以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、同一又は類似する構成に共通の符号を付して重複した説明を省略することがある。
[第1実施形態]
図1に、第1実施形態として説明するデータ分析システム1の概略的な構成を示している。同図に示すように、データ分析システム1は、各種センサ3、データ前処理装置101、データ管理装置102、分析装置103、及び入出力装置105を含む。
同図に示すように、データ前処理装置101、データ管理装置102、分析装置103、入出力装置105、分析対象2、及び各種センサ3は、通信ネットワーク5を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク5は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、イントラネット、専用線、携帯電話網、光ファイバ等の、有線又は無線の通信基盤により構成される。
分析対象2は、例えば、製品の製造工場等に設けられている工作機械や製造装置(例えば、プレス機、NC工作機械、及びロボットアーム等)である。分析対象2については必ずしも通信ネットワーク5に接続されていなくてもよい。
各種センサ3は、例えば、分析対象2もしくは分析対象2の周辺に設置される。各種センサ3の種類は必ずしも限定されないが、例えば、電流センサ、振動センサ、温度センサ、湿度センサ、位置検知センサ、速度センサ、及び騒音センサ等である。データ管理装置102は、例えば、通信ネットワーク5を介して各種センサ3から出力されるデータ(信号を含む)を取得する。以下、データ管理装置102が取得する上記データ(即ち、センサデータ)のことを取得データと称する。
データ前処理装置101は、取得データについて、分析装置103がデータ分析に関する処理(即ち、第2の処理。以下、分析処理と称する。)を行うために必要な前処理(即ち、第1の処理)を行う。
データ管理装置102は、上記前処理により生成されるデータ(以下、分析対象データと称する。)を記憶する。またデータ管理装置102は、データ分析システム1において行われる各種の処理で用いる様々なデータを記憶する。
分析装置103は、分析対象データについて分析処理を行うことにより、例えば、分析対象2の異常発生の予兆の検出(以下、異常予兆検出と称する。)を行う。具体的には、分析装置103は、前処理である一つ以上の方法(即ち、第1の方法。以下、前処理方法と称する。)、分析処理である一つ以上の方法(即ち、第2の方法。以下、分析処理方法と称する。)の一つ以上の組合せ(以下、方法組合せと称する。)と、後述する系列グループとの組合せを生成する。分析装置103は、取得データについて、生成した上記の各組合せを実行し、各組合せの実行結果を含むデータである分析結果データを生成する。尚、前処理及び分析処理における方法とは、プログラム(即ち、アルゴリズム)や当該プログラムで用いるパラメータを示す。
また分析装置103は、分析処理の結果を含むデータである分析結果データと、分析対象2について実際に生じた事象(例えば、故障、及びメンテナンス等。以下、実事象と称する。)に関するデータである実事象データと、を照合することにより、上記組合せの夫々の分析性能を示すデータである分析性能データを生成する。また分析装置103は、分析性能データに基づき分析性能の高い組合せを特定して出力し、組合せの評価や分析処理の改善提案等を行う。
入出力装置105は、ユーザが、データ前処理装置101、データ管理装置102、及び分析装置103にアクセスするためのユーザインタフェースを提供する。ユーザは、入出力装置105を介して、データ前処理装置101、データ管理装置102、及び分析装置103に対して、データの入力や各種の設定を行うことができる。またユーザは、入出力装置105を介して、データ前処理装置101、データ管理装置102、及び分析装置103が出力する情報(即ち、データ)を参照もしくは取得することができる。
データ前処理装置101、データ管理装置102、分析装置103、及び入出力装置105は、いずれも情報処理装置である。これらは独立したハードウェアであってもよいし、これらのうちの2つ以上が共通のハードウェアで構成されていてもよい。またこれらの装置は、夫々、その全部又は一部が、例えば、クラウドシステムにおけるクラウドサーバのような仮想的な情報処理資源を用いて構成されていてもよい。
図2は、分析装置103、データ前処理装置101、データ管理装置102、及び入出力装置105の各装置として用いることが可能な情報処理装置(以下、情報処理装置10と称する。)のハードウェア構成の一例である。同図に示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11、主記憶装置12、補助記憶装置13、入力装置14、出力装置15、及び通信装置16を備える。これらは図示しないバス等の通信手段を介して互いに通信可能に接続されている。
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)を用いて構成される。プロセッサ11が、主記憶装置12に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、分析装置103、データ前処理装置101、データ管理装置102、及び入出力装置105の様々な機能が実現される。
主記憶装置12は、プログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び不揮発性半導体メモリ(NVRAM(Non Volatile RAM))等である。
補助記憶装置13は、例えば、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、光学式記憶装置(即ち、CD(Compact Disc)、及びDVD(Digital Versatile Disc)等)、ストレージシステム、ICカード、SDメモリカード、光学式記録媒体等の記録媒体の読取/書込装置、及びクラウドサーバの記憶領域等である。補助記憶装置13に格納されているプログラムやデータは主記憶装置12に随時読み込まれる。
入力装置14は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、及び音声入力装置等である。出力装置15は、ユーザに処理経過や処理結果等の各種情報を提供するユーザインタフェースであり、例えば、画面表示装置(即ち、液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、及びグラフィックカード等)、音声出力装置(即ち、スピーカ等)、及び印字装置等である。尚、例えば、情報処理装置10が、通信装置16を介して他の装置との間で情報の入力や出力を行う構成としてもよい。
通信装置16は、LANやインターネット等の通信手段を介した他の装置との間の通信を実現する有線方式又は無線方式の通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、及びシリアル通信モジュール等である。
尚、分析装置103、データ前処理装置101、データ管理装置102、及び入出力装置105が備える各種の機能は、例えば、プロセッサ11が、主記憶装置12に読みだされているプログラム(補助記憶装置13から主記憶装置12に読み出されるプログラムを含む。)を実行することにより実現される。
図3にデータ前処理装置101が備える主な機能、及びデータ前処理装置101が記憶する主なデータを示している。同図に示すように、データ前処理装置101は、データ前処理部206(即ち、第2処理部の一部)を備える。またデータ前処理装置101は、取得データ207及び分析対象データ208を記憶する。
データ前処理部206は、一つ以上の種類の前処理方法を実行することができる。データ前処理部206は、通信ネットワーク5を介して各種センサ3から受信した取得データについて、通信ネットワーク5を介して分析装置103から指示された前処理方法により前処理を行って分析対象データ208を生成し、生成した分析対象データ208をデータ管理装置102に送信する。
図4にデータ管理装置102が備える主な機能、及びデータ管理装置102が記憶する主なデータを示している。同図に示すように、データ管理装置102は、推奨組合せ検索部306及びデータ抽出部307の各機能を備える。またデータ管理装置102は、分析対象データ308、実事象データ309、分析結果データ310、分析性能算出結果データ311、及び推奨組合せ登録データ312を記憶する。各データは、例えばテーブル形式で記録される。
上記機能のうち、推奨組合せ検索部306は、分析装置103から、推奨される組合せ(即ち、分析目的及び分析対象について推奨される、方法組合せと当該方法組合せが用いる後述の系列データ(即ち、分析対象データの一部)との組合せをいう。以下、推奨組合せと称する。)の提供要求(即ち、問い合わせ)を受信すると、ユーザが指定した分析目的及び分析対象に対応する推奨組合せ登録データ312を検索し、検索した推奨組合せを分析装置103に送信する。
データ抽出部307は、分析装置103からデータの提供要求を受信し、受信した提供要求に応じて、実事象データ309や分析結果データ310から上記提供要求に対応するデータを抽出し、抽出したデータを分析装置103に送信する。
図5に分析対象データ308の一例を示している。同図に示すように、分析対象データ308は、取得日時501、系列名502、前処理方法503、測定項目504、及び測定値505の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。分析対象データ308の一つのレコードは一つの分析対象データに対応している。
上記項目のうち、取得日時501には、当該分析対象データの生成元の取得データの取得日時が設定される。系列名502には、後述する系列データ名が設定される。前処理方法503には、当該分析対象データの生成に用いた前処理方法を特定する情報が設定される。測定項目504には、当該分析対象データの生成元の取得データの内容を示す情報が設定される。測定値505には、分析対象データの値(即ち、取得データの前処理後の値)が設定される。
図6に実事象データ309の一例を示している。実事象データ309は、例えば、ユーザが入出力装置105を介して設定する。同図に示すように、実事象データ309は、発生日時601、内容602、場所603、再開日時604、及び障害発生予測時間605の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。実事象データ309の各レコードは一つの実事象に対応している。
発生日時601には、実事象の発生日時が設定される。内容602には、実事象の具体的な内容(例えば、故障、又はメンテナンス等)を示す情報が設定される。場所603には、実事象が発生した位置(例えば、場所、又は分析対象2における位置(即ち、箇所)等)を示す情報が設定される。再開日時604には、実事象に起因して停止していた分析対象2が稼動を再開した日時を示す情報が設定される。障害発生予測時間605には、実事象に関係した機器(即ち、分析対象2やその周辺機器等)について予測される、仮に適切な対応(即ち、メンテナンス)を行わなかった場合に次の障害が発生するまでの時間(以下、障害発生予測時間と称する。)が設定される。
図7に分析結果データ310の一例を示している。分析結果データ310には、分析装置103が行った分析処理の結果が管理される。同図に示すように、分析結果データ310は、データ取得日時701、方法組合せID702、系列グループID703、指標値704、及び警告有無705の各項目を含む一つ以上のレコードで構成される。
データ取得日時701には、組合せ(即ち、方法組合せと後述する系列データとの組合せ)の実行に際して用いた分析対象データの前述した取得日時が設定される。方法組合せID702には、方法組合せごとに付与される識別子(以下、方法組合せIDと称する。)が設定される。系列グループID703には、上記組合せの実行に際して用いた分析対象データのグループ(以下、系列グループと称する。)に付与される識別子(以下、系列グループIDと称する。)が設定される。尚、分析結果データ310の一つのレコードは、上記組合せの一つに対応している。指標値704には、上記組合せの実行により算出された、分析対象2の異常の程度を表す値(以下、指標値と称する。)が設定される。警告有無705には、分析対象2の異常の有無又は異常予兆の有無を示す情報(以下、警告有無情報と称する。)が設定される。
図8に分析性能算出結果データ311の一例を示している。分析性能算出結果データ311には、分析装置103が、上記組合せの夫々について分析性能を算出(即ち、評価)した結果が管理される。同図に示すように、分析性能算出結果データ311は、分析性能算出日時801、方法組合せID802、系列グループID803、及び分析性能804の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。
分析性能算出日時801には、分析性能を算出した日時(以下、性能算出日時と称する。)が設定される。
方法組合せID802には方法組合せIDが設定される。系列グループID803には系列グループIDが設定される。
分析性能804には、上記組合せについて算出(即ち、評価)した分析性能が設定される。同図に示すように、分析性能804は、F値805、再現率806、及び適合率807の各項目を有する。再現率806には、分析性能の網羅性を示す値である再現率(recall)が設定される。適合率807には、分析性能の正確性を示す値である適合率(precision)が設定される。F値805には、再現率と適合率の調和平均であるF値(F-measure)が設定される。
図9に推奨組合せ登録データ312の一例を示している。推奨組合せ登録データ312には、前述した推奨組合せが管理される。同図に示すように、推奨組合せ登録データ312は、分析目的901、分析対象902、分析対象詳細903、前処理方法904、分析方法905、閾値906、測定項目907、及び分析性能908の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。推奨組合せ登録データ312の一つのレコードは、分析目的と分析対象の組合せの一つに対応している。
分析目的901には、分析目的(例えば、異常予兆検出、又は作業効率向上等を示す情報が設定される。分析対象902には、分析対象2を特定する情報(例えば、工作機器、又はライン作業等)が設定される。分析対象詳細903には、分析対象2に関する詳細な情報が設定される。
前処理方法904には、前処理方法を特定する情報が設定される。分析方法905には、分析方法を特定する情報が設定される。閾値906には、分析対象2の異常の有無又は異常予兆の有無を判定する際に指標値と比較する値が設定される。測定項目907には、分析処理に用いる測定項目が設定される。
分析性能908には、符号901〜907の組合せでデータ分析を行った場合における分析性能の算出(即ち、評価)結果が設定される。同図に示すように、分析性能908は、F値909、再現率910、及び適合率911の各項目を含む。これらの各項目の意味は前述と同様であるので説明を省略する。
図10に分析装置103が備える主な機能及び分析装置103が記憶する主なデータを示している。同図に示すように、分析装置103は、組合せ決定部406(即ち、第1処理部)、重み算出部407(即ち、第3処理部の一部)、分析処理部408(即ち、第2処理部の一部)、及び性能算出部409(即ち、第3処理部)の各機能を備える。また分析装置103は、前処理方法データ411、分析方法データ412、閾値パターンデータ413、選択組合せ登録データ414、系列データ属性データ415、重み付けデータ417、初期設定データ418、及び分析対象データ419を記憶する。
上記機能のうち、組合せ決定部406は、前述した組合せ(即ち、方法組合せや、方法組合せと系列データの組合せ)を決定する。尚、上記決定に際して選択可能な前処理方法や前処理方法で用いるパラメータについては前処理方法データ411に、上記決定に際して選択可能な分析方法や分析方法で用いるパラメータについては分析方法データ412に、夫々管理されている。また上記決定に際して選択可能な系列データについては系列グループ登録データ416に管理されている。
重み算出部407は、後述する分析性能の算出に際して用いる重みを算出(もしくは管理)する。
分析処理部408は、組合せ決定部406が決定した上記の各組合せについて分析処理を行う。尚、分析対象データ419は、分析装置103が通信ネットワーク5を介してデータ管理装置102から取得する。分析処理の結果はデータ管理装置102に送信され、分析結果データ310として管理される。
性能算出部409は、分析結果データ310に基づき、上記組合せごとに分析性能を算出する。尚、分析結果データ310は、分析装置103が通信ネットワーク5を介してデータ管理装置102から取得する。
図11に前処理方法データ411の一例を示している。前処理方法データ411には、選択可能な前処理方法に関する情報が記憶される。同図に示すように、前処理方法データ411は、前処理方法1001及び一つ以上のパラメータ1002を有する一つ以上のレコードで構成される。
上記項目のうち、前処理方法1001には、前処理方法を特定する情報が設定される。パラメータ1002(図11の例ではパラメータ1(1002a)とパラメータ2(1002b))には、前処理に際して用いるパラメータの値が設定される。尚、パラメータ1002は、例えば、パラメータの値として1つの値が設定されていてもよいし、最小値、最大値、及び刻み幅の値を設定し、最低値から最大値までの間の値に対して、指定した刻み幅で前処理を実行するようにしてもよい。またパラメータ1002はその他の態様で設定してもよい。
図12に分析方法データ412の一例を示している。分析方法データ412には選択可能な分析方法に関する情報が管理される。同図に示すように、分析方法データ412は、分析方法1101及び一つ以上のパラメータ1102を含む一つ以上のレコードで構成される。
上記項目のうち、分析方法1101には、分析方法を特定する情報が設定される。パラメータ1102(図12の例ではパラメータ1(1102a)とパラメータ2(1102b))には、当該分析方法による分析に際して与えるパラメータの値が設定される。パラメータ1102は、例えば、パラメータの値として1つの値が設定されていてもよいし、最小値、最大値、及び刻み幅の値を設定し、最低値から最大値までの間の値に対して、指定した刻み幅で前処理を実行するようにしてもよい。またパラメータ1102はその他の態様で設定してもよい。
図13に閾値パターンデータ413の一例を示している。閾値パターンデータ413には、分析装置103が分析対象2について異常の有無又は異常予兆の有無の判定を行う際に用いる判定方法のパターン(以下、閾値パターンと称する。)の定義情報が管理される。同図に示すように、閾値パターンデータ413は、閾値パターンID1201、閾値1202、単位時間1203、回数上限1204、及び継続時間1205の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。
閾値パターンID1201には、閾値パターンの識別子(以下、閾値パターンIDと称する。)が設定される。閾値1202、単位時間1203、回数上限1204、及び継続時間1205の各項目には、夫々を選択するか否かを示す情報が設定される(本例では、選択する場合は「○」が設定され、選択しない場合は「−」が設定される)。
同図において、例えば、閾値パターンID1201が「T1」の閾値パターンでは、閾値1202のみが選択されている。この閾値パターンが指定された場合、分析装置103は、算出した指標値704が閾値を超えている場合に異常又は異常予兆が有ると判定する。
また例えば、閾値パターンID1201が「T2」の閾値パターンでは、閾値1202、単位時間1203、及び回数上限1204が選択されている。この閾値パターンが指定された場合、分析装置103は、算出した指標値704が単位時間当たりに閾値を超えた回数を回数上限1204の値と比較することにより、異常の有無又は異常予兆の有無を判定する。
図14に選択組合せ登録データ414の一例を示している。同図に示すように、選択組合せ登録データ414は、選択組合せID1401、分析目的1402、前処理方法1403、分析方法1404、閾値1405、測定項目1406、及び系列グループID1407の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。
上記項目のうち、選択組合せID1401には、分析目的、方法組合せ、及び系列グループの組合せごとに付与される識別子(以下、選択組合せIDと称する。)が設定される。
分析目的1402には、分析目的を示す情報が設定される。前処理方法1403には、前処理方法を特定する情報が設定される。分析方法1404には、分析方法を特定する情報が設定される。閾値1405には、分析装置103が異常の有無又は異常予兆の有無を判定する際に参照する閾値に関する情報が設定される。測定項目1406には、分析処理で用いる測定項目を示す情報が設定される。系列グループID1407には、前述した系列グループIDが設定される。
図15に系列データ属性データ415の一例を示している。取得データ(即ち、分析対象データ)は、系列の異なる複数のグループのデータを含む。以下、上記グループのことを系列グループと称し、系列グループに属するデータ群のことを系列データと称する。
同図に示すように、系列データ属性データ415は、系列データID1501、系列データ名1502、測定位置1503、測定項目1504、及び属性情報1505の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。系列データ属性データ415の一つのレコードは一つの系列データに対応している。
上記項目のうち、系列データID1501には、系列データごとに付与される識別子(以下、系列データIDと称する。)が設定される。系列データ名1502には、系列データに付される名称(以下、系列データ名と称する。)が設定される。測定位置1503には、当該系列データのデータが測定された位置(例えば、各種センサ3の設置位置等)を示す情報(以下、測定位置情報と称する。)が設定される。測定項目1504には、測定項目(例えば、振動値や温度等)が設定される。属性情報1505には、データの単位(例えばmm/sや℃等)等、対応する系列データの属性に関する情報(以下、属性情報と称する。)が設定される。
図16に系列グループ登録データ416の一例を示している。系列グループ登録データ416には、分析装置103が分析処理を行う際に用いるデータ群(即ち、系列データのグループ。以下、系列グループと称する。)が登録される。
同図に示すように、系列グループ登録データ416は、系列グループID1601、系列データ名1602、測定位置1603、及び測定項目1604の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。系列グループ登録データ416の一つのレコードは一つの系列データに対応している。
上記項目のうち、系列グループID1601には、系列グループの識別子(以下、系列グループIDと称する。)が設定される。系列データ名1602には、前述した系列データ名が設定される。測定位置1603には、前述した測定位置情報が設定される。測定項目1604には、前述した測定項目が設定される。本構成により、各系列グループに属する系列データの管理が可能である。尚、任意の系列データは複数の系列グループに属しても構わない。
図17に重み付けデータ417の一例を示している。同図に示すように、重み付けデータ417は、時間1701及び重み1702の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。重み付けデータ417の詳細については後述する。
図18に初期設定データ418の一例を示している。初期設定データ418には、ユーザが初期設定に際して設定した各種の情報が管理される。同図に示すように、初期設定データ418は、初期設定ID1801、分析目的1802、分析対象1803、及び詳細1804の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。これらの項目には、初期設定に際してユーザが入力した値が設定される。
続いて、データ分析システム1において行われる処理について説明する。データ分析システム1の導入時等においては、まずユーザ等が初期設定を行い、方法組合せと系列グループの組合せの中から、試行する組合せを指定する。データ分析システム1は、指定された組合せの夫々に対応する処理を実行する。そしてデータ分析システム1は、随時(例えば、定期的、異常等の事象発生時、又はシステムユーザの要求時等)、各組合せについて分析性能の評価を行い、各組合せの見直しを行う。
図19は、データ分析システム1の導入時等に行われる、分析装置103の初期設定に関する処理(以下、初期設定処理S1900と称する。)を説明するシーケンス図である。尚、以下の説明において、符号の先頭に付している「S」の文字は処理ステップを意味する。
まず分析装置103の組合せ決定部406は、入出力装置105を介して分析目的及び分析対象の入力を受け付け(S1901)、分析目的及び分析対象に対応する推奨組合せのデータの提供をデータ管理装置102に要求する(S1902)。
データ管理装置102の推奨組合せ検索部306は、上記要求を受信すると、推奨組合せ登録データ312から、上記要求で指定されている分析目的及び分析対象に対応するデータを検索する(S1903)。推奨組合せ検索部306は、検索の結果、推奨組合せが検索された場合はその推奨組合せを、推奨組合せが検索されなければ推奨組合せ無しという結果を、分析装置103に送信する(S1904)。
分析装置103の組合せ決定部406は、推奨組合せの有無を確認する(S1905)。推奨組合せを受信した場合は(S1905:YES)、組合せ決定部406は、受信した推奨組合せを入出力装置105に表示する(S1906)。また推奨組合せをユーザに提示する際、各推奨組合せの分析性能に関する情報を提示してもよい。また推奨組合せが無ければ(S1905:NO)、組合せ決定部406は、例えば、可能な全ての方法組合せと系列データの組み合わせを暫定的に選択し、全ての組合せを選択したことを示す情報を入出力装置105に表示する(S1907)。
続いて、組合せ決定部406は、入出力装置105を介して受け付けたユーザの操作入力(即ち、推奨組合せ又は全ての組合せの中からの選択操作)に基づき方法組合せを決定するとともに(S1908)、分析処理に用いる系列グループを決定する(S1909)。
続いて、組合せ決定部406は、決定した組合せに基づく前処理方法をデータ前処理装置101に送信(即ち、指示)する(S1910)。
続いて、組合せ決定部406は、以上の処理で設定された情報を初期設定データ418として記憶する(S1911)。
図20及び図21は、分析装置103が、初期設定処理S1900に際し入出力装置105を介してユーザに提示する画面(以下、初期設定画面2000と称する。)の一例である。尚、図20は、推奨組合せが存在しない場合の例であり、図21は、推奨組合せが存在する場合の例である。
まず図20について説明する。同図に示すように、この初期設定画面2000は、分析目的入力欄2001、分析対象入力欄2002、測定項目登録欄2003、分析方法指定欄2004、及び組合せ選択欄2005を有する。
分析目的入力欄2001には、分析目的(例えば、機器異常予兆検出、作業工程異常監視、又は品質推定等)が入力される。尚、分析目的入力欄2001は、例えば、プルダウンメニューによる選択や直接入力により設定できるようにしてもよい。
分析対象入力欄2002には、分析対象2に関する情報(例えば、装置種別、機器名称、又は分析する対象の現象等)が入力される。これらはプルダウンによる選択、又は直接入力等により設定可能としてもよい。また装置種別は、目的を設定すると、目的に対応する装置がプルダウンに表示されるようにしてもよい。また装置種別の選択により、対応する機器名称がプルダウンに表示され、機器名称の選択により対応する対象現象がプルダウンに表示されるようにしてもよい。分析対象入力欄2002の各欄は空欄のままでもよい。
ユーザが、分析目的入力欄2001及び分析対象入力欄2002に内容を入力して決定ボタン2006を操作すると、測定項目登録欄2003a、及び分析方法指定欄2004が表示される。
測定項目登録欄2003aにおいて、ユーザはデータ分析システム1に入力可能な測定値を選択する。ユーザが、分析方法指定欄2004において全ての組合せで実行ボタン2007を操作すると全ての組合せが選択され、組合せ決定となる(図19のS1908)。分析方法指定欄2004において、ユーザが、組合せを選択ボタン2008を操作すると、組合せ選択欄2005が表示され、前処理方法、分析方法、異常の有無又は異常予兆の有無の判定に用いる閾値、及び測定項目の指定が可能な状態となる。
組合せ選択欄2005のチェック欄2009は、組合せの選択欄であり、表示された組合せによる分析を選択するか否かの判定に用いる。選択組合せID2010には、前述した選択組合せIDが設定される。
前処理2011、分析方法2012、閾値2013、及び測定項目2014は、ユーザが夫々の項目を選択する欄である。ユーザが各項目を設定し、決定ボタン2015を操作すると組合せ決定となる(図19のS1908)。尚、測定項目2014において、測定項目登録欄2003aで登録した項目以外の項目は必ずしも表示しなくてもよい。
分析対象入力欄2002は、分析目的の入力終了後に表示するようにしてもよい。また測定項目登録欄2003、分析方法指定欄2004、及び組合せ選択欄2005は、分析対象入力欄2002の入力終了後に表示するようにしてもよい。また必ずしも全ての要素を表示しなくてもよい。また必ずしも全ての入力欄を記入しなくても良く、空欄が存在してもよい。
続いて、図21とともに推奨組合せが存在する場合の初期設定画面2000について説明する。
推奨組合せが存在する場合、ユーザが分析目的入力欄2001、及び分析対象入力欄2002へ入力を行い、決定ボタン2006を操作すると、測定項目登録欄2003bに推奨の測定項目が表示される。
推奨分析方法選択欄2101には、推奨する組合せが表示される。更に追加して分析を実行したい組合せがある場合、ユーザは、追加組合せ選択欄2102において、前処理、分析方法、閾値、及び測定項目を指定する。
推奨分析方法選択欄2101及び追加組合せ選択欄2102において、ユーザがチェックを付して決定ボタン2105を操作すると組合せ決定となる(図19のS1908)。全ての組合せで実行ボタン2104を操作して全ての組合せを選択してもよい。
図22は、入出力装置105が系列データの属性を読み込む際に入出力装置105が表示する画面(以下、系列データ属性入力画面2200と称する。)の一例である。
同図に示すように、系列データ属性入力画面2200には、系列データID2201、系列データ名2202、測定位置2203、測定項目2204、及び属性情報2205、ファイル読み込み部2206の各項目の入力欄が設けられている。
上記項目のうち、系列データID2201には、系列データIDが設定される。系列データ名2202は、前述した系列データ名が設定される。測定位置2203には測定位置情報が設定される。測定項目2204には、前述した測定項目が設定される。属性情報2205には、前述した属性情報が設定される。属性データは、系列データごとに入力画面から入力してもよいし、ファイル読み込み部2206を用いて属性データが記載されたファイルを読み込むようにしてもよい。
図23は、ユーザが方法組合せの夫々に用いる系列グループ(即ち、一つ以上の系列データ)を指定する際に入出力装置105が表示する画面(以下、系列グループ指定画面2300と称する。)である。同図に示すように、系列グループ指定画面2300は、方法組合せ指定欄2301、及び分析対象系列選択欄2302(図23の例では、2302a、及び2302b)を有する。
方法組合せ指定欄2301において、ユーザは、図20の組合せ選択欄2005、図21の推奨分析方法選択欄2101、及び図21の追加組合せ選択欄2102にて選択した方法組合せの中から、系列グループを設定しようとする方法組合せを選択する。
分析対象系列選択欄2302は、選択欄2303にチェックを付することにより、組合せ指定欄2301で選択した方法組合せについて用いる系列データを一つ以上指定する。
系列名2304、測定位置2305、及び測定項目2306には、図22の系列データ属性入力画面2200で読み込んだ内容が表示される。尚、これらの項目(即ち、符号2304〜2306)の設定に際しては、検索機能や整列機能、又は条件指定によるフィルタリング等を併用できるようにしてもよい。また選択欄2303は一括してチェックできるようにしてもよい。
この例では、方法組合せIDが「A1」及び「B1」の組合せの双方について、グループ1で指定した系列データを用いた分析及びグループ2で指定した系列データを用いた分析処理を行うように指定されている。尚、組合せ指定欄2301における方法組合せIDについては、例えば、簡単な操作で全ての組合せを指定できるようにしてもよい。また組合せ指定追加ボタンやグループ追加ボタンにより、組合せや系列グループを随時追加できるようにしてもよい。
分析装置103の組合せ決定部406は、初期設定画面2000の分析目的入力欄2001及び分析対象入力欄2002に設定された情報を初期設定データ418として、また組合せ選択欄2005、推奨分析方法選択欄2101、及び追加組合せ選択欄2102に入力された情報を選択組合せ登録データ414として、また系列データ属性入力画面2200を介して設定された情報を系列データ属性データ415として、また系列グループ指定画面2300に設定された情報を系列グループ登録データ416として、夫々記憶する。
図24は、分析装置103が分析処理を行う際にデータ分析システム1において行われる処理(以下、分析処理S2400と称する。)を説明するシーケンス図である。以下、同図とともに分析処理S2400について説明する。
同図に示すように、各種センサ3からデータ前処理装置101に対して取得データが送信される(S2401〜S2402)。
データ前処理装置101のデータ前処理部206は、各種センサ3から受信した取得データに対して、図19のS1910で分析装置103から指示された一つ以上の前処理方法で前処理を行い(S2403)、生成された分析対象データをデータ管理装置102に送信する(S2404)。
データ管理装置102は、受信した分析対象データを分析対象データ308として記憶するとともに(S2405)、当該分析対象データを分析装置103に送信する(S2406)。
分析装置103の分析処理部408は、データ管理装置102から受信した分析対象データを分析対象データ419として記憶し、分析対象データ419に対して、初期設定や後述する組合せの見直しにおいて決定された組合せに基づき分析処理を行い、分析対象2の異常の程度を表す指標値を算出する(S2407)。
また分析処理部408は、閾値パターンに基づき分析対象2の異常の有無又は異常予兆の有無を判定し(S2408)、判定の結果、警告(即ち、アラート)が必要であれば警告を入出力装置105に出力する(S2409)。
続いて、分析処理部408は、分析結果をデータ管理装置102に送信し(S2410)、データ管理装置102は、受信した分析結果を分析結果データ310として記憶する(S2411)。
図25は、分析装置103が分析性能の算出及び組合せの見直しに関する処理を行う際にデータ分析システム1において行われる処理(以下、分析性能算出&見直し処理S2500と称する。)の一例を示すシーケンス図である。以下、同図とともに分析性能算出&見直し処理S2500について説明する。
ユーザが実事象データを入力すると(S2501)、入出力装置105は、実事象データをデータ管理装置102に送信するとともに(S2502)、分析装置103に実事象データの入力通知を送信する(S2503)。
データ管理装置102は、受信した実事象データを実事象データ309として記憶する(S2504)。
分析装置103の性能算出部409は、実事象データの入力通知を受信すると、データ管理装置102に実事象データ及び分析結果データの提供要求を送信する(S2505)。尚、このとき、分析装置103の性能算出部409が時間範囲を指定して指定した時間範囲内の実事象データ及び分析結果データを要求するようにしてもよい。
データ管理装置102のデータ抽出部307は、上記提供要求を受信すると、実事象データ309及び分析結果データ310の夫々から要求されているデータを抽出し(S2506)、抽出したデータを分析装置103に送信する(S2507)。
分析装置103の性能算出部409は、受信した実事象データ及び分析結果データに基づき分析性能を算出する(S2508)。尚、この処理(以下、分析性能算出処理S2508と称する。)の詳細については後述する。
続いて、分析装置103の組合せ決定部406が組合せの見直しを行う(S2509)。尚、この処理(以下、組合せ見直し処理S2509と称する。)の詳細については後述する。
続いて、組合せ決定部406は、算出した分析性能の情報(以下、分析性能算出結果データと称する。)をデータ管理装置102に送信するとともに(S2510)、データ前処理装置101に見直し後の前処理方法の指示を行う(S2512)。
尚、性能算出方法は分析目的によって異なってもよい。その場合、性能算出部409は、分析目的ごとの性能算出方法を実行し、分析目的に適した性能算出方法を用いて分析性能を算出する。
データ管理装置102は、分析性能算出結果データを受信すると、受信した分析性能算出結果データを分析性能算出結果データ311として記憶する(S2511)。またデータ管理装置102は、性能が上位の組合せを推奨組合せ登録データ312に記憶する(S2511)。
尚、例えば、分析装置103が、データ管理装置102に対し、分析目的及び分析対象2等の情報とともに性能上位の組合せを推奨組合せとして通知し、これをデータ管理装置102が推奨組合せ登録データ312として登録するようにしてもよい。また図25では、実事象データの入力(S2501)を契機として性能算出、及び方法組合せの見直しを行う例を示したが、本処理は、定期的に、もしくはユーザの要求を契機として実行するようにしてもよい。
続いて、図25に示した分析性能算出処理S2508について詳述する。尚、一般に異常予兆検出においては、異常予兆の検出時点から実際に障害が発生するまでの時間に余裕があることが望ましい。そこで以下においては、異常予兆の検出時点から障害が発生するまでの時間に応じた重み付けを行って分析性能を算出する場合を例として説明する。
図26は、上記重み付けの設定に際して入出力装置105が表示する画面(以下、重み付け設定画面2600と称する。)の一例である。同図に示すように、重み付け設定画面2600は、基本情報入力欄2602、重み付け設定欄2603、及び重み付けグラフ表示欄2604を有する。
基本情報入力欄2602に、ユーザが、メンテナンス頻度・間隔、及び装置停止に要する時間を入力し、OKボタン2605を操作すると、分析装置103の重み算出部407が、入力された情報に基づき重みを算出し、重み付け表2606を生成する。尚、重み算出部407は、同図に示すような重み付けグラフ2607を表示して重み付けの内容を可視化するようにしてもよい。またユーザが重み付け表2606、又は重み付けグラフ2607を操作して重みを容易に変更できるようにしてもよい。またユーザが重み付け表2606又は重み付けグラフ2607の一方を修正すると他方に自動的に同じ修正が反映されるようにしてもよい。ユーザが決定ボタン2608を操作すると、重み算出部407は、重み付け設定画面2600に入力された内容を重み付けデータ417として記憶する。
尚、この例では4つの時間を指定しているが、時間指定の態様は必ずしも限定されない。また重み付け表2606で指定(即ち、設定)された時間に基づき、各指定時間の間の時間に対する重みを一時関数等で自動的に内挿するようにしてもよい。重み付けの設定は、例えば、前述した初期設定時に行うようにしてもよい。
図27は、分析目的が異常予兆検知である場合における、図25の分析性能算出処理S2508の一例を説明するフローチャートである。以下、同図とともに分析性能算出処理S2508について説明する。
まず分析装置103の性能算出部409は、分析を実施した一つ以上の組合せ(即ち、方法組合せ、及び系列グループの組合せ)の中から一つの組合せを選択する(S2701)。次に、性能算出部409は、実事象データ309の未選択のレコードのうち発生日時601が最先のレコードを選択し(S2702)、分析結果データ310の未選択のレコードのうち警告有無705に「有」が設定されており、かつ、データ取得日時701が最先のレコードを選択する(S2703)。尚、分析性能算出処理S2508において、アラートありのレコードとは、分析性能算出中の組合せ(即ち、方法組合せ、及び系列グループの組合せ)による分析の結果としてアラートが設定されたレコードを示す。
続いて、性能算出部409は、選択中の分析結果データ310のレコードのデータ取得日時701(以下、アラート発生日時とも称する。)と選択中の実事象データ309のレコードの発生日時601(以下、障害発生日時とも称する。)との前後関係を比較する(S2704)。
比較の結果、「アラート発生日時>障害発生日時」である場合(S2704:No)、性能算出部409は、見逃し数に1を加算し(S2715)、選択中の実事象データ309のレコードよりも発生日時601が後である実事象データ309のレコードの有無(障害の有無)を判定し(S2716)、もしレコードが有れば(S2716:YES)そのレコードを選択し(S2717)、S2704の処理に戻る。一方、レコードが無ければ(S2716:NO)、性能算出部409は、誤報数に警告有無705に「有」が設定されている未選択の分析結果データ310のレコード(選択中の分析結果データ310のレコードを含む)の数を加算し(S2718)、その後はS2712の処理に進む。
S2704において、「アラート発生日時≦障害発生日時」である場合(S2704:YES)、性能算出部409は、アラートが発生した後の一定期間(例えば、図26の符号2606におけるタイムアウトの時間)内の障害発生の有無(即ち、そのような実事象データ309のレコードの有無)を確認する(S2705)。
一定時間以内に障害が発生していない場合(S2705:NO)、性能算出部409は、誤報数に1を加算し(S2719)、その後はS2709の処理に進む。
一方、一定時間以内に障害が発生していれば(S2705:YES)、性能算出部409は、選択中の分析結果データ310のデータ取得日時701(即ち、アラート発生日時)から障害の発生日時601までの時間に応じた重みを決定し(S2706)、決定した重みを重み合計に加算するとともに、検出数に1を加算する(S2707)。
続いて、性能算出部409は、選択中の分析結果データのレコードから当該障害の発生日時601までのレコードを全てスキップする(即ち、選択中の分析結果データのレコードから当該障害の発生日時601までのレコードを全て選択済にする)(S2708)。
続いて、性能算出部409は、発生日時601が更に後の実事象データのレコードの有無(即ち、障害の有無)を判定する(S2709)。次のレコードがない場合(即ち、後の障害がない場合)(S2709:NO)、性能算出部409は、誤報数に未選択アラートの数(即ち、警告有無705に「有」が設定されている未選択の分析結果データのレコードの数)を加算し(S2720)、その後はS2712の処理に進む。
一方、次の障害がある場合(S2709:YES)、性能算出部409は、未選択アラートの有無(即ち、警告有無705に「有」が設定されている未選択の分析結果データのレコードの有無)を判定し(S2711)、未選択のアラートが存在する場合(S2711:YES)、S2703の処理に戻る。一方、未選択アラートが存在しない場合(S2711:NO)、処理はS2712に進む。
S2712では、性能算出部409は、見逃し数に未選択の実事象データのレコードの数(即ち、未選択の障害の数)を加算する。
続いて、性能算出部409は、例えば、以下の式から各種の性能の値を算出する(S2713)。
再現率=重み合計/障害発生数 ・・・式1
適合率=検出数/(検出数+誤報数) ・・・式2
F値=(2×適合率×再現率)/(適合率+再現率) ・・・式3
続いて、性能算出部409は、分析を実施した一つ以上の組合せ(即ち、方法組合せ、及び系列グループの組合せ)のうち、未処理の組合せの有無を判定する(S2714)。未選択の組合せが有れば(S2714:YES)、S2701の処理に戻り、未選択の組合せが無ければ(S2714:NO)、処理は終了する。
以上の処理により、性能算出部409は、見逃し数、誤報数、再現率、適合率、及びF値を組合せ(即ち、方法組合せと系列データの組合せ)ごとに算出する。また性能算出部409が、組合せごとに、重みの平均及び分散、又は所定の単位時間当たりの誤報数等を算出するようにしてもよい。またその場合、性能算出部409が、障害の見逃しに対する重みを0として平均及び分散を求めるようにしてもよい。性能算出部409は、これらの性能情報を、分析目的や分析対象2等の情報とともにデータ管理装置102に送信し、データ管理装置102は、分析性能算出結果データ311に情報を蓄積する。障害情報には、実際に発生した障害だけではなく、メンテナンスの情報を基に、修理や部品交換等を行わなかった場合に発生したであろう障害を反映してもよい。このようにメンテナンス情報を含めることで、警告の発生を受けてメンテナンスを行って障害発生を事前に回避したような場合も含めて分析性能を精度よく算出することが可能になる。
続いて、図25に示した組合せ見直し処理S2509について詳述する。
図28は、図25の組合せ見直し処理S2509において入出力装置105が表示する画面(以下、組合せ見直し画面2800と称する。)の一例である。同図に示すように、組合せ見直し画面2800には、No.2802、選択欄2803、組合せの識別子2804、分析に用いた系列グループ2805、前処理方法2806、分析方法2807、及び閾値2808、分析性能(再現率2809、適合率2810、F値2811、重み平均2812、重み分散2813、及び単位時間当たりの誤報数2814等)の各項目を有する行形式設定欄が設けられている。同図における一つの行は一つの組合せに対応している。
尚、各組合せは、例えば、再現率、適合率等の数値の大きさに基づき、昇順、又は降順に整列して表示してもよい。また各項目の値に応じてフィルタリングを行ってもよい。整列やフィルタリングを行った結果が出力されることで、ユーザは、例えば、分析性能の上位の組合せを容易に把握することができる。ユーザが、選択欄2803にチェックを設定して決定ボタン2815を操作すると、組合せ決定部406は、チェックされた組合せを記憶し、分析処理部408は当該組合せに基づいて処理を行う。
この例ではユーザが組合せの内容を選択するが、ユーザが指定した方法に従って組合せ決定部406が自動的に組合せを選択するようにしてもよい。
図29は、組合せ決定部406が自動的に組合せを構成する場合に入出力装置105が表示する画面(以下、選択方法指定画面2900と称する。)の一例である。同図に示すように、選択方法指定画面2900は、選択欄2902、及び組合せ選択方法設定欄2903を含む。ユーザは、選択欄2902にチェックを入力することにより組合せの選択方法を一つ以上選択することができる。組合せの見直しに際し、性能算出部409は、選択方法指定画面2900でユーザが指定した選択方法に従い自動的に組合せの内容を設定する。尚、ユーザが選択方法指定画面2900に設定した内容(即ち、条件)を満たす組合せが存在しない場合、組合せ決定部406が、F値優先、又は、重みつき再現率優先等を条件として上位の所定数の組合せを自動的に選択するようにしてもよい。
また組合せ決定部406が、組合せを、例えば、分析性能算出処理S2508で決定した実事象ごとの重みの分布に基づき自動的に選択するようにしてもよい。
図30は、組合せ決定部406が、決定した実事象ごとの重み(S2706)の分布に基づき自動的に方法組合せの内容を選択する際に参照するデータ(以下、重み記録データ3000と称する。)の一例である。同図に示すように、重み記録データ3000は、実事象3002、方法組合せID3003、系列グループID3004、及び重み3005を含む。また実事象3002は、No.3006、内容3007、及び場所3008の各項目を含む。
No.3006には実事象の識別子が、内容3007には実事象の内容を示す情報が、場所3008には実事象の発生位置を示す情報が、夫々設定される。また方法組合せID3003には方法組合せIDが、系列グループID3004には系列グループIDが、重み3005には図27のS2706で組合せ決定部406が決定した重みが設定される。
組合せ決定部406が、例えば、重みの平均値や分散値、99%値等に対する条件等を指定して組合せごとに重みの値を算出し、条件を満たす組合せを選択するようにしてもよい。これによれば、例えば、重みを、値が「1」に近いほど予兆が早く検出されたことを示し、値が「0」に近いほど予兆の検出が遅いことを示すように設定した場合、99%値が0.7以上となる、重みが0.5以上である割合が90%となる等の任意の条件を用いて組合せを選択することが可能になる。
また例えば、分析性能が上位所定%(例えば20%)の組合せを選択して推奨組合せとして学習しつつ、他の組合せ(例えば、分析性能が上位の20%×2)についても試行して絞り込むようにしてもよい。また分析性能の評価で性能下位の数%を毎回除外していくことにより、徐々に組合せを絞り込むようにしてもよい。組合せの見直しは分析性能の評価の度に必ずしも行わなくてもよく、分析処理を開始した後の一定期間や一定回数、又は、組合せの数が絞り込めた段階で終了する等してもよい。また再現率やF値等の値が高い組合せを推奨組合せとして学習するようにしてもよい。また以上では、各種センサ3を用いて収集したデータを用いた異常予兆検出を例として説明したが、分析対象データは、例えば、機器が備えるプロセッサの負荷や稼働時間、又は画像データ等、他の方法で収集したものであってもよい。前処理方法、分析方法、及び閾値パターンは、データ分析システム1の稼動後においても、ユーザが追加、及び削除することができるようにしてもよい。
また前処理方法は必ずしも系列グループごとに同じ方法を選択する必要はなく、測定項目ごとに異なる前処理方法を選択できるようにしてもよい。またデータ分析システム1は、一つ以上の分析対象2について分析を行うことが可能な構成としてもよい。
また新たなデータ分析システム1の構築時において、分析対象2に対して既に収集済みの分析対象データが存在する場合、収集済みの分析対象データを用いて分析処理S2400や分析性能算出&見直し処理S2500を行い、性能のよい方法を選択して以降のデータ分析を行うようにしてもよい。これによりデータ分析システム1を構築する際のリードタイムを短縮することが可能になる。
また複数のデータ分析システム1を通信可能に接続し、複数のデータ分析システム1が推奨組合せの情報を共有するようにしてもよい。例えば、データ管理装置102に推奨組合せの情報を共有する機能を設け、各データ分析システム1のデータ管理装置102が推奨組合せ登録データ312の情報を送受信し合うことにより、推奨組合せの情報を共有するようにする。また同じ推奨組合せ登録データ312を各データ分析システム1が共有するようにしてもよい。これにより例えば、既存のデータ分析システム1において分析目的や対象機器ごとに学習した性能情報を新たに構築した他のデータ分析システム1に活用することができ、他のデータ分析システム1において分析性能が上位の組合せを容易に特定することができる。また分析性能が上位の組合せを優先して試行する事により、新たなデータ分析システム1を構築する際のリードタイムを短縮することができ、新たなデータ分析システム1を構築する際のリソースの消費量も削減することができる。
また複数のデータ分析システム1間でデータを送受信する構成とした場合、各データ分析システム1のデータ前処理装置101、データ管理装置102、分析装置103、及び入出力装置105については、全部又は一部の構成が一つ以上の他のデータ分析システム1との間で共有されるようにしてもよい。これにより例えば、各データ分析システム1の間で、夫々が保有する余剰のリソースを融通しあう事が可能になり、各データ分析システム1のリソースを有効に利用することができる。
また分析装置103が、前処理方法、分析方法、及び閾値パターンに加え、分析目的ごとの複数の組合せ(即ち、前処理方法、分析方法、閾値パターン、及び各パラメータの組合せ)を設定して予め保持(即ち、記憶)するようにしてもよい。上記組合せは、経験的に得られた知見に基づくものであってもよい。組合せ決定部406は、例えば、推奨組合せ登録データ312にデータが蓄積されておらず、データ管理装置102から推奨の組合せを得られなかった時に、予め設定された組合せとして提示する。これによれば、データ分析システム1で学習したデータ以外の知見を利用することが可能になり、推奨組合せが登録されていない場合でも、全組合せを実行することなく、高性能が期待できる組合せを選択的に実行することが可能になる。
以上に説明したように、本実施形態のデータ分析システム1によれば、方法組合せ(即ち、前処理方法、分析方法、パラメータ)と系列グループ(即ち、一つ以上の系列データ)との最適な組合せを選択することが可能になる。また分析目的及び分析対象について、方法組合せと系列グループとの最適な組合せを選択することが可能になる。またシステム構築者等のユーザの技量に左右されることなく、分析目的に応じて性能の高い組合せを選択することが可能になる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、分析目的が異常予兆検出である場合を例として説明したが、第2実施形態では分析目的が作業工程管理である場合について説明する。第2実施形態のデータ分析システム1の基本的な構成、及びデータ分析システム1が行う処理の流れは、第1実施形態と基本的に同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図31は、第2実施形態の初期設定処理S1900に際して入出力装置105が表示する初期設定画面2000の一例である。第1実施形態と同様、第2実施形態の初期設定画面2000についても、分析目的入力欄2001、分析対象入力欄2002、測定項目登録欄2003c、分析方法指定欄2004、組合せ選択欄2005、推奨分析方法選択欄2101、及び追加組合せ選択欄2102を有する。これらについては第1実施形態と同様であるので説明を省略する。尚、測定項目登録欄2003cにおける推奨測定項目は、分析目的入力欄2001、及び分析対象入力欄2002等に合わせて、第1実施形態と異なる測定項目が表示されてもよい。
同図に示すように、この例では、分析目的を「作業工程管理」、分析対象を「ライン」、作業内容を「組立作業」とし、分析詳細は、「作業異常」及び「効率」としている。本例のように、分析詳細は必ずしも1つでなく、複数指定してもよい。「作業異常」は、例えば、「作業工程の順番間違え」、「工程抜け」、「余計な工程が入る」、及び「工程は正しいが失敗した」等である。また「効率」とは、例えば、「材料を取りに行く回数」や、「材料を載せる台を倒した」等の失敗の回数等である。
図32は、第2実施形態における分析性能算出処理S2508を説明するフローチャートである。以下、同図とともに説明する。
同図におけるS3201〜S3204の処理は、図27のS2701〜S2704の処理と同様であるので説明を省略する。
S3215では、性能算出部409は、見逃し数に1を、作業異常の種別ごとの見逃し数に1を、夫々加算する。
S3216〜S3217の処理は、図27のS2716〜S2717の処理と同様であるので説明を省略する。
S3218では、性能算出部409は、誤報数、及び作業異常種別ごとの誤報数の夫々に選択中のアラートも含めて未選択アラートの数を加算し、その後はS3212に進む。
S3205では、性能算出部409は、アラート発生日時と作業異常発生日時が一致するか否かを判定する。アラート発生日時と作業異常発生日時が一致しない場合(S3205:NO)、性能算出部409は、誤報数に1を、作業異常種別ごとの誤報数に1を、夫々加算し(S3219)、その後はS3209の処理に進む。アラート発生日時と作業異常発生日時が一致する場合(S3205:YES)、性能算出部409は、検出数に1を、作業異常種別ごとの検出数に1を、夫々加算し(S3206)、その後はS3209の処理に進む。
S3209〜S3211の処理は、図27のS2709〜S2711の処理と同様であるので説明を省略する。
S3220では、性能算出部409は、誤報数、及び作業以上種別ごとの誤報数に未選択アラートの数を夫々加算し、その後はS3212の処理に進む。
S3212では、性能算出部409は、見逃し数に、未選択の実事象データのレコードの数(即ち、未選択の障害の数)を、作業異常種別ごとの見逃し数に、未選択の実事象データのレコードの数(即ち、未選択の障害の数)を、夫々加算する。
続くS3213では、性能算出部409は、再現率、適合率、及びF値等を算出する。ここで性能算出部409は、適合率、及びF値については第1実施形態の式2、式3により算出し、再現率については次の式を用いて算出する。
再現率=検出数/障害発生数 ・・・式4
また性能算出部409は、作業異常種別ごとの再現率、適合率、及びF値についても、作業種別ごとの、見逃し数、誤報数、及び発生数を用いて、夫々式4、式2、式3により算出する。尚、このときに単位時間当たりの誤報数や他の指標値を算出してもよい。
続いて、性能算出部409は、分析を実施した一つ以上の組合せ(即ち、方法組合せ、及び系列グループの組合せ)で、未処理の組合せの有無を判定する(S3214)。未選択の組合せが有れば(S3214:YES)、S3201の処理に戻り、未選択の組合せが無ければ(S3214:NO)、処理は終了する。
尚、S3204及び3205の比較は必ずしも厳密なものでなくてもよく、実事象の日時記録の誤差を考慮し、多少のマージンをもって比較するようにしてもよい。また短時間に一つ以上のアラートが発生している場合、一つ以上のアラートをまとめて一つとカウントしてもよい。また実事象データには作業異常や作業台の転倒等の発生日時、及び事例の種別(即ち、順番間違え、工程抜け、及び作業台転倒当など)を含めてもよい。
図33は、第2実施形態における組合せ見直し画面2800の一例である。符号2802〜2811,2814で示す各項目については第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なり、第2実施形態の組合せ見直し画面2800には、重み平均2812、重み分散2813の項目は存在せず、作業異常種別2820の項目が別途設けられている。この組合せ見直し画面2800によれば、例えば、作業異常種別2820でフィルタリングすることにより特定の作業異常を選択し、その異常に最も適した組合せを選択するといったことが可能である。
第2実施形態のデータ分析システム1によれば、異常の種類の全体に対して分析性能のよい組合せと、異常の種類ごとに分析性能のよい組合せを、夫々一つ以上選択することが可能である。これによれば、作業異常の種類が多岐に渡り、全ての異常を網羅して検出する組合せがない場合でも、異常の種類ごとに分析性能のよい組合せを選択することができる。また作業異常の種別ごとに各組合せの分析性能を学習し、作業異常の検出性能を向上することができる。また学習した分析性能を、新規のデータ分析システム1の構築時に活用する場合、全体、及び作業異常ごとに、分析性能のよい組合せを効率的に選択することが可能になり、リードタイムの短縮、及び計算リソースの削減を図ることができる。更に組合せごとに検出する異常の種別が顕著に異なる場合、警告有と判定された組合せを調べることにより、異常の種別を推測することも可能になる。
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態における分析装置103を複数用いて負荷分散することにより処理性能の向上を図る。本実施形態では、複数の分析装置103のうちの一つを代表の分析装置103aとし、他の分析装置103を分析装置103bとして区別する。代表の分析装置103aには処理の割り当て機能を設ける。代表の分析装置103aは、他の分析装置103bの情報を管理し、処理を他の分析装置103bに割り当てることにより負荷分散を行う。
図34は、第2実施形態おける、第1実施形態の初期設定処理S1900に対応する処理(以下、初期設定処理S3400と称する。)を説明するシーケンス図である。
まず同図における符号S3401〜S3409までの処理は、分析装置103の処理を代表の分析装置103aが行っている点以外は図19のS1901〜S1909までの処理と同様であるので説明を省略する。
S3410では、代表の分析装置103aの組合せ決定部406(もしくは分析装置103aに処理割当部等を設けてもよい。)が、組合せの処理を複数の他の分析装置103bに割り当て(S3410)、割り当て結果を各分析装置103bに通知する(S3411)。また代表の分析装置103aの組合せ決定部406が、決定した組合せに基づく前処理方法を、データ前処理装置101に指示する(S3412)。
他の分析装置103bは、夫々、割り当てられた処理に対応する分析対象データ419をデータ管理装置102に要求し(S3413)、データ管理装置102は、要求された分析対象データ419を要求元の他の分析装置103bに送信する(S3414)。
S3415の処理は図19のS1911と同様であるので説明を省略する。
尚、他の分析装置103bは、分析処理S2400において、例えば、自身に割り当てられた処理(例えば、特定の方法組合せと系列グループの組合せについての処理)を行い、その結果を代表の分析装置103aに送信する。代表の分析装置103aは、他の分析装置103bの夫々から送られてくる処理結果を集約し、集約した情報に基づき分析性能算出&見直し処理S2500を行う。また代表の分析装置103aは、例えば、分析性能算出&見直し処理S2500の結果に基づき処理を他の分析装置103bに割り当て直し、その割り当て結果を他の分析装置103bに通知する。他の分析装置103bは、新たに割り当てられた処理を実行する。
以上のように組合せの処理を複数の分析装置103を用いて負荷分散することで、効率よく処理を実行することができ、ターンアラウンドタイムを短縮することができる。
以上、本発明について実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また上記実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることができる。
また上記の各構成、機能部、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また上記の各構成、機能等は、プロセッサが夫々の機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、またはICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また各図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも実装上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。例えば、実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また以上に説明した情報処理装置の各種機能部、各種処理部、各種データベースの配置形態は一例に過ぎない。各種機能部、各種処理部、各種データベースの配置形態は、各情報処理装置がハードウェアやソフトウェアの性能、処理効率、通信効率等の観点から最適な配置形態に変更し得る。
また前述した各種データベースの構成は、リソースの効率的な利用、処理効率向上、アクセス効率向上、検索効率向上等の観点から柔軟に変更し得る。
また以上に説明したデータは、テーブル構造に限るものではなく、夫々のデータを適切に関連付けて記憶できればよく、キュー構造やリスト構造等、他の構造で記録されてもよい。また値の記録方法として数値の他に、数式等を用いてもよい。また夫々のテーブルに記録される各項目は、用途に応じて異なってもよく、例として記載した項目に限定されない。またデータは複数の情報処理装置に分散配置されていてもよい。
また以上において、要素の数(例えば、個数、数値、量、及び範囲等)に言及する場合、とくに明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除いて、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
また以上の説明において、その構成要素(例えば、各機能、テーブル、及び要素ステップ等)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。
また以上に示した各処理は、リアルタイム処理に限らず、バッチ処理として実行されてもよい。
また以上に示した各実施形態は夫々を独立して適用してもよいし、複数の実施形態の全部又は一部を組み合せて適用してもよい。