第1の作動流体23から抽出された熱がもはや、低温側PCMの溶融の潜熱によってもたらされないときに、第1の作動流体23の温度が著しく降下することによって検出可能である。
必須というわけではないが、低温側PCMの全てが凝固するときに、高温側PCMの全てが同時に融解するように、第2のリザーバ3内の高温側PCMの質量を調整することができる。或る特定の実施形態において(例えば、代替の供給源による任意選択の廃熱貯蔵及び再生を考慮するために)、システム性能に何ら影響を及ぼすことなく、高温側PCMの質量が、そのような「調整される」値を超えている場合がある。
或る特定の実施形態において、充填モードは、低温側PCMへの「顕熱冷却(sensible cooling)」を与えるためにエネルギーが使用されないように、低温側PCMの全てが固体になる時点において、又はその前に動作を中止することができる。このようにして、ヒートポンプ1にわたって一定の温度差、それゆえ、性能係数を保持することができ、それにより、ヒートポンプ1の設計及び冷媒の選択を単一の動作点の周りで最適化できるようになる。
装置300が貯蔵モードにおいて動作するとき、ヒートポンプ1は動作せず、第1の熱力学回路4内のいかなる構成要素も動作しない。
装置300が、付加的な熱源を再生することなく、エネルギー貯蔵システムとして純粋に動作している場合には、第2の熱力学回路5内のいかなる構成要素も動作しない。
付加的な熱源が利用可能である場合には、貯蔵モード動作中に連続的な、又は断続的な熱源を使用するために、ポンプ29を動作させて第2の作動流体24を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。
システムの低温側及び高温側からの放出は、局所的な電力要件に応じて、独立して、又は同時に行うことができる。すなわち、第1の放出モードは第1のリザーバ2からの放出を可能にする場合があり、第2の放出モードは、第2のリザーバ3からの放出を可能にする場合がある。第1の膨張器6及び第2の膨張器11は、それぞれの放出モードの動作前に停止している場合があるか、又はそれぞれ第1の作動流体23及び第2の作動流体24の導入前に動作速度に達しているように起動される場合がある。いくつかの適用例は瞬時電力を必要とする場合があり、これは、瞬時供給源を与えるドライブ/パワーエレクトロニクス装置52に含むことができる容量性貯蔵体(capacitive storage)53を使用することによって対応することができる(図10を参照)。代替の実施形態では、例えば、機械的又は電気的とすることができる、他の付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段を設けることができる。例えば、付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段はフライホイール又は電池とすることができる。
第1の放出モードの動作前に、ポンプ8を動作させて第1の作動流体23を第1の蒸発器9に通すように三方弁27が位置決めされる。
第1の放出モードの動作時に、ポンプ8が、第1の作動流体23を第1のリザーバ2から第1の蒸発器9に送り込み、第1の蒸発器において、第1の作動流体23が熱源によって加熱され、気化する。或る特定の非限定的な実施形態において、第1の蒸発器9に熱的に接続される熱源は、周囲熱源又は環境熱源とすることができる。その後、第1の作動流体23は、任意選択の熱交換器36を通り抜け(存在する場合)、第2の作動流体24が第2の膨張器11を出るのに応じて(第2の放出モードも動作している場合)、第2の作動流体から任意の残留熱を受け取る。これにより、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)ことができるか、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器36に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させることができる(熱力学的に好ましい場合)。
第1の膨張器6に入る前に、付加的な熱源30が利用可能である場合には、第1の作動流体23は任意選択の熱交換器16を通り抜けることができる。熱交換器16は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)ことができるか、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器16に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させることができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第1の作動流体23は第1の膨張器6に入り、第1の膨張器6にわたる圧力差に起因して(その圧力差は、第1のリザーバ2内の凝縮圧と、第1の作動流体23を気化させるために使用される熱源とによって設定される)、第1の作動流体23は、膨張するにつれて第1の膨張器6を駆動し、それにより、第1の蒸発器9内の熱源(及び任意選択で熱交換器36及び16)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第1の作動流体23はガス状の状態において第1の膨張器6を出て、第1のリザーバ2に戻り、第1のリザーバにおいて、カプセル化された低温側PCMと接触し、PCMがそのために必要とされる潜熱を吸収するにつれて凝縮する。このプロセスは、第1のリザーバ2からエネルギーが放出されるにつれて、低温側PCMを徐々に融解する。
第1の放出モードは、低温側PCMを部分的に、又は完全に融解するように動作することができ、それでも、低温側PCMが依然としてその凝固点温度にあるときに、次の充填モード動作が開始できるようにする。代替的には、十分な電力を依然として生成できる場合には、低温側PCMの全てが融解された後まで、第1の放出モードにおいて動作し続けることが好ましい場合がある。その際、これは、充填モードの次の動作中に、或る温度範囲にわたってヒートポンプ1が動作することを意味する。いずれにしても、第1のリザーバ2内の、又は第1のリザーバ2を出る第1の作動流体23の温度の上昇を測定することによって、低温側PCMが完全に融解したという指標を得ることができる。
第2の放出モードで動作する前に、任意選択の遮断弁41及び43が開けられる場合がある(存在する場合)。第2の放出モードの動作中に熱交換器31を介して付加的な熱入力が利用できない場合には、任意選択の遮断弁40及び42が閉じられる場合がある(存在する場合)。付加的な熱源が利用可能である場合には、第2のリザーバ3は、任意選択の三方弁32及び33を制御することによって絶えず充填を行うことができる。詳細には、任意選択の三方弁32及び33は、ポンプ29を動作させて第2の作動流体24を熱交換器31に通すような位置に設定することができる(任意選択の遮断弁40及び42は開いたままとすることができる)。これは、第2の放出モードの動作中に連続的な(任意選択の)熱源を使用し、それゆえ、ヒートポンプ1を動作させることなく、第2のリザーバ3において同時に充填及び放出ができるようにする。
第2の放出モードの動作時に、弁41を開くことによって、第2のリザーバ3内に圧力降下が生じ、第2の作動流体24は、高温側PCMの融点温度(又はこの点に近い温度)によって設定される圧力において飽和状態で貯蔵されている。このようにして圧力を降下させることは、第2の作動流体24が沸点に達し、それゆえ、高温側PCMから熱を抽出し、そのために必要とされる第2の作動流体24の気化の潜熱を克服するのを助長する。
第2のリザーバ3を出てから、第2の膨張器11に入るまでに、付加的な熱源が利用可能である場合には、ガス状の第2の作動流体24が任意選択の熱交換器18を通り抜けることができる。熱交換器18は、第2の膨張器11に入る前に、ガス状の第2の作動流体24を更に加熱する(例えば、過熱を加える)ことができるか、又は代替的には、液体/蒸気レベルをこの熱交換器18に流し込むことによって、第2の作動流体24が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第2の作動流体24は第2の膨張器11に入り、第2の膨張器11にわたる圧力差(第2の凝縮器12内の第2の作動流体24の凝縮圧と、第2の作動流体24を気化させるために使用される熱源とによって設定される)に起因して、第2の作動流体24は、膨張するにつれて第2の膨張器11を駆動し、第2のリザーバ3(そして任意選択で熱交換器18)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第2の膨張器11を出ると、第2の作動流体24は依然としてガス状であり、任意選択の熱交換器36に入ることができ、その熱交換器において、任意の残留熱を交換することができ、それは第1の作動流体23にとって熱力学的に好都合である(第1の放出モードも動作している場合)。第1の熱力学回路4が第2の熱力学回路5から熱的に独立している実施形態では、任意選択の熱交換器36は存在しない。
その後、第2の作動流体24は第2の凝縮器12(補助熱出力手段としての役割を果たす)に入り、第2の凝縮器において、補助ヒートシンク15によって凝縮される。
代替的には、熱力学的に好都合であったなら、装置300は、第2の作動流体24が任意選択の熱交換器36内で凝縮され、その後、第2の凝縮器12内で過冷却されるように構成することができる。
凝縮された高温側作動流体24は、その後、ポンプ13の吸入側に吸い込まれ、任意選択の熱交換器17を介して、高温側熱貯蔵体3に戻され、その中で、利用可能である場合には、代替の熱源/廃熱源30が作動流体24を予熱することができる。このプロセスは、高温側作動流体24が気化するときに高温側PCMから熱を吸収するのに応じて、高温側PCMを徐々に凝固させ続ける。
第2の放出モードの動作は、高温側PCMを部分的に、又は完全に凝固させるが、それでも、高温側PCMが依然としてその融点温度にあるときに充填モードの次の動作が開始できるように進行することができるか、又は状況によっては、顕在的な電力を依然として生成することができる場合には、高温側PCMの全てが凝固する時点後まで第2の放出モードを動作させることが好ましい場合がある。後者の選択肢は、充填モードの次の動作中に或る温度範囲にわたってヒートポンプ1が動作することを意味する。いずれの場合も、第2のリザーバ3内にあるか、又は第2のリザーバ3を出る第2の作動流体24の温度の測定可能な降下によって、高温側PCMが完全に凝固したという指標を与えることができる。
図4に、本発明の一実施形態による熱力学サイクル装置400を示す。
第1の熱伝達流体25を利用して、ヒートポンプ1と第1のリザーバ2との間、及び第1のリザーバ2と第1の凝縮器7との間を熱結合し、熱を交換する。さらに、第2の熱伝達流体28を利用して、ヒートポンプ1と第2のリザーバ3との間、及び第2のリザーバ3と第2の蒸発器14との間を熱結合し、熱を交換する。第1の熱伝達流体25及び第2の熱伝達流体28は、熱伝達回路を形成する。代替の実施形態では、1つ以上の別々の熱伝達回路(例えば、それぞれが別々の熱伝達流体を有する)を利用して、ヒートポンプ1及び第1のリザーバ2、第1のリザーバ2及び第1の凝縮器7、ヒートポンプ1及び第2のリザーバ3、並びに第2のリザーバ3及び第2の蒸発器14のいずれかを熱結合することができる。
第1のリザーバ2内の低温側PCMは、第1の熱伝達流体25がPCMと直接接触せず、PCMが動作中に第1のリザーバ2から流れ出ないように、カプセル化された相変化材料である。
カプセル化は、第1の熱伝達流体25がPCM材料(例えば、複数のカプセル化された球体、平板、複数の管による積重体、ハニカム体等)と良好に熱接触できるようにし、動作中に第1の熱伝達流体25が第1のリザーバ2を通って流れるのを著しく妨げないように構成される。
充填モードにおいて動作する前に、ポンプ26が動作するときに、第1の熱伝達流体25を第1のリザーバ2からヒートポンプ蒸発器20に向かわせるように弁27が設定される。この段階において低温側PCMは完全に液体になり(第1のリザーバ2から放出モードの先行する動作中に、すなわち、第1の放出モードの動作中に完全に放出が行われた場合)、好ましくはその融点温度になるが、構成によっては、融点温度よりわずかに高い場合がある。
第2のリザーバ3内の高温側PCMは、第2の熱伝達流体28がPCMと直接接触せず、動作中にPCMが第2のリザーバ3から流れ出ないように、カプセル化されたPCMである。カプセル化は、第2の熱伝達流体28がPCM材料(例えば、複数のカプセル化された球体、平板、複数の管による積重体等)と良好に熱接触できるようにし、動作中に第2の熱伝達流体28が第2のリザーバ3を通って流れるのを著しく妨げないように構成される。
充填モードにおいて動作する前に、任意選択の遮断弁40及び42が開けられる場合があり(存在する場合)、任意選択の遮断弁41及び43が閉じられる場合がある(存在する場合)。任意選択の三方弁32及び33が、ポンプ29が動作するときに、第2の熱伝達流体28を、第2のリザーバ3から単に冷凍凝縮器21に、又は熱交換器31を介して何らかの付加的な熱源も利用されることになる場合には或る適切な位置に向かわせるように設定される。高温側PCMは、この段階において完全に固体になる(第2のリザーバ3から放出モードの先行する動作中に、すなわち、第2の放出モードの動作中に完全に放出が行われる場合)、そして、熱交換器31を介して付加的な熱がそれ以降に加えられていない場合。高温側PCMは好ましくはその融点温度になるが、構成によっては、融点よりわずかに低い場合がある。
充填モードにおいて動作するとき、ヒートポンプ1にエネルギーを与えて(例えば、電気エネルギー又は機械エネルギーの供給源に接続して)、冷凍圧縮器19を駆動する。冷凍圧縮器19は、ヒートポンプ1内のガス状冷媒を、冷凍凝縮器21に入る前に加熱及び加圧する。結果として、ポンプ29を介して冷凍凝縮器21の他の側を通って循環している第2の熱伝達流体28に熱が供給される。第2の熱伝達流体28に熱を引き渡すことによって、ヒートポンプ冷媒が液相まで凝縮し、その後、冷媒は、膨張器22に入り、膨張器は、冷媒の圧力を下げ、それに応じて、その沸点を下げる。冷凍蒸発器20に入る冷媒は、ポンプ26を介して冷凍蒸発器20の他の側を通って循環している第1の熱伝達流体25から熱を抽出するのに応じて沸点に達する。
充填モードの動作は、低温側PCMが全て凝固する時点まで継続できることが(必須ではないが)好ましい。これは、第1のリザーバ2から抽出された熱がもはや、低温側PCMの溶融の潜熱によってもたらされないときに、第1の熱伝達流体25の温度が著しく降下することによって検出可能である。
或る特定の好ましい実施形態において、低温側PCMの全てが凝縮する時点が高温側PCMの全てが融解される時点と同時に生じるように、第2のリザーバ3内の高温側PCMの質量を調整することができる。具体的には、そして代替の供給源からの任意選択の廃熱再生を考慮して、高温側PCMの質量は、システム性能に何も影響を及ぼすことなく、この調整された値を超えている場合がある。
或る特定の実施形態において、充填モードの動作は、低温側PCMへの「顕熱冷却」を与えるためにエネルギーが使用されないように、低温側PCMの全てが固体になる時点において、又はその前に中止することができる。このようにして、ヒートポンプ1にわたって一定の温度差、それゆえ、性能係数を保持することができ、それにより、ヒートポンプの設計及び冷媒の選択を単一の動作点の周りで最適化できるようになる。
或る特定の実施形態において、貯蔵モードの動作中に、ヒートポンプ1は動作しない場合があり、第1の熱力学回路4内のいかなる構成要素も動作しない場合がある。
装置400が、付加的な熱源を再生することなく、エネルギー貯蔵システムとして純粋に動作している場合には、第2の熱力学回路5内の構成要素はいずれも動作する必要はない。
付加的な熱源が利用可能である場合には、充填モードの動作中に連続的な、又は断続的な熱源を使用するために、ポンプ29を動作させて第2の熱伝達流体25を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。
図3との関連において上記で説明された実施形態と同様に、第1の熱力学回路4及び第2の熱力学回路5からの放出は、局所的な電力要件に応じて、独立して、又は同時に行うことができる。すなわち、第1の放出モードは第1の熱力学回路4からの放出を可能にする場合があり、第2の放出モードは、第2の熱力学回路5からの放出を可能にする場合がある。第1の膨張器6及び第2の膨張器11は、放出モードの動作前に停止している場合があるか、又は第1の作動流体23及び第2の作動流体24の導入前に動作速度に達しているように起動される場合がある。瞬時電力が必要とされる場合がある実施形態では、瞬時供給源を与えるために、ドライブ/パワーエレクトロニクス装置52に容量性貯蔵体53を含むことができる(図10を参照)。代替の実施形態では、例えば、機械的又は電気的とすることができる、他の付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段を設けることができる。例えば、付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段はフライホイール又は電池とすることができる。
第1の放出モードの動作前に、ポンプ26を動作させて第1の熱伝達流体25を第1の凝縮器7に通すように、三方弁27が位置決めされる。
第1の放出モードの動作時に、ポンプ8が第1の作動流体23を第1の蒸発器9の中に送り込み、第1の蒸発器において、第1の作動流体23は、熱源によって加熱され、気化する。或る特定の非限定的な実施形態において、熱源は周囲熱源とすることができる。第1の作動流体23は、その後、任意選択の熱交換器36を通り抜け、第2の膨張器11を出るのに応じて、第2の作動流体24からの任意の残留熱を受け取る(第2の放出モードが動作している場合)。熱交換器36は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルをこの熱交換器36に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
第1の膨張器6に入る前に、付加的な熱源30が利用可能である場合には、第1の作動流体23は任意選択の熱交換器16を通り抜けることができる。熱交換器16は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器16に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第1の作動流体23は第1の膨張器6に入り、第1の凝縮器7内の凝縮圧と、第1の作動流体23を気化させるために使用される熱源とによって設定される、膨張器にわたる圧力差に起因して、第1の作動流体23は、膨張するにつれて第1の膨張器6を駆動し、それにより、第1の蒸発器9内の熱源(及び任意選択で熱交換器36及び16)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第1の作動流体23は、ガス状のまま第1の膨張器6を出て、第1の凝縮器7に入る。ポンプ26が、第1の熱伝達流体25を第1のリザーバ2から第1の凝縮器7に送り込む。第1の凝縮器7は、第1の作動流体23を第1のリザーバ2と熱的に接触させ、第1の熱伝達流体25が第1の作動流体23から熱を吸収するにつれて、第1のリザーバが第1の作動流体23を凝縮する。凝縮された第1の作動流体23は、その後、任意選択で最初にバッファ貯蔵体(buffer storage)37に入り(存在する場合)、その後、ポンプ8に入る場合があるか、又はサイクルが継続する場合、再びポンプ8に直接吸い込まれる場合がある。第1の凝縮器7を出る第1の熱伝達流体25は第1のリザーバ2に戻され、第1のリザーバにおいて、低温側PCMと熱を交換し、それにより、第1の放出モードが動作するのに応じて低温側PCMを徐々に融解する。
第1の放出モードの動作は、低温側PCMを部分的に、又は完全に融解するが、それでも、低温側PCMが依然としてその凝固点温度にあるときに充填モードの次の動作が開始できるように進行することができる。代替的には、いくつかの実施形態において、顕在的な電力を依然として生成することができる場合には、低温側PCMの全てが融解する時点後まで第1の放出モードを動作させることが好ましい場合があり、その際、これは、充填モードの次の動作中にヒートポンプ1が或る温度範囲にわたって動作することを意味する。いずれの場合も、第1のリザーバ2内の、又は第1のリザーバ2を出る第1の熱伝達流体25の温度の測定可能な上昇によって、低温側PCMが完全に融解したという指標を与えることができる。
第2の放出モードで動作する前に、任意選択の遮断弁41及び43が開けられる場合がある(存在する場合)。第2の放出モードの動作中に熱交換器31を介して付加的な熱入力が利用できない場合には、任意選択の遮断弁40及び42が閉じられる場合がある(存在する場合)。付加的な熱源が利用可能である場合には、第2の放出モードの動作中に、連続的な熱源を使用するためにポンプ29を動作させて第2の熱伝達流体28を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、そして任意選択の遮断弁40及び42を開けておくことによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。これは、ヒートポンプ1を動作させることなく、第2のリザーバ3の充填と第2の放出モードの動作とを同時に可能にする。
第2の放出モードの動作時に、ポンプ39を動作させて、第2の熱伝達流体28を第2のリザーバ3から第2の蒸発器14に循環させる。第2の蒸発器14を出ると、第2の熱伝達流体28は第2のリザーバ3に戻され、絶えず循環できるようにする。ポンプ13を動作させて、第2の作動流体24を第2の蒸発器14の他の側に送り込み、第2の蒸発器において、第2の熱伝達流体28からの熱を用いて第2の作動流体24が気化する。
第2の作動流体24は第2の蒸発器14を出て、第2の膨張器11に入る前に、付加的な熱源/廃熱源30が利用可能である場合には、任意選択の熱交換器18を通り抜けることができる。熱交換器18は、第2の膨張器11に入る前に、ガス状の第2の作動流体24を更に加熱する(例えば、過熱を加える)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルをこの熱交換器18に流し込むことによって第2の作動流体24が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第2の作動流体24は第2の膨張器11に入り、第2の膨張器11にわたる圧力差(第2の凝縮器12内の第2の作動流体24の凝縮圧と、第2の作動流体24を気化させるために使用される熱源とによって設定される)に起因して、第2の作動流体24は、(膨張するにつれて)膨張器11を駆動し、それにより、第2の熱伝達流体28(そして任意選択で熱交換器18)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第2の膨張器11を出ると、第2の作動流体24は依然としてガス状であり、その後、任意選択の熱交換器36に入ることができ、その熱交換器において、任意の残留熱を交換することができ、それは、第1の放出モードも動作している場合には、第1の作動流体23にとって熱力学的に好都合である。
第2の作動流体24は、その後、第2の凝縮器12に入り、第2の凝縮器において、第2の凝縮器12の他の側にある補助ヒートシンク15によって凝縮する。或る特定の非限定的な実施形態において、補助ヒートシンク15は、周囲ヒートシンクとすることができる。
代替的には、熱力学的に好都合であったなら、装置400は、第2の作動流体24が任意選択の熱交換器36内で凝縮し、その後、第2の凝縮器12内で過冷却されるように構成することができる。
凝縮された第2の作動流体24は、その後、任意選択で、最初にバッファ貯蔵体38に入り(存在する場合)、その後、ポンプ13に入る場合があるか、又はサイクルを継続する場合、ポンプ13に直接吸い込まれ、第2の蒸発器14の中に(任意選択の熱交換器17を介して)送り返される場合があり、利用可能である場合には、代替の熱源/廃熱源30が第2の作動流体24を予熱することができる。
このプロセスは継続することができ、第2の作動流体24が(第2の熱伝達流体28を介して)高温側PCMから熱を吸収し、気化するにつれて、高温側PCMを徐々に凝固させることができる。
第2の放出モードの動作は、高温側PCMを部分的に、又は完全に凝固させるが、それでも、高温側PCMが依然としてその融点温度にあるときに充填モードの次の動作が開始できるように進行することができる。代替的には、状況によっては、顕在的な電力を依然として生成できる場合には、高温側PCMの全てが凝固する時点後まで、第2の放出モードを動作させることが好ましい場合がある。その際、これは、充填モードの次の動作中に或る温度範囲にわたってヒートポンプ1が動作することを意味する。いずれの場合も、第2のリザーバ3内にあるか、又は第2のリザーバ3を出る第2の熱伝達流体28の温度の測定可能な降下によって、高温側PCMが完全に凝固したという指標を与えることができる。
図5に、本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置500を示す。
図5の実施形態において、PCMが液体から固体に又はその逆に相を変更するときに比較的一定の温度で蓄熱又は放熱するために、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3においてカプセル化されていないPCMが利用される。
第1のリザーバ2内の低温側PCMはいかようにもカプセル化されない。第1の熱伝達流体25は低温側PCMと直接接触している。物質が混和性でないように、そして、PCMが液相及び固相の両方にあるときに重力下で容易に混合せず、分離するような異なる比重を有するように、2つの物質が選択される。このように自然に分離することに起因して、充填モードの動作中に、低温側PCMと最適に熱接触できるようにするのと同時に、第1の熱伝達流体25のみが第1のリザーバ2から引き出されるように、吸入口を配置することができる。
また、このように自然に分離することは、第1の放出モードの動作中に、低温側PCMの固体/液体スラリー混合物のみが第1のリザーバ2から引き出されるように、吸入口を配置できるようにする。スラリー内に微量の第1の熱伝達流体25が混入する場合があるが、これらの量は最小になることは理解されたい。
充填モードの動作前に、低温側PCMは完全に液体になり(第1のリザーバ2から第1の放出モードの先行する動作中に完全に放出が行われた場合)、好ましくは、その融点温度になるが、実施形態によっては、融点よりわずかに高い場合がある。
第2のリザーバ3内の高温側PCMはいかようにもカプセル化されない。第2の熱伝達流体28は高温側PCMと直接接触している。物質が混和性でないように、そして、PCMが液相及び固相の両方にあるときに重力下で容易に混合せず、分離するような異なる比重を有するように、2つの物質が選択される。このように自然に分離することに起因して、第2の放出モードの動作中に、高温側PCMと最適に熱接触できるようにするのと同時に、第2の熱伝達流体28のみが第2のリザーバ3から引き出されるように、吸入口を配置することができる。
また、このように自然に分離することは、充填モードの動作中に、高温側PCMの固体/液体スラリー混合物44のみが第2のリザーバ3から引き出されるように、吸入口を配置できるようにする。スラリー内に微量の第2の熱伝達流体28が混入する場合があるが、これらの量は最小になることは理解されたい。
充填モードの動作前に、任意選択の遮断弁40及び42が開けられる場合があり(存在する場合)、任意選択の遮断弁41及び43が閉じられる場合がある(存在する場合)。任意選択の三方弁32及び33が、ポンプ29が動作するときに、高温側PCMスラリー44を、第2のリザーバ3から単に冷凍凝縮器21に、又は(熱交換器31を介して)何らかの付加的な熱源も利用されることになる場合には或る適切な位置に向かわせるように設定される。高温側PCMはこの段階において固体/液体スラリーであり、厳密な固体/液体含有量は、先行する第2の放出モードが動作した時間と、それ以降に熱交換器31を介して任意の付加的な熱が加えられたか否かとによって決まる。高温側PCMは、その融点温度にあることが好ましい。
充填モードの動作中に、ヒートポンプ1にエネルギーを加えて、冷凍圧縮器19を駆動する。冷凍圧縮器19は、冷凍凝縮器21に入る前に、ヒートポンプ1内のガス状冷媒を加熱及び加圧する。それゆえ、ポンプ29を介して冷凍凝縮器21の他の側を通って循環している高温側PCMスラリー44に熱が供給される。高温PCMスラリー44に熱を引き渡すことによって、ヒートポンプ冷媒が液相まで凝縮され、その後、冷媒は、冷凍膨張弁22に入り、膨張弁は、冷媒の圧力を下げ、それゆえ、その沸点を下げる。冷凍蒸発器20に入る冷媒は、ポンプ26を介して冷凍蒸発器20の他の側を通って循環している第1の熱伝達流体25から熱を抽出するのに応じて沸点に達する。
この段階にて、第1の熱伝達流体25は、冷凍蒸発器20を出た後に、液相低温側PCMと直ちに接触することになる時点で、第1のリザーバ2に戻される。液相低温側PCMが既にその融点温度にある場合には、第1のリザーバ2に再び入る第1の熱伝達流体25と接触すると、その小さい固体粒子が形成される。それらの物質の非混和性と、その異なる比重とに起因して、それらの物質は分離することになり、充填モードの動作中に、第1の熱伝達流体25を第1のリザーバ2から、冷凍蒸発器20を通って絶えず送り出すことができるようになる。低温側PCMの凝固した粒子は、その物質の特性に応じて、液相低温側PCM内で上昇又は下降する。これにより、第1のリザーバ2内を濃縮するように低温側PCMスラリーが蓄積する。充填モードの動作は、全ての低温側PCMスラリーが第1のリザーバ2内で最大の所望の固体密度に達する時点まで継続できることが好ましい。
充填モードの動作中に、冷凍凝縮器21及び/又は任意選択の熱交換器31を通り抜ける高温PCMスラリー44は、ヒートポンプ1が高温PCMスラリー44に熱を伝達するのに応じて絶えず融解される。
不可欠ではないが、最大低温側PCMスラリー固体密度が生じるとき、それが高温側PCMの全てが融解される時点と同時に生じるように、第2のリザーバ3内の第2のPCMの質量を調整することができる。具体的には、そして代替の供給源からの任意選択の廃熱再生を考慮して、高温側PCMの質量は、システム性能に何ら影響を及ぼすことなく、この値を超えている場合がある。
充填モードの動作は、低温側PCMへの「顕熱冷却」を与えるためにエネルギーが使用されないように、低温側PCMスラリーが最大限許容可能な固体密度に達する時点において、又はその前に中止することができる。このようにして、ヒートポンプ1にわたって一定の温度差、それゆえ、性能係数を保持することができ、それにより、ヒートポンプの設計及び冷媒の選択を単一の動作点の周りで最適化できるようにする。
或る特定の実施形態において、貯蔵モードの動作中に、ヒートポンプ1は動作せず、第1の熱力学回路内のいかなる構成要素も動作しない。
装置500が、付加的な熱源を再生することなく、エネルギー貯蔵システムとして純粋に動作している場合には、装置500は停止している場合があり、第2の熱力学回路内の構成要素も動作していない。
付加的な熱源30が利用可能である場合には、貯蔵段階中に連続的な、又は断続的な熱源を使用するために、ポンプ29を動作させて高温側PCMスラリー44を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。
図3及び図4との関連において上記で説明された実施形態と同様に、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3からの放出は、局所的な電力要件に応じて、独立して、又は同時に行うことができる。すなわち、第1の放出モードは第1のリザーバ2からの放出を可能にする場合があり、第2の放出モードは、第2のリザーバ3からの放出を可能にする場合がある。第1の膨張器6及び第2の膨張器11は、放出前に停止している場合があるか、又は第1の作動流体23及び第2の作動流体24の導入前に動作速度に達しているように起動される場合がある。瞬時電力が必要とされる場合がある実施形態では、瞬時供給源を与えるために、ドライブ/パワーエレクトロニクス装置52に容量性貯蔵体53を含むことができる(図10を参照)。代替の実施形態では、例えば、機械的又は電気的とすることができる、他の付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段を設けることができる。例えば、付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段はフライホイール又は電池とすることができる。
第1の放出モードの動作時に、ポンプ8が第1の作動流体23を第1の蒸発器9に送り込み、第1の蒸発器において、第1の作動流体が補助熱源10によって加熱され、気化する。或る特定の非限定的な実施形態において、補助熱源は周囲熱源とすることができる。第1の作動流体23は、その後、任意選択の熱交換器36を通り抜け、第2の膨張器11を出るのに応じて、第2の作動流体24からの任意の残留熱を受け取る(第2の放出モードも動作している場合)。熱交換器36は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器36に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
第1の膨張器6に入る前に、付加的な熱源30が利用可能である場合には、第1の作動流体23は任意選択の熱交換器16を通り抜けることができる。熱交換器16は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器16に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第1の作動流体23は第1の膨張器6に入り、第1の膨張器6にわたる圧力差(第1の凝縮器7内の凝縮圧と、第1の作動流体23を気化させるために使用される熱源とによって設定される)に起因して、第1の作動流体23は、(膨張するにつれて)膨張器6を駆動し、それにより、第1の蒸発器9内の補助熱源(及び任意選択で熱交換器36及び16)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第1の作動流体23は、ガス状のまま第1の膨張器6を出て、第1の凝縮器7に入る。ポンプ46が、低温側PCMスラリー45を第1のリザーバ2から第1の凝縮器7に送り込む。第1の凝縮器7は、第1の作動流体23を低温側PCMスラリー45と熱的に接触させ、低温側PCMスラリーは、低温側PCMスラリー45が第1の作動流体23から熱を吸収し、融解するにつれて、第1の作動流体23を凝縮する。凝縮された第1の作動流体23は、その後、任意選択で最初にバッファ貯蔵体37に入り(存在する場合)、その後、ポンプ8に入る場合があるか、又はサイクルが継続する場合、再びポンプ8に直接吸い込まれる場合がある。第1の凝縮器7を出る低温側PCMは、完全に液体として、又は液体の比率が高い状態で、第1のリザーバ2に戻される。このプロセスは、第1の放出モードが動作するときに、低温側PCMスラリー45を徐々に融解する。
第1の放出モードの動作は、低温側PCMスラリー45を部分的に、又は完全に融解するが、低温側PCMが依然としてその凝固点温度にあるときに充填モードの次の動作が開始できるように進行することができる。代替的には、いくつかの実施形態において、顕在的な電力を依然として生成することができる場合には、低温側PCMスラリー45の全てが融解する時点を過ぎて第1の放出モードを動作させることが好ましい場合がある。その際、これは、充填モードの次の動作中に或る温度範囲にわたってヒートポンプ1が動作することを意味する。いずれの場合も、第1のリザーバ2内の、又は第1のリザーバ2を出る低温側PCMの温度の上昇によって、低温側PCMが完全に融解したという指標が検出可能な場合がある。
第2の放出モードで動作する前に、任意選択の遮断弁41及び43が開けられる場合がある(存在する場合)。放出モード中に熱交換器31を介して付加的な熱入力が利用できない場合には、任意選択の遮断弁40及び42が閉じられる場合がある(存在する場合)。付加的な熱源が利用可能である場合には、第2の放出モードの動作中に、連続的な熱源を使用するためにポンプ29を動作させて高温側PCMスラリー44を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、そして任意選択の遮断弁40及び42を開けておくことによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。これは、ヒートポンプ1を動作させることなく、第2のリザーバ3の充填と第2の放出モードの動作とを同時に可能にする。
第2の放出モードの動作時に、ポンプ39が動作して、第2の熱伝達流体28を第2のリザーバ3から第2の蒸発器14に循環させる。第2の蒸発器14を出ると、第2の熱伝達流体28は、液相高温側PCMと直ちに接触することになる時点で第2のリザーバ3に戻され、それにより、絶えず循環させて、高温側PCMを冷却できるようにする。ポンプ13を動作させて、第2の作動流体24を第2の蒸発器14の他の側に送り込み、第2の蒸発器において、第2の熱伝達流体28からの熱を用いて第2の作動流体24が気化する。
第2の作動流体24は第2の蒸発器14を出て、第2の膨張器11に入る前に、付加的な熱源30が利用可能である場合には、任意選択の熱交換器18を通り抜けることができる。熱交換器18は、第2の膨張器11に入る前に、ガス状の第2の作動流体24を更に加熱する(例えば、過熱を加える)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルをこの熱交換器18に流し込むことによって第2の作動流体24が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第2の作動流体24は第2の膨張器11に入り、膨張器にわたる圧力差(第2の凝縮器12内の第2の作動流体24の凝縮圧と、第2の作動流体24を気化させるために使用される熱とによって設定される)に起因して、第2の作動流体24は、(膨張するにつれて)膨張器11を駆動し、それにより、第2の熱伝達流体28(そして任意選択で熱交換器18)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第2の膨張器11を出ると、第2の作動流体24は依然としてガス状であり、その後、任意選択の熱交換器36に入ることができ、その熱交換器において、第2の作動流体24は任意の残留熱を交換することができ、それは、第1の放出モードが同時に動作している場合には、第1の作動流体23にとって好都合である。
第2の作動流体24は、その後、第2の凝縮器12に入り、第2の凝縮器において、第2の凝縮器の他の側にある補助ヒートシンク15によって凝縮される。或る特定の非限定的な実施形態において、補助ヒートシンク15は、周囲ヒートシンクとすることができる。
代替的には、熱力学的に好都合であったなら、装置500は、第2の作動流体24が任意選択の熱交換器36内で凝縮し、その後、第2の凝縮器12内で過冷却されるように構成することができる。
凝縮された第2の作動流体24は、その後、任意選択で、最初にバッファ貯蔵体38に入り(存在する場合)、その後、ポンプ13に入ることができるか、又はサイクルを継続する場合、ポンプ13に直接吸い込まれ、第2の蒸発器14の中に(任意選択の熱交換器17を介して)送り返される場合があり、利用可能である場合には、代替の熱源/廃熱源30が第2の作動流体24を予熱することができる。
第2の熱伝達流体28が第2の蒸発器14を出て、第2のリザーバ3に再び入るのに応じて、第2の熱伝達流体は第2のリザーバ3において冷却効果を有する。高温側PCM材料が凝固点温度に達すると、第2のリザーバ3に再び入る第2の熱伝達流体28と接触して、第2の熱伝達流体28を介して更に冷却されることにより、凝固した高温側PCMの小さい粒子が形成される。
物質の非混和性と、その異なる比重とに起因して、それらの物質は分離することになり、第2の放出モードの動作中に、第2の熱伝達流体28を第2のリザーバ3から、第2の蒸発器14を通って絶えず送り出すことができるようになる。高温側PCMの凝固した粒子は、その物質の特性に応じて、液相高温側PCM内で上昇又は下降する。これにより、第2のリザーバ3内を濃縮するように高温側PCMスラリーが蓄積する。第2の放出モードの動作は、不可欠ではないが、好ましくは、高温側PCMスラリーが第2のリザーバ3内で最大の所望の固体密度に達する時点まで継続することができる。
第2の放出モードの動作は、高温側PCMスラリーを部分的に、又は完全に最大の所望の固体密度まで凝固させるが、それでも、高温側PCMが第2のリザーバ3内で依然としてその融点温度にあるときに充填モードの次の動作が開始できるように進行することができる。
図6に、本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置600を示す。
図6の実施形態において、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3内のそれぞれ第1の貯蔵媒体及び第2の貯蔵媒体は、通常の動作温度中に相を変更しない液体媒体である。すなわち、第1の貯蔵媒体は第1の(「低温側」)貯蔵液体であり、第2の貯蔵媒体は第2の(「高温側」)貯蔵液体である。
第1のリザーバ2内の第1の貯蔵液体は、好ましくは高い比熱容量を有し、好ましくは、冷却されても相変化を受けることがない液体である。この実施形態において、第1の貯蔵液体及び第1の熱伝達流体25は全く同じ媒体である。
充填モードの動作前に、ポンプ26が動作するときに、第1の熱伝達流体25を第1のリザーバ2から冷凍蒸発器20に向かわせるように弁27が設定される。第1のリザーバ2から第1の放出モードの先行する動作中に(すなわち、第1の放出モードの動作中に)完全に放出が行われた場合には、低温側貯蔵液体は十分に最も高い貯蔵温度に達している。
第2のリザーバ3内の第2の貯蔵液体は、好ましくは、高い比熱容量を有し、好ましくは、加熱されても相変化を受けない液体である。この実施形態において、第2の貯蔵液体及び第2の熱伝達流体28は全く同じ媒体である。
充填モードの動作前に、任意選択の遮断弁40及び42が開けられる場合があり(存在する場合)、任意選択の遮断弁41及び43が閉じられる場合がある(存在する場合)。任意選択の三方弁32及び33が、ポンプ29が動作するときに、第2の熱伝達流体28を、第2のリザーバ3から単に冷凍凝縮器21に、又は(熱交換器31を介して)何らかの付加的な熱源も利用されることになる場合には或る適切な位置に向かわせるように設定される場合がある。第2のリザーバ3から第2の放出モードの先行する動作中に(すなわち、第2の放出モードの動作中に)完全に放出が行われ、かつそれ以降に熱交換器31を介して付加的な熱が加えられなかった場合には、高温側熱貯蔵液体は十分に最も低い貯蔵温度に達している。
充填モードにおける動作時に、ヒートポンプ1にエネルギーを加えて、冷凍圧縮器19を駆動する。冷凍圧縮器19は、冷凍凝縮器21に入る前に、かつ冷凍凝縮器21の他の側を通ってポンプ29によって循環している第2の熱伝達流体28に熱を供給する前に、ヒートポンプ1内のガス状冷媒を加熱及び加圧する。第2の熱伝達流体28に熱を引き渡すことによって、ヒートポンプ冷媒が液相まで凝縮し、その後、冷媒は、冷凍膨張弁22に入り、その弁は、冷媒の圧力を下げ、それに応じて、その沸点を下げる。冷凍蒸発器20に入る冷媒は、ポンプ26を介して冷凍蒸発器20の他の側を通って循環している第1の熱伝達流体25から熱を抽出するのに応じて沸点に達する。
充填モードの動作は、全ての低温側貯蔵液体が最も低い貯蔵温度に達する時点まで継続できることが好ましい。これは、第1の熱伝達流体25の温度が所定のレベルに達することによって示される(それゆえ、検出可能である)。
不可欠ではないが、低温側貯蔵液体の全てが完全に冷却される時点が、高温側貯蔵液体の全てが完全に加熱される時点と同時に生じるように、第2のリザーバ3内の高温側熱貯蔵液体の質量を調整することができる。具体的には、そして代替の供給源からの任意選択の廃熱再生を考慮して、高温側熱貯蔵液体の質量は、システム性能に何ら影響を及ぼすことなく、この値を超えている場合がある。
第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3内の温度は充填モードの動作を通して均等化されることが、不可欠ではないが好ましい。これは、例えば、第1の熱伝達流体25及び第2の熱伝達流体28を循環させることにより、又は他の手段(空気混和、機械的攪拌器等)により、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3を攪拌し、ヒートポンプ1内の凝縮温度がいかなる時点でも第2のリザーバ3のバルク温度よりわずかに高く、ヒートポンプ1内の気化温度がいかなる時点でも第1のリザーバ2のバルク温度よりわずかに低いようにヒートポンプ1の動作を制御することによって達成することができる。この充填プロセスは、システムの往復効率を最大化するために、充填持続時間にわたるヒートポンプ1の平均性能係数が可能な限り高いことを確実にする。
或る特定の実施形態において、貯蔵モードの動作中に、ヒートポンプ1は動作しない場合があり、第1の熱力学回路4内のいかなる構成要素も動作しない場合がある。
装置600が、付加的な熱源を再生することなく、エネルギー貯蔵システムとして純粋に動作している場合には、装置600は停止している場合があり、第2の熱力学回路5内の構成要素も動作していない。
付加的な熱源が利用可能である場合には、貯蔵段階中に連続的な、又は断続的な熱源を使用するために、ポンプ29を動作させて第2の熱伝達流体28を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。
図3、図4及び図5との関連において上記で説明された実施形態と同様に、第1の熱力学回路4及び第2の熱力学回路5からの放出は、局所的な電力要件に応じて、独立して、又は同時に行うことができる。すなわち、第1の放出モードは第1の熱力学回路4からの放出を可能にする場合があり、第2の放出モードは、第2の熱力学回路5からの放出を可能にする場合がある。第1の膨張器6及び第2の膨張器11は、放出前に停止している場合があるか、又は第1の作動流体23及び第2の作動流体24の導入前に動作速度に達しているように起動される場合がある。瞬時電力が必要とされる場合がある実施形態では、瞬時供給源を与えるために、ドライブ/パワーエレクトロニクス装置52に容量性貯蔵体53を含むことができる(図10を参照)。代替の実施形態では、例えば、機械的又は電気的とすることができる、他の付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段を設けることができる。例えば、付加的な非熱的エネルギー貯蔵手段はフライホイール又は電池とすることができる。
第1の放出モードの動作前に、ポンプ26を動作させて第1の熱伝達流体25を第1の凝縮器7に通すように三方弁27が位置決めされる。
第1の放出モードの動作時に、ポンプ8が第1の作動流体23を第1の蒸発器9に送り込み、第1の蒸発器において、第1の作動流体23は第1の補助源10からの熱によって加熱され、気化する。或る特定の非限定的な実施形態において、補助熱源10は周囲熱源とすることができる。第1の作動流体23は、その後、任意選択の熱交換器36を通り抜け、第2の膨張器11を出るのに応じて、第2の作動流体24からの任意の残留熱を受け取る(第2の放出モードも動作している場合)。熱交換器36は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器36に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
第1の膨張器6に入る前に、付加的な熱源30が利用可能である場合には、第1の作動流体23は任意選択の熱交換器16を通り抜けることができる。熱交換器16は、第1の膨張器6に入る前に、ガス状の第1の作動流体23を更に加熱する(例えば、過熱する)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルを熱交換器16に流し込むことによって第1の作動流体23が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第1の作動流体23は第1の膨張器6に入り、第1の膨張器6にわたる圧力差(第1の凝縮器7内の凝縮圧と、第1の作動流体23を気化させるために使用される熱源とによって設定される)に起因して、第1の作動流体23は、(膨張するにつれて)第1の膨張器6を駆動し、それにより、第1の蒸発器9内の熱源(及び任意選択で熱交換器36及び16)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第1の作動流体23は、ガス状のまま第1の膨張器6を出て、第1の凝縮器7に入る。ポンプ26が、第1の熱伝達流体25を第1のリザーバ2から第1の凝縮器7に送り込む。第1の凝縮器7は、第1の作動流体23を第1のリザーバ2と熱的に接触させ、低温の熱伝達流体25が第1の作動流体23から熱を吸収するにつれて、第1のリザーバ2が第1の作動流体23を凝縮する。凝縮された第1の作動流体23は、その後、任意選択で、最初にバッファ貯蔵体37に入り(存在する場合)、その後、ポンプ8に入る場合があるか、又はサイクルが継続する場合、再びポンプ8に吸い込まれる場合がある。第1の凝縮器7を出る第1の熱伝達流体25は、第1のリザーバ2に戻され、第1のリザーバにおいて、第1の放出モードが動作するとき、低温側熱貯蔵液体と熱を交換し、加熱する。
第1の放出モードは、低温側熱貯蔵液体を部分的に、又は完全に加熱し、均等化によってどのようなバルク温度に達しようと、それでも充填モードの次の動作が開始できるように進行することができる。いずれにしても、第1のリザーバ2の完全なエネルギー枯渇は、第1のリザーバ2内の、又は第1のリザーバ2を出る第1の熱伝達流体25の温度の上昇を検出することによって示すことができる。
第1の放出モードの動作中に、抜き取られた液体が常に最も低い貯蔵温度にあり、最も高い貯蔵温度において第1のリザーバ2に戻されるように、低温側熱貯蔵液体が第1のリザーバ2(例えば、タンクとすることができる)の底部から抜き取られ、第1のリザーバ2内の熱貯蔵液体を層化できるようにする流速で第1のリザーバ2の上部に戻されることが、不可欠ではないが好都合である。この結果として、第1の凝縮器7内の第1の作動流体23に関して取り得る最も低い凝縮圧が生じ、それゆえ、第1の膨張器6にわたるエンタルピー変化を最大化する。
第2の放出モードで動作する前に、任意選択の遮断弁41及び43が開けられる場合がある(存在する場合)。第2の放出モードの動作中に、熱交換器31を介して付加的な熱入力が利用可能でない場合には、任意選択の遮断弁40及び42が閉じられる場合がある(存在する場合)。付加的な熱源が利用可能である場合には、第2の放出モードの動作中に、連続的な熱源を使用するためにポンプ29を動作させて第2の熱伝達流体28を熱交換器31に通すような位置に任意選択の三方弁32及び33を設定することによって、そして任意選択の遮断弁40及び42を開けておくことによって、第2のリザーバ3に絶えず充填を行うことができる。これは、ヒートポンプ1を動作させることなく、第2のリザーバ3の充填と第2の放出モードの動作とを同時に可能にする。
第2の放出モードの動作時に、ポンプ39が動作して、第2の熱伝達流体28を第2のリザーバ3から第2の蒸発器14に循環させる。第2の蒸発器14を出ると、第2の熱伝達流体28は、第2のリザーバ3に戻され、絶えず循環できるようにする。ポンプ13が動作して、第2の作動流体24を第2の蒸発器14の他の側に送り込み、第2の蒸発器において、第2の熱伝達流体28からの熱を用いて第2の作動流体24が気化する。
第2の作動流体24は第2の蒸発器14を出て、第2の膨張器11に入る前に、付加的な熱源/廃熱源30が利用可能である場合には、任意選択の熱交換器18を通り抜けることができる。熱交換器18は、第2の膨張器11に入る前に、ガス状の第2の作動流体24を更に加熱する(例えば、過熱を加える)か、又は代替的には、液体/蒸気レベルをこの熱交換器18に流し込むことによって第2の作動流体24が気化する温度を上昇させるために使用することができる(熱力学的に好ましい場合)。
ガス状の第2の作動流体24は第2の膨張器11に入り、膨張器にわたる圧力差(第2の凝縮器12内の第2の作動流体24の凝縮圧と、第2の作動流体24を気化させるために使用される熱源とによって設定される)に起因して、第2の作動流体24は、(膨張するにつれて)第2の膨張器11を駆動し、それにより、第2の熱伝達流体28(そして任意選択で熱交換器18)から抽出されるエネルギーを電気エネルギー又は機械エネルギーに変換する。
第2の膨張器11を出ると、第2の作動流体24は依然としてガス状であり、その後、任意選択の熱交換器36に入ることができ、その熱交換器において、任意の残留熱を交換することができ、それは、第1の放出モードが同時に動作している場合には、第1の作動流体23にとって好都合である。
第2の作動流体24は、その後、第2の凝縮器12に入り、第2の凝縮器において、第2の凝縮器12の他の側にある補助ヒートシンク15によって凝縮される。或る特定の非限定的な実施形態において、補助ヒートシンクは周囲ヒートシンクとすることができる。
代替的には、熱力学的に好都合であったなら、装置600は、第2の作動流体24が任意選択の熱交換器36内で凝縮され、その後、第2の凝縮器12内で過冷却されるように構成することができる。
凝縮された第2の作動流体24は、その後、任意選択で、最初にバッファ貯蔵体38に入り(存在する場合)、その後、ポンプ13に入る場合があるか、又はサイクルを継続する場合、ポンプ13に直接吸い込まれ、任意選択の熱交換器17を介して第2の蒸発器14の中に再び送り込まれる場合があり、その熱交換器において、利用可能である場合には、代替の熱源/廃熱源30が作動流体24を予熱することができる。
第2の放出モードの動作は、第2の熱伝達流体28が気化するときに、第2の作動流体24が第2の熱伝達流体28を介して高温側熱貯蔵液体から熱を吸収するのに応じて、高温側熱貯蔵液体を徐々に冷却する。
第2の放出モードの動作は、第2のリザーバ3を部分的に、又は完全に冷却し、均等化によってどのようなバルク温度に達しようと、充填モードの次の動作が開始できるように進行することができる。いずれにしても、第2のリザーバ3の完全なエネルギー枯渇は、第2のリザーバ3内の、又は第2のリザーバ3を出る第2の熱伝達流体28の温度の降下によって示す(それゆえ、検出する)ことができる。
第2の放出モードの動作中に、抜き取られた液体が常に最も高い貯蔵温度にあり、最も低い貯蔵温度において第2のリザーバ3に戻されるように、高温側熱貯蔵液体が第2のリザーバ3(例えば、タンクとすることができる)の上部から抜き取られ、第2のリザーバ3内の熱貯蔵液体を層化できるようにする流速で第2のリザーバ3の底部に戻されることが、不可欠ではないが好都合である。この結果として、第2の蒸発器14内の第2の作動流体24に関して取り得る最も高い気化圧が生じ、それゆえ、第2の膨張器11にわたるエンタルピー変化を最大にする。
図7に、本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置700を示す。図7の実施形態において、第1のリザーバ2は2つの個別の第1の容器2a、2bを備え、第2のリザーバ3は2つの個別の第2の容器3a、3bを備える。第1の貯蔵媒体及び第2の貯蔵媒体は、装置700の通常動作中に相を変更しない液体である。このようにして、第1の容器2a、2b及び第2の容器3a、3bにおける顕熱加熱及び冷却を介して、熱エネルギーを貯蔵することができる。第1の貯蔵媒体が加熱及び冷却されるのに応じて、2つの第1の容器2aと2bとの間で第1の貯蔵媒体が行き来する(例えば、ポンプ作用による)。同様に、第2の貯蔵媒体が加熱及び冷却されるのに応じて、2つの第2の容器3aと3bとの間で第2の貯蔵媒体が行き来する(例えば、ポンプ作用による)。
図8に、本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置800を示す。図8の実施形態において、中間温度熱貯蔵体としての役割を果たす第3のリザーバ50が設けられる。第1のリザーバ2、第2のリザーバ3及び第3のリザーバ50はそれぞれ、その中に1つ以上の熱交換器を有する貯蔵タンクを備える。図8の実施形態は、熱交換器をタンクの中に入れることによって、いくつかの補助ポンプ負荷をいかに除去できるようになるかを、多少簡略化して例示する。さらに、第2のリザーバ3を出る廃熱は、第3のリザーバ50に取り込むことができる。これらの特徴は、上記の実施形態のいずれかに含まれる場合がある。図8の具体的な実施形態において、第1の貯蔵媒体及び第2の貯蔵媒体は、装置800の通常動作中に相を変更しない液体媒体である。このようにして、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3内の顕熱加熱及び冷却を介して熱エネルギーを貯蔵することができる。
図9に、本発明の一実施形態による、熱力学サイクル装置900を示す。図9の装置900は図1の装置100と同じであるが、熱源54及びヒートシンク55を更に含む。その場合に、更なる構成要素54及び55、並びに関連する動作(後に説明される)が、上記の実施形態のいずれかに組み込まれる場合がある。
熱源54によって、第1のリザーバ2から熱を引き出すことなく、ヒートポンプ1が動作し、第2のリザーバ3を加熱できるようになる。この構成は、第1の放出モードが動作することなく、装置900が第2の放出モードにおいてあらかじめ動作していた場合に(すなわち、第2のリザーバ3に「エネルギーを再充填する」ために)、使用することができる。
ヒートシンク53によって、第2のリザーバ3を加熱することなく、ヒートポンプ1が第1のリザーバ2を冷却するために動作できるようになる。この構成は、第2の放出モードが動作することなく、装置900が第1の放出モードにおいてあらかじめ動作していた場合に(すなわち、第1のリザーバ2に「エネルギーを再充填する」ために)、使用することができる。
図10に、本発明の或る特定の実施形態において利用される場合があるパワーエレクトロニクス装置52を示す。膨張器発電機に電気的に接続されるパワーエレクトロニクス装置52が示されており、膨張器発電機は第1の膨張器6又は第2の膨張器11のいずれかを含むことができる。パワーエレクトロニクス装置52は、膨張器発電機6、11の発電機を調整し、地域送電網への任意の接続プロトコルを取り扱うように構成される。容量性貯蔵体53(例えば、キャパシタ)が設けられ、電力の要求と電力の供給との間の時間を短縮する役割を果たすことができ、ステージ間にDC電圧バスが存在する。パワーエレクトロニクス装置52は、膨張器発電機6、11を駆動して、電力が要求されるときの起動時間を速くできるようにするために利用することもできる。代替の実施形態では、容量性貯蔵体53の代わりに、又はそれに加えて、他の更なる非熱的エネルギー貯蔵手段を設けることができ、その手段は、例えば、機械的又は電気的とすることができる。例えば、更なる非熱的エネルギー貯蔵手段は、フライホイール、圧縮空気(又は他の気体)又は電池とすることができる。
或る特定の実施形態において、第1の貯蔵媒体及び第2の貯蔵媒体(第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3内)の貯蔵温度は、200℃以下、100℃以下、−50℃以上及び/又は−30℃以上とすることができる。或る特定の実施形態において、第1の貯蔵媒体の貯蔵温度と第2の貯蔵媒体の貯蔵温度との間の差は、30℃〜120℃とすることができる。或る特定の実施形態において、第1の貯蔵媒体の貯蔵温度と第2の貯蔵媒体の貯蔵温度との間の差は、30℃〜60℃、若しくは約50℃、又は80℃〜120℃、若しくは約100℃とすることができる。例えば、第1のリザーバ内の貯蔵温度は約0℃とすることができ、第2のリザーバ内の貯蔵温度は約50℃とすることができる。それゆえ、本発明の実施形態は、数百℃の高い温度、及び−100℃以下の低い温度を必要とする数多くの従来技術の構成とは対照的に、適度で合理的な温度において動作することができる。本発明は、或る特定の実施形態において、周囲熱、環境熱及び廃熱等の、豊富で自由に利用可能な熱源を利用することによって、これを果たすことができる。そのような実施形態において、豊富な熱源の低い変換効率が、比較的適度な温度において動作することによって被る、熱力学的損失を克服する。第2のリザーバ内に貯蔵されるエネルギーに対して第1のリザーバ内に貯蔵されるエネルギーを独立して放出する能力を与えることによって、装置の工学技術が大幅に簡略化される。それは、そのような装置が、容易に入手可能な構成要素から組み立てることができること、及び魅力的な往復効率を、低い資本コストで達成できることを意味する。
或る特定の非限定的な実施形態において、構成要素9、16、31、18(これらは熱交換器である)内に熱を加えるために使用される熱源は、外部周囲空気源、空調される建物又は住居内部からの空気源、既存の空調又は冷凍システムから廃棄される熱、周囲水源(例えば、塩水、海水、半塩水、湖、池、河川、用水路、送水路)、地表源、地熱、太陽熱、太陽池、生物活性熱源(例えば、嫌気性消火装置、好気性消火装置、堆肥、糞堆積物、下水流、二次下水汚泥)、産業プロセスからの廃熱、及び他の発電技術(例えば、CCGT、蒸気タービン等)からの廃熱から選択することができる。
第1の蒸発器9及び第2の凝縮器12のための熱源及びヒートシンクとして「周囲」熱を利用する実施形態において、これらは、同じ周囲源であるか、又は同じ温度にある必要はない(すなわち、補助ヒートシンク15のために河川の流れを使用する結果として、補助熱源10として利用される場合がある空気源と比べて低い温度になる場合がある)。
或る特定の実施形態において、第1の膨張器6及び/又は第2の膨張器11は、ラジアルタービン、軸流タービン、又は衝動タービン(又は他のタービン)/ターボ膨張器(turboexpanders)、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関から選択することができる。
或る特定の実施形態において、上記のポンプ26、8、46、29、39、13、49はそれぞれ、遠心ポンプ、スライディングベーンポンプ、ジェロータポンプ、ジェローラポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、蠕動ポンプ及びローブポンプから選択されるポンプとすることができる。
或る特定の実施形態において(例えば、第2のリザーバ3が同時に充填及び放出を行う必要がない場合には)、ポンプ29及び13を、図3に関連して上記で説明された実施形態における単一のポンプに置き換えることができるか、又はポンプ29及び39を、図4、図5、図6及び図7に関連して上記で説明された実施形態における単一のポンプに置き換えることができる。
或る特定の実施形態において(例えば、第1のリザーバ2及び第2のリザーバ3の独立した充填、及び独立した第1の放出モード及び第2の放出モードが必要とされない場合)、第1の膨張器6及び/又は第2の膨張器11は、単一の発電機の共通のシャフト上に結合することができる。
いくつかの実施形態において、放出モードの動作中に動作するように要求されるポンプは、システム効率を改善するために、膨張器6、11の一方又は両方と共通のシャフト上に結合することができる。
好ましい実施形態において、PCMのためのカプセル化材料、及びそれらの材料と接触する任意の流体は、互いに適合するように選択することができる。
液相の作動流体が第1の膨張器6及び/又は第2の膨張器11に入るのを防ぐために、或る特定の実施形態による装置は、過熱の限界を制御しながら、第1の作動流体及び第2の作動流体がそれぞれ第1の膨張器6及び第2の膨張器11に導入されるように動作することができる。
第1の熱力学回路及び第2の熱力学回路内の作動流体レベルは、ポンプのキャビテーション損傷を防ぐだけの十分な過冷却を与えるように制御することができる。
適切なPCMを選択する基準は、その融点、接触する場合がある任意の材料との化学的適合性、化学的不活性、安定性、コスト及び安全性のうちのいずれか又は全てを含むことができる。
適切な第1の作動流体及び第2の作動流体を選択する基準は、熱源及びヒートシンクの温度、PCMの貯蔵温度、コスト、安全性、安定性、不活性、化学的適合性、及び冷媒としての温度−エントロピー特性のうちのいずれか又は全てを含むことができる。
或る特定の実施形態において、装置はモジュール式とすることができる。第1のリザーバ2又は第2のリザーバ3のいずれか又は両方が、拡張性のあるシステムをもたらすために、多岐管で連通する(manifolded)ことができる2つ以上のタンクを備えることができる。
付加的な冷却源(例えば、工業プロセス又は極低温プロセスからの廃冷、膨張ガス)が利用可能な場合がある適用例では、それぞれの作動流体の凝縮圧を更に抑圧するために、又は作動流体ポンプに入る前に、作動流体に更なる過冷却を加えるために、第2の熱力学回路5内の第2の凝縮器12の後に、図4、図5、図6、図7及び図8に関連して上記で説明された実施形態における第1の凝縮器7の後に、そして、図3に関連して上記で説明された実施形態におけるポンプ8に入る前に、付加的な熱交換器が含まれる場合がある。
第2のリザーバ3の熱貯蔵温度より著しく高い温度にある適用例において熱源が利用可能である場合には、1つ又は複数の付加的な熱貯蔵体(すなわち、1つ以上の付加的なリザーバ、又はリザーバ容器)を利用して、より高い貯蔵温度(複数の場合もある)を有する貯蔵媒体を用いて、この熱源を、より高い温度において貯蔵することができる。その際、この熱源は、一次側の第2のリザーバ容器が液体の第2の作動流体を依然として液体である温度まで加熱し、その後、二次側の第2のリザーバ容器内に貯蔵される熱を利用して、第2の作動流体の気化が行われるように利用することができる。代替的には、この熱源は、一次側の第2のリザーバを用いて、第2の作動流体を気化させ、その後、二次側の第2のリザーバ容器を用いて、第2の膨張器に入る前に第2の作動流体を過熱するように利用することができる。また、この熱源は、第1の作動流体を気化させるか、又は過熱する付加的な熱源として利用することもできる。
第1のリザーバ2の貯蔵温度より著しく低い温度にある適用例において冷却源が利用可能である場合には、1つ又は複数の付加的な熱貯蔵体(すなわち、1つ以上の付加的なリザーバ、又はリザーバ容器)を利用して、より低い貯蔵温度を有する貯蔵媒体を用いて、この冷却源を、より低い温度において貯蔵することができる。その際、この冷却源は、一次側の第1のリザーバ容器を用いて、第1の作動流体を、それがガス状のままである温度まで冷却し、その後、二次側の第1のリザーバ容器を利用して、第1の作動流体をより低い凝縮圧まで凝縮するように利用することができる。代替的には、この冷却源は、一次側の第1のリザーバ容器が第1の作動流体を凝縮し、二次側の第1のリザーバ容器が、ポンプに入る前に第1の作動流体を過冷却するように利用することができる。また、この冷却源は、第2の作動流体を凝縮又は過冷却する付加的なヒートシンクとして利用することもできる。或る特定の実施形態において、廃冷を用いて、第1のリザーバ2を更に冷却する(それゆえ、「充填する」)ことができる。
第1の貯蔵媒体及び/又は第2の貯蔵媒体がカプセル化されていないPCMを含む実施形態では、カプセル化されていないPCMは、(例えば、スラリーとは異なる)断片化可能な固体として貯蔵することができる。断片化可能な固体は、分離できるように断片化することができる固体である。
本発明の実施形態によれば、ヒートポンプ1は電気的に駆動可能にすることができる。しかしながら、他の実施形態では、ヒートポンプにエネルギーを加えるために他の形のエネルギーを利用できるなら(例えば、機械エネルギー、ガス駆動システム等)、その装置を用いて他の形のエネルギーを貯蔵することができる。
或る特定の実施形態において、高速応答の膨張器発電機を用いて、より短い起動時間を助長するために、レギュレータ/弁34及び35が開けられるときに、第1の膨張器/第2の膨張器に到着するガスに輸送遅延がないように、第1の膨張器/第2の膨張器へのライン/配管をガス状の第1の作動流体/第2の作動流体で加圧しておくことができる。
本発明の範囲内で、上記の実施形態の任意の適切な組み合わせを実施することができ、これにより、そのような組み合わせに対する保護が要求される。例えば、具体的な組み合わせ及び実施形態(「構成」)が以下の表に列挙され、「低温側」はヒートポンプ1の低温側に熱的に接続される機構を備え、「高温側」はヒートポンプ1の高温側に熱的に接続される機構を備える。図の参照は、参照される図に示される低温側/高温側機構、及び/又は参照される図に関して上記で説明された機構を指定する。
Figure 0006888079
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、「備える」及び「含む」という用語並びにそれらの語尾変化形は、「〜を含むが〜に限定されるものではない」ことを意味し、他の成分、付加物、構成要素、完全体又はステップを排除することを意図していない(排除しない)。本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、単数形のものは、文脈上別の解釈が必要とされていない限り、複数形のものを含む。特に、不定冠詞が使われている場合、本明細書は、文脈上別の解釈が必要とされていない限り、単数だけでなく複数も考慮されていると理解されるべきである。
本発明の特定の態様、実施形態又は例とともに説明した特徴、完全体、特性、合成物、化学成分又はグループは、本明細書で説明した他の任意の態様、実施形態又は例と矛盾しない限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが互いに矛盾する組み合わせを除いて、任意の組み合わせに結合することができる。本発明は、上記のいずれの実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組み合わせにも及ぶ。
読み手の注意は、本出願に関連して、本明細書と同時に又は先立って提出され、かつ本明細書とともに公衆の閲覧に付される、全ての論文及び書類に向けられるものであり、全てのこのような論文及び書類の中身は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
なお、特願2019−510320の出願当初の特許請求の範囲は以下のとおりである。
[請求項1]
熱力学サイクル装置であって、
(i)第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバと、
(ii)第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバと、
(iii)前記第1のリザーバに熱結合され、前記第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、前記第2のリザーバに熱結合され、前記第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有するヒートポンプと、
(iv)第1の作動流体の、第1の熱力学回路であって、
前記第1の作動流体を気化させて、第1の加圧蒸気を生成する第1の蒸発器と、
前記第1の加圧蒸気を膨張させる第1の膨張器と、
前記第1の膨張器から受けた第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与える第1の凝縮器であって、前記第1の凝縮器は前記第1のリザーバに熱結合される、第1の凝縮器と
を備える第1の熱力学回路と、
(v)第2の作動流体の、第2の熱力学回路であって、
前記第2の作動流体を気化させて、第2の加圧蒸気を生成する第2の蒸発器であって、前記第2の蒸発器は前記第2のリザーバに熱結合される、第2の蒸発器と、
前記第2の加圧蒸気を膨張させる第2の膨張器と、
前記第2の膨張器から受けた第2の作動流体を凝縮し、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える第2の凝縮器と
を備える第2の熱力学回路と、
(vi)前記第1の熱力学回路に熱的に接続され、補助熱が前記第1の加圧蒸気の生成に寄与できるようにする補助熱入力手段と、
(vii)前記第2の熱力学回路に熱的に接続され、前記第2の作動流体から補助ヒートシンクへと熱を逃がすことができるようにする補助熱出力手段と
を備え、
前記第1の熱力学回路は前記第2の熱力学回路から熱的に独立しており、前記装置は、充填モードと貯蔵モードと放出モードとにおいて動作可能であり、
前記充填モードでは、前記ヒートポンプにエネルギーが加えられて、前記第1の貯蔵媒体が冷却され、前記第2の貯蔵媒体が加熱され、
前記貯蔵モードでは、冷却された第1の貯蔵媒体が前記第1のリザーバに貯蔵され、加熱された第2の貯蔵媒体が前記第2のリザーバに貯蔵され、
前記放出モードでは、前記第1の加圧蒸気が前記第1の膨張器により膨張し、及び/又は前記第2の加圧蒸気が前記第2の膨張器により膨張する、
熱力学サイクル装置。
[請求項2]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、タービン、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関を含む、請求項1に記載の装置。
[請求項3]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、発電するための膨張器発電機を含む、請求項1又は2に記載の装置。
[請求項4]
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路のうちの一方又は両方が、第1の作動流体又は第2の作動流体を循環させるポンプを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
[請求項5]
前記第1の凝縮器は前記第1の熱力学回路内のポンプを介して、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与え、及び/又は前記第2の凝縮器は前記第2の熱力学回路内のポンプを介して、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える、請求項4に記載の装置。
[請求項6]
前記第1の熱力学回路内のポンプと前記第2の熱力学回路内のポンプとのいずれか又は両方は、遠心ポンプと、スライディングベーンポンプと、ジェロータポンプと、ジェローラポンプと、ギアポンプと、ダイヤフラムポンプと、ピストンポンプと、プランジャポンプと、蠕動ポンプと、ローブポンプとから選択される、請求項3又は4に記載の装置。
[請求項7]
複数のポンプを備え、前記複数のポンプは共通のシャフトに取り付けられる、請求項4〜6のいずれか一項に記載の装置。
[請求項8]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器の一方が前記共通のシャフトに取り付けられる、請求項7に記載の装置。
[請求項9]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器が共通のシャフトに取り付けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
[請求項10]
前記補助熱入力手段を介して前記補助熱を前記第1の熱力学回路に与える補助熱源を更に備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
[請求項11]
前記補助熱源は、外部環境空気源と、建物内部からの空気源と、空調システム又は冷凍システムから廃棄される熱と、周囲水源と、地表源と、地熱源と、太陽熱源と、太陽池と、生物活性熱源と、工業プロセスからの廃熱と、発電技術の廃熱とのうちの1つ以上を含む、請求項10に記載の装置。
[請求項12]
前記第2の熱力学回路から前記補助熱出力手段を介して熱を受け取る補助ヒートシンクを更に備える請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
[請求項13]
前記補助ヒートシンクは、外部環境空気源と、建物内部からの空気源と、周囲水源と、地表源と、廃冷源とのうちの1つ以上を含む、請求項12に記載の装置。
[請求項14]
前記第2の熱力学回路が付加的な補助熱入力手段を備え、付加的な補助熱が前記第2の加圧蒸気の生成に寄与しうる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
[請求項15]
前記付加的な補助熱入力手段を介して前記付加的な補助熱を前記第2の熱力学回路に与える付加的な補助熱源を更に備える請求項14に記載の装置。
[請求項16]
前記第1の蒸発器と前記第1の膨張器との間に第1の過熱器を更に備え、前記第1の過熱器は前記第1の作動流体を過熱する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
[請求項17]
前記第2の蒸発器と前記第2の膨張器との間に第2の過熱器を更に備え、前記第2の過熱器は前記第2の作動流体を過熱する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
[請求項18]
前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との間に予熱器を更に備え、前記予熱器は前記第2の作動流体を加熱する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。
[請求項19]
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、カプセル化された相変化材料又はカプセル化されていない相変化材料を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
[請求項20]
前記ヒートポンプの低温部は、第1の熱伝達流体の第1の熱伝達回路によって前記第1のリザーバに熱結合される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
[請求項21]
前記第1の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含み、前記第1の熱伝達流体は前記第1の貯蔵媒体内に混和できないものである、請求項19を引用する請求項20に記載の装置。
[請求項22]
前記ヒートポンプの高温部は、第2の熱伝達流体の第2の熱伝達回路によって、前記第2のリザーバに熱結合される、請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置。
[請求項23]
前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含み、前記第2の熱伝達流体は前記第2の貯蔵媒体内に混和できないものである、請求項19を引用する請求項22に記載の装置。
[請求項24]
前記第1のリザーバは第3の熱伝達流体の第3の熱伝達回路によって、前記第1の熱力学回路内の凝縮器に熱結合される、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
[請求項25]
前記第3の熱伝達流体は前記第1の熱伝達流体と同じである、請求項20を引用する請求項24に記載の装置。
[請求項26]
前記第2のリザーバは、第4の熱伝達流体の第4の熱伝達回路によって、前記第2の熱力学回路内の蒸発器に熱結合される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
[請求項27]
前記第4の熱伝達流体は前記第2の熱伝達流体と同じである、請求項22を引用する請求項26に記載の装置。
[請求項28]
前記ヒートポンプが冷媒の冷凍回路を備える、請求項1〜27のいずれか一項に記載の装置。
[請求項29]
前記冷凍回路は、冷凍圧縮器と、冷凍蒸発器と、冷凍凝縮器又はガス冷却器と、前記冷媒を膨張させる冷凍膨張手段とを有し、
前記ヒートポンプの低温部が前記冷凍蒸発器を備え、
前記ヒートポンプの高温部が前記冷凍凝縮器又は前記ガス冷却器を備える、
請求項28に記載の装置。
[請求項30]
前記冷凍膨張手段が冷凍膨張弁又は冷媒膨張器を含む、請求項29に記載の装置。
[請求項31]
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体のいずれか又は両方が、前記充填モード、前記貯蔵モード及び前記放出モードのいずれかにおける前記装置の動作中に相が変わらない液体を含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載の装置。
[請求項32]
前記第1の貯蔵媒体の、攪拌及び再循環のいずれか又は両方を行って前記第1のリザーバ内の温度を均等化し、層化を抑制する手段を備え、及び/又は、前記第2の貯蔵媒体の、攪拌及び再循環のいずれか又は両方を行って前記第2のリザーバ内の温度を均等化し、層化を抑制する手段を備える請求項31に記載の装置。
[請求項33]
前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバのいずれか又は両方が、一次側容器及び二次側容器を備える、請求項1〜32のいずれか一項に記載の装置。
[請求項34]
前記第1の貯蔵媒体は、
前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記一次側の第1の容器から前記二次側の第1の容器へと移動可能であり、
前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記二次側の第1の容器から前記一次側の第1の容器へと移動可能な液体である、請求項33に記載の装置。
[請求項35]
前記第2の貯蔵媒体は、
前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記一次側の第2の容器から前記二次側の第2の容器へと移動可能であり、
前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記二次側の第2の容器から前記一次側の第2の容器へと移動可能な液体である、請求項33又は34に記載の装置。
[請求項36]
前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバのいずれか又は両方に配置される1つ以上の熱交換器を更に備える請求項1〜35のいずれか一項に記載の装置。
[請求項37]
付加的な補助ヒートシンク手段を更に備え、前記付加的な補助ヒートシンク手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクが前記第1の加圧蒸気の凝縮に寄与しうるものである、請求項1〜36のいずれか一項に記載の装置。
[請求項38]
前記付加的な補助ヒートシンク手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクを更に備える請求項37に記載の装置。
[請求項39]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器から出力されるエネルギーとは別にエネルギーを出力する付加的なエネルギー貯蔵手段を更に備える請求項1〜38のいずれか一項に記載の装置。
[請求項40]
前記付加的なエネルギー貯蔵手段は、キャパシタ、電池、フライホイール又は他の非熱的であって電気的若しくは機械的なエネルギー貯蔵手段を含む、請求項39に記載の装置。
[請求項41]
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路の一方又は両方が、ランキンサイクル、ローレンツサイクル又はカリーナサイクルを含む、請求項1〜40のいずれか一項に記載の装置。
[請求項42]
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、−50℃〜200℃、又は−30℃〜100℃の温度において貯蔵される、請求項1〜41のいずれか一項に記載の装置。
[請求項43]
熱力学回路サイクル装置を動作させる方法であって、
(a)熱力学回路サイクル装置を設けるステップであって、前記熱力学回路サイクル装置は、
(i)第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバと、
(ii)第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバと、
(iii)前記第1のリザーバに熱結合され、前記第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、前記第2のリザーバに熱結合され、前記第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有するヒートポンプと、
(iv)第1の作動流体の、第1の熱力学回路であって、
前記第1の作動流体を気化させて、第1の加圧蒸気を生成する第1の蒸発器と、
前記第1の加圧蒸気を膨張させる第1の膨張器と、
前記第1の膨張器から受けた第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与える第1の凝縮器であって、前記第1の凝縮器は前記第1のリザーバに熱結合される、第1の凝縮器と
を備える第1の熱力学回路と、
(v)第2の作動流体の、第2の熱力学回路であって、
前記第2の作動流体を気化させて、第2の加圧蒸気を生成する第2の蒸発器であって、前記第2の蒸発器は前記第2のリザーバに熱結合される、第2の蒸発器と、
前記第2の加圧蒸気を膨張させる第2の膨張器と、
前記第2の膨張器から受けた第2の作動流体を凝縮し、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える第2の凝縮器と
を備える第2の熱力学回路と
を有する、ステップと、
(b)前記ヒートポンプにエネルギーを加えて、前記第1の貯蔵媒体を冷却し、前記第2の貯蔵媒体を加熱することによって、前記装置を充填モードにおいて動作させるステップと、
(c)冷却された第1の貯蔵媒体を前記第1のリザーバ内に貯蔵し、加熱された第2の貯蔵媒体を前記第2のリザーバ内に貯蔵することによって、前記装置を貯蔵モードにおいて動作させるステップと、
(d)補助熱源を使用して、前記第1の蒸発器において前記第1の加圧蒸気を生成し、前記第1の膨張器により前記第1の加圧蒸気を膨張させ、前記第1の凝縮器において前記第1の作動流体を凝縮することによって、前記装置を第1の放出モードにおいて動作させるステップと、
(e)前記第2のリザーバからの熱を使用して、前記第2の蒸発器において前記第2の加圧蒸気を生成し、前記第2の加圧蒸気を膨張させ、補助ヒートシンクを使用して、前記第2の凝縮器において前記第2の作動流体を凝縮することによって、前記装置を第2の放出モードにおいて動作させるステップと
を含み、
ステップ(d)及び(e)は同時に、かつ互いに独立して実行可能である、方法。
[請求項44]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、タービン、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関を含み、前記タービンは必要に応じて、ラジアルタービン、軸流タービン又は衝動タービンとすることができる、請求項43に記載の方法。
[請求項45]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、発電するための膨張器発電機を含む、請求項43又は44に記載の方法。
[請求項46]
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路のうちの一方又は両方が、第1の作動流体又は第2の作動流体を循環させるポンプを含む、請求項43〜45のいずれか一項に記載の方法。
[請求項47]
前記第1の熱力学回路内のポンプを用いて、第1の作動流体を前記第1の凝縮器から前記第1の蒸発器に与えるステップと、
前記第2の熱力学回路内のポンプを用いて、第2の作動流体を前記第2の凝縮器から前記第2の蒸発器に与えるステップと
のいずれか又は両方を含む請求項46に記載の方法。
[請求項48]
前記第1の熱力学回路内のポンプと前記第2の熱力学回路内のポンプとのいずれか又は両方は、遠心ポンプと、スライディングベーンポンプと、ジェロータポンプと、ジェローラポンプと、ギアポンプと、ダイヤフラムポンプと、ピストンポンプと、プランジャポンプと、蠕動ポンプと、ローブポンプとから選択される、請求項46又は47に記載の方法。
[請求項49]
前記装置が複数のポンプを備え、前記複数のポンプが共通のシャフトに取り付けられる、請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
[請求項50]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器の一方が前記共通のシャフトに取り付けられる、請求項49に記載の方法。
[請求項51]
前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器が共通のシャフトに取り付けられる、請求項43〜48のいずれか一項に記載の方法。
[請求項52]
前記装置が、補助熱入力手段を介して前記第1の熱力学回路に補助熱を与える補助熱源を備える、請求項43〜51のいずれか一項に記載の方法。
[請求項53]
前記補助熱源は、外部環境空気源と、建物内部からの空気源と、空調システム又は冷凍システムから廃棄される熱と、周囲水源と、地表源と、地熱源と、太陽熱源と、太陽池と、生物活性熱源と、工業プロセスからの廃熱と、発電技術の廃熱とのうちの1つ以上を含む、請求項52に記載の方法。
[請求項54]
前記装置が補助ヒートシンクを備え、
前記補助ヒートシンクを用いて、前記第2の熱力学回路から補助熱出力手段を介して熱を受けるステップを含む請求項43〜53のいずれか一項に記載の方法。
[請求項55]
前記補助ヒートシンクは、外部環境空気源と、建物内部からの空気源と、周囲水源と、地表源と、廃冷源とのうちの1つ以上を含む、請求項54に記載の方法。
[請求項56]
前記第2の熱力学回路が付加的な補助熱入力手段を備え、付加的な補助熱が前記第2の加圧蒸気の生成に寄与しうる、請求項43〜55のいずれか一項に記載の方法。
[請求項57]
前記装置が付加的な補助熱源を備え、
前記補助熱源からの熱を用いて、前記充填モードと前記貯蔵モードと前記第1の放出モードと前記第2の放出モードとのいずれかにおいて前記第2の加圧蒸気の生成に寄与するステップを含む請求項56に記載の方法。
[請求項58]
前記装置が前記第1の蒸発器と前記第1の膨張器との間に第1の過熱器を備え、
前記第1の過熱器を用いて前記第1の作動流体を過熱するステップを含む請求項43〜57のいずれか一項に記載の方法。
[請求項59]
前記装置が前記第2の蒸発器と前記第2の膨張器との間に第2の過熱器を備え、
前記第2の過熱器を用いて前記第2の作動流体を過熱するステップを含む請求項43〜58のいずれか一項に記載の方法。
[請求項60]
前記装置が前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との間に予熱器を備え、
前記予熱器を用いて前記第2の作動流体を加熱するステップを含む請求項43〜59のいずれか一項に記載の方法。
[請求項61]
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、カプセル化された相変化材料又はカプセル化されていない相変化材料を含む、請求項43〜60のいずれか一項に記載の方法。
[請求項62]
前記第1の貯蔵媒体がカプセル化されていない材料を含み、
前記充填モードの動作の終了時にスラリー又は断片化可能な固体として前記第1の貯蔵媒体を貯蔵するステップを含む請求項61に記載の方法。
[請求項63]
前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない材料を含み、
前記第2の放出モードの動作の終了時にスラリー又は断片化可能な固体として前記第2の貯蔵媒体を貯蔵するステップを含む請求項61又は62に記載の方法。
[請求項64]
前記ヒートポンプの低温部が、第1の熱伝達流体の第1の熱伝達回路によって前記第1のリザーバに熱結合される、請求項43〜63のいずれか一項に記載の方法。
[請求項65]
前記第1の貯蔵媒体が、カプセル化されていない相変化材料を含み、前記第1の熱伝達流体は前記第1の貯蔵媒体内で混和できないものである、請求項63を引用する請求項64に記載の方法。
[請求項66]
前記ヒートポンプの高温部は、第2の熱伝達流体の第2の熱伝達回路によって前記第2のリザーバに熱結合される、請求項43〜65のいずれか一項に記載の方法。
[請求項67]
前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含み、前記第2の熱伝達流体は前記第2の貯蔵媒体内で混和できないものである、請求項63を引用する請求項66に記載の方法。
[請求項68]
前記第1のリザーバは、第3の熱伝達流体の第3の熱伝達回路によって前記第1の熱力学回路内の凝縮器に熱結合される、請求項43〜67のいずれか一項に記載の方法。
[請求項69]
前記第3の熱伝達流体が前記第1の熱伝達流体と同じである、請求項64を引用する請求項68に記載の方法。
[請求項70]
前記第2のリザーバは、第4の熱伝達流体の第4の熱伝達回路によって前記第2の熱力学回路内の蒸発器に熱結合される、請求項43〜69のいずれか一項に記載の方法。
[請求項71]
前記第4の熱伝達流体が前記第2の熱伝達流体と同じである、請求項66を引用する請求項70に記載の方法。
[請求項72]
前記ヒートポンプが冷媒の冷凍回路を備える、請求項43〜71のいずれか一項に記載の方法。
[請求項73]
前記冷凍回路は、冷凍圧縮器と、冷凍蒸発器と、冷凍凝縮器又はガス冷却器と、前記冷媒を膨張させる冷凍膨張手段とを含み、
前記ヒートポンプの低温部は前記冷凍蒸発器を備え、
前記ヒートポンプの高温部は前記冷凍凝縮器又は前記ガス冷却器を備える、
請求項72に記載の方法。
[請求項74]
前記冷凍膨張手段が冷凍膨張弁又は冷媒膨張器を含む、請求項73に記載の方法。
[請求項75]
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体のいずれか又は両方が、前記充填モード、前記貯蔵モード及び前記放出モードのいずれかにおける前記装置の動作中に相が変わらない液体を含む、請求項43〜74のいずれか一項に記載の方法。
[請求項76]
前記装置が、前記第1の貯蔵媒体又は前記第2の貯蔵媒体の、攪拌及び再循環のいずれか又は両方を行う手段を備え、
前記充填モードにおいて、前記第1の貯蔵媒体又は前記第2の貯蔵媒体の、攪拌及び再循環のいずれか又は両方を行い、前記第1のリザーバ又は前記第2のリザーバ内の温度を均等化し、層化を抑制するステップを含む請求項75に記載の方法。
[請求項77]
前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバのいずれか又は両方が、一次側容器及び二次側容器を備える、請求項43〜76のいずれか一項に記載の方法。
[請求項78]
前記第1の貯蔵媒体が液体であり、
前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記第1の貯蔵媒体を前記一次側の第1の容器から前記二次側の第1の容器へと移動させるステップと、
前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記第1の貯蔵媒体を前記二次側の第1の容器から前記一次側の第1の容器へと移動させるステップと
を含む請求項77に記載の方法。
[請求項79]
前記第2の貯蔵媒体が液体であり、
前記装置が前記充填モードにおいて動作するときに、前記第2の貯蔵媒体を前記一次側の第2の容器から前記二次側の第2の容器へと移動させるステップと、
前記装置が前記放出モードにおいて動作するときに、前記第2の貯蔵媒体を前記二次側の第2の容器から前記一次側の第2の容器へと移動させるステップと
を含む請求項77又は78に記載の方法。
[請求項80]
前記装置が、前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバのいずれか又は両方に配置された1つ以上の熱交換器を備える、請求項43〜79のいずれか一項に記載の方法。
[請求項81]
前記装置が付加的な補助熱出力手段を備え、
前記付加的な補助熱出力手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクが第1の加圧蒸気の凝縮に寄与しうる、請求項43〜80のいずれか一項に記載の方法。
[請求項82]
前記装置が前記付加的な補助熱出力手段に熱的に接続される付加的な補助ヒートシンクを備え、
前記付加的な補助ヒートシンクを用いて、前記第1の加圧蒸気の凝縮に寄与するステップを含む請求項81に記載の方法。
[請求項83]
前記第1の熱力学回路がシングルパス熱交換器を備え、
前記装置を前記第1の放出モードにおいて動作させるときに、前記シングルパス熱交換器を通して前記第1の貯蔵媒体からの放出を行うステップと、その後に前記第1の貯蔵媒体が層化できるようにするステップとを含む請求項43〜82のいずれか一項に記載の方法。
[請求項84]
前記第2の熱力学回路がシングルパス熱交換器を備え、
前記装置を前記第2の放出モードにおいて動作させるときに、前記シングルパス熱交換器を通して前記第2の貯蔵媒体からの放出を行うステップと、その後に前記第2の貯蔵媒体が層化できるようにするステップとを含む請求項43〜83のいずれか一項に記載の方法。
[請求項85]
前記装置が、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器から出力されるエネルギーとは別にエネルギーを出力する付加的なエネルギー貯蔵手段を備える、請求項43〜84のいずれか一項に記載の方法。
[請求項86]
前記付加的なエネルギー貯蔵手段は、キャパシタ、電池、フライホイール又は他の非熱的であって電気的若しくは機械的なエネルギー貯蔵手段を含む、請求項85に記載の方法。
[請求項87]
前記第1の放出モード及び前記第2の放出モードのいずれか又は両方によって出力されるエネルギーが所定の量に達するまで、前記付加的なエネルギー貯蔵手段を用いて電気エネルギーの出力を提供するステップを含む請求項85又は86に記載の方法。
[請求項88]
第1の作動流体又は第2の作動流体を前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のいずれか又は両方に導入する前に、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のいずれか又は両方を駆動するステップを含む請求項43〜87のいずれか一項に記載の方法。
[請求項89]
前記装置が、前記第1の膨張器の入力に接続される第1の配管を備え、
前記第1の放出モードの動作前にガス状の第1の作動流体により前記第1の配管を加圧するステップを含む請求項43〜88のいずれか一項に記載の方法。
[請求項90]
前記装置が、前記第2の膨張器の入力に接続される第2の配管を備え、
前記第2の放出モードの動作前にガス状の第2の作動流体により前記第2の配管を加圧するステップを含む請求項43〜89のいずれか一項に記載の方法。
[請求項91]
前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路の一方又は両方が、ランキンサイクル、ローレンツサイクル又はカリーナサイクルを含む、請求項43〜90のいずれか一項に記載の方法。
[請求項92]
前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方を、前記貯蔵モードにおいて−50℃〜200℃の温度、又は−30℃〜100℃の温度において貯蔵するステップを含む請求項43〜91のいずれか一項に記載の方法。
[請求項93]
添付の図面を参照してこれまでに実質的に示した装置又は方法。

Claims (27)

  1. 熱力学サイクル装置であって、
    (i)第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバと、
    (ii)第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバと、
    (iii)前記第1のリザーバに熱結合され、前記第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、前記第2のリザーバに熱結合され、前記第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有するヒートポンプと、
    (iv)第1の作動流体の、第1の熱力学回路であって、
    前記第1の作動流体を気化させて、第1の加圧蒸気を生成する第1の蒸発器と、
    前記第1の加圧蒸気を膨張させる第1の膨張器と、
    前記第1の膨張器から受けた第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与える第1の凝縮器であって、前記第1の凝縮器は前記第1のリザーバに熱結合される、第1の凝縮器と
    を備える第1の熱力学回路と、
    (v)第2の作動流体の、第2の熱力学回路であって、
    前記第2の作動流体を気化させて、第2の加圧蒸気を生成する第2の蒸発器であって、前記第2の蒸発器は前記第2のリザーバに熱結合される、第2の蒸発器と、
    前記第2の加圧蒸気を膨張させる第2の膨張器と、
    前記第2の膨張器から受けた第2の作動流体を凝縮し、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える第2の凝縮器と
    を備える第2の熱力学回路と、
    (vi)前記第1の熱力学回路に熱的に接続され、補助熱が前記第1の加圧蒸気の生成に寄与できるようにする補助熱入力手段と、
    (vii)前記第2の熱力学回路に熱的に接続され、前記第2の作動流体から補助ヒートシンクへと熱を逃がすことができるようにする補助熱出力手段と
    を備え、
    前記第1の熱力学回路は前記第2の熱力学回路から熱的に独立しており、前記装置は、充填モードと貯蔵モードと放出モードとにおいて動作可能であり、
    前記充填モードでは、前記ヒートポンプにエネルギーが加えられて、前記第1の貯蔵媒体が冷却され、前記第2の貯蔵媒体が加熱され、
    前記貯蔵モードでは、冷却された第1の貯蔵媒体が前記第1のリザーバに貯蔵され、加熱された第2の貯蔵媒体が前記第2のリザーバに貯蔵され、
    前記放出モードでは、前記第1の加圧蒸気が前記第1の膨張器により膨張し、及び/又は前記第2の加圧蒸気が前記第2の膨張器により膨張する、
    熱力学サイクル装置。
  2. 前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、タービン、スクロール膨張器、スクリュー膨張器、テスラタービン又は往復機関を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のうちの一方又は両方が、発電するための膨張器発電機を含む、請求項に記載の装置。
  4. 前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路のうちの一方又は両方が、第1の作動流体又は第2の作動流体を循環させるポンプを含む、請求項に記載の装置。
  5. 前記補助熱入力手段を介して前記補助熱を前記第1の熱力学回路に与える補助熱源を更に備え
    前記補助熱源は、外部環境空気源と、建物内部からの空気源と、空調システム又は冷凍システムから廃棄される熱と、周囲水源と、地表源と、地熱源と、太陽熱源と、太陽池と、生物活性熱源と、工業プロセスからの廃熱と、発電技術の廃熱とのうちの1つ以上を含んでいてもよい、請求項に記載の装置。
  6. 前記第2の熱力学回路から前記補助熱出力手段を介して熱を受け取る補助ヒートシンクを更に備え
    前記補助ヒートシンクは、外部環境空気源と、建物内部からの空気源と、周囲水源と、地表源と、廃冷源とのうちの1つ以上を含んでいてもよい、請求項に記載の装置。
  7. 前記第2の熱力学回路が付加的な補助熱入力手段を備え、付加的な補助熱が前記第2の加圧蒸気の生成に寄与しうる、請求項に記載の装置。
  8. 前記第1の蒸発器と前記第1の膨張器との間に第1の過熱器を更に備え、前記第1の過熱器は前記第1の作動流体を過熱する、請求項に記載の装置。
  9. 前記第2の蒸発器と前記第2の膨張器との間に第2の過熱器を更に備え、前記第2の過熱器は前記第2の作動流体を過熱する、請求項に記載の装置。
  10. 前記第2の凝縮器と前記第2の蒸発器との間に予熱器を更に備え、前記予熱器は前記第2の作動流体を加熱する、請求項に記載の装置。
  11. 前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、カプセル化された相変化材料又はカプセル化されていない相変化材料を含む、請求項に記載の装置。
  12. 前記ヒートポンプの低温部は、第1の熱伝達流体の第1の熱伝達回路によって前記第1のリザーバに熱結合される、請求項に記載の装置。
  13. 前記第1の貯蔵媒体はカプセル化されていない相変化材料を含み、前記第1の熱伝達流体は前記第1の貯蔵媒体内に混和できないものである、請求項12に記載の装置。
  14. 前記ヒートポンプの高温部は、第2の熱伝達流体の第2の熱伝達回路によって、前記第2のリザーバに熱結合される、請求項に記載の装置。
  15. 前記第1のリザーバは第3の熱伝達流体の第3の熱伝達回路によって、前記第1の熱力学回路内の凝縮器に熱結合される、請求項に記載の装置。
  16. 前記第2のリザーバは、第4の熱伝達流体の第4の熱伝達回路によって、前記第2の熱力学回路内の蒸発器に熱結合される、請求項に記載の装置。
  17. 前記ヒートポンプが冷媒の冷凍回路を備え
    前記冷凍回路は、冷凍圧縮器と、冷凍蒸発器と、冷凍凝縮器又はガス冷却器と、前記冷媒を膨張させる冷凍膨張手段とを有していてもよく、
    前記ヒートポンプの低温部が前記冷凍蒸発器を備え、
    前記ヒートポンプの高温部が前記冷凍凝縮器又は前記ガス冷却器を備える、
    請求項に記載の装置。
  18. 前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体のいずれか又は両方が、前記充填モード、前記貯蔵モード及び前記放出モードのいずれかにおける前記装置の動作中に相が変わらない液体を含む、請求項に記載の装置。
  19. 前記第1のリザーバ及び前記第2のリザーバのいずれか又は両方に配置される1つ以上の熱交換器を更に備える請求項に記載の装置。
  20. 前記第1の熱力学回路及び前記第2の熱力学回路の一方又は両方が、ランキンサイクル、ローレンツサイクル又はカリーナサイクルを含む、請求項に記載の装置。
  21. 熱力学回路サイクル装置を動作させる方法であって、
    (a)熱力学回路サイクル装置を設けるステップであって、前記熱力学回路サイクル装置は、
    (i)第1の貯蔵媒体を収容する第1のリザーバと、
    (ii)第2の貯蔵媒体を収容する第2のリザーバと、
    (iii)前記第1のリザーバに熱結合され、前記第1の貯蔵媒体を冷却する低温部と、前記第2のリザーバに熱結合され、前記第2の貯蔵媒体を加熱する高温部とを有するヒートポンプと、
    (iv)第1の作動流体の、第1の熱力学回路であって、
    前記第1の作動流体を気化させて、第1の加圧蒸気を生成する第1の蒸発器と、
    前記第1の加圧蒸気を膨張させる第1の膨張器と、
    前記第1の膨張器から受けた第1の作動流体を凝縮し、第1の作動流体を前記第1の蒸発器に与える第1の凝縮器であって、前記第1の凝縮器は前記第1のリザーバに熱結合される、第1の凝縮器と
    を備える第1の熱力学回路と、
    (v)第2の作動流体の、第2の熱力学回路であって、
    前記第2の作動流体を気化させて、第2の加圧蒸気を生成する第2の蒸発器であって、前記第2の蒸発器は前記第2のリザーバに熱結合される、第2の蒸発器と、
    前記第2の加圧蒸気を膨張させる第2の膨張器と、
    前記第2の膨張器から受けた第2の作動流体を凝縮し、第2の作動流体を前記第2の蒸発器に与える第2の凝縮器と
    を備える第2の熱力学回路と
    (vi)前記第1の熱力学回路に熱的に接続される補助熱入力手段であって、補助熱が前記第1の加圧蒸気の生成に寄与できる、補助熱入力手段と、
    (vii)前記第2の熱力学回路に熱的に接続される補助熱出力手段であって、前記第2の作動流体から補助ヒートシンクへと熱を逃がすことができ、前記第1の熱力学回路は前記第2の熱力学回路から熱的に独立している、補助熱出力手段と
    を有する、ステップと、
    (b)前記ヒートポンプにエネルギーを加えて、前記第1の貯蔵媒体を冷却し、前記第2の貯蔵媒体を加熱することによって、前記装置を充填モードにおいて動作させるステップと、
    (c)冷却された第1の貯蔵媒体を前記第1のリザーバ内に貯蔵し、加熱された第2の貯蔵媒体を前記第2のリザーバ内に貯蔵することによって、前記装置を貯蔵モードにおいて動作させるステップと、
    (d)補助熱源を使用して、前記第1の蒸発器において前記第1の加圧蒸気を生成し、前記第1の膨張器により前記第1の加圧蒸気を膨張させ、前記第1の凝縮器において前記第1の作動流体を凝縮することによって、前記装置を第1の放出モードにおいて動作させるステップと、
    (e)前記第2のリザーバからの熱を使用して、前記第2の蒸発器において前記第2の加圧蒸気を生成し、前記第2の加圧蒸気を膨張させ、補助ヒートシンクを使用して、前記第2の凝縮器において前記第2の作動流体を凝縮することによって、前記装置を第2の放出モードにおいて動作させるステップと
    を含み、
    ステップ(d)及び(e)は同時に、かつ互いに独立して実行可能である、方法。
  22. 前記第1の貯蔵媒体及び前記第2の貯蔵媒体の一方又は両方が、カプセル化された相変化材料又はカプセル化されていない相変化材料を含み、
    必要に応じて、
    前記第1の貯蔵媒体がカプセル化されていない材料を含み、
    前記方法は、前記充填モードの動作の終了時にスラリー又は断片化可能な固体として前記第1の貯蔵媒体を貯蔵するステップを含み、
    及び/又は、
    前記第2の貯蔵媒体はカプセル化されていない材料を含み、
    前記方法は、前記第2の放出モードの動作の終了時にスラリー又は断片化可能な固体として前記第2の貯蔵媒体を貯蔵するステップを含む、
    請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1の熱力学回路がシングルパス熱交換器を備え、
    前記装置を前記第1の放出モードにおいて動作させるときに、前記シングルパス熱交換器を通して前記第1の貯蔵媒体からの放出を行うステップと、その後に前記第1の貯蔵媒体が層化できるようにするステップとを含む請求項21に記載の方法。
  24. 前記第2の熱力学回路がシングルパス熱交換器を備え、
    前記装置を前記第2の放出モードにおいて動作させるときに、前記シングルパス熱交換器を通して前記第2の貯蔵媒体からの放出を行うステップと、その後に前記第2の貯蔵媒体が層化できるようにするステップとを含む請求項21に記載の方法。
  25. 前記装置が、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器から出力されるエネルギーとは別にエネルギーを出力する付加的なエネルギー貯蔵手段を備え
    必要に応じて、
    前記付加的なエネルギー貯蔵手段は、キャパシタ、電池、フライホイール又は他の非熱的であって電気的若しくは機械的なエネルギー貯蔵手段を含み、
    及び/又は、
    前記方法は、前記第1の放出モード及び前記第2の放出モードのいずれか又は両方によって出力されるエネルギーが所定の量に達するまで、前記付加的なエネルギー貯蔵手段を用いて電気エネルギーの出力を提供するステップを含む、
    請求項21に記載の方法。
  26. 第1の作動流体又は第2の作動流体を前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のいずれか又は両方に導入する前に、前記第1の膨張器及び前記第2の膨張器のいずれか又は両方を駆動するステップを含む請求項21に記載の方法。
  27. 前記装置が、前記第1の膨張器の入力に接続される第1の配管を備え、前記方法は、前記第1の放出モードの動作前にガス状の第1の作動流体により前記第1の配管を加圧するステップを含み、
    及び/又は、
    前記装置が、前記第2の膨張器の入力に接続される第2の配管を備え、前記方法は、前記第2の放出モードの動作前にガス状の第2の作動流体により前記第2の配管を加圧するステップを含む、
    請求項21に記載の方法。
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